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2021-06-11 第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年六月十一日(金曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 富田 茂之君    理事 鬼木  誠君 理事 佐藤ゆかり君    理事 関  芳弘君 理事 武藤 容治君    理事 山際大志郎君 理事 斉木 武志君    理事 山岡 達丸君 理事 中野 洋昌君       畦元 将吾君    石川 昭政君       上野 宏史君    神山 佐市君       神田  裕君    工藤 彰三君       小林 鷹之君    佐々木 紀君       杉田 水脈君    鈴木 淳司君       武部  新君    辻  清人君       冨樫 博之君    西村 明宏君       福田 達夫君    穂坂  泰君       星野 剛士君    三原 朝彦君       宗清 皇一君    八木 哲也君       阿部 知子君    逢坂 誠二君       落合 貴之君    松平 浩一君       宮川  伸君    山崎  誠君       高木美智代君    笠井  亮君       足立 康史君    青山 雅幸君       浅野  哲君    石崎  徹君     …………………………………    経済産業大臣       梶山 弘志君    内閣大臣政務官     和田 義明君    経済産業大臣政務官    宗清 皇一君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 佐藤  暁君    政府参考人    (内閣規制改革推進室次長)           彦谷 直克君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 高明君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           河西 康之君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           中原 裕彦君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           萩原 崇弘君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           柴田 敬司君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           三浦 章豪君    政府参考人    (経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長)   須藤  治君    政府参考人    (経済産業省電力ガス取引監視等委員会事務局長) 佐藤 悦緒君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君    政府参考人    (資源エネルギー庁電力ガス事業部長)      松山 泰浩君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局長)         森山 誠二君    政府参考人    (原子力規制庁長官官房審議官)          金子 修一君    経済産業委員会専門員   宮岡 宏信君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十一日  辞任         補欠選任   小林 鷹之君     杉田 水脈君   菅  直人君     阿部 知子君   美延 映夫君     青山 雅幸君 同日  辞任         補欠選任   杉田 水脈君     小林 鷹之君   阿部 知子君     菅  直人君   青山 雅幸君     足立 康史君 同日  辞任         補欠選任   足立 康史君     美延 映夫君     ――――――――――――― 六月七日  原発を廃止し、再生可能エネルギーに転換する原発ゼロ基本法制定に関する請願近藤昭一紹介)(第一七〇二号)  同(牧義夫紹介)(第一七〇三号)  同(本村伸子紹介)(第一七〇四号)  同(笠井亮紹介)(第一八一五号)  同(重徳和彦紹介)(第一八一六号)  同(吉田統彦君紹介)(第一九二一号)  原発から撤退し、再生可能エネルギーへの転換を求めることに関する請願藤野保史紹介)(第一八一四号) 同月八日  原発を廃止し、再生可能エネルギーに転換する原発ゼロ基本法制定に関する請願日吉雄太紹介)(第二一四〇号)  同(牧義夫紹介)(第二一四一号)  原発ゼロ、石炭火力発電廃止再生エネルギー普及等に関する請願篠原孝紹介)(第二一四二号) 同月九日  原発を廃止し、再生可能エネルギーに転換する原発ゼロ基本法制定に関する請願阿部知子紹介)(第二三一四号)  同(赤嶺政賢君紹介)(第二三一五号)  同(池田真紀紹介)(第二三一六号)  同(逢坂誠二紹介)(第二三一七号)  同(笠井亮紹介)(第二三一八号)  同(金子恵美紹介)(第二三一九号)  同(亀井亜紀子紹介)(第二三二〇号)  同(菅直人紹介)(第二三二一号)  同(穀田恵二紹介)(第二三二二号)  同(志位和夫紹介)(第二三二三号)  同(清水忠史紹介)(第二三二四号)  同(塩川鉄也紹介)(第二三二五号)  同(田村貴昭紹介)(第二三二六号)  同(高橋千鶴子紹介)(第二三二七号)  同(長谷川嘉一紹介)(第二三二八号)  同(畑野君枝紹介)(第二三二九号)  同(藤野保史紹介)(第二三三〇号)  同(宮川伸紹介)(第二三三一号)  同(宮本徹紹介)(第二三三二号)  同(本村伸子紹介)(第二三三三号)  同(大河原雅子紹介)(第二五四一号)  同(志位和夫紹介)(第二五四二号)  同(塩川鉄也紹介)(第二五四三号)  同(道下大樹紹介)(第二五四四号)  原発からの撤退を求めることに関する請願田村貴昭紹介)(第二五四〇号) 同月十日  原発を廃止し、再生可能エネルギーに転換する原発ゼロ基本法制定に関する請願小熊慎司紹介)(第二六九八号)  同(穀田恵二紹介)(第二六九九号)  同(近藤昭一紹介)(第二七〇〇号)  同(山崎誠紹介)(第二七〇一号)  同(生方幸夫紹介)(第二八四八号)  同(笠井亮紹介)(第二八四九号)  同(照屋寛徳紹介)(第二八五〇号)  同(藤野保史紹介)(第二九四三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  経済産業基本施策に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件      ――――◇―――――
  2. 富田茂之

  3. 富田茂之

    富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 富田茂之

    富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山崎誠君。
  5. 山崎誠

    山崎委員 こんにちは。立憲民主党山崎誠でございます。  本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  本来、議法がまだたくさんございまして、五本についての審議お願いをしたいところでありますが、なかなか前に進まないようでございます。  さき委員会でも取り上げましたけれども、私たちは、原発ゼロ基本法案を始め、分散型エネルギー社会推進法案、四法案あります、直近では持続化給付金の再支給法案なども提出してまいりました。まさに、エネルギー政策を今議論、第六次のエネルギー基本計画検討も進んでおります。そういうところで、こうして提出させていただいた法案是非審議を進めていただきたいと思う次第であります。  持続化給付金の再支給については、もうこれ、るる仲間の奥野委員もこの必要性指摘をし、訴えているところでございますので、是非、この会期中、あるいは延長も含めて、審議をしていただいて、可決ということでお願いをしたいと冒頭申し添えたいと思います。  それでは、質問の項目に入ります。  一点目ですが、東芝株主総会についての事案。  昨日、調査報告書が公表されました。この報告書、これは元々株主総会議決に基づいて実施されたものでありまして、そういう意味では、きちっと根拠を持った調査報告書だということであります。  その内容については、大変事細かく、詳細にやはり検討が進められたということでありまして、結論は、総会が公正に運営されたものとは言えないというふうにされています。そしてまた、経産省の関与についても言及されておりまして、改正外為法趣旨を逸脱する目的で、不当に株主提案権行使を制約しようとするものだというような記述もあります。  はっきりと東芝株主への圧力に経産省が関与したということが書かれているわけでありまして、これは、経産省自らがコーポレートガバナンス・コードに反するような行為を行っていたということでありまして、強く批判されるべき行為であります。  さきの五月十二日の経済産業委員会質疑で、松平浩一委員への答弁で、梶山大臣は次のようにおっしゃっています。上場会社株主権利が実質的に確保されるように対応を行うべきだという答弁であります。当然であります。  また、次が大問題なんですが、政府参考人、今日もお越しいただいていると思いますが、経産省から水野元参与に対して、報道にあるような個別投資家議決権行使に対する働きかけを依頼したことはございません、そのように答弁をされています。  これは、今お話しした報告書とは全く異なります。報告書のことが事実であれば、明らかな虚偽答弁であります。  この報告書、まだ出たばかりではありますが、今報道も様々されておりますから、内容を全部読んでいなくても、御理解いただけていると思います。梶山大臣、どう受け止められていますか。
  6. 梶山弘志

    梶山国務大臣 昨日、東芝第三者委員会による調査報告書を公表したことは承知をしております。  本件東芝のガバナンスに関することであり、東芝自身も、調査報告書内容を慎重に検討の上、対応を開示するとしているところであります。  経済産業省としても、まずは東芝の今後の対応に関する検討を待ちたいと考えております。
  7. 山崎誠

    山崎委員 報告書の中には、百十七ページですかね、具体的に書かれています。経産省といわば一体となって、具体的には課長を介して、経産省参与の地位にあるM氏に対して、HMC、これは投資ファンドでありますが、と交渉を行うことを事実上依頼したことは、不当な影響により株主権利行使を事実上妨げることを画策したと、明らかに経産省の関与が書かれているんですよ。  今、大臣は、東芝の問題のような御発言をしましたが、これは経産省の問題です。経産省の問題として、どうお感じになられますか。
  8. 梶山弘志

    梶山国務大臣 調査報告書全体では、昨年の東芝株主総会公正性に関するものであります。経済産業省としては、まずは東芝における今後の対応を注視をしたいというのが私どもの考え方であります。  調査報告書では、経産省の職員の行動について、様々に断定的に書かれているものがありますけれども、報告書全体を通して見た場合に、個別には、どのような根拠に基づいて断定しているのか、必ずしも明らかではないところがあります。また、今年の二月十七日には東芝監査委員会見解が示され、今回の報告書と異なった結論となっております。  このように、同じ事柄について異なる見解が示されているということでありまして、主体である東芝検討を待つことがまずは出発点であると考えております。
  9. 山崎誠

    山崎委員 これは経産省として、この問題について独自に調査をする必要もあると思うんですよ。経産省の関与はどうか、それはまたおいておくとしてもですよ。  だって、明らかに、本当に不当な、株主権利を制約をしようとする、こういう行為が、大企業の、それも一流企業の中で行われているという事実はやはり重く受け止めなければいけないし、梶山大臣も、さきの五月十二日の答弁でそのようなことをおっしゃっていますよね。  これは、要するに東芝に任せていていいお話なのかどうかという話、どうですか。
  10. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど来申し上げていますように、東芝の中でも、二月の監査委員会意見との相違があるという中で、まずは東芝検討を待つことが出発点であるということで考えております。  一般論として、経産省としては、外為法に基づく対内直接投資管理貿易管理部事業所管部局とが連携して行っております。外為法の執行に当たっては、国の安全等を確保する観点から、規制対象となる株主行為を審査する上で事業者から情報を得ることもあるということであります。このような対応が直ちに問題になるとは考えておりません。
  11. 山崎誠

    山崎委員 この弁護士皆さん調査報告では、その趣旨を逸脱した行為だ、そのように認定されています。これは是非皆さんの言い分もあるでしょう、ちゃんと公の場できちっと議論をして決着をつけていかないと私はいけない事態だと思います。  昨晩、菅総理は否定をされているようでございますが、報告書の中には、東芝や経産省の関係者が、この株主対応について、当時は菅官房長官でございますが、説明に行ったような、その可能性についても指摘があります。具体的な官房長官発言についても何か触れられているわけであります。  また、昨日の会見した弁護士からは、経産官僚の動きというのは国家公務員法に抵触しかねないとも、そういう指摘があります。情報の漏えいですか、本来であれば守らなければいけない、そうした秘密についても東芝の方に流すようなお話が出てまいります。  これはゆゆしき事態でありまして、こういう課題山積、これは今後どう対処するのか。東芝から一定の何か評価が出てくるのかもしれませんが、その後、どういうふうに対応されますか。
  12. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、東芝の件と、そして、それを公表することがまず出発点であると思っております。  報告書全体を通して見た場合に、個別には、どのような根拠に基づいて断定しているのか、必ずしも明らかでないところも多々あるわけでありまして、そういったことも含めて、東芝での正式見解、前の監査委員会での意見とのすり合わせを含めた上で、それに対応をしてまいりたいと思います。
  13. 山崎誠

    山崎委員 大変な私は重大な事件だと思います。本当に、株主資本主義の仕組みの根幹に関わるようなこと、それも経産省が絡んでいたのではないか、そういう疑惑報告であります。是非、この委員会でも本件集中審議を求めたいと思います。  また、あわせて、この調査を担当された弁護士の方の参考人招致、あるいは、場合によっては東芝の方も、当然それぞれの主張があると思います。そういった方も参考人としてお呼びをして、集中審議でこの問題について明らかにしていただきたい。  これが私は国会の役目だと思いますが、委員長、お取り計らい、よろしくお願いいたします。
  14. 富田茂之

    富田委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。
  15. 山崎誠

    山崎委員 この後の質疑にもつながっていくんですが、この東芝事案でも明らかになったように、私は、経産省はどこを見て、何のために仕事をしているのかなと。  大企業が悪いわけではありませんけれども、大企業を中心に、経営者と、言葉はきついかもしれない、結託をして、社会利益よりも個々の企業経営者利益、あるいは、これも言い過ぎかもしれませんけれども、経産省の皆さんが、例えば天下りのようなつながりがあって、自己の利益のために動いているのではないか、そう疑わなければいけないような私は事案ではないかと思います。経産省の施策を、誰のために、何のために、どういう趣旨で、どういう理念で実施をしているかというのが強く問われます。  私は、一番の質問に入りますが、経産省の産業支援施策、特に計画認定制度というのに絞って、この効果検証についてということでお尋ねをしてまいりました。  実は、産業競争力強化法等改正案質疑の際に調査お願いをいたしまして、今まで、るる、多くの計画認定制度がありますが、この効果検証はどうなっているんだということをお聞きしました。調査中ということで、法案審査中であったときには中途半端なまま情報が提供されて、賛成はさせていただきましたけれども、まだ私は、この制度有効性効果について検証した結果をもらっていません。  今日、資料をおつけしましたが、資料の一番、ちょっと文字が小さくて申し訳ございませんが、私は、少なくとも十年は遡って、これまでやってきたことを振り返って、日本の経済産業、今大変厳しい状況にあります、割愛しますけれども、そうした中で皆さんがやってきたことがどういうふうに効果が出ているのか、きちっと検証した上で新しい施策提案をしてもらいたいということでお話をさせていただきました。  十年分の検証、私はそんな長い期間ではないと思います。結果が出てこないんですよ、これしか出てこないんですよ。何で十年分の過去のデータをいただけないんですか。何で、過去の分析結果、それぞれの事業がどういうふうに行われて、どういう効果を、失敗もあるでしょう、成功もあるでしょう、そういったことをきちっと示していただきたいんですけれども、出てきません。大臣、何でですか。
  16. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員からは十年分というお話がありまして、当面、三年分のものを出させていただきました。  それで、十年分のものをなぜ出さないかということでありますけれども、今、整理をしているところでありまして、金融支援税制支援が措置されている現行計画認定制度は二十四類型認識をしております。  具体的には、規制改革推進投資の拡大、産業の新陳代謝を促進して競争力強化を図る計画認定制度が九類型中小企業地域企業事業活動支援する計画認定制度が十三類型、5Gシステムといった産業分野別支援措置を講じる認定制度が二類型となっております。  そういった中で、現行計画認定制度二十四類型の過去十年間の新規実認定件数は二十五万件弱、正確には二十四万七千百十六件となっております。詳細については後ほどお届けしたいと考えております。  なお、前回資料要求をいただいた際には、産業競争力強化法改正法案法案審議であったことや、集計作業に時間を要することから、法案審議用資料として、前回法改正から三年経過しているために、過去三年分の実績を集計して御提出をさせていただきました。  その時点では、これをもって、改めて過去十年分の実績を求められなかったものとこちら側が考えていたということなんですけれども、念のため、過去十年分の実績集計作業は進めていたと事務方から報告を受けているところでもあります。
  17. 山崎誠

