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2020-11-24 第203回国会 参議院 総務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十一月二十四日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月十八日     辞任         補欠選任      石井 正弘君     櫻井  充君      三浦  靖君     中曽根弘文君  十一月十九日     辞任         補欠選任      櫻井  充君     石井 正弘君      中曽根弘文君     三浦  靖君      下野 六太君     谷合 正明君  十一月二十日     辞任         補欠選任      谷合 正明君     下野 六太君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         浜田 昌良君     理 事                 進藤金日子君                 堀井  巌君                 那谷屋正義君                 若松 謙維君                 片山虎之助君     委 員                 石井 正弘君                 今井絵理子君                 片山さつき君                 滝波 宏文君                 柘植 芳文君                 二之湯 智君                 長谷川 岳君                 松下 新平君                 三浦  靖君                 山本 順三君                 小沢 雅仁君                 岸 真紀子君                 吉川 沙織君                 吉田 忠智君                 下野 六太君                 柳ヶ瀬裕文君                 小林 正夫君                 芳賀 道也君                 伊藤  岳君    国務大臣        総務大臣     武田 良太君    副大臣        厚生労働大臣  山本 博司君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        和田 義明君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 研資君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      村手  聡君        内閣地方創生        推進室次長    長谷川周夫君        内閣府子ども・        子育て本部審議        官        藤原 朋子君        総務省自治行政        局長       高原  剛君        総務省自治行政        局公務員部長   山越 伸子君        総務省自治財政        局長       内藤 尚志君        総務省自治税務        局長       稲岡 伸哉君        総務省情報流通        行政局長     秋本 芳徳君        総務省情報流通        行政局郵政行政        部長       佐々木祐二君        総務省総合通信        基盤局長     竹内 芳明君        総務省政策統括        官        吉開正治郎君        消防庁次長    山口 英樹君        法務省大臣官房        審議官      保坂 和人君        厚生労働省大臣        官房政策立案総        括審議官     村山  誠君        厚生労働省大臣        官房審議官    横幕 章人君        国土交通省不動        産・建設経済局        次長       松原 明紀君    説明員        会計検査院事務        総局事務総長官        房審議官     山岸 和永君    参考人        日本郵政株式会        社取締役代表        執行役社長    増田 寛也君        日本郵政株式会        社取締役     衣川 和秀君        日本放送協会会        長        前田 晃伸君        日本放送協会理        事        松崎 和義君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度地方行財政選挙消防情報通信  及び郵政事業等に関する調査  (公的統計正確性信頼性確保に関する件)  (公文書管理在り方に関する件)  (新型コロナウイルス感染症による地方財政へ  の影響に関する件)  (復旧・復興支援を行う技術職員確保に関す  る件)  (マイナンバーカードの紛失等による個人情報  流出リスクに関する件) ○郵便法及び民間事業者による信書の送達に関す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣大臣官房審議官村手聡君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会日本郵政株式会社取締役代表執行役社長増田寛也君外三名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 行政制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 吉川沙織

    吉川沙織君 立憲民主党吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  総務大臣は、十一月十二日の所信的挨拶の中でこうおっしゃいました、「各府省によるEBPM実践を後押しし、政府全体の政策評価の質を向上させていきます。」と。  政府は、EBPM証拠に基づく政策立案実践をうたう一方で、その証拠が改ざんされていたり、文書が作られていなかったりする事例があります。また、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である統計が不正に操作されてしまった事例もあります。  行政国民から信頼を獲得するためには、統計等データが正しく、公文書が適切に作成、保存されること等が不可欠であると思いますが、大臣もそう思われますでしょうか。
  8. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 証拠が改ざんされるということは全ての場にあってはならないことでありますし、国民信頼を損なうことは全て避けるべきであるというふうに考えております。
  9. 吉川沙織

    吉川沙織君 この立法府においても同じことは言えると思うんですけれども、特に行政国民信頼があってこそだと思います。  総務大臣所信的挨拶でも言及のあった公的統計基本計画の変更に当たり、統計委員会委員長はこのような談話を発表しました。新型コロナウイルス感染症影響により困難な状況にあっても統計重要性は変わらないこと、むしろ、困難の中にある今こそ、現下の正確な状況把握のために、国民共通情報基盤である統計必要性は更に高まっているとされています。  今、また新型コロナウイルス感染拡大期にあります。だからこそ、日々の感染者数を始め、正確な数字統計、とりわけ行政が発信する情報的確性正確性は、意思決定妥当性有効性検証観点からも求められると思います。  そこで、これまで取り上げてきた幾つかの事例を例に見ていきたいと思います。  児童虐待事案に関し、児童福祉法二十八条は、家庭裁判所による児童福祉施設への入所の承認等を規定しています。この家庭裁判所による保護者指導勧告件数については、実は二つ調査が行われていました。一つ最高裁判所事務総局家庭局による調査一つ厚生労働省福祉行政報告例における調査となっていますが、この二つ報告は、同じ対象調査しているにもかかわらず、かなり、この同じ事象を捉えているにもかかわらず、大きな乖離が生じていました。  そこで、平成二十四年と、まあ年と年度の違いはあるんですけれども、平成二十四年のそれぞれの件数について、厚労省、お答えください。
  10. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  委員指摘児童福祉法第二十八条第六項に定めます家庭裁判所によります保護者に対する指導についての勧告件数に関し、お尋ねの平成二十四年度及び平成二十四年でございますが、厚生労働省福祉行政報告例では、平成二十四年度で五件、一方、最高裁判所で行っております調査では、平成二十四年、暦年で四十九件と、四十四件の乖離があったところでございます。  以上でございます。
  11. 吉川沙織

    吉川沙織君 今厚労省から答弁いただきましたように、同じ調査対象です。確かに暦年年度の違いはありますけれども、実に約十倍の開きがあるということは、これは私は、同一の事象調査している二つ統計件数に大幅な乖離が生じていること、これは何を意味するかといいますと、その統計に対する信頼性を大きく損なわせることになってしまいます。また、この統計を基に立案される施策改正法案正当性に疑義を生じさせることにもつながりかねません。  私は、立法府に身を置く議会人の一人として、このような状況を看過することはできませんでした。このような問題意識の下、平成三十一年四月五日に、児童福祉法二十八条事件に係る保護者指導勧告統計に関する質問主意書を出し、同十八日には再質問主意書を提出し、勧告件数に両調査乖離が生じていることを指摘するとともに、その乖離が生じる理由質問しました。  この質問に対する両政府答弁書では、両調査調査方法等の違いが明らかではないため乖離が生じる理由が分からないということを認めるとともに、これを明らかにするために必要な対応を検討すると、これ再質問主意書答弁最後でそうお答えいただきました。  その後、政府においては必要な対応を検討していただいたかと思いますが、最高裁調査福祉行政報告例の間で勧告件数に大幅な乖離が生じている理由は明らかになりましたでしょうか。
  12. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  委員指摘乖離が生じた要因といたしましては、まず、件数を取りまとめる際の対象期間が、先ほど委員からも御指摘ございましたとおり、厚生労働省福祉行政報告例年度である一方、最高裁判所が行っている調査暦年であることがございます。  次に、保護者に対する指導に関する勧告件数に関しまして、福祉行政報告例は法の規定による承認審判について当該年度に確定したものを計上していたのに対しまして、最高裁判所が行っている調査承認審判につきまして当該年になされたものが計上されており、例えば、承認審判がなされたものの、不服申立てがなされ確定していない場合などの取扱いが両調査で異なっているということがございます。  さらに、この乖離について検証する過程で、少なくとも平成三十年度分の福祉行政報告例につきましては、都道府県等からの報告漏れ報告誤りがあることが確認をされたところでございます。これら報告漏れ報告誤りに関しましては、訂正の上、本年の八月六日に、政府統計のポータルサイト、いわゆるe―Statに掲載させていただいたところでございますが、この場をお借りいたしまして、統計誤りに関しまして深くおわびする次第でございます。
  13. 吉川沙織

    吉川沙織君 今厚労省から、暦年年度の違い、それから最高裁厚労省における計上の在り方の違い、そして、残念ながら都道府県からの報告漏れ、この三点が挙げられたかと思います。  乖離が生じている理由として考えられるものが期間の違い以外にもあったということですが、今答弁ありましたけれども、平成三十年、平成三十年度分の調査については、この暦年年度の違いだけでその乖離件数が埋められたという理解で合いますでしょうか。
  14. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  平成三十年度及び平成三十年に関しましても報告誤り報告漏れ等があったところでございますが、この点に関しましては、先ほど申し上げましたように、訂正の上、e―Statの方に掲載させていただいているということでございます。  以上でございます。
  15. 吉川沙織

    吉川沙織君 今回分析することができた調査は、今答弁もありましたように平成三十年と三十年度分のものだけであって、それ以前の調査については分析ができていないということだと思います。  したがって、最終的に、例えば平成二十四年なら十倍ぐらい最高裁厚労省調査で差があったわけですけれども、その乖離が生じる理由は確定的ではないという理解でよろしいでしょうか。
  16. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  ただいま吉川委員から御指摘のあったとおりでございます。文書保存年限等関係で、平成二十四年度及び平成二十四年の乖離に関しましては十分な要因の解明ができておりません。申し訳ございません。  以上でございます。
  17. 吉川沙織

    吉川沙織君 調査年単位年度単位かという調査期間の違い以外の理由によって乖離が生じているとするならば、この福祉行政報告例というのは、統計法に定める基幹統計調査一般統計調査ありますけれども、厚労省のこの福祉行政報告例一般統計調査です。この信頼性がある意味損なわれかねない事態かと思いますが、総務省、見解あればお願いします。
  18. 吉開正治郎

    政府参考人吉開正治郎君) 今先生から御指摘ありましたとおり、公的統計につきましては、その正確性ですとか信頼性確保が非常に重要でございます。  福祉行政報告例に関しまして、乖離と申しますか、数字に疑問が呈されているということであれば、調査を実施する厚労省におきまして、その原因、理由につきましてしっかり調査をしていただき、当調査を利活用するユーザーに対して丁寧に説明を行っていただきたいというふうに考えております。
  19. 吉川沙織

    吉川沙織君 令和元年年度調査結果、この福祉行政報告例最高裁による調査の結果は、これまだ公表されていませんけれども、今回の事案を踏まえて、調査期間の違い以外の要因乖離が、件数が差が生じることがないよう、最高裁厚生労働省とが協力して手だてを講じて改善すべきではないかと考えますが、厚労省の見解を伺います。
  20. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  児童福祉法第二十八条に基づきます家庭裁判所による保護者への指導勧告した件数につきまして、ただいま御指摘ございましたように、厚生労働省福祉行政報告例での調査内容最高裁判所が行っている調査内容重複していたということでございます。  記入者である地方公共団体負担軽減観点から、福祉行政報告例平成年度調査より関連する調査項目を削除し、今後の児童福祉行政企画立案に当たりましては最高裁判所調査結果を用いることといたしております。  また、最高裁判所が行っている調査との乖離検証する過程確認されました報告誤り報告漏れの再発を防止するために、都道府県担当者会議場等あらゆる機会を活用しまして適切な報告を行っていただけるよう周知してまいりたい、このように考えております。  以上でございます。
  21. 吉川沙織

    吉川沙織君 福祉行政報告例の方は、都道府県にいろいろ確認をいただいて、過去まで遡って調べていただいたと承知しております。一方で、最高裁の方は、平成二十九年以前のものは、統計用資料を保存しているわけではないため破棄をしているとも伺いました。  すぐ破棄をされてしまう最高裁資料を基に積み上げていった場合、仮に過去何か問題があったときに振り返ろうとしたら、その統計基礎となるデータがないという事態も考えられなくはないんですけれども、その点、大丈夫でしょうか。
  22. 村山誠

    政府参考人村山誠君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、統計調査、極めて重要であるということの認識に立ちまして、今後とも、最高裁判所事務総局と緊密な連携の下、しっかりとそのバックデータ保管等についても意見交換してまいりたい、このように考えております。  以上でございます。
  23. 吉川沙織

