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2020-11-26 第203回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十一月二十六日(木曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 永岡 桂子君    理事 穴見 陽一君 理事 伊藤 達也君    理事 勝俣 孝明君 理事 武村 展英君    理事 牧原 秀樹君 理事 尾辻かな子君    理事 柚木 道義君 理事 古屋 範子君       畦元 将吾君    安藤  裕君       伊藤信太郎君    門山 宏哲君       木村 次郎君    木村 弥生君       小泉 龍司君    佐藤 明男君       土屋 品子君    冨岡  勉君       西田 昭二君    百武 公親君       藤丸  敏君    船田  元君       山下 貴司君    青山 大人君       稲富 修二君    大河原雅子君       大西 健介君    中島 克仁君       堀越 啓仁君    吉田 統彦君       伊佐 進一君    畑野 君枝君       串田 誠一君    井上 一徳君     …………………………………    国務大臣    (消費者及び食品安全担当)            井上 信治君    財務副大臣        伊藤  渉君    農林水産大臣      葉梨 康弘君    国土交通大臣      岩井 茂樹君    内閣大臣政務官     吉川  赳君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  勝野 美江君    政府参考人    (金融庁総合政策局参事官)            田原 泰雅君    政府参考人    (消費者庁次長)     高田  潔君    政府参考人    (消費者庁政策立案総括審議官)          津垣 修一君    政府参考人    (消費者庁審議官)    片桐 一幸君    政府参考人    (消費者庁審議官)    坂田  進君    政府参考人    (消費者庁審議官)    片岡  進君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           塩見づ枝君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房生活衛生食品安全審議官)  浅沼 一成君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           岩井 勝弘君    政府参考人    (農林水産省大臣官房輸出促進審議官)       池山 成俊君    政府参考人    (農林水産省大臣官房生産振興審議官)       安岡 澄人君    政府参考人    (農林水産省大臣官房審議官)           神井 弘之君    政府参考人    (農林水産省生産局農産部長)           平形 雄策君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           岩城 宏幸君    衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十六日  辞任         補欠選任   木村 弥生君     木村 次郎君 同日  辞任         補欠選任   木村 次郎君     木村 弥生君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  消費者利益擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 永岡桂子

  3. 永岡桂子

    永岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 永岡桂子

    永岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。牧原秀樹君。
  5. 牧原秀樹

    牧原委員 おはようございます。自由民主党牧原でございます。  きょうは、質問の機会をいただきまして、永岡委員長あるいは理事皆様、本当にありがとうございます。  まず、トップバッターでございますので、少し概観的なことを伺っていきたいと思います。  私も弁護士でございますので、この消費者被害というのはずっとございます。そして、それは、被害者の方からすると全く落ち度がない、ある日突然、製品事故によってとか、あるいは人の善意につけ込むようなものであったりとかいう形で、被害に遭われた方というのは本当に悲惨な経験をされることが非常に多い。  そういう意味で、特に、私は、一期目のとき、二〇〇五年初当選しましたけれども、この消費者問題というのは大事だと思って取り組ませていただいたところでございます。  特に、消費者庁ができました。当時は、エレベーター事故とかガス事故とか食品偽装等、さまざまな消費者問題にかかわることがどういうわけだか多発をして、非常に問題が高まっている中、当時の福田康夫総理大臣が、二〇〇八年の一月の十八日に、生活者消費者が主役となる社会、そして、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的、一元的に推進するための強い権限を持つ新組織をつくり、そして、あわせて消費者行政担当大臣を常設するという、非常に熱い思いを持って語られたあの国会の様子を私はいまだに忘れることができません。  その後、法案の準備がされて、翌年の二〇〇九年の五月の二十九日に、これは全会一致です、可決をされ、二〇〇九年の九月の一日に設置がされたわけでございます。  ちょうど去年が十周年で、ことしは十一年たつということになりますけれども、改めて、井上大臣が新たに担当大臣になられましたので、この消費者庁設置意義についてお伺いしたいと思います。
  6. 井上信治

    井上国務大臣 消費者庁設置の経緯、意義等について御発言をいただきました。  二〇〇〇年代半ば以降、ガス湯沸かし器エレベーター事故などの製品事故問題、また、いわゆる食品偽装問題の発生悪質商法による被害の増加など、消費者に大きな不安をもたらした消費者問題が多発する。こうした事態を受けて、二〇〇九年に消費者行政の司令塔として消費者庁設置され、ことしで十一年目を迎えることができました。  この間、消費生活相談体制空白地域解消や、あるいは消費者ホットライン一八八(いやや)の運用開始など、消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、誰一人取り残されることがない体制の構築を図ってきたこと、また、各省庁縦割りを超えて、従来、食品衛生法JAS法など各法律に分かれていた食品表示に関する規定食品表示法として一本化するなど、多くの法律成立させていただいたこと、さらには、生命身体事故等原因究明等を行う消費者安全調査委員会を発足させたことなど、長年にわたり懸案とされてきた課題一定成果を上げてきたと考えております。  他方で、地方消費者行政のさらなる充実強化など、対応の必要な課題は残されている上、消費者を取り巻く環境が大きく変化をして、経済デジタル化新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消費者トラブル発生など、新しい課題発生しております。  消費者庁設置意義を十分なものにするためにも、残された課題に加え、新たな課題にもスピード感を持って対処するなど、全力で取り組んでまいりたいと考えます。
  7. 牧原秀樹

    牧原委員 ぜひ期待を申し上げます。  消費者の問題というのはさまざまありますが、特に、私が一期目の一番最初のころ、貸金業法改正、これは消費者庁のものではありませんけれども、グレーゾーン金利で、大変高利に苦しむ方がいて、かなりの自殺者が出ているとも言われていましたが、こうした問題に加えて、平成二十年の二〇〇八年に割販法そして特定商取法の改正がございまして、私もこれに中心的にかかわった次第でございます。  当時、安愚楽牧場を含めて、さまざまな、特に御高齢皆様をターゲットにした詐欺のような事件があって、この二つの悪質商法撲滅のための改正平成二十八年にも行われたところでございます。  こうした法改正は、悪質商法撲滅、こういうことについて効果があったんでしょうか。改めて、データを含めて見解を問います。
  8. 片桐一幸

    片桐政府参考人 お答え申し上げます。  消費者庁の所管する特定商取引法については、これまでも、その時々の社会経済情勢消費者トラブル実態等を踏まえ、累次の改正が行われてきたところです。  具体的には、平成二十年には、指定商品指定役務制を撤廃し、原則全ての商品役務特定商取引法規制対象となるなどの改正を、平成二十四年には、訪問購入規制対象に加えるなどの法改正が行われました。また、平成二十八年には、業務停止命令を受けた事業者役員等が新たに別の法人で同種の事業を行うこと等を禁止する業務禁止命令の導入のほか、業務停止命令期間の延長、刑事罰強化などの法改正が行われています。  これにより、令和年度には国による行政処分件数が過去最大の八十九件になるなど、特定商取引法に違反する悪質商法に対して効果があったと考えております。  より巧妙化する悪質商法に対して迅速かつ厳正に対処するためには、制度見直しを絶えず行っていく必要があると考えております。そのため、現在、消費者脆弱性につけ込む悪質商法への対策強化等を柱とする特定商取引法及び預託法改正に向けて、具体的な制度設計を早急に行っているところでございます。
  9. 岩城宏幸

    岩城政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、平成二十年当時、高齢者に対します悪質な訪問販売等を助長するような、クレジット業者によります不適正な与信の問題が顕在化しておりました。この状況を踏まえまして、特定商取引法とともに割賦販売法改正も行われたところでございます。  具体的には、消費者への不適正な与信防止するため、消費者支払い可能見込み額調査を義務づけ、見込み額を超える過剰な与信を禁止するとともに、多重債務対策といたしまして、支払い可能見込み額調査に際しまして、指定信用情報機関信用情報の利用を義務づけたところでございます。  さらに、行政として事業者への監督処分強化するため、個別クレジット事業者登録制度を創設しまして、業務停止命令を措置する等、監督体制を整備したところでございます。  こうした取組の結果、例えば、経済産業省に寄せられます個別クレジット分野消費者相談件数は、平成三十年度平成二十年度との比較で六割減少しております。また、消費生活相談員の八割弱が本改正は役立っているというふうに回答した調査結果もございまして、平成二十年度割賦販売法改正は、不適正な与信防止効果があったものと認識しております。  経済産業省といたしましては、引き続き、割賦販売法の適切な執行、そして事業者監督に取り組み、消費者被害防止に努めてまいりたいと考えております。
  10. 牧原秀樹

    牧原委員 今の話では効果はあったということですので、ぜひ、私たちも、こうした法改正不断取組が必要だなと思った次第でございます。  そうした一例として、今、デジタル化、きょうも、済みません、私はタブレットをお許しを得て使わせていただいておりまして、こうしたデジタル化を今政府全体で進めるんだということになっておりますけれども、こういうふうになりますと、いわゆるサイバーにおける犯罪消費者被害というのが想定されるわけですね。  我々、記憶に新しいところでは、二〇一八年一月二十六日に起きたコインチェックNEM盗難事件というのがございました。これは被害額約五百八十億円ですから、銀行強盗がどんなに金庫からお金を盗んでも、せいぜい数億円とか、昔、三億円事件というのがありましたけれども、しかし、五百八十億というのは、やはりデジタル化の中で初めてこういう被害額のものが生じ得るようになってきているわけでございます。  そして、この事件、いまだにいわゆる主犯は逮捕されませんし、お金もわからない、行方もわからない、こういう状況で、関連した人が逮捕されたというニュースもございますけれども、全容は全然明らかにならない状況でございます。したがって、より難しくなっているわけですね。  こういう中において、やはり大規模な消費者被害が生じる危険性というのを非常に懸念をします。特に、こういうことになれていない年配の方が一生懸命頑張ってデジタルに取り組んだときに、それになれていないが余りに、非常に脆弱な立場に置かれるんじゃないかという懸念がございます。  このデジタル化についての消費者庁としての取組はどうでしょうか。これは他省庁との連携も問いたいと思います。また、改めて、今申し上げたような高齢化社会では、デジタル化はもちろんのこと、特殊詐欺などの高齢者被害ということがより深刻になると思いますが、その取組について、吉川政務官にお聞きします。
  11. 吉川赳

    吉川大臣政務官 お答え申し上げます。  まず、委員指摘の件でございますが、消費者庁といたしましても、高額、さらには全容複雑性、こういった点から強い危機感を感じております。  つきましては、消費者庁においては、警察庁や金融庁など関係省庁とも連携をしまして、類似の手口による被害事件に便乗した詐欺による二次被害防止、つまり、これは、一次被害に遭ってしまった方が、さまざま、状況に混乱をして、さらなる被害拡大というものが懸念をされるわけであります。そういった点に関して、消費者向け注意喚起などを現在積極的に行っているところであります。  さらには、価格変動のリスク、パスワード管理重要性、こういったものをしっかりと皆様方に御理解をいただけるような啓発活動を行っているところであります。  また、御指摘いただいた高齢者に対する特殊詐欺などの被害でございますが、これに関しましても、現在、地方公共団体とも連携をしておるところでございます。地方消費者行政強化交付金等交付金を受けて、地方公共団体がしっかりとこれに対応していただけるような対策というものも、ともに取り組んでいるところでございまして、いずれにいたしましても、今後、被害予防拡大防止のための取組、各省庁連携をして進めてまいりたいと思っております。
  12. 牧原秀樹

    牧原委員 ぜひお願いします。多分、こういうのはイタチごっこなので、ぜひ、消費者庁皆様にもこのデジタルに関する知識を高めていただいて、要するに、犯罪者側というか、詐欺側というか、被害をもたらす側に対抗するようにやっていきたいと思いますし、必要な法改正を我々もやっていかなければいけない、こう思っているところであります。  こうした消費者被害というのは、難しいことの一つとして、被害を弁償してもらうというか、挽回することが難しいんですね。大手によるPL訴訟みたいなのであれば、まだ損害賠償ができますけれども、今申し上げた高齢者による集団悪質商法による被害とかいうのは、大体、賠償責任をなかなか問えない、こういうような問題もありますし、被害によっては、一人一人の被害額がすごくちっちゃくて、訴訟を起こしたりするのもなかなか割に合わないということがあります。  そういう観点から、集団訴訟というのがございます。これは、アメリカだとクラスアクションというのがあって、私もニューヨーク州弁護士なのでこの恐ろしさを肌で痛感しているんですけれども、これがかなり、逆に言うと、企業にとっては非常に消費者被害を抑えるということになっているのもまた事実なんです。  こういうことを見て、日本でも、二〇一三年の十二月に消費者裁判手続特例法成立をしました。このとき、今申し上げたクラスアクション的なものを求める意見と、それから、慎重な、主に経済界皆様ですが、その意見対立がかなり深刻で、その中で、一生懸命我々も知恵を絞って、妥協点を探って成立したものでございます。  この手続についてのその後の運用実績とその意義について問います。政務官、お願いします。
  13. 吉川赳

    吉川大臣政務官 まず、同法の制定に係るまでの委員の御努力に、心から敬意を表す次第でございます。  つきましては、平成二十八年十月に施行された同法でございますが、これまで、三つの特定適格消費者団体が認定をされております。さらには、五事業者に対して、現在、訴えが提起されているところでございます。  本年三月でございますが、同法に基づきまして、初の共通義務確定訴訟の判決が言い渡されました。これは東京医科大学の入試に関する件でございます。現在、個別の消費者への返金、つまり、二段階目であります簡易確定手続が進められている段階であるという点です。  それと、もう一点でございますが、これは、訴えの提起をする前においても、特定適格消費者団体の申入れに対して、事業者消費者に対して任意に返金をするというケースも複数見られているところでありまして、まさに一定評価が上がっていると言えます。  引き続き、同法により、特に少額多数の消費者被害の回復に向けて、この成果をしっかりと認識をしながら活用してまいりたいと思います。
  14. 牧原秀樹

    牧原委員 数件とはいえ、その前に決着がつく件もあるということですから、一定評価がありますが、これも、より効果的になるように、有効になるように、不断見直しが必要だと思います。  けさの新聞で、埼玉県でもまた持続化給付金大学生が逮捕されたという記事が出ておりました。私は副大臣時代にこの持続化給付金をやっていて、大変多くの大学生が不正にかかわって、また、これは逮捕されたりしたら一生を台なしにしかねないので、ぜひ返金を自発的にしてほしいと呼びかけさせていただいているところでもございます。  一方、私、成人年齢引下げの党のプロジェクトチーム取りまとめ役でかかわりました。この際、法務省の審議会において、十八歳に成人を下げるべきかどうかという答申が出ているんですけれども、その中で、十八歳、十九歳、新たに成人になる皆さん消費者被害が非常に危険であるので、ここの教育が大事であるという旨が指摘をされ、私たち報告書でもその旨を明記させていただいております。  二〇二二年の四月一日に、突如として十八歳以上の人が成人になります。期間はあと一年半です。教育及びそれ以外の、十八歳、十九歳の皆さん消費者被害を防ぐ準備というのはどうなっているんでしょうか。
  15. 片岡進

    片岡政府参考人 お答え申し上げます。  成年年齢引下げを見据え、若年者消費者被害に遭わず自立した消費生活を送ることができますように、実践的な消費者教育充実に向けて、関係省庁連携をして、令和年度までの三年間を集中強化期間とする若年者への消費者教育推進に関するアクションプログラムを決定しているところでございます。  このアクションプログラムに基づきまして、実践的な教材を活用した消費者教育の授業が全ての都道府県の全高校で行われることを目指しておりますけれども、令和年度実績としましては、全国で六七%の高等学校消費者教育実施がなされているところでございまして、その前年度の三八%から上昇しているところでございます。  引き続きまして、若年者消費者教育充実が図られますように、関係省庁連携をしながら、実践的な消費者教育実施に向けて地方公共団体に働きかけをしてまいりたいと思いますし、また、特別支援学校向け教材作成することなどの取組も進めてまいりたいというふうに考えております。
  16. 牧原秀樹

    牧原委員 御承知のとおり、少年法は二十までということで、今までと年齢のあれは変わらないようにしたんですね。これは、この間、数年来の大議論を経て、やはり十八歳、十九歳の皆さんが非常に大切であるというような観点が議論されたわけでございます。ぜひ、この十八歳、十九歳が成人になった後に消費者被害がどうかというのは必ず着目をされますので、相当、消費者庁だけじゃなく政府全体で取り組まなければいけないと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  最後に、ギャンブル依存症についてでございます。  これは私、依存症対策議員立法にかかわらせていただきました。実は、IR関係でこのギャンブル依存症対策がより重要視され、こういう議員立法もできたんですけれども、IRがまだ全然できる前にこれが問題になるということは、要するに、ギャンブル依存症の問題というのは今ある問題なんですね。将来カジノができたら出てくる問題じゃなくて、今、現実にある問題だということなんです。  この議員立法成立をして、改めて政府としてギャンブル依存症対策をちゃんとやろうということを我々国会としても意思を示したわけですけれども、この議員立法成立後に消費者庁としてはどのような取組をしているのか、改めてここで問いたいと思います。
  17. 坂田進

