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2020-03-27 第201回国会 参議院 予算委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和二年三月二十七日(金曜日)    午前九時開会     ─────────────    委員の異動  三月二十六日     辞任         補欠選任      小西 洋之君     石橋 通宏君      武田 良介君     田村 智子君  三月二十七日     辞任         補欠選任      井上 哲士君     吉良よし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         金子原二郎君     理 事                 石井 準一君                 福岡 資麿君                 三宅 伸吾君                 山田 修路君                 森 ゆうこ君                 蓮   舫君                 浜田 昌良君                 浅田  均君                 山添  拓君     委 員                 青山 繁晴君                 朝日健太郎君                 石井 正弘君                 小川 克巳君                 小野田紀美君                 大野 泰正君                 太田 房江君                 こやり隆史君                 古賀友一郎君                 佐藤 正久君                 高野光二郎君                 高橋はるみ君                 滝沢  求君                 中西  哲君                 松川 るい君                 元榮太一郎君                 山田  宏君                 有田 芳生君                 伊藤 孝恵君                 石川 大我君                 石橋 通宏君                 塩村あやか君                 杉尾 秀哉君                 田村 まみ君                 徳永 エリ君                 福島みずほ君                 矢田わか子君                 伊藤 孝江君                 里見 隆治君                 高瀬 弘美君                 竹谷とし子君                 石井 苗子君                 片山 大介君                 吉良よし子君                 田村 智子君    国務大臣        内閣総理大臣   安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(金融)        )        麻生 太郎君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(マイナ        ンバー制度))  高市 早苗君        法務大臣     森 まさこ君        外務大臣     茂木 敏充君        文部科学大臣        国務大臣     萩生田光一君        厚生労働大臣        国務大臣     加藤 勝信君        農林水産大臣   江藤  拓君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        損害賠償廃炉        等支援機構))  梶山 弘志君        国土交通大臣        国務大臣     赤羽 一嘉君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        防災))     小泉進次郎君        防衛大臣     河野 太郎君        国務大臣        (内閣官房長官) 菅  義偉君        国務大臣        (復興大臣)   田中 和徳君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣防災)        )        武田 良太君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、少子化対策        、海洋政策))  衛藤 晟一君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(クール        ジャパン戦略、        知的財産戦略、        科学技術政策、        宇宙政策))   竹本 直一君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    西村 康稔君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革、地方創生)        )        北村 誠吾君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    橋本 聖子君    副大臣        財務大臣    藤川 政人君    政府特別補佐人        人事院総裁    一宮なほみ君        内閣法制局長官  近藤 正春君    事務局側        常任委員会専門        員        藤井 亮二君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       安居  徹君        内閣官房内閣参        事官       永井 春信君        内閣官房日本経        済再生総合事務        局次長      風木  淳君        内閣官房まち・        ひと・しごと創        生本部事務局次        長        菅家 秀人君        人事院事務総局        職員福祉局長   合田 秀樹君        内閣大臣官房        総括審議官    渡邉  清君        内閣大臣官房        審議官      茨木 秀行君        内閣府政策統括        官        井上 裕之君        総務省自治行政        局選挙部長    赤松 俊彦君        法務省刑事局長  川原 隆司君        財務省大臣官房        長        茶谷 栄治君        財務省理財局長  可部 哲生君        国税庁次長    田島 淳志君        厚生労働省医政        局長       吉田  学君        厚生労働省健康        局長       宮嵜 雅則君        厚生労働省社会        ・援護局長    谷内  繁君        厚生労働省老健        局長       大島 一博君        国立感染症研究        所長       脇田 隆字君        林野庁長官    本郷 浩二君        国土交通省大臣        官房危機管理・        運輸安全政策審        議官       山上 範芳君        国土交通省鉄道        局長       水嶋  智君        国土交通政策研        究所長      佐々木 良君        防衛省大臣官房        衛生監      椎葉 茂樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○令和二年度一般会計予算内閣提出、衆議院送  付) ○令和二年度特別会計予算内閣提出、衆議院送  付) ○令和二年度政府関係機関予算内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  令和二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、締めくくり質疑を六十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党国民の声四分、立憲国民新緑風会社民三十二分、公明党八分、日本維新の会八分、日本共産党八分とすること、質疑の順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。     ─────────────
  3. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 令和二年度一般会計予算令和二年度特別会計予算令和二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑に入ります。滝沢求君。
  4. 滝沢求

    滝沢求君 自由民主党滝沢求でございます。質問の機会をいただきました関係者皆様方に感謝を申し上げたいと思います。  初めに、新型コロナウイルスによって亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、今現在感染している方々早期回復を心からお祈りする次第でございます。  感染症対策専門会議では、日本国内感染状況は、持ちこたえてはいるものの依然として厳しい状況にあるとの見解を示しております。また、感染症拡大を抑制するためにはどうしても経済活動にブレーキを踏むという行為が必要となりますが、世界的感染症拡大が止まらないこともあり、影響はリーマン・ショックを超えていると指摘もされております。  安倍総理には、アベノミクスという大胆な政策でデフレの克服に道筋を付けてきた総理であるからこそ、私はこの難局に対しても、事業継続雇用維持、そして家計を守り、さらには経済V字回復を実現するための施策を強く打ち出していただきたいと、私はそう考えております。  そこで伺いますが、国民生活経済活動に不可欠な経費が含まれている令和二年度予算を速やかに成立、執行させた上に、さらに思い切った政策をちゅうちょなく実現していかなければならないと考えますが、総理見解をお伺いいたします。
  5. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 新型コロナウイルス感染症世界に広がる中において、様々なイベントの中止や人の移動の制限等によって世界全体で経済活動が縮小しており、我が国経済にも甚大な影響を及ぼしております。言わば、このマグニチュードに見合うだけの必要かつ十分な言わば強大な経済財政政策を講じていかなければならないと考えております。  現在は感染拡大の防止の徹底に加えて雇用維持事業継続を最優先に全力を挙げて取り組んでいるところでありますが、その上で、二十六兆円の総合経済対策の基礎となる令和二年度予算早期執行により景気を下支えするとともに、さらに、前例にとらわれることなく一気呵成に思い切った措置を講じ、日本経済を再び確かな成長軌道へとV字回復させていきたいと決意をしております。  現在、今般の感染拡大によって影響を受けている方々を対象に、地域の声や現場の声をお伺いするヒアリングを集中的に行っているところでございます。こうした声に耳を傾け、地域経済の実情を十分に踏まえながら、この難局を乗り越えていくための施策を、方策を練り上げていく考えでございます。
  6. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  集団感染発生したダイヤモンドプリンセス号における一連の対応は、世界的にも前例のない対応を求められた事案でございました。  総理防衛大学卒業式で触れられておりましたが、クルーズ船対応に従事した自衛隊員から一人の感染者も出さず、任務が遂行され、感染症対策の知識のある東北方面衛生隊看護官により入念な説明が行われ、船内乗員へのPCR検査では、ウイルスや細菌を使った生物兵器への対応に訓練を重ねた対特殊武器衛生隊が投入されたといいます。  自衛隊も含めて、政府全体で感染抑制に取り組んでいるところではございますが、終息後には改めて危機管理体制はどうだったのかということをしっかりと検証する必要があると考えます。更なる強化に役立てていくべきと考えますが、総理見解を伺います。
  7. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今般のクルーズ船対応については、三千七百名の乗客乗員を擁するこのクルーズ船に対する対応、これは前例のない非常に困難なミッションであったわけでございますが、これへの対応については、ダイヤモンドプリンセス号船籍国である英国のジョンソン首相からも謝意が表明されたところでございますが、自衛隊の諸君には、クルーズ船内における医療支援や、下船者に対する輸送支援や、自衛隊病院等におけるPCR検査陽性者の受入れなど、多方面において活動を行っているものと承知をしております。  こうした活動の検証も含め、今般の事案対応を踏まえつつ、今後、感染症危機管理体制の不断の見直しを進めて、危機管理への対応を、対応力を一層高めていきたいと考えております。
  8. 滝沢求

    滝沢求君 しっかりと検証していただきたいと思います。  次に、防災減災国土強靱化のための経常経費について伺います。  昨年十月、台風十九号でございますが、関東甲信越や東北地方に大きな甚大な被害をもたらしました。地元の皆様方は、今年もまた夏、秋となれば再び強烈な台風が襲いかねないという不安を感じていると思います。やはり安心した生活を送ることができるよう、河川、高速道路鉄道等、さらに電力網ガス管水道管などのライフラインなどが自然災害に耐えられるよう、思い切った対策が必要だと考えております。  そこで伺います。さき成立した令和元年補正予算との一体性を含めて、麻生財務大臣に伺います。
  9. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 政府といたしましては、防災減災国土強靱化等々、近年の災害からいろいろ得られた教訓を踏まえまして、平成三十年の十二月に国土強靱化基本計画を見直し、また、集中豪雨などの災害が相次いでおります昨今の現状を踏まえて、三か年緊急対策を策定し、実行するなどの取組を強化してきております。  こうしたことを踏まえまして、令和二年度の予算におきましては、河道掘削堤防強化、それからダムの強化等々、事前防災の観点を踏まえた水害対策、それから高速道路海上交通港湾等のネットワークの強化など、生活交通機能を失わないためのインフラ整備、また地震、津波、火山観測等々、いわゆるそういった必要な経費として国土強靱化関係で四兆五百七十四億円を確保して重点化をしているほか、臨時特別措置におきまして、防災減災国土強靱化のための三か年対策実施のために一兆一千四百三十二億円を確保しております。  また、さき成立をしていただきました令和元年度の補正予算でも、昨年の台風十五、十九などの被害を踏まえまして、河道掘削、それから堤防強化等々、水害対策中心国土強靱化を更に強力に推進するために一兆一千五百二十億円を確保する等々、いろいろこの種の問題には取り組み、いつもに比べてはるかによく取り組んでいると思っております。
  10. 滝沢求

    滝沢求君 ありがとうございます。  厳しい状況対応するためには、まずこの令和二年度予算成立させることが参議院の責務であるということを申し述べて、私の質疑を終わります。
  11. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で滝沢求君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  12. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、石橋通宏君の質疑を行います。石橋通宏君。
  13. 石橋通宏

    石橋通宏君 立憲国民新緑風会社民共同会派石橋通宏です。  まず、安倍総理に伺います。  東京オリンピック・パラリンピックの延期、一年程度ということをバッハ会長に言われたそうですが、その根拠を教えてください。
  14. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 東京大会延期する期間については、世界アスリートが万全のコンディションでプレーを行い、そして観客の皆さんにとって安全な、安全で安心な大会としていくためには、世界における感染広がりを勘案すると数か月程度の時間では困難であり、ある程度の時間を要せざるを得ないと考えたところであります。  他方で、例えば二年といった余りにも長期の延期となれば、これはもはや二〇二〇年東京大会へのモメンタムが失われ、別の大会のようになってしまうという懸念があったわけでありまして、このため、先日のIOCバッハ会長との電話会談において、私からおおむね一年程度延期を提案し、遅くとも二〇二一年夏までとの合意に至ったところでございます。
  15. 石橋通宏

    石橋通宏君 東京開催する以上は、東京のモーメンタムは失われないんじゃないでしょうか。
  16. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、アスリート皆さんもまさに二〇二〇年を目掛けて最高のコンディションをつくってきているところでございます。そして、それがまた二年後ということになれば、これはまた、言わばかなりこれ初めからやり直さなければならないということにもつながってくるわけでございまして、その中において、様々な御議論があるということは十分に承知をしておりますが、先ほど申し上げましたような理由で、私から、一年、おおむね一年程度を軸として検討してもらえないかということを申し上げたところでございます。
  17. 石橋通宏

    石橋通宏君 来年の秋では駄目なんでしょうか。
  18. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 一年程度を軸としてということを私が申し上げ、そして、バッハ会長からは遅くとも夏までにというお話もあり、最終的に遅くとも夏までにということで合意ができたところでございます。
  19. 石橋通宏

    石橋通宏君 ちょっと根拠が分からないんですが、真夏で昨年も大問題になって、マラソンの札幌開催等も決めたわけです。真夏にやるんですか。
  20. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それはまた、今IOCにおいて具体的な時期については議論がなされていくものと承知をしておりますが、IOC組織委員会において最終的な調整がなされていくものと考えております。
  21. 石橋通宏

    石橋通宏君 バッハ会長、夏に限定していない、二〇二一年なら全ての選択肢がテーブルにあると発言されていますが、そのとおりでよろしいですか。
  22. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) バッハ会長、今申し上げましたように、遅くとも二〇二一年の夏までに大会開催することということで合意をしたところでありまして、具体的な開催時期については、今後、IOC大会組織委員会東京都の間で検討し、決定されることになるわけでございますが、なお、バッハ会長は、遅くとも二〇二一年の夏までにの内容として、二〇二一年夏季の前又は夏季と発言されたと承知をしております。
  23. 石橋通宏

    石橋通宏君 確認ですが、先ほど世界アスリートという話もありましたが、専門家、有識者の御判断、御助言はいただいたんでしょうか。
  24. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば専門家という方々助言はいただいていないところでございますが、これは、ある程度この判断を政治的に判断しなければいけないわけでありまして、それぞれのですね、それぞれ、言わば一年、二年、あるいは半年においてそれぞれの御意見があるわけでございますが、どこかで判断をしなければいけないと、こう考えているところでございます。
  25. 石橋通宏

    石橋通宏君 いや、しかし、IOCバッハ会長WHO判断を云々とおっしゃっていましたよね。IOCWHOと相談されたんでしょうか。
  26. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わばIOCWHOと相談をしているかどうかということについては、IOCWHOとも連携をしながらということをおっしゃっているというふうに承知をしているところでございます。言わば、私の提案の上に、バッハ会長は遅くとも来年の夏までにという判断をされたということではないかと思います。
  27. 石橋通宏

    石橋通宏君 よく分かりませんが、今日、脇田専門家会議座長研究所長においでをいただいております。ありがとうございます、お忙しい中。  脇田所長、今世界的な広がり拡大しています、途上国も含めて。欧米がかなり広がっていますが、南アフリカ等でも広がりは見せているということで大変懸念されますが、現在の世界的な広がり状況をどう見ておられるのか、教えてください。
  28. 脇田隆字

    政府参考人脇田隆字君) 新型コロナウイルス感染症につきましては、昨年の末から中国湖北省武漢市から流行が始まり、中国では流行終息しつつあるものの、現在では欧米中心とした世界的な流行となり、三月二十六日時点で世界全体の感染者数は四十一万四千百七十九名、死亡者数は一万八千四百四十名となってございます。  今のところ、世界的な流行終息はなかなか予測が難しいという状況でございます。
  29. 石橋通宏

    石橋通宏君 現時点で予測が難しいと。  過去の大きな世界的な感染症比較をして、今後の展開の予測終息までの予測、どんな状況なんでしょうか。
  30. 脇田隆字

    政府参考人脇田隆字君) 今御質問の過去に流行した主な感染症との比較でございます。  SARSにつきましては感染者数が八千九十六名、死亡者数七百七十四名、MERSにつきましては感染者数二千四百九十四名、死亡者数が八百五十八名となっております。SARS及びMERSにつきましては、日本感染者はございませんでした。  SARS平成十四年十一月に初めて確認をされまして、終息宣言まで八か月が掛かっております。それから、新型インフルエンザにつきましては平成二十一年四月に初めて確認をされ、終息宣言まで一年四か月を要しております。MERSについてはいまだに中東地域流行継続しているということを承知しております。  終息までの期間ということでございますけれども、現在の感染状況を踏まえますと、我が国においても流行終息見通し等について考える段階にはまだないというふうに考えております。  一方で、武漢における強力な外出禁止あるいは交通遮断による都市封鎖による流行の封じ込め及びこれまでの日本流行状況などの解析から、この新型コロナウイルス感染症に対する有効な対策も徐々に明らかになってきております。  今までお願いしていますとおり、密閉、密集、密接な場を徹底的に避けるということによりクラスター発生を予防して、また、現在、国内複数地域発生しているクラスター早期発見して早期対応する。そして、クラスターの連鎖による感染拡大を防止することでございます。また、大規模イベントを自粛していただくことによりましてメガクラスター発生を回避すること、さらに、医療体制強化によりまして患者の重症化予防に取り組んでいくということがこの感染対策としては非常に重要だと考えております。
  31. 石橋通宏

    石橋通宏君 重ねてお聞きしますが、心配なのは途上国です。これから広がりがある、医療体制、先ほど言われたような体制が取れない、そういったところにこれから更に感染拡大していく。過去の感染症比較しても、一年、二年の話ではない懸念、あるんじゃないでしょうか。
  32. 脇田隆字

    政府参考人脇田隆字君) ただいまの委員の御質問でございますけれども、途上国感染状況の把握というのは、これ、さらに検査状況等がなかなか報告もされないということで難しい状況になっておりますので、今後の見通しについてもなかなか難しいと考えております。
  33. 石橋通宏

    石橋通宏君 総理、お聞きいただいたと思います。分からないんです、一年なのか二年なのか。とりわけ、これから途上国、南米、そして南アフリカ含めて広がっていったときに、来年になるか分からない、終息しているか分からない。その状況で本当に来年の夏、断言できるんでしょうか。  橋本大臣アスリート皆さんのことを第一に考えたときに、途上国でこれから本当にいつ終息できるか分からない。それから、アスリート皆さんがもう一度準備をされる、そういったときに、本当に世界の全てのアスリート皆さんのことを考えたときに一年以内にできるんでしょうか。御意見お願いできませんでしょうか。
  34. 橋本聖子

    国務大臣橋本聖子君) 委員アスリートからの観点ということでお聞きをいただいたというふうに思いますけれども、四年に一度のこの大会に向けて、万全を期して四年サイクルで準備をしているというのがアスリートであります。  ただ、今回のこの世界的にコロナウイルス感染拡大しているという状況を踏まえて、先週、アスリートからも大変な懸念が示されていたところでありまして、まずは一年程度延期というふうに決定をしたことによって、各国アスリートから、一年程度という延期が示されましたけれども、そのことにおいて、まずは示されたことにアスリートたちは、世界各国から称賛の声が上がっておりました。  その中で、アスリートたちは今後どのように準備をしていくかというふうにして考えたときには、終息から次へのアプローチといいますか、準備期間というものを十分に取っていきたいというふうに考えるのは当然だというふうに思っております。  ただ、一年以上ということになりますと、やはり、総理もお話がありましたとおり、もはや二〇二〇年の大会から一年が限界であって、その以上のということになりますと、当然、別なものとして、あるいは選考委員会ですとかそういったこともやり直さなければいけないというような新たな問題が生じていくということになりますと、IOCが決定をしたまずは一年程度の延長、延期というのがアスリートたちも望ましいというふうに現段階では考えているということだと思います。
  35. 石橋通宏

    石橋通宏君 先ほど来の話で、とりわけ途上国、これから感染が広がっている国々のアスリート皆さん、どう対応できるのか。そのことを考えれば、いや、十分な体制を取って、十分な万全の体制を、アスリート皆さん世界のですよ、世界の、とすれば、そのことを本当に考えれば、一年以内にできるのかと言われれば、先ほど脇田座長も言っていただきました。分からない。いや、だったら、来年の秋、二年という選択肢も本来であればしっかり専門家の御意見も聞いて議論すべきではなかったのかというふうに強く思います。是非、世界アスリートのためと言われるのであれば、総理、そのことも含めてちゃんとした議論をしていただきたい、そのことは改めて指摘をしておきたいと思います。  安倍総理東京での感染広がりが、かなり昨日、おとといも感染者が急増しています。昨日、小池知事とも急遽会談されたということですが、東京状況について本部長としてどういうふうに受け止めておられますか。
  36. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 現状における国内の感染状況は、国内では新規の感染者数が都市部を中心に増加をし、感染源が不明な、言わばリンクが不明な感染者も増加をしており、また海外からの移入が疑われる事例も多数報告されているものと承知をしております。  こうした中で、多数の人口を抱え、経済中心でもある東京を含む首都圏で急速な感染拡大を回避することは極めて重要と認識をしておりますが、仮にロックダウンのような事態を招けば、我が国経済にも更に甚大な影響を及ぼすと考えています。  昨日、東京都知事とも直接お話をいたしましたが、特措法に基づく政府対策本部を設置をしたことにより、全ての都道府県に対策本部が設置されることとなるため、今後はこれまで以上に東京都を含め各都道府県との連携を密にしながら一体となって対策を進めていく所存でございますが、我々も小池都知事と同じ危機感を持って対応していきたいと思っております。
  37. 石橋通宏

    石橋通宏君 脇田所長、もし可能であれば、ここに来て東京感染者がこれだけ急増している何かその原因、要因というのはあるんでしょうか。
  38. 脇田隆字

    政府参考人脇田隆字君) 東京の今の感染状況でございますけれども、院内感染等でクラスター発生している、そういうところからの新規の患者というのは、これは封じ込めをされているというところでそれほど問題はないわけでありますけれども、リンクが取れない感染者も一定の数出てきているということで、その要因でございますけれども、一つは海外からの流入が現在少し増えてきているということ、それから、皆さん、やはり一定の割合で外出等もされているということで、先ほどの密閉、密集、密接な空間、そういったところをまだ完全に避けられていないと、そういった要因を考えています。
  39. 石橋通宏

    石橋通宏君 もう一点、今、爆発的患者急増、いわゆるオーバーシュートの入口の段階というような話もありましたが、どういうふうに見ればいいでしょうか。これから対策をしっかり講じれば防げる状況なのか、これから更に広がっていく懸念の方が強いのか、どうなんでしょう。
  40. 脇田隆字

    政府参考人脇田隆字君) まさに、オーバーシュートを、爆発的な感染拡大が起こるかどうかという今分かれ道にあるというふうに認識をしております。しっかり、要対策、しっかり対策をしていくこと、今はこれが大事だと思っております。
  41. 石橋通宏

