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2020-12-01 第203回国会 参議院 国土交通委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十二月一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十一月三十日     辞任         補欠選任      末松 信介君     加田 裕之君      鶴保 庸介君     三木  亨君      西田 実仁君     下野 六太君  十二月一日     辞任         補欠選任      加田 裕之君     進藤金日子君      三木  亨君     鶴保 庸介君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         江崎  孝君     理 事                 足立 敏之君                 大野 泰正君                 青木  愛君                 杉  久武君                 浜口  誠君     委 員                 青木 一彦君                 朝日健太郎君                 岩井 茂樹君                 岩本 剛人君                 加田 裕之君                 金子原二郎君                 清水 真人君                 進藤金日子君                 鶴保 庸介君                 牧野たかお君                 増子 輝彦君                 三木  亨君                 熊谷 裕人君                 野田 国義君                 森屋  隆君                 下野 六太君                 竹内 真二君                 室井 邦彦君                 榛葉賀津也君                 武田 良介君                 木村 英子君    衆議院議員        国土交通委員長  あかま二郎君        国土交通委員長        代理       盛山 正仁君        国土交通委員長        代理       小宮山泰子君    国務大臣        国土交通大臣   赤羽 一嘉君    副大臣        国土交通大臣  岩井 茂樹君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       佐藤  啓君        国土交通大臣政        務官       朝日健太郎君    事務局側        常任委員会専門        員        林  浩之君    政府参考人        法務省大臣官房        審議官      堂薗幹一郎君        林野庁森林整備        部長       小坂善太郎君        経済産業省大臣        官房審議官    河西 康之君        経済産業省大臣        官房審議官    安居  徹君        国土交通省大臣        官房土地政策審        議官       里見  晋君        国土交通省総合        政策局長     石田  優君        国土交通省国土        政策局長     中原  淳君        国土交通省不動        産・建設経済局        長        青木 由行君        国土交通省都市        局長       榊  真一君        国土交通省道路        局長       吉岡 幹夫君        国土交通省住宅        局長       和田 信貴君        国土交通省鉄道        局長       上原  淳君        国土交通省航空        局長       和田 浩一君        国土交通省国際        統括官      瓦林 康人君        観光庁長官    蒲生 篤実君        気象庁長官    関田 康雄君        環境省大臣官房        審議官      土居健太郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活の  実現を図るための防災減災等に資する国土強  靱化基本法の一部を改正する法律案衆議院提  出) ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (Go To トラベル事業に関する件)  (空き家対策推進及び既存住宅活用に関す  る件)  (駅ホームからの転落事故防止対策に関する件  )  (国土交通行政基本方針に関する件)  (高速道路料金所ETC専用化に当たっての  未搭載車対策に関する件)  (リニア中央新幹線建設に関する件)  (高齢者障害者等の円滑な移動等に配慮した  建築設計標準に関する件)     ─────────────
  2. 江崎孝

    委員長江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、西田実仁君、末松信介君及び鶴保庸介君が委員辞任され、その補欠として下野六太君、加田裕之君及び三木亨君が選任されました。     ─────────────
  3. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省鉄道局長上原淳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提出者衆議院国土交通委員長かま二郎君から趣旨説明を聴取いたします。あか衆議院国土交通委員長
  6. あかま二郎

    衆議院議員(あかま二郎君) ただいま議題となりました交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案につきまして、提案趣旨及び内容を御説明申し上げます。  これまでの国土交通政策は、運輸業は黒字で運営することが可能であるとの前提民間事業者に対して事業許可等がなされてきました。人口が増加し、経済成長が続いている時代には、その前提で問題がありませんでしたが、人口減少災害発生など様々な事情によって輸送サービス提供採算が取れないものになりつつあり、採算が取れない輸送サービス民間事業者提供することは不可能となります。  一方で、国内交通網は、通勤通学等生活基盤であり、また、地域における企業の立地や、地域内、地域間の交流等促進に資するものであることから、一部の路線又は区間の採算性が低いとしても、適切な整備及び輸送サービス提供が行われないと、若年層流出等を招き、地方における地域社会維持及び発展影響を及ぼすおそれがあります。  また、人口減少感染症対策等の現在の交通事業を取り巻く環境の変化に鑑みると、国が、公共交通機関に係る旅客施設及びサービスに関する安全及び衛生確保支援等の必要な施策を講ずる必要も生じております。  さらに、災害が頻発、激甚化し、南海トラフ地震首都直下地震等発生も懸念される中、国土強靱化観点から、大規模災害発生した場合においても交通機能維持され、社会経済活動が持続可能となるよう必要な施策を講ずる必要があります。  本案は、このような現状に鑑み、交通政策基本法と強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法連携を図りながら施策推進していくことの重要性を踏まえ、交通政策基本法について、地域社会維持及び発展観点を明記し、赤字路線への補助は行わないというこれまでの運輸行政在り方を転換し、交通に関して国が支援を行う根拠となるような改正などを行うとともに、国土強靱化に当たって、代替性確保による交通機能維持地域活力向上が重要であることから、国土強靱化基本法基本方針に、国家及び社会の重要な機能の例示として交通を明示し、地域活力向上を追加する等、所要の規定追加等を行うもので、その主な内容は次のとおりであります。  交通政策基本法について、第一に、交通機能確保及び向上に関する規定に、交通に関する施策推進は、人口減少に対応しつつ、交通地域社会維持及び発展に寄与するものとなるよう行われなければならないことを追加するとともに、交通機能確保及び向上を図るに当たっては、国土強靱化観点を踏まえ、我が国社会経済活動持続可能性確保することの重要性に鑑みることを追加することとしております。  第二に、日常生活等に必要不可欠な交通手段確保等に関する規定に、国は、少子高齢化の進展、人口減少その他の社会経済情勢変化に伴い、国民交通に対する需要が多様化し、又は減少する状況においても、国民移動を円滑に行うことができるようにすべきことを明記することとしております。  第三に、国は、国民が安全にかつ安心して公共交通機関を利用することができるようにするため、公共交通機関に係る旅客施設及びサービスに関する安全及び衛生確保支援その他必要な施策を講ずることとしております。  第四に、国が地域活力向上に必要な施策を講ずる目的として、地域社会維持及び発展を図ることを明記するとともに、そのために必要な施策として基幹的な高速交通網形成及び輸送サービス提供確保を追加することとしております。  第五に、国が運輸事業その他交通に関する事業の健全な発展のために行う施策として、必要な労働条件改善を含む人材確保支援を追加することとしております。  第六に、大規模災害発生した場合における交通機能の低下の抑制及びその迅速な回復等に必要な施策について、国土強靱化観点から、我が国社会経済活動持続可能性確保することの重要性に鑑みるべきことを明記することとしております。  そして、強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法について、同法の基本方針に、国家及び社会の重要な機能として、行政情報通信交通を明記し、地域間の連携強化等により、地域活力向上が図られることを追加することとしております。  以上が本案趣旨及び主な内容であります。  何とぞ速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  7. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 森屋隆

    森屋隆君 おはようございます。  立憲民主・社民の森屋隆です。質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げます。  ただいま議題となりました法律案について質問をさせていただきます。  提出者趣旨説明の中に、交通政策基本法について、地域社会維持及び発展観点を明記し、赤字路線への補助は行わないというこれまでの運輸行政在り方を転換し、交通に関して国が支援を行う根拠となるような改正などを行うとしています。具体的には改正案のどの部分に示されているのでしょうか。この辺について教えていただきたいと思います。
  9. 盛山正仁

    衆議院議員(盛山正仁君) 御質問ありがとうございます。  この法案の第二十条におきまして、地域活力向上に必要な施策として「輸送サービス提供確保」を新たに加え、たとえ採算が取れないような輸送サービスであっても、地域維持発展のために必要と考えられるものであれば、その輸送サービス提供確保されるよう、赤字輸送サービス路線に対して、国、地方公共団体が助成その他の支援策を講ずる根拠を設け、そして必要な輸送サービス提供できるようにすることとしたところであります。  加えまして、交通手段確保について規定している第十六条においても、「社会経済情勢変化に伴い、国民交通に対する需要が多様化し、又は減少する状況においても」を新たに加え、たとえ採算が取れない路線等であっても、日常生活等に必要不可欠な移動を円滑に行うことができるようにするために、国、地方公共団体支援策を講じ、その交通手段確保できるようにするとしたところでございます。
  10. 森屋隆

    森屋隆君 ありがとうございます。地方公共交通、大変厳しい状況にありますから、よろしくお願いしたいと思います。  次に、交通事業者の厳しい状況に鑑み、国の補助金だけではなくて、特に災害時など、機動的に対応できるような基金的な財政的支援基盤も私は必要ではないかと、このように思います。この辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  11. 盛山正仁

    衆議院議員(盛山正仁君) 委員の御指摘、そのとおりだと思います。  災害時等の場合におきまして機動的に対応できるようにしておくことの重要性、本当にこの数年、毎年のように大規模災害が起こっております。何とかしなくてはならないと私も感じておるところでございます。  地域住民の皆様のための交通サービス維持提供してもらうためにどのような支援を行うかにつきましては、この法律ができた上で、今後、国、地方公共団体、その他関係者も含めて今後検討していく必要があると考えておりますし、また、進めていただきたいと考えているところでございます。
  12. 森屋隆

    森屋隆君 ありがとうございます。是非この基金についても引き続き検討をお願いしたいと、このように思います。  続いて、今回の改正案では、交通政策基本法の第二十一条において、「人材確保(これに必要な労働条件改善を含む。)の支援」が盛り込まれることになりますが、先日の質疑でも質問をさせていただきましたが、人材確保はこの公共交通において切実な問題であり、改正案に明記されたことを大変歓迎をしています。どのような背景でこのような改正案の御提案になったのか、教えていただけますでしょうか。
  13. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。  今回の法改正に当たり、働く方の団体を含め、幅広く様々な御意見を伺わせていただきました。その中で、委員も御指摘のとおり、例えば公共交通事業トラック事業など交通事業においては人材確保が切実な問題になっております。ということで、様々な御意見をいただいてまいりました。  そこで、本法案は、交通に関する事業の健全な発展を図るため、事業基盤強化に加え、国が人材確保支援を講ずることを明記いたしました。また、人材確保のためにはそこで働く方の労働条件改善が必要であるため、労働条件改善支援を講ずることも明記いたしました。  本法案によって必要な人材確保実現し、交通事業の安定的な運営に寄与することを期待しております。
  14. 森屋隆

    森屋隆君 ありがとうございます。本当に現場の声を取り入れていただいたということで、本当に心からの感謝をしたいと思います。  最後になりますけれども、公共交通は、当然、高齢者障害者など交通弱者にとってこそ利便性の高い交通機関であるべきだと私は思っております。しかし一方で、利用者減少によって路線廃止や駅の無人化などが進んでいるのも事実でございます。  今回の法案改正案を作られる中で、この辺に関してはどのようにお考えになられたのか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  15. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 国内交通網は、通勤通学、また通院などの生活基盤であることから、利用者減少による路線廃止や駅の無人化が進むことは地域社会維持及び発展影響を及ぼすおそれがあることと考えています。  本法案は、交通政策は厳しい社会経済情勢の下にあっても地域社会維持及び発展に寄与するものとなるように行われなければならないとの問題意識などから提案したものであり、地域社会維持及び発展のために必要な施策を講ずる旨を規定する二十条の改正や、交通弱者を含む国民日常生活等に必要不可欠な交通手段確保等について規定している十六条の改正を始めとした本法案により、委員指摘路線廃止や駅の無人化への対策を含めた交通弱者に対する施策が一層進められることを期待しております。
  16. 森屋隆

    森屋隆君 どうもありがとうございます。  この委員会でも、バリアフリーを始め、そういった意見が多々あったかと思います。現在、二〇二〇年三月現在でありますけれども、日本の駅、九千四百六十五駅あるそうですけれども、このうちの四千五百六十四駅がもう既に無人化になっているというふうに、全体の四八・二%が無人駅だということでございます。無人駅の増加に伴って転落事故など、こういったことで安全面での課題も少なくないと私は思っております。  是非、このバリアフリー、ハード、ソフト面を含めてですけれども、事業者任せにせず、ユニバーサルデザイン共生社会推進に向けて更なる国の支援をお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  17. 浜口誠

    浜口誠君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。  今日は、あかま委員長、盛山先生小宮山先生、御対応ありがとうございます。  まず、私から、安定した財源確保についてお伺いしたいと思います。  交通政策様々やっていくためには、今回の法整備と併せて、財源をいかに確保していくのかというのが非常に重要な課題だというふうに思っております。  今回も、法律の第十三条、ここで法制上の措置等という欄があって、その中に、業界の皆さんからは、安定した財源確保、この趣旨を織り込んでいただきたいという要望がありましたけれども、結局、法案の中にはその趣旨は織り込まれなかったというのが今回の実態かなというふうに思っておりますが、今後、この安定した財源確保に向けてどのように取り組んでいくのか、御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
  18. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。  今回の改正項目趣旨を踏まえて様々な交通に関する政策推進するためには、安定的な財源確保が重要であることは委員指摘のとおりでございます。  この点に関しては、現行法の第十三条において、「政府は、交通に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。」とされており、今回の改正趣旨を踏まえ、提案者としては、これまでまだまだ足りないところはあったかもしれませんが、必要な財政上の措置がなされるものと考えております。
  19. 浜口誠

    浜口誠君 是非、これは国会側も、行政側に対して、政府に対してもしっかり財政上の措置を求めていく、この姿勢を与野党共にしっかり持っていくことが非常に大事だなというふうに思っておりますので、今回の法改正趣旨もしっかり踏まえながら、引き続き財政的な支援できるように取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  では、続きまして、高速道路網ですとか、あと地域公共交通、これに対しては、そうした交通網整備するというのはもちろん大事なんですけれども、その一方で、国民皆さんですとかあるいは地域皆さんにそういった交通網を使っていただく、活用していただく、このことが非常に大事だというふうに思っております。  例えばですけれども、高速道路についていえば、もう料金を大幅に引き下げて、より高速道路を使っていただく、あるいは地域公共交通においては利便性の高いダイヤを戦略的に組むだとか、あるいは定額制運賃といったような新たな発想でそれぞれの交通モードを使っていただく、この取組をしっかり進めていくというのが非常に大事だというふうに思っておりますので、道路網利活用という観点で御所見なり御意見があったらお伺いしたいと思います。
  20. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 委員は以前より高速道路料金の引下げや定額料金制などを御提案されており、御指摘のとおり、交通活用促進観点では非常に重要と私も認識をしております。  現行法でも、十八条では、国は交通利便性向上のために必要な施策を講ずるとされていますが、本法案では、二十条の改正で「地域社会維持及び発展」を加え、交通活用による地域社会維持発展を目指すこととしております。  また、昨今の新型コロナウイルスをめぐる状況に鑑み、国民が安全かつ安心して公共交通機関を利用できるようにするために必要な施策を講ずることを十七条の二に追加いたしました。  本法案によって、委員指摘の点の検討も含めて、整備だけでなく利用促進観点からも施策推進され、交通機能が一層充実されていくことに期待をしております。
  21. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。小宮山先生に私の日頃の議論まで触れていただきまして、大変ありがとうございます。  高速道路料金は、本当、しっかり、使う利用者の立場で今後どうあるべきかというのを考えていくのが非常に大事だなと。  日本の場合、高速道路分担率欧米に比べて低いんですね。欧米はもう三割超えていますけれども、日本はまだ二割行くか行かないかということで、高速使われていないと。せっかくの国民の財産であるこういった重要なインフラが十分活用できていないということに対して、やっぱり国会としても様々な提案もしていく必要があるというふうに考えておりますので、引き続きこれは与野党の枠超えていろんなアイデア、知恵を出し合っていきたいなと、このように思っております。  続きまして、日本生産性を高めるために、やっぱり物流効率生産性高めるというのはすごく大事だと思っています。日本全体の生産性を高めるためにも、物流が私はキーだと思っています。  そんな中で、例えば陸上のトラック輸送考えたときには、効率性物流生産性を高めるために一度にたくさん運べば、これは効率性は上がるんですね。一方で、たくさん運ぶとなると積載重量が重くなって、その分道路にも負荷が掛かると、こういう面も一方であります。今後、道路インフラ道路そのもの、橋、トンネル、こういったものの老朽化更新がこれからピークを迎えるに当たって、今後の老朽化更新をやるときには、やはり物流生産性を後押しするような道路側の改良だったり強化、このことをやっていくということは非常に重要だというふうに私は思っております。  今後、是非、改修を迎える老朽化更新について、そのような視点物流生産性を上げるという視点での取組が非常に大事だというふうに考えておりますけれども、先生方の御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
  22. 盛山正仁

    衆議院議員(盛山正仁君) 委員の御指摘、誠にありがとうございます。  我が国周りを海で囲まれております。そういう点で、多分、委員が御比較をされたヨーロッパあるいはアメリカは大きな大陸で、中に海で、あるいは水運で運ぶということはなかなかできないものですから、そういう点でトラック若しくは鉄道貨物比率が当然高くなるんですが、イギリスや日本の場合には周りが海で囲まれているので、大きいものあるいは重いものを内航海運で運ぶ、そういうことで先生が御指摘トラックの、高速道路を含めての比率が低いんだろうと思います。  そうはいいながらも、もちろんその物流重要性ということは我々も強く認識しております。現行の第二十条におきまして、地域内及び地域間の交流及び物資の流通の促進に資する国内交通網形成を講ずるものとすると定められておりますので、この規定に基づいて道路等の改良、強化がこれまでも進められてきたとは思うんですけれども、今回改正をするところ、二十条のところに、括弧書きでございますが、地域社会維持発展のために、「(基幹的な高速交通網形成を含む。)」ということで追記をいたします。  これは、在来のものに比べて高速交通網、つまり高速の鉄道であり道路、こういう高規格のものができるということが、災害等に対しても大変耐震性その他もありますし、そして、今後の道路を使っての、あるいは鉄道を使ってのそういう物流ですとか、そういうことを今まで以上に強化をすることができるということで今回明記をしたものでございますので、御指摘道路等の改良あるいは強化がより一層進められていくものと我々期待しているところでございます。
  23. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。  是非、本当に物流、これからの日本の様々な産業を考えたときにも大事な要素だと思っておりますので、物流をどう改善していくか、より生産性高めていくか、本当に重要な取組これから必要だというふうに考えておりますので、一緒に取り組んでまいりたいなというふうに思っております。  最後になりますけれども、先ほど森屋先生の方からも御指摘ありました人材確保ですね、本当にこの交通業界の人材確保、非常に重要なテーマになってきております。長時間労働をどう是正していくのか、あるいは処遇をどう底上げしていくのか。これは、まさに政労使で一体となって改善していかないといけない大きなテーマになっていると思いますので、今後の物流業界における人材確保に向けての対応について御意見をいただきたいなというふうに思います。
  24. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 公共交通事業における人材確保が大変困難な状況であることは御指摘のとおりであります。  そこで、同じ問題意識から、二十一条において、「人材確保(これに必要な労働条件改善を含む。)の支援」と明記することを提案いたしました。具体的には、労働者の処遇改善については、労働法規に違反するような事業者に対する指導の厳格化等を通じて、労働者のワーク・ライフ・バランスの向上を図ることが重要であると考えます。  また、近年、建設業者とトラック運転手の働き方改革に関して議員立法で法改正を行っておりますので、これらの改正も参考にしつつ、ワーク・ライフ・バランスに関する施策が実施されることを期待しております。  また、賃金についても、事業者の自主的な取組を応援したいと考えております。
  25. 浜口誠

