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2021-06-04 第204回国会 衆議院 環境委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年六月四日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石原 宏高君    理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君    理事 土屋 品子君 理事 福山  守君    理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君    理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       金子万寿夫君    神谷  昇君       小島 敏文君    武村 展英君       出畑  実君    百武 公親君       古田 圭一君    細野 豪志君       務台 俊介君    八木 哲也君       近藤 昭一君    篠原  孝君       関 健一郎君    長尾 秀樹君       堀越 啓仁君   松木けんこう君       山岡 達丸君    横光 克彦君       吉田 宣弘君    田村 貴昭君       森  夏枝君     …………………………………    環境大臣         小泉進次郎君    農林水産大臣      葉梨 康弘君    環境大臣        笹川 博義君    環境大臣政務官      神谷  昇君    政府参考人    (農林水産技術会議事務局研究総務官)       川合 豊彦君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  小野  洋君    政府参考人    (環境省水大気環境局長)            山本 昌宏君    政府参考人    (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局長)         森山 誠二君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局次長)        松澤  裕君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君    参考人    (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)           文挾 誠一君    環境委員会専門員     飯野 伸夫君     ――――――――――――― 委員の異動 六月四日  辞任         補欠選任   畦元 将吾君     出畑  実君   堀越 啓仁君     山岡 達丸君   斉藤 鉄夫君     吉田 宣弘君 同日  辞任         補欠選任   出畑  実君     畦元 将吾君   山岡 達丸君     堀越 啓仁君   吉田 宣弘君     斉藤 鉄夫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  環境基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 石原宏高

  3. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石原宏高

    石原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。生方幸夫君。
  5. 生方幸夫

    生方委員 おはようございます。立憲民主党生方でございます。  質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。また、東電文挾社長、何度もお越しをいただきまして、大変ありがとうございます。  それでは、早速、東電にお伺いしたいというふうに思います。  お伺いしたいのは、汚染水の問題です。汚染水海洋放出するということが報道されております。私どもは、二〇一五年に東電と経産省と地元漁協等を含めた三者で話合いをし、関係者理解なしにはいかなる処分も行わないという文書があるということを承知しておりましたので、地元反対あるいは全漁連反対等がある中で新たな方針を下すとは思ってはおりませんでした。  この方針が出た後、東電も含めて地元方々協議をした。その協議の場でも、しっかりとこの一五年の方針というのを遵守してまいりたいというふうに述べております。これは、遵守してまいりたいというのは一体どういう意味かからお伺いしたいと思います。
  6. 文挾誠一

    文挾参考人 お答えさせていただきます。  処理水の取扱いにつきまして、地元皆様を始め社会の皆様から反対とかあるいは懸念する声が上がっていることにつきましては承知をしてございまして、大変重く受け止めてございます。  また、当社といたしまして、処理水処分につきまして、福島漁連様等の関係者理解なしにはいかなる処分も行わないという約束をほごにするという考えは、今も持ってございません。  当社は、希釈して海洋放出するという政府基本方針を踏まえまして、四月の十六日、当社といたしましての対応方針を公表したところでございます。対応方針の公表以降、関係する各自治体の首長あるいは議会、漁業関係者皆様等へ御説明を実施しているところでございますが、まだまだ説明不足というふうに考えてございます。  丁寧説明が必要と考えております。今後も引き続き、関係者皆様から御意見を伺うとともに、御理解が得られるよう努力をし続けてまいる所存でございます。  以上でございます。
  7. 生方幸夫

    生方委員 理解が得られるように努力をする、それは当然のことだというふうに思いますが、少なくとも理解を得られるまでは、新たなことに着手をするというのはおかしいと思うんですね。この最初の約束は、理解なしにはいかなる処分も行わないというふうに言いながら、新聞報道を見ると、新たにタンク二十三基を造るとか、第一の沖までパイプを通じて海洋放出するとかということが報道されているわけですよ。  そうすると、地元理解を得ることなく何もやらないというふうに言っておきながら、実はその裏で、地元理解が得られる前にタンクを造ったり、あるいは海洋放出のためのパイプを造ったりというのは、これは、地元人たちにとってみれば、我々は何の了解もしていないのにもう既に工事に着手しているじゃないかということになってしまうと思うんですが、その辺いかがですか。
  8. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  海洋放出に向けまして、東京電力事故当事者でございます。ですので、主体的に取り組んでいく責務があるというふうに考えてございます。  四月十三日に、繰り返しになりますが、政府方針を受けまして、四月十六日には当社方針を公表させていただきました。  この方針は、まだ具体的に対策がございません。方針は、当然ながら、放出する水が安全であることを確実にするとか、あるいは第三者による評価によりまして透明性とか客観性を確保してモニタリング拡充とか強化をすること、それと、タンク漏えいをしないこととか、丁寧で分かりやすい情報発信を行いまして、生産加工流通販売の各工程におきまして風評抑制全力で取り組むということであります。その上でも、対策を講じた上でも風評被害が生じた場合には、迅速かつ適切に賠償してまいるという所存でございます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、これは具体策についてはまだお示しできておりませんので、今後、関係者方々から御意見丁寧にお伺いをいたしまして、具体策をお示ししながら、御理解を得られるように説明を尽くしてまいる所存でございます。  以上でございます。
  9. 生方幸夫

    生方委員 東電さんが誠意ある態度をずっと取ってきたというのであれば、一生懸命理解してもらえるように説明をすれば、いつか、ああ、そういうことかというふうに理解をされることもあると思うんですけれども、これまで東電さんはいろいろ地元に対して、例えば、トリチウム以外は全部取り除いたんだというふうに言いながら、実際にはトリチウム以外の、ストロンチウムとかセシウムとかがまだ残っているというのを後から渋々認めるというようなことも行ってまいりました。  これは、ほかの原発でもやっているから、同じものを出すだけであって何の問題もないんだというような説明をいたしておりますが、この福島第一に関してはデブリに触れた汚染水ですから、普通の冷却水とは全く違うわけですよね。そこに全然触れないで、ほかの、世界で原発は全部、ほかも海洋放出しているんだから、東電も、この第一も流していいんだということにはならないと思うんですね。  これはいずれも希釈をして海に放出をする、そうであれば基準値よりも大幅に下回るんだというふうに言っておりますが、海は広いですから、どんなものであろうが、出せば何万倍、何十万倍に薄まるのは当たり前の話なんですよ。しかも、その総量というのは変わらないわけですよね、総量自体は、幾ら薄めようが。それにもかかわらず、そういうことをやろうとしておる。  また、これは、漁協ばかりではなくて、地元ばかりじゃなくて、周辺の県ももちろん反対をしておりますし、御承知のように、海外でも海洋放出には反対だというような意見が出て、いずれこれを強行すれば外交問題にもなるんじゃないかというような心配もしております。  本当にこれはもうほかに手段がないのかといったら、私はないとは思えないんですよね。タンクがたくさんあるのを私は何度も何度も見ておりますが、小さいタンクをまとめて大きくするとか、あるいは汚染水モルタル固化処分にするとか、トリチウムを除去する技術もぼちぼち出てきているようでございますから、それは規模が小さいから、大きいものには応用できないというような言い訳をしているようでございますが、これも取り組んでいけば、トリチウムを更に取り除くことができるかもしれない。  それから、土地がないというふうに度々言っております。私は、福島第二があるんだから第二を使えばいいじゃないかというようなことを質問したこともございます。そうしたら、これは地上を通って、地権者がいるから通すわけにはいかないというような言い訳をいたしておりますが、海中に向けて今パイプを造っているのであれば、パイプ海中に通して福島第二まで、十キロぐらい離れていますかね、そこを通して福島第二に新たにタンクを造れば、少なくとも、タンクを造る土地がなくなったから二年後に放出しなければいけないということにはならないと思うんですね。  そういうあらゆる方策を尽くして、それでも駄目ならというのなら分かりますけれども、そういうことをしないで、もう既成方針どおり二年後に海に出すんだというのはおかしいんじゃないかというふうに問うているんですけれども、いかがですか。
  10. 文挾誠一

    文挾参考人 お答えさせていただきます。  ただいま先生から御指摘ありましたところで、処理水処分に向けての設備というものについてはまだ建設をしてございませんし、今、それをどういうふうに造るか、あるいはどういうふうにしたらば効率的に処分できるかということを調査をしてございまして、その上で、規制庁設備については申請をさせていただいて承認を得るということでございます。  その上ででございますが、いろいろな方策があるのではないかということでございますけれども、我々としてもいろいろ検討したところでございますし、政府の小委員会でもいろいろ検討したところでございます。  当社といたしましては、タンクに長期保管し続けることとか、あるいは発電所敷地外に持ち出すということにつきましては、やはりリスクの増加とか拡散につながるというふうに考えてございます。今申し上げました国の小委員会における報告書におきましても、リスク源となり得る放射性物質敷地外に持ち出すということは、リスクを広げることになるため、既存の敷地内で廃炉を進めることが基本というふうに整理されているというふうに認識してございます。  その上で、当社は、四月十六日に、事故当事者として責任を持ってALPS処理水処分を実現するために、安全の確保とか、あるいはモニタリング拡充強化当社対応方針を公表したというところでございます。  今後ですが、これも繰り返しになりますけれども、関係者の御理解を得ながら、関係者の御理解を得られるように、これらの対応につきましても、具体策の検討をこれから進めるということとともに、説明を尽くして御理解を求めたいというふうに思います。  以上でございます。
  11. 生方幸夫

    生方委員 敷地外に持ち出すことはしないというふうに言っているけれども、海洋というのは敷地外でしょう。海洋放出するのは敷地外に持っていく最大のものじゃないんですか。  それで、地元理解を得るというふうに言っていますけれども、福島の状況は御存じだと思いますが、試験操業を続けて、やっと本格的な操業ができるようになって、みんな喜んでいた。喜んでいて、しかも、一五年にこういう文書も交わしているから、よもや自分たち了解を得ずして海洋放出することがないだろう、ないというのを前提に準備をしてきて、さあ、これから本格的な操業だといったときに、それを裏切るようなことをやったから、みんな怒っているんですよ。  ほかにちゃんと尽くしているのならいいですよ、尽くしていないんですよ。東電さんの対応を見ていると、最後には、漁業補償をして、お金でぴっぴっとほっぺたをたたけばいいんじゃないかというふうに思っているのが透けて見えるんですよ。  結局、東電が払うといったって、東電を利用している消費者一般国民電力の値上げという形で負担するんですよ、あなたが自分個人で負担するんじゃなくて。それなのに、さっきもちょっと補償のことを言っていましたけれども、まだ話合いもしていないうちに、補償をどうのこうのという話じゃないでしょう。そういう態度が、彼らだって、聞く方だって、こちらに誠意がある人間だったら聞こうと思うけれども、誠意がない人間だったら話は聞きませんよ。今の答弁を聞いていたって、あなたは副社長だから、一応責任者ですよ、社長じゃなくたって。もうちょっと自分の言葉で語らなきゃ、誰もそれは信用しませんよ。  もう一問聞きますけれども、じゃ、もし二年後、地元理解が得られなかったら、理解を得られない限り対処しないと言っているんだから、理解が得られなかったら放出はやめるということの理解でよろしいんですね。
  12. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  これは、我々、事故当事者といたしまして、主体性を持ってこの対応に当たるということでございます。ですので、とにかく、これから具体策をお示しさせていただきまして、関係者皆様にとにかく御理解をいただけるように説明を尽くすということでございます。  以上でございます。
  13. 生方幸夫

    生方委員 具体策というのは一体何なんですか。
  14. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  四月の十六日に、当社といたしましては対応方針というものを公表させていただきました。繰り返しになりますが、放水する水が安全であることの確認とか、あるいは第三者によります評価等によりまして透明性客観性を確保してモニタリング拡充強化をすることとか、タンク漏えい防止をすることとか、あるいは丁寧で分かりやすい情報発信をさせていただくとか、その上で、生産から加工流通販売の各工程において風評被害全力で取り組むという方針を立てさせていただきましたので、それに向けてどういうことを具体的にやっていけばこの方針が御理解を得られるのかということを、今後、具体策として考えていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  15. 生方幸夫

    生方委員 重ねて伺いますが、二年後に地元理解が得られなかった場合は、この一五年の約束どおり、いかなる処分も行わない、つまり海洋放出をしないという理解でいいのかどうか、そのことだけイエスかノーかで答えてください。
  16. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  何度も同じことで恐縮でございますけれども、とにかく、理解を得るべく、我々は東京電力として説明を尽くしてまいる所存でございます。  以上でございます。
  17. 生方幸夫

    生方委員 説明を尽くすというのはもう何度も言っているから。だから、この一五年の文書は生きているというふうに言っているんでしょう。しっかりと遵守してまいりますというふうに言っているんだから、二年後に理解を得られなかった場合は、海洋放出をしないのかするのか、それだけ答えてください。するかしないかだけ。
  18. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  するかしないかということではなくて、我々は、とにかく、関係者皆様に御理解を得るべく、最善を尽くし、努力をしたいというふうに思います。  以上でございます。
  19. 生方幸夫

    生方委員 漁業者生活が懸かっているんですよ。二年後に放出をされちゃえば、もう福島県沖では漁業ができないんですよ。だから、一五年の約束というのがあったから、それに向けて安心して試験操業をして、さあ操業ができるといったときに、いきなり海洋放出という方針が出た。しかも、当事者なんて言っておきながら、国が決めたからというふうに逃げを打つとか。  だから、今、最低、まあ、あなたは言えるか言えないか分からぬけれども、少なくともこの一五年の約束が生きているというのであれば、遵守するというのであれば、二年後に地元了解が得られなかった場合は海洋放出しないということぐらい言いなさいよ。理解を得られるように努力するといったって、今の言い方じゃ、誰も理解しませんよ。私だって理解しないもの。  また同じ答えになっちゃ困るから、するかしないか、言えないか。言えないなら言えないでもいいから、それだけ答えてください。
  20. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  先生おっしゃるように、我々、事故当事者として、責任を持って主体的に取り組みます。これはお約束させていただきます。  それで、その上で、漁業者の方を始めとした関係者皆様には、これからいろいろな具体策を提案して、分かりやすく御説明をして、その上で御理解を得るという努力をとにかくし続けるというのが今の考えでございます。  以上でございます。
  21. 生方幸夫

    生方委員 何度も繰り返してもしようがないけれども、理解を得るように努力したって、理解されなかった場合どうするのかと聞いているんですよ。  あなたのような説明をずっと二年間繰り返したって、誰も理解しないですよ。具体的なことはこうだといって、最終的に具体的なこと、漁業補償のことを考えているのかもしれないけれども、それじゃ納得はいきませんよ。  相手は福島だけじゃないんですよ、海なんだから。ほかの、台湾とか韓国とか中国とかだって反対しているわけですよ。それも、じゃ、ほかの国に行って、あなたたちは説得して、理解を得られるような努力をするんですか。どうですか。
  22. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  海外に向けてもいろいろ発信をするという取組を考えてございます。大使館で御説明をさせていただいたりということはさせていただきたいと思います。  とにかく、現時点におきましては、関係者皆様に御理解を得るということを尽くすということでございます。  以上でございます。
  23. 生方幸夫

    生方委員 これ以上聞いてもしようがないので質問はやめますけれども、やはり誠意を持ってやらないと、幾ら理解を得るために説明をするといっても、大本に誠意がないと、誰もそれは理解しませんよ。あなたは今日、呼ばれたから来て、書かれたものを読めばいいというふうにだけ思っているかもしれないけれども、そんなものじゃないんですよ、生活が懸かっているんだから。あなたは生活が懸かっていないかもしれないけれども、ここで何をしゃべったって。  だから、少なくとも、一五年に文書まで交わしているんだから、文書を破棄するなら破棄すると言えばいいじゃないですか。これこれこういう理由で破棄します、破棄せざるを得なくなりました、国のこういう方針があるから我々はこれを破棄するんだと言うのならまだ誠実ですけれども、これは守ると言いながら、その一方では、じゃ二年後に理解を得られなかったら放出するのかしないかについては答えられないというわけでしょう。全く誠実じゃないですよ。  東電は私も余り信用はしていないけれども、その信用をもっともっと駄目にするだけの話ですよ。東電というのは一つのインフラですからね。我々、東電が嫌いだからといって東電から電気をもらわないなんということの選択肢がないからみんなやっているのであって、これがちゃんとした本当の自由競争の中で、電力がどこでも、まあ今ではだんだんそうなりつつはありますけれども、さはさりながら、やはり東電が圧倒的な支配力を持っているわけですよ。  だから、あなただけ責めたってしようがないけれども、少なくても、この一五年の文書を破棄するのか破棄しないのか、遵守すると、口だけじゃなくて言っているのであれば、どういうふうに遵守するのか、もし守れなかったらどうするのかぐらいは、きちんと今の時点で言っておかなければ誰も納得しないということだけ言っておきます。じゃ、もう結構ですから。  小泉大臣に伺いたいんですけれども、今の東電答弁を聞いて……
  24. 石原宏高

