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2020-12-01 第203回国会 参議院 文教科学委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十二月一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十一月二十六日     辞任         補欠選任      山添  拓君     山下 芳生君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         太田 房江君     理 事                 赤池 誠章君                 上野 通子君                 吉川ゆうみ君                 斎藤 嘉隆君     委 員                 有村 治子君                 石井 浩郎君                 世耕 弘成君                 高階恵美子君                 水落 敏栄君                 石川 大我君                 横沢 高徳君                 蓮   舫君                佐々木さやか君                 安江 伸夫君                 梅村みずほ君                 松沢 成文君                 伊藤 孝恵君                 山下 芳生君                 舩後 靖彦君    衆議院議員        文部科学委員長        代理       遠藤 利明君        文部科学委員長        代理       齋藤  健君        文部科学委員長        代理       青柳陽一郎君        文部科学委員長        代理       浮島 智子君        文部科学委員長        代理       藤田 文武君    国務大臣        文部科学大臣   萩生田光一君    事務局側        常任委員会専門        員        戸田 浩史君    政府参考人        スポーツ庁次長  藤江 陽子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独  立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部  を改正する法律案衆議院提出)     ─────────────
  2. 太田房江

    委員長太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨日までに、山添拓さんが委員を辞任され、その補欠として山下芳生さんが選任されました。     ─────────────
  3. 太田房江

    委員長太田房江君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、スポーツ庁次長藤江陽子さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 太田房江

    委員長太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 太田房江

  6. 遠藤利明

    衆議院議員遠藤利明君) おはようございます。  スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案につきまして、提案趣旨及び内容について御説明申し上げます。  平成十年に議員立法として成立したスポーツ振興投票実施等に関する法律によって、平成十三年にスポーツ振興投票制度、いわゆるtotoが創設されてから二十年を迎えようとしております。制度創設以来、スポーツ振興投票によるスポーツ界への支援の総額は二千八百億円を超え、我が国スポーツ振興を支える非常に重要な財源確保策となっております。さらに、昨年度までに収益のうち一千億円近くを国庫に納付いたしました。  昨年、アジア初ラグビーワールドカップ開催され、また来年は半世紀ぶり夏季大会となる東京オリンピックパラリンピック開催を控えるなど、我が国におけるスポーツ振興に対する機運が高まっている中、オリンピックパラリンピックレガシーとしてスポーツ立国を実現するためには、その方策を可能とする中長期的な視点に立った財源確保することが求められております。  他方、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、プロ、アマ問わず多くのスポーツ大会等が中止や延期され、スポーツ施設も閉鎖される等、トップアスリートから青少年まで練習や運動の機会が失われ、スポーツ界は深刻な危機に直面しております。  スポーツ界が未曽有危機に直面している今こそ、スポーツを愛好する国民一人一人の自発的な寄附によってスポーツを支えるというスポーツ振興投票制度強化を図り、感染症対策も含めた迅速な支援実施することが喫緊の課題となっております。  本案は、このような状況を踏まえ、スポーツ振興投票実施等に関する法律等改正しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、スポーツ振興投票目的が、スポーツを支える者の協力の下にスポーツを行う者の心身の健康の保持増進及び安全の確保等を図り、もってスポーツ振興に寄与し、国民心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に資することであることを明らかにしております。  第二に、スポーツ振興投票対象競技バスケットボールを加えるとともに、単一試合投票、すなわち一の試合の結果を対象とするスポーツ振興投票及び順位予想投票、すなわち競技会経過又は結果を対象とするスポーツ振興投票実施することができるようにしております。  第三に、スポーツ振興投票収益の使途の拡大について規定しております。すなわち、スポーツを行う者の安全の確保に資するために必要な設備の整備地域におけるスポーツ活動医療従事者等の派遣、スポーツ団体運営基盤強化にも収益を充てられることを定めるとともに、感染症等が発生した場合における選手支援事業にも収益を充てられることを定めております。  第四に、日本スポーツ振興センターは、対象試合等の計画的かつ安定的な開催に資するため、スポーツ振興投票対象試合開催機構に対し、費用の一部について支援することができることを定めるとともに、機構は、その支援を受けて業務を行うに当たっては、チームを保有する社員その他の関係者の意見を聴かなければならないことを定めております。  第五に、独立行政法人日本スポーツ振興センター法において、国際的な規模のスポーツ競技会我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設整備等であって特に必要があるものとして文部科学大臣財務大臣と協議して定める業務特定業務とする等の改正をしております。  最後に、本案は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行することとしております。  以上が本案趣旨及び内容であります。  何とぞ御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。
  7. 太田房江

