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2021-03-09 第204回国会 衆議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和三年三月九日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石原 宏高君    理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君    理事 土屋 品子君 理事 福山  守君    理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君    理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       金子万寿夫君    神谷  昇君       小島 敏文君    小寺 裕雄君       武村 展英君    百武 公親君       古田 圭一君    細野 豪志君       務台 俊介君    八木 哲也君       近藤 昭一君    篠原  孝君       関 健一郎君    長尾 秀樹君       堀越 啓仁君    横光 克彦君       斉藤 鉄夫君    田村 貴昭君       串田 誠一君    森  夏枝君     …………………………………    環境大臣    国務大臣    (原子力防災担当)    小泉進次郎君    環境大臣        笹川 博義君    環境大臣        堀内 詔子君    経済産業大臣政務官    宗清 皇一君    国土交通大臣政務官    朝日健太郎君    環境大臣政務官      宮崎  勝君    環境大臣政務官      神谷  昇君    政府特別補佐人    (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君    政府参考人    (内閣府政策統括官)   荒木 真一君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           矢作 友良君    政府参考人    (資源エネルギー庁次長) 飯田 祐二君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君    政府参考人    (資源エネルギー庁電力ガス事業部長)      松山 泰浩君    政府参考人    (国土交通省大臣官房審議官)           黒田 昌義君    政府参考人    (国土交通省大臣官房技術審議官)         江口 秀二君    政府参考人    (環境省大臣官房環境保健部長)          田原 克志君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  小野  洋君    政府参考人    (環境省水大気環境局長)            山本 昌宏君    政府参考人    (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局次長)        松澤  裕君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君    政府参考人    (原子力規制庁原子力規制部長)          市村 知也君    政府参考人    (防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君    参考人    (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長)           文挾 誠一君    環境委員会専門員     飯野 伸夫君     ――――――――――――― 委員の異動 三月九日  辞任         補欠選任   細野 豪志君     小寺 裕雄君   森  夏枝君     串田 誠一君 同日  辞任         補欠選任   小寺 裕雄君     細野 豪志君   串田 誠一君     森  夏枝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  環境基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 石原宏高

  3. 石原宏高

    石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 石原宏高

    石原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。勝俣孝明君。
  5. 勝俣孝明

    勝俣委員 自由民主党の勝俣孝明でございます。  本日は、大臣所信に対する質問をさせていただきたいと思います。  時間が十五分ということでございますので、先に進めさせていただきたいと思いますが、最初に再エネについての質問をさせていただきたいというふうに思います。  今回の大臣所信においても、再生可能エネルギー倍増という目標大臣は掲げておりまして、私も力強く推進をさせていただきたいというふうに考えております。まさに二〇五〇年のカーボンニュートラル実現に向けて、特にCO2の直接排出の四〇%以上がエネルギー転換によるものでありまして、こうした中で、今、第五次エネルギー基本計画の中で再エネ主力電源化を目指しているということでございますけれども、この再エネ拡大にしっかりとアクセルを踏んでいかなければならないというふうに思っております。  その上で、一点、私、非常に再エネ普及の中で心配している点があります。再エネと一口で言っても、事業別で見ると、太陽光発電もあり、風力もあり、地熱もあり、中小水力もあります。その中で、特に今、より普及しているのが、大多数を占めているのはやはり太陽光発電事業なんですね。これはほとんどを占めているんですけれども、なぜかというと、この八年で、やはり参入障壁が非常に低いんじゃないか。参入障壁が低いということは、いい面もあり、悪い面もあるんですけれども、悪い面としては、やはり悪質な業者が入ってきやすいということもあると思います。  近年では非常に、そういった中で、太陽光発電、特にメガソーラー地方災害事象が起きております。災害景観観点から、地域や、特に過度な森林の伐採などによって自然環境との共生ができずにトラブルになっているケースが散見されます。私の地元静岡県の伊豆半島でも、多くのこういったトラブルが起きております。  先日、経産省にソーラー事業災害事故状況を確認したところ、西日本豪雨のあった二〇一八年度は百四件、大型台風十九号のあった二〇一九年は百一件と、近年、百件を超える太陽光発電事業における地すべりなどの災害事故が起きているんですね。これは非常に心配なんです。  私は、本当に、地球温暖化における、まさに、原因とした豪雨大型台風を防いでいくために再エネ拡大しているにもかかわらず、その再エネ事業災害事故を起こしているということは、これは本末転倒になってしまっているんです。ですから、特にメガソーラー発電事業地域との共生への懸念の中で、森、里、川、海の観点から、環境省として、再エネ導入地域との共生、いわゆる自然との調和にどのように取り組んでいくのか、大臣お尋ねしたいと思います。
  6. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 おはようございます。本日も、四時間、よろしくお願いします。  勝俣委員からは、地元静岡、自然の魅力があふれていますから、再エネ推進地元自然環境保全、これを両立する必要性観点から御質問をいただきました。  その直接的な答えは、まさに今国会皆さんにこれから御審議をいただく温対法の改正案の中の、再エネ促進区域を設けたところにその答えがあると思います。やはり、残念ながら、今先生がおっしゃったように、災害などでの防災上の懸念とか景観懸念とか、私は、再エネが悪いんじゃなくて、不届き者というか、そういう事業者がよくないと思っているんです。それなのにかかわらず、再エネが悪いというふうに再エネ不信論が広がることを何とか避けなければいけない。  ですから、今回、促進区域の中で認められれば、地域皆さんの様々な合意形成の中の努力が円滑に進みやすいように措置をして、全国で広がる再エネ規制型の条例ではなくて、むしろ促進区域が数が増えていく、こういった形で描けることが、結果として再エネ導入拡大環境保全を両立させる道だと思いますので、倍増に向けて、こういった法的な改正も含めて、取るべき対策をしっかり取っていきたいと思います。
  7. 勝俣孝明

    勝俣委員 ありがとうございます。  まさにこの区域というのは、私、本当に画期的なことだというふうに思いますので、しっかりと推進をしていきたいというふうに思いますし、大臣がおっしゃるように、本当に健全な再エネ市場をつくっていくということは私たちの課せられた使命だというふうに思います。  その中で、やはり健全なビジネス環境をつくっていく上で大事なのは、私はお金の流れだというふうに思います。  ESG金融、これは次の質問になりますけれども、我が国は、実はこのESG金融の中で、特にいわゆる直接金融部分ですね、投資部分。  これは、実は、TCFD賛同企業数というのは、アメリカEUを抑えて世界で一番なんですね、TCFD。要は、TCFDのCはクライメートリレーテッドですから、この情報開示世界一しっかりやっているわけですね。いわゆる脱炭素経営取組がしっかりと進んでいるというふうにも考えられます。  一方で、開示する側は世界一しっかりやっているんだけれども、投資する側、開示する側は一番しっかりやっているのが日本なんです、しかし投資する側というのはすごく控えめなんですね。実は、国際機関のGSIAという機関があるんですけれども、ESG投資市場規模というのは大体三千兆円、ダイベストメントを含めてと言われています。その中で、日本が実は約七%しかないんですね。EUが四五%、アメリカが四〇%ぐらいですね。パリ協定を脱退するようなアメリカに後れを取っているのが現状なんです。  これは本当に悔しいですね。しっかり開示しているんだけれども、投資する側はなかなか今活発になっていないという状況ですから、悔しい状況です。  これは、私、何が原因かなというのをずっと考えているんですけれども、我が国が、金融文化がやはり間接金融文化なんですね。ということは、やはり私たちESG投資よりもESG融資の方が普及しやすいんじゃないかなというふうに私は考えています。しかしながら、投資融資も両輪で進めていく必要があるのかなというふうに思います。  そこで、環境と成長の好循環実現に向け、環境省として、ESG金融拡大に向けての取組はどのようにしていくのか、お尋ねをしたいと思います。
  8. 笹川博義

    笹川大臣 皆さん、おはようございます。  勝俣委員には、民間での経験、そしてまた環境省においては、大臣政務官においても、大変ESG金融に関心を示していただきまして、取組推進していただきまして、大変ありがとうございました。  委員指摘部分もございますが、二〇一六年からはESG投資については約六倍に急成長しております。  特に、環境省といたしましては、ESG金融ハイレベル・パネルの下に、二つタスクフォースを昨年の三月にスタートさせております。  一つは、ESG金融やその発展形であるインパクトファイナンスを後押しするポジティブインパクトファイナンスタスクフォースというものをスタートをさせていただきました。もう一つは、地域におけるESG金融普及展開を図るESG地域金融タスクフォース。いわゆる、今委員が御指摘ございました間接金融が中心である我が国でありますので、そういう意味では、地域金融機関地域経済においては欠かすことのできない、そしてまたプレーヤーとして重要であります。そういった面で、ESG地域金融普及展開に向けた共通ビジョンを今月中に取りまとめをさせていただきたいというふうに考えております。  また、企業情報開示についての重要性については、もう委員が御指摘したとおりでございまして、まさに投資情報というのは密接な関係がございますので、いずれにいたしましても、この情報開示については、これまでも環境省で、TCFDに基づくシナリオ分析支援等を行っておりました。また、今国会に提出をしている地球温暖化対策推進法において、企業排出量情報デジタル化オープンデータ化を図るなどして情報利便化をなお一層進めてまいりたいというふうに思っておりますので、引き続いて、気候関連情報を含むESG情報の更なる活用の促進に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  9. 勝俣孝明

    勝俣委員 ありがとうございます。  環境省として、ESG普及にしっかりと努めていただきたいなというふうに思います。  続いて、分散型社会実現質問をさせていただきたいというふうに思います。  大臣所信の中で、コロナ感染症対策気候危機というこの二つ危機対応していくために持続可能な強靱な社会を目指す、リデザインと大臣おっしゃっておりましたけれども、これをしっかりと進めていく、そして分散型社会を目指していく、こう宣言されております。これはすばらしいことだというふうに思います。  実は、見ていると、やはり、こうしたコロナ禍の中でかなりテレワークが定着をしています。環境省ワーケーション推進されているわけなんですけれども、実は、私の地元静岡もそうなんです。これは、各地方都市も、特に首都圏に近い地方都市なんかそうなんですけれども、長年、移住定住政策にずっと力を入れてきたんですけれども、まさに今チャンスが訪れているというふうに私は思います。  三月五日に、新聞でも報道されましたけれども、NPO法人ふるさと回帰支援センターというところが発表した二〇二〇年都道府県別移住希望地ランキングというのを、毎年出しています。初めて静岡県が一番になったんですね。実は、ずっと二番、三番ばかりだった。堀内大臣がいらっしゃる山梨県が実は二位なんです。山梨県と長野県がもう最強だったんです。ところが、初めて静岡県が一番になった。二位が山梨、三位が長野県なんですけれども、逆転しました。  これはなぜかというと、年代別で見ると、四十代、五十代の四〇%以上が静岡県を希望している、二位以下との差が、一〇ポイント以上差があった。私、退職されてリタイアした人たちが来るのではなくて現役世代人たち移住したいといって静岡を希望されている、これはすごいことだなというふうに思うんです。  まさに首都圏から近くて自然豊かである、先ほど大臣に言っていただきましたけれども、まさに日本一高い富士山があり、日本一深い駿河湾があって、富士箱根伊豆国立公園に囲まれ、多くの著名人を癒やした温泉地である。そういったところが、まさに私の地元静岡県の御殿場市なんかもそうなんですけれども、環境ビジネス企業を集積しよう、こういう取組も始めているんですね。  私は、ワーケーションはもちろんなんですけれども、分散型社会実現への取組観点から、環境省も是非、自ら地方に出て行動していくことが大切なのかなというふうに考えています。  環境省におけるワーケーション取組状況とその先の施策分散型社会への移行に向けた方策について、最後、お伺いしたいと思います。
  10. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 静岡県一位、おめでとうございます。  結構、地域環境、私の地元の三浦半島も似通うところがあるなと思いながら、静岡県の一位になったその要素を、ほかの地域参考にしながら、ワーケーションなど新たなライフスタイルの確立を、今こそチャンスだという思いで進んでいくことを期待して、環境省ワーケーション振興に旗を振っていきたいと思います。  私の地元も、最近、不動産やそういった関係人たちから話を聞いたら、今までになかった動きが出ていると言っていました。やはり、特に都心に一時間程度で行ける範囲で住む場所を探している、移住を探している方が今までにない動きを見せているというのは、私も聞きました。  その中で、例えば静岡県でいうと御殿場市さんなどが、環境省御殿場市に来てください、御殿場に対する環境省の移転、一部でもいいからと、こういった話をいただいていることは、求められるということはありがたいことでもあります。なかなか今すぐというわけにはいきませんが、現場をしっかり見ながら、ワーケーション取組や幅広い施策を、国立公園振興を含めてやっていくことは不可欠ですので、今、関係各政党の皆さんの御協力もあって、環境省現場の職員も、レンジャーを含めて増えてきました。  今後も、我々、脱炭素地域取組を広げる上では、地方取組、非常に大事だと思っていますので、その現場の力をこれからもより高めて、ワーケーションなどが、静岡型のワーケーションも進んでいくようにしたいし、今、富士山が夏に開山をするときに、マイカー規制を、先行的に電気自動車を優先してマイカー規制を解くという、このEVの先行的な取組もやっています。こういった事例も我々としてもしっかりと後押しをしたいと思いますので、環境省、しっかり現場力を高めていきたいと思います。  ありがとうございます。
  11. 勝俣孝明

    勝俣委員 ありがとうございます。  大臣の口から、静岡御殿場市の環境省誘致の話を、私は具体的に出さなかったんですけれども、出していただきまして、環境省を誘致している地域もあるんですね。ですから、本当にそういう意味では、分散型の社会実現するために私も一生懸命頑張りたいと思います。  ありがとうございました。
  12. 石原宏高

    石原委員長 次に、福山守君。
  13. 福山守

    福山委員 おはようございます。時間が短いものですから、すぐに質問に入らせていただきたいと思います。  まず、カーボンニュートラルについて小泉大臣にお伺いしたいと思います。  昨年、臨時国会菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言されました。このことは、国の内外を問わず、与野党を問わず、業界を問わず高い評価をされております。  自民党でも、昨年十一月にいち早く、二階幹事長本部長とする二〇五〇年カーボンニュートラル実現推進本部設置、私も事務局次長として参加をして、カーボンニュートラル実現に向けた活発な議論を行っているところであります。  二〇五〇年カーボンニュートラル実現に当たっては、その前段階の二〇三〇年の排出削減目標をどのようなものにするか、これが今後の大きな論点になろうかとも思います。  小泉大臣は、この二〇三〇年の目標について、所信の中で、一つ、新たな長期目標との整合性二つ世界の脱炭素化を前進させる国際性三つ、具体的なアクションを引き出す実効性という三つ視点を重視して検討を行うと述べられました。  この三つ視点、それぞれの意味、また、大臣が込めた思いについてお尋ねをいたします。
  14. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、福山先生から、カーボンニュートラル、今後の二〇三〇年目標についても御質問がありましたので、一言御報告をさせていただきますと、本日、総理から、COP26を始めとする気候変動問題に係る一連の国際会議に向けて関係大臣と協力して気候変動問題に対応する諸施策に係る対応方針を準備するなど、政府一体となって当該問題に係る国際会議等への対応を円滑に推進するため、行政各部の所管する事務調整担当させるということで、新たに気候変動担当大臣として任命を受けたところでもあります。  そういった中で、今先生の御質問のあったNDC、二〇三〇年目標は極めて重要な今年のテーマにもなっています。  そんな中、三点の視点先生から御紹介をされまして、一つ一つ思い答えると、一つ目に、この二〇三〇年目標整合性、これは、長期目標との整合性です。二〇五〇年目標がありますから、この二〇五〇年目標と整合的な二〇三〇年目標をつくっていかなければいけない。こういったことを、IPCCなどが示している科学的な知見に基づいたものも含めて、日本として最大限の取組を行う必要があると考えているのが一つ。  そして二つ目の、世界の脱炭素化を前進させる国際性、これはどういうことかといえば、各国と連携して世界の脱炭素化を前進させる機運を醸成をして、また我が国への海外の環境投資を呼び込むに足る意欲的な目標とする必要があること。  そして三つ目の、具体的なアクションを引き出す実効性とは、国として説得力ある数値を示す、そういうことです。  この三つ視点を踏まえて議論を行って、今年大きなテーマとなっている二〇三〇年目標政府として、国際社会菅総理の二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的なものとしてしっかり打ち出せるように、担当大臣としても政府内の調整をしっかりやっていきたいと思います。
  15. 福山守

    福山委員 気候変動担当大臣を新しく任命されたということで、小泉大臣がこれを行うということで心強く感じます。  考えたら、昨年のCOP25で、化石大賞とかいう、ああいうものをもらった、もらったというか、ああいう形で出されて非常に悔しい思いもしたと思いますけれども、今年のCOP26は、このカーボンニュートラル日本推進を、まさに推進役小泉大臣がやられる。まさにそういう担当になったと思います。行かれたときには、その成果が十分、十一月に出せるように、グラスゴーで出せるように、しっかりとまたお願いを申し上げます。  続きまして、先ほど若干、話に出ましたけれども、地方炭素実現についての会議についての質問をさせていただきたいと思います。  カーボンニュートラル実現のためには、再生可能エネルギー電動車断熱性能の高い住宅や建築物など、今ある脱炭素技術地域普及させていき、地域の脱炭素化を進めていくことが重要であります。  我が国地域には様々な気象条件、様々な暮らし方、様々ななりわいがあり、脱炭素化の困難さも様々である中で、環境省施策だけでカーボンニュートラル実現できるわけではなく、関係府省が一体となって制度、支援策を総動員し、取り組んでいく必要があります。  その点で、政府が昨年末に国・地方炭素実現会議を立ち上げ、関係閣僚地方自治体意見を交わす場を設けたことは大変重要な動きであると思います。  この国・地方炭素実現会議を取り仕切る小泉環境大臣に、同会議にかける思いと、今後どのように議論を進め、どのような成果を目指すのか、お伺いをいたしたいと思います。
  16. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 国・地方炭素実現会議、これにかける思いというのは、環境省施策環境省施策だけにとどめず、政府全体のものにしていかなければいけないという思いがありました。今回、首相官邸の中にこういった会議設置をしていただいて、その事務環境省が担うというのは、今までなかった、初めての取組でもあります。  その中で、特に意識をしているのは、まさに福山先生が言ったとおり、脱炭素幾ら国だけがうたっても、最後地方自治体の役割というのは非常に大きいです。  この地方自治体一緒メンバーとして参加をいただいて、今、官房長官の下に、私も含め関係大臣が六人、そして、地方の自治体からメンバーが六人、こういった形で国と地方一緒になって脱炭素に取り組んで、五年間のうちに、集中期間で先行的なカーボンニュートラル地域を創出をして、次々に広がっていく脱炭素ドミノをつくっていきたい。  そして、エネルギー政策だけではカーボンニュートラル実現をしません。やはりライフスタイル分野、地域、こういったことについての地域のロードマップを描いていくこと抜きにはカーボンニュートラル実現しないので、今後、回数を重ねる中で、関係企業、NPO、そして自治体、多くの方にもヒアリングをさせていただきながら、最終的にはロードマップを描いていきたい、そういうふうに考えております。
  17. 福山守

    福山委員 まさに大臣がおっしゃるとおり、それぞれの地域地域でレベルをどこまで上げるか、それを最高水準に持ち上げることが国全体の流れをつくっていくと思っております。いろいろな問題点の中でも、都道府県でも一番から四十七番まで順番があり、市町村であれば一番から千幾つまでの順番がつきます。そういう中で、やはりレベルを高いところに持ち上げる、そういうことは、地域から点を面にしていくというこの努力というのは大変なことだと思いますけれども、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。  これに関連しまして、カーボンプライシングについて大臣に御質問いたします。  カーボンニュートラル実現に向けて小泉大臣が力を入れてこられたカーボンプライシングについて、前進の年にする決意との力強い表明がありました。昨年末に総理から小泉大臣、梶山経産大臣に対して、両省連携して成長戦略に資するカーボンプライシングの検討を行うようにとの指示があったことは、これまでの政府のカーボンプライシングに対するスタンスを踏まえると、歴史的なことではないかと思います。  環境省では、カーボンプライシングの活用に関する小委員会を今年に入ってから二回開催して、議論を始めています。カーボンプライシングと一口に言っても、炭素税や排出量取引制度、EUなどで検討が行われている炭素国境調整措置への対応など様々なものがあり、また、産業界からは引き続き慎重な声も上がっています。  こうした中で、成長戦略に資するカーボンプライシングの検討にかける大臣思いをお伺いしたいと思います。
  18. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 カーボンプライシングも、まさに環境省だけが言っていたら始まらないというその代表的な政策だと思っています。ですので、どうやったら政府全体の検討になるか、こういった中で様々働きかけを続けてきたところ、昨年末に総理から私と梶山大臣に検討の指示が出たところは、本当に大きな、画期的な一歩だったと思います。  ただ、カーボンプライシングは目的ではなくて手段であります。カーボンプライシングによって脱炭素に意欲的に取り組む企業などが報われるような形を歯車として使っていきたい。私は、カーボンニュートラル実現には、今まで本格的に価格づけがなされなかった炭素排出という部分に価格づけがされていく、この新たなルールが私は不可欠だと考えています。  そういった中で、環境省が今まで議論を積み重ねてきましたが、そこに今回新たに経産省からもオブザーバーに入っていただく。そして、経産省は新たに研究会を立ち上げて、そこに環境省がオブザーバーに入る。  いずれにしても、私は、炭素税、そして取引、クレジット、そして海外の国境調整措置の動き、様々な政策手法をいかに活用して、ポリシーミックスでこのカーボンプライシングを前進をさせて、脱炭素社会の構築に向けて更に加速させるドライバーにできるのか、こういったところがやはり今年の大きなテーマだと思いますので、梶山大臣ともしっかりと連携をしながら、成長につながる形のカーボンプライシングを、多くの方の理解も得ながら、実現に向けて一歩前に進むことができるように全力で取り組んでいきたいと考えています。
  19. 福山守

