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2020-12-03 第203回国会 衆議院 憲法審査会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十二月三日(木曜日)     午前十時十分開議  出席委員    会長 細田 博之君    幹事 岩屋  毅君 幹事 江渡 聡徳君    幹事 小林 鷹之君 幹事 齋藤  健君    幹事 新藤 義孝君 幹事 中谷  元君    幹事 奥野総一郎君 幹事 山花 郁夫君    幹事 北側 一雄君       青山 周平君    秋葉 賢也君       石破  茂君    稲田 朋美君       大串 正樹君    大塚  拓君       城内  実君    黄川田仁志君       後藤田正純君    佐々木 紀君       佐藤ゆかり君    柴山 昌彦君       鈴木 淳司君    関  芳弘君       中曽根康隆君    長島 昭久君       丹羽 秀樹君    野田  毅君       福井  照君    船田  元君       務台 俊介君    盛山 正仁君       森  英介君    山下 貴司君       山田 賢司君    今井 雅人君       大串 博志君    近藤 昭一君       武内 則男君    辻元 清美君       中川 正春君    長妻  昭君       広田  一君    本多 平直君       道下 大樹君    谷田川 元君       大口 善徳君    國重  徹君       赤嶺 政賢君    本村 伸子君       足立 康史君    馬場 伸幸君       山尾志桜里君     …………………………………    議員           逢沢 一郎君    議員           中谷  元君    議員           船田  元君    議員           北側 一雄君    議員           馬場 伸幸君    議員           井上 一徳君    衆議院憲法審査会事務局長 加藤 祐一君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月三日  辞任         補欠選任   鬼木  誠君     青山 周平君   佐藤ゆかり君     中曽根康隆君   野田  毅君     佐々木 紀君   照屋 寛徳君     武内 則男君   馬場 伸幸君     足立 康史君   玉木雄一郎君     山尾志桜里君 同日  辞任         補欠選任   青山 周平君     鬼木  誠君   佐々木 紀君     野田  毅君   中曽根康隆君     佐藤ゆかり君   武内 則男君     照屋 寛徳君   足立 康史君     馬場 伸幸君   山尾志桜里君     玉木雄一郎君     ――――――――――――― 十一月二十七日  改憲発議反対することに関する請願本村伸子紹介)(第三七九号)  同(赤嶺政賢君紹介)(第五九七号)  同(笠井亮紹介)(第五九八号)  同(穀田恵二紹介)(第五九九号)  同(櫻井周紹介)(第六〇〇号)  同(志位和夫紹介)(第六〇一号)  同(清水忠史紹介)(第六〇二号)  同(塩川鉄也紹介)(第六〇三号)  同(田村貴昭紹介)(第六〇四号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六〇五号)  同(畑野君枝紹介)(第六〇六号)  同(藤野保史紹介)(第六〇七号)  同(宮本徹紹介)(第六〇八号)  同(本村伸子紹介)(第六〇九号)  立憲主義の原則を堅持し、憲法九条を守り、生かすことに関する請願田村貴昭紹介)(第四三四号)  同(高橋千鶴子紹介)(第四三五号)  同(畑野君枝紹介)(第四三六号)  同(藤野保史紹介)(第四三七号)  同(宮本徹紹介)(第四三八号)  同(本村伸子紹介)(第四三九号)  憲法九条を変えず、憲法の平和、人権民主主義を生かす政治実現を求めることに関する請願赤嶺政賢君紹介)(第五九六号) 同月三十日  憲法改悪反対、九条を守ることに関する請願赤嶺政賢君紹介)(第六七四号)  同(笠井亮紹介)(第六七五号)  同(穀田恵二紹介)(第六七六号)  同(志位和夫紹介)(第六七七号)  同(清水忠史紹介)(第六七八号)  同(塩川鉄也紹介)(第六七九号)  同(田村貴昭紹介)(第六八〇号)  同(高橋千鶴子紹介)(第六八一号)  同(畑野君枝紹介)(第六八二号)  同(藤野保史紹介)(第六八三号)  同(宮本徹紹介)(第六八四号)  同(本村伸子紹介)(第六八五号)  改憲発議反対することに関する請願近藤昭一紹介)(第七一八号)  同(志位和夫紹介)(第九三六号)  同(畑野君枝紹介)(第一〇二一号)  憲法九条を変えず、憲法の平和、人権民主主義を生かす政治実現を求めることに関する請願近藤昭一紹介)(第七一九号)  同(畑野君枝紹介)(第一〇二二号) は本憲法審査会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国憲法改正手続に関する法律の一部を改正する法律案逢沢一郎君外五名提出、第百九十六回国会衆法第四二号)  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題)      ――――◇―――――
  2. 細田博之

    細田会長 これより会議を開きます。  第百九十六回国会逢沢一郎君外五名提出日本国憲法改正手続に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
  3. 新藤義孝

    新藤委員 自民党新藤義孝でございます。  先週に引き続きまして、七項目案質疑をこの憲法審査会が開催されてできますことを歓迎したいと思います。  しかしながら、先週の会議録を読み返してみても、七項目案法案内容に関する質問は、山尾委員馬場提出者に対する、公選法改正により投票所への入場可能な子供範囲拡大したことにより、実際に入場した子供の数がどのぐらいふえたか、この一問だけでございます。  その他の質問は、七項目案CM規制審議の進め方、CM規制内容等に関する質問でありまして、質疑の中心は、既にこの七項目案を離れて、国民投票法をめぐる次の課題に移っているわけでございます。  私自身といたしましても、全会一致成立した、既に公職選挙法で実施されている事項国民投票法に反映させるこの法案内容につきまして、質問する事項というものは見当たらなかったわけでございます。  そもそも、国民投票法は、その手続法としての性質上、その時々の社会情勢国民意識の変化に伴って随時アップデートしていく必要がある、こういう性格だと思っております。ですから、国民投票法議論はこれで終わったということはないということなのでございます。  一部野党の皆さんが心配されております、七項目案採決が終わったら、投票法議論が閉じられて、憲法改正のその次のところに邁進するのではないか、こういう御心配がありますが、それは、国民投票法という手続論議をする性格上、そうしたことは心配されなくてもよろしいのではないか、このように改めて申し上げたいと思います。  したがいまして、これまで何度も申し上げているとおり、八国会目でございます。ようやく審議に入りました。質疑もほぼ、その質疑内容が見当たらないような、そういう七項目案につきましては粛々と採決を行った上で、多くの委員が関心を示している次のテーマ議論を進めていくべきだ、私はそのように思います。  実際に、テレビ、ラジオといった放送CMの問題のほかにも、ネットCMの問題、SNSやフェイクニュースの問題、当日運動の可否、また、外国人寄附規制の問題など、多くのテーマ論点として挙げられております。  そこで、逢沢提出者にお伺いをさせていただきたいと思いますが、逢沢先生は、自民党選挙制度調査会長として公選法改正にたびたび関与されてきた専門家でございます。  国民投票法にかかわる投票機会拡大の充実という観点、もう一つは、表現の自由と投票の公正さをバランスをとる、こういう観点から見て、今後の憲法審査会における国民投票法改正論議というのはどのように行っていくべきなのか、そのあり方について御所見をいただきたいと思います。
  4. 逢沢一郎

    逢沢議員 新藤先生お答えをいたしたいと思います。  先生から御指摘をいただきましたように、私は、長年、与党自由民主党選挙制度調査会長として、公選法改正責任者として党内で努力を続けてまいりました。  御承知のように、公選法は、その制定以来、たびたび改正がなされてまいりました。その改正の歴史は、我々国会議員が被選挙権を行使する立場で、有権者との対話を通じてさまざまな問題点を把握しながら、昨今では、特に投票率低下の現状を念頭に置きながら、とにかく投票しやすくする、投票環境投票条件の整備を進めていく、利便性確保していく、そのことに力を尽くしてまいりました。また同時に、選挙運動の自由、また選挙の公正の確保、このバランスというものにも配慮してきたところでございます。  引き続き、不断見直し、このことを大切にしております。よりよい選挙をつくっていく、民主主義の土俵、基盤をより充実したものにしていく、不断見直しが必要でございます。新藤先生指摘の、これで終わりということはない、不断改正が大事なんだ、全く同感でございます。その点をまず確認をさせていただきたいと思っております。  実際問題、公選法におきましても、いわゆる七項目案成立をさせました。その後、二項目利便性向上策成立をさせ、現在は、郵便投票者範囲拡大ですね。介護保険法における要介護度五の方にしか認められていない郵便投票範囲を四、三の方にも拡大しよう、これなんかは、政党会派を超えて理解がいただけるもの、内容的には全く問題ないんじゃないか、そのように思っておりますけれども、議論をさせていただいております。  このような経験に鑑みますと、新藤先生がおっしゃられましたが、CM規制その他の新しい問題についても、できるだけ幅広い会派の合意を得るためには、この審査会での丁寧な議論を繰り返しながら、まさしく超党派で改正案を取りまとめていくといった作業が非常に大事だというふうに認識をいたしております。  また、憲法審査会には、手続法たる国民投票法議論、これも不断見直し、そういう態度で臨んでいただくことが必要であろうかと思います。  同時に、あえて申し上げれば、国民皆さんが本当に期待をしているのは、また、聞きたいと思っておられるのは、憲法改正本体議論であるということは間違いがないというふうに認識をいたします。この本体議論も粛々と進めていただきたい、あえて一言申し上げさせていただきたいと思います。  どうぞよろしくお願いいたします。
  5. 細田博之

