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2021-04-27 第204回国会 衆議院 環境委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二十七日(火曜日)     午前九時二分開議  出席委員    委員長 石原 宏高君    理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君    理事 土屋 品子君 理事 福山  守君    理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君    理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       金子万寿夫君    神谷  昇君       小島 敏文君    武村 展英君       百武 公親君    古田 圭一君       細野 豪志君    務台 俊介君       八木 哲也君    近藤 昭一君       篠原  孝君    関 健一郎君       武内 則男君    堀越 啓仁君       山崎  誠君    横光 克彦君       斉藤 鉄夫君    田村 貴昭君       串田 誠一君    森  夏枝君     …………………………………    環境大臣         小泉進次郎君    経済産業大臣      長坂 康正君    経済産業大臣      江島  潔君    環境大臣        笹川 博義君    財務大臣政務官      船橋 利実君    環境大臣政務官      宮崎  勝君    環境大臣政務官      神谷  昇君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君    政府参考人    (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君    政府参考人    (農林水産技術会議事務局研究総務官)       長井 俊彦君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           後藤 雄三君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君    政府参考人    (資源エネルギー庁電力ガス事業部長)      松山 泰浩君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  小野  洋君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君    環境委員会専門員     飯野 伸夫君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十七日             補欠選任              松木けんこう君 同日  辞任         補欠選任   長尾 秀樹君     武内 則男君   堀越 啓仁君     山崎  誠君   森  夏枝君     串田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   武内 則男君     長尾 秀樹君   山崎  誠君     堀越 啓仁君   串田 誠一君     森  夏枝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第四七号)      ――――◇―――――
  2. 石原宏高

    石原委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する生方幸夫君外一名提出修正案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房審議官宮崎敦文君、農林水産省生産局畜産部長渡邊毅君、農林水産技術会議事務局研究総務官長井俊彦君、経済産業省大臣官房審議官後藤雄三君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長茂木正君、資源エネルギー庁電力ガス事業部長松山泰浩君、環境省地球環境局長小野洋君、環境省総合環境政策統括官和田篤也君出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石原宏高

    石原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。生方幸夫君。
  5. 生方幸夫

    生方委員 おはようございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、早速質問をさせていただきます。  先週、二〇三〇年度にCO2の削減をどの程度するのかという件について、総理大臣より、二〇一三年度比四六%の削減という目標提示をされました。  この四六という数字について、小泉大臣は、テレビのインタビューの中で、私は見ておりましたけれども、くっきり姿が見えているわけではないけれども、おぼろげながら四六という数字が浮かんできた、シルエットが浮かんできたというふうにお答えになっております。こう聞くと、四六という数字総理が決めたのではなくて小泉大臣が決めたようにも取れるんですけれども、四六という数字小泉大臣がお決めになったんですか。
  6. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 最終的に総理が決めました。  四六%という数字は、梶山大臣そして加藤官房長官と何度も調整の積み上げの努力もしてきた中で、やはり、容易な達成ではない、高い意欲のある数字です。  ただ、今回のポイントは、今までの日本発信は、ややもすると、何%までしかできません、そういう発信だったところを、四六%に加えて、総理が更に五〇%の高みに挑戦し続けるというふうに表明をしたこと。私は、そこが、今回、国際社会の評価も高い、かつ、現実的にどこまでだったら産業界皆さんを含めてこの方向性でよし頑張ろうと思っていただけるのか、このぎりぎりのところだったと思います。それは、やはり総理決断が大きかったと思います。
  7. 生方幸夫

    生方委員 我々は、四六でも足りない、国際的に見ればやはり六〇%以上の数値を出さなければいけないというふうには思っておりますが、さはさりながら、二六という目標から四六に引き上げるというのは大変な決断であったということは理解をいたします。  数字だけで二六から四六、四六という根拠が私にはよく分からないんですけれども、二六から四六まで二〇%引き上げる、それはどうやったら実現できるのか、その根拠というのをお示しいただきたいと思います。
  8. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、温対計画見直し作業というのは、これを決める前から経産省そして環境省関係省庁と進めています。これをしっかりと、六月ぐらいをめどに、温対計画見直し、そしてエネルギー基本計画見直し長期戦略見直し、三つの閣議決定見直しのものを最終的に同時期に完了させていくという手続を踏んでいくことを想定しています。  その中で、やはり最重要なのは、再生可能エネルギーをどこまで導入できるかがいかに削減目標を積み上げるかにつながりますので、環境省として、我々自身も再エネ導入加速にしっかりと汗をかいていきたい。  今朝の閣議後の記者会見においても、今後、国立公園国定公園内の地熱案件が今合計で六十二件ありますが、この運用見直しをして、十数年のリードタイムを最短で八年に短くして、二〇三〇年目標に間に合うように進めていきたいと。そのことによって、今ある全国の六十ぐらいの地熱施設数が倍になって、それでリードタイムが短くなれば、少しでも貢献できる余地も出てきます。  あわせて、今回の温対法の改正の中の再エネ促進区域、こういったことも自治体の皆さんにも活用いただきながら、太陽光、風力含めて再エネをできる限り導入加速をしていきたいと思っています。
  9. 生方幸夫

    生方委員 今おっしゃったように、地熱に関しては、かなり日本ポテンシャルはあると思うんですね。ただ、実際に地熱発電をやろうとするとどうしても国立公園のどこかがひっかかってしまうということがあって、なかなか進まないという事情があるのは私も承知をいたしております。  以前、岩手県に、秋田県かな、地熱を見に行ったことがあったんですけれども、こう掘って駄目なのでこういうふうにというような形で、なかなか難しいということがあるようです。地熱は安定した電源が得られるのでポテンシャルはあるわけですから、国立公園を侵害しない限り、自然を破壊しないような形で地熱発電は大いにやっていってほしいなというふうに私も思っております。  四六という数字を達成するためには、当然、エネルギー基本計画を見直さなければいけない。これから見直しを行うわけですが、これは小泉大臣一人でもちろん見直せるわけじゃなくて、経産とも、いろいろな各部門と調整をしなければいけないというふうに思うんです。今現在、大臣は、エネルギー基本計画をどのように見直していきたいと。実現できるかどうかは別として、大臣のお考えとしてどのように見直すか、お考えをお聞かせください。
  10. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まずは、やはり再エネ優先だと思っています。いかに再エネを生み出すだけ生み出したものを入れられるか、こういった形に、ベースロード論からの転換が私は不可欠だと思っています。そういった中で再エネを進めていくことは、政府全体の主力電源化方針がありますので、総理中間目標発表後にそう申しています、とにかく再エネ優先だと。この方針の下、環境省自身もしっかり汗をかいていきたいと思います。
  11. 生方幸夫

    生方委員 どういうふうに見直されるのかはこれからの話なんですけれども、今までのエネルギー基本計画でいうと、二〇三〇年度、やはりまだ二〇%ぐらいは原発に依存しなければいけない。現状、原発依存度というのは大体四から六%程度ですよね。これを二〇%に引き上げる、あと八年ちょっとで二〇%まで引き上げるというのは、現実的に考えて私は不可能だと思うんですね。どう考えても、どう達成できたとしても、一〇%程度しかないんじゃないか。そうすると、どうしても一〇%が浮いてしまうわけですね。二〇%はこの中で、原発で占めるというふうにエネルギー基本計画には多分書かれることになるというふうに思うんですが。  原発の問題、私たちは、原発はゼロにしなければいけない、それに向かって頑張っていこうというような考え方を持っておりますが、小泉大臣として、原発依存度ですね、二〇%という数字、達成できなかった場合はもちろん再エネで代替するということをおっしゃるんでしょうけれども、二〇という数字が掲げてある限り、やはりあとの八割をどうするのかという話になってしまうので、二〇が仮に達成できないというのが明らかになったら、それに向けて、じゃ、九〇%はどうするのかということを今から考えないと、二〇三〇年に四六%削減というのはとても達成できないと思うので、原発に対する基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  12. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、原子力は、安全を最優先して再生可能エネルギーの拡大を図る中で可能な限り原発依存度を低減するというのが閣議決定していることでもあります。  ただ、今、生方先生が言ったように、原発を当てにしていても、例えば、訴訟のリスク、そしてテロ対策、こういったものの中で、現実になかなか稼働しているものがないことも事実であります。ですから、再生可能エネルギーを、とにかく、ここまでしか入らないというのではなくて、入れるだけ入れる努力をする。  そういった中で、生方先生が言うように、二〇三〇年に、じゃ、八割再エネが入るかといったら、それはやはり現実的には不可能だと思いますので、入れるだけ入れた上で、あとは、国民生活経済活動、それを支える電力をどのように供給していくか、やはりまずは再エネをしっかり入れた上でほかの電源ということになる、そういった考え方ベースロードではない発想だと私は捉えています。
  13. 生方幸夫

    生方委員 大臣は、記者会見の中でも、ビルがたくさん見える、ビルの屋上に全部太陽光を敷けば、かなり太陽光の比率を高めることができると。ただ、言っているだけではなかなかできないわけで、ビルはそれぞれの所有者がいて使い方もいろいろあるわけで、全てのビル学校とか大規模な建物の上に太陽光を載せるためにはそれなりの法整備をしないと、ただ載せてくれと言っても載せられるものじゃないというふうに思うんですね。  それについて、具体的に法改正をするのか、どういう形にするのか分かりませんけれども、どうしたらあらゆるビルの上に太陽光を載せることができるというふうにお考えになっているか、法改正も含めてどうすればいいというふうに思っておられるか、お聞かせください。
  14. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 法改正、そして規制改革、このルールを見直すということは、これからしっかりと検討しなければいけない重要なポイントだと思っています。それは、太陽光に限らず、そしてまたビルの上とか屋根上だけに限らず、ため池、ダム湖、そして耕作放棄地ソーラーシェアリング、とにかく九年の中でどこまで入れるかを考えたら、単純に今までのルールだけで積み上がらないことは明らかですから。  我々としても、まず今日、記者会見のところで、地熱についても、今までややもすると環境省ブレーキ役のように見られていますけれども、そうではありませんと。六十二件の国立公園国定公園の中の案件、これを運用見直しをして二〇三〇年に間に合うように加速をさせていく、我々としての、まさに運用を見直す形で今までのやり方とは違うことを考えたように、ほかに対しても、あらゆる再エネに対して、とにかくいかに入るかということで、再エネ優先、そのルールをいかに政府を挙げてつくっていくか、私としても必要な意見を申し上げたいと思っております。
  15. 生方幸夫

    生方委員 我々も再エネをどんどん導入しなければいけないというふうに思っておりますが、それにはやはり国民理解というのが欠かせないと思うんですね。今度の法改正の中でも、国民というのがきちんと明示をされているということがあります。  これに対して、この間の参考人質疑大臣出席なさっておりませんでしたが、参考人質疑の中で参考人が示したアンケート、この中に、あなたにとって気候変動対策はどのようなものですかというような質問をしたことに対して、世界七十九か国の方たちは、六六%の方が変動対策生活の質を高めるというふうに答えているんですよね。これに対して、日本は真逆なんですね、日本の回答は、変動対策生活の質を脅かすというふうに答えた方が六〇%もいたんですよね。  私も実はびっくりしたんですけれども、大臣、この数字を聞いて、本当に、理解が進んでいないというのか、間違えた情報が与えられているというのか、ここの委員会でも教育の問題がいろいろ出ましたが、何でこんな数字になってしまうというふうにお考えになりますか。
  16. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 その問いは私も大臣就任以降ずっと悩んでいることで、ヨーロッパとかだと、むしろ、選挙のことを政治家考えても気候変動を訴えた方が市民国民のバックアップが強いという、そういった状況が一方であって、国民からプレッシャーがかかるんですよね、気候変動対策をもっとやれと。  しかし、日本の場合は、生方先生が言ったとおり、それをやることは生活の水準が下がる、若しくは我慢をしなければいけない、こういった意識が非常に強かったところを何とか変えたい、そういった中では、最近は変化兆しがあるなと。内閣府の調査によっても、脱炭素や気候変動の取組を積極的に取り組みたいという方が何と九割という、こういった結果が出たのも、私は間違いなく前向きな変化兆しだというふうに思っています。  再エネに対する理解、私は、今まで当たり前に語られている再エネに対する言葉とかも、再エネに対するネガティブキャンペーンのようなものもあると思います。例えば、国民負担という言葉ですよね。何で再エネだけを国民負担と言うんでしょうね。私はそれは早く正したいと思っています。ほかの電源で、国民負担政策経費のかかっていないものなんか全くないですよね。なのに、分かりやすく賦課金という形で電力料金に乗ってくるから、これだけ国民負担と。私はこれは本当に再エネ風評被害だと思いますよ。  こういうことを変えることも、やはり、より前向きに国民皆さんに、これからはなぜ再エネなのかと。トヨタの社長がおっしゃるように、雇用を守る上でも再エネじゃないとビジネスができないんだということも含めて、相当これは発信も正しく強化しなければいけないことを感じております。
  17. 生方幸夫

    生方委員 九割の方が削減に非常に積極的だというのは分かるんですけれども、その前に、生活の質を脅かすという方が六割からいきなり九割になるということは、残念ながら熱しやすく冷めやすい国民性を示しているんじゃないかと。  今はトレンドですから誰もそれに反対するということはできないんですけれども、これを定着させるためには、この中でも土屋筆頭議論したように、教育をやはり変えていかなきゃいかぬじゃないかと。教育の中にきちんと環境というのを位置づけていかなければいけない。教育本体としては文科省がやることであって、環境省がとやかく言う筋合いじゃないんですけれども。  環境大臣として、是非こういうことだけは環境教育としてやってほしい、それはいつぐらいがいいのか、小学生がいいのか、中学がいいのか、高校がいいのか、それについて大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
  18. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 もちろん早い段階はいいんですけれども、大臣として、最近、小学生からも手紙などをもらうことが多くて、やはり、学習指導要領環境教育を充実させたこと、そしてSDGsを今小学生でも学んでいること、これは本当に大きいなと思います。  そして、子供学校で学んだSDGsのことを家に帰って家族に話す。お父さん知っている、お母さん知っている、そういう話になる。最近はテレビでもSDGs特集とかもやり始めましたよね、こういった中で少しでも理解が広がっていくことは大事だと思います。  私も先日、小学校にリモートで授業をやりまして、そのときに、みんな、今日、家に帰ったら、お父さんやお母さんに家の電力契約は何と聞いてと。そこから始めようと。そういうことから、布教活動と言ったらあれですけれども、それで、家に帰ってうちの電力は何ということから聞いてもらう。それはやはり私は草の根の再エネ促進運動だと思って、これからもしっかりとやっていきたいと思います。
  19. 生方幸夫

