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2020-05-27 第201回国会 参議院 本会議 第19号
公式Web版
会議録情報
0
令和
二年五月二十七日(水曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第十九号
令和
二年五月二十七日 午前十時
開議
第一
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
アルゼンチン共和国
との間の
条約
の締 結について
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第二
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ウルグアイ東方共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第三
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ペルー共和国
との間の
条約
の
締結
につ いて
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第四
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
とジャマイカとの間の
条約
の
締結
につい て
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第五
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ウズベキスタン共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第六
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除 去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
モロッコ王国
との間の
条約
の
締結
につ いて
承認
を求めるの件(
衆議院送付
) 第七
国家戦略特別区域法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第八 持続可能な
運送サービス
の提供の
確保
に 資する
取組
を
推進
するための
地域公共交通
の
活性化
及び
再生
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第九
特定高度情報通信技術活用システム
の開
発供給
及び
導入
の
促進
に関する
法律案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) 第一〇
特定デジタルプラットフォーム
の透明 性及び
公正性
の向上に関する
法律案
(
内閣提
出、
衆議院送付
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
(
趣旨説明
) 以下
議事日程
のとおり ─────・─────
山東昭子
1
○
議長
(
山東昭子
君) これより
会議
を開きます。 この際、
日程
に追加して、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
について、
提出者
の
趣旨説明
を求めたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山東昭子
2
○
議長
(
山東昭子
君) 御
異議
ないと認めます。
田中和徳国務大臣
。 〔
国務大臣田中和徳
君
登壇
、
拍手
〕
田中和徳
3
○
国務大臣
(
田中和徳
君)
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 この
法律案
は、
東日本大震災
からの
復興
を重点的かつ
効果
的に
推進
するため、
復興
・
創生期間
後における
東日本大震災
からの
復興
の
基本方針
を踏まえ、
復興
・
創生期間
後の
復興
を支える仕組み、
組織
及び
財源
について必要な
法律
上の手当てを行うものであります。 次に、この
法律案
の内容について、その概要を御
説明
申し上げます。 第一に、
復興庁設置法
について、
復興庁
の
廃止期限
を
令和
十三年三月三十一日まで
延長
することとしております。 第二に、