    石橋通宏君 加藤大臣、これまで、東京PCR検査の実施人数がちょっとほかと比較しても非常に低いというのがここでもずっと議論になってきました。これ、現状どうなんでしょうか。PCR検査の人数が増えた因果関係含めて、どういうふうに厚生労働省として把握されているでしょうか。
  42. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 東京PCR検査がこれまで他と比べて決して多くない、特に人口と比べれば決して多くないというのはそのとおりだと思います。  その要因、これ、それぞれの地域感染者数がどう動くのかということ、どっちが、検査が先か感染者数が先かというのはありますけれども、そうした感染状況ももちろん反映しているんだろうというふうに思います。  それから、一部においてはなかなか、医師からPCR検査を要望してもなかなかそれが通っていないという話も私のところには、私どものところには入ってきているところでありますので、これについては引き続き、医師が判断する、判断した場合にはしっかりPCR検査が行われる、そういう環境をしっかりつくっていきたいと思っておりますし、これからまた、それぞれ地域ごとに、東京にはかなり民間も含めて検査会社がありますけれども、検査がオーバーフローするということであれば、ほか、他地域におけるそうした能力があればそこもうまく活用するという広域的な調整も図っていきたいというふうに思います。
  43. 石橋通宏

    石橋通宏君 広域的な調整と言われても、首都圏全体で今感染者が増えて、今回も週末に向けては首都圏が連携をして対応するというような状況になっているので、なかなか人口が多いだけに、いろんな対応を広域でといっても、更に広域を広げていかなければ対応できないような状況もあるのではないかと思いますが。  一点、東京でちょっと心配なのが、東京の、じゃ、どこでそれだけの感染クラスター発生しているのかが分からないんです。何で分からない。東京二十三区、市区町、いろいろありますよね、それがもう少しピンポイントで特定されなければ地域皆さんも安心できない、どう対応していいか分からないんじゃないでしょうか。これ、東京都へはどう相談されていますかね。
  44. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) まさにこれが、従来、専門家会議からも指摘をされている積極的疫学調査をしっかりやって、見える化をどう図っていくのかと。そういった意味で今、東京都においてもそれぞれ保健所を中心にそうした対応をやっていただいている、また、そこに向けて私どもの専門家も派遣をさせていただきながら連携もさせていただいているというふうに承知をしております。  ただ、ちょっと東京都ということではありませんけれども、全般的にこの積極的疫学調査をする負担が相当重くなっているというのは先般も専門家会議から提言をいただいておりますので、その能力を高めていく、あるいは維持をしていくためにも、保健所においては今いろんな相談もお願いしていますので、その相談の一部機能は地元の医師会等にお願いをしていく、あるいは保健所のOBの方にもう一度戻ってきていただく、言わば再雇用みたいな形でしていく予算、これ我々も確保させていただく。  さらには、各地方公共団体の中において、保健所セクションだけじゃなくて、全省的、全省的というか、全庁的な対応もしていただきたい、こういったこともお願いをしながら、また我々としても予算を含めて対応できることは対応させていただいて、そうしたまさにクラスターを発見する積極的疫学調査、これがしっかり行っていけるように更に努力をしていきたいと思います。
  45. 石橋通宏

    石橋通宏君 ちょっとはっきりしないんですが、これ是非、東京都、それからしっかり二十三区始め区長さんらともしっかり相談していただいて、これやっぱり、どこでどういう状況になっているのかと、都民、区民、そして東京には多くの皆さん来るわけですから、きちんと情報開示していただかないと対策できません。そこは是非ちゃんと、総理も都知事等も含めてちゃんと連携してください。  その上で、都知事も、これから、記者会見でいわゆるロックダウン、首都封鎖のことも言及をされています。これ、どういう状況になったら、昨日、総理、小池都知事とはロックダウンの可能性云々、話しされたんでしょうか。どういう状況になったらその懸念、可能性があるというふうな話は、これ基準も含めてちょっとお話しいただけますか。
  46. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 東京都の今の危機感、私ども共有しているところでありまして、まさに先ほど脇田座長からお話ありましたとおり、これから感染がオーバーシュートしていく、拡大してオーバーシュートするのか、あるいは何とか持ちこたえ、終息に向けて行けるのか、その分かれ道と、瀬戸際にあるというふうに認識をしております。  そんな中で、私も昨日、小池知事と意見交換をし、そうした認識を共有したところでありますけれども、まさにこれから、患者の数、あるいは感染経路が追えない、リンクが追えない、先ほど御指摘のあったこの数、そして海外の状況、海外から入ってくる、そういう水際の対策、そういったこと全体を勘案しながら、今後どういう状況になっていくのか、その状況に応じて専門家の御意見を聞きながら対策を講じていくことになりますが、昨日、政府対策本部も設置いたしました。全都道府県で対策本部が立ち上がります。しっかりと連携しながら対応していきたいというふうに考えているところであります。
  47. 石橋通宏

    石橋通宏君 まあ、特措法が成立してからここまで対策本部の設置に時間が掛かったということもよく分からないんです。遅かったのではないかと思わざるを得ませんが、改めて確認します。  現時点ではまだ緊急事態宣言を出す状況にはない、二つの要件を満たしていないと、そういう判断だということでよろしいんでしょうか。
  48. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、現時点において緊急事態宣言を行うような状況にはないというふうに考えているところでありますけれども、まさに重要な時期でありますので、万が一そういう事態になった場合には都道府県知事がいろんな指示を行い、要請、指示を行えるようになりますし、そのことを公表できるようになります。  私ども、総合調整の機能がありますので、東京都あるいはそのほかの地域とも、都道府県ともしっかり連携をして対応していきたいと思いますし、特に東京の場合は大きな影響がありますので、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。
  49. 石橋通宏

    石橋通宏君 ちょっと余りに抽象的なんですが、二つの要件のそれぞれについて、今どういう判断をされているんでしょうか。
  50. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 二つの要件のうち、最初の方は、重篤な方が出るという意味ではもう既に要件としては当たってきているんだろうというふうに認識をしておりますが、この点も含めて専門家にしっかりと御意見を聞かなきゃいけないと思っております。ただ、後者の全国的かつ急速な蔓延により国民経済国民生活国民経済に重大な影響を及ぼす、あるいはそのおそれがあるということ、その状況については、これまでの専門家皆さんとの意見、意見をいただいている限りにおいてはまだその状況にはないと。  先ほどから御指摘ありますように、まさにその瀬戸際にあるということですので、仮にオーバーシュートしていったときに、患者数が増大していったとき、特にリンクを追えないものが増加していったときに専門家皆さんの御意見を聞きながらしっかりと適切に判断をしていくということになると思います。
  51. 石橋通宏

    石橋通宏君 しっかり、その議論、今どういう状況にあるのか、改めて正確に国民にも共有していただきたいんですが、これ、総理、全国的急速な蔓延について、仮に東京、首都圏で今後感染者拡大していった、これをもって全国的な急速な蔓延、これに当たるという判断はあり得るんでしょうか。
  52. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 東京は全国に与える影響も非常に大きいものがございます。ほかの県とまた違う特殊性、やっぱり首都であり、大きな影響があるということはもちろんその一つの大きな要素だと思っておりますが、いずれにしても、先ほど申し上げたように、感染者の増加、その数、リンクの追えない感染者の数、もちろんその中にはクラスター状況なども含めてでありますけれども、そして海外の状況、それから海外から入ってくるこの数、こういったことも含めて総合的に専門家の御意見を伺いながら適切に判断していくということになります。
  53. 石橋通宏

    石橋通宏君 その辺を含めて全く、国民皆さん、都民の皆さんにも含めて、重ねて先ほど来言っているように情報が伝わっていません。どういう状況にあるのかと、これをしっかり伝えていただかないと、逆にパニックになったら大変なことになります。だからお願いしているんです。それはちゃんとやっていただきたい。  それで、ちょっと順番変えますが、これ、具体的にこれからどういう判断をする、対策本部立ち上がりました、そこで議論されるんでしょうが、これまでもいろんなことが官邸の連絡会議議論され、決めてこられたと理解をされています。これも今後も対策会議ではなくて実はそういった重大な議論が連絡会議でやっていく、そんなことになるんでしょうか、総理
  54. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは前も答弁をさせていただいておりますように、この連絡会議において私に対する説明と報告がなされるわけでございますし、また、私が疑問に思った点等についての彼らに対する質問、そしてそれに対する答え等々があるわけでございますが、最終的に決定される場所は、これはもちろん対策本部で決定をしていくということになるわけでございます。  もちろん、それはいわゆる連絡会議と言われている場所で決めているということではなくて、もちろん最終的に決めるのは対策本部でありますが、それに至る間において様々な議論がなされているのは当然のことでございます。
  55. 石橋通宏

    石橋通宏君 大事なのは、どこで方針を出すかですよね。対策本部が単にそれ総理が言ったことを決定する、お墨付き、形式的だ、これはもう答弁されているじゃないですか、ここで。  大事なのは、一体どういう情報を総理が、そして関係大臣がそれを基に議論をして方針を出したのか。それは連絡会議ですね。そうですね、総理
  56. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 意思決定に関わった方がおられれば御理解をいただけると思うわけでございますが、それはどこかといえば、それは様々な場で議論をされるわけでございます。言わば、私のところに各省が集まってきて議論をする上において、事務の官房副長官の下で、あるいは古谷副長官補の下でそれぞれ議論もしておりますし、危機管理監の下での議論もしております。そうしたことも含めて、その中で様々な考え方についても含めて、私のところでそうした状況等についての説明があるということであります。  しかし、言わば決定の場はあくまでも本部であるということは、これはもう御承知のとおりであろうと思います。
  57. 石橋通宏

    石橋通宏君 既に蓮舫理事とのやり取りで、もう対策本部は、議事録見ても、決定するだけなんです。本当の議論は、今総理言われた、いろんなところでいろんな議論がされる。それが連絡会議に集められて、連絡会議でそれに基づいて方針が議論され、そして方針が出され、で、それは追認されるだけだと、対策本部は。であれば、この歴史的な緊急事態、これに、後世にしっかりと残しておく、それは連絡会議の議事録をきちんと残して記録して公開しなければ、後世の皆さんにちゃんとした歴史を残せないじゃないですか。  総理、改めて、ここで約束をした、総理、約束していますよ。連絡会議、記録の指示をしている、議事要旨しっかり作っていく、内閣において、内閣官房において適切に作成される、議事概要公表していくと、ここで約束されています。  約束守っていただけますね。(発言する者あり)
  58. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
  59. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 既に御答弁させていただいておりますが、御指摘の連絡会議の記録については、ガイドラインによれば原則三か月以内に作成することとされておりまして、まだ作成されていないと承知をしておりますが、新型コロナウイルス感染症に関する国内外の状況が時々刻々と変化する中で、まずは感染拡大の防止に全力で取り組んできているところであります。内閣官房において可能な限り速やかに作成するものと承知をしているところでございます。  その上で、連絡会議はガイドラインに定める政策の決定又は了解を行わない会議等に該当するものでありまして、関係省庁からの報告内容等が分かる毎回の記録を作成していくものと承知をしております。
  60. 石橋通宏

    石橋通宏君 ここでの国民に対する約束ですよ、総理。連絡会議の、ちゃんと公表するというのは。それが、今の答弁何ですか。全く後退しているじゃないですか。また大事な議論のプロセスを隠すんですか、総理。  是非、もう一度、国民に対して、しっかりと記録を残して後世にも伝えるんだ、二度とこういう対応が後手後手に回らないようにちゃんと後世に残す、約束してください。(発言する者あり)
  61. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。
  62. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) まさに今、このチームはこの防止、感染拡大の防止に全力を尽くしているところでございまして、ですから、このガイドラインによっても原則三か月以内に作成することとされておりまして、まだ作成されていないと承知をしておりますが、このまずは感染拡大の防止に全力で取り組んできているところでありますが、内閣官房において可能な限り速やかに作成すると、先ほども答弁したとおりでございます。
  63. 石橋通宏

    石橋通宏君 これは本当にゆゆしき事態だと思います。  重ねて、全力で当たっていただく、それは当然です。本当に大事なときです。だから、その議論のプロセス、どういった要素でどういった議論でどういった根拠専門家皆さんの御判断に基づいて行政が意思決定したのか、それを残すのが歴史的緊急事態のその意義でしょう。  総理、重ねて、ちゃんと議論残してください。公開してください。そのことは、ここで約束されたこと、是非実行していただくように強くお願いしておきたいと思いますし、これから私たちも重ねてフォローしていきたいと思います。  これ、西村大臣でいいんでしょうか。経済社会的な影響も大きくなっています。月例経済報告、発表されておりましたが、簡単に内容を御説明ください。
  64. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 昨日、月例経済報告を発表させていただきまして、経済については、現在の現状につきましては厳しい状況にあるという修正をさせていただいたところでありますし、先行きについてもコロナウイルス感染症影響によってこうした状況は続くものという趣旨で公表させていただいたところであります。
  65. 石橋通宏

    石橋通宏君 今後の企業、雇用への影響をどういうふうに見ておられるでしょうか。
  66. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 昨日も公表させていただいた資料の中にもございますけれども、このところ、コロナウイルス感染症影響によって求人が急速に減少しておりまして、雇用、これまで非常に良かった雇用、所得の環境も急速に悪化をしているというふうに認識をいたしております。
  67. 石橋通宏

    石橋通宏君 もうちょっとちゃんとした情報が欲しかったんですが、加藤大臣雇用状況をどういうふうに見ておられますか。
  68. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 数字自体は一月の状況しかまだ出てきていないところでありますけれども、現下、私どもも求職の人数、求人の人数を見させていただいております。  求職、求人ですね、人を求める方、求人の人数もここ最近減少しております。他方で、求職の人数も減少しているという状況にはあるというふうに思います。ただ、それが全体としていわゆる有効求人倍率等にどう反映するか、これはちょっと数字を見てみないと何とも言えないと思います。
  69. 石橋通宏

    石橋通宏君 失業、雇い止めの状況を把握されているでしょうか。
  70. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) それぞれのところから、これは聞き取りという形、全部を網羅的に見ているわけじゃありませんけれども、聞き取りという中においては、特に宿泊、観光、運送、こういった事業中心に、そうした解雇の事例、あるいは雇用調整をしたいという相談、これが出てきているというふうに認識をしております。
  71. 石橋通宏

    石橋通宏君 何かもうちょっとかちっとした数字はないんでしょうか。  昨日、アメリカでは過去最大の失業給付の申請があった。三百三十万人近くです。そういう数字をちゃんと出した方がいいんじゃないでしょうか。
  72. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 都道府県労働局において把握しているところでありますが、解雇等の見込みの労働者数は八百八十八名であります。それから、解雇調整の可能性がある事業所、これが三千二百三十三事業所であります。その中で、先ほど申し上げたように、運送あるいは宿泊等の割合が高いということであります。
  73. 石橋通宏

    石橋通宏君 日本はまだ懸命に頑張っていただいているんだというふうに思いますが、雇調金、これ、我々ずっと、北海道にのみ適用されている雇調金の上乗せ、これ全国展開してほしいとずっとお願いをしてきました。いよいよやっていただけるという理解でよろしいでしょうか。
  74. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) まず、北海道は宣言が終わりましたので、あと二週間という範囲でさせていただいております。また、東京を始め今そうした外出自粛をされておられるところがありますので、そうしたところからまた御要望があれば御相談をしたいと、これが今の制度の下での運用で、制度の下での運用ということであります。  今委員御指摘の、今後の更にこの充実を図るべし、特にリーマン・ショックのときについては中小企業は五分の四、雇用維持すれば十分の九、こういった助成もあったということで、これは与党も含めて御指摘をいただいているところでありますので、現下、先ほど申し上げた雇用の情勢、今はどうにかそれぞれ皆さんが御努力をいただいて雇用維持していただいておりますけれども、一日一日厳しさを増している、こういう認識は私どもさせていただいておりますので、そうした認識を踏まえて、先ほど申し上げた点も含めた雇用調整助成金制度、この充実に向けて今具体的な検討を進めているところであります。
  75. 石橋通宏

    石橋通宏君 いや、是非ここで全国の皆さんに、安心してほしいというメッセージを出してほしかったんだけれども、遅過ぎます、それでは。  いろいろ批判してきましたが、加藤大臣、一つだけ、緊急小口資金、個人向けの緊急小口資金等の特例、これは使えると思うんですが、ちょっと説明していただけませんか。
  76. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) これは二十五日から申請の受付をさせていただきました。具体的にこの間の所得等が減少する等様々な要件がありますので、これはちょっと個々にお問合せをいただいた方が正確だと思いますけれども、最大二十万について支出をさせていただく。これはそれぞれの地域の社会福祉協議会が窓口となっておりますので、それぞれの地域の社会福祉協議会に御相談いただく、あるいは、私どももそうしたコールセンターをつくっておりますから、概要はそこで聞いていただいても、聞いていただければと思っております。  それについて、これまでは支給に掛かるのは一週間以上掛かっていたわけでありますけれども、運用において、二日程度の営業日の中でできるだけ速やかに支給をするということでの運用をそれぞれの社会福祉協議会にもお願いをしているところであります。
  77. 石橋通宏

    石橋通宏君 いや、大臣、せっかくの場なので、皆さんにメッセージ出してほしかったんです。  これ、二つの資金があって、合計すると八十万円まで借りられる、違いますか、大臣。それを言ってください。
  78. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 失礼しました。小口資金とおっしゃられたので、そこについてお話をさせていただいて。  制度として、緊急小口資金というのと総合支援資金という、これ二つがあります。緊急小口資金については、新型コロナウイルス影響を受け、失業、休業等により所得の減少があり、当座の生活費を必要とする世帯について二十万円を上限として、そして据置期間が一年以内、償還期限は二年以内、これは無利子ということであります。  それから、総合支援基金、これは新型コロナウイルス影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活維持が困難となっている世帯でありまして、貸付上限としては、二人以上の世帯であれば月二十万で、原則三月というのは三か月にわたって受けれるということですから、トータルで六十万。据置期間が一年以内、償還期限は十年以内。そして、貸付利子も通常の制度であれば保証人がない場合には年一・五%ということでありますが、保証人があってもなくても今回は無利子と、こういう制度でやっておりますので、したがって、トータル、合わせると二十万と六十万で最大八十万ということを申し上げております。  なお、償還免除においては、返済時において所得の減少が続き、生活が困窮されている方について免除ができるという規定をあらかじめ明確にさせていただいているということであります。
  79. 石橋通宏

    石橋通宏君 ここは融資ではありますが、無利子だし、八十万円まで借りられて、そして返済免除の可能性も出てくるということを含めて考えれば、これ是非周知を徹底していただきたいということはお願いしておきたいと思います。  済みません、いろいろお聞きしたかったんですが、時間もなくなってまいりました。今後の様々な対策をしていただく上で、やっぱり総理、政治への信頼が第一です、今は。その上で、河井あんり参議院議員、そして河井克行衆議院議員、秘書が起訴をされました。総理、秘書が起訴をされた、これ重大な事態です。お二人、辞職するべきではないでしょうか。
  80. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 自民党の議員の秘書が逮捕され、起訴されたことは大変残念であります。そしてまた、私が任命した大臣辞任する事態となったことについても、国民の皆様に大変申し訳なく、任命した者としてその責任を痛感をしているところでございます。  それ以上については、既に公判係属中の個別具体的な事件であり、事件に関する事柄であり、公判に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えたいと思います。
  81. 石橋通宏

    石橋通宏君 説明責任を二人は全く果たしていません。国会で、政倫審でちゃんと説明すべきだ、我々は要求しています。総理、総裁としても是非、与党にも、そしてお二人にも、国会でちゃんと国民に説明せよ、指示してください。
  82. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 政治活動については、これはもちろん、内閣、与党、野党にかかわらず一人一人の政治家が自ら襟を正すべきであり、今後とも御指摘に対して自らが可能な限り説明を尽くしていかれるものと考えております。
  83. 石橋通宏