    生方委員 やはり子供興味を持つというのが非常に大事であって、子供興味を持つことが親がまた興味を持つということで、非常に大事だというふうに思っております。  我々が国民参加が欠かせないという意味で修正案の中に提示をさせていただいたのは、今現在、地球温暖化推進本部というのがございます、その本部の下に地球温暖化対策討議会というのをつくって、そこに是非市民の方に参加をしていただく。大臣も御承知のとおり、フランスイギリスではこのような形で、市民会議という格好で、市民を巻き込んだ形の温暖化対策が取られている。やはり私はこういう制度も取り入れた方がいいんじゃないかというふうに思うんですよね。フランスが百四十でイギリスは百十人ぐらいというふうに聞いておりますので、我々は二百人程度規模がいいのではないかと。ただ聞きおくだけでは皆さんも熱心にならないので、その答申について、本部長がきちんとそれを政策に役立てるんだという担保を取っておけば、熱心な議論が広がっていくんじゃないかというふうに思うんです。  大臣は、すぐにというのは、法律ができたばかりですぐ変えるというのは不可能でしょうけれども、これから先、この討議会、いわゆる市民参加をどういうふうにしたら担保できるのかということで、討議会について将来的には導入してもいいなというようなお考えがあるかどうか、聞かせていただきたいと思います。
  20. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 多様な主体の皆さん参加をいただく中での政策形成というのが重要だという、その思いは私も共有するものであります。  一方で、今回の法律の中でというとなかなか対応が難しいこともありますが、私も日頃から、Z世代と言われる若い世代皆さんとの意見交換に加え、中環審に対しても、是非、若い世代皆さんとの意見交換などの場も通じて、環境省施策に反映させるような努力をしてもらいたいというふうに中環審に対しても私の意見を申し上げています。  二〇三〇年目標に対しても、若い世代の方々の意欲的な発信があります。今後もそういった意見をしっかり受け止めながら、少しでも対策を強化して、次の世代の享受すべきものが自然の恵みも含めてしっかりと守られるように、環境大臣として努力をしていきたいと思います。
  21. 生方幸夫

    生方委員 大変前向きな御答弁をいただいたというふうに思っておりますので、法律ができた後すぐにというわけにはいかないでしょうけれども、いずれ、近い時期に制度として取り入れていただければ。ただ聞くと言っても一般的に聞くでは、国民は、どこで発言すればいいんだというふうに分からないと思いますので、おいおいそういうような仕組みをつくっていただければというふうに思います。  これに関連するんですけれども、三年ごと温暖化計画について見直しを行うと。我々の修正案の中では、見直したときにきちんと国会に報告して、国会議論するべきだというふうにこの法律の中に書かせていただいたんですが、三年ごと見直しのたびの国会報告ということについて、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
  22. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、温対計画については、法律上、総理本部長とする地球温暖化対策本部において案を作成して、閣議決定した上で公表すべきということでされていますので、政府として責任を持ってその策定や実施推進を担うべきものだと考えています。  一方で、先生が言ったように、国会における御議論は非常に重要であります。公表する温対計画について、その内容、計画に基づく施策実施状況、必要な施策見直しなどについて、今後も引き続き国会において御議論をいただくことが大事だというふうに考えております。
  23. 生方幸夫

    生方委員 当然、環境委員会では三年ごとに行われた数値について論議をするんですけれども、やはり、国会全体で、国会議員全員がそのことを共有するということは国民に対するアピールにもつながるというふうに思いますので、是非、三年ごと見直しの際には国会で報告するような方向に、総理にも言っていただけたらというふうに思います。  それだけ申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  24. 石原宏高

    石原委員長 次に、篠原孝君。
  25. 篠原孝

    篠原(孝)委員 おはようございます。  立憲民主党略称民主党長野県連代表というのをずっと言い続けておりまして、ほとんど欠席がないんですけれども、ちょっと欠席したりしておりまして、流れに沿わない質問とか指摘があるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。まあ、出ていても私のペースでやっておりますけれども。  今日は、質問というより提案を、いつも提案が相当多いんですが、そういったことをさせていただきたいと思います。  なぜかといいますと、私がもう一つ、余り委員会自体には出ていないんですが、ずっと追いかけている農業政策農林水産委員会も対立的じゃないんですね、日本農林水産業をきちんと守り立てていかなくちゃいけないと。それと同じでして、環境委員会で対立的なものはほとんどないと思います。  この前、一年前に全然環境委員会に所属したことのない人ばかりが政務三役になっているといって嫌みを言いましたけれども、大体は、余り地元に利益もないしというので、だけれども環境問題は大事だから、これは国の責務だから何とかしなくちゃということで、けなげな気持ちを持った人たちがこの委員会に希望を出して、そして来ている人が多いので。  ですから、温対法の改正、まあ、最後に言うべきことなんでしょうけれども、筆頭理事が決めてやることなんですけれども、大体賛成ですわね。そんなことを先に言っちゃいけないのかもしれませんけれどもね。文句はないですよ。ですから、これからつける注文というか提言も素直に聞いていただきたいと思います。  まず、基本理念を書いたのはマルですよね。総理が、遅ればせながらですけれども、二〇五〇年にカーボンニュートラルゼロだと言っておられた、それを書き込むというのは非常にいいことだと思います。  しかし、あれは総理の言ったことをつらつらつらっと書いただけで、余り胸を打つものがないんですね。これはやはり変えなくちゃいけない、今までの概念を。今、生方さんの質問に対して答えられたように、今までの生き方、仕事の仕方、経済活動、根本から変えなくちゃいけない。非常に大事なものなんです。  ですから、よく新法のときにやることがありますけれども、これは改正していかなくちゃいけないので、改正の時点でもいいと思いますからね。そういった理念を変えなくちゃいかぬ、余り仕事ばかりしないでと。経済活動も、お金さえもうければと。しかし、前から環境と経済と両立するようには言っています。  それから、例えば、皆さん忘れておられるかもしれませんけれども、歯止めのないグローバリゼーションということはよくないんです。外国から何でも買ってきてといって、今は罰が当たって止まっていますよね、飛行機なんか。素直に行ったり来たりする必要はないんだ。  だから、私は、今回はできなかったですけれども、小泉環境大臣がなられたときに、留任してくださいよ、環境のプロになってくださいよと。今まで全然環境委員会なんかに所属しなかったのはしようがない、これを機会に環境のプロになっていただきたいと。望みどおりになっていますよね。だから、ずっと続けていただきたいなと。まあ、十年も続ける必要はないと思いますけれどもね。  それで、結構頻繁に改正しているはずです、この次は、総理の意向に沿ったじゃなくて、大臣の思いのたけ、今、今後の教育の面もありましたけれども、それを前文に書き込んでいただきたいと思います。  全部環境省のを調べました、今までの環境省法律で。基本法的なのが多いんですけれども、生物多様性基本法に前文があります。水循環基本法にもあります。それから、ちょっと環境省絡みなんですが、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法、お父さんが相当関わられたんじゃなかったかと思いますけれども、これにも前文があるんです。  なぜこの法律が必要か、どこが変わっているか。やはり、日本国民に向けてもそうですけれども、今年の十一月にグラスゴーがあるので、多分延期にはならないと思いますよ、その頃には収束していてほしいと思います、世界にも宣言しなくちゃいけないので、そういうことをしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  26. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 篠原先生の思いはしっかり受け止めさせていただきたいと思います。  今回、基本理念という形で、二〇五〇年のカーボンニュートラルという年限も含めて明記ができたことは画期的だと思います。  ただ、先生がおっしゃるように、より高邁な精神と理念を前文のような形で位置づけるべきだということについては、今後の宿題でもあると思いますし、まさにこの取組を進める中で、より多くの方に気候変動対策の強化、そして先ほどの再生可能エネルギーに対する理解も含めて共有をしていただく中で、今後、改正の時期がまた将来的に来たときに、そのときに多くの方とともに考えるべきことなんだろうなと思います。その宿題を受け止めながら、今後もしっかりと精進してまいりたいと思います。
  27. 篠原孝

    篠原(孝)委員 是非そうしていただきたいと思います。  次に、具体的なやり方なんですけれども、日本政府のやり方も変えていただきたいと思います。国会の改革をする、ペーパーレス化、はっきり言ってちゃちな改革ですよ、やろうと思ったら幾らでもできるので。そんなんじゃなくて、政治、行政のやり方を改めていただきたいと思う。  どういうふうにやっているかというと、官邸機能の強化、内閣機能の強化とやってきたんですが、強化され過ぎたと思います。され過ぎたじゃなくて、強くなるのはいいんですよ。二〇五〇年カーボンニュートラルにする、だからすぐ法律にして出す、これはマルですよ、早く対応するというのは。総理の威厳が行き届いている。だけれども、官邸機能が強化され過ぎて、国会要覧ってありますね、一番厚いの。あれの内閣のページが二十年前は、これは別の委員会でやりますけれども、二十年前なんかは十ページか二十ページだった。今は物すごい、十倍になっているんです、内閣府の職員の。何でも内閣、何でも内閣というのをやってきて。  一番なのは、官邸にいろいろな何とか会議を設けるのはいいんですけれども、非常に日本の行政をゆがめているのは、規制改革会議、国家戦略特区有識者会議。何をやっているかというと、細かい規制改革の。思いつきです。委員たちの思いつきで、各省にあれやれ、これやれと言っているんです。言うことを聞かなかったら左遷する。これは今、我が野党の合同ヒアリングが役人いじめと言われていますけれども、こんなことを言ってはなんですが、所詮野党のことですから役人はなめてかかってきている、それに対して、政府内閣人事局をかさに着て、これやれ、あれやれと言ってくる。その対応に各所が辟易しているんです。こんなやり方はやめていただきたい。  だから、僕はあんなものは廃止してほしいと思います。大方針を決めるのはいいですけれどもね。一々細かいのを、どういうのをやっているかという例は山ほどあるんですけれども、美容師の資格を外国人にも与えるとか。そんなに大したことはないんですよ。規制が日本の経済を停滞させている、規制を改革する、そして特区を設けてそこでやってみるとか。農業の関係でいえば、企業の農地の所有を許さない、これを一つの市でやって、うまくいったらそれを全国に波及する。やり方がちゃちですよ、そんなの。  環境問題をそんなことをやってできますか。環境問題は一応、環境省の審議会もそうですけれども、それだったら環境問題、気候変動についてこそ大方針を決めるので、それこそ細かいことは環境省なり経産省なり国土交通省なりにやらせればいいですよ。大方針こそ官邸で決める。大方針を決める会議は設けていいと思います。しかし、今官邸でやっているところは、ごみみたいになっていっちゃうわけです。そういうものですよ。それで、やったやったと。とんでもないことだと私は思います。  だから、源馬さんが、ここですかね、本会議ですかね、フランスでは無作為抽出で百五十人の気候委員会で、環境問題はみんなが分かっているわけです、そこからのアイデアでやると。上から目線で頭でっかちの学者や、はっきり言って成功者です、成功してちょっと理屈をこねる、それを登用して、その人たちがずっと何とか会議をはしごしていますよ。よく見てください。  菅総理は役人に対して、あんたらは国民に選ばれているわけじゃないから、自分たちは選ばれているんだから言うことを聞かなかったら首にすると言って、総理になる前にも言っておられて、総務大臣のときにもそうしてこられた。そのことは、彼らは、国民にも選ばれていない、公務員でもない、中途半端な何とかかんとか会議委員が好き勝手をやっているんですよ。けしからぬと僕は思いますよ。それで行政をゆがめ、政治をゆがめている。だから、自民党の何々部会も今は権威がなくなっちゃっているんですよ。ここに気がついていないんです。それが官邸機能の強化か。違うんですよ。  だから、環境問題についてはきちんと官邸に、地球環境問題何とか会議というのか、温暖化について大方針を決めるところをつくって、それを各省にやれと言って、各省の審議会で審議して、そこには有識者、本当の。有識者というのは、僕は、技術的な有識者はどんどん入れればと思いますけれども、一般的な、評論家的な、社会科学的な評論家というのは余り入れる必要がないと思います。それは政治家が代弁できるんですよ、そういうゼネラルな考え方は。ところが逆で、そうした人たちだけが幅を利かせている、政府を動かしているというような感じになっているのは、これはやめていただきたいんです。  ですから、これはすぐできると思いますから、菅総理に進言して、官邸に気候変動の会合を持つようにしていただけませんかね。
  28. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 菅内閣気候変動関係の会議、これはやはり増えていますし、間違いなく総理の思いの現れだと思っています。  環境省自身が特に関わっているのは国・地方脱炭素実現会議というものなんですけれども、実は環境省が事務の責任を担うのは初めてなんですね。そういった会議体をつくり、そしてその中で国と地方自治体が一緒になって脱炭素を進める、こういったことができたのはやはり画期的なことだったし、今回、地球温暖化対策を進める上でも、有識者会議も官邸に設置をして、そして総理に直接、まさに有識者、専門家の方から意見を届けていただく場もできました。こういった強化をしっかりと気候変動対策に結びつけることが大事で、そういったことがあったから二〇三〇年目標も強化され、いいものができたというふうにも思っています。  今後もしっかりと、官邸の中で、必要な会議で、必要な政策の強化につなげていけるように、一閣僚としても努力をしてまいりたいと思います。
  29. 篠原孝