    石原委員長 文挾社長、もしあれでしたら御退席いただいて結構です。
  25. 生方幸夫

    生方委員 ちょっと、大臣に一言だけ。  どうですか。
  26. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、生方先生が、東電以外の選択肢はないから、電力はという話をされましたけれども、東電以外の選択肢はあるので、是非先生も、電力契約、今、すぐ切り替えられますから、再生可能エネルギーの導入もスマホでできますから、是非、それしか選択肢がないということではなく、選択肢はありますので、選んでいただきたい。  これから再エネ主力電源化に向けては、まさにこの環境委員会先生方を含め、自ら電力会社を選べますので、是非そういった認識で、頑張っている事業者を応援いただきたいなと、特に地域新電力を含めてですね。お願いします。
  27. 生方幸夫

    生方委員 それはよく分かっていますし、それはそういうふうにしたいというふうには思いますけれども、送電網や何かは相変わらず東電が持っているわけですからね。東電イエスと言わなければ、幾ら新電電が接続したくたって、ここはもう詰まっているから接続できないなんというような問題も起きているわけですよ。東電がやはりしっかりしてくれなきゃ困るんですよ。東電、もう全く要らないというならそれは簡単ですよ。そうではないわけですから。  少なくとも、東電が今ある問題について誠意ある態度説明しなきゃ、今の、もう二十分もたって、誠意ある態度でも何でもないですよ。この委員会委員に、みんなばかにしているだけですよ。貴重な時間を、わざわざ呼んで話を聞いて、結局、中身は何にもないじゃないですか。何度呼んでも同じ答えでしょう。それで、もう最後はえいやでやっちゃえばいいと思っているんでしょう。既成事実を積み上げていって、最後は出しちゃう、これはもうしようがないんだ、こうなっているんだからって。それでは、まあ東電はいずれ潰れるでしょうけれども、今もう実際、国営化ですから潰れているのと一緒ですけれども、それはやはり、あなたも経営者としてちゃんとして、自分責任で腹を割って話をしてこなきゃ駄目だと思いますよ。  じゃ、もういいですから。
  28. 石原宏高

    石原委員長 文挾社長、どうぞ御退席ください。
  29. 生方幸夫

    生方委員 小泉大臣にお伺いしたいと思いますが、余り時間がなくなっちゃったんですけれども。  温対法が改正案ができて、二〇五〇年に向けて力強い一歩を踏み出したというふうに私は思っております。大事なのが、二〇三〇年の四六%減目標というのをきちんと達成するというのが、当面、一番大事なことだというふうに思っております。  それで、気になるのが、経済界を始めとして、原発の新設、増設を行わなければ駄目だという声がだんだん高まってきている。今度経団連の新会長になった方もそんなことをおっしゃっています。二〇三〇年に四六%目標を達成するには、原発の新増設をやらない限り、これは達成できない。四六%を達成するための前提は、原発が二〇%程度を占めなければいけない。現在の原発が占めている量というのは六%程度である。全部の原発を再稼働させたとしても一〇%ぐらいにしかならない。あと一〇%は、新増設といったって、今仮に新増設が許可になったとして、政府方針を変えて新増設を認めたとしても、これからどこへ造るのか。地元理解を得て、造って、試験操業をして、実際に電力を起こすまでには二〇三〇年じゃ間に合わないんですよ、多分。どう間違えたって、地元が、はい、すぐ造りましょうということにはならないわけですからね。  そうすると、この間も聞きました、二〇三〇年の目標四六%を達成しなければいけないということは大事なことですけれども、その前提は原発二〇%。だけれども、今の時点でどう考えても原発が二〇%を占めるということは不可能である。そうであるとすれば、四六%をきちんと達成しようとすれば、原発で賄えない部分はどうするんだということをきちんとやはり環境大臣として表明をしなきゃいけないと思うんですよ。  この間も聞きましたけれども、同じ答えじゃ二〇は達成できないんですから。もし達成できるというのであれば、これこれこういうふうにすれば達成できるんだということをきちんと示していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
  30. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 明確なのは、菅政権がカーボンニュートラル宣言をして、その下に今進んでいるのは、原発を最大限活用するためではなく、再生可能エネルギー最優先の原則の下、再生可能エネルギーを最大限導入し、自立した国家をつくっていく、その歩みを始めたということです。  ですので、今、産業界から、また様々なところから声は上がっていますが、再エネの電力でなければビジネスが成り立たないという環境になってきた中で、とにかく再生可能エネルギーを、新しい発電所の増設をしなければいけないわけですから、それが最優先の下、菅内閣は政策を立案をしていくということであります。
  31. 生方幸夫

    生方委員 政府も経産省も、現時点では新設も増設も行わないという、その現時点というのがついているんですけれどもね。ただ、現時点がいつまでか分かりませんけれども、現時点が終わると、結局、新設、増設を認めるんだというふうにも読めなくもないんですけれども、大臣は、この新増設、認めるか認めないかについてはどういうお考えですか。
  32. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、政府内で、成長戦略、骨太、そしてエネルギー基本計画、温対計画、こういった見直しに向けて議論を関係省庁ともやっています。私からも意見は常に申し上げておりますが、菅内閣がカーボンニュートラル宣言をしたのは、原子力の最大限の活用ではなく、再生可能エネルギー最優先の原則の下、最大限導入することだと、総理は何度もそれを言っています。再エネ最優先ですと。それを決して履き違えることなく、政権は政策を進めていく。その下に、私も必要な意見具申を関係省庁にも常にして回っています。
  33. 生方幸夫

    生方委員 小泉大臣が再エネ最優先だというのはよく分かりますけれども、ただ、こういう発言を聞いていると、いずれ、そうではなくて新増設をしなきゃいけないと。万が一間違えても、二〇五〇年にカーボンニュートラルが実現できなかったとき、原発を動かせなかったから実現できなかったという言い訳だけはしないように、是非お願いを申し上げます。  最初からちょっと聞きたいというふうに思っていながら、なかなか時間がなくて聞けなかったことを一点だけお伺いしたいと思いますが、カーボンプライシングを導入しなければいけないんじゃないかと。これは二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためにも私も必要だというふうに思っております。ただ、これも、答申はして、一応の方針というのは出ているようでございますが、その後何も進んでいないんじゃないか。  これは、炭素の国境税みたいなものをEUやアメリカでは導入しようというような動きもございますので、カーボンプライシングに対して、排出量取引等、炭素税とかいろいろございますけれども、それに向けて、今、小泉大臣としてはどういう方向でカーボンプライシングに取り組んでいこうと思っているのか、そのお考えをお伺いしたいと思います。
  34. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 カーボンプライシングというように、脱炭素の方向にインセンティブがつくような新たな市場メカニズム、このルールがなければ、カーボンニュートラルの実現は不可能だと思います。  ですから、カーボンプライシングのアプローチは、排出権取引とか炭素税とかクレジットとか様々なアプローチはあります。そのアプローチについては間口を広げて今議論を積み重ねていますが、最終的に、今のレベルのカーボンプライシングを続けていて、一番安い電力は既存の石炭ですと、これがずっと続けば、安い方向に張りつくのは当然ですから、再エネ社会も水素社会も実現しません。  ですので、これはなかなか、まだそういう声が広がっていないのは残念ですが、水素社会を求める声は物すごい上がるのに、水素社会のためにはカーボンプライシングが必要だという声が上がっていないんです。しかし、世界の状況を見てみれば、水素にコスト競争力をつけるためにカーボンプライシングが不可欠だというのは明らかです。ですから、水素社会を求める方にはカーボンプライシングの、是非後押しもしていただきたい、私は不可欠だと思います。
  35. 生方幸夫

    生方委員 経済界も対応するには時間が必要だというふうに思いますので、これは、私も、なるべく早くに方針を決めていただいて、経済界がそれに取り組んでいただきますように、大臣も早めに結論を出して、こういう形でやるんだということをお示しをしていただきたいということをお話ししまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  36. 石原宏高

    石原委員長 次に、松木けんこう君。
  37. 松木けんこう

    ○松木委員 約四年ぶりの質問でございます。何せ落選していたものですから、なかなか言う機会もなかったんですけれども。  大臣、今、生方さんの質問で、東電の人とやり合っていたでしょう。これは全然質問通告していない話ですから話を聞くだけでいいんだけれども、私のかみさんは大熊町出身なんですよ。それで、まさに原発で、みんな住んでいたんですね、そこに。うちのかみさんは私と住んでいましたけれどもね。そして、みんな逃げたわけですよ。  そして、うちの義理のおふくろは避難所で倒れて、一年以内に亡くなりました。そして、おやじは、逃げたんだけれども、またいなくなっちゃったんですよ。二週間たって、やっと見つかった。どこに行っていたかというと、自分の家に戻っていた。それを自衛隊の人が見つけてくれた、大湊の人たちですね。本当にありがたかった。そして、どうやって生きていたのかとおやじに聞いたんです。そうしたら、池の水を飲んでいたというんですよね。それで、それが原因かどうかは分からないけれども、二年後に、八十幾つになって、初めて進行性のがんだと知りました。こういう現状がある。  そして、そのおやじが、時々、私が秘書をやっているときに、車の運転を頼まれて、東京電力に行くんですよ。それで、何をやっているのかなと思っていたら、当時は那須さんという方が、たしか会長さんだったのか社長さんだったのか、ちょっとよく分からないけれども、そういう方がいました。そこに文句を言いに行っていたんですね。何を言っていたかというと、いろいろな事故があるじゃない、小さな。そうすると、その事故を絶対に地元にちゃんと言ってくれよ、我々はもう一蓮託生なんだと。大体、次男坊は火力に勤めていたりするわけですからね。ですから、もう一緒なんだから、ちゃんと言ってくれということをいつも言っていました。  ところが、残念ながら、なかなか、新聞で見て初めて知ったとかそういうことが非常に多くて、それに対しては、うちのおやじは、本当に残念だな、我々のことを信用していないんだな、こういうことを言っていたというのを、すごく今思い出しました。  是非、ここはやはり国がきっちり指導して、東電さんだって悪い人たちばかりいるわけじゃないですからね、きっちり指導して、そして物も言いやすいようにしてやればいいんじゃないかなというふうに思いますので、今、政権政党は皆さんですから、是非頑張っていただきたいというふうに思っております。それに対しての答えはいいですから。  そして、私、何とか当選させていただいて、随分とこの四年間でSDGsというのがはやり言葉のようにして出てきて。二〇一五年に採択はされていたんですね。余りよく分からなかった。しかし、このSDGsというのが、ああ、なるほどな、これは地球をもたせるためにやりたいんだな。そして、どうも菅総理も五〇%削減だということを高らかにうたい上げている。二〇五〇年にはゼロにするんだ、カーボン何だかとか言っていますよね。なかなか面白い時代に入った、大切な時代に入った。  ある研究では、二〇二〇年から二〇三〇年、この十年間が地球温暖化を止められるかどうかの瀬戸際なんだという、そんな研究結果もどうやらあるようでございますけれども。  SDGsというのは、今、これはネットで多分全国に流れているはずですから、国民の皆さんも見ているはずですから、はやり言葉だからみんな知っているような顔をするしかない。でも、本当は、実は、何だろうなと思っている方も大分いると思うんですよね。是非、日本の基本政策の一つになっていくんじゃないかなというぐらいに私は思うんですけれども、そこら辺は大臣の方からちょっと説明をしていただいたらありがたいと思います。
  38. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、松木先生、お帰りなさい。私も、先生が落選前に、与野党の垣根はあれど、先生には温かくいつも接していただいていたので、今日、このように質疑でまたお会いできてうれしいです。  先生から冒頭お話のあった東電そして福島のこと、しっかり国として責任を持ってやっていきたいと思います。  そして、今のSDGsのお尋ねにつきましても、恐らく先生が聞きたいことというのは、何かよく教科書に載っているような、SDGsの、一語一句間違えない定義を話せということじゃなくて、それは国民の皆さんにとって分かりやすく言うと何なんだということだと思うので、私なりに説明をさせていただくと、もはや、今の我々の経済社会の在り方、そして日々の生活の在り方、これは持続可能性はもうない、このまま続けていては我々の基盤である地球環境がもはや成り立たなくなって、次世代に対して責任を持つことができない、もう変えようじゃないか、そういった認識が世界中で広がって採択をされたものがSDGsで、今後は、経済も、そして社会の在り方も、そして環境も、全てを一つのものとして捉えて持続可能な経済社会をつくっていこう、そういった考え方だと理解をしています。  一つ一つ挙げれば切りがありませんが、先ほど生方先生答弁させていただいたように、今までは、電気は安ければ何でもいいという時代だったかもしれません。しかし、もう、何によってつくられた電気、それが問われる時代になりました。都市の在り方も、まさに福島から電力を供給してもらって消費をする都市という在り方ではなく、都市自身も自らのエネルギーをつくっていくという時代、こういったように持続可能なまちづくり、そして経済社会づくり、これに向けた取組だということで御理解いただければと私なりには思っております。
  39. 松木けんこう

    ○松木委員 ありがとうございました。非常に分かりやすいお話だったというふうに思います。  それでは、ちょっと、SDGsの中で私も聞きたいことがあるので、その話をします。  まず、SDGsのマップみたいな、これは環境省からもらったんですけれども、これは非常に分かりやすくいろいろなことが描いてある。ただ、五十歳を超えると、六十歳を超えると、ちょっと見づらいんですよね、小さくて。もうちょっと大きく作ってくれればよかったなというのはありますけれども。まあまあ、でも、非常に、SDGsですか、日本の一つの構想が、こうやって描いていただいているというふうに思います。  そして、やはり、今問題になっているのはCO2の削減そして再エネという話だというふうに思います。活用というのは本当に重要になってくるわけですけれども、これにはどんなものがあるのかというのをちょっとお答えください。
  40. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生おっしゃるとおり、もう少し分かりやすくならないのかと私はいつもこの紙を見ながら省内でも言っています。これをもしかしたら、私は、今の十代、二十代の皆さんに、学校教育などでも、彼ら、彼女たちから見て分かりやすいこの図を作ってくれといって作ってもらったら一番いいんじゃないか、それも環境教育につながるなというふうにも思っております。  この中で、特に、私は、今日の話で絡めて言えば、いかに自立分散型で災害にも強い地域共生型の社会をつくっていくかという自立分散型のエネルギーシステム、これに向けて環境省は特に今力を入れています。  北海道、先生の御地元の中でも、SDGsをまちづくりの中心に掲げている自治体が出てきました。そして、環境省は、日本の、全国のどこに再生可能エネルギーのポテンシャルが高いかというマップとデータを提供していますが、北海道のポテンシャルは全国の中でも最大級です。  こういった中で、いかに北海道がその持っているポテンシャルを活用して、今、残念ながら、北海道の自治体の中でも、ほとんどの自治体がエネルギーの収支は赤字です。なぜなら、今日、東京電力の話がありましたが、ほとんどの自治体は大手の電力にそのまま契約をして電力代金を払っていますから。しかし、地元の資源を生かして、自分たちでそれで発電をして地域の電力を賄うという方に変えていけば、今まで地域から流出していた資金が地域の中に巡っていくわけです。これこそまさに環境省が言っている地域循環共生圏というものであって、それがほぼ同じような考え方で世界ではSDGsという形で広げられている。是非北海道からこういった動きが広がっていくことを期待をしています。
  41. 松木けんこう

    ○松木委員 なるほど。よく分かりました。  その中で、洋上風力ってあるでしょう。北海道というのは、見てのとおりの島なんですけれども、稚内沖、稚内の上の方、ここはすごく風が強いです。いつでも風が強い。そして襟裳岬、ここには風の博物館というのかな、そんな名前の建物もあって、襟裳の春は何もない春なんだけれども風はあるぞというぐらいに風はあるんですよ。そういう地域なんですね。  一つ、洋上風力の将来性というか、私はこれは何かすごくいいような気がして、日々ちょっと追っているんですけれども、大臣はどうでしょうか。この洋上風力というのはかなりポテンシャルが高くていいんじゃないかなというふうに思わないですか。
  42. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 間違いなく日本は伸ばしていかなければいけませんし、北海道はこの洋上風力においても日本全国の中で最もポテンシャルの高い一つであります。あとは、北海道は同時に生物多様性の観点からも、希少種の存在も非常に豊富なので、この希少種の保全と洋上風力を含めた再生可能エネルギーが地域の皆さんから理解をされてポテンシャルが生かせるようにしていくための新たなツールが、この前成立した温対法改正の中に位置づけられた再エネ促進区域などでもありますので、是非、松木先生のように前向きに再生可能エネルギーのポテンシャルを思っていただける方と地元の方の思いを含めて同じように進んでいければ、私は、北海道は将来的に、食の自給率は北海道は一〇〇%を圧倒的に超えていますから、次はエネルギー自給率が一〇〇%の北海道、これは間違いなく将来的にできると思っています。
  43. 松木けんこう