    細田会長 次に、本多平直君。
  6. 本多平直

    本多委員 立憲民主党本多平直です。  この国民投票法の七項目については、何か異論がないみたいなことを勝手に決めつけで発言される方がたくさんいらっしゃるんですが、きょう私は二点指摘をさせていただきたいと思います。  期日投票時間の弾力的な設定についてという改正案が出されていますが、お配りしている資料を見ていただければと思います。実は、改正前が左で、改正後が右でございます。いろいろな方の知恵を使ってつくってみたんですが、今の仕組みから変えたことによって、自治体選挙管理委員会判断によっては、あいている総時間数が少なくなるという事例もあるということをお示しをしています。  こういった、投票機会拡大拡大といいながら、投票時間が短くなるような改正提案されている理由は何ですか。
  7. 逢沢一郎

    逢沢議員 本多先生お答えを申し上げたいと思います。  七項目のうち、繰延べ投票期日告示期限見直し……(本多委員「聞いていません、それ」と呼ぶ)大変失礼をいたしました。  投票時間の弾力化についてでございますけれども、これは、平成二十八年の公選法改正審議の際に、特にこの項目を問題にする発言はなかったと承知をしております。むしろ、対案として提出された民主党案におきましても、開始時間を二時間でなく三時間前倒しをすることができるという違いはあるものの、他は同様な内容が定められており、その上で、全会一致成立をさせていただいたと承知をいたしております。  この公選法改正後、既に数回国政選挙がございました。平成二十八年の参議院選挙、そして平成二十九年の衆議院選挙令和元年参議院選挙があったわけでございますけれども、特に、有権者の方から、投票機会が狭められた、利便低下をしたといったような報告等は上がってきていないというふうに承知をいたしております。
  8. 本多平直

    本多委員 今言ったのは、もちろん、一年に一回、数年に一回、頻繁に行われる選挙においては、自治体の職員の対応の硬直化を防ぐ、まずこういう観点からこういう改正をしたときには旧民主党賛成をしました。しかし、皆さん、よく考えてください。数年に一度の憲法改正する国民投票の時間数を短くするというのは全く別な問題で、そのことを逢沢委員は検討されたのかということを私は聞いています、提出者は。  もう一点言うと、実は、これは自治体判断で極端な例をつくったと思われる方がいるかもしれませんが、この問題の一番の論点は、必ず八時半から八時まであいている場所がなくてもいいということに今回改正されるんです。  普通の期日投票はかなり一般的になっています。国民の間にも浸透してきています。みんなが思いつくのは、役場役所なんです。市役所役場にやっと期日投票に行けると六時に駆けつけて、七時に駆けつけたら、もう閉まっている。自治体皆さんには多少負担をかけるかもしれないけれども、こんな短縮を認めるというのは、僕は国民投票にふさわしくないと思うんですが、いかがですか。
  9. 逢沢一郎

    逢沢議員 各選管が、もちろん、公選法でこういった経験を、先ほど答弁をさせていただきましたように、国政選挙において経験をしてこられました。そして、有権者の声、反応等についても十二分に聴取をする、また、その努力をしなさいということを我々も督励をしてまいりました。  適切に、各選管判断、そして周知を徹底をしていく、この期間内にぜひ投票してほしい、権利を行使をしてほしい、そういった呼びかけ等も更に熱心に行う、そういった全体の努力を通じて投票権利確保される。各選管も最大限の努力をしていただけるものと心から確信をいたしております。
  10. 細田博之

    細田会長 時間が来ております。短くお願いします。
  11. 本多平直

    本多委員 役場役所ぐらいの投票所は八時まであけることこそが、僕は、自治体選管にお願いする、数年に一回しか行われないような大きな国民投票にはそうすべきだという論点一つ提示しておきますので、今後も議論したいと思います。  もう一点、台風が予想されたときなどに投票日を繰り延べるという規定が、これも横並びで入ってきています。しかし、私は、早く市長を決めなきゃいけない、早く知事を決めなきゃいけないという急いで結果を出さなきゃいけない選挙国民投票の場合、違えていいのか。  これまでは、改正前は、土曜日に、あしたは台風だから、一部の地域は木曜日に延期できる、一番早くて木曜日に延期できる。それを、今回の逢沢提出者が出している提出案は、日曜日が台風の予定だから、土曜日に、月曜日に投票日を変えるということが可能になっています。  これは、そもそも、日曜日は大きな台風が予想して、台風が来ているわけです。その自治体において、この大事な国民投票を平日の月曜日に可能にするという改正は、私は選挙ではあり得ても国民投票ではあり得ないと思いますが、いかがですか。
  12. 逢沢一郎

    逢沢議員 七項目のうち繰延べ投票期日告示期限見直しについては、平成二十八年の公選法改正審議の際に特にこの項目を問題にする発言はなく、全会一致成立をいたしました。  その公選法改正の経緯、議論をしっかりと踏まえながら、この国民投票法改正、粛々と進めていただきたいと思います。
  13. 細田博之

    細田会長 それでは、ちょっと時間が来ておりますので。
  14. 本多平直

    本多委員 私は、公選法と違う理由をきちんと説明しているんです。  市長を決める選挙は急がなきゃいけない、結果の確定。だから、こういう改正はあり得た。だから、旧民主党賛成しているんです。国民投票にこういう急ぐ必要があるのかという議論を提起しているんですが、いかがですか。
  15. 逢沢一郎

    逢沢議員 同じ答弁になるわけでありますけれども、各選管判断によって、丁寧に周知をしっかりと行いながら、適切に国民投票の実施を図ってまいりたいと思います。ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
  16. 細田博之

    細田会長 では、時間でございますので……(本多委員「いいですか」と呼ぶ)  では、本多君。
  17. 本多平直

    本多委員 会長、まだ議論することがあるので、今後ともよろしくお願いします。  これで終わります。
  18. 細田博之

    細田会長 次に、國重徹君。
  19. 國重徹

    國重委員 公明党の國重徹です。  七項目案についての質疑、これにつきましては、今、本多委員の方から一部指摘はございましたけれども、先週の憲法審査会を見ましても、ほぼ尽きているように私は感じております。  法案内容面に関する質疑は、先週はございませんでした。これは、先週段階、法案内容に問題がないからこれに関する質疑がないのであって、そうであれば、必要なものに関しては審議をするのは私はやぶさかではありませんけれども、できる限り早く、速やかに採決をして、次の懸案に取りかかるべきだと思っております。  そこで、次の懸案一つであるCM規制について質問をいたします。  国民投票法制定時、国民投票運動あり方については、自公案民主案法案協議が行われていた際に、当時の民主党の主張を受け入れまして、最終的に、国民投票運動はできるだけ自由に、制約は必要最小限という考え方が採用されたものと承知をしております。ただし、テレビ等放送メディアは扇情的な影響力を持ちやすく、また、資金量の多寡がCMの量に影響し、投票の公平公正を阻害するおそれがあることから、勧誘CMについては現行法投票期日前十四日間を禁止とする規制がされています。  しかし、今やインターネット広告放送広告を凌駕しつつあります。デジタルサイネージといった新しいメディアも普及しております。  その上で、制定時とメディア環境が変化していたとしても、国民投票運動の自由と投票の公平公正の確保バランスを図るという要請は時代を超えて普遍的だと考えますが、北側議員CM規制の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
  20. 北側一雄

