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2021-04-02 第204回国会 衆議院 環境委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年四月二日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石原 宏高君    理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君    理事 土屋 品子君 理事 福山  守君    理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君    理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       上杉謙太郎君    金子万寿夫君       神谷  昇君    小島 敏文君       武村 展英君    津島  淳君       出畑  実君    中谷 真一君       百武 公親君    古田 圭一君       細野 豪志君    務台 俊介君       八木 哲也君    近藤 昭一君       篠原  孝君    関 健一郎君       長尾 秀樹君    堀越 啓仁君       道下 大樹君    横光 克彦君       吉田 宣弘君    田村 貴昭君       串田 誠一君    森  夏枝君     …………………………………    環境大臣         小泉進次郎君    環境大臣        笹川 博義君    環境大臣政務官      宮崎  勝君    環境大臣政務官      神谷  昇君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 内田 欽也君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君    政府参考人    (スポーツ庁スポーツ総括官)           牛尾 則文君    政府参考人    (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君    政府参考人    (国土交通省航空局安全部長)           川上 光男君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  小野  洋君    政府参考人    (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局次長)        松澤  裕君    環境委員会専門員     飯野 伸夫君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二日  辞任         補欠選任   畦元 将吾君     出畑  実君   金子万寿夫君     津島  淳君   百武 公親君     上杉謙太郎君   務台 俊介君     中谷 真一君   横光 克彦君     道下 大樹君   斉藤 鉄夫君     吉田 宣弘君   森  夏枝君     串田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   上杉謙太郎君     百武 公親君   津島  淳君     金子万寿夫君   出畑  実君     畦元 将吾君   中谷 真一君     務台 俊介君   道下 大樹君     横光 克彦君   吉田 宣弘君     斉藤 鉄夫君   串田 誠一君     森  夏枝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  自然公園法の一部を改正する法律案内閣提出第四八号)      ――――◇―――――
  2. 石原宏高

    石原委員長 これより会議を開きます。  内閣提出自然公園法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣大臣官房審議官内田欽也君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、スポーツ庁スポーツ総括官牛尾則文君、林野庁森林整備部長小坂善太郎君、国土交通省航空局安全部長川上光男君、環境省地球環境局長小野洋君、環境省自然環境局長鳥居敏男君、環境省環境再生資源循環局次長松澤裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石原宏高

    石原委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
  5. 務台俊介

    務台委員 おはようございます。自由民主党の務台俊介です。  今日は、自然公園法の一部改正法に関して質問をさせていただきます。  まず、自然公園政策変化について伺いたいと思います。  これまで、環境省というと環境保全第一主義で、どちらかというと、地元からすると、うるさい存在という見方が多かったように思います。国立公園国定公園特別保護地区特別地域の網をかぶせ、開発を厳しく抑制するという手法がその手段でございました。  一方で、欧州などを見ると、いかにダイナミックな自然に人々を接するようにいざなうのか、そういう意識が優先しているように感じられます。欧州のアルプスによく見られる登山鉄道などは、日本では一般的ではございません。  こうした指摘に関する環境省自身自己認識、そして、今回の法改正に結びついた考え方変化があるとしたらどのようなものがあるのか、伺いたいと思います。
  6. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 おはようございます。今日も、法案審議、よろしくお願いします。  務台先生からは、今までは、環境省というと、地域からすると、うるさいというか、こういう組織じゃなかったかという認識を披露していただきましたが……(務台委員「僕はそうは言っていない」と呼ぶ)先生じゃなくて、ある方が言っていたんですね。地域の方に、まさにそういう思いではなくて、地域活性化に貢献をする環境省でありたい、そういった思いがこの自然公園法改正にもこもっています。  最近、私、北海道の知床で御協力もいただいている知床財団の方とも意見交換をしたときに、こういうふうな言葉を言われて、ああ、いい言葉だなと思ったのは、自然の保護とそして利用、この関係については、利用のルールがしっかりしていることが適正な保全にもつながる、こういったことってそのとおりだろうというふうに思います。  ですので、今回、自然公園法改正の中で、利用面、こういったことをしっかり後押しをすることは、自然の保護をないがしろにすることではなくて、むしろ守るべき自然を適正に守っていくことと、そして地域活性化、この利用を共に回していく、こういった発想に立ったんだということで、地域皆さん、特に、務台先生の御地元長野県の松本市などは、乗鞍高原、ゼロカーボンパークという新たな発想で、単純に自然の魅力だけに限らず、プラスチックを減らしていくこととか、EVを、この駐車場無料化にすることとか、様々、総合的に持続可能な公園を造っていく、脱炭素にも資するゼロカーボンパークを造る、こういった動きも新たに支援をしていきたいと考えております。
  7. 務台俊介

    務台委員 今、保全活性化、両立するというお話、これは本当に必要だと思いますし、是非その動きを加速化していただきたいと思います。  今大臣おっしゃった私の地元松本市に、上高地という世界でも有数の景勝地がありますが、そこの地元では、上高地ビジョンというものを作って、山岳関係者上高地保全活性化在り方の議論をしてきております。  また、ただいまお話がありました乗鞍地域でも、地元関係者乗鞍ビジョン作りを行っておられます。過日、大臣がリモートでその皆様お話をされたというのが新聞に載っておりまして、大臣がそういう現場まで目配りをされている、本当に皆さん感謝しておられます。  今回の法改正の中で、地域主体協議会を設ける枠組みが設定されております。こうした枠組みというのは、私から見ると、上高地などの地元の先行した取組を国の制度に入れ込んでいる、そのように感じられます。  また、公園事業執行する事業者から協議会設置の要請を行える制度が今回の法改正で盛り込まれておりますが、公園事業の諸課題を熟知されている在野の関係者のイニシアチブというのは大変有効でございますので、これは大歓迎とさせていただきたいと思います。  特に国立公園内で長年山小屋を営んでいる皆様の声は貴重でございます。上高地だけでなくて、各地域でこうした協議会の場が設置されていくことを大いに期待したいと思いますが、環境省として、地域主体協議会活用とそれを全国展開するためにどんな対応を考えているのか、伺わせていただきたいと思います。
  8. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  議員指摘のとおり、国立公園等管理運営に当たっては、公園事業者山小屋を始めとした地域との協働が不可欠であり、上高地国立公園満喫プロジェクト実施地域等先行事例を踏まえまして、地域主体協議会を積極的に活用し、地域との協働型管理運営を更に強化していきたいというふうに考えております。  協議会を多くの地域で設置していただくため、令和三年度予算において、地域が取り組む自然体験活動促進魅力的な滞在環境整備に関する取組について支援をすることになってございます。令和四年度以降も、地方自治体公園事業者等とも連携し、技術的な面も含めて必要な支援を行ってまいります。
  9. 務台俊介

    務台委員 今回の法案の中で、利用拠点整備計画自然体験活動促進計画が明示されておりますが、その計画に載っかった事業については、その実施の際に許認可の特例を受けられるというメリットを付与されております。こういうインセンティブは大変有効だと思いますし、評価したいと思います。手続面特例というのも大事ですが、欲を言えば、計画に盛り込まれた自治体事業については、例えば過疎法における過疎計画にあるような公的支援、こういうインセンティブづけも将来あり得ると思います。例えば、自治体事業については、国立公園事業地方債というような枠組みをつくるといったことも考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  10. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えします。  地方自治体が行います公園事業施設整備利用拠点整備等事業につきましては、先ほども申し上げましたとおり、令和三年度の予算において支援をすることとしており、そのハード事業に係る地方負担につきましては地方債の充当が可能となっているところでございます。  法案が無事に成立した暁には、地域の主体的な取組を促すため、計画上の事業に対しましてどのような支援ができるか、関係省庁とも調整の上、引き続き検討を進めてまいります。
  11. 務台俊介

    務台委員 できるだけ自治体に有利な仕組みになるように工夫をしていただきたいと思います。  国立公園等において、ホテルや旅館の廃屋が景観を害し、観光客をがっかりさせている実態がございます。小泉大臣も、この問題の解決の必要性をしきりに強調されておられます。今回、利用拠点整備改善計画の中でこうした対応も可能となると認識していますが、一方で、こうした廃屋については事業者責任の要素というのも当然ながらあろうかと思います。令和三年度予算の中での予算措置も用意されておりますが、廃屋撤去手続事業者費用負担在り方について具体的にどんな対処を行っていくのか、伺わせていただきたいと思います。
  12. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  環境省では、令和元年度より、魅力的な滞在環境整備の一環として廃屋撤去費補助事業実施してございます。撤去後の跡地を廃屋所有者以外の民間事業者活用する場合に限定してございますが、また、廃屋所有者撤去する場合も含めまして、二分の一の自己負担を求めることとなっておりまして、国の支援を行いつつ、所有者関係者からも負担を引き出す仕組みになってございます。  その上で、議員指摘廃屋所有者による自主的な廃屋撤去促進に向けて、まずは、今回の改正案に基づく利用拠点整備改善計画に係る協議会などを通じて、所有者による廃屋撤去廃屋化未然防止について、地域関係者とともに検討活性化してまいりたいと考えております。
  13. 務台俊介

    務台委員 是非、今回の制度によって、国立公園国定公園が本当に美しくなったというような、転機になるような活用をしていただきたいと思います。  これまで、山小屋というのが登山道整備を行ってきたというのが実態でございます。一方で、コロナもありまして、山小屋が軒並み体力を消耗しております。  参考資料も配付しておりますが、去る三月二十二日には、長野、富山、岐阜の三県の九十六の山小屋でつくる北アルプス山小屋協会、そして環境省中部山岳国立公園事務所が連名で、登山者山岳利用山小屋現状への理解協力を求める声明を出しております。  山小屋に頼って登山道整備を行ってきたという現状を踏まえつつ、一体、登山道整備法的位置づけは何なのか、責任主体はどこなのかということが改めて問われていると思います。登山道整備についての自然公園法上の責任主体を伺わせていただきたいと思います。
  14. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 自然公園法におきましては、国立公園等利用上重要な登山道公園計画歩道事業として位置づけられてございます。歩道計画に基づき執行する歩道事業は、国立公園にあっては国、国定公園にあっては都道府県が責任主体として執行するほか、認可等を受けた場合には、地方公共団体民間事業者等が自らの責任において公園事業執行することが可能となってございます。  また、公園事業執行者が不在の場合でも、議員指摘のとおり、山小屋を始めとした地域関係者土地所有者等協力により、登山道整備維持管理が行われている場合がございます。
  15. 務台俊介

    務台委員 様々なやり方があるということでございました。どうもそこら辺の区分が必ずしも外から見て明らかでないものですから、その整理もこれからしていっていただきたいと思います。  自然公園法第四十九条で公園管理団体指定制度があります。今回、その指定要件緩和によって、登山道整備に関わる山小屋公園管理団体指定対象になり得る、そういう御説明事務方からいただいております。ある意味では、法律上の位置づけを得ることによって、山小屋公的位置づけというのが今回行われることになろうかと思います。どのような手続でこの公園管理団体指定されることになるのか、伺いたいと思います。
  16. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  今回の改正により、公園管理団体指定要件として、これまでは調査研究等実施能力を有するものということが入ってございましたけれども、これを必須としないということにいたします。これにより、登山道維持管理を行う法人も指定が可能となります。  これを受けまして、法改正に伴う省令等整備の中で、山小屋公園管理団体位置づけられることが更に明確になるよう、今後検討してまいります。
  17. 務台俊介

    務台委員 この改正山小屋公的位置づけが更に進むということを是非期待したいというふうに思います。  そういう意味大臣質問したいんですが、伝統ある山小屋の中には、民間でやってきたところで、コロナに見舞われ、運営が立ち行かないというところが今後出てきそうでございます。山小屋がなくなると、登山道整備ベースキャンプ機能が失われ、国立公園は荒れてきます。  山小屋の中には、山小屋公設民営ということをこれから考えていかなきゃいけないんじゃないかということを言い出しているところもあります。公的セクターが出資するなり、施設整備を引き受け、それを民間事業者運営委託するといった上下分離対応、これも真剣に考えていかなきゃいけないというふうに思います。そのためにも、それを体系立って行うことのできる根拠法というのも必要じゃないかというふうに思っております。  山の日の制定に向けて主導的役割を果たした山の日協議会というのがありますが、そこでは、山岳振興基本法というような仕組み構想を温めております。環境省として、こういう構想に対して是非支援していただきたいとも思うんですが、お考えを伺いたいと思います。
  18. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、先生指摘公設民営山小屋、これは、確認しましたら今でも結構あるそうで、現行法の中でも十分可能だというふうに認識をしています。  また、山小屋事業者トイレの提供とか登山道整備とか維持とか、こういったことをやってきていただいている中で、環境省としても、登山道維持管理などの支援を行ってきましたし、環境配慮型トイレ整備に係る補助事業、これを継続をして、再整備についても、条件により補助できるように対象の範囲を拡充するなどの支援を行ってきたところであります。  今先生に二点目で御指摘あった山岳振興基本法、これとかも、山の根拠法を作るべきだということなんかは、私も事務方が聞いたというふうにも伺っていますし、詳細は私は承知しておりませんが、山を愛する務台先生山小屋支援も今まで継続的に取り組まれ、長野県の自然の魅力地域づくりに生かしていきたいという思いは、全く同感であります。  私も、子供の頃、小学校の学習旅行みたいなのが長野県だったので、そのときに飯盛山に登山をしたことも今でも覚えています。大学のときは、富士山にも、弾丸登山といって、夜中に登って朝に頂上に着く、そういったことを私もやりました。  山に魅せられている人、多いと思います。長野県含めて、山岳振興、これは環境省にとっても非常に大事ですから、国立公園振興と併せて進めていければと思っています。
  19. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございます。  山の日協議会皆様も、大臣の今のお言葉、大変感謝しているというふうに思います。  ところで、政府系金融機関仕組みで、資本性劣後ローンという仕組みがございます。これは、関係省庁に聞いてみると、借り手になかなか理解が広がっていなくて、資本性劣後ローンの枠が大幅に余っているということがあるようでございます。  資本性劣後ローン山小屋にも注入するということはあり得るのではないかというふうに思います。コロナ禍で特に一考に値すると考えておりますが、いかがでしょうか。
  20. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 公園事業の適切な執行を図る観点から、今後、公園事業者経営状況等実態把握を進めるとともに、中小企業庁と連携し、中小企業再生支援協議会による経営改善再生計画策定への支援、あるいは再チャレンジ支援等につなげていきたいと考えてございます。  御指摘政府系金融機関による資本性劣後ローンにつきましては、新型コロナウイルスによる影響を乗り越えて業績回復や成長を目指す事業者、創業や事業再生に取り組む事業者支援活用が可能であると承知しておりまして、中小企業再生支援協議会による支援検討を進める中で、公園事業者のニーズも踏まえまして、その周知を検討してまいります。
  21. 務台俊介

    務台委員 是非、積極的な活用をよろしくお願いします。  今、山小屋が一番苦労しているのは荷物の運搬なんです。昔は歩荷といって、しょって上がったんですが、今はその歩荷をやる人がいない。非常にきつい労働でございます。そこで、ヘリコプターが使われていたんですが、ヘリコプターもなかなか、今ヘリのパイロットもいなくて価格が高騰しています。  そこで、ドローンを使いたいということで今実験をしているんですが、航空法規制で、これまで、ドローンは地上から百五十メートル以上は飛行できないというそんな仕組みがありました。そうなると、山は起伏があるので、山の形に沿って上下しながら飛行しなきゃならない、そうすると電池がもたないという話があって、直行していけないかというそんな要望がありまして、小泉大臣にも関係者が要請したところでございますが、この点についての規制見直しがどうなったか、伺いたいと思います。
  22. 川上光男

    川上政府参考人 お答え申し上げます。  国土交通省では、小泉環境大臣山小屋団体意見交換されたことを受けまして、環境省を通じ、山間部での物資輸送における無人航空機利活用が進むよう、航空法許可承認基準緩和要望をいただいておりました。  また、河野規制改革行政改革担当大臣の下の直轄チームを通じて、同様の要望を受けていたところです。  これらを受けまして、国土交通省では、補助者なしの目視外飛行を行う際、必要な安全対策を講じること等を前提に、高度百五十メートル以上の飛行が可能であることを明確化するよう、許可承認基準改正を先月三十日に行ったところです。  今後も、飛行の安全、安心を確保しつつ、無人航空機の更なる利活用の拡大を推進してまいります。
  23. 務台俊介

    務台委員 私の質問に間に合うように見直しを行っていただいたということで、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。  ちょっと時間もありまして最後になりますが、今回の法律改正で、三十七条第一項に第三号を加えることで、野生動物の餌づけ規制措置が講じられております。  知床で、観光客ヒグマ撮影のために注意喚起を無視して餌をやる行為が横行している実態を踏まえ、罰則による規制が講じられているということで、これはこれで本当に必要な措置だと思います。  一方で、熊のすむ森というのは、ベアアンブレラという言葉があるように、そこは生態系が保たれている証拠であるという考え方があるようでございます。そういった考え方の下で、土屋品子先生も顧問をされている日本熊森協会など野生動物保護団体が、熊の餌となるドングリが不作の年に、熊が里に下りてこないように山にドングリを持ち込むことによって熊を守るという活動をしておりますが、これも規制対象となるのではないかという懸念が生じております。  条文では、八十六条一項九号で、特定の地域内で、職員の指導に従わず、みだりにという条件を設けた上での罰則つき規制とされており、懸念は当たらないと認識しておりますが、この確認をさせてください。
  24. 石原宏高

    石原委員長 鳥居局長申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  25. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 はい。  餌づけ等の規制につきましては、野生動物生態影響を及ぼし、公園利用上の問題が懸念される行為規制しようとするものでございます。  御指摘ドングリを持ち込む行為につきましては、公園利用が想定されるような場所で行われない限りは、基本的に公園利用上の問題は懸念されないため、規制対象にはならないと考えております。
  26. 務台俊介

    務台委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  27. 石原宏高

    石原委員長 次に、堀越啓仁君。
  28. 堀越啓仁

    堀越委員 おはようございます。立憲民主党・無所属の堀越啓仁でございます。  本日も、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。  そして、まず冒頭、前回の質疑の際にビーガンの子供たちの手紙を受け取っていただきまして、大臣、本当にありがとうございました。お礼のメッセージとともに、やはり、食の多様性、そういったところも環境という側面からも牽引してもらいたいということを、また声をいただきましたので、是非取り組んでいただきたいというふうに思いますし、まだまだ国民の皆さんの中にも、そういう意味では、食と、実は私たちが得ている豊かさが何かの犠牲の上に成り立っているんだ、そういうことについてまだまだ気づいておられない方々もたくさんいるので、それは我々の方からもしっかり発信をしていかなきゃいけないことだというふうに思っています。  今回は、自然公園法改正についての質疑ということでございまして、私も群馬県でございますし、尾瀬ケ原という国立公園があります。ここの保全については、私も何度か足を運ばせていただいたりもしましたけれども、長いこと、地元皆さんの御努力と多くの方々の力で保全がうまく進んでいるというところであると思います。  しかし、そうはいっても、これから質疑もさせていただきますが、気候変動影響というのも、やはり生態系が変わってくる大きな要因の一つでもあります。そういった変わっていく自然環境に対して、どのように保全利用と、そして回復もやっていかなければいけないということだと思いますので、それに関わる質問をやらせていただきたいというふうに思っています。  私、元々、自然系国会議員ですというふうに自称させていただいておりますが、屋内にいるよりも外にいることの方が本当に好きで、デーキャンプ、それこそ、キャンプ、それからフリースタイルスキーもずっとやっていて、あとボルダリング、山の中にいることが本当に好きなんです。  私、この環境行政、環境委員会に所属させていただいて本当によかったなというふうに思うんですが、やはりこの会議室自体が非常に無機質なんですよね。ここに、できれば何かもう少し有機的なものがあるといいななんというふうにいつも思っていて、いろいろなところに視察に行くのもいいんですけれども、私から是非提案させていただきたいのは、環境行政を担う環境省の職員の皆さんや、それこそ自然公園法、大事なレンジャーの皆さんや私たち委員で、みんなでたき火しませんか。たき火を囲んで、これは実際、社員研修なんかでもそういうたき火を取り入れている、あるいはデーキャンプを取り入れているという社員研修の在り方というのもあります。  だんだんだんだん、自然と私たちのビジネスというのが一体となっているんだということ、あるいは、たき火を、火をおこして育てるというこの工程そのものが実は主体性や責任感を持たせることにもつながるんだという、そういうことがあります。  そういう意味では、本当に自然を相手にしていかなきゃいけない、地球環境全体を見ていかなきゃいけないという思考を私たち自身が持たなきゃいけないということだと思うので、自然の中でたき火を囲んで、そして環境や地球のことについて思いをはせるという、この原点に立つということが、私は、一回スーツを脱いで、みんなでやっていったらまた新しいアイデアが出てくるんじゃないかなというふうに思いますので、ちょっと提案をさせていただきたいと思います。  それでは法案の中身に移らせていただきたいと思いますが、今回の改正案は、地域の主体的な取組を促す仕組みを設けて、国立公園などの魅力の向上と地域活性化を目的とするものであります。  先ほどお話もさせていただきましたが、私、群馬県でございまして、尾瀬ケ原というものが、尾瀬国立公園というのがあります。これは湿原の景観で、非常にすばらしい国立公園となっているというわけですけれども、だんだんそのニーズが変わってきているというふうに私は思っていまして、元々は、結構、団体でトレッキングですとかあるいは国立公園を散策するというふうなニーズがあったと思うんですが、団体から個人型にだんだん近年では変化してきているというふうに思っています。  群馬県も、低山、低い山もたくさんあって、本当にいい、ピークまで一時間ぐらいで登れる山がたくさんあるんですけれども、私も時間があるときには山に登るんですが、やはり個人で登られている方々が結構増えていますね。昔は団体で連なってばあっと行った、そっちの方が安全性はあるんでしょうけれども、しかし、個人のニーズというのが結構上がってきているなというふうに思っています。そうした旅行のニーズの変化対応するためにも、今回の国立公園在り方国定公園在り方改正というのは、やはり利用という側面からすると必要なんだろうというふうに思っております。  その一方で、利用面の施策の強化という改正に当たって、魅力向上に伴う持続性のある利用と同時に、自然の保護、これはやはり大前提になるというふうに思っています。保全の質も上がっていく実効性のある取組でないといけないというふうに思っているんですが、先ほどもお話しさせていただきました気候変動影響というのも、当然、こうした国立公園内にも起こっております。ある意味では、国立公園の成り立ちそのものが、自然の生態系の中で、生物多様性であるとか、環境のいわゆる特性によってその公園が保たれてきたという背景はあると思うんですね。  例えばこの尾瀬ケ原も、湿原というのは生物多様性の宝庫でもあるわけですが、しかし一方で、気候が変動することによってのダメージも受けやすい、変化が起きやすいというところにもなるというふうに思っています。  そういった観点から、国立公園国定公園においても、気候変動に対して、適応した生態系保全回復を図る必要が私はあるというふうに思っています。  そこで、保全利用、両方の面からの気候変動への適応策の検討や管理の実施が今後喫緊の課題であるというふうに考えられると思いますが、その対応について、新たに気候変動担当大臣も担われている小泉環境大臣の御見解を伺いたいと思います。
  29. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生が御指摘をされたとおり、国立公園内における自然や生態系に対する気候変動影響、これは懸念をされているところでもあります。  例えば先生の御地元の、今、尾瀬ケ原、尾瀬国立公園の話になれば、鹿が相当増えていると。そしてさらに、気候変動などの影響で、先生が今、湿原は生態系の宝庫だと言いましたが、この湿原が乾燥化をする、こういった影響懸念、これもあると聞いています。  環境省としては、そういったことを、気候変動の適応策の検討は重要だと考えていますので、平成三十年度に国立公園等保護区における気候変動への適応策検討の手引きという手引を取りまとめていて、気候変動に対するレジリエンスの高い健全な生態系保全回復を図るという観点から、引き続き、鹿対策や外来種の駆除、こういった取組を進めていきます。  今後もモニタリングはしっかりやりますし、必要に応じて野生動植物の保護、景観維持のための事業などを実施していくことで、保全利用の両面から適応策を講じていきたいというふうに考えています。  なお、先生の提案されたたき火、機会がありましたら是非一緒にやらせていただきたい、楽しみにしています。
  30. 堀越啓仁