    吉川沙織君 去年、二回主意書を提出して、再質問主意書答弁最後のところにしっかり検討していくと答弁をいただいて、そこから、厚労省としてこれだけの乖離があったことを疑問に思われていた過去の担当者もおいでだったと思います。これを機に改善をしていただいたこと自体は多としたいと思いますけれども、ただ一方で、厚労省の方の調査をやめて最高裁の方の調査を、もちろん都道府県負担軽減もありますけれども、それを採用するときに、最高裁がどうやって調査をしているのか、厚労省の方では十分に把握もできかねるところもあるでしょうし、そこは注意して見ていきたいと思います。  今厚労省の方からも都道府県負担という話がありましたので、その意味で総務省に伺います。  本件で両調査に大幅な乖離が生じている要因一つに、都道府県からの報告漏れというのがありました。地方団体の立場からすれば、抱えている様々な業務に追われている中で余裕がないというのが実態ではないでしょうか。特に本件については、先ほど厚労省からも答弁ありましたように、最高裁調査福祉行政報告例による調査重複して行われて、しかも調査期間が異なるため誤りを誘発しやすかったのではないかと思います。  両調査は、統計を取る目的、調査の主体が司法と行政で相違はありますけれども、これはあくまで国側の都合です。両調査にそれぞれ対応しなければいけない地方団体負担は常に考慮しなければなりません。これは民間団体に求める場合も同じです。  統計信頼性を高めるためには、当然、計数が正確に把握され、報告されることが前提ですが、国においては、そのことを地方団体民間に一方的に求めるだけではなく、それを可能とする環境を積極的に整備することが必要だと思います。  統計法では、基幹統計調査及び一般統計調査総務大臣承認に当たっては、「他の統計調査との間の重複が合理的と認められる範囲を超えていないものであること。」が求められています。ただ、総務大臣が合理的と認めているものと地方団体民間重複負担感を覚えているものの間には相当距離感があるんじゃないかと思います。  調査を担う地方団体民間が実際にはどのように負担感を受け止めているか調査すべきじゃないでしょうか。
  24. 吉開正治郎

    政府参考人吉開正治郎君) 今先生から御指摘ありましたとおり、統計調査におきまして地方公共団体民間企業に過度な負担を強いることは、調査協力意識の低下をもたらしますし、ひいては結果精度にも影響を及ぼすことになります。  そのため、公的統計基本計画におきましては、統計作成に関する報告者負担等の声、提案でございますね、これを経常的に募集することとされております。総務省は、寄せられた提案への対応方策につきまして、関係府省と検討の上、統計委員会報告するとともに公表しております。さらに、これらの対応方策につきましては、統計委員会を中心にその対応状況のフォローアップを実施しているところでございます。
  25. 吉川沙織

    吉川沙織君 平成二十九年五月十二日には、これ、民間企業対象重複感負担感調査というのをやっているんですけど、地方団体に対してはおやりになりませんか。
  26. 吉開正治郎

    政府参考人吉開正治郎君) お答えいたします。  先ほど先生から御指摘ありましたとおり、統計調査を新規に実施するあるいは変更する場合は、統計法に基づきまして、総務省から承認審査を行うこととしております。  特に基幹統計調査につきましては統計委員会の諮問、答申を経ることになっておりますけれども、このうち、調査の中に地方公共団体が行う事務がある場合は、同委員会部会審議において必ず都道府県参加を求めているところでございまして、こういった形で地方公共団体及び民間の御意見も踏まえて審議を行っているところでございます。
  27. 吉川沙織

    吉川沙織君 地方団体民間負担を極力減らしていく観点から、どういった調査項目重複をしているというのを把握した上で統廃合というのもやっていってもいいんじゃないかと思うんですけど、可能な限りで、いかがでしょうか。
  28. 吉開正治郎

    政府参考人吉開正治郎君) 先ほど先生から御指摘ありましたとおり、承認審査に当たっては、ほかの統計調査との重複が合理的な範囲を超えていないかどうかという視点から審査を行っているところでございますけれども、今御説明申し上げましたとおり、審議におきましては都道府県参加を求めているほか、民間企業につきましても、案件によりまして、その関連する業界の関係者審議に御参加していただいておるところでございます。  総務省といたしましては、引き続き、地方公共団体ですとか民間企業負担に配慮し、その軽減に資する取組を行ってまいる所存でございます。
  29. 吉川沙織

    吉川沙織君 実際に、重複があって誤りを誘発した事例が実際にあったわけですから、そこは不断にやってほしいと思います。  統計法に基づく統計に限らず、意思決定基盤施策有効性検証基礎となるデータが的確であって正確であることも行政信頼確保には不可欠であると思います。  令和二年八月二十六日の参議院災害対策特別委員会で、私は、十二年間にわたり定期的に確認している同報系防災行政無線整備率について質疑を行いました。  これ何かといいますと、一般総務省消防庁が公表している実際の整備率、ただ、これというのは市町村合併効果が入ったものです。A町B町、それぞれになかったとしても、A町にあれば市町村合併したC町では整備済団体として計上されてしまいますので、実際、市町村合併効果を抜いたものと公表されているものについては整備率にかなりの差がずっと出てきていました。それがこれまで平均して四%ぐらいだったのが、この前の八月二十六日の最新の答弁では、四%大体平均して実質と公表されているものの差があったのが、二%まで縮まっていました。  その理由として、消防庁は、地方団体が自前で構築する同報系防災行政無線に加えて、コミュニティーFMなど防災行政無線同等の機能を果たし得るものについて整備率の計算に加えることとしたことが要因一つになっている旨答弁しました。  同報系防災行政無線特長というのは、同時一斉に直接住民に情報を伝達することができるという点です。大雨や台風などでは屋外のスピーカーからの音声が聞こえにくいという欠点はあるものの、それを他の伝達手段で補いながら、同報系防災行政無線整備にこだわって総務省消防庁は推進してきたはずです。それは、同時一斉という特長に重きを置いてきたためではないでしょうか。  情報伝達手段は複数用意することは確かに必要ですが、確認したいのは、統計の背後にある政策連続性、これをどのように考えているかという点です。総務省消防庁同等をどのように捉えているんでしょうか、それについて伺います。
  30. 山口英樹

    政府参考人山口英樹君) お答えさせていただきます。  コミュニティーFM等情報伝達手段は、防災行政無線、同報系の防災行政無線と同様に、屋外スピーカーや屋内受信機を通じて同時一斉に住民へ防災情報を伝達できるものとなっており、屋内受信機は防災情報を受信すると自動で起動するものとなっております。  また、耐災害性の観点からも、無線のふくそうが発生する危険性や断線の危険性、停電への耐性等について、コミュニティーFM等情報伝達手段防災行政無線と同程度の耐災害性を有しており、同報系防災行政無線同等の機能を有していると考えております。
  31. 吉川沙織

    吉川沙織君 今次長がおっしゃったのは同等の機能とみなすということであって、同等の意味ではありません。  防災行政無線というのは、こっちが何も準備していなくとも、もちろんスピーカーが水没したとか壊れたとかいうんなら別ですけれども、強制的に耳に入ってくるのが防災行政無線です。でも、今おっしゃった自動起動するコミュニティーFMだと、確かに自動起動する、そういう機能はあるかも分かりません。ただ、このコミュニティーFMは、箱だけじゃ意味がありません、そこに乾電池が入っていなかったりコンセントが差さっていなかったりしたら、そういう意味では、同時一斉という意味ではちょっと足りないと思うんですけれども、それでも同等と考えていらっしゃるんでしょうか。
  32. 山口英樹

    政府参考人山口英樹君) お答えさせていただきます。  コミュニティーFM等で行う場合に、屋内受信機につきましても自動起動できるようなものが開発をされてきております。委員指摘のとおり、乾電池等が仮に寿命が来ているといった場合には起動しないといったこともあり得ますので、そういう意味では、乾電池の備蓄ですとか、そういったことも含めてしっかりとした対応を取っていただけるように市町村の方にはお願いをしているところでございます。
  33. 吉川沙織

    吉川沙織君 だから、同等の機能は有していたとしても、本当に同時一斉というのにこだわってこれまで十二年間聞き続けてきました。だから、それにこだわっているから同報系防災行政無線整備を進めてきて、でも、一番新しい消防白書から急にこの整備率、公表している方の整備率に入れている項目を変えられているんですよね、ここに今答弁のあった同等の機能を有するとみなしているコミュニティーFMとか。であれば、これ、政策を変えてしまったのかとか、その政策の後ろにある、何があるのかというのが私たちには見えづらくなってしまいます。  ですから、これ、同報系防災行政無線整備があくまで主軸だったはずです。コミュニティーFMとかFM放送等はあくまでその補完ということであれば、整備率は、やっぱりこれまで公表していたのと同じ基準、同じ内容で公表して、FM放送等を含めた数値が参考値として捉える若しくは公表するというのが本来の筋ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  34. 山口英樹

    政府参考人山口英樹君) お答えさせていただきます。  これまで消防庁では、住民への確実な災害情報伝達手段のため、市町村に対して同報系の防災行政無線整備を推進してきたところでございます。  一方で、自営の無線網の構築には多額の費用を要するため、災害情報伝達手段の早期確保観点から、比較的安価で同等の機能を有するコミュニティーFM等の代替手段についても、十分な耐災害性等を有するよう所要の措置を講ずること等を要件に積極的に活用するよう平成二十八年に通知を発出し、緊急防災・減災事業債等の対象にもするなど、周知をしてきたところでございます。  御指摘の市町村の同報系防災行政無線に係る統計、公表数値につきましては、緊急時において屋外スピーカーや屋内受信機により住民へ確実に防災情報を伝達できる市町村の体制の構築状況について実態を把握し、公表しているものです。そういう観点からは、コミュニティーFM等の代替設備も含めた整備状況の数値を把握し、公表することとしているものでございます。  委員の御指摘も踏まえまして、統計の継続性についても十分考慮してまいりたいと考えております。
  35. 吉川沙織

    吉川沙織君 統計の継続性について考慮していないから指摘申し上げているわけで、そこはよく見ていたら、ああ、違うものが統計数字の中に入ってかさ上げされているように見えているだけですから、そこは誠実に説明をするということが私たち立法府の人間に対して、何より国民の皆様に対して誠実な数字在り方政策連続性を見る上でも大事かと思いますので、そこはこれからも引き続き問うていきたいと思います。  そして、数字に限らず施策基盤となる公的な文書が的確、正確であることも行政信頼確保に不可欠であると思います。  幼児教育、保育の無償化に係る内閣府令は、令和元年五月三十一日に公布されました。地方団体はこの内閣府令の条文を引用する形で条例を制定することになりますが、この内閣府令の条文に九十六か所もの誤りが発覚し、いわゆる官報正誤が行われました。仮に誤りのある条文を引用する条例を地方団体が制定した場合、その条例も不正確なものになってしまい、ひいては住民サービスに影響が生じるおそれもあります。  そこで、この件について、令和元年十月四日、幼児教育・保育の無償化に係る内閣府令の誤りに関する質問主意書、同十八日に再質問主意書、同三十日に第三回質問主意書、さらに、十一月二十五日の参議院行政監視委員会でもこの件、質疑申し上げました。  委員会では、内閣府令に誤りのある条文を引用する条例を制定した地方団体があるのか、内閣府として把握する責任があるんじゃないでしょうかと指摘し、いつまでに調査し、どのような対応を講じるのか問うたところ、当時の内閣府副大臣からは、条例の制定状況について地方団体調査中であるとの答弁ありましたけれども、その回答状況についてだけ内閣府に伺います。
  36. 藤原朋子