    福山委員 このカーボンプライシングの導入に当たっては、それによって我が国の産業あるいは国際競争力が奪われたり、カーボンニュートラルに向けた民間投資やイノベーションの原資が奪われたりすることがないようにしないといけません。また、現時点で脱炭素化された技術への代替が困難な業種については、負担が過重になってしまう事態も考えられます。  こうした懸念対応するために、諸外国でも、例えば、炭素税であれば減免や還付措置が、また、排出量取引制度であれば無償割当てなどが取り入れられていると聞いています。  カーボンプライシングの制度設計に当たっては、こうした様々な懸念に対する配慮が必要であると考えますので、本日は時間の関係質問はいたしませんが、今後の慎重かつ丁寧な議論を要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後になりますけれども、熱中症について堀内大臣に御質問いたします。  気候変動の影響の中でも、近年は、猛暑による熱中症が原因で、救急車で運ばれる方や亡くなられる方が増加をしています。昨夏の救急搬送患者数は過去三番目に多い約六万五千人であり、死亡者数は千四百人以上です。平成三十年以降、死亡者は千人超えが続いており、その約八割は熱中症に弱い高齢者です。  このような状況下で、私としても、自民党の有志議員と熱中症対策議員連盟を令和元年から立ち上げ、昨年の七月には政府に対して提言も行いました。  今夏に向けては、春から取組を始めて、関係省庁の連携や対策の強化を一層進める必要があると思います。そこで、今後の政府の熱中症対策に関する取組について、お願いいたします。
  20. 堀内詔子

    堀内大臣 福山守先生におかれましては、第二次、第三次安倍内閣において環境大臣政務官をお務めになられ、そして、先ほど御質問の中でも触れられましたように、熱中症対策議員連盟では幹事長をお務めになっておられます。熱中症対策の旗頭として優れた政治手腕を発揮して議論推進していただいておりますことに、心から感謝申し上げます。  熱中症対策につきましては、これまで政府として、関係省庁連絡会議を開催し、取組を進めているところでございますが、御指摘の近年の熱中症発生の状況や議連からいただいた提言も踏まえて、今年の夏以降の対策について関係省庁とも検討を進めているところでございます。  まず、来月の四月からは、気象庁との連携により、昨年の夏に関東甲信地方で試行した熱中症警戒アラートを全国に展開予定でございます。そしてまた、去年の夏まで原則七月を熱中症予防強化月間としていたものを改め、四月から九月までの長い間を熱中症予防強化キャンペーンとして、春から広報活動を始める、そのような予定でございます。  こうした取組を含め、関係省庁との連携をより一層強め、政府一丸となって対策の強化充実を図ってまいりたいと存じます。
  21. 福山守

    福山委員 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  まさにこれからは環境の時代であります。どうか、政府の、環境省の皆様方には、しっかりとまた環境の位置を高めていってほしいと思います。我々議員一同もしっかり頑張ってまいりたいと思っております。  本日は、どうもありがとうございました。
  22. 石原宏高

    石原委員長 次に、生方幸夫君。
  23. 生方幸夫

    ○生方委員 おはようございます。久しぶりに質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。  まず、あさってで東日本大震災から十年目という節目を迎えることになりました。この間、環境省は除染という大変な仕事を請け負って、環境省の職員もあちらに張りついて大変な努力をしてきたというふうに私も思っております。私も何回か除染作業を拝見をさせていただいて、本当に大変な作業だなというふうに思って、ただ、今避難をされている方たちが一日も早く故郷に戻りたい、それをサポートするんだという思いで一生懸命大変な環境の中で努力をされてきたというふうに思っております。  今度、十年目という節目に当たって、マスコミでもいろいろ、避難をされている方、お戻りになる方も取材をされております。  私、考えるに、除染地域、もちろん全面的に除染をできるわけじゃないですから、山林等は除染をしていないということで、一旦除染したところもまた、風が吹いたり雨が降ったりすると若干の汚染が見られるというようなこともあるし、町並みが変わってしまったということがあって、お年寄りの方たちは自分たちのふるさとに戻りたいという意識は大変強いというふうに思うんですけれども、若い方、特に、もう生活の拠点を福島から移してしまった方たちにとって、除染とは一体どういった意味なんだろうなという思いをされている方もいるのではないか。  全く新しい町をつくるということでございますので、もちろんこれは環境省だけでできることではないんですけれども、一番大変な部分を担った環境省大臣として、本来であれば、除染をしたんだから、一〇〇%に近い方たちが戻ってきてくれるということを目標に除染をしたと思うんですけれども、恐らく一〇%から一五%ぐらいしか戻っていないという現状について、今、十年目、もちろん環境大臣、まだ二年弱だと思うんですけれども、一番最後部分を担っている大臣として、十年間、どのように総括をされるのかという感想から、まずお伺いしたいと思います。
  24. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 個人的にも、この十年、福島の復興、東北の復興にも取り組んできましたので、様々な思いが頭の中を巡ります。出会った方、そして、改めて、亡くなられた多くの方々、そして被災された方にお悔やみ、そしてお見舞い申し上げたいと思います。  一方で、環境省の役割を大臣として考えたときに、まず、地域皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。大熊町、双葉町、この環境省の抱える除染、中間貯蔵の取組というのは、現場の立地の自治体の方々の様々な決断そして御理解、こういったものがなければ決してここまで進むことはありませんでした。そのことを決して忘れることなく、これからも安全第一でこの事業を遂行させていきたいと思いますし、大臣として、私は二年目でありますが、この除染、中間貯蔵という新たな役割を担うことになった環境省の職員に対しても、新たな課題に向かって本当に心を込めてやってもらっていると思いますので、これからも現場に密着をして、しっかりとその責務を果たしてもらいたいと考えています。  一方で、今、私が物すごく課題だと感じていることは、この十年で、内堀知事もおっしゃっていますが、小中学生の中に、原発事故、東日本大震災の記憶がない、そういう世代が多く出てきて、この記憶の継承というものをどのようにやっていけるだろうかということが、知事の頭の中にも非常に問題意識が大きいということをこの前伺いました。  環境省としては、風化と風評という二つの風、これに加えて、新たな脱炭素のまちづくり、この三本柱をしっかりとやっていかなければいけないと考えています。  そして、残念ながら、我々が福島県の皆さんとも約束をしている三十年以内の県外最終処分というこの約束につきましても、アンケートを取ると、福島県内ですら五割の方が知らない、そして県外では二割の方しか知らない、こういう調査が明らかになっていますので、来月以降、新年度になりましたら、我々、全国への理解醸成活動も抜本的に強化をして、これは福島県の課題ではなく全国の課題であること、これをしっかりと、理解を得るための活動に注力をしていきたいと考えています。
  25. 生方幸夫

    ○生方委員 風化に備えなければいけないということで、大事なことはやはり教育だと思うんですよね。やはり、教育としてしっかりと位置づけて、福島のことを全国の子供たちに伝えていかなきゃいかぬなというふうに思っております。  除染というのが、また、二度除染をしなきゃいけないような事態になったら大変ではあるんですけれども、除染という初めての経験を環境省がしたわけですから、それをしっかりと検証しながら、次世代に、こういう形で除染をして、こういう問題が残って、こうなんだということを歴史としてきちんと残していただきたいなというふうに思っております。  最後に、最後にというのは質問最後じゃないんですけれども、現地で御苦労なさった環境省の職員の方たちにお礼を申し上げたいなというふうに思っております。  それでは、次の質問に入ります。  カーボンニュートラル、今質問二つ出ました。菅総理大臣カーボンニュートラルに向けて力強い発信をしたということで、私は、二〇五〇年カーボンニュートラルを去年総理が発表したということは大変いいことだというふうに思っております。我々、これは与野党関係なく、地球全体の問題、日本の問題でもございますので、何とかその目標の達成に向けて努力をしていかなければいけないというふうに思っております。  それで、日本は三〇年目標が大事だということを小泉大臣所信の中で述べられておりまして、やはり五〇年というとまだまだ先のことでございますので、直近三〇年の目標をクリアできるのかどうかということが非常に大事なポイントだというふうに思っております。  日本は、二〇一三年比、三〇年に二六%の削減目標を出している。国連の調査だと、五〇年にカーボンニュートラル実現するためには、三〇年の時点で、一〇年比、これは二〇一〇年比ですが、一〇年比二五から四五%の削減をしなければならない。ところが、実際には、現在まだ〇・五%ぐらいしか削減がされていない。  こういうような発表を受けて、ヨーロッパでは、EUでは、九〇年比四〇%が当初の目的であったのを五五%に引き上げた。英国も、五三%だったのを六八%に引き上げている。米国は、まだこれから発表するわけですから、どうなるか分かりませんが、目標を引き上げてくるんじゃないかというふうに思っております。  日本の二〇一三年比二六%という目標では、若干低いかなという気が私はしないでもないんですが、ヨーロッパ、英国に見習って、日本もこの目標を引き上げるつもりがあるのかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
  26. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 この二六%という数字は、菅総理カーボンニュートラル二〇五〇年の宣言をする前のものでもありますし、やはり総理の宣言と整合的なものになるように、気候変動担当大臣としても、環境大臣としても、政府内の調整や、また国際会議に向けた基本的な方針に向けて汗をかいていくということになります。  この中期目標については、やはり、先生おっしゃったIPCC、これが、整合的なものは四五%だということも言っています。その整合性というのがどういう形であれば、国際社会に対して胸を張って表明することができ、かつ、今回の温対法で、法律の中に二〇五〇年カーボンニュートラルを位置づけるという法的な根拠に加えて、日本の政策に対する国際社会の信頼、こういったものも高めていく必要があると思いますので、私としては、しっかり、今後、来月、アメリカの気候サミットもあります、そしてG7、G20、COP26と一連の国際会合が続きますので、そういった方向に向けて、政府内、しっかりと調整の努力をしていきたいと思います。
  27. 生方幸夫

    ○生方委員 温暖化に関する新聞の報道を見ると、数値がいろいろ分かれているのが私は大変気になっていて、例えば、日本は二〇一三年に対してどうのというような形になっていて、ヨーロッパでは一〇年に対してどうのというような形になっていて、じゃ、日本が本当に進んでいるのか遅れているのかというのを、比較がなかなかできないんですね。中国やインドはGDPに対してどうだというような話にもなっておりまして。国際目標をきちんと達成するためには、きちんとした国際的な標準を定めて、それに向けて各国がどうなっているのかということを示せるのがベストではないかというふうに思っております。  今お話にもありましたCOP26、大臣も御出席なさるんだろうというふうに思いますが、是非、国際的な統一基準を定めて、それに向けて、じゃ各国は今どの地点にいるのかというのが分かるように、日本から提案をしていただければ、子供たちにも、自分たちが今どこの場所にいて、どのぐらいその目標を達成できたのかというのが一目で分かるようになるというふうに思いますので、是非大臣には、COP26でそういう国際的な標準の数値あるいは基準年をきちんと決めて国際的に発表するような形にしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  28. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 生方先生が御指摘のとおり、各国の出している目標というのは、二〇一〇年比があったり一三年比があったり、様々ばらついている中では、各国の思惑というのも正直言ってありますし、一番高いところから引いた方が排出削減の余地が取りやすい、こういった見方もあるのも事実です。  ただ、日本にとっても、今、二〇一三年比という形でやっている中で、様々な検討をする中ではよく、基準年を合わせる形で換算をして、どれぐらいの強度かというものを見たりも我々はしています。  いずれにしても、大事なのは、最近、グリーンウォッシュという言葉があるとおり、見せかけのグリーン対策、気候変動対策をやっているのではないかという、金融界でそういう動き、かなり警戒がありますが、意欲的な目標を立てたのはいいけれども、その足下で本当にどんな行動をするのか、これが問われていくのが、まさに国際社会、これから宣言だけではない、実効性というものが問われます。  ですので、私が五年、十年が勝負だと言っているのは、やはりこの五年、十年、目の前で何をやるのかというのが非常に大事なわけですから、この二〇三〇年目標を最終的に政府として決定する過程の中においては、整合性というポイントと国際性というポイントと、そして実効性という、この三つ観点を踏まえて、最終的に政府の案として決まっていくように私は努力をしていきたいと考えています。
  29. 生方幸夫

    ○生方委員 二〇三〇年目標、二〇五〇年目標というのは、これは世界的なものですから、足下どうのというより、最終的には二〇五〇年にカーボンニュートラル世界実現するというのが大事でございますので、是非、そうした観点から、比較がしやすい、分かりやすいというのは非常に重要なので、日本として提案をしていただけるようにお願いだけいたしておきます。  次に、温室効果ガスを削減するためには、当然再生エネルギーを普及させることが重要です。大臣も御承知のとおり、日本の再生エネルギー率は、世界的に見れば、残念ながら低い状態で留め置かれております。再生エネルギー率は三〇年までに二二から二四%にするというのが現在の目標ですが、この数値は低過ぎるんじゃないかという観点から質問をさせていただきたいと思います。  既にEUはもう現在の時点でも再生エネルギーの比率が四〇%前後にまでなっているという状態です。したがって、三〇年目標を達成するためには、私は、この二二から二四という再エネ率をもうちょっとやはり今の時点で引き上げる必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣の御所見はいかがでしょうか。
  30. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 その思いは生方委員と同じです。我々、倍増を目指したいというふうに思っていますので、その鍵は自治体、非常に役割は大きいと思います。  今回、温対法の改正もそうなんですが、法律を作ったからといって、すぐに再生可能エネルギーが増えるわけではありません。再エネ促進区域を設定したい、活用したいと自治体の方に思っていただかなければこの法律の効果は出ませんから、我々、この法律の審議先生方にいただくことと併せて、仮に法律が制定された暁には自治体の皆さんにこの促進区域の活用をしてもらいたい、こういった周知もしっかりとやっていかなければいけないというふうに思っています。  そして、私が何度も、環境省のポテンシャル調査では、日本には再エネのポテンシャルが二倍あるんだ、今の総供給量の。改めて、二倍というのは何に基づく二倍かというのを申し上げると、現在の技術水準で利用可能なエネルギー資源量のうち、法規制や現在のコスト開発に基づく事業採算性などの観点から二倍ということは、これから技術開発や様々な新たなトレンドなども含めれば、私は二倍以上のポテンシャルがあるというふうに思っています。  ですので、これからまず、二倍ある資源を生かすことが私は国づくりの基本だと思うんですね、これはエネルギー安全保障の観点からも。  ですので、毎年十七兆円、海外に払っている化石燃料に対する日本国民の皆さんの財産を、もっと地域や国内に回っていく、新たな循環型の地域社会、国づくり、こういった方向につなげていく、この基本は、二倍のポテンシャルをフル活用する、この基本だということを、政府の中でも理解が広まるように、今後しっかりと訴えてまいりたいとも思います。
  31. 生方幸夫

    ○生方委員 二二から二四というのは、倍に本当はできる数値だというような今見解だったというふうに思います。  したがって、できれば三〇年の目標を、今の時点で四〇にするとか五〇にするとかという発表をしていただけると、国民もそれに向けて努力をするんじゃないかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  再エネが余り日本では普及していない理由については後ほど質問をさせていただきますが、三〇年の時点で、この間の質問のときも私、指摘をさせていただいたんですが、原発の比率がまだ二〇から二二に設定しているという点について質問を、今日は経産省の政務官の方、いらっしゃっていると思いますので、させていただきたいと思います。  現状、今原発がどのぐらい占めているのかというと、六%しかありません。この六%しかない原発を三〇年の時点で二〇から二二%にするためには、原発をこれから二十五基から三十基稼働させなければいけないということになります。今の現状を見ると、地域の反対とか、それから使用済み核燃料をどう処分するのかということが決まっていないとか、これも後ほど質問させていただきますが、東電のいろいろな不祥事を考えると、今三基程度しか動いていないものを八年後に二十五から三十基動かそうということ自体が、かなり私は現実的ではない数字だというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
  32. 宗清皇一

    宗清大臣政務官 お答えさせていただきます。  二〇三〇年のエネルギーミックス、これは、エネルギーの自給率の向上と電力コストの抑制、そして温室効果ガスの排出削減、この三つ目標を同時に達成する、こういうことを検討した結果で得られたエネルギーの需給構造の見通しである。このあるべき姿を達成していきたいと思います。  こうした中で、直近の二〇一九年の原子力の比率というのは、先生指摘のように約六%でございますけれども、この実現に向けて私たちは全力で取り組んでいく、こういう姿勢でございます。  その上で、原子力の比率が二〇%から二二%については、原子力規制委員会の審査を経まして既存の原発を再稼働するということでございます。震災前の稼働率が平均七割でございましたので、例えばこれを八割程度まで設備の利用率を向上させていきたいと思いますし、一部の炉については、法令で認められております四十年を超える運転期間の延長を行う、こういったこともやっていきたいと思います。こうした取組を通じまして、達成可能な水準であるというように考えております。  実現に向けて様々な課題があることは承知をしておりますけれども、廃炉が決定されたものを除く残る三十六基の原発について、建設中のものや審査の未申請のものなどプラントごとに状況は異なっておりますけれども、この解決に向けて、お地元の御理解、これが大前提でございますけれども、できる限り再稼働を進めることが重要であるというふうに考えております。
  33. 生方幸夫

    ○生方委員 私は小泉大臣のお父さんと同じように原発はゼロにするべきだというふうに思っておりますので、通産省の考え方とは違うんですけれども。  今申し上げたように、通産省の希望は分かりますけれども、現実問題として、三〇年に原発が二十五から三十動いているということは想像できないんですよね。想像できないものを前提にして三〇年目標を立てると、三〇年目標自体がおかしなことになってしまうんじゃないか。六%から、二〇から二二に引き上げることが実現できないとする、仮にこれが六から八になるとか、本当は六から四になることだって可能性はあると思うんですけれども、そうなった場合、原子力で賄おうとしていた電力比例部分を何で賄おうとするのか。今、何が何でも原発でやるんだというふうに言っているんだから、できなかったことについては何か通産省はお考えになっていますか。
  34. 宗清皇一

    宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。  私たちとしては、やはり先ほど御答弁申し上げたことをしっかりと進めていくということを前提にしておりまして、まず、先ほど申し上げた、あるべき姿である二〇三〇年エネルギーミックス、この実現をしっかりと全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。  その上で、先ほども御答弁申し上げましたけれども、実現に向けて様々な課題があることは承知しておりますが、廃炉が決定されたものを除く残る三十六基の原発について、建設中のものや未申請など、これはプラントごとに状況というのは異なっておりますけれども、その解決に向けて、地元の御理解、これが大前提でございますけれども、御理解を得ながら、できる限り再稼働をしっかりと進めてまいりたい。  地元の御理解に向けては、事業者自らがしっかりと地域の方々に向き合って信頼を築くことが必要でございますし、その上で、国も前面に立ってエネルギー政策における原子力の意義を丁寧に説明を尽くしてまいりたいと思いますし、避難計画などにつきましても、政府を挙げて策定を支援をさせていただきまして、具体化、充実化に取り組む、そういったことでエネルギーミックスの実現を目指していきたいと思います。
  35. 生方幸夫

    ○生方委員 十年ということで、福島第一のことも大分取り上げられております。本当に過酷な事故で、いまだにとても収束したとは言えない状態であります。後ほどこれも質問させていただきますが、汚染水の問題もどうなっていくのか分からないというような状況の中で、今のお答えだと、何が何でもこれを進めていくんだということで、それは、通産省としてはそれでいくしかないんだというふうに思いますけれども。  小泉大臣にお伺いしたいんですけれども、二〇から二二という原発の比率があって、これが実現できなければ何かで代替しなきゃいかぬわけですよね。そうじゃないと三〇年目標というのは当然達成できないということになりますので、今の時点で余り環境省としてはこうだと言いづらいかもしれませんが、六%程度でとどまってしまう可能性も、どう間違えても五割程度はあるわけですよね。二〇から二二というのは、どう間違えても一〇%程度しか達成できそうもない数字なので、そうすると、三〇年目標というのは、これは梶山大臣とも一緒に協議している数値だと思うんですけれども、もし原発比率がそんなに見込めないというのであれば、じゃ、何で代替するんだということは今からあらかじめ話しておかなければいけないことだというふうに思うんですが、大臣としていかがでございましょうか。
  36. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 国民生活を支えている電力、非常に大切な問題でありますから、そのことが足りないということで経済活動、国民生活に大きな影響があることは、それは避けなければいけないと思います。  そして、エネルギーの電源構成については、まず再生可能エネルギーを主力電源にする、そして原発は可能な限りその依存度を下げる、こういった方針の中で、やはり大事なのは、二倍の資源を持っているわけですから、これをまだ使っていないところがいっぱいあります。  今、国・地方炭素実現会議でも、関係省庁、経産省も含めて入っていますので、例えば、ため池の水面の利用、そしてダム湖、これはもう既に千葉県でダム湖の水面に太陽光をやっているところもありますし、そして、環境省の所管でいえば、最終処分場の、まさに地表ですよね。そして、耕作放棄地活用、そして、耕作しているところもソーラーシェアリング。そして、今後、住宅政策についても、まさに都市は住宅で屋根置きでやれば相当なポテンシャルもあるわけです。  そして、住宅だけじゃなくて自動車も、これから二〇三五年以降は電気自動車を含めて電動車が一〇〇%新規販売はなるわけですから、今後、住宅においても新たな、ZEHと言われる、私はZEHというのは分かりやすく言えば太陽光パネルつき住宅だと思うんですけれども、こういった形で、一戸一戸の住宅が新たなエネルギーの供給源にもなる、そしてその地域で融通をし合う、まさに仮想発電所のような、こういった形にもなっていく、ライフスタイルを転換させていく、これも併せてやるということが大事だと思いますので。  もちろん、二〇三〇年に向けて、目の前の電力確保、こういったことは大事でありますが、いかにこの十年で再生可能エネルギーの比率を高めていけるか、ここに我々としてはしっかりと注力をしていくためにも、経産省の中に再エネ促進するそういった部署もありますから、こういったところともしっかりと連携もしながら、政府全体として再エネ主力電源化実現をさせたいと考えています。
  37. 生方幸夫

    ○生方委員 今のお話を聞いていると、原発がもし賄えない部分は、再エネのポテンシャルを考えれば十分再エネで賄えるんじゃないかというような御意見だったかなというふうに感じております。  その再エネについてなんですけれども、太陽光発電、大分普及はしておりますが、普及の速度が一時よりは私は鈍っているような気がしてなりません。  FIT制度も今年で十年目で、もう終わるということで、FITをこれからどうするのかということと、あわせて、FIPという新しい制度を導入するというようなことになっているようですが、このFIPという言葉も、FITはかなりの方が存じていると思うんですけれども、FIPという制度についてはほとんど国民の方たちは知らない方が多いんじゃないかというふうに思いますので、太陽光の今後について、政府としてどういう方向でその普及を援助していくのかというお考えを伺いたいと思います。
  38. 宗清皇一

    宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。  再生可能エネルギー日本の電力市場の一翼を担う主力電源にしていくためには、電力市場への統合を進めていくことが不可欠であるというように考えております。  二〇二二年度から導入されますFIP制度は、再エネの発電事業者が自らが市場の取引を行って、その上で、市場での売電実績に応じて一定のプレミアムを受ける制度でございます。事業者は、プレミアムによる支援を通じまして投資のインセンティブ、これを確保しながら、電力の需給状況や市場価格を意識しまして、蓄電池などを活用して効率的に発電、売電すること、これが促されるというように思っております。  これによりまして、再生可能エネルギーの電力市場への統合が進みまして、電力システム全体のコストの低減や再エネの発電予測の精度の向上、アグリゲーションビジネスの活性化といった関連ビジネスの発展が期待をされるというように思っております。来年四月の施行に伴いまして、しっかりと制度の周知、広報を行ってまいりたいと思います。  実際に二〇一二年にFIP制度を導入したドイツでは、FIP制度の導入後五年間で再エネ比率が一・五倍に増加をしておりまして、日本においても、FIP制度を通じて再生可能エネルギーの電力市場への統合を図りまして、再生可能エネルギーの更なる促進、そして主力電源化実現をしていきたいというように思っております。
  39. 生方幸夫

    ○生方委員 千葉県でも、新しい住宅を造ったとき、全部屋根に太陽光を置いて、真ん中に蓄電池を置いて、全部でシェアしながら、そこはそこで全部賄えるようにするというようなことを行っているということも聞いております。  新しい住宅を造るときはそういう形でできると思うんですけれども、古い住宅に全部太陽光を乗せるとなると、住民の同意も必要ですし、それから経済的な援助も必要だというふうに思っているので、私も、そういう形で各地域地域で電力を賄えるようになれば、大きな送電線で電気を遠くまで送るという必要がなくなるというふうに思いますし、電線も要らなくなるかもしれないので、景観も大きく変わってくるんじゃないかというふうに思いますが、それを促すためのやはり援助あるいは税制的な優遇措置みたいなものが必要だと思うんですけれども、小泉大臣、いかがでございますか。
  40. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 再エネをいかに既存の住宅対応も含めて導入していけるか、その結果、カーボンニュートラルに資する形にしていくかというのは極めて重要なことだと思います。  そういったことは、環境省だけではなくて、経産省、そして国交省、農水省、そして地方創生、関係する省庁との連携策が極めて重要だと思っていますので、今、国・地方炭素実現会議の中で関係省庁が集って、そして事務方同士も、今、様々連携策を議論中です。  こういった中で、気候変動政策はエネルギー政策だけで完結しませんので、住宅政策、そして今、国際的に関心を持たれているところというのは、例えば食料の全体のサプライチェーンをどのように持続可能なものにしていくか。こういった、本当に社会全体を変えていく取組カーボンニュートラルなんですね。  経済も、実際に、大量生産、大量消費、大量廃棄という形から、いかにサーキュラーエコノミーと言われる循環型の経済に変えていくか、新たな資源の投入を限りなく少なくして。この方向で、例えば、オランダなどは二〇五〇年までに一〇〇%サーキュラーエコノミー化をするというふうに言っているということは、今後、将来オランダの市場というのは、新たな、再生資材ではないものを使っている商品が流通できない国になるということなわけですね。  なので、今回、我々、プラスチック新法を国会に提出をし、御議論をいただくのも、これから新たなプラスチックが投入されて、海外に対して、石油ですから支払いを続けていくのではなくて、使ったプラスチックが更に新たなプラスチックの商品に変わるという、よくループを閉じるというふうに言いますけれども、ごみが出ない、捨てない経済とも言える、こういった形もつくっていくという、大きな、まさに私が言うリデザインというのは経済社会を再設計するという話ですから、このために各省何が必要かという議論をし、具体的な政策をこの国・地方炭素実現会議でも立案をしていきたい、関係省庁としっかりと連携していきたいと思います。
  41. 生方幸夫

    ○生方委員 今大臣おっしゃったとおり、縦割り行政を排していくということが非常に大事だというふうに思っておりますし、カーボンニュートラル実現するというのは、カーボンニュートラル実現することだけじゃなくて、働き方とか地域暮らし方とか、そういうもの全てに関わってきて達成されるものだというのは、全く私もそのとおりだというふうに思っております。  再エネは、もちろん太陽光だけじゃない。先ほどちょっと経産の方もおっしゃいましたけれども、私の友人の再エネ事業者に聞くと、農用地に太陽光を置く、その下で農業をやるというのが非常に大事なんだけれども、税制の問題が、だって、なかなか難しいんだというような話も聞いているので、これ、一メーターぐらいで置いちゃうと全部日が当たりませんから駄目ですけれども、二メーターぐらいにすれば日も当たるし、日がそんなに、日を求めない農作物もあるということなので、これを普及させていけば太陽光はもっと普及するんじゃないかというふうに思って、彼いわく、税制が一番問題なんだということを言っておりましたが、これについてはどこに聞けばいいんだ、農水を呼んでいないので、経産が分かれば経産に。
  42. 宗清皇一

    宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。  先生今御紹介のございました営農型太陽光発電、いわゆる、今ソーラーシェアリングと言われておりますけれども、導入のポテンシャルの拡大、ポテンシャルに大きな意味があるというように思います。営農と発電の両立を通じた地域の活性化の効果もあるというように思っておりまして、再生可能エネルギー主力電源化の一翼を担うものだというように期待をしておるところでございます。  一方で、事業者の方々が、投資の回収の予見可能性や、天候によりまして、出力の変動、系統の整備の問題は、営農型太陽光発電に共通する課題であるというように思っております。また、営農型太陽光発電においては、農業政策との整合性、そして、地域との共生を図りながら今後導入を進めていく必要があるというように思っております。  こうした課題を考慮しながら、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けて、今FITの制度の下で、事業者投資回収の予見性、これを確保しております。関係省庁とも今後とも連携しながら、地域社会に意義ある営農型太陽光発電設置を是非とも後押しをしてまいりたいと思います。  なお、この営農型太陽光発電に限らず、再生可能エネルギー導入拡大に当たっては、FIT制度によりまして事業者投資予見性を確保しておりまして、現時点で追加的な支援措置というのは検討はしておりません。
  43. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、宗清政務官が大きく期待をしているという話がありましたとおり、我々も期待をしているものであります。  この前、国・地方炭素実現会議でヒアリングを、このソーラーシェアリングをやっている事業者の方に伺いました。改めて、この普及のためには、農家の皆さんに対する、ソーラーシェアリングに対するイメージも、我々はしっかりと説明して、変えていかなければいけないかなと思います。それで野菜が育つのかとか、日が当たらないだろうというのは、日が当たり過ぎない方がいい作物については、むしろソーラーシェアリングの方が合理的な部分もあります。  そして、この生かせるポテンシャルを考えたら、私は今後、農家の方が天気に左右されて、収入源が一本足打法でやるよりも、いわゆる複合経営の新しい形の一つエネルギーという収入源を持っていく将来像があると思うんですね。そうすれば、農家の皆さんは、食の生産者だけじゃなくて、食とエネルギーの生産者に変わるわけです。そうすれば、食とエネルギーが地産地消する、まさに循環型の地域ができるわけで、このソーラーシェアリング、環境省としてもしっかりと応援をしていきたいと思いますので、承った課題も含めて、どのような各省連携がこのソーラーシェアリングの後押しに使えるか、我々しっかりと検討したいと思います。
  44. 生方幸夫

    ○生方委員 再エネについて、もう一つだけ指摘をさせていただきたいんですけれども。  発送電分離というのはもう既になされているわけなんですが、再エネが一生懸命つくっても、送電網に乗らなければこれは何もならないわけで、再エネは、例えば太陽光だったら夜は発電しないわけですから、常時発電できるわけではないということがあるので、なかなか、再エネがいっぱい出たときに、最優先して送電網に乗せていただくということは分かっているんですけれども、これをお断りをすることもあるということで、それが経営面では非常に不安定要素の一つになっている。  イギリスなんかだと、再エネをつなげませんよ、今はという場合は、それに対して補償金を払うような制度ができているので、それを取り入れられてから太陽光も非常に発展したというようなことがあるようなんですけれども、日本でもそういうことは考える余地があるのかどうかというのを小泉大臣にお伺いしたいと思います。
  45. 茂木正

    茂木政府参考人 今委員から御質問をいただきました、出力制御の御質問という理解をいたしましたが。  イギリスにおいて、コネクト・アンド・マネージという制度がございまして、これは、需要はあるエリアの中で一致をしているんですけれども、送電網に容量がなくてアクセスができないというケースであります。この場合には、確かに送電容量が空いているときにアクセスするんですけれども、それがいっぱいになったときには一回どいていただく、こういう形でネットワークにつないでいただいて、出力制御をする際には、一部退いていただくので、そこでお金をいただいて退く、そういった仕組みがございます。  日本でも、こうした送電容量が足りないところで再エネをたくさんつなごうというときには、こういう仕組みを今後しっかり検討していくということで導入を考えていきたいと思っています。  一方で、例えば九州のようなケースでも出力制御が出ているわけですが、この出力制御は、どちらかというと、送電容量がないというよりは、需給バランスが、供給が明らかに需要を上回っておりまして、価値がゼロ円という状態の中で、再エネが余ってしまう、余剰電力という状態になっていますので、こういうケースについては、FIT電源自体が出力制御を前提に常に買上げをしていただくという仕組みになっておりますので、現状において、今、追加的な補償というのは検討しておりません。  ただ、いずれにせよ、やはり事業者さんが予見可能性を持ってビジネスをやっていただくことが大事ですので、必要な情報を送配電会社から、どういったときにそういった状態が起きるのかというのはしっかり情報開示をさせていくとか、あるいは、出力制御をオンラインでやって非常に短い時間で出力制御ができるようにするとか、こういった技術開発も含めて、しっかりと今後対応を進めてまいりたいと考えています。
  46. 生方幸夫

    ○生方委員 できれば補償金をきちっと出すというような制度にしていただきたいなというふうに思っております。  これがカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の政策なんですけれども、読ませていただいて、このとおりだと思うんですけれども、ちょっとやはり経済成長の方に重点が置かれ過ぎているんじゃないかと。これは二〇五〇年という長い時間ですから、あるときは経済成長に力を入れなきゃいけないでしょうけれども、あるときは温暖ガスを削除する方に力を入れなきゃいけないという、そのめり張りがあると思うんですね。これを見ると、どうしても経済成長の方に力を入れ過ぎると二〇五〇年のカーボンニュートラル目標がおろそかになっちゃう時点が来るような気もしないでもないんですね。  そのとき、是非、小泉大臣に頑張っていただいて、二〇五〇年のカーボンニュートラル、これは人類共通の目標であって、地球に住む我々の義務なんだというところで頑張っていただきたいなという意味で、小泉大臣に一言伺いたいんですが。
  47. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ありがとうございます、温かいお言葉をいただきまして。  二〇五〇年カーボンニュートラルが経済成長に重きを置き過ぎて達成できなくなる懸念、これは、一部の方はそういったことも言いますし、今、このコロナ禍でも、これだけ経済活動が制約を受けたにもかかわらず、一〇%も減らないわけですよね。そういったことを考えると、いかにこの両立というのが簡単なことではないか、よく分かります。  しかし、私は、世界動きを見ていれば、むしろ、カーボンニュートラルの達成と、成長市場の競争の中で、勝者がどこになるかという競争は同じ道をたどると思っているんですね。  世界中が脱炭素の分野に今まっしぐらに向かっています。そして、日本の中でも、総理の宣言以降毎日、日経新聞などでは、脱炭素取組企業によって次々と一気に動いている姿を見ると、私は、間違いなく、今、新たな産業革命の、そのトランジションの時代を我々は生きているという、その認識が必要だと思います。  まさに馬から車に替わったような、そういう時代の中で、一人でも多くの方に、これだけの激変なんだということを気づいてもらいたいですね。そうじゃなければ、私は、気づいたら世界の市場が、日本が勝負できるパイがどんどん縮んで、そして気づいたら全く違う形の経済社会の形になっている。  このコロナの中だから大変なことはちょっとさておいてみたいな議論、よく日本はありますけれども、世界は真逆で、コロナの最中だからこそ、このグリーンやデジタルの政策の強度を高めているんですよね。なので、もしもここでそういった構造変化を緩ませるようなことがあったら、コロナから回復した先の経済社会国際社会日本の形は大きなギャップが生まれかねない。そして、日本のV字回復なんて夢のまた夢になると思います。  そんなことにならないように、政府全体として頭を合わせて、政策の強度が決して緩むことのないように、気候変動担当としても、政府全体に対しても働きかけを続けたいと思います。
  48. 生方幸夫

    ○生方委員 大変な転換期にあることは間違いないので、今日、触れることができなかったんですけれども、省エネにもうちょっと力を入れていただかないと目標を達成することができないんじゃないかと。これは、オイルショックのときなんか、日本が一番先に多分経済を回復したというふうに思うんですが、あれはやはり省エネに一番力を入れて、省エネのトップランナーを日本が走れたからこそエネルギーショックを脱することができたんじゃないかというふうに私は思っているので、省エネにも是非もっと力を入れていただきますようにお願い申し上げます。  それでは、東電にお越しをいただいておりますので、東電についてお伺いしたいというふうに思います。  もう既に国会で何度も取り上げられておりますので、多くを聞くことはしませんが、心配しているのは一号機、三号機の水漏れですね、地震による水漏れで、昨日の新聞でしたか、注水を検討しているというふうに出ておりましたが、汚染水タンク五十基も動いたというようなことも報道されておりまして、この原因と、注水をして本当に大丈夫なのかというふうに思っている人もいると思うので、その辺についてお伺いしたいと思います。
  49. 文挾誠一

    文挾参考人 東京電力の文挾です。よろしくお願いいたします。  まず、二月十三日の地震によりまして、福島第一原子力発電所の安全性につきまして御心配、御不安をおかけしておりますことにつきまして、改めておわびを申し上げたいと思います。  地震後の点検の結果でございますが、先生指摘のとおり、一号機と三号機の原子炉格納容器の水位の低下を確認してございます。漏れた箇所の特定というのは現在できておりません。  ただ、一号機と三号機共に水位の低下は緩やかになってきてございます。これは注水を続けているということでございますが、三号機につきましては、おおむね安定傾向を示しているというふうに評価をしてございます。  では、漏れたものがどこに行ったのかということではございますが、これにつきましては、原子炉建屋内に流入したものというふうに今評価をしてございまして、敷地境界のモニタリングポストとかダストモニターに有意な変動はなくて、外部への影響がないということは確認はしております。  もう一つ指摘のございました、タンクがずれているということがございます。  これにつきましては、多核種除去設備等処理水の貯蔵タンク、貯留タンクのずれで、タンクとタンクを結んでいる配管でございますけれども、これについても少しずれがあるということでございます。  そのタンク間の連結配管につきましては、今現在、保温材を外して、今詳細な点検をさせていただいている最中でございます。  現時点におきましては漏えいの確認はありません。ただ、三月中旬までこの検査は続けさせていただきたいと思います。評価の結果につきましては、取りまとめができ次第、評価結果を公表させていただきたいというふうに思います。  以上でございます。
  50. 生方幸夫

    ○生方委員 汚染水のタンクの問題ですが、来年にはいっぱいになるから何とかしなければいけないということで、地方自治体等も含めて御議論をいただいているところなんですが、私が三年前にやはり汚染水の問題を質問したときは、三年前で、来年にはいっぱいになるというふうに言っていたのが、いつの間にかそれが延びて、今度は、今、来年にはいっぱいになるという話になっている。ここがちょっと、どうも信用できないんですよね。  三年前に聞いたときは、もう来年には必ずいっぱいになるんだから早く何とかしなきゃいけないということで、私も、じゃ、どうすればいいんだろうということで、第二原発にタンクを移すようにしたらどうかというようなことを言ってみたら、これは、陸上を通らなきゃいけないから、パイプを通さなきゃいけないからできないとか、いろいろな問題が出てきたんですけれども。  やはり、これ、何とかしなきゃいけないとはみんな思っているので。この間、ある大学の先生がトリチウムを除去する実験をしていて、九割ぐらいはトリチウムを除去することが可能だと。ただ、お金がないので、非常に少ない、小さい施設でやっているから、大きい施設でやるとどうなるかは、これは分からぬというようなことをおっしゃっておりましたが。  仮にトリチウムが除去できるということであれば、まあ、それは幾らかかってもというわけにはいかぬでしょうけれども、お金がかかってもこれはやるべきだというふうに思いますが、それについてはどう思いますか。
  51. 文挾誠一

    文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。  金額という、そういう問題ではなくて、トリチウム除去の技術につきましては、今現在、当社でも、その技術につきまして、必要に応じて直接ヒアリングをさせていただいたり、当社自らがきちっと確認をしているところでございます。ただ、現時点におきましては、福島第一原子力発電所の処理水からトリチウムを完全に除去できるものは確認をされていないということでございます。  ただ、先生今御指摘がありましたとおり、今後も、こういう技術があるという情報が出てくれば、それを広く集めまして、新たな情報が得られた場合にはその技術の有用性を確認をするということは積極的に進めたいというふうに考えてございます。現実的に実用可能な技術が出てきた場合には、採用に向けた検証もきちっと進めていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。
  52. 生方幸夫

    ○生方委員 汚染水を海洋に放出をする、薄めて放出をするといっても風評被害は必ず出るわけで、漁業関係者もみんな反対をしておりますし、これは、海洋放出という方法だけは安直に取らないようにお願いを申し上げます。  それでは、東電はもうこれで結構でございます。  動物愛護法の改正についてお伺いしたいというふうに思います。  動物愛護法、去年改正をされまして、これは議員立法でございましたので、私も関与させていただいて、私が一番問題にしていたというか、犬猫の殺処分、大量に苦しんで死ぬというのだけは何とかゼロにしたいなということで努力をしてきて、今度の法改正の中で殺処分の方法について、殺処分そのものをやはりゼロにすることは難しそうなので、方法については国際基準に準拠した形で殺処分をしなければいけないということが法文の中に書き込まれました。それでもまだ、一年で、二〇一九年度を見ると、五万頭余りの犬猫が殺処分をされているという現実がございます。  どのような方法で今殺処分が行われているのか、お伺いしたいと思います。
  53. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  環境省では、毎年度、動物愛護管理行政に関する自治体からの情報収集、取りまとめを行っておりまして、自治体が引き取った犬猫の殺処分方法については、令和二年四月一日時点で、薬品のみによる自治体が約五割、そして薬品と二酸化炭素の併用が約四割、二酸化炭素によるものが約一割となってございます。
  54. 生方幸夫

    ○生方委員 この五万三千頭、殺処分をされた犬猫たちの内訳を見ると、殺処分をされたものと譲渡をされたものというふうに分かれているんですけれども、殺処分をする、あるいは譲渡をするというのは、どこかで何か基準があって決められているんでしょうか。
  55. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  自治体の動物愛護管理センター等が引き取った犬猫につきましては、動物愛護管理法の規定に基づきまして、所有者への返還や希望者への譲渡に努めることとされております。  また、引き取った犬猫の中には、治癒の見込みがない病気や攻撃性があるなど譲渡することが適切ではないものが一部含まれている場合や、一定期間が経過した後、飼い主となってくれる方が見つからない場合というものがございます。  普及啓発による飼い主意識の向上や譲渡に向けた関係団体等の御尽力により、犬猫の殺処分数についてはこの十年間で約七分の一まで削減されてきたところでありますけれども、先ほど申しましたような、治癒の見込みがない病気とか引取り手がないものにつきましてやむを得ず殺処分を行っているという現状がございます。
  56. 生方幸夫

    ○生方委員 減ってきたのは私もよく存じておりますので、ただ、いまだに五万三千頭というのはやはり数が多いなというふうに思います。  内訳を見ると、ちいちゃい子が大変多く処分されているというのを見ると、ちいちゃいから育てづらいから処分せざるを得ないということがあるのかもしれないんですけれども、親がいなくても、私も、ちっちゃい、ほとんど授乳期間が終わっていない猫三匹を拾ってきて、スポイトで人間に上げるミルクを上げて育てて、ちゃんと育ちましたけれども、そういうこともできるわけで、ちっちゃければ大きくなったときに譲渡される可能性というのは非常に高いわけで、ちいちゃいからということで殺処分をするというのは是非やめていただきたいなというふうに思っております。  動物愛護センターを造り替えなければいけないというのは、もう前の前の動物愛護法の改正のときから言っていて、いわゆるCO2で殺処分を大量にするというガス室が、動物愛護センターという全然名前と違うような施設があったのを、まずこれを変えなければいけないということで、変えてくれということを随分言ったんですが、おととし、前の前の改正のときには、それほどお金がないから変えられないんだというような意見でした。  犬猫の殺処分を禁止する議員連盟という議員連盟がございまして、その議員連盟として、小泉大臣にも何回か、動物愛護関連の予算が少な過ぎるのではないかと。今五億円弱ですので、五億円弱だと、やはり幾ら援助をしても全国にある動物愛護センターを造り替えることはできないというふうに思うので。  環境省は大変厳しい予算ではあるんでしょうけれども、我々は百倍にしてくれというふうに言っていたんですが、百倍はオーバーだとしても、せめて十倍ぐらいにはしていただいて、動物愛護センター、和歌山県の例なんかを見ると非常にきれいに造り替えられていて、それだったら我々も安心だなというふうに思うので、小泉大臣、是非、予算が五億円じゃ幾ら何でも少な過ぎるので、来年は、今、来年度予算、審議している、これには入っていないからしようがないんですけれども、再来年の予算には是非、力で五十億円ぐらいまでするという決意を述べていただければと思います。
  57. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 十倍ですか。本当に、環境省の今担っている政策課題は歴史的にもいまだかつてないほど大きくなっていますので、環境省全体として人も予算ももっと欲しい、正直にそういうふうに思います。  そういった理解が政府全体としても得られるように、動物愛護の政策の強化も含めて、しっかりと環境省としても意見を言っていきたいと思います。
  58. 生方幸夫

