○足立信也君
国民民主党・新緑風会の足立信也です。
私は、会派を代表し、
議題となりました
法律案に対して質問します。
十五年間、大学及び大学病院に勤務した元大学人として、日本学術
会議に対する
総理の六名任命拒否について一言申し上げたい。
学問の
世界、アカデミアの自律意識、プロフェッショナルオートノミー、自浄作用は政治の
世界よりもはるかに高いと私は実感しています。逮捕されても居座ることはまずありません。他大学出身者を採用し、より学術的に変わろうとしてきました。どうやら内閣の
考え方と異なる
意見の表明が過去にあったという理由のようですが、多様性、ダイバーシティーを
総理が口にするたび、茫然としてしまいます。
異なる
意見を拒絶し、多様性を排除してしまえばイノベーションは生まれてこない。それでは日本は立っていけない。内閣人事局で
行政を支配し、検察庁法改正で司法を牛耳り、今度は学問の自由を奪う、まさに学問の
危機、民主主義の
危機、日本の
危機であると私は感じます。
まず六名を任命し、日本学術
会議の改革が必要であれば、その後、論議に着手する、それしか道はないと思います。改めて、
総理の対処方針を伺います。
それでは、
法案の質問に入ります。
十一年前、政権交代時、ドラッグラグ二年、デバイスラグ一年半、そして
ワクチンギャップ二十年というのが日本の現実でした。その後の
取組でラグはほぼ解消し、
ワクチンも新たに六疾患に対する定期
接種が行われるようになりました。科学に関する政策について、日本は二周、三周遅れとよく言われます。その理由は、データを基に検証しない、できないことにあると思います。
会議録や議事録、公文書は当然です。九月にはランセットに、日本は
ワクチンへの信頼が
世界で最も低い国の一つと発表されました。
ワクチンへの信頼度と
政府への信頼度は相関します。
したがいまして、過去の検証に基づいて質問します。
新型コロナ
対応民間
臨時調査会の報告書に、今回教訓として学んだ多くの事柄が既に十年前の新型インフルエンザH1N1
対策総括報告書で
指摘されていた、まさに国を挙げて喉元を過ぎると熱さを忘れてしまったのであると書かれています。
総理は、民間臨調の報告書の概要を承知していますか。
十年前の新型インフルエンザ
対策総括報告書の
内容から、私は、当時の取りまとめ
責任者として
田村厚生労働大臣に質問します。
ワクチン生産体制を
強化すべきである。あわせて、輸入
ワクチンについても、
危機管理の
観点から複数の
海外メーカーと連携しつつ、
ワクチンを
確保する方策の一つとして
検討していくべきである。
この十年間で
ワクチン生産体制はどのように
強化されたのでしょうか。
新たな
感染症の発生や既知の
感染症の病原性の変化に応じ、集団
接種で実施することも考慮しつつ、あらかじめ
接種の予約、
接種場所、
接種の
方法など、
現場において実効性のある体制を計画するべきである。
計画の公表はいつでしょうか。
ワクチンの
接種回数や費用及び輸入
ワクチンの
確保等については、決定までのプロセスを明確にし、できる限り開かれた議論を根拠を示しながら行うとともに、その議事録等をできる限り速やかに公表すべきである。
公表はされているんですか。これからするんですか。
優先
接種対象者については、都道府県や
市町村が地域の実情を踏まえ、柔軟に運用できるようにすべきである。
今回、どのような運用になっていますか。
前回は、優先
接種対象者の公表から出荷、
現場に届いて
接種可能まで三週間掛かりました。そこで、
ワクチンを迅速かつ円滑に流通できる体制の構築に向けた
検討が必要であるとされました。ファイザー製は有効期限十日間と言われています。
今回、どれほどの時間短縮になるのでしょうか。有効な抗体価を維持する
期間はどれほどでしょうか。
次に、
新型コロナウイルス感染症について、まず、
総理に伺います。
ワクチン予防接種の位置付けは個人防衛なのですか、
社会防衛なのですか。あわせて、無料で
接種すると言いますが、輸入
ワクチンの卸への出荷、
医療機関への購入には消費税は掛かるのでしょうか。
以下、田村大臣に伺います。
発症予防や
重症化予防が目的ならば、その結果を見るためには、無症状者を含めた全数調査かサンプリング調査をしなければ分かりません。
ワクチン接種前、既に
感染したかどうかの
判断はどうするんですか。抗体検査をするのか。PCR、抗原検査の予定はあるのか。例えば、成人に対する風疹の
予防接種の前には風疹抗体価を測定します。また、
効果の判定は何を指標に行うのでしょうか。
東アジアに陽性者、
重症者、死亡者が少ない理由は様々な説があります。しかし、中でも日本は高い方です。やはり、私は、交差免疫の
可能性が高いと思います。とすれば、
ワクチンは一回
接種で済む
可能性が高いのではないでしょうか。
臨床試験で確定するんですか。国内の
臨床試験のデザインは決まっているんですか。
前回は、国産
ワクチン優先の
指摘が非常に多くありましたが、輸入
ワクチンは、ファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、合わせて二億九千万回分の
契約と聞いています。前回は、
海外の治験のデータ、
臨床試験の結果、国内の治験のデータ、そして市販後調査も厚生労働省に集め、全て公表しました。今回の
取組はいかがでしょうか。
参考までに、前回、
接種開始後の二万例の調査では、有害事象一・九七%、入院の必要あり九十三例、死亡二十六例、重篤な副反応六十七例でした。死亡と
ワクチンの因果
関係なしという結果でした。
前回、
損失補償契約は
各国横並びで必須でしたが、アメリカは、医療免責条項があるので
損失補償契約は不要でした。今回、なぜ医療免責にしなかったんですか。
新型インフルエンザでは、優先
接種対象者五千四百万人、一般の方の三割、二千三百万人が
接種すると想定しました。実際の優先
接種者の
接種率、一般の方の
接種率はそれぞれどうだったのでしょうか。
その上で、
新型コロナワクチンの
接種率をどれくらいに設定しているのでしょうか。参考までに、日本の二〇一八年度の季節性インフルエンザ
ワクチン接種率は四七・九%でした。ちなみに、アメリカ六八・七%、イギリス七二%、韓国八五・一%です。また、
接種が思うように進まない場合、国は積極的に勧奨するのでしょうか。
国産
ワクチンが量産された場合、また、一回
接種でよかった場合、恐らく不要になる
ワクチンが大量に出ます。当時の自民党から再三
指摘されましたが、返品の交渉
可能性はあるのでしょうか。
接種について
国民の
負担はないという
説明ですが、異なる価格の
ワクチンを国が買い取り、流通業者に売り渡す価格はどのように決めるのですか。また、
ワクチン接種の報酬はどのように決めるのですか。
憲法八十五条に、「国が債務を
負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」とあります。今回、国が
損失補償契約を締結するときは国会
承認の手続を設けないこととしていますが、債務
負担を決定するときは国会の
承認を求めるのでしょうか。
以上、過去を検証しつつ、新しい知見を学びながら一歩一歩積み上げていくことが科学と政策の融合だという思いを込めて、質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣菅義偉君
登壇、
拍手〕