    政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。  昨年十月から開始されました幼児教育、保育の無償化に関連いたしまして、内閣府令等に多数の誤りがあり、自治体の方を始めとする関係者の皆様に御迷惑をお掛けいたしましたこと、改めておわび申し上げたいと思います。  委員が御指摘いただきました実態の調査でございますけれども、全ての市区町村を対象に、昨年の十月一日時点での条例の改正の状況把握を行った調査でございます。  結果についてでございますけれども、全ての市区町村から御回答いただいたところでございますが、昨年の十月一日現在で、運営基準条例について府令の訂正内容を反映できていない自治体が二百二十一自治体ございまして、また、認可外施設に関する条例の方につきましては三自治体が反映できていないという状況であったということが把握できたところでございます。
  37. 吉川沙織

    吉川沙織君 つまり、調査していただいた結果、府令の訂正内容を反映しなければいけない自治体が二百二十一団体も存在したということだと思います。  実際、このような地方団体が存在してしまった以上、条例の廃止、修正や条例案の撤回など、どのような対応がその後取られたか、把握されておられるようでしたら教えてください。
  38. 藤原朋子

    政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。  まずもって、昨年の十一月八日の実態調査を発出いたしました時点での通知の中でございますけれども、まずは今回の多数の誤りについておわびを申し上げるとともに、今回の府令の誤りによって、条例について改正ですとか公報への正誤の掲載など、手法としてはいろいろあり得るかと思いますけれども、自治体の御判断で御判断いただき、適切に措置を講じていただくようお願いの文章を発出しているところでございます。  その後のフォローアップについてというお尋ねでございました。各自治体へのフォローアップ調査については、実はこの春に実施を検討しておったところなんでございますけれども、今般の新型コロナウイルス感染症状況に鑑みて、現時点ではその自治体の負担も考えて調査を行うということは見合わせているところでございます。  自治体におかれましては適切に御対応いただいているものと考えてはおりますけれども、今後の状況も見ながら、必要に応じてフォローアップといいますか、確認といいますか、そういったこともやっていきたいというふうに考えております。
  39. 吉川沙織

    吉川沙織君 国の内閣府令の誤り地方団体の業務やそういったところに影響が出ているのは否めない事実だと思います。  これが生じた原因について、当時の内閣府副大臣委員会質疑申し上げましたところ、複層的なチェックをする体制が法令作成部局及び審査部局双方において十分でなかったことを挙げられました。これに対して、十分な確認ができる体制を準備して再発防止を徹底している旨答弁ありました。  このこと自体は多としたいと思うんですけれども、この件に関しては、去年も申し上げました、業務量に比して人員が不足していることに根本的な問題があるように思われるんですけれども、何か改善策講じられましたでしょうか。
  40. 藤原朋子

    政府参考人(藤原朋子君) 昨年の委員会での質疑でも当方副大臣から申し上げましたけれども、府令の案の作成の段階におきまして複数段階での確認が不十分であったということを反省申し上げたところでございます。  そのため、内閣府といたしましては、法令作成部局とそれから審査を行う官房の審査部局の双方におきまして複層的なチェック体制を整備をし、府令の作成過程において十分な確認が行われるように再発防止を図っているところでございます。
  41. 吉川沙織

    吉川沙織君 人員を増やしたんでしょうか。
  42. 藤原朋子

    政府参考人(藤原朋子君) まず、私ども法令作成部局の中で、実際の作成者以外の者による複層的なチェックを行う必要があるだろうということで、子ども・子育て本部、当時は三名の体制で行っておりましたところを、様々、子ども・子育て本部の中の職員も動員いたしまして八名体制に体制を強化をしたり、それから、官房の方でも審査の体制を強化をいただいて、複層的なチェックが実際にできるように工夫をしているところでございます。
  43. 吉川沙織

    吉川沙織君 今審議官から、三名で行っていたという御答弁がありました。本当に、この無償化のやつは前の総理が急におっしゃったことで、多分、担当部局には相当な負担、短い期間で作り上げなければいけないという過重な負担があったかと思います。  このチェック業務を行う人間を増やしたとしても、その方がそれまで行っていた業務はそのままで更にチェック体制だけが上乗せされたということであれば、業務が単純に純増しただけです。人員を増やすことによって一人当たりの業務量が減っていないと、疲弊してまた同じようなことが起こりかねないということは指摘だけさせていただきたいと思いますし、これらの負担内閣府でもたくさん生じていますけど、実際、誤りのある府令を引用して直さなきゃいけない自治体が少なくとも二百二十一発生してしまったということは、負担は全て地方団体に行ってしまったということにあります。政府にあって地方自治を守る立場にある総務省としても、また見解を求めていきたいと思います。  行政の透明性確保のためには、統計等データ、政令などの公的文書が正確に作成されることの重要性は、これまでも申し上げましたとおり言うまでもありませんが、説明責任の観点からは公文書が正確、適切に作成、保存されることが不可欠です。  公文書管理に関しましては、六月五日の本会議質疑においても、検察庁法改正案や法解釈変更等に係る記録、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の議事録の問題を取り上げました。  検察官の定年延長に関する記録の作成について、法務大臣は、担当部局において鋭意作業中であるが、法案審査資料関係省庁とのやり取りをした文書等の整理に時間を要していると答弁されましたが、当該記録の公表時期について、法務省、教えてください。
  44. 保坂和人

    政府参考人(保坂和人君) お尋ねの文書は、検察庁法改正案策定経緯文書ということでございますが、作成日付は本年七月二十二日でございます。この文書につきまして、法務省のウエブサイト、ホームページに掲載して公表したのは本年十月一日でございます。
  45. 吉川沙織

    吉川沙織君 何でそんなに時間掛かったんですか。
  46. 保坂和人

    政府参考人(保坂和人君) 委員から本会議で御質問いただいたのが六月五日のことでございます。その当時、本文書について鋭意作成するというふうに御答弁させていただきましたが、文書作成に当たりまして、法案審査資料関係省庁とのやり取りをした文書などの関係文書につきまして分類、整理して確認をし、その上で経緯等の記載を行うという作業を行っておりましたものですから、文書作成を了したのが本年の七月二十二日になったということでございます。その上で、この文書につきましては、国会議員の先生方からお求めがあった場合にその写しを交付するということでしてまいりました。  他方、先ほどのホームページ、ウエブサイト上の公表の点につきましては、現在、私どもの法務省で法務・検察行政刷新会議というものを開催しておりますが、こちらで公文書作成、管理、決裁のルールの在り方などが議題となっております。当局におきまして、検察庁法改正案の経緯を御説明するに当たりまして先ほどの文書もお示ししたものですから、それを法務省のホームページに会議資料として公表したということでございます。
  47. 吉川沙織

    吉川沙織君 まあ、やましいことがあると答弁大概長くなるものですけれども。  この法案自体は三月の中旬に閣議決定して、私、質問申し上げたのは六月五日です。七月二十二日に確かにお作りになられたんでしょうけれども、説明されれば出しますよというんじゃ、これまでの法務省の文書管理の在り方からすればちょっと物足りないかなと思いますし、何より、この検察庁法改正案策定経緯文書令和二年七月二十二日、A4四枚で、何書いてあるかといったら、改正部分の概要、経緯、どんな文書があったかという、この紙面の大半を事実と文書のリストで占めた、たった四枚の、A4用紙、四枚です。ですから、これにこれだけの時間要したというのは、私、済みません、なかなか理解し難いんですけれども。  政府は、財務省の公文書改ざんの事案後、独立公文書管理監、公文書監察室、各府省公文書監理官の新設等を行うことにより公文書管理の適正確保に資すると何度も答弁されてきましたけれども、例えば今般の問題で、このような新設の機関、機能したんでしょうか。  例えば、今回の定年延長に係る経緯文書作成に関して、法務省の公文書監理官って何やったんですか。
  48. 保坂和人

    政府参考人(保坂和人君) 先ほど御答弁しました経緯文書といいますのは、資料にクレジットも書いてございますように法務省刑事局において作成をいたしました。この文書は、法務省の行政文書管理規則でいいます主任文書管理者である刑事局長の指示に従って担当者作成したものでございます。  先ほど法務省の公文書監理官についてお尋ねございましたが、法務省の文書管理規則上、総括文書管理官、公文書監理官の役割といいますのは、総括文書管理官、これ官房長でございますが、その職務を助け、及び公文書管理に係る通報の処理に関する事務を行うということにされております。  先ほどの経緯文書も含めまして、個々の行政文書につきましては、先ほど申し上げました主任文書管理者である刑事局長等の指示に従って作成、保存したということでございます。
  49. 吉川沙織

    吉川沙織君 公文書管理に関しては、先ほども申し上げましたとおり、財務省の事案等があって、政府を挙げて公文書管理の適正の確保のための取組についてやってきたはずです。その中で、各府省公文書監理官を平成三十一年度新設をする、ここが実質責任者と明記をされて、平成三十一年度からその取組はスタートをしています。事実、さっき審議官答弁で法務・検察行政刷新会議のことおっしゃいましたので、私からも申し上げたいと思います。  十月一日のこの第五回会議では、この定年延長に係る経緯文書作成の問題に関し、副座長はこうおっしゃっています。公文書監理官が「今回の件に関してどういう監査をして、どういう何か問題点があるということを指摘しているのかということは、反省も踏まえて、何が問題点があって、何が改善しないといけないかとかということは、やっぱりちゃんとやっているのかどうかを明らかにしていただかないと、」と発言をされています。ですから、この法務・検察行政刷新会議の中でも、副座長からこういう発言がなされているわけです。  今も保坂審議官答弁いただきましたけれども、文書管理規則、取扱規則に基づいて管理してきた旨答弁されていますけれども、未来志向で法務行政の透明化を図るという法務・検察行政刷新会議の検討課題からすれば、前提として、法務省公文書監理官が問題点を明らかにした上で今後は再発防止策を検討なさる必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  50. 保坂和人

    政府参考人(保坂和人君) 今御指摘ございましたように、法務・検察行政刷新会議におきましては、各種各方面の有識者の方々に入っていただきまして、文書管理の在り方など、法務行政の透明化について未来志向で議論がなされております。  委員から今御発言ございました、様々な御意見をいただいておるところでございますが、その議論を踏まえた御提言あるいは御意見がその会議から出された際にはこれを真摯に受け止めて対応してまいりたいと思っておりますし、もとより公文書管理在り方については不断の見直しが必要だと考えておりまして、より適切な運用となるように取り組んでまいりたいと考えております。
  51. 吉川沙織

    吉川沙織君 検察庁法改正案策定経緯文書は、先ほど答弁ございましたように、十月一日の第五回の、今おっしゃった法務・検察行政刷新会議資料として配付されています。  この会議の議事録十ページにはこうあります。「議論をした経緯、意思決定過程がやっぱり文書として残されていないと、公文書管理法の本来趣旨に合わないんじゃないか。」と発言された委員の方もいらっしゃいます。七月二十二日に作成されたとされるこの文書意思決定を本当に明らかにするものとは残念ながら言えないということが、その未来志向で議論する委員の方から御指摘がなされているということだと思います。  去年十一月二十五日の行政監視委員会で、総務大臣はこう答弁なさいました。「各府省審議官級の各府省CROが新設されたということによって、新たな体制の下で公文書管理の徹底が図られることとなっております。 このような状況でございますので、総務省としては、まだ始まったばかりの取組がございますから、当面これらの取組を注視していく考えでございます。」と前大臣答弁なさいました。ただ、今申し上げたような、実際に今般の事案において、これら新設された方々が機能したとは言い難い。  公文書管理法の趣旨にのっとったものか、政府の第三者的な立場から評価を行う総務省行政評価局が過去の調査のフォローアップと更なる調査を行うことを期待したいのでございますが、総務大臣、御所見あればお伺いします。なければ結構です。
  52. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 各府省におきまして公文書管理が適切になされるよう、内閣府を中心に公文書管理のチェック体制の整備、研修の充実等の総合的な実施を推進しているところと承知しておりまして、総務省としても適切に取り組んでまいりたいと考えております。
  53. 吉川沙織

