○西村(智)
委員 何か評価していただいたのかしていただいていないのかよく分かりませんが。
急激に上げるとそれは大変だと
大臣おっしゃいましたけれども、今回、まさに
政府の
法案によって、一割の人が二割に、倍になるわけじゃないですか。これは急激に上がるというふうに言いませんか。
やはり、私たちの
法案も、一、四、五、ちょっと一のところを増やすんですよ。一のところを増やした上で、そこに
富裕層の
高齢者、年収およそ九百万です、全国
平均ですけれども、九百万以上の
方々の
賦課限度額を上げて、その分を投入し、足りない分については公費で
負担をするという考え方ですので。
ただ、私も今回いろいろ勉強してみて、やはり、持続可能な形にしていくためには、
政府案でもない、
政府の提案で、今回
窓口の
負担を増やすというやり方ではない、また、私たちだって、今回、コロナの
状況で、とにかく、やはりいろいろ、
高齢者の
皆さん、
現役世代の
皆さん、あるいは
医療機関、こういったところも考えて、当分の間ということで今回の提案をさせていただきましたけれども、
後期高齢者医療制度そのものが、やはり、私、もっともっと本質的なところで
議論していかないといけないんじゃないかというふうに思っているんですよ。そんな中で
高齢者の
皆さんの
窓口を二倍にするということが一体どういう
影響を及ぼすのか。
時間が、済みません、ちょっとなくなってきまして、それで、昨日
参考人質疑がありまして、長瀬効果があるということは明確になって、それで、これは
厚労省も認めていることで、長瀬効果によって受診の抑制は起こるということは認めておられるんだと
思います。
ただ、ここから先が分からないのが、長瀬効果の数式も、新しいものをちゃんと出した方がいいというふうに
参考人の方はおっしゃっていたので、それは
是非出していただきたいと思うんですけれども、そこから先です。受診の抑制が起きた後で健康への
影響がどのくらい出てくるのかということについて、
厚労省は何の調査も分析もしていないということ。これは、今までに、長
妻委員始め、宮本
委員もいろいろ
質疑をされている中で、とにかく何にも調査もしていないんですよね。
ところが、例えば、日本国内でいいますと、日医総研が、先ほど長
妻委員の資料にもありましたけれども、受診控えをした結果、半数以上の人が、症状が悪化したというふうに回答している。これは二〇一二年のアンケート調査だそうなんですけれども、そういうふうに明確に言われております。
また、この調査の結果概要では、こういうふうにも書かれているんですね。「
窓口での支払いが増えたときに受診回数を減らすという回答が多い。この背景には、所得格差等もあると推察されるが、今後、受診を差し控えない患者、差し控える患者の格差が拡大していくことが懸念される。」と。二〇一二年当時のペーパーです。
そして、昨日の
参考人の方も紹介してくださった、アメリカで行われたランド
医療保険実験ですけれども、これはすごい巨額のお金をかけてアメリカで行われた
社会実験だということです。今のお金に換算すると三億ドルぐらいのお金をかけてやられた
社会実験、二千七百五十世帯に対して行ったということなんですけれども、その資料をつけております。
最後のページですけれども、これは、「世界一わかりやすい「
医療政策」の教科書」という本に、このランド
医療保険実験の、簡単な、分かりやすい日本語訳の文がありますということで、私も見てみました。
ここに、「
自己負担があるほうが健康状態が悪くなるという結果が認められました。」というふうに書いてあります。また、「
医療費の
自己負担は
医療の質に
影響を与えるのか?」というところでいいますと、「
医療費の
自己負担割合が高くなると、価値の高い(効果的な)
医療サービスと価値の低い(効果のない)
医療サービスの両方の消費量が、同じくらい低下することも明らかになりました。」。
これはすごく重要なことだと思うんですよ。効果的な
医療と効果的でない
医療が、両方とも低下しちゃう。(
発言する者あり)もちろんそうですよ。簡単には
判断できないけれども、効果的な
医療も減ってしまうということです。
そうすると、これはやはり、日本国
政府としても、本当に、
窓口の
負担を上げることによって健康への
影響がどの程度出るのか、ある程度の分析とか調査、それをやった上でないと、この
窓口負担の二割への引上げというのは、そんなに安易にやってはいけないというふうに考えるんですけれども、
大臣、いかがですか。