    石橋通宏君 総理、全く人ごとのようなこと言うのはやめてください。任命責任、公認責任、様々な責任が総理にはあるはずです。それを総理、ちゃんと責任を果たしてから、コロナ対策全力で頑張ろう、それやっていただかないと国民の信頼は勝ち得ません。  そのことを申し上げて、私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
  84. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 関連質疑を許します。杉尾秀哉君。
  85. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 共同会派の杉尾でございます。  最初のテーマは新型コロナ問題なんですが、それに関連して、冒頭、総理に聞かなければならないことがあります。  花見自粛要請の中、奥様の昭恵夫人が都内でグループで花見をしている写真がネットにアップされて出回っております。来週月曜日発売の週刊誌で記事と写真が掲載されます。総理は御覧になりましたでしょうか。
  86. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) その件について、今日、御指摘の写真について、についてでございますが、説明を受けたところでございますが、都内のプライベートなスペース、これはレストランであったということでございますが、知人と会合を持った際に、それはみんなで記念写真を撮る際にそういう桜を背景に記念の撮影を行ったということでございまして、その下で、いわゆる公の場で花見を行っていた、また東京都が自粛を求めている公園での花見のような宴会を行っていたという事実はないということでございました。
  87. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 写真は御覧になりましたね。
  88. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 私も大変コロナウイルス対策で忙しいのでございますが、今日御質問をいただきましたので拝見をさせていただきました。
  89. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今月の下旬、場所は都内の公園、メンバーは十三人。ライトアップされた桜をバックに、某人気アイドルグループのTさん、人気モデルのFさんら、その中心に奥様が写っていらっしゃいます。総理も御覧になったそうです。  これ、事実関係に間違いはないというふうに思いますけれども、奥様にも確認してくださいと昨日通告いたしました。奥様はどういうことをおっしゃっていますか。
  90. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 既に先ほど答弁をさせていただいたんですが、それは公園ではなくて、御指摘のような東京都が自粛を求めている公園での、ではありません。そして、都内のプライベートなスペース、これはレストランで知人と会合を持った際に敷地内の、レストランの敷地内の桜の下で撮っているわけでございますから、今委員の御指摘は事実とは違うと、このように思います。
  91. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 レストランならいいのか。  新型コロナ問題で、全国、東京を始めですね、国民皆さんが大変な思いをしていらっしゃいます。レストランも確かに大変です。しかも、花見宴会の自粛の要請まで出ております。加えて、問題は時期なんですけれども、奥様の関与が取り沙汰されている森友問題、元財務局職員、自殺された、手記が明らかになって疑惑が改めて注目され、連日国会でも取り上げられているそのさなかです。  人として、ファーストレディーの行動として、そして森友疑惑の中にある人物として、こうした行動は適切なんですか。
  92. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今の杉尾委員の言わば御意見について私はコメントをする立場にはございませんが、先ほど申し上げましたように、これは言わば、じゃ、レストランに行ってはいけないのか、その時点ではですね、ということではないんだろうと思います。言わば、まさにそのとき自粛を何が求められていたのかということを杉尾委員も正確に把握した上で御意見を述べられたらと、このように思います。
  93. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 総理に伺います。  こういう写真が出回って、皆さん、昨日の夜からネットでも本当に炎上していますけれども、総理は、国民に花見自粛の要請ができますか。
  94. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、杉尾委員も正確に冷静に物事を見ていただきたいと、こう思うわけでございます。  その段階においてはですね、東京都は、言わば東京都、都内における、公園における花見はということで自粛を要請したのでございます。それは当たらないということを申し上げているところでございます。
  95. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 こうした奥様の奔放な行動が森友問題のきっかけになったんじゃないですか。
  96. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それは違うと思います。
  97. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 奥様は、こうしたセレブな花見宴会できます。これもレストランにいるのは花見宴会です。だけど、大多数の国民はできないんですよ。しかも、東京は、オーバーシュート、そして首都封鎖、そのぎりぎりのところにあるんですよ。  小池都知事、緊急会見で、東京感染爆発の重大局面、こういうふうに発表しました。突然の発表でとてもびっくりしました。私もびっくりしました。政府に事前に連絡はあったんでしょうか。
  98. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 東京状況等、私ども緊密に連携を取り合っているところでありまして、その以前にも私どもと連携を取って連絡を取り合っているところであります。
  99. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 事前に連絡あったかと聞きました。
  100. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 小池知事が危機感を持っているということは私も認識しておりましたし、そのことについては私どもと共有をしてきたところであります。(発言する者あり)
  101. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 西村担当大臣
  102. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 緊密に連絡取り合っている、取り合ったところでありますけれども、どういう形で私どもに連絡があったのかは今の時点で私は承知しておりませんので、確認をさせていただきます。(発言する者あり)
  103. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 西村担当大臣
  104. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 知事と私は事前には直接には連絡を取り合っておりません。ただ、事務方同士は連絡を取り合っていましたので、どういう内容を聞いたのかは確認をさせていただきます。  もう一点申し上げると、これは法律に基づく措置ではございませんし、知事の判断でされたものと思っておりますが、我々、連絡は取り合っておりますので、そのことについては確認をさせていただきます。
  105. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 昨日の野党ヒアリングでは、厚労省、内閣官房の担当者、聞いていなかったというふうに言っています。緊密に連絡を取っていないじゃないですか。
  106. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 厚労省における対応については厚労大臣からお答えいただければと思いますが、私からは、今、コロナ、新型コロナ対策室となっておりますけれども、そのスタッフに対しては、東京状況については危機感を私も持っておりますので、緊密に連絡取るように指示をしておりましたし、連絡を取り合っていたというふうに聞いております。
  107. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 じゃ、厚労省。
  108. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 私どものクラスター班というのがありまして、そこから専門家等が東京都の方に派遣をされて、既にその一部は資料等は東京都のホームページにも出させていただいていますけれども、そういったやり取りはしておりますから、そうした意味での東京都の認識は承知をしておりましたけど、具体的にそういう発言をされるということは、私はむしろ記者会見を聞いて初めて承知をいたしました。
  109. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 東京オリパラの延期が決まって、急に感染者の数が増えて、そして翌日に小池百合子知事が突然記者会見をする、おかしいんですよ。百合子ショック、こういうふうに言われているそうです。  都内では、スーパーや商店の棚から商品がなくなっております。うちの娘が昨日コンビニに行ったらコンビニで物がないと、こういうふうに言っていました。  これ、買占め対策ってどうするんですか。
  110. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 昨日の政府対策本部におきましても、私からそれぞれ物資を所管する大臣に、この物資の確保、流通の確保、あるいは確認をしましたら、もうしっかり確保していると、十分にあるということもお聞きをしております。こうした体制をしっかりと取っていきたいというふうに考えております。
  111. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 物はしっかりあるというふうにおっしゃっていますけど、それが国民に届いていません。誰がどこでそういう説明したんですか。
  112. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 食料品については農林水産大臣から私は伺っております。しっかり物も確保しておりますし、そのことについてはホームページでも、ホームページなどで情報発信しているというふうに伺っております。
  113. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 西村大臣、現場の状況見ましたか。
  114. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 私はスーパーには行っておりませんが、昨日、私、夕食を自宅で、記者会見など遅くなりましたので自宅帰ったのは九時頃でしたけれども、八時過ぎぐらいに今日は自宅で食事するからということで妻に連絡をしまして、食事を用意すると、分かったということで、その後、帰った後、妻は二軒のスーパーを近くを回ったけれども物がなかったということで私は改めてそれを確認をしましたが、農水大臣からは、食料品はしっかり確保しているし、いろんな団体から心配はないということをお聞きをしております。  国民の皆様には冷静に判断をしていただければということをお願いしているところでございます。
  115. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 いや、奥様が物がないことを確認されているんだったら、さっきみたいな答弁にならないでしょう。要するに、どこかに、どこかにあるけど現場に届いていないんですよ。今、スーパーの現場、大変なんですよ。  もう一つ、都内の感染者数、資料をお配りしましたけれども、資料一ですね、これ、おとといの段階で四十一人ですけれども、昨日、四十七人、過去最高を更新しました。多分、もっともっとこれから増えていくでしょう、いろんな状況から考えて。そして、二枚目ですけれども、厚生省クラスター班の予測、倍のペースで増加しております。もう既に、五十一人のはずが既に百一人超えております。  この首都封鎖の、ロックダウンの発動の基準と可能性、それに対する備え、これはどうなっていますでしょうか。
  116. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) まさに東京において患者数が拡大をし、その中でも特に感染経路が追えない患者の数が一定程度見られるということで、危機感を強くしているところでございます。  専門家会議においても、仮にオーバーシュートが起こったような場合には、欧米で行われているようなロックダウンのような措置をとるしかなくなるという、そういう危機感も表明されているところであります。  私ども、そういう危機感を共有しながら、そういう事態が生じないように、国民の皆様にも三つの密を避けていただき、また大きなイベントの自粛を要請をするなど、そういった対応を取っているところでございますが、昨日政府対策本部を立ち上げましたので、各都道府県でも対策本部が立ち上がることになります。しっかりと連携しながら、それぞれの都道府県の対応、特に東京都とはより緊密に連携を取りながら対応していきたいと考えております。  万が一緊急事態宣言を発するような事態になった場合には様々な措置がとれますが、専門家の御意見をよくお聞きしながら、適時適切に対応していきたいというふうに考えております。(発言する者あり)
  117. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 止めて。    〔速記中止〕
  118. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 速記を起こしてください。
  119. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 東京都の状況につきましても、繰り返しになりますが、患者数が増え、そして感染者が分からない、感染経路が分からない患者の数も一定程度出てきていると。さらに、先ほども脇田座長からありましたけど、特に海外から帰ってこられた方の感染もこれも数多く見られるということでありますので、こうした状況専門家の意見をよく聞きながら、どういう対応が必要なのか、これはしっかりと検討していきたいと思いますが、基本的には、都道府県知事、それぞれの都道府県で対策本部が立ち上がりますので、東京都の対策本部においてその様子を我々と連携しながら考えていくということになると思います。  その中で、法律上は、法律に基づくイベントの自粛など個人や団体に対して東京都知事は要請をする、この規定もございますので、こういった規定を使いながら感染拡大を防いでいくということになっていくと思います。
  120. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 物すごく抽象的なんですけど。  じゃ、その備えという意味で一つ伺います。  東京都の緊急対応策第三弾という紙がありまして、都内のコロナウイルス対応の病床、ここに百十八床と、こういうふうに書いてあります。既にもう百一人ですか、これだけの感染者が出ている。医療崩壊のおそれ、これ厚労大臣でしょうか、どう考えていますか。
  121. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 東京都ということでお話をさせていただきますけれども、百十八床という病床数は、これは令和元年四月一日時点における東京都の感染症指定医療機関の感染症病床数を指しておられるんだというふうに承知をしております。(発言する者あり)いやいや、その百十八という数字がですね……(発言する者あり)いやいや、その数字が、それをベースにされているということであります。  現時点における、東京都の、空いているですね、空いている病床数について私ども正確な数字は把握をしておりませんが、三月二十三日の会見においては、知事の会見においては、重症者用の病床七百程度、中等症者用を三千三百程度確保を目指す旨の発表があったということでありますので、今後それに向けての病床確保が図られていくというものと承知をしておりますので、我々としてもそれに向けてでき得る協力はしっかりやらせていただきたいと思います。
  122. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 それ、これまでのあれですよね。指定感染症対策って、できているベッドって、じゃ何床なんですか。
  123. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 直近で、三月二十五日に、これは四十四道府県、これ東京都は入っておりませんが、データを基に、今、感染症病床で空いているものが約一千床、一般病床で空き病床が約二万三千床で合計二万四千床ということであります。  ただ、これ空いているベッドということでありますから、これ人的パワー含めて議論をしなきゃなりません。したがって、先般、それぞれの地域、都道府県ごとに計算式をお渡しをいたしまして、人口構成等を含めて、どのくらいの外来の患者さんが発生するのか、入院患者さんが発生するのか、重症者数が発生するのか、それをそれぞれ算出していただいて、それを基にした医療提供体制の御議論をいただいているところでございまして、その場合には、もちろん人的なことも含めて今具体的な議論を我々とも一緒になってさせていただき、また、一つの都道府県で足りない場合については広域における調整、そういったメカニズムも含めて今議論をさせていただいているということであります。
  124. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 私の知人の音楽家が、今週の月曜日アメリカから帰ってきたそうなんですけど、昨日電話がありましてこういうことを言っていました。日本に戻るときに、検疫がこれまでとほとんど変わらなかったそうです。極めて緩かった。帽子脱いでください、それぐらい言われただけですねと、こういうふうに言っていました。  そういう人たちが、昨日からアメリカは始まりましたけれども、続々帰国しているんです。そういう人たちが、感染した可能性のある人たちが今全国に散って、これからどっと増えてくる可能性あるんですよ。  大臣、どういう認識ですか。
  125. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 一つ、議論するときに注意しなきゃいけない。感染症議論をすると、やっぱり今の御議論ではアメリカから帰ってきた人がみんな感染しているかのように受け止められると、これは非常に避けなければいけない。しかし、一方で防止はしなきゃいけない。いや、ここは非常に大事な議論なんですけれども、そういった意味で、ここは我々も注意してやらなきゃいけないと思っております。  その上で、昨日から、アメリカから帰ってこられる方も、これは私どもとして十四日間の自宅待機をお願いする、そして公共交通機関を差し控える、こういうお願いをさせていただいているところであります。  さらに、入国制限をしている地域もございます。これについては、基本的に外国人の方は入国制限されていますから、余り帰ってこられません。当然入らないわけでありますが、現地におられる日本人の方で戻ってこられる方がおられます。この方については、全員PCR検査をして対応、それを踏まえた対応をさせていただいていると。  それぞれ、入国制限をしている地域、そして今警戒をしている地域、そしてそれ以外の地域、この三つに区分をしながら水際の対応を取らせていただいているところであります。
  126. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 現に、海外から帰国された方の感染者の数がここのところ急増しているんです。対応が遅過ぎたんじゃないですか。
  127. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) したがって、専門家会議からもたしか二月の十七日に緊急的な提言もいただきまして、それらも踏まえながら、逐次、そうした入国の制限をする地域、あるいは水際上強化すべき地域、これを拡大しながら現場で対応させていただいているところでありますし、現場においても、今国際便が到着している、これまで到着していたところは全部で三十空港ありますけれども、現状今、六空港に減少しておりますので、それ以外の地域の検疫官をその六空港に集約をすることによって検疫の能力を高めるべくそうした対応もやっているところであります。
  128. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 今入ったニュースなんですけれども、これ厚労省の発表だそうです。シカゴから成田まで今朝入った人、九十二人、待機要請せず帰しちゃったそうです。これ、どうなっているんですか。
  129. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 昨日で、昨日の朝の話であります。(発言する者あり)はい。  これは、ルールが、現地時間、現地じゃない、日本時間の昨日の十二時に入って、飛んだ、出発した飛行機は対象、以降飛んだ飛行機は対象にします、それ以前は対象にしませんという中で、本来だったら現地、向こうの、こちらの時間の一時ということで対象にすべきところを、これ、あってはならないことなんですが、ちょっと時差の計算を十分にやらずにその以前ということにしてしまい、結果的に通常の、いわゆる一、二、三と申し上げましたが、一番普通の検査の対象にしたということでありますので、この乗っていた従業員、失礼、乗客の方々に対して、名前とか一定程度情報が分かりますので、その方に対して十四日間の外出を控えていただくということと公共交通を使わないと、控えていただく、このことを今……(発言する者あり)いやいや、でありますけど、今後もありますから、その皆さんには今連絡を取らせていただいているところであります。
  130. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 何かやっぱりどこか緩いというか、本当に国民に危機感をここまで訴えるんだったら、やっぱり現場の方も含めてもっとしっかりしてもらわないと、これから本当に大変だと思います。  先ほどオリンピックの話がありましたので、一つだけオリパラ担当大臣に伺います。  延期による損失、それからこれから見込まれる追加経費、どれぐらいと見込まれているのか、また、その追加負担はどこが負担するのか、お答えください。
  131. 橋本聖子

    国務大臣橋本聖子君) 今、一年程度延期ということで、ほぼ大体の時期が決まりました。そこで、今、IOC、そして組織委員会等でこれから競技日程等が決まっていくということになります。  IOC東京都、そして組織委員会とで正確な追加予算についての検討に入るということになりますので、国としての立場は組織委員会そして東京都を支援する立場でありますので、その段階で検討していくということになります。今の段階では、どれだけの追加経費ということは明確には示されている状況ではありません。
  132. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 一年程度延期を提案したのは安倍総理だから国が払うべきだと、こういう論がありますよ。
  133. 橋本聖子

    国務大臣橋本聖子君) 主催者は東京都であります。主催都市東京都が責任を持って主催をしていくということであります。そして、運営は組織委員会でありますので、東京都とそして組織委員会とがまずはしっかりと検討した上で、国がどのように支援をしていくかということに、次の段階になります。
  134. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 招致ファイルの補償措置、どうなっていますか。
  135. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) もう一回、よく。
  136. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 招致ファイルの補償措置はどうなっていますか。
  137. 橋本聖子

    国務大臣橋本聖子君) 立候補ファイルになりますけれども、万が一、組織委員会が資金不足に陥った場合、東京都が補填をする、東京都が補填し切れなかった場合には、最終的に国が国内関係法令に従い補填するということになっております。
  138. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 いずれにしても、国民負担が更に増えるということになります。  さっき、河井あんり陣営の選挙違反、一つだけ聞きます。  百日裁判申し立てているんですけれども、起訴とともにですね、この理由と、これからの裁判、連座制適用の流れ、説明してもらえますか、法務省と総務省。
  139. 川原隆司

    政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。  広島地方検察庁は、今月二十四日、河井あんり参議院議員の秘書ら二名を公職選挙法違反、買収罪の事実により公判請求した上で、広島地方裁判所に対しまして、この河井あんり参議院議員の秘書が組織的選挙運動管理者等に当たると判断し、百日裁判に該当する事件である旨通知したものと承知しております。(発言する者あり)
  140. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 質問して。尋ねてください。
  141. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 総務省、その後の。
  142. 赤松俊彦

    政府参考人(赤松俊彦君) お答えをいたします。  連座裁判に対するお問合せかと存じます。  組織的選挙運動管理者が買収罪などを犯しまして禁錮刑以上の刑に処せられたときにおきましては、連座の適用を求める検察官は、買収罪などに係る刑事裁判が確定した日から三十日以内に当該候補者を被告として訴訟を提起するということになってございます。刑事裁判につきましては三審制でございます。当該連座裁判につきましては、高等裁判所を第一審とする二審制というふうになっておるところでございます。  以上でございます。
  143. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 最終的にその訴訟で国が勝訴をすれば、あんり議員は失職するということになります。  ちなみに、あんり議員陣営に一億五千万円の選挙資金、支給されております。もう一人立っていらっしゃった自民党の候補の方の十倍ということです。この金が違法な選挙に使われた疑いが濃厚になっております。党総裁としての責任をどう考えますか。
  144. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 自民党の政治活動について内閣総理大臣の立場でお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、自民党の議員の秘書が逮捕、起訴されたことは大変残念であります。  それ以上については、既に公判の係属中の個別具体的な事件に関する事柄であり、公判に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えたいと思います。
  145. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 残念で済むんですか、コメントは差し控えるで済むんですか、これだけ重大な問題起きていて。しかも、克行議員の立件に向けた捜査は進んでいるんですよ。逮捕許諾請求という事態になる可能性が十分にあります。  もう一つ、森友問題、再度、安倍総理に伺います。  再調査の必要性は本当にないんですか。
  146. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、既に財務大臣が答弁しているとおりであります。
  147. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 いつ財務大臣答弁したんですか。今日、何も言っていませんよ。
  148. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今日は、今日は申し上げていないというのは、私は別に指名されておりませんので、今日しゃべりようがありませんから、今初めて申し上げることね。総理が言われたというのは、今までの話を言って申し上げておるんだと思います。(発言する者あり)
  149. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。御静粛に。
  150. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 静粛にお願いしますと、もう一回お願いします。  今日はしゃべっていないというだけの話ですけど、今までずっと予算委員会に出ておられたんだと思いますけれども、同じような御質問をいただきましたので同じような答弁をさせていただいたんだと思います。総理も聞いておられたので、それを言われたんだと思っております。  先ほどの御質問ですけれども、私どもは平成三十年の六月に調査結果を公表させていただいておりますので、そういった意味では、私どもといたしましては、財務省の調査報告書で、改ざんの一連の問題につきましては、捜査当局、まあ検察等々の捜査当局の捜査と併せて、財務省としても説明責任を果たす、これ、できる限りの調査尽くした結果を示したものであります。  その上で、一連の行為につきましては、佐川元局長が、局長が方向性を決定付け、近畿財務局の職員の抵抗にもかかわらず、本省財務局の指示により行われたという調査報告書の結論に変わりはないと。したがいまして、手記に基づき新たな事実が判明したものとは考えられませんので、手記と調査報告書の内容に大きな乖離、そごはないと思っておりますので、実質的な違いがあるとは考えられませんので、再調査を行うことは考えておりませんと再三申し上げさせていただきました。
  151. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 資料四です。  今のような答弁を、提訴された奥様がこうコメントされています。安倍総理麻生大臣の答弁を報道などで聞きました、すごく残念で悲しく、また怒りに震えています、是非第三者委員会を立ち上げてほしいと思います、これが夫の遺志に報いる唯一の道だ。こういうふうにおっしゃっているんです。  この御遺族のお気持ちを尊重されるつもりというのはないんですか、総理
  152. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 近畿財務局の職員、三年、二年前に亡くなられたということについては、この残された御遺族の方々、赤木さんの御夫人等々含めまして、私どもとしては静かに謹んで御冥福をお祈り申し上げるということも、これまでずっと申し上げてきたとおりだと思っておりますが。  私どもとしては、この第三者による調査という意味を言われましたけど、我々は会計検査院の調査も受けました。捜査当局によります捜査が進められたことがあり、結果として検察当局の捜査においては不起訴処分になったということだと思っております。  したがいまして、私どもとしては、今申し上げましたように、私どもとしては厳正な調査をさせていただいた上、今申し上げているとおりの結論になっておるということであります。
  153. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 会計検査だって検察の捜査だって、改ざんした書類、最初出しているんですよ。検査妨害まで指示しているんですよ。それがよく第三者の調査なんて言えますよね。  ちなみに、関電の調査、身内で調査したのとその後第三者委員会で調査したのと、全く違う結果になりました。お金もらっていた人の数も全然違うし、共犯関係認定しているし。やっぱり第三者委員会じゃないと、この問題の真相究明できないですよ。  そして、亡くなられた赤木さんは、奥様に、亡くなる前にこう言っていたんです。内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた、俺は犯罪者や、こういうふうにおっしゃっている。つまり、いろんなことしたけれども、事の真相が明らかになれば総理が辞めなければならないようなことを赤木さんは命じられたんですよ。それをその行政組織のトップとして責任どう考えているんですか。全く人ごととしか聞こえません。いかがですか。総理
  154. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 奥様が言われたこと、あるいはメモを作成されたことについて臆測で物を言うことは差し控えたいと思いますが、決裁文書の改ざんなどについては、平成三十年六月に公表された財務省の報告書についてですね、先ほど麻生総理からも答弁をさせていただいたとおりでございますが、平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で更なる質問につながる材料を極力少なくすることが主たる目的だったとする報告がなされたと承知をしております。
  155. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 ただ紙を読み上げるだけ。そして、私が質問したら声がうるさいとかと言って、そこの席で言っている。そんな、大きい声出しちゃいけないなんて、こんな、予算委員会、そんな決まり聞いていませんよ。  昨日、さっきも話ありましたけど、政府が景気判断七年近くぶりに下方修正しました。アベノミクス、総括しなきゃいけないと思います。残りの時間でそれ聞きます。  二〇一五年に出したアベノミクス新三本の矢、資料五を配付しました。それぞれの目標と現状、どうなっていますか、説明してください。それで現状を説明してください。
  156. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 大きな声についてはですね、言わばこういうときには大きな声で唾が出るようなことは避けなければいけないということは言われているんだろうと、このように言われているわけでございますから、お互いに気を付けていく必要が、必要があるんだろうと、こう思うところでございます。  その上において、三本の矢については、それぞれの大臣から現状について説明をさせたいと思います。
  157. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 第一の矢の、新三本の矢の第一の矢のこのGDP目標についてお答えを申し上げます。  まさに七年間にわたるアベノミクスの取組の結果として、名目GDPは一割以上、約五十七兆円増加をしておりまして、直近で、昨年の十―十二月期でありますけれども、五百五十兆円となっております。  一月に内閣府が公表しました中長期経済財政試算ですね、これによりますと、成長実現ケースで、名目GDPは二〇二二年度の年度平均で五百九十五兆円、同二二年度の第四・四半期ですので、二〇二三年一―三月期で六百兆円に達する姿となっております。  ただ、新型コロナウイルス感染症影響で、昨年末の段階でGDPギャップは八兆円ありますし、この一―三月も非常に厳しい状況だと思いますので、いずれにしても、デフレに後戻りしないように、このインパクトに見合う対策をしっかりと講じて、目標に向けて頑張っていきたいというふうに思います。
  158. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) ちょっと順番が前後しますが、介護に関してでありますけれども、介護に関しては、平成二十四年から十月から平成二十九年の十月の間に関して、要介護及び要支援者数の方は約八十万人増加をしております。その中で、介護しながら働く方はこの五年間で五十五・三万人の増加。  そして、これ統計が違いますが、総務省の就業構造基本調査によると、これは平成二十三年十月から二十四年九月までの間で家族の介護、看護を理由とする離職、転職者が十・一万人が、二十八年十月から二十九年の九月では九・九万人と、全体が増加する中で二千人の減少となっているところでありまして、引き続き、仕事と介護の両立に一定の進展はあったというふうには認識をしておりますけれども、まだこうした離職をされる方もおられます。総合的な取組を着実に進めて、介護離職ゼロの目標をしっかり目指していきたいと思っています。
  159. 衛藤晟一