    ○生方委員 本当に環境省の予算はどんどん増やさにゃいかぬというふうに我々も思っておりますので、頑張ってください。  最後なんですが、譲渡にせよ犬猫の保護にせよ、多くのボランティアの方が関わっているんですよね。ボランティアの方たちが、ボランティアの方たちの交友、コミュニケーションみたいなものをしながら救っているということがあるんですけれども、非常に一人一人には負担がかかるんですね。  私の知っている方も、何か、御病気になって、本当は入院しなきゃいけないんだけれども、自分がいなくなっちゃうとこういうチェーンが全部切れちゃうのでやらざるを得ないということで、その方は頑張ってやっているということなので、多くのボランティアの方が絡んでいるので、公的にボランティアの方、ボランティア団体、一個一個を支援するということは無理でしょうけれども、システム全体みたいなものを、何かあるときは例えばこうだというようなシステムをつくっていただければ、ボランティアの方たちも、自分が万が一活動ができなかった場合は公的に一時的にそこが関与してくれて、ほかの人が自分の役割を担うことができるようにするというような形になればなというふうな希望もあるようなので、どういう形がいいのか分かりませんけれども、何らかしらの公的な支援というのが必要なんじゃないかというふうに思うので、大臣、いかがでしょうか。
  59. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 日頃から、多くの譲渡団体、保護団体、愛護団体、こういった方々の活動というのは、本当に、動物愛護の行政を進める上でも非常に重大な、重要な役割を担っていただいていますので、感謝申し上げたいと思います。  そして、このコロナ禍で、この五年でないような、ペットショップでのペットの売行きが伸びている、こういったことの中で、そのことが、今後、例えば、あのときは飼ったけれども、その後に手放してしまうとか、こういったことにならないようにしていかなければいけませんし、これはやはり飼い主の責任というものはあると思います。  その責任ある動物の飼い方を、ちゃんとその判断をするときにしっかりと認識をした上で判断していただきたいし、我々はその対策もやっていきたいと思います。  あわせて、ペットショップだけではないんだよ、保護犬、保護猫、そういった団体から引き取る、そういった選択肢もあるんだ、こういったことをしっかりと周知をしていきたいと思います。  そして、今までそういった活動をやられている中では、例えば、民間でクラウドファンディング、こういったものも活用して、遺言による財産贈与、様々な手法を活用する、そういった団体もありますし、環境省としても、今後、譲渡のためのネットワーク形成の在り方、そして、一般家庭以外の犬猫の活躍できる場の確保などについて、自治体や関係団体と連携して検討を進めてまいりたいと考えています。
  60. 生方幸夫

    ○生方委員 これで終わります。ありがとうございました。
  61. 石原宏高

    石原委員長 次に、近藤昭一君。
  62. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 立憲民主党の近藤昭一でございます。  今日も質問の時間をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  また、先ほど来から、環境省がまた、またといいましょうか、環境省も、間もなく東日本大震災、東電福島第一原発の事故から十年だと、この間に本当に御尽力をいただいて、そして、今、小泉環境大臣のリーダーシップの下で活動しておられることに敬意を表したいと思いますし、まさしく今年は、総理府の外局として環境庁が発足して五十年、そして、環境省になって二十年という節目であるわけであります。  そういう意味でも、是非、小泉大臣、本当に、私も環境委員会に所属する時間が長くて、先ほど大臣もおっしゃいました、環境に配慮、考えていくということはあらゆる政策にとって必要であります。是非しっかりと御活躍をいただきたいと思います。  さて、そんな中で、今日は、先般、所信を聞かせていただいて、その中で、改めて原子力災害に対する特命担当大臣という立場での大臣に御質問させていただきたいと思います。  昨年の十一月の十七日に、私もこの委員会で、原発事故の際の消防等、実動組織の対応について質問させていただきました。  その際、私は、原発で重大事故が発生した際、東日本大震災で東京消防庁等が行った冷却のための放水活動などは、本来の消防の任務としては想定されていないはずだ、こういう質問をさせていただいたわけであります。  消防庁の五味審議官は、オンサイトにおける活動については、一義的に事業者であると認識しているという答弁をされました。そういう答弁しかなかったわけであります。  しかし、改めて私は、さきの二月二十六日、予算委員会第二分科会で同じ質問をさせていただきました。そのときに、山口消防庁次長は、東日本大震災で東京消防庁が行った放水作業、冷却作業は、基本的には想定されていない、想定されていないと明言をされたわけであります。  消防組織法第一条において、消防の任務として、災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減することが掲げられております。この災害には原子力災害なども含むと解釈されているわけでありますが、原子力災害時に消防機関に求められている活動は、十分な安全を確保した上で、対応可能であると認めた活動の範囲内で事故収束の活動の支援を行うとされており、具体的に例示すれば、傷病者の搬送などの救助、救急活動を行うことが想定されているということであります。  ですから、先般のこの環境委員会でも、あと予算委員会の分科会でも、それが想定されている、だから消防隊による冷却のための放水活動はどうなのかということを質問させていただいて、さきの環境委員会では、一義的には事業者だ、そして予算委員会の分科会では、想定されていない、こういうお答えがあったわけであります。  そして、分科会の中では、東日本大震災以降も法改正はされていない、必要ないというふうに総務大臣はおっしゃったわけでありますけれども、されていない、法改正は必要ない、していない、こういうお答えであったわけであります。武田大臣答えられました。  そうすると、万が一、原発で残念ながら同じような重大事故が起きた場合、法律では想定されていない冷却活動や放水活動を消防隊員に強いるというか行わせることになるのか、そのことを改めて確認したいと思います。
  63. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 少し丁寧に答弁をさせていただきたいと思いますが、結論から申し上げれば、消防組織法において、消防の任務には原子力災害への対応も含むものと承知をしています。  先生が今日少し御説明いただきましたが、万が一、原子力災害が起きた場合には、原子力災害の発生した事業所における施設の復旧などのオンサイト対応は、原子力災害対策特別措置法に基づいて事業者が責任を持って対応する、こうされています。  原子力事業者においては、東電福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ策定された新規制基準等に基づいて、重大事故が発生した場合の放水作業、冷却作業等の事故収束活動に必要な資機材、人員等を確保するとともに、事業者訓練等を通じて対応能力の向上に努めているものと承知をしています。  その上で、万が一、当該事業者だけでは十分な措置を講ずることができない場合には、原子力災害対策本部が実動組織を含む関係省庁との調整を行って、十分な安全確保を行った上で、それぞれの実動組織が対応可能であると認めた活動の範囲内において、各関係省庁がそれぞれの実動組織によるオンサイト対応に係る調整などの対応を行います。これらの活動は、消防組織法などの各根拠法に基づくものでありますので、超法規的な対応を行うものではない、そのように承知しています。
  64. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  大臣の答弁なさったことは、先般の予算の分科会でも、武田大臣からもそういうお答えだったんですね。じゃ、実際にそうなったときに、組織法上によると、大臣もお答えになったんですけれども、オンサイトは事業者がやる、それで対応し切れないときには、今おっしゃったような仕組みの中で調整をしてやるということであったんですね。  ただ、この委員会でも私も指摘させていただきましたけれども、その場合、消防庁長官が全国から出動してくる支援部隊の人たちに対して指示はできるけれども、指揮命令はできない。指示ということなんですね。そうした場合、そうすると、万が一、そうした対応できないときには、誰がどのように指揮命令系統でやるのか。  そして、これは先般NHKのEテレビでもやっていました。最悪の事態の場合、誰が出ていくのか、誰が命を懸けるのか、こういう問いかけの番組だったわけであります。  つまり、人命の危険がある、しかしながら、そこに対応するためには出ていかなくてはならない、こうなったときには、どのような法的、今大臣もおっしゃった、法的根拠はあるんだ、超法規的ではない。ただ、あのときには、最後最後のぎりぎりのところまではいかなかったというか、そういう状況ではなかった。  しかし、あの番組でも、また私の問題意識も、本当に命を懸けなくてはならないぎりぎりのところ、命を懸けなければならないようなときに、誰がどのように責任を持って命令をし、出動していくのかということなのであります。いかがでありましょうか。
  65. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 指揮命令系統の御質問でした。  万が一の事故の際には、原子力災害対策本部が実動組織を含む関係省庁や都道府県及び市町村長等と密に連携をして対応を行います。この際、必要に応じて、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣は、原子力災害対策特措法に基づいて、これらの活動に関する指示を関係省庁や自治体等に対して行うことになります。  消防についても、この枠組みの下に、消防組織法等の関連法令に基づいて、対応に当たる消防組織が適切に組織され、地元市町村長の指揮の下に活動を行うものと認識をしています。  いずれにしても、その指揮命令系統をしっかり確立することは大事でありますが、同時に、あの複合災害、今から十年前のことを思い返すと、事前の備え、そして日頃から様々な関係者の密な情報共有と連携、こういったものがいかに大事かが分かります。  ですので、内閣府の原子力防災担当大臣としては、避難計画を含めて緊急時対応地元皆さんと密にコミュニケーションを取りながら策定をしていますが、今後とも、どのようなことをやったとしても完璧や終わりはないんだ、不断の改善が必要だ、このことを決して忘れることなく、安全神話に陥らないように、今後しっかりと対応してまいりたいと思います。
  66. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 私は、先般の環境委員会でも言及させていただきましたように、そうした仕組みの中で、任務感といいましょうか責務で、地元双葉の消防隊とか、あるいは東京都の消防庁、あるいは各県から支援に来ている消防隊もそうでありますけれども、また自衛隊もそうでありますが、もちろん関係の多くの方が、そうした責務で、いざとなったらという思いを持っていた方はたくさんいらっしゃった、たくさんというか、いらっしゃったと思うんです。  ただ、やはり、最後のぎりぎりのとき、命懸けで、御承知のとおり、大臣、チェルノブイリ事故でも、軍隊が出動して、残念ながら命懸けで現場で消防作業に当たった、そして、これは数値が必ずしも明らかではないのですが、かなり多くの兵士が、これも先般、忘れられた人々というか忘れられた兵士というか、そういう表題で報道がされたりはしているんですけれども、私は、そうした法的、最終ぎりぎりのときでの命令をする、何があっても行け、命懸けで。こういうことは、今大臣がおっしゃったような仕組みがあるのかもしれないけれども、本当に最後最後ということでいうと、私はきちっとしたものがないんだと思っているんです。そして、さきの委員会でも言いましたが、そういうものはできないんだ、命懸けで行けと。  そして、今大臣もおっしゃったように、完璧なものはないんだということでいうと、私は、万が一のことがある、そういう事故があるわけでありますし、そして、これは繰り返しになりますが、多くの方が、いまだもって故郷に帰られない方の、避難の、東日本大震災の、六割以上の方はやはり福島の方なわけであります。それはやはり原子力事故があったからであります。そういうことを考えれば、やはり原発の再稼働はすべきではないと思うんです。  そして、関連して質問します。防衛省であります。  原発事故における自衛隊の活動については、一九九九年九月に発生した東海村ジェー・シー・オー臨界事故以降、原子力災害対策特別法、原災法が成立し、自衛隊法も改正されました。八十三条の三に原子力災害派遣が加えられたことによって、法的根拠を得たわけであります。  しかし、原子力災害派遣で想定されている任務、ここでも想定されている任務があります。各種の救援及び応急対策の実施及び支援であり、さらに、放射線や放射性物質の測定の実施、支援である。また、通常の災害派遣と同様に、輸送支援や被災者に対する救援活動も行うが、原発敷地内のオンサイトにおける活動は、一義的には従業者が行うはずだ。東日本大震災で自衛隊が行った冷却のための放水作業、これは本来の想定された自衛隊の任務であったのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  67. 大和太郎

    大和政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、原災法上における原子力災害対策本部長である内閣総理大臣は、原災法に規定する緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため、自衛隊の支援を求める必要があると認めるときは、防衛大臣に対して部隊等の派遣を要請することができます。そして、この要請があった場合、防衛大臣は、原子力災害派遣命令を下令し、部隊等を支援のため派遣することができます。  東日本大震災における福島第一原発の事故に際しましては、この原子力災害対策本部長の要請を受けて、防衛大臣が原子力災害派遣命令を下令いたしました。そして、この命令の下で、自衛隊は、ヘリコプターあるいは消防車による水の投下、放水を行ったところであります。  これらの活動というのは、原災法の第二十六条第一項に規定いたします緊急事態応急対策のうち、四号の施設及び設備の整備及び点検並びに応急の復旧に関する事項に該当すると考えております。  当時、多くの関係者が大変な努力を払い、この災害対応をされました。自衛隊員も危険を顧みず活動し、危機状況の回避に自衛隊が持てる能力を最大限発揮したというふうに認識しております。
  68. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  そうした中で対応したと、今法律の仕組みがあるんだということでした。  ただ、あの事故のときに、今おっしゃったような指揮、仕組みの中で出動した。でも、最初の放水作業は、現場へ自衛隊のヘリコプターが飛んでいって、上空の放射線量が高いので引き返すわけじゃないですか。たしか二回目のときに、線量が下がったということで、現地で放水作業をしたと思います。  ですから、先ほど小泉大臣にもお伺いしましたけれども、そこは、今おっしゃるとおりに想定されているところだったかもしれない。しかし、まさしく想定されていない、あのときには放射線量が下がったから行けたわけでありますけれども、そうではない、放射線量が高いけれども行かなくてはならないぎりぎりのところ、命を懸けなくてはならないというようなときを想定されているのかどうか。  たまたまと言ってはあれかもしれませんが、あのときは結果として下がったから、二回目、飛ぶことができて、放水できた。一回目は高いから戻ってきたわけです。高くてもやらなくちゃいけないような、こういうときにどうするのか。それは想定されているのか。
  69. 大和太郎

    大和政府参考人 自衛隊は実動組織でありまして、任務を達成するためにはできる限りのことをしなければいけません。  ただ一方で、隊員を無用なリスクにさらすわけにはいかないわけでありまして、そこは常にバランスを取りながら対応しているというところであります。  そして、実動組織としては、想定外のことが起こっても、持てる力で最大限のことをやるというのが一つのありようだというふうに考えております。
  70. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 先ほども申し上げましたように、隊員の方、自衛隊の隊員の方だけではありません、消防あるいは東電の社員の方も含めて、そうした状況の中で、責任感といいましょうか、やはりそうした活動にも命懸けでも出ていかなくてはいけないんだ、こういう覚悟というか気持ち、覚悟を持った方もいらっしゃる、当然。ただ、残念ながら、残念ながらという言い方も変ですが、先般も紹介しました双葉消防隊の方でも、現場で、自分はとてもそんなところに行けないと言ってその場を出られた方もいらっしゃる。そういう中で、命令できるのかどうか。  この仕組み、今もまさしく次長もおっしゃった、バランスをというところだったと思うんですね。だから、一回目は放射線量が高いから引き返してきた、でも、二回目は下がったから行けた。ある種のバランスといいましょうか、それを取った。  しかし、バランスが取れないようなときにどうするかという想定はやはり私はされていないのではないかというふうに危惧を、危惧というか、思っているわけであります。だからといって、私は、つくれと、想定はするけれども、そうした命令ができるようにしろということで言っているわけでは、できないんだと私は思っています。  多くの人が現場で葛藤した、そういう命令を出すかどうか、その命令を受けて、本当に命懸けの場合でも行くのかどうかということで葛藤した方がたくさんおられたということを改めて申し上げたいと思います。  そしてまた、余り時間がなくなってまいりましたので、この間、私も関係して何回か質問してきて、オンサイトは事業者だ、事業者だけで対応できないときには、消防組織法等々の関連組織の、災害対策の中で調整をしながらいくんだ、消防庁長官は指揮はできないけれども、指示ができて、そして、本部長総理の下で、地元の、あるいは全国から支援に来る消防隊と連携をしながらやるんだ、こういうことであったわけであります。  しかし、そういう体制で逆に本当にできるのか。  私も、東日本大震災、東電福島第一原発事故が起きたときに環境大臣の仕事をさせていただいておりましたが、自治体の皆さんからすごく多く聞かされたのは、地元も関わってやるけれども、自分たちがどれだけ、そうした原子力事故に対する専門的な知識は十分ではない、もちろん想定されていないわけでありますから、そうしたことをきちっとやっていない中で、しかし使命感はあるけれどもということをよくお聞きしたんですね。  そういうことでいうと、私がお聞きしたいのは、そうした状況の中で、先般、武田総務大臣は、現地の実情を把握している被災地の市町村長の指揮の下で、元々消防業務というのが自治体の業務であるというのは、地元のことをよく知っているからということでありますから、現地の実情を把握している被災地の市町村長の指揮の下で、必要な部隊規模を踏まえ、適切に調整されることとなっていると御答弁なさったわけでありますけれども、そうすると、そういう調整の中で地元の大熊町や双葉町の町長が十分に活動をできるのかどうか、そのことを改めてお聞きをしたいと思います。
  71. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 指揮命令系統を明確に確立をするということに加えて、やはり、人と、そして運用の在り方、こういったものは極めて重要なんだろうと思います。  先生の問題提起というのは、あの当時を振り返ったときに、あれだけの過酷事故、複合災害に、本当に地方の自治体を含めて対応できるだけのキャパシティーがあるだろうか、誰しもが、今でも、今後もしも万が一のことが起きたら、それは考えることだろうと思います。  一方で、国にとっては地元のことの事情は十分に把握できない、それも事実です。だからこそ大事なのは、いかに日頃から、万が一のことはきっと起きるんだという、起きない前提ではなくて起こる前提で物事を考えながら、自治体との単純な指揮命令系統だけを整備しておけば万が一のことは耐えられるというのではなくて、日頃からの人間関係を形成をしていくこと、そういったことも含めた、完璧や終わりのない防災対策、そして地域との関係構築、こういったものが不可欠なんだろうと思います。  改めて、この十年を節目に、安全神話に陥らないように、今後も、今日先生からいただいた、本当に、万が一のときの、動けるかどうかということに対する政治の責任というものが問われていると思いますので、しっかりとそこを踏まえて対応策を考えていきたいと思います。
  72. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。  私は質問の初めの頃でも申し上げましたように、きちっと想定をして、最悪の事態を想定しなくてはならないんだということです。そして、そのことが果たしてきちっとされているのかな。そしてもう一つは、私は、そういう事態を想定すれば、逆に言うと、この万が一のことがある、そして余りにも大きい影響があるということだと思います、原子力って。  さて最後質問になりますけれども、今日は原子力規制委員会の更田委員長にもお越しをいただいております。  昨年九月二十日に東電柏崎刈羽原発において、ある社員が他の社員のIDカードを不正に使用して中央制御室に入場するという重大な事件が発生しました。翌九月二十一日には東電が事案を把握し、原子力規制庁にも報告をしました。しかしながら、原子力規制委員会には報告をしなかったということが分かったわけです。  同時に、この間、原子力規制委員会では、東京電力が原発を運転することの適格性に係る保安規定を審査していた。このID不正使用事件発生後の九月二十三日の規制委員会の定例会合で、柏崎刈羽原発の保安規定を了承する方向が決定されたわけであります。方向が決定されたんです。審査の最終段階の流れの中で、このID不正使用事案の重要性は東電も規制庁も認識していたはずであります。規制委員会に報告しなかったことは到底納得できることではありません。  これについて、二月二十五日、予算委員会第七分科会、山田総括審議官は、原子力規制庁幹部では長官までは報告はされてございます、長官まではと答弁しました。  そして、二月十日の更田委員長は記者会見で、九月二十三日に片山次長まで報告が上がり、その後、二、三週間が空いているわけです、二、三週間で長官に報告を上げたということであります。  先ほど申し上げましたように、この九月二十三日は、柏崎刈羽原発の保安規定が承認される方向が決まった日である。しかし、そのときには長官には上がっていなかったわけであります。こうしたことは、どうなんでしょうか。大きな問題、隠蔽とさえ私は思うわけであります。  さて、このIDカード不正使用事案に関しては、二月十日の予算委員会で阿部知子議員が質問し、また、予算委員会第七分科会で菊田真紀子議員が取り上げています。それに対して更田委員長は、核物質防護規定に対して違反であると明確に答弁をされました。  では、原子炉等規制法のどの条文に対する違反なのか、お答えをいただきたいと思います。
  73. 更田豊志

    更田政府特別補佐人 お答えをいたします。  今回の事案は、原子炉等規制法第四十三条の三の二十七第二項において準用する第十二条の二第四項に対する違反であります。  具体的には、発電用原子炉設置者及びその従業者は、核物質防護規定を守らなければならないと定められているものでございます。
  74. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  そうすると、改めて確認でありますが、核物質防護規定、四十三条の三の二十七の二項と第十二条の二の四項ということでよろしいでしょうか。  ありがとうございます。  ということで、私は、今申し上げた原子力規制委員会、先般の委員会でも申し上げましたが、原子力規制委員設置法を、私も当時環境委員会で議論をさせていただいたところであります。原子力規制委員会の独立性をしっかりと保っていくということで、この委員会が設置をされたわけであります。  今明確に、この防護規定に違反をするということであったわけであります。そうすると、そうした防護規定違反に、今指摘をされた条項に違反をする、違反をしていた、そこに対して更田委員長の御認識はいかがでありましょうか。  先ほど申し上げました、次長には上がっていたけれども長官には上がっていなかったということであります。そのことに対してお答えをいただければと思います。
  75. 更田豊志

    更田政府特別補佐人 お答えをいたします。  本事案は、核物質防護規定に違反したものであるというふうに認識をしております。  現在把握しているところでは、事案の報告が東京電力からあって、比較的早い時間で次長まで報告が行っているようであります。その後、担当部門は検査に入っておりますので、その検査の結果を踏まえて長官に報告をしたようであります。そしてさらに、私のところへの報告は、その後四か月ですか、たっております。今回の事案については、速やかに報告を受けておくべきことだったというふうに考えております。  その後、東京電力につきましては核物質防護規定に関わる事案が続いておりますので、今後とも、検査等を通じてしっかりと問題を把握をして、厳正な規制に努めてまいりたいというふうに考えております。
  76. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  大きな問題で、私は本当に、そもそも、そうしたIDカードの不正使用があった、私は、東電にそうした原子力事業をしていく資格はないと思っています。そして、そのことをきちっとチェックをしていかなくちゃならない中でそういうことが起こったことは、大きな問題だというふうに思っています。  そのことを述べて、今日の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  77. 石原宏高

