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青山(雅)
委員 前回、
尾身会長にも私の方で提案しつつ、
尾身会長もその旨引用されたと思いますけれども、迅速抗原検査あるいは
PCR検査、これを複数回繰り返せば、相当程度信頼性の足りる結果が出てくると思っているんですね。
是非、そういうようなやり方を考えて、そしてまた
医療関係者の
ワクチン接種も併せて、双方の利益が合致するように、そして、何よりも妊産婦さんの不安を解消するように、是非
お願いしたいと思っております。
尾身会長にも御
意見をもう一度お伺いしようとも思いましたが、はっきりと
答弁されているところでございますし、是非、この間申し上げましたとおり、アドバイザリーボードの方でも、こういった細かい点についても、是非
国民が困らないような対策をお考えいただきたいと思いますので、その旨よろしく
お願いいたします。
そして次に、ここから、
尾身会長の御
意見あるいは
大臣の御
意見をじっくりとお聞きしたいところに入ってまいります。
九日の当
委員会で、
宮本議員の質問で、イギリスのデルタ株で、陽性者が増えていながら重症者や死亡者は増えていないイギリスの状況について質疑がありまして、
尾身会長は、イギリスの今の現状は、実は、私は今の日本にとっても非常に有益な教訓を与えてくれていると思いますと
答弁された上で、四十歳未満の
ワクチン接種率が低いこと、これは一〇%くらいと、ロックダウンを解除して行動が緩くなってきたという問題点を挙げられ、日本の場合も、
接種率を向上させて感染対策をしっかり続ける必要があるというふうにお答えになっております。
大変恐縮ながら、私はその
考え方ももちろんあるとは思いますけれども、そうしますと、それって少しゴールを見失っていないのかなと思います。例えばインフルエンザなどの方が感染者数というのははるかに多いわけですね、例年ですと。感染を抑えつけるのが目的ではなくて、本来は
医療体制を守るためなのが、この
社会的距離政策あるいは分科会、アドバイザリーボードの目的であったのではないかというふうに思うわけです。幾ら
社会的距離政策を取って陽性者を抑えても、このコロナという感染症は恐らく近々には日本からも世界からも根絶できないと思っているんです。
このことは、四月十六日の当
委員会で、私、
尾身先生と議論させていただいて、私がこうお尋ねしました。数だけで今まで大騒ぎをするところがあるわけですね、一日当たりが最高の何人になった、千二百人になった、千百人を突破したと、ただ、その発想はもう取りやめて、病床数との兼ね合い、
医療が逼迫するかどうか、
医療を圧迫するかどうかというところにやはり主眼を置き換えていく、それは我々もそうですし、マスコミも是非そうしてもらいたいと思うわけですけれどもと先生にお尋ねしました。
これに対して先生は、一つは、感染の数だけではなく、
医療供給体制の逼迫度というものがより重要じゃないかという
意見です、私はもうそれは大賛成で、先日分科会で新たな指標とか提言を出したときに、これは読んでいただいていると思いますけれども、結局、今回のような蔓延防止等重点措置なんかを発出する時期について、かなり詳しく提案させていただいたと。確かにそのとおりです。病床数を大変強い指標としておられる。
ところが、少し、最近、私はその
考え方がぶれてきているんじゃないかなと思うのは、もうとにかく感染者数を抑えると。例えば東京なども、確かに感染者数は下がっておりまして、今日チェックしましたら、重症者は五十五人なんですね。非常に余裕があるわけですよ。その視点から見ると、なぜ今まだこの緊急事態宣言を続ける必要があるのか、そして、感染者数を見ても、前に解除されているときとほぼ同じレベルなのに、更に慎重の上に慎重というような
対応になっているのか。私は、少し、変異株のあおりで、世間一般それから分科会、アドバイザリーボードも流されてきてしまっているんじゃないかと思っているんですね。
資料2を御覧いただきたいんですけれども、これは、厚労省が毎週発表されています年代別の致死率、これを表にしたものです。致死率というのは、罹患した人の中で亡くなる方が何人か。これを見ると、変異株がはやっていて、重症化する、致死率が高くなるといえば上がるはずなんですが、見ていただければお分かりのとおり、右肩下がりで、若干凸凹しながらもまた下がり始めている。今が一・五%です。これは二〇二〇年の八月二十六日で何%だったかというと、一・九%なんですよ、実は。