    坂田政府参考人 お答え申し上げます。  ギャンブル等依存症は、御本人や御家族の生活に深刻な影響を及ぼすため、予防相談支援などの取組が極めて重要でございます。  このため、消費者庁におきましては、ギャンブル等依存症対策基本法規定により策定された基本計画に基づきまして、第一に、消費者向け啓発資料作成公表、第二に、消費生活相談員向け対応マニュアル作成公表、第三に、国民生活センターにおける消費生活相談員向け研修実施などに取り組んでいるところでございます。  今後の効果的な施策の推進に当たっては、ギャンブル等消費行動実態把握普及啓発取組についての認知度把握が必要と考えており、今年度内閣官房ギャンブル等依存症対策室とも連携し、必要な調査実施する予定です。  今後も引き続き、関係省庁連携し、ギャンブル等依存症により不幸な状況に陥る人をなくすため、必要な取組を進めてまいる所存でございます。
  18. 牧原秀樹

    牧原委員 終わります。ありがとうございました。
  19. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、木村弥生君。
  20. 木村弥生

    木村(弥)委員 おはようございます。自由民主党木村弥生です。  本日は、一八八(いやや)のバッジをつけて、食品ロス削減取組とともに、経済的に困窮する子育て世帯食品を無料で届ける子供宅食取組についても伺いたいと思います。こちらは多くの省庁がかかわっていることであり、菅総理縦割り解消重要性指摘されておられますが、各省庁連携し、それぞれの強みと知恵を出し合った取組を進めることが必要と考えます。  例えば、廃棄されていた食品生活困窮者に配付するという形で役立てることは、困窮をきわめる一人親等の皆様が助かるのはもちろんのこと、食品ロス削減を通じて環境負荷も削減できる、そして、食品やエネルギーの無駄も削減できるといった、一石二鳥にも三鳥にもつながるかと思います。こうした視点で、関係省庁連携して、食品ロス生活困窮者支援に生かすという課題を共有し、その解決策の検討を提起したいと思います。  そこで、子供宅食支援でございます。  新型コロナウイルス影響で、経済的な困難を抱えている御家庭が更に深刻な状況に置かれております。弱い立場の方々にしわ寄せが行っています。おととい、二十四日の火曜日にも、全国シングルマザー院内集会がございました。その調査によりますと、七割の母子家庭で、大変、解雇や雇いどめ、そういったことで減収をきわめており、また、食事も一日一食といった状況である、生活費が非常に不足している、そういったことが指摘されております。こういった子供たちへの支援が必要でございます。  これまでは、地域のボランティアが子供たちに無料で栄養のある食事や温かな団らんを提供する子供食堂、この取組が進められておりましたが、コロナの感染拡大以降、三密を避けるために子供食堂の運営を自粛する団体が増加しており、子供の貧困対策のための新たな取組推進が喫緊の課題となっているところでございます。  そこで、子供たちを貧困から守る新たな取組として、そういった子育て世帯に対して定期的に食品を配達する、届ける、子供宅食が注目されております。  出前型、アウトリーチ型福祉とも言われておりますこの子供宅食。利用者の方は、コロナにおける外出や、また三密を避けられること、そしてまた、周囲の目を気にせず利用できる。子供食堂は、本当に必要な御家庭が、あそこに行ったら貧困だというレッテルを張られてしまう、こういったことを恐れて、本当に必要なところに支援が届かなかったといった課題もございました。  こういった中で、家庭を訪問することで、そして、ここがポイントなんですけれども、ただ配るだけではなくて、まず、行政に対して不信感を持っていた、あるいは行政に対してヘルプを言うことができなかった御家庭との信頼関係を構築する。そして、そこで、例えば児童虐待だとかDVだとか、また、さまざまな、何かしらの疾患を抱えているとか、それが複雑に絡み合っている、そういったところを見守り、そして、問題が起きたら速やかに行政の専門性のところにつなげていく、こういったことが期待されているわけでございます。  そこで、私、こども宅食議連の幹事長も務めておりまして、こういった取組を進めていきたいという活動をしていたところ、令和年度の第二次補正予算において、厚生労働省の支援対象児童等見守り強化事業に三十一億円が、国の十分の十で予算措置がとられたのが大変ありがたいことでございました。  ここで、アンケート調査の結果が出ておりまして、こういった中で、自治体が手挙げをしてくれないと進まないんですけれども、食品の継続的な確保が課題である、そういったことが言われていて、一番喜ばれるのはやはりお米であります。文房具だとかお菓子だとか、そういったものも箱の中に入ってお届けするんですけれども、やはり一番喜ばれるのはお米なんですね。  そこで、備蓄米の活用について、きょうは農水省の皆さんにお越しいただきました。  農水省では、政府の備蓄米として毎年お米を約百万トン備蓄していて、既にフードバンク等に対してその無償交付を実施しておられるんですけれども、ただ、これは、前年度よりも米の使用量の増加が見込まれる場合に、一団体当たり六十キログラムを上限に交付されることとなっております。  残った政府備蓄米は動物の飼料等にされていると伺っておりますけれども、それだったら、せめて、備蓄米を必要としている世帯に少しでも提供できたらなと思うんですけれども、前年度よりも米の使用量の増加が見込まれる場合と、六十キログラムを上限にしているということを交付の要件としている根拠を伺いたいと思います。  そして、少しでもこの備蓄米を困窮世帯に提供できるような、そういった仕組みにすべきかと思うんですけれども、農林水産省の見解を伺いたいと思います。
  21. 平形雄策

    平形政府参考人 お答え申し上げます。  農林水産省では、これまで、食育の観点から、学校給食における御飯食の拡大分に対して、政府備蓄米の無償交付を実施してきました。近年、子供食堂等が食育の一環として御飯食の提供を行い、学校給食の補完機能を果たす取組、これが見られることから、本年五月からこの取組を子供食堂にも拡大して実施をしております。  子供食堂への無償交付につきましては、前年度から米の使用量の増加が見込まれることとしておりますのは、食育の観点から御飯食の回数をふやす取組に対して支援するためであります。また、一件当たり六十キロを交付上限としていることにつきましては、本取組が初年度であるため、子供食堂の平均的な使用量を上限として交付することとしたものでございます。  委員指摘子供宅食につきましては、経済的に困難な家庭食品を届けることを通じて、家庭状況把握し見守っていく出前型の支援として、委員始め先生方が推進されていることは承知しております。  生活困窮者の方々に向けた食料支援等の対策は、厚生労働省や各地方公共団体において社会福祉制度の中で実施されておりますし、また、子供食堂やフードバンクの活動等に対しましては、NPOなど民間の取組も盛んになっており、それを政府地方公共団体とも多様な手法で支援していると承知しております。  一方、政府備蓄米につきましては、不作等に備えまして、必要な国産米を在庫として保有するものでございまして、現在実施している子供食堂への無償交付の取組は、食育の一環として実施をさせていただいております。  このため、子供宅食につきましての政府備蓄米のさらなる活用につきましては、食育の一環としてどのような対応ができるか、検討してまいりたいと考えております。
  22. 木村弥生

    木村(弥)委員 ありがとうございます。  今、たしか、使用されているのは百万トンのうち三十六トンです。これはやはり、食育の観点や、また将来世代へのお米を食べる文化の推進とマーケット確保につながると思うんです。  もちろん、米の市場に影響してはならないと思いますけれども、子供食堂の方はオーケーというところで、実はきのう、いみじくも、予算委員会で齋藤健議員が大臣に御質問をされました。そのとき、また大臣も、食育の一環としてしっかり対応できるか検討するといった御答弁をいただいて、そこで齋藤議員が、備蓄米は農水省のものではなくて、政府のものであり、また国民のものだ、こういうふうな御指摘もございましたので、ぜひ、よりよい形でそういう仕組みをつくっていけたらなと思います。  ただ、備蓄米よりも、やはり新米のまたおいしさもございます。私の地元、京都で、正確には、私というより安藤裕議員の御地元の石清水八幡宮さんの宮司さんの御好意で、新嘗祭のお米で余った分を子供宅食に御寄附をくださる、こういった本当にありがたい申出がございました。新米であれば、より子供たちがとてもおいしくいただけると思います。こういった地域での支え合い、これも含めて、この寄附文化というものが醸造していくといいなと思っております。  そこで、寄附についての質問でございます。  子供宅食を行う団体が賞味期限内の食品を提供した場合におきましても、例えば、何らかの原因によって、過失はなくても食中毒等の事故が起きてしまうといった可能性は否定できません。こういった場合に、子供宅食を行おうという団体や、また寄附をしようという事業者が責任を負うことになったら、やはり訴訟に発展するというリスクを恐れて活動をためらってしまうということが考えられると思います。  だからこそ、子供宅食を行う団体が安心して取組を行えるようにするためには、活動を行う団体や事業者の法的な責任を免除する一定の法的な枠組みが必要ではないかと考えます。  アメリカでは、一九九六年に、よきサマリア人の寄附法が制定されまして、故意又は過失の違法行為ではない限り、寄附を行った団体や個人は、寄附を受けた相手がこうむった損害の責任を負わないとされて、韓国やイギリスにおいても同様の法律が整備されております。  私は過去に厚生労働省で、医療的な行為をテーマに、傷病者の方が倒れていた場合等の善意による行為について、よきサマリア人の法律について質問したことがあるんですが、食品のことについては初めてであります。  お尋ねしたいのは、こういった食品ロスの削減ですとか貧困問題の対策として、安全に食べられるのに、例えば包装の破損や過剰な在庫、印字ミスなどの理由で流通に出すことができない食品を、例えば企業などから提供していただいて、必要としている施設や、また団体、困窮世帯に無償で提供するフードバンクの取組も行われております。  昨年成立した食品ロス削減推進法にも、フードバンク活動のための食品の提供等に伴って生ずる責任のあり方に関する調査及び検討を行うよう努めるものとすると規定されております。これは第十九条の第三項であります。法案を起草した際の委員会決議におきましても、提供した食品により食品衛生上の事故が生じた場合の食品関連事業者等及びフードバンク活動を行う団体の法的責任のあり方について、法成立後速やかに検討することが政府に求められているところでございます。  この決議に対する衆議院の調査局の対処状況調査では、消費者庁は、令和年度予算案において、法的責任のあり方を含めて諸外国の法制度食品の寄附等の実態を把握するための調査を行うための予算を計上すると回答しております。  しかしながら、またコロナで海外調査が難しいということも承知しておりますが、コロナ禍において貧困家庭がまた増加し、大変困難をきわめているところを鑑みて、やはり調査を速やかに行って、解決に向けて進めていただきたいと思っております。  日本におきましても、安心して食品を提供できるような法的な枠組みの創設に向けて、一日も早い速やかな検討が必要であると考えますが、現在の検討状況や今後の検討スケジュールについて、消費者庁のお考えをお聞かせいただければと思います。
  23. 津垣修一

    津垣政府参考人 お答え申し上げます。  消費者庁におきましては、本年度、諸外国における食品の寄附の実態等に関する調査事業といたしまして、海外における食品ロスの削減に関する取組や、法制度食品寄附等の実態を調査しております。  この調査においては、文献調査のみならず、主要国の関係者から実際にヒアリングを行うこととしております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の関係で、現段階では我が国から海外へ渡航しての調査は困難であるため、オンラインによるヒアリング等を行う予定としております。  調査結果は年度内に取りまとめることとしており、結果等を活用して、関係省庁とも連携しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
  24. 木村弥生

    木村(弥)委員 ありがとうございます。  私も、例えば地元の業者の方にそういった寄附のお願いをさせていただくときに、やはり、何かあったときにそういったリスクがあるんだったら捨てた方がましだ、そういった気持ちもあると、寄附というのはなかなか進まないと思います。本当にその辺のところをぜひ改善に向けて努力していただけるように、ともに頑張りたいと思います。  食品ロスの今後の取組についてもお尋ねをいたします。  私の地元のそういった環境衛生の業者の方の現場の工場を視察したことがあったんです。本当に、まだ十分食べられるようなそういったものがごみとして捨てられて、もう委員皆様御存じと思いますが、年間六百万トンの食品ロスの、こういったごみが生じている。こういったところで、まだまだやはり私は改善の余地があると考えております。  翻って、私の地元の京都市におきましては、新・京都市ごみ半減プランのもと、食品ロス削減取組を行っているお店を市が認定する京都市食べ残しゼロ推進店舗の認証制度など、ごみ減量行動の市民及び事業者への定着を図るために、さまざまな取組を積極的に展開しているところでございます。  食品ロスの削減のためには、国と地方が車の両輪となって取組を進めていくことが重要であると考えております。さらに、国においても、幅広い施策が必要となるため、各省庁横断的に取り組んでいくことが必要であると考えております。  そこで、時間があったら三分の一ルールの見直しについても質問したかったんですけれども、あと少しとなりましたので、ここはぜひ、消費者庁としての今後の取組として、国と地方との連携、そして各省庁間の連携について、食品ロス削減推進法を所管しております消費者庁こそがやはり力強い司令塔となって推進すべきと考えておりますので、大臣の意気込み、見解をお願いしたいと思います。
  25. 井上信治

    井上国務大臣 食品ロスの削減、大変重要な課題だと認識しております。食品ロスの削減の推進に関する法律及び食品ロスの削減の推進に関する基本方針に基づいて、この問題を一人一人の消費者が人ごとではなく我が事として捉え、理解するだけでなく行動に移していただくための取組地方公共団体及び関係省庁連携しつつ推進をしております。  食品ロスの削減をより強力に推進するためには、消費者庁が直接所管をしている日ごろの普及啓発のみならず、食品の寄附や持ち帰りなどを妨げる制度的な課題見直しを進めることが重要だと考えています。  このため、先日、関係省庁による会議を私の方で招集をして、各省庁が取り組むべき課題について、スピード感を持って総点検を行い、年内にも可能なものから前倒しで取組を進めるよう関係省庁に指示を行いました。  今後、多様な主体が連携をし、国民運動として推進することが重要であり、消費者庁が司令塔となって、関係省庁とともに地方公共団体関係業界など多くの方々と連携をし、政府一丸となって取組を加速化してまいります。
  26. 木村弥生

    木村(弥)委員 大臣の力強いお言葉をいただきました。ありがとうございます。  コロナ感染拡大の兆しがある現在、自治体レベルで、官民がしっかりと連携をとった形で、子供の見守り力の強化がなお一層重要になっていると思っております。  先ほどお伝えいたしました厚労省の支援対象児童等見守り強化事業、この予算も、来年度も自治体の負担なしで、すなわち、国庫負担十分の十の措置を継続していただきたいと思っておりますので、ぜひ大臣内閣の一員として応援していただけたらなと思います。消費者庁との連携こそが、やはりこの食品ロスの削減と、そして、こういった困難をきわめている方々への支援が実現していくものだと思います。そういったことをぜひ皆様にもお伝え申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  27. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、古屋範子君。
  28. 古屋範子

    ○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。  本日は、大臣所信に対する質疑を行ってまいります。  初めに、NTTドコモの電子決済サービス、ドコモ口座に端を発しました預貯金口座からの不正出金被害の現状について、お伺いをしてまいります。  過去に知らずに不正なドコモ口座をつくられてしまって、自分の銀行預金がひそかに抜き取られていることに気づいていないという預金者が少なくありません。突出して被害が多いのが、ゆうちょ銀行であります。ドコモを含め七種類のキャッシュレス決済サービスでの不正引き出し、最も古い被害は二〇一七年七月でありまして、三年以上前から断続的に被害が出ていたことになる。被害が多い理由というのは、安全対策に不備があったのではないかと思います。ドコモの場合はメールアドレスだけで架空名義の口座登録ができてしまい、そこに、ゆうちょ銀行など甘い金融機関のセキュリティーが重なって不正が拡大をしました。  被害が確認されていないメガバンクでは、決済サービスと預金口座の連携時に携帯電話のショートメッセージサービスなどを使った二段階の認証を導入しています。預金口座から入金する際も一時的に有効なパスワードを発行するなどの対策をとっています。  銀行等、キャッシュレス事業者は、安全上の懸念があるサービスは金融庁の要請で一時とめておりまして、被害が更に広がるリスクは少ないということであります。  まず、金融庁に、二〇一九年にセブンペイなど決済サービスで不正が相次いだことを受けまして、キャッシュレス事業者への立入検査などを進めてこられたと認識をしております。今回、十分な検査を終えないうちに不正が発覚をいたしました。手間をかけない、利便性と安全性の向上は相反するわけですけれども、利用者が安心してできる環境を整備する必要があると思います。初めに、キャッシュレス決済サービスとひもづいた銀行口座から不正に預金が引き出された被害の現状、金融庁対応について伺います。  続きまして、今回の決済トラブルに便乗して、事業者を装って、被害に遭った人に補償するといっていわば二重の詐欺被害を行っている者がおります。キャッシュカードの暗証番号を聞き出すというケースがあると聞いております。消費者庁に、こうしたケースに対しての対策について、まずお伺いをしたいと思います。
  29. 田原泰雅

