○逢坂
委員 非正規
雇用の課題、いろいろあると思うんですが、今、
新原さんからいろいろお話しいただきましたけれども、確かにそういう
雇用を望んでいる方もいるとは思うんですけれども、非正規
雇用の課題というのはやはり、自分の賃金が将来どうなるのか、なかなか予見可能性、見通すことができないということがあると思います。
それからもう
一つは、非正規の職員の方に対して
企業経営者は基本的には人材育成の
投資はしない、社員教育のようなことは基本的にしないわけです。そうなりますと、働き手としての蓄積、経験が高まっていくということがなかなかなりにくいのも私は非正規の問題だと思います。あるいは福利厚生、こういう点でも、非正規の方々は必ずしも十分ではない。それからもう
一つ問題なのは、根本的に、非正規ですから、職が不安定だということもあると思うんですね。こういう課題を非正規の方は抱えている。
特に私は問題だと思うのは、働き手としての蓄積がなかなか、経験値あるいはその職能、これが高まっていく機会が少ないというところが私は最終的には大問題だと思うんです。これも中長期的に見たら私は日本の力を弱めるというふうに思うんですね。この点は
是非もう少し長い目線で考えなきゃいけないなと思っています。
それで、今日、後半のテーマでやりたいのは人口減少なんですけれども、お手元に
資料を用意させていただきました。
実はこれは今年の初めの
予算委員会で多少やったんですけれども、議論が必ずしも深まりませんでしたので、改めてここでやらせていただきたいんです。
日本の今の出生数、これが約八十数万人。ピーク時は二百七十万人、これは一九四九年、昭和二十四年であります。このときに二百七十万人ですから、今はピーク時の三分の一にも満たないというのが日本の
実態なんですね。
ところが、それじゃ、生まれる子供の数、御夫婦が結婚したときに生まれる子供の数はどうなっているのかというのを見ると、
大臣、このグラフを見てください、裏にあります、両面コピーしておりますので。これを見ていただくと、一九七二年、ちょうど札幌オリンピックの頃です、このころから五十年余り、結婚したカップルに限っていえば大体お二人なんですよ。だから、生まれる子供の数というのは、この五十年ぐらい、御夫婦に限って見ると、変わっていないということなんですね。
だから、子育て
支援というのは私すごく大事だと思います、幼稚園や保育所を充実したり、様々手当を出したりというのはすごく大事なんですけれども、子育て
支援よりも前に、実は日本の少子化の問題があるのではないかというふうに私は思っています。
そこで、次のところ、日本の婚姻数です。
婚姻数は、一九七二年当時、約百万件、年間に百万件婚姻していました。現在はそれが六十万を切るような状態になっている。そもそも結婚する方が減っているということが大きな問題なんですね。だから、結婚しさえすれば、先ほどのこのグラフのように、ある一定程度、お二人程度はお子さんをもうけておられる。でも、今は結婚の数そのものが減っているというところが大きな問題だと思うんです。
そこで、それじゃ、結婚は何に起因するのかなと。内閣府の調査によれば、結婚したくないという人はそんなにいらっしゃらない。どちらかというと、結婚を望んでいる人の数は結構いらっしゃるわけです。
そこで、このグラフを見ていただきたいんですが、直線三本のグラフですね。これは実は、
雇用の形態による有配偶者率であります。赤い線が正規職員。三十代から、三十四歳までの間を見ると、正規職員の有配偶者率は約六割。ところが、これが非正規になると、非正規も、パート、アルバイトとそれ以外に分けておりますけれども、二割台、あるいはパート、アルバイトだと一五%程度ということで、職の在り方によって随分有配偶者率が変わるということなんです。
それから、もう
一つのグラフを見てください。これは男性の年収別の有配偶者率を見たものでありますけれども、これを見ても一目瞭然でありますけれども、
所得が高い方が有配偶者率は高いんだということなんですね。だから、やはり
お金が少ないというところは、私は、なかなか結婚できない、望む方が結婚できないことの背景にあるのだろうというふうに思うわけです。
そこで、じゃ、
従業員の給料を増やせばいいだろうということなんですけれども、労働分配率の
データもつけましたけれども、労働分配率は、明らかなとおり、大
企業、
資本金十億以上のところは労働分配率は五割程度。だから、まだ場合によっては余力があるのかもしれない。ところが、
資本金一千万から一億程度のところは労働分配率七六%。これは
企業によってばらつきがありますけれども、小さい
企業だったら八割いっているところもあります。そういうようなところもあって、だから、
企業に対して一律に、非正規を正規にしろとか、
従業員の給料を上げろということを言っても、うまくいかないのではないかというふうに私は思うんですね。
そこで、先ほど
大臣のお話の中にもありましたけれども、若い人の給料を増やしていくことが大事だという話がありましたけれども、私もそれは全く同感でありまして、これは
予算委員会のときに使った
資料なものですから、何かちょっと仰々しいあれでありますけれども、私は、若い人への
支援というのは社会全体にプラス効果があるだろうというふうに思っています。
一つは、結婚適齢期とか子育て世代の人たちに
お金を増やしてあげるということ。それは、給料で増やすのか、いろいろな方法はあると思いますけれども、望む方が結婚しやすいということですよね。人口減少対策にもなっていく。
それからもう
一つは、若い方々は限界消費性向が高い。
所得が増えれば増えた分だけ、消費に回す割合、率が高いわけですから、若い方々に払った
お金はすぐ、もう一回マーケットの中で回るということになりますわね。
それから、若い方々に
支援すると、よく高齢者の皆さんから、何だ、高齢福祉をないがしろにするのか、若い者だけに応援するのかということを言われがちですけれども、私はそうは思わない。若い方々の収入が増えていくと、社会保険料が増えますし、社会保障の基盤がしっかりしていくことになりますから、そうなれば、それは全世代にとってプラスになるということだと思っています。
だから、私は、若い方々の職を安定化させること、それから、将来の予見可能性のある給与というか賃金というか、そういうものをつくっていくことが非常に大事なことになるのではないか。それが、先ほど
大臣が、日本の経済の好循環をつくるときに、消費が先なのか給料を上げるのが先なのか、いろいろなことがありましたけれども、私は、若い皆さんを応援していくというところが大きなポイントになるのではないかと。
そこで、
大臣に
是非お伺いしたいんですが、若い皆さんの職を安定化させて、予見可能性のある将来の
所得、それをどうやってこれから保障するというか、そういう見通しのある働き方のできる社会にしていくか、その点について、
大臣、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。