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2021-04-02 第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 とかしきなおみ君    理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君    理事 菅原 一秀君 理事 長尾  敬君    理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君    理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君       青山 周平君    安藤 高夫君       上野 宏史君    大串 正樹君       大隈 和英君    神田  裕君       木村 次郎君    木村 哲也君       木村 弥生君    国光あやの君       小島 敏文君    後藤 茂之君       後藤田正純君    高村 正大君       佐藤 明男君    塩崎 恭久君       繁本  護君    田畑 裕明君       武井 俊輔君    百武 公親君       山田 美樹君    渡辺 孝一君       稲富 修二君    尾辻かな子君       大島  敦君    川内 博史君       白石 洋一君    津村 啓介君       西村智奈美君    山川百合子君       山井 和則君    早稲田夕季君       高木美智代君    桝屋 敬悟君       高橋千鶴子君    宮本  徹君       青山 雅幸君    高井 崇志君     …………………………………    議員           中島 克仁君    議員           尾辻かな子君    厚生労働大臣       田村 憲久君    厚生労働大臣    兼内閣府副大臣      山本 博司君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    厚生労働大臣政務官    こやり隆史君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  彦谷 直克君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  内山 博之君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君    政府参考人    (内閣大臣官房政府広報室長)          田中愛智朗君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           川中 文治君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房総括審議官)         山田 雅彦君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局長)           橋本 泰宏君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    参考人    (独立行政法人国立病院機構理事長)        楠岡 英雄君    参考人    (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二日  辞任         補欠選任   百武 公親君     神田  裕君   宮本  徹君     高橋千鶴子君 同日  辞任         補欠選任   神田  裕君     百武 公親君   高橋千鶴子君     宮本  徹君     ――――――――――――― 四月二日  腎疾患総合対策早期確立に関する請願斉木武志紹介)(第四九三号)  同(秋葉賢也紹介)(第五一五号)  新型コロナ対策の強化、介護報酬の引上げ、介護従事者の大幅な処遇改善介護保険制度抜本改善に関する請願津村啓介紹介)(第四九四号)  安全・安心医療介護の実現と国民の命と健康を守ることに関する請願津村啓介紹介)(第四九五号)  同(浅野哲紹介)(第五八七号)  同(横光克彦紹介)(第六二八号)  七十五歳以上医療費窓口負担二割化撤回に関する請願重徳和彦紹介)(第五一一号)  同(古川元久紹介)(第五一二号)  同(牧義夫紹介)(第五一三号)  同(関健一郎紹介)(第五五〇号)  同(本村伸子紹介)(第五八九号)  同(松田功紹介)(第六四一号)  七十五歳以上医療費窓口負担二割化に反対することに関する請願後藤祐一紹介)(第五一四号)  同(山崎誠紹介)(第五八五号)  同(青柳陽一郎紹介)(第五九七号)  同(赤嶺政賢君紹介)(第五九八号)  同(笠井亮紹介)(第五九九号)  同(穀田恵二紹介)(第六〇〇号)  同(志位和夫紹介)(第六〇一号)  同(清水忠史紹介)(第六〇二号)  同(塩川鉄也紹介)(第六〇三号)  同(田村貴昭紹介)(第六〇四号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六〇五号)  同(畑野君枝紹介)(第六〇六号)  同(藤野保史紹介)(第六〇七号)  同(宮本徹紹介)(第六〇八号)  同(本村伸子紹介)(第六〇九号)  医療介護負担増中止を求めることに関する請願牧義夫紹介)(第五一六号)  同(村上史好君紹介)(第五四九号)  同(本村伸子紹介)(第五八六号)  同(赤嶺政賢君紹介)(第六一三号)  同(笠井亮紹介)(第六一四号)  同(穀田恵二紹介)(第六一五号)  同(志位和夫紹介)(第六一六号)  同(清水忠史紹介)(第六一七号)  同(塩川鉄也紹介)(第六一八号)  同(田村貴昭紹介)(第六一九号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六二〇号)  同(畑野君枝紹介)(第六二一号)  同(藤野保史紹介)(第六二二号)  同(宮本徹紹介)(第六二三号)  同(本村伸子紹介)(第六二四号)  医療介護患者利用者負担増中止に関する請願櫻井周紹介)(第五三六号)  コロナ感染拡大から国民の命と暮らしを守ることに関する請願赤嶺政賢君紹介)(第五三七号)  同(笠井亮紹介)(第五三八号)  同(穀田恵二紹介)(第五三九号)  同(志位和夫紹介)(第五四〇号)  同(清水忠史紹介)(第五四一号)  同(塩川鉄也紹介)(第五四二号)  同(田村貴昭紹介)(第五四三号)  同(高橋千鶴子紹介)(第五四四号)  同(畑野君枝紹介)(第五四五号)  同(藤野保史紹介)(第五四六号)  同(宮本徹紹介)(第五四七号)  同(本村伸子紹介)(第五四八号)  福祉職員を増やし、賃金を引き上げることに関する請願長谷川嘉一紹介)(第五八八号)  パーキンソン病患者への難病対策推進に関する請願佐々木隆博紹介)(第六二五号)  中小零細個人事業者社会保険料負担の軽減と制度拡充に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第六二九号)  同(笠井亮紹介)(第六三〇号)  同(穀田恵二紹介)(第六三一号)  同(志位和夫紹介)(第六三二号)  同(清水忠史紹介)(第六三三号)  同(塩川鉄也紹介)(第六三四号)  同(田村貴昭紹介)(第六三五号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六三六号)  同(畑野君枝紹介)(第六三七号)  同(藤野保史紹介)(第六三八号)  同(宮本徹紹介)(第六三九号)  同(本村伸子紹介)(第六四〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保推進するための医療法等の一部を改正する法律案内閣提出第一七号)  新型コロナウイルス感染症対応医療従事者等を慰労するための給付金支給に関する法律案中島克仁君外七名提出衆法第一号)      ――――◇―――――
  2. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保推進するための医療法等の一部を改正する法律案及びこれに対する中島克仁君外一名提出修正案並び中島克仁君外七名提出新型コロナウイルス感染症対応医療従事者等を慰労するための給付金支給に関する法律案の両案及び修正案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  両案及び修正案審査のため、本日、参考人として独立行政法人国立病院機構理事長楠岡英雄君、独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官彦谷直克君、内閣審議官内山博之君、内閣審議官梶尾雅宏君、内閣大臣官房政府広報室長田中愛智朗君、文部科学省大臣官房審議官川中文治君、厚生労働省大臣官房総括審議官山田雅彦君、医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、社会援護局長橋本泰宏君、社会援護局障害保健福祉部長赤澤公省君、保険局長浜谷浩樹君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小野洋太君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。
  5. 桝屋敬悟

    桝屋委員 おはようございます。公明党桝屋敬悟でございます。  早速質疑に入りたいと思います。  医療法等の改正の前に、どうしても二つ確認をしなければならないことがございます。一点が、老健局のあの深夜までの宴会について、もう一つは、コロナワクチンについても何点か確認をしたいと思います。  一点目でありますが、今回の事案については、とんでもない事件でありましたけれども、コロナ対策本部確認をしたいと思います。  東京都下において、今、飲食店状況がどうなっているのか、確認をしたいと思います。緊急事態宣言は解除されましたけれども、その前後、時間短縮要請に応じていただけない飲食店もあるというようなことで、都としても特措法に基づく厳しい対応が続いているというような報道を聞いておりましたけれども、現在、今どういう状況になっているのか、御説明をいただきたいと思います。
  6. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 お答え申し上げます。  東京都の方では、緊急事態宣言期間中、三月二十一日までについては、特措法四十五条二項に基づきまして時間短縮要請を行っておりました。  この時期、東京都の公表資料によりますと、約十万店舗ございますけれども、九八%の店舗はその要請に応じて閉めていたというようなことで、したがって、それ以外の二%、二千の事業場について、更に目視の上確認をし、また、事前説明等を行った上で命令等手続などを進めていたというところでございます。  御指摘宴会が行われた時点は、二十一日を過ぎて二十四日ということでございますので、その時点は、特措法の二十四条九項に基づく要請がされていたという状況でございます。
  7. 桝屋敬悟

    桝屋委員 梶尾さん、もう少しちゃんと答えてよ。  だから、東京都下においては、時短要請に応じていただけない業者もあったわけでしょう。それに対してどういう対応をしているかということを端的にお答えいただきたいわけであります。  もう一回、答弁。
  8. 梶尾雅宏

    梶尾政府参考人 失礼いたしました。  東京都におきましては、緊急事態宣言期間中、約二千店舗ほどについて二十時までの時間短縮要請に応じていただけなかったということでございまして、これに対しまして、順次ということでありますけれども、時短命令事前通知をお送りし、そして、それでも応じないところに対しては命令を行うということをし、それで、そこまでいった段階で閉めた店もございますけれども、それでも応じなかったところについては、過料の手続に関します通知というのを裁判所に送る、そういったこともやっていたと。それは緊急事態宣言期間中のものでございます。
  9. 桝屋敬悟

    桝屋委員 まさに、解除にはなったけれども、その前後というのは本当に、東京都下においては、飲食店を中心に大変な事態行政罰まで検討しなきゃならぬような、こういう状況があった中での今回、解除されたとはいえ、やがて蔓延防止重点措置等も検討されるのでありましょうが、大変な事件だったと思います。  三月三十日付で関係職員処分が決定されたということでありますが、その他の事案として、職業安定局あるいは子ども家庭局のものがあって、詳細については確認中ということでありましたが、その後の調査の状況説明していただきたいと思います。  また、それに対する処分というようなことがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  10. 山田雅彦

    山田政府参考人 お答えいたします。  御指摘の二件の会食事案については、参加者への聴取等を行って詳細を確認したところでございます。  一番目の職業安定局建設港湾対策室事案については、三月二十四日に室長提案により送別会趣旨で開催され、参加人数室長を含む五人、十八時四十五分頃から開始、二十時五十分に終了し、二十一時までには全員が退店したということであります。感染予防観点から、自己適合宣言マークのあるお店を選定し、ゆったりとしたテーブルに、向かい合わせにならないような形で着席していたことが確認されております。  一方、子ども家庭局保育課事案については、三月二十五日に課長補佐級職員提案により送別会趣旨で開催され、参加人数課長補佐級以下職員六人で、十九時から開始、二十一時には全員が退店。感染予防観点については、席の間隔を空けるためテーブルを追加して配置、向かい合わせにならないように着席、会話中には意識してマスクを着用するなどの配慮をしていたことが確認されております。  これらを踏まえ、厚生労働省としては、今回の二件の会食については、決して望ましい行為ではなかったものの、処分をするまでには至らないと判断したところであります。  しかしながら、感染予防国民に広くお願いしている立場である厚生労働省職員としての自覚を促すため、事務次官より、これらの会食提案者である建設港湾対策室長及び保育課課長補佐級職員に対して注意を行ったところでございます。
  11. 桝屋敬悟

    桝屋委員 状態は分かりましたが、これ以上出ないことを祈りたいというふうに思いますが。  老人保健課長を始め関係職員処分、それから今の御報告も含めて、処分処分として、今回の事態を受けて、厚労省の全職員に対してメールで、歓送迎会等会合は控え、自覚ある行動を取ることというふうに周知徹底をされたと。これは一体誰の名前メールを打ったのかということも気になるところではありますが、私は、歓送迎会等会合は控え、こんな表現じゃ、全然心は伝わらない。私がもし文書を作ったら、歓送迎会等会合は厳に自粛、禁止、このぐらい書きますよ。  都内の飲食店に対して厳しい行政罰の適用などの対応が続く中で、これは長妻先生がおっしゃっていましたが、居座り時短破りというようなことを言われるような事案があったわけでありまして、言い訳のできない事態だと。  これは、我が党も謹慎中でありますから、ちょっと言葉を選んで物を言わなきゃならぬわけでありますが、大臣、三万四千余の厚労省職員に対して、コロナ禍を克服するまでは、時に触れ、繰り返し、巻き返し、こんなことが起きないように私は注意喚起をこれからも行うべきだと思っておりますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
  12. 田村憲久

    田村国務大臣 おっしゃられるとおりでありまして、折に触れ、やはり意識を徹底していかなきゃならないというふうに思います。  我が省が、もちろん内閣官房コロナ本部もそうなんでしょうけれども、共に、感染拡大防止国民皆様方お願いをする中で、本来ならば、それは自由な中でいろんな生活をされておられる国民皆様方でございます。そういう方々に、例えば外出を自粛お願いしたり、それから飲食等々、多人数では控えていただく、こういうお願いをいたしておるわけでありますから、厚生労働省の人間も国民の一人だと言われればそれまでなんですけれども、そうじゃなくて、それをお願いしている立場であるという自覚を持って一人一人が行動いただきたいということでございますので、おっしゃられるとおりでございまして、これからもしっかりと、折に触れ、そういうような意識が徹底するような、職員に対しての指示を我々としてはしてまいりたいというふうに思っております。
  13. 桝屋敬悟

    桝屋委員 もうこれ以上は言いませんけれども、山本大臣、これは大体あなたの仕事ですよ。大変なんだから、大臣は。  特に、公明党から副大臣としてお出になっているわけでありまして、少し工夫をしていただきたい。去年の年末にメールで全職員注意喚起メールは打たれたようでありますが、人の出会い、別れ、この時期は気をつけましょうねとみんなで言い合っている中で、やはり巻き返し、繰り返し、副大臣名前で全職員メールを打つぐらいの工夫を私はやるべきだったというふうに思っております。  職員に対して、今大臣がいみじくもおっしゃったけれども、コロナ対策についてやはり国民お願いをする立場、もっと言いますと、国民の先頭に立ってコロナと戦っている、そういう職員でありますし、あるいは、大臣山本大臣にも聞いてもらいたいけれども、現場、私は今コロナワクチンの担当をしておりますけれども、各自治体から上がってくる声は、何で厚労省職員まで自治体が責任を持って接種体制をつくらなきゃいけないんだと。いや、それは住民税を払っているから当たり前でしょうという、大臣がいみじくもおっしゃったけれども、国民の一人ですと、そうじゃないわけでありまして、お世話になっているというような気持ちも持って、これはなかなか大臣の御性格から私はどうかなと思う。  山本大臣、あなたですよ。あなたなら分かってくれるはずで、僕は是非工夫をしてもらいたい。大臣は本当に忙しいわけで、もう一人の大臣が何かいろんなことをおっしゃるものだから振り回されておりますけれども、副大臣、頑張っていただきたい。  その次のテーマに行きたいと思いますが、コロナワクチンについて、一つ確認をしておきたいと思います。  私は、思いますに、我が国において、コロナ対策高齢者皆さん方に全てワクチンが打ち終わったら新しいステージが来るというふうに思っておりまして、そういう意味では、いよいよ四月から、今月から高齢者への接種が始まるわけでありまして、緊急事態宣言が解除された中、蔓防といいましょうか、蔓延防止重点措置というような議論もされている中で、今最も重要なことは、重症化リスクの高い高齢者への優先接種を円滑に進めることが何より大事だというように思っております。  全国三千六百万人と言われる高齢者への接種について、ワクチンの供給と、それから接種現場への出荷計画、さらには自治体接種計画、どうなっているのか、全ての国民に明らかにしていただきたい。  各自治体に示されている手引では、高齢者への接種券の発送については、標準的には四月の二十三日頃までに、このようになっているわけでありますが、高齢者ワクチンはいつ現場に届いて、いつ接種が終わるのか、これは内閣府、厚労省、それぞれお答えをいただきたいというふうに思います。お願いいたします。
  14. 山本博司

    山本大臣 今、委員から厳しい御指摘がございました。本当に国民皆様の信頼をかち得るためにも、全力で取り組んでいきたいと思う次第でございます。  ワクチン接種のことでございますけれども、高齢者への優先接種につきましては、四月十二日の週から開始をしていただくために、四月五日に百箱、四月十二日、十九日の週にそれぞれ五百箱を全ての都道府県に配送いたします。さらに、四月二十六日から、全ての市区町村に一箱ずつ、合計千七百四十一箱に加えまして、四月二十六日から五月九日までに四千箱を自治体の需要に応じて配送し、六月の末までには、全ての高齢者約三千六百万人に二回接種できるワクチンを配送する見込みである次第でございます。  現在、各自治体におきまして、四月から始まる高齢者への優先接種に向けての接種計画、これを今作成をしていただいているものと承知している次第でございます。  その上で、委員今御指摘ございました、高齢者への優先接種完了見込み等についてでございますけれども、実際に接種の実務を担う自治体規模は様々でございますので、その事情に応じて作成した計画によるものと考えておる次第でございますけれども、自治体接種準備状況について厚労省と今把握をしておりますけれども、しっかり連携をしながら、政府としては、一日も早く全ての国民皆様安心して、有効なワクチンを届けられると考えておりますので、しっかり連携して取り組んでいきたいと思う次第でございます。
  15. 桝屋敬悟

    桝屋委員 山本大臣、六月の末までには三千六百万人、二回分、全部現場に届くと。  届くことは分かりましたけれども、じゃ、接種が四月の十二日から始まる、数限定で始まるわけでありますが、終わるのは大体いつ頃かというのは、大体九月という話が接種計画を作る上でありましたけれども、九月までには終わるんですかね。重ねて伺います。
  16. 山本博司

    山本大臣 ワクチン高齢者接種完了時期がいつになるかということでございますけれども、今お話ししましたとおり、今、各自治体に対して接種計画、これを具体的に出していただいている状況でございますので、千七百四十の自治体、それぞれ規模も違いますし、人口も違いますし、その状況がございますから、今そのことに関してなかなか具体的な形では答弁できませんですけれども、この計画に基づいて、しっかりと連携しながらやっていきたいと思う次第でございます。
  17. 桝屋敬悟

    桝屋委員 冒頭申し上げましたように、私の問題意識は、我が国コロナ対策高齢者への接種が終われば、一段落すれば、新しい局面が来ると私は思っているわけでありまして、そういう意味では非常に大事な話なのでありますが、千七百四十一の自治体がそれぞれ今準備をされているということで、いつまでに終わるかということはなかなか言えないわけでありますが、ただ、山本大臣が今お答えになったように、それぞれ出荷計画はもう明らかにされているわけで、しかも、四月二十六日から五月の頭にかけて四千箱というのはV―SYSを使って供給されるということも理解しているわけであります。  そういう意味では、四月の二十六日から四千箱行くわけでありますから、来月のゴールデンウィーク大型連休というのは私は非常に重要な時期、まさにその辺りから本格的な高齢者への接種が始まる段階だ、こう思っておりまして、さあ、ゴールデンウィークはどうなるかな、こう思っていたわけでありますが、そこで河野大臣が、ゴールデンウィーク中の自治体接種について言及をされているわけであります。  V―SYSの外で配送スケジュール調整を行うような発言をされております。この発言趣旨は一体どういうことなのか、政府として大型連休中の接種を是非やろうということなのか。しかし、急ぎはしますが、やはり安全、安心接種体制ということが極めて大事でありまして、私は、自治体の競争をあおるようなアクションはよくないなとも思っているわけでありますが、河野大臣がV―SYSの外で配送スケジュール調整を行うというのは一体どういう意図の発言なのか、お示しをいただきたいと思います。
  18. 内山博之

    内山政府参考人 お答えいたします。  三月二十六日の閣議後記者会見において、河野大臣から御指摘の旨をお示しさせていただきました。  その会見でも河野大臣からお伝えいたしましたが、四月二十六日の週に全ての市区町村に一箱ずつ、千七百四十一箱をお届けするのに加えて、四月二十六日から五月九日までの間に四千箱を需要に応じて配送すると。  他方、V―SYSでは、二週間ごとにワクチンを配送するシステムの制約がございまして、四月二十六日から五月九日の二週間の間に配送を希望する自治体に対しまして、四月二十六日から五月九日の、このどの日にワクチンをお届けするか、事前にお伝えできないということでございます。  したがいまして、四月二十六日から五月九日までの間に配送を希望し、ゴールデンウィーク中に接種計画している自治体には、あらかじめ配送日を調整したいという趣旨でお示しをしたものでございます。  これはあくまでもゴールデンウィーク中に接種計画している自治体調整を行っているものでございまして、政府として大型連休中の接種を勧奨するものではございません。
  19. 桝屋敬悟

    桝屋委員 河野大臣も、ゴールデンウィークの後、どっとファイザー社のワクチンが入ってくるわけでありますから慌てる必要はないというふうには確かにおっしゃっているわけでありますが、この河野大臣発言を聞いた自治体の首長さんは、それじゃ、やはり高齢者は一日も早く打った方がいいということで、無理に連休中の接種をするということが、私は無理な体制はやめた方がいいと。本当に安心、安全の接種体制の整備ということにも留意をしなきゃいかぬ。  後でしっかり入ってくるということ、六月末までには全部来るんだという意識をしっかり持っていただく必要があるだろうと思っております。  それからもう一つ、小林補佐官が報道番組で、ワクチン接種について国民がどのワクチン接種するか自ら選択できるというようにするようなお考えを示されまして、すぐその後河野大臣が、完全に勇み足で、発言を撤回し、おわび申し上げる、こうおっしゃっているわけで、河野大臣が勇み足と言うのはどうかな、あなたこそ勇み足が多いんじゃないか、こう私は思ったりするわけでありますが、この二人の関係、よくよく御注意をいただきたいなと。本当は本人を前にやりたいわけでありますが。  私も、現在、ファイザー社のワクチン供給を待っておられる自治体は、国民からすると、この発言はいささか先走った発言ではないかな、こう感じたわけでありますが、撤回をされたので。  ただ、一旦発言した言葉は重たい。もう本当に走っているわけでありまして、ひょっとしたらこれは、ファイザーはともかく、もう薬事承認、特例承認が出ていますから、これはアストラゼネカもモデルナもそろそろ薬事承認の流れが見えてきたのかな、こう勘ぐってしまうんですけれども、厚労省、どうでしょうか。
  20. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 御指摘のとおり、ファイザー社につきましては、二月に特例承認をいたしました。その他の二社、アストラゼネカ社につきましては二月五日に、また、モデルナ社につきましては国内開発を担当しております武田薬品工業から三月五日に、それぞれ特例承認を求める申請がなされているところでございます。  それで、どちらのワクチンにつきましても、現在、PMDAにおきまして、最優先に、迅速かつ慎重に審査を進めているところでございまして、申し訳ございませんが、具体的な承認時期につきましては予断を持ってお答えすることは難しいことについて御理解賜りたいと存じます。  いずれにいたしましても、私ども、速やかに承認審査を進めまして、国民皆様に一日も早くお届けできるよう取り組んでまいります。
  21. 桝屋敬悟

    桝屋委員 という状況の中で、この小林補佐官の発言は、そんなことまで現場に、皆さん、そんなことないだろうと思われるかもしれませんが、これは大臣も聞いてもらいたいんですが、現場でどんな議論になっているか。  ひょっとしたら、ワクチンというのは選べるのか、選ぶということは、ワクチンにいろいろレベルがあるんだろう、こういう声を聞きました。ひょっとしたら一回で済むワクチンがあるということなんじゃないか、さすれば、接種計画をしっかり考えなきゃならぬというようなことまで考えている自治体があるということを、たとえ撤回してもこういう言葉の影響というのはそこまであるんだということを是非御理解をいただきたい、よく伝えてもらいたい。また本人にも直接お話をしたいと思いますが。  それで、改めて確認をしたいと思いますが、将来的に三つのワクチンが供給されるようになった場合、一般の市民の皆様方接種をする場合、河野大臣は、検討中、何も決まっていないとおっしゃったんだけれども、どのような形で接種していくのか、戦略を検討していると。戦略、こうおっしゃった。  戦略を検討する場合のファクトは何なのか。国民ワクチン選択という観点も含まれるのか。自治体が大きな関心を持っているので、お示しをいただきたいと思います。
  22. 内山博之

    内山政府参考人 お答えいたします。  ファイザー社以外のワクチンにつきましては、現在、厚生労働省において承認申請が行われているものと承知してございます。  仮に複数のワクチンが承認された場合の具体的な運用につきましては、ワクチンがいつ承認されるかといったことを始めまして、ワクチンに関する情報というのは日々変わっていくものでございますので、まさに様々な観点から検討させていただいているところでございます。  いずれにせよ、決まり次第、国民皆様に速やかにお伝えしていきたいというふうに考えてございます。
  23. 桝屋敬悟

    桝屋委員 何かよく分からぬ答弁でありますが、いずれにしてもまだ何も決まっていないと。国民の選択ということも一つのファクトとして考えるのかどうか。そこはどうですか。
  24. 内山博之

    内山政府参考人 河野大臣からも会見で申し上げているとおり、先ほど先生からもお話がありましたとおり、現時点で何が決まっているということはございません。  そういう意味では、繰り返しになって恐縮ですけれども、ワクチンに関する情報は日々変わっていくものでございますので、その時点での情報を総合的に勘案して判断をさせていただきたいということでございます。
  25. 桝屋敬悟

    桝屋委員 二月の八日の予算委員会で、私の質問に対して河野大臣は、ファイザー社のワクチン一種類しかないというお話の後に、「国民皆様にはしっかりと情報をお伝えをし、国民皆様がそれぞれ選択をしていただくということになりますが、」というようなこともおっしゃっているんです。私、この線上での小林補佐官の発言かなと。ただ、いずれにしても早過ぎる、大混乱を生んでしまう、こう懸念をしたわけでありますが。  どうぞ、何とおっしゃったかというと、完全に勇み足でと。勇み足にならないように、現場が本当に大変な思いをして準備しているということを是非御理解をいただきたいと思います。また、御本人には申し上げたいと思います。  医療法の改正を全然やる時間がなくなりましたのですが、一点だけ、大臣お願いをしておきたいと思うんですが、外来医療の機能の明確化、連携ということが、病床機能の明確化に続いて、やっとこのレベルの作業が始まるわけであります。  医療資源を重点的に活用する外来と。これはなかなか意味が分からぬ話でありますが、外来を専門にする医療機関を整理するんだろう、こう思っておりますが。  この外来医療の報告制度、実施されれば、これは診療所の皆さん方も当然ながら報告をするように、該当するベッドを持っていれば対象になると思いますし、ベッドがないところも希望すれば報告ができるという仕掛けのようでありますが、是非とも、そうして集まったデータを活用して、地域の医療資源の有効活用が推進されて、有床診療所と病院の役割分担、すみ分け、そして何より地域の医療連携が推進されるような方策を、是非このデータを活用して、我々は協力するから、是非その辺を考えていただきたい。  更に言いますと、診療所はなかなか大変でありますから、スタッフも、この報告制度が半日もかかるような作業にならないようにできるだけ簡便なものにしていただきたい、そして有効活用してもらいたいという御要請を、地元の医師会の皆さん方から、有床診の皆さんから御要請をいただいております。  最後に大臣お願いをして、終わりたいと思います。
  26. 田村憲久

    田村国務大臣 有床診療所、地域包括ケアも含めて、大変大きな役割を担っていただいております。地域によって格差がありまして、主に西日本の方に多くあって、東日本の方が少ないという傾向があるわけでありますけれども、それぞれ深化しながら、今様々な役割を担っていただいております。  そういう意味からいたしますと、病床機能報告、これは今も、もうお出しをいただくようになりまして、出していただいておりますが、外来の方の実施状況がどういう状況か、こういうデータを、ナショナルデータベース、NDBからしっかりとお示しをさせていただきながら、なるべく簡易な形で報告いただく。病床機能報告も出していただいておりますので、物は違うといっても、大体どんなものかというのは御想像がつくのかなというふうに思いますけれども。  いずれにしても、今言われました、いろんな事務的な手続等々で御負担があると。元々、人数的に少ない中で、本当にフル稼働して御活躍をいただいておる、そういう医療機関でございますので、なるべく簡素で分かりやすい形で報告を出していただけるように、そして、それにのっとってしっかりとした役割を担っていただけるように、我々としても丁寧にお示しをさせていただいて、努力してまいりたいというふうに考えております。
  27. 桝屋敬悟

    桝屋委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  28. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、長妻昭君。
  29. 長妻昭

    ○長妻委員 立憲民主党の長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。  今日は、尾身先生、お忙しいところ、今日も国会にお出ましいただいて、ありがとうございます。  やっと法案審議に戻ることができました。  今、非常に、緊急事態宣言解除後、各地でリバウンドが起こって、助かる命が助からない、こういう事態が宮城県中心に発生しつつあるという大変重大な局面に差しかかっている、こういう理解は与野党共に共有している、大臣も共有しておられると思います。  その中で、今、配付資料の一枚目、大変これは細かい表で恐縮なんでございますが、地域医療構想ということで、四百二十四のリストが、地域に公表して示されました。その後、微修正されて今は四百三十六でございますが、四百三十六のリストはマル秘だと。だから、四百二十四のリストで議論するしかないんですが、まあ、ほぼ変わっていません。そんな大きくは変わっていないということで、四百二十四のリストを一ページ目につけさせていただいて、是非、こちら、地域地域の、ちょっと小さいんですけれども、見ていただいて、公立・公的病院が一つのターゲットになって、こういう形で再検証リストになっている。御地元を是非見ていただいて、本当に大丈夫かということも共有していただきたいと思うんですが。  その中で、尾身先生が理事長の地域医療機能推進機構、略称JCHOについては十八病院、これは緑色で色を塗らせていただきましたけれども。  これは、尾身先生、この十八病院について、こういうリスト化されて、議論せよということになっているんですが、先生の御意見、御見解をお聞かせをいただきたい。こういうコロナ禍の中で大丈夫なのかという心配もあると思いますが、どうでございますか。
  30. 尾身茂

    尾身参考人 お答えいたします。  地域医療構想については、コロナの流行が始まる前から始まっていまして、それで、地域の医療をより効率的に、各医療機関が役割分担をして連携を強めるということで始まったわけです。  そういう中で、我々JCHOの方もこの議論に各地元で参加して、我々としても、ベッドがあるけれども空床が多くて、もう少しいろいろ調整をした方がいいというところで議論に参加しておりました。  まだ最終的な結論は出ていませんけれども、かなり積極的に、私ども本部も、各病院に、国が言ったから、言われたわけではなくて、地域のニーズは一体どこにあるのかということを、しっかりそこを踏まえて、病床が多いあるいは少ないんだったらということをしっかり議論するように指示を出して、そういう中で今回コロナが流行があったわけですよね。  私の理解は、これは昨日もちょっとうちの地元の院長と話しましたけれども、現在はコロナが流行がありますので、地域における調整会議というのは今サスペンドされています。  私自身はこれをどう思うかというと、地域で無駄があるという部分が確かにあるんですよね。小さい病院が乱立して、同じように患者さんを奪い合うみたいな。どうしてもこれを、より機能を、各病院の役割を明確にするということが大事で、今回コロナですから、コロナで分かったことは、やはり、いわゆる五事業という中に感染症は入ってこなかったわけですよね。そういう意味では、がんとか循環器疾患に加えて、感染症というのを新たな事業に入れて、そういうことを踏まえて、これからコロナが終わってから、しっかりと終息してから、新たな地域の医療の在り方というのを、単にベッドをどうするかということじゃなくて、医療人の、医師の育成の問題なんかも含めて、今までの経験、そして今回のコロナの経験を踏まえて、しっかりとみんなで考えていくべきだと思っております。
  31. 長妻昭

    ○長妻委員 私も本当にそう思うんですね。つまり、コロナが終わってから、きちっと調整会議含めて考えていくということで、青写真を示す必要がある。  この再編統合の検討が必要なリストというのは、公立・公的病院だけなんですね。しかも、ここは多くが今回コロナを受け入れておられるわけでありまして、このリストができたのは、コロナが全く影も形もない段階で作られたリストでありますので、やはり政府には、コロナが終息した後に、このリストを所与のものとして進めていくのではなくてということを強く要請をしたいと思います。  そして、今日は、楠岡先生にも、国病機構、国立病院機構の三十一病院、リストアップされてしまいましたけれども、来ておられて、先生は阪大の教授でいらっしゃり、循環器内科でございますね、御専門の、非常に権威ある方でございます。国病機構の理事長に来ていただいて、本当にありがたいことだったと思います。本当にありがとうございます。  これは三十一病院ございますが、本当に地域でコロナで御奮闘されておられる病院も数多くあるんですが、先生は、この再検証リストにこれだけの病院が残ったということについて、コロナの前の基準ですので、どういうお考えでございますか。
  32. 楠岡英雄

    楠岡参考人 お答えいたします。  先ほどの尾身先生とのお話にもかぶるところがございますけれども、国立病院機構としても、今後の人口減少等の中長期的な見込みは変わっていないことを踏まえ、地域医療構想の基本的な枠組みを維持していることの必要性は認識しております。引き続き、地域医療構想調整会議に積極的に参加してまいりたいと思っております。  また、今回の新型コロナへの対応等の状況を受けて、第八次医療計画では、五事業に新興感染症等の感染拡大時における医療が追加されると聞いております。今後、その具体的な在り方についても、各地域の地域医療構想調整会議において議論をされると聞いております。我々NHOといたしましても、この感染症の部分に関しましては強みがある分野でありますので、こうした点については、再検証対象医療機関を含め、しっかりと説明していくこととしております。  こうした議論を通じて、地域ごとに最適な医療提供体制が定まっていくものと考えているところでございます。
  33. 長妻昭

    ○長妻委員 私も、先生がおっしゃる後段のところ、本当に同感いたします。  国病機構、国立病院は、感染症に強みのあるところが非常に多い、今回も大変貢献されておられるということで、今回このリストが撤回されないで、そのまま進めるというふうに政府は今かたくなな姿勢を維持しておりますけれども、これは、やはりコロナの終わった後、もう一度、民間も含めて、公的・公立病院だけ狙い撃ちというのが非常に解せないんですけれども、民間を含めて議論していただきたいということを思います。  そして、もう一つ気になるところが、資料三ページですね、これは今も政府の方針が変わっていない案件でございますが、今回の地域医療構想のもう一つの大きな狙いとしては病床の削減ということで、日本の病床が多過ぎる、これは私も問題意識を持っています、何とかしないといけない。  ただ、コロナの前につくられた、二〇一五年比で二〇二五年は急性期のベッドを約三割削減するというような目標がありますが、これはコロナのさなかでも変わらないというふうに政府は言っているのでございますけれども、これはコロナの後、もう一度私は再検証をする必要があるんじゃないかなと思うんですが、尾身先生、公衆衛生の専門家からして、いかが思われますか。
  34. 尾身茂

    尾身参考人 私は、地域医療構想、コロナが始まる前にした考え方は、基本的には正しいと思います。  私自身もJCHOの責任者として現場を見ますと、必ずしも今の医療体制が地域のニーズにぴったり合っているわけでは、病床はあっても比較的稼働率が低いところもあるしということで、私は、日本の医療を、現実の、これからの人口構成とか疾病の在り方、そういうことを踏まえて、一体ニーズはどういうところにあるのかということがベースにあって、それによって、一体どういうふうな姿、医療の姿があるかというのを考える一つの契機が地域医療構想だったと思います。  しかし、今度コロナがあって、今、国立病院機構の方からありましたけれども、やはり、このコロナを通して新たな課題も見えてきたので、最初に、従来あった地域医療構想の考えは私は正しかったと思うので、それを更に深化させるということが必要だと思います。
  35. 長妻昭

