○藤野
委員 いや、これは本当に重大な答弁だと思います。
法律をどう読んでも、
期間と書いてあるんです、ピリオドと書いてあるんです。タイミングなんて書いてない。この四十三条の三の三十二の
文言は、運転できる
期間は、そして起点も示して、
検査、
確認した日から、起点も示して、そして四十年という
期間も示しているんです。これが条文なんですよ。これを何かタイミングだとかと言うこと自体が、これはもう重大な解釈変更。当時の議事録を読みましても、まさにこの四十年は大問題になって、何で四十年なんだ、何で四十年しか運転できないんだという
議論がるるされているわけです。
だから、これは寿命であることはもう動かしようがない。これを、意見交換なのか知りませんが、タイミングだ、
評価を行うピンポイントのタイミングだ、
期間だったものをタイミングだと勝手に読みかえる。
これは、本当に
規制委員会が、初めおっしゃったように、ずっと述べる立場にないとおっしゃっているんですよ。配付資料でも、私はあえて青く塗らせていただいたんです。「かねてから、運転
期間の在り方について意見を述べる立場にない旨を表明してきたところであるが、」と前文でおっしゃい、一ポツでも、こうした運転
期間について「
原子力規制委員会が関わるべき事柄ではない。」とおっしゃっている。
最後の六ポツでも、
最後に、「
原子力規制委員会が意見を述べるべき事柄ではない。」とおっしゃっている。だから、述べなきゃいいんです。述べなきゃいいのに、三ポツとか六ポツで新たな解釈を勝手に持ち込んできているわけですよ。タイミングだと。
自民党の特別
委員長が高く
評価する、ここにこの見解の一番のポイントがある。四十年というものから
検査期間を除いてほしい、先ほど
お話もありました。
東京電力の柏崎刈羽も七年たっている。この七年を四十年に入れないでほしい。それを可能にするのはこのタイミングという言葉なんですよ。
こういうことをもしやりたいんだったら、私は法律を変えるべきだと思う。
国会で
審議をして、
規制委員会にこんなことを押しつけて、こういう意見を述べる立場がない
組織にこんなことを言わせるのではなくて、ちゃんと法律を変える、堂々と正面から
議論すべきである。そんなこともせずに、こういう見解なるものを出させてねじ曲げるというのは、私は、
原子力行政、本当にゆがめると思いますよ。
そして、これはこの間、
日本学術
会議とか検察庁法のところでも、現行法の解釈、確定しているものを、条文上動かしようがないものを政府内部で勝手に解釈したと問題になっています。ああいう
組織、学術
会議なんというのは戦前との関係で、戦前、科学者が戦争に協力させられた、それをやらないということで独立性があるわけですね。
原子力規制委員会は、あの三・一一の原発
事故が最大の
教訓になって独立性が
強化された。その
組織が、事もあろうに、条文の動かしようがないこの
文言を、タイミングだ、
期間だったものをタイミングだと言うのは本当に許しがたいと思う。
私、この問題を考える中で、そういった
規制委員会そのものの成り立ちというのを改めて振り返ってみました。
国会事故調査報告書、きょうも持ってきておりますけれども、配付資料の五をごらんいただきますと、こういう指摘があるんです。黄色く塗らせていただきましたけれども、「
規制及び指針類の
検討過程の実態は、」とありまして、「安全
確保に必要な
規制を策定するための健全なプロセスとは懸け離れたものであり、
規制側も
事業者側も、「既設の炉を停止しない」という条件を大前提に、体裁が整うような形で
規制の落としどころを探り合うというものであった。」
今回の四十年ルールに関する見解も、まさに
規制の
検討過程の話なんですね。おっしゃったように、いろいろな
検討が求められた、自分がずっと言ってきたけれども、
委員会として言ってきたけれども、それを何か納得しないということなんですね。それは正直におっしゃったと思うんです。
この
事故調
報告、こうも続けております。「当
委員会では、
事業者と
規制当局の関係を
確認するに当たり、
事業者のロビー
活動に大きな役割を果たしてきた電事連を中心に
調査を行った。その結果、
日本の
原子力業界における電気
事業者と
規制当局との関係は、必要な独立性及び透明性が
確保されることなく、まさに「虜(とりこ)」の構造といえる状態であり、安全文化とは相いれない実態が明らかとなった。」とあるわけですね。ここで言われる「
事業者のロビー
活動に大きな役割を果たしてきた電事連」、これが今もっとモデルチェンジというかバージョンアップされて、電事連も含むATENAという
組織になっているわけですね。
このATENAというのは、すごいんですよ、
規制委員会との
会合といいますか意見交換、ヒアリングも含めて、二〇一九年四月三日以降、
規制委員会からいただいた資料では、ことしの十一月二十六日までに三百四十回、意見交換を行っております。この四十年ルールについても十回以上既に行っている。
もちろん、私たちは意見交換自体を否定するものではありません。意見交換は否定しません。しかし、意見を述べる立場にないと言い続けていた
組織に対して意見交換を強いる、こんなものは意見交換と言わないと思うんです。本来であれば自由に意見を述べる、そして一定の知見を共有する、これが意見交換であって、意見を述べる立場にないんだ、意見を述べるべきでないとまで言っている、そういうところに、こういう、このテーマだけでも十回以上行っているわけですね。
ATENA側の一番の要求は、先ほど言ったように、
審査、工事等にかかった停止
期間は四十年の運転
期間から外してほしい、この一点です。しかし、これはやはり法律、
原子炉等規制法四十三条の三の三十二には、
原子炉を運転できる
期間は四十年だと書いているわけです。ここをいじらない以上、どうしたって無理な
議論なんです。実際、だからこそ、今まで三原発四基で、そこを起点にして延長
申請もされているわけです。
更田委員長、お聞きしますけれども、
規制委員会自身が、寿命だという立場で現行法の解釈、
運用を行ってきたと思うんです。それをどうしても変えたい、寿命じゃなくて身体
検査のタイミングにしたいというのであれば、
国会で
審議をする、それが筋じゃないか。
委員長の立場からおっしゃってください。