    浜口誠君 どうもありがとうございました。以上で質問を終わります。
  26. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介でございます。  今日は、発議者の先生方、どうぞよろしくお願いをいたします。  早速、交通政策基本法改正案質問に入らせていただきたいと思います。  本改正案は、コロナ禍での公共交通機関の感染防止対策として、国による旅客施設等の安全衛生確保するためにその支援を明記するなど、大変重要な内容が盛り込まれているものというふうに認識をしておりますが、今日は、法案にあります基幹的な高速交通網形成について質問をさせていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  今回のこの法案の第二十条で、地域への企業立地、交流及び物資の流通の促進に資するとして、基幹的な高速交通網形成ということが盛り込まれております。この高速交通網形成に当たっては、地域住民の理解と納得が重要であって、事業の必要性ですとか工事の進め方等について、事業主体と住民その他の関係者との十分な協議の場を計画段階、工事段階、それぞれで設けて、関係者間の合意形成を図ることが必要だというふうに考えておりますけれども、発議者の先生方のお考えはいかがでしょうか。
  27. 小宮山泰子

    衆議院議員小宮山泰子君) 高速交通網形成地域社会維持及び発展などを図るためのものであるため、事業を進めるに当たっては、御指摘のとおり、地域住民の理解や納得が得られるよう地域住民関係者間との合意形成に努めていくことは重要だと考えております。先生の御指摘のとおりです。
  28. 武田良介

    ○武田良介君 地域社会のためなので、理解、納得、合意形成が非常に重要だということで御答弁をいただきました。  これ、大変重要なことだというふうに私も思っておりますけれども、実際の工事で住民の理解と納得が得られるような十分な協議の場が設けられているのかどうかということについて、国交省にお伺いをしたいというふうに思います。  この基幹的な高速交通網形成には北陸新幹線も含まれていることは、衆議院の審議でも明らかになっているかというふうに思います。この北陸新幹線をめぐっては、金沢―敦賀間の工事で、敦賀駅周辺工事の遅れですとかあるいは加賀トンネルでのひび割れの発生で、開業時期の遅れや追加の工事費が今問題となっております。  今何が起こっているのかを地域住民にも十分説明する必要があるのではないかというふうに思っておりますが、事業主体である鉄道・運輸機構は、国交省とともに、十一月の十二日に福井県それから石川県の知事に、またそれぞれの県議会にも説明をしているというふうに承知しておりますけれども、地域住民の方に対する説明というのはなされたんでしょうか。
  29. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  北陸新幹線の金沢―敦賀間につきましては、令和四年度、二〇二二年度末の完成、開業を目指して工事を進めてきたところでございますが、今般、工期の遅延あるいは事業費の増嵩の可能性が生じているところでございます。  このため、十一月十二日には、先ほどもありましたとおり、私と鉄道・運輸機構の理事長で、沿線三県、福井県、石川県、富山県の知事、県議会議長、あるいは各県の報道各社に対しまして、今般の工期遅延、事業費増嵩について説明を行いました。また、鉄道局と鉄道・運輸機構におきまして、福井県議会、石川県議会に対しましても説明を行ったところでございます。  現在、この工期遅延、事業費の増嵩につきましては、第三者から成る検証委員会におきまして検証が続けられているところでございます。御指摘地域住民の方への御説明につきましては、この検証結果が取りまとまった後に、鉄道・運輸機構におきまして、県や沿線市町とも相談の上、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
  30. 武田良介

    ○武田良介君 第三者による検証委員会の検証結果がまとまった後にということの御答弁だったかというふうに思いますが、質問したのにはちょっと理由がありまして、これらの問題について、今言われました北陸新幹線の工程・事業費管理に関する検証委員会、これが正式名称ということでよろしいでしょうか、これが設置されて、工期の遅延、事業費増額に関する検証と原因究明、再発防止策が検討されているというふうに思います。しかし、この検証委員会は非公開というふうにされておりまして、議事概要は公表されておりますけれども、議事録ですとか会議で配付された資料も公表を今されておりません。  国交省は、契約に関する書類もあるからということもお聞きをしておるんですけれども、配付資料を公開することを拒否されております。しかし、その鉄道・運輸機構が保有する文書というのは公文書管理法上も法人文書に該当しますので、情報公開の対象になるというふうに思っております。  個人情報だとか契約に関わる公表できない部分というのはもちろん隠して、マスキングなどしていただいても構わないというふうに思いますけれども、こういう公開できる情報は公開すべきではないかと。全てが公開できないわけじゃないと思うんですね。公開できるものから公開していただく必要もあるのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  31. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  先ほども申し上げましたけれども、工期遅延、事業費増嵩につきましては、第三者から成る検証委員会、北陸新幹線の工程・事業費管理に関する検証委員会におきまして、工期遅延、工事費増嵩に至ったこれまでの事実関係の検証を含めて検討を進めておるところでございます。このため、現在行われている検討のほとんどは工事の契約内容に関するものになっております。  検証過程においては現在非公開としておりますが、各回、委員会の各回の終了後には、その日行われた議事について報道陣に対しましても詳細の説明を行っております。また、先ほども申し上げましたが、この検証委員会において中間取りまとめがなされ、公表される後は、今回使用しました検証資料につきまして、個人情報等の取扱いに留意しながら公表することを予定いたしております。
  32. 武田良介

    ○武田良介君 事実関係を確認するんだということでありましたけれども、だからこそ公開すべきものは公開していくということが私必要になるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、福井だとか石川県だけではありませんで、京都でも、十一月の六日に開催された住民説明会、このときに、建設残土の発生量の試算ですとかあるいは処分地について住民が説明を求めたのに対して、機構は具体的に答えなかったということをお聞きしております。  高速交通網形成に関わって、その一つである北陸新幹線の建設工事では今こういう状況があるんだと、冒頭にも発議者の先生から、地域社会のためにその理解、納得が必要なんだと、合意形成必要なんだということで御答弁いただきましたけれども、地域住民のそういった理解、納得、十分な協議の場、あるいは関係者との合意形成という点で、実際にはそれと違う現実もあるんじゃないだろうかというふうに私思っております。  今後の法案の運用に当たって、住民の理解と納得、合意形成が図られているのかどうか、しっかりと見ていく必要があるというふうに思いますけれども、最後に発議者の先生の御見解を伺いたいと思います。
  33. 盛山正仁

    衆議院議員(盛山正仁君) 委員指摘のとおり、先ほど小宮山委員も御答弁申し上げましたとおり、住民の理解というのは必要不可欠だと私自身も考えているところでございます。  今回の法案第二十条に基幹的な高速交通網形成というふうに明記をするわけでございますけど、その今後の状況について、今後の推移を見守っていきたいと考えておりますし、関係者間の合意形成についてもうまく図られていくことを期待もしておりますし、また我々自身も注視していきたい、そんなふうに考えているところでございます。
  34. 武田良介

    ○武田良介君 住民の皆さんの意に反するような工事で進められないように注意していく必要があるということを申し上げて、質問を終わります。
  35. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  36. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  私は、日本共産党を代表して、交通政策基本法改正案及び国土強靱化基本法改正案に反対の討論を行います。  改正案は、コロナ禍での公共交通機関の感染防止対策として……
  37. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 済みません。大臣、もうちょっとお待ちください。
  38. 武田良介

    ○武田良介君 よろしいですか。
  39. 江崎孝

    委員長江崎孝君) どうぞ続けてください。済みません。中断させて申し訳ございません。
  40. 武田良介

    ○武田良介君 済みません。  改正案は、コロナ禍での公共交通機関の感染防止対策として、国による旅客施設等の安全衛生確保するための支援を明記するなど、評価できる内容もあります。  しかし、以下の点で問題があり、賛成できません。  交通政策基本法改正案で、地域における企業立地、地域内及び地域間の交流、流通の促進に資する国内交通網及び輸送拠点の形成に、基幹的な高速交通網形成を含むとの文言を特出しで追加していることです。  これは、高速道路整備新幹線、高規格の鉄道網などが対象とされており、リニア新幹線や東京外環道など、大規模開発事業推進されることが懸念されます。元々、交通政策基本法と基本計画は、国際競争力の強化の名の下に、外環道や整備新幹線、リニア新幹線、海峡横断道路など、安倍政権の下で復活、拡張された大規模開発事業を位置付け、推進してきました。改正案は、基幹的な高速交通網形成との文言を特出しして追加することで、重点的に推進する意図があると言わざるを得ません。  コロナの感染拡大、災害の頻発、激甚化の下で本来改正すべきは、住民の足と地域経済基盤を守るために交通権、移動する権利を保障することであり、大規模開発事業の復活、拡張とその財源確保に道を開くことではありません。  以上、指摘をし、討論を終わります。
  41. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  大臣、申し訳ございません。お席にお着きください。  これより採決に入ります。  交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  42. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、青木愛君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
  43. 青木愛

    青木愛君 私は、ただいま可決されました交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     交通政策基本法及び強くしなやかな国民生活実現を図るための防災減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 交通国民通勤通学等日常生活の移動手段及び社会経済活動の基盤であることに鑑み、人口減少が進む中においても地域経済の活性化並びに地域社会維持及び発展を図るとともに、交通における防災・減災を推進するため、基幹的な高速交通網形成活用地域内及び地域間の交流及び物資の流通の促進に資する国内交通網及び輸送に関する拠点の形成交通事業者の経営基盤の強化人材確保等に必要な財政、税制、金融、料金体系見直し等の各種支援策の一層の充実に努めること。  二 地域公共交通により経済活性化、観光振興、健康増進等多面的に効果が波及するクロスセクター効果が発揮される一方、地域公共交通事業者の経営が非常に厳しい状況に鑑み、地域公共交通利用促進を図り、その活性化及び再生のための更なる施策を講ずるとともに、地域公共交通利便性及び安全性の向上等に関する事業者の取組に対して更なる支援強化に努めること。  三 交通事業における人材確保が困難となっている状況に鑑み、交通事業の従事者の賃金及び労働時間等を含む労働条件改善並びに人材の育成・確保のための支援に努めること。特に、新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化している交通事業者において雇用の維持が可能となるよう引き続き強力に支援すること。  四 新型コロナウイルス感染症の影響下においても交通が十分に確保されるよう、交通事業の従事者や旅客の感染症対策の一層の推進も含め、交通事業に対する柔軟かつ機動的な支援を充実すること。また、感染症対策推進に当たっては、科学的知見に基づいた安心感の醸成に向けて、事業者と連携して取組推進すること。  五 自然災害により被災した交通サービス及び交通インフラの早期復旧を図るため、人材及び代替交通手段確保交通インフラの復旧の推進等に係る事業者の取組の更なる支援強化に努めること。また、国土強靱化観点から、再度災害防止のための改良復旧等を対象とする支援制度の整備及び運用改善について検討すること。  六 高速交通網形成に当たっては地域住民の理解が重要であることを踏まえ、事業の必要性や工事の進め方等について事業主体と住民その他の関係者との間で十分な協議を行うための場を設ける等の環境整備を行い、計画段階及び工事段階の双方における関係者間の合意形成に努めること。  七 高齢者障害者、妊産婦等の円滑な移動のために介助を要する場合に対し、交通事業者行政、ボランティア団体等の連携の下、安全を確保し、支えていくための取組推進すること。特に障害者については、公共交通機関の利用が拡大していることから、車椅子使用者や視覚障害者をはじめとする移動制約者と事業者双方との対話を重ねた上で介助の在り方を明確化するなど、必要な措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  44. 江崎孝

    委員長江崎孝君) ただいま青木愛君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  45. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 全会一致と認めます。よって、青木愛君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、赤羽国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤羽国土交通大臣
  46. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) ただいまの御決議につきましては、本法案施行に際し、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  どうもありがとうございました。
  47. 江崎孝

    委員長江崎孝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  衆議院議員皆さんは御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。  赤羽大臣、先ほどは失礼しました。申し訳ございません。討論の途中でしたので、しばらく着座をお待ちいただきました。  武田良介委員、申し訳ございません。     ─────────────
  49. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  51. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  52. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 おはようございます。自由民主党の岩本剛人でございます。  委員長を始め理事の先生方におかれましては、質問の機会をつくっていただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  それでは、質疑に入らさせていただきたいと思います。  先週も当委員会質疑がございました、また昨日も参議院本会議で質疑があったGoToトラベルについてお伺いをしてまいりたいと思います。  ちょうど十一月二十四日でありますけれども、札幌市、大阪市着のGoToトラベル事業の一部区域の除外が分科会の提言を受けて政府から発表されたところであります。この今のコロナの状況考えると、医療体制の逼迫等を考えますと、大変厳しい判断でありますけれども、やむを得ない措置であるというふうに私自身も認識をしておりますけれども、私の地元であります北海道でありますけれども、札幌市の除外については、大変、知事始め、二十四日、政府関係者と相当なやり取りをさせていただいて、知事としても非常に苦渋の決断をしたというふうにお伺いをして、西村大臣との協議に応じたというふうに伺っております。  またさらに、引き続いてGoToトラベル事業は利用は継続されるんですけれども、先週の十一月二十七日に、札幌市、大阪市に在住する人がGoToトラベルの事業をやめる場合に、キャンセル料なしでキャンセルが可能になったという発表もありました。これと同時に、札幌市、大阪市から出発する方々の旅行も控えてほしいというような発表もあったわけであります。このことを踏まえて、国交省の方に何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、先週、当委員会でも様々な議論があったんですけれども、この度の事業の運用の見直しについて、様々なマスコミ報道もありまして、国民皆さんにしっかり正しい理解がされている部分があるのかなと、誤解をされて理解をされている部分があるのかなというふうに考えているのが、今回の一部地域除外の決定の経緯について、しっかり正確に、まずどのような形で決定されたのか、お伺いをしたいと思います。
  53. 蒲生篤実

    政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。  政府新型コロナウイルス感染症対策分科会からは、従来より、ある都道府県がステージ三相当と判断された場合には、GoToトラベル事業に係る感染リスクを総合的に考慮して、当該都道府県を除外することも検討していただきたいとの提言を受けておりました。  このような中、十一月二十日金曜日の分科会におきまして、今までどおりの対応では、早晩、公衆衛生体制及び医療提供体制が逼迫する可能性が高い、また、このままの状況が続くと、結果的には経済、雇用への影響が甚大になるとの現下の状況の判断の下、感染拡大地域においては、当該都道府県知事の意見も踏まえ、一部区域の除外も含め、国としてGoToトラベル事業の運用の在り方について早急に検討していただきたいとの新たな提言がなされました。  十一月二十四日火曜日の夕刻には、北海道、大阪府の両知事から、それぞれ札幌市、大阪市が国のステージ三相当にあるとの認識が西村担当大臣に伝えられたことを受けまして、菅総理大臣、加藤内閣官房長官、西村担当大臣、田村厚生労働大臣、赤羽国土交通大臣の関係閣僚で協議を行い、両市を目的地とする旅行への本事業の適用の一時停止を国として判断し、公表したところでございます。  さらに、十一月二十五日水曜日の分科会の提言におきまして、医療提供体制及び保健所への負荷が更に深刻化しており、本事業について、今後の状況に応じて当該地域からの出発分についても検討することとされたことから、十一月二十七日に、北海道、大阪府の両知事からの御意見を踏まえまして、関係閣僚で協議を行い、札幌市、大阪市に居住する方に、一定期間、GoToトラベル事業の利用を控えるよう強く呼びかけることを国として判断し、実施させていただいたところでございます。  以上でございます。
  54. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 この十一月二十日等からの分科会で議論がされてきたわけでありますけれども、昨日、参議院の本会議で総理から、今回のGoToトラベル事業に関連して、いわゆるコロナとの因果関係は、正式な根拠はないというような、エビデンスがないというような発言を正式にまた答弁されたわけでありますけれども、非常に、今の分科会の経緯、経過もお伺いしたんですけれども、そのGoToトラベルと今回のコロナが広がったという、感染が大きく広がったという部分について、非常に因果関係が深いような印象があるわけでありますけれども、このことに関して、もう一度しっかり、国土交通省としてどういう認識を踏まえていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  55. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) ちょっと話は違うんですけど、私はこれまで、例えばBSEの問題とか、また福島の東京電力福島第一原発のときも現地対策本部長を務めました。それぞれ一番問題になっているのがリスクコミュニケーション、本当のリスクを正確に理解をして正しく恐れるということがなかなか我が国はうまくいっていなかったと。ですから、風評被害というのが非常に長引いてしまったという、やっぱり相当強烈な反省がございます。  それで、テレビを付けますと、民放各局で専門家と称して出てくる方がいかにある意味で無責任なことを言われているのかということは、私自身は、これ今の立場ではなくて、当時のその二つの事案のときに常に思っていました。  ですから、私、今心掛けているのは、このリスクについての評価は、いろんな専門家いるのは承知をしておりますが、政府が任じられている対策本部、感染症対策本部の分科会に選ばれた方がやっぱり責任ある立場で責任ある所見を、また結論を述べられるということが一番大事なんではないかということであります。  ですから、今のあれがですね、この対策本部分科会の御提言では、もう御承知のように、GoToトラベル事業は感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないというのが今の唯一の表現でありますので、ここはしっかりと尊重していかなければいけない。  他方、私は、国土交通大臣として全国各地の観光地域に行って現場の皆さん意見交換もさせていただいておりますし、また、事務局として、全国、登録をされた二万三千を超える旅館、ホテルの事業者の皆さんの現場の実地調査もしておりまして、十分じゃないところ、大半が大変な勢いで感染拡大防止対策やっていただいていますが、もう少しこうした方がいいんではないかという助言等々もさせていただいて、よりそうしたことを強めております。  ですから、私はそうした現場を一番知っている政治家の一人だと思いますので、そうした事業者の皆様の御努力というのは、やっぱり私が知っているからしっかりそれは伝えていかなければ、事業者の皆さんも誇りを持って、この感染拡大防止はしてはいけない、自分のところで出すわけにはいかないというのは、自分だけのことを考えているのではなくて、観光地全体に迷惑を掛けてしまうという、それはすごい強い意識の高さがあるし、実際、ここまでやるかなと思うぐらい、私もこの間、いろんなところの地方のビジネスホテルみたいなところにも泊まりますが、そこでも、朝食のやり方とか、相当しっかりとやっていただいているというのは事実でございます。  ただ、この新型コロナウイルス感染症というのは正体がまだ分からないので、そこに議論の余地が出てくるし、そこに私たちは最善の努力をしていても予防的な措置をとらなければいけないという、そういったことがあるんだと思います。  今回も、北海道知事も、私も何回も話をさせていただきましたが、この感染拡大の主要な要因でないことについて、GoToトラベルを、やっぱり北海道も観光立県ですから、そこを止めるというのは大変難しい判断だったと思いますが、これは、西村担当大臣始めいろいろ検討し、今、医療体制相当逼迫をしているという状況なので、この一時期間、除外ではなくて停止ということで、そういう措置をとらせていただいたわけでございます。  ですから、政府を挙げて札幌の、大阪もそうですが、医療関係の改善を図り、そして、十二月十五日の段階でもう一度検討することになりますが、私は、観光庁を担当する国土交通大臣としては、速やかに停止が復活できるように、そういう状況になればいいなと思いますし、そうした努力はしていかなければいけないと。  これ、何か無理やりそういうふうにするという意味ではなくて、このコロナを鎮静化させるように政府を挙げてしっかり、できることはしっかりやっていくということだと思います。
  56. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 大臣、ありがとうございます。  どうしても、マスコミに取り上げられる方々が、医療関係者の発言ですとかそういった発言が最近多いものですから、今、全国の旅館協会の役員が北海道の方でありまして、大変一生懸命、今大臣の答弁のとおり、旅館関係の皆さんは本当に今衛生管理含めて努力をされておりますので、様々な方に負けないように、大臣是非様々なテレビに出て発信をしていただければ、非常に旅館関係、旅行業者の皆さんは力強く思っていただけるんだろうと思いますので、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。  北海道、御案内のとおり、今、インバウンドは大体年間三百万人です。大阪府の統計調査は、インバウンドは約一年間で千七百万人。これは、関空、伊丹はもう海外便は飛んでおりません。御承知のとおりであります。北海道も、観光消費額でいうと約一兆四千億円の数字が実はありまして、それが、着についてはキャンセル可能だと、ただ、今度、発する部分についても控えてほしいという本当に厳しい状況に陥っているものですから、そういう意味におきましては、今大臣からも答弁があったんですけれども、実は北海道知事からも、観光関連産業に対する給付金制度の創設だとか、今自主的に臨時交付金を使ってどうみん割ですとか様々な活動をしてきていたところではあるんですけれども、どうしてもこの間、止めなければならないということがありまして、それはもちろん大阪も同じような状況だと思います。  そういう意味におきましては、一応十二月の十五日までということではありますけれども、実際努力をして解除がされた後に対して、是非、今回、札幌、大阪については、ほかの地域と比べるわけにはいきませんけれども、更なる支援是非お願いしたいと思うんですけれども、見解をお伺いしたいと思います。
  57. 岩井茂樹

