○青山(雅)
委員 まあ、大体予想どおりかなということなんですね。
経験や知識はもちろん大事だと思います。例えば政治の
世界でもそうですし、どの
世界でも経験、知識というのは非常に大事なんですけれども、事
科学技術というようなことに関して見れば、やはり平均年齢が余り高いと新しいものが入ってこない。これはもう、ある
意味、常識的なところかなと思っております。つまり、今までの経験、知識に引きずられて、大胆な発想が出てこない。
国の
科学技術等の方向性を決めていく、
政府の方向性を決めていくCSTIのメンバーの平均年齢が六十五歳というところに、私は非常に問題があると。というのは、
日本は、御承知のとおり、先ほど挙げた一九九五年くらいから、もう三十年くらいにわたって負け組一直線なわけですね。
一定
程度の年齢の方は御記憶でしょうけれども、アメリカを
世界一の産業国、物づくりの国からその当時引きずりおろして、そこから
日本の
時代だと思われたわけですね。ところが、
日本企業はどんどんどんどん国際競争力を失い、逆にアメリカからは、御承知のGAFA、
グーグルであるとかアマゾンであるとかアップルであるとか、マイクロソフトであるとか、新しい国際競争力を持った全く違う新興勢力があらわれて、あっという間に
世界を席巻していったわけですね。
その後どうなったかというと、今度は中国が出てきて、今、5G、トランプさんがいろいろとやっていましたけれども、アメリカに取ってかわる勢いで新しい産業に取り組んでいる。
一方、
日本は、新しい産業どころか、御承知のとおり、三菱重工が、子会社の三菱航空機ですか、MRJ、今、MSJというふうに名前を変えていますけれども、中型の航空機、これはまあ新
技術というよりは既存
技術の集合体なわけですけれども、型式証明もできない。一兆円もつぎ込んでいるようですけれども、もう十年、二十年やっているけれども、空を飛ぶことすらまだ、試験飛行はもちろんやっていますけれども、できないで、事実上凍結というような
お話がございます。
日本は、要は、既存
技術もだめになってきているし、新規
技術もだめになっている。
一方で、アメリカはどういうふうに伸びてきているかというと、別に国がリードしているわけじゃないんですね。アップル、マイクロソフト、アマゾン、これは御承知のとおりガレージから始まっている企業と言われています。つまり、
大学生くらいの若者が
自分の家あるいは知り合いの家のガレージでもって始めたような企業が、今
世界をリードする巨大産業になっているわけです。
私は、ここに
日本の問題点があると思っていまして、なぜかというと、こういった新しい産業とか企業というのは、予測不可能なことをやっているわけですね。まさか
グーグルだとかあるいはフェイスブックみたいな企業が、あんなものが
世界をリードするようなものになるなんて誰も思わないし、国もそんなところにお金をつぎ込んじゃいないわけですよね。アマゾンだって同じです。あるいは、アップルやマイクロソフトだって、別に国の援助を受けてできたわけじゃないです。
一方、そのころ
日本は何をやっていたかというと、御記憶の方はいると思うんですけれども、トロンという官製のOSをつくろうとして、つくったんですけれども、別に全く売れないというか、
汎用化はされなかった。
私が思うには、大変申し上げにくいことにはなるんですけれども、
政府が一定の
科学技術の方向性を決めてやっていくという
方針では、結局のところ無理なのではないか。
ソサエティー五・〇とか、いろいろと名前は躍っております。名前は躍っているし、それは何となく名前を聞くと、横文字だし、格好よさそうだし、今、将来性がありそうだしということで、何となく安心するんだけれども、そういった、今我々が、一定
程度の年齢になったような人間が考えて格好いいと思うようなことというのは、本当に物にならないことの方が多いのではないか。
そういった、
政府が具体的な方向性を決めるというのは、直接運営するような粒子加速器であるとか宇宙
開発プロジェクトだとか一定
程度のものに絞って、やはり基本に戻って、基礎科学や
大学教育、
大学や
大学院における
研究に広く分配する。なぜなら、どれが当たるかなんて誰にもわからないわけですね。
企業でよく言われるんですけれども、全員一致で重役
会議なんかでいいと言われたやつは大体はやらない、はやるのはみんながそっぽを向いて一人くらいしか賛成しないようなものであると言われるわけです。つまり、ランダムな方向性の中から数%の確率で全く新しい産業や
技術が生まれるわけですから、例えば、今回もムーンショット
目標とか言われていますけれども、そういったものに
予算をつぎ込み過ぎないで、広く、満遍なく基礎科学を
発展させるという方向をもう一度考えてみた方がいいと思うんですけれども、その点に関して
大臣の御
所見をお伺いしたいと思います。