    委員長太田房江君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 おはようございます。まずは、遠藤委員長代理始め、提出者先生方、よろしくお願いいたします。  そして、まずは冒頭、文科大臣に伺いたいと思います。  内閣提出閣法、それから参議院提出参法衆議院提出衆法、いわゆる議員立法、その違いについての御認識伺います。
  9. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 政府としては、議員立法であるか内閣提出法案であるかによらず、最終的には立法府において成立いただきました法律に基づきまして、いずれにしましても適切な行政運営実施していくことに変わりはございません。
  10. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 全ておっしゃるとおりです。  そして、付け加えるならば、いわゆる閣法というのは、政府与党というところが事前審査を経て提出するというものに対しまして、議員立法というのは、本来野党側主導でいろいろ提出されたり、また、成立は全会一致でございますので、そういったものが原則になっております。今国会、終盤になって非常に多くの議員立法等衆議院より送付されておりますけれども、本来なら十分な審議時間が必要な閣法として付託されるべきものも散見されるというようなことがございます。  議員立法をこういうふうに、今日も十分という持ち時間ですけれども、審議時間が少のうございます。こういう、もちろん、与党主導議員立法をするというのも、必要なものもたくさんございますので、一概に否定するものではありませんけれども、こういった各法案の成り立ち、あるいは議員立法提出されたものは議員立法改正するとか、閣法提出されたものは閣法改正するなど、こういうルールというか国会先例等があるのは事実でございますし、本来の筋、こういったものは軽んじるべきではないというふうに私が持っている課題感というのは共有させていただきたいというふうに思います。  そこで、今回の改正案ですが、いわゆる束ね法案です。スポーツ振興投票実施等に関する法律は、第百四十国会衆法として提出され、第百八十三国会衆法により改正、その後、第百九十国会では閣法として改正、今二百三国会では再び衆法として改正案提出されております。  一方、独立行政法人日本スポーツ振興センター法は、第百五十五国会閣法として提出され、その後、百八十九国会衆法により改正、百九十国会は再び閣法改正、百九十三国会衆法による改正が行われ、今回も衆法による改正を目指していると承知しております。  そこで、法案提出者に伺います。  このように衆法提出したものを閣法改正したり、閣法提出したものを衆法改正したりと、このように変わるその理由、教えてください。
  11. 遠藤利明