    ○長妻委員 私も同感でございます。新たな課題がコロナで見えてきたので、従来のまま、そのまま進めるということではなくて、地域医療のいろいろな考え方、改革というのはこれは我々も必要だというふうに思っていますので、コロナの影響をきちっと分析せずに進めていく、あるいは、今日、この法案では枠組みをまずはつくっちゃおうということについては、非常に疑問があるところであります。  その中で、先週の水曜日、三月二十四日に通知が出されました。これはどういう通知かといいますと、医療提供体制整備についてということで、厚労省が各都道府県にお願いしたものでございます。  これは、感染者の大幅増、つまり、これまでのピーク時の二倍の新規感染者が出たとしてもちゃんとベッドが確保できるようにしてください、最悪、一般医療を制限しても確保してくださいということで、四月と五月に回答を求めるということで、ある意味では、急性期のコロナ用ベッドを拡大してほしい、こういう通知が出ていると同時に、今この法案審議は、かつての、コロナの前のリストで、再編、削減というような形で議論されているということで、やはり、コロナの影響をきちっと分析した上で、民間も含めたリストを作るなら作るというようなことが必要ではないかというふうに思うのでございますが、この点、尾身先生はいかがでございますか。
  36. 尾身茂

    尾身参考人 私は、日本の医療というのは民間の医療がかなり多いわけですよね、公的医療機関というのは多分二〇%前後だと思いますけれども。恐らく、公的医療機関の方が政府との関係も比較的近いので、まずそこから始めるということで始まったと思いますが。委員も御指摘のように、最終的には、日本の医療というのは民間の医療が非常に重要な役割を果たしていますから、そういうことも含めた全体像というのをしっかり示すということは当然重要なことだと思います。
  37. 長妻昭

    ○長妻委員 民間主体ということで、日本の医療は、一九六三年が転換期だったと思いますけれども、非常に民間主体に切り替わってしまった。一九五九年の最終答申では、厚生省の、公的・公立病院中心にいこうとしていたのが、非常に大きな団体の影響もあり、そういう形態になったということで。  私は、今、現状は尾身先生がおっしゃったとおりだと思うんですが、果たして、民間が日本は医療が主役です、公立・公的はあくまでも補完です、こういう考え方でずっと一九六三年からやってまいりましたが、本当にそれでいいのか。公的・公立も危機のときはやはり主役になっていただく、こういう局面もあるんじゃないのかということで、どっちが補完、どっちが主役という考え方を一旦リセットする。今回のコロナでいろいろ教訓を得たわけじゃないですか。そういうことが大変これは必要だ、重要だというふうに思っております。  これは田村大臣にお伺いいたしますけれども、そういう意味でも、この四百三十六のリスト、これは一旦撤回をしていただきたい。そして、コロナの後、分析して、民間も含めたこういうリストを作るなら結構でございますけれども、これは是非そういう撤回をしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか。
  38. 田村憲久

    田村国務大臣 民間には民間で、同じものではないですけれども、データはお示しをさせていただいておりますけれども。  これはちょっと勘違いがあられるんだと思うんですが、これは、やってください、このまま、そんなことは誰も申し上げていないんですよね。あくまでもデータとしてお示しをさせていただいて、じゃなかったら、だって、地域医療構想の調整会議なんて要らないわけでございまして、まさにそれは調整会議で御議論をいただくということでありますので。しかし、そのときに何の物差しもないというわけにいきませんから。だから、そういう意味では、実績としてはこういうものがあります、そして将来的には人口が変わるとこういうような形になります、それだけの話であります。  地域によって事情が違いますからね、全く同じじゃありませんから。だから、そこはそれぞれの地域で考えていただかなきゃなりませんし、今、尾身先生からもお話がございました、人口が減っていく、必要じゃない医療、それを供給を残せば、それは医療機関として運営ができなくなるわけでありますから、あくまでもその一つの判断材料であります。  それを今回、全く私も、いろいろと今お話があったとおりだと思いましたけれども、コロナという状況が新たに入ってまいりましたので、それも含めていろいろと地域で御議論をいただくということでございますので、全く私も、今、両委員と、お話がございましたけれども、そごはないなということでお聞かせをいただいておりました。
  39. 長妻昭

    ○長妻委員 これは全く、大臣、その言い分というのは、私はちょっと認識が間違っていると本当に思うんですね。  例えば、二ページ目を見ていただくと、これはこの前の土曜日の新聞一面ですよ、信濃毎日新聞。このリストで名指しされた病院、非常に厚労省が再編統合を促した病院ということで、医師がどんどん離れている、地域のとりでが揺れているということで。  大臣、ちょっとちゃんと厚労省確認した方がいいですよ。民間も出しているというのは、これは民間、公立とも同じ基準のレセプトデータの分析というのはあるんですよ、これは毎年やっているんですよ。ただそのデータがある、そういうことだけなので、全然位置づけはこのリストと同じような形で民間なんか出ていないわけですよ。  しかも、大臣、私も、このリストだけがただ参考にしてくださいと送られたのなら、別にこんな国会で取り上げるような問題じゃないですよ。ところが、このリストに付随して、令和二年一月十七日、通知が出ているんですよ、今手元にあるかもしれませんが。つまり、このリストはこの通知に基づいて出したリストだよと。  そこには、このリストを見ながら、医療機能の方向性をちゃんと再検証を得た上で合意を得ると、調整会議で。医療機能の方向性というのは何かというと、一つは機能統合や連携、二つは機能縮小、三つ目は機能廃止等、そういう、具体的に廃止、縮小ということが明記されて、やってくださいということでこれは下りていっているわけです。  大臣がおっしゃるように、私も、ベッドが日本は多過ぎると言ったじゃないですか、さっき私も。これは何とかしないといけないですよ。ただ、急性期三割と、こんな機械的なコロナの前に掲げた目標を全く変えないで進んでいくというのは、これはどうかしていますよということで申し上げているわけで。  しかも、大臣、経緯を御存じないのかどうか分かりませんが、これは経緯があるんですよ、いろんな経緯が。  二〇一七年の三月に、実は地域医療構想がもう策定されました、決定しました。これは、都道府県が作ったものがあります。これに基づいて地域構想の調整会議ですね、これが三百三十九会議が全国にできて、そこでヒアリングを受けて、完成しました、二〇一八年の末に。でき上がったということで、地域に考えてくださいと厚労省が投げて、都道府県は真面目にその構想を議論して、でき上がったんです、地域のいろんな事情を、相当時間をかけて。  そうしたら、それでゴーサインが出ると思いきや、いきなり厚労省は、いや、こんなリストであれば三割削減の目標が達成できないと。こういうことをおっしゃっているんです、当時。急性期病床の削減は数%にとどまり、急性期からの転換が進んでいない、駄目だ、差戻しだと。  びっくりしたわけですよ、地方、都道府県は。あれだけ真面目にかんかんがくがく議論して、相当傷ついた議論もありました。人間関係がちょっと悪くなった議論もありましたけれども、それでも踏み越えて出したのに、地方が、お任せしますから議論してくださいと言ったのに、ちゃぶ台返しですよ。はしごを外しちゃったわけですね、簡単に言うと。  そして、再検証リストをどんと上から、おまえらの議論じゃ駄目だ、この四百二十四のリストを出すから、ちゃんとこのリストを削減しろと、通知を出して、そして下ろしてきたから私は言っているんですよ。単なる参考のリストで出してきたら、こんなの国会でやりませんよ。  だから、その経緯を踏まえて、このリストはそういう位置づけなんだということで、これを撤回していただかないと、採決はなかなかできないですよ、法案の。  大臣、この法案は、地域医療構想を進めるために税制、財政で支援するという法案なんです。ただ、その中身の地域医療構想はお任せになっているわけです。でも、お任せのところが間違っていたら、この支援策についても、はい、そうですかと言えないのは、これは御理解いただきたいと思うんですね。  これは、生きるか死ぬかなんですよ。今後、第四波も来る、あるいはコロナの次にまた脅威の非常に高いウイルスがあるかもしれない。是非、四三六リスト、撤回していただきたい。  私が言っている意味は、いや、リストはリストでいいですよ、もう自治体に出しているんだから。それを何か破り捨てろということではなくて、そのリストに付随している通知ですよ。このリストはこういうふうに削減するリストなんだからやれという、この通知を撤回していただきたい。これは本当にやっていただかないと、これからの将来の危機対応、これは間違うと思いますよ。いかがですか、大臣
  40. 田村憲久

    田村国務大臣 通知、これですよね。こう書いてあるんですよね。「なお、厚生労働省が行った分析は、あくまで現状で把握可能なデータを用いる手法に留まるものである。このため、分析結果をもって、公立・公的医療機関等の将来担うべき役割や、それに必要な病床数や病床の機能分化・連携等の方向性を機械的に決めるものではない。各公立・公的医療機関等の取組の方向性については、地域医療構想調整会議において、当該分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する知見を補いながら、議論を尽くされたい。」、こういうことでございますので、委員がおっしゃられておられるとおりでございます。
  41. 長妻昭

    ○長妻委員 そういう文章もありますけれども、基本的には1、2、3で、その文章の下に「合意を得ること。」と書いてあるんですよ。これは大臣、過去の経緯から見て、それはこのリストできちっとやってくれということが、最後の、結びの結論に書いてあるわけですよ。大臣、駄目ですよ、これは。  そうであれば、大臣今おっしゃったとおりであれば、リストを撤回すればいいじゃないですか。つまり、リストはあくまで目安だと、全然こんなリストなんて、まあ、参考ですから、横に置いてやってくださいというんだったら、もう結論が二〇一八年の末に出ているわけですから、都道府県で。だから、これは撤回すればいいじゃないですか。このリストは別に、そんなに重みのあるものじゃないから、まあ、参考ですよというのであれば、撤回しても全然問題ないじゃないですか。何で撤回をこれほど拒むのか。  これは、是非、地域を預かる国会議員でしょう、皆さん。地域の代表でもあるんですよ、我々。そこで、リストを見ていただいて、本当に狙い撃ちされて、大丈夫なんですか、危機対応。助かる命が助からない、こういう状況が第三波で起こったわけじゃないですか。これは大変国家として恥ずべきことですよ。戦後、医療行政の最悪の私は汚点だと思います。  そういう非常に強い経験をしたまま、コロナをちゃんと勘案しないで、リストは撤回しない、通知も撤回しないというのは、これは私はどう考えても見過ごすことができないということは強く申し上げておきますので、是非お考えをいただきたいと思います。  それに関連もするんですけれども、助かる命が助からないという状況でありますが、これは、大阪の緊急事態宣言、解除が早過ぎたんじゃないですか。大臣、どう思われますか。
  42. 田村憲久

    田村国務大臣 一番現状がお分かりになられておられる地域からお声が上がって、その上で、専門家の御意見もお伺いしながら、最終的に判断をさせていただきました。  確かに、今、感染拡大という形で、蔓延防止重点措置という形になりました。我々、本当に、よくよく肝に銘じながら対応しなきゃならないのは、世界中、この疾病はこういう疾病である、一旦厳しい措置をするとそこで収まりますけれども、いつまでもずっとやっているわけにいきませんから、どこかで解除をしなきゃならない。大阪の場合は二か月弱ということであったんだというふうに思いますが、東京は二か月半やりました。どこかでは解除しなければ、こんなことを一年もやれないわけであります。世界中、そういう悩みの中で対応してきている。  ただし、また伸びてくれば厳しい措置を講ずる。そういう形の中で、国民皆様方生活を一定程度お守りをさせていただきながら、命、生命と健康を守る。これは本当にいつも尾身先生がいろいろな形で悩まれておられるところでありますけれども、様々な専門家の方々の御助言をいただきながら、我々はしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
  43. 長妻昭

    ○長妻委員 これはちょっと、大臣の言い方というのは、前回もそうなんですけれども、ちょっと無責任に聞こえるんですね。前回も同じような質問をしたときに、いやいや、欧米だって、一回ロックダウンして、緩めて、また出るから、またロックダウンする、こういう形なんだと。今も、緩めて、また感染が出て、またきつくする、こういうのでいいんだと。それは余りにも無責任に聞こえますよ、ちょっと。  今回、東京緊急事態宣言の解除の前に、この委員会で、この場で、私もほかの野党の議員も、解除前にですよ、解除はするな、危ないですよ、こんなとき解除したらと。いろいろな指標が右肩上がりになっていたわけですよ、解除の時点で、東京。それで、解除しちゃったわけじゃないですか。それでまた、じゃ、これだけ警鐘を我々が鳴らしているのに、感染が増えた、じゃ、もう一回、またやればいいじゃないかと、それを繰り返せばいいんだと。  ただ、一定のレベルまで抑える。つまり、リバウンドが一〇〇%起こらないレベルというのはなかなか難しいんですけれども、リバウンドが、衆目の一致するところ、これは起こらないだろうというところまでいって、解除という判断をしなきゃいけないんですよ。我々野党も相当言っていたわけですからね。  是非、大臣、さっき公明党からの質問もありましたけれども、ちょっと何か閣内で発言力が弱いというか影が薄いというか、国会ではもう機関銃のように答弁されていますから、それはそれで目立っていていいんですが、閣内で、例えば河野大臣とか西村大臣とか、コロナの本丸は厚労大臣じゃないですか。命と健康を守る、これを背負っているのは厚労大臣なんですよ。  だから、ちょっとおかしな判断があったとき一番待ったをかけなきゃいけないのに、余りそういう姿勢を見たことがないんですよ。田村大臣が、これは非常に待ったをかけて解除を拒んだとか。何か流れの中で、西村大臣コロナ担当だけれども、経済担当大臣じゃないですか。経済担当大臣コロナの担当って、大丈夫なのかなと思いませんか。ほかの国でありますか、そういうの。普通は田村大臣ですよ、コロナ担当は、本当は。  こういう、非常に、いや、田村大臣にエールを送っているんですよ。もうちょっと、おかしなことがあれば、大臣なんですから、厚労大臣としてこれは国民の健康を守れないと、経済も重要だけれども、私は国民の健康を守る責任者だから、それはちょっと幾ら何でもやめてほしいとか、そういう、もうちょっと存在感を発揮してください、期待して言っているんですから。  それで、尾身先生にちょっとお伺いするんですが。いや、発揮してくれた後、また聞きますよ、それは。  それで、昨日、西村大臣がおっしゃっていたんですね。昨日おっしゃっていたのが、野党の質問で、大阪の解除は早かったんじゃないのかというふうに聞かれて、今回蔓防ですよね、そうしたとき西村大臣は、いやいや、これは政府だけで判断したんじゃなくて、諮問会議の専門家の意見をしっかり聞いて解除したということで、判断は政府だけじゃないんだ、専門家もいいと言っているんだから余り責めるなみたいな話だったんですが。  これは尾身先生にお伺いしたいんですけれども、ちょっと、私も前回申し上げたはずなんですけれども、諮問委員会に議論を付すとき、東京の場合もそうでしたけれども、解除の方向です、いかがでしょう、こういう方向性を示した上でお伺いする。そういうこともあるでしょう、本当に誰が見ても解除オーケーのときは。ところが、微妙なときは、私は、白紙で、本当に御意見を聞きたい、解除するかしないか、これを本当に御意見を聞きたいということで専門家の方に投げていれば、意見が出たと思うんですよ。  これは、尾身先生、そういう私の指摘はどう思われますか。
  44. 尾身茂

    尾身参考人 今の委員の御質問は、諮問委員会の在り方ですよね。昨日で初めての、名前が変わって新たに分科会ということになりましたけれども。諮問委員会といわゆる今までの我々が言っている分科会とは、ちょっと性質が、そういうふうな事務的な在り方ですよね、性格が違っていまして、いわゆる諮問委員会というのは、今までは、少なくとも何度か開かれましたけれども、基本的には政府の意向がはっきりしていまして、それについて委員会委員の人はどう思うかという形で、それがいわゆる分科会とか以前の専門家会議とは違って、分科会とか専門家会議は、そういう場合もありましたけれども、むしろ我々専門家の方がこうしたことを提案したいという方が多かったと思うので、これが、会議の在り方というものがそもそも諮問委員会と分科会とでは違う、今までは少なくともそうでありました。
  45. 長妻昭

    ○長妻委員 これは田村大臣にも尾身先生にもお伺いしたいんですが、せっかく専門家の方が、今度名前が分科会に変わったということなんですけれども、こういう解除するとか、今回も蔓防を入れるときに、いやいや、蔓防じゃなくて緊急事態宣言だという意見も出たとは聞いておりますけれども、例えば、特に解除するときですね。解除するときは、解除の方向は決まりました、いかがですかというんじゃなくて、白紙で、解除するかしないか適切な意見を聞かせてください、こういうふうに分科会等に今後投げた方が微妙なときはいいと思うんですが、尾身先生、いかがでございますか。
  46. 尾身茂

    尾身参考人 今までのいわゆる委員会の位置づけというのが、今私が申し上げたとおりであったわけですよね。これは、我々は、諮問委員会は、諮問委員会政府に招集されて、それに、政府の意向に対して意見を言うということになっていました。  もちろん、仮の話で、そうじゃなくて、何も政府立場がはっきりまだ決まっていないときに、じゃ、あなたたちの意見は、どう思うかと言われれば、そういうことが仮にあれば、当然、言うということになるとは思いますが、今のところはそういうようになっていないと思います。
  47. 長妻昭

    ○長妻委員 これは今、私も尾身先生のおっしゃる点はそうだと思うので、田村大臣、せっかく専門家が、世界的権威の方も多いんですよ、日本の感染症の専門家の方というのは世界に引けを取らない方々も多いんですよ。だから、今のように、決定する前に、方針が決まる前に、本当に自由闊達な意見を聞かせてほしいと。こういう場として、専門家の方がなかなか今使われていないわけですよ。  田村大臣、いかがですか。それは一考に値しませんか。
  48. 田村憲久

    田村国務大臣 私が長妻大臣のように閣内でリーダーシップがないものでありますから、いろいろとお叱りいただいておりますが、しかし、延長したときはたしかお褒めをいただいたというふうに、よくリーダーシップを発揮してもらったとおっしゃっていただいたように思うわけでありますけれども。  専門家の方々、今回の、今回というかこの前の解除のとき、あのときは、ほぼ全員、それに対して異論がなかったと思います。いつもはいろいろな御議論をいただくんです。しかし、それは異論がなかった。  それはなぜかというと、やはり、一つは、長くなってきて二か月半、さすがに、私、厚生労働大臣でありますから、もちろん、感染症で命を落とす方、健康を害する方、防いでいかなきゃなりませんが、一方で、やはり、ふだんと生活が変わってストレスがたまったり、いろいろな生活様式が変わる中で体調に不調を来す方々もおられるわけであって、そういう意味からすると、やはり、そういう、長くなってくるということに対して、やはり専門家の方々も、そこに関しては、前回、そろそろ緊急事態宣言も限界であろうなという思いがあられる中において異論がなかったので、そういう意味では、決して、いろいろな諮問をする……(長妻委員「決まる前に」と呼ぶ)だから、結論ありで諮問する。それから、そうじゃなくて、お諮りする。いろいろなやり方がありますけれども、専門家の方々は、そこでは本当に忌憚のない御意見を言われますので、それによって何らかの制約を受けられているというような、そういうような場ではないというふうに認識いたしております。
  49. 長妻昭

    ○長妻委員 これは大臣、私も、当時、東京を解除するときの、諮問委員会ですかの方のお話を聞きました、当事者の。やはり、異論はなかった。  これは、やはり、もう方向性は決まったんだと、どうですかと聞かれたので、決まっちゃったら、それに基づいて、もっと感染対策はこうすべき、ああすべきという意見を言う雰囲気だったというんですよ。もし白紙でやられたら、提言、いかがですかといただいたら、一時間半じゃ終わらなかったと言っているんですよ、時間。相当ないろいろな意見が出たと。尾身先生も、報道によると、意見がないのでびっくりしたというちょっと報道もありましたけれども。  田村大臣、ですから、白紙の段階で、決まる前に、方針が、方向性が決まる前に、専門家の皆さんの、世界的権威の方もおられるので、意見を聞くということを、何で政府はやらないんですか。  怖がる必要はないですよ。政府の政治的な方向性が阻害される、思惑が阻害されるから専門家の方の意見を聞かないということがあるとしたら、これはとんでもない、科学軽視の、日本ならではの、戦前にあった発想ですよ。  是非、そういうことで取り組んでいただきたい。  尾身先生、これで結構でございます。どうもありがとうございました。国病機構の理事長もこれで結構でございます。どうもありがとうございました。  それで、最後、重要なことなんですが、今、非常に国内の格差が急速に広がっております。それで、困窮されている方が非常に多い。これから、私は、これはそうはなってほしくないんですけれども、いろいろな意味でお亡くなりになる、生活ができずにお亡くなりになる方が増えてくる危惧を持っています。  そういう意味で、水道なんですよ。御自宅の水道が止まったとき、普通、そこに人が住んでいたら、電気も止まったとき、人が住んでいて両方止まったら、まあ、お金がないのかなと。じゃないですよね。何か重大なことが起こりかねないし、起こったんじゃないかと誰でも思うじゃないですか。でも、その情報が自治体の福祉部局に届いていない。それで事後的に発見された悲惨な事件が過去ありました、これはコロナの前ですけれども。  ですから、そういうことが相当これから起こってくるんじゃないかということで、今日、経産省も来ていただいていますけれども、住んでいて電気が止まった場合、地方自治体の福祉部局に情報共有するような、そういう仕組みはありますか。
  50. 小野洋太

    小野政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、これまでもライフラインの停止により死亡等に至る大変痛ましい事件が発生しているところでございまして、こうした事件を防ぐため、電力やガス会社を含めまして、ライフライン関係事業者と自治体の福祉部局等の連携は極めて重要というふうに認識しているところでございます。  このため、資源エネルギー庁といたしましては、これまでも電力会社とガス会社に対しまして、自ら需要家が生活困窮者と把握できた場合には、料金未払いによる供給停止に関し柔軟な対応を行うこと、それから、プライバシー保護に配慮しつつ自治体の福祉部局等と十分に連携することを求めているところでございます。
  51. 長妻昭

    ○長妻委員 確かにそういう通知は出ているんですけれども、ちょっと言っちゃ悪いんですけれども、ほとんど、なかなかうまくいっていないんですね。  個人情報保護法の理解不十分というところもあるんですよ、そういう情報を教えちゃいかぬと。そうじゃないんです。そういう一定の要件のときには、個人情報とはいえ、共有していいんですよ、役所と。  これは、相当大臣がリーダーシップを取って、特に電気、水道が止まるというのは尋常じゃないですから、コロナのときに。  大臣、水道を最後に聞きますけれども、これは調べますと、京都市と大阪市が、これは毎日新聞の三月二十二日にも出ておりましたけれども、非常に取組が優れているということで、水道を止める前に必ず訪問をして様子を聞く、そしてそれを福祉部局と情報共有する、いろいろな問題が発覚して事なきを得たということもあるようでございますので。  まだそんな多くないんですよ、こういういい取組をされているのは。だから、是非、通知が出ているのは私も知っています、水道から。こういう取組を全国に広げる、本当にやるんだということを是非宣言していただければと思います。
  52. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力お願いします。
  53. 田村憲久

    田村国務大臣 今までもお願いしてきたんですけれども、ただ単に水道を止めるというんじゃなくて、ちゃんと生活困窮者の自立支援相談なんかにつなげていただくようにと、これはお願いしてきましたが。この四月一日から、社会福祉法改正ということでございます、これは施行が始まりました。三月二十九日に言われるとおり通知を出しまして、ちゃんとそこは福祉部局と連携するようにと、水道部局も。そういうことを各自治体お願いをさせていただいております。  残念ながら、残念ながらといいますか、やっていただくのは自治体でありますから、そういう意味では、我々厚生労働省は水道等々を所管しておりますので、各自治体に是非とも法の精神にのっとってそれを実施いただくようにお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
  54. 長妻昭

    ○長妻委員 是非、本当にお願いします、生きるか死ぬかですから。  最後に、本当に大臣、生きるか死ぬかの局面にまた入ってくると思います。残念ながら、助かる命が助からない局面に入ってくると思います。そのときに、政府が緩い判断をしようとしたときに、体を張って止めてください。命と健康を守る大臣は一人しかいないんですよ。厚労大臣なんですよ。是非お願いします。  ありがとうございました。
  55. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、早稲田夕季さん。
  56. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 おはようございます。立憲民主党・無所属の早稲田夕季でございます。  それでは質問をしてまいりますが、今日は、コロナ対策と、それから医療法の改正ということを中心に質疑をさせていただきます。  通告の順番を変えまして、まず、今日は分科会尾身会長にもお越しをいただいておりますので、二つ目から質問させていただきます。  四月の五日から五月五日まで、大阪、兵庫、それから宮城と、蔓延防止等重点措置が適用となるということに決まりましたが、大阪に関しましては、とにかく三週間も前に前倒しをして解除した、その一か月もたたないうちにこのようなことになっているというのは、全く判断のミスではなかったかということを言わざるを得ません。  そういう中でありますけれども、昨日の分科会の方で尾身会長の会見の要旨を拝見させていただきました。高齢者ワクチンが届く六月頃までが正念場で、どれだけその大きなリバウンドを防げるかということが最優先課題、今後重点措置がほかの地域でも必要になってくることは当然あると思うが、その際には客観的な評価を基に機動的に判断すべきで、専門家として指標を示したいとお述べになっておられます。  これは、以前の緊急事態宣言解除後の報道にもそのような内容の尾身先生の発言がされておりました。この中でもあるように、新しい指標又は追加、そうしたものも考えていって、そしてまた、自動的に適用ができるようなことも言及をされていらっしゃいました。  まずこのことについて伺いたいのですが、その前に、これまでのそうした指標でやってきた判断が、必ずしも迅速な判断ができなかった、また、ステージがうまく機能していなかったというのが背景にあると考えてよろしいのでしょうか。     〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
  57. 尾身茂

    尾身参考人 実は、去年の八月に我々分科会はステージの考えを出して、ステージ3というのを置いた。その趣旨は、二度目の緊急事態宣言が出ないように、ステージ3になったらなるべく早く必要な対策を打っていただきたいという期待でつくったものですけれども、様々な理由で、恐らく一番大事だったのは、国、自治体、あるいは我々専門家も含めて、この三者の間でステージの判断について共通な認識が得られなかったということが、私は、いろいろなほかの原因もありますけれども、残念ながら去年の緊急事態宣言に至った一つの理由だと思います。  したがって、その経験を教訓といいますか踏まえて、私ども分科会としては、なるべく早いうちに、その経験を踏まえて、この前の前回八月につくったステージをよりよいものにして、国あるいは知事の方により適切でより迅速な判断に資するような考え方、あるいは、指標は少し変える必要があるんだったら変える、あるいは、新たな指標といっても、特に感染のリバウンドの予兆を早く探知できる指標というのがあるわけですね、そういうことも少し明確にしたい。そういう思いがあって、なるべく早く我々の考えを正式に発表したいと思っております。
  58. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 御答弁いただきました。  なるべく早く指標を新しいものを発表したいということでございますし、また、政府と専門家の間で共通の認識が得られなかった部分がある、これが原因の一つ、大きなものだということもよく分かりました。  その中ででありますけれども、今、この資料の方も出させていただきましたが、これはアドバイザリーボードの資料でありますが、ステージ4相当それからステージ3相当、もうこれがほとんどでありまして、4にもなっているわけなんですね。そうした状況であります。  さらに、三月三十一日、この資料のときだと思いますが、アドバイザリーボードの会議で、中で、緊急事態宣言でなくてよいのか、蔓延防止等措置でいいのかという意見が複数出たというふうに会議の方がおっしゃっている報道も出ておりました。多分そうなんだろうと思います。私たちが普通に見ても、3とか4がこれだけあって緊急事態じゃなくていいのか。それから、大阪付近では3、4相当のエリアが急増加している。また、変異株の方もあります。  その中で、尾身会長は蔓延防止等の措置を了承されたわけですけれども、これはどのような判断に基づいてなさったのでしょうか。
  59. 尾身茂

    尾身参考人 アドバイザリーボードでは、専門家の人たちは、去年の二月、三月頃からもそうですけれども、みんな、それぞれ専門家として、こんなに忌憚のない意見を言う会というのは余りないと思うぐらい、いろんな忌憚のない意見があって、そういう中では、もうステージ4になっているので、緊急事態宣言相当じゃないかという意見もあったことはあります。  それで、今回の国からの諮問は、いわゆる重点措置を三つの府県に出す必要があるということで、これについては、私自身は、出す時期について、もう少し早くした方がいいとか、そういう意見は当然あると思いますけれども、ここは、緊急事態宣言と重点措置法の違いというのは、幾つかあると思いますけれども、一つは、やはり、緊急事態宣言というのは、法律のたてつけ自体が、なるべく私権の制限を抑制的に使おうということと、あとは、緊急事態宣言は、明らかに全国への感染、蔓延のおそれというものが、その二つが多分。あとは、同時に、もちろん緊急事態宣言の方が措置がより強いですよね。  そういう違いがあって、今回は、ともかく、リバウンドが起きている、私はもうその傾向に入っていると思うので、そういう意味では、緊急事態宣言を出すなんということもあると思いますけれども、ともかく、まだ全国蔓延ということではないので、今、局所で起きているわけですよね。そういうところを早く措置を、しかもそれは、いわゆる時短というような飲食店だけじゃなくて、その他いろんな、私、昨日、記者会見でパッケージと申しましたけれども、そういうことをともかく、もう少し早くやった方がいいかどうかという議論はあると思いますけれども、もうここまで感染が増加傾向にあるので、ともかく、今のできる範囲で、しっかりとリバウンドを、この上昇傾向を下にやるということが必要だという考えが政府から出たので、それについてはみんな全員一致した。  ただし、先ほど委員おっしゃるようなことで、国や自治体は今まで以上に汗をかかないと市民はついてきてくれないということで、強調させていただいたということであります。
  60. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 緊急事態という宣言を出す、その選択肢もあったのではないかというお答えでございました。しかしながら、政府の方から諮問されたのは蔓延防止等措置ということであるので、それであるならば、パッケージで、飲食の時短だけでなく、いろいろな昼間のことについても対策を進めていったらよいのではないかというところで了承をされたというお話だと思います。  しかしながら、やはりこれだけなっておりまして、特に変異株の問題は深刻だと私は思っています。  ここにもつけさせていただきましたが、これは田村大臣に伺いたいのですが、スクリーニング検査、これは今まで五から一〇だったけれども四〇%に上げるということでありますが、まだこの段階で、三月二十一日の一週間の速報値ですけれども、非常にばらつきがあります。  関西地方はかなり高いスクリーニングの検査をやっていただいているようなので、当然、そうすると変異株陽性の方も増えている。でも、ちょっとこれは不思議ですよね。東京都、新規感染者が二千百人で、八十七人しか検査していないんです。本当に少ないわけですよ。それから神奈川も、それから首都圏全体。  和歌山の場合は全数調査とおっしゃっておりまして、ここでも、少ない数字ですけれども、二十四件中二十件検査をして、そして、それで六割以上が出ている。こういう数字が一方であり、一方では、感染が大阪と同じように上がっている東京都で非常に少ない数字しか出ていないというのは、非常ににわかに信じ難いと思うんですね。  昨日も東京都では十五人という変異株の感染が出ております。それから、率としても二十代以下の方が非常に高いということも出ておりまして、心配でありますから、実効性を高めていただきたい、この数値についても。  もしかしたら、例えば県でいうと、県所管のものだけが上がってきていて政令市や何かが入っていないのではないかとか、そういうことも考えられるわけですし、更に言えば、とにかくスクリーニング検査が東京都、首都圏では少ないのではないか。それを私は支援をしていただきたい、財政支援をということも申し上げました、前回の厚労委で。  そういうことも含めて、もっとこれを上げていただきたいと思いますし、それを国がリーダーシップを取って東京都にも働きかけていただきたいと思いますが、田村大臣、いかがでしょうか。
  61. 田村憲久

    田村国務大臣 次の週なんですが、東京は約二〇%に今進んでまいりました。大阪とほぼ同じ数字であります。にもかかわらず、大阪は変異株が非常に多い。これはアドバイザリーボードでも議論になりました。なぜ大阪と東京で変異株が違うんだと。  まだこれはよく分かりませんが、感染研でゲノム解析すると、東京と大阪の、この501Yという要するにウイルス株でありますが、遺伝子株でありますが、感染力がちょっと違うのかも分からないというような、これも推測であります。要するに、科学的にまだ証明できていない話なので。そういう御意見もある中で、これはなぜこう違うのかというのはいろいろ分析しなきゃならぬ。  何を申し上げたいかというと、二十二日から二十八日の週で見ると、東京も大阪もほぼ同じぐらいのスクリーニングの今割合をさせていただいておる中において変異株の見つかる数が違っているということは御理解いただきたいというふうに思います。
  62. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 尾身会長も前回のときに、四〇%ぐらい調べれば、大体の全体の、本当は全数を調べていただきたい、この和歌山のように。でも、それがかなわなくても、やはり目指す形でやっていくためには、是非、国の方もそこをしっかりとチェックをしていただきたい。四〇%と言っていますよということだけではなく、都市部は特に数が多いので大変だと思いますし、その支援もしていただきながら、お願いをしたいと思います。  次の質問でございますが、尾身会長に伺いたいのは、先ほどに戻りまして、新たな基準、六指標以外の追加とかそうしたこと、それからまた、その基準に達したら自動的に適用になるようなことも考えてはどうかというようなお話も報道ではされておりますが、私は、例えば変異株の感染率なども、それからまた、ステージ3だけでなく、ステージ2などの基準も入れたらどうかと思っておるわけですけれども、今の時点尾身会長がお考えのその辺のところの御見解を教えていただきたいと思います。
  63. 尾身茂

