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2021-04-23 第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二十三日(金曜日)     午前九時四十二分開議  出席委員    委員長 とかしきなおみ君    理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君    理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君    理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君    理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君       青山 周平君    安藤 高夫君       上野 宏史君    大串 正樹君       大隈 和英君    神田  裕君       木村 次郎君    木村 哲也君       木村 弥生君    黄川田仁志君       国光あやの君    後藤 茂之君       後藤田正純君    高村 正大君       佐々木 紀君    佐藤 明男君       塩崎 恭久君    繁本  護君       高木  啓君    百武 公親君       宮崎 政久君    山田 美樹君       渡辺 孝一君    尾辻かな子君       大島  敦君    川内 博史君       白石 洋一君    津村 啓介君       西村智奈美君    森山 浩行君       山川百合子君    山井 和則君       早稲田夕季君    高木美智代君       桝屋 敬悟君    宮本  徹君       青山 雅幸君    高井 崇志君     …………………………………    議員           西村智奈美君    内閣総理大臣       菅  義偉君    厚生労働大臣       田村 憲久君    厚生労働大臣    兼内閣府副大臣      山本 博司君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    厚生労働大臣政務官    こやり隆史君    衆議院事務総長      岡田 憲治君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  中込 正志君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 海老原 諭君    政府参考人    (内閣規制改革推進室次長)           彦谷 直克君    政府参考人    (内閣子ども子育て本部審議官)        藤原 朋子君    政府参考人    (財務省大臣官房審議官) 江島 一彦君    政府参考人    (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房総括審議官)         山田 雅彦君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省職業安定局長)            田中 誠二君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局長)           橋本 泰宏君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (厚生労働省政策統括官) 伊原 和人君    政府参考人    (厚生労働省政策統括官) 鈴木英二郎君    政府参考人    (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    政府参考人    (中小企業庁経営支援部長)            村上 敬亮君    参考人    (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十三日  辞任         補欠選任   木村 次郎君     高木  啓君   小島 敏文君     宮崎 政久君   後藤 茂之君     黄川田仁志君   武井 俊輔君     佐々木 紀君   百武 公親君     神田  裕君   稲富 修二君     森山 浩行君 同日  辞任         補欠選任   神田  裕君     百武 公親君   黄川田仁志君     後藤 茂之君   佐々木 紀君     武井 俊輔君   高木  啓君     木村 次郎君   宮崎 政久君     小島 敏文君   森山 浩行君     稲富 修二君 同日  理事菅原一秀君同日理事辞任につき、その補欠として田畑裕明君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案内閣提出第二一号)  高齢者医療確保に関する法律の一部を改正する法律案西村智奈美君外十名提出衆法第一一号)      ――――◇―――――
  2. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより会議を開きます。  理事辞任についてお諮りいたします。  理事菅原一秀君から、理事辞任の申出があります。これを許可することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事田畑裕明君を指名いたします。      ――――◇―――――
  5. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 内閣提出、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外十名提出高齢者医療確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  両案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官中込正志君内閣審議官内山博之君、内閣審議官梶尾雅宏君、内閣大臣官房審議官海老原諭君、規制改革推進室次長彦谷直克君、子ども子育て本部審議官藤原朋子君、財務省大臣官房審議官江島一彦君、主計局次長宇波弘貴君厚生労働省大臣官房総括審議官山田雅彦君、医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、職業安定局長田中誠二君、社会援護局長橋本泰宏君、保険局長浜谷浩樹君、政策統括官伊原和人君、政策統括官鈴木英二郎君、国立感染症研究所長脇田隆字君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、経営支援部長村上敬亮君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  7. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の申出がございますので、順次これを許します。長妻昭君。
  8. 長妻昭

    ○長妻委員 おはようございます。立憲民主党の長妻昭でございます。  委員会の開催が大幅に遅れましたけれども、私も野党筆頭理事として若干てんまつを申し上げますと、昨日、理事懇談会で、今日、この七十五歳以上の自己負担倍増法案採決すると。我々は、まだ、健康悪化あるいは重症化の懸念が払拭できる政府として説明がないので、もう少し待ってほしいと申し上げたんですが、これはもう強行するというような趣旨のお話が続いて、今日、非常に我々も緊張を持って朝の理事会に臨んだわけでございますが、我々野党全員出席しておりましたけれども、なかなか与党筆頭理事が来ないということになりまして、来られたらば、突然、自分辞任をして筆頭理事を交代する、今日は採決もしない、そういうことを突然おっしゃられて、我々も非常に不可解だったわけでございます。そして、いろいろその理由というのが、マスコミで大きく報道されたというようなことで、非常に抽象的でございました。  いずれにいたしましても、そういう問題についてはきちっと説明責任を果たしていただきたい、果たさないと火種が残って、こういう重要な役職に就いても途中で重要な局面で交代する、そして、コロナの問題でいろんな意味で今緊急事態です、そういうところで多方面にマイナス影響を及ぼすということを我々も強く申し上げ、何しろ説明を尽くしていただきたいということで、筆頭理事橋本岳さんが就任をされて始まった。  こういうてんまつでございますので、是非、今、補欠選挙、再選挙というのも直前でございまして、やはり、説明責任を果たすということは、これはもう与野党を問わず国会議員としての責任だと思っておりますので、是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。  そして、今回はこの法案審議ということでございまして、今日午後にも緊急事態宣言がまた出るということで、そういうさなかに、高齢者皆さん受診控えが起こる、受診抑制が起こるというのは確実です、九百億円分起こると政府数字を示していますので、そういう法案を強行的にやってくるのかなと、その神経が私は疑われるというふうに思っております。  その中で、田村大臣に幾つか質疑をしたいと思うんですが、やはり、この九百億円の、配慮措置があるときでも、年間後期高齢者で九百億円分の医療が抑えられる、窓口負担が上がることで受診控えが起こる、純粋な一割から二割に上げる増収分ではなくて、それとはまた別に、増収分とほぼ同じ金額、九百億だというんですが、これも、田村大臣答弁にもございましたけれども、この八ページを見ていただくと、実際に受診抑制理論値よりも多く起こっているということが確認されております。これは八ページの下ですけれども、平成十八年改正のときに現役並み所得者二割負担が三割に上げられた、このときの調査を政府は実はしているんですね。そうしたときに、理論値は、長瀬効果年間受診日数が〇・四日減だったものが、〇・五日減だったと、実際には。ということは、これは一・二五倍なんですね、抑制効果が。  与党皆さんもちょっと聞いていただきたいと思うんですが、つまり、長瀬効果で理論的に出ていて九百億でも大丈夫かと言っているのに、それ以上出る、実際には一・二五倍。とすると、九百億円の受診抑制効果がある場合、単純に九百億を一・二五倍すると、一千百二十五億円分の受診抑制効果が出る。つまり、これは多く出るという傾向があるのではないかというふうに思いますので、まさしく健康に影響が出ない、重症化してそして結果として医療費もかえって高くつく、こういうことにならないのか確認するのは、皆さん、当たり前じゃないでしょうか。無理難題を言っているつもりはありません。与党の方だって確認したいと思いますよ。  是非、そういうような過去の窓口負担増のときの検証を採決までにきちっとやはり行っていただかないと、この法案を世に出すことは我々はできないというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  そして、もう一つ大臣答弁で、長瀬式長瀬効果で、二割負担になると、いやいや、外来日数入院日数共にたった二・六%しか減らないんだよと言わんばかりの答弁がありました。答弁がありました、何度も何度も。いやいや、二・六%だけ減るんですよとおっしゃっていました。議事録を確認してください。これは私はちょっと虚偽答弁の疑いがあるんじゃないかなと分析してみて思うんですね。  二・六%というのは、聞いてみましたらびっくりしたんですが、これは、まずは配慮措置効果を入れている数字、かつ、高額療養費制度対象者全員がきっちりと高額療養費制度を申請した、こういう前提なんですよ。それで、たった二・六パーだと。そういう前提をすっ飛ばして、ここの答弁で二・六、二・六とおっしゃった。  しかも、長瀬効果というのは昭和十年ですよ。そのときに高額療養費制度はなかったんです。高額療養費制度は、御存じのように、一回立て替えるんです。窓口で高い金を払って、後で、三か月後ぐらいらしいですね、お金が返ってくるので、そのときにも受診抑制が起こる可能性はあるんですよ。  長瀬効果のときの考え方は窓口負担だけですから、当時、高額療養費はない。しかし、高額療養費制度は、確かに、一か月に一つ病院だけ受ければ自動的に、申請しないでもマックスでそれ以上払わないでいいわけですね。ところが、前回も質疑厚労省からデータを出させていただきましたが、半分以上の方が一か月二か所以上受けているんですよ。そうすると、自分で申請しなきゃいけないんです。一回立て替えなきゃいけない。  そういうようなことからすると、この二・六%というのは、これは前提を言わないで、たった二・六だ、大丈夫だ、大丈夫だと言わんばかりの答弁、これは撤回して取り消していただきたいと思うんですが、どうですか。
  9. 田村憲久

    田村国務大臣 たったなんて一言も言っていませんし、私はあのとき、議事録を見ていただくと分かると思いますけれども、これが少ないとか多いとかということを申し上げるわけではありませんがと、わざわざ注釈をつけているはずですよ、これが少ないなんということを言うつもりもないということで。ただ数字としてこういう数字が上がっているということを申し上げているので、何か、たったって、私がすごい少ないからどうだというふうなイメージをつけるのはちょっとやめていただきますようお願いします。それは事実でありますので。
  10. 長妻昭

    ○長妻委員 じゃ、今の、反論します。ちょっとまず反論させてください。  それだったら、大臣、これは最低の数字なんですよ。一番の影響が少ない、つまり、完璧に理論値で、全員がきれいに申請して一回立て替えても長瀬効果は起こらないという、それはおかしいと思うんですが、そういう前提。  だから、じゃ、多い方も言っていただければいいんじゃないですか。最大が、例えば高額療養費制度を誰も使わなかった場合、これは九・四%マイナスになるんですよ、受診日数とか入院が。一割減というのは相当なものですよね。  ただ、聞いてみると、高額療養費制度対象者のうち何%が申請したかは分からないと言うわけですよ、政府は。私は、複数の病院を受けていたら申請していない人が多いと思いますよ。分からないんですよ、複雑で。  だったら、全体の高額療養費対象者のうち、大体でいいですから、何%ぐらいが申請しているんですか。
  11. 田村憲久

    田村国務大臣 話が全然かみ合っていないので。  私が申し上げたのは、初めの二・六%、これはたったなんて言っていないということを言っているのに、全然違うことを委員は言われて、高額療養費がどうのこうのじゃなくて、私はこれだってたったなんて言ったつもりはないですよ。そう申し上げている話なので、そもそも少ないとかという話もしていませんから。(長妻委員「少ない数字じゃない、一番」と呼ぶ)いやいや、それは委員が少ないと言っているだけの話で、私は少ないなんて一言も言っていませんからね。そこはちょっと勘違いしないようにお願いしますよ。  私はこれをもってして、たったこんなものだから大丈夫だなんて言っているつもりもないし、ただ数字がこういう数字が上がっているということを申し上げているので、だから、そこは今、それを言われればと委員は言われたけれども、全然関係ない話を今されているから。  その上で、高額療養費に関しては、これは、皆さんが受けていただける、本来、高額療養費制度というのがありますから、今回それを取り入れますので、皆様方にこれを使っていただきたいという思いも我々もあります。保険者とも、どういうような形で対応すれば全ての方々にこれを御利用いただけるような方策があるのかということを今検討しているわけでありまして、なるべく多くの方々がちゃんと本来使っていただけるものを使っていただけるようにという、この努力はしてまいりたいというふうに思っております。
  12. 長妻昭

    ○長妻委員 少ない、たったこれだけとは言っていないとおっしゃいましたけれども、数字の出し方はそう言わんばかりの出し方じゃないですか。だって、一番理論的に、全員が申請する数字を出して、二・六だ、二・六だと。二・六なんて私は聞いていないんですよ、一言も。聞いていない前からそれを乱発しておっしゃって。  本当に親切な数字としては、もう少し正確な数字としては、大体高額療養費使用率はこのくらいだ、四〇%だとか何%だ、こういうのをちゃんと分析してそれに掛け算するともっと高くなるわけですよ。実態に即してどのくらい削られるのかというのを出すのが誠意ある態度じゃないですか。そういうことを私は言っているわけで、この二・六、これは、実は、二・六の根拠となる数字を見ますと、非常に、本当に低いんですね、前提計算の数式が。つまり、今、二割負担だということでいろいろな質疑をここでやっていますよね。ところが、この数字前提は二割負担計算していないわけですよ、高額療養費が入るから。何と一・一割負担計算しているんですよ。一・一割負担なんだと。それで計算すると二・六%しか減らないから大丈夫だよと。  ただ、この一番少ないもので計算しても、五ページでございますけれども、政府の土俵に乗って一番少ないので計算しても、五ページ、政府に出していただきましたが、入院外来、合わせて年間一・三日減っちゃうんですよ。平均でですよ、全員平均で。ということは、個々の人に着目したら何日も医療抑制されるじゃないですか。  外来については、これも本当に驚くんですね、七十五歳以上の人は、年間、一人平均、健康な人も全部入れてですよ、三十三日間、外来に行っている。すごい多い。それが年間で〇・八日減る、今回の二割で。でも、本当は、さっき申し上げたように、一・一割負担という前提でもこうなんです。  入院については、年間、健康な人も含めて、七十五歳以上の人は十四・五日も入院している。これは驚きですね。で、年間で〇・四日減る。  そうすると、外来入院、合わせて年間一・三日減る。全部の平均ですよ。  そうすると、本当に、個々に着目すると、相当医療が一番政府が少ない試算でも削られるわけでございまして、是非高額療養費制度の比率、これを教えていただいて、我々の方でも計算しますよ、そうしたら。どのくらいなんですか、対象者のうち実際に申請しているのは。
  13. 田村憲久

    田村国務大臣 そもそも、私も平均といって申し上げておりますので、これはマクロ数字ですから、平均ですからということを申し上げているので、そこもちょっと御理解をお願いしますね。私が何かごまかしたような言い方をしているということはありませんから。ちゃんと正確にそこは申し上げています。  その上で、今、高額療養費、これは保険者がそういう数字を持っていませんので、どれぐらいの方が高額療養費を利用されているか、本来利用される資格のある方と言っていいのかも分かりませんが、それはちょっと分からないということであります。
  14. 長妻昭

    ○長妻委員 これは無責任だと思いませんか、与党の方も。いやいや、高額療養費対象者のうち、一〇%なのか、九〇%なのか、五〇%か、さっぱり分からないと、概算も。それで、一〇〇%、全員が申請するだろうという計算マイナス二・六だよと出してくるというのは不誠実だと思いませんか、与党の方。  だって、一番楽観的な数字じゃないですか。だから、もっと堅い数字、つまり、さっき申し上げましたけれども、高額療養費が全く使われない場合は約一割減なんですよ。全く使われないということはあり得ないと思いますので、では、どのくらいなのか、一割から二・六の間のどのくらいなのか、実際は。それが確認できないと駄目じゃないですか。  でも、おかしいのは、理論値では高額療養費対象者は分かっているわけですよ。それだったら、医療経済学先生は、統計データを分析すれば公開データでも出せるんだとおっしゃっておりますから、是非出していただきたいと思います。
  15. 田村憲久

    田村国務大臣 だから、保険者が持っていないので、データを取っていないので、出せないということと、あくまでも、委員がおっしゃっているのも平均だということでありますから、平均であって個々ではない、ミクロではない。これは前から申し上げておりますとおり、マクロで出した平均でこういう数値であるということを申し上げているわけでありますから、そこは御理解いただきますようにお願いいたします。
  16. 長妻昭

    ○長妻委員 平均というのは私も分かっていますよ。でも、平均でも一番堅い、一番少ない数字の中での平均じゃないですか。その出し方がおかしい。  私が委員長に申し上げたいのは、理事会で、是非高額療養費制度対象者に占める実際の申請者、このデータ是非出していただきたい。そして、正確な、マイナス二・六%でない、正確な実際に近い数字を出していただきたいと思うんですが。
  17. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
  18. 長妻昭

    ○長妻委員 これはいいんですかね、本当に。与党の方、法案というのは、閣議決定されて国会へ出てきたら、あとはもう上げるだけだということじゃないですからね。おかしなことがあったら、与党だろうが野党だろうが、この厚労委員会は伝統的にそういう委員会なんですよ、与党だろうが野党だろうが、これはおかしいと、一回止めろと。昔はおられましたよ、与党先生も。ああ、そのとおりとね。  だから、高額療養費制度は本当に複雑なんですよ。皆さん御存じですか。例えば、今回の三千円の配慮措置だって、三か所病院に行っている人はいっぱいいますよ、歯医者さんと整形外科と内科とか、高齢者で。そうすると、一か所が三千円以上ならそれ以上は返ってくるんですね、お金が。一か所で千円、二か所目が千五百円、三か所目が千円、全部覚えていて、ああ、三千円超えた。全部領収書を取って、役所に申請書類をもらって申請する。ほとんど私はできないと思いますよ、現実には。  というような低い計算というのは是非撤回していただいて謝罪していただきたいと私は田村大臣に強く申し上げておきます。  次に、もう一つ深刻な問題で、平均寿命が減少するという問題でございます。  この一ページ目でございますが、厚労省に出していただいた数字。  本当にありがたいことに、この質疑を通して、相当、医療経済学者の方が見ているんですよ、衆議院ネット中継でいろいろな議員の質問を。それで、おかしいと、これは田村大臣の言っていることはおかしいんじゃないかといって、私のところにいっぱい来るんです、いろいろな方から。ありがたいですね、本当に。そこでいただいた方と相当議論して、ほかの学者の方とも意見交換して、この資料を作っていただいたんですね、厚労省に。  そうすると、一九九九年と二〇〇五年、これは前年よりも平均寿命が下がったんだけれども、これはなかなか理由が分からないと。これは、ある医療経済学者の方は、窓口負担の増と関係があるのではないのか、こういうふうにおっしゃっているわけです。  この表を見ていただくと、一九九九年、平均寿命が下がりました。その前の前の年、一九九七年の九月に被用者の方の窓口負担が一割から二割になっちゃった、倍になったんです。高齢者、七十歳以上の自己負担も増えました。そして、二〇〇五年も平均寿命が前の年より減りましたけれども、そのときも、その二年前の二〇〇三年、被用者が今度は二割から三割になっちゃった、自己負担が、窓口。今と同じですよ。今の三割はみんな当たり前だと思っていますけれども、二〇〇三年に三割になったんですよ。それまでは二割だったんですよ。二〇〇二年の十月には、高齢者、七十歳以上の定率一割負担原則が確立されました、負担増になりました。これが影響しているのではないか、これも要因の一つではないかとおっしゃっているんですよ。  政府が持ってきたのは、ちょっとこれはずるい資料だと思うんですが、当時の説明ぶりと、言わないのに政府が書いてきたわけですが、インフルエンザ、インフルエンザ。インフルエンザが増えて死者が増えたから増加したんじゃないかというんですね。  ところが、私が調べてみると、一九九九年、インフルエンザの死者が増えて、八百五十二人が増えたんです、これは本当にお気の毒なことだと思いますが。二〇〇五年は確かに前年よりもインフルエンザの死者は千百二十四人増えたんです。この数字を経済学者の方に言いますと、この数字でこれほどの平均寿命の縮みというのはあり得ないんじゃないか、こういうふうにおっしゃっておられるわけで、田村大臣関係性というのは、私ももちろん窓口負担が全て平均寿命のこの一九九九年と二〇〇五年の縮みに、全てそれだけが寄与しているとはもちろん申しませんが、それも要因の一つだというふうに思われませんか。
  19. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、高額療養費は、一度手続をやっていただければ、銀行口座等々、その後は保険者で対応いたしますので、その一回をやるということが非常に重要だということでありますから、今般、保険者と協力させていただきながら、対象になる二割負担方々に対してしっかりと対応できるように努力をしてまいるということであります。今いろんなことを考えております。  それから、何の質問でした、今言われたのは何でした。何か言われました。(長妻委員「ちょっと一回止めてくださいよ」と呼ぶ)いや、止めてくださいって、何か言われたから。
  20. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 もう一度質問していただきます。  長妻昭君。
  21. 長妻昭

    ○長妻委員 田村大臣は時々あるんですね、時々あるんです。ほかの野党の質問もそうですが、質問すると、それに答えずに、その前の質問について何か弁明みたいなのを答えて、それで忘れちゃう、あれ何だっけって。何度もあるじゃないですか。  だから、私が言ったのは、平均寿命の、どのぐらいかけてここで説明しました、今。何分間かかけて説明しましたよ。それが頭に入っていないっておかしいじゃないですか。これについて答えてください、ほかのことはいいですから。
  22. 田村憲久

    田村国務大臣 これは分かっているんです、今の質問は。今私が答えるときに何か言われたから、何を言われたんですかと聞いただけの話で、これは分かっています。  これに関して、平均寿命の話は、まず十五年四月に引き上げたわけですよね、二〇〇三年。しかし、その次の年はこれは平均寿命が延びているわけですね、その次の年に下がっているということであります。ということを考えると、やはり十七年に何かあったのであろうということで見ると、今言ったように、インフルエンザが千八百十八人ということでありまして、前年に比べて千百二十四人死亡者が増加している。  ただ、インフルエンザは委員も御承知のとおり超過死亡というやつがございまして、肺炎等々で、例えば細菌性の肺炎で亡くなられたものは、インフルエンザが直接の死亡という計上はされません。この年の肺炎の増加数を見ますと、平成十七年は、肺炎による死亡者数が一・二万人前年と比べて増えているんです。でありますから、やはりかなりインフルエンザの影響があったのであろうというふうに推測できます。  同じことが、やはり平成十一年、先ほど委員が言われました一九九九年も同じでありまして、この年は、前年と比べて八百五十四人インフルエンザの死亡者数は増えていますが、肺炎がやはりその前の年と比べて死亡者が一・四万人増えているということでございまして、肺炎の死亡者、これが影響しておるということは十分に我々としては考えられる。そして、その可能性としてインフルエンザ。  肺炎というのは、毎年毎年インフルエンザの方々が肺炎で高齢者方々が多く亡くなられておられますので、そういう影響があるのではないかというふうに分析いたしております。
  23. 長妻昭

    ○長妻委員 田村大臣は今肺炎とインフルエンザの話をされましたけれども、例えば東日本大震災、これはもう学者さんも衆目の一致するところで、平均寿命が下がった要因の一つだ、かなり大きなファクターだ、これは認めているんですよ。  ただ、今おっしゃったのは、インフルエンザと肺炎というのは病気ですよね、お医者さんにかかるものですよね。だから、それがあるから窓口負担関係ないんだと言わんばかりの今答弁でありましたけれども、窓口負担は、先生方に聞くと、すぐに利かないと。窓口負担が上がってすぐに平均寿命が下がるということではない、一年、二年遅れてそういうことが起こる、こういうふうにおっしゃっておられて、じゃ、インフルエンザ、肺炎になって、窓口負担が上がって、当然長瀬効果が利いて、受診抑制が起こって、それで亡くなる方が増えた、全員全員そうは思いませんけれども、その可能性だってあるじゃないですか。肺炎だから大丈夫だ、インフルエンザだから窓口負担じゃない、そう言わんばかりですよ。  じゃ、窓口負担影響はないと断言できるんですか。
  24. 田村憲久

    田村国務大臣 ただ、委員が言われたのは、そういう意味合いからすると、十六年は延びているんですよね、平均寿命が。そういうことからすると、一年、二年かかるといっても、負担が増えた次の年でありますから、次の年、平均寿命が延びている。結構延びているんですね、〇・二八歳ぐらい延びているわけでありますから、やはり、これは、肺炎等々の影響、元はインフルエンザが増えていますから、そういう分析を、これは今私がしているんじゃなくて、当時もそういうような分析で増えているというような話でございましたので、それをそのまま私としては報告させていただいているわけであります。
  25. 長妻昭

    ○長妻委員 だから、質問に答えていないじゃないですか。窓口負担が上がったことも要因の一つだということですねと。それがそうじゃないなら、そうじゃないと言ってください。どっちなんですか。要因の一つと言っているんですよ。否定できない。
  26. 田村憲久

    田村国務大臣 そういう分析はいたしておりません。ただ、さっき申し上げたとおり、十五年の四月に上げて、十六年は平均寿命が〇・二八歳延びているという事実があるということであります。
  27. 長妻昭

    ○長妻委員 窓口負担を上げてすぐに平均寿命が下がるというのは素人でも考えにくいですよね。  大臣が今おっしゃっているのは、じゃ、二〇〇三年に上げて次に平均寿命が上がっているから影響はないんだという趣旨なんですか。自分の、今、素人の考え方で、何か直感でおっしゃっているんですか。ちゃんと学者さんのエビデンスなり分析のベースがあって今のことをおっしゃっているんですか。そうじゃないでしょう。  だから、大臣に聞いているのは、これは重大なことですよ、与党皆さんも。平均寿命ですよ。平均寿命の縮みというのが、これは田村大臣がおっしゃったからなんですよ、実は。それで経済学者の方が反応したんですよ。平均寿命が縮まるというようなことが起これば、それは何らかの因果関係があるかも分からないということで、我々も立ち止まると、この委員会で私の質問で答えておられるんですよ。だから言っているんです。  じゃ、要因の一つとは言えないということを断言できるんですか、田村大臣
  28. 田村憲久

    田村国務大臣 平均寿命は様々な要因で動きます。先ほどからいろいろ言うけれども、私はこう言っているんですよ。もしそこで本当に極端に健康寿命や平均寿命が縮まるようなことが起こればと。つまり、明確にそんなことが起これば、かなりの年でそれは何らかのことがあるだろうということで。  だから、私は極端にとここで申し上げているので、委員、正確に申していただかないと、私が、ちょっとでも平均寿命が下がったらそれはどうのこうのだと言っているわけでは、平均寿命も健康寿命も様々な要因です、それは。ただ、それを無視しても極端に下がっているようなことがあればそれはあったのでありましょうというような言い方をしているので、そこは正確にお使いいただきますようにお願いいたします。
  29. 長妻昭

    ○長妻委員 極端に下がったら本当に大変じゃないですか、そんなもの。極端に下がったら、もう大惨事じゃないですか。  私が言っているのは、平均寿命が下がったこと、この二つはなかなか理由が分からないと経済学者の方もおっしゃっておられるので、それは、今、さっきそういう分析はしていないとおっしゃいました。つまり、窓口負担平均寿命の短さに関係しているか関係していないか分析はしていない、分からないということですよ。  与党皆さん、本当にいいんですかね。分析してほしいと思いませんか。いいんですか、しないで。関心ないんですか。平均寿命が下がっているんですよ。分析して、完璧に分析は私はなかなかできないとは思うけれども、要因の一つかぐらいは分かるんですよ。一つか、一つじゃないか、全く違うのか、要因の一つ可能性があるのか。分析してほしいと思わないんですか、与党の方。  昔だったら与野党政府に要請しましたよ、厚労委員会の伝統で。今、みんなだんまりじゃないですか、与党の方。したいんじゃないんですかね。どうなんだろうな、これ。そういう分析はしていませんといって威勢よく答弁されても、本当に困るんですよね。  我々も、今回の法案は大変重要だということで、対案を出させていただいているんですよ、ここに。  それと、今ちょっと言い忘れました。理事会で、是非、この平均寿命の短さについて、分析していませんじゃなくて、窓口負担が要因の一つかどうか、これを分析して、速やかに結果を出してほしいと思います。
  30. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。
  31. 長妻昭

    ○長妻委員 我々も、田村大臣、現役世代の方の負担軽減は大賛成です、しなきゃいけません。政府と同じ七百二十億円、現役世代の負担、これも我々も同じ金額を捻出しようということで、財源を、まずは賦課限度額、今、アッパーリミットの保険料は年間六十四万なんですよ、後期高齢者。これを、国保が今八十二万なので、国保並みに八十二万にアッパーリミットを上げる。それについて、対象者は、それに対して少しでも保険料が上がる対象者は年収約九百万以上の方なんですよ、九百万円以上。その方々に保険料をもう少しお願いをしよう、こういうことなんですね、我々は。  それによって四百三十億円出ます。これは長瀬効果は入れていません。当たり前です、保険料が上がっても長瀬効果関係ありませんから。これは確実に基本的には出てくる、長瀬効果に比べて、財源。  それに足りないものを、二百九十億ですね、七百二十に比べて。六十億は、これは支援金の中に税が既に入っているので、新規の公費としては二百三十億。  これを足すと七百二十億になるんですよ。政府と同じなんです。我々も責任を持ってやっているんです。  我々は保険料で応能負担。ところが、政府は病気の方々の中で応能的負担をしちゃっている。いいのかと。年収二百万円以上の後期高齢者の方に窓口二割負担にする。これは対象者は約三百七十万人ですよ、後期高齢者全体の二割ですよ。大丈夫ですか。  我々は、対象者は概算で二十四万人、後期高齢者の一・三%。七十五歳以上で基本的に全国平均で年収九百万以上といったらすごいですよね。七十五以上でフローですよ、フロー。現役じゃないんですよ。ところが、二百万というのは、平均の年金の収入からちょっと上ぐらいなんですよ。平均の年金の収入の少し上なんですよ。  ですから、そういう意味では、こういうコロナ禍でもあり、高齢者病院に行くなと言わんばかりの法律を出して。我々も、ただ反対反対じゃないですよ。さっき言ったように、責任を持って七百二十億出すと。賦課限度額を何で議論しないんでしょう。もう土俵が、窓口負担をどうするどうするで土俵が設定されちゃっているんですよ。保険料のところに行かないんです、議論がなぜか。いろいろな誘導をされているんです。  是非こういうようなことについても与党皆さんにはお考えをいただいて、そして、願わくば、この我が党の法案を賛成していただいて、与党野党手を携えてコロナ禍の高齢者医療をやっていこうじゃありませんか。  以上です。よろしくお願いします。
  32. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山井和則君。
  33. 山井和則

    ○山井委員 今から三十五分間、質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いをいたします。  また、大変お忙しい中、尾身会長にもお越しをいただきまして、本当にありがとうございます。  これは二割負担法案でありますけれども、今、長妻さんがおっしゃったとおりで、それによってどれだけ必要な医療が奪われるのか、そういうことの検証が全くできていない。さらに、先日、私が質問しましたように、じゃ、現役世代の負担が減るというけれども、一日一円か二円ですよね、これは。それで、おまけに、いつも言いますけれども、最初は単身二百万円以上ですけれども、法律にはそのことは書いていないわけですから、時間の問題で、これは、国民年金受給者、そういう非常に厳しい年金生活の方も二割負担に、この法案が成立したらいつでも、法案審議、法改正なくてできるという、本当に大問題だと思います。  昔、後期高齢者医療制度というのがありまして、私、そのとき筆頭理事をやっておりまして、あのときも、法案審議のときはそれほど大問題になっていなかったです。野党は反対していましたけれども、ぴんときていなかった。でも、いざ施行されたら大反対になったわけです。  それはそうですよね。コロナの最中に、多くの国民は、まさかこんなひどい自己負担法案審議しているとは、残念ながら多くの方は御存じないと思います。いざ引上げになったら、今、長妻さんがおっしゃったように、必要な医療が受けられない、そのことによって重症化し、医療費もかえってかかる。何でこんな法案を通したんだということになると思いますので、ここはしっかり必要なデータ、先ほど長妻さんが言ったことをしっかり出して審議を重ねる、それまで採決なんてことは絶対あり得ないと思います。  まずそのことを要望しながら、今日、また緊急事態宣言が決定されるということですので、まさにこれは医療緊急事態でありますから、尾身会長にも御質問をさせていただきたいと思います。  尾身会長、おとついの審議、先日の審議の中で、緊急事態宣言は最低三週間必要じゃないかということを御答弁をいただきました。ただ、今日決まろうとしているのは、四月二十五日から五月十一日、二週間強なんですね。これ、短過ぎませんか。尾身会長、いかがですか。
  34. 尾身茂

    尾身参考人 お答えします。  ただいま諮問委員会が終わったばかりで、最終的には、今日、政府の対策本部に行って最終結論が出ると思いますけれども、今日の諮問委員会でも、このことはかなり議論が活発でした。  基本的には、結論から申しますと、五月十一日というのは一応は了承するけれども、多くのメンバーが、そのときに、やはり、無条件で、何が何でも十一日になったら解除するという意見では、そういうことではなく、しっかりと、政府の方は、基本的対処方針ということで、緊急事態宣言を出す場合の解除の条件というのはもう基本的対処方針で言っているわけですよね、ステージ3に最低なって、ステージ2の方にしっかりと行ける見込みがあるというような趣旨のことを書いて。  それが、今回、そのことを変えていないわけですから、今回も当然、五月十一日の時点になって、ステージ3にしっかりと行っていれば別ですけれども、相変わらずステージ4になっているような状況で解除するということはないので。そういう場合、そうなってほしくないですよね。これだけ、ゴールデンウィークを中心に、かなり集中的で強い対策を打つということは、これは全員賛成しました。それによって、短期間にステージ3それからステージ2の方向に、五月十一日の時点で行っていただくことを期待しますけれども、必ずしもそうなる保証はないわけで、そういう状況でない場合には、当然、延長ということもあり得るという、そういう意味では、条件的な賛成ということが今日の結論でした。
  35. 山井和則

    ○山井委員 尾身会長、私も、昨日地元の方から電話がありまして、何の電話かなと思ったら、その方がおっしゃるには、テレビで四月二十五日から五月十一日と緊急事態宣言の期間を聞いたけれども、ふざけているんですか、そんなに短くて、本当にこれは解除できるんですか、到底そうは思えないと。これは一般の方ですよ、一般の方の感覚です。  去年の四月の第一波の緊急事態宣言のときは一か月半でしたよね。第三波の一月は二か月半でしたよね。一か月半、二か月半と来て、今回が一番厳しいんですよね。  尾身会長にちょっと確認したいんですけれども、今の第一波、第三波、今をまあ第四波とすると、これ、一波や三波に比べて、変異ウイルスのある今が一番厳しいんじゃないかと私は思いますけれども、認識は尾身会長、いかがですか。
  36. 尾身茂

    尾身参考人 基本的には、変異株のことがあって、かなり厳しい。大阪の方ではこういうことになっています。東京の方は、実は今までのと違ったのは、今回は、医療の逼迫が東京の場合は少しずつは出てきていますけれども、それほどないときに今始めているわけですよね。そういう意味では、大阪と東京はちょっとニュアンスは違いますが、委員の御質問に対しては、もう少し延ばした方がいいという意見も当然ありました。  したがって、申し上げますように、集中的にやって、余り長くすると人々はなかなかついてこられないという意見も当然ございました。しかし、五月の十一日ということで、本当にステージ3の方に行って安定してくれればそこで解除ということは当然あると思いますけれども、そうでない場合には解除すべきでなくて、しっかりとまた対策を打つということで合意を、これが諮問委員会の、我々の意見で、政府の対策本部が最終的にどうなるか分かりませんけれども、今日の諮問委員会の合意が、そういうことであります。
  37. 山井和則

    ○山井委員 私はもう、尾身会長を本当に責めているわけではなくて、尾身会長も思うところはもしかしたらあられるんじゃないかと思うんですね。  ただ、国民の受け止めとしては、五月十一日までという意味がよく分からない。というのは、先ほどの電話のことも含めて、普通に考えたら、変異ウイルスがこれだけ感染力を増している中で、五月十一日までは、そう簡単には無理だろうという中で、尾身会長に改めてお聞きしたいんですけれども、この意味です。五月十一日、二週間余りの意味は、五月十一日に、何が何でもそれまでに感染を抑えて解除するという、何が何でも必ずという、そういう五月十一日なのか。まずは五月十一日まで頑張ってみて、その上で考えようということなのか。そこはやはりはっきりさせておく必要が私はあるんじゃないかと思います。そこは、尾身会長、いかがですか。
  38. 尾身茂

    尾身参考人 政府の考え方は今日説明がありまして、私たちの理解は、連休というものを十分使って、この連休期間に集中的に一般の市民の協力を得て、感染をかなり下火にしたい、この機会を十分利用して。  どんどんどんどん長くすると、それだけいろんな事業者への負担とかということがあるので、このゴールデンウィークを中心に、ほとんどゴールデンウィークですから、のところに集中して、それで人流を下げることによって人と人の接触をなるべく避けて、感染者を減らしたいというのが政府の考えだということに、今日説明がありました。それに対して、専門家の方も、そういう短期間にしっかり強い対策をやるということで、もうこれはみんな賛成しました。  しかし、先ほどから申し上げましたように、その十一日になって評価をして、仮にまだステージ4のような状況にあって解除ということはないんじゃないですかということで合意して、ステージ3になることが、ある意味では必要条件という、そういうことでの、今日は了解ですよということは、はっきりと今回の諮問委員会の合意として政府に伝わっています。
  39. 山井和則