    北側議員 今おっしゃったように、国民投票法制定された当時と現在とを比較しますと、もうメディア環境は一変をしているという認識を持っております。  しかしながら、今おっしゃったように、国民投票運動の自由、これは憲法表現の自由、また報道の自由を根拠としていると思いますけれども、この国民投票運動の自由と投票の公平公正との確保をどうバランスをとっていくのかということは、時代が変わっても変わっておらない、不変であるというふうに考えております。  こういう広告規制をどうするかというのは、一つは、現行国民投票法百五条のように法規制をしていくという方法と、あと自主規制ですね。自主規制にも二つありまして、広告を発する側の広告主である政党側自主規制、そしてもう一方で、事業者側自主規制、こういう自主規制方法もございます。  メディアが非常に多様化複雑化、さらにメディアがどんどんどんどん進展していく中で、そこで法規制をしていくというのはなかなか、そういう流れに追いつかないといいますか、むしろ事業者側、さらには政党側自主規制をしていく、こういうふうな考え方も非常に重要ではないかというふうに思っております。  ちなみに、放送事業者側につきましては、民放連が平成三十一年に考査ガイドラインというものを策定をされました。その中で、勧誘CM意見表明CMの別をCM内に明示すること、それから、広告主体を明示するといった基準に合致しないCMは取り扱わない等々、幾つかの、まあ、私から見ますとこれは自主規制だというふうに思えるんですけれども、一定の前進が見られるのではないかと思っております。  また、政党側の方も、政党間でよく協議をいたしまして自主規制のルールを策定する。これは、先週、國重さんからも御提案のありましたことも含めまして、与野党間でぜひ議論をさせていただきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、この広告規制インターネット広告を含む広告規制というのは、そんな簡単な問題ではございません。したがって、まずは現在審査されております七項目案、これは投票機会拡大を進めていくという話でございまして、異論はないものと思われます。これについては、一刻も早く審査を終えて採決をしていくべきであるというふうに考えております。  以上です。
  21. 國重徹

    國重委員 あと一問用意しておりましたけれども、時間がオーバーしますので、これで終わりにしたいと思います。
  22. 細田博之

    細田会長 次に、赤嶺政賢君
  23. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 日本共産党赤嶺政賢です。  前回に続いて質問をいたします。  前回、私は、コマーシャル規制の問題や最低投票率の問題を挙げ、現行法の欠陥に向き合うことが重要だと指摘しました。逢沢議員は、原口・奥野案に対する考えを述べられましたが、最低投票率の問題については触れられませんでした。  最低投票率の是非については、参議院附帯決議で、速やかに検討することとされたにもかかわらず、十年以上にわたって放置されてきました。  逢沢議員に伺いますが、憲法改正にかかわる問題については、主権者である国民意思を幅広く酌み尽くすことが不可欠です。現行法最低投票率規定がなく、有権者の一割台の賛成でも改憲案が通ってしまう仕組みになっていることは問題ではないかと思いますが、いかがですか。
  24. 逢沢一郎

    逢沢議員 赤嶺先生お答えをいたします。  国民投票法制定当時に最低投票率制度を導入すべき旨の意見が出されたということは承知をいたしております。  当時の提案者でございました保岡興治先生からは、憲法九十六条が許容する以上の加重要件となる疑義があるということ、また、いわゆる選挙をボイコットするボイコット運動を誘発をする可能性があること、また、最低投票率を境に賛成反対が逆転してしまうという、いわゆる民意のパラドックスが生じ得るということなどを理由に、最終的には最低投票率制度に関する規定は設けないこととなったと伺っております。  また、申し上げますが、民主党案提案者であった枝野幸男先生も、今申し上げた理由のほか、発議された憲法改正案内容がいずれ専門的、技術的であることになる、その場合には必ずしも高い投票率が期待できないこともあり得るということを理由に挙げられて、与党提案者と同様に、最低投票率制度を設けるべきではないと主張されたと記憶をいたしております。  また、例えば、山花会長代理は、御自身発言、ブログでございますけれども、「投票率が低いという事実をもって、憲法によってつくられた権力である国会が、法律でその効力を否定することはできない」と述べておられ、最低投票率制度を設けることには否定的なお立場に立っていらっしゃると認識をさせていただいております。  等々、したがいまして、最低投票率規定がないから問題であるということは、提案者としては考えていないということを申し上げさせていただきます。
  25. 赤嶺政賢

    赤嶺委員 提出者は、七項目案公選法並びの措置だから速やかに成立させるべきだと言いますが、私は、先ほど本多委員質問にもありましたように、公選法並びだからよいのかということ自体が問われなければならないと思います。  例えば、現行法が、地位利用理由に、公務員や教育者国民投票運動を不当に制限している問題です。  憲法改正国民投票では、主権者である国民の自由な意見表明や活動を保障することが不可欠です。定義の曖昧な地位利用理由に、国、地方の公務員や、大学教員から幼稚園の先生に至るまで教育に携わる者全ての国民投票運動を禁止することは、国民の意思を酌み尽くすことに反し、国民の自由な意見表明運動を制限することにつながります。  現行法制定当時、提出者は、この規定について、公選法を準用したと答弁をいたしました。  私たちは、今の公選法のべからず体系や、公務員の政治的、市民的自由を不当に制限していることにも重大な問題があると考えていますが、国民投票法について言えば、公選法に倣ったことが欠陥を生んでいるのではありませんか。当時の審議でも、参考人や公述人から、憲法改正国民投票法公選法を一緒にして考えるのはおかしいという指摘が相次ぎました。  私たちは、こうした問題こそ正面から向き合うことが必要だと指摘しているのであり、公選法並び理由に与党案のみ一方的に採決することは認められません。原口・奥野案も含め、趣旨説明をして、並行して審議し、現行法の欠陥を慎重に時間をかけて議論することを求めて、きょうは質問を終わります。
  26. 細田博之

    細田会長 次に、山尾志桜里君。
  27. 山尾志桜里

    山尾委員 国民民主党山尾志桜里です。  私から質問三つなんですけれども、ちょっとその前に、今、本多委員から期日投票投票時間の弾力的な設定についてお話がありました。  私の考えですけれども、この趣旨というのは投票機会拡大であって、投票可能延べ時間の拡大ではないと思うんですね。投票の延べ時間を延ばすことが本質ではなくて、住民の生活実態を一番よく知っている自治体ごとに柔軟に時間を設定することで、投票機会を新たに創出したり、本当にその住民が投票しやすくするという、まさに投票環境の整備だと思うんです。  だから、例えば朝早い学生さんが多ければ、それは時間を早く設定したり、帰りが遅い通勤者の人にも可能にしたり、あるいは共通投票所も今回、改正の対象になっていて、共通投票所をやるときには、例えばショッピングセンターだったらその閉店時間に合理的に合わせたりということを可能にするということが目標だと思いますので、ちょっとその点を述べさせていただいて、質問に移りたいと思います。  まず、一点目なんですけれども、この七項目の後控えている二項目令和元年公選法で施行済みのものですが、その内容について余り国民皆さんに知られていないと思うので、その内容と、それを国民投票法に入れ込む場合にはどんな論点があり得るのかどうかということを中谷委員に伺いたいと思います。  済みません、ちょっと続けて二問目と三問目。  二問目ですけれども、郵便投票の対象範囲拡大ということも論点に挙がっておりますが、この議論状況が余りよく見えませんので、その点についてお話しいただけることがあれば、北側委員からお願いしたいと思います。  最後に、外国人による国民投票運動自体を規制する議論の必要性や懸念という指摘が、先週、井上委員からありましたので、その点についてどのようにお考えか、少し開陳していただければと思います。  以上です。
  28. 中谷元

    中谷(元)議員 山尾議員の御指摘の二項目改正につきましては、まず、天災等の場合に、安全、迅速な開票に向けた規定の整備、そして、投票立会人等の選定要件の緩和を行うものであります。  この二項目につきましては、例えば台風などで離島から投票箱が搬送できない場合、翌日開票になってしまいますけれども、やはり離島に開票所を設けることができることなど投開票環境の向上に関する事項でありまして、これは全会派一致して成立したものと承知をしております。  国民投票法においても同様の措置を講じることについて特段の論点があるとは考えておらず、山尾議員の御指摘のとおり、こういった投票環境の向上という趣旨でございますので、ぜひ、各会派協議をした上、法改正につないでまいりたいと思います。
  29. 北側一雄

    北側議員 郵便投票の対象範囲拡大についての御質問がございました。  この郵便投票の対象範囲拡大につきましては、平成二十九年の総務省の投票環境向上方策等に関する研究会における報告書の内容を踏まえまして、現行は、要介護五の方がこの郵便投票ができることになっているんですが、要介護五から更に要介護四及び三まで対象範囲拡大する法案について検討がなされまして、与党においては既に党内手続を終えておりまして、今は野党の皆様に呼びかけをしている、こういう状況でございます。  現在、御承知のとおり、我が国は高齢化がますます進展をしております。人口減少時代に突入し、また、地方に行きますと過疎化がどんどん進んでいる、こういう中で、有権者の方々の選挙権行使をどう確保していくか、こういう課題でございます。  要介護四及び三の状態にある人においても、投票所に赴くことが困難な方々が多数おられる。さらには、選挙権というのは国民政治参加の重要な権利であって、その行使の機会をできる限り確保することは議会制民主主義の根幹にかかわることである。そうしたことを考えますと、選挙の公正確保の趣旨を徹底しつつも、できるだけ多くの方に投票の機会の確保を図ることは非常に重要な意義を持っているというふうに考えております。  地方団体からも、ぜひ郵便投票の対象範囲拡大してもらいたい、そうした声もいただいておりますので、ぜひ与野党において、まず選挙ですけれども、選挙の方でこの郵便投票拡大ができるように合意を図っていきたい、そのように考えております。  以上です。
  30. 井上一徳

