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2021-05-26 第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年五月二十六日(水曜日)     午前十一時三十分開議  出席委員    委員長 とかしきなおみ君    理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君    理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君    理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君    理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君       青山 周平君    安藤 高夫君       井出 庸生君    上野 宏史君       大串 正樹君    大隈 和英君       神田  裕君    木村 哲也君       木村 弥生君    国光あやの君       小島 敏文君    後藤 茂之君       後藤田正純君    高村 正大君       佐藤 明男君    塩崎 恭久君       繁本  護君    杉田 水脈君       武井 俊輔君    百武 公親君       村井 英樹君    山田 美樹君       渡辺 孝一君    尾辻かな子君       大島  敦君    川内 博史君       白石 洋一君    津村 啓介君       西村智奈美君    山川百合子君       山井 和則君    早稲田夕季君       高木美智代君    桝屋 敬悟君       宮本  徹君    青山 雅幸君       高井 崇志君     …………………………………    厚生労働大臣       田村 憲久君    内閣府副大臣       藤井比早之君    財務副大臣        伊藤  渉君    厚生労働大臣     三原じゅん子君    内閣大臣政務官     三谷 英弘君    文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  植松 浩二君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君    政府参考人    (厚生労働省職業安定局長)            田中 誠二君    政府参考人    (厚生労働省雇用環境均等局長)         坂口  卓君    政府参考人    (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局長)           橋本 泰宏君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    参考人    (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十六日  辞任         補欠選任   青山 周平君     井出 庸生君   木村 次郎君     神田  裕君 同日  辞任         補欠選任   井出 庸生君     青山 周平君   神田  裕君     杉田 水脈君 同日  辞任         補欠選任   杉田 水脈君     木村 次郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  育児休業介護休業等育児又は家族介護を行う労働者福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案内閣提出第四二号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付育児休業介護休業等育児又は家族介護を行う労働者福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、来る二十八日金曜日午前九時三十分、参考人出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官植松浩二君、内閣審議官梶尾雅宏君、厚生労働省医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、職業安定局長田中誠二君、雇用環境均等局長坂口卓君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会援護局長橋本泰宏君、社会援護局障害保健福祉部長赤澤公省君、保険局長浜谷浩樹君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  5. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。田畑裕明君。
  6. 田畑裕明

    田畑委員 自民党の田畑裕明でございます。  質疑の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  今日も、やや変則的でございますが、十一時三十分からまずはお昼までの時間、三十分間、質疑をさせていただきたいと思います。  それでは、まずワクチン接種のことについて、ちょっと法案の前に、済みません、何問か、確認を含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。今日は藤井大臣お越しをいただきまして、ありがとうございます。  今、各地でワクチン接種、六十五歳以上の方々接種も鋭意始まっているところでございます。希望者全員接種を目指して取り組んでいらっしゃるということでありますが、巷間、報道でも、接種医療機関において、ワクチン余剰の扱いについての報道がございます。当然、無駄にしないということであり、これまでも現場判断に任せているという通知も出ているというふうには承知をしておりますが、首長等が受けていた事例においては、一部批判的な報道があるのではなかろうかというふうにも感じています。  まず、ちょっと確認でありますが、余剰ワクチンについて、接種順位関係なく、接種現場の任意の判断で誰に接種しても構わないということだということでございますが、そのルール、しっかり再度周知すべきだと思いますが、お答えお願いいたします。
  7. 藤井比早之

    藤井大臣 接種の予約のキャンセルなどによって生じた余ったワクチンにつきましては、厚生労働省から自治体に対し、急遽キャンセルが生じた際にも、接種できる方をあらかじめ募っておくなど、可能な限り無駄なく接種していただくよう対応お願いしているところでございます。  貴重なワクチンを無駄にしないよう、最終的には接種券の有無にかかわらず接種いただきたいと考えておりまして、その際、どなたに接種したかをはっきり記録していただきたいというふうに考えております。  この点につきましては、田畑理事から御指摘ございました、再度周知した方がいいんじゃないかということでございまして、昨日、厚生労働省から自治体に対して周知が、通知がなされたところでございまして、余ったワクチンが廃棄されないよう、自治体においては柔軟に対応していただきたいと考えております。
  8. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。昨日通知をしていただいたということですね。かしこまりました。  もう一問、ちょっと続けて藤井大臣にお聞きをしたいと思います。  接種の前倒し、自治体によっては早く進んでいる自治体もあるようでございますが、一般方々、六十五歳未満ですとか六十歳未満方々接種についても、それぞれ、先生方もそうだと思いますが、私の地元でも、そろそろ、どうなっているんだ、どうしていくんだというような話、企業単位での接種についてもいろんなお話が出ているわけであります。  現在、高齢者接種については、総理は七月末までしっかり完了するということを高らかに宣言をし、そしてまた、それにのっとっていろんな事務が行われていると承知をしていますが、その後の接種関係の見込み、これは、基本的にはまだ決まっていないという認識ではございますが、国民皆様方からのお問合せの声が日に日に大きくなって、医療関係者方々、今接種に関わっている方々においても、もちろん、それとなく長期戦を予想しながら今実施をされているということでございます。  健常な六十歳未満方々への接種も含めて、そのほかの接種順位の問題について、接種時期を明らかにするべきだというふうに考えますが、現時点での御答弁、お聞きをしたいと思います。
  9. 藤井比早之

    藤井大臣 現役世代の方も含めてお問合せ質問をいただきました。  現役世代の方が接種しやすい環境、これを整備する観点から、いわゆる職場での接種等を含め、様々な方法を検討させていただいておりまして、河野大臣からは、産業界に対して、企業内の診療所等における職域でのワクチン接種について御協力をお願いしたところでございます。  高齢者接種につきましては、六月の最終週までに三千六百万人の二回接種分ワクチンを各市区町村配送するスケジュールと供給量を既にお知らせさせていただいておるところでございまして、七月以降の供給量につきましては、おおむね一か月前に供給量が分かることから、分かり次第お伝えしたいというふうに考えております。  こうした中で、来月中を目途に、高齢者接種の見通しがついた自治体から、基礎疾患を有する方々を含めまして、広く一般方々にも接種を開始していただきたいというふうに考えておりまして、一日でも早く、全ての希望する国民皆様が安全で有効なワクチン接種していただけるよう、分かりやすい情報発信を含め、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  10. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。  もう一問、確認を込めてちょっとお聞きをしたいと思いますが、報道によりますと、ファイザー社ワクチンに関しまして、アメリカのFDAですとか欧州のEMAについては、保存温度管理温度について、アメリカ等では二度から八度の冷蔵庫で最大一か月間の保存ということを許可しているというふうに報道がございます。  これまで、一度解凍してから二度から八度の冷蔵庫保存する場合は、未開封の状態で我が国では五日間ということで運用がなされているというふうに認識をしているところでありますが、他国においては、五日間ではなくて、約一か月ということにもう変わっているということでございます。  これは添付文書等の変更ということの処理というふうには認識をしているわけでありますが、当然、温度管理期間が延びるということは、それだけ各診療所冷蔵庫においても管理期間が延びるということ、配送についてもいろいろメリットが大きいのではないかというふうに思います。  改めて確認でありますが、我が国におけますファイザー社ワクチン冷蔵での保存期間見直しについて、現状どのような方向性でしょうか。局長お願いいたします。
  11. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 御指摘冷蔵二から八度における保存期間延長についてでございます。  我が国におきましても、ファイザー社の方から、延長について、添付文書改定してほしいとの相談を受けております。現在、その相談を踏まえまして、PMDAにおいて有効性安全性確認しておるところでございますが、五月二十八日、あさって金曜日でございますが、薬事食品衛生審議会医薬品第二部会を開催して、そこに報告することとしております。そこにおきまして有効性安全性確認されれば、速やかに私どもといたしましても添付文書改定するということとしております。改定いたしました場合には、自治体に対しまして速やかに周知してまいりたいと考えております。
  12. 田畑裕明

    田畑委員 済みません、局長確認ですけれども、改定をしたら、それは即日効果が発効できるという理解でよろしいですか。
  13. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 改定は、審議会指摘などがあれば対応するわけでございますが、そういった作業が終わって、改定が終われば、即日から有効となります。
  14. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。二十八日の日に審議会にかけるということの答弁であったと思いますので、理解をいたしたところでございます。  これは、繰り返しになりますけれども、保存期間が延びるということで、いろいろ配送を含めてバリエーションが増えるということだと思いますので、できるだけ速やかに対応いただくことを希望したいというふうに思います。  ワクチン配送等については、これは内閣府で、今日は藤井大臣お越しをいただき、実際の様々な運用ですとか、もちろん、薬事安全性等については厚労省PMDAも含めてグリップを利かせるということでございますが、当然また連携をしていただきたいと思いますし、ここからは質問ではありませんが、今、救急救命士ですとか臨床検査技師方々に打ち手となっていただくということが官房長官会見等でも明らかになっているところであり、検討するというか、そのような趣旨が発言をされていると思います。薬剤師の方においては問診ですとか打った後の経過観察、ここについても薬剤師方々にも御活躍をいただけないかということで今鋭意検討や協議をしているというふうに認識をしています。  この接種期間体制を含めて、やはり長期化するというのは誰もが感じていらっしゃるんじゃないかというふうに思いますし、今、非常時での対応を行っておりますが、これがどのくらい続くのか、また、二回だけの接種で完了して十分な抗体が長期間残るのかといったようなことについても、まだまだデータが不足をしているところだというふうに思いますが、これからも、接種能力を最大限構築するためのお取組、これをしっかりやっていただきたいと思いますし、有事や緊急時に備える今以上の体制の構築、このことについて政府一丸となって取り組んでいただくことを切にお願いをさせていただきたいというふうに思います。  それでは、藤井大臣はこれで結構でございますので、ありがとうございます。  それでは、ここからは育児介護休業法案について質疑をさせていただきたいというふうに思います。  これは参議院での先議を経て今我々の衆議院にやってきたということでございまして、当然、衆議院でもしっかりとした審議を行うべきだというふうにも認識をしております。  参議院においては、二十一項目の附帯決議もなされているところであり、また、本題の中では、男性育児休業をしっかり取りやすい環境ですとか、女性活躍や、それぞれ子育てにおいてしっかりとした役割分担の中で男女共活躍できる社会をつくっていくということで、大変有意義であり、大変大事な法改正だというふうに認識をしております。  私も、与党の一員としての党内の議論でもいろいろ議論してきたことを思い起こしながら、今日質疑に立たせていただいているところでございます。  お手元の配付資料でも、今日は一ページ目に、育児介護休業法改正経過育児関係分ということでつけさせていただきました。これまでも累次の改正やいわゆる拡充に向けていろいろな取組がなされてきているわけでありまして、若干、非常に複雑でもあり、すっと頭に入っていく部分と、しっかり読み込みながら、こんな制度になっているのかということがあります。  ここに、様々な制度というか、この中には当然助成金とかいろいろなインセンティブ的な補助金もついた形が進まっていくということでありますから、今回の改正も非常に大きな改正部分が多いわけでありますから、当然、周知徹底には、改めてしっかり行っていただきたいということも大前提でお話をさせていただきたいと思います。  それでは、まず坂口局長にお伺いをしたいと思いますが、今回の柱は、男性育児休業促進というものが大変大きな柱だというふうに認識をしておりますが、改めて、その必要性、また今回の法改正目的、お聞かせをいただきたいと思います。
  15. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  少子高齢化が進展します中で、出産、育児等による労働者の離職を防いで、希望に応じて男女共仕事育児とを両立できる社会を実現することが重要な課題となっております。  ただ、育児休業取得率を見ますと、男性取得率令和元年度において七・四八%ということで、まだいまだに低い水準にとどまっております。また、別の調査では、育児のための休暇休業取得希望されていた男性労働者のうち、育児休業制度の利用をできなかったという方の割合が約四割という調査もあり、男性休業取得という希望が十分にかなっていないという現状もございます。  一方で、やはり男性出生直後に休業取得して主体的に育児家事に関わるということは、その後の育児家事分担にもつながるということでもありますし、それから、委員も今御指摘もございましたけれども、女性雇用継続であったり、夫婦が希望する数の子供を持つということにも資するということかと存じ上げます。  こういった観点から、今般は、委員からも御指摘ありましたけれども、男性育児休業取得促進するということを重要な柱に据えて、取得を望む男性仕事家庭両立希望をかなえるということと、男女を問わずワーク・ライフ・バランスの取れた働き方ができる職場環境を実現して、真に男女が共に参画できる社会を構築していこうということが重要ということで、今般、必要な改正をさせていただくべく提案をさせていただいているというものでございます。
  16. 田畑裕明

    田畑委員 取りたくても取れなかったとか、やはりそういう男性の声もあるということでありますから、これまでもいろいろな努力義務措置がなされていた中ではありますが、幾つか、取りやすい施策、また、義務化をするといったようなことも盛り込まれているというふうに認識をしています。  中でも、ちょっと一点確認したいのは、新たな新制度の中で、休業中の就業についても可能だよということも中にはうたわれているということでございますが、ちょっと確認であります。  これは、休業中の就業もオーケー、あくまでも、もちろん労使合意ということでありますが、範囲内で、事前調整ということでありますが、休業中にも就業することを可能とすることの、改めて、この規定の意図をお聞かせをいただきたいと思いますし、当然、間違った運用にならないように、しっかりとした歯止めを担保することが大事だというふうに思います。  これはまた、休業中においては育児休業給付金が交付をされたりですとか社会保険料免除ということもありますが、場合によって、この休業中の就業によって社会保険料免除が認められないケースも出てくるんじゃないかなというふうに思いますが、そこについてはどのように対処する、周知をするのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  17. 坂口卓

    坂口政府参考人 お尋ねの、休業中の就業ということを今回この出生育児休業制度の中で認めようという御提案でございますけれども、こういった出生育児休業制度における休業中の就業につきましては、自分にしかできない仕事があるというようなこともあって、育児休業取得に際して、職場を丸々離れるということについてハードルが高いと感じておられる労働者のニーズに応えながら、制約要因を本人の希望に応じて取り除けるように、労働者の意に反したものとならないということをしっかり担保した上で、労働者の意向を踏まえて、労使事前に調整した上での休業中の就業を認めるということとしたものでございます。  やはり、今申し上げましたとおり、この休業中の就業につきましては、労働者が、その意に反して休業中に就業させることがないようにということが重要でございますので、委員からも今ございましたけれども、労使協定の締結であったり、あるいは個別合意などの必要な手続要件というものも併せて定めていこうというものでございます。  また、今回の改正におきましては、不利益取扱い禁止規定というものも改正をするということとしておりまして、休業中に就業することの申出や同意しなかったことなどを対象に加えるということとしてございます。  それからまた、社会保険料取扱いについての御質問もございました。  この育児休業期間中の社会保険料取扱いにつきましては、今国会に健康保険法等の一部改正法律案提案させていただいておりますが、その中で、月末が育児休業期間中である場合に加えて、その月中に二週間以上育児休業取得した場合にも保険料免除するということとされておりますが、出生育児休業におきましては、労使事前に調整した上で休業中に就業するということを可能としておりますが、保険料免除要件である二週間の計算に当たっては、こうした就業日は含めないという取扱いとするということと検討がされております。  今回の出生育児休業制度における休業中の就業については、労働者がこうした社会保険料免除取扱い等も十分に理解した上で申出や同意を行えるように、そういった部分についての周知ということもしっかり行ってまいりたいと考えております。
  18. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。  属人的なお仕事はなるべくシンプル化していこうというか、やはり、その人でなければ担えない仕事ばかりに業務を任せるということではない社会もつくっていかなければいけないんじゃないかなというふうに思いますし、最後の方、お答えがあったように、労働者方々理解をしてこの休暇を取っていただくというのはもちろん当然の部分ではございますが、会社の人事労務担当者の方がやはり労働者方々にはなるべく分かりやすく説明をするように、また、その分かりやすい説明を、厚労省側としてもしっかりいろいろなことを発信をして、担保していただきたいなというふうに思います。それぞれの労働者の方は、一生に、この休業を取るのは限られた期間しか取らないということなので、全て頭に入れて物事を動かすということよりも、人事労務担当者の方の方が当然精通をされるわけでありますから、そこはしっかりお願いをしたいというふうに思います。  続いて、大隈政務官にも少し、何問かお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  これまでも、両立支援のいろいろな助成金、いわゆるパパ支援助成金であったりですとか育児休業等支援コース助成金等が設けられてきております。  今回、育児休業を申出しやすい職場環境の整備を義務づけをするということに相なるわけでありまして、むしろ、この出生時の両立支援コース子育てパパ支援助成金なんというのは、職場環境を整えるための助成金であったということ、努力義務に対する助成金であったわけでありますが、今度から義務化ということでありますから、努力義務においての助成金ということは、今度は意味が、意味というか、その助成金目的が異なることになるんじゃないかなというふうには思いますが、いろいろな、しかし、助成金というか、こうしたインセンティブを事業主方々また労働者方々にもしっかりお与えをすることによって促進をするということは当然大事でありますが、様々、こういった助成金の申請の簡素化、これも当然意識をしていただきたいなというふうに思うわけでございますし、改めてちょっと確認したいのは、義務化に伴うということでありますから、今後、例えば、こういった助成金見直しということが必要ではなかろうかというふうに思いますが、その見解をちょっとお聞かせをいただきたいということ。  また、先ほど答弁でもありましたけれども、今、男性育児休業の場合は、取得率というのが一つの指標ということに相なっています。二〇二〇年度は一三%を目指すということでありますが、二〇一九年度時点では、出ている数字では七・四八%だと。恐らく、二〇二〇年度で目標には未達ではなかろうかなということは想像するわけでありますが、これまでもいろいろ累次指摘をされておりますが、育児休業取得率だけを一つの指標とするのではなくて、取得日数も含めて、調査項目ですとか、国民方々の、若い夫婦の方々の、国民ニーズを酌み取る手法をもう少し一考すべきではなかろうかなというふうに思いますが、そのお考えについて。  二点でございますが、大隈政務官お答えをいただきたいというふうに思います。
  19. 大隈和英

    大隈大臣政務官 御質問ありがとうございます。  田畑委員におかれましては、公私共に、議員の子育てという点で貴重なアドバイスをいただいておりまして、この場をおかりして感謝申し上げたいと思います。  御指摘助成金に関しまして、法案を成立いただいた際には、参議院厚生労働委員会の附帯決議でも、両立支援助成金の更なる拡充など、効果的なインセンティブの在り方について検討することとされていることも踏まえつつ、助成金の内容を法案の内容に踏まえたものへと見直しを図っていきたいというふうに考えております。  また、助成金が広く活用されるように、事務簡素化のための、申請書類はできるだけ分かりやすいものに、私も実際に申請書類を見たんですけれども、非常に、なかなか煩雑になっておりまして、そういう点の改善、また、オンライン申請なんかでもしっかりと進めていきたいというふうに考えております。  二つ目の、取得日数等々の御指摘なんですけれども、取得日数を含めた育児休業取得状況の把握は大変重要であると認識しております。  これもまた参議院での附帯決議でも、育児休業取得期間調査及び公表につきまして、その頻度及び調査項目について必要な見直しを行うこととされていることも踏まえまして、ほかの調査のニーズとのバランスや、全体の質問数、記入項目の分量も踏まえながら、改正法の効果検証が的確に行えるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。  取得率に関しましては毎年調査ということになりますけれども、現在、取得期間は三年に一回程度、労働条件については二年に一回程度で、なかなか、会社のシステムできちっと人事管理ができているところばかりではなくて、企業側の御負担ということもありまして、その辺りのしっかりとバランスを取りながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  20. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。  続いて、雇用保険財政についても、ちょっと改めて政務官にお聞きをしたいと思います。  今、育児休業給付金の雇用保険料の料率は千分の四ということであり、これは労使の折半でありまして、弾力条項等は特に入っていないわけでありますが、ただし、暫定措置として、国庫負担分は本来の五五%から今一〇%に引下げとなっているところであり、これは令和二年度、三年度の時限で実行されているというふうに認識しています。育児休業給付関係収支、これはしっかり、当然目配りをしていっていただきたいというふうに思っています。  また、新型コロナウイルスの感染症対策として、何としてもこれは雇用を守るということで、雇用保険の二事業、失業等の給付の収支等々、やりくりをこの積立金から貸出しを受けてやるとか、非常に雇用保険財政の安定のためには様々なことを今駆使して運営をしていただいていますが、安定した財源を確保された運営ではないというふうにも認識をしているところであります。  今、特に確認をしたいのは、国庫負担分が今時限で下がっているということでありますが、やはりこの国庫負担分については、雇用政策に対する政府の責任をしっかり示すためにおいても、その在り方、安定した雇用保険財政に努めることは必至ではなかろうかなというふうに思いますが、雇用保険財政の安定についての見解をあえてちょっとお聞きをしたいと思います。
  21. 大隈和英

    大隈大臣政務官 お答えいたします。  育児休業給付の財政運営に当たりましては、今後の給付の伸びの影響も見込んだ上で、現在の保険料率、これは千分の四でございますが、今後五年程度、令和六年度までになると思いますが、安定的に運営可能であると見込んでおりますが、今般の制度改正の影響も含めまして、受給者の動向等に留意しつつ、引き続き適切な運営を図ってまいりたいというふうに考えております。  雇用保険財政全体については、今、雇調金、いろいろと御利用いただいておりますけれども、特例措置等の対応もあり、財政自体は厳しい状況にはございますが、御指摘の国庫負担の在り方については、雇用保険のセーフティーネット機能の十分な発揮の観点から、引き続きしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
  22. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。  特に雇調金については、七月以降の特例措置の在り方についても累次この委員会等でも議論がなされているところであり、もう間もなく方向性も示されるんだというふうには理解をしておりますが。  今回、育児休業給付、これももちろんこの雇用保険事業の中での運営ということでありますが、それぞれの会計がしっかり円滑になるように、国としての責任を果たしていただきたいことを改めてお願いをしたいというふうに思います。  もう一問は、ちょっと今度は子育て関係、産後ケアの関係も含めて改めてお聞きをしたいというふうに思います。  そもそも、これは、安心、安全な、健やかな妊娠、また出産、産後の支援というのも大変大事な取組であり、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援、これは成育基本法も成立をしているところでありますが、しっかり体制を構築していくことは大変大事であります。  産後ケア事業についても、今年度から、各自治体でもより具体的に、多くの自治体でも取組が進んでいくということを理解しておりますが、妊産婦の方々のメンタルケアと、母と子の愛着形成の促進のため、妊産婦に寄り添った支援ですとか、産科医療機関等における産後ケア事業等の更なる推進を当然図るべきだというふうに思います。  その辺の取組についての御見解、改めてお聞かせをいただきたいと思います。
  23. 大隈和英

    大隈大臣政務官 御指摘のように、安心して妊娠、出産、子育てをできるようにするために、妊産婦への産前産後におけるケアは重要な役割を果たすものと認識しております。  このため、産後うつなどの不安を抱える妊産婦さんのメンタルケア、寄り添った支援を行う観点から、本年四月から施行しました改正母子保健法を踏まえまして、産後ケア事業の全国展開に取り組んでいるところでございます。  各市町村においては産後ケア事業の実施を努力義務規定していただいておりますし、例えば産後ケアも、実際にいろいろと指導されても、お母さんが家に帰って、実際になかなか、すぐ簡単にできるかというと、そうでもないところもありますので、例えばアウトリーチ型の支援ですとか、それぞれ自治体でも工夫をしていただきながら取り組んでいただいているところでございまして、厚生労働省といたしましては、引き続き、各自治体と連携しながら、妊娠期から子育て期に至るまで、地域におきまして切れ目のない支援体制の構築に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  24. 田畑裕明

    田畑委員 ありがとうございます。  大隈政務官も、自ら幼児の方をお育てをされて、奥さんと協力をして、育児またお仕事に邁進をされているんだというふうに思いますので、その実践をしっかりまた政策にも生かしていただきたいなというふうに思います。  もう時間ということでございますので、ちょっと一問残した形でございますが、私からの質疑に代えさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  25. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     正午休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  26. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。大島敦君。
  27. 大島敦