    ○山井委員 ちょっとそこを、本当に私たちも頼りは専門家の方々ですので、くどいようですが、お聞きしたいんですけれども、今日の諮問委員会の雰囲気として、五月十一日に解除できるだろうというふうに思っておられる方は多数派ですか、少数派ですか、どちらですか。
  40. 尾身茂

    尾身参考人 多数かどうか、何人かというのは分かりませんけれども、多くのメンバーが、五月十一日というもの、今回の緊急事態宣言を出すときに、一体どういう目的で出すのか、それから、どういうことをどう目安に、どういうことになれば解除するという大きな考え方とか目安を示す必要があるんじゃないのか、それから、緊急事態宣言と重点措置との関係をどうするのかということについては、かなり多くの意見が出ました。
  41. 山井和則

    ○山井委員 いや、尾身会長、これはストレートにお聞きしますが、五月中旬にバッハ会長が来られるんですね。そういうこともあるから短くしているのではないかという指摘があるんですけれども、この期間の問題とオリンピックというのは関係しているんですか、いかがですか。
  42. 尾身茂

    尾身参考人 そのことが新聞紙上でいろいろ語られていることは私も知っていますけれども、今回の、今日の諮問委員会では、オリンピックとの関係での発言は全くございませんでした。
  43. 山井和則

    ○山井委員 それは表立っては発言されないかもしれませんが、不可解なんですね。私も大学院で酵母菌の研究をずっと研究していましたけれども、割と数字で議論することが私は好きですけれども、繰り返して言いますけれども、去年の四月は一か月半緊急事態宣言、今年の一月は二か月半。一か月半、二か月半、何で十七日になるんですか。算数の問題ですからね、これは。  そこで、例えば、尾身会長、ステージ3だったら解除という話ですけれども、前回も、早めに解除してリバウンドが起こって、失敗しているんです、これは残念ながら。  例えば、ある専門家の先生は、東京で一日百人ぐらいまで抑えないと、解除したら、また次、六月に再び再拡大するよという指摘もあります。  例えば、東京に限って言うと、一日何人以下ぐらいだったら解除の目安だと思われますでしょうか、尾身会長。
  44. 尾身茂

    尾身参考人 何人ということについてはいろんな意見がありますが、私は、今回緊急事態宣言を出して、その後重点措置というのを続ける、パッケージでやるかどうかは、またこれはこれからの判断ですけれども、一番大事なことは、ステージ3というのは必要条件、最低条件で、やはり、重点措置とのパッケージでやるということもあると思いますけれども、ともかく、しっかりと感染のレベルをある程度下に安定させるということが非常に重要で、なるべく下の方がいいですよね、というのは私たちのコンセンサスだと思います。  それが百とするのか二百とするのか三百とするかというのは、これは私は総合的な判断ですから、そこはいろんな意見がありますけれども、ともかく、最低ステージ3に早く行って、安定的なレベルに行って、なるべくステージ2の方向に行くということが私は求められていると思います。その際に重点措置をかませるかどうかというのは、また、少し近くなったら考える必要があると思います。
  45. 山井和則

    ○山井委員 なるほど。いわゆる解除するときに蔓延防止措置をかませる可能性があるとの答弁でありましたけれども。  あと、私、すごく心配なのは、こういう事態になって、本当にオリンピックが無事できるのか、やっていいのかということなんです。  先日の菅総理の答弁でも、一日約七百人の医療従事者、お医者さんと看護師さんをオリンピックに従事してもらうと。オリンピック期間中では一万人なんです。今、医療崩壊で、医師の派遣で四苦八苦しているどころか、ワクチン接種が進まない理由は、医療従事者が足りないということなんですね、打ち手が。そういう中で一万人の医療従事者をオリンピックに投入する、このことによって、コロナ対策に支障が出るんじゃないでしょうか。いかがですか。
  46. 尾身茂

    尾身参考人 オリンピックについての開催の判断は、私は自分の意見は申し上げないということは前から申し上げていますが、なぜかというと、頼まれていませんので、我々分科会の意見は。  あえて聞かれれば、感染対策を、オリンピックをやるやらないにかかわらず、私は、しっかりと感染の状況を、今、だんだんと全国に広がり、していますから、特に首都圏を中心に、都市部ですよね、中心に、だんだんと地方の方にしみ出していますから、今回の緊急事態宣言をうまく活用して、必要だったら重点も活用して、しっかりと抑えるということが今必要だと思います。
  47. 山井和則

    ○山井委員 分かっております。尾身会長がオリンピックのやるやらないをコメントできないことはもちろん重々承知ながらも、医療従事者として御質問させてもらっているんですけれども。  全世界から選手の方が来られて、試合をされて、観客、準備、そういうイベントで、全世界から来られるわけですよね。その中で、今、世界で様々な変異種があります。そういう中で、こういうことは本当に言いたくはないですけれども、一つ心配なのは、そういうオリンピックという舞台で、クラスターなり、世界の変異種が交ざってしまう、そういうふうな危険性というものはないんでしょうか。
  48. 尾身茂

    尾身参考人 感染対策という公衆衛生的な観点からだけ申し上げれば、今の世界的な感染レベルはまたかなり厳しくなっております。日本の場合も今厳しくなっていますから、そういう意味では、全世界を中心にしっかりとした感染対策をする必要があって、当然ワクチンの問題もありますから、そういう意味で、オリンピックとはリンクさせないで、やはり今、世界的にもかなり感染が広がっている国が多くなっていますから、日本でも今こういうことになっているので、今、我が国も含め、全世界が感染のレベルを下げるということに私は集中すべき時期だと思います。
  49. 山井和則

    ○山井委員 そこなんですね。やはり、今、世界のみならず、日本も、感染を終息させることにもっと集中すべきではないか。何か、オリンピックがあるからということで、全部、コロナ対策が中途半端、後手後手になっているような気がしてならないんです。  それで、尾身会長、あと少しだけ残っていただいて、田村大臣に、前回と同じようにこの二割負担の問題、当然、認知症の高齢者も二割負担になったら受診抑制がかかるわけなんですけれども、前回のちょっとだけ続きをさせていただきたいんですが、前回、認知症の高齢者、配付資料にありますように、例えば静岡のある施設では、厚労省のガイドラインに従って認知症本人の意思確認が必要だということであれば、六十人、四割の方が打てていないと。  かつ、私の知り合いのところでも、約半数の認知症の高齢者は、家族はほとんどの人が打ってほしいと言っている、五十人中四十九人の家族が、是非うちのおじいちゃん、おばあちゃんには打ってと言っているにもかかわらず、お医者さんとも相談したら、そして県や市とも相談したら、このガイドライン、つまり、接種の意思を確認できた場合に接種を行いますというこのガイドラインに基づけば、半数の人は接種できませんということになっているんです。  それについて、田村大臣からもいろいろ御配慮した答弁はいただきました。私、今まで二回質問をしておりますけれども、そういう現状を踏まえて、厚労省として、新たなガイドラインとか新たなQアンドAとか、何かやっていただけませんでしょうか。
  50. 田村憲久

    田村国務大臣 より分かりやすくといいますか、どのような形で本人の意思を確認するのかということを、より分かりやすい、そういうものは考えていかなければならないと思っておりますので、早急に検討させていただきます。
  51. 山井和則

    ○山井委員 ちょっと聞き取れなかったんですけれども、私、もうこれは急ぐと思うんです。  なぜならば、今日も来週の月曜日も接種をやるんですよ。例えば、三十人、五十人の認知症が接種できないまま接種が終わっちゃったら、後で追加のガイドライン、QアンドAが出ても、もう一回戻ってそこをやってもらうというのは難しいかもしれないんですね。  ということで、来週、月でも火でも、来週早々に、今、追加のガイドラインとおっしゃったんですか、追加のQアンドAとおっしゃったんですか、出していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  52. 田村憲久

    田村国務大臣 今申し上げましたけれども、政府は積極勧奨しているんですね。お勧めをしているんです、政府は。  そういうことも含めて、どういうふうに本人の意思確認をするかということも含めて、丁寧に、これは早急に、どのような形ですればいいかというようなことを、通知というような形になるんだろうと思いますけれども、お示しをさせていただきたいというふうに思っております。
  53. 山井和則

    ○山井委員 それで、私、今朝もお医者さんの方々とこの議論をしていました。  かなり医療団体の方々もこれは議論されているんですね、みんなが困っているから。でも残念ながら、今のままのガイドラインでは多くの認知症高齢者は打てないよねという声、これは一部じゃなくてかなり広がってきているんです。  それで、尾身会長、お忙しいところ残っていただいて本当に申し訳ないんですけれども、もうこの一問でお帰りいただきますが、前回、田村厚労大臣はこう答弁されたんですね。  近くにおられる方若しくは御家族、一番分かっておられて、そこをどのように、それぞれの方々のお気持ちを参酌されて、ワクチンを打つのである、そういう御意思を表示されているんだろうなということを感じ取っていただければ、そこはいいわけでございます、あくまでも御本人の意思を一番分かっていただける方がそこを酌み取っていただくということを現場で対応いただくと。  本人意思をぎりぎり言うのではなくて、今みたいな趣旨のことをおっしゃったんですが、医療の専門家として、今みたいなことがガイドラインなり通知に書かれたら、多くの認知症の方、自ら意思表示できない方が多いんですけれども、接種ができるようになると思われますでしょうか。尾身会長、いかがですか。
  54. 尾身茂

    尾身参考人 済みません、ちょっと、今の委員の御質問は、現行のあれを変えたらという意味ですか。(山井委員田村大臣答弁のように、ちょっと広げたらという意味です」と呼ぶ)そういう意味ですね。  だから私は、昨日も申し上げましたように、昨日か、現実の問題としては、認知症を患っている方は必ずしも意思表示できない、ありますよね。しかし同時に、ワクチンが、これは普通の常識で考えれば、その人たちにもワクチンがなるべく行った方がいいですよね。  そういう意味では、私は、これは超法規的に、現実的に考えて、家族の人、看護婦さん、お医者さんが、恐らく、打ってあげてくださいと言ったら打ってあげて、それほど大きな問題は私はないというのが、私のコモンセンスです。
  55. 山井和則

    ○山井委員 ありがとうございました。  それでは、尾身会長、長時間済みませんでした。お帰りください。大変ありがとうございました。  田村大臣、これは、来週早々に出していただく通知は、判断するのは私ではなくて現場の打つお医者さんや施設なんです、はっきり言いまして。幾らこの場でこれは打てるよねと言っても、現場のお医者さんが、これでは広がっていないから打てませんとなったら解決しませんし。  繰り返し言いますけれども、私も必死なのは、連日、もう何十という老人ホームで今打っている最中なんですよ。それで打てない高齢者の方が、一施設、二十人、三十人出ているわけですから。後で追加になると混乱しちゃいますから、もうできれば、月曜日にでも通知を出していただきたいと思います。  そのこととも関連するんですが、質問通告しておりますが、田村大臣、結局、これは公明党の山口代表も御要望をされていますけれども、障害者の方々高齢者方々と同様の時期に優先接種をということ。今日の配付資料、三ページにございます。  これは、前回からもう、前回、田村大臣、基礎疾患の人と同様に、一般の枠内で障害者の方々も優先接種というのはあり得るんじゃないかというような御趣旨の答弁でしたけれども、そうではなくて、もう一歩踏み込んで、やはり、障害者総合支援法のサービスや施設を利用する障害者は重症化リスクが高いため高齢者と同時期に、ということは今ですね、優先接種にすべきではないかと。  これはもう、田村大臣は障害者福祉にも御造詣が深いですから、もう深くは言いませんけれども、例えば六十五歳のお元気な高齢者と、やはり障害のある若い方々とで、どちらが重症化リスクとかコロナのリスクが高いかというと、それは、もしかしたら障害者の方の方が高い可能性もあるんですね。  そういう意味では、何とかこの高齢者と同時期の優先接種に、この施設を利用する障害者、またそれを支援されている方々をすべきではないでしょうか。田村大臣、いかがですか。
  56. 田村憲久

    田村国務大臣 心情的にはいろんな思いがあるというのは、それぞれ委員も含めてあられると思いますが、これは一応、やはり重症化をするという根拠というものがあるということを前提で決めていただいておりまして、私が決めておるというよりかは、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の予防接種基本方針部会というところで、専門家の方々に御議論いただいて決めていただいているんです。  その上で、もちろん障害者の方々でも高齢者は当然優先接種でありますが、先般、委員からの御質問でお答えいたしましたけれども、重い精神障害をお持ちの方でありますとか知的障害、これは療育手帳や精神障害福祉手帳、それから自立支援医療の重度、継続というのを受けておられるような精神障害をお持ちの方々、こういう方々は、どうも専門家の方々が、やはり重症化するという、そういう証左があるということで御判断をいただいたわけでありまして。  なかなか、私がここで、そういうものをひっくり返して、専門家の方々のいろんな御評価を変えるというわけにはいかないわけでございますので、そういう方々の御評価をいただいた上での決定であるということを御理解いただければありがたいと思います。
  57. 山井和則

    ○山井委員 在宅のホームヘルパーさんたちの優先接種も、私たちが要望して前倒しにはなったわけですから、是非ともこれは前向きに考えていただきたいと思います。  それで次に、このワクチンのことをお聞きしたいんですが、今日、十ページに配付資料をお配りしております。  これは、九月末に全国民のワクチンが供給できるめどが立ったと菅首相は言ったが、ファイザーだけのワクチンでめどが立ったのか、モデルナとアストラゼネカを含めた本数でめどが立ったのか。また、今回のファイザー会長との実質合意には合意文書はないということだが、正式な合意文書にサインをするのか。ということで、私たちもこれを不安に思っているんです。  それで、こういう中で、質問は、結局、下村政調会長の話もありましたが、今、市町村に、いつ、高齢者、全住民の接種が終わるのかというのを把握している最中だというふうに、その下の方でもこれは書いてありますが、下村政調会長は、全国民は来年春までかかるんじゃないか、高齢者は、遅い地域は年明けになるんじゃないかということをおっしゃいました。  ついては、これは、来年春、全国民、あるいは年明けに高齢者がなるという可能性は全くないのか。それとも、聞いていないだけで、もしかして、今後ヒアリングを市町村に徹底したら、そういうところも出てくる可能性はあるのか。菅総理も、報告を受けていませんとおっしゃっているんですね。それは、悪い報告というのは、そんなに上がりませんからね。うちは来年春までかかりますよとか報告する人はいないと思うので。  たまたま報告が上がっていないからなのか、来年春まで全住民がなりますとか年明けに高齢者がなりますというところは、調べた結果ないのか、これはどっちでしょうか。
  58. 田村憲久

    田村国務大臣 今自治体とやり取りをしているところでありまして、具体的な時期は、これは申し上げられないということであります。  それと、下村政調会長がおっしゃられたのは、我々、全然下村さんとは何らこれに関して意見交換をしているわけではありませんので、下村さんの自らのお考えをおっしゃったんであろうというふうに思いますが、我々としては、下村さんのお考え方というものに対して同じ共通認識を持っているわけではないということで、我々は、なるべく早く接種を完了したいということで、今各自治体と対応させていただいておるということであります。
  59. 山井和則

    ○山井委員 ということは、今調査中だということは、下村さんのような、来年春まで全住民がかかる、あるいは年明けまで高齢者がかかるという自治体がもしかしたらあるかもしれないということは、否定はされないということでよろしいですか。
  60. 田村憲久

    田村国務大臣 今も、今調査中というのは、検討しているところがあるんですよね、今まだ、いつか計画をしっかり作っている最中のところが。だから、ちょっと我々としては、それが出てくるまでは何とも言えませんが。  我々としては、なるべく早くお打ちをいただきたい、体制を整えていただきたいという思いがございますから、遅くなるような、いつとは言いませんよ、いつとは言いませんが、遅くなるようなところがあれば、より早くできるような工夫をしていただくべく、我々としてもいろんな御協力をさせていただいて、住民の方々が安心して早くワクチンが打てるような、そんな体制整備を支援してまいりたいというふうに考えております。
  61. 山井和則

    ○山井委員 ということは、今、長妻さんからも、何も答えていない。要は、来年春まで延びるかもしれないし、高齢者も年明けになるかもしれないし、否定もしないけれども、検討中だ、検討中だと。  じゃ、高齢者の接種がいつ頃全ての市町村で終わるのか、全住民の接種がいつ頃終わるのかは、いつ分かるんですか。
  62. 田村憲久

    田村国務大臣 高齢者の皆様も、一〇〇%高齢者方々が打っていただけるかどうか、ちょっとこれは分かりません。我々としては、一〇〇%対象の方々に打っていただきたいと思いますが。そういう方々が、今は打たないけれども、後から一般の方々と打つ場合もありますので、高齢者の方がいつ終わるかというのはなかなか申し上げられませんが。  我々としては、国民の皆様方全員に対して、これも打たれる方でありますけれども、なるべく早くということで今体制の整備をお願いしており、自治体からまだ御報告が上がってきておりませんので、そもそも計画自体、全て我々も把握していないわけでありますから、それを見て、これはもうちょっと早められる、どこに問題があるんであろうということであれば、我々もいろんな御協力をさせていただいた上で、早く打っていただけるような体制を整えるべく、作っていただくべくいろんな御支援をしてまいるということであります。
  63. 山井和則

    ○山井委員 本当に残念ですね。この期に及んで高齢者の接種がいつ終わるのかめどもない、把握もできていない。これ、国民は不安で不安で仕方ないじゃないですか。ワクチンを接種するまでの我慢だと思っているし、老人ホームに面会できない、年老いた両親に面会できない。みんな大変な思いをしていて、いつまで我慢すればいいのかといって何回聞いても、検討中、検討中。年末なのか、来年春なのか、さっぱり分かりません。それはちょっとあんまりじゃないですか。  じゃ、高齢者の接種はいつぐらいに終わるのか、全国民の接種はいつぐらいに終わるのかというめどぐらいは、連休明けとか五月中には分かるんですか。
  64. 田村憲久

    田村国務大臣 ワクチン自体は、河野大臣の方から、六月末までには高齢者の分、三千六百万人ですかね、二回打てる分は確実にこれは確保すべく、これはある程度目算を立てていただいているというふうに思います。でありますから、その頃にはワクチンはやってまいりますので。あとは、それを打っていただく、接種をいただく体制を整える。  今、計画をいろいろいただいていますから、そういうものが届いた中において、我々としてはなるべく早く打ちたいし、もちろん、ワクチンは有効期限がありますから、有効期限内に打たなきゃいけないわけであります、遅くてもですよ。そういうことも踏まえた上で、その計画を拝見させていただいて、いろんな支援をさせていただくと言っているわけでありますから。  それは、委員、まだ、始まっているところ、始まっていないところ、いろいろあるわけで、それを、今いつまでにと言われても、なるべく早く我々としてはこれは進めたいわけでございますので、本当に一日でも早く、我々も、打ちたい方々は打てるような、そういう環境をつくって打っていただきたいと思っておりますから、そういう意味では全力を尽くしてまいりますので、どうかそこは私どもの思いというものを酌み取っていただいて、御理解いただければありがたいというふうに思います。
  65. 山井和則

    ○山井委員 余りにもひどいですね。それじゃ、もう国民は不安で不安で仕方がないじゃないですか。せめて、じゃ、めどが分からないんだったら、目標、願望を言っていただけませんか。厚労省あるいは政府としては、いつまでには高齢者には打ち終えたいという目標、あるいは、全国民にはいつまでには打ち終えたいという目標、願望、それで結構です。せめてそれぐらい言ってもらえませんか。  これは私が言っているんじゃないんです。全国民、高齢者、不安で不安で仕方ないじゃないですか。アメリカでは七月にも全国民が打ち終わるとか、いろんなニュースがテレビを見たら流れてくるのに、日本の国だけは、分かりません、分かりません、分かりませんと。これ、ちょっと、せめて目標、願望でもいいです。いつまでには高齢者、全国民、打ちたいと思っている、できるかどうか分からないけれども打ちたいと思っている、目標としている、そういうことぐらい、せめて言っていただけませんか。
  66. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
  67. 田村憲久

    田村国務大臣 願望って、それは、なるべく早く、一日も早く打てるようにさせていただきたいというのが願い、願望であります。でありますから、一日でも早くと申し上げておりますので。  今、まだ計画自体が全て集まってきておりませんから、それを拝見させていただきながら一日も早く体制を組めるようにということで、先ほど来申し上げているじゃないですか。我々も、最大、国として、いろんな形で御協力をさせていただくということでありますから、それは、委員、そこのところは、委員も政務官をやっていただいておるので分かられると思いますけれども、いいかげんなことは政府としては申し上げられないということは、それは御理解ください。
  68. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 山井和則君、申合せの時間が来ております。
  69. 山井和則

    ○山井委員 これで終わりますが、国民の命を守るためには、窓口負担二割増法案に心血注ぐ暇があれば、早くワクチンを高齢者、国民に届ける、その日を確定させる、そのことにもっと全力集中させるべきだと思います。  終わります。
  70. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、津村啓介君。
  71. 津村啓介

    ○津村委員 霞が関の働き方改革、質問通告二日前ルール、健康保険法改正、そして、コロナ対策の支援金について、それぞれ質問をいたします。  まず、霞が関の働き方改革、質問通告二日前ルールについてでございますが、今国会では、この質問通告の早期化が大変大きなテーマとしてクローズアップされておりまして、今週だけでも、全国紙に複数取り上げられているような状況でございます。  当委員会でも、四月七日の国光あやの議員の質問を一つの皮切りといたしまして、先週も、私、質問をさせていただきました。  まず、前提として共有させていただきたいのは、配付資料の一枚目にございますように、平成十一年九月十七日に、政府委員制度の廃止及び副大臣等の設置に伴う国会審議の在り方に関する申合せ事項として与野党が合意した、三、予算委員会の7、「質疑者は、原則として、前々日の正午までに質問の趣旨等について通告する。」という申合せでございます。  これについて、先週になりますけれども、四月十六日、一枚おめくりいただきました二ページでございますが、私と厚労省山田政府参考人の間で幾つか議論をさせていただきました。  この前段として、四月七日に、国光あやの議員に対しまして、山田政府参考人が、国光さんの、質問通告二日前ルールは守られていますかという一般的な問いに、確定した要旨という定義をされた上で、最初、おおむね三割程度、前々日までに御連絡をいただいていると発言されましたが、先週、それを一部補足をされまして、委員会の開催決定が前日の午後となっていた一回を除くと、おおむね四割程度と上方修正をされました。しかし、そこにおいても、ここで赤く囲んでおりますけれども、確定した要旨の連絡時間として、それをいわば補足、注釈されております。  私からは、質問通告というのは、これは山田さんも触れていただいていますけれども、早いタイミングで要旨をお渡ししても、事務方とのやり取りの中で丁寧に差し替えるという場面も現にあって、その結果、いわばファーストタッチとしての最初の趣旨等の通告から、最後に全てのすり合わせが終わったいわばラストタッチとしての確定した要旨というものの間には相当タイムラグがあるので、どちらでこれをカウントするかで全く違う絵姿になるということを共有させていただいた上で、この二ページ下の段にございますように、最初の趣旨などの通告についても、それはきちんと記録をしていただくということをお願いしたいと思いますけれども、大臣、よろしいですかとお尋ねしまして、田村大臣から、残させていただくようにいたしますというふうに、いわば事務改善のお約束をいただきました。  山田政府参考人をお呼びしております。このとおりで、厚労省内、徹底しておられますでしょうか、記録は残しておられるでしょうか。
  72. 山田雅彦

    山田政府参考人 いわゆる質問通告については、通告の形態等が様々であり、一概に判断することは困難でありますが、先日の、四月十六日の委員会において先生から御指摘いただいたその御指摘も踏まえ、衆議院厚生労働委員会について、四月二十一日開催分から、最初に要旨の形で御連絡いただいた時間、及び、これまでお答えしてきました、確定した要旨を御連絡していただいた時間を、それぞれ集計するようにしております。
  73. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございます。  私の先週の指摘を受けて、ファーストタッチとラストタッチの二つのトラックについて記録を残してくださっているという御答弁です。ありがとうございます。  そうした中で、これは、厚労省さんだけ、厚労省さんはもちろん霞が関の働き方改革のフロントランナーに立たれるお立場だと思いますので、この取組は大変すばらしいと思いますが、これは厚労省さんだけで終わる話では本来ないはずで、元々これは院の申合せでございますので、そうしたことを、本来、衆議院の事務局が全体を見渡して、これがどう遵守されているかを御覧いただくべきと考えているんですが、そのことを、私、二月二十六日、おめくりいただきますと三ページでございますけれども、予算委員会の第一分科会におきまして、予算委員会には事務総長が出席いただけるということでしたので、この場で、どういうカウントになっているのかきちんと御覧になっていますかというお話を問うたところ、まず、二日前の正午までに委員会の開会日時が確定されているかどうかという、このことについては、前国会については全体が七三・九%ということをこれは集約していただきました。  ちなみに、厚労委員会は六六・七%でございますし、今国会については、一枚おめくりいただきますと、六回、五四・五%と、どんどん委員会運営が、済みません、雑になっておりまして、前々日の正午までに決まらない、ブラック化が進んでいるわけですけれども、後で委員長に問いますが、その全体観をもって質問通告の時間を記録していくというのは、本来、私は、事務総長、衆議院の事務局がやるべきことだと思って、ここで問わせていただいております。  岡田事務総長、今、衆議院事務局は全体を把握されておりますか。
  74. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 お答え申し上げます。  先生が冒頭御紹介になりました平成十一年の与野党間の申合せ、それから、二十六年の五月には、充実した質疑と国家公務員の過剰な残業是正等を行うため、速やかな質問通告に努める、こういう累次の申合せがあることにつきましては私どもも承知をしてございます。  質問の通告につきましては、事務局を通さず議員事務所から直接政府に対してなされる場合、それから、御質問が、委員会の開会日時が確定する前から御質問を予定されている先生方は、資料を御要求されたり、御説明政府から聞かれる、そういったことも質問通告の広い範囲に入るということもありましょうから、必ずしも事務局において全ての質問通告を把握する仕組みに現状なってございませんので、全体を把握することがなかなか困難であることが実情であるというふうに申し上げさせていただきたいと思います。
  75. 津村啓介

    ○津村委員 今の総長の御答弁は、二月二十六日の、今皆さんにお配りしている三ページの御答弁、「質問通告が行われた時刻については、当該時刻を記録として残しておらず、衆議院事務局として網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。」これと基本的に同じラインでおっしゃっていますが、この後、先ほど御紹介いたしましたように、少なくとも厚労省さんは、二つのトラックについて記録をするということを、事務改善していただいたわけです。  こうしたことを、やればできるわけで、当然、今おっしゃったように、途中、電話でやり取りをちょっとだけしたとか、いろいろなことが、フェーズがありますけれども、しかし、最初のファーストタッチと、そして最後の確定、ラストタッチと、この二つの時点は、これは厚労省さんがしていただいているように、やればできる、記録できるわけですし、これは厚労省の申合せじゃありませんから、院の申合せですから、それを、全体をもって見るのは事務局の役割だと思うんですけれども、いかがですか。
  76. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 お答えいたします。  この質問通告につきましてちょっと御説明をさせていただきますと、充実した質疑応答となりますよう、先生方、質疑者と、政府答弁者との間に介在する私ども事務方といたしましては、その多くは、先生方から御質問の要旨を頂戴する中で、これを迅速的確に関係省庁の窓口に送付するとともに、質疑者と政府側との間で一定のコンタクトが取られていることを双方に御確認申し上げ、最終的には、その結実として、政務三役や政府参考人などの答弁者を漏れなくしっかり御登録いただく、このことに傾注してまいってきたということがございます。  一方、先生からは、国会改革、働き方改革の問題が御提起をされ、私も去る十六日の先生の御質疑を拝読いたしました。その中で、政府側からは、質問通告の記録をしっかり残していくとございました。  もとより、この質問通告につきましては、御質疑の中で先生御紹介いただいたファーストタッチ、ラストタッチといったこと、また、事務局を通さない直接のやり取りも含めまして、質疑者ごとに様々な形態があると認識をしております。  いずれにいたしましても、この質問通告に係る現在の在り方については、理事会等での御協議もいただき、関係者が共通の認識に立つ中で、委員会からの御指導の下、事務局といたしましても、御審議の充実と、働き方改革の推進を推し量る効果的なモニターとなるように、必要な記録、資料を残すことも含めまして、今後業務にしっかり当たってまいりたい、このように考える次第でございます。
  77. 津村啓介

    ○津村委員 今、残すことも含めまして業務にしっかりと当たるというふうにおっしゃったと思いますが、そのことを詰めさせていただきます。  私、衆議院事務局とはどういう存在なのかということで、法律を当たらせていただきまして、普通、各府省は設置法がございますが、衆議院は更に歴史がありまして、昭和二十二年の段階で、議院事務局法という法律に基づいて設置をされていると理解しています。ここには、恐らく法律がほかの設置法より古いからだと思うんですが、いわゆる目的規定がございません。  そうした中で、衆議院のホームページには、事務局組織について、「衆議院事務局は、議院の活動を直接に補佐し、事務を処理するため設置されています。」とあります。また、国会法二十八条には、衆議院事務総長の役割として、議長の監督の下、議院の事務を統理することがお仕事だとなっています。  これは院の申合せであります、先ほども申し上げましたように。私は、これは与党のためでも野党のためでもなく、そして、守らなければいけないのは、野党の私たちも責めを負うものですから、厳しい話をしているつもりなんですけれども、しかし、これを、中立的な立場でしっかりと時間を残す、記録をして、この申合せが遵守されているかどうかということを確認するというのは、まさに議長の監督の下、事務を統理する事務総長、岡田さんの役割ですよね。ですから、そのことをきちっとやってください。この相手方である厚労省さんがやっていることですよ、やれていることですよ。それが何で事務総長、事務局ができないんですか。
  78. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 今申し上げましたとおり、御質疑の充実とそれから働き方改革の推進、これがしっかり図られるように、今日の御質問の趣旨も体しまして、しっかりと記録を残すことも含めまして、適切にしっかりと対応してまいりたいと存じます。
  79. 津村啓介

    ○津村委員 私は事務局の仕事を増やしたいんじゃないんです。だけれども、今、厚労省さんは記録を残すとおっしゃったんだから、それは共有していただけませんか。
  80. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 この委員会の御質問は、御質問者と、それから答弁者、それからその間におります私ども事務局も含めまして、三者がしっかりと共通の認識の下で協力をして、委員会質疑応答が成り立つというふうに認識をしてございますので、今先生の御指摘はしっかりと受け止めまして、業務に当たらせていただきます。
  81. 津村啓介

    ○津村委員 三者がしっかりと共有するということですから、その時間、二つの数字を共有していただけるんですね。そこははっきりさせてください。  これは、院の申合せをどういう中身なのか詰めている話ですから、ごまかさないでください。共有していただけるんですね。
  82. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 しっかりと認識は共有をして、対処してまいります。
  83. 津村啓介

    ○津村委員 何の認識を共有するんですか。
  84. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 質問通告のありました時間等も含めまして、共有をしてまいります。
  85. 津村啓介

    ○津村委員 厚労省と時間の共有をするということを今明言していただきました。他省庁ともしていただけますか。
  86. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 厚労省だけではなくて、他省庁につきましても同様の扱いということで取り組ませていただきます。
  87. 津村啓介

    ○津村委員 本日の質疑を通して聞いていただいた方、また会議録をお読みいただいた方は御理解いただけたと思いますが、質問通告については様々なフェーズがございます。  しかし、いわばファーストタッチともいうべき最初の質問の趣旨等の通告、そして最後の確定した要旨の共有、この時間について、厚労省がこれを記録に残すと明言をされ、そのことについて、時間を含めて認識を共有すると事務総長が明言をされ、また、それは厚労省だけにとどまらないということも明言していただきました。  そういう御理解でよろしいですか。
  88. 岡田憲治

    ○岡田事務総長 先生おっしゃるとおりでございます。
  89. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございます。大きな進歩だと思っております。  ここで、とかしき委員長に質問をさせていただきます。  余り多くの例はないことでございますが、質問、確定した要旨にも明記をさせていただきましたように、委員会運営に関連して委員長に認識を確認することにつきましては、衆議院規則及び先例による制約はなく、当委員会におきましても、令和二年十一月二十七日の阿部先生に対する委員長答弁の前例があることを、昨日委員部に確認済みであることをまず申し上げておきます。  昨日の理事懇談会で本日の委員会がセットされたわけですけれども、十五時を過ぎていたと思います。とかしき委員長は、これが質問通告二日前ルールに反する決定であることは御認識であったでしょうか。
  90. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 当然のことながら、昨日の理事懇談会委員会開会の一日前であったことは認識しておりました。  他方で、中立公正を旨とする委員長といたしましては、まず、与野党間の協議を見守り、理事会において丁寧な議論が行われ、与野党が一致できる関係を、一致できるようにしていくことが重要であると考えております。  立場の違いはあるかと思いますけれども、現時点でも、与野党が少しでも早くという気持ちを共有して協議いただいたというふうに理解しております。
  91. 津村啓介

    ○津村委員 委員長は、時として職権で委員会を開催することもできます。ということは、職権で委員会を開催しないこともできると思うんです。  院の申合せであります。院の申合せに反することを委員長の最終責任において開催したという理解でよろしいですか。
  92. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これは与野党間の合意事項を優先させていただきましたので、先ほどお答えしましたように、丁寧な議論が行われ、与野党間が一致を見出せるように環境を整えていくのが委員長の仕事というふうに考えております。
  93. 津村啓介

    ○津村委員 では、これは誰が要請したんでしょうか。この委員会のルールに反することをどなたかが要請されたから、こういう運営になったということだと思うんですが、委員長の発案でないとすれば、どなたがこれを提案されたんですか。
  94. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の在り方につきましては、これは政党間の申合せでありまして、現時点では、国会衆議院としてルールが定められているわけではありません。  ただし、二日前とは言わず少しでも早く委員会をお決めいただくことは、質疑を行う委員にとっても、答弁をする政府側にとっても望ましいことでありますので、これは与野党共通の認識だと思います。  ということで、委員長といたしましては、与野党がしっかりと合意をして、委員会運営ができるように心がけていくということで進めさせていただいております。
  95. 津村啓介

    ○津村委員 この質問通告二日前ルールは、今国会で大きな焦点になっていまして、四月七日には、与党の国光先生からも、この遵守について注意喚起があったと理解しております。与野党共通の大テーマでありますけれども、昨日の理事懇におきまして、委員長はその注意喚起はなさいましたか。
  96. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 なるべく早く合意点を見出せるようにということはお願いしておりましたけれども、特に、早く、一日前であったということは誰が見ても分かることでありましたので、あえて理事会の中では申し上げませんでした。
  97. 津村啓介

    ○津村委員 なぜ注意喚起されなかったんですか。だって、これは霞が関の皆さんの残業を事実上確定させる決定ですよ。そして、今日は、残念なことに、与党の筆頭が突然辞任されて、実際審議が遅れるというようなことは国会では起きるんです。  そういう状況の中で、委員長は差配できるお立場にあるのに、霞が関のこのブラック化がこれほど言われて、霞が関の国家公務員志望者がこれだけ減って、本当に大変なことになっているんだから、委員長のお立場で、もう一日早く、あるいはもう一日遅く委員会を開催するということができるわけですから、それは委員長のお仕事ですよね。なぜ、その注意喚起さえされなかったんですか。
  98. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これは、両筆頭とも、なるべく早く、これ、合意を見出そうということで随分努力をなさっているのは見えておりましたので、今回はあえてそこを言わなくて、気持ちを共有しているということで、協議の方を先行させていただきました。
  99. 津村啓介

    ○津村委員 なるべく早くというのは、何についてなるべく早く両筆頭が合意していたんですか。  私は、両筆頭の間で、お立場は違うと思いますよ。じゃ、この一日前に、この二日前ルールに反することを両筆頭は合意していたということを委員長はおっしゃっているんですか。
  100. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 いえ、そんなことを申し上げているわけではなくて、理事懇談会におきまして、なるべく、委員会の開会の内容について、質疑の時間と内容について、筆頭間で御同意をいただけるように一生懸命協議をしていただいている状況を理解しておりましたので、それで進めさせていただきました。(津村委員「何を言っているか分からない。僕は時間の話をしているんです。時間を聞いているんです。今、何も早くという、私は、何が早いんですか、何の時間を早めたいんですかと聞いているんです。ちゃんと答えてください」と呼ぶ)  指名が抜けていますね。津村啓介君。
  101. 津村啓介

