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2020-11-18 第203回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十一月十八日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 とかしきなおみ君    理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君    理事 菅原 一秀君 理事 長尾  敬君    理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君    理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君       青山 周平君    安藤 高夫君       上野 宏史君    大串 正樹君       大隈 和英君    木村 次郎君       木村 哲也君    木村 弥生君       国光あやの君    小島 敏文君       後藤 茂之君    後藤田正純君       高村 正大君    佐藤 明男君       塩崎 恭久君    繁本  護君       白須賀貴樹君    田畑 裕明君       百武 公親君    村井 英樹君       山田 美樹君    渡辺 孝一君       阿部 知子君    稲富 修二君       尾辻かな子君    大島  敦君       川内 博史君    白石 洋一君       津村 啓介君    西村智奈美君       屋良 朝博君    山川百合子君       山井 和則君    吉田 統彦君       高木美智代君    桝屋 敬悟君       宮本  徹君    青山 雅幸君     …………………………………    議員           桝屋 敬悟君    厚生労働大臣       田村 憲久君    厚生労働大臣     三原じゅん子君    厚生労働大臣      山本 博司君    国土交通大臣      岩井 茂樹君    内閣大臣政務官     和田 義明君    内閣大臣政務官     吉川  赳君    厚生労働大臣政務官    大隈 和英君    厚生労働大臣政務官    こやり隆史君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  佐々木 健君    政府参考人    (内閣官房成長戦略会議事務局次長)        松浦 克巳君    政府参考人    (内閣地方創生推進室次長)           長谷川周夫君    政府参考人    (内閣子ども子育て本部審議官)        藤原 朋子君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君    政府参考人    (厚生労働省健康局長)  正林 督章君    政府参考人    (厚生労働省医薬生活衛生局長)         鎌田 光明君    政府参考人    (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君    政府参考人    (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       田中佐智子君    政府参考人    (厚生労働省社会援護局長)           橋本 泰宏君    政府参考人    (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君    政府参考人    (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君    政府参考人    (厚生労働省政策統括官) 伊原 和人君    政府参考人    (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君    政府参考人    (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君    参考人    (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君    参考人    (独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長)   藤原 康弘君    厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十八日  辞任         補欠選任   尾辻かな子君     吉田 統彦君   山川百合子君     屋良 朝博君 同日  辞任         補欠選任   屋良 朝博君     山川百合子君   吉田 統彦君     尾辻かな子君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案内閣提出第一号)  労働者協同組合法案後藤茂之君外十四名提出、第二百一回国会衆法第二六号)  厚生労働関係基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより会議を開きます。  内閣提出予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君、独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長藤原康弘君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官佐々木健君、成長戦略会議事務局次長松浦克巳君、内閣子ども子育て本部審議官藤原朋子君、厚生労働省健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、老健局長土生栄二君、国立感染症研究所長脇田隆字君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。繁本護君。
  5. 繁本護

    繁本委員 お願いします。自由民主党の繁本護でございます。  時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  さて、ワクチンについての質問でございます。  世界的にも、我が国においても、新たな感染者の数がすごく今ふえております。そして、一方において、世界各国ワクチン開発が進んでおり、この報道は連日、我々の目にするところであります。  一日も早いコロナワクチン開発が待たれるところでありますが、まず、基本的なこととして、ワクチン効果ですね。ワクチン種類もさまざまであります。つくり方も効用もさまざまでありますが、ワクチンを広く広げることで重症化をしっかりと防いでいくということももちろん大事であります。社会全体で蔓延することを一刻も早く抑えていくということも大事であります。ワクチン種類によって効果もさまざまであります。  現時点ではまだ承認されていませんから明言できることは少ないとはいえ、これからさまざまなワクチン世界から日本に入ってくる、国内開発が進んでいく、そしてそれを接種していくに当たっては、国民皆様方に丁寧に一つ一つワクチンがもたらす効用について説明をし、そして情報発信をしていくことが極めて重要かと思いますが、まずこの点についてお考えをお願いします。
  6. こやり隆史

    ○こやり大臣政務官 委員指摘のとおり、現在開発中であるということを前提に、一般論としてお答えをさせていただきたいというふうに思います。  ワクチン接種が疾病の蔓延予防に寄与する効果といたしまして、ヒトヒト感染を防ぐことで、接種しなかった人にも感染予防効果を及ぼすこと、また、ワクチン接種した方の発症あるいは重症化を防止する効果の積み重ねの結果として、発症者数重症者数が減少することが効能として考えられます。  なお、御指摘の、どの程度接種率が正しいかということについては、今開発中であること等を踏まえて、ちょっと現時点ではお示しすることは困難になっております。  いずれにせよ、予防接種を実施するに当たりましては、委員指摘のとおり、感染症予防効果と副反応のリスクの双方について正しい知識を持っていただいた上で、みずからの意思接種を受けていただくことができるよう、丁寧かつわかりやすい情報提供に努めてまいります。
  7. 繁本護

    繁本委員 ありがとうございました。  このコロナ禍でありますが、今年の、一月ごろから始まりまして、寒い時期で終わるかと思いきや、夏に第二波を迎えて、これから第三波の波が立っている。そして、これからまた年明け、そしてまた春が来て、夏が来て、そしてオリンピックがあるわけであります。  コロナがいつ終わるか、本当に終息のめどを立てることは極めて困難かと思いますが、我が国は、来年の夏、オリンピックをホストする国であるということを考えれば、極めて難しいとはいえ、ここを一つ節目考えて、ここからオリンピックに向けて、パラリンピックに向けてワクチン接種体制も組んでいかなければならない。実際に接種を担っていただくのは自治体でありますから、自治体体制も、先ほど政務官お答えいただいたワクチン効用に合わせた目的を設定し、その目的を達成するための接種体制を組んでいかなければならないわけだから、節目としてのオリンピックというのはすごく大事だと思うんですね。  きのうもIOCのバッハ会長菅内閣総理大臣とお会いをいたしまして、やはりオリンピック開催に当たってのワクチン重要性については認識を共有されたところです。  政府においては、来年の前半までに国民一人一人に行き渡るようにというようなお考えのもとでさまざまな国際交渉も進めていただいておりますが、これも含めて、一つオリンピック節目とするならば、効用もしっかり、はっきり我々が理解できる薬事承認をいつまでにしていかなければならないのか。もし、今のお考えで逆算して、望ましい薬事承認の時期についてお考えがあれば、国民もこれは関心の高いところでありますから、これについてのお考えをお聞かせください。お願いします。
  8. こやり隆史

    ○こやり大臣政務官 委員指摘のとおり、バッハ会長を始め、ワクチンに対する期待は高いというふうに認識しておりますけれども、必ずしもワクチン接種自体オリンピックパラリンピック開催の条件にはなっていないということは前提とした上でお答えをさせていただきます。  ワクチンについては、安全性有効性の確認、これをまずは最優先にしていかねばなりません。その上で、来年前半までに全ての国民に提供できる数量確保を図るべく、厚労省として、国内外を問わず精力的に企業との交渉を重ねているところでございます。御承知のとおり、これまで、開発をリードする製薬企業三社とワクチン供給について合意を得たところでございます。  ただ、委員も御指摘になられましたように、今まだ治験段階でございまして、承認申請がされていない段階承認時期でありますとか実際の接種開始時期等は決定することができていませんので、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。  いずれにせよ、ワクチン数量確保とともに、ワクチン薬事承認後に備えて、迅速、円滑に接種を行う体制準備を総力を挙げて進めてまいりたいというふうに思っております。
  9. 繁本護

    繁本委員 極めて難しい計画づくりだと思います。超低温でのワクチン保管とか運搬ということも含めて、薬事承認後、速やかに計画づくりに頑張っていただきたいと思います。  さて、コロナ予防接種でありますが、臨時接種特例としての位置づけであります。接種費用全額国が負担することとなっているところであります。この予防接種事業を、さていつまで続けるんだろうかということが国民にとっても大きな関心事だと思います。コロナがいつ終わるのかということと同義語かと思いますが。この点について、先ほども申し上げましたとおり季節に関係なく蔓延していますね。インフルエンザであれば、毎年毎年時期が決まっておりますから、定期接種として六十五歳以上に受けていただく。コロナは一年通してワクチンを打っていかなければならないわけであります。  先ほど来も、きょうまでの委員会でも、それぞれの先生方もきのうの参考人お話があったとおり、効果がなかなか見えていない。伊佐先生もきのう御質問にありましたけれども、抗体が体内に形づくられて、これがどれぐらいもつのか、免疫細胞がどれぐらい機能するのかといったことについてもなかなか読めないところですよね。でも、時間的な限りがあることは間違いないわけです。ワクチンを打って抗体ができました、免疫細胞が機能し出した、だけれども、それは未来永劫続くものではない。そうしたら、また切れるころに打たなければならない。そしてまた、全額国費でずっとこの接種を続けていくということにもなろうかと思うんです。  さて、このワクチンをいつまで打ち続けるんだろうかという点において、もう一つちょっと私が気になっていることがあって、一つは、ウイルスの特性が随分知見がたまってきていますから、今、政府においては、新型コロナウイルス感染症を、感染症法に基づく類型指定に向けて検討の場もつくっていただいているところですよね。このレベルまで来れば、相当、ワクチン接種体制についても、どれぐらいの頻度で、一年間を通して計画をつくっていくんだ、通年蔓延するものということは明らかになったんですが、この類型の当てはめが見えてくると大分見通しが中長期的にも立っていくんじゃないかと思うんですが、この点も踏まえて、今回の特例であります予防接種について基本的な考え方をお聞かせください。
  10. こやり隆史

    ○こやり大臣政務官 お答えいたします。  委員先ほど指摘があったように、開発途上審査もまだされていないという状況で、その効果自体まだ未解明な部分がたくさんあるということを前提に、どのくらいまさにその効能が続くのかということについても現時点でなかなか判明していないところでございますので、予断を持ってお答えすることはなかなか難しいところがございます。  そしてまた、臨時接種予防接種類型につきましても、まさに接種の実施後の感染状況であるとかその効能等を踏まえて適宜見直していくべきものであるというふうに考えております。  いずれにせよ、厚労省としては、来年前半までに全ての国民に提供できる数量確保を目指すとともに、ワクチン薬事承認後に備えまして、迅速、円滑に接種を行う体制整備、これに全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思います。
  11. 繁本護

    繁本委員 本当に、御答弁を聞くたびに、これからチャレンジングなワクチン接種体制づくりをやっていくんだなと。本当にわからないことばかりですね。本当に難しいお仕事かと思います。  さて、安全面についての質問でありますが、今回、通常であれば五年、十年開発に時間がかかるワクチンを、世界各国がしのぎを削って一年とちょっとで今治験に入ろうとしている。従来のやり方とは全く異なる開発の手法もある、技術もある、そういったワクチンが今目の前に出てこようとしているわけであります。  そういったワクチンの、この委員会でも随分質問も出ていますが、やはり副反応であるとか健康被害、きのう参考人先生方からは、有害事象という言葉についてもわかりやすく副反応との違いを御説明いただきました。未知ウイルスに対するワクチンを実際接種するのか、しないのかといったことについては、接種する国民お一人お一人の気持ちの中に大きな不安があるのは間違いないことですよね。  仮に、新型コロナワクチン接種事業の結果、政府も想定していただいておりますような健康被害とか副反応が起きた場合、一刻も早くその状況を正確に理解をして、そして対処していかなければならないと思うんですね。通常インフルエンザ等々の既存感染症と違って未知ウイルスが相手なだけに、健康被害とか副反応とか有害事象が実際に予防接種事業を始めた結果としてどこでどう起きて、何が起きているんだということは、かなりアンテナを高く、そしてレベルの高い健康観察体制を組んでいかなければならないと思うんですね。そして、もし何かあったときに、その接種をすぐとめる、ちゅうちょなくとめるということも考えておかないといけないと思うんです。  そうしたら、通常感染症と違って、とめるならどんな基準でとめるんだ、こんなことも含めて、新型コロナワクチンについては一段も二段も高いレベルでの接種事業後の健康観察体制を組んでおく。こうやって我々は組んでいますから、ぜひ国民の皆さん、このワクチン接種事業を御理解ください、そして、それぞれの御判断になろうかと思いますが、どうぞ接種をしてくださいと勧奨もするということになってくると思うんですよね。そうすることで、実際にワクチン接種が進んで、政務官が冒頭おっしゃった社会的な効用、一人一人の健康を守るような効用重症化を防ぐ効用が発揮されてくるかと思います。  この新しいワクチンに対する健康観察一段も二段も高い観察必要性体制づくりについて、政府見解をお願い申し上げます。
  12. こやり隆史

    ○こやり大臣政務官 お答えいたします。  新型コロナワクチンは、承認後に短期間で多くの方に接種される、そういう可能性がございますので、副反応に関する情報収集評価は御指摘のとおり大変重要になります。  まず、現状を申し上げますと、副反応と疑われるそういった症状が出た場合には、予防接種法の副反応疑い報告制度等に基づきまして、医師等からPMDAに報告された情報厚労省審議会評価をし、必要な安全対策を実施しているところでございます。  今般の新型コロナワクチンへの対応に当たりましては、既存の、今までのワクチンと比較いたしまして、このPMDA体制を強化する、そして評価迅速化等検討しているところでございます。  審議会評価は、通常、今までだと四カ月に一回程度開催をしている、そういうペースでございますけれども、これを大幅に迅速化するといった形で副反応に関する情報を迅速に収集評価をいたしまして、必要な安全対策をしっかりと講じていけるように、国民皆様にも御理解いただけるように努力してまいりたいというふうに思います。
  13. 繁本護

    繁本委員 あと一問あったんですが、時間となりましたので、これで質問を終わります。  ありがとうございました。
  14. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、高木美智代さん。
  15. 高木美智代

    高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。  本日また重ねまして、予防接種法質問をさせていただきます。ありがとうございます。  いわゆる自費検査につきまして、前回、十三日の委員会大臣質問させていただきました。医療機関保健所がかかわらない民間の検査機関陽性結果が出た場合、利用者受診相談センターや身近な医療機関に相談することとしていますが、本人意思に任せる対応ぶりではこれまで行ってきた国内検査体制をゆがめることになるのではないか、質の高い検査が行われ、適切な感染拡大防止策が実施されるためには、陽性の結果が出たその先の対応を更に強化する必要があるのではないかということを指摘をいたしました。  その後またさまざま御検討されたようですので、回答を伺いたいと思います。
  16. 佐々木健

    佐々木政府参考人 お答え申し上げます。  医師の診断を伴わない検査で結果が陽性となった場合の対応につきましては、御指摘を踏まえて幾つか検討をしてまいりました。  一案といたしまして、検査機関提携医療機関を決めていただく、検査結果が陽性となった場合には、被検者本人同意に基づき、検査機関から提携医療機関陽性結果が共有されることとする、検査機関又は提携医療機関から本人に対して受診を促し、実際に受診したかどうか確認するという方法がとれないか検討しております。その上で、これを実行することを誓約できる検査機関のみ、厚生労働省のリスト、いわゆるオープンデータに掲載するというような方向で検討しております。  なお、オープンデータは、利用者の選択に資する情報を提供するということを目的としておりますので、まずはできるだけ多くの検査機関に参加していただきたいとも思っております。  御指摘のようなケースについて、医療機関保健所に適切につなげる方法検討しつつ、取組を進めてまいりたいと思います。
  17. 高木美智代

    高木(美)委員 御検討、大変にありがとうございました。  最後に佐々木審議官がおっしゃっていた、本人がそれでも受診しない場合どう対応していくのか、若干ここは宿題としてまだ残っているかと思っておりますので、今後また更に御検討をお願いしたいと思います。ありがとうございました。  それでは、質問は以上でございますので、御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。  そしてまた、次に、国内の第三相試験について伺いたいと思います。  これも前回委員会で正林局長質問させていただきました。海外で開発されたコロナワクチンの導入につきまして、国内臨床試験目標症例数ファイザー社百六十、アストラゼネカ社二百五十、モデルナは公表なしということでした。そこで、安全性確保するためには、接種優先順位優先順位といたしまして、その前段階準備段階として、例えば、これは私の提案でございましたが、若い人や希望する人に先行して一部接種していただきデータをしっかりととる必要があるのではないかと提案をいたしました。  昨日の参考人質疑におきましても、ワクチン国内における第三相試験について、岡部参考人も、また宮坂参考人も、必要だ、時間と目標人数を決めて行うべきである、このように言及をされておりました。例えば岡部参考人は、やはり「基本線からいえば、ルールどおりの三相試験は必要だと思います。 ただし、人数を例えば少し制限をするとか、このぐらい時間がかかるものをもっと短く、議論するんだというようなことも含めて、総合的に議論が必要だというふうに思います。」と。宮坂参考人も同様のお話でございました。  国内データをどのように蓄積をしていくか、やはり何らかの手だてを講じる必要があると思っております。厚労省見解を求めます。
  18. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナワクチンは、承認後に短期間で多くの方に接種される可能性がありますから、副反応に関する情報収集評価は大変重要であります。予防接種法の副反応疑い報告制度に基づいてPMDAに報告された情報を迅速に評価し、必要な安全対策情報提供を行っていくこととしております。  また、それぞれのワクチンについて、接種開始時の最初に接種を行う被接種者に協力を求めて、それらの方の同意のもとに、接種一定期間健康状況を報告いただき、迅速にその結果を取りまとめ、公表することを検討しております。  これらの取組を通じて、国として、適切な情報収集と正確でわかりやすい情報発信に努めてまいりたいと考えております。
  19. 高木美智代

    高木(美)委員 ありがとうございます。  そうすると、正林局長、大体、何人、何万人と申し上げた方がいいと思うんですが、その規模というのはどのようにお考えでしょうか。
  20. 正林督章

    ○正林政府参考人 まだ正確に決めてはおりませんが、一万人をちょっと超えるぐらいは必要かなとは思っています。
  21. 高木美智代

    高木(美)委員 済みません、重ねて。それは、一社の一種類ワクチンについて一万人ということでしょうか。
  22. 正林督章

    ○正林政府参考人 まだそこまで具体的になっていませんが、場合によっては複数社で合計であったり、あるいは一社だけだったり、ちょっとまだそこまでははっきり決めておりません。
  23. 高木美智代

    高木(美)委員 大変重要なところでございますので、できれば一社一万人という規模でやっていただければよろしいのではないかというふうに、ここもやはり専門家意見をしっかり聞いていただく。せっかくやっても有効性を問われるのでは意味がありませんので、そうしたことも含めて御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、接種順位の範囲ということで質問通告をいたしましたが、次の問いは飛ばさせていただきまして、時間があればとさせていただきます。  ワクチン運搬保管体制の方に移らせていただきたいと思います。  マイナス七十度の維持管理が必要と言われているファイザーワクチンにつきまして、超低温冷凍庫も相当数必要と承知をしております。厚労省としてどのような体制整備検討しているのか、検討状況について伺いたいと思います。あわせて、ほかのアストラゼネカ、そしてモデルナにつきましてはそれほど低温は必要ないという話もあります。検討状況を伺いたいと思います。
  24. 正林督章

    ○正林政府参考人 まだ開発段階でありますけれども、新たに開発が進められているワクチンの中には、有効性を保つために、冷凍した状態で保管、流通することが必要なものが含まれているというふうに考えています。  具体的には、現在、メーカーから医療機関までマイナス七十度程度の超低温のまま届ける際には、ドライアイスを入れた保冷ボックスを用いる見込みであり、ワクチンメーカーなどとともに流通体制準備を進めているところであります。  また、医療機関に納品後も適切に保管、管理ができるよう、マイナス七十度程度での保管が可能な冷凍庫を三千台確保し、自治体の購入費用について、これは九月十五日ですが、予備費を計上しているほか、ドライアイスを入れた保冷ボックスでも一定期間保管等が可能な見込みであり、ドライアイスの確保についても準備を進めているところでございます。  現時点ではメーカー側で治験や製剤の安定性に関する試験等を行っている途上で、今後、保管等に必要な温度条件について、より確かな条件が明らかになると考えられます。  実際に流通や医療の現場が対応できるよう、引き続き、最新の知見を踏まえつつ保管、流通の方法について調整し、措置された予備費も活用しつつ支援してまいりたいと考えております。
  25. 高木美智代

    高木(美)委員 ありがとうございます。  超低温管理が必要なワクチンの流通、保管について、そしてまた、ほかの二社の流通についてさまざまなシミュレーションが行われているかと思います。今度は、そこを受ける、実施する市町村との連携が非常に重要だと思っておりまして、ここは大臣、通告はしていないのですが、ちょっと提案をさせていただきたいと思います。  実は、そうしたことを自治体とどうかみ合わせながら最終的に自治体の手元に届けていくか、医療機関、若しくは集団接種があればその会場に届けていくかという、さまざまな総合的な運営体制整備というものが必要と思っております。  既に、これは十月二十三日、都道府県、また保健所設置市、特別区宛てに通知が出されております。この事務連絡は、実施要領についてという、これはあくまでもまだ都道府県段階の実施要領というところでございまして、一つは、実施する市町村に対して、これは皆様から強い要望があるところですが、できるだけ早く市町村の実施要領をお出しいただきたい。少なくともこれだけのシミュレーションというか体制をとっていくためには、やはり市町村の検討する時間というのは非常に大切だと思っております。これが年が明けるようなことがあれば、なかなか自治体も、独自の連携であるとか協議であるとか、そしてまた人を確保する、また外注してもいい、こうした手だてを講ずるのが難しくなるのではないかということを危惧をしております。  それで、できるだけ早く発出をしていただきたいということが一つと、あともう一つは、やはり、頭の中で考えているシミュレーションでは実施体制に移ったときに何らかの支障が出てくるのではないかと思っております。したがいまして、幾つかモデルの自治体をつくって、運営のプロのイベント事業者などにも協力してもらいながら、実施のサンプルをつくるべきではないか。  やはり百聞は一見にしかずです。こうすればうまくいく、このようなシミュレーションでやってはどうか。今までそうしたことはなかなかなされなかったので、どんと始まったときにさまざまなトラブルが生じた。例えば、こうしたワクチン接種システムということにつきましても、システム一つで今までこのコロナの問題は大騒ぎして、さまざまなトラブルに悩まされてきたのがこれまでではなかったかと思います。  そうしたことを総合的に考えますと、ぜひともこうした、総務省、また国交省とも連携をしながら、政府全体で、この実施体制、そしてまたサンプルとなる自治体づくり、しっかりと取り組むべきと考えております。  先般の参考人の方からも、例えば集団接種といっても、それを運営してきた職員はもう現場にはいません、こういう話もありました。そうしたことから、やはり時間をかけて丁寧に進めるべきと考えますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
  26. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ワクチンの特性といいますか、どういう形で保管していくかというもの、徐々に情報が入りつつありますが、まだ、ワクチン自体がどれぐらいの温度でどれくらいの期間保管できるかだとか、細かいところがまだわからない、しっかりとわからない部分はありますが、しかしながら、一方で、言われたとおり、大規模な形で接種をしなければならないことが想定をされるわけであります。そのときに、そのオペレーションが各自治体でどのような形で行われるのかということは、多分、流通から、保管から、その後、接種から、接種するときには感染予防から、いろいろなことをやらなきゃいけないわけでありまして、何らかの形で、言われるとおり、シミュレーションをやらなきゃいけない。そのためには、成功例みたいなものをモデルとして横展開するということは大変重要なことだと思います。  厚生労働省だけではこれはなかなか難しいので、各省とも相談しながら検討させていただきたいと思います。
  27. 高木美智代

    高木(美)委員 よろしくお願いいたします。  そろそろ時間になりました。やはり、もう一つ、国産ワクチン開発の推進もぜひともお願いしたいと思っております。  これまでも我が党は、COVAXファシリティーであるとか、また、各社のワクチン確保であるとか、ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチームというのをつくりまして、私、実は座長を務めております。ということも含めまして、やはり、こうした事態に国産ワクチン開発が諸外国に非常におくれている。この原因というものも更に改善をしていく必要があると思いますが、ここは一旦おいておいて、またこれからの課題としてしっかりとやっていきたいと思っております。  国産ワクチン開発を急ぐべきと考えております。ウサギと亀で、案外、亀のおくれていそうに見える国産ワクチンの方が、日本国民に副反応も少なく、フィットする場合も多いかという声も多くございます。大臣の御決意を最後に伺いたいと思います。
  28. 田村憲久

    ○田村国務大臣 国産のワクチン、臨床試験に入っているものもあれば、動物試験をやっているものもあります。その中には、年内中に臨床試験に入りたいというような思いでやられておられるのもあるというふうにお聞きしております。  しっかりと二次補正でも予算をつけました。国内で、今回の新型コロナウイルスに限った話じゃありませんが、しっかりとワクチンをつくる、そういうような能力を持つことは大変重要でございますので、念頭に置きながら、しっかりと我々としても支援をしてまいりたいというふうに思っております。
  29. 高木美智代

    高木(美)委員 大臣を先頭にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上で終わります。ありがとうございました。
  30. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、長妻昭君。
  31. 長妻昭

    ○長妻委員 立憲民主党の長妻昭でございます。  尾身先生もきょうは来ていただいておりますので、まず尾身先生にお尋ねをいたします。  このコロナ感染が拡大をいたしまして、いろいろな方とお話しすると、やはり、自分が感染しないように細心の注意を払っている、あるいは、家族に感染させないように細心の注意を払っている、身も心も神経を使い過ぎてもう疲れ果てた、こういう生活はいつまで続くのというようなことをおっしゃる方が大変多うございます。  専門家の立場からまず尾身先生に、今の問いへの答えというのはどんなものでございましょうか。
  32. 尾身茂

    尾身参考人 お答えいたします。  今の先生の、市民、国民がもう疲れていて、何をしていいか不安という気持ちですよね。それも私は、一国民、市民としてよく、私もそう思います。  その上で、一つ、こういう機会にぜひ申し上げたいことは、実は、ずっと二月から半年以上にわたって、この感染症は、基本的には感染拡大する一番のドライビングフォースはクラスターを通しての感染ということは、もう当初からわかっていて、今もその事実は変わりません。  そして、実は、国民の方に一定程度の安心感というものを持ってもらおうと思って、政府の方ではかなり力を入れて、クラスターの発生というのが一体どういう場面で起きたというのを、感染研のクラスターの調査、あるいは内閣府、厚生省でも自治体の人にかなり広範に調査して、その結果、三密ということは前から言っていたんだけれども、その三密という場面は社会のどこにでもあるわけじゃなくて、一定の、五つの場面に集約されるということがわかってきたんです。  そのことが残念ながらまだ多くの人に伝わっていないので、ぜひこういう機会に、実は、三密、大声、換気ということが、そういうことは前から言われていたんだけれども、その具体的な場面はどうかということを調べまして、エビデンスが一定程度出てきたので、そのことをぜひ皆さん周知してやっていただくと、何でも全部抑制するんじゃなくて、一部の肝をやっていただくということで、今の先生。  その上で、更にもう一つ加えますと、じゃ、今、飲み会、飲食というところで感染が広がっているというのは先生御存じ。そういう場面でも、どういうような工夫をすれば感染のリスクが下げられるということも政府として提案していますので、この二つの点は実は余りまだ知られていないので、ぜひこの機会に、先生方も通して広報していただければと思います。
  33. 長妻昭

    ○長妻委員 ありがとうございます。  そういう意味では、今おっしゃったようにめり張りをつけるというようなことや、あとは、出口ということでありますけれども、やはり、治療薬のみならずワクチン開発有効性安全性にすぐれたワクチンということが重要だと思います。  今回も予防接種法の改正案の審議なんですけれども、その中で、我々立憲民主党として、今お配りしておりますが、新型コロナワクチン五原則というものを作成いたしました。  これは田村大臣にお伺いしたいんですけれども、ちょっと読み上げさせていただきますと、「国民皆様が納得して接種することができるように」ということで、  一 政府はリスクとベネフィットを包み隠さず、最新情報が更新される度に迅速に説明する  *特に副反応リスクと感染予防発症予防・重篤化予防それぞれの予防効果程度や有効期間等についてはできるだけ詳細に説明する  二 政府がリスクとベネフィットをどう比較衡量して接種を判断するのか、わかりやすく科学的根拠に基づいて説明する リスクというのは副反応有害事象、ベネフィットというのは有効性ですけれども。  三番「接種対象者の選定や優先接種者の決定を行う場合は、その科学的根拠を示した上で、国民意見をよく聞き判断する」。四番「接種についてはあくまで個人の判断とする その判断のために国民が求める情報はタイムリーに迅速・的確に届ける」。五番「副反応含め疑い事象について相談窓口を周知し、迅速な対応情報公開を徹底する 救済制度の更なる充実を図る」。  というものなんですが、これをぜひ、私はそんなに違和感があるものはないと思いますので、政府もこれを遵守をしていただいて、やるというようなことを大臣からおっしゃっていただければと思います。
  34. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今、五原則ということでお示しをいただきました。  これをずっと読ませていただきまして、私も、この予防接種法の改正ですね、ここで皆様方と御議論、御審議を、この法律、していただいているわけでありますけれども、その中で申し上げてきたことがこの中にそのまま盛り込んでいただいておるなというふうに思います。  「救済制度の更なる充実」というのは、ちょっとどういうことをおっしゃっているのかはつぶさにはわからないんですが、ただ、救済制度に早くアクセスして、より救済制度を受けられやすい体制整備という意味からすれば、ここもおっしゃっておられる意味はよくわかるわけでありまして、この五つの原則というもの、思いを一緒にしながら、しっかりと充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
  35. 長妻昭

    ○長妻委員 思いを一緒にしながらということで、合意をしていただいたと理解いたします。  今後、この五原則に沿って、やはり我々も協力あるいはチェック、監視も含めてさせていただきたいと思いますので、政府も、合意いたしましたので、これを国民の皆さんに、一から五までを、それぞれのフェーズでコミュニケーションを役割分担をしてとっていただくというと非常にわかりやすくなると思いますので、ぜひこれはよろしくお願いをしたいと思います。  その中で、安全性ということでございますけれども、安全性の私は守護神だと思っているのが、きょう来ていただいている藤原理事長だと思っております。  藤原理事長は、この資料の六ページ目にもございますけれども、これは、ワクチンを実際に、最終的には大臣承認するわけですけれども、一番初めに申請書類を受け付けて、この医薬品医療機器総合機構、PMDAが相当専門的に審査をする。そして、その報告書に基づいて、この薬事・食品衛生審議会で審議するということで、いずれにしても、このPMDAでほぼ実質的には決まってしまうというふうに私は理解しておりまして、相当責任が大きい。  安全性の守護神、国民の皆さんの期待は非常に高いのでございますが、きょう、藤原理事長にお出ましいただいているのでお尋ねしますが、ちょっとその中で気になるのが、先ほども自民党の議員の方からここで質問がありまして、オリンピックに向けてワクチン接種体制を組んでほしい、そんな趣旨の話がありました。もちろん気持ちはわかりますけれども、オリンピックありきで、オリンピックがあるからそれまでに間に合うように、まあ安全性はちょっと目をつぶってどんどん打っちゃおう、まさかそんなことはないと思いますけれども、非常に政治的思惑が先行して安全性がないがしろになるということは絶対あってはならないので、まず、理事長、政治的思惑なんかは全く関係なく審議をするんだということを、ちょっとここでお約束いただければと思うんですが。
  36. 藤原康弘

    藤原参考人 お約束させていただきます。政治とは関係なく、科学的に審査をするのが私どもの務めでございます。
  37. 長妻昭

    ○長妻委員 今、言い切っていただいて、ありがとうございます。それを本当に頼りにしておりますので。  次に、結局、第三相試験は、日本人ではなかなかできないというようなことが前回質問で明らかになったわけでございまして、ということは、これは、理事長、第三相試験なしでどういうふうに安全性が担保できるんですか。
  38. 藤原康弘

    藤原参考人 PMDAで九月に公表しておりますけれども、新型コロナワクチン評価に対する考え方というのがございまして、その中で、私ども、国内外を問わず、原則として、新型コロナウイルス感染症発症予防効果評価する検証的臨床試験、あるいはこれは第三相試験と言いかえてもいいんですけれども、その試験を実施する必要がある、国内外を問わず実施するというふうには述べております。  一方、この九月の評価考え方の中で、海外で発症予防効果評価する検証的試験、三相試験が実施される場合には、日本人における免疫原性、これは抗体価の推移とかを見る試験ですけれども、免疫原性とか安全性を確認することを目的とした国内臨床試験を実施することも十分可能ですという表現をしております。  つまり、海外で大規模な試験があった後に、国内でもちゃんと試験をしていただいて、その結果をもとに判断するということになりますので、先ほども申し上げたとおり、いずれにしても、PMDA、私ども医薬品医療機器総合機構は、科学的な知見を踏まえてきちっと評価審査をしてまいりたいと思います。
  39. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、第三相試験はやるということですか、日本人で。何千人、何万人単位で。
  40. 藤原康弘

    藤原参考人 先ほど申し上げたように、海外で何万人を対象にした試験の追加的試験を国内でやっていただくということになろうと思います。
  41. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、ちょっと前回私が質問したときは、第三相試験は日本ではできないという話が、たしか厚労大臣からか脇田所長からかありましたが、じゃ、第三相試験を日本人でやるということですね、今のお話は。
  42. 藤原康弘

    藤原参考人 私が申し上げましたのは、海外で第三相試験が存在する場合に、国内で免疫原性や安全性の確認を目的とした臨床試験をやる、これは第三相試験という表現はしません。国内の臨床試験で免疫原性や安全性を確認します、そういう試験をやっていただきますということで、第三相試験とは申し上げてございません。
  43. 長妻昭

    ○長妻委員 これは、先ほど正林健康局長が、一万人で、日本人検査するというような話がありましたけれども、田村大臣、これは決まっているんですか。
  44. 田村憲久

    ○田村国務大臣 臨床試験というわけではなくて、たしか局長は医療関係者というような説明をしたと思いますが、そういう方々をまず初めに打つわけですね。それは、言うなれば、感染リスクが高いという中において優先順位に数えられている方々でありますから。  その中において、いろいろな副反応等々のことが情報収集の中でわかってきますので、そういう意味で局長が申し上げたんだというふうに理解いたしております。
  45. 長妻昭

    ○長妻委員 ちょっと私が聞いたのと、そういうニュアンスですか。つまり、一万人、日本人検査すると局長がおっしゃったのは、それは承認後に、もう打ち始めて、医療関係者に打って、じゃ、医療関係者に打った方一万人はちゃんと追跡調査をしますと。  そんなような趣旨で、事後的なことをおっしゃったということですか。
  46. 田村憲久

    ○田村国務大臣 高木委員お答えされた件ですよね、局長が。(長妻委員「はい」と呼ぶ)  私はそういう理解でおります。
  47. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、結局は、日本人に対しては、今百六十人ということも聞いておりますけれども、数百人単位でとどまって、PMDA理事長も第三相試験ではないというような話なので、非常にこれ、大丈夫なのかということがあるんです。  実質的に、PMDAお話を聞きますと、専門協議というところが非常に重要だと。そこに出席した方も、お話を聞きましたけれども、この日本最高峰の専門家が集まってPMDAの中で専門協議すると。  ただ、レムデシビルは専門協議をやらなかったということで、これは私は政治銘柄だったからではないかと疑っているんですけれども、申請から承認までたった四日で通ってしまったということで、これは、理事長、まさかこのコロナワクチンについては専門協議をすっ飛ばすということはありませんね。専門協議、ちゃんとやっていただけますね。
  48. 藤原康弘

    藤原参考人 専門協議は、PMDA承認審査の過程の一つに位置づけられておりまして、PMDAで行いました審査の内容について、外部の専門家先生方の御意見を聞き、PMDAにおける承認審査の質を担保するために、参考の位置づけとして行うものでございます。したがって、必要に応じて実施するものでございます。  新型コロナワクチンにつきましては、有効性安全性等をしっかりと確認することは当然のことでございまして、承認申請があった場合は、国内外の治験、臨床試験のデータ等と最新の科学的知見を踏まえまして、専門協議の要否や具体的にどのように行うかも含めて、適切に審査してまいりたいと思います。(長妻委員「専門協議はやるんですか」と呼ぶ)  これはやはり、申請をいただいて、その上で判断をするということになると思います。まだ申請前でございますので。
  49. 長妻昭

    ○長妻委員 これは田村大臣も、実質的にはこの専門協議で決まるんですよ、PMDAの中の。レムデシビルではやっていない。十年前の新型インフルエンザのときはやりましたので、専門協議、ほとんどやっていますので、これはちゃんとやるように、ぜひ大臣からも指示をしていただきたいというふうに思います。  それでは、もう一つは、申請書類については全く全部非開示となるということなんですが、ただ、申請書類そのものに第三相試験の実際のデータが書いてあるんですね。  結局、PMDAの報告書を見ますと、全然それが、バックデータがなくて、文書が並んでいるだけということなので、これは、理事長、申請書類にある、当然その企業秘密は消していただいて結構ですので、第三相試験有害事象、副反応データについては申請書類から抜き出して公表いただく、こういうことはいかがですか。
  50. 藤原康弘

    藤原参考人 審査の報告書は私どもPMDA審査の根幹だと私は考えております、先生の思っていらっしゃるとおりでございまして。その中で、安全性に関するデータ等についてはこれまでも適切に審査報告書の中に表現されているというふうに考えております。  ただ、申請資料自体は、PMDAのホームページを見ていただいてもわかりますけれども、申請資料全体のいろいろなサマリー、特に安全性のところは多分黒塗りはほとんどございませんけれども、全てこれまでも開示されてきておりまして、その企業がつくっている申請資料概要と、私どもの審査資料、審査報告書を突合していただければ、安全性の全体像で、マスクされて開示されていない状況にはないというふうに私は思っております。
  51. 長妻昭

    ○長妻委員 ぜひ国民の皆さんにわかりやすい形で、PMDA安全性の本当に守護神、最初で最後の守護神でもあるというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  じゃ、理事長はここで結構でございますので、ありがとうございます。  そして、きょうは脇田所長にも来ていただいておりますけれども、ファイザーについて、厚生労働省から副反応などについてのデータをいただきまして、今、三、四ページ目につけております。  これを拝見しますと、上が十八から五十五歳、下が六十五から八十五歳の参加者ということで、副反応について、全てにおいて六十五以上の方が副反応発症率、発生率が少ない、高齢者ほど少なくなっているんですが、これは、脇田所長、どういうふうに考えればよろしいんですか。
  52. 脇田隆字

    脇田政府参考人 お答えいたします。  今の長妻先生のお問合せですけれども、一般的に、ワクチン接種後の有害事象の中には、ワクチンが誘導する免疫反応の強さに関係するというものがございます。一般的に、そういった免疫反応というのは若い方の方が高齢者よりも強いということが言われています。  ですので、ファイザーの一相、二相試験で出てきましたデータ、発熱あるいは倦怠感といった症状が高齢者の方が若年者よりもやや少ないという傾向は、そういった免疫反応の強さというものに関係している可能性があるというふうに考えています。
  53. 長妻昭

