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2020-11-19 第203回国会 衆議院 総務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十一月十九日(木曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 石田 祝稔君    理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君    理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君    理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君    理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君       秋本 真利君    安藤 高夫君       井林 辰憲君    池田 佳隆君       石田 真敏君    小倉 將信君       金子万寿夫君    川崎 二郎君       木村 弥生君    小林 史明君       佐々木 紀君    佐藤 明男君       斎藤 洋明君    杉田 水脈君       鈴木 淳司君    田中 英之君       田畑 裕明君    谷川 とむ君       中曽根康隆君    丹羽 秀樹君       古川  康君    穂坂  泰君       細田 健一君    本田 太郎君       宮路 拓馬君    簗  和生君       山口 俊一君    奥野総一郎君       神谷  裕君    櫻井  周君       田嶋  要君    高木錬太郎君       松尾 明弘君    松田  功君       道下 大樹君    宮川  伸君       山花 郁夫君    山本和嘉子君       桝屋 敬悟君    本村 伸子君       足立 康史君    井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         武田 良太君    総務大臣        新谷 正義君    総務大臣政務官      谷川 とむ君    総務大臣政務官      古川  康君    総務大臣政務官      宮路 拓馬君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  奈良 俊哉君    政府参考人    (総務省自治行政局長)  高原  剛君    政府参考人    (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  内藤 尚志君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            秋本 芳徳君    政府参考人    (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       佐々木祐二君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房高齢障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           富田  望君    政府参考人    (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君    政府参考人    (国土交通省大臣官房審議官)           望月 一範君    参考人    (日本放送協会会長)  正籬  聡君    参考人    (日本郵政株式会社取締役代表執行役社長)    増田 寛也君    参考人    (日本郵政株式会社取締役)            池田 憲人君    参考人    (日本郵政株式会社取締役)            衣川 和秀君    参考人    (日本郵政株式会社取締役)            千田 哲也君    参考人    (日本郵政株式会社専務執行役)          飯塚  厚君    参考人    (日本郵政株式会社常務執行役)          米澤 友宏君    参考人    (日本郵政株式会社常務執行役)          諫山  親君    参考人    (日本郵政株式会社常務執行役)          市倉  昇君    総務委員会専門員     近藤 博人君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十九日  辞任         補欠選任   井林 辰憲君     佐々木 紀君   小倉 將信君     田中 英之君   斎藤 洋明君     本田 太郎君   田畑 裕明君     池田 佳隆君   山口 俊一君     丹羽 秀樹君   田嶋  要君     宮川  伸君   松田  功君     山本和嘉子君 同日  辞任         補欠選任   池田 佳隆君     細田 健一君   佐々木 紀君     井林 辰憲君   田中 英之君     中曽根康隆君   丹羽 秀樹君     山口 俊一君   本田 太郎君     簗  和生君   宮川  伸君     田嶋  要君   山本和嘉子君     松田  功君 同日  辞任         補欠選任   中曽根康隆君     小倉 將信君   細田 健一君     田畑 裕明君   簗  和生君     秋本 真利君 同日  辞任         補欠選任   秋本 真利君     斎藤 洋明君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  郵便法及び民間事業者による信書送達に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第三号)      ――――◇―――――
  2. 石田祝稔

    石田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出郵便法及び民間事業者による信書送達に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会会長籬聡君、日本郵政株式会社取締役代表執行役社長増田寛也君日本郵政株式会社取締役池田憲人君日本郵政株式会社取締役衣川和秀君、日本郵政株式会社取締役千田哲也君、日本郵政株式会社専務執行役飯塚厚君、日本郵政株式会社常務執行役米澤友宏君、日本郵政株式会社常務執行役諫山親君及び日本郵政株式会社常務執行役市倉昇君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官奈良俊哉君、総務省自治行政局長高原剛君、自治行政局選挙部長森源二君、自治財政局長内藤尚志君、情報流通行政局長秋本芳徳君、情報流通行政局郵政行政部長佐々木祐二君、厚生労働省大臣官房高齢障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、厚生労働省大臣官房審議官富田望君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君及び国土交通省大臣官房審議官望月一範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  5. 石田祝稔

    石田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。
  6. 山花郁夫

    山花委員 立憲民主党山花郁夫でございます。  きょうは、郵便法等の一部改正案について質疑をさせていただきます。  今回の法案そのものは、郵便等に関するということなんですけれども、ただ、このことに限らず、もっと背景的な事情であるとか、あるいは郵政事業全般にかかわることも重要ではないかと思います。  少し振り返りから始めたいと思いますけれども、もともと小泉郵政民営化というのがありまして、当時私も特別委員会で、当時は反対立場議論させていただきました。今の郵便局ネットワークというのは非常に公共性も有しているということからすると、民営化というのはどうなんだろうという思いがありましたし、今でも、ユニバーサルサービスというのを民間事業者に課しながらやっていただいているという特殊な形になっております。  当時の民営化は、五分社化でありました。実際、スタートしたところ、当時の小泉総理が言っていたようなバラ色の形にはなかなかならずに、実際にいろいろな弊害もありました。  例えば今回のこの郵便のことでいうと、会社が別の会社になっていましたから、配達に行って、郵便局ですと言っちゃいけないみたいな話が、それはもう郵便事業会社だからということで、現場も本当に、仕切りがつくられたりとか、そんなことが起こりまして、また、実際に動かしてみると、なかなか将来展望としても厳しいのではないかというのがありまして、その改正ということが議論になったわけです。  当時、民主党政権でしたけれども、郵政改革法というものが、政府提出法案で出されておりました。これもなかなか、いろいろな議論があって、その政府提出の形では通りませんで、与野党の協議の中で、議員立法改正郵政民営化法ができ上がっていった、こういう経緯でありました。  そのとき、私も交渉担当者でありまして、当時、自民党は、今国対委員長をやられている森山先生とか赤澤先生、また公明党からは斉藤先生がいらっしゃいまして、役所の人も入れないで、こちら側は武正公一さん、田島一成さんと、六名でずっと協議を重ねていって今の法律になっている、こういう背景がございます。  何が言いたいかというと、今の形態について私自身も少し責任がある立場でありまして、そういう中で、今回、郵便法等の一部改正、こういうことでありますので、そういった思いも込めて質疑をさせていただきたいと思います。  今回、郵便に関してということですが、今、公共性ということについて少し触れさせていただきました。最近では、いろいろ議論はありましたが、マスクの配布郵便局にやっていただきましたし、特定定額給付金関連郵便配達であるとか、あと、私は東京議員なんですけれども、東京では「東京防災」という冊子を全戸配布というのも、これも郵便局にやっていただいたということがございます。  非常にやはり、そういった意味での公共性というものは、そういった側面が、今民間会社ではありますけれども、担っていただいていると思いますし、また、東日本大震災のときに、当時、私、外務大臣政務官を務めていたんですが、どこの役所のということではなくて、みんなで手分けしてやろうということで、岩手県の災害対策本部本部長も務めていた時期がございます。そのときに実際に目にした光景ですけれども、恐らく御自身も被災されて、あるいは御家族も被災されているんだろうと思いますけれども、そういった方々のところにあの赤いバイクが走って手紙等々お届けをしていた、こんな姿も拝見をいたしました。  ちょっと郵便のことではないですけれども、郵便局ネットワークということで申し上げますと、私ごとで恐縮ですが、私、学生時代東京ではなくて、下宿生活を送っておりました。京都市におりましたけれども、今思い起こすと、そのとき、こんな立場になると思っていませんでしたから、ちょっと思い起こすとという話なので事実かどうかはわかりませんが、ただ、友人なども、仕送りは大体郵便局でおろしていたように記憶をしています。考えてみれば、地銀だとか等々あるんでしょうけれども、やはり全国から来ている大学だったものですので、そういう意味では、生活のいわばインフラとしての郵便局というのは非常に重要なんだろうと思います。現在、二万四千からのネットワークというのは、これは地方方々にとっても極めて大事なインフラであると思います。  そういう中で、これは大臣にちょっと認識について伺いたいんですけれども、今申し上げたことだけではなくて、例えば、これから少子化も進んでいって、高齢化も進んでいく、あるいは今過疎地のことも議論になっていますけれども、そういう中で、やはり農協などもだんだん統廃合していって、本当に金融機関はここしかない、それが郵便局だという地域は今いろいろなところであると思います。  そういう中で、郵便に限らず、ちょっと、郵政事業の果たす役割について今後どのような期待をされているかということについて、御認識を伺いたいと思います。
  7. 武田良太

    武田国務大臣 当初、民営化に移行するに際し、一番議論が分かれたのが、果たして、民営化することによって、二万四千局のネットワーク、そしてまたユニバーサルサービスというものが維持できるか、特に、高齢化の進む地方、そして中山間地における郵便局役割というのは非常に大きなものがあって、生活インフラとなっているわけで、これが本当に守れるかどうかというところが一番大きな焦点だったのではないかなと思っております。  今、もう民営化になりました。そして、いろいろな選択肢というのは経営形態に対してあるわけでありますから、やはり民間会社として徹底した努力をもって、当初の目的どおり、このユニバーサルサービスというのは維持していかなくてはならないわけでありますけれども、とにかく、民営化になったとしても、地域に役立つ取組というものをおのずから積極的にやって、それをいかにして地域活性化につなげていくか、生活インフラをキープしていくことにつながるかということをしっかりと認識した上での責任を果たしていただきたい、このように考えています。
  8. 山花郁夫

    山花委員 恐らく、これは郵便局に限らず、いろんな企業でもそうだと思います。今までと同じことをずっとやっていればそれで生き残れるのかといえば、そうではない時代であることも間違いないと思います。  ただ、これは後ほど議論もさせていただきたいと思いますけれども、外国の例を見ていても、なかなか、郵便関係、相当苦戦をしているというのも実際のところだと思います。  そういう中で、先ほど申し上げたように、本当にいろんなインフラとしての機能を持っております。今、大臣からもお話がありました。当時、本当に維持できるんだろうかということについて、私たちは当時反対立場でしたので、大変懐疑的な立場でした。特に、本当に過疎地域になれば、収益性ということでいうと相当厳しい、けれども、インフラとしての機能というのはちゃんと評価しなきゃいけないよねと。そのこと自体は否定されていないと思いますけれども。  そうだとすると、委員皆さんの町にも消防署や警察があると思いますけれども、公の仕事というのは、例えば消防車や救急車というのは、圧倒的に待機している時間の方が長くて、ワークしている時間というのはほとんど短いんだけれども、だからといって必要ないよねという話にはならないのと同じように、過疎地郵便局だって、収益性ではどうかなと思うけれどもということを考えると、やはり公共性というか、当時は、だからこそ公でやるべきだという議論だったわけですけれども、それを、くどいようですが、今、民間企業にやってもらっている。  こういうことでありますから、後ほどユニバーサルサービスについても議論させていただきたいと思いますが、そういう意味で、公共性を担わせるということと民間企業が行うということは、ある意味なかなか厳しい、二律背反とまでは言いませんけれども、なかなか両立することが大変なことであることは間違いないと思います。  そこでですけれども、これは総務省担当の方で結構ですが、外国では、税制上の優遇措置であるとか、あるいは補助金を投入するなどをしてユニバーサルサービスを担保しているというケースがありますけれども、どんなものがあるのかということについて、少し御紹介いただきたいと思います。
  9. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 承知している範囲でございますけれども、英国では、郵便局ネットワーク近代化及び過疎地域での郵便局ネットワークの維持のための補助金、イタリアでは、ユニバーサルサービス負担の一部に対する補助金フランスでは、郵便サービス網を維持するための地方税免税措置があるものと承知しております。
  10. 山花郁夫

    山花委員 今そういった御紹介がありましたけれども、ほかにも、そういった形とは別に、例えば、ドイツでは二十キログラム以下の小包について付加価値税を免除したりとか、イギリスでもユニバーサルサービス対象郵便サービスについては付加価値税が免除されている。フランスでも同様です。こういった形で取り組まれているところがあります。  実は、先ほど森山先生とか名前を出しましたけれども、当時も、こういったことができないだろうかということについては我々も議論させていただいたんですけれども、落ちついたところは、いやいやということで、金融などについてもユニバはかけるが、郵政の方で頑張ってもらって、自分の収益でそれをということで決着がついたというのが経緯なんです。  今、外国の例について御紹介いただきましたが、これは国内でも、例えば、電気だとかガス水道だとか交通、あるいは通信などについても、国民の日常生活とか経済活動に必要不可欠なサービスだとか財を提供している事業については、ユニバーサルサービスを中長期的に可能とするために何らかの措置を講じているというものも見受けられます。  例えば、電気配送事業だとか都市ガス導管事業、あるいは水道などについては、参入規制をして地域独占というのを保証するというのが一つのあり方ですし、また、公共交通については、国や地方自治体からの補助金が入れられているケースがあります。最近ですと、コミュニティーバスなんというのが割といろいろな地域でも見受けられるようになりました。  また、水道交通の場合には、公共部門によって直接供給をしているケースがあります。東京ですと都営交通がございますし、委員の御地元でも、もしかすると市営地下鉄とか市営交通がある地域もあるのではないかと思います。また、だんだん減ってはきていますけれども、固定電話についても、同業他社から拠出される基金を交付して、これも、まさに当委員会に関係しますが、ユニバのお金を徴収している、ダイヤル回線一つ当たりというようなことをやっております。  税制上の優遇措置だけではなくて、いろいろな形でのこうした取組があるということについて、当時も議論いたしましたが、諦めていませんと言うのもなんですけれども、まだこれは検討する必要はあるのではないかと思っております。  このことについてはちょっと最後にまた触れさせていただきたいと思いますけれども、ちょっと法案の中身に入っていきたいと思います。  今回の法案では、配達日数が減ることになります、現行よりも。そういう意味では、サービス水準が、部分的にですけれども低下をするということを意味するわけです。  日本ですと、これだけ連日配達していただいていることが、我々としては何か当たり前のような感じがしてしまっておりますけれども、必ずしも何かそうではないのだなということを外国ケースを見ると感じるわけですが、外国における郵便物配達頻度だとかあるいは送達日数はどのようになっているかということについて、これは活性化委員会等でも議論があったようですけれども、少し御紹介いただけますでしょうか。
  11. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  諸外国における郵便物配達頻度につきましては、我が国を除くOECD加盟国三十六カ国中、週六日の配達を実施しているのは、アメリカイギリスドイツフランスの四カ国ということとなってございます。ヨーロッパでは、郵便サービスに関するEU指令において週五日が基準とされておりまして、二十七カ国中二十四カ国が週五日の配達ということになってございます。  また、諸外国における送達日数につきましては、国土の大きさなどによりましてさまざまという状況でございます。アメリカでは、いわゆるファーストクラスメールの送達日数で二日から三日ということとなってございます。アラスカとかハワイなどについては四日から五日かかるというものと承知しております。  なお、送達日数に関する品質目標ということでございますと、イギリスでは、ファーストクラスで一日が九三%、セカンドクラスで三日が九八・五%、フランスでは、プライオリティーメールで一日というのが八五%、レトル・ベルトで二日で九四%、そういった品質目標値となってございます。
  12. 山花郁夫

    山花委員 今御紹介があったとおりでございまして、ちょっと若い先生はどうかわかりませんけれども、私がまだ学生とか子供のころは、速達で出すと翌日着くというのが郵便でありました。最近は普通に翌日に配達していただいたりとか、これだけの頻度配達されているというのは、外国ケースを見ても、品質であるとか値段についても相当いい線をいっているというか、そういう評価ができるのではないかと思います。  また、一応、五日というのを守っているという建前にはなっていますけれども、例えばある国では、五日、毎日配達には出ていますよ、ただ、行っているエリアは、月曜日はここのエリア、火曜日はここのエリア、水曜日はここのエリアということで、受け手側からすると毎日は配達してもらっていないというようなところも出てきていると承知をいたしております。  そういう状況でありますけれども、それでもなお、なかなか郵便については厳しいということで、こうした国、特にヨーロッパなどでは見直し動きがあると承知をいたしておりますけれども、このあたりについても、どのような御認識をお持ちなんでしょうか。
  13. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  配達頻度につきましては、アメリカイギリスドイツでは、それぞれ、政府側郵政事業体側で週六日の配達見直し動きがあるものと承知しております。  また、北欧では、ここ数年、送達日数見直しが行われておりまして、例えばスウェーデンでは、二〇一八年に通常郵便物原則翌日配達原則翌々日配達に変更されてございます。
  14. 山花郁夫

    山花委員 つまり、よその国でも今の事業を維持することに大変苦心しているという様子もうかがえます。  これは、もしかすると鶏が先か卵が先かみたいな話なのかもしれませんが、配達日数を減らすであるとかサービス水準引下げを行いますと、これがまた更に引下げということにつながっているようにも見受けられますし、郵便離れを加速してしまうのではないかという気がいたします。  確かに、今、Eメール等が随分発達しておりますので、全体的なトレンドとしては減少していくということはある程度やむを得ないのかもしれません。ただ、やはり手紙なりはがきというのは一つ文化だと思いますし、私の選挙区で狛江市というところは、絵手紙というのを今一生懸命推奨しております。絵手紙発祥の地ということで、皆さん御存じですかね、水彩画とかあるいは色鉛筆などで絵を描いて、絵日記のような形のものでお手紙を書いて。  先日、狛江文化祭で、小池邦夫さんという方が始められたということなんですが、その展覧会がありましたけれども、時節柄コロナのことが話題になっているお手紙がありましたけれども、やはり、おじいちゃん、おばあちゃんとお孫さんとのやりとりみたいなのは本当にほほ笑ましく思いましたし、そういった文化というのは大事にしていきたいなと思います。  そういったことから、できるだけ今のサービス水準というのは下げるというのはしない方がいいのではないかと思いますし、先ほど申し上げましたように、これは大臣に所見を伺いたいんですが、よその国は、本当にどんどんどんどん、一回下げると、もうちょいいけないか、もうちょいいけないかみたいな感じになっているようにも見受けられますので、見直し後のサービス水準、これを維持する必要があると私は思うんですけれども、どのようにお考えでしょうか。
  15. 武田良太

    武田国務大臣 全く私も同感であって、見直し後の水準というのはこれは維持してもらわな困るというふうに思っております。  今、さまざまなそうした改革をやっておるんでしょうけれども、日本郵便におきましては、郵便物区分機性能向上だとか、大型郵便物に対応した区分機の配備でありますとか、AIの活用による配達ルート最適化、こうしたことを通じて業務の効率化を図っていく、これによってサービス水準というものを維持していかざるを得ないのではないか、このように期待しておるところであります。
  16. 山花郁夫

    山花委員 ありがとうございます。  区分機もそうですね。今、大型のものがふえてきているので、一発でいかないで、後で手作業でということが発生しているということもあるんだと思います。ただ、それにしても、なかなか、それを入れたということでどれぐらい維持できるのかなというのはちょっと心配はいたしております。  さて、今こうした議論をさせていただきましたが、選択肢として、配達日数について減らすという方策が一つあったんでしょうけれども、今回とられているんですけれども、他方で、郵便料金を引き上げるという選択肢もあったのではないかと思います。  この間、かなり長い間にわたって、特に封書については値上げがされておりません。消費税に伴ってというのはありましたけれども。はがきについては、少し前に、四十円から五十円、五十二円というのがありましたが。  外国との比較ということでいうと、料金については単純な比較は難しいのかもしれませんけれども、必ずしも高いとは言えないどころか、むしろサービス水準からすると安いのではないかと思いますが、こういったことについても、今の仕組みだと、経営判断では変えられないんですよね。そうしたことも一つの問題かなと思います。  そうはいっても、今回はこの配達日数でという選択をとられているということなんですが、背景には、今、郵便局の職場での労働環境だとか、地元の郵便局で聞いても、要員がなかなか足りなかったりとか欠員が出ているというような話も伺っております。こういったことについて、総務省とあと会社側、両方に伺いたいと思いますが、まず総務省の方に。  もし仮に法案が成立して、週五日配達とか送達日数の緩和が実施された場合に、労働環境はどのように改善されると見通しておられますでしょうか。
  17. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  情報通信審議会の答申によりますと、週六日配達が五日に緩和され、土曜日の配達が休止になることによりまして、現在土曜日の郵便物配達担当しております約五万五千人のうち、約八五%に当たる四万七千人が、平日における郵便物配達や荷物の配達に再配置することが可能となります。  また、送達日数の緩和によりまして、現在深夜の時間帯に郵便物の区分作業を担当しております約八千七百人のうち、約六四%に当たるおよそ五千六百人が、昼間の時間帯における郵便物の区分業務や荷物の処理に再配置が可能となるということでございます。  荷物を含めまして、郵便・物流事業全体では、週五日配達への変更後の土曜日の配達担当者数、また送達日数見直し後の深夜帯の勤務者数は、現在の配置人員からそれぞれ五割程度となるものと見込まれ、超過勤務の時間につきましても一人一月平均で約一割の縮減が見込まれておるところでございます。
  18. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  ただいま総務省からも御説明がございましたが、土曜日の配達を休止することによりまして、なるべく平日に働いて週末を休める形とし、世間一般の生活パターンに近づけることができると考えております。  また、送達日数の繰下げによりまして、深夜帯の勤務から昼間帯、昼間の時間帯に勤務する社員がふえることになる、このように考えてございます。
  19. 山花郁夫

