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2021-03-19 第204回国会 衆議院 環境委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石原 宏高君    理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君    理事 土屋 品子君 理事 福山  守君    理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君    理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       金子万寿夫君    神谷  昇君       武村 展英君    百武 公親君       藤丸  敏君    古田 圭一君       細野 豪志君    務台 俊介君       八木 哲也君    渡辺 孝一君       近藤 昭一君    篠原  孝君       関 健一郎君    長尾 秀樹君       堀越 啓仁君    横光 克彦君       吉田 宣弘君    田村 貴昭君       串田 誠一君    森  夏枝君     …………………………………    環境大臣         小泉進次郎君    厚生労働大臣     三原じゅん子君    環境大臣        笹川 博義君    環境大臣        堀内 詔子君    環境大臣政務官      宮崎  勝君    環境大臣政務官      神谷  昇君    政府特別補佐人    (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君    政府参考人    (警察庁長官官房審議官) 檜垣 重臣君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 高明君    政府参考人    (林野庁林政部長)    前島 明成君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           柴田 敬司君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君    政府参考人    (環境省大臣官房長)   正田  寛君    政府参考人    (環境省大臣官房環境保健部長)          田原 克志君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  小野  洋君    政府参考人    (環境省水大気環境局長)            山本 昌宏君    政府参考人    (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局次長)        松澤  裕君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君    参考人    (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)           文挾 誠一君    環境委員会専門員     飯野 伸夫君     ――――――――――――― 委員の異動 三月十九日  辞任         補欠選任   小島 敏文君     藤丸  敏君   斉藤 鉄夫君     吉田 宣弘君   森  夏枝君     串田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   藤丸  敏君     渡辺 孝一君   吉田 宣弘君     斉藤 鉄夫君   串田 誠一君     森  夏枝君 同日  辞任         補欠選任   渡辺 孝一君     小島 敏文君     ――――――――――――― 三月十八日  自然公園法の一部を改正する法律案内閣提出第四八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  自然公園法の一部を改正する法律案内閣提出第四八号)  環境基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 石原宏高

  3. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石原宏高

    石原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。畦元将吾君。
  5. 畦元将吾

    畦元委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会、畦元将吾です。  本日は、質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。時間も限られておりますので、早速質問を始めたいと思います。  プラスチック対策に関しての質問をさせていただきます。  サーキュラーエコノミー世界的な動きでもあり、必要であり、重要と考えております。新型コロナウイルス感染症により、使い捨てのプラスチック製品需要が高まった反面、プラスチック廃棄量増大による環境に及ぼす影響も大きいと思います。  そこで、少し視点を変えまして、例えばプラスチック製のナイフやフォークのカトラリーを木製の国内製品に代替する、又は合成繊維などの廃棄、焼却の際に有害物質が発生する衣服を国内製布製品に代替するなど、代替素材として国内製品需要を高めていくことも重要であると考えております。日本伝統文化を後世にしっかり継承していくという観点からも、代替品としての箸、着物陶器など、国民が積極的に使用できる対策も、サーキュラーエコノミー普及と併せて考えていただければと思っております。  着なくなった着物をバッグにリメイクするなど、割れた陶器は金継ぎして使うなども、物を大切にする日本の慣習を復活させ、廃棄物を出すことなく資源循環をさせるということも、ある意味ではサーキュラーエコノミー一つではないかと思っております。プラスチックサーキュラーエコノミーと併せまして、是非対策を御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。笹川大臣にお尋ねいたします。(発言する者あり)笹川大臣です。失礼しました。
  6. 笹川博義

    笹川大臣 おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。副大臣を務めております笹川でございます。  今委員が御指摘のとおり、大量生産大量消費時代から資源循環世界へと時代の方も大きく移り変わっております。そういった中で、もったいないという精神日本の培った精神世界にも評価をされ、同時にまた、委員御自身も、着物文化を通じながら、それぞれの日本伝統的な文化にも深い思いを寄せて御活躍をいただいていることにも敬意を表したいというふうに思っております。  特に、サーキュラーエコノミーの中の資源循環、そして中でもプラスチックという分野における資源循環においては、やはり国産の資材、さらには、それぞれの伝統素材を積極的に生かしていく、このことは、資源循環にも貢献すると同時に、地域経済地方経済にも資するというふうに考えておりますので、大変大切な御指摘だというふうに思っております。  環境省といたしましては、現在、参議院において御審議を賜っております令和三年度の当初予算においても、技術実証及び製造設備導入への支援予算を計上し、再生可能資源への代替後押し国産紙パルプを活用したバイオプラスチック製造、利用などの社会実装に挑戦する取組などを支援をさせていただいております。  また、今後とも、あらゆる施策を通じながら、プラスチック資源循環素材転換を進めて、強力に後押しをさせていただきたい。そして、この分野でも、世界グリーン成長の中でもリードしていく、そういう形にしてまいりたいというふうに思っています。  今後は、プラスチック新法においても御議論を賜りたいというふうに思っておりますので、その中には、環境配慮設計指針を策定し等、法案の中にも入っておりますので、そのときの御議論にも是非また御指導を賜りたいというふうに思っております。  よろしくお願いいたします。
  7. 畦元将吾

    畦元委員 笹川環境大臣、ありがとうございました。大変失礼いたしました。  次の質問に移りたいと思います。  プラスチックリサイクルルートに関しての質問をいたします。  ペットボトルリサイクルをするためのリサイクルルートがありますが、おもちゃなど、プラスチックリサイクルをするためのリサイクルルートが不明であると、広島中央エコパークを始め、幾つかの自治体から問合せを受けることも少なくありませんが、現況につきまして、今どのような状況なのか。例えば、プラスチックとして、ペットボトル以外のものはどのような状況なのか、教えていただけますでしょうか。環境省へお尋ねいたします。
  8. 松澤裕

    松澤政府参考人 御説明申し上げます。  先生指摘のとおり、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて、ペットボトルに限らず、それ以外のプラスチックプラスチック資源全体を循環させるべく、市町村が回収された後のリサイクルルートを構築することが不可欠でございます。  現在、ペットボトル以外のプラスチックにつきましても、容器包装リサイクル法に基づきまして、プラスチック製容器包装市町村により回収されて、これらがリサイクルをされております。このリサイクル拡大していくということが必要になってまいります。  そこで、先ほど笹川大臣から御答弁ございましたけれども、制度、法案とそれから予算案の両面でこれを進めていく、支援していくということが大事でございます。  今国会に提出させていただいておりますプラスチックに係る資源循環の促進に関する法律案の中で、プラスチック製品プラスチック製容器包装とともにプラスチック資源として市町村分別回収をして、既存の容器包装リサイクルルートでまとめてリサイクルできるようにしてまいります。  また、市町村リサイクル事業者連携することで、従来市町村が行っておりました選別、梱包といった工程を省略しまして、効率的にリサイクルが進められるような措置も講じてまいりたいと思います。  さらに、製造販売事業者などによる自主回収リサイクル、それから排出事業者によるリサイクルも円滑に進められるような措置を組み込んでおるところでございます。  これに加えまして、当初予算案におきまして、リサイクル設備導入への支援予算を計上させていただいております。  民間事業者も含めたリサイクルインフラ設備後押しをして、今後も、市町村を始めとする関係主体と密接に連携協力を行って、日本におけますプラスチック資源循環取組を進めてまいりたいと思います。
  9. 畦元将吾

    畦元委員 ありがとうございました。  できましたら、市町村がその情報をよく分からないという問合せが結構ありますので、いろいろな市町村に、ペットボトルと同じように、今のような話が伝わるように、どうぞよろしくお願いいたします。  では、三番目の質問に移ります。  大臣所信表明の中に、国民、特に子供たちへの震災原発事故記憶継承による風化防止について、福島県とともに環境施策推進をするとございました。  記憶風化防止も大変重要とは存じますが、いまだに続く風評被害対策も継続していく必要はあると存じます。  日本は、世界唯一戦争被爆国、私は広島出身ですが、広島、長崎が、被爆国でもありますし、震災による原発事故も経験しております。  他国では、学校の授業の中で正しい放射線知識を教えているという実例も出ております。例えば、一例を申し上げますが、ハンガリーでは、一九八四年から高校で必修科目として核物理が課せられて、放射線防護知識が与えられております。その方法は、原子力エネルギー原子炉が図を用いて交流回路よりも易しく、また、放射線影響については、被曝のことなんかも含めてですが、エイズの説明よりも分かりやすく教えられております。また、高校生全員GMカウンター測定を実習させ、飛跡検出器小学生に自分の寝室のラドンの濃度測定するプロジェクトなども発足させ、それをここの高校生が手伝い、一九八四年五月現在で一万五千人もの小学生放射線測定をしたという報告がございます。したがって、この国の市民放射線リテラシーがとても高く、チェルノブイル事故後、ヨーロッパ諸国では妊娠した女性が放射線影響を恐れて人工中絶が多く行われたにもかかわらず、ハンガリーではほぼ皆無であったという報告もございます。  しかし、我が国では、専門課程以外、放射線知識を学ぶことはほとんどございません。風評被害を縮小させ、正しい放射線知識を周知させるためにも、更なる積極的な活動が必要と強く感じております。  放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターにて様々な支援活動をされていると環境省からも伺いましたが、全国に三万人以上、免許を持っている者は五万人いると聞いておりますが、有する診療放射線技師会協力したいと申出がございます。  国民にとっても身近で、放射線専門家でもある診療放射線技師環境省が幅広く連携並びに協力し、しっかりとした取組施策をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。堀内大臣にお尋ねいたします。
  10. 堀内詔子

    堀内大臣 畦元先生におかれましては、国会議員唯一診療放射線技師として、昨今は、新型コロナウイルス関係委員会などに所属なさり、感染拡大防止に力を注いでいらっしゃると承っております。  実績例として、患者さん並びに医療従事者が安心、安全なCT検査を行えるよう、感染対策を施した専用検査室と低被曝CT装置の設置に向けた予算確保政府や党に働きかけ、そして、新型コロナウイルス感染症緊急包括交付金、特に医療分においてでございますが、そういった形で実現もなさっていらっしゃったと承っているところでございます。  今回も、診療放射線技師として、現場の皆様方のお立場から、そしてまた、被爆をなさった広島の御出身、そういったお立場からの御質問と承っております。  二月二十六日の衆議院の予算委員会第六分科会においても質問を賜りました。そのとき小泉大臣からもお答え申し上げたとおり、環境省といたしましては、放射線健康影響に対する誤った認識が早く払拭されるように取り組んでいるところでもございます。  ただいま畦元先生から御指摘いただいた特別授業、また市民講座などについては、環境省が設置した放射線リスクコミュニケーション相談員支援センターにおいて、既に診療放射線技師専門性を活用した住民セミナー学生向け放射線の学びの場を提供しているところでもございます。  また、環境省職員日本診療放射線技師会長意見交換をしっかりと行わせていただいて、具体的な取組について既に検討を始めているところでありまして、その実現に向けて一生懸命、着実に進めてまいりたいと思っております。
  11. 畦元将吾

    畦元委員 堀内大臣、ありがとうございました。  正直言いまして、二、三か所、十か所もまだ実質上はできていないようなので、できるだけ全国的に広げて普及していただければと思っております。よろしくお願いいたします。  次の質問に移ります。  子どもの健康と環境に関する全国調査通称エコチル調査は、遺伝要因社会要因生活習慣要因影響を加味しつつ、環境要因、特に化学物質の暴露や生活環境子供の健康に与える影響を明らかにするため、胎児から小児期にわたって大規模疫学調査を行っていると伺っております。  調査開始から十年経過しましたが、これまでの調査進捗状況や出された成果についてお尋ねいたします。堀内大臣、よろしくお願いいたします。
  12. 堀内詔子

    堀内大臣 エコチル調査は、化学物質を始めとする環境要因子供の健康に与える影響を解明することを目的に、全国で十万組の親子を対象として胎児期から十三歳までの追跡調査を行う大規模かつ長期的な疫学調査として二〇一一年一月より開始したものでございます。  本調査については、開始から十年が経過しましたが、参加者及び関係者の御理解及び御協力により、現在も九五%の方々が継続して御参加いただいている状況でありまして、本調査参加者には、質問票による生活習慣等調査に加え、母親の血液や尿、臍帯血など、約四百五十万の生体試料が収集されているところでもございます。  こうした中、調査で収集されたデータ化学分析も進み、例えば、母親の血中鉛濃度と出生した子供の体重の関係などの論文を含め、令和二年十二月末時点で、全国データを用いた論文が百四十四編発表されているところでもございます。  環境省としては、エコチル調査を実施している国立環境研究所などと連携しながら、エコチル調査を着実に実施し、そして生活に生かしてまいりたいと思っております。
  13. 畦元将吾

    畦元委員 ありがとうございました。  小泉大臣も戻っていらっしゃいましたので、順番をちょっと変えさせてもらってよろしいですか。  次の質問が、ゼロカーボンシティー拡大に関してお伺いいたします。  ゼロカーボンシティーは、二〇五〇年に温室効果ガス排出量又は二酸化炭素実質ゼロにすることを目指す旨を首長自ら又は地方自治体として公表された地方自治体を指し、現在、三百二十を超える自治体が表明されていると伺いました。  広島大学カーボンニュートラル・スマートキャンパス宣言を始め、企業の脱炭素経営など、国内でも脱炭素社会実現に向けた取組が加速しており、脱炭素への取組は、気候変動による災害などから国民を守るという意味でも非常に重要であると思います。  二〇五〇年カーボンニュートラルを目指す国、地域が百二十を超えている中で、ゼロカーボンシティー拡大における政府の具体的な取組計画並びに具体的な対策などについて、現時点においてお話しできる範囲で教えていただけますでしょうか。小泉大臣、よろしくお願いいたします。
  14. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 おはようございます。本日もよろしくお願いします。  今、畦元先生、御地元の広島大学の例も挙げられましたが、昨日は広島湯崎知事とウェブで、オンラインで会談をしました。そして、その場で湯崎知事からはゼロカーボンシティー宣言が行われました。これによりまして、私が大臣になったときは、ゼロカーボンシティー、たった四自治体だったんですけれども、今は三百二十八自治体になりまして、人口規模は一億五百万ということになりました。  そして今回、湯崎知事宣言されたゼロカーボンシティー宣言の中には、カーボンサーキュラーエコノミーを目指すということで、サーキュラーエコノミーが位置づけられたことも、私は一つ広島の特色で、今後、先生方にも御審議をいただくプラスチック新法、そして瀬戸内海環境保全特措法の改正、これに関わる、サーキュラーエコノミーを成し遂げていくんだと、いち早く広島県が先駆けで取り組まれているというふうに思います。  そして、あわせて、二〇三〇年までの五年、十年が勝負だというときに、広島大学、二〇三〇年にゼロカーボンシティーを達成すると、国よりも二十年早いこういった目標を掲げていただいていることが、これから多く広がると思いますし、我々としても、今後の、まさに宣言実現を共にするための支援、これは、今ヒアリングなども重ねていますので、この五月、六月には最終的に地域ロードマップを作ります、その中で反映をして、地域自治体、そしてコミュニティーにとってもゼロカーボンシティーが広がっていくように取り組んでまいりたいと思います。
  15. 畦元将吾

    畦元委員 ありがとうございました。よく理解できました。  最後質問に移ります。  さきの国会で、菅総理が、成長につながるカーボンプライシングに取り組む旨、施政方針演説で述べられておりました。成長戦略一つとなるカーボンプライシング普及のため、政府としてどのような計画がされており、今後、具体的にどのような対策をお考えなのか、現時点でお話しできる範囲で教えていただけますでしょうか。カーボンプライシングに対する質問です。最後質問小泉大臣、よろしくお願いします。
  16. 石原宏高

    石原委員長 小泉大臣、定刻の時間が来ておりますので、短めにお願いします。
  17. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 では、短く。  カーボンプライシング、今、経産省とそれぞれ検討会、小委員会をやっていますが、いずれにしても、総理の指示の下でしっかり共に連携をして、前進の年にできるように取り組んでまいりたいと思います。  ありがとうございます。
  18. 畦元将吾

    畦元委員 ありがとうございました。  時間が来たので、これで質疑を終わります。もう一つ、実はEVがあったんですが、時間がないので、大変申し訳ございません。では、失礼いたします。
  19. 石原宏高