    尾身参考人 私は、機械的とサーキットブレーカーという言葉をあえて今回使ったのは、機械的という、自動的というよりもしっかりした考えがあって、余り、同じ状況なのに、片っ方の人はこう言って、片っ方の人はこう言って、意見がまとまらないということがないように、ある程度客観的にみんなが納得できるような考え方がまずあって、その上で総合的な指標ということであります。  今のところ、当然のことながら、指標の数という以前に、私は、考え方というものは指標の前にしっかりと今までの教訓を踏まえて示す必要があって、そのときは、幾つかのテーマというのがありまして、一つは、やはり予兆探知に一番ふさわしい指標というのをはっきりさせること。いろいろな指標がありますけれども、どの場面で一番有効だというのは当然あるわけで、そのことをしっかりと。そのときには、例えば一つの考え方は、感染の拡大の速度というのも非常に重要ですし、それから年齢別の新規の感染者数というのも大事だし、その他いろいろな今までに余り言われていないようなことも今考えております。それが一つですね。  それと、当然、上昇局面と下降局面、発出のときと解除のときでは考えは違う必要があるし、それから、都市部と地方部ではいろいろな意味医療のキャパシティーも違いますね。それからあとは、先ほど専門家の話がありましたけれども、我々専門家の役割、関与というのはどういうふうにすべきかということも今考えております。  そういうようなことで、あとは、例の蔓延重点措置というようなものはどういう場合に発出すべきかという考えをまずは明らかにした上で、指標については、今までの指標でいいのかどうか、少し改正する必要があるのかどうかというのを、今、最後の詰めに入っているところであります。
  64. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 ありがとうございます。  専門家の関与がどうあるべきか、これは最初から大きな議論だと思いますけれども、先ほど長妻議員がおっしゃったように、こういうふうに蔓延防止でいきますから御了解ということであれば、それに異を唱える方というのはなかなかなかろうと思います。そこで緊急事態と言うことはなかなか難しいのではないかと思いますが、やはり専門家の指標というものがあるわけですし、今尾身会長がおっしゃった、更にいろいろ予兆もできるような新たなものも加えていきたいとおっしゃっておりますので、そういうものを今度からしっかりと使っていただきまして、専門家の意見がよりもっと反映できるように。そうでないと、やはり国民も、一か月足らずでまたこれかということで非常にやる気を更になくしていくということなので、そこはお願いをしたいと思います。  田村大臣には、専門家の関与ということを強く言っていただけるのは田村大臣しかいらっしゃいませんので、是非そこもお願いしたいと思います。  尾身会長、ありがとうございました。  それから、厚生労働省は、さらに、病床の確保ということについて、三月二十四日に通知を出しております。それについて一言で申し上げると、感染が第三ステージの二倍になるようなものまで想定して、そして、緊急的に、一般医療の制限を前提とした更なる病床確保要請しているわけですけれども、これについては、埼玉県知事も意見を述べられておりますし、私も地元で、大変厳しいと。一般医療、じゃ、入院を、手術を、どこをやめるのかということは、現場に任されるだけでは大変厳しいということをおっしゃっておられます。  是非そこは、やはりこういう現場任せばかりでなく、命の選別に係るような、そして人の命を左右するような可能性のある事柄でありますので、やはり国としてきちんとガイドラインなり指針なりをお示しいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。     〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
  65. 田村憲久

    田村国務大臣 御理解いただきたいのは、一般医療を止めてもらいたいわけではありません。ですから、五月にお示しいただくのは、一般医療と新型コロナ感染拡大したときと、両立できるような計画をお作りをいただきたい、五月までにしていただきたい、こうお願いをしております。  これはなぜかというと、さすがに各都道府県も、今もコロナ対策をやりながら、全体を両立できるようなものをすぐに四月に出してくださいというのは、とてもじゃないですけれども、自治体のマンパワーも含めて大変であろうということで、それでも大変だと言われているんですが、五月ということにいたしました。  ただ、一方で、我々は常に最悪のことを想定しなきゃならないので、四月にまた同じようなことが起こった場合に、何もやっていないから駄目です、これじゃ困るわけで、各自治体も同じことを考えておられると思います。  そこで、五月に向かっていろいろなことをやっていますから、そういうものも四月に使えるものはもう途中から使っていただくということも含めて、そうなった場合の対応というものはこれはよろしくお願いをいたしますというのが四月に対してのお願いであって、そのときに、命の選別というふうにおっしゃられましたけれども、決して命が危ない方の医療を止めてくださいと申し上げているわけじゃなくて、そこは、例えば、この方ならば若干遅らせても大丈夫だろうなという方の、そういう医療をある程度お止めいただきながらコロナ対応をしていただきたいという意味でございまして、これはそうお伝えをさせていただいております。  それがどうなるかというのは、これは医療現場じゃないと、我々、国の方で、この人は命が危ない、この人は命が危なくないというのはこれは分からないので、そこは各医療現場で、医師の方が一番よく御理解いただいておるということでございますので、お願いいたしたいということでございまして、どうか、そういうもし誤解があるとすれば、しっかりと都道府県の方に再度お伝えをさせていただきたいというふうに思っております。
  66. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 本当に、これまでも、両立できるように、下り搬送であるとか後方支援であるとか、様々な知恵を使っていただいて、地域で協議会を持ってやっていただいているわけなんですね。それに更にというようなお願いの仕方でしたから、当然、やはり自治体の受け止めとしてはそういうふうになります。もちろん、今重病でどうなるかという方をどうにかということではないのは分かっておりますが、それでも、あのときに診なかったから、あのときに手術をちょっと遅らせたからということがないこともない。そういうお願いだとやはり受け止めざるを得ないんですよ、自治体としては。  なので、そうでないのであれば、じゃ、二倍に対応するのはどうするかということも含めまして、もう少し丁寧に国の方でも説明をしていただき、疑問を、それから不安を払拭をしていただきたい、それを要望させていただきます。  次に、ファイザーワクチンのことであります。  これも、参議院の石橋議員が何度も参議院の方で質問されておりますが、私も、非常に自治体から困惑の声も上がっておりますので、これは聞かせていただきたいと思いますけれども、まず、ファイザーのワクチン、これは、今資料も出させていただきましたが、原則は冷凍であるということと、それから、やむを得ない場合に限り冷蔵移送が可能ということの二点、確認させていただきたいと思います。
  67. 田村憲久

    田村国務大臣 原則といいますか、それは冷凍の方がより安定的であるということでございまして、ファイザーもそれを推奨されておられます。  一方で、日本のみならず、英国、アメリカ、カナダ、フランスもそうでしたかね、各国に対して、冷蔵での移送、こういうものもできなくないということでありまして、特に、カナダには、データをお示しをされて、ファイザーの方から、というような文書はカナダの方からいただいております。  ですから、PMDAもそのデータを一応見ておるようでありますけれども、もちろん、注意事項としては、大幅な振動なんかがあれば、当然、不安定なものでありますから、効力を失う可能性がありますので、そういう注意つきでそういう移送に関しても認めるというようなお話でありました。  言われるとおり、できれば、それは冷凍で運んでいただく、これが一番いいということははっきりと申されておられます。
  68. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 これを見ていただいても、基本接種型から冷凍状態、マイナス九十から六十、マイナス二十五から十五度で移送してくださいと書いてあるわけです。  その次のページを見ていただいて、このオーケーパターン、これはファイザー社の取扱いの説明書でありますけれども、それにも九十から六十、それからマイナス二十五から十五、これは書いてありますけれども、解凍のところには二度―八度というのがありますが、この移送のところで一切それがないんですよね。唯一あるのは、その前のページの、二度―八度の移送も可能ですが、やむを得ない場合に限るようにお願いします。しかも、その前についているのは、自治体の判断においてということなんです。  自治体に丸投げされても困りますよね。一切情報がないんですから。それは、小分けで少しでも解凍されている方が扱いやすいのはやすいけれども、たったの五日間しかもたない、保存期間がない。それよりは、やはり九十度は取扱いが大変ですけれども、二十五から十五度、これでいいですよということがさらに三月十三日の自治体への説明会でも示されました。示されたので、自治体の方では、今まで冷蔵移送と国は言っていたけれども、やはりマイナス二十五から十五度でやるのがいいんだということで、方針転換したところは随分あると思います。聞いております。そういうふうに混乱するんですね。  最初は、国は、この冷蔵移送を推奨していたというふうに捉えております。その中でまた変わったということがあって、非常に混乱している。なぜなら、最初の冷蔵移送のときに冷蔵バッグを配られた。これは一個一万五千円で、四万個ですから六億八千万円ですか、大変大きな予算で全国の自治体に配られているわけです。配られた方は、そうか、これでもう冷蔵移送でいいんだというふうに思って、それでロジを組んでも、また変わったということに今なっておりまして、多分厚労省の方にもたくさん問合せが来ているはずです。そうですよね。それは私も聞いておりますが。  そのことなので、今カナダの事例を出されましたけれども、本当に実行されているのか。いろいろな説明で書かれているだけじゃなくて、実行されているのかどうかをお示しをいただきたいと思います。例えば大使館等で調べていただければ、経由で分かるわけですから。  私は、実態というものが、なかなか厚労大臣の答弁でも、今まで参議院の方でもなかったわけです。なので、是非そこは実態を調べていただいてこの委員会にお示しをいただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。
  69. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 理事会で検討させていただきます。
  70. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 それで、今まで英米というお話がありましたが、余りカナダもなかったし、私が事前のレクで聞いたのは、イスラエル、イスラエルと突然これもおっしゃいました。ここも、私は報道ベースのものをいただきましたが、確かにやっているのかもしれないんですが、大きな二度の冷蔵庫を造ってそれでやっているような書きぶりでした。  これだけでは到底分かりません。保冷バッグだけで済む話なのか。本当に、これは安全、安心の問題につながりますし、ましてや、自治体の判断でやったということでは誰も責任を取れなくなりますので、是非、安全、安心、健康のための田村厚労大臣でいらっしゃいますから、もう一度そこを分かりやすく、国民の方に、自治体に示せるようなデータを出していただいて、実際にどこの国でもやっているから大丈夫だということをお示しいただけるのなら、お願いをしたいと思います。  それでは、続きまして、医療法改正案の方に入らせていただきます。  公的・公立病院の削減だけが非常にターゲットとなっておりまして、コロナ禍で御尽力をいただいている病院に何でこんなことが、また、コロナ以前に出たものをそのまま継承するのか、私も疑問であります。  まず働き方改革の方を先に質問いたしますが、医師の働き方改革の一環として、診療放射線技師など四職種について業務範囲の拡大を行う一方で、看護師は法改正の対象になっておりません。コロナ対応を見ても、とりわけ救急医療や在宅医療に係る看護師へのタスクシフトは大変重要だと思いますし、急務だと思っています。  アメリカの診療看護師のような裁量権を持った制度は今はありませんけれども、やはり看護師の資格の法改正について今回も議論が深まらなかったのは残念だと思います。  救急医療においては、検査目的の採血などを医師の指示前に看護師が行えるように通知準備中と聞いておりますけれども、到底これだけでは不十分です。  それなので、今後もしっかりと看護師のタスクシフトにおける法改正の準備とそれから検討を続けるべきではないかと考えますが、田村大臣のお考えをお聞かせください。
  71. 田村憲久

    田村国務大臣 言われるとおり、検討会は省内の検討会でありまして、これは塩崎大臣のときだったというふうに思いますが、ナースプラクティショナーでありますとかフィジシャンアシスタント、こういう議論がありました。一方で、いろいろと議論する中で、それを養成するのにかなりの時間がかかるだろうという議論があったのも事実であります。  一方で、ナースの場合は、今、特定行為という形で、医師の包括的な指示で、指示書をもってしていろんな形で活躍をしていただいております。それがなかなか扱いづらい、使いづらい。つまり、研修がばらばらでありまして、実際に在宅に行ったときは、いろんな研修のメニューというものがその中でパッケージになっていないと使えないわけですね。ですから、そういうパッケージという形でそういう特定行為の研修、こういうものを進めて、今それが動き出し始めております。そういう意味で、ナース、看護師の皆様方の業務の範囲、幅、こういうものはこれからどんどん広がっていくであろう。  一方で、ナースが今担っていただいているお仕事、これは、ナースも忙しいですから、そこを何とか他の医療職の方々にシフトしていかなきゃならぬという問題もございまして、そういう意味で今般このような形で出させていただいておるということでございます。  おっしゃられるとおり、ナースは、我々は、医療現場では本当に主役だというふうに思っておりますので、ますます看護職の方々がしっかりと働けるような環境、これを整備してまいりたいというふうに考えております。
  72. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 今、ナースの方も大変なお仕事の中で、更に次の他職種の方に連携を深めていく、進めていくとおっしゃいましたので、是非、他職種連携とタスクシフトの評価基準を作っていただきまして、好事例集などを作成していただけるように、もう時間がないので質問いたしませんが、要望を大臣にさせていただきたいと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。  それから、コロナ病床の逼迫の教訓から、本法案では、第八次医療計画、新興感染症の感染拡大対応する病床確保が記載となりました。しかし、病床数が世界一多い日本の病床当たりの医師数は、米国の五分の一、独仏の三分の一。看護師も同じ傾向にございます。先週の本田参考人が述べられたように、診療科の偏在の是正という課題も大きく立ちはだかっております。  こうした中で、やはり、例えば精神病床、日本の病床百五十一万床のうち約三十三万床が精神病床でありまして、神奈川においても七万四千のうち一万四千が精神病床であります。感染病床は僅か七十四床ということになっております。  この中で、ずっと議論をされてきたことと思いますが、認知症の高齢者も精神病院の方に入院をせざるを得ない状況にもなっているという中で、大臣も、以前、精神病床の削減と地域移行は、もう紛れもない、動かざる方向性と答弁をされておりますけれども、なかなかそこが欧米との差は縮まっておりません。  そうした観点からも、やはり、単なる病床数削減と地域医療構想に言うのではなく、自宅や介護施設などの在宅医療への切替えという介護との連携ももちろんありますでしょうけれども、精神病床の場合は、病床の機能報告制度からも地域医療構想からも除外をされております。ここが非常にメスを入れにくい部分なのではないかと考えるわけですから、是非そこのところを推進をしていただきたい。精神病床も病床機能報告制度の対象に含めるとともに、病床の削減や地域移行の具体的な目標値を地域医療構想に明記をしていただくような、こうした推進を進めていくべきと考えますが、大臣の御所見を伺います。
  73. 田村憲久

    田村国務大臣 この地域医療構想は、どちらかというと、身体のいろいろな疾病等々に関して、急性期、回復期、そして療養期といいますか慢性期、それぞれにおいてどれぐらい必要であるか、高度急性期も入っておりますけれども、そういうものをナショナルデータベース等々から人口推計を出してデータをお示しする中で、各地域地域の事情を勘案してお作りいただく。  そういう意味で、精神科病床に関しては、ちょっとそことの互換性といいますか整合性というのが余りないものでありますから、なかなか地域医療構想全体の中に入れていくというのは難しいんだと思います。  一方で、言われますとおり、やはり地域移行をしっかりやっていかなきゃならないということでありますので、第六期障害福祉計画において、退院後の生活日数等を指標にいたしまして、しっかりと地域移行施策を講じている。  やはり、地域移行するためには、地域で精神障害をお持ちの方々が生活できる環境をつくらないと、病床がなくなって、もう何でもいいから地域で、しかし、そこでケアが何もできなくて、結果的にまた悪くなって病院に戻らなきゃいけない、これでは何のためという話になりますから、そういう体制をしっかり整備し、アウトリーチなんかもしっかりと取り組む中において、安心して地域移行ができるような、そういう環境を今整えてまいっておる途中でございますので、しっかりと、委員のおっしゃられる意味も我々もよく理解いたしておりますので、対応してまいりたいというふうに考えております。
  74. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 もちろん、おっしゃるとおりでありますけれども、地域移行にはそこの受皿が必要だと。でも、やはり、目標値を定めない限り、なかなか地域移行の具体的な枠組みも定まっていかないのではないかと私は考えますので、是非この目標値ということも引き続き検討をしていただきたいと思います。  それでは、野党の修正案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  現在、新型コロナウイルスの感染症はいわゆる第四波への懸念が高まっている状況でありまして、医療提供体制の強化、そして病床の確保が更に喫緊の課題となっております。しかしながら、この医療法の改正におきまして、政府案では、地域医療構想の実現に向け、自主的な病院削減を行う医療機関に対し財政支援を実施することとしております。なぜ、今、病床の削減を進めようとしているのか、甚だ疑問でありますし、理解ができません。  政府は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の前に基づいて作成した四百三十六の再検証対象医療機関のリストも撤回しておりません。  こうしたことを含めて、私たちはこの修正案提案しているわけですけれども、今回、立憲民主党・無所属が提案した政府案に対する修正案では、政府案の地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援に係る改正規定を削るとともに、これからの感染拡大も踏まえた議論で必要な措置を講ずることとなっております。  是非、改めて、本修正案提出者にこの法案の修正の趣旨を伺いたいと思います。
  75. 西村智奈美

    ○西村(智)委員 私どもの問題意識は、先ほど委員が御指摘された内容と全く同じでございます。  政府案では、地域医療構想の実現に向けて自主的な病床削減等を行う医療機関に対して財政支援を実施するということとしておりますが、公立・公的医療機関等を狙い撃ちにした四百三十六の再検証対象医療機関のリストを撤回もせずに、地域医療構想全体の方針を示さないまま、この事業を実現すべきではないというふうに考えております。  今般の新型コロナウイルス感染症では、医療提供体制に関する様々な問題が浮き彫りになりました。先ほど委員が御指摘になった三月二十四日の厚労省からの通知もその中で出されたものでありますし、問題意識厚生労働省も同様のものを持っているはずだと思います。  まずは、ですので、一度立ち止まって、こうした課題を踏まえた上で地域医療構想の見直しを行って、医師の地域間及び診療科間の偏在の是正など、今後の感染症対策にも資する地域の医療提供体制の在り方を再検討していく必要があると考えております。  また、地域医療構想そのものを否定するわけではありません。けれども、新型コロナウイルス感染症の第四波も懸念されるという状況に鑑みれば、今行うべきことは、病床削減ではなく、病床を確保することであり、新型コロナウイルス感染症の影響により経営が苦しい医療機関に対して財政上の措置を行う、財政上の支援を行うことです。  こうした認識の下、よりよい医療提供体制を構築できるよう、本修正案提出したところでございます。
  76. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 ありがとうございます。  今は病床を削減をすることではなく、病床を確保することだ、まさにそのとおりだと思います。  最後に一問、短く質問させていただきますが、このコロナ禍でいろいろな課題が浮き彫りになりました。そして、働き方が多様化していく中で労働者性も広げるべきことについて一点伺います。  私の地元で、横浜市で、知的障害児を育てながら医師をやっている女性の方がいらっしゃいます。その方がおっしゃるには、地域活動支援センターでも通所者の健康診断を行ってほしいという御意見です。これは、やはりそうした障害の団体からもずっと提案も上がっていることでありまして、A型の就労継続支援では健康診断が実施されておりますけれども、B型それから地域活動支援センターでは行われておりません。これは、いわゆる労働者性が認められないから労働法規が適用されておらないわけですけれども、これは一点、障害者施策ですが。  また、別のお話ですけれども、俳優の方、それからウーバーイーツの宅配など、こうした働き方をしている方たちにもこの労働者性というのがなかなか認められず、労災適用など、大変な思いをされているわけで、今回、一部が認められるようにはなりましたけれども、特例という形でなりましたが、なかなかそこもまだ難しい。  そういうときに、厚労省の中では、一人親方に労働者性を認めることについて議論が進んでいると聞いております。是非、今申し上げましたB型施設で働く方、それから俳優さん、フリーランスなどにも労働者性を広げる議論を進めていただきたいと思いますし、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  77. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いいたします。
  78. 田村憲久

    田村国務大臣 就労継続B型の場合は、ちょっと今言われたフリーランスとはまた違う形ですので、これは福祉施策の中で、しっかりと運用指針で、健康診断も含めて健康確保をしていただきたいということはお願いをするわけでありますが、フリーランス等々に関しては、これは、指揮監督されておったり賃金が払われているというようなことが、賃金と言わずとも、それに類似というか、そうみなされるといいますか、そういうような労働者性が認められれば当然労働者として扱われるわけでございますので、偽装でフリーランスということがあれば、それはしっかり対応してまいりたいと思います。  他のフリーランスの方々に関しては、これは他の法律等々でしっかりと保護すべきであるという御議論で今いろいろ検討をさせていただいている最中でございますので、いずれにいたしましても、フリーランスの方々も我が国にとっては大変重要な方々でございますので、そういう方々がより安定した暮らしの中で生活できるように、それは我々厚生労働省厚生労働省立場から努力してまいりたいというふうに考えております。
  79. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 これで終わりますが、労働者性、労働者類似という考え方もドイツでは取られております。また今後、この議論を進めさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  80. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、山井和則君。
  81. 山井和則

    ○山井委員 よろしくお願いします。  四十分間、医療法に関連して、コロナ対策など質問をさせていただきたいと思います。また、大変お忙しい中、尾身コロナ分科会長もお越しをいただきまして、誠にありがとうございます。また、経産省からも御出席ありがとうございます。  今、早稲田議員からお話がありまして、私たちの修正案について説明質疑をさせていただきました。ここにありますように、私たちは、そもそも、今回のワクチン接種の遅れあるいはコロナ対策の遅れは、本当に、この間ずっと今の政府が続けてきた医療費抑制政策、やはりそれで医療現場に余裕がなかった、そういう中にこういう災害が来るとなかなか対応することができないということを物語っているんではないかと思います。  そういう意味では、私たちは、長妻厚労大臣のときに、十年ぶりに診療報酬をネットでプラスに上げたり、民主党政権でも本当に力を入れさせていただきました。田村大臣も、応援をしておりますので、是非ともコロナ対策、力を入れていくには、小手先のことではなくて、与野党を超えて国民の命を守る、やはり医療政策というのが政治の根本であるということをもう一度、与野党含め、私も反省をし、決意を新たにせねばと思っております。  そういう中で、私も過労死防止法を作るときに参画したり、様々な中で、今回の法案の中でも、医師の働き方について、これは本当に、数年先で歩みが遅過ぎる、不十分だと思っております。ただ、とはいえ、目の前ですぐに、今のコロナ禍でお医者さんの働き方を緩くしてくれというわけにもいきません。そういう意味では、今回、一日も早くコロナを終息させることが、この医療法の改正法案にもあります、現場の医師の方また看護師の方々が人間らしい暮らしをしてもらうことにもつながるのではないかと思います。また、私たちとしては、強く、地域医療構想、病床機能再編については撤回すべきという修正案を出させていただいております。  そういう中で、とにかく今の目の前の感染拡大防止をしないと、医師の働き方も病床のことも話になりませんので、最優先のコロナの蔓延防止策のことをまず質問をさせていただきたいと思います。  尾身会長とはこの間、何度か質疑をさせていただいておりますが、先週の段階尾身会長は、宮城県などには蔓延防止措置が必要ではないかということを御発言されておられました。しかし、政府の方は、先週の時点では早過ぎると慎重姿勢でした。でも、結果的に今回出すことになりました。  尾身会長、今回の蔓延防止措置の決定というのは、やはり少し遅過ぎたのではないでしょうか。
  82. 尾身茂

    尾身参考人 この重点措置の発出の時期が早かったか遅かったか、これはいろいろ私は意見があると思います。  それで、先日の諮問委員会では、一応、政府提案については全会一致で合意したわけですけれども、ただ、同時に、これも全会一致でかなり強い意見が出たのは、重点措置というのは時短だけじゃなくてその他の、まあパッケージですよね、いわゆる重点措置を使わなくてもできることがいっぱいあるので、そういうことをしっかりと自治体と国が、私は、やはり今まで以上の、汗をかくという言葉を使いましたけれども、リーダーシップを発揮して、実際に今政府提案している五つの柱というのも、言うはやすし、実行はそう簡単ではないので、これは国と自治体が本当に汗をかいてやらないと、一般の市民の心に。  もう一つ重要なのは、今回は、去年の暮れから年始にかけての状況と違って、感染源といいますか、クラスターが多様化しているので、そうした感染のもう起きているところにより近く対策をやらないととても今の状況には勝てないと思うので、ここは特に、六月頃までに、高齢者ワクチン接種されるまでは、本当に最後の、一つの正念場ですから、これは国と自治体が本当に汗をかいている姿を見せない限り、一般市民は行動変容の協力が、もう疲れたと言っているわけですから、この声を、心を分かったら、これについては国と自治体の姿勢が、今まで以上に強い覚悟が必要だと思う。是非よろしくお願いいたしたいと思います。
  83. 山井和則

    ○山井委員 尾身会長もなかなか批判的なことはおっしゃりにくいのかもしれませんが、事実として、尾身会長は先週から、宮城県には蔓延防止措置が必要だということをおっしゃっておられました。しかし、一週間、結果的には遅れて、後手後手になったということです。  それで、問題は、この蔓延防止措置で十分な効果が見られるかということなんです。初めてのことでもあります。これは、受け取りようによっては、あっ、緊急事態宣言じゃないんだ、大丈夫なんだ、そういう認識にもなりかねません。ですから、私たちが一番心配しているのは、後手後手で小さくやる、トゥーリトル・トゥーレート、中途半端。その結果、蔓延防止措置の期間が長くなるのではないかということなんです。  尾身会長、今回、五月五日までということになりましたが、もちろん、先のことですけれども、今回、私たちは、緊急事態宣言を出すべきじゃないか、かなりステージ4に近いと。尾身会長も、ステージ4に大阪は、かなりもう入っているということをおっしゃっています。これで蔓延防止措置という、こう言ったらなんですけれども、緊急事態より弱い措置をすることによって、結果的には五月五日で一か月で解除できなかった、そういうふうなことにはなりませんか。
  84. 尾身茂

    尾身参考人 緊急事態宣言と重点措置というのは違うところもありますよね、先ほど申し上げたとおりです。  それで、実際には、緊急事態宣言を発出している間にも、既に人々の意識というのは、普通の生活に戻りたいということで、人流なんかもそのときにもう既に上がってきているわけですよね。そういう意味では、私は、今の現実のリアリティーというものを直視するべきだと思います。人々は、言ってみれば疲れている。そのことが、実は、感染は、別に政府の対策の紙で起きているわけじゃなくて、人々の実際の現場の行動で起きているわけですよね。そこが実際に、残念ながら、いろんな多様な場所で感染が起きているので、ここの感染をどうやって防ぐかということに私は注力を。  重点措置というのは、去年はなかったわけですよね。このツールを得たので、これを、緊急事態宣言の方がよかったかどうかという議論はもちろん重要ですけれども、今はもう重点措置が発令されたわけですから、予想がどうなるかというよりも、この緊急事態宣言の措置というのを結構、昨日パッケージで、国も示している、私ども示して、これをしっかりと実行するというのが今極めて重要で、その後どうなるか、緊急事態宣言を発出する可能性があるかどうかというのは、当然理論的にはあるので、だけれども、そんなことのないように、今決めたことをしっかりやるというようなメッセージをしっかり出して、市民の人にも、これは言ってみれば強い法的な措置、緊急事態宣言ほどではないので、そういうものであるので、国、自治体もしっかりやるから国民もよろしくというメッセージを今以上にしっかり出さないと、もやもやしたメッセージを出せば国民は恐らくついてこれないので、そういう緊急事態宣言を出す必要があるかという議論をする前に、今やるべきことを全力で私はやっていただきたいと思います。
  85. 山井和則

    ○山井委員 尾身会長のおっしゃることは私も同感をいたしますが、残念ながら、今くしくも尾身会長がおっしゃった、もやもやしたメッセージでは国民はついてこない。一歩間違うと、今回の蔓延防止措置というのが、国民にとっては今、もやもやした措置と映っている危険性は私はあるんじゃないかと思うんです。  なぜならば、蔓延防止措置ですよね。蔓延防止だから、蔓延する前にやるんでしょう。でも、大阪とか宮城って、これはもう蔓延してしまっているんじゃないんですか。  おまけに、第三波に比べて、今、変異株なんですよね。昨日も会見尾身会長は、変異株は感染力が強い、今後加速していくとまでおっしゃっているわけですよ。普通に考えたら、第三波より強力な変異株が来ている、でも、対応策は緊急事態宣言より緩い蔓延防止策だ、これでは矛盾があるんじゃないんですか。  あえてお聞きしますが、今、変異株、昨日のニュースでも、兵庫県、八割ぐらいが変異株じゃないか、どんどん増えていっている、置き換わっているという話がありました。危機感を持っています。私も、兵庫、大阪の隣の京都の人間として、すごい危機感を持っています。  そういう中で、第三波のときより今の方が状況はちょっとましなんですか。ましなんだったら、緊急事態宣言より緩い蔓延防止措置でいいです。でも、私は、この変異株、フランスでもロックダウンですよ。学校も休校になっているぐらいです、フランスは。これはかなり深刻ですよ、じゃないかと心配しています、この変異株に関しては。  これは、尾身会長、第三波の時期よりも今の方が状況はましなんですか、大阪などは。いかがですか。
  86. 尾身茂

    尾身参考人 私は、状況は厳しいと思います。三つの理由です。  一つは、人々の行動変容に対する協力が得にくくなっているということ。それから、感染源が多様化しているということ。それから、今までよりも変異株の影響というのも出てきて、そういう意味では、委員がおっしゃるように、状況はそう楽観できるものではないことは間違いないです。  緊急事態宣言か重点措置かという話ですけれども、違うことはあるんですけれども、私は、一番大事なのは、重点措置か緊急事態宣言かという選択も大事ですけれども、実はそれよりもと言った方がいいと思いますが、一体何をやるかということだと思います。  実は、今私たちが政府に求め、地方自治体に求めている、昨日も申し上げたのは、実は緊急事態宣言をこの前に出したよりも厳しいところはいっぱいあると思います。緊急事態宣言という言葉自体と重点措置というのは随分違ったイメージがありますけれども、実は、やっていただきたい内容は、かなり突っ込んで、文字どおり感染源に近い、例えば、ガイドラインの遵守の徹底なんということは、見回りなんということは前になかったし、これをやらない限り、私は、飲食店は永遠に時短営業をしてもらう必要があると思うんですね。単に時短営業というよりも、店がしっかりと感染対策をやってもらうという、ガイドラインを出すだけじゃなくて、しっかりと自治体が、それをやっているかどうかを見回りする、そして認証制度というのもやる。こういうことは、この前の緊急事態宣言のときはなかったですよね。  それから、当時の、ハイリスクのモニタリング検査というのもやっていないし、今回なんかは、カラオケというものがはっきりしたので、そういうことを、まあ、カラオケの喫茶なんかはこの前もあったかもしれませんけれども、ともかく、例の高齢者の巡回、高齢施設の定期的な。  そういうように、言葉だけじゃなくて実際に一体何をやるかと。重点措置というツールがあったわけですから、その中で、これは緊急事態宣言をやったよりもかなり感染源対策に近いものが起きているので、そこは私は、このことをしっかりやれば一定程度の効果はあると思いますし、仮にないということが分かれば、今委員おっしゃるように、緊急事態宣言にすぐ切り替えるということも当然。  これから一日一日のモニタリング、しっかりと状況を見ていくことが非常に重要で、もちろん、必要な場合には緊急事態宣言ということもあり得る。しかし、それが出ない、それをしないためのツールですから、今こういうようなパッケージ、やるべきことがある、もう決めているわけですから、これをしっかり実行するということに集中すべきだと思います。
  87. 山井和則

    ○山井委員 大事なことなので確認したいんですけれども。  ということは、蔓延防止措置を今回大阪などでやってみて、効果が十分に出なかったら、緊急事態宣言に速やかに切り替えるべきだということでよろしいですか。
  88. 尾身茂

    尾身参考人 私は、そういうこともあると思いますけれども、もう一度重ねてここで強調させていただきたいのは、宣言を出すかどうかというよりも、一体何をやるかということが大事で、今の重点措置ではできないことがあれば、それで緊急事態宣言を出さなければならなかったら、もう私は即座に出して、その重点措置でできないことがあるために感染がどんどん広がっていって、そのことが実は緊急事態宣言を出せばできる、重点では駄目だといったら即座にやればいいと思います。
  89. 山井和則

    ○山井委員 今回、蔓延防止措置は一か月ですけれども、この見極めは重要だと思うんですね。三週間たってから、ああこれは効いていないなと思ったって、もう手遅れのような気がします。  じゃ、これから一か月ありますけれども、一週間後、二週間後、どれぐらいの時点で蔓延防止措置というのが十分な効果があるか、やはりこれでは弱過ぎるか、見極めは大体どれぐらいの時期ですか。
  90. 尾身茂

    尾身参考人 お答えします。  私は、今回は、三週間ぐらいというのが普通ですよね、二、三週間で効果が出るということで、三週間ぐらいでもあり得ると私自身は思っていましたけれども、一か月ということは、実は連休のことがありますので、そういう感染対策上のよりも、社会生活、行事ですよね、そういうことも考えた上での一か月ですから少し長い。これは私は適切な判断だったと思います。  それで、効果が出るかどうかというのは、もう委員御承知のように、いろんな対策を打ってから効果が出るまでに時間のタイムラグがありますので、これは様々な指標を見て、もうこれは毎週毎週、アドバイザリーボードは必ず一週間に一遍ぐらい、ここに大臣がおられますけれども、恐らく頻繁にやると思いますので、そういうことで徹底的に様々なデータを見て、それについては必ず公表するということで、必要な対策の変更があるんだったらそこでやるということは当然だと思います。
  91. 山井和則

    ○山井委員 これも確認をさせていただきたいんですが、さっき三つの理由で今の大阪は厳しいということですが、先ほどの三つの理由で、第三波のときより今の方が変異種等々で大阪の状況は厳しいという理解でよろしいですか。
  92. 尾身茂

    尾身参考人 感染が制御しにくいという意味では、そうだと思います。
  93. 山井和則

    ○山井委員 これは尾身会長を責めているわけではないんですが、一番国民がもやもやしているのはそこだと思うんですよね。  変異株が蔓延してきて、一歩間違うと子供にも感染しやすいんじゃないか、子供の場でもクラスターが起こったりしている、けれども、政府対応緊急事態宣言より緩い、状況は今までより厳しい、変異種も増えているのに、対応は今までより緩い、ここなんですよね。  それで、一番私たちが困るのは、今尾身会長おっしゃったように、二、三週間見てみたら、やはりこれは効かなかったね、やはり緊急事態宣言だといったら、はっきり言って、経済のことを考えても、どんどん延びていったら、これは本当に大変なことになります。  だから、私たちは、緊急事態宣言を短くすぱっとやって終息させると。私の知り合いもそうおっしゃっていますよ。きついことを短くやった方がいいんじゃないの、何か中途半端なことをやってだらだらだらだらなるのが観光地や経済にとっても一番困るという声が、経済の関係者からもあるんです。  そこで、もう一点お聞きしたいんですけれども、蔓延防止措置というのは、蔓延の前にやる、ステージ3になる頃、前にやるということからいえば、東京などはもう六つの指標のうち二つでステージ4とかにもなっているんですね。これは東京は、緊急事態宣言なりあるいは蔓延防止措置、そろそろ検討しないと、今までの反省からいくと、後手後手になったから、緊急事態宣言が二か月に延びてしまったんではないか、後手後手だったという反省を持っているんです。  そういう意味では、早めということの方が、結果的には経済的な打撃、薄いんじゃないかと思いますが、東京の蔓延防止措置あるいは緊急事態宣言について、尾身会長、いかが思われますでしょうか。
  94. 尾身茂

