○伊藤孝恵君 バランスの取れた
対応というのに努めていただいたという御答弁でありました。
本当に、
日本にはアンブッシュマーケティング
規制法等はありませんので、商標権、不正競争防止法による保護される権利、著作権等、こういった法をちゃんと守っているというようなところに関しては、こういった応援団の集まりですとか壮行会ですとか、よもや、その青少年の頑張ってほしいという気持ちをその広告会社が覆いかぶさって
規制をするような、そんなことがないように、
大臣のお立場からもチェックをしていただきたいと思います。
こういった
五輪憲章、オリンピズムの精神、誰より
理解されている
大臣だと思いますし、競技を続けていくには確かにお金も要る。しかし、この商業主義が競技自体にまで影響を及ぼしている、その実態もジレンマもよくよく御存じの
大臣でありますから、いま一度、オリパラ
開催がなぜ今必要なのか、
開催によって
日本をどう変えていくのか、もちろん、より良く変えていくのか、そういった本質的な
議論を求めたい思いから伺います。
スポーツ社会学、歴史社会学の観点から
オリンピックを研究されている奈良女子大学の石坂
先生、一九九八年に長野で行われた
冬季五輪のレガシーを調べるために、十年後の二〇〇八年、現地調査に入られまして、精緻なデータによる裏付けと聞き取りにより、当初
五輪がもたらすとされた経済効果は乏しく、むしろ間接経費の増加により、残ったレガシーというのは多額の借金だったというようなことを明らかにされました。ただ、一方で、ボランティアという
日本にはまだその頃余りなじみのなかった文化が定着し、その後、緩やかで自発的な連帯というのがその後の町づくり、人材育成に役立ったともおっしゃっていて、私は非常にその話が印象的でありました。
大臣は、所信的挨拶の中でも、
担当大臣として次世代に誇れるレガシーを創出すると宣言しておりますし、もちろん会計検査院からも
大会終了後のレガシーの創出というのが要請されております。レガシーというのは立派な競技場でも高層マンションでもございませんので、今日は
大臣にテクノロジーによる善意の可視化というレガシーをつくる仕組みを御
提案したいというふうに思います。
例えば、今の仕組みの中でいうと、車椅子の方が競技場に出かけていく場合、
大会会場の中にはもちろんボランティアの方がいてくださいます。しかしながら、その会場と駅の改札の間というのは自治体の
対応に任されているということでした。さらには、改札の中に入ってしまえば、一部自治体の
対応もあるかもしれないということでしたが、
基本的には全て事業者の
対応に任されているということでした。
この車椅子の
対応件数というのは、もちろん車椅子の方が自由にいろんなところに出かけてほしいという思い、そして、そういった法整備、バリアフリーの整備もありまして年々増加しております。
先日、JRで働く方々に、自分たちは公共交通としての使命をしっかりと感じているので、昼食が取れなくてもこの車椅子
対応頑張りたいというふうにおっしゃっているのを聞いて、私は一抹の、有り難さとともに違和感を感じました。こういった従業員の使命とか事業者の責務、こういうことに頼ること、特に、オリパラ期間中は
日本中や
世界中の方々に生の競技を、そのパフォーマンスを、
選手のパフォーマンスを見ていただきたいと呼びかけているのに、では一体、国はどんな
取組をしているのかというような疑問があります。
五月に可決されたバリアフリー法改正案には、附帯決議の十及び十一に、参議院の明確な意思として、事業者、行政、ボランティア
団体等の
連携の下、社会全体で障害のある利用者の安全を
確保し、支えていくための
取組を推進すること、それから、国は、移動制約者と事業者双方との対話を重ね、介助の
在り方の明確化を図ることというのが明記され、今まで政治が
理解を怠ってきた事業者側の
負担軽減に言及をしております。
赤羽
大臣からは、介助は事業者の職員だけではなくて乗客がカバーできるところもあり、究極的には国民の共生社会の度合いをレベルアップしていくことが重要、いい知恵がすぐに出ないが、必要な
対応はしっかりしていかなければいけないと思っているというふうに答弁をされました。
大臣、今、子供が改札を通ると
保護者にプッシュ
通知で今何々駅の改札を通りましたよというふうに教えてくれるアプリがあるんです。GPS機能も付いていますので、今どこにいるかも
保護者はそれを分かることができます。
これと同じ仕組みで、例えば車椅子の方が改札を通ったら、事前にボランティア登録をしている人に、かつ半径数百メートルとか五十メートルとか以内にいる人にプッシュ
通知が行って手伝ってもらえるアプリとかできないのかなと、ついでに事前に行程を登録しておけば、そのリクエスト、落札というかアテンドできますよというふうにつなげてもらえる、これ、シッターアプリの、今のベビーシッターのアプリの仕組み、よくある仕組みですけれども、そういうマッチングアプリってできないのと私は以前勤めている会社の技術者に聞いたら、そんなアプリとかそんなものはサービスは数時間でできるよと、ただ、マネタイズの仕組みというのが見えないので、一事業者がサービスとしてそれをカットオーバーするというのはなかなかイメージはできないというふうに言われました。
大臣、今ほどの御
提案というか例えは、例えばJR等のエッセンシャルワーカーたちの働き方改革、そういったところにとどまらず、例えばインクルーシブな社会をつくっていく、大それたボランティア精神を発揮してくれと言っているのではなくて、小さな、我々の中、みんなが持っている小さな善意というのを、総和で社会を強くしていく、テクノロジーにより可視化していく、政治はそういった仕組みに投資をする、こういうチャレンジがDXというのの本質だと思いますし、レガシーの形の一つになり得るんじゃないかというふうにも思います。
こういった、オリパラを機に新しい当たり前をつくっていく、レガシーのアプローチというのに関してはこういったものもあるんじゃないかというふうに思うんですが、
大臣、いかがでしょうか。