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2020-10-08 第202回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年十月八日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────    委員異動  十月七日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     自見はなこ君  十月八日     辞任         補欠選任      石井 準一君     宮島 喜文君      自見はなこ君     足立 敏之君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水落 敏栄君     理 事                 上月 良祐君                 柘植 芳文君                 杉尾 秀哉君                 石川 博崇君                 矢田わか子君     委 員                 足立 敏之君                 石井 準一君                 今井絵理子君                 岡田  広君                 古賀友一郎君                 自見はなこ君                 宮島 喜文君                 山田 太郎君                 山谷えり子君                 木戸口英司君                 岸 真紀子君                 塩村あやか君                 高橋 光男君                 清水 貴之君                 高木かおり君                 市田 忠義君                 田村 智子君    国務大臣        国務大臣     西村 康稔君    副大臣        内閣府副大臣   赤澤 亮正君        内閣府副大臣   藤井比早之君        内閣府副大臣   三ッ林裕巳君        文部科学大臣  高橋ひなこ君        文部科学大臣  田野瀬太道君        厚生労働大臣 三原じゅん子君        国土交通大臣  岩井 茂樹君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        吉川  赳君        厚生労働大臣政        務官       こやり隆史君        国土交通大臣政        務官       鳩山 二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        宮崎 一徳君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       冨安泰一郎君        内閣官房内閣審        議官       梶尾 雅宏君        内閣官房内閣審        議官       岡本  宰君        内閣官房内閣審        議官       川辺英一郎君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        菅家 秀人君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        新井 孝雄君        内閣法制局第一        部長       木村 陽一君        内閣大臣官房        長        大塚 幸寛君        内閣大臣官房        審議官      海老原 諭君        内閣男女共同        参画局長     林  伴子君        内閣日本学術        会議事務局長   福井 仁史君        出入国在留管理        庁在留管理支援        部長       丸山 秀治君        外務省大臣官房        審議官      高杉 優弘君        文部科学省大臣        官房審議官    塩見みづ枝君        文部科学省大臣        官房文教施設企        画・防災部技術        参事官      笠原  隆君        文化庁審議官   出倉 功一君        厚生労働省大臣        官房高齢・障害        者雇用開発審議        官        達谷窟庸野君        厚生労働省大臣        官房審議官    依田  泰君        厚生労働省大臣        官房審議官    小林 洋子君        厚生労働省大臣        官房審議官    志村 幸久君        厚生労働省大臣        官房審議官    岩井 勝弘君        厚生労働省大臣        官房審議官    富田  望君        厚生労働省雇用        環境均等局雇        用環境総合整備        室長       岸本 武史君        中小企業庁経営        支援部長     村上 敬亮君        国土交通省大臣        官房審議官    金井 昭彦君        観光庁審議官   五十嵐徹人君        観光庁観光地域        振興部長     村田 茂樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○内閣重要政策及び警察等に関する調査  (日本学術会議在り方に関する件)  (日本学術会議会員任命に関する件)  (新型コロナウイルス感染をめぐる誹謗中傷を  防ぐための政府取組に関する件)  (新型コロナウイルス接触確認アプリ利用促  進策に関する件)  (Go To トラベル事業に係る中小事業者  への配慮に関する件)  (新型コロナウイルス感染症影響下における  女性の雇用に関する件)     ─────────────
  2. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告をいたします。  昨日までに、岡田直樹君が委員辞任され、その補欠として自見はなこさんが選任されました。     ─────────────
  3. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官冨安泰一郎君外二十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 内閣重要政策及び警察等に関する調査議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山谷えり子

    山谷えり子君 おはようございます。質問機会をありがとうございます。  日本学術会議会員任命、また日本学術会議役割についてお尋ねしたいと思います。  その前に、最初に確認しておきたいことがございます。  昨日の加藤官房長官記者会見によりますと、衆議院内閣委員会での内閣法制局答弁の中で読み間違いがあったというふうに聞いております。事実関係について御説明ください。
  7. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) お答えいたします。  昨日の衆議院内閣委員会におけます塩川鉄也委員日本学術会議会員任命に関する御質問に対しまして、私、第一部長が、昭和五十八年の日本学術会議法の改正に関する資料内容について答弁をさせていただいた際、資料の中に、推薦人推薦に基づいて全員任命することになっており、この任命は、形式的任命であるという記述はございますと答弁をいたしました。  もっとも、ここで全員と申し上げたのは会員を読み間違えたものでございまして、正しい資料記述は、推薦人資料に基づいて会員任命することになっており、この任命は、形式的任命であるでございます。  このような軽率なミスによりまして、塩川先生を始め山谷先生、さらには両院の内閣委員会の諸先生方に大変な御迷惑をお掛けすることになり、この場を借りて深くおわびを申し上げます。大変申し訳ございません。
  8. 山谷えり子

    山谷えり子君 あってはならないことでありまして、以後十分気を付けていただきたいと思います。  今回、新会員推薦者百五名のうち六名の任命が見送られたということで、昨日、衆議院内閣委員会でやり取りがございました。政府からは、法律違反ではない、学問の自由の侵害には当たらない。実際に、八十七万人の全国研究者、また今回任命されなかった六名に学問の自由があることは当然であります。それから、安保法制などに反対したから政治スタンスによって任命見送られたんじゃないかという質問に対しては、総理政治的立ち位置と今回の判断は関係ないとおっしゃられるとおり、任命されました今回九十九人の中にも同様のスタンスを発表しておられる方がいらっしゃるわけで、政治スタンスが影響したということも、見方も当たらないというふうに考えております。  日本学術会議内閣府に置かれる行政組織で、会員任命権者総理であります。会員特別職国家公務員であり、予算は十億円ほどというふうに聞いております。今、世界を見れば、米中の対立が非常に激しくなっている。これは科学分野でも対立の激しさは増してきております。また、今回、新型コロナ感染症のワクチンの開発においても、各国科学的知見を取り込んでいくというようなことも見られているわけであります。そんな中で、日本学術会議は、国益を踏まえて時代に即した活動をして、国民理解をしてもらえるような活動が期待されているわけであります。  ところが、その存在意義といいますか透明性について疑問の声が、以前から上がっておりましたけれども、今回も学者の方々、インターネットでいろいろ、学術会議こそ学問の自由を侵しているんじゃないかという声もありまして、例えば、軍事的安全保障研究に関する声明というのが平成二十九年、二〇一七年、日本学術会議から出されております。これは一九五〇年に戦争を目的とする科学研究は絶対にこれを行わないということを継承する声明でありますけれども、研究者の中には、これは浮世離れしている、時代錯誤ではないかという声もあります。  というのも、先進国では、今、軍事と民生の研究境界というものはないようなものでありまして、実際、私たち生活を豊かにしているインターネットとかカーナビ、GPSシステム、これも軍事研究から始まったというわけで、この境界というのがないにもかかわらず、こういう声明によって自由な研究が阻害されているという声もあるわけです。  一方で、二〇一五年には、中国科学技術協会日本学術会議相互協力をするという覚書を締結しております。この相互協力覚書というのはいかなるものでありましょうか。
  9. 三ッ林裕巳

    ○副大臣(三ッ林裕巳君) 山谷委員にお答えいたします。  覚書につきましては、日本学術会議中国科学技術協会の間で二〇一五年に結ばれたものであります。内容は、出版物交換セミナー等学術活動情報交換研究者間の交流等、一般的な学術交流を促進するものであります。
  10. 山谷えり子

    山谷えり子君 この協力覚書の中には、共通の科学的利益分野において協力を行うというようなことなどが書かれているわけでございまして、この相互協力覚書結んでいるのは中国と韓国に対してだけなんですね。  また、中国は、平成二十年、二〇〇八年から海外トップレベル研究者を招いて、物すごい待遇をして、そして先端機微技術あるいは研究成果の集積を行っております。これに対して自由主義諸国は非常な危機感を持っているわけであります。日本学術会議研究者でこの千人計画に参加しているという報道もございます。  アメリカなどでは、海外から研究資金をもらった場合、それを開示しなきゃいけないという義務があったり、また、外国からの研究者、留学生の研究歴を申告するということが実施されているわけでありまして、日本学術会議ではその時々の課題について委員会を設けて議論をするという仕組みがあるわけですけれども、この日本の平和を守るための研究はそっぽを向いて、禁じておいて、ブレーキを掛けておいて、中国に対しては非常に協力的であると。  これはやっぱり今の時代、どう考え直したらいいんだろうかというような議論というのは日本学術会議であったんでしょうか。
  11. 三ッ林裕巳

    ○副大臣(三ッ林裕巳君) お答えいたします。  日本学術会議におきましては、お尋ねの内容についての議論がなされたことは承知しておりません。
  12. 山谷えり子

    山谷えり子君 会員推薦につきまして、一部には、大学等での後任を、後輩を推薦していくとか内輪で人事を回しているとか、非常に閉鎖的だと、透明性がないという声も研究者の間で聞かれているわけであります。  時代の要請に応えて、また、新しい才能をどんどん伸ばしていかなければならない、そういう時代にあって、人事に関しては公平性のために公にするのは難しいという部分もあるとは思いますけれども、やはり任命権者がどのような考え方で任命をしていこうとしているのか、これについては丁寧な説明があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
  13. 三ッ林裕巳

    ○副大臣(三ッ林裕巳君) お答えいたします。  日本学術会議につきましては、時代の変化や社会の情勢なども踏まえつつ、平成十五年の総合科学技術会議意見具申日本学術会議在り方についてにあるとおり、学術研究の動向に柔軟に対応し、また、科学観点から今日の社会的課題の解決に向けた提言や、社会とのコミュニケーション活動を行っていくことが求められるものと認識しております。  また、平成二十七年の日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議による提言では、科学者科学者コミュニティーには、細分化された学術分野における真理の追求のみならず、幅広い分野の知識を融合した総合的な知をもって様々な問題に取り組むことが求められるとの認識に立ち、日本学術会議に期待される機能を踏まえると、その会員は、自らの専門分野において優れた成果を上げていることにとどまらず、自らの専門分野の枠にとらわれない俯瞰的な視点を持って向き合うことができる人材が望ましいことなどが提言されているところであります。  引き続き、これらの意見具申提言の趣旨を踏まえ、国民からの理解も得ながら、このような時代に即した役割をしっかりと果たしていただくためには、日本学術会議専門領域での業績のみにとらわれない広い視野に立って総合的、俯瞰的観点から活動を進めていただくことが必要と考えております。
  14. 山谷えり子

    山谷えり子君 今、三ッ林大臣がおっしゃられた平成十五年の総合科学技術会議日本学術会議在り方についてという、これは平成九年の行政改革会議において持ち出されたものであります。おっしゃられたように、ここで十年以内に新たな検討会をということで、実際に平成二十六年から七年にかけて科学技術大臣の下に置かれた日本学術会議の新たな展望を考える有識者会議という、報告書が出ております。  目を通しましたけれども、例えば外部評価制度、それからメディアとの意見交換を密にする、あるいは社会的使命等明確化、新たな知を取り入れるための新陳代謝などなどが一応書かれてはいるんですね。しかし、もう五年たっています。  近年、さっきも言いましたように、中国との関係等々ですね、各国の囲い込みとか機微技術がおかしな形で流れてしまうというようなことに対する警戒感日本学術会議にまだないとすれば、実際、議題にも委員会にも上がっていないということでありますから、であるとするならば、今、総合科学技術イノベーション会議、あるいは科学技術大臣の下で、あるいは行政改革大臣の下で、あるいは合議体で新しいフォローアップを、在り方を、もう一回本質的な議論をし直さなければいけないんではないでしょうか。いかがですか。
  15. 三ッ林裕巳

    ○副大臣(三ッ林裕巳君) 是非山谷委員のこの意見、しっかりと受け止めまして対応してまいりたい、そのように思います。ありがとうございます。
  16. 山谷えり子

    山谷えり子君 科学技術の発展で国民生活が豊かになる、それぞれの国々が幸せになる、これは期待するところでありますので、頑張ってください。  続きまして、コロナ禍修学旅行を中止というところも多くなっているんですが、萩生田文科大臣ゴー・ツー・トラベル修学旅行でも活用してとおっしゃっていらっしゃいます。全国での取組を教えてください。
  17. 田野瀬太道

    ○副大臣田野瀬太道君) お答え申し上げます。  委員指摘修学旅行実施につきましては、委員承知のとおり、各学校におきまして、学校設置者とも相談の上、判断していただいているところでございますが、その修学旅行教育的意義児童生徒心情等を踏まえ、感染拡大防止策を適切に講じた上で、必要に応じ近距離での実施旅行日程の短縮など実施方法の工夫を検討するなどして是非実施していただきたいと我が方は考えておるところでございます。  御指摘ございました地元実施する修学旅行につきまして、都道府県数実施件数承知をいたしておりませんけれども、事例といたしまして、例えば、北海道教育委員会におきまして小中学校を対象として児童生徒道内の歴史や文化について学びを深める機会とすることも検討するように道内への修学旅行を促す通知を各市町村教育委員会に対して発出した事例、又は、三重県におきまして改めて県内魅力や価値を感じてもらうことや県内観光地の再生につなげることを目的といたしまして県内での修学旅行実施する場合に一定額支援を行ったりする事例等々を、あったということを承知いたしております。  このような取組も積極的に行われることを我が方としては期待をいたしております。  以上です。
  18. 山谷えり子

    山谷えり子君 三重県の鈴木英敬知事にもお伺いしたんですけれども、やっぱり地元修学旅行地元魅力を発見してもらう、これはすばらしいことだと、私もそう思います。地元愛、それから地方創生にもつながる。作文なども集めて、是非地元再発見の修学旅行というものを文科省もリードしていただきたいと思います。  それから、西村大臣、本当に日頃お疲れさまでございます。感謝しております。  今、ゴー・ツー・トラベル神社仏閣への参拝も増えているというふうに聞きますけれども、それぞれの神社仏閣、安心して御参拝いただけるように非常にいろいろ対応を細やかにやってくださっている、ガイドラインも作っていらっしゃるということで、これから七五三のシーズンです。また、初詣あります。  西村大臣は何か検討していくというふうにおっしゃられていますが、どのようになさるのでしょうか。
  19. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) お答え申し上げます。  御指摘のように、神社におきましては、神社仏閣におきましては、それぞれ感染防止策を徹底して取っておられます。これまで何か大きなクラスターが発生したとかという報告は受けておりません。マスク着用を奨励したり、あるいは人と人との距離を取るというふうな対応をしっかりなされているものというふうに思います。  これから年末年始に様々なイベントがあるわけでありまして、特に初詣は多くの国民皆さん日本伝統的行事として考えておられるんだろうというふうに思います。ただ、毎年の様子を見ていますと、かなりの方が正月三が日に訪れられますので、参拝されますので、密になる状態も懸念されます。専門家皆さんにどういった対応が必要なのか、しっかり御意見をお伺いしたいというふうに考えているところであります。  こうした初詣のケースも含めて、様々な野外でのイベント在り方、それから最近、映画館では食事を提供しなければ人数制限を緩和したところですけれども、ポップコーンとかホットドッグとか食事を出す場合は引き続き二分の一ということでお願いをしているんですけれども、この点も様々な、スーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションであるとか実験であるとか、そうしたデータも得られてきそうでありますので、そうしたものを踏まえながら専門家皆さんに御意見をいただく、そうした検討会を近々立ち上げたいというふうに考えております。  年末年始行事初詣もありますので、できることなら十一月上旬ぐらいまでには結論を出して、そして、どういう対応が必要なのか、どういうことをすればいいのか、そういったことについて議論いただいて、国民皆さんに安心してお正月を迎えていただけるような、そんな検討会議論を進めていきたいというふうに考えております。
  20. 山谷えり子