    篠原(孝)委員 それは、ちょっと開くというのか、何というか、格好づけなんて言っちゃ悪いけれども、そういうのを言っているんじゃないんですよね。永続的にきちんとチェックするというのを、それをやっていただきたいと思うんです。  次に、副大臣にお伺いしたいと思います。  地方自治体や事業者を巻き込んで国民も、国民が一番最初になって、国、地方自治体、そして事業者とか団体とかと書いてありますね。地方自治体に計画を作ってとかなんとかいって、国民が一番最初なんだから国民にもいろいろなことをやってほしいと言っているんですが、私は、国の法律ですから、一番は、きちんと国が何をするかというのを、自らの首を絞めるんじゃなくて、自分でちゃんとこうやりますよと宣言してやっていかなくちゃいけない。  ザ・クライメート・チェンジ・アクトというのが二〇〇八年にイギリスにできたわけですが、一番最初ですよ。一番、二番って、何をもって一番かというのは分かりませんけれども。産業革命が起きて、大気汚染が一番最初に問題になって、霧のロンドンというのがありますし、光化学スモッグなんというのもイギリスが最初ですよ。そのところの国が、罪滅ぼしかどうかは知りませんけれども一番最初に、というか先頭を切って気候変動問題に取り組んでというのは歴史の必然だと思います。だから自分たちは襟を正して世界に範を垂れようと、そこまで言っているかどうかは知りませんけれども、やっているんです。だから、イギリスのまねをして、同様の、イギリスと同じような感じになった日本がやっていくべきだと思います。  だから、義務をちゃんと課す。余りちゃんと課していないのではと。基本方針に掲げたと言っていますけれども、非常に意欲的にやってきているわけですけれども、それがないわけですね。カーボンバジェットとかいう制度もつくっています。それから、さっきのフランスもそうなので、イギリス気候変動委員会というのをつくって、政府へ提言等、モニタリングをちゃんとしている。それぞれの国にやり方があると思いますけれども、私は、日本はやはり、官邸主導と言ってきたんだから、変な人たちがばっこしない、きちんとした委員会をつくって、そしてそこが司令塔になってやっていくべきだと。  もちろん、総理の意向を酌んで小泉大臣がほとんど実質的に、トップは総理だけれども、実質的には環境省が、環境大臣が取り仕切ってやっていく。そして各省。環境問題というのは、環境省はアンブレラミニストリーですよ。ほかのところがみんな関わって、命令を発していいと。今までは経済ばかりを重視してき過ぎたんですよ。この反省をしてもらわなくちゃいけないんですよ。  例えばですけれども、目標達成の上に国はこうやるんだ、だから地方自治体も事業者もついてこいというふうに、国こそが今度はここも、この次の改正でいいですけれども、きちんとした義務、数値目標をきちんと書く。この四六%は立派ですよ。そういうのをきちんと、びしばし法律に書いていく。だから、地方自治体は、事業者はこれをやらなくちゃいけないと。  民間企業もいろいろやっていますよね。世界で一番、いろいろな、参加する者が多い。情報を開示するのも世界で一位だ。再生可能エネルギーを一〇〇%にするについても、世界で二番目に参加企業が多い。  どうも国の意欲が欠けている、国民もちょっと余り、ほかの国と比べて。イギリスなんかは何でそういうことができるかというと、国民の八〇%から九〇%が気候変動に不安を持っている。これを回避してもらわなくちゃならないという国民の意思があるから政府はそういう大胆なことができるんだと思いますけれども、日本環境がいいんですよね。イギリスは北緯五十度ぐらいのところにあって、こっちは三十何度ですから、暖かいですし、雨は降るし、きれいなので余り切迫感がないんだろうと思いますけれども、だからこそ国が先頭に立ってリードしていかなくちゃいけない、そういう分野だと思います。  だから、自ら襟を正すので、きちんと目標法律に書き込むようにしていただきたいんですけれども、どうでしょうか。これもこの次の課題ですけれども。それから、委員会もきちんとやるというのを。
  30. 笹川博義

    ○笹川副大臣 大変、篠原先生のそれぞれの指摘というのは、私も自席の方でうなずく機会が大変多いというふうに思って、今日の質問について、御指導というふうに受け止めております。  そういう意味においては、私の選挙区の群馬県も夏になると三十六度、七度、八度という非常に厳しい暑さを経験するところでもありますので、この気候変動という問題について、私の選挙区では多くの人たちが、何かをしなければならないという理解は深まっているというふうに思っております。  しかし、先ほど生方先生もおっしゃったように、やはり、ヨーロッパの皆さん方と日本ですと、環境が、様々な観点の捉え方というものがまだ差があるような感じがいたします。そうなってくると、篠原先生の御指摘のとおり、国民的な一人一人の意識の変革の中で政府を後押ししよう、ついていこう、もっと頑張れというような形の雰囲気というものが、いささかちょっと違うのではないかという感じもいたしますが。  それにしても、今回、菅総理として、二〇五〇年のカーボンニュートラル、削減目標として四六%、五〇%を意欲的に続けようということを明確におっしゃったわけでありますので、これは国としては、この発言というものをしっかり責任を持ってやっていかなきゃならないという十字架を私は背負ったというふうに思っております。  その中で、国だけじゃなくて、先ほど申し上げたとおり、やはり地方のそれぞれの自治体の皆さん方に一番身近な政治主体としての御協力を仰がなければなりませんし、そしてまた国民一人一人の御理解と御協力をいただかなければこれも進めていくことができないということでありますので、やはり連携が大事でありますので、そういう意味でいって、今回の改正を一つの契機として、なお一層それぞれの主体の取組を加速させる必要があるというふうに思いますが、いずれにしても、篠原先生の御指摘については、今後の大きな課題だというふうにしっかりと受け止めさせていただきたいと思っております。  ありがとうございました。
  31. 篠原孝

    篠原(孝)委員 前向きに取り組んでいただきたいと思います。  関東平野はそうですね、前橋とかは最高気温と最低気温の差が大きい空っ風が吹くし、夏は暑くなるしというので、温暖化の影響は農産物なんかも相当受けると思います。  次に、その延長線上ですけれども、イギリスの例ですけれども、カーボンプライシングというのがあります。既存のいろいろな行政のツールというのがあるのを使わなくちゃいけない。やはり、排出量あるいは排出権取引制度と、それから炭素税、これらを大胆に導入していくべきだと思います。  森林環境税、さんざんやっていて、やっとできましたね。駄目なところ、バッズに課税して、グッズの方にやる。例えば、一番簡単なのは、排出している人の税金を高くして、それを研究開発費にするというのが一番どこでも行われるものですよね。それを全部のところに、国民全体に裨益していくようにする。森林環境税はまだ先の話で、二〇二四年ですけれども、いいことだと思います。先走ってやっている。  しかし、運用を見ると、よくないんですよね。皆さん御存じですかね、もうやっているんですけれども、前倒しで。知っていますか、森林環境税、譲与税の行き先がどこが一番多いか。政務三役の皆さん、市ではどこですか、市町村では。横浜市なんですよ、横浜市。二〇二〇年度で、横浜市は三億百九十五万円、横須賀市は三千三百六万円。  九五%が山ばかりの、ほとんど過疎のところがそうですよ、栄村、長野と新潟の県境で、私の地元が千百三十三万円。何でこんなものなのか。総務省が地方交付税と同じように配分しているからです。  総務大臣を誰がやっていて、総務省に大影響を及ぼしているのは誰でしょうか。菅総理か知りませんよ。おかしいです、人口比だ、こんなの。僕はふざけるなと思います、そんなことで森林環境税を設けたのかと。森林面積に応じて配分すれば一発です、ごまかしようがない。何でそういうことをするのか。人口なんだ、木材の利用の促進に充てるんだと。我田引水ってありますけれども、我県引権、我市引金ですよ。全くけしからぬと思いますよ。  だから、こういうのを、細かいのは租税特別措置法ですよ、石油だとかの取引法とかはその時点できちんと決めますけれども、びしばし悪いところには課税して、いいところにはお金を配分していく。カーボンプライシングの考え方もびしっと書き込むべきだと思いますけれども、そうしてください、この次は、大臣
  32. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 カーボンプライシングは、私は二〇三〇年目標の達成に向けても不可欠なものだと思っていますので、経産省と政府全体としての議論ができる環境になったことも本当に大きな一歩だったと思います。  あとは、しっかりと議論を深めて、今年は一定の前進を見るような年にしたいと思います。今回の法律でということではないですが、しっかりと議論を進めてまいりたいと思います。
  33. 篠原孝

    篠原(孝)委員 それでは、いつも資料を言うのを忘れるんですが、一ページ目。  これは、この間の気候変動サミット。これはバイデン大統領の大統領選のときの公約なんですね、皆さん覚えていないと思いますが。百日以内に、ハネムーンの三か月の間にやると言って、そのとおり、公約どおり、至急、気候変動サミットをやっておられるんです。それで変わっているわけですね、その四六%が出てきた。だけれども、先進国の中でいえば一番遅いんですよ、二〇五〇年の排出実質ゼロは。イギリス、三番目のところは、一九年に改正して、一〇〇%にするということをやっている。  それから、カーボンプライシングはフィンランドが一番最初に始めて、右側の東京都、埼玉県がやって、二〇一二年、我々の政権のときに地球温暖化対策税を始めたんですね。悪夢の民主党政権と言っている人はいなくなりましたけれども、まあ、いなくなったといったって、総理じゃなくなったというだけですけれども、ちゃんといいことをやっているんですよ。ちゃんと引き継いでください。  次に、一つの考え方として、輸送を少なくするというのがあるんです。だから、グレタ・トゥンベリさんは飛行機を非常に嫌ったんです。そのとおりになっているんですよね、飛行機が飛ばない、あちこち行かない。  なぜかというと、これを見てください、三ページ目。飛行機が圧倒的にCO2をいっぱい出すんです。鉄道の四千六百倍です。船舶の百十倍。トラック、営業用貨物自動車の四・三倍。輸送機関としては最悪です。地球環境を汚すんですよ。コロンビア、ケニア、マレーシアと何で書いてあるかというと、次のページ。  これは花です。皆さん、女性に花を贈るというのをされていますかね。余り日本人にそういう風習はないですよね。外国人はすぐ花を持ってくるんですね。それで、花。  大事なのは一番上の表。切り花の二六%、二七%、四分の一が輸入なんです。御存じの方はおられますか。群馬県でもいっぱい作っていますけれどもね。それで、下にあるカーネーション、菊、バラ、ユリ、長もちするようなメインの花です。それが四分の一、輸入されているんです。  じゃ、その花を飛行機で輸入する必要があるかどうか。グレタ・トゥンベリさんは目をひんむいて怒ると思います。目をひんむいてはちょっと表現がよくないです。怒ります、地球は燃えているんだ、大人たちは何をしているんだ、ぜいたくな先進国はと。  それで、どこから輸入しているかというと、コロンビア、マレーシア。ケシの花で麻薬を作る、麻薬なんかになるよりもいいからと、そうやって日本も援助したんです。そして、飛行機で、高速艇で持ってきている、こういうことをしているんです。いかに無駄かと思います。  私の駄文を見てください。  長野駅前で月曜日に、余り乗降客はいないんですけれども、ずっと下手な街宣を三十分しているんです、七時四十五分から八時十五分まで。そのときに配るものです、四百七十七号です。「花の空輸は不要不急の代表ではないか」と。地産地消、旬産旬消という言葉は僕が作ったんです。だけれども、花こそがそうだったんじゃないか。その辺で摘んだものを仏さんに供える、自分の世話になっている人に届ける、それを外国から買ってくる、飛行機で持ってくる。不謹慎だと思います。こういうものには大胆に課税していいんじゃないかと思います。  関税は、国内の産業を守るためとか、そういう観点でやりましたけれども、環境に悪いことをしているところに対して課税していいんだ、日本はそれに先鞭をつけていいんだろうと思います。その代わり国内をきちんとするということですね。いろいろな行政の仕組みや何かを変える、だから前文が必要になるということですけれどもね。  財務省、一番腰の重い役所だと思いますけれども、腰を軽くして、大胆に取り組んでいただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
  34. 船橋利実

    ○船橋大臣政務官 お答えいたします。  地球温暖化防止に向けた取組というのは大変重要であるというふうに認識をいたしておりますが、今ほど委員からいただきました御提案につきましては、WTO協定におきまして、国家間の物理的な距離等で差をつけることなく、いずれの国に与える最も有利な待遇をほかの全ての加盟国に対して与えるという最恵国待遇の原則というものがございますこと、既に協定で約束しております税率を超えた関税というものは課すことはできないということ、こうしたことが課題になるものと認識をしてございます。  いずれにいたしましても、炭素排出量抑制のために課してまいります輸入品に対する措置は、WTOルールと整合的であることが前提になってくるというふうに考えてございまして、諸外国の状況を見つつ、関係省庁とともに検討してまいりたいと思います。
  35. 篠原孝

    篠原(孝)委員 駄目ですね、相変わらず。そういうのは分かっていますよ。最恵国待遇とか、関税を上げちゃいけないんだとか、そんな仕事ばかり農林水産省で三十年やってきましたから。嫌になるほどやっています。だけれども、WTOは権威がなくなっているんですよ。そんな、経済ばかり、貿易の自由化ばかりやっていてどうするんだ。物を運んでくるのはいけないんです。それを抑える、そういう機関になっていかなくちゃいけないんですよ。  私の文章をちょっと見ていただきたいんですけれども、五ページのところの。「タダの代議士便」という右側の。びっくりしました。長野のトルコキキョウを持ってきました。中身は五千円なんだけれども、輸送コストは六千円だそうです。なぜかというと、バケツに水を入れて新鮮さを保って、立てて、絶対ひっくり返さないでやっているんだと。そこまで気を遣っているわけです。外国からのもそうですよ。  ちょっと冗談があるんですけれども、その一番下。女性議員に五回持ってきたんですよ、長野から。消費拡大しなくちゃというので。女性に贈ったんですが、数人の重鎮には届けずじまいなのが気がかりだと。脇を固めたんですよ。行っていない人がいるんですけれども、本当は気に入らないから届けなかったんです、こうやって言い訳しているんです。  次のページもちょっと見てください。ちゃんと、いろいろ書いてありますのでね。  輸入と国産物は逆転しているんですよ。群馬県なんてちょうどいいんですよ。近いし、新鮮さを保てるから、輸送距離も少ないから、花の産地としてぴったりなんです。胃袋の糧は食料で、心の糧が花で。僕が農蚕園芸局というところにいたときは一兆円産業にと。三千五百億円にしかなっていません。一兆円産業にしろと。外国からはこんなに来ているんです。  コロナ対策は絶好機ですから、小泉大臣、きちんとやってくださいというのが、六ページの一番右下のところにあります。エールフランスKLMは、援助してくれと。JALもANAも大変ですよね。それに対して条件をつけたのは何かというと、これは気候変動の百五十人の市民委員会から出たアイデアです。それで、列車で二時間半で行けるところは航空便はやめろ、それが条件だと。コロナ対策のときに環境問題も一緒にやっているんです、気候変動問題も。絶好機ですから、何でもかんでもそういうふうにしていただきたいと思います。  それから、何であれがという、ちょっと手前みそで、ぼろな、こんなのを使っているのはいないと思いますけれども、この中にこういうのがあるんです、鉛筆ですよ。こんなのを使っているのを見たことがないと思います。皆さん、鉛筆を使わない人だらけじゃないですか。
  36. 石原宏高

