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尾身参考人 委員がこの問題を非常に関心を持っていただいていろいろ調べていただいていることに対しては、私どもも心より敬意を表したいと思います。
その上で、少し確認ということですけれども、今、Ct値の話が一つと、それからもう一つは、重症化率というものと年齢別の重症化の割合というものが二つありますよね。
私どもが今一番関心を持っていたのは、重症化の年齢別の割合というのは
感染者数の推移によっていろいろ変わりますよね。恐らく、今、多くの
国民の人が知りたいのは、重症化率ということで、例えば、百人の人が
感染した、若い人でも年寄りでも、百人
感染した人のうち何人が重症化したというのが以前と比べて、あるいは
変異株のということが一番。そこのことは少し、重症化割合というものは、年齢別、何人いたときに、そのうちの何人が若い人だったかという話ですよね。
私どもが強調したのは、割合ということもそうですけれども、今の
変異株の出現の中で、重症化率、つまり、若い人でも何でもいい、どこの年齢でもいいんですけれども、百人
感染されたうちの何人が重症化した、これが、例えば一%だったのが五%になるとかなり重症、このことが、我々、今、非常に、そのことをまず申し上げたいと思います。
そこで、実は、分母は当然
感染した人ですから。ここの分母というのが非常に分かりにくいのは先生御承知ですよね。無
症状者はたくさんいるんだけれども、ひっかけている人は一部で、
医療供給体制、
医療の、
感染の中でその分母が上下するし、
医療の逼迫、そういうものとして今我々は議論をしているということだけはちょっと確認をさせていただきたいと思います。
それから、今のCt値のお話で、先生のお話は、我々、言わんとしていることはよく分かります。つまり、母集団、最初の分母を、Ct値の低い、つまりウイルス量の高いものだけをひっかけているのか、あるいは
陽性者全体をひっかけるのか、これによって出てくるものが違いますよね。
そういう中で、私どもが言ったのは、Ct値について捨象していないと。Ct値、これは昨日も私は大阪の担当者に、先生がそういう御
意見があったので、実は、大阪が調べている、先生も御覧になった例の年齢別の重症化率です、
陽性。これについて、私どもも、Ct値のことを元々除いているのかどうかと。これは大事で、それによって当然結果が違ってきますから。先生と我々の間で何かちょっと見ているものが違うとしようがないですよね。そのことで確認したら、大阪の人は、これは全くCt値を除いているなんということはなくて、
PCR陽性率ということで。
その中でいいますと、大阪のあれは、例えば四十歳から五十九歳という、ポイントは、今まで、多くの人々は、この病気は
高齢者、七十とかそういう人が非常に多い、四十歳代なんて余り
感染しないんじゃないかというイメージが当時ありましたよね。ところが、この大阪のデータというのは、Ct値について別に差別していないんです。
PCR陽性率を全部ひっかけた中で、例えば、第三波だったら、四十とか五十九歳という比較的若い人が、第三波では一・九%だけれども、四月の一日から四月の十四日になると三・七%、こういうことがまず一つある。
それから、このデータについては、いろいろな県があって、先ほど申し上げましたように、分母については非常に不
確定要素があるので、こういうような疫学データが大阪を始め出ている、これが一つで、それにはCt値は関係ない。
もう一つは、現場の臨床医の先生から、我々、しょっちゅう電話で話していて、いわゆる疫学
情報というものをマスとして見る方法が、これが、今、データが出た。もう一つのデータといいますか、臨床家が現場で持っている感覚というのがございますよね。これは明らかに、私は、今、患者さんを診ておりませんけれども、実際に、大阪であろうが東京であろうが、いろいろなところの臨床家、あるいは保健担当者が見ると、今までは、比較的、四十歳の若い人が重症化することは余り見なかったけれども、ここに来て、かなりやはり若い人が重症。
こういうことを申し上げていて、我々が申し上げたのは、年齢の中で、若い人がどうかというよりも、同じ百人の中の、年齢別にやって、そのことが、当初は比較的
高齢者だけがというのが、実はそうじゃなくて、もう四十歳とか、比較的こういう
人たちが、このデータによると。それから、データと同時に、一般の臨床家の感覚で、そういうまだいろいろな不
確定要素が、今のところ、総合的に
判断すると、若い、比較的いろいろな人の重症化率というものは少しずつ上がっているんじゃないのかというのが今のところの、これからどういうことになるかは、またということだと思います。