    衆議院議員遠藤利明君) お答えいたします。  まず最初に、平成四年、我が国スポーツ界統括団体であります当時の日本体育協会、現在の日本スポーツ協会でありますが、及びJOCより、スポーツ振興くじ制度導入について、各政党、超党派スポーツ議員連盟等要望書提出をされました。  それを受けまして、スポーツ議員連盟においては、平成五年にスポーツ振興の全般にわたった検討を行うためのプロジェクトチームを設置いたしました。このプロジェクトチームにおいては、平成六年に検討結果の大綱としてスポーツ振興くじ制度考え方についてまとめ、スポーツ振興くじ制度導入について成案を得たところであります。このような経緯から、スポーツ振興投票法議員立法として制定するに至ったものであります。  同時に、平成二十八年のスポーツ振興投票実施に関する法律閣法でありますが、平成二十七年十二月に、私がオリンピックパラリンピック担当大臣として議長を務めました新国立競技場整備計画検討のための関係閣僚会議において取りまとめられた新国立競技場整備に係る財政負担についてを受けたものであることを踏まえて、閣法として提出されたものであります。  なお、今回の改正案につきましては、我が国スポーツ界をめぐる課題地域スポーツの安心、安全のための環境整備新型コロナウイルス感染症拡大による危機等に対応するためには、スポーツ振興投票の改善が極めて有効な手段であることを踏まえ、スポーツ議員連盟スポーツレガシーの在り方に関する検討プロジェクトチームの下にスポーツ振興投票の新商品企画及び条文化検討チームを設置し、超党派のメンバーが有識者を交えながら議論を重ねた結果として今国会議員立法として提出したものであります。
  12. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 いろいろ理由があって閣法になったり議法になったりというのがあるというのは分かりましたけれども、私からすると、皆さん提出者ですから、その改正理由がその法の趣旨に照らして適正なものかどうか、皆さんが一番番人となってチェックしていただきたいという課題感をお伝えいたしますし、まあ本当に、議法の顔をした閣法であったり、その改正がちょっとだから議法でやっちゃおうかというような、そういったものがないように、しっかりと議論の時間を、審議の時間を取っていただくようお願いいたしたいというふうに思います。  萩生田大臣平成二十八年当時の議事録、今回読みますと、当時の文科大臣が、totoスポーツへの国民小口寄附東京オリンピック契機totoを通じてスポーツに対する小口寄附文化醸成につながればとの旨を発言されております。  折しも先週、私、東京オリパラ特措法質疑の中で、オリンピック長野オリンピックレガシーというのは、今まで日本にはなかったボランティアというなじみのない文化が定着し、その緩やかで自発的な連帯がその後の町づくり人材育成に役立ったというお話をさせていただきました。  今日は、totoのような賭博的な小口寄附ではなくて、売上げの一部、国庫に納付されて一般財源化しますので、結局何に使われているか分からないというような類いのものではなく、本当にシンプルな寄附、ダイレクトな寄附、こういったものの寄附によって文化スポーツを支えていける仕組みづくりについて、文科大臣の御所見伺ってまいります。  今日、配付資料、お手元に配ってございます。これ、日本ファンドレイジング協会が発行している寄付白書二〇一七によると、アメリカイギリス寄附額がそれぞれ三十兆六千六百六十四億、一兆五千三十五億円に対して日本は七千七百五十六億円と、アメリカのおよそ四十分の一、イギリスの二分の一の寄附額となっております。  資料二は、チャリティーズ・エイド・ファンデーションの調査結果ですが、二〇〇九年から二〇一八年の日本のワールドギビングインデックスというのは百二十六か国中百七位、日本寄附文化というのは根付いていないというのは事実かと思います。  じゃ、しかし、日本人は寄附をしないかというと、そういうわけではなくて、資料一の下の図、御覧ください。内閣府の社会意識に関する世論調査によると、六五・三%の方が何か社会のために役立ちたいと考えており、真ん中の図、二〇一一年の東日本大震災のときのように、有事の際には非常に多くの方から、このとき、具体的にはおよそ七千万人の方から一兆円の寄附が集まりました。そして、この二〇一一年を契機に、一番上の図ですね、寄附額自体増加傾向にあり、六年でおよそ一・五倍に増えております。  今回のコロナ禍においても、ヤフーなんかがチャリティープラットフォームが立ち上がりましたし、自分も苦しいけれども、もっと苦しい誰か、自分が消したくない何かというものに少しでも送るというエール、今も続けられておりますし、Unlimのようなスポーツギフティングサービス、CAMPFIREのようなクラウドファンディングサービス、たくさんのほかのサービスも生まれております。  大臣、これ、我々も何かの形でこういう寄附文化というのの醸成に応援することってできないでしょうか。
  13. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) スポーツ文化芸術振興に当たっては、基本的には国費による財源確保しつつ、これと同時に多様な財源確保するという観点も重要であり、現在の第二期スポーツ基本計画においても、スポーツに対する寄附や投資を一層活性化させることが必要とされております。  スポーツ振興における寄附については、独法日本スポーツ振興センターにおいて、民間スポーツの、民間からの寄附も活用したスポーツ振興基金によるスポーツ振興助成実施しているほか、公益財団法人日本オリンピック委員会や各中央競技団体等においては、幅広く寄附を募って選手強化に使われている実態もあります。文化の面でも、芸術文化振興基金ですとか文化芸術復興創造基金などを設置をして寄附を募っておりますし、また、公益社団法人企業メセナ協議会において認定する文化芸術活動への寄附について、寄附者優遇措置などの実施等を行っております。最近では、スポーツ文化芸術団体等において、今先生からも御指摘ありましたけれども、それぞれの活動支援するグランドファンディングのようなものも含めた活動寄附が始まっております。  一番の問題は、ミスマッチといいますか、ハートミスマッチ税制改正をしていただいて寄附文化醸成していかないと、自分がこの目的寄附をしたいのにそれが一回国になって一般財源化してしまうことに皆さんのやっぱり思いというのは違うんじゃないかと思っておりますので、今後、スポーツ文化寄附によって支えていくには新たな税制改正が必要なんではないかという問題意識を持っております。
  14. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 大臣、十分御認識いただいていると思います。このお金一体どこに行くんだよ、誰が中抜きするんだよと思われたら、そんなハートもしぼんでしまいます。我々世代とははるかに軽やかに、今の若い世代、投げ銭とかしてライブを楽しんだり、こういった寄附文化醸成、これもまた一つオリパラレガシーとして御検討いただくようお願いして、質問を終わります。
  15. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党山下芳生です。  スポーツくじのこれまでの経過を振り返りますと、当初は複数試合、つまり、一つ試合だけで結果が出るようなくじではなくて複数試合による予想型だけだったものが、非予想型のBIGを導入し、さらに、海外サッカーワールドカップまで対象を広げてきました。くじの種類、対象がずっとこの間拡大されてきたという歴史であります。  提案者の方に伺いますが、法案では更にバスケットボールを追加し、単一試合投票や、それからリーグ戦トーナメント戦順位予想投票導入ということになっているんですが、理由は何でしょうか。
  16. 青柳陽一郎