    石原委員長 次に、生方幸夫君。
  20. 生方幸夫

    生方委員 立憲民主党生方でございます。  先週に引き続き質問をさせていただきます。  まず、東電の副社長にお越しをいただいております。東電の問題、連日国会で取り上げられておりますので、大変だとは思いますが、それだけ重要な問題が発生したという我々は認識を持っておりますので、お答えをいただきたいというふうに思います。  本当に、普通ならば、一個事故が起こったらそれで終わるんですけれども、それがまた続いて、また続いて、それでまた続いてというふうになると、東電という会社は大丈夫なのかというふうに誰もが思ってしまいますよね。だから、私は、これは、原子力を扱う会社ですから、ただ単にミスをしたということでは済まないと思うんですよね。  昨日、東海第二原発判決が下りました。運転差止めという大変厳しい判決が出されました。東海第二原発は、周辺三十キロ以内に百万人近くの方が住んでいるということで、判決理由にもございましたが、ちゃんとした避難計画が立てられているのかどうかというところに疑問符がついた。  百万人の人間の方を、万が一事故があった場合、どこかへ移動させて、そこで安全を確保するということになると、道路の確保から運搬手段確保から、それから今度は受入先確保からと大変たくさんの問題があって、昨日、ちょっとニュースを見ていましたら、ほとんどこれは、避難計画、百万人は立てられないんじゃないかというような話も出ておりました。  そうしたことを考えると、首都圏にも近いところにある原発、私は原発は全部ゼロにするべきだというふうに思っておりますけれども、首都圏に近い東海第二、もう運転後四十三年ですか、たっているので、我々は四十年でもう原発はやめるべきだという結論を出しておりますので、私は、判決を受けて、廃炉ということもきちんと考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。  まず、質問に入りたいんですけれども、柏崎の刈羽原発です。  IDの、まず、あれは不正流用というんですかね、IDの問題がございました。これも、私、最初に聞いたとき、IDを忘れたというのであれば、我々も何か、どこかへ行くとき、入館証を忘れちゃったというようなことはありますよね。そうしたら、忘れましたと、どこかで再発行してくれますよ、仕事しなきゃいけないからというのが普通ですよね。それが、他人のというか、同じ社員なんでしょうけれども、ロッカーを開けて、そこからIDカードを勝手に持ち出して入っていく。警備会社の方は警備会社で、それがその人のものじゃないということが分かりながら、平気で中央制御室にまで入れてしまっているというふうに考えると、これは一回だけのことじゃないんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですね。そこまで緩んでいるのではないか、なあなあでやってしまったんじゃないかという心配を本当にするわけです。  調査はもちろんなさったというふうに思うんですけれども、何でこういう問題が起こったのか、これ一回だけなのか、これはもうほとんど日常的にそういういいかげんな管理がなされていたのか、その辺の調査はなさいましたですか。
  21. 文挾誠一

    文挾参考人 文挾でございます。よろしくお願いいたします。  それでは、お答えさせていただきます。  今先生指摘ID不正使用の事案につきましては、調査をしてございます。先般、三月十日に根本分析を行いまして公表しているところでございます。  この背景の一つといたしましては、厳格な警備を行い難い風土、それと警備員の社員に対する忖度というものがあったというふうに考えてございます。  では、なぜ忖度が起きてしまったのかということでございますが、これは、警備員が社員に対しても物が言えない雰囲気というものをつくってしまったのではないかというふうに考えてございます。それは、社員の警備業務に対する尊重というものがやはり不足しているというふうに考えてございます。個人や組織の意識などに弱みがあるというふうに考えてございます。  そこで、先生の御指摘の、ほかにもあるのではないかということでございますが、このような事案の発生を受けまして、警備員全員に確認をさせていただきました。同様の事案は現時点では確認をされてございません。ただ、今後新たな事案が確認された際には、核物質防護上可能な範囲で速やかに公表させていただき、原因究明と対策というものを取っていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。
  22. 生方幸夫

    生方委員 警備会社東電は違う会社ですから、いろいろ意思疎通がうまくいかないということはあるかもしれませんけれども、警備会社側が忖度をしたんじゃ何のために警備をやっているのか分からなくて、そういう風土があるというんじゃ困るわけで、風土があるということは、風土を取り除かない限り同じようなことが起こるんじゃないかというふうに心配をしてしまうわけですよね。  本当であれば、東電の、これだけ不祥事が続いていれば、普通の、一般の企業同士であれば、企業間の競争がありますから、当然いいかげんなことをやっている会社は淘汰をされるということになるんですけれども、東電の場合は独占企業ですからね。今はもう、もちろん新電力もあるんですけれども、基本的には、発送電分離もあるけれども、東電が仕切っている、少なくとも東電が管轄していた管内においては仕切っているということになっているんですよね。福島第一でも地震計が故障していたのを放置していたということがあって、もう全体的に緩んでいるというか、常識がないんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですね。  福島では廃炉作業が行われております。これまでのミスは実際に重大な事故にはつながっていないから、まあ、よくはないですけれども、よしとしても、廃炉作業をこれから本格的に、いつ本格的になるか分かりませんけれども、いずれにせよ廃炉作業をやらなきゃいかぬ。このときに、こういう緩んだ体質で廃炉作業をやれば、あそこは放射性物質があるわけですから、それが外へ漏れ出してしまうというような重要な懸念があるんですよね。  だから、その体質を自分たちで変えられないのであれば、第三者にちゃんと調査をしてもらって、もう二度と事故は起こしませんといったって起こるんだから、必ず。だから、きちんと体質を改善するようなことをした方がいいんじゃないですか。社内だけでいろいろやるんじゃなくて、第三者に聞いて、どこに問題があって、どうすれば直るのかということが分からないと、とても我々は安心して廃炉作業を東電に任せるわけにはいかないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  23. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  福島第一原子力発電所の廃炉作業は、これから前例のない作業の取組ということが長期化してまいります。これ以上社会の皆様に御心配をかけるということのないよう、通常の発電所より一層の安全と品質を確保しなければならないというふうには肝に銘じてございます。  そのためには、やはり不断の改善が必要ではないかというふうに考えているところでございまして、その一つとして、二〇二〇年四月、去年の四月でございますが、廃炉カンパニープレジデントの直下に新たな組織を設置をいたしまして、これは廃炉安全・品質室というものでございますが、これを設置して、廃炉作業に関するガバナンスを強化をいたしまして、安全と品質の向上に向けた取組の強化というのを進めてございます。  福島第一原子力発電所の、我々は、反省と教訓というものが、これが会社の原点にございます。ですので、昨日よりも今日、今日よりもあしたということで、終わりなき安全性の向上に取り組みまして、何よりも安全に、最優先にその廃炉を進めていくという覚悟でございます。  以上でございます。
  24. 生方幸夫

    生方委員 まあ、廃炉作業は東電にやってもらうしかないのかなと。これはほかのところでやってもらうといっても無理かもしれないんですけれども。  廃炉作業を東電にやらせる、その費用は東電が柏崎刈羽を動かすことによって賄うという、この構造自体が私はおかしいと思うんですね。刈羽を動かさないと廃炉作業ができないんだから、とにかく動かそうという、そのことがこういう細かい事故にずっとつながっていって、しかもそれが社員に重くのしかかっているからモラルの低下を招いていて、こういうミスが次から次へ起こるんじゃないかというふうに私は思えてならないんですね。  小泉大臣は管轄外だとは思うんですけれどもお伺いしたいんですけれども、こういう東電の体質と、東電が自分で稼いで自分で廃炉をしなければいけないというのは、やはり若干私は無理があると思うんですね。やはり東電原発というのは離して考えないと、これから先、いけないんじゃないかというふうに思うんですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
  25. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私も日頃から様々な方と意見交換などします。この東電の柏崎刈羽の不正IDの利用など、様々な事案を受けた中で、新潟県のある方がこう言っていました。原発に対する賛否ではなく、東電を信用できるかどうかなんだ、これは原発問題というより東電問題だと。私は、その言葉は非常に重いと思いますね。  そして、福島のあれだけの事故を起こして、今でも避難生活をしている方が多くいらっしゃって、そして度重なる様々な事案が出る中で、これを重く受け止めて、実際この後、先ほど風土を変えることが必要だという話がありましたけれども、風土を変えるのはそんな簡単なことじゃないと思います、私は。風土で変わるようにという発想だけではなくて、いかに組織としての、そういったことが起きない仕組みをつくっていくのか。人に頼るだけではなくて、仕組みでそういったことが起きないように変えていくというような発想も必要ではないか、これは東電に限らず私は言えることではないかなと。  しっかりと私は取り組んでもらいたいし、これは規制委員会との関係がありますから、環境大臣としての思いというよりも、私、この福島の復興にずっと取り組んでいる中で、一議員としても、個人としても東電に対して思うことはそういうことでもあります。
  26. 生方幸夫

    生方委員 副社長も何度も国会に呼ばれて大変だとは思いますけれども、これはしようがないんですよね。今まで独占でやってきて、いわば我々からしてみたら、消費者が人質に取られているような、電気が来なくなったら我々生活できないわけですからね。その辺をきちんと自覚してもらわなきゃ、もう何度も言ってもあれですけれども、困るというふうに思います。  規制委員長にお伺いしたいんですけれども、この間の事件、事故があったときに、規制庁から規制委員会への報告が遅れたというような事例も出ているようでございますが、その件についての一点と、それから、今、小泉大臣に聞いたように、東電に本当にこれから先も廃炉原発も任せていいのかどうかという世論があるんですけれども、それについて委員長としてどういうふうにお考えか、お聞かせください。
  27. 更田豊志

    更田政府特別補佐人 お答えをいたします。  まず、ID不正利用について、原子力規制委員会、規制庁の間で情報の共有に遅れが生じたという事実がございます。  これにつきましては、まず背景として、こういった核セキュリティーに関わる情報に非常に神経質になっていて、それを広げるということに担当部署が気を遣い過ぎた部分があります。  それからもう一つは、事案の報告を受けたときに、元々入室資格を持っている人が不正なやり方で入ったということなので、それで事案を担当部門は低く評価してしまった。ですから、事案を軽く見てしまったことによって、委員会への報告、すぐさま報告しなければならない事案だというふうに判断しなかったというのが大きな理由になります。  さらにもう一つ、やはり背景として、私がこれは考えなきゃいけないと思っていますが、核セキュリティー情報をいたずらに広げたくないという思いがあるために、これまで核セキュリティーに関わる委員会の関与が少し緩い部分があったんじゃないのか。広い、多くの方の目で見張ることができないものであるからこそ、委員会はもっと核セキュリティーに関わる事案、個別の事案に対する関与を深めておくべきだったというふうに考えております。これは、運用等を改めまして、今、より厳格な運用に努めているところであります。  それから、東京電力に果たして福島第一原子力発電所の廃炉を任せられるか。一連の問題、不具合、不祥事、不都合がありましたので当然の疑問であると思いますけれども、一方で、東京電力は福島第一原子力発電所の廃炉において、東電ならではというような実力を見せているのも事実です。  最近の事例でいえば、三号機からの使用済み燃料の取り出し、これは非常に困難な作業ですが、これを、東京電力、途中で何度かチョンボもありましたし遅れもありましたけれども、きちんとやり遂げました。それから、排気筒の切るのでも、エイブルという御地元の企業を、非常にうまく連携をして。ですから、東電ならではというよい仕事もしております。  そういった意味で、東電以外に任せるということがなかなか考えにくいですので、福島第一原子力発電所の廃炉については、私たちもしっかりと監視、指導をして、きっちりとやり遂げてもらいたいというふうに思っております。
  28. 生方幸夫

    生方委員 廃炉はしようがないですから東電にやってもらうしかないと思うんですけれども、これから先、原発は私たちはゼロにしなきゃいかぬというふうには思っていますが、残余の原発をもし動かすのであれば、私は東電以外が責任を持ってやるべきだというふうに思うし、その自覚を持って、東電はもっと、再生エネルギーとか、ほかにちゃんと希望がある分野を担当すれば社員の士気も上がるんじゃないかというふうにも思いますので、よろしくお願いします。  では、規制委員長東電は結構でございますので。御苦労さまでした。  次に、大臣規範についてお伺いしたいというふうに思います。  昨日も、ずっとこの間、国会でこの問題が取り上げられてまいりました。官僚が関係業界と飲食を共にしたということになると、これは贈収賄にもつながりかねないということで大変なんですが、環境省は余り利害関係企業が多くないのかどうか知りませんけれども、環境省の方では、関係企業あるいは団体と飲食を共にしたという調査はなさっておりますでしょうか。
  29. 正田寛

    正田政府参考人 お答えいたします。  先生指摘ございましたように、国家公務員倫理規程というのがございます。この中で、職員は、自己の飲食に要する費用について、利害関係者の負担によらないで利害関係者とともに飲食する場合において、自己の飲食に要する費用が一万円を超えるときは、原則、あらかじめ倫理監督官に届け出ると定められておるところでございます。  この規程によりまして、環境省におきまして、過去五年間でございますけれども、一万円を超える飲食の届出件数といたしまして、三件でございます。
  30. 生方幸夫

    生方委員 三件というのは一年に一件もないということですから、非常に少ないというふうに思います。私も環境委員会に長く所属をしておりますので、環境委員会で、環境省がこんな問題を起こして取り上げることがないように、今後とも気をつけていただければというふうに思います。  今も官房長のお話にもございましたが、大臣、国家公務員に対しては国家公務員倫理法というのがあって、倫理規程がある。それに違反した場合は、今回も処分をされておりますし、あるいは罰則もきちんとある。ところが、大臣には大臣規範というのがあって、この大臣規範に反するとどういう処分を受けるのかということが決まってはいないんですよね。  私もこの間、聞いていて非常にいらいらしたのは、国民に疑惑を持たれない範囲でやっていたんだというようなことを大臣がおっしゃっている。疑惑を持つか持たないかは、きちんと、どういうことが行われて、どういう会話がなされたという情報がなされて、初めて国民が、それなら、なるほど、疑惑を持つようなものではないなというふうに判断するんですけれども、そういうことを一切明らかにしないでこの言葉が何度も繰り返されたことが、大臣規範というのはいいかげんなんだなというふうに多くの国民が思ってしまったのではないかというふうに思います。  総務大臣の場合は、そういうふうに言っていて、文春が出ると、最後は、いや、実は食事を一緒にしていましたという。何か、文春が出ない限りは、文春の記事が出ない限りは、みんな、要は、いわばしらを切っていて、文春の記事が出るとすぐ認めて済みませんじゃ、余りにもこれは情けないという気がするんですよね。  今、小泉さんは大臣ですから、大臣規範を守らなきゃいけない立場にございます。だから、今のままの大臣規範で本当に国民大臣を信頼できるのかどうかというような問題になっていると思うので、大臣規範を見直さなければいけない、これは、最終的には総理大臣がやるんでしょうけれども、一大臣として、この大臣規範は、私は極めてよくできていないものじゃないかというふうに思いますので、小泉大臣としたら、大臣規範をどういうふうに変えれば国民に疑惑を持たれないようになるか。元々国民に疑惑を持たれるようなことをしてはいけないんですけれども、大臣規範にきちんと、国家公務員法並みに罰則なりなんなりというのを私はつけるべきじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
  31. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 結論から申し上げれば、大臣規範にのっとって、その趣旨にしっかりとのっとった大臣としての職責を果たす、国民の皆さんに信頼に足る大臣としての責務を果たすということに尽きるというふうに思います。  ただ、一般論として私が申し上げるとしたら、やはり官僚と政治家というのは私は違うと思います。それは、国民の皆さんから選挙によって選ばれている政治家がどのように振る舞っていくのか、そういったところで、私は、何でもかんでも、箸の上げ下げまでルールで決めるべきだとは思っていません。  例えば、国会のことは国会でお決めいただくことですが、何を飲むかとか、マイボトルとか、そしてネクタイをする、しないとか、これは国会のことは国会のことでお決めいただくことですが、私は政治家としての信条として、一人一人が選択すればいい話だと思っていて、ルールで決めることではない、そういうスタンスです。ですので、国会国会でお決めいただくことですけれども、私は、環境省の中では一年中、何を着るか、ネクタイをする、しないか、ジャケットを着る、着ないか、それは一人一人、個々が判断をするようにと。それは、大人なんですから。  ですから、世の中何でもかんでも縛る。例えば、常識にのっとって対応する、もっとそういう社会であってほしいな、私はそういう社会をつくりたいなと思っています。もちろん、大臣規範にのっとることは当然であります。
  32. 生方幸夫