    山谷えり子君 神社は本当に丁寧に感染拡大防止対策をしていらっしゃいまして、七五三を十一月十五日前後じゃなくても一年中受け付けますとか、正月三が日初詣じゃなくて、もう一月、二月、期間を広く取って御安心して参拝してくださいというようなことも呼びかけていらっしゃいますので、神社仏閣への参拝日本人の心の健康でもありますので、是非前向きな検討をお願いしたいというふうにメッセージをお願いしたいと思います。  続きまして、コロナ禍オンライン教育、一挙に進みました。今年度中には小中学生一人一台端末を配るということでありますけれども。そして、文科省は最近、STEAM教育とか個別最適化とかいうんですが、ちょっとインターネットを御覧の皆様、このSTEAM教育ってこういう字書くんですね。(資料提示サイエンスのS、テクノロジーのT、そして、最近はアートこそイノベーションの力の源だと。スティーブ・ジョブズも日本の大正から昭和美術に非常に感銘を受けてイノベーションできたなんという解説もあります。Aが大事だ、アート教育が大事だと、それからマスマティックのMですね。  私、ざっと見まして、サイエンスとかマスマティックス、割とコンテンツあるんですが、このAのアート、リベラルアーツの、一般教養コンテンツがまだまだ少ない。それと、どこに、それぞれ民間がコンテンツあるんだけど、どうアクセスしていいか分からない。やっぱり基盤になるプラットフォームづくりを、欧米、カナダもそうですが、数千とか万単位のコンテンツがこの基盤プラットフォームからだあっとアクセスできるようになっている。それが整備されないともうどうしていいか分からないということで、やはり文科省がリードしていくべきではないかというふうに思うんですね。  そしてまた、例えば物理、だあっとセンスがあって進む子もいるでしょう、あるいはどこかで引っかかっちゃっている子もいる。個別最適化、一斉授業じゃなくて、それぞれの個人の学び保障、このためにも、先進国なんかでは、個別、あなたはここが弱いからこうした方がいいよとか、こういうふうに伸ばしていった方がいいよ、こういうコンテンツあるよという、カリキュラムディベロッパーとか、ソフトコンテンツ教育デザイナーとかいう人がいてアドバイスできるんですね。日本にはそれもない。ハードだけ整備しても、ソフトとそれから教育人材の新しいタイプの育成、これがまだまだできていないというふうに思います。  そういう一方で、私は、オンライン教育とともに、やっぱり体験学習、肌で感じる、心を養う教育というのが大事なので、今、オンライン教育が進んで、オープンスペースをつくろうとか学校の改修が進んでいます。その中に是非和室をつくるというのを入れてほしいんです。中学、高校などには和室のある学校あります。でも、それは茶道部が使うだけみたいな、非常に限定的です。今、住環境がどんどん洋式化していて、和室がないうちがもう本当に多くなりました。そんな中で、小学校で一年生から六年生まで全ての子供たち和室文化体験をする。お軸がある、書道、和歌、しつらえ、美術工芸品の鑑賞、お華、それから茶道、道の文化を学ぶこと、邦楽を聴くこと、音はドレミファじゃありません、邦楽は。あるいは立ち居振る舞いですね。  和室が一つあることによって非常に子供たちの心が豊かになっていく、そこがまたイノベーションにつながっていくということで、小学校、一つずつ和室をつくる、このプロジェクトを考えていただきたいと思うんですが、このSTEAM教育、個別教育個別最適化和室づくりについて何かお考えがありましたら。
  21. 田野瀬太道

    ○副大臣田野瀬太道君) お答え申し上げます。非常に大事な観点の御質問を受けたと認識をいたしております。  まず、STEAM教育につきまして、先生御存じのとおり、昨年五月の教育再生実行会議提言におきまして、各教科での学習を実社会での問題発見、解決に生かしていくための教科横断的な教育とされております。その中で、STEAM教育の推進に向け、総合的な学習の時間、総合的な探求の時間、数理探求などにおいてそのような学習活動の充実を図ること、又は、そのために、国におきましてSTEAM教育事例の構築や収集、そして、先生おっしゃっていただきましたモデルプラン等の提示やSTEAM教育のオンラインライブラリーの構築を行うという旨の御提言をいただきました。  文部科学省といたしましては、中央教育審議会においての御議論をいただきつつ、新学習指導要領の下でのSTEAM教育の推進が着実に図られるように、STEAM教育、先生おっしゃっていただきました、アートのAが入ったSTEAM教育全体につきましてのコンテンツをこれ経産省ともしっかりと連携しながら充実を図るとともに、国立教育政策研究所におきましても、STEAM教育の諸外国の動向、これらを是非情報収集、研究を進めるなどして関係する取組の充実に努めてまいりたいと考えております。  また、もう一つ、和室の整備につきましても御質問いただきました。  文部科学省といたしましては、日本の伝統文化、異文化理解等の学習活動への対応は非常に重要であると考えておりまして、小中学校において、公立の小中学校におきまして和室などの日本の伝統的な空間を計画することは有効であると、そういう認識をいたしておるところでございます。  和室の整備状況につきましては、文部科学省において整備率の調査等は行ってはおりませんけれども、例えば多目的スペースの隣接した和室を整備したりとか日本の伝統文化に慣れ親しめる環境を整備したり、放課後子供教室等で活用したりしている事例があるものと承知をいたしております。  文科省といたしましても、木の教育環境整備事業という補助整備事業がございまして、木を使って和室をつくる、畳もつくる、そういうところにも補助制度が準備してあるんですけれども、それらをしっかりと活用しつつ、引き続きしっかり支援してまいりたいと考えております。  以上です。
  22. 山谷えり子

    山谷えり子君 ちょっと幾つか聞きたいことがあって、時間がなくなりつつありますので。  日本には民間所有による立派な美術館、博物館、音楽堂、劇場あります。ここがコロナ禍で非常に大変です。何か支援策、お願いします。
  23. 高橋ひなこ

    ○副大臣高橋ひなこ君) お答えします。  おっしゃるとおり、民間の活力を多様な形で活用するというのはとても大事だと思っております。いろいろ答弁用意しておりましたが、時間の関係で一点だけ申し上げます。  課税の在り方について、令和三年度の税制改正では、株式会社等の民間の法人が所有する文化施設の活動を一層促進する観点から見直しを要望したいというふうに考えております。  なお、対象となる文化施設の範囲や具体的な内容については今後検討が必要となるため、丁寧な議論を行ってまいりたいと考えております。  ありがとうございます。
  24. 山谷えり子

    山谷えり子君 赤澤領土担当の副大臣にお聞きします。  虎ノ門に今年一月リニューアルオープンした領土・主権展示館、小此木大臣も視察をされて、十月一日からは展示館のツイッターの開設もされてフォロワーも増えているというふうに聞いております。一九二〇年に遭難した中国の漁民を助けて中国政府から贈られた感謝状なども、私も尖閣と日本人の展示館見に行きましたけど、非常に分かりやすく展示がありました。  さて、そこで、昭和五十四年に実は旧沖縄開発庁による学術調査、利用開発可能性調査というのがしっかりと出ているんですね。様々な研究者、また役所の人たちが、地質や水質や生態系や、仮設ヘリポートも造って、十一日掛けて、マスコミも三十一人同行してやっています。  令和版尖閣のこの調査をするお気持ち、また展示館の充実についてお答えください。
  25. 赤澤亮正

    ○副大臣赤澤亮正君) 御質問ありがとうございます。  委員指摘のとおり、デジタル化の推進やSNSの活用は大変重要でありまして、御紹介いただいたとおり、領土・主権展示館で今月からツイッター始めたということで、これからもデジタル化の取組、より一層推進してまいりたいと思っております。  また、御指摘のとおり、領土・主権問題の教育も非常に大事でありまして、この領土・主権展示館、一月の虎ノ門移転で面積七倍になりまして、これからも力を入れて発信を強化していきたいと思っています。  昭和五十四年の沖縄開発庁の調査報告書については承知をしているところでありまして、尖閣諸島の調査、それから周辺の海域を安定的に維持管理するための具体的な方策として、御指摘のような調査も含め様々な選択肢がある中で実際にどのような方策を取るのか、戦略的な観点から判断していくべきものと認識をしてございます。
  26. 山谷えり子

    山谷えり子君 冒頭の法制局第一部長答弁において、推薦にというのを資料にという読み間違いというのがあったと思いますけれども、ちょっともう一度説明してください。
  27. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 申し訳ございません。  先ほど御答弁申し上げました中で、昭和五十八年の日本学術会議法の改正に関する資料の正しい記述といたしまして、推薦人資料に基づいて会員任命することとなっておりというふうに申し上げたようでございます。正しくは、推薦人推薦に基づいて会員任命することになっておりでございます。  度々の訂正となりまして、また貴重な審議時間を無駄にすることとなって大変申し訳ございません。
  28. 山谷えり子

    山谷えり子君 いや、お疲れかもしれませんけど、しっかりお願いいたします。よろしく。  それから、三ッ林大臣は拉致問題担当の副大臣でもございます。今、北朝鮮をめぐる状況、非常に動いております。そんな中で、菅総理は、先月、トランプ大統領と拉致問題について電話首脳会談されて、そしておとといはポンペオ・アメリカの国務長官ともお話をされたということで、その政府の考え方、行動について御説明ください。
  29. 三ッ林裕巳

    ○副大臣(三ッ林裕巳君) お答えいたします。  拉致問題は菅内閣においても最重要課題であり、菅総理は、就任直後の国連総会一般討論演説において、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う考えであり、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動していく決意を述べられました。また、トランプ大統領を始めとする各国首脳との電話会談等でも拉致問題の早期解決に向けた支持を働きかけ、引き続き緊密に連携していくことなどを確認してきております。一昨日のポンペオ米国国務長官の菅総理への表敬や日米豪印外相会合におきましても支持や協力が得られたところであります。  今年二月には有本嘉代子さんが、六月には横田滋さんが御逝去されました。お二人が御存命の間にお嬢様方を帰国されることができず、大変申し訳なく思っております。  先週九月二十九日に、菅総理加藤官房長官とともに拉致被害者御家族の皆様と面会し、御家族から、待っている家族は少なくなっている、自分が最後まで頑張る、是非解決していただきたいとの痛切な思いを直接伺いました。御家族が御高齢となる中、もはや一刻の猶予もない。菅総理の下、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、御家族の皆様に寄り添いながら、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組んでいく決意でございます。
  30. 山谷えり子

    山谷えり子君 トランプ大統領、アメリカのポンペオ国務長官、また国際社会の連携、非常に強まってきております。十月二十四日には拉致の国民大集会もやります。そして、横田滋さんのお別れ会もいたします。一日も早く全ての被害者の即時一括帰国に向けて、心一つに頑張ってまいりたいと思います。  本日はありがとうございました。
  31. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の会派の杉尾でございます。質問機会をいただきましてありがとうございます。  私は日本学術会議の問題に絞って質問したいんですけれども、冒頭申し上げたいことがあります。  今回の任命拒否以前にも、学術会議人事に官邸が介入した疑いが強まってきております。そこで、二〇一六年、一七年当時会長だった大西隆先生に参考人としてこの委員会に来ていただくように要請をいたしました。御本人からは快諾を得ましたけれども、与党の反対でこの参考人招致実現しませんでした。極めて残念でございます。  そこで、代わりに学術会議の事務局に聞くんですけれども、二〇一六年の補充人事の際、学術会議があらかじめ示した候補案に官邸が難色を示した。また、翌一七年の半数改選の際には、推薦候補百五人より多い候補者名簿を事前に示すよう官邸から求められた。これは事実なんでしょうか。
  32. 福井仁史