東日本大震災復興特別区域法
について、
復興推進計画
及び
復興整備計画
の
作成主体
を
政令
で定める
区域
の
地方公共団体
とし、
復興推進計画
に係る
課税
の
特例等
の
対象区域
を
政令
で定める
区域
内の
復興産業集積区域
とするほか、
復興交付金事業計画
に係る特別の
措置
を廃止することとしております。 第三に、
福島復興再生特別措置法
について、
避難指示解除区域
の
復興
及び
再生
を
推進
するため、新たな
住民
の
移住
、
定住
の
促進
や
交流人口
、
関係人口
の
拡大
に資する
施策
を
交付金
の
対象
に追加するほか、
農地
の
利用集積
や六次
産業化施設
の
整備
を
促進
するための
特例措置
を設けることとしております。 また、
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
を軸とした
産業集積
を
促進
するため、同
構想
の
推進
に係る
課税
の
特例
の
規定
を設けるとともに、
公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構
の
要請
に応じ、国の
職員
をその身分を保有したまま
当該機構
に派遣できることとしております。 さらに、
風評対策
に係る
課税
の
特例
の
規定
を設けることとするほか、現行の
政策課題ごと
の三つの
法定計画
を統合し、
福島
県が
地域
の
実情
を踏まえて
福島復興再生計画
を作成し、これを国が認定する
制度
を設けることとしております。 第四に、
東日本大震災
からの
復興
のための
施策
を
実施
するために必要な
財源
の
確保
に関する
特別措置法
及び
特別会計
に関する
法律
について、
復興債
の
発行期間
、
政府保有株式
の
売却収入
の
復興財源
への
充当期間等
を
延長
するなど、
財源
に関する
所要
の
措置
を講ずることとしております。 その他
所要
の
改正
を行うこととしております。 以上が、この
法律案
の
趣旨
でございます。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
4
○
議長
(
山東昭子
君) ただいまの
趣旨説明
に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
木戸口英司
さん。 〔
木戸口英司
君
登壇
、
拍手
〕
木戸口英司
5
○
木戸口英司
君 立憲・国民.新緑風会・社民の
木戸口英司
です。 会派を代表して、議題となりました
復興庁設置法等
の一部を改正する
法律案
について質問いたします。 大阪、京都、兵庫、二府一県で
緊急事態宣言
が解除された二十一日、
東京高検黒川検事長
の賭けマージャン問題が報道され、辞職に追い込まれました。検察への国民の信頼を揺るがし、
新型コロナウイルス
の
感染拡大防止
のため
自粛要請
に応じてきた国民の努力を踏みにじる行為で、辞職は当然です。 黒川氏の
定年延長
を脱法的に決めた
閣議決定
、後付けで
整合化
を図ったとも言える
検察庁法改正案
、束ねての
審議ごり押し
から
成立断念
、黒川氏の辞職。
安倍政権
全体の責任は重大で、特に、
森法務大臣
の責任は免れず、即刻辞任すべきですが、その考えはありませんか。 更に問題なのが、人事院による
懲戒処分
の指針では、賭博をした職員は減給又は戒告、常習として賭博をした職員は停職と定められているにもかかわらず、黒川氏の処分は訓告でした。高い
遵法意識
が要求される
検察当局
の
最高幹部
の
賭博行為
に、なぜこのような軽い処分としたのでしょうか。 複数の法務、
検察関係者
の証言で、法務省は懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと
結論付け
、訓告としたことが分かったとの報道がありました。
安倍総理
の、処分は
検事総長
の判断とした
衆議院厚生労働委員会
での答弁と食い違います。
森大臣
の答弁も、当初と修正されました。黒川氏の
処分理由
、法務省と
任命権者
である内閣の間で処分を訓告相当と
結論付け
るまでの経緯について、詳細な説明を求めます。 改めて、
国家公務員法等
一部
改正案
から
検察庁法改正部分
を切り離した上で、
特例規定
を削除し、審議をやり直すべきと考えますが、
森大臣
、いかがでしょうか。 大
規模災害
が頻発する中で、
被災者生活再建支援法
による
支援金
の支給に当たっては、対象となる
被災世帯
を全壊、大
規模半壊
に限定せず、