    ○長妻委員 大臣、こういうことも、もし実際接種する前に判明すれば、高齢者の皆さんは相当心配しています、七十代、八十代の方のお話を聞くと、やはり死亡率が非常に八十代の方は高いので、打ちたいんだけれども、体が若い人よりは弱いわけで、大丈夫かという心配があるので、逆に、若い人よりも副反応が少ないというデータがちゃんとあれば、一部これは出ていますけれども、ぜひ周知をいただきたい。  それで、もう一点気になるのが、この四ページ目のファイザーデータですが、下の倦怠感というところでございますけれども、これはプラセボとほぼ同じなんですね、出現率が、偽薬と。これは筋肉注射に由来するんじゃないかなとも思うんですけれども、これは、脇田所長、なぜですかね。
  54. 脇田隆字

    脇田政府参考人 長妻先生が御指摘のとおり、ファイザーが今開発を進めているワクチンは筋肉内に注射をするものだというふうに承知をしています。プラセボ群においても、やはり筋肉注射をやりますので、一定程度、組織の破壊というものが生じます。組織の破壊が生じれば、それは修復反応というものも起きますので、そういった過程での疼痛であったり、あるいは倦怠感といったものも出てくる可能性はあると思います。  ただ一方で、プラセボですので、プラセボ効果というものによる場合もあるというふうに承知をしております。
  55. 長妻昭

    ○長妻委員 そういうものについても、田村大臣、実際に完全に明らかになれば、国民の皆さんに周知をしていただきたい、過去にもいろいろ苦い経験がありますので。  それと、脇田所長にちょっと問題意識をお伺いしたいんですが、この接種台帳、予防接種を受けた方々の、自治体等が保管する台帳ですかね、これは、保存期間が五年間ということで、五年たつと捨てちゃうと。これは副反応の長期的追跡調査ができない。こういう問題意識というのは、脇田所長、どうですか。
  56. 脇田隆字

    脇田政府参考人 やはり、接種台帳、つまり、国民の皆さんのワクチン接種の記録というものは、その後の副反応であったり、あるいは有効性の追跡調査に重要ですので、五年間でそれが廃棄をされてしまうというよりも、長期に保存された方がよいというふうに認識をしています。
  57. 長妻昭

    ○長妻委員 これは私も全く同感なんですけれども、初のmRNAワクチンということで、全く安全性が今のところわからないわけですので。  大臣、どうですか、これは法律改正等をして延長を至急するということは考えませんか。
  58. 田村憲久

    ○田村国務大臣 おっしゃられるとおり、これは、市町村長又は都道府県知事が法律に基づく接種を行ったときから五年間保存ということになっています。  昨年の十二月に、厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会、このもとに予防接種基本方針部会というのがございまして、ここで議論をいろいろといただいたわけであります。この議論も踏まえて引き続き検討させていただきたいというふうに思います。
  59. 長妻昭

    ○長妻委員 いやいや、そんな悠長なことでいいんでしょうか。本当はこの臨時国会でやるべきものではないかなと思うんですけれども。だって、接種が、早ければ来年早々ぐらいに、あるいは年内に始まることはあるのかどうかわかりませんけれども、そのときに、早くこの五年というのを延長しないと、もう五年でどんどん廃棄されるということなので。  じゃ、いつこの法律は実行される予定なんですか。提出する予定なんですか。
  60. 田村憲久

    ○田村国務大臣 法律は今提出させていただいているんですけれども。(長妻委員「違う違う、この五年」と呼ぶ)この延長をするかどうかという話ですか。  これは、自治体が実際問題、保管をいただきます。もちろん、最近、電磁的記録に変わってきていますから、以前よりかは保管はしやすくなってきているという事実がありますし、実際、五年を超えて保管されているところもあるやにも聞いております。そういう意味からいたしまして、まず自治体の御理解をいただかなきゃなりませんので。  一方で、五年間は保存ですから、ある意味、これから打った接種台帳は五年間は保存をしていただくわけでございますので、その期間を含めて自治体と議論をしてまいりたいというふうに思います。
  61. 長妻昭

    ○長妻委員 早く、この接種前に、私は、あるいは早目にそういう算段をこれはつけていただかなければならないというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。  それでは、脇田所長、これで結構でございますので、どうもありがとうございました。  次に、GoToトラベルキャンペーンについてお伺いをするのでございますが、このステージ3というのが一つのメルクマールになっているようでございますけれども、今ここに資料を、最新のものをいただいて資料をつけさせていただいて、十ページ、十一ページに、最新のものをきのういただいたんですけれども、ステージ3の指標を上回っているものを、私が赤いボールペンでマークを十、十一ページ、つけました。北海道、東京都、大阪府、沖縄県はほとんど上回っているんですね、ほとんどの指標が。この指標は何かというと、一つは、1病床の逼迫ぐあい、2療養者数、3PCR陽性率、4新規報告数、5直近一週間と先週一週間の比較、6感染経路不明割合というものなんです。  これは尾身先生にお伺いしたいんですが、尾身先生中心にこういう指標をつくっていただいて、ステージ1、2、3、4というような目安をつくっていただいたわけですが、ステージ3にほぼ該当すると思われる都道府県というのはどこでございますか。
  62. 尾身茂

    尾身参考人 先生にお答えをいたします。  まず、どの県かということの前に、このステージを、我々が考えを示したときの基本的な考えをもう一度復習しておくことが必要だと思います。  まず、これは、我々分科会が、国あるいは自治体がいろいろ地域の判断を、ステージ、どこにいるか判断するために、我々がそれを参考にしてほしいということが一点目。  それから二点目には、今先生がおっしゃった六つの指標がありますよね。それは目安であって、それを機械的に当てはめるんじゃなくて、総合的に判断していただきたいということ。  それから三番目に、これは、今もう北海道なんかで起きていると思いますけれども、国の動きに先んじて、県の知事さんなんかのリーダーシップで、積極的に先手、国よりもっと先手をとっていただくことも重要だ。  そういうことを申し上げた上で、そういう中で、今、私は、幾つかの県、例えば、北海道が一番典型的だと思いますが、東京とか大阪はステージ3に近づきつつあるという状況であることは間違いないと思います。あと、県によっては、都心部を中心にステージ3に近づいている県があるということは間違いないので、ステージ3になる前に、本格的に、総合的に、なる前に私はやるべきことが今あるので、緊急にやるべきことをやるということが今非常に重要だと思っております。
  63. 長妻昭

    ○長妻委員 ありがとうございます。  これは、非常にちょっといろいろ、尾身先生が今おっしゃっていただいたとおりだと思うんですが、田村大臣、ちょっとわかりにくいんですね。  つまり、ステージ1、2、3、4と目安を国としては示した。しかし、実際に自分のところは国が示した指標のステージ3ですよと言うのは、都道府県、地域に任されているということだと思うんですね、私の理解では。だから、幾ら指標が相当煮詰まってきても、いやいや、うちは違うというふうに言われると、それはそうなってしまうという理解なんですけれども。  その中で、尾身先生が、今東京都と大阪府がステージ3に近づきつつあると。ただ、東京と大阪がそういうふうに御自身でおっしゃらないと国の基準のステージ3にはならないというふうに理解しているんですが。やるべきこともあるとおっしゃいました。  そういう意味では、尾身座長のところが、分科会が、こういう、九ページの提言を出していただいておりまして、九ページの三番にございますけれども、「全国的にGoToトラベル事業を実施したとしても、ある都道府県がステージ3相当」、ステージ3じゃなくて「ステージ3相当と判断された場合には、当該事業に係る感染リスクを総合的に考慮して、当該都道府県を除外することも検討して頂きたい。」、こういう非常に真っ当な提言が出ていると思うんですが、「判断された場合」というのは、判断の主体は都道府県の知事ということですか、尾身先生。
  64. 尾身茂

    尾身参考人 感染レベルは各地域によって違いますから、各都道府県の知事が判断でされるということは非常に重要だということは、この分科会の提言の骨子になっています。それと同時に、国の方も、自治体に丸投げということじゃなくて、国と当該の自治体は、いろいろな、紙の上で出てくる情報だけではなかなかわからないことがありますから、そういう意味で、国の方も、厚生省や内閣府の方は当該の都道府県と十分連携をしながらやっていただくというのが趣旨だと思います。
  65. 長妻昭

    ○長妻委員 そうすると、尾身先生からごらんになって、今ステージ3相当と見られる自治体というのはどこかあるのでございますか。
  66. 尾身茂

    尾身参考人 これは、先生、こういう機会ですから申し上げておきたいと思いますけれども、このステージの考え方は、実は、単に感染レベルを指標とするというだけでなくて、実は、ステージ2と1と、それからステージ3、4の、四つに分けていますけれども、大きく分けて、私はステージは二つに分かれると思います。  一つは、ステージ1と2というもので、これは、言ってみれば、人々の、我々市民の努力とか、あるいはクラスター感染対策などで何とか乗り越えられる状況。  それで、ステージ3、4というのは、それだけではもう無理で、それに加えて人の動き、経済活動中心の人の動きを、3は一定程度、4になるともう緊急事態宣言、こういうことで、人の動き、経済活動をかなり強力、ある一定程度に抑えないとできない、そういう思想がこのステージにあります。  したがって、今、私は、今が非常に最後のチャンスと申し上げたのは、早いこの今の瞬間に、ステージ3に近づいていますから、ここを、人の動きをとめる、抑制するということになる可能性が、可能性であるので、そうならないように、直近ですよね、しばらくの間、国民全体がやるべきことを、これは国も自治体も事業者も、国民がやって、そうならないようにやる。万が一そうなった場合には、私ども分科会としては、政府に人の動きをある程度抑制する作戦をとっていただきたいということを提案するつもりです。
  67. 長妻昭

    ○長妻委員 基本的にそうだと私も思うんですけれども、その中で、GoToトラベルキャンペーン、政府からはこの期間を延長する、そういう方針も打ち出されております。  さっきのステージの話も、これは、県独自のステージの概念をつくって、国のステージ概念とまた違うような概念もあって、非常に国民の皆さんも混乱をする可能性もあります。いろいろな論点があると思うんですけれども、GoToトラベルキャンペーンを延期するというのは、これはどこの地域も除外せずに延期するということなんですか、副大臣
  68. 岩井茂樹

    ○岩井副大臣 長妻委員お答えいたします。  まず、GoToトラベルについては、委員も御承知のとおり、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図る、ここまでは御異論はないと思います。その後の対応ということでございますが、まず、国交省としては、観光関係事業者、旅行者の双方において互いに着実に感染拡大防止策をやるということをしっかりと、その方針は変わっておりません。  各自治体に対しての対応ということでありますけれども、分科会からは、ある都道府県がステージ3相当と判断された場合には、GoToトラベル事業に係る感染リスクを総合的に判断をして、当該都道府県を除外することも検討していただきたいということと、あと、いずれのステージにあるかについては各都道府県が判断する必要があり、それを踏まえて政府が、丸投げをするのではなくて、各都道府県と調整をする必要があるという提言をいただいております。  現時点においては、国の分科会のステージ3相当と判断された都道府県はないものと承知しております。先ほど尾身先生の方からも、ステージ3に近づきつつあるという話はありましたが、私どもとしては、GoToトラベル事業から除外をしてほしいといった御意見もまだいただいていないということでありますし、国土交通省といたしましては、引き続き、各都道府県の御意見を伺うなどして、しっかりと連携をとりながら感染拡大防止に向けた取組を徹底するとともに、感染状況を見きわめつつ、適切に事業を実施してまいりたいと思います。  尾身先生、会長から、GoToトラベルを今のままの形で継続する選択肢はない、若しくはGoToトラベルの運用の仕方を、参加者と事業者双方が感染防止対策を徹底するよう基準を追加するなどにより、変えてもらう必要があるといった趣旨のお話があったのも承知をしております。  国交省としては、それを受けまして、先般……(長妻委員「ちょっと長い。委員長、だめ」と呼ぶ)
  69. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 答弁は簡潔にお願いします。
  70. 岩井茂樹

    ○岩井副大臣 地域共通クーポンを利用した飲食や、GoToトラベル事業を利用する団体ツアーに含まれる飲食について、四人以下の単位にするとか、さまざまな措置を講じているところであります。それを講じて、しっかりと対応していきたいと思っております。
  71. 長妻昭

    ○長妻委員 全く私の質問に答えていないですね、長々と。延期するんですかと。続けるんですか、延期するんですかということですよ。
  72. 岩井茂樹

    ○岩井副大臣 延期をする、続けるという判断というよりは、現時点においては、しっかりと策を講じさせていただいて、今後とも適切な対応を講じていきたいと思います。
  73. 長妻昭

    ○長妻委員 あれっ、大臣が会見で延期するということをおっしゃいましたよね。  じゃ、延期はしないんですか。
  74. 岩井茂樹

    ○岩井副大臣 GoToトラベルの延期については、現時点では延期をするということを考えているわけではございません。
  75. 長妻昭

    ○長妻委員 今、ステージ3にまだなっていないんだ、近づいているだけだというような趣旨の答弁がありましたけれども、ステージ3になったら遅いですよ、もう。近づいているんですから、今、手を打たないといけないと私は強く思います。  札幌では、とうとうきのう、不要不急の外出の自粛、往来の自粛を要請したじゃないですか。ところが、GoToトラベルキャンペーンは、札幌市、出入り自由じゃないですか。そんな矛盾を放置して、それで、ワクチンなり、国民の皆さんも神経を使って、感染を早く何とかしたいと、感染しないように、御家族を含めて神経をすり減らして頑張って。医療関係者の意見も私は聞いてほしいと思うんですね、GoToトラベルキャンペーンで。相当、私、意見を聞きましたけれども、本当に憤りを持っておられる方も大変多い。  私は、今、政府が何か自民党の大物議員をそんたくして、GoToトラベルにはちょっと余りさわりたくないなみたいな、そういう雰囲気がすごく感じられるんですよ。おかしいんじゃないかなと思いますよ。ステージ3になるまで待っています、なったらちょっと考えますみたいな話というのは、私は通らないと思うんです。  これは、田村大臣も、別に、国交省の事業ですけれども、人ごとじゃないんですよ。縦割り行政を打破すると菅総理もおっしゃっておられるので、これは全体として、私は、経済と感染防止のバランスを考えるというのはそのとおりだと思いますよ。ただ、バランスはずっと、一回決めたらそのバランスのまま進むんじゃなくて、相当状況が、判断したら、こっちをもうちょっとこういうふうにしないといけないという尾身先生のさっきの話どおりだと思うんですよね。  ですから、田村大臣がリーダーシップを発揮して、GoToトラベルはうちの所管じゃないなんて言わないで、それはちょっと、ステージ3になったら考えます、検討しますじゃなくて、近づいているだけですみたいな、そういう答弁を許さないで、ちゃんとやっていただきたい、閣内でもちょっと言っていただきたいと思うんですが、いかがですか。
  76. 田村憲久

    ○田村国務大臣 所管は違います。ただ、内閣一体ですからね、それは。我が省にもアドバイザリーボード、専門家の方々はおられます。その方々の御意見をしっかりとお伺いして、しかるべき対応は、そのときに御指導いただきながらすることはあろうということであります。  ただ、今まだそういう状況で、専門家の方々からはそこまでの御議論はいただいていないということであります。
  77. 長妻昭

    ○長妻委員 何か腰が引けているような、余りそんたくしているとすると、これは国民の命がかかっているわけですから、医療関係者の逼迫、医療崩壊もかかっているわけですから、もうちょっと科学的に、まあ経済もわかりますよ、ほかの手段というのも模索しながら、経済的支援を本当にやる時期が来ているんじゃないかと強く私は思います。  例えばこういう方もおられると思いますよ。北海道は大変だから、こういう外出自粛、往来自粛が出たから、予約したけれども自発的にキャンセルすると。そうすると、そのキャンセルしたのは、一銭もキャンセル料を払わないでいいんでしたっけ。これは自己責任になるんですかね。そうすると、やはり政府が一定のこれをやってもらわないと、何か自己責任みたいな話もありますよね、政府の中に、GoToトラベルキャンペーンに行くのは自分で注意してくださいみたいな。こんな大切な局面で、尾身先生も最後のチャンスと言っておられる大切な局面で、だめですよ、これは。と強く思いますので、副大臣、ぜひ持ち帰って、強い危機感を共有していただきたいというふうに思います。ぜひよろしくお願いします。  それでは、このテーマはこれで終わりますが、本当に強く強く要請をいたします。じゃ、副大臣尾身先生、これで結構でございますので、どうもありがとうございました。本当にお願いをしたいと思います。  そして、予防接種法の九条に努力義務が書いてあるわけです、接種するときの努力義務。先日来議論がありますのは、自己判断で接種するしないを決めるというような議論がここでもございましたけれども、そのときに、努力義務というのは一体何なのかということなんですね、大臣。  つまり、努力義務はある。当然、今回の法律では政令で努力義務を外すこともできますよね、一定の年齢とかに。ただ、努力義務は、今は一応、政令がない限りあるということですね、今回のコロナワクチンについても。そうすると、努力義務があるのとないのとで一体何が違うのかということなんですよ。自由なのか、でも、努力義務があるのとないのと全く同じではなくて、いろいろ私も内閣法制局にもお話をお伺いしました。  ここにも、法律辞書がついておる、五ページでございますけれども、努力義務とは何か、法律において。罰則などの法的制裁が科されない、義務違反に対して。また、私法上の効力もない。ただし、行政指導の対象となることはあるというように書いてあります。  つまり、第九条の二項は、対象者が十六歳未満の者、その保護者は、臨時の予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。つまり、十六歳未満の方の保護者は、保護者にも受けさせる努力義務がかかるというようなことも今回のコロナワクチンでは生きているわけでありますので、政令で外さない限り。  そうすると、行政指導の対象となるというのは、例えば具体的にどんな行政指導がその方に行われるんですか。
  78. 田村憲久

    ○田村国務大臣 行政指導の対象になり得ることもあるという前提で、行政指導に従わなかった場合に不利益取扱いをしてはならないということはもう委員御理解いただくと思いますが。前提として、行政指導が、なり得る場合もあると書いてありますが、今般、この予防接種の努力義務に関しては行政指導の対象にしようという考え方ではありません。
  79. 長妻昭

    ○長妻委員 行政指導の対象にはしないということですか。  ただ、いろいろな法制局、内閣法制局、衆議院法制局とも相当議論しました、努力義務とは何ぞやということで。ただ、こういう議論もあるんですね。これはまた別の方の意見ですけれども、例えば、努力義務違反に全くリスクがないわけではない、対応を怠る又は努力義務とは正反対の行動を行った場合、努力義務違反によって被害を受けた第三者から損害賠償を請求されたり、あるいは監督官庁から行政指導を受ける可能性があるというようなことをおっしゃる方もいるんですけれども。  世の中の努力義務という法律用語がそういう概念なので、大臣が、じゃ、行政指導はしないと断言すれば、今のような損害賠償請求とか行政指導というのは一切ないという理解でいいんですか。
  80. 田村憲久

    ○田村国務大臣 行政指導を行うつもりはございません、今般は。  ただ、民事の裁判の対象になるかどうかというのは、裁判を起こす権利は誰でも持っていますので、訴訟を起こせるのはどういう場合でも起こせると思いますが、何を、どういう訴訟で、どういう責任が課せられるかというのは、つぶさに、今委員がおっしゃっておられるだけでは私はちょっとわからないので、何ともお答えできませんが、基本的に、以前から言っておりますし、これは国会の審議の中でも明らかにしておりますけれども、努力義務、これはお願いしますが、しかし一方で、本人の判断で打つか打たないかは決めていただきたい。  つまり、接種勧奨という行政からの勧奨、これに対する裏側として、打っていただきたいという意味から、打ってくださいねという努力義務をかけさせていただいている。ただし、そこは、それぞれが御本人有効性安全性を御判断いただいた上でということをこの国会審議でも申し上げておりますので、決してこれが行政指導の対象になるというようなものでもありませんし、あくまでも御判断は、御本人の御判断でお打ちをいただきたいということであります。
  81. 長妻昭

    ○長妻委員 私も、安全性が確認されて有効性があるワクチンであれば多くの方に打っていただきたい、年齢の区分は別にして。それはもう同じ思いであります。  そのときに、やはり、北風と太陽じゃありませんけれども、努力義務を振りかざして、いろいろ政府がキャンペーンをしたり、いろいろなこともあると思いますが、やはり一番的確なのは、さっきのワクチン接種の五原則のように、つまり、本当に有効性安全性がちゃんと理解されれば、言わなくたってみんな打ちますよ。そういうようなやはり説明と、安全性の日本人に対する試験などの、ただ、時間的な制約もあるのもよくわかっていますので、ただ、いずれにしても、今までの対応を見ますと、公表されているデータも余り出したがらないみたいな体質がちょっとあるやに思われるので、ぜひ大臣のリーダーシップで、リスクコミュニケーション、国民の皆さんにわかりやすく、ぜひ、ワクチンについてはこれは大変肝ですので、終息するための、よろしくお願いします。努力義務についても、勘違いされておられる方もいらっしゃるので、努力義務とはこういうことなんだと。義務とついていますからね、日本語で。ということだと思います。  最後に、八ページ目をごらんをいただきますと、これからまた更に深刻になってまいりますのは、基本的に全部深刻ではあるんですけれども、特に致死率、死亡率の高い高齢者施設です。あるいは障害者施設です。そこのクラスターというのが相当出ております。  その中で、大臣、今、厚労省も音頭をとっていただいて、研修ですね、研修。つまり、この高齢者施設とか障害者施設で、まだクラスターは起こっていない、起こっていないけれども、クラスターを防ぐにはこういうやり方がありますとか、あるいは、クラスターが起こったら、これは初動が重要ですから、初めの一時間、二時間、三時間、誰もまだなかなか入ってきていませんので、そのときの初動は、こうこうこう、ゾーニングをするとか、いろいろなノウハウというのがあるわけで、研修をしていただいていたり、動画を流していただいたり、通知も、相当分厚いのを見ましたけれども、出していただいたり。  私も、現場の方と相当意見交換しました。そうしましたら、いろいろな通知が厚労省から県経由で来るけれども、ちょっとわからないと。一般論的にはわかるけれども、建物の構造も違うので、うちの場合はどうしたらいいのかということで。そして、千葉県なんかは、ちょっと聞きますと、非常にいい取組をされていて、ICN、感染管理看護師という方を高齢者施設とか障害者施設に派遣して、実際に行って何時間かそこで直接指導して、もしクラスターが起こったらこういうふうにゾーニングするんですよとか、消毒はこうですよとか、ごみの捨て方はこうですよとか、そういうことをしているということで。ただ、これについてもやはり国のサポート、人、物、金をサポートしていただきたいというふうに思うんですが、あるいは職員のPPEの着脱管理とか。  これはぜひ大臣、相当、全国に聞いていただいて、これも肝ですので、非常に死亡するリスクが高い高齢者施設、障害者施設、特に高齢者施設、実際に県がそういうある程度専門の方が立ち入って、そして何時間か滞在して指導する、これがなかなかできておりませんので、それを全面的にバックアップするというようなことをぜひちょっと検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。
  82. 田村憲久

    ○田村国務大臣 言われますとおり、高齢者施設で一度クラスターが起こりますと、本当に、高齢者は基礎疾患等々をお持ちで、重症化される方がふえてまいります。何としても避けたいという思いが我々もございますので、何度も通知で、例えば発熱されれば必ず検査に早く行ってくださいというようなこともお願いをいたしておりますが、今委員言われるとおり、どうやって感染を起こさせないか、それから、起こった場合の対応をどうするか、これは大変重要なことでありますので、ウエブ上で研修教材も用意させていただいておりますが、一方で、言われるとおり、専門家の方々が現地に行っていただいていろいろな情報提供や指導をしていただくということも重要であろうと思います。こういうことも順次やっていこうということで準備いたしております。
  83. 長妻昭

    ○長妻委員 こういうことというのは、実際訪問してということですか。  これは、ぜひちょっと、予備費もありましょうから、相当予算をつけて、全国を調査していただくと、やはり不安で、そういう対策が余りとれていないところはいっぱいありますので、高齢者施設が肝ですので、ぜひそこに訪問して対応するように、早急につくっていただきたい。千葉県からもこういうのをいただいて、テキスト、立ち入ったときに資料に基づいてこういうふうに指導するというのもありますので、ぜひよろしくお願いをいたします。  そして、七ページをちょっとごらんいただきますと、これはきのう岡部先生が配付した資料で、石川県でかつてはしかがはやったときに大学生などに対する集団的予防接種をした写真らしいんですが、これは相当密ですよね。  ぜひ、このコロナワクチンにつきましても、大臣、ロジスティクスを、これはひょっとしたら、私もどういうロジスティクスになるかわかりませんけれども、考えていただきたいということを最後、質問をいたします。今、どんな想定をされていますか、どういうロジスティクスで打つ。
  84. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  85. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今検討いたしておりますが、例えば、それぞれ打たれる方々の時間設定、予約時間等々をクーポン等々でお示しをするでありますとか、それから、動線をちゃんと分けなきゃいけませんので、そういうことは想定されますが、まだ細かいところでいろいろなことをやらなきゃいけないと思います。  検討して、おっしゃられるとおり、そこでクラスターが起こってしまったら意味がない話でございますので、そういうことが起こらないように、各自治体と協力してまいりたいというふうに思います。
  86. 長妻昭

    ○長妻委員 じゃ、しっかりとよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  87. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、阿部知子さん。
  88. 阿部知子

    ○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。  本日は、予防接種法の改正の質疑の時間ですが、冒頭、子ども・子育てにかかわります問題で、今大変お母さんたちに不安を呼び起こしております報道等々がございますので、いわゆる児童手当の給付のあり方の変更を検討しておられるということについて、内閣府の方にお尋ねをいたします。  もちろん、内閣府にお尋ねいたしますが、子ども・子育てという部分は、実は御家庭そのものを支えていくという意味で、いろいろな、本来的には厚生労働行政に深くかかわることと思いますので、大臣にもお聞きいただいて、場合によってはちょっと御意見を賜ろうかなと思っておりますが、とりあえず質疑開始させていただきます。  本年五月二十九日に、いわゆる少子化社会対策大綱、少子化大綱で、児童手当の効果的な給付のあり方について検討開始するんだということが記載をされております。  伝えられるところによりますと、資料の一枚目にございます、菅総理の似顔絵がある資料でありますが、現状で所得制限がございまして、年収にして九百六十万。これは世帯主、主な生計の維持者の方の収入が九百六十万円、例えば扶養家族三人ならということで、その所得制限をもって、それ以上の方は子供一人について一律五千円、所得制限より少なければ、ゼロから二歳が一万五千円、三歳から小学生までは、第二子までは一万円、第三子は一万五千円、中学生は一万円、このようになっておりますが。  特にこのある一定程度の所得以上のところの給付、特例給付と言われておりますものを廃止、ないしこの収入のところを御夫婦で合算というふうな案が出ているやに伺います。このことについて、まず内閣府から御答弁をお願いいたします。
  89. 吉川赳

    吉川大臣政務官 御指摘いただいた児童手当に関してでございますが、現状のところはまだ検討中ということでございます。  ただ、世帯合算の導入や特例のあり方の見直しを求める御意見もありますが、一方では、多子世帯や子供の年齢に応じた給付を求める意見等々がございますので、それらもろもろ勘案して検討してまいりたいと思います。少子化社会対策大綱において重点化と拡充ということ、これをしっかりと踏まえながら、給付のあり方について検討してまいりたいと思います。
  90. 阿部知子

    ○阿部委員 今使われました重点化という言葉は、同じ子育て世帯内から、比較的所得のあるところからより所得の少ないところにつけかえるということを意味しているように思います。  しかし、子育て支援というのは、本来、子供自身に対して、現金給付であるところの子ども手当ないし児童手当という言い方をされましたけれども、あるいは保育のサービス、現物給付という意味で、実は、ユニバーサルに、子供というものを見たときに支援を、社会で守り育てていこうというものでございます。財源の制約等々から一定所得の方には少し減額をさせていただいておるという、原則は、やはりユニバーサル給付というところ、どのお子さんにも、お子さんであることによって、社会が子は宝として受けとめていくということにあろうかと思います。  田村大臣、この考え方について、私が今申し上げたようで政府自身の考え方はよいでしょうか。子供自身に対してのしっかりとしたサポートをしていく。まあ、現状、予算の制約の中で少し所得制限を設けさせていただいておると。かつては、児童手当、厚生労働省の領分であったかと思います。今いろいろな、子ども・子育て担当が内閣に移っておりまして、そこの中で、保育の給付、無償化や、児童手当についての今の見直しもあるわけですが、そもそもの考え方ですね。  もちろんお金にはある制約がある、そうすると、全体のパイをふやしていく、子供に対しての給付の。私はこれが原則だと思います。エンゼルプランと言われるものと御高齢者に対しての給付を比べますと、やはり日本の社会保障は子育てや子供に手薄い、まだまだと思いますので、考え方、子供に対する給付の考え方、大臣はいかがでしょう。
  91. 田村憲久

    ○田村国務大臣 子供に対して現物であろうが現金であろうが給付をふやしていく、その割合が高齢者に比して少ないという議論は以前からあったわけで、どちらにしても、現金であろうと現物であろうとふやしていくという方向の中でいろいろなことをやってきているという事実があります。  一方で、少子化社会対策大綱の中でも、「子供の数や所得水準に応じた効果的な給付の在り方を検討する。」という文言が入っておりまして、ここで多分、所得制限の話であるとか、それから所得合算、世帯合算の所得の話が、ここに多分意味合いとしては入っていると思うんです。  委員がおっしゃられた意味からすると、今の特例給付のところは、本来は全額出したいんだけれども、いろいろな財政的制約があるから、今それを制限して出しているということですねというのは、これはなかなか、ちょっとそれぞれの考え方によっていろいろあるようでございまして、私の記憶では、以前、民主党政権のときの子ども手当はまさにそういう発想であった。しかし、あのときに、その後、児童手当という名前で落ちついて増額をしたわけでありまして、そこのところはいろいろな考え方のもとで、ちょっと曖昧模糊になっておったというのが私の記憶でございます。
  92. 阿部知子

    ○阿部委員 大臣は極めて賢い答弁でありまして、すなわち曖昧模糊なのであります。  ただ、私は、子ども手当が児童手当に変わったときも、例えば、この問題は公明党の皆さんはとても熱心で、むしろどうやって給付を充実させようかということでお取り組みであったし、一定の所得層のお子さんをそこから除外するというところにはなっておらないと私は理解しております。  というのも、今、少子化問題は我が国の最大のテーマと言って過言でないと思います。ことしも八十万人前後かもしれない。とにかく子育てしづらいんです、はっきり言って。不妊症の保険適用等々で菅総理も少子化対策に資するということをお考えのようですが、それも立憲民主党からいろいろ申し入れておりますので、また御一緒によい方法を求めていきたいですが、そもそも子育ての基盤を支えるというところを欠いては子供を産み育てられない。  それで、私は、効果的な給付とは何かと。効果的というところを、逆に、高所得層から取って所得の少ないところにというのが本当に効果的なのかどうか。効果的とは、少子化そのものを支えられなければいけないということであります。  そこで、内閣府にはお願いがございますが、この間、子育てをめぐっては、先ほど田村大臣が御答弁のように、民主党政権から自公政権に戻ったときに児童手当と名を変え、プラス、年少扶養控除というものが外れております。結果において御家庭の可処分所得は減ってしまっておる。この税の問題。それから、社会保険料負担も中間所得層に大変重いわけです。我が国、逆転をしております。  そうすると、本当に家計を支える現金収入あるいは子育てにかかるお金、トータルに見ているだろうか。特に日本は教育費が高いですから、多くの御家庭がこの子ども手当を、例えば一定所得以上の御家庭でも、将来の子供の学費に貯金をしておられる、こういう実態もございます。  私は、これをなさるなら、よくそういう子育て世代の現状や意見を聞いてからなさるべきだと。そうでなければ、今の政権は子育てに非常に冷たいというふうに評価を受けざるを得なくなってしまいますので、今私の申し上げた税や、社会保険料や、かかる教育費や、あるいは、仕事をしていればもろもろの支出も多いわけです。共稼ぎと言われる状態で、私は女性が仕事を求めて働くということをサポートしたいと思っておりますが、これは逆に、共稼ぎである程度収入があると減ってしまうということになりかねないところでありますので、トータルに勘案していただけますか。そういう検討をお願いしたいですが、どうでしょう。
  93. 吉川赳

    吉川大臣政務官 多分、後半部に関しては、世帯の合算ということが報道に出ていることを示唆しているかと思われますが、そこに関しても、現状、検討中というようなことで御認識を賜れればと思います。  そして、さらに、俗に言う生活実態をよく見てということの御指摘かと思いますが、そこに関しましても、しっかりとさまざまな生活実態を見ながら今後の見直しを、検討を図ってまいりたいと思います。  ただ、一方では、幼児教育、保育の無償化、昨年の十月に開始したところでありますし、中間所得層を含めて、子育て世代全体の支援を順次拡大させていくという方針はございますので、御理解を賜りたく思います。  ちなみにでございますけれども、その点でいいますと、対GDP比ということになりますが、家族関係支出というもの、二〇一〇年、対GDP比で約一・二三%、二〇一五年で一・三一%ですが、これらの保育の無償化等を始めた結果といたしまして、二〇二〇年にはこれが一・九%程度まで上昇しているということを御認識賜れれば幸いでございますが、いずれにいたしましても、今後しっかりとさまざまな生活実態等を踏まえて、検討してまいりたいと思います。
  94. 阿部知子

    ○阿部委員 私が申し上げているのは、現金給付と保育や教育の現物給付というのは、片っ方から片っ方につけかえるものではないんだろうと思います。ここを踏まえて御検討をよろしくお願いいたします。  済みません、御趣旨、理解しましたので、どうもありがとうございます。これにてこの質問は終わりです。ありがとうございます。  次に、新型コロナワクチンの問題に入る前に、先ほど長妻委員もお取り上げですが、果たして、今、コロナ感染症、拡大フェーズを迎えておりまして、とりわけ逼迫しておりますのが、東京都も多いですが、北海道であろうかと思います。この北海道の状況を取り上げて、そもそも、ワクチン以前に、現状の感染のコントロールが十分であるかどうかということについてお伺いをしたいと思います。  一点目は、まず検査体制の問題でございます。  例えば、北海道、特に札幌市では道独自の警戒ステージが3から4相当に引き上げられる、果たしてGoToキャンペーンがどうかということが先ほど長妻委員の御質疑の内容でしたが、私は、それもあり、なおかつ、今多くのクラスターが北海道の特に札幌市を中心とした病院や介護施設で現状発生しております。  クラスターが発生するのは、その病院や介護施設の体制がどうかということもゼロではありませんが、実は、感染が全体として拡大して、無症状者から感染をしておりますので、これは個別の体制はあろうかと思いますが、それ以上に地域としてそういうものが拡大している。例えば、北海道、陽性率一〇%でございますので、かなりの拡大と見なければならない。  そして、そういう拡大フェーズにあって、医療機関や介護施設の職員の無症状な段階におけるPCR検査、すなわち、症状が出た人を検査するのではなくて、そこでクラスターになる前に職員の検査をして、必要があれば、入所者も当然なんですが、入所者は、これは一定、病院から送られてくるときなどにも検査しておりまして、この職員ということについては、クラスターがそこに発生すれば検査されますが、する以前の検査というものが重要になっていると思います。  既に、八月二十八日の政府方針、あるいは九月十五日、そして近々、十一月十六日にもこの件で通達が出されております。  十一月十六日の通達は、「医療機関、高齢者施設等の検査について」、再通知というふうになっておりますが、果たして現状、北海道の医療施設、特に札幌を中心に伺いますが、介護施設で、この通知に基づく検査は実施されておりますでしょうか、御答弁をお願いします。
  95. 正林督章

    ○正林政府参考人 まず、北海道の状況でありますけれども、新規の感染者数、連日二百人程度感染者が確認されております。増加傾向にあって、最大限の警戒感を持って対処する必要があるかと認識しております。  実際に、北海道内、札幌市内を対象に、感染リスクを回避できない場合に、不要不急の外出を控えていただくとか、市外との不要不急の往来を控えていただくとか、あと、札幌市内を除く道内全域を対象に、感染リスクを回避できない場合に札幌市との不要不急の往来を控えていただくなどの要請が北海道庁から出されたりしているようです。  御質問検査についてですけれども、感染者が多数発生している地域等において、症状がない方も含めて、医療機関や高齢者施設等に勤務される方や、入院、入所者を対象に積極的な検査を実施すること、それから、現に感染が拡大した施設等に限らず地域の関係者を幅広く検査することを、都道府県等に対して、感染状況等も踏まえながら、繰り返し要請、周知をしてきたところです。
  96. 阿部知子

    ○阿部委員 されておりますでしょうか、実施はと聞いたのが質問です。  申しわけありませんが、今の答弁は全部無駄です。答えていないじゃないですか。医療機関や介護施設で実施されていますかと聞いたんです。あなたは、北海道の感染状況、あるいは出した通達のお話をされました。私は、九月十五日にも通達が出た、十一月十六日にも出た、なされているんですかと聞いているんです。  大臣、お聞き及びですか。お願いします。今のような無駄な答弁はしないでいただきたい。私は、これはきのう質問取りでも投げてあります。なぜ明確に、やってあるのかないのか、始まっているのかまだなのか。大臣、いかがですか。大臣にお願いします。
  97. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今般のいろいろな情報を私もいろいろなところからお聞きするんですけれども、中には発熱をしていたのにしっかり対応ができていなかったところもあるのではないかと、確認はしておりませんが、そういう話も聞いています。  全体として、網羅的に、これは北海道だけじゃないんですけれども、こういう通知を出したことに対して、全ての高齢者施設がちゃんとこれに対応していただいたことをやっているか。もちろん、それは、感染が拡大しているというところの概念が、これは自治体の、保健所設置自治体ですかね、の長が御判断されることになろうと思いますので、そこのところまでつぶさに我々としては把握していないんですけれども。北海道の場合は、これは感染拡大しているという、一般的に見て、特に札幌はそういうことが思われますので、こういうところに対してしっかりと確認をしなければならないんですけれども、今いろいろとマンパワー等々の問題がありまして、確認できていないというのが実態であります。
  98. 阿部知子