    ○津村委員 じゃ、もう一回言いますが、何の時間をなるべく早くしたいと委員長は今おっしゃったんですか、何の時間ですか。
  102. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 与野党間が合意できる時間を、筆頭間で合意できる時間を早くしていただきたいということです。
  103. 津村啓介

    ○津村委員 そのことと質問通告二日前ルールと、どういう関係がありますか。
  104. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質問通告は、委員会の開催時間を決めていただかないとできないわけでありますから、ですから、早く合意ができるように、委員会の時間が決定できるようにお願いしていたということであります。
  105. 津村啓介

    ○津村委員 質問通告を二日前に徹底するということと、両筆頭が何らかの合意をすることと、どういう関係がありますか。直接関係ないじゃないですか。
  106. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 両筆頭が合意しないと委員会のスケジュールが立ちませんので、正式には通告を理事懇で合意いただかないと次のステップに進めないということであります。
  107. 津村啓介

    ○津村委員 そんなことは分かっています。それは質問通告二日前ルールに違反することを委員長が是認する理由にはならないと思いますが、いかがですか。
  108. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 違反しているわけではなくて、質問通告の在り方について、政党間の申合せで、それはなるべく守っていくように努力はいたします。ただ、状況によって、なかなかそれが守れないという場合もあるということで、四ページの資料でもありますけれども、全て守れているわけではないのでということと、あと、筆頭間で大分御努力いただいているというのを私も感じておりましたので、あえてそこは強く今回は申し上げませんでした。
  109. 津村啓介

    ○津村委員 今、委員長御自身がくしくも言及されましたが、厚労委員会は、これ、ひどいんですよ。さっきも申し上げましたとおり、五四・五%しかそもそも前々日までに合意していないんです。  院全体では、先ほど、岡田総長が前回御答弁いただいたように、七三・九%、前国会で守られているし、今回だってそういう水準なわけですね。そして、厚労委員会は前回六六・七%だったのが今国会は五四・五%と、どんどん違反が進んでいるんですよ。この質問通告二日前ルールを守ろうと言っている御時世にですよ。それを両筆頭のせいにしちゃいけませんよ。委員長には職権があるんですよ。その御自覚はありますか。
  110. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 政党間の申合せで決められたルールでありますので、なるべく守っていきたいというふうに委員長としては考えております。  ただ、国会衆議院としてルールが定められているわけではありませんので、ここは政党間の皆さんの申合せを重視して進めていきたいというふうに考えております。(発言する者あり)
  111. 津村啓介

    ○津村委員 私も、今お声が飛びましたけれども、両筆頭のせいにされているじゃないですか。これは委員長責任ですよ。何で委員長、これは。なるべくとおっしゃった。じゃ、委員長、これ、今後は御注意いただけますね。
  112. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 なるべく二日前のルールが守れるように努力はしていきたいと思います。
  113. 津村啓介

    ○津村委員 私、これからも伺っていきますからね。これは、与党の筆頭の先生方もお願いしますよ。先生方の御努力一つで……(発言する者あり)与野党の合意が大事だと思っていると、今、橋本先生の御発言がありましたけれども、それは、合意は大事ですよ。そのことを全く否定するものではありませんが、その合意の中に、これは野党先生にもお願いすることだと思いますけれども、二日前ルールの徹底ということは、与野党の筆頭とそして委員長の権限でできることで、何か例えば、役所の方から言われて、委員長や両理事がそれに押されることはないわけですから。  これは、今日やってくれというのは、厚労省さんからの御依頼なんですか、委員長
  114. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 そのような依頼は受けておりません。
  115. 津村啓介

    ○津村委員 厚労省さんが望んでいないのに、何で、じゃ、与野党の筆頭はこれを合意したと委員長は理解されているんですか。
  116. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 理事会の中で合意形成を進めていくということで、役所とは関係ありません。
  117. 津村啓介

    ○津村委員 これは役所と関係ないんですか。この議事の日程、役所と関係ないんですか。おかしいですよ、今の御答弁
  118. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 与野党間の協議を行うのは理事会でありますので、ここは理事会の中で委員会の運営は決めていくということになります。
  119. 津村啓介

    ○津村委員 おそらく私が健康保険法の質問に立たせていただくのはこれが最後になると思いますので、健康保険法の話もどうしてもしたいことが二つ三つありますので、させていただきます。  ただ、この話は終わりませんよ。質問通告二日前ルールというのをちゃんと守っていこう、しかもそれは、霞が関の働き方改革の先頭に立つべき厚労省、厚労委員会の話ですからね。そのことは、委員長、御確認いただけますか。
  120. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 なるべく二日前ルールが守れるように努力をしていきたいと思います。
  121. 津村啓介

    ○津村委員 ありがとうございます。  それでは、いきなり実務の話になりますけれども、遺族年金の話を聞かせていただきます。  ごめんなさい、岡田事務総長、御退席ください。貴重なお時間、ありがとうございました。  五ページを御覧いただければと思うんですが、大臣、最初にちょっと大きな質問を一つさせていただきますが、大臣は、遺族年金において、男性の専業主夫と女性の専業主婦の扱いが大きく異なっているわけですけれども、この五ページにあるように。そのことは、大臣、御認識ございますか。
  122. 田村憲久

    田村国務大臣 これは、いろいろなところでいろいろな御要望がある中で、私も認識いたしております。
  123. 津村啓介

    ○津村委員 皆さん是非知っていただきたいんですけれども、男性の専業主夫というのも今増えています。  七ページを御覧いただきますと、これは総務省さんの労働力調査、毎年されているんですが、女性の専業主婦の世帯数は五百八十万世帯、男性の専業主夫の世帯数は九十二万世帯。大分、六分の一なんですかね、男性の専業主夫が増えているんですが。  一枚戻っていただきまして六ページ、遺族年金の受給者ベースで見ると、女性の遺族年金受給者は四百九十三万人、男性は七万人でございます。  なぜそういうことになっているかといいますと、更に一枚戻っていただきまして、パートナーが働いていて自分が働いていないというまさに専業主婦、男性、女性合わせての状態で、働いているパートナーが亡くなった場合、女性は年齢に関係なくこれを受け取ることができるんですが、夫の場合は五十五歳以上ということになっています。  これは社会的な実態に合わせた歴史的な経緯があると思うんですが、そのことにつきまして、八ページ、これは直近の法改正の議論のときの、年金部会における議論の整理という公表されている文書ですが、現行制度は制度の成り立ちからして依然として男性が主たる家計の担い手であるという考え方を内包した給付設計だというふうに明言しておりますけれども、諸外国を見るとそういう男女別にはなっていないという中で、二つ考え方がありまして、男女を合わせていくときに、女性にももう給付しなくていいんじゃないか、働けばいいんじゃないかというのがこの海外の事例でして、養育する子がいない場合には、男性も女性も就労するという考え方に立てば、保障の必要性は必ずしも高くない。子供がいない場合は、専業主夫、夫だけでなく、専業主婦、女性の場合も保障不要という議論ですね。これに対して、そうはいっても専業主婦の保障はなお必要だというのがその下の丸で、配偶者の年金から発生する受給権が仮になくなるとなると、現実に今配偶者が亡くなって、それによって生計を立てている方がたちまち困窮に陥る、そういうのはまずいということがこの段階での結論となって、時間をかけて基本的な考え方の整理から行っていくのがよいということになっています。  しかし、今、女性に対して遺族年金を給付しているものをなくすということは私は言っていませんで、男性がもらえないのは、いわば逆差別でもありますし、もっと言うと、男性を、安心して専業主夫できないとなれば、女性の働くことへもマイナスになるので、これは男女どっちのためということではなくて、こういうライフスタイルを、損させてしまっている、サポートできていないということだと思うので、私はこれは早急に、財務省さんが恐らく給付増についていろいろおっしゃるのかもしれませんが、今この時代に、ジェンダー平等の時代にあってはならない法律の構成だと思います。  早急に見直すべきだと思いますが、いかがですか。
  124. 田村憲久

    田村国務大臣 養育するお子さんがいる場合には、遺族年金は男女関係なくお支払い、子供に出るというような考え方でありますから、遺族年金は支給されるわけでありますが。  女性の場合は、関係なくそれは出るわけであります。ところが、男性に関しては、これは六十歳以上というのを六十年年金改正で五十五歳、これは議院修正、国会修正で五十五歳、要件でありまして、もらえるのは六十以降でありますが、五十五歳以降に亡くなられたということになれば、要件がついて六十歳以上支給という話になるわけであります。  これに関しては、言われますとおり、男性が主たる生計者であるという今までというか昔の考え方というのが前提で、男性ならば基本的に六十歳、当時は、初めは六十歳だったわけでありますが、六十歳までは働いているだろうということで、遺族年金は必要ないという話だったわけでありますが、言われるとおり、ちょっともう時代の背景が変わってきているなと私も認識しておりますし、社会保障審議会の年金部会も、今お話がありました、そういう御議論もございます。  言われるとおり、これに関してはしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
  125. 津村啓介

    ○津村委員 大変前向きな御答弁大臣に感謝したいと思います。  もう一つ、私、社会保険と労働保険のこの制度のちょっと不具合といいますか、改善余地があると思うことがございますので、もう一問質問します。  九ページを御覧ください。これは民法における法定相続人の関係性になっていまして、本日議論されております健康保険の保険給付が未支給の状態で被保険者が亡くなられた場合の相続関係は、この民法における法定相続人のとおりになっています。  しかし、健康保険よりも後からつくられた労災保険や、また年金、厚生年金、国民年金もですけれども、この相続の原則に従わずに、生計同一関係という要件が入ります。その結果、一緒に住んでいる兄弟、傍系二親等の兄弟は対象になるけれども、たとえ子供であっても一緒に住んでいなければ相続の対象にならないという形になっていまして、それは一つの考え方としてあると思うんですね、生計同一関係を守るという。だとすれば、健康保険も同じようにあるべきではないか。  これは、多分、法律のできた順序で、健康保険法ができたときにはまだ民法でいいだろうという判断だったのが、その後の労働保険、社会保険が、新しい法律が、どんどん整備していく中で、より実態に即したものに制度が進化している。ただ、この制度だけが恐竜のように残ってしまっている、シーラカンスみたいに生き残ってしまっているということだと思うんですが、これは随時見直していくべきポイントだと思うんですが、大臣、いかがですか。
  126. 田村憲久

    田村国務大臣 これは、委員お詳しいので、もう御存じだと思いますけれども、健康保険は現物給付が原則でありまして、現金給付が時と場合でいろいろな形であります。でありますが、現物給付ということを考えると、金銭債権というものはやはり民法というものに合わせて支給されるべきであろうということで、民法の相続という形の中において対応が決まっておると。  一方で、年金でありますとか、それから労災保険、これは一身専属性が非常に高いものであります。本来は本人にしか支給されないというような話の下で、まあ、労災保険の場合は年金をそのまままねているという意味からすると年金を準用しているわけでありますが、年金の場合は一身専属性が高くて、本来、本人がもらえる。それは、本人以外はもらえないんですけれども、本人と生計を同一にしている者に関しては、やはり本人がおられなくなった後の生活を守るためということでありまして、あえて、誰がそれを受けるかということをこの中で決めている、法律の中で決めているということによって生まれてきておることでございますので、やはり、現物給付が原則である健康保険と、そうでないものとの差というものがここにあるわけでございまして、順番というよりかは考え方の違いという中で、こういう決め方をさせていただいております。
  127. 津村啓介

    ○津村委員 それこそ二日以上前に通告しておりますので、もう少し確認をしてきてほしかったんですけれども、大臣の今の御答弁は、労災保険と健康保険の違いを説明できていないと思います。業務上の疾病、傷病と業務外のものが扱いが違う理由としては、ちょっと御説明になっていないと思うんですが。
  128. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
  129. 田村憲久

    田村国務大臣 労災の場合は現金給付も非常に多いわけですよね。それと、あと、年金、要するに、労災の中に年金、まさにそういうものがあるわけで、そういう意味ではやはり年金に非常に近いものであろうということ。健康保険の場合は基本的に現物給付というのが圧倒的に多いわけでありますから、そこの考え方が基本的に違うということであります。
  130. 津村啓介

    ○津村委員 時間が来ておりますので、これで終わりますけれども、ここは、私は、やはり、旧厚生省、旧労働省、大きく体系が違うものを、時間をかけて今いろいろな形で一元化していく、あるいは保険給付の通則というものを整えているまだ道半ばなんだと理解しておりまして、私の理解が正しければ、今後見直していただきたいと思います。  ありがとうございました。
  131. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、大島敦君。
  132. 大島敦

    ○大島(敦)委員 それでは、健康保険法等改正案について質問いたします。  これまで、二割負担による受診抑制長瀬効果について多くの議論が行われております。残念ながら、政府は、九百億円という受診抑制の総額を示すものの、個々の患者の健康への影響等についてのエビデンスは示せていません。少なくとも、政府案が成立した場合には、二割負担による受診行動の変化やその影響等についての調査は行わなければならないと考えております。政府も、大臣も同じ認識ということでよろしいでしょうか。
  133. 田村憲久

    田村国務大臣 以前もお答え申し上げたんですけれども、受診行動というのは様々な要因で変わるものでありますから、これが負担の変化によってそうなったかどうかというのがなかなか分からない。これは、先ほどもございましたけれども、例えば、インフルエンザがはやればインフルエンザに行動が移るわけであります。これだけではありません、様々な要因があるわけでございますので、負担がどうのこうの変わったからといってどのような形で医療の内容が変わったかというのはなかなか分析ができない。  今までも、やはり、言うなれば、全ての方々といいますか、一般的にこれはそうですねというように衆知が認めるような研究というのはなかなかない。それぞれ研究はあります。ありますけれども、我々としては、衆知が認めるような形での、皆さんがそうだねというような形での研究というものはなかなか見つかっていないというふうに認識いたしております。
  134. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大臣、余り長い時間このことで費やしたくないんですけれども、やらないとすると、また改正案が出てきたときにはここから議論が始まりますよ、ここから。延々とこれは始まるので、今回、長瀬効果と言われているものについて九百億円、本当に正しいかどうか、どういうような受診抑制が行われるのかどうかについては、これはやはり準備して、検証できるような体制は私は取っておいた方がいいと思う。それは、これまでの議論を考えるとやはり必要なことだと思うので、その点について手短にもう一度答弁願います。
  135. 田村憲久

    田村国務大臣 何遍も申し上げて申し訳ないんですけれども、何をもってして例えば給付がどう変わったのか、総給付がどう変わったのかということをなかなか分析できないということで申し上げているわけでありまして、その点は御理解いただきたいというふうに思います。
  136. 大島敦

    ○大島(敦)委員 理解はできないんですけれども、次に進みます。  二割負担配慮措置について、先日の質疑で、複数の医療機関を受診しているような場合には申請をしない人が多く出るのではないかとの懸念があることが指摘されておりました。配慮措置高額療養費の仕組みの中で行われるということですので、確認いたします。  初回は高額療養費の申請が必要ですが、二回目以降は、複数の医療機関での窓口負担の合計が上限額を超えているような場合でも、申請なしに自動的に登録した口座へ払戻しされるということで、これはよろしいでしょうか、念のためです。  この認識で正しければ、その旨を後期高齢者医療広域連合から後期高齢者に周知するよう再度通知していただけるようにお願いいたします。
  137. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、今回の配慮措置につきましては、高額療養費の枠組みで実施することを予定しております。  高額療養費につきましては、同一の医療機関内では現物給付化、いわばその上限額までしか支払わなくてよい取扱いとされておりますけれども、御指摘のとおり、複数の医療機関を受診した場合には、現物給付ではなく、申請に基づきまして償還払いされます。  七十五歳以上の方々の約五割以上が複数の医療機関を受診をいたしております。  七十五歳以上の高齢者に対する高額療養費の支給につきましては、御指摘のとおり、現行制度におきましても、初回に高額療養費の支給を申請いたしますと、再度の申請は不要でございます。それで、登録された口座に保険者であります後期高齢者広域連合から振り込まれる運用となっておりまして、今回の配慮措置についても同様の取扱いを考えております。  また、こうした現状の取扱いを踏まえました上で、今般の窓口負担の見直しに当たりましては、配慮措置を受けるべき方に確実に受けていただくことが極めて重要であるというふうに考えております。  そのためには、例えば、御指摘のとおり、現在でも多くの広域連合におきまして、高額療養費の申請書を申請勧奨の通知を行う際に同封しておりますけれども、今回の配慮措置につきましてもその取組を徹底すること、また、二割負担の対象となる高齢者の方に事前に口座登録をしていただくことによりまして、初回申請もなしでその口座に自動的に振り込む仕組みとすることなども考えられると思います。  今後、広域連合等と具体的に協議を進めまして、対象となる方に配慮措置が確実に行き渡りますよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
  138. 大島敦

    ○大島(敦)委員 前回の質疑で、子供に係る国民健康保険料の均等割の減額措置の拡充について質問しました。大臣からは、低所得の世帯では非常に低い負担となる旨の御答弁がありましたが、少子化対策として子育て世帯の経済的負担を軽減する観点からは、所得にかかわらず保険料負担を大幅に軽減する必要があるのではないでしょうか。  参考人質疑では、全国市長会の前葉参考人から、今後の対象範囲の拡大について、引き続き地方側と協議してほしいとの要望もありました。前回の質疑では大臣は今後の方向性について明言されませんでしたが、対象拡大の検討や議論を行うつもりはあるのか、改めて大臣に伺います。
  139. 田村憲久

    田村国務大臣 今般の均等割の軽減でありますけれども、一つは、実際問題、国の方も、未就学児童に関しましては窓口負担二割にしているということで、子育てといいますか、子供たちに対していろんな形で対応をさせていただいているということがございます。  一方で、均等割に関しましては、低所得者の方々からもいただいておるということでありますので、その意味から、今般、言うなれば、未就学者方々に関して、全ての世帯において二分の一軽減というような形にさせていただきました。  今委員がおっしゃられた対象の拡大というのは、多分年齢を引き上げるという意味合いなのかなというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、対象を拡大しようとすれば、その分だけやはり財源等々が必要になってくるわけであります。  今、現状、今回これを提案させていただく中において、財源というものを均衡させる中において提案させていただいておるわけでございますので、現状においては、なかなか、これに対して対象拡大ということをここで申し上げるということは難しいということであります。
  140. 大島敦

    ○大島(敦)委員 次に移りますけれども、先ほどの長瀬効果ですか、今後、長瀬効果というワードを使わない方がいいと思います。やはり、今回の改正のその後について今回検証しないんだったら、長瀬効果という言葉はもう使わないで法案を今後も出した方がいいと思います。それを是非検討してください。  じゃ、次に移ります。  尾身先生、ありがとうございます。  これまでずっと中島委員がイベルメクチンのことについて質問しておりまして、実は、私の地元なんですけれども、アストラゼネカ社のワクチンが承認されれば、充填を行うのが第一三共バイオテックのワクチン工場なんです。これは、二〇一〇年だったかな、箇所づけされて完成しているワクチン工場でして、どうしてこのワクチン工場ができたかというと、大村博士なんです。  昔は、私が小学校のときには農事試験場があって、そこの払下げ条件としては大学か病院又は研究施設に限られていました。当時、北里研究所の副所長であった大村先生、イベルメクチンの特許料が結構研究所の方の収益に結びついたものですから、この特許料を使いながら今の北里大学メディカルセンターをつくったという経緯があって、ノーベル賞を受けられて、二〇一七年の八月五日に、私の母校の中学校に隣接する文化センターの前で、顕彰碑が設置されておりまして、中学生が大村先生の顕彰碑を見ることによって、将来はしっかり人物になるべく努力していただきたい、そういう大村先生の謝辞もございまして、ですから、このイベルメクチンについては是非厚労省としてもしっかり検討してほしいんです。  ですから、このイベルメクチンについて、イベルメクチンが新型コロナウイルス治療薬として有効であると言われている、北里大学がイベルメクチンの新型コロナウイルス感染症治療薬として有効、安全性について治験を行っていると聞いております。  治療薬として承認するためには、有効性を証明し、実用化する必要があります。政府がどのような取組をしているのか、特に今後どういう取組をされていくのか、是非答弁お願いいたします。
  141. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  治療薬の研究開発については、政府としても一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう様々な取組を進めており、政府として、日本医療研究開発機構、AMEDの事業などを通じて研究開発を支援しているところです。  イベルメクチンについては様々な研究論文が発表されており、その評価が定まっているものではないと承知しております。そこで、現在、御指摘いただいた北里大学を中心に医師主導治験が実施されており、AMEDを通じて支援を行っているところでございます。加えて、軽症者の多くが自宅又は宿泊療養施設で療養されていることに鑑み、自宅又は宿泊療養施設における被験者への治験薬の投与に関する留意点についてお示しするなど、治験の推進に努めているところです。  いずれにしても、有効性、安全性が確認された治療薬をできるだけ早期に実用化し、国民に供給することを目指して取り組んでまいりたいと考えております。
  142. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大村博士は、私もこの顕彰碑の設置の除幕式に出たんですけれども、碑文にあるような立派な人物になるべく子供たちが努力してほしいと申しておりまして、やはりこのイベルメクチンについては様々な利益があると思います。ですから、様々な利益について、費用についてはしっかりと援助してほしいと、大臣、思っている。最初から蛇口を閉めるよりも、最後までやってみてしっかり検証を行うことが必要だと思うので、大臣からも一言答弁いただけると助かります。
  143. 田村憲久

    田村国務大臣 多分、国会で私が一番初めにイベルメクチンということを申し上げたんだというふうに思いますが、当時はアビガンという話が多かったものでありますから、イベルメクチンという薬も、これは経口で使える薬でございますので、今、治験という形で多く利用していただいておりますというお話をさせていただきました。そういう意味で、期待をさせていただいている薬の一つであることは間違いありません。  ただ一方で、いろいろな評価がございます。本当に、これは本当に評価が定まっていないんです。効くと言われる評価もあれば、余り効果がないと言われる評価もある。だからこそ今治験をやっていただいているわけでございますので、制度にのっとってしっかりと支援できる部分は支援させていただきたいというふうに考えております。
  144. 大島敦

    ○大島(敦)委員 今後もこの問題は取り上げていきたいと思いますので、今日はここのところでこの問題は一回閉じます。  尾身先生、ありがとうございます。  これまでも尾身先生には何回も申しておるんですけれども、今の政府の枠組みだと、尾身先生が全部責任を負ってしまうような感じがしています。やはり医療関係者は医療関係者の分科会があり、経済関係者は経済を中心とした分科会があって、それぞれの分科会の意見を政治が判断する。いや、政治として何をしたいのかしっかり明確に示さないと、解は出てこないと思っています。  オリンピックをやりたいのか、あるいは感染者数をできるだけ減らしながら経済を動かしていくのか、その政治の目標によって対策が違うかもしれない。一人でも命を救うという、これも大切な選択肢もあると思うので、あくまで尾身先生が出されるのは、それぞれの政治の目標に対して専門家としての見識を示されるというのが尾身先生の役割だと思っています。  それで、今日は脇田先生にも来ていただいているんですけれども、感染研も十五年ぐらい前に訪問を何回かしたことがありまして、当時は新型インフルエンザの対策にずっと取り組んでいたものですから、感染研の研究も時々見させていただいております。  尾身先生に伺いたいのは、今の現状認識。  感染爆発というのは、私の感じ、去年も一月の十五日まで中国に行っていて、日本の経営者の皆さん、あるいはイオンモール、あるいは日系企業の自動車工場、あるいは中国のハイテクベンチャーを取材していても、一切コロナウイルスの話は出ていないんですよ、十五日の時点では、中国においては。その後十八日に、万家宴ですか、武漢というところは大きな宴会をやる日が一月十八日ですから、そこで、武漢は二次会、三次会の文化がありますから感染が広がって、二十三日のあの都市閉鎖になったと思っていまして、ですから、感染爆発は、ある日突然わっと起きるのが感染爆発だという実感を持っているんです。  ですから、今の大阪を見ていると、変異株の感染力が強くなったことによって、普通の生活を、普通の従来どおりの感染予防をしていたら、それでもわっと来たという感覚を私は持っていまして、これは前回の尾身先生の御発言も相当危機感を持っていた御発言でしたので、今後の今の私の見立てが正しいかどうかについての御回答をいただければなと思います。  その前に、脇田先生には、この変異株ですか、そんなに感染力が相当強いかどうかの今の認識をお聞かせいただければと思います。
  145. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  ただいま御質問の変異株でありますけれども、N501Yと呼ばれる変異を持つ変異株が従来のものよりも感染しやすい可能性があると指摘をされておりまして、英国、南アフリカ、ブラジル、フィリピンから報告されている変異株はこの変異を有しているものであります。また、この英国あるいは南アフリカのものについては、重症化しやすい可能性も示唆されているというところであります。  国内での症例について分析をいたしまして、従来株に比べますと、変異株、英国株におきましては、約一・三二倍の感染力があるという分析をしております。また、文献的には、それ以外にも一・五倍等の報告というものがあるというふうに承知しております。  我が国の変異株の状況につきましては、二十日のアドバイザリーボードにおきまして、英国等から報告されている変異株について感染者の増加傾向が継続しているということでありまして、このN501Yの変異を持つ変異株の感染者の増加傾向が続いています。スクリーニング検査を行っておりまして、大阪、兵庫では約八割、東京でも三割に上昇して、急速に従来株からの置き換わりが進みつつあるという分析をしております。
  146. 尾身茂

    尾身参考人 今の状況ですけれども、簡単に言えば三つあると思いまして、一つは大阪。大阪については、もう御承知のように、今、医療の逼迫状態が起きちゃっているので、この期間をどれだけ短くするかということで、今日、緊急事態宣言が恐らく出る。  それから、東京は、これは先週今週比がずっともう六週以上続いていて、このままほっておけば恐らく間違いなく早晩大阪のようになるので、今回は、大阪のようなレベルでは感染はないんだけれども、今日、諮問委員会としては緊急事態宣言の発出ということを合意した。  それからもう一つ、これは日本全国ですよね。今、感染がゼロの県がだんだんなくなってきていますから、今の状況は、感染が全国にも広がりつつ、東京、関西を中心にしていますけれども、そういう意味で、私は、今、一言で言えば、変異株の影響もあって今新たなもうフェーズに入ったということで、これは政府、自治体、それから我々一般市民も強い危機感を持って取り組むべき時期に来て、そういう意味では、今回の緊急事態宣言というのは、今日恐らく発令すると思いますけれども、これからしばらくの間、我々は今まで以上にしっかりと取り組む必要があると思います。
  147. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ありがとうございます。  政治としての目標、オリンピックをやりたいか、あるいは、ワクチン接種が終わるまではできるだけ死亡者数を減らしながら経済も動かしていくのか、やはり政治がどちらの方向を向いているかによって多分対応方針が変わってくると思うんですよ。  ただ、今言えることは、従来どおりの私たちが今なじんでいるコロナウイルス対応の対策の生活様式だと、多分限界に来ているかなと思う。ですから、強いメッセージを国民の皆さんに感じていただいた方が感染は収まるというのか、広がらないのかなと思うものですから、是非その点についても尾身先生の今後の御発信、専門家としての御発信をよろしくお願いをいたします。  それで、次に伺いたいのは、ファイザー社のワクチンが五月以降たくさん日本に入ってくるということなんですけれども、これは単純に言うと、ドイツのマールブルクでファイザー社の新しい工場ができて生産余力ができたので、その分が日本に入ってくるという理解でよろしいでしょうか。
  148. 正林督章

    ○正林政府参考人 政府としては、ファイザー社と一億四千四百万回分の新型コロナワクチンの供給について契約を締結しているところです。  お尋ねのドイツのマールブルク工場から日本向けのワクチンが供給されるかどうかについてですけれども、これは企業情報でありますので、企業の競争上の利益を害する可能性があることなどから、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。
  149. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ただ、日経新聞の報道によると、このマールブルクの工場を日経新聞の記者が訪問をして、そこの生産されたものが日本に来るという報道を読んだものですから、やはり全体的な、四月に稼働して五月から本格稼働になれば、その分が日本に入ってくるだけの話かなと私は考えております。  マールブルクは、私も学生時代に三か月ほど住んだことがある非常にいい町です。マールブルクには、多分、感染研究所がありますよね。当時はマールブルク熱というのも一九六〇年代にあったかと思います。結構、感染症の研究では優れているところかなと考えております。  それで、次に伺いたいんですけれども、国家安全保障会議で、この一年間、新型感染症についての議論があったと聞いているんですけれども、その内容について一言だけ、言えるかどうか、伺わせてください。
  150. 中込正志

    中込政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症でございますけれども、我が国の安全にも重大な影響を及ぼすおそれがあるという観点から、国家安全保障会議におきましても、例えば国家安全保障会議緊急事態大臣会合がございまして、そこで、我が国国内への感染者の流入を防止するための前例のない機動的な水際対策措置について決定をしてきたということでございまして、新型コロナウイルス感染症対策については、国家安全保障会議も必要に応じて適切に関与する形で、引き続き政府一丸となって対応してまいりたいと思います。  緊急事態大臣会合におきまして決定された事項は、その後、対策本部の決定という形で発表させていただいておりますけれども、それ以上の具体的内容については公表を行っていないところを御理解いただければと思います。
  151. 大島敦

    ○大島(敦)委員 国家安全保障会議は、当時の民主党で、私は筆頭理事で、かつ政策責任者で、賛成をさせていただきました。修正案を作って強化しています、私たちは。ですから、国家安全保障会議での議論が、ここ十年間、この感染症についての議論があったかどうかは非常に興味のあるところです。  私も、これは二〇〇六年だから十五年前かな、当委員会で、当時はインフルエンザ株についての日本への搬入が、農水省で一か月、文科省でこれは遺伝子組み換えで三か月かかるということで、できるだけ早くしてくれという発言をさせていただいて、当時、イギリス、あるいはアメリカ、日本、同タイミングでワクチン株が入ったときに、日本だけ劣後になると国民の不満が高まるのではないかなという指摘をさせていただいております。  ですから、大臣に伺いたいのは、前にも厚生労働大臣をされていて、国家安全保障会議の中で、やはりこういう議論、安全保障の観点からのワクチン接種の議論、ワクチンの開発の議論というのがなされたかどうかについて御答弁いただけるとありがたいので、分からなければ、言えないんだったら言えないでも結構です。
  152. 田村憲久

    田村国務大臣 申し訳ありません、私自身はちょっと今記憶にございませんので、以前の資料を見てみないと、今にわかに私の方からは御回答できません。
  153. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ありがとうございます。その点が一つですね。  それで、もう一つ伺いたいのは、今回の、前回もここで質問させていただいたんですけれども、ワクチンの接種のシステムですか、山本副大臣からは、行政、地方自治体の皆さんには責任は負わせないという発言をいただいて、ありがとうございました。  やはり、今、医療の接種の現場は結構混乱をしています。マスコミ報道等だと、どうなっているんだいということで来ると、多分、役所の方からは、政府の方からはしっかり入力しろよと言われちゃうし、現場はなかなか追いついていないところがあって、本当にこれは負荷をかけていいのかどうかというのがあるんです。  政府参考人に伺いたいのは、まずは、どのくらいの費用がかかって、何人ぐらいが従事しているのか、お知らせください。  尾身先生脇田先生、ありがとうございます。ここで。
  154. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 尾身先生、ありがとうございました。
  155. 内山博之

    内山政府参考人 お答えいたします。  ワクチン接種記録システム、VRSの開発、運用については、内閣官房情報通信技術総合戦略室で担当しておりますけれども、他業務との兼任の者を含めて、四月十三日時点で、システムの構築に十九名の職員が関わってございます。  また、今回のシステムに関する費用としましては、システムの開発、運用について約三・九億円、タブレットの調達につきまして約六十・七億円の契約を結んでございます。
  156. 大島敦

    ○大島(敦)委員 内閣府の副大臣たる山本副大臣に伺いたいんですけれども、これは結構な費用がかかっているんですけれども、余り、政府のメンツで、これを全部入力しろというのは酷だと思います。元々、この間の御答弁で、接種しなくてもよくはないんだけれども、事後的にペナルティーはないという話でした。これは、完璧に入力しないと機能しないのがこのシステムだと思っている。  ですから、早めに自治体にその旨を通知して、大丈夫ですよ、まずワクチン接種を優先してほしいということを言われた方が私はいいと思うし、この忙しい時期に二十人の役所の方をこのシステムに従事させていることが、ほかにもっとやることはあるかもしれないなと思ってしまうので、その点について手短に答弁していただければと思います。
  157. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 山本内閣府副大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
  158. 山本博司

    ○山本副大臣 前回も御答弁申し上げましたけれども、この記録システムに関しましては、利便性という意味で、まずワクチン接種をしっかりやっていただくことが大事でございますので、事後で登録することは大丈夫でございます。  その意味で、事後的に接種記録を入力していくということを含めまして、しっかり、自治体とは今連携を取らさせていただいておりますので、その点も含めて対応していきたいと思います。
  159. 大島敦

    ○大島(敦)委員 この間の答弁と若干違うのは、ペナルティーは科さないと言っているんだから、そこはお願いしますよ。  これから現場は混乱するんですから。混乱する上に、三千六百万人分全部タブレットで入力しろって、無理なの、これは。そこのところをしっかり余計な仕事を全部省いてやらないと私はワクチン接種がもたないと思うので、その点、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  160. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時六分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  161. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより内閣総理大臣出席の下、質疑を行います。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。橋本岳君。
  162. 橋本岳

    橋本委員 自由民主党・無所属の会の橋本岳でございます。  まず、質疑に入ります前に、冒頭に、今朝の理事会で、突然、与党側の筆頭理事が交代ということになりました。大変多くの理事先生方、委員先生方に御迷惑をおかけをいたしましたことにつきましておわびを申し上げますとともに、その中におきましても、重要な法案に対して質疑に応じていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。私が代わりを務めるということになりましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。  さて、それでは、政府提出健康保険法等の一部改正案につきまして、菅内閣総理大臣につきまして質問をいたします。  まず、やはりこの法案の一番のポイント、柱、論点になっているところが、後期高齢者医療窓口負担に関する一定所得の方の負担割合の引上げということでございます。  この件については党内でもるる議論がございまして、やはり若者、現役世代への負担増を今のままにしておくわけにはいかないだろうということがある中で、御高齢の世代の方にも可能な方には御負担お願いをすることもお願いしないといけないという方向性というのは、長い議論の中で共有をされてきていたというふうに思っております。  ただ、具体的にどのレベルの所得以上の方に二割の負担お願いするのか、この点につきましては、昨年、党内でかなり幅の広い議論がございました。私自身、今回の政府案提案よりも所得額の高い方に絞るべきではないかというような意見を党内では申し上げていた立場でございますし、大岡理事のように、もっと多くの方から御負担をいただくべきではないか。それはそれぞれの立場があって、自民党という党は大変幅が広うございますから、いろんな議論があったわけでございます。  そうした中で、ただ、いずれにしても、それは、窓口負担割合を引上げをするということは、御高齢の、かつ医療が必要な方に何かを削っていただく必要があるということが、やはりそれは考えなければいけないということも大変今回の議論の論点になったからであります。  ただ、そうした中で、総理御自身が公明党の山口代表とも調整をされ、そして、現在提案されている課税所得二十八万円以上かつ年収二百万円以上というところで決着をしたわけでありまして、今は、いろいろな状況等を勘案し、この案を是非実現をすべきだ、こういう立場に立ってここにいるわけであります。  改めまして、やはりこの窓口負担の引上げについて、さっき申し上げましたように、御高齢の方であり、かつ医療が必要な方に対して御負担お願いをする、いわば痛みを伴う改革であるということも踏まえながら、しかし、それでも実現する必要があるのだという総理自身の御決意があったのだろうと思いますので、そこにつきまして是非御披瀝をお願いしたいと思います。
  163. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 来年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、少しでも多くの方に支える側として活躍いただき、能力に応じた負担をしていただくことは待ったなしの私は重要な課題であると考えました。  今回の法案については、こうした観点から、必要な受診が抑制されないよう、経過措置、やはりそこはしっかり講ずるべきだという思いの中で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることにさせていただいたということです。  また、今回の改革は、引上げの対象になる方々にとって厳しい改革でもあるわけでありますので、しかし、少子高齢化社会が進行する中で、我が国の社会保障制度、これはやはり世界に冠たるものだ、先輩の皆さんが築き上げてきたものであります。これを次の世代にしっかり引き継いでいく必要があるという、そういう思いの中で今回お願いをさせていただいたということです。  そして、こうしたことの中で、安心できる社会保障というものをしっかりつくり上げていきたい、そういう思いで取り組ませていただきました。
  164. 橋本岳