    ○大島(敦)委員 それでは、法案質疑をさせてください。  お手元の資料、各国の年間収入の推移ということで、国立国会図書館に作っていただいたグラフです。一九九一年から二〇一九年まで、サラリーマンの年間収入の推移、ドルベース。これは購買力平価で水準は合わせてあります。日本の給与はここ二十年間ほぼ変わらない。米国は一・四倍ですし、英国も一・四倍、ドイツは一・三倍で、韓国は一・八倍で購買力平価だと日本を抜いているということです。  やはりここ二十年間見てくると、まあ三十年間ですが、一九九一年ですからほぼほぼ三十年間見てくると、日本はイノベーションが起きなくて、大分停滞している感じがする。これは政治の責任かなと思っています。集う国民の能力を十分に引き出せていない国が我が国かなと思っています。これだけ皆さん、文章を書けて、文章を読めて、かつ計算もできる私たちがやはりここでとどまっているというのは、これはもちろんトップマネジメントの在り方、あるいは科学技術のイノベーションが起きていなかったり、もう一つは労働もあるかもしれないです。ですから、これは厚生労働行政だけではなくて、日本全体として。  思い出すのは、一九九〇年に、当時日本は非常に、バブルがはじけても調子がよかった時代。そのときに、米国のMITですか、「メイド・イン・アメリカ」という本が出て、米国と日本と欧州を、産業競争力を比較をしながら次のシナリオを書いたという本を当時熟読していまして、もう一度、私たちの国も、どうして給与が上がっていないか、悪いことだとは言っていないです、どうして給与が上がらなかったのかについて、様々な論点を解決していくことが我が国の課題かなと思っています。  厚生労働行政を預かる田村大臣には、この表を見て、このグラフを見て、一言だけ感想をいただければなと思います。
  28. 田村憲久

    ○田村国務大臣 この年数を見てみますと、まさにデフレ、要はデフレーションの期間とほぼ一致しているんだろうというふうに思いますが、デフレと賃金の上昇というのは、やはりこれは比例といいますか、相関関係はあると思いますので。  デフレの原因は何であるかというのは、またこれはいろいろありますから、そういう意味ではなかなか分析は難しいんですけれども、デフレというものを解消しようという、実はアベノミクスというのは、その本質は賃金を上げようということでございましたので、それをやろうとしてきたアベノミクスであり、それを継続している菅内閣であるというふうに認識しております。  どうやって賃金を上げていくか、非常に難しい課題でありますが、生産性を上げるなり、いろいろな方法はあると思いますけれども、それに総力を傾けるということ。もちろん、今はコロナという特殊な事情でありますから、まずはコロナの終息というものを前面に置いておるわけでありますが、同時に賃金を上げていくこと、これは最低賃金もそうでありますが、非常に我々の大きな役割であろうというふうに思っております。
  29. 大島敦

    ○大島(敦)委員 田村大臣は安倍政権下でも大臣でしたし、菅政権下でも大臣ですから、政権の擁護をすることはよく分かりますけれども、そういう問題じゃなくて、日本の課題として、私、産業人、民間企業での経験よりも最近若干議員の経験の方が長くなっているんですけれども、一九八一年からずっと日本経済に携わってきた私としては、政権の問題じゃなくて、日本全体のパフォーマンスが悪いということ。僕はデフレが問題じゃないと思っています、これは。もっと深いところに根源があると思います。語ると長くなるからこの辺でやめておきますけれども、もっと深いところなんですよ、ここは。日本の産業そのものの話なんです。  なかなか産業が、新しくチャレンジしないとか、本当によく、なぜゆえにチャレンジしないかというのは、経験者としては、今のトップマネジメント層というのは世代的には私と同年齢ぐらいですから、なかなかチャレンジしないんです。一九九七年だったかな、バブルがはじけたときに、当時の鉄鋼会社の係長の私でも三つのことを決めましたから。三十八歳ぐらいだったかな。  一つは、リストラで職場を去っていただくというのは結構つらい仕事です。物すごいつらい仕事で、これは先輩がやっていましたから、二度と人は雇わないと決めるわけですよ。銀行から常に金返せと言われていたものですから、当時、富士銀行だったかな、私じゃないですけれども、もう二度と銀行から金は借りないと。何千億円という新規事業を全部失敗しましたから、二度と珍しい仕事はしないと決めるわけですよ。二〇〇〇年代になって、雇用法制が緩和されたことによって非正規に替えて、珍しい仕事や新規事業のチャレンジをやめて、無借金経営になって今があるわけです。  リーマンのときに、一回、これは正しい経営だということで証明されたわけですよ。内部留保をためていたから、当時の日本の経営者は、世代交代が起きることなくリーマン・ショックを乗り切るわけですよ。その後も内部留保をずっとためていますから、今回のコロナ禍も乗り切るわけですよ、この消極的な経営が。  こういうことが日本のダイナミックさを奪っていると思っていて、ですから、そうすると、日銀がETFを買うのはもうよした方がいいんじゃないのとか、もっと正しい資本主義に戻せという発言につながってくるんだけれども、今日は労働法制なので、この辺にしておきます。  それでは、一問目。  一問目は政府参考人に伺いたいと思います。よろしくお願いします。  まず、改正案では、有期雇用労働者育児休業及び介護休業取得要件を緩和することとしています。これにより、例えば、育児休業については、引き続き雇用された期間が一年未満であっても、その養育する子が一年六か月に達する日までにその労働契約が満了することが明らかでない有期労働者は、育児休業取得することが可能になります。  改正後も有期雇用労働者については休業取得後の雇用に関する要件が残されるわけですが、この要件について、労働契約が満了することが明らかではないとはどのような状況を指すのか、端的にお答えください。
  30. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  今回の改正案では、有期雇用労働者取得要件について、これまで法律上一律に除外されてきた継続雇用期間が一年未満の有期雇用労働者についても対象とするという改正を行うんですけれども、御指摘のように、改正後も、養育する子が一歳六か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないという要件については残すということで、この明らかでないということでございますが、これは、労働者育児休業の申出時点で締結している労働契約の内容及び当該時点で判明している事情に基づき、雇用関係が終了するということが確実であるとは判断できないということを指すと考えてございます。  例えばということで分かりやすく申し上げますと、これは契約期間が一年であっても、更新が行われないということが書面又は口頭で明示されていないという労働者を指すということでございます。
  31. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大臣お答え願います。  有期労働契約について、休業取得前の雇用期間に関する要件を削除する一方、養育する子が一年六か月に達するまでにその労働契約が満了することが明らかでないという要件を残すこととした理由についての説明お願いします。
  32. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほどの話なんですが、本当はその話もずっとしていたいんですけれども、私がデフレと言ったのは、まさにデフレの原因は、非常にそこが根が深い。そこは多分、委員と同じ、共通の認識だと思います。結果として、デフレが先なのか賃金が上がらないのが先なのか分かりませんが、そこには相関関係があることは間違いないわけで、これ以上言うと、ちょっと労働行政と真逆に行っちゃうと大変なものでありますから、これ以上は申し上げません、今の立場の中での話でございますので。  まさに今の一年六か月というところでありますが、育児休業期間、これは一般的に一年でございます。そうなると、一年で仮に終わってしまうというところに対して、育児休業ということになると、企業側からしてみれば、その後、継続的に働いていただけるということをやはり期待しているわけでございますので、そこで六か月。六か月というのは、この法律のみならず、例えば就業促進手当、再就職の手当でありますけれども、こういうものが一般的に六か月というようなことがございますので、こういうところから引いてまいりまして、六か月ぐらいは継続的に雇用をいただきたいという中においてのこのような規定といいますか、決まりになっておるわけであります。
  33. 大島敦

    ○大島(敦)委員 田村厚労大臣お願いします。  改正案により育児休業等の対象者は拡大しますが、有期雇用であるため、勤務先を短期間で移らざるを得ない労働者や、契約期間の終盤で育児休業取得する必要が生じる労働者も存在します。このような労働者についても育児休業等取得しやすくするよう、引き続き検討が必要と考えています。  働き方によっては、多分医師だと思うんですけれども、それぞれ勤務先を替わられる方がいらっしゃいますし、あるいは、ずっと有期で働いてきて、それから妊娠、出産を迎えられて育児休業が取れない方もいらっしゃると思うので、この点についての、今後の検討課題だとは思うんですけれども、厚労省としての考え方をお聞かせください。
  34. 田村憲久

    ○田村国務大臣 基本的に、事業主が独自に休業規定を作っていただくのは自由でございますので、そういう対応も一つだというふうに思います。  ただ、育休法ではこれは対象にならないわけでございます。労働契約満了というような形の中において、やはり一年六か月以内で満了されるという場合には対象にならないわけでありますけれども、そういう意味からいたしますと、今言われた医師等々に関して、これは参議院附帯決議でもこういう御議論がございまして、こういう働き方に対して育児休業取得できるようなことも検討すべきであるということでございます。どのような方法があるのか、なかなかそう簡単には結論は出づらいんですけれども、こういうような御決議をいただいておりますので、しっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
  35. 大島敦

    ○大島(敦)委員 今後の検討課題として、よろしくお願いします。  次は、政府参考人に御答弁を願います。  例えば、一年契約を四年更新し、五回目の契約が残り半年の段階で育児休業取得の申出をした場合、その後の無期転換の可能性があれば育児休業取得可能かについて、御答弁お願いします。
  36. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどの御質問で、明らかでないということについての意味合いを御答弁させていただきました。  その答弁に即して考えますれば、更新しない旨や更新回数の上限が書面又は口頭で明示されていなくて、更新される可能性があると判断できる場合は、明らかでないということに該当するため、他の要件を満たせば育児休業取得することが可能ということとなります。  具体的な委員の御指摘のケースについてお答えさせていただくと、育児休業の申出時点において、当該契約を最後に更新しない旨が書面又は口頭で明示されているなどということで明らかであるというような場合であれば、育児休業取得要件は満たしませんが、そうでないような場合については、他の要件を満たせば育児休業取得が可能ということでございます。
  37. 大島敦

    ○大島(敦)委員 御答弁ありがとうございました。  続いて、雇用環境の整備等について伺います。  改正案は、労働者などの育児休業申出が円滑に行われるようにするため、事業主に対し、雇用環境の整備の措置を義務づけています。措置の選択肢については、育児休業に係る研修の実施や育児休業に関する相談体制の整備等とされていますが、場合によっては、研修を実施するだけ、相談窓口を設置するだけといった形式的な対応にとどまる可能性も考えられます。  形式的な義務の履行ではなく、事業主育児休業申出の円滑化に効果のある措置を講ずることとなるよう、厚生労働省としてはどのような対応をお考えか、田村厚労大臣答弁お願いします。
  38. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほどの局長答弁なんですが、多分、無期雇用転換と何か言われましたよね。無期雇用転換は、たしか五年を超える場合の契約を結ぶときに、要するに労働者の方から無期の雇用を申し出れば契約を結ばなきゃならないという制度だと思いますが、多分、局長が言ったのは、無期雇用転換関係なしにという話で、そうであろうとなかろうと、明確に雇用契約を終了するということでなければ、それは適用ができるということであったと思います。ということでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  今のお話でありますが、今回、環境整備をしていただかなきゃならぬということで、民間企業の方にこれは義務化をしたわけでありますが、この中において、言うなれば研修でありますとか窓口の設置、こういうもののほかにも、制度取得事例の情報提供等々、複数のメニューがあって、その中から選択をいただくということでございます。  そういう意味では、形式的にならずに、中小企業等々を含めてしっかり対応をいただけるようなメニューが入っておりますので、その中から選択をいただいて対応していただくということでありますが、そこのところもしっかりと周知をしていかなければなりませんので、我々としては、ポスターでありますとかリーフレット、パンフレットを使いまして、しっかりと民間企業の方には周知をさせていただきたいというふうに思っております。
  39. 大島敦

    ○大島(敦)委員 続きまして、雇用環境の整備の措置については、改正案はいずれかの措置を講ずることを義務づけていますが、育児休業申出の円滑化を図る観点からは、可能であれば多くの措置を講ずることが望ましいのではないかと思うんですけれども、いかがですか。
  40. 田村憲久

    ○田村国務大臣 それはもちろんです。  選択ではありますけれども、より多くやっていただいた方が我々はありがたいわけでありまして、これも、参議院附帯決議の方ではそのような決議をいただいておるわけでございます。事業主理解を得るように努めるということでございますから、我々が、なるべく多くのことをやっていただけるような、理解を得るように努めるという形で、しっかりと努めてまいりたいというふうに思っております。
  41. 大島敦

    ○大島(敦)委員 今回の措置は、企業規模関係なくだと思います。  私も、九五年から衆議院議員になるまで五年ほど、保険のセールスをやっている時代に、中小・小規模企業を何千社と、東京商工リサーチのデータをベースにしながら企業訪問を繰り返していました。なかなか、大企業とは全然違います。  鉄鋼会社にいるときは三千億円ぐらいの販売計画を作っていましたから、十億円というのは較差分析してもいいのかなぐらいの単位だったんですけれども、多分、田村大臣の御地元でも、やはり製造業で五億円の売上げがある会社というのは大企業ですよ。小売だと十億円、二十億円あったらもう大企業の部類に入ると思う。  ですから、企業規模別に育児休業者割合なんというのを見ると、五百人以上、百人から四百九十九人、三十人から九十九人、五人から二十九人、大体五人未満だと思う。やはり三十人から四十九人雇用を抱えているというのは、結構大企業ですよ、これは。多分、御地元の二、三十億円ぐらいのゼネコンでも、大体企業規模としてはこのくらいだと思うし、そんなに多くないです。  ですから、今回のこの法的措置というのは、五百人を超えたちゃんとした人事課があるような会社から小さなところまで一括して、今言ったような措置をしてくれと頼むわけですよね。企業経営者の皆さん、特に創業型の経営者の皆さんは、企業を維持するだけで本来手いっぱいだ。この仕事は引き受けていいかどうか、これをしっかり見ながら御自身で与信管理をし、本来であれば従業員のためにもっと給与を支払いたいんだけれども、やはり不安定だからなかなかそこまで踏み切れないというのが、小さな会社、中小、特に小規模企業の在り方だと思います。  そうすると、今回のこの措置で、中小・小規模企業育児休業取得は特に課題が多いと考えています。今回の法改正案では、中小企業については、例えば施行日を遅らせるなどの対応は入っていません。中小・小規模企業育児休業取得について、政府としてはどのように認識して、どう支援していくかについてお答えください。
  42. 田村憲久

    ○田村国務大臣 おっしゃられるとおり、これは審議会の建議でも、それから、これまた参議院のたくさんいただいた附帯決議においても、やはり中小企業の支援というものをしっかりと考えるようにということでありまして、やはり代替要員の確保等々もしっかりと対応していかなきゃなりませんし、そういう意味では、好事例なんかもお示しをしていくというようなこともやっていかなきゃならぬというふうに思っております。代替要員に関しては、ハローワーク等々を通じてしっかりと支援していくようにというふうに考えております。  中小企業等々の負担もいろいろと考えた上での制度運営というものをやっていかなきゃならぬわけでありまして、これは、法律が通りましたら、いろいろな団体のお声も聞かせていただきながら、どういう支援の在り方があるか、こういうことも検討してまいりたいというふうに思っております。
  43. 大島敦

    ○大島(敦)委員 多分、中小・小規模企業は、こういう法案を議論していることを知らないと思います。一年半のうちに施行になりますから、多分びっくりされると思うんです。やはり妊娠、出産ということを伺ったら、こういう制度がありますということを説明しなければいけないし、社内の中で相談窓口をつくらなければいけないし、事業は、本当に大変な状況の中で今営んでいらっしゃいますから。  ですから、ここの措置というのは、特に今回の新型感染症の影響、先ほど田村大臣、冒頭触れられたとおり、ちょっと長引くかもしれないので、ここの措置は、一年半のうちにしっかりとどういうふうに理解していただくのかというのがキーだと思っています。  もちろん、日本の会社全体をより合理的な経営に持っていくんでしたら、育児休業介護休業を取れる職場、会社もありますよ。最近運送業を始めたところで、育児休業介護休業をばっちり取れる会社で、そうすると従業員がたくさん集まるためにということもありますから。ただ、そこまで至らないところも多いという実態もあるので、是非、そこのところは厚生労働省としても丁寧に運用していただければなと考えています。  続きまして、雇用環境の整備と併せて、改正案は、労働者への個別周知や意識確認も義務づけています。具体的には、事業主に対して労働者から本人又はその配偶者が妊娠又は出産したこと等の事実の申出があったとき、当該労働者に対して育児休業に関する制度等の事項を知らせる措置及び育児休業申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談等の措置を講じなければならないものとしています。  まず前段の、労働者への個別周知の措置について、事業主労働者に知らせることとなる育児休業に関する制度等の事項とはどのようなものを含むのか、政府参考人からの答弁お願いします。
  44. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  御質問の個別周知に関しましては、今般御提案しております改正法案の第二十一条で、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせる措置というものを義務づけるということと御提案をさせていただいております。  具体的には、育児休業に関する制度のほか、育児休業給付制度に関することなどを定めるということを想定してございますが、具体的には厚生労働省令で定めるということでございまして、法案の成立をさせていただければ、労働政策審議会において労使で御議論の上、定めてまいりたいと考えております。
  45. 大島敦

    ○大島(敦)委員 労働者育児休業取得検討するに当たっては、育児休業制度そのものだけではなく、育児休業期間中の所得保障や復帰後の働き方に関する情報なども重要と考えます。  それぞれの労働者が十分な情報を得て育児休業取得検討できるように、事業主が個別労働者に知らせるべき育児休業に関する制度等の事項についてあらかじめ指針などで具体的に示しておく必要があると思うんですけれども、大臣の御答弁お願いします。
  46. 田村憲久

    ○田村国務大臣 育児休業、先ほど言われたとおり、出産をされたということになれば、こういう制度があるよということを周知すると同時に、意向の確認もしなきゃいけないということ、これが義務化されるわけでありまして、そういう意味では、周知というのは、言われるとおり、こんな制度がありますよだけではなくて、それによって所得保障、育児休業給付がありますよというのも言わなきゃいけませんし、それから、そもそもどうやって会社内でそれを申し出ていただくかというようなことも含めて、これは示さなきゃいけないんだと思います。  これも参議院委員の方の附帯決議の中で、情報不足の下で権利行使できないようなことがないように、そういうような決議をいただいております。やはりしっかりと情報が伝わるようにしていかなければならないわけでありまして、先ほど局長から政令で定めるという話がございましたが、これに関しましては、法律が成立後、労働政策審議会で御議論をいただいた上で、そのような形でお示しをするという形になってまいろうというふうに考えております。
  47. 大島敦

    ○大島(敦)委員 労働政策審議会での議論ということなんですけれども、やはり中小・小規模企業の実態についてよく分かっていらっしゃる方が議論していただくといいかなとは思っています。なかなか実態というのを、よく経営者の本音まで迫って解を得ないとなかなか定着しないのかなと思っていまして、保険のセールスをしているときに、経営者の本音を聞かない限りは営業できなかったものですから、この本音を聞くという作業が結構大切です。  続いて、育児休業取得。これは特に、役所の方もそうなんです、私も古い世代ですから、考え方を改めまして、前は、一年間育児休業を取ったら課長とか係長とか部長になるのが一年遅れても仕方がないのかなと思う世代だったんですけれども、この考え方をやめまして、育児休業介護休業を取ったとしても、その後の企業の中での、やはり男性育児休業取得率が上がらないのは、特に大企業においてはなかなか、能力・実績主義というんだけれども、この能力・実績主義ではなくて、ある程度、半年、一年休んだら、その分ちょっと遅れてしまうという恐怖感があって取れないと思うんですよ。  だから、ここのところを、いろいろな働き方がありますから、ただ、日本国のサラリーマンにおいては、将来を見据えて、所得がそれほど多くなくても安定した職場というのが求められている一面もありますから。  ここの、育児休業取得したことにより昇進が遅れることは望ましくなく、仮にこうしたことがあると育児休業取得をためらう要因になると思うので、政府としてはどのような対策が考えられるのか、御答弁ください。
  48. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほど政令と言いましたが、省令でございまして、失礼いたしました。  育児休業を取っていただいた方の昇進等々、昇給、昇進に対して、何かそれをもってしてペナルティーを与えるということ、これはもう当然、不利益取扱いでありますから許されないわけでありますが、一方で、そういうおそれというか、取る方も大丈夫かなという気持ちは当然あるわけで、社内においてはそうじゃないんですよということを仮にお示しをするならば、取っている方がどうなっているかということ、事例なんかをしっかりとお示しをされるなんというのは一つだと思います。それから、他の企業の好事例なんというのも出すのも一つだというふうに思います。  一方で、育児休業を取った方を優遇するという話になると、そうすると、お子さんのいない方もおられるわけで、そことのバランスはどうするかというのは、これは企業で、よくよく労使で話合いをしていただかないと、いいとか悪いとかではなくて、それをちゃんと話合いをして納得いただかないことにはこれは困るわけで、そこのところはよく労使間でお話しをいただくという話なんだというふうに思います。  いずれにしましても、厚生労働省では、ウェブサイトで両立支援のひろばというのを持っておりまして、ここでそういう企業なんかでお使いいただけるような事例なんかもお示しをさせていただいております。  そういうものも使って、実際問題、育児休業を取るのが普通になっちゃえば多分そういう心配はないわけなんですけれども、そこに持っていくまでが大変なわけでございますので、いろいろな企業が、例えば、国として示せるかどうか分かりませんが、企業が独自でこういう育児休業制度を持った結果、うちの会社はこういうような、業績が伸びていますよみたいなことをお示しいただけるような、何か比較できるようなものがあると本当は一番いいと思うんですが、なかなか国でそういうものを先導的に出すというのは難しいものでありますから、我々もいろいろなことを頭を悩ませながら、取りやすい環境というものをつくってまいりたいというふうに思います。
  49. 大島敦

    ○大島(敦)委員 私も以前、公務員制度改革に携わっていたときに、世界企業、六十万人ぐらいの雇用を抱えている企業のアジア担当の人事担当役員と意見交換したことがあります。私の会社の先輩で、辞めてからそういう立場になった方でして、人事担当役員。大島、我が社は男女比半々と言うんですよ。半々にすると、大島、生産性が上がると言っていましたので、企業の皆さんには、男女比を半々にすると生産性が上がりますよとよく言っています。  ですから、そういう事例があって、育児休業介護休業を取るとそれは会社にとって非常にメリットがあるという、それは厚労省として、国としてそういう指標を出すのは難しいかもしれないけれども、大臣おっしゃられたとおり、そういう成功事例を積み重ねていくということが、育児介護休業を取りやすく、当たり前の制度として定着することになるのかなと思います。  続きまして、後段の、労働者に対する意向確認の措置について伺います。  改正案により、事業主は、育児休業取得意向を確認するため面談等の措置を講ずることとなりますが、例えば、面談において事業主が、表向きは労働者の意向を確認しながら、育児休業取得を控えさせるような態度を取る、あるいは、取得希望しない労働者に無理に育児休業取得を促すような対応をするということも考えられます。  このような事業主対応は望ましいものとは言えませんが、労働者に対する意向確認の措置について、厚労省としてはどのように運用を徹底するのか、大臣のお考えを伺わせてください。
  50. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これは当然、意向確認で、こういう制度があるけれどもまさか取らないだろうな、こんなことを聞くのは法律の趣旨に反しておりますから、望ましくないのは当たり前でありまして、こういうことがないように、何らかの指針を示していかなければならないな、意向確認に関してこういうようなものがありますよというのは、と思います。  ただ、一方で難しいのは、悩んでいる職員に、いや、取れよみたいな話は、これは実は取ってもらいたいという思いがあるものでありますから、そういうような、取れよとはなかなか言えない、取ったらいいんじゃないのみたいな、そういうことは制度の趣旨には合っているので、そういうこと自体は駄目と言うつもりはないわけでありまして、あくまでも、取るなというような形の何か誘導みたいなものはやはり望ましくないということでございますから、指針等でそこら辺のところはしっかりとお示しをさせていただきたいというふうに思っております。
  51. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ここの四番も、今御質問したことも、大きな会社はいいけれども、小さな会社は結構大変なのかなと思うところなので、よく見てください。  続きまして、改正案により、有期雇用労働者取得要件が緩和され、雇用環境の整備や労働者への個別周知、意向確認が行われるようになると、育児休業取得する労働者が増加するものと考えます。その中で、育児休業取得時期について一つ気になることがあり、育児休業の分割取得社会保険料免除関係をお伺いします。  育児休業期間中は社会保険料免除されることになっています。健康保険法の審議の際にもお聞きしましたが、育児休業中の保険料免除について、賞与については一月を超える育児休業取得している場合に限り社会保険料免除することとされているため、健康保険法改正後、賞与月に関しては恣意的な育児休業取得が減るものと見込まれます。その一方で、健康保険法が成立したとしても、月末要件は依然として残されています。  育児介護休業法改正により育児休業の分割取得が可能になると、男性の場合、子が一歳になるまでに育児休業を最大四回取得できることになるわけですが、健康保険法の規定と併せて考えると、各月の社会保険料免除という観点からの、恣意的なごく短期間育児休業取得の可能性は残されていると言えます。  育児休業制度趣旨に沿わない恣意的な育児休業取得を防ぐため、厚生労働省はどのような対応が必要とお考えでしょうか。これは何か裏技としてネット上では結構流布されているらしくて、こういう取得の仕方を勧める経営側もいるやに聞いているものですから、その点についての今後の対応策をお聞かせください。
  52. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今般、そういうこともあってというわけではないんですが、要するに、月末に育児休業を取っていないと免除にならないということがございましたので、これは月内で二週間以上取っていただければ、月末が入っていなくても対象にします。  これに関しては、どういうふうに考えたらいいかというと、今言われたようなところを賞与までやられると、さすがにかなり大きな金額になってまいりますので、そういう意味では、賞与に関しては、月末要件を外すというよりかは、逆に言うと、一か月以上ですから当然かかってくるわけでありまして、一か月以上取っていただくということにいたしました。  問題は、では月々に関しても、つまり給与に関しても同じような形、月給に関しても同じような形にすればいいではないかという御意見があるんです。これは多分日割りにすればできるんだと思いますが、これがまた、保険料というものの制度の根幹は月末というものが一つの基準になっておりますので、日割り計算すると、これは育児休業を取られた方だけ特例でやるのかと。つまり、ほかの方々もみんな、いろいろな方々がいろいろな日に入ってこられるので、そうすると、企業としてみれば、そういう方々を全部日割りにしちゃいますと、御承知のとおり、非常に事務が煩雑になります、人事管理も煩雑になるということで。  そういう意味からいたしますと、ここは公平性を考えると、やはり育児休業を取られた方だけ日割りというわけにもなかなかいかないし、事務等々を考えると、月々の月給に対しての保険料に対しては、これは今般、両方とも免除という形で、あえて月末だけ外すということにはしていないということで御理解いただきたいと思います。
  53. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大臣、ありがとうございました。  ここで終わります。
  54. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、早稲田夕季さん。
  55. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 立憲民主党の早稲田夕季でございます。  それでは、質問をさせていただきます。  本日も尾身会長にお越しをいただきました。ありがとうございます。  それでは、法案質疑の前に、緊急事態宣言延長かというところの再調整が今まさに行われているところでございますので、コロナウイルス対策関連をまず質問をさせていただきたいと思います。  そのようなステージ4の状況が、大変、緊急事態宣言下のところにまだまだそのまま広がっているという状況になっておりまして、いろいろなところでもクラスターが発生しているわけですけれども、私は、本日は文科省それからまた厚労省に関わる部分のクラスターについて伺いたいと思うんです。  一月四日から五月二十四日の間に、保育園とか学童保育など児童福祉施設では二百二十三件、幼稚園を含む学校では五百一件のクラスターが発生しております。そのような中、五月十四日、萩生田文科大臣は、教職員や学生への優先接種を河野太郎ワクチン担当大臣の方に提案している旨を記者会見で発言をされました。  私は、幼稚園から大学生まで大変いろいろ厳しい状況で、また、教職員の方々もかなりの気を使いながら、そしてまた、いろいろな対策を講じながらやっていただいておりますけれども、一方で、非常に子供たちと一緒に接する、スキンシップの大切な現場、それからまた、大学生の方では、いまだに、緊急事態宣言が再宣言されたために、一時は対面が七割というふうになりましたけれども、またオンライン授業に戻ってしまっている。つまりは、非常に学びの保障が損なわれているという状況があります。  その中でございますので、是非ワクチンの優先接種をやっていただきたいと思うわけでございますけれども、このことについて、文科省で今どのような検討がされておりまして、その調整状況はいかがでしょうか。政務官に伺います。
  56. 鰐淵洋子