    ○阿部委員 私は、再通知という形で通達が出た意味が全くないと思うんです。やれ、やれと言ったって、もしかして、やれない。今大臣がおっしゃったマンパワーの問題もあるんです。全ての介護施設や病院の従事者を検査するにはそれなりの検査体制とマンパワーが必要です。  通達が紙に終わらないために、実際の効力を発するために何をすればよいかをきちんとサポートしていくのが国の役割なんだと思います。もしかして、札幌市だって、やらなきゃいけないのはわかってはいるけれども、足りないのかも、やれないのかもしれません。これは、実は沖縄で感染爆発したときも状況は同じでした。検査はもっとやりたい、だけれども人手がいないんだと。私はこれを何度も県知事とやりとりをいたしました。  やはり、感染症の基本は、検査と隔離と早期の治療なんです。これができていないところでワクチン云々というのは、やはり、基本的なやるべきことを欠いたところでは、いい政策にならないと思います。  ちなみに、北海道の病院のクラスターは、例えば国立病院機構、ある程度規模の、レベルのある病院で、ここの北海道病院でも五人。あるいは、その周辺の、名前が出ておりませんが、医療機関では、患者さん八人、看護師さん三人。市内の国家公務員共済、昔でいうところの、斗南の病院では、ここはクラスターではありませんが、もう感染症病床が満杯で、次にどこかに受けてもらわなければ、次がにっちもさっちもいかないと。すなわち、感染を拡大させないための最大の努力をしていただかないと、医療機関側がもたなくなってまいります。  私は、今の局長の答弁はとても残念です。通達って出しっ放しじゃないでしょうよと思います。  あわせて、介護施設も、ドリームハウスと言われるところで百一人、最大のクラスターを出しました。数々これまで介護施設のクラスターはありましたが、最大のクラスターです。そのほかの有料老人ホームでも十一人出ております。  そういうことをしっかり踏まえて、何をサポートすればそれが少しなりとも抑制できるのか、よくお考えをいただきたいと思います。  もう一つ重要なことがあります。実は、札幌では、ごみの収集の方がお二人陽性に出ました。これは何を意味しているかですけれども、恐らく御家庭から捨てられるごみ、家族内感染も広がっているでしょうし、地域の面としての感染拡大もあろうかと思います。  この点について、厚生労働省は何か次の手を考えておられますか。局長、どうでしょう。
  99. 正林督章

    ○正林政府参考人 恐らく、クラスターとは言わない、そういう感染ケースについては、陽性者が出たときに、積極的な疫学調査を行って感染源を特定したり、あるいはそこから先の広がりをとめる手だてを考えたりということが必要かと思います。  北海道では、今、感染者の数がふえて、特に保健所の業務が大分逼迫していると聞いておりますので、こちらから、国からスタッフを派遣したりしています。まず厚労省の職員も四人ほど派遣していますし、それから全国知事会等の協力によって、十県の都道府県から保健師さんを二十二名、それから学会等の専門家三名、そうした方々に実際に道あるいは札幌市にお入りいただいて、そうした保健所の業務をお手伝いいただいているところです。  引き続き、感染状況を見ながら、どのようなサポートができるか考えてまいりたいと思います。
  100. 阿部知子

    ○阿部委員 今の御答弁も、沖縄の場合もそうでしたし、保健師さんの派遣の応援をなさったということは、やられたことであります。  私の質問は、ごみの収集の方から出たということは一つフェーズが上がったということではないですかということなんです。私は冒頭、医療機関とか介護施設を伺いました。でも、日常、暮らしの中で出るごみ、それを集めてくださる方に感染者が出ているということです。  この間、こうした、例えば緊急事態下にも仕事を休めない方、交通機関の方もそうです、それからごみの収集もそうです、エッセンシャルワーカーといって、こうした方々をしっかりと守って、地域の中で続けられるようにしなければ、機能が、都市の機能も生活の機能もそこで破綻するということであって、これは深刻に受けとめていただきたいです。  お二人という数ですが、今、もしかして、局長も御存じないから答弁は求めませんが、全員、ごみ収集の方は札幌市ではどの程度検査されているのか、これもとても重要です。そういう業務をやってくださっている方を大事にしていくことから、実はコロナとの、ある意味の、私たちが、人間社会が打ちかっていくもとができます。負担だけを押しつけておいて、そして上の方だけでやっていたのでは何も支えられない。  私は今回の札幌のことは、これは大臣にお願いしますが、厚労省は全力を挙げて、また、そうした検査の数をサポートできるだけの方がおられなかったら、例えばですが、これはドイツでは軍にお願いして五千人の方を出してもらって検査体制の補強をするとか、日本は軍ではありませんが、自衛隊という組織もあります。とにかく危機感を持ってしっかり対応するんだという政治の意思がなければ、漫然とGoToキャンペーンをやっている場合じゃないと私は強く思います。  大臣、私の今の指摘、すなわち、ごみの収集のような日常的な場面で感染の方が見られるんだ、検査体制はもっと充実しなきゃいけない、人手はどこから補強できるか、あらゆる手段を尽くしていただきたい。いかがでしょう。
  101. 田村憲久

    ○田村国務大臣 私は、そういうごみの収集の方々がどういう経路で感染されたかということをちょっとわかっていないものでありますから、ごみから本当にうつっているということであれば、これは委員言われたとおり、新たなそういう感染経路という形の中で、複数人ということになれば、クラスターではありませんけれども、広がっていく可能性がありますから、我々もこれをしっかりとチェックしていかなきゃいけないなというふうに思います。  それから、人に関しては今、北海道は、厚生労働省からも派遣をさせていただき、病院等々の確保、病床確保もしなきゃいけませんから、そういうロジもお手伝いをさせていただきながら、一方で、保健所等々、専門家、積極的疫学調査、そういうものに関しては国から、そしてまた保健所支援では都道府県、学会、いろんなところからお送りをさせていただき、そこもまた機能を今強化をして、北海道以外にもそのような形が起こったときにしっかり人が派遣できるような体制をつくりつつあるという状況です。  北海道は北海道で全力で我々支えさせていただきたいと思っておりますが、問題は、北海道のようなところがこれから起こってきたときに、当然マンパワーにも限界が出てきます。ですから、そういうような、感染拡大をなるべく早いうちに抑え込んで、大規模にさせないということが重要であります。  そういう意味で、今冒頭委員がおっしゃられた介護施設というのは、非常に感染患者をふやす可能性といいますか、そういう可能性がある場所なんですね。ですからこそ通知は出していたんですが、十分にまだこれが伝わっていないということがあります。  再度、都道府県にお願いするときに、やはり、出たときにどういうふうな検査のオペレーションまで含めて考えていただくかということをぜひとも検討の上で徹底をいただきたいということと、各介護施設に再度御通知をいただくなりして、これを御理解をいただいて、何かこれはもうそろそろ感染拡大だなということが起こったときには、一斉にその地域の介護施設等々が検査に入るというような体制を県にお願いするところまで落とし込まなければ、これは、もうこんなことが全国じゅうで起こったら、とてもじゃないですけれども厚生労働省だけでも対応できなくなってまいりますから、危機感を持って対応してまいりたいというふうに思います。
  102. 阿部知子

    ○阿部委員 今大臣がおっしゃったように、ある意味、北海道のこのクラスターを厚労省を始め政治側のサポートによってとどめられるかどうかが今後にかかってもいると思いますので、私はこの場で強く求めたいと思います。  同時に、この前御紹介申し上げました、横浜にダイヤモンド・プリンセス号がやってきたときに、実は自衛隊のお力もおかりいたしました。感染拡大をなるべく早期にそこでとどめるということのために、あらゆる人材を活用して総力を挙げて国として取り組んでいただければと私は思います。  同様に、医療機関のサポートも次に取り上げたいですが、開いていただきまして三枚目。これは北海道の状況を報じた新聞記事ですが、「病床七割埋まる」とか、「旭川 深刻な病院クラスター」、これは旭川の吉田病院というところで五十人くらいのクラスターだったと思いますが。いずれにしろ、病院の中のクラスターと、それから患者さんを受ける病院と、両方大変な状況にあるということが、これは新聞記事、十七日の朝日新聞の朝刊から引いてございます。  それで、にもかかわらず、私はまず、病院側も疲弊しております、さっきの保健所が大変なように、病院についても人材支援が必要かもしれないから、このことはよくウオッチして必要な支援をぜひお願いをしたいと思いますし、同時に、政府としてやっていただかなければいけないことがあります。いわゆるこのコロナ問題で、緊急包括支援金、これは病床を確保しておくための支援金、国が打ち出した緊急包括支援金ですが、実は北海道においては重点医療機関に給付されるべき包括支援金がゼロ、全然行っていない。お金も来ない、人も来ない、コロナだけがやってくるでは、到底太刀打ちができません。  その次、虫眼鏡で見なきゃいけないような資料を見ていただきますと、これは十月三十一日時点における新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の交付状況で、北海道、重点医療機関体制整備事業、ゼロ。神奈川もゼロだったのが、この前取り上げて、給付が少しずつ、目詰まりがとれていっているのだとは思いますが。これがゼロということは、いろいろな事情はあろうかと思いますが、病院は本当に大変なんです。  このことについて、局長、いかがですか。
  103. 正林督章

    ○正林政府参考人 まず、北海道の病床の状況でありますけれども、受入れの病床として千八百十一床、そして、そのうち百八十二床の重症用の病床を確保しており、そのうち、十一月十六日時点で、受入れ病床の六百八十六床が稼働し、うち重症用病床の十八床が稼働しているというふうに把握しております。  昨日、北海道の対策本部において、札幌市を中心に医療提供体制の逼迫の度合いが急速に増していると述べられておりますので、厚労省としては、先ほど申し上げましたが、三名、数名の職員を派遣して、状況の把握や、それから病床確保に向けた調整支援を開始したところであり、最大限の警戒感を持って対処しておるところです。  御指摘の重点医療機関への交付、これがなされていないことについて、北海道に確認をいたしました。  重点医療機関の指定がおくれたために、重点医療機関に対して、まずは一般医療機関とみなした上で病床確保料を十月中にお支払いをしています。現在はその重点医療機関からの変更交付申請を受け付けて、書類が整った医療機関から順次追加の支払いを実施していく、そのような予定だというふうにお伺いをしております。
  104. 阿部知子

    ○阿部委員 暫定的にでも、みなしで給付していく、出していくということがなければ、これはおくれにおくれているわけです。次の波が来て、運営上本当に厳しいと私は思います。今の局長の御答弁、その一部は給付されているんだということですが、更にスピードアップをしていただかないと、人も、さっき言いました金もないという状態が、本当に医療現場の疲弊を倍加させてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。  さて、残された時間で、本来の本日のテーマであるワクチンについて伺わせていただきますが、そもそも、この新型コロナウイルスの病原性をどのように評価しておられるのか。  これは大臣に伺いたいですが、一体、新型コロナウイルスってどんな病気なのと問われたときに、国民にどんな説明をなさいますか。病原性というとすごくかたく聞こえますが、国民にメッセージするときに、新型コロナウイルス、これまで、一月にあらわれて十一月、十カ月以上たった中で、現状、政府の認識を伺います。
  105. 田村憲久

    ○田村国務大臣 病原性といいますか、幅広く、新型コロナウイルスというのは、感染症というのがどういうものかということをお伝えするとすれば、まず、感染経路といいますか、感染感染原因といいますか、要するに、飛沫でありますとか、それから接触等々で感染する感染症であり、徐々にわかりつつあることは、閉め切った部屋で大きな声等々で発声する等々においても、うつる可能性指摘をされてきておるということであります。それをエアロゾルというのか、マイクロ飛沫というのか、それぞれの呼び方、御判断はあるようでありますけれども。  それから、約八割の方々はうつさないというようなことを専門家の方々はおっしゃっておられます。残り二割が、十人以上にうつすのか、二割というよりか、十割以上うつすのか、それ以上にうつすかによって実効再生産数が変わっていくという話になるんだと思いますが、そういうような特色がある。それは、人によるものというよりかは、どちらかというと、そういうクラスターを起こす場所で、そういう方々がうつしているということが推察されるということ。  それから、高齢者の方々、基礎疾患を持っている方々が重症化をする割合が高いということ。このようなことがだんだんわかってきております。  一方で、入院時重症者の方々、入院のときに重症であった方々の死亡率の割合は、六月の四日以前と五日以降ではかなり低減をしてきておるというようなこともございまして、そういうことを、新型コロナウイルス感染症の今についての十の知識というようなことでもまとめさせていただいております。  わかりやすく、これからも国民皆様方に、新型コロナウイルスがどういうものかということをお伝えをしていければというふうに考えております。
  106. 阿部知子

    ○阿部委員 今おっしゃったような大臣の認識の上に、それでは、今度は国民ワクチンということを説明するときにはどんなふうに御説明されますか。今のを要約すると、八割は軽い、御高齢者は重症化しやすい、八割は余りうつさないだろうなどなどですけれども、そこにワクチンということを、これは臨時接種で緊急接種ということにいたしますので、どんなふうに国民説明されますか。
  107. 田村憲久

    ○田村国務大臣 蔓延をどう予防するかといううちの一つであるというふうに、ワクチンに関しては思っております。  感染予防発症予防重症化予防と、いろいろな予防効果はあるんだと思いますけれども、まだ今開発中のワクチンでありますから、なかなか予断を持って申し上げられないところはあるんですが、言われておりますのは、今いろいろなところで開発されているのは、感染予防というよりかは発症予防に重きを置いて、場合によっては重症化予防というような役割もあるのではないかというようなことを、今それぞれの臨床試験の中において、効能といいますか効果というものをはかっておるというふうに理解をいたしております。
  108. 阿部知子

    ○阿部委員 今、大臣の御答弁のように、実は、このワクチンは、これまでわかったところ、感染予防ではないだろうと、その効果はまだわからない。発症予防は少しあるかもしれない。重症化予防のところが大きいだろうと。  そういたしますと、私が伺いたかったのは、臨時の予防接種というのは、感染予防蔓延予防なんですね。ずれているんじゃないかと思うんです。国民に送るメッセージとして、臨時接種は、蔓延拡大してはいけませんよと。そうであるかないかはこれからしかわからない。一方、これまでわかっているところは、重症化予防できるのではないか。  これは、インフルエンザワクチンも同じであります。インフルエンザワクチンは、打ったとて感染が防げるわけではない。ただ、発症したときに少し軽症化する。重症化予防が一番目的です。ですから、御高齢者施設におられる高齢者とかリスクの高い群の方にまず優先して接種を行う。また、このたびは六十五歳以上の方に無償で行ったというのは、主には重症化予防であります。もう年余にわたってインフルエンザをやってまいりましたが、感染予防はされておりません。もうこれは、実際にはその評価はない、ゼロではないでしょうけれども。発症予防についても限定的ではある。軽症化させることができる。  この今開発中のコロナワクチンも、一方では感染拡大のための臨時予防接種だと言われ、しかし実質は重症化予防であるということであると、そこにギャップ、ずれが生じると思います。  大臣、正しく国民に伝えることが私は大事だと思います。誰が受けようと思うか、何で受けようと思うか、リスクもあります、そのときにこれがどんなものとして国民に伝わればよいか、大臣のお考えを伺います。
  109. 田村憲久

    ○田村国務大臣 インフルエンザ重症化予防が大きな役割、インフルエンザ予防の話を余り私はしたくないのは、前回大臣のときに私は発症しちゃったものですから。ワクチンを打っていたんですけれども、そんなこともございまして。確かに重症化予防が大きな役割でございます。今のはちょっと消しておいていただかなきゃいけませんが。  今回の新型コロナウイルスワクチンに関して申し上げると、私も、これはまだ臨床試験中なので細かいことは言えないんですが、報道ベースで見聞きしておりますと、発症予防がかなりの確率で認められるというようなことが報道されております。という意味からすると、重症化予防だけではなくて発症予防もかなり期待ができる、これはあくまでも報道ベースだと思います。  これは、感染状況も含めて、最終的には努力義務をどう課していくか。今は全部にかかっていますけれども、これは特例で外せるということになっておりますので、例外的に。そこは考えなきゃいけません、感染状況がどういう状況かというのは。  ただ一方で、発症予防ができるとすれば、かなりの効果がもし見込めるとすれば、感染しても発症しなければ、それはもちろん、その後何か後遺症があるという話なら別かもわかりませんけれども、一般的に発症しなければ発病しないわけですから、これは疾病の蔓延を防ぐという意味では意味があるのではないか。私も同じ点を、実は委員と同じようにずっと考えておりまして、発症しなければ、疾病の蔓延予防という意味では、これは意味があるのではないかという認識であります。
  110. 阿部知子

    ○阿部委員 今大臣がおっしゃったように、報道ベースでこれを評価するしかないというところがまたとても問題なんだと思います。アメリカのファーマあるいはモデルナ社などが、感染予防について、打った群と打たない群でこれこれの、例えば、片っ方が九十人出て片っ方が五人とか四人とか、報道ベースで流しておりますが、実は、これは母集団の正確な数がわかりませんので、とてもバイアスがかかった報道になりやすい。  それは、昨日の専門家の皆さんの御意見でも、この報道のあり方、あるいは、これで本当に第三相、ブラインドといって、誰がやったかやらなかったかを言ってはいけないというところと、もうぎりぎり抵触しているんじゃないか。何か報道が先走ってしまっては、やはり国民の誤解を招きます。  発症予防については、本当にしっかりと検証をしていただきたいし、それから原則は、それがわかっていないのに義務というのは、努力義務あるいは接種勧奨というのは、私は順番が違うと思います。一定の方に、希望される方にやってみて、効果をしっかりと見ていくということが安全性を担保したものだと思います。  その観点で局長に伺いますが、実は、次の質問は、FDAでこの間ワクチン開発にかかわったシャーフスタインという博士の論文から、四点引かせていただきました。ここには開発に関する安全装置が必要なんだということが指摘されておりまして、四点、順次やりたいところですが、時間との関係で、まとめて言わせていただきます。  一つ有効性に関する強いエビデンス、まず有効かどうかわからないといけない。次が安全性に関する強いエビデンス。三番目がインフォームド・コンセント、これは今大臣とやりとりさせていただきましたので、正しく国民に伝えるということ。そして包括的な安全監視システムという、この四点がセーフガードだ、開発に関しての踏まえておくべきいわばガード、守りなんだということです。  局長に伺いますが、安全性に関する強いエビデンスのところには、お手元に資料、抜粋を載せてございますが、いろいろな高齢者や慢性疾患のある人、重篤な方についても、しかるべく治験の上、人種的に多様な集団において有効性を調べるということが出ております。すなわち、ワクチンはすごく人種差があるんだと。このコロナ感染症自身がそうですよね。なぜかアジアで少ない、それからヨーロッパ、アメリカで多い。やはり病気そのものにも、どうも感受性における人種差、自然免疫の差があるらしいと。  そうすると、一点目の有効性に対するエビデンスを得るために、人種差、すなわち日本では日本のきちんとした知見ということもありますし、第三相のフェーズの治験が必要で、これは先ほど高木委員とのやりとりで一万件とおっしゃいましたが、各ワクチンごとにやるのかと言われて、わからないとなっておりますが、ある規模のものをお考えであるのか。  特に、この第三相をどうしていくのか。先ほどのやりとりを短絡的に縮めると、海外でやった第三相以外に少しプラスする程度のことで考えておられるのか。私はそれはちょっと違うと思うんです。人種差の問題をきちんとここで見ていかないと、有効性についてももしかして違いがあるかもしれません。  この点について、局長、どうでしょう。
  111. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 先生の方から、きちんと人種差も含めた確認について御質問がございました。  先ほど来御答弁申し上げておりますが、新型コロナウイルスワクチンにつきましては、評価に関する考え方というものを、日本そして欧米各国の薬事規制当局の間の意見交換によってPMDAが作成して公表しておりますが、そこにおきましては、新型コロナにつきましては、海外での大規模な臨床試験で発症予防効果重症化予防が示されるかどうか、そして、海外臨床試験と国内臨床試験との間で免疫原性などが一貫しているかどうか、そして、安全性につきましては、海外臨床試験と国内臨床試験における副反応有害事象の頻度と内容などを総合的に評価することで、国内での検証試験データがなくとも、追加的な試験におきまして人種差の検討も含めて有効性安全性を確認することが可能であるということでございますので、これを踏まえまして審査してまいります。
  112. 阿部知子

    ○阿部委員 そこが極めて怪しいところなんですね。国内でのしっかりした治験がなくてもと言ってしまえば、やはり人種差を見ていないんです。だって、なぜこのコロナはこんなに発生率、重症化も含めて、違うのでしょうか。そこを真面目に考えたことはおありですか。私は、まずそこが科学されていないと思います。  その上で、そこに乗っけて予防接種では、本当の病像が見えてまいりません。免疫原性という言葉を使われましたが、免疫応答能のところに問題があるのかも。しかし、そのことを政府側から、このコロナウイルスについて、この十カ月、なぜ我が国が少ないのか、じゃ、アジアの国々はどうなのか、その差異についてきちんとしたコメントをいただいたことがありません。  その上で、今みたいな免疫原性云々かんかん言ってもむなしいです、悪いけれども。だから、はっきり言って、しようがないから、解明されていないならば、ある数、安全を見越してやるということです。  そこで、二番目、安全性に関する強いエビデンスのところは、少なくとも数千人の参加者による安全性の確認が必要というふうにレコメンドされております。今のだと数十人で終わっちゃうんじゃないかな。数千人の安全性の確認、プラス、ここに抜き書きしておりませんが、いわゆる抗体依存性感染増悪と言われるものがあって、ワクチンを打ったらかえって悪くなる、重くなっちゃうということも指摘されているウイルスであります。これはRSウイルスもそうでしたし、MERS、SARS、特にSARSの経験もありますから、ワクチン安全性を持って示される、私は数千人でも足りないと思いますが、特に、その人数規模、あるいは抗体依存性感染増悪はどう見ていくのかについて、お願いします。
  113. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 安全性、あるいはADE、抗体依存性疾患増強についてでございますが、まず冒頭、先ほどお答えいたしましたが、FDAを含めて日米欧の規制当局の間で意見交換して策定しました評価に関する考え方におきましては、海外で大規模臨床試験が行われ、一定の条件を満たせば、国内での検証的試験データがなくても、人種差の検討も含めて安全性も含めた確認をすることが可能となっておりまして、安全性につきましては、海外臨床試験と国内臨床試験で副反応有害事象の頻度、内容を確認していきます。  例えば、国内外の臨床試験のデータに基づきまして、接種から七日以内の特定の局所反応あるいは特定の全身反応などの有害事象もチェックいたしますし、臨床試験の長期的なフォローアップの結果などの評価も想定しているところでございます。  そして、御指摘のございました抗体依存性疾患増強、いわゆるADEでございますが、その有無につきまして、承認審査段階におきましては、臨床試験における重症化例のデータや長期的なフォローアップの結果、そして動物試験の結果などを総合的に勘案して検討する必要があると考えてございます。
  114. 阿部知子

    ○阿部委員 これは承認段階では出ません。動物実験でも出ません。なぜならば、承認段階、この抗体依存性の感染増悪というのは、ワクチンを打った後、かかった場合の問題なのです。今おっしゃったことは妥当な答弁ではありません。そこまで見られるんですかということを私は伺ったんです。  最後のページの資料を見てください。これは実は、子宮頸がんワクチンで、初回接種からいわゆる初発症状までの期間の、どのくらいの期間があったかであります。  今、認可をして、後、副反応を見るといっても、二十八日が平均で、必要に応じて更に長期といいますが、ここに見ていただければ、例えば、手足の疼痛は十三・一カ月たってから、しびれもそのくらい、不随意運動が十三・三カ月。すなわち、免疫応答能に影響を与えた場合に長期のフォローが必要となって、そこで初めて物がわかるんです。  私は、繰り返しますが、安易な今のような手抜きの承認でこれをやったら、特にこの抗体依存性感染増悪のところ、長期の免疫能のところで結局大きな間違いを起こす。RSウイルスがいい例であります。長期のフォローアップ体制は日本はとれておりません。  田村厚労大臣、最後に、時間なので伺いますが、私は子宮頸がんワクチンの問題はとても不幸だったと思います。長期のフォローの体制がないわけです。だからいまだに、効果があるか、あるいは副反応の方が大きいかをずっと論議せねばならないところに置かれています。長期のフォローアップ体制、どうお考えでしょう。  私は、もう時間がないので結論を申し上げますが、例えば、各自治体ごとに、打った群、打たない群をフォローしていく、年余にわたって、五年、十年でも構いません。そういう構えがないと、このワクチン、特にこれからのワクチンは免疫能に関係します。そういうものの実態はつかめないと思いますし、大臣の御認識と御答弁を伺います。
  115. 田村憲久

    ○田村国務大臣 HPVワクチンは、救済制度の対象にはなっていますが、これは副反応ということで完全に認定されているものとそうでないものとがあるということは御理解をいただきながら、その後いろいろな調査をやりました。調査をやった結果は、もう委員も御承知のとおりだというふうに思いますけれども。  そういう意味からすると、今回のこの新型コロナワクチンでありますけれども、長期にわたってということになったときに、かなりやはりそこは業務量がふえるというところがあるわけでありまして、そこまでフォローができるかどうかということもしっかり検討していかなければならないと思います。  一方で、委員のおっしゃられておられる意味も、それは重要な観点でございますので、どのような対応ができるのか、検討させていただきたいと思います。
  116. 阿部知子

    ○阿部委員 ぜひ、しっかりしたフォローをお願いいたします。  終わらせていただきます。
  117. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、尾辻かな子さん。
  118. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 立憲民主党の尾辻かな子です。  予防接種法改正法案についてお伺いをしてまいりたいと思います。  私の方も、ちょっと先に、今の感染状況のことについて一問お聞きしていきたいと思うんですけれども、ほかの方も質問されておりました。きのうの大臣の閣議後の記者会見で、感染者が多く発生している地域などでは、医療、介護施設に入院、入所者、働く人に一斉検査、定期的な検査を実施するように再周知を呼びかけられて、文書も発出をされております。今回、このタイミングで再度周知されたその趣旨をお伺いしたいと思います。
  119. 田村憲久

    ○田村国務大臣 一つは、やはり七月の終わりから八月の頭にかけてピークがございました。その後、一進一退という言い方がいいのかどうかわかりませんが、一定の新規感染者発生数である程度推移してきたんですが、やはり十月に入ったあたりから徐々に上がってまいりまして、直近の一週間移動平均の二週間差を見ると二倍近く、いや、もう今実は足元では二倍以上になってきておるということで、かなりやはり我々としては緊張感を持って対応していかなきゃならぬという認識を持っております。  一方で、やはり高齢者施設等々でクラスターが多く見られるということがございまして、これは私、大臣になる以前からずっとこれを、四月ぐらいからですか、意識を持っておりまして、とにかく介護施設等々で検査を頻繁にやれないか。ただ、これは、検査能力等、費用等のいろいろな問題があってなかなか思うようにはいかないところがあるんですが、そこで、少なくとも、症状の出ておられる方々、これはすぐにやってもらわないと、ほっておいたらそこから感染が拡大しますのでということで、以前も出させていただいたんですが、ここに来てもう一回それを徹底をさせていただきたいということで、まず、それが一つ。  それから、感染拡大が進んでいる地域、もちろんクラスターがあった施設等々は当然幅広に濃厚接触以外もやっていただきたいんですけれども、それ以外の、クラスターは出ていないんだけれどもそのエリアが感染拡大しているというように思われるところに関しては、そこはやはり従事者の方も含めてしっかりと検査をやっていただいて、もし陽性の方がおられたら療養いただく等々で感染拡大を防いでいく、こういうような意味合いがあってこれを出しました。  ただ、今、阿部委員から、本当にそれを実施できているのか、できていないのかというような話もございました。感染が余り拡大していないときからその意識を各都道府県に持っていただいて、各高齢者施設に持っていただくことが大事なので、再度、本当にちゃんとこれを認識いただいているかということは確認をしてまいりたいというふうに思います。
  120. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 私もずっと委員会では、早く介護施設などにはスクリーニングをするべきだというふうに言っていましたので、こういう発出を二回もしていただいていることはすごく評価をさせていただければと思います。  ただ、一方、先ほどもあったように、じゃ、実際に現場でそれができているのか。先ほど阿部委員質問はたしか北海道ということだったと思うんですが、全国的に見ても、今こうして、これは行政検査ですよね、行政検査としての定期的な検査ができている自治体とか施設とかの把握はまだされていないということでよろしいんでしょうか。一言だけ。
  121. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、どのエリアが感染拡大かというのは、基本的に保健所設置の自治体の首長さんが御判断いただくという話になると思います。  そういう意味からいたしますと、全て把握できていない、これは把握するのもなかなか実はマンパワーが要るので難しいんですが、把握というよりかは、こういうことを徹底して、各自治体、都道府県、そして施設の皆様方に御理解をいただいていくということが重要なのかなというふうに考えております。
  122. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 あわせてちょっと聞いておきたいんですけれども、ちなみに、こういう行政検査をするときの検査できる能力、数というのは今どのくらいまで上がってきているのかということもあわせて確認しておきたいと思います。
  123. 正林督章

    ○正林政府参考人 御質問はPCR検査の能力と思いますが、十一月十六日現在で八万五千件です。
  124. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 これから感染は更にふえてくると思います、秋から冬にかけて。やはり、PCR検査能力もまだ八万五千では私は足りていないと思いますので、しっかり検査能力、PCR以外の抗原検査についてもやっていっていただきたいというふうに思います。本当に今が正念場だと思いますので、厚生労働省を挙げて対応をお願いしたいというふうに思います。  それでは、改正法案のことについてお聞きをしていきたいと思います。  私は、とにかくこのワクチンのことについては冷静な議論が何より重要だというふうに思っております。さらには、過去のワクチンについての教訓をしっかり私たちが持っていることも大事だと思っております。  一つ、アメリカでのワクチン予防接種のことについてエピソードを紹介させていただければと思うんです。  もう皆さん御承知のことだとは思いますが、一九七六年にアメリカで史上最大のワクチン事業が行われました。兵士が死亡して、新型の豚インフルエンザウイルスが検出されたんですね。そのウイルスはスペイン・インフルエンザと似ており、大流行が懸念されました。  公衆衛生局はフォード大統領に空前の大規模ワクチン事業を進言し、当時大統領選を控えたフォード大統領は全国民二億人以上を対象にしたワクチン接種を実施すると発表されました。  大統領側近は、大惨事が予想されたのに何もしなかったという批判を考えると、政治的に選択肢はなく、前のめりの意見の中で突き進んでいきます。訴訟を恐れたワクチン製造会社や保険会社の圧力により、副作用の賠償責任は政府が負うという法案が成立をしております。  接種が始まって三人の高齢者が亡くなります。不安を払拭するために大統領自身も家族とともに接種を受けて、テレビでそれが放映されました。二カ月半で約四千万人以上が接種を受けました。  ところが、ギラン・バレー症候群という難病を発症する人があらわれ、接種は中止になりました。残されたのは、使われなくなった大量のワクチンと、副作用に対する四千件の損害賠償請求でした。  政治と専門家の距離を含め、その挫折と教訓を私たちは本当に忘れてはいけない。ワクチンについては冷静に議論をして判断する必要があると思います。  それを踏まえて、今回の新型コロナワクチンについてというのは、未知のものであります。これはもう皆さんも議論されてきました。その予防接種は科学的根拠をしっかり出すことが大事になります。緊急ではありますけれども、ワクチン安全性はしっかり担保されなくてはなりませんし、製薬会社の責任の免除によってワクチンの質が担保されないということもあってはならないと思います。  さらに、今回は接種勧奨そして努力義務ということになっておりますので、この辺について本当に個人の判断で接種する、しないということを決められるようになっているのか、ちょっと懸念点がございますので、順次お伺いをしてまいりたいというふうに思います。  先にワクチンの現状のことについてお伺いしますけれども、今、ワクチン確保ファイザーアストラゼネカモデルナというところで基本合意や正式契約をされているというふうに聞いておりますけれども、最近そのファイザーとかモデルナが相次いで暫定的な臨床試験の結果というのを公表されているんです。これはあくまで暫定的な結果ということで、正式ではないということでいいのかということについてお答えいただきたいと思います。
  125. 正林督章

    ○正林政府参考人 御指摘いただいたとおり、今現在は、アメリカのファイザー社、それからイギリスのアストラゼネカ、アメリカのモデルナ社、それぞれがワクチンについて開発中です。いずれも治験の一応最終段階の第三相試験に入っております。  ただ、先般、先週ですか、途中の段階のものを公表しておりますが、少なくとも最終的なものではないと認識しております。
  126. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ですので、これはあくまで暫定的な結果だという受けとめをしておかなければいけないのかなと思うんですね。  そういう意味で、例えば、こういうワクチンの第三相試験というのが、査読つき論文とか、こういう形で発表されたりとか、そういうことはあるんでしょうか。
  127. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 第三相ですと、最終的な段階の試験ですので、それは本来、承認審査というものを求めるものでございますので、その兼ね合いはございまして、いつ発表されるかとかタイミングの問題もございますが、論文として発表されることがあるか否かということにつきましては、ある場合がございます。
  128. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 やはり誰もが第三者の目で見られることが非常に大事だというふうに思いますので、そういったものがあって初めて担保されるものじゃないかなというふうに思います。  次に参ります。  先にワクチン接種のことについてお伺いをしたいというふうに思うんですが、今回の予防接種は、今までの議論の中でも、あくまで個人の判断なんだということを繰り返し議論されておられたと思います。接種するかしないかというのは個人が決める。じゃ、本当にそのことが受ける方に伝わるのかということについては、私はやはり疑問を感じているんですね。  というのが、やはりこの接種勧奨と接種の努力義務というのをぱっと聞くと、やはり受けなければならないものではないかというふうに感じてしまうんじゃないか。日本は非常に同調圧力が強いという傾向がありますので、これが事実上義務化されて拒否できないんじゃないか、こういうことを危惧するわけです。  具体的にちょっとお聞きしていきたいと思うんですけれども、例えば職場で危惧をされることとして、就職をする際、面接のときに、あなたはワクチン接種しているのか、していないのかということを聞いて、接種していなかったら採用されないとか、そういう採用において不利になることがないのかとか、職場においても、接種しないと判断した、例えば、自分はインフルエンザワクチンでも発熱をしたことがある、また、体に合わない、だから自分は打たないんだというその労働者が例えば解雇されるとか異動になるとか、今、そういう職場でさまざまな不利益がもしかして起こるんじゃないかというふうに私は懸念しているわけですけれども、これについて厚労省見解をお伺いします。
  129. 吉永和生

    吉永政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症ワクチン予防接種を拒否したことに伴います不利益取扱いでございますけれども、例えば解雇について申し上げれば、労働契約法におきまして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合については無効であるとされているところでございます。  また、配置転換につきましては、過去の判例におきまして、配置転換命令の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の生活上の不利益とを比較考量し、当該命令が権利濫用に当たると判断される場合があるとされているところでございます。  また、就職時につきましては、適性、能力を採用基準とするということが原則でございますので、この公正な採用の基準による選考が求められているところでございます。  こういったことからいたしますと、一般論として申し上げれば、合理的な理由がなく、ワクチン接種をしないことのみをもって不利益な取扱いが行われることは望ましくないものというふうに考えているところでございます。  ただ、この合理性の判断につきましては、ワクチンの性格などが影響する可能性もあると考えてございますので、現時点でそのあたりはまだ明確になっていない部分もございますけれども、今後こうした点が明らかになった段階でどのような対応が必要かということについては考えてまいりたいと考えております。
  130. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 やはりこの予防接種というのは、予防接種をする担当課だけじゃなくて、しっかり労働行政との連携というのが非常に大事だというふうに思っているんですね。  ちょっと先ほどおっしゃっていただいたように、接種していないということだけで採用しないということはしてはならないよとか、解雇についても権利濫用とか、異動とかも権利濫用になるよということでよろしいですか。
  131. 吉永和生

    吉永政府参考人 基本的な制度設計がそうなってございますので、その趣旨というものはワクチンについても同様のものと考えてございます。
  132. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 それでは、このワクチンがどの段階でどのように接種が始まるかはわからないんですけれども、しっかりと労働行政においても、こういった接種に当たって、全国民の方にお願いをするものでありますから、今言ったようなことはしてはいけないんだということを周知されるようなことをぜひともお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
  133. 吉永和生

    吉永政府参考人 委員指摘のとおり、ワクチン接種に伴います不利益な取扱いというものは適当でないということは原則だと思ってございますので、今後、ワクチン状況というものもございますけれども、必要な周知に努めてまいりたいと考えてございます。
  134. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  今現場で何が起こっているかと私が介護の働いていらっしゃる方に聞くと、インフルエンザワクチン接種ですら、もうほとんど義務化されていると。この状況の中で、自分だけ、発熱とかがあるから本当は打ちたくないんだけれども、ほぼ打ちたくないとは言えない状況が介護現場などでは起こっているというふうに聞いております。なので、そういうところにしっかりと情報が届くことが大事だと思います。しっかりお願いしたいと思います。  同じくなんですけれども、例えば高齢者や障害者の入所施設等で、ここは接種順位検討の中にも入ってきていたと思うんですけれども、施設入所者がワクチン接種しなかったことで、この施設からはもう退所してくださいよと退所を促されてしまうとか、例えば入所の条件として、ワクチン接種を条件とすることが入所だというようなことが実は現場では想定されるのかなというふうに思います。  これは個人の判断で接種するということですから、こういうことは起こってはならないと思います。それについてはどのような対策をされるつもりでしょうか。
  135. 土生栄二

    土生政府参考人 御説明させていただきます。  今回の改正法案におきましては、先ほど来から議論がございますとおり、原則、接種を受ける努力義務を課すということでございますけれども、これらの規定により、国民皆様に必ず接種しなければならなくなるものではないということでございまして、この点は、今御指摘のございました施設入所者あるいは入所を希望される方も同様というふうに理解をしております。  厚生労働省といたしましては、正しい情報や知識を持っていただくことが大変重要と考えておりまして、ワクチン接種しないことで施設入所者や入所希望者の方々に不当な不利益が生じないように、省内しっかり連携いたしまして、必要に応じ周知を図るなど、適切に対応させていただきたいと考えております。
  136. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 しっかり連携してお願いしたいというふうに思います。大臣、よろしくお願いします。  次に、成年後見のこと、つまり、これは個人の判断であるということを再々おっしゃっているわけなんですけれども、では、本当に判断が難しい方の接種をどうするのかということについてお伺いしていきたいと思います。  認知症の方とか障害のある方の中には、被成年後見人となられて成年後見人がおられるようなことがあります。一般的に、成年後見人は医療行為については同意権がございません。ですから、一般的には、手術をどうされますかとか注射をどうされますかと言っても成年後見人は判断できないというのがもともとのベースにあるわけです。  では、今回のようなワクチン接種などで、この注射の際に後見人はこれについて同意権があるのかないのか、多分ワクチン種類によっても違うと思うんですけれども、ちょっとその辺の整理をお願いしたいと思います。
  137. 正林督章