    橋本委員 特に、これからの世代に社会保障制度をしっかりと引き継いでいかなければならないという思いにつきましては、私どもも共感をするところであります。  ただ一方で、例えば、今後仮に、今回、二割負担の方が一定の方でできるということになったけれども、それを更に拡大をしていこうというような議論があるとすれば、それは是非慎重にされるべきだというふうに考えておりますので、そのことはまず申し上げておきたいと思います。  さて、次の世代に負担軽減をしていくのだということに関しまして、この法案では、育児休業中の保険料免除の要件の見直しでありますとか、未就学児ですね、子供に係る被保険者均等割額の減額措置の導入、こういうような項目も入っておりまして、これは子育て世代をそれぞれの形で支援をするような改正なんだというふうに理解をしております。  先般、党内の、チルドレンファーストの子ども行政のあり方勉強会というところから提言もありまして、子供庁創設とかいろいろなことが書いてありました。その具体化を幹事長に指示をされた。先般党内に設置をされました「こども・若者」輝く未来創造本部というもので議論するということになりますが、私自身もその事務局長を拝命したということで、しっかりその具体化を図っていきたいと思っておりますが、菅総理の今後の子供に関する政策の在り方を、この本法案に含まれている内容も踏まえながら、是非お伺いをしたいと思います。
  165. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 長年にわたって、少子高齢化社会、このことは、日本にとって少子化時代が続いていくことについては何らかの形でこの対策を講じなきゃならない、しかし、全体としてそうしたことが遅々として進んでいなかったということも事実だというふうに思います。  日本の現状そして将来を考えたときに、やはり国の宝である子供たちのための政策を何としても進めていかなきゃならない、そういう思いであります。子供が生まれ、育ち、学んでいくそれぞれの段階に光を当てて前に進めていく、そのことが大事だと思っています。  そういう中で、私は総裁選挙の際にも不妊治療というものを政策に掲げました。総裁選挙で勝たせていただいて総理大臣にさせていただいて、こうしたことについて全力で取り組んでいこうという、その思いの中で今取り組んでおります。  そういう中で、不妊治療、あるいは、短期の育児休業の取得に対応して、月内に二週間以上の育児休業を取得した場合の保険料免除とか、あるいは、国民健康保険制度について子供の均等割保険料の軽減措置を講じる、こうしたことについて、やはり子供を安心して産み育てることのできる環境をつくっていくということが極めて大事だというふうに思っています。  そういう中で、少子化対策、待機児童対策も、予算を確保した中で計画を示させていただいておりますし、さらに、三十五人学級というのも私の政権の中で、これは四十年ぶりでありましたけれども、この改革もさせていただきました。  子供を産み育てる環境をしっかりつくっていきたい、そして、児童虐待などは絶対にあってはならないことですから、こうしたことをまずは統合する機構というんですかね、政府の中で連携してつくり上げていきたい、こういうふうに思っております。
  166. 橋本岳

    橋本委員 ありがとうございました。是非しっかり実現をしていきたいと私たちも思います。  終わります。
  167. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高木美智代さん。
  168. 高木美智代

    高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。  今日はこのような機会をいただき、御礼を申し上げます。  今回の健保法改正案における後期高齢者窓口負担の見直しにつきましては、昨年十二月、総理の強いリーダーシップの下で我が党の山口代表と膝詰めで協議を行われ、合意した結果でございます。  このとき、私は実務者として、竹内政調会長とともに田村大臣の仲介で自民党と協議を重ねておりました。それまで我が党としても、ほかに財源はないのかとかんかんがくがく議論してきた経緯もあります。  最終的に、総理は山口代表に案の三でお願いしますとおっしゃいましたが、私は、交渉の状況によっては、我が党は一から始まっておりましたので、双方歩み寄りながら二・五ということもあり得るということで、二・五の案も実は用意をしておりました。  その結果、高齢者負担能力や生活状況を踏まえつつ、現役世代の負担上昇を抑えるものになったと認識しております。  配慮措置の拡充につきましても、公明党の強い要請の結果、当初の案、四千五百円を三千円に、また二年を三年とするなど、より高齢者の生活に寄り添う内容になったものと自負しております。  確かに、目下、コロナ禍における受診控えが見られておりますけれども、一方で、団塊の世代が後期高齢者になり始める二〇二二年度以降、現役世代からの支援金が急増することが見込まれておりまして、社会保障制度を将来世代に引き継いでいくためには、今回の改革は待ったなしと考えております。  本法案におきましては、誠に恐縮ながら、一定所得以上の後期高齢者方々に二割の窓口負担お願いすることとなるわけでございます。  そこで、総理に伺っておきたいと思います。  なぜ総理は案の三を選択されたのか、また、急激な負担増を抑える配慮措置について、総理のお考えを伺います。
  169. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 橋本議員に先ほど申し上げましたけれども、若者と高齢者が支え合いながら、現役世代の負担急増を抑えて、そして、全ての世代が安心できる社会保障制度、ここを持続可能なものにしていかなきゃならない、そういう思いの中で、団塊の世代の皆さん後期高齢者になるわけでありますので、今回このような措置をお願いをさせていただきました。  そういう中で、私は実はもっと高い案だったんです。いろいろな状況というものも私は聞こえてきました、我が党内からも。そういう中で、お互いに話合いをして方向性を決める。ただ、この仕組みはやはりつくるべきだということを私はずっと前から考えてきていましたので、そういう中で、山口代表と会談をし、お互いに話合いの結果、今の案にさせていただきました。  その上で、長期頻回に受診される外来患者に対しては、一定期間、やはり病気が多くなりますので、月額三千円に収まるように、負担軽減措置、これを講じることとさせていただきました。そして、その施行時期も令和四年度後半を予定しており、急激な負担増を抑え、必要な受診の抑制を招かない、そういう程度の形で三千円に収まるようにさせていただいたということです。
  170. 高木美智代

    高木(美)委員 次に、今、少子化対策が急務と考えております。  コロナ禍にありまして、昨年の出生数は過去最低の八十七万二千六百八十三人、今年の出生数は七十八・四万人まで落ち込むという予測もあります。  我が党も子育て支援の党として支援策を推進してきましたが、子供庁につきまして、何のための行政組織の設置なのか、何をするためなのか、目的と理念が重要と考えております。総理のお考えを伺いたいと思います。
  171. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 日本の将来を考えれば、子供は国の宝であることは多くの国民の皆さんにも理解をいただいていることだというふうに思っています。そして、この政策を進めていくのがやはり政治の役割だと思っています。子供が生まれ、育ち、そして学んでいくそれぞれの段階にあって前に進めるために光を当てていく必要がある、そういう思いであります。  それから、先ほど申し上げましたけれども、やはり、子供を産んでいただくために、産み育てたい方のために、不妊治療という制度を総裁選挙の公約にし、そして、今は所得制限なしで支援を受けられるような仕組みをつくらせていただきました。今年、この制度を一月から遡って行っているわけでありますけれども、今日になって、昨年と比較をすると、かなりやはり受診者が、診療される方が多いということを現場の先生から伺っておるところであります。  また、先ほども申し上げましたけれども、待機児童問題、ここも解消しなきゃならない。そういうことで予算を用意して、四年間で十四万人、こうした方向性も決めさせていただきました。  また、先ほど申し上げましたけれども、今回、四十年ぶりの、小学校二年生から三十五人学級も決めさせていただきました。  さらに、このコロナ対策の中で、困難にある一人親また二人親の所得の低い御家庭には、子供一人当たり五万円という給付を決定させていただきました。  さらに、私自身が一番この子供庁の中で大事なのは、虐待の子供をやはりゼロにしなきゃならないという思いであります。しかし、現実的に見れば、各省庁は全く縦割りになっておりまして、内閣府、警察庁、文部科学省、厚労省、法務省、総務省など、そういう中で、やはり子供の視点に立って考える必要があるだろうというふうに思っています。  そういう意味で、御党からも、行政組織の在り方のみならず、子供に関する政策の在り方について要請もいただいています。そうしたことを参考にさせていただきながら、子供を産み育てることのできる、そして、子供が安心して生活をすることのできる、自分が生まれた家庭にかかわらず、自分の思いがあれば高等教育まで受けられる、そうした社会をやはり政府としてはつくっていきたい、そういうふうに思います。
  172. 高木美智代

    高木(美)委員 ありがとうございます。  今、子供と家庭を支援している現場の方たちの最大の課題は、連携なんですね。情報連携の壁があります。就学時、小学校に上がるときの、それまでと断絶される壁、また、地域と学校、福祉と学校という連携の壁が存在しております。それをどう乗り越えて情報連携を可能にするか。これを学校を拠点にといいましても、学校はいっぱいいっぱいで、それは担うことはできないです。  したがいまして、地域をベースにしながら可能にすることが重要だと思います。それができなければ虐待や貧困の解決は難しいと思います。したがいまして、子供庁をつくるのであれば、こうした課題を解決するためにやらなければ意味がないということを申し上げておきたいと思います。  我が党も議論を始めておりますので、また改めてお話をさせていただければと思います。  それを進めていくには、やはり、総理、先ほど、子育て世帯、また子供の目線に立ったというお話がありました。財源の問題が急務と思います。所得制限の引上げ、そしてまた一、二歳の配置基準の見直し、これも宿題で、二千五百億円、残ったままになっております。特に、所得制限につきましては、〇―二歳児保育料の無償の対象は住民税非課税世帯、小中学校の就学援助も生活保護世帯等々がずっとあります。問題は、この枠から外れれば、崖を落ちるように一気に負担が増えるということにあります。  子育て世帯が求めている子育て家庭支援策をしっかりと打ち出すためには財源の確保が必要と思いますが、総理のお考えをお願いいたします。
  173. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 これまで、我が国の政策というのは、やはりどうしても高齢者の人が中心の財源配分でありました。安倍政権のときに消費税を前回引き上げた際に、思い切って、安倍前総理の判断で、二兆円を子供、若者に給付をさせていただく財源措置というものを確立をさせていただきました。  そうしたことがこれからも、財源というのは、当然、財源がなければ物事は進まないということも事実でありますから、そうしたこともしっかり考慮しながら進めていきたい、こう思います。
  174. 高木美智代

    高木(美)委員 ありがとうございました。終わります。
  175. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山井和則君。
  176. 山井和則

    ○山井委員 二十分間、質問をさせていただいております。全て菅総理に質問通告をしておりますので、総理大臣にお答えいただければと思います。  この後期高齢者法案ですけれども、世界から見たら驚いておられるんじゃないかなと思うんですね。緊急事態宣言を出して、医療が受けられなくて自宅で亡くなる方が増えている、ワクチンの接種も全く進んでいない、そのことを国会で真剣に議論しているのかと思ったら、何のことはない、高齢者負担を二割にする法案審議している。本当にあり得ない話だと思います。  具体的なことはまた後ほど質問したいと思いますが、今日、緊急事態宣言を決められるということですので、そのことから質問に入りたいと思います。  菅総理、私は驚いたんですが、四月二十五日から五月十一日まで、二週間余りだそうですね。これで本当に抑え込めるんですか。五月十一日に解除できるんですか。午前中も尾身会長と議論をこの場でさせていただいたら、諮問委員会からもかなり異論が出たということで、条件付、減っていなければ解除しないという条件付で、一応了承されたというお話でした。  うがった見方をすれば、五月十七日頃にIOCのバッハ会長が来るから、オリンピックへの影響を考えてそれまでに終わらせたいみたいな、そういうことを考えているんじゃないかという指摘すら出ております。  第一波のときは一か月半かかったんですよ、解除に。緊急事態宣言、第一波、一か月半。第二波、今年の一月、二か月半かかっているんです。今回、二週間で解除できますか。ステージ3に減っていなければ、これはまた延長するということですか、菅総理。
  177. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 まだ正式に決定はしていないわけでありますけれども、ただ、私たちの基本的な考え方だけ申し上げたいというふうに思います。  それは、専門家によれば、今回、変異株の感染者の増加傾向というのは、特に大阪、兵庫を中心に約八割が変異株になっている、そういう中で感染者が増加をしています。東京では変異株は三割だということでありますけれども、しかし、上昇を続けているのも事実であります。  こうした変異株に対して、今回の要点というのは二つあると思います。  一つは、飲食の中で、前回は八時までの時短をお願いしましたけれども、今回は酒の提供をやめてもらう。(山井委員「簡潔にお願いします、簡潔に」と呼ぶ)いや、二つのことを説明させていただきたい。酒の提供を飲食でやめてもらって、それで八時までということ。  さらに、人流に制限を加えようということです。これは専門家の先生方から、前は、どうしても飲食店で発生することが多いと。しかし、今回の変異株が増えるにつれて、人流を止めなければならないという、そうした御指摘をいただく……(山井委員「ちょっと質問に答えてください。短いんじゃないんですかと聞いているんです」と呼ぶ)いやいや、いただく中で、短期で、人流を止めるということは極めて大きな国民生活に影響を与えますから、そういう中で、短期でできる、短期集中して行うということで、このゴールデンウィークにおいて多くの方が休みに入る時期を捉えて、強力な、そして短期集中の、そうした人流を止めるための措置を講じさせていただく予定であります。
  178. 山井和則

    ○山井委員 なぜ私がそんなことを言うかというと、菅総理は、三月十八日の前回の緊急事態宣言解除のときにこうおっしゃっておられるんですね。再び緊急事態宣言を出すことがないように、対策をしっかりやるのが私の責務だというふうに思っております。それから一か月余りで、リバウンドして、また緊急事態宣言になっているじゃないですか。国民からすると、結局、菅総理が言ってもそういうふうにならないじゃないかというふうな不安が高まっているんです。  菅総理、今回、誰が見ても、二週間余りでこの大変な変異株を抑え込むのは難しいんじゃないかと思いますよ。五月十一日までで、本当に抑え込む、緊急事態宣言をそれで解除するという決意なんですか。
  179. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 私は、先ほど申し上げましたとおり、今回は、今まで飲食店を中心の、対象のこの対策のほかに、どうしてもやはり人流を止めなきゃならない。人流を止めるには、いろんな人の集まる施設を、いろんな影響があるわけでありますから、そういう中で、このゴールデンウィーク、人出の多いゴールデンウィークを中心に、二週間で、とにかく短期集中型によって、この変異株による感染者の増加を抑えよう、そういう思いの中で取り組んでいるところです。  前回、私自身がこれでもう二度と再びと言ったということ、ここについては大変申し訳ない思いでありますけれども、そういう中で、今回、大阪、兵庫の変異株というのは、当時は出ていなかったときであります。今回は、この変異株対策というのはやはり一つの大きな焦点になるというふうに思いますし、従来の常識では考えられないということであります。
  180. 山井和則

    ○山井委員 いや、もう驚きました。三月十八日の時点で、この変異ウイルスの恐ろしさはみんながもう議論をしていましたよ。それを、当時は気づいていなかったからって、そんなことあり得ないですよ。そういう認識でやっていられるんですか。  それで、もう一つ私は不安なのは、国民からすると、じゃ、これ、いつまで我慢すればいいのかと。ワクチンを接種するまで安心できないということで、とにかくワクチンを早く接種してほしいという声が日本中から巻き起こっているんです。  ところが、総理は、ワクチン接種、先頭に立って、急いでいくとおっしゃっている割には、OECD主要先進国三十七か国で最下位、べったですよ、一・一%。おまけに、軍事政権になっているミャンマーが一・八%で、日本は一・一%。クーデターの起こったミャンマーより下。国民からすると、日本って先進国じゃなかったのかと。ワクチン敗戦とも言われております。  そこで、菅総理、お聞きしたいんです。高齢者の接種はいつ頃終わるめどですか。全国民の接種はいつ頃終わるめどなんですか。菅総理はファイザーのCEOと九月末までに供給という合意をされたとおっしゃっていますが、供給の話はいいです。国民が知りたいのは、いつまでに接種、打てるかですから。高齢者と全国民と、めどで結構ですから、いつまでに接種が終わりそうか、お答えください。
  181. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 まず、日本がこんなになぜ遅いかということ、それは山井さんもよく知っていらっしゃるんじゃないですか。  日本は国内治験があるわけじゃないですか。世界は国内治験がないところがほとんどですよ。(山井委員「質問に答えてください」と呼ぶ)いやいや、国内治験をやっていると、国会での附帯決議もありましたけれども、約三か月かかるんです。そこはまず是非御理解をいただきたいと思います。ここがあることが、日本は、事実であります。  そういう中で、高齢者ワクチンについては、来週から本格的に発送が行われて、六月末までには、高齢者全員分のワクチンについて、自治体の需要を勘案してお届けすることができます。ですから、できる限り早くここにおいて接種が始まるように政府としては今取り組んでいるところです。  また、先日のファイザー社との、CEOとの電話会談によって、九月までに我が国の全ての対象者に供給されるめどが立ちました。(山井委員「供給の話はいいですから」と呼ぶ)だって、めどが立たなきゃできないじゃないですか。  ですから、来週から六月までには高齢者全員分のワクチンが自治体に配送することができますから、できる限り早く取り組んでいくということであります。
  182. 山井和則

    ○山井委員 菅総理、おかしいですよ。私は、供給の話は聞かないから、高齢者方々がいつまでに接種できるのか、全国民がいつまでに接種できるのか。供給じゃなくて、接種のめどを聞かせてくださいと言っています。お答えください。(発言する者あり)
  183. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御静粛にお願いします。
  184. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 供給のめどがつかなければ、いつまでということは言えないじゃないですか。  私は先ほど申し上げましたけれども、六月までには、高齢者全員分のワクチンについて、自治体の需要を勘案して届けさせていただくことになっていますから、そこは来週から本格的に配送が行われますので、そこから接種が始まっていきます。  その上で、一日も早く国民の皆さんにワクチンをお届けするという観点から、政府としては取り組んでいきたいというふうに思います。
  185. 山井和則

    ○山井委員 二回聞いても答えられない。供給の話は、もう国民は、それじゃなくて、自分たちがいつ受けられるか。命が懸かっているんです、不安なんですよ。なぜ答えられないんですか。  じゃ、菅総理、国民の命を守るのが政治ですから、あえてお聞きします。めどを答えられないんだったら、せめて目標。菅総理としては、高齢者方々にはいつまでにワクチンを打ちたいという思いを持っているのか、全国民に関してはいつまでに打ちたいと思っているのか。  なぜなら、アメリカのバイデン大統領は、ここの配付資料にもありますように、七月には全国民に打ちたい、それまで我慢してくれとバイデン大統領は言っているんです。  日本の国民も、待っているのは、いつまで我慢すればいいのか。是非、菅総理から、高齢者はいつまでには打ちたいと考えている、全国民はいつまでにワクチンを打ちたいと考えているという目標、お答えください。(発言する者あり)
  186. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御静粛にお願いします。
  187. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 自治体と連携してこれは懸命に取り組んでいます。そして、同時に、来週から本格的に配送が行われます。配送が行われている中で、やはり接種も始まるわけでありますから、そういう中で、自治体と連携をしながら、一日も早く希望する方に安全で有効なワクチンが届くことができるように、政府としては全力で取り組んでいきたいと思います。
  188. 山井和則

    ○山井委員 もう本当に残念な答弁です。これだけ深刻な問題なのに、いつまでにワクチンを打てるのかということを、高齢者であっても、全国民であっても、総理大臣が言えない、目標すら言えない。どういうことですか。緊急事態宣言を出すんだから、いついつまで我慢してくれ、それまでにワクチン接種できるようにするから、それを言わないと国民ももたないですよ。  そんな中で、私、例えばオリンピックまでにワクチンは高齢者全員打ちますからオリンピックをやりたいとか、そういう話にもなっていなくて、高齢者だけでもいつワクチン接種、打てるのか分からない。それでは、オリンピックってできるんですか、やるんですか。一万人ぐらいの医療従事者がオリンピックに係ると言われておりまして、それだったらワクチン接種に、あるいは医療の充実にその方々を回すことの方が大事だという意見もあると思います。  菅総理、これはオリンピックを縮小あるいは延期して、国民の命を守る、コロナ対策、ワクチン接種体制の整備をより優先する、そういう選択をすべきじゃないでしょうか。
  189. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 オリパラに向けては、まず足下の感染拡大を封じ込めること、ここに全力を挙げたいと思います。  昨年から、バッハ会長とは、東京大会を必ず実施することで一致しています。IOCなど、感染対策を含めて協議を重ねてきております。選手、大会関係者の感染対策を徹底して、安心、安全な大会にこぎ着けたいと思います。
  190. 山井和則

    ○山井委員 私もオリンピックは大好きですし、スポーツも大好きですし、やってほしいと思いますよ。でも、先ほどの答弁で、ワクチン接種、高齢者だけでもめども立っていない、目標もない。それじゃ、どんどんどんどん人が亡くなっていきますよ、このまま行けば。  もう一つ、菅総理にお願いしたいのは、結局、自粛自粛と言っても国民はもたないんです。自殺者も増えています、倒産も増えています、廃業も増えています。今日の配付資料にもありますが、私たちは、一月に組替え動議を出したり、また、三月一日には、コロナ特別給付金の法案、約三千万人に十万円の給付金を払うコロナ特別給付金法案、また、三月十九日には、二回目の持続化給付金で、約四百万事業者に持続化給付金二回目を規模に応じて支給する、こういうのを議員立法で正式に提案し、自民党に審議の申入れもしております。  是非とも、自粛を進め、国民を安心させるためにも、緊急事態宣言とセットで、こういう生活困窮者への給付金、そして二回目の規模に応じた持続化給付金、こういうものも実行していただきたい。医療だけじゃなくて国民の命と生活を守っていただきたいと思います。いかがでしょうか。
  191. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 国民の命と暮らしを守るのが政府責任ですから、そこは当然しっかりさせていただきます。  また、新型コロナの影響が長引く中で、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援、こうしたことに、事業継続をしっかり支えていきたいと思います。  さらに、緊急事態宣言などの影響によって売上げが大幅に減少した事業者には、一時金などを支給させていただきます。  また、今般、飲食店に対する協力金について、要望の強かった事業規模別に応じた仕組みを導入することにしています。  なお、緊急小口資金などの特例資金について、本年二月に貸付額を最大二百万円まで拡大するとともに、申請期限を本年六月までに延長し、更に住民税非課税の方については返済を免除することにしています。  新たに緊急事態宣言が発令をされた場合は、その内容を踏まえて支援策を検討し、雇用と事業、ここはしっかり守っていきたいと思います。
  192. 山井和則

    ○山井委員 菅総理、これは野党与党関係ないと思います。本当に地元の商店の方、中小企業の方、生活困窮者の方、大学進学断念した方まで、自殺者がどんどんどんどん増えているんですよ。そのためには、自粛とお願いするんだったらお金を出してほしいんです。一部の休業するお店や取引先だけじゃないんです。日本の経済、雇用、全体が傷んでいるんです。それをセットでやらずに自粛自粛と言っても、無理です、それは。酷です。  今日、私、驚いたのが、今日からのまた緊急事態宣言で、百貨店とかの協力金も一日二十万円、大規模な百貨店も。菅総理、銀座の三越も一日二十万円の協力金ということですか。いや、確認ですよ、菅総理。答えてください、菅総理。はい、お答えください。
  193. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 具体的にどうするかということには、まだ決定をしていません。
  194. 山井和則

    ○山井委員 でも、この案で今晩決まるんでしょう。  菅総理、例えば、一例ですよ、多くの事業者、商店が泣いているから言っているんです。銀座の三越が休業して一日二十万円、これ、冗談かと思いました。全く、お願いだから休業してください、自粛してくださいという本気度が感じられないんです、これでは。二十万円出して、どうやって休業できるんですか。  菅総理、私たちも休業とか自粛とかお願いをせざるを得ないと思います。その意味では、私たちができることは、国民の皆さんが言うことを聞いてくださるようにするには、政府ができることは十分な補償と経済的支援しかないと思うんです。  菅総理、十分な経済的な補償、支援をするということを約束いただけませんか。
  195. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 全てが決まっているような形の御質問でありますけれども、いろいろな影響が出る皆さんには、そこはしっかり対応するというのが政府の基本的な考え方です。
  196. 山井和則

    ○山井委員 これで終わりますが、菅総理のしっかり対応するという言葉、しっかり対応していないじゃないですか、全然。これでは、本当に百貨店やお店、潰れろと言わんばかりですよ。
  197. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
  198. 山井和則

    ○山井委員 その意味では、緊急事態宣言を出す以上は、しっかりと国民の生活を守っていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  199. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
  200. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  総理、国民の生活も事業者の皆様も大変厳しい状況にこの一年置かれてきました。その中での三度目の緊急事態宣言ということになります。  昨日、渋谷のミニシアターが閉館を発表されました。ホームページにこう書いていました。昨年は助成金、補助金もあり、ぎりぎり生き延びることができましたが、今年はさすがに限界を超える状況で、再投資をしても先が見えない状況となり、閉館という決断を余儀なくされましたと。私もよく行ったことがある映画館です。  こういう状態に今置かれているわけですよね。この一年、本当にたくさんの事業者が倒産、廃業に追い込まれ、そしてたくさんの雇用が失われてきました。今度の緊急事態宣言で、これ以上なりわい、あるいは文化は絶対に潰さない、そういう覚悟を持っての支援を総理はする責任があるんですよ。  先ほど、協力金の話がありました。まだ決まっていないと総理はおっしゃいましたよね。幾ら何でも、デパートに一日二十万円、これがマックスだと。あり得ないですよ。あるいは、テナント二万円といいますよね。だって、デパートのワンフロアを借りて本屋さんをやっているところだってありますよ、ワンフロア借りてやっているところも二万円ですか。やはり、事業規模に応じての支援をやらなければ、これまで、コロナ以前だったら頑張ってこられた事業者がどんどん倒れることになるんですよ。  先ほど、暮らしを守る、しっかり対応するとおっしゃったんですから、しっかりと、これなら協力できるという額での支援をしてください。
  201. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 まず、今回のコロナ禍の中でそうした閉館とか事業を畳んでしまう皆さんには、大変申し訳ないというふうに思います。  ただ、政府として、そうした方々にできる限りの事業継続の支援をさせていただく、あるいは雇用を守るための支援をさせていただく、そういう思いで今日まで取り組んできております。  今、二十万円とかいろいろ御指摘をされましたけれども、まだこれは決定をしていることではありません。そうしたことについて、政府としては、決定をした段階においてはしっかりと対応させていただきたい、こう思います。
  202. 宮本徹

    ○宮本委員 それは決定していないということですから、増額を夕方までに真剣に考えていただきたいというふうに思います。  そして、協力金の額もそうなんですけれども、今回、強い対策ということで、ステイホームをかなり呼びかけるということになりますよね。そうなれば、これは直接の時短や休業の要請をしていない事業者にも物すごい大きな影響が出ます。  ですから、この間、全国知事会からも繰り返し、持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を求める声が出ていますよね。是非これも、中身も、企業規模に応じて支給額を上げていただきたいと思いますけれども、売上減少についての要件も緩和してほしいと思いますけれども、この持続化給付金もバージョンアップして、私は再支給が必要だと思いますよ。  今回の緊急事態宣言に当たって、直接要請するところ以外も、幅広く、全ての業種を対象に支援をする、これを具体化してください。
  203. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 新型コロナの影響が長引く中で、多くの事業者の皆さんにとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援により、事業継続をお支えをすることにいたしています。  さらに、緊急事態宣言などの影響によって売上げが大幅に減少した事業者には一時金などを支給をさせていただきたい、このように思っております。
  204. 宮本徹

    ○宮本委員 大きくというのは五〇パーとかでしょう、今までの。五〇パーじゃなくても、二〇パー、三〇パーの売上げの減少がずっと続いて苦労している方々もたくさんいらっしゃるんですよ。そういうところも含めて、要件も緩和して、本当に困っている事業者を全部助けないと、次から次へと倒れていきます。是非具体化をお願いしたいと思います。  あと、もう一点、緊急事態宣言で感染を大きく減少させていかなければならない、その上で、私は是非総理にやっていただきたいことがあります。  というのも、この間、国民の中には、やはり自粛疲れもあります、宣言慣れというのもあると思うんですね。ですけれども、この宣言で、今回の宣言でやはり大きく感染減少をつくり出さなきゃいけないと思っています。そのために、どうやって国民の協力を得ていくのか。補償の問題もそうですけれども、同時に、私は、総理が先頭に立って国民とのコミュニケーションをやっていくというのが必要だと思うんですよ。  正直、この間、前回の緊急事態宣言を解除した後、時間を取って記者会見を総理はやられてこなかったわけですよ。そういうところは率直に国民に映っているわけですよ。本当に必死になって、真剣に国民に対して、今度の変異株がどんなに恐ろしいものなのか、そして、マスクなしでの会話がなぜ危険なのか、そして、家族以外の人と会食はできるだけ、絶対避けてほしいとか、本当に、医療従事者の皆さんは一生懸命訴えられていますよ、そういうことを。  そういうことを、私は、毎日毎日、是非総理が尾身会長や専門家の皆さんと一緒になって記者会見を開いて、訴えてほしいと思うんですよ。そうしないと、この宣言、本当に成功させることはできないと思います。  私、前も総理に、国民とのコミュニケーションに前向きになってほしい、こういう話を差し上げたと思いますが、是非本気になって取り組んでください。
  205. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 御指摘ありがとうございます。  ただ、私自身、ここ連日のようにぶら下がりの記者会見はさせていただいています。国民の皆さんにできるだけ政府の思いを届ける努力は必要だと思いますので、させていただきたい。  今は、たしか、先週ぐらい、ほぼ毎日やっておりました。
  206. 宮本徹

    ○宮本委員 だから、ぶら下がりでちょちょっとやるんじゃなくて、やはり科学的なコミュニケーションが大事だと思うんですよ。やはり、専門家の皆さん尾身先生や押谷先生やいろんな人と一緒になって、いろんなことを毎日毎日届けていく、こういう姿勢が、この感染拡大危機の、変異株の危機的な局面にあっては、リーダーに求められる仕事だと思うんです。  これは総理にしかできないんですよ。私が幾ら言ったって、メディアは何も報じないですよ。しかし、総理がやれば伝わっていくわけですから、是非お願いします。
  207. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 いや、今日も尾身会長と記者会見をやる予定であります。
  208. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、それはいつも一回きりで、その後がないわけですよ。だから、そういうところが本当に国民に伝わっていかないと私は……(発言する者あり)
  209. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御静粛に願います。
  210. 宮本徹

    ○宮本委員 本当に今度の……(発言する者あり)今、大阪では人が死んでいるんだからというお話がありましたけれども、本当に国民に必死でお願いをする、必死にこのウイルスの特徴を伝える、今何が必要か伝える、そして国民の生活を支え抜くんだという決意も伝える、これが今一番大事なことだということを重ねて申し上げておきたいと思います。  法案について、最後にお伺いしたいと思いますが、七十五歳以上の医療費の二割負担の対象を決める際に、総理は、どの程度の受診抑制が起きるか、この推計をしていることを御存じでしたか。
  211. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 受診抑制が起きないようにその対策を講じるべきである。そういう中で、先ほども申し上げましたけれども、一か月三千円を超える支出がないようにさせていただいています。
  212. 宮本徹

    ○宮本委員 ちょっと、答えていません。  受診抑制の試算を政府はしていたわけですけれども、この間の審議では与党協議に示していなかったというのが明らかになっているわけです。  受診抑制がどの程度起きるかということについて、二百万円という対象を決めるときに総理は御存じでしたか。
  213. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 菅内閣総理大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
  214. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 必要な医療が受けられなくならないように一定の配慮を行っていく必要があるということで、私は対応させていただいています。
  215. 宮本徹

    ○宮本委員 いやいや、ですから、それはちょっと答えていないので、委員長、答えさせてください。今のはどう見ても。
  216. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 今回の見直しによる受診行動の変化に伴う具体的な影響額は聞いておりませんでしたが、少なくとも、必要な医療が受けられなくならないように一定の配慮を行っていく必要があるという考え方の中で、月額三千円を超えないようにということをさせていただきました。
  217. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 宮本徹君、申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いいたします。
  218. 宮本徹

    ○宮本委員 はい。  受診行動の変化が起きて、受診抑制が起きるということも知らずに総理は決めちゃったわけですよ。余りにも無責任ですよ。  こんなままこの法案を通すわけにはいかないということを申し上げまして、質問を終わります。
  219. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  220. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  総理にお伺いいたします。  まず、緊急事態宣言の発出に伴いまして、新型コロナウイルスのことについてお伺いします。  御承知のとおり、波が来るたびに、ベースとなる感染者数は、日本において拡大しておりますが、これは、日本だけではなく世界的傾向であります。  日本でもワクチン接種が進んでおりますけれども、最も先行しているイギリス、イスラエルの人口百万人当たりの新規感染率は、実は日本とほぼ同じでございます。  そうしますと、変異株の問題もありまして、ワクチン接種が今後仮にスムーズに進んだとしても、現在程度の感染者数が将来的には続く可能性も我々は視野に入れなければいけないと思っております。  ここで、病床使用者数を全国県別、地域別にまとめてみました。このグラフを是非総理にも御覧いただきたいんですけれども、こちらの配付資料で出しております。  この感染症の特徴として、非常に地域差があって、首都圏あるいは関西圏など大都市圏に感染者が多く発生するという傾向が、もうこれは第一波、第二波、第三波とずっと続いております。このため、実は、地方では結構、病床数、重症者用も軽症者用も空いているという傾向がございます。  これは四月十四日のNHKのまとめなので、若干データとして古いわけですけれども、今最も問題となっております全国の重症者用病床は、その時点で四千二百五十三用意されているところ、重症者数は九百九十でした、その時点。つまり、三千以上、三千二百くらい余っていたわけです。現在も、ここまではいかないでしょうけれども、このくらい余っている可能性がございます。  非重症者用病床数はもっと差がありまして、三万四百七十三確保されているところ、九千四百二十三しか埋まっていない。つまり、二万以上が空いているわけです。  この病床確保に、三月二十一日までで千八百三十七億二百万円ほどの国費が投入される可能性がございます。これは申請ベースですので、可能性という言い方になります。  ということは、これは非常に残念な話で、同じ日本国民が、どこに住んでいるかによって、必要な治療が受けられない。これは物すごく不合理ですし、これだけの国費を投入している以上、ここは何とかするのが国の責務だと思うんです。  この問題については、昨年十二月の当委員会で、私は田村厚労大臣にも地域間の移送を是非考えてほしいとお願いしたところでございます。  実際に、スウェーデンなどでは、月によって違うんですけれども、昨年の十月から、九から、一番多いときで一九%ほど移送されております、地域間で。ICU患者がです。  私は、是非ここで総理に御提案させていただきたいんですけれども、一般に任せておくと、これは、医療機関というのは知り合いの総合病院なんかに紹介をしてお願いして入院者を運ぶ。あるいは、せめてでも都道府県の範囲内でということしか、大体、ふだんはされておられないわけです。そうすると、県をまたいだ移送というのは、やはりこれは新しいシステムをつくっていかなければならない。  是非、国がオンラインで各都道府県をつないだり、あるいは配転センターを設けるなどしていただければ、仮によその県の重症者の方を受け入れて、自分のところがいっぱいになったらどうしようと皆さん不安に思うわけですけれども、自分のところがいっぱいになればほかのところが引き受けてくれるということになれば、この医療逼迫というのは、この数字、グラフを見ていただくだけでもすぐ分かりますけれども、容易に解消していく。  ですので、本当に長期戦になると思いますので、ある程度、是非ここを総理の方で、国民に対する責務として、医療崩壊という言葉を遠ざけるためにもこれを御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  221. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 新型コロナの感染拡大により医療提供体制が逼迫する中で、都道府県の壁にこだわることなく国を挙げて対応していくべきというのは、私も同じ考え方であり、貴重な提案に感謝申し上げたいと思います。
  222. 青山雅幸

    青山(雅)委員 是非御検討をお願いします。この問題は、引き続き厚労委員会でもまた質疑させていただきます。  最後に一つ、この法案に関しまして、今回は、団塊の世代の後期高齢者入りなどの短期的な要因もあり、必要やむを得ない改正であると私は考えております。ただし、この後には、二〇六〇年くらいまで続く人口構成の高齢者世代比重増加というのがまだ横たわっております。今後も不断な見直しが必要だということは、当委員会での政府答弁にもあります。  そこで、是非お考えいただきたいのは、今、源泉分離課税されています配当所得や株式譲渡所得というのがいかに高額であっても、これは負担割合に反映されないわけですね。これは国民的に非常に不公平な話だと思います。こういった点も含めて、今後の改正、できるだけ不公平のないようなやり方を試みていただきたいと思いますが、その点についての総理の御見解をお伺いします。
  223. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 少子高齢化社会が進む中で、社会保障制度について、若者と高齢者で支え合い、高齢者であっても負担能力のある方については支える側に回っていただくことが重要であると思っています。  負担能力の判定に際しては、事務面を考慮しつつ、国民の理解を得られながら努めていくことが大事だというふうに思います。  その上で、株式の配当等の所得も勘案すべきという御指摘であります。  公平性の観点から重要な指摘であるというふうに考えます。窓口負担割合を判定する際に、どのようにその配当所得等の情報を把握するかなどの課題がある、このことは承知しておりますので、今後の課題として、政府でよく検討していきたいと思います。
  224. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 青山雅幸君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
  225. 青山雅幸