    田原政府参考人 お答え申し上げます。  NTTドコモによりますと、ドコモ口座に係る被害は、昨年十月から本年九月にかけまして、百二十八件、二千八百八十五万円発生してございます。また、NTTドコモ以外の複数の資金移動業者においても被害発生しているところでございます。  これを受けまして、現在、銀行や資金移動業者に対しましては、金融庁から、銀行による認証の強化、資金移動業者による本人確認の強化等の不正対策実施及びそれまでの間の口座連携の停止、補償方針の策定と実施、利用者相談への真摯な対応などを求めているところでございます。  金融庁といたしましては、引き続き各事業者にこうした対応を促すとともに、必要な内容につきましては、今後、監督指針等に盛り込むことを検討してまいりたいと考えております。  また、広く国民の皆様に対しましても、消費者庁、警察庁とも連携した上で、銀行口座からの不正な出金やこうした事案に便乗した詐欺につきまして注意喚起を行っているところでございます。
  30. 坂田進

    坂田政府参考人 二次被害への対応についての御指摘についてお答え申し上げます。  消費者庁といたしましては、金融庁などと連携し、今回の事案に便乗した詐欺に関する注意を呼びかける注意喚起資料を作成公表したほか、あなたも被害に遭ったと警察官を装ってキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとする不審電話などを念頭に、キャッシュカードの暗証番号や口座情報の管理に注意が必要であること、また、身に覚えのない取引がないかの確認を求める金融機関に成り済まして暗証番号やパスワードを教えてほしいなどと依頼するメール等に注意が必要であることなどにつきまして、SNS等により呼びかけをしてきたところでございます。  今後も引き続き、金融庁等と連携いたしまして、消費者被害防止に取り組んでまいります。
  31. 古屋範子

    ○古屋(範)委員 こうした被害に遭った方々に適切、迅速な対応を徹底していただきたいと思っております。また、再発予防に全力を挙げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、定期購入に関するトラブルについてお伺いをしてまいります。  定期購入に関する消費者相談につきましては、例えば、初回限定とかお試し価格というような広告を見て一回だけのつもりで商品を購入したところ、いつの間にか定期購入で毎月商品が送られてくる、支払いをしなければいけない、このような相談件数がふえております。  令和年度消費者白書によりますと、二〇一八年定期購入に関する消費者生活相談件数は二万一千九百七十七件、二〇一九年になりますと四万四千三百七十件に、約二倍に増加をしております。二〇一五年が四千百四十一件ですので、ほぼ十倍に増加をしているということが報告をされております。  商品別に見ますと、健康食品に関するものが最も多くて六〇・三%、化粧品に関するものが三九%ということで、相談の九割がインターネット販売によるものであります。お試しのつもりが定期購入になっていたケースとか、解約をしたいんだけれども事業者に連絡がとれないなどの相談が寄せられております。  トラブルの特徴は、複数の購入回数を契約の条件としている、一回限りの販売と見せかけておいて実は最低何回購入しないとそれは販売しないということになっております。いつでも解約できるといいながら、解約しようとすると通常価格の支払いを求めてくる、また、解約をしようとすると電話がつながらない、解約できなかった、このような相談が寄せられております。  まず、これは定期購入が条件であるという契約内容がわかりにくくなっております。スクロールで長文あるいはとても小さな文字でその条件が書かれていて、消費者が認識しないまま注文してしまう、あるいは、解約条件の表示がわかりにくい、解約の手続が困難である、このようなことが指摘をされております。  また、サブスクリプション、サブスクでも同様の問題が発生をしていると思います。毎月決まった金額を払って、決められた範囲内でのサービスということで、非常に気軽に、使いたい放題ということで使う方が多いサービスです。この解約に関する相談がやはり後を絶たないんですね。  サブスク関連を中心とした例えば動画配信サービスに関する相談件数は、二〇一〇年度が二百十五件だったにもかかわらず、二〇一九年には千七百七十件に増加をしております。二〇二〇年九月中旬までで、もう千五百件を超えております。  こうした、インターネットで、まあ、私も活用するので、ボタンをクリックすると簡単に注文ができます。特に若者はスマホを使う機会が多くて、被害の増加が懸念をされております。  この定期購入等に関するトラブルの現状、また問題点について、消費者庁の認識をお伺いいたします。
  32. 片桐一幸

    片桐政府参考人 お答え申し上げます。  相談件数でございますけれども、委員指摘のとおり、国民生活センターで受け付けた消費生活相談のうち、定期購入に関する相談件数について、昨年の相談件数は約四万四千件となっておりまして、二〇一五年の相談件数から約十倍となるなど、近年急激に増加しているところでございます。また、この約四万四千件の定期購入に関する相談のうち、九割以上がインターネット通販によるものとなっております。  定期購入に関するトラブルの例として、消費者が一回限りの購入と思って購入したところ、知らない間に定期購入になっているなど、消費者が定期購入であることが容易に認識できないような広告を表示する、定期購入であることはわかるようになっているけれども、いつでも解約可能と称して契約を締結させ、解除には応じなかったり、解除のためのハードルを意図的に上げたりするといった手口が見られるところでございます。これも委員指摘のとおりでございます。  このように、詐欺的な定期購入商法による消費者トラブルが多発している現状を踏まえまして、消費者庁においても、この一年間において、定期購入に関連する表示について特定商取引法に違反する行為を行っていた四事業者に対して行政処分を行うなど、監視を強化しているところでございます。
  33. 古屋範子

    ○古屋(範)委員 消費者庁におかれましても、四事業者行政処分ということで対応されているところだとは思います。しかし、非常に多くの方がこういう相談を寄せられているということ、これは看過できないと思っております。  このネット通販トラブルというのは、よくネットを活用する若者だけではなくて、今、もう高齢者の間にも広がっております。  国民生活センター相談データによりますと、六十歳以上、二〇一九年度で約二万五千八百件ですので、二〇一〇年度の十五倍になっております。五十九歳以下が六倍弱ということと比較いたしますと、六十歳以上の相談が急増しているという現状が見てとれます。  なれない画面で誤作動をしてしまう、そういうトラブルもあるのかなと思います。ネット操作にふなれな高齢者が相対的に多いと思います。決済後も購入ボタンを何度も押してしまう過剰に注文する事例であるとか、一回のつもりが定期購入になっているというような相談がふえています。確認表示とか注意書きが小さな字で書いてあると、高齢者には気づきにくいというようなことも原因の一つになっているかというふうに思います。また、キャンセルしたくてもネット上でしか手続できない、となると、そこで難しくて断念してしまう。  もう一つは、認知機能の低下ということもあると思います。認知症になって、同じ商品を何度も買ってしまう人がいる。直前の行動も忘れる傾向が強いアルツハイマー型などはリスクが高い。手軽に買えるネット画面でのデザイン、過剰購入を招くという有識者の指摘もございます。認知機能が衰えると、画面を見る視線が散漫になったり偏ったりすることもあるようです。  今後、認知症の人がもっとふえていくということを考えますと、深刻な社会問題になり得る可能性があります。高齢者を狙った悪質商法等の中で、特定商取引法で規制している過剰販売等については、これまでも行政処分が行われてきたところでありますけれども、立証に時間がかかることが多いということが指摘をされています。現状で、高齢者への過剰販売の規制がまだ未整備と言わざるを得ません。  高齢者を守る対策被害拡大を迅速に防ぐための対策をしっかりとっていただきたいと思います。消費者庁の考えを伺いたいと思います。
  34. 坂田進

    坂田政府参考人 お答えいたします。  インターネット通販等の利用者は拡大しており、インターネット通販による高齢者消費者トラブル防止は重要な政策課題と認識をしております。  認知症等の高齢者においては、消費者トラブルに遭っているという認識自体が低く、みずから声を上げてSOSを発信することが難しい場合もあることから、認知症等の高齢者消費者トラブル防止には周囲の方々の見守りや気づきが大切であり、消費者庁では、インターネット通販等のトラブルや高齢者の見守りに関する注意点に関する情報を随時公表しているほか、地域におけるいわゆる見守りネットワークの設置推進し、高齢者等の配慮を要する消費者の見守りを強化しているところでございます。  インターネット通販になれない高齢者などの消費者が安心して消費活動を行えるよう、注意喚起や見守り活動の充実などの取組を引き続き進めてまいりたいと考えております。
  35. 古屋範子

    ○古屋(範)委員 高齢者で、買物弱者という言葉があるんですが、これはどちらかというと買物に行く移動手段がないということを今まで買物弱者というふうに呼んでいたのかと思いますけれども、ネット上においても高齢者は買物弱者であるということが言えるのではないかというふうに思います。ぜひ、高齢になってこうしたネット上での消費者被害に遭わない体制整備をお願いしたいというふうに思います。  最後に、大臣に質問させていただきます。  大臣、御就任おめでとうございます。  新型コロナウイルス感染症防止観点からも、今後もインターネット通販の利用増加というものが見込まれていくと思います。当然、時代とともに、実際にお店に行ったりして買うというよりも、ネットで購入をしていくということがもともとふえておりました。私も、議員になって十七年になるんですが、なかなか買物に行くことができず、食品はもう二十年以上、毎週ネットで購入をしております。それに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大ということで、家から出たくない、買物に行くと、人混みを避けたいという思いから、やはりいろいろなものをもうネットで買おうという人が急増していると思います。  この定期購入に関するトラブルにつきましては、これまでも、消費者庁国民生活センター注意喚起を行うなど対応されてきていると思います。これに適用される現行法としては、特定商取引法があると思います。また、そのほか、景品表示法、消費者契約法、現行法でも適用される法律はあるとは思います。  大臣は、先日の委員会の所信の御発言の中で、悪質商法への対策の一層の強化のために、抜本的な制度改革への早急な具体策検討と、消費者の安全、安心の確保に必要な法的枠組み等の環境整備に関する検討を進める旨の御発言をされています。  こうした詐欺的な定期購入に関するトラブルへの対応デジタルプラットフォームを経由した取引等への対応について、消費者庁制度の在り方に関する検討委員会が検討されて、この八月、報告書を取りまとめていらっしゃいます。  そこで、現行法の厳正かつ適切な執行、これは当然なんですけれども、特定商取引法においては、消費者の意に反した契約の申込みの禁止、解約を妨害する行為の禁止とともに、通信販売の広告の表示義務の厳格化や表示方法の規制など、規制強化が必要であると考えます。この対策をぜひ打ち出していただきたいと思います。  特定商取引法見直しを含めて規制強化の必要性について、大臣の御所見を伺います。
  36. 井上信治

    井上国務大臣 古屋委員指摘のとおり、今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて新たな日常が模索される中で、通信販売、特にインターネットを通じた通信販売の利用者が急増しております。このため、インターネット取引における消費者の安心、安全を確保することが重要と考えています。  インターネット通販が関連することが多い詐欺的な定期購入商法に対しては、消費者被害拡大防止を図る観点から、消費者庁としても、監視を強化行政処分を行うとともに、消費者への注意喚起を行っております。しかし、引き続き消費者トラブルが多数発生している状況を踏まえ、特定商取引法の規制の重要性が高まっていると認識しております。  本年八月に消費者庁において取りまとめられた有識者検討委員会の報告書でも、詐欺的な定期購入商法に対する規制強化の必要性が提言されております。具体的には、特定商取引法における顧客の意に反して通信販売に係る契約の申込みをさせようとする行為等に関する規制の強化、それに加えて、解約、解除を不当に妨害する行為の禁止や解約権等の民事ルールの創設などが提言されております。  消費者庁では、この有識者の検討委員会の報告書も踏まえ、現在、具体的な制度設計を行っており、次期通常国会への法案提出を目指して、可能な限り早期に成案を得たいと考えております。
  37. 古屋範子

    ○古屋(範)委員 ありがとうございました。  時間が参りましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  38. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、柚木道義君。
  39. 柚木道義

    ○柚木委員 立憲民主党の柚木道義でございます。  質疑の機会をいただき、ありがとうございます。  井上大臣に改めて、御就任おめでとうございます。  また、両副大臣、それぞれ、御多用中お越しいただき、ありがとうございます。  通告しておりますが、コロナ対策の局面が昨晩大きく動きましたので、ちょっと順番を入れかえて、冒頭の方の通告している方は後ほどということで、先に、まさに今回、GoToトラベルあるいはGoToイートを含めた新型コロナウイルス関連の実は消費者生活相談というのが、最新の数字で七万七千件に上っているんですね。その多くが、まさに旅行、宿泊、飲食、こういったところが含まれていて、例えば、御紹介をすると、キャンセルをした場合に、規約どおりのキャンセル料を請求されたとか、あるいは返金がされない、そもそも返金されるはずのお金返金されない、事業者と連絡がとれない、そういった相談が第一波以降ずっと寄せられている。  こういった状況が、まさに今回の、大きく、今、第三波の襲来によって、きのうもいろいろな動きがありましたが、今後更にそういった相談が寄せられるという状況になって、局面が変わりましたので、まず、通告している後半の方から、それぞれ担当副大臣にもお越しいただいておりますので、質疑をさせていただきたいと思います。  ちなみに、私も、タブレットは、両方使って、電源が切れたり何かあったらいけないので、紙も見ながら、ちょっと試しながら、こっちはストップウオッチがわりなので、それぞれオフラインになっていますので、使わせていただきたいと思います。  まず、局面が変わったといいますのは、昨晩、これは東京都が、飲食業、カラオケ店等、あさってから時短要請、さらには東京都独自の旅行推進策である「もっとTokyo」の中断。さらには、飲食関連でも、GoToイートについても、きょう質疑させていただきますが、都としては、あしたから新規の食事券の発行を三週間の中断をする。不要不急の外出も控えてほしい、飲食券の利用も控えてほしい、他方で、GoToトラベルについては国が判断すべきというちょっと矛盾した状況もあるわけですが、そういう状況がまずあります。  さらに、新型コロナ対策分科会、こちらにおきましても、これはもともと、目的地の方の地域、大阪市、札幌市、これをそれぞれの自治体の知事からの要請を受けた上で対象から除外する、こういったことであった中で、目的地ではなくて出発する方の地域についても、これは、既にステージ3という状況の中で、必要な対策がとられていない地域もある。具体的に、大阪と札幌以外にも、例えば東京都の二十三区あるいは名古屋市、こういったところも挙げた上で、発着の発の方の地域も除外をすべきではないか。これは、全国知事会からもそういった検討の要望が出ている。  こういう状況で、非常に、昨晩にかけても局面がもう変わったという状況であると思いますので、こういった中で、まず、国土交通大臣の方にお伺いをいたします。  局面も変わったということでございます。ぜひ、まず、目的地だけではなくて出発地についても、このGoToトラベル、これは本当に、私も進められる地域は進めていただきたいです、地元も観光地ですから。しかし、ステージ3とか、もういろいろな指標がほぼ満たしているこういう地域、目的地だけじゃなくて出発地の方もGoToトラベルの割引対象地域から除外すべき、こういったコロナ対策分科会あるいは全国知事会からの提言を受けて、これをどう今後対応していかれるか、もう時間がありませんので、ぜひ御答弁をお願いいたします。
  40. 岩井茂樹

    岩井大臣 お答えいたします。  まず、状況が変わったという話でございますが、このGoToトラベルについては、小池都知事からの御発言もありましたけれども、まずは、運用に関する判断は国が最終的に行うということが大前提でございます。その判断に当たっては、これまでの分科会の提言をしっかりと踏まえながら、各都道府県の感染状況に関する都道府県知事の判断も十分に踏まえる必要がございまして、適時適切に、状況が変わる中で、しっかりとそこを見きわめながら判断していきたいと思っております。  今回、いろいろ、分科会等の提言の中で、強い対策を求める提言が発せられました。分科会の提言や各都道府県の感染状況に関する都道府県知事の判断、これはやはり重要でございますので、そこを踏まえながらしっかりと対応していきたいと思います。
  41. 柚木道義