    ○鰐淵大臣政務官 お答えいたします。  ワクチンの優先接種につきましては、重症化リスクの大きさや医療提供体制の確保といった観点を踏まえまして、専門家の議論を経て決められているものと承知をしております。  その上で、幼稚園の職員に優先的に接種をする方針を示している地方公共団体があることは承知をしておりますけれども、文部科学省としましては、幼稚園を含む学校での教育活動が円滑に行われ、保護者を含めた地域の皆様方が安心して働くため、また安心して生活するためには、多くの子供たちに日常的に接する教職員の感染を防ぐことは大変に重要であると考えております。  文部科学省としましては、これまでも、地域における学校や教職員の職務の重要性につきまして関係省庁にもお伝えをしてきているところでございますが、引き続き、ワクチン接種の在り方等につきまして、政府全体での検討を踏まえまして対応を進めてまいります。
  57. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 検討状況を伺いました。政府全体でもちろん協議をされているとは思いますけれども、大臣がここまでおっしゃったわけですから、当然何らかの進捗はあると思われますので、そのことについてお尋ねしたいのですが、例えば優先接種の順位がございますが、そこにまた横出しで入れていただけるのか、又は高齢者施設等というところに含まれるようなこともお考えなのか、状況を教えてください。
  58. 鰐淵洋子

    ○鰐淵大臣政務官 お答えいたします。  優先順位につきましては、先ほど申し上げましたとおり、専門家の下での議論を経て政府全体の考えがある下で、文科省としての考えは、厚生労働省を含めて関係省庁に申し上げているところでございます。  また、文科省の中でも、文科関係以外、今先生の方からは幼稚園の教員ということでお話しいただきましたが、それ以外にも様々、優先的に打つべきではないかという、そういった御意見も多々ある中で、どのように進めていくかということは文科省としても引き続き検討しながら、また、政府全体の議論を踏まえた上で意見をしっかりと述べていきたいと思っております。  この時点では具体的にこういう計画がありますということを申し上げることはできないんですけれども、引き続き、先ほど先生からも御指摘いただいたとおり、子供たちに接する大変に重要な役割を、使命を担っていただいている教職員の方々、幼稚園の先生も含めまして、こういった方々の優先接種が進むように、引き続き文科省としては働きかけていきたいということを申し上げておきたいと思います。
  59. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 教職員の方々接種が進むようにということで、今政務官からお言葉もいただきましたので、是非これも他省庁含め皆さんに働きかけていただきたいと思います。  そして、続きまして、接種の優先順位でございますが、先ほど申しましたように、医療従事者、それから六十五歳以上の高齢者、その次に基礎疾患を有する者というふうになっておりまして、その後が高齢者施設への従事者ということが書かれております。  厚労省の方にも、資料として配付をさせていただきました、全国認定こども園協会の方から田村厚労大臣宛てに要望書の方が届いていると思います。この中身も先ほどの文科省への私の要望と同じでございますが、とにかくこの間、特に変異株で、子供たちのクラスター、それからまた陽性者が増えております。その中で、食事の介助をしたり、それからスキンシップをしながら一日を過ごしている保育施設でありますので、是非この要望の中身を踏まえていただきたい。  そして、ここに書かれておりますように、保育それから幼児教育のクラスターが全国で見られるようになりました、そして、保育崩壊の危険性を身近に感じておりますと書かれています。二次感染のリスク軽減とクラスター発生の防止の観点から、いち早くワクチン優先接種、抗原検査が行える、この環境を整えていただきますようよろしくお願いしますと書かれておりますので、大臣、是非ここは文科省とも一緒に、足並みを合わせる形でこういうことをやっていただきたいと思いますが、御検討いかがでしょうか。
  60. 田村憲久

    ○田村国務大臣 保育団体、幼稚園団体、認定こども園団体、それぞれからいろいろな要望が来ております。それ以外のいろいろな、エッセンシャルワーカーを含めて、優先接種お願いしたいというお声があります。  問題は、ワクチンがそれに対応できるか、もっと言うと接種体制がどうかという話になってくるんですが、一応順位は、まず、今高齢者がやっていますよね。多分、基礎疾患、それから介護施設、これは同じランクなんですが、ここは、始まり出すと、例えば基礎疾患をお持ちの方というのは数を自治体で把握できていませんよね、だって自らの申告ですから。すると、基礎疾患を打つ初め一定期間基礎疾患の方と言われるかも分かりませんが、終わるかどうかというのは確認できないわけで、数が分かりませんから。ですから、ある程度行ったら、もう並行して一般方々になってくると思います。  一般の中でどなたを優先するかというのは、これは自治体である程度裁量を持ってやっていただくという形でございますので、その中で自治体が、ワクチンが入ってきますから、そのワクチンが入ってくる計画と、それからあとは、それぞれの打つ体制等々を考えていただきながらいろいろな対応をするというのが一つであります。  それからもう一つは、これはファイザーのワクチンを中心にコールドチェーンができ上がって、それで一応、高齢者等々、優先順位がいっておりますから、これは絶対に我々としては壊していただきたくありません。そういうような分科会での御判断をいただいた優先順位でございますから。ただ、それに影響を与えない中で、いろいろな対応というものは、それはそれぞれいろいろな判断があるんだろうというふうに思います。  いずれにいたしましても、とにかく、まずは高齢者方々、医療従事者が終わった後は高齢者方々を打っていただくということ。これが遅れるということは何としても避けていかなきゃなりませんので、これが遅れないという中においていろいろな対応というものは、これはそれぞれいろいろな考え方の下で判断もあろうかというふうに考えております。
  61. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 おっしゃっていただいたことは今までと同じことなんですけれども、高齢者が遅れないということももちろんですが、青森県それから福岡市などでは、これと並行してやるようなことも言われております。  それで、それは自治体の裁量もございますのでとおっしゃいましたが、やはり、優先接種の枠にその他ででも入れていただかないとなかなか自治体としては判断しかねる、国からはそういう指示はないというふうに言っている自治体も多くございます。それなので、私がお願いしているのは、やはり政府として更にお考えをいただけないかというお願いでございます。  それは、何も高齢者をやめてとかいう話ではございませんし、また、今、供給量のこともおっしゃいましたが、これが潤沢になれば、もちろんそういうところにまで広げられるはずですから、そこはやはり保育崩壊、そういう教育崩壊をなくすためにも、子供たちのため、そして、そこで働く方々の安心の働き方ということにおいては、大変重要なんじゃないかと思うんですね。  特に、そういう会場ですから、もちろんいろいろなエッセンシャルワーカーの方がいらっしゃいますが、一つ一つが密の職場なので、そこのところは避けられない環境ではありますから、もう一歩踏み出して厚労省にも是非お考えをいただいて、横出しなり、こういうことも可能ですよぐらいのことは書いていただきたいと思いますが、文科省の萩生田大臣河野大臣に頼んでおられるということなので、是非、田村大臣からもそういうふうに働きかけをしていただきたいと強く思いますけれども、最後にお願いします。
  62. 田村憲久

    ○田村国務大臣 まず、申し上げたのは、高齢者は計画を作っていますよね、それが変わるようなことだけは絶対避けて、いただきたくないということなんです。  その上で、問題は、ワクチン供給量ではなくて、どう打つ体制を組むか。供給量はこれからどんどん入ってくる。我々もそういうような対応でやっておりますし、ファイザーだけではなくて、いろいろなワクチンが承認もされてきておりますから。あとは、打つ体制をそれぞれ自治体がどういうふうにつくっていくかということでございますので、決して、認定こども園、幼稚園、保育園のみならず、自治体はそれぞれ、ほかにもいろいろな、こういう方を打ってほしいというお声が各自治体にもございます。警察官でありますとか、いろいろな声もあるわけでありまして。そういうものも含めてでありますけれども、高齢者の計画が狂わないというか変わらない中において、ワクチン量の供給量と、それからあとは接種体制等々を組みながら、一方で基礎疾患を持っている方々というものも意識していただきながら、しっかりと体制を組んでいただきたいということであります。
  63. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 強く要望させていただきたいと思います。  それから、次に参ります。  今、緊急事態宣言が再延長かということでまさに議論をされているところでしょうし、また、尾身会長も分科会等で御指導をされているところだと思いますが、今、今月末で期限となる九都道府県におきましては、ほとんどが最も深刻なステージの新規感染者数それから病床使用率、これが4ステージというのがほとんどですね。それから、全ての自治体では療養者数が十万人当たりでステージ4になっておりまして、普通に考えれば宣言の延長は避けられないものと見られているわけです。  その中で、七日の分科会の議事録によると、複数の専門家の方が、変異ウイルスの強い感染力を理由に、解除はステージ2を基準にすべきと主張されたと報道されております。そして、尾身会長も以前から、とにかくステージ2を、ステージ3ということは当然だけれども、ステージ2を目指すべきだということも言及をされていらっしゃいますけれども、このようなステージ4がずっと続いている中でありますから、きちんとここは分かりやすい形でステージ2ということを尾身会長にもおっしゃっていただきたいと思いますし、この分科会での御議論はどのようなものが主流であったのか、教えていただきたいと思います。
  64. 尾身茂

    尾身参考人 分科会では、もうこれは、言ってみればメンバーの間ではコンセンサスで、しっかりとステージ3それから2の方向に行って、しかも、これは基本的対処方針にも今回書いていただきましたけれども、変異株のことがあるから、今まで以上に慎重ということになると、多くの人がステージ2ということが望ましいというふうに思っているのが、メンバーの多くだと思います。  その上で、これは私が前から申し上げていますけれども、そこまで行かなかったときにどうするかという話、つまり、下げ止まったときにどうするかという話ですけれども、ここは、つまり、下まで早く行くことというのが非常に重要ですけれども、必ずしも下に行かない可能性がありますよね。そうするときにどうするかというのもこれは考えておく必要があるので、そのときには、しばらく我慢をして、最低は維持をする。そこですぐに解除すると、またリバウンドすることはもうほぼ間違いないので、基本的には、なるべく下げる、ステージ2の方向に行く。ただし、行かない場合がありますから、いわゆる下げ止まりになったときにどうするかというのは、多分なかなか難しい。そのときには、我慢して、いろいろ対策を打ちつつ上がらないようにし、また更に下げるようにするという努力が必要だと思います。
  65. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 ステージ2ということでありますけれども、下げ止まったときにどうするかということで、ここで我慢をする、もちろんこれまで以上にということですが、日数的に申し上げると、二週間なのか三週間なのか、尾身会長の考えられるところではどのようなふうに思われるでしょうか。
  66. 尾身茂

    尾身参考人 下げ止まってからどのぐらいかというのは、そんなに確実なものがあるわけではありませんけれども、今までのデータを見ますと、一週間とか数日ですぐに解除すると必ず上がる、早く上がりますから、ここは、この前も私、国会で申し上げたと思いますけれども、大体の目安としては二、三週間は見た方がいい。これは、今までの感染のデータを見ると、その辺の目安ですね、これは何日とはっきり言えるものではないので、いろいろな、様々な状況が変わりますから、というふうに目安としては思います。
  67. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 ステージ2、それからまた二、三週間という、下げ止まったときの我慢の時期ということもおっしゃっていただきましたので、そうなるように私たちも努力をしなければならないし、政府としてもきちんと御判断をいただきたいということを申し上げておきます。  それから、重症病床者のことですけれども、特に、大阪それから兵庫、愛知もそうですけれども、ここの赤いところを見ていただければ分かるとおりでありますが、新規感染者は少しずつ減少していても、大阪府の十日の発表で、少し古いものですが、七日までに自宅で亡くなったのが十七人、兵庫県では少なくとも二十一人、そして、第三波で大阪で亡くなった方は一人というふうに書かれておりました。また、厚労部会の方でも長妻議員始め提案をして出していただいた警察の方の資料とは、大分これも数字が乖離があります。  そして、厚労省が、残念ながらこれを、各県の自治体の、自宅で亡くなった方の数字を把握していないということも分かりまして、私も大変びっくりしております。びっくりというか、こんなことでいいんだろうかと。  今、ワクチンのことが大変先行しているわけですけれども、その一方で、医療を受けられない方がいる、自宅で亡くなっている方がいる、これは何としても止めなければならない。もちろん皆様そのように動いていらっしゃいますけれども、なかなか、もっと国がリーダーシップを取って私はやっていただきたいということを先週も申し上げました。  それで、亡くなっている、それからまた自宅の療養の方、一万人規模でまだいらっしゃるわけですよね。ここをどうにかして入院をしていただかないとならないわけで、大阪府の方でも増やしていただいているし、国も看護師さんを百人単位で派遣をしていただいておりますけれども、それでもまだまだ足りないわけです、この数字を見れば。  その中で、どうして災害級のこの緊急事態ということの、プッシュ型支援がまだ足りないのではないかということを私は非常に思っております。  前回も、臨時の病院をつくってほしい、それから全国から医師を派遣してほしいという旨を申し上げました。直近で、世田谷区の保坂区長も、臨時病院を中国みたいにつくるべきではないか、今国がやらないでどうするんだというような発信をされておりました。  もちろん、この病床ということも、百なのか、じゃ、千病床つくるのかというのは大変なことです。一日ではできません。でも、例えば府立病院を、国立病院、公的病院を一棟コロナ病床にしていただくとか、それも言うはやすしですけれども、大変なことなのは分かっております上で、是非国にはそういう働きかけをしていただきたい。  そうでないと、これは大阪、関西地域だけの問題ではなくて、この入院率を見れば、一五%ぐらいの今ひどい状況ですけれども、これは第三波のときに関東圏も一五とか二〇とかそのくらいでした。本当にどこでも起こる事態ですから、もっと国が主導してそうしたことをやっていただきたいと私は思うんですけれども。  田村大臣からはまた伺いますが、尾身会長、そのことについて、臨時病院、全国から医師の派遣、それからまた、もう一つ申し上げれば、自宅療養での訪問医療、これにもっと支援をしていただきたい、国として。今もないことはないんですけれども、明らかに足りません。その中で、防護服を着て民間の医療者が行くのにはハードルが高過ぎます。なので、そこの三点、尾身会長、いかがでしょうか。
  68. 尾身茂

    尾身参考人 これはもう以前から申し上げていますように、国がこういう時期ですからリーダーシップを、随分国も、私はそばで見ていて頑張っていただいていると思いますけれども、改善の余地は、どうしてもやはり日本の場合は地方自治というのがあるので、国が一方的にやりますよというのはなかなか難しい部分があると思いますけれども、そういうことがあっても、やはり国は今まで以上にリーダーシップ、積極的にやっていただければと思います。  それから、自宅療養者等々、今まだまだ逼迫していまして、これについては、今大阪の方でもかなり努力しているし、国の方でもやっていますけれども、ただ、一つ、ここに来て、自宅療養者なんかも、五月十二日のときは一万五千で、五月十九日には九千、少しずつ下がっているので、ともかく早く感染を下火にしつつ、今、できるだけ開業医の人なんかも頑張ってくれと言っているようなことをしているので、できることは全てやってもらって、と同時に、感染を下火にするということが今求められていると思います。
  69. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 尾身会長からは、更に国がリーダーシップを取ってもらってやってほしいということなので、私が申し上げた臨時病院や何かも的外れな話ではないというふうに私は自分で理解をいたしましたが、大臣、いかがでしょうか。
  70. 田村憲久

    ○田村国務大臣 委員おっしゃられるとおり、仮に上屋ができても医療人材がいないと稼働できないということで、上屋等々はコロナの重症化病院も含めて大阪にはつくられておられましたので、臨時の医療施設という形で、そこに人を送り込むという形で対応してまいりました。  百五十名からの方々をという形でありましたが、この六月一日以降は、また、それこそ尾身先生の下のJCHOでありますとか様々な医療機関、公的医療機関にお願いをいたしまして、大変、本当に御協力をいただいて、人数を更に出していただくという形で、六月以降ももうそういう体制お願いをいたしております。  東京に関して申し上げますと、多分大阪よりも感染スピードが今回は遅かったものでありますから、今のところ、厳しいとはいえども、大阪のような病床の逼迫率、逼迫度ではありませんが、しかし、これもいつどうなるか分かりませんので、東京都ともしっかり連携をしながら、速度が上がったときにも対応できるようにということをしっかりと準備をしてまいりたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、まずは一義的には、もちろん、地方自治といいますから、地方のことは地方が一番詳しいので、各都道府県でやっていただくということになろうと思いますけれども、国は、そこでできない部分が出てきますから、それに対してはしっかりと主体的に支援をしてまいりたいというふうに思っております。
  71. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 できないことはあるんです。今おっしゃっていただいたことをいろいろやっていただいているのは重々分かりますが、国が東京都の方で軽症者の臨時の施設をつくりました。警察官舎、これを四つですかね、つくりまして、四十億円ぐらいかけて改修をして、でも、一回も使われませんでした。これも官邸主導でやられたと報道されております。こういうことだってできるじゃないですか。  だったら、今、大阪の重症病床、臨時病床をつくったのはたったの六十ですから、これでは到底足りません、百単位じゃないと。(発言する者あり)いや、三十が六十に増えたんじゃないかと思いましたけれども、間違いだったらあれですが、三十病床から始まったんだと思います。でも、そこを増やしていただいたとしても百にはなっていないわけなので、是非そういうところを私は国が主体的にやっていただきたい。無駄なものをつくってまた壊すようなことのないように、本当に今足りていないわけですから、そういうところにこそ、予算も、それから人的支援もかけていただきたいということをまた強く要望させていただきます。  それから、資料の方ですけれども、東大の大学院の仲田准教授グループのシミュレーションを出させていただきました。これはオリンピックをやった場合にどうなのかということですけれども、オリンピックで十万人以上の方が見えても、それだけでは限定的だと。ただし、人流が一〇%増えれば、このような状況でありまして、感染者は三倍になるというふうに予測をされています。  その中で、その人流というものがいかに大切かということですが、一方で、東京都の方が代々木公園など、それからまた横浜市も会場を取って、パブリックビューイングの施設を今つくろうとしています。その中で、SNS等では、樹木を剪定をする、大きく剪定をするらしいんですけれども、これに対する反対の声が非常に上がっておりますし、私も、都民のオアシスであるこれをオリンピックのためにこうしたことをしていいのかと、非常にこれは疑問ですし、反対をしたいと思っておりますが。  このことについて、人流を抑えなければならないということと矛盾するのではないか、是非、大臣にもそのことを、都の方にも、矛盾するのではないかということをきちんと言っていただきたいと思いますけれども、大臣のお考え、それから尾身会長、人流ということでいかがでしょうか、伺いたいし、あとオリパラ事務局の方、参考人、この件についての御見解、教えてください。
  72. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これは緊急事態宣言ですと、そもそもこの基準がどうなのかという話なんでしょうけれども。  要は、都の方も、専門家の方々、入っていただいておられるんだと思います、感染症の。その中でいろんな検討をされておられるので、私は、これはこのままやられるつもりなのかどうなのかは分かりませんが、今現状、都がどう考えておられるのかは。私、オリンピック担当大臣ではないので、話しておりませんから。ただ、そこは専門家の方々が入っていただいて、そこは適切な判断をされるのであろうというふうに思っております。
  73. 尾身茂

    尾身参考人 この前の五月の中旬だったと思いますけれども、国会で呼ばれて、私は、オリパラですね、アスリートやスタジアム内での感染のリスクについては制御できるのではないかと申し上げました。その上で、私は、大きく言って、感染のリスクを考慮して、みんなでしっかり考えなくちゃいけない懸念、リスクというのは二つあると思います。  一つは、いわゆるアスリート以外の大会関係者、これはよく言われている報道関係者とかスポンサーなど、こういう人たちが、実は、プレーブックというものに今記載されている行動規範が確実に遵守されるかどうかというリスクはあると思います。それが一点目です。  それから二点目は、オリパラというのは、規模とか社会的な注目度において、一般のスポーツイベントとは別格ですよね。したがって、そういう中で、大会に関連してパブリックビューだとかスポーツイベントなどが関係して開催されると、人流が増えるということが懸念されるので、この人流の増加に伴う感染リスクの増大というのは、私は、関係者はしっかりと考えていただければと思います。  そういう意味で、委員質問の仲田先生たちのシミュレーションについては、基本的には、シミュレーションというのはいろいろな前提でいろいろな数は違ってきますけれども、同じように、人流が増えることの感染リスクというものを示したもので、その点では私たちと同じ考えであります。
  74. 植松浩二

    植松政府参考人 お答えいたします。  御指摘のパブリックビューイングにつきましては、東京都と組織委員会との共催によるものでございますが、これらのパブリックビューイングを始めとしたイベントにつきましては、コロナ対策調整会議におきまして、会場レイアウトの見直しや人数の削減を含めた感染症対策を取ることを議論いたしました。それを受けまして、組織委員会におきましては、事前予約や時間差での入退場など、混雑を避ける具体的方策を含んだ指針を定めて自治体に示し、今後、その実施に向けて準備を進めていくこととしております。  今後、こういったイベントに際しましては、準備段階での関係者の調整、あるいは環境破壊への考慮に加えまして、御指摘のありました人流、混雑防止につきましても、必要な感染対策を講じながら進めていくことが大切でありまして、そこら辺はしっかりと注視してまいりたいと思います。
  75. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 オリパラ事務局に伺います。  環境破壊を考慮してとおっしゃいますけれども、もうこれは工事に入っているんじゃないんですか。剪定、三十数本の木が、大きく伸びている、形のいいものでしょうね、代々木公園ですから。私も代々木に住んでおりましたので、よく行きました。小さい木はありません。そういう中で、もうその辺の環境を一変させるような工事が進んでいるんです。  それから、人流を抑えるとおっしゃいますけれども、やらないことが一番人流を抑えますよね、パブリックビューイング。それなのに、あえてやるという。今の尾身会長のお話とは全く矛盾する話だと思うんですね、私。一方で、映画館はやっちゃいけない。非常に矛盾しませんか。映画館、黙って映画を見ているんですよ、皆さん。劇場はオーケー。スポーツイベントも、もちろん上限も設けてオーケー。それから、パブリックビューイングも感染対策するからオーケーと。これでは国民理解を得られません。再考していただきたい。  今、ステージ4で、緊急事態宣言再延長ということをやっているときなんです。こんなばかげた話をどんどん進めるから、国民がどんどん心が離れていっているんです。オリパラ、誰でもやりたい、見たい。だけれども、自分たちは休業仕事もできないのに、そっちはこうやってやるんだ、ワクチンも優先なんだということになったら、やはりそこに分断が生まれて、大変残念です。アスリートの方たちの血のにじみ出る今までの練習を思えば、当然そうしてさしあげたいし、やっていただきたい。だけれども、そうじゃないということをオリパラ事務局はしっかりと東京都と話し合ってください。再考を求めたいと思います。
  76. 植松浩二