    生方委員 本当はそうなんですよね。それは各個人がみんな、自分で自分を律していればこんな問題は起こらないわけで。ただ、起こってしまったときに、本来であれば、こんなことを起こしてしまったんだから辞任するというのであれば、それはそれでいいんですけれども、残念ながら、この間ずっと、一連の不祥事があって、誰も責任を取っていないんですよね。誰か一人でも責任を取って辞めたのかというと、辞めた人はいない。まあ、逮捕された人は、辞めた人はいますけれども、そうじゃない人は、結局、ほとぼりが冷めるまでぐじゅぐじゅぐじゅと言い訳をして、そのまま終わってしまう。これは安倍内閣のときからずっと続いているわけですよ。政治家は責任を取らなくていいのか。そういう人間なのか。  今おっしゃったように、それは確かに選挙で我々は洗礼を受けますけれども、選挙は最低でも三年とか四年かかってからやるわけで、その間に起こったことは、三年もたつと国民は忘れちゃうんですよね。だから、それはもう本当に、大人なんですから、一々規範を作ってこれを守りなさいと言う必要はないけれども、実際にはこういうことが行われていて、それが政治全般に対する不信につながっている。  そうなると、今おっしゃったように、みんなが小泉さんのような考え方ならいいんですけれども、そうじゃない人もいたり、実際に何年も政治家をやっていると緩んできてしまっている部分があるんじゃないかということで、やはり、政権を持っている方、そして行政を担っている大臣ですから、もっと私は、きちんと国民が納得できるような説明をして仕事をしてほしいということだけ指摘をさせていただきます。  次なんですけれども、十五日に、国際エネルギー機関、IEA、大臣報告をお聞きになったというふうに思いますが、日本の総発電量に占める再生エネルギーの割合が二〇二〇年は二一・七%に達した。これは大臣、もちろん御存じですよね。  二〇三〇年までに二二から二四という当初の目的がありまして、この二一・七、これは、コロナの影響もあって消費電力そのものが減ったということもあるんでしょうけれども、ともかく、二二から二四という数値というのは、この数値から考えると簡単に達成できるんじゃないかなというふうに思うんですね。  二〇三〇年の目標をまだ、具体的に何%まで再エネが占めるのかということは大臣のお口から聞いたことはないんですけれども、この数値を見て、二〇三〇年目標というのが、もっと上げてしかるべきだというふうに私は考えるんですけれども、いかがでしょうか。
  33. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 そこは生方議員と、私は同感です。  私は、倍増を目指してあらゆる施策を総動員すべきだと指示も出していますので、今、環境省、経産省としっかり議論もやっています。  そして、再エネ主力電源化というのは政府統一の見解ですから、私は、二倍あるポテンシャルをフル活用することがまず基軸であって、その下に、あとは再エネをどこまで伸ばせるか。もう資源のない国日本という認識を変えて、資源はあるけれども使い切っていなかったわけですから、それを使い切る、そういった発想の転換が必要だと私は思っています。
  34. 生方幸夫

    生方委員 昨日、環境省に聞いて、大臣が再エネのポテンシャルは二倍あると、どういう根拠に二倍になっているのかというのを、数値を教えてもらいました。  地方を旅行すると、休耕田がたくさん日本にはありますよね。ちゃんとした水田ならば、水もあって緑もあって非常にきれいなんですけれども、その隣に、今、いわば荒れ果てた形で休耕田がある。この休耕田を何とか活用することができないかなというふうに考えたとき、休耕田ですから基本的には平らですので、太陽光を非常に置きやすいんじゃないかというような気がいたしまして、ちょっと調べたんです。  日本の休耕田の面積は、全部で四十二万三千ヘクタールある。仮に、ここへ全部、そんなことは不可能でしょうけれども、太陽光を置けたとすると五十一万八千ギガワットの発電能力がある、そうすると、大体、石炭火力発電の八十五基分ぐらいに相当するというふうになるんですね。  環境省調査ですと、休耕田、この面積自体はちょっと通産や農水と数値が違うようなんですけれども、環境省調査で、この二倍というときに、ポテンシャルとしては九万四千二百ギガワットあって、導入可能量としては〇・九万ギガワットというふうになっているんですね。  太陽光をどんどん普及しなきゃいけないんですけれども、山林を削ったりすれば地元の住民が反対をするとか、いろいろなあつれきもあるので、休耕田を、〇・九というのはちょっと、ギガワット、能力が五十一万だとするとちょっと少な過ぎるんじゃないかということで、もうちょっと休耕田を活用するということをお考えいただけるとありがたいなというふうに思って質問いたしました。
  35. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私も、耕作放棄地を含め未利用地をいかに再エネのために使えるかということは、徹底してその活用を考えたいと思っています。そのための必要な関係各省との連携地方自治体との連携を深めるために、国・地方脱炭素実現会議で今ヒアリング、これはソーラーシェアリングの事業者の方にもヒアリングを行いました。これは進めたいと思います。  ただ、私は耕作放棄地だけでは駄目だと思っていて、例えば、ため池の水面、そしてダム湖の水面、そして、環境省の所管でいえば、最終処分場の、この上のところですよね、そして、東京とか都心でいえば空いている屋根、こういったところを含めて、例えば、最近、国立環境研究所一つ報告書、提言みたいなものがありましたけれども、EVソーラーシティーという、EVとソーラーパネルで、都市の、使えるところを使えば、都市の使っている電力の大半は賄える、そういったこともありました。  そして、今日は住生活基本計画が閣議決定されて、これから住宅が、より省エネ型、そしてまたZEHと言われる、太陽光がついている家、こういったことの、義務も含めて強化していく方向になります。  ですので、先生おっしゃったとおり、未利用の土地をできる限り使っていく、そういった方向で考えていきたいと思います。
  36. 生方幸夫

    生方委員 風力発電所ももちろん再エネの重要な一つであって、なかなか普及が進まないというのはありましたよね、設置場所の問題がいろいろございますので。それで、多分いらいらしたのかもしれませんけれども、河野大臣が十二月一日に、我々から見ると唐突なんですけれども、いわば規制緩和をしろという形で、これまで一万キロワットまでの風力は環境アセスをしなきゃいけないというのを、一気に五万まで引き上げたと。  我々は、風力を推し進めなきゃいけないというのは一緒なんですけれども、一万から五万というふうになると、ちょっと飛躍があり過ぎるんじゃないか。やはり我々、環境、生物多様性も守っていかなければいけないという立場からすると、風力は進めなければいけないけれども、さはさりながら、環境アセスを、手を緩めてしまったり一気に五万までというのは、ちょっと拙速過ぎるんじゃないかという気がするんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
  37. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これは、今、五万というところがすごく、報道も含めて出ていますが、しっかり、こういった五万キロに設定する案についての議論だけではなくて、風力発電の特性を踏まえて、地域環境特性に応じた効果的、効率的なアセスメントの導入などについても、迅速に措置するべき事項として議論をしていただいているところであります。これは、今月下旬、三月下旬には次回の検討会を実施予定でありますので、引き続きしっかりと、議論を含めて、取りまとめに向けた方向性を出していきたいと思います。  いずれにしても、環境省として、単純に上げて、そして環境をないがしろにする、そういったことにならないようにしたいと思います。
  38. 生方幸夫

    生方委員 これは、拙速にやると、せっかくできても、また周辺住民の反対で止まってしまうとか、結局、風力発電の促進にはつながらないというような心配もありますので、拙速は是非避けていただきたいなというふうに思います。  それから、これに関連して、環境アセスですよね。日本は、環境アセスメント法ができるのは大分遅れましたので、欧米とはちょっと違った形に今なっているんです。環境アセスメント、今は事業者が環境アセスメントをやって、環境大臣はそれについてのコメントをするということになっていますけれども、多くのヨーロッパでは、セントラル方式といって、国がきちんとアセスメントをやって、国が最終的な決断を行うというような仕組みになっているので、私はこちらの方が、これから先、環境アセスメントをいろいろ進めていく上でもいいんじゃないかなというふうに思うんですが、このセントラル方式について、小泉大臣はどのようにお考えですか。
  39. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これは結構国会でも議論になるところで、私も、この促進をするためには、やるべきことは国もしっかりやらなきゃいけないなというふうに思っています。  今先生指摘あったセントラル方式は、オランダ、そしてドイツ、こういった国々でも導入されていると聞いています。国や公的機関が、海域の選定だけではなくて、環境影響評価、系統の確保、漁業者などのほかの利用者との調整などの立地調整を主導して、発電事業者は発電所の建設そして運用についてのみ考慮した売電価格を入札して競争をする、これがいわゆるセントラル方式と言われるものですが、再エネの最大限の導入に向けて、今後、より一層、洋上風力、これは極めて重要になりますから、このためにも、環境省として、アセスとの関係も含めて、洋上風力の円滑な導入促進の観点から、経産省など関係省庁ともしっかりと連携をして、必要な対応をしていきたいと思っています。
  40. 生方幸夫

    生方委員 環境アセスは大変国民の関心も高いところでございますので、是非、どういう方向に見直すかも含めて、国民に丁寧に説明をしていただければというふうに思います。  プラスチックの問題に移りたいと思います。  プラスチック、今度の新法については、規制をしていこうという方向は我々と一緒だというふうに思っております。いろいろ環境省さんの方から説明も聞きましたけれども、一応スリーRということで、スリーRは我々はもちろん賛成でございます。  中身を見ると、我々は、とにかく廃プラの量が多過ぎるんだから、量全体を減らすためには、製造をやはり減らす、プラスチックそのものを減らしていくというリデュースが大事じゃないかというふうに思うんですけれども、法案を見ると、どちらかというとリユースとリサイクルの方に重点が置かれている。やはりもうちょっとリデュースに力を置くべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
  41. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 方向性は同じだということで、ありがとうございます。  私は、このプラスチック新法は相当幅広い社会に対するインパクトを秘めていると思います。リデュースについても、設計、製造段階で、仮にプラスチック製品を薄く作る、薄肉化とかよく言われますが、こういったことや軽量化とか代替素材の利用とか、こういったことをしていない場合は環境配慮設計ではないから国が認定をしない、こういったことにもなるわけですし、例えばホテルとか旅館とかコンビニとか、大量に使い捨てプラスチックを無料で提供しているところに対しては、使い捨てのプラスチックをリデュースする取組を求めていく、こういったことも入っています。そして、排出段階でも、産廃プラを排出する事業者にリデュースの取組を求める、こういうふうになっていますので。  私は、結果として、全体として見たときに、この法律が成立をした暁に、二〇五〇年までに使い捨てのプラスチック日本からなくなっていく、使うのであれば、それは水平リサイクルや様々な形で再生利用されるか、そういった形になっていく。これは相当なインパクトを秘めているんだということを、最近スプーンの話題が随分盛り上がっているようですけれども、別にスプーン法案ではないので、これはプラスチック全部ですから、そういった正確な理解も含めて、この国会で皆さんと様々、大きな、サーキュラーエコノミーに向けての新法だという理解が広まるように、丁寧に説明をしてまいりたいと考えています。
  42. 生方幸夫

    生方委員 私ももちろんその方向でいいと思うんですけれども、一つ気になっているのは人工芝なんですよね。人工芝が、みんな使えば上の方が飛んでいってマイクロプラスチックになる。あるNPOの調査によれば、河川から出るマイクロプラスチックのうちの一六%は人工芝由来のものだというような報告も出ております。  環境省に聞いたんですけれども、じゃ、日本で一体幾つの会社が人工芝を作っていて、その量はどれぐらいで、そのうちのどれぐらいが廃プラになっていくのかという調査がなされていないというんですよね。全体で人工芝がどれぐらいあるのかというのも環境省が把握していないというのはちょっと困ったものだなというふうに思って、聞いたら、大きいサッカー場とか野球場とかというのはあるけれども、学校にどのぐらい人工芝が敷かれているのかとか、ゴルフの練習場もあるし、いろいろなところで人工芝が使われているんですけれども、総体を把握していないと規制もしようがないと思うんですが、大臣、今の体制では私はよくないと思うんですけれども、いかがでしょうか。我々の同僚議員が質問主意書も出しているんですけれども、そこから先、余り進んでいないんですよね。こうなりましたという結果が出ていないんですけれども、いかがでございましょうか。
  43. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 環境省としては、恐らく先生の方にもお話があったと思いますが、今、流出量を推計するための検討を、今年度から開始をしたということであります。  ただ、プラスチックごみ、特にマイクロプラスチックに関しては、把握されていないことがかなり多くあります。世界的にもこれはそうなので、知見をしっかりとみんなで共有をして、どういうふうに、把握と、そして流出をしていかないような、排出の、発生抑制をしていくかということも含めて、人工芝もそうですけれども、これから知見を深めなければいけない分野である、これは間違いないことだと思います。しっかり取り組んでまいります。
  44. 生方幸夫

    生方委員 人工芝は非常に量が多いので、きちんとやはりどこかで規制をしなきゃ私はいけないと思うんですよね。だから、アメリカの大リーグなんかは人工芝から普通の芝に替えたというような動きもあるようですから、きちんと実態を把握して、どう排出を抑えるのかということを、是非早くに結論を出していただければというふうに思います。  以上で終わります。
  45. 石原宏高

    石原委員長 次に、堀越啓仁君
  46. 堀越啓仁

    ○堀越委員 立憲民主党・無所属の堀越啓仁でございます。自然系国会議員として今国会も頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  本日も、動物福祉、そして生物多様性の分野を中心に質疑に立たせていただきたいと思っております。  ようやく、動物福祉をやっているのは堀越だということが少しずつ浸透してきているんじゃないかなと私自身は思っておりますが、我が党の篠原孝議員からは、動物に狂っているということを、お褒めの言葉をいただいておりまして、これからも動物に狂ってまいりたいというふうに思っております。  しかし、私が大きなテーマだと思ってやっているのは、動物に対する扱い、これは畜産動物とか愛玩動物、そういったものだけではなく、動物園の動物ですとか実験動物、こういった動物に対する倫理的な扱いであるとか、人道的、道徳的、そういったことだけではなく、やはり気候変動影響で、新たな感染症が人間に対して健康被害をもたらすというような今時代に入ってきています。それは、ある意味では気候変動温室効果ガスの排出削減に向けた取組にも直結してくることだというふうに思っておりますので、環境委員会で取り上げていく、私は大きな政治課題だというふうに思っておりますので、引き続きその点について質問をさせていただきたいと思っております。  それでは、早速なんですけれども、まず食鳥処理場でのアニマルウェルフェアについて質問させていただきたいと思います。  前回の委員会の後に、小泉環境大臣に声をかけていただきまして、日本の動物福祉、アニマルウェルフェア、かなり国民的にも意識が高まってきている、そういったものを感じると言っていただいた。これはもう本当に私としてもうれしかったですし、やはり多くの国民の皆さんからも同様に声をいただいています。  そういった観点から、食鳥処理場でのいわゆる処分、殺処理の在り方、屠畜の在り方ですね、これを前回も、何回もこの環境委員会でもやらせていただいていますし、農林水産委員会等々でも厚生労働委員会でもやらせていただいているわけですが、鶏の殺処分の方法というのは、生きたままシャックルという機械にぶら下げられて、ベルトコンベヤー式に進んでいき、そしてネックカットに向かう。そして、そのネックカットに向かった際に、生きたままなわけですから、動いてしまって、うまく頸動脈が切れずに、血がうまく抜き切らず、そのまま湯漬けにされてしまうという処理を行う結果、皮膚が赤く炎症して、そして、厚生労働省管轄ですから、この食鳥処理場、食品衛生上適切でないというふうに判断される鶏が破棄されるわけですね。これが年間五十万羽という非常に大きい羽数です。これが生きたまま殺されてしまい、そして無駄に廃棄されている。  これについて、私、予算委員会分科会において厚生労働省そして田村厚生労働大臣の方にお話を、このままじゃいけないんじゃないかと、具体的な対案を含めてお話をさせていただいたというところであります。これは、やはり厚生労働省所管になるというところだと衛生面のみというところが判断されて、食品に不適だから廃棄されているという答弁で、食品ロス削減推進法、私も全力で取り組みましたが、そういった観点から見てもこれは非常に残念だなというふうに思っているわけです。当然、生きた動物を扱うわけですから、そういうところの認識に、厚生労働省とすると、どうしても欠けているんじゃないかというふうに認識を持たざるを得ないようなところが答弁の中から確認されたわけなんですが。  そこで、まず環境省に伺いたいんですけれども、屠畜場、食鳥処理場での生きた動物のアニマルウェルフェアは、環境省が改善の責任を負うのか、それとも、実際に所管している厚生労働省が改善をする責任を負うのか、どちらか、お答えいただきたいと思います。
  47. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  環境省では、幅広く動物愛護管理行政を所管する立場から、動物の適切な取扱いを図るため、関係各省と協議の上、産業動物の飼養及び保管に関する基準のほか、家庭動物だとか展示動物、そして実験動物、それぞれについて飼養保管基準を定めるとともに、動物の殺処分方法に関する指針を策定し、それらの遵守を求めているところでございます。  一方で、関係各省はそれぞれの所管の分野や施設を有しておりまして、それらにおいて動物の取扱いがなされる場合は、環境省が定める、先ほど申しました飼養保管基準等の遵守を含めて、必要な対応を図っていただいていると認識してございます。  御指摘の屠畜場や食鳥処理場における産業動物については厚生労働省の所管ではございますが、環境省としては、動物愛護管理行政を所管する立場から、アニマルウェルフェアに配慮した取扱いがなされるよう、厚生労働省と連携して対応していく必要があると考えております。
  48. 堀越啓仁