    政府参考人(福井仁史君) 学術会議事務局長の福井でございます。お答えさせていただきます。  通常は、任期途中に定年等で欠員ができますと、その欠員分について補欠推薦候補を総会で決定して推薦することにしております。二〇一六年、平成二十八年の夏に三人の欠員がございまして、この欠員分につきまして、二〇一六年十月の総会で補欠推薦候補を決定せず、翌年、二〇一七年の半数改選までこの欠員分を持ち越したと、これは事実でございます。それから、二〇一七年の半数改選につきましては、百五人の会員候補を七月二十八日の総会で了承しております。これは八月三十一日に推薦して、これはそのまま任命されたということも事実でございます。  ただ、その過程でどのようなやり取りがありましたかにつきましては確認できておりません。
  33. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今説明していただいたとおり、事務局も全然事実関係を知らなかった。これは、メディアのインタビューにも大西先生答えておられますけれども、認めています。御本人に来ていただかなければ真相解明できません。官邸の介入が実は安倍政権のときから始まっていたんだと、こういう疑いが極めて強いということですね。これは極めてゆゆしい。しかも、二〇一八年のあの文書ができた以前からこういうことが行われていた。何としても真相解明が必要です。  大西元会長を始めとした元幹部の参考人招致、そして総理入りの予算委員会の集中審議、何としても必要だということを申し上げて、質問に入ります。  これは質問通告していたんですけれども、もう先ほど認めましたので、内閣法制局の昨日の答弁問題、答弁ミス。推薦人推薦に基づいて会員任命するが全員任命するとなっていた。これ、単なる読み間違いじゃ済まないんですよ。極めてゆゆしい事態で、こんな重大な答弁ミスをしながら、御本人もその後全く気付かれていないし、大塚さん、大塚さんもこの答弁を前提に何の訂正もせずに回答していらっしゃる、答弁していらっしゃる。こんな程度の認識なんですか。大塚さん、いいです。(発言する者あり)要りません。  大塚さん、その後に、想定問答何て書いていますか。資料配っています。
  34. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) まず、委員お配りの想定問答を読み上げさせていただきます。(発言する者あり)はい。この任命は、形式的任命である。これでよろしいでしょうか。
  35. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 形式的任命というふうにはっきり書いてありますよね。  実際に、これも資料としてお配りしました。一九八三年五月十二日、参議院の文教委員会、そして五月十二日の同じく参議院の委員会。中曽根総理、丹羽大臣政府参考人、繰り返し繰り返し、学術会議政府の指揮監督は受けない、総理任命会員任命は左右されない。中曽根総理に至っては、政府が行うのは形式的任命にすぎない、この想定問答どおりに答弁されている。十一月には丹羽大臣が、これずうっと問題になっていたんですね、学会の方から推薦をいただいた者は否定しないとはっきりとおっしゃっています。  それがなぜ、今日も資料をお配りしました、資料三でございますけれども、それがなぜ突然、二〇一八年、推薦どおりに任命する義務がない、こういう文書になったんでしょうか。
  36. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  一九八三年、昭和五十八年の日本学術会議法改正の際に、先ほど私も読み上げましたその形式的な発令行為であるという趣旨のこの政府答弁があったことは承知をしております。  一方で、その憲法第十五条第一項の規定に明らかにされているとおり、公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣推薦のとおりに任命しなければならないというわけではない、これは、一九八三年、昭和五十八年の法改正によりこの日本学術会議会員任命制になったときからこのような考え方を前提にしているものでございます。
  37. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 法制局に聞きます。  今答弁をしたような憲法十五条、憲法六十七条、七十二条ですか、こういう議論というのは一九八三年当時にやった記録というのはあるんですか。
  38. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) まず冒頭、昨日の答弁におきます私の読み間違いにつきまして、改めて深くおわびを申し上げたいと思います。  その上で、この五十八年のその改正のときに、私ども法制局として何か例えばその答弁をしているという記録は恐らくないというふうに思います。  また、御指摘の想定問答でございますけれども、これは当時の総務省、あっ、総理府が作成したものでありまして、その記載がなされるに当たりましてどのような議論がなされたのかにつきましてつまびらかではございません。  もっとも、昭和五十八年の、今回対象、議論になっております日本学術会議法の一部改正法案の立案の以前から、政府といたしましては、文部大臣による国立大学の学長の人事等に関しまして、これも当時の教育公務員特例法に基づきまして、学長の申出によって任命権者、まあ文部大臣でございますけれども、が行うという構造になっておりましたが、これが、憲法二十三条で規定されている学問の自由、あるいは伝統的に認められてきた大学の自治と、憲法十五条一項の規定で明らかにされているところの公務員の終局的任命権は国民にあるという国民主権の原理との調整の必要性については累次答弁をしてきております。  このような国民主権の原理も踏まえますと、内閣国民及び国会に対して責任を負えない場合にまで申出のとおりに必ず任命しなければならない義務があるわけではないと一貫して考えてきております。  したがいまして、この昭和五十八年の日本学術会議法の一部改正時におきましても、これと同様のその考え方に基づいて立案がなされているというふうに考えているところでございます。
  39. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 だけど、この当時、一九八三年当時にそういう議論をしたということを示す文書というのは全くないでしょう。これ、学者の間でも、今のような説明は明らかに詭弁だ、法秩序を壊す。しかもこれ、さっきも申し上げましたけど、二〇一六年、一七年に事実上介入して、その後に義務はないという文書を作っているんですよ。後付けの理屈以外に考えられない、考えられない。  もう一回聞きますけど、文書ありますか、これを示す、この学術会議法において。ありますか。
  40. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) その今、私も申し上げ、今法制局からも御説明ございました、憲法第十五条第一項に明らかにされているこの公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であり、それに基づいて日本学術法におきまして任命権者たる総理大臣任命権を持っていること、これはまさしく規定において明定されているところでございます。規定そのものにおいて明定されているところだと考えております。
  41. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 文書ないんです。しかも、これは単なる任命権じゃない。会員の選別、選考を含めた実質的任命権なんです。  この二〇一八年の文書に何て書いてありますか。あれだけ、だって中曽根総理大臣が形式的な任命権であると言いながら、ここに何て書いてあるのか。内閣総理大臣による会員任命は、推薦を前提とするものであることから形式的任命と言われることもあると書いてある。言われることもあるじゃなくて、そういうふうに答弁確定しているじゃないですか。何ですか、この文書は。はっきり答えて。
  42. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しでございますが、この一九八三年の答弁もこの三十年の文書も、いずれも憲法第十五条を前提としたものでございまして、あくまでも公務員の選定、罷免権が国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる内閣総理大臣推薦のとおりに任命されなければならないというわけではないという考えは一致しておりまして、形式的な発令行為と発言はされているものの、必ず推薦のとおりに任命しなければならないとまでは言及されていないこともございますし……
  43. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 答弁は短く。
  44. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) この記述はこの記述として、あくまでも内閣総理大臣任命権というものは十七条における推薦のとおり任命すべき義務がある……
  45. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 答弁は簡潔にお願いします。
  46. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) とまでは言えないというのは一貫しております。
  47. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 妨害しないでください。私、二十分しかないんです。こっちだって必死なんですよ。何ですか、その態度は。  更に聞きますよ。  総理は、先日のメディアとのインタビューで、今回の六人の任命拒否について主体的に関わったことを事実上認めています。六人の任命拒否は総理自身の判断ということでよろしいですね。
  48. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 任命権者である総理がおっしゃるところに尽きますが、あえて申し上げれば、今回の決裁の過程は現在の菅内閣になってから行われているものと承知をしております。
  49. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 ということは、最終的に菅総理の責任だと、そして自分が主体的にやったことを認めていらっしゃる、こういうことですね。  総合的、俯瞰的に判断をしたと、こういうふうにおっしゃっています。六人を任命することによってこの会の運営が総合的、俯瞰的にできる、そういう活動って何ですか、具体的に言ってください。
  50. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) あくまでも、その総合的、俯瞰的な活動を進めていただくべく、それにのっとって総理任命したという御発言でございまして、それ以上につきましては、人事に関することでもあり、お答えを差し控えさせていただきます。
  51. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 これは人事じゃありません。法律の解釈そのもの、そして憲法の学問の自由に関わることです、侵害しているかどうかという議論はおいておいて。  総理はこういうふうにおっしゃって、総合的、俯瞰的に判断できる能力がないということを、六人がですね、拒否された、暗におっしゃっていると、こういうふうに取られても仕方がないです。  総理は、学術会議の総合的、俯瞰的活動について見識を持っていらっしゃるんでしょうか。それだけ人文科学、そして自然科学学術会議、物すごく幅広い範囲のテーマ扱っています。学術会議在り方そのものについては議論は当然あってしかるべきでしょう。先ほどの山谷委員のような考え方の方もいらっしゃるのは私もよく知っている。  総理は、総合的、俯瞰的に活動するために六人の任命を拒否した、それだけの科学について見識を持っているんでしょうか。答えられますか。
  52. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 総理の御見識云々につきましてお答えする立場にございませんが、いずれにいたしましても、法律の規定に基づきまして任命権者として総理が判断したものだというふうに認識をしております。
  53. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 いずれにしてもという答弁は要りません。  これ、六人の方に極めて失礼ですよ。しかもこれ、総理大臣がレッテル貼りをしたということと同然なんですよ。  いろいろな、例えば特定秘密保護法とか共謀罪とか、そういうことに例えば反対に関わった会のメンバーとして名前連ねた、野党から求められて参考人として出て反対意見を述べた、こういうことが理由かどうか、疑心暗鬼生んでいます。六人の方、これは名誉毀損に当たると言ってもおかしくない、御本人もそういうふうにおっしゃっている。  個々の委員の業績を含めて、こうした会員の選別とか選考をする権限というのは、学術会議法のどこをひっくり返しても憲法十五条を持ち出してもないんですよ、総理大臣には。そこはちゃんと学術会議法で書かれているし、そういう答弁が固定されているんです。  そこで伺いますけれども、同じグループインタビューで菅総理は、今回の任命に当たって、推薦された方そのまま任命してきた前例を踏襲していいのかと、こういうふうに考えたと。私、この発言というのは極めて問題だというふうに思っています。これ、改革姿勢をアピールする道具にすり替えようとしていると言われても仕方がない。これは法律とその解釈の問題です。ころころ変えるべきものではない、前例を踏襲して当たり前なんですよ。変えたいんだったら、解釈変えたいんだったら、法律の改正を提起するか国会できちっと答弁の修正、見解の修正、説明するか、そういうことを全くされずに、こそこそこそこそ裏で隠れて文書を勝手に作っている。  内閣府に聞きます。  国会を無視しているんですか。
  54. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  公務員の選定、罷免権が憲法によって国民固有の権利と認められており、その上におきまして、学術会議法におきまして総理会員任命権を有すること、これ自体は全くその任命制が導入されたときから一貫して変わってございませんし、その上で、推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないという考え方も任命制の導入以来一貫しているところでございまして、解釈を変更したということはございません。
  55. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 全く納得できません。根拠が示されていません。  法制局に聞きます。  法制局は法の番人だったんじゃないんですか。こんな勝手にこそこそ変えていいんですか、解釈を。どうですか。
  56. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、義務的任命であるかどうかという点につきましては、昭和三十年代、四十年代を通じて大学の、国立大学の学長の任命等の議論を通じまして相当程度議論が蓄積をされております。  昭和五十八年の日学法の改正のときも基本的にはそれを踏襲して、その考えの下に立って立案をされたというふうに私どもとしては考えておりますので、そういう意味でいうと、解釈変更といったようなことにはならないという考えでございます。
  57. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 昭和三十年代から踏襲されていると言っていますけど、少なくともこの五十八年の改正当時に、会議録どこをひっくり返してもそういう議論は一切ないんです、ない。  もう一つだけ聞きます、時間が余りないので。  官房長官の発言でこういう発言がありました。今回の問題、直ちに学問の自由の侵害ということにはつながらない。直ちにってどういう意味ですか。
  58. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 官房長官の御発言であり、確かなその真意というのは承知してございませんが、少なくとも規定上は、あくまでも会議の独立性というものは職務に関しての独立性でございまして、それが三条で規定されており、それと同様に七条におきまして任命権が規定されているということも踏まえた御発言ではないかと考えております。
  59. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 僕はある意味、官房長官は正直に答えたと思うんですよ。これは学者の当事者の方も言っていますけど、今すぐ自分が学問の自由を奪われたとは思わないと、こういうふうに言っている。  ただ、今回の問題が及ぼす影響は果てしなく大きいです。政権に目を付けられたくない、疑心暗鬼が広がる、研究費の問題、カットされるんじゃないか、野党からの参考人招致に応じたら何かこういう不利益を被るんじゃないか、メディア、様々な場で意見を言うと同じようなことが起きるんじゃないか、こうした疑心暗鬼を生んで結果的に学問の自由を大きく侵害するおそれが極めて高いから、こうして今、日本中の人たちが声を上げようとしている。  そのことだけを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
  60. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。  私も、最初に、日本学術会議任命拒否問題についてお聞きをします。  学術会議から推薦されたのは、昨日の衆議院内閣委員会の中でも再三にわたって議題になっていますが、百五人でした。しかし、任命の決裁文書には九十九人。文書を見ると、六人がなぜ外されたのかという理由が示されていませんでした。私も公務職場で働いてきたので、どうしてもこれは解せないんです。  人事評価というものは、人事に関わるものというのは、利益を得なかった方に対してきちんと説明をする責任があります。ということは、今回、この人事にとっての要であるこの決裁文書についても理由が示されていないのはおかしいです。これで果たして公平性透明性は保たれるのでしょうか。お聞きします。
  61. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  お尋ねのこの日本科学技術会議会員任命は、あくまでもその法律の定める手続に従いまして、日本学術会議が優れた研究又は業績のある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣総理大臣推薦をし、その上で任命権者たる内閣総理大臣学術会議推薦に基づいて行うこととされているものでございます。  まさしく、この任命権そのものは、総理任命権者としての責任をしっかり果たしていくという従来から一貫した考え方の下で、総合的、俯瞰的な観点から活動を進めていただくためにこの学術会議法に基づいて任命を行っているところでございます。  以上でございます。
  62. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 今、全然答えていませんよね。  私は、だから、その理由がきちんと示されていないから、透明性が保たれるのかと聞いています。もう一度お願いします。
  63. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 簡潔にお願いします。
  64. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 個別のその人事の理由等につきましては、これは人事に関することでもあり、従来からお答えを差し控えさせていただいております。
  65. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 公務の職場でも民間の職場でも、例えば人事評価の査定のときに下げられたら、やっぱりちゃんと不服申立てのためにも、文書というか、残しているはずなんですよ。  次の質問ですが、では、この六人を除外した理由の文書というのはあるんでしょうか。
  66. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 今般、日本学術会議側からの推薦に基づきまして総理任命したことに関し、その八月三十一日付けで会議から進達された推薦文書、そして今般の十月一日付けの任命に係る決裁文書が存在をしております。
  67. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 全然答えになっていないですよね、さっきから。透明性が保たれるか。透明性保たれていないんですよ。おかしいんです。  であれば、その日本学術会議法の第十七条の会員推薦、ここの部分を見ていただくと分かるとおり、この同会議への会員への推薦基準というのは、優れた研究又は業績ということが規定されています。これは専門家集団、先ほど杉尾委員指摘していましたが、専門家集団でしか判断ができないことなんですよ。だからこそ、これ、このまま本当であれば信用しなきゃいけないというところなんです。  ちょっと話は違うかもしれませんが、現在、国勢調査というのが総務省で行われています。この総務省の統計調査員だって、各市町村から推薦上がってきた者をそのまま推薦していますよ、任用、任命していますよ。  なぜ、この日本学術会議から上がってきた者をそのまま推薦しないのか。もっと言えば、これ、学術会議を信用していないということですか。
  68. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) この日本学術会議法に基づきます、あくまでも推薦に基づいた上での総理の任免権、これは任命権者たる内閣総理大臣推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないという考え方に、従来、任命制の導入当時から立っているものでございます。  一方で、その推薦のときの考え方は、委員も今御紹介がございましたが、一方で、平成十五年の総合科学技術会議意見具申では、まさしくその総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められているというふうな提言が出ていることも事実でございます。  そうした観点も踏まえて、総理としては、総理任命権者として、この法律に基づいて任命を行っているということでございます。
  69. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 本当に全然納得ができないんですね。やっぱりこれ、官房長には限界があるんだと思います。やっぱり総理が出てきて、なぜこれを外したのかという説明が必要だということがこれで分かりました。  この問題は、もう何回も何回も繰り返しても先ほどから真摯に回答が返ってきていませんのでここでやめたいと思います。ただ、最後に言いたいのは、やっぱり学問の自由を奪うかもしれないこの政治的介入というのがやっぱり許されるものではないです。総理が介入すべきものではないですし、速やかに六人についても任命すべきであるということを申し添えたいと思います。  時間も限られていますので、今日はコロナの問題について質問させていただきたいと思います。  最初に、コロナにおいて経済的打撃や外出自粛によってストレスも高まる中で、DVの被害者が世界的にも問題になっています。テレワークを始めた夫に暴力を振るわれたという話もあったりして、大変な状況です。  質問通告ではDVの状況も伺う予定をしていたんですが、時間も限られていますので、簡潔にそこの部分を説明をお願いしたいのと、もう一つ、十月一日から男女間暴力対策推進課が新設されました。体制として格上げとなりましたが、今後どのように対策をしていくのかというのをお伺いします。
  70. 林伴子

    政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、新型コロナウイルスに起因する生活不安やストレスなどにより、DVの増加や深刻化が懸念されております。  全国の配偶者暴力相談支援センターと本年四月二十日から開始した新たな相談窓口、DV相談プラスに寄せられた相談件数を合わせますと、本年五月と六月はそれぞれ前年同月比で約一・六倍に増加し、このところ、毎月一万六千件から一万七千件程度で推移しているところでございます。  こうした中、それまでの暴力対策推進室を格上げいたしまして、十月一日に男女間暴力対策課を新設いたしました。あわせて、今月から、DVに悩んでいる方が最寄りの相談窓口に相談できる全国共通の電話番号について、短縮番号、シャープ八〇〇八を導入し、はれればという語呂合わせで周知を図っているところでございます。  また、性犯罪・性暴力対策につきましても、今月から、最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通の短縮電話番号、シャープ八八九一の運用を開始いたしまして、こちらも、はやくワンストップの語呂合わせで周知に努めているところでございます。  今般の男女間暴力対策課の新設を契機といたしまして、DV対策や性犯罪・性暴力対策等に一層強力に取り組んでまいります。
  71. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。是非引き続き推進の方をお願いします。やっぱり深刻な状況で、まだまだ予算は増えているものの各国に比べると少ない金額になっていますので、是非ますますの対策をお願いいたします。  次に、過日のことになりますが、自民党の内部会議で、出席した議員が女性は幾らでもうそをつけますからと発言したという報道がありました。  この発言は女性の性暴力相談の障害ともなるものであり、看過できるものではありません。この発言は、勇気を持って性暴力やセクハラ、DVなどを訴えようという女性の思いをくじくかもしれない、セカンドレイプだったりセカンドハラスメントと言っても過言ではありません。こういった誤った発言が女性を傷つけ、相談しにくい社会となりかねないんです。  政府としての見解と、被害者に寄り添った今後の対策をお伺いします。
  72. 吉川赳

    大臣政務官(吉川赳君) 議員御指摘のように、自民党議員から性暴力被害者を傷つけるような発言があったことは大変残念であると思っております。また、性犯罪、性暴力は被害者の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、決して許されてはなりません。  政府では、本年六月に関係府省会議におきまして性犯罪・性暴力対策の強化の方針を取りまとめ、令和四年度までの三年間を性犯罪・性暴力対策の集中強化期間として強力に取り組んでいるところであります。  今後とも、政府を挙げて性犯罪・性暴力対策の取組を進めてまいります。
  73. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 是非、また被害者に寄り添った対策の方をお願いいたします。  次に、非正規労働の関係について質問させていただきます。  連合の労働相談でも、非正規雇用で働く労働者からの相談が多いです。内容でいえば、派遣契約が打ち切られたとか、九年勤続をしてきたんですが九月末で有期雇用契約が終了となった、これ、派遣労働者も含むことです。特にこの九月末を迎えて雇い止めが発生しています。非正規労働者が企業の調整弁となっているというのは、今日配付した資料日本経済新聞の方にも載せられています。  雇用調整助成金では対策が不十分なのではないかと思いますが、雇用継続について更なる非正規労働者への支援、これが必要です。有期雇用と派遣労働者、それぞれの今後の対策についてお伺いします。
  74. 小林洋子

    政府参考人(小林洋子君) お答え申し上げます。  雇い止めにつきましては、労働契約法第十九条において、過去に反復更新された有期労働契約で、その雇い止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合や、労働者において契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されると期待することについて合理的な理由があると認められる場合に雇い止めを行うことが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、そうした雇い止めは認められない旨が規定されております。    〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕  厚生労働省としては、こうした点につきまして、新型コロナウイルスに関するQアンドAなどにおいて周知するとともに、経済団体に対する雇用維持等への配慮の要請等を行っております。引き続き、こうした周知に取り組むとともに、労働契約法に照らして問題のある事案を把握した場合には、都道府県労働局等において適切に啓発指導を行ってまいります。  無期転換ルールにつきましては、無期転換ルール等の情報を発信する専用サイトの開設やセミナーの開催等、制度の概要の周知や導入支援を行っており、引き続きあらゆる機会を捉えてしっかりと周知をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  75. 志村幸久

    政府参考人(志村幸久君) 派遣労働者に関してお答えさせていただきます。  派遣労働者の雇用維持につきましては、これまでも厚生労働大臣から業界団体のトップに対し、雇用調整助成金の活用により雇用の維持を図ること等これまでにない対応を改めて強く求めてまいりました。同時に、個別の派遣会社に対しても、都道府県労働局から電話や訪問等を行い、各社の状況を把握しつつ、必要な指導や雇用調整助成金を活用した雇用維持などを求めております。  また、八月二十八日には、労働者派遣契約の更新が集中する九月末に向けて、業界団体及び個別の派遣会社に対し派遣労働者の雇用維持を改めて強く求めたところでございます。特に製造業については小規模な派遣会社が多く、動向を注意する必要があります。集中的な指導監督を実施するとともに、雇用調整助成金の一層の活用を求めてまいります。  一方、一部では派遣労働者の解雇、雇い止めが生じていることについても承知しております。都道府県労働局において雇い止め等に関する情報を把握し、個別の派遣会社に対して雇用安定措置の適切な履行や雇用調整助成金の活用による雇用維持など、必要な指導等を実施してまいりたいと考えております。  厚生労働省といたしましては、雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の活用により引き続き派遣労働者の雇用維持を求めていくとともに、やむを得ず職を失った方への支援についても、求職者の方の置かれている状況に応じたきめ細かな対応を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。
  76. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。  対策いろいろと取っていただいているんですけど、なかなか雇い止め問題については厳しい条件あるんですが、周知がされていないということもあって労働者も泣き寝入りしている実態がありますので、是非更なる対策を取っていただきたいのと、派遣労働についても、大臣から直接企業に申入れとかしていただいているのも重要なんですが、やっぱり雇用調整助成金ではかばい切れないところが、支え切れないところがありますので、できれば新たな支援というものを検討していただきたいと思います。  次に、非正規労働者、自営業の多くの話なんですが、接触型の仕事が多いんです。収入減であったり解雇であったり、倒産にさらされている現状というのは、特に女性労働者が多い宿泊とか飲食などのサービス業がそういった、何というかですね、雇用の不安を抱えているという状態にあります。特に子育て世代の女性については、家事負担の増大であったり休校等により仕事か家庭かの選択を迫られてしまって、仕事を辞めざるを得ないような状況に追い込まれています。  総務省の労働力調査によると、非正規雇用で昨年に比べて百二十万人も減少しているというのがきっとこういったところに表れていると思います。特に大変なのがシングルマザー、一人親世帯のところです。一食、御飯をですね、毎日三食食べれないような実態というのも、NPO法人のしんぐるまざあず・ふぉーらむの調査で明らかとなっています。  特にこれから必要になってくるのは第二のセーフティーネットですが、住宅確保給付金が今の段階では最大三か月になっており、コロナが拡大してから十二月には支援が切れてしまうおそれがあります。これ延長すべきではないかと思いますが、これについてお答えをお願いします。
  77. 岩井勝弘