    ○松木委員 ありがとうございます。是非、洋上風力のときには襟裳岬と稚内、これを忘れないでいていただきたいなというふうに。  希少種というのは、要するに動物とかの話でしょう。(小泉国務大臣「はい」と呼ぶ)希少種というのは大切ですよね。そして、この間、共産党の先生が何か馬毛島で鹿がどうのこうのというのがあったよね。あれも大切だなということなんだね、結構ね。ということをふと思いました。  そして、このSDGsのマップを見ますと、木材を使おうぜというのがあるんですね。すごくちっちゃい字なんですけれども、「地元材で人に優しくロングライフな住宅」というのが出ていますよね。ありますよね。「地域循環共生圏」の上、「健康で自然とのつながりを感じる「ライフスタイル」」、この下ですね、「衣・食・住にわたる」、ここに出ていると思います。  ここの中で、実は、今日的な話なんですけれども、何か今アメリカから木材が入ってこなくなって、アメリカの方が住宅ブームらしいんですね。そして、あと、輸送の問題も多分あるんだと思うんですけれども、木材が二、三〇%上がっているということで、かといって国産材が元々高いからなかなか使えないということを、たまたまこの間、こういう建築関係の人と会ったときこんな話がありまして。  SDGsの構想の中に、地元材も使おうという、国産材だと思いますけれども、こういうことも書いてありますので、里山整備のことも考えると、間伐材とか適齢期の木材、これを使用する必要が私はあるんじゃないかなというふうに思っていまして。やはり高いんですよ。であれば、うまく補助金をつけて、この際だからがんといったら、大分、森林も、お金にならないから手を入れないということになっているんでしょう、そういうことがかなり払拭できるんじゃないかというふうに思いますので、思い切って補助金なんかをうまくつけたらどうかなというふうに思います。どうでしょうか。
  44. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。  委員が今御指摘ございました、木材の価格が高騰して調達が困難になるといった、いわゆるウッドショックと呼ばれる状況が生じているということは承知をいたしておりますし、木材の利用というのが温暖化防止の観点から非常に重要であるということもそのとおりかと思います。  環境省におきましては、住宅や建築物の脱炭素化を図るために、ネット・ゼロ・エミッション・ハウス、ZEHと呼んでおります、あるいはネット・ゼロ・エミッション・ビルディング、ZEBの支援を行っております。  これらの支援事業の中では、CLTなどの新たな木質素材を一定量以上使用した場合には、追加的な補助や優先採択をするというようなことをしておりまして、国産材の活用の後押しにもつながるものと考えております。  これらの支援事業の中で、CLT等の活用について優先的な取扱いをより分かりやすく周知してまいりたいと思います。  先ほど、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、エミッションではなく、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルでございます。失礼いたしました。  また、現在、地球温暖化対策計画の見直し作業を進めておるところでございまして、住宅、建築物の脱炭素化についても、これは非常に重要な分野だと考えております。委員が御指摘されたような観点も含めて、必要な対策、施策を、関係省庁と連携して検討してまいります。
  45. 松木けんこう

    ○松木委員 ありがとうございました。  しかし、本当に、日本の木材を使う、いい、絶好のチャンスだというふうに私は思うので。なかなか、今、だから家を建てづらくなっているらしいですよ。ですから、なるべく早く、何か具体的に、補助金をばんとつけるとかということを是非早く考えていただきたいというふうに思います。  もう一度ちょっと答えてください。
  46. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどの、新たな木質素材を一定量以上使用した場合への、追加的な補助とか優先採択、これは既に実施しておりますので、これについて、より分かりやすく周知をして、活用を図っていきたいと考えております。
  47. 松木けんこう

    ○松木委員 分かりました。  それはいいんだけれども、でも、やはりなかなか家が建てづらくなっているという現状があるので、これはチャンスだから、しっかりした補助金をつけてもいいんじゃないかなというふうに私は思いますので、是非更なる努力をしていただきたいなというふうに思っております。里山の整備とかそういうことにも、結局、やはり環境にちゃんとつながっていくということですから、是非お願いをしたいというふうに思います。  それと、まだもう十分時間があるので。いろいろと温暖化ということになってくると、世の中にはいろいろな変なことが起きるんですね。今、コロナというのも、これもそれの一つではないかと言う人もいるぐらいですけれども。温暖化によりシベリアの永久凍土が解けるという話がありますね。そして、シベリアの永久凍土が解けると、これは結局、何か大変な、何かガスが出てくるんですよ。そんな話があるんですよね。  まず、北極の氷だな、温暖化が始まると、今もそうなんですけれども、北極の氷が何かちっちゃくなるんですね。そうすると、太陽熱はそれで反射されていたらしいんだけれども、それが、鏡が小さくなるから、海水が温まり、温暖化が加速する、こういうふうに言われています。そして、それがシベリアに影響をする。そしてCO2の二十五倍の温室効果のあるメタンが大地から噴き出る、こういうふうに言われていますね。こうなるともう温暖化は止められないということです。  そして、北半球の変化は南半球へも、アマゾンにも、高温、乾燥で熱帯雨林がサバンナ化する、そして森のCO2が一気に放出をされる。そして、それが今度は南極にも影響をしていって棚氷が一気に融解をする、そして海面が一メートル以上上昇する。そうなると、簡単に言うと、世界の三分の一が移住しなきゃいけないというぐらいになるそうですよ。そして、日本の砂浜、これも九〇%ぐらい、これでなくなるというふうに言われているそうです。ホットハウスアース理論というんですかね、これはポツダム気象影響研究所のヨハン・ロックストロームという先生がいて、この方がこういうことを言っているんです。  その中に、シベリアの永久凍土の融解の中に古代の病原菌があるらしいんですね。具体的にモリウイルスというのが何かあるらしいんですけれども、これの細胞に入ったときの増殖能力が、十二時間で千倍になるというのがどうもあるらしくて、これは本当に大変な話だなというふうに思います。  そして、アマゾンの方で熱帯雨林がサバンナ化するということは、結局、動物との緩衝材になっているところがなくなるんですよね。そうすると、また新しい新型のそういうウイルスみたいなのが人間界に入ってくる可能性も高いということで。  ですから、これがプラス一・五度になったら出てくると言われているわけですから、何としてもここ十年が絶対勝負なんだというのは、そういう意味でも言われているそうでございますけれども、これをしっかり止めていくには、一つはやはり、気象研究所みたいなところも、ポツダム気象影響研究所というのがあるんですけれども、こういうところにも環境省の人を派遣するとか、そういうことも私はやった方がいいんじゃないかなというふうに思います。  これは本当に二〇三〇年がよくなるか悪くなるかの瀬戸際だという一つの証左なんだと思うんですけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。
  48. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 非常に重要な今御指摘だと思います。特に先生が前段の方で言われた、地球の環境が悪化をし続けていく負のスパイラルの説明、あれは非常に分かりやすい御説明だったと思います。  そして、あの負のスパイラルが止められなければ、逆回転を起こすことができなければ、もはや我々人間の手で再生することは不可能になるかもしれない。これが、先生が何度か言及されている、ロックストローム博士のプラネタリーバウンダリーとよく言われますが、地球の限界論ですよね。これを多くの方に御理解いただくことが、結果として気候変動政策に対する御理解と一人一人の行動変容につながっていくと思います。  環境省としても、先生が今御指摘されたような外国の研究機関、そして、日本の中には国立環境研究所もありますし、そういった研究機関の専門的な知見や、優秀な研究者、人材とも日々連携を取っておりますが、この状況、気候変動の世界は常に情報が更新されます。最新の知見がどんどん出てきます。この動きにしっかりとついていって、それが政策に反映をされるという流れをしっかりとつけていきたいと思っております。
  49. 松木けんこう

    ○松木委員 ありがとうございます。  お役所の人を増やせなんと言ったら、現代、そういうことを言うと、余計なことを言うなと怒られそうですけれども、環境省の方をもっと増やしてでも、そういうことにちゃんと追っていくような、そういうシステムもしっかりつくられたらいいのではないかというふうに思います。  私もこの世界にもう四十数年いるんですけれども、昔、環境庁で、何となく、言葉は悪いんだけれども、そんなに大きな役所じゃなかった。でも、これが環境省になって、これから日本、あるいは世界、地球があるためには本当に大切な役所になってきたんですね。これはもう是非頑張っていただきたいというふうに思います。  そしてまた、悪い話ばかりじゃなくて、やればできるぜということもあるんですね、今まで。それは何かというと、一九六〇年代からオゾン層に大きな穴が空いているのが発見されています。そして、一九七〇年代にカリフォルニア大学のアーバイン校の研究チームによって、フロンガスがオゾン層破壊の主な原因だということが分かって、科学的なメカニズムが明らかになったんですね。そして、要するにこれは、オゾンホールというのができて、紫外線がどんどん入ってきて、それこそ人間がもう、ある意味で地球の盾みたいなのがオゾン層と言われていますので、それがなくなって、もう本当に、子供が外で走れないような、そんな時代が来るんじゃないかとこの当時は言われていたんですね。そして、一九八七年にモントリオール議定書が採択されて、世界的にフロンの規制が開始されたんですね。  これは私もよく覚えているんですけれども、一九八六、七年ぐらいというのは、私は車のレースとかによく出ていたんですけれども、車が好きでよく触るんですよ。エアコンが利かなくなるんですよ。エアコンが利かないから、フロンガスを入れ直すんですね。そのときに、バルブをきゅっとやったら、プシューといってそのまま出していたんですよ。えらいことをやっていたんですけれども、今考えてみたらね。そんな時代でした。  しかし、これが一九八七年のモントリオール議定書によって、これは何とかしなきゃいかぬということになったことによって、実は随分とよくなっていて、一九八〇年代から見て、去年ぐらいのオゾンホールというのは一番小さかったというんですね。非常に頑張っている。要するに、やればできるということだというふうに思います。  ですから、CO2を二〇五〇年にはゼロにするとかといったら、何かとてもできそうもないなという、そんな雰囲気も少しあるんですけれども、実は、過去にはこういう、もちろん代替フロンがまた温暖化に悪影響を出すというようなそういう問題もあるんですけれども、しかし、間違いなく、オゾンホールというのはいい方向に進んでいるというのは、やはり世界の人類がみんなで協力し合えばいけるぜということだと思うんですね。ですから、何も諦めることないし、こういうことがやはり政治でも何でもそうなんですけれども、中心になってこなきゃいけないということを私はつくづく思いますね。  是非大臣のこれからの意気込み。あなたが多分、これからの時代をつくるんですよ、若い人たちが。私はもう六十二ですからね。四十二ぐらい、今。(小泉国務大臣「四十です」と呼ぶ)四十歳。四十か、えらい若いね、本当に。ですから、あなた方の時代に多分なるんですよ。うちでいえば源馬君とか若い人もいるし、そういう人たちの時代になると思うので、そういう人たちが、けんかばかりしないで、いい意見を言い合うというのも大切だというふうに思います。是非、ちょっとお話を。
  50. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 松木先生が戻ってこられたなというのを改めて実感をする質疑でした。本当にありがとうございます。  先生言ったように、オゾンホールがだんだん小さくなってきた成功体験、このことを忘れずに、これからの国際交渉に臨みたいと思います。  先生が言ったように、地球規模の課題でなかなか合意を世界共通で持つのが難しい世界で、時に、先生言ったような悲観論が、本当にできるのかといったことが広がりかねないことは事実です。しかし、その中でも決して諦めない。我々はやればできたじゃないか、これからだってできる、そういう思いを持って、しっかりと国際交渉などにも臨んでいきたいと思います。本当にありがとうございます。
  51. 松木けんこう

    ○松木委員 是非頑張ってください。  新リチウムイオン電池だとか全樹脂電池だとか、いろいろなものがありますから、これは知恵の出し合いですよ。与野党で知恵の出し合いをやったらいいですよ。そして、それを環境省でまとめる、そして地球温暖化を止めるということを、是非みんなで頑張ってやっていきましょう。  以上です。ありがとうございました。
  52. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  53. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  最初に、動物取扱業における犬猫の飼養管理基準について質問します。  犬や猫の繁殖業者やペットショップなどに対して管理方法を示した環境省令が、今月、六月一日から施行されています。たくさんの議論がこれまでにありました。動物愛護法そして基準省令の改正や制定に至る経緯、背景について、説明をしていただけますか。
  54. 笹川博義

    ○笹川副大臣 御質問ありがとうございます。  令和元年に動物愛護管理法が議員立法によりまして改正をされたわけでありますが、省令につきましては、でき得る限り具体的なものでなければならないと規定をされました。  定性的な基準による指導では、不適正な事業者にいわゆる言い逃れの機会を与える、また、自治体の関係者からも具体的なものを求められていたということでございます。  基準の検討に当たりましては、立法府であります院の意思、また、田村委員にもいろいろな御指導を賜りました。議連の方にも御提案を、具体的な案もいただきました。改めて感謝を申し上げたいというふうに思っております。  中央環境審議会、それぞれ有識者によります御議論も経て、本年一月に審議会の答申をいただいて、四月に新たに基準省令を公布し、六月一日に施行したところであります。  改めて、この背後にあるものは、やはり、具体的な基準を決めることによって速やかな指導ができる、そしてまた事業者にとっても、きちっとしたものが明確になれば、そのような形で事業を展開していくことができるということだというふうに思っております。
  55. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 新しい基準省令では、犬猫などのケージの広さ、それから従業員と飼育頭数の関係などが具体的な数値で取り決められています。この主な特徴点、ケージ、従業員数、動物の管理、繁殖、販売等々についての、簡単で結構ですので、説明をしていただけますか。
  56. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  今般の飼養管理基準の主な内容といたしましては、犬と猫の寝床や休息に使うケージの大きさにつきまして、まず、縦の長さは体長の二倍、横の長さは一・五倍とし、さらに、運動用のスペースの広さを規定したところでございます。また、従業員一人当たりの犬の飼育頭数を二十頭まで、そのうち繁殖用は十五頭までとし、猫につきましては三十頭まで、そのうち繁殖用は二十五頭までとしたところでございます。さらに、雌の繁殖の年齢を犬猫共に原則六歳までとしたこと、あるいは、毛玉で覆われている、毛にふん尿がついて固まっているなどの不適切な状態を直接禁止したことなどがあり、統一的な考え方による明確な基準としたところでございます。
  57. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 基準省令では、ケージ等の大きさ、従業員数、繁殖回数などの経過措置を設けています。経過措置を設けることとなった理由、その背景についても紹介していただけますか。
  58. 笹川博義