    堀越委員 ありがとうございます。  お答えいただいたように、尾瀬ケ原、鹿の食害というのが非常に多くなっておりますし、生息域が拡大してきている、これも気候変動影響等々もあると思いますので、こういったところの対応はやはり喫緊の課題なんだろうというふうに思います。  気候変動適応法が制定され、そして、起こってしまっている気候変動に対しては対応緩和と適応、両輪で進めていかなければいけないということでありますので、これは国立公園国定公園においても是非やっていかなければいけない大きな課題であるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、自然公園における民有地の買上げについて伺いたいと思います。  国立公園等は国土の生物多様性保全の観点から重要な役割を担っていくことが必要であることから、平成二十一年の法改正で、生物多様性の確保への寄与が目的規定に加えられるということがこれまでありました。  我が国の国立公園国定公園は、土地の所有権に関わりなく指定する地域公園制度になっていますね。例えば、アメリカであれば、土地自体が公園の占有地になっている営造物公園という枠なので、そういったものとはちょっと違う。つまり、これは、国立公園とはいっても、民有地がたくさんその中には存在しているということであって、公園によっては私有地が半分以上の国立公園であるとか、あるいは八割以上に及ぶ国定公園も存在していると承知しております。  しかし、そうはいいながらも、自然保護対策上重要なものであると位置づけて、この民有地を国が買い上げるということができるような制度というのが、特定民有地買上事業というのがあるわけですけれども、まず、ちょっと確認させていただきたいんですが、自然公園における民有地の割合が最新のデータだとどれぐらいになるのか。加えて、この事業の概要とこれまでの実績についてお聞かせいただきたいと思います。
  31. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  自然公園における民有地の割合は、国立公園にあっては二五・八%、国定公園は四〇・九%、都道府県立自然公園が四七・九%となってございます。  特定民有地買上事業は、国立公園等のうち、自然環境保全上特に重要な地域であって、民有地であるために当該地域を買い取らない限り私権との調整上厳正な保護管理が図れない地域対象といたしまして、土地及びその上に所在する立木を含めて国が直接買い上げ、公有地化することにより、適正な保護管理を図るものでございます。  過去十年間で、六つの国立公園等の二千六百二十七ヘクタールについて買上げを行ってございます。
  32. 堀越啓仁

    堀越委員 ありがとうございます。  国立公園で二五・八%、国定公園の四一・三%が民有地ということですね。  奄美群島の国立公園等々で特定民有地買上事業実施されているというふうに思いますが、かなりの数、民有地が存在しているということでありまして、民有地そのものが現状これだけあるから、すぐすぐこれは国が買い上げなきゃいけないということではないと私も思っています。その緊急性が保全のために高いと思うところであるとか、非常に、生物多様性の観点から私権との調整をして買い上げる必要、保護が、強化が求められるところということは私も承知しておりますので、是非そこはしっかりと注視をしていただきたいというふうに思います。  しかし、この特定民有地買上事業というのは、かなり予算規模が限定されているというところもありますし、買上げの対象地が国立公園特別保護地区、第一種特別地区に限定されている。第二種、第三種特別地域というのもありますから、しかし、そこもやはり自然環境保全上重要な地域なんですが、これは買上げ対象となっていないんですね。  やはり、先ほどからお話しさせていただいているように、気候変動影響、災害の激甚化、様々あります。それによる生態系への影響の拡大が予測されておりまして、生態系活用した防災、減災、気候変動への適応への対応を国立・国定公園にも進めることが私は求められているのではないかなというふうに思っています。  実際、じゃ、気候変動に対して、国立・国定公園が自然生態系活用した防災・減災対策、実際講じられているのかどうか、あるいは、これからどうなっていくのかということを考えていったときに、我が国が直面している少子高齢化、人口減少、これはやはりこういったところにも難しい側面を出してくるんじゃないかな、つまり維持管理、これが難しくなってくるというところもあると思いますので。  そういったところを先立って考えていくのであれば、五十年後、百年後を見据えて考えていくのであれば、やはりこの対象を、いわゆる特定民有地買上事業対象国立公園国定公園特別地域全体に拡大して、地元との調整も着実に進めながら生物多様性保全の確保に寄与し、そして、自然環境保全上特に重要な民有地の買上げによってその保護管理を充実させていくべきなのではないかというふうに考えているんですが、この辺りについての環境省の見解を伺いたいと思います。
  33. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 自然環境保全上特に重要な地域であって、民有地であるために当該地域を買い取らない限り私権との調整上厳正な保護管理が図れない地域につきましては、引き続き民有地の買上げを進めていくことが重要と考えてございます。  例えば、令和三年度は、多くの固有種が集中して分布する、国内最大規模の亜熱帯照葉樹林の生態系を有してございます奄美群島国立公園の一部を買い上げる予定としてございます。  一方で、国立公園等における買上げの対象は、今議員が御指摘のとおり、自然環境保全上特に重要な地域である特別保護地区及び第一種特別地域としておりまして、潜在的な買上げ候補地は一定程度、面積、たくさんあるというふうに考えてございます。そして、直ちに対象を拡大することはなかなか難しいというふうに考えてございます。  今後とも、重要な民有地の買上げを着実に進めるとともに、民間のナショナルトラスト活動のようなものと、そういった土地買上げ活動とも連携してまいりたいというふうに考えております。
  34. 堀越啓仁

    堀越委員 鳥居局長の方からナショナルトラストという言葉を出していただきました。本当に、重要となる地域については積極的に買上げというのも検討していっていただきたいというふうに思います。  今、自然災害が多発している状況の中で、国土強靱化という言葉が使われるようになってきています。国土の在り方にもこれは大きく影響するものだというふうに思っています。自然公園そのものの生物多様性保全していくということももちろんそうなんですが、防災や減災の観点からも、こうした自然生態系利用した防災、減災の在り方というのをやはり実行に移していくためにも、実際、自然の循環であるとか多様性を守ること自体が、実は私は、最もやらなければいけない、特に環境省はやらなければいけない国土強靱化の一つの仕事なんじゃないかなというふうに思っておりますので、是非これからも適切に、私はこの対象をいつか拡大ができるといいんじゃないかなというふうに思っていますので、また議論させていただきたいと思います。  続いて、先日、我が党において、風力発電所建設に向けた環境アセスに関わる規模要件の緩和に対して緊急の申入れをさせていただいたことに鑑みて、自然公園内における再生可能エネルギー施設の設置について伺いたいと思います。  現在、国立・国定公園における再生可能エネルギー施設などの工作物の設置というのは様々な形で規制をされているわけでありまして、特別地域内においては、自然公園法第二十条に基づいて、審査をしたり、指導等を行ったり、許認可を受けるためにも、環境大臣、さらには、国定公園においては都道府県知事の許可を得るなどの規定をされているということだと承知しています。  また、同法の第十条三項で、一ヘクタール以上の面積を必要とする工作物の設置等については、植物、動物等への影響、又は景観ですとか、代替する手段がないのかどうかということをしっかり適正に評価をして、そして検討を進めていくという規定が現在あるわけですが。  政府として、二〇五〇年度段階にカーボンニュートラル、これを目指していくという方針を出されました。これも絶対にやらなきゃいけないことだと私も思います。そんな中で、国定公園国立公園内における再生可能エネルギーの設置等々について、今後は更にそのニーズや必要性等々が出てくる可能性というのも十分あるのではないかなというふうに思っています。  そこで、もちろん脱炭素、カーボンニュートラル実現に向けて、ありとあらゆる技術を結集していくということは何よりも必要なことだと思いますが、しかし、国立公園国定公園の性質上は、やはり環境保全ということがまず第一の柱で、そこに利用というものがついてくるというような形、両輪でということでもあるとは思いますが、その保全に支障が生じないかどうかということがやはり求められているんだというふうに思っています。  そこで、国立・国定公園内における太陽光発電や風力発電の再生可能エネルギー施設の設置に当たって、自然景観や生物多様性保全に支障が生じないように、また、地域での合意形成を図りながら、再生可能エネルギー施設の設置、活用を図る必要性について、環境省の見解を伺いたいと思います。  加えて、使用済みの太陽光パネルを始めとして、今後その廃棄量が増大するということが見込まれている中で、使用済みの太陽電池モジュールには有害物質等々も含まれているということでもありますので、この使用済み太陽光パネルの回収、適正処理の問題が生じているかどうか、その辺り、私は生じているというふうに思っておりますが。  いわゆる発電事業終了後の再生可能エネルギー施設の撤去計画的に実施され、適正に処理が実施されることが重要で、とりわけこの太陽光パネルの廃棄については、使用済み太陽電池モジュールを埋立処分する場合の処分方法や、使用済み太陽電池モジュールに含まれる鉛等の有害物質に関する情報提供も併せて取り組む必要があると思いますが、この点、ちょっと併せて環境省の見解を伺いたいと思います。
  35. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 まず、私の方から前段の御質問についてお答え申し上げます。  国立公園等の守るべき自然は守りつつ、地域での合意形成を図りながら、周辺地域も含めた適地での適切な規模の再生可能エネルギー施設が設置、活用されるよう促していく必要があると考えてございます。  近年、国立・国定公園内においても太陽光発電や風力発電施設等の設置が増加してございますが、その設置に当たっては、自然景観や生物多様性保全の観点から審査、指導等を行うことに加えまして、発電終了後の撤去に関する計画の作成についても求めているところでございます。  一方で、国立公園国定公園は、国内外の多くの観光客を引きつけている地域でもあります。先進的なカーボンニュートラルの取組をシンボル的に進めることも重要と考えてございます。そのため、自然環境保全にも配慮した地産地消型の再生可能エネルギー施設の設置やサステーナブルなツアーの実現等を図ってまいりたいと考えてございます。
  36. 松澤裕

    松澤政府参考人 先生指摘の、太陽光発電のパネルの処理の問題についてお答えいたします。  太陽光発電については、短期間で大量の導入が進んでおりまして、二〇三〇年代にパネルの排出が徐々に増え始めまして、半ば以降にはピークに達するというふうに私ども見込んでおります。  使用済み太陽光パネルに関しましては、可能な限りリユース、リサイクルを進めるとともに、先生指摘のとおり鉛が含まれる可能性もございますので、こうした有害物質にも考慮した適正処理が必要だと考えております。  このため、環境省では、太陽光発電設備のリサイクルの推進に向けたガイドラインというのを平成二十八年に作っておりまして、更にこれを平成三十年に改定をしまして、一つは、埋立処分に当たっては管理型の最終処分場に埋め立てる、こういうことによって有害物質の管理が浸出水の処理を通じて適切に行われるようにする、こういうことを定めております。また、有害物質の情報に関しましてですが、太陽光パネルのメーカー、販売業者、それから解体、撤去業者、それから廃棄をする事業者関係者で適切に情報が伝わるようにすること、こういったことをこのガイドラインの中で求めております。  引き続き、このガイドラインの周知徹底を通じまして、リユース、リサイクルを前提に、使用済み太陽光パネルの適正処理の推進を図ってまいりたいと思います。
  37. 堀越啓仁

    堀越委員 さっき鳥居局長の方から、サステーナブルなツアーって、お答えいただけるのであれば、ちょっと聞いてみたいんですが。
  38. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  例えば、マイカーを使わずに、できるだけ自転車を使って二酸化炭素を出さないようにするとか、あるいは、ビジターセンターなんかでは、ペットボトルを使わないようにして、プラスチックのものを使わないようにするとか、そういった細かいことですけれども、その積み重ねによってそういったサステーナブルなツアーを推奨していきたいというふうに思っております。
  39. 堀越啓仁

    堀越委員 ありがとうございます。  よく分かりました。必要ですよね。それはもう絶対やっていただきたいというふうに思います。  近年、太陽光パネルの廃棄については、社会問題とこれからますますなっていくんだろうというふうに思っています。そこで、先ほどおっしゃっていただいたガイドラインに示していただいて、適切な管理型のところに廃棄をしていくような形というのも当然必要ですし、リサイクルであるとかリユースということも当然必要になってくるというふうに思います。  そんな中で、さはさりながら、資源を使って何かを生み出して、またそれを廃棄するという在り方というのはやはり持続可能ではないんだろうというふうに思っている一方で、そこで出てきたのが、ようやくサーキュラーエコノミーという言葉が国会内に出てきたのは、私は本当にうれしかったですね。  サーキュラーエコノミーというのは、ある意味では、製品を造るときには、その先まで考えて製品を造って、それが循環するということでのエコノミーを動かしていくんだという概念で、EUではもうスタンダードになってきているということだと思います。  こういったサーキュラーエコノミーが徹底されていくことによって、こうした有害物質等々の懸念等々も少なくなっていくんだというふうに思いますので、このサーキュラーエコノミーは全力で進めていかなきゃいけないということも、こういったところからも言えるんじゃないかなというふうに思っています。  次に、ちょっと話題が若干変わりますが、今回の自然公園法改正に係る枠組みは、ソフト面とそしてハード面と二つあると思うんですね。ソフト面については地域の主体的な自然体験アクティビティー、ハード面に関しては利用拠点整備を図るもので、いずれにしても、地方環境事業所が積極的に支援することが想定されていることから、その地方環境事業所の役割というのはすごく重要だというふうに思っております。  現在、環境省における国立公園の管理体制は、全国十か所、地方環境事務所等が国立公園の事務を行っていて、その下に、各国立公園国立公園管理事業所、自然保護官事務所などが設置されている。  私、自然系国会議員ですというふうに言っていますが、なぜこういうふうに言い始めたかというと、レンジャーの皆さん、これは自然系職員というふうに呼ばれるわけで、そこで、自然系職員の皆さんがいるんだったら自然系国会議員もいていいんじゃないかということで、そこから取ってきたわけですけれども。  レンジャーの皆さんの活躍が更に求められる、しかも、これまで国立公園内で活動されているレンジャー、アクティブ・レンジャーの皆さんの仕事と求められる目的というのが更に増えてきている状況だと思うんですね。  例えば、希少種の保全、これはもう当然ですし、何か巡回をして問題が起こっていないかどうかということをしっかりチェックをしていくということも当然必要でありますし、さらに、外来種対策ですとか鳥獣対策、いろいろなことをやらなきゃいけないという状況の中で、さらに、今回また自然公園法改正利用という側面が入ってくると、また更に一つ重要な役割が増えるんじゃないかなというふうに思っています。  レンジャーの皆さん、今、地方全体で約三百六十人ですかね、承知をしていますが、アクティブ・レンジャーさんでいうと百三十人しかいない状況で、膨大な管理面積を考えた場合に、本当に大丈夫なのかという、今でも本当に御苦労されているんだと思いますが、諸外国と比較してもかなり数は少ないんですね。  この辺りについて、業務の実態に即した更なる地方事務所等のレンジャー増員による現地管理体制の充実及び強化に向けて万全を期する必要性について、環境省の見解を伺いたいと思います。
  40. 笹川博義

    ○笹川副大臣 御質問ありがとうございます。  また、レンジャーに対する深い御理解と御支援を賜りまして、感謝を申し上げます。  委員も御承知のとおり、尾瀬の国立公園においても、これは先ほど来お話があったとおり、鹿と熊等の食害も含めて、さらには希少種、これは気候変動、それからもう一つは、やはり人が入るということで、靴底に、よく種子がつかないようにというような形の中で、いわゆる尾瀬の地域外の種が入るのを防ぐ。  しかし、そういう変化をまたしっかりと管理、監視しているのがレンジャーでありまして、このレンジャーの役割はこれからも非常に大きなものだというふうに思っております。それぞれ、議員皆さんの、先生方の御理解がありまして、過去四年間でレンジャーも約二百名に倍増することができたわけでございます。  今後とも、レンジャーの補佐という中でのアクティブ・レンジャーの役割も、これは自然とやはり大きなものになってくるということでありますので、やはり、今回の法改正指定がしやすくなる公園管理団体を増やす、含めて、現在の体制から今後は千名規模の現地管理体制を構築してまいりたいというふうに考えております。  同時にまた、もう一つ大事な観点は、やはり、実は、レンジャー、女性の比率も大体三〇%弱ということでございますので、これも非常に今増加傾向ということでありますので、そういう女性の目線、感性、こういうこともやはり自然管理それから活用についても大事な観点だというふうに思っておりますので、その辺の視点も大事にしてまいりたいというふうに思っています。  ありがとうございます。
  41. 堀越啓仁

    堀越委員 笹川副大臣、ありがとうございます。  三〇%なんですね、現状でいえば。それを五〇%台まで増やしていくということがもしできるとすると、またこの感性も変わるんじゃないかな。やはり、これから利用という側面を考えていったときに、女性の感性というのは非常に大事なんじゃないかなと思うんですね。やはり打ち出し方、これからちょっとまた質問を別のところで取り上げたいと思いますが、SNS等々を使った、いわゆる映えるというもの、これも大事になってくると思うんです、周知していただくということについては。なので、そういったところもレンジャーの役割の一つではあると思いますので、是非、増員と、そして女性の参画をお願いしたいというふうに思っています。  一問、済みません、ちょっと時間の兼ね合いで飛ばさせていただいて、自然体験アクティビティー促進に係る認定要件についてちょっと伺いたかったんですが、それをちょっと飛ばさせていただきます。  次に、公園内では民間事業者によって自然体験アクティビティーが実施されておりますけれども、管理者がその実態を十分に把握できているわけではなく、自然体験アクティビティーの充実を図るには専門的な視点も求められております。  また、自然体験アクティビティーの提供、開発促進のために、専門知識のあるアドバイザーやサポートが必要であるという指摘もあるというふうに承知をしています。自然アクティビティーの充実を図る観点からも、その提供を行うガイド、事業者の資質向上が私は不可欠であろうというふうに思っています。  何よりも、自然公園に来ていただいて利用していただくというところで大事なのは、自然公園、ここがなぜこの生物多様性が守られている、この景観を生み出したのかというストーリーが大事だと思うんですね。そこをある意味では知ってもらって、だからこそ、身の回りにある私たち環境や生活、ライフスタイルから変わっていかなければ持続可能じゃないんだ、この豊かな自然環境を守ることができないんだというふうに持ち帰ってもらうということが私は何より大事なことだと思っているので、そういった意味では、自然環境の成り立ち、ストーリーをしっかりと伝えることができる専門性を持った、知識を有したアドバイザーが私は必要じゃないかなというふうに思っています。  そこで、自然体験アクティビティーの促進に当たって、質の高いアクティビティーの提供及び利用者の安全性確保の観点から、専門性がある、知見があるアドバイザー、提供する事業者の人材育成が必要なのではないかなというふうに思っています。  その点について、地域の資源の情報などについても情報をちゃんと収集して、そして伝えることができる人材の育成についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  また、それと同時に、利用する側に対しての指導というのもやはり必要にはなってくる。先ほど笹川副大臣におっしゃっていただいたように、そこの地域外から種子を持ち込まないようにする、本当に小さなことかもしれませんがすごく大事なことで、公園内に侵入する、入る場合にはそういった意識が必要なんだということを、同時に、ルールの周知や体制の充実、これに努める必要があるというふうに思っています。  この辺りについての環境省の見解を伺いたいと思います。
  42. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 地域魅力を生かしたアクティビティーを促進するに当たりましては、その地域においてガイドツアー等を提供する事業者の専門的な知見の充実や、ガイド等の人材の育成、また、地域魅力の分かりやすい情報発信が重要と考えてございます。  環境省におきましては、これまでも、国立公園満喫プロジェクトにおける受入れ環境整備取組といたしまして、自然資源を活用した地域のガイドやコーディネーター等を対象とした人材育成研修やアドバイザー派遣等の支援を行ってまいりました。  また、動植物を始めとする地域資源の情報の提供についても、ビジターセンターやウェブサイトによる紹介のほか、国立公園ごとのパンフレットにおいて動植物や地形、景観の特徴などを分かりやすく発信したり、国立公園フェイスブックやインスタグラムを通じまして、国立公園魅力、まさにそれぞれの国立公園の物語のようなものをしっかり発信するなどの取組を行ってございます。  引き続き、このような取組を継続して行っていきたいというふうに考えております。  また、利用のルールについても御質問がございました。  今回、法改正に伴いまして、自然体験活動促進計画を作成することになりますけれども、地域利用ルールの検討やその周知を行うことが非常に想定される一つの計画の中の計画事項でございます。環境省としましても、地域関係者と連携し、これらの取組促進していきたいというふうに考えてございます。
  43. 堀越啓仁