    山崎委員 これは改めて集計するものなんですか。改めて過去のファイルを取り出して準備をするものなんですか。各事業についての効果検証、反省、成功失敗か、そういう内部の検討はないんですか。何のために事業をやっているんですか。何のために税金を使っているんですか。東芝の件と重なりますよ。効果なんか何でもいいんじゃないですか、やれば。そして大企業が使って。そうでないというのであれば、ちゃんと分析した結果を見せてくださいよ。  例えば、じゃ、聞きますよ。十二番、これはちょっと細かいですけれども、見てください。経営力向上計画、これは六万五千六百八十八件という実績がありますよ。これは政府参考人でいいです。業種別にどういう分布になっていますか。どういう業種の方がこの事業を使いましたか。上位事業を教えてください。  それから、地域地域別に、どういう地域の方々が、県別に、どういう事業を使いましたか。教えてください。  全体の金額幾らですか。全体の金額、この支援策幾ら支援が届いたんですか。
  18. 中原裕彦

    中原政府参考人 御指摘のございます中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画は、中小企業等経営向上を進めるための認定制度でございまして、直近三年間で六万五千六百八十八件を認定しております。  本計画認定を受けた中小企業経営強化税制適用金額は、二〇一九年度でございますけれども、約六千億円というふうに上っておりまして、設備投資などについて一定の成果が出ているのではないかというふうに考えてございます。  制度の創設から四年半で大体十万件を超える認定企業がございまして、四割弱が、製造業建設業卸小売サービス業など、そうした幅広い業種企業が御利用いただいているというふうに認識をしてございます。
  19. 山崎誠

    山崎委員 地域別はどうですか。ちゃんと五業種、トップの五業種を教えてくださいよ。
  20. 中原裕彦

    中原政府参考人 直ちに、地域別データは持ってございませんので、また後刻、ちょっと確認をさせていただきます。
  21. 山崎誠

    山崎委員 十六番、地域経済牽引事業計画、これは二千三百十三件の案件が上がっていますが、これは地域別にどういう分布になっていますか。地域県別に、上位十県を教えてください。それぞれの地域での経済効果を教えてください。
  22. 中原裕彦

    中原政府参考人 御指摘の、地域経済牽引事業の促進に関する地域成長発展基盤強化に関する法律というものに基づく地域経済牽引事業計画についてでございますが、本計画は、事業者が作成する、地域の特性を生かして、高い付加価値を創出して、地域事業者に対する経済的……(山崎委員質問に答えてください」と呼ぶ)直近三年間で二千十三件でございますけれども、地域別のものはまた後刻ちょっと……(山崎委員「何、聞こえない」と呼ぶ)地域別のものはちょっと、ただいまデータを持ち合わせておりませんので、また後刻調査をしたいと思います。
  23. 山崎誠

    山崎委員 大臣、これ、十六番は、地域経済牽引事業計画ですよ。地域ですよ。それをどこの地域が使ったか分からないんですよ。これは何度もレクをして、効果をちゃんと検証しなさい、してくださいとお願いしているんですよ。  大臣、どうですか。今持ち合わせないだけですか。じゃ、分析した結果、地域活性化にどういう効果があったかを示してくださいよ。
  24. 中原裕彦

    中原政府参考人 一点訂正でございますけれども、先ほど、直近三年間の数字を、私、間違えて御答弁したものと思います。二千三百十三件でございました。この点は修正をさせていただきます。  そして、御指摘の点につきましては、議員の御指摘を含めまして、持ち帰って必要な検討をさせていただきたいというふうに存じます。
  25. 山崎誠

    山崎委員 大臣、私は声を大きくしたくはないけれども、余りにも情けなくないですか。何のために事業をやって、その効果、私はレクでもお話ししたんですよ。皆さん自分たちが精魂込めて計画認定制度をつくって実施をしたとしたら、どういう人が参加してくれたのかな、この支援でどんないい事業が生まれるかな、どんなに地域が、今困っていること、少しでもよくなって、活性化して、成功事例にしたいって、私だったら思いますよ。私だったらすごく思う。ああ、何件来た、よし、でもこういう業者が足りない、この件が何で来ないんだろうと。  大臣、そう思いませんか。そのようにやって、一つ一つ事業に魂を入れていかなかったら、日本の経済産業なんて、よくなるわけないですよ。牽引役なんかできていないですよ。大臣、どうですか。
  26. 梶山弘志

    梶山国務大臣 認定実績などは電子データ化されております。そして、そういった中で、全部が網羅できているかどうかという点で確認をさせているところでありますけれども、地域牽引企業等についてはしっかりとデータがあると思いますので、後で確認をさせて、委員のところとやり取りをさせていただきます。
  27. 山崎誠

    山崎委員 大臣、そういう、ごめんなさい、しゃくし定規な答え、しないでくださいよ。そういう心のない回答をしてほしくないんですよ。  いや、本当に今、日本は危機的な状況にあると思いますよ、産業界。このコロナ禍でまた傷ついているわけですよ。そういう方々をどうやってお支えしようか、どうやったら効果的な施策になるか、本当一つ一つに魂を込めるときですよ。やればいいという話じゃない。私は、そういう声が何も聞こえてこないんですよ、経産省から。それで、東芝のこういう案件に関しては、上の方々が一生懸命経営者と、ああしよう、こうしようと自分たちを守るためにやっているのを手助けしている。私には、完全につながって感じられるんですよ。  じゃ、聞きますよ。じゃ、一番。日本の産業界で、半導体、太陽光発電、風力発電、家電、今、日本の産業の海外のシェア、どれだけですか。太陽光パネルの日本のシェア、幾つですか。風力発電のシェア、幾らですか。言ってみてくださいよ。
  28. 中原裕彦

    中原政府参考人 半導体につきましては、かつて五〇%以上のシェアを占めてございましたけれども、一九九〇年代以降、徐々にそのシェアは低下しまして、足下では一〇%程度というふうになってございます。  太陽光パネルにつきましては、日系メーカーは二〇〇〇年代半ばまでは世界でトップの市場シェアを誇っていましたが、その後、シェアが大きく低下しているという状況にございます。  また、風力発電につきましては、風況や平地、遠浅の海など、自然環境に恵まれている欧州や米国ではコスト競争力のあるグローバル企業が育った一方で、日本の風力産業競争力を失っていったというような状況にございます。  しかし、こうした状況を含めながらも、先般御審議をいただいたような法制、そして、その他の政策、予算、税制、法律による措置を総動員しまして、グリーンやデジタルといった成長分野への集中投資というものを促しまして、イノベーションを後押しして、我が国経済が力強く成長できるように全力を尽くしたいというふうに考えているところでございます。
  29. 山崎誠

    山崎委員 今言った、本当に一端ですよ。日本の経済産業というのは大変なんですよ、力が落ちてしまって。  それで、今お話ししたような経産省の事業一つ一つが行われて、その効果も分からない。これじゃ、本当に私は、もちろん民間企業だとか、皆さんの努力も必要ですけれども、せっかく税金を使って国が支援をするんだったら、本当に魂を込めて、つながるようにしないといけないですよ。グリーンだの、デジタルだの、大事ですよ。はやり言葉をくっつけて、同じような認定計画制度をつくって出しているだけじゃないですか。それを繰り返して、来年また新しいはやり言葉になったら、新しいものをつけ替えて出すんですか。勘弁してくださいよ。  大臣、どうですか。
  30. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど申しましたように、データは電子化をしてあります。そして、全て、この十年間というと約二十五万件あるわけでありまして、それらを網羅的に評価するというのは、GDPなどマクロ的な経済指標とひもづけて効果検証することは大変困難だと思っております。  地域の牽引企業というのは、私のところだってありますし、当然その分析もしておりますし、それぞれの地域、もう少し絞って資料の要求をしていただければ、どこまでという形で出せると思います。全てについて、目的が違いますから、規模も違いますから、そして全てに関わっているものもありますから、PDCAサイクルはしっかりと回した上でやっているということで考えております。
  31. 山崎誠

    山崎委員 電子化されているといって、私にこういうデータですと送ってきたのは何かというと、ホームページのリンクですよ。ホームページには、各事業者のPDFのファイルがばあっとついているんですよ。開いたら、紙を見るのと同じですよ。電子化なんかできていませんよ。できているものもあるかもしれないけれども、私がいただいたデータはそうですよ。これを見てくださいと。勘弁していただきたいんですよ、そういう遅れたことを経産省が何でやるんだと。  本当は質問したかったことがたくさんあるんですけれども、ちょっと最後に一点だけ。三番の五番で、原発の新増設、一番最後の御質問です。  これは今まで、原発と避難計画の問題というのをずっと逢坂委員が取り上げておられまして、基本的に再稼働の条件として、やはりしっかりとした避難計画がなきゃいけないと。そして、例えば新増設であって、核燃料を装荷するに当たっては、避難計画をやはりきちっと立てていなきゃ駄目だよねということまでは、皆さんお話をされたと思います。  今、私がお聞きしたいのは上関原発です。上関原発計画は山口県ですけれども、今、このためのボーリング調査も始めようというような話もまた上がっていまして、この計画はまだ止まっていないわけであります。  それで、この上関、ちょっと時間がないので私が言いますけれども、とてもとても避難計画を作れるような土地じゃないんですよ。伊方原発も同じような形でありますけれども、島の突端にありまして、つないである上関大橋というのは、もう老朽化して、この間二十センチぐらいずれちゃった。原因もよく分かっていません。それが避難路ですよ。それから、原発のトイメンには祝島、離島があって、そこにも島民の皆さんが暮らしている。四キロです。嵐になれば航路は断たれるし、空路も避難は難しいです。そういうところに今原発を造ろうとしている。  避難計画を先に作るのであれば、検討するのであれば、これをきちっと検討した上で工事の、準備工事であっても着手を決めるべきだと思いますが、今までの議論の中で、避難計画と再稼働、あるいは避難計画と新増設の関係、お話ししてこられましたけれども、同じことがこの上関にも言えるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  32. 梶山弘志

    梶山国務大臣 しっかりとした避難計画がない限り、当然、先ほど委員がおっしゃったように、再稼働もしませんし、新たな原発の稼働というものもできない、許認可も含めてできないわけでありますので、そういった視点に立って対応してまいりたいと思います。
  33. 山崎誠

    山崎委員 ありがとうございます。  これは是非、もう一回、今日はちょっと内閣府、原子力防災の方も来ていただいて、本当はきちっと議論したかったんですけれども、避難計画がない間に工事を進める、それも、かけがえのない貴重な自然を壊すような工事を始めて、実際に避難計画を作れませんでした、やはり動かせませんというのは、これはあり得ないというか、本当にあってはいけないことだと思いますので、是非これは御検討をいただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  34. 富田茂之

    富田委員長 次に、阿部知子君。
  35. 阿部知子

    阿部委員 立憲民主党の衆議院議員の阿部知子です。  急速に進む地球温暖化と、そしてコロナ禍の中で、政府は、第六次エネルギー基本計画に取り組んでおられます。非常に重要な時期にあると思います。わけても、再生可能エネルギーについては、主力電源化並びに最大限の導入ということが繰り返し言われておりますし、梶山大臣も、四月二十三日の記者会見で、積極的に最大限導入していくというふうに御答弁であります。  そうした政府方針にもかかわらずと言わせていただきますが、現状、何が起きているかということで、私は今日、九州、延岡市での事例を大臣にも御紹介したいと思います。  延岡市は、この約三年間、とにかく地域新電力を設立しようということで様々に試算をされ、また議会にも諮ってこられましたが、その中で、これからできるであろうというか、できる予定の容量市場の拠出金、新電力も拠出するわけですが、それが過大な負担なのだというふうに九州電力の皆さん地域でそういうことを宣伝されまして、その結果、市議会でも、いや、そんなこれから負担が起きるものかどうか、大変これは深刻だから、もう少し見てからにしようというか、この拠出金のことが分かるまでは動けないなというふうに判断をされて、議会において二回にわたってこの案件は承認されなかったということを迎えております。  しかしながら、延岡市にあっては、実は九州電力の延岡の営業所長に、この所長があちらこちらにそうした拠出金のお話を言って回るので、それはいかに何でも事実と違うし、やめてくれと言ったけれどもやめられないので、電力・ガス取引監視委員会に申入れをして、その申入れ書が大臣のお手元の一枚目であります。  「九州電力株式会社に対する調査お願い」ということで、内容は今ほど私が御紹介いたしましたが、こうやって自治体が一生懸命新電力をやろうと頑張っているときに、九州電力ともあろうものが、今、九電は電事連のリーダーでありますし、私は今日、本来は九電に来ていただきたかったですけれども、時間との兼ね合いでかないませんで、こういう事案が起きている、これ自身は、電力の自由化にも、また再生可能エネルギーの最大限の導入にも反するものではないか。すなわち、新電力への悪質な妨害行為だというふうに私は考えますが、まず大臣の御認識を伺います。
  36. 梶山弘志

    梶山国務大臣 電取委の調査によれば、九州電力は、延岡市が設立を検討していた新電力の事業計画について、容量拠出金の支払いによる費用が加味されていない等の説明を市内関係者に対して行っていました。  その説明内容については、容量拠出金の見直しに関する最新の議論を反映しない試算に基づき、計画どおり利益が実現できなくなるといった説明をするなど、電気事業法違反とは認められないものの、配慮を欠いた好ましくない行為であったと考えております。  こうしたことから、電取委において行政指導を行ったものと承知をしております。
  37. 阿部知子

    阿部委員 誠に事実にも基づいておりませんし、それから、言い触らすということ自身の行為も、当然、今大臣がおっしゃったように、好ましくありません。  さて、大臣内容は御存じでしょうか。ここで、この九州電力がいろいろなところにお話しされたときに、多額の拠出金が必要になるというふうにお話をされたそうですが、これは電取がお調べになって、一体、この多額とはどれくらいとお話しされたんでしょうか、聞き及んでおられますか。
  38. 佐藤悦緒