    ○柚木委員 状況を見きわめながら、あるいは各知事とのやりとりを踏まえながらとおっしゃっていますが、もうその段階を超えていると思うんですよ。もう今すぐやって、何とか、本当に、私もいろいろな飲食業の方からお話を聞いていますけれども、今すぐ、もう思い切って中断なら中断、補償もさせていただく、そのかわり、年末年始の稼ぎどきには再開をいただけるような、ぎりぎりのタイミングなんですね。  そして、西村コロナ担当大臣はこうおっしゃっていますよね。このままいけば緊急事態宣言も視野に入ってくる、そして、これからGoToを一時中断をして、極めて重要、重大な三週間になると。  さらには、医療崩壊。医師会の会長さん始め医療関係者、もちろん対策分科会、このままいくと、コロナの患者さんだけじゃなくて、通常の入院、手術、これは、年末年始になれば、私も家族が医療、介護の現場で働いています。年末年始、人手が当然薄くなります。そうでなくても、救急搬送のいわゆるたらい回し、こういったことも起こり得る時期なんです。救える命も救えなくなる。  そんな中で、国交副大臣、これはもちろん内閣府や、相談していただいて結構ですから、もう早急に、今回のコロナ対策分科会あるいは知事会の提言を受けて、出発地、この地域においてのGoToトラベルの地域からの除外も、これはぜひ、まさに、それぞれ見きわめながらとおっしゃった。この週末が最後のタイミングだと思いますよ。ぜひ、出発地の除外についても、それぞれの分科会や知事会、地域の意見を踏まえて、検討したい、それぐらいはきょうここでおっしゃってください、救える命を救うために。ぜひよろしくお願いします。
  42. 岩井茂樹

    岩井大臣 まず、医療崩壊、これを招かないようにすることが大前提でございます。一方で、GoToトラベル事業というのは地域の経済に資するところが十分ございます。過去、四千万人ぐらいの方が利用されております。  実際、ウイルスに陽性と診断された方が百九十七名、現時点でいるんですが、ただ、この方が本当にGoToトラベルを利用して旅行中に感染したかどうかというのは実はエビデンスがまだない中で、慎重に対応していきたいと思います。
  43. 柚木道義

    ○柚木委員 エビデンスのお話も、私もいろいろ専門家からお話を聞いています。  ちょうどきのうの予算委員会で、立憲民主党の枝野代表の質問に対して、田村厚生労働大臣がランセットの論文の紹介をされたと思いますが、あれは古い話ですから。同じ研究団体が、むしろ検査をしっかりやるべきだ、そのことが感染拡大防止につながる、そういう論文を発表していますから。古い話をしていますからね。認識を変えていただかなきゃいけない。そんな認識で対策をやっているということであっては、とてもじゃないけれども、救える命を救えないわけであります。  もっと言うと、無症候感染者、東京都内は半数ですね。感染した人が、GoToトラベルを利用した人が、ちゃんと保健所あるいは利用した旅館、そういったところに全部報告をしていれば別ですよ。それも、今そういう体制にもなっていなければ、無症状感染の方はしようがないわけですから。あくまでも氷山の、氷山の、氷山の一角が今の数字ですから。ですから、今の説明で大丈夫ということにはなりませんので。これはぜひ、発着点の発の方、東京都、この東京都が今後どうするかが大事なんですね。  小池東京都知事は、国の施策なんだから国が判断すべきだと言っている。しかし、今、副大臣は、これは自治体の要請に応じて、それを踏まえて対応すると言っている。押しつけ合っている場合じゃないんですよ。国と自治体で協議して、相談して、そして互いにそれを決めればいいじゃないですか。  ぜひ、出発点はもとより、今回、東京都、どうされますか。小池さんは、国が決めるべきだ、判断すべきだと言っていますよ。押しつけ合うんじゃなくて、お互いが協議をして、相談をして決める、もうそのタイミングに来ていますから。ぜひ、政府として、東京都としっかり協議をして、GoToトラベルの対象から除外する、出発地も含めて議論する、そのお考えぐらいはここで少し示してください。お願いします。
  44. 岩井茂樹

    岩井大臣 まさに委員おっしゃるとおり、押しつけ合っている場合ではないという認識は私どもも持っております。  再度申し上げますけれども、最終的な判断というのは、これは国が責任を持って判断をいたします。ただ、その前段階として、まず分科会からの御提言があって、それを踏まえて、各都道府県、一番地元、現状をわかっている都道府県の判断というか、そこの現状を踏まえるということがこれもまた重要でございます。  今回の、大阪市、そして札幌市、一部除外したということに関しましては、両知事によるステージ3相当という判断及びGoToトラベル事業の一時停止に関する要請を踏まえさせていただきました。  一方で、現時点で、東京からGoToトラベル事業を一時停止すべきとの御意見は実はいただいておりませんので、かといって東京が悪いというわけではなくて、しっかりとその辺は連携をさせていただきながら調整させてください。
  45. 柚木道義

    ○柚木委員 これは、最後のことが重要なんですね。これは、最初、始めるときは、国が外したんですよ、東京都。今回は、東京都が言ってこないから外さない、これはおかしいですよ。  ぜひ、今おっしゃっていただいたように、東京都が悪いということじゃなくて、お互いが協議をして、もうこの週末が本当にぎりぎりのタイミングですよ、判断をする。それぞれが協議をして判断をする、そういう認識だということを、最後、もう一言おっしゃってください。ぜひそこをお願いします。
  46. 岩井茂樹

    岩井大臣 七月に東京を外したときの状況と、今、少し違うと思います。七月のときの状況というのは、東京が、本当に東京から感染が広がるんじゃないかという分科会の判断もあって、国が対応させていただきました。  ただ、委員がおっしゃるとおり、連携、調整というのは必要だと思いますので、しっかりとやらせていただきたいと思います。
  47. 柚木道義

    ○柚木委員 きのうも、コロナ対策分科会で、東京都二十三区はもうそういう状況だ、GoToは中断すべきだ、出発点も外すべきだ、そういうことですから、それを踏まえて、今の答弁をぜひ生かしていただきたいと思います。  同じ議論、GoToイートの方、きょう、農水副大臣にお越しいただいているので、それをあわせて消費者担当大臣にお願いしたいと思いますが、GoToイートの方についても資料をおつけしておりますが、最後のページをごらんください。  こういう状況なんですね、今、イートの方は。「「イート」食事券 停止検討を要請 農水省、全都道府県に」と。これは、実は、もうあした集計をして、そして、利用抑制の期間や執行状況、都道府県の意向も踏まえて延長について検討していきたいというふうな意向を農水大臣も示されている中で、あした、金曜日の時点で各地域の検討状況を取りまとめて公表すると。  公表するのは結構なんです。公表の上で、ぜひ、食事券の販売や利用制限、つまりは予約サイトを通じたポイントの利用期間延長などについても、方針も公表いただきたい、そう思うわけでありまして、農水副大臣、ぜひ御答弁をお願いいたします。
  48. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 もう既に野上大臣からも会見で明らかにされておりますように、都道府県などとよく御相談しながらこの延長については検討をするというスタンスでございまして、その結論が明日出るというのはちょっとまだ早いかなというふうには思いますが、しっかり検討させていただきます。
  49. 柚木道義

    ○柚木委員 各地域の検討状況を取りまとめて公表するということは、まさに取りまとめて状況はわかるわけですから、あした公表する、本来ならそのタイミングで。  この後、まさにあわせて消費者担当大臣にお伺いするわけですが、もう現場は大混乱ですから。私も飲食店の方からいろいろお話を伺っています。あるいは、旅行の関係事業者さんもそうですよ。消費者相談センターも、こういう相談、既に来ていることが更に殺到するわけですから。窓口は、国交省、農水省、関係ありません。今、「いちはやく」のバッジをつけていますけれども、みんな来るわけですよ、ここに。ごめんなさい、「いやや」ですね。「いちはやく」は児童虐待です。「いやや」の方です。  ぜひ、農水副大臣、これは公表するだけじゃなくて、今後の食事券の販売や利用制限、延長などの方針も、あしたが無理でも、例えば週内とか、極めて近い段階でそれもお示しをするということをセットでおっしゃっていただかないと、現場の混乱、不安、全然おさまりませんから、ぜひ、そこを一言、ちょっとでも頭出し、御答弁ください。
  50. 葉梨康弘

    ○葉梨副大臣 現場が混乱を来さないように、しっかりと検討させていただきます。
  51. 柚木道義

    ○柚木委員 井上大臣、それぞれ、今、GoToトラベル、イート、まさにキャンセル料の問題とか割引の対象かそうでないかとか、それこそ先ほどの質問でいえば、例えば、スマホが使えない人たちの利用格差が生まれているとか、いろいろな問題があります。そして、その問合せが、今後、そうでなくても消費者相談センターはさまざまな事案を抱えている、きょう、この後、残りの時間も質問したいんですが。そういう中で、ぜひ、消費者担当大臣消費者庁としても、GoToトラベルの国交省、GoToイートの農水省とも、ここはちゃんと連携をしての対応の窓口の整備と同時に、方針を早く決めていただかないと対応のしようがないわけですから、そこをしっかり連携して取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  52. 井上信治

    井上国務大臣 柚木委員のおっしゃるとおりだと思っておりまして、消費者庁といたしましても、消費者生活相談窓口を通じまして相談を受け付け、また必要な情報を消費者に提供するということでやっております。国交省や農水省とも連携をして、しっかり対応してまいりたいと思います。
  53. 柚木道義

    ○柚木委員 ありがとうございます。  ちょっと残りの時間、この後、大西委員も質疑させていただくと思うので、私はちょっとさわりだけやりたいと思いますが、今回、桜を見る会を舞台に被害拡大したジャパンライフの問題、詳細は大西委員がされると思いますので、私からは、そのまさに桜を見る会で、安倍前首相あるいは事務所が公職選挙法違反あるいは政治資金規正法違反の疑いで、今、東京地検特捜部が捜査をしているという状況ですね。  井上大臣、私もホームページを拝見しましたら、大臣のモットーは信頼できる政治。井上信治、信頼できる政治なんですね。すばらしいと思うんです。  今、この桜を見る会の問題、大臣の御地元からも行かれていますね。ホームページ、ブログ、拝見しています。信頼できる政治の状況になっていると思われますか。いかがですか。
  54. 井上信治

    井上国務大臣 桜を見る会ということであれば、桜を見る会そのものについては所管外であることから、お答えを差し控えますけれども、しかし、安倍政権発足以来、政権が長くなる中で、この桜を見る会の招待客が多くなったことや、会のあり方についてもいろいろ御批判があることを受けて、九月の就任会見でも菅総理が、来年以降中止をしたいという旨を述べられたというふうに承知をしております。  御紹介いただきましたけれども、まさに国民の信頼あってこその政治であるというふうに私も信念を持ってやらせていただいておりますから、国務大臣として、今後も、身を引き締めて全力で職務にも当たってまいりたいと思います。
  55. 柚木道義

    ○柚木委員 きのう、予算委員会で、菅首相はこう答えています。菅首相も官房長官時代に、安倍総理の、まさに、差額は発生していない、事務所から一切補填していない、領収書もない、大うそだったわけですよね。大うそだったことに対して、事実が違った場合は、当然、私にも答弁した責任がありますから、そこは対応するようになると答えています。そこは対応するようになる、どういう意味なんでしょうか。  これは、普通、国民の方が受けとめれば、それは、安倍前総理が国会で事実と食い違っていたことに対して説明を果たすことじゃないでしょうか。これは、連立与党の公明党の代表も、説明をするのは安倍総理の側にあるとおっしゃっています。自民党内からもそういう声が出ていると承知しております。  ぜひ、菅政権の閣僚として、信頼できる政治を実現をする立場で、安倍前総理が国会で説明をするべきだと思われませんか。いかがですか。
  56. 井上信治

    井上国務大臣 安倍総理の国会への対応ということであれば、これは国会のことですから、国会の方でお決めになっていただきたいと思います。
  57. 柚木道義

    ○柚木委員 井上大臣はこうも述べられていますね。桜を見る会を舞台に被害拡大した、一万人、被害額二千億円を超えている。ジャパンライフの元会長が逮捕されたことについて、警察にしっかり捜査をしていただき、さらなる実態解明が進むことを期待したいと、資料にもおつけしていますが、述べておられます。  今回、この桜を見る会を舞台に、前夜祭を舞台に、あるいはセットで案内を出していたわけですね、安倍事務所から後援者に、功労、功績がなかったかもしれない人も含めて。これは、安倍事務所がホテルからの領収書も廃棄したという報道まで出てきている。悪質性も指摘される中で、井上大臣、認識を伺います。  警察にしっかり捜査していただき、さらなる実態解明が進むことを期待する、そういう認識でよろしいですか。いかがですか。
  58. 井上信治

    井上国務大臣 結構です。
  59. 柚木道義

    ○柚木委員 ありがとうございます。  質疑時間が終わりますので、きょう、この問題についても真相究明がなされないと、幾ら、この後聞こうと思っていたジャパンライフ事件の再発防止、商取法、預託法、来年の通常国会改正、そういう議論をしても、もとのもとが違法行為を犯していれば、それは世の中だって違法行為が蔓延しますよ。この問題をしっかり真相究明、責任の所在を明確にさせることが消費者被害のさらなる拡大防止につながることを強くこれは大臣にも求めて、私の質疑を終わります。  ありがとうございました。
  60. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、尾辻かな子君。
  61. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 おはようございます。立憲民主党の尾辻かな子です。  まずは、井上大臣大臣就任おめでとうございます。  今回、消費者庁ということですから、消費者庁消費者行政のかじ取り役であります。かじ取り役として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会の実現のため、ぜひとも御尽力をお願いしたいというふうに思います。  それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。  大臣は、十九日の所信的発言において、「現場である地方の消費者行政充実強化に取り組みます。」というふうにおっしゃいました。しかし、現状の地方消費者行政は、後退と衰退という現状ではないかというふうに思っております。  まず、十一月に公表された現況調査についてお聞きをしてまいりたいというふうに思います。  まず、消費生活相談員の配置についてお伺いをしてまいります。  消費者相談の最前線で相談やあっせん、啓発事業などを担っていただいているのが消費生活相談員皆様です。  きょうは、お手元に配付資料も配らせていただきました。現況調査によると、ことしの消費生活相談員は前年より五十五人減っているわけです。その更に前年が四十五人減少していますので、合わせて二年間で百人減っているということがあります。  表になっているのをごらんいただいたら皆様もおわかりいただけるかと思います。消費者庁から出ている、地方消費者行政の現況というところ、二枚目を見ていただいたら、実は、消費生活相談員の配置数も、令和年度、二〇二〇年度を見たら、大体、二〇一一年から二〇一二年、平成二十三年から平成二十四年、これぐらいの人数に消費生活相談員の方が減少されているという、これは非常に危機的な状況ではないかというふうに思います。  特に、今コロナで、先ほどから他の委員からもありましたように、消費相談のニーズは非常に高まっているわけですね。さらに、ジャパンライフに象徴されるような、高齢者に対する預託商法や詐欺的商法もあります。若者への情報商材の販売など、消費者を守る、本当にニーズがある、そしてその現場、最前線でやっていただいているこの消費生活相談員皆様の減少というのは、本当にこれは今大丈夫なんだろうか、この相談に本当に対応できているのかと心配になります。  消費者庁として、この結果についての分析と対策、どうされるのか、お聞きしたいと思います。
  62. 井上信治

    井上国務大臣 尾辻委員が御紹介いただいたとおり、令和年度地方消費者行政の現況調査によりますと、全国消費生活相談員の数は三千三百二十四人と、昨年比で五十五人減少し、二年連続の減少となっております。  減少の理由について自治体に聞き取りを行いましたところ、昨年同様、高齢化等を背景に、相談員の退職後、募集を行っているにもかかわらず、適任者を採用できなかったとの回答が多くありました。  相談員の担い手不足は非常に重要な課題と認識しており、消費者庁では、今年度消費生活相談員資格の取得を目指す方を支援する相談員担い手確保事業を開始し、また、令和年度予算において、本事業を拡充するための要求も行っております。  消費生活相談員のなり手をふやすことを通じ、自治体が必要な相談員を確保できるよう、引き続き消費者庁としても支援を行ってまいります。
  63. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 今、高齢化、そしてなり手不足だということで適任者がいないんだということをおっしゃっております。担い手確保事業もされたということであります。  この担い手確保事業というのは、無料のオンラインの消費生活相談員の養成講座をされている。今年度であれば、八百人が受講されたというふうに聞いております。  ただ、ちょっと、お手元の資料でいいますと、配付資料でいうと三ページ目になるんですけれども、では、この消費生活相談員の担い手確保事業をされた、無料でそれもされているわけなんですけれども、この八百人の方々が消費生活相談員資格試験の受験申込みをされたのかということでいいますと、実は、この受験者数というのは、日本産業協会さんと国民生活センターの方でされているわけですけれども、私もきのう資料をいただきましたけれども、これで見ても、日本産業協会さんでも一〇%減少していたり、国民生活センターさんの方では二三%、これは台風が来たということもあって減ったというふうには聞いているんです。  こういった、試験を受ける方の増加というふうにも結びついていないということになっておりまして、無料でやっているということは、有料でやっているこういった講座の人たちから見れば、ちょっと圧迫しているような部分もあるわけですけれども、この事業効果がちょっと今の段階で見えないということになっております。  この状況をどのように捉えておられるのか、大臣にお聞きいたします。
  64. 井上信治