    堀越委員 ありがとうございます。  SNS、ウェブサイト等々を使っての情報発信、周知、分かりやすくストーリー立ててやっていくということでお話しいただいて、それは是非やっていただきたいなというふうに思っています。  インスタグラムで国立公園のアカウントがあるんですけれども、大臣、御覧になられたことありますか、インスタグラム。私もフォローさせていただいています。フォロワーが今八・二万人。すごい数字だと思います、これ。画像もすごくきれいで、レンジャーの皆さんが現地で撮っている写真ですから、本当に美しい写真が、今日も富士山が奥にあって手前に桜が写っている写真があって、本当に何か現地に行ったような、そういう気持ちになれるので、フォロワーが増えるのは当然だろうなというふうに思うんです。  しかし、残念なのが、このインスタグラムのフォロワー八・二万人を見てみると、ほとんどが外国の方なんですね。このアカウント名がnationalpark_japan。そして、説明文は英語なんです、全部、日本語で書いてもらった方が私はいいと。確かに、インスタグラムの機能で翻訳するというのがあるので、そこをタップするとすぐ出てくるんですね。日本語の表記で翻訳が出てくるので、それはそういう機能があるからというふうに言われればそうなんですけれども、しかし、日本人、我が国の国立公園、これを私たちが今度は利用して、その地域保全に資するんだという認識を持つためには、国民が国立公園をもっと知らなければいけないんじゃないかと思うんです。  インスタグラムの特性上、私の友達で、佐々木恵子ちゃんという大学生でインスタグラムの講師なんかをやっている子がいるんですけれども、その彼女にこのアカウントをどう思うと言って見せたら、説明が英語で、フォロワーもみんな外国の人で、若干鼻につくと言われたんです。確かに、それは側面としてはあると思います。  なので、是非、これはすばらしい取組だと思います、画像もすばらしいですし、八・二万人というフォロワーがいるということだけでインスタグラムとしては非常に優秀なんだと思うんですけれども、これを更に、例えば今回、自然公園法改正を行って、自然体験アクティビティー、その生態が、どのような歴史的背景があって、地球の歴史上背景があってここに存在しているのかということを国民が知ってもらうという、そうするためにも、やはり私はこのインスタグラムの在り方は手を替えていった方がいいんじゃないかと。小さいことかもしれませんが、結構ユーザーは多いです。そして、若い人たち、インスタグラム、多いですから、十代、二十代、三十代。これからもユーザーは伸びてくるというふうにSNS上でも言われていますので、是非この辺りについては御検討いただきたいというふうに思っています。  何か、今見ていただいたので、大臣、その辺どうですか。
  44. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 確かに英語でしたね。  なので、これは満喫プロジェクトも関連をしていて、海外のインバウンド向けに日本国立公園魅力をアピールしたいという思いでそうなっている部分もあるんだろうなと思います。ただ、インバウンドの回復が早急に見込めない中では、やはりマイクロツーリズムを含めて、域内また国内、多くの方に楽しんでいただくことを含めて、今後の在り方を改善できるところはやっていきたいと思います。  貴重な御意見、ありがとうございます。
  45. 石原宏高

    石原委員長 大臣、済みません、通信機能は一応委員会の中では使わないことになっていますので、御注意をお願いします。
  46. 堀越啓仁

    堀越委員 なるほど、そうか、通信機能は駄目なんですね。  本当に小さいことかもしれませんが、やはり国民に知っていただくということが大事だというふうに思っているので、ここについては是非日本語でも表記をしていただいたり、あとは、実はインスタグラムというのは、画像が、見て、目にぱっと入ってくる、そういうツールの在り方でもあると同時に、しかし、その写真についている記事もちゃんと読まれる方は非常に多いです、なので、あわせて、今回の写真はどういうシーンでレンジャーが撮ったのかとか、そういうことも含めて発信していただけると、レンジャーの存在というのも国民の皆さんにも周知していただけることにもなると思います。  やがては、そうした画像や仕事内容を見ていて、私もいつかはレンジャーになりたいという人も出てくるかもしれない。だからこそ、それを図っていくためにも、この辺の打ち出し方の工夫は是非していただきたいというふうに思っています。  いずれにしましても、自然体験アクティビティー、先ほどもお話しさせていただいたように、自然の保全、あるいは知ってもらうということが大前提であるということがしっかり担保されるように、指導等も含めて周知徹底をお願いしたいと思います。  時間になりましたので、終了とさせていただきます。ありがとうございました。
  47. 石原宏高

    石原委員長 次に、関健一郎君。
  48. 関健一郎

    ○関(健)委員 関健一郎です。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  冒頭、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方に対してお悔やみを申し上げますとともに、闘病中の皆様にお見舞いを申し上げますとともに、また、蔓延防止等重点措置が三県に適用されると認識をしています。医療の現場、介護の現場で自らの体を感染リスクにさらしながら働いておられる皆様に心からの感謝と敬意を表し、質問に入らせていただきます。  自然公園法改正に入る前に、大臣気候変動担当相を兼任されるということですので、それについて御質問させていただきます。  レジ袋の有料化、プラスチックのスプーン有料化、これはライフスタイルの変革を促すという意味で大変重要な点だということは私も認識を共有しています。  その一方で、大臣、日頃から御発言されていますけれども、環境政策というのは、気候変動、もはや美しい地球の未来のために頑張ろうというだけにとどまらず、災害の激甚化の原因となり、国民の皆様の生命財産を守るという観点からも喫緊の課題であります。  また、アメリカの最大手の投資会社がESGを軸にした運用を強化すると表明したことを皮切りに、環境対策というのは、企業にとっても、利益を増やすどころか、気候変動に取り組まないこと自体が経営リスクと認識されるということは明らかになってきていると思います。  そうした中で、我が国は気候変動に対してどのように向き合うか、これは将来のエネルギー需給構造の見通しであり、あるべき姿を示すエネルギー基本計画に表されると思います。その中にある電源構成ですけれども、二〇三〇年の見通し、石炭火力二六%です。石炭、石油、LNGを合わせると五六%に上ります。これが国際社会でどのように受け止められるかは、環境大臣として国際会議に参加をしてきた大臣、肌で感じておられるはずだと思います。  脱炭素に向けて、日本国内はもとより、国際社会に向けても、脱炭素に向けた強いメッセージをエネルギー基本計画の中にも反映させるべきではないでしょうか。御所感を伺います。
  49. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、やはりポイントは再エネだと思います。  二倍のポテンシャルを持っている再エネをフル活用して、環境省としては、再エネを二〇三〇年に向けて倍増させたいと思っています。一つの鍵となるのは、自家消費型と言われる屋根置きの太陽光ですよね。やはり、風力とか地熱とか、いろいろな電源、再エネにありますが、リードタイムが比較的長いことを考えると、一番リードタイムが短い電源、何かといえば、やはり太陽光になります。  もちろん、今日本の再エネのバランスは太陽光に偏重していますので、風力とか、よりバランスのいい電源構成の状態にしていかなければいけないということはもちろんなんですが、環境省として、次のエネルギー基本計画、そして二〇三〇年の野心的な目標、こういった方向に向けて、ポイントはいかに再エネを社会の中に実装するか、特に今市場の中で証書などを活用して再エネにするという動きがありますが、結果的には今量全体が足りませんから、追加的な再エネの発電所をいかに増やしていけるかということが重要だと思います。  今回、温対法の改正も、今後先生方に御審議をいただくことになりますが、その中の再エネ促進区域、これを多くの自治体活用いただけるように、今回の国会も通じて、この再エネだというところを伸ばしていけるように全力を尽くしていきたいと思います。
  50. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  去年十月の地球温暖化対策推進本部では、菅総理からもエネルギー基本計画見直しを加速するようにという指示が出ていると思います。  私はNHKの記者として経済産業省を取材していて、この経済産業省が国家のエネルギーの根幹の政策を担っている役所だと、そこでいろいろ勉強させてもらったことが今でもその経済政策の根元にあります。  そんな中で、やはり言葉を正確に、ちょっと読みますね、エネルギー基本計画というのは、エネルギー政策基本法に基づいて経済産業大臣の諮問会議である総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で議論されると。  これは、御存じのとおり、環境省と外務省はオブザーバーとして参加をしている。これはやはり、私は、経済産業省が諮問する会、エネルギー調査会基本政策分科会ですね、環境大臣として、また気候変動担当相としても、むしろ諮問する立場に、経済産業相と環境大臣が諮問をするエネルギー基本計画というふうに主体的に取り組むべき時代に立っていると思います。  改めまして、環境大臣、気候担当相兼任の大臣として、エネルギー基本計画に対してどのようにコミットしていくべきか、御所感を伺います。
  51. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 必要な意見をしっかりと述べていく、その中で政府全体のエネルギー政策そして気候変動政策、これは関わりますから、その観点から主張していきたいと思います。  やはり、我々が今掲げている二〇三〇年の再エネ倍増というのは相当に高い目標です。これを積み上げで考えている立場、これは経産省、エネ庁もそうだと思いますが、じゃ、どこにそれをつくるのかというこの議論は本当にシビアな議論だと思います。  だからこそ、我々は腹を決めて、一つ一つ再エネを導入していただけるような自治体地域をつくっていかなければいけない、温対法の改正の中に位置づけられている再エネ促進区域が実際に自治体活用されること、これ抜きにはその倍増ができないと思いますので、この法案の審議も通じて、自治体皆さんにもしっかりその意義を伝えていきたいと思います。また、それが促進されるような様々な施策の後押しも今後考えていきたいと考えています。
  52. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございました。  それでは、自然公園法改正案質問に移らせていただきます。  私、愛知県の豊橋市と田原市というところが選挙区なんですけれども、田原市というのは、これは渥美半島ですね。渥美半島というのは自然がきれいなところなんですけれども、実は、ほとんどの地域自然公園法指定されています。ですから、そこに暮らす人たちは、自分の生活の方が指定されるより前にあるわけです。ですから、自分のおうちの駐車場を、自分の子供が世帯を持って子供もできたので、じゃ、家を建ててやろうかと思って、いざ自分の家の駐車場に家を建てようと思ったら、とんでもない膨大な手続があったとか、そういう話がたくさんあるような、つまり、ほとんどがその規制の中にあるという地域という前提でこの質問をさせていただきます。  たくさんの人たちからお話を聞いたんですけれども、感覚的に、もう何かいじれないんだという前提に立っちゃっているんですね、どうせあの法律があるから駄目だよと。それで、いざ、実は掘ってみるといろいろな、具体的に解ける問題も解けない問題もあるということが分かってきましたので、まずは、そもそもこの改正案ですね、大切な自然を保護していくべきというのは、これはもちろん言うまでもありませんが、今回、なぜこの時期に改正をしなければいけないのか、理由を伺います。
  53. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生の問題意識、よくある声ですよね。もう環境省はびた一文触れさせないという、そういったことを私は変えていきたいと。修景伐採なども、枝一本絶対切れない、こういうふうに思い込んでいる地域があるんですね。だけれども、そうではありませんよと。もちろん、必要な自然はびた一文触れさせないという、これは大事ですので、特定保護地区などを指定をしています。ただ、そうではないところが結果として景観を妨げたり、むしろ効果的な利用とそして保護のこの好循環を妨げるところがあれば、それは改善しなければいけないというのは私は当然のことだと思います。  ですので、今回、法改正の中で、例えば熊の餌づけとか、こういったところの罰則はしっかりやる、それとともに、ソフト面、ハード面の利用をより促して、先ほど先生が、御自宅も含めて物すごく様々な規制手続があるという話がありましたが、今回、この一つ目、二つ目のポイントであるソフトとハード面の新たな制度活用していただく形だと、今までだったら様々手続が必要だったところを簡素化をしたり不要としたり、アクティビティーなども活性化をさせる措置も入れていますので、先生の御地元、本当に自然豊かで、私もかつてサーフィンをやっていたので、先生の御地元はサーフィンのメッカの一つでもありますし、そしてまた、アカウミガメが産卵のために上陸をするというすばらしい地域ですよね、こういった地域皆さんに、改めて我々、絶対触れられないという、そういったことではなくて、利用面も応援をするための法改正だということも、是非、共に広げていただければと考えています。
  54. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  大臣おっしゃるとおり、びた一文触れられないと思って、勝手に思っちゃっている方が多いです。ですから、今回、この法律改正質問を準備するときに、いろいろな人の話を聞いたときに、もう一個ちょっと調べてみると、実は、今、修景伐採という言葉もありましたけれども、意外といけるということが分かりました。そして、さらに、今回、政府として、ほっておけばいいってものじゃないですよということが明確に示されるということも、非常に、自然公園法規制の中で生きている皆さんにとっても有益な改正であり、審議であると思います。  そして、余りに多くの、こういうのをやってくれというのが来たので、大きい順に、より具体的に、課題が似たようなところというのをぐっと集めて質問をさせていただきますので、法律改正の、改正内容のソフトの部分からまず行きますね。  ある、渥美ハイキングクラブというNPOの方々がいるんですけれども、地元の、みんなが余り知られていないけれども、実はこんな生態系が残っているよとか、あそこからの景色がすごくきれいなんだよとかいうのを、元々地元の人たちが知っているものをかき集めて、それを次の世代に伝えていこうという皆さんなんですけれども、例えば、ここから、この登山道の入口はここですよみたいな看板を作ろうとしたら、この看板はいろいろ駄目だったんですね、色が何とかとか高さが何とかとか字は何色でやるかとか、そういうので、いろいろそこで、NPOの人たちですから、うわっと降参しちゃったんですけれども。  今回の法改正によって、例えば、自然をみんなに知ってもらうための看板だとか、知ってもらうもの、こういうものというのはやりやすくなるんでしょうか。伺います。
  55. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  今回の法改正で盛り込まれております自然体験活動促進計画というものがございますが、これは、市町村、都道府県、地域関係団体等による協議会の設置と計画の作成、認定を法律上に位置づけまして、自然体験活動促進の重要性を改めて明確にするとともに、これまで個別に自然公園法の許可等の手続が必要だったところ、今後は手続の簡素化を図りまして、地域主導による質の高い取組を促すものでございます。  自然体験活動の具体的な事業内容といたしましては、アクティビティーの提供、あるいは登山道等のフィールドの整備利用ルールの周知、利用者への情報提供、人材育成等を想定してございます。  自然体験活動促進するための標識の設置、今先生がおっしゃった件ですけれども、地域が一体となって行う質の高い自然体験活動の一部として位置づけていただくのであれば、この自然体験活動促進計画事業内容の一部に該当し得るというふうに考えてございます。議員指摘の事案は、国定公園におけるケースと考えられますけれども、県知事が地域の実情を踏まえて審査されるものと考えております。
  56. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  最後に、恐らく、これから具体例をやっていくと共通の答弁の部分があると思います。その共通の課題に関しては後で質問させてもらいますね。  次、フォレストアドベンチャーというのがありまして、御存じですか。これは、実は、木のああいう高いところにワイヤをつないで、自分でハーネスみたいなのをカチャッとつけて、木と木の間をターザンみたいに移動したり、みんなで冒険を楽しむんですけれども。これは、二〇〇〇年代に入ってフランスで始まったんですけれども、企業の新卒社員の研修のために、自分の身は自分で守りながら自然の中で楽しんでねという研修で使われたものだったんですけれども。  今、日本でもはやっていて、私も子供と行ったんですけれども、これは結構自分の自己責任でしっかりやらなきゃいけないというのもあったり、あとは本当、映画のターザンみたいなやつとかできるんですね。  これもすごい面白くて、大都市の人たちが、私、田舎というか、奥三河の方に、新城というところにあるんですけれども、駐車場を見ると、名古屋とか大阪とかのナンバーがあって、ああ、大都市の人たちが来ているんだなと。それで、予約もなかなかいっぱいになっているというのがこのフォレストアドベンチャーの状況です。  ただ、これも、上の方にワイヤをつないだりとか、木を切ったりしているんですね。そんなばさばさに全部切らないですけれども、上の方はいじるわけです。  これは、新城というところ、物すごい、誰もいなかったようなところにすさまじい人が来るようになったわけです。これが、渥美半島でも呼んではどうだという声、たくさんあるんですけれども、これはこの改正でどうなりますか、伺います。
  57. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 自然体験活動促進計画の認定に当たりましては、公園計画への適合、質の高い自然体験活動促進への寄与、それから、国立公園国定公園等の保護上の支障等について、国定公園の場合は都道府県知事が確認を行うことになります。  そのため、大規模な施設整備を伴うものは該当しないと思いますけれども、今おっしゃったようなものであれば、これは、都道府県知事が計画の中身を見て認定をするということであれば、フォレストアドベンチャーも自然体験活動の一環として捉えることが可能と思っております。
  58. 関健一郎

    ○関(健)委員 あえて具体的にフォレストアドベンチャーという言葉を出したのは、今回の法改正の意義の中で環境省皆さんが書いてあるその趣旨と全く一緒なんですね、自然に敬意を持って、自然の中で楽しみながら、その魅力も感じてもらうというのが。ここでまた、何となく、どうせ触れられないんだろうなという感覚で尻込みをしているので、そういうところは是非、こうこう具体的なことであればいけますよということが今御答弁いただけたと思います。  続きまして、この渥美半島の海岸沿い、太平洋側の景色というのは世界有数の景色と、まあ言われておりまして、日が沈むところの伊良湖岬のところというのはとてもきれいでして、寅さんの渥美清さんなんかは、その美しさに魅せられて渥美清という名前にしたということを言っておられるんです。事実は違うんですけれども、寅さんがそうやって言ったんです、渥美清さんが。  というぐらい美しい景色ということなんですけれども、私も、都会、都市部に住んでいる仲間に、渥美半島に来てよと言ったときに、特に、大臣は波乗りをやっているとおっしゃいましたけれども、自転車とかをやっている人たちも、これはとても、じゃ行きたい、行きたいとなるんですね。  私、今では新幹線に、ぱたっと折り畳んで自転車を持ってきてくれるわけですけれども、その世界有数の美しさのところを自転車で走って、宿に泊まっていただいて、しっかりお金を落として帰ってもらうわけですけれども、感想はどうでしたかというふうに言うと、みんな口をそろえて言うのが、いや、確かにきれいでしたよ、だけれども、自転車でやるからには、自転車をこいで、くっと見るときにきれいだなと思いながら見たいわけです。ただ、雑木林みたいなのがほとんど出ていて、視界を遮ってしまうんですね。ですから、せっかく美しい景色があるのに、それがほとんど見えない状態で、これだったら、もう一回来てと言われても、それはあなたが無理やり来いと言ったら来るけれども、もう一回喜んで来たいというのは、あの景色じゃつらいですよということを、少なくない回数言われるんです。  ここで伺います。今回の法律改正で、例えば、これだったら見えるのにねというのは、伐採が可能になるんでしょうか、伺います。
  59. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 国定公園における個別案件につきましては、一義的には都道府県知事が判断されるものでございます。  例えば、国立公園においては、公園事業である展望施設等で必要な範囲で通景伐採、見通しをよくする伐採ですね、この行為は許可を要しないということとしてございます。また、それ以外の通景伐採におきましても、自然公園法施行規則に定める許可基準に基づき、許可対象となり得るということでございます。  自然体験活動促進を目的とした、見通しを確保するための樹木の伐採につきましては、法改正に基づく自然体験活動促進計画事業内容に該当し得るというふうに考えております。  その上で、同計画の認定につきましては、公園計画への適合、質の高い自然体験活動促進への寄与、国立公園等保護上、支障のないということを都道府県知事が確認するという手順になってございます。
  60. 関健一郎