    ○井上(一)議員 外国人による国民投票運動自体を規制する議論の必要性について御質問をいただきました。  まず、憲法改正国民投票が、国の基本法に関する主権者たる国民の貴重な意思表明の機会であることを踏まえれば、その国民投票運動については、外国人や外国の組織、外国の政府などによる不当な影響がないようにしなければならないというふうに考えております。  他方で、国民投票の性質に鑑みれば、その国民投票運動は、可能な限り自由で制約のないものとすることも要請されているというふうに言えると思います。現行国民投票法は、このような基本的な考え方に基づきまして、その公平さを確保するための必要最小限度の規制を設けた上で、できるだけ自由な運動を保障しようとしたものであるというふうに承知をしております。  この外国人等による国民投票運動について、このような観点に鑑みれば、具体的にどのような弊害を生ずるおそれが考えられるのか、公職選挙法上、外国人等による選挙運動は禁止されていない、そのこととのバランスをどう考えるのか、外国人等による寄附について何らかの制約を設けなくてよいのか等の論点があるものと考えられます。  これらの論点を踏まえた上で、憲法審査会の場において引き続き議論を深めていくべきと考えております。  以上です。      ――――◇―――――
  31. 細田博之

    細田会長 次に、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。  この際、日本国憲法及び憲法改正国民投票法を巡る諸問題について、前回に引き続き自由討議を行います。  この際、委員各位に申し上げます。  発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。  発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。  なお、幹事会の協議により、一回当たりの発言時間はおおむね五分といたします。委員各位の御協力をお願いいたします。  発言時間の経過につきましては、おおむね五分経過時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。  それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
  32. 大串博志

    大串(博)委員 立民会派大串でございます。ありがとうございます。  私も引き続き、国民投票法改正案に関して意見を述べたいと思います。  まず、第一に、いわゆる七項目案についてです。  この案は、その内容におおむね問題はないのではないかとの見方が述べられていますが、それでも、憲法改正に係る国民投票という極めて重大な国民の意思表出の方法規定するものでありますので、かなり慎重な議論はやはり必要ではないかと思います。特に、一般の選挙憲法改正に係る国民投票というそもそもの大きな性格の違いについて、どの程度検証をされ、その結果を反映した内容となっているかという問題については、かなりの議論が必要だと思います。  先ほど本多委員からも話がありましたけれども、七項目案においては、投票機会を制限する方向で作用し得る期日投票時間の短縮の可能性などの論点も含まれております。これが憲法改正国民投票運動にどのような意味を持つのか、詰めた議論が必要だと思います。  また、繰り返し主張しておきますが、CM規制については、その議論の必要性がこの審査会においても繰り返し主張されてきています。与党の皆さんもその必要性を認めてくださっています。旧国民民主党提出法案が既に提出されていますので、これについても、七項目案と同時並行的に議論が進められるべきです。  その際には、昨今の課題として、インターネット規制の問題も提起されています。この論点も取り入れた議論が行われるべきだと思います。  いずれにしても、通常国会において何らかの結論を得るということの大前提は、静かな環境の中で粛々と議論をするということであって、そのためには、CM規制に関する改正案も並行的に議論が行われるということが必須であることを念押ししておきたいと思います。  さらには、現行国民投票法制定過程において、国民投票国政選挙との関係についての議論がありました。その際においては、想定されていないという提案者からの答弁が続いていました。しかし、その後の政治の動きの中で、当時の安倍総理も、あるいは菅官房長官、現総理も、国政選挙との同時実施を排除しない旨の発言がありました。国民投票法成立の際の議論は何だったのかなという感すらあります。  したがって、今後の国民投票法改正議論においては、国政選挙との同時実施を明確に否定する内容規定もきちんと整備される、そのような検討も行われるべきだというふうに思います。  最後に、今国会において、憲法上の課題として浮上してきたものもあります。それは憲法第十五条第一項の規定です。  今回、日本学術会議における総理の任命拒否の根拠として、十五条一項の公務員選定における国民権利という規定を利用して政府から語られました。私は、憲法のどこをどう読めばこの条項から総理が学術会議からの推薦リストに反して任命拒否ができるという一法律の解釈に至れるのか、さっぱり理解できません。  このような乱暴な憲法の利用あるいは悪用が行われること自体が大問題だと思われますので、この点は、憲法審査会で一度しっかり時間をとって議論を行うべきではないかと思いますので、提案をさせていただきたいと思います。  私からは以上です。
  33. 石破茂

    ○石破委員 自由民主党の石破茂であります。  七項目につきましては、おおむねもう審議は尽くしたものと承知をいたしておりますので、速やかな採決をお願いしたいと思っておりますが、先ほど新藤幹事からお話がありましたように、それでは、これが成立したらすぐに国民投票が行われちゃうのではないかというような懸念があることは、それは事実であって、そういうことにならないような何かの担保というものは国会として必要なのだというふうに思っております。それがどういうような形式になるかは議論のあるところでありますが、そういうような懸念には及ばないということは、きちんと本委員会の責任において担保をいただきたいというふうに考えておるところであります。  その上で、先ほども議論がありましたが、最低投票率というものをどう考えるべきなのかということは、真摯に考えた方がいいんだろうと思っています。つまり、衆参の総議員の、出席議員ではない、定足数ではない、衆参の総議員の三分の二で発議ができるということと、国民投票においては投票率が全く勘案されないということの整合をどう考えるべきかということは私もずっと悩んでおるところでありますが、一方、先ほど答弁者からありましたように、そうすると投票をボイコットしようみたいな運動が起こりかねない、そうすると本末転倒みたいな議論になってしまうわけですね。  そういうように考えると、絶対得票率みたいなものは必要なんではないだろうかと私は思っております。投票率で考えましたときに、投票率が五割で賛成五割ということになると、二五%で最高法規たる憲法改正できるという非常に不思議なことになりかねないわけであります。衆参の三分の二というものとの整合をどう考えるかということもありまして、どれだけ国民の意思を反映させるかという手法については、更に詰めた議論、そして成案が必要だと思っております。  CM規制につきましては、とにかく、金を持っている者が有利だみたいなことが絶対にあってはならないのであって、そこにおいては、賛成であろうが反対であろうが公平というものは確保されなければならない。もう一つは、いかにして国民が正確な知識のもとに深く考えてもらえるかということに配意をしなければならないはずであります。  別に九条だけを議論するつもりはございませんけれども、九条において、政府としては、私もその一員として答弁をしたところでありますが、必要最小限度論というものをずっと展開してきた。必要最小限度だから陸海空軍ではないのだとか、必要最小限度ではあるから交戦権は否定されるのだと、この必要最小限度論でずっとやってきて、芦田修正というものを政府は一度もとったことがないわけであります。  ただ、必要というのは質的概念であって、最小限度というのは量的概念であって、これを混同するから議論は非常におかしな方向に行くのだというふうに考えておりますが、今までの議論はどのような推移をたどってきたか、それぞれの言葉はどのような定義を持つのかということを国民にきちんと御理解をいただいた上で国民投票に付すということは必要なことだと思っています。  一人でも多くの国民に参加していただくということと、どれだけ正しい知識を持って賛成でも反対でも意見を表明していただくか、この両方に我々は配意をしていかねばならないことだというふうに思っております。  その観点から、先般も申し上げましたが、これは五十人たしかおられるんですよね。これが毎回毎回やっておってもなかなか討議にはならない、演説会みたいなことになってしまうわけであります。きちんとした質疑応答が行われねばならないということ。  そして、この委員会も、幾つかの分科会というんでしょうか、小委員会というんでしょうか、分けまして、全国四十七都道府県、できれば全国三百小選挙区、そこにおいて議論をすることが必要なことであって、国民の皆様方に、何も九条に限りません、政党法もそうです、臨時国会は何日以内に召集の手続をとらなければならないかということもそうです、先ほどの学問の自由においてもそうなんですが、国民皆さん方はお忙しいのであって、朝から晩まで憲法のことを考えている人というのはそんなにいない。こちらからどれだけ働きかけていくか、語りかけていくかということは極めて重要なのであって、そろそろそういうような、この委員会の運営につきましても、幹事の皆様方の御議論をいただき、この委員会の合意を得て、国民に向けて、とにかく国会というものが最高法規たる憲法改正に真摯に臨んでいる、そういう姿勢を見せることが何より必要だ、かように考える次第であります。  以上です。
  34. 大口善徳