    ○堀越委員 鳥居局長、ありがとうございます。連携をしていくという言葉をいただきました。  既に農林水産省それから厚生労働省等々でも情報交換がなされているんだろうというふうに思っておりますが、これについて、私、食鳥処理場の在り方について田村厚生労働大臣質問させていただいたときに、田村厚生労働大臣から、厚生省もいかに環境省とタイアップできるか、いろいろ検討していきたいと。具体的には、発言としては、例えば環境省に、アニマルウェルフェアの観点からの取組、これを聴取したり、しっかりと検討してまいりたいというふうに言っていただきました。  これはすごいことだと思います。厚生労働省とすると、食品としてしか鶏を見ていない、その適切性があるかないかということで判断されてきたところを、アニマルウェルフェア的にも配慮しなきゃいけないんだということを、これは環境省からしっかり聞いていこうということを厚生労働大臣の方から示されたことだと思います。  先ほど鳥居局長の方からも、これからも連携していくんだという御答弁をいただきましたので、これ、是非、小泉大臣の方から田村厚生労働大臣にもアプローチをしていただいて、アニマルウェルフェア的取組、こういったことがあるんじゃないかということをお話しいただければなというふうに思うんですが。  やはり私、今はコロナの渦中になって、地元で細かい座談会ですとか、そういったことがなかなか難しくなってきている。そんな中で、SNSを通じて国民の皆さんと意見交換を様々させていただくことがあります。先ほどもお話しさせていただきましたけれども、インスタグラムですとか、ツイッターとか、フェイスブック、あらゆるSNSを通じて国民の皆さんから話を聞いたりするんですが、コロナの件もあってか、かなり、食の安全ですとか、自分たちが得ている豊かさがどんな背景があるのかということについての関心は非常に高まってきているというふうに思うんですね。  その中で、例えば有機野菜を購入してみようであるとか、今回のこのアニマルウェルフェアももちろんそうです、平飼いの卵を選んでみようじゃないか、そういう消費者の動向というのはある中で、同時に問題となってくるのは、やはり食鳥処理場の在り方であるとか、あるいは畜産の今の、いわゆるアニマルウェルフェアに配慮されていないところの動画であるとか情報というのが入ってくるわけですね。ひどい状況にあるんだということで認識をされた方々が、ビーガンを選択するということをされる方々も増えています。  私がインスタグラムでライブをやらせていただいた中で、小学生とインスタライブをやらせていただいたことがあります。この小学生は、動物たちが置かれている今の状況を憂えて、自らの選択でビーガンになったという子供たちがいるんですね、何人かいらっしゃいました。その中で、私宛てに手紙をいただいて、理事会に出していないので提示させていただくことは差し控えますが、小泉環境大臣宛てにもお手紙を預かっています、これは是非終わったらお渡しさせていただきたいと思いますが。  本当に自らの選択で、そういうぐらいの、ある意味では、今の畜産の在り方、処分の在り方、そういったことはかなりのインパクトを持っているということだというふうに思いますので、これが、ひいては全体がそうかのように思われてしまうと、一生懸命取り組まれていてアニマルウェルフェアに配慮をしてやっているところもたくさんありますから、そういったところが、一律であたかも悪いかのように、日本の畜産自体が本当にあたかも悪いかのようになってしまうと、私はちょっと論点からずれてしまうんだろうというふうに思いますので、これは是非全力で推進をしていきたいと思います。  そこで、先ほどの話に戻るんですが、環境大臣としても田村厚生労働大臣に、是非、日本のアニマルウェルフェア、推進していこうじゃないか、連携していこうじゃないか、そういう話をしていただけないかなということでの御質問です。
  49. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 早速、今日の朝の閣議の前に田村大臣とお話ししました。そして、田村大臣も、堀越先生から、厚労委員会ですか、予算委員会でしたっけ。(堀越委員予算委員会分科会です」と呼ぶ)分科会ですね、それで質問を受けたという話をしていました。ですから、今後しっかり、事務方も含めて連携を深めて、アニマルウェルフェア、共に進めていけるようにしていきたいと思います。  そして、先生がおっしゃったお手紙も是非読ませていただきますし、私も今、時々、植物性のたんぱく質のものだけ食べる日、そういった時々ビーガンになるようなことをフレキシタリアンというふうに言ったりもするそうですけれども、環境省の入っている五号館の建物も今プラントベースドランチというものも出まして、内閣府の方にも今ソイミートなども出されて、私、間違いなく変わってきていると思います。  そして、おっしゃったように、コロナを契機に、今、我々の身の回りのものがどこから来ているんだろうか、そういったことに関心は間違いなく高まっていると思います。私がしているマスクもオーガニックコットンのものですけれども、そういった身の回りの身近なものが、一体どこなんだろうか、コットンを作るときに一体どれだけの水と農薬を使っているんだろうか、それによる健康被害とか、いろいろなことがあるから、恐らく堀越先生が使われているマイボトルも、そういった思いでこういったものを使っているのは私もよく分かります。そういった考え方、ライフスタイルがより多くの方に根づいていくように、環境省としては、役割が非常に大きい時代が来たなと感じています。
  50. 堀越啓仁

    ○堀越委員 小泉環境大臣、ありがとうございます。  早速、田村厚生労働大臣ともコミュニケーションを取っていただいたということで、ましてや私のような一年生議員の発言を田村厚生労働大臣の方もしっかり受け止めていただいたこと、これも感謝を申し上げたいと思いますし、やはり国民の皆さんからの意識もかなり高まってきているというところでありますので、ここは是非、アニマルウェルフェア、所管は環境省ですから、是非牽引していただきたいというふうに思っております。  続いて、これも本当に感謝から申し上げなきゃいけないんですが、動物虐待、畜産動物関係の動物虐待について前回私質問させていただいたところ、小泉環境大臣の方から、動物愛護の精神にのっとって産業動物についても適正な取扱いが浸透していくように、しっかりと取組を進めてまいりたいと思いますという御答弁をいただきました。そして、早速、今年に入って、一月二十一日付で、「農場における産業動物の適切な方法による殺処分の実施について」という通知を農水省と連名で出していただきました。この場をかりて本当に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。すごいことだと思います。この中に、内容、地方行政からも告発を視野に入れるように書かれていて、大変心強いものであったというふうに思っています。  そこで、今回はその追加的な質問をさせていただきたいと思います。これからお話しさせていただくのは、実際に起こっている、通報された事件で、二〇一九年三月に行われたんですが、現在対応案件と聞いていますけれども、ある養豚場の飼育用のおりの中にがりがりに痩せ細った豚が二十二頭、その中には、大人のおりの中に、多分たまたま生まれてしまったんだと思います、子豚もいて。普通は、子豚というのは、踏まれないように、かまれないように、当然、別のおりに入れるわけですが、同じおりの中にいて、中には死んでしまっている子豚もたくさんいて、がりがりに痩せ細って死んでいる大人の豚も十三頭見つかった。  これ、私も動画を見させていただきました。通報に使われた動画があるんですが、これはもう本当に異常な事態です。水も与えられず餌も与えられていないというのは容易に想定できるような、そういった状況です。豚というのはこれだけ痩せることができるんだというぐらい、見たことがない姿です。こういう映像というのは私もよく目にするんですが、久しぶりに夜、夢に出てきました。それぐらい悲惨な状況です。  これを近隣の方々が発見をして、そして通報した、警察あるいは家畜保健衛生所、保健所等々に通報した。しかし、全く動いてもらえていないんですね。これは、適切な指導も行わず、又は指導さえも行えず、現在も、今も豚の死体、骨がそのまま放置されているという状況にあります。  これは動物愛護法の改正前なんですが、しかし、そうはいっても、そのときも、少なくとも警察との連携に関しては元々条文に明記をされていますので、問題というのは、やはりこういった形で放置されてしまっている、なぜその飼育者がそういう状況にしていたのか、これは現在調査中ですから分かりませんが、しかし、どんな理由があろうとも、通報があったことに対しては適切に指導なり処分なりを検討しなければいけないということ、そういう実効性が私は求められているんだろうというふうに思っています。  今回、農水省と連名で出していただいた通知の中には、虐待を受けるおそれがある事態が認められたときは、速やかな改善を求め、改善の意思がない場合は警察に告発をと書かれているんですね。警察が動くべき案件であると言っていただいていることについては、本当に心強いというふうに思っています。  そこで、まず環境省に伺いたいんですが、動物虐待罪は、餓死させたり、ひどい方法で殺したり、衰弱させている場合には即座に成立するものだと私は考えているんですが、その辺りの見解を伺いたいということ。あわせて、警察に対して、やはり産業動物についても、犬猫の虐待と同様に、対処すべきとする研修ですとか、あるいは依頼を是非とも環境省からお願いしていただきたいということでございます。
  51. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  動物愛護管理法第四十四条では、愛護動物のみだりな殺傷や、みだりに給餌、給水をやめる、酷使するなどにより衰弱させることなどを禁止してございます。  ここで言う愛護動物とは、類型的に人間に飼養されている牛、馬、豚、鶏等のほか、人が占有している哺乳類、鳥類、爬虫類全般を指しておりまして、畜産現場における産業動物も含まれております。  動物虐待罪に関する最終的な判断は、個別の状況に応じて司法の場で行われるものと承知しておりますが、例えば、飼養している産業動物に必要な給餌や給水をせず放置し、餓死させたり、衰弱させたりした場合においては、動物虐待に該当し得るものと考えてございます。  また、産業動物においても、犬や猫などの場合と同様、虐待が認められた場合は厳正な対処が必要との認識は警察庁とも共有されているものと承知してございます。  その上で、更なる動物虐待の防止や円滑な対応に向けては、通報時の対応の明確化や現場での行政と警察の連携強化が重要です。  そのため、環境省としましては、昨年六月の改正動物愛護管理法の施行を受けまして、虐待事案に関する現場レベルでの様々な課題を踏まえて、虐待の有無の判断ポイントや、警察と自治体による情報共有、連携の方策等について整理した虐待対策のガイドラインの検討を進めているところでございます。  ガイドラインの活用や警察等との適切な情報共有を通じ、虐待の防止に向けて取り組んでまいります。
  52. 堀越啓仁

    ○堀越委員 鳥居局長、ありがとうございます。その連携強化を是非進めていただきたいですし、そのガイドラインの策定、本当に浸透できるようにしていただきたいというふうに思います。  これは、この後、串田委員の方からも多分質問があると思うんですが、世田谷で車の中で犬が閉じ込められていてという事例がありましたが、警察がなかなか実効性を持って取り組むことができないという現状があったりだとか、あとは、警察自体も、これは動物虐待に値するのかどうかということについて動愛法を勉強するというところから始めなければいけないという事例も、かつてはやはりありました。  卵からひよこが生まれて、ひよこを卵が生まれる状態にまで育てて出荷するという、育成ですね、この育成期間を担う業者さんでも、当然、生まれるひよこの中には、規格外であるとか、奇形ですとか、病気ですとか、けがですとか、そういう生体も出てくるので、それを処分するときに、あろうことか、焼却場に生きたまま投げ入れるという事例もあった。そのときに、保護団体が動いて警察に通報して、しかし、これは動物虐待に値するのかどうかということ自体が把握されていなくて、それを調査して、一か月半ぐらいかかったという、対応にですね、かかったという例があります。  しかしながら、警察が一か月半かかって介入していただいた結果、それは是正できたんです。つまり、警察が介入するということはすごく重要な観点ですので、先ほどの、動物虐待に値するんだということについては、環境省が警察庁と連携をして、是非、再発防止を全力で進めていただきたいというふうに思っております。  そこで、警察庁に伺いたいんですが、私が先ほどお話しさせていただいた一月二十一日付の環境省と農水省の連名通知も踏まえて、産業動物の虐待についても、これを虐待でないと突き返すことなく、犬猫などの愛玩動物の虐待と同様に、適切かつ迅速に対応できるように徹底していただきたいというふうに思っていますので、その辺りについての警察庁の見解を伺いたい。あわせて、産業動物についても愛玩動物と同様の捜査や対処を行うよう各都道府県警察に指導、通達するなど、対策をお願いできないでしょうか。
  53. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 お答えいたします。  警察では、産業動物であっても、動物の愛護及び管理に関する法律第四十四条に違反する動物虐待事犯について、関係機関と連携しつつ、取締りに当たっているところでございます。引き続き、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処してまいる所存でございます。  また、警察庁としまして、動物虐待事案への対応に関しまして、都道府県警察に対して、適宜、必要な指導、教養を行っているところでございます。
  54. 堀越啓仁

    ○堀越委員 やはり警察庁、これからも、多分、動物愛護法の改正を受けて罰則が強化されたという認識を持っておられる国民の方々は当然増えておりますので、こういった、これは虐待に値するのではないかという、国民の方がよく知っているということも出てくるかと思います。そこで、通報等々もこれから増加してくる可能性もありますので、そうしたところに対応できるように、警察庁としても是非取組をしていただきたいと思います。  加えて、畜産動物に関して言うならば、やはり、畜産業を営んでおられる方々は、これは都市部ではないわけですので、中山間地域、こうした地方で、当然、そういった、いわゆる虐待になるのではないかという事例も出てくるのではないかというふうに思います。そうした地方で活動されている警察の皆さんにこそ指導が行き渡るように、警察庁としても取組をしていただきたいというふうに思っています。  この動物虐待に対する、いわゆる実効性のある処罰ですとか監視、是正勧告、そうしたものは国々によって大分、法体系も異なるわけです。例えばアメリカのカリフォルニア州では、家の中に閉じ込められているような犬を発見した場合には、その住人が、レスキューに当たることができるというような法律もあります。日本の法律自体も動物に配慮したものにどんどんどんどん高めていくためには、やはり実効性のある対応策と仕組みの構築が私は必要なんじゃないかなというふうに思っています。  先ほどの、例えば食鳥処理場だけではなくて、鶏を生きたまま焼却場に投げ入れるというような事例に関しては、やはりもう既に、動物の愛護及び管理に関する法律、動愛法で第四十条に規定する、動物を殺す場合の方法についてという指針が示されているんですが、動物を殺処分しなければいけない場合には、化学的又は物理的方法により、できる限り殺処分動物に苦痛を与えない方法を用いて当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法によるほか、社会的に容認されている通常の方法を取ることが規定されているんですね。つまり、気絶、意識を失わせた状態で殺さなきゃいけないということが動愛法には書いてあるわけです。  そういう観点からすると、では、食鳥処理場で今現在行われている、生きたままネックカットに向かう方法は、これは許されるのかどうかということになります。  ガススタンニング、やはり気絶をさせてから処理に向かう、これが私は、食ロス、五十万羽、年間捨てられているわけですから、この五十万羽を減らすことにも確実につながりますし、加えて言えば、そこで働いておられる方々の労務負担の軽減にも確実につながるわけですね、気絶させているわけですから。  そういった観点からも、例えば、では食鳥処理場にその設備投資を全部やってくださいというのは、かなり難しいものがあると思います。国がガススタンニングの方法を先行してやっていくんだと、もう既に行われている事業所はもちろんありますが、そういったところを全部、日本においてはガススタンニングなんだということをやる上では、国の責務というのもやはり発生すると思います。食鳥処理場の皆さんだけが悪いわけじゃないし、食鳥処理場の皆さんだけに負担を課すのはやはり間違っていることだと思いますので、その辺、是非御対応いただければありがたいと思います。  そうしたことが進めば、私はこの動物虐待も自然と少なくなってくるのではないかというふうに思いますので、両輪で進めていっていただきたいというふうに思っております。  それでは、次、ちょっとがらっとテーマを変えまして、生物多様性の保全について伺いたいと思います。  今年予定されている環境関連の国際会議は、重要会議がメジロ押しになっているわけでございまして、小泉大臣、本年に予定されている環境国際会議の対応として、最重要課題に、米国との連携とともに、気候変動のCOP26と生物多様性のCOP15の成功を挙げられております。今年こそが地球環境の行方を左右する重要な節目とも私は言えると思っています。  特に、生物多様性の保全に関しては、本年開催予定のCOP15において、現在の生物多様性の国際目標となっている愛知目標に続く、次のポスト二〇二〇生物多様性枠組が採択される予定となっております。  これに先立って、国連の生物多様性条約事務局が、地球規模生物多様性、いわゆるGBO5というやつですね、を公表しておりますが、このGBO5、日本が議長国として開催した生物多様性条約第十回締約国会議、COP10で採択された生物多様性に関する世界目標である愛知目標の、この達成状況の評価等がここに踏まえられているわけですが、残念ながら、二十の個別目標のうちに完全に達成されたものはなかったと結論づけられているんですね。個別目標のうち、森林を含む生息地の損失を半減、絶滅危惧種の絶滅の防止、水産資源の持続的な漁獲などの十四項目は達成されなかったと評価してあって、残る六項目が部分的に達成されたと評価されているんですね。  こうした中、では日本はどうかということなんですが、一月に公表された実施状況の点検結果によれば、これも、愛知目標達成に向けて着実に前進してはいるものの、十三の個別目標のうち、達成した目標というのは五項目にとどまっていて、生物多様性の主流化の達成ですとか、自然生息地の損失速度の顕著な減少など、残りの八項目というのは進展したが達成しなかったと評価されているわけですね。  そこで、二〇一〇年、日本が自ら議長国を務めてきて採択された愛知目標でありますけれども、世界規模の評価においても国内取組評価においても未達成であった、国内外で生物多様性保全が進んでいない危機的な状況について、認識を伺いたいと思います。
  55. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  昨年九月に公表されましたGBO5によれば、大部分の愛知目標についてかなりの進捗が見られたものの、二十の個別目標で完全に達成できたものはないということで、自然との共生を目指す二〇五〇年ビジョンの達成には気候変動対策など複数の分野連携した行動が必要であることなどが示されてございます。  環境省といたしましては、名古屋での生物多様性条約COP10で取りまとめられた愛知目標が未達成と評価されたことは残念であると考えております。  今回の評価をしっかり受け止め、COP15で採択が見込まれるポスト二〇二〇生物多様性枠組を適切に設定できるよう、そしてまた、生物多様性への取組が更に発展、継続するよう、日本からもしっかり必要な提案をしていきたいと考えております。
  56. 堀越啓仁