    ○笹川副大臣 この点につきましても、委員におかれましては、動物愛護、そしてまた事業者のスムーズな施行についての御理解を深めるために、それぞれ御活躍、御指導を賜りましたことにも感謝を申し上げたいと思っております。  今局長からも答弁がありましたが、犬猫の遺棄、殺処分、不適正な飼養などを生じさせないように、飼養設備の規模、従業者の員数、繁殖に係る基準については、段階的に制限する経過措置を設けることとされました。  いずれにしても、事業者理解をし、そして準備をしていく、そういう期間というのは必要であります。ただし、その期間中であっても、今答弁の中にありましたように、毛玉で覆われているとか、こういう不適正な飼養状況については、それは是正をしていかなければならない、指導なりの対象ということになりますので。その辺のところはしっかりと適正な環境の確保はしてまいりますので、御理解いただきたいと思います。
  59. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 続いて、小泉大臣にお伺いしますけれども、懸念されることもあります。  犬猫適正飼養推進協議会、そして一般社団法人ペットパーク流通協会が、昨年、全国の事業者を対象に行ったアンケート結果があります。これはもう皆さん御存じのアンケート結果です。  一千百十三の事業者の回答があったわけですけれども、従業員一人当たり繁殖犬十五頭、繁殖猫二十五頭までの基準案に対して、犬の繁殖業者の六四・八%、猫の繁殖業者の三一・七%が超過しているとの回答でありました。そして、犬の繁殖業者の三二・三%、猫の繁殖業者の一八・九%が廃業も視野に入れると回答しているんです、廃業を視野に入れると。それに伴って、繁殖犬十四万百五十六頭、繁殖猫一万七千二百十八頭の譲渡が必要になるとの推計値も示されたわけであります。  大臣にお伺いします。  経過措置もあるんですけれども、業者が対応することができずに、多数の犬猫が廃棄される可能性もあります。そういう指摘もあります。対応、支援策についてお伺いします。  また、提案なんですけれども、業者と自治体が連携して、議論の場を国の方が設けるなど、こういうことをされてみてはいかがかと思うんですけれども、どうでしょうか。
  60. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生おっしゃるとおり、動物の飼養管理基準、この施行に伴って、結果として遺棄そして廃棄、こういったものが増えていくということになれば本末転倒ですから、そういったことにならないように、今先生から御提案のあった、我々、環境省としても、必要な普及啓発や議論の枠組みづくり、そしてまた対応策、こういったものを進めたいと思っています。  特に、関係者の皆さんが共に議論して取り組む場が必要だと思っています。それは、事業者、保護団体、そして行政、こういった連携が不可欠ですから、そういったことをしっかり進めていくと同時に、我々としても、いかに早く譲渡ができるような環境をつくるか、これが非常に重要なポイントですので。  今、コロナで犬猫を飼う方が増えていて、どこで犬猫を買いますかといったときに、まだまだペットショップというのが主流ですよね。しかし、そうではなくて、保護犬、保護猫、そして引退した犬猫、こういった譲渡というルートがあるんだ、むしろそれが主流化をしていく、こういった方向性に、我々、息の長い取組になると思いますが、確かな歩みをしていく一歩にこの施行がなっているというふうに考えております。
  61. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ブリーダーやペット業の方の関係者、それから消費者、幅広い人たちが参加できる議論づくり、これを国の方で是非大きく進めていただきたい。大臣答弁、進めていただきたいと思います。  もう一問。  大臣、私もかつて猫を飼っていました。十数年、家で飼いました。本当に動物の共生しているありがたみというのを身をもって感じてきたわけなんですけれども、今度の動愛法と基準省令の実施に当たって、動物の虐待、それから遺棄がなくなること、殺処分がなくなること、これを心から思う一人であります。  人間と動物の共生社会の実現に、環境大臣としての決意をお聞かせください。
  62. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 明確にしたいことは、今回、環境省が新たにこの管理基準を設けた思いというのは、事業者がより少ない人数で効率的に犬猫の飼養ができるためではなく、動物愛護の精神に立脚をして、動物虐待とも思われかねないようなグレーな事業者にレッドカードを突きつける、そして、自治体の皆さんが今までだったらなかなか踏み込めないというふうに思っていたところに背中を押して、もしも、この事業者、大丈夫かと思ったら、環境省に連絡をしていただいて、一緒になってレッドカードを出しやすいようにしていく、こういった動物愛護の精神に立脚をした対応だということであります。  先生がかつて猫を飼われていたという話がありましたが、私も学生時代にラブラドールを飼っていて、今でもうちの家庭にはラブラドールがいます。本当に、このコロナの中で家にいて、いかに力をもらうか。人と動物の共生、これが人間にとっても不可欠である、そういったものの中で、動物愛護という精神がしっかりと伝わっていく、このきっかけにこの施行をしたい。しっかりと我々の思いを世の中に伝えていきたいと思っております。
  63. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 次の質問に移ります。  菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を発して、様々な取組が始まろうとしています。二〇三〇年の二酸化炭素排出量四六%削減を政府として打ち出しましたけれども、温暖化対策は待ったなしであります。  温室効果ガスの排出において、農業分野での排出はどういう状況になっておりますか。
  64. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。  世界全体という観点から申し上げたいと思いますけれども、IPCCの報告書によりますと、農業、林業、その他の土地利用における温室効果ガスの排出量は、全分野の排出量のうち約二三%となってございまして、このうち農業だけを取り上げますと、二三%のうちの約半分の約一二%を占めているということでございます。  この一二%のうち、メタンガスの占める割合が約六五%、一酸化二窒素の占める割合が約三五%という数字となってございます。
  65. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 結構大きなウェートを占めているというふうに感じます。  温暖化対策を進めていく上で、畜産への対策というのは喫緊の課題になるかと思います。政府は、グリーン戦略のうち、農林水産省のみどりの食料システム戦略で、畜産における環境負荷の低減という項目を立てています。  これはどんな技術の開発普及をしようというのでしょうか。農林水産省、回答できますか。
  66. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 御質問ありがとうございます。  畜産の関係でいうと、一つは、やはりメタンの排出ですよね、牛のげっぷなどを始めとした問題。それから、我が国の場合は、山がちで狭い国土の中で、良質のたんぱく質を国民に提供する畜産業を発展させてきたということで、やはり輸入飼料に依存しているという問題があります。さらに、これに加えて、家畜のふん尿をどういう形で循環をさせていくか。これ、三つほど問題があろうかというふうに思います。  技術という意味でいいますと、環境負荷軽減の取組としては、まずは、少ない飼料で大きくなる飼料利用性の高い家畜への改良、こういった技術があります。また、二つは、メタンを抑制するための餌ですね、温室効果ガスを削減するような餌の開発というのもございます。また、ICT機器を活用して、いかに効率的に餌を給餌していくかというような飼養管理の推進、こういったような技術がございます。  さらに、輸入飼料ということでございますと、やはりこれを脱却するための取組が必要でございますので、子実用トウモロコシ等の生産拡大、耐暑性、耐湿性の高い飼料作物品種の開発による自給飼料の生産拡大といったことがございます。  さらには、堆肥については、飼料生産と循環させていくための高品質化、あるいは乾燥してのペレット化、さらには堆肥を用いた新たな肥料ということで、これを広域流通の仕組みを使って、飼料生産だけではなくて有機農業にも活用していく、さらには草地基盤も、是非やはり有機も広げていきたいというような、そういった技術的なものもございます。  いずれにしても、これらのものを活用して、持続的な畜産物生産の実現を図っていきたいと考えています。
  67. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 葉梨副大臣からたくさんの対策説明をいただきましたけれども、輸入飼料に依存しているというくだりがありました。  環境省にお伺いしたいんですけれども、温室効果ガスを減らしていく上で、輸入飼料の問題、ここの長距離輸送によって排出される温室効果ガスの問題、これはやはりしっかり考えていかなければならないのではないでしょうか。  あるいは、輸入飼料も含めたライフスタイル全体にわたる炭素排出量、これらについても把握する必要があると思います。フードマイレージ、長距離輸送によって排出される温室効果ガス、そしてカーボンフットプリント。ライフサイクル、生産から廃棄まで全てにわたっての炭素排出量、これらについての把握というのはできているんでしょうか。  環境省、農水省、いかがですか。
  68. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。  まず、委員から御指摘ございました輸入食料のフードマイレージでございます。これは、食料の輸送量と輸送距離を掛け算した指標という理解でございますけれども、令和二年度版の環境白書において、二〇一〇年時点におきまして、人口一人当たり六千七百七十トンキロメートルという試算がございます。  このフードマイレージに係る温室効果ガス排出量については、現時点で具体的な推計情報を把握してございません。  また、カーボンフットプリントという、ライフサイクル全体での温室効果ガス、カーボンフットプリントについてでございますけれども、これを、生産、廃棄段階を含めたということでございますが、環境省としての推計はございませんが、公益財団法人の地球環境戦略研究機関、IGESが公表しております一・五度ライフスタイルのレポートの中におきますと、これは、輸入食料のみならず、国産の食料も含めておりますけれども、平均的な日本人一人当たりの食関係のカーボンフットプリントとして、年間CO2換算で千四百キログラムという試算がございます。
  69. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 やはり待ったなしですから、削減できる温室効果ガスはどんどん削減していかなければいけない。ですから、今言ったところのフードマイレージ、カーボンフットプリント等については、しっかり調査もし、そして掌握に努めていただきたい。まず、現状を把握することを要求したいと思います。  続いて、地球環境問題に対応するための、農林水産省、みどりの食料システム戦略について伺います。  ここでは、農林水産業の脱炭素化、化学農薬、肥料の低減を図り、有機農業を二〇五〇年までに百万ヘクタール、何と百万ヘクタール、全農地の二五%、現在の四十倍に拡大するというふうにされています。  最初に、環境省に伺います。  里地里山の二次的自然環境、生物多様性に対して、農業を慣行農業から有機農業、いわゆる慣行として行われている農業から有機農業に切り替えていくことの意義について説明をしていただけますか。
  70. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  里地里山は、長い歴史の中で、農業などの様々な人間の働きかけを通じて自然環境が形成され、その結果、多くの固有種や絶滅危惧種を含む多様な生物の生息、生育地となってございます。  そのため、里地里山における有機農業を始めとする環境保全型農業を積極的に進めることが、安全な食べ物の確保だけでなく、生物多様性の保全にとっても非常に重要であると認識してございます。
  71. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 有機農業は今、全耕地面積の僅か〇・五%、二万三千ヘクタールです。これは二〇一七年の統計です。先進国では最低水準となっています。  ところが、これを百万ヘクタールに農水省は拡大すると言っているんですよね。多くの有機農業者や関係者にとってみたら、これはまさに寝耳に水でありました。  菅総理が突然、去年、カーボンニュートラル宣言をしたことと軌を一にして、昨年十月、野上農水大臣がこれまた突然公表して、年末に戦略本部を設置してから素案策定まで僅か三か月ということであります。  有機農家の方は二人にしかヒアリングをしていません。日本有機農業研究会や日本有機農業学会がこのヒアリングの対象者には見られなかったんですけれども、長期にわたって有機農業の科学的、実践的な蓄積をしてきた農業者、消費者、研究者の団体であります。ちゃんと意見を聞かれているんでしょうか。
  72. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 私ども、たくさんの意見が寄せられておりますので、しっかり精査させていただいております。  また、先ほどの輸入飼料の話、とにかく我々としては自給飼料をしっかり頑張っていくというふうに考えております。
  73. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本有機農業学会の設立趣意書を紹介したいと思います。  日本農業をめぐるトータルシステム、それから経済主体を目指す設立趣意書であります。つまり、生産流通、消費の構造変革、それから生産者と消費者、関連事業者などの意識改革、ここを目指す有機農業の思想やあるいは運動の理念が無視されるのであれば、有機農業の健全な発展は期待し得ないし、単純、無制限な利潤活動に基づく新たな市場競争を招来する可能性すら存在する、ここではそう述べられているわけであります。  有機農業運動の長きにわたる蓄積において、有機農業の生産技術というのは、私企業のもうけに資するものではなくて、公共的な社会資本として位置づけられてきています。この学会の宣言については、農水省はどのように評価をしていますか。
  74. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 今、有機農業、取り組んでいる、今ある技術というのは非常に優れたものであるというふうに考えています。ヒアリングの中でも、学会などからもお話を聞かせていただいているんですけれども、私もそのヒアリングに参加をさせていただきましたけれども、やはりまずは今ある技術をできるだけ横展開するということが非常に大切であると。  ですから、私どもとしても、二〇三〇年までに、基本的に、今ある優れた技術を活用して、有機農業の面積を三倍程度にしていく。ただし、二〇五〇年という更なる目標に向けて、イノベーションを図りながら、更に革新的な技術を横展開していく、そういうような手順を追った方策考えさせていただいております。
  75. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 それで、葉梨副大臣、みどりの戦略の中身なんですけれども、目標をイノベーション、技術開発によって実現するとして、そのための研究開発を、企画段階から事業化を見据えた知的財産の策定と実行と述べています。  実際、大学発のベンチャー企業と連携して行うなどの技術開発が行われています。ドローンやロボットによるピンポイント散布、RNA干渉による遺伝子抑制を利用した害虫防除、農業、漁業機械の電化、水素化、ゲノム編集によるスーパー品種の開発等々。  実際に農業に取り組まれている方々からは、有機農業の思想とはかけ離れたものだという指摘がたくさんなされているわけであります。一例を申し上げますと、日本有機農業研究会の理事を務める久保田裕子さんは、メディアの取材に対して、人体や環境への影響はまだ分からない点が多い、先端技術に偏り過ぎている、このように指摘されているわけです。  このような指摘をどのように捉えていますか。そして、有機農業というのは一体どういうものだと農水省は考えているんでしょうか。
  76. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 基本的に、やはり有機農業というのはナチュラルなものであろうかというふうに思います。今お話のありましたように、ゲノムの話等もありますが、これは今、有機JASの検討委員会の中でも検討させていただいておるんですけれども、なかなか、検証の技術をどう確立するかという非常に大きな問題もありますけれども、やはり有機というのは、有機JASの世界というのは非常にナチュラルなものだというふうに考えています。  それで、今お話のあったいろいろな科学技術というのは、全部それで有機に投入するということではなくて、ドローンを用いた農薬散布によって農薬の使用量、リスクを軽減するとか、あるいは、いろいろな形での栽培管理、土壌管理によって化学肥料の使用を低減するとか、そういったものにも、我が国の農林水産業全体に関わるものでございますので、その技術が全て有機にということではなくて、やはり有機というのは基本的にはナチュラルなものである。ただ、革新的な生産技術というのは、これはしっかりと確立をしていかなきゃいけないだろうというふうに思っています。
  77. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 有機農業に専ら取り組んでこられた方々は、やはりそちらの方が目につく、それが強調され過ぎているんじゃないかと受け止めておられるわけですよね。農家がそれぞれ培ってきた環境に優しい技術をどう生かしていくのかが見えない。  有機農業推進法には、化学的に合成された肥料や農薬を使用しないこと並びに遺伝子組み換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法、こういうふうに定められているわけであります。  国際機関も、国際有機農業運動連盟も、生態学的プロセス、生物多様性及び地域の条件に適応したサイクルに依存し、伝統、革新、科学を組み合わせて、共有の環境生活に利益をもたらすものというふうに定義づけているわけであります。  イノベーションよりも、農地の生態系と作物の生命力を生かす、こうした技術を普及して地域社会を連携する、ここはやはり基本じゃないか、ここはやはり踏み外してはいけないんじゃないかというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。
  78. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 先ほど来御答弁させていただいておりますけれども、やはり地域社会の理解、連携というのはすごく大切な、非常に大切なことであるという認識は私どもも持っておりまして、今現在、既存の優れた技術、これを二〇三〇年までは是非横展開をしていって、ですから、二〇三〇年の段階では七万ヘクタール弱というような目標を立てているわけです。  イノベーションと申しましても、イノベーションして科学技術が確立されればそれですぐに社会実装ができるというものではなくて、それをどう利用して横展開していくかという、まさに地域社会との連携というのが絶対に必要になってまいります。  ですから、これはもう断続的というか、全然別の概念というよりは、連続的な概念の中で、有機農業を拡大するために、税制ですとか投融資、それから補助、そういったようなものを活用しながら連続的にやはり考えていくということが必要じゃないかなというふうに思います。
  79. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 小泉大臣にも最後にお伺いしますけれども、地球温暖化対策と農業の在り方についてのテーマなんですけれども、農水省のみどりの戦略のパブリックコメントで、ゲノム編集技術に対する意見が何と一万六千五百五十五件も寄せられています。RNA農薬の安全性への懸念も寄せられているわけであります。  大臣環境省の生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇、このロードマップの中で次のようなくだりがあります。「今後も農林業などの人為活動により形成された自然環境の保全・回復を通じて、生物多様性が保全され、国民への安定的な食料供給や生物多様性が豊かな自然環境を提供できるよう、生物多様性保全をより重視した農業生産及び田園地域や里地里山の整備・保全を推進することが必要です。」というふうに書いてあるわけであります。  今ずっと議論してきたんですけれども、大臣環境大臣としてこのテーマについてどういう御所見をお持ちなのか、最後にお伺いしたいと思います。
  80. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、基本的な立場として、環境省、私が大臣になってから農水省と連携を相当深めてきました。連携合意も交わして、今、野上大臣とも、様々な政策分野で環境省、農水省連携を進めていただいていますが、私は、環境省と農水省が連携を強めれば強めるほど、国民のためになると思います。  今回、みどりの食料戦略システムも、私も今まで答弁で、これは過小評価されているんじゃないかと言ってきましたが、もっと評価されてしかるべき高い目標を掲げたものだと思います。私が農林部会長のときと比べても、農水省、相当高い意欲を持って、よくここまで、改革マインドでやっているんじゃないかなと思いながら。  イノベーションも重要です。先生が御指摘のような国民の方の不安に対しては向き合いながら、しかし、日本は、これだけ食料、海外に依存して、WFPが世界に支援をしている食料の総量の一・五倍もロスを出している。この中で、最新の技術も使いながら、最近では、環境のことでビーガンを選好する方々も若い人の中でも特に増えている中で、フードテック、この領域も相当伸びています、代替肉なども含めて。ですから、イノベーションの重要性は私はあると思います。  この中でも、しかし大事なことは、生物多様性を守りながら、環境保全と農林水産業の振興と、そして、日本がより、エネルギーや食を海外に依存を強めることなく、自立した国家に向けて、これからも農水省と連携を頑張っていきたいと思います。副大臣、よろしくお願いします。
  81. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 みどりの戦略は、関係者から違和感があると言われています。そこをやはり解決するのがまず大切じゃないかなということを申し上げて、今日の質問を終わります。
  82. 石原宏高