    ○正林政府参考人 予防接種法上、予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者又は保護者の同意を得なければならないとされております。  この保護者の同意については、被接種者がみずから十分理解した上で判断することが難しいことから定められているものであり、お尋ねの後見人も含まれるところであります。改正案による新型コロナ予防接種についても同様の取扱いになるかと考えております。
  138. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 接種はいろいろなものがあります。定期接種と例えば任意接種、普通、予防接種定期接種と任意接種があるかと思いますけれども、定期接種臨時接種においては後見人は同意する、ただ、任意接種においては後見人は同意する権限がない。この整理でよろしいですか。
  139. 正林督章

    ○正林政府参考人 御指摘のとおりでして、予防接種法に基づかないいわゆる任意接種については後見人による同意に係る規定がなく、その場合は、可能な限り本人意思を確認し、接種の実施の可否を判断するということになります。
  140. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 これは、だからちょっと差ができてくるわけなんです。  ちょっとこれをもう少し確認したいんですけれども、もともとの基本的なところに戻ります。  基本的に予防接種は個人の判断であるということは、イコール本人同意が必要であるというふうに私たちは思うんですけれども、どこの条文を読むと本人同意が必要であるということがわかるんでしょうか。一般的に予防接種において本人同意が必要であるということはどこに規定をされているのか、ちょっと更問いになりますので、お願いいたします。
  141. 正林督章

    ○正林政府参考人 法律そのものではなくて、予防接種実施規則の第五条の二に「予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者又はその保護者に対して、予防接種有効性及び安全性並びに副反応について当該者の理解を得るよう、適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。」とされております。
  142. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 今おっしゃっていただいたように、これは規則に書かれていて、実は、予防接種法を読んだ限りにおいてはちょっと同意というところは見えないんですね。  更に言うと、今、特に成年後見人の同意が必要だ、同意をもって予防接種を受けることができるというような解釈が一体どこから出てくるんだろうかというのが、予防接種法を読んだ限りにおいてはちょっと出てこないんですね。これは一体どこでそれが規定されているんでしょう。
  143. 正林督章

    ○正林政府参考人 予防接種法の第二条の七項に「この法律において「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。」と規定されております。
  144. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 それは私も知っているんですけれども、では、その保護者が出てくるのは、例えば「予防接種の勧奨」の第八条だったり「予防接種を受ける努力義務」の第九条には出てきますけれども、これでもって、八条と九条を読んで、成年後見人が普通だったらしない同意をするんだというふうにはちょっと読めないんですね。なので、この法文と規則のところで大分違うなというふうに私は感じるんです。そのあたりを教えていただければと思います。
  145. 正林督章

    ○正林政府参考人 まず、先ほど申し上げましたように、実施規則できちんと「文書により同意を得なければならない。」と規定されていて、そこに「その保護者に対して、」という文言があります。その保護者というのが誰かというのは法律できちんと規定されていて、先ほどの二条の「「保護者」とは、親権を行う者又は後見人をいう。」と。この両方を読むことによって後見人の同意を得るということになるかと思います。
  146. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ですから、法文を読んだだけではわからないんです。  正直、成年後見の現場でインフルエンザワクチンを後見人が同意して接種するというふうには、全く運用の中でも私は聞いたことが実はないんです。なので、本当に現場でこういうことは知られていないんです。法律には書いていないのに、規則で書かれたら後見人の同意によって接種するというたてつけは、これで本当に大丈夫なんでしょうか。
  147. 正林督章

    ○正林政府参考人 法律で規定するには細か過ぎることを政令であったり省令であったりでより細かく、特に実施の具体的な方法については実施規則という形で省令で規定するのが通例だと思います。  もし、こういった規定があることを余り国民皆様が御存じないということであれば、普及啓発をしていく必要があるかと思います。
  148. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 そうなんですよ。定期接種においても後見人が同意をするということは知られておりません。私も今回のことをかなり調べましたけれども、一般的な民法においての成年後見は医療同意ができないということは皆さん御承知ですけれども、ここについては全然誰も知らないんですね。これはかなり問題だと思います。現場で大混乱が起こると思うんです。  だから、今でも、高齢者施設に入っていらっしゃる方が、施設から後見人に、インフルエンザワクチンを打っていいですかと言われても、大体の後見人は、済みません、医療同意がないのでやりませんと答えているのが現状なので、こういう事実があるのであれば、これはかなりちゃんと周知をしていただかないと、ちょっと、本当に知られていないと思います。きちっと周知をしていただきたいというふうに思いますので、お願いいたします。  あわせて確認ですけれども、今、後見のことを聞きました。保佐とか補助の場合、被保佐人や被補助人は、こういうワクチン接種において、予防接種において同意が必要なのかどうか、ここもあわせてお答えください。
  149. 正林督章

    ○正林政府参考人 成年後見制度のうち法定後見制度は、御指摘のように、後見と、それから保佐、補助の三つに分かれており、判断能力の程度など、本人の事情に応じた制度を利用できるようになっています。  そのうち、判断能力が欠けるのが通常の状態の方については後見制度の対象となります。予防接種法においては、被接種者本人による同意を必要としつつ、接種の対象者がみずから十分理解した上で判断することが難しい場合も想定し、成年後見人による同意も可能としているところであります。  このため、保佐や補助の場合は、本人意思を確認していただき、接種を実施していただく必要があると考えております。
  150. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 つまり、被保佐人や被補助人の同意は必要ないということですね。御本人があくまで同意をするかどうかだということでよろしいですか。
  151. 正林督章

    ○正林政府参考人 はい。本人の判断能力が認められる保佐あるいは補助の場合は、本人意思を確認していただく必要があるかと考えております。
  152. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 ちょっと限定がついた感じがするんですけれども。  あと、もし個人の御判断の難しい方がいらっしゃったときに、そして、保護者や後見人がいらっしゃらなかった場合、これはどのようにして接種をするという同意をとるのかということについてはいかがでしょう。
  153. 正林督章

    ○正林政府参考人 もし、例えば認知症等によって御本人意思が確認しにくい場合は、御家族やかかりつけ医等の協力を得て御本人意思確認を行っていただき、意思を確認できた場合において接種を実施する必要があると考えております。
  154. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 それでも意思が確認できない場合はどうなるんでしょう。
  155. 正林督章

    ○正林政府参考人 それでもなお意思確認ができない場合は、成年後見の申立てをしていただき、後見人を置いていただくことが考えられます。
  156. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 やはり、特にリスクのある障害のある方々や高齢者の方々でなかなか判断が難しい方々が出てくるんじゃないか、そのときのルールが先ほど言ったようにしっかり現場におりていないんじゃないかとか、最終的にその方が後見制度を利用するというのは、筋道としてはあるんですけれども、現実的なのかなというのも感じてしまいます。  本当に個人の判断だというときに、こういった方々をどうしていくかというのはちょっと課題だと思います。ちょっと、大臣、しっかり整理をしていただければと思いますが、一言いただけるとうれしいです。
  157. 田村憲久

    ○田村国務大臣 御本人意思が確認できない方というものは、制度にのっとれば、それは成年後見人を置いていただいて、被後見人の利益を考えて判断いただくという話になると思うんですよね。それを置くのが非常に、成年後見人はそう簡単には置けませんから、難しいという話であれば、やはり本人に丁寧に御意思を確認をしていく以外は、なかなか、今の制度の中において他の方に代替をお願いするというのは、その代替をお願いされた方の負担も大変な部分がありますので、難しいのかというふうに思います。
  158. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 そもそも、成年後見の例えば医療同意の件をどうするかというのは、ずっと議論してたなざらしになっている部分なんですよね。だから、今こういったときに、どうなるのかということがかなり議論になってしまう。これから高齢社会の中で、やはり、ここはもう少し私たち国会も含めて議論していかなきゃいけないことだと思いますし、今の、先ほど申し上げた成年後見人が同意を得ることによって予防接種をするということについてはしっかり周知をしていただきたいと思います。  ちょっと時間がなくなってまいりましたので、質問を飛ばしていきたいというふうに思いますけれども、今お配りをしております、コロナワクチン開発と政治の関与、新聞記事を用意をさせていただきました。大阪において今ワクチン開発が政治とどういうふうにかかわっているのかということについて懸念点がありますので、そのことについてお伺いをしたいと思います。  まず、大前提ですが、政治は、やはりワクチン開発については、その科学的な知見がゆがむことのないように静かに見守るべきだと思います。  では、この間、大阪でどういうことがあったのかというと、実は、大阪府知事が四月の段階で、早ければ七月から治験開始し、九月には実用化を図りたいと説明をされていました。年内にも十万から二十万単位でワクチンを投与できる見通しというのも示されておりまして、その方の党の宣伝チラシには、知事の写真とともに、年内に十万、二十万単位でワクチンを投与できると記載されたものが大阪市内は配られておりました。テレビでもこのことは繰り返し発言をされました。ワクチンを期待する発言によって、治験の実施にかかわる病院関係者は予断が形成されますし、やはり、データがゆがめられる可能性有害事象を報告しないという可能性だって出てきます。  さらに、お手元の新聞を見ていただいたらと思いますが、実は、六月三十日には大阪市大でワクチンを人に投与すると、六月十七日の定例記者会見の冒頭で大阪府の吉村洋文知事が治験の日程を明らかにした。対象は市大病院の医療従事者二十人から三十人で、二〇二一年春から秋に実用化を目指したいと、その後の具体的なスケジュールにも言及した。しかし、この時点で、治験承認する市大病院の審査委員会開催されていなかった。知事は、大阪市長とともに、市大と大阪府大を運営する公立大学法人大阪の理事長の任命や多額の運営費交付金など、大学に対して大きな影響力を持つ。市大内には、医療というより政治の話になっていると反発や困惑が広がった。こういう報道がなされているわけです。  いろいろ問題が実はありまして、知事がこうして前のめりな発言をしている、そして、治験審査委員会が開かれる前にもう具体的なスケジュールが明らかになったりとか、そして、例えば、第一相試験においては、知事が、自分が一番最初に治験者にしてもらってもいいというようなことをおっしゃっているわけですね。これは、ワクチン開発の手順がないがしろにされているんじゃないか、客観的なワクチン開発になっていないんじゃないかというふうにちょっと危惧をするところです。  こういった経緯について厚労省見解をお聞きしたいと思います。
  159. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘ワクチンにつきましては、現在、その開発治験が行われているところでございますので、具体的なことにつきましてはコメントは差し控えることについて御了解していただきたいと存じますが、治験の実施につきましては、医薬品臨床試験の実施の基準に関する省令、私どもはGCP省令と呼んでおりますが、それを遵守するということとされているわけでございます。  そこにおきましては、治験する病院が満たすべき条件としての設備や人員、あるいは緊急時の措置なり、あと、関係者の責任などを明確にするということとされておりますが、加えまして、その中では、科学的に公平中立な観点から治験実施計画書が作成され、その上で、GCP省令におきまして、治験の結果に与えるバイアスを最大限排除するため、事前に規定された治験実施計画書や手順書を遵守して治験を実施することとされているわけでございます。  そして、そうした手順書や基準を守った上で、GCPの基準を守った上でなされた治験承認申請書として私どもに提出されまして、私どもはそれを審査していく。そして、時には、そうした治験を実施した病院に行って信頼性の調査をいたします。そうしたことで、こうしたGCP省令に基づいて要件を満たした治験がなされたか、そして科学的に中立なデータかということを確認して審査していくこととしております。
  160. 尾辻かな子

    ○尾辻委員 そういうふうに審査はするものだというのはわかるんですけれども、今回の大阪における政治家の方々の発言というのは、その客観性を毀損する可能性がやはりあるんじゃないかというふうに思うわけです。こういったあり方については、厚労省として何かできるのかできないのかというのはあると思いますが、今国内ワクチン開発がどういう状況開発をされていて、どういうような例えば報道や発言があるかというようなこと、ルールがゆがめられているようなときはきっちりまず把握をしていただきたいというふうに思います。  ちょっと最初の話に戻りますけれども、やはり政治が前のめりになるのは非常に危険だと思いますので、そこはしっかりと、科学のところの検証、科学でもって評価をしていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間がなくなりましたので、最後にワクチンの副反応のことだけ申し上げておきたいと思います。  やはり、副反応有害事象の被害救済は非常に大事だと思っております。それが何百万分の一であろうとも、その一に当たった人は一生分の問題になってしまいますから、ここについてはしっかりと救済のことについても取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  161. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議
  162. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行します。川内博史君。
  163. 川内博史

    ○川内委員 川内でございます。きょうもよろしくお願いいたします。  まず、新型コロナウイルス感染症感染拡大が続いていて、もう本当に、きのうも、西村大臣も、大変憂慮しているというような趣旨の御発言をされていらっしゃるわけですが、昨日、グーグルという会社が感染予測モデルを公開し、それによると、十一月十五日から十二月十二日までの四週間二十八日間で、日本全国で予測される陽性者数は五万三千三百二十一名、一日平均で千九百四名、予測される死亡者数が五百十二名、一日平均で十八名。中でも北海道が一番多くて、陽性者数が一万六千八百七十七名、一日平均で六百三名、死亡者が百十六名、一日平均四名と予測をされております。  この予測が外れるように、政治、行政としては対策を打っていかなければならないわけでありますが、本日、政府新型コロナウイルス感染症対策本部を代表して、内閣府の和田政務官に来ていただいております。政務官は北海道の選挙区でいらっしゃるということで、現在の北海道の感染拡大状況、グーグルの予測等も踏まえると、もう本当に心配だというふうに感じていらっしゃると思うんですが、現在の北海道の感染状況について、素直な御感想をまずちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。
  164. 和田義明

    ○和田大臣政務官 お答えを申し上げます。  確かに、今の北海道の状況は大変厳しく、陽性患者もふえておりますので、これまでとまた違った厳しい状況にあるというふうに認識をしております。  その一方で、北海道の感染の広がりの中身を見ておりますと、主に札幌の、とりわけ一定のエリアに増加傾向が強くあらわれているというふうなことでありますので、北海道の中でのばらつきがあるのも現状であるなと。この感染者の広がりをできるだけ少ないエリアに抑え込む必要があるというふうに感じている次第でございます。
  165. 川内博史

    ○川内委員 今、和田政務官から、一定のエリアにという御発言があったわけですけれども、その一定のエリアという言葉の中には、北海道の中の高齢者施設でのクラスターなども含まれているのであろうというふうに思いますが、ウイルスが高齢者施設、介護施設、医療施設等に入り込むと、大変厳しい、ますます厳しい状況になっていくわけでございます。  そういう意味で、きのうの北海道新聞のインタビューの記事で、政府の分科会のメンバーで国立感染症研究所の脇田所長さんが、GoToトラベルに十月一日から東京発着が追加されたことで道内の感染状況を加速させた可能性があると述べられていらっしゃいます。さらに、脇田所長は、北海道は外から来る人のほとんどが東京という事情があり、東京の感染状況がかなり影響していると述べられております。  GoToキャンペーンは、脇田所長が述べられたように、感染拡大のリスク要因であることは間違いないのではないかと私は思います。新型コロナウイルス感染症対策本部の副本部長たる厚生労働大臣でいらっしゃるわけですが、このGoToキャンペーンについて、やはり政府として何らか対応考えるべきであるということを副本部長として本部長に私は進言をすべきであるというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  166. 田村憲久

    ○田村国務大臣 脇田所長に、事務方で、どういう発言だったのかというのを確認をさせていただきました。すすきのについて九月ごろからの感染拡大があったが、十分にその傾向を抑え込めなかったことが現在の流行拡大につながっているものと思料している、こういうような発言であったようであります。あわせて、人の動きが活発化していること自体が北海道の感染拡大に影響していることは否定できないと、人の動きが活発化していることが。ただ、GoToトラベルに東京が追加されたことが原因であるとは断定していませんと。  こういう話でございまして、この新聞の記事の内容と、私は直接聞いていないものですから、あくまでも事務方に電話で確認をしていただいたわけでありますけれども、イメージがちょっと違うなという感じなんですが。  いずれにしても、GoToキャンペーンは、GoToイート等々は、総理も御発言されましたけれども、四人以内、五人以上は対象にしないというような方向で、多く集まって、御飯を食べるときにマスクを外してしゃべると、そこで飛沫で感染する可能性があるので、そういうような形で、いろいろと配慮をしながら進める。  一方で、GoToトラベルは、もう前からお話ししていますけれども、交通機関の中でどういう対応をするか。それから、向こうに行ったときのホテルや旅館の中でどういう対応をするか。それは、お客様もそうですし、もちろん事業者の方々も、それぞれガイドラインがあるわけで、ガイドライン等々や、また、我々がいろいろとリスクコミュニケーションをする中においてお伝えしているものの中で対応していただいています。  ただ、そうはいっても、これから感染が拡大していく、今非常に厳しい状況だというお話が、午前中、尾身座長からもございました。そういうことを考えますと、専門家皆様方の判断として、これはいよいよGoToトラベルがというようなお話が出てくれば、そのときには本部全体でしっかりとした議論をした上で、その中において、私、厚生労働大臣も、厚生労働大臣としての所見を述べさせていただきながら対応考えてまいりたいというふうに思っております。
  167. 川内博史

    ○川内委員 現在の感染状況は、一週間前とか二週間前の感染状況が具体化する、目に見える状況になっているということで、ある程度、わあ、これは大変だと、本当になってからではなかなか、拡大を抑えていくということが不可能になってしまうのではないかという専門家の御意見もあるわけでございます。  今、厚労大臣は、分科会からそういう提起があれば、GoToトラベルは考え直した方がいいよという提起があれば大臣として考えるということなんですが、先ほど脇田所長は断定していないと。確かに、記事でも断定していないんですよ、可能性があるとおっしゃっているわけですから。  その可能性について、感染拡大の可能性の芽を抑えていくということが感染拡大を抑えることにつながるという意味において、先手先手の対応をするということが、だって、年末年始にこれから向かっていって、年末年始は、みんな実家に帰りたいじゃないですか、田舎に帰りたいじゃないですか。そのときにGoToで帰ればいいんですよ。今はちょっと控えようね、年末までは控えようねというふうにするのが政府の役目なのではないかと私は思うんですよ。これでずっといって、年末年始、皆さん、家にいてくださいというようなことになったら、日本の正月は正月じゃなくなっちゃうわけですから、そこを政府としてどうお考えになっていらっしゃるんだろうと。  和田政務官、せっかく来ていただいているので、西村大臣に、北海道が選挙区の、要するに、地元のみんなの意見をよく聞いていらっしゃる政務官として、一言、ちょっとこれは考えましょうよということを御進言されたらどうかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
  168. 和田義明

    ○和田大臣政務官 お答え申し上げます。  ステージや指標の方を新型コロナウイルス感染症対策分科会の方でお示しいただいてございまして、ただ一方で、このステージや指標というのはあくまで目安であり、機械的に判断するものではないというふうに考えております。  また一方で、ありとあらゆるエビデンスに基づいて、やはり印象ではなくエビデンスに基づいてしっかりと判断していく必要があるというふうに考えております。例えばすすきのの人出も、GoToキャンペーンの方が多いかというと、圧倒的大多数は地元の人出であるというふうなデータも一部では出てございます。  そういったことから、今後の感染が広がり、都道府県知事が総合的に判断をして、分科会のステージ3と判断する状況となりましたら、分科会の提言、知事の判断をしっかりと尊重して見直ししていくことはあり得るわけでございますけれども、現時点では、大阪知事、北海道知事におきましても、まずは感染防止対策をしっかりと強化、徹底した上で、GoToキャンペーンについては現状は継続をする意思をお示しいただいているということでございます。
  169. 川内博史

    ○川内委員 政府の一員としての御発言を今されたわけですけれども、私は、地元でさまざまな方々の御意見を聞かれていらっしゃる一政治家としてはまた違うお考えもあるのではないかなというふうに思うんです。  田村大臣、GoToキャンペーンを一時停止するとか、あるいは中止するとか、政府としておやりになっていらっしゃることですから、それはなかなか、その判断をする、決断をするというのは大変な混乱もあるでしょう。しかし、この感染爆発を今何としても回避しなければならない、お正月に向かって回避しなければならないというときに、政府として、いや、GoToキャンペーンは大丈夫ですよ、大丈夫ですよと言っているだけというのは、ちょっと国民からすればわけがわからぬと思われると思うんですよ。  北海道の鈴木知事も、札幌とそれ以外の道内での移動は自粛してもらいたいと言いながら、いや、GoToは別にいいですからみたいな、もうニュースで出ているわけですけれども、それを見た人たちは、国民の皆さんもわけがわからぬなと思うと思うんですよね。一体、日本の政治リーダーあるいは行政のリーダーたちというのは何をしたいんだろうというふうに思われると思うんですね。  だから、一時停止とか中止という判断、ゼロか一〇〇かではなくて、今予約している人たちは、これは感染に気をつけて、いたし方ないので、それはGoToで行くことはもういたし方ないけれども、新たな予約については年末年始に向けてちょっと控えておいてくれ、控えてください、皆さんというぐらいのアナウンスは、今この時点においてはしなきゃ私はうそだと思うんですよ。新たな予約は控えてほしいということぐらいは言わないとおかしいんじゃないか、国民から理解されないんじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
  170. 田村憲久

    ○田村国務大臣 すすきので多くクラスターが起こって、象徴的に言われています。そこに関しては、今、北海道は十時以降は店をお閉めをいただく要請をかけて、それに対して支援金を出されるという話。それに対して、国の方としても、これからそういうようなこと、これは北海道だけじゃなくて、ほかのところでもそういうことが起こってまいりますので、それに対して財政的な支援をしよう、これは総理がおっしゃられて。つまり、ある意味、クラスターの象徴的な夜の飲食、特に接待を伴うものが多いのかもわかりませんが、主に飲食店、お酒が出るところですね、こういうところに対してこういうような取組というものを、政府も財政的な支援も含めてやろうということは、これは一つ大きな取組ですよね。  もう一つ言えるのは、GoToに関しては、やはり我々、専門家から、厚生労働省もアドバイザリーボードという専門家の方々の、一応、要するに諮問機関といいますか御意見をいただく機関を持っています。そこには脇田所長も、それから尾身先生も入られています。そういうところで、今GoToキャンペーンを即座にやめるべきであるというようなことはおっしゃっていられない。  つまり、言うならば、以前、例の、小学校を安倍さんが閉めたときに、皆さん、専門家は何と言っていたんだということを言われましたよね。そういうことで、我々も、専門家の方々からいろいろな御意見をしっかりといただかなきゃならぬということで、今いただいております。ですから、そこでいろいろな御意見が出てくれば、私は、アドバイザリーボードのもとの厚生労働省大臣ですから、それをもってして本部の方にいろいろと提言をしていかなきゃならないというふうに思っています。  そういう中において、じゃ、何もやらないのかということでありますから、五つの感染拡大の場面というものをお示しをして、例えば、宴会だとか、宴会ではないんだけれどもお酒を飲んだり御飯を食べたり、長時間で二次会、三次会まで行くような場面だとか、それから、マスクを外してべちゃべちゃしゃべっているようなそういう場面だとか、さらには、狭いところで共同生活しているようなそういう場面ですね。さらには、普通は仕事をしているときはマスクをして仕事をしているんだけれども、例えば一服するときに、コーヒーを飲みにみんなが集まってマスクを外して飲んで、そこで会社で感染が広がっている。たばこもそうかもわかりません。そういう場面をお示しをする中で、そういうようなところではやはり気をつけてください、やはりマスクを外すとだめですよと。  だから、私は、個人的には、今言っているような、個人的というわけでもないんですけれども、飲食用のマスクや飲食用のフェースガード、こういうもので、人数が多いところで食事をしたりお酒を飲んだりするときには、飲むときにはしゃべれませんからね、口に物を入れるときにはしゃべれませんから、入れた後はそれをふたしていただいて、飛沫が飛ばないような対応もしっかりやっていただきたいということで、これはこれでまた政府としてお願いをさせていただいておりますので。  いろいろな対応、対策を国民の方々にお願いをすると同時に、それぞれの行政が、先ほど言ったように、十時以降店を閉めてくださいというようなことに対しての支援する資金に関しては、これは国も含めていろいろと支援をしていくということで、一定の対応をする中において、とにかく何とかこの今の状況以内に抑える。これが更に広がってくると、おっしゃられるとおり、先ほど尾身先生おっしゃられましたけれども、いよいよ行動規制をしなきゃいけないということが起こってまいりますから、そうならないようにしっかりと感染対策をしてまいりたいというふうに考えています。
  171. 川内博史

    ○川内委員 大臣、日本学術会議任命拒否問題というのがあるじゃないですか。政府がおやりになろうとしていらっしゃる施策に学問的に異議を唱えた学者の先生方が任命を拒否されるということが起きているという、政府はお認めにはならないですけれども、みんなそうだと思っているわけですよ。みんながそう思っているわけですよ。  そういう中で、政府がGoToキャンペーンをやるんだと言ってやっていることに対して専門家が、いや、それは違いますよ、おかしいですよと自発的には絶対言わないですよ、だって、今の政府を取り巻く状況からすれば。  だから、今、田村大臣、いや、そんなことはないよ、ないよ、こうおっしゃっていらっしゃるので、大臣から、その厚労省専門家会議ですか、に対して、GoToトラベルをどう思う、このままやっていいと思うと聞いてくださいよ。そうしたら、聞かれたから、議論してちゃんと大臣お答えしますよと言って答えてくれると思います。聞いてください。きょう、どう思うと聞いてくださいよ。どうですか。
  172. 田村憲久

    ○田村国務大臣 アドバイザリーボードは、これはGoToのことももう常日ごろ話をしておりますので、そういう意味では、GoToを出さずに、全く闇に隠して議論しているわけではございません。そういう認識のもとで、きょう来られた先生方もメンバーとして入っていただきながら、いろいろな議論をいただいています。  もう一点申し上げれば、これは長妻委員もおっしゃっておられましたけれども、それはやはり、経済とそれから感染防止、これはもう両立をしていかなきゃならない、これはそうだと思います。北海道には北海道の経済のいろいろな事情もある、悩みもある。そんな中で、やはりその地域の皆さんのお声も聞いていかなきゃならないというふうに思います。  そういうふうにいろいろな方々の御意見をお聞きする中において、専門家意見というのはやはり非常に重いことは、これは間違いがないので、そこに私としては重きを置きながら、政府の中全体で、地方自治体皆様方とも相談しながら、最終的には判断をしてまいりたいというふうに考えております。
  173. 川内博史

    ○川内委員 何か田村大臣らしくないですね。聞くのか聞かないのかよくわからない御答弁だったわけで、国民の多くの皆さんは、このまま一体どうなるんだろうということを心配していらっしゃる。  そういう中で、専門家意見に重きを置くよということであれば、政府が、これは社会経済活動のためにやっていらっしゃるGoToキャンペーン、他方で、政府感染拡大防止ということも大方針として掲げているわけで、感染拡大防止と社会経済活動を両立させる上で、今、現時点においてGoToトラベルというものを継続することが果たして政府としての目標を達成するのに有効なものであるか否かということは専門家意見をよく聞くよというのであれば、まず専門家にどう思うと聞かないと、答えてくれないですよ。  GoToキャンペーンをやるためにどうすればいいと思うということは、今まで聞いていらっしゃると思います。こうこうこういう感染拡大防止のためのいろいろな工夫をしてやれば大丈夫ですよというふうに専門家は答えてくれていた。今、それを乗り越えて、感染が北海道などでも拡大をしているという状況ですね。  じゃ、今、現時点においてGoToキャンペーンを継続することが果たして感染拡大防止と社会経済活動の両立という大方針を満足するに足ることになるのかどうか、GoToキャンペーンについてどう思うのかということそのものについて、私は、専門家意見を聞くべきであると。聞いて、また、いや、それでもやるんだというのは、それは政治の判断ですからね、そう判断されればいいし。そこを、やはり、大臣、アドバイザリーボードに、大臣らしく、どう思うと、ちょっと聞いてくださいよ。僕らだって聞きたいですよ、専門家意見を、国民的にもね。お願いします。
  174. 田村憲久

    ○田村国務大臣 アドバイザリーボードのメンバーは、多くは分科会のメンバーでもあります。議論をするときに、常に、分科会の中では、GoToと感染拡大、こういう議論になるんです。なるんです。  その中において、よく話が出るんですが、今、GoToトラベル、三千数百万人今まで参加されていて、感染者が確認されたのが百四十何名であったと思います。まあ、ちょっとまたふえているかもわかりませんけれども。  ということを考える中において、GoToキャンペーン自体が感染拡大の中心的な役割を担って、担っているじゃないな、せいであるという話であれば、それは多分そういう議論になるんだと思うんですけれども、今のところ、そういうような議論を私は分科会でもお聞きしておりません。  ただ、GoToトラベルをやるためには、いろいろな注意点をしっかりとこれは守りながらやらなきゃならない、やれば、感染リスクは、これは低減できる、こういう話でありまして、そういう意味では、何か、聞いてくださいよと言うんですけれども、毎度、このGoToトラベルの話、キャンペーンの話というのは、分科会の中では、何らかの話題には出てくる話で、その中において、これをもう全くもってやめるべきだというような話にはなっていないということなので、議論を封殺しているわけではございませんし、常日ごろからこの議論はさせていただいておるということであります。
  175. 川内博史

    ○川内委員 議論を封殺しているわけじゃないんだったら、大臣から、じゃ、国会で聞かれたからちょっと皆さんどう思うか議論してみてくれと言っていただいていいと思うんですけれどもね。  GoToトラベルに参加して百四十何人の感染者しか発表されていないというのは、それは少なくともという前置詞がつくわけで、GoToトラベル事務局に報告のあった感染者数ですから。GoToトラベル事務局に報告のない感染者については、数字は全く把握できない仕組みになっているんですよ。GoToトラベル事務局は保健所と連携していないのでね。  全くこれは、GoToトラベル事務局にただ報告があった数が、人数が百四十何名ということだけで、それをもってGoToトラベルは感染拡大に寄与していないのだというふうに強弁されることそのものが私は政府の信頼性というものを低下させてしまうことにつながるのではないかというふうに思うんですよ。  だから、和田政務官、せっかく来ていただいているので、じゃ、西村担当大臣から分科会に、GoToキャンペーンそのものについてこの感染拡大との関係をどう考えるかということを聞いてください、議論してもらってくださいということを西村大臣に上申していただけますか、おっしゃっていただけますか。
  176. 和田義明

    ○和田大臣政務官 お答え申し上げます。  上司であります大臣とも相談はさせていただきたいと思います。  ただ、私からも一言付言させていただきたいんですけれども、コロナの分科会におきましても、参加されている有識者の方々が、本当に自由闊達に手を挙げて、GoToトラベルのことも含めて御意見を発せられておりますので、GoToの話をあえてしていないとか封殺しているということはもう一切ございませんので、そこのところだけは御理解をいただけたらなというふうに思う次第でございます。
  177. 川内博史

    ○川内委員 いや、だから、自由闊達に議論していることを否定していないんですよ。  ただし、政府がおやりになっているGoToキャンペーン、GoToトラベル、GoToイートというのは所与のものとして議論されているわけです、所与のものとしてね。そうではなくて、この感染が爆発しかかっている状況の中で政府の施策をどう考えるのかという、要するに、政府の政策に対して否定的なことを言っちゃいけない今雰囲気になっているわけですよ。それを、いや、ちょっとおかしいというようなことを言う専門家が私はいてもいいんじゃないか、あるいはいるんじゃないかと。  そういう本当の意味の自由闊達な議論をお願いしてみたらどうかということを御提案申し上げているわけで、なかなかはかばかしい御答弁がいただけなくて、私は、国民的には本当に不安だと思いますよ。  このまま感染が拡大して、各地域で拡大して、高齢者施設にウイルスが入り込む、そうするとグーグルの予測が当たってしまう。外れてほしいですよ、みんな。だけれども、それが当たってしまったときに、いや、GoToキャンペーンは関係ありませんからと、それでも多分政府はそう強弁するんでしょう。  しかし、国民は誰もそう思わないですよ。誰もそう思わない。GoToがこの感染拡大に影響しているというふうにみんな思うわけです。そう思われたくないということであれば、ここで一遍立ちどまって真摯な議論をすべきであるということを申し上げて、次に行きたいというふうに思います。  ちょっともうあと十分しかなくなっちゃって、本当はこれは、GoToのことは五分で終わらせる予定だったんですけれども。田村大臣が、じゃ、アドバイザリーボードに議論してもらうからと答弁していただくのが私のもともとの予定だったんですけれども。  じゃ、ワクチンについて質問させていただきます。  この法案の附則第八条の一番最後のところに、「当該契約に係るワクチンを使用する予防接種による健康被害に係る損害を賠償することにより生ずる損失その他当該契約に係るワクチンの性質等を踏まえ国が補償することが必要な損失を政府が補償する」ということを書いてあるんですけれども、「ワクチンの性質等」の「等」は何を指すのかということを教えていただきたいと思います。  和田政務官は、どうぞもうお下がりください。
  178. 正林督章

    ○正林政府参考人 今回のコロナワクチンについては急ピッチで開発が行われていますが、仮に開発された場合には、世界的に需要が逼迫するおそれがある中で、さまざまな企業交渉し、ワクチン確保することが求められております。  このような状況に鑑み、今回の法案では、製造販売業者等に生じた損失を政府が補償するための契約を締結できるための法的措置を行うこととしております。  具体的な範囲については企業交渉中であり、それを申し上げることで、より有利な条件で契約することが難しくなるおそれや、逆に我が国への供給を交渉前から断念する企業が生ずるおそれなどがあるほか、交渉中の企業との間での秘密保持義務もあるため、詳細を申し上げることは難しいと考えております。  なお、一般論としては、健康被害に係る損害を賠償することによる企業の損失を基本としつつ、ワクチンの供給を短期間かつ大量に行う必要があるという当該ワクチンの特殊性を踏まえ、一例を挙げれば、何らかの予期せぬ事情により、健康被害の発生を防ぐために企業に生じる費用、損失などが考えられます。
  179. 川内博史

    ○川内委員 午前中からの質疑を聞いていて、ワクチンというのは本当に難しいものなんだろうなと。打った直後の副反応、それから長期にわたって出てくるかもしれない長期的な後遺症、そういうものまで含めて国がちゃんと責任を持つよということを今おっしゃったんですか。
  180. 正林督章

    ○正林政府参考人 長期的かどうかは別として、健康被害に係る損害については、もともと附則で規定をしているところです。
  181. 川内博史

    ○川内委員 健康被害という言葉は、さっき阿部先生がすごい難しい言葉を使ったじゃないですか。すごい長い時間がたってから出てくる障害、副反応健康被害に含まれるということでよろしいですか。
  182. 正林督章

    ○正林政府参考人 そこは、ワクチンとの因果関係が認められれば、そういうことはあり得るとは思います。
  183. 川内博史

    ○川内委員 長期にわたって、二年後、三年後、あるいは五年後、十年後にもしかしたら出るかもしれない。人間の体なんて宇宙ですよね。細胞の中に何か異物を入れて、それが、それは新型コロナウイルスには効くかもしれないけれども、どんな免疫反応になっていくかはさっぱりわかりませんと。長期的に何か出たときに、それが因果関係があるのかないのかというのは誰がわかるんでしょうかね。だから、本当に難しいなというふうに思うんですよね。  そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、ワクチン安全性とは何ぞやと。安全性というのは定義されているんでしょうか。
  184. 正林督章

    ○正林政府参考人 特段、安全性について定義がされているかというのは私も承知しておりませんが、一般論考えると、ワクチンというのはどうしても副反応というのは生じます。体に異物を注入する以上、一番軽いものであれば、腫れたりとか熱を出したりとか、重い場合は、脳炎を起こしたり、場合によってお亡くなりになる場合もあります。  そういった副反応が限りなく少なく、軽症で終わるようにというのが一つ安全性の概念かなと思います。
  185. 川内博史

    ○川内委員 そうすると、安全性という言葉は定性的な言葉で、総合的に判断されるということであって、定量的に数字でもって、例えば何十万人に接種して、お亡くなりになられる方が一人出るか出ないかですというような、定量的に説明される言葉ではないということでよろしいんでしょうか。
  186. 正林督章

    ○正林政府参考人 安全性という言葉そのものはかなり定性的なものだと思います。ただ、なかなかわかりにくいので、それを国民皆様にお伝えするときに、場合によっては、何十万人当たりどのぐらいの頻度でこういう症状が起きますということはお伝えすることはあります。
  187. 川内博史

    ○川内委員 だから、正しい知識や情報を持っていただくことが重要だというふうに先ほどの御答弁でもあったんですけれども、結局、ワクチン開発に日本国政府は、まあ、どこの国の政府もそうかもしれないですけれども、非常に前のめりになっていて、もう既に一兆円ぐらい使っているわけですよね、使うことになっているわけですよね。  この前御紹介したワクチン開発の窓口になる新薬・未承認薬研究開発支援センターを通じて全ての支払いが行われるわけですけれども、ここに交付決定されている今現在の金額というのが約九千億円ぐらいだと思うんですけれども、この新薬・未承認薬研究開発支援センターは、センターの従事する従業員の数は何人ですか。
  188. 正林督章

    ○正林政府参考人 四人と認識しております。
  189. 川内博史

    ○川内委員 四人しかスタッフがいないところに九千億預けているわけですね。補助金として交付決定しているんですよ。交付するんです、九千億。そこからいろいろなところに払うわけですね。事務費が一億八千万。  この前御説明したとおり、公募期間の最後に、六月二十九日に、どうやって公募しますかという業務の内容の文書が六月二十九日に発表される。きのう聞いたら、センターから申請書類が上がってきたのが、応募の書類が郵便で到達したのが六月二十四日なんですって。要するに、中身がわからないままに、六月二十四日に申請書類が到着して、六月二十九日に管理運営要領とか交付金の交付要綱とかが発表されている。  これはおかしいんじゃないですかと聞いたら、いや、電話でいろいろやりとりしましたから、こう教えてくれました。電話で業務の内容等について打合せをした回数は何回ぐらいあったんですかね。
  190. 正林督章

    ○正林政府参考人 事業について、数回問合せがあったと思います。
  191. 川内博史

    ○川内委員 数回と。私、きのう、時系列的に何回あったのか、ちゃんと教えてくださいね、あした聞きますからねと申し上げているんです。  何回あったんですか。
  192. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 ちょっと整理してください。  じゃ、速記をとめてください。     〔速記中止〕
  193. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 速記を起こしてください。  正林健康局長。
  194. 正林督章

    ○正林政府参考人 時系列にということですので、まず、今回、令和二年度の第二次補正予算により基金を造成する仕組みを検討するに当たって、三団体へ、五月の中旬から下旬にかけて、当該事業を検討している旨の説明を行っています。  五月二十七日の第二次補正予算案に係る閣議決定の内容が公表された後に、新薬・未承認薬等研究開発支援センターから事業の詳細について数回問合せがありました。具体的な回数は本人も覚えておりません。その際、管理運営要領は示しておりませんが、第二次補正予算案に関する概要資料を示し、説明をしております。  六月十二日の公募以降は、どの団体からの問合せもなく、新薬・未承認薬等研究開発支援センターから応募書の提出がありました。それは六月二十四日であります。
  195. 川内博史

