○
屋良委員 なかなかちょっと、機微に触れるような問題なので、ちょっと
答弁も難しいかとは思いますけれども、ただ、
ACSAをめぐっていろいろ議論があるのは、
中国包囲網に資するんだというふうな、そんな
認識も一部ではあるんですけれども、もしそれに少しでも関連するような御
答弁があったら、それは
インドと
共通、
一つにしているんですかというふうなことで改めて
質問させていただこうかなと思ったんですね。
なぜかというと、
東南アジアではどのように受け止められているかというのが、
専門家の分析によっていろいろあるように聞いているんですね。
例えば、
トランプ政権が対
中強硬策を取ってきたときには、
東南アジアの
国々は、
アメリカか
中国か二
者選択を迫るのをもういいかげんにしてくれというふうなことを一生懸命言っていた
国々も
アジアの中にはあったということなので、この
中国包囲網というのは非常に難しい。
日本が仮に
中国を包囲するための日
印ACSAということが少しでも念頭にあったとしたら、これは現実離れしたような話にならないかなというふうな気がしておりましたので、あえて、難しい
課題ですけれども、触れさせていただきました。
そこで、
鈴木政務官から、その
目的、
狙いについてざっくりとした
お答えをいただいたんですけれども、平和と安定に資するために
ACSAを
締結するんだということなんですけれども、この
ACSAをどう使うか、
外交戦略上で問われるものだろうなと私は思っております。ただ単に
物品を
提供する、
役務を
提供する、それでこちらが求めている
成果が本当に得られているのかということがよく分からないというような気がするんですね。
そこで、
資料を用意させていただいたんですけれども、例えば、毎年二月に
タイで実施されている、
アジアで
最大級、
世界でもかなり大きな
規模の
多国間共同訓練、
コブラゴールドをちょっと関連づけて
質疑を続けさせていただこうと思っております。
資料の一でございます。
これは、インターネットから見つけて、検索して、
記事がそれぞれ長いので、その
要点だけを、あと、私が読んでここが
要点だなと思ったところを抜粋してここに掲載させていただいておりますが、何せ、昨日の昼、この
委員会開催が決まって、それから急いで準備したものですから、適切な抜粋であったかどうか分かりません。もし関心がある方、
委員の
先生方、このキーワードで検索していただければ全文出てきますので、お読みいただけたらと思います。
二〇〇二年に、
中国が
コブラゴールドに初めてオブザーバーとして
参加して、二〇一四年から本格的に
部隊を派遣している。そして、二〇一七年には、この
コブラゴールド二〇一七、
地域の
協力を強調するというか、エンファサイズしたというふうな
タイトルの
記事がありますけれども、二〇一七年の
コブラゴールドの
中国の
参加を見てみると、非常に興味深くて、
インドと
中国が一緒になって、
タイの
田舎町にある
小学校で
多目的教室を造った。両軍の
工兵隊が
人道支援活動という名目で
多目的教室を造ったんですけれども、それが完成した折には、
コブラゴールドの呼びかけ国、
主催国の
一つである
アメリカの、
タイに駐在する大使がその
小学校を訪れて、これは
インド太平洋地域の新たな
協力関係の
あかしであるというふうな、そんな演説をして、その
施設の引渡式を開催したというぐらい。
どうも、僕らが何となく見ている、
アジアの全体の
中国包囲網という概念にとらわれるような、そんな
認識というのが本当に正しいのかどうかというのを、そこで
一つ本当に確認しておかないといけないなというような気がしておるんですね。
さすがに、
トランプになって
中国を呼ぶようなことはないだろうなと実は思ったんですが、この下の方の
記事なんですけれども、二〇二〇年の
コブラゴールドでは何と
中国のエリートの
コマンド、
コマンドって
特殊部隊のことですよね、が
参加していると。人数は少ないです、二十四、五名、二十六人ぐらいだったですかね。それで、ある程度の
軍事訓練にも
参加したというふうな
記事があるんですね。いや、ここまで来たかなと思いました。
なぜなら、
最初の頃というのは、二〇一四年に初めて
参加した頃というのは、
人道支援とか
災害救援、そういったものに特化した、そのエリアだけで
中国は
参加が認められていた。しかし、ここ最近、それが少し外れて、そののりが外れて、もっと
協力関係が密になってきたのかなというふうな
印象を持たせるような
記事の書きぶりになっていたんですよ。これは私
たちはどういうふうに受け止めるべきかということが問題になってくるんだろうなというふうに私は思っている次第でございます。
日本もずっと
コブラゴールドには
参加しているんですけれども、どうも
存在感がなかなか見えにくい。二〇一七年、
インドと
中国の
工兵隊が共に
小学校の
施設を造った。
インド、
アジア太平洋地域の新たな
協力関係の
あかしだというふうにメディアでも取り上げられる、そんなときに
日本の
自衛隊は何をしたかというと、
民間人の
救出訓練、NEOですよね、ノンコンバタント・エバキュエーション・オペレーション、これをやった、邦人の
救出の
模擬訓練をやったというようなことがこの
記事の中にさらっと書かれているということだったんですね。
そうすると、
日本が一生懸命
ACSAで
物品を
提供しても、その費用対効果というのは本当にどのぐらい得られているのかというのがよく見えてこないんですよ。その使い方も僕は
工夫した方がいいかなと思っておりまして、ただ、現状はそういったことになっていないというのが大きな大きな問題だなというふうな気がしております。
ここで、その
記事の中でも言われているのが、
人道支援とか
災害救援、そういったものが冷戦が終わった後非常に注目されてきて、そこを含めた
共同訓練が非常に活発的に行われてきているということなので、
自衛隊はそういった
分野においては
世界でもピカ一じゃないですか、諸
外国が視察に来るぐらい。これだけ
地震が多く起こる
日本で、
自衛隊の
スキルも高い、
人道支援の
スキルも高い、
災害救援、これは
日本の
自衛隊に勝るところはないんじゃないかというぐらい、誇りに感じてもいいぐらいのものを、
スキルを持っているはずなので、そこはもっと、
日本のアセットとして
世界に売るとか、それを
ACSAと絡めるとか、そんな
工夫がほとんどどうも見られないというのが非常に残念なんですね。
だから、今回のこの
ACSAの内容では、かなりの
部分、見直しとか、もうちょっと
戦略性を持たすとか、そういったことがないと、なかなか、私
たちの税金をここに注入するというのがちょっとちゅうちょするような、そんな
印象を持たざるを得ないんですね。
私が無知なら、今の
質問の中で誤っているところがあれば指摘していただきたいんですけれども、そういった
日本の
価値を高めるような
工夫というのは、これまでの
ACSAの運用の中でも、
共同訓練も含めて、
工夫というのはなされているんでしょうか。これは通告はしていないんですけれども、もし
お答えがあるなら、
防衛当局の方でもいいので、御
説明いただけますか。