    ○堀越委員 ありがとうございます。  このGBO5の中身は、私は、これは世界全体で重たく受け止める必要があるというふうに思っているんですね。例えば、このGBO5の中に、森林減少は止まっておらず、一部の地域で逆に再加速しているであるとか、生物多様性の損失要因が改善されないと百万種が絶滅の危機にさらされる、過剰に捕られている魚の数は十年前より高くなっている、こういう状況があるわけですね。やはり、人間も循環の中に生きていますし、環境の中の、循環の中に生きているという認識を持った上で、自然災害ももちろんそうですが、食の点についてもそうです。  今回、瀬戸内の環境についての、水質についての法案が提出されておりますが、これもやはり人間の力だけではコントロールすることはもちろん難しいわけですが、しかし、人間は環境にとってインパクトを与える力をいいも悪いも持っているというのは事実なわけですから、その循環というのはやがて人間の方に返ってきてしまうという観点から、この生物多様性ということは、やはり私たち国民も一人一人が認識をして、官民共に進めていかなければいけない大きな課題だというふうに思っておりますので、是非、この愛知目標、なかなか難しかった部分はありますが、次のポスト二〇二〇の生物多様性枠組みについては具体性を持って取り組んでいただきたいというふうに思っております。  先ほどから挙げているポスト二〇二〇生物多様性枠組、国連のグテーレス事務局長は、二〇二一年を、絶滅の危機を止めて自然と共生するシナリオに世界をのせるポスト二〇二〇生物多様性枠組を採択し、地球の緊急事態に対処する年にしなければならないというふうに訴えています。  今年一月、小泉大臣は、交渉中の同枠組みの行動ターゲットの一つでもある、二〇三〇年までに地球上の陸域と海域の少なくとも三〇%を保護するとの目標への賛同を先んじて表明し、同目標を挙げる自然と人々のための高い野心連合への参加を表明されております。このことについては、本当に評価をされるものであるというふうに思います。  しかしながら、GBO5でも指摘されているように、高い数値目標を設定したからといって、それで、当然ですけれども、達成されるわけではもちろんありませんので、具体的に個別目標の範囲の設定や目標のレベルが、達成のところとやはり整合していないといけないんだというふうに思っています。  世界目標となるこのポスト二〇二〇枠組みのこれまでの議論の中では、愛知目標が達成されていない要因、資金動員の不足、それから目標管理の不徹底が指摘されているなど、モニタリングとか報告とかレビューとか、様々な実効性のある仕組みを導入していかないとやはり達成は難しいんだよということが、このGBO5の中でも言われていることですし、ポスト二〇二〇枠組みのこれまでの議論の中でも言われていることでありますので、今年、十年の方針を決めるCOP15の開催が控える今、実効性のあるポスト二〇二〇生物多様性枠組の在り方、また、目指すべき目標とその達成に向けた取組について、環境省の見解を伺いたいと思います。
  57. 笹川博義

    笹川大臣 御質問ありがとうございます。  いずれにいたしましても、GBO5の御指摘については大変真摯に受け止めなければならないというふうに思っております。  同時にまた、ポスト二〇二〇生物多様性の枠組みにおいては、やはり科学的知見をベースにし、分かりやすさと実現の可能性も含めて多くの皆さん方に理解をしてもらって、そしてこの活動に参加をしてもらう、このことが大事だというふうに思います。  例えば、企業の皆さん方に参加してもらう、そのことでまた経済活動、さらには、その先にまた資金の問題にも必ず結びつくというふうに思いますし、個々、国民一人一人、それぞれの理解が深まれば、またその生活様式の中にも反映をされていくということにもなるわけでありますので、そういった意味では、経済活動が、生物多様性の主流化、そしてまた非意図的に侵入する外来種の対策、今、個々の生活、理解が深まればというお話をさせていただきましたけれども、そういうものにつながっていくのではないか。  例えば、琵琶湖のオオバナミズキンバイ、これも、基本的にはやはり、もう少し理解があればあれだけのものに発展をしなかったんじゃないのかということだと思うんですよね。あれがいかに大きな脅威になったか。ヒアリについても、これは経済活動の中で脅威になってきたということでありましたので。  さらに、この枠組みの達成に向けては、やはり、今委員から御指摘がありましたけれども、定量的な目標設定。ただ、この目標設定、それからまた実効性の確保についてもやはり工夫は必要だというふうに思うんですね。  先ほど委員指摘がありましたけれども、ただ目標を決めればいいというものではない。では中間的にどうしていくんだ、具体的に実効性をどう確保していく、こういう議論を、やはり達成できなかったこの反省の上に立って議論をしていくことが大事ではないのかなというふうに思っておりますし、我が国としては、COP10での議長国としての愛知目標を取りまとめたその経験を踏まえた上で、次期の枠組みづくりに貢献をしてまいりたいと思います。  同時にまた、COP15につきましては、先日、中国・昆明で行われる日程が十月の十一日から二十四日ということの通知が来たということでございましたので、具体的に政府環境省としての取組を進めさせていただきたいというふうに思います。  ありがとうございました。
  58. 堀越啓仁

    ○堀越委員 笹川大臣、ありがとうございます。  笹川大臣におかれましては、大臣政務官のときから、かい掘り等々やられていて、生物の多様性については非常に思いが強い自然系副大臣だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。  やはり先ほどおっしゃったように、参加というのが、企業も含め、国民も含め、運動として参加していただかなければこれは解決しない問題だというふうに思います。  先ほどのGBO5の中に挙げられている、森林減少は止まっていない、一部の森林がむしろ破壊の方向に向かっているんだということは、私たち国民一人一人が実は関係しているという認識を持たなければいけないというふうに思っています。  例えば、それが、先ほどから挙げさせていただいている畜産動物、大規模集約化された畜産動物の在り方であるとか、あるいは、我々が日頃から口にしている油がどこから来るのかとか、森林を伐採して、大規模プランテーションによって生き物の場所を奪い、そして農場を造り、森林を破壊しながら私たちは豊かさを得ているんだという認識を持った上で、ではどうしたらいいのかということを国民全体で運動として展開していかない限り、これはやはり変えられないんだろうというふうに思っています。  確実にその豊かさの背景には犠牲があるんだということを、環境省だけではなくて、消費者庁、もちろんそうです、様々な省庁とも連携をして、運動として結びついていかない限りは、これはもう改善をしないんだろうというふうに思います。  また、先ほど挙げていただいたオオバナミズキンバイ、これももちろん生態系に大きく影響を与えるものですし、ヒアリと、それから、オオアカツヤカミキリでしたっけ、オオツヤカミキリですよね……(笹川大臣「クビアカ」と呼ぶ)クビアカ、そうですね、済みません、そういった外来種も日本の生態系に大きく影響を与える大きな問題だと思いますので、こういった外来種対策も含めて、皆さんが認識を持たない限りは進まないんだろうというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、最後質問。  もう簡単にさせていただきますが、PFOS、PFOAについてなんですけれども、有機フッ素化合物ですね。これは消火剤に含まれている成分で、一部、東京の多摩地域でも検出されているということで。  実際、PFOS、PFOAの毒性の評価というのは世界的にも統一されたものが今現状ないというところでは私も承知していて、ばらつきがあるということはあるとは思いますが、やはりこれが多量に人体に入りますと、当然、いろいろな悪影響を及ぼすんですね。甲状腺ホルモンの攪乱ですとか脳の発達障害、ぜんそく、高コレステロール血症、潰瘍性大腸炎、いろいろ、これは難病です、こういったものにも発展してくる可能性も挙げられる、住民に大きな支障を及ぼす可能性があるものですので、そういった科学的知見を集めるという意味でも、不安を持っておられる地域の方々が、PFOS、PFOAの暴露について健康調査をやはり環境省としても進めていただきたいというふうに思いますし、この検査自体が非常に高価なものですから、その点について不安を持っておられる方々のサポートなんかについて検討されていることがあれば、教えていただきたいと思います。
  59. 田原克志

    田原政府参考人 お答えいたします。  御指摘地域におきまして、健康被害に関するお尋ねかと思いますけれども、現時点でお住まいの方々に健康被害が生じているというような情報はないというふうに認識をしております。  地方公共団体とも密接に連携しながら、引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。  また、妊婦や子供さんの健康については、全国の十万組の親子に御参加いただいているエコチル調査というものがございますけれども、こちらにおいて、PFOSなどの有機フッ素化合物による影響の有無についても調査を進めているところでございます。  科学的知見をしっかりと蓄積をいたしまして、国民の安全、安心につなげてまいりたいと考えております。
  60. 堀越啓仁

    ○堀越委員 ちょっと不十分だと思いますが、質問が終わりましたので、終了とさせていただきます。  大臣、後で手紙を渡します。  ありがとうございました。
  61. 石原宏高

    石原委員長 次に、江田康幸君。
  62. 江田康幸

    ○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。  先週の大臣所信に対する質疑では、私、脱温暖化社会の実現、また二〇五〇年カーボンニュートラルについて質問をさせていただきました。本日は、脱炭素社会に資する循環経済、サーキュラーエコノミーについて、プラスチック資源循環を中心に大臣質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  早速でございますが、循環経済、すなわちサーキュラーエコノミーへの移行は待ったなしの状況であり、中でもプラスチックは、我々の生活に利便性と恩恵をもたらす重要な素材である一方で、世界全体としては有効利用される割合が低く、二〇五〇年までに海洋においては魚の重量を上回るプラスチックが海洋環境に流出するということが予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念をされております。  こうした問題への対応として、令和元年五月に我が国としてプラスチック資源循環戦略を策定したことは非常に重要であります。戦略の概要を別紙二に示しておりますが、この戦略では、スリーRプラスのリニューアブルとして、リデュースを前提として、素材を再生可能なものに転換するとともに、リユースやマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル拡大し、セーフティーネットとして熱回収するという基本原則を示すとともに、野心的なマイルストーンを、この右側でございますが、掲げておりまして、この達成に向けた施策の具体化が急務となっております。  そこで、大臣質問でございますが、プラスチック資源循環戦略の実現についてでございます。  このプラスチック資源循環戦略では、別紙一に示しますとおりに、ワンウェープラスチックを二〇三〇年までに累積二五%リデュースする、容器包装を二〇三〇年までに六割リユース、リサイクルする、使用済みプラスチックを二〇三五年までにリユース、リサイクル、熱回収により一〇〇%有効利用することなど、六つのマイルストーンを定めたわけであります。  一方、プラスチックの再資源化の現状はどうなっているか、別紙二に示しました。容器包装を六割リユース、リサイクルするということは、現在、マテリアルリサイクルが二三%、ケミカルリサイクルが四%、合わせて二七%のところを、容器包装についてはこの割合を六〇%以上にするという野心的な目標であります。また、使用済みプラスチックを一〇〇%有効利用するということは、単純焼却や埋立てをゼロにして、できる限りマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルした上で、それが難しいものも熱回収するということを示すわけであります。  このプラスチック資源循環戦略を起点に、政府では新法を提案しているわけでございますけれども、新たな法案による措置も含めて、今後どのようにしてマイルストーンを実現していくのか、大臣にまずはお伺いをさせていただきます。
  63. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 江田先生には今資料も御提示いただきながら御説明をいただきましたが、まさにサーキュラーエコノミーというのは、最終的に、捨てない、ごみの出ない、こういった経済社会の形に全体を大きく変えていく取組でもあります。  そして、今回、我々が提出をしているプラスチック新法、この中では、今先生指摘のあったリデュース、リユース、リサイクル、こういった各段階、設計、製造段階、販売、提供段階、そして排出段階、それぞれに新たな措置を講じるものでありますので、こういった詳細については法案審議のときにさせていただくことになると思いますが、例えば、まずリデュースの部分でいったときに、先生が今日御指摘いただいたとおり、使い捨てプラスチック、ワンウェープラスチックを累積二五%排出抑制を二〇三〇年までにしようと。これはまさに、今回の法律の中で、例えば、大量に無料で使い捨てプラスチックを消費者に対して提供しているような業界、分かりやすく言うと一つはコンビニでもありますが、そういったところに対してリデュースをするように促していく。こういった措置もこのプラスチック新法の中には入れてありますし、結果としてマイルストーンの達成、戦略の達成に資するような法律になっていると思っています。
  64. 江田康幸

    ○江田(康)委員 それでは、続けて質問をさせていただきますね。  マイルストーンを実現するために、リサイクル拡大、高度化に向けた政策が大変重要であるということでございます。プラスチック資源循環戦略のマイルストーンの一つに、二〇三五年までに使用済みプラスチックをマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収により一〇〇%有効利用するというものがありますけれども、サーキュラーエコノミー構築のためには、この有効利用の中でもマテリアルとケミカルリサイクルの割合を引き上げて、これを引き上げて、熱回収の割合は引き下げていくということが大変重要だと私は思っております。  そのためには、リデュースを前提に、リサイクル拡大や再生材の需要を創出するということなど、プラスチック資源リサイクルシステムを拡充し高度化する必要があるわけでありますが、これに向けてどのような施策を講じていくのか、大臣にお伺いします。
  65. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生指摘のとおり、リサイクル拡大と高度化を後押しすることが不可欠だと考えています。先ほど申し上げた新たな法案に基づく環境配慮設計製品の認定制度によって再生プラスチック需要を高めていって、回収、リサイクルの促進措置と相まって、自治体、事業者の取組を強力に促したいと思っています。  まず、自治体に対しては、前向きに頑張っている自治体取組を応援するために、プラスチック資源分別回収についてのモデル事業の実施などにより後押しをしていきます。  そして、事業者に対しては、令和二年度補正、令和三年度当初予算案において、省CO2型のプラスチック高度リサイクル設備などの導入支援事業を計上しています。こうしたインセンティブも活用しながら、後押しをしていきたいと考えています。
  66. 江田康幸

    ○江田(康)委員 今の二つの事業なんかは大変重要だと思います。これらを活用して、リサイクル拡大、高度化に向けて総力を挙げるということだと思いますので、期待をいたします。  更に質問を続けます。  自治体リサイクル拡大に向けた制度的な措置についてお伺いをしたいんですね。  リサイクル拡大に向けては、自治体取組の促進が非常に重要な点となる。自治体状況は様々でございます。大臣の地元というか、東京都の日野市のように、既にプラスチック製、あっ、大臣の地元ではございません、申し訳ございません、今のカット。東京都日野市のように、既にプラスチック製容器包装と製品の一括回収に取り組んで、高いリサイクル率を達成しているところもありますね。でも、東京二十三区のうち約半分の自治体は、ペットボトル以外のプラスチック製容器包装や廃プラ製品の分別収集は取り組んでおらず、専ら焼却されて、リサイクル率は低いわけであります。  今回の法案での措置は様々な状況に置かれた自治体に効果を発揮するのか、大臣のお考えをお伺いをいたします。
  67. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 横須賀が地元の小泉です。改めて答弁させていただきます。  先生指摘のとおり、リサイクル拡大に向けては自治体取組の促進が重要です。今回の法案においては、効率的な分別、リサイクルに向けて、プラスチック製品リサイクルについても、既に確立している容器包装リサイクルの仕組みを活用して、製品と容器包装を一括して同じリサイクル事業者への引渡しが可能となるように措置をすることを考えています。そして、自治体リサイクル事業者とで重複していた選別などの中間処理工程の一体化、合理化、これも可能となるように措置することを考えています。これらは全ての自治体が活用可能ですから、幅広く効率的な分別、リサイクルを促進することができるようになります。  具体的に申し上げると、既にプラスチック資源を一括で回収している先進的な自治体であっても、これからプラスチック資源を分別収集する自治体でも、法案の二点の、今私が説明した二点の措置によって、住民にとって分別が分かりやすく、収集後の自治体での分別が不要となって処理コストが削減をされる。さらに、分別が不要となることによって中間処理施設を縮小又はその設置を不要にできる場合がありますので、設備のコストや、場所がなかなか見つけられないとか、立地制約が緩和される、そういう効率化も図ることができると考えています。  このような施策によって、自治体の様々な状況に対応して、幅広くリサイクル拡大が促進されるように取り組んでいきたいと思います。
  68. 江田康幸