    井上国務大臣 今年度、授業料無料の試験対策講座の開催等を内容とする消費生活相談員担い手確保事業を初めて実施をしております。  今年度の担い手確保事業には当初の想定を大きく上回る申込みがあったことから、この反省を生かして、来年度はより多くの方が参加し、就職できるよう、予算の増額を要求しているほか、今年度の結果も踏まえて、事業内容についても必要な改善をしていきたいと思います。  また、消費生活相談員の役割や重要性を広く知っていただくための広報用コンテンツとして、パンフレットと二種類の動画を作成し、さまざまな機会を通じて自治体に活用を呼びかけているところです。来年度にかけても積極的な広報を行って、相談員の認知度やプレゼンスの向上を図ってまいります。  こうした取組を粘り強く行うことで、委員おっしゃるような、消費生活相談員資格試験の受験者、ひいては消費生活相談員の増加につなげていきたいと思います。
  65. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 私は、やはり何らかちょっとリンクづけをしていただきたいな、せっかくの無料講座を受けていただく方が受験されるような何か仕組みを設けていただかないと、これはつながっていかないんじゃないかというふうに思いますので、こういった仕組みの構築などもぜひとも検討いただきたいというふうに思います。  今、消費生活相談員の方々の担い手不足の話をさせていただきましたが、そもそもの待遇改善ということがないと、やりたいという方、やはりこれはふえないんじゃないかというのも大きな課題としてあります。  ことしから多くの方が会計年度任用職員という形で変わられたかと思いますが、その会計年度任用職員の方々はどういう待遇になったのかということについてお伺いしたいと思います。
  66. 片岡進

    片岡政府参考人 お答え申し上げます。  令和年度地方消費者行政の現況調査の結果を見ますと、相談員の平均報酬額、一時間当たりの単価でございますけれども、これについては、基本給はおおむね横ばいでありましたが、ことし四月の会計年度任用職員制度への移行を背景にいたしまして、多くの自治体で賞与の支給が始まったということで、賞与を含めた平均報酬額全体としては改善をします結果となったところでございます。  他方、昨年比で平均報酬額が減少した自治体が一割程度存在いたしましたほか、賞与込みでは増加となったものの基本給は減少となった自治体が二割程度存在するという状況でございました。
  67. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 自治体によってかなり差ができているのかな。特に、先ほどあったように、一割の方が平均報酬額が減少しているということがありますし、会計年度任用職員という形になったことで今までの所得がかなり減ったという方も、私、相談を受けたことがあります。これでは、消費生活相談員の資格を持った方が現場に来ていただけないということが起こると思います。  現状、消費生活相談員の正規職員というのは、わずか二%、六十八人しかいらっしゃらなくて、ほとんどが非常勤、そして今回、会計年度任用職員へと変わっています。  これは、本当に専門職の待遇として会計年度任用職員でいいのか。任用ですから更新回数の制限があるような自治体もあるようですし、私も、今求人が出ているような、消費生活相談員さんの求人、各自治体のを見てみましたけれども、例えば、週四日、三十時間で月額十四万円という、今共働きで働いている、そういう家庭から見ると、やはり、これではなかなか手を挙げにくいな、そういう待遇になっていると思います。  私は、やはり、国家資格で専門性のある消費生活相談員は常勤職員化を目指す、こういう施策が必要ではないかと思います。大臣、いかがでしょうか。
  68. 井上信治

    井上国務大臣 消費生活相談員の採用のあり方については、相談件数などそれぞれの自治体の状況に鑑みて、各自治体において検討されるものと承知をしております。  承知はしておりますけれども、相談員の方々は地方消費者行政の最前線で大変重要な役割を担っていただいていることから、その能力や経験等に見合った処遇となるよう、引き続き、消費者庁としても、自治体の首長等への粘り強い働きかけを行うとともに、担い手をふやすためのさまざまな取組も行ってまいりたいと思います。
  69. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 まだちょっと現状について聞きたいんですが、次、相談員が実はいない自治体がふえております。相談員がいない自治体数、またこういった減少に対する今後の対策について、これも大臣にお聞きいたします。
  70. 井上信治

    井上国務大臣 これも令和年度地方消費者行政の現況調査ですけれども、その調査によりますと、消費生活相談員が配置されていない自治体の数は六百八十八となっております。  消費者庁としては、令和年度予算要求において、相談員担い手確保事業を拡充するほか、地方消費者行政強化交付金の対象事業に都道府県による市町村支援や市町村間連携による相談体制強化を新たに盛り込みました。  こうした取組を通じて、消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、誰一人取り残されることがない体制の構築を図ってまいりたいと思います。
  71. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 今大臣申し上げていただいたとおり、相談員がいない自治体は、二〇一九年度六百三十八から、六百八十八、五十自治体、相談員がいない自治体がふえているんですね。これは、全市町村千七百二十一のうち、もう四〇%が相談員がいない自治体になっている。二年で八十五自治体もあるんですね。これで本当に地方消費者行政をやっていけるのか。  地方消費者行政の実は職員自身も減少をしております。これも現況調査の方にありますけれども、兼務職員、つまり、一人の職員がずっと消費者行政をやっているわけじゃないんですね。  ちょっと時間がないので私が紹介させていただきますけれども、実は、地方消費者行政職員も四十四人減少しています。都道府県や政令市、市町村ともに減少して、これは三年で八十六人減っているんです。先ほど言った七割の方が兼務職員、その兼務職員の半分が一〇%しか消費者行政の仕事をしていない。平均でも二二・九%なんです。これはどういうことか。  私はこれをずっとここの委員会でやってきました。一〇%しか仕事をしていない職員が予算をとれますか。自分の仕事ですから予算を下さいと自治体の中で言えませんよ。平均二二%です。ということは、八割ほかの仕事をしているんです。消費者行政は大事ですと言えますか、自治体の中で。  こういう状況は、だからもう本当に自治体はどんどん業務を縮小しているんです。地方消費者行政をやらなくなってきている。この衰退しているという危機感を持っていただかないと、先ほどから大臣がおっしゃっている、消費者がどこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる、誰一人取り残されることのない体制の構築は、まさに、現況調査で見る限り、絵に描いた餅になってしまっているのではないかと私は本当に危機感を持っております。  この衰退の要因の一つは、二〇一八年に、地方消費者行政推進交付金強化交付金に変更して、推進交付金としての予算が大幅に削減された、ここにあるんですね。いろいろな自治体から要望が消費者庁に上がってきているので、もう皆さんも御承知だと思います。強化交付金は使い勝手が悪いとか、二分の一の補助とかになって、二分の一だともう自主財源ができないとか、自分たちの出している割合で三分の一になったりとか、本当に自治体としては、これではどうにもできないんだということが出ているわけです。  ですから、この三年間の交付金の出し方によってこういう現状が生まれているんですから、交付金のあり方についても、やはり今回、抜本的に見直しをすべきときがやってきていると思います。大臣、いかがでしょうか。
  72. 井上信治

    井上国務大臣 強化交付金のメニューについて、これまでも若年者への消費者教育推進食品ロス削減取組などに活用されてきましたけれども、自治体によって広く活用していただくということが重要だと思っておりまして、必要な見直しを行っているところです。  例えば、来年度の予算概算要求におきましては、都道府県による市町村支援や市町村連携による相談体制強化のための事業を新たに追加したところです。  いずれにせよ、強化交付金、このあり方について、引き続きその検討も進めてまいりたいと思います。
  73. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 これは、原因ははっきりしているんですよ。この推進交付金強化交付金に変わったところで、やはり自治体からは、はしごを外された、もう消費者庁は信用できない、こういう声の中で、実際に自治体の職員は減り、消費生活相談員の方は減りというような状況が生まれております。これは危機感を持っていただきたいと本当に思っております。  私自身は、地方消費者行政、これを維持するためには、最低限の人件費は国庫負担金化ということもやはり考えていかなければ、これはどんどん、この衰退はとまらないんじゃないかというふうに思います。  今、本当に消費者庁は頑張らなきゃいけないときだと思います。ことし一年、マスクがない、消毒液がない、手づくりマスクをつくってもゴムひもがない、体温計の値段が五倍になる、体温計の電池がなくなる、トイレットペーパーが品切れになる。こういうことが起こったときに、今もいろいろな詐欺的な商品も出ています、そういったときに、やはり消費者庁は真ん中で頑張っていただかなきゃいけない。そして、その現場は地方消費者行政のところですから、そこに対してというのは、しっかりと現場が保てるような交付金のあり方、見直しをお願いしたいというふうに思います。  ちょっと時間がありませんけれども、最後、ネット通販のことについても一つお聞きをしておきたいというふうに思います。  配付資料にもおつけをいたしました。ネット通販、やはり今ふえております。ほかの委員からも質問がありました。  ネット販売、御承知のように、クーリングオフとか取消権、中途解約権等がありません。そして、多くの消費者は、そのことを知らないままインターネットなどでぽちっとクリックして注文されているという状況、その中でトラブルが発生していると思います。  やはり、ネット販売というのが主力化していく中では、ネット販売においてもクーリングオフできるようなこういう仕組みが必要だと思います。大臣、いかがでしょうか。
  74. 井上信治

    井上国務大臣 御指摘のとおり、特定商取引法において、通信販売にはクーリングオフ制度がないということで、これまでも、こういったクーリングオフ制度がないことを踏まえて、消費者に対して、インターネット通販を行う際には契約内容をよく確認することなどの注意喚起も行っております。  引き続きこういった取組を進めてまいりたいと思います。
  75. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 恐らく、次の国会で特商法、預託法改正が出てくるんだと思います。デジタルプラットフォームの検討もされています。こういった中で、やはり今、ネット販売においての規制というのは必須でありますので、しっかりと規制できるような改正法を出していただきたいと思いますし、預託法に関しては、預託商法全面禁止ということが出ていますので、こういった法案が出てきて私たちが審議できることを強く要望をしておきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
  76. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、大西健介君。
  77. 大西健介

    ○大西(健)委員 立憲民主党、大西健介です。  時間がありませんので、早速質問に入りたいと思いますけれども、安倍総理主催の桜を見る会の前夜祭の話が、捜査が動き出していますけれども、安倍総理辞任の二日後、九月の十八日に、やっとですけれども、山口元会長らジャパンライフの幹部が一斉逮捕されました。私は、このタイミングというのは不思議に思いますし、しかも、これは本当に余りにも遅過ぎるというふうに思います。  そして、桜を見る会の問題では、山口容疑者が招待されていたことが国会でも問題になりました。また、加藤官房長官は、一億総活躍担当大臣のときに山口容疑者と会食をしていたということです。  きょう、改めてですけれども、この資料をお配りしました。私が最初にこれを予算委員会で配ったのが二〇一八年の一月三十日、今からもう三年近く前のことです。改めて申し上げますけれども、私はジャパンライフの元社員からこれをもらいました。  これは何かというと、勧誘をするときの説明会等で使っていたスライドです。ですから、これを見て勧誘をされているわけです。実際に被害者の中には、これを見て、ああ、そんな立派な人だったら大丈夫だろうということで信用したという人もいらっしゃいます。  もちろん、加藤官房長官なんかは、自分は利用されたんだとおっしゃっています。確かに広告塔として利用されてしまったというところはあるのかもしれませんが、しかし、桜を見る会の招待状であったり、大臣との会食の事実というのが、結果として私は被害拡大させたということは間違いないというふうに思いますけれども、大臣、そのような認識、私と同じような認識を持たれますでしょうか。いかがでしょうか。
  78. 井上信治

    井上国務大臣 桜を見る会について、桜を見る会の個々の招待者や推薦元については個人に関する情報であるため、招待されたかも含めて従来から回答を差し控えていると承知をしています。  他方、一般論として申し上げれば、仮に、桜を見る会や著名人との関係を企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは容認できないと考えています。
  79. 大西健介

    ○大西(健)委員 利用されるも何も、本来、普通の人は呼んでもらえない、立派な何か業績がある人じゃないと呼んでもらえない人にこのように招待状が届いているわけですよ。届いていないとこうやって示せない。  ですから、その招待状が、まさに、おじいちゃん、おばあちゃんからしたら、そんな総理大臣の主催の会に呼ばれるような立派な山口さんがやっていることだから大丈夫なんでしょうということになってしまったというのは、私は、これは否めないというふうに思います。  捜査が進む中で、ジャパンライフの内情が明らかになってきています。  ジャパンライフは、二〇一〇年三月期には既に債務超過に陥っていたことが捜査の中でわかっています。二〇一〇年ですよ。もう大分前です。  二〇一五年の九月の消費者庁の立入検査では、これは以前委員会でも私は申し上げましたけれども、実際にレンタルに回している商品が一二%程度しかない。そして、工場に保管されているものもわずかであって、要は現物がないんです。そして、集めた会費で配当しているという自転車操業状態であったことをもう既にこの二〇一五年九月時点で、少なくとも消費者庁は気づいていたんです。  さらに、二〇一七年の七月ごろには、ジャパンライフはもう社会保険料を滞納するようになっています。ですから、事実上破綻状態にあったということです。しかし、結局、二〇一八年三月に東京地裁の破産手続の開始決定が行われるまで被害を食いとめることができなかった。これは本当に、私は残念でなりません。  消費者庁は、これまで私が何回かやったときに、いやいや、四回も業務停止命令をかけて、私たちとしてはちゃんとやることをやってきたんですみたいな言い方をしているんですけれども、私は、それは全く真逆だと思います。四回も業務停止命令を出しながらとめられなかった、この責任が私は重いというふうに思います。  検査に入ったのは二〇一五年九月ですけれども、実は二〇一三年の秋ごろに、既に消費者庁内部では立入検査が検討されていたけれども、そのときもいろいろあって見送られているんです。ですから、早くやっていればこんなことにならなかったんじゃないか。あるいは、立入検査した後、一年三カ月も処分まで時間がかかってしまっている。全てが後手後手に回ってしまったことがここまで私は被害拡大させたと思っています。  このことは、消費者庁としても、私は、今後の反省にも、教訓にもしていただきたいし、真摯に反省をしていただきたいと思いますけれども、消費者庁対応が後手に回ったことがこうした被害をここまで拡大させてしまったこと、このことに対する大臣の反省の弁をいただきたいと思います。
  80. 井上信治

    井上国務大臣 ジャパンライフ社に対しては、御紹介いただいたように、消費者庁においては、平成二十八年十二月から一年間で四回にわたって厳しい行政処分を行うなど、悪質な法違反事件として全力で取り組んでまいりました。一方で、ジャパンライフ事件のような悪質商法被害防止という観点から、より一層の迅速な取締りが必要だということは承知をしております。  消費者被害防止のためには、法違反行為に対して一刻も早く対処することは基本ですけれども、その一方で、行政処分を行う場合には、法と証拠に基づいて違反行為の有無を慎重に検討する必要もあると考えています。こうした観点から、消費者庁として、厳正な法執行を着実に行ってきたところであり、ジャパンライフ社に対しても、同様に、法と証拠に基づき慎重に検討を行った上で、可能な限り迅速に行政処分を行ってきたものであります。
  81. 大西健介

    ○大西(健)委員 以前も、これも私は過去にやりましたけれども、消費者庁行政処分を出したときに、当時、ジャパンライフはホームページで、消費者庁行政処分は全く誤解に基づくもので、間違いだ、訴えてやるぐらいの、こんな感じなんですよ。要は、行政処分を出しても、全く相手は聞こうともしないという状態になっているわけです。それで四回も繰り返してとめられなかった、これが現実なんです。  そして、そこには確かに、私は、法の不備もあると思いますよ。だからこそ、私は、逆に言うと、消費者庁は、ある部分では反省しているからこそ、今回、販売預託商法の全面禁止ということに踏み切ろうとしているんじゃないですか。私も、だから、今までの法律だとなかなか消費者庁としてもできることに限界があったということは認めます。ただ、まさにその反省があるから今法改正に踏み切ろうとしているのであって、やはりここは、これでもって私は損害賠償だ、国家賠償だと言うつもりはありませんけれども、真摯に、やはり消費者庁としても、もうちょっと早くとめられたらよかったと思う、残念だというような反省を、大臣、一言言えないんですか。
  82. 井上信治

    井上国務大臣 そういう意味では、こういったジャパンライフ事案も教訓として、消費者立場に立って、こうした悪質商法に迅速かつ厳正な法執行を行うとともに、消費者被害防止のためにも、実効的な制度改革に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
  83. 大西健介