    石原委員長 次に、山岡達丸君。
  83. 山岡達丸

    山岡委員 衆議院議員の山岡達丸と申します。  今日は、委員長、そして委員皆様の御高配を賜って、環境委員会で質疑の時間をいただきました。心から感謝を申し上げながら、時間も限られていますので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。  今日は、北海道の安平町という町のことをちょっと取り上げさせていただきたいと思います。  人口七千五百人ぐらいの町で、早来、追分という町が合併したということもございまして、競馬に詳しい方であれば、競走馬の生産地という名称としてぴんとくる方もいらっしゃるかもしれません。農業も盛んでございます。  二〇一八年九月六日には北海道胆振東部地震があって、北海道はブラックアウトという停電も大きな問題になったんですけれども、この町は、直接の被災を受けた、三つの町が被災を受けたわけでありますけれども、その被災三町の一つとされています。  この町に、今、産業廃棄物の最終処理施設の設置について、こうした、誰かがこの日本で担っていかなければならないそういう施設、受入れに当たっては万人が賛成するというケースはなかなかないことも多いわけでありまして、しかしながら、地域の理解を得ながら、関係者が様々努力をして、おおむねの、一定の納得を得ながら設置されるのが通常のことだということを思いますが、この安平町のケースでは、設置の近隣地域の町民の反対はもとより、ほとんどの町民が反対で、三十四自治会ある中の三十三自治会が反対若しくは同意しない旨の意見書を提出し、町長も反対の立場を貫いているという状況でございます。  皆様に、お手元にお配りさせていただいたのは地元の新聞でございまして、苫小牧民報という今年の四月の十五日と十九日の記事でございますが、これがコンパクトに分かりやすかったものですから、御参考に目を通していただければと思うんですけれども。  この経過を申し上げますと、二〇一五年に事業者が北海道に対して計画書を提出するわけでありますが、道は条例に基づいて町に意見を聞くわけでありますけれども、町は町民の声を踏まえて設置反対意見を申し入れるわけであります。その後、二〇一六年には事業者が北海道に対して設置許可書を、さっきのは計画書でありますけれども、許可書を提出する。これは廃棄物処理法に基づいて、これも町に意見を求めなきゃいけないことになりますが、町はこのときも設置反対意見申入れをしているわけであります。設置される地域の近隣自治会も皆、反対意見書をセットで出されている。しかし、二〇一七年に北海道は許可を出しました。  町の議会も、町民からの声を受けて、町民とともにこの問題に闘っていくということでございまして、現状においては、町長も町議会も、そして、近隣の町の住民はもとより、ほとんどの町民が、これはもう反対していきたいという思いを今、声を上げているわけであります。  町はこれまでこういうことを受け入れたことがないのかといえば、既に一つ、産業廃棄物の処分場、最終処理場を受け入れております。決して大きくない町でもございますので、そういう役割は担いながらも、二つ目のこの産業廃棄物の処理場については、この経緯についても十分な説明がなかった等もあるんですけれども、反対を強く打ち出しているという状況でございます。  大臣にお伺いしたいんですけれども、確かに、こういった施設、日本でどこかが受け入れなければならないということもある、そういうものも多くあるわけでありますが、しかし、町長、町民、ほとんど全てが反対のまま、今、許認可を持つ道が許可をしてどんどん進んでいく、こういう状況が望ましい状況なのかどうか。大臣の所感をお伺いしたいと思います。
  84. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、一般的に、先生御指摘の産廃の最終処分場というのは、迷惑施設と見られていますが、国民の生活、事業活動に欠かせない生活環境インフラであることから、環境を保全して、地域と共生した形での設置が望まれます。このため、産廃の最終処分場の設置に当たっては、廃棄物処理法に基づいて、利害関係者や関係市町村、専門家の意見を聞いた上で、設置計画が技術上の基準に適合することや、生活環境の保全について適正な配慮がなされていること等を厳格に審査をして、問題なければ許可することとされています。  このような手続、厳格な審査を通じて、環境保全の確保に加えて、地元自治体そして周辺住民の皆様理解を促進することが重要と考えており、今後も、こうした生活環境インフラの整備が地域で円滑に進むように、国として必要な後押しをしてまいりたいと考えております。
  85. 山岡達丸

    山岡委員 大臣から今、一般論として、地域との共生、理解というお話があったわけでありますけれども、廃棄物処理法上は、許認可は都道府県、そして自治体は意見を述べるということで、同意が要件となっているたてつけにはなっておりません。  この中にあって、町によればでありますが、北海道から町に対する説明は、住民の同意は要件ではないという趣旨の話も途中経過であったということでございます。そして、一度、事前計画を出した段階で、事業者に対して、町と十分協議するようということも附帯意見としてつけられたようでありますが、町にきちんとした事業者との協議の場があったという状況じゃない、それはなかったということも、今、町長が強く反対している理由でございます。しかし、現に、北海道は許可したという状況は、今ずっと継続している状況であります。  環境省にお伺いしますが、廃棄物処理法、これは、今大臣答弁ありましたけれども、産業廃棄物の適正な処理、第四条の二に、適正な処理が行われるよう必要な措置を講ずるということが都道府県にも課せられ、国はそのことがちゃんと講じられるように調整を行うということが書かれているわけでありますけれども、私は、地域住民がほとんど全て、町長も含めて反対している状況が、適正な処理が行われる状況になっているとは思いません。  過去の事例で伺いたいんですが、町長、町民のほとんどが反対している中で、産業廃棄物処理場の最終処分場が最終的に設置されて稼働しているというケースはどの程度あるんでしょうか。環境省に伺います。
  86. 松澤裕

    松澤政府参考人 お答え申し上げます。  私どもで体系的にそういった調査をやっているわけではございませんけれども、昨日先生とお会いして以降、私どもの職員でリサーチいたしました。  確かに、そういった件は、地元の議会や首長様が反対している状況で許可がなされて施設ができ上がったという事例は、存在はしております。
  87. 山岡達丸

    山岡委員 存在はしているかどうかではなくて、どの程度あるのかということを聞いているんですが。
  88. 松澤裕

    松澤政府参考人 お答え申し上げます。  そうした事例について全国でどれぐらいあるかという調査は、私どもで残念ながら行っておりません。  昨日先生と私どもの職員がお会いしてから今日までの間に、公開されている情報などをリサーチをいたしまして、そういう事例があるということは確認はいたしました。
  89. 山岡達丸

    山岡委員 少なくとも、昨日、環境省の担当者が私に、住民投票等の、いろいろな住民の意思がはっきり示されたケースのお話を持ってきていただきました。  この中で、六件あって、一件は住民の賛成で設置されたケースでありますけれども、残りの、一件は賛否が拮抗するような話でありましたが、四件、設置できなかったケースの五件中の四件は、住民、はっきりと、少なくとも八割以上の町民がこの場所に最終処分場あるいは産業廃棄物の処理場は造らないでほしいといったケースについては、白紙に戻ったり、認可が認められなかったり、そういうケースが、少なくともこの中では、ほとんどの町民が反対しているケースでは全てそういうふうになっているという調査結果を担当者が持ってまいりました。  多く調べた中で、もしかしたらそうじゃないケースもあるかもしれませんが、私は、法律の状況にのっとって言えば、この状況は適正に円滑に進む状況じゃないということを強く思うし、現に過去も、そういう結果のときには多くのケースで撤回されてきたという事実が残っていると思っております。  大臣に伺いますが、この廃棄物処理法のたてつけは、国は、確かに許認可は都道府県が持っていて、そして自治体が意見だけを述べるという形になっているわけでありますが、こういうケースにおいて環境省は、その円滑な実施が進むような状況かどうかを含めて調整するということが法文に明確に書かれているわけであります。  どうか大臣に、これはお願いさせていただきますが、先ほど、後押しをするという言い方をしていましたが、この法律に基づいた調整ということで、この事態に今、関心を寄せていただけませんでしょうか。お伺いします。
  90. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先ほど私は、自治体そして地域の住民の皆さんの理解を促進することは重要だ、そして国の後押しもという話をさせていただきましたが、環境省としても、必要に応じて北海道に助言を行うなど、適切に対応してまいりたいと思います。
  91. 山岡達丸

    山岡委員 大臣にお伺いしたいと思いますが、様々、こういう、誰かが担わなきゃいけない施設ということがあろうかと思っておりますが、この手続において、少なくとも町民は十分な説明を受けていない、あるいは、附帯の、道からの事業者に対しての話として、町と十分協議するようと行われたけれども、行われていない。結果的には北海道は許可しているわけでありますけれども、この許可のことはおいておいて。  この経過、これが適切な状況であったかどうか、そのことを問われたときにどのように感じられますか。
  92. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 個別の案件というよりも、先ほど私も答弁をさせていただいたように、一般論として、産廃の最終処分場というのは、迷惑施設と見られますから、大変理解を得るのは難しい案件でもあるとは思います。だからこそ、環境の保全そして地域との共生、こういったものをしっかりと大事にしながら、だけれども、我々、人間社会、経済活動の中からごみが出ることは間違いありません。そして、それをどのように我々は向き合っていくのかというのが、この廃棄物の行政で重要性があるところでもあります。  今、全国の中では、いかにしてごみを出さないような暮らしをするか、こういった中で、新たな方向にまちづくりをしているところも出てきました。こういったところもしっかり後押しをしていかなければいけませんし、とはいえ、最終的な処分場なども必要だというところに対して、我々としては、しっかりと手続、厳格な審査を通じて、環境保全の確保に加えて、地元住民そして自治体、理解を促進することが重要だと考えていますので、必要な後押しはしてまいりたいと思います。
  93. 山岡達丸

    山岡委員 必要な後押しの趣旨をお伺いしたいと思いますけれども、そうしましたら、理解が進まぬ、共生が進まぬ状況は、その状況は改善してこそその設置が進むのであって、改善していない状況を改善するということに対しての後押しをするという趣旨でよろしいでしょうか。
  94. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 もちろん、地域の理解と協力をいただいた形で進んでいくことが望ましいというのは、それはそのとおりです。
  95. 山岡達丸

    山岡委員 今大臣からお話がありましたが、その認識の下で、助言をするにしても、何をするにしても、是非対応をお願いをさせていただきたいと思います。  いろいろなケースがあると思うんです、町長が認めても町民の方から不安の声が上がるとか、その規模も大小あると思いますが。私は、様々、地域の課題でいろいろなそういう賛否分かれる話にも立ち会ってまいりましたが、今回のこのケースは、少なくとも、町民のほとんど、そして町長、そして議会も町民に寄り添うという中でどんどん話が進んできて、法律のたてつけにおいて、意見は求めるけれども同意が要件とはなっていないというようなありようの中で突き進んできたということは、私は、数ある様々なケースの中でもかなり特異なケースだということを強く思うわけであります。  大臣是非、そのことを踏まえて対応いただきたいということを、この委員会でも強く申し上げさせていただきたいと思います。  あわせて、環境省も御自身の事業としていろいろなことをされているわけでありますが、PCB廃棄物の処理事業。同じ北海道の胆振という地域に室蘭市という町がございますが、この室蘭市においては、環境省の事業でありますPCB廃棄物処理、いわゆる変圧器やコンデンサー等に使われて、人工的に作られた油状の化学物質が大変毒性があって健康被害をもたらすということで、安全に処理をするということでありますけれども、この処理も非常に不安と危険が伴うというような中で、室蘭市がその役を担っているという状況であります。  加えて、東日本大震災で、原発事故において、国が指定する汚染廃棄物対策地域で発生した高濃度のPCB廃棄物についても、震災から十年という経過が、たって、これも、地域住民から、放射性物質、そういう見方をするということでいえば不安の声は上がるわけでありますけれども、しかし、室蘭市としては、元々このPCBの処理を受けていたことももちろんですが、福島の震災ということを、様々な負担を分け合うという観点も踏まえた中で、このことは引き続き継続してしっかりと受け入れていきたいということを表明しております。  大臣、もちろんこれは既に受入れを表明しているわけでありますけれども、しかし、こういう室蘭市の姿勢に対して、やはり環境大臣として是非思いをおっしゃっていただきたいと思います。今日、この機会でございますので、大臣のお考えを伺えればと思います。
  96. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、室蘭市民の皆様におかれましては、今先生がおっしゃったように、我々が行っているPCBの事業に対して御理解、そして御協力をいただいていることを心より感謝申し上げたいと思います。  JESCO北海道事業所では、北海道、東日本地域のPCB廃棄物の処理を実施しています。安全、安心が大前提でありまして、学識経験者や市民公募委員などから構成される円卓会議、これは年三回程度行っていますが、環境省もそちらに参加をして、処理計画や環境モニタリング測定結果などの公表など、透明性を持って事業の実施に努めています。  東日本地域であることから、福島県内の高濃度PCB廃棄物もJESCO北海道事業所で処理する計画としており、福島第一原子力発電所事故により福島県の対策地域内に置かれることになった高濃度PCB廃棄物のうち、放射性物質による影響がないことを確認できたものについて、福島の復興を更に進めていくため、計画どおり、JESCO北海道事業所で処理する方針説明をさせていただきました。  地元の皆さんの御理解があって初めてPCBの廃棄物処理は進みます。今後、住民の皆さんに対して説明の場を設け、環境省の考え方や搬入されるPCB廃棄物の放射性物質の確認方法などを丁寧説明すべく、準備を進めています。  我々の方からも、職員を地元説明会に派遣をする予定です。具体的な時期については、地元の室蘭市、そして北海道と具体的に相談を行っています。今、新型コロナの感染拡大の状況もしっかりと見ながら、可能な限り早期に、丁寧説明を早期に実施できるように準備を進めてまいりたいと考えております。
  97. 山岡達丸

    山岡委員 本来、今日は六月四日でございまして、元々の予定は、今日、環境省から地元への御説明があるというお話でありましたが、今大臣もお話がありましたように、新型コロナウイルスの感染拡大という状況でございますので、日を改めるということでございました。大臣から早期にというお話もありましたから、今は緊急事態宣言中でありますので、もちろん、これは明けてからでありますけれども、是非早期に御対応いただきたいと思うわけであります。  今、大臣のお話にありましたけれども、一度、そういう意味で事業として引き受けている室蘭市というところであっても、やはり環境省そして小泉大臣の姿勢としては、感謝とそして理解という言葉を、今もお話がありましたけれども、そういう対応が必要だということは今のお話からもうかがい知ることができると私は思うんです。  さきの話も、質問時間が限られていますのでもう質問はいたしませんが、さきの安平町のケースは、まさに理解を得ないで突き進んできたからこそ、ほぼ全体が反対。しかし、法律のたてつけ上、同意は要件ではないから、だから進むんだという中で、今、議会とかでも、もうこれは諦めるしかないのかとか、これはもう何もできないのかとか、そういう声まで上がりながらも、この施設がもしかしたら進むかもしれない。  こういう状況で健全な運営がなされるとは私はとても思えませんので、是非、今日はこの場でお披瀝をさせていただきましたが、大臣の下で、環境省でこの話に大いなる関心を寄せていただいて、先ほど助言もというお話もありましたが、この法律に基づく役割もございますので、是非その役割を果たしていただくことを強くお願いをさせていただき、また、あわせて、今後、この委員会の場、あるいは環境省の皆さんに、直接ではあるかもしれませんが、この状況の進捗についても私の方で確認をさせていただきたいと思いますので、是非、様々、対応いただければということをお願い申し上げさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございます。
  98. 石原宏高

    石原委員長 次に、森夏枝君。
  99. 森夏枝

    ○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。  本日も質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。  前回の瀬戸内法の審議の際に質問できなかった質問も本日はさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  五月三十日はごみゼロの日でした。明日、六月五日は環境の日で、そして六月八日は世界海洋デーです。今週は海ごみゼロウィークですので、大臣に海ごみゼロウィークの活動について伺いたいと思っております。  近年、環境問題について国民の意識が高まってきているというのは感じますが、この海ごみゼロウィークの認知度もまだまだ低いように思います。コロナ禍ということもあり、大人数で集まり活動することが難しい現状もあるかと思いますが、今年もごみ拾いなどを行ってくださっている方がたくさんいらっしゃると思います。  今年の海ごみゼロウィークの活動は、昨年や一昨年に比べて活動状況はいかがでしょうか。また、秋の海ごみゼロウィークや来年の海ごみゼロウィークには更に活動が活発に行われるように、もっと周知活動に力を入れてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。大臣、お願いします。
  100. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ありがとうございます。  まさに今、海ごみゼロウィーク真っ最中でありますので、より多くの方に知っていただける機会をこの質問でもいただいたと思います。  コロナの前と後でどうかというお尋ねでありますが、コロナの前である令和元年、二〇一九年度は、全国およそ千五百か所で、およそ四十三万人の方々に御参加いただきました。そして、全国各地の海岸清掃など、海ごみの削減に向けた取組が行われました。  昨年度は、コロナの影響で春の実施を見送りましたが、秋に海ごみゼロウィークを実施をして、私自身も閣議後の会見やキックオフのイベントで参加を呼びかけ、コロナ禍にもかかわらず、およそ二十万人の方々に御参加いただきました。  今年度は、ちょうど五月の三十日から来週八日の世界海洋デーまで、海ごみゼロウィークが今やられていますが、秋にも実施をする予定であります。  これまでも様々、政府広報のテレビとかラジオ、日本財団とも協力をしながら発信をしていますが、来年はどうかという話で言われると、今日、このまま本会議で処理がされれば、プラ法が、プラスチック新法が成立をすることになりますが、このプラスチック新法、そして昨日成立をした瀬戸内海環境保全特措法、この両方の中に関わっている海洋プラスチックごみ、より多くの方に社会の変化を感じていただきながらの海ごみゼロウィークに来年はできるのではないかなと。  そういった政策の連携も加えた上での海ごみゼロウィークの取組が更に多くの方に浸透するように、環境省としても、今年の秋の実施にも更に準備を進めながら、来年はそういったことも見据えることも大事ではないかなと考えております。
  101. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  コロナ禍ということもあり、大変な現状かと思いますけれども、それでも多くの方に参加いただいているということで、今年の秋、そして来年には更に周知活動にしっかりと力を入れていただいて、皆様に関心を持っていただきたいと思います。こういった活動に参加することで環境問題に対しての意識が高まると思いますので、是非よろしくお願いいたします。  前回の質疑の際に、海洋プラスチックごみの回収に対する支援については大臣に伺いました。本日は、回収した海洋プラスチックごみのリサイクルについて伺いたいと思います。  漁業関係者皆様が回収してくださった海洋プラスチックごみは、水分、塩分、そして汚れなどが付着しており、リサイクルには適さず、ほとんどが焼却処分をされていると伺っております。今後、海洋プラスチックごみの回収にも力を入れていかれると思いますので、回収量も増えると思いますが、この回収した海洋プラスチックごみもできる限りリサイクルをしていただきたいと思っております。  今後、海洋プラスチックごみに関して、リサイクル率を上げていくのか、リサイクルをしていくことが可能なのか。今後の取組について教えてください。
  102. 山本昌宏

