○堀越
委員 やはり警察庁、これからも、多分、動物愛護法の改正を受けて罰則が強化されたという
認識を持っておられる
国民の方々は当然増えておりますので、こういった、これは虐待に値するのではないかという、
国民の方がよく知っているということも出てくるかと思います。そこで、通報等々もこれから増加してくる可能性もありますので、そうしたところに対応できるように、警察庁としても是非
取組をしていただきたいと思います。
加えて、畜産動物に関して言うならば、やはり、畜産業を営んでおられる方々は、これは都市部ではないわけですので、中山間
地域、こうした地方で、当然、そういった、いわゆる虐待になるのではないかという事例も出てくるのではないかというふうに思います。そうした地方で
活動されている警察の皆さんにこそ指導が行き渡るように、警察庁としても
取組をしていただきたいというふうに思っています。
この動物虐待に対する、いわゆる実効性のある処罰ですとか監視、是正勧告、そうしたものは国々によって大分、法体系も異なるわけです。例えばアメリカのカリフォルニア州では、家の中に閉じ込められているような犬を発見した場合には、その住人が、レスキューに当たることができるというような法律もあります。
日本の法律自体も動物に配慮したものにどんどんどんどん高めていくためには、やはり実効性のある対応策と仕組みの構築が私は必要なんじゃないかなというふうに思っています。
先ほどの、例えば食鳥処理場だけではなくて、鶏を生きたまま焼却場に投げ入れるというような事例に関しては、やはりもう既に、動物の愛護及び管理に関する法律、動愛法で第四十条に規定する、動物を殺す場合の方法についてという指針が示されているんですが、動物を殺処分しなければいけない場合には、化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、社会的に容認されている通常の方法を取ることが規定されているんですね。つまり、気絶、意識を失わせた状態で殺さなきゃいけないということが動愛法には書いてあるわけです。
そういう観点からすると、では、食鳥処理場で今現在行われている、生きたままネックカットに向かう方法は、これは許されるのかどうかということになります。
ガススタンニング、やはり気絶をさせてから処理に向かう、これが私は、食ロス、五十万羽、年間捨てられているわけですから、この五十万羽を減らすことにも確実につながりますし、加えて言えば、そこで働いておられる方々の労務負担の軽減にも確実につながるわけですね、気絶させているわけですから。
そういった観点からも、例えば、では食鳥処理場にその
設備投資を全部やってくださいというのは、かなり難しいものがあると思います。国がガススタンニングの方法を先行してやっていくんだと、もう既に行われている事業所はもちろんありますが、そういったところを全部、
日本においてはガススタンニングなんだということをやる上では、国の責務というのもやはり発生すると思います。食鳥処理場の皆さんだけが悪いわけじゃないし、食鳥処理場の皆さんだけに負担を課すのはやはり間違っていることだと思いますので、その辺、是非御対応いただければありがたいと思います。
そうしたことが進めば、私はこの動物虐待も自然と少なくなってくるのではないかというふうに思いますので、両輪で進めていっていただきたいというふうに思っております。
それでは、次、ちょっとがらっとテーマを変えまして、生物多様性の保全について伺いたいと思います。
今年予定されている
環境関連の国際
会議は、重要
会議がメジロ押しになっているわけでございまして、
小泉大臣、本年に予定されている
環境国際
会議の対応として、最重要課題に、米国との
連携とともに、
気候変動のCOP26と生物多様性のCOP15の成功を挙げられております。今年こそが地球
環境の行方を左右する重要な節目とも私は言えると思っています。
特に、生物多様性の保全に関しては、本年開催予定のCOP15において、現在の生物多様性の国際目標となっている愛知目標に続く、次のポスト二〇二〇生物多様性枠組が採択される予定となっております。
これに先立って、国連の生物多様性条約事務局が、地球
規模生物多様性、いわゆるGBO5というやつですね、を公表しておりますが、このGBO5、
日本が議長国として開催した生物多様性条約第十回締約
国会議、COP10で採択された生物多様性に関する
世界目標である愛知目標の、この達成
状況の評価等がここに踏まえられているわけですが、残念ながら、二十の個別目標のうちに完全に達成されたものはなかったと結論づけられているんですね。個別目標のうち、森林を含む生息地の損失を半減、絶滅危惧種の絶滅の防止、水産資源の持続的な漁獲などの十四項目は達成されなかったと評価してあって、残る六項目が部分的に達成されたと評価されているんですね。
こうした中、では
日本はどうかということなんですが、一月に公表された実施
状況の点検結果によれば、これも、愛知目標達成に向けて着実に前進してはいるものの、十三の個別目標のうち、達成した目標というのは五項目にとどまっていて、生物多様性の主流化の達成ですとか、自然生息地の損失速度の顕著な減少など、残りの八項目というのは進展したが達成しなかったと評価されているわけですね。
そこで、二〇一〇年、
日本が自ら議長国を務めてきて採択された愛知目標でありますけれども、
世界規模の評価においても
国内の
取組評価においても未達成であった、
国内外で生物多様性保全が進んでいない危機的な
状況について、
認識を伺いたいと思います。