    ○大西(健)委員 私は、被害者皆さんに寄り添う答弁が少しやはり欲しかったなと思うんですが、ただ、もし少しでも責任を感じていただいているなら、お願いしたいことがあるんです。  今、被害者のうち約七百五十人が破産管財人に契約の解除や取消しの意思表示をしたことで、破産管財人が東京国税局に対して十億五千万円の消費税の還付申請を行っています。契約がもう無効なわけですから、消費税を返してほしい、そして、それを被害者救済に充てたいと。ただ、これは、今、全被害者の約一割強ぐらいしかまだ解約をしていないんですね。債権者集会等で呼びかけているんですけれども、被害者高齢者が多くて、お金もないので債権者集会にも行けないので、情報が届いていないんです。  ですから、一つは、顧客名簿を持っている消費者庁が警察庁やあるいは法務省と協力をして、被害者に対して契約解除を呼びかけていただきたい。そうすれば、その分の消費税が返ってくる可能性があるんです。これぐらい、消費者庁、手伝ってくれてもいいんじゃないですか。いかがですか。
  84. 高田潔

    高田政府参考人 お答えいたします。  ジャパンライフ社に対しましては、平成二十八年十二月からの一年間に四回という厳正な行政処分を行い……(大西(健)委員「時間がないので、聞いたことだけに答えてください」と呼ぶ)  それでは、平成三十年三月にジャパンライフ社の破産手続開始決定があって以降には、一八八等を利用して全国消費生活センター等まで連絡するところを周知しているところでございます。
  85. 大西健介

    ○大西(健)委員 全然答えていないじゃないですか。あなたたちは顧客名簿を立入検査とかして持っているわけですよ。ですから、その皆さんに、契約解除すれば消費税が戻ってきます、それは救済に充てることができますという呼びかけを手伝ってくださいということを言っているんです。できませんか。
  86. 高田潔

    高田政府参考人 引き続き、消費生活センターを通じまして、相談に適切に対応してまいりたいと考えております。
  87. 大西健介

    ○大西(健)委員 それじゃだめなんですよ。だって、もう破綻しているんですから。今、救済をしたい、だけれども、残念ながら、破産管財人が財産を調べても、救済に十分な財産が残っていない。でも、今言ったように、もう売買が無効ということになれば、消費税はなかったことになるわけですから、還付してもらえば、それを救済に充てられるわけですから。これぐらい、本当にちょっと、責任を感じているんだったら、やっていただきたいと思います。  時間がないので、きょう、実は、財務省の伊藤大臣に来ていただきました。副大臣も私と同じで愛知が地元ですけれども、愛知県もジャパンライフの被害者が本当に多いんですね。副大臣なら、今の役所の方と違って、政治家として被害者に寄り添った一言をいただけるんじゃないかと私は思っているんですけれども。  今、東京国税局に、既に解除を申し出た分だけですけれども、十億五千万円の消費税を返してほしいということで破産管財人の方からお願いをしていますけれども、これが返ってくると、少しでも被害者の救済に充てることができます。今すぐ確たる御返答はできないかもしれませんが、ぜひ被害者に寄り添った答弁を伊藤大臣にお願いしたいと思います。
  88. 伊藤渉

    伊藤大臣 これまでのやりとりを聞かせていただきまして、私も、被害者皆様の心中察するに余りあるものがございます。その上で、個別の事案でありますので、守秘義務が課せられている関係上、答弁することは差し控えさせていただきます。  一般論でお答えをいたしますと、消費税の還付申告については、その内容を審査した上で、適切と判断された場合には、可能な限り早期に還付するよう努めているところでございます。  いずれにしても、国税当局として、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし、適正迅速に取り扱うこととしてまいります。
  89. 大西健介

    ○大西(健)委員 これはぜひ国税局の判断を期待したいと思いますが、今は解約、解除の申出があった分だけなんですけれども、そもそもこれは詐欺ですから、もう売買なんか成立していないんですよ、現物がないわけですから。だから、これは、一々申出しなくても、全部、消費税、本当は返していただきたいと思っています。そうしたら救済に充てることができるんです。  最後に、もう一つだけお願いしておきたいことがあります。これは、四億六千万円、労働債権というのがあります。通常であれば、こういう破産手続で労働債権が優先するのは当然なんですけれども、今回は会社ぐるみの詐欺事件で、被害者の債権よりも詐欺の共犯や加担者の給与やボーナスの支払いが優先されるというのは、これは国民感情からしても私は理解が得られないと思います。特殊なケースでありますけれども、オウム真理教事件では、立法化をして、国の債権の特例を定めた例もあります。  加害者の労働債権が優先されることを大臣はどう思われるか。また、消費者被害等では、これは今後も同様のことが起こると思います。消費者庁による破産申立て権の創設を含めて、通常の破産手続とは違う、別の枠組みが私は必要じゃないかというふうに思いますが、大臣、時間が来ていますが、一言いただければと思います。
  90. 井上信治

    井上国務大臣 ジャパンライフ社につきましては、法令に基づき、裁判所が選任した破産管財人により破産手続が進められており、債権者と債務者との間の権利関係についても、破産手続において処理されるものと承知をしております。  行政立場から、現在進行中の破産手続中の事業者に係る債権債務関係の処理についてコメントすることは差し控えたいと考えています。
  91. 大西健介

    ○大西(健)委員 時間ですから終わりますが、まさに今のこの破産手続では救済できないんです。だから、私は、消費者問題については破産手続と別の枠組みが必要だというふうに思います。  それと、ぜひ、本当に今も、お金もないし、そして、もう虎の子の老後の資金を全部失ってしまって、家族や親戚からも責められて、もう死にたいという人がいるんです。その人たちに少しでも、ちょっとでも、今回、責任を感じているんだったら、私は、救済に政府がぜひ何らかのお力をかしていただくようにお願いをして、私の質問を終わります。
  92. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、青山大人君。
  93. 青山大人

    ○青山(大)委員 まず一点目、カスタマーハラスメントについて質問いたします。  ことしの春、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大で、マスクや消毒液、トイレットペーパー等の品切れが相次ぎ、一時期、店舗からこれらの物資が消えたことは皆様も記憶に新しいところだと思います。  四月二日の当委員会において、私も、小売店やドラッグストア、スーパーマーケットなどで購入を求める消費者から、悪質、理不尽なクレーム、迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントの問題が生じていることを指摘をしました。  カスタマーハラスメントによって、店長さん始め売場スタッフの皆様が精神的に追い込まれたり、健康を害して退職に至ったケースもございます。なお、同様の問題は、小売店のみに限らず、介護サービスの現場でも生じております。介護スタッフの方々も、理不尽なクレームでサービス利用者からのハラスメントを受けることが問題化をしております。  さて、来年に向けて、政府が企業向けに、どのようにして従業員を守るかという視点で、カスタマーハラスメントの対応マニュアルを策定する方針を決定したことを承知しております。これはぜひ進めてほしいところでございます。  しかし、企業側の対策だけでは限界があるのではないでしょうか。というのも、カスタマーハラスメントは、店舗側と消費者側との関係において生じるため、双方向からカスタマーハラスメント対策が必要でございます。当事者が双方に存在するので、一方の当事者の企業側の対策だけでこの問題が解消、改善していくとは言いがたいところがございます。  この春のマスク騒動の際、消費者庁の方でも、注意喚起のためのチラシの作成や有識者等のコラムを消費者庁のウエブサイトやツイッターなどに掲載していただき、一定効果はあったものと私も思っております。  しかし、この春に社会問題化したカスタマーハラスメント問題を一過性の話題とせず、消費者教育観点からも、今後もぜひ取組を進めてもらいたいと私は思っております。  大臣、今後の取組、展開について御見解をお伺いいたします。
  94. 井上信治

    井上国務大臣 カスタマーハラスメントについて、委員おっしゃるように、消費者事業者双方に対する情報発信が重要だと考えておりまして、消費者庁におきましては、関係省庁連携をし、新型コロナ感染症拡大下において、従業員の方々に協力して買物をしていただくこと等を注意喚起するチラシの作成、また、消費者事業者の間に信頼関係が築かれ、消費者意見が適切にサービスの改善等に反映されるよう、消費者意見を伝える際の注意点や、消費者からの意見等について事業者に求められる対応等に関する有識者によるコラムの消費者庁ウエブサイトへの掲載等を行っております。  現在、効果的なカスタマーハラスメント防止対策のあり方を議論するため、厚生労働省において、関係省庁連携会議設置すべく調整を進めていると承知をしております。  消費者庁としては、厚生労働省の取組連携するとともに、機会を捉えて消費者に対する情報発信を行うなど、カスタマーハラスメント防止にも資するよう、消費者教育取組を更に進めてまいります。
  95. 青山大人

    ○青山(大)委員 まさに、厚生労働省と連携するのもそうですけれども、今大臣の方から、消費者庁としても発信をしていくとおっしゃいました。具体的に今後どういった発信を心がけていくべきか、改めてお伺いいたします。参考人でも構いません。(発言する者あり)
  96. 永岡桂子

    永岡委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  97. 永岡桂子

    永岡委員長 速記を起こしてください。  坂田審議官。
  98. 坂田進

    坂田政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、さまざまな機会を捉えまして、消費者庁から、カスタマーハラスメントの防止に資するような消費者教育取組や情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
  99. 青山大人

    ○青山(大)委員 ちょっと時間がないので次に行きますけれども、しっかり取り組んでください。  消費者教育は一般向けのものでございますけれども、私は、学校教育においても同じような観点から質問いたします。  子供たちにとって、ロールモデルが親や周辺の大人だけでは、環境によっては、権利主張について偏った認識、例えば、責任をとることなく一方的な主張がどこまでも許されるといった認識を持つ可能性もございます。今後も、マスク不足のような想定外の事象が生じる可能性も十分にありますし、教育効果があらわれるのには長い年月の積み重ねが必要でございます。  本年四月から新たな学習指導要領もスタートし、家庭分野の消費生活環境の中で、消費者の基本的な権利と責任といった項目も追加されてございます。その一環として、消費者意見を伝える際の注意点を教えることも教育の現場で必要かなと思っていますが、御見解をお伺いいたします。
  100. 塩見みづ枝

    塩見政府参考人 お答え申し上げます。  児童生徒が、将来自立した消費者として、適切な意思決定に基づき責任ある消費行動をとることができるよう、その発達段階に応じまして消費者教育を行うことが重要と考えております。  文部科学省では、先ほど御紹介いただきましたように、本年四月から順次新しい学習指導要領を実施しているところでございますが、その中に消費者教育に関する内容を盛り込んでおります。  具体的には、例えば、小学校家庭科、第五、六学年におきまして、売買契約の基礎などの買物の仕組み、あるいは消費者の役割について理解すること、中学校技術・家庭科におきまして、消費者の基本的な権利と責任について理解すること、高等学校家庭科におきまして、消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう消費生活の現状と課題消費行動における意思決定や契約の重要性等について理解することなどとしております。  学習指導要領に基づきまして、実際の授業におきましてどのような内容を取り扱うかということにつきましては各学校で判断してまいることになりますが、特に消費者の権利と責任の指導に際しましては、具体的な場面でどのような権利と責任がかかわっているのかを理解できるようにするとともに、権利の行使には責任の遂行が伴うといったことなどについて気づくよう指導することが重要と考えております。  文部科学省としましては、新学習指導要領に基づき、各学校における消費者教育が適切に行われるよう、引き続き消費者庁とも連携しながら取組推進してまいりたいと考えております。
  101. 青山大人

    ○青山(大)委員 そういった現場の一個の事例として、こういったコロナ禍にあって、悪質クレーム、そういったカスタマーハラスメントの問題が社会問題化したということを教育の現場で例示として挙げることも私は必要かなと思っていますので、ぜひ今後、前向きな検討をお願いいたします。  次に、公益通報者保護法改正後の作業状況について伺います。  まず一点目、改正法十一条四項の指針について、現在の検討状況をまずはお伺いします。
  102. 井上信治

    井上国務大臣 さきの通常国会におきまして、公益通報者保護法の一部を改正する法律成立させていただきました。  今回の法改正の柱は、公益通報者保護制度の実効性を高めるため、事業者に、内部通報に適切に対応するために必要な体制整備等を義務づけたことであります。具体的な義務の内容は指針で定めることとしており、改正法施行に向けて、本指針は非常に重要なものになります。  こうした観点から、消費者庁では、学識経験者、経済界、労働界等、幅広い立場意見を踏まえた指針案を作成するため、令和二年十月から、公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会を設置し、検討を開始いたしました。これまでのところ、検討会は二回開催したところでありますが、今後も月一回程度開催をして、令和三年春ごろを目途に検討会としての結論を得たいと思います。
  103. 青山大人

    ○青山(大)委員 今、大臣、答弁あったように、改正法十一条四項の指針、とても重要でございます。その内容については、指針検討会によれば、公益通報者を特定させる情報を漏えいさせることを防止する体制についても検討対象としております。  そして、改正法十二条、これは、正当な理由なく公益通報者の氏名等の漏えいがされることを防止する規定でございます。  改正時の衆議院の委員会の附帯決議においても、改正法十二条に関しては、「公益通報対応業務従事者等の守秘義務が解除される「正当な理由」については、事業者がとるべき措置に関して考え方を明らかにするとともに、通報者の氏名等が不要に漏らされることのないよう、公益通報対応体制の整備の促進に努めること。」とされています。  そこで、条文上は改正法十一条四項の指針の対象にはされていませんが、このように関連性の高い内容であるので、指針検討会の中でも改正法十二条における正当な理由がいかなるものを指すのかの議論をぜひ深めてほしいと思っておりますが、大臣の見解を伺います。
  104. 坂田進

    坂田政府参考人 お答え申し上げます。  改正公益通報者保護法第十二条の守秘義務の例外となる正当な理由につきましては、指針の範囲外であるため検討会での議論の対象とはしておりませんが、公益通報者の保護を図りつつ法令遵守を図るとの観点から、守秘義務の範囲について明らかにすることは大変重要であると考えております。  正当な理由がある場合には、具体的には、公益通報者本人の同意がある場合や法令に基づく場合などが該当いたしますが、この点につきましては、今後、消費者庁ウエブサイトやパンフレット等で明らかにしていきたいと考えており、今後策定される指針の内容とあわせまして周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
  105. 青山大人

    ○青山(大)委員 今答弁にもあったように、ちょっと関連する内容でもあるので、ぜひしっかりと議論してほしいなと思いますし、改めて、今後、改正を受けての法解釈のガイドラインの作成も、つくると思うんですけれども、そういったガイドライン作成の検討状況や今後について、最後に質問させていただきます。
  106. 坂田進

    坂田政府参考人 お答え申し上げます。  消費者庁におきましては、改正法の施行に向け、内部通報対応体制に関する指針について検討を進めているところですけれども、公益通報者保護制度を実効性あるものとするためには、そのほかの改正事項についても解釈を示し、通報者になり得る方や事業者等に広く周知していくことは非常に重要であるというふうに考えております。  これまでも、消費者庁では、公益通報者保護法の内容について、ハンドブックの作成、配布や説明会の開催などの取組によって制度の周知を進めてきたところでございます。  今般の改正事項の解釈につきましても、その項目、内容ごとに適切な示し方を検討したいというふうに考えており、例えば、ハンドブック、消費者庁ウエブサイトにおけるQアンドAの形などにおいて積極的にお示ししていきたいというふうに考えております。
  107. 青山大人

    ○青山(大)委員 大臣、今回、法改正も、コロナ禍の国会の中で、提出法案に対して全会派一致で修正可決ということになりました。本当に、この法案、いいものにしていく意味でも、今後、ぜひ具体的な作業の方をしっかりとやってください。  特に守秘義務が解除される正当な理由については、この委員会でもいろいろ議論があったところでございますので、ぜひその辺も踏まえて今後の作業を進めてください。よろしくお願いします。  以上です。
  108. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、畑野君枝君。
  109. 畑野君枝

    ○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。  九月の十八日、悪質な預託商法で顧客から資金を集めていたジャパンライフの元会長山口隆祥容疑者が詐欺容疑で逮捕されました。このことを受けまして、被害者からは徹底解明と救済を求める声が上がっております。  全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会は、その九月十八日、被害者への資金返還などを要望し、また、山口容疑者に届いたとされる首相主催、桜を見る会の招待状を同社が宣伝に利用していた問題については説明責任を求めておられます。  連絡会によれば、ジャパンライフの預託商法による被害者は約七千人で、被害額は約一千八百億円を超えています。もっと多いということも、今後、解明をされるでしょう。一万人、二千百億円などなど言われている、本当に被害の大きなものです。特に、個人の額が多いということが特徴になっていると思います。  先日、当時の安倍晋三首相の後援会が高級ホテルで開いた桜を見る会の前夜祭について、安倍前首相側が費用の一部を補填した疑いも浮上しております。これは、国会の中で徹底的に解明していく必要があると思います。  あわせて、消費者庁の姿勢は重大だったと。先ほどの質疑にもありましたけれども、立入検査を先延ばしにし、その間に勧誘、資金集めが続き、被害拡大いたしました。二〇一五年九月にようやく立入検査をするも、行政処分が出たのは、一年以上、二〇一六年の十二月です。以降、二〇一七年十二月までに計四回の行政処分をいたしましたが、先ほどもあったように、引き続きこういう違法が続いていた。  ジャパンライフは、徐々に経営は傾いていくんですが、以前よりも高利の配当で資金集めを継続し、そして、高齢者や福島原発被害者の補償金を狙った営業などを続け、刑事告発もなしに野放しになった、二〇一八年にやっと破産手続が開始されるという事態は、皆さん御存じのとおりです。  そこで、私、伺いたいんですが、二〇一九年の内閣消費者委員会の「いわゆる「販売預託商法」に関する消費者問題についての建議」、そして、今言ったジャパンライフと桜を見る会の問題を受けて、消費者庁は、特定商取引法及び預託法制度の在り方に関する検討委員会を開いて、ことし八月に報告書にまとめられました。  この報告書では、販売を伴う預託等取引契約について、消費者に深刻かつ甚大な財産被害を及ぼすおそれが高い反社会性のある行為だと断じています。  井上信治大臣に伺いますが、この間の消費者庁の責任をどう捉えているのか、今後、どう対応していくのか。二度とこんな事件を起こさないようにしっかりと対策すべきだと思いますが、いかがですか。
  110. 井上信治