    青山(雅)委員 はい。  二つの質問とも大変前向きな御答弁をいただきました。是非御検討をよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  226. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高井崇志君
  227. 高井崇志

    ○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。  総理に、総合支援資金についてお聞きします。  総理はよく緊急小口資金などとおっしゃいますけれども、これは、などに入っている総合支援資金の方が大事なんですね。緊急小口資金は一か月二十万ですけれども、総合支援資金は九か月で百八十万ですから。これが、先ほど山井委員にも答弁されていましたけれども、緊急小口資金などで限度額を二百万に拡大して、所得が減少している方々に返済を免除できるようにしたということを、総理は今国会だけで、今年だけで四十回答弁しています。今、四十一回目です、山井委員に対して。  これはいいんですけれども、ところが、是非実態を聞いていただきたいんですが、所得が減っている方々が、返済免除どころか、今、不承認になって貸付けが受けられないということが起こっています。それはなぜかというと、返済能力がないから、もうこれ以上やっても駄目だから生活保護に行ってくれということなんですけれども、でも、これはやはり貸付け、生活保護はなかなかハードルが高い、しかし、あと三か月貸してくれたら、仕事がその間に見つかって何とかなるという方が大変今多いんです。是非、この不承認を撤回して、もう三か月貸していただきたい。  それから、今、総理の英断で九か月になったことはみんな喜んでいます。しかし、あと三か月、せめて十二か月、これは元々一年、十二か月の制度なんですよ。それを特例で今やっていますけれども、是非この二つ、本当に多くの国民の、生活困窮者の切実な要望ですから、是非総理の決断で、緊急事態宣言になったんですから、是非決断をいただきたいと思います。
  228. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 まず、緊急小口資金などの特例貸付けについては、既に本年二月に貸付額を最大二百万円まで拡大するとともに、申請期限を本年六月末までに延長したものであります。  なお、今、貸付けに係る現場の運用については、生活困窮された方のセーフティーネットの強化という制度の趣旨を踏まえて、決められたルールに従い、きちんと運用していくことが重要であるというふうに思います。  厚生労働省においてそこはしっかり対応していかれる、こういうふうに思います。
  229. 高井崇志

    ○高井委員 是非、これは社会福祉協議会、大変御苦労いただいているんですけれども、やはり、もう返済できないから生活保護に行っていただこうというケースが多いんですね。  しかし、私、試算してみましたけれども、これは三か月延長で七百億なんです。しかも貸付けですよ、返してもらえるんです。生活保護だったら一月で三千億ですよ。一月三千億と三か月で七百億、しかも返してもらえる。明らかにコストパフォーマンスでもこっちの方がいいし、これは本当に生活困窮者対策ですから、是非もう一度厚労大臣と検討いただいて、御指示をいただきたいと思います。  そしてもう一つ、どうしても聞きたいので、これは、今の話もそうなんですけれども、先ほど、我々国民民主党は、国民一人に十万円給付を是非やってほしい。でも、十万円が駄目だったら今の生活総合支援資金をやってほしいんですけれども、それから、事業規模に応じた給付金も、法律を出しています、四月二日に。これはドイツとアメリカのいいところをミックスした、とてもいい法律なんですよ。  それで、今、デパートに一日二十万円という話がありましたけれども、我々の法案だと一日六百六十万円払います。最大、月二億円。これは、ドイツはやっているんですよ、二億円。事業規模に応じたというのはこのくらいのことですよ。これで、我々の試算だと六・五兆円でできるんですよ。持続化給付金、今、五兆円ですよね。それから休業支援金も三兆円ですよ。六・五兆円で、これぐらいの規模のはできますから。これは西村大臣に何度も提案しているので、是非取り入れていただきたい。  それから、国民民主党は、消費税五%にしよう、これも言っています。私は、個人的にはもうゼロでいいと思う。消費税ゼロをやってほしい。  その財源をどうするかということですが、これは何度も主計局宇波次長とやり取りしていますけれども、これはインフレ率二%になるまで、菅総理、インフレ率二%までは大丈夫ですから、これはもういろんな学者がそう言っています。  皆さんが、財務省も心配するのは、インフレがコントロールできないと言うんですけれども、だったら、インフレ率二%になるまで国債の発行をする、それ以上は国債を増額はもうしないという法律を作れば、これはMMTのステファニー・ケルトン教授が提唱している法律ですけれども、こういうやり方をやる。  それから、あと財源は法人税です。法人税はアメリカも二一%を二八%に引き上げました。もう世界各国が法人税引上げに向いています。  是非これはもう今すぐ、総理、検討を財務省に指示していただいて、法人税増額と、それからこのインフレ率二%、国債発行する、この法案を出せば財源は十分賄えますから、是非これを総理のリーダーシップでやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  230. 菅義偉

    ○菅内閣総理大臣 国債については、必要な歳出と税収等によって発行規模を決定するものであり、インフレ率を目標とするものではなく、そうした法案は考えておりません。  いずれにしろ、御党から様々な御提案をいただいていることについて、私も承知をしております。
  231. 高井崇志

    ○高井委員 承知するだけじゃなくて、是非見ていただいて、各大臣にそれぞれわたっていますから、是非検討を指示していただきたいと思います。  終わります。ありがとうございます。
  232. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これにて内閣総理大臣出席の下の質疑は終了いたしました。  内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。  質疑を続行いたします。中島克仁君。
  233. 中島克仁

    ○中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。  質問をさせていただきますが、今、菅総理、一時間の質疑でございましたが、びっくりするようなお話もありました。  変異株に関して、いわゆるこの第四波、緊急事態宣言を今日四都府県に発出ということでございますが、何か変異株が、想定していなかったかのような発言は大変びっくりいたしました。  この変異株の脅威は、イギリス、そして我が国でも兵庫県、関西を中心に置き換わり、そして感染力が高まる、致死率も高まるかもしれないと。この脅威の懸念は大分以前から指摘をされていたにもかかわらず、何か突然、変異株が来て対応が遅れている、また、一生懸命やっているような、ちょっとびっくりいたしました。  また、この後期高齢者医療制度、窓口二割負担、先ほど、受診抑制による影響、その推計値を知らなかったと総理は御答弁されておりましたが、これ、本当にそんなことで、この法案、大阪では、自宅療養中に三月以降八人の方がお亡くなりになり、そして、現在進行形で、特に重症化リスクの高い後期高齢者の方は不安におびえ、そして命の危険にさらされておる。そういう状況の中で、そういった後期高齢者皆さん窓口負担、これを引き上げる、倍増させるこの法案、今朝いろんなことがございましたが、昨日の時点で今日採決を御提案をしてきた。これ自体が、やはり社会の今の状況とかけ離れた今の国会の状況ではないのかなと私は感じます。  これは私だけじゃありません。週末、私、毎週土曜日に外来をやっておりますが、先週の土曜日、まさに、後期高齢者の患者さん以外の現役世代の患者さん方も、今、本来国会では、ワクチンをいつになったら打てるのか、安心、安全に円滑にいつ打てるのか、若しくは切り札の一つとなる治療薬の確立に向けてどう議論しているのか、病床が逼迫している大阪、また、今後東京も懸念される中で、どうやってこの苦境を乗り切るのか、そういう議論をされているかと思ったら、まさか、後期高齢者皆さん窓口負担を引き上げる法律を議論していると。  私が知っている限り、患者さんも、私の地元の一般の方も、私は、とてもこの状況でこのようなことが国民の理解を得られるとは到底思えません。ただでさえ重症化リスクが高い高齢者、その窓口を引き上げる内容の法案を、緊急事態が発出される環境状況下の中で審議を進めることに対して、本当に国民の理解が得られると思っておられるのか。  ちょっと、今日も、私の地元の皆さんに私は到底説明できませんので、大臣から、理解を得られるものなのか、御説明をいただきたいと思います。
  234. 田村憲久

    田村国務大臣 もう何度も申し上げておりますが、七十五歳以上に団塊の世代がもう入り始める、そして二〇二五年には全ての団塊の世代の方々が入られる、この過程で、やはり医療費の伸びというものは急増していくわけであります。そして、その後更に二〇四〇年に向かって高齢化はピークを迎えてまいります。まさに若い世代が減っていく、現役世代が減っていく、その中で誰かが負担をしなければなりません。これは税金という話もありますが、税金も国民の皆様方が払っていただくものであります。  そういうことを考えたときに、それは若い世代が多く、支える側が多いときには、確かに、支えられる側と負担もそれほど大きくなくて成り立っていくのかも分かりませんが、ここまで人口構成が変わっていくという社会、まさに世界で初めて日本が、初めてと言っていいぐらい日本がこの状況に入っていくんですね。そのときに、この医療保険制度というものは一回壊れればそう簡単には戻らない、これはもう委員もよく御承知だと思います。どういうふうに負担を分かち合うのだ、これを考えなければなりません。  立憲民主が立憲民主で御提案をいただいているということは私も知っておりますが、一方で、先般の参考人のお話の中で、当然のごとく、国民健康……(中島委員「私は理解を得られるかどうかと聞いているんですよ」と呼ぶ)ですから、今それを御理解を得るように説明してくださいと言っているから、私は説明しているのでありまして。  その中で、この間もお話があったとおり、実際問題、保険料、これは賦課限度額を上げるとおっしゃられましたが、その保険者で非常に厳しいところ、これは料率が高いですから、賦課限度額を上げても、所得の低い方々が、今皆さんが言われている八十二万円までいってしまうわけでありまして、所得が低いのにそういう厳しい保険者は八十二万の賦課限度額までいってしまう、そういう問題もあるんだ、こういうような御発言があったというふうにお聞きいたしております。  徐々に上がっていくのじゃなくて急激に上げるということは、平均では言われるとおり九百何十万かも分かりませんが、そうじゃない保険者もあるわけでありますから、その負担をどうするんだ、急にそんなに上がって本当に対応できるのか。でありますから、今我々も、まさに賦課限度額も二年に一回ずつ上げているわけであります。  もちろんそこも必要でありますが、今般、この差し迫った中において、国民の皆様方に御理解いただくためには、是非とも高齢者方々にも、若い人たちを、何とか将来に向かって、負担の軽減とは言いませんが、伸びを抑えていくためにも御協力をいただきたいということで、一定の限度額を、二割という限度額でありますけれども、二割の負担という形の中で所得を区切ってお願いをし、途中は、それは経過措置という形で激変緩和もさせていただくということでございますので、我々も本当にお願いしづらいところではありますが、何とか国民共有の財産であるこの公的医療保険を維持するために御理解を賜りたいということで、お願いを申し上げておるような次第であります。
  235. 中島克仁

    ○中島委員 私も、現役世代の負担、また、変化し続ける疾病構造の変化や人口構造の変化、これに対応するべく、社会保障制度の再構築、あるべき姿ということを議論するのは本当に必要だと思います。  しかし、今は、先ほども言ったように、本日、四都府県に緊急事態宣言が出される、そして、大阪の感染状況については後段の方で少し触れたいと思いますが、変異株の脅威にさらされながら、特に後期高齢者皆さん、先ほど山井委員も質問しましたけれども、ワクチンもいつ打てるか分からない、こういう状況の中で、本来、国会が国民の皆様に、国民のその不安や懸念を払拭しなければならないときに、その不安を増長するような内容。  先ほどお答えいただいたのは平時。平時であれば、そういう議論をしっかり国民の皆さんと理解を深めながら進めていくということは必要だと私も思いますが、今、この新型コロナウイルス、いわゆる第四波、大変な状況の中で、不安をあおるような、しかも、更に不安が強い御高齢の方々を追い打ちするような議論を、今この場で私はするべきではないということを御理解を是非してください。  先ほどので、私がそういう意見をいただいた御高齢の方、また現役の方が、新型コロナウイルス感染拡大の中でこの議論をすることに違和感を感じるということの説明にはなっていないと思います。  コロナの感染状況についてはまた、先ほども言ったように、後ほど確認させていただきますが、後期高齢者窓口負担を倍に引き上げる政府案に対して、立憲民主党案、対案を示されております。  資料の一枚目でございますが、これは政府案と立憲民主党案。  政府案は、病気の方に追加負担お願いする、窓口負担の引上げ。に対して、立憲民主党案は、病気の有無にかかわらず負担を分かち合う、保険料賦課限度額の引上げで対応。  そして、対象になるのは、政府案は、二百万円以上の後期高齢者、対象は約三百七十万人、後期高齢者の二〇%に当たります。に対して、立憲民主党案は、年収が約九百万円以上の後期高齢者対象者は約二十四万人、後期高齢者の一・三%。  そして、政府案では、窓口負担の追加負担額は、年間平均で約二・六万円増、配慮措置がなければ約三・四万円増。に対して、立憲民主党案は、年収約一千万円で約八千円、年収約一千百万円以上で約一万五千円。  そして、軽減できる現役世代の負担は、政府案は七百二十億円。に対して、立憲民主党案は、国費の充当と合わせて約七百二十億円というものでありまして、是非、このコロナ禍という特殊事情をよく委員皆さんにも御理解をいただいてと思います。  そして、今週の火曜日、参考人質疑がございまして、日本福祉大学の二木先生社会保険制度の原則に基づく陳述、大変説得力がある内容でございました。是非大臣にも見ていただきたく、今日、二木先生がその参考人質疑のときにお示しになられた資料を、二枚目から四枚目になりますが、添付させていただいております。  ポイントとして、二枚目の資料でございますけれども、四点挙げられ、分かりやすく説明をいただきました。  まず一点目、応能負担の考え方について。応能負担の原則は保険料や租税負担にのみ適用されるべきと示されました。  まず、立憲民主党案、議員立法提出者にお尋ねをいたしますが、この二木先生が示された、応能負担原則は保険料や租税負担にのみ適用されるべきを遵守する重要性についてどのようにお考えになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  236. 西村智奈美

    ○西村(智)議員 お答えいたします。  参考人質疑で、日本福祉大学名誉教授の二木立先生を始め有識者の先生方が、医療社会保障における応能負担原則には強く賛同しておられました。その上で、応能負担は保険料や租税負担に適用されるべきであり、サービスを受ける際は、所得の多寡によらず、平等に給付を受けるのが社会保険の原則であるというふうに述べておられます。  私たちも基本的に同じ考え方であり、後期高齢者を支える現役世代の負担軽減が喫緊の課題となっている現状を踏まえれば、収入が幾らあっても保険料が六十四万円で頭打ちになってしまう現在の後期高齢者の保険料の在り方を見直す必要があると考えました。  一方で、窓口負担の引上げについては、コロナ禍における顕著な受診抑制に拍車をかけることとなるため、窓口負担割合は原則一割を維持すべきであると考えます。  新型コロナウイルスの感染拡大により受診抑制が懸念される中で窓口負担割合を引き上げることは、更なる受診抑制による症状の重症化を招きかねず、コロナ禍の現状で窓口負担割合を引き上げるべきではないと考えます。  受診抑制による重症化は命にも関わる問題です。私たちが提出した法案では、能力に応じて負担していただくという考え方を強め、後期高齢者の中でも高所得の方には、より多くの保険料負担お願いすることとしました。  窓口負担を二割にするということであれば、少なくともやはりこの賦課限度額は今までどおりというわけにはなかなか説明し切らないのではないかというふうに、今、田村大臣答弁を聞きながら考えておったところです。  与党からの御理解もいただいて、今国会で成立させたいと考えております。
  237. 中島克仁

    ○中島委員 ありがとうございます。  同様の質問を、田村大臣にお聞きいたします。改めて、応能負担原則遵守の重要性についてどう考えるか、お聞かせください。
  238. 田村憲久

    田村国務大臣 何度も言っていますが、賦課限度額は去年上げたばかりでございますので。上げていないという話がありましたから。上げておりますので。  その上で、今の御質問ですけれども、保険料を応能負担で、受益といいますか給付の方、これは応益負担、こういう考え方もあるというふうに、それは考え方としてあると我々も思っております。  保険料は、当然応能負担で、率を掛けて保険料をいただいておるわけでありますが、給付の方も、実は、日本の国は、基本的には三割という、これは応益負担。ただ、高額療養費は、これは応能負担でやっております。でありますから、高額療養費の上限額というものは、これは応能を入れております。  そして、更に申し上げれば、全体の保険を考えれば統一して三割という応益負担ですが、高齢者の保険に関しましては、やはり三割ではこれはなかなか厳しいだろうと。そういうような、高齢者医療を受ける回数、こういうもの、年間医療費がどれぐらいかかるか、こういうことを勘案して、高齢者に関しても、六十五歳から七十まで、そして七十から七十四まで、七十五から上ということで、今まで、三割、二割、一割という、これは応能負担としてやってきているわけでありまして、その中において、今度は、七十五歳以上の中においても、所得のあられる方に関しては、一割から二割に応能負担をさせていただく、こういう形になっているわけであります。  そういう意味では、本来三割負担なんですけれども、二割、一割というのが高齢者の中にはあるということでございますので、保険全体ではですよ。ですから、なかなか、受益は応益負担といっても、日本の保険は様々な形で対応をしておるというのが、今の現状の保険制度であるということであります。高額療養費もございます。
  239. 中島克仁

    ○中島委員 全然答えていない、何か論点をすり替えて。  私、原則の考え方で、二木先生もおっしゃっているように、いわゆる患者負担を二割にする、これより、やはり応能負担の原則は、先ほどお示ししたような考え方ということを田村大臣はどう考えているかと。いや、私は原則に沿っていないと思いますよ。この原則を崩すと、国民皆保険の一番の理念である国民連帯が崩れると二木先生はおっしゃっています。  資料の六枚目でございますが、これは日本医師会の考え方ですね。後期高齢者の患者負担割合の在り方について、この二つ目の丸で、応能負担は、本来は保険料及び税で求めるべきであると。  これは、私も現場の人間ですけれども、やはり実際に患者さんと向き合っていて、またさらに、この新型コロナウイルス感染下において、窓口負担を引き上げること、受診控え、更なる受診控えという今後の健康への影響、間違いなく懸念されるんです。  これも今回の法案の論点の一つでありますけれども、この受診控えによる健康への影響、これは、もう大臣、もう少しこの調査の在り方、前向きに、そういう姿勢を是非見せていただきたいんですよ。  私、実際に、先ほども言いましたように、例えば、歯科、整形、内科、私も実際聞きますと、私、できるだけゼネラリストとしていろんな疾患を対応しようと思っていますが、例えば歯科、さすがに私、歯科は診れませんので、これだけ負担が増えると、まず抑制するのはやはり歯科領域なんですよ。  先ほどもそうですが、いわゆる、今、健康寿命、口腔ケア、摂食、嚥下、この分野をやはり削っていくケースが多いんです。  先ほど長妻委員、朝ですね、死亡率の話をしていましたが、これは健康寿命を侵されると。この受診控えによって、やはり間違いなく健康への影響が出てくる。  これは死亡率のみならず、先ほど死亡率の変化でやりましたが、これは介護度なんです。窓口負担が上がった場合、これは間違いなく私、タイムラグはあると思います、一年、二年と。介護度の重度化、認知症の悪化、これは間違いなく起きると思いますよ。  これは過去の例で、こういう調査はやられておりますか。窓口負担が上がった後、これは先ほど死亡率。死亡率が上がったら大変なことですが、一方で、これは後期高齢者の方であれば、介護度の重度化、負担が上がった後、また認知症の悪化、こういった調査はされたことがありますか。
  240. 田村憲久

    田村国務大臣 なかなか難しいのは、自己負担を引き上げたことと要介護度と。一方で、今、要介護度は、一生懸命それぞれの自治体で御努力をいただいて、要介護度を引き下げる、若しくは要介護認定率を下げるという御努力をいただいてきております。  でありますから、一定の定点で見るわけにはいきませんし、それによって以外の部分もございますので、いつも、これによって健康の状態がどうなるんだという話と同じように、なかなか負担割合だけをもってして要介護度がどうなっているか、要介護認定率はどうだというのは、分析は難しいというふうに思っております。
  241. 中島克仁

    ○中島委員 もうちょっと、姿勢の問題だと思いますよ、できないとすっぱり切って、それは難しいですよ。それは難しいのは分かります。  ただ、アメリカのランド研究所の、それは比較する土台が違うかもしれませんが、あれだけの労力をかけて、やはり、この先だってこういう検討をしなきゃいけないときもある。やれない論ばかり言わないで、やれる方法を考えていただきたい。  そして、やはり、先ほどもそうですが、後期高齢者皆さん、本当にこの新型コロナウイルス感染下で、前も言いましたが、施設に入所されている方は面会も家族とできない、そして御自宅に、ある意味通所にも行けないので、間違いなく認知症の悪化は起きていますよ。  でも、この調査、先日、大臣に調査をお願いしますと言ったら、これは何と今年度末。今年度末ですよ。いや、もう現在進行形で起こっていますよ。プラス、幾ら令和四年十月といえ、まだまだ新型コロナウイルス感染症の状況が、あと一年後にどうなっているかも全く見通しが立たない、こういう状況の中で、やはり、しっかりとしたベースとなる調査はやるべきだと思います。令和四年の十月なら。  それまでの間にやれる方法を考えて、これはアメリカよりもやりやすいはずですよ、受診抑制による健康への影響調査、これは是非、改めて、やるべきだと。  それで、二木先生が二つ目のポイントを挙げられていたのは、医療には受益者負担原則は適用すべきではないということも挙げられておりました。  立憲民主党議員立法提出者にお尋ねをいたしますが、受益者負担原則医療には適用すべきではないということについてどのようにお考えになるのか、お尋ねいたしたいと思います。
  242. 西村智奈美

    ○西村(智)議員 日本福祉大学名誉教授の二木立先生からは、患者が医療を受けることで得る受益とは、病気から回復、改善すること、つまりマイナス状態から正常状態に近づくことであって、消費者が一般の物やサービスを利用して得るプラスの利益、満足感とは全く異なると述べておられました。  私たちも、二木先生のお考えに基本的に賛同します。  政府案の窓口負担の引上げは、コロナ禍において、病気の方に更に負担お願いするものであり、既に顕著な受診抑制に拍車をかけることとなるため、症状の重症化を招くおそれがあります。病気の方々を、二木先生がおっしゃるマイナス状態から更にマイナス状態に陥らせることになってしまいます。  そのため、私たちは、コロナ禍においては、窓口負担割合は原則一割を維持すべきであると考えます。  一方で、私たちが提案している保険料の賦課限度額引上げは、病気の有無にかかわらず負担を分かち合うというものです。政府案のような受診抑制を生じさせることはなく、病状の重症化を招くおそれもないということです。
  243. 中島克仁

    ○中島委員 同じ質問を大臣にしようと思ったんですけれども、多分同じ答えしか返ってこないので、いいです。  よく分かりました。  続けて、立憲民主党案について、確認をもう一点させていただきたいと思うんですが、この立憲民主党案の経費について、立憲民主党案では、令和四年度における経費として約二百三十億円が計上されておりますが、どのような根拠に基づいて算定されているのでしょうか。
  244. 西村智奈美

    ○西村(智)議員 本法案は、特別調整率を加えて令和四年度における後期高齢者負担率を算定することにより、現役世代の負担を約七百二十億円、これは政府案と同程度でございますけれども、軽減しようとするものでございます。  この約七百二十億円につきましては、まず、後期高齢者医療における保険料の賦課限度額を現在の六十四万円から八十二万円程度に引き上げることにより、約四百三十億円の保険料収入の増加を見込んでおります。残りの約二百九十億円につきましては、中低所得者の保険料負担が増えることのないよう、後期高齢者医療広域連合が中低所得者に対して保険料の減額措置を行い、その減額に要する費用を国が負担する仕組みを設けております。  一方で、本法案による特例的な後期高齢者負担率の算定により、現在国民健康保険が負担している後期高齢者支援金の中に入っている約六十億円の国費の負担がなくなることになります。そこで、本法案では、中低所得者への保険料減額措置として、国が負担する約二百九十億円から約六十億円を差し引いた約二百三十億円を国費負担として計上したところです。  以上です。
  245. 中島克仁

    ○中島委員 ありがとうございます。  算定根拠も大変明快、明確だということもよく分かりました。加えて、この賦課限度額を引き上げることは、保険料の納付意欲をそがれるのではないか、また、保険料は、後期高齢者広域連合が条例で決めるものであって、想定どおりにいかないのではないかという懸念に対しては、どのようにお考えでしょうか。
  246. 西村智奈美

    ○西村(智)議員 二点、御質問いただきました。  まず一点目の、賦課限度額の引上げは保険料の納付意欲をそぐのではという御懸念についてお答えいたします。  本法案は、後期高齢者医療における現役世代の負担の軽減を図るため、後期高齢者の中でも特に高所得の方々に、これまでよりも多くの保険料の負担をいただくものであります。更なる負担お願いするに当たっては、医療保険制度を持続可能で安心できるものとしていくため、現役世代の負担の軽減を図ることが喫緊の課題であるということについて、丁寧に説明していくことにより、対象となる方々に御理解をいただくことが重要であると考えております。  次に、二点目の、各広域連合で保険料の引上げが想定どおりに行われないのではという御懸念についてお答えします。  委員御指摘のとおり、本法案では、各広域連合の条例の内容を縛ることはできませんけれども、各広域連合は、現役世代の負担軽減を図る観点から定められる特別調整率を加えて算定された後期高齢者負担率に基づいて保険料の見直しを行うこととなります。保険料の賦課限度額が引き上げられれば、各広域連合は、それを踏まえて必要な保険料を確保するため、保険料の引上げを講じるとともに、先ほど申し上げた中低所得者に対する保険料の減額措置を講じるものと考えております。
  247. 中島克仁

    ○中島委員 ありがとうございます。  ちょっと時間がないので、もう一点確認いたしますが、政府案は、殊更現役世代の負担軽減を強調します。一方で、立憲民主党案は、軽減できる現役世代の負担減は、公費の充当と合わせ、政府案と同等の約七百二十億円としています。  この公費を投入するということで現役世代や将来世代の負担を増やすことになるのではないかという懸念に対しては、どのようにお考えでしょうか。
  248. 西村智奈美

    ○西村(智)議員 先ほど申し上げましたけれども、本法案では約七百二十億円の現役世代の負担軽減を図る一方で、約二百三十億円の国費負担を見込んでおります。  しかし、本法案における後期高齢者負担率の特例や中低所得者の保険料の減額措置の費用を国が負担する仕組みというのは、コロナ禍における当分の間の措置として行うものでありまして、将来にわたりこの法案のスキームによる公費の投入を続けていくことは考えておりません。  将来的には、まさにこの委員会でもずっと議論されております医療費の動向、窓口負担割合の引上げによる受診機会への影響や各世代の負担能力等をしっかりと見極めた上で、高齢者医療保険制度が持続可能で安心できるものとなるよう、必要な施策が講ぜられるべきであると考えております。
  249. 中島克仁

    ○中島委員 新型コロナにおける当分の措置ということで、冒頭にも言ったように、今、新型コロナ再感染拡大、これはもしかすると第三波よりも大変状況は逼迫する可能性がある中で、この新型コロナウイルス感染状況下で、立憲民主党案が、現役世代の負担軽減にも、また、重症化リスクの高い、不安におびえる高齢者にも配慮した、現状においてベストな内容だと改めて強く思いますし、恐らく、大岡先生や伊佐先生も御賛同いただけるのではないかなと強く感じるところでもございますし、その他の委員の方も、我が党案が現状に即した非常にベストな法案だと。何なら大臣、もうぱくっていただいて結構ですから、是非大臣、御賛同いただきたいと思います。ちょっとコメントをいただきたかったんですが、時間がないので。  法案審議は続く、今日は採決じゃないということがはっきりしましたので、また来週、引き続きこの後期高齢者、また我が党案についても、もっともっとアピールしていきたいと強く思います。  大阪の感染状況について、あと二分しかございませんが、大臣、私、一月の感染拡大、三万人以上の方が確認をされ、自宅で療養、そして、医師に受診どころか相談も薬も出されていない、その経過の途中でお亡くなりになる方が多数いた、二度とこういう状況を招いてはいけないと繰り返し申し上げてまいりましたが、現在、大阪において、感染確認され、自宅で療養されている方、また、宿泊療養所におられる方は今何人でしょうか。
  250. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  大阪府において、昨日、四月二十二日時点で自宅療養されている方は九千二百二人、宿泊療養されている方は千四百五十七人であると承知しております。
  251. 中島克仁

    ○中島委員 これはもう一万人ですよ。一万二千人です。これは、変異株の脅威、感染力もさることながら、若年化、若しくは重症化。現場の先生に私も話を聞いていますが、間違いなく、これはエビデンスがどうたらということよりも、現場の感覚です。  そして、その二〇%が重症化すると言われているんです。もう一万二千人を超えていて、そして、大臣、度々、私は二度とあの一月のような状況を招いてはいけないと。八人ですよ、三月以降。恐らく、現在進行形でそれに命がさらされておる。  大臣、そういう事態を招かないために、医師会などに委託をして自宅療養している方の観察をすると言っておりますが、この一万二千人、宿泊療養、御自宅にいる方は約一万人ですけれども、この方々は今医師の観察の下におられるということでいいんですか。
  252. 正林督章

    ○正林政府参考人 その点については把握できておりません。
  253. 中島克仁

    ○中島委員 何ですか、それ。大臣、私、何度も何度も繰り返し言ったじゃないですか、こういう状況、一月のときのような状況は絶対に招いちゃいけないと。  そうしたら、大臣、医師会等に委託をして、御自宅におられる方の健康観察、もう保健所の皆さんの仕事じゃないですよ。何ですか、知らないって。だって、大臣、そういう状況は二度と招かない、医師会等に委託をして、在宅患者さんの健康観察は医師が必ずやるとおっしゃっていたじゃないですか。何ですか、知らないって。どういうことですか。
  254. 田村憲久

    田村国務大臣 現状、まだ、どれぐらいおられるかというのは把握を全てし切れていないんだと思います。これは大阪府から確認しないと、我々厚生労働省ではなかなか分からない。  それで、これも含めて、三月二十四日に、こういうこともあり得ますから、ですから、通知を出させていただいて、前回の倍、これは一つの目安だとは言いましたけれども、感染者が出た場合にも、多分在宅の対応になりますから、そのときには、健康観察を委託できるように体制の整備をお願いします。  事実、今、大阪は一月の大体二倍になっております。でありますから、その対応をお願いいたしたいということで我々もお願いいたしてきておりますし、今、病床に関しては、国を挙げて看護師等々の確保、これをさせていただいて対応させていただいておるということでありますから、これからも、密接に大阪の現状をお聞かせをいただき、私も、アドバイザリーボードで大阪の担当者の方々、オンラインでのいろんなお話もお聞かせをいただいておりますから、しっかりと大阪の御支援を我々としてはしてまいりたいというふうに考えております。
  255. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 中島克仁君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
  256. 中島克仁

    ○中島委員 全く答えていないし、本当に危機感が足りないですよ。  だったら、私は何度も言っているじゃないですか。間違いなくこういう状況になり得たことは、もう大分前から分かっていた。これから、東京だってそういう状況になりますよ。本当に人災ですよ。だから、私、科学的エビデンスを取っ払えと言っているわけではなくて、安全性が確立されているイベルメクチン等、そういう薬も用いながら、ちゃんと東京医師会は、だって、そういう方針を示しているじゃないですか。こういう対応を。  また同じことを繰り返しておる。これは本当に不作為の連続です。これが招いた第四波と、救える命が救えない。これを何とかしなければいけないし、そのさなかに、この後期高齢者の二割負担増法案の議論は……
  257. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
  258. 中島克仁

    ○中島委員 国民の理解は得られないということを申し上げて、質問を終わります。
  259. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、川内博史君。
  260. 川内博史

    ○川内委員 川内です。  大臣、よろしくお願いいたします。役所の皆様、お願いいたします。尾身会長、よろしくお願い申し上げます。  今、中島先生の議論、最後のところで話題になっておりましたけれども、大阪の状況ですね。大変心配をされるわけですけれども、途中で尾辻議員から自宅療養で三月に八人亡くなっているという発言が出たんですけれども、私も、ちょっと正式に政府からお聞かせいただこうということで御通告を申し上げさせていただいているわけですが、大阪府で、自宅療養者、ホテル療養者の中で、三月、四月、現時点まで、残念ながら亡くなられた方々の人数を大阪府に聞いて御答弁くださいというふうに申し上げてございますが、いかがだったでしょうか。
  261. 正林督章

    ○正林政府参考人 今日、午前中に先生からそういう通告を受けましたので、先ほど、急遽、大阪府に照会をいたしました。  把握した限りでは、死因調査中を含め、新型コロナウイルス感染症関連死として、自宅においてお亡くなりになった自宅療養中の方は三月一日から四月の二十一日までで六人、宿泊施設で宿泊療養中にお亡くなりになった方はゼロ人とのことでありました。
  262. 川内博史

    ○川内委員 六人の方が自宅療養中に亡くなられたということでございます。自宅療養をしていて亡くなるというのは、急変をして亡くなるということであろうというふうに思いますが。  今、正林健康局長さんは、午前中に言われたので急遽聞いたら六人だったと。新聞の記事では、兵庫県では、神戸市、自宅待機中の患者死亡相次ぐということで、二日連続で、御自宅にいらっしゃる方が亡くなられたというふうに報道されておりますが、兵庫県の状況などは、そうすると、厚生労働省としては把握しておらないということですかね。
  263. 正林督章

    ○正林政府参考人 今は把握しておりません。
  264. 川内博史

    ○川内委員 大臣、これはゆゆしき事態だと思うので、早急にこの体制を改善して、どういう状況になっておるのかということ、変異株は感染力も強い、そしてまた、強毒性もやや、ややというより大分強いというふうに言われておりますので、その辺の全国の状況をしっかりと厚生労働省としても今後把握をするということでよろしいですか。
  265. 田村憲久

    田村国務大臣 感染拡大しているところが中心になると思います。毎日といいますとちょっと負荷が、現場も今大変でございますので難しいと思いますが、一定期間でお出しをいただくようにお願いさせていただきたいというふうに思います。
  266. 川内博史

    ○川内委員 そこで、今度また更に心配なのは、インド変異株という、二重に変異した株がインドでは大流行をしている。日本でも、昨日、加藤官房長官から、国内で五人、その変異株の方が判明をしたというふうに官房長官が会見で発言をされているわけですが、国内で五人というのは、委員長、気になりますよね。国内のどこで五人感染が判明したのかということを、事実関係を教えていただけますでしょうか。
  267. 正林督章

    ○正林政府参考人 インド株についてですけれども、まず、四月の十六日にWHOの定例会見で、インドから報告されている変異株、B1・617について、二か所の変異、これはEの484QとそれからLの452Rが確認されること、それから、昨年末にインド国内の二州で初めて確認されて以降、インド国内でこの変異株患者の割合が増加していること、また、一般的に、この二か所の変異が免疫、ワクチンの効果や感染性に影響を与える可能性があることなどの見解を公表したことは承知しておりますが、現時点で、この変異株が感染拡大に影響を与えるとの知見は得られておらず、懸念される変異株、VOCと呼んでいますけれども、や注目すべき変異株、VOIと呼ばれていますけれども、そういった取扱いにはなっていないと承知しています。  これらの変異はゲノム解析により検出することが可能であり、国立感染症研究所によると、我が国ではこのインドで報告された変異株が計五件、見つかった場所ですけれども、空港検疫で四件、それから国内事例で一件が確認されています。  現在、国立感染症研究所においてこの変異株に関する情報収集、評価、分析を進めており、取りまとまり次第、お示しする予定であります。
  268. 川内博史

    ○川内委員 今のところ、当局としては、このインド変異株については、その感染性、強毒性についてWHOも特に言及をしているわけではない。ただし、国内事例が一件。この方は日本人ですね。
  269. 正林督章

    ○正林政府参考人 国籍は公表していないと思います。
  270. 川内博史

    ○川内委員 いずれにせよ、市中感染がこのインド株においても、最初は一人から始まるわけで、感染が拡大が懸念をされる。これも注意をして見ておかなければならないだろうというふうに思います。  そういう中で、緊急事態宣言が発出をされるわけでありますけれども、私は、政府がオリンピックのために聖火リレーをやり、密をつくり、そしてまた、バッハさん、関係ないとはおっしゃっているけれども、バッハさんの来日前に緊急事態宣言の期限をセットするということで、ところが、国民には、ゴールデンウィーク、どこにも行かないでくださいと。ちょっとあんまりじゃないかなというふうに思うんですよ。  しかも、関東では東京だけという、付近の、周りの県は蔓延防止措置だということになっているわけですけれども、さっぱり意味が分からぬ。何をしたいのか。  関東で東京だけというのは、いいんですか、尾身会長。
  271. 尾身茂