    ○副大臣岩井茂樹君) 岩本委員にお答えをいたします。  先ほども少し答弁にもありましたけれども、今般、札幌市又は大阪市を目的地とする旅行へのGoToトラベル事業の適用を一時的に停止をするとともに、両市に居住する方に対し、本事業の利用を控えていただくように強く呼びかけをさせていただきました。  支援策というところでございますが、観光産業は全国約百万の事業者と約九百万人の雇用を支える大変裾野が広い産業でございまして、今般の措置によって地域経済が受ける影響というのは非常に大きく、まずは、両市の感染拡大が落ち着き、本事業の適用を再開できるようになることこそが最大の支援策だとは思っております。  ただ、当面の支援策ということも、これは必要だと思っております。当面の支援策といたしましては、予約がキャンセルされたことに伴い影響を受ける参加事業者に対して、一定期間、旅行代金の三五%に相当する額を本事業の予算で負担することとしております。  実は、この三五%の中身ということが実は重要でございまして、この三五%という水準については、本来であればキャンセル料が一切発生しない早期のキャンセルも含め、キャンセルが生じた際には事業者に旅行代金の一律三五%をお支払いするということにしているということと、実は、七月に東京において同様の措置を講じた際は、実際にキャンセル料が生じた場合に限りその一部をお支払いするものであったところ、今般の措置については、キャンセル料に見合う額を旅行代金の三五%という形でお支払いするということにしております。  GoToトラベル事業において、宿泊割引分として国が負担する額が旅行代金の三五%を上限としているということも踏まえれば、手厚い措置に近くなっているんではないかなと認識をしております。  さらに、再開後も継続的に執行状況を見ながら、ほかの地域に比べて旅行需要の回復が進まないという状況であれば、民間事業の協力を得たキャンペーンの実施、また、利用の進まない地域を中心としたプロモーションの実施などの支援を必要に応じて検討してまいりたいと思います。
  58. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 ありがとうございます。  そのときに、是非、観光関連産業、どちらかというと中小企業に当てはまらない従業員の関係等であるわけでありますので、もう是非全国を含めてプロモーション等をお願いしたいと思いますし、是非改めて、その支援策というのは雇用調整助成金と政投銀の融資ぐらいしか、実際、観光関連産業は当たらないところが多いものですから、是非、この状況が、もっとまた厳しい状況が続くとなれば、観光産業を維持できるような新たな給付金制度等の検討是非お願いできればというふうに思います。  続きまして、同じようにコロナ関係で大変厳しい影響を受けております空港の件についてお伺いをしたいと思います。  御承知のとおり、航空会社は大変厳しい状況にあって、様々な支援を今、国の方に要請をしているところでありますけれども、それを受け入れている空港も実は大変厳しい状況にあります。  実は、今年度、北海道は全道で、地域空港を始め七空港で、空港コンセッションということで空港民営化が実施されたわけでありますけれども、そのやさきにこういったコロナの状況になっております。また、あわせて、福岡空港も大変空港運営の中で厳しい状況にあるというのもお伺いをしております。  空港のそれぞれのコンセッションの状況、いろいろ数字を、国交省の数字をお伺いをしておりますと、もう四月から九月まで前年対比で大体七五%減以上の空港が、コンセッション空港はほとんどのわけであります。  そうした中で、空港民営化の中で、それぞれコンセッションの状況は契約状況を含めて違うわけでありますけれども、その中でも北海道エアポートと福岡空港は厳しい状況になっているわけでありますけれども、今後、運営権対価の中で今それぞれ分割金を払っているわけでありますけれども、その空港、コンセッション空港について、国として、そういった分割金の支払猶予等も含めてどのような支援考えていただけるのか、お伺いしたいと思います。
  59. 和田浩一

    政府参考人和田浩一君) お答え申し上げます。  ただいま委員指摘のとおり、コンセッション空港につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、かつてない大変厳しい経営状況にございます。  こうした状況を踏まえまして、政府では、これまで、国税、地方税の納税猶予でありますとか、運営権対価分割金の年度末までの支払猶予等によります資金繰り支援、また雇用調整助成金による支援を行ってまいりました。空港運営会社からは、これらに加えまして、運営権対価分割金の更なる支払猶予でありますとか、運営期間の延長等の御要望もいただいているところでございます。  空港は航空ネットワークを維持する上で必要不可欠なインフラでありますので、国土交通省といたしましても、空港運営会社からの御要望をしっかり受け止め、必要な支援措置が講じられるよう最大限努力をしてまいります。
  60. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 御承知のとおり、空港民営化でSPCなわけでありまして、実際、大企業の分類される中で、今回のコロナ対策の具体的な支援というのがなかなか今実際厳しい状況にあるのがコンセッション空港であると思います。  参考までに、運営権対価で、北海道エアポートですけれども、年間二十四億円を三十年払い、福岡空港は年間二百億円を三十年間支払うというような運営権対価分割金であります。  そうした中で、大変厳しい状況にありますので、今局長から検討したいということでありますので、是非何とか、北海道のこれは玄関口ですから、守るために支援をお願いしたいというふうに思います。  続きまして、同じようにコロナで影響を受けております、また、先般大臣所信でお話のありました、JR北海道とJR四国の経営改善に向けた取組を進めるという発言があったわけでありますけれども、このことについてお伺いをしたいと思います。  もちろん、新型コロナウイルスの感染、今回の新型コロナウイルス影響で、JR北海道、JR四国等も大変経営上厳しい運営を強いられて、厳しい資金繰りの状況であるのは御承知のことかと思います。また、平成十年にいわゆる国鉄事業団の債務等処理法で、JR四国、北海道は、経営安定基金ということで、運用益を利用してこれまで何とか乗り越えてきたわけでありますけれども、そうした中で、来年の三月三十一日でこの度の、正式に言うと日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律、これが切れるわけでありまして、年度末でですね。  そうした中で、令和三年度以降について、これまでに様々支援をいただいてきたんですけれども、単純なその期限の延長だけにはかかわらず、もちろんコロナの影響もありますので、現行の特別債券に加えて新たな、経営安定基金の運用益を低金利時代ですから下支えするというようなことも大変重要な大きな支援策に関わってくると思うんですけれども、このことについて見解をお伺いしたいと思います。
  61. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  JR北海道及びJR四国におきましては、国鉄の分割・民営化に際しまして経営安定基金が設置されまして、その運用益で事業全体の営業損失を補うことで経営の安定化を図ってきたところでございます。  国土交通省といたしましては、長期的な金利情勢の変化に対応するため、平成九年度から二十八年度まで、経営安定基金の借入れによる運用益の下支えを実施するとともに、平成二十三年度からは特別債券による経営安定基金の実質的な積み増しを行うなど、経営安定基金に係る支援を行ってきております。加えて、厳しい経営状況に置かれておりますJR北海道及びJR四国の経営基盤の強化を図るため、鉄道・運輸機構の特例業務勘定を通じた助成金の交付、無利子貸付金の支援を行ってきているところでございます。  法律に定められた支援の期限は今年度末で切れますが、今後の支援在り方につきましては、経営安定基金が果たす役割にも十分留意しながら検討を行ってまいりたいと考えております。
  62. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 是非、低金利時代で大変厳しいまた運営が続くわけでありますので、是非何とか、コロナの状況で全国の鉄道会社については厳しい状況に置かれておりますけれども、特にJR四国、JR北海道、JR貨物については厳しい運営状況になりますので、力強い支援をお願いしたいというふうに思います。  それで、これは最後の質問になるんですけれども、本日、閣僚懇談会で菅総理の方から、防災・減災、国土強靱化推進についてということで、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を取りまとめると、さらには、この事業規模については十五兆円程度を目指して、初年度については令和二年度三次補正予算について措置したいというような発言があったというふうにお伺いをいたしました。  先ほど交通法の改正国土強靱化基本法の一部改正する法律案が採決されて、議論があったわけでありますけれども、是非趣旨説明の中での、国内交通網は区間の採算性が低いとしてもというような趣旨説明の中で発言がありまして、また、大規模災害発生した場合においても交通機能維持されると、さらには、ここが非常に有り難い話なんですけれども、赤字路線への補助は行わないというこれまでの運輸行政在り方を転換し、交通に関して国が支援を行う根拠となるような改正をというような趣旨説明があったわけであります。  その中で、また地元の話で恐縮なんですけれども、北海道は、ミッシングリンクを含めて、高速交通網は本州に比べると約六〇%を切るような、高速が通っていない地域が実際ありますので、大変厳しい状況であります。  そうした中で、今日の総理の発言については、また先ほどの法案の可決については、大変、北海道については本当に有り難い改正だというふうに思っております。また一方、災害については、本当に厳しい災害がもう毎年続いておるのは皆さん御承知のとおりだと思います。そうした中で、今日の総理の発言を受けて、最後に是非大臣のこれからの決意についてお伺いをしたいと思います。
  63. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今日の総理の閣議後の閣僚懇談会で、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、仮称でありますが、これを取りまとめるとの指示がございました。これは、もう全国の首長さん始め、また自由民主党、公明党の与党からも、今後、中長期的に、計画的に中長期的な視点に立った防災・減災対策が講じられるようにということで、この五か年で、そしてその規模も十五兆円ということが指示されたということは大変有り難い、また重要な話だと思っております。  これは令和二年度は第三次補正予算で措置するということでございますが、これは偏らないで五年間均等にやっていけるように、しっかり私も、その後、総理にもお願いをしておりますので、そうしたことに努めたいと。  もう一つは、その中で、やっぱり防災・減災という意味と地方創生という意味では、北海道にとってJR北海道、大変重要だと思いますし、その鉄道と高速道路という二つをどうしていくのかということは、北海道の皆さんとしっかり話をしていかなければいけない。  ただ、一つちょっと簡単に申し上げれば、やっぱり北海道のJR北海道、私も行くたびに在来線を乗るようにしていますが、一つは、札幌までの新幹線を速やかに実行するということと、もう一つは、やっぱり札幌だけが何というか巨大になっていて、ほかがなかなか、次の第二、第三の都市がないと。ですから、鉄道網を引くというのはなかなか難しいんですけど、先日、道東をお伺いしたからそう言うわけじゃありませんけど、釧路圏にやはり相当な観光地の可能性もあると思いますので、札幌と釧路ですとか札幌と旭川、こうしたことがやっぱり交流人口を増やして、やっぱりそれなりの都市圏をつくって、そうしたことを図るということが大事なんじゃないかと。  当然のことながら、今年度末の法律が切れますので、その点については、コロナ禍という特殊状況と北海道という特殊性も合わせて、御要望のとおりしっかりと寄り添った形でやっていきたいと、こう思っております。
  64. 岩本剛人

    ○岩本剛人君 ありがとうございます。  是非、JR北海道の発言も大変有り難いお話でありますし、また、この国土強靱化是非五年間、恐らく全国の方々が今の厳しいコロナの状況の中で明るい一つの兆しになろうかと思いますので、しっかり力強く進めていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わらさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  65. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。  国土交通委員会に所属になりまして初めての質問になります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  今日は、大きく四つ御質問させていただこうと思っております。一つは高速道路について、もう一つは住宅政策、そしてもう一つは自転車政策、そして最後に地元の大宮駅の改修について、大きく四つの点について御質問させていただきたいと思います。  最初に、高速道路の関係でございます。  高速道路の民営化が行われて、この民営化によって、四十五年で高速道路償還が終わって無料化になるんだと。その当時、私も国会議員の秘書として、政策秘書として、その法案、民営化法案に携わっていたんですけれど、四十五年たったら無料になるんだと、バラ色の民営化なんだというような形で法案が審査をされていました。  その後、私、国会から離れることになったんですけれど、平成二十六年に道路法の改正がありまして、その中で、償還期限が四十五年からプラス十五年されて六十年になりました。償還期限が二〇六五年まで延長されたと。民営化になってからちょうど十五年たつんですけれど、また四十五年、今の段階で残っているというような状況になりました。  自動車の一ユーザーとして、あの当時に高速道路料金が高いという議論があって、下げるんだというような話があって、将来無償化なんだと、償還をしたらただになるんだというような話があって期待をしていたところなんですが、現実はそうもいかないというような状況になっております。  ここで改めて、この高速道路の民営化になって、今償還主義で、今まであった借入金やこれから整備をしていく道路の起債や改修費用、こういったものを料金収入で返していくことになるんですが、改めてここで高速道路民営化の趣旨について御確認をさせていただきたいと思います。御答弁をお願いいたします。
  66. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、熊谷委員には、国土交通委員会で御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。  道路公団民営化ってもう随分前で、久しぶりの質問だなというふうに思って、実は私、当時、衆議院の国土交通委員会委員長をやっておりまして、当時、道路局長が佐藤信秋さんだったという、私より佐藤信秋さんに聞いてもらった方がよく分かると思うんですが。  それは、冗談はさておき、当時の道路関係四公団の民営化につきましては、まず一つ目は、約四十兆円に上る有利子債務の確実な返済を図ることと、これがやっぱり一つ一番大きかったというふうに思っております。また、必要な道路を、これまでは国が一方的に命じていたという形ではなくて、新しい会社の自主性を尊重しつつも、早期に、できるだけ少ない国民負担の下で建設することというのが二つ目の目標。三つ目には、なかなかサービスエリアとかパーキングエリアのサービスが非常に悪くて、そうしたことも民間のノウハウの発揮をいただいて多様なサービスと、また料金設定も、弾力的な多様な料金設定もできるようにということを主な目的としたわけでございます。  そして、債務の返済及び無料化につきましては、この民営化関係法案において、民営化から四十五年には債務を確実に完済し、そうした後に高速道路等を道路管理者に移管して無料開放することということが当時定められたと。  その後、多分、笹子トンネルの、ちょうどあしたで八年目になりますが、ああした大きな事故。ですから、インフラの老朽化点検とか修繕等々の費用もしっかりと掛けていかなければいけないというような議論があったとも記憶していますが、それで十五年、その四十五年が六十年になったということだったというふうに思っております。
  67. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  その当時、私も、今参議院の佐藤信秋先生道路局長で、事務所に来られていろいろと、私も政策担当秘書でしたから、局長といろいろ議論させていただいて、法案の審査に参加をさせていただいておりました。  そのときに、高速道路の総延長をこれからどうやって、それを、ネットワークを完成をさせるためにその総延長をどうやって整備をしていくんだという話になりまして、あの当時は一万二千八百キロという大きな数字があって、そのうちの九千三百四十二キロの計画をされている部分を全部高速道路整備ができるかどうかというような議論があって、民営化会社が整備をするもの、それから国が直轄で整備をする道路、それから抜本的見直しをする道路の三つに分けられたというふうに記憶をしておりまして、その後十五年たって、その当時に高速道路網を、先ほどからいろいろとお話が出ておりますが、ネットワークとして完成をさせなきゃいけないというふうに言っていたその高速道路のネットワークが今どのような、現状どれくらい整備がされたものなのかというところをお尋ねをしたいと思います。  昨日の決算の本会議で、総理の方からも公益性の高いところから整備をするんだというような答弁が本会議場でもございましたし、先ほど岩本委員の話で、北海道のミッシングリンクの解消なんという話もありました。国がその当時にネットワークを完成させるためにどれくらいのところに目標を置いて、今どれくらいのところにまで整備が行われているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
  68. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) ちょっと詳しく、もしあれでしたら道路局長からも補足してもらいますが。  あの道路公団民営化の当時に、整備計画区間、今お話ありましたように九千三百四十二キロメートルでございまして、そのうち未供用が千九百七十五キロメートル、この扱いについては、費用対効果ですとか採算性、あと外部効果による厳格かつ客観的な事業評価を行いまして、その結果、いわゆる新直轄方式に切り替える区間、これは八百二十二キロメートルと、また、有料道路方式のまま継続して整備をするというのが千百五十三キロというふうに分けたわけでございます。  現在の整備状況につきましては、この未供用区間千九百七十五キロメートルのうち、新直轄方式によっては六百二十四キロメートル、大体これ八割ぐらいだと思います。また、有料道路方式による方は千五十六キロメートルと、合計でこれは千六百八十キロメートルがこの間整備をされまして、これに民営化当時もう既に開通済みでありました七千三百六十七キロメートルを加えますと、現在のところ整備延長九千四十七キロメートルとなっておりまして、当初整備区間計画九千三百四十二キロメートルのうち九七%の整備率で整備が現状進んでいるということでございます。
  69. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  十五年で九七%まで進んだんだなというのを今確認をさせていただきました。九七%まで進んでいるけれど、債務の償還はなかなか延長せざるを得ないような状況。先ほど大臣の答弁にもありましたけれど、阪神・淡路の高速道路が倒れたというようなことがあったり首都高速道路の耐震補強があったり、今も高速道路の耐震補強なんかが行われていますけど、そういうことがあって償還が先に延びてしまったのかなというのも理解をできるんですが、自動車の一ユーザーとしては、バラ色の民営化とあの当時言われていましたので、是非早期に無料化、償還を終えて無料化をするのか、また、浜口委員がずっと定額制だったり有料化をして今の高速料金を下げるべきだという議論を様々なところでされているのは理解をしておりますが、ユーザーにとって使いやすい高速道路にしていくべきではないかと私も思っていますので、今後、また機会があればそういうところも、自動車関係諸税の使い方も含めて議論していきたいなというふうに思っています。  次は、民営化をして、整備は進んでいるけど償還が進んでいない、そして若干弊害が出ているんではないのかなと私は個人的に思っております。  高速道路民営化会社、地域に三分割をいたしました。ただ、西、中、東というように三分割をしているので、並行している道路があるわけじゃなくて競争相手がいない、エリアの中で競争相手がいない状況があって、若干会社としての経営努力についてどうなのかなというふうに疑問を持っております。  それから、民営会社になってしまって、持ち株はまだ国が持っているんだと思いますけれど、ガバナンスがちょっと利いていないんではないかなと。工事の発注だったり工事の発注の中身だったりといったところで、どこがチェックをしているのかなと。民間会社だったら株主がチェックをするとか、公団だったら間接的に議会が、国会がチェックをするとか、いろいろあると思うんですけれど、今ガバナンスが利いていないんではないかなというふうにちょっと思っておりまして、そういった中で、前回の大臣所信の質問の中で青木理事の方から質問もありましたNEXCO中日本、西日本の耐震補強工事の関係が出てきたりしてしまっているんではないのかなと若干思っております。  調査を進めていただいているという答弁がありましたが、低入札調査があって、そして、入札したところが結局工法が変わって入札価格の倍の工事価格になったというようなことがあって、調べていくうちに、西日本で三件あって、今も調査を進めているというようなことが答弁にもございました。  そういったところ、民営会社になってどのようなガバナンスが取られているのか、お尋ねをしたいと思います。
  70. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) ガバナンスの話、それから民営化で経営努力どうなっているのかというお話ありました。  確かに、地域ごとに分かれていますので、その間の競争という話はございますけれども、民営化に関して見ますと、先ほど大臣からお話ありましたとおり、サービスエリアやパーキングエリアについては、民間企業のノウハウを最大限発揮し、店舗の多様化ですとか各施設の充実を図っておりまして、令和元年度のSA、PAの売上高は平成十八年度に比べて約一・三倍の五千億になっているということで、民間のノウハウが生かされているのではないかなと思います。また、様々な企画割引、自分の自主的な割引も会社間を超えてやっているということもありまして、そういう意味でも経営努力はしているのではないかと思うところであります。  ガバナンスにつきましては、先ほど大臣からも御発言ありましたとおり、国からの一方的な命令の枠組みで建設するということはやめたわけでございますけど、会社の新設や改築につきましては引き続き許認可を行うというようなこと、それから会社が定める事業年度の事業計画についても認可を行っているということで、こうしたことを通しまして、会社の自主性を尊重しながら、国土交通省としては、有利子債務の確実な返還、あるいは国民負担の軽減、あるいは利用者サービス向上等、国民の安全、安心の確保に向けて引き続き適切に指導していきたいと思っております。  先ほどの個別の事業の発注につきましては、各会社が自らの判断でやっているということでございまして、今回の施工不良につきましては、必要な検査を行っていなかったということはやっぱりあってはならないことだというふうに考えていまして、この点につきまして、この前答弁をさせていただきましたけれども、中日本会社の社長自ら先頭に立って、まず社を挙げて解明するということが大事だと思っておりますし、その結果を外部有識者委員会による調査委員会でも検証いただくということにしておりまして、国土交通省としても、この点につきましては、早期の原因究明と再発防止に向けて、引き続き中日本高速道路会社に対して適切に指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  71. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  国交省で認可だったりというところでまだ関係がありますから、しっかりと、その辺どういう経営内容になっているのか、特に発注とか入札というところはなかなか難しいことが考えられますので、目配りをお願いをしたいなというふうに思っております。  サービスエリア、パーキングエリアは、私、埼玉県なんですけど、羽生サービスエリアで独自の、何というんでしょう、江戸時代というか、企画した建物を造ってすごい人気だったりとか、蓮田サービスエリアも東日本で一番大きなサービスエリアを造っていただいたりといったところで、そういったところは民間の手法を使ってすごく努力しているのはよく分かりますが、是非道路が保有機構とNEXCOに分かれて、どうしても管理したところとか何かは利用料での償還になっていますから、サービスエリアとかパーキングエリアは努力していただいて会社は潤うんだけど、償還の方には回ってこないというような状況もあるんじゃないのかなというふうに思っておりますので、しっかりとそういうところも目配りをお願いしたいと思います。  続いて、サービスエリア等にハイブリッド自動車とか電気自動車に対するEVの充電施設がございます。経産省の方でこの施設、カーボンニュートラルに向けてそういったCO2を排出しない車をこれから多くしていくんだという中で、充電施設について整備促進を国交省もしていますけれど、経産省の方が主導でやっているんではないかなと思っております。  そのEVの充電施設がパーキングエリアに設置をされているんですけれど、なかなか車椅子に利用する方が使いづらい施設になっているという御指摘がありました。皆さんのところに資料を配付をさせていただいております。  車椅子を利用している方がこのEV充電器に使っているというかやっているところと、私の車をそのスペースに止めてみてどうなのかというのを検証してみたんですが、この車椅子は同僚の横沢議員でございまして、多分、岩手県内のパーキングエリアで実際見てみて、車止めと段差があって手が届かないという現状があるというのと、それから緊急停止ボタンにも手が届かないんだという御指摘がありましたので、私もこの間の土曜日に実際自分でハンドル握りまして東北自動車道に行って、私の車を止めているのは羽生パーキングエリアの下り線の施設のところでございます。  やはり段差はあるし、車側の、アクセル、ブレーキ間違えて暴走して施設にぶつかってしまってというのを防ぐためにかなり頑丈なポールなんかが設置をされておりまして、それがやはり車椅子利用の方にはなかなかバリアになってしまって使いづらいという御指摘があります。  こういった施設の普及のための補助事業もあるというのは私も理解をしておりますが、進めていく中で経産省さんや国交省さんでガイドラインを作られているのか、また、ガイドラインを作られているとすれば、その中に車椅子利用者の方なんかに対する配慮というものがしっかりと明記をされているのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
  72. 安居徹