半壊世帯
への拡大や半壊に係る
査定要件
の緩和が求められています。 また、制度の
適用範囲
について、
被災世帯数
や人口などの要件を見直し、全ての
被災区域
を支援の対象とするとともに、支給の上限額三百万円から五百万円に引き上げるべきと考えますが、
防災担当大臣
の所見を伺います。 内閣府は、
日本海溝
、
千島海溝沿い
で過去最大級の地震が発生した場合の
最大津波高
の推計結果を発表しました。このクラスの
巨大津波
の発生が切迫していること、岩手県北部では
東日本大震災
を超す
津波高
となるとしています。 しかし、国が
東日本大震災
から九年余の年月と膨大な費用を掛け建設してきたのは、数十年から百数十年に一度のL1津波に対応する
防潮堤
であり、千年に一度のL2津波の周期が実は三、四百年で、前回からその期間がたっており、
防潮堤
が全て破壊されるとする試算には、これまでの
復興政策
と矛盾し、地域の困惑は大きいと言えます。 国の対策は今後検討するとしていますが、本来、知見を結集した
具体策
と必要な
財政措置
が併せて示されるべきと考えますが、
防災担当大臣
の所見を伺います。 以下、
復興大臣
に伺います。
新型コロナウイルス
の
感染拡大
に伴い全国に発出された
緊急事態宣言
が、
医療関係者等
の尽力、
外出自粛
や
休業要請
に対する多くの国民の理解、協力により
全面的解除
となりました。 一方、第二波への警戒は続き、
自粛消費
による
日本経済
の低迷は大きく、長引くことが想定されています。引き続き
医療体制
の整備、家計や
事業者
への支援を国と
自治体
が連携し、迅速、大規模、きめ細かく進めていかなければなりません。しかし、国の対策は遅く、小さいと言わざるを得ません。
復興途上
にある被災三県では、昨年秋の
台風被害
も重なる中、
地域社会
に対する影響は
感染者
ゼロである岩手県も含め深刻です。浜には復興したカキ、
ワカメ等
の
養殖いかだ
を前にし、
外食向け食材
の
出荷激減
で苦悩する
漁業者
がいます。 国においては、
被災地
の
現状把握
に努め、
復興事業
を遅滞なく進めるとともに、
地方創生臨時交付金
の増額や苦境にある
事業者等
への十分な
支援策
を講じることが必要と考えますが、所見を伺います。
復興庁
の
設置期間
を十年間延長するに当たり、地震・
津波被災地域
においては、復興・
創生期間
後五年間において
復興事業
がその役割を全うすることを目指すとした一方で、心の
ケア等
の
被災者支援
及び被災した子供に対する
支援等
、五年以内に終了しない事業は進捗に応じた支援の在り方を検討し、適切に対応することとされました。
被災地
の実情により中長期的な対応が求められる事業については五年を超えて支援を継続する必要がありますが、見解を伺います。 また、
原子力災害被災地域
においては、当面十年間、本格的な
復興再生
に向けた取組を行うとしています。
原子力発電所事故
への対応から福島県の着実な
復興再生
に向けた多様な課題へ、適切かつ長期的な対策が強く求められています。福島県の十年後の目指すべき姿と
復興庁
の果たすべき役割について、見解を伺います。 復興・
創生期間
後五年間の
事業規模
について、一兆円台半ばと見込まれています。その財源については、本年夏頃をめどに必要な
事業規模
及び財源に係る
復興財源フレーム
を提示するとしています。
被災者
や
被災地
に寄り添った
復興事業
の確実な推進、財源の十分な確保という観点に立って作成することが求められます。
被災地
においては、
宅地造成
後の町の
にぎわい創出
の取組や、移転元
地の利活用
に向けた取組などが大きな課題になっています。自由度の高い
支援制度
と十分な財源が求められています。 また、
震災復興特別交付税制度
は継続されますが、
被災自治体
は
人口減少
が進み、
復興事業
の
規模縮小
とともに税収の落ち込みも始まっており、財政の厳しさは増していることから
負担軽減
が必須です。それぞれ見解を伺います。 発災から九年が経過した今でも、
応急仮設住宅
からの
転居等
に伴う
生活環境
の変化や
経済問題等
、今後の生活への不安に伴うストレスの相談への対応や、
被災地勤務者
の疲弊によるメンタルヘルス問題への対策が一層必要となっています。医師を含めた
専門スタッフ
の対応を要する複雑なケースが多い状況で、
被災地
の課題は刻々と変化していくことから、心のケアについては中長期にわたる取組が必要です。 また、
被災地
における子供のケアについても、専門家に加え、連携し活動していく組織やネットワークの存在も重要であり、地域で
