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梶山国務大臣 御
説明に先立ちまして、法案の条文案に四か所、条文案以外の参考
資料に二十か所の誤りが判明したことにつきましては、国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として、誠に申し訳なく、改めて深くおわびを申し上げる次第であります。今後このようなことがないようにしっかりと対応してまいります。
ただいま議題となりました
産業競争力強化法等の一部を改正する等の
法律案につきまして、その提案
理由及び要旨を御
説明申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、我が国
経済が戦後
最大の落ち込みを記録する中、厳しい
状況に置かれている
事業者に対し、引き続きその事業継続や雇用の維持に必要な支援を行っていく必要があります。他方、世界各国で新たな日常への模索が続く今こそ、我が国が旧態依然とした
経済社会システムから本格的に脱却し、グローバルな構造変化へと一気に適応していくチャンスでもあります。
成長戦略としての二〇五〇年カーボンニュートラルの実現、デジタル化への対応、新たな日常に向けた事業再構築など、山積する課題に対し必要な取組を進めることで、我が国産業の持続的な発展を図ることが重要です。さらに、人口が急速に
減少する中、地域の
経済や雇用を支える小規模
事業者の持続的発展を図りつつ、中小企業から中堅企業への成長を促すことで
海外で競争できる企業を増やしていくことが必要です。
こうした
状況を踏まえ、本
法律案を提出した次第であります。
次に、本
法律案の要旨を御
説明申し上げます。
まず、産業競争力強化法の一部改正等です。
第一に、グリーン社会への転換のための施策を講じます。カーボンニュートラル実現に向けた
事業者の計画を認定し、脱炭素化効果が高い製品の生産
設備への投資や、生産工程等の脱炭素化を進める
設備への投資に対する税額控除や計画の実施に必要な借入れに対する利子補給を措置します。
第二に、デジタル化への対応のための施策を講じます。デジタル技術を活用した全社レベルのデジタルトランスフォーメーションに関する
事業者の計画を認定し、クラウド技術を活用したソフト、ハードのデジタル関連投資に対する税額控除などの措置を講じます。
第三に、新たな日常に向けた事業再構築のための施策を講じます。コロナ禍などで赤字を被った企業が、カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション、事業再構築等に取り組む場合に、
事業者の計画を認定し、繰越欠損金の控除
上限の引上げなどの措置を講じます。
このほか、コロナ禍を踏まえ、バーチャルのみで株主総会を開催することができる特例や、大型ベンチャー企業への債務保証
制度、事業再編、事業再生の円滑化等に関する
制度を措置します。
次に、中小企業等経営強化法、地域
経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律及び下請中小企業振興法の一部改正です。
第一に、中堅企業への成長促進のための施策を講じます。中小企業の積極的な事業や規模の拡大を促進する経営革新計画の承認
制度等について、新たな支援対象類型を創設し、金融支援等を措置します。
第二に、中小企業の経営資源の集約化のための施策を講じます。MアンドAに先立ち実施する
調査に係る事項を記載した経営力向上計画を認定し、MアンドA後の簿外債務等のリスクに備えるために積み立てた準備金の
金額の損金算入や金融支援を措置します。あわせて、中小企業が所在不明株主の株式の買取り等を行うまでに必要な
期間を五年から一年に短縮する特例を措置します。
第三に、中小企業等の経営基盤の強化のための施策を講じます。中小企業者と連携して事業継続力の強化に取り組む中堅企業に対し、金融支援等を措置します。あわせて、フリーランスに見られる取引を始め、より広い取引を下請中小企業振興法の対象とする等の措置を講じます。
また、これらの措置に加えて、独立行政法人中小企業基盤整備機構法について必要な改正を行います。
以上が、本
法律案の提案
理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。