    政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。  経産省といたしまして、電気自動車の普及を促進するため、充電インフラ設備についてもその設備費や工事費の一部を補助するなどの取組推進しているところでございます。  充電インフラの設置に当たりましては、事業団体による電気自動車の急速充電器の設置、運用に関する手引書などがございまして、各事業者はこれを参考に安全確保や浸水対策等にも配慮して充電インフラの設置を行っているものと承知しております。  他方、電気自動車の普及を促進するためには、委員指摘のとおり、障害のある方を含めまして様々な人々が充電インフラを便利に利用することができる環境整備が重要と考えております。このため、御指摘の点につきましては、事業団体とも情報共有しつつ、官民で誰もが利用しやすい充電インフラ整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  73. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  手引書に、その設置をするのに具体的に車椅子利用者の方への配慮みたいな記述が多分ないから、こういうことになってしまっているのではないかなと思います。車の衝突防止のための、何というんでしょうか、ポールだったりこういったところは多分経産省さんのガイドラインにあったりすると思うんですけど、そこのスペースのところの段差、道路面とその設置をしてあるところの段差なんかは多分国交省さんの方の関係なのかもしれませんので、その辺は十分、既存の施設についても、かなり今整備をされている中なので、車椅子利用者の方への配慮を進めていただきたい。  できれば改修をしていただきたいなというふうに思いますし、これからカーボンニュートラルに向けて電気自動車とかプラグインハイブリッドの車がかなり増えてくると思うんです。浜口先生のところのトヨタさん含めて、多分これから、中国で電気自動車造ったりしていますから、国内投入があったりとかするんだと思うんですけれど、これからその電気自動車、プラグインハイブリッドの車がかなり増えてくると。そういった中で、アメリカのカリフォルニア州とかヨーロッパとかイギリスなんかは二〇三〇年とか二〇三五年で電気自動車だけにするんだなんということも発表されておりますから、日本もそれに追い付いていくようなことになるんだと思います。  そういう、これからどんどん増えていくので、是非これから新設をする施設については、この手引書だったりガイドラインにしっかりと車椅子利用者皆さんへの配慮というところを明記をしていただいて、先ほど誰もが使いやすいというふうに御答弁いただきましたけど、それを目指していただきたいなというふうに思っておりますが、改めていかがでしょうか。
  74. 安居徹

    政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。  今御指摘いただきましたように、これからカーボンニュートラルに向けて電気自動車の普及、強力に推進してまいります。委員指摘のように誰もが使いやすい充電設備、取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。
  75. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  安居審議官におかれましては、ここまでの質問でございますので、御退席していただいて結構だと思います。委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。
  76. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 安居審議官は御退席いただいて結構でございます。どうぞ。
  77. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  続いて、また高速道路なんですが、ETC、この間も浜口委員がやっておりましたが、このETCについて、民営化をして無償化を進める中で、料金所の無人化をするんだと、人件費が高いからというような議論もありました。また、ETCをこの十年で普及をかなり進めていくために、料金所での支払だけではなくて、駐車場の決済にETCを使うとかドライブスルーの決済にETCを使うんだというのが当時の議論でございましたが、今ETCは、私が今言ったような高速道路、有料道路等料金所への精算だけではなくて、ほかの使い方が今あるんだろうかというのを教えていただければと思います。  それから、この間、浜口委員質問でも使用率という話がありました。なかなか、本当はどれくらいの車に付いているのか、どれくらいのバイクに付いているのかというのを聞きたいんですけれど、なかなかそこは難しいみたいなので、料金支払以外の活用方法と使用率について改めて教えていただければと思います。
  78. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  令和二年九月現在、高速道路六会社の料金所におけるETCの利用率は約九三%というふうになってございます。また、高速道路料金所においては、ETC専用化等によりキャッシュレス、タッチ化を進めることは、料金所渋滞の解消など利用者利便性向上高速道路会社の料金収受業務の効率化、さらには新型コロナ感染症防止等の観点から意義があると考えてございます。  一方、お尋ねのETCを高速道路以外にも広げていく点につきましては、駐車場の利用、フェリー乗降等において試行、検証を実施したところでありまして、本年八月からはさらにファストフードのドライブスルー店舗での試行も行われ、普及拡大に向けた検討が進められております。  ETCを活用したタッチレス決済を高速道路以外の多様な分野へ普及拡大していくことは、ETC利用者利便性向上新型コロナウイルス感染防止等の観点から重要と考えておりまして、引き続き官民が連携して多様な分野への導入を促進してまいります。
  79. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 民営化をしたときに、十年でETCを普及させるんだと、そのために今局長答弁いただいたようなことをやっていくんだというような議論があったのが、いまだに検討しているということだと、まあ償還も本当に二〇六〇年に終わるのかなとちょっと思ってしまいますね。分かりました。ありがとうございます。また違うところで議論してみたいと思います。  高速道路のところでは最後の質問になります。  三・一一のときに、仙台の高速道路のところへ津波を避けて逃げた方がいらっしゃったというのは聞いております。その前に、実は国会質問を、一時避難所として使えないかという質問を私の仕えていた議員がして、使えますという答弁をいただいたので、そういうこともできたのかなというふうに思っております。  それで、去年の台風十九号のときに荒川や利根川が氾濫するかもしれないなんという心配事がありまして、それがあると、東京へかなりの洪水が押し寄せるというときに、垂直避難場所として、やはり高速道路を一時的に避難場所として使えないかなとふと思いまして、その考え方について、今の検討状況や、一時的に本当に垂直避難場所として高速道路に車で乗り入れて避難するんだというようなことが可能なのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
  80. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  首都直下地震など大規模地震が想定され、また気象変動に伴い災害が頻発、激甚化する中で、津波や洪水による浸水時において、地域にある道路の高架区間などを一時的な避難場所として活用することは住民の命を守る観点から推進すべき取組考えておりまして、本年七月に取りまとめました総力戦で挑む防災・減災プロジェクトにも位置付けたところでございます。  委員指摘のとおり、東日本大震災では津波による浸水被害が発生しましたが、岩手県の釜石市等において、住民の方々は設置されていた避難階段を活用し、津波による浸水高さよりも高い位置にある三陸沿岸道路に避難することができたという事例もございます。その後、高架区間の避難場所として利用可能な箇所を整備いたしまして、現在三百八十八か所の避難階段ができ上がっているという状況でございます。  しかしまた、今御指摘ありましたとおり、近年、台風十九号や令和二年七月豪雨など豪雨災害による浸水被害も頻発しておりまして、市区町村では洪水による浸水からの避難場所の確保も急務となっているという状況でございます。  このため、現在、津波や洪水の浸水想定高さよりも高い位置にあります高速道路と国が管理する国道の区間約千八百キロを抽出しまして、該当する五百の市区町村に提示して、具体の整備箇所について調整を進めているというところでございます。  国土交通省といたしましては、道路の高架区間等の一時的な避難場所としての活用に向け、市区町村の具体の整備箇所の要望に対し、引き続き積極的に協力してまいりたいというふうに考えてございます。
  81. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。  次に、持続可能なまちづくり、住宅政策について御質問させていただきたいと思います。  人口減少化だったり、これからウイズコロナという時代になるんだと思っておりまして、そういった時代のまちづくりで、宅地開発だったり住宅政策だったりというところが必要になってくるのではないのかなというふうに思っております。  一つは、都市計画法の中では市街化区域とそれから調整区域の線引きが行われることになっていまして、町として開発をする地域とそのまま残すんだという地域があろうかと思うんですが、その線引きがない自治体もかなりあって、その線引きのない自治体では住宅地の拡大がずうっと起こってしまっていて、本来であれば余り建てない方がいいなというようなところにも安価な住宅を建ててしまって流入人口を呼び寄せているというような自治体があるのではないかなというふうに思っております。  まずは、全国の自治体で線引きを持っていない自治体がどれくらいあるのか、お尋ねしたいと思います。
  82. 榊真一

    政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。  都市計画の区域区分、いわゆる線引きは、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するものであります。いまだ開発圧力の高い三大都市圏や政令市の都市計画区域を除き、線引きを行うのか行わないのかは地方公共団体の選択制とされており、開発圧力が小さい地域では線引きを行わない非線引き都市計画区域もございます。  数でございますが、都市計画区域を有する市町村は全国千三百五十二ございます。このうち六百二十六の市町村で線引きが行われており、七百二十六の市町村では線引きは行われておりません。
  83. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  線引きが行われていない自治体の方が多いと。そういうところがやはり、かなりリスクのあるところに宅地開発が進んでしまっているのではないのかなというふうに思っております。  皆さんのところにお配りをした資料の一番上にグラフが二つございまして、この資料は、山梨大学の秦准教授が全国並びに都道府県別の洪水浸水想定区域の人口の推移という論文の中に使っていた資料でございます。  これを見ていただくと、横軸と縦軸で区域内と区域外に分けておりまして、上の、この斜めの線の上の方が区域内になっています。両方見ていただいて、人口と世帯になっているんですが、両方見ていただくと、やはりこの線から左上に集中をしております。これは、リスクの高いところにやはり宅地化が進んでいるというような資料になって、論文もそういうような結論を導いていますが。  こういう中に国交省さんから社会福祉施設がどれくらいあるのかという資料もいただいたんですが、この社会福祉施設もかなりの数、実はあって、熊本の水害でお亡くなりになった方の出た施設だったり、昨年の十九号で私の地元の川越でも老健施設が水没をしたり、その隣の障害者施設も水没したりというようなことがありました。このままの状態ではいけないのではないのかなというふうに思っておりまして、その危険地域の開発についてストップを掛けていかなければいけないと思っております。  都市計画法が今年六月に改正をされて、そういったところの厳格化が進んでいくというのも承知をしておりますが、その辺の認識を改めて国交省にお尋ねをしたいと思います。
  84. 榊真一

    政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。  国土交通省におきましては、非線引きの都市計画区域を含め、災害ハザードエリアにおける新規開発はできるだけ抑制すべきであると考えております。  このため、先ほど御指摘もありました、さきの通常国会で成立をした都市再生特別措置法等の一部を改正する法律におきまして、災害ハザードエリアにおける開発の抑制、住宅などの移転の促進、居住エリアの安全性強化など、災害ハザードエリアにできるだけ住まわせないための措置を講じたところでございます。  こうした制度を活用することによって安全なまちづくりが図られますよう、全国の地方公共団体にしっかりと周知を図ってまいりたいと考えております。
  85. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  しっかりと、やっぱり危険地域に家を建てない方が次善策としては私はいいんではないのかなというふうに思っておりますので、その辺、是非優先をしていただきたいなと思っております。  あと、ちなみにちょっと教えていただきたいんですが、日本の世帯数と住宅戸数について、今どういうふうに、世帯がどれくらいあって住宅戸数が全国でどれくらいあるのか、もし数字で分かれば教えていただければと思うんですが。
  86. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) 誠に申し訳ございませんが、今手元に資料が、正確な資料がございませんので、後ほど御説明させていただきたいと存じます。
  87. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  済みません、いいです。たしか世帯数よりか住宅戸数の方がかなり多いというふうに私は認識をしております。その住宅戸数が今超過になっているという現状の中で、空き家も多くなってきているんではないかなというふうに思っています。  特に少子化で、相続物件で、相続して住む人がいなくなって空き家になってしまって、さらには廃屋化をしてしまうとか、地域の安全上好ましくないような状況になるようなことがあったりとか、地方公共団体事業の支障になるような空き家があったりというような状況が散見をされている現状の中で、今、全国で空き家バンクを整備をして、できるだけ空き家を有効活用していこうというような話もございます。  各自治体での取組だったり、国交省としての空き家バンクへの現状の取組についてお尋ねをしたいと思います。
  88. 青木由行

    政府参考人青木由行君) お答えいたします。  地方における空き家の活用を図る観点から、各地の自治体におきまして、地域の空き家を掲載して入居者を募りますいわゆる空き家バンクが構築をされてきてございます。  国土交通省におきましては、平成二十九年から、各自治体が個々の空き家バンクに掲載している空き家等の情報につきまして、掲載情報項目を標準化をいたしまして、そして情報の集約を進めまして、自治体を横断して簡単に検索できる全国版空き家・空き地バンク、これを構築いたしまして運用しているところでございます。この全国版のバンクにつきましては、今年十月末時点で七百六十三の自治体に参加をいただいておりまして、これまでの成約件数は累計で約六千件に達しているところであります。  今後とも、自治体とも連携しながら、この全国版の空き家・空き地バンクの利用促進、これを進めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。
  89. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  その空き家バンクも活用していただくのと、中古住宅の流通を、やっぱり空き家バンク活用してもっともっと進めていかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思っておりまして、先ほど言ったように、住宅戸数が世帯数を上回っているような状況ですから、良質な中古住宅を更にリノベーションしたりリフォームしたり、これ補助金付いていたりするんですけれど、そういったインセンティブだったり、固定資産税や住宅ローン減税を中古住宅用にもう少し拡充をするようなことで良質な中古住宅をつくっていかなければいけないと思っておりますが、その辺の中古住宅政策について、空き家バンクと並んでどのようなことを今国交省でやっているのか、お尋ねをしたいと思います。
  90. 朝日健太郎