    ○大口委員 公明党の大口善徳でございます。  まず、いわゆる七項目案は、平成二十八年に改正された公職選挙法で既に施行されている投票環境の整備を行おうとするものでございます。先ほど、国民投票選挙における投票は違う、こういう御指摘があったわけでありますが、この国民投票選挙投票は、今回、七項目投票の機会を拡大する、あるいは投票者の利便性の向上という点では、これはいずれも必要である、こういうふうに考えます。そういう点で、この七項目案は速やかに採決し、各会派から論点が提起されているCM規制等の問題について議論を深めるべきであると考えております。この点を御指摘しておきたいと思います。  また、CM規制を始めとする国民投票法議論につきましては、これまでの自由討議や法案審査議論を聞いていますと、既に実質的にはCM規制議論に入っていると言っても過言ではございません。しかも、これまでの議論では、テレビやラジオといった旧来型の放送メディアにおけるCMだけではなく、法制定時に考えられなかったインターネットCMの問題や、一般国民による自由な発信であるSNSにおけるフェイクニュースの問題など、国民投票法をめぐる状況は大きく変化しているとの問題提起もありました。  このCMに係る問題についてはさまざまな立場があります。まず、テレビやインターネットという媒体の特性に着目して何らかの法的規制をすべきとの立場、また、法的規制ではなく、広告の出し手である政党広告の受け手である放送等の事業者の自主的取組によることが適当であるとの立場があります。この議論に当たっては、表現の自由、報道の自由は民主主義の基盤であり、その制約は必要最小限度のものでなければならないという前提が必要であります。  この観点から、私は、法的規制については慎重に考えるべきであり、広告主である政党側自主規制事業者側のガイドラインなど自主的な取組をあわせて推進することによって、表現の自由の保障と投票の公平公正の確保バランスが図られるものと考えます。  さらに、国民への情報提供を十分に確保するため、また、政党間の一定の実効的な自主規制ルールを設けるためにも、広報活動全般について賛否平等が法定されている国民投票広報協議会の機能の充実強化が重要であると考えます。  いずれにしましても、この問題は、国民投票運動の自由と国民投票の公平公正とのバランスという憲法上の自由にもかかわる問題でありますので、丁寧に検討すべき課題であります。そうであるからこそ、まずは七項目案採決をしていただき、早くCM規制に係る議論を深めていくべきと考えます。  国民投票法については、CM規制のほかにも、投票日当日の運動の可否、外国人寄附規制、インターバル規制、これにつきましては、憲法九十六条で規定されている憲法改正国会の発議、国民投票法律で制約してよいのかとの指摘もありますが、そのような諸課題のさまざまな論点が提起されています。このような諸論点について着実に議論を重ね、国民投票法主権者である国民の視点に立ってよりよいものにしていく必要があると考えます。  その際、議論を拡散させず、論点ごとにかみ合った議論をして結論を出していくためには、幹事会や幹事懇談会で、あるいは幹事会のもとに検討会を設置して、議論を積み重ねて集約をしてから審査会審議に反映させていくことも検討に値すると考えます。  今後、国民投票法議論を精力的に進めるべきであるとはいえ、この憲法審査会国民投票法議論のみに注力することは適当ではありません。憲法の中身の議論も重要です。憲法審査会というオープンな場で自由闊達に憲法論議を重ねることが国民から期待されていると思います。憲法改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成国会がこれを発議し、国民提案してその承認を得なければなりません。国民投票法改正したからといって、一気に憲法改正が進むわけではありません。憲法審査会において、憲法の中身についても丁寧に着実に議論を積み重ね、できるだけ多くの政党の合意を形成すべきものと考えます。  以上です。
  35. 足立康史

    足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  憲法改正手続を定める国民投票法改正案については、七項目案については既に議論は尽くされており、もう残る論点はない、こう認識をしております。  こうした観点から、日本維新の会としては、先週の憲法審査会馬場幹事長が、直ちに採決するよう動議でお訴えを申し上げましたが、速やかに採決をするべきとの考えに私たちは変わりがありません。  先般の二幹二国での合意というものが報道されておりますが、仮にこの二幹二国の合意が確かなものであったとしても、来年度予算が成立してから等といったことではなくて、通常国会が開会されれば遅滞なく採決すべきであると改めてお訴えをしておきたいと存じます。  さて、大阪における住民投票については、先月十九日の憲法審査会山花委員及び辻元委員から、また、先週の十一月二十六日の憲法審査会では、その先週、前の週の辻元委員発言を踏まえて山尾委員から、そして改めて辻元委員から、大阪が大阪が大阪がという言及がございました。ついては、私から、それらの御発言についてお答えするとともに、より本質的な論点を提示をしていきたい、こう思います。  まず、CM規制でございますが、山花委員は、十一月十九日、大阪の住民投票の際のCMの量は果たして公平だったと言えるのか、法的規制が不要と考えるのは難しくなったとおっしゃり、辻元委員に至っては、お金を出せばやりたい放題等と、この由緒ある憲法審査会と予算委員会とを何か履き違えておられるかのような印象操作をこの場で展開をされました。  大阪での経験をおっしゃるのであれば、問題の核心はCMの問題ではありません。むしろ政党の活動そのものである。二週間前の十一月十九日のこの場でも私は申し上げましたが、明らかなデマを拡散する、大阪では、毎日新聞大阪本社の記者と大阪市財政局幹部との不適切な連携のもとに作成された、事実にはあり得ない数値を記した虚偽の公文書がつくられ、それに基づいた毎日新聞の報道に、辻元清美委員も含めて、共産党、大阪の自民党自民党じゃないですよ、大阪の自民党の一部政務官たち、山本太郎さんたちが、この二百十八億円を掲げて住民投票終盤を活動したわけであります。  私は、ここで辻元委員にお聞きをしたいと思います。  この二百十八億円のデマについて、これが住民投票終盤を席巻したことについてどうお考えか。もう一つは、私が今申し上げたように、問題の核心は、CM規制なんかではなくて、辻元清美委員のやられたこと、委員じゃないですよ、辻元さんが悪いんじゃない、辻元さんや山本太郎さんや共産党がやられたその活動にあると私は思いますが、いかがですか。
  36. 辻元清美

    辻元委員 今の足立委員発言について、私は、毎日新聞の二百十八億円の記事を引用して運動したことはございません。  というのは、その根拠について、私自身、何か確たるものがなかったので、他の委員議員は知りませんけれども、私については直接あれを利用したことはございませんので、発言を訂正してください。(足立委員「それじゃ、私は辻元委員が、いいですか、会長」と呼ぶ)
  37. 足立康史

    足立委員 私の持ち時間でやりますので。  じゃ、仮に、私、ちょっと確認していませんが、辻元委員がそれに関与していないということであれば撤回をしますが、では質問です。  辻元委員は、大阪の経験に基づいて発言されました。二回ですよ、先週も先々週も、私は大阪の住民投票経験したんだと。経験した者から発言をされましたが、じゃ、辻元さん、辻元委員、山本太郎さんや大阪自民党の政務官やあるいは共産党がそのデマの数字を掲げて住民投票に取り組んだことについてはどう思われますか。答えて終わってください。
  38. 細田博之

    細田会長 時間でございますので。  では、辻元委員、簡単に。
  39. 辻元清美

    辻元委員 答える立場にありません。
  40. 細田博之

    細田会長 この問題は、公党間の問題でもありますから、ちょっと……(発言する者あり)  これは、ちょっとまた幹事懇その他でも与野党で協議をしていただきます。  では、自由討議を続けたいと思います。
  41. 山田賢司