    尾身参考人 私は、東京も、今いわゆる微増していて、感染が間違いなく継続して少しずつ増えていますから、このままほっておくと、感染のいわゆる拡大のスピードが上がっていくことはほぼ間違いないと思います。  そういう中で、先ほども申しましたけれども、私ども分科会は、もう早急に、どうしたら、どういう場合に、いわゆるサーキットブレーキといいますか、ハンマーを打つかということを、大体もう既に考えがほぼまとまっていますから、それも一つ参考にしていただいて、東京の方について言えば、これは多分東京都の方も考えられていると思いますけれども、私は、これは毎日非常に厳しい目で見ていく必要があって、いろんな可能性が出てくると思います。
  95. 山井和則

    ○山井委員 そこは素朴な疑問なんですね。宮城そして大阪、蔓延防止措置。でも、これは東京は大丈夫か、連日増えていますよね、変異株でも入ってきたら爆発する危険性がありますよねと。私も東京で平日仕事しながら、本当に不安です。全国の方も、えっ、東京大丈夫なのと。あるいは、専門家の方々の予測を聞くと、四月には千人になるんじゃないか、五月には二千人になるんじゃないか。  もしそういう予測があるんだったら、ブレーキ、今踏まないと駄目なんじゃないんですか。ああ、予想どおり二千人になりました、ブレーキを踏みますでは、これでは話にならないんです。  そういう意味では、近いうちに東京も蔓延防止措置や緊急事態宣言をやるべきじゃないかというふうには思われませんか。それとも、今はもう東京都に任せて様子を見ておきますという、そういう状況ですか。
  96. 尾身茂

    尾身参考人 先ほど申しましたように、東京都の状況はそんなに楽観できる状況ではないので、結局、この最終的な判断は国や自治体がするわけですけれども、私たちもなるべく早く我々の意見をまとめて、東京、首都圏に限らず、せっかく先生たち、国会議員の先生たちが蔓防というものを作ってくれたし、いろいろ今回の特措法の改正もしていただいたわけですよね。そういうこともあって、そのツールといいますか、法的なツールをいかに、より感染拡大防止のために使えるか。私たちもなるべく早く意見を、首都圏だけじゃなくて全国に関係することですから、表明して、そのことがまた知事あるいは国によりよい判断をしていただくために役に立てばと思っております。
  97. 山井和則

    ○山井委員 今回の医療法で、医師の働き方とか病床確保あるいは急性期の病床をどうするかという議論を、私たちは法案審議でもやっているわけですけれども、本当に、目の前の医療の逼迫度合い、これをまず止めることが最優先だと思います。  そこで、尾身会長にお聞きしたいんですが、尾身会長、一部から、蔓延防止措置を蔓防と略するのはよくないんではないかという、そういう指摘があるんですね。これについては、尾身会長、いかが思われますか。
  98. 尾身茂

    尾身参考人 それはもうおっしゃるとおりで、私も総理との記者会見で、長いので、蔓延防止等重点措置というので、そのときもいわゆるジャーナリストが使っておられる蔓防というような言葉で言ったので、それで、そういう意味で、少し言葉の使い方が適切じゃないかというのを、私自身も使ったことがありますので、確かに言われてみればということで、重点措置ということに使った方がいいと思いますし、そういうことにしたいと思います。
  99. 山井和則

    ○山井委員 正直、私も蔓防と使うことがありますので、偉そうなことは言えないんです。ただ、ちょっと緩いイメージじゃないかと。魚にマンボウというのがあって、あれはゆったりとした大きな魚なのでということもあって、やはり、この緊急事態宣言という、みんな真剣に頑張ろうというときに、これは別に単なる名前といえども、いかに人の動き、人流を抑えられるかというイメージが割と重要なときに、この言葉ってやはり影響力を持つと思うんですね。  ついては、田村大臣にお聞きしたいと思います。田村大臣は、蔓防というお言葉をお使いになりますか。
  100. 田村憲久

    田村国務大臣 初め、蔓防って何かよく分からなくて、よくよく聞いたら、ああ、略称なんだということで、記憶では何回か使った覚えはあるかも分かりませんが、基本的には蔓延防止措置という言葉を使っていることが多いと思います。  もしかしたらどこかで使っていたかも分かりませんので、周りが使っておられれば流されることはございますのであれですけれども、基本的には、私は余り蔓防という言葉は使っていないんじゃないのかなと思いますが、私もそういう言葉は使わないようにというふうに思っております。
  101. 山井和則

    ○山井委員 私もついつい使うことはあると思いますので、偉そうに言う気はありませんけれども、そういう指摘があるということをお話ししたいと思います。  そうしたら、ちょっと田村大臣にお聞きしたいんですが、質問通告しましたが、ちょっと緊急のことなので、子供の貧困ですね。  何か自民党さんで子供庁を選挙の公約にするという話が出てきているわけですけれども、民主党政権でも子供庁が必要だという議論もして、私たちも選挙の公約にしたぐらいですから、別に是非は問いませんけれども、それより、目の前、今困っておられるのは、自治体やお父さん、お母さんが困っておられるのは、田村大臣の英断もあって、低所得の子育て家庭に給付金を出してもらうことになりました。今日の配付資料の十三ページ。  ところが、地元の方々や当事者はどうおっしゃっているかというと、一人親家庭は今まで八月と十二月に出しているから四月に出ると。二人親家庭はいつ支給されるんですか、大体。それと、そもそも住民税非課税世帯となっていますけれども、その住民税非課税世帯の認定は、今年に出てくる所得なのか、昨年に出てきていた所得なのか。単純に言うと、一年前の所得が反映されるわけですよね。どっちの住民税非課税世帯、今回新しく住民税非課税世帯になる方なのか、既になっている方なのか。それをいつ厚労省が決定して自治体通知するのか。それをお答えいただけませんか。これは通告していますので。
  102. 田村憲久

    田村国務大臣 これは、決定過程において本当に我々も悩んだところです。今までやったことがありませんので、ないんですね。データもなければ名簿もないわけで、そもそも税情報を使えるかどうかという問題もあります。  それから、児童手当のデータが使えなくはないんですが、これまた十六歳以上は使えないということもあって、今、どういうふうにやるべきかというのを、これは決めるときも多分自治体皆様方が大変な形になるので、今、コロナ自治体はただでさえいろんな形で大変なのに、更に対応お願いをしなきゃいけないということで、実はこれも、これを決定する段階で、市町村長の方々に大変な御迷惑をおかけをするわけなので、要するに職員の方々ですね、もちろんやっていただきたいんですけれども、そういう意味で、どうやれば一番簡素に、なるべく早くやれるかというので、今知恵を絞っているところであります。
  103. 山井和則

    ○山井委員 ちょっと、自治体も困っているし、二人親家庭のお子さん、住民税非課税の方が、厚労省の試算では百万世帯、二百万人ぐらいお子さんがおられる。これは生活困窮して困っているから、もっと言えば、四月の進学、進級にお金がかかるからという趣旨ですよね。ところが、いつ払われるかめどが立たないどころか、そもそも、いつの所得で対象を絞るかも決めていないから、自治体は全く動けないんですね。これは急いでもらわないと、二人親家庭の方ももらえると思っていますからね、それを当然、一人五万円。これはちょっと、やっていただくことは感謝しているんですよ、今までやったことのないことをやっていただくことは感謝しています。  ちょっと、言いたくはないけれども、私たち、子どもの貧困給付金法案を一月二十二日に出したんですよ、やってくれと言って。川内議員も菅総理に当事者の方と面会されて。ところが、政府が決めたのが三月二十三日で、二か月遅くなっちゃったんですよね。ほぼ丸のみしてもらったことは感謝していますけれども、二か月遅れて、その結果、ちらっと聞いた話では、住民税非課税が今年決まるのは六月だから、下手したら二人親家庭のお子さんは七月か八月になる危険性も自治体によってはありますよと。  田村大臣、六月とか七月とか八月になる危険性もあるんですか、支給が。
  104. 田村憲久

    田村国務大臣 なるべく早くと思っておりますが、そこの時期はまだ全く言えない状況であります。我々が配るというよりかは、自治体に配っていただかなきゃなりませんので。これは、どの政権であろうとも、やはり初めてでありますので、そういうことになるんです。  ただ、そういうこともありますので、緊急小口、総合支援資金があって、これはまさに、お返しいただける収入があるわけでありますから、あるいはそれを使っていただくというのが、私は、非常に使い勝手のいい、もちろん、これを言うとまた、なかなか貸してもらえない御家庭もあるということなので、そこは社会福祉協議会に徹底してまいりますけれども、全体で最大、昨年からずっと継続していれば二百万円という形でございますので、今回、お一方五万円という形でありますが、それを十分に包含できるだけの貸付けというものでございますから、返す原資はしっかりあられるということでございますので、これをお使いいただければ、当面、この四月等々を乗り切っていただけるのではないのかなというふうに考えております。
  105. 山井和則

    ○山井委員 今もおっしゃいましたが、緊急小口とか総合福祉資金貸付けは、窓口で断られたとかいう方が多いんです、残念ながら。これは、やると決めたんだから早くしていただきたいんですよ。本当に困っているんです。自治体も困っているし、当事者も困っているんです。一歩間違うと、三人のお子さんだったら十五万もらえるわけですからね。一人親家庭あるいは二人親家庭、貧困家庭で一日一食とか一日二食とか、本当におられるんですから、遅くとも来週中には決めていただきたい。  それで、私は、一つ、もうこの場で田村大臣に決めていただきたいんです。  どういうことかというと、そんな、現時点でいつ支給できるか分からないなんて駄目です、それは。駄目なので、ついては、一旦、現時点での住民税非課税の二人親家庭には、その対象で四月か五月に支給する。おととしの所得になっちゃうけれども、まずは四月か五月に大急ぎで支給する。そして、コロナが反映された最新の住民税非課税世帯は六月ぐらいには分かると思いますので、そこで新たに住民税非課税になった人は、追加でまた六月、七月、八月に払う。この二段階支給、これしかないんです。これしかないんです、相手は貧困家庭のお子さんたちなんですから。  だから、子供庁の議論もいいけれども、目の前で困っている人のために、田村大臣、言ってはなんですけれども、決断するしかないんですよ。これは、三月二十三日に菅総理がやると決めてから、もう十日たっているんですよ。十日たっているけれども対象が誰か分からないって、それはちょっとあんまりじゃないですか。  ですから、この場でもう決断してください。今の住民税非課税二人親世帯だったら、すぐに送れます。そして、新たにコロナの影響で六月に住民税非課税となる人には、追加で六月か七月に送る。この方法しかないと思います。いかがでしょうか。
  106. 田村憲久

    田村国務大臣 課税情報は分かっても子供がいるかどうか分からないので、それは無理ですね、はっきり言って。課税情報が分かっても、その家に子供がいるかどうか分からない。つながっていませんよね、課税情報って、子供と。だから、配りようがない、対象を絞れない。これが最大で、やりようがないというのが今現状。  ですから、正直申し上げて、一番早いのはやはり緊急小口、総合支援資金、これが一番早いので、当座はこれでやっていただいて、後からどっちにしても来るわけですから、それでお返しいただくというのが本当に真面目に考えた場合。  これに対して、もし貸さないということがあれば、これはもう我々最大限、社会福祉協議会の方にはお願いをさせていただきますが、とにかくお金が手元に行っていただくというのが一番重要でございますから、是非ともここは、お互いに一番いい方法というものを協力し合いながら渡させていただけるような形をつくらせていただければというふうに思います。
  107. 山井和則

    ○山井委員 これはもう川内議員がさんざん、貸付けじゃ駄目だから給付金と、総理にも直談判されたのに、決まった後も、いつ入るか分からないから給付金って、話が違うんですよ。だから、これは今私が言った方法が一番早いですから、もう是非ともそれをやっていただきたい。  それと、それに加えて、私たち、三月一日にもコロナ特別給付金法案というのを出しました。先ほど尾身会長からも、これは国も要請するだけじゃなくて、国や自治体もちゃんと住民の方々にやるべきことをやるべきだということをおっしゃっていて、私はその中に経済的支援も入ると思うんです。二千七百万人の、住民税非課税以外の方も含めてコロナで大幅減収の方に、是非とも二兆七千億円、一人十万円配る給付金をやっていただきたいし、この法案、この委員会に出していますので、是非この委員会で審議していただきたいと思います。とかしき委員長お願いいたします。
  108. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 理事会で検討、協議いたします。
  109. 山井和則

    ○山井委員 もうこれは委員会に法案を提出していますから、与党の皆さんが審議すると言ったらもう十万円を二千七百万人に配れますので、是非そのことをお願いしたいのと、田村大臣、これは、申し訳ないけれども、本当に自殺者が増えていっているんですよ。にもかかわらず、与党でもこういう給付金、一律なり、低所得の方に必要だと言う方が多いです。与野党関係ないんです。田村大臣、これは決断してもらえませんか。  というのが、こういうことをやらずに自殺者がどんどんどんどん増えたら、私たちも本当にこれは黙っていませんよ。政府が解雇、失業、倒産、自殺する人を放置するんだったら、私たちは本当に黙っていられませんよ。与党、野党関係ない。  そういう意味では、是非ともこの二千七百万人への十万円の給付金、子育て家庭の方々だけじゃなくて、そういう幅広い生活困窮の方の給付金、やっていただけませんか。田村大臣、いかがですか。
  110. 田村憲久

    田村国務大臣 委員会でお決めをいただければというふうに思います。
  111. 山井和則

    ○山井委員 ということは、委員会で決めていただいたら、この二・七兆円の給付金、やってくださるということですか。
  112. 田村憲久

    田村国務大臣 法律が通れば、それはやらざるを得ないという話になると思います。あとはどういう御議論をされるかという話だというふうに思います。  ただ、我々は、正直申し上げて、今回、緊急小口そして総合支援資金の償還免除というものを、これをかなり事細かく対応させていただきました。これを使っていただければ、本当に困窮されている方々は私は対応いただけるというふうに思います。それも、皆様方から御要望をいただいていた分だったと私は思いますよ。これを償還免除をちゃんとという話。さすがに川内委員は、そのときに私も話しておりましたからよく御理解いただいていると思いますが。  だから、一つ一つ我々も一生懸命努力する中で、やはり困っておられる方々に対して対応したいんだという思いでやってきているわけでありますから、それを何か、頭ごなしに駄目だ駄目だと言うばかりじゃなくて、そういうものも是非とも宣伝いただいて、本当に困っている方々にはお届けいただくように、共に協力をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  113. 山井和則

    ○山井委員 あるところでは八割の人がこの貸付けを断られたということもありますし、私の知り合いでも、何人も断られた、再就職の見込みがない人は駄目と断られたとか、いっぱいあるんですよ。だから私たちはずっと、貸付けだけじゃ駄目だと言い続けているんです。  是非ともこれは決断をしていただきたいですし、今日、経産省からも来ていただいているんですけれども、今回、蔓延防止措置とか第四波という中で、何かテレビを見ていると、協力金で飲食店、それを事業別に増やしますとか、その取引先もお金を出しますと。それはいいですよ。でも、それだけじゃなくて、日本中、大なり小なり、これは第四波なんですよ、蔓延防止措置の地域だけじゃなくて。だから、私たち、これも三月十九日に法案を出しています、持続化給付金支給法案。七兆円の予算、そして四百万人に配る。これも、与党からも多くの、二回目の持続化給付金という、これは与党からも要望が出ております。  これは、今の尾身会長の話を聞いていたら、変異株もあって、四月、五月、なかなかこれは大変ですよ、日本中、感染拡大で。経済は大ダメージです。二回目の持続化給付金、そして一時支援金の拡大、そういうことも含めて、是非とも、与野党を超えて私たち応援しますので。  このままでは倒産、廃業は増えますし、尾身会長もおっしゃっていたように、こういうことをやらないと、国民はもう自粛疲れで、国から、自粛しろ、御飯食べるな、あれするな、これするな、これではもたない。やはり、そこで、給付金も出します、持続化給付金も出せます、生活困窮者に出します、与党も野党も協力します、それだったら国民も、ちょっと、あと、ワクチンが行き渡るまで、一、二か月我慢しようかなとなるんじゃないかと思うんです。いかがですか。
  114. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  持続化給付金の再給付ということでございます。持続化給付金は昨年の緊急事態宣言のときでございますけれども、その後、いろんな知見がございまして、本年一月の再発令された緊急事態宣言では、飲食につながる人の流れを制限ということで、持続化給付金ではなく一時支援金という形でさせていただきました。  今回、昨日、コロナ本部の取りまとめでございました、蔓延防止等重点措置の地域における飲食店などの時短営業の影響ということで、売上げが半減した中堅・中小事業者に対しては別途政府として支援を行うこととしたところでございまして、一時支援金とは別でございますけれども、蔓延防止等重点措置が講じられている地域における飲食店の時短営業の影響を受けた、二〇一九年又は二〇二〇年の同月と比較して売上げが五〇%以上減少した中堅・中小事業者、こういった方々に対しまして、一月当たり法人二十万円、個人事業者十万円を上限に、売上減少相当額を給付するような制度も考えていきたいというふうに考えてございます。
  115. 山井和則

    ○山井委員 もう終わりますが、子どもの貧困給付金の法案も一月二十二日に提出して、政府がやると決断したのが三月二十三日、二か月後。その間、私たち、菅総理や田村大臣から十回、二十回、やらない、やらない、やらないと、二か月ずっと言われ続けてきました。二か月後にやるんだったら、最初からやると言っていただきたいのに。これは与党も要望されているんですから。  そういう意味では、本当にスピードって重要で、遅れたら、それで人が亡くなるんです、会社が潰れるんです、お店が潰れるんです。  ですから、田村大臣、先ほどの二人親家庭のやつ、私はちょっと、正直言ってショックを受けましたよ。やると決まってから、いつ支給されるかさっぱり分かりませんと。それはないでしょう、やはり。是非とも早急に、先ほど言った方法で支給してください。  ありがとうございました。終わります。
  116. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、中島克仁君。
  117. 中島克仁

    中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。  政府提出医療法等改正案、また、野党提出の慰労金法案、立憲民主党が提出しております政府案に対する修正案質疑でございますが、新型コロナウイルス感染対策、今日、お忙しい中、尾身先生にも御出席をいただいております。他の委員と重複するところもございますので、できるだけ重複しないように尾身先生にはお尋ねをしたいと思いますけれども。加えて、地域医療構想について質問させていただきたいと思います。  まず一点目なんですが、いわゆる厚生労働省老健局の懇親会問題について一点だけ。水曜日の質疑大臣も謝罪もされ、処分もされておる、そして、るる調査もされておるということでございますが、私も地元で、介護施設、様々な受け止めをお聞きをいたしました。  これも一年以上、この感染状況の中で、重症化リスクの高い方と密接が避けられない状況の中で、私も感じるところはあります、私自身が無症状で、重症化リスクが高い方に感染させてしまうんじゃないかと。本当に恐怖です。そういう状況の中、老健局から再三にわたり感染対策の徹底という通知が乱発されていた。その一方で、この今回の事態ということで、大変な憤り、現場の声として、改めて伝えさせていただきたいと思います。  そんな中で、一点だけ、ちょっと大臣確認したいんですが、水曜日の長妻委員との質疑、その答弁の中で、高齢者施設へおわびの文書を出すとおっしゃっておりましたが、私、昨日、地元高齢者施設の方にお聞きしましたが、おわびの文書は届いていないということでございました。  おわびの文書は出されたのか、出されたとしたらどのような内容だったのか。おわびの文書を出すと水曜日おっしゃっておりましたので、確認させていただきたいと思います。
  118. 田村憲久

    田村国務大臣 私の名前で出させていただきました。  厚生労働省は感染対策を進める立場であり、その中で、介護保険を担当し、介護事業所の皆様方に感染防止対策のお願いをさせていただいている、それが老健局であります。その老健局が、このような今回の、感染リスクの非常に高い、そういう行動をしたわけでございますので、これに対して、日頃介護事業所で御苦労をされておられる皆様方に対しておわびを申し上げますということで、文書を発出させていただきました。
  119. 中島克仁

    中島委員 現場の方はまだ目に、届いていないということでありますので、まず、水曜日にも大臣おわびの言葉、そして、現場の方々には、これまでの経緯も含めて、やはり憤りを感じ、感染対策においても介護現場の方はいつも後回しだ、そうじゃないと言うかもしれませんが、実際にそういう状況も非常に感じています。  例えば、予防接種ワクチン優先接種も、従事者の方は、我々は高齢者と同時期、当然ながら、先ほど言った恐怖感の中、うつしてしまうんじゃないか、感染させてしまうんじゃないか、こういう状況の中で、ヘルパーさん、三月の通知も何かコロナ患者さんを見るなら優先にしてもいいというような、ちょっと上から目線の通知があったり、本当に反省しているというなら、おわびの文書を出されたと言っていますけれども、行き届いておりませんし、早急に、これは口ばかりではなくちゃんと示していただき、そして、先日も御決意を述べられたように、これからまさに行動で示していただかなければならないということでございますので、早急に行き届くように対応していただきたいと改めて思います。  今日、お忙しい中、尾身先生にも来ていただいておりまして、先ほど、尾身先生、昨日の大阪、兵庫、宮城、蔓延防止等重点措置が適用になったと。そして、先ほど山井委員との質疑の中でも、東京の感染、これはほぼ間違いなくこのままであれば拡大していくだろうと。大変、現実、緊張感がある状況かなと改めて思いました。  当然ながら、昨日、全国で二千六百人を超え、感染確認ですね、東京は四百七十五人、大阪が六百十六人ということであったわけでありますが、これは端的にお伺いしたいんですが、昨日、蔓延防止等重点措置が適用された、そして全国でも感染者が増えている、またこれに変異株の特異性も加わっている現在の状況は、いわゆる第四波と言っていいんでしょうか。
  120. 尾身茂

    尾身参考人 第四波かどうかという名前のことはともかく、これは重大なリバウンドの山に向かっていることは間違いないと思います。
  121. 中島克仁

    中島委員 名前の問題ではないとはいうものの、やはり、いわゆる第三波、これは後ほどちょっと御見解をお聞きしたいんですけれども、私も尾身先生と同じ医師でもございます。在宅で確認をされ療養していた方々、医師にも診られない、診られないどころか相談もつながらない、薬も出されていない方も多々いて、二度とこういう状況を招いてはいけないと。  こういう状況の中で、先ほども御質問、質疑の中でありましたが、緊急事態よりも一つ前段の蔓延防止等重点措置ということで、今後、感染拡大を本当に防げるのかと。  そして、国民意識として、もういよいよ第四波に、なったかどうかというよりは、そこにもう入りかけているんだ、そういう問題意識をやはり国民と共有するということも、決して不安をあおるとかそういうことではなく、今までそういう言われ方をしてきましたので、大事な部分ではないのかなと私としては思います。  尾身先生、いかがですか。
  122. 尾身茂

    尾身参考人 私は、いわゆる第四波と言う方は、それで全然間違いないと思います。  これは、サイエンティフィックに言うと、これが第四波というのは、我々はまた別の、武漢の最初のを第一波というと、ちょっと違うんですけれども、そういうことはサイエンスのコミュニティーの話で、いわゆる一般の人の言葉の中で、いわゆる第四波というものに入りつつあるという言い方は、私はして差し支えないと思います。
  123. 中島克仁

    中島委員 いわゆる第四波に現在の状況はある、もちろん狭義の意味ではありますけれども。今まで第一、第二、第三と、いわゆる第四波に今の現状は我が国は入っているということだと、尾身先生の見解だというふうに受け止めさせていただきたいと思います。  尾身先生が指摘しているポイント、幾つか、サーキットブレーカー、ポイントとしてモニタリング検査、高齢者施設に対する定期検査、深掘り調査という三点を挙げられておりますが、やはりこれが本当に、政府が具体的にこのポイントを徹底できるかどうか、これが本当に鍵を握るんだというふうに思います。  加えて、先ほども少し質問が出ましたが、変異株、現状においては英国株が最も多いとされているわけでありますけれども、変異株に関しましては、ウイルス量の多さはほぼ確実、成人、子供を問わず、やはり感染力が強くなっていることは間違いないというふうに思います。  私はそれ以上に、実は、まだはっきりされておりませんが、三月の十日ですか、医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された論文で、いわゆる致死率が高まると。これは大変私は衝撃的だったんです。  もちろん、ウイルスは変異するものでありますから、感染力が強まるということは一定程度想定されておりましたけれども、ウイルスが変異していく段階で逆に病原性は低くなることもある、こういうことは一般論としてある中で、この変異株、特に英国株に関しては、致死率が高まるということであれば、これは当然ながら重症化率が上がり、そして医療に対する負荷というものが、例えば致死率、重症化率が一・六倍ということであれば、それはそのまま医療に対する負荷が一・六倍ということになってしまうわけでございまして、ここについてはまだ明確にはなっていないということでありますけれども、やはりこの変異株の特異性というのは、もうそういうものだという理解の中で今後感染対策を進めなければいけないと私は思っているんですが。  この変異株の致死率が高いということと、もちろん、検査、隔離、入院の基準、もっと言えば、緊急事態宣言の発出の考え方も、本当にこの報告のとおり六〇%から八〇%致死率が高いとすれば、緊急事態宣言発出の考え方も大きく変わってくるのではないかと私は考えるわけでありますが、この変異株の致死率と今後の感染対策、緊急事態の発出の考え方について、尾身先生の御見解をお尋ねしたいと思います。
  124. 尾身茂

    尾身参考人 ウイルスは、基本的にはなかなかしたたかな生物ですけれども、今回のコロナウイルスというのは、非常にしたたかなウイルスで、適宜変化しているわけですよね。  私は、我々の対策も、これは明らかに去年の四月と今では、ウイルス自体のもう少し、伝播の仕方というのも少しずつ変わってきているし、具体的に言えば、つい最近までは飲食店を中心にというのがあり、今はもう飲食店もですけれども更に多様になっているし、今委員指摘のように、恐らく感染力は、ほぼ日本でも高いということを想定した方がいいと思いますし、結果的に、そうすれば、感染が広がり、重症が、高齢者にもいくということで、そういうことですので、私は、いわゆる変異株というか、そういうものだということを国民一般の人にも知ってもらって、そういう覚悟の下に対策を打って、そのことは私はしっかりと、先ほど言った、自治体、国の人が汗をかいて、しかも、こういうことをしっかり説明をすれば、日本の多くの人は、これが日本の今までここまで来た一つの特徴なんですよね。  したがって、しっかりとした、今の状況を率直に国のリーダーが語る、地方自治体のリーダーが語る、こういうことを我々はやっているんだ、やるんだと。それは、重点措置であろうが緊急事態、今必要なことをやっているんだというメッセージが極めて重要で、それは言葉だけじゃなくて実行、そのことがあれば、私は、今回、前から何度も申し上げていますけれども、ワクチン高齢者に行くまでが一つの非常に重要な正念場で、ここは、一般の人はもうコロナ疲れしているんですけれども、しっかりと説明すれば、日本の多くの人は協力してくれると私は思っていますので、是非、もうそこに懸かっているんだと私は思います。
  125. 中島克仁

    中島委員 今、覚悟を持つことがということだと思います。  昨年の十二月にも、尾身先生、いわゆる第三波に入りかけたときに、国民一人一人の努力ではもう感染拡大はなかなか抑制していくのは難しいという御発言があって、そして、今もまさに、もちろん国民一人一人に御理解をしていただくこと、だけれども、国民一人一人の感染対策だけでは、これはもうなかなかやはり難しい状況。本当に覚悟を持って取り組まなければいけないのは、やはり政治であり、そして各自治体のリーダーシップということ。先ほど来、尾身先生がおっしゃっているサーキットブレーカーもそうでありますけれども、こういう専門家の御意見をやはり政治、政府はしっかり受け止めて、後手後手に、これまで後手後手と言われてもしようがない状況だったと思います。是非、大臣にも、今の尾身先生の言葉を重く、より重く受け止めていただきたいと思います。  加えて、在宅患者さんへの対応についてなんですけれども、コロナ感染確認をされて在宅療養されている方、先ほど少し触れましたが、本当に私、一月の状況、自分自身も対応させていただきましたけれども、本当にこの我が国で起きていることなのかと。軽症者といいながら、軽症ということで自宅におりながら、四十度の発熱、強い喉の痛み、そしてせき込み、半分ぐらいの方は薬も出されていなかった。こういう状況をもう二度と招いてはいけないというふうに私自身は強く思っています。  私自身が何ができるかということを常に真剣に考えているつもりでありますが、病床の確保政府通知も出して取り組んでいますが、急激な感染拡大、まさに一月のときですが、病床の逼迫を防いでいくためには、やはり軽症者の方、宿泊療養所というところもありますが、様々な事情でやはり御自宅に療養されている方をどうモニタリングしていくのか。これは保健所から医師会等へ委託してということですけれども、本当にそういうことで一月のような状況を防げるのかどうか。ピーク時には三万人以上の方が自宅療養をされ、その経過の途中でお亡くなりになった方も多数出てしまった。  そういう意味から、私は、まさにこれから、先ほど尾身先生、いわゆる第四波に入った、そして、これから、変異株の致死率も含めて、非常にこれまでの延長線上ではなかなか対応していくのは難しい部分もあるんじゃないかと。  そういった観点から、資料の一枚目から四枚目でありますけれども、これは厚生労働省が出しているCOVID―19診療の手引というもので、二枚目、日本国内で入手できる薬剤の適応外使用ということで、二番目はアクテムラ。三枚目がアビガン、この説明があるわけであります。そして四枚目は、その他の薬剤例ということで、全部で十一種類の薬剤が、これはCOVID―19の診療の手引ということで示されているわけであります。  残念ながら、この手引に示されている治療薬に関しましては、新型コロナに対する有効性について、どれも科学的根拠、まだ有効性についてなど示されていません。結果、標準治療として、コロナはまだ標準治療が確立されていない状況であるわけでありますけれども。  ワクチンは、今接種が始まっている段階ではありますが、いわゆるもう既に第四波に入っているという状況であれば、なかなかこのワクチンが次の大きな波を抑制していくのは難しい。  加えて、繰り返しですが、一月のような状況を何としても防がなきゃいけないということから、少なくとも、これは厚生労働省が診療の手引といってお薬を示しているわけでありますが、こういった薬剤に関して、もちろん有効性、安全性の確認、非常に重要だと思います。  しかしながら、いまだに、私も何度もこのテーマについて厚労委員会でも質問させていただいておりますが、このままでは平時のプロセスを踏むだけで、この治療方針、標準治療の確立も非常に遅くなるということから、私はもう、国として最大限努力、支援していく姿勢、私は正直、厚生労働省我が国にはちょっと見えないということから、やはり、大きくこの局面を変えていくための標準治療の確立、そのために国が国策として最大限支援していく、その必要性について、尾身先生の御見解をお伺いしたいと思います。
  126. 尾身茂

    尾身参考人 私は、日本の医療現場ですよね、個々の研究者、臨床家の先生含めて、これは個々の努力というのは、やはり、日本人は本当に真面目に、いいことを、仕事をしていると思います。ワクチンの開発しかり。  私は、課題は、何でも完全ではありませんけれども、今の先生の、委員の御質問に対する私の思いは、日本は個々の研究者が、それぞれ大学などの研究者あるいは企業、これはすばらしいものがあるんですけれども、これは平時ではいいですけれども、こういう危機ですよね、このときには、ある程度、いろいろな知恵、研究を一つにして、例えば、一つのある薬について、Nですよね、対照したサンプル数が少ないからもう一度、こういうことは実は最初から分かっているので、日本に、これから課題は、こういうことがあることが分かっているので、どういう研究のプロトコールで、どういう人を巻き込んでというのを最初に、いわゆるエビデンスをつくるシステム、これが日本の場合には個人に任されているという傾向があるので、私は、今回の一つの大きな教訓は、こういう危機はあり得るので、もう前もって、どういうシステムで、どういう人が参加して、病気が分かったときにはすぐに、スタディーのデザインですね、プロトコールを作る、これがないので、後になって情報を集めるという、最初からこれとこれと試料を集めるというプロトコール、スタディーのプロトコールというものが日本は比較的弱いので、これが今回の一つの教訓で、これはもうすぐにやるべきで、我々専門家としても、我々としてのやるべきことはこれからも発言していきたいと思っています。
  127. 中島克仁

    中島委員 尾身先生と私、全く問題意識は一緒だというふうに思います。  この有事の際のプロトコール、今、大きく声をというふうなお話であったと思いますが、本当に、これは手引の中に書いてある、私、大村智博士の高校の後輩ということから、以前から北里研究所にも何度もお伺いをさせていただいて、他の医薬品の中のイベルメクチンに関して、諸外国からの報告を聞きながら、もちろん、アクテムラも、我が国、メイド・イン・ジャパンの薬であり、アビガンもそうなわけでありますけれども、特にここに記載されているお薬のうちのイベルメクチンに関しては、いわゆる安全性という意味、四十年間、毎年三億人に使われておる、こういういわゆる既存薬を、いかにスポットを浴びせて、そして迅速に使えるような仕組みというもの。  例えば私も、私は臨床医なんですけれども、今回のウイルス感染症という、サイトカインストームを抑える作用、抗炎症作用とか、恐らく私、実は一月のとき麻黄湯を出しました、漢方薬でありますけれども。当然、解熱剤も出しましたけれども。  もちろん、抗ウイルス作用とか科学的根拠を見出すのは、それをすっ飛ばせと言っているわけではないんですけれども、やはり経験医学に基づいて、そして、有事の際の、まさに私、今がそういう局面に入りつつあるんじゃないかというふうに思っておりまして、そういった、今回課題になっていながら早急に対応しなければいけない一つのことだというふうに、今、尾身先生のお言葉を聞いていて、確認をさせていただいたというふうに思います。  次に、今回の新型コロナといわゆる地域医療構想、先ほど来、長妻理事も話もされており、その他の委員も話をされましたけれども、やはり、今回の新型コロナウイルス感染症の長期化、今のフェーズにおいても、本当に様々なことが浮き彫りになったと思います。新たな浮き彫りになった部分、一方で平時からの課題が更に浮き彫りになった部分ということの中で、私も、決して地域医療構想、地域の医療体制自体をこれからどうしていくかということはむしろ積極的にやらなければいけない、そういう姿勢ではありますけれども。  しかしながら、今回、実は私は山梨県の甲府が地元でありますが、尾身先生が理事長をやられているJCHO山梨病院、私も以前から大変縁が深く、私の父もJCHO山梨病院で亡くなり、母も手術をしていただいたり、院長先生とも非常に懇意にさせていただいておる、そのJCHO山梨病院も、いわゆる四二四リストに挙げられ、その山梨病院も、感染初期からコロナ患者さんを受け入れて、そして、ワクチンに関しては先行接種の対象病院として、今、二回目の接種も終わっている。  加えて、一昨年秋、四二四リスト、その後、四三六リストになりましたけれども、加えられたことで、先ほど長妻委員の、信州毎日新聞の記事も出ておりましたが、来るはずだった医師が来なくなったり、様々な影響がある中、三月の二十四日には、先ほども委員が出されましたが、今度は倍以上の病床を確保せよと。病床を再編せよと言われたと思ったらコロナ対応をし、そして、今度はワクチンも先行接種し、そのさなかで今度は病床を確保せよと。  これは、先ほど、示してあるだけだと言いますけれども、現実に一昨年秋の状況というのは、名指しされた病院は大きな影響を受けているわけです。そして、それを撤回もしないまま、あれせいこれせいと言うのは、私は大変、言葉では感謝していますと言いながら、これは現場の受け止めだと思いますよ。  改めて、地域医療構想、今後、いわゆる第四波に入った、こういう状況の中で、JCHO病院もリストに十五病院入っている、その理事長として、これから本当に、病床の確保、また機動的にコロナ対応をしなければいけないということから、地域医療構想そのものを否定するわけではありませんが、やはり、四二四又は四三六リストを一旦フラットにした後に、これからのコロナ対応、そして浮き彫りになった課題、地域医療構想を再度、再検討する必要が私はあると思いますが、尾身先生の御見解をお伺いしたいと思います。
  128. 尾身茂