子供たち
を支えていく事業の展開がますます求められています。 心のケア、子供のケアに対する手厚く長期的な支援と十分な財源が必要ですが、所見を伺います。
被災事業者
への支援について、震災の被害が甚大で
区画整理事業等
が完了していない地域においては、建物の着工がこれからという
事業者
もあり、
中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業
、二重
債務問題解決
のための
支援策等
の
継続実施
の要望が強く寄せられています。
事業再開
後の
伴走型経営支援
と併せ、各
支援制度
の継続、拡充について所見を伺います。
防災集団移転促進事業
による
高台移転
は、
宅地造成工事
が進捗し、地域の
にぎわい
の再生に向け移転元
地の利活用
が一層重要な課題となっています。しかし、移転元地は
公有地
と
民有地
が混在している状況にあり、整備の大きな支障となっています。移転元
地の利活用
は、復興の
ステージ
に応じ、これから本格化してくる事業であることから、
市町村
が行う集約や整地に係る事業を
復興整備事業
として認める等、柔軟な対応と十分な
財政措置
による継続した支援が求められておりますが、所見を伺います。 本
法律案
では、
福島復興再生特別措置法
の
計画制度
を見直し、福島県が
福島復興再生計画
として一体的に策定し、国が認定するとしております。同法は制定以来三回にわたり改正されていますが、ここで一本化する狙いと効果を伺います。 また、福島県において
次期総合計画策定
に向け検討が始まるとしています。新たな両計画が車の両輪となり、国の役割と地域の自主性とのバランスの下に目指す将来の姿が実現するよう、
復興再生計画
の策定に当たっては国の連携した取組が重要と考えますが、所見を伺います。
帰還困難区域
における
特定復興再生拠点区域
の整備について、着実な実行により
計画期間
内の
避難指示解除
が求められています。区域の除染や
廃棄物等
の処理とともに、
生活環境
の整備やなりわいの再生などに対する十分な予算を確保し、それぞれの地域の実情に応じた整備に取り組む必要がありますが、所見を伺います。 さらに、
帰還困難区域
全体の
復興再生
に向けた
具体的方針
を示し、将来的に
帰還困難区域
全ての
避難指示
を解除することが国の責務と考えますが、所見を伺います。 また、本
法律案
では、帰還・
移住等環境整備交付金
として、
帰還環境整備
に加えて住民の移住、定住の促進や交流・
関係人口
の拡大に力を入れるとしています。具体的にどのような施策を想定し取り組むのか、伺います。
営農再開
について、
原子力災害被災
十二
市町村
では
再開面積
が三割弱、
避難指示
の段階により、それぞれの地域で再開の状況が大きく異なっています。
避難地域
の
営農再開
を滞りなく進めるには地域の実情を踏まえた継続的な取組が重要であり、
営農再開関連事業
について十分な予算を確保するとともに、
人的支援
を含め現地での
支援体制
の強化が求められますが、所見を伺います。 また、
福島特措法
において、新たに県による新
集積計画
を策定し取り組むこととなりますが、新たな担い手への対策と農地の
利用集積促進
に期待する効果について伺います。
福島イノベーション・コースト構想
について、
浜通り地域等
の
産業基盤
の再構築を目指し、廃炉や
ロボット技術
に関連する
研究開発拠点
の整備を始め
再生可能エネルギー
や
次世代エネルギー技術
の
積極導入
、
先端技術
を活用した
農林水産業
の
再生等
、
国家プロジェクト
として推進されます。国、県一体となって作成する
産業発展
の青写真を基に
規制緩和
、
資金調達
の
円滑化等
が図られ、意欲ある
企業等
の創業、進出、成長を支援することとなります。政府の強力な取組が求められますが、所見を伺います。
東京電力福島
第一
原子力発電所
の廃炉は復興の大前提であり、
使用済燃料
や燃料デブリを含む
放射性廃棄物
について、
原子力政策
を推進してきた国の責任において
処分方法
の議論を進め、安全に適切に処分されることが求められます。また、廃炉に向けた取組については、
中長期ロードマップ等
に基づき、世界の英知を結集し、国が主体的に取り組むことは当然です。特に、
ALPS等処理水
の取扱いは、環境や風評の影響などを
十分議論
の上、国民や県民に丁寧に説明しながら慎重に検討を進めることを求めます。それぞれに対する所見を伺います。
中間貯蔵施設
について、地域の協力の下、整備が進み、今後の
用地取得
から
整備完了
へ
地権者