    ○山田(賢)委員 自由民主党の山田賢司でございます。  大変見識の高い委員先生方が集まられているこの審査会で、私自身は、賛成意見はもちろんですけれども、反対の御意見を大変貴重な御意見ということで参考にさせていただいております。こうしたさまざまな御意見をお持ち寄りになられた先生方の議論、これは、幹事懇という閉じられた場ではなく、インターネットの中継や議事録といった形で国民の皆様が見られるような、この審査会をぜひ恒常的に定例日に開いていただくことを改めてお願いを申し上げます。  さて、国民投票法改正につきまして、この改正は何のためにやろうとしているのか。これは決して、憲法改正するためでもなければ、与党のためでもありません。国民投票利便性の改善です。こう申し上げますのは、改憲に賛成の人だけではなくて、改憲に反対の人が反対票を投じる際の利便性の改善でもあります。  子育て世代の親御さんが投票所に連れていけるお子さんの範囲を幼児から児童生徒、十八歳未満のお子さんまで拡大するとか、外洋を航行する船乗りの方がファクスで投票できる対象、実習航海する学生生徒さんも対象になる、あるいは、海外に出国される方が出国の時期によっては在外投票人名簿に反映されていないケースがあるので、これを埋める、これらは、改憲の賛否にかかわらず、意思を示したいという有権者の方々の投票環境を改善する改正であります。  この投票利便性改善を手当てできるのは、我々国会議員、この審査会のみでございます。改善できる立場にいながらなすべきことをなさないというのは、立法府の不作為との批判を受けても仕方ありません。CM規制について御議論があるのは大変承知しております。しかし、CM規制の結論が出ないと今申し上げた七項目利便性の改善をしてはいけないということではないと思っております。速やかに結論を出して、次の議論に進めたいと思っております。  さて、手続の話もそうですが、私は、むしろ、この憲法審査会でぜひ中身の議論をしていただきたいと思っております。コロナ禍の中、憲法改正議論なんか不要ではないかという御意見があることも承知しています。他方で、憲法をいつになったら改正するんだという御意見があることも承知しております。このコロナ禍だからこそ、今こそ議論し、手当てしないといけないことがあると思っております。  例えば、緊急事態への対応。緊急事態への対応というと、私権制限の話ばかりが強調されますが、本質は統治機構の機能の継続であります。これは、立法府である我々国会議員の責務であると考えます。  大規模災害や感染症蔓延などの非常事態が生じた際、まずは行政が対応しますが、追加の予算措置であったり新たな立法、例えば差押えの禁止であったり被災者の支援の特例を設けるなどの立法措置を手当てする必要があります。その際、感染症によって立法府である国会が機能していないと、それらの措置が手当てできません。  憲法五十六条は、総議員の三分の一の出席を求めております。この「出席」という文言は、物理的に議場に存在する必要があるのかどうか。現行では物理的に存在することを求めています。  衆議院規則第百四十八条では、「表決の際議場にいない議員は、表決に加わることができない。」とされております。これは規則だから、規則を変えればいいじゃないか、議院運営委員会で決めればいいのか、そうではないと考えます。この規則も憲法附属法であり、憲法の「出席」の文言に係ることであります。これを解釈で変更するのか。憲法は国家権力を縛るものという考え方からすれば、権力側が恣意的に憲法の明文規定の文言解釈を変更してもよいのかという批判を受けます。  いずれにせよ、我々自身がこの憲法審査会で整理し、憲法の文言を変える必要があるのか、解釈変更するのか、あるいは法律改正で手当てするのか、これは整理をしていく必要があるのだろうと思っております。  コロナの感染症、今は本会議場はA班、B班に分かれてという対応をしておりますけれども、もっと爆発的な感染力を持ち、そして影響も大きな感染症が広がったとき、そのとき、国会が機能しない状態になってはいけません。そのためにも、あらかじめこういった論点について整理をすること、これこそが我々国会に課せられた責務だと考えます。  以上、申し上げまして、終わります。
  42. 山花郁夫

    山花委員 立憲民主党山花郁夫でございます。  きょうも、出ている議論について、幾つかコメントさせていただきたいと思います。  そもそも、憲法改正国民投票法については、投票にかかわるルールと運動のところで、大きく分けると二つありまして、運動については原則として自由にしようではないかと。人を選ぶ選挙と違いますのでいろいろな形があっていいと思いますし、また、先ほどいろいろ議論がありましたが、むしろ誤った言論であるとか、いささか行き過ぎた言論があったとしても、やはり、それは表現の自由で正す、モアスピーチで正すということが民主主義の基本だという認識で今の制度設計がされております。  ですので、私は、先ほど足立委員から御指摘がありましたが、大阪維新の会の行動に対して問題視をしているのではなく、なかなか、普通の言論と違いまして、電波を使ったものというのはアクセスがしづらいものですから、ここについては別途検討が必要なのではないかというのが当時からの議論でありました。そういう意味で、スポットCMに関しては一定の規制があり得るのではないかということが当時からも議論がありました。  この審査会の中でも、表現の自由との関係でどうなのだという発言が出ておりますけれども、若干違和感を覚えております。といいますのも、公職選挙法で既に選挙期間中の投票勧誘行為というのは禁止をされております。これを憲法違反だと主張されるのであれば、私どもの主張に対して憲法上どうなんだろうというのはわかりますけれども、そうした疑義は呈されていないわけですから、そのことを理由にちょっと難しいという話になるのは、私はいささか違和感を覚えているということでございます。  また一方で、運動に関してではなくて、投票そのもののルールについては、これは公選法と並ばせるということで制度設計がされているというのも事実です。  そういう意味で、七項目についての提案はそれにそろえることだからよいではないか、こういうことだと思うんですが、これは、ちょっと表には出ていないから御存じないかもしれませんが、筆頭間での協議の中でも、今回の七項目については質疑をちゃんとしたいところがあるのでということは申し上げてまいりました。  先ほど、本多委員逢沢委員との質疑がございましたが、ちょっと聞いておりまして若干残念な思いがいたしました。しっかりと御説明いただければと思ったんですが、少し感想も含めて申し上げますと、もともと、公選法をつくったときには、投票環境の向上であるとか投票の機会の拡大ということで議論がされていたと承知をいたしております。ですので、先ほど本多委員から質問がされたような投票時間が短くなるということは恐らく想定していなかったのではないかと思われるのですが、その点についての確認だったと思います。  御答弁が、公選法改正のときに特に問題視する意見はなかった、こういう答弁だったんですが、そうではなくて、実際につくった後に現にこういうことが起こっていることについてどういう御認識なのかということだったと思います。  また、繰延べ投票のことに関して申し上げると、先ほど場内からも不規則発言が飛んでおりましたが、選挙のときには早期確定しなきゃいけないという要請が働きますので、多少短くなるということは、それは私も理解しますけれども、全く並びで国民投票のときにそこまで早期の確定が必要なのかということでいうと、むしろ、投票の機会というのは、今回法律改正しなかった方が長いのであれば、それについても検討する必要があるのではないかというのが問題意識であったと思いますので、ちょっときょうの質疑ではかみ合っていないと私は感じました。また引き続き議論が必要なのではないかと思っております。  なお、これも従前から申し上げていることではございますけれども、この審査会で、先ほど赤嶺委員から附帯決議の言及がございましたが、附帯決議ではなくて国民投票法の附則で、予備的及び一般的国民投票についてが当審査会の宿題となっております。  かつての議論の中で、生命倫理に関することというのは、与野党の協議の中で、ちょっとどうなんだろうということになっていたことは承知はいたしておりますが、実は私、昨日、法務委員会で生殖補助医療についての質疑に立たせていただきました。なかなか難しい議論があります。こうした生殖補助医療などについても、ある意味、国民的なコンセンサスを得てということも必要なのではないかと昨日思いまして、もう一つ宿題がありますので、こうしたことについてもぜひ今後取り上げていただきたいということを申し上げまして、発言とさせていただきます。  以上です。
  43. 本村伸子

    本村委員 日本共産党本村伸子です。  先週、改憲手続国民投票法について、これまでの経過を申し述べました。安倍首相が固執をし続けてきた九条を始めとした改憲の流れの中で強行採決をされ、改憲案を通しやすい仕組みとなっています。二〇〇七年五月、成立時に参議院で十八項目附帯決議がなされるなど、提起された問題点は放置されたままです。まず、十三年間放置している現行法の欠陥を議論することが大事だと思います。  欠陥の中身についてですけれども、例えば、二〇一四年、憲法改正国民投票投票権年齢を十八歳以上としたときの参議院憲法審査会附帯決議では、「最低投票率制度の意義・是非の検討については、憲法改正国民投票において国民主権を直接行使する主権者の意思を十分かつ正確に反映させる必要があること及び憲法改正の正当性に疑義が生じないようにすることを念頭に置き、速やかに結論を得るよう努めること。」「テレビ・ラジオの有料広告については、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重しつつ、憲法改正案に対する賛成反対意見が公平に扱われるよう、その方策の検討を速やかに行うこと。」などが指摘をされています。  国の最高法規である憲法改正については、主権者である国民の意思が最大限酌み尽くされていることが不可欠です。にもかかわらず、なぜ最低投票率を設けないのでしょうか。  その理由について、提出者は、投票ボイコット運動の誘発等の弊害などがあると言われていますが、当時、自民党の渡海紀三朗議員からも、ボイコットされるような提案しかできないことが大変問題で、例えば最低投票率がないということになると、投票率三割で過半数ということになると、少なくとも一五%の国民しかこれには信認を与えていない、行かない人は信認を与えたんだという解釈もできないことはないですけれども、果たしてそれでいいのかという率直な疑問が出されています。  少数の賛成改憲案を押し通せることになりかねません。ほかの論点も、主権者である国民の意思が最大限酌み尽くされているという観点で考えていく必要があるというふうに思っております。  また、憲法改正国民投票では、国民誰もが自由に意見を表明し、改正賛成反対投票を呼びかけるなどの運動が自由にできることが原則でなければなりません。  ところが、現行法は、公務員の政治行為を伴う国民投票運動を制限し、さらに、定義が曖昧な地位利用理由として、公務員や、大学教員から幼稚園の先生に至るまで教育に携わる全ての人の国民投票運動を禁止しています。これは、主権者である国民の意思を最大限酌み尽くすことに反しております。  さらに、国会に設置される広報協議会は、改憲賛成政党が圧倒的多数を占め、広報や無料の広告などにおいても、改憲賛成政党に都合よく運営される仕組みが貫かれております。潤沢な資金力を持つ改憲推進側が有料の意見広告を買い占めてしまうようなことにも、何ら合理的な歯どめはありません。  このような欠陥を横に置いて、公職選挙法並びの七項目だけ急ぐ必要はありません。  そもそも、憲法改正国民投票選挙投票は、投票の対象も運動の期間も運動内容も全く異なります。しかも、日本の公職選挙法は、べからず法と言われるように、民主主義国民の参政権の保障という点でも重大な問題を抱えています。公務員の政治的、市民的な権利を不当に制限している問題もあります。横並びでいいのかが問われなければならないと思います。  憲法は、個人の基本的人権を国家権力から不可侵のものとして保障するために、国家権力に縛りをかけるものです。安保法制の強行を始め憲法が守られていない。日本学術会議人事介入、桜を見る会前夜祭問題の国会虚偽答弁。学問の自由を始め精神的な自由や民主主義が脅かされている今、まずは、内閣総理大臣、国務大臣を始め国会議員憲法を遵守することこそ求められているということを強調し、発言といたします。
  44. 山尾志桜里