    石原委員長 篠原君、申合せの時間が来ておりますので、よろしくお願いいたします。
  37. 篠原孝

    篠原(孝)委員 こうやってやっていく、こういうのが必要だ、一人一人が。僕は、少なくとも口先男になっちゃいけないので、ささやかな実践をしているんです。  それから、前にちょっと言い出したことがありましたけれども、しゃべることを書いてきているんですけれども、分かりますか、これはみんな裏紙ですよ。環境省は立派で、絶対に両面を使っている。やっているんですよ。やればいいんですよ、各省、みんなやれと。そうすると僕は困りますけれどもね、新しい紙を使わなくちゃならなくなる。
  38. 石原宏高

    石原委員長 篠原君、是非、持ち時間が過ぎておりますので、御協力のほどよろしくお願いします。
  39. 篠原孝

    篠原(孝)委員 そうやっていただきたいということを提言して、また一般質疑のときに続きをやらせていただきます。  ありがとうございます。
  40. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  41. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  地域脱炭素化事業と促進地域のことについて、引き続き質問をします。  全国各地で多くの住民対立、トラブルを引き起こしている再エネ導入の問題です。先週の質問でも事例を紹介しました。域外の大手資本が、利益追求がためにメガソーラー発電や大規模風力発電などの開発をするために、地域脱炭素化事業、これを逆手に取らないだろうか、そこを心配するわけであります。つまり、自治体の認定事業というある種のお墨つきの形で地域トラブルが起きても、それを抑え込むということに利用されないだろうか。  お伺いします。促進区域の指定、実行計画の策定において住民参加が明示的であるのはパブリックコメントだけであります。環境配慮や住民合意をないがしろにして再エネ開発がなされるおそれがあるのではないか、その点について環境省はどういうふうに考えていますか。
  42. 小野洋

    小野政府参考人 お答え申し上げます。  今回の改正案でございますけれども、再エネをめぐる地域トラブルが見られているということも踏まえまして、地方公共団体が地域の円滑な合意形成を図りつつ地域に貢献する再エネを促進する仕組みとして、地域脱炭素化促進事業に関する計画・認定制度を盛り込んでおります。  この制度におきましては、地方公共団体による実行計画の策定過程において、住民を含む利害関係者からの意見聴取、それから、住民その他の関係者から成る地方公共団体実行計画協議会を組織している場合に当該協議会での協議を行うといったことによって、住民も含めた地域の多様な関係者の参画を得て、地域の合意を促進する仕組みとしてございます。  この仕組みが有効に機能し、地域の合意形成が円滑に促進されるように、法律が策定されました暁には、地方公共団体実行計画マニュアル等の内容についてもしっかりと検討してまいりたいと思います。  こういった取組を通じて、住民を含めた地域の様々な主体の参画の下で、地域に貢献する再エネの導入を拡大してまいります。
  43. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 その懸念はないということなんでしょうか。  更に言えば、自治体に十分な人的な体制、予算、専門的知見がない状態で再エネ導入目標の設定と達成を求められれば、手っ取り早い達成のために、大手資本、その事業者が連れてきたコンサルタント、コンサルなどに安易に任せてしまう、そうしたことも危惧されるんですけれども、それはいかがですか。危惧にすぎないと言えますか。どうですか。
  44. 小野洋

    小野政府参考人 お答えいたします。  そういった委員御指摘のような危惧が生じないように、地球温暖化対策推進計画あるいはマニュアルの中でこの制度の趣旨をしっかりと書き込んで、周知してまいりたいと考えております。
  45. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 そうしたら、もう一問聞きますけれども、大臣にお答えになってもらっても結構なんですけれどもね。今回のこの法改正をもって、例えば住民の声を聞き入れない、野方図な、開発ありきの、そういった施設が地域に進出するということは、本法の改正案をもってこれは促進することにはならない、むしろ規制側に働く、そういう理解でよろしいでしょうか。これは賛否を考える上で非常に重要なポイントになりますので、お答えいただきたいと思います。
  46. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 この答弁によって先生が賛成してくれる可能性もあるということなので、是非賛成いただきたいんですけれども。  まず、この法律は、再エネを地域の皆さんに合意形成を促す中で促進したい、再エネに関してはアクセルを踏みたい、それは間違いありません。ただ一方で、再エネ促進区域環境破壊を促すことは全くありません。  やはり、地域に歓迎され、今、地域で再エネを規制型の条例などが出てきてしまっているような形で進めれば、再エネ電源化の主力にしたいと言っても結果は進みませんので、この状況を何とか転換させていく一つの前向きな取組をやりたい、それがこの法律改正の最大のポイントの一つであります。  是非賛成をお願いします。     〔委員長退席、土屋委員長代理着席〕
  47. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 京都市北部に隣接する南丹市園部町の大河内自然エネルギープロジェクト、この大河内自然エネルギープロジェクトの皆さんから、地域での取組についてお話を伺いました。  二〇一二年の九月に大河内集落の農家組合がプロジェクトを発足し、その後、当時始まったFIT制度を活用して市民電力を立ち上げました。同地区の生産森林組合が所有する遊休山林を住民に貸し出して太陽光パネルを設置し、その売電収益で森林整備を行ってきています。また、地元の鉄鋼所と共同で小型水力発電装置を製作し、設置も行いました。  こういう取組を通じて、二〇一九年には同地区六十六世帯が年間消費する十九万八千キロワットを超える二十一万キロワットを発電するようになったと伺いました。今でも風力発電の設置や未利用間伐材によるバイオマス発電の導入に向けても研究をしているというふうにも伺いました。  プロジェクトの皆さんは、再エネ施設を増やしていくときに景観を始め地域の自然環境を守りながら取り組んできたと言われました。施設建設に当たっては、立地場所の住民の合意を得ることに苦労されることもあるんだけれども、集落の皆さん理解と合意を得ながら取り組んでいるというふうにお聞きをしました。  そこで、お伺いしますけれども、再生可能自然エネルギーは地域の資源であります。そうであるならば、こうした住民の主体的な取組を今度の法改正ではどういうふうに後押しすることになるんでしょうか。
  48. 小野洋

    小野政府参考人 お答えいたします。  地域が主体となって地域の資源を使う再エネ事業というのは、この法律制度の趣旨に非常に沿ったものというふうに考えております。  その事業を促進するために、促進区域の設定はもとより、市町村に様々な条件を、例えば、環境保全の条件でございますとか、地域の経済社会の持続的発展に関する取組などを定めまして、それに沿った申請がなされた事業を認定し、そういった事業についてはワンストップサービスで促進していく、こういったことによりまして、先生御紹介いただきましたような、地域と共生した形の事業を促進してまいりたいと考えております。     〔土屋委員長代理退席、委員長着席〕
  49. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 再エネは地域の資源であります。そこから得た利益というのは地域に還元されて当然だというふうに私は思います。  一方で、多くの地域で進んでいる再エネ事業というのは、域外の資本そして外資の参入で行われているのも事実であります。地域住民、特に直接利害関係者に当たる住民に便益をもたらす必要もあります。  例えば、農山漁村再エネ法の中で自治体の取組があるんですけれども、売電収入の一部を自治体の基金へ還元して農林漁業の振興に使われている、そういうケースもあります。法案で、市町村が定める地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組というのはこうしたものになるんでしょうか。
  50. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今先生が御指摘された、地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組の実施を、今回、再エネ事業者に市町村が認定の要件として求めることができる、そういうふうになっております。  この要件の具体的内容としては、現時点では、例えば、再エネを導入し、災害時も含めて地域に供給すること、再エネ導入と一体でEVなどの地域の電動交通インフラを整備すること、そして、廃棄物エネルギーを地域供給して、その利益で省エネ機器の普及を支援すること、こういった内容を今想定していますが、詳細については今後策定するマニュアルなどにおいて示していく予定であります。  この制度も活用して、地域における再エネ主力電源化に向けた取組が、脱炭素というだけの切り口ではなくて、地域の経済の活性化、こういった形で地域の課題解決にも同時に資するようにやっていきたい。先生からすれば、それは地域の資源なんだから地域が裨益するようにと。まさに我々も、地域共生型、地域裨益型で再エネを進めていきたいと思っております。
  51. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 今の大臣の答弁を、市町村が策定する事業計画是非しっかりと伝えていただきたいと思います。地域の人にとってみたら、ある日突然、域外から発電施設がやってきた、それは地域にとって非常に迷惑である施設である、そういったことになっては絶対にいけないというふうに思います。  次の質問に移ります。  大臣に伺います。今回、自治体に対して再エネ導入目標の設定を求めてまいります。確認したいんですけれども、再生可能エネルギー主力電源化、この考え方の中で、再エネというのはどのぐらいの割合になれば主力と言えるんでしょうか。
  52. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 結論から申し上げれば、私は、何%という以上に、やはりベースロードからの転換をすることが再エネ主力電源化に向けては必須だと考えています。やはり、入れるだけ入れられなければ、パーセントを決めて、ここまでしか入れませんというのは私は違うと思っています。  現時点では、例えば再エネが二二から二四%というのが、現行のエネルギー基本計画の中での数字です。そして、その二二から二四%という数字を見れば、主力の一つに位置づけていることは言えますよね。  ただ、じゃ、もう主力電源化は達成されましたのでこれ以上掘りません、深掘りしませんということではなくて、二倍のポテンシャルがあるんですから、エネルギー安全保障のことを考えても、十七兆円を化石資源に払っていることを踏まえても、やはり、あるポテンシャルを最大限導入していくためにはベースロードからの発想の転換が必要だ、そこが私は、主力電源化にとって最も私の中では大事だと思っています。
  53. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ベースロード電源考え方の変換、脱却、これは大事です。  自治体に再エネ導入目標をこれから求めていく、自治体からしてみたら、じゃ、国として再エネはどのぐらい集めようとしているのかと。それを電力の主力にするんだったら、どのぐらい欲しているのかという全体像がなかったら、自治体としても、じゃ、ここまで私たちは頑張りましょうという明確な目標にならないんじゃないかと思うんですけれども、大臣、そこはどうなんですか。
  54. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私は、今、二〇三〇年に向けて倍増させたいということで今日も地熱の発言をしましたが、地熱も、今の六十に加えて、国立・国定公園で六十二件ありますから、二〇三〇年に間に合うように運用見直しもしたいと。  さらに、例えば長野県においては、二〇五〇年までに再エネを三倍にするというのを、今、阿部知事が言っています。このように、ゼロカーボンシティーと言われる自治体の中で再エネを意欲的に導入を進めると言ってくれているところ、岩手県の軽米町にしても、鶏ふんの活用で、住民の二十倍のポテンシャルを生かして発電していくという話もあります。  この積み上げによって、四六%、二〇三〇年の削減というものは、とにかく自治体に対しても、再エネの導入を加速できるそういった支援と、そして共に取り組むこと、こういったことが不可欠ですので、どれぐらい入れればいいという、そういったメッセージではなくて、活用をできるだけすること、可能な限り進めること、そのことが、今、九割の自治体がエネルギー収支が赤字な状況を転換して、地域にとって本来であればまさに先生が言うように地域の資源なわけですから、地域の資源が地域の中で循環をする形で、地域の経済の貢献にもつなげていきたいと考えております。
  55. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 エネルギー基本計画との絡みも出てくると思うんですね。やはり数字というのはシビアです。その数字が設定されて目標を確立させていく。カーボンニュートラル全体の枠組みもそうなんですよね、だから数字なんですよね。この数字をやはり考えることが大事だというふうに思います。  再エネ導入促進のためには、電力事業者に対して、優先接続、優先給電、系統増強、これを義務づけて、発電した再エネが確実に買い取られる、そういう制度をつくることが不可欠であります。地域脱炭素化事業、再エネ導入においてはこれが決定的に重要であります。再エネ優先エネルギー政策について、大臣考え方を伺います。
  56. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これは、総理から明確なメッセージが出ています。二〇三〇年目標を発表されたそのときの官邸でのぶら下がりで、総理は、エネルギー政策の関連の質問を問われたときに、まず再エネ優先しますという発言をされています。私も、まさに再エネ優先されるべきで、これが私はベースロードからの転換だと言っていることもそうですので、先生が言う再エネ優先はどういう考えかといったら、私の発想はそういう考えであります。
  57. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 私は九州なんですけれども、資源エネルギー庁の説明によっても、ヨーロッパ並みに再生可能エネルギーが増えてきたという話を伺っています。  そんな中で、九州電力優先給電ルールに基づいて出力制御を行っています。これは、地元でも、メディアにおいても、電気をせっかくつくって再エネがこれだけ普及しているのに、それを捨てるというのはどういうことなのかと、大きな問題になっているわけですね。  そこで伺います。経済産業省、来られていますか。九州電力は二〇一八年十月以降、年度ごとの出力制御の日数を公表しているんですけれども、足したらどういう数になるでしょうか。
  58. 茂木正

    茂木政府参考人 九州本土での出力制御でございますが、二〇一八年の十月以降、出力制御が行われています。出力制御の日数でございますが、二〇一八年度が二十六日、二〇一九年度が七十四日、二〇二〇年度が六十日でございます。  なお、出力制御の実施日ということなんですが、これは、全ての再エネ設備が、二十六日とか七十四日、全部が出力制限を受けているということではなくて、需給バランスを維持するために一部の設備とか時間に限定して制御が行われている、ただし、一か所でも、少しでも制御が行われますと、制御が行われた日ということになります。  引き続き、出力制御の日数の低減に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
  59. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 経産省、長坂副大臣、お越しいただいていますけれども、私、かねてから議論をしてまいりました。優先給電ルールがあったら、再エネ事業の促進につながらないのではないか。地域主体、市民参加の小規模事業者ならなおさら、そういうルールがあったら、せっかくつくっても捨てられる、接続してもらえない、そういうことになって、進出の意欲をそいでしまうんじゃないかと思うわけです。  ですから、再エネよりも原発優先するルール、だって、優先給電ルール原発が優位です、こういうルールがあれば再エネの導入を阻んでいくのではないかと思うんですけれども、小泉大臣にもお伺いしたいし、経産省の長坂副大臣にもお伺いしたいと思います。
  60. 長坂康正