    井上国務大臣 ジャパンライフ社に対しては、消費者庁におきまして、平成二十八年十二月から一年間で四回にわたって厳しい行政処分を行うなど、悪質な法違反事件として全力で取り組んでまいりました。  同時に、ジャパンライフ事件のような悪質商法被害防止という観点から、より一層厳格な規制や迅速な取締りが必要だとの指摘があることも重く受けとめております。  このため、消費者庁としては、ジャパンライフ事件に代表される販売預託の手口による悪質商法の再発防止及び被害防止という観点から、本年二月に有識者検討委員会を立ち上げ、本年八月に報告書が取りまとめられました。  報告書においては、販売を伴う預託等取引契約について、本質的に反社会的な性質を有しており、預託法において原則禁止とするとともに、預託取引全体についても規制と取締りの強化が必要とされるなど、制度改革の必要性が指摘されました。  消費者庁では、この有識者の検討委員会の報告書も踏まえ、現在、具体的な制度設計を行っており、次期通常国会への法案提出を目指し、可能な限り早期に成案を得たいと考えています。
  111. 畑野君枝

    ○畑野委員 厳しい指摘をしっかりと受けとめて、そうした被害者の思いに寄り添う消費者行政を行うべきだと思います。  そこで、大臣がおっしゃった検討委員会の報告書についてなんですが、関係者から多くの意見が出されております。  全国消費者団体連絡会からは、「預託法改正にあたり、販売預託商法の罰則による原則禁止を実現するとともに、関連法とのすき間が生じないよう、規制の潜脱防止を確実に図るべく検討を進めてください。」という要望です。  また、全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の資料をきょうおつけいたしました。ジャパンライフは、最後は、新規勧誘ができなくなり、新たな資金集めの手段として、リース債権の譲渡、買戻しという形態にしたんです。このようなものも含めて禁止しないと、すき間が生じる、すき間がないようにすべきではないかというふうに伺っております。  きょう、資料一枚目から見てください。二〇一七年十一月十四日、当時のジャパンライフ株式会社山口隆祥会長、山口ひろみ社長の連名で出ているんです。これは、リース債権の販売をやる、こういう手口になっていったわけですね。  それで、二枚目を見ていただきますと、装着タイプ磁気治療器五年物リース債権と。リース債権総額面価格約百二十九億五千万円、こういう商法ですよ。  そして、三枚目を見てください。装着タイプ磁気治療器リース債権収入例、五年物と。債権の額面は百万円、リース債権価格、譲渡金額は七十万円、月額受取収入、債権収入は毎月五千円、受取回数六十回、受取合計収益金額、年利八・五七%、三十万円入ります、そして、五年後の債権価格は七十万円でございますと。終了月は二〇二二年十月。ここまでうたってやったわけです。  これは本当にすき間を、抜け穴を塞がないといけないということですけれども、大臣、いかがですか。
  112. 井上信治

    井上国務大臣 本年八月に消費者庁において取りまとめられた有識者検討委員会の報告書でも、販売を伴う預託等取引契約については、預託法において原則禁止にするとともに、規制の潜脱防止を確実に図る必要性が指摘されております。  現在、報告書の内容を踏まえ、消費者庁において預託法改正に係る具体的な制度設計を行っており、委員指摘のように、規制のすき間や潜脱が生じないよう、消費者被害防止のために真に実効的な制度となるよう、鋭意検討を進めてまいります。
  113. 畑野君枝

    ○畑野委員 大臣から大事な御答弁がありました。ぜひ、しっかりやっていただきたいと思います。  続きまして、今、この委員会でも議論になっていますけれども、新型コロナウイルス対策でいろいろな被害が出ております。  そこで、幾つか伺います。  まず、井上大臣に伺いたいんですが、先ほどの議論にもありました、消費者被害が多様化している、デジタル対応も出てくる、そして、その対応には専門性が求められる、勉強も研修もしなくちゃいけないという中で、消費生活相談員の処遇改善が本当に求められているということを繰り返しこの委員会でみんなで訴えてまいりました。  非正規ではなく、正規職員としてこの専門性を生かせるように保障する必要が今後出てくると思うんです。これをぜひ進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  114. 井上信治

    井上国務大臣 消費生活相談員の採用のあり方については、相談件数などそれぞれの自治体の状況に鑑み、各自治体において検討されるものと承知をしておりますが、相談員の方々は地方消費者行政の最前線で大変重要な役割を担っていただいていることから、その能力や経験等に見合った処遇となるよう、引き続き、自治体の首長等への粘り強い働きかけを行うとともに、担い手をふやすためのさまざまな取組も行ってまいりたいと思います。
  115. 畑野君枝

    ○畑野委員 予算をしっかりつけてほしいんです。自治体とすぐおっしゃるんですけれども、消費者庁なんですから。国がしっかり言わなかったら、自治体任せじゃいけませんよ。自治体はコロナ対応でもう本当に大変なんですから。これがいつも最後に回ってしまうということになりかねませんから。しっかり予算の確保もやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  116. 井上信治

    井上国務大臣 消費者庁といたしましても、令和年度予算概算要求において、地方消費者行政強化交付金、また、これのみならず、国が直接事業実施するための必要な予算も盛り込んだところであり、地方消費者行政充実強化のため、必要な予算もしっかり確保して進めてまいりたいと思います。
  117. 畑野君枝

    ○畑野委員 しっかりとやっていただきたい、自治体任せにしないでやっていただきたいということを重ねて申し上げておきます。  コロナ禍で、国民の皆さんの暮らしが危機に直面をしております。今月、十一月十六日、渋谷区で路上生活をしていたと見られる六十四歳の女性が撲殺されるという痛ましい事件が起きました。ことし二月までスーパーで働いていたという報道もあります。住まいと仕事を失った末に居場所をなくし、バス停のベンチで夜を過ごしていた。でも、そのバス停は、仕切りがあって横になれないようになっているというんですね。路上生活者がそこで寝泊まりしないように、そういう悲しいベンチになっているという報道もありました。  総務省が十月二日発表した八月の労働力調査では、完全失業者は前年同月に比べ九万人増の二百五万人、完全失業者数の二百万人突破は三年三カ月ぶりで、会社から仕事を休めと言われたなどの休業者数も二百十六万になっております。  これは、雇用調整助成金や休業支援金の延長も来年にわたって私たちは求めておりますし、もっと受け取れるような、きめ細かな対策が必要だと思うんですが、きょうは、生活困窮者自立支援制度の住居確保給付金についてまず伺いたいと思うんです。  これは最長九カ月までとなっておりますが、春ごろから利用している方は年末で期限を迎えてしまいます。本当にきょうも寒かったですけれども、本格的な寒さを前にして、住居喪失の危機に直面する人が多数に上ると言われております。リーマン・ショックのときにも、私、年越し派遣村をやりましたけれども、もう本当に深刻な事態と思います。  そこで、この住居確保給付金についての予算、給付額、給付件数はどうなっているのかということと、最長で九カ月までとなっている支給期間を延長すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
  118. 岩井勝弘

    岩井政府参考人 お答え申し上げます。  住居確保給付金につきましては、生活困窮者自立支援法に基づき、離職等により経済的に困窮し、住居を失うおそれがある生活困窮者に対して、求職活動等を要件として家賃相当額を支給するものでございます。新型コロナウイルス感染症の影響対応するため、支給対象の拡大等を実施しております。  お尋ねの住居確保給付金についての予算等でございますが、令和年度当初予算の生活困窮者自立相談支援事業費等負担金二百二十七億円の内数に加えまして、令和年度第一次、第二次補正予算、予備費を合わせて三百十九億円を計上しております。また、四月から十月で約十一万件を支給決定し、約百八十億円を支給しているところでございます。  住居確保給付金の支給期間に係る今後の対応につきましては、利用者の実態等も踏まえ、適切に検討してまいりたいと存じております。
  119. 畑野君枝

    ○畑野委員 年内ももうわずかですから、急いで検討して延ばしていただくように、これは皆さん言っていますので、進めてください。  それで、中身なんだけれども、もっと使い勝手をよくしてほしいという声があります。例えば、大都市部の家賃水準に合わせて支給の上限額を増額する。東京都特別区の支給額の目安は単身世帯五万三千七百円なんですね、こういうことも見直してほしいという声があります。しかも、生活保護についている暖房費の補助というのはないんですよね、これは。  ですから、本当にセーフティーネットというのならば、しっかりと生活保護そのものも引き上げていく、そして、その一歩手前のセーフティーネットも、住居確保給付金などなどあるわけですけれども、もう本当に安全装置が最後のものですから、切り下げられてきたこうした制度をしっかりと手厚くやっていただきたいと思います。  きょう資料につけたんですけれども、例えば、支給要件で、誠実かつ熱心に求職活動を行うこととあるんですね。コロナの中で仕事はないですよ。これはどうやって判断するんですかということも含めて、皆さんが安心して申請できるようにしていただきたいと強く求めておきます。  今ある支援をしっかりやっていただくと同時に、新たに住居の喪失者を生まないような対策も急務です。コロナが第三波になり、既に第一波、第二波で収入減や失業、倒産、解雇、派遣切り、ネットカフェの仮住まいも限界になっている人々、多くいます。シングルマザーの方のお話もありました。住居喪失のリスクが現実的に高まっております。  自治体とも連携して、相談者を確実に支援につなげる、また、ビジネスホテルや旅館などの借り上げなど緊急一時宿泊支援を広げる、そして、緊急小口貸付金も、年内ですけれども、延長して、返済減額や免除など行い額も増額するなど、もう本当にトータルでやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  120. 岩井勝弘

    岩井政府参考人 新型コロナウイルス感染症の影響などにより、年末年始において住まいを失った又は失うおそれのある生活困窮者等を支援につなげられるよう、先日、各自治体に対して、相談体制の確保、ホテルや旅館等の一時的な居所の確保等についてお願いしているところでございます。  緊急小口資金等の特例貸付けにおける償還免除の要件については、償還時においてなお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができるとの基本的な考え方をお示しし、貸付けを受けている方の実態等も踏まえながら、生活困窮された方の生活にきめ細かな配慮を行うべく、詳細を検討しているところでございます。  特例貸付けの貸付上限額については、緊急小口資金は、本則では十万円以内としているところ、特例貸付けでは二十万円以内に引き上げ、総合支援資金は、特例貸付けの開始当初、原則三カ月、六十万円以内としていたところ、引き続き失業状態等にある方は、特例的に三カ月延長し、最大百二十万円の貸付けを利用可能としております。  更に貸付上限額を引き上げることについては、債務が過大となることが自立を阻害することとならないか等の観点から、慎重な検討が必要であると考えております。  厚生労働省といたしましては、生活に不安を抱えている方が確実に支援につながるよう、引き続き自治体等と連携しつつ必要な取組を進めてまいりたいと存じます。
  121. 畑野君枝

    ○畑野委員 では、最後に井上大臣に伺います。  フードバンクの取組支援していただいております。先ほど、亡くなった方の所持金は八円だったという報道もあるんです。子供食堂、学生支援、大人食堂も今取り組まれております。地方自治体や民間の支援団体、企業などの提供も広がっております。  しかし、必要な人の手元に届けるのが大変だという声があるんです。炊き出しをやっても、女性はなかなかそこに並びづらいという声もあるんですね。ですから、運搬を含めた支援策をぜひ進めていただきたいと思います。
  122. 井上信治

    井上国務大臣 賞味期限等が近づき、そのままでは捨てられてしまう食材を生活困窮者等へ寄附することは、食品ロス削減観点からも有効な取組であります。現在、私が指示をし、食品ロス削減に向けた制度課題を検討させている関係省庁会議における重要課題ともなっております。  しかしながら、フードバンクのような支援活動の社会認知度が低いことも、このような取組が進まない理由の一つであります。  このため、消費者庁において、地方公共団体がフードバンク等の活動や広報の経費等を支援できるよう、令和年度第二次補正予算において必要な経費を措置し、一部の食品運搬経費等の支援も可能にしたところです。  引き続き、このような取組を通じ、食品ロス削減観点からも、食品を必要とする方に少しでも届けられるよう努めてまいります。
  123. 畑野君枝

    ○畑野委員 ぜひ全力で取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  124. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、串田誠一君。
  125. 串田誠一

    ○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。  まず最初に、大臣にお聞きをしたいと思うんですが、東京オリンピック・パラリンピックに対して、外国人選手が、選手村でエシカル五輪を目指すということで、ケージフリーの卵、あるいは妊娠ストールを使わない豚肉を提供してほしい、そういう署名等を行っているということを御存じでしょうか。
  126. 井上信治

    井上国務大臣 御指摘の件につきまして、東京オリンピック・パラリンピックで来日する選手の食事の材料に関して、アニマルウエルフェアへの配慮を求めて、一部米国等のオリンピックメダリストらが声明を発表しているということは承知をしております。
  127. 串田誠一

    ○串田委員 ロンドン・オリンピックやリオ・オリンピック、オリパラにおきましても、アニマルウエルフェアを推進するということで、ロンドン・オリンピック・パラリンピックにおいても、ケージフリーの卵、そして、リオに関しても妊娠ストールを使わない。  妊娠ストールというのは、すごい狭いところに閉じ込めて飼養する、そういう方法でございます。日本は九〇%近く妊娠ストールで豚肉を飼養しているという状況でございまして、EUはもうこれは禁止しているわけでございますが、そういう意味で、今回の東京オリパラにおいて、世界に、今回のオリンピックはこのような形でアニマルウエルフェアを更に一歩前進したんだ、そういう発信というのは何かあるんでしょうか。
  128. 勝野美江

    勝野政府参考人 お答え申し上げます。  東京大会では、組織委員会が策定をしました持続可能性に配慮した畜産物の調達基準におきまして、食品安全、環境保全、労働安全とあわせまして、アニマルウエルフェアの考え方に対応した飼養管理指針に照らしまして適切な措置が講じられていることを要件として求めております。  大会に向けて、これらの要件を満たしましたJGAP、グローバルGAP、GAP取得チャレンジシステムといった認証などを満たした食材を調達していくということになっております。このうち、JGAPにつきましては、初の日本版の畜産物のGAP認証として二〇一七年三月に公表されておりまして、順調に認証がふえ続けて、全国の約百九十の経営体が認証されるまでに至っております。
  129. 串田誠一

    ○串田委員 答弁を聞いていただいているとわかるかと思うんですが、世界では、やはりケージフリー、卵にはもうケージあるいはケージフリーという刻印を押している国もある、妊娠ストールという肉を使わないんだということを言っている。具体的なそういったものを発信して、ロンドン、リオと来ているわけですね。  これに対して、東京オリパラに関しては、むしろ外国人選手がこういうものでなければ選手村では出してもらいたくはないという声明を出して、その声明でようやく、今までのオリンピックと同じ水準なんですよ、そういうメッセージも書かれているわけでございます。  大臣は、所信で、社会情勢の変化等も踏まえた消費者教育推進してまいりますと書いてあります。  二〇二五年には、全米、マクドナルドでは全ての卵をケージフリーにする、これはもう米国では全体的に進んでいっているわけであります。そういう意味で、このアニマルウエルフェアというのは、社会情勢の変化というのをしっかりとこれは進められているわけです。  こういう意味で、日本はかなり立ちおくれていると言わざるを得ないと思うんですが、この点について、所信同様に、アニマルウエルフェアを進めるというようなことを大臣としても発信していただけないでしょうか。
  130. 井上信治

