○串田
委員 先ほど子どもの権利条約という話がありまして、今、
大臣から研究会というのがありました。九月に最新版というのも出ているんですけれども、残念ながら、ここに一言も子どもの権利条約という言葉がないんですよ。双方の
議論というのは、各国はもう三十年ぐらい前に終えているんですね。例えば、アメリカも単独親権でした。ドイツも単独親権でした。それが、アメリカは共同監護に変わり、ドイツでは
最高裁が
違憲判決になって、そして共同配慮という、同じなんですけれども、そういうふうに
改正されてきて、もう三十年前なんですね。
ですから、三十年前のことを幾ら
議論しても、各国はもうずっと経験しているわけで、それをどうやって
子供のために乗り越えるのかということを実は調べなきゃいけないんじゃないだろうか。そのためには、アメリカやカナダや、あるいはヨーロッパではフランスやイタリアやドイツや、これは中国も韓国もそうなんです、
日本以外は全部、ほとんど共同親権ですから。そういうほかの国がどうやって乗り越えてきたのかということの
論点整理が必要なのであって、各国の三十年前のことを
議論して、子どもの権利条約が一言もないような研究をしても、これは各国が子どもの権利条約を前提にして非難しているのに、ずれちゃっているわけですよね。
次に資料二をお見せしたいと思いますが、これはことしの七月、欧州議会が、賛成六百八十六票、反対一票、棄権八票で
日本に対する非難決議が行われたものであります。二月にフランスの上院議会で全会一致で非難決議が行われた、そのときに
質問させていただいたんです。これに対して対応しないと次はもっと強いものが来ますよと。そうしたら、欧州本
会議でこういうことになってしまう。
この後どうなるかというと、昨日の本
会議で山尾議員がマグニツキー法という、
人権問題について言っておられました。私もその議連に入っているんですが、
制裁規定で考えられるのはビザとか資産凍結ですよ。考えられるのは、シェンゲン協定というのが今協定されていてビザが免除されているわけですけれども、これが
日本の国民に対しては欧州への旅行に対してビザを免除しないというようなことも十分考えられるわけですよね。次が必ず来るわけですから。
この国連の勧告のときにも、外務省は何か言ったのかといったら何も言わなかったらしいんですよね。何か、
日本はこういうふうに今やっていますよと言うんだったらいいけれども、無視なんですよ。二月のフランス上院議会のときにも無視で、今回の七月のときにも、恐らく無視なんです。こうやって無視していくと、どんどんどんどん圧力といいますか
制裁が強まっていくということになって、全国民にも
影響してくるわけですから、
法務省としては本当に真剣に考えていただきたい。
特に、資料二で見ていただきますと、下から三行目なんですが、迅速に対処する必要があるというのは、この
子供の連れ去り問題なんですね。これは子どもの権利条約が挙げられて、全ての
子供は、子の利益に反するものでない限り、両方の親との
関係や直接的な交流を維持する権利があるとされているということで、欧州議会は、子どもの権利条約を挙げながら連れ去り問題を問題視している。
これは、ヨーロッパにいる
日本人の
子供は連れ去られない、要するに、子どもの権利条約は守られているんですよね。ところが、
日本にいる
外国人の子は連れ去られたまま放置されているから、これは怒るに決まっているわけですよ。やはりこういったようなところも、ちょっと
法務大臣として真剣に取り組んでいただかないと、国際問題として、ここにも書いてあるように、国際ルールを守らない、遵守していないように見受けられるということでありますので、ぜひこれはしっかりと
検討していただきたい。
先ほど
大臣が申し上げられました
民法七百六十六条には、
監護者の決定の次に面会及びその他の交流、その後に監護に要する費用の分担、
養育費ですよ。だから、面会交流が実は条文上は先にある。先にあるから優先されるというわけじゃないですよ。だけれども、並行して、車の両輪としてやっていかないと、一方だけどんどん進めていってしまうということになれば、これはやはり国際問題としてどうなんだろうかということを真剣に
検討していただきたいと思います。
きょうは所信に関してなので、この問題はまた続けさせていただきたいと思うんですが、次に児相問題。児相の一時保護も大事なことなので、
大臣もずっと、虐待の保護というのを書いてあるんですが。
ここに、資料一の下の方に、これは児相問題のことなんですけれども、「児童を
家族から分離するべきか否かの決定に関して
義務的司法審査を
導入すること、」と書いてあるんですが、これはなぜこんなふうに書いてあるかというと、子どもの権利条約にはジュディシャル・レビュー・デターミンと書いてあって、司法審査が必要になっているんですよ、子どもの権利条約。これが
日本には定められていない。
ですから、児童相談所に通報があると一時保護するんですけれども、その通報が正しいかどうかという判断がなされないまま一時保護されているんですね。児童相談所に保護されると、
学校にも通えない。携帯電話も取り上げられて、友達にも連絡できない。
義務教育も受けられない。これは一歩間違えると虐待になっちゃっているんですよ。
そういう意味では、しっかりと、通報による保護の時点で、本当にそれが虐待によるものかどうかという、子どもの権利条約をしっかり守るよう、これは厚労省と
法務省が縦割りを打破してやっていかなければならないことなんですが、これを子どもの権利条約を遵守するよう、しっかりと法規制をしていただきたいと思うんですが、
大臣、いかがでしょうか。