    ○長坂副大臣 お答え申し上げます。  災害時にも安定供給を継続できるというレジリエンスを強化しつつ、二〇五〇年カーボンニュートラルに不可欠な再エネを大量導入していくためには、我が国の送電網を次世代型のネットワークに転換していく必要がございます。  このような観点から、再エネの更なる導入拡大のために、既存の送電網をより再エネ事業者が利用しやすいようにルール見直しております。  具体的には、基幹となる送電網の空き容量を超えて再エネが発電した場合には、出力を一部抑えることを条件に、より多くの再エネを送電網に接続する仕組み、ノンファーム型接続を本年一月に全国展開いたしました。  これに加えまして、石炭火力などより再エネ優先的に基幹となる送電網を利用できるようなルールの抜本的な見直しについても、遅くとも二〇二二年中の実施を目指しております。  こうした政策実施いたしまして、再エネの導入に向けて最大限取り組んでまいります。
  61. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 安定した電力の供給とおっしゃいましたけれども、福島原発の大事故によって全国の原発が止まりましたよね。そして、火力発電を大きく動かして、温室効果ガスの削減に逆行する事態となってきたわけであります。結局、原発というのは大きなリスクを抱えるということで、大転換が必要であります。  もう一つの大転換の必要は、石炭火力であります。  先週の気候サミットで、総理が二〇三〇年までに温室効果ガスを二〇一三年度比で四六%削減と言われたんですけれども、石炭火力発電については言及されませんでした。  グテーレス国連事務総長は、石炭火力発電について、OECD加盟国は二〇三〇年までに段階的に廃止しなければならない、G7各国は遅くとも六月のサミットまでに段階的な廃止計画を示すべきだと求めていますが、小泉大臣日本はどうするんでしょうか。石炭火力のフェーズアウト、段階的廃止のための計画を策定する必要がまさに必要な状況に来ていると思いますが、いかがでしょうか。
  62. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今月二十三日には、経産省において、非効率な石炭火力のフェードアウトに向けた対応策が取りまとめられたところでもありますし、先般の総理のアメリカへの訪米のときにも、アメリカと、官民の資本の流れを気候変動に整合的な投資に向け、高炭素な投資から離れるよう促進することなどについても一致をしています。  今後、エネルギー基本計画見直しもある中で、まずは再エネをいかに入れるかという、こういったベースロードからの発想の転換、これは先ほど長坂先生からも、来年、抜本的な再エネがより入っていくような見直しをやるということですが、私はそれはベースロードからの転換という意味だろうというふうに捉えています。  そういったことの中で、脱炭素の目標達成と整合する形に全体の計画を作っていかなければいけないというのは、そのとおりだと思います。
  63. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣はよくお分かりだと思うんですけれども、石炭火力発電をやめると、やはり明確に政府としてメッセージを出さないと、二〇五〇年カーボンニュートラルも二〇三〇年目標も達成できないんですよね。それは、石炭火力発電所が最大の温室効果ガスを排出しているんですよ。一番の元凶について対策を打たない限り、絵に描いた餅になってしまうのではありませんか。  るる申し上げてきましたけれども、再エネ主力化と言われます。しかし、その数値目標がない。再エネ優先エネルギー政策にも今はなっていない。石炭のフェーズアウト計画もない。再エネよりも原発優先している、こういうルールがある。これでは、気候危機に対応する再エネの急速な、そして、この委員会でも出ていますけれども、爆発的な拡大普及は達成できないのではありませんか。  ここを解消するために、小泉大臣エネルギー基本計画とか地球温暖化計画、この改定によって、私が今申し上げた事実、これはクリアしていくんでしょうか。いかがですか。
  64. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、エネルギー基本計画、温対計画長期戦略見直し、この三つの見直しに向けて動いているところでもあります。そういった中で、二〇三〇年の四六%削減、これをいかに達成していくか示していく必要があるのは当然のことであります。  重要なことは、先ほど再エネの話もしましたが、何%までというのは、私は倍増すべきだと思っています。ただ、その中で、ここまで入ればいいよということではなくて、やはり、入れられるだけ入れるというルール整備をどういうふうにやっていくか、これがその後に来る水素社会の実現にとっても私は不可欠なことだと思っていますので、しっかりそこは政府の中でも意見を申し上げていきたいと思っております。
  65. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 脱石炭、脱原発、ここにかじを切らないと地球温暖化対策促進は進みません。実効ある措置を、対策を求めたいと思います。  最後になりますけれども、二十三日の質疑で、私は、菅総理が表明した、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度比で四六%削減すると言われたことに対して、その四六%という数字の意味を聞いたわけであります。小泉大臣の答弁は、梶山大臣との話合い、様々な積み上げの作業もやってまいりました、こういった中で総理は、積み上げの作業などをやっている中で四六%が視野に入ってきたという表現をされたので私も全くそのとおりだと思いますと言われました。  二十三日、私がそう質疑して、二十三日の夜のTBSのニュース23、先ほど生方議員からも質問があったんですけれども、この収録は私はいつかは存じ上げていませんが、この中で小泉大臣はこうおっしゃったんですね。くっきりとした姿が見えているわけではないけれども、おぼろげながら浮かんできたんです、四六という数字が、シルエットが浮かんできたんですと。そういうふうに番組で述べられたわけであります。  お伺いしたいんですけれども、四六%という数字は、産業や家庭でのCO2削減、あるいは省エネ、再エネの拡大等の積み上げ、この積み上げの上の目標値となっているのか。それとも、おぼろげながら浮かんできた、単なるひらめき程度数字であるのか。このニュースを見た国民の人はたくさんいるわけなんですよね。大臣、ちょっと説明していただけないでしょうか。
  66. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 そうやってレッテルを貼るのはやめていただきたいと思いますね。ひらめきなんかでは全くありません。  私がおぼろげだと言ったのは、四六%というのは非常に意欲の高い目標です。容易なことではありません、その目標達成は。しかし、梶山大臣、そして加藤官房長官を含め、調整の過程の中で、先生がおっしゃったような、省エネがどれぐらい進むか、コロナの中でのリモートワークなどの進展が結果として移動などの減少によってどのような電力消費に対する影響を与え得るか、そして、太陽光だったらどこにどれぐらい入り得るだろうか。恐らく一般の方からすると信じられないような途方もない作業を、経産省、エネ庁の職員の皆さん環境省の職員、関係省庁、農水省、国交省を始め、みんなが総力を挙げて計画を作るのが温対計画であります。  こういった中でも、やはり、この四六%というのが、積み上げと、そして意欲の高い目標を設定すべきだという観点の中から、総理に対して我々が作業の中で、まさに総理が視野に入ったというふうにおっしゃいましたけれども、そういう状況まで積み上げることが重ねる協議の中で出てきた、そういったことでありますので、今後、しっかりと中身を固める中で、産業界に、皆さんは今歓迎いただいていますが、共に足並みをそろえて進めるように、説明をしっかりとしていきたいと思います。
  67. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣が発した言葉というのはやはり歩いていってしまうわけなんですよね。それで今日説明を求めたわけなんです。  積み上げということであります。膨大な事務作業の中で、そして野心的な希望も持って一生懸命考えて積み上げてきたと。(小泉国務大臣「積み上げだけじゃないですよ」と呼ぶ)四六とおっしゃるのならば、やはり根拠を示していただかないと、科学的な計算もできないし、論議もできていかないと思うんです。せっかく大臣がそういうふうにおっしゃっていただいたのであるならば、この数字がいいかげんなものであってはいけないというふうに思うわけであります。  地球温暖化対策推進本部政府推進本部小泉大臣は副本部長であります。本部長の菅総理と、副本部長の梶山経産大臣と、この四六%の数字についてはもちろん共有されているわけであります。国民には、これではまだ少ないという議論もあるし、私たちもそう思っています。  では、まず、中間目標と設定しようとしている四六%について、一・五度目標の達成に対して、カーボンニュートラルに対してどうなのかという議論を進めていくためにも積算根拠を示していただきたいと思いますが、いつになったら示していただけるんでしょうか。
  68. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先ほど申し上げたとおり、エネルギー基本計画、温対計画長期戦略、こういったものを見直していく作業が必要であります。  ただ、今回、四六%というのは、先ほど先生は積み上げということを言いましたが、私が積み上げだけではないと言ったのは、今回、総理がプロセスの中の改革も私はされたと思っているんです。それは、今までだったら、本当に積み上げに積み上げて、積み上げた分しか言えないというのが今までのやり方ですよね、温対計画見直しと、そしてエネルギー基本計画も含めて。しかし、今回、総理はこのタイミングで、この四六%を追求する、目指すということで、そういった水準を表明して、そして、そこにどれだけ近づけていけるか、我々は作業もやると。  私、国際交渉や国際環境状況を見ていても、やはりそういう発想も必要だと思いますよ。世界の、国際社会気候変動の分野の中で、エネルギーの電源ごとに何%と出している国ばかりではありません。アメリカなどはありませんよ、そういうことは。  日本が自由度と柔軟性を持って、国際社会の中でも不利益にならないような政策の立案をしていくには、単純な積み上げで日本は不利益の方が多いときもある。だから、私は、今回の総理の判断というのは、それを打破する上でも非常に重要だと思います。
  69. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣、私はそこを聞いているんじゃないんですよ。四六%の根拠と内訳について、どうなんですか、いつ出してくれるんですかと、そのことをシンプルに聞いているんですよ。早く出してください。そのことを要求して、今日の質問を終わります。
  70. 石原宏高

    石原委員長 次に、山崎誠君。
  71. 山崎誠

    山崎委員 こんにちは。立憲民主党山崎誠でございます。本日、環境委員会での質問の機会をいただきました。  早速、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案について御質問をさせていただこうと思います。  いろいろこれまでも議論をずっと積み重ねてこられて、温対法についての考え方もかなり深まったのではないかなと思って、これがまさに二〇五〇年のカーボンニュートラルにつながっていく議論の出発点なのかというふうにも感じたところであります。  今の議論を聞いていて、小泉大臣にお聞きをしたいんですけれども、目標の設定の仕方。私も、できるだけ明確に、やはり目標というのはきちっと示すべきだというふうに思うんですよ。そして、それの根拠というのはそれなりに示しながら、そこから野心的な目標というのを設定するというのは分かるんですけれども、例えば原発の問題。私、エネルギーの問題をずっとやっていますので、これは何度もいろいろなところでも質問させていただいていますけれども。  今、原発は二〇五〇年に残るんですよね、政府方針。二〇三〇年も残るでしょう、一定の割合を残そうとしている。だけれども、皆さんは、新増設ということに関しては、いつも同じなんですが、現時点では考えていないと。現時点で新増設を考えていなくて、二〇五〇年。二〇五〇年でぱたっと止まるわけではないですよね。当然、二〇五〇年の先、やはり原発を残していこうというのが私は政府方針だと思うんですけれども。現時点では新増設をしないという、これこそ国民に対して本当に不正確な、おかしなメッセージを与えていると思うんですよ。大臣、どう思いますか。
  72. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 政府として一貫してクリアなのは、再エネを主力化に向けて進める中で、原発については可能な限りその依存度を低減させる、そこはクリアな方針ではないでしょうか。
  73. 山崎誠

    山崎委員 二〇五〇年に、今グリーン成長戦略のたたき台がありますけれども、原発あるいはCO2回収の化石燃料を三〇から四〇ですか、そういうパーセントで残そうとしているんですよ。次のエネルギー基本計画ではきれいになくなっているというのであればいいですが、そのときには原発の新増設についてもセットできちっと答えがあるということでよろしいですか。
  74. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生が言っている次のエネルギー基本計画見直しというのは、今年の、今の話ですか。(山崎委員「今年の」と呼ぶ)  まさにそこは、四六%の削減目標と整合するようなものを温対計画エネ基と併せてやっていかなければいけないことだと思いますが、これは総理が明確にされていますが、原発の問いをされた上で、まずは再エネ優先でやっていきたいと。それで、原発については、まさに再エネを進める中で、その依存度を可能な限り減らしていく、そういったことを、総理は非常にクリアですので、エネルギー基本計画を含めて、今後の議論の中で、私も言っていますが、ベースロードからの転換をすることが、いわゆる二〇三〇年目標を出した上での再出発に当たるんじゃないでしょうか。
  75. 山崎誠

    山崎委員 ごまかさないでください。私が聞いたのは、原発を、二〇五〇年、依存をゼロではないという方針を立てる以上は、そのときには原発の新増設についても明確に方針を出さなきゃいけませんよねという確認をしたんです。再エネの話はしていません。
  76. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 政府方針は、ゼロとは言っていません。再エネを進める中で、その依存度を可能な限り低減をさせる、そして、新増設については現時点では考えていない、それが政府方針であります。
  77. 山崎誠

    山崎委員 もうやめますけれども、要するに矛盾しているんですよ、完全に、議論が。新増設がなくて原発依存を続けられないんですよ。六十年の原発、みんな動かすんですか、六十年延長で。そうでなければ依存なんか残りませんよ。そこが矛盾しているまま、エネルギーミックス、再エネ、四六%。国民は混乱するばかりですよ。産業界だって混乱しますよ。再エネは二倍のポテンシャルがあるといっても、きちっと目標を決めてあげなければ、やはり政府が。私はそれが大事だというふうに思いますので。  今のお話は大事なところだと思います。次のエネルギー基本計画、注目していますので。そこを曖昧なまま、現時点では新増設をしない、でも、二〇五〇年、原発依存を残すというのは、これは矛盾していますから、きちっと説明していただきたいと思います。  それから、温対法の話で私が気になったのは、今回の改正、再エネにスポットが当たっているのは分かるんですよ。なので、再エネについての議論がずっと書かれていて、それに関する促進区域の設定だとかをするというのは私は賛成ではありますが、いろいろな不十分な点は我々の修正案にもあります。  ただ、温対計画の全体像というふうに見ると、省エネだとか、吸収源対策だとか、あるいは地域のライフスタイルの変化、そういったものがパッケージになっているわけですよね。  私が資料一でつけました促進制度のフロー図という図を見ると、施策のカテゴリーという、都道府県全体というところの下あたりに一、二、三、四と書いてあって、ここに再エネのようなお話が注書きのように書いてあるんですよね。私はこういう捉え方というのは不十分だと思うんですよ。再エネあるいは吸収源対策、これをどう前に進めるんだというのも、セットで、再エネと一緒にやはり示していただきたいと思っていて、何度も担当の皆さんとも議論させていただきました。  小泉大臣に、この点、御意見、見解をお聞きしたいと思います。
  78. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生が言われているのは、この資料の中で、一、二、三、四という、再エネの記述が薄い、そういうことですか。(山崎委員「再エネじゃない、省エネとかが薄い」と呼ぶ)省エネとかが薄いから、そこをしっかりちゃんと踏まえるべきだということなんですね。  今回、現行の第二十一条に基づく地方自治体の実行計画には、再エネだけではなくて、事業者、住民による省エネなどの活動の促進に関する事項、都市機能の集約や緑化などに関する事項などを位置づけるように規定をされています。今般の改正法案において、新たにこれらの施策実施目標についても策定いただくように規定を追加するとともに、中核市未満においても計画目標の策定を努力義務としたところでもあります。  また、この法案においては、地域において再エネ設備の整備とその他の地域の脱炭素化のための取組を一体的に行う事業について地域脱炭素化促進事業として定義しているので、再エネを中心に省エネ対策なども組み合わせた地域の脱炭素化プロジェクトを支援する仕組みを織り込んでいるということでもあります。
  79. 山崎誠