    山本政府参考人 お答えいたします。  回収したプラスチックごみのリサイクルを図っていくというのは大変重要な取組だと思っております。既に企業においても様々な取組が進んでおりまして、例えば、海洋プラスチックごみからボールペンや靴を作製するといったような取組が既にあると承知しております。  環境省におきましては、まず、こういった事業者等の取組をウェブサイトやSNSを通じて広く紹介するプラスチック・スマートという事業を展開しておりますので、この中でしっかりと後押しをしてまいりたいと思っております。  また、今年度からの事業ということでございますけれども、こういった企業の持つノウハウや技術を海ごみの発生抑制や回収処理に活用するために、自治体と企業等が連携した海ごみ対策事業を支援しております。これは、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを実現していくための取組ということで、ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業と称してやっておりますが、こういった中で、回収してきたごみを、例えば美化活動に用いる用品に再生して参加者に使っていただくとか、あるいは地元のスーパーの買物かごにリサイクルするとか、こういったアップサイクルの取組というのが今具体的に動こうとしておりますので、こういったものも活用してしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。
  103. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今局長から、海ごみを回収してリサイクルされたペンとか靴という紹介がありましたが、今私が使っているのがまさにそれで、これはパイロットのペンですけれども、海ごみを一部に使っている。こういったものがまさに、私も今議員の事務所においてこのペンを使うようにということで、うちの事務所のスタッフに調達を、今までのペンとは替えるように、一人一人でもグリーン購入ができる、これも議員の先生方の中でも広げていただければと、こういうふうに身近に安くできることもありますので、様々な展開が進んでいくように、環境省も紹介をしたり、後押しをしていきたいと思います。
  104. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  私もすぐにそのペンを購入したいと思います。事務所で秘書たちにも使ってもらうようにしたいと思います。是非今後は、この海洋プラスチックごみに関してもどんどんリサイクルを進めていただきますように、よろしくお願いいたします。  プラスチック新法の審議の際に、今後、ハンガー用の回収ボックス、歯ブラシ用の回収ボックスなどのように、複数の回収ボックスを設置していくと、スーパーの入口などが回収ボックスだらけになるのではないかというようなお話もさせていただきましたが、回収ボックス、回収箱については以前から様々な問題がございました。自動販売機の横に設置されている回収箱には、ペットボトルや缶以外のごみが投入されている現状がございます。  私の地元選挙区の京都市では、公共施設や商業施設に設置している使用済小型家電の回収箱に入り切らない家電が回収箱の周りに放置されたり、対象外のものが捨てられる現状があるようです。施設側から京都市に対して回収を増やすように要望があったそうですが、京都市も週二回の回収が精いっぱいということで、回収箱の撤去をせざるを得ないという状況となってしまったようです。  回収対象品目かどうかをホームページで確認してくださいと案内をしているようですが、ホームページで確認する人たちはきちんとルールを守ってくださる方たちで、ホームページを見ていない方が守られていないのだと思います。国においてもそうですが、ホームページで情報発信し、ホームページを見てくださいと言っても、見ない方、見ることができない方がたくさんいらっしゃいます。今後、リサイクルを推進していく上で回収量も増えていくと思います。  大臣に伺います。  今後、回収箱について考えられる様々な課題に対して、何か対策考えられているのでしょうか。
  105. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これは本当に一人一人のモラルに関わる部分もあって、回収しているいろいろなところで苦労している現状があります。  自動販売機の隣にある、本来であれば飲物のごみだけを捨ててくださいという、あの回収ボックスの中にも何でも入れる人がいます。こういったことに対して、より、回収をしたいものだけが入りやすいようなデザインの回収ボックスの開発、こういったものも、ナッジの知見なども活用しながら取り組まれている例もあります。  環境省としても、そういった効果的な回収ができるような普及策を後押しをしてまいりたいと思いますし、京都は、食ロスのゼロを目指した取組など、非常にごみ問題についても意欲的に取り組まれています。これから、捨てるから集めるへ世の中を変えていかなければいけない中で、せっかく頑張っている回収の取組が、一部のモラルのない方の行動によってくじかれることがないように後押しをしなければいけないと感じているところでもあります。
  106. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  先ほど大臣に御紹介いただきましたように、回収ボックス、分かりやすい表示であったり、皆さんが間違えて捨ててしまったり違うものを捨てることのないように、そういったものの開発に是非早急に取り組んでいただきたいと思っております。  やはり、環境教育というのが大変重要だと思っております。前回の瀬戸内法の審議の際にも、豊かな海づくり、豊かな瀬戸内海の再生のために、漁業関係者皆様がボランティアで環境教育をしてくださっているというお話をさせていただきました。学校現場や地域の中で、今後更に環境教育を推進していくべきだと思いますし、実際そうなっていくと思います。  既に行われている環境教育において、すばらしい取組や成功事例があれば教えてください。
  107. 和田篤也

    和田政府参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のございました環境教育の視点、その視点からのいわゆるすばらしい事例、優良事例ということでございますけれども、環境省ホームページでも公表しております例を一部御紹介申し上げますと、例えばでございますけれども、福岡県で行われています夏休み親子リサイクル探検隊というのがございまして、これは、小学生御本人だけではなくて、親子でリサイクル施設や大学の研究施設、企業に出向いて様々な体験活動を通じた環境学習というものを行うことを通じまして、今御指摘のございましたような、例えば分別の大切さということを始めとする様々なことにつきまして、学習の成果を実際の生活でも実行することを促している点でも優れた事例でないかなと思っています。  また、もう一つ御紹介させていただきますと、これは学校現場の取組ということでございますけれども、環境省などが主催しております、これは令和二年度の例ですが、全国ユース環境活動大会というものの中で、受賞の一つにありました長崎県の諫早農業高校の取組でございますが、規格外のミカンが生み出す新たな地域おこしと廃棄物の再利用ということで、そういうものをテーマにしまして、いわゆる廃棄物、ごみとして処理されることとなるようなミカン、それを利用して、シイタケ栽培に再利用するといったことなどを通じまして、いわゆる廃棄物というキーワードではなくて、もう今や廃棄物というものがなくなって、リサイクルされることによって、リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーに移っていくようなことがより一層環境教育の現場でも進んでいくように、こういう取組を後押ししてまいりたいと考えております。
  108. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今の統括官のに補足ですけれども、今朝、閣議後の会見で発表させていただきましたが、今回、温対法の改正を受けまして、文科省と環境省で通知を出しました。それは、学校教育現場で、この温対法改正を受けたカーボンニュートラルの意義や、学校の先生方に学校での教育に使っていただけるように、より内容を充実させるように、そんな通知も出したところであります。  あわせて、これから、太陽光パネルなど、公共部門からの率先した導入が必要であって、その一つの場所として学校の中での太陽光などの設置が進んでいくこと、これは横浜が今、六十校以上の小中学校に太陽光パネルを設置をしていくという取組を進めていますが、私は最高の環境教育だと思います。うちの学校、この電気はどこから来ているか知っている、これは太陽光だよ、電気って太陽からできるんですか、そういう授業などが行われるのが最高の環境教育だなと。こういうことも進めていきたいと思います。
  109. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  大臣から御紹介いただきました、学校に太陽光パネルを設置する、これは本当にすばらしい取組だと思いますので、学校教育で環境教育をしっかりとやっていただきたいと思います。  先ほど御説明あった中で、環境省でホームページでいい事例は紹介していますということなんですけれども、ホームページを見ない方に対してどう伝えていくかというのも今後引き続き検討をしていただきたいと思っております。  次に、スリーRの認知度について伺おうと思っておりますが、ちょっと時間がありませんので、認知度は低いですよねというような質問をしたいなと思っておりました。  実際に私も、いろいろな年代、いろいろな職業の方に聞きましたけれども、スリーRを知らない方、特にリデュース、もう意味が分からないという方がかなりたくさんいらっしゃいます。この委員会ではよく、このリデュース、最優先で、優先順位が高くて一番大事なんだと言われておりますけれども、リサイクルは分かるけれどもリデュースは分からないという方、かなり私の周りにたくさんいらっしゃいます。  環境省の皆様、ここにいらっしゃる方は皆様分かっていると思いますけれども、国民の皆様には、全くというか、届いておりませんので、ここもしっかり考えていただきたいと思っております。  それで、小泉大臣が、海外に対する広報の中で、これからはスリーRで語ってはいけない、サーキュラーエコノミーで語らないと世界の土俵には立てないといった内容の発言をされております。  ごみを減らす、繰り返し使う、再資源化する、このスリーRも重要ですし、大臣のおっしゃっているように、これからは世界でサーキュラーエコノミーが前提なんだという、この方向性は正しいと思いますし、私も支持をしておりますが、このサーキュラーエコノミーについても、国民に伝えるときには分かりやすく伝えていただきたいと思っております。  スリーR、ファイブRというのもこの委員会でよく言われますけれども、本当に分かりにくいので、言葉遊びみたいなことはやめてほしい、言葉の意味が分からない国民を置き去りにしないでほしいなどの声も私のところには届いておりますので、やはり国民への伝え方というのはしっかり考えていただきたいと思っております。  大臣に伺います。  スリーR運動、ごみを減らす、繰り返し使う、再資源化の取組や循環型経済を推進していくに当たり、国民の皆様に御理解、御協力いただかなくてはならないと思いますが、今後、どのように推進されていくのでしょうか。
  110. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 重要な御指摘ですので、重く受け止めたいと思います。  環境の取組は、国民一人一人の参加なくしては大きなうねりになりませんので、分かりやすい言葉として、よくサーキュラーエコノミーを語るときに私が言うのは、これからは捨てない経済とか捨てない社会になることです、ごみが出ない前提、こういったことに変わっていくんですという話をしたりしますし、ロスという問題でいえば、食品ロスは大分認知度が高いと思います。それに加えて、最近は、ファッションロス、そして、なぜ省エネが必要かというと、エネルギーロスの問題ですよね。こういった、食ロス、ファッションロス、エネルギーロス、この三つのロスが私は大きいと思っているので、それをどのように一人一人が行動を変えていくきっかけとして取り組んでいただけるか。  ですので、今後、カーボンニュートラルを国民の行動変容につなげていくためには、まずは一つの行動を変えていくきっかけをつくっていく必要があるだろうと。ですので、昨年のレジ袋の有料化もそうですし、今マイボトルの普及なんかも必要だと思っていますし、プラスチック新法によって相当世の中は変わっていくと思います。現実に、最近、高島屋デパートでも、服の回収をしてもう一回服を服にする、こういった取組などもより多く進んできました。  このように、気づいたら身の回りの景色が変わっている現状が、恐らく、来年でも、プラ法によって相当町の景色が変わってくるんじゃないでしょうか。こういったことも通じて、ああ、世の中変わってきたな、そういう方向に動かしていく大きなうねりを国民の皆さんとともに分かりやすい発信も併せて進めていきたいと考えております。
  111. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  時間がなくなってまいりましたので、福島環境再生三百六十度バーチャルツアーについて伺いたいと思っております。  六月一日の環境委員会理事会において、JESCO法附帯決議に基づく国会報告がなされました。そこで、除去土壌の再生利用等に関する理解醸成活動等の実施というところで、除去土壌の再生利用実証事業等の成果を環境省のホームページで情報発信されているという報告を受け、本年一月から、福島環境再生三百六十度バーチャルツアーという、飯舘村長泥地区の実証事業等の現場をウェブで見ることができるという説明を受け、環境委員として、恥ずかしながら、私は、このバーチャルツアーの存在を知りませんでしたので、すぐに拝見をいたしました。  まず、大臣にお伺いしますが、大臣がこの福島環境再生三百六十度バーチャルツアーを御覧になられた率直な感想をお聞かせください。
  112. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私はバーチャルじゃなくてリアルで行っていますので、このバーチャルツアーは、自分で操作したんじゃなくて、職員がこういうものですと言うことを見せてもらったんですが、先生から、これは使いづらいんじゃないか、そういう御指摘もあったと聞いていますので、必要な改善、どのようにできるか、そういったこともしっかり考えていきたいと思っております。  しかし、バーチャルで終えずに、是非、緊急事態の状況がより落ち着いてきたら、飯舘村長泥地区含めて、多くの方に現場を見ていただきたいなと思っております。
  113. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  本当に、落ち着きましたら、私も実際に、長泥地区、行きたいと思っております。  この福島環境再生三百六十度バーチャルツアーですが、私もかなりの人数に声をかけて見てもらいまして、感想をいただきました。その全員に共通していたのは、バスの乗り降りのくだりが要らない、何度もクリックしないといけないのが見にくい、普通の動画の方が見やすい、結局何を伝えたいのかよく分からなかったという感想が共通してありました。大切なことだと思いますので、ちょっと厳しい御意見も伝えさせていただきます。理解醸成が図られるように願っております。  バス移動のところはちょっと必要ないなと私も感じましたけれども、このバス移動はまるでバーチャル議員視察のようだなというふうに感じました。コロナ禍で我々も今視察に行くことができないので、まだ御覧になっていない議員の皆様には是非見ていただきたいなと思いました。  この福島環境再生三百六十度バーチャルツアーに関しては、お金をかけて作成されたと思いますので、今あるものはそのままでもよいと思いますが、皆さんから共通する御意見のあった、一回のクリックで動画が流れるというか、そういうふうに見られるような、簡易バージョンというか、そういったものも是非検討をしていただきたいと思っております。  来週の十一日で東日本大震災から十年と三か月がたちます。小泉大臣も、福島の復興再生には思いが強く、力を入れてこられたと思いますが、私も、国会議員になろうと思った大きなきっかけの一つが東日本大震災ですので、特に福島の復興には強い思いを持っております。  環境大臣室などに福島の除去土壌を利用した鉢植えと線量計を設置して、大臣自らが来訪者に安全性を御説明していただいているとも報告を受けました。小泉大臣は本当に福島のために様々な努力をしてくださっていると思いますが、皆様に、例えば、京都の土は安全です、愛媛の土は安全ですということは言いませんので、やはり、福島の安全性を御説明しなければならないという現状が、まだまだ風評被害がなくなっていない証拠だと私は思っています。  中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分を完了するために、除去土壌再生利用の理解醸成活動について抜本的に強化されると伺いました。除去土壌再生利用の理解醸成活動と風評被害対策について、大臣の思いも併せてお聞かせいただけたらと思います。
  114. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 理解醸成活動は、先月スタートさせて、対話フォーラムを行いました。これがいかに福島県の皆さんにとって復興に不可欠で、かつ難しい課題か。だけれども、必ず進めなければ三十年の福島との約束を守れない。  その中で、非常にありがたいなと思ったのは、翌日の福島地元新聞二紙が共にこの対話フォーラムについて一面で大きく取り上げていただきました。よく我々議員は、地元の新聞と首都圏のいわゆる全国紙、これで一面が全然違うというのは理解できますよね。その福島の二紙の一面での取扱いがあった一方で、全国紙で一面で取上げというのはないと思います。  しかし、我々はこれを福島だけの課題と捉えていませんので、全国の課題であって、元々、原発から送られてきた電力でこの首都圏の暮らしが、電力が成り立っていた、その中で起きてしまったあの事故の復興に必ず必要なのが、再生利用に御理解をいただいて進めることであります。  今、私の部屋や環境省の中での鉢植えという形での再生利用に県外での実証はとどまっておりますが、これを少しでも広げて、そして全国で御理解をいただける形で再生利用の案件が実現をするように取り組んでいきたいと思います。  是非、与野党の先生方には、例えば、政党のエントランスとかでも構いませんので、環境省だけで今やっているという取組がより広がっていくように、御理解、御協力のほど、お願いしたいと思います。
  115. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  福島の復興というのは全国の課題だと今大臣が御説明いただきましたけれども、我々一人一人が全国の課題だという認識を持たなければならないと思います。私も、我が党に持ち帰って、我々も同じように、例えば、除去土壌もそうですけれども、福島の復興の力になれるような行動をしっかりとやっていきたいと思いますので、我が党にもしっかりと伝えていきたいと思っております。  時間がないと思って急いでやりましたが、時間がありましたので、ペットボトルの質問に戻らせていただきたいと思います。  ペットボトルの処分方法ということなんですけれども、これは私が以前からずっと気になっていた課題なんですけれども、疑問に思っていたことなんですけれども、家庭から出るペットボトルに関しては、キャップを外し、ラベルを剥がし、中を洗って出すといった処分方法について多くの皆さんに御理解いただき、御協力いただいていると思います。これからは、できる限りペットボトルの使用を控えていく、ペットボトルもラベルレス、ラベルのないものになっていくと思います。  自動販売機の横や公園、駅などに置いてあるペットボトル用のごみ箱、回収箱にペットボトルを捨てるときに、多くの皆さんがキャップもラベルもついたまま洗わずに捨てていると思います。駅などの回収箱で、ビニール袋がかかっているところはまだよいのですが、ビニール袋がかかっていない回収箱にキャップを外した状態でペットボトルを入れると、飲み残しがなくても、中を洗っていないので、少量ですが中身が回収箱に垂れたり、夏場などは臭いがしたり虫が湧いたりということがあると思います。  ペットボトルは、回収後、手作業でキャップを外したりラベルを剥がされているということを皆さんにもっと知っていただく必要もあると思いますが、先ほど大臣も言われましたように、減らすということも大事ですので、自分たちで自宅に持ち帰って処分をするということも必要だろうと思います。外出先で、中身を洗うことができなくても、せめてキャップを外す、ラベルを剥がすといったことも必要なのであれば周知をお願いする必要があるのではないかと思っております。  そして、自治体によっては、ペットボトルを潰して出すところ、潰さずに出すところ、指定があると思います。外出先での正しいペットボトルの処分方法について教えてください。
  116. 松澤裕