    ○江田(康)委員 サーキュラーエコノミーまた循環型社会というのは、行政、自治体国民、そして企業等が取り組んでいく、そこにインセンティブがあるかどうかなのでございますが、今おっしゃったように、日野市のように進んでいるところにおいても、また分別収集が進んでいないところにおいても、今回の法案で取り組む設定は、この措置は効果があるということでございましたので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。  更に続けます。  サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組全国展開について、提案もし、お聞きをさせていただきたいと思います。  我が九州、鹿児島県の大崎町というところがございます。この大崎町は、焼却炉がないという地域の特徴を逆に生かして、行政、町民、企業の分別、リサイクル努力により、十二年連続でリサイクル日本一を達成をいたしました。二十七品目の分別と、リサイクル率は八三%という状況です。  大崎町の取組のすごいところは実は五点ぐらいありまして、ごみ処理にかかるコストが全国平均の約半分になります。そして二点目は、発生したごみの八二%をリサイクルして資源にしているということ。さっき言ったように、全国平均では二七%のリサイクル率ですから、それが八二%ですから、すごいわけです。そして、資源ごみの売買で七、八百万円の利益を生んで、奨学金制度などに還元をされているということもすごい。そしてまた、リサイクル事業で四十人近くの雇用を生み出しています。そして、さらには、インドネシアにごみ減量化技術を教えて減量化に貢献している。  これだけすごい取組をやっているのが鹿児島県大崎町でございます。これらの実績を武器に、地域の使い捨て容器をリユース容器に替えるなど、さらに、資源循環取組、アップデートにより、SDGsを軸にした町おこしに取り組んでいるところでございます。  先ほど紹介した日野市が都会のモデルだとすれば、大崎町や、同じく先進的にごみゼロに向けた取組をされている徳島県の上勝町などは地方のモデルであり、まさに、リサイクル拡大してサーキュラーエコノミーへの移行に率先して取り組んでいる好事例と言えると思います。  大崎町では、子供から高齢者まで一・三万人の、一万三千人の町民が一丸となって、混ぜればごみ、分ければ資源という取組を二十年以上徹底しており、東大崎町長は、小泉大臣に是非大崎町に来ていただき、子供を褒めてもらいたいと強く要望をされております。何度も大臣に私も申し上げているところでございます。  大臣、この大崎町の取組をどのように受け止めておられるか、また、こういった事例をどのように全国に波及されていくか、それについてお伺いをいたします。
  69. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 大崎町は本当にすごいですね。今、先生からお話を聞いて、実は、今日夕方に、国・地方脱炭素実現会議のヒアリングをユーチューブでも、どなたでも御覧になれる形でやりますし、その中の参加者の一人がまさに大崎町の東町長、参加いただきます。今日、今先生から披露いただいた大崎町のすばらしい点、こういったことに加えて、お話を聞かせていただくのを楽しみにしています。  そして、そのことがとうとう報われる時代が来ただろうなと思っています。それがまさに、先進的にサーキュラーエコノミー取組をやって、先生が今披露されたうちの一点は、そうやってごみの資源化を進めて、ごみはごみじゃなくて資源なんだ、これを取り組んできたことによって生まれた収益をまさに町民の皆さんに還元をする、経済的に裨益するようになった。  これは本当にすばらしいサーキュラーエコノミー一つの事例でありますので、実は私、この前、国際会議での発信にも、大崎という言葉で発信をさせていただいたわけです。これからも、こういった日本の事例を国際的にも発信をする形で、大崎の子供たちにも、みんながやっていることは日本の中でも世界の中でも先進的なんだよ、こういったメッセージもしっかり伝えていきたいと思っています。
  70. 江田康幸

    ○江田(康)委員 大臣、ありがとうございます。  大臣おっしゃっていただいたように、こういう先進的な取組、本当に誇らしいこの日本取組日本全国に広げていく、こういうところにおいてもしっかりと環境省検討していただいて、その道筋を示していただきたいと思います。大崎の子供たちが待っておりますので、大臣、どうぞ行っていただきますようによろしくお願いをいたします。  最後に、もう一つだけ質問をさせていただきます。  大臣の御主張のサーキュラーエコノミー、このサーキュラーエコノミーへの移行を通じた、今度はカーボンニュートラルの実現についてということで、大臣最後にお聞きをいたします。  大臣は、サーキュラーエコノミーは、スリーRプラスのリニューアブルという、いわば持続可能性の原則はもう当然の前提として、これを経済活動の中で製品やサービスとして実現して競争力や経済成長の源泉としていくことだという、その世界観を示されている。これは私も全く同感で、すばらしいと思います。やはりサーキュラーエコノミーという考えでないと持続可能性は出てきませんので、こういう考えは大変重要です。  加えて、カーボンニュートラルの実現のためにも、サーキュラーエコノミーへの移行が必要不可欠でございます。  サーキュラーエコノミーへの移行を通じたカーボンニュートラルの実現について、大臣、どのように取り組んでいくのか、最後に方針をお伺いいたします。
  71. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、認識として、日本にまだサーキュラーエコノミーという言葉も認知度が低い、そういう中で、この必要性、またサーキュラーエコノミーという考え方、これをしっかりと伝えていかなければいけないと同時に、カーボンニュートラル達成のためにはサーキュラーエコノミーが不可欠だ、こういった認識も私は広げていきたいと思います。  それはどういうことかというと、例えば、エレン・マッカーサー財団という世界的に有名な環境に取り組んでいる財団がありますが、そこでは、四五%の排出が製品の製造に関連する排出量であるので、世の中で言われているように、再生可能エネルギーだけでカーボンニュートラルは実現はできません、製造に関する排出をいかに減らすか、つまり、ごみを出さないように、いかに新たな資源投入量を減らしていくか、これが極めて重要でありますので、私は、カーボンニュートラルの実現に向けてはサーキュラーエコノミーが不可欠だ、そういうことをずっとお話をしているわけです。  これが、大量生産大量消費、大量廃棄、この今までの経済の形ではなくて、資源が循環をして、エネルギー消費も抑制される、そういった形に持っていかなければいけない。  ですので、環境省としては、この国会に提出しているサーキュラーエコノミー新法ともいうべきプラ新法、こういったこと、そして、経団連など産業界とパートナーシップを通じて取組を進めていくこと、そしてまた、国際会議の場で、日本の優れた取組、企業の事例、こういったものも国際発信をする形で、新たなビジネスの市場規模というのは、二〇三〇年まででもこのサーキュラーエコノミーで五百兆ぐらいあるんじゃないかとも言われていますから、そこを多くの皆さんと共有をして、共にカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを進めていければと考えています。
  72. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  まさにサーキュラーエコノミーは、今までの大量生産大量消費、大量廃棄、こういうリニアな経済に対して、資源が循環して、エネルギーの消費も抑制される、こういう、大臣がおっしゃる捨てない経済という、これはすばらしい取組でございまして、このサーキュラーエコノミー、しっかりと今大臣、具体的な対策を示していただきました。全力でこの実現に取り組んでまいりたいと思いますので、大臣、どうぞ頑張っていただきますように、よろしくお願いします。  今日はこれで終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
  73. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  74. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  最初に、建設アスベストの被害補償について質問します。  十二月十四日に東京第一陣訴訟、一月二十八日に京都第一陣訴訟で、共に最高裁は国の上告を退ける決定をし、規制権限を行使してこなかった国に責任があるとした判決が確定をいたしました。  そこで、私は、二月二十五日の予算委員会分科会において、原告弁護団が政府に対して提出した解決要望書、これに基づいて質問をしたところであります。それは、原告それから被害者への国の謝罪、そして、全国統一の和解に向けて、また、被害者救済基金、このことについて質問をいたしました。  厚労三原副大臣、お越しいただいています。  私の二月二十五日の質疑は御覧になったと思うんですけれども、田村厚労大臣も、それから吉永労働局長も、答弁のたびに与党プロジェクトチームを挙げられた、そして、考えていく、協議をしていくというふうに述べられたわけなんですね。  三原副大臣にお伺いします。  与党内での解決の協議が始まっている、このPTについては私も大いに注目しているところであります。しかし、原告、被害者への謝罪に与党も野党もないと思いますけれども、いかがでしょうか。京都や大阪の勝訴原告団に対して、国としての謝罪はどうされますか。
  75. 小林高明

    小林政府参考人 お答えいたします。  京都一陣訴訟、大阪一陣訴訟に関する国の責任が認められた際、大臣から、国に責任があると認められたことについて重く受け止めており、原告の方々に対して責任を感じ深くおわび申し上げますといったおわびの気持ちを述べさせていただいたところでございます。  しかるべきタイミングで直接おわびすることについても、今後、京都、大阪の原告の方々と御相談しつつ、適切に対応してまいります。
  76. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 副大臣、いかがですか。いいですか。  もう一問。  被害者への救済というのは、これは与党PTがお金を出してするんじゃないんですよね。これは、政府が、厚生労働省が中心になって、責任を持って行うわけなんです。PTの議論というのはそれはそれとしていいんですけれども、政府として、じゃ、被害補償にどう向き合うのか、これについて厚生労働省はどう考えているのか、ここを、副大臣、お答えいただけますか。
  77. 三原じゅん子

    ○三原副大臣 お答えいたします。  建設アスベスト訴訟に関して、国の責任が一部認められたということにつきましては、改めて、厚生労働省として重く受け止めているところでございます。  現在、委員がおっしゃっていただいたように、与党の建設アスベスト対策プロジェクトチームにおいて、関係省庁同席の下で、速やかに解決を図るべく検討を進めていると承知しております。  このため、厚生労働省としても、どのような対応が適切か、検討を進めてまいります。そして、与党PTにも御協力しつつ、早期解決に努めてまいりたいというふうに思っております。
  78. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 省としても、解決のために検討、努力をしていくと。これは押さえさせていただきたいと思います。  三月十二日に、原告団、被害者、遺族が国に創設を求めている補償基金制度の実現に向けた野党共同ヒアリングを行いました。我々は、石材、アスベストの建材メーカーに、基金創設のための必要な資料を国の責任で出してもらうように求めたところであります。  経済産業省にお伺いします。  各メーカーが建材市場にどの程度シェアを持っていたのか。三月十二日のヒアリングにおいては、建材メーカーが加盟する各工業会で統計が取られているとのことでありました。どの工業会にどんな統計があるんでしょうか。
  79. 柴田敬司

    柴田政府参考人 お答え申し上げます。  建材につきましては、製品の種類ごとに、製品を取り扱っている工業会、これらが独自に生産量等のデータを収集しているものというふうに認識しております。  例えば、せんい強化セメント板協会は繊維強化セメント板の出荷量、日本窯業外装材協会という団体がございますが、これにつきましては窯業系サイディングの出荷量、それから出荷金額、こういったものを公表しているところでございます。  一方で、こうした工業会等の中には、必ずしもデータを公表していない者も存在するところでございまして、そういった意味におきまして、経済産業省といたしまして全てのデータを把握しているわけではないということでございます。  以上でございます。
  80. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 この野党共同ヒアリングで、我が党の宮本徹議員、それから笠井亮議員が、企業側の賠償負担責任を決めるために資料の提出を要求いたしました。立憲民主党の議員からも、国には資料を出させる責任があると強く提出を求めたところであります。工業会に求めて提出をいただきたいと思いますが、いかがですか。
  81. 柴田敬司

    柴田政府参考人 お答え申し上げます。  こうした、幾つか先ほど例を挙げさせていただきましたけれども、工業会等、これは民間団体でございます。各団体が独自に収集した情報、データ、これを公表するか否かというのは各団体の判断に委ねられているもの、かように承知しているところでございます。  一方、建材業界を所管いたします経済産業省といたしましては、工業会等に対してどのような対応を求めることができるか、こういった点について検討してまいりたい、かように考えてございます。
  82. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 メーカーの責任も断罪されている判例がたくさんあります。これを不問にすることはできません。  三原副大臣、アスベスト訴訟は、原告が千百五十六人、うち亡くなられた方が九百三十二人、救済されないままに七割が死亡されたということであります。長期にわたって、つらい体を押して、自分の死と向き合って闘わざるを得なかった、こうした被害者に真摯に向き合っていただきたい。与党、野党関係ないですよね。これはそうなんです。ですから、今日はそういう答弁ということで先ほどお伺いしましたけれども、しっかりと、原告弁護団が要求したこの要求に沿って解決を図るように、また全国統一的和解を速やかに進められることを強く要望したいと思います。  それから、経産省は、これが出ないと企業の負担割合、基金制度がつくれないわけなんです。根拠となる資料ですから、絶対大事なんです。是非、国会からも要求があったということで、省の方から工業会の方に要求してください。  アスベスト問題については以上です。副大臣、退室、結構です。ありがとうございました。  続いて、バイオマス発電について質問します。  昨年十二月三日、国内外三十四の環境NGOが、燃料を輸入する大規模バイオマス発電について、共同声明を発表しました。生物多様性を脅かし、気候変動を加速させるとして、中止を求めています。また、今年二月十一日に、五百名以上の科学者が日本政府に、森林バイオマスを使った発電はカーボンニュートラルではないとして、木材を燃やす発電所への補助金をやめよと要請をしました。  小泉大臣、御承知かと思いますけれども、いかに受け止めておられるでしょうか。
  83. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生、今御指摘のとおり、NGOや科学者から、大規模な燃料の輸入を伴うバイオマス発電やバイオマス燃料のための木材利用に対して懸念が表明されていることは承知をしています。  バイオマス発電については、国際的に燃焼時の排出をカウントしないルールになっていると承知をしています。  その上で、気候変動対策の観点からは、バイオマス燃料について、栽培、加工、輸送、燃焼等の工程を通じて排出される温室効果ガス、すなわち、よく言われますライフサイクルにおける温室効果ガス排出量ができるだけ少ないものが活用されることが望ましい、そういうふうに考えています。  こうした観点から、環境省では、二〇一三年にバイオマスのライフサイクルにおける排出量の算定ガイドラインを策定をしています。現在、その改定に向けて、輸入バイオマスのライフサイクルにおける排出量の算定についても、国際的な動向を踏まえて知見の整理を進めているところです。  また、こうした知見を経産省にも提供をして、FIT制度におけるバイオマス燃料の持続可能性基準の検討にも協力をしています。  今後とも、関係省庁と連携をして、よりライフサイクルにおける排出量の少ないバイオマス燃料の活用が進むように促していきたいと考えています。
  84. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 気候危機への対応は、科学者とか国際NGOが果たしている役割は非常に大きいものがあります。この声に真摯に耳を傾ける必要があります。そして、NGOが、識者が、日本を名指しして、バイオマス発電の中止を訴えているわけであります。  そこで、まず現状についてお伺いしたいと思います。  大規模バイオマス発電は、国内に何基ありますか。FIT認定とそれ以外について教えてください。
  85. 茂木正

    茂木政府参考人 お答えいたします。  バイオマス発電の発電量でございますが、今現在、国内では、約二百六十二億キロワットアワー、設備ベースでいいますと四百七十万キロワットの設備容量がございます。  基数については、済みません、今、正確な数字を持ち合わせておりません。
  86. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 FIT以外については把握されていないということです。  ENEOSが、FIT認定を受けない世界最大級の超大型バイオマス発電計画を発表しました。これは三十万キロワットであります。ともかくまず把握をすることが大事ではないでしょうか。要請しておきます。  それから、バイオマス発電は二〇三〇年までにどの程度拡大していく方針ですか。  併せて聞きます。バイオマス発電は、FITによって促進されています。大規模なバイオマス発電は、今、海外から、大量の木質ペレット、パーム油、ヤシ殻を輸入して稼働しています。バイオマス燃料の輸入量は、この十年間でどのように推移をしていますか。教えてください。
  87. 茂木正

    茂木政府参考人 まず、バイオマス発電の二〇三〇年の目標量でございますが、これはエネルギーミックスの中で、発電容量で六百二万キロから七百二十八万キロワットというのが目標値になっております。  こういう中でFIT制度を運用してきておりますが、FITにおいては、FIT制度の認定に当たりまして、バイオマス燃料については、合法性、持続可能性、これを確認するということで、これは、二〇一八年の四月から新規認定されるものについては、第三者の認証を要件化しているところであります。  また、先ほど小泉大臣からもお話がありましたライフサイクルのGHG、温室効果ガス排出量ですが、これについても現在検討を進めておりまして、これはまだ導入時期が決まっておりませんが、具体的に、このGHGの評価についても今後導入していくことで検討を進めているところです。  それから、もう一つ、PKSも含めたバイオマス燃料の輸入量の推移でございますが、木質ペレットでございますが、これは二〇一二年に七・二万トンだったものが、二〇二〇年には約二百三万トンまで上昇しています。それから、パームヤシ殻の輸入量については、二〇一一年が二・八万トンですが、二〇二〇年の数字は二百二十四万トンというふうになっております。
  88. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 すごい量が増えているわけですよね。  こうした燃料が急拡大しているという中で、国産と輸入の割合についてもお伺いしたいというふうに思います。  今、バイオマス発電で使用している燃料の国産あるいは輸入の割合というのは、どの国からのものが多いんでしょうか。その割合についても教えてください。
  89. 茂木正

    茂木政府参考人 まず、バイオマス燃料、どういう燃料が海外産のものがどれだけ使われているかというところは、正確な数字は実は分かりません。ただ、私どもがFITの認定時に事業者から申請をいただいたその申請内容によりますと、設備容量ベースでは、木質バイオマス発電の約七割がPKS、いわゆるパームヤシ殻などの輸入燃料を活用するというふうに申請を頂戴しているところであります。
  90. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 七割が輸入燃料に頼っているということです。燃料の拡大も驚きの数字ですけれども、その割合が七割ということであります。  海外産のパーム油や木質ペレットを大量に利用している現状が分かりました。木質ペレットの輸出のために、北米の湿地林などの天然林が皆伐されて、トナカイの生息地など、生態系に大きな影響を与えています。  また、パーム油については、旅行会社大手のHISが、宮城県で四十一メガワットのバイオマス発電所の営業運転開始しました。原料として約七万トンのパーム油を輸入しているところでありますけれども、過去二十年間に三百五十万ヘクタールの熱帯雨林がアブラヤシのプランテーションに転換されているところです。これがインドネシアやマレーシアなどの熱帯林破壊の要因になっているわけです。  広大な熱帯林が消滅しています。それとともに、オランウータン、象などの野生生物が生息できなくなって、生物多様性も失われています。こうした現状をどういうふうに認識されていますか。
  91. 茂木正