    大臣政務官朝日健太郎君) お答えいたします。  既存住宅流通の活性化は、先ほど委員指摘のように、空き家の発生を抑制するとともに、子育て世帯や高齢者世帯の方々が適切な負担で住まいを確保できるようにするためにも重要な政策であると考えております。また、水害等の災害リスクを考慮しつつ、コンパクトシティーの形成連携して既存住宅活用を図ることも重要な取組となってまいります。  国土交通省においては、既存住宅の流通の活性化に向けて支援策を設けております。  耐震性、省エネルギー性能など、既存住宅の質の向上による流通促進を図るため長期優良住宅化リフォームを行った場合の補助金による支援、円滑な取引環境の整備を図るためインスペクションが実施された安心R住宅の普及や不動産取引における価格情報の提供既存住宅の取得を促進するためフラット35の融資や住宅ローン減税等の税制による支援も行っております。  今後とも、コンパクトシティーの形成や中心市街地の活性化の政策連携し、既存住宅の流通の活性化に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
  91. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  今御答弁のありました安心R住宅、いい制度だと思いますので、是非空き家バンクの運用の中にも入れていただいたりして、良質な中古住宅の流通活性化に資するようにしていただきたいと思います。  今東京圏で、コロナの影響もあるのかもしれませんけど、転出超過が続いておりまして、地方へ若い人たちが出ていくようなこともあります。ワーケーションだったり、テレワークセンターを地方整備をして人を呼び込むといったところに呼応した若者が、店を地方でもう一度やりたいんだというようなことで出ていったりとか、デザイン会社をもう地方に置いてテレワークで仕事するんだとか、農業に従事したいんだという若者が大変多くなっています。  この人口減少下でそういった若者の意欲をしっかりと受け止めたり、コロナ禍でそういう、やむをやまれず事情で地方へ行く方をしっかりと受け止めた上で、地方創生だったり地方の活性化につなげていかなければいけないと思っております。  先ほど言ったように、無秩序に住宅地が拡大してはいけないので、良質な町の中の中古住宅を利用してコンパクトシティー化ということも進めていかなければいけないと思っておりますが、今までの議論を聞いた上で、どういった方向性の住宅政策、コンパクトシティー化を進めていかれるのか、もし大臣に御所見があればお尋ねしたいと思います。
  92. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 世帯数に比べて住宅ストックの数が多いというのは現実だと思います。ですから、当然空き家状態になっているところが多い。相続についても非常に登記が緩かったというようなこともあって、そうした状況になっているということをどうするか、有効活用していかなければいけないと思います。  その前に一つお願いですけど、中古住宅ということを言われていたんですけど、私、部会長で、これ直すために、国がそもそも中古住宅なんて言っていること自体がおかしいと、既存住宅で統一しろということで、今、基本的に既存住宅ということで。何か、古いやつを買うというのを、買わせるということ自体がちょっとそもそもおかしいんじゃないかみたいな議論があったので、ちょっとそれは余計なことですけど、そうしたことも配慮しながら。  多分、なかなか簡単じゃないんですね、これ。ずっと言われてきて、既存住宅の市場の流通活性化なんて、私もう二十七年間やって、ほとんど二十年前ぐらいから言っていて、なかなかできなかった。しかし、私、できない問題が、今回コロナ禍によってできるようになる可能性が随分出てくると思います。  ちょっと脱線しますけど、リモート会議も、コロナ禍の前からやろうと思えばできたんだけどやらなかったわけで、やらざるを得なくなってやってみたら良くなったと。地方創生というのも同じで、地方創生大事だ大事だと言っているけど、なかなかそのきっかけがなかったんですけど、これはもう現実に、コロナ禍によって地方創生への一つの動き、東京からの転出人口の方が多くなっているというのが四か月続いているというのは一つの兆候だと思いますので、それぞれの地方がこの機会をどう捉まえて地方創生をしていくのかということも大事な問題だというふうに思いますので、そのことを後押しするための国土交通政策というか、住宅政策とか都市政策ということも大事だし、そのときに、地方を応援しながらも、二拠点居住ですとかワーケーションですとか地方への移住というのはできるだけのことはやりたいと思っていますが、これまで来た道を繰り返さないように、最初の冒頭の御質問だと思いますけど、危ないところに自由に建てさせないと。  やっぱり日本は所有権が強過ぎてなかなかそこに法的な構成が掛けられなかったのが、今年の通常国会で初めてその第一歩、手を出せたというふうに思っていますので、安全な地域で良質な住宅を活用して地方創生ができるようにという、非常に抽象的でありますけど、私、この大きな命題ができるきっかけが今回このコロナ禍だという、逆転の発想というか、ピンチをチャンスに変えていくという意味で、今省内にそうした号令は掛けていまして、コロナ禍における社会変化に先んじるような行政をしなければいけないということで様々今検討しているところでございますので、また引き続き御指導をよろしくお願いしたいと思います。
  93. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。私も同じ思いですので、一緒に研究して取り組んでまいりたいと思います。  次に、自転車政策をちょっとお尋ねをしたいと思います。  今コロナ禍で自転車がまた見直されているという状況の中で、やはり自転車を更に活用していくために法整備だったりされておられますが、走行環境を整えたり、駐輪場を造ったりとか、ヘルメットを安全のためにしていただきたいとか、自転車保険の加入促進が必要だとか、いろんなその環境整備をしていかなければいけないんではないのかなというふうに思っております。その辺の取組について今どのように進んでおるか、お尋ねしたいと思います。
  94. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  自転車は人との接触を低減する移動手段で有効であることから、新型コロナ感染症対策の基本的対処方針においても自転車通勤等の取組を奨励しているところでありまして、実態としても、自転車通勤やシェアサイクルの利用が増加するなどの自転車利用のニーズが高まっているという状況でございます。  こうしたニーズの高まりを良い機会と捉え、例えば、本年度では、国と東京都が連携して、東京都二十三区で約十七キロの自転車走行空間を整備することとしているところでございます。また、本年四月には自転車通勤を推進する事業を認定する制度を創設しまして、十一月末現在で三十四の企業あるいは団体を認定するなど、自転車活用推進する施策に一層取り組んでいるところでございます。  また、個別に御質問ありましたヘルメット等につきましても、自転車利用時におけるヘルメット着用の促進を図るため、頭部保護の重要性やヘルメットの被害軽減効果について広報啓発活動にも取り組んでおりますし、また、自転車損害賠償責任保険等の加入促進を図るために、国において加入義務化についての標準条例を作成、周知するなど地方公共団体による条例制定を支援するほか、ポスター、チラシ、ウエブサイト等により、国民に対する保険加入等の必要性等に関する情報提供を行っているということでございます。  引き続き、自転車の活用推進するため、走行環境、利用環境の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  95. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非安全に配慮した整備をお願いしたいと思います。  一つ要望なんですけれど、自転車走行帯を青くペイントしたりする、あれがすごい滑るんです。私もロードバイク乗っているんですけど、ちょっとぬれていたりすると物すごく滑るので、もうちょっと改良していただければ有り難いなというふうに思います。  もう一つ、サイクリングロードの整備、観光ですごくツールとしていいと思っておりまして、霞ケ浦のりんりんロードだったり、琵琶湖の周りのだったり、しまなみ海道だったり、ナショナルサイクリングロードと言われているところは有名なんですが、ほかにもそういう自転車で走ったらすごくいいロケーションのところがあって、観光の一つの大きなツールだと思っております。  地域の活性化につなげるためにも、そういったサイクリングロードの整備をもっともっと進めていくべきだと思いますが、その点についてもし、観光という視点から、大臣、何かお考えがあれば。
  96. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 昨年十一月に、日本を代表するような、世界に誇るようなサイクリングロードを初めてナショナルサイクルルートとして三つ指定させていただきました。私も先日、しまなみ海道に公務で出張してまいりましたが、あそこの今治市なんかは市を挙げて、市に何かサイクリングチームをつくって、非常に、サイクリングを通して観光、また地方創生頑張ろうということで、大変な熱を入れていただいております。  いろいろな全国の自治体からも第二弾目はいつ決めるんだといった強い要請があり、国の方としても、このプロジェクトは余りお金が掛からないで効果が期待できるといった、まあ余り言えないんですが、大変有り難いことでもあるので、喜んでもらえるものはどんどんやっていった方がいいんじゃないかと。  当然、防災・安全交付金で自転車走行空間の整備ですとか、あと、実は観光の国際観光旅客税でシャワーの整備とか等々はやらせていただいていますが、そういうことで、お役に立てるならばどんどんやっていただいて、これはしっかりと観光の資源として応援をしていきたい、応援というか推進をしていきたいと、こう思っております。
  97. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 ありがとうございます。  最後に一つだけ、地元の話なんですが……
  98. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 熊谷さん、時間が来ております。おまとめください。
  99. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 はい。  スーパーメガリージョンの話、この間、青木理事の中にもありました。その中で、大宮駅というのが重要な位置付けになっております。そこへの支援是非お願いをしたいと思いますが、どのような位置付けになっているか、もう一度確認をさせていただければと思います。
  100. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 時間が来ております。短めにお願い申し上げます。
  101. 中原淳

    政府参考人(中原淳君) お答え申し上げます。  国土形成計画では、全国計画を受けて、全国八つのブロックごとに広域地方計画を策定しておりますけれども、そのうちの首都圏の広域地方計画において、大宮は、東北、上信越、北陸方面からの新幹線が集結する東日本の玄関口であることから、スーパーメガリージョンを支える対流拠点として、その機能向上等を含む交通機関相互の結節機能強化することが広域連携プロジェクトの一つとして位置付けられているところでございます。  また、スーパー・メガリージョン構想検討会の最終とりまとめ、去年公表されておりますけれども、その中でも、大宮駅周辺地域を中心に、スーパーメガリージョンの東の玄関口としての対流機能の創出に向けた取組ということが位置付けられているところでございます。
  102. 熊谷裕人

    ○熊谷裕人君 終わります。ありがとうございました。
  103. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  104. 江崎孝

    委員長江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、加田裕之君及び三木亨君が委員辞任され、その補欠として進藤金日子君及び鶴保庸介君が選任されました。     ─────────────
  105. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 休憩前に引き続き、国土整備交通政策推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  106. 竹内真二

    ○竹内真二君 公明党の竹内真二です。質問の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。  三十分間で三つのテーマを質問させていただきますので、早速質問に入らせていただきます。  初めに、駅ホームの安全対策について質問をいたします。  視覚障害のある方が駅のホームから転落して亡くなられる事故が後を絶ちません。二日前の十一月二十九日にも、東京メトロ東西線東陽町駅で痛ましい事故が起きました。駅にホームドアは設置されていましたが、まだ稼働がされていませんでした。  こうした死亡事故が今年だけで既に四件起きております。一月にJR京浜東北線日暮里駅、三月にJR神戸線垂水駅、七月にJR総武線阿佐ケ谷駅、この阿佐ケ谷の事故についてはまだ記憶も、ニュース等で報道されて新しいと思います。この三人はいずれも五十代の男性で、働き盛りでありました。  三駅とも事故の箇所にはホームドアは付いておりませんでした。再発防止にはホームドアの整備が極めて有効です。整備を加速しなければなりません。赤羽国土交通大臣を先頭に、国土交通省も整備の前倒しに懸命に取り組んでおられることは十分承知しております。それでも、ホームドアの整備には時間も費用も掛かります。  そこで、今年十月からは、新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会がスタートをしました。これは、ITやAI、つまり人工知能ですね、こうした最新技術を使って、ホームドアが整備されていない駅であっても事故を何としても防いでいこうと、そういう大変に重要な検討会であると私も考えております。  新技術には、既に一部の駅に導入されているものも少なくありません。例えば、駅ホームのカメラ映像から転落しそうな人などをAIが自動で検知をして駅の係員に知らせるようなシステムは、実際に事故を防いだとも聞いております。  安全対策としてこうした新技術の導入が急がれると思いますが、国土交通省の見解をお伺いしたいと思います。
  107. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  ホームドアのない駅での視覚障害者の転落死亡事故につきましては、本年一月にJR日暮里駅で、本年三月にJR垂水駅で、七月にJR阿佐ケ谷駅で、さらに、一昨日、十一月二十九日にも東京メトロ東陽町駅におきまして発生をいたしました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様にお悔やみ申し上げます。  このような事故を防止するため、引き続きホームドアの整備を進めてまいります。一方、ホームドアの整備には時間や費用が要することもあり、ホームドアによらない安全対策検討する必要がございます。  このため、視覚障害者支援団体や学識経験者の方々などを委員とする新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会を十月九日に設置をいたしました。  十一月九日に開催いたしました第二回検討会におきましては、ホーム端への接近を注意喚起するシステムなど、ITやセンシング技術を活用した視覚障害者の方のホームからの転落防止対策等に関する技術についてヒアリングを行っているところでございます。  本検討会におきましては、このような新しい技術等につきまして、視覚障害者の方々の意見もいただきながら有効な転落防止対策等を検討し、本年度末を目途に取りまとめることといたしております。  国土交通省といたしましては、こうした取組によりまして、視覚障害者の方々のホームからの転落事故の再発防止に向けて取組を進めてまいりたいと考えております。
  108. 竹内真二

    ○竹内真二君 スマートフォンを活用したような新技術も検討されております。ただ、操作の難しさであるとか、雑音が大きい駅のホーム、構内では音が聞き取りにくいといった課題もあると聞いておりますので、是非とも検討会でこうした課題にも対応できる議論を重ねていただきたいと思います。  そして、この新技術を含めて、あらゆる安全対策を急がなければならないのには理由があります。対策が進んできたといっても、視覚障害がある方の転落あるいは接触事故というのは、ここ数年、毎年六十件程度も起きています。もう少しで事故になりそうだったというようなケースも含めれば、相当な数に上ると思います。命に関わる事故がこれだけ多く起きている、この事実をまず重く受け止めなければならないと思います。そして、この事実を安全対策の出発点としなければならないとも思います。  ですから、視覚障害者の要望というのは切実です。駅の規模ではなく、転落リスクの高い駅にできるだけ早くホームドアを整備してほしいという要望もあります。ホームの内側であることを示す突起が付いている点字ブロック、内方線付き点状ブロックがありますけれども、古くなって確認しづらくなっている箇所というのは非常に危ない。ですから、メンテナンスをきちんとしてほしいという要望もあります。  それから、駅員さんや乗客による声掛け、見守り、付添いといったソフト面での対策、あるいは歩きスマホの防止、転落事故の原因究明などの安全対策も強く望まれております。特に、駅での声掛けというのは、新型コロナウイルス影響もあって、駅にいる人の数がまず減っているんですね。さらに、駅の利用者も、白いつえを、白杖を持った方を見かけても、新型コロナのことを考えて、近寄って声を掛けてはよくないのではないかと、そうちゅうちょされて、声掛けの数自体がかなり減っているということも言われております。  そこで、国土交通省にお聞きしますが、今言ったような人の対応、つまりソフト面を含めた安全対策を強力に推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  109. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  駅員、乗客による声掛けにつきましては、毎年、全国の鉄道事業者と障害者団体、国等が連携をいたしまして、「声かけ・サポート」運動強化キャンペーンを行っております。障害者の方への声掛け、見守りが促進されるよう取り組んでいるところでございます。  委員指摘のとおり、今回の東陽町の事故におきましても、駅における安全性確保に当たりましては、このような声掛け、見守りなどソフト面取組が重要であると改めて認識をしております。コロナ禍でいろんな制約が生じておることは承知いたしておりますが、更なる具体的な普及啓発を考えていきたいと思っております。  また、前方不注意になりやすい歩きスマホにつきましても、携帯電話やスマートフォンのながら歩きによる危険防止を目的といたしまして、毎年、「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施しております。また、鉄道事業者や警察庁との間で、迷惑行為に関する連絡会議を開催いたしまして、歩きスマホの撲滅に向けた取組を進めてまいります。  これらのソフト対策を一層推進するとともに、先ほど申し上げました新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会におきまして、過去にホームから転落した方へのアンケートやヒアリング等による調査を行いながら、事故の原因究明を行い、再発防止につなげるよう検討してまいります。
  110. 竹内真二

    ○竹内真二君 欄干のない橋、目の不自由な皆さんは駅のホームの怖さをこうよく例えられています。また、こうも言われています。駅のホームから転落して亡くなったというニュースを聞くたびに、胸を締め付けられる思いがする、なぜ助けられなかったのか、そして、あれが自分であったとしてもおかしくなかったはずだと。  赤羽大臣、悲惨な転落等の事故防止、何としても防がなければなりません。あらゆる手段を講じる必要があると考えますけれども、大臣の見解をお聞かせください。
  111. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 十一月二十九日の東陽町の駅でのこの転落事故によってお亡くなりになられた方に対しまして、まず心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、御遺族の皆様にも心よりお悔やみを申し上げたいと思います。  このような痛ましい事故を何としても再発防止をしなければいけないと、こう決意をしております。  昨日、東京メトロの山村社長、大臣室に来ていただきまして、社長からはおわびと経過報告をいただきました。今回は、私、想像していた転落という状況とはちょっと違って、全盲の方ではなくて弱視の方で、結構一人で歩けると。ところが、階段からさっと下りてこられて、トイメンというか向こう側のホームの電車が入ってきたのを、恐らくそれを乗れる地下鉄と間違えられて、何というか、普通に乗ろうとして転落しているんですね。端を歩いて転落するという例が多分多いんだと思うんですけれども、ちょっと違う状況でしてね。ですから、そうした障害の度合いによって、一口に転落事故でくくるとちゃんとした対応ができないんではないかというのが、私、昨日の社長からの話を聞いて思ったことなんです。  ですから、きめ細かな対応をするためには、それぞれの事案の転落についての分析をちゃんとしなければ、それに適切な対応ができないのではないかと、そういったことを踏まえて指示をしているところでございまして、まず山村社長には、今、ホームドアの供用開始をとにかく前倒しをしてくれと。実際は、設置はされているんですけど、まだ配線をしたりとか、結局、聞くところですと、深夜時間の時間帯で二時間ぐらいしか実際は工事ができなくてなかなか御苦労をされているのは聞いたんですけど、それはまずとにかくできるだけ加速をすると、前倒しにすると。  もう一つは、やはり、東京メトロで今そうした状況というのは東陽町の駅だけなので人員の配置もしやすかろうということで、ちょっと重点的にこの完成までの期間、駅員のというか臨時的な駅員の安全対策のための配置をするように、ハードを補うためにはソフトでやらなければいけないということで指示もしております。  これが今回の事案でございます。もう少し状況を分析しながら、効果的なことはないかということを思考して検討していきたいと思います。  あとは、大枠としては、やはりホームドア、この十一月二十日に公表させていただきましたが、新たな整備目標を掲げて進むわけでありますけど、整備ペースをこれまでの二倍にして前倒しをしていかなければいけないと思っていますし、そのための予算獲得も今一生懸命努力しているところでございます。ただ、もうこれ相当一つ一つ、バリアフリーの中でもお金の掛かることでありますので、これはちょっとこの財源の捻出の仕方も少し幅広く検討をして、本当に乗客の安全が守れるような整備を進めるということが大事かと思っております。  また、ソフトも大変重要でして、駅員の声掛け習慣というようなことを決めていますが、ちょうどこのコロナで人が少ないということは今御指摘のとおりでありますし、どうしても人に声を掛けるというのが非常にしにくくなっていると。やっぱり距離を取らなければいけない、ソーシャルディスタンスということで、これ実は障害者団体の方から、別の話で懇談をしたときに、実はこのコロナ禍が始まってそうした声掛け運動というのが実際非常にやりにくくなっている、困っているということも聞きましたので、そうしたことを踏まえながら少し声掛けのやり方も工夫をしていかなければいけないというふうに思っておりますし、局長からも答弁させていただいておりますが、新しい技術を開発していかなければいけないと。  今回も急停止ボタンをすぐ押しているんですけれども、実際、私もびっくりしましたが、地下鉄って駅に入ってくるときには約七十キロのスピードで、あれ二百メーターぐらい走るらしいので、もっと速度が遅いのかなと思いましたが、現実にはボタンを押しても、今回の場合は間に合わなかったという本当に残念な状況でありましたが、そうしたことの技術の開発がもう少しできないかと。  ハード、ソフト両面にわたって、本当にこれは真剣に再発を防止するということを決意して具体的に進めていかなければいけないと、こう思っております。
  112. 竹内真二

    ○竹内真二君 大臣、詳細な答弁ありがとうございました。今回、安全対策検討会で、何としても視覚障害者転落事故はなくしてみせると、そういう強い決意で来年の取りまとめをお願いしたいと思います。  次に、ETC二・〇についてお聞きします。  まず、二〇一五年から導入されていますETCの二・〇ですけれども、高速道路での利用率が二割程度にとどまっているということなんですが、その理由をお聞かせ願えますか。
  113. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) 御指摘の利用率につきましては、高速道路でのETCとETC二・〇を合わせた利用率が九割を超える中で、ETC二・〇の利用率は、大型車などについてはETC二・〇を対象とした特別な割引措置の効果もあり六割に達している一方、普通車を含め全体で見ると二割程度となっているということで、ETCに比較して低くとどまっているという状況でございます。  その理由といたしましては、既にお使いのETCが買換えの段階に至っていないことや、買換えの際にもETCとETC二・〇の市場価格に差がある一方、特に普通車にとっては導入のメリットが十分でなく、利用者が引き続き低価格のETCを選択されるケースが多いことなどが理由として考えられます。
  114. 竹内真二

    ○竹内真二君 やはりまだまだとどまっているのは、費用が普通のものよりもちょっと割高になっていると。それから、そこまで高速道路を利用するという、まあ利用回数がそんなに多くないと、特に地方の人が多いと思うんですけれども、そういった理由でなかなか導入する又は購入するメリットが感じられないという方が私の周囲にも多いんですね。  そこで、ただ、よくよく聞いてみますと、このメリットというのはそれなりに多くあるんですね。これ、双方向で通信をしていますから、なかなか、データをやり取りして最新のリアルタイムの道路情報なども入ってくると。例えば、迂回道路をすぐ教えてくれるとか、メリットは非常にあると。  また、社会的にも、例えば今、船橋市では、ちょっと一問飛ばすかもしれませんけれども、船橋市では、国土交通省から提供される交通ビッグデータを使用して、市内の交通状況を地図上に見える化をしたりしているんです。これによって、国道や県道と並行する路線で速度低下が特に著しいことや、生活道路における急ブレーキの多発箇所とか事故が発生しやすい場所が明らかになったということもやっているんですね。今後は、対策検討していくエリアの選定であるとか解決策の立案などにも取り組むということで、なかなか効果は上がっていくようにも感じられるんです。  そこで、ちょっと一問飛ばしますけれども、これまで購入助成や高速料金割引との連携などもされてきましたけれども、この二・〇の様々なメリットを周知して利用率アップすることも大事ではないかと思われますが、この渋滞対策などに活用された具体例があれば説明をお願いしたいと思います。
  115. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  ETC二・〇を活用することで、例えば急カーブなどの危険な状況をドライバーに画像などにより情報提供する安全運転支援や、走行データを広く集計することで災害時に実際に通行できる道路を示した通れるマップなどの作成などが可能になります。  また、議員御指摘の、地域における渋滞対策の議論にETC二・〇を活用した事例でございますけれども、ETC二・〇から取得されますデータのエリア全体で俯瞰的に道路交通状況が把握できるということと、どの時間帯においても交通状況が把握できるということなどの特徴を生かしまして、例えば東京都において、道路管理者やバス協会等の道路事業者で構成する協議会において、エリア全体での渋滞の規模や特徴などを効率的に分析し、渋滞対策の立案やその効果検証に活用しております。  このように、安全性の向上災害時の活用、渋滞対策への活用取組事例をETC二・〇の普及、活用上のメリットとして積極的に周知することで更なる普及促進に努めてまいります。
  116. 竹内真二