    尾身参考人 関東の三県ですよね。これについては今重点措置がかかっていまして、と同時に、東京とその周辺の三県は感染状況がかなり違いまして、三県については今のところステージの4にいっているというふうには判断していません。したがって、三県については、重点措置という新しいツールができたわけですから、それを徹底的にやっていただきたいと思います。東京の場合には、今日、こういうことに、恐らく政府対策本部でなると思いますので。  そういうことで、緊急事態宣言と重点措置という言葉は違いますけれども、しっかりやるという意味では同じなので、しっかりとやっていただきたいと思います。
  272. 川内博史

    ○川内委員 尾身会長も、だんだん、一年たって政治家みたいになられて。私は、科学者としての良心をもうちょっと、しっかりと国民に伝わるように御発言いただきたいと思うんですけれども。蔓延してから蔓延防止措置、ああ、大変だとなってから緊急事態宣言ということでは、本当に国民の心配は収まらぬと思うんですよ。  今回、人流を抑えるためと。人流を抑えるためといって、百貨店、商業施設、スポーツイベント、休業要請をかけるわけですね。じゃ、昨年の年末、我々がさんざん、GoToトラベルはちょっと考えた方がいいんじゃないでしょうかと申し上げていたときに、いや、人の移動では感染は拡大しませんから、人の移動だけで感染が拡大することはありませんからと尾身会長はおっしゃっていらっしゃいましたけれども、今回は人流を抑制するために休業要請、商業施設やイベントに発出をする、デパートにも発出する。  これは大変な経済的な打撃になるわけですけれども、それを今回はいいよというふうに専門家の会合も判断したということなんですね。人が移動するだけでは感染は拡大しないのだという考え方を変えたということでよろしいですね。
  273. 尾身茂

    尾身参考人 まず、私の発言を、政治家という話ですけれども、議事録を見ていただきたいと思いますけれども、私は、ずうっとこの一年、科学者として発言してきたつもりでございます。  それから、人の移動については、去年、これもどこかで私は、恐らくあれはGoToのときだと思いますけれども、人が旅行することだけでは感染はしないけれども、それによって飲食の場とかということで申し上げたので、私は、人の移動が原因だとか、切り取られるということが時々、これは私の表現の拙さのこともあるかもしれませんけれども、人の移動が、GoToをやったときも、実は、GoToをやれば人の接触が増えるということで、我々はかねてから、なるべく早くということで、これだけは申し上げたいと思います。  それから、飲食店のこと等は、状況は変わっております。今の状況はどういうことかというと、幾つか重要な点があって、例えば商業施設を今回閉めるということは我々も賛成しました。  その心は、まず一つは、明らかに変異株の影響というのが今回新しく出てきた現象でございます。それから、委員御承知のように、東京を中心に非常に感染が厳しくなっている。それから、大阪ではもう医療の逼迫が起きているということ。それから、全国的に感染が拡大しつつあるということ。それから、感染の場が、去年の第二回のときは飲食を中心に感染が広がっているということが分かっておりました。しかし、今回にはもうこれが、職場、学校、カラオケ、施設、家庭等、言ってみれば、地域の中で感染がしやすいという状況が来ている。  その上に、これは人々の心理学的な、私どももそうですけれども、この一年やって、なかなか、慣れてくるし、もうそろそろ解放されたいという気分は私自身もあります。そういうこともあって、多くの人は協力をしていただいていますけれども、一部の人々の感染対策が必ずしも期待されているほどでないということも事実ですよね。そういう今現実があるわけです。  変異株があって、しかも、比較的若い人でも重症化する、感染しやすいだけじゃなくて。そういうことを踏まえると、今やりたいことは何か、今やるべきことは何かということを一言で言えば、私は、人と人の接触を軽減するということであります。  したがって、その目的のためには、いわゆる商業施設というものも、あれば、どうしても人は、私自身も行きたいと思う、これは人間の心情ですよね。そういうところが開いていれば、人々は行きたいという気持ちがありますよね、これは誰のせいでもない。  そういうことをなくして、人と人の接触を絶たないと今の状況を改善することができないので、今回は、必ずしも商業施設で感染が起きている、しょっちゅう、毎日起きているというわけではないですね、という哲学があって、今回は、そのことについては私たちは賛成をいたしました。
  274. 川内博史

    ○川内委員 大変立派な尾身会長に、私みたいな本当にぽんこつがこのようなことを申し上げるのは大変口幅ったいわけでありますけれども、お許しいただきたいと思います。私も危機感を持っていますからね。だから、尾身会長にしっかりしていただきたいのであえて申し上げますが、三月末に本委員会で大阪の感染状況について問われて、尾身会長は、変異株じゃない、宴会だ、会食だとおっしゃったんです。  私もばかじゃないですから、一般的に人が移動すれば感染が拡大するねということは分かっています。だから、今回の措置についても分かりますよ。  だから、だからこそ、政府は、政府の偉い人たち、幹部は、政治家は、やはり経済のことを考えるので、どうしても判断がちょっとずつ遅れがちになってしまっているのではないかというのが、この間のみんなの反省だと思うんです。  そこで、尾身会長らの専門家が、やはり歯にきぬ着せずに、言うべきことを前々に言っていただく、こうだと。大阪は変異株が心配ですよということをおっしゃっていただく。対処してね、経済のことはちゃんと補償してねというのは我々与野党が、与野党で協力してやるわけですよ。そこを尾身会長には是非お願いをしておきたいというふうに思います。  尾身会長、私の演説を聞いていただいてありがとうございます。それでは、お仕事に戻られてください。ありがとうございます。  田村大臣。人流を抑えましょうと、ある一定期間。理解しました。しかし、一番大事なのは、やはり、検査することだし、そして保護することだし、そして医療の体制を整えるということだというふうに思うんです。  先ほど、大阪の、これも自宅療養者が九千二百名、ホテル療養者が千五百名という御答弁があって、約一万二千名の方が病院に入れていない、重症ベッドももう足りなくなっているということでありますけれども。  緊急包括支援交付金ですね、四兆六千億措置されたわけですけれども、病院まで予算が執行されている額は現時点においてお幾らでありますか。
  275. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  御質問いただいた緊急包括支援交付金については、二月二十八日時点で、医療機関等から都道府県への申請額は約一・八兆円で、このうち都道府県から医療機関等への交付済額は約一・五兆円であります。
  276. 川内博史

    ○川内委員 四・六兆円の予算のうち、結局まだ一・五兆円しか病院に行っていないわけですよ、三兆円行っていないんですよ。  これも繰り返し私は申し上げていますけれども、大臣、こういうことをしたら幾ら交付しますよ、この事業をやったら幾ら交付しますよとメニューが細かく分かれ過ぎていて、今そんなことをやっている場合じゃないということなんです。大臣、ちょっと聞いて。  例えば、私の親戚の病院でも、保健所から受け入れてくださいよと言われて、分かりましたと。民間病院ですよ、受け入れてくださいよと言われて、分かりましたといって、二人患者さんを受け入れるのに、二十の一般病床を閉鎖して二つベッドを用意しましたとこの前言っていたんですよ。  では、一般病床の年間の売上げって、大体、平均的に幾らぐらいになりますか。
  277. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  令和元年度の医療経済実態調査によりますと、これは療養病床等も含みますが、一般病院の百床当たりの入院診療収益は、一事業年度におきまして約十三・三億円でございます。
  278. 川内博史

    ○川内委員 そうすると、百床当たりだと十三・三億円だから、一床当たりだと千三百万円ですね、千三百万円。
  279. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおりでございます。
  280. 川内博史

    ○川内委員 大体、一か月百万円ですわな、委員長。二十ベッドを潰すと、二千万円売上げがなくなっちゃうんですね、一か月、結局。二つベッドを用意しました。だから、コロナの患者さんを受け入れて診療報酬を何倍にしましたよと言われても、それじゃ全く釣り合わないから、民間病院はなかなか受けられないわけです。  では、それをどうやって受け入れるようにすればいいのということを政府としてここでもう一回ちゃんと考えた方がいいよというふうに、多分みんな思っていると思うんですよ。まだ三兆円あるんだから、三兆円。大臣、そう思いません、一生懸命、僕、語っているんですけれども。
  281. 田村憲久

    田村国務大臣 済みません、聖徳太子じゃございませんが、何とか二つは聞けますので。申し訳ありません。  実は、今も、先ほどちょっと聞いてくださいと言ったときに、二月の数字なんですよね。私もこの数字を知っていて、一・八兆円用意して、それが交付決定が一・七兆円、交付済みが一・五兆円なんですよ。もう二か月たっているのに何で同じ数字を言っているんだ、早く出せと、あれから二か月あるからもっと進んでいるはずだというので、今指示を出しましたので、また御報告させていただきたいと思います。  それから、基本的に、空床補償、潰したところに対して一定の補償が、例えば重点化病院ならばそれなりの金額がついているはずなんです。今のお話がどれぐらいつくのかというのは、ちょっと私も試算していないので分からないんですが、ちょっとこれは、こういう場合にはどれぐらい出るか、また委員にはお伝えさせていただきます、計算して。
  282. 川内博史

    ○川内委員 だから、幾ら執行されているのかというのはファクトで教えてくださいと言っただけで、本質じゃないんですよ。  要するに、民間病院でも患者さんを受け入れやすいように、そして、せっかく国会が議決して予算を用意したわけですから、その予算を有効に使って、民間病院が患者さんを受け入れやすいように、結局、空床補償で、こうこうこうして、こうしてこうしたらこうですよみたいなことではなくて、受け入れるよと言ったところにはどかんどかんどかんとお金をつけて、医療従事者の処遇を含めて、しっかりと、何も心配ないから受け入れてねという、国がそういう分かりやすい制度を仕組む必要が、こういう状況の、変異株の中で、あるのではないか、緊急にあるのではないかということを申し上げさせていただいたというところでございまして、是非、聡明なる、賢明なる田村大臣ですから、私の意を受け止めていただいて、御検討いただけるものというふうに勝手に理解をしたいというふうに思います。  ここで変な答弁をもらってもしようがないですからね。(田村国務大臣「ちゃんとした答弁なんですけれども」と呼ぶ)ちゃんとした答弁を言う、はい、どうぞ。
  283. 田村憲久

    田村国務大臣 ということでしたので、重症化病床に、先ほど言った一千九百五十万、それをばんと、重症病床を一つ用意したよと言ったら、それで一千九百五十万ということを年末やらせていただいたというのが、まさに委員がおっしゃられる、前々から言われていますから、そういうものも我々も勉強させていただきながら、そういうことをやらせていただいたということであります。
  284. 川内博史

    ○川内委員 だから、重症化病床はそうだけれども、要するに、今問題なのは、重症から回復した人が転院して回復するまでいる病院がなかなか見つからないねとか、そういうことを、全体の体制を申し上げているわけで、そういう重症化病床だけではなくて、全体の体制をしっかり考えてねということなんですよ。どうですか。
  285. 田村憲久

    田村国務大臣 転院のところには、加算三倍、三倍じゃない、六倍か、六倍というのをやりましたが、なかなか進まないということも含めて、私も問題意識を持っているんです。ですから、どうあるべきかというのは、これは財務省との関係もありますから私も軽々なことは言えませんが。  我々も、要するに、うまく患者の方々が移動していただかないと、せっかくある病床が有効に使えないんですよね。ですから、この後方支援も含めてちゃんと対応できるようなことを考えていますので、委員のおっしゃっておられることは我々も本当によく理解させていただきながら、参考にさせていただきます。
  286. 川内博史

    ○川内委員 もうここで私の残り時間があと七分ということで、法案審議が全然できないんですよ、委員長。やはり、こういう状況ですから、これは仕方ないですよね。  だから、法案審議も我々はちゃんとしなければならないし、来週、本当に、後期高齢者皆さん負担を増やす法案ですから、十分な議論を是非是非ですね。さっき委員長職権の話もありましたけれども、委員長、日本をよろしくお願いしますよ、本当に。是非十分な審議時間をお取りいただけるようにお願いをして、残りの時間、この法案質疑をさせていただこうというふうに思いますけれども。  先日、宿題になっておりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案、この法律案が完全施行された暁に必要となるシステム投資額の所要について、分かる範囲で概算を教えてくださいということを申し上げておりました。いかがなりましたでしょうか。
  287. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  先日の質疑で宿題をいただきました。  まず、窓口二割負担の見直しに当たりましては、負担割合の設定とかあるいは配慮措置につきまして、国が構築いたします広域連合の標準システムそれから関連するシステムの改修が必要です。  このための経費ということでございますけれども、やはり実務を担う広域連合と十分に調整した上で実施する必要がありまして、金額を現段階で示すのは難しいわけでございますけれども、参考といたしまして、後期高齢者医療制度における過去の制度改正でどれぐらいかかったかといいますと、後期高齢者医療制度の創設時の広域連合の標準システム等の開発費用は三十三億円程度でございました。  また、高額療養費の上限額の変更、これは平成二十九、三十年度に行いましたけれども、これに伴う広域連合の標準システム等の改修費用として五十七億円程度となっております。  こういった金額が参考となるものと思います。
  288. 川内博史

    ○川内委員 これは、この法律案の中の後期高齢者医療制度に関わる部分についての過去のシステム投資の額が三十三億と五十七億。これは、開発して、保守、運用も大体毎年同じぐらいの金額がかかっていきますので、そうすると、今回も何十億というお金が毎年かかり続けるということになると。  これは、この法律案一つの事業だけですね。では、この法律の中でシステム投資が必要な他の事業というのもたくさんあると思うんですけれども、網羅的に挙げていただけますか。
  289. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  今回の改正でシステム改修を要するものでございますけれども、一つは、四十歳未満の事業主健診情報の活用に向けたシステム改修、それから、国保制度における子供に係る均等割保険料の減額措置の導入に向けたシステム改修、それから、生活保護のオンライン資格確認のシステム改修、こういったものがシステム改修が必要なものと思います。
  290. 川内博史

    ○川内委員 このシステム改修に係る経費というのは、財源は何なんですか。
  291. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 今申し上げたものにつきましては、過去の類似のシステム改修経費としては、一定の国費での補助を行っております。  ちなみに、特定健診につきましては、平成二十九年度に、特定健診、保健指導のデータの国への報告あるいは健診費用の決済に必要なシステム改修等の費用として三十六・一億円を補助いたしました。また、国保関係でございますけれども、令和二年度に、平成三十年度の税制改正に伴います対応といたしまして、国民健康保険の市町村事務処理の標準システムの改修費用として二・七億円を補助したことがございます。
  292. 川内博史

    ○川内委員 国費という、要するに、一般財源で補助したり、システム構築をしたりするわけですよね。だから、様々な、この法案の実現のために、恐らく三桁億円のシステム投資が必要になる。そして、それは毎年かかり続けていくであろうということで。  事業の経費、費用対効果というものをしっかり考える上では、今後、こういう法律厚生労働省はシステムの塊ですから、法案と同時に、システムの投資にどのぐらいかかるのかということも概算で委員会審議に供していただきたいというふうに思いますけれども、その辺、大臣、いかがですか。お約束いただけますか。
  293. 田村憲久

    田村国務大臣 先ほど、よく似た事例でこういうものがあります、そういう説明ではございましたが、実際それがどれぐらいかかるかというのは、ちょっとやはり時間がかかるから、リードタイムといいますか、法案が通ってからでもやはり一定期間、準備期間が要るので、そういう意味では、なかなか言われている、委員が求められているような、金額といいますか、オーダーのものが出せるかというと、ちょっとやはり、物によって出せるものもあるかも分かりません。でも、難しいものはやはりなかなか難しいということは御理解いただければというふうに思います。
  294. 川内博史

    ○川内委員 なるべく努力して、多分与党先生方もみんなそうだと思うんですけれども、大体どのぐらいかかるのというのはやはり知った上で議論していくということが必要なんじゃないかというふうに思います。  最後の質問なんですけれども、長瀬効果について、先ほど長妻先生との間で議論になったんですけれども、二・六%というのは、高額療養費制度がフルに利用された場合、更に配慮措置がフルに利用された場合というのを前提としている。これまで大臣は、二・六%の数字をおっしゃるときに、これは高額療養費配慮措置がフルに利用された場合の数字だよということはおっしゃっていらっしゃらなかった。  前提条件をおっしゃっていらっしゃらなかったということに関しては、前提条件言わなくてごめんねと、そこはちょっと、ごめんね、言わなかったよということは、やはりここで、最後、言ってくださいよ。そうじゃないと、長妻先生も引き下がれませんよ。どうですか。
  295. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いいたします。
  296. 田村憲久

    田村国務大臣 別に長妻先生から聞かれているわけではないんですけれども。ただ、これはスタートしたときという意味で申し上げたんですが、誤解も招きますから、実際問題、この配慮措置がなくなった後は違う数字が出てくるということは事実でございますので、そういうことは正確に私も申し上げるようにいたしたいと思います。
  297. 川内博史

    ○川内委員 前提を言わなかったことは悪かったね、ごめんねと、それぐらいなら、人間として、ちゃんと言ってくださいよ。
  298. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、田村大臣、簡潔に答弁お願いいたします。
  299. 田村憲久

    田村国務大臣 川内委員には、本当に、しっかりとこれが説明できなかったことをおわびを申し上げたいと思います。
  300. 川内博史

    ○川内委員 終わります。
  301. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。     〔委員長退席、門委員長代理着席〕
  302. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  緊急事態宣言に関わって幾つかお伺いしますが、今、雇調金の特例措置がありますけれども、これがどうなっていくのかというのがあるわけですね。これは当然、緊急事態宣言ということですから、縮小せずに続けるということになるのかということと、あともう一点は、休業支援金の対象期間、これも四月末となっているんじゃないかと思いますが、当然これも延ばされるということでいいですよね。
  303. 田村憲久

    田村国務大臣 申し訳ないんですけれども、これは先ほど総理も申し上げたと思いますが、まだこれは決まっていないわけでございますので、私から現時点で何とも申し上げられないということで、御理解いただきたいと思います。
  304. 宮本徹

    ○宮本委員 これだけ強い行動制限を国民の皆さんお願いをする、事業所にも休業要請、時短要請するということになったら、当然、働いている方々に対しても影響が出るわけですから、当然、今までの措置を縮小したりというのはあり得ないということですから、心の中ではもう決まっているんでしょうけれども、しっかり対応していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  もう一点、これは私は何度も申し上げておりますが、感染経路について国民の共通認識にしていく努力というのが感染対策の基本の土台になると思うんですよね。  今日、資料をお配りしておりますが、これは四月七日に厚労省が出した事務連絡であります。「新型コロナウイルス感染症の治療を行う場合の換気設備について」というのが一枚目にありまして、二枚目、三枚目がこれを出す根拠になった資料ということで、研究を行って、病院の大きなクラスターについて、三ページ目のところに結論が書いてありますけれども、エアロゾルによって感染が発生したと断定することはできないがと言いながらも、ちゃんと換気ができていればクラスター感染の状況が異なった可能性は否定できないということで、限りなくエアロゾル感染だろうということで、こういうのが出されたわけでございます。A病院、B病院、C病院、D病院、E病院とありますけれども、私はダクトを通っていっているのかなという話を去年したと思うんですけれども、これを見たら、廊下を伝っていっていたというのがこの研究結果ということなんですね。  いずれにしても、ダクトもかなりの距離を通るわけですけれども、廊下を渡ってでの短距離エアロゾルじゃなくて長距離エアロゾルで巨大クラスターが病院で発生していったということなんですね。ということは、当然ながら、陽性の方がいて、その方がスーパースプレッダーだった場合は、病院以外でも同じようなことが起きているということだと思うんですよね。  この間、内閣官房のAIプロジェクトなんかの出ている研究なんかを拝見しますと、やはり、スーパースプレッダーの方というのは、唾液のPCRじゃなくて、呼気検体のPCRに大量のウイルスが入っているというんですね。唾液のPCRで見たらほかの人とそんなに変わらないんだ、だけれども、呼気検体をやったら物すごい量のウイルスがあるスーパースプレッダーの人がいるという研究も紹介をされております。  ですから、そういう方がいれば、当然、病院以外もこういう今回厚労省が通知に添付された研究と同じような形で広がっていっているのではないかというふうに思いますので、こうしたものは本当に、これは多分医療機関にはこういうふうに四月に伝わっていったんだと思いますけれども、介護施設も含めて、あるいは厚労省以外のところもしっかり伝わっていくというのが必要だと思いますが、この点、大臣、いかがですか。
  305. 田村憲久

    田村国務大臣 前回も局長から話があったと思いますけれども、よく飛沫なのか空気感染なのかという話でしょうけれども、飛沫だとは思うんです。ただ、その飛沫核に完全に水分が飛んで、空中を浮遊して、長時間浮遊しているというような空気感染ではなくて、マイクロ飛沫というような、要するに、飛沫核に水分が一定程度あるんですけれども、少ないものですから、それなりの時間、浮遊しながら移動していく。だから、基本的に、換気してください、三密を避けてくださいと。  普通、本当のインフルエンザのような飛沫ならば、せきやくしゃみの飛沫だったとすれば、それは換気云々というよりか、すぐ落ちてしまうわけでありますけれども、かなりの時間は私は浮遊している可能性があると思うんです。だからこそ、その証左が換気をよくしてくださいという話でありますから、今言われたとおり、やはり換気をしっかりやって、要するに、そこに浮遊させない、多くのウイルスを吸い込まないというような、そういう対策が必要であろうというふうに思いますので、これはずっと委員がそういうようなことをおっしゃっておられますけれども、私も、結構な時間はそれなりに浮遊しているようなマイクロ飛沫というものが感染源の一つであるというふうには考えております。
  306. 宮本徹

    ○宮本委員 それはそういうことなんです。それを、換気が必要だということではなくて、前から申し上げているんですけれども、厚生労働省の、新型コロナウイルス基礎知識というのがありますよね、ホームページに。あれを見ても相変わらず主な感染経路は飛沫と接触と書いてあるんです。そこにちゃんとマイクロ飛沫、皆さんの言葉ではマイクロ飛沫ですね。マイクロ飛沫は、でも日本の造語ですよね。エアロゾルと私はちゃんと書いた方が専門家の皆さんとか広い人もイメージできると思いますけれども、あるいは、限定された形の空気感染という書き方でもいいと思いますけれども、ちゃんと書くことが私は国民全体が誤解なく対策をやる上で大事だと思いますよ。  換気が大事だというのは、本当になぜ換気が大事なのかというのが伝わるというのが大事なので、実は、診療ガイドラインとかを見ても、基本は飛沫と接触だというのは相変わらずそうなっているわけじゃないですか。  ですから、基本のところにもちゃんと位置づけた方がいいのではないか、この感染経路について、エアロゾル感染についてということを私は一貫して申し上げている。
  307. 正林督章

    ○正林政府参考人 前回も申し上げましたが、今また大臣もおっしゃいましたけれども、飛沫感染とか接触感染というのがあるんですが、今回のコロナの場合、単なる飛沫というと、本当にちょっとせきをした、本当に近距離だけというイメージで、もうちょっと広く拡散しているような感じがする。かといって、空気感染の場合は、本当にこの部屋で一人はしかの方が出たら、もう部屋中に感染者が出ちゃうような強い感染力を持ちますけれども、そこまでのものではない。専門家の間では、その間のような概念でマイクロ飛沫ということで使っています。  そのマイクロ飛沫という言葉はちゃんと厚労省のホームページで出てきていますし、特に、五つの場面の一つがまさにマイクロ飛沫でありますし、図も使ってホームページでは解説したりしていますので、決してマイクロ飛沫を軽視しているわけではありません。
  308. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、基本の感染経路にちゃんと位置づけるべきだ、主要な感染経路に位置づけるべきだというのが私が申し上げていることなんですよ。それは出てきますよ、マイクロ飛沫の言葉も出てきますし。それが余りにもまれであるような位置づけではなくて、それは主要な感染経路の一つだと。私はエアロゾル感染が一番主要だと思っていますけれども、それを是非書いていただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。  それと、あと、ワクチンのお話ですけれども、ワクチンの副反応のことを今日もお伺いしたいと思いますが、今日は副反応の部会がありましたが、新型コロナワクチン接種後で亡くなられた方の数と脳出血になられてしまった方の人数についてお伺いしたいと思います。
  309. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 お答えいたします。  本日、副反応部会合同部会が開かれましたが、前回、お尋ねのありました、四月九日の審議会以降に新型コロナワクチン接種後に死亡として新たに報告があった件数は四件でございます。なお、これらの新たに報告された四件の死亡例につきましては、脳出血を含む出血性脳卒中の症例は含まれてございません。  また、出血性脳卒中につきましては、これとは別に新たに三件が報告されているところでございます。
  310. 宮本徹

    ○宮本委員 分かりました。  前回、この脳出血について、肺炎球菌についてはどれぐらいあるのかというお話を伺いましたけれども、それ以外のワクチンというのはどれぐらい接種後に出ているものなんですかね。
  311. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 お答えいたします。  国内で接種している新型コロナワクチン、それから、前回お答え申し上げました肺炎球菌以外でございますけれども、インフルエンザのワクチンにつきましては、平成二十五年四月以降、累計で、くも膜下出血が一件、脳出血が三件でございます。  また、同じく平成二十五年四月以降の数字でございますけれども、四種類のワクチン、ロタワクチン、Hibワクチン、十三価肺炎球菌ワクチン、DPT―IPVワクチン、これは主に子供が中心でございますけれども、この四種類のワクチンを同時接種した方について脳出血が一件あるという報告を受けているところでございます。
  312. 宮本徹

    ○宮本委員 それぞれの接種人数、分母を教えてもらっていいですか。
  313. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 失礼いたしました。インフルエンザのワクチンにつきましては、済みません、手元の数値が分かれているんですけれども、平成二十七年十月一日から平成二十八年四月三十日までに、接種の延べ人数として五千百四十四万二千三百七十四人で、このうち、くも膜下出血が一件でございます。また、同じくインフルエンザワクチンでございますが、平成三十年十月一日から平成三十一年四月三十日までにつきましては、五千二百五十一万一千五百十人が接種延べ人数でございまして、このうち脳出血が三件報告を受けているところでございます。  済みません、先ほど申し上げました四種類のワクチンを同時接種した方につきましての接種者数については、ちょっと手元にございません。
  314. 宮本徹

    ○宮本委員 前回、肺炎球菌の数字もお伺いしましたけれども、やはりちょっと、比較相対的な話ですけれども、ワクチン接種した方の中で脳出血にその後なる方の人数が高いのかなというふうに思うんですね。ですから、是非このメカニズムは何なのかというのを調べていかなきゃいけないんじゃないか、どういう人が起きる傾向があるのかというのをやはりやっていかないと私は大変不安だなと思いますので、これはよろしくお願いしたいというふうに思います。  それでは、法案について質問に入りたいというふうに思います。  今日、資料で、これは前もお配りした資料ですけれども、四ページのところに、二百万円の方は負担能力があるということをいつもおっしゃられるわけですけれども、余裕があるとはとても言えないという話をこの間してまいりましたが、この政府の単身世帯年収二百万円の方を見ると、二百万円のうち二十五万円が非消費支出、税金や社会保険料ということですね。十二万円残って、非消費支出を除くと百六十三万円で暮らしているということになるのかと思います。それと、前回、立憲の方の質問への答弁で、生活保護の生活扶助と住宅扶助は、東京二十三区、年間で百五十三万円マックスという話がありました。  では、七十五歳以上の生活保護受給者の医療扶助と介護扶助の年間平均額を教えていただけますか。
  315. 橋本泰宏

    橋本政府参考人 お尋ねいただきました医療扶助、介護扶助につきまして、この七十五歳以上の一人当たり年間平均額という形での把握はいたしておりません。  それで、まず医療扶助についてなんですが、平成三十年六月審査分の七十五歳以上の生活保護受給者の医療レセプトの総額、これが平成三十年度の医療扶助実態調査の中で把握をいたしております。これと時点が近いということで、平成三十年七月末時点の七十五歳以上の被保護者数、これは平成三十年度の被保護者調査の中で把握しております。この人数で割りますと、一人当たりの平均額、単純計算で約九万一千円ということになります。これが月額でございますので、仮にこの月額の七十五歳以上の生活保護受給者一人にかかる医療扶助費を単純に十二倍ということで掛け算をしますと、約百九万二千円ということになるところでございます。  ただ、御承知のとおり、医療機関への受診動向につきましては季節による変動がございますので、これは年額ではないということには留意をいただきたいと思います。  それから、介護扶助の方でございますが、これは医療扶助と異なりまして、基本的には、介護保険の自己負担分について給付をするものであります。  平成三十年度の年間総給付額が約八百九十七億円となってございまして、これを仮に介護扶助を受給している人員数で単純に割りますと、一人当たりは二十一万四千円ということになってまいります。  また、介護扶助の受給の有無に関係なく、介護保険の第一号被保険者となります六十五歳以上の被保護者数の数で割り算をいたしますと、八万六千円ということでございます。  ただ、いずれにしましても、介護扶助につきまして、七十五歳以上という形での把握はいたしておりません。     〔門委員長代理退席、委員長着席〕
  316. 宮本徹

    ○宮本委員 もちろん、生活保護の医療扶助や介護扶助を受けられる方というのは、その年代になる前からいろいろなたくさんの病気があって働けない方だとかも入っていますから、金額は当然大きくなるわけでありますけれども、じゃ、年収二百万円の年金で暮らされている方が最低限度の生活保障という生活保護の方と比べて余裕がある金額なのかといったら、私は、決して余裕がある金額ではないというのは今の数字を紹介されてもはっきりしているというふうに思いますので、私は、こういう層から負担増をするのはやめた方がいいと重ねて申し上げておきたいというふうに思います。  それから、よく今回の法案は現役世代の負担軽減のためだという説明政府からやられます。現役世代の負担軽減のためというのはまやかしだという指摘も前回参考人質疑でありました。厳しい指摘がありました。現役世代の負担軽減には、本人負担だけではなく、事業主の負担も含まれます。なおかつ、今回の窓口負担増による給付減の現役世代の負担減に回るのは二割弱だという指摘もありました。  それで、参考人の方がおっしゃっていたんですけれども、現役世代の負担に事業主の負担を含んだ政府の公式文書は今回が初めてではないか、こういう指摘もあったんですが、一体、この現役世代の負担の中に事業主の負担も含めるという使い方というのはいつからやっているんでしょう。
  317. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  これまでの大きな制度改正につきましては、世代間の公平あるいは負担能力に応じた負担を求めることを目的としておりまして、後期高齢者医療における現役世代からの支援金の負担軽減そのものを目的としたものはないものと認識しております。  一方で、これまでの制度改正の財政影響におきましても、現役世代の保険料への影響には事業主負担分を含めてお示ししているのが一般的でございまして、今回の見直しでもそれを踏襲したということでございます。
  318. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕
  319. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 速記を起こしてください。  宮本徹君。
  320. 宮本徹

    ○宮本委員 どこまで質問したのか、あれなんですけれども、現役世代の負担にやはり事業主の負担を入れるというのは、私はやめた方がいいと思いますよ。違うんですから、本人負担と事業主の負担というのは。  それで、ちょっとお伺いしますけれども、今二十二歳の人が八十歳まで生きた場合、あるいはまた九十歳まで生きた場合、今回の法改正の影響によって保険料の負担軽減というのは総額幾らなのか、そして窓口負担の増額は幾らなのか、平均額で示していただきたいと思います。当然、単身で年金が二百万円を超す場合ということで。お願いします。
  321. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  保険料あるいは窓口負担の金額につきましては、加入する保険者、あるいはその保険者における医療費の伸び、所得や世帯構成、本人の疾病の状況等に応じて多様でございますので、お求めのような個人の保険料の軽減額、あるいは窓口負担額の増加額をお示しするのは難しいものでございます。
  322. 宮本徹

    ○宮本委員 何で計算してくれないのかなと思いますけれども。  では、支援金が一人当たり年間七百円減るんだ、これは皆さん数字ですよね。そのうち本人負担は三百五十円だというのは、これも当然そうなるわけですよね。これは何歳まで払うんですかね、現役世代は支援金は六十五までですか、六十までですか。七十まで。
  323. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 支援金でございますけれども、七十四歳までお支払いいただきます。
  324. 宮本徹

    ○宮本委員 七十四歳まで払うということになると、三百五十円掛ける五十二をすれば保険料の平均的な軽減額は出るんじゃないですか。幾らですか。
  325. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 繰り返しになりますけれども、あくまで七百円等は平均でございまして、保険者によりましてその額も変わりますので、個々人単位ではお示しするのは難しいものと考えております。
  326. 宮本徹

    ○宮本委員 だから、平均で出してくれればいいというんですよ、皆さん平均で今まで全部出しているわけですから。出るじゃないですか、三百五十掛ける五十二でぽんぽんぽんと計算すれば。計算していただけませんか。私、ちょっと今電卓が手元にないから。  窓口負担増も出ますよね。例えば八十歳まででは平均三・二万円、皆さん負担が今度の窓口負担増で増えるという計算をしているんですから、八十歳まで生きたらその五年分で、平均でいえば十六万円、九十歳まで生きれば十五年分で、五十万弱というのが出ますよね。  保険料の軽減は、三百五十掛ける五十二年しても、幾らですか、ちょっと暗算ができないんですけれども、ほんの数万の話ですよね。
  327. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 繰り返しになりますけれども、個々の保険料については、なかなか、機械的にそういうふうに試算すべきものではないのではないかと考えております。
  328. 宮本徹

    ○宮本委員 私は計算しましたけれども、三百五十円掛ける五十二というのは一万八千二百円ですよ。ですから、現役世代の負担軽減といっても、今二十二歳の人からしても、一万八千二百円、納める保険料は減るけれども、八十歳まで生きてもその十倍ぐらいの窓口負担増が増えるわけですよ。九十歳だったら、そのうん十倍増える。百歳まで生きればもっと増えるわけですよね。  これを現役世代の負担軽減という言葉で説明すること自体がちょっとミスリードなんじゃないですか。
  329. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 これまで法案の趣旨を御説明申し上げておりますとおり、団塊の世代が急増するに当たり、やはり支援金が急増いたします。その支援金の伸びを一定割合減少するために今回の法案提出をさせていただいているということでございます。
  330. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、現役世代も、人生トータルで見たら、みんな今度の法改正で負担は増えるわけですよ。それを現役世代の負担軽減という言葉を使うのは、私は絶対間違いだというふうに思います。  結局、減るのは国や自治体の負担であり、事業主の負担が減っていく。しかし、個人に特定してみれば、現役世代の負担は、その人の人生トータルでは増えるのが今度の法案であります。それを高齢者か現役世代かという世代間の分断を持ち込むような議論を私はやるべきではないというふうに思います。やはり財源は大企業、富裕層、富める者にしっかり負担お願いする、これこそやるべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。  それから、次の質問に行きますけれども、後期高齢者医療制度の窓口負担の二割の対象について検討した五つのケースがあるわけですけれども、今日、受診行動の変化を長妻さんも議論されておりましたけれども、この五つのケースについて、それぞれ受診行動は、外来入院、何日減るというふうにそもそも計算されていたんですか。
  331. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  昨年秋に、窓口負担割合を一割から二割に引き上げる対象者の範囲を検討する中で、五つの機械的な選択肢を医療保険部会等でお示しして議論いたしました。  長瀬効果でございますけれども、あくまでも給付率の変化とマクロで見た医療費水準との変化について見たものでございます。  いずれの選択肢におきましても対象者の給付率の変化は同じでありますので、受診行動の変化、すなわち長瀬効果影響や、外来入院の減少幅は同じでございます。
  332. 宮本徹

    ○宮本委員 つまり、これは、よく分からないんですけれども、どういうことですか。負担の割合が年収の対象がどれであっても減る率は変わらないということなわけですね。減る率は変わらない、日にちは変わらないということなわけですね。
  333. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 対象者はどこで切りましても給付率は同じでございますので、御指摘のとおりでございます。
  334. 宮本徹