    植松政府参考人 伐採については御指摘のとおりされておりますが、必要最小限というふうには伺っておるところでございますが、環境への配慮と、あと、そういった混雑防止対策等々も含めまして、そこは東京都においてもしっかり検討されることと思いますし、我々もしっかりと注視してまいりたいと思います。
  77. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 東京都が検討するなんておかしいんじゃないですか。オリパラ事務局なんですよね。そういうふうに、人任せにしない、人のせいにしないでいただきたい。  この国で行われるオリンピック、パラリンピックですから、東京都が開催都市であっても、前安倍総理はこれを延期をされたということは、御自身でそういう判断をされたわけですから、それはできるでしょう、国で。しかも、パブリックビューイングですから、やってもやらなくてもということにはならないけれども、やはり、そこのところは、人流を抑えるんだからテレビで見ていただくしかないというふうに思うのが普通だと思いますけれども。しっかりと再考していただくことを私は強く要望します。  時間がないので、次に行きます。  それでは、オリンピックのこともパラリンピックのことも、いろいろまだまだ質問したいですけれども、今回の育児介護休業法であります。  このことは一歩前進ではありますが、国連のユニセフの調査によれば、男性育児休業取得可能期間について、日本は全額支給換算で六か月以上の有給育児休業期間を設けていることから、OECDやEU、こちらの加盟の四十一か国中では一位とされているわけですね。それほど制度が充実している。にもかかわらず、残念なことに、実際に男性が育休を取得している……(発言する者あり)ごめんなさい。尾身先生、どうもありがとうございました。御退席を。  そのときに、こんなに制度がいいにもかかわらず、男性取得率が直近で七・四八%、これは最高ですと言うんですけれども。それで、しかも、この方たちが取った、男性が取った、一か月未満なんですね、八一%。それに対して、女性は九割が六か月以上ということでありまして、いかに取得率が低いかということでありますけれども。  これは通告していませんけれども、大臣にちょっと伺いたいんですが、日本の男性育児家事時間というのは大体どのくらいだと思われますか、一日。それからまた、御自身の経験でも結構です、育児中にどのぐらいやられたか。お忙しい立場ですから分かりますけれども、そこを加味しても、もし覚えていらしたら教えてください。
  78. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ちょっと、私も講演で使った覚えはあるんですが、一時間ぐらいだったというような気がします。  私自身は、申し訳ありません、うちの奥さんには本当に何も言い訳できないんですが、ちょうど選挙の時期と出産とが絡んじゃいまして、もうほとんど何もできず、そのまま国会議員になって、そして東京に来ちゃったものですから、週末しか帰らないということでございまして、その罪滅ぼしに、娘が大学に入って、こっちに来たときだけは、弁当を作ったり御飯を作ったり、一生懸命いたしましたが、それを育児と言うのかどうか、ただ単に御飯を作っていた、家事だということだというように思いますけれども、本当に反省ばかりでございます。  やはり、しっかりと男性育児家事、こういうことをやれるのが普通であるというような社会をつくらないと、なかなか、女性が子供をもう一人つくろうかだとか、そもそも子供を産もうだとか、そういうようなことを思っていただけない。やはりそれだけ負担が重いですよね、女性は。だから、それをしっかり、男性も共に参画して分かち合うというような社会をつくっていかないとこれからの日本はないなという思いの中で、この法律を出させていただいております。
  79. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 次の質問の前のところにもお答えをいただいたんじゃないかなと思っておりますが。  大臣も、大変お忙しい中でそういうことが難しかったとおっしゃっていますけれども、今回のコロナでリモートが進んだわけですよね。それで、非常に御家庭にいらっしゃる男性も多くなったんだけれども、私が一番驚きましたのは、男性家事時間が伸びなかった、増えなかったという報道がございました。そういうのが実態なんですね。家にいても、お昼御飯は奥さんが作るよ、子供の分も作って、だって、普通だったら自分一人でいいのに、三人分作る、四人分作るというのが実態だという調査もございました。ここを変えていかないと、意識を、進まないんだろうなとは思いますけれども。  その中で、進まない理由として、業務の都合、取りにくい雰囲気、これがある、原因だというふうに言われておりますけれども、今回の休業中の就業を可能とする出生育児休業という制度の新設のみだけで、七年度、取得の率を三割、達成できるとお考えでしょうか。また、そうであれば、根拠を教えてください。
  80. 田村憲久

    ○田村国務大臣 アンケートを聞くと一番多いのは、やはり収入が減るというのが実は多いということになっています。  実際問題、これもちょうど私が前の大臣をやっているときに育児休業給付を五〇%から六七%に上げた、三分の二に上げたということで、男性女性、半々ずつ六か月取れば二人で一年は取れるというような形で六七%の給付という形にしたわけでありますけれども、これは社会保険料免除等々を考えると、それなりにやはり、ユニセフで言われるとおり世界で最高水準なんですが、それでも収入が低いと言われるのは、もうそれだけじゃなくて、いろんな問題の中で、一つは収入が低いというのもその理由に使われているんだろうなというふうに思います。  言われるとおり、職場で取りづらい、それから、よく言われるのが、男性が、俺は仕事があってなかなか休めないんだと、本当にあるのかどうなのかよく分からないんですけれども、そういう意識が強い方々もおられるということで、ですから、それならば、本当にそうなのかどうなのか会社と相談して、あなたがどうしてもというのならば、働けるようなそういう期間をつくりましょうということで、産後、出産後八週間の間において、今般のようなものをつくらせていただいたということでございます。  これをもってして全てが解決するとは思いませんが、そもそも、今育児休業を取られている男性の率プラス、本当は取りたかったんだけれどもいろんな理由があって取れなかったんだという数字を足し合わせると三〇%になるということでございます。ただ単に数字だけではありますけれども、理想の形になればそれが達成できるのではないかということで、この数字を目標数値に挙げさせていただいております。
  81. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 早稲田夕季さん、申合せの時間が来ております。
  82. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 なかなかそれだけでは進まないと思いますが、平成二十九年の三月のこの厚生労働委員会の方で、女性活躍推進コンサルタントの天野妙参考人が、韓国の例を引き合いにして、男女とも一年ずつ取ることができて、妻が一年取得した後、夫が育休を取ると、最初の三か月については給付金が一〇〇%支給される、この方式によって、韓国では前年同期比で五三・二%男性の育休が上がったというふうに言われております。  是非、こういうことも御検討を更に進めていただきますよう、私も注視をしてまいりたいと思います。  最後まで質問できませんでしたけれども、また引き続きやらせていただきます。ありがとうございました。
  83. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、西村智奈美さん。
  84. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。  先週の二十一日に、私はこの場で、余ったワクチン接種対象について大臣質問いたしました。そうしましたら、大臣の方からは、余ったものを、そういう対応というのは、接種券が届いていない人に打つということについては結構でございますので、そういうことはより分かりやすいような形で各自治体にお伝えをさせていただくようにいたしますというふうに答弁をいただきました。  その後、どうなりましたでしょうか。
  85. 田村憲久

    ○田村国務大臣 二十五日、昨日でありますけれども、事務連絡という形で、余るワクチンに関しては接種券の有無にかかわらず対応いただきたいというような形で御連絡をさせていただきました。  そのときに、ちゃんと記録だけは残していただかないとどなたが打ったかどうか分からなくなりますので、そこはしっかりとお取りをいただきますようにというお願いも含めて、事務連絡を通知させていただきました。
  86. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 よかったと思います。  もう一つ、高齢者の予約が非常に難渋しているということについても質問いたしましたところ、大臣からは、混乱をいつまでも続けるというわけにもいきませんから、我々もよく情報を収集して、なるべく早く予約をされる方々対応できるように、自治体と協力をし合ってまいりたいというふうにも答弁してくださいました。  その後、いかがなりましたでしょうか。
  87. 田村憲久

    ○田村国務大臣 まず、その後の前ですけれども、コールセンターでありますとかいろいろな対応という意味では、国の方もいろいろな御支援をさせていただいておるということで、設置費用等々も補助対象にしておるというようなことも含めてやっておりますが、そんな中でこういうような混乱が起こったということでございますので、今、うまくいっている好事例集等々を集めながら、しっかりと自治体と協力をして、混乱が起こらないような、これは高齢者だけじゃなくてやがては一般も始まり出しますので、そういうときに同じようなことが起こらないような、そういう対応をすべくしっかりと今情報収集をさせていただいております。
  88. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 引き続きよろしくお願いいたします。  今日は、育介休法の改正ということで時間をいただいております。  ちまたでは逃げ恥婚ということが大変話題になっていて、私は年末の番組は見なかったんですけれども、そこで星野源さんが育児休業を取るという場面がどうも番組の中であったようなんです。若い世代の中では、何というか、仕事と生活という感覚についてはかなりアップデートされていて、育児休業を取りたいと思う人は男性も増えているんじゃないかというふうに私は思うんですね。それを後押しするような法律であってほしいというふうに思うわけなんですけれども。  徐々に徐々に改正が進んできて、いい方にはなっているであろうこの育介休法だと私も受け止めているんですけれども、一点だけ、休業している男性労働者休業中に就業できるという点に関しては、率直に申し上げて、妊娠、出産の申出をする労働者と同じ側の性にいる私の立場から申し上げると、ちょっとこれはいかがなものかなというふうに思うところがございます。順次伺っていきたいと思います。  休業中の就労についてなんですけれども、就業できる日時は、あらかじめ労使協定で定められた労働者の同意を基に決められるということになっています。ですから、本来であれば時間外労働は発生しないはずだというふうに思うんですけれども、もし万が一、時間外労働が発生した場合は一体どういうことになるんでしょうか。これは、審議会の中では「パターンとしていろいろなパターンがあり得ると思っていますので、詳細については施行までの間に、また皆様とも御相談させていただければと思っております。」というふうな答弁があるんですけれども、どういうことになりますか、この場合は。
  89. 田村憲久

    ○田村国務大臣 そうですか。私も見ていなかったのでよく分からなかったんですが、新垣さんと星野さんには本当に心からお祝いを申し上げたいというふうに思います。  今のお話ですけれども、基本的には所定外労働時間に働くということが前提になっておりませんので、そういうことが生じないように対応いただくということになろうというふうに思います。
  90. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 では、発生しないということですね。  それで、この法律の前に建議が審議会の方から出されておりますけれども、ここで、新しい制度、つまり男性労働者休業中に就業することが可能となるという新制度については、「ポジティブ・アクションの考え方等に沿ったものとして、設けることが適当である。」というふうに記載をされています。  ポジティブアクションというのはこういう意味で使うのかなと、私は少々疑問でした。つまり、ポジティブアクションというのは、これは厚生労働省も言っていますけれども、固定的な男女役割分担意識や過去の経緯からいろいろな差が男女労働者の間に生じている場合、この差を解消しようとして個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組と。これは厚労省的なところでいうところの定義なわけなんですけれども。  だから、どちらかというと女性労働者の方に何か特別な措置を講ずるというのがやはりポジティブアクションの基本的な考え方なんだと思うんですけれども、一体どの点が、この男性労働者休業中の就業を認めるという点に関して、ポジティブアクションの考え方に沿っているというふうに言えるんでしょうか。
  91. 田村憲久

    ○田村国務大臣 私だけですね、私だけ。  ちょっと通告がうまく伝わっていなかったんですが、していただいているんだと思いますが、うまく伝わっていなかったんですけれども。  育児休業取得率男性が非常に低いというのを、男性育児休業を取ることによって女性労働者もいろいろな意味でよりよくなるという意味で、ポジティブアクションという意識なんだというふうに私は思っております。  中身は非常に不満だと委員がお考えになられておるのは、私もおつき合いが長いので大体分かるわけでございますけれども、分かる気はいたしますが、それにいたしましても、まずは男性育児休業取得促進するという意味で、今般のような、若干、内容的にはいろいろな御議論が、異論があられるというのも分かりますけれども、今回のような新たな制度をつくらせていただいた。  あくまでもポジティブアクションでございますので、いついつまでも続くという意味ではなくて、そういう意味合いの下での今回の法改正お願いであるということであります。
  92. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 私の心の中が読めるという、大臣、すごいですね。  では、ちょっと次の質問でもっと更に具体的に聞くんですけれども、つまり、男性休業中に就業できるということになると、これはやはり女性と大きな格差が出ちゃうわけです。分かりますよね。つまり、女性の方は、八週間の産後休暇中、就業制限を受けていて、その間ははっきりとキャリアが、言ってみれば断絶されます、収入も減ります。そういう意味では、何といったらいいのかな、ちょっとマイナスになる。それはもう避けようのない事実だと思うんですよ。  そういう女性と比べると、男性休業中に働けるというのは、その間の例えばキャリアの断絶がちょっとだけつながるという意味においても、ロスは少なくなりますよね。会社では、何か育児休業を取ったんだってとかといって、イクメンとかというふうに何か評価されたりとかして鼻高々になっている。だけれども、片や、育児休業を取っているかと思えば仕事に行ったりということでいうと、これは男女間の格差が更に開いてしまうおそれがある。  同時に、こういうことになると、やはり感情的にもいろいろな不満が出てくるんじゃないかというふうに思うんですよ、不平等感といったらいいのか。これについてはどうでしょうか、大臣
  93. 田村憲久

    ○田村国務大臣 育休を取ったからといって鼻高々になるというのが鼻につくというのもよく分かるんです、立場が逆ならば、それは。常に私は、逆の、そう思う立場に立ってみて物事を見るものですから、委員と同じ立場に立ってみると、多分そうなるだろうなと。何で、私はキャリアが断絶しているのに、あの人は育児休業を取って育児せずに、仕事をやって評価されるのみたいな。  ただ、一方の見方をすると、それで評価される企業はまだいいかなと。何だあいつ、育児休業を取りやがってという企業は、これは何とかしてもらわなきゃいけない話で、とにかく、育児休業を取るのが当たり前になるために、取りあえず今回のこの制度お願いいたしております。  問題は、育児休業を取る中において、男性側は、やはり俺がいなきゃ会社は回らないだろうなんて言って取らないというところに問題があるものでありますから、そこを何とか回避して一遍取ってみろよと。取ってみろよじゃない、取ってみてくださいよと。取ってみていただいた結果、やはり家で育児をする、それから妻が一番つらいときに一緒にいる、それによってどう思うの、どうなのということに気づいてもらうということが重要だというふうに思っておりますので。  委員の立場になれば、私もそうだよな、ちょっと何なのと思いますが、そこもひとつこらえていただきながら、まず前に進めるために、何とか今回、御理解いただければありがたいというふうに思います。
  94. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 確認ですけれども、休業中に就業した場合は、ちょっとざくっとした聞き方で済みませんけれども、育児休業取得としてカウントされるんでしょうか、期間としてというか、日数としてというか。それから、そういったことが、例えばくるみんとかいろいろな認定制度がありますけれども、そういったものに影響はしてくるんでしょうか。
  95. 田村憲久

    ○田村国務大臣 仮に就業する日があったとしても、育児休業取得者という一回にはカウントされます。ただし、一回就業して、次の日また、次の日か二日後か分かりませんが、家で育児をやるというので二回というわけにはならないので、あくまでも制度として一回という形でカウントして、これはくるみんの認定の要件という中に入ってまいります。
  96. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 だとすると、是非、この制度が始まったときには実態をよく把握するように、やはり厚生労働省はしていく必要があると思っております。  例えば、A社で雇用されている労働者が、育児休業中にB社と、全く別の会社と請負契約を締結して仕事をするということは法律上可能でしょうか。  全部通告しております。
  97. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これは、趣旨からいうと決して好ましい話ではありません。しっかりと育児休業を取っていただいて育児家事をやっていただきたいという思いの中で今回の制度をつくっておりますので、好ましくはありませんが、ただ、いろいろな、ずっとじゃなくても若干、請負で仕事を若干やったみたいなこともあろうと思いますので、そういう意味では、月十日又は八十時間を超えて就労していなければ、逆に言うと、これを超えれば育児休業給付の対象にはなりませんが、この範囲であれば、育児休業の一応対象になるということであります。
  98. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 つまり、今のお答えは、B社と請負契約を締結して仕事をすることは法律上可能であるということだと思います。  その場合、休業中の就労の賃金と育児休業給付の合計額によって給付の減額調整が行われるんですけれども、ほかの会社と請負契約で働いているという場合に報酬を得るということになりますと、その報酬は、この法案で言うところの、要するに減額調整が行われるというものの賃金に含まれるのかどうか。そこはどうでしょうか。
  99. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、月十日まで、八十時間までという限度の中においての話でありますけれども、その限度の中であれば、これは要するに併給で調整するかというお話だと思いますが、調整の対象にはなりません。  といいますのは、なかなかこれは把握がし切れないので、そういうような事務的ないろいろな問題もございますので、併給の対象にならないということであります。
  100. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 分かりました。  ただ、そういうふうにならないように、やはり法の趣旨なりを、大臣がお考えのとおり、適切に周知していただくということは必要だと思います。  ところが、やはりこの育介休法というのは今まで何度も改正をされてきているんですけれども、特に、前々回になるのかな、二〇一六年の改正のときに、いわゆるマタハラとかパタハラの防止措置が新設をされたわけです。  事業主による妊娠、出産、育児休業介護休業等を理由とする不利益取扱いは禁止するというそれまでの法律に加えて、上司、同僚からの妊娠、出産、育児休業介護休業等を理由とする嫌がらせを防止する措置を講じることを事業主へ新たに義務づけた。また、派遣労働者についてもいろいろなことが適用されるということになって、二〇一七年の一月一日から施行されたんですけれども。  今年の三月に、厚生労働省が委託調査を行っておりまして、職場のハラスメントに関する実態調査報告書というのがまとめられました。これを見ますと、やはりなかなかパタハラとかマタハラとか、なくなっていないんですよね。なくなっていないというか、やはりちょっと多いんですよね。  例えばどういうことかといいますと、過去五年間に男性の二六・二%がパタハラ被害の経験があるということなんです。経験者の四二・七%が、その被害からなんでしょう、育休の利用を諦めているという実態があります。また、誰が行為者かというと、役員以外の上司、これが六六・四%。内容としては、育休制度などを利用させなかったり、取るのを邪魔したりする言動、あるいは人事考課での不利益な評価やほのめかしがあったということなんですけれども。  一体、これは前回の、二〇一六年の法改正以降、周知と、それから義務の履行状況をどうやって把握しておられるのか、ここを教えていただけませんか。
  101. 田村憲久

    ○田村国務大臣 二十八年の改正で、今言われたとおり、ハラスメントの防止に関して、周知啓発、それから相談体制の整備でありますとかそういった方へのケア、さらには再発防止、こういうものを事業主に義務づけたわけであります。  今言われたあれでいきますと、令和元年度の均等基本調査でありますけれども、これで、ハラスメントを防止するための対策に取り組んでいる企業の割合でありますが、七五・七%になりまして、その前、先ほど言いました平成二十九年、二〇一七年の調査と比べて一八・九ポイント上昇をしておるということでございますので、そういう意味では、防止対策を行っている企業の数は着実に伸びてきているというふうに思います。  ただ、言われるとおり、今言われた話は多分令和二年のハラスメント実態調査だと思いますが、ここでは、言われるとおり、男性労働者、過去五年の育児に関わる制度を利用しようとした男性労働者に対して、過去五年ですから、若干これは今言った年度が重なっているというか、それ以前の部分も入っておりますので、十分な対策をした後どうなっているかというのはこれでは分からないんですけれども、過去五年の中で、ハラスメントを受けたと思われる方、こういう方は二六・二%男性でおられるということでございます。  これは、ちゃんと企業としては義務化されておる対応でございますので、もしやっていないということであれば、しっかりと労働局の方から事業主に対して指導の徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
  102. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 やってくださる企業は増えているという大臣の御答弁、私もそうだと思っております。  ただ、実際にこうやってパタハラを受けて育休制度を利用するのをやめた人が四割以上もいるということになりますと、では、その周知の中身とか措置義務の中身が一体どうなのかというところにまでやはり踏み込んでいかないといけないのかなというふうに思うんですね。  ちょっと女性労働者の話なんですけれども、妊娠、出産の申出をした労働者に対する個別の周知、意向確認の措置の義務づけについては、今回の改正法の中で、育児休業取得を控えさせるような形での周知及び意向確認を認めないということを指針において示すとしております。具体的にこれはどういうことになりますでしょうか。やはり場面場面でいろいろなことが想定されると思うんですけれども、何かリスト化して示すようなことになるのか。実際に育児休業取得を控えさせるような形では駄目ですよということはどういうふうに担保する考えでしょうか。
  103. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ちょっと具体的に、今ここで申し上げるというよりかは、法律が成立後、建議でもこういうお話をいただいておりますので、労働政策審議会で御議論いただいて指針等々を作ってまいるという形になってまいるというふうに思います。  いずれにいたしましても、議論をしっかりとしていただきたいというふうに思っております。
  104. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 やはりリスト化といいますか、そういうふうにして分かりやすくしないと、せっかく、取り組む企業は増えてきているんだけれども、肝腎の中身のところ、根本のところが追いついていかないということではちょっともったいないので、そこのところは是非やっていただきたい。  その上で、今度は男性労働者についてです。  男性労働者へのパタハラということでいうと、資料としておつけしているものなんですけれども、これは三枚目、四枚目のところですね。パタハラを受けたことのある人が二六・二%であるということと、それから次のページを見ていただきますと、男性労働者育児休業等ハラスメントとして受けた内容は、やはり断トツに多いのが上司による制度等の利用の請求や制度等の利用を阻害する言動だということで、五三・四%なんです。  これは同じ項目で女性についての質問があるんですけれども、女性はさすがにこの数字の半分ぐらいなんですよ、二十数%。だから、男性が特に、やはりそういう意味では、制度の利用を控えるような、何か持って回った言い方かもしれませんけれども、そういうものを受けている危険性が非常に高いというのがこのデータからも明らかだというふうに思います。  男性労働者にも育児休業取得を控えさせるような形での周知及び意向確認を認めない、こういうふうに言ってやらないと駄目なんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういったことを指針で示す考えはありませんでしょうか。
  105. 田村憲久

    ○田村国務大臣 言われるとおり、男性の方がいろいろな形で言われることが多いというのは、これは数字で出てきているというふうに思います。  今般、周知した上で意向確認をしていただく、これを義務づけているわけであって、そのほかにもいろいろ、環境整備のための義務という形で、選択ではありますが、企業にやっていただきます。  ただ、こういうようなことを取り決めていても、取らせない、若しくは取らせないように誘導する、嫌がらせをするというようなことがあってはならないわけでありまして、これは男女を問わず、指針でしっかりと示していかなければならないというふうに思っております。
  106. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 男女共に指針で示すというふうに今明確に言っていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  それで、続いてなんですけれども、今度は有期契約の労働者育児休業についてであります。  有期契約労働者と正規雇用の労働者、やはり育休の取得ではかなり差があるのではないかというふうに考えます。伸びてはいるのかもしれないけれども、どうなんでしょうか。有期契約労働者育児休業取得できているでしょうか。大臣、いかがですか。
  107. 田村憲久

    ○田村国務大臣 全体では、委員も御承知のとおり、先ほど話がありましたけれども、男性七・八四、女性八三%ということでありますが、有期労働者に限って申し上げますと、女性は若干低いんですがそれほど差がなくて、七七・五%という数字が出ております。男性はやはり半分以下で、三・〇七%というような数字が出ておるわけであります。
  108. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 私の持っている数字だと、パートだとか派遣の人たち、育休を利用して就業継続をしている人はやはりまだまだ少ないんですよね。育休を利用しないで就業継続をしている人の数字と合わせるとそこそこボリューム的には出てきているんですけれども、育休だとかを利用して就業継続ということでいうと、やはりまだまだのところがあると思います。  今回、改正によって、有期契約労働者が、引き続き雇用された期間が一年以上である者という要件が撤廃されることになりました。これ自身は私は前進だというふうに思います。ですけれども、やはり、子が一歳六か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないことという後要件、後要件という言い方がちょっと正しいのかどうか分かりませんが、そういった要件がまだ残っているわけです。  このことをずっと残しておきますと、やはり労働者にとっては、雇用を手放すべきか、それとも出産を諦めるべきかという究極の選択を迫ることにもなりますので、私はこの後要件はもう撤廃すべきであるというふうに考えますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  109. 田村憲久

