○青山(雅)
委員 日本維新の会・無所属の会、青山
雅幸でございます。
本日も貴重な
質問の
機会をありがとうございます。
時間もございませんので、きょうは、
経済について、概括的な
質問をさせていただきます。
まず、きょう、短期的な
経済に関して、円レートについて若干の議論がなされておりました。これは、私が思うには、
日本と欧米のパンデミックが、
感染者、
重症者、死亡者、いずれも一桁違うこと、それから、アメリカの二〇二〇年度の
財政赤字は前年度比何と三倍の三・三兆ドルにも上ること、それから、二〇年度の連邦債務は二十六兆ドルにも上ることが影響していて、それによるドル安ではないかと。つまり、円が高くなっているというよりはドルが安くなっている、為替レートでいえば負け組競争であり、まあ多少、百三円とか円高に振れてはおりますけれども、これは
財政収支において今円高になっているからといって余り安心できるものではないと思っております。
そういうような現状
認識の中で、中長期的な視点で、
日本経済を世界との比較で眺めてみたいと思っております。
配付資料の一番をごらんください。
麻生財務大臣もたびたび
日本のGDPは
回復傾向にあるというようなことを述べておられますけれども、
一般的には、GDP、ドル建てで国際比較をするものと私は承知しております。その観点から見ると、二〇一二年に
日本のGDPは最大になりまして六兆二千三十二億ドル、そこから、リーマン・ショック等もありましたけれども、落ち込んで、そこから回復は確かにしましたけれども、基本的に横ばい。二〇一九年は五兆七百九十九億ドルと、最盛期に比べると一兆ドル、
日本円にして現在のレートで百三兆円ほど落ち込んだままという
状況であろうかと思います。往時とは一兆ドル以上の差がある。
こういった数字を見ると、
日本経済が衰退あるいは停滞しているというのはやはりまごうことなき事実であろうかと思っております。比較として、アメリカが本当に右肩上がりの伸び方をしているのと比べると、それは少なくとも停滞と捉えるべきものだと思っております。
この
要因、さまざまあることが考えられますけれども、
一つには、
大臣もたびたび言及されておられます人口
要因。アメリカとの比較の点でいえば、
経済学的に、アメリカでいえば人口ボーナスを得ている、人口がふえておりますので。一方、
日本は、中長期的に見れば大変に減少傾向にございますので、人口オーナスという差があると思います。
アメリカの数字を具体的に挙げますと、このところの移民規制で伸び率が多少減少しているとはいえ、二〇〇七年に人口三億人を超えて、今現在も伸びている途上にございまして、現在はほぼ三億三千万人。十三年前に比べて一割ほど人口が伸びております。
配付資料二、これはもう
委員の皆様方あるいは
政府におかれても御承知の数字ではございますけれども、二〇〇八年に一億二千八百八万人であったものが二〇一九年には一億二千六百十六万人と、約二百万人減少しております。県
一つ分くらいの人口が丸ごとなくなっているというような
状況でございます。
日本よりは若干
成長しておりますけれども、やはり人口という面で見れば停滞しているのがドイツであり、
日本と同じような工業国。一に戻っていただきますと、多かれ少なかれ
日本と同じような
状況にございます。
ドイツの人口はどうなっているのか、ちなみに御
紹介いたしますと、ドイツの方もずっと、二〇一〇年ころに人口が一旦減少、八千百万人から八千万人くらいに向けてたしか減少しております。ところがその後、ドイツの場合には、御承知のとおり積極的に人口を、移民を入れまして、若干、八千二百万人くらいまで増加に至っております。こういったようなやり方もドイツはとっている。
この人口問題については、前回
大臣にも少しお聞きしまして、
政府としては積極的な政策をとっていくというようなことでございました。今回は、この人口問題はとりあえずおいておきまして、余り正面切って話題にされることはございませんけれども、誰しもが頭の片隅にある
日本企業、特に大
企業の国際
競争力の低下についてお伺いしたいと思っております。
大
企業の国際
競争力、非常に簡便な指標としてフォーチュン五百社がございます。トップ五百のうち、御承知のとおり、一九九五年くらいには百五十社ほどございました。アメリカと本当に僅差、数社の差でしたけれども、今では五十社程度しかございません。三分の一まで縮小しております。
私は、単に数が減っただけではなくて、非常に深刻だと思っているのは、三枚目をごらんください、配付資料の三です、上位百社の数が物すごく減ってしまっているということです。一九九五年には、トップテンのうち何と一位から三位を独占しております、いずれも商社でございますけれども。トップテンのうち六社も入っています。
日本企業が十社のうち六社入っていた。トータルが三十七社ございました。
これが五年後の二〇〇〇年には、早くも二十二社に減っただけではなくて、トップテンのうち九、十と、下の方二社になってしまっております。
さらに、ちょっと悲惨な
状況であるのが二〇一九年、トップ百の中に八社しかございません。一九九五年にはトップテンの中に六社あったことと比べれば、この衰退のさまは非常に深刻でございます。更に深刻なのは、トップテンの中に、十位にトヨタが辛うじて入っているだけという
状況です。つまり、国際
競争力を持つ巨大
企業はどんどん減少して、製造業、メーカー系は自動車ばかりの三社に今なってしまっていまして、九五年にはいっぱいあった電機産業や重電関係は姿を消してしまっております。
このような技術力の衰退を象徴しているのが、私は、一兆円の巨費を投じながら米国での型式認証すら受けられないまま事実上凍結して、撤退もうわさされておりますMSJ、旧MRJです。三菱重工の中型飛行機、国産飛行機です。
一方で、アメリカでは先日、スペースX社がクルードラゴンで野口さんを国際宇宙ステーションに運んで衝撃を受けましたけれども、きのうの朝日によれば、ペイパルを起こしてもうけたお金であのテスラのイーロン・マスク氏がこれをつくったんですけれども、自由な社風と工夫でもって、二〇〇二年にゼロから立ち上げた会社が早くも宇宙に人を送っております。
こういった彼我の差が、本当に何とかしないと
日本の再興はないと思っているんです。
そういった、国際的に見た
企業競争力の回復と、国際的な新興
企業がどうすれば
日本で伸びてくるのか、本当に難しい課題ではございますけれども、この点に関し、副総理である
麻生大臣から大所高所からの御見解をお伺いしたいと思います。