    佐藤(悦)政府参考人 数字になりますので、私からお答え申し上げます。  九州電力は、容量拠出金の支払いによる影響について、二〇二四年度の容量市場制度を前提に、延岡市が作成いたしました延岡電力新設に関わる事業計画から一定の仮定を置いて試算をしておりました。  お尋ねの、具体的に、新電力が支払う容量拠出金でございますが、二〇二四年度には四千二百八十万円、二〇二五年度には五千三十万円、二〇二六年度には同じく五千三十万円と試算し、市内関係者に対して、計画どおりの利益が実現できなくなる可能性が高いといった説明をしていたというふうに承知をしております。  この試算につきましては、事業計画に記載をされました契約見込み量を基に算出しているなど、明らかな誤りとは言えないと承知しております。  他方で、前回の容量市場オークションにおいて、約定価格が高いのではないかといった御指摘があったことも踏まえ、エネ庁の審議会において価格決定方法の在り方について見直す議論がなされておりますが、これを考慮していないなど、ミスリードな面があったと考えております。  このように、九州電力の説明は、先ほど大臣から御答弁がありましたが、電気事業法違反に該当するとは言えないものの、配慮を欠いた好ましくないものであったことから、電取委から行政指導を行ったところであります。
  39. 阿部知子

    阿部委員 今教えていただいたように、もう明らかにミスリードですね。例えば、これは市会議員の皆さんも、今の四千二百八十万、五千三十万、また五千三十万、こういう拠出金を並べられて、いや、これは一体どうなっていくのだろうと。しかし、その計算方法自体が、今御説明にあったように、計算方式についての、拠出金の計算方式を見直そうとしているさなかに行われたわけです。まだ見ぬ事業に対して勝手な試算をして、誤った方式を使って垂れ流した。もう三重、四重の、私は、これは本当にゆゆしい事態だと思います。  今も御答弁がありましたが、拠出金の決定というものは、一応、二〇二四年の電力容量というものをオークションにかけるという前提の下に、九月に約定が決まりました。それが高かったために見直しているということで、それも九電は知っていたわけです。だって、素人じゃないんですから。それを、にもかかわらず使った、悪意があると思います。  その上で、これは大臣お願いをしたいと思いますが、結果として、延岡市は違う判断をせざるを得なかったわけです。こうしたときに、果たして、電取がこれは問題があったという指摘をしておりますが、地方自治体に対してはどういうふうに説明をなさるでしょうか。この試算が誤っていた、今の国の基準ではない、このことはしっかりと自治体に伝えられたのでしょうか。  大臣、済みません、私、これは本当に自治の侵害なので、大変にゆゆしいと思います。
  40. 梶山弘志

    梶山国務大臣 九州電力に行政指導をしまして、その旨をプレスリリースをしているところであります。  担当課から話をさせますけれども、自治体に対してはどうなのかというのは、私は承知しておりませんでした。
  41. 佐藤悦緒

    佐藤(悦)政府参考人 お答え申し上げます。  市長さんとは、私どもの職員から直接連絡は取らせていただいております。様々な話をさせていただいているところでございます。
  42. 阿部知子

    阿部委員 もうこれ、市長さん気の毒ですよね。市議会の皆さんがそういう情報を得て、いや、これは慎重にならざるを得ないなと思っちゃったんだけれども、それは事実じゃないんですよ。  本当に、こういう試みを頓挫させてしまった。そして、やはり、自治体の各議員に言って回ったと言われています、九州電力は。それはちゃんと電取では調査をされたのですか。誰にどのようなことをお話しされて、それは逐一訂正してもらわないと、次のステップ、進めないじゃないですか。どうですか。
  43. 佐藤悦緒

    佐藤(悦)政府参考人 お答え申し上げます。  九州電力が一番聞きましたが、ほかの方にも直接、調査というかお話を伺ったところでございます。
  44. 阿部知子

    阿部委員 ごめんね、ちょっとずれていると思うんですよね。  その結果を、違ったんだよと、この拠出金の試算の方法は違ったんだと、どうして皆さんから伝えられませんか。これは、九州電力が正しいことを伝えたならまだいいんです。でも、違う情報なんですよ、ミスリード。それを訂正するのに、正直言って、これから伺いますけれども、電取は、九州電力に対して口頭で指導したというんですね、口で。それをいわばプレスリリースしたものをホームページに上げているので、九州電力にはこのホームページを見なさいと。口頭で指導したよ、ホームページを見なさいとやっただけなんですね。  普通、口頭指導だって何だって、物に残らなければ、何言われたか分からないんですよ。消えちゃうんですよ。  いかがですか、私の理解でいいですか。
  45. 佐藤悦緒

    佐藤(悦)政府参考人 お答え申し上げます。  私、電力・ガス取引監視等委員会事務局長でございますから、プレスリリースが載っていると電話で伝えたわけではございませんで、九州電力株式会社の社長に対しまして、指導の内容、すなわち、今後、他の事業者事業計画等に関し意見を述べ、又は説明等をする場合には、慎重かつ十分な配慮をすること等をはっきりと口頭で申し上げ、指導したところでございます。
  46. 阿部知子

    阿部委員 私は、はっきりと口頭で言ったといったって、消えちゃうと言っているんですよ。はっきりと口頭で言った、電話ではない、私の言ったの、よく聞いてください。  電話で、ホームページのここにこういう指導が出ていますよと言ったんですよ。もちろん口頭でも言ったんですよ。でも、それって、本来、私は、こういう指導は、もちろん口頭によるもの、文書によるもの、あるのは知っていますが、余りに悪質であり、繰り返されては困るので、きちんと文書を残していただきたいんですよ。大臣、どうですか。  こんなこと、口で言った言わないなんてなるのは、私は、しっかり言ったというけれども、流れて消えちゃうんです。そんなもの、こういう重要な事案にあって何の記録も残らないということは、行政上、私は誤っていると思います。どうですか。
  47. 佐藤悦緒

    佐藤(悦)政府参考人 お答え申し上げます。  本件につきましては、電力・ガス取引等監視委員会において、調査実施した結果、望ましくない行為であるものの、法律違反にまでは該当しないことから、口頭による行政指導したものでございます。  それで、今御指摘にございました、適切な指導方法であるかどうかということは、私どもは適切であると考えております。  それで、形に残らないがどのように考えるかというお尋ねがございました。  九州電力の具体的な指導内容につきましては、先生からも御指摘がありましたようなプレスリリースも行いまして、透明性を持った形で公表させていただいております。  それとあと、申し上げますと、行政指導の公表につきましては、監視等委員会としましては、これまで行っておりませんでした。しかしながら、先生も御指摘を再三いただきましたが、新規参入の妨害は特に問題であり、他の事業者にも周知をさせ、未然防止を図る必要があるから公表に踏み切りまして、今回初めて公表させていただきました。
  48. 阿部知子

    阿部委員 誠にそうですよ、新規参入を妨げているんですから。国は、一方で最大限の導入とか主電力化とか言っていても、まるでアクセルとブレーキを踏んでいるようなものじゃないですか。  梶山大臣お願いがあります。  私は、初めて公表したからいいだろうじゃないんだとやはり思うんです。こういう事案は、きちんと、どんな指導がされたかということをやはり文書に残していただく必要がある。  私は、次の質問と兼ねて言いますが、今担当部局は、これは、例えば簡単に言うと、電気事業法に違反していないから、何も文書でするほどの指導ではないというある意味の言い方をされたんだと思います。何を言っているかというと、九州電力が試算をするときに、九州電力の送配電株式会社から情報を得たのではないか、試算のときの、そういうことを延岡市長は懸念をしております。  九州電力と送配電事業者は別個です。法的分離がされています。この情報はずるずるっといってはいけないのですけれども、元々一つの会社ですからそういうことも起こり得ようということで、電気事業法でも、お手元の資料の中で、二十三条で、そうした情報のいわば提供を禁止をしております。しかし、そうしたことが行われかねなかった、あるいは行われたかもしれないと、今、延岡の市長の方は思っておられます。そういう事案ですから、きちんと、何があったか、そして文書の指導ということが私は重要と思います。  梶山大臣には、是非、この経過を、私と今のやり取りをお聞きになって、よりこうしたことが行政の中に残るための仕組みを考えていただきたい。どうでしょう。
  49. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員から今お話がありましたけれども、行政処分の方法には、口頭注意というものも実際にはあるわけであります。ただ、口頭だけではということでプレスリリースもして、こういった文書も出させていただいているということでありまして、もう一度、九州電力から延岡市に対して、市長に対して適切な説明があったかどうかということの確認の上で、私どもからも資料を送るような手だてをさせていただきたいと思っております。また、情報につきましては、しっかり確認をさせていただきたいと思います。
  50. 阿部知子

    阿部委員 是非そうしてください。  九州電力は自らの子会社から得た情報でこれを計算したと言っておりますが、その信憑性についても私は疑義が生じて当然だと思いますので、再度そこを調査していただければと思います。  引き続いてお伺いいたしますが、こうした事態が起きたことに対しまして、いわゆる資源エネ庁の総合資源エネルギー調査会の中に制度検討作業部会というのがございまして、これは、容量市場について、ここで問題になった容量市場というのをつくって、その拠出金で云々ということを九電が誤情報を流しましたので、そういう事態も、果たしてこの制度検討作業部会でそういう事実があったということが取り上げられたかどうかということをお尋ねいたします。
  51. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員が御指摘ございました容量市場の制度見直しを行っております制度検討作業部会というものは、電力システム改革を進める中で、競争の活性化ということがもちろん重要なのでございますけれども、あわせて、環境適合、そして再生可能エネルギーの導入拡大、安定供給、これをしっかりバランスを取りながらやっていく必要がございます。そのための制度を具体的に検討するための有識者の会議でございまして、二〇一七年来、この検討を進めているところでございます。  先ほど御質問を頂戴しておりますような今回の延岡市における事案、具体的に制度が設計された後にこれをどういう形で関係者の方に御周知申し上げるか、そこに問題があるかどうか、これにつきましては、電力・ガス取引監視等委員会において調査、指導していくものでございまして、制度の設計そのものではなく、制度実施に関わるものだと認識してございます。  そういう観点から、この審議会の中ではこれまで、取り上げ、議論しているものではございません。
  52. 阿部知子

    阿部委員 私は、その認識がリアルじゃないと思うんですね。  先ほどから申し上げているように、市長は一生懸命、三年かけて試算をした、それを受け取った市議会の皆さんは、電力会社からの情報が流されて、ああ、こんなに負担金が多いのかと思った。すなわち、電力市場というものについてまだまだ国民の、容量市場ですね、理解が進んでおらないわけですよ。理解が進んでおらないことを悪用して、九州電力の皆さんは誤情報を流したわけですね。  制度設計の、制度自身の問題も、実は私は別途に感じておりますが、それを抜きにしても、そういう制度設計をしているということの中で起きてくる様々な問題は、それを情報としてどう処理してどう理解されていくかということも併せて、こういう事案が起きているということは共有していただきたいんですね。  制度はパラダイスにできた、だけれども、運用してみたら、大体、こんなことが起こると思いましたか。二〇二四年から計算される拠出金を、そのはるか前から、これだけかかるんだよと言って回る電力会社がいるなんということは想像されましたか。まず、それを聞きたい。お願いします。
  53. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  今委員が御指摘いただいておりますように、制度というものは、制度に関する御理解を賜り、それが広く電力の関係者の方々の中でよく浸透して、よく御理解いただいた上で実施されないと、なかなかその効果は実証されないものと考えてございます。  ですので、いろいろな制度、これは電力のみならず、様々な制度が立案され実施に移されるわけでございますけれども、当然のことながら、その際には、この制度の執行をどう確保していくかということは大変重要な課題だと認識してございます。これは委員の思いと同じ思いを持っているつもりでございます。  そういう観点から、電力・ガス取引等監視委員会という独立した委員会がつくられまして、そこの関係の有識者の方々にはこれの取締りという観点で御審議を頂戴し、御意見を頂戴し、議論をし、更に前に進めているところでございます。  私ども、制度の設計という段階におきましては、監視、実行ということを前提とした上で、いかにその中身をしっかりしたものにしていくか、安定供給と競争のバランス、環境適合と再エネの導入拡大、どう実現していくか、そういう観点で実施しております。それぞれの有識者の方々によく御議論いただき、しっかりと対策を進めてまいりたいと考えております。
  54. 阿部知子

    阿部委員 じゃ、それぞれの有識者は、こういうことがあったということを知らされたんですか。それぞれの有識者にしっかりとと言うけれども、知らないじゃないの。こんなこと、本当は普通に起こり得ないんですよ。幻のですよ、まだ新電力はできてもいないんです。でも、その幻の上に計算して不利な情報を流す、そんなことまで起こるということは通常想像し難いですよ。でも、現実に起きたからこそ、電取が指導したわけですね。  そもそも、これは梶山大臣にもお願いしたいですが、電力等取引監視委員会の増強というのも私は大変重要な課題だと思っております。もちろん電力会社自ら襟を正して、これは九電に本当に来ていただきたいです、どうしてこういう愚かなことをされたのか。そういう自律性も大事ですけれども、やはりしっかりと電力等取引監視委員会が充実して機能を果たしていき、そして私のお願いは、そこで分かったことは、先ほど市長にもおっしゃったといいますが、誤情報が流された皆さんにもしっかり説明してもらわないと、これはらちが明きません。大臣、いかがですか。
  55. 梶山弘志

    梶山国務大臣 先ほど申しましたように、九電から延岡市に対してどういう説明がなされたかということを確認をした上で、私どもの方から関係の書類を送って、また説明をさせていただきたいと思っております。
  56. 阿部知子

    阿部委員 またこの事案は次の議会にかかるものと思います。そのときまでに本当にこの試みが前に進むように、大臣の格段のお取組を期待をいたしております。  もう一つ、内閣府の再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースという部署が、これは河野大臣の下にございますが、そこがこの度の第六次エネルギー基本計画に当たって挙げられた三原則の提言というものがあります、エネルギーの第六次計画の中で。その三番目に、三提言ですからあえて三つ申しますと、再生可能エネルギーを主力電源化する、最大活用するということと、電源の柔軟性重視と、三つ目が、公正な競争環境整備の原則というのを挙げられました。  まさにこれが、公正じゃない、余りにもアンフェアな情報を流したということで、このタスクフォースの中でも名を挙げた指摘がございます。ここでは、昨今の延岡市新電力に関する競争阻害的な行為や電力販売カルテルの疑いなど、これも後ほど、時間が次回あればやらせていただきたいですが、などの事案も踏まえて、構造的措置の実施検討するとなってございます。  こういう事案が繰り返し起きたら絶対に普及していけないということで、このタスクフォースの担当部署からどんな論議、どんな指摘でこうなったのか、教えてくださいますか。
  57. 彦谷直克

    彦谷政府参考人 お答え申し上げます。  規制改革を担当する立場といたしましては、電力に関する規制制度につきましては、公正で競争的な電力市場が実現されるために必要かつ適切なものであることが重要であると考えているところでございます。そのため、規制制度議論を行うに当たっては、その実情を踏まえた議論を行うことが重要であると考えております。  他方で、本事案も含めた電力会社の個別の事案につきましては、調査、監督権限を有する経済産業省において適切に対応されるべきものと承知しております。  タスクフォースにおきましては、委員から様々な意見が出されたところでございます。引き続き、内閣府としても議論を注視してまいりたいと考えております。
  58. 阿部知子