    ○田村国務大臣 後要件というのは、一年六か月の話ですよね。  これは、難しいのは、先ほど来議論を大島議員ともやっておりましたけれども、決して一年六か月という労働契約云々という話じゃなくて、要は継続して、例えば一年契約等々をやっておられてそれを繰り返しておった場合に、明確に、子供が一歳六か月を超えたときまでに、もう次の契約はしないだとか、労働契約の期間満了が明白になっている場合、そういう場合は育児休業が取れないわけでありますけれども、そうでない場合は、有期雇用であったとしてもまた継続して雇用をされるという可能性がございますので、対象になるわけでございます。  そこのところは、明確にもう分かっている人に育児休業を取らせるとなると、企業にとってみれば、働いてもらえるという期待があるからそこに育児休業というものを認めるというような、そういう意味合いもあるわけでございますので、なかなかそこは事業者の御理解をいただきにくいのかなという形の中で、今回は、今委員が言われた言い方をすれば、前要件はああいう形で撤廃といいますか、一律に一年という形にはしておりませんが、後要件といいますか、この一年六か月は残っておるということであるということであります。
  110. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 ここのところは、そもそも有期契約労働者の在り方そのものと関係してくる問題でもあるというふうに思いますので、私も引き続き議論はさせていただきたいと思いますけれども、本当に、出産を諦めるかという、実際、そういったところと二者択一だという現実はやはり依然としてあると思うんですよ。是非、ここは大事なポイントだというふうに思いますので、引き続き、厚生労働省大臣としても問題意識を持って、改善に努めていただきたいというふうに思っております。  ちょっと最初の方に戻りまして、休業中の就労についてであります。  今回、私は、男性労働者について育児休業中に就労できるという仕組みを導入するということについては、百歩譲って、百歩譲ってですよ、女性労働者にも同じようにということであれば、働く女性の立場からすると、それはありかなと。ただ、やはり育児休業というのは育児に専念する期間として取るわけですから、それは働かないということが基本中の基本なんだというふうに思うんですよ。だから、大臣、もう一回考えてもらいたい。育児休業中に仕事をするということは、結果として育児より仕事の方を優先しちゃうということになりはしませんかということなんです。  それからもう一つは、こういったことができますと、育児介護休業法というのは本当に労働法制の中でもなかなかスペシャルな法律で、申し出れば休むことができるわけです。こういったことになりますと、それ以外のほかの法律にも例えばいろいろな休業とかがある、そういったほかに類するような仕組みの中で、だけれどもその期間も働けますよという制度をつくっちゃうということに道を開くことにはなりませんか、波及することにはなりませんかということについて、答弁お願いします。
  111. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ポジティブアクションというお言葉がお気に召さないようで余り使えないんですが、要は、冒頭で申し上げましたけれども、これは恒久的にやろうというつもりではなくて、導入するためにやる、導入という言い方はよくないですね、より取ってもらうために、取りあえずこれをやってみる。ちゃんと、一定程度男性育児休業というものが取得できるようになれば、これは審議会の中でも御議論をいただいた上ででありますけれども、やめてしまうということが前提であるということであります。でありますから、他のいろいろな休業制度に波及させるということは私は考えておりません。  その上で、女性にもこれをというのはちょっともう御勘弁をいただきたいのは、なぜかというと、女性が不利だとかというのではなくて、本来は、育児休業の本質からいけば、休んでもらって、途中、会社に出てきてもらうということは避けたいという思いであります。  男性が一人前じゃないと言うつもりはないんですけれども、本当の理想形からいえば、それはこういうようなことをせずにずっと休んでもらいたいんですが、まだそこの域まで達していないので、取得しやすいように一時的にこういうものを取り入れさせていただいておる、やがては女性と同じような、より崇高な育児休業の立場に持っていきたいということでございますので、御理解いただければありがたいと思います。
  112. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 であるとすれば、ちょっと大臣に一言是非言っていただきたいのは、休業している労働者育児に専念することが望ましいということで、確認を取らせていただいてよろしいですか。
  113. 田村憲久

    ○田村国務大臣 本来の趣旨はそういうことでございますので、育児に専念していただくというのが本来の考え方であります。
  114. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 是非それが伝わるようなガイドライン等になるようにお願いしたいと思います。  最後の質問になります。所得保障について。  所得保障も、この間、比率としては上がってきてはいるんですけれども、やはり諸外国と比べますと、もう一息何とか欲しいというところではあるんです。  また、連合が男性育児等家庭的責任に関する意識調査を行って、これは二〇二〇年バージョンですけれども、それによりますと、やはり男女共に、ここは何とかお願いしますと考えているのが所得保障なんですよね。所得保障に対するニーズが高いということで、やはり女性が退職せずに、とりわけ女性の方が退職せずに働き続けて、そして、キャリアが一時的に途切れるというようなことになったとしても管理職に登用されるように、所得保障の在り方についても更に研究と改善が必要だというふうに考えますけれども、どうでしょうか。
  115. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほど早稲田議員でしたかに御答弁させていただきましたけれども、委員の方からも、ユニセフで、世界で最優遇といいますか、一番高い水準の休業保障である、手当であるというようなお話をいただきました。実際問題、比べるとそういうような形になっているわけであります。  更なるというのは、もちろん高ければ高い方がそれはいいに決まっているんですが、一方で、労政審でも労使共に、これは当然保険料に跳ね返ってくる部分もございます。私が一回目に大臣をやったときに六七%にするときも、やはりいろいろな御意見はあったんですけれども、そこはもうこういう時代だからということで、労使共に御理解いただいて引き上げさせていただいたわけでありまして、今般、勘定も分けるというような話になってきておる中において、やはり労使共に御理解をいただきながらでないとなかなか難しいということは御理解いただければというふうに思います。
  116. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 これだけ政府の方が少子化は大問題であるというふうに言っている中ですから、私は、そこのところも政府のきっちりとしたリーダーシップで突破できる、すべき課題だというふうに思います。  それだけ申し上げて、終わります。
  117. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山川百合子さん。
  118. 山川百合子

    ○山川委員 立憲民主党・無所属の山川百合子でございます。  それでは、早速、法案についてお伺いしたいと思います。  本日、既に何人もの委員の方が御質問されていますので、そのやり取りの中で述べられていることではあるんですが、まず最初に、改めて、今回の改正の狙いは何か、そして期待される効果は何か、大臣にまずは伺っておきたいと思います。
  119. 田村憲久

    ○田村国務大臣 やはり、男女共育児両立をしていただく、共に参画をいただくということが非常に大事だと思っております。ただ、一方で、男性育児休業取得率が七・四八%、直近でありますけれども、上がったとはいえ非常に低い、女性と比べて桁が違うわけでございます。  そういう意味で、なぜ男性取得できないかといろいろと聞きますと、いろいろな理由がありますけれども、職場理解でありますとか、それから、男性特有ということではないのかも分かりませんが、私がいなければできない仕事があるというような、そういう意識があるわけでございます。  そういう中において、新たな、出産後間もない期間において育児休業を取っていただいて、そして、育児の大変さも感じていただかなきゃなりませんし、また喜びというものも感じていただけるというふうに思います。そういう中において、その後の愛着形成、それから夫婦間の愛情の形成、こういうようなものをしっかりと育んでいただいて、子育て等々にも、また家事等々にもこれからも参画をいただく。ひいては、そういうようないろいろな経験が相まって、社会人としての企業生活の中でも充実あるものにしていただきたいというような思いでございます。
  120. 山川百合子

    ○山川委員 今、西村委員との質疑の中でのやり取りでもあったんですが、出生育児休業制度、これがポジティブアクションとして、男性がとにかくまずは育児に関わることを後押しして、その経験をしてもらう、それが後々につながっていけばいいということで導入されるということを御説明されたというふうに思うんですけれども。  私も県議会議員時代から、男性育児休業取得率を上げるということを促進するために、推進していくためには、やはり、職場女性のために働きやすい環境を整備するというのが、育児休業取得の推進のときによく言われる、あと、女性社会参画のときに、女性のために、女性のためにとすごく言うんだけれども、女性が働きやすい環境を整備していくためには、やはり、男性女性と同じようにいろいろな制約も受けながら、しかし、その中でいろいろ苦労していくことが実は両性にとって働きやすい環境をつくっていくことにつながるんじゃないかというふうに思ってきましたし、そういう提言もしてきたんですけれども、今回の出生育児休業制度が、本当に、男性育児を経験することでその後につながっていくということは私もすごく期待したいんですね。  ただ、一方で、先ほど早稲田議員が、今テレワークが進んでいるけれども、男性家事参加は全然増えていないと。だから、経験したからといって必ずしもつながっていくとは限らないんですが、その辺、法を改正してやるわけですから、これがつながっていくんだという期待を大臣の方からもう少し何か語っていただけるとありがたいなと思います。
  121. 田村憲久

    ○田村国務大臣 余り言われると、私も、語るだけの資格があるのかどうかという話になりますので、非常につらいところはあるんですが。  正直申し上げて、今回のテレワークの場合は、育児家事をやるということが前提ではなくて、新型コロナウイルス感染症の中で、感染防止のためにやっていただいたということがありますので、テレワークをやられた男性皆様方もそういう意識ではなかったというところに大きな私はやはり問題といいますか、家事育児に参画しなかった問題があるんだろうなというふうに思うんですね。  今回は、そうではなくて、育児をするために休業していただくということが前提になりますから、そこはやはり入口が違うということだというふうに思います。  それから、先ほど来、西村委員からもお話があったとおり、女性の目から見ると、この今の断面だけを見ると、何かちょっと違うんじゃないの、私たちは、本当はキャリアも続けて、もうちょっと自分自身のキャリアアップのためという思いもあるけれども、そこは諦めて、やはり子供が大切だから、子供のために時間を費やしてでもこの子をという思いなのよ、なのに、何かうちのパパはそうじゃなくて、ちゃんと自分のキャリア形成もやっているみたいだしみたいな。それはもうそのとおり。私も、同じ立場ならそう思うと思います。  ただ、それは今の断面の話で、もうちょっと長期的に見ると、それでも休業を取っていただいて育児に参画いただいて、家事にも多分参画いただくんだと思います。  それによって、次、また何かあったときに、俺、ちゃんと家事やるよ、当たり前じゃないか、夫婦でやるのがということになれば、女性が働く、日々の働きの中で、今まで全く家事をやらなかったうちのパートナー、パパが、要は、そうじゃなくて家事をやってくれるようになり出した、そのうち、おまえよりも俺の方が上手だろうみたいな話をし出した、しゃくに障るけれども、まあそれはそれでいいかみたいな話で。そうすると、自分が今度は仕事に今までよりも集中できることによってキャリア形成をしやすくなる、中長期的に見ればそういう部分があるというのを我々は狙っているわけでありまして、ここだけではなくて、これを入口に、もう日々育児家事に参画をいただくというふうになっていただくための今回の提案であるというふうに御理解いただければありがたいというふうに思います。
  122. 山川百合子

    ○山川委員 是非、男性の皆さんには、その入口としてこの法改正が本当にプラスに働くことを願っています。そのことが、翻っては女性にとっても、男女で共に子育てと、そして働くことをやっていける、両立する、できる社会につながっていくことを期待しております。  片側で、先ほど大島委員の御質問の中で大分触れられておりましたけれども、働く側から、この制度、この制度というか、今回の改正の中身だけでなくて、育児介護休業制度というのは、改正されて少しずつよくなっていって、前向きに進んでいかれるんですが、会社側、特に中小企業、雇用する側にとってはなかなか大変。大きな企業だとそれでも何とか吸収できたり調整できたりすると思うんですが、中小企業、特に、これも百人とかではなくて十人とか、もう零細のレベルになると、非常に、これがなかなか大変だという現実はあろうかというふうに思います。  労務管理とか代替要員の確保等、負担が大きくなるということも予想されているんですが、制度はつくっても、だから、現実とそぐわないとなかなかそれは機能しないということで、育児休業取得促進や多様な働き方の実現のために、そういった企業に対する支援が必要であるというふうに考えますが、大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
  123. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これは、労政審議会の中においてもそういう御議論をいただいたわけであります。  今般、環境を整備していただかなきゃならないということで、事業主に義務を幾つかお願いいたしております。もちろん、周知でありますとか意向確認以外にも、相談窓口をつくっていただく、研修をやっていただく、これは選択でありますけれども、そういうこともお願いいたしております。  一方で、実際問題、そうやって取得をいただくという形になると、今言われたみたいに、一定期間その方が企業で働かなくなるわけで、休まれるわけでありまして、それに対する代替要員、やはり代替要員に対するいろいろな支援というもの、こういうものはできないのか、また、ハローワーク等々でしっかりとそのような代替要員を確保できるような対応というのはできないのか、あとは好事例等々もあるでしょうから、そういうものもしっかりと周知できるようにできないのか、いろいろな、建議の中でもそういうような御意見をいただいております。  これは参議院附帯決議の中でも同じような御意見を賜っておりますので、しっかりと中小企業関係団体と検討をさせていただいて、法律が成立した後でありますけれども、どのような支援ができるのか、これは考えてまいりたいというふうに思っております。
  124. 山川百合子

    ○山川委員 是非、実効性のあるというか、中小企業あるいは零細企業の方たちが、その思いはあってもできないというのではなくて、そこをちゃんとバックアップしていって、より住みやすい社会をつくっていくことにつなげていっていただければと思います。  そしてもう一問、これは介護について特にフォーカスして伺いたいと思っていまして、今回は、介護の方は、有期雇用の方が、一年以上じゃないとというところが一年未満でもというふうに改正をされて、介護に関してはそこだけというふうに理解しています。  私、最近、ちょっと家族の介護、私自身も少し担うような立場になりまして、非常に身につまされることがございます。そのことは、予算委員会の分科会で大臣にも少しお話しさせていただいたと思うんですけれども。  現在の介護休暇においては休みの単位が一日か半日、介護のための所定労働時間の短縮措置は、選択的措置義務で四つあって、所定労働時間の短縮措置、それからフレックスタイム制度、始業、終業時刻の繰上げ、繰下げ、そして労働者が利用する介護サービス費用の助成又はそれに準じる制度というふうに定められていて、その中で企業側が、会社側が選べる、選択できるということになっているというふうに思います。  ただ、私、自分の経験から、そして周りのお話なんかも聞いていると、就業時間の繰上げとか繰下げとか、あるいはフレックスタイム制というのもあるんですけれども、それはありますけれども、より小まめに、例えば二時間ぐらい抜けるとかいうことが、介護をやりながら、働きながら介護も家族として担うというのは、私としては、自分の経験、また周りの話を聞くと、そういう非常に短い時間抜ける、半日とかではなくて、あるいは遅く来ていいとかではなくて、この時間だけ、いわゆる中抜けのような形ができると非常にありがたいなというふうに実感しているんですね。  特に中小零細だと、私なんかは埼玉ですけれども、東京に通勤されている方がいらっしゃいます一方で、地元で働かれている方もたくさんいらっしゃいます。そうすると、通勤していると、二時間抜けて、帰ってきてまた行くというわけにはなかなかいかないかもしれませんが、地元で働いていれば、二時間ぐらい抜けるというのは、それで家に戻って介護なりそのことをやって、家のことをやって、介護をやって、それでまた戻ってくる。非常に柔軟な働き方ができると、より、働きながら介護も担えるという実感が私にはあるんですね。  このように、働いている人のニーズに応じた対応をもう少し会社側と働いている側が相談して決めていくというような、きめ細かい対応ができるといいなというふうに思います。有給休暇であれば時間単位の休暇が取れるんですが、その制度を準用するとか、これについての御見解を伺っておきたいというふうに思います。今回の法改正の中身ではないですが、こういったことについての御見解を伺っておきたいと思います。
  125. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答えいたします。  今委員のお尋ねの、介護についての中抜けの時間、時間単位でということかと思いますけれども、関わりがあるのが、制度的には介護休暇制度という制度かと思います。  従前、介護休暇制度については、一日単位又は中抜けはないけれども半日単位という形で認められていたということでございましたけれども、今年の一月一日から、この介護休暇、あるいは子供の看護休暇も同じくなんですけれども、時間単位でその取得ができるように制度改正を行いました。  ただ、法令で認められるというものは、始業時刻から連続しているか、終業時刻まで連続して取得することということとされておりまして、今議員御指摘の、中抜けを可能とするというところまでは義務づけられていないという制度になっております。  ただ、一方で、事業主の方が法令を上回るという措置で中抜けができる時間単位の制度とすることは当然可能でございますし、こうした取組によって、今委員が御指摘のように、利便性が高まるというのはそのとおりかと思いますので、関係する指針、これは子の養育とか家族の介護関係での事業主が講ずべき措置に関する指針というものでございますけれども、その指針の中でも、子の症状や介護の状況、労働者の勤務の状況等が様々であることに対応し、介護休暇、子の看護休暇の中抜けを認めるなど、制度の弾力的な利用が可能となるように配慮することということを指針で定めて、事業主周知を図っているということでございます。
  126. 山川百合子

    ○山川委員 事業主の皆さんに周知を図っている、弾力的な対応ということでありますが、是非、引き続き、本当に労使で話し合いながらいい形をつくるということを、特に零細企業なんかはやっていただけるように、政府としても後押しをしていただければというふうに思います。  法案については、済みません、ここまでにさせていただいて、残りの時間、当面の非常に重要な課題であるワクチンとその他の問題について、少し質問させていただきたいというふうに思います。  まず、ワクチンについてなんですけれども、今日は、ワクチンに関して、安全ということを一つのキーワードというかテーマにして、大きく二つ伺っておきたいと思います。一つは、オリパラの、安全な大会として開催することについて、もう一つは、ワクチンの安全な接種の実施についてであります。  オリパラについては、ワクチンパスポートという枠組みで前回もお聞きしました。そのときは、ちょっと大臣等にお聞きする時間がなかったものですから、今日は改めて、いま一度お伺いをしておきたいというふうに思います。  私は、前回も申し上げましたが、今の状況では、なかなかオリパラの開催は難しいのではないかというふうに思っています。やはり、医療の逼迫の状況、緊急事態宣言も延長するという状況など、本当にオリパラを実現するような状態にはなかなかなれていない。しかし、政府としてはそれを強行されるということであるならば、せめて安全な大会を本当に確保してほしい。いろいろ取り組んで、安全な大会の開催に努めますという御答弁は確かにいただいたんですが、しかし、果たしてどうだろうというふうに、本当に心配をしております。  ですので、来日されるアスリート及び大会関係者、様々いらっしゃいます、マスコミも含めてですね、ワクチン接種を勧奨する考えはないのか、いま一度、政府としてそういうお考えはないのかをお伺いしておきたいというふうに思います。もし、安全な大会を開催するために、ワクチン接種の勧奨を行わないという明確な理由があるならば、それもお聞かせいただきたいというふうに思います。  これは大臣と政務官にお聞きできればなと思って今日は質問させていただいているんですけれども、安全な大会にするという使命は、政府全体で取り組んでいかなければいけない。開催に向けて取り組んでいるオリパラ推進本部が政府内で提言をし、入管を所管する法務省、そして国内の感染対策を所管する厚労省、そして国際的な人の移動の自由を所管する外務省が、省庁横断的に意思決定を行うべきであると思います。  もう一つ、加藤官房長官ワクチンパスポートについてもこの間検討について言及されましたので、改めてここで、オリパラ所管の政務官から、そして先日伺えなかった田村大臣から、これについてお伺いをしたいというふうに思います。
  127. 三谷英弘

    ○三谷大臣政務官 お答え申し上げます。  今の御質問の順番ですと、恐らく最初に答弁させていただくのが適切かなということで手を挙げさせていただきました。  せめてという前提つきではありますけれども、安心、安全な大会を開催するという点に向けましての御助言をいただいているということにつきまして、まずは深く御礼を申し上げたいと思います。  その上で申し上げさせていただきます。  そもそも、この東京オリンピック・パラリンピック大会に関しましては、ワクチン接種というものを前提として安全、安心な体制を構築しているわけではございません。しっかりと厳格な管理ですとかしっかりとしたPCR検査、そういったものを含めまして、大変安全、安心な大会を開催しようということを前提とさせていただいているわけではありますけれども、しかしながら、先日のファイザーとIOCとの間での無償供与、そういったものを受けまして、我々としても、当然ながら、そういったワクチン接種に関しては、アスリート等が安全、安心な環境の下で大会に参加をすることに寄与するということだけではなく、東京大会の開催に伴う日本国内の感染拡大防止にも寄与するものとして認識している。これは、率直に申し上げて、安全、安心な大会の開催に大きく寄与する、本当にそういう意味で重要な御提案をいただいているというふうに考えております。  ですので、そういう観点からは、我々としても、ワクチン接種をしていただくことについては、ありがたいというふうには思っておりますけれども、ただ、それを、ワクチン接種というものは義務ではない、これはプレーブックにも書かせていただいてありますけれども。しかしながら、IOCとしても、できるだけ接種をお勧めをするということも、これは御覧いただければ明記をされておりますので、そういった観点から様々な調整が行われているというふうに理解をして、引き続き事態の推移を注視してまいりたいと考えております。
  128. 田村憲久

    ○田村国務大臣 国内の感染管理という意味では厚生労働省対応なんですが、オリパラでお越しになられる関係者という意味からすると、これはプレーブック等々に合わせて対応いただくわけで、そのとおりやっていただく。これも、要するに、オリンピックにのっとって対応いただくわけでございますので、それであれば、日本国民との接点というのは基本的にないわけでございますから、感染は国内に広がらない。だから、そこをしっかりやっていただく、プレーブックにのっとってやっていただくということが非常に重要だと思います。  一方で、尾身先生もおっしゃられましたが、オリンピックというものは非常に国民の意識を高揚させるものであります。結果、例えば、自宅で家族でオリンピックを見ていただいて、それで応援いただくというのは、これはまだいいのでありましょうけれども、それによって人流が増えて、町中に人が繰り出していろいろと騒いでいただくだとか、どこかのお店で、それこそスポーツバーのようなところでお酒を飲みながら騒いでいただくというようなことが起これば、それは感染拡大の端緒になり得るわけでございますので、そういうことをなるべくお避けをいただくような形のことを我々としてはお願いしていかなきゃならぬなというふうには思っております。  いずれにいたしましても、安心、安全な大会というものをしっかりと対応いただきたいと思っておりますし、政府としてもそういうような形で開催できるようにいたしたいと思います。  それから、ワクチンパスポートに関しては、これは官房長官がおっしゃっておられますが、あくまでも、今考えておるのは、国外で活動するときのパスポートという考え方でございますので、国内でこれを使ってどうだというようなことは、今、基本的には考えていないということであります。
  129. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  大臣が今おっしゃられた国外でということについて確認しようと思っていたので、先に言っていただいて、ありがとうございました。  それでは、安全な接種について伺いたいと思います。  一つ目は、このワクチン接種が、妊婦や妊娠を望む方に対しての接種安全性は確立されているのかということについてであります。  なぜこれをお聞きするかというと、十日ぐらい前だったように記憶をいたしておりますが、時事コムだったと思うんですが、ネット上で、このワクチンをめぐり、不妊症を引き起こすおそれがあるとの情報がオンラインで拡散しているというような記事を読みまして、これはアメリカでのことだと思うんですが、調査ワクチンを絶対に接種しないと回答した人の三分の二が不妊の影響を懸念していたと。その調査を行った専門家によると、十八歳から四十九歳のワクチン接種の人のうち、女性は約五〇%、男性は四七%が新型コロナウイルスワクチンは将来的に生殖能力に悪影響を及ぼし得るというふうに答えたということでありました、その記事によるとですね。  ですので、この新型コロナワクチンが、妊婦さんやあるいは妊娠を望む方に対する影響を政府としてはどう捉えているのかを伺っておきたいというふうに思います。
  130. 田村憲久

    ○田村国務大臣 この妊娠への影響というのは、幾つかの論文でありますとか、CDC、米国疾病予防管理センターの報告、また学界の御提言等々を見ましても、現時点で特段の懸念が認められているわけではないというふうに承知いたしております。  しからば、このワクチンはどうかという話なんですが、妊婦の方々は打たれている数が非常に限られておりますので、そういう意味ではデータが限られているということもございまして、我々としては、主治医とよく相談をしていただいて、ワクチンを打つか打たないか、それはメリット、デメリットがございますから、そういうことを御判断をいただきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、国といたしましては、妊婦の方々のみならず、いろいろと得られたデータというものは、副反応報告も含めて、国民皆様方にこれからもしっかりとお伝えしてまいりたいというふうに思っております。
  131. 山川百合子