の理解が一層重要であり、地域に寄り添った対応が求められます。仮置場からの
除染土壌等
の
早期搬出
へ、輸送の安全確実かつ円滑な実施に万全を期し計画的に取り組むことと併せ、搬出の完了した仮置場の
原状回復
を進め、
営農再開等
に向けた取組も推進していかなければなりません。今後の政府の対応を伺うとともに、法律に定める
搬入開始
後三十年以内の
県外最終処分
が確実に実施されるよう、国において責任を持った取組が求められますが、所見を伺います。 昨年九月、岩手県陸前高田市の
高田松原津波復興祈念公園
内に
国営追悼
・
祈念施設
が完成するとともに、
東日本大震災津波伝承館
、いわて
TSUNAMIメモリアル
もオープンし、追悼、
教訓伝承
、
復興発信
の場が整ってきています。宮城県石巻市と福島県双葉町、浪江町に建設される同施設の
早期完成
が待たれます。
政府主催追悼式
について、十年目となる二〇二一年までとする方針が示されました。復興はまだ時間を要し、心の復興は十年で区切ることはできないと考えます。三県に建設される追悼・
祈念施設
は国営であることからも、これらを会場として
政府主催
の
追悼式典
を開催することを検討するべきと考えますが、所見を伺います。
国際リニアコライダー計画
、
ILC
について、その実現により日本に
アジア初
の
大型国際研究拠点
ができることとなり、世界中から数千人の
研究者等
が東北で暮らす
国際都市
が形成されます。世界的な
プロジェクト
であり、
震災復興
、
地方創生
の柱に
ILC
を位置付けることが重要と考えます。
ILC計画
を推進することは、
福島イノベーション・コースト構想
と並んで、東北をフィールドとした
科学イノベーション
の創出から新しい東北の創造に資するものです。
日本政府
に
国内誘致
の決断を求めるところですが、所見を伺います。 最後に、全国から、世界からいただいた復興に対する御支援に感謝し、地域が真に自立し、一人一人が復興を実感できるまで国の責任は重いことを指摘し、私の質問を終わります。(拍手) 〔
国務大臣田中和徳
君登壇、拍手〕
田中和徳
6
○
国務大臣
(
田中和徳
君) ただいまの
木戸口英司議員
の
お尋ね
にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症
に係る
被災地
への
影響
とその
対策
について
お尋ね
がありました。
新型コロナウイルス
の
影響
については、
被災地
における
状況把握
に努めており、例えば、御指摘の
漁業
の
関係
については、
外食
や
宿泊施設向け
の
水産加工品
の売上げの
減少
などの報告を受けております。
事業者支援
については、
緊急経済対策
において
持続化給付金
や
資金繰り支援
のほか、水産物の
販売促進
を
支援
するなどの
支援策
が講じられています。また、
地方創生臨時交付金
については、二次
補正予算
において二兆円の
増額
を行い、一次
補正予算
と合わせて総額三兆円を
措置
されることとなっていると承知しております。 引き続き、
被災地
の
状況
を把握しつつ、
関係機関
と連携してこうした
取組
を
推進
するとともに、
復興事業
に
支障
が生じないよう万全を期してまいります。
地震
・
津波被災地域
における
中長期
的な
対応
について
お尋ね
がございました。
地震
・
津波被災地域
においては、まずは
復興
・
創生期間
後五年間で、
被災者支援
を始めとする残された
事業
に全力で取り組んでまいります。その上で、心の
ケア等
の
被災者支援
や
被災
した
子供
に対する
支援
で
期間
後の五年間で終了しないものについては、昨年末の
基本方針
において、個別の事情を丁寧に把握し、
事業
の
進捗
に応じた
支援
の
在り方
を
検討
して適切に
対応
していくこととしております。
福島
県の十年後の目指すべき姿と
復興庁
の果たすべき
役割
について
お尋ね
がございました。 昨年十二月に
閣議決定
された
復興
・
創生期間
後の
基本方針
においては、
原子力災害被災地域
において、当面十年間、
復興
の
ステージ
が進むにつれて生じる新たな
課題
や多様な
ニーズ
にきめ細かく
対応
しつつ、本格的な
復興再生
に向けた
取組
を行うこととしております。 さらに、この
基本方針
を踏まえた
福島特措法
の
改正案
においては、新たな
住民
の
移住
、
定住
の
促進
や
交流人口
、
関係人口
の
拡大
、
営農再開
の
加速化
、
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