    吉川沙織君 公文書管理在り方は、本当に、法の趣旨にのっとれば、第四条は文書主義の原則を定めていますし、軽微なもの以外は本当に全て残すとするのがその法の定めた趣旨でございます。これからも国民から行政信頼を得ようと思えば、適宜適切な情報発信も大事ですが、統計等データ在り方、正確、適切に保存された公文書というものが必須だと思いますので、是非これからも指摘をしていきたいと思っています。  行政信頼獲得するためにはこれらのことも大事ですけれども、総理始め各府省庁の大臣が適切な情報発信を行っていただくことも大事だと思います。  総務大臣は、十一月二十日の閣議後記者会見において、携帯電話料金値下げについて記者から問われた際、羊頭狗肉という言葉を用いてお答えになられましたが、この羊頭狗肉の意味って何でしょうか。
  54. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 見かけだけが立派で実質が伴わないことの表現だと私は理解しております。
  55. 吉川沙織

    吉川沙織君 真意でおっしゃったんでしょうか。
  56. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 別に冗談で言ったわけじゃなくて、ただ、私の表現としては、羊頭狗肉というのが適切かどうかは別にしてという言い方をさせていただきました。
  57. 吉川沙織

    吉川沙織君 確かに、適切かどうかは別にしてと御発言なさっています。ただ、この羊頭狗肉というのは、場合によっては見かけと実質が伴わないことの例え、立派なものをおとりに使い、実際は粗悪なものを売る例えとする表現もあります。そういう解説もあります。  粗悪サービスに値段を付けているわけではありません。粗悪サービスを提供しているかのごとくの用語使用は、私は避けるべきだと思います。良質なネットワークを提供するために日々現場で努力を続けていますし、通信事業は日々の保守、運用があってこその提供であって、大臣も前任は防災担当大臣であられましたけれども、災害時のときはなお一層その努力をいたします。  十一月十二日の所信的挨拶で、大臣は、携帯電話料金に関し、「事業者間の競争が働く環境づくりを行います。」と発言なさいました。  これまでの総務省施策、例えば新規参入の促進や法改正に基づく事業者乗換えの円滑化等を進めてきました。大事なのは、市場での競争を通じて引き下がっていくことではないかと思いますが、これは認識合いますね。
  58. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 常日頃、公正な市場競争の環境をつくるということを私は申し述べております。
  59. 吉川沙織

    吉川沙織君 平成三十年十月十六日の日本経済新聞に、個別の事業者が決める料金について、政府が過度に発言することは自由経済の原則に反し、市場メカニズムを阻害するのではないかとの指摘があります。  そこで、携帯電話に係る料金規制の経緯について、御存じでしたら教えてください。
  60. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 携帯電話料金、平成八年十二月、届出制、平成十六年四月、事前規制を撤廃いたしました。
  61. 吉川沙織

    吉川沙織君 昭和六十年に事前認可制、平成八年にそれが届出制に移行、平成十六年には全ての事前規制が撤廃をされました。十一月二十日の大臣の発言は、ややもすると、これらの流れに逆行するような印象を与えかねない側面があったということは否定できない側面だと思います。  同日の会見では、料金の低廉化に向け、事業者の協力を求めただけではなく、利用者自身が料金の見直しをする努力をお求めになったものと私は思っています。  大手事業者は、相当のコストを掛け、全国をカバーする最新のネットワークと店舗網を維持し、充実したサービスとサポートを提供してきており、まず必要なのは、消費者がニーズに応じた事業者、プランを適切、適正な料金負担で享受できるよう、しっかりとした統計等データに基づいて継続的にモニタリングを行うことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  62. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 先日の記者会見で、徹底したデータというものを我々が入手して客観的な分析を基にこの問題にトライしていくというふうに申し上げました。
  63. 吉川沙織

    吉川沙織君 まあ、この国は市場経済ですから、事業者が、適正な、公正な競争環境を政府がつくって、この料金に関しては公定価格ではありませんので、そこは是非改めて強く認識をしていただきたいと思いますし、いろんなニーズがお客様、国民の皆様にあると私は思っています。  例えば、とにかく安い方がいいですとか、機器に慣れていないので手厚いサポートを受けたいとか、災害時にも強く、できるだけ早く復旧する方がいいとか、誰しも、全ての皆さんが低廉化低廉化というわけでない。この消費者の実態をある程度広く捉まえて、様々な選択肢が用意されることこそが、私は、総務省がこれまで志向してきた新規参入の促進、それから事業者乗換えの円滑化、そして分かりやすい料金体系の提示だと思っていますので、そこはこれからも見ていきたいと思います。  私、冒頭、統計委員長の談話を引用させていただきました。新型コロナウイルス感染症影響によって、この困難な状況だからこそ統計重要性は一層高まっているということ、そして、政府証拠に基づく政策立案EBPMを掲げているということを冒頭に申し上げました。  今回取り上げました事案というのは、福祉行政報告例、これ厚生労働省一般統計調査です、それから防災行政無線整備率の問題、それから内閣府令の九十六か所の残念ながら誤り、そして法務省の公文書管理在り方等取り上げてまいりましたけれども、これらに多くの課題があるということはやっぱり否定し難い事実だと思います。  国民立法府に対して行政がしっかり説明責任を果たしていただくとともに、記録を残し、正確な情報提供が行われているか否か、行政信頼性獲得するための取組を行政監視機能を有するこの立法府の側からしっかりこれからもチェックし続けるということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  64. 片山虎之助

    片山虎之助君 皆さん、おはようございます。日本維新の会の片山虎之助でございます。  それでは、順次質問いたします。  今言われたんですが、大勢皆さん呼んでいるなと言われるんですが、ちょっと時間を考えないところありまして、二十五分ですが、今日は持ち時間が、場合によっては日本郵政やNHKに行かないかもしれませんが、行くかもしれませんので、もし行かなくても次やりますからね。木曜日にもう一遍そういう時間をいただいておりますので、だから、申し訳ないけど、予行演習のつもりで聞いていただきたいと思います。  まずは、コロナと地方財政についてなんですね。コロナが止まりませんわね。第三波の襲来とか、いろんなことを言っておりますが、経済とコロナ感染阻止の二面作戦は私も賛成なんですよ。そうしないともたない、国が、地域も。それは賛成なんだけれども、これだけ感染者が広がっていくと、やっぱり不安ですよね、安心の担保がないと。  そういう意味では大変難しいところなんですが、これが国の財政、地方の財政に大変な影響を与えている。景気を見ますと、去年の十―十二は良くないですわね、消費税上げたんだから。一―三良くない、四―六良くない、だだっと落ちた。七―九は急回復した、V字回復ではないんですが、半分ぐらい返った。しかし、それは分かりませんわね、また第三波が来て。  そこで、国の財政というか税収にも大変な影響があるんだけれども、地方の税収も大変な影響がある。これについては財政局長で結構ですから、どういう状況説明してください。
  65. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  来年度の地方税収等についてまだ見込める段階ではございませんけれども……(発言する者あり)はい。令和年度概算要求に当たりまして、九月時点で作成をいたしました令和年度地方財政収支の仮試算、これで御説明申し上げますと、歳入面でございますけれども、今御指摘ございましたように、新型コロナ等の影響によりまして、地方税は対前年度比三・六兆円減の三十九・九兆円、地方交付税原資となります国税四税の法定率分及び地方法人税、これも影響を受けまして、対前年度比二・三兆円減の十四・三兆円を見込んでいるところでございます。  一方、歳出で、社会保障関係経費の増などを見込みました結果、対前年度比五・七兆円増の十・二兆円の巨額の財源不足が生じると計算しているところでございます。
  66. 片山虎之助

    片山虎之助君 私が心配しているのは今年なのよ、本年度。来年度の方はこれから聞くんですよ。あなた、それは通告を誤解しているわ。本年度はどうなるの。
  67. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) 失礼いたしました。  今年度につきましては、また御指摘ございましたように、新型コロナウイルス影響で地方税収が大幅な減を見込んでおりますが、まだどの程度の減になるかは分かっておりません。  ただ、いずれにいたしましても、地方団体からは、相当減収になるので、減収補填債の対象税目の拡大等について要望をいただいているところでございます。
  68. 片山虎之助

    片山虎之助君 今の地方財政の仕組みは、やっぱり大幅に税収は変わる、景気やその他で、そうすると、交付税も当然変わるんだけれども、そういうときに、減収補填債と今あなたが言われたものを認める制度があるんですよ。減収補填債と交付税の精算なんですよ。  それは地方団体が選べるんですか。あなたの方が決めるの。
  69. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  減収補填債の対象税目につきましては地方財政法に規定しておりまして、法律改正が必要でございます。
  70. 片山虎之助

    片山虎之助君 ちょっとこれ、かみ合わないんだよね。私の通告が悪かったのかもしれないけれどもね。  基本的には減収補填債ですか、こういうときは。交付税の精算は後だわね。ちょっと質問的確に聞いて答えなきゃ駄目よ、あんた。
  71. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) 失礼いたしました。お答え申し上げます。  減収補填債でございますけれども、年度途中の地方税、地方譲与税の減収を補填するための制度でございまして、年度間の変動が大きい対象税目につきまして減収補填債を地方財政法上発行できるような制度となっております。
  72. 片山虎之助

    片山虎之助君 問題は、減収補填債というのは、法律上ですよ、法人関係税中心なんですよね。それ以外に広げられないことになっているんで、だから、それをもっと広げるような法律改正が要るんでしょう。例えば地方消費税や軽油引取税を入れるのなら法律改正要るでしょう。
  73. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  今御指摘のとおりでございまして、対象税目は地方財政法に規定をしておりまして、地方消費税、軽油引取税等につきまして対象税目に広げようといたしますと、法律改正が必要でございます。
  74. 片山虎之助

    片山虎之助君 それじゃ、法律改正の用意はあるんですか、どうなんですか、本年度
  75. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症によりまして、今対象税目としております税以外にも通常の景気変動を超える減収が生じているものもあると伺っております。このため、今後の地方税収の状況把握に努めまして、減収補填債の対象税目について検討してまいりたいと考えております。
  76. 片山虎之助

    片山虎之助君 拡大を検討するんですね、法律改正で。それをもう一遍答えてください。  それともう一つは、地方財政調整基金というのがあるんですよ。貯金ですよ、簡単に言うと、普通の人からいえば。貯金をしているところもしていないところもある。東京都なんか物すごいあったんですよ。ところが、今回のコロナでそれを全部取り崩しているんですね。その状況がどうなのと、それの対応を考えていますか、何か。
  77. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  減収補填債の対象税目につきましては、今後の地方税収の動向などをまたつかみまして、必要がございましたら、地方財政法の改正につきまして検討してまいりたいと考えております。  それから、二点目の基金でございます。  地方団体におきまして新型コロナウイルス感染症に様々な対応を行いました結果、九月補正予算編成後における財政調整基金残高は四・九兆円となっておりまして、令和元年度末の七・二兆円と比べて二・三兆円減少していると承知をしております。
  78. 片山虎之助

    片山虎之助君 それは東京都じゃないの、ほとんどは。東京都は一兆五千億ぐらい減っているはずだよ。
  79. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  東京都でございますけれども、財政調整基金、令和元年度末、九千三百四十五億円、令和二年九月補正後、千七百十八億円と伺っております。
  80. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、もっとあったわね。  まあそれは別にして、財政調整基金というのはあった方がいいに決まっているんですよ。しかし、それはなかなか普通の地方団体は組めないんですよ。だから、それはどういう指導をしているかというのと、こういう非常のときは出すべきなんですよ、財政調整基金は。ちゃんとあるところは出せるわ、ないところはどうするんだという議論になる。その辺の指導はどうやっているんですか。
  81. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げました財政調整基金の状況でございますけれども、地方団体状況をお伺いをいたしますと、地方創生臨時交付金が交付される前に財政調整基金を取り崩して対応したといった事情もございまして、今後、地方創生臨時交付金の交付によって基金から取り崩した財源を振り替え、残高を一部戻す団体もあると聞いておりますので、自主的な取崩し額につきましてはもう少し状況を注視する必要があると考えておりますけれども、さらには、御指摘ございました基金がないところにつきまして、資金繰りが逼迫をした場合には、様々な地方債の発行等につきまして、また御相談に応じてまいりたいと考えております。
  82. 片山虎之助