    ○山川委員 いろんな情報がとにかくネット上には流れますし、やはり不安になりますので、政府としては、その時々に分かっていることをきちっと脚色せず伝えていただくことをお願いをいたします。  それから二つ目は、血栓の発症が多く報告されているアストラゼネカ製のワクチンが日本でも承認されました。その安全性をどのように担保するかについてでございます。  これについては、前回、先週の金曜日でしたでしょうか、尾辻委員も御質問をされていますが、その質問がされた後、正式に承認もされたということもありまして、私の方からも伺っておきたいというふうに思います。  このアストラゼネカ製のワクチンは感染症法上の臨時接種の対象にはなっていないわけでありますが、海外で、例えば若い世代、特に三十代前半の若い世代の血栓症の発症が確認されているために、むしろ若い人には打たないというような対応が行われているなどのことも個人的な話としても聞いています。今後、日本ではこういったような対応をしていくのかというのが一点。  それから、ワクチンとしては認可されているわけですが、一般ワクチンとして、国内の医療機関でアストラゼネカ製のワクチンがいわゆる有料で接種されるような場合が起きたときの不利益な点がどういうことかということについては確認しておきたいんですね。  というのは、ワクチン接種の予約が取れないというようなことはもう今ずっと言われているんですが、私のところにも切実なお声というのが大分寄せられています、なかなか予約が取れないと。そんな中で、じゃ、もう別に、自治体が行うというか政府が行う無料接種じゃなくてもいいから、何でもいいから打ちたいんだというような方がいらっしゃって、じゃ、受けようといったときに、どういった不利益が考えられるかということについて伺っておきたいというふうに思います。  というのは、認可されたからといって保険適用になるとはまだ分からないというふうに聞いていますし、じゃ、その場合は自費で高額になるのかとか、あるいは、副反応等が何かあったときに、臨時接種の範囲ではない形で接種をした場合に補償に差が出たりとか、どういった不利益が起こり得るのかを伺っておきたいと思います。
  132. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 まず、お尋ねのありました安全性について、先週認可したばかりでございますので、簡単に御説明申し上げます。  アストラゼネカ社のワクチン、御指摘のとおり、先週金曜日に薬事承認を行いました。その際、審査の過程におきましては、この有効性安全性につきまして、発症予防効果としておおむね七〇%程度の有効率がある一方、また、臨床試験におきましては一定程度の被験者に有害事象が認められましたが、ほとんどは軽度又は中等度で回復が認められること、したがって、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能ということが確認されております。  そして、御指摘の血栓症でございます。海外では極めてまれな例として御報告されているものでございますけれども、このことに関しましては、適正な診断と処置がなされればリスクの低減は可能だ、したがいまして、医療現場判断する医師が適切に診断できるように、診断、治療の手引の十分な医療機関への周知が必要ということで、この手引については学会の方で作成されていると伺っております。あわせまして、そうしたことを含めまして、初期の症状やその対処方法について、国民や被接種者などへ幅広い情報提供が必要と提言がございました。  また、この血栓症以外の有害事象につきましては、審査におきまして重大な懸念が認められると判断されていなかったというふうに存じておりますが、情報収集や情報提供に努めてまいります。
  133. 正林督章

    ○正林政府参考人 続きまして、アストラゼネカのワクチンについて、薬事審議会の後に、予防接種ワクチン分科会という厚生科学審議会でも御議論いただきました。  これは、予防接種法上の臨時接種にする、しないの議論をしているわけでございますが、当日の審議会では、諸外国の使用の状況、先ほど御指摘いただきましたけれども、いろいろな国で対象年齢を、余り若い人はお勧めしないとか、あるいは、その国においても最初は何歳以上としていたのが、途中で更にその年齢を変えたりとか、諸外国でもいろいろな動きがある。そういうこともあるので、引き続き検討という扱いになりました。更に諸外国の情報を集めて、審議会で議論を続けていきたいと思っています。  それから、予防接種法じゃない取扱い接種した場合という御質問ですけれども、アストラゼネカのワクチンは、国が契約しているので、余り一般に流通するということを想定はされないんですが、一般的には、予防接種法上に基づく予防接種でない場合、予防接種法の枠組みで接種する場合と比較すると、まず、健康被害救済制度の対象にはなりません、予防接種法上の健康被害救済制度の対象にはならないのと、それから全額自己負担で接種を受けることになる、そういったデメリットが考えられます。
  134. 山川百合子

    ○山川委員 続いて、ちょっと時間がないのでどんどん行きたいんですが、これはまだ引き続き検討ということだということで、ちょっとこれはどうなんでしょうか。  ワクチンの選択ができるという話が、以前、打つ側がワクチンを選択できる、できない、それはちょっと勇み足だったみたいな、そんな発言のやり取りがありましたけれども、これは本当に選択できるかというシンプルな質問ですが、まだ検討中ということで、そこの議論には入っていかないということでしょうか。
  135. 田村憲久

    ○田村国務大臣 その前に、アストラゼネカのワクチンを自分で個人輸入した場合というお話だったと思うんですが、アストラゼネカは一応承認されていますけれども、今局長から話がありましたとおり、予防接種法にのっておりません。  ところが、承認されていない薬も、個人輸入でワクチンは輸入できますので、そういう方が、例えば他の国で、日本では承認されていないワクチンを輸入して打った場合、これは健康被害があってもやはり救済法には、制度にはかからないということでございますので、これは本当にお気をつけをいただきますようにお願いいたしたいというふうに思います。  それから、今のお話でありますが、選択は、基本的には今、それこそ各自治体でいろいろな対応をしていただいているのは、現状ではファイザーしかないわけでございますから、選択できません。  ただ、一方で、東京、大阪で大規模接種、これはモデルナのワクチンをここに供給させていただいております。これは全国でも手が挙がり出しました。モデルナのワクチンを供給ということになれば、どちらを選択されるかというのは、御自身がそれに対して、言うなれば御連絡いただいて予約をいただくわけでありますから、そういう意味では、結果的に、選ぶというか、どちらか分かるということはあるわけでございます。  ただ、自ら、自治体のいろいろな接種の中においてどちらかを選ぶということはできませんが、結果的に、そういう形で、どちらかを選ぶというか、どちらか分かるということは現状でももう起こり得ているということであります。
  136. 山川百合子

    ○山川委員 ワクチン、もう一つあるんですが、簡単に。  ファイザーの場合は、二回目は三週間後ということですけれども、この間の委員会で、白石委員質問の中にあったと思うんですが、二回目の予約というのは自治体によって様々なやり方だというようなことの質疑があったと思うんですね。  私の地元では、二回目は、一回目と同時に予約するんじゃなくて、二回目もまた自分で予約をするところもあるんですね。そうすると、三週間後にちゃんと二回目を予約するか、あるいはできるかどうか、あるいは予約したけれども行かれるかどうかというのもありますよね。  一応、三週間というふうに目安になっていますけれども、それよりも短いときに打ってしまったら副反応がより大きいのか、あるいは、四週間、五週間と延びてしまったときに、空いてしまったときの効果はどうなのかということについて、時間も限られているので、簡単にお聞かせいただければと思います。
  137. 田村憲久

    ○田村国務大臣 基本的に、短くなればどうかというのは、はっきり言って、我々、それの効果を、データを持っておりませんので、分かりません。ただ、ファイザーが推奨しているのは三週間であるということでございますので、それで打っていただくということが前提であります。  予約の話がありましたが、一回目を打って、仮に、現場といいますか接種会場に行ったら、記録を見て、三週間たっていませんよということであれば、そこで接種を多分しないのではないのかなというふうには思いますが、いずれにいたしましても、ちゃんと予約をしていただけるように我々としてはお願いを、つまり間を空けて、していきたいと思います。  なお、三週間で打てなかった場合、最大四十二日の間ならば一応効果があるということでファイザーの方はおっしゃっておられますので、仮に三週間以降であっても、なるべく早く接種をいただきますようにお願いいたしたいと思います。
  138. 山川百合子

    ○山川委員 現場は本当に大変な状態になっていますので、できるだけ不安のない接種ができるような情報提供をお願いしたいというふうに思います。  続きまして、コロナ禍と通常医療について伺っておきたいと思います。  コロナ病床が一般病床を圧迫する実態が出てきています。特に、命に直結する医療を行っているがんの専門病院での影響、実態に対して、政府としてもっと私は目を向けるべきではないかなというふうに思っています。報道などにもされていますが、受診控えとか検診控えが、今後数年間のがんによる死亡者数の増大につながることが専門家の間でも懸念が広まっています。  ただ、私は、あわせて、診療制限ということについてももっとフォーカス、目を向けるべきだと思っています。というのは、受診控え、検診控えは、本人の意思がそこには介在する余地がありますけれども、診療制限というのは、本人が治療を受けたくても、手術を受けたくても、そのチャンスが回ってこないというようなことにつながるわけで、それが命に直結するとなると大変な事態だというふうに思うんですね。  私のところに非常に切実な声が寄せられました。自分の父親が、いろいろな病院でうちではもう診られませんと言われて、がんセンターで治療をしている、ところが、あるとき、コロナ患者さんを病院として受け入れることになったので、抗がん剤の治療を遅らせなければいけませんと言われたと。非常にショックを受けて。ただ、その主治医も、こんなことはしたくないんだ、だけれども、いろいろな制限が加わっているからどうしようもないんだ、本当にじくじたる思いなんだというお話だと。  では、もう少しお話を伺わせてほしいということでお願いをしましたところ、患者さんを受け入れて、そのピークのとき、今は若干そのときよりはいいようですが、ピーク時では、手術数を五〇%削減、それから外来の初診枠の制限、あと、緩和ケア病棟へは患者さんの受入れを完全に停止したということであります。  これは、コロナ患者さんへの対応を優先するため、がん患者さんは我慢をという行政からのメッセージというふうに受け止めざるを得ないというふうな切実な声であります。  やはり命に直結するような、特にがんセンターというところは非常に大変な状態の方が来られるわけでありますから、そういうところで、もちろん、どちらが優先していいとか悪いとかという話ではないんだけれども、やはり、そういう病院に、特に公立だからといって、患者さんを診てもらうことがのしかかってくると、通常医療で助かる命が助からなくなるというような現実があるということ。  マスコミなども報道はしていますが、やはりもっと、大臣始め国の役人の皆さんにも、こういう実態、切実な声があるということを知っていただきたいんですが、田村大臣は、これらの声に対してどう受け止め、そしてどういう対応策があるというふうにお考えになりますか。
  139. 田村憲久

    ○田村国務大臣 コロナ、特に重症者を中心に、三次救急を担っていただいているような医療機関でありますとか、あと、ICUを持っておられるような高機能な病院、また、がんセンターのような専門的な医療機関、病床をしっかりと確保いただいております。かなりの率だと思います。  そういう意味からいたしますと、確かにそういう状況があるわけで、実は五月を目途に、もう五月は終わっちゃいますけれども、三月の二十四日に通知を出したときには、一般医療、つまり、がん医療も含めて、両立した上でコロナの対応をできる体制をおつくりください、そういうのを出させていただきました。  問題は、四月が、感染拡大を私予想しておりましたので、それまでの間、感染拡大した場合には、これはもう申し訳ないですけれども、対応できるような応急の対応お願いします、それも検討ください、こういうことを出して、実際問題、大阪中心に起こったんですね。そういう中において、多分そのようなお声があられたんだというふうに思います。  そもそもは、そうならないように、五月いっぱいで、コロナと両立できるような、対応できるような病床の確保等々の計画をお出しくださいということでございましたから、今委員がおっしゃられたようなことが起こらないような体制というものをしっかりと確保すべく、これからも各自治体と連携してまいりたいというふうに思います。
  140. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 山川百合子さん、申合せの時間が来ております。
  141. 山川百合子

    ○山川委員 両立できるようにということが実際はそれは難しいんだ、だけれども、そうは言えない、だから、コロナ患者さんも受け入れて、そのしわ寄せががん患者さんに来ているという切実な訴えでありますから、是非、その実態に目を向けていただいて、また、そういう専門のところであれば重症患者を受け入れられる設備があるだろうとおっしゃるかもしれないけれども、実際はそんなことはなくて、中等症とか軽症を診ているという実態もあるということを是非知っていただきたく、今日はお伝えさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございます。
  142. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
  143. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  今日は育児介護休業法改正案でございます。  男性の育休取得率が七・四八%、少し上がったとはいえ、余りに低い状態なわけです。この数字の裏には、育児女性がやるんだという、性別役割分担論がある。やはり男性育児介護などの家族的責任をしっかり、ひとしく負っていくというようにしていかなければならないと思います。  大臣も、今日も反省の弁もありましたけれども、私自身も反省しなきゃいけないところが多々あるなと思いながら、質問させていただきます。  そして、やはり男性の育休を当たり前のように取るようにしようと思ったら、相当なことをやらなきゃいけないなというふうに思うんですね。  まず、事実だけお伺いしますけれども、男性育児休業制度を利用しなかった理由で最も多いのは何ですか。     〔委員長退席、大岡委員長代理着席〕
  144. 坂口卓

    坂口政府参考人 お答え申し上げます。  私どもの方で令和二年度に委託の調査研究を行っておりまして、その中で、男性正社員が育児休業制度を利用しなかった理由として挙げられているもののうち最も多いのが、収入を減らしたくなかったからということで、四一・四%となっております。次いで、育休を取りづらい職場の雰囲気であったり、業務の都合があるというようなことでございます。
  145. 宮本徹

    ○宮本委員 一番多いのは、収入を減らしたくないということなわけですよね。資料でそれはおつけをしております。  資料二枚目には、実際、現状男性がどの程度育休の取得期間があるのか、取っているのかということなんですけれども、二週間までというので大半ということになっているわけですよね。  ですから、そもそも育休を取らないし、取っても短い。ここにはいろいろな理由がありますけれども、やはり収入を減らしたくないという要因が大きく働いているわけであります。  そのことを考えると、やはり今回の法案だけでは足りないと私は思います。育休を取ったからといって収入が減らない、このための策が必要なのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  146. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほど来お話しさせていただいておりますけれども、給付の水準を引き上げてきたわけでございまして、そういう意味では、世界においても決して低い給付率ではないわけであります。あわせて、社会保険料等々の免除等々対応いたしておりますので、そういう意味では、人によってそれぞれ違うからなかなか言いづらいところはあるんですけれども、平均的に休む前の八割ぐらいの所得は確保できるというような水準の育児休業給付であろうというふうに思います。  一方で、今委員おっしゃられたような御意見があるのも承知いたしております。それは、より高ければ高い方が働く方々もいいのは当たり前だと思いますが、一方で、これは労政審で労使共に、保険料等々にも跳ね返ってまいりますので、そこは慎重に検討すべきだという御意見もいただいております。
  147. 宮本徹

    ○宮本委員 先ほど立憲の早稲田さんからも、韓国の例も紹介をされました。韓国は、父親が育休を取った場合という制度も、ボーナス的な制度もつくりまして、三か月間一〇〇%賃金保障というのをやって男性の育休取得がぐっと上がったというのがあるわけですね。  私どもの党も、公約としては、当面三か月は男女とも育児休業の賃金保障一〇〇%というのをずっと掲げてきているわけであります。  今日、資料をお配りしておりますけれども、資料の四ページ目、自民党の政調の資料もつけました。こう書いていますね。「育児休業取得前と後で経済状況が変わらないよう、男女ともに実質手取り十割となる水準まで引き上げるべく、育児休業給付について制度の在り方について検討すべきである。」と。  共産党から自民党まで言っているじゃないですか。これは大臣がやはり本気になってやれば、できないはずじゃないと思いますよ。いかがですか。
  148. 田村憲久

    ○田村国務大臣 何か、それを検討していたときに私も党の方にいたような気もしますが。  これは、要は財源が必要な話でございまして、しかも、いっときだけという話じゃなくて、恒常的にこれからずっと必要であるということでありますから、安定財源を確保しなければできない話であります。  私自身、先ほども申し上げましたが、前回、前の大臣のときに六七%まで引き上げるときも、本当に御理解をそれぞれ労使共にいただきながらの引上げだったわけでございまして、なかなかそれは、実際問題、保険料の中から支払っていただくということになれば、そこでの御理解を十分にいただかないことには難しいということは御理解いただきたいというふうに思います。
  149. 宮本徹

    ○宮本委員 当然、労使理解を得るための努力をしなきゃいけないわけです。しなきゃいけないわけですけれども、やはりそこに臨む姿勢ですよね。元々こんなのは無理だよと思って臨むのか、いや、これは日本社会のジェンダー平等の実現にとって必要なんだ、田村大臣自身の反省も込めて、これはやらなきゃいけない課題なんだということで臨むかどうかということだと思いますし、当面、例えば一般財源、一般会計から、公的な税金の財源を使って、一定の期間一〇〇%賃金保障の制度をつくるという選択肢だってあると思うんですよね。そういうことも含めて検討すべきじゃありませんか。
  150. 田村憲久

    ○田村国務大臣 なかなか難しいのは、今、雇用保険の財政も非常に厳しい状況であります。一時的に国の方で見ればいいという話でありますが、いろいろなものを今国民の皆さんに御負担をお願いする法律を出していたりなんかして、衆議院でも御可決をいただきましたけれども、そういう状況の中で、なかなか当面といっても、それはいつまでの当面になるか分からない話ですね。例えば半年だけやりますという話では、逆のメッセージになりますね、やめたときに。  ですから、そういうことも含めて、これは労使に御理解いただかなきゃいけない話なので、まずは、今般のように、ほかにもいろいろな、男性育児休業を取らない理由があられますので、そこの中の、今委員がおっしゃっている部分以外の部分をしっかりと手当てをさせていただきながら、育児休業取得を増やしてまいりたいというふうに思っております。
  151. 宮本徹

    ○宮本委員 税財源で確保をするというやり方も、それは当然、何らかの増税策ですね。私たちはいつも、バイデン政権を見習えということを最近言っていますけれども、そういうことも含めて、税財源を確保してやっていくという手だてだってあるわけですから、そこは本気になって是非取り組んでいただきたいと思います。  今日、配付資料の五ページ目に、在アイスランド日本大使館の、アイスランドの話が書いてあって、面白いのでつけておきましたけれども、アイスランドは、御存じのとおり、ジェンダー平等の世界の最も進んだ国ですけれども、昔からそうだったわけですけれども、この三段落目に、こう言っているんですよね。  長くジェンダー問題に関わってきた女性運動家の方の御意見を伺うと、男女平等が肌で感じられるようになったのは、二〇〇〇年に育児休暇法が改定され、父親にも最低三か月間の育児休暇取得が義務づけられてからのことでした。その次の段落で具体的にどんな制度かと書いてありまして、その次ですけれども、実際にこの育児休暇取得した男性に話を聞いてみると、当国でも育児女性がするものとの考え方が長く根強かったが、実際に体験してみて、初めて育児の喜びを知ることができたといった声が多いのも事実ですということです。  基本は、育休というのは権利ですから、義務という論だと私はちょっと違うかなという思いもあるんですけれども、ただ、やはり男性育児にしっかり参加する、育休を取って育児に参加するというところから更にジェンダー平等が進んでいったんだというこのアイスランドの経験というのは、私たちは本当にしっかり学んでいかなきゃいけないというふうに思います。  その上で、もう一点お伺いしますけれども、男性の育休取得が進まない原因の一つに、先ほど収入のお話をしましたけれども、その裏には、やはり男女の賃金格差の問題というもの、これもあると思います。育休を取る際、世帯収入をできるだけ減らさない、そのために収入が少ない側が育休を取る、多くの場合は女性の側になっているということなんだというのもあると思います。  今日、資料の三ページ目につけておきましたが、JILPTの報告なんですけれども、この真ん中にありますように、男性の育休の取得期間が長くなるほど、配偶者の年収の平均は高くなっているわけですね。ですから、配偶者の年収が一定あれば男性も育休を長く取りやすいというのがこのデータからも言えると思うんですよね。  ですから、男性の育休取得が進まない原因の一つに、男女の賃金格差、もっと言えば女性の低賃金があるんだ、こういう認識大臣はお持ちですか。
  152. 田村憲久

    ○田村国務大臣 そういう御意見があることも十分承知いたしております。  言うなれば、男女の賃金格差というものを見ていくと、一つは勤続年数でありますとか、それから管理職の比率でありますとか、そういうところが違ってきておる。賃金テーブルは今同じ中で働いておられる方々が大分増えてきておるわけでありまして、そうすると、そういうところを改善していかなきゃならない。  改正女性活躍推進法で、事業主の行動計画の中において、これの策定義務の中での対象拡大でありますとか、それから公表等々、こういうものを義務化の中においていろいろと今進めておるわけでありますけれども、結果的に、男女の差というものを考えたときに、やはり働き方改革というのも一つ大きな私は問題だったんだと思います。  つまり、男性の長い働き方じゃないとキャリアが形成できないということになれば、当然、両立しながら女性がキャリアを積めないというところがありますから、だからこそ、働き方改革で、男性ももっと短く働く。こういう中において、もちろん、家事育児に参画をすることも当然でありますけれども、それだけじゃなくて、女性がそれによって、両立してもキャリア形成ができる。これによって管理職比率も上がってくるし、勤続年数も上がってくる。となれば、当然のごとく賃金格差も減ってくるということでございますので、実はそういう狙いもあっての働き方改革であったということも御理解をいただきたい。まだこれは道半ばでございますから、まだ十分に改善できていないわけでありますが。  いずれにいたしましても、おっしゃられるとおり、男女の賃金格差というもの、これがなくなってくれば、男性も取りやすい環境というものが、これは夫婦世帯という見方ではありますけれども、こういう形になってくるであろうというふうに我々も思っております。
  153. 宮本徹

    ○宮本委員 そうなんですよね。  もちろん、大臣おっしゃるとおり、長時間労働の是正というのも当然必要な課題になりますけれども、やはり男女の賃金格差を放置せずに、これを徹底的に正していかなきゃいけない。とりわけ、日本は世界の中でも男女の賃金格差が大きい、先進国の中では極めて大きい国ですから、それを正すための手だても取らなきゃいけないという点で、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  あわせて、今日は最低賃金についてもお伺いしたいと思います。  コロナ禍の下で、仕事が減り、シフトが減り、多くの方が苦しんでおりますが、その中では、最低賃金の低さが苦しみの一因になっている方々も少なくなくいらっしゃいます。やはり、最低賃金が家計補助労働を想定して低く抑えられてきたことの矛盾がコロナ禍の中であらわになっているというふうに思います。  今日は資料をつけておりますが、資料の八ページ目、九ページ目に、先日の経済財政諮問会議で民間委員が提出したものをつけておりますが、世界はコロナ禍の中でも着実に最低賃金を上げ続けております。イギリスは昨年六・二%、今年二・二%、ドイツも昨年一・七%、今年一・六%、韓国も昨年二・八七%、今年一・五%、日本は昨年〇・一%だけというのが、八ページ、九ページ、資料を見ていただいてのとおりであります。  大臣、なぜコロナ禍の下でも各国は最低賃金を上げているんですか。
  154. 吉永和生

    吉永政府参考人 お答え申し上げます。  コロナ禍における最低賃金の引上げについてでございますが、本年におきます諸外国の最低賃金引上げは、委員指摘のとおりの引上げになっているものでございます。一定程度引き上げている部分はございますけれども、その引上げの幅は例年より抑制的ではないかというふうに考えてございます。  今御紹介いただきましたとおり、例えばイギリスについて言えば、昨年六・六%上げてございますが、今年は二・二%ということでございます。ただ、イギリスの昨年の引上げにつきましては、一昨年の十月段階で決定したものがそのまま昨年の引上げになったということでございますので、そういう意味で申し上げますと、コロナ禍になって決定したものということについて言えば、昨年よりもかなり低い水準になっているという状況でございます。  諸外国におきます最低賃金の引上げの理由につきましては、改定の方法でございますとか決定基準も異なりますので、一概に申し上げることはできませんけれども、例えば、イギリス、フランス、ドイツなどにおきましては、物価や賃金の上昇の動向を踏まえつつ、雇用への影響にも配慮しながら最低賃金を引き上げているものと承知しているところでございます。     〔大岡委員長代理退席、委員長着席〕
  155. 宮本徹

    ○宮本委員 〇・一%しか上げていない国が、ほかの国もそんなに、コロナ禍ではいつもどおり上げていないんだみたいな言い方は余りしない方がいいと思うんですよね。  欧州各国の最低賃金引上げ率の平均、加重平均で見て二・五%、二〇二一年、上げているわけですね。二〇二〇、二〇二一と上げ続けてきているわけでございます。やはり、コロナ禍の下でも所得分配をしっかりしていかなきゃいけない、もっと言えば、コロナ禍の下でも所得分配は強化しなきゃいけないんだという問題意識もあって、各国、最低賃金は上げているんだというふうに思います。  それから、資料の十ページ目ですけれども、最低賃金と生活保護、貧困線との関係というのが出ております。最低賃金の月収換算、厚労省は月百七十三・八時間を基本に計算してきておりますが、平均的な所定内労働時間百五十・五時間で計算すると、生活保護水準や貧困線に近い水準になっているわけでございます。とりわけ、コロナ禍で打撃を受けた小売、宿泊、飲食サービス業などは、まさに最低賃金近傍で働く人も多いわけでございます。  大臣、コロナ禍で、本当に貧困で大変苦労されている国民の生活を支えるためにも、やはり大幅な最低賃金の引上げを今年やっていく必要があると思いますけれども、いかがですか。
  156. 田村憲久