    茂木政府参考人 今委員から御指摘があった、バイオマス燃料の開発に関する様々な課題については我々も認識をしておりまして、これは先ほども私、答弁申し上げましたが、FIT制度の認定に当たりまして、原則として、合法性とか持続可能性、これは、違法伐採がないかとか、あるいは児童労働がないかとか、こういった、法令をしっかり遵守しているかどうかという視点を第三者認証で評価された燃料のみを認定の対象にするということで、こうした仕組みを二〇一八年の四月から導入しているところでございます。
  92. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 第三者認証というのは、RSPO、持続可能なパーム油のための円卓会議、こうした認証のことを指すんでしょうか。
  93. 茂木正

    茂木政府参考人 御指摘のとおりでございます。
  94. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 RSPO認証油を大量に発電に使っていくとどうなるのか。既存の植物油、こうしたところを作っているメーカーは、この非認証の油も使わざるを得ない。つまり、パイが増えるわけですからね。そして、RSPOではない、非認証の農場が必然的に増えていくことになるわけであります。結局、新たな森林開発への圧力が高まってまいります。  また、RSPO、これは、生産段階における温室効果ガス排出削減は考慮されていますが、加工、流通段階での排出評価がされているわけではありません。ここにも問題があります。結局、RSPO認証を受けたとしても、需要を大きく高める以上、生物多様性の破壊につながっていきます。  それだけではありません。そもそも、森林を伐採することは、樹木として固定されていた炭素を大気中に放出することになってしまいます。特にインドネシアなどにおいては、熱帯雨林の下にある広大な泥炭層、泥炭層がありますね、この泥炭層から大量の炭素が放出されること、これが問題となっています。  更に言えば、輸入木材というのは、輸送距離が非常に長い、だからこの輸送に当たって大量の温室効果ガスを排出しているという問題があります。  お伺いしますけれども、森林の減少、それから木材の加工において、あるいは輸送において、それから燃焼に至るまで、そうしたライフサイクルで温室効果ガス、この排出量を調べて、炭素の収支をしっかりと評価すべきではないかと思います。今の時点で何も分からないんですね。これをはっきりさせるべきじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
  95. 茂木正

    茂木政府参考人 今委員から御指摘があった様々な点については、確かに御指摘の事項がバイオマス燃料についてはございます。  例えば、先ほど申し上げたRSPO、この中では、委員からも一部御指摘があった、例えば食料との競合という問題は評価されておりませんので、こうした項目についても、今後どう評価していくかということは考えていく必要があります。  それからもう一つは、ライフサイクルのGHGも、RSPO等の中では直接的には評価をされていません。これは、輸送時あるいは伐採時の排出CO2とか温室効果ガス状況、こういったものを全体で把握する必要があると思います。私どもとしても、特にライフサイクルGHGについては現在検討を進めておるところでありまして、これも審議会において今後検討を進めて、しっかり結論を出していきたいというふうに考えています。
  96. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 カーボンニュートラルで、二〇三〇年の目標値というのが非常に焦眉の急になってきます。その検討というのはいつ頃までにされることになるんでしょうか。
  97. 茂木正

    茂木政府参考人 今のところ、まだ具体的な導入時期は決定しておりません。今後、早期に検討を進めてまいりたいと思います。
  98. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 そうしたことも問題なんですよね。  小泉大臣にお伺いします。  大臣、この間、所信質疑の中で、大臣がこの国会の中でも、海外から十七兆円、燃料をお金を出して買っているという認識がありました。これもその範囲に入っていると思うんですよね。バイオマス燃料についてもいろいろ今問題が明らかになりました。そうした問題も含めて、大臣はどう認識されているのかということについてお伺いしたいと思います。  バイオマス発電が温室効果ガスの排出削減に役に立っているのかどうかも分からないままに推進している、こういう事態についてどういうふうにお考えになっていますか。
  99. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 端的にお答えすれば、地産地消型でやることが望ましい、そういうふうに考えております。
  100. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 地産地消型が望ましいということです。  たとえ植栽されても、再び同量の炭素が貯蔵されるまでには数十年かかります。CO2の四五%削減が必要とされる九年後まで、とても回復はできません。だから、こうした状況について、学者が、そして国際NGOが緊急的に声明を出し、そして中止を求めているわけであります。これは政策的に実行していかなければならないというふうに思います。  今、日本ではFIT買取り価格をほかの再生エネルギーよりも高く設定しています。森林減少や温室効果ガスの排出増加につながる大規模バイオマス発電事業というのをFITという公的な枠組みで進めるべきではないと思います。どうでしょうか。FITという公的な枠組みでこれは進めるべきではないと思いますけれども、そういう認識はありますか。
  101. 茂木正

    茂木政府参考人 バイオマス発電についてFITを適用するかどうかというのは、これは燃料の性格をきちんと評価した上で、適用するべきものと適用する必要がないものというのを評価してまいりたいというふうに考えています。  それから、先ほど大臣からもお話がありました地産地消、これについては、引き続き我々としてもしっかり応援をしてまいりたいと考えています。
  102. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 それで、バイオマス発電というのは、燃料に輸入木材を使うべきではないと私は主張したいと思います。大規模なものへの補助はやめて、燃料は地域から出る未利用材や端材、それから建築廃材のみをもって、熱利用を条件とした小規模分散型の地域の発電所に私たちは限るものだと思います。  もう一度言います。大規模なものへの補助はやめて、地域から出る未利用材、端材、これらを原料として、熱利用を条件とした小規模分散型、こうした発電所がいいと思いますけれども、大臣の先ほどの地産地消というのと何かずれがありますか。
  103. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今の田村先生の御指摘だと、今森の中にある木は、しっかり植わっているものは使うなということですよね。  例えば岡山県の真庭市は、今バイオマス、木質バイオマス発電所、これをやっています。そして、それはこれから森林の中で、いわば森のエネルギーファームのような発想で取り組まれているところもあります。これは、私は地産地消型だと思いますし、応援していきたいと思います。  もう一つ、恐らく、日本の森林の状況を考えたときに、今活用すべき、伐期を迎えている木がいっぱいあります。こういったことは一概に、切ったら駄目だ、木を使ったら駄目だということには、私は当てはまらないと思います。むしろ利活用すべき、そしてそれを植え替えをしていかなければ、CO2の吸収量も、やはり老化をした木というのは吸収量が減りますから、こういったことも含めると、私は今の真庭の例を出しましたが、こういったことは地産地消型だと私は言えるのではないかなと考えています。
  104. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 少なくとも、燃料に輸入木材を大量に使うべきではないといったところは共通かなと思ったんだけれども、国産の森林についての考え方は、私は今申したとおりです。  そして、昨日、農水委員会でまさに質疑したところなんですけれども、老齢期を迎えた木材であっても吸収量は劣らないという学説、これが支配的になっているという考え方もあるんですよね。そこはまだ議論の余地があると思います。  だけれども、今、もう無制限にパーム油を作り、たくさんの燃料を日本が仕入れて、そして巨大なバイオマス発電を作るという流れについては、これは中止すべきだというふうに思います。  以上のことを主張したいと思います。  最後に、公害財特法の失効についてお尋ねをします。  公害の防止に関する財政上の特別措置に関する法律、これは今月末が期限切れとなっています。衆議院本会議で可決した有明海、八代海再生特措法における事業の特例措置は、公害財特法でこれまで規定されてきました。しかし、期限切れを迎えたので、議員提出議案によって特例措置を有明、八代特措法に追加して対処したところであります。  環境省にお伺いします。  財特法の期限切れによって他方への影響というのはほかにあるでしょうか。あわせて、なぜ財特法を失効させるんでしょうか。
  105. 和田篤也

    和田政府参考人 お答え申し上げます。  まず、一点目の公害財特法の関係が失効することで他の関連の法令に影響があるかという点でございますけれども、これにつきましては、昨年十二月の意見具申におきまして、現在の公害防止計画において予定されていた事業についてはおおむね順調に執行されてきている状況にあるということに鑑みまして、公害防止対策事業実施地域内外におけます環境基準の達成状況につきまして大きな差異はないと認められることから、本法の立法目的はおおむね達成されつつあるという、まず大きな議論の前提があったところでございます。  その上で、環境基準の達成状況濃度水準の観点から見まして、事業の必要性がある地域も一部見られるものの、環境基準の達成状況その他の環境状況の観点から、公害財特法の失効に伴って法令の改正を検討すべきものがあるというようなことについては認識しておりませんということでございます。  また、なぜこのような状況に至ったかということにつきましては、今冒頭申し上げました審議意見具申などにおきまして、環境基準の達成状況その他環境状況の改善、立法の目的などを踏まえまして、かかる状況に、結論に至った状況でございます。
  106. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 でも、まだ事業をやっていますよね。環境省が出された資料でも、たくさんの自治体で、例えば下水道事業、しゅんせつ等の事業をやっていますよね。有明海もそうでありました。  環境省の公害財特法に関するアンケート結果、これを取りまとめられていますけれども、延長希望が七地域、これは合計二十九地域についてアンケートを行ったんですけれども、延長希望が七地域、延長又は同等の財政措置を希望が二十一地域、制度の存続が九六・五%あるわけです。  こうした事業を行っているところから、このアンケートでどんな声が返ってきているんですか、教えてください。
  107. 和田篤也

    和田政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきましたように、アンケート調査を行いました結果につきまして、端的にポイントだけ申し上げますと、回答の自治体から、全部で二十九地域自治体がございましたけれども、制度の延長を希望というところが七地域、延長又は同等の財政措置を要望というものが二十一地域、それ以外が一地域という状況でございました。  以上でございます。
  108. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 どんな声が上がってきているんですかと聞いているんですよ。その数字は、さっき私が言いましたでしょう。時間がないので、また後で聞きますけれども。  最後小泉大臣。半世紀にわたって、五十年にわたって公害防止の事業に役割を果たしてきたこの公害財特法、これが国会にかけられることもなく、私はたまたま、有明、八代再生特措法の改正、これは日切れじゃないんですよ、公害財特法は日切れになるから農水委員会審議したんです、それで私たちも初めて分かったんですよ。だから、知らないままに失効してしまう、これはやはり問題だというふうに思います。  現に事業があっている、そして事業を受けている自治体の方から存続を求めている、これを失効させるのは、やはり国の責任放棄につながるのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
  109. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 いずれにしても、公害防止そして環境の汚染を防止することは、公害財特法の失効にかかわらず、今後も揺るぎなく、環境省は着実に推進していかなければならない、それが環境省の責務であると考えております。
  110. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 そうであるならば、やはりこの法律を存続させることが一番の担保になるのではないか。なぜならば、これを失効させて、ほかに代わる措置や法律がないからであります。この失効については明らかに不当であることを申し上げて、今日の質問を終わります。
  111. 石原宏高

    石原委員長 次に、串田誠一君。
  112. 串田誠一

    串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  今日は、先ほど畜産動物の保護の問題が質問されましたが、私も、動物の保護に関する法律的な問題を特に質問させていただきながら、小泉環境大臣とこの問題の課題を共通できたらいいなというふうに思っています。  先日、東京都内で車内に犬が二頭放置されていたということで、著名人も加わってかなり大きな騒動になったということがございましたが、このことに関しては、小泉環境大臣はSNSとか何かで御覧になったでしょうか。
  113. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今回、この委員会質問をされるということで、堀越先生串田先生から質問をされる、様々省内でも意見交換する中で、こういった事例があることは私は聞いています。
  114. 串田誠一

    串田委員 両脇に牧原先生生方先生のような動物議連の方がにらみを利かせているので、しっかりと今日は質問をしたいと思っているんですけれども、これは警察に対する不信感とか政府に対する不信感ということも生じかねない問題でありますので、何が課題で、何を解決したらこれは一歩進められるのかというのをやはり考えていかなければならないと思っておりますので、その点について今日は質問させていただきたいと思います。  まず、令和二年中の、動物虐待であると警察の通報がなされた件数をお知らせください。
  115. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 お答えいたします。  都道府県警察に対し動物虐待であるとの通報がなされた件数については把握しておりません。  一方、都道府県警察における動物の愛護及び管理に関する法律第四十四条に違反する動物虐待事案の検挙件数につきましては、令和二年中は、暫定値ではございますけれども、百二事件でございました。
  116. 串田誠一

    串田委員 動物虐待として警察に通報が入ったときにはどのような対応を行われているんでしょうか。
  117. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 通報がなされてからの行動につきましては、個別具体な事情によってきますので、一概にお答えするということは困難ではございますが、一般論として申し上げれば、通報を受けた場合には、速やかに現場臨場した上で、通報者等から事情を聴取するなどして事実関係を明らかにすることとなります。  いずれにせよ、都道府県警察におきましては、動物虐待が疑われる事案に対し、関係機関とも連携しながら適切に対処しているものと承知しております。
  118. 串田誠一

    串田委員 質問通告の中で、今回の件を一つの参考事例として概略を書かせていただいております。  その際、やはり現場では、著名人も駆けつけながら、閉められた車に放置されている二頭の犬を何とかしてほしいと警察に話をしていたわけですけれども、なかなかそれに対して先に進まないという状況だったんですが、その場で警察としては何を問題として考え、ちゅうちょすることがあったのか、お知らせください。
  119. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 それぞれの事案につきましては個別具体な事情によって対応することとなってまいりますので、あの事例を基に一概にお答えするということは困難でございますけれども、一般論として申し上げれば、動物虐待があるとの通報を受けた場合には、そもそも、刑事事件として取り上げるということも念頭に、速やかに現場臨場した上で、動物の状況の確認や、通報者の確保、事実関係を疎明する資料の収集に向けた活動を行っていくということになります。どのようなことで具体的な問題が生じるかということにつきましても、個別具体的な事情で対応することになろうかと思います。
  120. 串田誠一

    串田委員 今非常に大事なことをおっしゃられていたんですが、警察法によりますと、個人の生命だとか身体あるいは財産の保護を前提とした刑事事件を対象としているというのが警察法にあって、そして、それに対して、厳格にこれに限りというのがあるんですね。これは一面正しい考え方なわけです。警察というのは、民民のことにまでいろいろと口を出してしまうと公平性に欠けるということでございますので、刑事事件に該当しない限りは手が出せないという部分があるのかなというふうに思うんですね。  そこで、これは非常に難しい問題なんですが、あの問題というのは一つの大変な大事なことを提案しているんですけれども、車の中に二頭の犬がいた、そしてその車を止めた人間はいないという状況なわけですね。そうすると、一つ考えられるのは、車の中に放置して、それが何日間か止められっ放しになっていて、窓ガラスのところに助けてあげてくださいとかいろいろな人たちの張り紙が貼られるようになったりとか、駐車場の管理者が移動してくださいと言うようなこともある中で、中に犬が二頭いることが外から見るとはっきりしているわけですから、それはもう何とかしてあげたいというのが周りの人の気持ちとしてはよく分かるんですけれども、一つここに難しい問題とするのは、果たしてそれが運転手の人の故意であるのかどうかが分からないんですよ。一つ考えられるのは、運転手さんがどこかで病気になっている可能性もあるわけです、あるいは交通事故で入院してしまった可能性もあるわけです、今だったらコロナによって陽性反応があって入院させられている可能性もあるわけです。  要するに、動物虐待罪というのは、動愛法上、四十四条に、みだりに死なせたり傷つけたりという犯罪が成立するんですけれども、もしそうだとした場合には、これは不可抗力ですから、犯罪にならないんですね。ですから、犯罪という観点から警察の動きを要求しようとすると、警察としては、警察法上、刑事事件でない可能性があるから、そこの部分が難しいんじゃないか。  そうじゃなくて、小泉環境大臣、犬や猫やほかの動物を守っていくという観点から、何か法律上の整備をしていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですよ。  警察が虐待であるということを客観的に認識できる場合には、動愛法四十四条で刑事事件になりますから、警察法上動けるんですけれども、客観的に刑事事件として分かりにくい状況のときに警察がどこまで動けるのかというのは、警察としても大変そこの点については判断にちゅうちょする部分があるんじゃないかなと思うんですが、ちょっとそこの、今言ったような話に関して感想を聞かせていただけないでしょうか。
  121. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 警察の主な業務としましては、犯罪の捜査となりますので、先生がおっしゃりますように、犯罪に該当するかどうかという観点から切り込むことが多いかと思います。  ただ、動物が閉じ込められていたような状況におきまして、状況によっては、必要に応じて動物を救護するというようなことも事実上あり得るとは承知しております。
  122. 串田誠一