    ○川内委員 大臣、この団体から、さまざまな会社や団体に対して物すごい金額が交付されているわけですよ。政府のお金ですよね、公費です。  この応募の経緯を含めて、私は、とにかく急げ、必要なんだということで、物すごいずさんな事務処理が行われているのではないかと。だって、四人しかいない団体が何百億の申請書類を審査できますか。できるわけないじゃないですか。いや、評価委員会があるとおっしゃったけれども、評価委員会先生方たちだって、膨大な書類を全部一枚一枚見れるわけないじゃないですか。出てきたものを、右から左に、はい、どうぞと。全部国民の税金ですからね。  ワクチンは必要だけれども、そこに至る過程はきちっと手続は踏まれなければならないという意味において、この一連の経過は、大臣として一回ちょっと精査する必要があると思いますよ、私は。だって、必要な書類が発表されていないのに、なぜか申請されて、電話でいろいろ打合せはしました、数回です、でも回数は覚えていませんと。そんないいかげんなことで、八千億、九千億を預ける団体を選んだということについて、大臣として、一度ちょっと精査するということぐらいはおっしゃっていただきたいと思いますが、最後、いかがですか。
  196. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、既に持ち時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  197. 田村憲久

    ○田村国務大臣 評価委員会自体が右から左に書類を流しているということはないとは思います。ちゃんと評価をいただいて……(川内委員「流している。申請額が削られていないから」と呼ぶ)いや、流していることはないと思いますが。  いずれにしても、ここが決定するわけではないですけれども、交付するノウハウというものを持っておられるということで応募されてきたんだと思います。ただ、言われるとおり、ちょっと急ぎ過ぎたというのは事実だと思います。手続はちゃんとやるべきだと思いますので、その点は検証して、次に同じようなことがある場合には、急いでいたからとはいえ、手続を踏むようにいたしたいと思います。
  198. 川内博史

    ○川内委員 終わります。
  199. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、吉田統彦君
  200. 吉田統彦

    吉田委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。  貴重な時間ですので、質疑に入らせていただきたいと思います。  まず大臣、ことしの冬は例年より一層、まずインフルエンザのことを伺いますが、インフルエンザの流行に対する対策をしっかり進めていただかなくてはなりません。  しかし、当初、厚生労働省は十月一日から直ちに予防接種を受けるように告知しました。これだと肝心の流行期に抗体の力、ワクチン効果が薄れてしまいます。私もこの点、指摘させていただいて、厚生労働省接種時期に対して正しいアナウンスをされている、こういった経緯もあります。  しかし、けさも共同通信のネットのニュースで、流通等々、接種に至るまでのところをしっかりと調査、厚生労働省、把握してやっていくというような趣旨の報道がございましたが、今現段階、私の地元は名古屋ですが、インフルエンザ予防接種を受けたいけれども予約がとれない、コロナの流行も心配で何とか接種を受けられないかとか、あと、クリニックに電話をしてもことしの予約はもう全部終わりましたと、そういった声を現段階ですごく聞いております。  毎年なんですね、大臣、これは。毎年同じことをやっている。しかも、加えて、この大事な局面で、インフルエンザ予防接種の予約がとれない、ないしは供給不足という状況を聞いているわけであります。  先日、会派の厚生労働部会において、この点、厚生労働省の方に尋ねました。供給は足りていると堂々と答弁をされておられました。  そうすると、大臣、ここからが重要なんですが、どこの何が原因及び律速段階になって、現場における供給不足ないしは接種難民ですよ、いわゆる接種難民、こういった問題が起こっているのか。メーカーの供給が底をついているのか、薬品卸において流通をとめている、ないしは滞っているのか、それとも、あるいは医療機関そのものに問題があるのかなど、いろいろなことが考えられるんですが、ボトルネックになっているのは、大臣、何でしょうか。
  201. 田村憲久

    ○田村国務大臣 もう一カ月前でしょうか、私の地元からも、既にその時点で、ワクチンが予約が来ても物がないというような話、そして、次に入ってくるのはもう割当てが決まっているから、だからもうおたくには行かないと、何とかしてほしいというような声を、もう一カ月前だったと思います。私もすぐに担当課を呼びまして、どうなっているんだという話をいたしました。  ワクチンの量は、例年よりも一八%ぐらい多くつくっていただきました。これはもう早いうちからワクチンメーカーに、ことしはコロナがあるので、そういう意味からすると、インフルエンザワクチンの方もニーズが高まる可能性があるからつくっていただきたいということをお願いして、結果的には一八%、もちろんもっとつくればいいんでしょうけれども、鶏卵の確保だとかいろいろな問題があったんだと思います。結果的に、そうはいっても六千六百万回分ですかね。二度接種される方もおられますから、ことしは成人は一度接種でお願いいたしたいでありますとか、それから、接種時期、今委員言われました、なるべくいい時期に接種していただきたいですとか、いろいろなことをお願いしているんですが。  一つは、接種が殺到するだろうというので、抱え込まれた医療機関があるのかもわかりません。それから、いつもよりも前倒しで予約を入れようとされた、特にお子さんが結構やはり多くて、お母様方、親が子供のことを思って予約を入れているということは、よく、小児科は多いんですけれども、そういうこともあったんだと思います。  何よりも、やはり、先ほど申し上げた新型コロナウイルスというもので、発熱患者がどちらかわかりませんから、なるべく、先ほど発症予防効果はないなんて話もありましたけれども、それでも何らかの予防効果はあると思いますので、熱を出したくないということで、そういう接種の要望が早い時期に集まってきたというのもあるのかもわかりません。  いずれにいたしましても、ミスマッチが起こっていることは確かなので、これからまだ流通していく部分もありますから、そこはミスマッチが起こらないように、十分にメーカー、卸の皆様方にもお願いをさせていただきながら、打ちたい方々のところになるべく行き渡るように、我々としても努力してまいりたいというふうに思っています。
  202. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、おっしゃる趣旨はわかりますけれども、何か随分のんきな御答弁に感じますね、これは。今、第三波がコロナは来ているんですよ。そういったときに、この後質問していきますが、インフルエンザワクチンの供給ですらこんな状態になっていたら、コロナはやれませんよ、大臣。  ですから、大臣のお気持ちはわかりました。しかし、全くこれは実が出ていない状況ですので、大臣、これはちょっと深刻な状況だと思っていただいて、これはしかも毎年ですから、毎年同じことを繰り返して、毎年同じ声を聞いている。大臣はお詳しいのでよくわかっていらっしゃると思います。大臣、ここはリーダーシップをとって、本当にしっかりやってください。  これは、繰り返しになりますが、インフルエンザワクチンの不足にとどまる問題じゃないんですよ。現在、国の内外でも、きょうたくさん質問があったと思いますが、新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する重大な問題です。  今現在、政府は、国民全員に投与可能な数量ワクチン確保するとして、海外の複数のメーカーと契約をされていますね。しかし、幾ら供給がなされても、保存、流通、ここを通じて接種までしっかりと確保していくということが重要ですね。大臣もよくおわかりだと思います。どこかでとまっちゃったら接種できないんですよ。  現状、インフルエンザでこういう状況が起こっていることを鑑みると、非常に、今度は、この後も述べていきますが、保存が難しい可能性が高いですし、今回、やはり、より混乱が生じやすいわけですよ。そういった新型コロナウイルスワクチンでは一層深刻な状態が懸念されます。  では、現在、ファイザー社、よく最近報道で出ます、株もファイザー社は上がりましたね、株価。ワクチンで実に九〇%以上奏功するという、すばらしいデータですね。これはデータとしてはすばらしい。このワクチンに関して、厚生労働省は、たしか六千万本の供給契約をしていると記憶しておりますが、このワクチンの有用性に関して、有効性、有用性に関しては、どのように有効性考えられていらっしゃるか、大臣の御答弁を求めます。
  203. 田村憲久

    ○田村国務大臣 有効性ですか。(吉田委員「有用性、有効性」と呼ぶ)有効性、有用性。  まだこれは開発途上なので、いろいろなマスコミの報道等はありますけれども、我々としては、仮にある程度わかっていたとしてもそれはまだ申し上げられませんし、実際問題、まだ物ができているわけではございませんので、しっかりとそこまでは、これから評価をする段階であるということであります。
  204. 吉田統彦

    吉田委員 申し上げられなくはないと思いますけれども、それは。何らか、そういう特殊な契約を結んでいなければ申し上げられなくはないです、私も科学者ですので。まあ、わかりました。  じゃ、このワクチンが仮に非常に効果が高いものであったと仮定をする。今現在、一番早く俎上に上ってきそうなのがメッセンジャーRNAワクチンであるのは、大臣、確かですね。  しかし、これはメッセンジャーRNAというのを使っています。RNAというものは、特にメッセンジャーRNAになると非常に不安定で、簡単に壊れるんですよ。私も、かつて、ノーザンブロッティングだとかイン・サイチュー・ハイブリダイゼーションというものをやって、毎週、実はメッセンジャーRNAを検出していたので、よく知っているんです。  例えば、何かアクシデントで温度が上がっちゃったとか、あと、あらゆる生物にあまねく存在する酵素としてRNaseという、RNAを壊す酵素があるんですね、こういったものに触れたり、例えば手でさわったら、RNAは簡単に壊れます。  こういった本当に非常に壊れやすい繊細なものであります。開発しているファイザー社も、マイナス七十度の保存ということを言っていますね。実際このワクチンを使おうとすると、高度な温度管理ができる特殊な研究室ぐらいしか無理ですね。冷凍庫はマイナス二十度ですからね、大臣。  つまり、そうすると、アメリカでも非常に供給は難しいと今もう言われ始めている中で、なかなか医療資源やそういう資源が乏しい、インフラという意味ですけれども、国や貧困国では、ワクチンの入手自体をしても使えない、そういったことが起こってくる。  もう大臣は医療のことをお詳しいのであれですが、ミネソタのロチェスターにある、メイヨー・クリニックがございますね。ここにもこんな設備はないと言っていましたね。メイヨー・クリニックのワクチン研究者、グレゴリー・ポーランド氏は、このワクチンはマイナス七十から八十度で保管しなければならない、米国のみならず西側諸国以外でも物流上の重大な問題だ、メイヨー・クリニックは大病院だが、このような保存設備は備えていない、どの病院もそうだと言っています。  私も、ジョンズ・ホプキンスで勤務していたときに親しくなった、今でもしょっちゅう連絡をし合って、私の研究も一部、部下たちがまだ引き継いでやっていますので、彼らと話しましたが、ハーバードとかジョンズ・ホプキンスでもこんなのは使えない、大学病院でも診療に使えないと言っています。  翻って考えますと、これが効果が仮に高かったとしても、マイナス七十度で保存、流通、接種しなければいけませんね。マイナス七十度で流通させるということが困難ではないかと思うんですが、大臣、流通に関してどのようにお考えになられていますかね、厚生労働省
  205. 田村憲久

    ○田村国務大臣 委員は大変お詳しいので、マイナス七十度というのがどれぐらいその環境を保つのが難しいのかということをよく御理解なのだと思います。私はマイナス七十度ってよく理解できないんですけれども。  ただ、日本だけじゃなくて、これを購入する国々、先進国が多いと思いますけれども、これに対応しないとそもそも流通も何もできないわけで、そういう意味では日本も同じように、これを流通させるための対応考えなきゃいけない。  マイナス七十度程度保管できるための冷凍のシステム、冷凍庫みたいなものを、一応、三千個、これを確保すべく、めどは一応立っています。まだ今は物はありませんが。それで、運んで、ただ、どこにそれを設置するんだ、まず、それまでの輸送の部分もありますから、そういうことまで含めて全体を考えなきゃなりませんので。  ワクチン接種の円滑化のシステムというV―SYSというのは組んでいるんですけれども、それとはまたちょっと、それだけではなかなか解決できない問題でありまして。流通する、運んできたものを一旦保存して、それを今度打つときには、どれぐらいの人数で、どれぐらいの期間で打つんだ、また、保存期間がどれぐらいあるのかということまで含めて、今ちょっとマスコミ等々を通じてはいろいろ出てきていますけれども、今から細かい情報が来ると思います。  来れば、それに応じたオペレーションというものをしっかり考えないと、言われるとおり、かなりこのメッセンジャーRNAワクチンは微妙なというか不安定なものでございますから、せっかく購入しても打てなかったらこれは意味がないわけでありますので、しっかりとその部分のオペレーションは地方自治体と協力してつくってまいりたいというふうに思っております。
  206. 吉田統彦

    吉田委員 しっかり準備をされているということですけれども、これは想像を絶する予算がかかるんじゃないかなと思いますね。マイナス七十度のフリーザー自体もかなり大規模になると高額ですし、これを設置する場所も、大臣、大変ですよ。  大臣は御承知のとおり、本当にメッセンジャーRNAは簡単に壊れますし、ああいうsiRNAとかこういったものは、一個塩基が変わっちゃっても効果はなくなりますので、そういった意味で非常に重要な問題だと思います。  それで、さっき大臣も少し触れていただきましたが、大事なことをちょっと触れていただきました。そこから先ですよね。どうやって打つか。  どうも、報道ベースでしか私も聞いておりませんが、五日ほどしか冷蔵庫ではもたないと。そんなものだと恐らく思います。五日も逆にもつのかなという印象ですね。マイナス七十度から解凍しないと打てませんね、大臣、もちろん凍っていますから。これを冷蔵状態、四度Cですよね、に戻して、五日間、ないしは、今、二週間まで延ばしたいということをファイザー社はおっしゃっているようですが、でも、二週間だとしても、かかりつけ医で打つのは、大臣、不可能ですよね。  どこで接種をすることを政府としては考えていらっしゃるんでしょうか。
  207. 田村憲久

    ○田村国務大臣 おっしゃるとおり、非常に接種の仕方が難しいと。もちろん、医療機関で本来は基本的に打っていただくというのが一番、患者の皆さんの利便性だとか、それから安全性だとか、医療提供体制も含めて、考えた場合にはいいんだと思います。  このファイザーのものが医療機関で全く打てないかというと、打てるところもあるかもわかりません。ただ、限られてくるんだと思うんです。  そうなった場合には、やはり、どこかの広いスペースで、期間が今言われたとおり解凍した後限られているという話であれば、これはまだ情報が、どれぐらいかというのは我々のところに確定情報は入ってきていないので何とも言えませんが、その期間で打てるように、接種を希望される方々、クーポン券等々を配るという話になると思いますけれども、例えば、日にちだとか時間を設定して来ていただくということになろうと思います。  ただ、更に難しいのは、二回打ちということになると、その二回打ちも含めて、そういう情報接種者、希望者の方々に伝えていかなきゃなりませんから、それだけにかなり先ほど来言っておりますとおり難しいオペレーションになるとは思いますけれども、しかし、それを実現していかなきゃならぬということでございますので、努力してまいりたいというふうに思います。
  208. 吉田統彦

    吉田委員 じゃ、大臣、やれると確信をされているということでいいですか。確信を聞きたいですね、ぜひ一国民として。確信していますか、大臣
  209. 田村憲久

    ○田村国務大臣 初めてやることなので、ここで私が確信しているというような軽々しいことを言う話ではないと思います。  ただ、国民が期待をされているワクチンでございますから、それを、仮にワクチンができて、国民が希望されるならば、打つために我々はこの法律を国会にお願いしているので、最善を尽くして、希望される方に打てるように、しっかりとした計画はつくってまいりたいというふうに思います。
  210. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、それは当たり前ですよね。確信していると言うぐらいオペレーションをしっかりやらないと難しいと思いますよ。だって、どんな準備をしても、多分ほころびは出ますよ。その中で、大臣がこれなら大丈夫と確信できるぐらいのを整えないと、ほころびは絶対出ると思います。  最善を尽くすのは当然じゃないですか、それはもう大臣がいつもやられていることですから。最善を尽くすじゃなくて、やはり、しっかりと全国民にあまねく行き渡らせることを確信するようなリーダーシップをとってください。  では、日本国内ワクチン開発についてちょっと聞いてまいります。  吉村大阪府知事が、十一月七日、読売テレビの情報番組に生出演されて、大阪大学発のバイオ企業アンジェスで開発中の新型コロナウイルスのDNAプラスミドワクチンの進捗状況について、既に治験を実施するなど開発を進めているワクチンの最新状況を、十一月に入って、第三相、第四相、フェーズ4までやって、大量化する段階に入っている、安全性は一定程度確保されていると報告しています。そして、完成後は、重症化率の高い高齢者や、最前線で治療に当たる医療従事者への優先的な接種を進める考えを示したと報道されています。  そこで、まずお聞きしますが、アンジェス社の開発するDNAプラスミドワクチンについて、現在の開発状況が府知事の発言のとおりのスケジュールなのか、あるいは異なる開発状況なのか、厚生労働省の把握している進捗状況を教えてください。
  211. 田村憲久

    ○田村国務大臣 お尋ねのアンジェス社のワクチンでありますけれども、御承知のとおり現在開発中でありまして、開発中の品目に関して、その臨床試験について、それに対する評価でありますとかまた見解を述べること自体が、臨床試験の進捗や信頼性、いろいろなものに影響が出てまいりますので、お答えを差し控えさせていただきます。
  212. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、でも、おかしいですね。これは補正予算等々を組まれている中で、その進捗とかそういうものに合わせて補正予算はたしか出るような形になっているんじゃないですかね、マックスの額が決まっていて。それは今、そうすると、大臣お答えは大きく矛盾するお答えだと思いますよ。当然です、これは。矛盾しますよ、大臣。だって、そんな、当たり前じゃないですか。進捗状況、フェーズの状況等々において、研究費、たしかマックスの額が決まっていて、それを支給するんだから、そんな、それを評価できなかったら、誰が評価して誰が支給するのかと、大臣、問題になりますから、今のはおかしいですよ。  それなら、大臣はそれしかお答えにならないおつもりだと思いますので、では、もう少し、ちょっと詳しく本質的なところを聞いていきますね。大臣は、私、もう昔からよく存じ上げていますが、大変すばらしい、医療に関しても本当にお詳しい大臣なので、本当にきょうの質問を楽しみにしてまいりましたので、しっかりとお答えください。  そうすると、私も、内閣委員会でも実はこのワクチンについて何度か問わせていただいております。もう御承知だと思いますけれども、まず安全性。このDNAプラスミドワクチン接種というのは世界初の試みであるのは、大臣、御承知おきだと思います。加えて、効果なんですよ、問題は。効果に関しては、開発本人が認めるように、抗体をつくる力、いわゆる免疫を得て抗体をつくる力が極めて弱いとされているワクチンであるとの認識と見識が足りないんじゃないかと思うんです、吉村府知事は。だって、これは効かない可能性があると言っているんですよ、本人が。例えば、実際、十月二十二日にアンジェス社の創業者である大阪大学の森下教授自身が、抗体をつくる力が弱いとされる、十分な抗体が確認できるかが一番の課題だと述べています。これは効かないかもしれないよと言っているんですよ、大臣。わかりますね。効かないかもしれないよと本人が言っちゃっているんです。  このDNAプラスミドワクチンの生理活性ですよ。どうやって効くのか。メッセンジャーRNAというのは絶対効きますよ、それは。メッセンジャーRNAが体内に入ると、それは生理活性を持ちますから。遺伝子というのは、メッセンジャーRNAをつくって、そこから生理活性を持つわけですから。DNAプラスミドというのはまた全然違うんです。DNAプラスミドワクチンがどんな生理活性を持って、完全な作用機序、そういったものもまだ解明されていないと思います。  参考までに、二〇〇八年、ネイチャーで、従来関与が指摘されていたトール・ライク・リセプター9ではなくて、タンク・バインディング・キナーゼ1、TBK1が関与しているという論文が出ています。しかし、確定的じゃないんです。これは、つまり、最初はトール・ライク・リセプター9、TLR9が関係しているんじゃないかと言われていたんですよ、DNAプラスミドワクチンが効くのは。しかし、それは否定されている。  こういった意味で、まだ非常に、今ネイチャーに出た論文はある程度の信頼性はもちろんありますが、確定的な生理活性や効き方がわからないワクチンなんです。ほかのワクチンは、生理活性の持ち方や抗体を持つ過程というのはほぼ判明しております。  そこに関して、大臣はどう思われますか。効かないワクチンだと研究者本人が言っちゃっているワクチンを採用していいと思いますか。
  213. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ちょっとよくわからないんですが、効かなければ薬事申請は出てこないと思いますので。そうなれば我々は審査しません。
  214. 吉田統彦

    吉田委員 それは本人が言っているんですよ、マスコミの前で。だって、もう一回言いますけれども、十月二十二日に、抗体をつくる力が弱いとされている、十分な抗体が確認できるかが一番の課題だと本人が言っている。  委員長は多分わかっていますよ、意味。委員長は御専門ですから。  こんなことを本人が言っているワクチンは、予算をつけちゃだめですよ、こんなもの、本当に。ちょっとびっくりしていますよ、こんなことを言う。これは前から言っていますからね、アンジェス社の人。つまり、効かないワクチンだと言っているものに莫大な予算をつけて、これは大丈夫かと私は思ってしまいます。  大臣、では、逆に言うと、もう一回ここだけ答えていただきたいんですけれども、抗体をつくる力が弱いとされる、十分な抗体が確認できるかが一番の課題だと開発本人が述べているワクチンに関して、厚生労働省の長としてどう思われますか。
  215. 田村憲久

    ○田村国務大臣 にわかに今の発言がどういう意味合い、つまりどういう度合いでそういうことをおっしゃっておられるのかもよくわかりませんので。私、直接お話をお聞きしたわけではございませんし。  多分、研究費等々に対して申請を出してこられたということは、十分にこれ自体がワクチンとして完成することを前提にお考えになられていると思います。人間はそれぞれいろいろな言い回しで物事をおっしゃられますので、言われたこと自体がどういうことを思って言われているのかは御本人に聞いてみなきゃわかりませんので、コメントを差し控えさせていただきます。
  216. 吉田統彦

    吉田委員 おっしゃるとおりですよね。  ただ、そういったことであれば、実際、ちょっと一回、大臣、精査していただきたいですね。ちゃんと御本人の、何を意図してそんなことを言ったのか。そんなところに予算をつけるわけに当然いかないと思いますよ。ただ、前後の文脈やいろいろなことも重要ですよね、こういったものは。  逆に言うと、そうすると、大臣、出してきたデータや研究そのものにも疑義が出てくるわけですよ。御理解いただけますよね。つまり、今まで予算を何でつけちゃったのか、誰が審査して何でつけちゃったのかという議論になりますよね。  今大臣がおっしゃったことは真っ当なことなんですよ。そんな効果が弱いものは薬事承認もしないし、そんな効かないと言っているものには、前後の文脈がちゃんと確たるもので効かないと言っているんだったら、多分、大臣は予算をつけませんよね。だから、そういうことなんですよ。今大臣がいみじくもおっしゃっていただいたとおりなんです。だから、何でこれに予算がついているか、非常に問題なんです。  ちょっと時間がなくなってきましたので、少しそこの部分に踏み込ませていただきますが、DNAプラスミドワクチンの安定性に関しても、やはり、これはちょっと私もよくわからないので。DNAプラスミド自体は安定なんですよ。ただ、ワクチンになるとそれを修飾しているはずですから、それ自体がちゃんと安定的に供給できるものかどうかはわかりませんが。  一応、そこも大臣、どうですか、このDNAプラスミドワクチンに関しては、ファイザー社のような、供給とか、さっきのマイナス七十度を三千台とか、そんなようなことを省として準備をしなくていいようなワクチンだとお考えになられているのかということ。
  217. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ワクチン自体、まだそこまでの開発段階になっておりませんし、いろいろな意味で我々としても情報収集しているわけではございませんので、それがどういうような形で安定的に保管ができるのかということ自体、私は存じ上げておりません。
  218. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、そうですね、そこまではわからないかも。では、ちょっと役所の方にお伺いします。  今、どうなんですか。第三相、第四相をやっている。ただ、第三相、第四相は、大臣、相当進んだ状態なのはおわかりになりますよね。その中で、供給自体に関しては、このワクチンができてきた場合。だって、吉村府知事のおっしゃっていることが本当だったら、もう早晩出てくるわけですよね、ワクチンが。それに対して何らかのこれは備えが逆にファイザー社のもののように必要なのかどうかということは、どのようにお考えですか。
  219. 正林督章

    ○正林政府参考人 アンジェスに関しては、第三相まで行ったとは聞いておりません。
  220. 吉田統彦

    吉田委員 では、大阪府知事のお話というのは、何らかの勘違いをされているということでしょうか、局長。
  221. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 個別の製品の進捗は、先ほど大臣が申し述べたとおり、我々からは申し上げることはできませんが、報道で確認している限りにおいては、アンジェス社は六月末に国内一相、二相を開始したということは公表はされておりますが、それ以上の情報は持ち合わせてございません。
  222. 吉田統彦

    吉田委員 ありがとうございます。  なので、ちょっと報道、吉村知事の御発言は、まあ政府としてはよくわからないということですよね。それで結構です。  では、またDNAプラスミドワクチン、もう少し聞いてまいりたいと思います。  先ほど来申し上げたように、本人が、効かない可能性があると開発本人が言っている。これは致命的ですね、ワクチンとしては致命的。あと、さまざまな問題があると思います。  ただ、このワクチン開発費に、令和元年度には一千万円。令和二年度には、コロナ対策の第一次補正予算では実に二十億円という、ほかから突出した予算がついています。  また、二次補正は、ワクチン開発に総額五百億円、期間五年の基金が設置されて、おおよそ一研究百億円を上限として、だから、これがさっき言った話ですよ、百億円で、ワクチン開発の進捗に応じ支援される。大臣、これは関係あるんですよ、支援するんですから、その進捗状況においてと決まっていることですから。大臣先ほどの答弁、やはりおかしいです。これは、DNAプラスミドワクチン開発でもこれを利用できます。  そして、生産体制等緊急整備事業として、このアンジェスが開発するワクチンの製造に対して九十三・八億円も補助する、巨額な予算が計上されています。  なぜ、このワクチンにこのような突出した予算がつけられたのか。大臣お答えください。
  223. 田村憲久

    ○田村国務大臣 なぜですかと言われても、評価委員会評価をいただいた上で、そのような形で決定したわけであります。
  224. 吉田統彦

    吉田委員 その評価委員会、ちょっと詳細を教えていただけませんか。どのように評価委員会が、評価委員会はどのようなもので、どのような過程で決定されたのかということを。  今そうお答えになるなら、それは詳しく御存じのはずですよね。これは大事な話です。
  225. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ちょっと、詳しくといっても、私、詳しくそこまでは確認しておりませんけれども。  基本的には、研究費に関してはAMEDですよね。AMEDから、公募により、アンジェス社から申請された課題を採択したということであります。
  226. 吉田統彦

    吉田委員 では、ちょっと局長に聞きます。  局長、ちゃんと、来られたレクの方に、すごい細かく、これをどうやって決めたのか、細かく大臣にちゃんと御説明しておいてくれと言っておいたんですよ、大事なことだから。何で今みたいな答弁になるんですか。  局長、答えてください。これは正規の、全く普通の科研費等々と一緒の過程を経ておりている予算ですか。これは通告していますから、細かく。何でとまるんですか。とまる理由がわからない。
  227. 正林督章

    ○正林政府参考人 AMEDの令和二年度「創薬支援推進事業 新型コロナウイルス感染症に対するワクチン開発」で公募を行って、評価委員会、六人の専門家で構成される評価委員会評価を行い、採択されたものと理解しています。
  228. 吉田統彦

    吉田委員 何かこれ、本当に、ちょっと怪しいんですよね。私も研究者の端くれです。今も、私個人はタッチしていませんが、部下たちが世界じゅうで研究していますよ。  私は、どの研究者に聞いても、通常の科学者の研究者で、この予算がこのワクチンの研究につくわけがないとみんな言うんですよね。真っ当な科学者は、みんな、これはおかしいと言うんですね。  ここからが問題なんですけれども、実際、このワクチンができたら接種したいかとみんなに聞くと、誰も接種したくないと言うんですよ、これ、危な過ぎて、効かない。他国の研究状況を見ても、このDNAプラスミド以外は納得できるんです、予算のつき方が。しかし、他国の開発状況を見ても、通常あり得ない厚遇ぶりなのはもう明々白々なんですよ。  だから、これは、本当に適正な評価をされて、適正に予算がついていると、局長、それは断言できますね。できますか、本当に。
  229. 正林督章

    ○正林政府参考人 先ほど申し上げた評価委員会できちんと評価されて採択されたものと思っております。
  230. 吉田統彦

    吉田委員 局長、そう言っちゃいましたから、後で問題が出ても知りませんよ、本当に。これは間違いなくおかしいですから。  こんなのもう、こんなことを決めたとしたら、科学者としての善意がなさ過ぎますよ。申しわけない、本当に評価委員会で決められたなら、評価委員会に入られている方たち、私は学者として軽蔑しますね。あり得ない。こんなことがまかり通ったら科学がむちゃくちゃになるし、せめて国民の命と健康に関するところだけは本当に公平に予算をつけてほしいと、私は、科学者の端くれとして、本当に心からお願いしますよ。憤りしか感じません、はっきり言って。  アンジェスの、私はこれは危惧をしているんです、本当に、国民のために。かつて、大臣、覚えていらっしゃると思いますけれども、我が国における恥ずべき研究不正であるディオバン事件は、大臣、覚えてみえますね。これは、本当に私も情けないし、悲しい問題でありました。しかし、実は、この創業者の方、名前は申し上げませんが、ディオバン事件に深くかかわっていたことは報道でももう明らかになっておられます。また、以前から御本人は、安倍前総理とのゴルフ友達だから。これは事実です。私も、私の耳で、安倍さんに、じゃ、今度ゴルフのときに頼んでおくという声も聞いたことがございます。  こういったことで、万が一その申請のときに、まあ、罪を犯した人間が必ず罪を犯すとは限りませんが、反省をされた上で、ちゃんと正しい研究データで申請をされているのは事実ですが、私は、研究者というのは性善説によって成り立っていますので、一度研究不正をする人間は何度かするというのも、私が科学の世界で生きてきて見てきたことであります。  ですので、非常に、このAMED評価委員会、そして、効かないと本人が言っているものに、大臣、予算がついているんですよ。本人が効かないと言うものに、さっきのお話、おかしくないですか。適正な評価がされているワクチンだ、適正に予算がついているワクチンだということなのに、本人効果がない可能性があると言っているんですよ。  大臣、ここを、この予算のつけ方に関して、間違いなく、研究不正や何らかの特殊なそんたく、そういったことがなかったと大臣はお考えか、また言い切れますか。
  231. 田村憲久

    ○田村国務大臣 評価委員会で適正にされているということが前提なので、評価委員会の方で責任を持っていただいて、今回のことを評価いただいているというふうに認識いたしております。
  232. 吉田統彦

    吉田委員 まあ、でも、大臣、そのとおりですよね。そうすると、評価委員会は、効かないと本人が言っているものに予算をつけた評価委員会は、責任はありませんか、これは。  局長、どうですか。効かないと本人が言っているものに莫大な予算をつけた。それを評価した委員というのは責任がありませんか。局長、はっきりとお答えください。
  233. 正林督章

    ○正林政府参考人 効かないとおっしゃった時点がちょっとよくわからないんですが……(吉田委員「だから、さっき話したじゃないですか、報道での発言。しかも、これも僕はレクのときに言っていますから。どうぞ」と呼ぶ)  研究費の採択のタイミングと、それから効かないとおっしゃった、そのこと自体は私も把握していないんですが、その関係性がちょっとよくわからないので。
  234. 吉田統彦

    吉田委員 これは、抗体をつくる力が弱いというのは最近出た話じゃないんです。昔から彼がいろいろなインタビューで言っているんですよ。今回のコロナに対するワクチンという議題が、国家の命題が持ち上がる前から、彼はそもそもこれは抗体産生能が弱いと言っているんです。それを評価委員会は、それをもっても巨額の予算をつけたということは非常に大きな責任があると思いますよ。  大臣、ちょっと時間がなくなってきたので、ほかの大事なことを。ここからはちょっと答えやすいことなので、大臣、安心してください。  今回、国内で唯一不活化ワクチン開発をしているのが、KMバイオロジクス、東大医科研、感染研、基礎研のチームであると伺っております。この開発状況を、ちょっと大臣、教えてください。
  235. 田村憲久

    ○田村国務大臣 国立感染症研究所ということで、KMバイオロジクス株式会社、東京大学医科学研究所、それから医薬基盤・健康・栄養研究所等で、共同で新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの実用化を目指しているということでありまして、ほかに、塩野義とUMNファーマとで、共同で組み換えたんぱく、このワクチンを……(吉田委員「不活化だけお願いします」と呼ぶ)  不活化は、この三者と国立感染研究所で今やっておるところであります。
  236. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、もうちょっとお答えいただきたかったんですけれども、これこそ国立の組織ですよね、感染研というのは。ナショナルインスティテュートですよ。における開発なので最も力を尽くすべきだと私は本来は思いますよ、安全保障の一環ですから。感染研は、いわゆる感染症のナショナルインスティテュートであります。今後の世界的なパンデミック対策や未知ウイルスとの戦いに備えて、安全保障の一環として、さまざまな感染症ワクチン開発する力をもっと高めていく必要があると私は考えます。  一方、これまでヒトパピローマウイルス感染症ワクチン開発も行っていたのは承知しておりますが、結局、尻切れトンボになって、非常に残念なことに目立った成果を上げていないんです。  そこで、改めて大臣提案したいと思いますが、感染研のワクチン開発力を、人的にも予算的にも我が国感染症のナショナルインスティテュートにふさわしい規模に拡大していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
  237. 田村憲久

    ○田村国務大臣 感染研については、ワクチン開発力、これに加えて、あと、緊急時対応機能の強化でありますとか、疫学情報収集でありますとか、分析体制整備でありますとか、今、新型コロナウイルス感染のいろいろな対応等々も含めてやっていただいております。幅広く感染研では対応をいただいておるということであります。  このため、本年度予算編成におきまして、人的又は予算的な増強を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、委員がおっしゃられた、非常に期待を持っておられるワクチン開発ということでございますので、これからも、感染研、国民皆様方の期待に応えられるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  238. 吉田統彦

    吉田委員 大臣の意気込みを聞かせていただきまして、ありがとうございます。  実際に、先週からの各種報道でも、政府感染研の増強を図るとリリースされておられますよね、大臣。年末に内閣人事局からの組織・定員の内示があって、その上で感染研の新体制が明らかになると思います。  しかしながら、大事なのは、組織が肥大化されても、ガバナンスや迅速な指揮命令系統、こういったものが重要になりますね。そのためには、管理職の増員を含めた体制全体の強化をお願いしたい。ただ単に数をふやすというだけではなくて、やはり、ガバナンスと指揮命令系統の強化、こういったことを、大臣みずから目を光らせて、そのあたりしっかりやっていただきたいと思うんですが、大臣、ちょっとお答えできるところは少ないと思いますが、答えられるところがあれば、大臣、いいですか、お願いして。
  239. 田村憲久

    ○田村国務大臣 にわかに、今すぐに体制をどうのこうのと言いづらいところがありますが、これは、実は自民党の方からも、自民党の方からというか、私がコロナ対策本部長をやっているときも、司令塔機能ということを考えたときに、感染研の機能強化、さらには優秀な人材をどう集めていくか、非常に難しい課題です。公務員ですから給与体系等々の限界がある中で、どうやって優秀な人材を集めていき、一方で、NCGMと、臨床機能と、どうコラボをしていくか、こういう課題もございまして、そういうところを強化しながら、このような感染症、大規模なパンデミックを起こすような感染症等々が起こった場合に、治療法でありますとか、また、ワクチン、治療薬、こういうものの開発、それにあわせて疫学的ないろいろな調査、いろいろな仕事をやっていただいておりますから、そういうものに対応できるような、そういう組織にしていくべく、自分で提言を出して自分で今受け取っておりますので、そういう体制、どういう形でこれから進めていくか、課題も多いわけでありますけれども、検討してまいりたいというふうに思います。
  240. 吉田統彦

    吉田委員 大臣、本当に期待をしております。厚生労働省、せっかくすばらしい大臣をいただかれているわけですから、ぜひ頑張っていただいて。ただ、大臣はそう思っても、大臣の思うようにいかない場合もあるでしょうから、内示の内容によっては、また年明けの通常会等々で、内閣人事局も交えて議論をしてまいりたいと思います。  もっとたくさん聞きたいんですけれども、ちょっともう時間がなくなってきましたので、本法案に関して、損失補償契約の損失の範囲をどのように定めるかだけ、最後に一問聞かせていただきたいと思います。  これはもうほかの委員からも聞かれていると思いますが、今回の改正法の特徴は、政府が、ワクチンの使用による健康被害に係る損害を賠償すること等によって生じた製造販売業者等の損失を補償することを約する契約を締結できることとするということだと思います。  今回の新型コロナワクチンにおいては、現時点開発途上で、副反応などについても今までのワクチンとは異なる障害が生じるおそれがありますね。これはさっき別の委員から、川内委員だったと思いますが、将来にわたって何か出てくるなどということもあるのは、これも十分理解できます。  しかし、その一方で、損失補償が青天井で認められてしまうと、国民の負担という意味で、国民の負担という点からも、また適正な厚生労働行政の維持の観点からも問題が出てくる可能性があると考えます。  そこで、この損失補償の範囲についてどのように定めていくつもりなのか、大臣見解をお伺いします。
  241. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ワクチンというのは、供給、短期的に大量にという形の中で、一方で、今回のこの新型コロナワクチンのように開発間もないという形になると、やはりそれぞれとり合いになるという傾向もあります。  そういう意味で、いろいろな健康被害等々が起こった場合に損失をどう補償するかということが前提でありますが、内容的には、ちょっといろいろな部分を、範囲をお答えするということになりますと、これは、これから我が国が他のメーカーからワクチンを供給する場合に制約になったり、若しくは我が国にはワクチンを供給できないということも考えられますので、具体的な内容に関しては差し控えさせていただきたいと思います。
  242. 吉田統彦