    衆議院議員青柳陽一郎君) お答え申し上げます。  まず、バスケットボール対象競技への追加に関しては、これまでスポーツ振興投票対象競技サッカーのみであったところ、Bリーグの目覚ましい発展とこれまでの健全な運営状況に鑑み、Bリーグからも強い要望があったことを踏まえ、そしてそれらの対策を講じていることも踏まえ、バスケットボールを今回対象競技として追加するものといたしました。  現行の予想型商品については、予想が難しい、複数試合予想するのは非常に手間が掛かる、あるいは自分試合を選べないといった声が寄せられておりまして、先ほどの寄附のこともあるんですけれども、試合観戦をするスポーツファンが実際余り購入していないということが課題となっておりました。そこで、単一試合の結果を予想する単一試合投票リーグ戦順位等予想する順位予想投票導入することといたしました。  また、スポーツ振興投票が施行されて約二十年が経過しておりますけれども、スポーツ振興投票一定程度社会に定着してきておりまして、さらに、Jリーグ等においてもこれまで不正行為事案が発生したことはないという実績に加えて、商品設計等において適切な配慮を行うことによって射幸性の抑制と不正行為の防止を担保しつつ売上げの向上を図っていくということが可能であるだろうという判断をいたしまして、単一試合投票導入を今回盛り込んだところであります。
  17. 山下芳生

    山下芳生君 ありがとうございます。  単一試合についてちょっと突っ込んで、お分かりだったら教えていただきたいんですけれども、単一試合くじになりますと、さっき御答弁があったように、購入者が結果を複数試合と比べてはやはり予想しやすくなるということになるわけですね。そうなりますと、一発当ててみようと、そういう、購入者くじを例えばたくさん買うということだってあり得るかもしれない。これ、済みません、通告していません。ちょっと分かれば教えていただきたいんですけれども、考え方をですね。例えば、百万円賭けて十万円の賞金を狙う方が出てくるかもしれない。全集中で真剣に予想するということになるでしょう、そうすると。これまでと比べ物にならないくらい購入者はヒートアップすることになると思うんですけど、この辺り、さっき射幸性を抑制するとありましたけど、その辺りはどう考えているんでしょうか。
  18. 齋藤健

