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吉良委員 ありがとうございます。
私自身も、
茂木大臣の今答弁された
問題意識、
認識、共有しているところであります。
その上で、最初に私の
問題意識を述べましたけれども、私、結構ビジネスの
世界、会社員を二十二年間やっていまして、正直、取引先の中には、このやろうと思う会社もあり、これは何だ、耐えられないと思うような担当者もいる。けれども、そのときに、悔しいけれども、やはり頭を下げて、にこっとしてということもある。ただ、同時に、自分としては、いざ、もうどうしても我慢できないときにはということで、ある意味、辞表を持ちながら、ふざけるんじゃねえといって辞表をたたきつけて、もうこれ以上頭を下げていられるかと、その葛藤の中でビジネスマン生活を送ってきたつもりであります。
そういう意味で、今、
経済大国になったけれども、正しい行動として責任ある行動を取っているのかという
問題意識があるというお話でしたけれども、まず、その
経済大国、買う力の大きさについて、ちょっと外務
委員の皆さんと共有したいと思っているんです。
資料を見ていただきたいと思うんです。「二〇一九年の
世界経済における
中国経済の
存在感は圧倒的」というものであります。これはどういう図かといいますと、横軸は、
世界経済、
世界の
GDP、これは名目です、名目
GDPにおける、それぞれの主要国がどれぐらいの割合を占めているかというものを表した図です。そして縦軸は、当該年度における実質
経済成長率を表しています。二〇二〇年はコロナでどこの国も通常の
経済ではありませんので、あえて二〇一九年を取っています。
今言いましたように、横軸は
世界経済におけるその国の
GDPの割合、そして縦軸が実質
経済成長率ですから、この面積が大きければ大きいほど、その当該年度の
世界経済における
影響力が大きいということをある意味表していると思っています。面積どおりかは別として、そういう傾向があるということは言えると思います。
これを見てお分かりのように、
中国は、先ほど
大臣も答弁ありましたけれども、
世界の
GDPの中で一六%強を占めている。二〇一九年については六・一%の
成長。
我が国はというと、かつては一四パーあったにもかかわらず、今は五・八%の割合。そして、一%を切る
成長。結果的に、
日本の面積はこういう小さなものであります。多くの人たちが、実はこの意識、感覚を持っていないまま、対
中国について
議論をしていると思っています。
では、
GDPというよりも個別のものを少し見ていきたいと思っていますので、次のページを見ていただきたいと思います。上の図は、
米国、
中国、
日本の
GDP。二〇一〇年に
日本を追い越して以降、もう今や
中国は三倍の
GDPになっています。
日本だけが横ばい。
一言、ちょっと余計なことを言いますと、
日本の折れ線グラフは赤で示していますけれども、その下に実数値を入れています。民主党政権、二〇一〇年、一一年、一二年、二〇一二年の
GDPは六・二兆ドル。その後ずっと第一次安倍政権が続きますけれども、二〇一九年、五・一五兆ドル。民主党政権時代を一度も上回ったことはありません。そして、一兆ドル減少しています。為替云々ということは、もうここでは論じません。それはいいですけれども、
中国が、今申し上げたように三倍になっている。
そして、下の図を見ていただきたいんですけれども、ある意味、
日本の
経済を支えているのは、今、自動車産業と言っても過言ではないと思いますが、その自動車
市場、
日本はざくっと五百万台強、本家本元である
アメリカが一千七百万台、そして
中国は、
米国を二年前は一千万台上回る、一九年は二千五百万台ですけれども、その前は二千八百万台、二千九百万台に近い数字でありました。
その次も見ていただきたいと思います。これは、昨今、コロナ禍では多くの人が通販を利用していますけれども、
世界のインターネット通販
市場、
各国規模を見ていただきたいと思いますが、何と
中国がほぼ五五%を占めています。
米国ですら一六%です。
世界のクレジット決済、
日本発はJCBでありますけれども、
日本人の多くがVISAだ、マスター、アメックス等を使っていますが、
中国のユニオンペイが三〇%を占めている。
その下を見ていただきたいと思いますが、重工業の根幹を担う鉄鋼業、その原料である鉄鉱石、輸入額は
中国が七二%です。その右、銅鉱石、これは
中国が五六%を占めています。
これだけの買う力を前にして、やはり、なかなか
中国の
経済を無視するわけにはいかない。というよりも、
経済界、
企業の立場からすると、政治的な正義云々はともかく、食っていくためには尊重せざるを得ない。これが
経済界、
企業の立場だろうと思っています。
そういう意味で、私自身は、本当に、正義を通していくということはいいと思っています。ただ、今申し上げたように、これだけの
影響力のある
中国に対して強く出たりする場合には、覚悟と備えが必要だろう。
その意味で、私自身がある意味驚きを持って尊敬する国はオーストラリアです。オーストラリアの資源を一番買ってくれていたのは
中国。その
中国に対して堂々と正義を貫き通している。このオーストラリアの姿勢は、私は見事なものだと思っています。
ただ、先ほど来の
質疑でもありましたけれども、もう
日本は、
中国に対して第一の投資というか、
日本から
世界の中で
中国に一番投資をしている、一番の貿易
相手国である、このようなことを考えたときに、
日本も全く同じような態度を取れるのか、これが
課題だろうというふうに思っています。
先ほど
茂木大臣が、責任ある
大国として行動してほしいという話がございました。
中国は、正直言って、
世界中に摩擦をもたらしていると私は思っています。その
中国は、既存の
世界秩序に対して何を守り、何に挑戦しているのか。覇権争いと言われるぐらいですから、
世界の
秩序に対して挑戦していると思っていますが、その
世界秩序の何を守り、何に挑戦していると
認識されているか、
大臣の考えを問いたいと思います。