    山尾委員 国民民主党山尾志桜里です。ありがとうございます。  まず、冒頭、私たち国民民主党は、あしたになると思いますが、憲法改正に向けた論点整理というのを社会に発表したいというふうに思っています。この憲法審査会でのこれまでの議論の積み重ねも敬意を持って参考にしながらつくったものですので、また、今後のこうした場での議論に役に立てればと思っています。  その上で、運び方。前回國重委員からは、やはりきちっと幹事会で論点を整理し、そして、小委員会などを利用して論点を深掘りしていくべきではないかというような発言があって、そうでないと放談会になってしまうと。私も本当にそう思います。同感です。できるだけ、ただ、こういう自由討議も放談会にならないように、私からは二点です。  一点は、七項目の運びについての決め方、そして何が決まったのかということについて、新藤筆頭と山花筆頭に、そして、緊急事態条項について、少し議論を深めるために、先回発言された小林委員と柴山委員に、短くていいのでコメントをいただければと思っています。  まず、七項目なんですけれども、次期通常国会で早期の結論を得るという合意が報道されています。私の問題意識は、まず、内容が余りにも永田町的に玉虫色であって、何が決まったのかわからないので教えてくださいということです。  もう一つは、決め方ですね。この場でも幹事会でもなく、突然、自民党立憲民主党幹事長が会談をしてこの憲法審査会の運びが決まっていくということには極めて違和感を持っていますが、このことについてお聞きしても今は詮ないかもしれませんので、何が決まったのか。つまり、結論というのは採決をし成立させることなのか、そうでないとすれば、何なのか。  その認識をまず一点目として新藤筆頭と山花筆頭に伺い、そして、緊急事態条項なんですけれども、前回、小林委員と柴山委員から国会機能の維持、確保という話があって、私も、このコロナ禍で国会が本当に機能が麻痺したり、司法、裁判所の方も機能が麻痺したということに強い問題意識を持っています。  なので、定足数の問題やあるいは任期の問題も大変重要な論点だと思いますが、きょうお聞きしたいのはもう一歩本質的な問題で、緊急事態宣言。これは、憲法に緊急事態のときは行政権を強化すると書いたら合憲だというものではないと思うんですね。こういった行政権の強化を認めるためには、その場合の手続や実態的なルールを事前に国民の意思で決めておこうというのがこの肝だというふうに思います。  なので、緊急事態を認定するときの国会の関与方法とか期間とか延長の可否とか手続とか、それでもやはり政府というのはやり過ぎるので、司法救済の手続とか、そういったものを決めるということが大切なのではないかという問題意識を持っているんですけれども、この点について小林委員や柴山委員のお考えを伺えればと思います。  この二点です。
  45. 新藤義孝

    新藤委員 今、二点、山尾委員から御質問をいただいたと思います。  まず、何が決まったのかということでございますが、私が承知している、手に入れた資料を含めて申し上げますと、二階幹事長の方から、この国民投票法は八国会で継続案件になっており、次の通常国会では何らかの結論を得ることで合意したい、自分としては一日も早く結論を得たいと願っている、これが自民党の二階幹事長から申入れがあって、それに対して福山幹事長が、次の通常国会では静かな環境の中で粛々と議論を行い、何らかの結論を得るということは承知したいと。私たちの提案に対して立憲側がそれを承知するという、条件付でございますが、そういうやりとりがあって、その後の森山国対委員長の会見で、記者さんから、何らかの結論とは次の国会採決のことかという御質問があり、それに対して、採決ということだ、こういうお答えがあった、これが事実でございます。  ですから、さまざまそれはまだ詰めなきゃいけないことがあるにしても、次の国会で私どもは採決をしようという申入れに対して御承知をいただいた、環境が整えば御承知をいただくというふうに理解をしております。  その上で、なぜ国対、幹事長の方に上がるのかといえば、この前提は筆頭間協議があるからです。与野党の筆頭間協議で徹底して詰めに詰めて、そして、現場では合意している、また、現場でのやりとりがそれ以上の判断を求められることになったときにそれぞれ党に上がっていく、そのプロセスの中で今回のことが起きた。  ですから、今回このように、審査会の運営や採決をめぐることに対しては、現場を飛び越えて上が決めていることではなくて、あくまで審査会審査会の中で完結すべきなんです。ですから、それを筆頭間でしっかりと協議しながら、そして、筆頭間が協議する場合には、その前段として、与党は私たち与党、協力会派の懇談会がございます、野党は野党の懇談会がございます、そうした意見の取りまとめを得て、きちんとこの審査会の中で与えられた権限を、権能を生かしながら、最終的にはその判断が党のトップにまで上がる場合もある。こういう手続になっているということを御理解いただきたいというふうに思います。  それから、もう一つ、先ほど共産党の本村さんから、この七項目についてはまだ審議は認められない、こういうようなお話がございましたが、それぞれ委員の方々からも疑義がございました。しかし、この法案審議するというのは、もう二年半前に趣旨説明をすることを全党が合意してきたんです。ですから、法案審議に及ばないとか、まだ中身が整っていないというのは、これは私は、そのために議論するんです。  それから、きょう、いろいろないい意見が出ました。ならば、それはどうして今まで議論できなかったのか。八国会目なんですよ。私たちは毎回毎回議論をしましょうと言ってきたわけでございまして、そこをやはりしっかりと認識した上で、我々は、与野党の合意のもとで、きちんとした議論を深めながら、民主主義のルールに従ってこれは手続を進めていこう、その手続はもう既に寸前に来ているではないかということを申し上げているので、そこをぜひ御理解いただきたいと思います。  そして、CM規制は、これはまだ法案が、一つの党からは出ておりますが、審査会での、まだ何ら、私たちも含めて、まだ法案になっていないんです。だから、今、國重さんや北側先生もおっしゃっていただきました、山花さんからもお話がありました。幹事会などを使ってきちんと議論を深めていって、各党が意見を交わしながら、この審査会の中でこのCM規制については成案を得ていこうじゃないか、こういう方針を今何度となく私たちは交渉している、こういう状況です。
  46. 山花郁夫

    山花委員 御質問いただきました。  いきなり幹事長がという話でしたけれども、今のと少しかぶりますけれども、筆頭間での協議で膠着状態になった部分について国対委員長同士で話をしていただきました。そこでまた結論が得られなかったということで、幹事長というところまで上がっていったと承知をいたしております。  私も、次の国会で何らかの結論を得るということについて承知をしているという形で伝達されておりますので、そういうことだと思いますが、先ほども申し上げましたけれども、この法案の中身についても、出されているものについて、ぜひ、疑義があるところについてはかみ合った形で御答弁いただいて、そうなのかというような形で議論ができればと思います。まず、そのことは大事なことであると思います。
  47. 柴山昌彦

    ○柴山委員 山尾議員からの御質問なんですけれども、前回の私の発言は、先ほど山田賢司委員がおっしゃった憲法五十六条の明文をどのように解釈するかというコンテクストのものでございました。  今の御質問は、まさしく緊急事態における私権の制限をどのように行うかという、また違う論点かというように思っておりまして、まさしくその問題は極めて重要であり、特に、今回、全国知事会が、外出自粛とか休業要請に伴う補償とか罰則の法整備が必要であるとか、また、国会が開けなくなった場合に政令でどのようなことができるかとか、本当にたくさんの問題点を含むと思いますので、それはこの憲法審査会でしっかりと、今おっしゃったような手続面も含めて議論を尽くすべき事柄であるというように考えております。  以上です。
  48. 小林鷹之