    ○竹内真二君 じゃ、一問ここで飛ばしまして、赤羽大臣にまたお聞きしますけれども、ETC二・〇というのは地域の活性化にも今役立ち始めています。  現在、高速道路を一度出て最寄りの道の駅に立ち寄って再び高速道路に戻った場合でも、初乗り料金、そんなに大幅じゃありませんけど、その分だけ再徴収されないという実証実験も何か所かで行われています。私の地元千葉県の道の駅木更津うまくたの里でも、今年二月から追加で実証実験が始まっております。  まだ多くの自動車ユーザーの意思、必ずしも二・〇に交換しようというところには行っていませんけれども、このデジタル化であるとかコロナへの対応といった時代の変化社会変化考えれば、この普及のメリットというのは個人にとっても社会にとっても決して小さくはないと思うんですね。  そこで、渋滞緩和や災害時に役立ち、地域活性化にもつながるETC二・〇の普及促進に向けた大臣の御見解を伺いたいと思います。
  117. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 最初にこのETCを導入するという話、多分十五年から二十年前ぐらいだったと思うんですけど、そのときの説明では、ETC二・〇みたいなことができると、渋滞を回避して、高速降りて一つか二つ先でも料金上がらないとか、そうしたことを目指しての導入だということだったんですが、そのときは二・〇ではなくて一・〇なのかな、ということだったわけです。それで、それはなかなかできなかった。ところが、私思うに、ETC二・〇もなかなか優れ物なんだけれども、多分、今はちょっとグーグルマップとか、そうした違うもので相当その同じようなことができるようになってしまっているということが一つあるんじゃないかと。  もう一つは、多分、ETCの一・〇を入れるときに相当国費を使って、導入に随分助成金を出してやったと思うんです。ですから、今もう大方、車がETC搭載していて、それで、もう既に搭載しているETC一・〇を二・〇に換えるためには、自分でお金を払って、もう一度それを乗り換えるための、それだけのメリットがあるかないかということに今なかなか進まないという原因があるんじゃないかなと思います。  ですから、これを、他方で、デジタル革命というかデジタル化ということでいえば、こうしたことの部分というのはどうするかというのは大変大きな課題であるのはそれは間違いないので、そうしたことをまず検討しながら、ETC二・〇なのか、もう少しバージョンアップして何かできるものがあるのか、もっとその機械の技術的なことだけではなくて、道の駅なんというのは今全国で随分張り付いていますので、そうしたものと道の駅の活用ができるのかとか、少し知恵を凝らしながら、加えて、本当だったら、一年間ぐらいETC二・〇だと高速料金が何割も安くなるとか、そうした何か分かりやすいメリットを導入すると随分進むのかなとも思いますが、そんなことを言うと道路局長も困るので、それは私の感想みたいな話で、少しちょっと省内で、国交省として、デジタル革命の流れの中でETCをどうしていくのかというのはしっかりと検討したいと思います。
  118. 竹内真二

    ○竹内真二君 是非検討をよろしくお願いします。  時間もなくなってきましたので、最後に古民家の利活用促進について質問していきたいと思います。  先日、千葉県内の古民家を訪問する機会に恵まれました。南房総市にある農家の古民家で、田んぼとその間の一本道を抜けた先に民家と裏山があるという、まさに日本の原風景のようなところでした。その中に入って、やはり二階に上がると太い大黒柱に太い巨大なはりが渡っているんですね。それ、なかなか、見た瞬間、恐らく皆さん感動されると思うんですね。そういう本当に古木によって家が支えられている風景というものは非常にすばらしいものだと思いました。その構造が持つ力学的な美しさというのは、ある意味では畏敬の念さえ持たせる迫力があるものでした。  この古民家というのは伝統工法で建築されているわけで、まさに先人たちが長年培ってきた日本人の知恵というものが詰まっています。ただ、その古民家が高齢化や過疎化で年々姿を消しています。これ、もう今、今ここでこれを残すというように努力をしないと、今なくなっていくんですね、どんどん。これ貴重な地域資源でもあるわけです。  いろんな残し方はあるんですけれども、まず一つのやり方としては、例えばいろんな国の事業を利用して古民家を活用するということも始まっています。例えば、国土交通省でも人生百年時代を支える住まい環境モデル事業というのがありまして、例えば、藤沢市にある古民家を母子が安心して住めるシェアハウスとする取組等もこの事業に採択されています。  これ、空き家対策、セーフティーネットの拡充にもなるんですけれども、令和三年度もこうした取組促進すべきだと考えますが、国土交通省の見解をお願いいたします。
  119. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) お答えいたします。  人生百年時代を支える住まい環境整備モデル事業は、多様な居住ニーズに対応して、高齢者障害者、子育て世帯など誰もが安心して暮らせる住環境の整備促進するため、民間団体等が行う先導的取組支援するものです。令和元年度に応募要件等を見直しまして、改めてそこから五年間、このモデル事業を実施することとしております。初年度となりました令和元年度は、議員御指摘の空き家となっている古民家を改修し、一人親向けシェアハウスを整備する取組二件、それ以外の空き家活用する取組四件を含め、十九件採択したところでございます。  今申しましたように、令和元年度から五年間という取組でございますので、来年度予算は今編成のさなかでございますけれども、我々としては、三年度、しっかりとやっていきたいと考えてございます。
  120. 竹内真二

    ○竹内真二君 新型コロナの影響による老舗旅館の廃業、あるいは近年多発している災害被害など、古民家の更なる減少にも今拍車が掛かっています。一方で、ワーケーションとか、そういう古民家みたいなものが今見直されていますので、そういう追い風も少し吹いているんですね。ただ、しっかりと、この日本の住文化であり、観光など地域活性化につながる地域資源の古民家、これを利活用すべきと今思うんです、強く。  そこで、赤羽大臣の地元の兵庫県にもたくさんのすばらしい古民家が、千年家と言われるようなものもたくさんあるんですね。ですから、この古民家の利活用促進に関して、赤羽大臣の御所見を伺いたいと思います。
  121. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 今言っていただいた千年家など、まさに私が住んでいる神戸市北区にあったり、あと、篠山市でも非常に古民家にしたまちづくりというのは一生懸命やられていて、大変地方の創生にもつながっております。  また、実は結構、この古民家を活用した観光まちづくりというのは案外あって、私も地方へ出張行きますと、先日、木曽の妻籠宿ですとか馬籠宿、また福島県の会津若松で大内宿と、そうした本当に昔の古民家が結構、どうでしょう、何十軒とあって、町として大変にぎわいを示しているところがございます。  これは、その地域の住文化を伝えるという意味で貴重な歴史資源であり、観光の本当に隠れた資源だというふうに思っておりますし、私は、これほっておけば空き家で、特殊空き家か何かで廃墟になってしまう。そこに価値創造するかということが非常に大事であって、その瀬戸際なんですね。  ですから、どう仕掛けるかというか、どう手掛けるかということでありますので、そうした埋もれている資源に価値を与えられるかどうかということについて、今局長からも答弁させていただきましたが、国交省としてできる応援はしっかりしながら、本当、それぞれの地域が、それぞれの地域によっていろんな歴史があり、そこにストーリーがある。  私も行くたびにいろんなところで説明を受けたりとかしておりますが、そうしたことは観光のみならず教育についても非常に効果は高いと思いますので、しっかりしたいいものを育てて、観光立国としても成熟した我が国にしたいと思っておりますので、しっかり古民家は活用していきたいと思っております。
  122. 竹内真二

    ○竹内真二君 是非大臣、よろしくお願いいたします。  じゃ、最後の質問になりますけれども、実は、参議院会館内の私の事務所に入ったところには、昨年台風被害を受けた千葉県の古民家の廃材を活用した木箱や靴べらなどの木工品七点が展示されています。この作品、全国古民家再生協会の千葉県連合会の方が、貴重な古材の利活用を訴える目的から木工職人の方に依頼して作っていただいたものです。  しかし、こういうこともある反面、残念なことに、災害によって全壊、半壊被害等に遭った古民家については、自治体による解体処分が決まると、貴重な、本当に貴重な家財であっても譲渡ができないんですね。災害廃棄物として処分に回されてしまいます。  そこで、これは環境省にお聞きしますけれども、自治体と地域の古民家再生協会などが事前に災害協定などを結ぶことでこの古材の有効活用ができるようにすべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
  123. 土居健太郎

    政府参考人土居健太郎君) お答えいたします。  大規模災害発生した際には、災害廃棄物が大量に発生いたしまして自治体の最終処分場の逼迫につながりかねないということから、現在、分別排出されました廃棄物につきましては、再資源化を今徹底をしているというところでございます。  その一環といたしまして、被災した家屋の木材につきましては、現状では破砕して燃料や原材料ということでリサイクルには取り組んでおりますけれども、今お話ありましたように、古材を有効利用、有効活用しまして新しい部材や木工品として利活用することは大変好ましい取組だというふうに考えております。  委員指摘のように、事前に自治体と業界団体災害協定などを結ぶこと、これは利活用、再生資源を、資源化を一層推進する有効な取組だというふうに考えております。  以上でございます。
  124. 竹内真二

    ○竹内真二君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
  125. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。  十五分の時間をいただいております。四問用意をしてきました。ひとつ答弁の方は手短に御協力をお願いを申し上げておきます。  それでは最初に、国土交通行政の組織の在り方について御質問したいと思います。  先生方皆さん方御承知のとおり、この国土交通省、北海道開発庁、国土庁、そして運輸省、そして建設省の旧四省庁が統合して誕生いたしまして、ちょうど本年で二十年という節目を迎えるわけであります。そういう中で、やはり非常に国民の命と暮らしを守る大切な省でございます。そういう観点から、縦割り行政、また、あしき前例主義という、そういうことを打破して、規制緩和やデジタル改革などを推進していくというふうに赤羽大臣は力強くお考えを示されました。  そういう中で、国土交通省の改革をどう進められるのか、国民視点に立った行政サービス提供していくことにどのようになっていくのか、お聞きをしておきたいと思います。
  126. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) これからの我が国を取り巻く社会状況変化というのは、恐らく、一つは災害の頻発化と、また今回のようなコロナの感染症による社会変化、そうした社会変化に追い付くというより、先を行く行政をしていかなければいけないと。その行政、先を行く行政というのは、私の理解では、縦割りのままではなかなか対応できないというふうに思っております。  災害では、よく菅総理が、治水を考えるときに、流域治水で、上流部でなるべくダム、遊水地等々で水をためるということが大事だ。しかし、日本のダムというのは、実は治水ダムとしてできるのは三分の一ぐらいで、三分の二は利水ダムで使えなかったと。ここについて、災害協定というか協定を結んで、今、利水ダムも大方使えるようになったと。それがもう今年の令和二年の七月の豪雨災害では随分効果を現しているといったようなことがございます。これも、国交省と経済産業省と農林水産省、省をまたぐ取組でございました。  令和二年の七月の豪雨で高山地域、岐阜県高山地域に視察に行きましたが、ここは国道に沿ってJR高山線が走っていまして、二つとも相当ダメージがあって、しかし、これをまず、道路の復旧は相当時間掛かるのでJRの復旧を先にしようということで、実は道路局と鉄道局が協力をして、道路局の多分予算も使ってだと思いますが、鉄道の復旧を優先させたと。大変早く再開ができて、下呂温泉等々の観光地も大変助かったというような事例がございました。  また、先ほど出ていますけど、コロナ感染症の影響で、これから恐らく、働き方の変化に伴って住まい方の変化ですとか様々な変化の中、二拠点居住ですとかワーケーション、こうしたものが進んでいくと思いますが、それを促進できるような税制の在り方ですとか支援策等々も、これは恐らく、住宅局だけとか都市局だけとか、そういう一つの局だけの考え方ですとなかなかうまくいかないと。  一つの局ですと、従来の在り方とか従来のルールというものがやっぱりどうしてもあるので、それが逆にそれを阻むような結果になってしまうので、それを省内全体として議論しながら、どうすることが国益になるのか、国民益になるのかということを考えていく上で、これまでの縦割りの組織とか省庁を超えたことがなかなか考えられない、具体的に実現できないというようなことは、しっかりそうしたことは取り除いて検討し、政府内全体で前に進めていかなければいけないと、そういう趣旨で私は所信の表現に入れさせていただいたところでございます。
  127. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 ありがとうございます。いろいろと勉強されて、また、きめ細かな説得力のある御説明をいただきました。これからもしっかりと期待をさせていただきたいと思います。  ちょっと古い話になりますけれども、前田武志さん、国土交通大臣、私はしばらくその方にお仕えをしていたわけでありますけれども、よく大臣もおっしゃっておられるように、国交省は統合力、即戦力、そして現場力だということをよくおっしゃっておられました。ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  続きましての質問は、気象情報の提供在り方についてでありますけれども、この平成三十年の七月の豪雨において防災気象情報が必ずしも住民の避難行動につながっていなかったという、このような指摘がございました。防災気象情報の伝え方に関する早速検討会を開かれ、改善策の取りまとめを行っておられます。  そこで、この取りまとめの中で住民等にしっかり理解していただける新しい手だてはあったのか、あるのか、また防災気象情報の伝え方の改善策についてお聞きをしたいと思います。  もう一つ指摘をしておきたいことは、気象庁と国土交通省が洪水危険度を別々に表示することが逆に分かりにくいと指摘も受けております。その点も併せてお聞きをしておきたいと思います。
  128. 関田康雄

    政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。  大雨等の自然災害に対しまして住民の皆様が自らの命を守るために適切な行動を取っていただくためには、防災気象情報の意味を正確に御理解いただくということが大変重要と考えております。  このため、気象庁では、ただいま御指摘いただきました防災気象情報の伝え方に関する検討会、これを平成三十年度より継続的に開催し、情報の伝え方という観点から改善策を検討し、その提言に基づいた伝え方の改善を実施しているところでございます。  例を申し上げますと、令和二年七月豪雨におきまして、水管理・国土保全局と気象庁の合同記者会見を行いまして、大雨特別警報から警報への切替え時に、河川の増水、氾濫についての警戒が引き続き必要であるという旨を呼びかけるなど、伝え方の改善を実施いたしました。また、自らの命を守るために必要となります基本的な知識と取るべき行動につきまして、多くの方に学んでいただけるよう、e―ラーニング形式で学習できる教材を本年五月より気象庁ホームページで公開しているところでございます。  一方で、今年度の出水期におきましても、情報の伝え方において更に改善検討すべき点があったというふうに認識しております。特に、台風第十号の記者会見で用いました特別警報級の台風という表現が分かりやすかったのか、また、特別警報の可能性が低くなったと、この発表により国民の皆様の警戒感の低下につながらなかったのかと、こういった課題が見られましたので、地方公共団体や関係機関等と連携して今出水期の振り返りを行うほか、アンケートにより住民の方々の受け止め方もしっかりと確認してまいりたいと考えております。  これらを踏まえまして、防災気象情報の伝え方に関する検討会にて有識者の御意見をいただきながら、次の出水期に向けて更なる伝え方の改善に取り組んでまいります。  あわせまして、御指摘のとおり、水局の方のリスクラインとそれから我々の危険度分布、こういったものについても一緒の一つの画面で見えるように今水管理・国土保全局と協議をしているところでございます。  以上でございます。
  129. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。やはり一番大切なことは、逃げ遅れがないと、こういうことが一番大事だと思っております。よろしく御指導、お力添え、また国民の命を守るように努力をしてください。  続きまして、所有者不明の土地の問題、これの問題でありますけれども、一時はこの所有者不明の土地が面積にすれば九州ぐらいの広さがあるとかいうような話もよく聞きましたけれども、この対策の見直しについてお聞きをしておきたいと思います。  日本の国も人口減少、もちろん超高齢化社会を迎えているわけでありますから、そういう環境、背景を考えますと、ますます所有者不明土地は今後も多数発生するということであります。そして、平成三十年六月、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が成立し、これ三年を迎えて今見直しに向けていろいろと御検討をされているわけでありますが、そこで確認をしておきたいことは、この特措法の施行後、所有者不明土地の発生を抑制し、その解消に向けた取組はまず進んでいるのかという基本的な質問であります。  そしてさらに、この所有者不明土地は実際にどのように活用をされているのか、これも知っておきたいところであります。  最後に、特措法施行三年後の見直しに向け、今後どのように対応していこうとされておるのか、お聞かせをください。
  130. 里見晋

    政府参考人(里見晋君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、所有者不明土地法はできて三年を迎えるわけでございますけれども、まず特措法の活用状況でございますけれども、一つは、固定資産税課税情報など土地所有者に関する情報の利用を可能とする特例については現在まで二百を超える案件で活用が進んでいたり、あるいは、所有者不明土地の収用手続を合理化、円滑化する特例はこれまで二件の事例が出ているなど活用は進んでいるところでございまして、引き続き、地方整備局と地方公共団体連携によって設置されました全国十ブロックの協議会や職員の派遣を通じた支援等により、所有者不明土地特措法の活用あるいは円滑な施行に努めてまいりたいと思いますし、続きまして、その所有者不明土地の発生抑制あるいは解消に向けた取組でございますけれども、一つには、理念的には、本年三月に改正しました土地基本法の中で、土地が適正に管理されるべきことを基本理念として明確化した上で、土地所有者等の責務規定を創設などしたところでございますし、他省庁ではございますけれども、所有者不明土地の発生を予防する仕組み等につきまして、現在、法務省の方で民事基本法制の見直しの検討が鋭意なされていると承知しております。  今後に向けてでございますけれども、施行後三年見直しに向けまして、現在、所有者不明土地の利用を更に円滑化させる観点ですとか、適正な管理の確保観点から、管理不全土地への対応などにつきまして国土審議会の部会の方で検討を始めたところでございましたので、しっかり検討していきたいと考えております。  以上でございます。
  131. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 最後の質問になります。インフラシステムの海外への展開についてお聞きをしたいと思います。  やはりこの日本の港湾技術とかインフラは冠たるものがあるわけでありますが、そのことについて、やはり海外への展開、我が国以上にやはり中国、韓国がすさまじいものがあるようであります。そういう状況の中で、国土交通省としてはどのように取り組み、成果を上げようとされておるのか。  また、平成二十二年時点で約十兆円であった我が国の企業によるインフラシステム輸出戦略の受注を十年後、令和二年に約三十兆円に目標が定められておると。こういう中で、今後、海外における企業活動、制約が掛かる状況の中で国土交通省としてどのような対応を考えておられるのか、また取ろうとされておられるのか、最後に御質問をいたします。
  132. 瓦林康人

    政府参考人(瓦林康人君) お答え申し上げます。  世界の旺盛なインフラ需要を取り込み、我が国の持続的な経済成長に貢献するため、国土交通省におきましては、毎年の行動計画、これを策定いたしまして、省を挙げてのトップセールスでありますとか、官民ファンド、JOINあるいは独立行政法人等を通じた支援の充実などを進めてまいりました。その結果、先ほど目標のお話ございましたが、例えば交通分野における海外インフラの本邦企業の受注実績、これは、平成三十年におきましては二十二年の約四・四倍、二・二兆円になるなど、着実に拡大してきております。  一方で、御指摘のとおり、案件の受注をめぐりまして、近隣諸国を含めた国際競争は近年大変激しくなっております。  このため、国土交通省におきましては、競合国に対して優位性を持つ日本の強みといたしまして四点、低廉なライフサイクルコスト、そして相手国への技術移転や現地人材・企業育成の実施、三つ目といたしまして工期等契約事項の確実な履行、さらには環境や防災安全面にも配慮し、経験に裏付けられた高い技術力、この四つを戦略的、効果的に活用することといたしまして、二国間対話やトップセールスによりまして、このような質の高いインフラシステムの海外展開を一層積極的に進めてまいります。  今後とも、政府一丸となってインフラシステムの海外展開に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  133. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  134. 浜口誠

    浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。  今日は、先回の委員会の続きで、高速道路のETCの専用化についてまずお伺いしたいと思います。  先回の御答弁の中で、ETCを装着していない車両、現金で精算している車両が日当たり五十七万台と、そのうちの約四万台が中型車ということでお伺いしました。今後、このETCが専用化されたときに、装着していない車両に対してどのように対応していくのかというのは大きな課題になってくると思います。物流業界からは、仮ナンバー等でETCを付けたくても付けれない車両に対して携帯型の小型のETCの車載器を開発してほしいと、こういった要望も出ております。  具体的に、ETCを装着していない車の精算をどのようにしていくのか。例えばですけれども、料金所に車両識別カメラを設置して、そのカメラでETCの付いていない車については把握をして後日精算するような、そういった対応を考えられるのか、具体的な今後の対応についてまずお伺いしたいと思います。
  135. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  ETC未装着車に対する対応については、本年九月の社会資本整備審議会国土幹線道路部会の中間とりまとめにおいて、クレジット非保持者や高速道路の利用頻度が少ない者への対応として、ETCパーソナルカードの保証金の引下げや車載器購入助成など、ETCを利用しやすい環境を整備する必要があるとされているところでございます。  現在ETCの利用率は約九三%になっていますが、今後、この中間とりまとめで打ち出した対策を行うことで、ETCの利用率を更に高めていくことが重要であるとまず考えております。  他方、ETCの利用率を引き上げた上でもなお残るETC未装着車に対する具体的な対応方法としては、当該中間とりまとめにおいて、ナンバー読み取り等による料金の事後徴収のためのシステム、体制を構築するなどと提言されているところであり、今後その具体化を図ってまいりたいと考えております。  なお、質問の携帯式のETC車載器については、高速道路料金が大型、中型等の車種区分に応じて料金が定められている中で、携帯式のETC車載器では適正な車載器区分による支払コストがなされないおそれがあるなど、課題があると認識してございます。  また、ETC専用化を進めるに当たっては、レーンの運用については、現在の料金所ではETCレーンと一般レーンがある中で、ETCレーンを基本とするものとは考えていますが、ETC未装着車への対応も検討する必要があると考えております。  例えば、ETC専用運用を行っております首都高の、これ横浜にございますが、馬場インターにおいては基本的にETCレーンによる運用としておりますが、ETC未装着車が誤進入してきた場合は、閉鎖レーンに誘導しまして、遠隔にて免許証等の確認を行った上で後日支払をする方式を採用してございます。  いずれにしましても、今後、高速道路料金所のETC専用化を進めていくに当たりまして、ETCを利用できない車に対する対応について、物流業界を始め様々な御意見やこれまでの事例も踏まえながら、高速道路会社と検討を行ってまいります。
  136. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。本当にいろんな御意見聞いて、課題をしっかり解決していく方策を考えていただきたいなというふうに思います。  今実際どういった精算の仕方をやっているのか、これは、トラックの回送ナンバーを付けてETCの付いていない車の精算のやり方なんですけれども、今お手元に資料一お配りしています。  これ実際、いろんなトラック、バスが記載されていますけれども、回送ナンバー、いわゆる新車で運ぶときはナンバーがまだ確定していないのでETC付けれないんですね。回送ナンバーで現金で精算しないといけないと。  実際、この大型トラック一つ見ても、一番右の太枠で囲ってあるのが実際の高速道路料金の適用車種です。大型トラックでも、車軸数が何軸かによって適用される料金変わってくるんですね。実際、その料金所の収受員とドライバーさんが会話して、私の乗っているトラック四軸ですからねと、ああ、じゃ、大型ですねとか、こういうことをやって料金確定しているんですね。  これが無人のゲートになったときにどうやって運用するのかと、こういう課題が出てくると思うんですね。この辺に対してどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
  137. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  今御指摘ありましたとおり、料金所で仮ナンバー車両が通行する場合には、まず一般レーンに進入していただきまして、御指摘ありましたとおり、料金収受員による車両の確認とドライバーによる申告内容との確認等により料金収受員が車種判別を行い、料金を徴収しているところでございます。  また、料金所が無人化した場合についてのお尋ねでございますが、現在も料金所、料金精算所が導入されている等により無人化されている料金所がございます。そうしたところでは、一般レーンに進入していただいた上で、カメラやインターホンなどにより遠隔にて同様の確認を行いまして車種の判別を行っていると承知してございます。  このような事例も含めまして、仮ナンバー車両の車種判別の方法について引き続き高速道路会社と検討してまいります。
  138. 浜口誠

    浜口誠君 是非しっかり正確な車両区分が把握できる体制を整えていただきたいなというふうに思います。  一方で、物流会社の皆さんから出てきている意見として、今回ETCが専用化されたときに実際の料金精算がどのような形になるのかという不安の声があります。非常に会社側の負担が増えて工数が掛かるのではないかと、現金精算者の後日の精算については簡素化して煩雑な手続にならないように是非配慮していただきたいと、こういう声が来ていますけれども、その点に対して現時点での御見解をお伺いしたいと思います。
  139. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  ETC未装着車が誤進入してきた場合の料金の精算につきましては、先ほどもお話ししたとおり、本年九月の社会資本整備審議会国土幹線道路部会中間とりまとめにおきまして、ナンバー読み取り等による料金の事後徴収のためのシステム、体制を構築するなどと提言されているところでございます。  また、現在、先ほどお話ししましたけれども、首都高速においてETC専用運用を行っております馬場インターにおきましては、仮ナンバー等のETC未装着車が進入した場合、閉鎖レーンに誘導するということも御説明いたしましたけれども、コンビニ払い等により後日支払を運用で行っているという状況でございます。  いずれも事後的な精算での対応となっているところでありますが、今後、物流業界を始め様々な御意見を踏まえながら、料金精算の簡素化について高速道路会社と検討を行ってまいります。
  140. 浜口誠

    浜口誠君 是非、たくさんの車両を持っておられる物流会社さんでいえば、相当これ料金の精算に対しての工数が掛かるのではないかなと、こういうやっぱり御指摘ありますので、しっかりとそういった御意見を受け止めていただいて、簡素化に向けての対応をしていただきたいなというふうに思います。  今回、ETCを専用化することによって、高速道路会社から見れば経費の削減にこれつながっていくのではないかなというふうに私としては受け止めていますけれども、実際どの程度の高速道路会社において経費削減につながるのか。実際その経費が削減した場合は、利用者料金へしっかり反映していただくような考え方で対応していただけるのか。その辺の今回の専用化に対する経費の見通しと、それの料金への反映という観点で、現時点での御見解をお伺いしたいと思います。
  141. 吉岡幹夫

    政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。  ETC車両と非ETC車両の料金収受コストの差でございますけど、少し古い平成二十八年度のデータでございますけれども、非ETC車両がETC車両の約六倍となっておりまして、ETC専用化などを進めることによりまして、料金収受業務の効率化を通じ経費の削減を図ることは重要であるというふうに考えてございます。  一方でございますけれども、ETC専用化を進める場合にも、車両監視カメラやインターホン等の追加の機器の整備とか、あるいはETC未装着車が進入した際の事後徴収に関わる事務経費などが必要と考えられることから、現時点で具体的な経費削減の見込みなどについてお答えするのは困難であるというふうに高速道路会社から聞いてございます。  いずれにしましても、今後、経費削減可能となった場合の利用者への具体的な還元策等については、高速道路会社において年内にETC専用のロードマップをまとめた後、更に具体的な計画を議論していく中で検討していくことになると考えてございます。
  142. 浜口誠

    浜口誠君 是非、経費削減が実現した場合については、利用者への還元も考えていただきたいというふうに思っております。  最後、大臣にお伺いしますけれども、ETC専用化に向けて、まだまだETCが装着できない車両もこれ残ってくると思います。そうした場合に、今申し上げたように、いろんな課題がまだあるなと正直思っておりますので、是非国土交通省も高速道路会社もそういった課題に対してしっかり向き合っていただいて、その解消であったり対応策というのはこれからきちんと御対応いただきたいなというふうに思っておりますけれども、今後の進め方に対して、大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
  143. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) この件、以前にもお答えしたかと思いますが、現実にこうしたことを進める上で、この制度を改革することによってお困りになる方がなるべく出ないように丁寧に対応するというのは当然だと思いますし、ちょっとあえて、御質問聞いていて、私自身の不明を恥じれば、これだけ高速料金が差が付いていて、物流を業とするところでまだETC搭載がされていない車があるんだというふうなことを余りよく存じ上げていなくて、そうした御指摘も今日あったということですので、道路局と自動車局併せてしっかり検討していきたいと思います。
  144. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。  では、続きまして、地籍調査と山林等におけます境界の確定事業、この件についてお伺いしたいと思います。  私の先輩議員の知り合いの方から、すごくこういう地籍調査に詳しい方からの御指摘として、地籍調査は国土交通省の皆さんの管轄でやっておられます。で、森林等の境界確定事業はこれ林野庁さんがやっているんですね。お互いの省庁が、まあ違う省庁が担当しているということで、非常に非効率な対応が行われているんじゃないかと、もっと効率いいやり方があるんじゃないかと、こういう御指摘をいただいております。  実際の事例として、森林の地籍調査を国土交通省がやって境界を確定します。同じ森林で今度、林野庁さんが境界確定の事業をやって境界を確定します。実際はその境界を確定する位置のところにくいを打つんですけれども、同じところに二本くいが打たれると、こういうことが現実起こっているということなんですね。  土地所有者の方からすると、同じことを、ほぼ同じように見えるそうです、同じことをやるんであったら、国土交通省さんと林野庁さんで連携して一回でやればいいんじゃないかと。その方がもっと効率的だし、いわゆる重複行政、縦割り行政じゃないですけれども、もっと効率的なやり方をやったらどうかと、こういう御指摘もいただいておりますので、是非、両省庁が連携してこの調査、統合するなり、もっと効率的なやり方を考えていただけないかなというふうに思っておりますので、国土交通省、林野庁さんの方からそれぞれ御見解をお伺いしたいと思います。
  145. 小坂善太郎

    政府参考人小坂善太郎君) お答えいたします。  間伐等の森林整備を実施するに当たっては、所有者や境界を明確にすることが不可欠でございます。地籍調査が終わっているところはこういったことが分かるわけですけど、やはり地籍調査が完了していない森林等において、林野庁においては、森林組合等が行う森林所有者の所在確認や境界の明確化への支援を森林整備地域活動支援対策交付金、こういった事業で進めております。  議員御指摘のとおり、このような取組が二度手間にならないように、非効率にならないように、こういった観点が重要だと思っていまして、本事業による測量成果、くいを含めてですね、につきましては、地籍調査担当部局に提供して、地籍調査が効率的に進めることができるよう連携を図っているところでございます。  今後も、このような連携強化し、より効果的、効率的な地籍調査が進むよう、国交省とも連携して進めてまいりたいというふうに考えております。
  146. 里見晋

    政府参考人(里見晋君) お答えいたします。  地籍調査につきましては、国土調査法に基づきまして、一筆ごとの土地につきまして、土地の境界だけでなく、筆ごとの正確な面積を測量するとともに、その所有者等を調査し、土地の基礎的情報を整備するというものでございます。  今し方林野庁さんから説明がありました森林境界明確化事業とは調査の目的とか内容が異なりますけれども、土地の境界確認という点におきましては類似の作業が行われているということでございますので、委員指摘のとおり、同一の境界箇所における調査の際に、境界に疑義とか争いがない場合に、重ねて所有者に対して立会いを求めるとか打つというのは負担で無駄だろうということで、防ぐ必要があると考えております。  今後につきましては、先行して実施された森林境界明確化事業において所有者の確認を得て設置された境界ぐいにつきましては地籍調査においても活用いたしまして、そこで所有者の立会い等を改めて求めないなどの運用を徹底してまいりたいと考えております。  これにつきましては、林野庁さんとも一層連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
  147. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。  実際にどれぐらいの件数、連携されているんですかね。先ほど来、お互い連携します、連携しますとおっしゃっていますけれども、具体的に連携した事例って年間で何件ぐらいやられているんですか。
  148. 小坂善太郎

    政府参考人小坂善太郎君) 恐縮でございます。お答え申し上げます。  実際にどれだけの件数を実施したかというのは把握しておりませんけれど、我が方で毎年境界の明確化事業を実施したところ、そこについては、その市町村の中の地籍担当部局に成果をきっちり届けて連携するようにということは進めていますし、特に、近年、レーザー計測とか新しい技術が出てきましたので、こういうものを使って逐次連携を図るということは都道府県、市町村にお願いしているという、そういったことでございます。
  149. 里見晋

    政府参考人(里見晋君) 失礼いたします。  私どもの方も、具体的にこれまでの連携の件数は詳細に把握しておりませんが、今後は境界ぐいが二重に打たないようにしっかりやりたいと思っております。
  150. 浜口誠

    浜口誠君 その御意見をいただいた方は、実際にその現場にいて連携が取れなかったということをおっしゃっていて、私の方に、そういう問題があるので是非この国交委員会で取り上げてほしいと、やっぱり省庁の壁があって、なかなか意見言ってもお互いが歩み寄らないというか連携取れない、そういう実態にあるので、是非こういう場で両省庁のしっかりとした連携を訴えてほしいと、こういう御指摘がありましたので、あえてそういう問題意識の下に今日は質問させていただいたということは共有化をさせていただきたいなと、このように思っております。  では、続きまして、地籍調査等の迅速化を図るため、お手元にも資料二でリモートセンシング技術というのを紹介させていただいております。  こうした新たな技術を活用することによって、より地籍調査ですとか境界の確定がスムーズに、そして期間が短く対応できるというふうに考えております。どんどんこういった技術は、先ほども御答弁の中にもありましたけれども、活用していくべきだというふうに考えておりますけれども、今後の方針についてお伺いしたいと思います。
  151. 里見晋

    政府参考人(里見晋君) お答え申し上げます。  委員指摘のように、リモートセンシングデータにつきましては今後活用が必要だと考えております。航空機から撮影された空中写真や、航空機に搭載したレーザー機器を用いて計測した地形データなどによりまして、対象物を遠方から撮影、計測したデータを活用していきたいと考えております。  こういうことの下で、本年三月の国土調査法等の改正及び関係省令の改正におきまして、リモートセンシングデータを活用した地籍調査の手続等について新たに整備したところでございます。  また、本年五月に閣議決定されました第七次の国土調査事業十箇年計画におきましても、山林部におけるリモートセンシングデータの活用など、地域の特性や技術の進展に応じた効率的な調査手法の導入を、関係省庁において連携を図りつつ促進することとされたところでございます。  同時に、リモートセンシングデータの活用につきましては、まだ全国の公共団体の中には浸透し切っているとは言えないので、不慣れな方もいらっしゃると伺っております。このため、国土交通省といたしましては、当該手法を活用するための具体的な方法を示した手引等の整備や研修を実施するとともに、実際の現場で公共団体連携しながら国の職員がリモートセンシングデータを活用した調査を行い、そのノウハウを周辺の地方公共団体に含めて普及、定着させること等により活用促進を図っていきたいと考えております。
  152. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。  最後に、所有者不明土地に関連しまして、先ほど御質問ありましたけれども、民法改正が非常にキーになると思っております、今後発生させないための仕組みづくりということで。現時点での民法の検討状況と今後の進め方、それを受けて国交省はどう対応するかについてお伺いしたいと思います。
  153. 堂薗幹一郎

    政府参考人堂薗幹一郎君) お答えいたします。  いわゆる所有者不明土地の存在は、民間の土地取引や公共事業の用地取得、森林の管理など様々な場面で問題となっており、その対策政府全体として取り組むべき重要な課題と認識しているところでございます。  法務省においては、昨年二月、法制審議会に対し、民法及び不動産登記法の改正に関する諮問を行い、昨年三月から法制審の部会において調査審議が行われているところでございます。  この部会におきましては、昨年十二月に、相続登記の申請の義務化、あるいはいわゆる土地所有権の放棄制度の創設などを内容とする中間試案が取りまとめられまして、パブリックコメントの手続が行われ、合計約二百五十件の御意見が寄せられたところでございます。  寄せられた意見は、ほとんどの意見が所有者不明土地対策の必要性を前提とするものでございましたけれども、個々的には、提示された論点について賛意を示すもののほか、問題点などを指摘しながら反対するといったものなどがございました。  現在、同部会においては、パブリックコメントの結果を踏まえ、法制化に向けた最終的な調査審議を行っているところでございます。  この問題の解決に向けた民事基本法制の見直しにつきましては、今年度中できるだけ速やかに必要となる法案国会に提出することが政府基本方針とされているところでございますので、法務省としては、この問題の解決に向け、引き続き関係省庁と連携しながら対策推進してまいりたいと考えているところでございます。
  154. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願い申し上げます。
  155. 里見晋

    政府参考人(里見晋君) 国土交通省の方といたしましては、改正土地基本法、所有者不明土地特措法に基づき施策を展開しております。  今御説明がありましたような民事基本法制の見直しの内容も踏まえまして、政府全体の関係閣僚会議の基本方針に基づきまして、所有者不明土地法の三年経過見直し等々につきまして審議会で検討を進めていきたいと考えております。  以上でございます。
  156. 浜口誠

    浜口誠君 以上で終わります。ありがとうございました。
  157. 武田良介

    ○武田良介君 日本共産党の武田良介です。  リニア新幹線について質問をさせていただきたいと思います。  東京品川駅から名古屋、大阪を結ぶものでありまして、総事業費約九兆円の大規模事業というふうになっております。事業主体はJR東海ということでありますけれども、国家的プロジェクトとして進められてまいりました。  そして、今、新型コロナ感染拡大という新しい状況発生をいたしました。この新たな状況を受けて、リニアを建設することによって社会にどんなインパクトを与えようとしているのか、どんな社会をつくろうとしているのか、まず政府考えを伺いたいと思います。
  158. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、後段の新型コロナウイルス感染症の拡大、その影響によって、私、先ほど御答弁をさせていただきましたが、働き方の改革、そして住まい方の改革、変化ですか、様々な大きな変化が出てくると思います。  そういった意味で、先ほど申し上げましたように、コロナ禍は地方創生を進める大きなきっかけとするべきだと。そういう意味で、私は、まさに地方創生の一つの大事なところがこのリニア中央新幹線の役割だというふうに思っております。それが一つです。もう一つは、まさにスーパーメガリージョン、国際競争力のあるスーパーメガリージョンの形成だと、こういう二つの大きな目的があるというふうに思います。  具体的には、リニア中央新幹線、東京―名古屋間を四十分、東京―大阪間を六十五分で結ぶという計画でございます。移動時間が劇的に短縮することによって、いわゆる三大都市圏、東京、名古屋、大阪の移動があたかも都市内を、この東京都内を移動するような、そういう近いものになるということでありまして、そうすると、まず三大都市圏がそれぞれの特色を発揮しつつ、この三大都市圏には四つの主要国際空港があり、二つの国際コンテナ戦略港湾があるということから、世界から人、物、金、情報を引き寄せる、まさに世界を先導するというか、世界で国際競争力があるスーパーメガリージョンの形成が期待されるというのが一つでございます。  二つ目は、先ほど申し上げたように、新しい働き方、住まい方、地方移住ですとかワーケーション、こうした中で、その中で、新幹線の沿線沿いですとか、恐らく将来はこのリニアの沿線沿いというのがそうした大変な拠点にもなり得るのではないかと。現実に、今、リニア新幹線の沿線の飯田ですとか岐阜県の中津川では、愛知かな、中津川市、岐阜県ですね、済みません、中津川では、将来の移住促進ですとか企業誘致に向けた新たな取組が始まっているところでございます。大野先生、済みません、間違えまして。  そうした意味で、リニアは大きなまさに事業でございますが、こうしたことをこれからの社会変化にうまく使えるように、これも考えていくべきではないかというふうに思っております。
  159. 武田良介