    ○関(健)委員 御答弁を聞けば聞くほど、びた一文触れさせないというものではないということが明らかになったと思います。  そして、すごいキーワードなので使わせていただきますが、びた一文触れられないと地元の人が思っていることがすごい問題なんです。それの一つの象徴的なのが今御答弁の中で明らかになったと同時に、今回、じゃ、例えば、自然公園法が大丈夫だ、そうすると、市役所の人たちがどういうことを考えているかというと、次は潮害防備保安林、つまり潮が飛んでこないような保安林という規制が次にある。もうこんながんじがらめならいいやとなるのが結構、思考回路なんですね。  ですから、この潮害防備保安林に関してお話をさせていただきますけれども、何度も申し上げておりますように、保護利用の好循環、これはもう全く異議なしで、そのとおりであるべきだと思います。そして、その潮害防備保安林の奥に、大事な貴重な生態系があったり、守るべき建物があったり、これは異議なしです。ただ、その先に何もないのに潮害防備保安林になっていたり、つまり、ガードレールと崖の間に雑草がばあっとあって、それで自転車の人は見えないんですけれども、これも駄目だというふうになっているわけですね。  大事なものを保護するということを大前提として、臨機応変に地元の人がそういうのに対応できるべきじゃないか、これはどういうふうに扱えるんでしょうか。
  61. 小坂善太郎

    ○小坂政府参考人 お答えさせていただきます。  潮害防備保安林は、塩害、津波等の被害を防止、軽減するということで、地域の生活環境保全、そのためには非常に重要だと思っています。特に渥美半島におきましては、非常に農地が広がって、メロン等、かなり農業が盛んなところでございます。この農地を塩害から守るという意味で、海岸沿いに潮害防備保安林がやはり指定されているものだというふうに認識しております。  びた一文というお話がありましたけれども、保安林の伐採方法、それにつきましては、こうした森林の機能を阻害しない範囲で個々の立地条件に応じて指定施業要件という形で定める仕組みになっています。一般的に、潮害防備保安林では、除伐をしたり間伐をする、育成のための伐採だけじゃなくて、主伐についても択伐での伐採ができる、基本になっております。  このように、潮害防備保安林は全く伐採できないということではない、でも、やはり機能は守らないといけない。景観のための伐採が必要な場合は、都道府県、これは自治事務になっておりますので、相談していただければ、森林所有者の意向にも配慮しながら、個々の保安林ごとに定められた指定施業要件の範囲内で対応は可能かなというふうに考えているところでございます。
  62. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  御答弁を聞けば聞くほど、しっかり、その都度、具体的に応じていけば、そこで議論を深めていけば、全然駄目という話じゃないということが、お二人の御答弁の中で、お二人というか、環境省と農水省の御答弁の中で分かりました。  今、メロンと具体的に言及いただきましたけれども、そういうところでしっかり守っているところもありますし、実は、屋久島と同じ生態系があったみたいなところで、そういうところを実は結果的に、多分知らずに守っていたと思うんですけれども、それを守っていたということも事実としてあります。ですから、守らなきゃいけないところは守らなきゃいけないし、その一方で、これはいいだろうというところは、議論をすればそれはできるということですよね。分かりました。ありがとうございます。  そして、今、お答えの中でありましたけれども、協議会というものが存在をしています。市町村やガイド事業者から成る協議会というのがありますけれども、これはどのような構成を想像しているのか、また、まず計画を策定するのにどのぐらい時間がかかるのか、あとは、大臣から認定を、大臣、知事の認定を受けるまでに大体どれぐらいの期間を想定しているのか、御答弁ください。
  63. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 自然体験活動促進計画に係る協議会の構成員でございますけれども、市町村、そしてガイド事業者、土地所有者、観光協会、ビジターセンター、有識者、自然保護団体等の多様な主体というものが想定されます。具体的な構成員は、計画の内容等に応じまして各市町村が判断することとなります。  また、この計画の策定に要する期間でございますけれども、これは各協議会が判断することになりまして、計画の中身によっては、短くて済むものもあれば、長くかかるものもあるかと思います。  ただ、都道府県知事が計画を認定するために必要な期間につきましては、法案が無事に成立した後に、詳細な認定手続とともに検討することになりますけれども、現在のところ、審査には一か月から二か月ぐらいが必要になるというふうに想定されております。
  64. 関健一郎

    ○関(健)委員 タイムスケジュールとかは、いざ本当に活用しようとしている事業者皆さんや市役所の皆さんは結構そういうところをシビアに注目しているので、小まめに情報を開示してあげることが大事かと思います。  それでは、改正部分の二、ハードの部分について質問させていただきます。  渥美半島は、サーフタウン構想というのをやっておりまして、サーフィンのメッカとしても知られています。毎年、サーフィンの世界一を競うワールドサーフィンゲームスというのがあるんですけれども、一九六四年から毎年やっています。二〇一八年のワールドサーフィンゲームスは、何と渥美半島で開催をされまして、多くの外国人観光客皆さんが来ました。  また、そういうので、やはり渥美半島いいよねということを思ってくれる日本人の方もいて、これに目をつけた田原市は、民間の旅館やホテルの整備、そして宅地整備の可能性、そして区画整理の事業、あとは、海岸をゆったり歩いてもらう歩道、こういうところを狙っているんですけれども、自然公園法なる規制がどのように影響してくるのかなというのはかなり注視をしているところです。  あとは、私もワールドサーフィンゲームスを運営していた人たちと話をしたんですけれども、いろいろな、選手はスポンサーがいるんですね。そのスポンサーがつくためには物品を売らなきゃいけないわけです。この物品販売とかも結構売れないんです、公園規制の中で。  ですから、そういうのも含めて、保護利用の好循環という観点から、このサーフタウン構想に関して法改正はどのような影響を与えるのか、御答弁をお願いします。
  65. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 今回の法改正のもう一つのポイントであります利用拠点整備改善計画でございますが、これは、集団施設地区等の国立・国定公園利用拠点対象といたしまして、市町村、都道府県、地域関係団体等による協議会の設置と、計画の策定、認定を法律上に位置づけまして、魅力的な滞在環境整備の重要性を改めて明確にし、これまで個別に自然公園法の許可等の手続が必要だったところ、今後は手続の簡素化を図って、地域主導による質の高い施設整備を促すものでございます。  国定公園における個別案件は、先ほども申しましたけれども、都道府県知事が判断されるものでありますが、御質問のエリアが国定公園利用拠点に該当する場合には、ホテルや海岸専用歩道の整備につきましては、この利用拠点整備改善計画事業内容に該当し得ると考えます。  ただ、一方、利用拠点整備改善計画は、国定公園利用者のための魅力的な滞在環境整備を目的としているものでございますので、個人の居住等を目的とした宅地整備や区画整理についてはこの計画対象外となりますので、これは従来の公園法の手続を別途それぞれ取っていただくということになります。  その上で、利用拠点整備改善計画の認定に当たっては、公園計画への適合、利用拠点の質の向上への寄与、国立公園等保護上の視点、支障等の観点から、都道府県知事が確認を行うことになります。
  66. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  今の御答弁を伺っていると、協議会の中でしっかり議論をしていけば、個別具体のケース・バイ・ケースにおいては、そこで応じることができるようになるということですよね。  その協議会ということがつまりポイントとなるわけですけれども、この協議会のメンバー、どういう人たちを想定していますか。
  67. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 協議会の構成員でございますけれども、市町村、あるいはホテル、旅館、飲食店、土産物店、土地所有者、観光協会、ビジターセンター、そして有識者、自然保護団体等の多様な主体を想定してございます。具体的な構成員は、計画の内容等に応じまして各市町村が判断することになると存じます。
  68. 関健一郎

    ○関(健)委員 これは、農地とか空き家とかの根底に流れる結構構造的な問題に直面するんですけれども、例えば、ある廃墟がその地域内にありましたと。これは、所有者にたどり着けることって余りないんですよ。  では、どうしたといったら、例えば、相続がうまくいかなくて分散しちゃって、協議会に呼んだって、絶対来てくれないですよ。あとは、協議会に、これは具体的な例ですけれども、実際にそういうのがあっても全くナシのつぶてだというパターン。あともう一個は、高齢化が進んじゃっているんですね。私も何とかしたいんだけれども、もうお金もないし、こんな年だし、ちょっとほっておいてくれるか、こういう方も結構多いわけです。そんな中で、協議会に来てもらいますといったって、多分来れないんです。  そのときに、では、どうするかということが一つ今後の課題となりますが、より具体的な質問をしますと、所有者不明とか、そういうことに応じない廃墟などなどの撤去というのは、費用は誰が持つんですか。
  69. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 まず、土地所有者が明らかであり、その上物の廃屋が誰が持っているかよく分からなくなってしまっているというようなケースにつきましては、まず、その建物、上物の廃屋所有者を可能な限り洗い出すというところから始めまして、それでも不明な場合につきましては、土地所有者の方が裁判所に清算人選任を申し立て、清算人の承諾を得ることにより土地所有者による廃屋撤去が可能になります。  そういう場合は、令和元年度から、環境省予算におきまして、国立公園において地域が取り組む魅力的な滞在環境整備の一環といたしまして、そういうものに対しても撤去費補助事業実施してございます。  ただ、議員指摘の、今、土地所有そのものが、所有者が分からないということについては、なかなかこれは手続が難しゅうございまして、これにつきましては、自治体と協議をいたしまして、どういう対応ができるかということを検討していく必要があるというふうに思います。
  70. 関健一郎

    ○関(健)委員 環境省の方からいただいた資料の中にも、廃墟となっているホテルとか、写真がたくさんあったと思うんですけれども、これは絶対構造的な課題なんですね。その所有者の方はというと、連絡が取れません、相続した方が離れた場所にいます、若しくは分散していて誰が代表してと言うこともできません、とても高齢化が進んでいます、これで協議会の設置自体がままならないということは結構あると思うんですよ。  今までもそれで苦しんでいるのが地方の自治体現状ですから、ここはどうするかということをかなり明確に、強い問題意識を持って、ここに関してどうするかということは議論を深めておく必要があると思います。そこを御指摘させていただいて、次の質問に移ります。  そして、これ、何度も申し上げますが、保護利用の好循環というのは、とても、地方の成長を望んでいる地方自治体皆さんにとっては強い関心事項となっています。  そうした中で、認定要件というのがあの資料の中にもありますけれども、恐らくというか、自然公園法の許認可、二十条の要件により審査されますと。手続の簡素化が図られるということだけれども、認定要件からすると、二十条を遵守することとなっていますよね。地元自治体皆さんが、まさにそこの開発をしようとしている皆さんがどういうことを懸念しているかというと、結局、都道府県の自然公園担当部局とかも関与することになるでしょうから、これ、手続簡素化できるんですかねという素朴な疑問をその担当の方は持っています。  この懸念に関して、御答弁ください。
  71. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 例えば、現在でありますと、その利用の拠点に廃屋があったり、そこの跡地を利用しようとしたり、あるいは土産物店がアーケードを改修したいという場合は、それぞれ個別に申請なり認可手続を取って手続をしなければいけませんけれども、今回この制度ができますれば、利用拠点整備改善計画にそういうものを、複数の行為みたいなものも一括して計画として上げていただくことによって、それが認定要件に合致して、知事、国立公園では環境大臣ですけれども、認定が下りれば、そこは手続の簡素化が図られる、一回で済むというようなことで、手続の事務の簡素化につながるものと考えております。
  72. 関健一郎

    ○関(健)委員 何度も往復していただいて、ありがとうございました。  この話の多分みそだと思うんですね。実際にこれで、改正で、さあ負担こそ何とかしようと思っている若き職員の方がいるわけです。その人が一番懸念に思っているのは、協議会を設置するに当たって、所有者不明のやつをどうやって追跡していくか。ここで絶対困るんだろうな。  懸念一の耕作放棄地であれ、空き家であれ、同じ構造的な問題があると思います。そして二個目は、今までの都道府県の担当部局とのやり取りを考えると、要件が変わらない以上は同じ時間かかっちゃうんじゃないかなという懸念があります。これに関して、丁寧に説明をしていく必要があると思います。この二に関しては終わらせていただきます。  そして、時間がありませんので、ドローン質問は飛ばさせていただきます。  今回の改正案では、国立公園だけでなく国定公園でも施策展開していくこととなっておりますけれども、国定公園、都道府県が管理をしています。改正案検討に当たって、都道府県と国のコミュニケーションというのはどういうふうに取ってきたのか、御答弁ください。
  73. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  国定公園の状況も踏まえた改正案検討するため、昨年六月に都道府県へのアンケート調査を実施したところ、一部の都道府県からは、自然体験アクティビティーの不足や旅館等の廃屋化が課題として挙げられてございます。  また、自然公園制度の今後の在り方に関する答申の検討を行った中央環境審議会自然公園等小委員会には、国定公園を有する長野県に御参画いただいているほか、全国知事会、全国都道府県議会議長会にも改正案について情報提供をいたしまして、必要な調整を実施してきたところでございます。  改正案が無事成立いたしました暁には、引き続き都道府県とも調整をいたしまして、必要な技術的助言を行う等により、改正法の施行に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。
  74. 関健一郎

    ○関(健)委員 私も、この質問の準備のためにいろいろ話を伺って、勉強になったんですけれども、市町村の、まさにその主体となる皆さんは、都道府県部局がどう見ているか、また、政府のあれに対して、結局、一体となってやっていかなきゃいけないというところがかなり問題意識としてあるので、まさに市町村の皆さんがどういう問題意識を持っているか、また懸念としておるところをどうやって、そんなに懸念することないんですよということを発信をしていくことをお願いをいたします。  最後になりますけれども、これからも私使おうと思うんですが、余りにかちっとはまったので、びた一文触れさせないという印象が、この四十分の質疑の中で氷解したと思います。一個一個、協議会を設置して、これはどうなのか、これはいいのか駄目なのかという議論をすることによって、保護利用の好循環ということを生み出すことができるんだと思います。  そして、大臣にお尋ねします。  満喫プロジェクトとして国立公園利用推進をしてきていますけれども、渥美半島、言及いただきましたけれども、サーフィンのメッカでもありますし、またアカウミガメ、レッドデータ何とかって、絶滅危惧種に指定されている亀さんも出産に上陸する海岸なんです。今回の法改正を受けて、環境省として、国定公園魅力向上についてどのように取り組んでいくのか、御所感を伺います。
  75. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私は本当に海が大好きなので、先生と同じく、横須賀という海に囲まれた町で育ちました。  さっき、先生地元はサーフィンのワールドゲームス、これを開催されているという話がありましたが、実はうちの地元はウィンドサーフィンのワールドカップを開催しています。なので、何かそういう連携も今後できるんじゃないのかなとか想像しながらお話を聞いていましたし、サーフィンができる海で、アカウミガメが上陸をして産卵をする、こんなすてきな環境日本にあるということは、もっと多くの方に知ってもらえる機会になれば、この質疑、非常にまた意味があったのかなと思いますし、びた一文触れさせない環境省ではないということも改めて認識いただいたと思います。  ただ、それは、今回の法改正によって、よりできることがあることは事実ですけれども、実は、元々の自然公園法の中でも、決してびた一文触れさせないわけではありませんでした。そういったことも含めて、今回、法案の審議の中でこのように理解が深まったこと、結果、国立公園だけではなくて国定公園の後押しについても、今後ともしっかりと、国と自治体地域皆さん、連携をしながら進めていければと思います。
  76. 関健一郎

    ○関(健)委員 保護利用の好循環が加速することをお祈りして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  77. 石原宏高

    石原委員長 次に、篠原孝君。
  78. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 立憲民主党、略称民主党の衆議院の篠原でございます。  海の関、びた一文の関から、山の篠原、融通無碍の篠原にスイッチしまして、質問させていただきたいと思います。  一番最初は、やはりこの法案の中身、哲学の問題です。三つ質問通告してありますけれども、まとめて一緒に答えていただいて結構ですから。  同じように、山の務台さんが質問されていましたけれども、やはり環境省環境というのは守る、利用というのを打ち出した、これは画期的な転換で、いいことだと思います。利用によってよさも分かって、そして、利用していて、ありがたいからこれをきちんと守ろうという気持ちが芽生えるんですね。  いいことだと思いますけれども、ちょっと心配がありまして、菅内閣、安倍内閣もそうですけれども、やたら規制緩和規制緩和規制緩和する、絶対的に善だと。私は、これは狂っていると思います、こればっかし。いや、規制緩和すべき分野は、ビジネスの何か参入とかいうのはそうですけれども、環境などというものは規制しなかったら守れないのがいっぱいあるわけです。そこはびしっとやっていかなくちゃいけない。  ちょっと事務方に聞きましたら、それはないからと。そうじゃなくて、環境省で、審議会でちゃんと議論したりし、環境省の中で議論して決めてきたというのならいいんですけれども、今霞が関を見渡すと、規制改革推進会議それから国家戦略特区、これがあれこれ注文をつけては各省に指示を出して、そして、やむを得ず変な改正をさせられていると。私はこれもその一つかなと思って心配したら、そうじゃなかったというので、ほっとしております。  しかし、気候変動担当大臣にも指名されている。やはり時代としては、SDGsもあるし、気候変動もあるし、環境を重視して環境を守っていくということの方がずっと大事な時代になりつつあるときに、利用を前面に出すというのは、ちょっと時代に、私は反対しているわけじゃないんですよ、いいことだと思うんですけれども、この哲学がちょっと違ったのかどうかと。  それから、菅内閣になって何が目玉かというと、答弁は控えさせていただきますとかガースーとか、そんな言葉しか出てこないんですよね。だけれども、たった一つ前向きなのは、二〇五〇年にカーボンニュートラルにするという、これは非常に大きな宣言です。これに沿った部分、改正になっているのかどうか。  この二つ、時代にそぐわないところの面があるんじゃないか、やはり本分を忘れてはならないということと、菅内閣の金看板とどのように関係しているか、このことについてまずお答えいただきたいと思います。
  79. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 二点のうちの一点目の法案の理念というところについては、先生が御懸念の、利用を前面に出し過ぎて守るべき自然を損なうのではないかということは、それが決してないようにしていくための法改正にもなっています。  例えば、先ほど関先生との議論の中でも話題になった新たに計画をしている二つの制度、このハード面とソフト面、これの認定要件の前提は、自然を損傷しない、そういったことを認定の要件にしています。そして、そういったことをしっかりと我々としても周知をしたいと思いますし、三点目のポイントでもある、熊の餌づけの罰則とかそういったことについても、むしろ、規制緩和をするのではなくて、規制を強化、今回しているところも入れています。それがまず一点目の私から言うべきことだと思います。  そして、二点目の気候変動との関係。これも、今日、務台先生との議論の中でも話題に出た、先生の御地元長野県でもある乗鞍、先日、松本市長ともウェブでつないで、現地の事務所とも入ってもらって、また、現地で様々、カフェとかを経営をされている事業者の方にも入っていただいて、私も非常に勉強になったのは、実は、飛騨の高山と長野松本というのは近いんだ、この二つをつないで、この二つのルートを全体として持続可能なルートにしていきたいという構想を聞きました。  まさに、この地域全体、ルート全体が、気候変動の観点も含めて脱炭素の地域にしていきたいということで、今回、乗鞍がゼロカーボンパークということを打ち出したわけです。この長野県で生まれたゼロカーボンパークを私はほかの国立公園地域にも広げていきたいと考えていますので、気候変動の要素も、今回の法改正の中の様々な支援制度活用する形で、結果としてつながってくると考えています。
  80. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 分かりました。いいことなんです。ですけれども、本分はやはり環境を守るということ、これを絶対忘れてはならないと思います。  次ですけれども、廃屋については関委員も聞いていましたけれども、副大臣にお伺いしたいと思います。  副大臣、御存じないかと思いますけれども、前体制、環境の政務三役、みんな環境委員会を一度も経験したことがないんですね。素人ばかりだったんです。今は政務三役を経験された方が委員長で、もう二期目で、二期目でみんな分かっているというわけじゃないんですけれども、初めてよりはずっといい。政務官もやっておられるので、ベテランの域に達しておられると思います。  そこで、今、廃屋、みっともないですよ。私も登山が趣味というか、山ばかりに囲まれていたので、別に趣味じゃなくたっていつも見ていたし、しょっちゅう行っていたから、そういう都会の人たち登山という感じじゃないんですけれども、行くんです。  腹が立つのは、昔きちんとした、非常にいい建物だったものが廃屋になってしまっているんですね。これは非常に目立って、ほかの県に行っても同じで、これをどうするのかと。所有者も分からないし、経営がうまくいかなくてどこかに逃げていっちゃったのかもしれませんけれども、この撤去というのに、さっき、お金も出すと。これは悪いことではないと思います。市町村がやむを得ずやっているのが多いんです。ツケはいつも末端の市町村に行くんです。ですけれども、これはやはりきちっとやっていかなくちゃいけない。  今までのはしようがないんですけれども、自然公園の中で営業させたりするとき、旅館を建てたりホテルを建てたりするのは厳しく条件をつけなくちゃいけないんですけれども、そういった思想というのは今回の改正の中に入っているんでしょうか、入っていないんでしょうか。今後のことですけれども、今後、廃屋になんかしたら承知しないぞ、そのときは全部自分でちゃんと後始末をしていけということ、それを義務づけてもいいような気がするんですけれども、その点はどうなっているでしょうか。
  81. 笹川博義