    石原委員長 次に、源馬謙太郎君。
  78. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 立憲民主党の源馬謙太郎でございます。  今日もよろしくお願いいたします。  今日の委員会でも度々、いろいろな委員先生方そして大臣からも御発言がありまして、まさにこれから環境が本当に大事な時代になってくるという御認識、政府もそうですが、我々委員も同じ認識を持っているのではないかと思います。  このコロナで人の移動についての意識も変わりまして、また生活様式も変わった、そういった状況の中で、今日はリニアについてまず取り上げさせていただきますが、このリニア中央新幹線についての、やはり人の、国民の意識とか、そういったものも変わってきているのではないかなというふうに思います。テレワークが普通にできるようになって、わざわざ速いスピードで移動する必要がないんじゃないかということであったりとか、あるいは、これを機会に自然を求めて移住するという人も増えて、環境や自然への意識も高まっているというふうに思います。  先日、新聞報道で、これは地元静岡新聞ですけれども、リニアについてのアンケートがありました。リニア中央新幹線が必要だと思うかという問いに対して、思わないが五〇・六%、今の時代に適さないというのが一一%、思うという人が僅か一〇%しかいませんでした。  そして、静岡県内で一番大きな問題になっている水の減少、これについて、今のままの水量でないと困るという人が五二・四%、代替水源を確保してくれるならいいかなという人が二九・三%。これは驚いたんですが、補償金を出してくれればいいという人は僅か〇・七%しかいなくて、本当に、お金の問題ではなくて、水資源や環境、そういったものにすごく関心が高いんだなということが改めて分かりました。  そこで、去年の十一月ぐらいの報道で、JR東海が、国立公園内の工事について環境省に許可申請をする方向で環境省調整中だということをJR東海側が明らかにされました。これから環境省環境への影響を評価して、大臣がそれを許可するかどうかというところになっていく、申請が出されれば、なっていくんだと思いますが、改めて小泉大臣、このリニア工事において、環境への影響の重みと、環境大臣がそれを許可するかどうかの重み、位置づけについてどう考えるか、御所見を伺いたいと思います。
  79. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、脱炭素という時代で、環境と経済が一つで同軸で位置づけられる時代において、環境を破壊しながらの経済というのはもう成り立たない時代だと思います。そういった中で、必要な環境大臣としての意見、それは今までこのリニアの関係についても述べているとおりであります。  また後ほど、その関係についての御質問もあるときに詳細はお答えできればと思いますが、今回、今後のことについては、そういったことが段階として出てきたときに、必要な対応がどうあるべきか、しっかりよく検討したいと思います。
  80. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ありがとうございます。  是非、ここは大事なところだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、これも、ちょっと古い報道なんですが、二〇一四年のときに、ちょっと確認させていただきたいんですが、新聞報道で、この環境影響評価について、環境アセスについて、環境省のコメントとして、これはあくまでも規制とかではなくて、開発をする事業者に自主的な配慮を促す手段なんだというコメントをされたという記事があったんですけれども、やはりこの認識はちょっと違うと思っております。  あくまでも、自主的な配慮を促すような手段のためではなくて、きちんと環境に与える影響を環境省が把握をして、それについて許可をするなり見直しを図るなり、そういったことがあるべきだというふうに思っておりますが、そういう認識でよろしいか、御確認させていただきたいと思います。
  81. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 アセスというのがそもそも何かというところにも通ずる議論だと思うんですが、よく、アセスは規制かそれとも手続かというところでいえば、これは、環境保全観点からよりよい事業が行われるようにする手続を定めた法律、これが環境影響評価法であります。  このことについての、じゃ、一般的な受け止めがどうなっているかというと、先生がおっしゃったように、これって、手続を示した法律なのかという理解よりも、アセスは、何かこう、止める権限だったり規制をしたり、こういったものがアセスなんだというふうに思われている方もかなりいる、その認識は私もあります。  省内でもいろいろな議論をしますけれども、改めて、この環境影響評価法、この中で手続をしっかり位置づける、この法律の中で大臣は必要な段階において必要な意見を述べる、そういった形でこの法律は成り立っております。
  82. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ありがとうございます。  まさしく、おっしゃっていただいたように、私もやはり、法律が手続かどうかということよりも、それによって行われる結果というか、それはやはり環境に大きく影響をするわけなので、多くの国民の皆さんも、それを環境省として、政府としてオーケーを出したかどうか、ゴーを出したかどうかというところにやはり関心が高いと思うので、そこの認識、改めて共有をさせていただきたいというふうに思います。  それから、今、環境省は、国交省が行っている専門家会議にオブザーバー参加をしておりまして、その議論の推移を見守っていらっしゃると思うんですが、最終的には、最後大臣が許可を出すかどうかの、申請が出て大臣が許可を出すかどうかに当たっては何を基に判断をされるのか。  このリニア中央新幹線静岡工区専門家会議での議論なり何らかのまとめなりを基に判断されるのか。それとも、環境省としてこの事業が環境に与える影響を調査をして、そして環境省としての見解を出すのか。それとも、静岡県もこれは別個専門家会議のようなものを行っておりまして、環境保全連絡会議というものをつくって調査をしております。この調査結果なども参考にされる予定はあるのか。その辺りについて、お伺いをしたいと思います。
  83. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まさにこれが多分、一般的に思われている環境アセス法に対するイメージと実態のギャップというのもあると思うんですが、そもそも環境大臣は許可をする立場にはありません。  今回のこのリニアに対しては、国交大臣環境大臣意見も考慮した上で許可をするかどうかを判断をする。そして我々環境省環境大臣としては、今回のリニアであればJR東海、JR東海という事業者に対して、我々として、例えば河川の流量とか、水生生物に対する影響、そして国立公園に対する影響、こういったものに対して我々が思う意見は述べる、そういったことになっていますので、そこを御理解いただきたいと思います。
  84. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ちょっと私の説明の仕方が不足していたと思うんですが、自然公園法によって、ちょっと前回も議論しましたが、環境大臣が許可を出すというところがありますよね、私はそのことについて申し上げたつもりでした。  今回この専門家会議で新たに明らかになった、地下水位が三百メートルか下がる可能性があるということですとか、それによって、JR東海側はそんなに影響ないんじゃないかと言っているけれども、専門家によっては、地下水位が下がれば表層の水位も下がる、沢がれが起こる可能性が高い、それによってヤマトイワナなどの希少生物が全滅する可能性もある、こういうことも言っているわけです。  それで、自然公園法によれば、河川の水量が下がったり、生態系に変化が出る場合は、大臣の許可が必要となっています。このときの判断をどうされるのか、専門家会議の結果を見て大臣が許可するかどうか判断されるのかというところをお伺いしたかったんです。済みません。
  85. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  先生が御指摘の自然公園法の目的は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることでございます。この目的を達成するため、同法に基づきまして、国立公園の風致景観に影響を与える工作物の新築や木竹の伐採などの行為を規制しているところでございます。  リニアの工事につきましては、仮に計画どおりであれば、工事を予定している南アルプス国立公園の特別地域において、トンネル掘削に係る工作物の新築等の申請が必要というふうに考えてございます。  工作物の新築につきましては、自然公園法の施行規則第十一条の規定に基づきまして、これはいろいろな許可の要件がいろいろ書いてあるんですけれども、それに基づきまして、地上の風致景観への影響を審査していくことになります。
  86. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 この自然公園法で、その自然の風致景観という中に、河川の水量とか湖沼の水量、こういうものが入っていて、あとは生物を捕獲したり損傷したりしてはいけないみたいなことも入っていたと思います。  事前にちょっとお伺いしたときに、これは、あくまでも故意である行為については規制の範囲にあるけれども、故意じゃなくて因果関係の結果にあるものはこの自然公園法では問えないという担当の方からのお話がありましたが、本当にそうなのかどうか、確認させていただきたいと思います。  例えば、今回の南アルプスの工事によって地下水位が三百メートル下がって、それによって表層の風致景観である沢がれが起きたり河川の流量が減ってしまったり、あるいは、それによって生物が全滅してしまったりする場合は、これは結果的には風致景観に影響すると思うんですが、これは対象外ということなのか、本当にそうなんでしょうか。それとも、前回の質疑のときは、こうしたものに影響があるなら何らかの対策をお願いしなくてはいけないという御答弁があったと思いますが、これは規制の、規制というか、この法律の範疇にあるという理解でよいか、改めてお伺いしたいと思います。
  87. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  昨年の十一月にも、私、御答弁をさせていただきましたけれども、今回のリニアの建設に伴って、地下に、国立公園の下、特別地域の下に工作物が通るのであれば、これは当然申請が必要になってくる行為でございます。  そのときの審査において、それに伴って、地表面への例えば植生だとか景観に影響を与えるということ、その蓋然性が非常に高いというようなことになりますれば、それは何らかの配慮なりを求めていくということに、手続の際の回答なりなんなりで、そういう配慮を求めていくことになると思います。
  88. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 改めて確認ですが、この工事をすることによって、事前に説明していただいたときは、この法律の趣旨というのは、例えば、故意に河川の水量を減らしたりする行為については規制されるが、何かやったことによって結果的に起こってしまうことはこの法律の範囲外だという御説明があったんですが、それは違うということでいいですね。  この工事をすることによって、結果的に、この工事でわざわざ大井川の水量をわざと減らそうとするわけじゃないけれども、地下工事によって結果的に水量が下がったり、結果的に生物が損傷というか減少してしまうような蓋然性が高い場合は、これはこの法律でしっかり規制されるということでよろしいですね。
  89. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 故意か故意でないかという話と、今回のリニアでは、掘ることによって地表面に影響が出るという可能性が非常に高い、蓋然性がすごく高いということが分かっていれば、それがあらかじめ分かっていれば、そこは何らかの配慮を求めていくということはあり得るんじゃないかと思います。  ただ、全くそういう意図がなかったということ、あらかじめそういうことも全く分かっていなかったということと今回の話というのと、一緒にはなかなかできないのではないかなと思います。
  90. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 その判断は何に基づいてされるんですか。それ、済みません、私、ちょっと言葉足らずで、大臣にそれを伺ったつもりだったんですが、その判断、結果的に地上の風致景観に影響を与える可能性が高いか低いかという判断は、どなたがされるんですか。環境省が独自に調査をするのか、この専門家会議の結果を受けて、そのまま受けて、その提言どおり判断するのか、それとも、静岡県がやっているような連絡会議調査結果なんかも、ちゃんとそれは検証した上で判断するのかどうか、伺いたいと思います。
  91. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  今、国交省の方でも有識者、専門家会議を開かれて、生態系への影響等も議論されるというふうに聞いてございます。そういう結果も非常に参考にしながら、私ども考えていきたいと思います。
  92. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 それはもちろん参考にしていただくんだと思いますが、それだけを基に判断するわけではないですよねということなんです。  静岡県も、今、連絡会議ということで生態系に与える影響なんかも調査をしています。そういったことも加味されるということでよろしいですか。
  93. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  現時点で、その国立公園の地下でどういう行為が行われるかという具体的なその規模だとか構造だとか、そういったものはまだ十分分かっていない段階でございますので、今の時点で、私どもが何を根拠に判断するかということについては、ちょっと言及を差し控えさせていただきたいと思います。
  94. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 何を基に判断するかは、やはりないといけないんじゃないでしょうか。  ファクトやエビデンスに基づいて判断をしていくことが大切だと思うんですが、それの根拠となるものは、一つは専門家会議調査結果もそうだと思いますよ。でも、それだけに任せているのであれば、環境省はもっと、オブザーバー参加ではなくて主体的に参加をしなくてはいけないと思いますし、あるいは、そうでなくて、例えば静岡県もやっているような連絡会議の結果もちゃんと見て、その判断、この工事が本当に地表の風致景観にも影響を与えるかどうかということを何に基づいて判断するかというのはやはりないといけないと思いますが、いかがでしょうか。
  95. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答えいたします。  もちろん判断するに当たっては根拠が必要になってございますので、先ほど申し上げましたような国交省の専門家会議だけではなくて、その時々のいろいろな情報をしっかり集めて判断していきたいと思います。
  96. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ありがとうございます。  専門家会議の結果だけではないということを確認させていただきましたので、是非正しい判断をしていただけたらと思います。  では次に、この専門家会議について少し伺っていきたいと思います。今日は、朝日政務官始め国交省にもおいでをいただいております。  まず、この有識者会議の位置づけですけれども、そもそもは、なかなかJR東海側と静岡県側で議論がかみ合わなかったことがあって、その調整役ということで、交通整理を行うということで国交省さんが専門家会議設置してくださったという認識をしております。そして、静岡県側からのお願いもあって、JR東海に指導をしてもらいたい、こういう立場であるというふうに理解をしておりますが、まず、その理解でよろしいかどうか、御確認させていただきたいと思います。
  97. 江口秀二

    江口政府参考人 お答え申し上げます。  今委員の御指摘のあったとおり、この大井川の水資源に関わります問題につきましては、JR東海とそれから静岡県との間の意見がかみ合わないということがございましたので、国土交通省の方で有識者会議を立ち上げるということを静岡県側に提案をいたしまして、昨年四月から有識者会議でもって議論を行っているところでございます。
  98. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ありがとうございます。  今御答弁いただいたとおり、有識者会議が立ち上がり、交通整理や指導を行っていくもの、そして会議は全面公開、議題は四十七項目。そして、先ほども申し上げました、国交省はJR東海側を指導する、そして委員の選定は中立公正、座長の中立性を条件、こういう条件を出してできたわけでございますが、その専門家会議の進め方にも、静岡県側から見るとちょっと不信感を持つようなところもあるということでございます。  例えば、今日お配りしている座長コメントというのがございます。これは去年の八月の第五回有識者会議の座長コメントですね。これの右側の一番上の黒ポツにあります。文の途中からですが、トンネル掘削による中下流域の地下水への影響は概括的には問題ないと言えるのではないかとの複数の意見があった、これを確かにするため点々々というふうにあります。  これは静岡県側からすると、この有識者会議では、この中下流域への地下水への影響が、問題ないという意見だけではなくて問題あるという意見もあったというふうに認識をしていて、これをそう書かずに、問題ないと言えるのではないかという複数の意見があったとだけ書くと、これは、やはり議論の方向性を、中立公正ではなく明らかに誘導している、問題ないという方に誘導しているというふうな受け止めをするわけですが、このことについて、国交省の御認識を伺いたいと思います。
  99. 朝日健太郎

    ○朝日大臣政務官 お答え申し上げます。  国土交通省が設けました有識者会議では、現在、水資源に関する論点で、トンネル湧水の全量の大井川表流水への戻し方及びトンネルによる大井川中下流域への地下水への影響について、科学的に議論を行わせていただいております。  御指摘の座長コメントにつきましては、令和二年七月の第四回有識者会議後の座長記者会見において、一部報道等が地元等に誤解を招くような事象が発生をいたしました。そのため、正確性を期すために、令和二年八月の第五回の有識者会議から、会議議論の内容について座長コメントを取りまとめ、公表をさせていただいております。  有識者会議の性質上、内容は極めて専門性が高いことから、平易な言葉で正確にお伝えをさせていただこうというふうに考えております。  座長コメントの内容につきましては、各委員から同意が得られており、我々国交省、事務局が恣意的に作成したものではございません。また、この座長コメントの取りまとめに関しましても、クローズドの場で委員各位が比較的自由闊達に意見の集約ができるように努めております。  いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、有識者会議において分かりやすく、かつ正確に御地元の皆様へお伝えできるように努めてまいりたいと考えております。
  100. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 もう少し深く議論したかったんですが、時間もなくなってきたので、ちょっと短めにコメントしますが、おっしゃるとおり、これは別に間違ったことを書いているわけではないと思うんですね。本当に複数の意見があったんだと思います。でも、書いてない事実もあったと思うんです。問題があると指摘した意見も複数あったんだと思います。それを書かないでこう書くと、事実かもしれないけれども、やはり議論の方向性は誘導されると思います。  さらに、恐らく、これは事務局、国交省が書かれているんだと思います。座長コメントを国交省が書くというのもどうかと思いますし、その後の記者会見も、座長は出ずに国交省が答えている。これでは、私は本来、この専門家会議が、JR側と、そしてそれを許可した国交省が専門家会議をつくっていって、このリニアを何とか進めようということがあっては、そう思われては駄目だからこそ、中立性って、より注意していただきたいというふうに思うので、今後の座長コメントの在り方や記者会見についても、是非座長に記者会見をしてもらって、国交省が説明しないでやっていただきたいというふうに思います。  それから、国交省にもう一個お伺いしたいんですが、このお配りした資料の裏側ですね、今リニア新幹線の工事の遅れている状況、ちょっと一覧を抜粋しました。  特に、下の四角に書いてある、相模原市での工事は十年かかると言われていて、去年の十月時点でも未着工で、今すぐ着工しても二〇三〇年になるのではないかということも言われていますが、何となく、やはりこのリニアに関しては、静岡が何か止めているから二七年に開通しないんじゃないかみたいな印象を与えている報道もちょっと見ますが、国交省の認識として、それはないというふうに言っていただきたいんですよ、静岡県が遅らせているわけじゃないと。実際、これは二七年に、静岡県もやっていたとしても二七年に間に合うという認識なのかどうか、伺いたいと思います。
  101. 朝日健太郎

    ○朝日大臣政務官 お答え申し上げます。  リニア中央新幹線におきましては、建設主体でありますJR東海において、品川―名古屋間の二百八十六キロにおいて、そのうち約八割の区間において工事契約が締結をされ、工事が進められているところです。  当該工事の実施に当たりましては、環境影響評価の手続の中で、平成二十六年の太田国土交通大臣から、環境保全への適切な配慮を求めるとともに、工事実施計画の認可の際には、地域の理解と協力の獲得、環境保全の措置、安全かつ確実な施工を大臣として指示したところでございまして、これが大原則だというふうに考えております。  南アルプストンネル静岡工区につきましては、JR東海と地元自治体の相互理解に資するために、国土交通省において、先ほど御説明しましたとおり、有識者会議を立ち上げまして議論を進めており、JR東海が地元の方々に安心していただけるように説明を尽くすことが必要であると考えております。  開業時期につきましては、事業主体のJR東海が決定するものであり、現在、JR東海としてこの目標を変更しているとは承知しておりませんし、国土交通省といたしましては、こうした努力を通じて地域の理解を得るよう、引き続き、JR東海をしっかり指導してまいりたいと考えております。
  102. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 国交省がどう認識をしているか、今のままでいって二七年に開通できると思われているのかどうか伺いたいので、もう一回確認させてください。
  103. 朝日健太郎

    ○朝日大臣政務官 繰り返しになりますけれども、開業時期につきましてはJR東海が決定するものだと考えておりますし、今のところ変更がないというふうに我々は認識をしておりますので、引き続き、JR東海をしっかりと指導してまいりたいと考えております。
  104. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 済みません、時間がなくなってしまいまして、ほかにもいろいろ伺いたいことがあったんですが、小泉大臣にサーキュラーエコノミーについて伺いたいと思います。  三月二日にラウンドテーブル会合があって、ここでも非常に積極的な御発言をされております。やはり、私、この大臣の御発言の中で、日本は資源生産性が高いことが強みであるけれども、弱みは循環経済の意識がまだ低いということだという御発言があって、まさにそうだなと思いました。  私も、説明を受けても、やはりスリーRと何が、どこが違うのかというのをちゃんと自分が腹に落としていろいろな人に説明できるかというと、まだまだそれができていないところもあります。  大臣に改めて、この循環型経済とはどういったものなのか、何を目指しているのか、そして、日本人がまだまだこれは意識が低いと認識されている理由は何なのか。済みません、併せて質問しちゃいますが、具体的に、これでオランダが、大臣もコメントされているとおり、二〇五〇年のカーボンニュートラル目標設定して、それと同時に、完全な循環経済を二〇五〇年に目標設定しているということがある中で、我が国としてはどのぐらいに、この循環経済、大臣が目指している循環経済を目指していくのか。そういった目標も含めて、サーキュラーエコノミーについて御答弁いただきたいと思います。
  105. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 サーキュラーエコノミーのラウンドテーブルを御覧いただいたみたいで、ありがとうございます。  このスリーRとサーキュラーエコノミーって何が違うのかというのを私なりに説明をすると、スリーRというのは、新たな材を投入することを最初から排除していませんよね。リデュースする、リユースする、そしてリサイクルをする。  しかし、サーキュラーエコノミーというのは、ごみが出ない、新たな材の投入をしない、こういったことがまず基本として考えて、よくループが閉じるというんですけれども、例えば、ペットボトルが再生されてもう一回ペットボトルに変わる、我々が着ている服も、ケミカルリサイクルとか様々な工程を経て服がもう一回服になる、そして、今トヨタがやっているような、国際的に車から車へのリサイクル、こういったプロジェクトによって車がもう一回車になる、そして、アップルなどのiPhoneも、これから、我々が使っているiPhoneやスマホが回収をされて、もう一回新たな製品として、新しい材料を投入しなくても新たな製品ができ上がる、これがサーキュラーエコノミーです。  ですので、スリーRというと、こういうふうに原則として、リデュース、リユース、リサイクルをやりましょうという原則ですけれども、サーキュラーエコノミーというのは、これから目指すべき大きな経済社会の在り方、これを目指していて、オランダなどは二〇五〇年までに完全にサーキュラーエコノミーにするということを国家目標で掲げています。  じゃ、日本はどうかというと、今回、国会で御審議をいただくプラスチック新法、これは、目指すところは、二〇五〇年までにプラスチックにおいては完全にサーキュラーエコノミーになるように仕込んでいく法律でもあります。  ですので、今後、例えばコンビニに行ったときに、今はレジ袋が有料化になりましたけれども、御飯を買ったとき、お弁当を買ったときに、フォークとかスプーンが使い捨てのプラスチックだったら、それは今後、もしかしたら有料になるかもしれないし、もしかしたら新たな材としてのものになるかもしれないし、こういった形で、世の中あまねく、プラスチックを使っている製品に対して、新たなプラスチックが投入されなくても成り立つような、そういった形を目指していくことから日本はまず始めたい。  しかし、サーキュラーエコノミー全体として、国全体が進めていく必要を感じていますので、今日新たに気候変動担当大臣にもなりましたので、これが、環境省だけがサーキュラーエコノミーを言っているのじゃなくて、経産省を含め政府全体としてこの動き推進していく加速が実現できるように働きかけたいと思っています。
  106. 源馬謙太郎

    ○源馬委員 ありがとうございました。  非常に大事なことだと思いますので、是非よろしくお願いします。  そのほかの参考人の方にもたくさん来ていただいたのに、質問が間に合わずに申し訳ございませんでした。  ありがとうございました。
  107. 石原宏高

