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近藤(昭)
委員 甲状腺の、今、
小泉大臣もおっしゃった、やはりきちっと、
検査を受けたいと思う人には受けられるんだ、改善をしていくんだ、こういうお話があったわけでありますが、ただ、私が本当に懸念しておりますのは、
過剰診断だ、こういう前提がありはしないのか。もちろん、
過剰診断だけれどもきちっと
検査も
対応していく、そして改善していく、そして実地をよく見ていくということで、
大臣がおっしゃった
意味かなと思うわけでありますが、ただ、やはり
過剰診断だということが前提になってはいないか。
先ほども申し上げましたUNSCEARの報告書でもこれは非常に懸念が示されているし、鈴木
真一教授もそのことについて言及をしているということであります。
そして、常に言われるのはチェルノブイリのことであるわけであります。チェルノブイリでは発症が四、五年後だった。だから、
福島で早期に出ているのは
過剰診断したからだと言われたり、五歳以下では出ていないからだとか言われたり、チェルノブイリほど線量がと言われるわけであります。ただ、チェルノブイリといったときに、その概念というのは何なのかということだと
思います。チェルノブイリにも、放射線量が高い、低い、距離によって違ったわけでありますし、そしてまた時間軸もあると思うんです。
そういうことでいうと、チェルノブイリ報告、ベラルーシ、そしてロシア、ウクライナ等々ありますし、それぞれ時間軸、発表された年度もあるわけでありますが、そういうことでいうと、常に今申し上げたようなことが
過剰診断の結果出ているんだということに使われるわけでありますが、必ずしもそうではない。ロシアなんかの報告書を見ても、
甲状腺がんが翌年から出ている、こういう報告もある。そしてまた、チェルノブイリといったって、先ほど申し上げましたように、線量が違うところがある。そういう中では、かなり線量が低いところでもそうした患者が出ている、こういう報告もあるわけであります。
ですから、どうも日本においては、今申し上げたようなことで、過剰診査だ、過剰診査だと言われている、このことに私は問題があるというふうに思っています。是非、そういうことで、
大臣には更にしっかりと受け止めていただきたいわけであります。
ちょっとお話を進めたいと
思いますが、国は現在、第三期
がん対策推進基本計画の中で、十五歳から三十九歳までの思春期、若年成人を指すAYA世代、この世代の
がん患者の支援を重要なテーマとしているわけであります。
この世代は、年代によって、就学、就労、生殖機能等の
状況が異なり、個々の
がん患者の
状況に応じた情報提供、支援体制及び診療体制の整備等が求められているわけであります。
福島の
甲状腺がんの患者は、小児及びAYA世代の
がん患者に相当するわけですね。
当事者が直面している問題は社会的
課題であります。
原発事故の
甲状腺がんの
子供と
若者を支援している三・一一
甲状腺がん子ども基金は、
福島の七十人の当事者及び
保護者からのアンケート
回答を得ておるわけであります。先ほど
検討委員会からの報告もありましたが、当事者は、経済的支援、情報、心理的支援、
甲状腺がんに対する社会の
理解などを求めているわけであります。
検査で
がんが見つかった人は
甲状腺検査を
評価し、
学校での
検査継続を望んでいると私は
思います、そのアンケートから。
国や県に望むこととして、例えば、
福島県中通りに住む十代の男性は、何年先、何十年先も
県民の健康を見ていく
責任を負ってほしい、避難指示地域を出ている十代の
女性も、東京電力の事故がなければ避難も被曝もしなかったはず、地震のせいだけではないと思う、原発の安全神話が間違っていたのだと思う、国にも県にも
責任をきちんと取ってほしいという声が上がっています。
大臣も御承知だと
思いますが、残念ながら、避難をしている方の中に精神的に
被害を受けている方は多いわけです、鬱になるという方とか。そして、原因を見ると、自然災害でも、避難したりして厳しい
状況になる場合があります。そうしたときにも精神的ダメージを受けます。しかし、今、この十代の方の言及にもありましたが、東京電力のいわゆる原発の事故があったんだ、この事故さえなければということは、つまり、自然災害だけではなく
原発事故があった、このことによって、より、なぜこういうことになってしまったのか、あるいは耐えられないわけであります。
これは、自主避難、また指示の避難と、いろいろとありますけれども、特に自主避難の方たちはいわれなき差別を受けたりしている、なぜ逃げているんだと。しかし、当事者からすると、先ほど
小泉大臣からも当事者の気持ちが大事なんだという話がありました、やはり、特に
子供が小さい場合、避難をする、こういう判断をされる親が多い。
子供は帰されない、だから、こちらで、避難先で生活する。しかし、仕事等々の関係があって、お父さん、お母さん、どちらかが残る、こういうような場合もある。そうしたことなんかによって、より精神的な負担は大きくなっていると
思います。
そういうことで、サポート事業、いろいろと
質問させていただきましたが、サポート事業に対する
最後の
質問です。
福島では、
甲状腺がんの
子供たち、
若者たちが既に二百八十人以上いる、先ほどこういうお話をさせていただきました。彼ら、彼女らへの支援を充実させること、社会の
理解を促進させることが、
環境省にとっても最優先の
課題ではないか。どう考えるか、お聞かせをいただきたいと
思います。