    阿部委員 これも大臣お願いがありますが、タスクフォースからも問題意識として挙がっておるわけです。こういうことが繰り返し起きては本当に普及はできないと思いますので、梶山大臣にも、エネルギー関連の担当大臣として、タスクフォースの皆さんとも意見交換もしていただきたいし、また、ここでは、先ほどの電力・ガス等取引監視委員会の機能強化や、あるいは、今般、今回の事案では、九州電力と送配電会社、先ほど、法的分離はされておりますが、元々所有権のところは一緒であったということで、そこの分離ということもないと透明性が担保されないのではないかという指摘もあります。  大臣には最後にお伺いいたしますが、今、再エネの最大限導入をするために何が一番必要か。先ほど山崎委員も、日本の産業が今低迷して、コロナの後で立ち上がれなくなるのではないかと御指摘がありましたが、私は、最大限の再エネ導入というのは産業界にとっても大きな力となると思いますし、経産省には是非その観点で頑張っていただきたいと思いますが、最後に、大臣の決意、何をなすべきか、お願いいたします。
  59. 梶山弘志

    梶山国務大臣 まず、二〇三〇年の再エネ導入となると限られてくるわけでありますけれども、太陽光等を増やすために、その適地の確保ということで、今回の改正温対法などで規定をしましたポジティブゾーニング等について自治体の理解を得ること、さらにはまた、そこの電気を流すための系統の整備、そして、それらを今度は安定供給するための対応ということで、先ほどの容量市場というのもそういうことなんですけれども、不安定な電源を安定的なものにする、また、いざというときに対応できるような調整電源や慣性力というものを、いかに仕組みをシステムの中で構築していくかということだと思っております。
  60. 阿部知子

    阿部委員 容量市場は、古びていく電源と、それから新たに再エネの電源が追いつくまでの間の差があって、電力不足が生じたりしてはいけないという問題意識で始まっておりますが、歓迎すべき新電力の方を抑えてしまったら、これは元々、元から違うお話になってしまいます。  私は、この容量市場という考え方も、老朽化したものをむしろ温存してしまうのではないか、そういう危険性も持っているとは思っておりますが、このことについてもまた回を改めて論議をさせていただきます。  ありがとうございます。
  61. 富田茂之

    富田委員長 次に、斉木武志君。
  62. 斉木武志

    ○斉木委員 斉木武志でございます。  私からは、今日は、まず、今非常に売上げが落ちて苦しんでおります日本の伝産品、伝統工芸品の支援策について取り上げさせていただければというふうに思っております。  中でも、漆に関して今日注目したいんですけれども、漆というと、皆さん御存じのとおり、塗り箸であるとか食器、漆器に使われている。最近だと、ステンレスのタンブラーにも表面に漆が細工をされていたりであるとか、あとは名刺、カードケースとか、これは私の名刺入れですけれども、表面に漆の細工がされていて、鹿革に漆、これは山梨県の印傳というところのメーカーのものですが、様々なお財布とかの装飾品、あとはもちろん仏壇、仏具、本当に日本のありとあらゆる伝統工芸品に採用されている日本の伝統塗料でございます。  まず、大臣にお伺いしたいんですけれども、こうした食器、漆器というのは、私が把握する限り、今、売上げが半減しているとか、非常に苦しい状況なんですね。  なぜかといいますと、やはりコロナで、例えばこういったものはお土産物として、例えば山梨県に行ったら売られていて、これを買って持って帰って、東京の方が買っていく。私の地元でいえば越前漆器、これは食器なんですけれども、業務用漆器が大半です。今、観光業、ホテルや旅館、あと外食の飲食業、こういったところに卸していると、当然、外食は半減状態、そして旅館は九五%減、こういった状況です。ですので、食器の入替え需要もないし、売上げが五割、七割減っているとか、本当に塗炭の苦しみといいますか、非常に厳しい状況を迎えておるんです。  まず、伝産品の振興の担当者としても、現況の日本のこの伝産品の業界が置かれている状況をどのように御認識でしょうか。
  63. 梶山弘志

    梶山国務大臣 コロナ禍において、やはり人の移動が制限をされている、そして観光地等はやはりお土産等で今までは成り立っていた部分、商店等もたくさんありますので、大変苦しい状況であると思っております。  私の地域も漆の原液の産地なんですね。そういったことで、非常に、なかなかそういう需要が少なくなっているという話も聞きますし、何かしら別な視点でこれらを売り込むような手だてがないのか、また、伝統産業ということで、その技術も含めてしっかりと継承していかなければならないという思いを持っております。
  64. 斉木武志

    ○斉木委員 漆の産地でもあるということで、まさにその方々、大臣の御地元の方も非常に今熱望していらっしゃるのが、漆の抗菌効果、これを是非、こういった漆製品のパッケージに、SIAAマークというんですけれども、この抗菌を立証するマークを是非表示をさせてほしいという声が全国の産地から上がっております。  私の地元は、若狭塗という漆を使った塗り物の伝産品の指定産地でもあるんですが、塗り箸が作られております。若狭塗箸の地元の福井県小浜市の会社が、神奈川県の県立産業技術総合研究所、独法ですね、こちらに漆の抗菌効果に関する試験を依頼をいたしました。四十万円ぐらい払って依頼したんですが、ISO21702という国際的な、このSIAAマークの協会が、抗菌技術協会が認めているISO基準にのっとってやった試験なんですが、非常に抗菌効果が高いんですね。  これはA型インフルエンザウイルスを使って、同じ、やはりCOVID―19、新型コロナもウイルスですので、これはインフルエンザウイルスを仮に使ってやったんですが、生の漆、生漆の状況で、二十四時間でウイルスの減少率が九九・九九六%、ほぼ一〇〇%に近いぐらいウイルスがいなくなった。木地に漆を塗った状態、木地というのは、凸凹した陶器とかの、しぼがあるような状況です、あれの表面に漆を塗ってウイルスを乗っけておいても同様に九九・九九六%、ウイルスが二十四時間でなくなっているという、非常に高い抗菌効果が、産総研の、公的な機関で、ISO基準で立証されたと。  これは、私は、非常に日本の伝統産品の業界又は大臣の御地元の漆業者にとっても朗報ではないかなと思うんですよ。やはり、今、食器を使うときに、我々はアルコール消毒したりしますよね。表面に、陶器の食器だったら必ずやらなきゃいけないけれども、では生漆を、漆を塗ってあれば、天然の抗菌効果があるということであれば、よりこの苦しい時代に売っていくには物すごく大きなアドバンテージになると思うんですよね。だけれども、これは、実はこの協会が認めなかったという、非常に残念な事例がございました。  どうもその漆を、漆の主成分というのはウルシオールというんですけれども、その何が抗菌効果の原因物質なのか特定しなきゃいけないという非常にハードルが高いことを言われたらしいんですが、今日、経産省に来ていただいていますけれども、担当者を、この前、SIAAの協会も入れて、私の部屋でちょっと協議したんですけれども、これは、何をクリアすればSIAA表示が認められるということなんでしょうか。
  65. 柴田敬司

    柴田政府参考人 SIAA、民間団体で構成されている、抗菌、抗ウイルスの安全表示といいますか、お墨つきを与える機関でございますけれども、我々承知しているところによりますと、一つは、やはり原因物質の特定ということ、そして、もう一つは、これは間接的でございますけれども、安全性といった点も必要である、そのように聞いております。
  66. 斉木武志

    ○斉木委員 例えば塗料に、例えば銀なんかは抗ウイルス性を持つということが立証されているので、銀粉を混ぜた塗料なんかは、こういう抗菌表示ができたりであるとか、例えば、このパンフレットを見てみますと、プラスチック製品なんかも、あとは印刷物、あとは長靴が載っていたりして、あとは衛生陶器が載っていまして、要は、プラスチック樹脂なんかにそういった抗菌物質を練り込んだ製品は、トイレの衛生容器も全部このSIAAマークがついていますけれども、こういった抗菌表示がなされている。  でも、逆に、天然の漆というのは、我々日本人は知恵として使ってきたじゃないですか。例えば、寺社仏閣は長い間保存する必要があるので、漆で寺社仏閣は塗装してあります。まさに漆器、食器もそうです。水にぬれるけれども防腐性が高い。非常にカビが生えにくいとか、虫に食われにくいというのが、天然の知恵、知見としては我々は持っていて、食器等に使ってきたんですが、ではウルシオールの主成分の何が効いているのかというのが実は分かっていなくて、そこまで特定しなさいというのが今SIAA、この一般社団法人の抗菌製品技術協議会の見解になっていて、九九%以上の高い抗菌性を有しているにもかかわらず、うたえない。これは非常にもったいないことだと思うんですよ。  大臣にお聞きしますけれども、これはやはり大臣の御地元で産している漆、こういったカードケースにも使われているし、私の地元でいえば食器に使われているし、箸に使われているし、例えば石川県には輪島塗とか、京都だったら京塗であるとか、様々あります。それで、お仏壇、あとは楽器とか、もう本当にいろいろなものに塗られていて、北海道から沖縄まで伝産品がたしか二百三、四十か、三百かな、かなり指定されていますけれども、そのかなりのものにこの漆というのは使われているわけです。  そこがひとしく苦しい中で、こうやって抗菌というものを漆製品にセットで表示することができれば、これは海外に売っていく上を見ても非常にアドバンテージになる。これをほっといて、もったいないんですよ。この若狭塗箸の会社も資本力に限界があるじゃないですか。一社で四十万払って、やっと探し当てたのが、神奈川県立の産総研だったらやってくれた。  それで、私も地元からいろいろ言われました。これは漆の卸でしたけれども、先生ね、立証したいんだけれども分からないんだ、研究機関、どこがやってくれるのか。それで、いろいろ探したけれども、なかなか立証できなかった。たまたま民間企業が独力で、自分のお金で神奈川県立産総研に頼んだらできた。  だから、ここのところを、民間企業の自己資本、中小企業ですよ、二十人ぐらいの。こんな中小企業任せにするのではなくて、いろいろ使われている漆ですから、伝産品に。是非、経産省が、ここの立証する部分、漆の、ウルシオールの何が効いているのかという部分も、是非国が補助なりの形で応援をしてあげて、特定すればうたえると言っているわけですよ、SIAA協会は。そこまでやってあげる必要が、私は漆の裾野の広さから見ればあるんじゃないかなと思うんですが、大臣、いかがですか。
  67. 梶山弘志

    梶山国務大臣 非常にいいアイデアだと思いますけれども、特定の事業者というよりも、やはり日本全体でのその団体、業界団体というものがしっかりしていただくということと、そこにお手伝いができるのかなという今思いを持ちました。  特定の者でこれらを使って売り出すということではなくて、団体として、そういう漆そのものの、原材料の特性というものを打ち出すということだと思いますし、そういうことに関しては経済産業省もお手伝いできるのかなと、とっさに今思っているところであります。
  68. 斉木武志

    ○斉木委員 これはレクで大分私も熱っぽく担当官には語りましたので、経済産業省側はいかがですか。  私は、レクで聞いた範囲ですと、例えば伝産品協会、青山にありますね、あの伝産品スクエアというのが。そういったところと、例えばこのSIAA、抗菌技術の協会、そして例えば全国の漆器組合、そういった人なんかが入って、ではどうやってやろうかとか、そこを経産省がどう応援しようか、こういうスキームは考えられるんじゃないのかなんということはその場で出たんですけれども、担当官、いかがですか。
  69. 柴田敬司

    柴田政府参考人 お答えを申し上げます。  委員指摘の、おっしゃるように、漆、非常に裾野の広い分野でございまして、伝統的工芸品でも様々なものを数え上げていくと、六十近くにはなろうかと思っております。  こういった中で、先ほどの抗菌、抗ウイルス効果ということでございますが、伝統的工芸品産業振興協会というのがございまして、ここで、この原因物質の特定も含めた抗菌、抗ウイルス効果、それから、これをいかにPRして販路拡大につなげていくか、こういったことに関して研究会を設置するということを検討している、こういうふうに聞いております。  経産省といたしましても、こうした団体、業界と連携いたしまして、どうやって、どういう形で支援していくことができるのか、しっかりと検討してまいりたい、かように考えてございます。
  70. 斉木武志

    ○斉木委員 いかがですか、大臣。まさに大臣の、漆の産地でもあるので、今、非常に具体的に検討されているということで、是非前向きに応援していただきたいんですが、この話題に対して、最後、大臣のお覚悟をお聞かせいただければ。
  71. 梶山弘志

    梶山国務大臣 業界の団体と連携しながら、経産省としても、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います。
  72. 斉木武志

    ○斉木委員 どうもありがとうございます。  では、次の質問、話題に参りたいと思います。  これは、今コロナ対策として経産省が一つ目玉事業としてやっております月次支援金、一時支援金に関してです。  これは、緊急事態宣言が出ている地域若しくは蔓延防止等重点措置が出ている地域から例えばお客を取っている旅館であるとかホテル、また、若しくはそこに、東京、大阪などに魚を卸している漁業者の方であるとか、幅広く蔓延防止、緊急事態宣言の影響を受けている事業者に対して、一時金で六十万円、そして月次支援金であれば二十万円を継続的に四月以降はお支払いをしていきましょうということで、これは私、つくったことは非常に評価をしたいなというふうに思っております。  これはやはり、今も出てきましたお土産物屋さんとか、もうとても、家賃と人件費ばかり今かかっていて、店を畳むかどうか、もう頭がいっぱい、でも、家賃支援給付金も終わってしまって、ああ、これはもうピンチだピンチだということを皆さんおっしゃっているんですよ。でも、月二十万出るのであれば仕入れができる、やはりそういった声は非常に大きいですので、一息ついていただく、毎月の固定費の幾ばくかでも持ってくれるということであれば、これは私は評価に値する事業ではないかなと思っております。  非常に皆さん関心を持っておるんですが、ちょっとこれに対して、いかがなものかという業界も結構今出てきているんですよ。それが、月次支援金や一時支援金の登録確認機関側から、ちょっと私もクレームを聞いております。  登録機関というのは、例えば各地の商工会や商工会議所、農協、漁協、中小企業団体中央会、また士業の方たち、税理士とか公認会計士、行政書士、その他法人などが、必要書類が整っているかどうかを、中小企業また個人事業主から申請を受けて、その書類が整っているかどうかをチェックをして、確認しましたということを、判こを押して事務局に申請するという手はずになっております。  ですので、彼らが今非常に心配をしている、士業や商工会が今何を懸念しているかといいますと、二百万と百万の持続化給付金のときにありました、例えば競馬の騎手の方が申請をしてしまう不正受給、また、大学生の方が集団で、特殊詐欺のような形で、大学生が百万円を受給していったケース、警察に逮捕されたケースもありますけれども、こういった不正が起きないとも限らない。六十万と二十万、額は少額ですけれども、これは、仮に持続化給付金で起きたような不正が起きた場合に、公認会計士や税理士の方たちは登録確認機関としてそれを認証しているので、何だ、不正を見抜けなかったのかということが、税理士や行政書士たちが帰責性を求められたら、これはかなわぬというんですね。  何でかというと、ただでやっているからなんですよ。額が二十万って、ちっちゃいじゃないですか。個人事業主は十万です。非常に額が小さいし、お客さんが今苦しんでいるときだから、十万円の申請でこれは手数料は取れないなということで、皆さんロハで、要するにただでやっているんですよ。ただでやっているのに、後から、いや、おまえ、判こをついているじゃないか、おまえが出したじゃないか、何で税理士や会計士なのに見抜けなかったんだというふうにつるし上げを食らってはたまらないという声が、件数が多いだけに、皆さん続々今申請してきているので、さすがにこれは全部、経営状況とか真正性までは遡って調べられないし、それほどのお金ももらっていない。  これは何とかならないのか、帰責性をどこまで求めるのかという疑念の声が非常に上がっているんですが、大臣、この声に対してはどのようにお考えでしょうか。
  73. 梶山弘志