    吉田委員 ただ、どこかのタイミングではしっかりとその辺を明らかにしていただかなきゃいけないんですが。  大臣大臣も子供のころからいろいろなワクチンを打たれていますよね、当たり前ですけれども。いろいろワクチンはございまして、例えば、私は昔ガーナとかで医療のボランティアに、ジョンズ・ホプキンスにいるとき行ったりしていたので、いわゆる黄熱病の流行地域ですね、イエローカードを私は持っているんですよ。  黄熱病のワクチンなんかは、あれは本当に、生ワクチンなんですけれども、しばらく体調が悪くなるくらいやはり強力なんです。私も、打った日の夜、本当に死ぬんじゃないかと思ったんですよ。悪寒とすごい熱と、もう体に力が入らなくなっちゃって。たまに死ぬと書いてありますからね、添付文書に。書いてあるんですよ、アメリカははっきり書いてありますので。これはまずいなと思ったんですよ。やはり、ワクチンは身を守るため、もちろん黄熱病にかかるよりは、ワクチンをやらなきゃいけないんですけれども、リスクを本当に伴うと実感もしているんですね。  くれぐれも、一言だけ申し上げますが、先ほどちゃんと薬事承認はやるとおっしゃっていましたが、少なくとも効果が判然としないものを、この前の評価は問題だったと思います、はっきり言って、予算をつけたのは。これは反省していただいて、こういった薬事承認、そしてこれからの予算づけに関しては、田村厚労大臣がリーダーシップをとっていただいて、本当にお詳しいですから、私なんかよりずっとお詳しいと思いますので、しっかり頑張っていただきたいことを期待させていただきまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  243. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
  244. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  大臣、東京の本日の新しい感染確認者数は四百九十三人ということで、過去最多ということが今速報で流れている状況であります。きょう朝から議論になっておりますけれども、GoTo事業のあり方も含めて、東京は警戒レベルを一番最高まで上げる検討をするということも流れておりますけれども、GoTo事業のあり方も含めて、至急やはり専門家の皆さんの意見を聞いていただくしかないと思うんですよ。  先ほどの川内さんとのやりとりでははっきりしなかったんですけれども、北海道もそうですし、東京もこういう事態だということで、至急、専門家の皆さんの意見を聞いて、GoTo事業の見直しも含めて検討していただきたいと思いますが、いかがですか。     〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
  245. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほども申し上げておりますけれども、GoTo事業のことは常に会議の中で検討させていただいておりますので、その中で専門家の方々のいろいろな御意見が出てくるということになれば、それを踏まえた上で検討させていただきたいというふうに思います。
  246. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、常にやっていると思うんですけれども、こういう最高の感染状況に東京もなってきているということなわけですよ。前回も私、議論させていただきましたけれども、飲食の場で感染が広がっている、五つの場面に注意しましょう、しかし、それがなかなか伝わっていないと。伝わっていないと言いながら、GoToイートは、税金を出してどんどん食べに行きましょうというのは、どう考えても政治が出すメッセージとしてとんちんかんなんですよ。  ここはすぱっと、感染拡大防止、今何が必要なのか、そのためにGoToも一旦見直す、繰り延べる、みんなで一旦終息方向に向かいましょうというのをぜひ政治としてメッセージを発していただきたいですし、厚労大臣としてしっかり役割を果たしていただきたいということを申し上げまして、ワクチン質問に入ります。  それで、昨日、参考人質疑がありました。午前も紹介がありましたけれども、その場で岡部参考人から、コロナの分科会のメンバーであり、政府内閣参与でもある岡部先生は、やはり第三相試験を基本的にはやるべきだという意見をおっしゃっておられました。大変重たい意見だと思いますので、大臣の受けとめをお伺いしたいと思います。
  247. 田村憲久

    ○田村国務大臣 PMDAの今回の評価のあり方というものは、先ほど来、理事長も来られておりましたので、お話が出ていたと思います。  安全性に関しては、国内でも臨床試験をやる中において確認をしていく。それから、有効性に関しましては、もちろん一定の安全性もそうなんでしょうけれども、海外でやっているもの、これにおいて、例えば発症予防効果でありますとか重症化予防効果、こういうものをしっかり確認しながら、免疫原性が一貫しているということを確認した上で最終的には評価をしていくということでございますので、一定の臨床試験はやりますから、その中においても安全性というものは確認していくということになると思います。
  248. 宮本徹

    ○宮本委員 それはもうずっとその答弁は聞かせていただいているわけですけれども、そういう政府の答弁があるもとで、昨日、岡部先生も、やはり第三相試験は基本としてやるべきだろう、人数だとか期限だとかを決めてやるべきだということをおっしゃっているわけですね。  さらに、きのうの参考人質疑で宮坂先生からはこういう話があったんですね。過去に海外データのみで第三相試験を行わずに新薬をスピード認可して痛い目に遭ったことがある、抗リウマチ薬のアラバ、二〇〇三年に第三相試験なしに承認、日本の登録患者五千三百二十名中、二十五名が間質性肺炎で死亡した、海外ではほとんど間質性肺炎の報告はなかった、薬の量が外国人に合う量と日本人に合う量は違ったんだという話だったわけですよね。  ワクチンで第三相試験をやらずにこのまま接種を始めて、こうした間違いが起きない、こうした大変な事態が起きないという保証はないんじゃないですか。
  249. 田村憲久

    ○田村国務大臣 何度も申し上げますけれども、日米欧で薬事規制当局でいろいろと議論をする中において一定の考え方というものをPMDAも用いるということでございまして、それが先ほど申し上げていることであります。  一方、きょう、午前中、健康局長でしたか、申し上げたと思いますけれども、薬事承認された後、接種が始まる中で、医療機関関係者等々を打っていくという一応優先順位がありますけれども、そういう中において副作用報告等々があれば、それに対してはしっかり我々は評価をして対応していくということになるわけであります。
  250. 宮本徹

    ○宮本委員 ですから、打ち始めていろいろな被害が出たら取り返しがつかないじゃないですかという話だと思うんですよね。  もし、第三相試験を行わずに、実は、このワクチンは欧米の人には合ったかもわからないけれども、どうも日本人には違う作用が働いてしまった、重大な健康被害が相次ぐような事態になったら誰が責任をとるんですか。責任は誰もとれないんじゃないですか。
  251. 正林督章

    ○正林政府参考人 予防接種法に基づいて接種開始されて、結果として健康被害が発生した場合は、法に基づき健康被害救済制度が適用されると思います。
  252. 宮本徹

    ○宮本委員 健康被害救済制度があるから第三相試験はやらなくていいんだというのは、それはちょっと暴論じゃないですか。やはりできる限りの安全性有効性を確認しなきゃいけないという責任が私はあるというふうに思います。  それで、朝からの議論を聞いていますと、第三相試験を海外ではやっているんだ、日本人の第一相、第二相と比較したら、人種差も含めて有効性安全性は確認できるんだという答弁がされているわけですけれども、本当にそうなんですかね。もしそんなことができるんだったら、世界じゅうどこでも第三相試験は要らないということになっちゃうわけですよ。世界じゅうと言わないですけれどもね。海外の薬については要らないという議論にもなっちゃうわけですよね。私はそうじゃないと思うんです。  ファイザーでいえば、日本人は百六十人、第一相、第二相の試験ということが言われておりますが、百六十人程度で、免疫原性だとか、副反応有害事象の頻度と内容が同程度なのか調べるということを言っておりますけれども、百六十人程度の第一相、第二相と海外の第三相を比較するというのは、統計学上これで十分な数なんですか。
  253. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 百六十というのはファイザー前提とされているので、個別の医薬品についてのお答えにはなりませんけれども、繰り返しで恐縮でございますが、先ほど来申し上げていますように、新型コロナワクチン評価考え方におきましては、日本のように感染症患者の発症率の低い国におきましては、ワクチン評価につきまして、海外での大規模な臨床試験での効果、そして、海外の臨床試験と国内臨床試験との間の免疫原性が一貫しているかということを総合的に勘案するということとしておりまして、それを見て、可能な限りのデータ、そして最新の科学的知見で御指摘の点について承認審査していくということになります。
  254. 宮本徹

    ○宮本委員 だから、総合的に勘案なんという何かいろいろなときに使う適当な言葉で説明されたら、本当にみんな困っちゃいますよ。何にも説明していないですよ、総合的に勘案なんて言われちゃうと。  例えば、百六十人といったら、年齢ごとで分けると二十代から八十代までですよね、ファイザーのもので見たら。年齢ごとで見たら、二十代は二十人とか、その程度ですよね。せいぜい二十人程度ぐらいですよね、二十、三十、四十と。二十人程度のしか調べない、それぞれの年代でいえば、ということになっているわけですよね。基礎疾患の有無だとかいろいろなこと、年齢による違いだとかいろいろなこと、有効性安全性を確認する際には考えなきゃいけないことがたくさんあると思うんですけれども、百六十人でいいとは私はとても思えないんですよ。  感覚としても大臣もそう思われませんか。それは、事前に各国の薬事規制当局間でそういう話になっているという話はもう何回も聞きましたけれども、それでも専門家の皆さんからは、やはり第三相試験をした方がいいんじゃないか、この百六十人で大丈夫なのかという声が上がっているわけですよ。  岡部先生は与党の皆さんが推薦して来ていただいたわけですからね。そこをどうお考えなんでしょうか。
  255. 田村憲久

    ○田村国務大臣 それは、岡部先生自身が、第三相というものを十分に広範にやれる、短期間の間にということであればそういうことなんだろうと思いますが、御承知のとおり、日本の場合、感染者が欧米と比べてかなりの数少ないので、そういう意味からすると、三相試験をしっかり欧米並みにやろうということになればワクチン接種時期というのはかなりおくれるということも予想されるわけでありまして、そういうことを総合的に判断した上で、今回のことを各欧米の薬事当局、規制当局と話す中において一つ考え方として示してきているわけであります。  そこのところは、なかなか、我々としても非常に悩ましいところであることは確かでありますが、いかにしてワクチンを早く国民皆様に安全で、そして有効なものをと考えたときに、このような一つ考え方ということでPMDAの中においてまとめていただいたということであろうと思います。
  256. 宮本徹

    ○宮本委員 残念ながら、日本の感染状況も今どんどんどんどん広がっている状況ですから、それはまだ欧米並みではないというのは当然そうですけれども、一定の規模で時間を区切ってやるというのは私は一つの選択だというふうに思います。  その上で、抗体依存性感染増強、ADEについてきょうも議論になっておりましたけれども、ちょっとお伺いしますけれども、新型コロナウイルスは、再感染した例というのがいろいろ海外でも報告されておりますけれども、再感染した例、そして、再感染重症化した例というのはどれぐらい起きているのか、そして、それは一般的に起こり得るものなのかということについてお伺いしたいと思います。
  257. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  一般的には、感染症に罹患すると抗体を獲得し、治癒した後は短期間に再感染することは考えにくいものとされています。  今般の新型コロナウイルス感染症については、感染後に抗体を獲得する可能性が高いとされている一方で、抗体の持続期間等は現在研究が進められている段階であり、再感染の詳細に関する知見は限られていると認識しています。  具体的な再感染の事例については、例えば、香港大学において、新型コロナウイルス感染の回復後に再び陽性と診断された症例が報告されていると承知しています。  また、御指摘の再感染における重症化については、今般の新型コロナウイルス感染症について、再感染した際に初回感染時よりも重症化したとの報告がある一方で、それに反する報告もあり、現時点で二度目の感染重症化するという性質は明らかになっていないと承知しています。  いずれにしても、御指摘の点も踏まえ、新型コロナウイルスに関する科学的知見を収集してまいりたいと考えております。
  258. 宮本徹

    ○宮本委員 再感染して重症化した例もあるけれども、それが一般的なものかどうかまだわからないということですが、きのうの参考人質疑では、感染によって善玉の抗体ができるのか、あるいは疾病増強をもたらすような悪玉抗体ができるのかというのは、一般的には個人的な差があるというお話でした。人種差があるのかと私は聞きましたけれども、人種差についてはわからないというお話だったんですよね。  百六十人の臨床試験を今ファイザーも日本でやっているということなわけですけれども、きのうのお話では、この百六十人では実際に今の日本の感染状況では感染する人はほとんどいないであろうと。なので、ADEが起きるかどうかの人種差の確認はとてもできないのではないかということなんですよね。  ですから、その点は、抗体をいろいろ比較して調べるということをやっても、再感染でADEが起きやすいか起きにくいかという人種差については、この百六十人の臨床試験だけではとても答えが出ないのではないか。この点はそうですよね。
  259. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 まず、一般論としてお答えいたしますが、御指摘の疾患増強、ADEについては、臨床試験の結果、それから動物試験の結果を勘案して検討いたします。  また、個別の開発品目については申し上げられませんが、これも一般論ですが、私どもとしては、企業が集めたデータ治験データですが、それを踏まえて御指摘の点も含めて承認審査していくということになります。
  260. 宮本徹

    ○宮本委員 ですけれども、百六十人だと感染する人がほぼ出ないでしょうから、このワクチンによってADEが起きるか起きないかもわからないじゃないですか。それは企業治験を当然集めて調べていただかなきゃいけないですけれども。  ですから、このADEの問題、人種差があるかどうかもわからないと言われていることを一つとっても、私はちゃんと一定の検証的臨床試験、第三相の試験をやる必要があると思います。  あわせて、先ほど田村大臣から、接種を始めるときに一万人程度の方について一定期間調査するというお話があったので、これについても少しお伺いしたいんですけれども、これは基本的には何を目的にして行うということでよろしいんでしょうか。
  261. 正林督章

    ○正林政府参考人 午前中も御答弁申し上げましたが、これは、接種開始時に、最初に接種を行う被接種者、仮に医療従事者の方がトップグループであれば恐らく医療従事者になると思いますが、そういう方々に協力を求めて、そうした方々の同意のもとに、接種後、一定期間健康状況を報告いただき、迅速にその結果を取りまとめて公表するということを検討しています。  目的としては健康状況の報告ですので、いわばどんな副反応が出るかとか、そういったことも報告の一つになるかと思っています。
  262. 宮本徹

    ○宮本委員 先ほど説明ですと、そうすると、予防接種を順番に打っていく際に、まずこの一万人だけ先にやるのか、それとも、全体で並行して何十万人、百万人と打つ中で一万人の人を調べるのか、どちらなんですか。
  263. 正林督章

    ○正林政府参考人 一万人の方が先に打つという考えもありますし、同時並行的ということもあるかと思います。まだ現段階では決めておりません。これから検討していきたいと思います。
  264. 宮本徹

    ○宮本委員 基本的には私は第三相試験をやるべきという立場ですけれども、もし政府がそういうことを考えているんでしたら、私は、同時並行的じゃなくて、先にまず一万人希望者を募ってやるというやり方が当然とられるべき方法だと思いますよ、もし安全性をちゃんと確認しようというためにこういうやり方を考えられているんでしたら。一遍に打ち始めたら、健康被害がいっぱい出たら本当に大変な事態になりますので、そのことは申し上げておきたいというふうに思います。  これは一定期間調査をするということですけれども、それはどれぐらいの間隔を考えていますか。
  265. 正林督章

    ○正林政府参考人 今はまだ検討中ですので、どのぐらいの期間かは決めておりません。
  266. 宮本徹

    ○宮本委員 それから、あと、一万人程度ということなんですけれども、この一万人の根拠というのは何なんですかね。
  267. 正林督章

    ○正林政府参考人 午前中に一万人と申し上げましたが、まだ数字もきちんと固めたわけではありません。これからきちんと検討していきたいと思います。
  268. 宮本徹

    ○宮本委員 大変生煮えのままきょうのいろいろな報告があったのかなという感じがしますが、これは専門家の皆さんの知見も交えて改めて考えないと、何となく、与党から一万人規模でやれと初日に質問があったから、じゃ一万人で、こういうことでというので通そうとしているのかなという感じもしてしまいますので、ここはしっかりと議論は詰めていただきたいなというふうに思います。  それから、PMDA審査ですけれども、これは審査期間を短縮するということを言われているわけですね、通常なら一年ぐらいかかるけれども、迅速にやると。じゃ、この審査で省略を検討しているものは何なんでしょうか。
  269. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 お答え申し上げます。  新型コロナワクチンについては最優先審査をするということにしております。  それで、可能な限り審査期間の短縮を考えているわけでございますが、それは、基本的には、プロセスを省略するのではなくて、品質、有効性安全性に関して必要な確認は実施するという前提のもとに、申請前から、企業からの相談対応、その中で無駄な作業というんでしょうかをなくす、あるいはあらかじめ審査当局の考えを伝えるということでございます。それから、申請後におきましても、先ほども申し上げましたように最優先で処理をするということで、全体の作業の迅速化を図るということを考えているところでございます。
  270. 宮本徹

    ○宮本委員 確認ですけれども、先ほど基本的にという言い方をされたから心配なんですけれども、プロセスで有効性安全性にかかわるものについて省略するものはないという理解でよろしいわけですね。
  271. 鎌田光明

    鎌田政府参考人 薬事承認については、プロセスの省略ではなくて、安全性、品質、有効性に関して必要な確認をしていくという考え方でございます。
  272. 宮本徹

    ○宮本委員 じゃ、それは今までやってきたものを省略するものはないということで確認をさせていただきたいというふうに思います。  次に、努力義務についてお伺いをしたいというふうに思います。  今回、この努力義務は外せることにもなっているわけですけれども、接種が始まる前にも努力義務を外すことは法律上可能ですよね。
  273. 正林督章

    ○正林政府参考人 可能です。
  274. 宮本徹

    ○宮本委員 接種が始まる前に努力義務を外すというのは、具体的にはどういうケースが想定されるんでしょうか。
  275. 田村憲久

    ○田村国務大臣 使用実績が乏しい中でございますので、接種開始時という話だと思いますけれども、このときに、予防接種安全性有効性、これに対しての情報量に制約が生じる等が起こった場合には努力義務を外すということはあり得ると思います。
  276. 宮本徹

    ○宮本委員 それは今までの説明以上のものを出ていないので、余り具体的ではなくて、よくわからないんですけれども、情報は初めから限られているわけですから、その論理からいえば、初めから外していればいいという話になるというふうに思います。  先ほど、一万人になるかどうかわからないという話ですけれども、今の政府考えでは、あらかじめ、あらかじめになるか同時並行かもまだわからないという話ですけれども、調査を一定規模で行うという話もされているわけですね。それは安全性を確認する、副反応だとか有害事象だとかを確認していくというお話があったわけですよね。  そういうことを考えているのであれば、少なくとも、それが終わるまでは努力義務をつけるというのはなかなか筋違いなのかなというふうに思いますが、その点は大臣、どう思われますか。     〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
  277. 田村憲久

    ○田村国務大臣 法律の前提が努力義務を課すということになっております。一方で、薬事承認をしていよいよ予防接種という段になったときに、そのときの有効性安全性、一定程度はそれを認められておりますから薬事承認がされるわけでありますけれども、本来求めておる効果効能等々、安全性を含めて比較考量した場合に、努力義務を外すということはあり得るんだろうと思います。それも、もちろん、全部ということもあれば、年齢別だとか、いろいろな形での努力義務を外すという形態はあろうと思います。
  278. 宮本徹

    ○宮本委員 初めの議論にちょっと戻っちゃいますけれども、やはり、人種差についての確認できる第三相試験をやらないまま、私はやるべきだと思いますが、やらないままもし政府承認するというふうになった場合は、私は、やはりそれは努力義務というのはつけるべきではない、なじまないというふうに思います。だって、さっき言ったとおり法律上は外せるわけですから、それは大臣のえいやということで外していただいたらいいと思うんですけれども、つけなきゃいけない理由もないわけですよ。つけなきゃいけない理由はどこにも見当たらない。  この間、本当に参考人の皆さんも政府の答弁者の皆さんもみんな、ワクチン接種は何よりも自分の判断、自己判断の尊重が大事だという話もされているわけですし、ましてや、人種差についてのしっかりとした試験が今回なされない可能性が高いもとで、これは外さないと。そういう選択肢も考えておくと。今外しますと言わなくてもいいですが、そういう選択肢も考えておく、排除されていないと。まあ、排除されていないまでは言えますよね、今。排除されていないと、それだけ答弁いただけますか。
  279. 田村憲久

    ○田村国務大臣 法律は、原則努力義務という形になっております。しかし、今言われたように、例外的に外すことができるということになっています。  そのときの状況等々を勘案した上で総合的に判断して、それを外せるということであります。
  280. 宮本徹

    ○宮本委員 それは法律をそのまま説明していただいている話で、もうちょっと、やはり、今回は臨床試験、一相、二相は日本人でやっているけれども、第三相はやらないままの承認になるかもわからない、そういう場合は外すことも法律上可能だというふうになっているので、そういうことを踏まえて判断したい、こういう答弁をしていただければと思います。
  281. 田村憲久

    ○田村国務大臣 何か誘導的におっしゃられるんですけれども、いずれにしても、有効性安全性というもの、リスクとベネフィット、いろいろなものを比較考量した上で、そのときに必要であれば努力義務を外すということでございますので、委員が言われたことがそれに当たるとすれば、そのときにはあり得るということだと思います。
  282. 宮本徹

    ○宮本委員 私は、これは法律上外せるものですから、本当に外していただきたいということを繰り返し申し上げておきたいと思います。  それから、ワクチン接種優先順位にかかわってちょっとお伺いしたいこともあるんですけれども、今回は医療従事者と高齢者からということが今のところ示されているわけでありますけれども、高齢者については、当然、重症化リスクということが考えられているからだと思うんですね。  それと同時に、今回、新型コロナは全身症状が出る、そのことによって後遺症がかなりの方に出ているということが報道されているわけであります。  もし、今、後遺症の研究がどこまで進んでいるのかは私もわからないんですけれども、こういう傾向の方には若い人でも後遺症が出やすいだとか、そういうことがわかるようになったら、ワクチン接種順位というのは、重症化リスクと同時に後遺症のリスク、こういうのも検討していく課題になるのかなと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
  283. 正林督章

    ○正林政府参考人 新型コロナウイルス感染症から回復された方のうち、一定の割合で何らかの症状が持続している方がいるという報告がされているのは承知しているところです。  ただし、新型コロナウイルス感染症からの回復後に見られる症状については、いまだ新型コロナウイルス感染症との関連の有無が明らかになっていない点も多く、まずはその実態を明らかにしていくことが重要と考えております。  現在、厚生労働科学研究において、本年八月から、その実態の把握や原因の究明に関する調査研究を実施しているところであり、こうした研究によって知見を集積してまいりたいと考えております。
  284. 宮本徹

    ○宮本委員 八月から始めているその調査というのは、いつごろに中間的なまとめのようなものが出るんでしょうか。
  285. 正林督章

    ○正林政府参考人 研究費は、通常、年度で閉じますので、三月に一応研究事業が終わって報告は翌月とかそれ以降に上がってきますが、今のところ、中間報告をいただくということまでは予定はしておりません。
  286. 宮本徹

    ○宮本委員 中間報告は予定していないということですけれども、重症化リスクの方と違う人たちが後遺症のリスクがあるということにもしなれば、この間テレビを見ていましたら、後遺症が出ている人の平均年齢が四十四歳だという報道もあったわけですね。若い人でももし何らかの要素があってそういう後遺症が残る傾向というのがわかれば当然ワクチンの順位というのも上げなきゃいけないのかなというふうに思いますので、研究結果を待ちたいというふうに思います。  残り時間が短くなりましたけれども、あと、損失補償契約についてお伺いします。  きのうの参考人質疑の中で、損失補償契約について、事前の十分な安全性の検証に対する企業の動機づけを著しく弱めるのではないのか、こういう懸念の声が出ました。また、データ偽装等に適用しないこと、可能な限りの情報開示と説明責任を果たすことが必要というような意見も出たわけですけれども、こうした意見について厚労省としてはどう考えているのかということをお伺いしたいと思います。
  287. 田村憲久

    ○田村国務大臣 新型コロナウイルス感染症という初めての疾病に向かってのワクチンということで、世界でまだ、幾つかの国はできたと言っている国もあられますけれども、実際問題、我が国が供給いただくような段階には来ていないわけで、世界じゅう、やはりとり合いというか逼迫している状況です。  やはり、短期間で大量に供給をいただかなきゃならぬというような制約がある中で、一定程度の損失補償契約というものを結ばないと、なかなかワクチンというものを供給をしていただきづらくなるというような状況がある中でございますので、いろいろなお考え方はあろうと思いますけれども、我々としては、今般、ワクチン供給メーカーとそのようなものを結ばせていただいておる。  中身に関しては、もう委員も御承知のとおり、これから我が国が他のワクチン等々を購入したりする中において制約がかかってまいりますので、それは申し上げられませんが、国民皆様方の理解の得られる範囲というものを考えながら我々としては交渉に当たらせていただいておるということであります。
  288. 宮本徹

    ○宮本委員 時間になりましたので終わりますけれども、しっかり説明責任が果たせる契約にしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  289. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  290. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。  本日も質問をよろしくお願いいたします。  早速ですけれども、新型コロナウイルスに対するワクチン、この問題、まず十八歳未満への接種についてお伺いします。  先日の当委員会の私の質問で、田村厚生大臣の方も、第三相が十八歳未満に行われない場合には、そこは承認の対象とはならないというようなお答えだったと思います。ただし、現在、報道によれば、ファイザー社のみは、十八歳未満であっても、十二歳以上から治験をされていると。ということは、可能性としてですけれども、ファイザー社の場合には十二歳以上十八歳未満、十七歳までですね、対象となる見込みはあろうかと思います。  そして、他社、残り二社も、場合によっては治験を追加するかもしれませんので、やはり、十八歳未満に対する接種については注意深く考えていかなければならないと思っております。  昨日の当委員会参考人質疑において、専門家である岡部参考人そして宮坂参考人は、このように御答弁されております。  まず、宮坂参考人の方ですけれども、既に申し上げましたが、私は、二十代以下、若年者に対するワクチン接種は、今すぐ急ぐ必要はないと考えていますと。二十代以下という表現をされております。  それから岡部先生の方は、私も途中で申し上げましたように、対象をはっきり、明確にしておくということはそういう意味であって、特に小児あるいは二十歳未満ということでいえば、感染者がいないわけではないんですけれども重症化が非常に少ないということであれば、仮に副反応が少し出てきた場合のことを考えれば、今すぐ対象にはならないと思います、ただ、疫学的に本当に小児に少ないかどうかというのはこれからの流行の度合いによっても違ってくるので、そこは、大丈夫だ、大丈夫だといって何もしないのではなくて、きちんと疫学状況を見ていく必要はあるというふうに思います、それから、治験段階でも、妊婦という話もありましたけれども、小児、妊婦というのは治験の対象になっていませんので、それがなっていないのに、これを接種対象にすぐ入れるということは、これは必要ないのではなくてやらないのがいいと思います、こうはっきり述べられております。  つまり、お二人とも、十八歳未満への接種は慎重に、控えるべきである、そういうお考えでした。  一方で、私の方が非常に心配しておるのは、厚労省の、新型コロナウイルスに対する病態把握、これに対して不熱心な、あるいは情報を開示しない姿勢です。  添付資料の3、4をごらんください。  この3、4、これは非常にはっきりわかるわけですけれども、これもアドバイザリーボードの参考資料ということで、私の方、厚労省に聞いて、ようやく居場所がわかったわけですけれども、まず最初に開示されていたのは、六月何日だったかちょっとあれですけれども、六月から八月の確定患者の重症化率です。  これをごらんいただければ一目でわかるんですけれども、この新型コロナウイルスというのは、物すごく世代間がはっきり分かれています、特徴が。九十代以上は重症化率が一六・六四、八十代以上が一四・五〇、七十代が八・四〇、六十代が三・八五、五十代が一・四七、四十代が〇・五四、三十代になるともう〇・〇九です。二十代は〇・〇三で、十代はゼロ、十歳未満は一人いるものですから〇・〇九です。これを見ると、重症化する確率が若い世代は非常に少ないというのが一目でわかると思います。  それから、重症化率が低いものですから、致死率も同様に若い世代は本当に少ない。十代はゼロ、十歳未満はゼロです。これは三月のトータルでゼロです。これは六から八になっていますけれども、死亡率については私つかんでおりますので、十歳未満はゼロ、十代はゼロです。  ここからが問題なんですけれども、これだと割合しかわからないので、絶対数がどうなのかということが非常に気になったわけです。SNSではこの点についてすごく熱心に見ておられる方もいて、どこにあるかわからぬと。私もわからなかったので、厚労省にずっと聞いてきました、年代別の絶対数を教えてくださいと。それはとっていないという答えでした。  それで、きのうの時点も、夕方までは、例えば、今入院している人の重症者はわかるんだけれども、絶対数はとっていないという話だったんですね。そんなのおかしいじゃないかと。あした、そこの点を大臣にもきっちり聞くし、でも、よく考えてみたら、重症化率はわかっているんだから、絶対数がわからないはずないでしょう、計算すれば出てくるわけですから。  そう言ったところ、夜八時ころだったと思いますけれども、その上の方から電話がかかってきて、実は絶対数をとってあると。それで、これを明らかにするのは稟議で時間がかかるから、きょうじゅうに出せるかわからない、そんな話を急に言ってくるわけですよ。  私はすごく驚きまして、何でそれに驚いたかというと、今マスコミも、それから政府も、例えば学校を休校しましたね、しばらく。あれも、こういうデータをきちんと把握していないから過剰反応するわけですよ。だから、インターハイも中止したし、高校野球も中止した。修学旅行に行けなかった子も、いまだにいっぱいいます。それから、マスクをした上で、机の上に仕切りまでしている学校がまだ今でもあるようですね。子供たちにこういう余分な負担をかけているのは、こういうことがきちんと明らかになっていないからなんですよ。  田村厚労相、広報について、私がもっとちゃんとやってくださいと言ったときに、今ちゃんとやっていますというお答えで、確かに見ると、新規陽性者数とか、そういうのは載っているんです。でも、こういう、年代別にどういうリスクがあるかというのは全然載っていないんです。  この開示していただいたデータ、きのうの夜の何時過ぎだったか忘れましたけれども、そこから、私、一生懸命つくり始めて、それだから、けさになったんですけれども、資料の10、一番後ろです。ひっくり返していただいて後ろ。この表が、きのうの夜八時過ぎにうちの方に開示された。八時だったか、ちょっと時間は正確じゃないですけれども。  これに基づいて、一枚めくっていただいて、資料9をごらんください。これで絶対数が出てきました。これを見て、すごくこのコロナの病態というのがはっきりするわけですね。この下のグラフを見ていただくと、これは死亡者数です、黄色いのが。灰色の数が重症者数。  これを見るとわかるんですけれども、死亡者というのはやはり、実質的には五十代以上くらいの方が過大になってくる。重症化もそうです。重症化だと、もうちょっと若くなって、四十代以上くらいから過大となってくる。若年層、二十代は、数は多いけれども、圧倒的に無症状それから軽症なんです。十代、十代未満は、いずれも低い。死亡率、重症率はほぼゼロですし、絶対数も少ないんです。  そうなってくると、これは非常に重要なグラフで、何でそうかというと、結局のところ、子供たちに対して打つべきかどうかということの非常に大きな判断指標になると思うんですね。  まずは、お伺いしたいんですけれども、こういう基本的な数字を発表してこなかった、あるいは、私が国会議員として問い合わせているのに、ないと言ってきた、そういったことに関して、大臣、どうお考えになっているのか、まずそこを教えてください。
  291. 田村憲久

    ○田村国務大臣 そういう数字があったということで、今までそういう数字を出せという話があったのかどうか、ちょっと私、つぶさに確認していないんですけれども、ある数字で、出しても何ら問題がない数字であるならば、お出しするというのは普通であろうと思います。
  292. 青山雅幸

    青山(雅)委員 その普通であること、当たり前のことがされていなかったので、私は驚いています。  なおかつ、今申し上げたように、もう一つ、今の話で、今申し上げたことで続けて聞くとすれば、死者、重症者の絶対数がほぼゼロです。詳しく言うと、十代未満で一名の方がおられますけれども、無症状、軽症者の絶対数も、こういうふうに圧倒的に少ないわけですね。  そうなってくると、感染防止対策として、これはワクチンだけじゃなくて、先ほど申し上げたような、過剰な修学旅行の中止であるとか、過剰な囲いであるとか、そういったことはもう見直すべき、それは文科省ともお話をされて、やっていくべきだと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  293. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ちょっと私も、委員がつくられた資料ですかね、これは。出てきた資料ですか、積み上げてつくっていただいたやつですね。これを見ていますと、多分、右側にある数字がその実数だと思いますが、確かに、十歳未満ですと無症状者の半分ぐらいが軽症者、十代ですと軽症者の方が多くなってきている。  無症状者というのは、ずっと無症状なのか、それとも、この後発症するのかわかりませんが、無症状であっても一定程度感染力があるという研究もあります。発症者は当然、感染力があります。無症状のまま終わる方、これも一定程度感染させる力があるという研究もあります。当然、発症すれば、そのときには、発症当初は感染力が非常に強い。  ですから、その方は軽症で終わるのかもわかりませんが、その方々が中高年齢者にうつすと、それは当然感染拡大になっていく。学校等々では、家庭等々で自分の父親また祖父母等々に感染させれば、それは一定程度そこから重いといいますか、中等症、重症者ということもございますので、感染を防止するということを考えますと、それは学校等々、大学等々でも一定程度やはり感染防止の対策はしていただいた方がいいというふうに考えます。
  294. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私が申し上げたのは、感染防止対策をすることを申し上げたのではないんですね。大人と同じようにマスクをする。大人と同じようにGoToキャンペーンだって使っていいわけですよ。だから、修学旅行を中止するとか、例えばインターハイとか高校野球を中止するとか、プロ野球はやっているのにですよ、大人よりもリスクが低い、感染率もそれから重症化率も低い子供たちに大人以上の感染防止対策を押しつけるのはよくないんじゃないかということを申し上げている。  それから、このグラフは、転帰ですから、最終的に無症状で終わった人たちです、ここに載っているのは。  ちょっと今のことで、続けていかがですか。
  295. 田村憲久

    ○田村国務大臣 実は、クラスターの一つ類型で、大学等々の寮だとか共同の生活場所、狭い場所、こういうところが一つ、クラスターの発生のリスクが高い場所に挙がっています。  また、子供たちという意味からすると、濃厚接触を非常にする。それは、小学生となれば体をくっつけて遊ぶというようなこともございますから、そういう意味ではやはり感染リスクが高いので、そういうところはしっかりと感染防止策はやっていただかなきゃなりません。  修学旅行等々に応じても、それぞれのお考え方だと思いますが、修学旅行で濃厚接触が、非常にそういう場面が多いというふうに判断をされるならば、それに対して一定の対応ということはあり得るのだと思いますが、いずれにいたしましても、我々申し上げておりますのは、いろいろな旅行をするにしても何にしても、感染防止対策をやっていただいて対応をいただければ感染の拡大を防いでいける、一つのリスクを低減できる方策だということを言っておりますので、それは子供さんであろうが、若者であろうが、大人であろうが同じ対応をしていただきたいというふうに思います。
  296. 青山雅幸

    青山(雅)委員 私が申し上げているのは、エビデンスに基づかない不要な対策、それをするというのは経済にもマイナスです。ですから、GoToキャンペーンもされていると思うんですね。私は、GoToキャンペーンには別に反対していませんし、今北海道のGoToキャンペーンを中止すべきだとも申し上げていません。  ただ、北海道にさえ大人は行かせている、子供も一緒に行くかもしれませんけれども。なのに、こういうふうにリスクの少ない子供、しかも絶対数も少ないですよ、見るからに。そこにだけ大人の都合で中止をするようなことはやってはいけないし、厚労省はそういったことを、きちんとデータを提供すべき義務があると思うので、もちろん、何もするなという、大臣のお立場からはそんなことは言えるわけもないというのは理解しますけれども、エビデンスに基づいて必要なものだけやるということはぜひお考えください。  時間がないので、次に行きます。  次に、優先順位ですけれども、接種優先順位を設けるという考え方は、ベネフィットとの兼ね合いで大変意味があると思っております。  その意味で参考になるものが、イギリスの保健省がホームページに出している資料です。これは資料の1の一。その和訳が、ひっくり返していただいて、裏面です。これを見ていただくとわかるんですけれども、見事に本当に具体的です。単に高齢者が優先とかいうんじゃなくて、これを見ると五歳刻みで優先順位を決めているわけですね。  私は、これは物すごく意味があると思っていまして、なぜかというと、先ほどからお示ししている年齢別の状況、特にこれは最初に3、4が非常にわかりやすいと思いますけれども、この3、4のような年齢別による重症率、死亡率、格段に違ってきます。ですから、こういうふうな形で優先順位を設ける。こういう方たちは、たとえ新規のワクチンであって、リスクがある、まだわからない、ADEが出るかもしれない、でも、かかったらこれだけの確率で重症化するとなれば、自己判断でやはり優先度をつけてもらって打ちたいと思うはずなんですね。  ですから、私、なぜこういうものをちゃんと出すべきかというと、判断材料になると思うんです。私は弁護士で、医療事件をよくやっているものですから、インフォームド・コンセントというのはわかるようにやらなければ意味がない、患者が自己決定権をきちんと行使できるように情報を与えなきゃ意味がない。そういう意味で、私はこういうことをきちんとやっていく方がいいと思うんですけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
  297. 田村憲久

    ○田村国務大臣 接種順位については、中間とりまとめで、重症者や死亡者をできるだけ減らすというような形の中で、優先順位というものをお示しをしているわけでありますが、細分化を更にしろというような御指摘だったんだと思います。これは、ワクチンの供給量がどれぐらい、どういうタイミングで入ってくるかによってもいろいろ考え方はあると思います。  委員の御指摘になられたことを参考にさせていただきながら、いずれにいたしましても、これは審議会の方で最終的にはお決めになられるということでございますので、御議論いただきたいというふうに思います。
  298. 青山雅幸

    青山(雅)委員 ぜひ御参考になさってください。非常にこのイギリスの取組も、やはり年代別のリスクも大事な情報だと思いますので、よろしくお願いいたします。  その上でお聞きしますけれども、先ほど言ったように、厚労省のホームページからは年代別のリスクが全く受け取れないわけですね。オープンデータでも出てきません。これは、せっかく今回開示いただいたのですから、こういった年代別の重症化率、あるいは死亡率、あるいは絶対数、ぜひ開示していただきたいと思うんですけれども、広く国民に対してですね、大臣のお考えをお聞かせください。
  299. 田村憲久

    ○田村国務大臣 例示いただいた入院治療等を要する方の数や重症者数というもの、これの項目を年齢別に把握し、公表するということでありますけれども、国民皆様方に正しい行動をとっていただくというためには、今すぐということはなかなか難しいのかもわかりませんが、不断にこれは見直してまいりたいというふうに思います。
  300. 青山雅幸

    青山(雅)委員 前向きな答弁、大変ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  そして、続けて、関連質問で恐縮ですけれども、今ごらんになっていただいたとおり、三十代以下、ごらんになっていただければいいと思うんですけれども、資料3、4を見ても、三十代、二十代、それから先ほど言った二十歳未満、重症化率も死亡率も極めて低いわけですね。資料9を見ていただいても、発症者数はそれなりにあるんですけれども、重症者数も死亡者数も絶対数も大変少ない。そういうふうなことを考えると、優先順位接種のベネフィットも低いと思われるんですけれども、これについて大臣のお考えをお聞かせください。
  301. 田村憲久