    ○小林(鷹)委員 質問いただきました。  緊急時、平時問わず、いかなるときにおいても国民の命と暮らしを守るために、国家機能の維持を担保するということは国会議員として当然の責務だと思います。  なので、現行憲法範囲内でどこまでできるのか、すなわち、立法措置でどこまで対応できるのかということをしっかりと考えるということはもちろん大切なんですけれども、それと同時に、それでも対応できない緊急事態までを想定をして、憲法においていかなる規定が必要なのかということ、必要となり得るかということをこの場で議論する価値というのは私は高いと思っています。  そこで、今、山尾議員が御指摘あったように、仮に、緊急事態において何らかの行政上の権限、この強化が必要になるとすれば、私は、まずは、公権力の行使というのは当然抑制的でなければならないということを念頭に置くことが必要だと思っていて、その上で、民主的統制の観点からは、我が党が、条文のイメージ、これはたたき台素案ということですけれども、そこで既に示しているんですけれども、国会による事後的な承認のあり方ですとか、あるいは万一それが行き過ぎてしまった場合の救済措置のあり方、これについても、私は検討する価値があるんだろうと思います。  また、例えば、既に話が出ているとおり、衆議院議員の任期満了近くになって、仮に選挙ができないような状況になった場合に、そういうときこそこの立法府の機能維持が求められるでしょうから、任期の特例の措置も検討の価値が大いにあると思います。そうした場合に具体的な要件がいかにあるべきなのかということも、当然、あわせて議論していくことが重要だと私自身は考えております。
  49. 中谷元

    中谷(元)委員 今、小林委員山尾委員意見で、緊急事態の対応について意見が出されましたけれども、今コロナウイルスが感染拡大で、特措法の改正の検討をしております。  しかし、例えば、飲酒店の営業の停止、制限、感染者の旅行、通学通勤など、外出禁止、行動禁止ができますか。国が地方に命令して統制、制御する権限を、やはり憲法でその手続を明確にしておかなければ、しっかりとした法律審議にならないのではないでしょうか。  自民党は、大規模地震など異常で大規模な災害が発生した場合の特例として、国会議員の任期延長や政府の権限を一時的に強めることを目指しておりますが、これはあくまでもたたき台でありまして、それぞれの党が憲法改正や必要性について今議論すべきでございます。  例えば、地方に保健所がありますが、これは公衆衛生上、営業許可や国民の行動を禁止することができます。しかし、実際はそれが行われていない。これは、やはり憲法でその権限が明確でないためであります。  例えば、災害のときに、一番強い避難措置は、地方自治体の避難指示が強い情報で、避難命令というのはないんですね。こういった避難においても、残念ながら避難命令という避難情報は出せません。それは法律にないからです。  こういう形で、こういった緊急事態における手続については今こそ議論すべきことでありまして、これと同時に、平和安全法制も成立してから五年間、あれだけ真剣に集団的自衛権とか、また自衛隊の対応も議論しました。その後、ぷっつりやまっておられます。野党の皆さん、あのときの熱気と憲法への問題意識は一体どこへ行ったんでしょうか。憲法九条は、やはり戦後から多く変遷を遂げて現在に至っておりますので、まさにこの憲法審査会において、この憲法九条も含めてしっかりと議論すべきことではないかと思います。  それからもう一点、参議院の定数是正。これはますます厳しくなってきておりますが、私のいる高知県とか徳島は合区になってしまって、大変支障が出てきております。  今後、こういったことも踏まえてこの問題も議論しなければなりませんが、やはり憲法というのは検討すべき項目がたくさんあって、国民理解を進めるためにも、やはりここでしっかり議論をする。これから国会閉会中、次の国会までお休みになりますが、思考停止をしていていいんでしょうか。やはり閉会中であってもこういった緊急の問題については議論をし、そして、この国民投票法も、本日で委員会は終わりますけれども、来国会で結論を得るとなっておりますので、ぜひ、幹事会の中で各党の協議の場をつくって閉会中でも協議をして、真剣にこの問題に対応できるように、各委員会の場で議論できるように求めたいと思います。  ありがとうございました。
  50. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 会長、御発言させていただきます。  けさのこれは朝日と産経に出ていましたかね、衛藤征士郎自民党憲法改正推進本部長の発言ですが、きのう公の場で、改正の発議について、たとえ一部にちゅうちょする政党があったとしても、信念を持って憲法改正提案し、意思を問うことは成熟した民主主義国家のあり方として当然だというふうに述べられた、こう記事になっているわけですよね。  これは、過去の衛藤先生の御発言に重ね合わせていくと、四項目について採決を強行してでも提案すると言っているかのごとく受け取れるわけですよね。こんなことを与党の責任者がおっしゃっていては、この場で落ちついた議論というのはできないと思うんですよ。  新藤筆頭幹事に伺いたいんですが、これは新藤さんも同じ認識でおられるのかというのをまず伺いたいと思います。これは最後にちょっとまとめて答えていただきたいんですが。  かつて、中山太郎先生、先週も大串さんが出しましたけれども、この憲法審査会をつくる際に、議院運営委員会の中で憲法議論のあるべき姿を述べておられます。「憲法論議は内閣ではなく国会の責務、権限であるべきこと、それは、政権を争う与野党対峙の論戦とは一線を画した、全国民代表としての論議であるべきこと、そして、憲法論議は、自己の理想の憲法像の主張にとどまるのではなく、最終的に三分の二以上の多数派形成に向けた超党派的論議、いわば偉大なる妥協を目指した論議であるべきということでございます。」と述べて、みんなで考え、みんなで議論して、みんなでつくるという姿勢が大事だ、こういうふうに言っておられるわけですね。  今、中谷先生もおっしゃられましたけれども、四項目ありきの議論というのは、まさにその自己の理想の憲法像の主張とも言えると思います。こうした四項目を前提に議論を急ぐ姿勢というのは、憲法審査会のそもそもの創設の理念に反するとともに、これを強行した場合は国民の分断を生むのではないでしょうか。  今はコロナ禍であり、一致団結してコロナに対処すべきでありまして、いたずらに改憲を急ぐべきではありません。今の衛藤発言、こうした発言は、場外でされてはとても採決どころではない、この法案採決どころではありません。次にも進めません。採決したら直ちに四項目提案に移る、そういったことがないということをまず新藤筆頭幹事にはっきりさせていただきたいと思います。
  51. 新藤義孝

    新藤委員 私もきのうのその集会にはおりましたので、聞いておりました。  自分の記憶の範囲で申し上げますが、衛藤本部長がお話しされるその前段があると思います。しっかりと国民のための議論憲法審査会でやっていただきたい、そして、その上で私たちは、党の悲願である、何としても憲法改正を進めていきたいんだと、そういう御発言をされました。その中で、仮に国民投票に付されることになって、憲法改正について国民投票が実施されるときに、仮に一部の反対があったとしても、自分たちは頑張って賛成にしていただけるようにしていきたいと、こういう意気込みを語られたと思います。  四項目を何としてもとか、それから、今の状態で自民党憲法審の議論を待たずして改憲に一挙に進むというふうな御判断をされているというのは、私も自民党の一員でございますし、憲法推進本部におりますが、そういう議論は行っておりません。私は、あくまで推進本部は推進本部として、党の憲法改正の推進のための発言をし、さまざまな活動を行う、一方で、憲法審査会は、政局から離れて国民のための議論を深めていく、これが原則にございます。  中山太郎先生のお話がございましたが、私も、憲法調査会を創設したときの初期の幹事を務めておりましたから、そして、中山先生と一緒に、憲法調査会をつくろうという議連にも一緒におりました。そのときからずっと一貫しているのは、これは国民のための議論をしなくてはいけなくて、分断を招いてはいけない、そして、国会の中で決められないんだ、最後は国民に決めていただくことなのだから、できるだけ丁寧な議論をしましょう、その理念は我々受け継いでいるつもりでございます。しかし、調査会は憲法の発議すらできない。実際に原案をつくることも権能を与えられていない調査会と、おのずと審査会との性格は違うわけですから、いたずらに急ぐべきではないというお話もございました。  コロナに対してきちっとした対策を打つことは喫緊の課題です。一方で、憲法改正についてこれを進めるべきだ、憲法改正について、大きな関心とともに、世論の中ではこの議論を更に進めてほしいという声が大きく上がっていることも私は承知をしております。ですから、しっかりと国民の期待に応えられるように、そのためにも、まず審査会を確実、着実に開いて、そして、法案の趣旨説明が済んでいて法案審査をしましょうというものはそれを手続を進め、次の議論については論点整理をして新たに法案を出せるように審査会をやる、一方で、憲法本体論議は粛々とやっていく、このことをぜひ進めていこうではないかとお願い申し上げまして、私の回答にしたいと思います。
  52. 細田博之

    細田会長 発言希望の委員がまだおられますが、この自由討議の取扱いについては、ただいま与野党の筆頭間で協議しておりますので、今後については、これを踏まえ、幹事会等において協議をいたしたいと存じます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時四十三分散会