    梶山国務大臣 一時支援金における事前確認スキーム、あくまでも不正防止を目的として、書類や宣誓内容の確認を形式的に行うものであります。申請希望者が給付対象であるかの判断は、ここでは行っておりません。あくまで、申請希望者が給付対象であるかの判断は事務局によって行っております。  したがいまして、登録確認機関は、中小企業庁又は事務局が定める事前確認の方法にのっとって事前確認を実施している限りにおいては、自らが事前確認した申請希望者が仮に不正に受給したとしてもその責任は負わないという旨の文書を、経済産業省のホームページにおいて公表しているということであります。  ただ、先ほど委員がおっしゃったように、それを指南したりとか、そういう形のものは当然犯罪ということになりますけれども、形式がそろっているかどうかの判断だけでは責任は問われないということであります。
  74. 斉木武志

    ○斉木委員 今日は中小企業庁の担当者にも来ていただいておりますので、お聞きをいたします。  今大臣がおっしゃったのは、要は国が、たしか今回、デロイトトーマツさんですよね、事務局ということで八十数億円で、あと博報堂さんですか、に委託をされていると思います。結局これは委託事業なので、デロイトトーマツさんが、じゃ、不正の責任を取るのかとも見えるけれども、結局委託したのは国側なので、何かあったら結局経済産業省、国側が責任を負うんですというふうに御説明を受けましたが、そういう理解でよろしいんでしょうか。
  75. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  委託契約でございますので、代理人としてデロイトにやっていただいているところでございますので、もちろん事務局として行っていただく事業という範囲のことでデロイトはありますけれども、受給についての最終的な判断でございますとかそういったことは、あるいは今委員議論がありましたけれども、事前確認との関係での適切性といったことは、最終的には中小企業庁が判断するところでございます。
  76. 斉木武志

    ○斉木委員 大臣答弁の中にもございました。  もちろん、申請者と登録確認機関がぐるになって不正受給したケース、これは摘発すべきだと私も思います。ただし、今回は非常に、持続化給付金よりも多いのかな、同じぐらいの数の方が影響を受けていますから、かなり今申請件数が伸びてきていると思います。  ちょっと数についてお聞きしてもよろしいですか。  一時支援金は、既にもう五月三十一日までに申請は終わっていると思います。今、全国で、この措置に手を挙げている、申請件数というのはどれぐらいに上っているでしょうか。
  77. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  一時支援金でございます。  三十一日で締め切って、申請受付は終了しておりますけれども、特段の事情がある方は延長申請を受け付けておりまして、今なおまだ、一日三千件、四千件ぐらいは受けております。  現状で申し上げますと、十日、昨日木曜日までで、申請件数が五十五万二千六百五十件、給付しておりますのが、件数は累積で三十一万三千四百八十九件という状況でございます。
  78. 斉木武志

    ○斉木委員 五十五万件超来ているということで、かなり皆さん注目をされていると思うので、是非この月次支援金に関しても円滑に出て、なおかつ、登録確認機関に、大臣がおっしゃった告知というのは、多分、士業の方たちに余り伝わっていないんですね。それが、やはり帰責性が求められるんじゃないのかという心配につながってしまっている。ただでやっている仕事で、後で警察に捕まったらやり切れないという思いになっていると思いますね。そこは是非、告知をもうちょっと丁寧に、士業や商工会議所、経産省が指定している確認機関の方々に行っていただきたいなというふうに、私からもまた改めてお願いをしたいと思います。  それと、もう一つ、これは質疑通告には盛っておりませんけれども、給付金の話が出たので、持続化給付金の再支給法案というのを私たち議員立法で、野党側から三月十九日に提出をさせていただいております。  なかなか今国会はこれを取り上げてもらえませんでしたけれども、やはり、現下の経済状況を見れば、ワクチンが遅れた国ほど経済の立ち直りは遅れているんですね。アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、みんな五〇%を超えてきています、接種率が。日本が数%で足踏みをしている。イギリスからポルトガルの旅行が解禁されたりとか、アメリカではマスクなしでタイムズスクエアを歩いたりとか、もうコロナ前、ビフォーコロナを取り戻しているんですよ、かの国は。でも、日本がここまで遅れてしまっているから、経済も足踏みをして、いまだに緊急事態宣言を十都府県、解除するかどうかというような議論をしている。もう天と地ほど、海外と我々日本経済というのは、経済の面を見ても開いてしまいました。これはやはり、ワクチンという安全保障に負けたという厳然たる事実があるんですね。  だったら、ワクチンが遅れているんだったら、景気の下支えでお金を出しなさいよ、財政出動が必要じゃないか。昨日も飲食業界の方たちが集団で会見していましたけれども、今、瀕死の状況にある人たち持続化給付金を、しかも彼らの店舗面積や売上高に応じて柔軟に給付をしていく。  この、ワクチンが遅れたんだったら財政出動は当たり前だろうという声に対しては、どう思われますか。議論すべきだと思うんですよ、持続化給付金の議員立法。
  79. 梶山弘志

    梶山国務大臣 飲食が中心で今自粛をお願いをしている部分もありますので、飲食に対しましては、協力金という形で地方創生臨時交付金の支給というものを自治体経由で行っております。  そして、この一時支援金、また月次の支援金というのは、そこと取引があるところということで、影響があるところにつきまして、また、外出自粛の影響があるところについてお支払いをするということで、常にその対策というものは政府全体で考えていきますけれども、できるだけ適切に対応できるようにということで対応しているところであります。
  80. 斉木武志

    ○斉木委員 でも、大臣、二十万円じゃないですか、月次支援金。十店舗持っていても一店舗持っていても二十万ですよ。それではさすがに、売上高に応じて給付の額というのは決められるべきだし、そこはやはり柔軟に決めていけばいいと思うんですよ。  もう去年の確定申告、終わっているじゃないですか。もう五月ぐらい、四月十五日までですか、今年は。皆さん書類を出されて、各税務署でチェックをしている。だから、昨年度の確定申告に応じて、売上高に応じた給付の在り方、そろそろ、今、我々、少し時間的余裕ができていますから、昨年五月とは違います。売上高、店舗面積、雇用している人数に応じた給付の在り方、こういうものをやはり議論していくべきだと思うんです。  最後に、大臣の御所感はいかがですか。
  81. 梶山弘志

    梶山国務大臣 一番影響を受けている飲食店に関しましては、先ほど申しましたように、協力金の形で、もっと額の高いものが出ております。それに併せて、取引先ということ、また、観光地などの人の流れ、人流の影響を受けているところに対して支援金をお支払いしているということと、さらにまた、従業員に関しては雇用調整助成金等ということで、合わせ技で対応させていただいているということであります。  また、御党を始めとして、議員立法を出されているということでありますけれども、そこはやはり国会、また委員会理事会等で御議論をいただきたいと思っております。
  82. 斉木武志

    ○斉木委員 時間が来たので終わりますけれども、国会を閉じても、政府が盗んでも構いませんから、この案を是非やるべきですよ。そうでないと、日本の経済、死んでしまうというか、中小事業たちが死んでしまいますよ。それほど追い詰められているという現状を、ちょっと、もう一度胸に刻んでいただいて、業務に当たっていただきたいなということを申し上げて、終わります。  ありがとうございました。
  83. 富田茂之

    富田委員長 次に、笠井亮君。
  84. 笠井亮

    笠井委員 日本共産党の笠井亮です。  冒頭、経済産業省東芝総会への介入疑惑ということについてでありますけれども、昨日公表された東芝の外部調査委員会報告書は、東芝と経産省が一体となって、特定の株主提案権の行使を妨げようと画策した、そのことによって株主総会の運営が公正さを欠くものになったと指摘をしております。  先ほど山崎委員からも提起がありましたが、事実であれば重大であります。当委員会で経産省からの報告説明を受けて、そして集中審議を行うべきだ、冒頭このことを強く求めておきたいと思います。  その上で、まず、建設アスベスト被害救済についてであります。  建設現場で資材に含まれたアスベストを吸い込んで健康被害を受けた建設労働者や一人親方を救済するための補償基金を創設する建設石綿給付金法が今週、六月九日に成立をいたしました。  二〇〇八年五月の東京地裁への提訴以来、相次いで起こされた訴訟は三十三件。原告は千二百人にも上ります。十三年もの長期にわたる裁判の中で、既に原告の七割が亡くなられました。  ようやく救済のための法律ができたことは、被害者、原告団、弁護団など、関係者の長年にわたる闘いの画期的な成果であります。  そこで、梶山大臣に伺いますが、命あるうちに解決をの声に応えて、被害者の全面的な救済に、成立を踏まえて、経産省としても全力で対応するということでよろしいか。まず、決意を伺います。
  85. 梶山弘志

    梶山国務大臣 当然、建材メーカーを所管する立場でありますから、私どもも、それはできる限りの支援をしてまいりたいと思います。
  86. 笠井亮

    笠井委員 ここにパンフレットがございますが、これは経産省所管だった日本石綿協会が発行していた「天然の贈りもの「アスベスト」」というパンフレットでありまして、適切な管理を行えば、安全に使用でき、豊かな人間社会を支えてくれる、なくてはならないものだと言っております。  当時の通産省、そして経産省も、同様にずっと、管理すれば安全だ、そういう立場で、大量のアスベスト建材を製造、流通させてまいりました。  梶山大臣、そこで伺いますけれども、アスベストの製造、使用というのは二〇〇四年に原則禁止をされましたけれども、アスベストによる健康被害は決して過去の問題ではありません。発症までの潜伏期間が二十年から五十年もあって、そして非常に長い。中皮腫や石綿肺などの石綿関連の疾患というのは、いずれも重篤な病で、呼吸困難、激しいせき、強い痛みに苦しめられて、死亡率も高い。静かな時限爆弾とも呼ばれるほどであります。早期の被害救済を図ることがまさに待ったなしの課題だということは、もちろん十分認識されていますよね。
  87. 梶山弘志

    梶山国務大臣 アスベストそのものは、例えば建材の強度を増すためにということで使ったり、また、ブレーキパッドなんかにも使われているということで、その針状結晶がそこに刺さって中皮腫になったりするということで、大変多くの方が被害者となっていると承知をしております。  当然、お亡くなりになった方もおいでになりますし、また、闘病中の方もおいでになる。そして、今委員がおっしゃったように、これから発症の可能性がある方もおいでになるし、さらにまた、古い建物の解体などのときの影響などもあるということでありますので、しっかりと対応してまいりたいと思っております。
  88. 笠井亮

    笠井委員 給付金は来年春にも支給開始かと言われております。  厚労省は、対象者が今後三十年間で三万一千人に及ぶと見込んでおります。被害者の早期、全面的な救済を行う上での最大の課題が、建材メーカーの基金制度への参加の道筋をどうつけるかだ。この法律の附則第二条に、国以外の者による補償の在り方について検討を加えるというふうにありますけれども、厚労省に伺います。国以外の者とは誰を想定しているのか。石綿含有建材の製造企業、販売企業ということでよろしいのか、確認をお願いします。
  89. 小林高明

    小林政府参考人 お答えいたします。  附則二条についてのお尋ねでございますけれども、この規定は、建設アスベスト訴訟では、建材メーカーのうち提訴された者は一部であるとともに、判決により責任を認められたメーカーもあれば、認められなかったメーカーもあるといった状況の中、与党建設アスベスト対策プロジェクトチームの取りまとめにおいて、建材メーカーの対応の在り方について引き続き検討することとされたことを踏まえて規定されているものであり、国以外の者は、建材メーカーを想定しているものと承知しております。
  90. 笠井亮

    笠井委員 アスベストの危険性を知りながら、防じんマスクの着用義務づけなどの規制を三十年近く怠った国の責任、建材への警告表示をする義務を怠ったメーカーの責任は明白であります。  衆参の厚生労働委員会で、田村厚生労働大臣は、法律が成立すれば、建材メーカーを所管する経済産業省と連携しながらしっかりと対応したいと繰り返し答弁されています。  そこで、梶山大臣、経産省の今後の対応がまさに問われるということになると思うんですが、連携ですから。建材メーカーの参加に道筋をつけるために、厚労大臣とどのような協議をして、具体的にどう対応されるんでしょうか。
  91. 梶山弘志

    梶山国務大臣 建材メーカーの責任につきましては、これまでも、高裁判決においても判断が分かれており、最高裁判決においても統一的な基準が示されているわけではないところでありますが、引き続き、与党等において検討が進められていくものと承知をしております。  また、今般成立をしました建設アスベスト給付金法の附則第二条、今もお話ありましたけれども、国以外の者による補償の在り方について検討を加えることとされているため、早速、事務方ベースで関係省庁との議論を開始をしたところであります。これは、厚労省との議論も含めて、そういった形で開始をしているところであります。  経済産業省としては、建設アスベストに係る問題の早期解決に向けて、建材業界を所管する立場からどのようなことができるのか、与党における検討状況なども注視しつつ、引き続き、関係省庁と連携をしながら、しっかりと、時間、スピード感も持って対応してまいりたいと思っております。
  92. 笠井亮

    笠井委員 スピード感がまさに問われていると思います。  経産省は二〇〇五年、アスベスト含有製品を製造していた企業の従業員の健康被害と製造実態を把握する調査実施しております。これは、大手機械メーカーのクボタの兵庫県尼崎市の工場で、石綿製品を製造し、多数の労働者がアスベスト関連疾患で亡くなっていたばかりか、工場周辺住民にも中皮腫患者が出ていることが明らかになった。いわゆるクボタ・ショックと言われて、それに対応したものであります。この調査で、八十九社の工場、製品ごとの製造期間が把握できております。ここに一覧表がありますけれども、そういうのが出ている。  梶山大臣、裁判で賠償責任が認められたメーカーは十社程度ですが、百五十社の建材メーカー全てが警告義務に違反していたことが多くの被害をもたらした。業界団体や個社の報告待ちでは駄目だと思うんですね。過去のデータを総ざらいしてシェアを推計するなどして、全ての建材メーカーに責任を果たさせる、これがやはり経産省の役割じゃないかと思うんですが、いかがですか。
  93. 梶山弘志

