○藤野
委員 一般論ばかりなんですが、ちょっとこちらで紹介したいんですね。今、十二月までに
説明会が終わったと言いましたけれども、十二月に何が起きたか。
実は、福井県知事というのは従来、使用済核燃料、福井で生まれた核のごみは県外に出せ、その候補地を提示しろということを再稼働の前提として要求してきたんです。つまり、県外候補地、再稼働、これはセットであって、ある意味再稼働に向けたほかの
立地県にはないハードルだったんです。このハードルを越えるために、実は電事連が昨年十二月に、まさに十二月にですね、青森県むつ市の中間貯蔵
施設を各社で共同利用するという案を公表しました。ところが、この電事連の共同利用案に対して、当のむつ市から市長を始め強い反対の声が上がったんですね。県外候補地というハードルが越えられない
可能性が出てきたんです。そこで、政府が動いた。
ちょっと飛びますけれども、配付資料の六を見ていただきたいんですが、朝日新聞、二〇二一年四月二十九日付ですけれども、黄色く塗っている部分が、まさに、年明けに政府が動いたとあるわけです。経産省資源エネルギー庁の担当者らが正月三が日から何度か福井入りした、県
関係者は国は必死になっていると感じたというふうにあるんです。まさにこうやって再稼働に向けてスイッチを押した、十月十六日に
議論が一気に加速し始めた、しかし、十二月にむつ市から強烈な反対を受けるわけですね。何とかせなあかんということで、三が日が明ける前から十六回も二月十二日までに入っているんです。
この地ならしの仕上げが二月十二日なんですね。この日、関電の森
本社長が、梶山
大臣はリモートで参加されて、
保坂長官は現地に行かれて関電の
社長と一緒に知事に相対するわけですね、知事に対して、二〇二三年までに県外候補地を確定させる
方針だということで、要するに太鼓判といいますか、お墨つきといいますか、
社長だけじゃ心もとないからエネ庁長官、そしてリモートで梶山
大臣も、二〇二三年までにやりますよと。
配付資料の六は、そのときの様子をこう報じております。
保坂長官はむつ市長に
説明すると語った、梶山経産相も関電とともにしっかり取り組むと話した、杉本知事は一定の回答と
評価、この後、知事は県外候補地と再稼働の
議論を切り離していったというんです。ここなんですね。今まではセットだったんです。県外候補地を示すことと再稼働の
議論はセットだよ、前提だよと言っていたのが、この二月十二日の
大臣とエネ庁長官の同席した
方針、二〇二三年までに示すという
方針を受けて切り離すということに変わったんですね。大きく局面が変わりました。
今日問題にしたいのは、この二月十二日の
方針なるものが実は現実の見通しがないということなんですね。配付資料の七を御覧いただきたいんですが。
むつ市長の宮下宗一郎市長が、受け入れないと。黄色く塗っているところですけれども、
可能性はゼロだと明言して、協議の余地はないとの姿勢を強調したとあるんですね。私、なるほどなと思ったのは、下の方の黄色く塗っているところなんですが、私
たち自身で誘致したのとは決定的に違う、市の未来を自分
たちで決める権利をないがしろにするやり方はあり得ないとおっしゃっているんです。これは私は当然だと思うんです。
電事連が、今まで単独利用だったものを、共同利用という案を勝手に出して、そこに関電も乗っかってくる、というか関電への助け船なんですけれども、むつ市の頭越しにやられた。自分
たちの未来を自分
たちで決める権利をないがしろにされているという市長のお言葉は、私はそのとおりだと
思います。
長官にお聞きしますが、
可能性はゼロとおっしゃっているんですね。二月十二日に福井県知事に示した
方針は空手形なんじゃないか。空手形を切って福井県を強引に説得したということになるんじゃないですか。