    片山虎之助君 まあ、これはいろんな見方や議論があるんですけどね。  実は、御承知のように、地方創生の臨時交付金というのがあるんですよ。それを、今回は二回に分けて三兆円もらったんですよね。地方はもうこれで大変助かっていることは事実なんです。だから、もっとくれという要求が正式にあるのか、非公式、正式でなくてあるのか知りませんが、まあ考えてみれば、十兆円も予備費を組んだんだから、あの予備費はまだ七兆円以上は残っているはずですよ。その中から回すということもあるんですよ。  大臣、いかがですか。
  83. 武田良太

    国務大臣武田良太君) コロナ禍は国家非常事態でありますので、それぞれの省庁が可能な限りできる諸策というものを動じずに展開していくべきだと、このように考えています。
  84. 片山虎之助

    片山虎之助君 よく分からないけど、ひとつ、地方財政が健全にならないと、やっぱり国民生活は安定しないんですよ。国の財政と地方の財政は、もう釈迦に説法ですけど、大臣、地方の方が大きいんですよ。額面は似ていますよ。額面は似ているけれども、地方の予算を経由で出ていくんだから、実際、六割以上が地方が使っているんだから。そういう意味では、地方の予算を大切にするということが国民生活を大切にすると、こういうことになるのでね。  ただ、問題は、国は一つの財政ですけれども、地方は千八百に及ぶような団体の予算の集大成なんですよね。私はよくアジサイの花だと言うんですけど、全体が花で、一つ一つが花なので、それをどうやってそろってもらうかというのは大変難しい。しかし、それをそろわせないと、また国民生活が安定しない。  これについて御感想があったら、全く通告なんかありませんけれども、いかがですか。
  85. 武田良太

    国務大臣武田良太君) やはり、地方経済というものが活気を生み出すことが日本の体力増強につながるというのは御指摘のとおりだと考えております。
  86. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、中途半端であれなんだけれども、来年度地方財政ですよ。地方財政計画でそれははっきりするんでしょうけれども、おおよそのこの考え方をちょっと教えてください。
  87. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたところで申し上げますと、対前年度比五・七兆円増の十・二兆円の巨額の財源不足が生じると仮試算では計算をしております。これを補填いたしますために、建設地方債の増発等の様々な対策を講じた上でなお生ずる財源不足四・二兆円につきましては、いわゆる折半ルールによりまして、国は一般会計からの地方交付税の特例加算により、地方は臨財債の発行によりそれぞれ折半して補填をするということにしているところでございます。  この結果、一般財源総額につきましては、交付団体ベースで対前年度比〇・四兆円増の六十二・一兆円を確保しております一方で、地方税は先ほど申し上げました対前年度比三・六兆円減、地方交付税の出口ベースは対前年度比〇・四兆円減の十六・二兆円、そして臨財債は対前年度比三・七兆円増の六・八兆円と大幅に増加をしているところでございます。  年末の地財対策に向けましては、地方団体行政サービスを安定的に提供しつつ重要課題に対応できますよう、新経済・財政再生計画に沿って一般財源総額をしっかり確保いたしますとともに、地方団体からは地方交付税総額の確保を強く要請されておりますので、様々な工夫を検討いたしまして地方交付税総額を適切に確保してまいりたいと考えております。
  88. 片山虎之助

    片山虎之助君 税収は三・六兆円減る、交付税は六千億、〇・六兆円減ると。それを埋めるのに結局いろんなことをやるんだけれども、折半ルールをまた持ち込むわけですよね。だから、国には交付税を足してもらうんだけれども、地方では臨財債をまた積むというわけですね。  もう臨財債はやめようということじゃなかったの。
  89. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  今御指摘ございましたようなことが現行制度の折半ルールということになっているわけでございます。臨財債が大幅な増になるという仮試算の結果になっているわけでございますけれども、私どもといたしましては、地方交付税総額を適切に確保して、なるべく臨財債の増発というのを抑えていきたいというふうに考えております。
  90. 片山虎之助

    片山虎之助君 臨財債は、もう何度も同じことを言うので、年寄りになると同じことを言うのよ、自分がやったことを何度も言いたがるの、平成十三年度からやったんですよ、正式に制度で、折半ルールで。国が半分責任持つ、地方が半分責任持つ。国の責任は交付税の加算、地方の責任は臨時財政対策債を出して自分で払う。まあ自分で払うといっても交付税特会で払うような格好ですけどね。そういう方式はもう三年でやめようという約束だったんです、当時の宮澤大蔵大臣と。三年どころか、延々と続いているわね。それ、やっとこの何年か前からその財源不足が少なくなって、うまくやめれるんじゃないかといって地方も喜んだと思いますよ。ところが、またここで回復してくると。それは永久にやめれないわね。  どう思いますか、局長
  91. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  今までの経過は委員指摘のとおりでございますけれども、新型コロナで国税、地方税が大幅な減収となる中で一般財源総額を確保いたそうといたしますと、なかなか臨時財政対策債をやめるということは難しい状況にございます。
  92. 片山虎之助

    片山虎之助君 そこで、その来年度の概算要求で、事項要求で交付税率を上げる要求をするというけれども、それは、臨財債をこれだけ引き延ばしてやってきている、地方財政が良くならないということに対する反省からですか。事項要求しているんでしょう、交付税率を上げる。していないの。
  93. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) お答え申し上げます。  来年度状況も地方交付税法の六条の三第二項の状況に当たるというふうな判断の下に、交付税率の引上げを事項要求しているところでございます。
  94. 片山虎之助

    片山虎之助君 いや、本気でしているかどうかなんですよね。事項要求しておけば、みんな、地方団体を始め関係のところが、ああ、そういう考え方なんだ、だからということで納得するというあれがある。そのために、まあ格好と言ったら悪いけれども、本気でなくてもやるということはあるんですよね、事項要求というのは大体そういう側面も持っているやり方なんだから。  だけど、本気でやるんなら、それは交付税率を見直すということはあるんですよ。国の財政も大変なんですよ。国の財政も大変なんだけれども、国は制度をつくれるんですよね。税も取れるんですよ、自分で。地方はお仕着せなんですよ。だから、お仕着せを少しずつ変えていこうということが今度のコロナでもみんなが言っていることなので、幾らか変わってきていますよね。  そういうことの中で、やっぱり地方財政というのも同じことを延々とやるということがいいのかどうかね、いいのかどうか。それについては、大臣、御感想があったらいかがですか。
  95. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 御指摘の点も含め、地方の方からかなり強いそうした要望というのは寄せられております。こうした非常事態でありますから、柔軟に今後対応していかなければならないと私は考えています。
  96. 片山虎之助

    片山虎之助君 局長、いかが。
  97. 内藤尚志

    政府参考人(内藤尚志君) 大臣の御指示の下、地方交付税総額の適切な確保に様々な工夫を凝らしてまいりたいと考えております。
  98. 片山虎之助

    片山虎之助君 それじゃ、それでよろしくお願いします。  そこで、もう一つ、地方税財政に絡んで、来年は固定資産税の評価替えの年なんですよね、三年に一回。これが今議論になってきているんですよ。というのは、三年で評価は変えるんだから、評価が上がれば税額は上がってくるんですよ。  それで、地方を見ると、全般にはなかなか土地は上がっていないんだけれども、都市部を中心に商業地は上がっているんですよね。住宅地は上がっているところと上がっていないところがある。商業地は上がっているので、今のままの評価をすると税金が増えるわけですよね。それはしようがないので、そういう制度なんだから、税というのはそういう仕組みで公平に広くやっていくということでみんなが納得している制度なんだから。  だから、そういう制度なんだけれども、それはなかなか釈然としないわね。評価は上がったのかもしれぬけれども、コロナで営業が不振で、全体では何となく沈滞しているときに税だけ上げろと言われて、担税力あるのかという議論になる。  そこで、大変難しいんですけれども、まあ検討しますということになるのかな。それでは身も蓋もないから、もう少し中身の議論を、税務局長になるのかね、よろしくお願いします。
  99. 稲岡伸哉

    政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。  令和年度は三年に一回の固定資産税の評価替えの年に当たります。委員指摘のとおり、事業者からは税負担が増えないように求める、そういった声がございます。一方、市町村からは、固定資産税は行政サービスを支える基幹税であり、安定的な確保が重要であると強い要望がございます。  いずれにいたしましても、固定資産税については、現在、税制改正プロセスにおいて議論されているところでございまして、総務省といたしましては、地方団体、それから関係省庁の意見を踏まえながら適切に対処をしてまいりたいと、このように考えております。
  100. 片山虎之助

    片山虎之助君 まあ今の我が国の税制がいいのか悪いのか、私なんかも関係者だったんですが、自民党の税調というところを中心に、公明党の与党税調も加わって決めていくんですよね。  そういう意味では、かなり政治的に決まる側面が非常にあるので、大臣の馬力でひとつそこはしっかりと頑張っていただきたいと思いますが、いかがですか。
  101. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 頑張ってまいります。
  102. 片山虎之助

    片山虎之助君 まあ通告していませんからね。大いに頑張ってください。あれだけ言われたんだから、満座で。よろしくお願いします。  それでは、もう余り時間がありませんが、日本郵政の社長、来られていると思いますけれども、済みません、時間が短くて。  いろいろ問題はありますけれども、私は、日本郵政というのは、特に郵便事業、それは物流もありますよ、普通の郵便もあるし、物流もあるんだけれども、この郵便事業の将来像についてどういうお考えですか。
  103. 増田寛也

    参考人増田寛也君) お答え申し上げます。  実は、この日本郵便の将来像でありますが、二〇一八年の十一月、総務省情報通信審議会の委員会で私どもの方から、郵便事業単体の利益は毎年度約二百億円ずつ減少すると、こういうふうに見込んでおりました、こういうことを私どもの方でその場で申し上げました。  その後、二〇一九年度、昨年度でございますが、昨年度だけを見ますと、選挙がございました。統一地方選挙、参議院選挙、そして消費税率の引上げに関連した一時的な差し出し増等がございまして、損益が一時的には持ち直したということがございましたが、今年、今年度に入りまして、コロナ禍によって企業活動が停滞をして、ダイレクトメール等が減少しております。また、デジタル化の進展による郵便物数の急激な減少ということで、さらに人件費、単価の上昇という大きな流れに変わりございませんので、こういったことを勘案しますと、今後数年のうちに郵便事業の収支は赤字となることが避けられないと、このように見ております。大変厳しい状況であると、このように考えております。  そうした中で、今委員も御指摘ございましたが、物流分野は、特に今年度に入りまして上半期を見ておりますと、ゆうパックの個数が約二〇%増加、特に収益に多大の貢献をするゆうパケットでございますが、こちらの方が著しく伸びているということもございます。  こうしたことを総合的に勘案しながら今後経営を考えていくわけですが、その際にやはり考えるべきは、先端技術などを活用して業務の効率化に努める、それからダイレクトメール需要の開拓や、そのほか郵便需要の拡大、手紙文化の振興等に取り組みながら、可能な限りの努力を継続していきたい。当然、デジタルトランスフォーメーション、DXによる新たな価値創造なども推進していきたいと、このように考えております。
  104. 片山虎之助

    片山虎之助君 人口が少子高齢化なんですよ。それで、デジタル化の大きい流れでしょう。そういうことの中で、郵便事業の先はそんなに明るく私はないような気がするんですね、今いろいろ言われましたけれども。物流についても、これは民間との大変厳しい競争になる。こういうことでどう生き残っていくか。  日本郵便、郵政というのはもう大変国民信頼も厚いんですよ、長い歴史がある、実績がある。是非そのことについてはよくお考えいただきたいと思いますが、時間がなくなりましたので、次に続きをやらせていただきます。  それでは、委員長、終わります。
  105. 小林正夫