    ○笹川副大臣 御質問ありがとうございます。  少なくとも経営責任ということはどの事業でもあるわけでございますので、そのことを踏まえた上で、私自身も、廃屋の状況というのは全国に散見されておりますので、現場にも行かせてもらいました。非常に問題意識を持っております。  ただ、問題はやはり、平成二十二年の自然公園法改正においても、旅館、ホテル、公園事業施設の老朽化等の課題を踏まえた上で、民間事業者に対する改善命令、原状回復命令等への違反についての罰則を設けさせていただきました。監督機能の強化を図ったというわけですね。  また、平成二十五年以降の公園事業の認可に、新たに財務諸表等の審査も併せて行っております。  特に、この原状回復命令、これ、実際はまだ発動したことはございません。しかし、これについてもやはり、どういうふうに、ないというのでいいのかどうかということも踏まえた上での、今後の手続も踏まえてやっていかなければならないと思いますが。  もう一つ、やはり、廃屋になぜなったんだ。バブルが崩壊した後、経営が立ち行かなくなった、いわゆる経営する周辺環境がまさに大きく変わった、このこともあろうかというふうに思いますし、そういうことになってくると、やはり、経営をどう改善したらいいのかという観点も必要だと思いますので、もちろん先生も御承知のとおりかと思いますが、中小企業の経営においては、地元の商工会議所、商工会を通じて経営改善指導、こういうのもあるわけでありますから、そういう意味においては、中小企業庁等とも連携を組みながら、経営改善指導というのは大事だというふうに思います。  同時にまた、ホテル、旅館、それぞれの周辺の環境をこれからどう整備していったらいいのか。やはり、先ほど来の御議論もありましたけれども、ニーズも変わってきていますよね。昔は、熱海、新婚旅行といえば熱海、それから団体旅行といえば熱海、要するに団体で宴会つき、こういう事業展開が、ビジネスモデルというのが大半でした。しかし、それがもう通用しない時代になってきたということでありますので、これをやはり、ホテルでワーケーション、これは小泉大臣も先頭を切ってやっていただいていますが、旅館、ホテルでワーケーションなんという、こういうそのもの自体がまさにビジネスモデルの大きな変化だというふうに思います。  先日、南紀白浜の方にお伺いしましたけれども、あそこは羽田空港から現地まで飛行時間が約四十五分ぐらい、しかし、そこの観光ホテルも既にもうワーケーションの受入れ体制を整えているというようなことでありますから、やはり、周辺の環境の改善を我々としてどう進めていくか、それから事業者経営改善に対してどう指導していくか、支援していくかということの観点が大切かというふうに思っています。
  82. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 なぜこれを聞くかというと、その辺のホテルには、その辺の町のホテルと違って、自然公園の中で営業させてもらっている、活用させてもらっているということで、やはりほかの人たちよりも義務というかモラルが必要とされると思うんです。モラルですね。僕は余り押しつけたくはないですけれども、やはり、菅総理の言っておられる自己責任、自助ですよね、これを真っ先に私はやらなくちゃならないと思うんです。  環境変化しているなんというのは、全然、熱海とかそんなところばかり言っていないで、スキーの志賀高原もそういうふうになっているんです、スキー客が減って。「私をスキーに連れてって」という時代はもうないわけです。これはちょっと古過ぎて分かる人がいないね。分かりますか、大臣。  だから、自己責任というのをちょっと自然公園内のホテルや旅館の経営者にはもっと厳しく課していいんじゃないかと思います。  次に、規制の強化の、熊の件。務台さんがちょっと聞かれていましたけれども。  餌づけ、確かにいけないと思いますよ、かわいいからといって。そのときだけかわいいと。それでけがしたらどうするのか。熊は全然、どうもうな顔をしていますが、本当に優しいので、人間に危害をほっておいたら加えないんですね。驚いたときに襲ったりするだけなんです。  御存じないかと思いますけれども、環境団体がいっぱいありますけれども、日本熊森協会というのがあるんです、熊と森。熊を大事にと。さっき、これも務台さんが言っていましたけれども、ベアアンブレラ。陸のところでは、食物連鎖でいうと、熊が頂点、海では鯨が頂点になっている、だから、熊がちゃんと生き残れるかどうかというのは、その地域の自然が豊かかどうかというもののメルクマールになるということなんです。  それで、何か熊のことを野生動物の、例示して特にしていますけれども、これから規制強化を政令でやると言っていますけれども、政務官、この政令は今のところどんなものを考えておられるんでしょうか。例として餌づけというのが書いてありますけれども、ほかにいろいろあると思いますが。
  83. 宮崎勝

    ○宮崎大臣政務官 お答えいたします。  野生動物への餌づけ等による公園利用上の問題でございますけれども、例えば知床国立公園におきましては、ヒグマに対する観光客やカメラマン等による餌づけや過度な接近が行われた結果、自ら人や車両に接近したり、利用者の荷物を物色する等、行動が変化したヒグマが多数確認されているところでございます。  これに対して、人身事故や物的な被害が懸念されているため、地方自治体地域公園管理を行っている関係機関と連携して注意喚起を行っているものの、指導に従わない者が後を絶たない状況になっております。  このため、改正案においては、野生動物生態影響を及ぼしたり、公園利用上の問題が懸念される行為規制対象として追加することとしております。野生動物生態影響を及ぼす行為として代表的なものである、野生動物に餌を与える行為を例示しているというところでございます。  今お尋ねの政令でございますけれども、規制対象となる野生動物生態影響を及ぼす行為を定めていることとなりますけれども、政令に定める具体の行為については現在検討を行っているところでございますけれども、具体的には、餌づけであるとか接近行為、このようなことを想定をしているところでございます。
  84. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 野生動物の餌づけばかりしか例に出てこないというのはおかしいので。  さっきドローンが出てきました、百五十メートル。務台さんがいないな、やっていましたけれども。ドローンで運ぶのは、それは確かにそうです、山小屋に。だけれども、ほっておいたら、ドローンはいいよと言ったら、ドローンを持っていって、いい景色を撮ろうといって、登山しながらドローンを飛ばして写真を撮っているような、そういう愛好家ばかりになっちゃうんじゃないか。それはオオタカとか、そんなのにも害を与えます。やはりやたらに山の上でドローンを飛ばしたらいけないと思いますよ。先んじて規制してください。要するに、山小屋に運ぶのはいいですけれども、ドローンを持っていくとかいうのを。  それから、かわいいペットも同伴して行く。これは、気持ちは分からないではないですけれども、余りよくないことだと思います。そこで離れて迷子になって、そこにすみ着いて野犬化するというのもあるんですよ。そういうのがあるし、やはりそういうのは先制攻撃、軍事的なものと違いますから、守るために、きちんと最初から、駄目なものは駄目と政令できちんと定めていただきたいと思います。  その一つに、これからいろいろ襟を正していかなくちゃいけないと。会食でいろいろ不始末ばかりしでかしている人が多いですよね、そういう人たちはもう去ったりしていますのでこの辺にはいないと思いますけれども。  典型的な例でいえば、私は山に登山に行くわけですよ。散策に行く。山だけじゃなくてもいいんですけれども、行ったら、残ったものは、食べて軽くなるわけですから、全部持ってきて、だから自然公園内に行ったときはごみは全部持ち帰れと、こういうルールをつくったって当然だと思います、軽くなるんですから、そういうことをまずすべきだと思いますよ。非常に厳しいことですけれども、ですけれども、やればできると。  やればできるというのを、どういうのを例に出したらいいか分かりませんけれども、たばこですよ。たばこなんかは、昔は、列車の、急行列車、特急列車の、横に灰皿が置いてあるんですよ。灰皿が出てくるわけ。わんわんと煙で、どこも全部、喫煙自由だった。  僕は、東京から長野に帰るとき、六時間の急行列車の、夏、お盆に帰るときに、もう辟易したんですね、たばこを吸わないので、むせちゃうので。僕は、頭にきたから、混んでいるところを、人を押しのけていって、車掌に、こんなに混んでいるときはたばこを吸うのをやめろと言えと言った。帰るとその吸っているおっさんに怒られるので帰りませんでしたけれども、ちゃんとアナウンスしてくれましたよ。しかし、今どうなっているんですか。きちっとできているんです。  だから、簡単なことですよ。もう自然公園内に行って、飲食はしていいと、持っていって。だけれども、ごみ箱も置かずに、ごみ箱をあさりに来たりするのがいますから。カナディアンロッキーなんかはもうそうしていますよ。熊がそれを、残ったものを食べに出てくるので。それをやっていただきたいと思います。そういう行為規制をやってほしいから言ったんです。  これは、大事な、例えば一つの提案なので、政務官の延長戦なんですが、大臣からお答えいただきたいと思います。
  85. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 篠原先生が御指摘のように、自然公園において、ごみ捨て、これは大きな問題だと考えています。そのため、既に現行法で、国立国定公園特別地域などにおいて、他の利用者が不快に感じるようなごみ捨て、ごみの放置は規制していますし、違反者は三十万円以下の罰金に処するということにしています。  また、国立公園を訪れる方に、ごみの持ち帰りを含めたガイドライン、このマナーブック、これを作成をして、五言語に、作成をしています。そして、ウェブサイトの周知、普及啓発をしています。  また、今後、国立公園のところで、プラスチックごみ、こういったことも削減の取組を進めることで、ごみの削減そのものもやっていきたいと思っていますので、この四月から、今月から、プラスチックごみ削減の普及啓発を行うため、国立公園環境省直轄ビジターセンターでの環境配慮型ではないペットボトルの販売を取りやめることにしました。  こういったことも含めて、先生思いと私も同じですので、そのごみをどうやって、必ず持ち帰れというところも含めて、どういう措置が更にできるかは引き続き考えてみたい。ただ、現行法で、こういう形で罰則も設けてやっているということでもありますし、プラスチックについては、できることを今後もやっていきたいと思います。
  86. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 一歩前進だと思いますよ。ごみだって、分別収集なんて、あんな難しいことをできるのは日本人だけだと思いますけれども、やればできるんです。やっているんだから、思い切ってやってください。  それで、済みません、さっきちょっと間違えた資料なんですが、資料一ページ目、日本の土地利用のゾーニング。小泉環境大臣というか、環境省は絶大な権限を持っているということです。日本はそんなに広くないですよ。三十七・八万平方キロメートル、三千七百八十万ヘクタール、そのうちの自然公園は一四・八%。ここに、SDGsを徹底し、環境に優しい生き方で、その見本をここでつくってください、ここぐらいは環境省がびしばし指導してやっていいんじゃないでしょうかということなんです、今のはですね。だから、食べ物で云々。  それで、次ですよ。  何でこう言うかと、理想のを作っていただきたいと。地方を活性化するのも、後で関さんの質問に対して答えておられましたけれども、まず環境省としては環境をきれいにというので、これももうできているのかもしれませんけれども、次の二ページを見ていただきたいんです。  この資料を作るのに手間がかかったんですよ、これ。自動販売機の国際比較です。こういうのをやっているところ、ないんです。あっちゃこっちゃの資料を引っ張り出して、だから、何年のと、こうやって書いてありますけれども。  皆さんお気づきだと思いますが、日本ほど自動販売機が多いのはないんですよ。世界中に行って、こんなに見るのはないと思いますが、どこ行かれても。台数、アメリカの方が多いですけれども、統計がまちまちで、新聞販売機も入ったり、切符の発券機も入ったりしているので、きちんとしたのはないんですけれども、少なくとも飲料についてこんなに多いのはありません。一台当たり何人かというのと、それから密度、日本が断トツです。  そして、違いは、設置場所。屋外にこんなに野方図に置いてあるところは日本だけです。外国旅行をされたりして、あるけれども、中にあります。一つには、外に置いたら、みんな打ち破って持っていっちゃう、お金を持っていっちゃう、そういうひどい国が、ひどい国なんて言うと差別みたいになりますけれども、だから日本は治安がいい証拠なんですが、あれは興ざめしますよ。  自然公園の中だけじゃなくて、京都や奈良の非常にいい雰囲気のところの、まあ、さすがにお寺の真ん前にはないかもしれませんけれども、参道の土産物屋のところにあるんです。外国人観光客はぞっとするんです。日本的な雰囲気じゃないわけですよ。  これは、今、論語とそろばんの方がNHKの大河ドラマでやっていますけれども、論語を全然忘れて、そろばんばかり。そろばんで便利。  私なんかも別に、公園に行って購入していますけれどもね。支持者訪問していて、店なんかないところで、もうコンビニないから、自動販売機がどこにあるかと、喉からからで。恩恵には浴していますけれども、やはりあれは、でたらめにあっちこっちにあるのは問題だと思います。  日本全国でこれを減らせと言ったら、それは産業界や飲料業界からわんわん文句言われると思いますけれども、自然公園の中ぐらいは、絶対に置いてはいけないということをしてもいいような気がするんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  87. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、既に、許可を受けずに設置した場合は、法律違反ですから、罰則対象にもなりますし、今、自然公園国立公園内にあるものは、例えば色を変えたり、木製のちょっとかぶせるものといいますかね、景観を害さないように、こういったものはやっています。そして、ペットボトルはこれからやめるということも言ったとおりですが、篠原先生が求めているのは、国立公園内は設置禁止、要は自販機ゼロということなんですね。  そうですね、ちょっと、では考えますけれども、長野県は今、ゼロカーボンパーク取組をやっています。そういったことを含めて何ができるかは考えたいと思いますが、思いとして、野方図な自動販売機の設置は私も必要ないと思っています。一つの御意見として承っておきたいというふうに思います。
  88. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 今、景観ので、袋をかぶせておく、ちょっと景観に合うように緑色にするとかというのはあると思います。これは我々、景観には無頓着なんですね。ちょっと考えていただきたいんですけれども。  私はパリに、三十年ぐらい前、三年間いたんですけれども、工事中の塀が灰色と緑なんですよ。日本だと、黄色と黒とか、赤と白とか目立つ色なんですが、何でパリはこんなことをしているのかなと思ったんです。これは皆さんちょっと考えてください。答えは聞きませんけれどもね。  何でかというと、考えてあるなと。木々の緑、それと建物の石の灰色なんです、風景を乱さないように。次でき上がる建物をテントに描いて、ばあっとやっているところもある。もうでき上がったのかと思ったら、でき上がっていないんです。でき上がったらこうなるよといって、隠しているんです。  日本は何にもしていませんでした。今どうなっているか、お気づきですね。日本人のやることはすごいんですよ。御迷惑をおかけしていますという漫画が描いてある。そして、同じように、色は、赤や黄色や黒じゃなくなったんです。それどころか、工事中の塀の中、どうなっていますか、一番手の込んだのは。緑色の、ツタじゃないんですよ、名前は知りませんけれども、緑がはっているんですよ。そこまで環境に配慮してやっているんです。それだったら自然公園内に何でできないんですかということなんです。やってくださいね。  なぜかというと、渥美半島をえらい宣伝していましたけれども、関さんが言っているので、僕は渥美清という名前はそこから来たのかと思って、だから気になって本当かと聞いたら違うと言うんですけれどもね。日本全体、渥美半島だけじゃなくて、長野県もきれいですよ。  欧米の人たちが江戸時代から明治時代に来たときにも、びっくりしたんです。皆さん気がつかないかもしれませんけれども、日本全体が公園だと思った人がいっぱいいて、その頃の人たちのところにそういうことが書いてあるんです。これに気がついた川勝平太知事、彼がガーデン列島ということを本で使っていまして、ガーデンアーキペラゴ、日本全体が公園のように美しい。それは、砂漠の国から来たらそう思うと思います。だから、それをちゃんと守るという強い意思を持っていただきたい。  それで、政務官にまたお伺いしたいんですけれども、統一の美というのはやはり考えなくちゃいけないんです。これも、スイスの観光地なんかに行けば分かりますよね、二階建てで、ばかでかいホテルなんかないんですよ。そして、二階の窓辺のところに同じ種類の花が、ゼラニウムか何かが置いてあって。そして、ホリデイ・インもありますよ、乱開発の日本、アメリカで、知ってのとおり。ヨーロッパだとモーテルシックス。だけれども、壁はその地域の壁の色。屋根も同じ瓦を使っている。変なことをしていないんです。日本は何か、どんなのを造ったっていいということになっている。やはり、これは違うと思うんです。  集団施設地域というのをつくっているんだったら、びしっと示して、こういう統一美をちゃんとキープしようということをやってもいいような気がするんですけれども、そういうことは考えておられませんでしょうか。みんな、どんどんやってくださいと、協議会に任せる、協議会にそういうことをやっていただくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  89. 宮崎勝

    ○宮崎大臣政務官 お答えいたします。  現在、国立・国定公園内の建築物の新たな改築、増築につきましては、高さや壁や屋根の色彩等について一定の基準を設けた上で、景観に与える影響を個別に審査した上で、許可を行ってきているところでございます。  しかしながら、公園指定前に設置されている建築物や公益上必要な建築物等もありまして、基準の範囲内であれば設置者の自由を一定程度認めざるを得ないということから、集団施設地区等において、必ずしも自然景観と調和した統一的な町並み景観が形成されていない部分もございます。  そのため、御指摘のように、統一的な町並みの景観の形成をするためには、当該エリア内の建築物の所有者皆さんの合意形成と共通の方針に基づく仕組みが不可欠でございます。今回の改正における利用拠点整備改善計画ですけれども、これは、市町村、都道府県、地域関係事業者等による協議会の設置と計画の作成を位置づけるものでありまして、これによって、自然景観と調和した統一的な町並み景観の形成が図られるものと考えているところでございます。
  90. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 ちゃんとやっていただきたいと思います。  次に、野生動物という名前が、さっき、熊の餌づけがいけないということで出てくるんですね。僕は、この質問、この指摘、この提案は、調べてみましたら、二〇〇六年、十五年前と、二〇一四年、七年前と二度にわたってしているんです。何かというと、鳥獣というのがずっとある、鳥獣害。鳥獣被害を受けている人たちはこのやろうめと思っているから鳥獣でいいと思います。でも、環境省法律も何かいいかげんで、かわいいと思うときに野生動物と使って、打ち砕くというときに鳥獣と使っているような気がするんです。同じで、違わないんじゃないかと思います。  四ページを見ていただくと、これは資料をそのままやったらそのとおりに返ってきたんですが、野生動物と鳥獣の違いは何かと書いてあるんですけれども、これは何が書いてあるのか分からないんです。読んで、一番下、違いが分からないんです。  そして、その前の三ページを見てください。これは内閣法制局に聞いて作ったものですけれども、今まで、一気に法律の名前を変えたのがこれだけあるんです。最近では豚コレラ、アフリカ豚コレラを変えたのは御存じですね。農林水産省も頑迷固陋なところですけれども、ちゃんと柔軟にやっていますよ。  環境省、ずっと言っているのにやらないんですよ。だから総理になれないんだと思いますけれども。総理になる人はちゃんと柔軟にやってください。野生動物と使っているんです。何で鳥獣と今使うんですか。一気に直せるんです。  これを見てください。差別的、侮蔑的なものから、アイヌと使ったり、産業規格、それから保健婦、保健師と変えたというのを知っていますね。  どうしてこういうときにやらないのかと。僕が附則で直すという修正提案をしたいぐらいですけれども、迷惑をかけるからやめておきますけれども。この次の法律改正のときは絶対やるということを約束していただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
  91. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 将来の大臣を縛るようなことはしたくはありませんが、先生思いというのはよく分かります。  ただ、野生生物、鳥獣、これは法制上はその範囲が異なるということですね。野生生物とは、本当に野生生物全般という形です、動物一般。野生に生息する動物一般。ただ、鳥獣というものは、鳥類又は哺乳類に属する野生生物をいう、こういう形が鳥獣保護管理法では、鳥獣という言葉を使うときに、その定義としてはそうなっているということでもあります。  先生の御意見は御意見として承りながら、鳥獣だからといって悪い、野生生物だからかわいい、そういったことではなく、範囲の違いだということをしっかり広げていかなければいけないなというふうに思っています。
  92. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 いつもなかなか明快な答弁ですけれども、全然今の答弁は不明快で、よく分からないです。ですけれども、ちゃんと覚えておいてください。事務方も覚えておいて、これ。本当に、どうしてこんなのもすぐ変えられないのかなと思うんですけれども。いつまでも鳥獣と言っちゃよくないと思います。  次、やはり環境はただじゃないということで、規制していかなくちゃいけないと思います、規制。それで、行為規制を、餌づけをやめろとか、ドローンを余りでたらめに飛ばすなとかいうのは行為規制ですけれども、やはり、日本は人口が多いし、いっぱいぎゃあっと行き過ぎると。富士山の登山道なんか本当にずっと数珠つなぎになりまして、これを何人に絞るというのはなかなか国民の理解は得られないと思いますよ。やはりキャパシティーというものはあるわけです。  だから、思い切って入域制限すべきだと思いますし、次、またCO2の削減にも関わるわけですけれども、マイカー規制もすべきだと思います、完璧に。もうやっているところはあると思いますけれども。  それで、この五ページを見ていただきたいんです。これが、哀れ、近年廃止された鉄道路線です。  なぜこれをわざわざやったかというと、志賀高原、スノーモンキー、大したことないですよ、猿が風呂に入っているだけです。あんなの、元から見ていたけれども、あれで観光になるんじゃ、もうけ過ぎだと思いますけれども、これまた観光外国人がいっぱい来ているわけです。もう餌なんかやりませんよ。餌をやったら肥満猿ばかりになっちゃうから、そんなことできやしないと。誰も自主的にそんなのはやっていないと。  だけれども、あれ、車で来るわけでしょう。そうじゃなくて、新幹線に乗って、長野で降りて、長野電鉄に乗って、長野電鉄のバスに乗っていったら、長野電鉄の経営はちゃんと安泰ですし、地域住民も、おかげで廃止にならないからというふうになるんです。さっき、地方振興と言われたんですね。できるんですよ。環境省がびしばし規制して、車で来ちゃいけないと言ったら、公共交通機関を使って来るんですよ。  日本も、自動販売機の例を出しましたけれども、車なんかも、国民一人当たり一台にはなっていませんけれども、七千万台ですよ。私はこんなに要るかと。宅急便ばかりやって、買物に行かずに、うちの事務所なんて、消しゴムも、これだけを、こんなでかい、通販で買っているんです。僕は怒りますけれども、そういうふうになっちゃっている。  やはり自制しなくちゃいけないと。マイカー規制というのは、一般の社会ではできませんけれども、一遍、一番最初の資料で示したとおり、一五%の区域を環境省がにらみを利かせているんです、そこで隗より始めよというふうにやっていただきたいです。  もしそれを、今、やればできると思うんですね。私、これ、裏紙ですよ、使っているの。裏紙の資料としては、環境省の資料はちょっと寂しいんですね。何でか分かりますか。環境省は裏紙なしなんです。必ず二枚刷りなんです。気がついておられますか。ほかの省庁は裏があるんです、裏を使っていないんです。環境省は紙全部、表裏になっています。なかなか大したものだと思います。やればできるんです。そういうことを率先垂範して環境省はやっているんです。  だから、日本全国で車の数を減らせと言ったら、自動車工業会はかんかんになって怒りますけれども、自然公園には車で来ちゃいけないというのは、これをやったっていいし、大義名分がつくわけです、CO2の排出を抑えるんだ、環境を守るんだと。これこそ、次の大臣にツケを回さずに、小泉大臣のときにやれば何のツケも回さぬことで済みますからやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  93. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 マイカー規制が地方の経済を潤す、この発想は篠原先生の御持論なんだろうなというふうに思いますし、そういう声が地域から上がってきたら是非対応したいと思います。  ただ、今、我々のところに届いている声の一つが、マイカー規制をすると観光に打撃がある、だからやめてくれ、こういう声もあります。ただ、マイカー規制が実現しているところも結構あって、今現在数えると十九の国立公園でマイカー規制を行っています。そして、今日は堀越先生から尾瀬の話もありましたが、マイカー規制のときの代替交通手段となる低炭素型車両、例えば尾瀬で、又は中部山岳国立公園もハイブリッドバス、タクシーなどが導入をされています。  ですので、今後、私、篠原先生発想、よく分かりますし、どこか国立公園の中で積極的に、そのことによって、むしろ歩く、そして自転車又は電車の方がCO2排出からいったら間違いなくいいので、こういったシフトがより多くの地域から出るように、今のお考えもしっかり承った上で、地域皆さんにも新たなまちづくり、新たなツアー、新たなライフスタイル、根づくように努力をしていきたいと思っています。
  94. 篠原孝