    梶山国務大臣 今委員がおっしゃいました業界シェアなどのデータは、仮に建材メーカーが基金に参加することとなった場合において、拠出金の負担割合などを決めるために参考となるデータの一つであると認識をしております。  これらの検討の進捗を注視しつつ、経済産業省として、この問題の早期解決に向けて、建材業界を所管する立場からどのようなことができるのか、先ほども申しましたけれども、関係省庁との協議が開始をしておりますので、しっかりと対応をしてまいりたいと思っております。
  94. 笠井亮

    笠井委員 しっかり協議して対応ですから、いつまでも縦割りにこだわっていては駄目ということで、そうじゃないということをおっしゃったと思うので。  真面目に働いてきた建設労働者、一人親方の尊厳と命に関わります。国と建材メーカーが全ての被害者の早期救済に責任を果たすように、改めて強く求めておきます。  次に、運転から四十年超の老朽原発の再稼働について聞きます。  関西電力美浜原発三号機の竜巻対策工事をめぐる内部告発について、私は当委員会で、四月二十八日に続いて五月二十六日にも取り上げてまいりました。原子力規制庁のそのときの答弁で、告発があった竜巻対策工事は、燃料取替え用水タンク等を防護するために、鉄骨の支柱とはり、鉄製のフェンス設置工事であることを認めて、使用前検査の抜取り検査の対象とはしていなかったけれども、四月二十八日の私の質問を受けて、五月十七日から二十一日に現場で検査を行ったことを明らかにいたしました。  しかし、その検査も外観を目視で確認しただけで、全数確認したという検査記録も、関西電力が行った検査記録を追認しているにすぎないということになっております。これでどうして不適切な状況がなかったなどと言えるのかということだと思うんですよね。  そこで、梶山大臣に伺いますが、大臣は関西電力に対して、原子力規制委員会の検査にしっかり対応するように指導したとここで答弁されましたけれども、誰が、いつ、どのように指導をしたんでしょうか。
  95. 梶山弘志

    梶山国務大臣 御指摘の指導につきましては、五月六日に、資源エネルギー庁原子力政策課長から関西電力に対し、原子力規制委員会が行う検査に対して真摯に対応するように口頭にて指導を行ったということであります。
  96. 笠井亮

    笠井委員 では、それに対して関西電力はどう答えたんでしょうか、指導に対して。やり取りの記録というのは当然残っていますよね。
  97. 富田茂之

    富田委員長 ちょっと速記を止めてください。     〔速記中止〕
  98. 富田茂之

    富田委員長 速記を起こしてください。  梶山経済産業大臣
  99. 梶山弘志

    梶山国務大臣 関西電力からは、本件に関して、現時点では原子力規制委員会から特段の指摘を受けていないという報告を受けていると聞いております。
  100. 笠井亮

    笠井委員 その記録というのは残っていますよね、当然。
  101. 梶山弘志

    梶山国務大臣 口頭でのやり取りであります。
  102. 笠井亮

    笠井委員 口頭で記録がないと。またかということになっちゃうんじゃないかと思うんですね。NEXIのときに法令違反のドイツ債を購入していた問題でもさんざん議論しましたが、行政というのはやはり文書主義が原則であります。経緯も含めた意思決定に至る過程並びに経産省の事務及び事業実績を合理的に跡づけ、又は検証することができるよう、文書を作成しなければならないと、まさに、梶山大臣、これは経産省の行政文書管理規則には書いてあるわけですよね。何でこう、口頭で指導して口頭で返事がありましたということがあって、それが残っていないんでしょうか。
  103. 梶山弘志

    梶山国務大臣 行政手続法等で口頭注意という種類もありますし、本件につきましても、関西電力に対し、他省庁が所管する法律について、法令を遵守するように念のため伝えたものであることから、口頭による行政指導としたものと承知しております。
  104. 笠井亮

    笠井委員 でも、記録がなければ後世に検証ができないんじゃないか。担当者が口頭でというのも、担当者が替わるかもしれない。替わったら、その後はどうやって、ああ、伝えました、口頭でとかといって、どこかで、伝言ゲームじゃないですけれども、変わっちゃったら困るわけですから。  やはり、後世に検証できないということになったらいけない。これは軽い問題だとかという話では済まされないと思うんですね。関電を指導したとの大臣答弁を裏づけるものがないことになる、これでいいのかということが問われていると思います。  関西電力は、美浜三号機を六月二十三日にも再稼働させようとしている。東電の福島第一原発事故の痛苦の教訓と反省を基に決められた原発の四十年運転制限ルールによって、本来は廃炉にすべき原発であって、再稼働すべきでないと強く言ってまいりました。しかし、東京電力福島第一原発事故収束の見通しも立たないまま、老朽原発を再稼働させようとすること自体、重大問題だ。  更に問題なのは、経産省が老朽原発再稼働に向けた地ならしを積み重ねてきたことだと思うんですね。その結果の一つが、老朽原発再稼働に同意した立地県への、一発電所当たり、発電所当たりですが、最大二十五億円もの新たな交付金制度の創設であります。  大臣に伺いますけれども、この新たな交付金制度というのはどういうものですか。福井県の要望に基づいたものなんでしょうか。
  105. 梶山弘志

    梶山国務大臣 エネルギー基本計画において記載されているとおり、政府としては、再稼働などの原発を取り巻く環境変化が立地地域に与える影響の緩和に対応することとしております。この方針に従って、これまでも再稼働などに対して交付金を措置してきたところであります。  こうした中、運転延長による四十年超運転は、我が国においてこれまで例がないものであるために、四十年超運転という新たな稼働の状況の変化が立地地域に与える影響を踏まえて、予算の範囲内で、一発電所当たり最大二十五億円の交付金を措置するという方針といたしました。  政府としては、立地地域が抱える様々な課題に真摯に向き合い、しっかりと支援するとともに、原子力発電の重要性や必要性について丁寧な説明を尽くしてまいりたいと考えております。
  106. 笠井亮

    笠井委員 老朽原発の再稼働を進めるという、まさに国策と一体になった財政支援にほかならない、今の答弁を伺っても。しかも、それとセットで、新たに、福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議を立ち上げた。産業の複線化とか新産業創出のためといいますけれども、逆にこれは立地自治体の原発依存を温存することになっちゃうんじゃないか。どうですか。
  107. 梶山弘志

    梶山国務大臣 この点に関しましては、以前から、私自身の考えとして、中長期的な立地地域の持続的発展の観点から、産業の複線化や新産業の創出などを含めて立地地域の将来像を考えていく必要があるという問題意識を持っておりました。  こうした考えの下で、今般、共創会議を創設することとしたものであり、この会議には、まず、立地自治体等のお考えや御要望をしっかりとお聞きするとともに、原子力研究、廃炉支援などの原子力関連の取組だけでなく、例えば、産業の複線化や新産業の創出なども含めて、立地地域と国、事業者が一緒になって検討していく予定であります。  この会議は、産業の複線化や新産業の創出などを取り扱うこともあり、むしろ立地自治体において原子力発電に過度に依存しない経済構造を発展させることにつながるものと考えておりまして、私、立地地域に行って、ずっと歩いていますけれども、やはりどこからもこういう要望が出てまいります。私自身のところも、東海村が七、八キロのところにありますけれども、やはり、今まで原子力に頼り過ぎてきたね、そして複線化を考えていくべきだという皆さんの声があるんですね。  そういった中で、原子力を進めるだけではなくて、我々もそういったお手伝いをしようという考えの下にできた会議であるということであります。
  108. 笠井亮

    笠井委員 複線化と新産業創出を入れていますけれども、その中には、経産省の説明の中にもありますが、原子力関連の研究、産業の在り方がしっかり入っている。その中では、今後の原子力政策の方向性を踏まえた研究開発、産業を利用した拡大ということで、まさに次世代原発ということがそこに念頭に出てくる。  そもそも、原発立地自治体が原発に雇用も地域経済も依存せざるを得ない構造にしたのは、国であります。  その上、美浜三号機の再稼働の地元同意に先立つ四月二十七日に、福井県の杉本知事とのオンライン会談で、将来にわたって原子力を持続的に活用していくと約束したのは、大臣、あなたであります。再稼働したら上限二十五億円もの新たな交付金、高浜一、二号機も再稼働したら更に上限二十五億円、加えて、関西電力も参加する共創会議で次世代原発の開発や新増設の議論もできるとなれば、地元はやはり原発依存から抜け出せないということになると思うんですね。  東京電力福島第一原発事故の教訓に立って、野党が共同提案して提出している原発ゼロ基本法、再エネの四法案審議、実現すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。  最後になりますが、本日六月十一日が一時支援金の事前確認の締切り、申請締切りは十五日であります。十六日から月次支援金の申請開始ということになります。ある意味、ちょっと一つの区切りみたいになりますが。ところが、いまだに一時支援金が給付されないと相談が相次いで、私のところにも、そしていろいろなところに寄せられています。  五月二十六日の当委員会大臣とやり取りをさせていただきまして、その質疑を受けて中小企業庁の担当者とも私は具体的にやり取りしましたが、やはり事務局の審査には重大な問題があるとあちこちから声があるんですね。これでいいのかといって、本当に大変苦労されている。  例えば、現金取引、この事業者に対して、こういう形でまたざあっと来ているわけですね、ここにありますけれども、大臣、こういうやつね、こういうやつがざあっと来るんですよ。その中に、顧客との取引が現金取引のため通帳の写しの提出が困難な場合、二〇一九年、二〇年一、二、三月において、事業に係る経費を支払ったことが確認できる請求書、領収書等及び通帳の写しを全て御提出をとなっていて、これを見て本当に、申請者が、何で、これは分からぬという話になっているんです。それで、これで事務局から不備通知が来る、こういう形で。わざわざ通帳の写しを全てと括弧で強調した文面なんですけれども、全く理解できないと困惑されているんですね。  大臣、これは何を確認するために、通帳の写しを出すのが困難なのに、通帳の写しを出さなきゃいけないのか。
  109. 梶山弘志

    梶山国務大臣 一時支援金は、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や外出自粛の影響を受けている事業者支援するものであります。  その審査に当たっては、通常の審査において提出された書類のみでは緊急事態宣言による影響や取引の実態を十分に確認できなかった一部の方々に対しては、事前の同意をいただいた上で、緊急事態宣言による影響が確認できる書類や、実際に事業実施していることが確認できる書類の提出を求めることとしております。  その際、例えば、主として現金による取引をしていることなどにより、提出いただいた書類では取引実態の確認が困難な場合においても、可能な限り事業実態を確認した上で、要件を満たす場合には、この支援金をしっかりとお届けするために、審査に当たっての代替資料として、対象期間における事業に係る販売、購買が確認できる請求書や領収書等や、事業に関する家賃、水道、光熱費を始めとする経費などを確認できる通帳の写しについて、提出可能な資料の全てを提出をお願いをしているということであります。提出されただけではなかなか確認できない、その中で、こういったものを出してくださいねという中で確認をしようとしている作業だということであります。  引き続き、不正受給を防止しつつ、コロナの影響を受けている事業者に対して必要な支援が届くように取り組んでまいりたいと思っております。
  110. 笠井亮

    笠井委員 現金取引だから通帳の提出が困難なのに、通帳を出せという話というのは何なのかということなんですよ。だって、既に事前確認を受けた上に、経費に係る請求書、領収書等も添付して、確定申告も済ませて、きちんと納税義務を果たして、その申告書の写しも、今度、支援金を申請するときに提出している事業者なんですよ。経産大臣は、そうなると、国税庁のやっていることを信用できないということになるのか。  しかも、事務局の不備の通知では、事業者というのはみんな、売上げと経費を口座で出し入れしていることが前提条件とされていて、そうじゃない方については全てはねるものになっている。だって、みんな、売上げがあった経費というのを全部、じゃ、すぐに口座に入れて出し入れしているかと、そんな人ばかりじゃないわけですよ。そういうことになったら、こんな一方的に事業実態を型にはめたむちゃくちゃな審査で、何度も何度も不備を突きつけられてはねられているから審査が進まないということで、さっきも答弁ありましたけれども、結果としてまだ二十四万件もの事業者が、支払われていないわけですよ。残されているわけですね。相談者の中には二十一回も不備通知が来た方もいるんですよ。  支援が必要な中小業者の審査を通すんじゃなくて、いかにふるい落とすかという審査に実態的にはなっているんじゃないか。今度の月次支援金も同じことを繰り返すのかということなんですよ。ここは是非改善しないといけないと思います。
  111. 梶山弘志

    梶山国務大臣 持続化給付金のときも委員とこのやり取りをさせていただきましたけれども、通帳が全てではありません。例えば請求書であるとか領収書であるとか、事業の実態を確認できるものがあれば、また売上台帳も含めて、どういった形で数か月の確認ができればということなんですね。例えば、以前の、昨年とかおととしのものとの比較ということになりますから、それらの比較ができれば、できる限り私どもは払おうとして対応しているわけであります。
  112. 笠井亮

    笠井委員 できる限りとおっしゃったんだけれども、じゃ、請求書や領収書を出してできる限りやっても、通帳の写しがなかったら駄目とはねられている人がいるんです。だから、そこのところは大臣の責任で、経産省として事務局の姿勢をきちっとチェックしていただいて、必要な方に配るようにと。  そして、この点でも、斉木委員が言われましたけれども、持続化給付金支給法案を野党で出していますが、我々は三か月、国会を延長しろと要求しているけれども、まさにその間に、やはり政府の責任で、そして委員会としても法律を作って、しっかりとコロナ対策ということで事業者支援をする、これが必要だということを申し上げて、時間になりましたので、終わります。
  113. 富田茂之