、
風評被害
への
対応
などを盛り込んだところであります。
福島
の
復興再生
には
中長期的対応
が必要であり、
復興
・
創生期間
後も
継続
して国が前面に立って
取組
を進めてまいります。
復興財源
の
確保
や
被災自治体
の
負担軽減
について
お尋ね
がございました。 昨年末の
基本方針
において、今後五年間の
事業規模
を一兆円台半ばと見込み、その
財源
の見通しについてもお示しをしたところでございます。引き続き
復興
の
進捗状況
や
被災自治体
の意見などを伺いつつ、精査の上、本年夏頃を目途に新たな
復興財源フレーム
を
策定
いたします。 また、
被災自治体
が
全国各地
と同様、
人口減少等
の
課題
に直面している中、
自治体
の
負担
に対し
震災復興特別交付税制度
を
継続
して
復興
を支えるとともに、
地方創生等
の
政府
全体の
施策
を活用し、持続可能で活力ある
地域社会
をつくり上げていくことも重要と考えております。
被災者
における心の
ケア
、
子供
の
ケア
に対する
支援
について
お尋ね
がございました。
被災者
に対する心の
ケア
や
生きがいづくり
、
被災
した
子供
への
学習支援等
の
支援
は引き続き必要であると認識をしております。このため、昨年末にお示しした
復興
・
創生期間
後の
基本方針
において、
事業
の
進捗
に応じた
支援
を
継続
していくこととしております。今後とも、
復興
の
進捗状況
や
事業見込み
などを
被災自治体
から丁寧にお伺いしながら、十分な
予算
の
確保
に取り組み、必要な
支援
が着実に
継続
できるようしっかりと取り組んでまいります。
グループ補助金等
各
支援制度
について
お尋ね
がございました。 まず、
中小企業等グループ補助金
については、本年度に
土地造成
が完成する地区など、
事業者
の責めに帰さない事由がある場合には
支援
を
継続
する予定であります。 次に、二重債務問題に係るいわゆる
震災支援機構
の
支援措置
については、
被災事業者
の
経営
上の
ニーズ
も踏まえ、
支援決定期限
の更なる
延長
の是非も含めて
検討
してまいります。また、
事業再開
後の
販路開拓等
の
課題
を抱える
被災事業者
に対し、きめ細かな
支援
を行ってまいります。
防災集団移転促進事業
によって取得した
移転
元
地の利活用
について
お尋ね
がございました。 昨年十二月に
閣議決定
した
復興
の
基本方針
では、
復興
・
創生期間
まで行ってきた
支援
や実績を踏まえ、
被災地方公共団体
の
取組
を引き続き
推進
することとしております。各
地方公共団体
における
土地利用
の
ニーズ等
も踏まえ、どのような
推進方策
が適切か、
検討
を鋭意進めてまいります。
福島復興再生計画
の一本化と、
福島
県と国の連携した
取組
について
お尋ね
がございました。 今般の
福島特措法
の
改正
により、
移住
の
促進
や
交流人口
、
関係人口
の
拡大等
の新たな活力を呼び込む
施策
の
強化
を図ることとしており、今後、より一層
町づくり
と
産業振興
を一体的に取り扱っていくことが必要であると考えております。このため、従来の
町づくり
を担う
計画
や
産業振興
を担う
計画
を統合し、県が一元的に
福島復興再生計画
を作成することで、より総合的かつ
効果
的に
課題
に
対応
できるようにしております。また、同
計画
は国が
策定
する
福島復興再生基本方針
に即して作成することとしており、本法案の
成立
後、国においても
基本方針
を改定し、必要な
方向性
を示してまいります。
福島
の
復興再生
には
中長期
的な
対応
が必要であり、引き続き、
福島
県及び
関係市町村
としっかりと連携して取り組んでまいります。
帰還困難区域
の
特定復興再生拠点区域
の
整備
や
区域
全体の具体的な
方針
及び国の
責務
について
お尋ね
がございました。
帰還困難区域
については、たとえ長い
年月
を要するとしても、将来的に
帰還困難区域
の全てを
避難指示解除
し、
復興再生
に
責任
を持って取り組むとの決意であります。 現在、六
町村
において認定された
特定復興再生拠点区域
の
整備
を進めているところであり、引き続き個別かつきめ細かに
町村
と
議論
し、
取組
を
推進
してまいります。
特定復興再生拠点区域外
の
帰還困難区域
については、それぞれの
地域
の
実情
や
自治体
の
要望等
を踏まえ、
関係
省庁と連携して、今後の政策の
方向性
について
検討