    山花委員 一応そういった見通しだということなんですけれども、現場に行くとちょっと不安の声も上がっているようでございます。  私も先日、東京多摩郵便局というところで、現場で働いている方々に、今度こういう法案が出るんだけれどもどう思うというような話で、話を伺ってきました。現場で働いている方々です。どんどん人が減ってきて要員不足が慢性化しているのだというお話だとか、九時から九時の勤務が当たり前になってきているというようなお話、つまり、今御指摘があったように、残業だとかそういったことがあるので、今回ので緩和されますよという説明だったと思いますが、ただ一方、そのことはそのことで大事なんだけれども、本当にこれをやったときに、ゆうメイトの生活が確保できるのかなということを言っている方もいらっしゃいました。  また、今お話があったとおり、できるだけ土日が休めるようにということは、それは否定するものではないですし、深夜ずっと働いているのがいいと言うつもりも全くないです。それは是正すべきだと思いますが、ただ、実際に働いている方々の声としてなんですが、生活を維持するためにいわゆる泊まりというのを選択していて、例えば、十時間働いたことになって超勤がついているからこそ、だから生活が成り立っているのだと。そういった働き方がいいと言っているんじゃないです。現在、そういった人が現に働いているのだという話でありまして、これが、内務深夜帯勤務者の再配置ということで、例えば、昼間の時間帯に再配置されて、四・五時間勤務よという話になったときに、それは働き方としては楽になるかもしれないけれども、これじゃ生活が成り立たないというような声もありました。  これはちょっと気になったなという話なんですが、既に、こういったことがされるということを見越して、ちょっと固有名詞を挙げてしまいますが、アマゾンの方が待遇がいいからということで、アマゾンの方に転職してしまっている人が複数名いらっしゃる、こういう話でありました。  今、本来こうあるべきだということも含めてお話しされたんだと思いますが、普通に働いて生活が維持できるような職場であってほしいと思いますが、また他方、今の働き方を改めなきゃいけないんでしょうけれども、今の働き方、そしてそれによって得られる対価を前提として生活設計しているという職員がいることもまた事実であります。  再配置などに際して、こうした事情についても配慮して、雇用や処遇については正規、非正規にかかわらず守られたいと思いますし、具体的には、それは労使の交渉とかそういったことで決めることで、余り政治の側が口を出す話ではないとは承知はいたしておりますけれども、こうしたことについてはしっかりと丁寧な対応というものをしていただきたいと思いますけれども、見解があればお答えいただきたいと思います。
  20. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  先生御指摘のとおり、現在の働き方を前提として生活設計をしている社員の中には、引き続き深夜帯の勤務を希望する非正規社員の方もいると認識をしておりまして、あらかじめ意向の確認を行った上で、希望する方については、深夜帯の仕事が全然なくなるというわけではございませんので、深夜帯の荷物や速達などの担務へ配置するなど、雇用にかかわることがないように丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。  また、深夜帯から昼間、昼間帯にシフトする場合に夜勤手当が支給されなくなります点につきましては、意向を確認する際に丁寧に説明をしてまいりたいというように考えてございます。
  21. 山花郁夫

    山花委員 今の点については副大臣にも御答弁いただきたいと思いますけれども、社員の負担軽減が図られた上で、その生活の維持だとか向上というものが図られるように、指導監督を総務省の側としてもやっていただきたいと思います。所見があればお願いいたします。
  22. 新谷正義

    ○新谷副大臣 お答え申し上げます。  本法改正によりまして、郵便局の現場における週末や深夜の勤務の負担、これは軽減されることが見込まれているところでございます。これによりまして、日本郵便株式会社の社員の皆様のワーク・ライフ・バランスの改善、あるいは、よく民生委員とかをされていることも多いものですから、地域活動への参加が進むものと期待をしておるところでございます。  総務省としましては、このような効果がしっかりと郵便事業に携わる社員にもたらされるようにフォローしてまいりたいと思います。  また、先ほどおっしゃっておられるような再配置とかも、そういったこともありますし、個々の社員の皆様の勤務に対する希望とかもあると思いますので、そこは一人一人丁寧に対応していただけるようにお願いしてまいりたいと思っております。
  23. 山花郁夫

    山花委員 ぜひ丁寧にやっていただきたいと思います。  えてして、やはり、数字上だとこうなるよねという話があっても、実際に現場に当てはめてみるとなかなかというケースは間々ございます。要するに、数字上はこれだけの、配達日数は減らして再配置すると、数字の上ではうまくきれいになるんだけれども、実際に働いている方の希望だとかいろいろなことで、それは嫌だみたいな話が出てくると、なかなかはまらないケースもあるというのも間々ございますので、ぜひ、特に今働いている方々の処遇等々についても、希望等、丁寧に対応していただきたいと思います。  さて、今回こういった形で、処遇の改善等もということで、配達日数を見直す、こういうことでございます。冒頭少しお話をいたしましたけれども、選択肢としては、料金のお話、料金のこともあるかもしれませんが、というか、サービス水準を維持した上で料金をというのも一つの考え方だったと思いますし、今回はそれをとらずに配達日数を、こういうことでした。  ちょっと例えとして適切かどうかわかりませんが、今回並びで変わります信書便ですが、信書便法のときにも、選択肢がこっちとこっちと二つあってということで、つまり、信書の概念でくくるのかあるいは重さとか大きさでくくるのかという選択肢があって、私は今でもちょっと重さとかそっちの方がきれいだったのかなという気がします。現に、プリペイドカードは信書に該当しないけれども地域振興券は信書として扱われるのよみたいなことが、何なんだみたいな議論もかつてございましたが、そのときのことを別に今議論しようということではありません。後で振り返ったときに、あのとき料金の方をとっておけばよかったなということにならないように、ぜひお願いをしたいと思います。  さて、だんだん時間も迫ってまいりましたが、冒頭の話に少し戻りたいと思います。  公共性についてなんですが、まさに郵便のことに関してでありますけれども、私ごとで恐縮でございますけれども、もう二十年前以上になるんですが、私が結婚したときに妻のおじいちゃんがお手紙を妻に書いてくれたんですけれども、それから数年すると外を徘回して帰ってこなくなっちゃうぐらいの状態でありましたから、その時点で既にちょっと、なかなか大変な様子だったのかなと思います。本当に、ミミズがはったようなというのはこういうことを言うのかみたいな字で書かれておりまして、私が見ても宛名はよく読めませんでした。郵便番号も間違っていました。実は住所も間違っていたんですけれども、届きました。これを見て私の妻が、いや、郵便局の人ってすごいねと言ったときには本当にうれしい気持ちになりましたけれども。  このことを、局で働いていて、前に労働組合の役員をやられていた方で、郵便屋さんから組合役員をやられた方なんですけれども、こんなことがあったよというお話を、感謝を伝えたところ、それが郵便屋の誇りってもんよと言っていました。  その方から聞いたんですけれども、郵便配達するのは、最近はゆうメイトの方もふえてきているけれども、職人芸に近いところがあるんだということで、昔は、年賀状が配達できて一人前だと俺たちのころは言われていたんだというような話も伺いました。一年間で年賀状しか郵便が届かない方というのがいらっしゃるということ。  あと、ちょっと地方だとわかりません、東京ですと、何とか荘とか、やや古いアパートなどになりますと、名前を今は掲示していなかったりとか、集合ポストでも名前を書いていない人がいます。時々、郵便局の人が、ちょっとそこで名前を書いたりしているところもございますけれども。  そういった仕事だということで、つまり、やはり人の気持ちを届けたりとかそういった仕事ですから、余り現場で働いている方々が、採算性だとか、あと、こういうことをやるともうかるかもうからないかみたいなことを考えるような職場というのもどうなのかな。そうはいっても民間企業ですから、そういうマインドは持ちながらも、それでも公共性ということについては、マインドとしては持っていていただきたいと思います。  冒頭からずっと申し上げている話ですけれども、やはり郵政事業というのは、全体として、きょうは郵便のことをメーンとしてお話をいたしましたけれども、郵政事業全体で、冒頭申し上げた仕送りのケースだとか地域金融機能であるとか、あるいは保険といってもそれこそ大きな保険会社なんか来ないような地域、そういったところでは、やはり大事な役割を担っていると思います。やはりこの郵政事業全体が、何でこれが政治的な大きないつも議論になったりとか課題になるのかということでいうと、やはりこれは国民の大きな財産だよねということ、これは与野党を問わずそういう思いがあるからではないかと思います。  今回、配達日数の話ではございましたけれども、郵便の基本料金について、先ほども申し上げましたが、どこかの時点でやはり、今回ではないにしても、見直すタイミングというのはあるんだろうと思われます。また、ユニバーサルサービスコストについても、きょう今の時点ということではありませんけれども、長期的に見たときには、やはりこれは検討しなければいけないことではないかと思います。特に、途中でお話ししましたけれども、民営の会社であるにもかかわらず、郵便料金が自分たちの経営判断では変えられないという仕組みに今なっていることについてはどうなんだろうと思います。  この臨時会が始まりまして、さきの一般質疑でも、携帯の料金についてちょっと議論がありました。まさに、民間会社の料金について政府が言うのはどうなんだろうみたいな議論だったと思います。もちろん反論はあるんだろうと思いますけれども。ただ、これは逆のパターンですよね。郵便の料金については、民間会社であるにもかかわらず、それは自由に変えることができないということが本当にいいんだろうかと思います。  いつかどこかの時点で、やはりこうしたものについても経営判断で変えるようにできるということも必要なのではないかと思いますし、また、例えば一つのアイデアとして、郵便料金について自由に決められるようにしたとしても、今郵便についても、例えば三種郵便だとか四種郵便、特に四種については障害者の方々とか公共的なものを担っていますから、例えばそこに関しては補助金を入れるとか、そういったスキームもあってもしかるべきではないかと思います。  また、外国の例で先ほど付加価値税が免除されているケースについて申し上げたのは、ゆうちょ銀行とかかんぽ生命が日本郵便に業務委託を行う際に支払う手数料、これに消費税が付加されているわけでありますけれども、これは分社化されたために発生したということでありまして、前、一体的に行っていたときにはこれは払っていなかったものでございます。こうしたことからすると、こういう点についても税制上の優遇措置があってもおかしくはないのではないかと思います。  今の民営化法というのは、先ほど経緯で申し上げました、もともとは政府提出法案だったものを、いろいろなことがあって、議員立法の形で民営化法の改正という形で成ったので、ぜひこれは、今から大臣にも所見を伺いたいと思いますけれども、与党の先生方も、こうしたことについてぜひ御議論いただきたいと思います。  さて、最後に大臣に。こういった郵政サービスを将来にわたって全国津々浦々にあまねく公平に提供していくというためには、一つ郵便料金の見直しもどこかのタイミングで必要になってくるかもしれません。また、ユニバーサルサービスの公的負担のあり方というのも私は検討が必要ではないかと思いますけれども、この点について、どのような御認識をお持ちでしょうか。
  24. 武田良太

    武田国務大臣 今回のこの改正も、日本郵便の申出があった、それに対して情報通信審議会で検討されて、その答申に従って発案したものでありますけれども、いずれにせよ、こうした改正というのは、日本郵便の方が将来にわたって安定的なユニバーサルサービスの提供を維持するために改正するものであろう、このように思っております。  やはり、将来の経済状況でありますとか経営状況とか環境ということを今断定的に申し上げることができないわけでありますけれども、そうしたユニバーサルサービスが自分たちの力だけではどうしても維持できないというとき、そうしたときに申出があれば、幅広い検討を我々もしていきたい、このように考えております。
  25. 山花郁夫

    山花委員 これからも、もちろん会社の方にも御努力いただくということだとは思うんですけれども、これも国会の側の責任もあるのかもしれませんが、今、必ずしも何か持っているポテンシャルを存分に発揮して収益性を上げられているのかというと、例えばいろいろな上乗せの規制があったりとかそういったところもあるわけでして、こういったことについて、先ほども申し上げましたけれども、例えば限度額の問題についても、これは政令事項ではございますけれども、そもそも限度額というものが存在しているということも含めて、しっかりと今後も、ぜひ与党の先生方とも議論をさせていただきたい。そのことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  26. 石田祝稔

    石田委員長 次に、奥野総一郎君。
  27. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 立憲民主党奥野総一郎でございます。  武田大臣、よろしくお願いいたします。また、きょう、各社の社長がお見えでございますけれども、おつき合いください。  私は、今まで余り郵政は質問してこなかったんですね。旧郵政省出身ということもありまして、平成十年のいわゆる行革に伴う全額自主運用、資金運用部への預託廃止法案とか、それから、あっという間になくなってしまいましたけれども、日本郵政公社法とかを自分で書いて、取りまとめをやったりしていた経緯があります。もちろん民営化のときも、いろいろな観点から、当時の麻生大臣にお仕えしつつ、問題点の指摘などもやっていたということもありまして、この問題をずっとやってきました。当選後も、当時は、二〇〇九年、一期生でしたけれども、改革法案ということで討論に立ったり質問したりしてきた経緯もあります。ということで、思い入れはあるんですが、これまで余り、近いがゆえに質問してこなかったんですね。  きょう立たせていただいたのは、やはり今、郵政事業全体が危機的な状況にあるんじゃないかというふうに思います。当時から、当時というのは今から二十年ぐらい前からですけれども、公社化のときも議論しましたけれども、どうやってユニバーサルサービス郵便局を全国津々浦々に配置しながら、そのコストを維持しながら収益を上げていくんだということを、ずっと頭を悩ませてきたわけであります。  まして民営化されると、それまで国営のときは払っていなかった各種税金、固定資産税とかあるいは道路占用料とか、あるいは預金保険機構への支払いとか、そういったものが出てくる。今や、皆さん余り御存じじゃないんですが、そういう負担とか義務の部分は全くイコールフッティングなんですね。民間会社ですから、全く民間に等しいんですよ。  一方で、経営の自由度の縛りが残っている。とりわけ金融部門ですけれども、二重の認可があったりして、貸付けもいまだにできない。このマイナス金利下で、どうやって運用だけで稼いでいくんだということがあるわけですね。  こうした制度の縛りがきつくて、しかも、株式会社ですから、配当を出しながら、利益を上げながら、株価を維持しながら、ましてグループ全体として四兆円の復興資金を稼ぎ出さなきゃいけない。非常にきつい縛りを負いながらやっていかなきゃいけない。そうしたひずみが今般のいろいろな不祥事につながったんじゃないか。もちろん、ガバナンスの問題、経営陣の問題もありますけれども、同時に、そういうふうに会社を追い込んでいったのが今の制度の仕組みじゃないかというふうに思います。  そういった視点から入っていきたいと思いますが、まず、現状把握なんですけれども、中間決算がこの間、先日発表されましたけれども、郵政グループ全体として、この決算、どうだったんでしょうか。よかったのか悪かったのか。当然、コロナ禍ですから厳しいとは思いますが、まず、総論として増田社長に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
  28. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  日本郵政グループ連結の中間決算についての御質問でございます。  経常収益が連結全体で五兆六千三百九十一億円と、前年の中間期比で約三千三百億円の減収となってございます。  収益面、こちらにつきましては、昨年来のいわゆるかんぽの問題での営業自粛がございました。また新型コロナウイルス感染症の点もございまして、大変厳しい傾向が続いているものと認識してございます。  また、中間の純利益でございますが、こちらは一千七百八十九億円、前年の中間期比では、五百七十六億円、率にいたしますと二四・四%の減益となったわけでございまして、いわゆる減収減益、こういうことでございます。  大変厳しい経営環境によってこういう数字になった、このように理解をしているところでございます。
  29. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 もちろん、郵便の物数が減ったりしている部分については、コロナの問題、社会情勢という部分もありますし、マイナス金利下において非常に運用が厳しいという部分もあります。環境による部分もあるんですけれども、同時に、やはり経営の問題もあるわけですね。後ほど触れますけれども、不適切なかんぽの販売とかゆうちょの問題とか、ガバナンスの問題もあるわけでありますが、まず、郵便法ですから、郵便の話から入っていきたいと思うんですけれども、経営の、あえて失敗と言わせてもらいますけれども、トールですよね、トールの問題。  これは、この間ちょっと報道発表があって、売却を目指していくというようなことが報道されていたと思います。売却に至る経緯、なぜそういう判断をしたのか。それから、あれはどこそこに売却が決まったという話じゃなくて、これから売却をするという発表だったんですけれども、その見通しは立っているのか。それによって、じゃ、収支にどういう影響が出るのか。もちろん、プラスに出ないとそういうことはしないと思うんですが、どういう見通しを持っておられるのか。衣川社長に伺いたいと思います。
  30. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えいたします。  トール社は、過去に積み重ねてきましたMアンドAにより、バックオフィス等の重複が多く、コスト競争力に弱みがあったため、二〇一五年の買収後、マネジメントの変更に加え、不採算事業の売却や人件費削減等の施策を実施をしてまいりました。  しかしながら、オーストラリアにおきまして自社のネットワークを活用して企業間物流を担うエクスプレス事業は、オーストラリア経済の減速や厳しい競争環境などから赤字が続いており、加えて、新型コロナウイルスや標的型サイバー攻撃の影響により、最近では赤字幅が急拡大している状況でございます。  このように、エクスプレス事業がトール社全体の業績不振の主要因となっておりますことから、同事業売却の検討を開始することになった次第でございます。  売却に向けたいろいろな関係者との交渉はこれから始めていくことでございまして、相手方と、合意する売却条件に応じて、会計基準にのっとり適切に対処していくということで考えてございます。
  31. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これは中間決算の資料ですけれども、要するに、エクスプレス事業というのはオーストラリア国内のトール社の事業ということで、赤字なんですよね。これを切り離すということでして、主として利益が出ているのはロジスティック事業ということでありまして、実は、一番期待しているフォワーディング事業ですかね、シンガポールとか、そういういわゆる海外物流を担うフォワーディング事業というのは、そんなによくないんですよね。これをどうてこ入れしていくかと、収益源にしていくかという課題は相変わらず抱えているというふうに思います。  トールについては、そもそも、のれんの償却をしなきゃいけない、高値づかみしたんじゃないかという話もありますし、いろいろあるんですが、とりあえず前向きに考えたときに、これはもうやらざるを得ないということで理解はしたいと思いますが、でも、結局、目の前の利益を上げるために厳しい判断を迫られているというのは、やはり今の制度に問題があるからだと私は思います。  トールの話はわかったんですが、その上で、通期の見通しが出ていて、三月期予想ですけれども、郵便は増減なしということで、これは多分コロナの前の見通しなんですけれども、物数も減っています。確かに、この時点でなかなか判断は難しかったんでしょうけれども、これからまた第三波という話もあって、なかなか厳しいんじゃないかと思います。  頼みのいわゆるゆうパックとか物流の方も、ふえてはいるんでしょうけれども、コストがかさんでしまってなかなか利益を生み出せないでいる。これで、郵便とか、年賀も毎年毎年やっていますから、なったときに、この通期の業績見通しはどうなるんですかね。お答えいただきたいと思います。
  32. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  ただいま御紹介いただきました中間決算の状況でございますが、先生御指摘のとおり、日本郵便の連結経常利益、それから当期純損益、ともに昨年度よりも減少をしております。前年同期比で悪化しておりますが、当初想定ほど悪化しているということではない状況で現時点では推移をしております。  しかしながら、下期でございますが、今御指摘がございますように、郵便・物流事業において、郵便物の減少が継続するほか、ゆうパックやゆうパケットの伸びが鈍化すると見込んでおります。また、金融窓口事業、それから国際物流事業におきましても、引き続き厳しい経営環境が続く見込みでございます。  したがいまして、日本郵便全体といたしましては、上期は当初想定より少し上振れする一方、下期はより厳しい状況になると見込んでいるところでございまして、現時点では通期業績予想を修正するまでの状況にはないと判断しているところでございます。  引き続き、経営の向上に努めてまいりたいと思っております。
  33. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今の答弁を伺うと、なかなか厳しい話でして、下期はもっと厳しくなるんじゃないかとおっしゃっているわけですね。  そうすると、見込んでいたよりは上期はよかったかもしれないというんだけれども、それはコロナの中での話ですよね。だから、トータルで見たときに、今の時点ではもちろん何もおっしゃれないんでしょうけれども、通期もやはり厳しいことになるんだろうというふうに思います。  ちょっとゆうちょの話も出たので、ついでに伺いたいんです。  グループとして、金融で稼いで、窓口委託で郵便事業会社にお金を払って、郵便局ネットワークを維持していくというビジネスモデルなので、ゆうちょの業績もやはりかなり影響してくるんですが、ゆうちょは、見ると、当然、マイナス金利ですから、資金運用、資金利益というのは前期比マイナス。それから、役務取引等利益、これは多分手数料収入なんでしょうけれども、これも、本来はここで稼ごうという話なんですけれどもマイナスという中で、目立っているのが外国為替売買損益ということで、これはずっとここのところこういう傾向でして、まあしようがないんですけれども、マイナス金利ですから。昔の郵貯は、資金運用部に預託しておけば自動的に利益が出たんですけれども、今、自主運用になって、債券売買、利息だけじゃなかなか、国債の利息とか、利息だけじゃやっていけないんですよ。やむを得ないんですが、ここのところずっと、やはり益出しをしている。外債を売って利益を出しているように見えるんですよね。  この間も、五十円の配当、少なくとも三年間は五十円の配当をやると約束していて、今期は中間配当を見送っているんですね。最終的に通期で配当するというふうに発表はされています。どうもそのために結構苦しんで利益を出しておられるようにも見えるんですけれども、ゆうちょは、どうなんですかね、こういった益出しで頼るというのは、いつまで続けられるんでしょうか。続けられなくなったときというのは、恐らくゆうちょも赤に転落する可能性があると思うんですけれども、いかがですか。
  34. 池田憲人

    池田参考人 お答えします。  先ほどの御質問でございますが、新型コロナウイルス感染拡大による影響や、先生がおっしゃっている低金利環境の継続等、厳しい経営環境であったものでありますが、足元、海外のクレジットスプレッドが大幅に縮小しており、資金収支等が当初計画比で増加する見込みになったことや、経費節減により、中間純利益は千二百四十二億円と、計画比では好調な結果となりました。なお、前年同期比ではマイナス二百七億円、マイナス一四・七%であります。  こうした状況を受けまして、通期業績予想については、今後、マーケットが比較的安定的に推移するとの予想から、当期利益二千億円を二千七百億円に上方修正をしました。また、期末配当予想についても、未定から五十円というところに修正をしたところであります。  今後に関しては、引き続き、コロナ等厳しい経営環境ではありますが、コアビジネスの充実強化、新規ビジネスの創出等、先般、親会社日本郵政が公表したグループの次期中期経営計画の基本的な考え方に沿って、新たな成長に向けて取り組んでまいりたいと思います。  以上です。
  35. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今のポイントは、確かに、上方修正というか、コロナ禍の見通しは少し上振れしたということでしょうけれども、中間利益で見ると一四%も減っていて、徐々に年を経るごとに減ってきているというふうに理解しています。  だから、今言いたかったのは、すぐに赤になるとは言いませんが、手を打たないと、近い将来、それは多分、五年先とかいう話じゃなくて、本当に近い将来にゆうちょも赤になってしまうかもしれない。頼みはかんぽだったんですけれども、かんぽも、一応、中間利益はふえているように見えますが、経常収益がマイナスで、それを上回る手当とか募手とかそういうのが減って、あるいは人件費が減ってプラスになったということだと思うので、稼げているわけじゃないんですよね。  というふうに見ていくと、不動産とかいろいろ言っていますが、なかなか厳しい。手数料とかも言っていますが、なかなか厳しい。まさに、これから本当に事業の存亡の危機じゃないかというふうに私は思っているんですが、大臣、まず、今の決算、増田社長からもございましたけれども、監督官庁として、この決算についてどう評価されますか。
  36. 武田良太

