○伊藤孝恵君 良い方向に変えていただいてありがとうございます。
是非、政策立案のための
調査、綿密な
調査を行われるという趣旨だと思いますので、これが政策立案のエビデンスに足る
調査となるように、
調査設計の方、改めてよろしくお願いいたします。
それでは、資料三を御覧ください。私、現在、PoliPoliという政治プラットフォームに寄せられた政策リクエストにお応えするという形で、生理にまつわる政策に取り組んでおります。当初依頼されたときは、一瞬タブーを感じてしまってひるみましたけれども、いや、だからこそ取り組むべき課題だなと、子宮を持つ者のQOLに直結する課題だというふうに思ってやっております。
コメント欄には多くの
学生さんたちから意見が寄せられておりまして、例えば、生理痛やPMSなど月経随伴症状にピルは必須なのに高過ぎるとか、生理用品が軽減税率
対象じゃないのはなぜとか、何で会社員には生理休暇があるのに私たちにはないのなど、確かに労働基準法第六十八条によるところの生理日の就業が著しく困難な女性と同じように生理日の
修学が著しく困難な
学生もいるのに、政策的対応というのは聞いたことがありません。また、小
学校高学年になると唐突に行われる初潮
教育への違和感も多数寄せられておりました。
先ほど梅村
委員からも、
子供たちの心と体、幸せな性的同意や性交につながる性
教育、ネットの影響に負けないそういった正しい知識を
子供たちに備えるための魂の訴えがございましたけれども、そういうのを受け止めていただきたく私も思いますが、
議論を聞いていまして、性というのを使うとか使わないとか、性
教育なのか例えば性交
教育になってしまっているのか、歯止め規定を変えるのか変えないのかなんというふうに、ずっとまさに過去の性
教育バッシングですとか、国会における対立の
議論というか、その歴史を鑑みると、
大臣がおっしゃった、今どんな性
教育があるのか、新しい性
教育というのをつくっていく上で、アップデートしていく上で
議論が必要なんだというふうに思いましたので、今日は、
大臣にちょっと角度を変えた御提案をさせていただきたいと思います。
今、菅政権では、不妊治療の保険適用、遅くとも二〇二二年四月からの適用を目途に、年内までに工程表を作成していると承知しております。昨日、私も、生殖補助医療で生まれた
子供の親子関係を明確にするための民法特例法案を議員立法で参議院に共同提出させていただきましたが、これほどまでにこの永田町かいわいで、日々、精子とか卵子とか、そういったもののワードが飛び交うというのはいまだかつてなかったんじゃないかなというふうに思います。
私、もちろん不妊治療
支援というのはあくまで個人の生き方、選択肢を広げる、
可能性をつくるというような
支援であって、国による少子化対策として
推進されるということには違和感を覚えますし、
子供を産み育てることが当然かのような間違った印象を持たれることはあってはならないというふうに思いますけれども、一方で、自分が不妊治療に腐心した当事者としては、もっと自分の体について若い頃に自分自身も学んでおけばよかったなと、
子供を産み育てることについて自ら選んで進むための知識というのは持っていなかったなというふうに自戒を込めて思うというのもまた真実であります。
子供を産む、その全ての始まりは排卵の確立、つまり初潮でありますから、多くのリプロダクティブヘルス・ライツの鍵が生理
教育にあると思います。ということで、資料四を御覧ください。私が最低限どんな知識を持っていたらよかったのかなという
観点で四つ挙げさせていただきました。
一つ目、子宮のスケジュール。二つ目、卵の真実。そして三つ目、生理の痛みは我慢しなくていい。四つ目、生理の
社会的地位と経済的負担。
まず、子宮のスケジュール。これ、生理はいつ来るのか、いつまであるのかですけれども、多くの方が余り御存じないんじゃないかというふうに思います。
日本産科婦人科学会、
日本産婦人科医会によれば、
日本女性の初潮は八歳から十五歳、平均は十二歳だそうです。閉経は四十五歳から五十五歳、平均は五十・五歳だそうです。
東京都の初潮
教育というのは四年生だそうですけれども、八歳の子にしてみたら遅いですね。事実、うちの長女、今七歳ですけれども、既に二次性徴というのが現れていまして、一年もすれば初潮を迎える
可能性というのがあるそうです。彼女には、なぜ胸が膨らむのか、なぜ生理があるのか、それが命にどういうふうにつながっていくのか、私はもう語らねばならないという段階に来ています。
また、先ほど
日本女性というふうに申し上げましたけれども、生理は女性だけに来るのか。答えはもちろんノーです。多様な性の理解の中で、生理は子宮を持つ者にあるということを小さいうちから伝えていかねばなりません。
次に、卵の真実ですけれども、私も、お恥ずかしながら、卵が老化するということを三十六歳まで知りませんでした。そして、アフターピルによる緊急避妊が可能なことも知りませんでした。そして、例えば小児がんや若年がんになったとしても、治療前に精子や卵子の凍結保存、妊孕性の保存をすることで、将来、生殖補助医療等によって、望めば父となり母となるということが可能であるということも持っていたい知識であります。
そして、生理の痛みは我慢しなくていいということ。腹痛や精神的負担というのは病院でもらえるピルにより改善できる、ピルは避妊のためではないということをもし
学生時代に知っていたら、どんなに救われただろうなというふうに思います。
ちなみに、青森県には産婦人科校医
配置制度というのがあるそうです。これ、NHKの報道で、私も見てなるほどなというふうに思ったんで、一部紹介させていただきます。青森県では、産婦人科は何かあったら受診するところではなく、特になくても相談しに行くところだと強く伝えます。その上で、月経痛改善のための低用量ピルの処方で済む場合は内診台に乗る必要はないし、下着を脱ぐ必要もないなどといった具体的なことを詳しく話すことで、そして一緒に
授業を受けている男子
生徒や同席している
学校の教員にも理解を深めてもらい、偏見の解消にもつなげているということだそうです。これ、非常に
参考になる話だと思います。
海外に目を向けてみれば、例えばスウェーデンには若者の専用の産婦人科クリニックというのがあるそうです。ドイツでは、十代から産婦人科の定期検診があるということです。
日本でも、今後、保健室と地域の産婦人科クリニックの
連携、産婦人科医や助産師、思春期保健相談士などの外部
人材の
活用、これ考えていかなきゃいけないというふうに思うんですが、
大臣、いかがでしょう。