    ○宮本委員 そうすると、何か長瀬効果というのは随分乱暴な計算の仕方ですね。本来、低所得者のところまで負担増を求めたら、当然、低所得者の方が受診控えが起きるというのは、この間、世界の研究でもそうなっているわけですから、随分いいかげんな数字計算しているというのがよく分かりました。  それからあと、もう時間が少ないので、最後にお伺いしますけれども、今日は配付資料でまた一つ国内の先生のものを持ってまいりました。というのも、一昨日、学習院大学の鈴木亘教授の論文を紹介して、受診抑制で糖尿病が悪化するという指摘をしましたら、それはゼロ歳から六十九歳までの分析じゃないか、高齢者には当てはまらないじゃないかと言わんばかりの答弁大臣からありました。  そこで、今日は、九州大学の馬場園先生の論文、医療サービスの受診保障と患者自己負担増を紹介したいと思います。  これはちょっと抜粋ですけれども、資料の六ページ目のところにあるんですけれども、老人保健制度への定率負担導入の影響を紹介するということで、二〇〇一年に老人保健制度に導入された一割負担影響を福岡県のある健保組合で見たものです。高血圧症は受診率が四・五%下がった、糖尿病は八・六%も下がり、それ以降も受診率は回復しなかったということなんですね。  先ほど、午前の質疑を聞いていましたら、高額療養費がない場合の長瀬効果の指数として九・四%ということを言われておりましたけれども、糖尿病なんかは高額療養費にかからない、外来だけならかからない。そうすると、八・六%ですから、先ほど、午前、長妻さんとのやり取りで紹介された九・四%に近い数字が出ているのかなという思いもしながら午前の質疑を聞いていましたが、高齢者では現役世代よりも更に大きな影響が出ているんじゃないですかね。この間の現役世代のやつは高血圧症は下がっていなかったけれども、これは高血圧症も高齢者では下がっているということなわけですよ。  この先生の論文の結論は、明確なことは、経済的な理由により、患者が受診を自ら抑制することが増え、早期発見、早期治療が困難になる傾向があることであると。こういう研究は幾つもこの間やられてきているわけですよ。これは、健康への悪影響というのは窓口負担二割に七十五歳以上を引き上げたら起こるというのは明らかじゃありませんか。
  335. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  御指摘の文書でございますけれども、馬場園さんが、自らが行った自己負担率の変化による受診への影響に関する実証的な研究を紹介したものと承知しております。  具体的には、過去の窓口負担割合の見直しに関連して、経済的理由による受診控えに関する研究、あるいは、御指摘の糖尿病、高血圧の患者の受診行動に与える影響の研究などを紹介しております。  そういう意味では、先日の鈴木先生の論文もございますけれども、鈴木先生の論文では、高血圧についてはむしろ受診率が上がった、糖尿病では下がった。今回は糖尿病、高血圧とも下がった。様々な結論、研究がございます。  ただ、そういう意味では、様々な論文がございますけれども、結論も様々でございまして、そういう意味では、確たるものは、現段階では私どもとして政策的に参考にできる程度の論文はないものと承知しております。
  336. 宮本徹

    ○宮本委員 様々な結論があるというふうにおっしゃいましたけれども、じゃ、お伺いしますけれども、糖尿病の受診率が上がったという論文はあるんですか。負担増したことによって糖尿病の受診率が上がった。ありますか。
  337. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  私どもは網羅的に論文を把握しているわけではございませんので、現時点で御指摘のような論文は承知、把握はしておりません。
  338. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、承知していないのに、様々な結論があるんだということで、先生方の、それこそレセプトを分析したり、患者さんの行動を実際に一生懸命追いかけた研究成果を無視して、健康への影響はないんだと、こういう議論はやるべきではないですよ。  これだけ幾つも幾つも、皆さんは参考にできる論文なんてないんだと言われるから、しようがないから私たちが一生懸命探したら出てくるわけですよ。あるじゃないですか。ちゃんとこうした過去の研究をしっかり皆さんも分析してまとめて、健康への影響があるのかないのかというのをまず明らかにすべきじゃないですか。大臣、何か後ろから、聖徳太子じゃないじゃないですか、やはり。  ですから、大臣、やはりこれは、過去の負担増の例も含めて、負担増が健康にもたらす影響についてまず調べる、これが今やるべきことなんじゃないですか。法案審議は終わりましょうよ。もう、今日、菅原筆頭もいなくなり、採決もなしというふうになったんですから。  もう本当に、私は、ここでいつも質問しながら物すごく悩んでいるわけですよ。大臣法案審議で縛りつけているということに物すごく悩んでいるんですよ。本当にコロナ対策でこんな大変なときに、全力で病床の確保だとかいろいろなことに当たってもらわなきゃいけない大臣が、こんな法案のためにここにいなければならない。  恐らく、私は野党議員皆さんもそうだと思いますよ。本来だったら、コロナ対策で地元からいっぱい聞いている要望を一つ一つ各省庁とやり合って、いろいろ改善を求めたり対策を取ってもらう、そういう仕事をしなきゃいけないときに、この法案を、健康への影響があるんじゃないかとこれだけたくさん論文があるのに、それについては知りませんというまま審議を続けていく。  これはもう大臣の判断でやめましょうよ。コロナを理由にすれば、今、中断して、やめることは可能だと思いますよ。そのことを申し上げます。いかがですか。
  339. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に答弁お願いいたします。
  340. 田村憲久

    田村国務大臣 様々な研究があるのは我々も承知しておりますが、要は、今回、我々は、言われるような健康被害といいますか、必要な受診を控えるような、そういうようなところにはお願いをしないということで、一定の所得の層の皆様方お願いをさせていただき、しかも、導入したときにはどうしても、余り導入のときの負担が増えると、仮に負担ができたとしても、やはりそれは負担が増えた分だけいろいろな抑制がかかるというようなことは往々にしてあり得るかも分かりませんので、そこは経過措置を置いて、そういうような負担が増えたというような感覚をある程度緩和をさせていただきながら、負担能力のある方々に御負担をいただいて、必要な医療も併せて受けていただこうということで提案をさせていただいておりますので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
  341. 宮本徹

    ○宮本委員 経過措置は三年で切れます。そして、受診抑制は必ず起き、健康悪化をもたらす過去の研究はたくさんあります。法案の撤回、審議中断を求めて、質問を終わります。
  342. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  343. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  皆さんお疲れだと思いますけれども、あと少し、まだ少しではないですね、前半の部分がございますので。是非頑張って聞いていただきたいと思います。一生懸命準備してまいりました。  まずお聞きしたいのは、ちょっと順番を変えて、総理にもお伺いした、全国的な医療の融通システムについてお伺いしたいと思います。  先ほどお示ししたとおり、皆さん是非お手元の資料を御覧いただきたいんですけれども、大阪が特に逼迫して、重症者病床数が足りなくなっておりますけれども、全国的に見ればかなりの余裕があるんですね。  これだけの余裕があって、そこに国費が、先ほどの計算で千何百億円でしたか、使われていると。にもかかわらず、都道府県の壁に阻まれて、必要な医療が遅滞なく受けられない方がいるというのは、これはもう、私はそこに国としての責任が果たされていないという部分があろうかと思っております。  私、この問題については、十二月の初旬の当委員会で、田村大臣にも先ほども御紹介したとおり、自治体の枠を超えてお願いしたいというふうに申し上げまして、大臣はこう答弁されております。  委員が今おっしゃったのは、多分、都道府県間という話でありますが、これも、例えば中国五県における広域支援の協定でありますとか、関西広域連合による医療連携、こういう形で融通をしていただけるようないろいろ取決めはいただいているようでございます。そこは地方自治体がやっているところですね。厚生労働省といたしましても、引き続きこのような試み、支援をさせていただきたいというふうに思っております。こう答えておられる。  まず、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、この後、十二月の二日にした後、何か厚労省として具体的に動かれたことはあるんでしょうか。
  344. 田村憲久

    田村国務大臣 国としてどういうことをやっているかというと、例えば、ECMOが必要な方がおられるとすると、ECMO搬送のような形で、人等々を差配して、そういうものに対して対応させていただくというようなことはやっております。  基本的に、関西広域連合もそうなんですが、各自治体の取決めで、いろんな形で御協力をし合うという仕組みをおつくりをいただいているということであります。  ちょっと大阪はもういろんな話をお聞きして、もちろん広域で、いろんな搬送も含めて、助けていただきたいというお声はあるみたいですが、一方で大阪がこういう状況になりますと、一方でその近隣の府県もやはり医療が逼迫してきている。事実、今そういう状況でありまして、なかなか大阪の患者を搬送というわけにはいかない。  一方で、重症者ですので余り遠くまで搬送ということにもできないわけでございまして、そこはなかなか、このコロナというものが一定程度感染が拡大して本当に病床が逼迫するというのは、都市部になると、そこの方をどこかほかのところに搬送というのは難しい、そういうようなことは、やはりそれぞれ、大阪でも難しいという意識はお持ちのようでございますが、ただ、何かあったときにはそういう仕組みがあればありがたいというお話があるのも事実であります。
  345. 青山雅幸

    青山(雅)委員 結局のところ進んでいないというお答えだと思うんですね。  これは非常時ですから、それはもちろんそこの自治体で賄えれば一番いいんですけれども、御承知のとおり、なかなか引受手もいないということで、それが思うように進まない。  もう一度このグラフを見ていただきたいんですけれども、都市部以外では、やはりかなりの数の病床が空いているんですね。  そして、この資料1の、例えば重症者用のやつを見ていただくと分かるんですけれども、一歩ですね、例えば、和歌山、鳥取、島根とか、静岡もそうです、三重、この時点では愛知もかなり空いています。そんなに離れていないところでも病床は空いているんですね。  フランスを見ると、TGVを使って、もう人工呼吸器を着けたままがんがん運んでいるんです。  そして、資料3を御覧いただきたいんですけれども、これはスウェーデンの宮川先生という、スウェーデンの現場でコロナに当たっておられる非常に有名な方ですけれども、この方の、資料4の方で提示していますけれども、記事でもって、IVA患者というのはICU患者です、日本語で言うと。搬送している比率、地方自治体間で、十月が九%、十一月は一三%、十二月は一六%。四月はスウェーデンも増えているようで一九・二%、この時点までだと。かなりの割合の数、搬送しているんですね。  なので、非常時ですので、それはもうみすみす、重症者用のところに入れないで、そこで不十分な、治療がなされないよりも、今申し上げたように、人工呼吸器を着けてでも移動する。そして、日本は幸いなことに、隅々まで高速道路網あるいは新幹線網が張り巡らされているので、私は是非、もうこれは検討していただきたいんですよ。  先ほど総理も、私の質疑に対して非常に前向きなことをおっしゃって、「新型コロナの感染拡大により医療提供体制が逼迫する中で、都道府県の壁にこだわることなく国を挙げて対応していくべきというのは、私も同じ考え方であり、貴重な提案に感謝申し上げたいと思います。」と。ここまで言っていただいているわけですね。  ですから、もう是非そこは、今申し上げたように、消極的な話ももちろんありますけれども、これはこのままほっておいてはいけないというのは当たり前だと思うんです。  というのは、先ほど別の議員の方が、ワクチン敗戦というような言葉を使われました。確かに、ワクチンでは日本は遅れております。  ところが、じゃ、ワクチン勝国と言われているようなところと比べて日本の感染状況はどうかというと、百万人当たりの新規感染者数、昨日で比べると、イギリスは四十人出ています。イギリスというのは、既に一回以上接種した人が四九・七%、二回目接種した人が一六・二%います。そのイギリスが四十人。日本は四十二人です。全く引けを取っていないんです。  もっと打っているイスラエル。何かグラフを見るとほとんどゼロに見えるようなところですけれども、あそこは人口が少ないものですから、九百万人くらいしかたしかいないので、一回接種の人が五九%、二回接種した人が五五%もいるのに、三十四人です、百万人当たり。  UAEなんかは、イスラエルとほぼ同等。ここは一回目、二回目の別がないんですけれども、百人当たり百一回接種されていますので、つまり、二回接種している人が五十人くらいはいるということなんですよね。そこが二百八人です。何にもしなくても日本はこの数字なんです。  これで医療逼迫とか言われているのは、もうこれは誰がどう見ても人災なんです。  資料1にもう一回戻っていただきたいんですけれども、全国で病床数をこれだけ、三万も確保していて、そのうち、軽症者用病床の話です、九千四百二十三しか使われていない。残り二万の人が自宅療養をして亡くなったと言われている。それから、現在の重症者用病床数は四千二百五十三で、これは九百九十、これより数字は増えていると思いますけれども、倍になんて絶対なっていません。  何が言いたいかというと、大阪の例でも、そんなに何百人もあふれているわけじゃないんですね。何十人単位です。ですから、移送も十分可能だと思いますし、例えばニューヨークであるとか今のインドであるとか、もう廊下にまで人があふれるとか、一つのベッドに二人寝ているような、そんな状況じゃないわけですね。対処可能なものをほっておくのは私は本当の敗戦だと思いますし、日本が先進国としてそれでいいのかというふうに思うわけです。  数字をもう一回言いますと、この病床確保のために、千八百三十七億円は使うことになると思います。申請がなされた重症者病棟で千九百五十万、非重症者で九百万払われるわけですね。これに千八百三十七億円くらいは使われそうですので、今の申請数でいくと。これだけのお金確保して、これだけ余っていて、入れない人がいるというのは、これはどう見てもおかしいと思うんですけれども、大臣、これを見ておかしいと思われませんか。
  346. 田村憲久

    田村国務大臣 今のイギリスと日本の例、昨日私も参議院で使わせていただいた例であります。本当に日本国民はすばらしいなということで感謝を申し上げながら、だからこそ、これ以上感染拡大を防いでいかなきゃならないということで、緊急事態等々の対応ということになるわけでありますが。  今委員がおっしゃられた意味合いは分からないでもないのです。確かに、各県には空いている重症化病床、あります。東京の近隣は、多分もう無理です。もうちょっと離れたというと搬送が一定時間かかるというのと、もう一つは、今三重県の事例が挙げられましたけれども、三重県ももう既に一般病床は七割ぐらい。あっという間ですから、コロナは。クラスターが出るというと一般病床は埋まっちゃって、あっ、中等症ですね、それが悪くなると重症化されるので。  それぞれ、例えば三重県でそういう重症化病床は十二ぐらいしかないんですよね。結局、ちっちゃい県では、少ない重症化病床なものでありますから、なかなかそこに御理解いただいてというのは。自分のところも、いつそこがいっぱいになるか分からない、そういうこともございまして、そこがなかなか難しい。  つまり、そういう委員のお話をあれしようと思うと、まず都道府県間で御理解をいただいてという話になってまいりますので、基本的にはそれぞれの自主的な連携というものをお願いをいたしておるわけでありますが、総理もああやっておっしゃっておられますので、本当にそういうことができるのかどうなのか、一度知事会にはお聞きをしてみたいというふうに思います。
  347. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。今、一歩踏み込んだ御答弁をいただいたと思います。  私は、やはりオンラインで結ぶことが大事だと。ある程度の中域連合くらいでは。そうすれば、今大臣がおっしゃった心配、もちろんどこの知事さんもされると思います、自分のところがいっぱいになっちゃったらと。そのときに、よそが受けてもらえるという安心感があればできますし。  それから、神奈川の例ですけれども、添付資料にこれもつけてございますけれども、資料10、ちょっと飛びますけれども、御覧ください。  最初のページに、県の中でもなかなかうまくいかなかった、転院調整に時間を取られたと。そこで、すごいですね、ここで頑張って、コーディネーターを置いて、マッチングのためのコンピューターのシステムをつくって、二時間もあればマッチングできるようになったと。  こういう工夫というのは、中域でやればすごく安心だと思いますし、実際、そこで使うかどうかはまだ分かりませんけれども、使う事態だって十分あるわけですよね。だって、変異株という問題があるわけですから。だから、是非御検討を、また知事会の方ともよく話をしていただきたいと思います。是非お願いいたします。  それから、続きまして、統計的分析の必要性についてお伺いいたします。  二十一日の質疑で、私は、ワクチン接種後の感染率がどういうふうになっているのか、一回目の後には、一定程度、たしか有効率が私の計算だと六割くらいだと思いますけれども、二回目になるとかなり上がってくるというので、それを表にして資料6としてつけましたけれども、この計算は確認いただけましたでしょうか、厚労省
  348. 正林督章

    ○正林政府参考人 二十一日にお示しした、新型コロナワクチン接種後の感染者数を踏まえたワクチン接種の有効性に関する数値については、現在、専門家に評価をお願いしているところです。  専門家の評価に基づいた科学的に正しい情報を国民の皆様に提供できるよう、取り組んでいきたいというふうに考えております。
  349. 青山雅幸

    青山(雅)委員 確認していただいてはいないようですので、引き続きまたお願いしたいと思っております。  私、今非常に重要だと思っているのは、年代別重症化率なんですね。よくマスコミで、非常に今回の変異株は若年層でも重症化すると。そう言うと、十代、二十代でも重症化するのかというふうに非常に普通は心配になる。ところが、報道とかSNSを見ていると、現場でやっていらっしゃる方は、五十代くらいが今までは一番下だったのが四十代にも増えてきたよぐらいなニュアンスであるんですね。それはやはり大分違うんだと思います。  それが分からないと、今の、本当にどこまで新しい変異株というものを恐れたらいいのか。ただ、私が前から思っているのは、変異株をひとしく恐れる必要はないと思っていまして、なぜかというと、スペイン風邪もそうです、第二波のときの方が死亡率はぐんと上がっています。ところが、その後、弱毒化して、普遍的な病気になって、普通のインフルエンザになっていったと。  いつかはこういうふうな経過をたどっていただくのが理想だと思うものですから、変異株をひとしく恐れる必要はない。ただ、データは見なきゃいけない。そう思うんですけれども、大阪府や兵庫県の重症者における年齢階級別の割合というか、それはつかんでおられるでしょうか。
  350. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の重症者数について、都道府県ホームページの公表情報を基に年齢階級別に整理し、週に一回、その時点における数を公表しております。  四月二十一日十八時時点で、重症者数は三百名であり、このうち、お尋ねの若年者については、十代以下がゼロ、二十代が二名、三十代が一名となっています。また、兵庫県、大阪府における重症者数は、兵庫県が三十名、大阪府が四十三名で、そのうち三十代以下は両府県ともゼロ名となっています。
  351. 青山雅幸

    青山(雅)委員 今のような数字をちゃんと聞くと、普通、やはり皆さん、安心すると思うんですね。それが緩みに通じてはいけませんけれども、むやみやたらに、例えば、学校を休校するとか、子供を外に出さないとか、あるいは若者も仕事にも行かないなんという必要はないわけですね、今の話を聞くと。  こういった数字をきちんと出してもらいたいですし、今のはホームページに載っているんですか、年齢別の重症者数。また後で教えてください。私はよく見ているんだけれども、ちょっと今の話、自分で確認し切れていなかったものですから。また、それで、よく、すごく端の方に載っているんです、こういう数字って。私は、よく聞かれて、ここですよということを教えるんだけれども、もっと表に出してください、こういう数字是非。これは前にもお願いしました。確認した上で、またお願いいたします。  今の数字を聞いて、少しは安心したわけです。なぜかというと、やはり、若い人が亡くなったり重い病気になるのは誰もが切ないことですので、そういう意味で安心したということですけれども。  続きまして、これは尾身先生にお伺いしたいんですけれども、私は、今回、関西の方は、やはりもうぎりぎりまで我慢して、我慢したというのは、やはり経済に与える影響というのも当然政策においては考慮しなければいけませんので。それから、社会的距離政策というのは、そもそもそういうものだと前々から申し上げているとおりです。医療の逼迫を防ぐためですから、その必要性が出るまでは我慢していいし、逼迫が解かれるような状況であれば解けばいいと思っています。イギリスは、今と同じ状況でロックダウンを解き始めています、まだ完全ではないですけれども、日本と同じ数字でですね。  ステージ判断の指標で、東京都のモニタリング項目、私、前からちょっと見ていて不思議だと思うのは、資料7を御覧ください。必ずしも指標がそんなに悪化しているわけじゃないんですね。  東京都は頑張って入院病床数を大分増やされたので、使用率は3、入院率は3未満、重症者用病床は3未満ですよ。重症者は、たしか四十六人くらいしかいなかったと思うので、昨日の時点で。だから、大阪に比べれば大分余裕がある。それから、療養者数は、これはベースが拡大していますから4になっています。PCR陽性率は五・七なので、平均的な数字かなと。新規陽性者数は、さっきも申し上げているように、これはベースが拡大していますから4になっています。感染経路不明割合が五〇%を超えていますけれども、これはやはり都会という要因があろうかなと思うんですね。  そうすると、必ずしも言われるほど、東京都は緊急にどうしても今やらなきゃいけないというような状況でもないようにも思うんですが、数字だけを見るとですよ。こういうふうなところで緊急事態宣言と至ったのには、変異株の影響などを考慮したところがあるのかどうなのか。ちょっとその辺、尾身先生に教えていただきたいんですけれども。
  352. 尾身茂

    尾身参考人 委員おっしゃるように、東京と大阪では私は様相が違うと思います。もう大阪は既にステージ4というか、医療の逼迫、一般医療が、救急外来なんかはもうかなり支障を来しているので、もう、ある意味じゃ医療逼迫が起きてしまったという現状。恐らく、緊急事態宣言を出すと、大阪の意味は、感染者の数を減らすというよりは、今はもう新規の感染者の感染のスピード、拡大のスピードは少し弱まっています、大阪は。じゃ、何で緊急事態宣言を大阪に適用するかというと、医療の逼迫を、この期間をなるべく短くするためには、感染の減少のスピードをもっとシャープにするということが大阪。  東京の方は、今委員おっしゃるように、ステージ3と4が混在していて、文字どおりトータルでステージ4、文字どおり4ということではない。じゃ、なぜ今回、緊急事態宣言を出すことに我々も賛成したかというと、変異株の問題は当然あります。それと同時に、実は、東京のエピカーブを見ますと、先週今週比という非常に重要なものが、これが徐々に、間違いなく確実に、しかも二週間じゃなくてもう六週以上です。これがどんどんどんどん感染の拡大、それから、大阪に比べて人流の下がりが悪いです。  それからもう一つは、若い人がまだかなり多いです。これはどういうことかというと、これから高齢者にうつって重症化にいくということで、あとはPCRの陽性率も徐々に上がっていますと、このことで、あと、いろんなベッドの、東京都の確保病床の数も大体我々分かりますから、そのことをいろいろ総合的に判断すると、今のままほっておくと、かなり早晩もう医療の逼迫というのが、大阪のような状況が出てくることが、ほぼ確実ということは言えませんけれども、危機管理ですから、蓋然性の高い可能性があると思う。  そのことをほっておくと医療の逼迫が早晩起こるのではないか、それを阻止するためにはかなり強い対策で、先ほど申し上げましたように、人々の接触機会をかなり減らさないとそうなってしまうということで、今回、緊急事態宣言を東京に発出するのは私は妥当な判断だと思います。
  353. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。  今会長がおっしゃった話も、私もそれはもちろん理解するわけですね。  見ていると、ずっと五百人前後で来ていた、微増していたのが、ここのところ七百人になったりとか、確かにカーブの上がり方が多くなっている、それは確かに心配なところではあります。ただ一方、その病床の使用率からいくと、まだ少し余裕は本来あったのかなと。ただ、蔓延防止措置あるいは緊急事態宣言が大阪で、あるいは関西圏で少し遅かったというような批判もあるところから、今回早めの措置になったのは、世論あるいはそういった声を考えるとやむを得ないところかなとは思いますけれども。  私は何が言いたいかというと、やはり社会的距離政策というのは、薬でもあるけれども毒でもある。要は、社会に対する影響が甚大であるので、是非、分科会においては、今言われたような数値を基にした冷静かつ客観的な判断をしていただいて、なおかつ、それを是非きちんと発信していただきたいと思います。いろんな声に負けて、科学的な判断と違う判断が行われるようになると、それはそれでやはり問題だと思っておりますので、是非その点はよろしくお願いしたいと思っております。  そこで、更に続けて、今の話でお伺いすると、これは将来的な課題の話です。  世界中どこを見ても、これはもう波が来るたびに、私はベースラインとか、言い方をしていますけれども、これは上がってくるのは当然なんですね。インドなんか物すごい数ですね。今三十万人でしたかね、一日。すごく増えていると。イギリスやフランスなんかでも、先般の十二月末から一月にかけてのやつはもう物すごい増えましたね。たしか、フランスは一日八万人いったときもあると思います。  そういうことを考えていくと、この数字も不断の見直しが必要で、特にこの指標の中で、療養者数とか新規陽性者数というのは、これはやはり将来、いろんな、日本はワクチンが効いて収まってくればもちろんいいですけれども、やはりこの感染症の特徴からいって、世界の後を追っかけるように日本も行っていますので、やむを得ないことですけれども。そこら辺、していっていただきたいなと思うんですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせください。
  354. 尾身茂

    尾身参考人 指標の見直しというのは、今委員おっしゃるように、今回も、つい最近、去年八月に作った指標をまた変えたわけですよね。これからも、それこそワクチンの効果、あるいは治療薬なんということもあるかもしれませんし、そういうことで、当然、いろんな感染状況あるいは医療の提供体制の方もまたいろいろ変わってくると思います。そういうことで、当然、指標の見直しというのはコンスタントにやっていくべきだと思っております。
  355. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。是非お願いします。  次に、時間がなくなってまいりましたけれども、先ほど、重症化率の世代別で、三十代以下についてはそんなに著変がないということで、ちょっと安心できるようなデータを教えていただいたわけですけれども、陽性者死亡率、私、これは余り変化、実はないのかなと思っておりました。  資料9の一、二を御覧いただきたいんですけれども、四十代以下死亡率、これは低位安定、すごく低位ですね。四十代でも〇・二%くらい。三十代、二十代、十代以下はゼロですから、もうほぼ〇・〇〇の世界ですので、分からない。  次が、その次のページ、9の二が、五十代以上です。こちらを見るとすぐお分かりのとおり、五十代くらいはまだいいんですけれども、七十代、八十代だとやはり一定数になってくる。  これを見ていてもそんなに著変はないかなと思ったら、最新のデータが出まして、四月二十三日に出たやつで、今日出たものですから間に合わなかったんですけれども、今日確認したので、できたので。七十代の三週間後死亡率が、何で三週間後というと、大抵三週間くらい、重症化してお亡くなりになるまで時間経過がかかっているので、そういうことでやっているんですけれども、四・七だったのが七・一、八十代は一二・六だったのが二二・四と、結構急激に上がっていて、やはり七十代以上に致死率が高くなっている傾向がもしかしたらあるのかなというふうに思っているんですね。  こういった数字について、重症化率も含めて、何か分科会では数字をつかんでおられることはあるでしょうか。尾身先生にお伺いします。
  356. 尾身茂

    尾身参考人 各県に出されている個別な資料なんというのは、当然アドバイザリーボードに出されている、あるいは現場の臨床家の先生たちの実感というのもありますよね。そういうようなことは当然届いています。  それと、実は厚生省の国際医療センターなんかを中心として、いわゆるレジストリーということで入院患者を中心にやって、それはもうかなり詳細なデータですけれども、これも、今、つい数時間前にそこの担当者と電話しましたけれども、確かにいろんなデータが集まって、これはしっかりしたデータです。ところが、まだ、それを分析して集めるのにちょっと時間がかかって、三月、四月の一番のアップデートのところが今はないということ。  あとは、御承知のように、委員、HER―SYSというものをやって、これもまだ完全ではないので、HER―SYSの今あるデータということでは分析できる。  そういうことで、ここは不断に、今、確かに年齢別の陽性者死亡率あるいは重症率というのは非常に大事ですので、今、部分的にはあるんですけれども、これをなるべく早く全国に、すぐに、コンスタントに分かるようなシステムが、今構築しつつあるので、これをなるべく早く、よりよきものにしていただきたいと思います。
  357. 青山雅幸

    青山(雅)委員 今、尾身先生の方から、厚労省の方に対する御要望だと思います。  厚労省、今日はちょっと時間がないものですから細かく聞けませんけれども、今言ったような分析、そして私がお願いしている公表ですね、公表も分かりやすいところで是非公表していただきたいと思うんですが、せっかく人員も増えました、またそれは次回詳しく聞きますが、その点についての積極的取組を、是非今この場で、田村厚労大臣、指示していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  358. 田村憲久

    田村国務大臣 必要なことはしっかりとやってまいりたいというふうに思います。
  359. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。  まだ少し時間があります。最後の質問になると思います。  報道、資料10を御覧ください。資料10によると、これは結構衝撃的なお話がこの中にはありまして、表現のよしあしはあろうかと思いますけれども、お亡くなりになる方の分析を、これは一部の地方ではございますけれども、されたというものでございます。  これは札幌市の話です。二〇二〇年十一月八日から二〇二一年一月二十一日に病院、施設にいた人は、患者数で全患者の一割程度、九百八十五人ですね。死者数だと、ところがこれ、七六%を占めていると。  元々状態がよくなかった方が最後に、本当に運悪く最後死亡する原因として、死亡原因としてコロナにかかって亡くなったというようなところがあるのではないかと。スウェーデンで昔、本当に発生初期に言われていたところですけれども、実際、日本での死亡実態というのはどういうものなのか、これについて尾身先生は何か御承知のところはあるでしょうか。
  360. 尾身茂

    尾身参考人 私は、詳細な、いわゆる正式なデータは今手元にありませんけれども、これは委員おっしゃるように、今回のコロナもそうですし、普通のインフルエンザもそうですけれども、元々もう体が、非常に体力が落ちている寝たきりのような人が、そこに新たな感染、これはコロナであろうがインフルエンザであろうが、あるいは普通の肺炎であろうが、これによって急激に容体が悪くなって死亡する確率が高いというのは、これはもう医療界、我々医療に接している人の普通の感覚で、このことは想定内のことで、残念ながらそういう現実はあると思います。
  361. 青山雅幸

    青山(雅)委員 今のところはこの資料10の二枚目、裏面に書いてありますので、是非皆さん御覧になっていただいて、こういったことも入れながら、ですから私は、高齢者施設とか慢性期病院に対するケアが大事だよと申し上げているとともに、ある意味、恐れ過ぎないというところも大事かなという、若い方ががんがん亡くなるような病気でも今のところでもない、この変異株が言われている中でも。  ということを是非知っていただいて、厚労省もそういった実態、折に触れてきちんと明らかにしていただきたいということをお願いしておいて、本日の質問、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  362. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高井崇志君
  363. 高井崇志

    ○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。  ちょっと最初に、午前中の津村委員と、とかしき委員長質疑を聞いていて、大変興味深く、多分、歴史上最も委員長に質問した長い時間だったんじゃないかなと思いますけれども、私はあの議論を聞いていて、やはり質問通告二日前ルールというのはちょっとやめた方がいいんじゃないですかね。  というか、皆さん、私、毎日こうやって、水、金と質問に立っていますけれども、大体この時間、五時とか六時なんですね。水曜の五時か六時に質問が終わって、金曜日の質問通告を、要するに今日の十二時までにしておかなきゃいけない。つまり、この質問が終わる前に、その次の質問をしておけというのは、やはりこれはちょっとおかしくないですかね。やはりここで質疑して、その質疑に対する答えを受けて、また質問をしたいと思うのが当然であって、それを何か質問する六時間も前に次の次の質問通告をしろというのは、私はちょっと元々おかしいなと思っていました。  一方で、霞が関の残業をなくすことは大事なんですけれども、ただ、私も官僚出身者なんですけれども、実は、我々国会議員じゃなくて、やはり政府の側に結構問題があるんですよ。  私の経験だと、大体課長補佐ぐらいが答弁を書いて、それを課長に見せて、部長に見せて、局長に見せて、そのたびに何か修正が入って一々また打ち直して、丁寧に持っていってと。結局、終わってみたら、最後は元の課長補佐が書いた答弁に戻っていたみたいなこともよくあります。  あと、できた後に、丁寧に耳をつけたりしてきれいに製本して、何かそれを私の頃は五十とか七十ぐらいコピーして関係部署に全部配るみたいな、そういうことをするから時間がかかるのであって、もうちょっと、幾つかの省庁は、質問が多く当たる省庁なんかは結構簡素化してやっていたりしましたので、私はそこの部分も。  あと、政府の方も、参考人をすぐ、政府というか役所の方が大臣のことを忖度して参考人をつけたがるんですけれども、これもすごい無駄が多いなと感じますから。やはり、重要な局長さんとか本当に今大変な仕事をされていますから、質問も当たらないのに、ただ何か念のために参考人をつけるなんということはする必要は私はないと思います。先週、河野大臣は、一人も参考人を、全くつけずに、こっちが要求したわけじゃないんですけれども、一人でやってきましたけれども、私は本来そっちの方があるべき姿かなということは申し上げておきたいと思います。  その上で、今日はもう最後の審議だろうなと思って法案の中身についていろいろ準備をしていたんですが、いろいろあって、もう一回チャンスがあるというようなことでございますので、最後に質問しようと思ったことは少し取っておいて、今日も財務省の宇波次長に来ていただきましたので、ちょっとまず宇波次長に幾つか。  それで、質問通告と少し、かなり離れて聞きます。私、どうも質問通告してもなかなか質疑がかみ合わないなというのは、やはり財務省は優秀な方が多いから、答弁も非常に精緻に、うまくすれ違い答弁というか、答えないような答弁になっているんですよね。それでなかなか、私の能力不足もあるんですけれども、質問して答えていただいても、何かそれに対する議論が全然かみ合わないということなので、今日は通告とちょっと違うことを聞きますけれども。  でも、宇波局長が答弁していただいたことについて、それについて、本来であれば、私が能力があれば、その場ですぐ反論して聞けばいいことなんですけれども、ちょっとそれができていないので、今日は、前回の質疑宇波局長が答えていただいたことに対して、ちょっと私から幾つか聞きたいと思いますので、局長も、もう答弁なんか読まずに、主計局次長といえば、まさに官庁の中の官庁のエースで、将来の事務次官になる方ですので、是非、さっきも田村大臣だけじゃなくて菅総理まで、宇波次長のことは、私が質問したときに、私の質問も聞かずに宇波さんの方をずっと見て何かにこにこしていましたので、相当信頼の厚い方だなということが改めて分かりましたので、是非答弁関係なくお答えいただきたいと思いますが。  まず、四月二十一日に、財務省の、二年前の四月十七日に、財政審の資料、私、今日持ってきたんですけれども、四枚物なんです。  MMTについてという見出しで、四枚あって、最初の二分の一ぐらいでMMTの概要が書いてあります。そこから延々MMTに対する批判的コメント、反論がだあっと書いてあるんですね。四枚目には何か麻生大臣と黒田日銀総裁の国会答弁まで引用して、MMTというのはいかにとんでもない理論かみたいなことを説明しているんですけれども。ですけれども、世の中を見るとMMT賛成派の経済学者もたくさんいて、やはり、そういう両方載せるのがフェアだと思いますが。  この資料だけ見ても、財務省が全く、財務省がMMTの見解を取らないということはこの間の答弁でも分かりましたけれども、しかし、これだけ世の中である程度の経済的論争もあることを、やはりもうちょっと財務省はきちんと研究する必要があるんじゃないかと思います。今までの答弁を聞いていても、非常に木で鼻をくくったような答弁が多くて、理論の中には踏み込んでいませんし。  あと、これは実は厚労省にも関係があると思ったのが、昨日、香取照幸さんに来ていただいて、国民民主党で勉強会をしたんです。香取さんが民主主義と社会保障というタイトルで、大変すばらしいお話を聞いたんですけれども、ただ、MMTについて、全く論外だと言って切って捨てていましたけれども。  ただ、全然分かっていないんですよ。反論が全然、何かもう、そんな、幾らでもお札を刷っていいなんということになったら無税国家になるじゃないですかと。そんなことは言っていませんからね、MMTは。そんな、確かに、幾ら何でも、お金を幾らでも刷って税金を取らなくていいなんてばかなことは言っていなくて、インフレ率までを、インフレ率を気にしながら国債を発行すれば問題ないだろうということを言っているわけで、是非宇波さんに聞きたいんですけれども、財務省はなぜこういうMMTに対して冷たい態度を取るのか。  私なりに考えたら、一つは、もう全く無視している、全然研究もしていない、検討もしていない。それか、私はこっちの方が望ましいと思いますけれども、研究した結果、やはりこの理論が広まってしまうと財務省としては都合が悪い、財務省の設置法で健全な財政というのがあるから、財政健全化にとってこの理論は危ないから、だから、木で鼻をくくったような、議論にあえて乗らないのか。  どっちなんだろうとずっと思っていたんですけれども、財務省の中はどうなんですか。ちゃんと検討した上でこれを取らないと言っているのか、それとも、研究もせずに、頭から何かもう奇想天外な考えだといって受け付けていないのか、どっちなんですか。
  364. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 大変恐縮ながら、政府委員として御答弁を申し上げますので、私の何か個人的な見解を申し上げるわけではございません。  まず、御指摘のいただいた資料ですけれども、これは、私どもの方で、経済学者あるいは外国政府責任者など有識者の発言等の中で、MMTに対する評価の要点を抜粋してまとめたものというものでございます。  MMTの議論、先ほど委員から御指摘のあったように、インフレになるまでは国債をある意味無限定に発行し、インフレになったらそこで国債の発行を止めると、委員から以前からも御指摘いただいているところでございます。  幾つかの私どもの方での問題意識はこれまでも御答弁させていただきましたが、最もやはり問題だというふうに考えているのは、今現在の財政赤字の主たる要因である社会保障の給付と負担のアンバランス、これを物価上昇局面において急速に解決をする、それは社会保障の急激な削減あるいは増税などを行わざるを得なくなりますので、国民生活に非常に大きな悪影響を与えかねないと思っております。  財政に対する信認、持続性に対する信認、あるいは社会保障制度の持続性に対する信認を確保する観点から、繰り返しで恐縮でございますけれども、経済成長と財政健全化の両立を進めていく、そのための改革をきちんと進めていくことが重要であるというふうに考えてございます。
  365. 高井崇志