    衆議院議員齋藤健君) 今回のスポーツ振興投票改正ですけれども、当せん金払戻しの割合というものが実は売上金額の二分の一というふうに低く定められているのと、それから、残りの収益についてはそのスポーツ振興等のために充てられるという寄附的な性格がまず強いものになっているということで、その単一試合投票導入自体がその性格に影響が出るものとは考えておりません。  そして、今回導入する単一試合投票につきましては、払戻し率売上金額の五〇%以下に決まっているということ、それから、恐らく当せん者数も多いことが想定をされますので、特定購入者に多額の利益が生じるということが考えにくい、そういう制度設計になっています。  JリーグBリーグとも、特定チーム試合は一日一回でありますし、次の次節まで数日から一週間程度の間隔が空きまして、そこで冷却期間が置かれることにもなります。ですから、次から次とお金をつぎ込むような、そういう状況にはもうなり得ない、そういう制度になっておりますので、そもそも仕組み上、この単一投票導入したからといって射幸心があおられていくということはない制度設計になっているわけであります。  なお、この商品設計に当たりましては、過去の試合データなどに基づきまして当せん倍率が過度に高くならない投票パターンというものを設定していく、それとともに、収益スポーツ界に還元されてスポーツを支えることにつながるものであるという、そういうギフティングの性格が強いという、こういうスポーツ振興投票性格についても一層周知を図っていきたいと。  こういうことを通じまして、射幸心が過剰にあおられない、そういうように配慮すること、これ求められていることでありますし、それを徹底していきたいと思っています。
  19. 山下芳生

    山下芳生君 そうなりますと、一回の購入金額上限というのを決めるかどうかというのは非常に大事だと思うんですよね。さっき言ったように、百万円だったら当せんした人たちの、何というんですか、オッズというんですか、収益の率がたとえ〇・一であったとしても十万円ですから、一回十万円ということで相当熱が入ってくるかもしれません。上限というのは考えておられるんでしょうか。
  20. 齋藤健

    衆議院議員齋藤健君) 今、上限を設定することは想定をしておりませんけれども、射幸心をあおらないように制度設計は細心の注意を払っていきたいと思っています。
  21. 山下芳生

    山下芳生君 ちょっとその上限がないと、ちょっとそういう方が出てくるんじゃないかなと。  単一試合くじ対象にしますと、やっぱり選手個々一つプレー、審判の一つのジャッジ、これに対するプレッシャーがやっぱり高まってくると思うんですよね。そこ大事な問題だと思うんですが、更にバスケが入ると、バスケットボールというのはやっぱり一チーム五人ですし、サッカーに比べて点数がすごく上がりますよね。どっちかというと、一人のプレーの占める役割というのがサッカーよりもはるかに高いんじゃないかなと思うんですね。  そういう単一試合、そしてバスケットを入れることによって選手プレーに対するプレッシャー高まるんじゃないかなと思うんですが、お考えあればどうぞ。
  22. 青柳陽一郎

    衆議院議員青柳陽一郎君) バスケットボールチーム競技でありますし、交代が何度も可能な競技でありますので、そういうことはないというふうにリーグ側のヒアリングからも確認しておるところでございます。
  23. 山下芳生

    山下芳生君 海外では、例えばテニスの勝敗を賭けるということが盛んなところもあるようで、上位の選手のSNSには賭けに負けた人から中傷のメッセージが届くと聞いております。ある選手は、ランキングが下の選手に敗れたときなどは、洪水みたいに中傷のメッセージが襲ってきた、全部私を侮辱する内容だった、負けたときだけでなく、フルセットの末にセットカウント二、一で勝利したときにも、二、〇で賭けていたのにおまえのおかげで大損だと口汚く罵られた。韓国ではバスケットがくじになっていますけれども、くじを外した人が腹いせにネット上に書き込む罵声、毎日目にすると。うつ病の初期になったり、あるいはもうそれが嫌で引退を表明するという選手まで出ていると。そういうことがないようにする、これ大事だと思いますが、いかがですか。
  24. 齋藤健

    衆議院議員齋藤健君) 一般論で申し上げれば、SNSの普及によりまして選手が批判にさらされる、そういった機会が増加しているというのは事実だと思います。  今回の単一試合投票は、特定購入者に多額の利益が生じにくい商品であり、また射幸心を過剰にあおらない商品設計を行うこととされておりますが、単一試合投票導入選手に新たな緊張を生むものとなってはならないと、これは委員御指摘のとおりだと思っています。  私どもも、選手等の安全を確保することはスポーツ振興投票制度の運用に当たっての前提条件であると考えております。したがいまして、単一試合投票導入に当たりましては、選手等の当事者の意見を十分踏まえて制度設計を行ってきたところでありますし、その実施に当たりましても、SNS上における批判についての相談支援を始めとして、選手等の安全確保のための措置については万全を期していきたいと考えております。
  25. 山下芳生