    富田委員長 次に、足立康史君。
  114. 足立康史

    足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  経済産業委員会、久しぶりに来させていただきまして光栄でございます。できるだけ先輩とか後輩とかがいる経産委には近づかないようにしているわけでありますが、ちょっとどうしてもこれだけはというところだけ、美延委員に代わっていただいて来させていただきました。  今、共産党さんの方からいろいろおっしゃいましたが、ちょっと言い方がよくないと思います。もちろん、私たち日本維新の会も事業者支援についてはいろいろ申し上げたいことがあって、先日も菅総理のところに提言をお持ちしました。だから、いろいろ議論はしていったらいいと思いますが、やはり税金をお配りをする、そのときに必要な審査をする。もちろん、緊急事態、有事でありますから、相応の対応をしていただいている。私、奈須野次長と同期でありまして、御苦労は何となく雰囲気で感じているわけでありますが。  共産党はマイナンバーも反対です。とにかく全部政府には何も教えない、でも税金は欲しいということですから、私は、そういう点については、これまでもしっかり申し上げるべきことは申し上げてきましたので、野党同士ですが、これからもそれは言っていきたい、こう思います。  今日は、処理水と、除染土を始めとする除染廃棄物、除染土であります。水と土であります。  大臣に、所管は処理水だと思いますが、除染廃棄物、除染土は環境省ということで、ちょっとまたがってしまうので、本来は予算委員会で総理に伺うべきことかもしれませんが、ちょっとはみ出ますが、私の問題意識を改めて聞いていただいて、御答弁いただきたい。  それは、この国会で処理水の海洋放出をお決めをいただいた、東電がやるということになった。私、この国会、今、会期末が近づいていますが、とにかく、この国会で決まったことのフォローというか、選挙に臨んで、何かやり残したこと、あるいは、本当は言っておかないといけないけれども言っていないことが残っていると選挙にちょっと支障を来しますので、そういう意味で、今日、どうしてもこの点だけは解決しておきたいと思って通告をさせていただきました。  要するに、海洋放出、水は福島にお願いをする、土は福島の県外に全て出す、三十年後、二十五年後かな。これは私は現実的ではないと思います。  度々私が僭越ながら申し上げてきたのは、水の方がシェアしやすいので、申し訳ないけれども、だから、処理水を全国で分かち合って、除染土は、もう今中間貯蔵させていただいているところに置いておくしかない。そういうディールを、ディールじゃないな、そういう合意を地元や全国としていかなければ福島の未来をつくっていくことはできない、こう思いますが、そういう大きな考え方、考え直す余地はもうないのかあるのか、ちょっと御答弁いただければと思います。
  115. 梶山弘志

    梶山国務大臣 足立委員おっしゃるように、処理水については私どもの所管、そして除染の土壌に関しましては環境省ということになっておりますけれども、やはり福島の皆様からすると一つのことなんですね。  ですから、同じ物事を決めていく中で、別々の考え方ではなくて、やはり政府で一体として考えていかなくちゃならないと思っておりますけれども、少しずつその時間軸、その処分に関しての時間軸も違うということで、それらも含めてどうしていくか、しっかりと考えてまいりたいと思っております。
  116. 足立康史

    足立委員 水は海洋放出すれば拡散します。相当薄めて、核種をいろいろ除いて薄めて海洋放出、拡散します、大海です、海は大きいです。それでも、風評、風評といって大変な調整をしていただいているわけであります。  除染土を県外に持ち出すことは私は不可能だと思っています。そこで、環境省においでいただいています。  まず、これは私が言っているだけではありません。三十年後県外を決めた細野豪志当時の環境大臣も、ツイッターで私、ちょっとやり取りをする中で、大量の除染土を県外に持ち出すのは現実的ではないということを、無理やり認めていただいたというか、認めさせたというか、そういうやり取りがツイッターに残っています。  環境省に伺うのは、じゃ、大量に持ち出さないためには再生利用せなあきませんね。だから今、小泉環境大臣も、何か私も接触すると必ずおっしゃるのは、再生利用だ、是非大阪でそれに協力してくれ、こうおっしゃるわけです。私、お断りしています。いや、お断りというのは、吉村さん、松井さんがどう判断されるか分かりませんが、私は無理だと言っています。だって、水も無理なのに土がいけるわけない。  それで、その再生利用ですが、今進捗はどうなっているか、御答弁ください。
  117. 森山誠二

    森山政府参考人 お答え申し上げます。  県外最終処分の実現に向けましては、議員御指摘のとおり、最終処分量を減らすための減容、再生利用が重要と考えてございます。環境省としましては、二〇一六年に策定しました工程に基づきまして、除去土壌の再生利用を進めているところでございます。  具体的には、地元の皆様の御理解の下に、現在、南相馬市東部仮置場及び飯舘村長泥地区におきまして、盛土を造成し、空間線量率や浸透水などのモニタリング調査をやりながら安全性を確認しているところでございます。  ただ、長泥地区では、実際に造成したところにおいて、昨年度は食用作物の栽培実験を実施をし、放射性セシウム濃度が〇・一から二・三ベクレル・パー・キログラムということで、一般食品の基準値である百ベクレル・パー・キログラムを大きく下回る測定結果が出てございます。  今後とも、地元の皆さんの御理解、協力をいただきながら、丁寧に進めてまいりたいと考えてございます。
  118. 足立康史

    足立委員 今、福島県内の実証事業の御紹介がありましたが、これは県外でやらないんでしょうか。福島でまずやるということではないと承知しています。これは全国で実証事業をやりたいんですね。そういうことでいいですね。  では、まず、福島に限定していないということを確認したいことと、なぜ福島県外でまだ実証事業が行われていないのか。
  119. 森山誠二

    森山政府参考人 お答え申し上げます。  除去土壌の再生利用につきましては、専門家による議論を踏まえながら、再生利用の安全な実施に関しまして、公共事業等において適切な管理の下に行う基本的考え方を示し、実証事業により、その安全性を確認することとしてございます。  現時点で、福島県外において再生利用の実証事業を具体的に想定している場所はございませんが、基本的考え方におきましては、再生利用の対象を福島県内に限定したものではございません。  環境省では、今年度から、減容や再生利用の必要性、安全性を皆さんに理解してもらうということで、全国各地で対話集会を開催するなど、全国での理解醸成活動を抜本的に強化していくことをしているところでございます。
  120. 足立康史

    足立委員 申し訳ないけれども、難しいと思うんですよね。だって、それ、土ですよ、土。受け入れるのは、やはり民主主義社会において、首長が我こそはと言うのは、私は無理だと思います。  だって、東北の瓦れきだって大変だったんですね。東北の瓦れきを受け入れるときも、当時の橋下市長、松井知事、あるいは石原都知事、いろいろな方が走り回られましたけれども、大阪市役所を市民が取り囲んで、橋下辞めろという大変な反対運動に遭うわけです。だって、東北の瓦れきですよ。東北って、どこだったかな、福島じゃないんですよ。宮城かどこかの瓦れきを受け入れるだけでもそういうことになって、政治生命が脅かされるわけですね。  だから、私は、細野大臣が当時決めた枠組みは、もう民主党政権なんだからチャラにして、除染土は、福島の皆さん、申し訳ないと。除染土はもう今のまま、中間貯蔵施設を最終処分場にさせていただくしかないと思います。減衰していきますから、いずれ、そこの対処のしようによっては、また活用できるようになるわけですね、時間がかかりますけれども。  そういう中で、処理水について、私は、福島県外に持ち出す方法を議論したいと思いますが、今の原子炉等規制法でも、例えば、既存の原発の廃棄施設とかにそういう処理水をシェアするということは法令上可能であると承知していますが、金子さん、毎度済みません、よろしくお願いします。
  121. 金子修一

    金子政府参考人 今、足立先生御指摘のように、原子力発電所からの排水は、法律上、十分に希釈したものであっても、海洋に放出するなどして処分が終了するまでは、液体放射性廃棄物として取り扱う必要がありますので、もし外に持ち出すということでありますと、輸送であるとか、その後の輸送先の施設について規制をするという前提の下で、そういった動かすことは可能になっている仕組みでございます。
  122. 足立康史

    足立委員 これは大分議論しました。よく難しい、難しいと言うんですけれども、福島の沿岸あるいは沖合に流すのも大変ですね。だから、これは何をするにも大変なんです。だから、何かよく、全国で処理水をシェアするのは難しい、難しいと言うけれども、今、金子さんがおっしゃったように、これは法令的には可能なんですね。  でも、土は法律を作ってやっているわけでしょう。これはJESCO法ですか、土を県外処分するときの法的根拠をちょっと教えてください。
  123. 森山誠二

    森山政府参考人 お答え申し上げます。  福島県内で生じました除去土壌等の県外最終処分の方針は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社法、いわゆるJESCO法でございますが、その第三条第二項において、国の責務として規定されるところでございます。
  124. 足立康史

    足立委員 要は、土は法律を作ってやっているわけですね。水は法律を作らなくてもできるのにやらないというのは、やはり私は得心がいかないわけであります。  もちろん、今の法律だけではなくて、新しく法律を作って、例えば、原子炉等規制法にALPS処理水を保管、廃棄する施設についての類型を新設をして、許可を得る枠組みを検討するとかいうことも、私たちは、また再選をできれば、これを法律の形にして、この経産委でも議論させていただきたい、こう思っています。  経産委員の皆様も聞いていただいて、これに、いや、こうだからこうなんだと、こうだから除染土は三十年後県外処分ですよ、最終処分だけれども、処理水は福島沖か沿岸でやるんだという合理的説明を、私、聞いたことがない。水が無理なのに、土がいけるなんということはあり得ないです。土は無理でも、水なら何とか分かち合うことができる、これが私たち、私の考え方であります。  大臣、処理水を福島だけにお願いをすることに今なっているというか、基本的にはそうなっていると思うんですが、やはり復興の基本理念、全大臣が復興大臣だということですから、経産大臣におかれて、処理水を福島だけにお願いすることは、私は復興の理念に反しているんじゃないかと。いかがですか。
  125. 梶山弘志

    梶山国務大臣 国民の皆様に理解をいただいて、分かち合うことができれば、それにこしたことはないと思っておりますけれども、やはり時間的な制約がある中で、また、先ほど答弁もありましたけれども、許認可があればということでありますが、その許認可のための施設であるとか、輸送、運搬手法であるとか、そういったことも含めて、なかなかやはり今の仕組みの中では時間がかかるということだと思っております。
  126. 足立康史

    足立委員 今、大臣の方から、時間がかかるというお話をいただきましたが、処理水を福島沖、沿岸に海洋放出するのもむちゃくちゃ時間がかかります。十年では終わりません。二十年、三十年かけてやるわけですね。  それで、では、なぜ今自公政権でこうなっているかといえば、私が僭越ながら申し上げれば、それは先延ばしなんです。その先延ばしをやったのは民主党政権ですよ。仕方ない面もある。あれだけ大変な事故、シビアアクシデントが起きた、その処理をする、対応するときに、取りあえず地元の了解を得るために、将来に先延ばしできるものは先延ばししたわけですね。  それは分からぬではないんだけれども、もう今、それは落ち着いているというか、未来のことを考えていくに当たっては、当時の判断をずっと引きずるのではなくて、改めて、未来につながる、要は、私は細野さんが日本国民をだましているんだと思いますよ。  細野さんに言ってあるんですよ。処理水のこと、御熱心で、漫画まで出されていますけれども、処理水はもうみんな分かっているから、あなたが言わなくても、処理水はみんなでやっているんです、大臣、一生懸命やっていただいている。そういう簡単なところばっかり、こうやって、やったふりをするわけです。  私は細野さんに、あなたがやるべき仕事は、自分が決めた三十年後県外というのを撤回することだ、それがあなたの仕事だということをずっと言っているんだけれども、もごもごもごと。やっと得たのが、現実的ではないということを認めさせたわけですよ、私はツイッターで。でも、国会でそれを取り上げても、政府は、いや、細野さんはもう政府じゃないので知りませんということで、余り議論になりません。  そういうことで、済みません、大臣、僭越ながら、この処理水の問題は、道筋をつけていただいたことには敬意を表したいと思いますし、感謝をしておりますが、じゃ、この土はどうするんだということを先延ばしするのは無責任であるという観点から、また総選挙でもお訴えをしてまいりたいと思います。  最後、一分ほど、ちょっと一言申し上げますが、実は今、先ほど申し上げましたが、私、ここ一週間、二週間で、この四年間の棚卸し作業をやっています。だから、この問題もずっといろんなところで議論してきましたが、今日、大臣と、私の思いをお伝えし、また御答弁をいただいたことは、ある意味で私のこの三期目の総決算ということでさせていただきました。  もう大臣は関係ありませんが、ほかにもいろいろありまして、ちょうど自民党の上野宏史さんが今警察と御相談されていますが、大変なユーチューバーがいるわけです。デマばかり。半導体についても、今、経産大臣を筆頭に、TSMCとかいろいろやっていただいている。私も家族に半導体メーカーの人間がいるものですから、それなりに詳しいんですけれども。すごいデマを、それで何か上野さんも被弾していまして、ユーチューバーって怖いんですよ、暴れられると票が減りますから、こっちは。  それで、今、警察と相談されていますが、そのユーチューバーが中国残留邦人についてのひどいデマを流されていたので、私もそれはばっさりと内閣委員会で切らせていただきましたが、これからも政治家として、ユーチューバーは怖いんです、触れない方が得なんですが、あえて票が減るリスクを冒しても、正義は正義、守るべきは守る、そういう観点から、これからもたまに経産委にも来させていただきたい、再選されればですね。再選されれば経産委でまたお世話になりたいと思いますので、よろしくお願いします。  金子さんも、今日はありがとうございました。済みません。
  127. 富田茂之

    富田委員長 次に、浅野哲君。
  128. 浅野哲

    ○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。  本日最後の質疑ですけれども、よろしくお願いいたします。  本日は、今日委員会の前半でもありましたが、これからの日本国内の産業界が凋落の運命をたどらないようにするにはどうすればいいかという視点で、大きく二つテーマを設定させていただきました。一つは研究開発、もう一つはビジネス環境であります。  その前に、今日お配りした資料の一を御覧いただきたいと思うんですけれども、こちらには、これまで皆さんも恐らく見たことがあるであろう、IMFが発表している世界経済見通しの四月発表のデータを載せております。これを見ますと、日本の成長見通しなんですが、二〇二一年には三・三%、そして二〇二二年には二・五%という数字が出ているんですけれども、上下に並んでいる諸外国と比べますと、やはりこれ、どうしても見劣りしている状況にあります。  今年と来年の予測だけがここにありますが、その先も見据えたときに、非常に強い危機感を私は感じておりまして、やはり、将来を見据えた、今はコロナ対策も重要でありますが、その先を見据えた仕込みというのもしっかりと行っていかなければいけないと思います。  まず大臣にお伺いしますが、このIMFの見通しを御覧になって、現在の日本の成長見通しについてどのような所見をお持ちになっているか教えてください。
  129. 梶山弘志