    尾身参考人 私は、余り多く一般の社会には語られていないことだと思うんですけれども、今の日本の地域医療のいわゆる連携とか何かに関する難しさの本質というのはいろいろあると思いますけれども、一つは、余り言われていませんけれども、実は日本の病院は、異なる五十ぐらい以上の、設立主体が異なるものがあるわけですよね。これが一つのオーナーであれば、比較的いろいろな病棟の集約やら、ここは潰してあそこにするということができますが、それぞれ設立主体が違うので、どうしても自分の組織を守りたいという意識が非常に強いのが日本の医療の現実です。したがって、どうしても、現実にどうやって合わせるか、対症療法になるというのが日本の医療の傾向です。  したがって、本来、これからの新しい人口構成、日本の人口動態、病気のプロファイルですね、どんな病気ということを想像すると、大体、日本のあるべき医療の姿というのがあって、そこから逆算するという方法が本来はあるべき姿なんですけれども、どうしても、これは医師の養成も一緒で、各学会があって、それをどう増やすとか減らすかという話で、将来はどういう医師が必要かというふうな逆算という発想が、どうしても日本は、それぞれの設立主体、その現場を大事にする、これは大事なことなので、そういう難しさがあると思います。  私はJCHOの責任者として各病院長にかなり強く言っているのは、あなたたちがやりたい医療とか、厚生省がただやってくれと言うからやるとかじゃなくて、そこの地域の医療のニーズは一番彼らが知っているんですね。しかし、その自分の医療、私の、JCHOの病院だけが医療をやっているわけじゃなくて、そこの医療圏の中の一つですね。したがって、そこの医療圏が、自分の組織を守ろうとするだけの、そういう狭い見識じゃなくて、地域医療をどうするかという広い考えというものを、そういう意味では、私は、厚生省も非常にこれから更なる努力が必要だと思いますけれども、地域の現場医療機関が、少しずつ、自分の組織を守ろう、そういう気持ちがあるのは当然で、それを超えて、地域のために自分らでどこを譲り、どこを自分の特徴というのを出すというのを、徹底的な、これが本来、地域医療調整会議で。これは、もう少し率直に、先ほど私が申し上げましたように、コロナが終わったら、ここが私は地域の医療人の見識が試されてくる時期だと思います。
  129. 中島克仁

    中島委員 ありがとうございます。その件についてもう少し詳しく聞きたいんですが、時間がありませんので。今のお言葉は大変重いお言葉だというふうに思います。  加えて、私の問題意識をもう一点だけ、本当は大臣に質問しようと思ったんですが、尾身先生にお尋ねしたいんですが、今回のコロナで新たに浮き彫りになったことと、平時からの課題が更に大きく浮き彫りになった。私、その一つが、やはり、我が国医療体制の中における、かかりつけ医の不在ですね。例えば、先ほど、これは感染初期から、検査の目安、受診の目安が誤解だったとか、適切に相談、検査、そして適切な治療へ残念ながら結びつけられなかった。そして、一月の状況も、本来、かかりつけ医が本当に我が国に定着していればこのような状況ではなかっただろうと私は非常に考えています。  改めて尾身先生にお聞きしたいんですが、かかりつけ医の不在という日本の医療体制の根本的な弱点が新型コロナウイルス感染症で私は露呈している。先ほど、地域医療構想をそれぞれの地域の医者が自覚を持って主体的にというお話がありましたけれども、その地域医療の最も基盤となるいわゆるプライマリーケア機能を発揮するべく医師が残念ながら我が国日本には抜け落ちているという問題意識について、尾身先生の御見解をお聞きしたいと思います。
  130. 尾身茂

    尾身参考人 委員が今、かかりつけ医の不在ということでしたけれども、私は、かかりつけ医という概念は、日本の医師会が、実際に開業されている人が、患者さんはそこに、かかりつけ医を、そういうことを推奨するということで、随分私は地に着いてきていると思いますが、恐らく委員のおっしゃりたいことは、かかりつけ医ということよりは、むしろ私は、今回の日本の、これは私がずっと個人的には思っていましたが、結局、日本の医療に必要なのは、当然、臓器別あるいは診療別の高度な専門医、外科の手術なんかはその典型ですよね。これに、こうした高度な専門医に対するニーズはこれからもますます私は高くなってくると思います。それは、国民の良質な医療への期待というのは当然日々高まりますから、ここの方が非常に重要だという意味。  同時に、実は日本の課題は、かかりつけ医という言い方でもいいですけれども、実は日本の最大のチャレンジは、いわゆる一般的な疾患を総合的に診る総合診療医あるいは病院総合医、この育成が極めてまだ未熟で、実はこれはなかなか思うようにいっていないので、ここは私は、今回のコロナでも、感染症というのは実は総合疾患なんですね、肉体、いろいろなところを。だから、こうした人間の生物体、あるいは人間としてトータルに診れるという総合診療医的なニーズも同時に、専門医、いわゆる縦型の専門医、横型、よこ糸とたて糸がしっかりうまく織りなすというシステムにしない限り、医師を幾ら育てても駄目だと思うので、そこは、私は、これからの日本の一つの課題で、医療界だけじゃなくて、これは政治家の先生たちも一緒に関与して、しっかりと議論すべき課題だと思います。
  131. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 中島克仁君、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。
  132. 中島克仁

    中島委員 はい。  尾身先生は自治医科大学の一期生ということで、地域医療に対する考え方や、そして、今コロナ禍で起きていることに対して大変思いも深いのではないかと、今日は、ちょっと尾身先生と一人の医師としても話をしたいなと思いまして、このような質問をいたしました。  今日の尾身先生の言葉とやり取りを踏まえて、来週、田村大臣と地域医療構想の在り方について議論をさせていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  133. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十三分休憩      ――――◇―――――     午後二時八分開議
  134. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。大島敦君。
  135. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大島です。何点か質問をさせてください。  当厚生労働委員会で質問の機会をいただくことを本当に光栄に思っています。私の先輩議員大臣を務めていらっしゃっていた方から、この厚生労働行政は哲学が必要だというお話を聞いたことがあって、本当に田村大臣からもいろいろと質問させてください。  まず、小さな、でも大切なところから行きたいと思います。  やはり、弱者の立場、弱い者の立場ということが私は様々な行政を行う上で必要だと思っていまして、昨年の三月以降、持続化給付金とか、家賃支援給付金、これは駐車場も入るわけですよね。今回の時短営業協力金、そして、売上げの減少した中小企業者に対する一時支援金、山井さんが熱心に取り組まれている休業支援金・給付金、そして日本政策金融公庫の特別融資、先ほど午前中も質問がありました生活福祉資金の特例貸付けなど、様々なことをずっとやり続けています。  その中で、非常に残念だと思うのは、例えば持続化給付金、あるいは今行われている売上げの減少した中小企業者に対する一時支援金、基本的にインターネット申請です、これは。インターネット申請。書類申請は各都道府県一か所だけです。ここにも、やはり、インターネットがうまく使えない人は各種給付金の申請ができないケースもありますし、役所からの文書の内容が分からない、なかなか行政文書は難しいですから分からない方もいらっしゃいます。  そういう方たちにずっと説明をさせていただいていまして、ただ、私は一つだけ、申し訳ないんですけれども気がつかなかったことがあります。それは、障害者の皆さん。厚生労働省が所管しているあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律に基づいて資格を取得して業を営まれていらっしゃる方。特に、視覚障害をお持ちの方。  厚生労働省も、保険給付、保険の対象になっているこれらの方たちは、鍼灸、あんまマッサージ師たちの皆さんのことは把握しているんですけれども、それ以外の保険対象ではない業を営まれている方については把握していないと思います。ここは私は一年間で全く気づかなかった。気づいていれば、地元で全部この人たちにアナウンスをして、こういう制度がありますよと。持続化給付金だって、皆さん売上げが落ちていますから、去年。ここのところがどうしても私としては気づかなかった点でして、この点についてまず伺っていきたいなと思います。  まずは、視覚障害者に対して、新型コロナウイルス感染症対策として、各種給付金の情報が行き届いていないとのことをよく聞くんですけれども、どういう対応を取っているのか、お知らせください。
  136. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 お答え申し上げます。  障害者の方々に対する新型コロナウイルス感染症に関する情報提供につきましては、各省庁や地方自治体等において、視覚障害や聴覚障害など、様々な障害の特性を考慮した適切な情報発信等が実施されることが重要だと考えております。  厚生労働省では、各種給付金なども含め、生活を支えるための支援策をまとめたリーフレットを視覚障害者情報総合ネットワークシステム、サピエに掲載して、点字や音声データ等のダウンロードを可能としております。  それから、議員から先ほど、ウェブ上の話だけではないかという御指摘をいただいております。もちろん、それ以外にも、視覚障害者につきましては、やはり相談に関する連絡先電話番号等の周知が非常に重要だと思っておりますし、それから、聴覚障害者等につきましては、電話による相談ができない方もいらっしゃることから、電話以外のファクス番号、メールアドレスの周知、字幕映像の提供等も重要だと考えております。  このような点につきましても、都道府県、指定都市、中核市等、地方公共団体に対しまして、特段の配慮をお願いする旨、お願いしているところでございます。
  137. 大島敦

    ○大島(敦)委員 政府参考人に伺いたいんですけれども、これは通達として出したという、そういう理解でよろしいですか。
  138. 赤澤公省

    赤澤政府参考人 先ほど御説明させていただきましたサピエそのものは、私どもも運営費を出して、全国で視覚障害者の方がデータを取得できるシステムとして運営させていただいております。  それから、後段で申し上げましたお願いしましたという件につきましては、地方自治体の方に、私ども、文書を発出してお願いをさせていただいているということでございます。
  139. 大島敦

    ○大島(敦)委員 なかなか伝わりにくいと思う。これは、健常者、しっかりとされた方ですけれども、七十を超して八十を超えているとなかなか事業主の方は気がつかないんです、こちらの方からこういう給付金があるんですよと言わないと。ですから、障害者の方は、今の取組だとなかなか情報が行き渡らないと思います。  それで、政府広報に今日は来ていただいているので伺いたいんだけれども、今後のお願いです。  政府広報、一面の小さいところに政府広報と時々広告が出ているんですけれども、やはり政府広報として、例えばラジオ媒体を使って、一か所だけでもいいです、全ての給付金制度の窓口は各役所ごとに持っていますから、一か所だけでもいいから、そこに電話したら給付金窓口について教えてくれる。給付金窓口の更にその上の、一括して受付窓口だけでもラジオで時々流されると、視覚障害者の皆さんはラジオを聞いていらっしゃいますから、そこで、聞きに行って、何人の方、あるいは、今後様々な給付金があったときにその情報にたどり着くことができるのではないかなと思っているんですけれども、その点についてお答えください。
  140. 田中愛智朗

    ○田中政府参考人 お答えいたします。  政府広報室におきましては、ラジオやテレビCMのほか、音声広報CDですとか点字・大活字広報誌なども通じまして、視覚に障害のある方に向けて政府の施策の周知に努めてきたところでございます。  今委員指摘の点でございますけれども、窓口の設置そのものは各省庁の施策実施省庁でやっていただくということになるわけでございますけれども、私どもの政府広報室としましては、担当の省庁とも連携しまして、今お話がありましたラジオCMなどの媒体も用いて、視覚に障害のある方も含めて、国民に広く新型コロナウイルス感染症に関する政府の取組を周知してまいりたいというふうに考えてございます。
  141. 大島敦

    ○大島(敦)委員 私も朝ずっとラジオを聞いているものですから、各都道府県、関東でも定期的にその媒体を使って広報している都道府県があって、それについては結構有効だなと思っています。そんなに費用がかからないので、是非取り組んでいただきたい。  大臣お願いがあるのは、なかなか役所の方は世の中が分からないですよ、忙し過ぎちゃって。役所の方は忙し過ぎちゃって世の中が分からないので、世の中を知っているのは私たちですから、政治の側からこういうふうにしてくれと言わないとなかなか具体的に動かないところがあるので、その点、大臣からも各大臣に、経産大臣だったり、あるいは内閣府の担当大臣だったり、あるいは厚労大臣御自身だったり、ちょっと声をかけていただいて推進していただくとありがたいんですけれども、一言御答弁をお願いします。
  142. 田村憲久

    田村国務大臣 いろいろな施策をやっている役所がありますので、そういうところの大臣を含めてお声がけさせていただきたいと思いますし、また、各種団体に入っておられる方が多いので、各種団体にもそういうようなサービスがあるというようなことを、先ほどのサピエを使ってのいろいろなリーフレット、それから音声データといいますか情報がありますので、そういうものもしっかりとお伝えさせていただきたいというふうに思います。
  143. 大島敦

    ○大島(敦)委員 政府広報の方に伺いたいんですけれども、更に強化するという、そういう発言と理解してよろしいですか。
  144. 田中愛智朗

    ○田中政府参考人 お答えいたします。  従来も、視覚障害者の方にも分かりやすいようなテレビCMを行ってまいりましたり、あるいはラジオのCMなども行ってきたところでございます。  今後とも、先ほどお話がありましたラジオCMについても、経産省の一時金などについて予定しているところでもございますので、しっかり実施してまいりたいと思っております。
  145. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ありがとうございます。  ワンストップサービスの更に上の、政府としてのワンストップサービスを是非実施していただくということで今理解いたしましたので、お帰りになって結構ですので、ありがとうございました。(発言する者あり)えっ、首を振っている。じゃ、もう一回答えてください。
  146. 田中愛智朗

    ○田中政府参考人 お答えいたします。  私どもは媒体を用いた広報を担当しておりまして、窓口の設置そのものは、施策を持っている各省庁で設置していただくということになります。そういったものがもしできましたら、我々としても積極的にそれを広報していく、こういうことになります。
  147. 大島敦

    ○大島(敦)委員 私が言っていることはそんなに難しくなくて、中小企業庁でもちゃんと代表の相談窓口があったりしますので、各相談窓口を教えてあげるだけでいい。  ですから、障害者の皆さんはここに電話してください、視覚障害者でいらっしゃる方。そうすれば、そこでいろいろと事情を聞いて、じゃ、これは、給付金は中小企業庁だったり、あるいは厚労省だったり、各役所につなげるだけで結構なの。そんなに費用はかからないので、それは是非やっていただくようによろしくお願いします。もうここで答弁はいいですから、あとは田村大臣、よろしくお願いします。  じゃ、次に進みますので、帰っていただいて結構です。  続きまして、尾身先生、午前中からどうもありがとうございます。ずっと院内のテレビで見させていただきました。これまで何回もここ一年間尾身先生とやり取りをさせていただいて、今の局面の尾身先生の危機感はこれまでにない危機感だということを答弁を伺いながら実感をいたしております。  何点か伺いたいんですけれども、緊急事態宣言、この間、私の埼玉県でも行われていて、いろいろな様々な意見があります。  その中の一つを御紹介すると、飲食店での緊急事態宣言は、時間帯の問題ではなく、感染対策をしっかりやっているかの問題だ。昼間でもマスクをしないで食事をしながら大声で話したりお酒を飲んでいれば感染は広がる。逆に、夜でもアクリル板とかいろいろ工夫すれば営業してもいいと思う。今の政治は何でもかんでも頭ごなしに否定するように見える。方向が違っているんじゃないのか。そうじゃなくて、もっと考えないと、取りあえずの政策だけでは飲食店は守れないという御意見がありまして、要は、頭ごなしに、八時でお店を閉じろ、九時でお店を閉じろというわけではなくて、もっとめり張りを利かせながら、昼間でもしっかりこうやってアクリル板を設置をして飲食してくれとか、あるいは、昼間でも歩いていらっしゃる方は皆さんマスクをしていらっしゃるので、そのことも大切なんですけれども、めり張りについて、今日の午前中でも尾身先生の御発言の中で、疲れているという御発言がありました、国民の皆さんが。ですから、めり張りが必要のそのめり張りの具体的な、あるいは尾身先生の考え方があれば伺わせていただければ幸いと存じます。
  148. 尾身茂

    尾身参考人 委員のおっしゃるとおり、私は、日本の対策は、学びつつ少しずつ変更していると思います。それが私はあるべき姿だと思う。  去年の四月の場合には何もほとんど分からなかったから、ああいう形で、極力八割、最低七割ということ。それから、つい最近の第二回目の緊急事態のときは、飲食が中心だったので、飲食店への時短要請というのは四本柱の一つの柱でしたよね。  ところが、ここに来てまた、このウイルスはしょっちゅう自分を変えていきますので、今回の今の場合は、これは飲食店も相変わらず重要ですけれども、その他、感染のクラスターが多様化しているというのは私が何度も申し上げているとおりで、そういう中で、実はもう国民も、私自身も含めて、みんながそろそろ元に戻りたいという気持ちになっていますよね。そういうときに、本当のことを言えば、毎日緊急事態宣言をずっと続けているのが一番いいですね。人もいつも出ないでください。  だけれども、それは現実的には無理で、私は、対策は、去年の四月、今年の二回目、それから今と、だんだんといわゆる感染の起こっているところに近く対策を打つということが極めて重要で、一つ委員のおっしゃった、飲食店をずっと休業要請することはできないので、むしろ、しっかりした飲食店の中で感染対策をしたところに例えば認証をして、しっかりしたお店が報われるというようなことにしないとインセンティブが働かないので、だんだんとフォーカスを絞った対策というのにもっともっとシフトしていくべきだと思っています。
  149. 大島敦

    ○大島(敦)委員 尾身先生、ありがとうございます。  尾身先生、今日の中島委員のいろいろなやり取りの中で、委員の方から変異株のお話がありました。イギリスの論文を読んで、変異株、死亡率が高いんじゃないかなという話とか、あるいは感染力が強いのではないかなと。今、感染力は強いんですかね。  そうすると、今までの新型コロナウイルス感染症対策とは多分段階が違ってきているのかなと思う。これまでは、軽症の方は御家庭でちょっとお休みくださいということで、御家庭にとどまっていらっしゃった方が非常に多いと思うんですけれども、感染力が強くなると、御家庭でいらっしゃることが本当にいいのかどうかということももう一度検討する必要があるかと思うんですけれども、その点についての尾身先生のお考えを伺わせてください。
  150. 尾身茂

    尾身参考人 変異株のことは国民的な課題、関心ですけれども、変異するということ自体はウイルスにとってはもう極めて当たり前のことで、今イギリス株とかいろいろ言われていますけれども、一番大事なことは、やはり、この感染が今の時点ではどうも日本においても感染力が高まっているという情況証拠が今ありますので、そういう意味では、イギリス株であろうが南米株であろうが、ウイルスに対する対策をしっかり、二つのやることしか基本的にはないと思います。  一方では、やはり、医療への体制の負荷が早くかかりますから、そこについて、厚生省、自治体が一生懸命今あるものを、どうやってリソースを有効に、これは非常に大事で、しかし、これは無尽蔵に増やすことはできないというリアリティーもありますから、頑張っていただくけれども、これは無尽蔵に、十倍、二十倍というふうに増やせることはもうあり得ませんので、ある程度限界があるので、そうすると、もう一つは、やはり、変異株で感染が拡大するスピードが加速する可能性がありますから、何とか、いろいろな、自宅のことも含めて、先ほどから言っている今度の重点措置、いろいろやっていただくこと、これを、各、社会を構成する我々事業体も政府国民もそれぞれやるべきことをやるということが今一番求められていると思います。
  151. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ここ一年間、尾身先生の発言が一番重要だと私は思っていまして、尾身先生がリスクコミュニケーションをされているというお話はずっとさせていただいています。  ただ、責任を取るのは政治ですから。尾身先生は御自身の意見をしっかり僕は言っていただいた方がいいと思っていて、責任は政治の判断ですから。  要は、専門家の判断としてはこういう判断だ、政治としてはこういう判断をするという、そこのところは切り分けて私は今後の対応策は取り組んだ方がいいと思っていて、ですから、尾身先生には是非、今までもそうでしたけれども、今後は特に専門家としての御自身の意見を述べられることが我が国にとっては一番必要であると考えております。  それで、厚生労働省に聞きたいんですけれども、三月二十四日に発出した病床確保計画見直しに関する事務連絡というのがあって、これは先ほども当委員会で議論になっていましたけれども、五月、四月いっぱいにはちゃんとまとめて、しっかり対応を取って提出せよということになっているんですけれども、これについての各都道府県の取組というのは、もうあと一か月を切っているんですけれども、どのように考えればよろしいのか、手短に答弁ください。
  152. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  昨年末から年明けの急激な感染拡大を経験する中で明らかとなった様々な課題、これを踏まえまして、地域の関係者と協議の上で、改めて医療提供体制の整備に取り組むようお願いした、これが先ほど委員言及されました三月二十四日の発出通知、事務連でございます。  厚生労働省といたしましては、都道府県等の担当者とのオンライン説明会を既に複数回開催いたしておりまして、事務連絡の趣旨あるいは留意点について御説明するとともに、都道府県等からの御質問についても回答し、回答内容を共有するなど、今般の事務連絡を踏まえて取り組んでいただきたい事項が明確となるように努めているところでございます。  提供体制確保については、例えば、個々の医療機関との調整のみでは難しい場合があっても、地域全体での役割分担を徹底することで更なる病床確保に努めていただきたいこと、あるいは、病床の確保だけではなくて、患者が受診してから療養先が決定されて転院、退院するまでの一連の流れにおいて目詰まりが発生しないようにすることなどのお願いをしておりまして、今後いつどのように来るか分からない次の感染拡大への備えが必要である、こういった認識を共有するとともに、担当の方々には取組の重要性や考え方について御理解いただけているものというふうに私どもとしては考えておりまして、引き続き、担当者の方々と密に連携いたしまして、問題意識の共有、あるいは確実に機能する医療提供体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
  153. 大島敦

    ○大島(敦)委員 分かりやすいので、埼玉県の資料をつけてあります。意外と埼玉県の医療資源は脆弱です。  埼玉県の病床数は、このグラフを見たら十万人当たり五百二・五床、一般病床ですね、一般病床数。普通は神奈川県が一番少ないかなと思うんですけれども、一般病床数で見ると埼玉県だ。お医者さんの皆さんの数も十万人当たり百六十九・八人で一番少ないので、私、十年後、今の団塊の世代が高齢化を迎えて圧倒的に医療資源が少ないので、ここは非常に危機感を持っていまして、ただ、これが今回の新型感染症で大分前倒しして今来ている感じがします。これが一つ。  地元の保健所あるいは地元の病床数はあっても、ICU、集中治療室のベッド数とかお医者さん、専門家の数がないと、ベッド数があっても、これは人的な制約にかかっている問題かなと思っています。  それで、大臣、これを発出しただけで、やれと言われても、なかなか各都道府県、限界だと思うんですよ。もう相当、各都道府県の保健医療部も何か疲れていらっしゃるのかなと推察をする。  それで、去年の十二月十七日、たまたまいただいた資料なんですけれども、大野知事が田村大臣に宛てている要望書があって、一番下に、各県が確保した新型コロナの受入れ病床数に見合った病床数を基準病床数及び必要病床数に加算するなど、制度の弾力的な運用を図るように要望すると大野知事はおっしゃっていて、最初これを見たときは、どういうことなのかなと思ったわけ。大野知事は、私もよく存じ上げているんですけれども、外交、安全保障の専門家で、リスクマネジメントが御専門でいらっしゃいます。多分、これは安全保障的な観点からこういう文言を入れていらっしゃるのかなと推察をしたわけ。感染症の問題は、前回も安全保障だというお話をさせていただきました。  ですから、各都道府県が今回見直した病床数は、今後も発生するであろう新型感染症用のベッド数として外枠で確保してあげるよといったときに、各都道府県の動きは違うと思うんですよ、各都道府県の動きは。  やはり、今回、これは感染症というのは十年前もあった、今回もあった、また今後起こるかもしれない、だったら、そこの感染症用に対応を取った病床については、ある程度外枠として認めてあげる。埼玉県の場合には病床が圧倒的に少ないものですから、そういうこと、そういうインセンティブ、そういうような弾力的な運用が必要かと思うんですけれども、大臣の御答弁をお願いします。
  154. 田村憲久

    田村国務大臣 基準病床数というのは、もう委員御承知のとおり、人口、それから入院の受療率といいますか、そういうものを掛け合わせて、要するに偏在が起こらないようにつくっているわけなんですね。  そういう意味からすると、それはそれとして、今言われたように、新興感染症なんかが広がった場合、これは緊急に必要ですから、そういう場合はその基準病床数を超えて病床をつくっていただいても結構だというふうになっております。  併せて申し上げれば、病床過剰地域であったとしても、地域医療計画において本来はもう基準病床数は決まっているのに、過剰であったとしてもつくってもらっていい、こういう場合にはとなっています。  しからば初めからという話になりますと、それは何が起こるかというと、要するに使わないわけですよね、ふだんは。要するに、こういうことになれば増やされるというのはいいんですけれども、ふだん、こういうことにならなければ、コロナがなければ、それは病床が余っている。いや、病床が余っているだけならいいんですが、元々、今言われたとおり、病床が余っていても人がいなきゃ何の意味もないわけで、そうすると、そこに人も余らせておくという話になりますので、それですと医療経営ができないという話になってくるわけでございます。  ですから、ふだんの形の最適化の中において、こういうような新興感染症が感染拡大したときのためのいろいろな計画をあらかじめ作っておくというのが、次の医療計画に向かっての五事業にもう一つプラスして六事業、感染症が拡大した場合にどうするか、こういうようなことを、今、この法律もまさにその中心的な法律であるわけでございますけれども、準備をしていこうということでありますが、今はもうそんな余裕はありませんから、とにかく、今、現状は、首都圏も、大阪はああなりました、いつそうなるか分かりませんから、それに向かっていろいろな準備お願いいたしたいということで三月に文書を発出させていただいて、とにかく、そうなったときのことを踏まえた上で、国も協力しますから準備お願いいたしたいということで、お願いをいたしておる次第であります。
  155. 大島敦

    ○大島(敦)委員 田村大臣がおっしゃっていることは現状だとそういう御理解だと思うんですけれども、制度を変えるのは政治ですから、今回、それぞれ各県が、特に、今回の緊急事態宣言等を行った県は特になんですけれども、やはり特別に、お互いに協力しながら一定の仕組みはつくりますから、その仕組みについては、やはり今後の計画を作るときに一定の配慮をしてやろうということは僕は必要だと思う。そうすることによって、各都道府県も一生懸命に取り組むということになると思うんですよ。  このままだと、今回しっかり取り組んでも、結局またそれがさらになって、新しい計画の中で薄まってしまうというふうな思いがするものですから、やはりしっかり今回の努力は別建てで評価をしてやらないと、各都道府県として、今まで疲れている中、更にもう一層努力しようという気がなかなか起きないのかなとも思います。そこの点、是非よろしくお願いします。  もう一つは予算なんですけれども、緊急包括支援給付金、あるいは地方創生臨時交付金とかあるんですけれども、もう一層何かするためには、メニューも全部決まっているんですけれども、ある程度財政的な措置も必要かもしれないので、その点についての御答弁をお願いします。
  156. 田村憲久

    田村国務大臣 四月から一月まで、この間までは十二月までと言っていたんですが、一・四兆円ほど減収になっているというのが数字として上がってきておりまして、それに対して四・六兆円の予算を準備して、今、一・八兆円が交付金が配られて、一・七兆円交付が決定して、一・五兆円もう交付されたというような数字であります。ただし、たくさん入っているところと入っていないところがありますから、そこは凸凹があるのは確かにあるんだというふうに思います。  さらに、次に向かっていろいろな準備をしていただかなきゃならないので、前回、一千九百五十万円という、これは重症者を診ていただく医療機関に関して一床当たりそういうお金をこの三月末までということでお支払いをしました。かなりの金額でございますから、四月からそのまままたというわけにはいかないんですが、新たに病床確保をしていただければ、それに対してはやはり同じようなことを考えていかなきゃならないであろうということで、これは検討いたしております。  いずれにいたしましても、国ももちろんいろいろなお手伝いをいたしますけれども、本当に現場である都道府県が、結果的には県民の方々の命に関わる話でございますので、これは一緒に当事者なんだという気持ちでお互いに協力していくことが大変重要でございますから、都道府県からはいろいろな、多分、これをこうした方がいいだとか、これはこうしてもらいたいだとか、いろいろな御意見があると思いますので、そういう御意見はしっかりと我々も前向きにお聞かせをいただいて、都道府県と一体となって国民皆様方の健康と命を守ってまいりたいというふうに考えております。
  157. 大島敦

    ○大島(敦)委員 あと七分ぐらいしかないので、持分のない医療法人について一点だけ伺わせてください。  持分なしの医療法人への移行計画制度は去年の九月末で一旦切れているんですけれども、今回改めて復活させるこの意味合いについて教えてください。手短にお願いします。
  158. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  持分なしの医療法人に関しましてでございますけれども、これは、医療法人への出資額に応じて、出資者が、払戻しや残余の財産、こういった分配を受ける権利であるというのが持分でございますけれども、医療法人の純資産や評価額に比例してこれは増加してしまいますので、非営利性の徹底でございますとか払戻しによる法人の経営上のリスクの軽減、こういったことが必要だということで、平成十八年以降、持分ありの医療法人から持分なしの医療法人への移行を推進をしてきたというのが基本的な考え方でございます。
  159. 大島敦

    ○大島(敦)委員 この制度は今後も続けるかどうかについて、手短に答弁をお願いします。
  160. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  持分なしの医療法人への移行を基本的には後押しをするために、今回の法案提出の中に、現在、経過で一旦昨年の九月末で期限切れとなっております移行計画認定制度というのがございまして、それに認定をされますと、一定の税制上の優遇が得られるというふうになってございます。  しかしながら、この移行制度につきましては、昨年の九月末で一旦期限切れになっております。  この経緯といたしましては、本来ですと昨年の国会において立法府にお願いすべきところでございましたけれども、新型コロナへの対応が最重要課題となったということもございまして、法案提出に至りませんでした。したがいまして、今回、この法案提出をさせていただきまして、引き続き、こういった非営利性を徹底するための税制優遇について再開させていただきたい、こういう趣旨でございます。
  161. 大島敦

    ○大島(敦)委員 一点、経済産業省中小企業庁にも手短に答弁をお願いします。  持分ない医療法人、これは、持分ない医療法人に移行すると相続税が免除されるという理解でよろしいわけですよね。相続税は免除されると思う。  中小企業庁に伺いたいのは、中小企業の事業継承についての相続税及び贈与税の扱いについて、手短に答弁をお願いします。
  162. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  事業承継は、中小企業の経営者の高齢化が進む中で重要ということで、税制改正の措置をしてございます。いわゆる法人版の事業承継税制の特例措置、それから個人版の事業承継税制についてでございますけれども、これは、令和五年三月までに法人であれば特例承継計画、個人であれば令和六年三月の末までに個人の事業承継計画、これをそれぞれ都道府県に提出していただきまして、相続、贈与について都道府県の認定を受けた場合には、相続税、贈与税の支払いを一〇〇%猶予いたしまして、承継時の税負担を実質ゼロにするというものでございます。  その上で、認定後の猶予でございますけれども、事業の継続を確認するために幾つかの書類を提出していただく必要があるんですけれども、猶予対象となった株式を継続保有しているなどの事業継続要件を満たしている場合には、その限り納税が猶予されます。
  163. 大島敦

    ○大島(敦)委員 政府参考人に伺いたいんですけれども、今回の要は持分のない社団にするというそもそもの取組は、地域における安定した医療体制を維持するというのが目的なのか、その経緯について答弁していただけますか。
  164. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほど御答弁させていただきましたとおり、持分なしの医療法人への移行につきましては、経営上のリスクでございますとか様々なことを回避するということもございまして推進してきたところでございますけれども、その中で、特にコロナの今回の関係も含めて申し上げますと、地域において安定的な医療提供体制確保するという観点で申し上げますと、やはり民間医療法人でありましても一定程度経営の安定性を確保するということが必要であるということと、とりわけ、今回法案提出お願いさせていただいておる内容につきましては、非営利性を一定程度更に強化をしていきながら、こういった税制上の優遇を付与することで、更に非営利、あるいは、必要な医療を提供する際においては営利性とは必ずしも合致しない医療の提供体制の構築が必要でございますので、そういったことを併せて確保したいというのが今回の法案提出趣旨でございます。
  165. 大島敦

    ○大島(敦)委員 田村大臣、これから本法案が通れば各都道府県で様々な検討が行われます、かかりつけ医をどうするかとか。そのときに、医療提供体制をどうするかの議論の中で、今の持分のない社団への移行というのは私は必要だと思うし、中小企業庁の答弁にもあったとおり、そんなに特別扱いしているわけでもないなと思います、これは。ただ、今後この制度を継続するかどうかの判断というのは、地域医療計画なりを作る中でもう一度精査してもいいのかなと思うんです。  その点について、政府参考人から一言もらった後に、田村大臣から答弁してもらった方がいいと思うので、まず政府参考人、どうぞ。
  166. 迫井正深

    迫井政府参考人 まず私の方から御答弁させていただきますと、コロナ対応で、様々、医療提供体制の課題も浮き彫りになったという御指摘をいただきながら、しかしながら、やはり将来にわたりまして安定的な医療の提供体制を構築するという点では様々なことを考える必要があるというふうに承知をいたしております。  そういった中で、先ほど御説明をいたしました持分なしの医療法人への移行を推進するという観点では、一定程度こういった税制の優遇の措置も必要だというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、そういった趣旨から法案を提出させていただいているということでございます。
  167. 大島敦

    ○大島(敦)委員 制度を決めるのは田村大臣ですから、現状をもう一回精査した方が、もう一回この現状については、今後の医療体制をどうするかという観点から、見直した方がよければ見直した方がいいし、このままでいいんですよという場合にはこのままでいいと思うんですけれども、その点について田村大臣から、ここについてもしっかり着目してやっていくよという答弁だけいただきたいと思うので、よろしくお願いいたします。
  168. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。
  169. 田村憲久