    政府参考人岩井勝弘君) お答えいたします。  住まいは生活の最も基本的な基盤の一つであり、様々な事情を抱える方に対して住居の確保等を支援していくことは、こうした方が安心して暮らしていく上で重要な対策であると考えております。  新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため、これまで住居確保給付金の支給対象の拡大等の住まい対策の充実強化に努めてきたところであります。  今後とも住まいの支援の充実を図っていくことは重要と考えており、住居確保給付金の利用者の実態調査等を進め、その結果等も参考に必要な対応について検討してまいりたいと存じます。
  78. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 ありがとうございます。是非、十二月ってもうすぐそこなので、早く支援を拡大するように取組の方をお願いいたします。  最後に、西村大臣にお伺いいたします。  新型コロナ関係で、やっぱりこの誹謗中傷が一番の今とても問題になっています。これ労働の分野でも問題になっておりまして、職場の労働相談に対してちょっと風邪を引いたと言ったら、もう来るなと言われて、そこで雇用が打ち切られたりとか、あとは感染したからといってその町に住めなくなったとか、ひどい事例がたくさんあります。  医療スタッフの家族が仕事に行けないとか保育所に行けないとか、そういう問題もありますが、この職場のハラスメントだけでなくてコロナ禍における社会全体の問題です。このことについて、大臣、対策の方をどうしていくか、お伺いします。済みません、私、十四分までなので簡潔にお願いします。    〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
  79. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) 大変大事な御指摘だと思っております。  この新型コロナウイルス感染症は、もう誰もがかかる可能性、おそれがあるわけでありますので、かかった人が何か悪いわけではありません。偏見や差別は決してあってはならないことだというふうに認識をしております。  既に政府におきましても、テレビスポットのCMなどで医療従事者を始めとする関係者への人権上の配慮を呼びかけたり、あるいは、法務省においても、ホームページやSNSを通じてまさにこうした不当な偏見、差別を行わぬよう呼びかけ、また人権相談の窓口を周知するなどの対応を取ってきているところであります。  さらに、私の下で今、偏見・差別とプライバシーのワーキンググループを設置をしておりまして、ここで、人権の専門家皆さん、法律家の皆さん、あるいはコミュニケーションの専門家皆さん、こういった方々に入っていただいて、更に望ましい取組在り方、対策を議論していただいております。十一月早々にも取りまとめを行って、更にこうした取組を強化をしていきたいというふうに考えているところであります。  私自身も、内閣官房のホームページにこの偏見、差別、あってはならないという趣旨の動画メッセージも掲載しておりまして、政府全体として取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。
  80. 岸真紀子

    ○岸真紀子君 引き続き、この差別をなくしていかないと感染の拡大を防ぐことができませんので、お願いいたします。  以上です。ありがとうございました。
  81. 高橋光男

    高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。  本日も質問機会をいただき、感謝申し上げます。また、政府には、日々新型コロナ対策に全力を挙げて取り組んでいただいていることに改めて敬意を申し上げます。本日は時間の許す限り多数の質問を希望しますので、簡潔かつ明確な御答弁に御協力のほどよろしくお願いします。では、早速質問に入らせていただきます。  まず、NPO法人の事業継続支援について伺います。  七月の本委員会において、持続化給付金の申請時の売上げの算定に際し寄附金等を含んで計算できるよう支給要件の緩和を要請しました。その後、政府として要望どおり要件緩和を行ったことに感謝を申し上げます。  これを受け、先月二十九日から事前確認事務センターがオンラインでの書類申請の受付を開始しました。一方、今回の措置により給付対象となる法人は、全国約二万の寄附型NPO法人のうち一万法人とも言われています。つきましては、より多くの法人が受給できるように事前確認事務センターの一層の周知徹底をお願いします。  そしてまた、売上げ減の対象期間が違うなど若干の要件が異なりますが、持続化給付金の対象法人は基本的に家賃支援給付金の対象になると考えてよいでしょうか。対象となる場合、可能な限り寄附型法人にも給付されるようNPO法人を所管する内閣府及び両給付金を所管する経産省との間で連携すべきと考えますが、政府の見解及び今後の対応をお伺いします。
  82. 海老原諭

    政府参考人(海老原諭君) お答えいたします。  まず、事前確認事務センター、持続化給付金の事務センターにつきまして一層の周知を図るべきという点であります。  今般の寄附金等の取扱いの変更につきましては、八月以降累次にわたりまして、特にNPO向けに周知を行っております。具体的には、内閣府のホームページにおきまして、八月七日に寄附金等を加算できるようにする旨を掲載しております。また、九月三日には趣旨や概要等をまとめたリーフレットを掲載しております。  さらに、事前確認事務センターの受付開始に先んじまして、九月の十八日には手続の詳細とQアンドA形式での解説、フリーダイヤルで受け付けるお問合せ窓口の情報などを掲載したところであります。また、これらの情報につきましては、NPO法人に周知をいただけますように所轄庁に対して情報提供しております。また、例えば日本NPOセンターといった全国的ネットワークを持つような団体もございますので、そういった団体への周知の協力を依頼するなどやっておりまして、今後とも周知の徹底を図っていきたいと思っております。  次に、家賃支援給付金に対する内閣府の考え方ということでございます。  NPO制度を所管する内閣府といたしましては、寄附金等を主な収入源とするNPO法人が広く対象となるよう、御質問にありましたように持続化給付金制度の取扱いを変更したところでございます。  家賃支援給付金を始めまして、新型コロナに対する各種の給付金につきましては、できるだけ多くのNPO法人が対象になることが望ましいと考えております。したがいまして、内閣府としましても、NPO法人の活動促進に向けましてしっかり取り組んでいきたいと思っております。
  83. 村上敬亮

    政府参考人(村上敬亮君) 手短に。  現在では御指摘のケースはまだ対象になっておりませんが、今答弁ありましたとおり、内閣府とよく連携して対応検討してまいりたいと思ってございます。
  84. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  新型コロナの影響によって地域で生じている様々な社会課題対応するNPOの役割は大変重要でございます。内閣府と経産省が縦割りを排して連携を密にし、可能な限り多くの法人が受給できるよう何とぞ御対応のほどよろしくお願いします。  次に、旅行観光業支援、またゴー・ツー・トラベル事業について幾つかお尋ねしてまいります。  公明党は九月二十九日、観光業、旅館、ホテル業、航空、鉄道、海事業界の方々との要望懇談会を実施しました。全ての業界から、異口同音に雇用調整助成金の特例措置の延長を求める声が寄せられました。昨日の衆議院内閣委員会で、我が党の太田昌孝議員の質問に対し、政府は、失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り段階的に縮減していく方針なるも適切に対応していく旨の答弁があったと承知しています。この点、完全失業者数の増加、有効求人倍率の悪化など雇用情勢は確実に厳しさを増しています。  現在、厚労省は各業界へのヒアリングを行っていると承知しますが、観光業、飲食業、アパレル業など中小事業者の事業回復は依然予断を許さない状況です。ついては、十二月末までの特例措置を是非来年三月までに延長をお願いします。  また、執行額は九月末の時点で予算額の約一・五兆円に達しており、既に雇用勘定を流用して対応中と承知しますが、財源は必要に応じ予備費の活用、補正予算の編成等も視野に入れて検討すべきと考えます。いかがでしょうか。
  85. 達谷窟庸野

    政府参考人達谷窟庸野君) お答え申し上げます。  雇用調整助成金の特例措置につきましては、御指摘のとおり、本年十二月末までの延長をしたところでございます。その上で、感染防止策社会経済活動の両立の観点から、休業者数や失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り通常制度に向けて段階的に戻していくということとしているところでございます。  一方で、これに併せて、ポストコロナを見据えた事業展開や、これに対応した人材の育成や確保等、全体としてバランスの取れた雇用対策を進め、雇用の安定を図っていくことが重要であると考えているところでございます。  いずれにいたしましても、雇用調整助成金の特例措置の取扱いにつきましては、今後、雇用情勢等を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えてございます。  また、財源についてでございますが、休業の減少等も見込まれることなどから、当面は、第二次補正予算で確保している予算に加えまして、労働保険特別会計雇用勘定の中でのやりくりによって対応が可能だというふうに考えているところでございます。  今後、執行状況をよく注視して、支給に滞りがないよう対応してまいりたいと考えてございます。
  86. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  続きまして、旅行業登録に関してお伺いします。  日本には、中小を始めとする全国約九千社の旅行業者の方がいらっしゃいます。この業者の皆様は、緊急融資等により事業回復に懸命に取り組まれている一方、多額の資金借入によって財務の早急な改善は困難な状況です。  つきましては、事業の維持存続のために、旅行業法に基づく旅行業登録の有効期間の延長、そしてまた、旅行業更新登録における財産的基礎の要件緩和、すなわち、直近ではなく新型コロナ前の事業年度の決算書の提出で認めるなど、柔軟な措置を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
  87. 五十嵐徹人

    政府参考人五十嵐徹人君) 旅行業法におきましては、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図る観点から、旅行業の登録を受けようとする者に対して、必要と認められる一定の財産的基礎を有することを求めております。この財産的基礎につきましては、企業活動に伴い日々変化しているものでありますから、登録時に審査をするだけではなく、定期的に確認することが必要であると考えておりまして、五年ごとに登録の更新をさせることとしております。  今般、新型コロナウイルスによる影響が原因で登録の更新に必要な財産的基礎が満たされないと認められる場合につきまして、委員からただいま御指摘があったような前の事業年度の決算書類を基に財産的基礎を確認するなど、旅行業法の適用について弾力的な取扱いをしているところでございます。このような取扱いは令和三年三月まで実施することとしておりますが、今後の感染の状況や中小旅行業者からの御要望を踏まえ、本措置の延長など、中小旅行業者の事業の継続のために適切な措置を検討してまいります。
  88. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。是非とも前向きな御検討をお願いします。  続いて、ゴー・ツー・トラベル事業の被災地特別枠についてお伺いします。  自然災害といえば、昨年の東日本台風から早くも一年がたちました。その後、本年は七月豪雨も発生し、コロナ禍の中、生活やなりわいの再建に日々奮闘される被災者の方々が一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう、政府には引き続き万全の対応をお願いします。  さて、東日本台風の際は、翌十一月にはいわゆるふっこう割補助金が創設されました。今回、七月豪雨からは三か月、ゴー・ツー・トラベルは開始以来既に二か月半がたちます。もちろん、甚大な被害を受けた熊本県人吉市など、観光地としての復旧の見通しが難しい地域には中長期的な別途の手当てが必要と考えますが、一方で、長野県など、昨年来、台風のみならず、雪不足、コロナ、そして七月豪雨など試練が相次ぐ被災地もございます。ゴー・ツー・トラベル事業は、基本的には来年の一月末までの旅行が対象ですので、そう考えるとあと四か月もございません。  ついては、国として被災地特別枠の具体的扱いを早期に示すとともに、自治体とも協力して必要な情報発信を行うなどして被災地に希望を持っていただけるようにすべきと考えます。仮にそれが難しいのであれば、来年度以降も利用できるよう、ゴー・ツー・トラベルの期間延長とそのための予算の積み増しを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
  89. 岩井茂樹

    ○副大臣岩井茂樹君) 高橋委員にお答えをいたします。  今般の新型コロナウイルス感染症による影響に加えまして、委員指摘のとおり、令和二年七月豪雨で被災された各地域の皆様方におかれましては大変厳しい状況が続いているということは十分認識をしております。  国土交通省といたしましては、今般の豪雨によって被害を受けた宿泊旅行業者の方々への特別相談窓口を九州、北陸信越及び中部運輸局に設置するなど、被災事業者に寄り添った支援を行ってきているところであります。  御指摘ゴー・ツー・トラベル事業につきましては、被災地においては現状直ちに御活用いただけない被災地域もあるところ、特段の配慮を行っていきたいとまずは考えております。  そのため、七月三十日に決定されました被災地の生活となりわいの再建に向けた対策パッケージにまず基づきまして、ゴー・ツー・トラベル事業における被災地向け重点キャンペーン等の実施に向けて本事業内で被災地向けの特別枠、これを確保する検討を現在進めているところであります。早期に、その検討の結果まとまり次第早期にお示しできればとも考えております。  また、観光庁のウエブサイトやSNS等を通じ、地域の御要望を踏まえて被災地域における観光地や交通機関の現状に関する正確な情報及び魅力の発信、これも併せて引き続き取り組んでまいりたいと思っております。  そして、本事業の割引販売につきましては来年一月三十一日までの旅行商品を対象としておりますが、これはあくまで一つの目安でございまして、実際の販売、割引販売の終了時期につきましては予算の執行状況等を見ながら判断していくこととなっております。できるだけ息長く本事業を実施してまいりたいと考えております。  国土交通省といたしましても、引き続き、被災された方々に寄り添って御意見、そして御要望を丁寧に伺いながら、関係省庁とも連携をし、被災地の復興、需要回復に、それを強力に後押ししてまいりたいと考えております。
  90. 高橋光男

    高橋光男君 力強い御答弁ありがとうございました。是非、適時適切に決定し、明らかにしていただくよう重ねてお願いいたします。  続きまして、団体旅行がほとんどないなどの理由で未曽有の経営危機にあるバス事業者を始めとする地域交通事業者への支援、これもまた大変急務でございます。私自身、地元のバス事業者から悲痛のお声を数々伺ってまいりました。この点、政府は第二次補正予算による感染拡大防止対策等への支援を行っており、感謝申し上げます。  一方、来年度予算概算要求においては、危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援として、地域公共交通確保維持改善事業を含む三百三十六億円が計上されています。しかしながら、新型コロナ対応支援分は事項要求とされており、今後調整されるものと承知いたします。  ゴー・ツー・トラベルのような間接的な支援に加え、事業者の事業継続に役立つように事業者単位で直接支援が届くような施策を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
  91. 金井昭彦

    政府参考人(金井昭彦君) お答えいたします。  地域の公共交通につきましては、人口減少等により厳しい状況にあったところ、新型コロナウイルス感染症の影響により一段と輸送需要が減少した一方、運行を維持しなければならないことから、非常に厳しい状況にございます。  国土交通省では、令和二年度第二次補正予算におきまして地域公共交通の感染症拡大防止対策事業を創設しまして、密度を上げないよう配慮した運行への支援を行えるよう措置したところでありまして、大変強い御要望をいただいております。  このため、令和三年度当初予算要求におきまして、地域公共交通確保維持改善事業として取り組んでいるバスの運行経費等に対する補助の大幅な増額要求に加えまして、地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援につきまして事項要求を行っているところでございます。その内容や規模につきましては、今後の経済情勢や需要動向等を踏まえつつ、年末に向けて予算編成過程で財政当局と議論してまいりたいと考えております。  いずれにしましても、地域公共交通の機能が今後もしっかり維持されるよう、議員の御指摘も踏まえながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  92. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  続きまして、広域周遊観光促進のための支援事業に関してお伺いします。  コロナ禍にあっても、来年の東京オリパラ等を見据え、我が国の豊かな観光資源を活用した質の高い新たなコンテンツの造成、付加価値の高い広域的な観光事業の展開を模索する取組も見られます。  お配りした資料一を御覧ください。  これは、地元兵庫、西村大臣の御地元でもございます淡路島において官民一体となった海事関係コンテンツを生かした観光推進に関する県内唯一の調査事業が進行しており、今年度中にはその内容が固まる予定です。一方で、コロナ禍による予算的制約等により、事業化のために基礎自治体や事業者限りでできることは限られるのは明白でございます。  観光分野を始め、こうした苦しい中にあっても頑張る事業者の創意、発意による新たな取組を国として力強く後押しすることが重要と考えますが、御所見をお願いします。
  93. 五十嵐徹人