    ○田村国務大臣 これに関しても、ワクチンの特殊性でありますとか、対象集団ごとの疫学データを含む国内外の科学的知見、こういうものを踏まえながら、ベネフィットがリスクをやはり十分に上回るということが前提でございますので、どういうようなことが一番いいのかということも含めて検討して進めたいというふうに思います。
  302. 青山雅幸

    青山(雅)委員 今の、ベネフィットがリスクを上回ることが大事だということは、大変心強い言葉だと思っています。前にもちょっと言いましたけれども、例えば脳動脈瘤、脳ドックをやって異常が、動脈瘤が見つかっても、手術するかしないかは、手術の失敗率と、それから何年以内かにその動脈瘤が破裂する確率をきちんと測定した上で、破裂する確率が上回る場合に初めて行われているというのは、このワクチンでも当然同じような考え方をされるべきだと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。  それから、しっかりとした通告ができているかどうかちょっとあれなんですけれども、もし答えていただけるのならお答えいただきたいんですけれども、きのう、たまたま、私の同僚の国会議員、それから同様に一般の方と話をしたときに、ワクチンを打たない方が自由に動き回って感染を広げては困ると、全く異口同音の発言があったんですね。  ちょっと私は驚いたんですけれども、今この厚労委員会で議論していると、感染予防発症予防重症化予防、これは異なるものだというのを私どもは理解しているんですけれども、やはり一般の方は、国会議員を含めて、そこを理解されていないんですね。そこが多分、将来ワクチンが実際に接種に入ったときに、ワクチンを打たない人への差別につながる可能性があると思うんです。  一方で、治験の様子を見ていると、有効性九〇%、九四%ということは、逆に言うと一定程度発症はされているんだと思うんです、推測ですけれども。そうすると、やはりそこら辺を論理的にきちんと、これはあくまで発症予防感染予防発症予防は違うんだということはどこかの時点できちんと広報されていただいた方がいいと思うんですけれども、もし、大臣、お考えをお聞かせいただけるようでしたら、お願いいたします。
  303. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ワクチンがどういうものに有効なのだということは、ちゃんと国民皆様方にお伝えをしていかなければならないと思っています。その上で御判断をいただいて、ワクチン接種をいただくということが重要だというふうに考えておりますので、これもしっかりと情報を提供させていただきたいというふうに思います。
  304. 青山雅幸

    青山(雅)委員 大変明確な答弁、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  続きまして、私、ちょっとショックを受けた、今の新型コロナウイルスの初期診療に関して申し上げます。  私は、新型コロナウイルスの本当に状況がよくなってきたうちの一つは、病態というものがはっきりしてきて、最初のころは肺炎だと言われていたのが、さまざまな免疫反応、サイトカインの異常、あるいはそれによって血栓ができる、そういうようなものによって悪化するものだということがわかってきて、いわゆる対症療法が非常にうまくいくようになってきたというのが、今の死亡者数も重症者数も少ない、その原因だと思っているんですね。これは多分、厚労省も同じ考え方だと思います。  だけれども、それにはまず、ぐあいが悪くなった人が最初のうちに医療機関にアクセスできないと、その重症化予防につながっていかないわけです。  私は、前にちょっと申し上げたように、大臣、結構前向きな発言をいただいて驚いたんですけれども、最初のころの三十七・五度以上が五日でしたか、続かなければというような、あのミスリードがあって、随分、死ななくていい方も亡くなったりしているんじゃないかなと思っておりました。それで、ずっと私は発熱外来だとかの整備を呼びかけてきたんですけれども、今回、もう大分整備されていると思ったんです、九月四日に事務連絡をお出しになっていて。  そうしたところ、たまたま私がSNSで知り合った方から御連絡があって、私は、これはこの方に直接お電話して間違いでないことは確認しているんですけれども、ちょっと事例を御紹介しますと、三十代の方で、高熱が続いて、受診先を探そうと思って保健所に連絡したそうです。これは十月の話です。ところが、探してもらえなくて、ぐあいが悪くなって、自分でお医者さんに連絡をとるなど努力されたけれども、結局たらい回しのような状況で、どこも診てくれなかったと。  そうしたところ、たまたま電話で相談した先の総合病院の副院長が勘のいい方だったのが幸いしたんですけれども、まず、知人の耳鼻科医に、CTの撮れる大きな病院に行った方がいいよと言われたので、大きな病院に電話したら、ちょっとすぐには、来てもらっても診られないと断られて、また別のところに行ったようなんですけれども、そうしたら、その病院の副院長さんが後からわざわざ電話してくれて、その人に受診歴があったものだから、すぐ来てくれと言って、PCR検査をやったそうです。それで、やったら陰性だったと。陰性だったんだけれども、CTをやったら肺炎の典型的な所見が出た。さらに、背中に血栓が結構あるということで、この方は気管挿管はされなかったものだから重症扱いじゃないんですけれども、血栓の治療をずっと受けられたそうです。  私、それを聞いてぞっとしまして、御承知のとおり、血栓症というのは非常に怖くて、肺梗塞になったり脳梗塞になったり、ニューヨークなんかで若い方がいっぱい死んでいるのはこのせいですけれども、この方も三十代の方です。もし、その総合病院の副院長の方が気をきかせて電話して、うちに来なさいよと言ってくれなかったら、この方は死んでいたかもしれないんですね。  こんな事例が、しかも、これは首都圏の事例なんです、どこかの、なかなか医療にアクセスが悪いところじゃなくて。それが首都圏でいまだに、十月の下旬の話です。  その方がこれをブログで公表されていまして、それが載せてあるのが添付資料の5です。これは後でゆっくり読んでいただければあれなんですけれども、十月の二十二日から熱が出た、それで三十一日に、本当にもうまじで死ぬというくらい悪化しているんですけれども、保健所に連絡しても別に対応してもらえなかったと。この方は自分で一生懸命探して、何とか病院にアクセスできて、PCR検査を受けたけれども、三度目でようやく陽性結果、こういう状況です。  この方は、私どもお話を聞いて、陳述書みたいなものをつくってありますので、厚労省で後ほどまたレポートを提出させていただきますので、ぜひ大臣にもごらんいただきたいんです。  この話で私が非常に教訓となるのは二つあって、今でも初期診療に対するアクセス障害が首都圏ですらあるという事実。それからもう一つは、PCR検査、やはり、ワイドショーの影響で、皆さん、すごくそればかり注目が行っていますけれども、臨床医の方に聞くと、CT検査の方が優先度は高い、なぜなら病態の把握がすぐできるからと。  なので、そういったことに関しても、ぜひちょっと突っ込んで、制度を整備したからいいんじゃなくて、本当にこういうような、落ちこぼれちゃうと言うとあれですけれども、発熱をしたりしても、いまだにお医者さんにすっと行けない現実があるということをぜひ大臣みずから知っていただいて、何とか改善するようにお願いしたいんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
  305. 田村憲久

    ○田村国務大臣 かなり改善はしてきていたはずなんですが、そういう話、残念ながら、私もちょくちょくは聞くんです。  CT検査は、確かに、CTで見ると、非常にその画像で典型的な症状がわかりやすいということもあって、私も大臣になる前に、仲間の議員が、CT検査所といいますか、要するに、病院に併設させてCTですぐに画像診断でわかるようにするみたいなものを、これ、多分そこの大学病院では置いてあると思いますけれども、そこに設置をして対応して非常に喜ばれておるという話をお聞きしています。  ただ、やはり、最終的にはPCRで陽性が出ないと、陽性、つまり陽性患者とはこれは判断ができないので、そこはPCRで最終的には診るんだと思います。  問題の点は、本来からいえば、今はもう、二万四千医療機関にお願いを一応させていただいているというふうに我々は都道府県から承っておりますが、発熱すれば、そこに電話をかけていただいて、そしてそこがやっているのであるならば、いつ来てくださいという話になると思いますから行っていただいて、PCRではなくて、症状が出ておられれば、抗原検査キットを使っていただいて、簡易検査キットで、数十分で確認いただいた上で対応いただくということでございますから、十月のまだ二十日過ぎですと、そこまで体制整備できていなかったかもわかりませんが、今はそういう体制をしいていただいているというふうに思っていますが、これも改めて確認をして、同じようなことが起こっては、何度言っても、なかなか政府の言っていることは信用できないねという話になりますので、そうならないように再度確認をしてまいりたいというふうに考えております。
  306. 青山雅幸

    青山(雅)委員 これも大変心強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  この方は三十代で、本当にまだ日本で七人しか亡くなっていないのに、運が悪ければ八人目になるところだったわけですので、ぜひその辺しっかりとよろしくお願いします。  それから、PCR検査は確定診断の確かに切り札にはなるのかもしれませんけれども、臨床治療においては一つの手段にすぎないということで、ドクターの先生が委員の方にいっぱいいらっしゃるのに私が言うのは大変恐縮ですけれども、ぜひその辺も含めて、よろしくお願いいたします。  本日は、丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
  307. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  308. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  309. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  310. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 この際、本案に対し、大岡敏孝君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・社民・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会の五会派共同提出による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。山川百合子さん。
  311. 山川百合子

    ○山川委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一 新型コロナウイルスワクチン接種の判断が適切になされるよう、ワクチン安全性及び有効性接種した場合のリスクとベネフィットその他の接種の判断に必要な情報を迅速かつ的確に公表するとともに、接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること。  二 新型コロナウイルスワクチン接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと。  三 新しい技術を活用した新型コロナウイルスワクチン審査に当たっては、その使用実績が乏しく、安全性及び有効性等についての情報量に制約があることから、国内外の治験を踏まえ、慎重に行うこと。  四 新型コロナウイルスワクチンに関する独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査報告書については承認後速やかに公表するとともに、ワクチン承認の可否が判断される薬事・食品衛生審議会に係る議事録について、可能な限り早急に公表すること。  五 新型コロナウイルスワクチンによる副反応を疑う事象について、広く相談窓口を設置し、国民に周知すること。また、海外における情報も含め、医療機関又は製造販売業者等から迅速に情報を把握し、情報公開を徹底するとともに、健康被害が拡大することのないよう、的確に対応すること。  六 新型コロナウイルスワクチンには、新しい技術を活用したワクチンが含まれることを踏まえ、接種に伴って健康被害が生じた場合の健康被害救済制度について、広く周知を図るとともに、迅速、円滑な運用に努めるなど的確に対応すること。  七 新型コロナウイルスワクチン確保のために製造販売業者等と損失補償契約を締結するに当たっては、それが最終的に国民の負担となることを踏まえ、真に国が補償することが必要な損失として国民の理解が得られるものとなるように、製造販売業者等との交渉を行うこと。  八 新型コロナウイルスワクチン接種の対象者の選定及び優先順位の決定に当たっては、科学的根拠に基づいて行うとともに、その理由を国民に丁寧に説明すること。  九 新型コロナウイルスワクチン接種については、大規模に実施されることとなるため、実施主体となる市町村長が円滑に接種事業を行えるように、ワクチンの流通を含む接種体制整備や実施方法の策定などについて、国が積極的な支援を行うこと。  十 海外における感染拡大の状況等に鑑み、検査体制の拡充、検疫所の体制の強化等の水際対策を徹底すること。  十一 新型コロナウイルス感染症に関する国民への広報やリスクコミュニケーションについて、担当する組織の在り方も含め、検討すること。  十二 新型コロナウイルス感染症に関わる情報公表の在り方について、個人に関する情報の取扱いを含め、今後、専門家関係者の意見を聴いて具体的に検討するとともに、関係者の理解を求めること。  十三 緊急性や注目度の高い事例が発生した時は特に国と当該地方自治体との情報共有及び情報発信に向けた緊密な連携が重要であることに鑑み、国及び地方自治体の担当者の間や、国と医師会等の医療関係団体の間で迅速に情報共有が図られるよう、あらかじめ発生時の対応や連絡窓口等を確認するとともに、情報交換窓口の一本化、公表内容や公表時刻の調整等に努めること。  十四 外国人や障害者、高齢者等の「情報弱者」に配慮した情報提供方法について、地方自治体とも連携して検討すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  312. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  313. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村厚生労働大臣
  314. 田村憲久

    ○田村国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。     ―――――――――――――
  315. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  316. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  317. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、厚生労働関係基本施策に関する件についての調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房成長戦略会議事務局次長松浦克巳君、内閣地方創生推進室次長長谷川周夫君、厚生労働省医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、労働基準局安全衛生部長田中佐智子君、社会援護局長橋本泰宏君、保険局長浜谷浩樹君、政策統括官伊原和人君、観光庁観光地域振興部長村田茂樹君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  318. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  319. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
  320. 山井和則

    ○山井委員 三十分間、コロナ感染拡大、GoToキャンペーン、そして休業支援金について質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、先ほど発表になりました東京都の一日の感染者の数は、四百九十三人と過去最多となりました。八月一日の四百七十二人を上回って過去最多となりました。  まず、田村厚生労働大臣、北海道、大阪、愛知、さまざまなところで感染が拡大しているんですけれども、このように四百九十三人と東京で過去最多となっている、このことの受けとめをお聞かせください。
  321. 田村憲久

    ○田村国務大臣 きょう法案審議の中でも申し上げてきたわけなんですけれども、七月の終わり、最終週から八月の一週目がピークでありました。その後、一進一退が続いていたんですが、十月に入って感染拡大の傾向が見られ、そして十一月に入ってその感染の伸びは更に増加してきている。この二週間、きょうの数字は、全国で、私もまだ存じ上げておりませんが、一週間の移動平均が二倍以上になっております。ということは、緊張感を持ってこれは我々も対応していかなきゃならない、こういう認識でございます。  こういうふうな状況も踏まえて、近々また厚生労働省の中においてもアドバイザリーボードを開催をいただくというふうに思いますけれども、その中でもしっかりと専門家の方々の御意見をいただきたいというふうに思っております。
  322. 山井和則

    ○山井委員 今後アドバイザリーボードの方々の検討も行うということですが、ということは、GoToキャンペーン、東京、これも見直しも含めて検討するということでよろしいですか。
  323. 田村憲久

    ○田村国務大臣 アドバイザリーボードでは、予断なく、いろいろな御議論をいただけるというふうに思っております。
  324. 山井和則

    ○山井委員 ということは、これだけ急速に拡大しているということですから、その予断なくの中に、GoToトラベルの東京除外、GoToキャンペーンの見直し、そういうものも含まれると理解していいですか。
  325. 田村憲久

    ○田村国務大臣 いろいろな議論をいただけるというふうに思っております。
  326. 山井和則

    ○山井委員 私も、GoToキャンペーン、GoToトラベル、GoToイートは経済の下支えのために極めて有効だと思っております。これは本当に大切な政策であり、これによって生活や命を救われている飲食店の方、観光地の方々がたくさんおられると思うんですね。そういう意味では、GoToキャンペーンも国民の暮らしと命を守っている。  でも、一方では、人の移動というものによって、医療の逼迫、感染拡大を全国に拡大するというリスクも、不安としてはあるわけですね。これをどう両立をさせていくのか。  私が一番不安に思いますのは、手おくれになるんじゃないかということです。実際、レベル3、ステージ3ということを考えても、東京は、昨日の時点で、陽性率、ステージ3が一〇%のところがまだ五・五%だというふうな、この陽性率以外はもうステージ3に達しておりますし、大阪も、陽性率一〇%のところを八・九%、これ以外はステージ3に達しておるわけです。  そういう意味で、きょうGoToトラベルの担当者にもお越しをいただいておりますけれども、東京のみならず、北海道、大阪、全国でステージ3に近づいてきておりますけれども、結局、ステージ3という段階に国の指標でなれば、東京や北海道、大阪をGoToトラベルから除外する検討をするという理解でよろしいですか。
  327. 村田茂樹

    ○村田政府参考人 お答え申し上げます。  政府の分科会からの提言におきましては、ある都道府県がステージ3相当と判断された場合には、GoToトラベル事業に係る感染リスクを総合的に考慮して、当該都道府県を除外することも検討していただきたい、それから、いずれのステージにあるかについては各都道府県が判断する必要があり、それを踏まえて政府が当該都道府県と調整する必要があるとの提言をいただいているところでございます。  また、分科会で示されている考慮要素といたしましては、具体的なステージの判断につきましては、機械的に判断するのではなく、各都道府県が地域の実情に応じて総合的に判断されるものであると承知をしております。  いずれにいたしましても、ある都道府県がステージ3と判断された場合には、政府全体の方針に基づき、本提言に沿いまして、各都道府県ともしっかりと連携、調整を行いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
  328. 山井和則

    ○山井委員 今おっしゃいましたように、厳密に全ての七つの指標がステージ3でなくても、おおむねということで、それを参考にしながら検討するということを今もおっしゃいました。  となると、必ずしも全ての指標がステージ3を超えなくても、大幅にステージ3を超えている指標もあるわけですから、そろそろ、このGoToトラベルをどうするのか、早いうちに検討を始めないと、田村大臣、北海道とか東京、大阪の医療の逼迫度合い、大丈夫ですか、このままいって。
  329. 田村憲久

    ○田村国務大臣 それぞれ、今、病院の占有率等々、日々我々もチェックをしながら、場合によっては、北海道のように支援を、それは人的支援も含めてやらせていただいておるという状況であります。  もちろん、医療が逼迫してまいりますと大変でございますので、それぞれの自治体でまたいろいろな対応をお考えいただかなきゃならぬと思いますが、感染症をどうやって抑え込むかというのは、みんながみんな家から出なくなれば一番いいわけですよね。ところが、それだと人間生活が成り立たない。  つまり、日常生活をある程度どこまで動かしながら感染予防していくかということがこれは重要であるわけでありまして、そういう意味からいたしますと、どういう手法があるのかというのは、政府の方でも先般からいろいろと検討する中において、対策本部の中で、この間総理からも発表されたような、午前中申し上げましたからここではもう言いませんけれども、いろいろな対応をもう既に始めてきておるということでございます。  GoToキャンペーンに関しては、今ほど来、役所の方から御説明ありましたけれども、これはこれで、また、関連する都道府県のいろいろなお考えもあるでありましょう。そういうところとも協議をしながら、分科会のいろいろな御提言もいただきつつ、どうあるべきかということは検討してまいっておるわけであります。
  330. 山井和則

    ○山井委員 繰り返し言いますが、私も、基本的にはGoToトラベル、GoToキャンペーン、GoToイートは必要だと思っております、経済のために。ただ、感染拡大地域、感染拡大期においては一時ブレーキをかけるという判断も必要ではないかと思うんです。  といいますのが、きょう四百九十三人ですから、時間の問題で、五百人突破します。報道によりますと、あす東京は感染警戒度最高レベルレベル4に上げるということなんですよね。感染警戒度最高レベル4のところからGoToトラベルでどうぞ全国に旅行に行ってくださいと、感染拡大地域から全国への旅行を推進するという政策が本当に正しいのか。感染拡大することになりはしないのかという危惧を持つわけです。  その点について、あした感染警戒度レベル4に東京を上げる、そういう地域を、GoToトラベルでこれからも、その地域から全国に旅行に行ってもらう、あるいは全国からそういう感染拡大地域、東京に観光に来てもらうということを推奨する、これは、厚生労働大臣の立場として、田村大臣、これはやはり見直すべきじゃないですか。
  331. 田村憲久

    ○田村国務大臣 先ほど来、国土交通省でしたか、おっしゃっておられましたが、要は、国の示しておりますステージ3というあれですね、一つの警戒の類型でありますけれども、ここに関して基本的には御判断いただくのは都道府県になると思います、総合的に勘案した上で。3になった場合に、分科会の方から、そこを除外をすることを考えてはどうかという御提言をいただいておりますので、それを踏まえて本部の方で判断をする話になってくると思いますが。  基本的に、今、GoToトラベルも、症状のある方、初期症状のある方等々体調の悪い方、こういう方は御参加していただかないように、GoToトラベルには参加をいただかないようにというお願いをいたしておりまして、基本的にそういうことをちゃんとお守りをいただかないと感染が拡大するということでありまして、それをお守りをいただく中において、これを言うと、カウントできていないものも入っているのではないかということをおっしゃられますけれども、基本的には、三千万人強参加いただいている中において、わかっておるのが百四十人強であったということでありますが、もちろん、それ以外の中にももしかしたら入っておられるかもわかりませんし、一方で、その中には多分、感染をされていた方が入っている、逆に言うと。トラベルで感染したというわけじゃなくて、感染してトラベルに参加したという方も入っておられると思うわけでありますけれども。  そういう意味からいたしますと、そういうものもしっかりと踏まえながら、厚生労働省としては、労働ですから、雇用も守らなきゃなりませんし、一方で国民の皆さんの健康もしっかり守らなきゃなりませんので、感染防止にも最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  332. 山井和則

    ○山井委員 これは、都道府県知事が判断したら判断したらと、私には責任転嫁のように聞こえるんです。やはり、GoToキャンペーンは国の政策ですから。確かにこれは知事さんからしたら、地域経済のことや雇用のことを考えたら、なかなか知事さんの方からGoTo除外してくださいと言えないかもしれませんよ、はっきり言って。ここはもう言えないかもしれない、それは。そこを国が、GoTo除外するけれども、しっかりと経済的な支援をセットでやりますよ、休業補償しますよと。それが国のやることじゃないかと私は思うんです。このままいくと手おくれになって、私たちも経済は大事だと思っています、でも、感染爆発したら結果的には経済もだめになってしまうんですよ。  そこで、これはお聞きしたいんですが、私、びっくりしたのが、時短協力金ですね。一日二万円、月最大六十万円、これは何ですか。多くの飲食店の方や事業主の方は、一日二万円じゃ全く足りません、これで本当に飲食店や商店を守る気、救う気あるんですかと、もうあきれておられますよ。  一日二万円、少な過ぎると思いませんか。もっと大幅に引き上げるべきだと思います。いかがですか。
  333. 長谷川周夫

    ○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。  今委員指摘の休業要請推進枠を活用した協力金に対する支援でございますけれども、一昨日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議におきまして、感染が拡大した場合の対策の一つとして、めり張りのきいた特措法等による予防的措置が位置づけられまして、営業時間短縮、これは休業要請も含みますけれども、等につきまして、エリア、業種を限定して、効果的に実施することとしたわけでございます。  これを踏まえまして、第二次補正予算で計上いたしました新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金、この二兆円のうち、今後の感染拡大に備えまして五百億留保しておりましたので、それを活用いたしまして、新たに協力要請推進枠を創設したところでございます。  具体的には、今後更に制度の詳細は早急に詰めてまいりたいと思っておりますが、都道府県が特措法担当大臣との協議を経た上で、効果的に営業時間短縮等要請を行い、対象事業者に協力金の支出等を行う場合に支援をするということでございます。(山井委員「もういいです、ちょっと長いので、いいです」と呼ぶ)  今の単価の話、追加配分額の算定に用いる協力金の上限額について、最大で六十万円というふうにしておりますが、これについては、最大二万円の一日当たりの協力金額、最大三十日の要請日数をもとに算定を行うこととしており、これを踏まえて設定しているものでございます。  この一日当たり……(発言する者あり)
  334. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 もう一回質疑をお願いします。
  335. 山井和則

    ○山井委員 私の時間は三十分なんですから、一回戻ってください。  それで、もう戻ってもらって結構です。とにかく二万円では、ちょっと戻ってください。(発言する者あり)
  336. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 もう一回足りないところを、もう一度質問をお願いします。
  337. 山井和則

    ○山井委員 いや、もういいです、時間に限りがあるので。  もう話にならない。飲食店の方や商店の方、怒っていますよ、二万円で、全くこれでは足しにならないといって。  いかに今の政府がやる気がないのか。これは、別に与野党でけんかするつもりないんですよ。幾ら何でも、時短協力金一日二万じゃ、全く話にならない。おまけに、これ、五百億円でしょう。これは第二次補正ってわかっていますけれども、予備費には七兆円あるわけですよ。七兆円あるのに、第二次補正で五百億円。  何でこんな少ないんですか。七兆円あるんだったらもっと大幅にふやすべきじゃないですか。いかがですか。
  338. 長谷川周夫

    ○長谷川政府参考人 エリア、業種を絞って対応することを考えてございますので、直ちに五百億円、この五百億円というのは、先ほど御答弁申し上げましたけれども、二次補正の二兆円のうちの五百億円を留保していたものでございますけれども、直ちに不足するものというふうには考えてございません。当面は五百億円で、まずしっかり運用させていただきたいと思っております。
  339. 山井和則

    ○山井委員 現状認識が余りにも甘過ぎる。これはもう年の瀬を越せないといって、商店の方、飲食店の方も生きるか死ぬかの瀬戸際なんですよ。そこに、一日休業や時短をして二万円、全く話になりません、これは。大幅にふやすべきだし、そのための予備費七兆円なんですから、それを使うべきだと申し上げたいと思います。  それでは、そのことにも関連して、休業支援金のことをお聞きしたいと思います。  それでは、役所の方はお帰りください。  それで、休業支援金、まず一点目。先日、重要なQアンドAについてお答えいただきました。  観光庁と内閣府はお帰りください。  それで、きょうお配りしております配付資料、QアンドA、出ました。ここで、まだ四百三億円、五千四百億円の中で八%、四百億円しか休業支援金の給付がなされておりません。これについてはちょっと丁寧に議論したいんですが、厚生労働省、長良課長も頑張っていただいて、前向きに、要件緩和、対象拡大をしていただきました。ただ、まだもうちょっと確認すべきことがありますので、お聞きしたいと思うんですけれども。  二条件ですね、半年以上の勤務、そして原則として月四回以上の勤務であれば、コロナが理由で雇用が継続しなかったのであれば八割の休業支援金が出ると多くの方が喜んでおられますが、これは事業主に確認するとき、コロナがなければ同じ勤務が続いていたかとの意向確認に対して、実際ある話なんですけれども、事業主がわからないとか経営判断だとか曖昧な回答をした場合でも、明確な、コロナじゃないという理由でないのであれば、これはコロナがなければ同じ勤務が続いていたということの条件を満たすということになるという理解でよろしいですね。それでいいんでしたら、そのことをQアンドAに追加していただきたいと思います。いかがでしょうか。
  340. 田村憲久

    ○田村国務大臣 病気でありますとか自己都合じゃない場合、こういう場合に関しては、店舗自体が従前から閉店を予定しているような明確な理由があれば別ですけれども、そうでなければこれは対象になるということでございますので、QアンドAの方には、これに対してわかりやすく周知してまいりたいと思います。
  341. 山井和則

    ○山井委員 そのあたり、いい答弁をしてくださったんですけれども、一般の人には伝わりませんので、ぜひQアンドAに加えていただきたいと思います。  それとともに、私も毎晩十人、二十人の方の相談に乗っているんですが、皆さんおっしゃっているのは、結局、非正規の方、アルバイト、日々雇用、登録型派遣の方というのは、事業主が遠い存在で、一々申請の相談とかできないし、申請しただけで、何やっているんだといって解雇された方もおられるんですよね。ついては、もう怖いから、下手に申請とか相談してシフトを切られたり解雇されたら元も子もないから、もう労働局に直接申請したいという方が多いんです。  ついては、事業主が申請書の休業させましたかの問いに、いいえとサインしたり、あるいは、はいともいいえともサインしない場合であっても、労働者本人の病気や入学、学業専念などの自己都合以外の理由で勤務が継続しなかったのであれば、コロナの影響だとして、労働局はコロナがなければ勤務は継続していたと判断するという理解でよいですか。
  342. 田村憲久

    ○田村国務大臣 支給要件確認書で確認することとなりますけれども、今委員言われたみたいに、いいえだとか書かないというようなものであったとしても、これは申請を受け付けますので、受け付ければ、労働局の方からしっかり事業者の方に確認します。  確認をした上で、仮に曖昧な返事であったとしても一つずつ確認して、その上で対象であるというふうに判断すれば、これは支給決定の方に向かっていく話であります。
  343. 山井和則

    ○山井委員 そうなんです。これは残念ながら、事業主の方は頑として休業はさせていないと。何でかというと、休業させましたかにサインすると、休業手当を払えと後で言われるんじゃないかということで、頑としてサインしない方が多いんですね。でも、もうそういうところに、いいえとサインされた方でも対象になり得るという答弁でありました。これもQアンドAに加えていただければと思います。  それに関連して、実は、きのうのこのQアンドAを、出るのを待って申請しますという方がたくさんおられて、今申請しようとされているんですけれども、残念ながら、平均すると一カ月とか二カ月かかるケースも今あるんです。  ついては、今から申請されても、具体例を言います。私の知り合いのホテルの配膳の方々なども二人が今回申請しようとされているんですけれども、その二人がうまくいったら同僚の二十人が申請すると。それはそうですよね、同じ働き方をしているんだから。ところが、それが十二月中旬に、今から申請して結果が出ても、それから申請しようとしたって、四月分の締切りが十二月末になっているんですよ。  これはやはり五十万とか八十万というケースもありますから締切りになったでは済まないので、ぜひとも、四月分の申請締切りを十二月末じゃなくて三月末にすべきではないか。それも十二月末にぎりぎりに決められたって、書類とか取り寄せるのに、事業主から二週間、三週間かからないと取り寄せられないケースもありますので、早急に三月末への延長ということを御決断いただきたいと思いますが、いかがですか。
  344. 田村憲久

    ○田村国務大臣 九月の二十五日に、それまで、休業してから、その月末から三カ月としていたのを、本年の四月から九月までの休業については十二月までという形にしました。さらに、九月から十二月までの休業については来年三月までといたしました。そういう意味では、延長させていただきました。  それで、お二方が申請して、それがもらえたらみんな申請じゃなくて、今みんな申請していただきたいんです。だから周知徹底をさせていただいているので、もし、お二方が申請すると知っておられるわけですから、周りの方は。一緒に申請していただきたい。というのは、なるべく早くやはり手元に本来いただけるものをもらっていただく、これは権利でございますので、その方が私どもも必要かと思いますので、ぜひともそういうアドバイスをしていただきたいと思います。
  345. 山井和則

    ○山井委員 田村大臣、申しわけないけれども、私も何十人も相談に乗りました。これは、申請した、あるいは相談しただけで、シフトを切られた、解雇になった、雇いどめになったという方がたくさんおられるんですよ。そういう情報はもう広がっていますから、今、田村大臣がおっしゃったように、同僚が申請しているから私も申請しようとはならない、怖くて。何でかというと、それがアウトだったら、やはりシフトを外されるケースが実際続出しているんですよ。  これは、田村大臣、申しわけないけれども、それが現実なんです。そこがこの問題の難しさなんです。ですから、ぜひ延長していただきたいと思います。  それに関連して、先日、国交省や長良課長や厚労省も頑張っていただいて、バス会社に周知をしてくださったおかげで、あるバス会社が日々雇用のバスガイドさん宛てに、あなたたち休業支援金の対象になり得ますよ、申請したい人は申請してくださいとすばらしい通知を出してくださって、もう皆さん涙を流して喜んでいた。一人一人のバスガイドさんが四月から今までで八十万ぐらいもらえたというんです、これは。もう涙を流しておられました、本当に。額もでかいから。やはり、みんなはびびって申請できないけれども、バス会社から言われたら喜んで申請できる。  ついては、同様に、ホテルの配膳スタッフが日々雇用で、一番この休業支援金の可能性が高いんですけれども、ぜひとも、ホテルの方から日々雇用の配膳のスタッフの方々にこういう通知を、国交省、厚労省協力して出してもらって、あなたたち可能性ありますよと。半年以上勤務して、月四日以上で、ほとんどのホテルなんてコロナ以外の理由はあり得ないんだから、四月から休んでいる理由は。そういう通知を出すように厚労省から働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  346. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今委員言われたように、ホテル、バスの業界団体に、こういうことをしっかりと周知を依頼しております。また、それに加えて職業紹介業などの団体にも周知をお願いいたしております。  これを従業員の方々に周知といいますか通知をしていただくというのは、これは法的根拠もないので強制はできませんが、しかし、ちゃんと従業員の方々にこういうことを周知をしてくださいねという要請はやってまいりたいというふうに考えております。
  347. 山井和則

    ○山井委員 ありがとうございます。  そういう周知をしていただいたら、さっき田村大臣がおっしゃったように、あ、それだったら早目に申請しようということが可能になるんです。  それで、次の質問ですが、実はこのパンフレットにも、登録型派遣の方々についてもアルバイトのシフトと日々雇用の人と同じですと書いてあるんですね。  私、一番心を痛めているのは、コロナによる派遣切りの方々なんです。女性の方々あるいはシングルマザーの方々で、コロナで派遣切りに遭ったといって、もう年越せないといって泣いておられる方は多いんです。  ついては、ここにも入っていますけれども、ぜひ、今言ったホテルの配膳とかのみならず、この休業支援金が、要は、登録型派遣の労働者でも、派遣切りに遭った方でも、コロナがなければ勤務が継続していた場合、つまり、コロナによる派遣切りに遭っても、日々雇用の労働者と同様に、半年以上、原則月四日以上の勤務の要件を満たせば休業支援金の対象になると考えるけれども、いかがでしょうか。そうであれば、そのこともぜひQアンドAに。  これは、派遣切りで登録型派遣の方は、本当にもう今一番この社会の中でつらい立場に置かれておられますので、何とかその方々についても休業支援金の対象になり得る、そういう御答弁をいただければと思います。
  348. 田村憲久

    ○田村国務大臣 登録型派遣の皆様方は非常にわかりづらいんですよね。仕事がなくなったとき、それがそのまま雇用関係が失われたのか、それとも仕事があればそのままつながっているのかとか、判断は非常にしづらいと思います。  あくまでもこれは雇用されているということが前提の給付金でございますので、わかりづらいんですが、明確に言えますことは、登録型派遣の方々は、比較的、本当に解雇といいますか、仕事がなくなると失業給付をいただかれる方が結構おられます。失業給付をもらわれていると、残念ながら、これはもうみずからやめたということを前提でもらっておられるわけでありますので、これはもうそのまま証拠になりますよね。  ですから、その場合は対象になりませんが、そうでない限りは、判断の中において、コロナがなければ仕事があって、そしてそのまま登録型派遣として働けていたというふうに判断できれば、それは対象者でございますので、給付に向かっての手続の方は進めさせていただくということになろうと思います。
  349. 山井和則

    ○山井委員 二〇〇九年年末、長妻厚労大臣のとき、年越し派遣村というのでやって、ことしの年末もそういうことが起こりかねませんので、ぜひとも今のこともQアンドAにまた書いていただければと思います。  それで、最後、時間がないので二つ質問をセットでしますが、年末年始、これから失業、倒産、解雇がふえかねません。そういう意味でも、この休業支援金があれば、商店の方々も首を切らずに休業という形で雇用を、十割、国の負担で継続できるんですね。  ですから、四月分の申請の締切りを三月末まで延ばしてくれというだけじゃなくて、この休業支援金の制度を、雇調金、休業手当と裏表、セットですからね。ぜひとも三月末まで延長していただきたいということと、それと、質問通告しておりませんが、もう一点だけ。  例えば、大手のホテルの配膳スタッフは休業支援金は出ない。しかし、中小のホテルの配膳スタッフは休業支援金が出るということで、私、きのうの晩十一時ぐらいに、あるホテルの配膳スタッフの女性の方の相談に乗っていたんですけれども、やった、休業支援金をもらえそうだという話を十一時ぐらいにしていて、最後の最後で、そのホテル、ところで大企業ですか、中小企業ですかと聞いたら、あれわかりにくいんですよ。有名ホテルでも中小企業がありますから。だから、結局は大企業だということになって、もう泣き崩れてしまわれたわけですよ。  働いている人からしたら、五年働いていて、その企業が大企業というカテゴリーなのか中小企業なのかなんてわからないわけですから。それによって、片や六十万、七十万の休業支援金をもらえる、片やもらえないというのは余りにも不合理で差別なんで、こういう、やはり大企業であっても休業手当、雇調金、つまり、要請文を出してもそれに従わないという場合には休業支援金を中小企業並びで出す、こういうことも御検討いただきたいと思います。  最後、二問質問、よろしくお願いします。
  350. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  351. 田村憲久

    ○田村国務大臣 前段は、足元の状況を見ながら判断をしていかなきゃならないと思っております。どういう判断かというのは加藤前大臣がもう既に御答弁されておられますので、それを見ながら我々も、まあ、足元って、もう本当に足下になってきましたので、早急に判断しなきゃいけないと思いますけれども、検討してまいりたいと思います。  後段は、今までいろいろと山井委員お話、前向きに私も努力をしてまいったつもりなんですが、これは、大企業は基本的にはやはり雇調金でありまして、ここを外してしまうと、そもそも、じゃ、みんなこちらに流れてきたときには、もう大企業としての責任放棄という話になってまいります。  お気持ちはよくわかるんですけれども、そこは例外としてつくらさせていただいておるということは御理解をいただきつつ、多分、わかり合えないんだとは思いますけれども、これ以上のことは申し上げられないということで御理解いただければと思います。
  352. 山井和則

    ○山井委員 まあ、そのことは引き続き議論したいと思いますし、きょう前向きに答弁いただいた部分はぜひQアンドAに加えていただければと思います。  ありがとうございました。
  353. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、大島敦君。
  354. 大島敦

    ○大島(敦)委員 尾身先生、いつもありがとうございます。これまでも内閣委員会尾身先生には何回か質問をさせていただきまして、本当にありがとうございます。  当委員会でも、政府のリスクコミュニケーションについて結構多くの議論がなされました。誰が政府を代表して、ワンボイスで新型コロナウイルス感染症についての見解を述べられているのかということなんですけれども、私、推測するに、尾身先生だと思っていまして、ことしの二月、三月以降、ずっと尾身先生が真摯にこの新型感染症についてさまざまな記者会見に応じられて丁寧に述べられていることが我が国の安定に資していると思っていまして、本来であれば政治のやる仕事だと思っています。  前にも尾身先生とお話をさせていただいたんですけれども、尾身先生が、新型コロナウイルス感染症対策分科会、本来であれば、医師だけの分科会、専門家だけの分科会が一つあって、もう一つ、産業界、経済界、労働界、あるいは学者の分科会があって、この二つの分科会のブレーキとアクセルがあって、真ん中に政治の判断として、ブレーキを踏むのかアクセルを踏むのかというのが本来の国のあり方だと思っていまして、ただ、今、我が国ですと、そういうきれいに分かれていなくて、尾身先生の分科会の中に専門家の方もいらっしゃるし、経済界の方、労働界の方、学者の方もいらっしゃるしで、結構尾身先生が多くの責任を負っていらっしゃるかなという推察をしています。だから、本当に大変なお仕事をされているので、本当にありがとうございます。  それで、冒頭伺いたいのは、きょうの共同通信、十四時三十一分の配信で、東京都関係者によると、都内で十八日、新たに報告された新型コロナウイルス感染者数は四百九十三人となった、八月一日の四百七十二人を上回り、過去最多という速報が流れていまして、この点についての尾身先生の御所見について伺わせてください。
  355. 尾身茂