    山崎委員 この改正で、再エネ計画で認定されて認定事業になると、様々な特例措置というのが書いてありますね。一の下のところです。  これはもちろんいいんですよ、いろいろ議論はありますが。例えば省エネについて、まちづくりと連携したような、そんな事業を計画した自治体に認定のメリットというのはどういうふうにお示しできるのかなというのを私はすごく問題意識として持っているんですよ。再エネはこれで多分後押しされる部分が出てくると思うんですけれども、それと併せて、例えば省エネのまちづくり。  私なんかは、例えばEVなんかの電化の、地域の活性化のためにそういったもの、福祉的なバスを電気で動かそうとか、新しいいろいろなアイデアが計画の中で生まれてくる、そういったものをどう応援するんですかというのも併せて示すべきだと思うんですよ。  経産省にお越しいただいていますので、そこは、江島副大臣、どうでしょうか。
  80. 江島潔

    ○江島副大臣 省エネに関してでありますけれども、これももちろん、改正部分ではないんですけれども、現行法の中で既にいろいろ検討するところがございます。具体的に申し上げますと、まず、進捗が順調な対策あるいは更なる政策目標を掲げている対策に関しては省エネ量を上方修正するとか、それから、進捗に遅れが見られるような対策見直しを行って省エネ量を堅持する、このような取組等をしながら省エネ量も最大限の積み重ねを行うということを現行法の下で行っているところであります。  また、省エネの全体像は、まだ分野別のものが最終確定していないので、現時点ではまだ暫定的なものでございます。
  81. 山崎誠

    山崎委員 ちょっと私の説明が悪いのかもしれないんですけれども、計画を認定されると、事業者というか自治体だとかはその計画をベースにしていろいろなメリットがあるよ、だから、みんな、計画を一生懸命、地域で動く、実際にいいプロジェクトが動くように計画を作りましょうというインセンティブを与えていただきたいと思っているんですよ。  要するに、今、既存のいろいろな事業があるわけじゃないですか。国交省だったら断熱化だってあるでしょうし、林野庁であれば森林整備だってあるでしょうし、道路の関係、自動車の関係、いろいろな補助事業があって、あるいは支援制度があって、それがこの計画を作ることで利用しやすくなるとか、そういうことをもっと打ち出したらいいんじゃないですか。これは提案です。  そうでないと、計画作りが形骸化してしまうんですよ。作れと言われるから、義務化だから、コンサルタントに頼んで、右から左に流れるような計画が作られる、でも、実際にそれをまちづくりにどこまで反映したのか、効果があったのか分からない。今までそういう計画をたくさん見てきましたから、そうではない計画にするためには、もっと積極的な計画作り、それがこういうメリットにつながるんだという、そういう一体の、そういう構想に結びつけていただきたいと思うんですよ。  国・地方脱炭素実現会議、そういうものを立ち上げられて、多分、私が今言ったようなイメージの大きなまちづくり、成功事例を集めてそれを横展開するというのは恐らくそういう発想だと思うんですけれども、例えば、それも、この五月、六月でロードマップができ上がって終わりではなくて、それこそこういう温対計画とタイアップして、長いこと時間をかけて地域を育てていく、応援をする、そういう姿勢が大事なのではないか。それが温対法の中身、意味のある使い方ではないかと思うんですけれども、いかがですか、大臣
  82. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 全くそのとおりです。  今回の温対法の改正だけではなくて、地域脱炭素ロードマップを作っていく中で、施策の連携、それと、自治体の皆さん考えれば、計画を作るだけだったらやる気が起きないというのはそのとおりで、作ることによってどんなメリットがあるのかということが分かりやすくなければ、計画作りは進まないというふうに思っています。  ですので、今回、再エネ促進区域を使っていただく中で、ワンストップのメリットというのは間違いないことでありますが、結果として、再エネ促進区域を設けている自治体が新たな地域づくりに対して意欲的な町であるというふうに、多くの、関係の企業を含めて、様々な投資やまちづくりにもつながるような応援もしなければいけないなと思っています。  我々環境省としては、EVの補助金の倍増と再エネのセット、こういったこともやっていますし、様々、まちづくり全体として、結果として、よし、促進区域をつくろう、活用しよう、そう思ってもらえる連携をしっかりとやっていきたいと思います。先生の趣旨、そのとおりだと思います。
  83. 山崎誠

    山崎委員 ありがとうございます。是非そういう方針でお願いをしたいと思います。  少し視点を変えて議論をしたいんですが、今回の温対法の改正は、四番の質問になってきますが、メガソーラーだとか風力発電だとか、大規模開発で環境破壊などもあって、全国でいろいろ報告がある、こういった乱開発を防止する、それも一つの大きな観点だということで大臣も答弁をされていると思います。  もちろん、その改正自体はそういう目的に一定効果はあると思うんですけれども、現行の制度運用、これについてもまだまだ問題がたくさんあるんですよ。その例を少しお話をしたいと思います。場合によっては、今回、区域の設定などをやるわけですけれども、的確に行われなければ逆効果になるかもしれない、乱開発にお墨つきを与えるような、そんな区域計画だってあり得るというふうに非常に感じる、そういう事例がありました。  宮城県の丸森町の事例、資料の二に地図を描きました。本事例では、丸森の皆さん、耕野という地域ですかね、地域の住民の方は反対をしている、森を大きく切り開いて巨大なメガソーラーを造ろうとしているプロジェクトであります。二つの事業に便宜的に分かれているんですけれども、合わせて五・五万キロワット、二つ合わせると環境アセスの対象になる大きさです、第一種。敷地面積は東京ドームの二十五個分、ほとんどが森林であります。皆さん御存じと思いますが、丸森町というのは二〇一九年の十月の台風十九号で大変な被害が出ました。土砂災害、家屋の浸水、倒壊、道路の冠水。十一人もお亡くなりになった地域であります。元々水害を繰り返してきた。ここにこういうプロジェクトが持ち込まれてきたわけですね。  今問題になっているのは、幾つか問題はあるんですが、一つは環境アセスです。  環境アセス、先ほど言いましたように、一つ一つの事業を、二つあるんですけれども、ちょうど半分ぐらいに分けてしまうと環境アセスの対象にならないんです。ですが、この二つの事業というのは、端的に申し上げて、事業主体というのは、名前は分かれているけれども、ほぼ一体で計画されて、距離は五百メーター、六百メーターしか離れていなくて、そういう事業なんです。だから、どう考えても環境への影響なども考えれば環境アセスをやるべき事業であるにもかかわらず、便宜的に二つに分けたことによって環境アセスを逃れているんです。  経産局が宮城県からの問合せに対して、事業者が別だから二つの事業として考え環境アセス不要という回答を準備している、昨日はそこまで聞きました。宮城県も、経産省のそういう判断を受けて条例アセスも実施しない。こういう事業が野放しになってしまうということだと思うんです。  FIT認定を見ますと、発電設備の名称を見ると、丸森TE発電所第一工区と第二工区となって、認定日も同じ二〇一四年三月二十八日です。説明会も同じ会社の同じ担当者が説明をやっているので、どう考えても一体の事業として見るのが自然であります。  経産副大臣、こういう事業について今問題になっている、一体として環境アセスをやるべきじゃないですか。
  84. 江島潔

    ○江島副大臣 御指摘の事業でございます。これは、それぞれ二・八万キロワットの太陽光発電プロジェクトが二つ立ち上がるという状況でございます。この二つの出力を合計すると間違いなく環境アセスが必要なものとなりますので、宮城県の方から問合せがございました。  経済産業省としては、宮城県からいただいた当該二つのプロジェクトに関する情報をもって判断をする限りでは、事業者が別であるということなどから、これらは一連の事業とは言えず、対象外として判断していますので、宮城県には近日中にその旨を回答する予定ではありますが、太陽光発電設備の設置形態が非常に多様化しておりまして、まさに委員から御指摘をいただいたような、いわばアセスをしなくてもいいというような条件設定というものが今現実に起きておりますので、この件に関しましては、同一発電所等の判断基準につきまして、環境省とともに改めて検討を行っていきたいと思います。
  85. 山崎誠

    山崎委員 ありがとうございます。  資料の五につけました環境影響評価法の二条の逐条解説であります。ここで、事業の一連性の判断ということがうたわれています。これを読むと、工事の実施場所や時期によるものではなく、事業の目的が同一であり、かつ、構想及び決定の時期が同一か否か等により総合的に判断されるものであると。下線を引きました。最後の「また、」のところは、事業者が複数であっても事業目的、構想及び決定の時期が同一であれば一連の事業とみなされる場合があるとしているんですね。  細かい御説明はできませんが、先ほども言いました、完全に一体でずっと事業を進められているんですよ。ただ、事業者の工事計画、これから出るんでしょうけれども、それは分かれて出てきて、アセスの対象外というようなことになった。  小泉環境大臣、私は、環境アセスが事業者のためのものになっちゃって、環境保全とか住民の皆さんのためになっていない、ある意味典型的な事例だと思います。このほかに森林法の問題なんかもあるんですけれども、まずは環境アセスをきちっとやるべきだ。こういうケースが、先ほどもありました、多様なケースが多分発生しているんだと思いますよ。  環境アセスの対象にならなければ、環境大臣意見も何も言えないんですよ。この事業をどうお感じになられますか。何とかしてもらえませんか。
  86. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、一般論として、地域の方から歓迎されない、そういったことが起きているから、再エネ規制型の条例などが今、百以上も全国でできてしまっている。これを何とか、そうではなくて、地域に歓迎される再エネを増やしていきたいと思っています。  ですので、今先生が言われたこの案件についても、先ほど江島副大臣からもお話がありましたが、本来だったら法アセスの対象となるべきなのに、いわゆるアセス逃れ、こういったものが起きないように、経産省と環境省でも早急に検討をして、考え方を改めて整理する必要があるだろうと感じています。
  87. 山崎誠

    山崎委員 ありがとうございます。  経産局はもう答えを出す準備をしていて、答えを出すと言っていて、びっくりしました。何でこういう全体像を見ていないんだ。情報が足りないのかもしれないですけれども、是非情報をもらって、総合的に判断しなきゃいけない。法解釈はそうやってやりなさいというのが指針であるわけですよ。だから、ただ事業者が違うからということで判断してはいけないというのが、これは法律の解釈の問題だと思いますが、是非そこを踏まえて再度見直してほしいということであります。  それから、もう一つはFIT認定についてなんですが、四ページに資料をつけました。  残念なことが起きておりまして、丸森町で計画推進していた事業者の、事業統括という名前がついていますから、私は事業のかなり中核にいる方だと思うんですが、HK―ONEという会社の代表取締役の方が贈賄容疑で逮捕されてしまった。もちろん、まだ容疑の段階だと思いますので、余り言い過ぎることはしたくはないですが、少なくともこういう容疑に今かかって逮捕されているというのが事業者の中核にいるということなんですよね。  三ページの図を見ていただくと、二つの事業者があって、その下にHK―ONEという会社があって、よく見ると事業統括と書いてあって、用地交渉と書いてあるんですね。  これについては、直接事業者と、社員じゃないので関係ありませんというようなことを説明しているようでありますが、明らかに事業の中核メンバーで、一体に事業を進めているメンバーがこういう残念な事件というか問題を起こしたというのが、現実のところだと思うんですよ。  こういうときに、FITの認定というのはこのままいくんですか。このままこの事業者に対してFITの大変な恩恵を、二〇一四年ですからね、大変いい価格がついている。このままいく、そういうお考えか、どうですか。
  88. 江島潔

    ○江島副大臣 再エネ特措法の中では、認定基準として、自治体が定めた条例を含む関係法令の遵守というのを定めております。したがいまして、法違反がもし確認をされた場合には、認定事業者に対して個別に、指導、改善命令、さらには必要に応じて認定を取り消すことというふうにしてあります。  今回の御指摘のケースでありますけれども、犯罪行為が疑われる事業者に対して報告徴収を実施するか等に関しては、その違反の内容やあるいは主体等にもよりますので、一概に申し上げることはできません。ただ、認定事業者が関係法令に違反したということが明確になった場合には、適切に対処したいと思います。
  89. 山崎誠

    山崎委員 捜査等がどう進むかも分かりませんけれども、少なくともFITの認定というのは、適正、公正な事業でなければ駄目なんだというのはやはりしっかりと発信していただかないと、これが何となく通ってしまう、事業者と関係ありません、逮捕された方はうちの社員じゃありませんから関係ありません、それで許してしまったら、こういう事業はたくさん起きますよ。買収はお前に頼むねみたいな話になっているわけですよ。そういうことがFITの裏で動く、これは、小泉環境大臣、やはり地域の合意形成なんかにも悪影響を及ぼしますよね。こんな事業が起こって、環境も破壊され、そして後々いろいろな問題を引き起こしたときに、本当にあの再エネは何だったんだということになりかねませんよね。  私は、今回は、この法案、是非いい計画を作っていただきたいというのが一点。それと、運用に当たって、こういう事例を何としてもなくすんだ、環境アセスは誰のためにやるのかといったら、環境を守るため、地域のため、次世代のためにきちっとやるものはやるんだ、そういう姿勢で今後取り組んでいただきたいと思います。こういう事業者に対して、何か甘い、そういう前例を作ってしまうと乱開発は止まりません。  今お話を聞いていると、どうも、地元が反対していても県は余り積極的に止めようとしない、経産省にお伺いを立てると、まあいいんじゃないみたいなことを言われる、結局、今そういう流れなんです。本気でこの事業というものをきちっと検証しようという行政の動きが、私は、現場は大変混乱してかわいそうなんですけれども、ないような気がしてなりません。  今日は法案の審査ですので、こういう事例を何とか視野に入れて、法改正、そして法律運用を進めていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございます。
  90. 石原宏高