    国務大臣(衛藤晟一君) 少子化につきまして御報告を申し上げます。  世界的な少子化傾向の中で、一時は合計特殊出生率も一・四五まで回復いたしました。しかし、平成三十年の段階でまた一・四二という具合に下落しましたので、そこで、政府としては、その対策として、幼児教育や幼児保育や、幼児教育や保育の無償化、それから高校の無償化、それから経済的支援が必要な子供たちを対象とした高等教育の修学支援の実施等、矢継ぎ早に本年度は打ったところでございます。  そして、そういう中で、今私ども、この少子化の問題を考えますときに、やはりもう一回、原因分析をずっとしているわけでございますけれども、一つは、核家族化の進展などによって家族を取り巻く環境が多様化する中で、未婚化、晩婚化の進行、そして夫婦の持つ子供の数の減少等ありますので、今、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組むことが重要だと思っております。  そのため、現在、できる限り早く早期に合計希望出生率一・八の実現に向けましてあらゆる政策を総動員すべきだと思って、今この春を目途に再度、少子化社会対策の大綱を策定する方向で今検討を進めているところでございます。  思い切った少子化対策を実行しなきゃいけないと思いますので、どうぞ皆様方の御指導、御理解をお願い申し上げる次第でございます。
  160. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 答え言いますよ。GDP、三十兆円水増しして五百五十兆ですよ。出生率、七年間で僅か〇・〇一ですよ。介護離職、横ばいのままですよ。全く目標に、達成していないどころか近づいてもいない。絶望的ですよ。  総理、言いっ放しでいいんですか。言いっ放しでいいんですか。
  161. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言いっ放しでよくはございません。
  162. 杉尾秀哉

    ○杉尾秀哉君 何も検証されていないじゃないですか。  そして、アベノミクスの異次元緩和で、黒田日銀、もうこれ打つ手限られているんですよ。そこに今回の新型コロナショックです。ただ、こういういろんなショックというのは、十年前後で一回起きているんですよね。だから、こういうことが起きても、それは全然不思議じゃなかったんですよ。  で、今回は世界同時不況、それから、まあ場合によってはですよ、これは対応を誤ればですけれども、世界恐慌の可能性さえあります。安倍総理にはそういう事態の深刻さがありますか。認識。
  163. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間来ております。簡潔に答弁をお願いいたします。
  164. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 大変な危機感を持って、この状況に対して、しっかりと雇用を守り、そして国民生活を守っていく、そのための強大な経済財政政策を講じていきたいと思います。
  165. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で石橋通宏君及び杉尾秀哉君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  166. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、森ゆうこさんの質疑を行います。森ゆうこさん。
  167. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 締めくくり総括質疑でございます。この当委員会で行われた質疑についても若干確認をさせていただきます。  まず、三月二十三日、国民民主党芳賀道也議員に対する総理の答弁。国会で民主党は悪夢と言っていない。これはファクトですか。
  168. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、質問と答えをよく見ていただければお分かりのとおりだと思いますが、あのとき芳賀議員から、総理は聞いたことに答えない、あの悪夢の民主党時代はと言って一切答えないとの発言があり、私が国会での様々な質問に対して、あたかも中身の答弁をせずに、ただ悪夢のような民主党政権とだけ言って、言っていたかのような御指摘がありましたので、悪夢のような民主党と言った、言って答えなかったことは私はないわけでありましてと答えているわけでございます。  さらに、私は、悪夢のような民主党と言ったことを隠そうとしたことは一度もないわけでありまして……(発言する者あり)
  169. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
  170. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) そういったことは私は当然だと、こう思っているわけでございます。当然だと私は思っているわけでございまして、言わばその観点の下にこう答えているわけでありまして、で、私は、その上においてですね、例えば岡田克也委員あるいは江田憲司委員に対してもですね、それ、何でそんなことを言ったのかと言われましたので、いや、これはこういうファクトがあるじゃないかというファクトを示しながら、なぜ悪夢だということについて、るるしっかりと説明をさせていただいたと、こういうことでございます。  つまり、私は、これまでの答弁などで、悪夢のような民主党政権と何度も申し上げてきたことは事実でありますが、その際にも、例えば民主党政権時代には今よりも倒産が三割多かったかなど、経済政策について数字等も交えながら質問に対する中身の答弁を行ったものでございます。
  171. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 まあ言い返したいところですけど、時間がもったいないから、恥ずかしいですねということだけ言っておきます。  それで、新型コロナ、あっ、もう一つ。資料をお配りさせていただいておりますが、昨日の矢田わか子議員、大変いい質問だったと思いますし、この資料もよくまとめられていました。でも、残念ながら、厚労大臣、そして政務官の御答弁が、全国の感染の不安におびえながらも、医療関係者であればその責任感、そしてまた生活のために何とか仕事を継続しようと日々頑張っている妊婦さんたちに大変な失望を与えました。  結局、厚労省は、啓発活動はやるけどあとは特別な対策は妊婦さんたちに対してしないということなんですか。
  172. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 昨日も申し上げたんですけれども、妊婦の方々に対しては、受診の目安においていわゆる高齢者等と同じような基準でしっかり対応していただきたいということは、これまでも重ねて申し上げているところであります。  また、三月十九日の事務連絡において、新型コロナウイルス感染した妊婦の方への対応として、輪番の構築等による受入れ体制を含む周産期医療体制について、地域の実情を加味しつつ早急に検討していただきたいということを各都道府県にもお願いをさせていただいたところでありますし、また、基本方針においては、医療提供体制について各地域において協議いただく中で、新型コロナウイルスを疑う患者の診察を行わない医療機関として産科医療機関等を設定することについても事前に検討いただきたいということを申し上げておるところでありまして、現在、こうしたことも踏まえながら、それぞれの地域において対応を整備していただいているというふうには承知をしております。  ただ、さらに、昨日の矢田議員からの御指摘でありますけれども、図の中、いただいた資料にもありますけれども、出勤停止等々、これはなかなか難しいんではないかというふうに思いますが、働く方が休みやすいように労使で十分話し合って様々な休暇制度を設けていただくということ、これは妊婦の方に特定しているわけではありませんが、経済団体に重ねてお願いをしているところであります。  また、昨日の御指摘もございますので、妊婦の方にも安心していただけるよう、医療提供体制はもとよりでありますけれども、私どもとしてどういった対応ができるか更に検討していきたいというふうに思います。
  173. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、結局何もしないということじゃないですか。  じゃ、具体的にきちっと国の方で制度的に担保してくれないと、休みたくても休めないんですよ。きちんとやっていただきたい。休みたくても申し出られないし、そして収入も補償されないんですよ。仕組み的に厚労省として、国として何かやってほしいということなんですよ。やっている国もあるじゃないですか。お願いします。本当にみんな恐怖と闘いながら必死に通って頑張っているんですよ。何とかしてください。  総理、何かありませんか。指示してください。
  174. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) もちろん、妊婦の方も不安を抱えておられます。また、基礎疾患を抱えている方も不安を抱えております。それは様々な御事情があるというふうに思います。  そういった方々においては、もちろん休暇が取りやすいような仕組み、これを取りやすい環境をつくるべく、我々、これまでも経団連にもお願いをしておりますけれども、引き続きそうしたお願いをするとともに、この休暇とは別の問題として、妊婦の方々の安心、あるいはどうやって守って、守ることができるのか、具体的な中身、今ちょっと申し上げるわけにはいきませんけれども、中でいろいろ議論をさせていただいているところではあります。
  175. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 じゃ、政府の基本方針、このコロナウイルス対策に対する基本方針というのを近々発表されるんでしょうから、そのときに具体的な、妊婦さんが安心して休める、そういうものが入ることを希望したいと思います。  総理感染拡大についての現状認識と今後の見通しについて聞かせてください。
  176. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 国内では新規の感染者数が都市部を中心に増加をし、感染源が不明な感染者数も増加をしていること、世界的にも感染者数死亡者数の急激な増加が見られること、また海外からの移入が疑われる事例が多数報告されていること等の状況を踏まえ、専門家会議にも諮った上で、新型コロナ特措法に基づき、蔓延のおそれが高い旨の報告を受けたところでございます。この報告を受けまして、これまでの対策に加えて総合的な対策を推進していくため、特措法第十五条に定める政府対策本部を設置をしたところでございます。  また、この報告を受け、またですね、今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期と認識をしておりまして、国と自治体で緊密に意識共有をし、これまで以上に都道府県と緊密に連携をしていきたいと、このように思います。
  177. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 二月から、一月の終わりからずっとこの特措法の適用に私はこだわってまいりました。特措法を早くに適用していれば、政府行動計画、そしてガイドラインに沿って淡々と、そのフェーズ、フェーズでやるべきことがきちんと書いてありますから。  それで、国内感染期になったら、もうフェーズが変わるんですよ。クラスター対策ではなくて面的対応にならなければならない。書いてありますよ。そういう局面じゃないんですか。
  178. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) まず、私ども、法律に基づく対策本部ではございませんが、全閣僚が入った対策本部を設置をして、まさに新型インフルエンザのときに作った行動計画、これも今もコロナ対策で使っているわけでありますけれども、これに沿って、その中で必要な対応を一つ一つ、水際対策であったり、クラスター対策であったり、そうしたことを実施をしてきているわけであります。  そこには、その行動計画には国内発生期とそれから感染期と段階があります。これは、必ずしも明確にどこからどこが発生期でどこからどこが感染期と分かれているわけではなくて、私ども、これなだらかに続いていきますので、日々の状況を、感染者の数、あるいはリンクの追えない、感染経路の追えない患者の数、こういったものをしっかり見ながら、また海外の状況もしっかり見ながら適切な対応を取ってきたというところでございます。
  179. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いやいや、違いますよ。国内感染期になったら、基本的対処方針を変更して、そして国内感染期に入った旨及び国内感染期の対処方針を公示すると行動計画に書いてあるんですよ。だから、もうフェーズが変わっているわけですから、今。そういうふうに対策も、クラスターも追うのはいいんですけれども、そういう状況じゃないと、全面的に、もう面的に対応すべき状況だと思います。  それで、総理に伺いますが、既に緊急事態宣言をすべき状況ではないのでしょうか。
  180. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 現時点では緊急事態宣言を発するような状況にはないというふうに考えているところでございます。もちろん、日々状況は変わっております。一日一日変わっておりますので、専門家の御意見をよく聞きながら適切に判断をしていきたいというふうに考えておりますが、先ほども議論がございました、要件には、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす又はそのおそれがある場合とありますので、こうした事態に当たるのかどうか、専門家の御意見をしっかり聞きながら対応していきたいというふうに考えております。
  181. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 特措法の施行令、緊急事態の要件が施行令第六条に定められております。  まず、第二項の要件ですけれども、患者が感染し、又は感染したおそれがある経路が特定できない場合、この要件は満たしていますね。
  182. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) これは、素直にこのまま条文を読むと、一例でも感染が特定できないケースがあれば当たるんじゃないかとも読めるわけですが、他方、条文は、全国的かつ急速な蔓延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあると。でありますので、総合的に判断をして、確かに感染経路が追えないケースは出てきておりますが、専門家の御意見も聞き、現時点ではその状況にはないというふうに判断をしております。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
  183. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、今、具体的に政令のこの第二項の要件に合致しているかどうかの認識を聞いたんです。
  184. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 繰り返しになりますが、この一項の規定をそのまま素直に読みますと、感染経路が特定できない場合というふうに書いてありますので、これはもう幾つかの事例が、症例が出てきておりますので、これには当たりますが、当たりますが、本文、法律の条文を読みますと、全国的かつ急速な蔓延によりというところが書いてありますので、これが国民生活経済に大きな影響を及ぼすあるいはそのおそれがあるかというところを専門家の御意見を聞いて判断をしていくことになります。
  185. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 経路が特定できないケースが出ていない都道府県がまだある程度あると、そういうことをもって、東京でこれ緊急事態宣言やらないと、きちんとした本当に危機感を持った具体的な対応ができないと思うんですけれども、今のような解釈で考えていますと、緊急事態措置をとることが遅れて後手後手になってしまう、手遅れになってしまうんじゃないかと思うんですけど、総理、いかがですか。
  186. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) この政令の読み方が非常に頭を悩ませてきたところでありますが、一例でも出れば直ちに緊急事態宣言に入って、そして都道府県知事にそれなりに強い指示が、権限が与えられるというふうにするのがいいのかどうか。つまり、この国会でも御議論がございました、附帯決議でも書かれてございます。第五条に、権利の制約に伴う措置については必要最小限にしなきゃいけないというふうに、基本的人権の尊重がございます。  ですから、この判断に当たっては、専門家の御意見を聞いて判断をしていくと。もちろん、いざオーバーシュートしていくと、それはもう後手になってはいけませんので、専門家の意見を聞いて判断をして緊急事態宣言を発する場合ももちろん当然あると思いますけれども、現時点では、専門家の御意見も聞いております、その状況にはないということでございます。
  187. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 例えば、三月二十二日のさいたまスーパーアリーナのK―1イベント、これは知事の要請にもかかわらず強行されたと。今回、二回目のやつは要請に従っていただくようですが、みんな生活懸かっていますから、なかなか判断も難しいわけですよ。  もし緊急事態宣言をしていれば、四十五条三項に基づいて開催停止を指示できたというふうに考えますが、そうではありませんか。
  188. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 緊急事態宣言を発出した後は、四十五条の規定に基づいて、都道府県知事はイベントの制限、自粛なり制限なり、これを要請することもできますし、さらには指示をすることもできます。そのことを公表するわけでありますので、これは、リスクがあるから自分はこういう指示をしたということになりますので、多くの国民皆さんに分かっていただくことになります。  ただ、そういう一つ一つの指示なり強い措置でありますので、これは専門家の意見をしっかり聞いて行えるよう、総合調整の権限を持っております私ども政府対策本部においても、しっかりと知事と連携をしながら適切な判断が行えるように対応していきたいというふうに考えております。
  189. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 この国は法治国家ですから、法律を適切に運用していただきたいんです。総理のあの全国一斉休校宣言、要請は、法律の何の根拠もなく唐突に政治判断でやられました。それじゃ困るんですよ。法律をきちんと的確に用いていただきたいというふうに思います。  だから、基本的対処方針というのはもう作らなきゃいけないんですけど、いつ作るんですか。
  190. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 昨日、政府対策本部において、総理から私、指示を受けました。今専門家皆さんと内容を議論を始めているところでございますが、本日夕方にもその諮問委員会ですね、基本的対処方針諮問委員会、専門家皆さんが入ったその委員会を開いて、そこで御議論いただこうというふうに考えているところでございます。
  191. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 そこで結論が出るんですか。
  192. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) これまでも重ねて、様々な局面で議論を重ねてきておりますので御理解をいただける部分も多いかと思いますが、専門家皆さんにまさに今日の時点のいろんな数字、データをお示ししながら、今後の対処方針について御議論をいただきたいというふうに考えております。できれば早く決めたいと思っておりますが、これは専門家皆さんの御意見もございますので、それを受けて、できるだけ速やかに決定をしたいというふうに考えております。
  193. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 感染爆発が起きてしまってからでは遅いんで、早く基本的対処方針を速やかに発表していただきたいと思いますし、前から言っておりますけれども、リスクコミュニケーションが大事なんですよ。国民に正しい情報、安心できる情報がきちんと伝わっていない。  この間質問したときには、特措法が適用されていないので設けないと言っていましたけれども、広報官、きちんと設置して、広報、リスクコミュニケーション、適切に図るということに、ガイドラインで、特措法、何度も言いますけどね、もう前々からあるんですよ、行動計画そしてガイドライン、書いてありますけど、広報官どうなっていますか、総理
  194. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 先般も御答弁させていただきましたけれども、既にこれまでも私ども内閣官房に広報の責任者を置いてできるだけ正確な情報を発信すべく対応してきたところでございます。もちろん、ホームページとかSNSとか、対応が悪いと、よく分からないという御指摘もいただいておりましたので、様々改善も重ねてきているところでございます。  今般、正式に法律が施行され、政府対策本部が設置されました。広報担当官を、責任者をしっかりと指名をし、そして引き続き正確な情報の発信に努めていきたいというふうに考えております。
  195. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 まだですか。誰が広報官なんですか。
  196. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) もう指名をして動き始めております。新型コロナ対策室の能登という審議官が、審議官級が担当であります。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
  197. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 広報官というのは、ある程度決定権限があって、みんな国民がその人の話を聞いて、ああ、この人の言うことなら信用できるということ、そういうことなんですよ、リスクコミュニケーションって。ということで、きちっと広報をしていただきたいと思いますが。  総理、私も、東京オリンピック・パラリンピックの延期について伺いたいと思います。遅くても二〇二一年の夏までに本当に開催できると思っていらっしゃいますか。
  198. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 開催できる状況をつくるために、開催国として責任を持って努力をしていかなければならないと、このように思っております。もちろん、これは日本だけの状況が良くなればいいということではなくて、だからこそ、G7、あるいはG20において、結束してこれは立ち向かっていこうということで一致をしているところでございます。  なお、この一年の延期によって、人類がコロナウイルスに打ちかったあかしとして大会開催するということについては、G7からも、いや、G20において、昨日行ったところでございますが、我々の決断に対して称賛がなされたところでございます。
  199. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 私も気持ち的にはもうそのとおりなんですが、でも、これ追加費用が掛かるんですよ。国民、結局、都や組織委員会が払えなければ国が負担する、国民の税金です。本当に開催できるのか、シビアに見ていかなければならない。  開催できる条件、例えばワクチンが開発されていればできるというふうにお考えなんでしょうか。
  200. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ワクチンについても、日本もCEPIあるいはGAVIへの資金を提供しているところでございますが、昨日もG20において、このワクチンの開発を進めていこう、あるいは治療薬についても、日本は相当、今、四例について、四つのお薬について、既に観察研究という形で患者さんの同意をいただき、患者さんたちへの投薬が始まっているところでございまして、この中から決定的な薬が出てくることを期待をしているところでございますが、ワクチンについては、今ある種のワクチンが、早ければ秋頃というものもあるんですが、しかし、通常は一年近く掛かると、こう言われているところでございます。
  201. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 総理が、東京都の感染爆発の重大局面にあるという、そういう状況にあるということを認識したのはいつですか。
  202. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) これは、いつということについては、私、今、いつかということをちょっと今正確に申し上げることはできないのでございますが、東京都の感染状況等についても、これは、事実上その基となる資料、情報等については東京都とは共有をしているところでございます。
  203. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 オリンピックの延期の発表をした前ですか、それともその後ですか。都知事が感染爆発の重大局面にあるというふうに発表されたのは、オリンピックを延期発表してからですけれども。  ただ、国民の間には、今、オリンピックファーストで、東京感染のシビアな状況、そしてそれに基づく注意喚起やいろんな対策が遅れたんじゃないのか、情報を隠していたんじゃないのか、こういう疑念が私のところにも寄せられますし、いろいろ聞かれますので、そうではないんだということなのか、元々、でも、オリンピックの延期の前に、その感染爆発の重大局面に差しかかっているとかそういう情報を総理も共有していらしたということなんでしょうか。
  204. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 三月十九日の専門家会議、私も出席をいたしまして、その後に私はその会議の模様を総理に御報告しました。そのときに、まさに日本全体として感染拡大終息のその瀬戸際にあるというお話、何とか持ちこたえているけれどもというお話、と同時に、東京について、あるいは都市部、私の兵庫もそうですし、大阪、愛知で感染があると、増えているということを含めて、そうした危険性があると、将来、手を緩めるとそういうおそれがあるということを、総理に事前に、その時点で御報告をいたしております。
  205. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、そのことにつきましては既に我々も公表している、都市部においてですね、その危険性、可能性については既にこれは発表しているところでございますが、その中において、東京、まあ東京というのは最も人の出入りのあるところでございますし、海外から帰国される方も当然多いんだろうと。その中で、リンクが明らかでない方、感染源が明らかでない方についてこれは増えているという、ということについても、これは東京都と我々、共有をしてきたということでございます。
  206. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 感染爆発の重大局面ということは、オリンピックの延期発表前に、じゃ、共有されて認識されていたということですよね。
  207. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 重大局面という、この小池都知事が発表して、発表されたというのは、まさにその発表の段階において小池都知事がそういう認識を持たれたんだろうなと、このように思います。
  208. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 情報公開、そしてリスクコミュニケーション、とにかく政府が信用されることは、私も言いますが、大切なので、気を付けていただきたいと思いますが。  マスク、それから防護服などの確保、これ深刻です、相変わらず。このことについて、現状、そして今後、伺います。
  209. 吉田学