    武田国務大臣 第二・四半期連結中間決算の御説明がさっきあったわけでありますけれども、やはりまずコロナ、そして長引く低金利、そして、かんぽの不正によっての営業自粛、さまざまな要因がこの結果を生んでいる、このように思っているわけですけれども、経営また市場をめぐる環境が変化している中で、今後も企業価値の向上への取組というものを忘れずに、しっかりとした健全な経営体制に努めていただきたい、このように考えております。
  37. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 まあそうなんですけれども、後ほど伺いますけれども、やはり制度面の問題もこれありと思います。もちろん、コロナの環境というのは、この中間だけで見ると大きく影響していますけれども、ただ、背景にはやはり制度面もあるでしょうし、なかなか厳しいんじゃないかと思っています。  そうした中で、ここで、制度の話ということで、制度面の改革ということで郵便法の話になっていくわけですけれども、今回の郵便法、これはサービスダウンですよね。サービスダウンまでしなきゃいけないということなんですが、そういう厳しい郵便法改正を決めた、判断した経緯について、大臣に伺いたいと思います。
  38. 武田良太

    武田国務大臣 総務省では、二〇一八年二月から、情報通信審議会において、郵便物の長期減少傾向といったさまざまな環境やニーズの変化、安定的な郵便サービスの提供のあり方などについて、計十九回にわたり検討を重ねてまいりました。  その過程においては、今般の法改正につながる日本郵便株式会社からの要望が二〇一八年十一月にございまして、これについて集中的に議論するとともに、労働組合や消費者団体などへのヒアリングや利用者アンケートを行うなどの対応を今日まで行ってまいりました。  このような検討を経て、情報通信審議会におきまして、今回の法改正を伴う見直しについて、郵便サービスの将来にわたる安定的な提供を確保するために必要な見直しである旨の答申が昨年九月に行われました。  我々としては、この答申に基づきまして策定し、提出したものであります。
  39. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 その経緯は私も何となく聞いているんですが、実は、去年の臨時国会、一年前にこの法案を出そうという動きもあったんですよね。私も、野党国対におりましたし、ということで相談を受けたんですが、与党もそうなんですが、去年は、かんぽの問題が出始めたところでして、とてもこういう法案は出すべきじゃないという意見が大勢だったんですよね。しかし、この国会、私は、むしろちゃんとこれを審議すべきだ、出すべきだというふうに意見が変わりました。  というのは、これ以上延ばすと本当に経営が毀損されるんじゃないかという思いがあるわけです。じゃ、これは落ちついてから、かんぽの問題とかゆうちょの問題が落ちついてからといったって、次またどういうことが起こるかわかりませんから、と言うとちょっと申しわけないんだけれども、とにかく今やっておかないと、もう延ばせないんじゃないかという強い思いがあって、我々野党としても、これは審議をしていこうということになったんですよね。  重ねて聞きますけれども、大臣、これは、さっき決算、厳しい決算だということもありました。また、将来もなかなか見通せない中で、郵政事業はやはり危機的な状況だという認識で、背水の陣でこの法案を出すということでよろしいんでしょうか。
  40. 武田良太

    武田国務大臣 背水の陣かどうかは別にして、やはり安定的にユニバーサルサービスというものを提供、維持するためには必要な改正ではないか、このように考えております。
  41. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これはちょっと、背水の陣と言うとあれかもしれません。ただ、そこは共通認識だと思うんです、今やっておかないとですね。これは決して前向きな話じゃないんですよ。これをやることで全てがうまくいって、経営が好転するという話じゃないと思うんですね。  一ついいことがあるとすれば、職員の皆さん、頑張っておられる働く仲間の皆さんの働き方改革に少しつながるのかなと。非常に厳しい環境ですから、そういう面があろうかと思います。  先ほど山花委員も伺っていましたが、どういうメリットがあるんですかね。働き方改革、お客様的には、これはなかなか、我慢していただくという話なんですが、会社として、あるいは働く皆さんにとってどういうメリットがあるんでしょうか。
  42. 衣川和秀

    衣川参考人 今回お願いをしております制度の見直しでございますが、これによりまして、ユニバーサルサービスである郵便サービスを将来にわたって安定的に提供できるようにするとともに、土曜日配達や深夜帯の郵便業務からシフト可能となる要員を成長分野である荷物の業務に充てることができるようになると考えてございます。  働き方改革の部分でございますが、土曜日の配達を休止することによりまして、なるべく平日に働いて週末を休める形とし、世間一般の生活パターンに近づけることができると考えてございます。  また、送達日数の繰下げにより、深夜帯の勤務から昼間帯、昼間に勤務する社員がふえることになります。さらには、超勤時間も一人一月平均で約一割の縮減を見込んでいるところでございます。
  43. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 少しは楽になるということなんでしょうが、ただ、ちょっと懸念があって、そもそも、これは通告はしていないんですが、人手不足だったり、なかなか配達要員が足りなかったり、私も、いろいろ苦労してやりくりしておられるのを聞いていたんですが、結局、それは足りないところを埋めるだけで、余剰人員というか、そもそも不足しているところに回すだけで、全体として楽にならないんじゃないか、当面ですよ、当面、楽にならないんじゃないかということも言われていますが、そうじゃないということでよろしいですね。もう一回。
  44. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  今回の郵便制度改正によりまして再配置可能となる人数でございますが、二〇一八年十一月の総務省情報通信審議会で御説明させていただいた試算によりますと、内務社員及び外務社員合わせて約五万二千六百人を見込んでいるところでございます。これらの再配置可能となる人員につきましては、超過勤務などで対応している分野や、増加する荷物分野に再配置をする予定でございます。  さらには、労働環境の改善ということで、先ほど申し上げたような効果も見込んでいるところでございます。
  45. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 やはり、今の答弁を伺うと、再配置、足りないところの再配置がメーンであって、そういう働き方改革、深夜勤が減るとか週末勤が減るというのはあるんでしょうけれども、トータルとして勤務時間が減っていくとか、そういう効果はそんなに見込めないんじゃないかという気もしますが。  それからもう一点、これも山花さんが言っていましたが、賃金ですよね。これも通告していませんが、これはちゃんと確保される、手取りが減ってしまうようなことはないんですか。
  46. 衣川和秀

    衣川参考人 先生御指摘の点は、主として夜勤手当の話かと存じ上げますが、深夜帯から昼間帯への再配置に当たりましては、例えば、引き続き深夜帯の勤務を希望する方については深夜帯の荷物や速達などの担務へ配置をするなど、あらかじめ意向確認を行った上で、雇用に影響することがないよう時間をかけて丁寧に対応することとしております。  郵便法改正後、個々の郵便局状況を踏まえて進めていきたいと考えているところでございます。
  47. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 極力、皆さんの希望、収入が減って厳しくなる方もいらっしゃいますけれども、そうならないように、希望をちゃんとかなえてあげて、いろんな方がいらっしゃると思うんですよ、勤務時間を減らしてでも、超勤がなくなっても、少し手取りが減ってでも豊かな生活をしたいという方もいらっしゃれば、いやいや、ちゃんと手取りが確保されなきゃ困るという方もいらっしゃると思うんですね。だから、その辺、やはり社員の皆さんの希望をきっちり聞いて、聞き入れていただきたいと思います。  もう一点だけ確認なんですが、当面は足りないところに人手を回していくという話なんですが、総体として見たときに、仕事が減るわけですよね。というときに、長い目で見たときに、これから郵便物数がどんどん減っていく中で、あるいは、いわゆるゆうパック、どこまで伸びるかというのがありますが、それとの兼ね合いなんですけれども、いずれ人減らしにつながらないかということですね。  とりわけ調整弁となるのが、民間でもそうですけれども、非正規の方なんですけれども、そういった非正規の方も含めて人減らしにはつながらないんだということをここで明言していただきたいんですね。
  48. 衣川和秀

    衣川参考人 今回の郵便制度改正の目的でございますが、昨今の通信手段の多様化により郵便に求められているニーズの変化や、働き方改革への対応をしていこうというものでございまして、もう少し具体的に申し上げますと、今回の見直しにより、ユニバーサルサービスである郵便サービスを将来にわたって安定的に提供できるようにするとともに、土曜日配達や深夜帯の郵便業務からシフト可能となる要員を成長分野である荷物の業務に充てることができるようになるということでございまして、私どもとしましては、荷物分野の業務をふやしていきたい、このように考えているところでございます。
  49. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 要するに、今のを理解すれば、成長分野を生み出していかないと結局縮小していく、当たり前のことですけれども、雇用を確保し切れなくなるという事態もあり得るということですね。だから、成長分野をどうやってつくっていくか、これは後ほど伺いますけれども、一〇〇%、将来、未来永劫にわたって雇用を確保するということは、経営上なかなか言えないんだと思うんですよね。だから、どうやって会社を発展させるかということに尽きると思うんですね。  現場は頑張っています。このコロナ禍においても、アベノマスクの全戸配布、マスク自体は余り評判はよくなかったんですが、それを配る努力というのは、本当に政府の方針に従って皆さんやっていただいた、頑張っていただいたというふうに思います。今も、まさにエッセンシャルワーカーですよ、この厳しい中で配達のおくれもなく、あるいはふえる、いわゆるアマゾンとか、物流の中心を担って働いておられます。  今、エッセンシャルワーカーと言ったんですが、深夜勤とか、配達部門、内勤の部分はどうしても、建物の中で、外でやるわけにいきませんから、密になりがちなんですよね。その辺は大丈夫なんですか。ちゃんと対応されているんでしょうか。
  50. 衣川和秀

    衣川参考人 新型コロナウイルス対策についてでございますが、私どもでは、新型コロナウイルス感染症予防策といたしまして、内務深夜帯勤務者も含めて、全ての郵便局におきまして、マスクの着用、手洗い、消毒の実施、あるいは人と人との距離の確保、換気などの基本的な感染対策のほかに、郵便業務におきましても、レイアウトを調整しまして社員同士の距離を確保するなどの取組をやっているところでございます。  さらに、先ほども少し話がございましたが、区分作業を行う郵便局では、配達する郵便局ごとの区分作業などを深夜帯に集中して行いますことから、その作業に係る人数も多くなる環境でありますけれども、先ほど申し上げたような取組を徹底することに加えまして、社員通用口への体温測定器を導入するなど新型コロナウイルスの感染予防策のさらなる充実を図っていきたいと考えているところでございます。
  51. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今、郵便局でも一部クラスターなんということも報道されていたんですけれども、なかなかやはり厳しいんですよ。本当に、病院とかと一緒で、エッセンシャルワーカー、とめるわけにいかないんですよね、配達を。だから、それにやはり報いるような処遇をきちんとやっていただきたい。社長にもお願いしたいんですけれども、夏もたしかお願いしたんだけれども、エッセンシャルワーカー手当、収益が厳しいのでなかなか難しいとは思うんですが、そういった手当をきちんと考えていただきたいと思います。  それからもう一つ、このパートの最後になりますけれども、それぞれの職員の労働の対価に報いるようにきちんと賃金を保障し、そして雇用を確保していく。この郵便法改正で決して人減らしにつながることがないように、むしろ、今言ったように、前向きに、成長への軌道のスタートとして、働く皆さんにきちんとプラスになるように、大臣、運用していっていただきたいというふうに思います。  まだ時間もありますが、今度は郵便事業の話にまた戻ります。  成長が大事だというふうに私も言ったんですけれども、中計の基本的考え方というのが出ているんですね。これをざっと見たんですけれども、もちろん、ゆうちょ、かんぽの信頼回復というのは当然の話なんですが、そこはマイナスからゼロに戻すという話で、その上で、じゃ、どうやって成長の軌道を描いていくのかというのがなかなかこれは見えないんですよ。デジタルトランスフォーメーションの話とか、それからゆうちょ、かんぽの株式の保有率を五〇%に減らして新規事業を目指していくみたいな話は割とぴんとくるんですけれども、なかなかこれは見えない。もちろん、制度面がそうなんだと言ってしまえばそうなんですけれども。  一つ一つ聞いていきたいんですが、じゃ、まず、郵便ですよね。郵便事業について、どうやって経営の改善を図っていく、これからこの厳しい中、収益をふやしていく、利益を上げていくのかということを伺いたい。
  52. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  まずは、今回の不適正募集を起こさないための再発防止策の徹底とお客様の信頼回復ということでございますけれども、私どもの本来の仕事といたしましては、郵便局ネットワークを通じまして、郵便・物流、貯金、保険の生活の基本的なサービスに加えまして、地域ニーズに応じた多種多様なサービスを提供していくことにより、地域社会が抱える各種問題の解決に地道に貢献をしていきたいということで考えてございます。  具体的には、これらのコアビジネスの安定的かつ持続的な提供に向けまして、DX、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの推進や、郵便局運営の弾力化、効率化にも取り組み、事業基盤をより強固なものにしていきたいと考えてございます。  さらには、地方公共団体事務の包括受託や地域金融機関との連携強化など、地域ニーズに応じた多種多様なサービス等の開拓にも取り組んでいきたいというように考えてございます。
  53. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 そのとおりなんですけれども、なかなかそれで何百億利益が出るという話にはどうもやはり聞こえないんですね。非常に厳しい、これまでメーンの郵便がどんどん減っているわけですから、どうやってこれは経営維持していくのか。もちろん、さっき言った国際物流も含めて、あるいは宅配も含めて、物流の方をどうやって伸ばしていくかということなんでしょうけれども、そこも競争が厳しいので、なかなかそこで利益がもっともっと稼ぎ出せるというふうにも見えないんですが、とにかく郵便はそうやって頑張っていただくしかないと思います。  ここでは申し上げないんですけれども、この郵便法改正のときに私はふと思ったんですけれども、やはり料金の値上げ、この間、はがきもやりましたけれども、これはいずれ課題にならざるを得ないんじゃないかと思うんですよね。やはり人が配達しているものですから、物数が減ってきたときに一通当たり幾らということを考えたときに、いずれそういう話も出てこざるを得ないと思います。  今回、先にサービスのダウンをやるのがよかったのか値上げをするのがよかったのかというところはありますが、もうこういうふうに決めたわけですから、できるだけ、当面値上げがないように頑張っていただくしかないんですけれども、これもいずれそういう話が出てくるんだろうと私も覚悟しています。  それで、最後ですけれども、ゆうちょ、かんぽの方に入っていきたいんですが、かんぽは、例の不適正な、去年の秋から出てきています営業問題、いろいろもう処分も今進んでいるというふうに思います。それから、新たに出てきたゆうちょの決済サービスの不正利用、これはびっくりしましたけれども、随分前からあったという報道もありますけれども、明らかになってきています。  こうした、郵政は、やはり明治以来の信用、信頼でもってきている事業なんですよ。郵便局が勧めるのなら大丈夫、郵便局に預けるなら大丈夫という信用、信頼でもってきた事業だと思います。それを裏切るということは、利用者の期待、信頼を裏切るということがあれば、本当に郵政事業はもたなくなると思うんですよね。二度とこうしたことを起こしてはならないと思います。  ゆうちょ、かんぽ、それぞれの再発防止策と、今、郵便についてどうやって事業を上向きにさせるのかという話もありましたけれども、経営再建。かんぽは経営再建と言っていいんでしょう、ゆうちょはどうやってこの厳しい運用環境下で利益を上げていくのかということを、再発防止策と一緒にあわせて伺いたい。  それから、日本郵政増田社長として、全体として、これはガバナンスの問題もあると思いますので、最後に答弁いただきたいと思います。
  54. 千田哲也

    千田参考人 このたびは、かんぽの商品の募集に係る問題に関しまして、お客様を始め多くの皆様に心配と御迷惑をおかけしておりますことを心よりおわび申し上げます。  かんぽ生命におきましては、お客様への信頼回復のために、利益回復、それから募集人調査を進めるとともに、一月三十一日に公表しております業務改善計画に全社を挙げて取り組んでおります。具体的には、再発防止に向けたチェック体制、それから内部管理体制の強化、おおむね計画どおりに進捗しております。  こういう取組を踏まえまして、十月の五日から信頼回復に向けた業務運営を開始しておりますけれども、今後とも引き続き、この信頼回復活動にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。  その上で、かんぽ生命の経営を立て直すということが私の最大の使命というふうに考えております。  具体的には、新商品の開発、それから、品質を伴わないといけませんけれども、募集人の能力の向上、それから、かんぽ生命ならではという社会的な存在価値とか意義、こういうことを具体化をする、これが大変重要だというふうに考えております。  このような内容を盛り込みました新たな中期経営計画を、現在、今策定中でございます。これを通じて経営の再建を必ず実現してまいりたいと考えております。
  55. 池田憲人

    池田参考人 御質問でございますが、キャッシュレスサービスの不正利用により被害に遭われたお客様、また、一部サービスの停止に伴いお客様に御不便をおかけしておりますこと、まず深くおわび申し上げます。  キャッシュレス決済サービスについては、九月二十五日に社長直轄のタスクフォースを立ち上げました。セキュリティーの総点検に取り組んできており、十一月九日に、第三者の評価も受けた上でその結果を公表いたしました。  今後は、今回のタスクフォースによる総点検の結果を踏まえ、セキュリティー強化策を着実に実行してまいります。  あわせて、総合的な苦情あるいは相談、お客様の対応体制について強化をする。二つ目に、セキュリティー検証体制を強化をします。それから最後に、補償方針をはっきりします、明確化します等、お客様に安心、安全にサービスを御利用いただけるよう、体制整備を可及的速やかに進めてまいります。  信頼回復に向け、全社一丸となって取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。
  56. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  今、両社の社長からも御答弁申し上げましたが、このようなグループとしての危機的状況に対して、持ち株会社である日本郵政がしっかりとリーダーシップを発揮することが必要でございまして、監督官庁に御提出をしております業務改善計画などに掲げておりますさまざまな改善策、とりわけセキュリティー強化策を着実に実施することによりまして、再発防止に努めてまいりたいと思います。  さらに、現在グループとして次期中期経営計画を検討してございますが、その中でも信頼回復に向けた取組を具体的に盛り込むこととしてございまして、こうした取組を通じて、国民の皆様、郵便局を利用されるお客様からの信頼回復に努めてまいります。
  57. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 社長のおっしゃっていることはもっともなんですけれども、ここはマイナスをゼロに戻すという話なんですね。どうやってそこからプラスに持っていくんだ、今の環境下において、どうやって事業を、収益を伸ばしていく、ユニバーサルサービスを維持しながら、社員のあるいは福利厚生を維持しながら、どうやって雇用を守りながら、どうやって会社を維持していくのかという難しい問題がやはりまだ残っていると思うんですね。  千田社長もおっしゃっていましたが、新規サービスと言っていますが、思い切った新規サービスをやるには、やはり株を売らなきゃいけない、今の制度だと株式を売らなきゃいけない。増田社長もこの間、会見で、五割を切るんだとおっしゃっていましたけれども、ちょっと時間がないのでここは質問できませんけれども、なかなか今の状況で、厳しいんだと思うんですよ。  今は一時的に株価が上がっていますけれども、本当に五〇%までこの五年の間で売り切れるのかというと、なかなか難しいこと、必ずしも絵に描いたとおりいかないこともあると思うんですね。だから、そういう経営の自由度をどうやって付与するかというところの制度の見直しもやはり考えなきゃいけないんじゃないか。  それから、今回の事件、事件というか不適切な営業とかの問題で一番の問題は、やはりサービスを提供している会社と販売している会社が違う。しかも、販売している郵便事業会社が、そこで稼がないとなかなか事業が成り立たないということがあって、とにかく売ろうということになった、いわゆる製販分離の問題ですけれども、とにかく売らんかなというところが問題になった面も否めないと思うんです。  そういったことも含めて、この郵政事業の制度のあり方問題ですよね。これは早目に手を打っておかないと、赤字になったら、もう劣化は早いですよ。その前に、やはり大臣、そろそろ議論を始めたらどうですか。  私も、こうしようというアイデアがあるわけじゃないんですけれども、今まで出てきた問題をきちんと総括をして、会社のあり方、制度のあり方を、きょう、この郵便法もその一つとして私は評価をしますが、やむなくということで評価をしますけれども、どうですか、ここで制度の見直しを検討していただきたいんですが、大臣、最後に答弁を。
  58. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘の数々の事案については、やはり、先ほど先生おっしゃられた、明治時代からの国民からいただいた信用を一遍にして損ねた、また、顧客の利益を害したということでは、これはもう話にならない、いかなる経営形態であってもあってはならないことであろうかと私は考えております。  これは、全員で反省して、そして、抜本的な改善策というものをみずから日本郵便が打ち立てるべきものであろうかと思いますけれども、やはり、今回得た教訓というものを生かして、信頼回復に努め、今後、こうしたものが起こらないように再発防止策に努めていただきたい、このように考えております。
  59. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 時間が来ました。ありがとうございました。
  60. 石田祝稔

    石田委員長 次に、松田功君。
  61. 松田功

    松田委員 立憲民主党松田功です。どうぞよろしくお願いいたします。  時間も限られておりますから、早速入りたいと思います。  デジタル時代における郵政事業の新たなビジネスモデルのあり方について、お伺いをいたしたいと思います。  この低金利下で、ゆうちょ銀行、かんぽ生命も経営の見通しが極めて厳しく、日本郵政グループとして新たな収益源を模索していく必要があると思います。日本郵政グループ各社においてもさまざまな検討が行われていると思いますが、その概要について御説明をいただきたいと思います。
  62. 飯塚厚