    山下芳生君 終わります。
  26. 舩後靖彦

    ○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。  本日は、スポーツ振興投票実施等に関する法律改正案について質問をいたします。法案提出された先生方、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、質問に移ります。  代読いたします。  totoなどスポーツ振興くじについては、売上金の一部がスポーツ振興に活用される仕組みになっています。そのことによりアスリートへの支援地域振興が図られていること自体は否定いたしません。しかし、国民にとって必要なスポーツ振興については、国の責任において実施、助成すべきではないでしょうか。  くじ売上げは、二〇一八年度、二〇一九年度と二年連続で一千億円を下回りました。しかも、今年は新型コロナウイルスの影響で販売ができない状態が続きました。  売上増に向け、新商品や対象競技拡大を図るというのが今回の法改正となっておりますが、そもそも、水ものであるくじ売上げを前提にするのは本当の意味でのスポーツ振興として望ましくないのではないでしょうか。  国費によるスポーツ予算の推移を見ますと、東京五輪・パラリンピック開催決定もあり、二〇一九年度は三百五十億円に上るなど、年々増加傾向にあります。しかし、スポーツくじの助成額など、国費以外を含む関連予算で見ますと、年々くじの占める割合が高くなっています。くじの助成が必要なところに割り当てられているとするならば、本来はくじ頼りではなく国が出すべき支出と考えますが、いかがでしょうか。  くじ売上げ次第でスポーツ振興ができるかできないかを左右するのはおかしくありませんか。人々がその人らしく暮らすため、スポーツは欠かせない要素の一つであると認識しております。そうであればこそ、売上げ頼りの仕組みにするのではなく、通貨発行権のある国の責任においてスポーツ振興予算を大幅に拡充すべきではありませんでしょうか。提案者の皆様の御見解をお聞かせください。
  27. 藤田文武

    衆議院議員(藤田文武君) ありがとうございます。  お答え申し上げます。  御指摘のとおり、スポーツ振興については国の責任において実施、助成することが重要であると考えます。他方、選手の視点に立った安全確保のための環境整備など、我が国スポーツ界をめぐる諸課題の解決を図るためには相当規模の財源確保される必要があり、公費のみに依存しない多様な財源を持続的かつ安定的に確保することも重要であるというふうに考えるわけでございます。  このため、制度創設以降、既にスポーツ界への助成等に約二千八百億円の貢献をしているスポーツ振興投票制度を活用しながらも、広く国民の理解と協力を得てスポーツ振興に必要な資金を確保する必要があると考えるわけでございます。
  28. 太田房江

    委員長太田房江君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  29. 太田房江

    委員長太田房江君) 速記を起こしてください。
  30. 舩後靖彦

    ○舩後靖彦君 代読いたします。  なるほど。であっても、くじ売上げに左右されることなく国が責任を果たすべきことと、重ねて申し上げたく存じます。質問ではなく意見として申し上げます。  続けて質問いたします。  くじ売上げの五〇%のうち、経費や特定金額、国庫納付を除いた分がスポーツ振興のための助成に使われていると承知しておりますが、このうち障害者スポーツ関連の助成は幾らになったでしょうか、お答えください。
  31. 藤江陽子

    政府参考人藤江陽子君) お答え申し上げます。  独立行政法人日本スポーツ振興センターにおきましては、スポーツ振興投票助成として、地域スポーツ施設の芝生化ですとかスポーツ教室の開催等に対して助成を行っているところでございまして、障害者スポーツ関連の助成としては、地域スポーツ施設のバリアフリー化あるいは障害者スポーツ大会の開催支援等を行っているところです。  このうち、スポーツ施設のバリアフリー化については、比較的小規模な工事も含めて助成の対象とすることにより整備促進を図っているところでありまして、バリアフリー工事を伴う施設整備事業として今年度は五億一千万円を助成しております。また、これらに加えまして、施設全体の改修を行う中でバリアフリー化を行う工事に対しても助成を行っております。  障害者スポーツ大会の開催支援については、今年度は二億八千万円を助成しており、これらのほかにも、例えば健常者と障害者が共に参加できるスポーツ活動スポーツ大会等にも助成を行っております。
  32. 舩後靖彦