    松澤政府参考人 お答え申し上げます。  リサイクルを行うためには、素材ごとに分別することが必要となりますので、ペットボトルは、ボトルの本体とキャップそれからラベルとで素材が異なっておりますので、リサイクルの品質を確保する観点からは、屋外の回収ボックスに捨てる場合にも、家庭で排出する場合と同様に、キャップ、ラベルを外していただくことが基本でございます。  また、キャップを外すことには、リサイクルの品質の確保に加えまして、収集時の作業員の安全上の効果もございます。キャップをしていますと、車に入れて押し潰したときに破裂をするというようなこともございますので、キャップを外していただく必要があります。  また、先生御指摘の、飲み残し、あるいは飲み切っても少し残るではないか、洗わなくていいのかという問題はもちろんございます。飲み残しについては、これは是非、飲み切って回収ボックスに入れていただく、飲み残しがある場合には家に持って帰っていただいて飲んでから家で捨てていただく、こういうことになろうかと思います。さすがに外では洗うことは難しいので、現実的には。ただ、しっかり飲み切って出していただくということでございます。  現在、飲料メーカーの団体でございますけれども、全国清涼飲料連合会、本格的に、自動販売機のリサイクルボックス、ここにいろいろな異物が入らないようにしようとか、ここで回収したものを積極的にボトルに向けたリサイクルができないかということで取り組んでいますので、こういった業界団体とも連携をして、私どもとしましても、消費者の皆さんにとって分かりやすい情報発信に努めてまいりたいと思います。
  117. 森夏枝

    ○森(夏)委員 ありがとうございます。  先ほどもお話ししましたが、自治体によって、ペットボトルも潰して出してほしい、潰さずに出してほしいとかいろいろありますので、また、旅先であったり、捨て方というのはなかなか皆さん混乱されると思いますので、回収ボックス、回収箱に分かりやすい表示をするとか、そういった努力もしていただきたいと思います。  私も東京駅をよく利用するんですけれども、ラベルを剥がして、キャップを外して捨てている人を余り見たことが正直ありません。そのまま捨てている方の方が多いので、これは環境省さんとして、もう少ししっかり情報発信できるのではないかなと。破裂するおそれがあるからキャップは特に外してほしいんだというようなことは、私は存じ上げておりましたけれども、御存じない方もいらっしゃるので、なぜ外さないといけないかということもしっかりと、これも環境教育だと思いますので、大臣も先頭に立って、しっかりと皆さんにお伝えをしていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  118. 石原宏高

    石原委員長 次に、秋本真利君。
  119. 秋本真利

    ○秋本委員 自由民主党の秋本真利でございます。  時間がありませんので、早速質疑に入りたいというふうに思います。  世界で昨年導入された新規の電源、最も多いのは自然エネルギーでありました。四百十九テラワットアワー。そして逆に減ったのは、最も多いのが石炭火力を始めとする化石燃料で三百五十テラワットアワー、そして原発も百二テラワットアワー減ってきました。これは世界の大きな流れで、この流れというのはもう止まることはないというふうに私は思います。やっとこういう流れが来たなというふうに思っております。  そして、ブルームバーグが先日出した資料によりますと、世界のGDP、四分の三の国々で、その国で最も安い電源は再生可能エネルギーであります。我が国日本はどうか。残念ながら残りの四分の一、再エネが最も安い電源ではない国になっています。  隣の中国、よく我が自民党の中でも中国は原発をやっているんだからという話をしますが、中国も再エネが最も安い電源であります。イギリスも、フランスも、ドイツも、カナダも、アメリカも、G7の国で再エネが最も安い電源でないのは我が国日本だけであります。  日本は地理的な制約がある、島国だから、あるいは国土面積が狭い、だから我が国はそういった流れには乗らずに独自のエネルギー政策を取っていって活路を見出すべきだという意見が残念ながら我が党の中では非常に多い。しかし、本当にそれでいいのかと私は常々思っています。  世界の国々は、限界費用ゼロ円の再エネをどんどんどんどん多く導入していって、かなり電気が安くなってくるだろうと思われます。それは、短視眼的には、もしかしたら、政策的に導入する、誘導するに当たってコストが多少高くなるかもしれませんが、十年、二十年、三十年、五十年後を見たときに、間違いなく限界費用ゼロ円の再生可能エネルギーを大量導入することで電気料金というのは下がっていく。  つまり、今の我々だけではなくて、三十年、五十年後の、自分たちの子や孫にも責任を持つ、そういう政策だというふうに私は思っているので、今がよければいいということではないんじゃないかというふうに思っております。  我が国が、国土が狭い、あるいは島国だから、だから再エネはやらなくていいんだということではなくて、そうであっても再エネをとにかく大量に導入することで世界に離されないようにしないと、三十年後、五十年後の日本人がふと気づいたときに、世界の中でも最も高い電気料金で経済を回さなきゃならない、そして世界と戦わなきゃならない、三十年後、五十年後の日本人に、今の我々は一体何をしていたのかというふうに、私は言われかねないというふうに思っております。ですから、再生可能エネルギーの導入というのは至上命題だというふうに思っております。  河野大臣が内閣府でやっているタスクフォース、あるいは私が事務局長を務めている自民党の再生可能エネルギー議員連盟では、再生可能エネルギーをとにかく最優先して導入するべきだということを提言をしています。エネ基にもそれを明記してくださいということを再三にわたってお願いをしています。環境省にも先日、笹川副大臣のところにその件でお願いに上がったところでございます。  この再生可能エネルギーが最優先されるべきだという考え方について、小泉大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  120. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 秋本先生は、エネルギー基本計画に再エネ最優先、これが盛り込まれるべきだというお考えで、私がどう思うかということでありますが、もちろん、エネルギー基本計画、所管は経産省、エネ庁でありますが、私も必要な意見は常に申し上げております。  そして、まず大事なことは、菅総理自身が最優先は再エネだと何度も申し上げていますから、エネルギー基本計画は菅政権が作るものですから、菅政権の言う、菅総理の言う再エネ最優先、これは盛り込まれるのは当然だろうと考えております。
  121. 秋本真利

    ○秋本委員 昨晩、内閣府で再エネのタスクフォースが開かれて、その場で、タスクフォース側から、再エネの最優先をエネ基に明記するべきだ、どうですか、エネ庁さんということで、議事録等を見ると、小野さんとかあるいは松山さんが、そう異論はないというか、その求めに応じて、私は、可とするような答弁をされたというふうに思いますけれども、エネ庁は、この再エネ最優先をエネ基に明記することについては、どのような見解を持っているのか、お伺いをします。
  122. 小野洋太

    小野洋太政府参考人 お答え申し上げます。  再生可能エネルギーにつきましては、主力電源に向けて、育て、最大限導入していく、これが政府方針でございます。  タスクフォースで、再エネ最優先の原則という提案がございまして、これに関しまして、昨日のタスクフォースにおきましても、スリーEプラスSを大前提に再エネをどのように導入を拡大するかという議論がございました。  スリーEプラスSの大前提の下で、再エネを優先して行うということにつきましては、経済産業省とタスクフォースの方向性は同じだと考えているところでございます。  具体的な次期エネルギー基本計画の記載につきましては、こうした観点を踏まえ、エネルギー基本計画の見直しに向けた議論の中で検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
  123. 秋本真利

    ○秋本委員 環境省、大臣答弁は、菅政権が掲げているカーボンニュートラル、再エネ最優先と総理が言っているんだから当たり前だよねと。エネ庁も、若干歯に物が挟まったような感じも受けなくはないけれども、総論としてはオーケーというふうに私は捉えました。  その中で、我が党の、自民党の中の議論はどうなっているかというと、私は、もうひどい、時代に逆行した議論だなと思いますが、提言を取りまとめたんですね、これが、まだ党内手続が終わっていないので、外には出ていっていないので、野党の皆さんも目にはしていないと思いますが、党内では、部会は通過していってしまったので、私は大反対しましたが、多勢に無勢で、多数決ですから駄目でしたけれども、原発の新増設、リプレース、新型炉の開発、そして原発の依存度を低減するという自民党のこの文言の撤回、こういったものが入っている、私からするととんでもない提言なんですけれども。  党内手続が終われば、これは私は党内手続は通らないと思っていますが、仮に通ると、これを官邸だとか各省庁の大臣のところに持っていくことになると思うんですね。そうすると、当然環境大臣としてそれを受け取る側の立場になる小泉環境大臣、そしてもちろん自民党の衆議院議員という立場もある中で、我が党がこういった提言を取りまとめた、それを受け取るというときに、どういうふうに思われるのかということについて、話せる範囲で構いませんので、お答えをいただきたいと思います。
  124. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、まだその提言は正式なものではないというふうに伺っています。ただ、秋本先生からも、党内、今こういう状況ですというのは聞いていますので、そういう状況はそういう状況なんだなと思いながら、私は今政府の中で必要な意見を申し上げています。  再生可能エネルギーが最優先、これが原則である、そして、原発は依存度は低減しつつ、最終的に、再エネのポテンシャルが日本の中で二倍あるわけですから、それを最大限生かして、国家の自立を高めていかなければならないと。  ですので、今までもいろいろな提言は寄せられます。これは与野党を通じてですね。それをどのように政府の政策に反映していくか、まさに政府の判断でありますから、どのような提言であっても一つの提言であると受け止めながら、私が思うところは政府の中で意見具申をしてまいりたいと思います。
  125. 秋本真利

    ○秋本委員 大臣、確認ですけれども、原発依存度の低減というのは当然書き込むべきだというふうに発言の中で今おっしゃったと思いますけれども、改めてちょっとそこだけ確認しますけれども、原発依存度の低減、我が党の提言にはないんですけれども、大臣としては、当然、次のエネルギー基本計画には、原発依存度の低減というのは、継続して、今現在あるわけですから、この文言は落とすべきではないというふうに思っていらっしゃいますか。
  126. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、菅政権がカーボンニュートラルを宣言をしたものは、原子力の最大限の活用のためではなく、再エネ最優先の原則の下、再エネを最大限活用する、これが菅総理の立っているところであります。ですので、今回、成長戦略、これも最近、文案の方は公表されましたが、依存度の低減、これはしっかり入っております。  必要な意見はこれからも、今後のエネルギー基本計画の調整も含めて、必要な意見は申し上げ続けたいと思っております。
  127. 秋本真利

    ○秋本委員 今まさに大臣も、原発のためじゃなくて再エネを最大限入れるためにいろいろやっているんだよねという話をされましたが、私なんかが自民党の部会で発言すると、再エネ派はほとんどいないので、原発派の方がたくさんいらっしゃって、我が党、さすがそういうところは空気を醸成してくれるのに、間に立って、再エネもやらなきゃいけないかもしれないけれども原発もやらなきゃいけないんだという形で、両論おっしゃってくださる先生もいるんですが、私は、残念ながら、再エネと原発というのは、別にあえて原発を取り上げて敵対するわけではないんですが、これは絶対に両方存立しない電源なんですよね。  再エネを最大限導入していくため、最優先して導入していくということは、後ろ側にある電源というのは柔軟性がないと、これは最大限再エネを入れていったときに、再エネは当然、VREですから変動します、その変動についてくる電源というのがバックボーンとして裏側になければ、最大限の導入はできないんですよ。  だから、原発を入れてしまうと、あるいは石炭火力のような出力の調整をしにくい電源を後ろに入れてしまうと、最大限再エネを入れていこうとしたときに、その原発や石炭というような調整しにくい電源が後ろで二十年、三十年、政策的にそこでフィックスされてしまうと、もう再エネの伸びる余地が一定程度のところで止まってしまうんですね。ですから、やはり柔軟性のない電源というのはなるべく早くフェードアウトしていっていただく、過渡的な電源だというふうに私は思っています。  もちろん、イデオロギーだとかそういうものではなくて、原発はコストがもう合いません。石炭もしかりであります。これから社会的経費がどんどんどんどん右肩上がりに増えていくばかりで、十年、二十年たってもこの電源が安くなるという見通しは、どこの研究者も研究機関も、そんな見通しを出しているところはこの世界にありません。再エネは逆で、どんどんどんどん右肩下がりに下がっていくだろうということが火を見るよりも明らかな状況の中で、やはり再エネを最大限導入していくためには、そういった柔軟性のない電源については過渡的な電源と私は思っているので、当然、新規で建てれば四十年間以上フィックスされちゃいますし、やはりこういう柔軟性のない電源というのはなるべく早くフェードアウトしていっていただくというのが必要なんだろうというふうに思います。  この再エネの後ろ側の電源の柔軟性というものは必要だと思いますが、私が今述べたことについて、大臣はどのように感じられますか。
  128. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 基本的な認識は同じです。  日本はベースロードに余りに偏り過ぎて、世界の中では常識的な議論になっている、フレキシビリティーという、柔軟性の議論に欠けていると思いますね。  柔軟性を持って、よく水素社会を実現すべきだというのは自民党内も多くいるじゃないですか。だけれども、水素は、再エネとカーボンプライシング、セットですよ。基本的に、再エネをじゃぶじゃぶに生み出して、入れるだけ入れて、余ったもので水素をやる。そしてコスト競争力をつけるためには、世界はやはりカーボンプライシングでコスト競争力をつけるんですよね。じゃなければ、日本はずっと既存の石炭が安くなり続けますから。こういったことを含めた議論がちゃんと、自民党の中も含めて、日本の中で議論されなければいけないと考えています。  コストの面についても、私は、再エネだけを国民負担と言っているのがおかしいと思います。国民負担のない電源は、ほかには、じゃ、あるんですか。ないですよね。なので、やはり今後コストの議論をするときに、そこはあらゆる電源にかかっているコストをちゃんと透明性を持って示して議論することが不可欠なんじゃないでしょうか。私もそういった議論をしたいと思っていますので、早くコストを見せてくれと言っているんですが、なかなかまだないので、是非そういった議論をしなければいけないんじゃないでしょうかと思います。
  129. 石原宏高

    石原委員長 小泉大臣、十一時四十分になりましたので、御退室いただいて結構でございます。
  130. 秋本真利

    ○秋本委員 今大臣が述べた見解について、私も全く賛同いたします。  我が党の中でも水素、水素とおっしゃる方がたくさんいますが、水素は非常にコスト高でありまして、言葉を選ばずに言うと、水素、水素と言うことによって予算がたくさん獲得できるので、猫もしゃくしも水素というふうに言っているような気がします。  私のところによくメディアの方が来て、当然私が水素ばりばりの推進派だと思って来るんですが、私の部屋に来ると、私は水素は余り推進派ではありませんと言うとびっくりして、何でですかと聞かれるんですが、それはもう間違いなくコストが高いからであります。水素は、とてもじゃないけれどもコスト的に合いません。  ですから、今大臣がそれをおっしゃってくれましたけれども、再エネが余るほどつくり出して、もう系統に流し込めない、ただ同然の再エネで水素をつくって初めて水素の価値が出てくるというわけで、これを海外から、特にブルー水素と言われるような化石燃料を使った、生成で発生する水素を日本に持ってくるというのは、私は、全くコストが合わないしカーボンニュートラルにも資さないというふうに思っていますので、私は、水素はちょっと時間をかけて、そういった再エネがじゃぶじゃぶに入るような時代が来るまでまだまだ時間のかかる技術だというふうに思っていて、大臣の見解と全く相違はないというふうに思っています。  そうはいっても、やはり再エネは変動しますので、裏側の、フレキシビリティーと大臣はおっしゃっていましたけれども、柔軟性を高めるためにも、水素というのは先々は必ず必要になってくる。そのためには、最大限再エネを導入して、再エネがあふれるほどこの国に導入されているという状況をつくらなければならないわけであります。  水素まで海外から輸入をするということになれば、戦前の日本を鑑みたときに、資源のなさというものがこの国に与える悲壮感、ダメージというものを考えると、今この再エネの時代、再エネは日本だって十分じゃぶじゃぶにつくれますから、そういった過去の苦い我が国の経験も踏まえた中では、再生可能エネルギーを最大限導入して、そのあふれた再エネで水素をつくるというようなことにしっかりと我々は傾注しなければならないのではないかなというふうに思っているところでございます。  大臣がちょっと出ていってしまったので、大臣に聞こうと思ったんですが、副大臣あるいは事務方の方でも結構ですけれども、エネルギー基本計画が出ると、それに伴ってエネルギーミックスが出てきて、電源構成が示されます。これ全部を環境省に示してくださいと言っても、それは当然発言できないでしょうから、少なくとも大臣があれだけ再エネ最優先だと言っているわけですから、次のエネルギーミックスについて、新聞の報道等とかでは三〇%台後半じゃないかというふうに言われていますが、環境省としては、ポテンシャルは二倍以上あるんだよねとさっき大臣も言っていましたけれども、それだけのポテンシャルがあって、あと十年時間があるわけですから、環境省としては、少なくとも再エネこのぐらい入れるよねというようなターゲットというものは、省として、まあ、ほかの省とのすり合わせとかもあってコンセンサスは取れていないかもしれませんが、環境省としては、このエネルギーミックスの数字についてどのように考えているのかお伺いをしたいと思います。
  131. 笹川博義