    飯塚参考人 お答え申し上げます。  来年度からスタートいたします次期グループ中期経営計画につきまして、先般、中計策定のベースとなる基本的考え方を公表させていただいたところでございます。その中にも盛り込んでおりますが、日本郵政グループとして、貴重なリアルネットワークとしての郵便局が、郵便・物流、貯金、生命保険などの生活基礎サービスに加えて、地域ニーズに応じたさまざまなサービスを提供していくことにより、地域社会が抱える各種課題の解決に貢献していきたいと考えております。  具体的に申し上げますと、まず第一に、今申し上げました郵便・物流、銀行、生命保険というコアビジネスを充実強化させていくことが大事であると考えておりまして、そのために、DXの推進や収益力向上、効率化、生産性向上の各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。  また、第二に、既に取り組んでおりますけれども、不動産事業でございますが、これにつきましても、グループ保有不動産の価値最大化、グループ外不動産への投資拡大等を通じて、収益の柱の一つとなるよう不動産事業を成長させていきたいと考えております。  また、第三に、新規ビジネスにつきましても、これを進めていく必要があると考えております。お客様の生活をトータルでサポートするための事業拡大や、新商品、サービスの開拓を目指して、例えば、地公体事務の包括受託でございますとか、あるいは投資や保険の商品ラインナップを拡大して、お客様のライフステージをトータルでサポートすることなどを行ってまいりたい。またさらに、社会的な課題の解決に向けた全く新しいビジネスの創出を目指して、お客様の潜在的なニーズを発掘したり、ベンチャーやスタートアップ企業との共創、必要に応じてMアンドA等も実施してまいりたい、こう考えてございます。  以上申し上げたような考え方に基づきまして、今後、中期経営計画の策定作業を更に進めまして、グループの持続可能な成長と企業価値の向上を目指してまいりたいというふうに考えてございます。
  63. 松田功

    松田委員 今回の郵便法改正案やデジタル化進展を踏まえますと、郵便物の数の減少は今後も継続すると考えられます。特異な構造で経営が成り立つ日本郵便は、今後どのように将来にわたって郵便サービスを維持していこうと考えられているのか、御見解を下さい。
  64. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  今回の郵便制度改正でございますけれども、お客様の郵便に期待するニーズの変化に対応いたしまして、お客様の受入れ可能な範囲でサービス水準見直していただくというふうに考えているものでございますので、大きな需要低下につながるものではないというふうに考えておりますけれども、デジタル化の進展等によりまして今後とも郵便物の減少が見込まれるということにつきましては、委員御指摘のとおりだというふうに考えております。  日本郵便といたしましては、これまでも、郵便物の区分作業の機械化など効率化取組を進めてきたほか、先端技術の導入にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、二輪車による配達担当者がスマホ端末を携行することにより、位置情報のデータを取得いたしまして、配達順路の見直しなどの業務の効率化に活用するテレマティクスといった取組や、配送ロボットあるいはドローンなどの先端技術の活用などによりまして業務の効率化に取り組むとともに、ダイレクトメール需要の開拓、あるいは手紙文化の振興によります郵便需要の拡大に取り組むなど、将来にわたる郵便サービスの安定的な提供確保に向けまして、可能な限りの努力を継続してまいりたいというふうに考えております。
  65. 松田功

    松田委員 大臣総務省で新たに武田大臣のもとでデジタル時代における郵政事業のあり方に関する検討会を立ち上げられ、国民、利用者の利便性向上や地域社会への貢献を推進するために必要な方策などを検討し、デジタル時代における郵政事業の新たなビジネスモデルのあり方について今後検討を行うと伺っております。  日本郵政グループは、今後どのような分野に力を入れていくべきと考えられておりますか。大臣に御見解を聞きたいと思います。
  66. 武田良太

    武田国務大臣 政府を挙げてデジタル化に取り組んでいる中で、やはり郵便事業郵便物数が減少したり、低金利が長期化したり、大変経営環境というのが厳しい中で、これを乗り越えるためには、新たなビジネスモデルというのを構築していかなくてはなりません。  御承知のように、郵便局は、二万四千局のネットワーク地域に密着した莫大なデータというかけがえのない財産があるわけでありますから、これをいかに有効利用、利活用するか、ここから発想をスタートさせて、新たなるビッグビジネスに挑んでいただきたい、このように考えております。
  67. 松田功

    松田委員 大臣のその強いお言葉、思いで、武田大臣主導で国民、利用者の利便性の向上や、また地域社会への貢献をぜひ果たせるような提言を取りまとめていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  その上で、総務省の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  日本郵政グループが保有しているさまざまなデータは、そうした国民、利用者の利便性向上や地域社会に貢献するための新たなビジネス展開に活用することは可能なのでしょうか。
  68. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 日本郵政グループが保有するデータにはさまざまなものがございまして、例えば、日本郵政グループの中期経営計画の基本的考え方で示されております、郵便物の引受け時に取得したデータを配達業務に活用することなどにつきましては、早期に取り組むことができるものだと考えてございます。  また、本人の同意を受けることによりまして、例えば、引っ越しの際に郵便物に、転送届を提出すれば、関連するさまざまなサービスを受けられるようになるなど、利用者利便の向上につながる新たなサービスの展開も考えられるものと思います。  そのほか、郵便局が保有するデータの活用に際して、個人情報保護法や郵便法などの関係法令との関係を整理する必要があるものにつきましては、総務省といたしましては、現在開催中のデジタル時代における郵政事業の在り方に関する懇談会における議論などを踏まえまして、適切に対処してまいりたいと考えてございます。
  69. 松田功

    松田委員 ちょっと確認をさせてください。  法改正が必要であるということであれば、それは懇談会と並行していろいろ検討していくということでしょうか。
  70. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  法改正がもし必要なものということが、出てまいるかどうかということもございますけれども、そういったことも含めまして、懇談会でまずは議論をしていく、このようなことだろうというように考えてございます。
  71. 松田功

    松田委員 ビジネスですので、改正が必要だということが出れば、適宜、すぐ並行して動いていけるような体制づくりも持っていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に移ります。  郵便法改正法案の成立による収支改善効果についてお伺いいたします。  今回の郵便法改正法案が成立し、サービス水準見直しが行われた場合、郵便局活性化委員会で示された費用削減効果額は約六百億と伺っております。今回、郵便法改正案について、具体的にどのくらいの収益改善効果が見込まれるのか、また、効果額六百億円は本当に出るのか、郵政事業単体、そして日本郵便全体の収益に与える影響はどのように想定されているのか、お伺いしたいと思います。
  72. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  今回の郵便制度改正でございますけれども、昨今の通信手段の多様化による郵便に求められているニーズの変化や、働き方改革への対応が求められている状況を踏まえまして、サービス見直しの要望をさせていただいたものでございます。  この見直しによります経費への影響でございますけれども、土曜日配達や深夜帯の郵便業務からほかの業務にシフト可能となる要員の人件費、それから、関連して削減可能となる物件費等を合わせまして約五百億円強を見込んでいるところでございます。  この五百億円強という数字でございますけれども、二〇一八年十二月の段階で郵便局活性化委員会に提示させていただきました、先ほど委員御指摘の約六百億円という数字につきまして、大型郵便物の増加傾向など、郵便事業を取り巻きます環境の変化を踏まえまして、改めて精査させていただいたものでございます。  この見直しによりまして、まず、関連する物件費等約五十億円の経費削減が可能となると考えております。また、先ほど申し上げましたシフト可能となる要員につきましては、一部、人手不足等に対応するため郵便業務に残さざるを得ない者がございますけれども、他の多くは増加する荷物等の業務に再配置する予定でございます。これによりまして、荷物業務へ再配置する分につきましては、会社の内部の労働力のシフトでございますので、会社全体としては経費削減となるものではございませんけれども、郵便事業単体におきましては経費削減となるというものでございます。  あわせて、成長が見込まれる荷物事業への要員シフトによります荷物事業の拡大を通じまして、会社全体としての経営基盤の強化に資することができるものだというふうに考えております。
  73. 松田功

    松田委員 これまでの説明では、郵便事業単独の損益が毎年二百億円程度減少していくというふうに伺っております。  今回の郵便法改正案の成立によって、三年は賄えるのではないかと想定をされておりましたが、これでは三年は賄えることは難しいと思われますが、いかがでしょうか。
  74. 諫山親

    諫山参考人 お答えいたします。  二〇一八年十一月の郵便局活性化委員会において制度改正要望を表明させていただいた時点におきましては、郵便事業単体の利益は毎年度約二百億円程度減少するものと見込んでいたところでございます。  二〇一九年度におきましては、選挙や消費税率の引上げに関連した一時的な差し出し増などの特殊要因によりまして損益が一時的に持ち直したところでございますけれども、今般のコロナ禍による企業活動の停滞に伴いましてDMなどの減少が見られる中で、デジタル化の進展による郵便物数の急激な減少のおそれもあるほか、労働需給の逼迫によります人件費単価の上昇という大きな流れにつきましては変わりはないというふうに考えております。  このため、このままでは数年のうちに郵便事業の収支は赤字になることが避けられないというふうに見ているところでございます。  先ほど申し上げましたように、今般の郵便制度見直しの収支への影響といたしましては、繰り返しになりますけれども、五百億円強を見込んでいるところでございまして、これらによりましてシフト可能となる要員につきましては、働き方改革を進めつつ増加する荷物等の業務に再配置することによりまして、先ほど申し上げましたように、郵便事業による経費削減と荷物事業の拡大につなげることができるものと考えているところでございます。  しかしながら、郵便物数の減少傾向は今後とも継続するものと想定され、これに伴います郵便事業の収支の悪化が見込まれるところでございますので、引き続き、ダイレクトメール需要の開拓、手紙文化の振興等の郵便需要の拡大の取組のほか、先ほど申し上げましたような先端技術の活用などによります業務の効率化など、可能な限りの努力を継続していくことが必要だと考えておりますし、そうしてまいりたいというふうに考えております。
  75. 松田功

    松田委員 デジタル化の進展や今回のサービス水準見直しによって、郵便の利用減少が加速するとも考えられております、今もそのようなことも言われておりますが。  そうであれば、日本郵政が見込まれている収益改善効果も余り期待ができないというふうに思われますが、いかがでしょうか。
  76. 諫山親

    諫山参考人 委員御指摘のとおり、郵便物の減少が継続するということは十分見込まれるところでございます。  繰り返しになりますけれども、今回の郵便制度改正によりましてシフト可能となる要員につきましては、荷物等の業務に再配置することによりまして、郵便事業単体における経費の削減と荷物事業の拡大につなげることができるものと考えておりますが、将来にわたりまして郵便サービスの安定的な提供を確保していくためには、引き続き、ダイレクトメール需要の拡大、手紙文化の振興等の需要拡大の取組のほか、デジタルトランスフォーメーションを始めとする先端技術の活用などによります業務の効率化など、可能な限りの努力を継続していく必要があるというふうに考えております。
  77. 松田功

    松田委員 時間もありますので、次へ移りたいと思います。  経営の自由度を高めるために、これからいろいろ進めていかなければなりません。日本郵政グループは、公益性を求められる中で経営の自由度が付与されておらず、特に、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は、新規業務を行うために金融庁や総務省による認可が必要となっております。株式を五〇%以上売却すれば、金融庁や総務省に届出することで新規事業が可能となっておりますが、株価が低迷し、次期株式売却の見通しも立ちにくいだろうと想定をいたしております。  今後の株式売却の見通しについて、総務省日本郵政に見解を問いたいと思います。
  78. 飯塚厚

    飯塚参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、ゆうちょ銀行、かんぽ生命におきましては、郵政民営化法上、日本郵政の保有株式の二分の一以上を処分するまでは、新規業務を行おうとする際に内閣総理大臣総務大臣の認可を受ける必要がございます。他方、二分の一以上を処分した以降は、届出のみで新規業務が可能となるというたてつけとなっておるところでございます。  ゆうちょ銀行、かんぽ生命ともに、これまで株式売出しを実施してきておりまして、現時点において、日本郵政の議決権割合はそれぞれおよそ八九・〇%と六四・五%となっているところでございます。今後につきましては、金融二社の経営の自律性、自由度を広げる観点から、保有割合が五〇%程度となるまで、できるだけ早期に、段階的に売却していきたいと考えております。  具体的な売却時期や規模等につきましては、現時点で申し上げることは難しいわけでございますが、郵政民営化法の規定の趣旨を踏まえ、金融二社の経営状況ユニバーサルサービスへの影響、グループの一体性確保、当社の資金需要、連結業績への影響、市場の動向等を勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
  79. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  日本郵政が保有するゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の株式につきましては、郵政民営化法において、両社の経営状況ユニバーサルサービス責務の履行への影響などを勘案しつつ、できる限り早期に処分することとされておりまして、日本郵政がその経営判断により処分を進めていくこととなるものでございます。  日本郵政グループにおきましては、次期中期経営計画の基本的考え方の中で、日本郵政が保有する金融二社の株式につきましては保有割合を五〇%程度とし、新規業務の事前届出制への移行を目指すこととされておるところでございます。  総務省といたしましては、日本郵政グループがユニバーサルサービスを今後とも安定的に提供するとともに、利用者利便や企業価値の向上にしっかりと取り組むことによりまして、早期に株式の処分ができる環境が整うことを期待しておるところでございます。
  80. 松田功

    松田委員 コロナ禍において、マスクの全戸配布や特別定額給付金にかかわる郵便配達など、そこで懸命に働いている人たちのおかげで、このユニバーサルサービスを持続していくことの重要性が再認識されることができました。  また、今後、デジタル分野に力を入れていただいて、国民、利用者の利便性向上や、また地域社会へ貢献するための新たなビジネスモデルをぜひ確立していくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  81. 石田祝稔

    石田委員長 次に、道下大樹君。
  82. 道下大樹

    ○道下委員 立憲民主党の道下大樹です。  きょうは、この質問の機会をいただきまして、石田委員長を始め、皆様に感謝申し上げます。  武田大臣、どうぞよろしくお願いいたします。また、きょうは日本郵政から諫山常務、お越しいただきまして、ありがとうございます。  質問に入ります前に、コロナ禍において懸命に働く全ての方々に心より感謝を申し上げたいというふうに存じますし、エッセンシャルワーカーであります郵便局郵政事業で懸命に働く方々に対しても、昼も夜も、猛暑の中も、雨や風、雪の中も、ユニバーサルサービスを提供していただいていることに改めて感謝を申し上げます。  そんな郵便局郵政事業で働く方々やその御家族に対して、コロナによるいわれなき偏見や誹謗中傷、差別は絶対に許してはならないと思います。そうした誹謗中傷などの撲滅に私もしっかりと取り組んでまいりたいと思っておりますし、総務省日本郵政グループからの強力なメッセージ発信など、対策を心からお願いをいたします。  それでは、郵便法改正案について、以下数点伺いたいと思います。  まず、新型コロナウイルス感染症対策、特に内務深夜帯勤務者の三密対策について伺いたいと思います。  今回の郵便法改正の背景として、深夜の区分作業時間帯を中心に、三密となっている労働環境を早期に改善させる必要があるとしていますけれども、この郵便法改正案が成立したとしても、法の施行は法改正の六カ月後、そして見直しは早くとも来年秋以降の実施というふうに聞いているんですけれども、それでよろしいでしょうか。総務省及び日本郵政に伺いたいと思います。  また、その間、内務深夜帯勤務者、つまり夜の区分、区分けをする作業をされる方々のためのコロナ対策というのは今後どのように強化する予定なのか、日本郵政に伺いたいと思います。
  83. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  本法案は、今回の改正内容に係る施行日につきまして、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としてございまして、具体的な施行日につきましては、関係省令の整備などの準備行為の進捗状況を見つつ判断してまいりたいと考えてございます。
  84. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  郵便法改正に伴います郵便制度の見直し改正につきましては、法律の施行を待ちまして、十分な周知期間と社内の準備期間を設けた上で、できるだけ速やかに実施したいというふうに考えております。  それまでの間ということでございますけれども、新型コロナウイルス感染症予防対策につきましてお答え申し上げたいと思います。  本年六月に基本的対応方針を定めまして、内務深夜帯勤務者も含めまして、マスクの着用、手洗い、消毒の実施を行うこと、レイアウトを調整いたしまして社員同士の距離を確保すること、あるいは社員の健康管理、あるいはPCR検査受検、判明時の報告を徹底することなどの取組を行っておりますほか、マスク、アルコール消毒液の配備等に取り組んでいるところでございます。  特に、先生御指摘の区分作業を行います郵便局でございますけれども、配達をする郵便局ごとに区分作業等を深夜帯に集中して行うことから、その作業に携わる人数も多くなる環境にございます。このため、改正前の期間におきましても、先ほど申し上げました取組を徹底することに加えまして、例えば社員通用口に体温測定機器を設置、導入するなど、新型コロナウイルスの感染防止を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  85. 道下大樹

    ○道下委員 この郵便法改正案は、当初は去年、一年前に出される予定だったというふうに伺っておりますので、コロナのためのということは後づけなんですね。だから、私は、コロナ対策は、何とか今までも取り組んでこられたと思いますけれども、本当に今全国で拡大しておりますので、これはしっかりと取り組んでいただきたい。  そして、今回、今は深夜帯勤務者の方々のことでの質問でございましたけれども、全国的に本当に増加しておりまして、私の地元の札幌市内の郵便局でもコロナ陽性者が出ております。  このコロナ対策強化というものは喫緊の課題だと思っております。深夜帯の業務だけではなくて、昼間帯、昼間働いている方々の三密対策はこれまでも、先ほども御説明ありましたけれども、ぜひ今後また追加の強力な対策が必要だと思うんですけれども、その点についてはどのようにお考えなんでしょうか。
  86. 諫山親

    諫山参考人 新型コロナウイルス感染症が拡大する状況の中で、お客様と社員の安全を確保することが極めて重要だというふうに認識をしております。  このため、先ほど内務深夜帯勤務者に関する答弁で申し上げた施策に加えまして、電話会議あるいはオンライン会議の活用、あるいはお客様に確認した上での非対面配達の実施、あるいは窓口カウンターへのビニールシートの設置などに取り組んできているところでございますけれども、更に追加対策といたしまして、非接触型体温計の追加配備等、取組を実施することとしております。  今後とも引き続き、安心してお客様に郵便局を御利用いただき、また社員に安心して働いてもらうことができるように、感染予防対策の徹底に努めてまいりたいというふうに考えます。
  87. 道下大樹

    ○道下委員 社員の方々が安心して働けるように、そしてお客様が安心して郵便局郵便事業を利用できるようにしていただきたいと思いますが、この対策が、一方で、働いている皆様にプレッシャーとならないように、働いている方々や家族が、かかっちゃいけない、かかっちゃいけない、迷惑をかけてしまうということでプレッシャーになっていると思うんです。これは郵便事業以外の多くの産業でもそうだと思いますので、余りプレッシャーをかけないような対策をぜひよろしくお願いいたします。  次に、郵便法改正の背景について伺いたいと思います。法改正と働き方改革についてです。  そもそも、今回の郵便法改正では、働き方改革への対応が喫緊の課題とされていますけれども、この法改正をすることによりどのような働き方改革につながるのか、総務大臣から具体的なお考えを伺いたいと思います。  あわせて、私の地元北海道など降雪地域では、過酷な労働環境から、冬の期間の配達などの労働力不足は更に深刻化しております。どのように働き方改革を実行し労働力を確保しようと考えているのか、これは日本郵政さんから伺いたいと思います。
  88. 武田良太

    武田国務大臣 今回の法改正配達が週六日から五日になったということは、これは負担軽減につながるということは御理解いただけると思います。土日の配達業務が休止、送達日数が緩和、深夜の区分業務が不要、こうしたことを通じて労働環境や人手不足の改善に資するもの、このように考えております。  こうした改革が進むことによって、社員のワーク・ライフ・バランスの改善や地域活動への参加が促進されることになると考えております。
  89. 諫山親

    諫山参考人 現在週六日配達を行っておりますが、これを週五日配達にすることによりまして、普通扱いの郵便物を土曜日に配達するために出勤している社員約五万五千人のうち、約四万七千人が平日の業務等に再配置可能となる見込みでございます。また、郵便物の仕分業務のために夜間、深夜帯の勤務に配置している社員約八千七百人のうち、約五千六百人が昼間帯の業務等に再配置可能となる見込みでございます。  今回の郵便制度改正は、このような働き方改革を進め、また、既存の要員の配置を工夫し見直すことを可能とするものでございまして、これによりまして、人手不足に対応しつつ、郵便サービスの安定的な提供に資することができるようになるものと考えております。
  90. 武田良太

    武田国務大臣 先ほどの答弁で、土曜日の配達業務が休止のところを、土日というふうに、私が。訂正させていただきたいと思います。
  91. 道下大樹

    ○道下委員 大臣の御答弁、いろいろありましたけれども、私は、深夜帯の仕事は重要な、ある意味でこれは不必要ではなくて必要な仕事だと思っておりますし、アンケート調査では、土曜日にもぜひ届けていただきたいなという個人の方もいらっしゃるので、そういったことも含めれば、今回のサービスの若干の縮小というのは残念だなというふうに思っております。  今お話ありました深夜帯勤務者の方々のことでありますけれども、先ほど来議員皆さんが質問して、御答弁いただいておりますけれども、深夜から昼間帯に勤務をシフトされる方々に対して丁寧な説明を行うというふうにお話がありました。  十分丁寧な説明をしていただきたいと思うんですが、私は、激変緩和をぜひとっていただきたいと思っておりますし、深夜勤務から昼間に変わる方々のみならず、昼間働く方々含めて全ての方々の賃上げをぜひしていただきたい。これは民間会社ですから本当に大変かもしれませんが、私はそのように思っておりますので、人件費が削減された、それは、収支、何とか赤字の穴埋めには必要かもしれませんが、それだけではなくて、人件費をカットできた分はそれを更に人件費にも回していただくように、御尽力をよろしくお願いしたいと思います。  次に、同一価値労働同一賃金について伺いたいと思います。  郵政民営化以降、正社員と比べて安い労働力として、いわゆる非正規社員、期間雇用社員を採用し続けてきたと容易に推察できます。いただいた資料でも、特に日本郵便の全体の社員数は三十二万五千人、そのうち郵便・物流事業セグメントは約二十万人で、正社員、非正規社員、これは十万人ずつということで、一対一ということであります。これは全然民営化されてから変わらない状況で、私は正社員をふやしているかなと思ったんですけれども、全然ふえていないんですね。  こうした中で、ことし十月十五日に、日本郵便に係る労働契約法二十条最高裁訴訟の裁判がありまして、正社員と期間雇用社員の労働条件の相違が一部不合理であるとの判決が言い渡されました。この判決結果でわかりますように、期間雇用社員を安い労働力として位置づけてはならないということなんです。  正社員はもちろん、期間雇用社員であってもしっかりと雇用を維持し、処遇や労働条件は、コロナ禍においても懸命に働いている労働価値に見合った処遇に引き上げないといけないと思います。数多くの期間雇用社員を雇用している日本郵便、そしてグループを束ねる日本郵政は同一価値労働同一賃金の具現化をどのように行っていくのか、伺いたいと思います。  また、総務省としてどのように指導監督していくのか、総務大臣に伺いたいと思います。
  92. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  正社員と期間雇用社員の労働条件につきましては、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、職務内容及び配置の変更の範囲等の違い、こういったものを踏まえまして、労働組合との交渉に基づき定めているところでございます。  ただ、期間雇用社員につきましても、正社員と同様に事業運営に不可欠な重要な戦力でありまして、モチベーションアップの観点から、これまでもその処遇改善に努めてきたところでございます。  これまでの具体的な取組を申し上げますと、正社員登用の実施、法施行に先んじた無期転換制度の導入、基本賃金、一時金等の改善、休暇、休業制度の充実、福利厚生サービスの内容拡充など、こういったものでございまして、各種労働条件の改善を行ってきているところでございます。  今後とも、各社の経営状況を踏まえまして、同一労働同一賃金の観点にも留意しながら、労働組合との交渉を通じまして、期間雇用社員の処遇改善に努めてまいります。  また、先ほど御指摘ございました、先般、日本郵便に係る労働契約法二十条裁判の最高裁判決におきまして、一部、労働条件の差異が不合理であるという旨の判決が出されたところでございます。  会社といたしましては、この問題の重要性に鑑みまして、当該判決内容を踏まえ、速やかに労使交渉を進めまして、必要な制度改正について適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  93. 武田良太