    ○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。  まず、国民に不安が広がっている新型コロナウイルス感染症についてお聞きをいたします。  全国的に感染者数が増加していて、新規感染者数は、先週十九日木曜日、これは私が質問通告をした、この日は、前日、十八日水曜日に二千二百人を超えて、東京、埼玉、静岡、長野では過去最多を更新している状況でした。しかし、十九日の木曜日には二千三百八十六人、二十一日の土曜日には二千五百九十六人となって、新規感染者数は日々更新して、国民の不安が、心配が増幅している、こういう状況でございます。  菅総理大臣や専門家の発言を十一月十八日以降について時系列的に整理をしてみました。  一つは、日本医師会の中川会長は、十八日水曜日の会見で、政府の旅行支援策、GoToトラベルがきっかけになったことは間違いないと思っているとの見解を示されました。  二つ目。十八日水曜日の衆議院厚生労働委員会で、政府の対策分科会の尾身会長は、政府が示した感染リスクが高まる五つの場面が多くの人に伝わっていない、医療体制が逼迫してからでは遅い、今が最後のチャンスだ、このように言われました。  三つ目。二十日金曜日の参議院本会議で、菅総理はGoToキャンペーン事業の見直しは現時点では検討しない考えを強調をされました。  四つ目。二十一日土曜日の政府新型コロナウイルス感染症対策本部の会合では、総理はGoToキャンペーンの運用を見直す考え方を表明した。  これが時系列的な整理です。  そこで、お聞きをいたします。  季節性インフルエンザと新型コロナウイルスを鑑別することは非常に困難な状態が想定をされて、このため疑似症患者が急激に増加することが想定されていた中で、新規感染者数が日々更新していたにもかかわらず、日本医師会の中川会長の見解や尾身会長の心配を受け入れることなく、菅総理は二十日の参議院本会議で見直しは現時点では考えていないと発言をされました。  また、昨日、全国知事会は緊急対策会議を開催し、GoToトラベルについて、政府に対して様々な意見、要望があったと報じられています。  そこで、二点伺います。  今回の感染拡大は政府対応が後手後手になったからではありませんか。  二つ目。また、総理は二十一日土曜日にGoToキャンペーンの運用を見直すことを表明しましたが、感染拡大地域の対象地域の判断やGoToイートの一時停止の判断等を知事に丸投げしたのではありませんか。政府が判断基準を示すことが大事だと私は思いますけれども、見解をお聞きいたします。
  106. 和田義明

    大臣政務官(和田義明君) お答えを申し上げます。  まず、政府といたしましては、感染症、感染拡大防止と社会経済活動のどちらか二者択一というふうなことではなく、感染対策と社会経済活動の両立をさせていくことが基本的に大切だというふうに考えております。  その上ででございますけれども、御指摘のありましたとおり、新型コロナウイルスの感染状況につきましては、新規陽性者数が過去最高を更新し続ける等々の事例が発生いたしまして、最大限警戒すべきというふうなことは御指摘のとおりでございます。  その一方で、観光、飲食など、新型コロナウイルス感染症によってダメージを受けた方々をしっかりと支援をして、社会経済活動を再開して経済を回復させていく必要というのも同時にございます。  したがいまして、引き続き、専門家の御意見をしっかりと踏まえながら、地方自治体とともに緊密に連携をしつつ万全の対策を講じてまいりたいと思います。  そして、地方自治体におきましては現場を最も御理解をされているというふうなことでございますので、しっかりとこうした御理解政府としても踏まえた上で、最終的に共に決断に向けて進めていくといったことでございます。
  107. 小林正夫

    ○小林正夫君 専門家等意見を聞いて、私は、もっと早くいろいろGoToキャンペーンの見直しに着手すべきだった、したがって、後手後手に回ったんじゃないですかという質問です。いかがですか。
  108. 和田義明

    大臣政務官(和田義明君) そのような御指摘でございますけれども、毎週毎週感染の状況も変化をしてございます。と同時に、経済の情勢も毎週毎週変化をしております。こういった状況を踏まえまして、毎週行われております分科会で専門家の方々と政府で検討させていただいております。  そして、やはり基本的な考え方は、国民の皆様方の社会経済活動、これはもう生活に直結する話でありますので、何とかそこのところをやっぱり守れるものであったら守っていきたい、ただし、やはりその感染症のところももちろんしっかり見ていって、そして国民の方々の安全も担保しなければいけない。  こういう大変難しい中での決断を毎週毎週迫られているというようなことでございまして、それに従って必要な判断をしてきたというふうに考えております。
  109. 小林正夫

    ○小林正夫君 経済は再生が利きます。命は再生利かないんです。これだけこの感染が拡大している中で、私は、やっぱり国民の健康を一番に考えてやるべきだ、このように思います。改めて、そういう姿勢で政府には臨んでほしいと、このことを要望しておきます。  それで、大臣にお伺いいたします。  このPCR検査の拡大、充実、これは私も必要だと思いますけれども、現在、内閣府の新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金において各都道府県等負担する費用について財源を確保している、このことは承知をしておりますが、コロナの関係はいつ終息するか分かりません。自治体への支援として今後ともこの措置は継続していくものと、このように私受け止めていますけど、それでよろしいでしょうか。
  110. 武田良太

    国務大臣武田良太君) これ先生内閣府が所管ですので、この問題について私の方から方向性を示すというのはちょっと控えさせていただきたいと思います。
  111. 小林正夫

    ○小林正夫君 PCR検査、各自治体の負担にもなってきます。そういう意味で、自治体への支援、財政的な支援というのは大臣にも関わる問題だと、このように思ったので質問をしたんですが、改めてもう一度いかがですか。
  112. 武田良太

    国務大臣武田良太君) やはり地方財政がこの運営に支障を来さないように、我々としては地方財政措置の徹底に努めてまいりたいと考えています。
  113. 小林正夫

    ○小林正夫君 それでは、次の質問に移ります。  所信的挨拶について、大臣に一点確認いたします。  大臣は、十一月十二日の所信的挨拶の中で、「防災・減災、国土強靱化の推進に取り組みます。」として、復旧・復興支援技術職員派遣制度を活用して、被災地等を支援できる技術職員確保に取り組んでいきますと、このように述べられました。  具体的に、技術職員とはどのような技術を持った人をいつ頃までにどれだけ確保していく計画か、お聞きいたします。
  114. 武田良太

    国務大臣武田良太君) この制度は、土木、建築、農業土木、林野、こういった技術を持った方々を派遣するということで、具体的にいつまでというふうにはまだ決めかねているんですけれども、やはり数年を掛けて一千名程度は確保していきたいと、このように考えています。
  115. 小林正夫

    ○小林正夫君 非常に近年災害が多くなっております。そういう意味で、復興だとか復旧が早く進めるように、今大臣答弁されたそういう専門的な人を配置をしていくということ、非常に大事だと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。  また、亡くなった方や行方不明者が発生しないように、減災についても取り組んでほしいというふうに思います。  そこで、減災について質問をいたします。  一昨日、大臣は二〇一七年の北九州北部豪雨の被災地に視察に行かれました。これは、二〇一八年六月一日現在、消防庁が発表した数字は、福岡で三十七名が亡くなって、大分で三名の人も亡くなり、合計四十名の方が死亡されたという確認がありました。また、昨日は熊本県に視察に行ったと聞いております。この熊本は今年の七月の豪雨で六十五人が犠牲になっていて、各地での死者は合計八十二名に及んでいると、こういう状態になっております。  今日の質問は、昨年十月の台風十九号を取り上げたいと思います。  この台風は関東、東北を縦断して、記録的な豪雨で阿武隈川や千曲川の堤防が決壊し、大きな被害をもたらしました。長野県の佐久穂町では、千曲川の支流が堤防を越えるなどして住宅六十軒以上が全半壊をしましたけれども、亡くなった方はいなかったと、こういうことでありました。  高齢者の避難誘導に役立つのが、町の消防団が昨年三月までに災害時住民支え合いマップを完成させていたことが大きな要因だと、このように言われております。マップは、体の不自由な高齢者や認知症高齢者、車がなくて避難できない人がいる世帯などを住宅地図に書き込んだもの、このように聞いております。消防団が町に避難行動要支援者名簿の提供を求めましたけれども、町は名簿掲載者の同意を得ていないとして提供されず、消防団員が全町内を回って、四千三百世帯を訪問してマップを完成させたと聞いております。  町は、明確に拒否している人を除き、要支援者の情報を提供できるようにするなどの条例の制定を検討していると、こういうように報じられております。  そこで、お聞きをしたいんですが、このような条例を制定している自治体の数を教えてもらいたいということと、また、消防団のマップ作成の取組と課題があればお聞きをしたいと思います。
  116. 山口英樹

    政府参考人山口英樹君) お答えさせていただきます。  避難行動要支援者名簿の情報を平常時から避難支援等関係者に提供できるよう条例に特別の定めをしている市町村数は、令和元年六月一日時点で百三十六市町村でございます。名簿作成済みの千七百二十市町村の七・九%でございます。  それから、委員から御紹介のございました佐久穂町消防団の取組についてでございます。  佐久穂町消防団におきましては、令和元年東日本台風、台風第十九号の際には、避難行動要支援者名簿情報の提供は受けておられなかったわけですけれども、委員から御紹介のございました災害時住民支え合いマップ、これを消防団が独自に作成をされていたことから、これを活用しまして、地区ごとに、警戒レベル三が出始めた昨年十月十二日のお昼前後から順次戸別訪問を行うとともに、移動が困難な方の避難誘導を優先的に行ったことなどによりまして、死者、行方不明者ゼロ、全ての住民の方の命を守ることができたと伺っております。こうしたことから、長野県からの推薦を踏まえ、本年三月、防災功労者消防庁長官表彰を授与させていただいたところでございます。  佐久穂町では、台風十九号の経験を踏まえ、消防機関等への名簿情報の事前提供に当たり本人同意を不要とする条例を本年九月議会で制定し、避難支援等関係者への事前提供を進められているところと伺っております。  避難行動要支援者名簿の情報を事前に避難支援等関係者と共有する取組は、確実な要支援者の避難のために必要なことでございます。  一方で、平常時から事前提供している市町村の割合は、昨年六月一日時点でいいますと、名簿作成をしている千七百二十のうちの千四百四十八、八四・二%にとどまっております。  全国の市町村において名簿情報の事前提供等の取組が一層進めていくことが課題であると認識いたしております。
  117. 小林正夫

    ○小林正夫君 地域の消防団の人が相当頑張ってこういうものを作って、そのために亡くなった方がいなかったと、こういう結果だと私は思います。  そこで、大臣、やっぱり災害から身を守ること、これがもう一番大事だと思いますけれども、こういう条例制定について大臣はどのように思うかということと、政府として条例制定が進むように何か後押しできないのかどうか、お聞きをいたします。
  118. 武田良太

    国務大臣武田良太君) やはり地方の自主自立による条例だと思いますので、政府の介入も限界があるとは思うんですけれども、しかし、こういう条例を制定することによって尊い命が助かったんだという、この成功例だけは全ての自治体にやっぱり広めていくべきだと考えております。
  119. 小林正夫

    ○小林正夫君 私も災害対策特別委員会大臣、当時の大臣と随分意見交換をしましたけど、やはり災害から命を守る、もうこのことは最優先課題だと思います。政府としてできる限りの条例制定に向けて後押しをしていただきたいと、このことをお願いをしておきます。  次に、地籍調査についてお伺いいたします。  これは昨年三月の総務委員会でも私取り上げまして、地籍調査について質問をいたしました。  参考人の方にお伺いしたいんですが、毎年度、業務委託によって早期完了を、地籍調査、目指しておりますけれども、その三月、昨年の三月のときの政府答弁で、平成二十九年度末時点での地籍調査の進捗率は全国ベースで約五二%にとどまっていると答弁されました。  直近の全国における進捗率と、人口集中地区、それと森林が多い林地、この地区の状況確認をしたいと思います。
  120. 松原明紀