    ○舩後靖彦君 代読いたします。  ありがとうございます。  続いて、不正対策などについてお尋ねします。  今回、単一試合投票やリーグ、トーナメント戦順位予想投票導入されています。単一試合投票については、射幸心をあおり、不正行為につながる懸念がございます。制度創設時には見送られた経緯があると聞いております。くじ導入から約二十年が経過し、現時点で不正が発覚していないとはいえ、なぜ当時見送った仕組み導入可能と判断したのでしょうか。  私が懸念しているのは、こうした拡大路線と射幸心をあおる仕組みです。スポーツくじのパンフレットである簡単ガイドを拝見しました。毎週十二億円を大きく打ち出し、小さな文字で一等最高、キャリーオーバー発生時などと注釈しています。これは、大勝ちできるんだよと購入者をあおっているように受け止められます。こうした射幸心をあおる構造になっているのが現在のスポーツくじではないでしょうか。  スポーツくじは、売上げが伸び悩むたび、新商品の導入などで拡大路線を図っています。今回の拡大がギャンブル性を高め、射幸心をあおり、そのことが不正にもつながってしまうのではないかと懸念しています。この辺り、どのように考えですか、お答えください。
  33. 浮島智子

    衆議院議員(浮島智子君) お答え申し上げます。  スポーツ振興投票法の制定に当たりまして複数試合対象とした理由は、我が国においてスポーツ振興投票というこれまでにない仕組み導入するに当たりまして、当選確率を過度に上げないことによる射幸性の抑制、また、選手による不正行為のリスクの軽減といった観点から、慎重な検討、判断がなされるものと考えております。  また、他方、スポーツ振興投票法が施行されて約二十年がたち、スポーツ振興投票社会に定着し、Jリーグ等においてもこれまで不正行為の事案等が発生していないことがという実績に加えまして、単一試合投票においても商品設計等において適切な配慮を行うことにより射幸性の抑制と不正行為の防止を担保しつつ売上げの向上を図ることが可能であると判断をいたしまして、単一試合投票導入を盛り込んだところでございます。  また、射幸性の抑制に関しましては、単一試合投票払戻しの率は売上金額の五〇%以下と決まっておりまして、当選者も多いことが見込まれるため、特定購入者に多額の利益が生じにくく、また、JリーグBリーグ共に特定チーム試合は一日一回でございまして、次の試合まで数日から一週間程度の間が空きます。そして、冷却期間が置かれまして、次から次へとお金をつぎ込むことは生じにくいといった理由から、そもそもの仕組み上、射幸心を過剰にあおらないものと考えているところでございます。  また、不正行為の防止に関しましては、単一試合投票特定購入者に多額の利益が生じにくく、また、具体的なスコア等まで特定予想の結果を合致するような相当数の試合等、買収するなどして試合の結果を操作することは困難性が高いといった理由から、不正行為を起こすインセンティブは小さいものと考えているところでございます。
  34. 舩後靖彦

    ○舩後靖彦君 代読いたします。  ありがとうございます。  くじを楽しんでいる方や、くじを通じてサッカースポーツの関心を持つようになった方もおられるかと存じます。また、売上げによる助成を必要としている団体や地域があることは承知しております。  しかしながら、スポーツ振興のために必要な助成は、くじという形を取らず、国の責任でやるべきであるということを改めて訴えまして、質問を終わります。
  35. 太田房江