    政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  マスク、あるいはガウンなどの防護服につきましては、メーカーに対して増産要請を行うとともに、在庫が不足している医療機関、介護施設などに対して、各都道府県及び市町村の備蓄などの放出をお願いしております。  あわせて、在庫の不足する医療機関あるいは介護施設に優先配布をするために、一つは、感染症指定医療機関などに対して、メーカーと卸業者に御協力をいただいてマスクを優先的に供給する仕組みによりまして、これは三月十六日から順次二百二十七万枚のサージカルマスクを配布してございます。また、各省庁の保有するマスク二百五十万枚と国が保有しておりますマスク千五百万枚を医療機関に、これは三月二十三日以降、順次配布をしております。また、布製マスク、何度も使える布製マスク二千万枚をこれは国が買い上げまして、高齢者施設等に三月二十一日から順次配布をするといった仕組みをこれまで講じておるところでございます。  また、ガウン等につきましても、都道府県の備蓄の放出をお願いしていると同時に、それでは十分対応ができない場合もございます。都道府県等の要請に基づきまして、国としての、在庫のあるメーカーを紹介して、その調達に協力をさせていただいております。  いずれにいたしましても、メーカーの生産状況、あるいは都道府県、自治体の備蓄、それから医療機関の在庫などの状況をきめ細かく把握させていただきながら、様々な手法を講じまして、関係者の御理解をいただきながら、安定確保の、安定供給の確保に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  210. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 御努力には感謝を申し上げたいと思いますが、この医療用マスク、防護服、それから人工呼吸器ですよね、こういうものの不足というのはもう死活的な問題ですから、もう毎朝ワールドニュース見ていると、もう各国大変な状況ですね。  これ、ちょっと発想を変えませんか、総理。既存の企業等の増産、あるいはその輸入の回復、そういうのを待つんじゃなくて、何というのかな、全然関係のない業種の皆さんにも御協力をいただいて、もう大々的に増産する、作っていくと。もうたくさん作れば、今度はもう、世界中でも今困っていますし、これから発展途上国も困るわけですから、もう余るぐらい作るということで、補助金出して、今までそういうのを作ったことのない企業に対しても、もう一部やっているのは知っていますよ、ニュースになっていましたし、視察に行ったのも知っていますが、もっともっと大々的に、そうじゃないと、この状況、変化、解決できないと思いますので、ちょっと発想を変えて、総理、いかがですか、総理が指示していただけばいいと思いますが。
  211. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今まさに森委員が御指摘になったように、今まで別のことをやっていたところに対しても我々はお願いをして、また、場合によってはこれ政府が全部買い取るということを申し上げて、布製の、例えば布製のマスクについては、これは別のものを縫っていたところ、これはミャンマー等なんですが、そこを全面的にマスクを作っていただいて、二千万枚、これは洗えば何回か使える、二十回まで洗える、使えるのかなというものも二千万枚、さらには、それ以上もお願いをさせていただきたいと、こう思っておりますし、あと、様々な企業に対してもそうしたことについて働きかけを行っているところでございますし、そうした企業への支援の仕方についても、今、森先生から御示唆もいただいたところでございますが、詳しく必要であれば経産大臣からお答えさせていただきたいと思います。
  212. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 従来の供給だけでは足りないというのはそのとおりでありまして、ですから、新しい形で異業種からの参入もお願いをしております。そして、参入のための補助金も出しておりまして、最新鋭の機械も含めて始まって、これが国内が六割まで来たということ、今まで三割だったものが六割まで上げてきたということであります。  森委員おっしゃるように、これから全世界でマスクの需要増えてまいると思いますので、しっかりと政府がメーカーと連携をしながら供給をしてまいりたいと思っております。
  213. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 幾ら掛けているんですか。
  214. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) 当面四・五億円ということでありますけれども、(発言する者あり)いや、これラインで、それぞれのラインの補助率もありますので、これで八件ぐらい多分採用になって、採択になっていると思いますけれども、これはしっかり、今後とも、需要の、需給の関係を見ながらしっかりやってまいりたいと思っております。
  215. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、もうちょっとレベル上げてもらえませんか。もう世界各国に提供できるぐらいに大々的に、マスクを始めとする医療器具を増産する、新しく作るって、そういう方針作ればできるはずですから、やってください。
  216. 梶山弘志

    国務大臣(梶山弘志君) これはマスク、その本体と併せて、その原料も含めて、また、耳に掛けるゴムも含めて、そういったところのメーカーにも増産のお願いをしておりまして、そういったものも採用させていただいているということで、今増産に掛かっているということであります。
  217. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 我々もこれ全く方向は森委員と同じでございまして、レベルも、まだちょっと、お叱りをいただきましたが、これ企業から今応募をどんどん受けております。応募が、もちろんもっと増やすべく努力をしておりますが、応募がどんどん来る中において、当然それを全て我々は奨励していきたいと、こう思っておりますし、予算においては、例えば先ほどの二千万枚と、これ全部こちらが買い切るということを申し上げてやっているわけでございますから、相当思い切ったこともやっているということは少し御理解をいただければと、大変有り難いと思っております。
  218. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 御理解できません。  もっとレベル上げてください。もう世界中で本当に困っているんですよ。医療関係者も危機にさらされているんですよ。それを日本がどんどん作って助けるぞって、こんなすばらしい外交ありませんよ。まず国民を助け、医療関係者の危機を救い、そして全世界にもきちっとやっていくって、もうちょっと思い切ってやってもらいたい。もう一言。
  219. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今までも相当思い切ってやってきておりますが、森委員に御評価いただけるような思い切った対策も打っていきたいと、このように思っております。
  220. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 食料の問題も大変なんですよ、農水大臣。(発言する者あり)
  221. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 質問の中身を言って。(発言する者あり)いやいや、それは駄目。質問をちゃんとしてもらわないと。ちゃんと質問してください。
  222. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、食料確保についても昨日からずっとやり取りしていますから、食料の確保について、農水大臣、お答えください。
  223. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) いや、ここは質疑の場ですから、やっぱりちゃんと質疑をしていただかないと。
  224. 江藤拓

    国務大臣(江藤拓君) 先生とは活発に御議論をさせていただいて意思の疎通はできているということでございますが、まず、食料自給率が日本という国は低い、そして飼料自給率も低い、海外に頼っている部分が多い。ということであれば、中国の場合は、二月の第二週辺りでは急激に日本に対する輸出は減りましたけれども、第三週には急激に回復をいたしました。今の段階では大体問題はありませんが、しかし、これだけパンデミックに世界的になってきますと、またステージが変わってくると思います。  ただ、アメリカにおいてはいろんな制限が掛かって、外出制限等も掛かっておりますが、食品産業においては、これは基幹的な産業だということで、アメリカ政府も生産活動は続けるようにという指示を出しているというふうに承知をいたしております。  ですから、我々としては、今のラインをしっかり守るということはもちろんですけれども、もしものときにほかの輸入できる国を見付けておくことも大事ですから、そういったことも含めて、農林水産省の中ではあらゆる可能性を検証しながら努力をさせていただいております。
  225. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 食料は確保できているんだということを自信を持って、そしてアナウンスしていただく。そのことが買占めに走るとか、そういう混乱を防ぐことになりますから、これもリスクコミュニケーションなんですよ。  森友問題について伺います。  森友問題、総理、なぜあの大規模な改ざんが行われたんでしょうか。
  226. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) それについては、先ほど、先ほども他の方にお答えをさせていただきましたが、麻生財務大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、またその報告書に沿った中身については財務大臣からお答えをさせていただきたいと思います。
  227. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これも度々御答弁させていただいておるとは思いますけれども、平成三十年の六月に公表した調査報告書におきまして、平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園の案件が大きく取り上げられる中、更なる質問につながる材料を極力少なくすることであったと認定をさせていただいております。  総理答弁が問題行為の出発点やきっかけになったとは考えておりませんということであります。
  228. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 更なる質問が続くと困るというのはなぜだったんですか。
  229. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国会、国会答弁においていろいろな話が出てくるということを避けたかったというように理解しておりますが。
  230. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 今の答弁理解できません。
  231. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 質問をされていることが、ことの意味が私は理解しておらないのか分かりませんけれども、国会における答弁が、等々が、この森友案件が、国会答弁というものの中でいろいろな問題が今あったからなったんだと思いますけれども、それについていろいろ質問が更に大きくなってくるのを避けたいということで抑えたんだというように理解しておりますが。
  232. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 多くなるとなぜ困るんですか、総理
  233. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国会答弁においていろいろ私ども答弁をさせていただく側からいたしますと、答弁の回数が、いろいろ話が難しくなってくるとか込み入ってくるとか、そうやっていろいろ手間掛かる話ですから、答弁されたことおありになるからお分かりだと思いますけれども、私ども、そういうふうに思っております。
  234. 可部哲生

    政府参考人(可部哲生君) ただいま大臣がお答えを申し上げましたとおり、当時、調査報告書において認定されておりますのは、国会質問に対する対応で忙殺をされており、更なる質問を受けるような項目が増えることを懸念したために誤った判断をしたということでございました。
  235. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 赤木さんの手記には、全て佐川さんの指示だったというふうに新しい事実が書いてありますけれども、これは新しい事実じゃないんですか。
  236. 茶谷栄治

    政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。  財務省の調査報告書では、一連の問題行為は本省理財局の指示により行われたものと認定をしており、理財局長が方向性を決定付け、その下で理財局の総務課長が関係者に方針を伝達したと認定をしております。  報道にある手記における佐川氏による指示の意味するところが必ずしも定かではございませんが、調査報告書においても、理財局長が方向性を決定付けた上で本省理財局の指示で改ざんがなされたと認定をしており、これらは実質的に同じことでございますので矛盾しているとは考えられず、再調査を行うようなことは考えておらないところでございます。
  237. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 勝手に解釈しないでください。  で、美並、当時の、あっ、前か、近財の局長が全て責任を取ると言った事実はどこにも報告書には書いていませんけど。
  238. 茶谷栄治

    政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。  今回の報道を受けまして、これは調査報告書の外でありますが、お墓参りの発言に関して、断ってくれてありがとうと言ったという美並局長の発言があったものですから、それを確認するために美並元局長に連絡を取ったところ、美並局長の方から、全責任を負うと発言すると書かれているが、これは、内部調査を作ったときの調査過程において申し述べたとおり、平成二十九年二月上中旬頃、国会で森友問題が取り上げられる中、二月上中旬ってまだ改ざんの前でございますが、本省から近畿財務局に対し国会答弁などに向けた作業依頼が多々あった、迅速な作業が求められることを踏まえ、部下職員に対し、理財局の指示に従う以上は逐一局長、まあ自分、美並局長自身ですが、に上げる必要はない、それについては責任を持つと、自分は聞いていなかったと言うつもりはないと述べたということでございます。(発言する者あり)
  239. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 森ゆうこさん、再質問を、再質問。森ゆうこさん、質問質問してください。(発言する者あり)  じゃ、茶谷大臣官房長。
  240. 茶谷栄治

    政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。  今申し上げたとおり、美並局長が発言したのは二月上中旬という、まだいわゆる改ざんが始まる前のことでございまして、この発言というのは、改ざんとは、改ざんの前の国会答弁などの作業依頼について発言したもので、改ざんの経緯を調べた手記とは関係ないものですから調査報告書の中には書いていないというだけでございまして、ただ、調査過程において既にこの話は聞いているところでございます。
  241. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 いや、もう、この都合の悪いところはさっさと聞いてきて、再調査しないと言いながら答えを用意すると。おかしいですね。官僚の矜持、国民のために尽くす公僕としての命懸けの赤木さんの遺志、私はその思いに応えたい。今後も追及を続けます。  次に、資料をお配りしておりますけれども、林野庁長官、昨年の、あっ、農水大臣でいいんですけど、昨年の国有林の経営管理法についての内容を説明してください。
  242. 江藤拓

    国務大臣(江藤拓君) 昨年六月に成立いたしました国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案は、国有林において、その一定区域内の樹木を一定期間地域の意欲と能力のある林業経営者が採取できる権利を、権利である樹木採取権を創設することが主な内容とされるものでございました。
  243. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 林野庁、最大の争点について説明してください。
  244. 本郷浩二

    政府参考人(本郷浩二君) お答えをします。  昨年の通常国会の審議においては、国民の財産である国有林について、最長五十年の権利の設定をする理由や伐採後に植栽が適切に行われるのかといった論点を中心に御議論をいただきました。
  245. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 内閣官房長官、六ページからの資料なんですけれども、この、に出てくる福田さんてどういう方ですか。
  246. 菅義偉

    国務大臣(菅義偉君) 福田隆之元補佐官は、空港の民営化を通じたサービスの向上、観光立国推進など、民間資金等の活用による公共施設の整備、運営等に関し広範な識見、経験を有していることから、平成二十八年一月一日付けで内閣官房長官大臣補佐官に任命し、公共サービス改革に係る重要事項を担当することになりました。その後、福田氏から、業務に一定の区切りが付いたため辞職したいとの申出があり、平成三十年十一月九日付けで辞職を認めたものであります。
  247. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 辞めた、業務の区切りが付いたと言って辞めた後も何でこの仕事をしているんですか。
  248. 風木淳

    政府参考人風木淳君) お答えいたします。  資料に配られております会合でございます、打合せですが、未来投資会議構造改革徹底推進会合、第四次産業革命、PFI・PPP会合関連でございまして、十一月五日、平成三十年でございますが、この会合で会長、この会合の会長であります竹中会長から、国有林については、今後も林野庁には福田補佐官それから内閣府と連携して検討してほしいという御指摘がありました。  これを受けまして、その資料にございます同会合の事務局であります我々、内閣官房日本経済再生総合事務局におきまして、有識者としての福田隆之氏から意見を求めたものでございます。
  249. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 どういう資格ですか。
  250. 風木淳

    政府参考人風木淳君) この会合自身が、未来投資会議が十一月五日に行われております。その後、補佐官、十一月九日に辞職はされております。その後、この打合せというのが十一月二十六日、十二月十一日と行われておりますが、これは次回の、その次の会合ですね、に向かって打合せを行うという形で行っておりまして、これは、福田隆之氏は、我々、民間の有識者としてこの分野に知見があるという方でございますのでその打合せを設けたということでございまして、これは、下部会合の関連では、民間の方々から広く意見を聞くということで、当然、通常の取組として進めているものでございます。
  251. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 昨日のレクでは一般人と言っていたんですけど、何の資格があってこんなふうに林野庁に指示出しているんですか。
  252. 風木淳

    政府参考人風木淳君) 一般人というか、民間人あるいは有識者なんですが、これはあくまで十一月五日の会合で、その会合の会長でございます竹中会長からよく調整するようにという話があって、その後辞職はされているんですが、有識者としてその後フォローをするという形で、私どもが、この分野に非常に知見があられるというふうに承知しておりますので、この打合せを設けたということでございます。
  253. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 どんな指示を出しているか、その部分、読み上げてください。マーカーしておいたから。
  254. 風木淳

    政府参考人風木淳君) マーカーのところを読み上げさせていただきます。  今、これ幾つか資料がございますが、まず六ページは、自民党林政対策委員会で了承された説明、資料を説明し了解を得たというところが今指摘されています。その他のこの黄色でハイライトされているところが幾つかございますが、例えばその次ですと、十年物しか出さずに大規模なものは当面やらないという話ではないかということでよいかという御指摘に対して、大規模なものもやるということで党の資料にも記載していると、こうしたやり取りがございます。  ただ、このやり取り自身は林野庁が作成した……(発言する者あり)ええ、あっ、そのまま読ませていただきます、はい。  その後ですが、福田氏から、必ず法律にガイドラインや指針の作成を法定しろとは言わないが、林野庁でもPFI法の公共施設運営権ガイドラインを参照する形でガイドラインを作成すべきだし、そのガイドラインが法律を根拠としているという形にしてほしい、企業が利益を確保できる柔軟性、造林におけるインセンティブ措置、PFIとの連携、ちょっと黄色ではないですが、について回答をいただきたい。その後、続けてよろしければ。よろしいですか。(発言する者あり)はい。  その次の会合、打合せの概要ですが、十二月二十一日の未来投資会議構造改革徹底推進会合、PPP/PFIの説明予定資料について了解を得た。で、福田氏の発言ですが、権利期間最長五十年とすること、二つ目の造林については発注方式での工夫を検討することで了解。それから、その下ですが、林野庁側ですが、御指摘を踏まえてやり方を検討する。その後ですが、林野庁が同様に、御指摘を踏まえて検討する。あるいは、福田氏から、法制局との調整はどうかという御指摘があり、林野庁側としては、法制局長官、次長に了解をいただいたところということで、次回は年明けにやりたい。こうしたやり取りと承知しております。  ただ、申し上げますけれども、これは林野庁で作成した議論でございます。
  255. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 何の資格があって、何の権限があって林野庁に指示を出しているんですか。そして従わせているんですか。おかしいでしょう。これが安倍内閣なんですよ。こういうの、何回も何回も。国家戦略特区もそう。もうおかしいですよ。  総理国民が疑いを持っている、反発していることについては……
  256. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ております。
  257. 森ゆうこ

    ○森ゆうこ君 もうこの際やめた方がいいと思いますよ、こういう国難のときなんですから。  そういうことを申し上げまして、質問を終わります。
  258. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で森ゆうこさんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  259. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、竹谷とし子さんの質疑を行います。竹谷さん。
  260. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。  新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞で仕事が減り、収入が急に途絶える方々生活を支えていかなければなりません。貸付けや給付には一定の時間が掛かります。  私も質問で取り上げ、同僚の高瀬弘美議員を始め公明党が強く主張し、厚生労働省は、資料をお配りしております、個人向け緊急小口資金等の特例を発表いたしました。二十五日から受付が始まっています。非正規や個人事業主の方を含め、生活に困窮された方のセーフティーネットとして、緊急小口資金最大二十万円を無利子で、申込みから最短二日で受け取れるようにするというものです。さらに、生活支援費として最大二十万円を、これも無利子で原則三か月以内、借りられることになりました。予備費を拡充していただき、三月十日は二百七億円、三月十九日には百億円確保していただきました。麻生大臣、ありがとうございます。  しかし、返せないと困るから借りないとちゅうちょする方々もいらっしゃいます。今回は、償還時は、なお所得の減少が続く人は返済を免除するとしております。非常にこれ重要なことであります。よく財務省が許してくれたなと思っておりますけれども、厚生労働省の担当者の方も非常に頑張ってくださったと思います。これ、厚生労働省のホームページにあるチラシには、これは記載なかったので、昨日追加をして直していただきました。  こちらにつきまして、償還開始時点において、どのような場合にどの程度償還が免除されるのかという御質問国民から伺っておりますので、稲津副大臣、あっ、厚生労働省に伺いたいと思います。
  261. 谷内繁

    政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。  個人向け緊急小口資金等の特例ですけれども、議員御指摘の償還免除につきましては、償還時におきまして、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができることとしております。  ただ、具体的な取扱い、その詳細につきましては現在検討中でございますけれども、いずれにいたしましても、生活に困窮された方のセーフティーネットを強化する観点から、生活にきめ細かに配慮できるようにしてまいりたいと考えております。
  262. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 早速窓口に相談に行かれた方から、社会福祉協議会の窓口で免除はありませんというふうに言われた方もいらっしゃったそうなので、しっかりと周知を図ってきめ細かに対応していただきたいというふうにお願いを申し上げます。  次に、国税庁に伺います。  資料、こちらお配りしておりますけれども、国税庁はインターネットによる自動回答システムをスタートしております。新型コロナ感染が起きやすいとされる密閉、密集、密接の三つの密を防ぐために、こうしたインターネットを活用した相談、重要だと思います。これは自動応答なんですが、これから納税猶予等の各種の税務相談、個別案件についてもインターネットで相談できるように取り組んでいただきたいと思います。そのことによって、納税者が不要不急の外出をせずに済む、税務相談窓口の職員の方の感染リスクも下げます。将来的にテレワークや、また、災害時の交通遮断の際、税務行政の継続というBCPにもつながっていきます。  是非速やかに進めていただきたいと思いますが、国税庁、いかがでしょうか。
  263. 田島淳志

    政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。  納税者の方の利便の向上や税務行政の効率化、また、先生から今御指摘ございましたが、職員の健康管理の観点からも、このe―Taxによる電子申告を始めとした電子化の取組、重要だと思っております。先生から御紹介いただきました自動応答システム、これにつきましても、試行段階でございましたが、こうした取組の一つとして有意義なものと考えてございます。  この一環として、有人による遠隔での税務相談の方法として、現行、電話での税務相談をやっておりますが、これに加えまして、テレビ電話を利用した税務相談といったことも一部の税務署において試行的に行っているところでございます。  御提案の有人によるそういう会話方式の税務相談、これも同様の範疇と考えておりまして、この試行につきまして、これまでも行ってまいりました試行結果も踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。
  264. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今回、国税庁は、最大二年間納税を延ばせる納税猶予制度、今回、新型コロナの影響によるものも対象とするとしております。資料をお付けしておりますけれども。これは、手元にお金を残すという点で、政府が現金を配るよりも早く届く政策であると思っております。相談が増えているというふうにも聞いております。  麻生大臣に要請をしておきたいと思うんですけれども、これ、余り相談に来られても困るんですね。一律に半年程度、手続なしで感染拡大を防いで、そして手元にお金を残すという経済対策の面からも、一律で延期というのを早期に実施していただきたいと思います。もう既にイギリスやっていますから。御存じだと思いますけれども、企業の付加価値税の納付延期、また、所得税納付、七月にあるものもこれ半年延期すると発表しておりますので、次の補正予算の発表を待たずに、早く決めてやっていただきたいと思います。  御準備中だと思いますので、答弁は求めません。
  265. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 予算委員会で陳情というのは珍しいんですけれども。  今の御意見なんですけど、一番肝腎なところは、お金を借りられるようになりましたよという話をみんなよくされますけど、お金借りたことない人って余りよく分かっておられないんだと思うんですけれども、お金を借りるというと、またその分だけね。だったら、ちょっと税金を納めてもらうと、その間の資金繰りはその分だけ助かりますから、百万行くところが百万残ってその金使えて。そうすると、延ばすと延滞金利取られたり延滞金がどうたらという話に、ということはしないと決めておりますので、その方が現場はお金が使いやすいということを言っておられるんでしょう。  よく分かっております。
  266. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 よく分かっているという答弁はどこまでの意味があるのか、きっとやるということだというふうに思います。  続きまして、生活が厳しくなっても食べるということはしっかりと保障していかなければならない。特に子供さんです。  新型コロナの影響で、企業さんが、学童保育利用者にフードバンク等を通じて、生活に困窮する方におにぎりや食品等を寄贈するという動きがあります。これ、広告宣伝費として処理できれば全額損金算入になるんですが、寄附金認定されちゃうと税金払わなきゃいけないんです。これ、後で面倒くさいことになるといけないので、このような場合には全額損金算入を認めるべきと国税庁に相談を重ねてまいりました。これについて国税庁に伺います。
  267. 田島淳志