    石原委員長 次に、江田康幸君。
  108. 江田康幸

    ○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。  本日は、小泉環境大臣所信表明に関連して私の方からも質問をさせていただきます。これまでの質問と重なる部分もあろうかとは思いますけれども、丁寧な回答をよろしくお願いを申し上げます。  まず、脱炭素社会実現について一連の質問をさせていただきますが、その中でも、最初には、中期目標の見直しについて小泉環境大臣にお伺いをさせていただきます。  昨年十月の総理カーボンニュートラル宣言を受けて、我が国の経済社会は脱炭素社会に向けて大きくかじを切りました。  臨時国会環境委員会の場においても、私、二〇五〇年実質排出ゼロを一貫して主張してきた我が公明党としては、総理の決断を高く評価するとともに、一方で、二〇三〇年中期目標の引上げをどのように検討していくのかについても質問をさせていただきました。  それに対して、政府から、二〇五〇年排出実質ゼロという新たな長期目標を踏まえて、引き続き議論を行っていくと回答がございましたが、二〇五〇年カーボンニュートラル実現する上においては、二〇三〇年の中期目標をどのようなものにするかが極めて重要であります。  その中期目標について、菅総理は、今国会の施政方針演説で、COP26までに、意欲的な二〇三〇年目標を表明し、世界の脱炭素化を前進させる、予算委員会で、二〇五〇年カーボンニュートラル目標と整合的なものになるようつくっていきたいと表明をされております。  現在、政府において鋭意検討を進めているところだと思いますけれども、カーボンニュートラル目標と整合的である以上、中期目標は現行の目標の二六%よりもかなり野心的な目標に見直すべきであると考えます。私個人としては四〇%を超すのではないかと思うわけでございますけれども、大臣においていかが検討されておりますでしょうか。
  109. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 総理が、予算委員会の場においても、二〇三〇年目標は二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的なものにしなければならない、それは当然だという答弁をされています。  私は、環境大臣そして気候変動担当大臣としても、政府内で、COP26までに一連の国際会合がありますから、総理日本として整合性のあるものをしっかりと国際社会に表明していただけるような、こういった環境をつくる必要を感じていますので、そういった思いの下に、関係省庁ともよく連携をして、しっかりと国際会議についての対応方針を決めていきたい、そして、総理に対しても、そういったものをつくり上げて、臨める形をつくっていけるように努力をしていきたいと思います。
  110. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございます。  今大臣の決意を伺ったわけでございますけれども、一方で、この温室効果ガス削減の二〇三〇年の中期目標は、その表裏一体関係にあるエネルギー基本計画エネルギーミックスについてもその見直しが求められるわけでございます。  温対計画と歩調を合わせて見直しが進められる必要があると考えておりますけれども、今日は経産省に来ていただいております。それらについてお聞きしたいんですが、私は、やはりここも野心的な数字に見直すべきだとずっと考えておりますけれども、いかがでしょうか。そして、その見直しのスケジュールについて、今分かっている限りでお伺いしたいと思います。
  111. 飯田祐二

    飯田政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきましたエネルギー基本計画につきましては、昨年から総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において検討を開始しておりまして、これまで六回議論しております。  当初は、菅総理が御表明された二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた電力分野、非電力分野の課題や対応の方向性を中心に議論を深めてまいりましたが、今後は、二〇五〇年を見据えた二〇三〇年の政策の在り方について議論を深めていく予定としております。  このエネルギー政策の議論の中で二〇三〇年のエネルギーミックスについても議論していくわけでございますけれども、総理の御指示や、先ほど小泉大臣からお話がありましたけれども、そうした御発言も踏まえつつ、審議会ではゼロベースでしっかり議論を進めていきたいと思っております。  タイミングでございますが、二〇三〇年に向けたエネルギー政策につきましては、集中的に議論を行って、COP26までには結論を出したいというふうに考えております。
  112. 江田康幸

    ○江田(康)委員 当然、このエネルギー基本計画エネルギーミックスについても野心的な数字になろうかと思っておりますので、しっかりと見直しの検討をやっておいていただきたい、そのように思います。  次に、この二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた施策について、お伺いをさせていただきます。  まず、グリーン成長戦略の目標について、これも経産省にお伺いをさせていただきますが、この二〇五〇年カーボンニュートラルをいかにして実現するかが大事なわけでありまして、政府は、その戦略として、二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を昨年十二月に策定をされました。そのグリーン成長戦略においては、二〇五〇年の電力需要は、産業、運輸、家庭部門の電化によって現状より三〇から五〇%増加することになりますが、この二〇五〇年の絵姿というのは、電力の五〇ないし六〇%を太陽光や洋上風力などの再生可能エネルギーで、そして一〇%程度を水素、アンモニア発電で、そして三〇から四〇%程度を原子力とCO2回収、利用前提の火力発電等で賄うことを目標参考値として示されております。  これらのシナリオについて、その基本的な考え方をお伺いしたい。そして、今後、エネルギー基本計画の改定に向けて、更なる検討をどのように深掘りしていかれるのかについてもお伺いをしたいと思います。
  113. 飯田祐二

    飯田政府参考人 お答え申し上げます。  今先生指摘ございました数値は、政府目標値として決めたものではございませんで、これは、審議会の中で、ヒアリング内容、委員からの議論を総合的に勘案して、今後議論を深めていくための一つの目安、選択肢としてお示ししたものでございます。  今後、シナリオ分析を行っていくわけでございますけれども、この水準も、導入するに当たっては様々な課題、制約があり、それをどのように乗り越えていくかということや、さらに、具体的にもお示ししておりますけれども、再エネが更に導入されるケースや、それから水素やアンモニア発電が更に導入されるケースもシナリオ分析で示しながら、目指すべき方向性を議論していくためにそうした数字を示したものでございますので、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けたエネルギー政策については、様々、いろいろな技術の不確実性等もあるわけでございますので、そうしたものも踏まえながら、具体的に実現できる道筋を明確にするために検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
  114. 江田康幸

    ○江田(康)委員 それでは、続いて、グリーン成長戦略の実行計画の中身についてお伺いをさせていただきます。  このグリーン成長戦略では、成長が期待される十四の分野ごとに実行計画を策定して、高い目標を掲げて、あらゆる政策を総動員することにしているわけであります。水素、洋上風力、またカーボンリサイクルや蓄電池など、脱炭素の鍵を握っている期待分野は幾つもあります。  二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては、地球温暖化への対応をコストではなく成長の機会と捉えることが重要なため、国として、可能な限り具体的な見通しを示して、民間企業が大胆な投資にチャレンジできる環境をつくっていくことが重要です。  脱炭素化に向けて鍵を握るそれぞれの分野で高い目標を設定して、二兆円の基金も活用して、予算、税制、規制改革、またESG金融等、あらゆる政策を総動員していくべきだと考えますが、政府の御見解をお伺いをいたします。
  115. 飯田祐二

    飯田政府参考人 お答え申し上げます。  まさに先生指摘いただいたとおりだと思っておりまして、二〇五〇年カーボンニュートラル実現は、これを目指すわけでございますけれども、簡単ではないと考えておりまして、エネルギー・産業部門の構造転換や、大胆な投資によるイノベーション創出といった取組を大胆に加速していくことが必要だと思っておりますが、この取組そのものがまさに我が国の成長戦略であると考えております。  まさに御指摘いただきましたとおり、投資を促していくためには、具体的な分野とそれから高い目標を掲げることで、民間企業が見通しを持ってイノベーションに挑戦しやすい環境ができると考えております。  例えば水素の分野を申し上げますけれども、供給コストを、二〇三〇年には現在の水素販売価格の三分の一以下、立米当たり三十円、二〇五〇年にはこれを二十円以下に下げて、化石燃料に対して十分な競争力を有する水準を目標として掲げ、導入量につきましても、二〇三〇年には最大三百万トン、それから二〇五〇年には二千万トン程度導入ということで、高い目標、ただし明確に示すことで民間企業投資しやすくして、この分野の成長を促していくということが大事だと思っております。  こういう取組を後押ししていくために、まさに御指摘いただきましたけれども、過去に例がない二兆円の基金の活用ですとか、税制、規制改革・標準化、国際連携など、あらゆる政策を官民連携して総動員していくことが大変重要だというふうに思っております。
  116. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  それでは、小泉大臣の方にまた質問をさせていただきたいと思うんですが、環境省にとって、地域の脱炭素化を進めるということが大変重要でございます。この点について質問をさせていただきます。  カーボンニュートラル実現のためには、これまでに経済産業省からの御説明のあった革新的技術、今、様々ございましたけれども、それを開発する取組にとどまらず、今ある適用可能な最新技術を順次社会に実装してカーボンニュートラル実現していく、そういう地域を次々とつくり出していくということが大事だということは、小泉大臣も主張されているとおりでございます。  昨年十二月から国・地方炭素実現会議を開催して、環境省が中心になって、新たな地域の創造など、経済社会の変革に向けた取組を進められていると承知しておりますが、この国・地方炭素実現会議では、今後どのように議論を進め、どのような政策を打ち出していかれるか、お伺いをいたします。  特に地方では、人口減少、高齢化、また地域経済の衰退、そして災害対応など様々な課題を抱えているのが地方でございますが、こうした地方の課題解決とこのカーボンニュートラル取組が密接に結びつかなければ、これは実現し得ないわけでありまして、それをどのように結びつけていくおつもりか、大臣の見解をお伺いをいたします。
  117. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 江田先生の言う、地域課題と脱炭素が結びつく、こうじゃなければ大きな展開は望めないというのは、全くそのとおりだと思います。  やはり環境のことだけ、脱炭素のことだけを考えて取り組んでいただける人は、私はまだ少数だと思いますので、地域の課題解決とそして経済的なメリット、こういったことを感じていただけないと駄目だなと。  そのためにも、やはり環境省だけではなくて、経産省を含めて各省との連携が大事です。経産省にも連携をいただいて、再エネのより促進しやすいような地域との関わり方、そして国交省とも連携をして、電気自動車を含めた普及、そして防災対応、また農水省とも連携をして、食品ロスの対策や、例えば農地の再エネのより有効利用を進めること、とにかく関係省庁との連携が非常に重要になりますので、その場でしっかり連携策が生まれるように、私としては思いを持っていきたいと思います。  その結果、やはりエネルギー政策だけの展開ではカーボンニュートラルは描けません。先ほど源馬先生から御質問いただいたサーキュラーエコノミーも、サーキュラーエコノミーなくしてカーボンニュートラルはなしだと私は思っていますから、こういった様々な、エネルギーだけではない、食料システムから我々のライフスタイルから住宅政策から、また交通政策含めて、全てのところにおいての大きな転換が必要だということが自治体も含めて様々なプレーヤーに共有されるような場にもしていきたいと思うので、自治体の皆さんにもメンバーに入っていただいています。  五年間で一つでも多く、そして十年間を見越して脱炭素の先行地域をつくって、そこから脱炭素ドミノが展開をされていく、こういった展開を見据えて、まずは四月、来月に二回目の会議を開催する予定ですので、そこで地域の脱炭素ロードマップの素案、こういったものも示していく準備を進めています。
  118. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  大臣の御答弁にありますように、地域の脱炭素化、そこまで具体的に強力に進めていくためには、地域の課題と密接に結びついて、そして課題解決型であり、そういう形でカーボンニュートラル取組が進むものと私も思いますので、具体的な取組は今大臣が申されたとおりでございますので、強力に進めていただきたいと思います。  カーボンプライシングについてもお聞きをさせていただきます。  昨年末、総理から、環境大臣、経済産業大臣が連携して成長戦略に資するカーボンプライシングの検討を進めるようにとの指示があり、今年に入って両省で検討が再開されたところです。環境省はカーボンプライシングの活用に関する小委員会、経産省は世界全体でのカーボンニュートラル実現のための経済的手法のあり方に関する研究会を開催して、これまでそれぞれ二回開催したと聞いております。  環境省の小委員会は、二〇一九年八月には議論の中間的な整理を取りまとめられました。一定の議論の積み重ねがあると思っております。一方、経産省がカーボンプライシングを議論する研究会を立ち上げて、両省連携して検討していくとなったことは大きな変化だと思います。  昨年末、総理指示の下でカーボンプライシングの導入に向けた検討が再開されましたけれども、今なぜこのタイミングで政府を挙げて検討を行っていくこととしたか、また、これまでの検討との違いは何か、大臣にお伺いをさせていただきます。
  119. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今なぜこのタイミングでカーボンプライシングの検討かという問いに対しては、今でも、もっと早く議論がこのような形でできればよかったと思っています。  私は安倍政権の下で環境大臣としてはキャリアをスタートさせましたが、安倍政権下で私が取り組んだのは石炭政策の見直しでした。そして、総理菅総理になって直後にカーボンニュートラル宣言があり、これは、石炭政策の見直し抜きにカーボンニュートラル宣言はできなかったと私は思っています。そして、十二月のカーボンプライシングの総理からの環境省、経産省に対する指示は、カーボンニュートラル宣言がなくてはこの指示は下りなかったと思います。ですので、私が所信で、石炭、カーボンニュートラル、カーボンプライシング、三つのCに風穴が空いたのが去年一年だと申し上げたのは、全てはつながっていることだと考えているからです。  こういった中で、カーボンニュートラル実現には、カーボンプライシングという、今までの経済の中になかなか明確に位置づけられなかった、炭素排出に値段をつける、価格をつけるという、この新たなルールのイノベーションを実装しなくては、私は、再エネも、そして水素社会も、カーボンプライシング抜きには実現をしないと思っています。  ただ、その実現方策について、まさに今日申し上げたとおり、目的ではないので、これは、日本の持続的な繁栄の方に貢献できる政策的な手法である、そういった考え方でやっていますから、経産省ともよく連携をしながら、様々な手法を活用しながらの、ポリシーミックスというふうに言いますけれども、こういった考え方の下でしっかりと進めていって、今年をカーボンプライシングにおいて前進を見た、こういう一年にすべく、経産省としっかり、梶山大臣とも日頃からの連携を密にして進めていければと思っています。
  120. 江田康幸

    ○江田(康)委員 大臣、ありがとうございました。  カーボンニュートラル実現に向けては、やはりカーボンプライシング等の議論が必要不可欠であろうかと私はもう確信しております。やはり、その早期導入に向けて、実質的な議論が進んでいきますことを大きく期待をいたします。  デジタルの脱炭素化についてもお伺いをさせていただきます。  菅総理は、昨年秋の所信表明演説で、また今国会の施政方針演説でグリーン社会実現を大きく掲げられたわけです。また、グリーン社会と並んでデジタル社会実現も掲げておられます。  このデジタル化はグリーン化と並ぶ今後の経済社会づくりの柱となるわけですが、デジタル化は、電力の需要や供給をAIを使って予測したり、また、分散化した再生可能エネルギー発電設備や蓄電池などを遠隔で制御することにより、脱炭素社会の構築に大きく貢献することと期待をされます。  その一方で、デジタル化を進める上で不可欠な大量のOA機器やデータを保管、処理するサーバーは膨大なエネルギーを消費することから、デジタル化は温暖化対策観点からはマイナス面もあると予想されております。  環境省は、多量のCO2を排出するデジタル機器やデータセンターの脱炭素化対策の柱の一つに据えておられますが、その意義、必要性についてお伺いをいたします。
  121. 宮崎勝

    ○宮崎大臣政務官 お答えいたします。  御指摘のように、国内の総電力消費量に占めるデジタル分野の電力消費量は、二〇一七年時点で約四%という推計がございます。  今後、AI、IoT、5G等の進展により、ICTの活用が加速化する見込みでございます。これにより、人や物の流れの最適化が進むことなどを通じて、省エネ、省CO2化につながることと考えております。  その一方で、デジタル分野の電力消費量は、今後急速に増えることが懸念されており、省エネ対策がなされなければ、二〇三〇年には現在の総電力消費量の約一・五倍の電力がデジタル分野で消費されるといった推計もございます。  さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでのライフスタイルが大きく変化し、例えば、テレワーク等の普及により自動車や航空といった分野の活動量が減少し、代わりにデジタル分野の電力消費が一層増加していく可能性もございます。  このような状況を踏まえると、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けて、デジタル分野の脱炭素化は重要と考えております。  環境省といたしましては、データセンターについて、省エネ活用等によるゼロエミッション化、レジリエンス強化に向けた取組の支援、超高効率な次世代パワー半導体である窒化ガリウムを多種多様な電気機器に社会実装することの支援などを通じて、デジタル分野の脱炭素化を進めてまいりたいと考えております。
  122. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  次に、残った時間で国際連携についてもお伺いをさせていただきます。  バイデン政権との連携について、小泉大臣にお伺いをさせていただきます。  カーボンニュートラルをめぐる世界全体の動きについては、今や我が国を含む世界百二十か国以上が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言しているわけで、世界全体が脱炭素にかじを切ったと言えると思います。  中国に次ぐ世界第二位の排出国であるアメリカも、トランプ政権でパリ協定から離脱しておりましたけれども、バイデン大統領が就任初日にパリ協定復帰の署名を行って、二月十九日に復帰を果たした。そして、この気候危機アメリカの外交政策、国家安全保障の中核に据えて、四月二十二日の首脳級の気候変動対策サミットの開催、またサミット前の野心的なNDCの提出などなど、様々な対応を表明をしております。  この気候変動問題に積極的なバイデン政権と具体的にどのように連携を進めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
  123. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、アメリカ世界第二位の排出国でありますから、アメリカパリ協定に対する積極的な関与、そして政策についての強化、これは不可欠な要素だと思っていますので、今回パリ協定復帰に対する思いというのは、もちろん歓迎すべきことではあります。  私も、日米同盟も重要ですし、日米関係という最重要な二国間の関係も踏まえて、今回、アメリカでは、新しいポストが二名、新設をされています。ジョン・ケリー気候変動特使、そしてジーナ・マッカーシー大統領補佐官、この二名とは就任直後から会談を重ねて、そして、今後重要なのは、COP26というのが、今年の年末に向けては大きな国際会合がありますが、やはり四月、このアメリカのサミットです。その後には、G7、G20、COP26と続きますので、まさに今年一年の気候変動外交を占うような、そういったものとして、日本としてもしっかりと準備を進め、政府内の調整をする。  こういった意味でも、今日から気候変動担当大臣としての新たな職責も担うことになりますが、政府内、しっかりと調整を進めて、四月のサミット、そしてその後のCOP26まで、一連の国際会合に向けた調整をしっかりと努力していきたいと思います。
  124. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございました。  小泉大臣気候変動担当大臣、大変頼もしく思います。頑張っていただきたいと思います。  最後に、COP26に向けての戦略について、引き続き、よければ、大臣の方にお伺いをしたいわけでございます。  国際的な気候変動対策議論において、おっしゃったように、四月二十二日の気候変動サミットが重要なイベントには今後なってくるわけでありますけれども、G7またG20のサミットなどでも気候変動がその主要議題となることは見込まれます。しかし、本年最も重要なイベントは、やはり十一月のイギリス・グラスゴーでのCOP26と言えると思います。先ほども大臣からもございました。  昨年開催されるはずが一年延期となったわけでありますが、我が国を始め多くの国のカーボンニュートラル宣言、アメリカパリ協定復帰などもあり、世界の期待は高まっております。  各国の野心の向上、また排出削減目標の引上げが主要な論点になろうかと思いますが、このCOP26に向けて、我が国がリーダーシップを発揮していくために、大臣、どのような戦略で臨んでいかれるか、最後に一言お伺いをいたします。
  125. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 COP26に向けても、やはり、四月のアメリカのサミット、その後の会合の日本の臨み方というのは非常に重要だと思います。  特に、先ほどアメリカに触れましたが、やはり、イギリスも重要です。COP26の議長国に加え、G7の議長国でもあります。そして、様々な分野において、各国の政策というのは日本からすればかなり次元の違うものへと動いてきていて、イギリスなどは、例えば中央銀行が気候変動を責務に加えたり、若しくは個人向けの国債でグリーンボンドを発行する、こういったファイナンスの分野においての気候変動の取組。  これは、前中央銀行総裁、イギリスのカーニー氏がTCFDを相当国際的には盛り上げたように、こういった分野についても幅広い国際的な動きに対するアンテナを上げておかなければ、よくこの分野は、私もCOP25のときに様々国際社会と国内のギャップを感じましたが、国内でのコミュニケーションは国際的には通用しない部分が様々な面でありますので。先ほどのサーキュラーエコノミーからすれば、国内ではスリーRかもしれないけれども、海外に行ったらもうサーキュラーエコノミーですから。海外でスリーRを語っても、今はみんなサーキュラーエコノミーですから。  こういったことも含めて、国際的な動きをよく注視をして、カーボンプライシングについても、国境調整措置の動きEUアメリカ、様々な動きがあります。幅広く関係省庁と連携をして、最善な形で、胸を張って臨めるように準備を進めていきたいと思います。
  126. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございます。  大臣COP26へ向けての決意を伺わせていただきました。  私も、今日、もう一つの大きな課題であるサーキュラーエコノミーの質問をする予定でございましたけれども、これは次回に回させていただきまして、本日はこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  127. 石原宏高

    石原委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時六分休憩      ――――◇―――――     午後三時十八分開議
  128. 石原宏高

    石原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。串田誠一君。
  129. 串田誠一

    串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。  小泉環境大臣におかれましては、動物愛護、その点に関して大変前進的な発言を毎回していただきまして、感謝いたしております。  そういう意味からして、今年は、昨年からですけれども、元農水大臣の問題もあって、アニマルウェルフェアという言葉がかなり国民においても周知されておりますし、今年におかれましては、環境省の動物愛護管理法改正に伴う数値規制がいよいよ六月から施行されるわけでございまして、この件に関しては国民が多くの関心を寄せ、環境省におきましても十万通以上のはがきが届いているというような話もありました。  そういう意味合いからしますと、今回、所信への質問でございますが、この点に関しての記載が一切ないということに対して、私、大変不満でございます。小泉環境大臣、どうして、この所信に関して、環境省、この動物愛護、これについての記載を入れていただけなかったのか、質問させてください。
  130. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 串田先生に取っておきました。必ず串田先生が動物愛護の御質問をされるというのも、毎回継続的に取り組まれている課題でありますし、私も、動物愛護、飼養管理基準の決定に際しては、牧原先生含めて、与野党の皆さんから大変な御尽力、サポートをいただきました。  今回、所信の中で環境省が所管をする全てについて触れますと、余りに総花的で、一体何に力を入れているのかが分からない、こういった所信になることもやはり避けたいなという思いがありました。  ただ、触れなかったことが、重要な課題として認識していないというわけではもちろんありませんので、今日先生から御質問をいただく機会とかを通じて、その思いを、重要性を、環境省取組を、広く多くの方に知っていただけるように努力したいと思います。重要な課題であります。
  131. 串田誠一