    ○篠原(孝)委員 前向きな答弁、ありがとうございます。さすがだと思います。  ちょっと、ただ、残念ながら、いろいろしゃべり過ぎたので、質問の三分の一は残ってしまいましたので、この次の一般質疑で続きをやらせていただきます。  ありがとうございました。
  95. 石原宏高

    石原委員長 次に、江田康幸君。
  96. 江田康幸

    ○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。  本日は、皆さんに引き続いて、私の方も自然公園法改正案について質問をさせていただきます。  早速、大臣から質問をさせていただきます。  地域の状況が変化していく中で、観光は地方創生への重要な切り札となっております。多くの地域がこれに力を入れております。  私の地元の阿蘇くじゅう国立公園を始めとして、多くの国立公園国定公園日本を代表する自然環境として地域の観光、地方創生の要となっておりまして、国内外から多くの観光客が訪れるエリアとして地域を支える重要な資源となっていると理解をしております。  一方で、国立公園側も、旅行形態や旅行ニーズの変化、ライフスタイルの多様化などの状況の変化対応していく必要があると考えます。特に、新型コロナウイルス感染症の流行によってインバウンドが大きく落ち込む一方で、自然や健康への関心が高まっており、アウトドアに人気が集まるなど自然の中で過ごす体験が注目を集めて、また、ワーケーションのように、テレワークにより、自然の中で働きつつ休暇も楽しむ働き方にも関心が寄せられているところであるかと思います。  このような状況の中で、今般、自然公園法改正案が提出されたところでございますが、この改正案のポイント、そして改正の意義について、まず大臣にお聞きをいたします。
  97. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今日、何度も議論をさせていただいておりますが、今回、保護利用の好循環、これを回していきたいと思います。  そして、ポイントは三つあります。  一つが、ソフト面の強化です。そして、この一つ目のソフト面の強化にとって大事なのが自然体験活動促進計画、この新たな制度を創設をして、ソフト面のアクティビティーなどをより強化を支援をしていくということであります。  そして二つ目が、ハード面の支援です。このハード面の支援が、利用拠点整備改善計画制度、これを新たに創設することで、より、廃屋撤去など、利用面の拠点を整備すること、改善することにつなげていきたいと考えています。  そして、第三が、むしろ自然の保護規制の強化の部分でありますが、野生動物への餌づけなどの行為に関する規制、違反行為への罰則の強化、これを行うということが三つ目のポイントであります。  このほかにも、国立公園などの国内外へのプロモーションの促進などに関する規定の整備も行います。  このことによって、満喫プロジェクトの成果を全ての国立公園に広げるとともに、利用保護の好循環を回していきたいと考えております。
  98. 江田康幸

    ○江田(康)委員 大臣、ありがとうございました。法改正の意義が明確に分かったところでございます。  次に、国立公園満喫プロジェクト位置づけと今後の取組についてということで、環境省にお伺いをさせていただきます。  国立公園国定公園は、自然環境保護していかなければならないことは当然でありますが、その自然環境を楽しむ利用の観点も重要であり、これらを両立していく必要があると考えます。特に近年は、積極的なインバウンドの誘客を通じた地域活性化自然環境保護につながる利用の推進という観点から、国立公園満喫プロジェクトが進められてきたと思います。  今回の法改正のきっかけともなっている国立公園満喫プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症後の地域、観光の活性化の観点から重要な施策であると考えます。保護利用の両面から取組を進めることで、地域と自然にとってよりよいサイクルをつくっていこうという今回の法改正を、今後の国立公園満喫プロジェクトにもしっかりとつなげていくことが重要だと思います。  今後、国立公園満喫プロジェクトにどのようにこれを反映し、取り組んでいかれるのでしょうか。お伺いをいたします。
  99. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  二〇一六年以降、プロジェクトに基づきます各種取組を進めまして、訪日外国人利用者数の増加に貢献してきたものの、取組対象地域は限られており、世界水準のブランド力、認知度や民間と連携した利用の質の向上等の誘客の取組はまだ不十分だと認識してございます。  また、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の利用者数が大幅に減少いたしました。一方で、アウトドアレジャーやテレワークへの関心の高まりによる新たなライフスタイル、ワークスタイルへの転換が見込まれ、国立公園等地域資源としてのポテンシャルはますます増大していると考えてございます。  その上で、今回の改正では、これまで国立公園満喫プロジェクトにおいて進めてきた質の高い自然体験活動促進魅力的な滞在環境整備等取組法律位置づけてございます。今回の法改正を基に、満喫プロジェクトの取組を全ての国立公園に広げ、自然を満喫できる質の高いツーリズムの実現とブランド化を進め、国立公園魅力の向上を図ってまいりたいと考えております。
  100. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。しっかりと、今後の国立公園満喫プロジェクトを大きく展開していっていただきたいと思います。  続きまして、宮崎政務官にお伺いをさせていただきます。  国立公園等保護利用の好循環を実現していくためには、地方公共団体また地域との連携協力が非常に重要でございます。今回の改正によって、重要な地域資源となっている国立公園国定公園について、地域主体取組が進んで、地域の考えを取り入れやすくなるということだと理解しておりますが、市町村や都道府県は限られた人員体制の中で対応することになるわけであります。特に、国立公園国定公園を抱える自治体は規模の小さいところも少なくなく、協議会の組織や計画の策定等が負担となること、また、知見やノウハウの不足により対応が難しいことが懸念されます。  加えて、新型コロナウイルス感染症により、国立公園国定公園における観光を支えているガイド事業者や旅館事業者などの地域の担い手は大きな影響を受けているわけでありまして、地域のボトムアップの仕組みを支える担い手が失われていってしまうのではないかと心配をしております。  そこで、この新型コロナウイルスの感染症の状況から、まだ全国的な移動を推奨することは難しいかもしれませんけれども、近場の観光地を利用するいわゆるマイクロツーリズムの促進について、重要であると考えます。  環境省として、市町村や都道府県、ガイド事業者などの地域関係者をどのように支援していくのか、お伺いをします。
  101. 宮崎勝

    ○宮崎大臣政務官 お答えいたします。  まず、全国の国立公園等保全管理していくためには、地方自治体やガイドツアーや宿泊等のサービスを提供している事業者方々などの各地域関係者方々協力が不可欠であると認識しております。  新型コロナウイルス影響によりまして国内外からの国立公園利用者が大幅に減少している中、コロナ後の反転攻勢に向けて、こうした地域関係者への支援を行いつつ、地域内、国内、海外と段階的に利用者の復活を図ることがまず必要であると考えております。  そのため、国立公園利用を担う関係事業者の雇用を維持し、ツアー造成やワーケーション環境整備などを図るため、令和二年度の第一次補正予算及び第三次補正予算で、ガイド事業者、旅行業者、地方自治体等の地域関係者取組支援しているところでございます。  また、環境省の現地職員は日頃から都道府県、市町村と密に連携を図っているところでございます。私も、昨年十一月に雲仙天草国立公園を訪問いたしまして、雲仙地域関係者意見交換をするとともに、現地職員が地元から大変感謝されている様子を目の当たりにしたところでございます。今回の改正法に基づく協議会の設置や計画の作成等につきましても、環境省として、必要な助言や参考となる事例の情報提供などの技術的支援を行ってまいりたいと考えております。  引き続き、地域関係者方々と密に連携協力を行いながら、国立公園等保護利用の好循環の実現に向けて取り組んでまいります。
  102. 江田康幸

    ○江田(康)委員 しっかりと自治体地域事業者への支援を進めていただきたいと思います。  続いて、笹川副大臣にお聞きをいたします。  今回、このような多岐にわたる改正事項が盛り込まれているわけでございますけれども、これらが現場で適切に運用されることも極めて重要であります。近年、国立公園の現場管理を担う環境省の職員、レンジャーについては増員を図っていると承知しておりますが、海外の国立公園、例えばアメリカのヨセミテ公園もこの委員会で視察をしたわけでございますけれども、そういうような状況と比べると、まだまだ現場管理体制は不十分だと思います。  今回の改正法の適切な運用や、国立公園満喫プロジェクトを始めとした各種の施策の更なる発展、強化に向けて、国立公園の現場管理体制を今後どのように充実させていくか、お伺いをいたします。
  103. 笹川博義

    ○笹川副大臣 御質問ありがとうございます。  堀越委員の御質問にもお答えをさせていただきましたが、先生の御尽力、御党の御尽力も伴いまして、平成二十九年、三十年、元年、令和二年ということで、二十五名、二十五名、二十七名、二十五名ということで、百名から二百名というような、倍増する体制を整えることができたわけでありますので、改めて感謝を申し上げます。  引き続いて、このレンジャーの役割は、先ほど申し上げたとおり、ますます大きくなるわけでありまして重要でありますので、このレンジャーの体制の充実は必至というふうに考えておりますので、目指してまいりたいと思いますし、同時にまた、先ほどお答えを申し上げましたけれども、千名規模の現地管理体制の構築を目指してまいりたいというふうに思っている。もちろん、レンジャーの補佐でありますアクティブ・レンジャー、この職員、これも大事でありますので、やはり地域のことをよく知っている人材の活用というのも大事でありますから。  それからもう一つ、先ほどびた一文論争がございましたが、関委員質問の答弁の中で林野庁さんも御答弁がありました。いわゆる国立公園の約六割が林野庁の所管でもございますので、そういう意味では、先ほど環境省の役割、それから林野庁の役割、質疑、答弁の中でも役割が判明したわけでありますので、御理解があったというわけでありますので、林野庁との連携をなお一層密にしていく、このことがやはり現場の管理体制を強化していく道だというふうにも思っておりますので、努めてまいりたいと思います。  ありがとうございます。
  104. 江田康幸

    ○江田(康)委員 笹川副大臣に大変大きく期待をしております。現地管理体制の充実、よろしくお願いを申し上げます。  引き続いて、大臣質問をさせていただきます。  国立公園におけるワーケーションの推進についてであります。  このワーケーションについては、大臣が大変大きくリードしてきていただきました。新型コロナウイルス感染症の流行以降、自然や健康への関心が高まっているというのは先ほども述べたとおり。ワーケーションのように、テレワークにより、自然の中で働きつつ休暇も楽しむ働き方に関心が寄せられております。コロナ収束後においても、このライフスタイルの変化維持して、働き方、休暇の楽しみ方の多様化に対応した場の提供も求めることが見込まれるわけです。  国立公園は、ワーケーションの場として大きなポテンシャルを有しております。どのように進めていくかが課題であります。  小泉大臣はこの国立公園でのワーケーションの推進に積極的に取り組んでこられたと十分承知しておりますが、今回の法改正を機に国立公園におけるワーケーションをどのように推進していくのか、お伺いをいたします。
  105. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ありがとうございます。  私がワーケーションを言い出したのは昨年の第一次補正の議論のときでしたが、あのときは、一体ワーケーションなんか、何を言っているんだ、一体その言葉は何なんだと否定的な反応が最初ありました。それが一変しましたね。  今は、このワーケーション、第一次補正の中でも、事業者から応募を受けまして、二百七十一件採択をしました。これにより、各地のホテルやキャンプ場でのWiFi環境整備や、参加者向けの自然体験アクティビティーの開発などが進められています。国民の認知度も高まりまして、ある民間企業の調査では、三十代から五十代の就業者のワーケーションの認知度は七〇%という高い結果が出ています。  また、地域の期待も大きく、ワーケーション自治体協議会という、自治体が入っているワーケーションの協議会があります。この会員数が、令和元年十一月の発足当初六十五団体から、今、三月二十四日現在で百七十八団体まで急増したところです。  さらに、三月五日には、一般社団法人北海道ナショナルパークワーケーション協会と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結したところであります。  そして、今回の改正案において、自然体験活動促進魅力的な滞在環境整備に関する協議会の設置や計画の作成を地方自治体が中心となって行うこととしていますが、これはワーケーションの推進にも寄与するものであります。  今回の改正を通じて、予算措置による支援も併せて、ワーケーションも含めた国立公園などでの長期滞在につながる地域取組を後押しをしていきたいと思います。  なお、昨日、環境省も新入職員が、一年生が入ってきましたが、私の職員訓示の場に、去年の入省の今の二年生、新二年生に参加をしてもらいましたが、そのうちのお一人はワーケーションを積極的にやりたい、組織の中でも、課長などにもワーケーションをやってもらいたいという熱い思いの一年生がいたので、省内で、課長も含めてワーケーションを実施をして、私もワーケーションをやりました。  恐らく、入省したばかりの若い世代も含めて多様な働き方を実現をしたい、特に、環境省に入省する、自然を愛するようなそうした職員の中には、堀越先生のように、たき火をしながらでも働ける環境の中で、働けるレンジャーのような、こういったものも憧れながら、思っている人間もいると思いますので、それが環境省の職員に限らず、多くの世の中の働いている人が実現をできる一つがワーケーションという形だと思いますので、後押しをしていきたいと思います。
  106. 江田康幸

    ○江田(康)委員 私も、ワーケーション、グランピング、大好きであります。大臣のリーダーシップでこれほどワーケーションの視点が政府全体まで広がってきた、新入職員までワーケーションの、この分野の専門家というか、これを育成していく、本当にすばらしいことだと思います。しっかりと進めていっていただきたいと思います。  最後に一つ、私の地元、奄美、琉球、世界自然遺産の登録実現について、最後に大臣にお伺いをさせていただきます。  世界自然遺産の候補地であるこの奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表については、二〇一八年五月に、世界遺産の諮問機関であるIUCNから、沖縄の北部訓練場返還地が推薦地に含まれていないことや分断された小規模な区域が複数含まれていることを理由に登録延期勧告を受けて、推薦を一旦取り下げましたけれども、二〇一九年の二月に再推薦をされています。  同候補地は二〇二〇年六、七月の世界遺産委員会で審査される予定でありましたけれども、今度は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、この委員会そのものが開催延期となって、二〇二一年六、七月に開催されることになりました。  今回こそ登録をと地元の期待が高まっておりますけれども、コロナ影響で今度も延期になり、何度も延期になって不安もございます。  世界自然遺産登録に向けて、次期委員会の開催に向けた現在の準備状況と大臣の決意等をお伺いをさせていただきます。
  107. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、江田委員から御紹介があった六月から七月の開催時期というのが、ようやく具体化をしたというふうに聞いています。ユネスコが、今週三月二十九日の月曜日に、延期していた世界遺産委員会を今年の七月の十六日から三十一日にオンライン形式で開催することを決定した、そういうふうに承知をしています。  奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島は、アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコといった希少な固有種が生息するなど将来の世代に引き継ぐべき人類共通の財産であり、環境省としては、引き続き、外務省を始め、関係省庁地元自治体皆さんとも緊密に連携を図りつつ、登録に向けた対応に万全を期していきたいと思います。
  108. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  以上で終わらせていただきます。
  109. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  110. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  自然保護法の改正案について質問をします。  環境省から説明を受けて、国立・国定公園において、保護のみならず利用面での施策を強化すると、本法の目的であると伺いました。保護は大丈夫でしょうか。逐次質問をします。  まず、利用拠点整備自然体験活動対象事業になれば、特別地域、それから特別保護地区、あるいは海域公園地区、利用調整地区などでどういったことができるようになるんでしょうか。
  111. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  利用拠点整備改善計画及び自然体験活動促進計画環境大臣又は都道府県知事の認定を受けました場合には、計画に記載された事業実施に伴う、特別地域特別保護地区及び海域公園地区における工作物の新改増築や木竹の伐採、広告物の設置等がワンストップで可能となります。また、利用調整地区の立入り認定も同様にワンストップで不要となります。  ただし、これらの計画の認定に当たりましては、通常の許認可等と同じ基準で審査されることになるため、国立公園等保護上の懸念は生じないと考えております。
  112. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 保護上の懸念は生じないとおっしゃいますけれども、自然保護法の特別地域、それから特別保護地区、事細かに、してはならない条項がありますよね。今おっしゃったように、工作物の新築、改築、増築、それから伐採、土砂採取、広告物の掲示、土地の形状を変更する等々、たくさんの手続がこれまで必要だったんだけれども、ワンストップで一気に、事業計画案が出されて、それを認可したらこれでもうおしまいと。これは本当に大丈夫なんでしょうか、私は非常に懸念を持つものであります。  利用拠点整備自然体験活動促進、この事業計画を行う協議会公園計画に対しても計画変更の提案をできるとしています。これはどんな提案ができるんですか。
  113. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  今回の改正におきましては、当該地域における利用拠点の質の向上や質の高い自然体験活動促進地域関係者の主体的あるいは積極的な関与を促し、利用拠点整備改善又は質の高い自然体験活動促進しようとするものでございます。その一方、国が策定する公園計画に照らして適切なものでなければ認定されないことを踏まえれば、公園計画の変更等について協議会ができることとする必要があります。  今回、自然体験活動促進計画に関する提案といたしましては、例えば、質の高い自然体験活動促進に関する基本的な事項の一部変更や、自然体験活動促進のために必要な歩道や野営場、キャンプ場等の公園事業施設の追加等が想定されます。  また、利用拠点整備改善計画に関する提案といたしましては、例えば、宿舎事業計画されているエリアにおける歩道やキャンプ場等の公園事業施設の追加が想定されるところでございます。
  114. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 宿泊事業、キャンプ場の創設といったところの提案ということでありました。  協議会国立公園計画の提案に対して、これを拒否する場合は、環境大臣協議会に対してその理由を示さなければならないというふうにされています。その場合、何を基準にして拒否の理由を提示するんでしょうか。
  115. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  公園計画の変更は、関係都道府県及び中央環境審議会の意見を聞いた上で環境大臣が行うものでございます。協議会による変更の提案が国立公園あるいは国定公園の自然景観の保護又は適正な利用の推進に支障を及ぼすというふうに判断されれば、提案を拒否することとなります。  協議会の提案に対する可否の返答の期限につきましては、法案が無事に成立いたしました後、詳細な手続とともに検討することになります。公園計画の変更に当たっては、地方自治体関係行政機関等への意見聴取あるいはパブリックコメント、審議会への諮問等が必要になることから、一定の時間を要することになると考えております。
  116. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 協議会の提案に対する可否の返答、協議会から大臣に対して出された提案に対して大臣協議会に対して可否の返答をする、その返答の期限というのはどの程度を見込んでおられるんでしょうか。また、その根拠について教えてください。
  117. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 どれぐらいの期間を要するかにつきましては、その中身、計画の中身によって、いろいろ計画が盛りだくさんであれば、それだけ審査に時間がかかりますので、一概にどれぐらいというのは今の段階ではちょっと申し上げることができません。  また、根拠につきましても、それは、今回の法改正の状況に基づきまして、審査をして、しっかりその根拠も示していきたいというふうに思います。
  118. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 行政手続法は、そのうちの選択肢の一つに入るのではないでしょうか。  行政手続法、具体的には一か月から数か月の間に回答するということも考えられるのではないかと思いますが、いかがですか。
  119. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 先ほど関議員の御質問にも、認定の申請を受けてから、今考えられるのは一か月から二か月ぐらいの……(田村(貴)委員「二か月」と呼ぶ)一か月から二か月程度かかる想定はしてございますけれども、それはやはり計画のボリューム、大きさ、中身によって変わってくるものだというふうに我々は考えてございます。
  120. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 公園計画見直しについては、これまで通常は五年程度をめどにして中央環境審議会で検討されてまいりました。しかし、変更の提案に対して環境省が回答義務を負う、その期限が一か月から二か月の間となってしまえば、これまでのように必要な意見聴取や、この一か月、二か月で中環審の意見を聞くことができるんですかね。必要な意見や調査、関係者間の調整といったことを十分に行わないまま変更の可否の判断を迫られることになるのではないかと思いますが、いかがですか。
  121. 石原宏高