    政府参考人五十嵐徹人君) 委員指摘のとおり、新型コロナウイルスによる深刻な影響を受けている観光地に観光客を取り戻していく上では、ゴー・ツー・トラベル事業に加えて、ただいま御紹介いただきました淡路島の取組のように、観光地魅力を高める取組についてもしっかりと進めていくことが重要であると考えております。  このため、観光庁では、観光地課題を分析するための調査、地域ごとの観光資源を生かした魅力的な滞在コンテンツの造成、多言語表示の充実、バリアフリー化といった観光地魅力アップのための支援を行っているところでございます。  今後とも、地域の創意工夫を生かした取組支援して、地域経済の再生をしっかりと実現させてまいりたいと考えております。
  94. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。  続いて、西村大臣にお伺いしたいと思います。新型コロナ接触確認アプリCOCOAについてです。  これも配付資料二を御覧ください。  これ六月から導入されまして、ダウンロード数は昨日時点で一千八百十二万件に上ると承知しております。しかしながら、最近の増加ペースを見ると、やはり伸び悩んでいるのではないかというふうに見受けられます。導入から四か月がたとうとする中、その中で、陽性者へのPCR検査が行政検査となり無償化されたのは一歩前進と評価しますが、更なる利用促進を図る必要があります。  そのため、現在は症状のある方又は感染者等との接触に関して心当たりがある方又は受診を希望する方には検査を受けていただく形になっていますが、これらの有無にかかわらず全員が検査を受けてもらうようにすること、また、陽性登録者数が限られていることから保健所が陽性者に対し登録への協力を一層求めること、さらには、デジタルインクルージョンの観点から外国人にも利用してもらえるようにやさしい日本語版を導入することを提案させていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
  95. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) 全く御指摘のとおりでございます。  このCOCOAの利用促進、私どもも、例えば巨人軍の選手にお願いをしたり、あるいは楽天の三木谷さんであったり、いろんな影響力のある方にこのCOCOAの推奨をお願いしているところでありますけれども、こうした取組も含めて今一千八百万件を超えたところでありますが、このCOCOAから接触の可能性の通知を受けたことによって検査を受けて、そして陽性であるということが分かった事例も出てきておりますので、そういう意味で、これやっぱり効果があるということだと思いますので、しっかりと広報していきたいと思います。  そうした中で、お尋ねの点でありますが、COCOAで接触通知を受けた方については、症状の有無あるいは感染者等との接触の心当たりがあるかどうかにかかわらず全員に検査を受けていただけるようにしたところでありますし、また、ダイレクトに保健所を案内するよう、アプリ画面についても必要な改修を行ったところであります。また、感染拡大防止のための陽性登録については、厚生労働省が自治体とも連携して感染が確認された方に丁寧に御協力をお願いをしているところであります。こうしたことを更にしっかりと進めていきたいと思っております。また、外国人の利便性についても、現在、英語と中国語で対応しておりますけれども、やさしい日本語でも表記できるよう、関係事業者とも密接に連携しながら対応していきたいというふうに考えております。  いずれにしましても、関係省庁と連携して、幅広くこのCOCOA、インストールしていただけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。
  96. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  前向きな御答弁に感謝を申し上げます。是非この技術を活用して、まさにこのコロナ対策に役立つようにこれからも政府の御対応、よろしくお願いいたします。  続きまして、在日外国人への支援についてお伺いします。  先日、七月に東京四谷に設置をされました外国人在留支援センター、通称FRESCを視察させていただきました。この施設は、出入国在留関係、人権保護、査証、法律関係、労務管理、就職支援等、四省庁八官署が入った外国人支援のためのワンストップ型総合支援センターです。先月から、FRESCヘルプデスクという多言語の相談窓口も開設されました。コロナ禍の影響に国籍は関係ございません。この施設に相談に来た外国人が政府のコロナ関連支援を受けられるように一層活用されるべきです。  また、多言語での情報発信のみならず、様々な申請書類等も含め、やさしい日本語版を提供すべきと考えます。このやさしい日本語、今日繰り返し申し上げますが、そのニーズは、最近行われました、配付資料三にございますけれども、この文化庁の調査においても本当にその必要性が認められておりまして、しかしながら、一方で、その取組というのはほとんど、余り知られていない、約七割の方がやはり御存じでないという中でしっかりと進める必要があるというふうに思います。  いずれにしましても、この施設が政府の外国人支援のハブ機能を発揮し、相談を必要とする方々に積極的に活用されるようになって初めて我が国の多文化共生社会構築に寄与するものと考えます。  ついては、センターやヘルプデスクの更なる周知を行うとともに、提供サービスの多言語化に加え、やさしい日本語も活用していくこと、さらには、地方自治体のみならず地域の国際交流協会やNGO、駐日外国公館等との連携を強化していくこと、さらには、そうした機能を担うために中長期的な観点からセンターの体制を着実に強化していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  97. 丸山秀治

    政府参考人(丸山秀治君) お答え申し上げます。  外国人が我が国におきまして安全、安心に暮らすためには、我が国の各種制度や慣習などの必要な情報が外国人に届くことが重要であります。そのため、出入国在留管理庁におきましては、生活・就労ガイドブックや外国人生活支援ポータルサイトにおきまして多言語の情報提供を行っております。また、外国人が理解しやすいやさしい日本語の普及、活用促進を図るため、先般、文化庁とともにやさしい日本語のガイドラインを作成し、自治体などの関係機関に周知したり、自治体職員に対する研修も行っているところでございます。  今後、委員指摘関係機関、団体との連携協力を更に進め、外国人に正確な情報が確実に届くよう、多言語化ややさしい日本語を活用した情報提供に努めてまいります。また、外国人在留支援センターにつきましても、利用者など関係者の皆様からの御意見、御要望を踏まえながら、必要な体制、機能向上の整備に努め、同センターが名実共に外国人の在留支援の拠点となることを目指してまいります。
  98. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。  続きまして、新型コロナワクチンの共同購入のための国際的枠組みであるCOVAXファシリティーについてお伺いします。  先日、公明党の強い働きかけにより、政府は本枠組みへの参加を決め、予備費から百七十二億円の拠出を決定しました。これにより、国内人口の二〇%向けのワクチンの購入が可能となり、幅広くワクチンの確保の手だてが得ることができたと評価いたします。  同時に、この枠組みは、ドナー国の拠出金で途上国へのワクチン供給を行うCOVAX・AMCという仕組みも含まれます。その仕組みには、本年二十億ドル、来年には新たに五十億ドル程度の資金が必要とされています。ついては、我が国として、Gaviワクチンアライアンス等を経由した早期にふさわしい額の拠出を表明する必要があると考えます。  ある分析によれば、先進国のみにワクチンが配分された場合、そうしない場合と比べて死者が二倍になるとも言われています。十分なワクチンを確保し、途上国を含めた公平な配分が必要なことを踏まえると、我が国として、来月のG20サミットなどにおいて新興国も巻き込んで本枠組みの重要性、資金的貢献の必要性を確認すること、特に米国によるCOVAX・AMCへの資金協力を働きかけるべきところ、来月の大統領選挙の結果にかかわらず、日本政府として、次期政権に対し、ハイレベルでCOVAXを始め多国間協調の枠組みに米国が参加し、貢献することを求めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
  99. 高杉優弘

    政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の終息のためには、途上国を含め世界全体におけるワクチンの公平なアクセスが不可欠でございます。その観点から、我が国はGavi等を通じてワクチン供給を支援していく考えでございます。  我が国として、既に本年六月にGaviに対して当面三億ドル規模の拠出を行う旨表明しておりますけれども、その中におきまして、委員指摘のCOVAXファシリティーの途上国向け枠組みでございますワクチン事前買取り制度、AMCに対しましてもしかるべく拠出を行う考えでございます。  それから、各国への働きかけにつきましても、我が国はこれまでこの枠組みが成果を上げるよう、ガバナンスを含め、仕組みづくりの議論に貢献してまいりましたが、それとともに、米国を含む各国に対して様々な機会におきまして本枠組みの重要性を提起し、協力を働きかけてまいりました。  今後とも、引き続き国際社会による本枠組みへの関与を働きかけてまいりたいと考えております。
  100. 高橋光男

    高橋光男君 ありがとうございます。  そうしましたら、最後になりますが、男性の育休促進についてお伺いしたいと思います。  九月二十九日、労働政策審議会分科会において男性の育休促進について議論が始まったと承知しております。この男性育休促進、まさに非常に大事な取組であり、私も先日、この委員会質問もさせていただいたところでございます。  その中で、育休取得の主たる制約要因の一つとして職場の取りづらさがございます。したがって、この現行制度においては社員の希望を認めるとするというふうになっているんですが、すなわち、これは従業員側の意思に対し会社が受け身で対応する形になっていますけれども、そうした形ではなくて、会社側に取得の推奨を義務付けることや男女共に柔軟に取得できるよう分割取得を認めること、こうしたことは改善の方向性として私は妥当だというふうに考えます。  いずれにしましても、検討を急ぎ、法改正を待たずとも取り得る実効的な対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。端的にお願いします。
  101. 岸本武史

    政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  男性の育児休業取得率は令和元年度で七・四八%となってございまして、十年前の平成二十二年度の一・三八%と比べると上昇はしておりますが、依然として低い水準にとどまっております。  育児を目的とした休暇、休業を利用しなかった理由につきましては、やはり取得しづらい雰囲気など職場環境の要因を挙げられることが多うございまして、また一方で、職場で制度周知がある場合には、ない場合と比べて育児休業取得割合が高いといったことも指摘をされているところでございます。  こういった状況を踏まえまして、先日、労働政策審議会の雇用環境・均等分科会におきまして、男性育児休業取得促進策につきまして、子の出生直後の休業の取得を促す仕組みや育児休業の分割取得などの論点について議論を開始したところでございます。今後、具体的な方策の検討を進めてまいりたいと考えております。
  102. 高橋光男

    高橋光男君 是非、先般も提案させていただいた出産後一か月間の育児休業給付率を実質一〇〇%に引き上げることも含めて御検討をお願い申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  103. 高木かおり

    高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  本日、学術会議会員が六名任命されなかったということで、本日も様々な議論が交わされてまいりました。本日は質問はいたしませんけれども、一言意見だけ申し述べたいと思います。  学術会議そのものについては、行革という観点から、今のような政府機関の形態を維持すべきかどうか、それから、そういったことを考えるべき時期に来ているのではないかというふうに思っています。学術会議の職務として定められていた政府への答申や勧告が過去十年以上にわたって出されていないですとか、国民の税金を原資に年間十億円にも上る予算、それから活動実態の明確化、可視化、それから先端技術流出の問題、大変こういったことも懸念されるわけです。  今回の任命拒否については、任命権者任命拒絶できるわけですから、任命拒否した場合、あとはその理由が問題になると思います。総理には、是非堂々とこの任命拒否の理由を国民説明していただければというふうに私は思います。  それでは、質問の方に入らせていただきたいと思いますが、今日はちょっと質問通告の順番、少し変えて質問させていただきます。  まずは、ゴー・ツー・トラベル実施後の観光振興策についてからちょっと伺っていきたいと思います。  このゴー・ツー・トラベルは今年の七月からスタートし、感染対策しっかりと行って、行った上で進めていただきたいということは言うまでもないんですけれども、これ、少し問題点も出てきているかと思います。経済的に余裕のある旅行者の方々がいつもより高額の旅行を楽しむ構図というのが浮かび上がってきているということで、これでそもそもの政策効果との乖離はないのかどうか。  観光庁は、八月下旬、九月頭辺り、少し前の話ですけれども、具体的な偏りは生じていないというふうに把握しているというようなこともおっしゃっておられたんですが、日本旅行業協会の集計によりますと、八月の販売額は行き先別予約人数の増え方を超えるケースが多くて、やっぱりこの高級施設が好まれる傾向にあるというふうに分析しているんですね。  八月の内閣委員会では、業界団体や事業者からヒアリングをして、引き続き経営状況を注視するという御答弁がありましたけど、これきちんと分析をしていただいているのか、把握をしていただいているのか、大変ちょっと私心配をしております。  この価格設定の低い施設になかなか予約が入らないという現状について、観光事業を喚起するという政策を推し進めるのであれば、これらの事業者の扱い、検討するべきではないかと思うのですが、この点についてお答えください。
  104. 村田茂樹

    政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。  ゴー・ツー・トラベル事業につきましては、七月二十二日の事業開始以降、九月十五日までの期間におきまして、少なくとも延べ約千六百八十九万人泊、割引支援額としては少なくとも約七百三十五億円の利用実績、速報値として今あったものというふうに報告を受けております。  本事業における国の支援額につきましては、現在一律に旅行代金の二分の一相当としておりまして、旅行者の方々にも同じ額の支出を促すということになりますので、地域共通クーポンの使用も含めまして、全体として地域経済を大きく活性化するものであるというふうに考えております。  それからまた、本事業におきましては、感染拡大防止対策の徹底等の参加条件を満たしていれば大手であるか中小であるかを問わず、事業者の皆様に平等に事業に参加できる機会を設けさせていただいているというふうに考えております。  九月十五日までの利用実績におきましては、今先生御指摘ございましたような分析はまだ十分にはできておりませんけれども、ただいま申し上げました全体の割引支援額から一人泊当たりの旅行代金を試算してみますと、平均で約一万二千円余りということになりまして、必ずしも高い価格帯の宿泊施設だけではなくて、一泊一万円未満の施設も含めまして、価格帯の高低にかかわらず幅広く御利用いただいているのではないかというふうに考えております。  また、中小事業者の皆様には、より積極的に本事業を御活用いただきますように、給付金の予算につきましては手厚く、手厚く配分することとしておりますし、それから、団体旅行につきましては、個人旅行に比べて動き出しが遅くなっておりますが、関係の宿泊事業者の需要を回復するためにも、本事業を通じまして必要な需要喚起を図ってまいりたいというふうに考えております。  引き続き、全国各地で幅広い事業者に御参画いただきながら、事業者、旅行者の双方に感染拡大防止の徹底を呼びかけ、本格的な旅行需要の回復、幅広い観光関係事業者の経営安定化と雇用の維持、それから地域経済の活性化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  105. 高木かおり

    高木かおり君 分析はまだまだこれからだということで、団体旅行の皆さんがこれからそういったところにも回っていくことによって旅行客も中小の宿泊施設等にも戻ってくるんじゃないかというふうにお考えいただいているということなんですけれども。  今、この旅行者さんと、それから旅行代理店さん、それから宿泊施設がありまして、今少しちょっと問題になっているのが、この旅行代金を今まで、九月十五日でしたか、それまで個人で立て替えることも可能でしたけれども、この業者さんが、基本的には中小の業者さんが旅行代金を今立て替えて国に申請をしている状況なんですね。大手の余力のある旅行代理店さんなんかは、当然余力がまだ中小に比べたらあるということで、何とか旅行代金の自ら立替えをしてお客さんに旅行パックですとかそういったことを購入をしていただいているというような状況ですけれども、地元の厳しい中小旅行代理店さんなんかは、この立替金というのがすごく圧迫をしている状態なんですね。  これをきちんと国の方が旅行代理店さんに立替金をお支払いしていただかないと、中小企業さんはこのゴー・ツー・トラベルやったことによって逆に死活問題になっているという問題が今浮かび上がってきていると思うんですね。  こういったお声も聞いておりまして、業者さんにとっては本当にこの今の、七月から始まって、今もう十月ですよね、二か月半たって、その当時は、御説明としては、おおむね一か月で、大体一か月ぐらいでその申請したお金はきちんと適正であれば確認をしてお支払をしていただけるというふうに聞いていたと。けれども、今二か月半たって、もう間もなく言っている間に三か月がたって、中小の旅行代理店さんなんかからすれば、それだけ旅行者が増えれば増えるほど結局は立替金が増えていってしまうと。そういったことで、大変厳しい状況になっているということなんですね。  こういった状況の中で、もう一つちょっと残念なお話を聞いたんですけれども、この七月からのお金がまだ入金されていない状況の中で、九月の新内閣が発足するその前に早急に八月の報告実績を上げてくれとその観光庁のゴー・ツー・トラベル事業局の方から言われたということなんですけれども、やっぱりそれは、やっとお金を払ってもらえるのかなと思ったら、大臣が、今までのゴー・ツー・トラベルの実績を報告するために、早く旅行代理店さんに報告実績を出してくれと言われたんだと。でも、結局その後もまだお金が入ってきていないと。こういう実態が今あるということなんです。  こういったことは是非、今のこのゴー・ツー・トラベルが、本来だったら観光業の振興策として喜ばれるはずのものなんですけれども、逆に、こういう状態が続けば、せっかくの救済措置が台なしになってしまうというふうに私は思います。  この点について、今の立替金の状況、現状とこの立替金支払のスケジュール、この点をお聞かせいただければと思います。
  106. 村田茂樹

    政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。  ゴー・ツー・トラベル事業におきます給付金の請求につきましては、今御指摘ございましたように、参加登録事業者の方々に速やかにお支払いするということは非常に重要なことであるというふうに私ども考えております。  そのため、この資金繰りへの配慮の観点からも、給付金の請求につきましては月に二回の申請を可能ということにしておりまして、ただ、内容につきましては事務局の方できちんと確認しなければいけませんものですから、その内容を審査させていただきまして、適正な内容であると確認した日から三十日以内に登録事業者の指定口座に振り込むことといたしております。  今先生御指摘ございましたように、事務局の方でもなるべく速やかに指定口座に振り込むように一生懸命作業しているというふうに承知しておりますけれども、引き続き事務局の方にもそのように指導してまいりたいというふうに考えております。
  107. 高木かおり

    高木かおり君 今御答弁いただきまして、速やかに申請していただいたらお金を入金していただくと、こういうふうに、事業者さんもそれを見越して運営を自転車操業のようにやっているということで、ちょっと私の御質問に対して、ちょっとスケジュール感、いつ頃、事務局がこういった大変な状況になっているのかなというふうに推測しますけれども、いつ頃、七月分すら今まだ入金ができていないというところで、いつ頃入るのか、もう一回御答弁いただけますでしょうか。
  108. 村田茂樹

    政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。  その事業者の方の申請内容がきちんと確認できていれば三十日以内に振り込まれるはずでございますので、もし何らかの事務的な滞りによりまして支障が生じているとすれば、個別にお問合せいただければ私どもとして真摯に対応させていただきたいと思っております。
  109. 高木かおり