    武田国務大臣 御指摘の十月の最高裁判決を受けた非正規職員の処遇改善につきましては、日本郵政グループにおいて、速やかに労使交渉を進め、必要な制度改正について適切に取り組んでいくものと認識をしております。  総務省としては、労使での十分な対話を通じて、日本郵政グループの社員がどのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるよう、同一労働同一賃金の実現に取り組んでいただくことで、ユニバーサルサービスの安定的な提供を行っていただきたいと考えております。
  94. 道下大樹

    ○道下委員 先ほど、正社員の件や期間雇用社員の方々の話もありました。そして、非正規から正規への登用制度もあるというふうに伺っておりますけれども、これは結構倍率が高いんですね。  私は、正社員ではなく期間雇用で働きたいというニーズもあるのは十分承知しております。でも、そうした方々のニーズを奪うことはあってはならないんですけれども、やむを得ず期間雇用で働いて、でも正社員になりたいと頑張って働いている方も数多くおられるというふうに伺っております。ぜひ、こうした登用制度も含めて、将来にわたって労働力を確保し、安定的にユニバーサルサービスを維持していくためにも、私は正社員をふやしていくべきではないかなと考えるんですが、総務省及び日本郵政の見解を伺いたいと思います。
  95. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 ユニバーサルサービスを担う職員といたしまして正社員をどの程度採用するかにつきましては、日本郵便株式会社の経営判断事項でございますので、日本郵政グループにおいて検討すべきものと考えてございます。  総務省といたしましては、日本郵便の社員がその意欲や能力を十分に発揮する環境を整えることで、ユニバーサルサービスの安定的な提供を行っていただきたいと考えてございます。
  96. 諫山親

    諫山参考人 正社員と期間雇用社員につきましては、それぞれ期待される役割を定めまして、それに基づくあるべき配置領域及び配置数を決定しているところでございます。  正社員につきましては、各業務の中核としての役割を期待しておりまして、その中で、役職者等になる者につきましては、各業務の責任者として業務運行管理等に従事することとしております。また、期間雇用社員につきましては、正社員配置領域以外の主に定型的な業務に従事することとしております。  ただ、安定的な業務運行を確保した上で、将来にわたり郵便サービスの安定的な提供を確保するためには、一定の正社員数の確保は必要不可欠というふうに考えております。  このため、正社員の確保に当たりましては、新規採用だけではなく、委員御指摘の、期間雇用社員の希望や働きぶりに応じまして正社員への登用も毎年きちんと実施していくなど、引き続きその確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  97. 道下大樹

    ○道下委員 ぜひとも、ユニバーサルサービスを支えていく、やはりそれは人だと思いますので、安定した雇用の中での、私は正社員の雇用をふやしていくということをぜひ進めていただきたいと思います。  時間が来てしまいました。内藤自治財政局長、済みません、用意していただきましたのに。次回とさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  98. 石田祝稔

    石田委員長 次に、本村伸子君。
  99. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党、本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、先ほども御議論がございましたけれども、最高裁判決の関係で伺いたいというふうに思います。  日本郵政グループは、先ほどもお話がありましたように、大変非正規雇用が多い会社となっております。日本郵政は非正規社員の方々が五六・三%、日本郵便は四八・八%が非正規雇用の方々でございます。  老後のことも含めまして、貧困をなくすためにも、非正規の方々の処遇改善、先ほども正社員化ということもありましたけれども、この対策は急務だというふうに思っております。  厚生労働省は、法律に基づいて、短時間の方やあるいは有期雇用労働者、派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針を出しております。ことし四月から大企業には法施行がされております。  同一労働同一賃金の実現ですとか、あるいは不合理な待遇の禁止、均等待遇などという場合に、正社員の労働条件を下げて非正規と合わせるというのであれば、非正規の方々の待遇は一向によくならないということになりますし、労働者、日本の労働者全体として労働条件が悪くなってしまうということになるかというふうに思います。  同一労働同一賃金、均等待遇というときに、正規の労働条件を下げて非正規の労働条件に合わせるということがあってはならないというふうに思いますけれども、まず厚生労働省にお伺いをしたいと思います。     〔委員長退席、國重委員長代理着席〕
  100. 富田望

    富田政府参考人 お答え申し上げます。  同一労働同一賃金の趣旨でございますけれども、非正規雇用労働者の待遇改善でございます。御指摘のような正社員の待遇の引下げではなく、不合理に近くなっている方の待遇の改善を図るべきものと考えております。  同一労働同一賃金への対応といたしまして、正規雇用労働者の待遇を引き下げようとするなど、労働条件を不利益に変更する場合、労働契約法上、原則として労使双方の合意が必要となります。また、労使で合意することなく就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合は、労働契約法の規定に照らして合理的な変更でなければならないとしております。  このため、同一労働同一賃金に対応するために、各社の労使で合意することなく正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とは言えない旨、同一労働同一賃金ガイドラインにおいても明示しております。  いずれにいたしましても、各企業において処遇の体系について労使で話し合っていただくことが重要でありますが、非正規雇用労働者の待遇改善が実現されるよう、来年四月の同一労働同一賃金に関する法律の全面施行に向けて、企業への周知、支援を行ってまいりたいと考えております。     〔國重委員長代理退席、委員長着席〕
  101. 本村伸子

    ○本村委員 今、日本郵政の社長も日本郵便の社長さんも聞いていただいたというふうに思うんですけれども、大きな企業がやはり範を示さなければならないというふうに思います。  正規労働者の労働条件を下げて非正規労働者の労働条件に合わせるのは望ましくないというふうに言われているわけですから、当然、日本郵政グループは望ましくないというやり方はやらないということを社長にお約束いただきたいというふうに思います。
  102. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  正社員と期間雇用社員の労働条件は、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、職務内容及び配置の変更の範囲等の違いを踏まえて、労働組合と交渉に基づき定めているところでございまして、これまでも、重要な戦力でございます期間雇用社員について、モチベーションアップの観点からその処遇改善に努めてきたところでございます。  今後とも、各社の経営状況、御指摘のございました指針等、同一労働同一賃金の観点にも留意しながら、労働組合との交渉を通じて期間雇用社員の処遇改善に努めてまいります。  また、先般、日本郵便に係る労働契約法二十条裁判の最高裁判決におきまして、一部、労働条件の差異が不合理である旨、判決が出されたところでございまして、会社としても、この問題の重要性に鑑みて、当該判決内容や政府の指針も踏まえて、速やかに労使交渉を進め、必要な制度改正について適切に取り組んでまいります。
  103. 本村伸子

    ○本村委員 法の趣旨からして望ましくないと言われていることを、大きな企業であり、そして国が株を持っている日本郵政グループがやるべきではないということを強調させていただきたいというふうに思います。  この強調させていただく背景には、日本郵政が二〇一八年度から、一般職の方々などの住居手当を段階的に減らしていく、年末年始手当、年末の廃止ですとか年始は三日のみなど、正社員の労働条件を引き下げるということをいたしました。正社員の労働条件をもとに戻して、非正規の方々の労働条件を引き上げるべきだということも強調させていただきたいというふうに思います。  先ほど来御議論がありましたように、日本郵便の非正規雇用である有期雇用社員の方々の格差の是正を求める訴訟で、最高裁判決が十月十五日に出されました。最高裁は、住宅手当、扶養手当、有給の病気休暇、そして夏季、冬季休暇、年末年始の勤務手当、年始期間の祝日割増し賃金が日本郵便の正社員にあって期間雇用社員にないのは不合理で違法、日本郵便は旧労働契約法二十条に反する不法行為というふうにして、賠償を認める判決を言い渡しました。  おかしいことに対してはおかしいというふうに声を上げた原告の皆様や関係者の皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。  有期雇用社員の皆様と、裁判で闘ってこられた郵政ユニオンの皆様方は、最高裁判決を受けて、日本郵便に対して、全ての非正規労働者に対して未払い分の手当、休暇の賃金相当額の支払いを行うことや、あるいは、最高裁判決に認めた手当、休暇の各事項について、二〇一三年四月以降の未払い分と休暇について賃金相当額の支払いについて求めておられます。また、就業規則、給与規程の改定や、最高裁判決が認めた賠償や手当、休暇制度は、時給制の契約社員、月給制の契約社員、無期転換した社員、高齢再雇用社員にも適用されるべきこと、そして、請求期間中に在職し退職した社員も支給の対象とすることなどを求めておられます。  日本郵便日本郵政がやはり社会的な責任を果たして、格差をなくすために、こうした要求を実現して均等待遇を実現するべきだというふうに思いますけれども、いま一度、今度は日本郵便の社長さんにお願いしたいと思います。
  104. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えを申し上げます。  先ほど、日本郵政増田からもお答えを申し上げましたけれども、この問題の重要性に鑑み、当該最高裁の判決の内容や政府の指針を踏まえ、速やかに労使交渉を進め、必要な制度改正について適切に取り組んでまいりたいと、同様に考えてございます。
  105. 本村伸子

    ○本村委員 日本郵便が違法行為を行っていたということが最高裁から認定をされました。そのことを重く受けとめていただいて、働く人を本当に大切にする企業に生まれ変わっていただきたいというふうに思います。  先ほども非正規がかなり多いというお話をさせていただきましたけれども、恒常的に仕事があるのに、六カ月で区切って有期雇用にしていることがそもそもおかしいというふうに思います。働く人を使い捨てにするようなことがあってはならないと思います。正社員登用というものをもっと進めていくべきだというふうに思っております。  労働条件にかかわる問題はまた後でさせていただきたいというふうに思うんですけれども、もう一つの大問題でございます、かんぽ不正の問題について伺いたいと思います。  結局、このかんぽ不正の問題、被害総額は幾らで、幾らお返しして、そのお金はどこから出したのか、お示しをいただきたいと思います。
  106. 市倉昇

    市倉参考人 お答え申し上げます。  昨年度からことしの九月末の累計額について申し上げます。  今回の不適正募集に関しましては、お客様の利益を回復するために、御解約等、お客様へお支払いをしたもの、また、こちらも、お客様の利益を回復するために、復元等の行為を行い逆に当社へお支払いをいただいたものと、二種類ございます。こちらを合わせまして相殺をいたしまして、かんぽ生命がお支払いをした金額は約六百三十億円でございます。  お客様へのお支払い等に当たりまして、かんぽ生命におきましては、生命保険会社でございますので、将来の保険金のお支払いに備えて積み立てている準備金がございます。かんぽ生命におきましても、過去にいただきました保険料をもとに積み立てていた準備金、こちらの方を四百五十億円取り崩して充当をいたしております。
  107. 本村伸子

    ○本村委員 お話をお伺いいたしますと、まだ返していない方々もいらっしゃる、一割ぐらいは残っているというお話も聞いております。  それで、具体的に知りたいということで、各地域の、例えば愛知県、岐阜県、静岡県、三重県の東海エリアでは被害はどのくらいあるのか、局ごとに示してほしいというふうに申し上げましたら、それはまだ出せる段階ではないというふうに言われております。  日本郵政の社長にお伺いをいたしますけれども、不正の事案ごと、不適切な事案の種類ごとに、被害者の都道府県別、局ごとの人数の資料を提出していただきたいと思いますけれども、お願いいたします。
  108. 増田寛也

    増田参考人 お答えを申し上げます。  ただいま委員御指摘の数値につきましては、都道府県単位での管理は行っていないところでございまして、不適正募集の支払い金額について全国規模で集計をしております。先ほどの答弁でございますが、地域ごとの集計は考えてございません。  そして、不適正募集に関与した募集人の数については、社員の異動もございますので局ごとの集計は考えておりませんが、一定のエリア単位での分析及び集計の必要性は認識をしております。  いずれにいたしましても、現在、調査の途上でございますので、調査が終了したところで、どのような集計を行い、提示すべきかを含め、検討をさせていただきます。
  109. 本村伸子

    ○本村委員 ぜひ提出をしていただきたいというふうに思います。  このかんぽ不正の問題は全容がまだ解明をされておりませんし、被害者全員の救済もできていない段階でございます。そもそもこの郵便法の改定については、日本郵政グループがかんぽ不正をやっており、そしてNHKに圧力をかけていた時期に要望されてきたものでございます。まだこのかんぽ不正の問題も決着がついていない、是正ですとか、あるいはやらせていた管理職の人たちはどうするのかということもはっきりしていないという中で、増田社長も「すべてを、お客さまのために。」ということでパンフレットなども出しておられますけれども、そういう中でユニバーサルサービスをカットするというのは二重、三重におかしいのではないかというふうに思うんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  110. 武田良太

    武田国務大臣 かんぽ生命保険の不適正募集の問題についてであります。  日本郵政グループにおきまして、十月の五日から信頼回復に向けた業務運営として既存顧客へのおわび訪問を開始し、国民の皆様の信頼回復に努めており、また、不利益を受けた顧客の権利回復も進展をしているところと承知をしております。  このような状況に鑑みまして、デジタル化の進展や働き方改革などの社会環境の変化、利用者ニーズの変化、特に最近のコロナ禍による郵便物数の急激な減少などを踏まえ、郵便サービスの将来にわたる安定的な提供を維持するために必要であることから、本法案を提出させていただきました。
  111. 本村伸子

    ○本村委員 民営化を進めるさまざまな矛盾が出ているというふうに思いますけれども、ぜひ大臣にはユニバーサルサービスを守る立場に立っていただきたいというふうに思うんです。  郵政民営化法案の際に参議院の附帯決議がつけられております。「一、」の部分、ユニバーサルサービスについての部分を御紹介いただきたいと思います。総務省にお願いいたします。
  112. 佐々木祐二

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の附帯決議の最初の事項でございますけれども、   国民の貴重な財産であり、国民共有の生活インフラ、セーフティネットである郵便局ネットワークが維持されるとともに、郵便局において郵便の他、貯金、保険のサービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期すること。   簡易郵便局についても郵便局ネットワークの重要な一翼を構成するものであり、同様の考え方の下で万全の対応をすること。 でございます。
  113. 本村伸子

    ○本村委員 附帯決議には、現行水準が維持され、万が一にも国民の利便に支障が生じないよう万全を期すことというふうになっておりますけれども、今回、郵便法では、送達原則三日以内、送達頻度が週六日以上という規定が、原則四日以内、そして送達頻度も週五日以上というふうに、実質的にはユニバーサルサービスが後退をするという内容になっております。  大臣認識をお伺いしたいんですけれども、郵便ユニバーサルサービスの確保ということをよく政府も言われるんですけれども、そこには水準の確保、ネットワークだけではなくて水準の確保というのも含まれているのではないかと思いますけれども、御認識を伺いたいと思います。
  114. 武田良太

    武田国務大臣 郵便法では、ユニバーサルサービスとして、郵便の役務をなるべく安い料金であまねく公平に提供することとされております。日本郵政公社の発足時の整理によれば、ユニバーサルサービス水準については、将来の社会経済動向またニーズ動向などを踏まえ、適宜見直しが図られるべきものとされております。
  115. 本村伸子

    ○本村委員 二〇一五年のユニバーサルサービスの現状についてという資料も出させていただいておりますけれども、そこには配達にかかわる部分も書かれているわけでございます。  二〇一五年の郵便法信書便の議論の際に、ユニバーサルサービスについて高市大臣は、文書における通信手段であります信書便の送達という事業は、国民の思想、表現の自由に密接なかかわりを持っておりますし、大変重要な分野だ、基本的な通信手段としてきっちりユニバーサルサービスを確保すること、憲法で保障された通信の秘密を保護するという観点がございます、夏に出てくる答申、これをしっかり踏み込んで、ユニバーサルサービスを確実にキープしていくための方策について総務省としてもしっかり取組を進めてまいりますと答弁をされておりました。  そして、別の答弁でも高市大臣は、信書送達というのは国民の基本的な通信手段として非常に大切な、夏の答申を待ってしっかりとユニバーサルサービス確保のために必要な対応をしてまいりますというふうに述べておられました。  二〇一八年の郵政事業ユニバーサルサービス確保に関する議論の際には、郵便ユニバーサルサービスの維持について私が質問したことに対して野田大臣は、ユニバーサルサービス日本郵便収益力の強化やコストの削減などの経営努力により提供していくことが基本、総務省としても引き続き日本郵便取組状況をしっかりと注視してまいりますというふうな答弁をされました。  結局、今回のユニバーサルサービスの後退というのは、分社化をして、そして民営化を進めてきた結果ではないのか、日本郵便収益力の強化ですとかコスト削減に任せてきたその結果ではないのかというふうに思うんですけれども、大臣の御認識を伺いたいと思います。
  116. 武田良太

    武田国務大臣 郵政民営化の趣旨を踏まえれば、郵便ユニバーサルサービスというものは、日本郵便の経営努力により提供していくことが基本だというふうに私どもは考えております。  今般の法改正については、デジタル化の進展による郵便物数の減少傾向、また労働力確保の観点からの働き方改革への対応など、郵便に対するニーズの変化、社会環境の変化を踏まえて必要となったものであります。
  117. 本村伸子

    ○本村委員 結局、分社化をして、民営化を進めて、ユニバーサルサービスは後退しているというわけでございます。  人手不足の問題についてもお伺いしたいんですけれども、二〇一九年九月の情報通信審議会の答申では、こうした状況、運輸・郵便業界は、人材確保が非常に厳しい状況は数年にわたり継続しており、日本郵便では人手不足が常態化しているというふうに書かれております。  二〇一五年六月の郵便法等の改定の質疑の中で、吉良よし子参議院議員が春闘のアンケートを挙げて、職場への不満、不安として断トツで要員不足が挙げられていることを指摘をしてまいりました。しかし、日本郵政常務執行役の壺井さんは、郵便・物流業務の運行に必要な要員は絶対確保しないといけない、必要な要員数はおおむね充足できているというふうに答弁をされました。  二〇一八年六月、私も質問をさせていただきました。日本郵便が非正規雇用の労働者を六十五歳で一律雇いどめにした問題で、低い賃金で働かされて退職後の暮らしが本当に大変になっている問題を取り上げて、引き続き働けることができるようにすることですとか、人員の確保の努力をするべきだというふうに申し上げました。これに対して、日本郵政の常務執行役の谷垣さんは、人手が足りないというよりも、現在の要員で超勤等を使ってやりくりしている、今後の状況等を踏まえ、労働政策について考えていきたいというふうに答弁をされました。  二〇一八年の私に対する日本郵便のレクチャーのときも、人手不足ということはお認めになっておられませんでした。  人手不足が常態化という認識は、いつ、どのような状況日本郵便としては認識をしたのか。郵便の内勤と外勤、そして荷物の内勤と外務でそれぞれお答えいただきたいと思います。
  118. 諫山親

    諫山参考人 日本郵便といたしましては、荷物と郵便物配達要員によります相互応援などによりまして、現状、総体としては何とか必要な労働力を確保しているところでございますけれども、安定的な業務運行確保のために、業務量に応じて超過勤務や非番、週休出勤での対応も行っている現状にあるというふうに認識しております。  郵便物や荷物の取扱数につきましては、郵便物は減少する一方で、荷物につきましてはEコマース需要により増加傾向にあるところでございますけれども、特に、外務の配達社員につきましては、運転免許等の資格が必要であることもあり、その安定的、継続的な確保が大きな課題となっているというふうに認識をしております。
  119. 本村伸子

    ○本村委員 実態は、人手が足りていないのに経営判断として人をふやすことをちゃんとやらずに、足りない矛盾を超勤とか休日の出勤を押しつけてやってきたということだというふうに思うんです。  この日本郵便責任についてはどのようにお感じになっておられますでしょうか。
  120. 諫山親

    諫山参考人 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現状といたしましては、総体として何とか必要な労働力は確保しているものの、安定的な業務運行確保のために、業務量に応じて超過勤務や非番、週休出勤での対応も行っているところでございます。  しかしながら、近年の労働力需給の逼迫、あるいは将来の生産年齢人口の減少の見込みを踏まえますと、将来的にはますます労働力の確保が困難になることが予想されております。  このため、業務量に応じた安定的、継続的な労働力の確保、要員配置が経営課題、重要な経営課題であるというふうに認識をしております。  このため、現状におきましても、正社員につきまして必要数の確保に尽力しておりますほか、期間雇用社員につきましても、地域ごとの状況を踏まえた募集活動や、定着に向けた取組を行ってきているところでございます。  引き続き、業務量の動向を踏まえつつ、必要な労働力の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  121. 本村伸子