    政府参考人(田島淳志君) お答えを申し上げます。  先生からのお尋ねにつきましては、今般のコロナウイルス感染症に関連しまして、企業が不特定又は多数の方々に対して緊急かつ感染症流行終息するまでの期間において行う自社製品等の提供につきましては、災害時と同様に、寄附金以外の費用として全額損金算入ができるものと考えてございます。  国税庁では、ただいま申し上げた取扱いを含めまして、当面の税務上の取扱いに関して皆様から寄せられた質問等を取りまとめてQアンドAで公表しております。こうした周知広報に引き続き積極的に努めてまいりたいと考えてございます。
  268. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。非常に国税庁も迅速に対応してくださっていると思います。  次に、東京感染爆発重大局面の医療体制を守るということについて厚生労働省に伺います。  クリニック等の呼吸器専門医が患者受入れ病院を応援できる体制をつくってほしいという声、自治体から出ております。これについて、国はどのように支援を検討しているでしょうか。
  269. 宮嵜雅則

    政府参考人宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  新型コロナウイルス感染症の患者数が大幅に増えたときに備え、三月の十九日に事務連絡におきまして、東京都を含む各都道府県に対しまして、地域の診療所など一般の医療機関に勤務している医療従事者の派遣、現在医療機関に勤めていない医師、看護師、臨床工学技士等の把握と臨時の職務復帰による医療従事者の確保策について、あらかじめ検討することを依頼しているところでございます。  また、先日、三月の二十四日でございますが、日本医師会や病院団体、あるいは関係学会などの医療関係団体の人とも意見交換をさせていただきまして、国レベルで改めて情報を共有しますとともに、それぞれの地域において対応、検討を積極的に参加していただきたいということもお願いさせていただいております。  引き続き、都道府県や関係団体と協力、連携して、医療提供体制の整備に努めてまいります。
  270. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 命を守るために現場で奮闘される医療従事者の方々を支え、医療崩壊を防ぐために是非ともよろしくお願い申し上げます。  最後に、総理に伺いたいと思います。  新型コロナウイルス影響に対する経済対策として、国民への大型給付を含む経済対策、これを速やかに示して安心感を与えていただきたいと思います。  昨日、G20首脳会合がテレビ会議で行われたというふうに報道をされました。その中で、五兆ドル、五百五十兆円超を投入するという声明をまとめられたと報道があります。  アメリカは、二十五日、二百二十兆円の経済対策、上院で可決され、そして二十六日、下院、速やかに成立をさせるという方向だと伺っております。アメリカは日本のGDPの四倍ですから、日本でいえば五十兆円以上ということになると思います。家計と企業への大量の資金供給していっていただきたい。  そして、これも非常に重要だと思いました。安倍総理は、オリンピック、パラリンピック、東京での開催を一年程度延期すると説明した上で、完全な形で実施をするという決意を表明し、声明にこの延期を歓迎するということも盛り込む、そういう重要な成果を昨日つくっていただいた。これは非常に重要だと思います。予算委員会の公聴会でも、参考人が、オリンピック、パラリンピックが最大の景気対策なんだというふうに言われておりました。これは重要です。  そういう意味で、この資料もお付けいたしておりますけれども、各国の経済対策におけるまず個人給付、しっかりと血止めをする、大型の個人給付、もう困っている人には全員届けるんだという、そういう思いでやっていただきたい。どうでしょうか。
  271. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 現下の経済状況は大変厳しい状況だと思います。今、ヒアリングを行っておりますが、売上げ減が八割、九割、ほとんどなくなっているという方々もおられるわけであります。  そしてまず、まずはこの感染症対策、全力を挙げていくわけでございますし、当面の、先ほど二十万人の緊急小口資金について言及をしていただいておりますが、そうしたものを今、この年度末を控えて、我々は既に約二兆円の規模の対策を取っているところでございます。  そして、今後何が必要かといえば、これはまさに、手持ちの資金がない、将来不安だという個人の方もおられるし、中小・小規模事業者の皆さんがおられる、そういう方々に対してやるべきこと。そしてもう一点は、そういう方々に対しては、今、竹谷委員が言及されたことについては、与党の皆様とも相談しながら、しっかりと考えていきたいと思っております。  そして、その先には、ある程度終息が見込まれる中においては、経済をまた安定的な成長軌道に乗せ、V字回復していくためのこれは対応も必要であります。それを合わせて、皆様に安心していただけるような、期待を持っていただけるような強大な経済政策を講じていきたいと、このように考えております。
  272. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。  強大な経済対策、期待しております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  273. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で竹谷とし子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  274. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、片山大介君の質疑を行います。片山大介君。
  275. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私も、まず、東京感染爆発について聞きたいと思います。  東京都が感染爆発の重大局面として、明日からの週末ですか、の不要不急の外出を避けるように呼びかけて、何もしないで推移すればロックダウン、都市封鎖を招くとしました。  それで、東京の人口って一千四百万人いて、それで東京に周辺から流れてくる通勤や通学の人は三百万人近くいますから、仮にもしその都市封鎖が実際に行われれば、社会的、経済的にもう大変な事態、深刻な事態になると思うんですが、こうした事態が起きた場合というのは、今回のその知事の発言も受けて、ある程度国としても対応を想定しておく必要が出てくるんじゃないのか、対応を検討し始める必要が出てきたんじゃないのかなと思いますが、どのような検討を始めているか、教えていただければと思います。
  276. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 小池知事におかれては、大変な危機感を共有、私どもと共有をしているところであります。総理にも昨日会われましたし、私も意見交換をさせていただきました。  もう繰り返しませんけれども、患者の数、リンクを追えない数が増えている中で様々な事態を想定しながら考えていかなきゃいけない。いざ発生してからでは遅いわけでありますので、その兆しを日々データをしっかり取りながら、専門家の意見を聞いて様々な対応を取っていかなきゃいけないと。  まず、政府対策本部を設置しましたので、都においても本部が立ち上がります。そこで、法律に基づいて、法律に基づく要請を知事はできるようになります。イベントの自粛であったり、様々な要請ができます。さらに、事態が悪化する場合、国民生活影響、重大な影響を及ぼす場合、これは緊急事態宣言を発するような場合になれば、さらに、知事は、イベントの制限の指示であったり、あるいは施設を利用制限する指示であったり、それを公表するという、まさに強い措置が与えられるわけであります。  これを、この緊急事態宣言を発するかどうかについても専門家の意見を聞きながら適切に判断をしていきたいというふうに考えておりますが、いずれにしても、欧米で行われているような都市封鎖、ロックダウンのような、強制力を持って、この法律は強制力を持ってやれるものではありませんので、指示で、そして更にそれを公表することによって、国民のまさに行動によってこれを封じ込んでいこうということでありますので、是非、引き続き国民の皆様にも御協力をお願いしたいというふうに思っているところであります。
  277. 片山大介

    ○片山大介君 続けて、毎日のように、東京感染者が加速度的に増えているような感じになっているんですが、今、この東京のこの状況についてはどのように分析しているか、これ誰か、お答えしてください。
  278. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 患者の数が増え、そして、特にリンクが追えない、感染経路が追えない、つまりどこで感染したか分からないという、これは非常に怖いことでありまして、まさに感染爆発する、拡大するおそれがあるわけであります。  これを一つ一つ今、最初の時点で分からなくとも、後で追っかけると実はこの人と接触していたとかいうのはあるわけでありますので、この感染経路を追っかけているところでありますし、これは厚労省からの派遣された専門家東京都においても密接に連携しながら対応しているところであります。  このまま対策を取らずに警戒を緩めると、まさに知事の言う感染爆発のような状態、いわゆるオーバーシュートのような状態になりかねないという危機感を共有しているところでございます。
  279. 片山大介

    ○片山大介君 危険な状態にあることは間違いなくて、それで、仮に、仮に都市封鎖になるとしたら、簡単にはならないということかもしれないですけれども、なった場合は、そうすると、やっぱり特措法に基づいてやっぱり緊急事態宣言行った上で緊急事態措置として行われるという流れが普通なのかなとちょっとこっちは思ったりもするんですけれども、ちょっとそこはどのようにお考えなのか、総理、もしお分かりになれば。
  280. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま西村大臣からお答えをさせていただいたように、例えば、他のヨーロッパ等の都市とは、このロックダウンといっても彼らがやっている法的な裏付けとは大分違うわけでございます。ある一つのイメージとして小池知事も発言をされているんだろうと、こう思うわけでございますが。  ただ、東京がですね、東京がそういう全面的な外出禁止をしなければいけないということになれば、これはまさに、日本の中における東京の存在というのは極めて大きなものがあるわけでございます。これは経済においてもそうですし、人の流れにおいてもそうですから、それは相当の事態であるというふうに我々も認識をしておりますし、直ちに今ここで、それがすぐに緊急事態だということを私が私の考え方で申し上げるわけにはいきませんが、もちろん専門家皆さんの、との御判断の中でこれは決定をしていくことでございますが、それは相当な状況になったと判断しなければいけないと、こういうふうに考えております。
  281. 片山大介

    ○片山大介君 そうすると、やっぱり、答弁も幾つか来ていますけれども、結局、そうすると、緊急事態宣言を出すにはやっぱりまだ至らないというか、そこの考えは変わらないという、そういうことになりますか。
  282. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 現時点において緊急事態宣言を行う、行うような状況までには至っていないと考えておりますが、今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期であると認識をしております。  特に、先ほども答弁させていただいたように、多数の人口を抱え、経済中心である東京を含む首都圏での対応は極めて重要であり、国としても東京都や周辺自治体とも足並みをそろえてしっかりと対応していきたいと思いますし、この東京都の中における感染者数の推移、あるいはその中でリンクが明らかでない方々がどれぐらいおられるのか等々も含めてよく見ていきたいと思います。
  283. 片山大介

    ○片山大介君 じゃ、そうすると、今かなりそのリンクの追えない患者増えてきていますよね、毎日のように四十人台になっていて。それで、先週の三連休の休みの感染者がまた増えるんじゃないかと、爆発的に。になると、だんだんそういうことにも近づいてくる可能性があるのかなというふうにこちらは率直に思ってしまうんですけれども、そこら辺はどのように見ていますか。
  284. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 私ども、国民の皆様に、総理からも三つの密、密閉したところ、密集、そして密接な会話等ですね、これは是非回避をしてほしいと。これが重なったところで、三つが重なったところで非常に感染拡大しているということがありますので、国民の皆様にそうした事態を避けていただくように、そして大規模なイベントを自粛していただけるようにということでお願いをしてきているところでありますけれども、一部に、少しこの期間が長引いたところでその意識が緩んでいたところもひょっとしたらあるのかもしれないというふうに思います。  そうした中で、改めて東京都知事がああいう形で危機感を表して表明されておられますし、私どもも、この大都市圏、あわせて、私ども、兵庫、大阪、名古屋という都市部が、やはりそういう人の行き来が激しいがゆえに感染経路の分からない人が増えてくると感染拡大のおそれがあるということで、大変な危機感を持っているところでございます。  引き続き、本部が立ち上がりましたので、それぞれの都道府県知事と連携をしながら、拡大しないようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
  285. 片山大介

    ○片山大介君 それで、その三条件における満員電車の対策というのも改めて、満員電車の対策です。  これ、三条件のうち、その三つ目の近距離での会話が余り、満員電車、そんなにないんじゃないかというので、三条件がそろうことは少ないというような見方もしているんですけれども、それでもやっぱり満員電車の対策、これからやっぱりそれはかなり気を付ける必要が出てくると思うんですが、満員電車の現状の対策、そして、これを、今回の事態を受けて更なる対策って何か考えていれば教えていただけますか。
  286. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通機関での感染拡大は防止しなければいけないというふうに思っております。  まず、先月の二十五日から、駅、車内等での放送等を通じまして、テレワーク、時差出勤の働きかけを行っているところでございますし、駅ですとか主要なところにはアルコール消毒のあれも設置しているところでございます。ただ、これなかなか、強制力もないものですから、翌の二十六日に厚生労働大臣経済産業大臣と私で三名そろいまして、日本経済団体連合会ですとか連合のトップの皆さん、四名の皆さんに直接依頼を行ったところでございます。  その後、経過観察しておりますが、例えばJR山手線のピーク時間帯の混雑が二割から三割減少しておりまして、主要駅も同様の減少をしているところでございます。現状は多分、そんなに肌が、肩が触れ合うような混雑ぶりは回避されているというふうに思っておりますが。  加えて、三月九日に専門家会議開催をされまして、今言われた三つの密を回避すると。その三つ目は満員電車では余り会話をしないからということで、三つの条件が重ならないことが多いんじゃないかということもありましたが、やはりより念には念をということで電車の中の換気の励行をしっかりやっていただこうと。車両の中には二つございまして、強制換気装置を有する車両があって、これはもうしっかりと機能を発揮するように徹底しております。もう一つは、自然換気の車両については、窓を開けるということと、まあ駅に着けば換気はされるわけでありますが、こうしたことを、窓を開けることを協力をしていただくように、これは相当徹底的に、車内ですとか駅構内での放送、またポスター、リーフレット等を配布させていただきながら、そうしたことを今行っているところでございます。  今後の、どうなるかは、推移は、専門家会議皆さんからの御意見をしっかり聞きながら対応方、考えなければいけないかと思います。
  287. 片山大介

    ○片山大介君 実はちょっといろいろ調べたんですけど、国交省、九年前に通勤時の新型インフルエンザ対策という、パンデミック時の満員電車における感染症対策の調査と研究やっているんですよね。これ、どのようなものか教えていただけますか。
  288. 佐々木良

    政府参考人(佐々木良君) お答えさせていただきます。  御指摘の調査研究は、都市鉄道の混雑の抑制により新型インフルエンザ感染を相当程度抑える対策の実現可能性と効果を検証することを目的としたものであり、二〇一一年九月に公表されました。テレワーク等の在宅勤務、時差通勤の実施等を進めるべきであるとの内容が報告されているところでございます。
  289. 片山大介

    ○片山大介君 簡単に言っていただいたんですが、そうなんですね。要は、時差出勤とかテレワークはやっぱり大切だけれども、そうしたことを盛り込んだ事業継続計画を作っている企業、BCPというんですけど、そのBCPを作っている企業は少ないので、実際にパンデミックになったら、その輸送能力は落ちるんだけど輸送人員がそんなに減らないから対応できないんじゃないかという結果なんですよ、たしか。  だから、私はそれを読んで、それを見て、だから、今回の時差出勤やテレワーク推奨に当たってはこういう過去の良い調査研究を何で活用しないのかといつも思っちゃうんですよ。これ、すごくもったいないなと思いますけどね。
  290. 赤羽一嘉

    国務大臣(赤羽一嘉君) この研究に当たった所長、西川さんというんですけど、私、よく知っておりまして、当時のことを、報告を覚えております。  これは、ただ、方向性は間違っていなくて、学校の休校ですとか患者家族の自宅隔離、また鉄道輸送の人員の抑制と、この三つの柱が中心で、当時は、パンデミックになっても通勤するかしないかというこの中でアンケートがあって、七五%出勤すると答えているんですよ。ですから、私の理解は、当時と今は随分、この時差出勤とかテレワークという感覚が随分違ってきていると。  そういった意味で、参考にはしますけれども、参考にはしておりますけれども、しかし、そのまま当てはまるものではないんじゃないかと。当然ですが、今回の措置専門家会議の御指導をいただきながらやっておりますので、先ほど申し上げましたように、今後どう推移するかによりますけれども、専門家会議の指導に合わせてそれが徹底できるようにしっかりと検討していきたいと、こう考えております。
  291. 片山大介

    ○片山大介君 おっしゃるとおりで、あれから九年たっていますからかなり変わってきている、データとしては変わってくると思うんですが、ただ、考え方はかなりこれ今も使えると思いました。だから、こういうのはやっぱり使っていった方が、せっかくお金掛けて、いい研究やったのなら、それはやっぱり使わないともったいないと思いますし、仮に都市封鎖が起きた場合は、逆に、これ解除していくときに、段階的解除なんかの考え方もこれすごく使えるなと思ったので、是非これ参考にしていただきたいなと思ったんです。  それで、ここからちょっと、文科省が示した新学期からの学校再開のガイドライン、これ聞きたいんですけど、これ、東京がやっぱり都市封鎖の可能性もあるみたいなことを言っている中で、一斉休校は終わりにすると、四月からは各学校が再開に向けて準備を進めてもらうというんですけれども、やっぱりこれ、そのベクトルがまず全く逆ですよね、それね。それで、これ、まあ政府からすれば別におかしいことではないというかね、段階的にいろいろ考えているんだという話かもしれないんですけれども、これ、受け取る一般の国民は、やっぱりどうしてもちぐはぐに物事これ見えると思うんですけど、ここら辺はどのようにお考えですか、総理
  292. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 政府としては、まずは大きな判断を行い、この小中高そして特別支援学校の一斉休業についてお願いをさせていただき、全国の、この全国規模のイベントについての中止、延期、規模縮小の要請をさせていただいた。そして、その後、時間が経過する中で分かってきたこともあり、今、先ほど例示として挙げられた三つの要件が重なった、これを重ならないようにしていくということの判断がなされたわけでございます。  基本的な認識としては、イベント等については認識は変わらないのでございますが、しかし、その中で、言わばこの三要件等々を勘案しながら、この工夫も、こういう工夫がありますねということは申し上げているんですが、学校につきましてはそれぞれの地域によって大分この違いが、まだ感染者が出ていない県もあるわけでございまして、そういう中において、この今言った三要件等々を勘案しながら、言わば四月からの再開に向けてということで、文科省においてどのような形でこの再開をしていくかということについて検討しているものと承知をしております。  詳細については文科大臣から答弁させたいと思います。
  293. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 先生の問題意識は、東京のようにどんどん感染者が増えている中で学校を再開して大丈夫かという、こういうことなんだと思います。  国内の感染状況については、一部の地域での感染拡大が見られていますが、現時点では爆発的な感染拡大に進んでいるという分析は示されていないと認識しています。これを踏まえて、学校再開のガイドラインを策定をいたしました。  ただし、各学校におかれても、春休み中はもとより、新学期開始以降も引き続き警戒を一切緩めることがあってはなりません。このことを学校関係者方々にも十分御認識していただく必要があります。また、ガイドラインに記載があるとおり、今後も学校において感染者が判明した場合には、学校の設置者において、臨時休業の必要性について都道府県の衛生部局と十分に相談の上、検討していただくことが必要です。  昨日、法令にのっとって、政府の方でも対策会議が立ち上がりました。その関係で、各都道府県にも同様の対策本部が設置をされることになっております、今日以降。ここにはあらかじめ教育長あるいは衛生部局全て入りますので、こういった方々としっかり連携を取りながら、地域地域若干状況が違いますので、その中での再開の在り方というのを検討していただきたいと思っています。
  294. 片山大介

    ○片山大介君 私が言いたいのは、その都市封鎖の可能性を指摘をしている一方で、学校は再開を目指してくれということが一般の国民の人は不安に感じるということを言っているんですよね。それで、今言ったようにいろんな段取りを経て、それでやるんでしょうけれども、国民はそこまで細かいことは分からないですよね。だから、封鎖の可能性もあるのに再開しなきゃいけないのということに対して不安を感じると思う。  では、どうすればというと、やっぱりそれはきちんとした説明だと思います、基本的には。分かるような説明を、しかも、これがかなりいろんなことが複雑に交錯しながら今進んでいっているわけですから、それをきちんと説明するというのが、やはりこれはもう総理の口から言っていただく必要があるのかなと。そうしないと、この不安感はなかなかなくなっていかないのかなと。  この予見可能性というか、予見が全くもうできなくなってきているわけですから、こうした中で、どっちに行くのかというのも含めて、これは総理、きちんとやっぱり言ってあげる、これ必要だと思いますけれども、どうですか。
  295. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) この予見可能性についてはですが、非常に予見するのは難しいわけでございまして、いつ終息する、できるかということを言える例えば世界の首脳は誰一人いないんだろうと、こう思うところでございます。  そこで、今回の学校に対する対応でございますが、いずれにいたしましても、我々、先般十九日にああした専門家の皆様から御見解を示していただいた。そして、学校を実際に再開する前にも専門家の皆様にお集まりいただいて御意見を伺いたいと、こういう方向性についても御意見をいただきたいと、こう思っております。  いずれにせよ、この時々刻々変わっておりますので、そうした変化にはしっかりと対応していきたいと思います。
  296. 片山大介

    ○片山大介君 是非それお願いします。  それで、そのガイドラインの中身そのものもちょっとやっぱり聞きたいんですけれども、これ、やっぱりその再開後の留意点に重点を置いているというか、再開後の留意点だけ書いているなというふうに思ったのと、それからチェック項目についても、これ学校の再開の根拠となるやっぱり具体的な基準というのが余り書かれていないんですよね。  だから、これで各学校に再開の判断を求めるというか、判断をしてくださいというのも、基本的にはそれぞれの地域で考えていくことだとは思うけれども、その判断基準としてはやっぱり弱い気がするんですけど、これはどのようにお考えですか。
  297. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) ガイドラインに併せてQアンドAを今発信をさせていただきました。設置者である市町村、例えば小学校、中学校でいえばですね、設置者である市町村長の判断を尊重したいと思います。その中で、とにかく状況は変わっていないんで、緊張感を持ってやっていただかなくちゃなりません。したがって、例えば感染拡大する地域では引き続き休校を続けるという判断も中にはあると思います。  また、再開するに当たっては、三つの密の要素を排除するために、できる限り子供たちが密集しないような努力をしてもらいたい、あるいは、多くの児童生徒が一堂に集まるような式典については配慮してもらいたいなどのきめの細かい指針を示しているところでございまして、私は学校現場の皆さんと様々な意見交換させていただいておりますけれども、それぞれ自治体と連携を取りながら、子供たちの安全に最大限の配慮をして、できる限り再開に向けて今準備をしていただいているんだと思います。  マスクのことでいろいろ言われているんですけど、確かに、政府調達の布のマスク、最初の二千万枚については医療機関等に先にお配りするんですけど、第二陣については是非学校側に回していただきたいということもお願いしていますし、また、まだ始業式まで十日程度ございますので、簡易なマスクの作り方、ガーゼなどでのマスクの代用品などをインターネットなどを通じて御家庭にも御協力をお願いしているところでございます。
  298. 片山大介