    高木かおり君 ここでこれ以上やり取りをしてもなかなか前に進まないと思いますので、まず事務局での確認があってから三十日以内ということですので、その点、後ほどまたお聞きをしたいと思います。  この点については終了させていただく、御質問終わらせていただきますけれども、こういった実態があるという中で、このゴー・ツー・トラベル・キャンペーン、先ほど国交副大臣岩井大臣の方が復興、被災地の方で全国的にまだまだ浸透をしていない、まだ復興、被災地の方でというようなお話が、この期間のお話ですね、ありました。あくまで目安ということで来年の一月末、この予算が終了するまではというようなお話もありましたけれども、これ、もう一回確認させていただきたいんですけれども、このキャンペーン、当初は来年の一月末で終了するというようなお話もあったように思いますけれども、これ、やっぱり現場ではなかなかそのお金も入ってこないというような状況、やっとこれが浸透してきたような状況です。できれば、一月末ということではなく、春休み、もっと言えばゴールデンウイークまでというように期間の方も延ばしていただきたいというふうに思うんですけど、もう一回確認で、この点いかがでしょうか。
  110. 村田茂樹

    政府参考人(村田茂樹君) お答えさせていただきます。  今先生御指摘いただきましたように、本事業の割引販売につきましては、現在、来年の一月三十一日までの旅行商品を対象としておりますけれども、これはあくまで一つの目安ということでございまして、実際の割引販売の終了時期につきましては、予算の執行状況なども見ながら今後判断していくということにしておりまして、できるだけ息長く本事業を実施してまいりたいと考えております。
  111. 高木かおり

    高木かおり君 観光業界としては特定の時期に需要が偏るということが課題であるとも考えられます。例えば平日の支援額を土日より増やしていくとか、例えばですけれどもね、もう少し長期的に、先ほどお願いしたように、長期的に使えるように検討するなど、こういったこともやっていく必要があるんではないかというふうに思っておりますので、この点もよろしくお願いをいたします。  このゴー・ツー・トラベルに関して、また観光に関していろいろな今日御指摘させていただいたんですけれども、これらも踏まえまして西村大臣に伺いたいんですけれども、中小の宿泊施設や旅行業者にやはり今こそ手厚い配慮ができるような制度設計の修正等も考える時期に来ているんではないかというふうに思うんですけれども、大臣の御見解、伺いたいと思います。
  112. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) ゴー・ツー・トラベル事業についてでありますけれども、これまでの実績を見ますと、約一千六百八十九万人で約七百三十五億円の割引支援ということで聞いておりますが、一人当たりを出しますと平均で約一万二千円余りということでありますので、必ずしも高価格の旅行だけでなく、割と幅広く使われているんではないかという分析を国交省から聞いております。  また、予算配分に当たって、本事業における販売計画なども考慮することで中小の旅行社あるいは宿泊施設、こういったところに対しても十分配慮をしているというふうに承知をしております。  引き続き、観光庁において、この需要喚起策が今御指摘のあった特定の高価格帯のところだけではなく、あるいは特定の期間、連休とか何かに集中することがないように、あるいは特定の地域、先ほどふっこう割の話もございました、集中することがないように、幅広く観光事業者に恩恵が及ぶように、この実施状況を定期的に把握をしながら適切に管理、執行管理していくというふうに承知をしております。  加えて、国全体でなかなか目が届かないところを、もう御案内のとおり地方創生臨時交付金で三兆円お配りをしておりまして、これを活用して、自治体それぞれ創意工夫を凝らして、中小の旅館、ホテルへの支援であったり低額のものへの支援であったり、こういったことを行ってきておりますので、こういったところの成果など分析もしながら、全体として、先ほど申し上げた特定のところに集中しない、期間に集中しない、そういったことも含めて適切に執行していければというふうに考えております。
  113. 高木かおり

    高木かおり君 ありがとうございます。是非引き続き力を入れてやっていっていただければというふうに思います。  続きまして、コロナ禍における今後のデジタル化の部分で、感染者データの共有と活用というところで一つ質問をさせていただきたいと思います。  以前の質疑の中で、コロナ患者のデータ把握について質問させていただきました。新たなシステムのHER―SYS、稼働しまして三か月ぐらい過ぎたと、これうまく回っているのかなというふうに思うんですね。これ、九月二十八日現在、利用が四割ほどだというふうにお聞きをしております。  この点について簡潔にちょっとお答えいただけますか。
  114. こやり隆史

    大臣政務官(こやり隆史君) 委員指摘のHER―SYSにつきましては、そもそも、発生当初、コロナの発生当初の情報共有の非効率性であるとか混乱、これが生じたために、感染者の情報を保健所に加えて医療機関や感染者本人も直接入力していただく、そうしたことで全体として迅速、効率的な情報共有を可能とするということを目指したシステムであります。おかげさまで、今、全国百五十五保健所設置自治体、全て活用をいただいております。  他方で、委員指摘のとおり、四一%というような御指摘もございました。入力項目が多いであるとか、あるいは全ての疑似症患者等についても発生届の提出が必要であるということから入力の負担が大きい、そういった御指摘も頂戴しているところでございます。  そのため、感染者情報の活用のあり方に関するワーキングというのを設けまして、HER―SYSの運用改善等について議論を行ってまいりました。例えば、従来、百二十から百三十もの入力項目があったんですけれども、それを約四十項目、三分の一にまで優先入力項目として整理をいたしました。このほか、季節性インフルエンザの流行期におきましては疑似症患者が多数発生する可能性も見据えまして、発生届の対象を入院症例に限定するとともに、検査結果が陽性の場合は入力を不要とするなどの見直しを行っているところでございます。  様々な御指摘がございます。こうした御指摘を踏まえながら、引き続き医療機関を始めとした現場関係者の御意見を丁寧にお伺いしながら、引き続き改善を講じてまいりたいというふうに思っております。
  115. 高木かおり

    高木かおり君 今お答えいただきまして、いろいろこのHER―SYSがなぜ四割ぐらいなのかという問題点等は御認識いただいているというふうに思いました。いろいろお聞きしていると、それはないだろうというようなところなんかもたくさんありまして、そういったところは早急に改善をしていっていただきたいなというふうに思うのが一つ。  それから、このコロナの入院患者を受け入れている医療機関によりますと、私、このHER―SYSの御質問をさせていただこうと思っていろいろお聞きしている中で、コロナ感染者の情報を国立国際医療研究センターに送っているということで、こちらも同じように入院患者のデータで、どういう治療をしたのかとかそういった入院患者さんのデータを入力するというものなんですね。これ、全国で提携しているのが八百二十施設、現在一万例程度集まっているというふうにお聞きをしております。  このHER―SYSと国際医療研究センター、医療機関の現場で、これ、データ入力って結構大変だと思うんです。その今のHER―SYSだけではなくて、こちらに症例を集めるために国立国際医療研究センターにも同じようにデータ入力をしなければならないということで、これ、お聞きすると、目的が違うから何か連携はなかなかしづらいというようなこともお聞きをするんですけれども、やはりこういったところ、現場のことを考えますと、共有をできないものなのかなというふうに私なんかは思うんですね。  こういったことを、例えば政府はデジタル庁をつくってデジタル化を進めていくというふうに今おっしゃっているわけですから、こういった余りにもこのアナログ的な、結局のところ、先ほど、四割というのは、それ以外はファクスでまだ送っている、保健所に送っているですとかそういう実態がある中で、コロナ対策として喫緊の課題なんじゃないかなと。  まず、このシステムを医療機関に負担のない形で一〇〇%稼働させる、データの共有と活用によってコロナ対策を万全にする、これ最優先されるのはどうかと思うんですが、この点についてお聞かせください。
  116. こやり隆史

    大臣政務官(こやり隆史君) お答えの前に、先ほど、発生届の対象を入院症例に限定するとともに、検査結果が陽性の場合はと申し上げたんですが、陰性の場合は入力を不要とするということでございますので、訂正をさせていただきます。  今、システムを、標準化も含めた改善についてお話がございました。それぞれのシステムについてはそれぞれの目的があって、また個人情報等様々な課題がございまして、現時点では目的に沿った情報を得ているということでございます。  まずは、先ほどお答えいたしましたように、それぞれのシステムにおいてそれぞれの利用者の皆さんが負担を軽減できるように、これに全力を挙げているところでございます。それも行いながら、政府全体でまさにデジタル化の推進が叫ばれておりますので、そうした中で厚労省といたしましても日々改善をさせていただきたいというふうに思っております。
  117. 高木かおり

    高木かおり君 御答弁ありがとうございます。  今の段階では目的に沿って各場所でデータ入力をするという、これからもちろん改善をしていっていただけると思うんですけれども、やっぱり今のままでは、では医療現場どうするのかという問題は置き去りになっている状態ですので、そこの点をどう改善していくのか、是非検討いただければというふうに思います。  これでこの質問は終了させていただきまして、時間がちょっとなくなってきてしまったんですが、女性のコロナ禍における雇用対策について質問させていただきたいと思います。  今日も、女性の非正規雇用が大変厳しいんだというお話が少しありました。私もやはり、もちろん男性も今このコロナ禍で失業率ですとかそういったところ、本当に厳しい状況になっておりまして、今日ちょっと少し資料の方もお配りをさせていただいています。それもちょっと参考にしていただきながら見ていただければと思うんですけれども。  今、女性の労働力、今後コロナ禍の中で非接触型の生活様式というのが広がっていくと労働需要というのは増えていかないというふうに私は思うんですけれども、現状としては、ちょっとレクでお聞きしますと、雇用維持をメーンに考えているということでおっしゃっておられました。  けれども、これ、大きく生活様式が変わっていく中で、この新しい生活の中で、やっぱり労働市場に必要とされる職種だったり淘汰されていく職種だったり、こういったことはまあ仕方がない部分もあるのかなというふうにも考えているんですが、政府として、今非正規の割合としてはかなり、女性のシングルマザーだったり子育て中のお母さんだったりという、たくさんいらっしゃるんですけれども、そういったところで労働市場に戻るためには、やっぱり無償の職業訓練の拡充だったり、そういう試験期間中、訓練期間中の生活の保護、保障、中小企業等における実習型雇用とか雇入れへの助成とかそういった、これ、リーマン・ショック後、細々とやっていただいているようなんですけれども、やっぱり失業してしまった方々への就業支援、これもしっかり考えていかないといけないと思うんですけれども、この点について、大臣、いかがでしょうか。
  118. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) 御指摘のように、女性の就業支援、活躍支援、これもしっかりと取り組んでいかなきゃいけないと、これはもう骨太方針、成長戦略でももう何度となく我々の中心的な課題として進めてきたところであります。  特にこのコロナ禍の中で弱い立場の方にしわ寄せが行っている、それの典型が非正規であり、また女性であるということであります。データも出ておりますのでもう多くは申し上げませんけれども、多くの女性が休業を余儀なくされたり、あるいは労働市場から退出を余儀なくされて、子育てのために家にいなきゃいけないというような状況になったわけであります。  そうした中で、こうした方々への支援をしっかりとしていくということで、職業訓練であるとかあるいは求職者支援訓練を通じたスキルアップ、それから、御指摘のありました医療、介護、物流、IT、こういった分野は求人がありますので、こういったところへのマッチング、それからマザーズハローワークを通じたきめ細かな再就職支援、あるいは託児サービス付きの公的職業訓練、こういったことを通じて子育て中の女性も含めてしっかりと支援をしていきたいというふうに考えているところであります。  大きな方向性として、同一労働同一賃金が大企業にも適用されましたので、非正規の方の処遇も改善されてきておりますし、正規化への動きも出てきておりますので、そういったところも、女性が様々な支援策を活用して就職、正社員として就職できる、このことをしっかり応援していきたいというふうに考えております。
  119. 高木かおり

    高木かおり君 このコロナ禍において、本当に雇用に関する問題、やっぱり弱い立場の女性をどういうふうに支えていくのかということ、あともう一つ、新しい企業に取って代わられるべき、要するに退出するべき企業まで保護をしてしまうというところも問題点ではないかというふうに私は思っています。  これ、やっぱり新陳代謝を活発化させていかないといけないという視点もあると思うんですね。例えば、運輸や情報通信、IT関連、そういったところに業態転換しやすいような例えば規制緩和なりそういったことも必要になってくるんじゃないかと。ある企業が生き残りを懸けて業態転換しようと考えたときに、やっぱり規制があるからそっちには行けないなとか廃業するしかないなとか、そういったことにならないように、やっぱり規制がある職種ならば将来的に規制緩和をすることも含めて今から準備をしていくと、こういった視点も大事だというふうに思っています。  企業も、接触型サービス業からコロナで好調の運輸だったり情報通信、業態転換図る場合、それに備えての、この先ほどから申し上げている企業の新陳代謝を活発にする、こういった支援や規制緩和、この準備について、大臣、どうお考えですか。
  120. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) 大事な御指摘だと思っております。新たな事業形態、新たなチャレンジ、これを規制の見直し、あるいは資金の供給、こういったことを通じて支援をしていきたいと思っております。  簡潔に例を申し上げると、テークアウトとかテラス営業するために道路占有の許可基準を緩和をしておりますし、また、宅配需要の増加に対して、飲食を運送する、あるいは処方箋を受け取る、これタクシーができるように許可するなど、様々な規制緩和を行ってきております。  また、今進めておる書面、押印、対面主義、これの見直しも抜本的に進めているところでありますし、いずれにしても、こうした新しいビジネス、新たなビジネスモデルを、規制改革あるいは資金をしっかりと供給することによってこうしたチャレンジを応援していきたいというふうに考えております。
  121. 高木かおり

    高木かおり君 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。     ─────────────
  122. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、石井準一君及び自見はなこさんが委員辞任され、その補欠として宮島喜文君及び足立敏之君が選任されました。     ─────────────
  123. 矢田わか子

    矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。  まずは、日本学術会議任命の拒否の問題について触れたいと思います。  この問題、昨日来ずっとこの内閣委員会でやり取りされていますけれども、もう、一言で言えば、この任命権者である総理が、やはりなぜ拒否したのかについてしっかりと出てきて説明責任を果たすべきだということであると思います。  私は、このやり取りずっと聞いていても、大きく三つの論点があるというふうに考えています。  一つは、その日本学術会議法の第七条の二項にあります条文に関し、任命に関し、総理会員を選考したり罷免する権限が含まれているのかどうかということであります。  二つ目には、日本学術会議が独立機関と規定され、しかも、第三条にあるように、科学技術に関する重要事項を審議し、その実現を図る組織であるということから、会員にはやはり科学の専門性こそ重視されるべきものでありますが、なぜ政治的立場、時の政権からの距離が問題視されるのかという点であります。  三つ目には、今回の六人の任命について、拒否について、なぜ拒否したのか、個人個人、一人一人の理由が述べられていないということであります。  私は、三年前のこの内閣委員会の中で、この科学技術、あっ、失礼しました、日本学術会議についても取上げをさせていただいておりまして、そのときは担当の鶴保大臣とのやり取りをさせていただいたんですけれども、我が国が科学技術立国としてより発展していくための活動強化、若手研究者の育成が求められているということ、あるいは、原子力発電の在り方など国論を二分するテーマについて、やはり日本学術会議が厳密な意味で第三機関として活動するということの意義は大きいものだというふうに思っておりまして、そういうやり取りの中で、あくまでもこれは独立、中立の専門機関であるということを大前提とした、そういうやり取りをさせていただいております。  日本学術会議ですね、今、資料一をお配りしたとおり、実は、十億掛けて何やっているんだという声もありますけど、いろいろと研究をしてしっかりとした専門の提言もなされています。九月だけでも、ここにあるとおり二十五の提言を行っております。  過去には、あのSTAP細胞の不正問題、集中審議を行って、報告書が取りまとめられて、その後の各研究機関の対策にも生かされているというような成果や、平成二十七年には、薬剤耐性に関する共同声明を上げられ、それがエルマウ・サミットの成果文書にも反映されて、我が国でも薬物の耐性アクションプログラムとして策定されたという、こういう実績にも結び付いている機関であります。  したがって、この学術会議の方々がしっかりとこれからもモチベーションを保ちながら中立な立場で審議を進めていくためにも、今回、やはりもう一度この説明責任を果たしていただかなければならないというふうに考えていますが、いかがでしょうか。
  124. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  日本学術会議、それから今回の任命の件に関しまして、様々な観点から御指摘をいただきました。  まず、今回の会員任命につきましては、まさしく法律の御紹介がございました第七条によりまして、会員からの、会議からの推薦に基づき総理大臣任命をする。まさしくこの任命権者たる内閣総理大臣がその責任をしっかり果たしていくという一貫した考え方に立った上で今回の任命をさせていただいたところでございます。  一方におきまして、その独立性云々という御懸念についてもお尋ねがあったというふうに承知をしております。  これも、日本科学、あっ、失礼いたしました、学術会議法上、第三条におきまして職務の独立性は保障されており、これはもとよりのことでございますが、一方におきまして、同じ法律の七条において今申し上げました総理任命権がこれまた明定されているということでございまして、繰り返しになりますが、その条文に基づきまして総理として任命を行ったということでございます。  個別の、個々の話につきましては、人事に関わることでもございますので、これまでもお答えを控えさせていただく旨答弁させていただいておりますが、ここでまたその旨を繰り返させていただきます。
  125. 矢田わか子