    石原委員長 鳥居局長、正確に質問に答えてください。
  122. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 はい。  私が先ほど一か月から二か月と申しましたのは、自然体験活動促進計画あるいは利用拠点整備改善計画を、認定の申請があって、それを審査して回答するのに要する時間でございまして、公園計画の変更を求められた場合の要する期間については、もちろん、それ以上の期間を要する、先ほど申しましたような手続が必要になってまいりますので、もっと時間はかかるというふうに考えてございます。
  123. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 では、その公園計画の変更の際に行っていた中央環境審議会、中環審の検討と同等のことをやるということなんですか。そのことは、この条項のどこに記されているんですか。
  124. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 今回の法改正等はなくて、既存の現行法におきまして、公園計画を変更する場合には中央環境審議会の意見を聞かなければいけないというのはもう既に規定されてございますので、それに基づいて中環審の意見を聞くことになります。
  125. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 自然公園、これは、その生態系については、いまだ総合的に知見が得られると言われていません。その都度、有識者等々の意見を聴取をする、それから、必要があれば追加の調査を行ってまいりました。地域制の自然公園制度の性格上、利害関係者も多い、地方自治体や土地所有者からの意見聴取や調整にも時間がかかるものである、こういったことは、相当やはり慎重に手続、判断、調査を行っていかなければならないと思います。保護のみならず、利用面での施策を強化する。利用面での施策強化、これがやはり先行してしまって、事業活動の可否の判断が絶対性急にあってはならないと思います。  大臣、ちょっと大臣への通告はなかったと思うんですけれども、事業活動の可否をやはり判断する、これは大臣が判断するんですよね。公園計画見直しについても、大臣検討しなければいけない。私は、その判断というのは決して性急なものであってはならないというふうに思いますが、いかがですか。
  126. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先ほど、前の質疑者の回答の中で、この認定の要件に、自然を損なうことがないようにということが認定の要件になっているというふうにお答えをしたとおりであります。  一方で、田村先生のように、自然を守らなければいけないと思っている方と、関先生の御地元のように、環境省はびた一文触れさせないというふうに思っている方もいるわけで、今回、改めてこの法律によって、保護はしっかりやります、ただし、それが、自然を損なわない、利用在り方をよりよいものにしていくことは柔軟にできるようにすること、そして、そのことが、知床財団の方が言っていたように、利用のルールがより明確になることで適正な自然や生態系保護につながるんだ、こういった認識を多くの方と共有していきたいと思います。
  127. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣、私はびた一文の論議には入りません。それはいろいろな場合があると思うんですよね。後で言いますけれども、自然保護団体とか識者とか有識者とか、環境保全されることが客観的に保障されるならば、それはその限りではないだろうというふうに思っています。そこは大事だと思いますよ。  それで、法律の目的に基づく風景地の保護、それから生物多様性の確保、これまで自然保護法の中に入ってまいりましたこの観点は、十分な検討作業を行う時間的保障はあるのでしょうか。いかがでしょうか。
  128. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  協議会の中には専門家や必要に応じて自然保護団体も入り、十分な地元検討をしていただくということになってございます。また、先ほど大臣も申し上げましたように、環境大臣に申請があった場合に、自然環境への支障がないということをしっかり確認した上で認可を出すということになってございますので、そこをしっかり対応していきたいというふうに思います。
  129. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 満喫プロジェクトについて質問します。  本法の改正提案は、二〇一六年から全国八つの国立公園実施されてきた国立公園満喫プロジェクトを全ての国立・国定公園で展開するための制度化であります。満喫プロジェクトにおいて様々な問題がこれまでありました。  例えば、十和田八幡平国立公園の休屋地区では、公園事業として蔦温泉園地歩道の再整備が行われました。その内容は、天然のブナ林十本以上を伐採し、湿原に張り出す展望デッキを拡幅するものでありました。紅葉シーズンの朝日がきれいに見える二週間、ただ二週間の誘客目的のためにこういうことをしたわけです。地元環境保護団体や住民がこの計画を知ったのは工事開始以降ということで、これは地元で大問題になりました。  伊勢志摩国立公園では、自然環境保全上、厳しい規制がかかった特別地区で、外資系企業のアマンと三井不動産の共同事業として投資目的の分譲ホテルの建設計画がありました。同公園の同事業計画検討した二〇一八年八月の中央環境審議会では、国立公園利用に対する公平な利用機会が提供できないとして批判が相次ぎました。  大臣にお伺いします。こうした満喫プロジェクトの批判や問題があったことをどのように捉えておられますか。反省点はどこにあったと考えておられますか。
  130. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、先生指摘の十和田八幡平国立公園の例は、休屋ではなく、蔦沼における展望デッキの件と理解をしていますが、整備内容を決める前に現地の自然保護団体の意見を聞かなかったという御批判があったと承知をしています。地域保護団体には具体の整備を行う前に意見を聴取しており、御意見も踏まえ、事業実施内容を当初予定していた規模を縮小し、樹木の伐採のような自然環境への影響を軽減したものと承知をしています。  また、伊勢志摩国立公園の件については、二〇一九年九月の自然公園法施行規則改正に基づく分譲型ホテルの認可事例と承知をしていますが、先日の参議院の環境委員会で市田議員からも御指摘がありました。分譲型ホテルの認可は公平性、公益性の観点から課題があると、そのときも御指摘をいただきました。  本改正では、それまで国立公園事業として認可の対象となっていなかった分譲型ホテルについて、一定の要件を満たした場合には認可できることとしましたが、公益性、公平性は担保されていると認識をしています。  これは、近年の分譲型ホテルへのニーズの高まりなどを踏まえ、国立公園内における利用の質の向上のため、上質な宿泊体験の提供や、にぎわいが失われている地域の再活性化などを期待して行ったものであります。  このため、休廃業施設が目立つエリアの再活性化や上質化に資すると判断されること、又は、風致景観の保護上支障を来している廃屋や老朽化施設の建て替えなどにより実施されることを条件として求めており、国立公園として必要性の高い事業に限定をしています。  また、具体的な審査基準として、特定の者が独占的に利用する客室を設けないこと、公園施設の年間延べ宿泊可能客室数のうち、七割以上について一般の利用者の宿泊の機会が確保されていることなど、これを条件としており、特定の個人や団体が独占するものは認めていません。  国立公園満喫プロジェクトでは、自然環境保全をまず前提として、保護利用の好循環に向けた取組を進めているところでありますから、引き続き、事業実施に当たっては自然環境保全に最大限配慮していきたいと考えています。
  131. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ほかにもいろいろ問題があったんですけれども、十和田八幡平の蔦沼遊歩道の件については、我が党の市田忠義議員が二〇一八年の三月、質問をしています。このとき、当時の中川大臣の答弁なんですけれども、「計画段階においてこの地域協議会に参画していない自然保護団体の方の意見を十分に聴取しなかったというのが事実だと思います。」このように述べておられるわけですね。  そうしたら、この満喫プロジェクト、地域協議会に自然保護団体は入っていくのかということなんです。あのときの大臣は、「自然保護団体の方の御指摘にも配慮して今工事を見直して進めている」、そして、「自然保護団体の方から、そこに参画をしていただいて御意見を伺いながら施設整備を含む取組を進めている」、このように答弁があったんです。ところが、その地域協議会に結局入ったのかということになれば、これは資料をもらったんですけれども、自然保護団体、入っていないわけですね。  八つの満喫プロジェクト、全部見ましたけれども、自然保護団体、学識経験者、それから専門家、自然保護の立場からどのぐらいの方が入っているのか。ほとんど入っていないわけです、ほとんど。  こういう形で満喫プロジェクトは先行事業として展開され、これを今度、横展開していくわけですよね。大丈夫なのかと思うわけですよ。地元の、あるいは自然保護団体の方の意見を聞いていないからこういうことが起きたと環境大臣がそのとき答弁しているにもかかわらず、制度としてはそうなっていない。今度の法改正でも、新しくつくる協議会にはそうなっていない。私はそこを非常に心配するものであります。  自然公園等施設技術指針、こういう文書があります、環境省の。自然公園等施設技術指針、この「共通事項 第一章総論」の中にこういうくだりがあります。特に配慮が必要な自然環境に立地する施設や社会的に注目度の高い立地環境の施設においては、整備に当たって地元住民や自然保護団体関係者理解協力を得ることが不可欠であることから、調査項目選定段階から地元意見等に留意することが重要であるというふうに規定されているわけであります。  大臣にお伺いをいたします。  こういう経緯を見て今度の改正を見たときに、協議会に自然保護団体、専門家、識者、こういった方々がちゃんと参画をする、そして意見が反映される制度とすべきだと思いますけれども、いかがですか。
  132. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 協議会の構成員については、市町村、都道府県、ガイドやホテルなどの関係事業者、土地所有者、観光協会、ビジターセンター、有識者、そして自然保護団体などの多様な主体を想定をしています。具体的な構成員は、計画の内容などに応じて各市町村が判断することになります。  それぞれの計画の内容については、各地域の実情に応じて必要な内容を定めていただくことを想定しており、例えば、自然体験活動促進計画については、人材育成や情報発信などが中心の計画も想定され得るため、必ずしも自然保護団体などの参加が必須ではない場合もあると考えています。  一方で、計画の内容を考慮して必要な場合には、市町村等が組織する協議会にあらかじめ有識者や自然保護団体に参画してもらうことも有効であり、想定される計画内容に応じてどのような構成員が適切か、あらかじめ市町村等に対して適切に助言してまいりたいと考えています。
  133. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 局長にもお伺いします。  必ずしも必要がないと大臣はおっしゃったけれども、やはり、これから出される事業計画というのは、できるだけ、専門家、そして、地元はもとより、自然保護団体、そういった方々の知見を反映させる、意見を聞くということが大事だと思いますが、これをどうやって進めていきますか。
  134. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  国立公園それぞれの事情、つまりは自然環境の特性というのが違いますので、一概には言えませんけれども、一番の目的は、そこの自然環境保全するというのが大前提でございますので、その計画の中身に照らして必要があれば、もちろん専門家そして自然保護団体にも入っていただくということで、我々、これから施行通知というものを出しますけれども、そういう中でそういう考え方をしっかり自治体にも示していきたいというふうに思います。
  135. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 協議会事業計画というのは、特別地域、それから特別保護地区、これは入るわけですよ。これはどういう扱いになるかというと、特別保護地区は、原生状態、元のまま保持していく、それから特別地域においては、基本は、農林水産業以外は景観を極力保持しなければいけない、こういう規定ですよね。ここに踏み込んでいくわけですよね。  だから、推進することと同時に、規制をすることがセットでなければ、私は、観光開発のみ、そして、自然環境保全がないがしろにされるんじゃないかということをこの際指摘させていただきたいと思います。  最後に、自然公園における災害について質問をします。  小泉大臣とはこの問題で初めてお話をしますので、聞いていただきたいと思います。  二〇一八年の四月十九日、霧島錦江湾国立公園、えびの高原の硫黄山が噴火しました。それに伴って、河川汚濁、農業被害が起きました。えびの市内を流れる赤子川、長江川、鹿児島県に通じる川内川では、ヒ素など環境基準を超える有害物質が検出されて、農業用水が取水できない状態が続き、えびの市内の岡元地区というところでは三年連続、二〇一八、二〇一九、二〇二〇、稲作ができない事態に陥りました。ようやく今年から岡元地区の水稲作付が再開されたところであります。これは、濃度が緩和されたからであります。  自然保護法では、特別地域特別保護地区等において開発行為が制限されているんです。一方で、「ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は第三号に掲げる行為で森林の整備及び保全を図るために行うものは、この限りでない。」という規定もあります。そして、火山活動対策特別措置法、この第二十八条では、「国及び地方公共団体は、火山の爆発に伴い河川の流水の水質の汚濁が著しくなり、人の健康又は農林漁業等に係る被害が生ずるおそれがある事態が生じたときは、速やかに当該河川の水質の汚濁を防止し、又は軽減するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」このように定めているわけであります。  大臣、それから環境省皆さん、私は、この三年間、農林水産省、それから環境省内閣府、この三府省に、噴火に伴う河川流出を止める対策を求めてまいりました。ところが、責任の所在が明らかになっていません。  噴火口近くに不純物を沈殿させて上澄みを下流に流す実験、実証実験場も造られました。しかし、先ほど言った岡元地区だけは、稲作に適した水質に三年間達しなかったわけであります。そして、この実証実験施設を恒久化する事業について、これは私は国のやることだと思っていましたけれども、何と宮崎県が単費で作ることになったというふうに伺いました。環境省が所管する自然公園内で発生した自然災害、そして林野庁、農水省が所有する公園から噴出する有害物質が河川に流れたという問題なんですよ。恒久施設も、維持管理費を何と農家が負担する可能性もあるというんですよ。これは余りにひどい話じゃないかと思うわけです。  内閣府にお伺いしますけれども、県が恒久施設を作ったら、これで、先ほど言った火山活動対策特別措置法、この対策は完了と見ているんでしょうか、教えてください。
  136. 内田欽也

    内田政府参考人 お答えいたします。  委員からも御紹介ありましたが、硫黄山の火山活動による河川の汚濁防止、軽減に関しましては、関係省庁で様々な取組を重ねてきているところでございます。  例えば、農林水産省による代替水源の確保等の支援ですとか、水質悪化に備えた緊急取水停止システムの整備等支援、あるいは、えびの市による、先ほども御紹介ありました、沈殿池の設置につきまして、環境省による自然公園法における手続の柔軟な対応ですとか、林野庁による国有林内の土地の無償貸付けの実施、あるいは、国土交通省による無人化施工の技術支援等も行ってきているところでございます。  また、宮崎県におきましては、これも委員指摘のありました、県の石灰石等を活用した酸性水の中和実証実験の施設、中和の実証試験ですね、こういうものも設置をしていると聞いているところでございます。現在、国の出先機関、えびの市、大学等が参画する協議会の開催等を実施している、地元の方でそれを実施していると承知しておりまして、内閣府といたしましては、関係機関の取組を踏まえながら、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
  137. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ということをずっと三年間おっしゃってこられたんですよね。いずれにしても対症療法なんですよ。そして、三年間、やはり水稲作付ができなかったんですよ。これが事実なんです。  農家の方はどう言っているか、今後五十年、百年、我々はずっと噴火の心配をしながら農業を続けなければいけないのかと。地元は解決策を要求しているわけです、例えば、ほかの水源から水を引いてくるとか、ため池をつくるとか。発生源として、噴火口の近くで何らかの対策ができないのか、そういうようなことも含めてやはり国が動いてもらわないと、この問題は解決できないんです。  大臣にお伺いします。  宮崎県からは、国に対して要望が上がっています。河川の水質検査や水質改善対策実施に向けた施設の整備及び維持管理に対する財政支援を行うこと、自然公園区域や国有地内での沈殿物処理に柔軟に対応するとともに、財政的支援を行うこと。恒久的な対策を行うことと求めているのは鹿児島県であります。鹿児島県は、硫黄山の噴火による川内川への影響が長期に及ばないような対策が必要、恒久的な対策を実施していただきたいと、これは噴火が起こった年に国に対して要望書が提出されているわけであります。  解決策は地元からいろいろ提案されています。しかし、国の方の動きが本当に遅い。環境省に聞けば、予算事業がないと聞きました。林野庁に聞いたら、所有しているのはうちじゃないと言われました。農水省は、河川の水源対策だからうちではないと言われました。押しつけ合って、結局、農家が苦労しているわけです。おいしい米どころでお米ができない、この苦労を是非知っていただきたいと思います。  制度がない、予算がないといったときに何が出番かといったら、政治の出番なんですよね。政治決断が必要です。政治で判断して、新しい枠組みをつくっていただきたいと思いますけれども、小泉大臣、私の今までの話を聞いていただいて、いかがでしょうか。
  138. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 環境省としては、当該地が霧島錦江湾国立公園に含まれていることも踏まえ、林野庁などの関係省庁と連携しつつ、水質改善施設の設置等に係る自然公園法上の許可手続への適切な対応や技術的な助言などを行っていきたいと考えています。
  139. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 霧島連山では、活発な火山活動が続いています。次の噴火はいつ起こるか分かりません。三年前の噴火が再度起こり、田んぼの取水が始まったその後では、もう取り返しのつかない事態になってしまいます。最悪の事態を生まないために、内閣府、農水省と、またほかの省庁と環境省が連携して、是非、噴火による有害汚水が河川に流入しない対策を打っていただきたい。  そのことを強く要求して、今日の質問を終わります。
  140. 石原宏高

    石原委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ――――◇―――――     午後一時五十四分開議
  141. 石原宏高

    石原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。串田誠一君。
  142. 串田誠一

    串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  質問に先立ちまして、先日、環境省から多頭飼育対策ガイドラインを発行していただきまして、誠にありがとうございます。  有言実行されていただいて、本当に感謝しているんですが、そういう意味で、環境省の管理室は、数値規制の解説書と、そしてこの百三十六ページにも及ぶガイドラインを同時に作っているということで、本当に大変だったろうなということで、感謝とともにねぎらいたいなというふうに思っております。ありがとうございます。  それでは、自然公園法質問をさせていただきますが、趣旨説明保護利用の好循環ということがありまして、これに伴いまして、各委員からも質問がございました。  自然公園法第二十条三項十三号に、山岳に生息する動物を捕獲、殺傷、卵の採取若しくは損傷することをしてはいけないとありますが、危険な状況に直面したときはどうするのか。そして、同三十七条第一項のみだりに殺傷をしてはいけないということとの絡みも含めまして質問させてください。
  143. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  自然公園法第二十条第三項第十三号につきましては、高山に生息する蝶などの動物の捕獲により風致の保護に支障が生じる事例が見られることを踏まえまして、これらを保護するため、特別地域において環境大臣指定する動物の捕獲や殺傷等を規制しているものでございます。  現在、指定動物の選定に係る作業方針に基づきまして、爬虫類、両生類又は昆虫類を対象として、十の国立・国定公園におきましてアオウミガメやオガサワラトンボなどの十二種を指定しているところでございます。  規制対象の動物には熊などの人身、物的被害等が想定される動物は含まれてございませんので、現時点において御指摘の危険な状況が発生することは想定してございません。  なお、これらの動物の捕獲等につきましては、学術研究その他公益上必要な場合には許可を得て実施することが可能となってございます。
  144. 串田誠一

    串田委員 ちょっと今、利用という意味で、自然公園というところに、利用している者が動物に出くわして危険な状況に直面することもあるのではないかということなんですけれども、それを想定していないというのがちょっとよく分からないんですが、現実にはあり得るんではないだろうかと思うんですけれども、ちょっと私の質問が分かりづらかったのかもしれませんが、食い違っているのかもしれませんけれども、いかがでしょうか。
  145. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  委員指摘の二十条第三項十三号というのは、いわゆる指定動物といいまして、指定された動物を採捕、捕獲することによって風致景観に影響が及ぶというものでございますので、今回は利用に悪影響を与えるものということが、生体への悪影響、そして利用への悪影響、この両方を満たすものを今回三十七条で規定いたしますので、そこはちょっと条文の趣旨が違うということでございます。
  146. 串田誠一

    串田委員 そうすると、危険な状況に直面したときというのは、何らかの、また別のことと理解してよろしいんでしょうか。例えば、どんなことをすることは許されるんでしょうか。
  147. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 もちろん、例えば国立公園の中にも市街地なんかございますけれども、そこに熊が出てきた場合、これはもう人の生命財産に関わるような緊急の場合ということになりますと、それは別途捕獲が必要になってくる場合がございますので、そういう場合はケース・バイ・ケースですけれども、警察とかと連携をしながら、危険な熊、そういったものを捕獲するということはあり得ます。
  148. 串田誠一

