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伊藤孝江君 経験がなく、なかなか判断材料が乏しい中で、そのような厳しい判断が求められるということも考えると、やはりどういう点に留意をするのかというところは、保健所等を含めてまたしっかりと相談に乗っていただく体制をしっかりつくっていただければと思いますので、よろしく
お願いいたします。
では、次のテーマに移らせていただきます。
今日は、SBSという、乳幼児揺さぶられ症候群、揺さぶられっ子症候群とかいろんな言い方があるかと思うんですけれども、この問題についてお伺いをいたします。
このSBSというのは、乳幼児揺さぶられ症候群といって、簡単に単純化すると三つの兆候、硬膜下血腫、脳浮腫、眼底出血という三つが特に乳幼児に見られた場合に、それは暴力的な揺さぶり行為があった、つまり虐待があったということで考えるべきだという考え方になります。
このSBSが疑われて子供の虐待が罪に問われた事件で、近時、不起訴や無罪判決が続いております。今日、配付させていただいております
資料があります。これは私の方でまとめさせていただいたものになりますけれども、全国の全部の
事案が載っているわけではありません。把握ができたものとして、ここ二年ほどで無罪あるいは不起訴という形でなった事件で、中には一審、二審という形で同じ事件が二回にわたって載っているものもあります。でも、有罪率が九九%という
日本の刑事司法において、これだけ不起訴や無罪判決が同じような
事案で続くというのは尋常ではないと思っております。
厚労省に確認をさせていただきましたところ、このSBSが疑われる
事案で児童相談所がどのように
対応しているのか全く把握はしていないと、無罪や不起訴になった
事案についても分析はしていないということでした。
このSBS理論、この三つの兆候があれば虐待なんだというこの理論は厚労省も前提としておりますけれども、それがどう使われ、どんな課題があるのか、なぜ検討しないのかというところが分からないということを
指摘をさせていただきたい。
ここで間違っていただきたくないのは、虐待を見逃しても構わないということではもう絶対にないと。虐待が疑われる
状況があるときに子供を保護する、迅速に
対応する、これは当然で、ただ、その後、本当に虐待がなされていたのかということをきちんと検証しなければならないと、そこの問題を問わせていただきたい。
虐待が絶対に許されないのと同様に、冤罪がつくられることも許されない。子供がけがをした、あるいは亡くなったという
事案で、まさか自分が逮捕されるとは、自分の夫が、妻が逮捕されるとは、自分のお父さん、お母さん、孫を見ていたおじいちゃん、おばあちゃんが逮捕されるとは、それが冤罪だったと、こんなことは本当に起きてはならないということをしっかり肝に銘じて、虐待を許さないことと冤罪をつくらないことを併せてしっかりと見ていくことができるような手引きを厚労省には作っていただきたいというふうに考えております。
まず、このSBS理論と言われるもの、これは医学的に問題なく、正しいと認められるべきなのかということを確認させていただきます。厚労省が
作成した子ども虐待
対応の手引きには、家庭内の低いところからの転落や転倒では乳幼児に致死的な脳損傷は起きないとか、受傷転機不明で硬膜下出血を負った乳幼児が受診した場合は必ずSBSを第一に考えなければならないという記載があります。
これらの記載を含め、手引き中の記載、全て医学的に正しいものだという判断、厚労省されているのか、まずお聞きいたします。