    矢田わか子君 お答え控えさせては困るわけですよ。やはり独立性と専門性、ちゃんと中立性担保されているのかということについて確認をさせていただきたいと思いますし、繰り返し、総合的、俯瞰的な活動の確保からと、これ何回も繰り返していらっしゃるんですが、この言葉の意味が分からへん言うているわけですよ。  やっぱり国民に対して、この機関がしっかりと国に対しても、今までの長い歴史の中で与えてきた、このことを鑑みても、これからもしっかり国に対し重要な役割を担っていただくためにも、やっぱり私は任命権者である総理が出てきて説明をしていただくということが真っ当なことだと思いますので、是非政府の皆様には、閣議等での会議もあると思いますので、西村大臣も含めて、もう一度お取扱いについて協議をお願いしたいということを御要請申し上げておきたいと思います。  それから二つ目に、新型コロナウイルスについて、今日は、この内閣委員会新型コロナウイルスに対するやはり影響ということを主眼に、この内閣委員会だけが閉会中審査しっかりと行っていきましょうということから考えても、この影響について西村大臣とやはりやり取りさせていただきたいというふうに思います。  先ほど来からもやり取りあるとおり、私、一番懸念しているのは雇用問題なんですね。もう大きくこの雇用問題に今影響が出てきているという報道も相次いでおります。  別紙二を御覧ください。  各種の統計から、この感染症、とりわけ女性の雇用生活に大きな影響を与えているということが明らかになってきています。雇用の場、七月、八月で女性の完全失業率上昇しています。そして、就業者の減少が見られます。特に若年層の女性、完全失業率の上昇、顕著になっています。恐らく、先ほど来からやり取りにもありますとおり、経済情勢が厳しくなる中で、非正規雇用の比率が高い女性労働者に大きなしわ寄せがやっぱり行っているんだというふうに思います。これ、あえて女性だけですけど、男性ももちろんこれ雇用状況悪くなってきているわけです。  更に衝撃的なことが、警察庁が発表されている自殺者の推移、統計なんですよね。自死を悲しいことに選択される方が今この日本社会の中で増えているということ、しっかりと私たちは見ていかなければいけないと思います。  女性の自死選択された方の増加、特に八月です、女性の自死六百五十名。昨年八月四百五十七名と比べると四二%も増加しています。しかも、三十代以下百九十三名の方が一か月間で命絶っているんです。七四%の増加です。新型コロナの影響もあると思われますけれども、今後もこの傾向が続けば重大な社会問題になってきます。これ、表の中には表現されておりませんが、実は高齢者の女性の方、中高年ですね、の方も多く自死を選ばれているという悲しい結果もあります。  したがって、こういうことにどのように政府対応していくのか、重要な問題だと思います。この女性の失業問題、それから自死の問題、どのように対策打たれるのか、御答弁お願いします。
  126. 三原じゅん子

    ○副大臣三原じゅん子君) 足下の雇用情勢につきましては、完全失業者数が増加しているなど厳しさが見られる状況にございます。こうした中、厚生労働省としては、やむを得ず職を失った方への支援として、ハローワークにおける非正規雇用労働者、外国人労働者等に対する相談支援体制等の強化、雇用保険を受給できない求職者を対象とする求職者支援訓練について、雇用のセーフティーネットを強化するため、受講できる対象人員枠の拡充、雇用保険の基本手当の給付日数の延長を行うなど、求職者の方の置かれている状況に応じたきめ細やかな就職支援を行っております。  また、委員指摘の女性に関しましては、女性の再就職のため、マザーズハローワーク事業として、全国二百四か所の拠点におきまして子育て中の女性等を対象に担当者制に、職業相談、職業紹介や求職者のニーズに応じた求人の開拓など、きめ細やかな就職支援を行っているということでございます。  引き続き、新型コロナウイルス感染症雇用に与える影響に十分に注視しながら、雇用を守ると、その立場に立って必要な対策を講じてまいりたいと思います。  また、自殺者数についてです。  昨年まで十年連続で減少し、本年に入ってからも減少傾向にあったものの、委員承知のとおり、七月から増加の傾向が見られ、八月は二百五十一人の増加となっており、特に女性の自殺者数が百八十七名を、増加してしまっているということであります。多くの方が亡くなられているこの実態を重く受け止める必要があると思っております。  厚生労働省としては、自殺総合対策大綱に基づいて、自殺を未然に防ぐために、地域の保健、医療、福祉、教育、労働その他の関係機関のネットワークの構築等を始め地域における自殺対策の取組を推進しております。  また、委員承知のとおり、地方自治体や民間等団体を通じて、自殺を考えている方に対する電話相談、そして女性が利用しやすいツールであるSNS相談、これは九割が女性が使用されていると聞いております。令和二年度補正予算を活用して、これらの相談体制の拡充に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す自殺対策を着実に推進してまいりたいと思っております。
  127. 矢田わか子

    矢田わか子君 政府内閣府の中にコロナ下における女性に対する影響をどう捉えるかという研究会が九月末に発足したとお聞きしています。ただ、その研究会は三月末までに答申まとめるということで、三月末までやっぱり待ってられへん人もおるわけですよ。中長期で考えることは、それはされたらいいと思いますけど、やっぱり随所随所に対策打っていかないといけないこともあると思いますので、そこは切り分けて、是非早期なる対策を求めたいというふうに思います。  特に雇用は、副大臣、今二百二十万人も休業者がおるわけです、休業している人。それが、雇用調整助成金がこれ九月から十二月に延長されましたけど、ここで終わってしまうと一気にこれ失業者があふれるというふうなケースもあると思います。これ、延長も含めて是非これまた考えていただきたいということを御要請申し上げたいと思います。  加えて、自殺者については、ありましたとおり、やはり悩んでいる方が一番この気軽に相談できるのが、まあ電話もありますけど、SNSですよね。  私、この資料五にSNS等による自殺相談を行っている団体まとめてみましたけれども、ただ問題は、これ見ていただいたら分かるとおり、大抵の機関がやっぱり時間切って、十時とか、早いところはもう五時ぐらいに終わっちゃうんですよね。もう悶々と考えて、深夜ですね、やはりそうした選択をして朝方亡くなるケースが圧倒的に多いわけです。したがって、一つだけ、メンタルヘルス・スクエアという東京の団体は月に一回だけ深夜、二十一時から六時まで受け付けていますけど、いや、これでは、やっぱり緊急時においては、いや、申し訳ないけど脆弱やと思うんです。  したがって、NPOの団体ですけれども、政府からも支援をする中で、大変だと思いますが、深夜含めて、緊急時という捉え方をしてしっかりと対策が打てるように、これまたお取組をお願いしたいと思います。  それで、ちょっと質問の順番変えますけれども、経済政策について、西村大臣是非聞かせていただきたいんです。  最後のところ、ゴー・ツー・キャンペーンということでやっていたんですが、まあ一言で言うと、ゴー・ツー・キャンペーン、ゴー・ツー・トラベル含めて、先ほど来からも説明ありましたとおり、一定程度のその効果は出てきていると思いますが、これだけで本当に事足りるのかということを申し上げたいんです、経済政策として。  西村大臣はコロナ担当大臣でもありますが、当然、経済担当大臣、再生担当大臣であります。したがって、これだけ雇用なりそれから経済も失速してくる中で、二の矢、三の矢を今から考えて打っていかなければ取り返しの付かないことに私はなるんじゃないかというふうに思っています。  雇用の状況も資料三にずっとこれまとめていますけれども、一か月一万人ペースで失業者出ています。経済だって失速していて、このトラベルだけでは到底負い切れるものではありません。国内回帰、製造業やりますよといって二千二百億付けていただきましたけどね、けど、一体どれぐらいのところが本当に国内回帰進めているのかと。応募件数を経産省に聞いたら、千七百件超えているんですよ。千七百件超えていて二千二百億しかない。一件の上限はって、百五十億付くんですけどね、百億付けたって、二十二件しか国内回帰進めるためにそうしたら予算付けてくれていないということなんですね。  工場が海外から国内に帰ってくれば大きな雇用が生まれます。そういう雇用の転換含めて、やはりトータルデザイン描いてやるべき時期に私は来ていると思いますが、大臣、いかがですか。
  128. 西村康稔

    国務大臣西村康稔君) まさに御指摘のとおりでありまして、経済をどうやってこれから成長軌道に乗せていくのかということを日々頭に置きながら対策を練っているところでありますけれども、ゴー・ツー・キャンペーン、様々な、これは観光、飲食、イベント、これはこれで負担の軽減にも、一般の利用者の負担の軽減にもつながりますし、また、これまで厳しい状況に置かれていた事業者の皆さん大変期待もされておりますし、非常に心強いという声もあちこちで聞いております。これはこれでしっかりと着実に、そしてまた公正公平に進めていければ、広く恩恵が行き渡るように進めていければと考えているところであります。  あわせて、今は消費のこれは喚起でありますけれども、あわせて、御指摘の投資、それから輸出、輸出は生産に関わってきますので、また投資にも関わってきます。こういったところをどう好循環させていくか。その中の一つがサプライチェーンの補助金でありまして、これはこれで大変ニーズが強く、御指摘のとおり要望が強いわけであります。国内の投資、これはまた工場の場合は地方に立地をすることが多いわけでありますから、地方経済の活性化にもつながっていきますし、雇用の確保にもつながっていきます。こうしたことを着実に、今二次募集を行っているところだと聞いておりますけれども、これも着実に執行して、国内の投資を進めていければと考えております。  あわせて、規制改革も進めてきているところでありまして、様々な新たな事業に対して、先ほど申し上げたような道路の占用許可であったりタクシーが宅配ができるようになったりとか様々な規制改革、あるいは押印、もう判こをなくしてデジタル化を進めていこうと、それもまたITの補助金や持続化補助金など、様々な中小企業が新たなビジネス、まさに感染症を防止しながらチャレンジしていくところを今応援をしているところであります。  こういった現状をよく見ながら、そしてまた所得、雇用環境、消費の状況、輸出が少し伸びてきておりますけれども、これがこのまま伸びていくのかどうか、海外の経済の動向、こういったところを日々見ながら臨機応変に対策を考え、そして執行していければというふうに考えております。
  129. 矢田わか子

    矢田わか子君 今日の報道で、全日空では三〇%年収、賃金カットやということとか、トヨタでも定昇はもう廃止だというふうな報道もあります。大手の大企業も含めて、これ雇用の足下がやっぱり揺らいでいるというふうに私は思うんです。  したがって、大臣、やはり早期に手を打たなければ間に合わなくなるんじゃないか。しかも、カンフル剤的なものじゃなくて、一過性のものじゃなくて、しっかりと中長期見据えて経済を底上げしていかなければ、ちょっと業種に今偏りがあるのではないかなという気がしていまして、政府が打っている政策は。したがって、これ、製造業もこの資料三にあるとおり、大きくこれ雇用が落ち込んできて、失業者が一気に増えているんですよね。この辺り、大きなパイを持って雇用をしているような企業の対策も含めて、やはりもう一度、もう一段ギアチェンジしていただいて対策を講じていかなければ、これ三波、四波、これコロナ落ち着いているように見えていますけれども、また冬場やってきますよ。そうしたときに、雇用調整助成金の延長を含め、もう一度考え直しをしていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。  最後に、三原副大臣是非ひとつ聞いていただきたいことがあります。  前回からずっと、コロナ禍において妊婦さんの休業補償の問題や小学校一斉休業に伴う補償金の問題、取り上げさせていただいておりました。自見前政務官がかなり精力的に取り組みしていただいたんですが、三原副大臣が次引継ぎされるというふうにお聞きしましたので、三原副大臣は自民党でも女性局長でいらしたということでもありますので、是非こうした問題にも精力的にお取り組みいただきたいと思っています。  これですね、厚労省に確認をしまして、今、では実際助成金がどれぐらい出たのかということを十月二日現在でまとめた資料がこの資料六になります。  残念なことなんですが、予算はがあんと付けてもらったんですよ、千七百二十三億。でも、今現在、十月二日で、しっかりと出してもらったものは二百八十六億しかないんです。予算執行率でいうと一六・六%しかない。妊婦さんはもっとひどくて、まあ妊婦さんに休業補償付いたってみんな物すごい喜んだんですけど、九十億円も付けていただいた、でも、執行率はって、たった二%なんですよ。
  130. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) そろそろおまとめください。
  131. 矢田わか子

    矢田わか子君 これは九月末で本来終わっていたものが引き延ばされたから十二月末までになっていますけど、一言、是非、これ前に進めていくと御進言いただけませんか。
  132. 三原じゅん子

    ○副大臣三原じゅん子君) 矢田委員には、この助成金の実施に向けて大変な御尽力をいただきましたこと、心から感謝を申し上げたいと思います。  御指摘のあったこの助成金についてですが、その趣旨を事業主に御理解いただいた上で活用していただくということであります。厚労省としては、この様々な機会を通じて、この有給の休暇制度、これを設けていただくよう周知に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、こうした働きかけを進めていくということで前向きにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
  133. 矢田わか子

    矢田わか子君 是非社会保険料だけでも毎月六万で、足が出ているということの話もありますので、前向きに御検討お願いします。  以上、終わります。
  134. 田村智子

    ○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  日本学術会議が新たな会員として推薦した百五人のうち六人を菅総理任命拒否した。これは日本学術法に反し、憲法にも抵触する重大な問題だと考えます。私は加藤官房長官出席を要求いたしましたが、理事会で与党の了承を得られませんでした。やむなく、本日は大塚官房長と法制局に質問いたします。    〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕  日本学術会議は、科学文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活科学を反映、浸透させることを目的として、政府から独立して職務を行う特別の機関として設立されました。職務として、科学に関わる事項で政府に勧告を行うことができるなど、法に定められています。  新型コロナ感染症のパンデミックの下で、私たちは、科学的知見が行政にとっても国民生活にとってもどれほど重要かということを現在進行形で経験しています。科学の追求と誠実さをもって科学者活動し発言することが今まさに求められています。今回の任命拒否は、日本学術会議のみならず、科学成果を享受する国民にとっての大問題です。  まず、確認いたします。  十月五日、菅総理は、総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から今回の任命についても判断したと述べていますが、総合的、俯瞰的な活動を確保する観点任命の可否を判断する基準があるということですね。
  135. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。  ただいま委員からも御紹介のございました今般の任命、十月一日に行ったものでございますが、八月三十一日に出されました学術会議からの推薦書、これに基づきまして行ったものでございます。  この会員任命につきましては、憲法、そして日本学術会議法の規定に基づきまして、任命権者たる内閣総理大臣がその責任をしっかり果たしていくという一貫した考え方に立った上で、日本学術会議に、その個々の会員専門分野の枠にとらわれない広い視点に立って、今委員からも御紹介のございました総合的、俯瞰的観点から活動を進めていただくために、任命権者である内閣総理大臣がこの法律に基づいて任命を行ったものでございます。  その総合的、俯瞰的という話でございますが、これ自体は、元々は平成十五年の総合科学技術会議意見具申によっておるものでございまして、そこには、日本科学技術会議は、新しい学術研究の動向に柔軟に対応し、また、科学観点から今日の社会的課題の解決に向けて提言したり社会とのコミュニケーション活動を行うことが期待されていることに応えるため、総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められているとなっておりまして、こうしたまさしく提言を踏まえ、総合的、俯瞰的観点からの活動を進めていただくために、任命権者である総理がこの法律に基づいて任命を行ったものと承知をしております。
  136. 田村智子

    ○田村智子君 日本学術会議法には、会員推薦の基準は、優れた研究又は業績がある科学者としています。ところが、加藤官房長官は、専門領域での業績のみにとらわれない総合的、俯瞰的活動という観点から判断したと記者会見で述べておられる。そうすると、法に定めのない基準がなきゃおかしいんですね。  これ、総理の選考基準を明確に示してください。活動について述べたその文書じゃないんですよ。総理の選考基準を明確に示してください。
  137. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しで恐縮でございますが、まさしく総合的、俯瞰的な観点から活動を進めていただくために、任命権者である総理がこの法律に基づいて任命を行ったものと承知をしております。その具体的内容につきましては、これは人事に関することですので、お答えは差し控えさせていただきます。
  138. 田村智子

    ○田村智子君 これね、基準があるなんて言ったら学問の自由に関わるから言えないでしょう。あったら大変なことになりますよね。  平成三十年十一月十三日、内閣日本学術会事務局作成とされる文書が今回の任命拒否の根拠となった考え方を整理したものだとして示されています。資料でも抜粋してお配りしました。  推薦どおりに任命すべき義務があるとまでは言えないと考えられるというのが結論なんですけど、その下にただし書の扱いで、内閣総理大臣による会員任命は、推薦を前提とするものであることから形式的任命と言われることがあるがと記述されているんですね。  ということは、形式的任命であるということを否定するということなんでしょうか。
  139. 福井仁史

    政府参考人(福井仁史君) 日本学術会議の事務局長でございます。  元々この文書、学術会議事務局の方で推薦在り方について検討する過程で作成した文書でございますので、文意については私の方からお答えするのがよろしいかと思います。  この形式的任命と言われることもあるがという表現でございますが、これは、その下の文章、注にもございますように、他の名簿によるとしている法律上の用例やお申出に基づく法律上の要件との比較において用いているものと考えておりまして、特に形式的任命を否定するいわゆる逆接の接続詞ではなくて、単純接続と言われる接続詞だというふうに考えております。  以上でございます。
  140. 田村智子