    ○片山大介君 これ、感染者対策、こちらの方は、感染者が出たときは、その当人と濃厚接触者か、それか学校を臨時休校にするか、これどちらか選ぶということになっていますけど、これ、根拠となる実効再生産数も各自治体持っていないわけですよね。それできちっとこれができるのかなという、これについてはどうですか。
  299. 萩生田光一

    国務大臣萩生田光一君) 児童生徒等の学校関係者感染者発生した場合には、新規感染者数やリンクの追えない患者については都道府県等の衛生主管部局が最初に把握することになります。学校の設置者においては、都道府県等の衛生主管部局の情報を踏まえて、感染者の症状の有無、また学校内における活動の態様、接触者の多寡、地域における感染拡大状況感染経路を、明らかか否かなどを確認し、衛生主管部と十分相談の上、臨時休業の必要性について判断いただきたいと思います。  率直に申し上げて、市区町村では衛生部局との関係というのは非常に希薄でございますので、今日以降設置をされる都道府県の対策本部の中でその衛生局と連携を取っていただくようにお願いをしているところでございます。
  300. 片山大介

    ○片山大介君 あと、時間ないから最後ちょっと、私も公文書のことをちょっとやりたいんですけれども、やっぱり、森友問題や加計問題の後、政府はガイドラインを見直したり、それから公文書管理の適正確保の取組というのは閣議決定したんですけど、その後もやっぱりなくならないですよね。これについて、なぜなくならないと思うか、ちょっと答えていただけますか。
  301. 北村誠吾

    国務大臣(北村誠吾君) 御指摘の御党御提案の法案につきましては……(発言する者あり)よく聞き取れなかったんで。(発言する者あり)
  302. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 政府としては、一連の公文書に関する問題を踏まえて、平成三十年七月に、職員の一人一人のコンプライアンス意識を、意識向上のための研修の充実強化、また独立公文書管理監を中心とした各府省の公文書監理官による実効性のあるチェック、また電子的な公文書管理の充実、そしてまた悪質な事案に対する免職を含む重い懲戒処分の明確化など、公文書管理の適正化に係る総合的な施策を決定をしたところであります。  決定した全ての施策については着実に実行に移しているところであり、引き続き適正な公文書管理の徹底に万全を期してまいる所存でございます。
  303. 片山大介

    ○片山大介君 総理、残念ながら、その今言われたことがやっぱり徹底されていないと思います。それで、これ一個一個その担当を呼んで聞いたんですけど、やっぱりきちんと実行されていないです。  それで、例えば一例を挙げると、今後、公文書は電子媒体を正本、原本にするとして、今月末までに、今月いっぱいでその検討事項に関して一定の結論を出すことを去年、総理大臣決定で決めたんですけど、これも今月中にできないというんですよね。これ、御存じでしたか。
  304. 渡邉清

    政府参考人(渡邉清君) 失礼します。  先生御指摘の文書管理の電子化につきましては、総理大臣決定によって、確かに年度末、この年度末までに一定の結論を得るということになってございますが、様々検討する課題が多くてまだ一定の結論というところまでは至っておりませんけれども、公文書管理委員会という審議会の方でも御議論いただきながら、なるべく早期にこの文書、電子化の方向性を打ち出していきたいというふうに検討を進めているところでございます。(発言する者あり)
  305. 片山大介

    ○片山大介君 ちょっと時間止めてもらえますか。もったいないです。いいです。(発言する者あり)  じゃ、済みません、じゃ、大臣、お願いします。(発言する者あり)
  306. 北村誠吾

    国務大臣(北村誠吾君) 公文書管理の電子化に関しましては、昨年三月の総理大臣決定、行政文書の電子的管理についての基本的な方針、これに基づきまして、新たな国立公文書館の開館予定時期である令和八年度を目途とし、行政文書の作成から廃棄、移管までを一貫して電子的に処理することができる本格的な電子的管理の実現を目指すということで励んでおります。  本格的な電子的管理は、文書管理の原則を紙から電子に転換する、言わば一千年に一度の大変革とも言われており、性急に行うことなく様々な検討や対応が求められると認識いたし、例えば効率的なシステムを構築するための標準仕様書の作成、また各行政機関におけるシステムの改修、それに伴う行政プロセスの見直しなどに一定の期間を要することは御理解をいただきたいというふうに思うところであります。  なお、長くなりますが、いずれにせよ、行政のデジタル化という大きな流れの中で、文書管理の電子化は確実かつ効率的文書管理を実現する上で重要な取組であると考えておりますので、御党の御指摘も踏まえながら、必要な施策を実現するために全力で取り組んでまいります。  ありがとうございました。
  307. 片山大介

    ○片山大介君 いや、私が言ったのは、その去年の総理決定で今年の三月末まで、今月いっぱいにその検討事項の結論をまとめるという、そこができていないのは何でですかというふうに聞いたわけですけどね。
  308. 北村誠吾

    国務大臣(北村誠吾君) まず、平成三十一年三月の基本的な方針におきまして、今年度末を目途として一定の結論を得ることとしており、年度末までにはガイドラインを改正など行うことになっておるわけではないことを申し上げておきます。  その上で、スピード感についての御指摘は私もしっかりと受け止めたいと存じますし、文書管理の電子化に係る検討課題につきましては、これまで有識者から成る公文書管理委員会でも議論をしてきたところでございまして、一定の結論を得るべく努力をしておるところであります。  引き続き、必要な作業を着実に進め、平成三十一年三月の基本的な方針に定めるスケジュールに沿って本格的な電子的管理が実現されるよう取組を進めてまいります。  以上です。
  309. 片山大介

    ○片山大介君 時間がないので。  大臣、ガイドラインをまとめるのが今月末じゃないんですよ。だから、これ検討事項の一定の結論を出すということなんです。それができていないということを私は聞きたかったんです。だから、それは是非やってください。時間掛かると言っていたけど、それはやれなくないです。だから急いでやってください。  その上で、我々維新が出しているのは、やはりこうした公文書の管理が適正に行われていないのであれば、維新は、もう原則電子化、公文書は電子化にして、もう保存期間という概念をなくして永久保存をするということを定めた法案提出しました。それから、恣意的な運用が行われないように公文書館に、公文書館により強硬な、より強力な権限を与えた法案も併せて提出したので、是非これは皆さん検討していただきたいと思います。  これで終わります。ありがとうございました。
  310. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で片山大介君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  311. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村智子さん。
  312. 田村智子

    田村智子君 日本共産党田村智子です。  新型コロナウイルス対策についてお聞きします。  特別措置法に基づく政府対策本部が設置されました。感染の現状について専門家会議見解を示してください。
  313. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 三月十九日に専門家会議開かれまして、そこで国内感染状況など分析され、提言なされたところであります。  国内の状況については、爆発的な感染拡大には進んでおらず、引き続き持ちこたえているものの、都市部を中心感染者が少しずつ増えているなど、一部の地域感染拡大が見られる、感染源、リンクですね、が分からない感染者が増加している地域が散発的に発生しているという見解が示されたところであります。様々な国民にお願いした自粛など、それが行動変容につながって、それが感染拡大の防止に効果があったという見解も示されておりますが、他方、今後の見通しとして、こうした努力を続けなければ、クラスターの大規模化や感染の連鎖、あるいは全国のどこかで、どこかの地域で患者の急激な増加、いわゆるオーバーシュートが生じる可能性が指摘をされているところでございます。
  314. 田村智子

    田村智子君 済みません、厚労大臣専門家の知見を得て報告を行ったと思うんですけど、そのことを聞いているんですが。    〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕
  315. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 委員が、昨日、私が総理大臣に対する報告についてということだと思います。今、西村大臣がおっしゃったのは、専門家会合、十九日における現在の状況であります。  さらに、最近の状況を見ると、新規の感染者数が都市部を中心に増加をしていること、さらにリンク、感染源が分からない患者数も増加をしているということで、ということ、これは国内の状況であります。それから、世界的に見ると、感染者数死亡者数、特にパンデミック宣言があった後を比較しても相当、数倍ですね、三倍から四倍以上急激な拡大が見られること、それから、海外から移入が疑われる事例、これもここ一週間ぐらい、したがって専門家会合の提言が出た後も二桁で推移し、先日、二十五日では二十三人と多数報告をされていること、これを踏まえて、専門家会議にも諮った上で、特措法十四条に基づいて、新型コロナウイルス感染症の蔓延のおそれが高い、その旨を総理に報告をさせていただいたということであります。
  316. 田村智子

    田村智子君 私も、市民が自覚的に感染防止の行動を取ること、求められていると思います。  そのためにも、外出などの自粛要請で営業への打撃が避けられない事業者、個人に、景気対策にとどまらず、感染防止対策として思い切った予算を付けることがいよいよ求められていると思いますが、総理、いかがですか。
  317. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 言わばこの防止対策というのは極めて重要なんだろうと、こう思うわけでございまして、今回の、我々、感染状況をしっかりと、今後、それに対するどのような対応をしたかということをしっかりと検証しながら、更なるこの感染の防止体制強化につなげていきたいと、こう思っております。
  318. 田村智子

    田村智子君 ちょっと遅いなと感じるんですが、政府イベント自粛などの影響についてヒアリングしています。どのような要望を出されていますか。
  319. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 政府で、安倍総理も含めまして、関係閣僚が入りまして集中ヒアリングを実施しているところでございます。現在までに六回開催しておりまして、フリーランスや個人の方、飲食、中小企業、小売、運輸、宿泊、観光、イベント、展示会、フィットネスクラブ、こういった方々から御意見を伺っているところでございます。  御質問は、そのイベント、展示会に携わる方だと思います。そうした方々からは、舞台や衣装、照明含め業界の裾野が広い、売上げの大幅な減少により、特に中小企業、個人事業主であったり、あるいはフリーランスの方々が深刻なダメージを受けている、そうした中で、イベント開催の指針の明確化であるとか、中止や延期に係る費用の補填、感染防止に関する、それに要する費用の補助、資金繰り支援の迅速化、終息後の喚起、需要喚起、こういったことを求める声をいただいているところでございます。  こうした声も踏まえながら、具体的な検討を急いでいきたいというふうに考えております。    〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕
  320. 田村智子

    田村智子君 会場キャンセル費用の補填など、必要経費の補填、すぐにでもやらなければ、文化芸術、スポーツの団体、関係者、潰れてしまうんですよ。こういう要望、どうお応えするつもりなんですか。もうちょっと答えてください。
  321. 西村康稔

    国務大臣(西村康稔君) 政府といたしましても、まさに個人事業主の方含めて中小企業の方々事業継続していけるように、この資金繰り、それから、雇用を守る雇用調整助成金の要件を緩和をして何とか雇用維持していただきたい、さらには、それぞれの方の生活を守ると、こうした視点で資金繰り対策、雇調金、それから、先ほど来出ております緊急小口資金、こうしたものを活用していただきながら、何とか今の時期をしのいでいただきたい。  さらに、様々な声をこのヒアリングを通じてもいただいておりますので、更なる支援の強化について具体的な検討を急ぎたいというふうに考えているところでございます。
  322. 田村智子

    田村智子君 これ、名指しされているライブハウス、また飲食店、観光、宿泊、介護もですね、デイサービスや訪問介護など、感染が怖いからということで利用者が激減をしています。家賃、リース代など、固定費への直接助成をしなければ事業所をもう維持できないという状態になってきているんですね。  これ、総理、是非踏み出してほしいと思いますが、いかがですか。
  323. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 今名前を挙げられたライブハウス、またあるいはジム等、接客関係の方々、観光業の方々、これは激減、もうゼロに近くなっている方々も多いというふうにお話を伺っております。  その中で、先般取りまとめた第二弾の緊急対応策では、日本政策金融公庫などにおいて、特別貸付制度を創設をしまして、売上げが急激、急減した個人事業主も含む中小・小規模事業者に対して、実質無利子無担保の融資を行うこととしました。最長五年間、元本返済を猶予する据置期間を設定することによって、当面の間一切の返済負担を軽減できるようにします。これほどの強力な措置を全国規模で展開をするのはこれまでに前例のない対応でございます。  また、先ほど例として挙げられました緊急小口資金等々についても更に周知を徹底していきたいと、そういうものも活用していただきたいと、このように思います。  そしてまた、今回こうしたヒアリングを受けまして、さらにこうした方々を支援していく、またあるいは、さらにその先において、元の成長軌道に戻し、V字回復をしていく、こういう皆さんのところににぎわいを取り戻していく上においてこの強大な経済政策を講じていきたいと、このように考えております。
  324. 田村智子

    田村智子君 これまでの議論の中では、直接助成など、税金使うことなかなか難しいという答弁なんかもあったんですよ。だけれども、もう景気対策というだけでなくて、感染防止に必要な予算ということで前例のないような思い切った措置を一刻も早く進めていただきたい、要望しておきます。  次に、医療体制について、厚労省は、感染ピーク時の医療体制について都道府県に事務連絡を出していますが、概略の説明をお願いします。
  325. 宮嵜雅則

    政府参考人宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  各地域で患者数が大幅に増えた状況において、それぞれの地域でどのように医療提供体制の整備を図っていくかという課題に対しまして、まず、基本方針では、こうした状況において、地域の医療機関の役割分担を進める等の方針を示しており、三月一日の通知においては、高齢者や基礎疾患を有する方等のハイリスク者以外の方で、症状がない又は医学的に症状が軽い方には、検査の結果が陽性であっても、自宅での安静、療養を原則とするというふうにお示しさせていただいております。  三月六日の事務連絡では、各都道府県に対して、ピーク時の重症者数等を計算し、医療需要の目安として活用するとともに、重症者を受け入れる医療機関と病床の設定の検討を依頼しているところでございます。
  326. 田村智子

    田村智子君 都道府県ごとにも示していると思うんですね。東京都について、そのピーク時の入院患者数、どうなっていますか。
  327. 宮嵜雅則

    政府参考人宮嵜雅則君) お答え申し上げます。  今御指摘の点は三月六日の事務連絡のことだと思いますが、厚労省としては、計算式はお示しさせていただいておりまして、それに基づいて各地域で計算して、その数字に基づいていろいろ地域医療体制を準備してくださいというふうに申し上げておりますが、あえて今この東京都の人口を当てはめまして機械的に計算いたしますと、一日当たりの重症者数が約六百八十人という数字が機械的には出てきます。入院につきましては約二万人という数字が出てきます。
  328. 田村智子

    田村智子君 その厚労省の算定式で私の事務所で試算をしたものを資料一でお配りしています。  東京を見ますと一般病床の四分の一、神奈川、埼玉県では三割、これ新型コロナ対応としていくことも必要となるというような推計になるわけですね。  もちろん、今からこれだけ入院ベッド空けろという通知ではないですけれども、これ、新型コロナ感染者を受け入れますと、この一般の病院も受け入れますと、これ専用フロアにしなければなりません。それから、医療スタッフも専属になります。医師、看護師の感染予防、またストレスを考えれば、特別な人の配置も必要になります。  今でも足りない医師、看護師をどうすればいいのか。費用負担はどうなるのか。何か示していますか。
  329. 宮嵜雅則

    政府参考人宮嵜雅則君) 重なりますが、まさに三月六日の事務連絡で計算式をお示しさせていただいて、その数字も勘案しながら、地域において医療機関のその役割分担とか連携とか、あるいは医療従事者の確保策とかというのを早急に検討していただきたいということで、あわせて、三月の十九日には事務連絡を追加で出させていただいておりまして、県内、都道府県ごとに調整本部、仮称でございますけれども、そういうのを設けて調整を加速化させてほしいということをお示ししているところでございます。
  330. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 今、重症者数しか申し上げておりませんが、その算式では、外来がどれだけ増えるか、入院がどれだけ増えるか、重症者がどれだけ増えるかを算定していただくことになっております。  その上で、いろいろな調整、まさにこれからいろいろやっていくことがいろいろあると思いますが、一つは、新たにこの病棟を変えたり、病室を変えなきゃいけない、こういったことに対する、あるいは人工呼吸器を新たに購入しなきゃならない、こういった助成措置、あるいは外来においてもそれなりの対応が要ります。そういったことは、もう既にそうした予算は我々は獲得し、実際それを活用して病床の拡大等をしていただいているところもあります。  加えて、ランニングコスト、今委員がそういうところにも言及されたんだと思います。その点については、今、医療機関からもいろいろお話を聞いておりますので、それを踏まえてどういう対応を取っていくべきか、今、内部で検討をさせていただいているところであります。
  331. 田村智子

    田村智子君 これ、ピーク時の推計もするようにと、わざわざ算定式まで示したんですよ。  総理、せめて、国が必要な経費は用意しますよと、これぐらいのメッセージを医療機関に与えるのは当然のことだと思いますが、どうですか。
  332. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) そうした対応をしていただくわけですから、それに必要な費用を、これは医療保険も当然ありますけれども、トータルとして用意をしていかなければ医療体制そのものが構築できないわけであります。  ただ、私が申し上げたのは、そうした中で、具体的に地域地域でどう対応していくのかということをお聞きをしながら考えないと、どういう対応を取るべきか、これ具体の話になってまいりますから、したがって、今それぞれの地域でそういうお話もさせていただきながら、じゃ、そうした対応を取るに当たってはどういう措置を、どういう対応を取ればいいのか、その具体的な中身を詰めさせていただいている、こういうことであります。
  333. 田村智子

    田村智子君 国が見ますよというぐらいのこと言わないと、これ都道府県も病院も大変なことになりますから、お願いしたいと思います。  次に、入院受入れ医療機関の確保の順番、これについても三月十九日の通知で示していますが、どういう中身ですか。
  334. 宮嵜雅則

    政府参考人宮嵜雅則君) 御指摘の事務連絡におきまして、ピーク時の入院患者を受け入れるために必要な病床数を割り当てる医療機関の順番の目安をお示しさせていただいております。  目安といたしまして、まず、全医療機関の感染症の病床を活用してください、それから二番目として、感染症指定医療機関の一般病床及び二月十八日の通知に基づき新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるための病床を確保した医療機関、三番目として、新型インフルエンザ患者入院医療機関の中の協力医療機関、公立・公的医療機関、四点目として、それら以外の医療機関というふうにお示しさせていただいております。  入院患者の受入れ要請を行う医療機関及び病床の順番の考え方は、必要な病床数の確保とか感染症に対する感染管理のために必要な措置及び感染症患者の治療について専門性を有する医療従事者による治療の体制など、その設備や人員等が整っているところを優先する観点からお示ししたところでございますが、これはあくまでも目安としてお示ししたものでございまして、各都道府県の実情に応じて、医療機関とも十分調整の上、受入れ体制を整備していただきたいと考えております。
  335. 田村智子

    田村智子君 これから感染者が増えていくと、大きな役割を担うのが公立・公的医療機関なんですよ。一方で厚労省は、一月十七日の通知で、今後の人口推計も見ながら公立・公的病院の再編統合を地域ごとに検討するように求めていますが、これは感染が広がる前に出されたものですよね。我が党は撤回すべきだと何度も求めてまいりました。  大臣、方針転換、必要じゃないんでしょうか。
  336. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) 元々その前提になっているそれぞれの実績とか近接等の分析に当たっては、感染病、感染症のことは入っておりません。それ以外にも入っていないものはいろいろあります。  したがって、その点については、それぞれの地域の中で、そうした今回の感染症のことも含めて、それ以外もあります、そうしたことも含めて御判断をいただきたいということはこれまでも申し上げているとおりであります。
  337. 田村智子

    田村智子君 そうすると、撤回するということになるんですか。どういうことですか。
  338. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、そうしたこれまでの方針どおり、地域医療構想に向けてそれぞれ御検討をいただきたいということであります。
  339. 田村智子

    田村智子君 今も言われた、この通知の基になった地域医療構想、これどういう姿を目指しているのか。現在の病床数と、この地域医療構想による二〇二五年の病床数、示してください。
  340. 吉田学

    政府参考人(吉田学君) お答えいたします。  直近の病床数といたしましては、二〇一九年五月の報告時点でいただいております二〇一八年度の病床機能報告制度の数字、また、先の数字、二〇二五年の絵柄につきましては、二〇一七年三月末までに各都道府県において策定いただきました計画において、二〇二五年の医療機能別の病床数の必要数という形で計上されているものを合計させていただいた形で機能別にお話をさせていただきます。  高度急性期につきましては直近が十六万床で二〇二五年の必要量は十三万一千床、急性期につきましては直近が五十六万九千床で二〇二五年の必要量は四十万一千床、回復期につきましては直近が十七万一千床で二〇二五年の必要量は三十七万五千床、慢性期につきましては直近が三十四万六千床であり二〇二五年の必要量は二十八万四千床となってございます。
  341. 田村智子

    田村智子君 これ、二〇二五年までに高度急性期と急性期の病床、これは感染症対応するような病床ですよね、これを合わせて二十万近く減らすと。しかも、期限五年しかないんですよ。だから、今もできることはやってほしいと、わざわざ三月四日の通知で指示までしているんですよ。新型コロナへの対応が求められているときに一体何やっているのかということなんですが、大臣、どうですか。
  342. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) いや、今のお話の中で、今日本感染症の病床数、これは三十一年四月一日現在の状況でも、これ千八百七十一病床なんですね。それについて、先ほど申し上げたように、感染症について、今回具体的な見直しの項目にも入れておりません。  したがって、それぞれについて、感染症も含めてそれぞれで御判断いただくということでありまして、何かこの感染症を前提として減らすとか、そういった議論をしているわけではありません。
  343. 田村智子