    ○本村委員 総体的ということでごまかしてはいけないというふうに思うんです。  ずっと現場の皆さんからは人手が足りないということを声を上げてこられたのに、誠実に向き合わなかったわけでございます。現場の働く方々の声を本当に大事にするべきだというふうに思います。  今回の法改定では、木曜日に出した郵便物が、今は金曜日に着くんですけれども、月曜日に着くということになってまいります。月曜日に荷物が集中するのではないかということが心配をされているんですけれども、月曜日の増員についてはどのように対策をとるんでしょうか。
  122. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  現在でも月曜日の配達は、他の曜日と比べまして配達物数が多いところから、各郵便局におきまして配達担当者を増配置して対応しているところでございます。  委員御指摘のとおり、今回の郵便制度改正によりまして、現在よりも月曜日の配達物数の増加が見込まれておりますので、それを考慮した上で、月曜日の配達担当者の増配置を計画していくという予定でございます。
  123. 本村伸子

    ○本村委員 しっかりと人をつけるべきだというふうに思います。  今回の法改定ではまた、夜勤を前提とする郵便の翌日配達は、書留ですとか速達等に絞ることとなってまいります。  先ほど総体的に人は足りているというふうに、確保していると言っていたんですけれども、一方で、雇用必要数と確保数が慢性的に乖離、募集に対して応募が半分程度しか集まらず、特に夜勤、深夜勤の内務作業担当の確保が困難という状況日本郵便が訴えられ、そして答申にも触れられているわけでございます。  夜勤、深夜勤は非常に過酷なものですから、よほどの条件でなければ応じられないというふうに思うんです。  民営化に向かう公社のときに、仮眠時間もなくして労働時間を短縮する一方で、四日連続の勤務も行えるようにする、そういう深夜勤(ふかやきん)制度を導入したりしておりまして、働く人たちの暮らしとか健康に重大な影響をこれまでも与えてきたわけでございます。  日本郵便郵便事業効率化をより過酷な夜勤で進めてきた経営姿勢が問題だったというふうに思っております。働き方改革ということを言うわけですけれども、本当に労働条件がよくなるのかということも見ていかなければならないというふうに思います。ユニバーサルサービスを削って荷物の方に人をシフトさせるというのは経営の都合ではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  124. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  今回の郵便制度改正によりまして再配置可能となる要員につきましては、一部、人手不足により郵便分野に残る部分もございますけれども、他の多くは今後成長が見込まれる荷物分野へ再配置することを考えているところでございます。  この取組につきましては、これから伸びていく荷物分野における事業の拡大を目指すことによりまして、会社全体としての経営基盤の強化を図ることによりまして、反射的な利益として郵便サービスの将来にわたる安定的な確保も可能になるということで考えているところでございます。
  125. 本村伸子

    ○本村委員 次に、深夜勤務をされている人のうち、非正規はどのくらいの割合でしょうか。内勤、外務、それぞれトータルでお示しをいただきたいと思います。
  126. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  深夜帯におきまして郵便物の区分作業等に携わる社員につきましては、現在、全国で一日当たり約八千七百人配置しているところでございます。内訳といたしましては、正社員が約二千人、期間雇用社員が約六千七百人となっております。
  127. 本村伸子

    ○本村委員 非正規の方々が七七%、深夜勤務で支えてくださっていたのだというふうに思います。  資料の三に日本郵便の資料を出させていただきましたけれども、内勤の深夜勤務帯における郵便の区分業務等の担当社員、先ほど言われた八千七百人のうち、三千百人は速達、書留、発着処理の深夜勤務帯に残すということです。五千六百人のリソースの再配置が可能とありますけれども、郵便と荷物の昼勤にそれぞれ何人ずつ再配置するのか、そして荷物の深夜勤に何人再配置する予定なのか、お示しをいただきたいと思います。
  128. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、約八千七百人のうち、再配置可能な人数は約五千六百人と見込んでいるところでございます。  この内務の深夜勤帯勤務者の昼間帯の業務等への再配置につきましては、荷物の増加状況、それから郵便物大型化の動向、社員の意向等を踏まえまして決定していく予定でございますことから、現時点におきまして業務ごとの再配置予定人数を申し上げることはできないところでございます。
  129. 本村伸子

    ○本村委員 そういうお答えでは、本当に働き方改革になるのかということがわからないわけでございます。結局、荷物の深夜帯の方に行くということになれば、働き方改革という面でも問題だというふうに思っております。  八千七百人の内訳のうち、期間雇用社員が六千七百人、七七%ということで、大変な業務を支えてこられた働く人たちが、この法案を機に仕事を失うということがあっては絶対にならないというふうに思いますし、給与が削減されるなどを招かないためにも慎重な対応が必要だというふうに思っております。  生活を成り立たせるために深夜で働かざるを得ない非正規の方々がいるわけですけれども、そういう方々を含め働く人たちの手取りを減らしてはなりませんし、手取りを減らさない方策をとらないといけない、そして、仕事を失うことがないようにということをぜひお約束いただきたいと思います。日本郵便の社長にお願いしたいと思います。
  130. 衣川和秀

    衣川参考人 先生御指摘のとおり、現在の働き方を前提として生活設計をしている社員の方の中には、引き続き深夜帯の勤務を希望する非正規社員の方もいると認識をしておりまして、あらかじめ意向確認を行った上で、希望する方については深夜帯の荷物や速達等の担務へ配置するなど、雇用にかかわることがないよう一定の時間をかけて丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。  また、深夜帯から昼間、昼間帯にシフトする場合に夜勤手当が支給されなくなる点につきましては、意向確認時に丁寧に説明をしてまいりたいと考えてございます。
  131. 本村伸子

    ○本村委員 仕事を失うことや手取りが減るようなことはあってはならないというふうに思いますので、そこの対策はしっかりとやっていただきたいというふうに思います。  人手不足を解消していくというためには、やはり労働条件を引き上げることが必要だというふうに思います。先ほど来御議論がありましたように、正社員で雇用をしていくということが必要だというふうに思っております。  きのうも、インターネットの求人情報で銀座郵便局の時給などを調べさせていただきましたけれども、例えば、自動車による配達等で時給千二百八十円ですとか、あるいは郵便局の窓口スタッフ千四十円ということで、東京の最低賃金は千十三円ですから、最低賃金の本当に際に、ぎりぎりのところにいらっしゃるということで、たとえ時給が例えば千二百八十円としても、千八百時間働いても年間二百三十万円ということで、ワーキングプアなわけでございます。  やはり、正規をふやすということと同時に、非正規の皆様方の労働条件を上げて、賃金をふやして人手を確保するしか方策はないというふうに思うんですけれども、ぜひそれをやっていただきたいと思います。
  132. 諫山親

    諫山参考人 お答え申し上げます。  昨今の労働力市場の情勢から、近隣の他社の雇用単価が上昇するなどいたしまして、期間雇用社員の確保をしづらい地域、これがあることは事実だというふうに認識をしております。  このため、地域ごとに市場環境に対応した時給単価を設定することなどによりまして、必要な労働力確保に努めてきているところでございますけれども、更にこういった取組を強化してまいりたいというふうに思います。
  133. 本村伸子

    ○本村委員 正社員の雇用についてもっと進めていただきたいというふうに思います。  正社員化を進めるというふうには経営計画の中にも書いてあるんですけれども、しかし、いただいた資料の中で、二〇一八年、二〇一九年度を比べてみますと、郵便コースの正社員登用は減っております。また、新規採用も、二〇一八年度、二〇一九年度を比べますと、減っております。  ぜひ、正社員の割合をふやしていく、正社員をふやしていく、そのことをお約束いただきたいと思います。
  134. 諫山親

    諫山参考人 正社員と期間雇用社員につきましては、それぞれ期待される役割を定めまして、それに基づくあるべき配置領域及び配置数を決定しているところでございます。  しかしながら、安定的な業務運行を確保し、ユニバーサルサービスを将来にわたり確保するためには、一定の正社員数の確保は必要不可欠というふうに考えているため、新規採用だけではなく、正社員登用や、必要に応じて中途採用を実施しつつ、必要な正社員数の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  135. 本村伸子

    ○本村委員 労働条件を引き上げることでしか人手不足は解消できないというふうに思いますので、ぜひ労働条件の引上げに全力を挙げていただきたいというふうに思っております。  総務大臣に次にお伺いをしたいんですけれども、サービスの問題に戻らせていただきます。  視覚障害者の方々から、この法案がこの国会で通されようとしていることを知らなかった、国はユニバーサルサービスを守ると言ってきたのに土曜日配達をなくしてしまうのかというお声ですとか、点字出版物を発行している方からは、仕事をしているんだけれども、その点字出版物の納期が土曜日をやめるということで早まったりするんじゃないかという御心配や、また、図書館から図書を借りておられる方は、視覚障害者の方、身体障害者の方いらっしゃるわけですけれども、利用する機会が減ることになるのではないか、障害者の方々郵便については土曜日も配達してほしいというお声をお伺いをしております。  そもそも、この法案をつくるに当たり、障害者の方々のお声を聞いていないというふうに聞いておりますけれども、ぜひ、障害者団体、視覚障害者団体、当事者の方々に広く意見を聞いて、少なくとも障害がある方々が不便になったり料金が高くなるようなことがないように、サービスの後退はさせないように大臣に約束をしていただきたいと思います。
  136. 武田良太

    武田国務大臣 今回の法改正に関する内容を議論した情報通信審議会におきまして、論点整理案と答申案の二回、パブリックコメントを行いました。その中で、障害者団体からの意見提出はございませんでした。  ただ、障害をお持ちの方が低廉な料金の第三種、第四種郵便物を利用されていることは承知をしておりまして、今般の法案は、さまざまな社会環境の変化、郵便に対するニーズの変化等を踏まえ、こうした郵便物を含む郵便サービスを将来にわたり安定的に提供していくために必要な見直しであると考えております。
  137. 本村伸子

    ○本村委員 私どもは、やはりユニバーサルサービスを後退させてはならないということで、一体的、一社体制でやはりユニバーサルサービスを守るべきだ、公的事業体として位置づけるべきだということを改革の提案として提案させていただいております。ぜひ、ユニバーサルサービスをしっかりと守っていくためにも御尽力いただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  138. 石田祝稔

    石田委員長 この際、休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後三時十分開議
  139. 石田祝稔

    石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。足立康史君。
  140. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  きょうは郵政ということです。郵便でございますが、郵政全般について御質問させていただきます。  まず、私は、郵政民営化とその再改正、基本的にうまく機能していない。いろいろな不祥事もありますが、その個々の不祥事に私は関心ありません。しかし、やはりガバナンスとか民営化の趣旨とか、そういうことを考えると、基本的には、郵政民営化の今の法体系はうまく機能していないと、ごめんなさい、勝手に思っていますが。  これは簡単で結構ですが、大臣とそれから郵政の社長、急に私から機能していないだろうと言われても答えようがないかもしれませんが、一言答弁をいただきたいと思います。
  141. 武田良太

    武田国務大臣 十九年の民営化法の成立後、二十四年、郵政民営化法の改正、また三十一年度、郵便局ネットワーク維持の支援のための交付金、拠出金制度に関する制度改正が行われました。  こうした改正を経た現在の仕組みというのは、私としては機能しておると認識をしています。
  142. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  郵政民営化の法体系の枠組みが十分に機能しているかどうかという点については、これは私どもが評価する立場にはございませんけれども、日本郵政グループとしては、民営化に関する法律の枠組みでしっかりと民営化を推進していくのが私どもに与えられた責務である、このように承知をしているところでございます。
  143. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  私が、なぜ機能していないのではないかと僣越な言いがかりをつけているかというと、まず、ちょっとこれは事務方で結構ですが、いわゆる株式の処分、金融会社のですね、銀行と保険、この株式の処分について、経緯と現状がどうなっているかを御紹介いただけますか。
  144. 奈良俊哉

    奈良政府参考人 お答えいたします。  平成二十七年十一月四日、日本郵政、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命の三社が上場しまして、議決権ベースの保有割合につきましては、概数ですけれども、日本郵政の株式は政府が八八%、ゆうちょ銀行の株式は日本郵政が八九%、かんぽ生命の株式は日本郵政が八九%となりました。  次に、平成二十九年九月二十九日に、日本郵政株式の二次売却によりまして、議決権ベースの保有割合につきましては政府が六三%になりました。  さらに、平成三十一年四月二十三日に、かんぽ生命株式の二次売却によりまして、議決権ベースの保有割合につきましては日本郵政が六四%となり、現在に至ってございます。
  145. 足立康史

    ○足立委員 ちょっと私、全部きょう聞けていませんが、既に出ていると思いますが、先日発表があったかと思いますが、これからも、中期経営計画で、その株式の処分は進めていくということでよろしいですね。ちょっと一言、追加をお願いします。
  146. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  先日、中期経営計画の基本的考え方を公表させていただきました。その中にも記載してございますが、法律の規定もそうなってございますので、私どもとしては、保有しております金融二社の株式についてはできるだけ早期にこれを売却していきたい、このように考えております。
  147. 足立康史

    ○足立委員 済みません、それは二分の一以下にするとおっしゃっているんですね。違ったっけ。ちょっと確認だけ。
  148. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  法律上は一〇〇%売却ということを目指して書いているわけでございますが、まず私どもは段階的にそこに近づけていく必要があるということで、次期中期経営計画の中において、まず五〇%程度まで株式を処分していきたい、このように考えております。
  149. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。この株式の売却、今まさにおっしゃっていただいたように、これは一〇〇%、全部を処分することが、期待されているというか、目指しているわけですね。  私がなぜこの今の法体系が破綻をしていると指摘をしているかというと、これは、まずは先ほどあった次の中計で二分の一、まあ二分の一以下にされるのか、ちょっと正確にはまあいいですが、いずれにせよ半分を割っていくわけです、すぐに、もうそのすぐ先で半分を割っていくんです。そして、その先には全て、すなわち一〇〇%の株式を処分することが目指されているのが法の体系ですね。  私がかねがね問題意識を持っているのは、そういう中でどうやって金融ユニバーサルサービスを維持できるのかですよ。法律には確かに金融ユニバーサルサービスの義務と書いてありますが、郵便局からしたら、要は、受託せなあかんわけでしょう、金融の仕事を。  今、じゃ、銀行、要は金融二社以外の金融会社から委託を受けている事実はありますか。あるかないか、答えられますね。
  150. 衣川和秀

    衣川参考人 お答えいたします。  ゆうちょ銀行、かんぽ生命以外の会社からも仕事をいただいております。
  151. 足立康史

    ○足立委員 ごめんなさい、事前に聞いたのは、要は、郵便会社、まあ郵便局会社、今これがありますね、そこが、金融ユニバーサルサービスの義務を果たすために、ゆうちょ銀行と郵便保険の金融二社から受託していますね。それ以外の、他の民間会社からは受託をまだしていないと僕は聞いていたんだけれども、しているんですね。  それは、具体的にどんな仕事を、まさに金融ユニバーサルサービスの維持にかかわる仕事を受託しているんですか。
  152. 衣川和秀

    衣川参考人 説明が下手で申しわけございません。  金融ユニバーサルサービスということでは、私ども、ゆうちょ銀行の預金、それからかんぽ生命の保険契約、こういった商品を受託をさせていただいております。  金融ユニバーサルサービスにプラスアルファするものとして他の金融機関の仕事もやらせていただいている、そういう趣旨でございます。
  153. 足立康史

    ○足立委員 いや、だから、ちょっと、ちゃんと私の趣旨をわかってくださいよ。  すなわち、今は、支配をしているからその金融二社、郵政金融二社から受託できるわけでしょう。でも、二割を割る、そしていずれは、完全な民間会社というか、株式を全部処分する。処分したらコントロールがきかなくなるわけですよ。ほかの金融会社と、銀行、保険と同じステータスの会社になるわけでしょう。そうしたときに、金融ユニバーサルサービスは維持できるのかというのが私の問題意識ですよ。  今でも、郵政傘下の二社から受託をしているのは当たり前ですが、郵政二社以外の金融会社から受託をできるのに、なぜしていないか。していないのは、いや、金融ユニバーサルサービスを維持するための受託をしているかというと、していないんでしょう、多分。していないんでしょう。ちょっと何か曖昧なんだけれども。  追加でいろいろ受託しているのはいいよ。そうだけれども、じゃ、傘下の金融二社が抜けたときに、それでも残っている金融ユニバーサルサービスを提供するための受託、委託関係というのがある金融会社郵政傘下の二社以外にあるんですかと聞いているんです。ちょっとはっきり答えてください。
  154. 衣川和秀

    衣川参考人 金融ユニバーサルサービスという観点から申し上げますと、過去の経緯、これまでの積み重ねがございますので、ゆうちょ銀行の預金、それからかんぽ生命の保険契約の大半は、日本郵便郵便局を通じて獲得をさせていただいたものでございまして、金融二社にとりまして郵便局ネットワークは必要不可欠であること、また、私ども日本郵便にとりましても金融二社は不可欠である、ある意味相互補完関係になっておりまして、当社との業務の受委託関係は維持されるものと考えております。  したがいまして、金融ユニバーサルサービスの関係で、これ以外の金融会社と今何か業務委託関係に入るとか、そういうことを考えているわけではございません。失礼いたしました。
  155. 足立康史

    ○足立委員 何かもうちょっときれいに説明してほしいんだけれども、要すればないんですよ。事前に大分それはやりとりしました。  だから、私が申し上げているのは、なぜ傘下の金融二社以外の民間金融会社郵便局に仕事を委託してユニバーサルサービスに参加をしていかないかといえば、それは、負担金とかいろいろな制度がある中で、モチベーション、インセンティブが働いていないからですよ。違いますか。  だから、このまま二分の一を切り、そしていずれ株式を全部処分すれば、傘下の金融二社は、一般の、傘下ではない金融と同じマーケットで同じように競争するんでしょう。だから、みんな金融ユニバーサルサービスを支えられなくなることが想定されるじゃない。もしそうでないというなら、今でも、傘下の金融二社以外の民間金融会社が我々もやりたいといって契約しているはずじゃない。それがきょうの私の最大の、かねがね思っている問題意識なんです。  だから、金融二社の株式を処分、二分の一以下あるいは完全に処分した暁においても、金融ユニバーサルサービスが維持できる理由が私にはわからない。だから、すごい中途半端な制度で、民営化民営化と言っているけれども、とりあえず再国有化しているんです。  なぜ再国有化しているか。完全に株式を売却できないからですよ。完全に株式を売却すると言っているのは、それはフィクションで、だって、したら金融ユニバーサルサービス、義務を果たせなくなるんだから。これからも金融二社は、株式を全て処分するというのはフィクションで、これからも民営化の趣旨から相当離れた、再国有化と一部の識者がやゆするような中途半端な郵政の法体系あるいは会社のガバナンスになっているのではないかということですが、それに直接的に何かお答えいただけることはありますか。郵政サイドで、誰がいいの。
  156. 衣川和秀

    衣川参考人 先生の御指摘にちょっと直接のお答えになっているかどうかわかりませんが、先ほど申し上げましたとおり、これまでの業務の積み重ね、それからお客様に対するいろいろなサービスの提供の状況から考えまして、私どもとしては、実態をもとに金融ユニバーサルサービスをできる限り提供していきたい、そういう考えでございます。
  157. 足立康史

    ○足立委員 大臣、一言いただきたいんですけれども、今聞いていただいて、私の問題意識は、多分、大臣は御理解いただけていると思います。気持ちですよ、今おっしゃっているのは。郵政の気持ちとしては、法律で義務づけられている金融ユニバーサルサービスの維持、これは当然やりたいと思っていますよと、気持ちを言っているんです。  でも、私が申し上げているのは、矛盾していませんかというんです。金融二社の株式を全て処分することが想定されている法体系において、今、傘下の二社以外の金融サービスが参入してこないような法体系で、どうやって、民間と連携しながら、民間金融会社と連携しながら金融ユニバーサルサービスを維持できるんですか。できないでしょう。そうしたら、民営化法というのはもう既にフィクションで、それは実現しないんだから、再国有化されていると断じても仕方ないと私は思いますが、大臣、もし御答弁いただけるのであれば一言お願いします。
  158. 武田良太

    武田国務大臣 全ての株を売却ということを目指しながら、できるだけ早期に処分するというふうになっていますけれども、そこには、そのときの郵便の経営状況であったり、ユニバーサルサービスというものを維持するため、その責務の履行への影響等を考えて売却ということになるという一応は条件がついているわけであって、やはりユニバーサルサービスというものを維持するというのは大事なことですから、その条件だけはしっかりと承って行動に出ていっていただきたいと思います。
  159. 足立康史

    ○足立委員 いや、今の武田大臣の御答弁で、私は、政府のスタンスはそうなんだろうなと思います。だから、私は、全ての売却は多分できないんだろうなと思っていると勝手に思っているわけです、僣越ながらね。でも、実際にできていないんだから、傘下の二社以外できていないんだから、将来もできる根拠は、私には、その根拠を見出すことはいまだにできていない。それを、この質疑に先立っていろいろな御意見も聞きましたが、どうもそれが出てこないんですね。だから、僣越ながら、課題があるなと。  やはり、当時の、自公民かな、でいろいろな法律をつくってこられたのは承知をしていますが、いろいろな要請が郵政にはある中で何とか仕上げたというのはわかりますが、看板と中身が食い違っている中途半端なガバナンスの状況にあり、それが原因でさまざまなほころびも出てくるんじゃないのかなと私は思っているということを、僣越ながら申し上げておきたいと思います。  ちょっと郵政は以上とさせていただいて、少し大都市法の話をさせていただきます。  今回の大都市法の住民投票、再三申し上げていますが、否決は重く受けとめております。少なくとも、今、一緒にやってきた仲間は、もう三度目はやらない、こう言っているわけでありますが、どうも、そのプロセスで大変な事件が起こっていたということがわかってきました。  もう詳細は繰り返しませんが、マスコミと大阪市役所の一部幹部職員と、それから自民党の一部と共産党の一部が、共産党は全部だ、連携して、公正な投票環境をゆがめていたということが、大阪市議会での審議で相当明らかになってきて、読売、産経を中心として今報道が相次いでおります。  私は、この問題は、大都市法という国法に基づいて行われた住民投票に係る事案でございますので、ぜひ大臣にも、今起こっていることについては繰り返し、住民投票の結果に何か申し上げているんじゃないんです、きのうも内閣委員会で申し上げた、今週末に大阪維新の会の代表選挙があるので、週明けには喪が明けますので、今週はちょっと大阪都構想の話題におつき合いをいただきたい。その中で、やはり、大都市法を所管し、選挙というものを所管し、それから公党の幹部でもあられる大臣に一言コメントをいただかないと、なかなか我々も成仏しませんので、一言お願いしたいと思います。
  160. 武田良太