    政府参考人(松原明紀君) お答え申し上げます。  御質問の全国における地籍調査の進捗率でございますけれども、近年は三年から四年掛けて一%ずつ上がってきているという状況でございまして、令和元年度末時点で約五二%となっております。また、このうち人口集中地区でございますが、約二六%、林地では約四五%の進捗率となっております。  このような状況も踏まえまして、地籍調査の一層の円滑化、迅速化を図る観点から、本年三月に国土調査法等を改正いたしまして、所有者不明な場合でも調査が進められるような調査手続の見直しや、地域の特性に応じた効率的な調査手法の導入等について措置したところでございます。  国土交通省といたしましては、今回措置した新たな調査手続等の導入を促進いたしまして、地籍調査のスピードアップを図ってまいります。
  121. 小林正夫

    ○小林正夫君 確かに、この調査は時間が掛かると思います。したがって、今の数字は昨年確認した数字とほぼ変わっていないと、こういう状況で、やむを得ないかなと、こう思いますけれども、是非、この地籍調査は、災害復旧のときに誰の土地なのかということが分からないと復旧ができませんので、早くこれが進むことをお願いをいたします。  時間の関係でちょっと一問飛ばします。  先月、地籍調査について、十六県で地籍調査の確定手続をしていなかったことが会計検査院の調べで分かり、会計検査院は国土交通省に改善を求めた、こういう旨の報道がありました。  会計検査院に確認したいんですが、この報道は事実なんでしょうか。また、令和二年十月二十一日付けで国土交通大臣宛てに発出したことは承知をしておりますが、検査結果と国土交通省に求めた改善の内容を簡潔に報告をしてください。
  122. 山岸和永

    説明員(山岸和永君) お答え申し上げます。  会計検査院は、本年十月に、会計検査院法第三十六条の規定により、国土交通大臣に対して、地籍調査事業の実施により作成された地籍図等に係る認証請求の早期の実施等について改善の処置を要求いたしました。  その指摘の概要について申しますと、市町村等において行われた地籍調査事業を対象として、事業により得られた地籍図等が土地に関する基礎資料として効用を発揮することになるよう認証請求が適切に行われているかなどについて検査しましたところ、市町村において事務処理が遅れていること、全ての土地所有者等が原図等案を閲覧したことを確認できないと認証請求を行うことができないなどとしていたことにより、調査実施地区の全ての筆において境界の確認が行われているのに認証請求が行われていない事態、及び、調査実施地区の多数の筆において境界の確認が得られているにもかかわらず、一部の筆において境界の確認が得られていないことを理由として認証請求が行われていない事態が十六県の計五百四事業において見受けられ、事業の成果である地籍図等が活用されていないなどの状況になっておりました。  そのため、国土交通省に対して、土地所有者等が実際に原図等案を閲覧したことを確認することまでは求めていないことについて市町村等に明確に示したり、境界の確認が得られていない場合に、筆界未定とする地図を作成することにより作業工程を進めることについて市町村等に周知徹底したり、認証請求を行うまでの標準的な期間を定めて、当該期間内に認証請求を行うことについて市町村等に周知したりすることなどにより遅滞なく認証請求が行われ、地図として登記所に備え付けられることにより事業の成果が有効に活用されるよう、改善の処置を要求したものでございます。
  123. 小林正夫

    ○小林正夫君 貴重な調査をしたにもかかわらず、それがきちんと反映できていなかった、こういうことだと思います。  今後そういうことがないようにしなければいけないんですけれども、台風や大雨によって、土砂崩れなどの復旧で境界線が分からなくなってしまった、また土地の所有者が不明であるということが非常に復旧に時間が掛かる、だから地籍調査は急がれているんだ、こういうことであります。  今回のような事案が起きないように国土交通省はどう対処していくんでしょうか。
  124. 松原明紀

    政府参考人(松原明紀君) お答え申し上げます。  今ほど会計検査院から説明がありましたように、市町村等が実施している地籍調査事業において作成された地籍図等について遅滞なく認証請求が行われるよう、国土交通省に対して改善の処置の要求があったところでございます。  地籍調査の成果は、認証請求の有無にかかわらず、災害からの復旧にも資するものではありますが、今回の指摘を受けまして、国土交通省におきましては、調査実施後の認証請求が速やかに行われるよう、地方公共団体に対して、地籍調査の成果の認証請求に至るまでの留意点を周知するとともに、原則として三か月以内に遅滞なく認証請求を行うよう文書による要請を行ったところであります。  今後、要請を受けられた地方公共団体の取組状況把握しつつ、その状況を踏まえた助言を行い、地籍調査の成果について、認証請求が促進され、その成果が十全に活用されるよう努めてまいります。
  125. 小林正夫

    ○小林正夫君 最後質問です。  災害時の死亡者、行方不明者の氏名等の公表についてお伺いいたします。  この公表は各自治体の判断に任されていると、このように認識をしておりますけれども、家族の同意が得られない場合が多くて、多くの自治体が氏名等は伏せて人数のみを発表していると、こういう状況ではないかと私は受け止めています。氏名を公表することで生存者が判明すれば、残る不明者の捜索に集中することもできて、限られた要員も復旧作業や被災者支援に振り分けることができると私考えます。  そこで、資料の一です。  これは、全国知事会が、死者、行方不明者の氏名公表の基準を求める提言について、裏面にも、災害時における死者、行方不明者の氏名公表等に係る提言、このようなことが全国知事会から出て、氏名の公表ができるようにしてほしいと、こういうような要望が出ておりますけれども、実際この要望を受けて、政府はどのように今対応しようと考えているんでしょうか。
  126. 村手聡

    政府参考人村手聡君) お答え申し上げます。  昨年七月に全国知事会から、お示しあった資料のとおり、死者、行方不明者の氏名公表について、国に全国統一的な公表基準の作成を求める提言がなされたところでございます。  内閣府としてはこれまで、氏名公表につきましては、被害の状況や被災者の事情などに応じまして自治体が判断すべきものと考えてきましたところでございます。都道府県によって考え方の違いも様々あることから、統一的な基準を作成するのであれば意見集約をまず行っていただきたい旨お伝えをしてきたところでございます。  本年十一月五日の全国知事会では、このような経緯も踏まえ、全国知事会において、公表の判断と、参考となるガイドラインの策定を取り組むこととされまして、その作成に協力を求める形の提言が別紙一の裏面のとおり取りまとめられたと承知してございます。  また、今回の提言には氏名公表に関する権限等を法令上明確化することについても追加されてございますが、小此木大臣が黒岩知事と面会し、この提言をいただいた際には、大臣から、氏名公表の権限を法令上明確にすることについては市町村長や警察、消防といった都道府県知事以外の主体との調整も必要である旨お伝えし、黒岩知事からは基礎的自治体と調整したいと御回答があったところでございます。  内閣府としては、全国知事会による調整の状況に応じて適切な助言を行ってまいりたいと考えてございます。
  127. 小林正夫

    ○小林正夫君 いろんな課題もあると思います。しかし、全国知事会が求めてきたものに沿うような形でやはり政府も考えていく必要があるんじゃないか、こう思いますので、是非今後の取組に期待をしたいと思います。  以上で終わります。
  128. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。  総務省が先日公表したアクションプランでは、携帯電話は生活を支えるライフラインと位置付けられました。コロナ感染急拡大の中で、学生や社会的弱者の生活を支えるライフラインである携帯電話の料金についてお聞きします。  今、学生はリモート授業が続いていて、携帯料金の負担がかさんでいます。学生が利用している携帯料金プランは一般的には二ギガバイト等の低容量プランで、リモート授業によって月々その通信容量制限をオーバーしてしまいます。  埼玉の青年団体、民青同盟の皆さんが学生二百三十三人から生活実態を聞き取った調査が私の手元にあります。その生活実態調査を見ますと、大学によってはWiFiルーターを貸し出すなどのリモート授業支援を実施しているところもありますが、月々三千円以上、年間にすると四、五万円にもなるWiFi使用料が掛かります。また、WiFi環境がない場合には、通信容量制限をオーバーしたギガの追加など、携帯料金は自己負担となります。こうした中で、毎日一食しか食べていないという学生の声もありました。  総務省は、電気通信事業者団体に対して、四月三日に、学生等の学習に係る通信環境の確保に関する要請を発出しました。  竹内総合通信基盤局長、この要請の概要と携帯各社の対応実績について示してください。
  129. 竹内芳明

    政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。  総務省は、本年四月三日、電気通信事業者関連団体四団体に対しまして、新型コロナウイルス感染症影響拡大に伴う学生などの学習に係る通信環境の確保について要請を行いました。  これを踏まえまして、本年四月から八月末までの間に、携帯電話事業者計二十九社が携帯電話のデータ容量追加分を無償化するなどの取組を実施いたしました。例えば、携帯大手三社は、二十五歳以下の全ての利用者を対象として、月間のデータ容量を超過した場合の追加利用料金の支払について、五十ギガバイトを上限に無償化を実施したところでございます。
  130. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 携帯各社は、総務省の要請に、通信容量制限をオーバーしたギガの追加など柔軟に対応はしましたが、その対応はもう既にごく一部の社を除き終了しています。総務省の四月三日の要請は期限を切ってはいません。  武田大臣、今後の新型コロナウイルス感染の動向を判断して、同様の通信環境の確保の要請を行うことはあり得ますか。
  131. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 要請を行った四月の時点、この時点は、コロナウイルスの影響が拡大しまして緊急事態宣言が発動されるなど未曽有の事態になった時期だったと記憶をいたしております。大学においては、対面授業等が困難になって、遠隔授業が余儀なくされるという状況が続きました。自宅などに通信環境が整っていない学生等の教育機会の確保が必要となり、我々としては要請を行ったものであります。  その後、現在では、遠隔授業が行われる場合についても、文科省において遠隔授業のための学生への無線ルーター対応などの予算支援を実施するなど、コロナ禍でも学生が学習を受けるための環境整備がなされているものと承知しており、現時点では再度要請を行うことは考えておりませんが、今後、新型コロナウイルス感染症影響の拡大に伴い、大学側の体制や学生を取り巻く環境が大きく変わるようなことがあれば、必要に応じて対応について検討をしていきたいと考えています。
  132. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 大臣言われたWiFiルーターの貸出しも、予算が行き渡らず、大学によって様々のようです。しかも、このままでは中退を考えるという学生が急増しています。是非、判断し、検討いただきたいと思います。  総務省は、電気通信事業者団体に対して、三月十九日に、新型コロナウイルス感染症影響拡大に伴う料金支払延長等の実施に係る要請も発出しました。  局長、この要請に基づいて料金支払猶予を受けた実績件数を示してください。
  133. 竹内芳明

    政府参考人(竹内芳明君) お答え申し上げます。  総務省からの要請を受けまして、電気通信事業者合計二百一社が支払期限の延長措置を実施いたしました。その結果、合計約四十万の利用者がこの措置を利用しております。
  134. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 学生、社会的弱者を含むこれだけ多くの方が料金支払猶予を受けたということになります。しかし、その対応も既に終了しています。大臣と携帯電話利用者との意見交換会においても、携帯料金を支払えず携帯電話を手放すと、仕事探しもできず、生活基盤が脅かされるという不安の声も出ています。大臣も聞いたと思います。  新型コロナ感染の影響で携帯電話を手放さなければならないというような事態はあってはならないと思います。大臣の認識はどうですか。猶予が終わって数か月分の料金支払が今迫られる方々についても関心を払う必要があるんではないでしょうか。
  135. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 御指摘のとおりだと思います。  私どもは、とにかく家計の負担、この固定費の負担というのは本当にダメージが大きいわけであって、安価かつ質のいいサービスというものを提供することによってこうしたリスクを回避できるものと、このように思っております。
  136. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 生活を支えるライフラインというアクションプランの位置付けにふさわしい対応を更に検討、実行していただきたいと思います。  次に、マイナンバーカードの普及について伺います。  マイナンバーカードについては、国民の中に個人情報漏えい等への危惧の念が大変強いです。  諸外国の例を見ましても、個人情報漏えい等の観点からカードの普及はまちまちという状況があります。例えばアメリカは、社会保障番号、社会保障カードという制度がありますが、カードは紙製で携帯しないことが前提で、身分証明書としての機能は持たない。イギリス、国民保険番号という制度がありますが、カードについてはプライバシー侵害等の理由から廃止をされました。韓国、住民登録番号という制度がありますが、カードについては個人情報漏えいと予算の無駄遣いを理由に導入はいまだ頓挫していますし、番号の民間利用も不可となっています。  高原自治行政局長、日本のマイナンバーカードのように、カードにICチップを埋め込んで、そこに様々な情報を入力して活用している国はどれくらいありますか。また、国名を示してください。
  137. 高原剛