    石原委員長 次に、串田誠一君。
  91. 串田誠一

    串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  質問の前に、この前、参考人質疑がありまして、守屋小田原市長が出席をしていただきました。私も神奈川県出身、地元でございますし、小泉環境大臣も神奈川ということで、小田原が先端を行っているようなことを聞かせていただきまして、私も大変誇らしく感じたわけでございますけれども、そこの中で、太陽光パネルも民間の屋根に設置するというようなこともありまして。  今までずっと、田村委員からもありましたが、地方の活性化ということなんですけれども、地元の協力も得ないとこれはできないんじゃないか。そういう意味では、地方自治体の市長とか知事とかがどれだけ盛り上げて、市民にこの問題に関して関心を持ってもらって、協力をしようということがすごく大事だと私は思うんですけれども、この点について、大臣、御意見をいただけないでしょうか。
  92. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 全く同感です、自治体の皆さん理解なくして進みませんので。  知事会の中でゼロカーボンシティー推進プロジェクトチームというものを立ち上げていただいて一緒に進んでいることも私としては本当に心強いですし、また、首長さんの中でも、市町村長の中でも同じような思いが広がって、今、国・地方脱炭素実現会議の中のメンバーに町も含めて入っております。  小田原の話もありましたが、神奈川県内においても、横浜が今メンバーとして入っていますが、非常に意欲的に、太陽光についても小学校や中学校など学校での展開も進めておりますので、そういった地域において広がりを見せるように、今後も、自治体との連携、そして企業との連携も併せて同時に進めていきたいと思います。
  93. 串田誠一

    串田委員 是非お願いをしたいと思います。  今日は私は、カーボンニュートラルというのはどうしても排出量というのが注目されますけれども、ニュートラルにするには、排出量だけではなくて、吸収量とか除去量、これのトータルがゼロになるということでございますので、吸収面というのは非常に大事だと私は思っていますので、今日は吸収面から幾つか質問をさせていただきたいと思うんです。  まず最初に、本案の第二条第六項には地域脱炭素化促進事業というのがありますけれども、これに関しては、排出だけが記載されていて、吸収の保護というところの事業という部分が欠けているように思うのですが、これはなぜ盛り込まれていないんでしょうか。
  94. 小野洋

    小野政府参考人 お答え申し上げます。  委員が御指摘いただきました改正法案第二条第六項の地域脱炭素化促進事業でございますけれども、まず、この事業の趣旨といたしましては、脱炭素社会の実現に向けまして、各地域の再エネの資源、これを最大限に活用することが脱炭素化には重要だという認識である一方で、再エネ事業をめぐる地域の合意形成が課題となっている、こういうことを踏まえまして、再エネ施設の整備を中核に据えつつ、その他の脱炭素化の取組を組み合わせたプロジェクトを促進するものでございます。  先ほど申し上げましたその他の脱炭素化の取組というものの中には吸収源対策も含まれる概念でございまして、一例として申し上げますと、例えば木質バイオマスのエネルギー利用、これは再エネということでございますが、これと例えば間伐などの森林経営を組み合わせるような事業もあり得るのではないか、地域脱炭素化促進事業の一つとしてですね、というふうに考えております。  いずれにいたしましても、具体的にどのような事業が対象となるか、考えられるかといった点については、今後、自治体あるいは事業者の声も聞きつつ整理し、ガイドライン等においてお示ししてまいりたいと考えております。
  95. 串田誠一

    串田委員 今質問いたしましたのは、本案の第二条の二には、脱炭素社会ということで、括弧書きでこれについての定義づけがあるんですけれども、人の活動に伴って発生する温室効果ガスの排出量と、この次ですね、吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガスの吸収量の均衡が保たれた社会をいうということで、これが基本理念だと思うんですね。  そうすると、排出と吸収というものの均衡が保たれた社会を基本理念として、それに向かって事業があるべきだと思うんですが、この事業のことに関する第二条の第六項には、事業とはと書いてあって、太陽光、風力その他の再生可能エネルギーであってというところで区切られていて、社会は、吸収量が必要だという社会なんだと言いながら、事業は、これに関して行わないかのような書きぶりになっているように読めるんですけれども。吸収量についても事業の中に入れ込んだらいいんじゃないかと私は思うんですが、何でこれは外したのか、お聞かせいただきたいと思います。
  96. 小野洋

    小野政府参考人 お答えいたします。  基本理念の部分については、委員御指摘のとおり、温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収量による除去量との間の均衡ということで、いわゆるカーボンニュートラルという概念を基本理念として具現化しております。  なお、基本理念につきましては、温対法全体に及ぶものでございまして、例えば、温対法の中には吸収源の条項もございますし、あるいは温対計画においては吸収源対策というのもしっかりと位置づけられているというところでございます。  先ほど御説明いたしましたように、地域脱炭素化促進事業については、今回の改正によって新たに創設するというものでございまして、主に再エネの必要性と課題という両面がある中で、ここを特に重点的に進めるという趣旨でございます。  ただ、先ほども御説明いたしましたように、脱炭素化の取組と組み合わせるという中には、吸収源対策も併せて含まれているということでございますので、吸収源対策も非常に重要な対策でございますので、温対法全体としてしっかり進めてまいりたいと考えております。
  97. 串田誠一

    串田委員 温対法全体としてという説明も分かるんですが、国として進めるのに当たって、排出量は事業としてやりますよと。しかし、吸収面は、必要な社会だというのは基本理念としてあるけれども、事業の中にはこれは書き込まないで、全体としてはやるんですよというのでは、日本という国が、排出量はある程度進むんでしょうけれども、吸収面に関して重点的に考えていないんじゃないかというふうに私は思われてしまうんじゃないかということを感じているわけで、そこの部分、もうちょっと書きぶりを考えていただいたらよかったんじゃないかなと思うんです。  その前提として、温室効果ガスの吸収に関する国内の寄与率、これは、排出と吸収、今、国内ではどのような割合になっていますでしょうか。
  98. 小野洋

    小野政府参考人 お答えいたします。  環境省と国立環境研究所によりまして、毎年度、我が国の温室効果ガスの排出量、吸収量を算定いたしておりますが、二〇一九年度、直近の最も新しいところで申し上げますと、温室効果ガスの総排出量がCO2換算で十二億一千二百万トン、一方、京都議定書に基づく吸収源活動による吸収量は四千五百九十万トンでございまして、総排出量の約四%程度という数字になってございます。
  99. 串田誠一

    串田委員 今、四%、十二億分の四千五百万ですから、億と万を消せば百二十分の四・五になるんですかね、だから四%ということなんでしょうけれども。  カーボンニュートラルというのは、結局、合計が均衡してゼロにならなければいけないんですけれども、今、吸収する分は四%しかないんですね。ですから、排出ももちろん減らさなきゃいけないんですけれども、吸収を増やすか、少なくとも現状維持にしていかないと、トータルゼロにはなかなか難しい。もちろん、除去量もありますけれども。  そういう部分が、本当は吸収の部分もこの国は頑張るぞというアピールというのを環境省としてもやはりしていただきたいという意味で、先ほど、事業の中で、排出の部分だけ事業が入っていて、吸収のところに事業が入っていないというのはどうなんだろうか、そういう趣旨でございます。  ところで、これに関連して畜産関係の質問をさせていただきたいんですが、飼料の海外からの輸入率というのはどのくらいになっていますでしょうか。
  100. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えいたします。  我が国の畜産で使用されております飼料、餌の輸入割合は、令和元年度におきまして七五%となっております。その内訳は、牧草等の粗飼料の輸入割合が二三%、トウモロコシなどの濃厚飼料の輸入割合は八八%となっているところでございます。
  101. 串田誠一

    串田委員 この質問をさせていただきましたのは、農水関係になるんですが、社団法人中央畜産会というのが平成十六年の四月十五日に発表された中には、放牧による牛の健康増進効果という資料が提出をされております。とても内容がよくできていると私は思っているんですけれども。  消費者特別委員会でも質問させていただいたんですが、例えば乳用牛、牛乳ですよね、牛がどういうような状況で今飼われているかというと、放牧とつなぎ飼いというのがあって、つなぎ飼いが今七割以上なんですね。ですから、牛乳パックだと何か放牧されているような絵柄になっているんですが、あれはイメージ図と書いてあって許されているのであって、現実にはつなぎ飼いというのが非常に多い状況なんです。  ここの違いは何かといいますと、放牧は、生草を食べるわけですよね。それに対して、つなぎ飼いというのは、先ほどトウモロコシは八〇%以上と言いましたが、日本は非常に飼料を海外から輸入しています。そして、つなぎ飼いというのはつながれているので、生草、要するに草を食べているわけじゃなくて、飼料としては穀物を食べている。ですから、海外から輸入された穀物を日本のつなぎ飼いの牛には食べさせているわけですね。その飼料であるトウモロコシや大豆を開発するために、例えばアマゾンなどの森林が要するに破壊されている。  ですから、今、国内では日本は四%の吸収量ですが、これを維持する、あるいは増やすというだけではなくて、日本という国は海外の吸収面を、破壊していると言うとちょっと言い過ぎかもしれないけれども、かなり阻害しているという面があるんですよね。  小泉環境大臣にはよく質問させていただいて、答えていただいている中に地産地消というのがあって私も大賛成なんですが、放牧というのはまさに地産地消なんですよね。地産というのは生草、草ですよ、それを消費しているわけですね。それに対して、つなぎ飼いというのは穀物を輸入していますから、その穀物の生産をするために海外の吸収面というのを破壊してしまうんですね、森林とかというのを。  私は、そういう意味で、日本という国は、国内だけを問題にしているのではなくて、国内の畜産業を含めて海外での吸収面をやはり守っていくということも尽力していかないと、国内だけやっていればいいじゃないかというふうに指摘されるのも残念だと思うので、それに対して、大臣としてのお考えをお聞きしたいと思います。
  102. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 そこは畜産に限る問題でもないですよね。例えば、パームオイルのこともそうですし、最近ではチョコレートに使われるカカオ、こういった話もあります。そして、今日は篠原先生からは花の輸入の話もありましたし、私も環境省で今取り組んでいる一つが、ファッション業界の持続可能な在り方という中では、我々が着ているこの服は九八%輸入ですから、こういったことも含めて本当にライフスタイル全般の部分をいかに持続可能な形に転換をしていくか、この一つが今先生が言った畜産、そして放牧、こういった在り方だと思います。  そういった観点もしっかり踏まえた上で、農水省が今、みどりの食料戦略システムですか、こういったことも新たに打ち立てられている中で、脱炭素に資する連携を環境省と農水省でもしっかりと進めていければと考えております。
  103. 串田誠一

    串田委員 この点は非常に環境省の省としての力が一番発揮できるところだと思うんですが、なぜかというと、環境省というのは、動物愛護、アニマルウェルフェアも進めていただかなきゃいけない中で、つなぎ飼いと放牧というのは、やはり、牛の自由度、活動の自由度からすると、五つの自由から非常に問題があるというふうに海外からも指摘されているわけで、日本は世界動物保護協会から畜産福祉に関して最下位のGという認定がなされています。A、B、C、D、E、F、GのG、最下位なんですね。  そういう意味では、アニマルウェルフェアを進めて放牧というものを大事にしていくということは、地産地消にもつながり、海外の自然吸収体を破壊する必要もなく、なおかつ環境省が進める動物愛護にもつながっていく。私は、そういったような意味で、この部分を連携して進めていただきたいというふうにお願いをしたいと思うんです。  次に、その中で、今、フードテックというものがあります。その質問の前提として、お肉を食べないと健康になれないんじゃないかというようなこともあるので、そこでお聞きをしたいんですが、健康を維持するためのたんぱく質としては動物性たんぱく質と植物性たんぱく質というのがあるんですけれども、動物性たんぱく質を一部植物性たんぱく質に代替した場合、健康に対してどのような影響があるんでしょうか。
  104. 宮崎敦文

    宮崎政府参考人 お答え申し上げます。  たんぱく質は、人の健康の保持増進上、必ず摂取しなければならない必須栄養素でございます。動物性たんぱく質と植物性たんぱく質がございますが、一般的には、動物性たんぱく質の方がたんぱく質の構成成分であるアミノ酸のバランスに優れておりまして、体内でより効率的に利用できる傾向にあるということでございます。  ただ、その一方で、それは単体で比べた場合でございまして、多くの日本人の方は動物性たんぱく質と植物性のたんぱく質を様々な食品からそれぞれ摂取されておりますので、体内におけるたんぱく質の利用効率というのは摂取された食品全体における両者のバランスですとか食品の組合せによって決まってくるものでございますので、そういう意味では、一部を植物性たんぱく質に代替した場合にどうかというのは、そこだけ取り上げて影響を一概に申し上げることは難しいというのが正直なところでございます。  むしろ大事なことは、国民皆さんの食事の嗜好ですとかあるいは生活状況は多様でございますので、植物性の食品も含めて、様々な食品、いろいろな選択肢の中からたんぱく質を摂取していただくということが重要だというふうに考えているところでございます。
  105. 串田誠一

    串田委員 アニマルウェルフェアの話をしましたが、アニマルウェルフェアを進めると、どうしても生産効率性というのは下がるんですよね。  乳用牛を考えていただいても分かりますように、放牧というのはかなり広い土地が必要になるのに対して、つなぎ飼いというのは、ある程度の建物の中につなぎ飼いをすればいいわけですから、敷地面積も下がるし、それに対して穀物という飼料、配合飼料が多いんですけれども、それを与えていけばいいということで管理もすごくしやすいということでありますが、ただ、動物の観点からするとアニマルウェルフェアではないのではないかという指摘があるわけです。  そういう意味では、アニマルウェルフェアを、今日本が先ほども言ったように非常に低い評価をされている意味では、進めるという意味で、畜産業界も、日本の畜産というのはアニマルウェルフェアが進んでいるねという評価を私はしていただきたいと思うんですが、その分だけ生産性が下がるというのはやむを得ないんです。  質が上がる、しかし生産性は下がる、そこの部分を補うのがフードテックではないかということで今非常に注目を浴びていまして、農水省が今これについて進めているというのをお聞きしていますので、そこで、フードテックというのはどういうものであるのかを御説明いただきたいと思います。
  106. 長井俊彦