    尾身参考人 お答えいたします。  今先生がおっしゃった東京都も含めて、北海道、大阪などで感染が拡大しつつあるということだけでなくて、クラスターの数が多様化しているということもあったり、それから、実効再生産数とかPCRの陽性率なんかも少しずつ増加しているということで、私は、このままいくと、今までのいわゆるクラスター感染とか国民の努力ということだけではなかなかコントロールするのが難しくて、更に強い、強力な対応をしなくてはいけない事態になる可能性があると思いますので、そうならないために、このところ、今、わかっていることがあるんですよね。  実は、クラスターを分析することによって、ほとんどの感染は五つの場面、これは我々、こういうこともわかっているし、それと同時に、この前五つの緊急提言というのを、そういうことを早急にしっかりとやるということが今求められて、それがないと、いわゆる少し強い、経済社会の抑制ということをせざるを得ない状況になってしまう可能性があるので、そうならないように、今、もう一度ふんどしを締め直すこの時期だと私は思っております。
  356. 大島敦

    ○大島(敦)委員 尾身先生、ありがとうございます。  ことしの武漢の例が思い出されまして、この間、中国から帰国した方のお話を伺いましたら、今の武漢は求人数の方が求職者数を上回っているので、完全に新型感染症についてはとどめて、ほとんど新規感染者は出していない。  これは国の違いがありまして、私も二〇一八年の一月に中国、シンセンへ行って、ずっとハイテクベンチャーの取材をしたときに、個人のプライバシー情報を国が持っていても仕方がないと思ってくれるこの人民の皆さんの気持ちが、今も十四億人の皆さんの行動履歴を踏まえて、行動履歴もそうですし、感染症の有無も含めて、全て一人一人管理しながら制圧をしているという国のあり方は、私たちの国ではなかなかこういう体制はとれないものですから、今尾身先生がおっしゃられたように、皆さんの御理解をいただきながら、できるだけ感染をとどめ、抑えていくということが本当に大切だと思っています。  そこで、尾身先生、分科会で十月の二十三日に指摘されている点が五項目ありまして、一つは、政府におかれては、ことしの年末年始、集中しがちな休暇を分散させるために、年末年始の休暇を与えて、その前後でまとまった休暇を取得することを、これは職員ですから、これは政府の職員に奨励していただく範を示してもらいたいと。三番目として、経済団体、地方公共団体にも政府と同様に分散して休暇を取得することを呼びかけていただきたいとありまして、やはり年末の一週間と年始の一週間の二週間、ここはしっかりと行動を自粛していただくと感染症が一回おさまるのかなと私は思うんですけれども、その点についてのお考えを伺わせていただければと思います。
  357. 尾身茂

    尾身参考人 お答えいたします。  今先生のおっしゃる年末年始のことも含めて、やはり、先ほど申しましたように、今回もはっきりエビデンス的にわかっていることは、あの五つの場面ということがクラスター感染を起こす最大のリスクの場面ですので、年末年始の場合には、大人数で飲み会をするとか、そういう場面に遭遇する機会がその他の時期に比べて多いと私は思いますので、したがって、私は、この時期にはなるべくできる範囲で、できない企業もおありだと思うんですよね。分散、一時期に休暇、年末のお参りに行くんじゃなくて、可能であれば前後にずらすということで、御利益は恐らく変わらないと思うので、ぜひそういうことをよろしくお願いします。
  358. 大島敦

    ○大島(敦)委員 御答弁いただきましてありがとうございます。  尾身先生がお考えになっているのは、武漢の例ですけれども、感染爆発を起こしてしまうと、本当に強力な措置をとらないとなかなか感染が抑止、とどめ置けない、感染を減らせないというのがあって、今そこのぎりぎりのタイミングで、今ここが一歩感染の度合いがふえると、これはなかなか、強制的な断固とした措置、緊急事態宣言、五月二十五日に解除になったときの新規の感染者数は二十人ぐらいだと思うんですけれども、そういう非常に強力な手段をとらないと難しいかどうかの局面に差しかかっているという御判断でよろしいでしょうか。
  359. 尾身茂

    尾身参考人 お答えいたします。  感染防御についての、これは我々の世界では常識でありますけれども、感染がある程度マネージできるレベルでありますと、この辺だと余り人々の動きについて、あるいは経済活動について制限をしなくても何とか制御できるということですけれども、感染レベルがある一定程度に行くと、いわゆる人々の努力、あるいはクラスター対策ができない。したがって、経済活動あるいは人の動きを制限をしないといけない時期、そういう段階があります。それがいわゆる我々が言っているステージ3、4ですけれども、私は、そういうことにならないように今はやることが重要で、今はそこに、このまま放っていくとその段階に近づきつつあるというふうに思っております。
  360. 大島敦

    ○大島(敦)委員 尾身先生、御答弁いただいてありがとうございました。  ここで次の質問に移りますので、尾身先生は退席していただいて結構ですので、きょうはありがとうございました。  続きまして、次の質問に移りたいと思います。  今回の新型コロナウイルス対策のワクチン開発、供給についての質問に移っていきたいと考えておりまして、まず、政府参考人に伺いたいんですけれども、私、新型インフルエンザ対策、今の特措法が新型インフルエンザ等特措法ですので、新型インフルエンザ、これは高病原性の新型インフルエンザについて、十四年ぐらい前に質問したことがあります。  その後、とかしき委員長にも政務官として答弁いただいている議事録が、きょう読ませていただきまして、この新型インフルエンザ対策として、細胞培養法ワクチン実生産施設整備等推進事業として、KMバイオロジクス株式会社、武田薬品工業株式会社、第一三共バイオテック株式会社の三社に新型インフルエンザワクチン製造のために工場設置をお願いしたと思うんですけれども、その経緯と現状について、参考人からの答弁をお願いします。
  361. 正林督章

    ○正林政府参考人 お答えします。  平成二十一年の新型インフルエンザの発生時に、速やかにパンデミックワクチンを生産し供給することが重要となっておりましたが、全国民分の新型インフルエンザワクチンの生産について、鶏卵培養法では、鶏卵を入手してから一年半から二年程度の期間を要しておりました。  このため、新たに細胞培養法による新型インフルエンザワクチンの生産、供給体制を構築することとし、平成二十一年度補正予算において、細胞培養法ワクチン実生産設備整備等推進事業により体制整備を進めたところであります。  これにより、ワクチン製造用のウイルス株が決定してから六カ月以内の全国民分の新型インフルエンザワクチンの生産体制確保したところであります。  現在、生産ラインは、新型インフルエンザが発生していないことから稼働はしておりませんが、新型インフルエンザ発生時には速やかに稼働できるような体制となっていると承知しております。
  362. 大島敦

    ○大島(敦)委員 今回なんですけれども、新型コロナウイルスワクチンの製造について、アストラゼネカ社から原液の供給を受けて、バイアル充填、包装、保管など受託製造を今政府参考人がおっしゃられた設備で行うということを、これは第一三共から伺いました。私の地元に第一三共の、これは、とかしき当時大臣政務官の答弁ですと、三百億円交付したという答弁が残っていまして、その金額で同設備をつくりまして、設備があったことで対応が可能になったそうです。もしもアストラゼネカ社からうまくいけば、同設備を使って、今言っていた充填とか包装とか保管などができるようになったので。  私、聞いてみると、ここ十年間ずっと赤字でしたので、今回初めて黒字になっていたりして、政府として、こちらの方から求めて交付をさせていただいて設備をつくって、なかなか企業としては、ずっとそれを遊ばすわけにいかなくて、そこには必ず従業員の方がいて、それをメンテナンスしながら一定のクオリティーを保つということを常にやっていらっしゃっていて、これでなかなか黒字化しなかったというのがあって。  ですから、今後のことを考えると、せっかくある設備、これは設備にはちゃんと要員といって従業員を訓練し配置をし、新型インフルエンザワクチンじゃなくても、ある程度、その設備を使いながら薬を製造することによって、従業員のレベルが一定程度維持できるわけです。  そうすると、今回新しくこのワクチンをつくろうとか、あるいはワクチンの充填とか包装とか保管とかを行うという場合にすぐに対応がとれるものですから、そういう丁寧な措置、財政的にもそうですし、継続的な支援が必要だと思うんですけれども、その点につきまして、厚労大臣の御答弁をお願いします。
  363. 田村憲久

    ○田村国務大臣 新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業、これは、企業側が他の医薬品の製造等に転用する場合は一定の手続が必要であったということで、非常に使い勝手が悪かったんだというふうに思います。  今般、新型コロナウイルスに関しての生産体制等緊急整備事業、これで、KMバイオロジクス等々、武田、また、第一三共、三社を含む六社の製薬企業に支援を行っているわけでありますが、今般は、他に転用する場合、この点は緩和をさせていただいて、言うなれば、今般投資した中において、新型コロナウイルスはもう製造しなくなったという場合、他に必要な医薬品等々が、製造をそれによって、ラインを使ってできるのであるならば転用しやすいというような形の中で国民のために役立っていただこうというようなことを考えておるわけであります。
  364. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大臣におかれましては、ぜひ、ここ十年間各社ともに大変な経営状況だったと思うので、そのことがあったことによって今回も対応できている会社があり、今後、新型インフルエンザワクチンを製造するときにも有効だと思うので、その点、御配慮していただければと思います。  もう一点、地元の歯科医師の皆さんとお話しすると、歯科医師、歯医者さんですね、こういうことを言われました。  新型コロナウイルス感染症救急包括支援交付金、これは、有床診療所だと二百万円、無床診療所だと百万円の実費補助が受けられる制度で、経営環境が大きく改善されない状況下においては、経営支援の助けになっています。  しかし、来年の三月三十一日までに、購入した資材をしっかりと納入していただくことが補助の条件になっておりまして、歯科医師の方に伺うと、感染症対策としてぜひとも必要な滅菌器、特に、圧力をかけて殺菌力を強くするオートクレーブというんですか、高圧蒸気滅菌器の生産が追いつかずに、三月三十一日には間に合わないという指摘を結構多くの歯科医師の皆さんから私はいただいておりまして、先日の、日本歯科医師会の三井常務理事とテレビ会議お話ししたときにも、強く問題意識を持たれておりました。  都道府県から所管の財務事務所に繰越しの手続を行えば予算を繰り越せるということは知っています。そこまでの労をとらない都道府県も多いとも聞いております。ですから、感染拡大を防止するためには必要な機器であり、厚労省として三次補正に織り込むなど何らかの対応検討していただきたいと思うんですけれども、御所見を伺わせてください。
  365. 田村憲久

    ○田村国務大臣 今委員おっしゃられたとおり、これは繰越明許費の承認を受けておる事業でございますので、この交付金は次年度に繰り越すことができるわけです。  医療機関からそういう形で御相談があった場合には、地方財政局と協議を行うことについては疑義照会の中で明らかにさせていただきたいというふうに思っておりますので、こういうことは都道府県に周知して、手続を踏んでいただいて、繰越しで使っていただけるようにということを考えております。
  366. 大島敦

    ○大島(敦)委員 結構実務は大変です、都道府県の実務が。一つの工事を繰り越すというんだったらいいんですけれども、細かい機器の積み上げですから、これは、大臣がおっしゃるほど簡単じゃない。ですから、都道府県が相当熱心にやらないと繰越しはできないものですから、歯医者さん、お医者さんのことを考えれば、そこのところをもう少し柔軟に検討していただければなと考えておりますので、よろしくお願いします。  もう一点が、これは建設国保の関係なんですけれども、まずは、ちょうど予算の時期ですから、建設国保の予算について、国庫補助は、自然増を含む医療費の伸びを勘案し、現行水準を確保する必要があると考えるんですけれども、これは政府参考人から手短な答弁をお願いします。
  367. 浜谷浩樹

    ○浜谷政府参考人 お答えいたします。  国保組合に対する定率補助につきましては、平成二十七年の法改正におきまして、負担能力に応じた負担とする観点から見直しをしてまいりました。建設国保の国庫補助率については、令和二年度も引き続き三二%となっております。  来年度予算につきましても、国保組合の自主的な運営に基づく保険者機能を発揮できるよう、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  368. 大島敦

    ○大島(敦)委員 どうもありがとうございます。  もう一点が、これは田村大臣に伺いたいんですけれども、二〇二〇年度予算の一次補正で設置された新型コロナウイルス対応の保険料減免に対する予算が不足する懸念があります。  これは、各国保組合の被保険者の皆さんが三割ぐらい所得が落ちたときに、それについては保険料を減免して国から補填するということで、四十億円の予算だと思うんですけれども確保しておりまして、ただ、現状を見ると、結構多くの方が三割を割り込んでいるので、万全を期した措置を講ずる必要があると考えるんですけれども、厚労大臣の答弁をお願いします。
  369. 田村憲久

    ○田村国務大臣 市町村等の感染状況等を勘案して保険者等の保険料を減免した場合に、これに関しては特例的に全額財政措置をしているわけでありますけれども、災害等臨時特例補助金として、言われたとおり、一次補正で二百六十・四億円という形でこれを措置しています。  加えて、特別調整交付金、特交で対応している部分がございまして、そういうものも含めて、減免の実施状況、それから、それぞれの国保の財政状況、こういうものを踏まえた上で、今後、対応検討してまいりたいというふうに考えております。
  370. 大島敦

    ○大島(敦)委員 大臣、ありがとうございました。  確認答弁を政府参考人にお願いします。  これは正林局長だと思うんですけれども、これまで議論になっている、もともと、ことしの三月から、新型感染症については、医療資源、集中治療室のベッド数、人工呼吸器、人工肺など、余裕があることが必要だと思っていて、今後の見通しについて伺いたいんですけれども、御答弁をお願いします。
  371. 正林督章

    ○正林政府参考人 集中治療室や人工呼吸器等々ですね。  厚労省で行っている調査においては、十一月十六日時点で、集中治療室における空床は三千六百床、医療機関において使用可能な人工呼吸器は一万五千台、ECMOは約一万二千台を確保しております。  人工呼吸器やECMOについては、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金により、入院医療機関における設備整備の支援を行っているところであり、引き続き必要な人工呼吸器とECMOを確保してまいります。
  372. 大島敦

    ○大島(敦)委員 正林局長、現状では十分な余裕があるのか、そろそろ危険水域に来ているのか、その点についてのニュアンスをお聞かせください。
  373. 正林督章

    ○正林政府参考人 全国的に足りないということはないと思うんですけれども、北海道とかあるいは東京とか、地域によっては、こうした医療の状態が、完全に逼迫しているわけではないですが、だんだん厳しくなっているという声は聞くことがあります。
  374. 大島敦

    ○大島(敦)委員 最後に、先ほど可決をした今回の改正案について、正林局長に確認答弁をお願いしたいので、早口で読みますので、よろしくお願いします。  政令指定の質問の際、対象者を指定してと局長が答弁しておられます。この対象者を指定する点ですが、附則第七条一項にも、その対象者を指定して、市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができるとなっています。この附則第七条第一項の厚生労働大臣の指定と、附則第七条四項の接種勧奨、努力義務の対象を定める政令の、対象者を指定してとの関係は、どのように整理されているのでしょうか。  例えば、厚生労働大臣の指示は高齢者としておいて、政令では、高齢者のうち基礎疾患のない方を外す、そんな理解でよろしいでしょうか。この場合、厚生労働大臣の指示の段階で、高齢者のうち基礎疾患のない方とすればよいように思えるのですが、対象者の指定が二つに分けて設けられている理由について、御答弁をお願いします。
  375. 正林督章

    ○正林政府参考人 まず、御指摘の七条一項の指定についてですけれども、これは、ワクチンが実用化された際に、国が流行状況ワクチンの性質等を勘案しつつ、全体として必要な方に接種機会を確保できるようにとする観点から、対象者を指定するものです。  一方、第七条四項の規定に基づき、対象者を指定して、努力義務、接種勧奨を外すことについては、接種の対象者の中でも、リスクとベネフィットの観点から接種必要性が必ずしも高くない等の場合に、例外的に努力義務、接種勧奨を外すことがあり得ることから設けたものであって、それぞれ趣旨が異なっております。  今の段階では、まだ製造メーカーで承認も申請もなされていない段階ですので、予断を持ってお答えすることは差し控えたいところですが、例えば、七条一項の場合、薬機法の承認が得られた対象者というふうに例えば指定したりとか、七条四項の場合は、そのうち、ある年齢以下の人あるいは年齢以上の人とか、そのような形が考えられるかなと思います。
  376. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ありがとうございました。終わります。
  377. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、宮本徹君。
  378. 宮本徹

    ○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。  通告していないんですけれども、先ほどの大島委員質問にかかわって少し確認したいことがあるんですけれども、歯医者さんの支援金のことで、オートクレーブだとか、あと口腔外バキュームだとか、注文しても生産が全く追いつかない状況に今あるわけですよね。  先ほどの話では、繰越明許の手続をすれば対応できるんだというお話でしたけれども、事務方に先日伺った話では、注文したときに、初めは、年度内にこれは入りますよと言われて、だけれども、四月、五月に納品が延びた場合は繰越明許の手続ができるけれども、注文したときに年度内に入るという話がなければそれは使えないんですみたいな説明があったんですけれども、そうではなくて、今の答弁を聞く限りは、注文さえしていれば繰越明許の手続でできる、そういう感じの答弁だったので、それならいいなと思いましたので、ちょっと確認したいんです。
  379. 田村憲久

    ○田村国務大臣 私、そこまで細部をちょっと理解していませんので、早急に調べて……(宮本委員「いやいや」と呼ぶ)言っていないでしょう。
  380. 宮本徹

    ○宮本委員 さっき言ったとおりの答弁にしてくれればいいなということですので、大島さんへの答弁どおりで。  どっちにしても本当に間に合わないわけですよ。だって、もともと感染防止対策に役立つものをどんどん買ってくださいということでつくったのに、感染防止対策に一番大事な機材が間に合わないということになっているわけですよ。ですから、それは、注文された方はみんな対象にしていただくと、大臣がそう言えばいいだけの話です。
  381. 田村憲久

    ○田村国務大臣 細部の確認をしますが、それは、発注をして、注文したときには、年度内に入ると。(宮本委員「いやいや、年度内には間に合いませんよと言われた人でも、注文している人はいっぱいいるわけですよね」と呼ぶ)年度内に入らないのに注文して、それを対象にするかということですか。  なかなか財務当局が、それだと、確認をすると、多分難しいのではないのかなと思いますが、再度確認を私もしてみます。
  382. 宮本徹

    ○宮本委員 もしそれが対象にならないんだったら、でも、多くの人の場合が間に合わないわけですよ。物すごい注文が殺到していますから。そんなに生産能力があるわけじゃないんですよね。もともとの感染拡大防止のためということを考えたら、では、それが繰越明許の手続がもし使えないケースがあるとしたら、その分は三次補正なりなんなりで対応するということが必要になると思うんですね。  そのあたりをちゃんと対応する、どういうやり方があるか考えるけれども、しっかりと対応したいということを御答弁いただきたいと思います。
  383. 田村憲久

    ○田村国務大臣 必要なものに関しては三次補正で要求をしていくという話になると思いますけれども、どのようなニーズがあるかということも含めて検討してみたいと思います。
  384. 宮本徹

    ○宮本委員 よろしくお願いしたいと思います。  それでは、私の当初の問いに戻ります。当初というか、通告している問いですけれども。  資料をお配りしておりますが、生活困窮者を支援するための緊急小口資金と総合支援資金の特例が設けられて、資料は十月三十一日までの実績です。  これは都道府県ごとなんですけれども、ごらんいただければわかりますように、申請件数に比べ、決定件数を見た場合、都道府県でかなりのばらつきがあるわけですよね。全国的にはほとんど出しているわけですよね。緊急小口でいえば、全国的には九八・六%の支給率、申請件数に対して決定しているわけですね。一方で、徳島は八五・四%ということになっています。総合支援資金でいえば、全国は、申請件数に対しての決定件数は九六・九%、東京でいえば九九%ですけれども、徳島は七二・七%ということで大変低くなっているわけですよね。  この間、いろいろな相談も、我が党は厚生労働委員が余りいませんので、選挙区外も含めて乗っているわけでございますけれども、実際は、厚労省と違う基準といいますか、そういうことで支給していないと相談したら、厚生労働省の基準とちょっと違いましたねということで、何件か支給していただくということもしていただいたことがあるんですけれども。  厚労省も、運用に当たっては柔軟な運用をということで、できるだけ支給するようにということは言っていただいていると思うんですけれども、なかなか現場はそうなっていない自治体が一部にありますので、ぜひ、自治体に対して、更に生活困窮者に寄り添う姿勢でこれを運用するように徹底していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  385. 田村憲久

    ○田村国務大臣 幾つかは対象にならないものがあるということは御理解いただいているんだと思います。もとから収入がなかった方に関しては、今回のコロナとは関係ないわけなので、こういう方が対象にならなかったり、生活保護であったり、幾つか対象にならない方はおられます。  一方で、償還能力がない、乏しいという方をはじいているという例があれば、これは問題でございますので、今回、運用の方でそこは幅広くという形でございますので、QアンドA等々で必要な取扱いを周知してまいりたいというふうに考えております。
  386. 宮本徹

    ○宮本委員 しっかり都道府県別に、事態は厚労省も理解しているわけですから、指導を徹底していただきたいというふうに思います。  それから、住宅確保給付金の決定件数も二枚目につけました。申請件数に対しての支給決定件数、全国平均では八九%、東京も八九%ですけれども、これも八割を切るところ、七割を切るというところがあるんですよね。それはどういうことが起きているのかというのもちょっと手のひらに乗せていただいて、しっかりと、対応を柔軟に、必要な人には水際対策のようなことが行われないように、届くようにしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  387. 橋本泰宏

    橋本政府参考人 住居確保給付金につきまして、支給要件、生活困窮者自立支援法に基づきまして収入要件あるいは資産要件などを定めておるわけでございまして、この要件に合致する方につきましては支給されるということになっているわけでございますが、今般のコロナ状況を踏まえまして、支給対象の拡大などを行ってまいりました。それとあわせて、自治体の方に対しましては、適切な執行について依頼しているところでもございます。  引き続き、必要な方への支援が届くように周知徹底をしてまいりたいと考えております。
  388. 宮本徹

    ○宮本委員 明確な差がここまで出ると、やはりそれぞれの窓口での対応がどうなのかなということがあると思いますので、しっかりお願いしたいと思います。  それから、最後ですけれども、資料の三枚目ですけれども、これはいろいろなところで議論になってまいりましたけれども、今回のコロナ禍の中で休業がたくさんある中で、改めて、労基法の休業手当六割の計算方法の見直しが必要じゃないかという声があちらこちらで上がっております。  労基法二十六条では、平均賃金の六割以上、これが休業手当の支払いの義務としてあるわけですが、平均賃金の出し方は、労基法十二条で、直近の三カ月の合計を土日など休日も含めた三カ月の総日数で割って出しております。一方で、休業手当を出すのは休日は対象外で、本来の勤務日数だけを対象としているわけですね。  ですから、資料にありますように、給料が三十万円で勤務日数が二十日の人が一カ月全て休んだ場合、休業手当は四割の十二万円。これがもし月二十万円だったら八万円という水準になって、とても暮らせないというのが法律上の規定なんですね。  もちろん、今回、コロナ対応で、雇調金を使っていろいろやってくれというお願いをしているのは知っているわけですけれども、ただ、そもそもの法律の規定で実際は四割という水準になってしまうので、本当にいいのか。とりわけ、割るときは休日も入れる、掛けるときは休日は外してやるというのは、私は大変不合理な仕組みになっていると言わなければいけないというふうに思います。  ぜひ、平均賃金、休業手当の計算方法について、法改正も含めてこの際見直す必要があるんじゃないかと思いますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
  389. 田村憲久

    ○田村国務大臣 労働基準法十二条では、今言われたとおり「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。」となっております。  一方で、休業手当、第二十六条の方は休業期間中当該労働者ということでございますので、休業期間中というのは休日を除くわけでありますから、結果的に、委員が言われたように、日額で出してくると休日分がカウントされないというのが労働者が生活する上で非常に不合理ではないのかというような、そういう御質問だというふうに理解してよろしいでしょうか。  そういう御意見は確かにあろうというふうに思いますが、一方で、休業を余儀なく、せざるを得ない状態というのは企業にとっても非常に厳しい経営状況があるわけで、そこのことを考えると、これを急激に上げるというのはなかなか現実的ではないわけであります。  ただ一方で、委員がおっしゃられる問題点というのは、それは問題点として我々も理解する部分もございます。どういうふうにこれをしていくべきか、企業の厳しい状況企業がなくなってしまえばそもそも労働者の方々もその後賃金をもらえませんので、そういうところも踏まえながら、どうあるべきかということを検討するための準備はさせていただきたいなと思います。
  390. 宮本徹

    ○宮本委員 検討するのと、検討するための準備というのは何かよくわからないんですけれども、検討するということとは違うんですか。
  391. 田村憲久

    ○田村国務大臣 準備でございますので、現状がどういうことなのかであるだとか、いろいろなことの資料等々を集めつつ、検討に向かって進むのかどうなのかということを判断をさせていただくということであります。
  392. 宮本徹

    ○宮本委員 そこまでおっしゃるんでしたら、資料もぜひ集めていただいて、実態は本当に皆さんよく御存じのとおりだというふうに思いますので、問題点があるというのも大臣も理解するというふうにおっしゃっていますので、厚労大臣ですから、経産大臣じゃないですから、厚労大臣ですから労働者の立場に立って、ぜひ、検討に向かっていくということですから、しっかりと検討を進めていっていただきたいというふうに思います。  計算の仕方を直すのは技術的にはそんなに難しい話でもないのかなというふうには私自身は思います。労働組合なんかもいろいろな提案を出しているようですけれども、平均賃金の出し方、例えば、休業手当の支払いは、休日を含む場合は賃金総額をその期間の総日数で割るけれども、休業手当の支払いは、そもそも、労働日の数に基づいてということになる場合は、賃金総額を労働日数で割る。やはり、割るものと掛けるものをそろえる、それだけでこの不合理は基本的には解決するというふうに思いますので、きょう、少し前向きな、向かってという答弁がありましたので、次回は更にそれが前に進むことを期待して、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  393. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。
  394. 青山雅幸

    青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。よろしくお願いいたします。  今回は、非常に大づかみな話として、社会保障費の問題についてお伺いをさせていただきたいと思っております。  私は財務金融委員会にも入っておりまして、きょうも実は午前中に麻生財務大臣とその問題について若干の質疑をさせていただきました。  大臣も当然御承知のとおり、日本の財政に大きな影響を与えているのは社会保障費の伸びであることは間違いないと思っております。これはなぜかというと、当然ながら高齢者層の増大に伴うものでございまして、資料6をごらんください。  資料6に社会保障関係費の推移というのがありまして、これが本当に、年三%くらいでしょうか、非常に順調と言うとあれですけれども、右肩上がりに伸びている。平成九年度には十七兆四千億円しかなかったものが、令和二年度、四十一兆円と倍増以上でございます。  私は、前に、何で日本はこんなに赤字国債がふえたんだろうなと思って予算の推移を調べてみたところ、御承知のとおり、平成の初めのころというのは百兆円未満くらいしか国債残高がなかったわけですけれども、今はもう九百六十兆円くらいになっております。  調べてみたら、伸びているのは社会保障費と国債関係費だけなんですね。国債関係費がなぜ伸びているかというと、社会保障費の伸びのために予算が拡張するんだけれども、それのための税収がないのでということで、結局のところ社会保障関係費が今の日本の財政を規定してしまっている。  社会保障関係費の中で更に内訳はどうかというと、資料の7をごらんいただくとおわかりなんですけれども、要は社会保険費であるということでございます。  生活保護とかが時々やり玉に上げられるわけですけれども、実は、そのほかの費目は、失業対策費だとかいろいろなものはほぼほぼ横ばいであって、生活保護も伸びてはおりますけれども、額の絶対額が少ないものですから、結局のところは社会保険費でもって伸びているということになっております。  ここはいろいろな御意見があると思います。私は個人的に非常に残念に思っているのは、本来、社会保障を基本政策としているEU諸国というのは消費税の平均が大体二〇%くらいですね。フランスとかイギリスなんかも一九とか二〇くらい、北欧なんかは二五%くらいのところがあるわけです。これは何でこうなっているかというと、私から見ると、社会保障費の伸びを税収で賄おうという極めて真っ当な考え方があるからだというふうに思っております。  一方で、御承知のとおり社会保障があるのかないのかよくわからないアメリカなんかは、州によって消費税率も違いますし、あっても日本くらい、そういう状況です。  国が国民にサービスをするのであれば、それに見合う税収を得るというのはこれは当たり前の話で、そして、サービスの提供をより求めていくのであればどこかに財源を求めていかなければいけないし、そうでないならばサービスを打ち切るしかなくなってくるわけです。  しかしながら、現代国家で一番重要なのは、私が言うまでもなく、社会保障だと私は思っています。現代国家として立派な国家として目されるのであれば、やはり、アメリカのように民間の医療保険に頼っているとかそういうような状況では困るわけで、オバマ・ケアも結局はすき間を埋めるだけのものにすぎないものですから。  私の方で非常に心配するのは、裏腹で、今、厚労省所管の社会保障関係について財源となるのは基本的には消費税だと思うんですけれども、コロナウイルスパンデミックで、令和二年で、九十兆円、補正予算を赤字国債ということで賄っております。消費税ゼロを唱える政党も御承知のとおり出ておりまして、自民党の中でさえも八十人くらいの有志の方が消費税ゼロで党に申し入れたという報道もお聞きしております。  そういうことで社会保障が本当にもつのかどうなのか。社会保障をやめちゃえば、もちろんいいわけですけれども、それはいいわけはないわけですね。私は、社会保障が先ほど言ったように国の根幹だと思っています。  では、その先どうするのかという話なんです。  すごく心配なのは、これも当然大臣承知のとおりのところであれなんですけれども、ここからが厳しいわけですね、日本の人口構成の変化は。  資料の8でございます。赤い点線の部分が今現在です。厳しいのは、十五から六十四歳のいわゆる生産年齢人口、これが減っていくわけですね、まだまだ減るわけです。そして、六十五歳以上の今の定義ですと高齢者人口、これがまだまだふえるわけです。二〇五〇年くらいにこれを見ていただくと平行に達するんですけれども、二〇五〇年に達するまでに、今から一〇%ずつくらい動いちゃうんですね。今六〇%くらいいる生産年齢人口が五〇%くらいになる、そして、今三〇%くらいしかない高齢者人口、六十五歳以上人口がほぼほぼ四〇%になる。つまり、合計で二割も日本の社会保障費にとってみれば支出増というか、厳しい方向に向かっていかざるを得ない。  ここからが問題で、じゃ、どうするかという話なんです。  それで、じゃ、社会保障費を削りますかという話になるんだけれども、実際にも高齢者の自己負担がふえる方向とかいろいろあって、それは、ある意味で税金を上げないのであればやむを得ない部分も出てくるわけですね、持続させようと思えば。そして、よく言われるような、年金の給付水準が保てるかどうかもこういったことにかかわってくるわけですけれども。  じゃ、だからといって何か解決策でいいものがあるかというと、正直、いつも一生懸命考えているんですけれども、今のところ、いろいろな合わせわざでいくしかないかな。消費税だって、私の試算だと一五%ぐらいまで上げなきゃどうしたってもたない。それだけじゃなくて資産課税もしなきゃいけない。だけれども、政治的に見ると、消費税をゼロにするという人は大体応援されるんだけれども、消費税を上げるなんて言ったら袋だたきに遭うというのが今の政治情勢なわけですね。  私が特に心配なのが人口構成の変化で、きょうも麻生大臣はここが最大の日本の課題だとおっしゃっていましたけれども、単に人口が減るというのは、もちろん一人当たりのGDPが減っていくわけですから日本の経済にとって大変不利になるんですけれども、それだけじゃなくて、こういうふうに人口構成が不利な方向に行くということは、支え手が少なくなって支えられる側が多くなるわけですから、本当に私は政争を超えて全政党が真剣に考えなきゃいけないことだと思っています。  きょうは、その入り口、取っかかりとして、こういう問題意識について、この二〇二〇年から人口構成が落ちつく二〇五〇年まで、ここから三十年が勝負だと私は思っていますけれども、この三十年間、日本が今の社会保障を維持できて、人によりますけれども、私は大変今の日本というのは幸せだと思っています。それをどういうふうにしていこうか。  本当に大づかみな質問で申しわけないですけれども、この人口構成の大変動について大臣はどのように受けとめておられるのか。そして、この大変動を前にして、どのようにして今の社会保障のレベルを維持していこうとお考えなのか。本当に大づかみな質問で恐縮ですけれども、お答えいただければ恐縮でございます。
  395. 田村憲久

    ○田村国務大臣 大変大きな問題、課題だというふうに認識いたしております。  社会保障は、おっしゃられるとおり、いろいろなものが伸びてきておりますが、子育て関連はまだこれから伸ばしていかなきゃならないというお声がいっぱいあります。  高齢者に関して、実は、年金は、これはマクロ経済スライドなので伸びが一定程度もうわかっておりまして、それほど大きな伸びは示していかない。それに対していろいろな御指摘もあるんですけれども、私も、これに関して言うと、基礎年金の部分が、これはマクロ経済スライドがかかるのがおくれましたので、毀損をされております。ここをどうするかという大きな課題は多分長妻委員と共有をしているんだと思いますが、これも一定程度いろいろなことを考えていかなきゃならぬと思っていますが、それでも年金は年金の中で一定程度完結をする。  問題は、医療、介護は、年金のように長期で数理計算をするわけにいかない。つまり、毎年単年度である程度完結していかなきゃいけないものでありますから、そうすると、財政が厳しいから来年度これだけ減らそうだとかということはできないわけですね、発生したものに対してのものでありますから。  今までやってきたのは、実は、中期財政フレームから、財務省といいますか、閣議決定してきたことは、高齢者の伸びの範囲で、つまり、七十五歳以上の高齢者の伸びの範囲で社会保障の伸びを抑えていくという毎年の予算的制約がかかって、そういう意味では、よく言うんですけれども、医療の高度化だとかそういうものをそこで見れないじゃないかみたいな議論を与党の、野党もそうですかね、先生方からいろいろな形でいただきながら、しかし、一方で、二〇二五年に向かってプライマリーバランスを黒字化するということも閣議決定をいたしております、今コロナ禍で大変難しい状況になりつつあると思いますが。そういう制約の中で毎年毎年の予算編成をやってきたということがあります。  ただ、一方で、それは毎年毎年の話で、言われるとおり、まだまだこれから高齢者はふえていくわけであります。言うなれば、社会保障の高度化どころか、高齢者の伸びすら賄おうと思うと、これとプライマリーバランスの均衡を両立しようと思うと大変な状況になってくるんですね。  私はMMT論者ではありませんから、そういう意味からいたしますと、やはり必要なものはちゃんとどこかで確保しなきゃ、今すぐとは言いません、今すぐとは言いません。しかし、経常収支がいつまでも黒字とは限りませんから、日本の円、国債がいつまで信認があるかわからないということを考えると、やはりそこは将来的に考えていかなきゃいけない。  国民負担率が今、多分四四%ぐらいですか、ちょっと上がって。潜在的国民負担率が約五〇%です。この部分が毎年の財政赤字になっている。この国民負担率を世界で見ると、フランスが、二〇一七年ですけれども、六八%です。スウェーデンが五八・九、ドイツですら五四%。そうすると、日本の四四というのは余りにも低過ぎるわけですね。  ということは、逆に言うと、ここをやはりちゃんと負担をしていかなきゃならない。負担を何でするか。保険料もあるでありましょうし、税もあるでありましょう。それは消費税もあれば、他の税もあるかもわかりません。  どうあるべきか、今厚労大臣という立場なので決めつけで物を言うわけにはいきませんけれども、社会保障にとって必要な財源というものは我々も考えながら、その確保をどうしていくかということを、これは長期的というよりかは中期的な課題として検討していかなければならない、そんな段階に来ているというふうに認識いたしております。
  396. 青山雅幸

    青山(雅)委員 問題点を非常に共有されているということで、大変心強く思います。これをきっかけに、またこの問題、議論させていただければと思います。  本日はありがとうございました。      ――――◇―――――
  397. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 次に、第二百一回国会、後藤茂之君外十四名提出労働者協同組合法案を議題といたします。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。桝屋敬悟君。     ―――――――――――――  労働者協同組合法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  398. 桝屋敬悟

    桝屋議員 ただいま議題となりました労働者協同組合法案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  本日、この場で趣旨説明をさせていただくこと、改めて、委員長、各党の理事先生方に深く深く感謝を申し上げながら、説明をさせていただきます。  さて、我が国では、少子高齢化が進む中、人口の減少する地域において、介護、障害福祉、子育て支援、地域づくりなど幅広い分野で、多様なニーズが生じており、その担い手が必要とされております。  これらの多様なニーズに応え、担い手となろうとする人々は、それぞれのさまざまな生活スタイルや多様な働き方が実現されるよう、状況に応じてNPOや企業組合といった法人格を利用し、あるいは任意団体として法人格を持たずに活動しておられます。  しかし、これら既存の法人格の枠組みのもとでは、出資ができない、営利法人である、財産が個人名義となるなど、いずれも一長一短があることから、多様な働き方を実現しつつ地域の課題に取り組むための新たな組織が求められております。  そこで、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行われ、組合員みずからが事業に従事することを基本原理とする新たな組合を創設することとした次第であります。  次に、本法律案の概要を御説明いたします。  第一に、労働者協同組合の目的は、組合員が出資し、事業を行うに当たり組合員の意見を適切に反映し、組合員が組合の行う事業に従事するという基本原理に従い事業が行われることを通じて、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することとしております。  第二に、労働者協同組合の要件は、組合員が任意に加入し、又は脱退することができること、組合員との間で労働契約を締結すること、組合員の議決権及び選挙権は出資口数にかかわらず平等であること、労働契約を締結する組合員が総組合員の議決権の過半数を保有すること、剰余金の配当は組合員が組合の事業に従事した程度に応じて行うこととしております。  第三に、労働者協同組合の運営の原則は、営利を目的として事業を行ってはならないこと、特定の政党のために利用してはならないことなどとしております。  第四に、労働者協同組合の設立は、行政庁による認可等を必要とせず、法律に定めた要件を満たせば法人格が付与される準則主義によることとしております。  第五に、労働者協同組合の管理、解散及び清算並びに合併、労働者協同組合連合会、行政庁による監督などの規定を整備しております。  なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、本法律案提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ、何とぞ御賛同いただきますようにお願いを申し上げます。  ありがとうございます。(拍手)
  399. とかしきなおみ

    ○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十日金曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十六分散会