○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志です。
早速、
質問をさせていただきます。
まずは、少人数学級の推進について伺いたいと思います。
資料をお配りしておりますので、資料の一を御覧ください。下の方にページが打ってあります。これは、
経済財政運営と
改革の
基本方針二〇二〇、いわゆる骨太
方針の中の初等中等教育
改革等についての記載を資料にしたものですけれども、その冒頭から、学校の臨時休業等の緊急時においても、安全、安心な教育環境を確保しつつ、全ての子供たちの学びを保障するため、少人数によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備やICTの活用など新しい時代の学びの環境の整備について関係間で丁寧に検討するということが記されています。
それを受けて萩生田文部
大臣は、子供たちの個別適切な学びを実現することができるようにするため、新しい時代の学びを支える環境を整備することが必要として、学級編制の標準の引下げを含め、少人数によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備について
予算編成過程において検討すると表明されました。いわゆる少人数学級に向け、一歩踏み込んだ発言をされたわけであります。
しかし一方で、
財政審の分科会、歳出
改革部会の
議論が行われた十月の二十六日に
財務省から出された資料では、後ほどちょっと紹介しますが、少人数学級は学力向上に大きな
効果はないなど、幾つかの理由を挙げて、少人数の指導体制の整備はするとしつつも、学級
規模の縮小については消極的であります。
この少人数の指導体制をどう整備していくのかということ、つまりは、学級編制の基準を引き下げて学級
規模を縮小していくことを目指すのか、それとも、これまで同様、教員の加配などで少人数指導にとどまるのか、
コロナウイルス
感染症の
対応を踏まえて安全、安心な教育環境を確保しつつ個別最適な学びを実現するということを考えれば、どのような手法を用いていくのか、まさに丁寧な
議論が必要だと私は考えています。
ですので、この問題をこの
財政金融委員会でも
議論をさせていただきたいということなんですが、お配りをしました資料の三を御覧ください。
これが今御紹介をした
財務省から出された資料なんですけれども、中段のところに赤い字で、「新しいデータを使った研究ほど、学級
規模の縮小の
効果はないか、あっても小さいことを示している研究が多い」と、こう書かれていて、以下幾つか具体が書いてあるんですが、表題といいましょうか、何というんですか、テーマといいましょうか、まあ表題ですね、表題には、「学級
規模の学力への
影響は限定的」だと、こういうふうに記されているんです。
でも、本当に果たして
効果はないのかということなんですが、次のページ、資料四、資料五を見ていただきたいと思いますが、これは実は文科省がこの学級
規模の学力への
影響について考え方をまとめたものであります。
上から二つ目の四角の中に文科省の見解というのがあって、そこに考え方が記されているのと、その下に研究事例というところがあって、上の赤い字ですね、「学級
規模が小さいほど、学習規律・授業態度が良い、授業内容の理解が高まる」と。これ、学力
調査をやった分析の研究結果なんですね。
こういうような研究も一方ではありますし、また、地方自治体は独自に少人数学級を実施しているんですね。その
効果は実証済みでありますし、そして、その少人数学級に取り組んでいる自治体でやめたところは一つもないんです。逆に言うと、年々増えていると。これこそが
効果があるという証左ではないかというふうに思います。
それから、特別
支援学級の児童生徒の数は、御承知のように、一クラスの標準というのは極めて低くなっていて、標準は八人です。障害のある子供たちのインクルーシブ教育、つまり一緒に教室で障害のある子と学ぶということを考えたときに、あるいは特別な配慮を必要とする児童生徒の増加などを考えると、少人数学級にしていくということは必須の条件に今なっているということなんですね。間違いなく、そして教育的な
効果もその方が高いということなんだと思います。
このような点だけ見ても、学級
規模の学力への
影響を限定的というふうに表現をすること自体、私はおかしいのではないかなというふうに思いますが、逆にむしろ
効果が大きいというふうに私は考えています。その点について
財務省としていかがお考えか、お聞かせください。