    委員長太田房江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  36. 山下芳生

    山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、スポーツ振興投票対象競技バスケットボールを追加するとともに、射幸性を高め、八百長などの不正行為が入りやすくなるために除外されてきた単一試合、順位予想が追加され、スポーツの健全な発展スポーツ本来の文化的、教育的役割をゆがめ、青少年を始めスポーツ関係者の人格形成やモラルに対する悪影響を拡大するおそれがあるからであります。  単一試合対象にしたくじは、仲間内で抵抗なく手軽に賭けが行われやすくなるなど、ギャンブルに対する意識の薄れや賭博を容認する環境の形成などの弊害が予想されます。どのような対策を取ったとしても、単一試合くじは、購入者にとっては予想や賭けがしやすく、また、選手や審判、チームにとっては、給料面等で待遇が悪いあるいはクラブの経営が困難などの事情から八百長等の働きかけを受ける可能性が拭い切れず、不正行為が発生する余地があり、スポーツの健全な発展の妨げになりかねません。  また、単一試合対象としたくじは、当然スポーツの見方も変え、スポーツの持つ目標達成への努力の過程やフェアプレー精神をないがしろにし、金銭絡みの勝敗の結果のみにこだわる傾向を助長します。スポーツの観戦やSNS上の様々な情報発信が、スポーツの良さ、プレーの称賛ではなく、試合での失敗やミスジャッジなどマイナス面を殊更強調し、いわれなき誹謗中傷に選手や審判がさらされ、緊張関係や脅威を生むことにもなりかねません。文化として、また権利として発展しているスポーツをギャンブルにおとしめることになります。  反対する第二の理由は、スポーツ振興財源を専らくじという賭博による国民からの収奪に頼り、貧困な国のスポーツ予算が更に削減されることになりかねないからです。  この間、スポーツ予算が必要になるたびに、射幸心をあおる高い賞金額のくじの販売や海外リーグの追加、事実上十九歳未満への制限をなくすコンビニ販売やネット販売といったくじ拡大が続けられてきました。本法案対象競技を追加するなどの更なる拡大は、ますますスポーツ振興財源くじへの依存を強めるものです。  国が責任を持って国費でスポーツ予算を確保、増額するのが本来の道筋であると申し上げ、討論を終わります。
  37. 太田房江

    委員長太田房江君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  38. 太田房江

    委員長太田房江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、斎藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。斎藤さん。
  39. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されましたスポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     スポーツ振興投票実施等に関する法律及び独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、スポーツ振興投票寄附的な性格について理解の促進を図り、売上の向上に努めるとともに、スポーツ振興のための予算措置について、今後もなお一層その充実を図ること。  二、独立行政法人日本スポーツ振興センターによるスポーツ振興投票対象試合開催機構(以下「機構」という。)の業務に要する費用に係る支援の一部について、機構からチームを保有する社員に対して、一の試合対象とするスポーツ振興投票(以下「単一試合投票」という。)のチームごとの売上を踏まえて配分することができるよう、機構に対して必要な規程の整備を促すこと。  三、海外リーグの試合については、単一試合投票導入当初においては、対象として指定しないこととし、単一試合投票実施状況購入者に対する影響等を踏まえて、単一試合投票対象とすることについて検討を行うこと。  四、スポーツ振興投票の公正な運営を確保するため、機構に対して、チーム選手、監督及びコーチ並びに審判員等に対する不正行為の防止等に係る研修の充実、アンチ・ドーピング活動の充実、相談窓口の整備及び周知等に取り組むことを通じてスポーツ・インテグリティの向上を図るよう促すこと。  五、単一試合投票について、特定の結果に極めて多数の投票が集中するなど、通常想定されない投票が行われた場合、独立行政法人日本スポーツ振興センターにおいてこれを探知し、機構と情報共有を図る仕組みを構築すること。  六、単一試合投票について、過去の試合結果等に基づき、当せん倍率が過度に高くならない投票パターンを設定するよう留意すること。  七、スポーツ振興投票収益の配分に当たっては、運動部活動の受皿ともなる地域スポーツ活動の充実や、特に人的・財政的基盤が脆弱な障害者スポーツ団体を含めスポーツ団体運営基盤強化に適切に配慮すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
  40. 太田房江

    委員長太田房江君) ただいま斎藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  41. 太田房江

    委員長太田房江君) 多数と認めます。よって、斎藤さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田文部科学大臣
  42. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
  43. 太田房江

    委員長太田房江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 太田房江

    委員長太田房江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時四十七分散会