    田村国務大臣 持分なしの医療法人に移行いただくというのは方針であります。  それは、元々、持分がありますと、やはり相続等々で払えないわけですよね。物としては資産をそのまま持っていて、病院ですからそれを売っ払うわけにいかないし、売っ払っちゃったら地域の医療が壊れますから、そういう意味で、何とか相続税等々対応できないかという中において、この持分なしというものに移行しようといういろいろな知恵が出てきたわけであります。  かといって、いつまでもということではないので、だから期限を切ってお願いをしているわけでございまして、今般このような形でお出しさせていただいているのは、そういう思いもあってもう一段このような形で御努力をいただこうということでございますので、御理解いただければありがたいと思います。
  170. 大島敦

    ○大島(敦)委員 終わります。
  171. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、稲富修二君。
  172. 稲富修二

    ○稲富委員 立憲民主党の稲富でございます。  今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  まず、コロナ対応医療従事者等慰労金法案、議員立法について御質問をいたします。  先日、当委員会において、我が党の西村議員から、慰労金を再度支給する必要があるのではないか、そういった旨の質問がありました。これに対して、田村大臣は、現在は補助金や交付金、加算の対応もあるといった趣旨で、慰労金を再度支給する必要はないという御答弁でございました。  しかし、医療現場は大変厳しい状況が続いております。高齢者施設でも多くのクラスターが発生するなど、実態を考えると、やはり何らかの対応が必要だというふうに私も思うわけです。  そこで、提出者に伺います。  なぜ、今、慰労金を再度支給する必要があるのか、御説明お願いいたします。
  173. 中島克仁

    中島議員 稲富委員お答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症第一波に係る対応におきましては、令和二年度第二次補正予算により、医療機関、介護、障害福祉サービス事業所等に勤務して、患者、利用者と接する者を対象に慰労金が支給をされました。  しかし、第二波以降、新型コロナウイルスの感染者が増加し、対応が長期化する中で、再び緊急事態宣言が発出される事態となる等、現場で働く環境は過酷さを増しております。加えて、昨春以降、医療従事者等の方々は強い緊張状態が続く中、私生活においても自粛を求められ、心身の疲労は限界に達しております。  政府の新型コロナウイルス対応従事者慰労金の対象期間の終期は昨年六月末であり、昨年七月以降に新たに新型コロナウイルス感染症の患者等に対応した場合には二十万円の慰労金支給の対象とはならず、昨年七月以降に働き始めた方は五万円の慰労金支給すらないといった不公平感も存在するところであります。  この間、政府は予備費を使って医療機関に対し医療従事者の人件費を補助しておりますが、必ずしも医療従事者の処遇改善に結びつくかは担保されておらず、対象地域も限られております。  こうした状況を踏まえ、一刻も早く新型コロナウイルス感染症の患者等に対応している医療従事者等に再び二十万円の慰労金を支給するとともに、昨年七月以降に働き始めた医療従事者等にも五万円又は十万円の慰労金を支給するべきであると考えております。
  174. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  続きまして、保険薬局の薬剤師を慰労金の支給対象とする理由を伺います。同じく議法についてです。  政府が昨年支給した慰労金では保険薬局の薬剤師は支給対象ではございませんでした。幾つかの自治体では独自に保険薬局の従事者に慰労金を支給しているというところでございます。これは、地元でも、最初、慰労金の話になったときに、薬局の薬剤師さんはどうなのかということを私も随分と御質問いただきました。  是非、今回なぜ慰労金を支給することとしているのか、その理由について御説明お願いします。
  175. 尾辻かな子

    ○尾辻議員 お答え申し上げます。  第一波に係る対応では、令和二年度第二次補正予算により、医療機関に勤務して患者と接する医療従事者を対象に慰労金が支給されました。薬剤師については、医療機関に勤務していた薬剤師はこの慰労金の支給の対象とされましたけれども、先ほど御指摘いただいたように、薬局に勤務する薬剤師はその対象とされませんでした。  しかしながら、薬局で勤務する薬剤師もコロナ禍における医療の提供に不可欠な役割を担っていただいております。薬局の利用者に対して対面で服薬指導を行うなど、感染防止措置を講じながら、心身に負担を受ける中で、強い使命感を持って業務に従事していただいており、医療機関に勤務して患者と接する業務に従事する薬剤師の業務と変わるところはありません。  こうしたことを踏まえ、私たちとしては、本法律案において保険薬局の薬剤師に対しても慰労金を支給することとしております。
  176. 稲富修二

    ○稲富委員 引き続き、議法提出者にお伺いします。  政府の慰労金の対象期間は昨年六月三十日までの間でしたが、その後、第二波、第三波への対応、そして、先般ようやく緊急事態宣言が解除されましたが、早くも第四波が懸念をされているところでございます。変異株の存在など、現場で働く環境は過酷さを増し、これが長く続いていくことも懸念をされるところでございます。  今回の法案では再度慰労金を支給することとしておりますが、コロナとの戦い、厳しい状況が続き、長期化も予想されます。医療従事者に対する更なる支援が必要という声もありますが、その点に関してはどのようにお考えか、お答えお願いします。
  177. 尾辻かな子

    ○尾辻議員 お答え申し上げます。  まず、私たちの法案は、第二波、第三波のときに従事されている医療従事者等に慰労金を支給する法案です。  そして、今お尋ねの第三波以降、第四波ですけれども、第四波以降の医療従事者等への更なる支援については、本法律案では、附則第二条第二項で設けた検討条項において、今後の新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延の状況を勘案し、医療従事者等を慰労するための更なる給付金支給の必要性について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上及び財政上の措置を講ずるものと規定をしております。  新規感染者が増加をして、大阪府、兵庫県、宮城県に蔓延防止等重点措置が適用される事態に至っており、変異株の感染拡大も続いていることから、また第四波が起こることが危惧をされているところです。  今回、私たちの法案が成立をし、慰労金の支給ができたとしても、第四波、第五波が起これば、医療従事者などの方々に対しては、三回目となる慰労金の支給を検討していかなければならないと考えております。
  178. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  政府におかれては、この慰労金法案、これから長期化も予想される中でございますので、是非御検討いただければと思います。  以上で、この法案についての質問は終わります。  続きまして、尾身会長に今日はお忙しい中お時間をいただきました。少しだけ質問をさせていただきます。  昨年末でしたでしょうか、臨時国会のときに、これから冬に向けて二つの未知の領域があるということをこの委員会でおっしゃいました。一つワクチン一つは冬の感染拡大、そういった御答弁があったかと思います。ちょうど去年の感染拡大から一年たって、一つのサイクルが過ぎました。  そこで、改めてですけれども、これからの課題について、あるいは一年たってどのように思われているのか、お伺いをいたします。
  179. 尾身茂

    尾身参考人 この一年で、私は、多くの国民の方が協力してくれたというのは、これは日本らしさがあったと思います。と同時に、いろいろなことを国も自治体医療機関も学んだということも、非常によかったと思います。  ただ、その中で、今年になって、二度目の緊急事態宣言を出して、これからどうするかというので、二つの相反することがあり、一つワクチンという、これは、私は今回のワクチンは非常に優れたワクチンだと思います。このワクチンがもうしばらくすると高齢者にも届くという、明るいニュースですよね。  そういうことがある一方で、去年の今頃は考えられなかった、感染力が増える、高まっていると思われる変異株が出てきたということで、そういうことで、具体的な課題は違っていますけれども、常に、私は、これは去年の二月、三月の頃から、種類の違う課題に今取り組んで、それについて真正面から向かって、相手の変化に対応する素早いこちらの対応の強さ、強弱、変更等々をしていくのが、このウイルスとの対応の仕方だと思います。
  180. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  まさに今、変化の途中にあることについて、ちょっとお伺いします。  今朝もニュースを見ていると、蔓延防止措置の話がほとんどのテレビでやっておりまして、例えばもうほとんど変異株になっているんだとか、そういったいろいろな情報が今テレビで流れておりました、朝の時点で。  非常に注目が高い中で、改めて、当委員会でも会長は何度も御答弁いただいておりますが、既存株から変異株に取って代わる中途にある、そういう認識でよろしいんでしょうか。
  181. 尾身茂

    尾身参考人 イギリス株が今一番話題になっていますけれども、関西を中心にイギリス株が中心になって、これがまた首都圏に来ることはもうほぼ間違いないと思います。そのこと自体は、私は、もう何度も申し上げますけれども、ウイルスが変異するのは、人間が年齢とともに変化するようなもので、それが短期間に起こるということで、これは当たり前のことで、そのこと自体。  今、実は、例の、国が五%から一〇%の検査の率を四〇%に上げるということで、そういうことで、私は、今のこの感染に対してしっかり準備をすると同時に、この変異株にとって最も重要なことは、早くディテクトして、今のところは、クラスターが起きていますけれども、これを閉じることができているんです、変異株の。  これがだんだんとはみ出てしまうと、感染力が強いですから、だから、そういう意味では、今私が正念場と申し上げているのは、今、変異株がいろいろなところで起きていて、関西で起きていて、早晩東京でもイギリス株が主流になる可能性があるし、同時に、その間にまた別の変異株が出てくる、こういうことはもう織り込み済みなので、むしろ、そういうことが起きている、つまり、モニターを早くして、それに対応した、ふさわしい対応の仕方をするということで、今一番求められているのは、四〇%やれば私は今のところ十分目的を果たすと思うので、分かったらすぐに対応するということが行政側のレベル。  一般の人は、今まで以上に、いわゆるマスク、三密、大声、五つの場面、これをしっかり守っていただくということが大事だと思います。
  182. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  それで、先ほど中島委員からあった際に、第四波と言っても差し支えないという御発言がございました。  それで、そうすると、これまで、いわゆる既存株の感染、新規の感染者数というのは、こういうカーブがありますよね。今回の場合は、変異株の場合に、その同じような曲線を描くんじゃないんじゃないかというのは、よく分からない中で私はおります。山が高くなるのか、それとも立ち上がるところがもっと早くなるのか、非常にそれによって対応が異なるわけだと思うんです。  後ほどちょっとこれは政府に質問いたしますが、医療提供体制にしても、これが一番大事だといっても、時間的な軸がよく分からないという中で果たしてどうなるのかということを、是非教えていただければと思います。
  183. 尾身茂

    尾身参考人 話を少し具体的にした方が分かりやすいと思いますけれども、例えば、宮城というところと大阪というところがありますよね。  大阪の場合は、変異株の割合が高いというのは委員御承知のとおりですけれども、私たちの今の判断は、大阪が急に感染拡大した主たる原因は、変異株がほかの地域より多いから感染が拡大した、主たる原因というふうには考えていません。むしろ、人々の経済活動、普通の、ということで、行動ということが主たる原因。  宮城もそうでありまして、宮城にはイギリス株というのはほとんどございません。しかし、ああいう形で感染が拡大したのは、間違いなく、いわゆる接触、三密、そういうような場ができたということで。  ただし、大阪においても、これは理論的な話ですけれども、変異株がなかったらもう少しどうなったかというのは当然あり得るので、私は変異株の影響が少しはあるとは思いますけれども、あれだけの感染が来たのは変異株が主たるドライビングフォースでは、ただし、委員の御質問ですけれども、ある状況から急に変異株に変わったとするときに曲線がどうなるかということですけれども、これは対策が同じだというふうにしないと駄目ですよね。  人々の行動、政府の対策が一定ということであれば、そういう前提であれば、当然、変異株が出現、変異株というのは、感染力の強い今のイギリス型のような変異株が主流になれば、それだけ立ち上がりというか、これが急峻になることは、それで、高みは、さくさくいくし、だんだん下がってくるのに時間がかかるということは、これは普通の感染症対策の常識であります。
  184. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  それと、尾身先生はこの委員会で、見えない感染源、隠れた感染源という御表現を何度か、御答弁をされてきました。  先ほどもありましたように、我々は、一年の中で、例えば去年の今頃は、どこで感染するか分からないということで、学校も一斉休校、とにかく家にいろということになっていました。しかし、大体こういうところで感染があるということが分かってきて、食事の場面、外食の場面の制限がかかり、時間制限をしてきた。ただ、そういう中で五つの場面を気にする、五つの場面に気をつけるということをしてきた。  しかし、今おっしゃっているのは、見えない感染源、隠れた感染源、別のところにそういうのがあり得るという話になりますと、我々一般の市民は何をどうすればいいのかということになるわけです。当然、先ほど来ありますように、食事の場面、そこはもう従来どおり、五つの場面は気にする。  じゃ、これからどうするのかということ、まあ、見えないから答えられない、お答えできないと思うんですけれども、例えばカラオケの場面とかそういう言葉も出てきましたけれども、もう少しちょっと具体的に、どういうことなのか、見えない感染源、隠れた感染源、是非御説明お願いします。
  185. 尾身茂

    尾身参考人 やや大ざっぱに申し上げますと、多少の例外というのはちょっと省いて、大きな傾向として言いますと、例えば、地方で、あるクラスターが起きますよね。最終的に高齢者施設あるいは家庭内感染ということがありますけれども、今までの我々のクラスター分析結果だと、大体、跡を追っていくと、そこがどこからそのクラスターが始まったか分かるんです。そういうのは閉じやすいクラスターということで、そこは、最終的な、家庭だとか高齢者施設にいきますけれども、最初の起点が分かって、そこで閉じて、そこで更なるクラスターの伝播というのは起きないんです。そういうことが、いわゆる我々が言っている閉じやすいクラスターということですけれども。  首都圏を始めとしてなかなか分からないのは、ここのクラスターの帰結ですよね。一番の終着点は分かる。当然分かりますよね、家庭なり高齢者でいけばはっきり分かりますけれども、それを追っていく、一体どこから感染が、クラスターが始まったというのが分かりづらいというのが首都圏の特徴で、今でもそうです。  しかし、そういっても、分からないけれども、ある程度、実際にやっている人たちの、これはなかなか説明が難しいですけれども、直感があるんですよね。はっきり分かっていれば見えないんじゃないんですけれども、どうもこの地域、この集団が感染源であるのではないかということは、大体直感で分かるときがある。分からないときもある。  実は、分からないときの一番の典型が、去年の二月、三月の北海道の雪祭りです。あのときは全く分からなかったです。あのときは、若い人の全く無症状な人が、あそこの分位でずっと感染が広がっていて、その一部の人が地方に行って、高齢者と。我々が最初に見たのは高齢者の感染です。初めて一体何でかといって聞き取り調査をやって、どうもということが、実はこれが見えない感染の典型的な例です。  そのことが、今いろいろなことが分かってきましたから、今我々がどういうところかというと、例えば一部の工場だとか一部の職場ですよね。例えば霞が関とか国会で起きているわけじゃなくて、いろいろな職場があったら職場だとか、一部の学校だとか、あるいは、これは全く、はっきり誤解のないように、全く外交上の問題をしっかり配慮して言いますと、責任もないし、ただ事実としては、外国人のコミュニティーの中で一定いる。そういう幾つか、どうもあるのではないかというようなところ。分からないこと、そのことが私は間違いなくあるのではないかと。  そのために、実は今、重点検査、モニタリング検査、深掘り検査というところで、町の歩いている人を一斉に検査してもほとんど意味が、だから、我々も当初から、一般の検査前確率の低いところに検査をやるということに対しては、我々はそういう考えは持っていないので、そういう感染の疑いが、事前確率が高いというようなところに焦点を置いて、いわゆる国の重点モニタリング検査というのをやることが一番効果的だと思います。
  186. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。これまでおっしゃっていただいた見えない感染源、少し、ちょっとイメージが湧いてきました。ありがとうございました。  最後に、ごめんなさい、これは通告していないんですけれども、学生さんについてちょっとお伺いしたいんです。  先ほど申し上げたように、去年の今頃は一斉休校して、小中高大まで全部ステイホームでした。緊急事態宣言が明けてからどうなったかというと、大学生はほとんどそのまま学校に行けなかったわけです、去年。昨日から新年度が始まった。これは学生さんからすれば、小学校から高校まで始まっているのに、何で大学生は駄目なんだというのが素朴な疑問としてあったわけです。  ただ、残念ながら、それに対する何か明確な、私は、お答えというか、なぜ大学生だけはリモートで、一年間一度も大学に行ったことがない学生さんもいらっしゃる。やはり、なぜ学生がステイホームしなきゃいけないのか。バイトもない、外にも出られない、友達とも会えない、学校にも行けない、非常に昨年一年、そういう生活だったわけです。  改めてですけれども、なぜ大学生、大学院生、これは全国で約三百万人近くいらっしゃいます。なぜそういうことになっていたのかということを改めて伺いたいと思います。
  187. 尾身茂

    尾身参考人 これも一般的に言いますと、大学生の場合は、やはり高校生以下と行動のパターンが明らかに違います。実は、学校といっても、いわゆる普通のキャンパスの中で感染が起こることはほとんど、そういうリスクは。大学生の場合は、いろいろな社会的な今のこういう環境の中で、アルバイトをするアルバイト先だとか、あるいは授業じゃなくて、アパートでみんなでそこで飲み会をするとか、そういうような課外ですよね、学校の授業でうつるということはほとんど、私は感染リスクは。  しかし、大学生になると、だんだんと大人の社会に、移行期間ですから、随分活動も高校生、中学生とは明らかに違うので、そういう飲み会だとかアルバイトでいろいろ、アルバイトといっても、いわゆる接待を伴うというようなところのアルバイトなんてことも当然あり得るわけで、そういうことが、少し大学生とそれより若い世代の人たちの違いということで、これはいい悪いというよりも、そういうファクトといいますかね、そういうことはあるということは言えるんだとは思います。
  188. 稲富修二

    ○稲富委員 尾身先生、ありがとうございました。以上で尾身先生への質問を終わらせていただきます。  やはり、学生さんにも、是非政府におかれてもしっかりと説明していただければなと思います。本当になぜなんだというふうに思いながら、学校にも行けなかった。先ほどありましたように、キャンパスには行っても、確かに、ほかのところでは、映画はそれはもちろん数は減らしても入れる、ほかの、小学校も行ける、なのになぜ行けないんだというのは素朴な疑問としてあると思いますので、是非そこのところをこれから情報も発信をしていただければと思います。  続きまして、先ほど来議論になっています三月二十四日の事務連絡についてお伺いをいたします。第四波に備えて医療提供体制を進めるということでこの事務連絡が出たものと承知をしております。この資料、お手元の一番がその概要ということでございますが。  改めて大臣に伺いますが、この第三波から得た教訓、何でこの事務連絡が必要なのかということを端的に、簡単で結構ですので教えていただけますか。
  189. 田村憲久

    田村国務大臣 なかなか簡単、難しいんですが、病床もそうでしたが、役割分担というものも十分に、最後の方はいろいろやっていただいたんですが、当初できなかった。  それは何かというと、中等症、重症、それから軽症、それぞれ病状が変わった場合の転院、治ったけれども例えば体が弱っておられて御自宅に帰れない場合、一般病床等々に移らなきゃいけないんですが、それも対応できなかった。  それからさらに、もっと一番大前提で、調整ですね、どこに入っていただくか。ホテルなのか、それとも病院なのか、自宅なのか。ここも急激に患者数が増えたものですから、初めは機能しておったんですが、機能しなくなった。  今度、自宅で療養いただいた場合、そこに対する健康観察が保健所が中心ですから、これまたパンクしたということで、こういうものをどうやって医師会でありますとか訪問看護ステーション等々に委託するか、こういうこともありました。  ホテルはホテルで、実際問題、空いているんですけれども、フロアごとに清掃するものでありますから、フロアが全部空くまでなかなかホテルが使えないなんということも起こりまして、ありとあらゆるいろいろな問題点が出てまいりました。  そういうものに対応をしっかりとやっていただきたいということで、ただ、病床だけではなくて、病院だけではなくて、増えてくれば在宅になりますから、そこまで含めたいろいろな計画をお作りをいただきたいということで、時間がかかりますから、五月末までということですが、ただ、四月も、あの大阪の状況を見ておりますと、首都圏エリアも大丈夫だとは言えないわけでありますので、この四月も早急に、五月に向かってのいろいろな計画を進めているものも含めていただきながらも、何かあったときには対応できるような、そういう準備お願いいたしたい。  これは私、実はまだ緊急事態宣言を解除する前からそういう問題意識を持っておったものでありますから、そういうものを含めて事務方に指示をいたしまして、各都道府県に発出をさせていただいたということであります。
  190. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  確保病床数と実際の受入れの数が若干の乖離があるとか、あと、患者さんの対応の目詰まりが起こっていたとか、あるいは、それをコントロールする、そういう仕組みが十分じゃなかった、そういった御答弁かと思いました。  そこで、確保病床数と実際の受入れ病床数が全く同じでなかったということがありましたけれども、なぜだったのかということを、御答弁をお願いします。
  191. 田村憲久

    田村国務大臣 当然、確保をしていたもの、これは昨年夏に、各都道府県に、最大どれぐらい、感染者が増えた場合、どれぐらいの病床が必要かということでお出しをいただいて、それは確保してくださいねというお願いをしました。  十一月に、フェーズを上げてくださいと、感染が広がってきたものでありますから、今まだ確保しているけれども実際使えないというんじゃ困るのでと。  といいますのは、なぜかというと、もしかしたら、その病床に今患者の方が入っておられるかも分かりません、その方々に転院をしていただかなきゃならない。それから、当然のごとく、コロナ患者の場合は、特に重症化をされている方々は、医療の方々の人数、いろいろな形で対応される看護師の数でありますとか、かかりますから、そういうような人員配置の問題がありました。そもそもゾーニングしないと院内感染が起こりますから、そういう準備もしていただかなきゃならない。そういう意味では、一定程度時間がかかるんです。  ただ、今回の、冬から、冬といいますか、年末から年始にかけて、多分、そういう準備をされていたんだと思います、都道府県。ところが、それを上回る、一週間、二週間で倍加するというような感染で、十分にそれが間に合わなかったというのが現状であろうというふうに思いますので、今般は、そういう速度ということも含めて、しっかり、確保病床というよりかは即応病床、すぐに対応できるというような病床をしっかりと確保いただきたいというようなお願いをいたしております。
  192. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございます。  そこで、一枚目のところで、先ほど大臣もおっしゃっていただきましたけれども、1の一番最後のところで、四月中にまず報告があって、2のところで、五月中に病床・宿泊療養施設計画を見直し、体制の整備、そういうタイムラインなんですけれども。先ほど私が思ったのは、やはりそのスピード感、それで果たして、この今の感染の数を見ていると、大丈夫なのかなと。五月いっぱいまでに体制整備って、それじゃとてもじゃないけれども間に合わないんじゃないか、そういう気がするわけですけれども、その点はいかがですか。
  193. 田村憲久

    田村国務大臣 私どもも全く同じ問題意識を持っております。  ただ、一般の医療とそれからコロナというものを両立をしていただこうと思うと一定期間かかる、これはもう致し方がないことで、各都道府県もいろいろな形で今コロナ対応をしながら、病床の確保を五月に向かってやっていただくということであります。地域の医療関係者とも調整もしなければなりません、病院団体とも調整しなきゃいけない。そういう意味では、一定の時間がかかるというのはよく分かるので、五月中に計画をお作りをいただきたい、そして体制を整備していただきたいということをお願いいたしておりますが、四月にもう来るかも分かりません。  ヨーロッパ等々を見ていますと、御承知のとおり、日本の十倍、二十倍の感染。これはもう一般医療を止めてでも対応する、若しくは在宅での対応という形になっておるものですから、日本よりも死亡率が高いというのはそういう部分も、それが全てとは言いませんが、そういう部分もあるんだと思います。  日本もそういうようなことを当然考えなければなりませんので、そうなった場合に、十分に、先ほど来言っておりますとおり、自宅でもちゃんと健康観察ができる。前回のように、なかなか連絡が行かないでありますとか、十分に何かあったときに対応できないというのでは困りますから、そういうネットワークをしっかりつくっていかなきゃならない。  これは、四月、何かあったときというのは、もう本当に、この一か月もあるかないかの中で、そういうことまで含めていろいろなお願いをしていかなければならない。  そのときには、ちょっと、命に別状のないような、そういう治療ならば、若干遅らせていただいてでも、コロナ対応ということも含めてお考えをいただかなきゃならぬということでありまして、言うなれば、五月はある程度両立できるような体制を整えていただく。  しかし、来た場合には、それではもう間に合いませんから、来た場合には、一定の一般医療も、命に別状のない、それほど病状が悪化しないというものがあるならば、そういうものを止めていただきながらも、コロナを診ていただくというような体制をお組みをいただきたいというお願いをさせていただいておるわけであります。
  194. 稲富修二

    ○稲富委員 大臣のその危機感は共有しました。じゃ、本当にそれが、都道府県でそういう体制ができるのかということなんですよね。  今回の発出によって、確保病床というんでしょうか、それよりも現実的に稼働できる病床の数、どれぐらい積み増しできる、そういうふうに想定していらっしゃいますか。
  195. 田村憲久

    田村国務大臣 量はそれぞれの地域によって違うと思いますが、私が一つお出ししたのは、感染者が、要するに、前回のあの波がありましたよね、あれを二倍ぐらいそれぞれの地域で増えたとしても対応できるように。  これはどういうことかというと、あの状況で、仮に、言うなれば緊急事態宣言を出したとしても、緊急事態宣言が出るまで、今日出したとしても、今日の数字は二週間前ですから。二週間前の数字、ということは今の数字は二週間後なんですよね。すると、二週間あれば倍加しますので、それでも対応できるという一つの目安として出させていただきました。  もちろん、これが全てではありません。それぞれの地域で最悪の場合を想定して、これは病床だけではありません。病床も、重症化病床それから中等症病床、それぞれありますが、それだけじゃなくて、ホテルの療養施設でありますとか、それから御自宅でありますとか、いろいろなもののオペレーションの中で、それに対応できるような体制をお組みをいただきたい。  これは、できないといったって、できなくてもそうなっちゃったら何らかの対応をせざるを得ないわけでありまして、待ったなしでありますから。そういう意味では、大変申し訳ないんですけれども、無責任だと言われようが何しようが、それが来ちゃったときには対応しなきゃならぬので、そういう危機感を持って、共有させていただきながら、各都道府県、特に前回、十一都府県ですか、緊急事態宣言が出ていますから。いつもその地域は、必ずと言っていいほど足が速いわけでありまして、そういう意味では、そういうところを中心にお願いをさせていただいておるということであります。
  196. 稲富修二

    ○稲富委員 大臣の危機感と、気合もよく分かりました。  ただ一方で、先ほど大島委員からもありましたけれども、例えば、京大のこういう研究チームが調査したところ、例えばコロナ関係の患者が一人増えるごとに約五百二十万円収入が減少する、そういう調査がある。  私の地元でも、コロナ患者、あるいはクラスターが発生をして、やはり減収、補償されることなくそのまま、それが減収のまま結局今に至っている。そうしたら、病床を確保してくれと幾ら県から言われても、やればやるほど経営が圧迫されるとなれば、当然そんなこと、インセンティブは働かないわけです。  先ほど大臣説明されましたけれども、いや、戦ってくださいと。戦えと言って、武器もなく戦えと言っているように私には思えるんですよね。当然、この三月二十四日の文書とともに、こういう財政、例えば損失補償もする、こういうこともやるから、だから病床を確保してくれ、これだったら分かりますけれども、先ほどの答弁だと、いや、これから考えますということであれば、戦え戦えと言われても私は戦えないと思いますけれども、その点いかがですか。
  197. 田村憲久

    田村国務大臣 我々も、年末年始に更なる支援を、今まではどちらかというと交付金という中でお出しをしておりましたが、これはなかなか来るのが遅いというお叱りもいただきました。  そこで、直接、補助金のような形で、よく象徴的に言われる、重症化病床一床当たり一千九百五十万円という話が出ましたけれども、ああいうものでありますとか、あれだけじゃなくて、治って転院した場合に、それを受け入れられたところの加算を六倍以上にしたりでありますとか、それからあと、人を派遣した場合に対して補助金を出したりだとか、いろいろなことをやってまいりまして、幾つか私、この間から聞いているんですが、大体、赤は埋まりました、いろいろな支援をしてもらいましたので何とかこれで運営できるようになりましたというお声はいただいております。  もちろん、医療機関によっていろいろな凸凹があるのは、これはあると思いますから、そういうものを我々は丁寧に見ていかなきゃならぬと思いますが。  そういう意味で、どういうものをどう出せば、受け入れていただいても、医療機関として運営していただけるなということは大体分かってきておりますので、それも含めて、先ほど申し上げました、次に向かって新たな病床を獲得いただいたところに対して、更なる支援金も含めて、今、早急な対応を進めているところであります。
  198. 稲富修二

    ○稲富委員 やはりこれ、相当やらないと、要するに、プラス・マイナス・ゼロだとやるインセンティブは全く働かないですよね、リスクだけあるわけですから。これをやればお国のためにもなるし、地域のためにもなるし、経営としても成り立つという話にしないと駄目で、だから、何度も言うように、この二十四日の文書と同時に、何らかの明確な、こういうことをやるんだということを、財政的に支えるんだということがやはり私は必要だと思います。  それで、ちょっと時間が限られますので、次の話題に行きます。  資料の三を御覧いただければと思います。これは、中島委員がいつもおっしゃっている治療薬の開発についてでございます。  アメリカは、私もこれは驚いたんですけれども、トランプ政権でワープスピード作戦というのをやって、これが大きな成果を上げたというふうに、結果的にここで様々なワクチンが開発をされ今に至っている。二〇二〇年五月十五日に当時のトランプ政権がこの作戦を使って、一月までに三億回分のワクチン供給を目指して、そこに対して百億ドル、だから一兆円規模の予算を確保した。  この下を見ていただくと、各会社に対して政府が資金拠出をしているわけでございます。だから、例えば一番下のアストラゼネカで十二億ドルですので、千二百億円。百円とすれば千二百億円。各民間会社にこれほど多くの財政的な支援をして、開発を急いでいるわけです。  一方で、我が国の、最後、四ページを御覧ください、ワクチン開発。これはAMEDの予算の表ですけれども、AMED経費は千三百八十六億円、治療薬の開発は約百億円ということでございますが、やはり、もっと大胆にやるべきじゃないか、全く桁が違うんじゃないかというふうに思うわけですが、最後、大臣の御答弁をお願いいたします。
  199. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、御協力をお願いします。
  200. 田村憲久

    田村国務大臣 正直申し上げて、日本の開発メーカーよりもアメリカの開発メーカーの方がやはり開発が早いということがあり、それでもう実用段階に入っておる中で、ファイザー等々お造りになられた。  日本も、そういう意味では、アストラゼネカに関しては国内で製造するということでございますので、これは九千万回分を国内で造っていただくということで、これはしっかりと製造支援をさせていただきながら、今、それを進めていただいておる。ただ、まだアストラゼネカは薬事承認されておりません。申請中でございますから、これは今慎重に、承認に向かって安全性、有効性をチェックしているところでありますけれども。  でありますから、日本も、お造りをいただけるというところを、そういうのを見つけて、開発、いよいよ承認ということであれば、いろいろな支援をこれからも検討してまいりたいというふうに考えております。
  201. 稲富修二

    ○稲富委員 ありがとうございました。  治療薬ですね、そっちの方の開発を是非、取り組んでいただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  202. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高橋千鶴子さん。
  203. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。  久々に厚労委員会での質問の機会をいただき、ありがとうございます。  昨日、大阪、兵庫、宮城に初の蔓延防止措置が導入されました。三府県のみならずコロナ感染者は増加傾向、ちょうど三か月前、十二月の中旬と同じ水準になっていると思います。まさに第四波に入ったと言うべきでありましょう。正直、何だったんだ緊急事態宣言はと言いたいところですが、今日は法案審議ですので、コロナ対策にとっても鍵となる医療提供体制に絞って質問いたします。  三月十八日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、緊急事態宣言解除後の新型コロナウイルス感染症への対応が決定され、取組の五本柱の一つとして、一般医療の機能を守りつつ機動的に適切なコロナ医療を提供するための医療提供体制の充実が盛り込まれました。いわば一般医療コロナ医療の両立だとして、相次いで事務連絡が出されています。本日の委員会でも話題になっていたと思いますが、資料の一は三月二十四日の事務連絡の概要であります。  先ほど大臣はたくさんの中身があるとおっしゃっておりましたけれども、今日ここで確認したいのは、病床に関してのポイント、各都道府県に最大を想定したコロナ病床の確保を求めているということ、かつ、必要なときに対応できる即応病床とすることなどでよいでしょうか。     〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
  204. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  新型コロナウイルス感染症に対する医療提供体制について、これは、昨年末からこの年明けの急激な感染拡大を経験する中で明らかとなった様々な課題を踏まえまして、先ほど委員言及いただきました事務連絡を出したものでございますけれども、この中で、概略を申し上げますと、地域で、一般医療との両立を含めたコロナ医療について改めて具体的に協議、合意をし、コロナ病床を最大限確保するということ、それから、入院調整などの運用面に関する見直しや後方支援病床の確保など、確保した病床を効率的、効果的に活用するための取組を講じること、こういったことをお願いしているところでございます。  それから、病床の確保に当たりましては、医療従事者の確保やゾーニング等の必要な準備が完了しており、すぐさまコロナ患者を受け入れられる病床という意味での即応病床、これを確保することが重要と考えておりまして、政府といたしまして、今後感染拡大が生じた場合においても重症者や死亡者の発生を可能な限り抑えるため、都道府県と緊密に連携をいたしまして、医療提供体制確保に万全を期してまいりたいと考えてございます。
  205. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 即応病床の三月十七日の過去の都道府県の状況の中では、一定、段階があって、即対応できるところと、困ったときはというふうな、三段階くらいだったと思うんですね。それを一つの即応病床にするということは、よほどの事前の準備が必要であろうということかと思います。  それで、最大限の最大とはどういう意味か。地域によってははじき方が当然違うと思うんですね、感染の状況というのがありますから。そして、その最大限によって、今まで確保していた病床を地域によっては減らすこともあるんでしょうか、伺います。
  206. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  三月二十四日発出の事務連絡は、先ほど申し上げましたけれども、これは、既に策定をしております先ほど委員言及いただきました病床確保計画確保病床数を基本としつつ、改めて地域での協議を行っていただきまして、一般医療との両立維持可能な、地域で最大のコロナ病床を確保していただくということでございますけれども、その際に、これまで、確保病床数と実際に患者の受入れが可能な病床数が乖離する場合も見られたということを踏まえまして、今回の事務連絡におきましては、個々の医療機関だけで検討するのではなくて、地域で、医療機関の間での役割分担とか連携、こういったものを協議をいただきまして、コロナ患者を確実に受け入れていただくことが可能な病床数、これを地域で最大限設定いただくようにお願いをしておりまして、基本的には、現在の確保病床数に上積みがなされるものというふうに考えております。  一方で、現在の確保病床数から数が減じることも可能性としてはあり得るわけでございますけれども、そのような場合には事前に私ども厚生労働省に御相談いただくようにお願いしておりまして、各都道府県の個別の事情等も伺いながら、連携して必要な病床の確保に取り組んでいきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、政府としては、各自治体と緊密に連携をいたしまして、十分な医療提供体制確保することができるように取り組んでまいりたいと考えております。
  207. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 減ずることもあるけれども、厚労省に事前に諮っていただいて協議をする、そこまで慎重に対応するということは大事だと思います。  ただ、年度末の大変なときに、都道府県の作業は物すごくハードであろうと思いますし、昨年、一番最初の予算委員会で病床確保の問題を質問したときに、やはりいざというときは空けてもらうからと言ったんですが、そう簡単じゃないわけですよね。患者さんがいらっしゃるのをどこかに出ていってもらわなきゃいけない、そのことを指摘したわけですが、ようやく一年たってここまで来たなということで、実効あるものにしていかなきゃならないと思います。  そこで、大臣に伺いますが、本法案では、都道府県が作成する医療計画の記載事項に、新興感染症等の感染拡大時における医療を追加することになります。二〇二四年度からの第八次医療計画から追加されるとしています。  コロナ禍医療提供体制が逼迫した教訓から検討されてきたと思いますけれども、改めて大臣にその趣旨を伺います。
  208. 田村憲久