    梶山国務大臣 御指摘のとおり、今年四月のIMF世界経済見通しでは、二〇二二年の実質経済成長率は、世界全体でプラス四・四%であるのに対して、日本はプラス二・五%で、先進国のうち、ユーロ圏や英国と比べても低い成長見通しとなっております。  他方、IMFの見通しでは、日本は、他国との比較で、二〇二〇年の落ち込み幅が相対的に小さかったこともあり、コロナ前の経済活動水準への回復がユーロ圏や英国よりも早期に、二〇二一年後半に実現するとの見方も示されております。日本は二〇二一年にコロナ前の水準に回復するため、二〇二二年は相対的に低い成長率になっていると認識しております。  経済産業省としては、引き続き、経済動向を注視するとともに、必要な対応をしっかりと行ってまいりたいと思っておりますけれども、コロナ前に戻った後の成長がどうなのかということをしっかりと考えなければならないと思っておりまして、そこにはやはり、しっかり成長の土台となるものを、種をしっかりまいていくということもこれからの仕事であると思っております。
  130. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございました。  土台をしっかり、種をまいていくことが重要だという大臣の御認識ですけれども、私もその点は同意をさせていただきたいと思います。  そこで、日本と世界の研究開発の環境を簡単に今日はちょっと議論させていただきたいんですけれども、資料の二を御覧いただきますと、これは、主要国の研究開発費のうち、政府負担、政府がどれくらい負担をしているのかというのを各国まとめたグラフを示しております。例えば、一番上にありますフランスでは三四・八%の政府負担割合、そして、OECD平均では二五・八%、アメリカが二二・七八%、中国がおよそ二〇%ということなんですが、これは一番下をずっと低位安定で推移しているのが日本でありまして、一五%という数値であります。  これは二〇一七年時点の数値でありますが、日本の、これから種をまくためには、やはり、その種をまいただけではなくて、それを育てる肥料も必要、エネルギー源が必要であります。政府としてしっかりとその姿勢を示していただきたいと思っているんですけれども、まず、最新の状況について、これは二〇一七年のデータですから、最新のデータがどのようになっているのか、事実関係を教えていただきたいと思います。
  131. 萩原崇弘

    萩原政府参考人 お答え申し上げます。  日本の研究開発投資総額における政府の負担割合でございますけれども、最新のOECDのデータによりますと、二〇一八年は一四・五六%、二〇一九年は一四・六七%となっております。  また、このOECDのデータの各国比較は、統計の内容等の差異によって、単純な比較は少々難しい面があることを申し添えたいと思います。  なお、日本の研究開発投資総額につきましては、二〇二〇年の十二月に公表されました総務省の科学技術研究調査によりますと、二〇一九年、十九兆五千七百五十七億円ということで、全体といたしましては、三年連続で増加して、過去最高となっているというところでございます。
  132. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございました。  政府負担割合、一八年度、一九年度の最新値を教えていただきましたが、大きく改善はしていないのかなという印象を受けております。  一方で、額自体は過去最高額ということなんですが、恐らく、それが何割増えたというレベルではなくて、上がり幅としては、もう少し、桁が一つちっちゃいのかなというふうに私は認識をしております。  ですから、やはり、根本的に、この研究開発に向けて政府がどう支援していくのかということについては、本当に、世界の中でこれから国内産業が生き残り、そして勝ち上がっていくことを考えれば、その部分も、根本的な部分も是非検討いただきたいということを述べさせていただきます。  その上で、先日、今月、六月に入ってからですけれども、経済産業省が半導体戦略を発表されました。私、これを一通り読ませていただいて、かなり、もう国家事業として半導体分野を支援していくんだ、そんな強い意思が感じ取れたわけですけれども、更に興味深かったのは、過去の反省点が珍しく資料の中に明記されていることなんですね。例えば、日の丸自前主義が間違っていたとか、水平分業、水平分離の失敗をしてしまったですとか、やはり諸外国が国家的な企業育成を取り組んだのに対して日本がそれについていけなかった、こういったことが、かなり、自己批判といいましょうか、明確に書かれていまして、これは大きく評価をしたいところです。  やはり、半導体を今例に挙げさせていただきましたが、直近、これも最近発表されたものなんですけれども、エネルギーに関する年次報告というのも併せて経済産業省は最近発表しております。これを見ますと、半導体も日本の強み分野ではあるんですけれども、半導体以外に、例えば、水素に関する特許、あるいは自動車や蓄電池分野、そして農林水産分野でも、日本の産業競争力というのは、いわゆる知財的な観点からいった競争力というのは世界の中で首位を今走っているということが書かれております。  やはり、こういった強み分野を更に育てて、これから中長期的に我が国の産業界が諸外国の産業界をリードしていけるような環境をつくっていくべきだと思います。そのためにも、研究開発の大玉化、重点化、こういったものが必要なのではないかと思うんですけれども、その必要性について、政府の現在の認識を教えていただけますでしょうか。
  133. 梶山弘志

    梶山国務大臣 委員がおっしゃるように、これまでと違ったフェーズになってきた、そして、これから技術開発というのが、国際競争、まさに大競争の時代になってくるという中で、研究開発というのは非常に重要な役割を果たしていくと思っております。  半導体でそういった反省を生かしながら、水素の面、そして、これからの、例えばCO2の回収の問題、そしてリサイクルの問題、そういったものも含めてしっかり対応していくという中で、今言ったテーマの大玉化ということに関しましては私どももしっかりと認識をしているところでありまして、今年三月に策定しました科学技術・イノベーション基本計画において、今後五年間で約三十兆円の政府研究開発投資を確保して、これを呼び水として、官民合わせて約百二十兆円の研究開発投資を行っていくことを明記をさせていただきました。  分野別でも、二〇五〇年までのカーボンニュートラルを実現するべく、令和二年度三次補正予算において、過去に例のない二兆円の基金を造成をしたということであります。具体的な目標へのコミットメントを示す企業に対して、十年間、水素等の重点分野における革新的技術開発を継続して支援をしてまいりたいと思っております。  ただ、この額でも桁が違うというような指摘も受けるわけでありますけれども、やはり技術の進展具合によってしっかりと予算を投入していくということをやってまいりたいと思っております。
  134. 浅野哲

    ○浅野委員 是非、総額規模でいえば、確かに各国の経済規模に準ずる部分もありますから、桁としてそこに追いつくというのは難しいかもしれないんですけれども、やはり、技術分野ごとに見たときに、カテゴリー別に見たときに、しっかりと、コンペティターに対して日本の戦略が十分かどうか、こういった観点での分析、評価も是非行っていっていただきたいなというふうに思います。  続いて、ビジネス環境について質問をさせていただきますが、本日の資料の四に、世界銀行が定期的に発表しております各国のビジネス環境ランキングというものの、日本と中国を今回例に挙げているんですが、掲載させていただきました。  このビジネス環境というのは、この資料に書いてありますが、例えば、事業設立のしやすさだったり、許認可の取りやすさであったり、金融へのアクセス性だったり、こういった要素を総合的にスコアリングして各国の順位を決めているものなんですけれども、日本を見ていただくと、二〇〇六年段階では十位でした。それが直近、二〇二〇年では二十九位ということであります。中国は、二〇〇六年のときは九十一位だったものが、二〇一四年を過ぎたあたりから順位を徐々に上げ始めて、特にここ二、三年の間にジャンプアップしておりまして、現在三十一位と、日本よりも二つ下のポジションにあるということであります。  何が言いたいかといいますと、市場規模の大きさだけでいうと、中国の市場規模はかなり巨大ですから、事業者から見たときに魅力的な市場です。日本の強みはこれまで何だったかというと、市場へのアクセスのしやすさという観点で日本は優位に立っていたという分析ができると思うんですけれども、それが、ここに来て、二〇二〇年、ほぼ横並びになってしまったということは、やはり、これから、日本以外の国、例えば中国などに、事業、ビジネス機会を求めて出ていく企業がどんどん増えていくんじゃないか、このように懸念しております。  そこで、質問なんですが、この二十九位という状況ですね、中国は三十一位という状況もありますが、日本の規制の在り方、ビジネス環境について、どのような政府は認識を持っているんでしょうか。
  135. 和田義明

    ○和田大臣政務官 お答え申し上げます。  御指摘のありました世界銀行のビジネス環境ランキングですが、事業規制等に関する手続の数、時間、それからコスト等の定量的な評価に加えまして、手続のオンライン化の有無など質的な評価を行い、十の分野について総合的な評価を行うものでございます。  我が国に対する評価は、国際的に見て手続の数が多い、時間がかかって長い、オンライン化が不十分などを理由に、二〇一六年には百九十か国中三十四位まで順位が後退してございます。  このため、二〇一七年十一月に事業環境改善のための関係府省庁連絡会議を設置いたしまして、世界で一番企業が活動しやすい国の実現に向けて、世界銀行の調査に対して積極的に協力し、我が国のビジネス環境が適切に反映されるようにすること、また、法人設立や契約執行等の十の分野において改善策を検討実施することで、世銀のビジネス環境の現状二〇二〇では、百九十か国中二十九位まで順位が改善してございます。  更なる取組として、法人設立や不動産登記、そして民事訴訟などのIT化というものを直近進めておりまして、一番直近のこの調査におきましてはランクが上がるであろうというふうに予測をしております。  その一方でございますけれども、この調査のやり方についても、少々、日本のほか、先進国、フランス、ドイツ、イギリス等々では疑義を示している部分も実はございます。  例えば、元々この調査につきましては、途上国の応援ということをベースにつくった調査でもございましたので、なかなか先進国になじまないといった部分もございまして、例えば法人設立の分野におきましては、中小企業の有限責任会社設立を前提にしている調査のみであったりとか、また、ヒアリングを行う相手であったり、また、輸出入のところも、少量の貨物の陸送における簡易検査と大規模な貨物を動かす海運、これを同基準で比較をしているといったこともございます。ですので、世銀に対してはこういったところの改善も求めてございます。  いずれにいたしましても、二〇一三年の六月に、二〇二〇年までにこのランキングにおいてOECDの中での三位を目指すといったKPIを閣議決定してございますので、今後とも内閣官房としては、関係機関による取組状況をしっかりと進捗管理して、必要に応じて世銀に対しても改善方法等々を提示、指示して、更に取組を加速させるために精進してまいりたいと思います。
  136. 浅野哲

    ○浅野委員 御答弁ありがとうございました。  このビジネス環境ランキングの評価手法自体も改善が必要な点も今おっしゃっていただいたようにあろうかと思いますし、新興国支援というのも分かりますが、やはり何よりも公平な評価環境の構築というのが重要だと思いますので、そこは是非これからも取り組んでいただきたいと思います。  今日、もう一つこのビジネス環境の観点で言いたいのは、今のランキングは、どちらかというと、規制というものがもう既にあったという前提で、いかにその規制をクリアしやすいか、許認可を取りやすいか、あるいはアクセスしやすいか、そのしやすさという観点でランキングをつけた場合にこうなるよというものなんですが、そもそも、日本の規制が厳し過ぎるんじゃないかという、規制そのものに対する改善の問題意識というのも存在しております。  資料五を見ていただきますと、これは六月八日の日経新聞一面に載った記事なんですけれども、要するに、国内で生まれた新興企業が日本の国内市場にチャンスを見出せず海外に出ていってしまったという記事なんですね。  この記事を読んでいただければ分かるように、例えば医療分野などでは、国内規制、国内の法律が壁になって新しい事業が行えない、例えばAIとオンライン診療みたいなのを組み合わせた、IT事業者がオンライン診療分野に参入しようと思ったときに、医療法人、非営利団体でないと参入できなかったりという問題があって、国内の市場進出を断念したというものなんですが、やはり日本の今の国内規制の在り方そのものを見直す必要性というのがあると思うんです。  それに関して、政府における取組体制の現状や現状の体制に対する問題意識があれば、是非お聞かせいただきたいと思います。
  137. 彦谷直克

    彦谷政府参考人 お答え申し上げます。  規制はその時々の社会経済上の必要があって設けられているものではございますけれども、その後の技術革新や経済環境の変化に伴いまして、適時適切に見直しを行うことが重要でございます。昨今であれば、デジタル社会の進展、それから経済社会のグローバル化を踏まえた規制制度の見直しが重要な課題であると考えております。まずは規制所管省庁が規制の見直し、自己の所管する規制の見直しを、海外の状況もしっかりと踏まえながら、規制の見直しの議論を行っていただきたいと考えております。  それに加えまして、規制改革推進会議におきましても、これまでもそういった視点を取り入れて議論をしております。個別の事例で申し上げますと、例えば電波オークションの制度、それから放送・通信の融合、こういったものについても海外の事例を参考とした規制の見直しを求めているというところでございます。  今後とも、海外の規制制度を踏まえながら、しっかりとした規制改革議論を行うことが重要だと考えているところです。
  138. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。  お願いなのは、事前のレクの中で分かったことは、例えば業界団体とか消費者から、あるいは個別の事業者から、この規制を見直してほしいという要望があったときに、それを受けて検討する機能というのは今の政府の中にあるそうなんですが、諸外国の市場動向、規制動向をモニタリングしてそれを国内に能動的にフィードバックする仕組みあるいはその担当部局というのが、現状ないそうなんです。ですから、今後の日本国内市場の魅力度向上に向けても、そういった取組は是非政府としても取り組んでいただきたいと思います。  最後、一問だけ、エネルギーの話をさせてください。  これから再生可能エネルギーが増えていく時代がやってくる中で、やはり系統の安定性の確保というのが問題になってきます。そんな中で、今、直流送電技術が注目を集めています。これもいわゆるゲームチェンジャーと呼ばれる技術の一つですけれども、この直流送電について、電力広域機関で、昨年の法改正で、中長期的なプッシュ型の系統整備計画を広域機関が立てるということになりました。この中で直流送電技術がどういうふうに位置づけられているか、計画されているか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
  139. 松山泰浩

    松山政府参考人 お答え申し上げます。  二〇五〇年カーボンニュートラルに不可欠な再エネの大量導入のためにも、そしてまた災害時にも安定供給を継続できるためのレジリエンスのためにも、日本のネットワークを次世代化し、安定的なものに変えていくことが大変重要なことだと考えてございます。  委員から御指摘ございました、昨年成立しましたエネルギー強靱化法に基づきます広域機関におけるマスタープランの策定というのを今順次進めているところでございまして、二〇二二年度中の策定を目指しているところでございます。  先月、中間整理を公表したわけでございますが、その中で、再エネの適地となります北海道ですが、需要地から遠いところ、直流送電というのは交流と違いまして、長距離、一定の電圧で送る場合に効率的に送れるというメリットがあるわけでございますので、こういう場合における長距離の直流送電の必要性も含む検討結果というのを今公表しているところでございます。  国内では、一部にはございますけれども、長距離で行っているものはまだございません。ですので、現在、今年の三月でございますけれども、電気工学、洋上風力の専門家、関係団体等に御参加いただいた専門の議論の場を立ち上げたところでございまして、こうした議論を踏まえ、FSなども通じまして、具体化に向けた取組を進めていきたい、このように考えてございます。
  140. 浅野哲

    ○浅野委員 その検討結果を是非分かりやすく産業界にも周知していただき、再エネの普及拡大に資してもらうことをお願いして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。
  141. 富田茂之

    富田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十五分散会