    ○田村国務大臣 昨年も最低賃金を引き上げて、コロナ禍で、特に最低賃金近くで働いてみえられる方々の業種が非常に影響を受けた、そういう年でありました。まあ、今なお受けていると言った方がいいのかも分かりませんが、そんな中での決定であったということであります。  今年、どうであるか。これは、やはり事業主が十分に引上げに堪えられるだけの利益を上げていかなきゃいけない、生産性を上げなきゃならないということで、付加価値をつくっていかなきゃならないということでございますので。  そういう意味では、そこを支援していかなきゃなりませんから、厚生労働省は業務改善助成金というのがございますが、ほかにも、中小企業庁等々でもいろいろな助成金補助金があります。ものづくり補助金でありますとか、あと持続化補助金、それからIT補助金、いろいろなものがございます。そういうものを使いながら、また、いろいろな法律等々で対応しながら、上げられる環境をしっかりとつくっていって、なるべく早く全国加重平均千円というものを実現するというのは我々も目標として挙げておりますので、それがまずは実現できるように努力してまいりたいというふうに思っております。
  157. 宮本徹

    ○宮本委員 こういう中でやはり最低賃金を引き上げようと思ったら、中小企業への支援というのは、これまでどおりじゃないものを私は考えていく必要があるというふうに思います。  先ほどいろいろな助成金があるというお話をされましたけれども、最賃引上げのための支援策で業務改善助成金というのがありますけれども、これも、東京商工リサーチの調査では、この助成金を利用していると答えた企業は僅か〇・六%、今後利用したいと答えた企業は一五・九%なんですね。これは生産性向上のための設備投資が要件となっている、そうすると、そもそも赤字の企業は投資する元手もないことになりますので、なかなか使えない制度になっているわけですよね。  私は、もっと直接的な賃上げに当たっての支援を中小企業に対してはやるというのを、そこにやはり踏み切っていく必要があると思いますよ。  フランスなんかは、それこそ日本円にすれば二兆円を超える単位で、中小企業社会保険料の負担の軽減というのを予算を組んでいるわけであります。そうやって最低賃金引上げを応援している。あるいは、韓国なんかは賃金の直接助成もたしかやっていたと思いますけれども。  やはり日本も、賃金の直接助成をしていく、あるいは社会保険料の大胆な軽減をするだとか、最低賃金引上げに当たってこれまでにない支援を行っていく、こういう決意を固めて、まあ、私たちは千円と言わず千五百円ということを言っていますけれども、そこに向かっていく必要があるんじゃないかと思いますが、その点、いかがですか。
  158. 田村憲久

    ○田村国務大臣 まず、賃金の補助を国が出すとなると、ずっとその分を出し続けるんですかね。やめたら下がっちゃうという話になっちゃうので、どうするのかちょっとよく分からないんですが。  持続可能性を考えた場合、やはり事業者が付加価値をしっかりと確保いただいて、その中から賃金の上昇分を出していただくということが重要なんだろうと思います。そのために、生産性を上げるということで、先ほどの業務改善助成金というような形で我が省も補助しておりますが、それ以外にも、ものづくり補助金やいろいろな形で、生産性を上げて付加価値を増やしていただこうということをしようとしているわけであります。  社会保険料も、これは基本的には労使でお支払いいただくものであって、一時的に例えば国が出したからといって、これも同じですよね、結局、国が賃金をそのまま補填するのと同じでありますので。やはり、持続可能性という意味からすると、ちょっとこれは難しい部分があるのではないかというふうに思いますから、我々は、持続可能性が維持できる方法でしっかりと賃金を上げられる環境をつくってまいりたいというふうに思っております。
  159. 宮本徹

    ○宮本委員 日本の経済社会の持続可能性ということを考えた場合に、やはり経済の好循環をつくるしかないと思うんですよね。経済の好循環ということを考えた場合に、日本のGDPの大半を占めているのは個人消費、そして、非正規雇用がこれだけ増えている、最低賃金によって給料が左右される方もかなりの方に上るというのが今の現状なわけですから、私は、持続可能性ということを考えた場合にも、やはり最低賃金を引き上げる、ここにしっかりもっと直接的に支援を行うというのは、日本社会の持続可能性、持続的な発展にとっても、よほどいい好循環が生まれると思いますよ。  そういう計算も是非やっていただきたいというふうに思いますし、あと、今日資料だけお配りしておりますけれども、最後の十一ページ目、全国どこでも変わらない生計費ということで、全労連の皆さんが、人間らしい最低限の生活をするのにどれぐらいのお金でできるのかというのを実際に計算して出したものがありますが、やはり、全国どこでも時給千五百円、千六百円ないと人間らしい生活ができないという結果が出ておりますので、こうしたものもしっかり踏まえて、私たちは千五百円を目指すべきだということで政府に求めていきたいと思います。  ちょっと時間が残り少なくなってまいりましたので次に行きますけれども、ワクチンのことについて一点だけお伺いします。  昨日、こういう話をいただきました。特養ホームに入っている百一歳の祖母が二回目のワクチン接種の後、熱が出て、三日目に入院し、その翌朝亡くなったという話でございます。もちろん因果関係は解明されておりません。二回目接種後の副反応で熱が出る方が多いというのも今回のワクチンの特徴なわけでございますが。  いただいた話では、高齢者施設ではかなり高齢の方が多いので、接種に当たっては、当日の全身状況や体調などについてしっかりと念入りに確認をする、体調の優れない方は接種を見送るということについて改めて医療関係者や施設関係者に周知徹底していただきたい、こういうお話です。いかがでしょうか。
  160. 田村憲久

    ○田村国務大臣 おっしゃられますとおり、施設であろうがなかろうが、しっかりと予診をやっていただいた上で、ワクチン接種できる状況かどうかというのを確認いただいて、もし、いろいろな状況を判断する中において接種に適していないということになれば、その日は接種を控えていただく、場合によってはまた次回へと移していただくということが必要になってくるわけであります。  それはもう当然のごとく、我々も接種の手引等々でお書きをさせていただいておるわけでありますので、更に徹底をさせていただきたいというふうに思っております。
  161. 宮本徹

    ○宮本委員 しっかり再度徹底してほしいと思うんですね。  やはり今、七月末までに高齢者全員接種だ、こういうかなりのキャンペーンがやられているわけですね。そういう中で、高齢者施設も、これは巡回で打ってもらっているわけですけれども、その巡回のときを逃したら、もう次は打ってもらえないんじゃないかというのも当然生まれちゃうわけですよね。そういう中で、接種ありきというふうになったらやはり事故につながりかねないというふうに思いますので、そこは本当に念入りに、しっかりお願いしたいと思います。  それから、もう一問お伺いしたいと思いますが、生活困窮者向けの給付金が具体化されるという報道が昨日から流れております。  我が党としても、何度も政府へ、貸付けだけではなく給付への切替えが必要なんだと申入れを行ってまいりました。野党も今年法案を出してまいりました。また、社協の現場でも、貸付け以外の支援策がいまだ打ち出されないことは、相談現場で苦しい、こういう声もたくさん上がっておりました。野党案に比べて対象はかなり狭いわけでございますが、ただ、困窮者向けの給付金を出そうというのは一歩前進だというふうに思います。  ちょっと今日は時間がないので、少しお伺いしたいことは、報道を見ると、緊急小口や総合支援資金など、貸付けを目いっぱい使うことが前提になっているかのように報道が流れているんですけれども、そうでなければいいわけですけれども、やはり、貸付けにできるだけ頼らずに頑張ってきたけれども、本当に厳しい水準で頑張っている方もたくさんいらっしゃるわけですから、貸付けをどれだけ使っているかということを前提にせずに、収入の状況に応じてしっかり出す給付金にすべきだと思いますが、その点、いかがですか。
  162. 田村憲久

    ○田村国務大臣 緊急小口資金や総合支援貸付け等々、いろいろな対応をさせていっていただきました。住宅確保支援もやってまいりまして、それも令和二年度、九か月を十二か月まで延長し、更にこの六月まで。新たな貸付けに関しても、延長を、延長といいますか、期間延長をしてきたわけであります。  重層的ないろいろな対策を組んでまいってきておりますので、今現状はそれをしっかりと対応するということを申し上げたいというふうに思います。  なお、今日の官房長官の会見では、現在政府内で検討を急いでいるところであるわけでありますとおっしゃっておられます。
  163. 宮本徹

    ○宮本委員 これだけ報道が具体的に流れていてその答弁だと、この厚労委員会は何なんだろうなというふうにも思ってしまうわけでございます。  私が言った点についてもしっかり検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
  164. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  165. 田村憲久

    ○田村国務大臣 現在政府内で検討を急いでいるところであるわけであります。
  166. 宮本徹

    ○宮本委員 ちょっと話にならないですね。  終わります。
  167. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  168. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  本日も貴重な機会をありがとうございます。  早速です。  当厚労委員会、他の委員会に比べれば、非常に回数も多く、時間も多くやっております。これは、この状況で私は必要なことだと思うんですけれども、問題は、回数、時間が長ければいいというものではなく、質問する方も答える方も真剣にこれについて準備し、回答しているか、そして、その質疑で話されたことが実行されていることがなければ、何の意味もないわけですね。  私たち、国権の最高機関としての国会でやっているわけですから、答弁された以上は、それをきちんと実行されることが当然必要だと思います。その観点で、今まで私がお尋ねしたことについて、大臣お答えになったことがどのように実行されているかについて確認をさせていただきます。  まず、四月十六日の厚生労働委員会で、副反応としては異例の頻度で起きているアナフィラキシーショック、ワクチン接種についてですね。私が心配しているのは、アレルゲンがその後、慢性化していないのか。PEGアレルギーというのは、化粧品などに含まれていて起きて、しかも、圧倒的に女性に日本の場合は起きているわけですから、これはアメリカも同じですけれども。そうすると、それが慢性化すると、その後、化粧品などが使えないようになってしまうということになれば、これはもう大変な、その発症した方に関しては不具合になるわけですね。それが慢性化しなくて、いっときで済むのであれば、それはまたリスクとして受忍される可能性もある範囲かなと思います。そこは、きちんと国として、これは国が法律に基づいてやっていることなわけですから、確認する必要があると思います。  そして、大臣は何と答えられたかというと、PEGに対しての特異的IgE、こういうものをしっかりと測定しなきゃならないわけでありますが、この測定系が御承知のとおり確定していないから、我々も、だからこの間もどうやってこれをやったらいいのかと悩んでいたところでありまして、これは今、専門家の方々にどういうやり方があるのかということをお諮りをさせていただいている最中であります、こう御答弁しています。  もう一か月以上経過しております。その後どうなっているのか、お答えください。
  169. 正林督章

    ○正林政府参考人 四月の十六日に大臣が御答弁申し上げたとおり、専門家に相談しつつあります。  アレルギーの原因物質を特定するためには複数の検査方法がありますが、特にPEGについては、その確定診断は容易ではないというふうに聞いております。  このため、新型コロナワクチン接種に伴うアナフィラキシー歴と、その後のアレルギー発症に関して、対象となる製品や物質との因果関係を証明するのは容易ではないというふうに予想をしています。  このような現状を踏まえて、御指摘調査については、まずは、科学的に妥当な調査が可能かどうか、その調査方法なども含めて、有識者の先生方相談して、検討を現在も行っているところであり、検討を急ぎたいと思っております。
  170. 青山雅幸

    青山(雅)委員 これは一つ疑問なんですが、本当に検討しているんですか。そして、それをいつまでに答えを出すつもりなんですか。
  171. 正林督章

    ○正林政府参考人 はい、本当に検討しております。(発言する者あり)いや、本当に検討しております。検討を急ぎたいと思います。
  172. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私がなぜ今の話を本当にと聞いたかというと、もう一つ、非常にこれも同じように大事な問題ですけれども、最重要の問題と言っていいのかもしれません。  四月二十三日の厚労委員会で、私は、ずっとこのところさせていただいております都道府県の枠を超えた移送システム、これについて、首相にまずは質疑をさせていただいて、首相は大変重要だと思っていると、感謝の意まで述べていただきました。枠を超えて取り組む必要があるというような趣旨でお答えをいただき、同日の委員会で、田村大臣は、まずは都道府県間で御理解をいただいてという話になってまいりますのでという話で、一度知事会にお聞きをしてみたいというふうに思いますと。この時点で、知事会に聞くということをお約束された。  五月二十一日、つい先日、この点について私が、何回目かですけれどもお尋ねしたところ、前回も申し上げましたけれども、一応、指示はして、前に委員の御質問にもお答えしたかも分かりませんが、知事会の方に投げて、しっかりと、それぞれ出したい県はたくさんあるらしいんですけれども、受けていただける県があるかというのも含めて確認するようにということは、これはもう指示を出しております、決して何のあれも検討していないというわけじゃないんですと。つまり、もう指示を出して、聞いているというような趣旨での答えだったんですけれども。  そこでお尋ねしますが、知事会の方に投げたのはいつか、どういう内容か、いつまで回答を求めているのか、明確にお答えください。
  173. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  重症者の搬送でありますとか広域搬送、これは、前回のこの委員会、私の方の御答弁でも、様々な関係者、有識者と意見交換を行っております、あるいは検討もしております。  お尋ねの知事会の関係でございます。これは、前回、今御指摘ありましたとおり、五月二十一日の質疑にございましたが、その前の質疑のときに大臣の方から指示を受けておりまして、日程の調整は入っておりますが、具体的な協議にはまだなっておりませんで、具体的な日程それから協議内容の調整中の段階ということでございます。
  174. 青山雅幸

    青山(雅)委員 予想どおりなんですね。投げている、既に、過去に投げたというように聞こえるような答弁をしておりましたけれども、結局は投げていないんです、まだ。  私、なぜこれが問題だと思うかというと、例えば大阪府、今度、緊急事態宣言延長を、意向があるようです。なぜ延長しなきゃいけないかというと、御承知のとおり、新規陽性者の人数は物すごい勢いで減っているわけですよ、だけれども重症者病床が逼迫しているから。ところが、これをもし全国で融通できて、じゃ、例えば、よその県に半分くらい受けていただいて、重症者病床が空いているということになれば、これはもしかしたら出さなくてよかったかも、お願いしなくてもいいかもしれない。  何を言うかというと、その陰には泣いている飲食業の人が山のようにいるわけですよ。自分のお店が潰れてしまう。そして、お酒を出すなと言われれば、飲食店の上がりのほとんどはお酒の利益から出ているわけですから、大変な迷惑をかけているわけですよ。  ところが、政府がこの一番大事なことについて、投げていると言いながら、何かまだ日程調整中とか言っている。こんなことでいいんですか、怒りますよ、国民は。
  175. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほども御答弁させていただいた内容をもう一度、もう少し詳しくお話をさせていただきますが、前回、大臣答弁に先立ちまして、五月十九日の議員とそれから田村大臣のやり取りを踏まえまして、翌日には私どもの方で、全国知事会に対しまして意見交換をしたいと。  まだ、その会談自体といいますか、意見交換の場自体は設定できておりません。それは調整中でありますけれども、例えばこんなことをお聞きしたいのでということで、広域搬送の対象となる患者さんの像はどういうふうな患者さんというふうに考えられるのかとか、あるいは受入れについてどういうふうに考えていくのか、あるいはそれぞれそういったスキームについてお考えがあるのか、こういったことを意見交換したいということを含めて投げている、そういうことでございます。
  176. 青山雅幸

    青山(雅)委員 これは喫緊の課題です。本当に一日も早くしていただきたい。こういう姿を見たら政府に対する評価は全然変わりますよ、口ばかり言っていて何にもしてくれないというのが不満の種なわけですから。  ですから、大臣、投げていただいたのはすごくいいことでして、前にも申し上げました。すぐにやれと、再度、もう一度事務方に指示をしていただけませんか。大臣にお伺いしたい。
  177. 田村憲久

    ○田村国務大臣 一応、もう予定は組んでいるということだとは思うんですが。  いろいろな問題点をお聞かせをいただきながら、この間、委員には、やらないことばかり並べるなという話を言われました。そのとおりであります。  ただ、一方で、やはりいろいろな理由があるから、今まで我々も投げかけていたのは投げかけていたんですが、動いていかないというのはいろいろな理由があるんだと思います。どこに問題があるのかということもしっかりとお聞かせをいただいて、私も、たとえ、委員がおっしゃられるように、何百とかいう数字じゃなかったにしても、何とか、本当にベッドがないときに移せるベッドが見つかれば、これはその分だけ救われる命が出てきますので、そういうようなことができるように、各自治体検討しながら努力してまいりたいというふうに思います。
  178. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私も、議員をやっていて、あるいは弁護士もやっていて、いろいろ指示を出すわけですね。その中で、必ず期限も言う、早急にやるべきは優先度を上げるように具体的な指示をする、是非そこをお願いしたいと思います。  またこれは聞かせていただきますので、きちんと予定を立てていただきたいし、立てたらきちんとマスコミ等にも発表してもらいたいんですね。これは絶対に政府の評価を上げることにつながると思っていますので、是非お願いいたします。  続きまして、同じことで、二十一日に議院運営委員会で、私は西村大臣に、私がずっと申し上げている二つの課題についてお聞きしました。一つはクラスター対策、特に介護施設へのクラスター対策ですね。これが重症者の発生源の大半を占めている、ですから、ここをちゃんとやってもらいたい、頻回の抗原検査をやってもらいたいと。それからもう一つは、今の自治体の枠を超えた搬送を是非やってもらいたいと、同じことを訴えかけました。  そうしたところ、どういうふうにお答えがあったかというと、こうした取組もあって、高齢者施設のクラスターは減ってきています、こうお答えになっているんですね。  それからもう一つは、御指摘の広域搬送についてでありますが、全くないわけではなくて、例えば、滋賀県が大阪府から患者を受け入れていただいて搬送した例もございますし、鳥取県が兵庫から受け入れるという意向も示されたり、あるいは神奈川が大阪から受け入れるというようなこともございましたと言うので、私はすごく驚いたわけですね。  そんな話は聞いたこともありませんし、元々厚労省は、四月二十八日に私聞いたところ、自治体のプレスリリースとか、それから報道関係の資料を基に、同一の場で二名以上の感染者が出た事案の件数を集計していますというふうに健康局長答弁しているわけですよ。  つまり、厚労省には頼りになる一次データなんてないんですね。報道の資料を幾ら集めたって、そんなもの、マスコミが興味を持つか、それから自治体がそれを発表するかに依拠するわけですから、こんな報道の資料なんかで少なくなったなんて判断できないわけですよ。  これについて、西村大臣が何を基にこういうことを言われたのか、まず、データ、クラスターについての情報、何に基づいて、どういうデータを基に答弁したのか、それをお答えいただけますか。
  179. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 お答え申し上げます。  五月二十一日の衆議院議院運営委員会におきます高齢者施設のクラスターの関係の情報に関する西村大臣答弁でございますけれども、これは、厚生労働省から提供を受けております情報を、私ども内閣官房コロナ室におきまして、その情報を基に、施設が高齢者福祉施設であるもの、あと、発生が一月、二月、三月、四月、それぞれの月であるものというものを抽出するという形での加工をしたデータを根拠として答弁を申し上げたところでございます。
  180. 青山雅幸

    青山(雅)委員 厚労省のデータが報道発表資料を基に作ったものであるということは、承知していたということでよろしいですか。
  181. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 厚生労働省から提供を受けている情報でございますけれども、基になっております厚生労働省の情報は、自治体のプレスリリース等を基に、同一の場で二名以上の感染者が出たと報道されている事案の件数を集計しているというものを使わせていただいているところでございます。
  182. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ですから、大した根拠もないようなデータに基づいて自信たっぷりに、減ってきているなんて答えているわけですよ。そんな認識でやっているから、ちっとも減らないし、日本の、海外に比べれば少ない新規陽性者、発症数、あるいは重症者数でもって手いっぱいになっちゃうわけですよ。もうちょっと真剣にやってくれませんか。答弁を適当に口でごまかせばいいわけじゃないわけですよ。  もう一つ、先ほど言った移送の話も、よく調べてみたら、実際に移送されたのは一名だけですよね、大阪、滋賀の。違いますか。
  183. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 お答え申し上げます。  当日の西村大臣答弁でございますけれども、広域搬送の関係委員から御質問がありまして、御指摘の広域搬送については全くないわけではなくて、例えば、滋賀県が大阪府から患者を受け入れて搬送した例もございますし、あとは、鳥取県が兵庫県から受け入れるという意向を示された、あるいは神奈川県が大阪から受け入れるというような意向を示したということを申し上げたということでございます。
  184. 青山雅幸

    青山(雅)委員 意向を示しただけで、実際には搬送されていないということでいいですか。ちゃんと、イエスかノーかで答えてください。
  185. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 失礼いたしました。  御指摘答弁で言及した事例につきましては、受入れの用意がある申出なども含めまして、広域的な患者の受入れ体制を確保していただいた例でございますけれども、実際に受入れがあったのは滋賀県が大阪府から患者を受け入れた例の一例ということで、当日も御答弁申し上げたところでございます。
  186. 青山雅幸

    青山(雅)委員 そういったことを全然言わないわけですね。あたかも国民は、あれを聞けば、あれはNHKで中継されていましたけれども、日本では重症者で困ったら搬送が行われているんだと思っちゃいますよね。  今、千四百名に増えてきているんですよ。私が心配するのは、これがもっと増えてきたときに、大阪の事例が東京で起きたら、あるいは北海道で起きたらどうするんですか。  こんな、適当に口でごまかしていればいいやなんということをやっているから、国民が政府を全然信頼しなくなってきているんですよ。私、菅政権に物すごい、スタートしたときには信頼していたし、期待もしていました。やったのは、判こ廃止くらいなものじゃないですか。こういう一番大事なところを適当な答弁でごまかしているから、国民は信頼しなくなってきているんですよ。そこをよく西村大臣にもお伝えいただきたい。  内閣官房、ありがとうございました。これで結構でございます。  続きまして、順番をちょっと変えて、尾身先生とお話をさせていただきたいと思っております。  前回、変異株についての重症化割合についてお聞きして、ちょっと尾身先生の方で誤解があったかなと思っております。  資料二、御覧ください。  これはアドバイザリーボードの方に提出された、大阪府の部長さんが作ったデータですけれども、これは第三波とそれ以降の分の比較の表です。赤の点線で囲ったところがいわゆる第四波というものです。これは第四波をわざわざ三つに分けているんです。最初は白で囲ってありますのでそんなに相違なくて、真ん中は若干高くなっていて、四月一日から二十六日はまた変わらなくなっている。  この三つの分を分けてあるものですから、これを一つにまとめたものが資料三です。  この資料三を御覧いただくと、第一波、第二波、第三波、第四波と大差ないわけですね。大差ないというか、全体、黄色のものが全体の数字ですから、下がっているんです、第三波に比べて。確かに、二十代、三十代は〇・一が〇・二に増えていますけれども、〇・一しか違わないですから、こんなものは別に重症化割合が大きく増えたという評価は普通しないわけですね。四十代、五十代も一・九が二・八に上がりましたけれども、これは、疫学的に、〇・九%上がったものが重症化割合が高くなるとは普通は評価しないと思います。  ところが、もう一回資料二に戻っていただいて、この資料二の青い点線の部分、これは変異株陽性者です。ここは確かにそれまでに比べて高くなっている。ただ、私がそのときに申し上げたのは、ここは、この変異株陽性者というのは、Ct値が三十以下のものしか抽出されていません。資料四、ちょっと別のものとして用意したわけですけれども、一応御覧いただくと分かりやすいので。それ以外のやつは全数の調査です、第三波、第四波まで。ですから、Ct値四十五までのものが含まれています。  御承知のとおり、三十から四十五の範囲というのは非常に多くコピーを繰り返していますので、非常にウイルス量の少ないものも含まれてしまっているわけですね。ウイルス量の少ないものは、もう感染力もなかったり、あるいは症状も出なかったり、つまりは重症化する可能性がない人がここに集中しているわけですから、ここを除いちゃったら重症化率は高いというふうに思っちゃうのが当たり前の話なんですね。  私が申し上げたいのは、要は、尾身先生は、全体の重症化率が第三波よりも〇・六%下がっていて、四十代、五十代は〇・九と、〇・一%しか違わない、これを御覧になって、第四波は重症化率が高くなったというふうにお考えなのかどうなのか、そこをお聞きしたいと思います。
  187. 尾身茂