    田村国務大臣 今局長からいろいろと話がありましたけれども、いろいろなことを我々は、本当はもっと早く学ばなきゃいけなかったんでしょうけれども、今回のことで学ばさせていただきました。  やはり、局所的に急激に病床が足らなくなるというようなことが起こったりでありますとか、先ほど来話がありますが、もう本当は転院していいんだけれども移る場所がなくてというような意味も含めて、うまく役割分担ができなかった、こういう反省もあるわけでございます。  しかも、あと、スピードという意味が、当初想定していたスピードよりも、これはまた怒られるんですが、実際、感染症の専門家の方々も感染拡大が想像よりも速いというような状況が起こったわけであります。  病院の中では、ゾーニングでありますとかマンパワーの配置でありますとか、いろいろなことをしませんと、ふだんの仕様と変わるわけでございますので、そういうこともやらなきゃならないということを考えると、やはり、今、第八次の医療計画のお話がありましたけれども、医療計画の中で、五事業プラスもう一つということで、この新興感染症が感染拡大した場合の対応というものを入れていかなければ、今回コロナによって学んだこと、次いつ来るか、いつ来るかというよりかは、これは必ず来るという我々は意識を持っておりますので、それに向けたこの教訓を生かした対応ということを含めて、今般このような形でこの法案に盛り込まさせていただいておるということであります。
  209. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 必ず来ると。これまでも本当は来ていたんだけれども、大きなものは百年に一回だけれども、十年に一回は必ず感染症は来ていたんだが、幸か不幸かコロナほど大きくならなかったのが最近の傾向であった、その反省に基づいて医療計画に位置づけるというのは、私は評価できることだと思っております。  同時に、今年二月八日の予算委員会でも私は指摘しておりますけれども、このコロナ対応で公立・公的病院が大変貢献したことや、コロナ病床を確保するということが一般病床に影響を及ぼすということが確認された。検討会の中でも議論されてきたわけですよね。  その一方で、二〇二五年、地域医療構想が目指す病床削減に、全額国庫補助かつ消費税財源で国が後押しするというのは、やはり矛盾するんじゃないかというように感じますが。
  210. 田村憲久

    田村国務大臣 やはり、質の高い医療というものを今ある医療資源でしっかりと将来に向かって提供していかなければならないわけで、そういう意味では、人口構成が大きく変わっている、それから人口自体が減っている、こういうのは委員も御承知のとおりでありまして、これは、前、私が前回大臣をやったときにこの地域医療構想の基をつくらさせていただいたわけでありますけれども、二〇二五年、団塊の世代が全員七十五歳以上になるのがもういよいよ目の前に来ているわけでありまして、当然、急性期の病床、若い方が多ければ、入院して退院すればすぐ御自宅に戻れる、そういう意味では急性期の病床というのがメインでよかったんでありましょうけれども、高齢者が増えてくる中において、急性期の病床もそうなんでしょうが、それ以上に回復期の病床をつくらないと御自宅に帰れないというような状況がある中において、地域医療構想というもの、どれぐらいの人口でどれぐらいの医療のニーズがあってというようなことを前提に、今、各地域でつくっていただいているわけであります。  最終的に、そういうものというのは、質を向上する、そして、人的資源等々、医療資源を適正配分するということでありますから、これは、医療の質の向上という意味で、消費税を使うというのは意味があるのであろう。  ただ、一方で、言われるとおり、こういう感染症のこともありますから、それにちゃんと対応できるような体制は組まなきゃいけないということで、先ほど来、第八次の医療計画で、その中においてもいろいろな対応ができるようにということを念頭に置かさせていただいておるわけであります。  もちろん、今回に関しては、コロナのこともございますから、今までよりかはこういう感染症のことも踏まえた上で地域医療構想をつくっていただくということは我々も念頭に置いておりますので、各地域調整会議においてそういうようなものをおつくりをいただければありがたいというふうに思っております。
  211. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 医療法の見直しに当たっての検討会の中で、いや、だけれども、二〇二五年には今大臣がおっしゃったような人口減が来るから、やはり地域医療構想はやらなくちゃ、そういう議論がありましたね。その中で、いや、だったら、地域医療構想を実現して病床削減して、その空いたスペースにコロナ患者がもし出たら入れるのかみたいな、そんな議論までしていたんですよね。スペースだけ空いたって、人がいなかったら対応できないじゃないですか。残念ながらそういう議論だったということでは、やはり一つ一つちょっと問題を言っていきたいなと思っております。  それで、資料の二に、今年度以降の病床機能再編支援制度についての説明をつけています。  対象経費、一つは、1とありますよね、単独若しくは複数の病床再編により削減すると。どっちみちベッドを減らすことには変わりないんですね。明確に書いてある。補助率十分の十、かつ、消費税増税分を活用した資金であること。昨年二月十七日の予算委員会でこれは指摘しているんですけれども、このときは、当時加藤大臣でしたけれども、十分の十は令和二年度限りと説明しているんですね。それを恒久的にしちゃった。  そのことをまず確認した上で伺いますが、昨年十一月二十六日に募集を開始した令和二年度の病床削減支援給付金の申請は七割から上がっていると言いますが、その総件数は幾らか、いわゆる四百三十六病院リストに名指しされた公的・公立病院はそのうちどのくらい入っているのか、お答えください。
  212. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  令和二年度病床機能再編支援事業につきまして、個々の病院において病床数を適正化する取組に対する支援、これは三十二道府県から百四十医療機関に対しまして約五十一億円、それから、複数の病院を統合する取組に対する支援といたしまして、五県から十二医療機関に対しまして約十億円、合計で約六十一億円の申請があったというところでございます。  それから、もう一つ指摘の再検証対象医療機関、四百三十六病院については、個々の医療機関において病床数を適正化する取組に対する支援、これにつきましては十八病院、それから、複数の医療機関を統合する取組に対する支援については四病院から、それぞれ申請があったということでございます。
  213. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 今二つおっしゃった、個々の病院の場合は三十二道県、五十一億、この内訳を初めて出していただきました。要するに、個別の病床削減そのものに出したお金が圧倒的に多いということですよね。ただ、それに十八病院ということだったので、公的・公立病院の名指しされた病院はまだその程度である。逆に言うと、だから恒久化したということなんでしょうか。
  214. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  御質問の趣旨に沿うかどうか分かりませんけれども、こういった令和二年度の実績は単年度の予算措置でございましたけれども、こういった再編の支援につきましては、今後、引き続き地域医療構想を続けていく中で、やはり安定的な財源の確保が非常に大きな課題であるということでございましたので、今般、こういった法律の改正をお願いをいたしまして安定財源の確保に努め、引き続き地域医療体制を盤石に進めていくような支援を継続的にやっていきたい、そういう趣旨でございます。
  215. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 実は、十一月二十六日の通知、募集しますよという話、資料の三枚目にあるんですけれども、これは、私は、実は国交委員会で質問をしたんですよね。そのときに、七割が募集していますから、随分ありますからとおっしゃいましたけれども、実は結構違うところから出ているんだなというのを改めて思ったんですよ。  そうすると、果たしてこれはどういう趣旨で使われているのかというのが、全くその先の情報が分かりませんので、これを、七割も使われているからいいことなんだ、地元から歓迎されているんだとか、あるいは、病床削減あるいは機能再編は必要なことなんだという評価で正しいかどうか、これは検証が必要です。  情報をいただきたいと思いますが、大臣に伺います、どうですか、今の数字。     〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
  216. 田村憲久

    田村国務大臣 地域医療構想に沿ってやっておられるはずでございますので、その地域でどういうような病床の統合を、もちろんダウンサイジングを含めてでありますけれども、するかというのはお話合いの中でやっておりますが、結果、その地域が作った計画にのっとった病床になっていけば、それは数と種類でありますけれども、それはそれでいいんだろうと思いますので、もちろん、これは予算を出しているわけでありますから、その中に関しては、しっかりと厚生労働省もチェックをする中において対応するということでありますので、都道府県としっかりそこは議論をいたしておるというふうに考えております。
  217. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 必要な情報は出していただけますか。
  218. 田村憲久

    田村国務大臣 何の情報か、ちょっと教えていただければありがたいです。
  219. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 例えば、公的病院かそうじゃないかということなど、そのリストに入っていないところが圧倒的なわけですよね。じゃ、地域医療構想との関係でどうなのかということです。
  220. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  御質問の御趣旨にもよりますけれども、大臣が先ほど答弁させていただきましたとおり、言ってみれば都道府県からの申請に基づきまして予算執行いたしますので、当然のことながら、様々な予算執行上の確認でございますとかその内容についての確認は私どもがさせていただいた上で、その情報に関しまして、どのような形でかということもありましょうけれども、当然、必要な情報については開示をさせていただく、できる限りのことはもちろん考えさせていただきたいと思っております。
  221. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 お願いします。何といったって名指しされて公表されたリストですから、そこから始まっているんですから、その先はもやもやじゃ駄目なんです。指摘しておきたいと思います。  資料の三は、今言いました病床削減支援給付金を募集すると発表した十一月二十六日の事務連絡です。支給額の内訳を書いているんですけれども、単価、これは、病床稼働率が五〇%未満は一床当たり百十四万円、九〇%以上の場合は二百二十八万円と段階的に高くなっていきます。この単価の算定根拠は何か、また、一床当たりの単価が病床稼働率が高くなるほど高い理由は何でしょうか。
  222. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  この病床機能再編支援事業は、地域での関係者間の合意を踏まえて、必要とされる病床機能の再編支援として措置をしたということでございますので、具体的な支援額の考え方でございますけれども、病床機能の再編や医療機関の統合に伴って減床した病床数に、病床稼働率に応じて設定をいたしました一床当たりの単価を乗じることで算出をしているということでございます。  それで、この一床当たりの単価でございますけれども、病床機能の再編や医療機関の統合を進める際に生じ得る雇用でございますとか、それから債務の承継など、今までの補助金ではなかなか対応できない課題を一定程度支援するという観点から、一般病院におけます一床当たりの平均的な医業収益や平均的な経常利益率、そして当該医療機関の稼働率を参考として設定をしたものでございます。  その際、一般的には、医療機関ごとに、一床当たりの医業収益、これは病床稼働率によって変動するというふうに考えられますので、病床稼働率の段階に応じて一床当たりの単価、これは先ほど御紹介いただきました表にありますけれども、そういった設定になっているということでございます。
  223. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 要するに、病床削減のための補助金なんだけれども、本来は病床があれば入っていたであろう収益、そしてそれを支えていたであろう人に着目した単価である、だから利用率が高いほど単価が高い、そういう説明だったと思います。これは後でもう一回、関係して質問します。  それで、当初名指しで病床削減若しくは再編統合の必要性を指摘されたのは四百二十四、今は四百三十六ですけれども、昨年三月、遅くとも九月までに具体の対応策を求められておりましたが、コロナ禍の中で、この期限は一旦保留されているものと承知しています。ただ、私の地元東北の各地でも、地域医療構想の具体化といいましょうか、病院統合や病床削減が動いています。  例えば、昨年二月の予算委員会紹介した中で、岩手県奥州市の国保まごころ病院というのがあるんですが、地域的でいうと、車で十分のところに県立病院と市立病院があって、なので、見直しリスト、全項目チェックがついている。だけれども、四十八床の小さな病院なんだけれども、厚労省が目指す地域包括ケアそのものをやっている。新幹線の隣駅まで訪問診療をやっている。そして、そのことによって、例えば東大や京大、聖路加病院などから多くの研修生を受け入れて、在宅医療の指導的医師を送り出す。そういうとても大事な役割を果たしているんです。  昨年も、加藤当時の大臣は、訪問診療は今回の評価項目に入っていないので、そこは地域でしっかり評価をしていただいて、残していただくとか、どうあるべきか議論していただきたいと言ってくれたんですね。大変心強かったんですが、たった今、今年の三月二十五日に奥州市は、市立総合水沢病院と、この今話したまごころ病院、それから前沢診療所を廃止、統合して新病院を建設すると発表したんです。足すと二百十六床あるベッドを百床くらい削るという話があって、まだ数字は正確には出ていないんですが、その一つになった病院でそれを全部こなすと言っているのに対して、それはちょっと無理じゃないかなと思ったわけなんです。  在宅医療は、ある意味、地域医療構想の要でもありますよね。つまり、高度急性期や急性期から一定ベッドを減らしても、それを回復期を増やしたとしても、はみ出す分は在宅で、地域包括で支えるというのが考え方だったと思うんです。そういう意味で大事な役割を果たしているところが、結局ここに追い込まれちゃっている、統合に。  何でだろうと思ったときに、国は、リストは強制ではない、自治体が決めることだと言ってきました。だけれども、自治体は、財政難だし医師不足だし、やはり重荷になっているというのも事実で、国がこのときに全額補助となったときに、強制ではなくても誘導になっちゃう、そういう認識はございますか。
  224. 田村憲久

    田村国務大臣 誘導というか、支援しているつもりなんですが。  要は、二〇二五年、もっと言うと二〇四〇年に向かって、もう委員も御承知だと思いますが、先ほど来言っております人口構成が変わる、それから人口が減る。当然、医業収入というものを考えなければ、病院自体が運営できなくなってくるわけであります。でありますから、もし、地域包括でありますとかいろいろな形で対応する中で病院が運営できるというのであるならば、多分、この支援金を使わずとも、そこの調整会議の中で、こういう形で我々は必要な医療ニーズに対して応えなきゃならないから、これぐらいのベッドとこれぐらいの医療機能を残すよという話であったんだろうと思うんです。  ですから、要は、やはりいつまでも診療報酬以外の、自治体が足らざる部分を補填するということを続けられないというのが今の日本の地域それから国の財政でございますから、そういう中において、診療報酬等々を見ながら、そして地域の、地方のそれぞれの財政を見ながら、どうするんだということをお考えになられる中において、今回、この支援を使ってやれば何とか医療ニーズに応えられるであろうということをお考えになられた結果ではないのかなというふうに思いますので、しっかりと我々も支援をさせていただきたいというふうに思っております。
  225. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 あくまでも支援だとおっしゃるわけですね。  市の特別委員会の資料では、厚労省から再検証が必要な病院として公表され、検討結果の報告を今後求められる見込みというふうに書いてあるんです。やはり、名指しされたことが、まずそこに一つの促進になっちゃったということがあると思いますし、その後に、やはり、確かに赤字もある、それから医師不足でこれ以上は大変だと言っている、だから、そこの原因をきちっと見る必要があるじゃないかということを言いたいんですね。  それで、二つを一つにまとめて質問します。  施設の老朽化と建て替えが悩みになっています。これは、十割給付ではないんだけれども、基金の中で、病床削減を条件としなくても必要な医療機関の建て替えは補助が受けられるはずですが、確認をしたいと思います。  それから、さっきの病床削減支援給付金の考え方、要するに、病床があったらこれだけの利益が上がっているんだ、その考え方というのは、これまでコロナの中で政府が否定してきた減収補填にも通じるものがあるんですよ。そういう考え方というのをやはりこれからはやっていかないと、つまり、何が言いたいかというと、経営がまず大変だから病院はもう病床は要らないよということよりも、もう大変だから補助金をもらって少し楽になろうかなとなったら本末転倒じゃないか、そういう気持ちがあって質問しました。
  226. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、後段から御回答いたします。  もう御承知のとおり、これは、やめたら、なかりせばじゃなくて、コロナの場合は、当然のごとく、患者が来られると、普通の医療よりも人員の配置もかかりますし、それから、感染防護という形からゾーニングしたりだとか、いろいろなかかり増し経費がかかってくるということがございます。ですから、損失というか減収補償では多分対応できないのであろうな、先ほど申し上げた地域医療構想の中において出しておるようなそういう考え方では多分駄目なんだろうなという中において、いろいろなかかり増し経費も含めて算出をさせていただいた金額で支援をさせていただいておる。これは当然、空床になったところの補償といいますか、支援もしっかり、コロナ禍において重点医療機関になった場合にはより多くのものを対応させていただいておりますので、それよりも更にかかった分をお出しするという考え方だということは御理解いただきたいというふうに思います。  前段は局長から答弁させます。
  227. 迫井正深

    迫井政府参考人 前段の事実関係を御説明させていただきます。  地域医療構想の実現に向けた病床の機能分化、連携の推進のための基盤整備のため、これは、単なる施設の老朽化ということではなく、先ほど委員御質問の前提として、必要な医療機関と位置づけられるということでございますけれども、それに実施する施設設備の整備につきましては、病床削減の有無にかかわらず地域医療介護総合確保基金による支援の対象となっておりまして、この基金については、国が三分の二負担というふうになっているというところでございます。
  228. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 確認ができました。三分の二はこれまでどおり出る、十割給付じゃないのは残念かもしれないけれども、しかし、必要であれば、必ずベッドを削らなきゃ建て替えのお金が出ないんだではないんだということで、大事な答弁だったかなと思っています。  大臣の答弁は非常に残念ではあるんですけれども、この考え方は今日初めて言いましたので、少し研究していただきたい、このように思います。  それで、地域医療が危機に瀕している背景に、やはりそこに医師不足があるということを御認識は共有いただけるでしょうか。ここだけまず答弁してください。
  229. 田村憲久

    田村国務大臣 医師不足ということで、ずっと、医学部の定員等々、地域枠を含めて進めてまいりました。  一方で、全体の医師不足だけではなくて、診療科でありますとか地域の偏在、こういうものもございますので、こういうものも含めて、今、医師の養成、これをさせていただいておるということでございます。
  230. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 はっきりしない答弁ですよね。  医師不足もあるということでよろしいのか。
  231. 田村憲久

    田村国務大臣 そういう下において、医学部の定員枠、特別なものをつくって、今までこれを増やしてきておるということであります。
  232. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 ありがとうございます。  それで、資料の四ですが、二〇二四年四月から適用する医師の時間外労働の上限水準、医師の働き方改革は、一般の労働者より五年間猶予がされて、二四年からスタートするわけですけれども、これは、A、B、C、Bは連携BとBというのと、CはC―1とC―2と、五種類の水準があるわけですが、B以上は年間千八百六十時間、いわゆる過労死ラインの倍を認めてしまう水準であります。これはもう言うまでもなく私は絶対反対であります。  問題は、このB水準のことを、地域医療に必要な病院であり、そこに派遣される人である、こういう考え方なんですね。それを知事に指定させるということです。言ってみれば、一人で二人分働けと言っているようなものなんです。これが恒常化すれば、結局辞めていく、余りにも忙しくて。あるいは、その後に来る人がいないということになって、なおのこと医師不足に拍車がかかるじゃないか。それなのに、知事の指定というやり方でやるのはやはり解決策ではないと思いますが、いかがでしょうか。
  233. 田村憲久

    田村国務大臣 御理解いただいていると思いますが、今、三六協定を結んで特別条項を結ぶと、六月にわたって上限がないようなものも結べるんですよね。  実際、今、医療現場を調べると、非常に、これ以上、一千八百六十以上の方々もおられるという中で回っております。それを何とか労働時間を減らしたいという思いの中で、今般、法律を提出させていただいておるわけでありまして、今よりかは少なくともよくしていきたい。  そして、それだけでは駄目ですから、二〇三五年に向かっては、この千八百六十というのを、元からの九百六十に向かって進めていくための時短計画といいますか、計画を作っていただかなきゃならないわけであります。今は取りあえず一千八百六十に向かっての計画をお作りをいただいております。  そもそも、この時短に関しては、それぞれに対してちゃんと時間を減らしていただくという努力をしていただかなきゃなりませんので、それに関しても年に一回しっかりと評価を行うということでございますので、計画を作って、それに向かって実行に向かって動いていただくということでございます。  先ほど来申し上げておりますとおり、言うなれば、いろいろな、自ら学ぼうという場合は別でありますけれども、そうでない場合に関しては、二〇三五年に向かって、この一千八百六十という数字を減らしていくという形の中で、まずはここからスタートをさせていただく。今よりかはいい環境の下で、辞めていただかないようにしっかりと我々としては環境整備をしてまいりたいというふうに思いますし、健康確保措置もしっかりとこの中に盛り込んでいただくということであります。
  234. 高橋千鶴子

    ○高橋(千)委員 今よりかは少なくしたいというのは大事だと思っております。  ただ、最初におっしゃった、三六協定を結べば天井がなかったというのは、それを見直しをして働き方改革をやったにもかかわらず、五年待たせて、そして出てきたものがこれかということは言わなきゃいけないと思うし、二〇三五年まであと十四年もつんですかという話なんですよ。  これは、数字は法律には書いておりませんよね。健康確保措置と短縮するということだけは法律に書かれています。でも、三十三時間働いて九時間インターバルを取ればまた働いてもいい、こういうやり方はやはり違う。長時間働いていれば酔っているような状態になるよということはアメリカの研究にもあるし、この間、医師の働き方の検討会でも議論をされてきたはずなんです。なぜそこに切り込まないのか。  確かに、現実は、なかなかそういったって、働き方改革を守れないという声はあります、承知しています。あちこち行って、院長先生から言われたりします。だけれども、このままでは、このままそれをしようがないと見てしまうと、医師は増えない。だったら、病床を減らすしかないというふうになっちゃうわけですよ。それをやはり切り替えないと、二〇三五年と言わず、もっと前倒しするということを頑張っていただきたいということをお願いしたいと思います。  それで、もう一つ資料につけている、もう時間がないので言い切りにします。  看護職員の見通しも、これはワーク・ライフ・バランスをやって残業ゼロで年休二十日以上取れるケースなんかも書いたりして、あり得ないわと思うんですが、夢物語よというのが現場の声です。  問題は、この資料を見ますと、不足する県はそんなにないんだ、最後のページを見てください、というふうになっちゃうんです。だけれども、その前提は、さっきから言っている地域医療構想が実現してベッドが減るから足りちゃうよねという議論なんです。それじゃ全く解決しない。コロナの中でこれほど、人がいなかったらベッドを確保しても駄目よねという議論がされてきたのに、ベッドが減ったら看護師を増やさなくてもいいよねという議論はやはりするべきじゃないと思います。  本当は答弁をいただきたかったのですが、時間が来てしまいましたので、言い切りで、お願いします。  ありがとうございました。
  235. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  236. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  本日も、大変貴重な時間、大変ありがとうございます。また、尾身先生を始めとして、お忙しい中、答弁に立たれる方、また感謝を申し上げておきます。  今日、ちょっと順番を変えまして、高齢者施設あるいは疫学的な対策について、まず尾身先生にお話を聞いていきたいと思います。通告の順番、若干前後させていただきます。医療法その他、もし時間があれば是非お聞きしたいんですけれども、時間がなければ、申し訳ございません、また次回に回させていただきます。  まず、尾身先生に確認をさせていただきたいんですけれども、一昨日の私との質疑で、日本は罹患率が低いので欧米とは病態が違うんではないかという私の質問に対して、尾身先生は、感染者の数は少ないけれども、ある一定の数になると、実は、日本の場合には、ICUなんかが非常に少ないので、例のICUがいっぱいになっちゃうと、あの状況で普通の医療が支障しちゃう、ここが実は、このことがなければ、感染者がほとんどの人が軽くて大したことなければ、普通のインフルエンザみたいなことになればこういうことはないんだけれども、一部の人が重症化してベッドを埋めちゃう、日本の医療のここが実は問題の本質でと、こういうふうなお答えをされております。  要は、医療システムがこの日本の今の病態、コロナの病態にもう追いついていないということが今、事実としてはある、そこをお答えになっているんだと思うんですけれども。  そこでお伺いしますけれども、自治体や国の指標を見ると、病床逼迫度が主要な指標になっている。幾ら感染者が出ても、それは無症候や軽症者ばかりであるならば、別にそんなに国を挙げて、大変な、国民に不自由をお願いするような政策もする必要はないけれども、そうではない。このコロナとのいわば戦いは、医療システムを守る戦いということだと思うんですけれども、先生の御見解はいかがでしょうか。
  237. 尾身茂

    尾身参考人 今疾患は、多くの人はもちろん軽症あるいは無症状、特に年齢の若い人は、これはもう日本国民はみんな知っていることで、ところが、一部の人が重症化して入院治療が必要だということも事実で、感染者がたくさん増えてくると、この前のような状況で、医療への負担が非常にかかってくる。ということは何かというと、重症者がいて、もしかすると亡くなるかもしれない、それが、たくさんそういう人が増えると普通の医療にも支障を来す、このことが我々の社会での不安の私は源泉だと思うんですよね。  そういう意味では、確かに、一番医療を逼迫しない、医療を守るという、我々が今サーキットブレーカーという考えをしているのも、実は、最終的には医療を守りたい、感染がどんどん増えて、どこでブレーキを踏めば医療が余り破綻しないようなことができるかということが議論の核心ですので、医療を守ることが今回の対応の中心的な課題であるという委員の考えは、私は正しいと思います。
  238. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ありがとうございます。  私も先生の今のお考え、それから、これは昨年三月にドイツのメルケル首相が全国民に向けて非常に感動的なメッセージをテレビで放映されたわけですけれども、この戦いは医療システムを守るための戦いである、こういうことをはっきりと言われた。私もそう思います。  次に、ではどうやってその医療システムを守っていくのかというところについて、若干私なりの考えがあるわけですけれども、それで先生、今のやり方と少し、もう少しやった方がいいんじゃないかということがあるものですからお聞きしていくんですけれども、お手元の資料四を御覧ください。  これは、昨日も示しましたけれども、どうも昨年一月から八月までのもので、政府のアドバイザリーボードの西浦先生がお作りになった年齢階級別転帰を年代別に円グラフにしたものです。これは非常に分かりやすいので、是非皆さん、開いて見ていただきたいんですけれども。  これを見ると、今、尾身先生が言ったことがすごくはっきりするんですね。これは、オレンジ色が軽症者で青が無症状、最終的な定義として。  そうすると、これを見ていくと、大体四十代くらいまでは、ほぼほぼ重症化も死亡もしない。つまり、そんなに、かかったとしても、医療システムを攻撃するようなものにもならないし、御自身にとってもそんなに脅威な病気ではない。五十代くらいから、これはグレーが重症で黄色が死亡です、それが出てき始める。  七十代、八十代。七十代は、これはやはり、重症者、死亡者は同じくらいの割合ですので、七十代はまだお元気な方も多いですから、かかっても、重くなっても、重症になってまたカムバックされる方も多いかなと。ところが、八十代、さすがに九十代になりますと、重くなると圧倒的に死亡、圧倒的といっても一二%、一六%ですから、そんなに不治の病というほどのイメージではないんですけれども、重症でとどまっている方よりも死亡になってしまう方が多い、こういう状況になっていると思います。  やはり、これは去年の八月までのデータですけれども、死亡率を見ると、直近の三月十七日までのデータとそんなに差はない、各年代の死亡率が。七十代は五%でしたし、八十代以上というくくりしかないんですけれども、今のデータでは、それだと一五%です。ですから、この表と余り差異はありません。  それを前提にお聞きするんですけれども、結局のところ、医療システムを守ろうと思えば、重症者と死亡者をいかに減らすかということだと思うんですよ。要は、重症者になると、ずっと人工呼吸を着けていなきゃいけない。悪い人はECMOもしなきゃいけない。亡くなる方は当然そういう時期を経るわけですね。ここを減らすことが私は一番の近道だし、確実な方法だと思うんですよ。  というのは、私は弁護士で、お医者さんではありませんけれども、ずっと医療過誤の事件をやってきて、医学というのは本当に、ある意味興味深いというか、我々から見ると面白いところがあって、それまでの理論というか常識が、ある日突然ひっくり返ることがよくあるわけですよね。  例えば、先生を前に恐縮ですけれども、疫学の始祖とも言われているジョン・スノーさん。イギリスで十九世紀にコレラを食い止めた人ですけれども、その方は、当時、コレラの原因は瘴気説、何か悪いような瘴気が出てきてうつるんだと言っていたのを、地道に地図をひっくり返して調べてみて、汚染された井戸が感染源であることを突き止められた。だから、疫学の始祖と言われているようですけれども、麻酔に関しても大変な業績を上げられた。  ですから、私は、今回の件も、やはり現実の方を重視した方がいいと思っているんです。というのは、この新型コロナ、コレラ、どんな感染症の専門の方でも全く未知の病原体ですし、インフルエンザなんかも含めて、先生も前回も言っておられましたけれども、感染経路って、結局のところ、何が一番感染の経路になっているのかというのはよく分かっていないところがあるわけですね。そうなってくると、私は、まず確実に分かっているところから潰していくというのが一番いいんじゃないかと思います。  そこで、御覧いただきたいんですけれども、この配付資料の五を御覧ください。これは、大阪府はすごく一生懸命いいデータを出していて、今年の一月一日から、こちらの、大阪府でクラスター別でどういう感染者が出ているのかというものを示したものです。  これを見ると、結構驚くんですね。高齢者、障害者施設が四二%、医療機関が三四%、合わせて七六%が、実はクラスターの発生源なんですよ。ですから、人数もすごくいっぱい出ています。実は、飲食店って二%にすぎないんですよ。カラオケというのは、多分、カラオケ屋さん。会食というのは、お弁当を出して会合するようなやつですので。  私は、少なくとも、重症者と死亡者を減らそうと思ったら、飲食店よりも、まずは、医療機関、高齢者、障害者施設での発生を減らすというのが、これは当たり前の話だと思うんですよ。  もう一つ、資料六。これは、先日、長妻先生の方で厚労省から入手されたデータを私も入手しまして、報道に基づく発生場所を調べたわけですけれども、これもやはり高齢者施設が一番多いわけですね。  そこで考えられるのが、やはり、高齢者施設、医療機関、ここへの対策をまず徹底すべきだと思うんですけれども、まずその点について、尾身先生、御意見はいかがでしょうか。
  239. 尾身茂

    尾身参考人 委員おっしゃるように、重症化の予防というのが非常に大事で、特に高齢者ですよね。これはもう、去年、国の対策が始まったときより、ずっと我々の基本は重症化対策ということは申し上げて。  それで、今、委員おっしゃるように、高齢者施設での感染、院内感染というのが多いですよね、そこの発生を止める。特に高齢者の場合にはあっという間に感染が広がるので、そこが対策の一つの重要な柱ということは委員がおっしゃるとおりで、私も大賛成で、したがって、国にお願いをして、高齢者施設での検査というのを今まで以上に充実していただきたいということで、今、定期的にやろうということ、必要であればもっと広くするという、そういうのは委員の考えに私は一五〇%賛成です。  同時に、じゃ、そこだけでやっていいかというと、実は、もう私ども何度も言って、今、委員が示してくれたパーセントというのはしょっちゅう変わるんですよね。一時やはり高齢者施設が多くなるということがあるんですけれども、私が前から言っているように、高齢者施設に起きる、あるいは家庭内で起きるのは実はその元があって、それを追っていくと、飲食店での感染が多いということまで分かっていて、仮に直接若い人が高齢者施設に行かなくても、若い人が家庭に行って、家庭に高齢者が行くということもあるわけですよね。  そういうことが実はあって、我々はクラスターの連鎖の一番最後を見ていて、今のは最後の。そこの一番の元は今までは飲食店が多いということはこれは間違いないエビデンスですので、両方の対策が必要で、高齢者施設での感染対策、そこに重点を置くという委員の考え方は私は正しいと思います。
  240. 青山雅幸

    青山(雅)委員 尾身先生のお考え、ずっと今までも厚労委員会でお聞きしていたので、理解はするわけですけれども、私はちょっと違うかなと思っています。  というのは、資料六を御覧いただければお分かりのとおり、二名以上の集団感染として報道された件数、確かに、飲食店高齢者施設とほぼ同じ、多いですね。ところが、企業等も一八%を占めているわけですよ。医療機関も一七%。学校、教育施設も一二%。教育関連で見れば二〇%くらいです。そうすると、感染源の五分の一だけ何か非常に強い対策をしても、ほかのものも閉じなきゃ、これは余り減らないと思うんです。  今は、実は高齢者施設の、先生がおっしゃったように最終的に持ち込まれるとしても、そこをシャットアウトできる武器があるわけですよね。何かというと、迅速抗原検査です。先生御承知のとおり、十分もあれば、すぐにその人が感染者かどうか分かる。だから、仮に、先生がおっしゃるように、そこの従事者が、幾つの人でもいいです、三十でも四十でも二十でもいいです。夜どこかに飲みに行って、あるいは食べに行って感染した、ウイルス量がそれなりに出て、人にうつすようなことになれば、これは当然、抗原検査で陽性になるわけですよね。そうすると、これを毎日出勤時にやれば防げるわけですよ、それが広がることが。  これは別に私が空想で物を言っているんじゃなくて、実は、某大学病院、東京都で非常に中心的なコロナの治療をやっているところにお聞きしたわけですね、どういう感染対策を取っていますかと。そうしたら、全員じゃないですよ、コロナ病棟に携わる人は全員毎日検査している、それから患者さんも検査していると。それで、もう一件もクラスターが出ていないわけですよ。  そうすると、ここから分かるのは、飲食店とかあるいは国民に物すごく多大な負担をかける緊急事態宣言とかその手の社会的距離政策を取る前に、高齢者施設にこそ徹底的に今言ったように毎日の抗原検査をやればいい。抗原検査なんか、先生御承知のとおり、PCR検査よりずっと安いです。  それで、何でこれを言うかというと、今、一般の開業医の方もみんなこっちを使っているんですよね、抗原検査の方を。なぜかというと、すぐに結果が出るから。次の日とか、朝来た人が夕方結果が出るまで待っていられないわけですよね。だから、みんなこれで判定している。  何でこれをもっとやらないのか。私、ちょっと驚いたんですけれども、先生がおっしゃったように、これを本当に止めようと思ったら、定期的に、頻回にやる。つまり、一番いいのは毎日やることなんです。毎日やらなければ、今日の陰性はあしたの陰性を証明しませんから、でも今日陰性なら少なくともその日一日くらいは感染力はないわけですよね。  私、そのことを、今日の質問のために厚労省の人と言ったら、何で毎日やらなきゃいけないんですかと言われて、絶句しちゃったんですよね。びっくりした。今日やって一週間後にやったら、その間の六日間はどうなるんですかという話。だけれども、毎日やっていれば、某大学病院のように一件も出さずに済むわけですよ。何でその簡単なことの方をやらないのかと。  政府通知、これは実は政府通知を出しています。何を出しているかというと、令和三年一月二十二日付で、「医療機関・高齢者施設等における無症状者に対する検査方法について(要請)」で、積極的な実施をお願いしていると書いてあるんですけれども、具体的には、その期間医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院、入所者全員を対象に、いわば一斉、定期的な検査の実施を行うようにお願いしておると。こういうすごく抽象的な話なんです。それは毎日やらなきゃほぼ意味がないのに、一斉、定期的と。しかも、これはお願いしているだけなんですよ。  今日尾身先生が、蔓防の話だったかな、飲食店の実態調査もする、そのくらいまでやらなきゃしようがないとおっしゃった。私はそう思うんです。  つまり、自分で実態を調査して、本当に毎日やっているのか、広くやっているのかぐらいつかまなければ、これは効果はあるわけないんですよ。私、そういうところが魂が入っていないなといつも厚労省に思うんですけれどもね。  今言ったような、頻回かつ全回検査について、先生のお考えをお聞かせください。
  241. 尾身茂