    ○笹川副大臣 先ほど来大臣から答弁をさせていただきましたが、菅内閣の下であっても、再エネの導入について、また再エネの主力電源化について、内閣としても政府としても大きな課題だという認識は経産省とも共有をしているというふうに考えておりますので。  ただ、具体的にここで数値というようなことは答弁はなかなかできないわけでありますが、少なくとも、エネルギー基本計画の中で再エネの導入についてしっかりとした数字の反映をしていくということは、経産省とも今後とも引き続いて協議をさせていただきたいというふうに思っています。
  132. 秋本真利

    ○秋本委員 最後に、洋上風力の基礎部分の残置についてお伺いをしたいと思います。  洋上風力、着床式、これからどんどん伸ばしていかなければなりません。政府も、二〇四〇年、最大で四千五百万キロワットぐらい洋上風力をやっていくよということを官民協議会の場で数字として打ち出しております。  当然、相当数の風車が洋上に建つわけですけれども、これはモノパイルといって、物すごい金属を数十メートル地下まで打ち込んで、その上に風車を建てるので、当然、その残したモノパイルと言われる基礎を引っこ抜くとなると大変な、技術的にもできるのかなというような形になってきてしまって、これが、環境省が所管している法律に基づいて、環境大臣が認めた場合はほかの方法でもどうのこうのということになっているわけですけれども、この辺について業界からも要望等が、この残置の在り方について見解を示してほしいということを言われていると思います。  環境省として、この点について、私は、しっかりと示さなければ二〇四〇年四千五百万キロワットという数字にも影響が出てくると思いますが、この点について最後にお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。
  133. 神谷昇

    神谷大臣政務官 秋本委員にお答えをいたします。  二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、また、脱炭素をめぐる世界的な大競争を勝ち抜くためにも、洋上風力発電も含めた再生可能エネルギーの最大限の導入が必要でございます。また、洋上風力発電は一般に八年程度のリードタイムが指摘されておるところでございますが、二〇三〇年の四六%削減に向けて、その設置の迅速化が鍵となっております。必要な規制の見直しや明確化にはちゅうちょなく迅速に取り組んでまいります。  海洋施設の廃棄に関しまして、海洋汚染等防止法において既に規制がございまして、そのスキームに従って許可申請等について運用しているところであります。しかし、着床式洋上風力発電施設の残置等は、国内外での事例も少ないわけでございまして、こうした状況を踏まえ、洋上風力発電事業者団体等にも御協力をいただきながら、来月早々に有識者会議を設置し、海洋施設廃棄の許可申請を行う際の参考となるよう、必要事項を着床式洋上風力発電施設の廃棄許可に係る考え方として取りまとめ、二〇二一年度前半を目途に公表してまいります。
  134. 秋本真利

    ○秋本委員 終わります。ありがとうございました。
  135. 石原宏高

    石原委員長 次に、菅家一郎君。
  136. 菅家一郎

    ○菅家委員 自民党の菅家一郎です。よろしくお願いいたします。  まず、海洋プラスチック問題の原因の点なんですが、いわゆる家庭系ごみ、事業系ごみについては、多くの国民の方々がルールを守って、しっかりとごみを出し、それを各地方自治体が適切に処理しているのは御承知のとおりです。  しかし、このルールを守らない一部の国民の方によるいわゆるポイ捨て、そして不法投棄、これがやはり大きな原因の一つと私は考えるわけであります。  会津若松市では、平成十二年にポイ捨てを禁止し、回収命令に従わない場合は二万円以下の罰則規定を盛り込んだ会津若松市生活環境の保全等に関する条例、これはいわゆる通称ですがポイ捨て条例を作り、取り組んでまいりましたが、現行犯の特定などいろいろ課題があって、やはり求められるのは国民の意識を変えていくということだと感じております。  そこで、国としても、罰則規定がある法律、これは整備してありますので、国民にポイ捨ては犯罪であるということを周知徹底をして、ルールを守っていただき、ポイ捨てゼロを目指すべきと考えますが、お考えをお聞きしたいと思います。  また、各地方自治体と連携をして、条例を制定しているところとは更なる実効性のある取組、また、不備のところはやはりこの条例の普及促進を目指して、まさにポイ捨てゼロを目指すべきと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  137. 神谷昇

    神谷大臣政務官 菅家委員にお答えいたします。  菅家先生は、会津若松市長として、ごみ問題に自治体の先頭に立ってお取組をいただいていたわけでありまして、本当に造詣が深いと敬意を表するところであります。  五月三十日はごみゼロの日、まさに不法投棄ゼロを目指し、しっかりと対応してまいりたいとの決意を新たにした日でございました。  さきの環境委員会で全会派に賛成いただいたプラスチック資源循環法案によって、プラスチックを徹底的に循環させる経済、サーキュラーエコノミーへの移行を進め、プラスチックをポイ捨てされる単なるごみから原料として再び利用される資源になるよう人々の価値観や行動を変えていかなければならないと考えています。  同時に、ポイ捨てや不法投棄は撲滅すべき犯罪でございまして、プラスチック資源循環戦略におきましてもそのことを明確にしております。そのため、ポイ捨てや不法投棄の撲滅という方針は今後もしっかりと堅持してまいります。  こうしたポイ捨てや不法投棄につきましては、廃棄物処理法において、不法投棄を行った者に対する罰則を設けることに加えまして、例えば、大臣が住んでおられます神奈川県横須賀市においては、ポイ捨て防止及び環境美化を推進する条例により、ポイ捨てに対する二万円以下の罰金が設けられているなど、多くの地方公共団体においていわゆるポイ捨てに関する条例が制定されています。こうした条例に基づく監視、取締りの徹底が現場での対策としては有効と考えているところであります。  そこで、環境省では、地方公共団体に対して、ポイ捨てに関する調査を実施し、取締りのための条例の制定状況やポイ捨て禁止看板の設置、パトロールの実施といった、取締りで効果のあった施策について横展開を行っています。  さらに、地方公共団体による海洋ごみの回収、処理、発生抑制対策に関する事業に対する支援を実施しているところであります。また、令和元年度から、環境省と日本財団が主催する全国一斉清掃キャンペーン、海ごみゼロウィークも実施しておるところでございます。  引き続き、ポイ捨てや不法投棄の撲滅に向け、地方公共団体と協力して積極的に普及啓発に取り組んでまいります。
  138. 菅家一郎

    ○菅家委員 期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に行きます。  近年、磐梯朝日国立公園内にある猪苗代湖では、大量にヒシが繁殖しているというのが大きな問題になっております。  ヒシは水草の一種で、湖沼などで繁殖する水生植物であります。ヒシを湖中で枯死させたままにしておきますと、堆積汚泥として水質悪化の一因となっており、また水質浄化に役立つアサザの生息地帯を脅かす存在でもあると言われております。また、ヒシの実は大小様々で、ゆがんだ形で、先がとんがっておりまして、砂浜を歩いていると足に刺さり、けがをする危険もあります。  そこで、地元のボランティア団体等が定期的に、多くの関係者方々が参加され、ヒシの除去作業が行われています。  環境省として、そのボランティア団体等へ支援し、猪苗代湖のヒシ被害対策に取り組むべきと考えますが、お考えをお示しください。  また、ヒシやヨシの堆積汚泥がたまっていることが水質の悪化の原因の一つと考えられますが、ボランティア団体等は堆積汚泥の除去まではできないんですね、現実的に。ですから、環境省として、早急に堆積汚泥を除去して猪苗代湖の水質浄化を目指すべき、このように考えますが、対応についてお示しいただきたいと思います。
  139. 笹川博義

    ○笹川副大臣 改めて、猪苗代湖のヒシ対策において福島県さんが大変な御尽力をいただいているということで、そのことについては承知をいたしております。  同時にまた、猪苗代湖の水質の変化、これについて、猪苗代湖の水質を取り巻く環境の変化、このこともしっかりと調査をしていかなければならないわけでありますから、やはり地元福島県さんを中心として、各種団体それぞれの皆さんの御意見を賜りながら、またしっかりと話合いをしながら、今後どうあるべきかというふうなことで検討してまいりたいというふうに考えております。
  140. 菅家一郎

    ○菅家委員 副大臣、我が国の国立公園における満喫プロジェクトもやはり大事でありますが、しっかりとこれは守っていかなくてはなりませんね。原因もはっきりしているわけで、なかなか地元でできる限界もあるし、やはり堆積汚泥なども除去をしていくべきだと私は思いますが、今、話し合ってということでありますが、環境省としての取組、前向きに考えてほしいんですが、いかがでしょうか。
  141. 笹川博義

    ○笹川副大臣 今、菅家委員は、地元からの要望そして思いをこの委員会で披瀝をしていただきましたので、真摯に受け止めて、また地元の皆さんと協議を積み重ねてまいりたいというふうに思います。
  142. 菅家一郎

    ○菅家委員 ひとつ前向きに取り組んでいただきたく、よろしくお願いしたいと思います。  次に、再生利用土壌なんですが、飯舘村長泥地区における再生利用実証事業として除去土壌を再生利用し農地を造成しているわけでありますが、私はこの事業に大変関心がありまして、環境政策、これのモデル事業になればと期待しているわけであります。  例えば、造成した土地は農地に使うということでありますから、単純に覆土をしても、やはり農地は肥沃な土壌が必要でありますので、環境省の事業であれば、例えば、スーパーから出る食品残渣などを活用したコンポストを活用したり、今提言した猪苗代湖のヒシ、ヨシ等の堆積汚泥などを生かして、これを肥沃な農地に利用して対策を講ずるという考え方とか、あるいは、造成された農地にケナフなどを栽培し、ケナフからはセルロースナノファイバーやリグニン、これが取り出しできるわけであり、これはプラスチックに代わる新素材として今注目を集めておりますし、環境省としても支援しているわけでありますから、そういった環境として、理想的な環境政策として取り組むべき、このように提言をしてまいった経過もありますが、これらについてのお考えをまずお示しいただきたいと思います。
  143. 神谷昇

    神谷大臣政務官 お答えいたします。  環境省といたしまして重要な課題である除去土壌の再生利用につきまして、ただいま、例えば、食品残渣、そして猪苗代湖の堆積土壌を活用する、そしてまた、ケナフを栽培してセルロースナノファイバーやリグニンの原料とするなど、いろいろな御提案をいただきました。まさにそのとおりでございまして、再生利用の取組をどのように魅力的にしていくかは今後極めて重要な観点というふうに認識しております。  御指摘いただきましたように、県外最終処分の実現に向けては、減容、再生利用により最終処分量を減らすことが重要でございます。現在、地元の御理解の下で、南相馬市東部仮置場及び飯舘村長泥地区において実証事業を実施中でございます。  議員御指摘の飯舘村長泥地区では、昨年度から食用作物等の栽培実験を実施しておりまして、放射性セシウム濃度が〇・一から二・三ベクレル・パー・キログラムであります、一般食品の基準である百ベクレル・パー・キログラムよりも大きく下回っておる結果など、一定の成果が得られているところであります。  また、農地造成のための準備工事を昨年六月から開始し、本年四月には盛土に着手したところであります。  今年度から抜本的に強化して取り組んでいる全国の理解醸成活動においても、再生利用の実証事業で得られている安全性等のデータの紹介に加えまして、議員御指摘のような視点も踏まえた発信をしていきたいと思っております。  今後とも、特定復興再生拠点区域復興再生計画において飯舘村が掲げています長泥地区の農の再生に向けて、先生から御指摘をいただいた点も踏まえまして、地元方々の御意見を十分にお聞きいたしまして、復興再生が加速するように積極的に取り組んでまいります。
  144. 菅家一郎

    ○菅家委員 環境省の課題の一つに、やはり再生利用土壌の活用があるわけですね。ですから、この長泥地区の再生利用実証事業というのは注目していますので、これが評価されるのにつながることが拡大していくことに私はつながってくると思うので、ただ単純に造成ではなくて、今いろいろ御提言申し上げた、環境政策として、一つ一つやはり説明して、ああ、こういう形でつながっているというのは極めて重要だと思いますので、どうかひとつ、具体的な対策として取り組んでいただくよう期待してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、国立公園内の問題の中で、実は、各国立公園にあるビジターセンターが整備されているわけであり、尾瀬とか裏磐梯とか、ここのビジターセンターも視察に伺った次第であり、三陸に伺ったときも実はセンターを視察してまいりました。尾瀬では新たなビジターセンターが建設されているというわけでありますが。  確かに立派な施設として整備をされている。ただ、その在り方といいますか、ビジターセンターの中に入って、その中身と言ってはおかしいですけれども、見ると、何かもうちょっと工夫があってもいいのではないかというのは肌で実は感じているところであります。  確かに、委託はされているわけでありますが、例えば尾瀬にしても、春に訪れた方が、例えば夏の尾瀬とかあるいは秋の尾瀬、これは日本中同じですね、各国立公園内の魅力がある、伺ったときのビジターセンターで魅力を感ずることができる。景観も、あるいは動植物もそうですね。行ったら、ああ、こういう季節には、こういったすばらしいシーズンがあれば伺ってみたい、このような、満喫プロジェクトも含めて、ビジターセンターというのもそういった役割も私は大事なのではないか、こんなふうに感じたことがありまして。  環境省として、やはり、委託するのも大事ですが、しっかりと環境省として、ビジターセンターをこのように生かしたいとか、このようなマネジメントをしてお見えになった方々に満足していただいて、魅力を更に確認して、更なるリピーターにつなげてもらうような、そういった自主性を持った取組をしていただきたい、このように思いますが、お考えを示していただきたい。  そしてさらに、例えば尾瀬にしても裏磐梯にしても、視察しますと、木道などが破損したり穴が空いていたり、ちょっと危ないところがあったりしたのが気になりまして、やはり満喫プロジェクトを進めるに当たって、多くの方々が国立公園にお見えになったときに、安全に安心して満喫していただくことが大事だし、やはり危険箇所とかそういったものがあればしっかりと確認をして、予算を確保して整備をしていただければ、このように思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  145. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  国立公園におきましては、平成二十八年度に開始されました国立公園満喫プロジェクトにより、利用拠点の上質化など、利用者の受入れ環境の整備について力を入れているところでございます。  また、ビジターセンター等の情報発信のための施設につきましては、平成三十年に自然公園等施設技術指針を改定いたしまして、その中でフィールド情報案内機能や、野外のアクティビティーを紹介する自然体験促進機能などの強化を盛り込んだところでございます。  具体的には、現在、ビジターセンター等において、WiFi環境の整備や民間カフェの導入等により滞在環境の向上を図るとともに、展示の多言語化やデジタル化を進め、また、従来の自然解説を中心とした情報に加えまして、周辺アクティビティー、宿泊施設、飲食等の観光情報についても発信するなどいたしまして、また、民間資金を活用しつつ、利用拠点としての機能強化、魅力の向上に取り組んでいるところでございます。  さらに、先般、自然公園法を改正いただき、自然体験活動促進計画を自治体中心に作ることができることとなったところであり、そのような仕組みも活用しつつ、今後も国立公園等の魅力を伝えるために、ソフト面も含む各種コンテンツを充実させ、利用者に楽しんでもらえる施設となるよう努めてまいりたいと思います。  また、議員から木道の話がございました。  国立公園の木道等の施設整備は、自然公園法の公園計画に基づきまして、環境省のほか、地方公共団体等が公園事業を執行し、整備しているところでございます。  施設の破損等の不具合が生じた場合は、その施設の事業執行者が改修等の対応を行うことになりますが、直轄事業のほか、地方公共団体の整備、改修に対しても自然環境整備交付金等により支援を実施しているところでございます。  御指摘のとおり、利用者が安全、安心に国立公園を楽しむためには、公園事業施設を適切に整備、管理することが重要と考えております。利用者にとって危険な施設を放置することがないよう、関係する地方公共団体とも連携を図りながら対応していきたいと思っております。
  146. 菅家一郎

    ○菅家委員 時間になって、終わりますが、副大臣環境省の予算、ヒシに対する、堆積汚泥、しゅんせつもそうなんですが、木道もそうですけれども、なかなか予算が厳しいという話も聞いています。どうか、環境省の予算確保、私もしっかり応援させていただきますが、予算をしっかり確保して、環境省の課題解決に前向きに取り組んでいただきますよう御期待、御祈念を申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  147. 石原宏高

    石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時七分散会