    串田委員 同法同項十四号で、本来の生息地でない動物を放つことは禁止されているということで、これもまた、在来種とかを駆逐するというようなことがあるからということだと思うんですけれども、現在、そういった本来の生息地でない動物が生息している場合にはどのように対応するんでしょうか。
  149. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  法二十条第三項の十四号についてのお尋ねでございますけれども、この規定につきましては、ネズミ駆除の目的で島嶼部に放たれたイタチなどが、本来の生息地ではない動物が放たれることによりまして、当該地域に本来生息する種と競合、駆逐、交雑、風景の変化等により、国立公園等の優れた景観に影響を及ぼしている事例が問題となっているものでございます。例えば、三宅島に放たれたイタチがそこに生息している希少種を食べてしまうとか、そういったものが問題になっているものでございます。環境大臣規制する種と区域を指定したものにつきまして規制を行うというのがこの十四号の規定でございます。  一方で、今議員がおっしゃいましたのは、元々その場所に生息していた動物を放すこと、元々そこに住んでいたものを更に放す。これは、必ずしもそういった、元々いたわけですから、希少種に影響を及ぼすという懸念は高いとは言えず、これらの種を指定して規制を行う必要性は高くないと思っております。  また、その一方で、本来の生息地でない動物が既に定着してしまっており、この動物が更に人為的に放たれることによって国立公園等の優れた景観に影響を及ぼし得る場合におきましては、これは指定対象になり得るというふうに考えております。
  150. 串田誠一

    串田委員 指定対象になり得るということなんですけれども、本法にはその対応の仕方が書いていないのかなと。放つことは禁止されているんですけれども、現在いるものに対しても、この自然公園法対応している規定があるんでしょうか。
  151. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 十四号では、本来の生息地でない動物を放すことは禁止されているということですから、環境大臣がエリアを定めていれば、それは禁止できることになってございます。
  152. 串田誠一

    串田委員 ただ、先ほど、最後の答弁で、現実に放ったわけではないけれども、既にいて、要するに、本来生息地でない動物が、放つというその行動のときではなくて、現在既にいる場合、本来生息地でない動物が既にいる場合というものに対して、何らかの対応をしないと、在来種に対する危害というのはあるのかなと思うんですけれども、それに対してはこの自然公園法は適応していないという理解でいいんですか。
  153. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 元々生息していないところに外から持ってきたものが定着してしまっている。でも、やはり、そこに更に同じものをまた入れると風致景観に影響があるということであれば、そのエリアを大臣指定して規制することはできるというふうに考えております。
  154. 串田誠一

    串田委員 また新たにというよりも、既にいる場合に、それは増えていくわけだから、どうするのかなという趣旨ではあるんですけれども、ちょっと食い違いが続くようであれば次の質問に行った方がいいのかなと思うんですけれども、要するに、本来生息していない動物が既に放たれてしまっていて、放つことは禁止するというのは分かるんですけれども、放たれていて、それが今そこの場所にいた場合に、繁殖していくことになるのかなと思うんですけれども、それに対して何らかの対応をすることが、この自然公園法に規定があるのかなという質問だったんですね。それが、ちょっと食い違って、また新たに放つという答えになってしまっていたので、食い違っているのかなと思ったんです。
  155. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 自然公園法の中には、生態系維持回復事業という事業が法的にも位置づけられてございまして、そういうような事業計画を作った上で、その被害が及んでいるようなところで、その種の防除、駆除というものを、対応することは可能だと思っております。
  156. 串田誠一

    串田委員 別の規定もあるということになるのかなと思いました。  次の質問大臣にということなんですが、四と五の質問の後に質問をさせていただきたいと思うんです。  環境省は、今年三月二日にニホンジカ及びイノシシに対して調査を行われました。その調査結果の概要と、調査の趣旨、今後の対応についてお聞きしたいと思います。
  157. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 環境省では、農林水産省とともに二〇二〇年度までにニホンジカ及びイノシシの個体数を半減させることを目指し、捕獲強化に取り組んでおり、全国的な観点から生息状況の動向を把握するため、二〇一三年度から両種の個体数推定等を実施してございます。  今年三月に公表いたしました調査結果では、二〇一九年度における本州以南のニホンジカの個体数は中央値で約百八十九万頭、イノシシの個体数は中央値で約八十万頭と推定され、二〇一四年度をピークにそれぞれ減少しているという結果でございました。  また、二〇一四年度以来の実施となる生息分布調査では、ニホンジカは東北、北陸、中国の各地方で、イノシシは東北、関東、北陸の各地方で分布が拡大していることが明らかになりました。  今後も引き続き、これらの調査を実施することによりまして、全国的な観点から、ニホンジカ及びイノシシの科学的かつ計画的な管理を推進してまいりたいと考えております。
  158. 串田誠一

    串田委員 発表によると、今の答弁でもありましたが、ニホンジカとかイノシシの数を半減するということでありまして、必要なことかとは思うんですけれども、最近、動物が市街地に来ているというようなこともあって、それ自身が動物のせいなのかどうかということも議論されている中でございます。  そういう意味で、ちょっと大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、自然を守るということと人間の安全を守るということの両方を到達したいということがあると思うんですが、何らかの人間に害を加えるような動物が増えてきた場合、簡単に半減ということになってしまって、それを殺傷するということになるんでしょうけれども、TNRだとか、そういう繁殖をしないような形に施した後で放していくというような形にして数を減らしていくということも本来あるべきではないかという声も、たくさん国民からあるわけでございます。  その点に関しての、この調和というのは大変難しいと思うんですが、大臣としてのお考えをお聞きしたいと思います。
  159. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今先生が例として出されているのは、鹿とかイノシシ、こういったことだと思います。  ただ、今、農業分野含めて、これはどこの地方に行っても聞きますよね、もう丹精込めて作ってきたものが鹿やイノシシに荒らされる、その途方に暮れる現場の皆さん。  もちろん、人と自然の共生という中で、生態系全体のバランスを崩さないような形で駆除なり対策を進めていく、そして半減対策を実行して実現をするということが大事だと思っています。  今の状況は、もはや鹿、イノシシの数がバランスを、むしろ超過して、かなり増えているという状況もあるのではないでしょうか。  一方で、私も最近、北海道の知床財団皆さんともオンラインでつないで話を聞くと、ヒグマの状況はむしろ、観光の影響もありまして、かなり距離が縮まっていて、危険な状況が、まさに先生が言う人と動物のすみ分けや距離ということを考えたときに、今はかなり危険な状況にもあります。  ですので、今回は法律の中で、より現場の方が人と動物共に守るために罰則を強化しなければいけない、そういった形で、法改正の重要なポイントの一つに位置づけさせていただきました。今後も、現場でそういった対応がしっかりなされるように、仮に法案が成立した後でも現場が動きやすいような対応をしっかりしていくということが大事ではないかなと思っています。
  160. 串田誠一

    串田委員 大臣が御指摘のとおり、農業に関しての被害というのは大変大きいわけでございますが、今、ヒグマの例もありましたけれども、ヒグマに関して、大変そういう意味で、被害といいますか危険な状況になる国というのは日本以外にもあるわけで、その中で、どういうふうに殺傷しないでその問題を解決するのかというのも、各国でいろいろと知恵を出している。  日本と比べてはるかに少ない殺傷数で人間を安全にさせているという国の例も発表されているところでございますので、是非、そういうほかの国の、命を奪わない形で農業を助けるということの研究もしていただきたいなというふうにお願いしたいと思うんですが。
  161. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 一言、今のヒグマの例で補足をさせていただくと、むしろヒグマの例は、例えばカメラマンの接近とか、観光客が車で降りて相当近いところまで行ってしまうとか、このことによって、人の行動によって、本来であれば命を守られるべきヒグマを殺処分をせざるを得ないケースなども現場で起きていて、こんなに悲しいことはありませんよね。  ですから、むやみに近寄ったりするカメラマンとか、言ってもやめない人たちに、これはもう法律として違反ですよ、罰則ですよということを明確にする。そのことで守られるべき動物の命を守っていきたい、そういったことがこの法案改正の中のポイントでもあると御理解いただければと思います。
  162. 串田誠一

    串田委員 今大臣の御指摘の条文というのは、三十七条でも、餌を与えないというようなことも含めまして、人間が動物を近づかせているという面というのも非常にあるのかなと思いますので、ここら辺の周知徹底というのは大変大事だろうと思っております。  今の該当条文の三十七条なんですが、ここの「みだりに」というのはどういうことを指しているのかを御説明をいただきたいと思います。
  163. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  法第三十七条第一項の「みだりに」という表現の意味は、一般的には、社会通念上正当な理由があるとは認められない場合を指すものと考えてございます。  例えば、公園内の広場や園地等におきまして、商品の販売や写真の撮影のため、正当な理由なく排他独占的に使用し、国立公園等利用を阻害するような場合がこれに該当するんじゃないかと想定されます。
  164. 串田誠一

    串田委員 今質問をした趣旨というのは、今回の自然公園法の三十七条の一項第三号に、野生動物へ餌を与えるということが新規に入れられたということで質問させていただいているんですけれども、これまでこの三号が入っていなかったというのはどういう趣旨なんでしょうか。
  165. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  野生動物への餌づけにつきましては、野生動物生態影響を及ぼし、公園利用上や野生動物保護上の問題が懸念されます。まずは、公園利用に当たってのルール、マナーの周知で対応すべきとの考えから、これまでは規制までは行わず、関係機関等と連携し、安易な餌づけを行わないよう普及啓発に努めてきたところでございます。  しかし、近年、例えば、先ほど大臣が申し上げましたように、知床国立公園では、ヒグマに対する観光客やカメラマン等による餌づけや過度な接近が行われた結果、熊自らが人や車両に接近したり、利用者の荷物を物色するなど、行動が変化したヒグマが多数確認されてございます。  人身事故や物的な被害が懸念される一方、指導に従わない者も後を絶たず、普及啓発による対応だけでは限界が生じているため、今回の改正案では、人身事故や物的な被害のおそれなど、公園利用上の問題が懸念される場合に限りまして、野生動物への餌づけ等の行為規制を新設したいと考えているところでございます。
  166. 串田誠一

    串田委員 そこで、この条文の関係質問させていただくんですが、三十七条は、一項で一、二、三号と入れられていて、そこの冒頭に「みだりに」と書かれているわけですね。そうすると、この「みだりに」というのはこの三号にも係るのかなと。そうすると、みだりにない場合には餌を与えるということができるというふうにも読めるんですが、そのような読み方でよろしいんでしょうか。
  167. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  みだりにに該当するか否かは、実際には個々の状況に応じて判断することというふうになります。餌づけだけに限って考えてみますると、例えば、希少な野生動物保護野生動物の駆除のために、公的な計画に基づいて餌を与えるような場合もございます。  前者であれば絶滅のおそれのあるタンチョウへの給餌事業というのもございますし、後者であればエゾシカの駆除のために餌を置いておびき寄せた上で銃により捕獲するという場合もございます。  こういったケースがございますので、みだりにというのは、生態影響があり、また、利用上の支障が出てくるということが明らかな場合に限って、今回この措置を講じさせていただきたいというふうに思っております。
  168. 串田誠一

    串田委員 ここはもう少し私は、大臣も聞いていて分かると思うんですけれども、ちょっと詰めていかないといけないのかなと思うんですが。  この三十七条は、この白本には一号、二号というのが省略されて書かれていないんですけれども、これは条文で確認しますと、一号には「著しく不快の念を起こさせるような方法」、二号には「著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、」というのが書いてあるんですね。だから、大変この一号、二号というのは分かりやすいわけです。  例えば、ほしいままに占拠しというんですけれども、誰も該当しないような休憩所、人がまるでいないような休憩所の場合には、ほしいままに占拠しというのもみだりにならないのかなと。  ですから、占拠をしてもみだりにならない場合というのは、これはちょっと、分かりやすいといえば分かりやすいんですが、そういう理解でいいんですか、ここは。まず三号の前に確認したいんですけれども。
  169. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 みだりにに該当するかどうかについては、先ほども申しましたように、個々の行為が社会通念上正当な理由があるかどうかを個別の状況に応じて判断するということになると思います。  例えば、これはやはり、みだりに騒音、大きな声を発しとかというのがありますけれども、例えば非常災害時に、サイレンや拡声機により大きな音を発したり、救助等のため広場等を活用する場合などは、これは公益上の必要な行為であって、正当な理由があるということで、これはみだりにには該当しないというふうに思います。
  170. 串田誠一

    串田委員 ちょっとここを聞いているのは、先ほどの人間と動物の共存というところで、今、ヒグマの例も大臣に挙げていただきましたけれども、非常に餌やりというのも問題になるのかなと思うんですけれども。  一号、二号は、一見して非常に分かりやすいといいますか、よくないことが列記されているのに対して、三号というのは、野生動物に餌を与えるということで、人によっては、非常におなかがすいているからこれで何とか生き延びてもらいたいとか、自分自身がやっていることが間違っていないというふうな思いで、今答弁では駆除と言いましたけれども、そうでない、餌やりというものも入ってくると考える人もいるのではないだろうかということですので、このみだりにというのは、とにかく餌を上げるのは一切許されないという、駆除以外は許されないというふうに明確に言い切ることになるのかというようなことを表示していかないと、自分は悪いことをしているつもりで上げているのではないんだという解釈をする人もいるんじゃないかと思うんですよね。  そこは、解釈論としては、駆除以外は餌を上げるのは一切これはみだりにになるんだというふうに言い切るんでしょうか。それとも、そうでない場合もあるという、解釈に弾力性があるのかということは明確にしていただけるかなと思います。
  171. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  三十七条の一項三号に今回餌づけを入れてございますけれども、その野生動物への餌づけという行為は、先ほども申しましたように、いろいろな目的でやられる場合がございますので、それを一律に禁止するということはなかなか難しゅうございます。  今回の三十七条で規制するのは、あくまで、その動物の生態影響を与え、かつ利用にとって支障を及ぼすような、そういう場合に、今回、禁止といいますか、三号に新たに設けまして規制をしていくというものでございますので、一律に餌やりとかを禁止するというものではございません。
  172. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 少し補足をしますと、例えば国立公園内には、ホテル、旅館、いっぱいあります。そして、例えば泊まっているホテルや旅館で、ベランダに出て、小鳥がいますと。ちょっと、例えば、部屋にパンのかけらがあって、それを窓で上げました。あなた餌づけしましたね、はい、アウトということではありません。  ただ、ヒグマのように、まさに人が、観光客とかが餌づけをして、餌を上げてしまって、それを知ってクマの行動が変わってきてしまっているわけですね。そういった、まさに人間によって生態の行動変容が起きてしまっているような、こういったことに対しては明確に罰則をつけていく、こういう理解でいただければと思います。
  173. 串田誠一

    串田委員 今、適切な例を挙げていただきましたけれども、こういったようなことがあると、何かやると、それは非常にいけないんだという何とかポリスというのがすぐに生まれてきて、偏見的に批判されたりすることもあると思うので、法律に関してやはり明確にしていくということが国民相互の信頼というものにもつながっていくのかな、何が何でも駄目だというわけでもないし、やはりこういうことは駄目だということも明確に示していかないといけないのかなと思います。  そして、文言は、「餌を与えること」と書いてあるので、餌づけというと何となくその場所に固定してしまうような印象を与えるんですけれども、「餌を与えること」と書いてあって、そして、解釈的にも、「支障を及ぼす」というような、そういう合わせ技でこの解釈がなされていくということですので、餌を上げること自体が全て禁止されているわけではないという部分で、いろいろな意味での周知徹底ということが必要になるのかなというふうに思っています。  三十七条の野生動物には、「鳥類又は哺乳類に属するものに限る。」ということで、魚類とかはここに入らないんですけれども、何かそれについて、どういう理由があるんでしょうか。
  174. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  魚類などは公園利用上の支障を及ぼすおそれのないということで、一般的に、人為的な餌に依存させ、野生動物の本来の生態影響を及ぼすということ、とにかく人への悪影響利用上の危険性が生じるかというと、魚類の場合はそういうことではございませんので、今回はその対象にしていないということでございます。  それから先ほど、私の答弁で、ニホンジカとイノシシの調査結果のことについて申し上げましたけれども、私はそう申したつもりでございましたが、二〇二三年度までにニホンジカ及びイノシシの個体数を半減させるということ、目標年は二〇二三年でございます。失礼いたしました。
  175. 串田誠一

    串田委員 魚類も、魚類自身に生態系が変わる可能性も、人間に対して害はなくても、自然に対する生態系が変わることもあるので、ここに入れた上で、みだりにということで規制をしていく方が私としては弾力的に解釈できるのではないかなとも思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  176. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 なかなか深遠な議論に入ってきたなというふうに思います。  例えば、串田先生が想像する魚類の行動が人間により変わる例というのは、池の端に人が立つと、ぱんぱんとやると寄ってくるとか、こういったことも含まれているとしたら、確かにそれは人の行動が魚類に影響を与える例かもしれません。  ただ、一般的に、今回のこの法律で、やはり常識的に考えて、社会通念上、それはさすがに、自然公園在り方生態に人の手が過剰に入り過ぎていたり、社会通念上、やはりこれは放置できないという例に今回は対象を置いているという考え方だと思いますので、個別の、国立公園などで、その運用においてどのような対応をすればいいのか、できる限り現場が判断しやすいようにしていくこともこれからやらなければいけないことだと感じています。
  177. 串田誠一

    串田委員 別にぱんぱんとたたくイメージを考えていたわけじゃないんですけれども、餌を与えるといっても、その餌が、上げる側からすると餌だと思っていても、魚類にとって、それを食べるとは限らないときに、餌がそこの公園のところに蓄積していくというようなこともあるでしょうし、魚類にとってその餌が果たして体にいいものであるかどうかというのも分からない中で、魚類を除いて、餌を与えるのは魚類は許されるかのような書きっぷりになっているのは私は問題なのかなと。むしろ、みだりにということが言葉に書いてある以上、そこを限定的に解釈してもいいのかなという、そういう趣旨でございます。将来的に検討していただければと思います。  終わります。ありがとうございました。
  178. 石原宏高

    石原委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  179. 石原宏高

    石原委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。田村貴昭君。
  180. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党を代表して、自然公園法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。  今、世界では百万種の動植物が絶滅の危機に瀕しています。日本でも、この十年間で、新たに九百七十一種がレッドリストに掲載されました。生物多様性条約「愛知目標」が掲げた、二〇二〇年までに絶滅危惧種の絶滅及び減少の防止と絶滅種に対する保全維持改善という目標は達成できませんでした。  自然公園法は、自然の風景地を保護するとともに利用の増進を図るだけでなく、前回改正において、生態系の危機を食い止めるため、新たに、生物多様性の確保に寄与することを目的に加えました。  ところが、この十年間で政府が取り組んだのは、インバウンドの誘客政策の一環として八つの国立公園で先行展開した国立公園満喫プロジェクトです。同プロジェクトは、自然公園の豊かな自然を観光資源とし、富裕層や外国人旅行者を対象に、施設やサービスの上質化で、公園利用者を一千万人に増やすことを目的としています。国立公園満喫プロジェクトは、環境保護よりも利用促進に偏っており、問題が起きています。本法案は、このプロジェクトを全国の自然公園に展開するためのものであり、問題です。  本法案では、事業者を中心として組織された協議会が、利用拠点改善整備事業自然体験活動促進計画を行うために、公園計画の変更を提案できるとしています。公園計画は、自然公園環境保護のため、利用規制を定める重要な計画です。協議会の提案を可能にしたことで、公園計画の策定という国の責任を事実上事業者に委ねたことは、問題です。  さらに、この協議会も、事業実施する企業等の事業者自治体だけで構成することも問題です。地域環境保護団体や、有識者、地域の住民の参加は、自治体が認めた場合に限られ、参加させなくともよい仕組みになっています。  そして、この協議会の提案を受けた環境大臣に対し応答義務が課せられたことで、従来に比べ短時間で結論を求められることとなりかねません。包括的な生態系の把握は、いまだにできていません。調査検討が不十分であれば、事業実施に伴う生態系に与える影響を見過ごすことになり、取り返しのつかない生態系の破壊を招くことになります。  以上を述べて、反対討論とします。
  181. 石原宏高

    石原委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  182. 石原宏高

    石原委員長 これより採決に入ります。  内閣提出自然公園法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  183. 石原宏高

    石原委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  184. 石原宏高

    石原委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、牧原秀樹君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党及び日本維新の会・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。源馬謙太郎君。
  185. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。     自然公園法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 国立・国定公園内における質の高い自然体験活動促進に当たっては、環境教育の機会でもあることを踏まえつつ、利用者へのルールの周知や利用状況のモニタリング等を進めることにより、適正な公園利用とともに公園管理の質の向上や自然環境保全に資するよう、適切な運用を図ること。  二 地域主体利用拠点整備改善計画の策定及び同計画に基づく事業実施について、住民・環境保護団体・有識者等多様な関係者の連携の下での地域協議会における円滑な合意形成をはじめ、地域の状況に応じた利用拠点魅力向上に向けた取組に必要な支援を行うこと。  三 国立・国定公園における管理運営について、その担い手となる自然保護官等の必要な人材の確保等を通じて、その管理運営体制の一層の充実強化を図ること。  四 国立公園満喫プロジェクト実施に当たっては、生物多様性保全の観点から、自然環境の情報収集・調査等に引き続き取り組むとともに、自然環境保護強化の取組による成果についても適正に評価し、その結果を広く周知するよう努めること。  五 気候変動に伴う生態系の分布や景観の変化を考慮して、国立・国定公園において気候変動への適応に十分配慮した保全利用の両面からの対応策の検討及び適正な管理の実施等に確実に取り組むこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  186. 石原宏高

    石原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  187. 石原宏高

    石原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小泉環境大臣
  188. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ、努力してまいる所存でございます。  ありがとうございます。     ―――――――――――――
  189. 石原宏高

    石原委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  190. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  191. 石原宏高

    石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十一分散会