    ○田村智子君 官房長、お答えください。  形式的任命という、この解釈を維持しているのか否定しているのか、端的に。
  141. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 形式的云々は、たどれば一九八三年の、昭和五十八年の答弁にあるかと思いますが、このときの答弁も、それから、今、福井の方から触れましたこの三十年の文書も、いずれも憲法の第十五条を前提としたものでございます。ここは変わってございません。  したがいまして、その任命権者たる内閣総理大臣推薦のとおりに任命しなければならないというわけではないという考え方も一貫して存在しております。一九八三年の答弁におきましても、形式的な発令行為との発言がなされているものの、この必ず推薦のとおりに任命しなければならないというところまでは言及をしておらないところでございます。    〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
  142. 田村智子

    ○田村智子君 形式的任命を否定しているんですか。
  143. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 一九八三年の答弁も踏まえてございます。
  144. 田村智子

    ○田村智子君 そうしたら、否定できないということなんですよね。否定できないんですよ。後でやりますけれどもね。  昨日の質問通告のときにも聞いたら、形式的任命は否定していないと、だけど裁量があるんだという説明をされたんです、法制局が。私、それは矛盾するんじゃないのというふうに聞きましたら、法制局から、その考え方を示す文書があると、答弁があると言われましたので、その文書を昨日夜送っていただきました。資料ではちょっと間に合わなかったんですけど、一九六九年七月二十四日、衆議院文教委員会での高辻法制局長官の答弁なんですね。  これは、その会議録の六ページのところが一番まとまっているんですけれども、この中で憲法十五条一項というのが出てくるんですよ。ただし、これは国立大学の学長任命の解釈についての答弁であって、日本学術会議任命についてのものではありません。しかし、これが考え方を、この答弁に基づいているんだろうと私も分かりましたので、ちょっと紹介をいたします。  その中では、大学の自治と国民主権との調整的見地において考えてみますと、単に、申出がありました者が、何らかの理由で気に食わないというようなことではなくて、そういうことで任命しないのは無論違法であると思いますが、そうではなくて、申出があった者を任命することが、明らかに法の定める大学の目的に照らして不適当と認められる、任命権の終局的帰属者である国民、ひいては国会に対して責任を果たすゆえんではないと認められる場合には、文部大臣が申出のあった者を任命しないことも理論上の問題としてできないわけではないと。ここで憲法十五条一項が示されているんですよ。  この考え方に立ったということであるなら、法律は違うけれども、任命されなかった六名は明らかに日本学術会議法目的に照らして不適当であると総理大臣が判断した、憲法十五条一項に基づいて、これしか総理の裁量の余地はないことになりますが、官房長官、それでよろしいですか。
  145. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  ただいま委員が御紹介されましたその議事録の詳細の部分を今この段階できちっと承知をしておりませんが、少なくとも、私どもとしては、この任命権というものが、たどっていけば憲法第十五条を前提としており、その公務員の選定、罷免権、これが国民固有の権利であるという考え方に立ちまして、個別法において、日学の場合はこの日学法に、七条に推薦に基づいて任命をするという規定があり、それは任命権者たる総理大臣推薦のとおり任命しなければならないというわけではないということだというふうに、これは法制局とも確認しておりまして、これは任命制を導入したときからあくまでも私どもとしては一貫しているというのがお答えでございます。
  146. 田村智子

    ○田村智子君 また憲法十五条一項を持ち出されました。  憲法十五条一項、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」。だから、形式的任命とこの憲法十五条との関係どうするかというので法制局の長官の答弁を今紹介したんですけれども、明らかに、明らかに不適当であると国民が、国民が納得しなければ、こんな判断付かないことになるんですよ。  それじゃ、皆さん、六人が任命されなかったことについて、明らかにこの六人が任命されたら日本学術会議法に違反すると思いますか。日本学術会議法目的に照らして日本学術会議がまともな活動ができなくなると、そう説明できる方がこの国会議員の中におられるでしょうか。法制局長官は、憲法十五条一項に基づいて罷免しないという、あっ、任命しないという判断、これは国民、国会に対する責任、そういうことを総理もおっしゃっている。だけど、国民の中から、罷免されないのは当然だ、明らかだ、それは不適当だ、その理由を示せる人は私は誰もいないと思うんですよね。国会議員の方で示せる方はいますか。  憲法十五条一項を持ち出すのはやめた方がいい。やめるべきです。不適当であるという理由を示すべきです。官房長、いかがですか。
  147. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 元々、任命権も日本学術会議法に明定をされているものでございますし、それをたどっていけば、憲法十五条のいわゆる公務員の選定、罷免権にたどり着くというふうな認識でおります。そうした下で具体的な法律が定められ、今回の総理任命権の明定に至っていると思っておりますので、こういった御説明をする際に憲法から引用して御説明を申し上げることは決して誤りではないと思っておりますし、こうした説明につきましても、法制局とも十分御相談の上、この場でこういう説明を繰り返しさせていただいているところでございます。
  148. 田村智子

    ○田村智子君 まず明らかに不適当であるという理由を示すべきですよ。いかがですか。
  149. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しでございますが、任命はどうしてもその人事と絡むところでございますので、人事のところの詳細につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  150. 田村智子

    ○田村智子君 憲法十五条一項、国民主権に関わる問題です。明らかな理由をこの委員会に文書で示すことを要求します。
  151. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後刻理事会で協議します。
  152. 田村智子

    ○田村智子君 形式的任命ということについて見ていきたいと思います。  これは、一九八三年、日本学術会議法会員について、学者による選挙制度を廃止し、推薦に基づく内閣総理大臣任命とするという、この日本学術会議法改定法案の審議で政府自身が繰り返した言葉です。  参議院の会議録、資料でも付けました。これを見ますと、最初に形式的任命という言葉を使ったのは、後に公明党・国民会議の会派に属された高木健太郎議員です。  一九八三年五月十日、参議院文教委員会会議録七ページ、会員総理大臣任命制によるということでございますが、学術会議から推薦してきた会員はこれを形式的任命である、そういう言葉は使えないにしても、最大限尊重して任命するということでなくてはいけないと。続けて、滝川事件、これは戦前、京都帝国大学の滝川教授の著作が発行禁止処分となり、文部大臣が学長に滝川教授の辞職、休職を要求し、教授会が断固として反対したにもかかわらず、文部大臣の監督権を根拠に休職処分とされた事件です。この滝川事件を引いて、そのような過ちを繰り返さないようにと、こういう求める質問でした。  これに対して内閣総理大臣官房総務審議官は、選挙の場合には、立候補制度であるから任命を必要としないが、学協会推薦制の場合には任命行為が必要となる、したがって、形式的任命権にとどめておかなくてはならないとする学術会議がまとめた分析をわざわざ読み上げて、全く形式的任命であると考えていると答弁。  さらに、二百十名出てくれば、これはそのまま総理大臣任命する。二百十名出るとかなんとかであれば問題外ですが、二百十名を超えるという意味ですね、そういう仕組みにはなっておりません。そういう意味で、私どもは形式的任命というふうに考えており、法令上もしたがってこれは形式的ですよという、規定していると。形式的という言葉を繰り返すんです。  高木議員はこの答弁を当時の担当大臣である総理府総務長官に確認していますが、では、丹羽長官どう答えたのか、官房長、お答えください。
  153. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  委員がお配りになられましたこの七の三の議事録の二段目、高木健太郎委員の御質問に対する国務大臣丹羽兵助、当時の大臣のお答え、この部分を指しているものと理解をいたしますが、読み上げます。せっかく高木先生からの御注意であり、要請でございますし、当然のことでございますから、この場で責任のある大臣として、長官として、今事務当局から答えましたように、守らしていただくことをはっきり申し上げておきたいと思います。  以上でございます。
  154. 田村智子

    ○田村智子君 形式的任命を確認する質疑はこれ以後何度も繰り返されます。なぜか。当時、政府・自民党から、日本学術会議は偏向している、政府の方針に反する内容国民にアピールしたことは遺憾であるなどの攻撃があり、学術会議の体質改善と称して会員の公選制を廃止し、推薦に基づく任命制が提案されたという経緯があるからなんです。  任命制を取ることで滝川事件のように人事を通じた監督が行われ、日本学術会議の独立性、学問の自由が脅かされるのではないか、この危惧から何度も質問があり、そのたびに政府はそういう心配はないと、形式的任命という答弁を繰り返したんです。  八三年五月十二日、参議院文教委員会会議録十五ページ、社会党粕谷照美議員、学術会議の独立性というものが侵されやしないだろうか、こういう心配を持つものですから、何度も何度も念押しをしている。内閣官房参事官の答弁内閣総理大臣が形式的な発令行為を行うというふうにこの条文を私どもは解釈をしておる、この点につきましては、内閣法制局におきます法律案の審査のときにおきまして十分その点は詰めたところであります。  同じく十一月二十四日、これ会議録二十三ページ、我が党の吉川春子議員への丹羽総理府長官の答弁推薦していただいた者は拒否はしない、形だけの任命をしていく。同じ趣旨の答弁はまさに何度も何度も繰り返されています。  官房長、形式的任命だから推薦された者は拒否しない、これが政府答弁です。今回の任命拒否は八三年政府答弁を覆す行為ではありませんか。
  155. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しで恐縮ですが、今御紹介いただきました昭和五十八年当時の答弁も、それから、今回、二年前でございましょうか、平成三十年の文書も、繰り返しですが、いずれも憲法の第十五条を前提としていること、これは当時の、改正当時からも前提となっていたことでございます。  形式的な発令行為との発言がなされていることは十分承知してございますが、必ず推薦のとおりに任命しなければならないということまでは言及もされていないところでございます。
  156. 田村智子

    ○田村智子君 違います。八三年の会議録は、推薦に基づき総理大臣任命する、それは形式的任命、形式的発令行為であり、推薦された全員任命する、拒否はしない。一貫した政府答弁です。国会会議録というのは、国会と国民に示された条文解釈そのものです。  法制局に聞きます。逆に、推薦された者を任命拒否することはあり得るという日本学術会議法についての法解釈を示す文書はあるんですか。
  157. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) お答えいたします。  私どもとしては、平成三十年に、今回作成の説明資料でございますけれども、それについて当局に意見を求められました際に、御指摘のその国会議事録のほか、昭和五十八年の日学法改正時の法律案審議録の中に総理府作成の想定問答集がございます。それにつきましては確認をいたしております。  そういう意味でいいますと、今委員が御指摘になられましたような義務的任命であるのかどうかという点について明瞭に記載したものというのは私が知る限り見当たりません。  ただし、先ほども御言及ございましたような高辻長官以来の答弁の積み重ねの上に立ちまして、当然そういう解釈の上に立脚して、今回、あるいは昭和五十八年の法改正以来、一貫した考え方として成り立っているものというふうに理解をしております。
  158. 田村智子

    ○田村智子君 では、その政府答弁書を本委員会に出してください。
  159. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 後刻理事会で協議します。
  160. 田村智子

    ○田村智子君 これ、ないんですよね。任命を拒否していいっていう、そういう解釈したものはないんですよ。高辻法制局長官の答弁だけなんですよ、今のお言葉だと。高辻法制局長官の答弁というのは、極めて限定的で明らかに不適当。全く違いますよ、今回のと。  形式的任命学問の自由の保障そのものに関わると中曽根総理大臣が明確に答弁もしています。  五月十二日、会議録三十四ページ、前島英三郎議員、自民党で郵政大臣を務めた八代英太議員の本名ですね。今まで選挙によって選ばれてまいりました。これはやっぱり大変重要な特質でありまして、この原則が守らなければ本会議の存在理由もまたあり得ないというふうな気がするんですけれども、今後この学術会議は、例えば他の諮問機関のような形に変わっていくのでしょうかと質問したことに、では中曽根総理はどう答弁しているのか、官房長、お答えください。
  161. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。  今御紹介のございました五十八年の文教委員会での前島委員質問に対し、当時の中曽根総理大臣でございますが、「政府が行うのは形式的任命にすぎません。したがって、実態は各学会なり学術集団が推薦権を握っているようなもので、政府の行為は形式的行為であるとお考えくだされば、学問の自由独立というものはあくまで保障されるものと考えております。」と答弁をされておられます。
  162. 田村智子

    ○田村智子君 政府の行為、総理任命は形式的行為、形式的任命である、だから学問の自由独立は保障される。逆の言い方をすれば、形式的でなく、裁量権をもって任命の適否を判断すれば、学問の自由が保障されなくなるという答弁ですよ。  憲法二十三条に学問の自由が規定されている、だからこれまでは形式的任命推薦のとおりに任命が行われてきたということではないんですか、官房長。
  163. 大塚幸寛

    政府参考人(大塚幸寛君) お答え申し上げます。  憲法二十三条に定められた学問の自由、これは広く全ての国民保障されたものであって、特に大学における学問研究及びその成果の発表、教授が自由に行われることを保障したものであるというふうに認識をしてございます。  他方で、これもその憲法第十五条第一項の規定に基づく公務員の選定、罷免権、これが国民固有の権利であるという考え方からすれば、任命権者たる総理大臣推薦のとおりに任命しなければならないというわけではございません。  独立性云々ということもございますが、あくまでも職務の独立性というものは保障されており、この任命云々による規定とは別物であるということも御紹介をさせていただきたいと思います。
  164. 田村智子

    ○田村智子君 十五条一項を持ち出せば持ち出すほど、日本学術会議と六人の方を侮辱することになりますよ。やめた方がいいですよ。  この会議録の三十二ページ、粕谷議員ですね、の質問にも中曽根総理学問の自由について触れているんですけれども、いずれも質問者は学問の自由ということを口にしていないんです。総理自らが学問の自由があるから学術会議には独立性がある、だから形式的任命だと結び付けて明確に答弁をしているんです。  先ほどの内閣日本学術会議事務局作成とされる文書を見てください。  先ほど指摘したただし書には、憲法二十三条に規定された学問の自由を保障するために大学の自治が認められているところでの文部大臣による大学の学長の任命と同視することはできないとあるんですね。国立大学の学長も政府による任命政府に裁量権はなく、大学が選出した学長を形式的に任命する、それは学問の自由を保障するためということなんです。  中曽根答弁は、日本学術会議も同じだということを言っているんですよ。総理任命の裁量権はない、形式的任命であり任命拒否はしない、それが学問の自由独立の保障である。これ以外の解釈がどうしてできるのかと思いますけど、法制局、何か答弁できますか。
  165. 木村陽一

    政府参考人木村陽一君) 御質問につきましては、一義的にはやはり主務省庁から御答弁いただくことが適当だと思いますけれども、あえて申し上げますと、当然、その法の適用は憲法に適合すべきことは当然であります。それは二十三条のみならず十五条についても言えることだろうと思っております。  そもそも、日本学術会議会員任命は、日本学術会議法七条二項に基づき適正に行われるべきものであることは当然でありまして、このことが学問の自由を制約することにはならないというふうに考えております。
  166. 田村智子

    ○田村智子君 十五条一項のそれを持ち出してきた高辻法制局長官の答弁って、是非皆さん読んでみてほしいんですよ。これ、理論上はあるけれども、まずあり得ないという答弁なんですね。  これ大学紛争が起こっているときで、学長の任命めぐってかなりの大激論になるんですよ。それでも法制局長官は、かなりもう形式的なんだと、明らかに不適当で、どうしてこんな人が学長になるんだというような人が挙がってこない限りは任命するという、そういう答弁で一貫しているんですよね。だから十五条一項はもう持ち出さないでと言っているんですよ。国民はみんな、任命すべきだという意見の方が、今そういう運動どんどん起こっているじゃないですか。この全く不適当な人物を任命しない裁量権がある、そういう議論じゃないんです。  先ほど指摘したように、一九五〇年代から六〇年代、日本学術会議は、原子力潜水艦の寄港に反対したり、原子爆弾の実験に反対をし、核兵器廃絶を求めるアピールをするなど、政府の見解と異なる活動をして、その日本学術会議への攻撃が現実にあったんです。だから、任命はあくまで形式的であり、推薦のままに任命すると。つまりは、推薦されたのに任命拒否するような裁量は政府にはない、これが繰り返し繰り返し確認されたということなんですよ。  今、この日本学術会議については、形式的任命とは異なる対応を始めたのは二〇一六年からだと報じられています。二〇一六年、欠員補充の際に学術会議が示した候補者案に難色を示し、その結果、補充自体が見送られる。一七年、百五人を超える推薦名簿を提示するように求め、調整を行った。一八年、会員補充に難色を示し、補充が行われなかった。二〇年、総会議決を経て推薦された百五人のうち六人を初めて任命しなかった。これは、安倍政権が立憲主義を踏みにじる安保法制を強行し、これに多くの科学者が憲法違反だとの見解を示して以降のことです。  また、二〇一七年には、先ほども質問でありました、日本学術会議軍事研究に対する声明を発出しています。これは、予算の出どころが防衛省というのがおかしいということを言っているだけで、学問の自由に関わることを言ったわけじゃないんです。予算の出どころを問題にしたんです。  学術会議をめぐる歴史的な経緯を見ても、こうした学者や学術会議の動きと今回の六人の任命拒否を切り離して考えることはできません。学問の自由が脅かされている。それは、科学者だけでなく、国民全体の言論の自由をも脅かす道につながるんですよ。政府の方針に賛成の意見も批判的意見科学的知見から自由に行われる、それが学問の自由であり、言論、表現の自由であり、民主主義の根幹なんです。大変重大な問題です。  官房長官及び総理出席による国会質疑を求めて、質問を終わります。
  167. 水落敏栄

    委員長水落敏栄君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時六分散会