    尾身参考人 委員指摘の点は極めて重要なので、少し時間をいただいてお話をさせていただきます。  重症化率の定義というのは、前回も申し上げましたけれども、感染した人、これは年齢別であったり全体でもありますけれども、感染した人が百人いて、そのうちの何%が重症化したということですね。ところが、本当の意味での重症化率というのを測るのは極めて難しい。それはなぜかというと、簡単なことで、感染した人は無症状の人もいて、実際に全てを正確に把握するのが難しいということがあります。  したがって、そういうことができないんだけれども、それに近い値を推定したいという努力がなされていて、どういう努力がなされているかというと、感染の、日々が、第三波とか、だんだんと時間の経過で、そのステージによって新規の陽性者数が上下する。その以前のステージにおいて重症化が何人いるかということを、実際に本当の意味の重症化率というのは測れないから、そういうことをする努力をしているということであります。  しかし、その努力のなかなか限界というのは二つありまして、一つは、今このステージで感染者が何人で重症化率というのは、当然、そのときの医療の逼迫状態等々で影響されるというのは皆さん理解していただくと思います。それから、もう一個の課題は、実は、新規の感染者と重症者が発生するのはタイムラグがあるから、その時点で正確にやるのができないということであります。  そういう中で、しかし、我々が一番知りたい、一般社会の人が知りたいのは、変異株ということで、感染者が百人いたところで、昔はもうほとんどなかった重症、それが少し増えたかどうかというのは極めて重要なことで、そのことが知りたい、我々も知りたいということで、様々な研究調査が行われているわけであります。  その一つが、今回、大阪が一番多かったので、大阪のデータをやりますと、これは明らかに、この前委員に申し上げましたけれども、大阪がもうだんだんと上がってきているということについては、Ct値のスクリーニングが全くされていない。これは大阪の担当者確認しました。  それから、今の先生の青い方と比較的似ていることですけれども、実は、国立感染研でかなり詳しい調査をしていまして、それはグループを二つに分けています、A群とB群。A群というのは、今先生がおっしゃるように、二つのサンプルが混在しています。ゲノムの解析で陽性になったものが入っていると同時に、それだけでなくて、PCRのプライマーだけでやったものがあって、混在しているんです。それがA群で、それの対照群としてのB群というのは、これはもうPCRのプライマーということで、Ct値には全く関係ない。そういうことで検査を、調査をした結果、そのA群というやつ、両方が混在しているわけですけれども、そうした英国株の陽性としたものは、そうでない対照群の一・四倍の重症化リスクがあったということが分かっているということが一点です。  それから、今言った一・四倍というのは、実は年齢別にブレークダウンしていないんです。さらに、感染研は、人口別にブレークダウンをすると、四十から六十四歳の人たちが明らかに感染リスクが高いということが分かっている。それから、同じような調査を京大の西浦教授が数理モデルを使ってやっても、同じような結果が出ている。それから、様々な現場のお医者さんのこれは直感ですよね。聞いても、やはり今回は前回に比べて、比較的若い、四十歳とか五十歳とかそういう人の感染と。  そういうような、総合的にやると、今のところ、特に四十歳とか五十歳の人たちが、いわゆる重症化率が今までの株に比べて高いんじゃないかというのが我々の判断で、しかし、先ほど申し上げましたように、これにはいろんな、また新しい変異株のこともあったりして、これが今確定的ということではありませんけれども、我々の仕事は、今の限られた調査の限界あるいはサンプルの数の限界の中で何らかの判断を示す必要があるので、今のところは、数は、委員おっしゃるように、そんなに飛び抜けて、十倍になるわけではありませんけれども、有意差を持って変異株の方が、先ほど申し上げました、もう一度繰り返しますと、Ct値の話で、それでスクリーニングがかかって全部除外していることはなくて、一部は入っていて、これが今の研究の実態だと思います。
  188. 青山雅幸

    青山(雅)委員 もう一度申し上げます。  この資料四かな、これは先生がおっしゃったアドバイザリーボードに出された大阪府の資料です。そして、赤い線の囲んであるところは、先生おっしゃるように、Ct値、全数ですから、三十から四十五のものも入っています。でも、この赤い線のところを分析しても変わりはないですよということを申し上げている。時期的に見ても、三月十五から三月三十一日だけ高くなっていますけれども、ならすと、これは一番、四月一日から二十六日の判明分を見れば高くなっていない。そして、これを総合計してみたところが資料三です。ですので、今日もちょっと話がかみ合わなかったわけですね。  それからもう一つ。尾身先生がおっしゃっているのは資料六に出してあります。これが感染研の資料です。  実は、これも、先生が言ったA群、B群のうち、B群の方は、ゲノム解析ができないVOC―202012/01群と、もう一つの方、これはゲノム解析が三十以下じゃないとできないからやっていますけれども、B群はCt値四十五以下の方まで入っています。N501Y―PCR陰性群は入っています。ですから、これが今日おつけした資料四、そのことを解説したものです。  もう今日は時間がなくなりましたので、これはまた次回やりますけれども、是非、先生、この資料四をよく読んでください。先生が御提示された感染研の資料は、私どももよく目を通しております。その上で今申し上げています。今言ったことは、大阪府の調査だけではなく感染研のこの報告にも当てはまることですので、ちょっと次回までによく、それこそ大事なことですので、御覧いただいて、私どもがもし勘違いしていたらそれは言っていただければいいですけれども、恐らくそうではないと思っていますので、よろしく御検討のほどお願いします。  ありがとうございました。
  189. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高井崇志君。
  190. 高井崇志

    ○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。  私も、ちょっと法案に入る前に一つ。  先ほど宮本委員も取り上げました、困窮世帯に最大三十万という新支援金、公明党の高木先生がこの間御提案いただいたものかな、そのことかなと思いますが、ちょっと、新聞記事が出たのが昨日の夜でして十分な通告ができていませんけれども、記事によれば、生活保護に近い水準の世帯で預貯金が百万円以下などの要件を満たした場合、三か月で最大三十万円、そして財源は約五百億円ということ。それから、総合支援資金などで限度額に達するケースが出ていて、こうした既存の支援を利用できなくなった世帯を想定しているということでございますが、それで、あと、二十万人ぐらいの利用を見込むということも出ております。  総合支援資金の再貸付けという、二月の十九日から追加で三か月、そして合計九か月借りている人の数というのが、先般のこの委員会で、申請件数が二十五万件ほどあって、承認されたのが二十二万件ちょっと、ですから不承認が二万五千件ぐらいある、一割ぐらいが不承認になっているということが大体明らかになったんですが、二十万件の利用を見込んでいるということは、二十五万件の方の大半、八割ぐらいがこの給付金で救われる、対象になるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  191. 田村憲久

    ○田村国務大臣 いろいろな形で今まで重層的に、生活に困窮されている方々に対して対応してまいりました。貸付けで何だというようなお声もありましたけれども、貸付けも中にはありましたし、もちろん、非常に生活に困っておられる子育て世帯に関しては、給付というような形もやってまいりました。  しかし、コロナが長引く中においてどう対応していくかということをいろいろ検討する中において、いろいろと早急に検討しなきゃならないということで今やっておる最中でございまして、詳細に今どうだというようなことでは、これはなかなか、まだ今検討中でございますので、申し上げられない状況であります。
  192. 高井崇志

    ○高井委員 これだけもう詳細に新聞に出ているんですよね。単身なら月六万、二人なら八万、三人なら十万とか、ここまで出ていて、確かにまだ確定はしていないのかもしれませんけれども、是非、その検討状況ぐらいは教えていただきたいと思います。  ただ、実はさっき山井委員ともちょっと話していたんですけれども、これは要するに総合支援資金を借りている人が対象なのか、貸付けは全く受けていないけれども非常に生活に困窮している人もいるわけで、そういう人も対象なのかとかが、どっちか分からないんですね。  どっちの立場の人からも非常に不安な思いを持っておられるということですし、あと、この新聞記事どおりだと、例えば預貯金が百万円以下とか、こんなのをどうやって調べるのかと思いますし、あと、最大三十万、もちろん、ないよりはありがたいという声があるんですけれども、一方で、やはり私がずっとお願いしてきた再貸付けの三か月延長に比べると半額以下ですよね。これは最大で、三人いれば三十万になりますけれども、そうじゃないともっと減ってしまうわけですし。  確かに、貸付けよりも給付がありがたいという意見もある一方で、私のツイッターには結構、本当に、公明党さんが頑張っていただいてここまでつくっていただいたのは感謝するんですけれども、しかし、残念ながら、やはり五百億規模、この規模ではまだまだ足りないと。前、伊佐さんも、一桁違うんじゃないか、五千億じゃないかとさっきちょっと雑談で話しましたけれども、財務副大臣も公明党さんで、今日来ていただいていますけれども、やはり、何か財務省が反対しているんじゃないかとちょっとにおわせるような新聞記事ですけれども、これは是非、五百億じゃ足りないですよ。まさに、本当に今、最も困窮をしている方々への支援ですから。  我々は、そうじゃなくて、国民一律十万円とか、あるいは立憲民主党と一緒に出した三千万世帯、そのくらいせめてやってくれと言っているのが、今これは二十万世帯まで減ってしまって。だから、まず、この二十万世帯というか二十万人は、もっと増やしていただきたい。  せめて、総合支援資金で不承認になった人は間違いなく私は救っていただけると思いますけれども、二・五万人しかいないんですから、この不承認になった人はもちろん、それから再貸付け、九か月借りてもなおやはりまだ困窮しているという方も救っていただきたいし、そして、もちろん、貸付けを受けてこなかった人で困窮している方もたくさんまだいますから、そういう方を、何か預貯金が百万円みたいな変な縛りをつけるんじゃなくて、そこはやはり広く、財務省も太っ腹なところを是非見せていただきたい。  これは多くの皆さんが本当に注目しています。今日はまだ制度が確定していないので、多分大臣ももう答えないと思いますからお願いだけにしておきますけれども、ここは本当に、まずはこれをやっていただいて、加えて、やはり総合支援資金もお願いしたい。  いや、大臣、本当に、ちょっと笑い事じゃないんですよ。私の動画というのは、大体委員会の動画をいつもアップしているんですけれども、通常の、ほかの質問のときは百回ぐらいしか見られていないんですけれども、これだけは二万、三万再生です。一番多いのは五万四千再生、それだけ。  大臣答弁も、最初の頃は結構高評価だったんですが、最近は笑いが見えて本当に不謹慎だという声が出ていますので、大臣、本当に生きるか死ぬかの思いで私のこの動画を見ている方がたくさんいますので、これは本当に、是非検討いただきたい。  まだ決まっていないならよかったですよ、逆に。この新聞記事どおりじゃなく、これから決めるというのであれば、ちょうど財務副大臣大臣がこの場にいますから、そして公明党の重鎮の方々もいらっしゃいますので、是非ここで協議していただいて、もうちょっと、やはりやる。  そして、給付と併せて、いや、貸付けでもいいとみんな言っているんですよ。それは心配する気持ちは分かりますけれども、だけれども、財務省的には絶対貸付けの方がいいはずなんですよ、返ってくるんですから。ただ、そこは多分厚労省的には、あるいは社会福祉協議会的にはやはり給付にしてくれとみんな言うんですけれども、でも、給付が難しいのは我々も分かっているし、国民の皆さんも分かっているんですよ。  それでもいいから、せめて貸してくれ、貸してくれたら、必ずこの後頑張って、十年かけて返すから、そういう前向きな思いを持って、真剣に、本当に今が生きるか死ぬかの瀬戸際にいる人たちが生きる希望をこの総合支援資金に見出して、それで五万四千再生も私の動画がされるわけですから、是非そこを酌み取っていただいて、貸付けについても再延長お願いしたい。そして、もちろんこの給付も、もうちょっと私は拡充したものを是非お願いしたいと思います。  正直、私も、反応に少し驚きました。いや、これだけかち取ったから喜んでくれるかなと思ったら、批判的なコメントの方が残念ながら多かったのがこれは現実ですから。分かりますよ、厚労省というよりも、やはり財務省がお金を出さないのは分かるので、是非副大臣にこれは強くお願いしたい。せっかく公明党から副大臣に入っているわけですから、是非これは財務省の中を説得していただきたいということをお願いいたします。  それでは、伊藤副大臣、来ていただいていますので、ちょっともう一つ、前回からの積み残しになっている話をお聞きしたいと思います。  済みません、大臣。やはり一言、今の話を聞いて、一言。一言前向きなお答え、五万四千人が見ていますから、お願いします。
  193. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今ほど来委員が言われた新しい制度に関しては、実は新聞でというのは、私も知らないことがいっぱいあるなというふうな感じでございまして、どこからそんなものが出ているのかがさっぱりもって不思議でございます。今、検討中でございますので、やはりそれまでしっかり検討していくということになろうと思います。  総合支援資金に関しましては、これは委員にはなかなか申し上げづらいんですけれども、やはり、もう全部で二百万円、緊急小口も加えて、一番借りておられる方々は上限になってきておりますので、そういう意味では、なかなか本当におつらい、つらいといいますか、これ以上本当にお貸しをするのがいいのかどうかということも踏まえた上で我々は考えていかなきゃならないなと。  つまり、いつも申し上げておりますけれども、どうすればそこから違う状況になっていただけるんだろうということを真剣に考えていかなきゃならないので、ずっとお貸し続けるわけにもいかないわけでございますので、そこにやはり力を注いでいかなきゃならないなというふうに思います。  なお、まだこれは六月までという形で期限延長している部分もございます。そういう意味では、委員が、給付かどうかはまだ分かりませんが、金額がどうのこうのというお話もございましたけれども、そちらの方においてはまだ、上限枠がある中において、新規等も含めてお貸しをさせていただく、そういう形になっておりますので、緊急小口、総合支援資金、これに関してはまだ、お借りになられる方々に関しては、どうか御利用いただきたいという思いであります。
  194. 高井崇志

    ○高井委員 大臣のその答弁は、やはり平時の発想だと思うんですよね。平時であればそれでいいと思うんですけれども、まさにコロナ禍において、しかも、一年もたてば収まるだろうと思っていたのがこれだけ続いているわけですから。だから、いつまで貸せばいいんだといえば、コロナが収まるまでですよ。コロナが収まって仕事がちゃんと増えてくれば皆さん返せる人たちばかりなんですから、この借りている人たちは。  ですから、そこはもう全く生活が成り立たない方を念頭に置いて、そういう人たちにいつまで貸せばいいんだと思われるかもしれませんけれども、そういう方も中にはいらっしゃるかもしれないけれども、大半の方はコロナが収まって仕事が復活すればきちんと返していけるという方ですので、是非そこは平時の発想をちょっと捨てていただいて。恐らく、社会福祉社会援護をずっとやっている専門家とかからは、大臣に、いや、余りこれ以上貸したらまずいですみたいなことが耳に入るかもしれませんけれども、それは私は本当に平時の発想だと思いますので。  今、このコロナ禍ということで、相当、我々国会議員が想像できない以上の現実が、私のツイッターなんかを見ると、やはり起こっているなと感じます。ですから、もう役所の皆さんも厚労省の皆さんも財務省の皆さんも、やはり発想を変えていただいて、今はコロナなんですから。  やはり、アメリカなんかはそこはすごいと思いますよ。二百兆円を出して、もう三回やっていますよね、現金給付、三千二百ドルですよ。三十万円、三回やっているわけですよ。  やはり、私は、全国民に配らなくてもいいから、まずはここをとにかくやってほしいということを申し上げておきます。  それでは、伊藤副大臣には、前回の答弁で、日本経済の低迷が長引いた原因として、デフレが顕在化する中で企業が投資を控え、将来不安などから消費が低迷したことというふうにおっしゃいました。まさにそのとおりだと思いますよ。デフレで、そして消費が低迷したと。その消費が低迷したということ、デフレということが分かっていながらなぜ消費税増税をしたのかということで、明らかに消費税増税によって消費が低迷して、デフレも続いているわけですよ。  そう考えると、財務省は否定するけれども、どう見ても日本経済の発展、回復よりもやはり財政健全化を優先しているんじゃないですか。プライマリーバランスの黒字化を目標に掲げるということは、やはり財政健全化を一番に最優先にしているというまさにあかしじゃないかと考えますが、いかがですか。
  195. 伊藤渉

    ○伊藤副大臣 お答えいたします。  前回の答弁と多分に重なる部分があるところはお許しいただければと思います。  これまでは、金融政策、財政政策、成長戦略、この取組を一体として進めて、経済再生と財政健全化の両立に向けて取り組んでおります。その結果として、二〇一九年のGDPは名目、実質共に過去最高水準となりました。  その上で、将来世代のための財政健全化に向けた姿勢やプライマリーバランスの黒字化目標は、今般の新型コロナ対応により更に財政状況が悪化する中で、市場の信認を維持すること、また、少子高齢化など新型コロナ以前からの構造的な変化の中で社会保障などの持続可能性を確保するとともに、いざというときのリスクに備えて政府の対応余力を確保するという観点から、やはり重要だというふうに考えています。  また、こうした中で、消費税については社会保障の財源として位置づけられておりますので、令和元年の消費税率の引上げは、全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものであると考えております。  よって、引き続き、民需主導の経済成長を実現していくとともに、社会保障の持続可能性を高める改革など、歳出歳入改革の取組を継続し、経済再生と財政健全化の両立を引き続き図ってまいりたいと考えております。
  196. 高井崇志

    ○高井委員 なかなか経済の再生と財政健全化が両立しないわけですよ。両立すればいいですけれども、両立しない中でどっちを優先するかというところで、明らかに優先順位を間違えた、日本がこれだけデフレで消費が落ち込んでいるときに消費税増税をやってしまったということは、私は認めていただいた方がいいと思います。  今日も副大臣に来ていただきましたけれども、別に私、副大臣と指名したわけじゃなくて、宇波次長にも来ていただきたかったんですけれども、ついに今日は来ませんでした、宇波さんは。珍しいですね、もう政務についてくることもせず。ですけれども、是非副大臣の言葉で答えていただきたいですし、逆に言えば、財務省からそんな答弁が出てきたら、ちょっとおかしいじゃないか、直せと言うぐらいの、やはり政治家として判断いただきたいと思いますが。  これも、実は与党の、この中にも私の質問に同調してくださる方はたくさんいらっしゃいまして、こんなアドバイスをいただいたので質問しますけれども。  さっきも言ったように、アメリカはもう計三回、三十万円以上の現金給付をやっているわけです。再三、財務省は、債務残高対GDP比、このことばかり口にして、これを改善したいんだ、改善したいんだと。まあ、いいですよ。  では、債務残高対GDP比を改善したいのであれば、これは与党のある方からの提案ですよ、国債を十二兆円発行して、国民一律十万円給付。十万円やれば十二兆円ですよね。これをやれば、実はGDPが増えるじゃないですか。債務残高も確かに十二兆増えるけれども、GDP、分母であるGDPが、しかも、乗数効果でそれ以上増える。十二万円配れば、大体消費に使われますよ。貯蓄に回れば確かにあれですけれども、だけれども、今のこの時代に、回りますよ。乗数効果がありますから。  であれば、十二兆円国債発行して、国民一律十万円配るというのは、実は債務残高対GDP比の改善にもつながるんですから、財務省が目指していることと合致すると考えますけれども、いかがですか。
  197. 伊藤渉

    ○伊藤副大臣 お答えいたします。  先生がおっしゃったとおり、まず、そもそも全てが消費に回るかどうかというところも議論がありますけれども、それもありますが、まず、債務残高対GDP比のうち、分子の債務残高、これはストックであります。財政赤字によって債務残高は年々累積されていきます。  これに対して、分母のGDPはフローでありますので、財政支出によりその年のGDPが一時的に増加することが仮にあったとしても、その増分が将来にわたって持ち越されていくということが担保されるものではありません。  よって、翌年度以降の債務残高対GDP比の改善につながるということは、今の先生の御提案によってもなかなか理屈上説明がしづらいところだと思います。  また、仮に現金給付を行ったとしても、家計が給付費を消費して初めてGDPにカウントされますので、必ずしも全てがGDP比に計上されるわけではないというのは冒頭言ったとおりであります。  その上で、プライマリーバランスの赤字が継続ないし拡大している状態では、債務残高対GDP比も増加、発散していくことになりますので、政府としては、二〇二五年度プライマリーバランスの黒字化目標の達成に向けて、社会保障の持続可能性を高める改革など、歳出歳入改革の取組を継続することがやはり重要であるというふうに考えております。  新型コロナの影響を受けている方々にはそれぞれの状況に応じて支援を図っていくことが適切でございまして、委員の御提案は御提案として承りますけれども、なかなか実行に移すには様々なハードルがあるというふうに考えております。
  198. 高井崇志

    ○高井委員 よく政府としてはと言いますけれども、これは財務省としてはですよね。プライマリーバランスの黒字化とか財政健全化なんて、別に、財務省以外のほかの政府が本当に求めているんですかね。いろいろやりたい政策があって、それが財務省に切り刻まれてできていない、そのことによって経済が停滞して、消費も落ち込んで、デフレが続いているわけですから。  これは、さっきも言ったように、与党からの提案でもありますし、私はMMTとか反緊縮というのを結構この場で言っていますけれども、実はMMTのアメリカの第一人者の方が来たときの勉強会があったんです。そのときに、大勢の方がいましたけれども、国会議員の出席者もかなりいて、私はどの党が一番多いか数えましたら、圧倒的に自民党でしたよ。野党より自民党の先生の方が相当関心を持っていますからね。私は、これは本当に財務省も真剣に考えていただかなきゃいけない大きなテーマだと思います。  もう一問だけ、ちょっと済みません。  もう時間がなくなってきましたけれども、私、この場で、インフレ率二%になるまで国債を発行するという法律を作ったらどうだという提案をしました。そうすると、何かいろいろな人からインフレ率二%が目標なのかという批判が来たんですけれども、そうではありません。それは一つのメルクマールです。別に私はインフレを起こすためにこれを言っているわけじゃないので。  ちょっと別な提案をします。  国債を発行するときに、あらかじめ国債の発行によって金利やインフレ率がどの程度になるかというのは予測できると思うんですよ。これは、実はれいわ新選組の山本太郎さんが参議院調査室に試算してもらって、毎月十万円、十二兆円を十二か月、ですから、年間百四十四兆円国債を発行して支給したらインフレ率がどうなるかというのを試算してもらったら、それでも二%にならないんですよ。  参議院調査室が全て正しいとは思いませんけれども、だけれども、例えば内閣府、旧経企庁とかそういったところに、国債をこれだけ出したらインフレ率がどうなるか、金利がどうなるかということを試算してもらって、それが一定水準に達しなければ国債を発行する、そういうルールを、何なら法律でもそういうふうに定めておけば、財務省が心配するような債務不履行とかハイパーインフレとかは起こらないし、財政健全化にも私は影響ないと考えますけれども、いかがですか。
  199. 伊藤渉

    ○伊藤副大臣 ありがとうございます。  まず、金利やインフレ、これは様々な要因によって決まってくるのはもう先生も御存じのとおりでありますので、財政政策との関係のみを取り出して議論することは極めて困難であると思います。仮に財政運営に対する信認が失われることになれば、当然、過度な金利上昇やインフレが起こる可能性があることも、これは否定できません。よって、こうした事態はいつ起こるか事前に予測することは、私は非常に困難だと思います。  また、金利やインフレが一定水準を超えた場合に国債の発行を停止する、そもそもどのタイミングなのかとか、いろいろ、個々議論があると思いますけれども、それに伴って、歳出の大きな部分を占める社会保障の急激な削減や増税などを行わざるを得ないという状況も想定をされ、これは国民生活に大変大きな影響を与えかねないと思います。  これは、総理も四月二十三日、当委員会で答弁をされていると聞いておりますけれども、国債につきましては、必要な歳出と税収等により発行規模を決定するものでございまして、金利やインフレを予測し、その数値が一定水準に達しなければ国債を発行するというルールを設けることは現時点では考えておりません。
  200. 高井崇志

    ○高井委員 私は、増税をすぐしなくてもいいように、だからあらかじめ試算してということを申し上げているんです。つまり、一気に国債発行を止めちゃったら、それは大変なことになるし、増税までしなきゃいけなくなる。だけれども、その一歩手前ぐらいのところを、予想できますよ。  金利やインフレは財政出動のみじゃ決まらない、それはそうですよ。だけれども、これだけの財政出動、これだけデフレが続いている中でこれだけの財政出動をしてもインフレや金利にならなかったら、ほかの要因でハイパーインフレなんか起こるわけないじゃないですか。インフレというのは供給が上回っているときは起きないですからね。  ですから、私は、この案というのは是非考えていただきたい。つまり、毎月十万、百四十四兆円も発行するのをやめるだけで、今のベースに国債発行を戻すというふうにすれば、増税までしなくてもいいわけですから。  もう今日は時間が終わっちゃいましたので、また是非討論したいと思いますが、済みません、あと、法案のことはちょっと、たくさん用意したんですけれども聞けませんでしたので、大臣、また次回以降、まだ質疑がかなりあると聞いておりますので、しっかり法案の中身も聞いてまいりたいと思います。  それでは終わります。ありがとうございました。
  201. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次回は、来る二十八日金曜日午前九時十五分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五分散会