もっと驚くのは、資料、ちょっと飛ばして、6を御覧いただきたいんですけれども、これは厚労省が発表している限りで一番遡って、過去の致死率がどうだったかというと、これは去年の六月二十四日、このときは全体の死亡率って五・四%もあったんですよ。つまり、変異を繰り返して、RNAウイルスですから変異を繰り返すわけですけれども、実は今、致死率が三分の一以下に下がっているんです。
こういう状況の中でありながら、感染者数のみを指標として、このコロナという病気を根絶させなければ
社会的距離政策を続けるかのような、あるいは人流を抑制し続けるようなやり方を続けるのが妥当かという話なんですね。
一方では、
政府、
自治体、
医療関係者の御努力で病床数も増えてきているわけです。前回の
委員会でも御
紹介しましたけれども、アメリカは、
ワクチン接種者は既にマスク着用すら不要ということで、
皆さんマスクを着用しないで、十四万人を集めてインディ五〇〇が行われ、全米プロゴルフも、それから、ちょっと遡ると、四万人のスーパーボウルもやっているわけです。人流なんかもう幾らでも湧いてきているわけですよ。
どうなっているかというと、資料3を御覧いただきたいんですけれども、これはアメリカです、アメリカの新規陽性者数、もうどんどん下がっています。死亡者数ももう本当にどんどん下がっている。
じゃ、日本はどうかと比べてみると、資料4です。これは人口百万人当たりで比べていますので、正確な比較ができるわけですけれども、日本は実はずっと低い。アメリカが日本に近づいてきてくれているわけです。
この状況で、一方はもう再生というか、もうこのコロナを
社会的に受容して再スタートを切り、日本はいつまでも人流抑制、あるいはオリンピックすら開けないんじゃないかなんというような話がずっとされているわけですね。私は、それが本当に日本のためになるのだろうかというふうに考えております。
人流についてはこの間も少し議論させていただきましたけれども、資料5を御覧ください。当然、アドバイザリーボード、分科会は、人流が
感染拡大につながっているという資料をお出しになるわけですけれども、これはまた別な話で、東京都の人出の平均、それと新規陽性者数のグラフを比べたわけですけれども、普通は、これを見て
因果関係があるとは余り思わないと思います。全然関係なく上がったり下がったりしているんじゃないかなと思うわけですね。
何が正しいかは、これは本当に十年、二十年たたなきゃ決着がつかないような問題だと思っているので、私は、そこの議論を、どっちが正しいということを余りむきになって言うつもりはないんです。ただ、何を言いたいかというと、どっちにしろ、余り強い証拠はない。
アメリカでは、今の日本のやり方とは違う方向性を出して、見事に結果が出ている。そういうことを考えると、人流の抑制というのは、
社会の
基本的なところを大きく抑制するという物すごく強い政策を言っているわけですね、実は。人流がなければ、どこの商店も、別に小売店も、飲食業に限らず潰れていってしまうわけですよ。そこはやはり考えなきゃいけない。
何を言いたいかというと、ゴールはどこに持っていくんでしょうかという話なんです。ゴールがゼロコロナであるわけはないわけですよ、新型コロナは消滅はできませんから、今の日本のやり方を幾らやっても。これを無限に続けていくのでしょうかという話なんです。今日も聞いていると、私はもう暗雲たる気持ちになりました。一体いつまで飲食店が制限を受け、お酒は提供できない、こういったアクリル板に囲まれる、こういう
生活を続けるのかという話なんですね。
どこかにゴールを適切に設定し直さなければ、日本はアメリカと違って経済再生できません。アメリカは、先月の消費者物価指数がたしか四・二%、今月が五・〇%、もうがんがん前に向かっています。日本も、そろそろそういう議論が出てきてしかるべきだと思うんです。そのためには、やはり
専門家会議も、
専門家の方
たちも、そういう視点を少し持っていただきたいとは思うんですが、大変恐縮ですけれども、
尾身会長、そして、その
尾身会長の後に
田村大臣の御見解をお伺いしたいと思います。