    尾身参考人 せっかくの機会ですので、まず飲食店の方は少し説明が、余りこれは長くは言いませんけれども、飲食店の時短というものが今回の感染の拡大の防止に役立ったというエビデンスはありますので、飲食店の感染を予防するのが無意味だということは私は決してなくて、非常に有効な対策の一つだったと思います。  その上で、私はこの高齢者施設と飲食店のこれが二者択一ということではなくて、今委員おっしゃるように、高齢者施設での検査というのはこれは当然頻回にやった方がいい、絶対にこれはいいです。一か月に一遍やるよりも一週間に一遍、二週間に一遍、頻度を多くした方がこれは有効であることは間違いないです。  それと、抗原検査のことですけれども、私の理解は、後で厚生省の方にもう一回確認をいたしますが、今、各地方に検査をやっていただきたいという高齢者施設で、高齢者施設の中では大きく分けて三つのグループがあると思います。定期的にPCR検査だけをやっているところ、それから抗原検査だけをやっているところ、それから両方やっているところということがあるので。  実は、抗原キットというものに対しての、これはいろんな考えが専門家の中にもありまして、これは確かに委員おっしゃるようにすぐに分かる。と同時に、一方で、これは特に初期ではかなりの偽陽性が出てきて医療現場が混乱したということもあって、ただし、また検査キットが少し精度がよくなっていますから。  私は、今回いろんな、今三つのグループということで、これを国にも評価していただいて、どれがより実際に一番有効なのかというのはなるべく早く結論を出していただいて、せっかく抗原の定性キットはたくさんあるんですから、今のところは無症状者には使えることになっていますので、この辺についても我々も議論に参加して、早くどうした形での抗原検査キットの使用がいいのかというのは結論を出したいと思っています。
  242. 青山雅幸

    青山(雅)委員 是非お願いします。  先生御指摘のとおり、私は、この問題をやるとき必ず、現場で治療に当たっていらっしゃるお医者さんに広くお話を聞くわけですよね。そうしたら、先生おっしゃったように、初期の頃のやつはちょっと使い物にならなかったと。ところが、多分去年の夏頃からかな、急に精度が上がって、PCR検査とほぼ同等になったという話を聞いております。だから使っていると。是非先生そこをきちんと厚労省に言っていただいて、進めていただきたいと思います。  厚労省政府参考人にお伺いしますけれども、今話題とした高齢者施設の従事者、入所者への抗原検査、PCR検査等、どの程度の割合で行われているのか、把握していますか。
  243. 正林督章

    ○正林政府参考人 済みません、通告は抗原簡易キットについてだったので、その点については、高齢者施設、医療機関で週に一回とか二週に一回というのは把握していますが、毎日やっているというところは現時点では把握しておりません。
  244. 青山雅幸

    青山(雅)委員 通告からちょっと外れるんですけれども、今言った、週に一回や、もうちょっと、十日に一回とか、その程度のレベルで、何%くらいの高齢者施設でやっているかは把握していますか。
  245. 正林督章

    ○正林政府参考人 済みません、やっている自治体は把握していますが、何%やっているというのは把握できておりません。
  246. 青山雅幸

    青山(雅)委員 そういうところが、私がさっき言った、魂のこもっていない、非常に残念なところなんですね。もし私が責任者だったら、一人でも減らして国民への負荷を減らしたいと思ったら、実際どうなっているのかを必ず自分の目で確認したくなるわけですよ。通知文書だけ出して、あとはほっておいて、何%やっているかも分からないでは、止まるわけないですよ。  大阪府のこの事例とかを見ても、圧倒的に多数の、今現在でも高齢者施設、病院から出ているわけですから、これを多分御覧になっていると思うから、厚労省の方でももうちょっと積極的に物を言われたらいいと思うし、尾身先生の方でも、是非分科会でもそういったことに対してより強い提言をしていただきたいんですね。  そして、もう一つ是非お願いしたいことが、先生おっしゃるように、飲食店のものも大事だと。何が正しいかは今はよく分からないので、もちろん私も先生がおっしゃることが違っていると言うつもりもありませんし、別に私の言っていることが絶対正しいと言うつもりはない。  ただ、どちらかといえば、やはり、これはもう一年過ぎて、ワクチンに、先生おっしゃるように、確かに大きな期待はあります。ただ、今の日本の接種のスピードから見ると、到底まだまだ全国民の半数とか六割とか、イギリスやアメリカやイスラエルのような状況にはあと一年やそこらでは到底なりそうもないと。  そう思うと、やはりもう少し、今言ったような地道な対策の方も是非手をつけていただきたいし、それはそんなに難しい話ではないし、予算もかかるわけじゃないわけですよね。是非そういうことも、分科会は新しいやり方を提案していただければと思っております。これはお願いでございます。  そして、最後に御意見を聞きたいのは、効果的な対策には、私、データ把握が絶対必要だと思うんですよ。  さっき示した資料四の、年代別の感染者の最終的な帰趨ですね。これも、前回も言いましたけれども、厚労省、これを西浦先生が前に作って、八月まで作って、その後、もう誰も手をつけていないわけですよ。なので、この中で私がそれを出してくれと言っても、これは軽症者も分かりませんし、何とびっくりすることに、重症者の割合も分からないんですよ。日々、誰が重症者だったかということはつかんでいるんだけれども、その人の帰趨が重症で終わったのかどうだったのかが分かっていないと。そんなことで、どうやって対策を立てるのかという話なんですよ。  さっき言ったように、ジョン・スノーさんは何でやったかというと、そんな理屈や何か、まだそのときは病原菌があるということさえ知られていませんでした。事実を基にやったわけですね。そうすると、事実は何かというと、この場合には疫学的データです。  水曜日も申し上げたんですけれども、厚労省は、コロナ対策本部に数十名規模で増員をされる予算を取っておられます。感染研なんか三百名も増員ですよ。是非、そのうちの何人かを、こういった疫学的対策のデータを取るために割いてもらいたいし、こういう分析を、私なんかの素人ではなくて、ちゃんと国がやってもらいたいんですけれども、この点に関して、最後、尾身先生と、それから大臣にもひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
  247. 尾身茂

    尾身参考人 データの収集、分析というのは、感染対策の基本ですよね。そういう意味では、今限られたリソースの中で、国もあるいはクラスター班もこの一年全力でやってきたということは間違いない。  しかし、これは、私の率直な感想は、日本のこのデータ収集のシステムというのは、様々な理由で、ITの問題、それから地方分権の問題、個人情報の問題、実際は、データは現場にあるんだけれども、様々な合意が必要だとか、都道府県と保健所政令市のいろんなガバナンスの問題ですよね、そういうことで、実際にあるデータが迅速に共有されていないという現実がある。これはもう我々は一年近く言っているんですけれども、これがなかなか。したがって、データの収集は一部の専門家が手仕事でやっているような状況。  これは、誰が悪いというよりも、日本の中で全力でやってきたんですけれども、もっと効率的な対策を打つためには、やはり、ここはひとつ私たちはどうしても乗り越えなきゃ。ここは難しいんですね、地方分権の問題もありますから。  これはいわゆる医療関係者の問題じゃなくて、そういう根本的な政治の問題もあるので、ここについては、それこそ専門家も含め、政治家の先生、官僚、みんながやらないと、この問題は相変わらず、日本の、これだけ一生懸命現場の人が頑張っているんだけれども、戦う一番の重要な情報が極めて問題があるということ。  これは何とかしてやらないと、この問題は永遠に続くということがあるので、是非みんなでやらなくてはいけないと思って、我々も努力したいと思います。
  248. 田村憲久

    田村国務大臣 西浦先生のデータということで、昨年の一月―四月、六月―八月と、重症化率それから致死率、これを算定ということで、これは委員も御承知のように出ているわけであります。  西浦先生にお聞きしたんですが、その後もできないのかというようなお話をしましたら、それまで都道府県の公表データを使って作ったらしいんですが、昨年の八月以降、九月以降と言った方がいいのかも分かりませんが、都道府県によって追跡、把握されていないので、結果的には、西浦先生をもってしても、やはりデータが作れない、データがないから作れないということでございました。  今すぐにというと、なかなかこれは都道府県の御負担もありますので、どうしていくべきなのか。ただ、今、尾身先生おっしゃられたとおり、貴重な、言われるとおり、それはデータというのは必要でございますので、どうあるべきか、ちょっと検討してまいりたいというふうに思います。
  249. 青山雅幸

    青山(雅)委員 大臣に続けて、まだ少し時間がありましたので。私、ちょっと済みません、半までだと勘違いしていまして。  今の話、尾身先生が最も大事だとおっしゃった。是非、感染研なりクラスター対策班の中にこういったデータ分析を専任でやる人を入れていただきたいという点を検討いただけないかということと、もう一つは、先ほど提案した、毎日の抗原検査を、いきなり全国でやるのは予算の問題があるとかなんとかあるのかもしれない。だったら、どこでもいいです、東京でも大阪でも、ある一定の市の施設か何かでやってみて、それで発生するかしないか、それで止められればすごい効果があって、これはもしかしたらコロナの印象をがらっと変えることになるかもしれないんですよね。それを是非検討していただきたいんですけれども、大臣のお考えを。
  250. 田村憲久

    田村国務大臣 まず、感染研にそういう分析をするところがないわけではないので、それはやろうと思えばできるんですが、問題は、先ほど申し上げました、基のデータが都道府県から出てこないとやりようがないということなので、今、そこまで、都道府県は多分、感染者が増えたから、以前のようには公表できなくなったんだというふうに、これは私の推測でありますけれども、どうやっていくか、これはちょっと不断に検討してまいりたいと思います。  それから、後段の部分ですが、確かに抗原検査キットは精度が上がったといっても、やはりPCRよりかは落ちると思います。ただ、言われるとおり、毎日やれば、前日ひっかからなくても次の日ひっかかるわけでありますから、見つければ、すぐに対応すれば、そこからクラスターは生まれないので、毎日やれば、効果は私は理論上はあると思います。  問題は、なかなか、今でも抗原検査キットを選んでいただく介護施設が少ないんですね。それはなぜかというと、PCRは唾液でやれるんですが、抗原検査は鼻腔に入れなきゃいけないので、鼻腔なんですよ、抗原検査キットは。唾液ではできないので、鼻腔から取らなきゃいけないというのがどうも手間のようでありまして、介護施設等々がなかなか選んでいただけないという実態があるというのがございます。  それからもう一つは、これも私、頭を悩ませているんですが、あれだけやってくださいと一都十一県にお願いしているんですけれども、当初、余り上がってまいりませんでした。お願いしても、自治体もなかなかそこまで思い切っていただけない。その原因はどうなのか分かりませんが、多分、介護施設の中でもいろんな問題があるんだと思います。  例えば、もしそれで陽性が出た場合、濃厚接触者で従業員の方々が何人か引っ張られてしまって、結果的に運営ができなくなるという心配があったりでありますとか、それから、受ける側ですね、受ける介護施設の方々にしてみても、自分がなった場合には、これは、自分の濃厚接触者は全部やはり二週間なんですね。  ですから、これは、日本、強制的に、今のところ、じゃ、検査しろと言ってできるかというと、ワクチンと同じでありまして、そこは本人の御判断というのもあるので、そこまでやはり従業員の方々に御理解いただいて、施設側がいろんな対応をしなきゃならない。都道府県もそれに対して対応しなきゃいけない。  そういういろんな難しい問題がありまして、検査は必ずそこがあるんです。今モニタリングもやっていますが、一万人と言っていますけれども、なかなか、じゃ、モニタリング、みんな、無料だからやってくれるかというと、やっていただけないという現状もあります。  ですから、そこのところは非常に難しい課題だということで我々は認識しながら、でも、課題だからといって逃げるわけではございませんので、しっかり対応するように努力してまいりたいというふうに思っております。
  251. 青山雅幸

    青山(雅)委員 今のお話の中で若干本末転倒なのは、例えば緊急事態宣言になれば、陽性でもない飲食店は閉めなきゃいけないわけですよ。それはよくて、何で、もし陽性になったら二週間休まなきゃいけないという当たり前な話を怖がらなきゃいけないのか。それはもう全く本末転倒だし、病院ではやっているわけですね、大学病院で、名前を出してもいいですけれども。それを何でやれないんだというのは、それはおかしな話なので、是非、今の言っている話はちょっと納得いかないので、また引き続きやらせてください。  ただ、いずれにしろ前向きな御検討をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  252. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高井崇志君。
  253. 高井崇志

    ○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。  今日は医療法改正の審議なんですけれども、前回、ちょっと総合支援金のことで少しお答えいただけなかったことがあったので、最初に二、三、質問させていただきたいと思います。  今日、ちょっと資料をお配りさせていただきましたが、前回、私のツイッターに寄せられているのを長々、四分以上読んだんですけれども、意外と好評でというか、帰りのエレベーターで自民党の先生からも、ちょっと、涙が出たよとか、大事なことだという御指摘もいただいたので、今日は時間短縮のために配らせていただきました。かつ、大臣には、大変お忙しい中恐縮なんですけれども、事前に目を通していただいて、ちょっと感想を聞かせてくださいと通告してありますので、ちょっと感想をお聞かせください。
  254. 田村憲久

    田村国務大臣 拝見させていただきました。  これだけではなかなか分からないところはあるんですが、これだけ読んでいると、何で貸付けの対象にならないのかというのが伝わってまいります。もちろん、これ以外に何かあるのかも分かりません。  基本的に、各自治体お願いしているといいますか、社会福祉協議会にお願いしているのは、基本的にはもうお貸しをいただきたいということをお願いいたしております。給与明細だとかそういうものを要求せずに、必要ならばお貸しをいただきたいと。  ただ、そこで自立相談という形で、もうこのままお貸しし続けてもどこかで限界が来るので、それならば、もうこの際、生活保護、他の制度もあるかも分かりません、とにかく雇用の方につなげるためのいろんな施策につなげた方がいいという御判断をそこでされた場合には、もう早晩、もう一回お貸ししたとしてもその後同じことになるならば、時間を考えれば早く立ち直っていただいた方がいいわけでありますので、そういうような丁寧なつなぎといいますか、その対応をしてくださいというお願いはさせていただいております。  にもかかわらず、これを読んでおりますと、それもないようなことを書いてありますので、このようなことがあってはならないんだ、ここに書いてあるようなことがあってはならないんだというふうに思いますので、丁寧に各社会福祉協議会の方に伝えるように、我々は都道府県にもお願いをさせていただかなきゃならぬというふうに思っております。
  255. 高井崇志

    ○高井委員 ここ数日、非常に不承認になったという、再貸付けの申込みから、ちょうど多分判断をする時期になっていて、いろんな都道府県で不承認が相当出ていますね、これは。  やはり、大臣が原則貸すんだと言うのはいいんですけれども、その後段で、しかし、やはり高額になり過ぎて返せなくなってしまうと、生活保護なり、ほかの手段なりというそこの部分をやはり、どうしても、社会福祉協議会は元々ずっとそういう仕事をしていますから、やはりそこがしみついてしまっていて、これ以上貸したらこの方はもう生活が成り立たない、返してもらえないということで、多分、蓋を開けたら、かなり不承認が出ると思います。  ただ、不承認になったら、もう本当に行き場がないですよ。生活保護を丁寧に紹介していただければいいですけれども、余りそこもやっている感じもないし、あと、生活保護にはやはり抵抗があるという方がいまだに多くて、これはこれで改善していかなきゃいけないんですけれども、なかなかこれは簡単じゃないということを考えると、やはり当座、このコロナ危機を乗り切るためには、この総合支援資金を何とか不承認にする数を減らすしかなくて、これは是非、一旦不承認になった方も再申請を認める制度をつくっていただく。  そして、今も再申請できるみたいなんですけれども、大体、いや、もう同じですよ、どうせ結果はまた同じですよと言われちゃうみたいですから、そこは是非大臣から、再度申請したときは認めるというようなまた通達のようなものを出すとか、何かそのくらいやらないと。  あと、不承認の理由も全く教えてもらえないんですけれども、やはり、理由を聞けば納得するかもしれませんけれども、理由が分からないからこういうツイートになるわけで、そこは確かに事務手続、大変かもしれませんけれども、やはりそこまでやらないとこの問題は、せっかくいい制度をつくったんだけれども、どんどん火を噴く、炎上する可能性があると思うんですけれども、いかがですか。
  256. 橋本泰宏

    橋本政府参考人 この特例貸付けにつきまして、不承認になったケースで再申請する、どうなのかというふうなお話がございました。  仮に再申請をされたとして、それが承認されるかどうかというところは、個別具体的な事案により様々でございますので、なかなか一概にはお答えできませんが、一般論として申し上げれば、最初の申請時から状況の変化があるというふうな場合であれば、再度相談していただくということは考えられると思います。  例えば、最初の申請の段階ではやはりなかなか収入の減少というふうなものが認められなかったようなケースであったとしても、再申請を行うときには収入減少が生じているというふうな状況の変化がある場合は認められるようなケースも出てくるのではないかというふうに思います。  それから、あと、不承認の理由を示すべきではないかというふうなお話がございました。二月十九日に再貸付けを始めましてから、この再貸付けにつきましての申請が大変急増いたしておりまして、社会福祉協議会の現場はまさに膨大な件数の貸付事務に追われている状況でございます。  三月中旬以降、総合支援資金の再貸付けの申請件数が一週間で三万五千件を超えるというふうな状態が二週間続いておりまして、この件数というのは、昨年夏のピーク時を上回って過去最高というふうな状況に達しております。そういう中で、不承認となった理由の開示を一つ一つ行うということになりますと、更に事務負担が増大して貸付事務の遅延につながるおそれもございますので、慎重に考えなければいけないだろうと思います。  いずれにしましても、先ほど大臣から答弁いたしましたように、柔軟な貸付け、また、貸付け以外の制度も含めて、必要な支援を届けるということで、お困りの方々の生活を支えてまいりたいと考えております。
  257. 高井崇志

    ○高井委員 現状はそういう答弁だと思うんですけれども、これは是非、大臣、もう一度御検討いただいて、やはり本当に、この総合支援金が不承認になった人の行き場、ないですよ、これは。速やかに生活保護に移行させてあげないと、本当に自殺者が多発する事態になりかねませんので、やはりそれだけコロナ禍が長引いちゃって、一年ですから。やはり仕事が、今までずっと働いていた人が仕事がなくなっているわけで、やはり私は、その間貸してあげるというのが一番いい。つまり、不承認をできるだけ承認してあげると。  今回、もう発表、どんどん不承認になっちゃっているから、今更それは変えられないから、一旦不承認になった人をもう一度申請させてあげて、今局長は事情の変化があればと。そんな事情の変化はないですよ、ほとんどの方は。だけれども、次回はもう一度受け付けるということを、これはもう大臣の決断でやるしかないと思いますけれども、大臣、検討していただけませんか。
  258. 田村憲久

    田村国務大臣 私の決断でも、なかなかそれは難しいことはありますので。  社協は社協の現場で、いろんな問題はあるんだと思います。そこに対しては、やはりしっかり厚生労働省の方から、こういう方針であるということはお伝えをさせていただきながら、一番重要なのは、さっき委員がおっしゃったとおり、それはもう貸付けできないというのはできないで仕方がないんだろうと思います。  問題は、その後ちゃんとつなげていないというところが大問題で、本当に最後の頼みの綱、これを断られることによって、御本人がもう行き場がなくなって、最悪のシナリオということもそれはあり得ないわけではないわけでございますので、社会福祉協議会というのは本来困っている方々に手を差し伸べていただく、そういう組織でございますから、貸し付けられないのであるならば何らかの他の方法論をしっかりと対応するということが大変重要だというふうに思いますので、そこは徹底をしてまいりたいというふうに思います。
  259. 高井崇志

    ○高井委員 大臣、よく詰めていただきたいと思いますけれども、次なる手というか、何らかの手というのはちょっとないと思いますね、私は、生活保護以外に。もちろん求職者支援制度とかはあるんですけれども、やはりそれでは多分賄えないんだと思うんですよね。だから、ちょっとよく省内でもう一回検討してみてください。やはりそれじゃ無理だと思ったら、総合支援資金、いい制度なんですから、この制度を最大限活用するのが本当に今セーフティーネットになりますから。  あと、もう一つ通告していますけれども、社協が、今の、理由も開示できない理由は、やはり社会福祉協議会がもうこれ以上業務が回らないということなので、これは前に私が総務委員会で聞いたら、原資と貸付事務費の一体で、全額国庫負担で一兆一千八百億円計上されていて、ここから人件費を支出することが可能ですと。まあそうなんですけれども、しかし現実には、社協に聞いてみると、ほとんど人は増えていませんし。  前、リーマン・ショックのとき、総合支援資金が出たときは、何か、国から一人ずつ増員されたなんという話もちょっと聞くんですけれども、やはり、何らかそういう、国が責任を持ってここを何とかしないと、社会福祉協議会にただやってくれと言っても、一億一千八百万の中でと言ってもなかなか難しい。もうちょっと具体的にそこを措置してあげないとこの問題は解決しないと思いますので、大臣、改めてお願いします。
  260. 田村憲久

    田村国務大臣 これをやっていただいているところは福岡市の社協ですけれども、三月から、一日当たり二十名から四十名の派遣職員を増員というようなこともやっていただいております。三月二十三日に、都道府県に対して、やはりそういうところに対してはしっかりと増員ができるべく支援をしてください、派遣も送ってくださいというようなお願いをさせていただいております。  言われるとおり、我々も、もう何度も何度もこれを延長する中で、社会福祉協議会の皆様方からも、自分ら自身も何とかやりたいけれども、もう限界に来ているんだというようなお声もお聞きをいたしておりますので、しっかり増員をしていただくべくこういうような通知を発出いたしましたので、対応いただいて、何としても、先ほど来言っておりますとおり、必要な方々に必要な資金が渡るように努力してまいりたいというふうに思います。
  261. 高井崇志

    ○高井委員 大臣は、何度もこの場では、社会福祉協議会には本当に苦労をかけているとおっしゃっている。ただ、これを皆さんが見ているか分かりませんからね。何かビデオメッセージでも作っていただいて、全国の社協に、かつ、原則貸してくださいとかいうことを、何か分かりやすく、QアンドAもいいんですけれども、大臣が直接言っていただいたら随分励みになると思いますけれどもね。是非御検討ください。  それでは、この話はちょっと、時間がもう限られていますので次の話に行きますが、ちょっとこれも法案と関係ないんですけれども、ワクチンパスポート。三月二十八日の日経新聞で、ワクチン接種の電子証明書を発行という報道が出ている。かなりはっきりと書いているんですけれども、これは事実なんでしょうか。そしてまた、発行するとなった場合にどういうシステムを、今ある、マイナンバーと連携する、あのシステムの活用を検討しているのか。ちょっと、まだ決まっていなくても、検討中ということでも、検討の状況もきちんと教えてください。
  262. 彦谷直克

    彦谷政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の報道のような、ワクチン接種に電子証明書を発行することが決まったという事実は、現時点においてございません。  したがいまして、現時点において具体的な検討を行っている状況にはございませんが、その一方で、ワクチン接種記録システムでは、個々人の接種状況等を自治体が逐次把握できる、そういうものでございます。今後、仮に国際的な接種証明の発行が必要になった場合には、このシステムを活用していただくことが考えられるというところでございます。
  263. 高井崇志

    ○高井委員 随分この日経新聞は断定的に書いていますけれどもね。  確かに、ワクチンパスポートをやる、やらないというところが国内でも議論があって、河野大臣もなかなか答えづらい答弁をしていますから、明確には言えないとしても、少なくとも、やるとなった場合の準備というのはもうしておかなきゃいけないに決まっていますし、それは内閣官房でしっかりしているんでしょうから、そこの部分はもう今日この場では聞きませんけれども、是非、また私が問い合わせたときにはきちんと、言える範囲でちゃんと教えていただきたいなと。別に、批判的に何か捉えようということではなくて、やはり重要なことなので、知っておきたいということですから、是非お願いしたいと思います。  それでは、法案の話に入りたいと思いますが、私は、病床確保という問題を、やはり一番重要な点だと思っております。これもこれまでも何度もお聞きしてまいりましたけれども、去年十二月二十五日、病床確保の補助金一千九百五十万円ができて、先ほども、大体赤字は埋まったと、大臣が聞いた病院関係者はそう。まあ、大臣の前だからそう言うんじゃないかなという気がしないでもないんですが。  ただ、私、ちょっと聞きたいのは、予算の消化率がまだ、この間聞いたら五割程度、現時点で六割にとどまっているということなんですけれども、これは何で六割しか消化されていないのか。それから、余った予算はどう使うおつもりですか。
  264. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  新型コロナ患者の入院受入れ医療機関に対する緊急支援事業でございますけれども、従前から勤務する職員処遇改善を行う場合に、その職員の基本給部分についても新たに補助対象とするなど活用してきたわけでございますけれども、これは予算額二千六百九十三億円でございますが、これに対する申請額の割合は、先ほど議員指摘のとおりで、約六割でございます。  ただ、これはなぜ六割かと申し上げますと、その分母といいますか、予算額自体が全国的に相当程度増えて、そういったことに活用していただく、なるべく大きな規模でということで措置している関係上、六割ということでございます。  他方、じゃ、三月二十一日時点の数字を調べてみますと、申請件数というのは、全国の新型コロナ患者等を受け入れている医療機関数、これが大体二千ぐらいだというふうに、これは時点によって変わるわけでありますけれども、その約八割は申請していただいているということでございますので、多くの医療機関から申請いただいているということはまず間違いないのかなというふうに認識をいたしております。  もう一つお尋ねの昨年度未執行ということでございますけれども、この予算につきまして、今年度に繰越しをしまして、昨年度中に申請が行われたけれども審査等がありまして補助金が交付できなかった医療機関に対する交付のほか、新たに確保された病床など、昨年度本事業の補助を受けていないという医療機関に対しまして、補助としても活用できるようにさせていただきたいというふうに考えております。
  265. 高井崇志

    ○高井委員 二千六百億足らずですよね、私から言わせるとというか。私はやはり、医療にもっとお金をかけていいんじゃないですかね。だって、緊急事態宣言は、医療逼迫があるから延長もしたし、また今回だって出さなきゃいけない状況になるかもしれない。やはり、医療逼迫、そのおかげで飲食店とかが休んで、それに対して協力金をもう三兆円払っているわけですよ。ですから、そこを考えると、まずはやはり医療逼迫を、とにかくあらゆる資源を投入して、もちろんお金だけじゃないと思いますよ。お医者さんの数が足りない、いろいろな複合的な要素がありますけれども、しかし、やはりお金で解決できる部分は私はまだあると思うんですね。  六割しか使われていないというのは、やはり、申請はしてもその使い道が限られている部分があって、結局そこで止まってしまうという。単純に言えば、コロナ患者一人受け入れるために三、四床のベッドを空けなきゃいけないといろんな現場の方が言うわけですけれども、やはり、そういう部分に、じゃ、一〇〇%、その三、四床空けた部分が補助されているかというと、私はそうじゃないんだと思うんです。  ですから、そういったものもやはり広く受け止めて、コロナ患者を受け入れた分だと、その三、四床を空けた部分を、そういう使い方をすべきだし、予算額がそれでがんと何か三倍、四倍になるといったって、それはいいんじゃないですか。一兆円ぐらいかけたって。何度も言いますけれども、時短要請に三兆円かけて、そこでみんな休みたくもないのに休まされて、お金だけもらう。どっちも、お金も出ていくし、皆さんも不満だし。  だから、緊急事態宣言なんかやはり何もいいことがないわけで、医療逼迫をなくすためだったら、私は、幾らお金をかけたっていいというのが国民の多くの意見だと思いますけれども、大臣、そうじゃないですか。
  266. 田村憲久

    田村国務大臣 二千七百億円に関しては、今話がありました六割ぐらいの消化、二千億円弱だという話になると思いますが。  先ほども申し上げたんですが、昨年四月から今年の一月まで、これで昨年と比べてどれぐらい減収になっているか。これは、一・四兆円という数字が減収です。それに対してどれぐらい包括支援交付金が出ているか。これは、一・八兆円申請が来て、一・七兆円が交付決定、一・五兆円が交付済みです。  ですから、それから考えると、一・七兆円交付決定ですから、一・七兆円入るという話になると思うんです、最低。まあ、場合によっては一・八兆円入るんだと思いますが。そうすると、一・七兆円プラス二千億円ぐらい。ということは、二兆円弱、一・九兆円ぐらいお金がそれだけで入って、ほかにも実はいろんなものはあるんですが、入っているということでありまして。  一・四兆円、一月まで要するに減収になっているということを考えると、かかり増しの部分があったりとかいろいろしますから、先ほど私が申し上げたのは押しなべてです、全部とは言いません、凸凹がつきますから。若干浮いているところもあれば、まだ沈んでいるところもあると思いますが、全体、マクロで見ると大体収まりつつあるのかなと。  ただ、それでも収まらない、一生懸命やっていただいているところに対してどうしていくのかということは我々の課題でございますので、これはこれからも検討してまいりたいというふうに思っております。
  267. 高井崇志

    ○高井委員 それなら、これだけそういう、私がいろんな本や記事で読んだり、あるいは現場の先生とも聞いたりして、やはり一・四兆円の減収、今の説明だと、その分は全部もう予算で補助していますよという説明ですけれども、それだとこういう声は出てこないんじゃないかと思うので、ここはもうちょっと私の方も調べてみて、でも、数字上はそうなのかもしれませんけれども、やはりどこかにボトルネックというか、あるんだと思いますので、是非そこは今後も検討いただきたいと思います。  ちょっと急に小さな話になりますけれども、関連して、私の知っているある病院が、防護服は何かいろいろ支給していただけるというか面倒を見てもらえるんですけれども、それを捨てるのにすごいお金がかかるんだそうです。自治体で防護服を捨てるのに何か五千円とか一万円とか、それが結構負担で、だから防護服を使い回すみたいな、そういうこともあって、それで感染が出たらもう本末転倒じゃないかと思いますけれども、すごいミクロの話になりますけれども、こういう部分の補助というのはできないものですか。
  268. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  先ほど大臣が御紹介させていただいたとおり、様々な医療機関支援をやっております。  令和二年度第三次補正予算につきまして、例えば一・四兆円の追加の予算を計上しておりますけれども、このうち、令和二年度第三次補正予算等で措置をいたしました感染拡大防止等支援の補助金でございます。これは、院内等で感染拡大を防ぎながら地域で求められる医療を提供できるように、感染拡大防止や診療体制確保等の支援を行うという目的でございますけれども、議員お尋ねの防護服などを廃棄する際の処理費用についても補助対象となり得るものでございます。
  269. 高井崇志

    ○高井委員 防護服は対象だけれども、ごみの処理は対象じゃないんですよね。ごみの処理も対象なんですか。
  270. 迫井正深

    迫井政府参考人 御答弁申し上げます。  そういった処理につきましても対象でございます。
  271. 高井崇志

    ○高井委員 じゃ、私の聞いたお医者さんがなぜそれを使っていないのか、ちょっともう一回聞いてみたいと思いますけれども。  そういうきめ細かい、さっきも言ったように、もう本当にこの分野はお金をけちる部分じゃないと思いますので、大臣も財務省にかけ合うのは大変かもしれませんけれども、やはり国民はそこを求めていると思いますから、是非お願いいたします。  あと三分ぐらいしかありませんので、ちょっと幾つか用意しているんですけれども、来週ももう一度この医療法改正は審議時間をいただくので、厚労省に聞く部分は来週に取っておいて、ちょっと、文科省に今日来ていただいているので、最後に文科省に。  国公立大学のコロナ重症者の受入れ、これが全然進んでいないといういろんな記事が出ていますよね。ですから、まず、受入れ率が今どのくらいなのか、二問併せてもう時間がないので聞きます、受入れ率がどのくらいなのかということと、あと併せて、私が知っている限りは相当低いんですけれども何でこんなに低いのかということ、あと、やはり、国公立大学ですから文科省から要請できるはずなので、なぜ要請、しているのかしていないのか分かりませんが、もっとすべきじゃないかと思いますし、あと、できれば、国公立大学の中でも東京大学が非常に低いと聞いていますので、東京大学がどのくらいの受入れ率で、なぜできないのかということも併せてお答えいただけたらと思います。
  272. 川中文治

    川中政府参考人 お答えいたします。  国公立大学病院の確保病床数や新型コロナウイルス感染症の重症者の受入れ数につきましては、感染状況により変動するものでありますが、三月二十六日時点におきまして、千九十七床の確保病床に対しまして、四十二人の重症患者を受け入れ、重症患者の受入れ率は四%となってございます。  東京大学の件でございますが、個別の大学病院名につきましては、当該病院の他の患者の方々の不安を招かない等の配慮から、非公表の取扱いとさせていただいてございます。  また、大学病院は地域の医療の最後のとりでといたしまして、重症患者を始めとする新型コロナウイルス感染症患者の治療を行うとともに、感染症流行下におきましても、他疾患に対する高度医療を継続的に提供することが求められておるところでございます。  そのため、大学病院におきましては、地域の医療提供体制の役割分担を踏まえまして、新型コロナウイルス感染症のみならず、他疾患の患者の治療のために病床を確保する必要があり、また、病床を確保している大学病院におきましても、当該地域の感染状況によりまして、重症患者が少ない場合には受入れ率は低くなることがございます。  最後に、文部科学省では、これまでも、大学病院に対しまして、地方自治体と連携いたしまして、最大限の取組をいただくよう要請してきているところでございます。今後とも、大学病院が国民の期待に応えられるよう対応してまいります。
  273. 高井崇志

    ○高井委員 今の答弁では全く国民の期待には応えられない、国民はあきれると思います。これは厚労大臣も怒った方がいいんじゃないですかね。是非厚労大臣から文科大臣に言っていただきたいということを申し上げて、終わります。  ありがとうございました。
  274. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次回は、来る七日水曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時一分散会