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大門実紀史君 実は、竹中平蔵さんの、いろんなところ、大阪でのシンポジウムを含めて有識者
会議の発言、ほとんど読みましたけど、そこに
中国が何度も出てくるんですね。ですから、
中国の
IT技術と連携して
日本の
スーパーシティという一つの選択、少なくとも一つの選択肢ではあるんではないかというふうに思います。
その点で申し上げたいのは、
技術というものと、どういう
社会を目指すのか、どういう
社会であるべきかということは表裏一体でありまして、先ほど申し上げましたけれど、アメリカは、GAFAに見られるように民間主導で、分散型の競争でやってまいりましたよね。
中国の場合は、先ほども言いました国家資本主義といいますか、官民で一体となってこの
技術開発を、もちろん
中国の中でも競争させるわけですけれども、全体としては一体となってきたわけでありまして、そういう、しかも、
中国の場合は本当に
民主主義を抑圧して、一党独裁の国でありますから、そういう国が一生懸命
開発した
技術と、後で申し上げますけれど、これからの
技術の在り方なんですけれど、分散型の個人のプライバシーを守る
技術の在り方というのはおのずと違うわけですよね。
ですから、そういう
技術の在り方も含めて、もうちょっと、何といいますかね、本当にもっと深く考えた分析をして、
IT、これからの
スーパーシティ考えないと、
中国のそんな変な
技術を学ぶ必要はないんですよね。もっとこれからの、プライバシーと両立するような、その
技術ってまたあるんですよね。それを、そういう点では大変心配な方向に今行っているんではないかと思います。
その点で、
日本でもしも最先端
技術を取り入れた
町づくりを考える場合、参考になる国とか町がほかにないのかというと、私は、これはもちろん
政府の資料にも載っておりましたが、
バルセロナではないかと一つ思っております。
時間の
関係でこちらで簡単に言いますけど、
トロントは、前回も
指摘させてもらったように、
住民の反対運動がたくさん起きて、結局頓挫してしまいました。財政の問題もありますけれどね。なぜ起きたかというと、やっぱり民間企業、グーグルが個人
データをこれ握るというところに対する反発とか、
住民ときちっと話をしてこなかったというのがあるわけですね。ところが、スペインの
バルセロナの場合は、長い間掛けて
住民との話合い、そのセンシティブなところはもう触れないと。そういう
データをやるんじゃなくて、本当の、交通の、みんなが喜ぶことだけに
技術を生かしましょうということでやっているので反発がないんですよね。
何が重要かというと、今日も御
議論ございましたけど、
森ゆうこさんとか福島さんからありましたけど、その
住民合意の在り方が今回担保されていないと。だから、このままいくと
バルセロナじゃなくて
トロントになってしまいますよということなんです。
先ほどありました
区域会議に、今のところ、これ
区域会議というのは
特区担当
大臣、首長、事業者ですよね。これだけで構成するんじゃなくて、この構成の中に、選び方はいろいろあるかと思いますが、
住民代表を必ず入れると、
区域会議の中に入ってもらうということをやるだけで、いろんなプライバシーの問題とか心配されている問題が、しかも話合い、時間掛かってもいいと思うんですよね。そういうことに資するようなことをやっぱり考える必要があるのではないかと思うんです。
竹中平蔵さんが有識者
会議でこんなことを言っているんですね、グリーンフィールドがいいと。つまり、何もないところに新しい町をつくった方が
住民の抵抗が少ないと、そういう言い方をされているんですね。つまり、新しい町つくって
サービス、監視
社会だけど
サービスしますと、それでよければ住んでくださいということだったら、それは住みたいというところで
住民合意取りますから、それが一番いいやり方だと、抵抗のないやり方だと。今までにある町に
導入すると抵抗が起きるというようなことをおっしゃっていて、個々に表れている
住民の主権とか
住民合意を無視するような
発想でこの
スーパーシティというのは構想が練られてきたんじゃないかと思うわけであります。
逆に、グリーンフィールドで新しい町にそういうものをつくったとしても、最初は、分かりましたと、この
サービスならプライバシー、自分の情報を提供しますと入居されて移ってこられたとしても、どんどん進化しますよね。その途中で、やっぱりこの
サービスでは嫌ですと、そうしたらそこから出ていけるのかと、ほかの町に住みますって出ていけるのかと。できないですよね。
そういうことも考えると、
住民の合意とかそういうものはずうっと確保されなければいけないものだというようなことも含めて、もっともっと深く考えなきゃいけない点でいくと、
森ゆうこさんや福島さんからあったとおり、もうこれ欠陥
法案ですね。かえってこんなことを進めると大反対運動があちこちで起きて結局実現できないというような欠陥
法案ですから、本当にもうこれ撤回した方がいいですよ。もう一遍考え直した方がいいと思いますよね。
大臣、うなずいておられますけど、本当に考え直した方がいいということを申し上げておきたいと思います。
一応参考までに配りましたので、資料の六枚目はこの前申し上げたハラリさんのやつです。七枚目はデビッド・ライアンさんの監視文化です。最後は、先ほど申し上げましたそういう監視
社会じゃなくて、
データとプライバシー両立するようなことを考えるのが
日本企業のこれからの在り方だということを田中道昭さんが提案されておりますので、こういうものをきちっと読んで、もう一遍この
法案は出し直すということを求めて、私の質問を終わります。
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