○藤井基之君 ありがとうございました。
今、当面のこの
ワクチン対策、感染が拡大していますので、世界各国いろいろと研究してでき上がった
ワクチンが有効であり、かつ安全であることが担保できたら、それを使って
国民の不安を払拭するというのは、当然これをまずやらなければいけないことだと思っております。
もしも、ここからは将来の話になります、コロナウイルスがある程度鎮静化できたときに、今度は何をしなきゃいけないんだろうかということについて少し考えたいと思うんですね。
かつて
我が国におきまして、二〇〇九年、新型インフルエンザパンデミックが出現したとき、その収れんをしたと思える、あるいは収れんしつつあると思えたその次の年に、総括検討会議でしょうか、
対策総括会議というところがかなり詳細なレポートを
提出して、これから何をしなきゃいけないのかということの提言をしております。例えば
ワクチンについて申し上げますと、体制とか制度の見直しや検討、そして事前に準備を要する問題と。そして、そこでは、国家の安全保障という
観点からも、可及的速やかに
国民全員分の
ワクチンを確保するため、
ワクチン製造業者を支援し、細胞培養
ワクチンや経鼻
ワクチンなどの開発促進を行うとともに云々と、そういうような形で、このとき、これから将来に向かって何をすべきかということを、非常にこれは立派な私は
報告だと思っておりますが、そういういわゆる書類が
報告書として
提出されました。そして、それを受けて、
我が国においても幾つかの
対策が取られたことも事実であります。
今回、
ワクチンの開発、今まで
ワクチンの開発って通常十年近く掛かりますよねと、こう言われていた。ところが、今回、非常に短期間で欧米の
新型コロナワクチン開発が成功いたしました。成功いたしましたと言っていいのか、多分成功しつつありますというのでしょうか、そういう
状況です。そして、それは新技術、例えて言いますと遺伝子
ワクチンの製造技術と、これらによる、新しい技術によるところが大きいんだとも言われているわけです。
そして、その理由の一つとして、午前中の
政府委員の答弁にもありましたが、
新型コロナウイルスと同種のコロナウイルスによるSARS、このSARSパンデミックというのは二〇一二年に発症いたしました。幸運にも、
我が国においてはこれはほとんど患者さんが発症しなかったというふうに聞いております。そして、その後、MERSも発症いたしました。
今回の
ワクチン開発が非常に短期間でできた一つの理由として
指摘されているのは、こういったSARSやMERSのときに培った
ワクチン開発、結果としてSARSのいわゆるパンデミック時期には、その時期には
ワクチンの開発は成功しませんでしたが、その後の研究の蓄積等によってそれが今回花開いたんじゃないかというふうに言われているわけですね。
私は、必ずしもそれを否定するものではなくて、そのとおりだと思うんです。そういった
意味で、逆に言うと、
我が国はそういったSARSやMERSの爆発的な感染がなかったというのは、本来だったら幸せと言うべきなんでしょうが、あるいは
ワクチン開発の面から見ると、若干その後押しが、力強い後押しができなかった理由になるのかもしれません。
新型インフルエンザの話、先ほど
対策の総括会議の
報告書の話を少し申し上げましたが、この後、
政府は、新型インフルエンザの次に来るパンデミックに
対応するために、
ワクチン生産体制の構築であるとか、プレパンデミック
ワクチンの備蓄であるとか、抗ウイルス薬の備蓄等の幾つかの
対応策を取られました。しかし、残念だけど、これら
我が国の取った政策というのは必ずしも高い評価にはつながっていなかったと聞いております。
今回の
コロナワクチン接種により抗体価がどの程度、時間、持続するか、これは分かりません。それにもよりますけれど、ひょっとすると、季節性インフルエンザのようにこれから繰り返し、例えば毎年
接種をして
対応するような、そういった
可能性も否定できないんだろうと思っております。
先ほども申し上げましたが、
ワクチンは
医療における安全保障の役割を担当いたします。
医療の向上はもとより、
我が国の
ワクチン開発技術の向上や
ワクチン産業育成の
観点からも、研究開発費、製造
施設の整備、維持管理費等の支援を含めて継続的な
ワクチン開発の支援を行っていくことが大切だと思っております。
これから先の
ワクチン開発の研究支援の方向性について、もしもできましたら
大臣からお言葉をいただきたいと思います。