    串田委員 うまく返されてしまったなという気がいたしますが、ただ、これは、小泉環境大臣という、責任ということではなくて、日本の畜産動物福祉の評価というのが、これはいろいろ、評価機関という問題もあるんでしょうけれども、WAP、世界動物保護協会という大変地位の高い保護協会から、ランクづけとしては最下位、A、B、C、D、E、F、GのGという評価を受けているわけでございます。そういう意味で、私はやはり、環境省としての役割というのは非常に重要なのではないだろうかというふうに思っているわけです。  どうしてかといいますと、私のところに、大臣のところにも来ていると思うんですが、動物園のこととか展示動物のいろいろ、相談というか、こういう問題を何とかしてくれというのはたくさん来ていると思うんですね。最近ではホッキョクグマのことも来たばかりなんですが、あとは象とかいろいろなのが出ているんですけれども、動物園に改善を求められるか。  動物園というのはお客さんがたくさん来てほしいわけですよ。お客さんがたくさん来てほしい動物園というのはどういう動物園かというと、行けば必ず近くに動物がいる、いつも動物を見られる、間近に見られるというのが魅力的な動物園なわけですね。ずっと奥の方で見えたり見えなかったりする動物園というのは人気がないわけですよ、行っても動物が見られないですから。  だけれども、動物からしてみれば、人間が行けば必ず動物がいるということは、いつも動物が人間のところにいるだけの距離しかない、非常に狭いところでしか動物は行動できないということをこれは意味するわけです。ですから、世界からも、これはアニマルウェルフェアから問題じゃないかと指摘されている動物園も多くあるわけです。そういう意味で、動物園にその改善を求めることができるかというと、これはなかなか難しい。  これは畜産動物も同じですよね。狭いところでたくさんの動物を飼養していた方が効率がいい。そして人件費も少なくて済む。ですから、畜産関係も、そのままにしておけば効率化が優先されていってしまうのではないか。  そこをしっかりと、耳が痛いかもしれないけれども、環境省がアニマルウェルフェアを進めていって、それは問題なんだということを指摘するということが私は必要なのではないだろうかと思いますし、言われて初めて、農水関係も厚労関係もと畜場法もアニマルウェルフェアは何も書かれていません、食鳥処理上も何も書かれていない。環境省に言われて法律にそれを盛り込むということが私はできるんじゃないかと。  最下位になっているということに関して、環境省はもっと責任を感じていただかなければいけないんじゃないかというふうに思っているんですが、小泉環境大臣の意識をお聞かせいただきたいと思います。
  132. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 動物園に限らず、アニマルウェルフェア全体に対する環境省の役割という御質問だと思いますが。  まず、動物園については、私も実際に子供を持って、改めて動物園という存在も身近にもなって考えたときに、重要な役割があるなと。動物を通じて、自然と、そして生物多様性との関わり、そして動物愛護の精神を育む、命を大切にする、これを身近に、日頃なかなか見ることができない、そういった動物と接することができる、その機会は大事だと思いつつも、大臣として動物愛護の行政を担っている立場からすると、そこで飼養されている動物が適正な管理の下に動物園でしっかりと飼育されているか、こういったことについては多くの課題も感じるところであります。  そして、今回、動物園などを始めとする動物の展示については、今後、意義と課題を整理するとともに、動物を大切に思う気持ちを育てることと、動物の健康、安全の確保の双方の観点から、動物の取扱いに関する基本的な考え方を整理、検討することとしています。  今般の動物愛護管理法の改正などを踏まえて、来月、四月をめどに動物愛護管理基本指針の改正を予定をしていますが、この方針を明示する予定であります。  こういったことも含めて、アニマルウェルフェア、最近、今まで以上に関心が高まっていると思います。こういった関心が高まっている消費者、生活者の皆さんが、結果として、アニマルウェルフェアにのっとった商品や食品、そういったものをより積極的に選んでいただけるような社会につなげることが、私は結果として日本の経済社会も前向きな方向に向かうと思いますので、環境省としても、各省との連携も、また団体との連携もしっかりとつないでいきたいと思います。
  133. 串田誠一

    串田委員 展示動物に限らず、実験動物も大変悲惨な状況に置かれているのは事実でありまして、必要な実験というのもあるでしょうけれども、実験動物という名の下に、非常にそういう意味で検証のない中で行われているというのが事実ではないだろうかと思います。  例えば、目の刺激を調査するために、ウサギが体を動かせないような形にして、顔だけがずっとウサギが何十頭も並んでいるところで目に刺激のあるものを打ち続けてもがき苦しんでいるような状況というようなものも指摘されたりしているわけですし、アレルギー検査などは本当に悲惨な状況であります。  そういう意味で、化粧品会社などもかなり改善されていると思うんですけれども、もっと改善できないだろうか、そういう圧力というのがあることによって、この実験は本当に必要なんだろうか、もっと別の実験ができるんだろうか、そういう意識づけもあるのではないだろうか。それをやはり指摘していけるのは私は環境省なんじゃないかなというふうに思っておりますので、実験動物、展示動物、共に進めていただきたいというふうに思っているわけでございます。  一つ、ずっと今日午前中から聞いておりますけれども、地球温暖化カーボンニュートラル、カーボンプライシングとありますが、地球温暖化というのはCO2を排出するだけではなくて、CO2を吸収しなければならないという森林の問題もあります。その意味では、畜産関係というのは、今、飼料が、海外から輸入されている飼料がすごく多いわけですね。  今、食品ロスもある。そういう意味で、飼料を作るために森林がどんどん伐採されている、それに対して日本が加担しているんじゃないかという世界的な批判があるというようなことを大臣として認識をされていらっしゃるでしょうか。
  134. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、先ほど私が答弁で、動物愛護管理法の改正などを踏まえて基本指針の改正を予定しているというふうに申し上げましたが、既に改正済みということで、訂正をさせていただきます。  また、今、畜産業と気候変動の関係がありましたが、やはりこれも世界的には注目をされているところでもありますし、日本の中で農業全体の排出の割合というのは、日本は本当に数%で少ないんですが、その農業の分野の排出の中での四割は畜産であります。  この畜産の分野においては、先生が御指摘のとおり、特に餌、コーンなどの濃厚飼料と言われる、ああいったものについては海外に依存している部分が大きいですので、今後、食の地産地消、カーボンフットプリント、フードマイレージとかも含めて、できる限り、食やエネルギー、あらゆるものが地産地消の方向に向けてシフトをされていく、これが結果としてサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラル、こういった方向の整合性をつけると思いますので、我々としては、そういった方向にいかにシフトを前向きに進めていけるか、そういった観点から農水省などとも連携や協力を深めていくことが大事だと考えています。
  135. 串田誠一

    串田委員 次に、まさに今年、数値規制というのが六月に施行されるわけでございます。それに関しては、本当に小泉環境大臣あるいは管理室等を含めまして、いろいろな圧力なりいろいろな意見がある中で、本当に数値規制が今までなかったのが実現できたということに対しては、大変私としては感謝しておりますし、その努力というのは大変だったんだろうなというふうに思っております。  その上で、あえて一つ問題を指摘させていただきたいのは、すごくたくさん私のところにも舞い込んできておりますし、環境大臣のところにも行っていると思うんですが、この数値規制の中の帝王切開という部分がございます。  なぜこの問題を取り上げたかというと、現在、総務省だとかあるいは農水省だとかで、いろいろな、行政がゆがめられているのではないかという指摘がある中で、この帝王切開に関して、第六回動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会で添付されている、繁殖に係る専門家ヒアリング結果、ここに二人の学者が意見を述べられている。その一人の学者、名前は言いませんけれども、帝王切開は、制限するかどうかは感情の問題であって、犬は子宮の構造が丈夫な動物であり、帝王切開に耐えられるという意見を申し上げている。もう一人は、これは人間と同じようにすべきではないだろうか、何度も帝王切開すると癒着の可能性が高くなる、なので臨床獣医師の意見を聞いてみるべきだという二つ意見があるんですね。  ところが、ずっと議連でも環境省の方に来ていただいたんですけれども、前者の、帝王切開は何度やっても問題がないんだという発言ばかりされて、結局は帝王切開の回数制限が入らなかった。  ところが、この前者の学者、この方は全国ブリーダー協会の名誉会長をやっていて、ブリーダーの皆さん、頑張りましょうというようなことを、今でもインターネットで検索すると出てくるわけですよね。  そうすると、その方を僕は責めるつもりはないんですよ、その方にヒアリングしたのは環境省なわけですから。どうして、こういう対立するような問題の中で、環境省はブリーダーの名誉会長をあえて選んでこのようなヒアリング結果を出し、そして、二つの違った意見があるにもかかわらず片方の意見だけを採用したのか。  それは、私は、動物関係に関して心配されている方々みんな思っている疑問だと思いますので、答えていただきたいと思います。
  136. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 お答え申し上げます。  今回の検討会では、お二人の専門家の先生からヒアリングをさせていただいているわけですけれども、双方の御意見参考にしたものであり、一方の意見だけを採用したということではございません。  例えば、繁殖に関する基準について、今議員の御指摘のあった先生からも、犬については八か月の発情サイクルの個体で一回置きに休ませると生涯の出産は六回から七回ほどになるといった御指摘参考にして、この基準の案を作ったところでございます。  いずれにいたしましても、飼養管理基準は、専門家のヒアリング結果を踏まえまして、有識者の検討会、動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会というのが正式名称でございますけれども、ここでお取りまとめをいただき、さらに、中央環境審議会でも御審議いただいた上で答申を得たものであるため、どなたかの個人的な意見を採用したということではなく、動物の健康や安全を確保するという動物愛護の趣旨にのっとって検討を重ねたものでございます。
  137. 串田誠一

    串田委員 本当に正しいかどうかはともかくとして、この二人のヒアリングのうちの一人が全国ブリーダー協会の名誉会長であることを承知しながらこの方を選んだというのは事実なんですか。
  138. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 私の記憶では、その方が名誉会長になられる前にこのヒアリングになったのではないかなと思っております。
  139. 串田誠一

    串田委員 そうすると、今確認すると、全国ブリーダー協会の名誉会長であることを知らなかったということでいいですか。そういうふうにはっきり断言されていいですか。
  140. 鳥居敏男

    鳥居政府参考人 今ちょっと時系列の資料がございませんので、明確にお答えすることができません。申し訳ございません。
  141. 串田誠一

    串田委員 これは通告でも、名誉会長であるということを書いて通告させていただいたんですけれども。  ネットで見ると、この検討会が行われているときには、インターネットに、ブリーダーの皆さん、頑張りましょうとホームページに載っているじゃないですか。そういう過程の中でこのヒアリングが出されていることは、誰でもすぐ検索できるわけですよね。  私は、こういうようなことをすると、やはり、正しい結果があったとしても、それは疑問を持つ国民がいるだろうし、動物を愛そう、愛しているということに関して、何度やっても問題ないんだという発言を議連で言われたら、これは納得できないですよ。  例えば、公益社団法人の日本産科婦人科学会。何度も帝王切開をした人ほど癒着胎盤を起こしやすくなります、帝王切開の回数が多くなればなるほど前置癒着胎盤が起きやすい、なので、産婦人科医としては、このようなこともあって、前置胎盤でない普通のお産の場合、できる限り帝王切開は避けたいと願い、努力しているわけですというのが日本産科婦人科学会で書いてあるわけです。  もう一人のヒアリングの学者は、人間と一緒じゃないか、そして獣医師に聞いてみるべきだと言っているわけですよ。私のところにはそういう意味でたくさんのメールが来て、獣医師に聞きました。口をそろえて帝王切開は回数を重ねればリスクが高くなる、二度、三度が限界じゃないかというような意見もたくさんいただいている中で、何で何度やっても問題ないんだという発言をされるのか、大変不思議でならないんですが、小泉環境大臣も同じような声を聞いていると思うんですが、いかがですか。
  142. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私としても、飼養管理基準の特に帝王切開、これについては、様々な意見に接する中で悩んだことも事実です。そして、規制をした方がいいのではないかな、それはどういう在り方がいいのかなというふうにも考えましたが、今、環境省は帝王切開の規制をしない方針だというふうに誤解をされることは、全く違うということは申し上げたいと思います。  新たな飼養管理基準では、獣医師以外による帝王切開を明確に禁止をしています。さらに、今後の繁殖などに関する獣医師の診断を義務づけることで、不適切な帝王切開を防ぎ、個体の状況に合わせた適切な対応が行われることを担保するものです。もし診断書の偽造などの不正行為を行う悪質な獣医師がいれば、これは獣医師法に基づいて免許取消しの対象にもなります。  このように、上限がないから何度でも帝王切開していいんだと言っているわけでは全くありません。例えば、一度しか帝王切開を行っていないとしても、獣医師の診断によって、次回以降の繁殖を禁止することができる基準となっており、一律に回数を定めるよりも、個体ごとの繁殖特性や健康状態により配慮した基準であると考えています。  ただ、この帝王切開、いろいろな議論が起きているのは分かっています。私も悩んだのは、この帝王切開の回数を決めるに当たっては、私たち日本が、この日本の中で、犬や猫の品種の在り方についてどう考え、どう決断していくのかという国民的な大きなテーマにつながるような課題ではないかという認識があるんです。  例えばどういうことかというと、ブルドッグなど頭の大きいそういう犬種は、安全に産ませるためにほとんど一〇〇%帝王切開で生まれているんです。これは多くの国民の方、知っているかというと、なかなか知らないと思います。そして、ブルドッグに限らず、フレンチブルドッグ、パグ、ボストンテリアなども帝王切開で産ませる場合が多いとされますが、これも余り国民の方にはまだ知られていないのではないかなと。  ですので、何回なら大丈夫、何回なら影響が大きいといった知見がまだない中で、帝王切開の回数を一律に規制するという考えを突き詰めていけば、日本ではブルドッグという犬は飼うべきではない、こういう話にもつながりかねない、国民的な議論を必要とするような課題ではないかなというふうに考えています。  さらに、アニマルウェルフェアの観点を徹底していくと、帝王切開に限らず、人の手によって生み出された様々な品種そのものの在り方、例えば、腰のヘルニアになりやすいダックスフンドはいいのか、先天的に水頭症のリスクがあるチワワは問題ないのか、そして耳の軟骨異常があるスコティッシュフォールドは許されるのかといった議論が出てくると思います。これらについても、客観的な事実と国民的な議論の両方が伴って初めてその方向性を定めることができる課題ではないのかなと思いますし、仮に、その国民的な議論を踏まえた上で、もうそういった犬種は日本の中では認めないという、禁止だと、こういったことが国民の皆さんの判断であれば、私はそれもあると思います。  ただ、いずれにしても、飼養管理基準を決めるに当たって、様々、科学的な根拠にも基づいてどうあるべきかということを考え、私も悩んだ上で、これは、今後、環境省として、今言ったような課題を国民的な議論の形で検討する場が必要ではないかなと思いますので、串田先生の問題意識を否定するのではなくて、それぐらい大きな国民的な議論を呼ぶものだという認識の下に、環境省は今後こういったテーマ議論していく必要性を感じています。御理解をいただければうれしいです。
  143. 串田誠一

    串田委員 今、大変大事な犬種の問題とか猫の問題とかも取り上げていただきました。こういう議論をしていくということがやはり必要なんだろうなというふうには思っているんですけれども、個々の帝王切開の危険性というのは、確かにそれは確認するにしても、だからこそ上限を決めてもいいんじゃないか。議連は三回という、イギリスも二回まで。  要するに、回数が多いというのは計画的なんですよ。緊急避難的な帝王切開というのは必要だと思いますけれども、そうやって産み続けさせるということで、今、この数値規制が成立すれば六回まではできるわけですよね。年齢的には七歳ということになるだろうけれども、ずっと、おなかを切られてケージに入れられ、おなかを切られてケージに入れられ、そして、引退するときには六歳、七歳ですよ。もうその頃というのは普通、犬だと老犬と言われていますよね。十四歳ぐらいしか生きられない中で、若くてずっと遊びたいときに、おなかをずっと切られてケージに入れられるのを六回もさせる必要があるんだろうか。上限ぐらいは規制したっていいでしょうというふうには思っているので。  まだ公布前です。環境大臣、是非、答申、法律構成、法的な拘束力はありませんから、帝王切開三回、議連の数字、是非入れていただけないですか。
  144. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 これからも、議連の皆さん、この法改正にも大きく御尽力されていますので、しっかりコミュニケーションを取っていきたいと思いますし、皆さんとのコミュニケーションも通じ、関係者の皆さんにも御理解いただける飼養管理基準になっていくように努めたいと思っています。  その上でも、最近、アニマルウェルフェアの問題も、例えば鳥のバタリーケージの話とかも大きく今まで以上に知られるようになりましたが、今、今日私がお話ししたような、実はブルドッグは一〇〇%ほぼ帝王切開で生まれているんだとか、世の中に、例えば、今人気があると言われている小型犬、かけ合わせ、ミックス、こういった犬種がどのように今これだけ社会の中に普及をしたのか、そういったことも含めて、やはり国民的な議論が不可欠じゃないかなと思います。  それで、国民的な議論、関心が高まれば、私は、結果として保護犬、保護猫に対する国民の皆さんの理解が広がり、ペットを飼うときはペットショップという今までの当たり前が覆って、ちゃんと、そうではない選択肢が世の中に確立をされて、動物愛護に対する精神にのっとった日本社会の確立という方向に向かうと思うんですね。  ですので、今回の基準の中に、先生方からすると、もしかしたら不十分な点もあるのかもしれません。しかし、国民的な議論に向かう一つの契機になることは間違いありませんので、そういった中で、多くの方の、一緒になって前に進んでいることを、できていないところを責めて、まるで、同じ思いなのに、分断をするような、敵対するような、この傾向が、私は早く断たなければいけない。見ている先は同じなんですから、なぜそれなのにけんかし合うんだという。  もちろん、スピード感の違いとかあるかもしれません。ただ、環境省は両側を見て間を取るということをやっていません。両側を聞いて動物愛護を取っているんです。そこの、何かこう、割って五〇%で決めるみたいなことで動物愛護行政はやっていないということはどうか御理解いただきたいと思います。
  145. 串田誠一

    串田委員 質問にはしませんけれども、先ほど、午前中に予算の話がありまして、百倍は無理だけれども十倍でぐらいという話がありましたが。猫ですね、TNR、これは公的に支援しても、五億円あれば公的支援で全部TNRは賄えるという計算になっているんですよ。子猫が殺処分される数が圧倒的に多いので、是非、出口で制限するような予算、これは絶対必要だと思いますので、組んでいただくことをお願いいたしまして、質問を終わりにしたいと思います。  ありがとうございました。
  146. 石原宏高