    ○高井委員 いつもだとここで引き下がっちゃうんですけれども、ちょっと、それは同じ答弁ですよね。その中身についてはこの後聞きますよ。ですけれども、今私が聞いたのは、財務省の中でMMTに対してどの程度研究をしているのか、検討しているのかということで。  この資料も、ちょっとやはりひどくないですか。MMTに対する批判、コメントというタイトルで、ずっと四枚ぐらいあるんですよ。これとは別にMMTを推奨している人のコメントというのがたとえ一枚でもついているならいいですけれども、明らかに批判のコメントだけを載っけているというその意図を、やはり、いろいろな経済学者のコメントと言いますけれども、批判のコメントとわざわざタイトルにも書いているんですから。  ということと、ちゃんと財務省の中でどのくらい検討した上で答弁されているのか、お答えください。
  366. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 MMTに関して、累次にいろいろな委員会の場で、総理からも答弁があったと思いますけれども、政府としてこれに基づく政策は取っておりません。これに基づく政策をほかの先進国諸国も取っていないというふうに承知をしております。  MMTのいろいろな、様々な主張については、もちろん、財務省の中で、いろいろな文献を読んだり、そういうことで検討はしておりますけれども、先ほど申し上げたような理由から、MMTといった考え方に基づく政策を取る考えは持っていないということでございます。
  367. 高井崇志

    ○高井委員 恐らく初めて、ちゃんと省内でも研究しているというような答弁があったと思いますけれども。それであればこそ、やはり何かちょっと、研究をして頭のいい財務官僚が分からないはずがないので、理論としては分かるけれども、やはりそれを財務省としては取りたくないんだということだと思いますから、そこはもうちょっとそういう答弁をしていただきたいと思うんですが。  前回、四月二十一日に、今もおっしゃいました、必ずおっしゃるのがこういう答弁なんですね。  まず一つは、過度なインフレが起きたときは予測困難で、一旦起きれば制御不能だと。これは、ですけれども、私は制御不能にならない仕組みを提案しているので、それを議論しましょうと申し上げています。  それと、もう一つ、いつもおっしゃるのが、物価上昇局面において、急にそこで歳出の大きな部分を占める社会保障の減額あるいは増税といったことを行うことは、国民生活に悪影響を及ぼしかねないと。私が少なくともこれまで言っているのは、一般的なMMTはそうなのかもしれませんけれども、私は社会保障の削減とか増税を言ってはいないんですよ。そうじゃなくて、つまり、インフレ率二%になるまで、余力があるうちは国債を発行しましょうと。  例えば、じゃ、その国債で何をやるかというと、れいわ新選組の山本太郎さんなんかは、毎月十万円現金給付したって大丈夫なんだと。これは参議院調査室にまで調べてもらって、ある程度根拠を持って、大丈夫、それでもインフレ率二%にはならないんだと。だって、インフレ率二%は政府の目標ですからね。それを達成するための手段だから、別にいいじゃないですか。  あるいは、国民民主党の玉木代表は、子供国債をやりましょうと。あるいは、私だったら、IT政策、全然、予算が二十年間増えていないから、これを一気に三倍ぐらい増やしてくださいよというようなことを、いろいろな政策を、インフレ率二%になるまでは今の政策に追加してやりましょうと言っているんです。  だから、今の社会保障を減らすとか、増税しなきゃないとは言っていないんですよ。そこまで、二%になるまで国債を発行し続けて、二%というのは別に悪い数字じゃないですからね、目標にしている数字ですから。次長が心配するように、二%が五パーとか一〇パーになったら困るから、そこまでは行かないようなところで止めれば、別に増税も要らないし、社会保障費の削減も要らないんですよ。  だから、ちょっと財務省の答えは極端過ぎる。MMTに対して一番極端な答えを言っているので、今、私が提案したようなことについて、それが取れない理由はありますか。
  368. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 委員の御指摘というか、おっしゃっている話は、現在が均衡財政であればということかと思うんですけれども、現状において、令和三年度の予算で、百六兆六千億の一般会計歳出に対して、それの財源として約四割を公債金で賄っている状態にございます。  既に現時点で多額の借金をしながら毎年の予算編成をしているということ、それから、既に債務残高対GDP比は、繰り返しで恐縮ですが、先進諸国の中でも際立って高い状況にあるということでございますので、追加歳出というよりも、現時点で社会保障の給付と負担のアンバランスが、崩れている、これの状態を将来にわたって持続可能なものにしていくための改革が必要であるということを申し上げているわけでございます。
  369. 高井崇志

    ○高井委員 ですから、なぜ、財政再建というか、要するに債務残高がGDP比の二倍とか三倍じゃいけないのかということなんですよ。それは、だから、借金と捉えるとそういうふうに見えちゃうけれども、一方で、政府の借金は国民の資産なんだから、それは一般的な借金とは違うじゃないですかというのがこのMMTの考え方なので。  だけれども、無限定にいつまでもやっていいわけじゃなくて、どこかでやはり債務破綻をする可能性があるから、では、その債務破綻をする、あるいは財政の信認が損なわれる事態というのがどこで来るかといえば、私はインフレしかないと思うんですよ。  この間、次長に積み木の例も出して、積み木を積んでいけばいつか倒れますよ、だけれども、どこかで倒れるかどうかのその判断の基準はインフレ率じゃないですかと聞いたら、いやいや、一つの特定の指標ではありませんと言って、例えば債務残高GDP比とか言われましたけれども。  しかし、これはちょっと次長に認めていただきたいんですけれども、インフレ率が一つの大きなメルクマールであることは、それは認めていただけますよね。
  370. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 委員がおっしゃっている財政に対する信認の指標は何かということでございますけれども、先日申し上げたように、様々な要因によって積み重なるものでございます。それから、主体によって、どなたから見ての信認かということもございますので、何か特定の客観的基準をもってその有無を一概に評価することは困難でございます。  例えば、国民の皆さんの方から見れば、受益と負担がアンバランスな状態にある社会保障の持続可能性ということも、一つの重要な信認を測る要素ではないかとは考えます。  その上で、国債市場、要するにJGBのマーケットとの関係に限って申し上げれば、将来にわたって債務の持続可能性が維持されているということ、国債の償還可能性に疑義が生じていないこと、国債の実質的な価値が安定的で大きく損なわれていないこと、こういったことが財政に対する信認という観点からは重要であると考えております。  したがって、市場の参加者ですね、市場で参加される方は、こうした点を、財政状況あるいは経済力といった様々な指標、政策の予見可能性などを総合的に勘案して判断しているものと理解しております。  市場参加者の評価という点では、金利、これは例えばソブリン・リスク・プレミアムであったり、あるいは予想物価上昇率なども金利に影響すると思いますが、金利は一つの指標だというふうに考えております。  インフレ率についてでございますけれども、通常のと申しますか、インフレ率は、基本的には、委員御承知のように、マクロ的な需要と供給の関係、あるいは家計、企業のインフレに対する予測、こういったものを含めて、様々な要因によって決まってくる。したがって、財政政策との関係でインフレ率を取り出して議論するということは難しいのではないかと考えます。  答弁の中でインフレについて申し上げたのは、国債を無限定に発行する前提で、つまり、日銀が無限定で引き受けるということを前提で財政政策、金融政策を行えば、これは、いわゆる悪いインフレ、経済状況に応じて行うものではなくて、悪いインフレが起こる。こういうインフレはいつ起こるかは予測することができませんし、起きれば制御することが極めて難しくなるということを申し上げたということでございます。  また、インフレとの関係で、もう一点は、繰り返しでございますが、物価上昇局面において、急に、急激にそこで国債の発行を止めるということは、給付の削減あるいは増税などの急激な政策を取ることになるので、重大な影響が国民生活に出るということを申し上げたということでございます。
  371. 高井崇志

    ○高井委員 金利をおっしゃいましたけれども、金利だって、だから、インフレと連動するじゃないですか。だから、やはり、金利であったりインフレ率を見ながら、要するに、社会保障の受益と負担のアンバランスが大きいと、国債を買わなくなるんですか、本当に。国債を買っている、市場の信認が得られないと言いますけれども。それで、だって、全然買っているじゃないですか、皆さん。デフォルトしない、債務不履行しない、暴落しない、その状況が続いているわけですよ。だから、そこは、その分かりやすい客観的な一つの大きな指標がインフレ率でしょうと。これは別に、経済学者もみんな認めていますよ、主流派経済学者だって。  ただし、インフレはコントロールできないというのが多いんですよ。その理屈は分からないでもない。だから、コントロールできるような法律を作りましょうと言っているわけで、そもそもインフレは関係ないとか言われると、これは結構多くの人が見てくれていますからね、インターネットで。相当、ちょっとおかしな答弁だと思います。  前回こうも言われているんですね。三つ何か問題点があると言って、一つは、自国通貨建ての国債であっても、市場の信認を失う事態が発生して、金利の上昇を通じて、資金調達が困難になる。それはそうですよ。だから、金利が上昇するまで、インフレになるまでならいいでしょう、今の日本の状況なら全然問題ないでしょうと言っているんです。  それから、二つ目に言ったのは、通貨発行権があると言いますが、通貨発行権がある中央銀行が、最終的には紙幣を刷って、国債を無限定に引き受けて財源調達を行うということが前提になるわけと。前提にしていませんから。無限定に紙幣を刷って、国債を引き受けるなんという、そういう人もいますけれども、私はそんな立場は取っていない、インフレになるまでやってくださいと言っているだけです。  三つ目におっしゃったのが、社会保障の受益と負担のアンバランスにあると。これは、まさに今法案でやっていることですよね。社会保障の受益と負担のアンバランスをできるだけなくすように法律を作っているわけで、だから、そういうことでやればいいじゃないですか。  それと、国債を発行しない理由、MMTを取らない理由で三点言われましたけれども、今私は三つとも明確に否定できると、否定したつもりですけれども、いかがですか。
  372. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 繰り返し申し上げますが、財政状況は社会保障のアンバランスと裏腹の関係にあります。これは、長期にわたって、国民の皆様の年金にしても、医療にしても、介護にしても、国民の皆さんの人生を通じた様々なリスクに対してカバーするものであって、そういう意味では、長期間にわたって持続可能で安心できるものにする必要があるということだと思います。  委員おっしゃったそれぞれの論点に対して、いずれもインフレになるまでというふうにおっしゃっています。インフレになった後は違うんだということでございますけれども、政府としては、現在は長いデフレの中で安定的に国債が消化されておりますが、インフレになるまでで、インフレになった後はそういったものは全部違うんだという前提で財政運営あるいは社会保障政策の運営を行うという考えは持っていないということでございます。
  373. 高井崇志

    ○高井委員 そんな大きな変更をしてくれと言っているわけじゃなくて、だから、法律を作って、あらかじめインフレ率二%になったら、それ以上は国債の発行の伸びは止めて、さっき言った山本太郎さんのような毎月十万円配付するなんて政策はやめましょう、今の状態に戻しましょうと言っているだけですよ。すごいうなずいてくださいましたけれども。  ちょっと、もうこれで時間が来そうなので、最後にもう一つ聞いて、答弁していただきたいんですが、今のこともちょっと答弁してください、じゃ。今、手を挙げていただいたので。  私は、やはり、是非財務省は検討してほしいんですよ、ちゃんと、研究会とか開いて。財務省の立場はそれでいいですよ、だけれども、この短い二十五分の時間も、二十五分使っちゃいましたけれども、やはり正直、局長はクレバーだから、違うことを答弁して時間を使い切れば終わるという感じもするんですよね、やはり優秀な官僚というのはそうなんですよ。だけれども、そうじゃなくて、時間無制限で、徹底的に経済学者とか入れて議論を闘わせる場というのをやはり財務省は私はつくるべきだと思いますが、そういう検討会をやっていただけないかという、二つ答えていただいて、終わります。
  374. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 宇波財務省主計局次長、申合せの時間が来ておりますので、簡潔に答弁お願いいたします。
  375. 宇波弘貴

    宇波政府参考人 まず一点目でございますけれども、今の財政状況に戻すというか、今の現在の状況が給付と負担がアンバランスな状況でございますので、現在に戻るということが望ましい財政状況あるいは社会保障制度の状況だというふうに考えてございません。  それから、財政に関する様々な御議論ですとか、その理論とかということの研究を含めて、これは、財務省としても財政制度等審議会という場を設けて、そこで様々な有識者の方々から、財政の問題、これは財政、総論もございますし、それから社会保障を含めた各論の問題もございますが、御議論いただいているということでございます。
  376. 高井崇志

    ○高井委員 引き続き議論をさせていただきます。  法案については、もう一回チャンスがあると聞いておりますので、しっかり聞きたいと思います。  ありがとうございました。
  377. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、渡辺孝一君。
  378. 渡辺孝一

    ○渡辺(孝)委員 皆さん、御苦労さまでございます。  朝九時から待っていたので、ちょっとまったりしていますけれども、伊佐先生と私で残り三十分でございますので、もうしばらく御辛抱していただければと思います。  まずは、大臣、大変お疲れさまで、御苦労さまでございます。本当に、宮本先生にも大臣の心配をしていただきまして、私も、共産党さんとは合いませんけれども、宮本先生の、大臣を心配、あるいはこの法案を心配する気持ちは同じでございまして、宮本先生に提案がございます。ですから、早くこの法案は決着をつけて、そして、大臣をコロナに一本でやはり頑張っていただけるような環境をつくるように協力していただきたいなと思います。  さて、本法案審議、当委員会で毎回皆さんから真剣な議論が続いておりますし、私も大変勉強になりますし、大変意義のある委員会を続けているのかと思います。  ただ、正直申し上げまして、この永田町だけの議論になっていては、この法案の目的もしっかり国民に伝わらず、さらには、法の施行が始まったときには、野党の各先生から出された、いろいろな提示された疑問等々が現場で問題となり、混乱につながっていくのではないかと思います。  そこで、私はちょっと周知方だけに一点に絞って質問をさせていただきますけれども、まず厚労省の方にお聞きしたいんですが、いわゆるこの法案審議するに当たって、当然、関係機関の方々と議論はなさったかと思います。そして、この法案が決まった後、国民周知をどういうふうにするかという戦略を練っているかと思います。ちょっとこの二つについて簡単に答えていただけますか。
  379. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  まず、関係者との議論でございますけれども、医療保険部会という医療関係者あるいは自治体関係者等が入った部会、審議会がございまして、一昨年の秋口から昨年末にかけまして、十二回にわたり丁寧に議論を重ねてまいりました。  それから、周知の方法でございますけれども、これは、今回の見直しは高齢者方々に御負担いただく改正でございますので、高齢者を始めといたします国民の皆様方に対しまして、目的、内容につきまして丁寧な周知広報が必要であると考えております。  具体的な周知方法についてはこれからの検討でございますけれども、これまでの制度改正の例でいいますと、リーフレットの配布、あるいは自治体の広報誌への情報掲載などを想定しておりますけれども、このほかにも、ほかの方法もあろうかと思いますので、実施主体である後期高齢者の広域連合などと相談しながら検討してまいりたいと考えております。
  380. 渡辺孝一

    ○渡辺(孝)委員 まだこの法案が決まっているわけじゃないですから、具体的な周知方法、特に国民に対しての周知方なんというのは、なかなか詳細にわたって計画が立てられるわけじゃありませんけれども、ただ、厚労省皆さんに考えていただきたいのは、普通の一般の人間として、やはり負担が上がるということに対して、決して今回の後期高齢者窓口じゃなくても、やはり人間としては、面白くないというか、不満というかには必ず人間の感情として私はつながっていくのではないかと思います。  ですから、それだけに余計に、私は、この問題に対してしっかりと計画を練った周知方法を、ある意味作戦をしっかり考えていかないと、これは本当に現場の中での混乱というのは大変なことだと思いますし、野党皆さんから言われているように、受診抑制やあるいは持病の悪化というのは私も医療人の端くれとして非常に心配をしております。  この制度を取り入れることに関しての厚労省説明は十二分に理解しておりますし、この国民皆保険を守る、あるいは将来の社会保障の制度を守っていくんだという、このことも分かりますけれども、やはり一人間として、一般市民として言えばどうも釈然としないというのが事実ではないかというふうに思います。ですから、ここは是非しっかりと、なぜこの法案提出し、後期高齢者方々負担お願いするのかというのは、丁寧な説明お願いしたいというふうに思います。  確かに、説明を聞きますと、今現在で千八百万人ぐらいですか、七十五歳以上の方々。その方々に対して現状は、二百万とか条件をつけて、トータル五、六人に一人という話をお聞きしましたけれども、私がこの審議が始まってから地元に帰りまして、社会福祉協議会あるいは老人クラブ等々に少数ですけれども人を集めて、政策懇談会と称してこの法案について少し触れました。非常に危惧する、あるいは困惑する声が大変多くて、私なりに、この法案の意義、そして将来を見据えた法案なんだということを説明しても、私の口からはうまく説明できなかったのか、納得してくれませんでした。  ですから、これは第二弾、第三弾とかけて、私も真剣に説明しなければいけないと思うんですけれども、どうでしょう、今後、周知の戦略の中で、やはり市町村とかあるいは民間団体等々に協力していただけるというような手法を考えたり、あるいは、一番は、医療機関の方々に、やはり先生にしっかりと説明してもらうということは可能ではないでしょうか。これは質問じゃないですけれども、是非そういうところにしっかりと協力要請をお願いしたいなというふうに思います。  この間、ちょっと健保連の役員の方々が遊びにというか、いろいろと、私の事務所に来まして、非常に健保連の現状について苦情を申しておりました。  この委員会でも質問が出て、田村大臣から、しっかりと自主自立している組織については何らかの応援をしたいということをお答えいただいて、私もちょっと安心しておりましたけれども、今、健保連の状況は非常に厳しい状況であるというふうに聞いております。このままでは二〇二二年までもたないだろうというような話もございましたので、是非、そういう団体にも協力を願えば、私はしっかりと協力してくれるのではないかというふうに思っております。  彼の話によりますと、四月二十二日に健保連が発表したそうでございます。令和三年度の組合の予算の早期集計としては、会計全体として経常赤字が五千九十八億円もあるそうでございますので、正直申し上げまして赤字の額も物すごい額で、もしこれが、健保組合が破綻をして協会けんぽに移行するという話になりますと、また政府負担が結局は増える話になりますので、何かその辺のところも配慮をしていただければありがたいなというような気持ちを持ちながら話を聞いておりましたけれども、是非そういうところも頭の隅に置いておいていただきたいと思います。  さて、周知の方法に特化するわけですけれども、厚労省の中で社会保障の教育をする部署もあるというふうに聞いておりますが、現在どういうような社会保障教育をなさっているか、ちょっとお聞きしたいんですが。
  381. 伊原和人

    伊原政府参考人 お答えいたします。  次世代の主役となるべき若い世代が社会保障の意義や仕組みを理解し、必要なときにしっかりとその社会保障制度を活用いただくと同時に、今後変化する社会において、社会保障の担い手として当事者意識を持っていただくということが大変重要だと考えております。  そうしたことから、厚生労働省では、社会保障教育につきまして、社会保障の仕組みや社会保険料納付の重要性などにつきまして、高校生向けのワークシートや映像教材を全国全ての高等学校に配付する、あるいは、各地の教育委員会や学校の先生方の研究会の場におきまして、この教材の活用方法などについて研修を実施してまいりました。  さらに、今年の三月、先月からですけれども、社会保障教育モデル授業に関する検討会というものを開催しまして、ちょうど来年度から高等学校におきまして公共という授業がスタートします。そこの公共の授業におきまして社会保障教育を適切に実施していただけるように、そのモデルとなるような授業の在り方について検討を進めております。  今後とも、こうした社会保障教育につきまして懸命に取り組みまして、国民の社会保障につきましての御理解を深めてまいりたい、このように考えております。
  382. 渡辺孝一

    ○渡辺(孝)委員 次世代を担う高校生の子供たちにしっかり教えるということは、本当に国としても大変大事なことだと思います。  私は、今日は本当は、時間があれば文科省あたりも呼んで、学校教育や通常行われている社会教育、こちらの分野でもしっかりと子供たちに教えるべきじゃないか。例えば、小学校一年生の子供には一年生なりの、小学五年生なら五年生なりの。  例えば、私の例でいえば、個人的な話ですけれども、特定健診のときにうちの孫が、小学校まだ二年生ぐらいですよ、私の腹をわしづかみするんです。じじ、メタボじゃないねと言ってくれたのがすごくうれしくて、どこでどう聞いたのか分かりませんけれども、何でそんなことを知っているのか。娘が教えたんでしょうけれども、やはり小さい頃からおじいちゃん、おばあちゃんが元気で健康でいてくれるとありがたいというのが孫にそういう言葉を発したのかななんて、私はちょっとじいんときましたけれども、それから何かやはり健康に注意しようかなと思いました。  やはり小さい子供から健康というものにしっかりと向き合って日頃の生活を送っていくことが、将来の後期高齢者の問題にも私はなるのではないかと思います。  先ほど、地域を回っていって、言っておりますけれども、確かに、野党皆さんが言うように、俺はもう病院に行かないわというような方もいらっしゃいました。ただ、それだけ悪態をつくので、すごく元気なので、僕の心の中では、おじさんは行かなくてもいいかもしれないねと言いたくなるぐらい元気な人ですけれども、そうはいっても、七十五歳以上の方々は、何だかんだ、いわゆる御病気をお持ちの方がやはり多うございます。  ですから、是非高齢者の特性を考えて、その周知方法の中でも、認知症になっている方への説明はどうするんだとかいう野党さんの指摘もございまして、私もなるほどと思います。ですから、決して該当者の方々だけでなく、その御家族は当たり前ですけれども、さっきの教育も含めて、国民全体に今の国の現状や社会保障の在り方というのを、やはり厚労省は先頭を切って国民教育をしていただければなというふうに思います。  そのことが、皆さんが健康であれば本当の定期健診で済むというような形が厚労省としては理想的な形になるのかもしれませんけれども、是非そんなことを頑張って努めていただきたいというふうに思います。  さて、もう時間もそろそろ来ましたので、最後はやはり大臣一言ぐらい聞かないと、ちょっとお疲れモードかなと思いますけれども。  大臣、私は、この委員会を通じて、皆さんの言っていることを聞きながら思ったのは……
  383. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
  384. 渡辺孝一

    ○渡辺(孝)委員 経過していましたか。そうですか。はい。  済みません、大臣に最後、この周知方については、国民一人一人に寄り添う気持ちで頑張るという決意の一言を聞かせていただければ、私の質問は終わりたいと思います。
  385. 田村憲久

    田村国務大臣 しっかり寄り添ってまいりたいと思います。  ただ、一言申し上げれば、社会保障、この社会保険といいますか、医療保険でありますけれども、今回のこの改正だけでは持続可能性はもちません。まだまだ国民の皆様方にはいろいろなことをお願いをしなければなりません。  そういうことをしっかり我々は国民の皆様方に常日頃お伝えをしながら、いろいろなことを御理解をいただかなきゃならない、そんなことを肝に銘じながら、しっかりと国民の皆様方とともにこの社会保障を持続可能性があるものにしていきたいというふうに思っております。
  386. 渡辺孝一

    ○渡辺(孝)委員 ありがとうございます。  終わります。
  387. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、伊佐進一君。
  388. 伊佐進一

    ○伊佐委員 公明党の伊佐進一です。  いよいよ最後のバッターになりました。金曜日最後のバッターになりました。でも、この時間に立つと高井先生の気持ちも非常によく分かりますが、最後まで充実した議論を行ってまいりたいというふうに思っております。  さっき渡辺委員の方からも言及がありました、この昨日の健保組合からの発表で、今保険財政がどうなっているかというと、経常赤字が五千九十八億円、健保組合の八割が今赤字という状況です。元々財政は厳しかったわけですが、コロナで更に厳しくなっている。保険料収入は二・六%落ちる、でも高齢者への拠出金は三・六%伸びる。  これは、皆保険制度をどうやって維持していくのかという非常に大事なテーマだというふうに私は思っておりまして、更に危機的なのは、実質保険料が初めて一〇%を超えた、初めて。協会けんぽの保険料率が今全国で平均一〇・〇〇%、それを超えてしまったわけです。  つまり何が起こるかというと、健保組合を維持していく必要がなくなる、もう協会けんぽに移れば国庫補助があって国がお金を出してくれるんだ。そうなったら、だから、今ちゃんと支援していかないと、結局、協会けんぽに移っていけば、国庫をどんどん傷めていくことになるということになります。  私は衝撃的だったのは、農業団体の健保組合の方から聞いたら、今もう全都道府県に組合はなくて、あるのは二十都道府県のみ、あとは全部協会けんぽになっていますという状況です。  だから、まず伺いたいのは、このコロナ禍で財政状況が更に厳しくなっている健保組合に対して、拠出金負担に対する財政支援であるとか、あるいは保険者機能の強化に対する支援をしっかり行っていくべきじゃないかということをまず伺いたいと思います。
  389. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  健保組合につきましては、公的医療保険制度の重要な担い手であるというふうに認識いたしております。  御指摘のように、高齢者への支援金などの負担が特に重くなっております。そういった重い健保組合の負担軽減を図ることが重要であるということで、一定の国費、現在も、総額で八百二十億円でございますけれども、国費による財政支援を行っております。  また、これに加えまして、現在のままでは解散を選択する蓋然性の高い健保組合に対しましては、保険者機能の強化を図る観点から、令和元年度から保健事業の実施に係る経費補助を行っております。  また、このコロナ禍を踏まえまして、令和二年度の第三次補正予算におきましては、補助割合の引上げ、あるいは、コロナの影響等により新たに財政状況が厳しくなった健保組合に対しても補助を行っております。  引き続き、先ほど健保組合の財政状況が悪いという御指摘がございましたけれども、しっかり健保組合の財政状況を注視してまいりたいと考えております。
  390. 伊佐進一

    ○伊佐委員 彼らは財政が厳しくなるとどこを切り詰めるかというと、保健事業費、健康増進のために使うお金をどんどん今削っていっています。だから、財政の悪化で支出を切り詰めなきゃいけない、より健康増進ができない、そうすると悪循環で、よりまた国民の皆さんの健康に影響が出るということで、だから、私は、この法案は急ぐ必要はないという方もいらっしゃいますが、私は、この保険財政だって、これこそ国民の健康に直結する課題だというふうに思っております。それも今そこにある危機なんだというふうに思っております。  野党皆さん等の議論もいろいろと伺っている中で、私は、なるほどなと勉強するところもたくさんございます。でも、同時に、これはもう意見が埋まらないなというところもありまして、だから、与党皆さんもそう思うでしょうと言われて目を合わされても困るようなところも多々ございまして、例えば、長瀬効果長瀬効果は一定の受診が減る、それが健康にどういう影響を及ぼすかというのは非常に難しい問題だ、課題だというふうに私は思っています。悪化するという研究が多いじゃないかと言いますが、悪化しないという研究結果だってあるんです。まず質問しますね。  例えば、参考人から紹介のあったアメリカのランド研究所の調査でも、こういうのも日本でやるべきだと。私は参考人質疑のときにも言いましたが、貧困率も違うし、国民皆保険かどうかも違うし、しかも、ランド研究所のこの結果は、最も貧困な人々や疾病のハイリスクの人々の健康状態が向上したというのが結論なんです。だから、日本のように皆保険で、じゃ、今回のように九割負担か八割負担かの中で本当に顕著な差が出るのかどうか。個人的に言えば、じゃ、八割負担、九割負担で実際に差をつけて、ある意味、人の健康を使ってそんな実験みたいなことを本当に日本でできるのか。私は、やるべきじゃないというふうにも思っております。  そういう意味では、経験則、今まで負担を上げざるを得なかったという局面が何度かあったわけですが、これまでの経験の中で、じゃ、健康への影響はあったのか、伺いたいと思います。
  391. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  これまで、高齢者医療におきましては、例えば現役並み所得者負担割合の引上げ、これは平成十四年十月に二割、十八年十月に三割、それから、七十歳から七十四歳の負担割合の引上げ、これは平成二十六年度から三十年度にかけて順次二割でございます。それから、高額療養費の限度額の引上げ、これは平成二十九年八月、三十年八月と段階的に行ってまいりました。  こうやって行ってまいりましたけれども、これまでの委員会審議で様々御議論があったことでございますけれども、やはり個人の健康には様々な因子がございまして、窓口負担の見直しに伴う受診行動のみを取り出して健康状態への影響を与えるかどうかといった分析は困難でございますし、そういった健康への影響について政策面で参考にできるような確たる論文等も私どもとしては承知していないということでございます。
  392. 伊佐進一

    ○伊佐委員 そうなんです。だから、分からないんです。そうなんです。  例えば、さっき議場からも質問のあった、いろいろな論文があって、じゃ、いい結果が出ているのはあるのか。いいというか、変わらないという結果はあるのか。  例えば、二〇一四年から、前期高齢者、七十歳から七十四歳の窓口負担、これが一割から二割に変更になりました。そのときの健康状態への影響の研究がございまして、これは東大と京大の先生がやって、外来患者数は確かに減ったんです。ところが、じゃ、健康上の問題への影響があったか。これは、いろいろな指標を見て、例えば国民生活基礎調査だったりとか人口動態調査とか、いろいろ見たけれども、結論は、影響はないということなんです。  だから、私は、受診回数が減ること自体が悪いのかどうか、そこも実は分からないんじゃないかというふうに思っています。  受診行動の変化とも実は言えるんです。例えば、今、かかりつけ医を政府が進めています。セルフメディケーションを進めています。こういうようなものが定着していけば受診回数が減っていくかもしれません。給付も減るかもしれません。でも、じゃ、これは健康にとったら逆にプラスになるかもしれないんです。  というように、私が言いたいのは、いろいろな要素があるということです。  じゃ、もう一個、政府に伺いたいと思いますが、さっき平均寿命の話がありました。平均寿命は確かに減ったときもあった、これは自己負担が増えたからではないかという指摘です。  一九九七年に被用者保険が一割から二割に増えました。すると、九八年、九九年には男性の寿命が〇・〇三歳下がった、〇・〇六歳下がったと。でも、ちなみに、このとき女性は延びています。二〇〇三年に被用者保険の窓口負担が二割から三割になった。その後、二〇〇五年に健康寿命がまた減ったじゃないかと。でも、今日の答弁にもあったとおり、二〇〇四年は延びています、真ん中の年が。  というように、結局、平均寿命が短くなったことが、じゃ、もう一回政府に確認ですが、医療費負担の増加が原因じゃないかという指摘に対して、厚労省の見解をいま一度答弁いただきたいと思います。
  393. 鈴木英二郎

    ○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。  平均寿命は死亡届に基づきますデータを基に作成している統計でございまして、この死亡届には、死亡者の年齢、性別、死因等の情報しか含まれておりませんので、平均寿命医療保険の自己負担額の見直しの関係については分析ができないところでございます。
  394. 伊佐進一

    ○伊佐委員 そうなんです。だから、分からないんです。要因がたくさんあり過ぎて分からないんです。  だから、今回、受診控えが起こるという、午前中もずっと議論がありました、月〇・〇七回減ると。いやいや、もっと多めに見積もれ、少なく見積もり過ぎじゃないか、配慮措置が全く使われなかったらどうなんだという議論もありました。それも月〇・〇九日です。  だから、私は、〇・〇七回なのか〇・〇九回なのかはっきりさせろとか、それの健康影響をアメリカのように調査せよというのは、アメリカの調査もあれは五年かかっているわけですから、五年間かけてその間に保険財政が破綻して、結局、保険者が健康増進事業もできずに健康悪化していく、この影響の方が私はよっぽど大きいんじゃないかなというふうに思っております。(発言する者あり)
  395. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御静粛にお願いします。
  396. 伊佐進一

    ○伊佐委員 次に、激変緩和措置について、大臣に質問したいと思います。  三年間にわたって激変緩和措置は負担増は三千円までということになっておりますが、これは申請が必要じゃないか、受けるべき人が本当に受けられるのかというような御懸念も示されております。今までの答弁でもありますとおり、これは高額療養費制度と同じということですが、ここもやはり我々としてもしっかり大臣に申し上げたいのは、しっかりと本当に使うべき人が使えるように、周知も含めて徹底をしていただきたいというふうに思います。大臣お願いします。
  397. 田村憲久

    田村国務大臣 おっしゃられますとおり、この配慮措置というもの、これは高額療養費を使わせていただくということであります。午前中も議論がございましたが、同じ医療機関ならばこれは簡単な話なんですけれども、いろいろな医療機関を受けられますから、その総計ということになります。ですから、初回にやはり申請をいただかなきゃならない。そして、口座を登録いただく、こういうことが大事であります。  今も広域連合は様々な形で登録勧奨していただいているわけでありますが、今般、このような形で高額療養費が更に広範に対象者方々は広がってくるというふうに予測もされますので、やはり保険者の方から、口座の登録、何とかこれをやっていただけるようなことをして、すると、初回申請しなくても、口座が登録されていれば、そこに保険者の方で統合して名寄せをした上で、計算して戻せるということになりますので、そのようなことを保険者で何とか対応できないかというようなことも含めて今検討させていただいておりまして、なるべくほとんど多くの方々がこれを御利用いただけるような、今いろいろな工夫を考えている最中でございます。
  398. 伊佐進一

    ○伊佐委員 ここは本当にしっかりと皆さんが受けられるように、是非御努力いただきたいというふうに思います。  最後に、野党案について、少し政府にも、どうお感じになるかというのを質問したいと思います。  私は、野党皆さんが示していただいた案は一つの考え方だというふうに思っていますし、本当に傾聴に値する、議論に値するものだというふうに思っております。  その上で、ちょっと基本理念について少し質問したいというふうに思っています。  というのは、参考人の方のお話も伺いながら、また野党皆さんのお話も伺う中で、保険料とか租税負担については応能負担でもいいんだ、ただ、サービスを受ける場合は平等であるべきだ、つまり、サービスを受ける、病気になった方が応能負担というのは難しいんだというのが皆さんの、恐らく野党案の通底している理念じゃないかというふうに私は理解をしております。  私は、ここはバランスだというふうに思っておりまして、例えば、参考人先生がおっしゃっていたのは、この観点に立てば、高齢者も、現役並みだろうが生活に困難がある方だろうが、同じ窓口負担にすべきだという御意見でした。若者も高齢者も同じ窓口負担にすべきだということでした。その分の負担は全て保険料とか租税に集中させるべきだという御意見だったというふうに思いますが、これに対して政府の御意見を伺いたいと思います。
  399. 浜谷浩樹

    浜谷政府参考人 お答えいたします。  医療保険制度につきましては、受益と負担の均衡の原則の下で、保険料で所得に応じた負担を求める一方で、受益は平等に同等の給付を受けるという考え方も一つの考え方だとは思います。  ただ、現在の医療保険制度でございますけれども、高齢者以外につきましては、自己負担は受益に応じた負担として、所得にかかわらず三割ということで一定でございますけれども、一方で、高額療養費につきましては、応能負担として所得に応じて上限を設定しております。そういう意味では、サービス面におきましても、一定割合、応能負担がまず若人についても入っております。  また、他方、高齢者につきましては、若年世代と比較して所得が低い一方で、受診の頻度も多くて長期にわたることにより、医療費が高いということも踏まえまして、そういう意味では、全員、若人と同じ、全く平等ということでありますと三割負担ということになるわけですけれども、そういったことも踏まえまして、七十から七十四は二割負担、七十五歳以上は一割負担と軽減いたした上で、現役世代との世代間の公平性、現役世代の負担の軽減の観点から、現役並み所得の方については三割負担としているということでございます。  そういう意味では、給付面におきましても、一定の応能負担という考え方も入れておりますし、年齢の特性に応じた配慮ということも行っているということでございます。
  400. 伊佐進一

    ○伊佐委員 答弁いただいたとおりで、私もそう思っています。  もう時間になりましたので、私は、野党案も本当に一つの考え方だというふうに思っていまして、要は、ただ、そのバランスを本当に変えようと思うのであれば当事者間の合意というのは必ず必要で、今回の二割負担については、これは五団体の合意を調整の結果得ています。健保連だけじゃなくて、協会けんぽの全国健康保険協会、あるいは経団連もそうだし、日本商工会議所もだし、連合までこれは合意していただいて、七十五歳以上窓口負担は原則二割とすべきだというふうに連合も言っていただいておりますので、早期に成立させるべきだと訴えて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  401. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十九分散会