    田村智子君 いや、大いなる矛盾でしょうということを聞いているんですよね。  これ、厚労省だけじゃないんですよ、総理。昨年五月三十一日、経済財政諮問会議、この地域医療構想を含めて、この問題について、総理、発言しているんですよ。その内容を確認したいと思います。
  344. 井上裕之

    政府参考人井上裕之君) お答え申し上げます。  令和元年五月三十一日、諮問会議における地域医療構想に関する総理の御発言、以下読み上げます。  本日はまず、社会保障について議論を行いました。これまでも審議してきたように、社会保障分野の改革を新経済・財政再生計画に沿って着実に実施していくことが重要です。特に、地域医療構想の実現や全国保健医療情報ネットワークの本格稼働について、根本厚生労働大臣におかれては進捗をきちんと管理しながら確実な実行をお願いいたします。  以上であります。
  345. 田村智子

    田村智子君 ですから、急性期病床の大幅削減を確実に実行してほしいという、そういう発言になるわけですよ、これは。そもそも、これ経済財政諮問会議ですからお金の話で始まっているんですよ。財政再建のためには医療費いかに抑えるかと、お金の掛かる急性期の病床、これ減らしてもらおうじゃないかと、こういうことなんですよね。  イタリアなどで、今新型コロナで死亡者が多く、本当に急激に増えました。こういう死亡者が多い国や地域見てみますと、緊縮財政で入院医療体制が弱体化をして患者が十分な医療ができなかったんだと、こういう可能性を指摘する声が幾つも上がっているんですね。新しい感染症災害、こういうことで一たび事が起きたときに、救える命なのに救えないと、ベッドが足りなくて救えないと、そんな医療体制にするわけにはいかないんですよ。  お金の話じゃない。この新型コロナへの対応を踏まえて、地域医療構想そのものを見直すべきではありませんか。
  346. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 政府としてはですね、政府としては、感染拡大防止と同時に、国内で患者数が大幅に増えたときに備えて、重症者対策中心として医療提供体制強化する方針です。そういう方針なんだということを御理解いただきたいと思います。  このため、このためですね、地方自治体とも連携しつつ、治療のために必要な病床として、感染症指定医療機関の病床確保を進めるとともに、緊急時における更なる病床の確保、支援を実施をしているところであり、万全の医療提供体制を整えていきます。  一方で、地方医療構想は、地域の医療ニーズに合わせて効率的で質の高い医療提供体制の確保を目指した取組でありまして、更なる、これは更なる病床削減をこれ目的としたものではないということであります。  このため、それぞれの地域において、新型コロナウイルス感染症感染状況等を踏まえながら、感染症対策も含めて、必要とされる医療提供体制議論を深めていただきたいと考えております。
  347. 田村智子

    田村智子君 資料二、見ていただきたいんですけど、これ、明らかに急性期の患者さんのベッドが急激に減るんですよ、五年後に二十万床。イタリアでは、こういう人工呼吸器使える患者どうするかって、若い人救うために高齢者を諦めざるを得ないと、こんなことになっちゃっているじゃないですか。そうなっちゃ駄目だと思うんですよ。  せめてね、せめて、加藤大臣、これ、新型コロナウイルス感染症が完全に終息するまでは一旦これ止めましょうよ、せめて。
  348. 加藤勝信

    国務大臣(加藤勝信君) スケジュールにおいては、骨太の二〇一九で、原則、二〇一九年度中に対応方針の見直しを求めるということになってはおりますが、今般のこうしたコロナウイルス感染症拡大、これはそれぞれ都道府県でもそれぞれ御努力をいただいております。そうしたことを踏まえて、この見直し時期については改めて整理をする旨お示しをさせていただきました。  ただ、先ほど、この構想自体が、財政からじゃなくて、地域の医療の必要性からそれぞれの地域においてお作りになられた、その地域医療構想を合体したのが今委員がお示しになられているものだということでありますから、当然地域の中で御議論をいただく。  もちろん、今回の感染症状況も踏まえて今後御議論いただくことに、当然判断の中には加味されていくべきものだというふうには思いますけれども、引き続き、それぞれの地域の実情に応じた、やっぱりどういうバランスで持っておけばいいのか、逆に言えば、高度急性期を多く持っておくことによって慢性期、回復期が十分でないと、こういう指摘もあるわけでありますから、それぞれの地域のニーズに応じた体制を取っておく、このことは中期的には当然必要だというふうに思いますので、私どもも、もちろん今は新型コロナウイルス対応に万全を期していただくわけでありますが、並行して将来に向けての対策も考えていく、これは当然のことなんだろうと思います。
  349. 田村智子

    田村智子君 地域じゃないですよ。名指しまでしたじゃないですか。経済財政諮問会議で旗振っているんですよ。これ、今本当に凍結、これが絶対必要だということを重ねて申し上げます。  最後に、森友学園問題についてお聞きします。  赤木俊夫さんの手記は、公文書改ざんが絶対にあってはならないんだと、余りにも重大な事件であったということを改めて私たちに突き付けています。  改ざん、削除された文書の中に安倍昭恵総理夫人の記述があるということを総理はどう受け止めていますか。
  350. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 改ざん前のこの文書を見ても、私の妻について書かれた記述は改ざんされた全体の中のごく一部にすぎないということでございまして、政治家からの問合せや、さらにそれ以外の詳細に記載されていた経緯の部分については、これはほぼ全て削除されていたということでございます。  また、なぜ改ざんがされたということについては、先ほど来財務大臣が答弁しているとおりでございます。
  351. 田村智子

    田村智子君 じゃ、削除されたうち、特例承認の決裁文書①、これまでの経緯、平成二十六年四月二十八日の部分を読み上げてください。
  352. 可部哲生

    政府参考人(可部哲生君) 御指摘の決裁文書は、平成二十五年から二十七年までの三ページにわたる経緯の記述が一括して削除され、十数行に縮められているものでございます。  以下申し上げる部分は、いずれも森友学園側の発言として記載されております。読み上げます。  近畿財務局から森友学園に対し、資料提出を速やかに行うよう要請したところ、森友学園から、当初計画していた本年七月の大阪府私立学校審議会への諮問を本年十二月に変更したいので、その前提で対応してほしいとの要望とともに、②豊中市との開発協議を急ぐ必要があるため、大阪府が小学校新設に係る設置計画書を受理した段階で、近畿財務局から豊中市に、森友学園と本財産の契約を締結することを証する旨の文書を提出してもらいたいとの要望あり。なお、打合せの際、本年四月二十五日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、いい土地ですから、前に進めてくださいとのお言葉をいただいたとの発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。  以上でございます。
  353. 田村智子

    田村智子君 総理、これが削除されたことについて、どう思われますか。
  354. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほどと同じでございまして、答弁としては同じなんですが、委員が御指摘をされた貸付けに係る特例承認の決裁文書だけではなくて、私の妻が全く出てこない貸付けに係る決裁文書の経緯の部分についても、同様にほぼ全て削除されているところでございます。  ですから、私の妻の名前があるからこのように改ざんが行われたというものではないと考えているということでございます。
  355. 田村智子

    田村智子君 籠池氏が提示したという籠池夫妻と安倍昭恵夫人の写真、現地視察の写真、これを提示されて以降、近畿財務局が交渉を前に進めた、これは改ざん前の文書からはっきり分かりますよ。そして、森友学園側に有利に事を進めたことを示す膨大な文書が改ざんされていった。  昭恵夫人が森友学園の小学校建設を応援したことがどれだけ重大な事態を引き起こしたのか、このことに何の反省もないんですか。
  356. 安倍晋三

    内閣総理大臣安倍晋三君) しっかりと決裁文書等を読み込んでいただければ、田村さんのような結論には至らないわけでありまして、まさに党派的、政治的な目的を持ってそのような発言をされているんだろうと、こう思うしかないわけでございます。(発言する者あり)
  357. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
  358. 田村智子

    田村智子君 つまりは何の反省もないということですよね。反省もない、責任も取ることもしない、御自分と夫人を正当化すると。それがどれだけ国家公務員の仕事を壊しているかなんですよ。改ざんが明らかになっても何もしない。重大性を自覚して苦しみ抜いて……
  359. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ております。おまとめください。
  360. 田村智子

    田村智子君 職員が命を絶っても反省しない。  今度は、都合の悪い文書は捨てるルールにしよう、これが桜を見る会じゃないですか。  検察官定年延長をめぐっては……
  361. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 時間が来ております。
  362. 田村智子

    田村智子君 とうとう口頭決裁ということまで起きているじゃないですか。  どこまで政府を壊すのか。このことを申し上げて、終わります。
  363. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で田村智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。  以上をもちまして、令和二年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  364. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) それでは、これより討論に入ります。  討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。伊藤孝恵君。
  365. 伊藤孝恵

    伊藤孝恵君 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました令和二年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。  冒頭、森友学園国有地売却問題で決裁文書の改ざんを強要され、自ら命を絶った財務省近畿財務局赤木俊夫さんの手記や遺書が明るみに出てもなお再調査は必要ないと強弁される安倍総理麻生大臣始め、安倍内閣対応に強く抗議いたします。  人生最後の日に、誰に何を伝えていくか。赤木さんは、最愛の妻に、そしてその人の母にもわびながら逝きました。一行目には義母と書き、二行目には母と書いたのは、血のつながりはなくとも、義理ではなく本当の母のように思っていることを伝えたかったのだと感じます。  真面目に生きてきた自分の家族がなぜ死ななければならなかったのか、寝ても覚めても問いながらこれからも生きていく遺族の苦しみを思い、改めて、第三者委員会による再調査、関係者全員の参考人招致を強く求め、以下、本予算に反対する理由を申し述べます。  第一の理由は、歳出予算が実態と懸け離れていること、また、それを分かっていながら修正する努力を怠った点です。  我々は、衆議院で、与党内に逮捕者も出たカジノを推進するための費用など不要不急の予算を削り、新型コロナウイルス感染症対策費とする予算案の組替え動議を提出いたしましたが、政府はこれを一顧だにしませんでした。参議院での審議を進める中では東京オリンピック・パラリンピックの延期が決まり、歳出項目の大幅な修正はもはや疑う余地はありません。  自粛要請によって、イベント関連事業や外食産業、観光業界、百貨店等のみならず、様々な分野の中小企業・小規模事業者への深刻な影響も鮮明となりました。今必要なのは、融資ではなく、返済不要の直接的な資金支援や、年度末における納税、銀行債務の大幅な支払猶予であることは明らかです。  加えて、唐突に決定された一斉休校により仕事を休んだ保護者への所得補償、特にフリーランスの方々への支援に関しては、とにかく早く、とにかく家計に直接届く緊急経済対策が必要であるにもかかわらず、米国を始め多くの国々が迅速かつ大胆な財政出動に踏み切っているのと比べ、はるかに劣るスピード、はるかに劣る規模、はるかに劣る具体性で、生活者を安堵させるには至りませんでした。  今や、貯蓄ゼロの単身世帯は三八%、二人以上世帯では二三・六%です。家計や消費の停止は日本経済の停止であり、それは国民の命に直結します。政府は、大規模な対策を年度内に可能とすべく本予算の修正を行うべきでした。  第二の理由は、歳出のみならず、歳入予算も実態に合っていない点です。  過度に楽観的な経済見通しを前提とした予算である上に、ここには新型コロナウイルス感染症影響が加味されておりません。  政府は、二年度の税収を過去最高の六十三・五兆円と見込んでおりますが、この前提となっているのが五百七十・二兆円という名目GDP見通しです。一方、現実に目を転じると、名目GDP成長率は、昨年七―九月期がプラス〇・四%、十―十二月期がマイナス一・五%と、さしてなかった駆け込み需要に対しての反動減が非常に大きく、年率で見ると、十―十二月期には三十兆円程度のGDPが吹き飛んだ計算になります。  見通し維持には今後三・七%という非現実的な高成長が必要ですが、一―三月期以降は、当然、コロナウイルス感染症影響が顕在化してきます。  このように、経済の実情を反映していない予算に賛成することは到底できません。  以上、令和二年度予算三案に反対する主な理由を申し述べました。  審議を通じて、東京高検検事長の勤務延長問題や、集団的自衛権の行使を認める驚くべき憲法解釈変更をした前内閣法制局長官国家公安委員に充てる人事など、検察と警察の私物化を疑われるような事案もまた明らかになりました。  偉くなりたい、豊かな老後を送りたい、個人が抱く欲望を逆手に取って権力の濫用に利用する、一瞬己の正義を封印すれば優遇される社会、政治や行政の核にいる者が皆それを横目で見ている社会の行く末など暗黒です。  政府には、国民の生命と暮らしを守るための予算編成と経済財政運営を抜本的に改めることを求め、私の討論を終わります。(拍手)
  366. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 高瀬弘美さん。
  367. 高瀬弘美

    ○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。  私は、自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和二年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。  本予算は、消費税増収分を活用した社会保障の充実、総合経済対策の着実な実行、歳出改革による経済再生と財政健全化の両立を実現するものであり、我が国が現在置かれている状況に適切に対応する予算となっています。  以下、賛成する理由を申し上げます。  第一の理由は、全世代型社会保障が大きく前進する点です。  消費税の増収分を活用し、昨年十月に幼保無償化が開始されました。本予算には、幼保無償化が平年度化することに伴い三千四百十億円が、高等教育の無償化に四千八百八十二億円が計上されています。私立高校授業料の実質無償化に必要となる四千二百七十六億円も措置し、これらにより幼児教育、保育から大学までの無償化が切れ目なくつながることになります。子育てに安心を与えるこうした施策こそ、真の少子化対策です。  加えて、就職氷河期世代に特化した支援策も強化されています。相談から就職に至るまで一貫した支援体制の確立や、引きこもりの方々への居場所づくりなど、きめ細やかな支援のために百九十九億円が措置されています。  第二の理由は、海外情勢の不透明感等による先行きリスクを踏まえ、経済対策に必要となる財政措置を講じている点です。  本予算では、臨時特別の措置として一兆七千七百八十八億円を計上しています。その中では、キャッシュレスポイント還元事業、マイナンバーカードを活用したマイナポイント制度などの予算を確保し、個人消費を切れ目なく下支えすることとしています。  第三の理由は、防災減災国土強靱化のための予算が着実に措置されている点です。  令和二年度は、防災減災国土強靱化のための三か年緊急対策の最終年度に当たります。本予算では一兆一千四百三十二億円を計上しており、昨年の台風でも深刻な被害が生じた水害対策の推進等に充てることとなっております。国民の安心のため速やかな実現を望みます。  これらの取組に加え、経営者の個人保証を不要とし事業承継を後押しする措置、ローカル5Gの実現のための措置、また、豚熱、アフリカ豚熱などの伝染性疾病の発生予防、蔓延防止のための措置など、各種課題の解決に向けて必要となる施策も盛り込んでおります。  現在、我が国は、新型コロナウイルス感染症とその経済への影響対応すべく総力を挙げております。当予算委員会の中でも各委員から様々な提案をさせていただき、政府は予備費等を活用し、雇用調整助成金の特例措置や実質的に無利子無担保での融資枠の設定、臨時休校に伴い所得が減少した保護者への支援等の緊急対策を講じており、迅速な対応が引き続き求められております。  こうした措置とともに、本予算早期成立、執行こそが今の我が国経済にとって必要不可欠なものであることを申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
  368. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 片山大介君。
  369. 片山大介

    ○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。  私は、維新を代表して、令和二年度一般会計予算令和二年度特別会計予算、そして令和二年度政府関係機関予算に対し、反対の立場からの討論をいたします。  新型コロナウイルスによる死者が世界で二万人を超えました。世界経済が大きく退潮し、未来を予測できない状況にあります。日本としても、感染拡大を防ぎながら、今困っている国民への緊急経済対策を進めることが必要で、さらには感染終息後の経済復興を進めていかなければなりません。  なので、今議論となっている令和二年度の本予算成立させ、早急に新型コロナウイルス対策のための補正予算議論に入らなければならないことは理解しています。しかし、この予算には問題がありますので、やはり筋を通して反対いたしたいと思います。  反対の第一の理由は、行財政改革が進んでいないことです。一例を挙げれば、民間企業は賃金をなかなか上げることができない中、安倍政権においては国家公務員の給与を七年連続で上げました。民より官の待遇が先行することはあるべき姿ではないと考えています。人事院による民間企業調査の対象は大企業だけに偏っています。日本維新の会は、偏った人事院勧告を公務員給与に適用することを問題だとかねてから主張しています。  今、新型コロナウイルス感染拡大影響で観光客が減り、政府と自治体がイベント自粛を要請し、歓送迎会なども相次いでキャンセルされています。観光業、飲食業など、特に中小零細企業は日々の経営もままならない状況に追い込まれています。その民間企業の基盤は脆弱です。そして、従業員は、公務員とは違って雇用や給与未払のおそれが絶えずあることを我々は忘れてはいけないと思います。  反対の第二の理由は、政府予算説明に不審な点があることです。  国会の冒頭で行われた安倍総理の施政方針演説には、公債発行を八年連続で減額させたという文言が入りました。しかし、八年連続で減額したのは本予算ベースだけです。補正予算を合算した実際の公債発行額は、平成二十八年度は前年度よりも多く、また、この令和元年度も前年度より多くなることが見込まれています。これが財政の実態です。八年連続で公債を減少させたといいながら実際の公債発行額は増やす、政府がこういう姿勢でよいのでしょうか。財政状況をありのままに説明しない政府の姿勢には不信感を持たざるを得ません。  先ほども触れましたが、新型コロナウイルス感染拡大国民生活に大きな影響を与えています。自粛によるここまでの大規模な経済活動の低下はこれまで経験のないことです。金融緩和措置や融資枠の拡大では乗り切れません。今こそ我々立法府が知恵を絞り、国民の救済に全力を尽くすべきときが来ていると思います。  日本維新の会は、政府に対し新型コロナウイルス対策の提案として、第一弾を先月三日、第二弾を今月四日、そして第三弾をおととい二十五日に行いました。感染症拡大を防ぎ、弱者と中小零細企業の救済、そして日本経済を停滞させないための提案を引き続き行うことを約束して、令和二年度予算案に対する反対討論とします。(拍手)
  370. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 山添拓君。
  371. 山添拓

    ○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二〇年度一般会計予算外二案に反対の討論を行います。  新型コロナウイルス感染が深刻化、重大化しています。医師が必要と判断した場合にはPCR検査を速やかに実施できるようにすること、医療機関におけるマスクや消毒液など必要な医材の供給、重症患者の受入れ体制強化が急務です。  国民の命と健康を守ることに最大の力を注ぎつつ、経済危機からいかに国民生活を守るのか、政治の責任が厳しく問われています。中小企業を始め、企業倒産とリストラ、失業の連鎖を引き起こさない、外需頼みではなく内需、とりわけ家計と中小企業支援に力を集中することが急いで求められます。  政府は、全国一律休校要請、イベント自粛要請、さらには密閉、密集、密接、三条件回避を要請する一方、直接支援に否定的です。感染拡大防止を実効あるものとする上でも、抜本的な直接支援が必要です。  雇用調整助成金の補助率を十分の十に引き上げ、フリーランスや雇用保険に入っていない非正規労働者にも暮らせる水準の所得補償を行うべきです。中小事業者への無利子無担保融資は五千億円、余りにも規模が小さく、対象を広げ、融資枠を二十兆円規模に拡大するよう求めます。  税や社会保険料の減免、家賃、地代、水光熱費、リース代など、事業継続するための固定経費を直接助成することが必要です。イベント自粛の要請に協力を求める以上、会場のキャンセル料や出演者への支払など、中止に伴う必要経費を補填する支援を具体化するべきです。  いつまで続くか分からないという多くの国民の不安に寄り添い、明日の暮らしに希望を持てる経済対策を緊急に示すよう強く求めるものです。  本予算案は、こうした新型コロナの影響対策の必要性を前提とするものではなく、我が国の社会と経済が求める政治の役割を期待し得ないものとなっています。しかも、その内容は、消費増税の暮らしと経済への打撃が深刻な下で、社会保障の切下げと大軍拡という重大な問題を抱えています。  年金、医療、介護、子育てなど、全世代を対象とする社会保障切捨て路線は転換すべきです。新型コロナ対策でも大きな役割を果たしている公的・公立病院の再編統合は直ちに中止、撤回すべきです。  四百五十六兆円に上る内部留保を抱える大企業に対し、5G、オープンイノベーションなど更なる優遇税制を設け、富裕層への累進課税の強化には後ろ向きです。税金の集め方と使い方を今こそ改め、消費税は五%へと減税すべきです。  軍事費は過去最大の五兆三千億円に上ります。後年度負担は五兆四千億円にも達します。米国製兵器の爆買いをやめ、辺野古新基地建設は中止すべきです。  森友学園問題で、亡くなった近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記やメモの内容が明らかになりました。それ自体が新たな事実です。ところが、安倍総理麻生大臣も再調査をかたくなに拒んでいます。赤木氏は、改ざんの経緯を記したファイルを作成し、大阪地検に提出したといいます。その存在が指摘された以上、調査の再開は必然です。本委員会への提出資料の改ざん、虚偽答弁という国政調査権をじゅうりんする事態の真相解明は、党派を超えて徹底すべきです。  森友、加計、桜を見る会、総理自身が刑事告発までされる中、今度は、自らを捜査し起訴するかもしれない検察の人事にまで介入しています。総理に近いとされる黒川弘務東京高検検事長の定年延長は紛れもない違法人事です。無理筋の解釈変更に合わせるために検察庁法改定案まで修正し、内閣判断で検察上層部の人事への介入を可能にしようとしています。  法の支配と三権分立を脅かす動きは断じて許すことができません。政治の姿勢を根本的に改めることが必要であることを強調し、反対討論といたします。(拍手)
  372. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  令和二年度一般会計予算令和二年度特別会計予算令和二年度政府関係機関予算、以上三案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  373. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 多数と認めます。よって、令和二年度総予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  374. 金子原二郎

    委員長金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十四分散会