    井上国務大臣 消費者庁としましては、平成二十七年五月から約二年間開催した「倫理的消費」調査研究会取りまとめを踏まえて、動画やポスター、パンフレット等を作成するとともに、取組事例の収集、発信等を通じて、アニマルウエルフェアの概念も含むエシカル消費の普及啓発により消費者教育推進に努めております。  また、アニマルウエルフェアは事業者取組も重要であり、こうした取組との連携にも配慮しつつ、今後、アニマルウエルフェアの概念も含め、エシカル消費の考え方と行動が更に広がるよう、関係省庁関係団体等を始めとする多様な主体と連携をして、消費者教育推進にも取り組んでまいります。
  131. 串田誠一

    ○串田委員 ぜひ進めていただきたいんですが、さらに、所信に、「将来の、より安全、安心で豊かな消費生活の実現」とあります。この豊かなというのはどういう趣旨で所信に入れられたんでしょうか。
  132. 井上信治

    井上国務大臣 国民は全て消費者であって、消費は日々の暮らしの最も基本的な活動であります。家計消費はGDPの半数以上を占め、安全、安心な商品、サービスが提供されることで消費が活性化をすれば、事業活動の拡大や所得の増加を通じて経済の好循環につながり、豊かな消費生活が実現できます。さらに、エシカル消費や食品ロスの削減など、消費者事業者が協力をして持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいくことも、これらの豊かな消費生活の姿の一つであると考えております。  安全、安心で豊かな消費生活の実現は、消費者庁設置法にも規定されている消費者庁の使命であり、消費者担当大臣として、さまざまな課題スピード感を持って取り組んでまいります。
  133. 串田誠一

    ○串田委員 ここで豊かなというのが人間の安全、安心というところにたどり着いていってしまうと、アニマルウエルフェアが少し後退してしまうんではないか。  今の世界は、今の商品の安心、安全というものを超えて、その商品がどういうような過程で飼養されてきたのか。例えば、卵の場合には、今、日本のようにワイヤで体よりも小さいところに入れられて、そして金網の上に入れられている。そうじゃなくて、放牧の中で、安心な、要するに健康的な状況で活動している卵、それを消費していくというのが人間として今豊かになれるんだというのが、世界的な私は傾向ではないだろうか。  できている前の部分の、どういう状況でその動物たちは飼養されているのかということが非常に世界でも求められているんだ、それを消費していくというのが人間としてのやはり豊かさにもつながっていくんだろうというふうに私は思うんです。  その点で、日本の食品に関して、ケージフリーあるいは妊娠ストール、これも代表的なアニマルウエルフェアの指針でありますけれども、現在の表示の中でこれが見きわめられるような表示になっているのかをお聞きしたいと思います。
  134. 津垣修一

    津垣政府参考人 お答え申し上げます。  食品関連事業者等が食品を販売する際に表示されるべき事項につきましては、食品表示法に基づく食品表示基準により定めております。  委員お尋ねのケージフリーであるかどうか、妊娠ストールを使っているかどうかにつきましては、当該食品表示基準において義務表示事項とはなっておりません。
  135. 串田誠一

    ○串田委員 今回の東京オリパラにおいても外国人選手が求めているケージフリーそして妊娠ストールというのは、代表的な、やはりアニマルウエルフェアには適合していない、ワイヤの中にいる、小さい狭いところで寝返りもできないところに豚がいる、こういうような飼養の仕方はやめようというのが世界的な大きな、シンボリックな部分なんですね。  そういう意味で、大臣、このケージフリー、妊娠ストール、こういったようなものを使っているか使っていないかということを表示することがその努力をしている畜産業界へのインセンティブにも私はなっていくと思うんですが、この代表的なものに対する表示というものを、大臣、進めていただけないでしょうか。
  136. 津垣修一

    津垣政府参考人 お答え申し上げます。  現在、食品の表示に関する国際基準でありますコーデックス規格におきましても、ケージフリーであることや妊娠ストールを使用していることを表示することは義務化されておりません。  食品表示の義務化に当たっては、消費者の意向に加え、表示の実行可能性や表示違反の食品の検証可能性、さらには国際整合性を十分に踏まえることが重要であり、慎重な検討が必要であると考えております。  このようなことから、現時点においては表示を義務化することは考えておりません。
  137. 串田誠一

    ○串田委員 まさに消費者教育というのは、アニマルウエルフェアを選別できなければ、消費者としても選べないんですね。  ですから、これは、当然、経費がかかるんです。ケージの方がたくさん鶏を飼うこともできるし、妊娠ストールで狭いところに入れていった方が豚はたくさん飼育することができるけれども、それはやはりアニマルウエルフェアの原点である五つの自由というものを害するわけですよね。  そういう意味で、畜産業がそういうものを進めようと思ったら経費がかかる。その経費に関して、やはりイニシアチブで、そういう表示をつけることによって消費者が選んでくれる、単価は高くても消費者が選んでくれるような表示をしていくということが、やはり私は、畜産業界に努力をしてもらえるようなことにもなるし、消費者教育にもつながると思うんですが、現在まだそういう表示がないということでございますので、大臣としてそういう方向性を持ちたいというお言葉をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  138. 津垣修一

    津垣政府参考人 お答え申し上げます。  一般的に、食品表示法に基づく食品表示基準において表示禁止事項となっていないものについては、消費者に誤認を与えない限り、食品関連事業者の判断で、事実に基づいた表示を行うことは可能となっております。  このため、食品の付加価値等、消費者へ訴求する内容に関する具体的な表示ぶりについては、個々の食品関連事業者において、消費者のニーズを踏まえ、検討いただくべきものと考えております。
  139. 串田誠一

    ○串田委員 二〇二〇年にはインバウンド四千万人、二〇三〇年には六千万人ということで、日本としても観光立国になってくるんだと思うんですが、そういう外国人が日本にやってきて、日本のレストランで食べるのはやめたいというようなことになってしまうのは、私は大変残念だと思うんですね。EUでは、もうケージフリーの卵しか使っていないんですよ。妊娠ストールは禁止されているんです。そういう国からやってきた人たちが、そういうものの食事をとるだろうか。  私は、非常にそういう意味で、観光立国としても、食品として、日本は自信を持ってアニマルウエルフェアを進めた食品を提供しているんだよということを世界に私は発信すべきだと思うんですが、最後に大臣の声をお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  140. 井上信治

    井上国務大臣 委員指摘の点につきまして、まだまださまざまな論点があるというふうに思っております。そういったことをしっかり考えながら検討していきたいと思います。
  141. 串田誠一

    ○串田委員 ぜひ進めていただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  142. 永岡桂子

    永岡委員長 次に、井上一徳君。
  143. 井上一徳

    井上(一)委員 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。  初めて消費者特で質問をさせていただきます。  きょうは、農産物の輸出五倍へ新戦略ということで、目標五兆円、これを輸出していくというようなことでこれから政府は取り組んでいくということですが、私は、これをどうやったら本当に実現していくのかというような質問をしていきたいと思っています。  産経新聞にも出ていました。農産輸出五倍へ新戦略、令和元年の輸出は約九千億円ということで、令和七年までに二兆円、そして令和十二年までに五兆円にするという目標、これをことしの三月に打ち出しておりまして、また、それに向けて農水省内に輸出・国際局を新設するということです。  輸出をふやすことによって我が国の自給率も上がることになりますから、私は、これは国益に合致していると思いますし、ぜひ進めていってほしいと思います。  まず、この新戦略について御説明ください。
  144. 池山成俊

    池山政府参考人 お答え申し上げます。  二〇三〇年五兆円の輸出目標を達成し、農林水産物・食品輸出立国を実現するため、輸出拡大のための関係閣僚会議におきまして、現在、当面必要となる具体的な戦略を検討しているところでございます。  先日、十一月二十日に開かれました会議におきましては、この戦略の骨子案をお示しし、海外市場で求められるスペックの産品を専門的、継続的に生産、販売する体制を整備するため、日本の強みを最大限に生かす品目別の具体的目標の設定でございますとか、マーケットインの発想で輸出にチャレンジする農林水産業者の後押し、省庁の垣根を越え政府一体として輸出の障害の克服、さらには、先ほど委員指摘がありました、農林水産省に輸出・国際局、これは仮称でございますけれども、その設置などを実行する必要があることを提示したところでございます。  また、同会議におきましては、総理からは、次回の会合におきまして具体的な実行戦略を提示するよう御指示がございました。  引き続き、政府一体となってしっかりと検討してまいりたいと考えてございます。
  145. 井上一徳

    井上(一)委員 私は、農産物を輸出していくのに当たって、やはり課題もあると思っているんです。  その課題の一つが諸外国の農薬についての規制ということでありまして、これは資料でお配りしているんですけれども、小さい字で読めないので、この小さい字はちょっと無視していただいて。  言わんとしていることは、これは農林水産省のウエブサイトからとってきたんですが、要は諸外国における残留農薬基準値に関する情報ということで、日本の基準値が書いてあるんですが、この赤になっているものは、日本の基準値よりも外国の基準値の方が厳しいということなんですね。そうすると、日本から輸出しようとしても、外国の方では残留農薬の基準値が非常に厳しいので、日本のものはそのままでは輸出できませんよということなんです。  それが、米が一枚目につけておりますけれども、ほとんど赤なわけです。そのままの米はもう輸出できない。それから、次のページをめくって見ていただいたら、これはお茶です。お茶も同じように輸出できない。イチゴも同じように真っ赤ですから、このままでは輸出できない。こういうのがもうほとんど日本の残留農薬の基準値を超えているわけです。  私は、やはりこういうところを、日本の基準値をもう少し考えていかないと、輸出自体がなかなか思うようにできないんじゃないかと思っているんですが、まず、日本で農薬の残留基準値が他国と比べて緩い理由、それから、日本はやはり農薬が他の国に比べれば使用量が多いというふうに言われていますけれども、そういったところについてちょっと御説明いただきたいと思います。
  146. 神井弘之

    神井政府参考人 お答え申し上げます。  我が国では、食品安全に関する国際的な基準を参照しまして、厚生労働省において、我が国における農薬の使用方法、食品の摂取量を踏まえて、食品安全委員会の食品健康影響評価の結果に基づいて、食品中の残留農薬基準を設定しているものと承知しております。  各国でそれぞれの事情に応じて登録を行って基準値を設定しているということでございますので、日本の残留農薬基準には、先生御指摘のように外国よりも高いものもございますけれども、低いものもあるというのが実情になっております。  いずれにいたしましても、農薬登録時には科学的に安全性を審査しておりますので、定められた使用方法に従って農薬を使用する限り、安全性に問題が生じるということはないものと考えております。  また、我が国の農薬の使用量についてでございますが、FAOの直近のデータベースによりますと、一ヘクタール当たり十一・八キログラムとなっております。気象条件が異なる欧米よりは多いものの、中国や韓国とは同程度か、より少ないものとなっております。  条件が異なる国の間で単純に平均を比べることは必ずしも適切ではないというふうには考えますけれども、日本の農薬使用量の現状につきましては、気候が温暖湿潤で病害虫や雑草が多く発生する傾向がある中で、限られた農地で大きな収量を得ることや、外観も含めて品質を向上すること、除草作業などを省力化することなどを目指した取組が多いということも反映しているというふうに考えております。
  147. 井上一徳

    井上(一)委員 今御説明あったように、いろいろばらつきがあるということでしたが、厚生労働省のホームページに、残留農薬について、「よくある質問」というのがありまして、「日本の残留農薬等の基準は国際的に見て厳しいと聞きますが?」という質問項目になっているんですね。  先ほど見せましたように、諸外国に比べると日本の残留農薬基準は、私はむしろ緩いのではないかと思っているんですが、あえてこのような質問項目を立てて、それで各国ばらつきがありますというのでは、私は、消費者に誤解を与えるんじゃないかと思うんです。  もう少しここは、日本の残留農薬の基準は国際的に見て緩いのではないでしょうかという質問を立てて、それに対する答えを書くのがやはり消費者に対する正しい情報提供になるのではないかと思うんですが、ホームページを見直す考え方はありませんか。
  148. 浅沼一成

    浅沼政府参考人 お答えいたします。  食品中の残留農薬の基準値は、定められた使用方法で農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果をもとに、人の健康に影響を及ぼさないよう設定しております。  農薬の使用方法は各国の害虫の種類や気候風土により異なるため、同じ食品であっても国によって残留基準値が異なる場合がございます。日本と海外の基準値のどちらかが厳しいと一概に言うことはできないと考えておるところでございます。  御指摘の厚生労働省の残留農薬に関するホームページのQアンドAにおきましては、こうした残留基準値の設定の考え方や国内外の基準値の比較に対する考え方を説明はしておりますが、現在、残留農薬に関するホームページの内容につきましては、よりわかりやすく、誤解を招かない内容となるよう見直しを行っているところでございます。議員御指摘のQアンドAの文言も含めて、見直しを検討してまいりたいと考えております。
  149. 井上一徳

    井上(一)委員 これから検討していくということでしたが、大体、検討のスケジュール感、これはどういうような感じでしょうか。
  150. 浅沼一成

    浅沼政府参考人 お答えいたします。  具体的な日取り等はお答えできないんですけれども、可及的速やかに取り組んでいこうというふうに、きょう御指摘のQアンドAの文言、変えていかないと誤解を生じるという御指摘でございますので、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  151. 井上一徳

    井上(一)委員 可及的速やかに取り組むではなくて、もう取り組んで、可及的速やかにホームページの修正をぜひしていただきたいと思います。  次は、有機農業ということで、私は、やはり有機農業を進めることによって更に輸出をふやしていくことができるのではないかと思っているんです。  今、有機食品全体の世界の売上げ、この十年間でおよそ二倍の十一兆円ほどに伸びている。特にEU向けの市場が伸びているということで、このEU向けに最も多くの有機農産物を輸出しているのが中国だというふうに聞いております。  やはり、日本もこの有機栽培を進めて、積極的に輸出していくというような取組をしていくことが大事だというふうに私は思っているんですが、有機農業の現状、それから有機農業にどういう支援を行っているのか、その現状を説明してください。
  152. 安岡澄人

    安岡政府参考人 お答えいたします。  我が国の有機農業の取組は、二〇一八年時点で、全耕地面積の〇・五%、二万三千七百ヘクタールで行われております。国内の有機食品市場の拡大とともに、過去八年間で約四割拡大しているところでございます。  一方で、先生御指摘のとおり、世界の有機食品市場が拡大しているという中で、我が国からも、有機のお茶であるとか有機のしょうゆであるとか、輸出が増加しているところでございます。今後、こうした国内外の需要の伸びに対応して、我が国の有機農業を拡大していくことが重要であろうというふうに考えております。  このため、農林水産省では、本年四月に策定した新たな有機農業の推進に関する基本的な方針において、二〇三〇年までに有機農業の取組面積を六万三千ヘクタールに拡大するという目標を設定しております。この設定に当たっては、国内市場の拡大だけでなく、輸出の大幅増も見込んでいるところでございます。  この目標達成に向けて、一つは、環境保全型農業直接支払交付金、これで有機農業に取り組む農業者に対する支援を行うということのほか、有機農業者の育成、有機農業の拠点的な産地づくり、物流の効率化、さらには輸出に取り組む際の有機JASの認証取得の支援、こういったさまざまな支援に取り組んでいるところでございます。
  153. 井上一徳

    井上(一)委員 ぜひ、有機栽培、有機農産物の支援、よろしくお願いしたいと思います。  次に、GAP認証についてお聞きしたいと思います。  GAPというのは、グッド・アグリカルチュラル・プラクティス、それの略をGAPと言っているんですが、要は、農産物の安全それから環境、それに十分配慮した生産工程を認証するものがGAP認証だというふうに認識しております。  今回の東京オリンピック・パラリンピックの選手村の食堂の食材についても、このGAP認証を取っていないと食材として使ってもらえないということであります。  私は、やはり、こういったGAP認証を更に日本の農家の方々が多く取得することによって、輸出もふえますし、さらには安全な食品子供たちに提供できるということで、この取組を進めていくべきだと思うんですが、まず、このGAP認証について説明をしていただきたいと思います。
  154. 安岡澄人

    安岡政府参考人 お答えいたします。  GAPは、農業生産における工程管理の取組で、食品の安全や環境保全などとともに、農業の競争力強化にもつながる取組でございます。  GAP認証は、第三者機関が審査してGAPが正しく実施されていることを確認するもので、認証の取得は、その信頼性や訴求力の向上に寄与するものというふうに考えております。  先生御指摘のとおり、例えば、東京オリンピック・パラリンピック競技大会での農畜産物の調達基準となるほか、国内外の小売事業者が取引条件としてGAP認証を求めるといったようなことがございまして、GAP認証自体、活用が広まっているところでございます。
  155. 井上一徳

    井上(一)委員 私の地元でも、無農薬栽培とかそれから有機栽培、これに積極的に取り組んでいる人がおられるんですが、大体個人で、それも少人数でやっておられるので、GAP認証を取るというのが、かなりのコストもかかるということで、やはり二の足を踏んでおられる方もおられるんですが、このGAP認証の支援、これを政府として積極的に進めていっていただきたいということを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
  156. 永岡桂子

    永岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会