    政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。  悉皆的に調査しているわけではございませんが、我が国のマイナンバーカードと同様にICカードを採用している国としては、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、エストニアなどがあると承知をしております。  以上でございます。
  138. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 日本のようなICチップを埋め込んでカードを活用するという国は世界的にはまれだということです。  国連の電子政府ランキング一位のデンマークさえも、カードそのものは導入していません。国民情報を一元管理し、民間との連携も比較的自由に認め、統制型の典型的な国とも言われるシンガポールも、カードにはICチップを埋め込んではいません。  武田大臣、マイナンバーカードの紛失、盗難によって、今の時点では四情報が流出することになります。この流出リスクをどう認識しておられますか。
  139. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 御指摘、基本四情報、氏名、年齢、性別、生年月日、この危険性についてですけれども、そもそも我々が社会生活を営んでいる上で、一定の範囲の他者には当然開示することが予定されているものであります。仮にマイナンバーカードを紛失、盗難された場合であっても、運転免許証や健康保険証などといった他の本人確認書類と比べて特別なリスクがあるとは考えておりません。  なお、マイナンバーカードは、特殊な印刷技術によりまして券面の偽造防止措置がとられており、また内部の情報を読み取ろうとすると内容が消去される機能を有するICチップを活用しているなど様々なセキュリティー対策が講じられております。さらに、仮にカードを紛失しましても、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターに連絡することで速やかにその機能の一時停止を行うことができるなど、他の本人確認書類と比べても個人情報には十分配慮したものになっていると考えております。  あっ、済みません、年齢じゃない、住所でした。ごめんなさいね。
  140. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 今大臣からお話がありましたけれども、免許証などと紛失したのと変わらないという話もありましたけれども、しかし今、マイナンバーカードを全国民に普及しようとされているわけですよね。その四情報の流出で、間違いなくストーカー被害とか詐欺等の犯罪が起こり得るということになりますよ。そして、全国民へのカードの普及ということで、その危険性は拡大するということになるじゃないですか。  しかも、今後、ICチップの空き領域に、総務大臣の定めるところ、また、市町村、都道府県の条例に定めるところにより様々な情報が入力されていった時点では、先ほど言われた、情報は簡単に盗めないとはいえ、流出リスクは計り知れないと思います。  局長、マイナンバーカードの紛失、盗難に対して今どのような検討をされ、対策を取ってきているんでしょうか。そして、マイナンバーカード交付開始以後、国民にはどのように周知をされてきたんでしょうか。
  141. 高原剛

    政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。  マイナンバーカードを紛失された場合には、警察に遺失物届を提出するほか、専用のコールセンターへ連絡し、機能停止の手続を取るなどの必要な手続について、カード交付時の案内文やホームページなど様々な媒体を通じて周知してきたところであります。また、地方公共団体に対して通知を発出し、マイナンバーカードの安全性について周知、広報に取り組んでいただくよう繰り返しお願いしてきております。  引き続き、丁寧な周知、広報を行い、誤解や不安が払拭できますように努めてまいります。  以上でございます。
  142. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 じゃ、お聞きしますが、デジタル・ガバメント閣僚会議などの資料等を見ますと、マイナンバーカードの紛失、盗難に対して検討したという資料は見付かりませんでしたが、デジガバ閣僚会議では検討されているんですか。
  143. 高原剛

    政府参考人(高原剛君) 委員指摘のように、マイナンバーカードを紛失された場合、もし部外の方が見られた場合、四情報が目に入ってくるといいますか、そういう状態は否定できないわけでございますが、それにつきましては先ほど大臣答弁されましたように、一定程度、これは最高裁の住基ネット判決でも言われておりますが、四情報については、一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている情報であるといったことが示されております。  そして、ICチップの、何というんでしょう、中に入ってくる情報につきましても、私ども、基本的に、その個人の税務情報とか健康情報とか、そういったものをICチップの中に入れるという仕組みではございませんで、あくまでいろんなデータベースとの連携する鍵を入れるということでございますので、先ほど申し上げましたような機能停止の手続を取ることによって一定程度安全性を確保できるというふうに考えております。
  144. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 私聞いたのは、デジガバ閣僚会議で検討したのかと聞いたんですが、お答えありませんでした。私見た限りは、検討した経過はありません。  マイナンバーカードの普及の掛け声は盛んですが、一方で個人情報漏えい等によるリスクの問題が置き去りにされているのではないかと思います。  質問一つ飛ばさせていただきます。  そういう中で、「保険証 将来的に廃止 マイナンバーカードと統合」という新聞報道、これは産経の十八日付けの記事ですが、この記事に私大変びっくりしました。この記事では、自民党のデジタル社会推進本部が第一次提言として、「健康保険証をマイナンバーカードと一体化した上で、移行を進めるため、将来的には保険証の廃止を求めた。」としています。  保険証が廃止されるようなことになれば、マイナンバーカードを通院のときなどふだんから持ち歩くことになり、カードの紛失、盗難、個人情報漏えい等の危険性は更に格段高まることになります。  今日は、山本厚労副大臣に来ていただきました。この自民党のデジタル社会推進本部の第一次提言、つまり健康保険証とマイナンバーを一体化した上で将来的には保険証の廃止との立場は、厚労省も同じ立場なのですか。
  145. 山本博司

    ○副大臣山本博司君) 伊藤委員にお答え申し上げたいと思います。  このマイナンバーカードを健康保険証として利用する目的、これは診療時における確実な本人確認と保険資格確認を可能として、医療保険事務の効率化、さらには患者の利便性の向上等を図るものでございます。  マイナンバーカードを保険証として利用するためには、電子証明書を読み取るための端末などの医療機関等での利用環境の整備、これが必要でございます。骨太方針等の中では、令和年度中におおむね全ての医療機関での導入を目指すこととされておりまして、少なくともそれまでの間は従来の保険証とマイナンバーカードの利用とは併用することになると思います。  あわせて、できる限り多くの方々にこのマイナンバーカードを取得いただくことが必要でございまして、まずは令和年度中までにほとんどの被保険者のマイナンバーカードの取組を実現すべく、関係省で協力しながら全力で取組を進めているところでございます。  また、従来の健康保険証で資格確認を行っている訪問看護や柔道整復等におきましても、マイナンバーカードを保険証として利用するための環境整備、これが必要でございます。  今後、こうした環境整備の導入、検討状況を踏まえながら、保険証の在り方、これを検討する必要があると思っております。
  146. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 この将来的には保険証の廃止ということについては副大臣触れられていませんでしたが、これは大変重大な報道だと思います。注視をしていただきたいと思う。  保険証とマイナンバーカードの一体化では、医療機関の財政的負担も大きくなります。  マイナンバーカードでの受診には顔認証が使われる。カードに記録された顔写真データと窓口に来た人の顔を確認して同一人物か確かめるというオンライン資格確認システムというものですが、このシステムを導入するためには多額の設備投資をしなければならないし、設備投資後のメンテナンス費用も掛かります。  このオンライン資格確認システムについて、二〇二一年、つまり何と来年三月までに六割程度の医療機関、薬局において導入を目指すとしていますが、副大臣、なぜそんなに急ぐ必要があるんですか。
  147. 山本博司

    ○副大臣山本博司君) 今委員指摘のとおり、六割程度の導入を令和三年三月までに目指している次第でございます。  このマイナンバーカードを所持して医療機関、薬局を利用する患者にとりまして、利用できる医療機関等を限定されることなく、望む医療機関を選択できるということは大変重要でございまして、より多くの医療機関や薬局に迅速に導入いただく必要ございます。  例えば、患者が利用するメリットとしては、申請をせずに窓口での限度額以上の支払が不要になったり、また、転籍等で保険者が変わっても、手続をすれば保険証の発行を待たずに受診が可能であります。また、過去の薬剤情報等を医師に提供することでより良い医療も受けることができることが可能でございます。  また、医療機関等にとりましても、例えば事務作業の縮減であるとか、特定健診情報の閲覧によってより質の高い診療が可能になる等のメリットがあるわけでございます。  こうしたことに鑑み、厚労省としては、より多くの医療機関、薬局にこのオンライン資格等のシステムを導入していただけるように積極的な支援をしてまいります。
  148. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 住所が変わったときに簡単だと言いましたけど、人間、そんなに何度も住所変えるものじゃないと思いますよ。  先ほど本人確認がスムーズになると言いましたけれども、来年から変更される保険証には個人を識別する二桁の番号が記載されます。これを目視する方が顔認証システムよりもはるかに本人確認がスムーズになる。しかも、カードと保険証が混在して窓口が混乱したりという問題も現れてくるんじゃないでしょうか。  副大臣、オンライン資格確認システム導入整備等の支援は医療情報化支援基金で行うということですが、設備メンテナンスの費用については含まれていますか。
  149. 山本博司

    ○副大臣山本博司君) 今のこの医療情報化支援基金ですね、九百十八億円でございまして、これは初期導入費用の補助事業ということで行っている次第でございます。その意味では、顔認証の一台無償であるとか、診療所、薬局に対しては、また、そのシステム改修やパソコン等の費用に関しましても、十一月十七日で四十二万九千円を上限に実質補助、全額補助ということになっている次第でございます。そうしたことを、メリット等あるということもございまして、この導入後に発生する機器のメンテナンス等の対応に関する費用は補助対象としていないところでございます。  こうしたオンライン資格の確認の導入のメリットに関しまして、医療機関等に対しては丁寧に周知をし、そのメリット等の効用を訴えてまいりたいと思います。
  150. 伊藤岳

    ○伊藤岳君 メンテナンス費用については補助がないと。  今、医療機関は減収に大変苦慮しています。収入減です。この医療機関に更なる負担を新たに負わせることになるじゃないですか。  今医療機関に必要なのは、マイナンバーカード診療に伴う設備投資支援より減収補填だということを強調して、私の質問を終わります。
  151. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  152. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 次に、郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。武田総務大臣
  153. 武田良太

    国務大臣武田良太君) 郵便法及び民間事業者による信書の送達に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  郵便の役務のなるべく安い料金によるあまねく公平な提供を確保するとともに、日本郵便株式会社と一般信書便事業者との間の対等な競争条件を確保するため、郵便業務管理規程の認可基準のうち郵便物の配達日数及び送達日数に係る基準の緩和並びに配達地による異なる額の料金を定めることができる郵便物の範囲の拡大を行うとともに、一般信書便事業についても同様の緩和等を行う必要があります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、配達地による異なる額の料金を定めることができる郵便物の範囲を拡大するほか、日本郵便株式会社が郵便業務管理の規程を定め、又はこれを変更しようとする場合における総務大臣の認可の基準のうち、郵便物の配達の方法に係る基準について、一週間につき六日以上郵便物の配達を行うこととされている規定を一週間につき五日以上郵便物の配達を行うことに緩和するとともに、郵便物の送達の方法に係る基準について、国際郵便を除いた郵便物を、差し出された日から原則として三日以内に送達することとされている規定を四日以内に送達することに緩和することとしております。  第二に、一般信書便役務の定義等に関し、第一で申し上げた内容と同様の改正を行うこととしております。  以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
  154. 浜田昌良

    委員長浜田昌良君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会