    ○武田良介君 スーパー・メガリージョン構想検討会の最終とりまとめ、これも私も見ましたけれども、この構想が目指すものは、国土基盤の整備のみならず、各地域を健全で活力ある関係で結び、産業力を高める抜本的なイノベーションを起こしていくことで経済発展社会課題の解決を一体的に達成し、これからの時代に相応しい新たな成長の実現を目指すものだというふうにされておりました。  私が問題意識に持っていますことは、この最終とりまとめでも述べておりますような経済発展あるいは成長、こういうことだけではなくて、逆に今後の日本社会の負の遺産とはならないだろうか、将来にツケを回すことにならないだろうかということを問題意識に持っております。  例えば、財政投融資の三兆円でありますけれども、リニアがうまくいかなければ最終的に負担のツケをかぶるのは国民ということになりかねないというふうに思います。それだけに、この財政投融資三兆円の償還確実性があるのかどうか、新型コロナ感染拡大という事態も受けて、改めて検証されなければならないだろうというふうに思っております。  先ほども少しテレワークという話もありましたけれども、例えばこのテレワークが今後広がっていくということも想定されると思いますが、テレワーク自身は長時間労働だとか不払労働につながりかねないという指摘もされておりますけれども、いずれにしても、今後テレワークが広がっていくことになれば、出張で移動するビジネス客が減ることも否定できないのではないだろうかというふうに思いましたけれども、この点について国交省はどのようにお考えになっているでしょうか。
  160. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  先ほど大臣からの答弁にもございましたとおり、政府全体で東京一極集中から多核連携型の国づくりを進めていくこととしているところでございます。その中で、リニア中央新幹線の人流ネットワークの整備は、二者択一ではない、より柔軟な働き方、地方都市での就労、居住の推進に大きく寄与するものと考えております。  こうした新しい大都市圏と地方圏の関係が構築されることによりまして、地方における人口増加を通じて双方向の交流人口の増加も見込めるため、リニア中央新幹線計画について、直ちに需要の低下が懸念される状況にはないと考えております。
  161. 武田良介

    ○武田良介君 直ちに減ることはないというような御答弁だったかと思うんですけれども、現時点では確かに、開業のときにどれだけ利用されるかということを精緻に予測することは困難かもしれませんけれども、新型コロナという新しい状況の下で、これまで交通政策審議会で行ってきた需要の予測というのは、当然、このコロナのような状況発生する、あるいはテレワークという状況も十分勘案していなかったという点もあろうかというふうに思いますので、こういう新しい状況の下で改めて検証する必要があるのではないかというふうに思っております。  直ちにということで仮になくても、リニアの中止とか何だと言う前に、もう一度見直すということが必要なのではないかというふうに思っています。直ちに見直すということでなくても、今後、コロナの社会変化、幾つかの傾向などなど見えるようになるにつれて需要予測も少しずつ具体的にできるようになっていく、そういう段階も含めて需要予測をし直す、償還確実性の再検証を行う、そういう必要があるのではないかというふうに私考えておりますけれども、大臣、この点はいかがでしょうか。
  162. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) 武田さんの質問を常に聞いていますと、すごく私と違って随分悲観主義だなと。私は随分楽観主義なのかもしれませんが。  二〇四五年の大阪までの開業時までどうなっているかというのは誰も見通せないわけでありますが、少なくともこのままどんどんシュリンクしていいわけではないわけで、こうしたコロナ禍ですぐに需要が低迷するとかということで、この大プロジェクトの見直しということが、そういうふうに、何というかな、その必要性があるのかどうか。私はもう少し、そうではなくて、新しい需要を掘り起こしながら、このリニアの当初考えていた時点よりもこれから先を行くことを考えながら、何というかな、前向きに考えていった方がいいのではないかというふうに思います。  恐らく、東海道新幹線、昭和三十九年にできたときも、莫大な投資をしてどうなんだという議論は多分あったんだと思っております。当時は、東京―大阪間、早くても六時間以上掛かっていた、なかなか日帰り出張ができるような状況じゃなかったことが、今やもう二時間半で、「のぞみ」で行き帰りができるようになったと。これは明らかに経済的には加速をしているし、経済だけではなくてその沿線等々では地方の活性化にもつながっていると。  確かに、大きな投資ですからリスクもないとはもちろん申し上げませんので、私たちの立場は、この主体はJR東海でありますけれども、しっかり国土交通省として、これだけ大きなプロジェクトを失敗させないと、国民益になるように、また地方の創生に必ずつながるようにしっかりと取り組んでいく、それが私の立場だろうというふうに思います。
  163. 武田良介

    ○武田良介君 償還確実性だとかそういったこと、大変、私、重要だというふうに思っておりますので、是非検討いただきたいというふうに思います。  先月の末、静岡県内のお茶の生産者の方々など利水者の方々が、大井川の命の水、南アルプスの自然を守ろうということで、工事の差止めを求める訴えを起こされました。また、静岡県の住民の方あるいはお茶農家の方が静岡県知事宛てに、JR東海に対し住民が納得できるまで説明をするよう働きかけることなどを求める署名活動を開始すると、そういう運動も始まっているというふうに伺っております。  しかし、リニアに対して懸念しているのは静岡県だけではありません。例えば、長野県の南木曽町の工事用車両に関わってちょっとお聞きしたいと思うんですが、広瀬非常口工区において、環境影響評価書では工期を十年としていたものを、その後、工事の説明会では工期七年というふうに説明をされ、そのことによって、発生残土を運ぶ工事用車両、ダンプカーなどが、想定された一日最大二百三十二台から約四百台に増えたというふうにお聞きをしております。  これは、そのアセスの変更手続などを行うような必要があるようなものではないのか、住民に対してどういうふうに御説明をされているのか、この点について国交省に伺います。
  164. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  中央アルプストンネル萩の平・広瀬工区につきましては、工事工程が精査された結果、環境影響評価の予測時点のトンネル掘削期間に比べ、より短い期間で掘削することが可能となり、これに伴いピーク時の工事車両台数は増加するとのことですが、工期は短縮される見込みということであります。  令和二年八月に行われました地元住民の代表者等が出席する南木曽町リニア中央新幹線対策協議会におきまして、JR東海から、今後、複数の発生土置場候補地を用意することで工事車両が集中しないような方法等について引き続き検討していくことを説明いたしております。  JR東海としては、地元の御意見を踏まえ、引き続き、運行ルートの分散や隣接する尾越工区の発生土運搬車両との調整を行いまして沿線への影響を抑える方針であるということでありまして、詳細につきましては、今後、施工計画が具体化した段階で地元に説明する予定と聞いております。  国土交通省といたしましては、引き続き、JR東海に対しまして、地元住民の皆さんに丁寧に説明を行いながら、発生土の運搬等に対する環境保全についての配慮が適切になされるよう求めてまいります。
  165. 武田良介

    ○武田良介君 工事用車両の通行量が増える、ピークで増えるというお話も今ありましたけれども、本当に心配されている地域住民の方もいらっしゃいます。地元の理解、納得がなく、工事用車両が評価書の段階より多く走るというようなことがあってはならないというふうに思いますし、たとえ時間が掛かっても住民の皆さんとしっかり話し合うということをJR東海にも指導いただきたいというふうに思っております。  発生残土置場についても確認をさせていただきたいと思うんですが、南木曽町で行われるリニア建設工事に伴い発生する残土、全ての発生残土の置場が決まっているという状況でしょうか。
  166. 上原淳

    政府参考人上原淳君) お答えいたします。  リニア中央新幹線の建設発生土につきましては、JR東海としましては、まずJR東海が自らの事業で最大限活用していく一方で、ほかの公共事業、さらには民間事業を含めて有効活用していくという考えでございまして、具体的な発生土置場につきましては、地方自治体から情報を収集いたしまして、あっせんを受けながら決定されるものと承知いたしております。  お尋ねの南木曽町内におきましても、長野県から発生土置場の候補地に関する情報提供やあっせんを受けながら、地権者や関係機関と協議、検討を進めている段階でございまして、現時点では決定はしていないということでございます。
  167. 武田良介

    ○武田良介君 なぜ確認させていただいたかといいますと、その南木曽町、それからJR東海、それから鉄運機構及び長野県の間で、昨年の八月二十一日に中央新幹線建設に伴う工事に関わる確認事項という文書が交わされておりまして、実はこの第一条に、「JR東海は、必要な発生土置き場(仮置き場含む)を確保した後にトンネル(斜坑含む)掘削を行う。」というふうにあるんですね。つまり、今御答弁いただいたように、確保、全て決まっていないと、置場ですね、利活用も含めて、決まっていない下で、この確認書に照らせばトンネルの掘削を行うことはできないと、そういう状況なんじゃないだろうかというふうに思うわけです。  いずれにしても、全てこれ決まっているということではありませんで、発生残土の置場が決まっている量というのは全てまだ分からない、どこに置いていいのか分からない。それはそうだと私も思っておりまして、一度発生土置場を決まる、あるいは候補地になっても、そこに置いてしまっては、その後、豪雨災害などが発生したときに土砂災害になってしまうのではないかとか、例えばそういう不安の声が広がって発生土置場として使えないということで撤回されることもあること、私も承知をしております。  あるいは、この南木曽でも、今候補地になっているところ、これJR東海が説明しているところもあるわけですけれども、JR東海は、例えばこの場所については、まずは現地の測量、地質調査及び環境調査の実施に入りたいと説明したようですけれども、詳細な調査を行った上でなければ発生残土の置場として是非は判断できない、そういう意見ですとか、地元の賛同を得てから調査した方がいい、こういう意見もあって、まずは調査の内容考え方について地元で説明を行うということになったそうであります。  こういう発生残土の問題、これからも新たな候補地が出てくるたびに各地でいろいろ議論が必要になってくるかというふうに思いますけれども、こういう一つ一つ、地域住民の理解をしっかり得ながら解決していかなければなりませんので、国交省にもしっかりとそういう住民の立場に寄り添った対応をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
  168. 木村英子

    ○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。会派を代表して質問いたします。  車椅子を利用している人が町中に出たとき、必ずと言っていいほどたくさんのバリアに遭遇します。交通や建物のハードのバリア、そして心のバリアなど、これらが解決していかなければ、不安を抱かずに安心して外に出かけることはできません。  今回は、バリアの中でも、皆さんがふだん当たり前に利用しているショッピングモールなどの大型商業施設の駐車場のバリアについて質問いたします。  私は、大型のリクライニング式の車椅子を使用していますので、外出するときの車は配付資料一のようなリフト付きの福祉車両で出かけています。ですから、車自体が大型で、車の高さは約二・三メートルあり、駐車場探しでいつも苦労しています。遊びや旅行に行くとき、駐車場があるかないか不安をいつも持ちながら出かけています。  十一月十一日にUDタクシーの視察のためにあるショッピングモールの駐車場に車を止めようとしたところ、入口には高さ制限が二・一メートルと書いてありました。係員に尋ねると、案の定、ここは止められませんよと言われました。二・三メートルの車を止められるところはありますかと尋ねると、業者ですかと聞かれ、違いますと答えると、では駄目ですと断られました。しかし、こんなに大きなショッピングモールに二・三メートルの福祉車両が止めるところがないわけがないと思い、もう一度別の入口で、車椅子の人が乗っているので止められませんかと聞きました。すると、ここは止められませんのでほかのコインパーキングに止めてくださいと言われ、またかと思い、とても不愉快な気持ちになりましたが、その日は待ち合わせの時間が控えていたために係員には抗議せずに、諦めて別のコインパーキングに止めました。  このように断られてしまう現状に、いつも私たちは外出するたびに悩まされています。障害者高齢者など体が不自由な人たちにとって、外出することすら困難な状況を抱えている人たちは、毎回断られ続けていくうちに外出することが怖くなったり、周りに迷惑を掛けてしまうのではないかと思い、外に出ることすらできなくなってしまう人もいます。このような社会的バリアは、引きこもりになってしまう原因にもなっています。  バリアフリー法では、十四条及び施行令九条において、二千平米以上の大型の商業施設には車椅子使用者用駐車場設備の設置が義務付けられています。バリアフリー法において、特別特定建築物の駐車場においては施行令第十七条に、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者障害者等が利用する駐車場を設ける場合には、そのうち一以上に、車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車場設置を一以上設けなければならないと明記されています。  配付資料三を御覧ください。  高齢者障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の駐車場の設計標準には、車椅子用リフト付き車両等に対応した天井高を確保することが望ましいとあります。その留意点にはリフト付き車両の高さが二・三メートル程度と書いてありますが、これはリフト付き車両の高さが二・三メートルであると紹介しているだけで、商業施設側からすれば義務にはなっておりません。さらに、建築設計標準には高さの規制を示すものがないため違反にはならないことから二・一メートルまでの高さ基準の建物が多くて、私のように二・三メートルの高さの福祉車両を利用している障害者高齢者は、買物を楽しみたくても入れるお店が限られてしまい、とてもつらい思いをさせられることが多いのです。  ほかの商業施設においては、屋内の駐車場に止められない高さが二・一メートルを超える福祉車両などには、屋外に設置してある車椅子スペースへ誘導するなどの対応を取るところもあります。バリアフリー法で基準が明確に定められていないことで移動の権利が狭められ、障害者高齢者が健常者の人たちと同じようにショッピングを楽しめない状況を招くことは明らかな差別ではないでしょうか。  私が参議院で御用意していただいている公用車も約二・三メートルの高さがある福祉車両ですが、今後、公用車での視察に行く場合、入れない建物が多い現状は困難が予想されますし、非常に困ります。今回訪れたショッピングモールの駐車場は高さが二・一メートルまでで私の車は入りませんでしたが、これでは二・三メートルの車両を利用している車椅子使用者のお客さんを排除してしまうことになります。  そこでお尋ねいたします。  なぜ、バリアフリー法やバリアフリー法の設計標準の中に駐車場の高さなどの基準がないのでしょうか。お答えをお願いいたします。
  169. 和田信貴

    政府参考人和田信貴君) まずは、委員の御発言にありましたような御不便な、そして御不快な思いをされることとなってしまい、誠に遺憾な思いを持ってございます。  お答えいたします。  バリアフリー法の基準では、大規模な商業施設等に、不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者障害者等が利用する駐車場を設ける場合、そのうち一以上に車椅子使用者用駐車場を設けなければならないと義務付けております。その上で、乗り降り時のスペースが必要になることから車椅子使用者用駐車場の幅は三百五十センチ以上とすることとしておりますが、高さに関しては規定してございません。この高さにつきましては、駐車場の設置場所は屋外駐車場、屋内駐車場のいずれも想定されること、車椅子使用者が使用する福祉車両の種類は多様であることなどの理由で規定されてございません。  こうしたことから、先ほど委員の御指摘にありましたようなガイドラインである建築設計標準において、屋根又はひさしを設ける場合には車椅子用リフト付き車両等に対応した高さを確保することが望ましい旨を位置付けており、その上で、留意点として一般的なリフト付き車両の高さは二百三十センチ程度であるという旨を記載しております。
  170. 木村英子

    ○木村英子君 ありがとうございます。  バリアフリー法ではちゃんと設計標準が決まっていることはあると思いますけど、ただ、その事業者にとってはそれは努力義務ということにはなっておりますので、なかなかその二・三メートルある駐車場を設置しているというところは少ないので、その辺もう少し検討していただけたらと思います。  次に、赤羽大臣にお伺いいたします。  私が行ったショッピングモールは、差別解消法やバリアフリー法の施行後に建てられたものです。そこは二・一メートル以下の車しか入れず、二・三メートルの車で来店される障害者高齢者のお客様についての合理的配慮は考えられていなかったことが問題であったと思います。  この問題を解決するためには、バリアフリー建築設計標準の車椅子駐車場の天井高を二・三メートル以上と義務付けるように、建築設計標準の改定をお願いできませんでしょうか。お願いいたします。
  171. 赤羽一嘉

    ○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、そもそも建物の、駐車場法という法律があって、これ古い法律なんですけど、そこの施行令に、駐車部分のはり下の高さが二・一メートル以上でなければならないと、こういう規定があるわけです。その後、いわゆるバリアフリー法ができて、そうした表記があったと。  その言われているショッピングモール等々も、本当は、そのバリアフリー法後の施工であれば本来そうしたことが配慮されるべきであったというふうに私も思いますので、これ、この委員会で木村さんが質問をして指摘をしていただいた障害者用のトイレの在り方、名前を含めての議論をいただくために、高齢者障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準改正に関する検討会というのが、もう立ち上げて議論していただいておりますが、この検討会で、今御指摘がありました大型福祉車両を使用される重度障害の方に御不便のないような商業施設、公共施設の駐車場の在り方についても議論をしていただくように指示をしたいというふうに思っております。  新築の建物については、今の御質問にあるように、新しく大型福祉車両が二・三メートルになってきているのも随分各社出ていると思いますので、それに対応することができるような施設にするべきだと私は思いますので、そうしたことを有識者の皆さんに議論していただくようにいたしたいと思います。
  172. 木村英子

    ○木村英子君 大臣、ありがとうございます。是非検討していただけたらと思っています。  次に、私がこのショッピングモールを訪ねたときに駐車場の入口で受けた係員の対応について質問いたします。  私が利用していた二・三メートルの車は止められないと断られましたが、もし駐車場の係員の方が差別解消法を知っていたなら、いきなり断らずに、車椅子のお客様が乗っている車に対して駐車場に案内若しくは誘導してくれたかもしれません。しかし、そのときの係員の方は知らなかったとみえて、有料のコインパーキングに止めるように言われまして、あっさり断られてしまいました。明らかに合理的配慮を怠り、野外の臨時駐車場があるにもかかわらず、そのことすらも告げられずに断られてしまいました。車椅子のお客様が来たときに代替策の提案などの合理的配慮を行わなかった対応は、明らかに差別だと思われます。  その後、経産省から、済みません、ちょっとお水を飲ませてください。
  173. 江崎孝

    委員長江崎孝君) どうぞ。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  174. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 速記を起こしてください。
  175. 木村英子

    ○木村英子君 失礼しました。  その後、改善策は、二・三メートルの車で来店するお客様については事前に電話の予約をしてほしいということを言われました。私は怒りで悲しくなり、駐車場に止めることを二回も断られた上、その上、来るときには事前に電話してくれとまで言われて、私は、健常者のお客さんと同じようにショッピングモールを利用したいだけだったのに、なぜ障害者はいつも条件を付けられなければならないのでしょうか。  差別解消法に基づいて経産省が定めた差別の解消の推進に係る対応指針には、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることはいけないことだというふうに、それが不当な差別的取扱いであると書いてあります。  このショッピングモールの事前連絡を求める対応に納得ができず、更に直接話し合う場を設けてもらいました。後日、話合いの結果、健常者のお客様と同じように事前予約はしないことを約束してもらいました。また、二・三メートルの車が入れるのは業者の搬入場所しかないので、搬入業者が間違えて止めないように、車椅子スペースと分かるようにカラーコーンを置いて、車椅子専用駐車場スペースを確保してくれることになりました。  しかし、この一連の商業施設の差別的取扱いは氷山の一角でしかありません。差別解消法の考えにも反している対応だと思いますが、経済産業省としては今までどのような指導を行ってきたのか、お聞かせください。
  176. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願い申し上げます。
  177. 佐藤啓

    大臣政務官(佐藤啓君) 障害者差別解消法に基づく合理的配慮に係る周知徹底について、経済産業省としましては、所管事業者のための対応指針の策定、そして経済産業省のホームページにおける公表、所管団体を通じた毎年の周知、また事業者による合理的配慮等に関する好事例の収集、提供等を行ってきております。  今後は、内閣府とも連携をしながら、障害者差別解消法の趣旨内容に関する広報啓発に取り組むとともに、今後、事業団体等向けの研修も含めて検討して、障害者差別の解消に向けた理解や取組促進に当たってまいりたいと思います。
  178. 木村英子

    ○木村英子君 ありがとうございます。  各団体にヒアリング等を行ったりする場合、あるいは研修等を行う場合には、やはり当事者の参画をお願いした上で、今後更なる検討をお願いしたいと思います。  以上で終わります。
  179. 江崎孝

    委員長江崎孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十二分散会