    武田国務大臣 住民投票に際して、それに基づく報道や論評がなされたこと、また、市当局から釈明の後、謝罪が行われたこと等は、私自身も報道等を通じて承知しておりますけれども、その中身、内容については、いずれに関してもコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  161. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。コメントを差し控えておくというのもコメントとして、メッセージですから、しっかり受けとめさせていただきます。  少しちょっと前向きな話をしたいんですが、私たちは、大都市法に基づく住民投票はもうやりません、こう申し上げていますが、大阪市を維持したまま、さまざまなまだできること、同じ大阪を豊かにする、日本国土、国の形をもっと多極にしていく、一極から二極、多極にしていくという目標、山頂を目指す、山頂はまだ見失っていません。登る山道を少し開拓し直すということだと思っています。  まず、総務大臣に改めてコメントをいただきたいのは、指定都市と道府県との間で二重行政が深刻化している、これはずっと地制調を含めて共有されている認識だと思うんですが、このいわゆる二重行政の問題をどうやって解決するかについては引き続き検討課題であると私は思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  162. 武田良太

    武田国務大臣 福岡も政令市を二つ抱えておりまして、しょっちゅうこの点については議論がなされているわけですけれども、大都市制度について審議した第三十次地方制度調査会においては、指定都市と道府県の事務が競合し、あるいは両者間の事務処理に関する調整が整わないといった問題をいわゆる二重行政と捉え、その解消のための方策が議論されてまいりました。  政府としては、同調査会の答申に基づきまして、平成二十六年に、指定都市と都道府県が政策を調整する場を法制化する等の措置を講じたところでありますけれども、この問題の解消のためには今後とも適切に対処していく必要があると考えています。
  163. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。その適切に対処していく方策を、またこの国会でも、総務委員会を中心に、委員の皆様のお知恵もおかりしながら議論を深めていきたい、こう思っているわけであります。  これも、ちょっと大臣ばかりで恐縮なんですが、この二重行政を解消し、それから住民自治の拡充を同時に実現しようとしたのが大都市法なんです。だから、大都市法というのは結構欲張りな法律だったんですよ。二つの目的を同時に解決するために、今東京で存在している都区制度というものを東京以外にも適用したらどうかというのが大都市法だったわけでありますが、少なくとも大阪は、大阪市は特別区に分割しない、大阪市は存続すると決まりました。  全国で、東京を入れると、政令市が二十と東京で二十一、そういう大都市があるわけですね。都市があるわけです。その中には二重行政で困っているところがいっぱいある。そういう中で、政令市を解消するんじゃなくて、要は、分割するんじゃなくて、市という形は維持したままで広域行政を一元化していく。そういう、私に言わせれば、例えば、広域行政一元化法案みたいな制度とか、それから、よく今指定都市の皆様がおっしゃっている特別自治市とか、全く違う方向だけれどもいずれも一定の目的がある、今の課題、今の二重行政を解消しようとする発想というか提案であることに変わりありません。  私は、その一つ一つがだめとかいいとか言うつもりはありませんが、そういう既に提案されている特別自治市とか、あるいは、私が勝手に申し上げていますが、政令市の市の枠組みを維持したまま広域行政を一元化するだけの、二兎を追う大都市法じゃなくて、広域行政の一元化という一兎を追う、そういう広域一元化法みたいなものをこれから私は提案していきたい、こう思っているわけでありますが、そういう新たな立法措置を私は総務省でも検討すべきであると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  164. 武田良太

    武田国務大臣 先ほど申し上げました三十次地方制度調査会では、現行の指定都市制度にとどまらず、特別区制度の他地域への適用、また、特別市、これは仮称でありますけれども、についても議論をされました。その結果、同調査会の答申では、例えば特別市に関し、指定都市への事務と税財源の移譲を可能な限り進め、実質的に特別市に近づけることを目指すなどの方向が示されました。  政府としては、この答申に沿って、指定都市への事務及び税財源の移譲や指定都市制度の見直しを講じてまいりました。  また、地方自治法には、地方公共団体間の連携により事務を共同処理するための仕組みも設けられており、御指摘のいわゆる二重行政を解消する方策としてはこうした制度の活用も考えられると思います。  いずれにせよ、大都市制度のあり方については、法制上の措置も含め、これまでの検討経緯や制度の活用状況も踏まえながら、慎重に検討すべき課題と考えております。
  165. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  ちなみに、我が大阪府市においては、今大臣から御紹介があったいわゆる調整会議は既にトライアル済み、チャレンジ済みでありまして、うまくいかなかったんですね。そして、大都市法に基づく住民投票も否決をされた。そういう意味では、今ある制度は使い尽くしておりまして、さらに、二重行政の解消のための方策は、やはり新たな立法措置をもってしなければできないと私たちは思っていますが、これはまた総務委員会でいろいろな形で御議論を深めさせていただきたい、こう思っています。  今回の大都市法では、我々は、なぜかわからないけれども、大阪市内だけの住民投票をやりました。皆さん、住民投票というのは本当は要らなかったらしいんですよ。いや、要は、要らないという考え方は十分あり得たんです。あり得たんだけれども、当時、この大都市法、大都市地域特別区設置法をつくった当時の菅総理がPTのリーダーであったと伺っていますが、その自民党PTが中心になって、みんなの党は住民投票は要らぬと言い、当時の維新の会の代表、大阪維新の会の代表である橋下徹さんも、選挙でもう決しているのであるから住民投票は要らないのではないかと主張し、それを当時の堺屋太一さんを通じて国会での議論にはインプットをしてきたところであったそうでありますが、結論は、恐らく、これは私の推測ですが、自民党のPTが主導する形で住民投票という追加のハードルを設けていただいた、こう承知をしています。  だから、住民投票が要るかどうかもちょっとその後の問いで伺いますが、まず、今私が申し上げたような、広域自治体の、広域行政の二重行政ですね、これを解消するための何か立法措置を講じて法律でやるとなったときに、その影響を誰がこうむるかというと、私は、大阪でいうと、大阪市の中の市民の方と、大阪市外の府民の方、大阪市民ではない大阪府民の方、ひとしく影響が及ぶ。すなわち、広域を担っているチームともう一つの広域を担っているチームが一本化するんだから、私はプラスの影響だと思いますが、その影響をこうむるのは、市民も、市民でない府民も、ひとしくその影響を受けるのではないかなと思っていますが、もし総務大臣の方で御見解がございましたら御紹介いただきたいと思います。
  166. 武田良太

    武田国務大臣 お尋ねの、新たな立法措置の影響、また、それを踏まえた住民投票の当否等について、仮定のもとでお答えするというのは差し控えるところではありますが、一般論として申し上げると、行政サービスを提供する主体が指定都市から都道府県にかわることとなれば、それに伴う影響は、指定都市の区域内、区域外にかかわらず生じ得るものと考えられます。
  167. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。  さて、では、その住民投票なんですけれども、勝手に私が先ほど住民投票は要らなかったかもしれないなんということを申し上げましたが、地方自治体の廃置分合等再編に係る手続、これを進める場合に、いかなる場合に住民投票が必要となるのか、総務省の見解を伺いたいと思います。  もし何らかの場合に住民投票が必要だというのが地方自治法制の体系の中にあるのであれば、どういう範囲のものに住民投票が要求されるのか、これも細かいことですけれども、できればこれは、ごめんなさい、大臣、私たちにとって、あ、じゃ、事務方で結構です。
  168. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  市町村の廃置分合については、地方自治法第七条にその手続の規定があり、住民投票は必要とされておりません。関係市町村が議会の議決を経た上で行う申請に基づき、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経て定めることになっております。  それから、都道府県の廃置分合についてでございますが、地方自治法六条で、法律を制定して都道府県の廃置分合を行う場合は、その法律自体が地方自治特別法ということになりますので、住民投票が必要になりますが、ボトムアップ的に、関係都道府県の申請、国会の承認等を経て行う地方自治法第六条の二の廃置分合の場合は、住民投票は不要というふうに整理されております。  以上でございます。
  169. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。これは事務的なことなので、これで結構です。原則要らないんですよ。原則要らない。  さて、これももし細かかったら事務方でも構いませんが、いわゆる、地方自治法に規定する、事務委託などの共同処理制度というのがございます。これも二重行政の解消には有効と私は考えますが、いかがでしょうか。
  170. 高原剛

    高原政府参考人 御答弁申し上げます。  地方自治法上、地方公共団体の事務の共同処理の仕組みとして、協議会、機関等の共同設置、事務の委託、代替執行、一部事務組合、広域連合などの多様な手法が設けられております。  これらの制度は、都道府県と指定都市の間でも、事務の性質や行政の簡素化、効率化といった制度の趣旨に留意しつつ、同種の事務を一体的に処理する場合などに活用することが可能でございます。  以上でございます。
  171. 足立康史

    ○足立委員 一定の役割はあるということでございますが、その広域事務、広域行政の一元化、二重行政の解消、そこで、大体、どの地域でも、一番もめているのは都市計画なんですよ。本丸は都市計画です。地方自治法は、今あったように、いろいろな制度があります。でも、いよいよ、都市計画の世界の事務を整理しようとすると、これは国交省が出てきます。きょうは国土交通省にも御足労いただいています。  今、自治行政局長から、あ、自治行政局長、高原局長、この間はごめんなさいね。  大臣、この間、あれなんですよ、僕、ちょっと勘違いしていて、地方交付税、要は、自治財政局の仕事、所管を高原局長に何問も聞いて……(武田国務大臣「何でも知っていますから」と呼ぶ)何でも知っているから、ね。ありがとうございます。皆さんの前で、御苦労されたことを改めておわびをしておきたいと思いますが、これからも、でも、何でも知っているから、いきましょう。  まあそれはいいとして、国交省。  地方自治法に規定する共同処理制度を活用して二重行政の解消を図ろうとする場合において、都市計画法上の制約、これがあれば御紹介をいただきたいと思います。
  172. 望月一範

    望月政府参考人 お答え申し上げます。  都市計画は、土地利用規制等を通じまして、国民の財産権に対して制限を課すものでございます。  このため、都市計画法におきましては、都市計画の種類ごとに、都道府県、指定都市、市町村のいずれが都市計画を決定する権限を有するかにつきまして明確に規定した上で、関係自治体との調整や都市計画審議会への付議などの手続を詳細に定めているところでございます。  都市計画決定に事務委託等の共同処理制度を活用できるかどうかにつきましては、ただいま申し上げた制度との関係を整理するなど課題がございますため、慎重に検討する必要があると考えております。  なお、大阪府、大阪市から御相談がございますれば、具体にどのような事務を共同処理したいと考えておられるのか、その際の手法をどう考えているのかなどにつきまして、お話を伺ってまいりたいと考えてございます。
  173. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございます。ぜひ、大阪府市ともまた連携をいただきたいと思います。  あれ、もしかしたら、私、郵政、出ていただいたかな。もし残していたら、済みません、もう結構ですと申し上げるのを忘れていまして。もう終わりましたから。済みません。大変失礼しました。  あとわずかの時間でございますが、私たち日本維新の会は、大阪市の問題、大阪府市の問題は、今回の住民投票で一旦、大都市法に基づくチャレンジは、否決をされたので終了ということでございますが、先ほど申し上げたように、課題は残っているわけです。  大阪の課題だけじゃないですね。全国の政令市が、名古屋と愛知、新潟と新潟、いろいろなところで、そういう二重行政でもめているという話題は、報道、新聞紙上を見ていると、もう話題に事欠きません。  だから、私は、ぜひ、先ほど大臣が御答弁いただいたように、日本が成長していくために、日本という国が少子高齢化の厳しい峠をしっかりと乗り越えて、日本がこれからも経済成長を果たし、アメリカだ中国だロシアだ何だと大変な国際環境の中で、しっかりと経済力を維持し、国力を維持し、そして国民の生活と仕事を守っていくということが、私たち国会議員の最大の仕事だと思っています。  そのためには、富を生み出す大都市、富を生み出す大都市政策というのが成長戦略の肝であると思い、それはまさに、総務大臣がこれを所管をされておられるわけであります。  大阪の話ばかりしていると、維新の会はまた大阪の地域政党といって笑われるんですが、今、私たちが党を挙げて精査をしているのは、関東です、関東。  皆様御承知のとおり、例えば、東京で、一都三県五政令市と言いますね。言いませんか、関東の方々。言いますよね。九都県市と言いますね。九都県市、九つの、都、三つの県、五つの政令市。関東には九人の知事級の権力者がひしめいているわけです。  では、なぜ大阪みたいにけんかにならないのかといえば、東京都知事がスーパーパワーだからですよ。だから、東京都知事が行く方から、隣の、例えばさいたま市だけ、いや、俺はこっちだと、なかなか言えないですよ。だから、やはりスーパーパワーが真ん中に控えているから、九都県市はある程度秩序を保ちながら、東京圏、関東の経済がそれなりに整理されながら回っている、こう思います。  ただ、結果的には何とかうまくいっているんだけれども、では民主主義が機能しているかといえば、民主主義ですよ、日本は三層構造ですよね、基礎自治体、広域自治体、国、三つあります。その広域行政の部分について、埼玉県民の方、千葉県民の方が、じゃ、大東京圏、グレーター東京がどっちの方向に行くべきか、投票できないんですよ、今。埼玉県知事とか千葉県知事に投票して、彼らが何かどこかで、会議で打合せしているということなんです。  本当は一つの大都市政策なんだから、もう大東京圏として都道府県を合併して、一つ東京都市圏、ロンドンはそうなっているんですよ、グレーター・ロンドンで一つのガバナンスを持っているんです。グレーター東京として一つのガバナンスを持ち、ちゃんと民主主義、投票がそこにきく、そういう形も、私が先ほど御紹介をした広域一元化法案という、私が今内々に構想している法令をもってすればできると勝手に思っているんですが、大臣は、こういう、関東についても課題があって、解決が必要という私の主張についてどう思われるか。ちょっと、きょうの最後ですから、できれば温かいコメントをいただければと思います。
  174. 武田良太

    武田国務大臣 いい御指摘だと思いますけれども。  先般、我々も、九都県市の主催、合同防災訓練に出てまいりました。広域的な観点から、近隣の都県が協調して行政課題に対応する姿を見て、これはいいことだなと思いましたし、また、中身については、その首長さんたちで構成される九都県市首脳会議というのがあるみたいで、この場でいろいろな行政課題については協議されておるということであります。  御指摘の広域行政の一元化については、このあり方については、我が国の統治機構のあり方にもかかわってくるものであり、国民的な議論が必要となってくるものと考えております。
  175. 足立康史

    ○足立委員 ありがとうございました。  きょうは、前半、郵政の皆様、ちょっとお時間をとりましたが、後半の話も一般的には参考にしていただける話であったと自負をしております。  最後までおつき合いいただきまして、ありがとうございました。終わります。
  176. 石田祝稔

    石田委員長 次に、井上一徳君。
  177. 井上一徳

    ○井上(一)委員 井上一徳です。  最後の質問者ということで、まず、郵便法について質問させていただきたいと思います。  郵便制度は、もう御承知のとおり、明治四年、一八七一年に創設されましたので、来年百五十周年を迎えるということであります。一円切手で有名な前島密さんが創設して、ずっとこの郵便制度、日本社会の中に定着して、日本社会の本当に重要な社会的インフラとして、私たちのやはり国の宝だというふうに思っています。  私の友人、知人にも郵便局に勤めている者は当然おりますし、それから、先輩方でも、郵便局で勤務をして、大変誇りを持って退職されたという方も多くおられます。  私は、この百五十年を迎えるに当たって、大臣、今まで郵便局で勤められた方々、それから、今も日夜黙々と、本当に雨の中、風の中、雪の中、ひたむきに黙々と頑張っておられる方々、今もおられるわけです。そういう働いている方々に対する気持ちも込めて、来年百五十年を迎えるわけですので、この郵便制度に対する評価、これを聞かせていただきたいと思います。
  178. 武田良太

    武田国務大臣 これは、我が国の先人が残してくれた、また、現代の方々が引き継いだ、とうとい、かけがえのない財産であろうかと思っております。  二万四千のネットワークを生かしながらユニバーサルサービスを展開して、本当に地域生活インフラとして、特に地方にお住まいの方々は、この郵便局方々には本当に深く感謝をしていただいておると思います。  昨年度に百六十三億通の郵便物をあまねく全国において、議員御指摘の厳しい気象条件の中でも職員が日々配達を行っており、こうしたコロナ禍の中においても、社会インフラとしての機能を果たしているわけであります。  末永くいつまでも、国民に対してそのユニバーサルサービスを提供できるように、今後とも、我々としてもバックアップをしていきたい、このように考えております。
  179. 井上一徳

    ○井上(一)委員 郵便制度を改革するに当たっても、そういう、今大臣がおっしゃったように、郵便局に勤められている方々の気持ちに沿った、この社会的インフラ、国の宝をもっとどうやって生かしていくか、こういう観点からやはり改革をしていかなければならないというふうに思います。  平成三十年の七月十日に、情報通信審議会が、少子高齢化、人口減少社会等における郵便局役割と利用者目線に立った郵便局の利便性向上策というのを出しておりまして、この中でこう言っているんです。   郵便局及びそのネットワークは、明治四年の郵便創業以来、長い歴史の中で構築され、また維持されてきたもので、いわば国民にとっての財産である。少子高齢化、人口減少が進展し、地方では金融機関をはじめ店舗の廃止、撤退が進む中でも、郵便局は住民の身近な窓口機関として、また、地域生活を支える安心・安全の拠点として、益々その存在意義が高まるものと考えられる。   郵政事業民営化され、郵便局及びそのネットワークは、日本郵便にとって収益を確保するための重要な経営基盤であり、日本郵便として、その一層の活用を経営の最重要課題の一つとして捉えていく必要がある。 まあ、ネットワークの重要性を言っているわけです。  そこで、きょうは増田社長に来ていただいておりまして、増田社長は、東京一極集中是正、地方創生、そういった分野でも非常に知見のある方でございます。  これから、私は、もっともっと東京一極集中の是正と地方創生を国を挙げてやっていかなければならないというふうに思っているんですが、まず現状として、やはり、地方からどんどん人口が減ってきている。そういう中で、郵便局に対する信頼感というのが、住民にとっても非常に大きいものがある。だから、このネットワークは絶対に守っていかないといけないと思っているんですが、地元でいろいろ聞いてみると、やはり、高齢化が進んできて、事業承継がなかなか難しくなっているんだというような話も聞きます。そういうような事業承継の問題も含めて、このネットワークをどうやって維持していくのか、ちょっと社長の考えをお聞かせいただきたいと思います。
  180. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  日本郵政そして日本郵便が、関係法令によりまして、郵便、そして貯金、保険、この窓口業務として、ユニバーサルサービス郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにしなければならない、このようにされておりますので、民営化以降、局数の大きな変動はございませんで、約二万四千局の郵便局ネットワークを維持してきたところでございます。  こうした郵便局ネットワークは、日本郵政グループとお客様との大切な接点であるだけでなくて、当グループの最も根幹をなす資産でございまして、現時点で、現在のネットワーク水準を引き続き維持をしていく必要がある、このように考えております。  そして、先週でございますが、十一月十三日、次期の中期経営計画の基本的考え方、これは来年以降でございますが、そちらの基本的な考え方を公表させていただきましたが、その中におきましても、少子高齢化過疎化が進む地域社会における貴重なリアルネットワークとしての郵便局が、郵便・物流、貯金、生命保険などの生活基礎サービスに加えて、地域ニーズに応じた多種多様なサービスを提供していくことにより、地域社会が抱える各種課題の解決に貢献をしていく、このように記載をさせていただきました。  私どもも、今後更にこうした考え方をきちんと煮詰めて、来年以降の中期経営計画を発表し、そうした考え方でこのネットワークを使っていきたい、このように考えております。
  181. 井上一徳

    ○井上(一)委員 ぜひ、事業承継も含めて、ネットワークを維持するための方策について検討していただきたいと思います。  日本郵便に対する評価ということで、こういうのがあるんですね。郵便に関する国際連合である万国郵便連合、これが発表する郵便業務発展総合指数、これは二〇一七年に調査して、日本は百七十カ国中の第三位、それから、世界経済フォーラムの調査、郵便効率化指標、これで見ると百三十一カ国中第一位という評価で、非常に国際的にも高い評価をされているわけですね。  私はやはり、これは本当に、先ほど言ったように日本の国の宝ですから、また後から質問しますけれども、これからのインフラ輸出、そういうのに絶対活用したらいいんじゃないかなというふうに思っています。  それで、先ほど、郵便業務発展総合指数で第三位になったわけですけれども、第一位がスイスで、第二位がフランスだったということであります。  それで、先ほど社長も言っておられましたけれども、これからこれを維持していくためにもいろんな検討をしていくということでありました。私は、一つの参考事例として、このJP労組海外郵便事業事情調査報告、これは資料でおつけしていますけれども、フランスの例ですね。フランスは、「高齢時代を迎えたフランス社会では、長く自宅で過ごす者に合わせた身近なサービスが求められる。」ということで、「顧客のところを毎日回り、信頼できる存在である郵便配達員を基本に事業戦略を構築。」ということで、郵便局の職員が郵便配達するだけではなくて地域社会に貢献するために、ほかにもいろいろな貢献があるのではないか。  ここでは、郵便外務員を四つのレベルに分けて、郵便配達員の多機能化を進めている。レベルワンが、通常の業務をこなして多少の新規職務を行う職員。それから、見守りサービスをする。それから、自宅にパソコンを取り付けたり、そういった高齢者に補助をする職員。それから、エキスパート型郵便配達員としては、税務手続を手伝うことができる職員。こういったことで、郵便局職員に地域貢献のためにいろいろ貢献してもらうんだというような考え方があるわけですが、このラ・ポストについて、御承知の範囲で御説明ください。
  182. 米澤友宏

    米澤参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、フランスのラ・ポストにおきましては、地域の人々に身近な郵便配達という仕事の利点を生かしつつ、シルバーエコノミーとして高齢者向けの見守りサービスを提供するほか、高齢者向けの各種サービスを行っていると聞いております。このうち、見守りサービスにつきましては、二〇一七年の五月からフランス全土でサービスが開始されていると聞いているところでございます。  また、この見守りサービスの主な内容としましては三つございます。訪問サービスとして利用者宅に訪問、生活状況等について質問し、回答内容を携帯端末に入力する。そして、その状況をスマートフォンで離れて暮らす御家族に御連絡するといったもの。また、緊急時の電話対応。それから、修繕のあっせん。これは、電気機器、水道故障等の修繕について事業者を手配するというもの。こういったものが内容となっているというふうに聞いております。  また、そのほかの高齢者向けサービスとして、高齢者向けにラ・ポストが開発いたしました端末、そのタブレット端末の使い方を教えるサービス、また、高齢者に対する、ICT化された税務手続、これのお手伝いをするといったサービスが展開されていると承知しているところでございます。
  183. 井上一徳

