○今井
委員 どうもありがとうございました。
次に、
日本学術会議の問題について取り上げさせていただきたいと思います。
この問題については、いろいろな観点からいろいろなことが言われておりますけれども、私は、この問題の本質はただ一点だというふうに思っています。それは、人事の公正性です。
思い返してみますと、安保
法制のときに、集団的自衛権に慎重だった
内閣法制局長官が更迭されました。中立であるべきNHKのトップにお友達人事というのもありました。そして、最近、記憶に新しいところで申し上げると、黒川検事長、これは検事総長にしたいからではないかと言われていますけれども、それまでの解釈をねじ曲げて定年を延長する、こういうことも行われてきたわけです。そして、今回、
学問の世界にまでこういう恣意的な人事が行われているのではないだろうかという疑義が出てきていて、それが論点だと私は思っております。
ですから、きょうの私の
質疑は、果たしてそういうことが行われたのであろうかということについて
質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
少し私の方で整理させていただきますと、
日本学術会議は
昭和二十四年に設立をされましたが、
昭和五十八年に
法律の改正が行われています。このときに、
推薦する
会員を選挙制から
推薦制に変えたのは、皆さん御存じだと思います。そのときの議事録を、きょう、おつけしているので読ませていただきますが、二つ、一段目の段と二段目の段を読ませていただきますけれども、一つは、実質的に
総理大臣の
任命で
会員の
任命を左右するものではない。二段目、こちらの方が実は大事で、非常に明確に書いてあるんですけれども、二百十名の
会員が研連から
推薦されておりまして、いいですか、ここからが大事です、それをそのとおり
内閣総理大臣が形式的な発令を行うというように私どもは解釈をしてございます、こういう
答弁をされています。この
答弁は、
憲法十五条、六十五条、七十二条を根拠とした上でこういう解釈をしている、こういうことなんですね。
そして、
平成十六年、今度は、登録学術
研究団体を基礎とした
推薦制から、
日本学術会議が
会員候補者を選考する方法に変更するという
法改正がなされました。このときの議事録を全部読ませていただきましたが、この形式的な
任命ということを変更するのかということに関しては何も
議論がされておりません。ですから、五十八年の見解をそのまま踏襲しているというふうに考えられます。
問題はその後なんです。次のページに添付しておりますが、
平成三十年の十一月の十三日、
日本学術会議法第十七条による
推薦と
内閣総理大臣による
会員の
任命との
関係という整理ペーパー、これは合い議のペーパーだと思いますけれども、これが出てきているんですが、問題となっているのは二ページ目の上のところですね、三行目です。「
内閣総理大臣に、日学法第十七条による
推薦のとおりに
任命すべき義務があるとまでは言えないと考えられる。」こういう整理がなされています。
そこで、
質問させていただきたいんですが、先ほども読ませていただいたとおり、
昭和五十八年の
答弁は、
推薦された者をそのとおり
内閣総理大臣が形式的な発令を行うというように私どもは解釈をしています、こういうふうに
答弁しておられます。しかし、
平成三十年は、必ずしもそれは義務ではないということですね。これは両方とも
憲法十五条に照らした上でこういうふうになっていて、これは小学生でも、読んだら表現は違いますね。片方は、そのまま形式的に
任命してくださいね、そういうふうに私たちは解釈をしていますとなっています。もう一つは、それは義務ではないと言っています。明らかに違うことを言っています。
この違いは、私は
解釈変更だと思うんですが、副
大臣は、これは
解釈変更だと思われませんか。
憲法がどうこうというのはやめてくださいね。両方とも
憲法十五条に基づいた上でこういう
答弁が、別々の表現があるので、その整合性はどうなのかを
説明していただきたい。