    長井政府参考人 お答えいたします。  フードテックにつきましては、明確な定義はございませんが、大豆等植物たんぱくを用いる代替肉でありますとか、健康、栄養に配慮した食品、調理ロボット等、一般的には、食分野の新しい技術及びその技術を活用したビジネスがフードテックと言われていると認識しているところでございます。  このようなフードテックにつきましては、世界人口の増加による食市場の拡大や、食分野における生産性向上の必要性、さらには環境負荷の低減に対する意識の高まり等を背景といたしまして、近年、世界的に投資が拡大しているものと承知しております。
  107. 串田誠一

    串田委員 先ほどたんぱく質の話をしましたが、大豆たんぱく質があるんですが、それが一旦、畜産のところに移って、そしてその肉を食べて体内にたんぱく質を摂取するのと、いきなりたんぱく質を摂取するのとでは、効率がはるかにいいわけですね。そうすると、その分だけ、穀物を生産する部分について自然を残せるという面が非常にあると言われております。そういったような部分で世界的にもフードテックというのが注目を浴びているということから、やはり日本もこの流れに遅れていってはいけないのではないか。なおかつ、これはアニマルウェルフェアにも非常に優しいということになるんです。  この前、議連が発足をいたしまして、私も参加させていただいて、もう大盛況、与党から野党からたくさんの議員が参加をされていらっしゃったと思うんですけれども、ここに説明に来られている企業は、どんなところがございましたでしょうか。
  108. 長井俊彦

    長井政府参考人 お答えいたします。  我が国におきましても、フードテック分野の研究開発、事業展開を行うスタートアップ企業等の展開が拡大してきていると承知しております。  具体的には、多様な食の需要に対応する食品として大豆の発芽時の代謝機能に注目してうまみ成分を増加させた代替肉を製品化している企業、また、健康、栄養に配慮した高付加価値な食品としましてビタミン、ミネラル、たんぱく質等を豊富に含む麺やパンを製品化している企業、人手不足に悩む外食産業における調理の省力化や自動化に貢献する調理ロボットを開発、製造する企業など、スタートアップ企業等による研究開発や事業展開が行われているものと承知しております。
  109. 串田誠一

    串田委員 市場規模としては七百兆円というようなことも言われておりまして、フードテックというのは恐らく世界的にもこれから出てくるのかなと思います。  今度、オリパラの中で、いろいろな食べ物に関してアスリートがいろいろ指摘をしてきているわけでございます。卵に関しては、バタリーケージはやめてほしいとか、豚肉に関しては、妊娠ストールはやめてほしいというような指摘があって、その点については、日本はまだまだ畜産関係に関しても遅れているんだろうなというふうに思うんですけれども、今後、恐らく、フードテックでないと困るというアスリートも出てくるのではないかというふうに予想できるわけです。  政府によるフードテックの取組状況、そして今後の展望などをお聞かせいただきたいと思います。
  110. 長井俊彦

    長井政府参考人 お答えいたします。  農林水産省では、我が国食品産業を強化する観点から、多様な食の需要等に適切に対応した産業を振興していくことが重要であると考えており、フードテックを活用した新たな市場の創出に向けた取組を推進しているところであります。  具体的には、昨年十月にはフードテック官民協議会を立ち上げたところであり、その中で、官民共同のフードテック促進策を実施しているほか、本年度予算では、フードテック分野等で起業を目指すスタートアップの取組を支援するスタートアップへの総合的支援を措置するとともに、ムーンショット型研究開発制度においてフードテック関係の研究開発を推進するなどの取組を行っているところであります。  また、これらに加えまして、今国会で成立いたしました農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律におきまして、出資対象として食品産業の事業者等も新たに追加したところであり、フードテック分野の投資促進にも資するものと考えているところであります。  農林水産省といたしましても、引き続き、フードテック分野の推進も通じまして、多様な食の需要等に対応した新たな市場の創出を推進してまいりたいと考えております。
  111. 串田誠一

    串田委員 参考人質疑におきましては、大学生で活動されている方も出席していただきました。その学生は、地球環境と同時に動物の保全というものを進めていらっしゃったということでございます。種子島にも住まわれていたということでございますが、地球環境の温暖化を問題にする方々は動物に対する保護というのにも当然に関連してくる、要するに動物の生態系が変わっていってしまうということはそのとおりだと思います。  一番冒頭に私は小田原市長の話をいたしまして、地域の協力なくしてこれはできないという話をさせていただきましたが、このような消費の分野、消費に関しても、消費者が地球環境を守るために吸収面というものにも着目していく、その吸収面に寄与するというのは、アニマルウェルフェアというのを進めれば、これは、動物を保護するというのは環境保全になり吸収面も守られていく、まさにSDGsだと思うんです。  小泉環境大臣、最後に、吸収面の食に関して、フードテックを私は進めたいと思っているんですが、地域の人たちにも消費の分野でアニマルウェルフェアというものを非常に重視していただいて、環境に優しい消費というものを進めていくということも、私は吸収面という点でも必要ではないかと。先ほどの太陽光パネルの排出面という話で協力も必要だと思うんですが、吸収面でも消費者に関しての協力をいただかなければならないのではないかと思うんです。大臣、最後に御意見をお聞かせください。
  112. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 直接のお答えになるかどうかは分かりませんが、結果として、気候変動対策に対する理解を深めることがそのような消費者の行動を促すことになると思います。  今回、四六%の削減目標という高い目標を設定したことは、結果として、気候変動対策の必要性を世の中と共有する機会になり、そのことで、じゃ、自分たちは何をすべきだろうか、何ができるだろうか、この中で消費者の方で、私は先生が言う環境配慮型の消費行動を取る方が間違いなく増えていくと思います。  私が福島県のふたば未来学園に行った際も、学校の給食が、月曜日はベジマンデーということで、植物性たんぱく質しか出さない日をつくりながら、環境と食、これをセットにするんだという先生方の思いでやられているように、最近、私も小学生の方からお手紙をいただいたときに、まさに植物性たんぱく質の食事やビーガン、こういったことをもっと進めてほしいという、その手紙が環境大臣の元に小学生から届く時代になってきているんです。その新しい世代にしっかりと対応できるようなライフスタイルや経済社会の在り方を実現するために、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。
  113. 串田誠一

    串田委員 動物に優しい対策というのは地球温暖化にも寄与するんだということを大臣にも述べていただきました。  ありがとうございました。
  114. 石原宏高

    石原委員長 以上で原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  115. 石原宏高

    石原委員長 この際、生方幸夫君外一名提出修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣意見を聴取いたします。小泉環境大臣
  116. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 政府といたしましては、地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、反対であります。     ―――――――――――――
  117. 石原宏高

    石原委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。  討論の申出がありますので、順次これを許します。源馬謙太郎君。
  118. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 私は、会派を代表して、地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、修正案及び政府原案に賛成の立場から討論をいたします。  二十三日の本委員会で、私たちは将来世代を代表する参考人意見をお聞きしました。気候正義を求める彼女たちにとって、今の私たちは気候危機に対して不正義な行動しかできていないことを痛感いたしました。将来世代を生きる彼女たちの声を真摯に受け止める必要があります。気候危機に対応するために、国民参加を具体的に促す仕組みをつくり、国民と一緒に知恵を出し合い、より高い目標を掲げ、それを現実にしていく必要があります。  先日総理の発表された排出削減目標は到底十分なものとは言えませんでした。それどころか、その数値根拠が薄弱で、これまでエネルギー転換の努力を怠ってきた日本にとって、達成することは極めて困難な目標でもあります。  中国は国内石炭使用量の削減について、韓国は海外での石炭火力発電所への支援の中止を表明しました。日本からは何の言及もありませんでした。まずは使っているエネルギーを減らす必要があるのです。その上で、環境に負荷の小さな再生可能エネルギーを選んでいく必要があるにもかかわらず、省エネの具体的な内容が原案には盛り込まれていませんでした。  こうした問題点を改善すべく、我々は修正案提出いたしました。  今回審議されている温暖化対策推進法が成立したとしても、気候変動問題は解決しません。日本が世界でも有数の二酸化炭素排出国であることも変わりません。私たちは立法府の責任をもって、今の政治を変えていかなくてはいけません。  残念ながら、今回、私たち提出した修正案に対して政府は反対とのことですが、気候変動は人類最大の課題であり、今までの社会経済を抜本的に見直していく必要があるからこそ、国民が自ら考え、自分たちの将来に必要な選択を行う機会を創出する必要があります。  政府原案は、その中身がとても十分とは言えないものですが、まずは本法律案に二〇五〇年カーボンニュートラルという目標を書き込んだことを評価し、その方向性に賛成します。しかしながら、今後はより具体的な取組を示し、次の行動を起こしていかなければならないことを再度強調して、賛成討論とさせていただきます。(拍手)
  119. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  120. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 私は、日本共産党を代表して、地球温暖化対策推進法改正案について、賛成の討論を行います。  本法案は、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現を法律に規定しましたが、非常に不十分です。  本法案審議の最中に、菅総理が、二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標を二〇一三年度比四六%にすると表明しました。パリ協定の一・五度目標を達成し、気候危機を打開するためには、少なくとも半減させることが必要であり、さらに、世界で第五位の排出国である日本はより高い削減目標を設定しなければなりません。  同時に、内容が問題です。温室効果ガスを最も排出する石炭火力発電所の全廃が不可欠であるにもかかわらず、政府は石炭火力に固執し、新増設まで図っています。石炭火力からの決別こそ急務です。また、脱炭素電源として原発頼みを加速していることも重大です。東京電力福島第一原発事故に全く反省のない原発再稼働や新増設は国民の願いとかけ離れており、厳しく批判するものです。  再エネの飛躍的な普及のためには、エネルギー政策の抜本的な転換が決定的に重要です。政府は、再エネ優先接続、優先給電、送配電事業者による系統接続の確保や系統増強など、再エネ優先エネルギー政策を取るべきです。  我が党など野党は、原発ゼロ法案とともに、分散型エネルギー利用促進法案など四法案を共同提出しています。ここで示したように、大規模集中電源から地域主体の分散型電源への転換を図る確固とした立場に立ち、エネルギー政策の柱に据えてこそ、再エネの飛躍的な普及が図られます。  また、再エネ導入のやり方も重要です。域外の資本が利益を優先し、住民合意を無視し自然環境の破壊につながる開発が各地で問題になっています。導入に当たっては、今回の法案に盛り込まれた促進区域や実行計画の策定において、住民合意を徹底し、自然環境生活環境の保全を最優先するよう強く求めるものであります。  立憲民主党提案修正案は、住民合意プロセスを徹底し、より環境保全を重視するものであり、賛成するものであることを述べて、討論とします。(拍手)
  121. 石原宏高

    石原委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  122. 石原宏高

    石原委員長 これより採決に入ります。  内閣提出地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、生方幸夫君外一名提出修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  123. 石原宏高

    石原委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  124. 石原宏高

    石原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  125. 石原宏高

    石原委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、牧原秀樹君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。源馬謙太郎君。
  126. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。     地球温暖化対策推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 地域脱炭素化促進事業の実施に当たっては、水力、自然界に存する熱等の再生可能エネルギーも積極的に活用すること。また、エネルギーの使用の合理化や地域環境の整備に留意するとともに、地域の特性を生かした事業の展開及びその利益の地域の経済活動への還元等に配慮しつつ行われるよう努めること。  二 地球温暖化対策推進に当たっては、科学的知見の充実に努めつつ、地球温暖化の予防的な取組方法の考え方に基づき早期に対応すること。また、地域住民その他の多様な主体の参加と協力を得るとともに、透明性を確保しながら行うこと。併せて、将来の国民の過大な負担とならないよう迅速かつ適切に行うほか、我が国に蓄積された知識、技術、経験等を生かすとともに、国際社会における我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進すること。  三 国は、温室効果ガス排出量の削減等の施策推進に当たり、国民意見を国の施策に反映させるため、情報の提供や意見聴取等の必要な措置を講ずるよう努めること。また、地方公共団体に対し、住民の意見施策に反映させるための情報の提供や意見聴取等に努めるよう促すとともに、事業者に対しては、その事業者が講じた措置等についての情報の公開に努めるよう協力を求めること。  四 地球温暖化対策推進に当たっては、幅広い世代や分野の国民意見を聴取すること等により、国民意見を十分に施策に反映するよう努めること。  五 国は、その設置する施設について省エネルギー・再生可能エネルギー利用改修を計画的に実施し、エネルギーの使用合理化の促進や温室効果ガスの排出量削減等を図ること。  六 地域脱炭素化促進事業については、住民その他利害関係者の意見が十分に反映できるよう、地方公共団体実行計画を定めるに当たっては地域における公聴会の開催等が、また、地方公共団体実行計画協議会の構成員の選定に当たっては当該区域の住民等の参加が確保されるよう地方公共団体に対し促すこと。  七 促進区域に関する基準については、国立・国定公園等の保護地域への環境保全上の支障を及ぼさないよう慎重に検討すること。  八 大規模再生可能エネルギー施設を誘致する促進区域の設定を行う場合には、再生可能エネルギーの種類毎の特性等を踏まえつつ、原則として国立・国定公園等の自然環境上重要な保護地域が回避されるような基準を設けること。  九 地球温暖化に伴う気候変動に起因する影響が危機的な水準にあることに鑑み、温室効果ガス排出量削減等のための施策の在り方その他の気候変動に関する法制度の在り方について検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他の所要の措置を講ずること。  十 地域脱炭素化促進事業に関する地域の設定の在り方について検討を加え、その結果に基づき、環境の保全等のため所要の措置を講ずること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  127. 石原宏高

    石原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  128. 石原宏高

    石原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小泉環境大臣
  129. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ、努力してまいる所存でございます。  ありがとうございました。     ―――――――――――――
  130. 石原宏高

    石原委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  132. 石原宏高

    石原委員長 次回は、来る五月十一日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十八分散会