    ○井上(一)委員 日本郵便の方から聞きますと、日本でもやっている業務というのがあるそうで、例えば見守りサービスですね、これはもう既に日本郵便でもやっておられるということですし、そういった業務については日本郵便も取り組まれておるというふうに聞いておるんですけれども、どういう取組を今されているか、御説明いただきたいと思います。
  184. 米澤友宏

    米澤参考人 お答え申し上げます。  二〇一七年十月から、ひとり暮らしの御高齢者を見守り、高齢者と御家族をつなぐことを目的といたしました郵便局の見守りサービスというものを全国の郵便局で御提供しているところでございます。  また、地方公共団体におきましても、行政サービスとしてこの見守りサービスを御利用いただいているといった例もございます。現在、この見守りサービスを御利用いただいている地方公共団体数は、全国で二十二団体ございます。また、住民票の写し等の地方公共団体が発行する証明書の交付事務、これについては、百六十三団体から受託し、五百八十三団体で取り扱っているところでございます。そのほか、プレミアムつき商品券販売など、地方公共団体からの各種窓口事務を受託いたしまして、百八十八団体から、四千七百六十六局において取り扱っているところでございます。  日本郵政グループといたしましては、先ほど社長の増田からも御紹介いたしましたけれども、先般公表いたしました次期中期経営計画の基本的考え方におきまして、地域ニーズに応じた多種多様なサービスを提供していくことにより、地域社会が抱える各種課題の解決に貢献していくとうたっております。地方公共団体との連携を通じまして、住民サービスの維持向上や郵便局の利便性の向上に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  185. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、このラ・ポストの参考事例を見ていて、こういうのもできないかなと思ったんですけれども、例えば、今、マイナンバーカードの普及、これをやろうとしていて、現時点ではマイナンバーカードの取得をしている人が二千百万人で、人口比でいうと一六・八%にとどまっている。やはり高齢者の方にとってみると、なかなか手続するのが大変だというのがあるので、こういったマイナンバーカードの取得に郵便局の人も手伝いをしてあげるというようなことも考えられないかと思うんですが、そういったアイデアについてはどうでしょうか。
  186. 米澤友宏

    米澤参考人 お答え申し上げます。  当社では、従来よりマイナンバーカードの普及促進に積極的に御協力申し上げているところでございます。  例えば、お客様みずからがマイナンバーカードを利用して各種公的証明書を御取得できますキオスク端末というものを二〇一七年十月より順次設置し、現在、五十七局に拡大しているところでございます。  また、二〇一七年十一月以降、地方公共団体からの御依頼を受けまして、マイナンバーカードの申請が可能な端末、マイナポータル用端末を郵便局に設置をしているところでございます。  更に加えまして、本年七月から、マイナポイントを付与するためのマイキーID設定用端末を全国約二万局に設置いたしまして、マイナンバーカードの利便性向上にも貢献しているところでございます。  今後とも、政府や地方公共団体と連携し、この件については積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  187. 井上一徳

    ○井上(一)委員 ありがとうございます。  次は、業務の効率化ということで、この間御説明を聞いたときに、いろいろドローンを活用して配達ができないかというのも今取り組んでいるということでした。これからどんどんと人口が減ってきて、それから、山間部でやはり高齢者の方が多くなっている。そういうときに、やはりドローンを使って配達するというのは一つの考え方じゃないかと思うんですが、他方でいろいろな課題もあるというふうに聞いております。  今、このドローンについて、どういうような取組をされ、どんな課題があるのか、御説明いただきたいと思います。
  188. 米澤友宏

    米澤参考人 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、今後、さらなる労働力不足等の課題が想定される中で、各種先端技術等の導入の積極的な取組が必要であるというふうに認識をしているところでございます。  ドローンにつきましては、二〇一八年度に、福島県で郵便局間、郵便局郵便局の間の配送を行い、二〇一九年度には、東京都の奥多摩町で個人宅への、いわゆるラストワンマイルの配送を行ってまいりました。  実用化に向けた課題ということでございますけれども、技術動向におきましては、ドローン単体以外に、通信環境等、周辺環境の整備が必要となります。また、社会的受容性という問題につきましては、実証実験を繰り返し実施しているという背景もございまして、年々増してきていると考えております。  法制度の整備におきましては、ドローンにおきましては、二〇二二年の有人地帯においての目視外飛行の実現に向けまして、国による認証制度などの機体の安全性の確保、操縦者、運航管理者の技能確保制度、複数のドローン運航管理制度、機体・所有者情報の登録制度などにつきまして基本方針が策定をされていると聞いております。  ドローンなどの先端技術の活用につきましては、技術動向や法制度の整備、社会の理解等の外部環境によるところも大きいものではございますけれども、今後の労働力確保等に鑑みまして、これからも実証実験を継続し、スムーズに実用化できるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  189. 井上一徳

    ○井上(一)委員 郵便局の職員の人手不足、こういうことで今まで議論されているわけですけれども、やはり一番大事なのは、郵便局の職員の処遇をどう確保していくかということだと思うんですね。  ちょっと資料の二を見ていただきたいんですけれども、正社員の平均賃金ということで、民間企業の賃金、これは二〇一七年度を見ていただきますと三十一万八千円、月額ですね。他方で、日本郵便は三十万四千円。民間企業は年々上がっていっているにもかかわらず、日本郵便は下がっていっているわけですね。  あと、経営指標を見ると、配当性向、利益を得た中でどれだけ配当に回しているかという数字ですが、それを見ると、二〇一八年が四九・四%、二〇一九年が七五・八%、二〇二〇年が五九・四。通常、配当性向、普通の企業だと、一般的には三〇%ぐらいが大体平均値だということですが、要は、日本郵便の場合は、配当に回している率がほかの産業に比べて多いということです。  そっちの配当に回す分というのも当然あるんでしょうけれども、私は、その分をもっと従業員、職員の給料、賃金の向上に充てる、そっちの方に回すということをしていかないと、やはり魅力ある職場になっていかないのではないかと思っているんです。  そういう意味で、賃金について、私はやはりもっと処遇の改善を図っていくべきだと思うんですが、まず、社長、どういうようなお考えか、お聞かせください。
  190. 増田寛也

    増田参考人 お答え申し上げます。  賃金の考え方いかん、こういうお尋ねでございましたが、まず、人力依存度の高い郵政事業にとりまして、社員は事業活動を行う上での源泉でございまして、社員の能力を最大限引き出すために、社員の労働条件の改善は非常に重要なことである、このように認識をいたしております。  社員の給与等水準につきましては、毎年の春闘を通じて順次改善を行ってきておりまして、日本郵便の正社員の平均年収でございますが、二〇一九年度で約六百二十二万円、これは、先ほど委員お示しのものは月ごとのということでございまして、こちらは平均年収ということでございますが、二〇一九年度で約六百二十二万円。この数値につきましては、同業他社と比較しても遜色のない水準認識をしてございます。  そして、今後とも、会社の経営状況等を踏まえることになりますけれども、各種労働条件の改善にはしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えております。
  191. 井上一徳

    ○井上(一)委員 知人とかに聞くと、給料も全然上がらないし、本当、モチベーションが上がらないと言うんですね。  私、モチベーションが上がらないところで働いていても、組織全体が活気が出てこないと思うんです。組織全体が活力あふれるような組織にするためにも、やはり処遇の改善というのはぜひ取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣、何か一言いただけないでしょうか。
  192. 武田良太

    武田国務大臣 やはりマンパワーが必要とされる業界でありますので、いい人材が意欲とやりがいを持って働ける環境をしっかりと労使間で協議をしながらつくり上げていただきたい、このように考えています。
  193. 井上一徳

    ○井上(一)委員 経営陣の方も、賃金というか処遇の改善、これについては、やはり人が財産ですから、ぜひ今まで以上に取り組んでいただきたいというふうに思います。  それでは、次に郵便投票。  郵便投票、この間の委員会でもアメリカ郵便投票が議論になりましたが、私は、これから高齢化が進んでいき、さらに、地域によっては投票所も減ってくるというような状況の中で、郵便投票はやはり真剣に考えてもいいのではないかというふうに思います。  この間の議論の中では、郵便投票を日本でも一回導入したことはあったんだけれども、不公正なことが起こって、それ以来、郵便投票は余り積極的には進めてこなかった、今は重度の障害者に限って郵便投票を認めているということでありましたが、イギリスとか、それからドイツ、これは郵便投票が一般的な制度として用いられているということですので、私は、やはり日本もこれからは、コロナ禍というような状況もありますし、郵便投票をもっと積極的に活用していった方がいいのではないかと思うんですが、まず、イギリスドイツ、どういうような郵便投票の現状になっているのか、御説明いただきたいと思います。
  194. 森源二

    ○森政府参考人 お答え申し上げます。  イギリスドイツ郵便投票につきまして、これは二〇一七年の国立国会図書館の資料によりますけれども、イギリスでは、郵便投票はかつては一定の要件を満たす方のみに認められておりましたけれども、現在は、北アイルランドの地域以外では理由を問わずに、北アイルランド地域では一定の条件のもとですが、郵便投票が認められております。  また、ドイツでは、かつては、身体の障害などにより投票日に投票所で投票できないなどの理由のある者に限って認められていたところでございますが、現在では、御指摘のとおり、理由を問わずに郵便投票が認められているものと承知をしております。
  195. 井上一徳

    ○井上(一)委員 イギリスとかドイツ状況を見ても、やはり郵便投票を積極的に活用しているという事例があるわけですから、私は、もっと日本も、今のような重度の障害者に限っているのではなくて、一般的にももっと拡大していった方がいいとは思うんですが、拡大することに当たって、やはりさまざまな課題も当然あると思うんです。  総務省として、この郵便投票を拡大していくに当たっての考えておかなければならない点、どういうふうにお考えでしょうか。
  196. 森源二

    ○森政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきましたとおり、我が国の郵便投票制度、これは、疾病等のため歩行が著しく困難な方の投票機会を確保するために昭和二十二年に導入されたものですけれども、不正の横行、こういったことを背景に、昭和二十七年に一旦廃止がされたものでございます。  その後、昭和四十九年に、身体障害者手帳における一定以上の重度障害者の方等に限定した上で再び導入をされ、さらに、介護保険の導入後、平成十五年に、これは議員立法によりまして、投票所まで行くことができない方と判断される実態にございます介護保険の要介護五の方を対象に加えるといった改正がなされて、現在に至っておるところでございます。  したがいまして、こうしたこれまでの郵便等投票の改正経緯だとか、また、不正の防止の仕方をどういうふうに担保していくのかとか、こういったあたりを十分に御議論いただきながら進めていく必要があるものと考えております。
  197. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今は、重度の障害者、それから要介護五、基本的には寝たきりの人ですね、そういう人に限られているわけですが、総務省の提言の中でも、要介護四とか要介護三の人にも拡大したらいいのではないかというような議論もありますので、やはりこの郵便投票については、もっと幅広く使うということも含めて議論していく必要があるのではないかというふうに思っております。  それでは、郵便法についてはもうここまでで終わりたいと思います。  ちょっと残りの時間で、新型コロナウイルスについて質問させていただきたいと思います。  今もう、報道では第三波が来たというふうに言われておりますし、感染者の数もかなりふえてきているような状況にあるわけです。  それで、まず一つ目の質問として、雇用調整助成金。これは一月以降も継続するというような報道はありますけれども、特例で今やられている一万五千円の上限とか、それから十分の十の助成率を引き下げる、こういうことも検討されているというふうに聞いています。  やはり今のコロナの状況を考えると、この特例は引き続き維持すべきだというふうに思うんですが、今どんな検討状況でしょうか。
  198. 達谷窟庸野

    ○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。  雇用調整助成金の特例についてでございますが、本年十二月まで延長しているところでございます。  この特例措置は十二月まで延長する旨を八月においてお示ししましたが、その際に、感染防止策と社会経済活動の両立の観点から、休業者数や失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、通常制度に向けて段階的に戻していくことといたしたところでございます。  産業界等からは特例措置の延長を求める声を多くお聞きしてございますが、一方で、働く方々のモチベーションの問題など、特例措置を長く続けることの副作用について懸念する御意見もあると承知しているところでございます。  新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、労働者の方々を単に休業させるだけではなく、一時的に他企業に在籍出向させるなどして、労働者の方のモチベーションも維持しつつ雇用を維持するという視点も重要であると考えてございまして、こうした視点からの雇用調整助成金も含めた支援策のあり方についても現在検討しているところでございます。  いずれにいたしましても、雇用調整助成金の特例措置の一月以降の取扱いについてでございますが、雇用情勢等を踏まえて適切に判断してまいりたいと考えてございます。
  199. 井上一徳

    ○井上(一)委員 やはり、ぜひ、これは強く、今の特例措置を継続していただきたいと思います。与党でもそういう提言が出ているというふうに聞いていますので、厚労省としては、ぜひこれは特例を延長するということで、財務省との調整はあると思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思います。  それから次は、持続化給付金。  今までも持続化給付金で随分助かったという方はおられますけれども、やはりこの新型コロナの第三波の状況、今の状況を踏まえると、心配される方は本当に多くて、もしもう一回休業しなければならない、店を閉めなければならない状況が来たら、もう店を畳まないといけないんじゃないかというふうに、本当に皆さん真剣に悩まれています。  そういったときに、やはり政府として、持続化給付金の第二弾を用意して今検討しているんだという、そういうメッセージを出すだけでも、前向きな明るい希望が出てくると思うんですね。  持続化給付金の第二弾の検討、これはぜひやっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  200. 飯田健太

    飯田政府参考人 持続化給付金の二回目の給付についてのお尋ねでございます。お答えいたします。  持続化給付金は、御承知のとおり、とりわけ厳しい経営状況にある事業者の皆様の事業継続を支援するという観点から、使途に制限のない現金を給付するという、前例のない思い切った対策でございます。  これまでも、その給付に当たりましては、累次にわたって必要な予算額を措置してきましたし、それから、加えて、家賃については家賃支援給付金でございますとか、それから実質無利子無担保などの資金繰り支援、こんなことも行ってきております。  こうした形で、事業者の皆様が置かれております状況に応じて多層的な対策を講じてきております。まずは現行の対策を活用いただきたいと考えておりますけれども、今後につきましては、引き続き、内外における感染症の状況、あるいは経済の動向を注意深く見きわめてまいりたいと思っております。
  201. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今時点では本当に何とか耐え忍んでいるという方々が多いと思うので、この持続化給付金の第二弾、政府として真剣に取り組んでいただきたいと思いますし、ちょっと技術的になるんですけれども、今、いろいろな方々がこの持続化給付金で申請して、大分広く認めてもらっているというふうに思います。NPOもそうですし。  一つ、私、地元で聞かれて、有限責任事業組合、LLPと呼ばれるやつですけれども、これは組合であって法人ではないんですけれども、これについても持続化給付金の対象にしてもらえないだろうかという強い要望があるんですが、これはいかがでしょうか。
  202. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  持続化給付金でございますけれども、先ほど申し上げましたように、事業の継続を下支えをして再起の糧とするということを目的として現金を給付するということでございますので、給付後も安定的に事業を継続していただくということが大事だと思っております。  こうした観点から、今御指摘ありました有限責任事業組合、LLPでございますけれども、有限責任事業組合契約に関する法律に規定されております、出資者の有限責任に基づいて、参加する組合員の方々がその個性や能力を発揮しながら共同事業を行うための組織形態だというふうに承知しております。  これは、組合としての税務申告や法人番号もございません。その売上げですとか利益は、スルーして構成員に帰属するという形になります。したがいまして、私ども、組合自体を持続化給付金の対象とするというのは難しいのではないかというふうに考えてございます。  他方で、この利益の分配などを受けます構成者、組合の構成者御自身は、これは事業者として持続化給付金の要件を満たすということであれば、組合員の方々は給付の対象として御申請いただくということが可能だということに考えております。
  203. 井上一徳

    ○井上(一)委員 ぜひ、第二弾の持続化給付金を検討する際に、あわせて、その対象範囲についても、拡大ということで検討していただければというふうに思います。  では、最後の質問としたいと思います。  今のこういう状況を受けて、特に中小企業に対する金融支援、これまでもずっと、本当に、中小企業庁の皆さん、手厚くやっていただいたというふうに思っております。  ただ、先ほど申し上げましたように、今までは何とかしのげてきたんだけれども、今度もう一回第三波みたいなのが来たときに自分の事業がやっていけるんだろうかというような方がおられます。多くおられます。そういう方々が、年を本当に越せるんだろうかという方もおられますので、ぜひ、一回借りたんだけれども、更にもう一回借りたいというときに、それについてもぜひ温かく支援していただきたいと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
  204. 飯田健太

    飯田政府参考人 お答えいたします。  今委員御指摘ございましたけれども、融資でございますが、新型コロナウイルスの関係でお困りの中小・小規模事業者の皆様の事業継続のために、御指摘のとおり、政府系、民間金融機関を通じた実質無利子無担保かつ最大五年間元本返済据置きの融資という形で、非常に、これも前例のない強力な資金繰り支援策を講じてきているところでございます。十一月の十七日時点になりますけれども、百六十四万件、二十九兆円の支援を実施してございます。  これから更に財務状況が悪化する中小企業に対しては、資本性劣後ローンなどの資本増強策というものも講じております。さらなる活用に向けて、周知あるいは金融機関への働きかけを続けてまいりたいというふうに思っております。  また、年末に向けて一層の資金需要が見込まれると考えてございます。私どもの、全国に設置していただいております、全国約千五十カ所の経営相談窓口、これは商工会、商工会議所、あるいは中央会、公庫、信用保証協会、こういったところに経営相談窓口がございます。こうしたところで、中小企業の皆様が直面している状況につきまして丁寧に伺ってまいりたいというふうに思っております。  その上で、引き続き関係省庁とも連携して、資金繰りに万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。
  205. 井上一徳

    ○井上(一)委員 新型コロナという本当に未曽有の事態ですので、中小企業皆さんがやはり倒産とか廃業とか本当にしなくて済むように、今までも本当に政府は手厚く支援されてきたと思います。その支援をここで途切れさせるのではなくて、更に踏み込んで、もっとやるというようなメッセージを出すことによって希望が湧きますから、ぜひそういうような検討をしていただきたいということを願って、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  206. 石田祝稔

    石田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  207. 石田祝稔

    石田委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。木村弥生君。
  208. 木村弥生

    ○木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生です。  私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表し、ただいま議題となりました郵便法及び民間事業者による信書送達に関する法律の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。  初めに、このコロナ禍において、感染リスクに向き合いながら、地域の欠かせぬ社会インフラとしての職責を日々されておられます郵便職員の皆様に心より感謝と敬意を申し上げたいと思います。  まず、今回の法案には、手紙、はがきなどの通常郵便物について、現在の週六日以上の配達を週五日以上に緩和することが盛り込まれております。  これにより、土曜日の配達が休止となる予定ですが、現在土曜日の郵便物配達担当している約五万五千人のうち、約八五%に当たるおよそ四万七千人が、平日における郵便物配達や荷物の配達に再配置が可能となるものです。  また、通常郵便物送達日数について、郵便物の差し出しの日から原則三日以内の配達原則四日以内に緩和することとしております。  これにより、現在深夜の時間帯に郵便物の区分業務を担当している約八千七百人のうち、約六四%に当たるおよそ五千六百人が、昼間の時間帯における郵便物の区分業務や荷物の処理に再配置が可能となるものです。  さらに、本法案においては、郵便区内特別郵便物の範囲拡大が盛り込まれております。  本法案は、SNSや電子商取引等のデジタル化の進展などの社会環境の変化、郵便に対する国民、利用者のニーズの変化等を踏まえ、郵便サービスの将来にわたる安定的な提供を維持し、国民、利用者の利便を確保するために必要な措置であり、急増する荷物の配達ニーズに対応できるようになるものです。  本法案は、郵便事業に携わる方々の労働環境の改善、生活の質の向上といった働き方改革に資するものであり、人材確保にとって重要なことから、速やかに成立させるべきであります。  以上申し上げまして、私からの討論といたします。ありがとうございました。(拍手)
  209. 石田祝稔

    石田委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  210. 石田祝稔

    石田委員長 これより採決に入ります。  郵便法及び民間事業者による信書送達に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  211. 石田祝稔

    石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  212. 石田祝稔

    石田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、橘慶一郎君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・社民・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。岡島一正君。
  213. 岡島一正

    ○岡島委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     郵便法及び民間事業者による信書送達に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。  一 郵政民営化して十三年が経過したこともあり、郵政民営化の進捗状況等について総合的に検証すること。  二 郵便サービス水準を変更するに当たっては、日本郵便株式会社等と連携し、利用者に対する適切な周知を図るとともに、サービス提供に混乱が生じることがないよう指導監督を行うこと。  三 日本郵便株式会社が将来にわたり、郵便サービスを維持し、全国あまねく安定的にユニバーサルサービスを提供する責務を果たすことができるよう、必要な措置を講ずること。また、ユニバーサルサービスの質の維持・向上に資する必要な支援を講ずること。  四 日本郵便株式会社が、非正規雇用を含むすべての社員を大切にし、長時間労働を招くことがないようにするとともに、出来る限り深夜労働を減らすことができるよう、指導監督を行うこと。また、働き方改革関連法の趣旨に則り、雇用を維持し、処遇や労働条件の改善を図り、同一労働同一賃金を具現化するよう指導監督を行うこと。  五 日本郵政グループが、かんぽ生命保険の保険商品に係る不適切契約問題等によって損なわれた国民の信頼を回復するとともに、再発防止策の確かな推進と経営の健全化を早期に実現するよう指導監督を行うこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。  以上です。(拍手)
  214. 石田祝稔

    石田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  215. 石田祝稔

    石田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武田総務大臣
  216. 武田良太

    武田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――
  217. 石田祝稔

    石田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  218. 石田祝稔

    石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  219. 石田祝稔

    石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十七分散会