    串田委員 そこで、救助が余り議論されていないんですが、これは通告にも書きましたけれども、民法の六百九十七条に事務管理という規定があるんですね。  事務管理というのは、例えば、典型的な法学部の授業ですと、他人の家の屋根が壊れていて水浸しになりそうになっているのでそれを直してあげるというような場合、これはある意味では住居の敷地に入るとかいろいろな問題があるんだけれども、その人の家のためにそういったようなことをしてあげるとか、あるいは病気で倒れている人を助けてあげるとかというのはよく法学部で教えている事務管理なんですけれども、この規定を使えば、車の中に動物がいるということに関して、事務管理による、違法性阻却事由と言われているんですけれども、違法性がなくなるんじゃないか。だから、場合によっては窓ガラスを壊してでも中の犬を助けるということ自体、違法性が阻却されるんじゃないかという観点で警察としては判断できないでしょうか。
  123. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 警察庁としましては、民法の解釈で、事務管理でどうなるかということについては、残念ながらお答えする立場にございません。
  124. 串田誠一

    串田委員 ただ、この事案の場合には、周りの人間が窓ガラスを壊してでも助けたいという話をしたときに、どうも警察が止めに入ったようなことも言っているんですね、これは分からないんですけれども。  今、ではもう一度お聞きしますと、事務管理が成立すれば器物損壊罪は成立しない、その動物を救うということを民間人が行った場合にも器物損壊罪は成立しないという理解でよろしいですか。
  125. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 器物損壊罪は刑法の方に規定されておりますので、それによって、民法の事務管理が適用される場合にまで刑法の方の違法性が阻却されるのかどうかということにつきましては、ちょっと私どもの方では判断しかねるものでございます。
  126. 串田誠一

    串田委員 今の回答はすごく残念でして、器物損壊罪が成立するかどうかということに関して違法性が阻却されるというのは、事務管理の民法を勉強すれば、これはもう常識的に本に書いてあるんですよ。そうすると、違法性阻却するんだったら刑事事件にならないわけだから、刑事事件にならないということもあり得るということの研究はしないと、動物を救えないじゃないですか。  それはちょっと残念なので、もう一度回答いただけないですか。
  127. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 刑法上の犯罪の違法性が阻却されるかどうかというのは、刑法の方の違法性阻却事由の方で判断すべき問題なのかというふうに考えます。
  128. 串田誠一

    串田委員 それも全く理解が不能なんですけれども、違法性阻却事由というのは刑法と民法とで違いがあるんですか。
  129. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 誠に申し訳ございませんが、刑法、民法とも、私どもの方で所管しているわけではございませんので、ちょっとお答えしかねます。
  130. 串田誠一

    串田委員 こういう縦割りはちょっと勘弁していただきたいんですよね。  小泉環境大臣、今聞いていて、それは、だって民法で違法性を阻却するというんだから、犯罪にならないんですよ、違法性を阻却するんだから。そういう場合があるということをやはり警察も研究していただかないと、そういう、民法で違法性阻却するんだとかどうかということが犯罪の成立要件にも関係するんだったら、それは警察の方も判断してもらわないと、現場でこのものを救おうとするときに、例えば中に赤ちゃんがいたらどうするんですか、そうしたら。
  131. 檜垣重臣

    檜垣政府参考人 今、子供がおられたときにどうかということでございますけれども、例えばその場合に、赤ちゃんを助けたりした場合にその違法性がどうなるかどうかということにつきましては、やはり刑法の方の違法性阻却事由に該当するかどうかで判断されるものではないかというふうに考えます。
  132. 串田誠一

    串田委員 何度も聞いていてもしようがないんですけれども、これは、そういう意味で、違法性阻却事由が成立するかしないかというのは非常に大事なことだし、現実の、国民からしてみれば、そういう議論ということではなくて、車の中に二頭の犬がいて、何日間も放置されている。JAFの調べによりますと、春先、二十度でも車内は五十度になるんだ、こういうふうになっているわけです。外気温にかかわらず、車内に子供を、子供の例をJAFは言っているんですが、放置するのは危険ですと。短時間であっても子供の身体に深刻なダメージを与えてしまうことがあるので、車内で子供を一人にしないようにしましょうと。春先でも車内は五十度近くになるんだ、脱水症状や熱中症を招くおそれがあるんだ、そういうことなんですね。  犬や猫も、そういう意味で家族なわけですよ。ただ、一つ違うのは、子供の場合にはスーパーマーケットにも一緒に連れていけるんだけれども、犬は連れていけないから、短時間で置くことはあるかもしれない。そこに違いはあるにしても、生きているんだということには変わりないわけで、何日間も置かれているところに、車が放置されていて、助けようと言っているときに、今のような、警察は違法性は刑事事件の方しか考えていませんという話になってしまうと、じゃ、助けなくていいのかという、警察何やってるんだ、政府何やってるんだと、そういう私は不信感というのが出てくると思うので、こういうようなところをしっかりと議論していく必要があるんじゃないかなと思うんですね。  先ほど堀越議員が、カリフォルニアの法令の紹介がありましたが、そういうような意味で、一歩ずつ進めていかなきゃいけないんじゃないか、縦割りを打破していかなきゃいけないんじゃないかということを思っているんです。  この前、三月十日に法務委員会で上川法務大臣に、とにかく民法で、動物は物ではないんだという宣言だけはまずしてほしいと。そのほかに関しては、特別規定で定めがない限りは本法を準用するという規定であるならば、民法を大きくいじらなくてもできるでしょうと。動物は物ではないんだという宣言をすることによって、私は、動愛法だとか、あるいは警察法だとか、そういったようなことの考え方も変わってくるんじゃないかなと思うんですが、小泉環境大臣、感想はいかがでしょうか。
  133. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 かなり幅広い論点があるんだろうと思います。民法上の動物の扱い、これについては、上川大臣串田先生が法務委員会でやり取りされていることは私も聞いています。  そして今、警察庁とのやり取りを聞きながら、いずれにしても、今回のようなケースに限らず、現場がそのケース・バイ・ケースによって判断をしなければいけない事例というのが多くあるときに、我々環境省として何ができるかというのは、その現場で行政職員などが判断をする一助になるような対応を我々としてどうやっていくかというところが一つだと思います。そのときには、ガイドラインを我々作っていきたいというふうに考えていますので、来年度中に、虐待防止のために現場の職員が対応しやすいようなガイドライン、これを作っていく方向で今動いています。  そして、この六月から施行される飼養管理基準の中には、適正な飼養を飼い主に対しても義務づけているわけですよね。なので、今回のケースに限って言えることではないと思いますけれども、仮に車の中でしか動物を飼えないとしたら、それってどうなんですかと。  まさに今、ペットショップで犬猫が物すごく売れているというふうに数字が出ています。この五年にない伸びです。でも、そのときに、あのときはかわいい、また、コロナによって、ペットがいると癒やしもある、だけれども、今週末で緊急事態が解除され、また、もしかしたらコロナの収束に向かった暁に、あのときはかわいいと思ったけれども手放そうみたいなことになってしまったら、責任ある飼い方をしているとは全く言えませんよね。  ですので、改めて飼い主の責任というものをそのときにしっかりとやはり理解をしていただいて、その上で、保護犬、保護猫、そしてまた、仮にペットショップであれば買うときに、そのような判断に基づく行動をしていただきたいと強く思います。
  134. 串田誠一

    串田委員 上川法務大臣質問通告みたいな形で、質疑の中で、次に必ず聞きますという話をさせていただいているんですが、動物は物ではないんだという宣言をしていただきたい。諸外国でもそういう事例、法務委員会ではドイツの例も挙げられていましたけれども、日本は動物の、前に予算委員会分科会でも御紹介させていただきましたが、動物愛護に関しての、世界動物保護協会、WAPから最下位の評価をされているんですよね。A、B、C、D、E、F、Gという中のGという最下位の評価をされていて、日本は動物に対して愛護の精神がないという認定をされていると言っても過言ではないと私は思っているんです。  ただ、これは、少し考え方を変えていけば、すぐにGから上昇していくということは十分可能だろうというふうに思っていて、そこの一つの第一歩が、私は、民法でとにかく動物は物ではないという宣言をしていくことだ、その宣言に基づいて、環境省も動愛法や、あるいは先ほど堀越議員がお話がありましたアニマルウェルフェアのことに関しても変えていくことができるのではないかというふうに思っているわけです。  全ての法律の中で、動物は、財産というような、あるいは物という評価の中で、個人の自由とされるような書きっぷりにほとんど全てなってしまっているんですね。そうすると、所有者が自由に何でもできるということになって、先ほどの畜産動物の鶏等の処分の仕方なども、いや、所有者が自由にやっているんだからいいじゃないかというようなことになってしまうんですが、やはりこれは、そうじゃないんだ、動物にも命があって、それは所有者が勝手に何でもできるものではないんだということを宣言していくことによって、日本としてのアニマルウェルフェアも、あるいは動物保護も変わっていくんじゃないかというふうに思うんです。  是非、閣議の中でも、今度、質問通告をしておりますので上川法務大臣が答えていただくんですけれども、動物は物ではないんだという宣言を、民法の中で、まず大原則の中に規定を入れていくということを、いいじゃないかと環境大臣から上川法務大臣におっしゃっていただけないですか。
  135. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、上川大臣には、串田先生が非常に思いを持たれて動物愛護に取り組まれていること、しっかりと私からもお伝えをしていきたいと思います。  民法の扱いは上川大臣の判断があると思いますが、私は環境大臣として、動物愛護管理法の中で、その目的を定める第一条においては、動物の愛護に関する事項を定めることによって動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するというふうに規定をしていて、動物は命を持った存在であること、これが広く伝わっていくこと、これは当然のことだと思いますが、それをしっかりとやっていきたいと思います。
  136. 串田誠一

    串田委員 今、小泉環境大臣がおっしゃられたような友愛とか平和というのが動愛法に入っているんですよね。友愛とかと書いてあれば、何日間も放置されている車の中で、犬がそこにいて、どれだけの熱になっているのか、水はどうなのかとかというようなことを考えていくのがやはり国民だと思うんですよ、友愛とか平和と言うんだったら。それに対してやはり政府が応えていかなければいけないのであって、それは警察の方が違法性阻却事由は刑事事件だけなんだとか、そうじゃないんじゃないかと思うんですよ。  民法に事務管理という規定があって違法性阻却するんだと言っているんだったら、それは刑法も民法も一緒なんですよ、違法性阻却するんだから。それで犯罪成立するなんてあり得ないでしょう、違法性阻却するんだから。そういったような縦割りを打破して、やはり環境法上の友愛や平和を生かしていただきたいというふうに思うんですけれども。  今回、昨年、虐待罪が法定刑が上がりましたけれども、そういう意味で、虐待を保護するという部分の法律整備というのが非常に、今ずっと言っていて不十分だと思うんですが、国民の中にはアニマルポリスというのもあります。今、お答えされていらっしゃる方も非常に実は苦渋の決断もあったんだと思うんですよ、警察法は刑事だけですから。だから、回答もそういうふうな答えをされるというのはやむを得ないんだと思うので。  こういう意味で、広い観点から、動物を守るという意味でのポリス、アニマルポリス、こういったようなものが横串を刺すような形で、行政上、いろいろな意味で、縦割りでのそういう制限を抜きにして、動物を保護する。何日間も放置されている犬がいたら助けてあげなきゃいけないと、それはカリフォルニアの人ではなくたって、日本だって思うわけでしょう。何で日本はできないんだ、そう思いますよ。  アニマルポリスの考え方、大臣、いかがですか。
  137. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これはたしか以前も、昨年でしたか、串田先生から御指摘を受けた点だと思いますし、その後に、当時、今の武田総務大臣が防災大臣、国家公安委員会委員長、そのときにアニマルポリスの件もお話をしています。ですので、改めて、しっかりと連携できるところ、連携、確認をしたいと思います。  そして、やはり何よりも、我々が、人間がいかに犬や猫や動物に助けられているか、そういったことをよく我々が理解しなければいけないと思います。警察にしても、警察犬抜きに様々な現場、対応できないことはいっぱいあります。厚生労働省にしても、麻薬犬なども含めて、犬に活躍してもらっているところはいっぱいあります。  そして、今、我々が動物愛護の管理法を含めて所管をしていますが、その中で、関係省庁においてそういった思いが共有されるように、しっかりとその責務を果たすこと、環境省にとって非常に大事なことだと思いますので、しっかりと、今年施行が始まる飼養管理基準などを含めても、この機会に改めて関係省庁が連携がしっかり進むようにしていきたいと思います。
  138. 串田誠一

    串田委員 今、大臣がおっしゃられたように、今年、数値規制が六月から施行されるということになりますので、そういう意味では、保護犬、保護猫というのもたくさん出てくるんじゃないかなと思うし、多頭崩壊というのもよく言われているんですけれども、今、要するに、保護しに行っても、所有者、飼い主の所有権で保護できないわけですよね。保護したいと思っても、所有者が、飼い主がそれを承諾しない限りは、虐待されている動物自体を保護団体が保護できないという状況がまず一つあります。ですから、そういったようなところの所有権自体を何らかの形で環境省がやはり整備していく。  虐待を保護するというマニュアルは、するのは大事なんだけれども、所有権のやはり壁というものがあるということだけは環境大臣もよく知っていただきたいと思いますし、上川大臣自身は、民法で動物は物ではないということを決めるかどうかということはさておいて、特別規定で対応できるという話をしているんですよ。  まさに今、特別規定というものを、変えていくということは環境省がやらなきゃいけないことなんだと思うんですよ。マニュアルとかのそういう対応だけじゃなくて。所有権という壁自体を環境省が変えてもいいんだと法務大臣が言っているわけですから、是非これを、長年ずっとこれは保護団体の一つの課題なんですよ。  小泉環境大臣、これは一歩進めるような形で、研究会なりなんなり、指図していただけないですか。
  139. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今の点についても、国民的に、動物に関する議論がまだまだ足りないところはいっぱいあると思うんです。  先日、串田先生から御指摘を受けた、例えば帝王切開に関することが、結果として、じゃ日本はブルドッグを規制しますかということとか、そういった犬種の扱いにも波及をしてくる。根本的な人と動物の向き合い方の議論にもなり得るし、まさに民法上にどのような扱いをするか、これは大きな議論にもなってくるはずです。  ですので、大事なことは、今我々が一歩でも前に進められることをしっかりやりつつ、大きな課題で国民的な議論を要することに対しても、そこはしていかなければいけないなと思いますので、先日答弁をさせていただいたとおり、犬種の課題などについても、国民的な議論を深めていく中で、国民的な合意が見られたときに私はそれは環境省として取り得べき対応はあるだろうと思っていますので、是非そういう場を設けていきたいと考えております。
  140. 串田誠一

    串田委員 保護団体がずっと懸案事項としている所有権問題、今後も取り組んでいきたいと思います。是非前向きな検討をしていただきたいということをお願いをいたしまして、終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。      ――――◇―――――
  141. 石原宏高

    石原委員長 次に、内閣提出自然公園法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。小泉環境大臣。     ―――――――――――――  自然公園法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  142. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ただいま議題となりました自然公園法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  我が国は、地域ごとに異なる豊かで多様な自然を有しており、中でも国立公園及び国定公園は、日本を代表する優れた自然の風景地として、国内外の多くの人々を引きつける重要な地域資源となっています。一方で、少子高齢化、人口減少による地域社会への影響や観光に対するニーズの変化、また、新型コロナウイルス感染症による自然、健康への関心やワーケーションへの期待の高まりなどを背景に、自然公園制度を取り巻く状況は大きく変化しており、重要な転換期を迎えています。国及び都道府県が管理等を担う国立公園等において、地方公共団体や関係事業者等の主体的な取組を促す仕組みを新たに設け、保護に加え利用面での施策を強化することで、保護と利用の好循環を実現し、地域の活性化にも寄与していく必要があります。  本法律案は、こうした状況を踏まえ、国立公園等を保護しつつ地域の主体的な取組による利用の増進を図るための措置を講じようとするものであります。  次に、本法律案の内容の概要を主に三点御説明申し上げます。  第一に、国立公園等における地域の自然環境に応じた質の高い自然体験活動を促進するため、自然体験活動促進計画制度を新たに創設し、地域の協議会が作成した計画について認定を受けた場合は、その計画に記載された事業の実施に必要な許可を不要とするなどの特例を設けることとします。  第二に、国立公園等の利用拠点の質の向上を図るため、利用拠点整備改善計画制度を新たに創設し、地域の協議会が作成した計画について認定を受けた場合は、その計画に記載された事業の実施に必要な認可を受けたこととするなどの特例を設けることとします。  第三に、国立公園等において、ヒグマなどの野生動物による被害や違法な森林の伐採等が問題となっていることを踏まえ、野生動物への餌づけ等の行為を新たに規制するとともに、特別地域等における行為規制の違反に係る罰則を引き上げることとします。  以上のほか、国立公園等の国内外へのプロモーションの強化、公園管理団体として指定する法人が行う業務の見直し等に関する規定の整備を行います。  以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上です。
  143. 石原宏高

    石原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会