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齋藤(健)
委員 自由民主党の
齋藤健です。
まず初めに、この
質問の
機会をお与えくださいました
理事始め御関係の
皆さんに心から感謝を申し上げます。
本日の私の
質疑でありますが、私、常々この
予算委員会の進め方について思うところがありますので、その
思いに従った形で進めさせていただきたいと思っています。具体的には、それぞれの
課題について
責任ある
大臣がいらっしゃるわけでありますので、私の
質問は基本的に
担当大臣にさせていただきまして、その御答弁が失礼ながらあんまりだなと思うときに
総理に御
見解を伺いたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、きょうは時間も限られておりますので、骨太の直球の
質問をさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。
ちょっと
質問の順番を変えさせていただきまして、
経済、
産業にかかわる、私が長年懸念をしていることにつきまして御
質問させていただきたいと
思います。
この二十年、三十年の単位で
日本の
経済や
産業を眺めてみますと、残念ながら
世界における
地位というのはずるずると
後退を続けているということに関して、私は危惧を覚えております。アベノミクスで立て直しというところがあったわけでありますけれども、長い
トレンドで見た場合には、残念ながら
我が国産業は
競争力を徐々に失い続けているということを大変憂慮しているわけであります。
時間もありませんので、
数字を挙げて御説明する時間はありませんが、
一つだけ象徴的な
数字を挙げさせていただきますと、先週末の
GAFAプラスM、すなわちグーグル、アップル、アマゾン、
フェイスブック、
マイクロソフトの
株価時価総額、これは先週末の時点で、この五社で何と七百四十二兆円です。一方、
日本の一部
上場企業、これは二千社以上ありますが、この二千社以上を全部足し合わせても
時価総額は残念ながら六百五十兆しかありません。つまり、たった五社に
日本の一部
上場企業二千社がかかっても
時価総額で勝てていないというのが
現状であります。
一方、三十年前ぐらいを振り返ってみますと、
世界の
時価総額ランキングの中で、
日本の
企業はいっぱい入っていました。
この間、どこかで道を間違ったのではないか。もちろん、優秀な
技術もあり、優秀な
人材もいるのになぜなんだというのが私の疑問であります。
では、
政府は無策だったのかといいますと、振り返ってみますと、
小渕政権のときには、
公共事業で何とか盛り上げるということで、
世界一の
借金王と言いながら、
財政出動で何とか
経済をと努力をしてきました。また、
小泉政権におきましても、五年以上にわたって、
規制緩和だ、
サプライサイドの
改革だということで、格差を拡大したと批判をされながらも、そういう
改革に突っ込んでいきました。また、
安倍総理になってからも、異次元の
金融緩和ということで、
金融政策で何とか盛り上げようという面もやってきました。
つまり、この間、
政策においても、
マクロ経済政策的なものはやれるだけのことをやってきたということは言えるんだろうと
思います。それなのに大きな
トレンドを覆すに至っていない、
後退をとめ切れていないというのが
現状なんだろうと
思います。
私は、この数年、更に釈然としないことが正直起こりました。
それは、
二つの出来事を申し上げたいと
思いますが、
一つは、
安倍政権になりまして、急速に
円安が進みました。当時、
野田総理が退任されたときは一ドル七十九円でしたが、半年後には百円に。にもかかわらず、
通常であれば、
円安が進めば輸出の量もふえるはずなんですよ、しかし、ふえなかった。
日本の
製品が安くなって
競争力がついたにもかかわらず、
世界は買ってくれなかった。これはなぜなんだ。
日本の
製品がそんなに魅力がないのか、それとも売り込むガッツがないのか、よくわかりませんが。
もちろん、今、
日本の
企業は
世界全体に
サプライチェーンを持っていますので、
為替変動があってもそれは対応できるようになっていますが、しかし、これほど一気に
円安が進んだときにはやはり量がふえなくてはおかしいと私は
思いますが、ふえなかった。これはなぜなんだろう。
それから、
金融緩和、今回やりましたが、残念ながら、そのお金は、
企業が投資に向かう、
挑戦するためにはこれほどのチャンスはないのに、そういう
挑戦が行われていない。一体これはなぜなんだ。この数年、そういう疑問を持ってまいりました。
もしかしたら、この原因は、
政策もさることながら、
企業というプレーヤーの方にも問題があるのではないかという
問題意識で、実は、自民党の
若手の
議員であります
村井英樹さんを始めとして、この
問題意識を持って実はしばらく
研究を続けて、
提言をまとめたものがあります。それがこの
プロジェクトT報告書というものでありますが、タイトルだけ読みますと、「「
デジタル化」の掛け声だけで、
日本の
危機は解決しない。
日本の
組織を開放し、
若者の抜擢と
挑戦を!」というサブタイトルになっています。
この勉強の中で浮かび上がってきたことを御紹介します。
日本の一部
上場企業のCEO、
最高経営責任者の
年齢、
平均六十三歳です。一方、
アメリカは五十八歳です。
ヨーロッパは五十五歳です。つまり、
日本の
トップは
高齢化しています。では、その
トップの
在任期間、どのくらい
トップとして
責任を持って仕事をしているかといいますと、
アメリカの場合は七・二年です、
平均しますと。
日本は三・五年です。つまり、
日本の場合は、
トップが
高齢化していて、しかも
在任期間が短い。
では、
中間管理層はどうかといいますと、
部長になる
年齢を比べてみます。
日本の場合は四十四歳で、
平均すると。
アメリカ、三十七歳、そして
中国、三十歳です。つまり、
日本の場合は優秀な人を抜てきする
年齢が高い。
こういうことを考えますと、これはあくまでも
マクロの
世界でありますが、
日本の
企業の
特徴というものは、
高齢化をしており、そして
トップの
在任期間が短く、なおかつ、若い人、優秀な人を抜てきするタイミングも遅いということが
マクロで言えるわけであります。
そして、じゃ、外の血を入れて
経営を活性化しようという点はどうか。一部
上場企業の
最高経営責任者の
人たちが
外部から来ているかどうかというのをチェックしますと、
アメリカは二三%が
外部から
トップが来ています。
ヨーロッパは何と四三%です。
日本は四%です。つまり、
同質性が極めて高い。
こういうところが
特徴として浮かび上がってきているわけでありまして、それが象徴的にあらわれているのが
日本経団連なんですね。
日本経団連の
加盟会社十九社、正副会長の
会社は十九社あります。十九社のうち、これは
平均年齢はちょうど六十三歳で
上場企業と一緒なんですけれども、この十九名のうち、
東大出が七名、そして旧
帝国大学出が十九名中十五名、そして残りも
一流大学。そして、一人を除いて
全員生え抜き。そして、
全員男性。これが
日本のエクセレントカンパニーと言われている
経団連、
上場企業の
現状なわけですね。
私が申し上げたいのは、確かに
政策も大事なんですけれども、ここの
部分に何らかの
改革をしない限り、例えばデジタルトランスフォーメーション、これからコロナ後の
経済で重要だと言われても、本当に
スピード感を持って対応できる、そういう体質になっているのだろうか、そういうことを今もっともっと
注目をしていかなくてはいけないのではないかという
思いがこの数年あるわけでありまして、確かに
民間企業の問題であると言われればそういうわけでありますが、ただ、この問題を座視できるんでしょうかということを
担当大臣である
西村大臣の
見解を伺えたらと思っています。