    石原委員長 次に、田村貴昭君。
  147. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  地球温暖化対策について、小泉大臣質問します。  大臣も御承知のことと思いますけれども、昨年十一月、衆参両院は気候非常事態宣言を決議しました。決議では、「世界各地を記録的な熱波が襲い、大規模な森林火災を引き起こすとともに、ハリケーンや洪水が未曽有の被害をもたらしている。我が国でも、災害級の猛暑や熱中症による搬送者・死亡者数の増加のほか、数十年に一度といわれる台風豪雨が毎年のように発生し深刻な被害をもたらしている。」と指摘しています。「そしてこの危機を克服すべく、一日も早い脱炭素社会実現に向けて、我が国の経済社会の再設計・取組の抜本的強化を行い、国際社会の名誉ある一員として、それに相応しい取組を、国を挙げて実践していくことを決意する。」として、国内外に宣言したのであります。  菅首相は、さきの臨時国会で、ようやく二〇五〇年までに排出実質ゼロにすると表明をいたしましたけれども、二〇三〇年の削減目標については具体的に言及していません。COP26までにより意欲的な二〇三〇年温室効果ガス排出削減目標を表明する、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的なものとしているわけであります。  そこで、小泉大臣にお伺いします。  もはや地球温暖化対策は一刻の猶予もありません。意欲的、それからカーボンニュートラルと整合的なものという以上、一・五度目標を達成するために、二〇三〇年に二〇一〇年比で四五%削減を目指さなければいけないのではないでしょうか。どうでしょうか、大臣
  148. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 田村委員指摘をされている四五%というのは、これはIPCCが指摘をしているものでもありますが、菅総理も、予算委員会で、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的なものにしなきゃいかぬ、これは答弁をしているとおりですので、私は、今後、気候変動担当大臣としても、政府内で、今後の国際会合の対応方針の準備、政府全体としての一丸となった取組に汗をかく立場になりましたが、この整合性、こういったものも一つ、特に私たち三つ大切だと言っている、整合性と、そして実効性国際性、この三つのうち、大事な要素だと思っていますので、いずれにしても、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的な形で日本の方針が国際社会に表明できるように準備を進めていきたいと考えています。
  149. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 予算委員会の論議で、質疑者から、この問題は子供から青年、学生から様々な人が注目している、だから分かりやすい議論にしなければいけないというような議論があったと思うんですね。ですから、今の話、分かりにくいんですよ。  二〇五〇年と二〇三〇年という節目があるわけなんです。IPCCの四五%というのは、それは否定されているんですか、大臣は。それも含めて検討していくんですか。端的に、二〇五〇年で八〇%と言っていたものが、二〇五〇年ニュートラルにするというんでしょう。そうしたら、二〇三〇年は二六%ではないですよね、少なくとも。それは変えなくてはいけないですね。そうしたら、二六%から四五%の間なのか、四五%を取るのか、あるいはもっと意欲的に四五%以上とするのか、どこを目指しているんですか。
  150. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 何か分かりやすくていいなと先生意見を聞きながら思っていましたが。  分かりにくいですよね。私もこの調整をした中で、二六%にとどまらないという文言をかち取るための調整というのは、恐らく、そんなところで調整をする努力が政治の世界で必要だということは世の中誰も分からないことだと思いますが、その分からない勝負の先に、国民のためにプラスになる方向性を打ち出す基盤となることも同時に間違いありません。ですので、今回、私、菅総理の答弁を聞いていれば、よく聞いている人は、整合性あるということを言っている、これは総理の答弁として、私は非常に重要なことだと思っています。  そして、IPCCが四五と言っていることも承知をしています。  そういった中、これから世界で問われるのは、三十年間あるんじゃなくて、この十年が勝負だ、だから二〇三〇年目標、NDCが重要なんだという、そういった議論ですから、特にG7という先進七か国で見た場合、今後、カナダも、先日のバイデン大統領とトルドー首相とのバイ会談で、四月のアメリカのサミットに向けて、カナダはそこまでに二〇三〇年目標を出す努力をする、こういう表明をしています。  ですので、こういったG7の各国の取組の中で、日本の二〇三〇年に向けた意欲的な、政治的な思いというのが伝わるような形にしなければ先進国としての責務は果たせない、こういった認識を関係省庁とも頭を合わせて、総理が四月の気候サミットに臨める準備を担当大臣としてしっかり進めていきたいと考えています。
  151. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 分からないところはまだ分からないんですけれどもね。  大臣国会で上げた決議は、「世界はまさに気候危機と呼ぶべき状況に直面している。」という文言入りなんです。これはなぜかというと、各国が掲げている温室効果ガスの排出削減目標を達成しても、必要な削減量に到底おぼつかないからだと。午前中、生方議員からもこのお話がありました。昨年末までに国連に提出、更新された世界七十五の国と地域の削減目標の積み上げは、全体で三〇年までに一〇年比で一%減という、私もびっくりしたんですけれども、まだこういう状況なんですね。  そして、大臣、御存じでしょうか。環境NGOのザ・クライメート・アクション・トラッカーが出した最新の数値です、日本の一・五度目標と整合する目標水準は二〇三〇年に二〇一三年対比、日本が初め掲げていた、六二%と出してきたんですよね。私はこの数字を見て本当に衝撃的な数字だと思ったんです。  だから、後れを取っているわけですよ。後れを取っているんだったら、日本はどの国よりも先んじて温室効果ガスを削減しなければならない、そういう気概と覚悟が今問われている。大臣は自覚されていると思うんですけれども、やはり、政府を代表して、最低やはり四五%、それ以上を目指すという気概はおありでしょうか。いかがですか。
  152. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言した以上、昨年三月に提出をした二六%でとどまっていいわけはない、それは先生と同感です。  その上で、どのような、意欲的で、かつ整合性が取れる目標日本政府としての決定として打ち出していくのか、最大限の努力をしたいと考えています。いいでしょうか。
  153. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 いずれ明らかにされる数値目標でありますけれども、分かりやすく、早く、そして世界が納得し得る目標を明示していただきたい、排出世界第五位の日本だからこそ、意欲的な数値目標をお示しいただきたいと思っています。  再生可能エネルギーについてお尋ねします。  温室効果ガス削減の柱は、何といっても再エネ拡大であります。大臣国会答弁で使われている、また環境省の方からも出されている電力の総発電量の二倍のポテンシャル、これはどういうことなのか、簡単に説明していただけますか。
  154. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答えいたします。  委員指摘ございました点でございますが、環境省の再エネポテンシャル調査におきましては、例えば、一定の風速があるといった現在の技術水準で利用可能なエネルギー資源量から、法規制や土地用途などの制約があるもの、それから現在の開発コストに基づく事業採算性がよくないものを除外、引いていったエネルギー資源量を算出いたしまして、太陽光、陸上風力、洋上風力、中小水力及び地熱のポテンシャルを算出いたしますと、合計で二兆キロワットアワーを超えるという結果が得られております。  一方、資源エネルギー庁の総合エネルギー統計によりますと、我が国の二〇一九年度の発電供給量は約一兆キロワットアワーであるということが示されておりまして、先ほど申し上げました環境省調査我が国の再エネポテンシャル、二兆キロワットアワーは、電力供給量の約二倍存在している、こういう計算になっております。
  155. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 九州に暮らす者として、地熱があり、そして日照時間が長く、また、風もよく吹くといったところで、再エネの可能性、ポテンシャルが二倍あるというのは大変希望のある話だというふうに思います。  それで、衆議院の予算委員会を中心に、小泉大臣の答弁を注目して聞いていました。十七兆円お金を出して海外から燃料を買っている、なるほどと。二〇三〇年までに再エネ倍増を目指して政策を強化していくと。再エネ、じゃぶじゃぶ作って水素を作ると。ちょっと今までには聞こえなかったお話がいっぱい聞けました。  大臣にお伺いしたいのは、カーボンニュートラルを早く果たす上で、再エネの果たす役割、その可能性、潜在力、総じて、電源主力化に対する大臣の決意をここで語っていただきたいと思います。
  156. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 小野局長から話があった二倍、これは、先ほど説明があったとおり、現在の技術と今の事業採算性に基づいて二倍なんです。ということは、これからの技術開発と年々下がってくる再エネに対するコスト、これを考えれば、私は二倍にとどまらないというふうに思っています。これを、単純に二倍ありますという、資源が二倍ありますにとどめず、これを資源にとどめずに電源に変えることができるかがこれからなんです。  だから、私はありとあらゆる活用をしたいと思っていますので、先生の御地元の九州は地熱も含めて本当に多くの可能性があります。太陽光もそうです。結局、太陽光がいっぱい出て、それで抑制されているぐらいですから。  この地域も含めて、これからの鍵は、これから御審議いただく温対法の改正の中に位置づけている再エネ促進区域が自治体の皆さんに使われるかどうかです。自治体の皆さんにこれを使おうと思っていただきたい。そのための、我々、説明もしっかりやりたいと思います。  そういった中で、環境省として、今、各省と連携をして、国・地方炭素実現会議、この中で、ほかの省庁に対して一緒になってできることというのはありますから。ため池の活用、ソーラーシェアリング、そしてダム湖、また耕作放棄地、そして屋根置き、ありとあらゆる再生可能エネルギーを活用できる方策を考えたいと思います。  そして、私は、総理カーボンニュートラルを宣言されてから、大分機運が変わってきたと思っています。地域の中で、今まで考えなかった、地元の資源をどうエネルギーとして活用するかという機運が出てきて、この前、私、富山県の知事や、また、富山の自民党の地方議員の方と、講演の機会があったのでお話をしたら、関心を持っていたのは地熱でした。ああ、富山で地熱、そうか、関心を持っているのかと私も思いましたが、最近、九州の地熱をやっている方にも話を聞いたんですが、地熱というのは論理的にはオフグリッドでつながりますから、そうなっていけば、災害があっても停電をしないんですよね、地熱でつながっていれば。  環境省として、私としては、再エネ不信論を何とか覆したいと思っていますから、再エネの中にもベースロードはあるんだ、こういった考え方の下、何ができるかも考えたいし、あらゆる方策を尽くして倍増、そしてこの二倍のポテンシャル、フル活用する国づくりを実現をさせていきたいと考えています。
  157. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 再エネ不信論を覆したい、ありとあらゆる方策をつくっていくということで、再エネをとにかく広げていくという大臣のお話でありました。  資源エネルギー庁、来ておられますか。今、小泉大臣のこの意欲ある方向性について、共有されているでしょうか。  お伺いしたいのは、グリーン成長戦略で示された、二〇五〇年、脱炭素電源五〇%から六〇%というのは、これは電力の主力とはなり得ないと私は思うわけですよ。そして、今から二〇三〇年、倍加していこうというこの流れの中で、経済産業省も同じ歩調なんでしょうか。よろしいでしょうか。
  158. 茂木正

    茂木政府参考人 まず、再エネの二〇三〇年の比率でございますが、これについては、やはり、いつもこれは小泉大臣からもエールをいただいていると私も考えていますので、しっかり、意欲的なものになるように議論を進めてまいりたいと思っています。  その上で、これを進めていく上では、二〇三〇年と考えますと残り十年でありますので、この十年の間にどれだけの、限られた期間で、地域の理解も得ながら、どの程度上積みできるのか、これをしっかり、地に足をつけた検討をしていきたいと思っています。  それから、やはり、これまでFIT制度での国民負担もかなり増えてきておりまして、現状では三・九兆から四・四兆円、二二から二四%でもそれぐらい行くということですので、この負担についてどの程度理解が得られていくか、こういった論点をしっかり詰めていきます。  ただ、こうした議論も、これまでとは違いまして立場を超えて、今いろいろな研究機関の方にも入っていただいて議論をしています。この中には、環境省さんにも来ていただいて、今御指摘のありましたポテンシャル、これについても、全く同じ場所で皆さんでポテンシャルを出し合って検討をしているところであります。  この中で、いただいたアイデアなんかも生かしながら、導入拡大やコストの低減の可能性についても議論を深めていきたいというふうに思っております。
  159. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 九州は自然エネルギーがたくさんあって、潜在力もあるというお話もいただきました。  それで、出力制御までされているという話もありました。これはこれで問題なので、これはまた次回、原発のところでお話ししたいと思います。  大臣がそこまで再生可能エネルギーについて思っておられるんだったら、もう石炭火力やめましょうやという話を今からさせていただきたいと思います。  再エネ拡大は、それはそれとして、環境省の出されている資料に、「電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価結果について」という去年の七月十四日に出された資料があります。  これを私、見て、ううんと思ったんですけれども、燃料ごとのCO2排出係数、これは多い順に、従来型石炭火力、超超臨界圧の石炭火力、USC、そして石炭ガス化複合発電、IGCC、そして石油、LNG、こういう順番であります。石炭火力というのは、液化天然ガスの約二倍のCO2を排出すると書いています。  また、発電技術の効率化というところでは、超超臨界圧というのは、石炭ガス化燃料電池複合発電、IGFCに進化していくとされていますが、それでもLNG火力よりも多く二酸化炭素排出するということであります。  まとめて言うならば、いかに技術革新が進んだとしても、二〇三〇年の目標を見据えたときに、一番多くCO2を出すのはやはり石炭火力であるということを言っているんだと思うんですけれども、環境省、どうなんですか。
  160. 小野洋

    小野(洋)政府参考人 お答えいたします。  燃料種ごとのCO2排出係数につきましては、先ほど委員が御指摘されたとおりでございます。  また、CO2のそれぞれの燃料種ごとの排出量という点につきましては、総合エネルギー統計によりますと、二〇一九年度で、火力発電からのCO2排出量、全体で約四・四億トンでございますが、そのうち石炭火力発電が約二・六億トン、六〇%程度、LNG火力発電が約一・五億トン、三五%程度、それから石油火力発電が約〇・三億トンで五%程度という数字になっております。
  161. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ということで、環境省の書いているこの資料と、私が今まとめた話は、そういうことだということなんです。確認できました。  大臣にお伺いします。  温室効果ガス排出量の四割近くが火力発電所から出されていて、その半分を占めるのが石炭火力であると。そして、技術革新を持ったとしても、一番の排出元となる石炭火力を減らして、なくさないと、日本カーボンニュートラル目標は達成できないのではないか。新規増設は認めない、やはり今決断すべきときに来たのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
  162. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 石炭政策の見直しが必要だという問題意識は共有していると思いますし、それがなければ、安倍政権の下での環境大臣として、あれだけ石炭政策の見直しに力を注ぐことはなかったです。そして、海外に対しては原則支援をしない、そして、経産省は二〇三〇年に向けて非効率なものはフェードアウトをする、ここまで来ることがなければ、カーボンニュートラルさえ今、日本は宣言することができていなかったと思いますよ。そして、カーボンプライシングだって今みたいな次元の議論にはなっていなかったと思います。  ただ、国際社会を考えれば、これで日本が十分な取組をやっているかといったら、もう化石燃料全体に対する議論すらなっていますからね。天然ガス、これはトランジションとしての化石燃料、よくそういう表現がされます。移行期間のものという。ただ、日本の中ではあたかも、石炭じゃなければいいんだろう、こういう議論が一部ではありますが、世界の、特に欧米の中では、もはや化石燃料全体すら言われかねない。  じゃ、その中で、日本は今すぐ全部をそれやめられるかといったら、なかなかそういう状況にもない中で、しかし、二〇五〇年カーボンニュートラルの意思は揺るがない、そのための政策を実現をして、必ずカーボンニュートラルを実行できると政策で見せていくためには、この五年、十年の取組が不可欠でありますから、私としては、環境大臣として常々言っているのは、エネルギー政策単体だけでカーボンニュートラル実現することはあり得ません。石炭を全部やめても、LNGを全部やめても、それだけでカーボンニュートラル実現できません。むしろ、まずエネルギー政策だけを考える発想じゃなくて、これから新たな経済社会をどのように再設計をしていくのかということ抜きに、今この産業革命のような動きエネルギーだけをまず考えていたら、私は木を見て森を見ずみたいな議論になると思いますから、だからリデザインが必要だ、再設計が必要だというふうに言っているわけです。  その認識を政府の中でも、サーキュラーエコノミー、午前中の議論も含めて、しっかりと広げることができるように、政府内、議論を深めていきたいと考えています。
  163. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣、お言葉ですけれども、木を見て森を見る議論ならば、一番の排出をしている石炭火力に、ここに蓋をしないとやはり進まないんですよ。  去年の臨時国会大臣議論したときに、ゼロエミッションの話を大臣はされました。大臣地元では横須賀の一号機、二号機、これが建設中であります。それから、去年の十二月には釧路火力発電が新稼働していますよね。ここはいいのかという議論日本中で起こっていますよ。  合弁会社JERAですよね、横須賀火力は。その横須賀火力のJERAはこういうふうに言っています。ゼロエミッション、これは水素とアンモニアの混焼でゼロエミッションというふうにうたっているんですけれども、よくよく見てみたら、この会社のホームページで奥田常務取締役がこのように述べています。「現在、アンモニアは主に肥料の製造に使われているのですが、発電所で燃料にしようとすると、比較にならないぐらい大量のアンモニアが必要になります。従って、本当にアンモニアを大量に用いて発電しようとするならば、アンモニア製造の拠点から作らなければならない、ということになります。これは非常に長丁場で取り組むべき課題になるとご理解いただければと思います。」  JERAの掲げる水素混焼、アンモニア混焼によるゼロエミッション、まだ実証事業ですよね。そして、JERA自身が非常に長丁場で取り組むべき課題と言っているんですよ。  二〇三〇年目標のスケジュール感の中で、やはり石炭火力の存続というのは、これは相入れない話なんですよね。相入れない話なんですよ。  だから、大臣COP26に行かれるんですよ、イギリスに行かれるんですよ。その日本環境大臣のお膝元で石炭を燃料に火力発電所を今から造ることを認めた政府環境大臣といったら、これ、大臣、どうなりますか。世界はやはりけげんな顔をすると思いますよ。  ここは思い切って、やはり新規増設は認めない、老朽化したやつは、それはもう運転を止めていく。フェーズアウトですよ、一気に止めることができないんだったら、移行してフェーズアウトしていく、こういう流れにあることはもう間違いないと思います。いかがでしょうか。もう新規増設、認めない。
  164. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、COP26に私が行くとはまだ決定はしていません、そのとき大臣の方が行くことになると思いますが。  いずれにしても、COP25で私が経験したような国際社会からの石炭に対する批判、こういったことの同じような繰り返しにはならない環境を今つくっていると思います。ですので、日本の揺るぎないカーボンニュートラルへの意思というものが国際社会に表明できる環境をつくっていきたいと思います。  JERAが進めているゼロエミッション火力、これについては二〇三〇年までには間に合わないでしょう。そして、今後、再エネのコストも下がっていくことを考えたときに、私も思います、本当に、コスト、乗るのかと。そして、座礁資産という言葉があるように、一度動かしたら三、四十年動くわけですから、その当時に乗ると思っても、どんどん安くなっていく再エネと、競争力が落ちていって、結果としても、動かしたくても動かせなくなることによって、それが座礁資産になってしまう、こういった議論があります。  このことも含めて、私は最後事業者の判断だと思うんです。環境大臣として止めるツールはありません。残念ながら、アセスで環境大臣意見を述べられますが、それは経産省がオーバーライドすることもできます。そういった関係の中で、我々環境省として最も厳しい意見を今までも述べています。  ただ、グローバルでやっている企業ですから、世界のトレンドを全く無視してできるかといえば、私はそんなこともないと思いますので、私は、横須賀に生まれたことを誇りに思いますが、横須賀が環境としても、自然豊かなところですから、それが誇れる町であるように、政治家として努力を続けたいと思います。
  165. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 ちょっと議論を続けたいところなんですけれども、もう一つ質問がありますので。  アスベストの飛散防止対策について質問したいと思います。  建設アスベスト訴訟において、最高裁は、国が規制権限を行使しなかったということを断罪しました。勝訴した首都圏建設アスベスト訴訟原告団から解決要求書が政府に提出されています。小泉大臣にも届いていると思います。  この中で、原告弁護団は、建設現場での石綿粉じん暴露防止対策の強化を求めています。その部分を読み上げます。建築物の改修、補修及び解体等の作業によって建築作業従事者並びに近隣住民等の石綿粉じんによる健康被害が発生しないよう、石綿粉じん暴露防止対策措置を取ることであります。  質問します。ここは大気汚染防止法にも関わるところなので、環境省マターでもあります。石綿暴露防止のために、大気汚染防止法の改定がありました。石綿の飛散防止対策、その措置はどのように強化されたんでしょうか。ちょっとおさらいです。
  166. 神谷昇

    神谷大臣政務官 田村委員にお答えをいたします。  委員お示しの法改正の目的は、環境省の最も基本的かつ重要な役割でございます、環境に由来する健康被害の未然防止のため、全ての建築物等の解体、改造、補修工事において、石綿の飛散防止を徹底することでございます。  改正のポイントは主に四点ございまして、まず一つ目は、石綿含有建材が使われた建築物等の解体等工事について、石綿の飛散が相対的に少ない石綿含有成形板、いわゆるレベル3建材も含めて、全ての石綿含有建材を規制の対象とすることでございます。  二つ目は、石綿含有建材がないか解体等工事の前に調査する方法を明確化し、その結果を都道府県等に報告することを義務づけ、不適切な調査を防止すること。  三点目は、隔離等をせずに吹きつけ石綿等、いわゆるレベル1、レベル2建材の除去作業を行うという違反行為に対する直接罰創設によりまして、作業時の飛散を防止すること。  そして最後に、石綿含有建材の除去作業についての記録を保存するとともに、発注者へ報告することを義務づけ、不適切な除去作業を防止することでございます。  本改正によりまして、全ての建築物等の解体等工事について、石綿の飛散防止の徹底を図ってまいります。
  167. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大防法の改定審議のときに、私は、各地の建設現場において、適切な暴露防止、石綿拡散防止対策が取られていないから、違法的な事例があるというふうに何度も指摘をしたところであります。  違法工事の背景には、アスベスト建材に関連する工事を行った際に費用が高くなるという問題があるわけなんですね。  国土交通省、来られておられますか。  アスベストの除去に対する国の支援について、住宅・建築物アスベスト改修事業があります。これは、法改正された大防法で新たな規制対象となったレベル3建材、これは補助の対象になるんでしょうか。
  168. 黒田昌義

    黒田政府参考人 お答えいたします。  住宅、建築物に使用されております吹きつけアスベスト、いわゆるレベル1でございますけれども、これにつきましては早急に除去等の対策が講じられる必要があると考えております。  このため、国土交通省におきましては、社会資本整備総合交付金等によります住宅・建築物アスベスト改修事業によりまして、住宅、建築物におきます吹きつけアスベスト又はアスベスト含有吹きつけロックウールの有無を調べるための調査、また、この吹きつけアスベスト等の除去、封じ込め又は囲い込み工事に要する費用について支援を行っております。いわゆるレベル1を対象としているということでございます。  この予算制度につきましては、令和二年度までとしていたところでございますけれども、現在、参議院で御審議いただいております三年度予算案におきまして、期限の延長を盛り込んでおるというところでございます。  以上でございます。
  169. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 レベル1のみなんですよね。結局はやはり所有者に、この補助金が適用されたとしても、三分の一は自己負担と。だから、追加の負担が出ることから、アスベストが含有されたとしても、結局なかったことにしようとして解体して、そして違法行為が出てくるという、この繰り返しなんですよね。だから施策の拡充が求められるわけです。  例えば、二階建ての住宅の解体工事でアスベストが確認された場合に、除去費用で上乗せです。更にアスベスト建材を処分場に運搬する費用や最終処分の費用が加算され、数十万円から数百万円の負担増になるということが言われているわけなんですね。  元々は建物を建てるときに石綿含有のボード、それから吹きつけ板、これは耐火、防火剤として奨励されてきたんですよ。これを使いなさいと言われてきてやったんだけれども、解体するときには支援がないと言ったら、これはやはり理不尽と言わなければなりません。これから解体のピークを迎えます。抜本的な飛散防止対策が取られなければなりません。新たな被害者を生むわけであります。  大臣最後質問しますけれども、最高裁で断罪されて、そして、原告弁護団の方々がこうやって要望を出されています。環境省にも要望を出されています。大臣にも要望を出されました。長年にわたってアスベストの被害を受けて、筆舌に尽くせぬ苦しみの中で裁判を闘ってきた原告被害者の切なる要望を是非受け止めていただきたいと思います。  そして、国が規制権限を行使してこなかったことが司直によって断罪されたのであります。規制強化を行った国が使用を推進してきたんです。ならば、国の責任で飛散防止のために支援することが大事ではないでしょうか。  調査、除去費用への支援が必要だと思います。これは環境省だけではできないか分かりませんけれども、省庁横断的に対策を講じる、そのときが来ていると思います。いかがでしょうか。
  170. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、昨年、大防法の改正皆さんにも御賛同いただく形でできましたが、先ほどその中身は神谷政務官から答弁があったとおりですが、これが令和三年四月の一日から、つまり来月から施行されるわけです。  我々環境省としてはその円滑な施行に向けて万全を期していく、そういった中でしっかりと環境省としての責務を果たしてまいりたい、そう考えております。
  171. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 肺を患って、そして死を迎えていく方が、この間、たくさんおられました。今も、裁判に自分が名を連ねて闘うことができずに苦しんでおられる方がたくさんおられます。  こういう被害者を二度と出さないためには、やはり、アスベスト、石綿撤去に対して、それを支援する制度が絶対必要であると思います。  環境省においては、国交省や厚労省等も含めて連絡調整をしていただいて、そして安心できる支援策を、所有者に対しても、施工者に対しても、そして解体業者に対しても、安心できる対策を一日も早く確立していただきたい、そのことを要求して、今日の質問を終わります。
  172. 石原宏高

    石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十一分散