してまいります。
帰還
・
移住等環境整備交付金
について
お尋ね
がございました。
住民
の
帰還
状況
や今後の
帰還
意向、地元の御
要望
を踏まえると、
復興
を支える新たな活力を呼び込む
施策
にも力を入れる必要がございます。そのため、
福島特措法
の
改正案
においては、
交付金
の
対象
として新たな
住民
の
移住
、
定住
の
促進
や
交流人口
、
関係人口
の
拡大
に資する
事業
を追加しております。 本
事業
の具体的な
在り方
については、
地域
の魅力や創意工夫を最大限引き出しながら、新たな活力を呼び込めるよう
効果
的な
施策
を講じてまいりたいと考えており、来年度
予算
要求に向けて
検討
を進めてまいります。
福島
県における
営農再開
と
農地
集積の
加速化
並びに
福島特措法
改正
による
対策
及び
効果
について
お尋ね
がございました。
原子力災害被災
十二
市町村
では、
営農再開
面積が三割弱にとどまっており、
営農再開
の
加速化
が重要な
課題
であると認識をしております。このため、
帰還
後の
営農再開
に向けて、インフラの復旧、
除染
後の
農地
の保全管理、作付け実証、機械設備
導入
等の一連の
取組
を切れ目なく
支援
するとともに、本年四月からは、農林水産省、
福島
県、JA等が一体となって、
被災
十二
市町村
への
人的支援
を開始をしたところであります。こうした
施策
に加え、今般の
福島特措法
の
改正
において、県の
計画
に基づき
農地
の
利用集積
等を
促進
するための
措置
等を盛り込んだところでございます。
関係
省庁や
福島
県、
市町村
等と緊密に連携し、これらの
取組
を
推進
することで、
営農再開
の
加速化
が図られるものと考えております。
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
に係る
政府
の
取組
について
お尋ね
がございました。
福島イノベーション・コースト構想
は、
福島
浜通り
地域
に新たな
産業基盤
を構築し、自立的、持続的な
産業発展
を目指す
福島
復興
の切り札でございます。 昨年十二月には、同
構想
を基軸とした
産業発展
の青写真を経済産業省、
福島
県とともに取りまとめました。この青写真に基づき、あらゆるチャレンジが可能であり、
地域
の企業が主役となって
構想
を支える人材育成が進む先導的な
地域
となることを目指し、
政府
一丸となって全力で取り組んでまいりたいと存じます。
東京電力福島
第一原発の
使用済燃料
や
燃料
デブリを含む
放射性廃棄物
の
処分
と、
廃炉
に向けた
取組
について
お尋ね
がございました。
東京電力福島
第一原発の
使用済燃料
や
燃料
デブリを含む
放射性廃棄物
については、保管、管理をしっかりと行い、国として
責任
を持って適切に
対応
してまいります。
東京電力福島
第一原発の
廃炉
に向けた
対応
については、
中長期
ロードマップに基づき、東京電力任せにせず、国も前面に立って取り組んでまいります。 また、ALPS
処理
水の取扱いについて
お尋ね
がございました。
処理
水の取扱いについては、御意見を伺う場において、
政府
一体となって
関係
者の御意見をお伺いをしているところでございます。引き続き、幅広い
関係
者の御意見をお伺いをした上で、
政府
として結論を出していくものと承知しております。
廃炉
・汚染水
対策
の安全かつ着実な
実施
は
福島
復興
の大前提であり、
復興
と
廃炉
の両立のため、
復興庁
としても、
関係
省庁と連携して、
福島
の
復興再生
に向けて取り組んでまいります。
中間貯蔵施設
事業
の今後の
方針
及び
県外最終処分
に向けた
取組
について
お尋ね
がございました。
中間貯蔵施設
事業
は、引き続き安全第一を旨とし、地元の皆様の信頼を大切にしながら進めてまいります。
搬出
が完了した仮
置場
については
原状回復
を行い、
営農再開等
に向けた
取組
を
推進
してまいります。
福島
県内で発生した除去土壌等については、
法律
上、中間貯蔵開始後三十年以内に
福島
県外で最終
処分
を完了するために必要な
措置
を講ずる旨が定められており、国として
責任
を持って取り組んでまいります。
政府主催
の
追悼式典
の開催について
お尋ね
がございました。
政府
として行う
追悼
式については、
発災
から十年となる来年まで
実施
し、再来年以降については、その時々の諸
状況
を勘案しながら判断されるものと承知しております。いずれにせよ、三月十一日は決して忘れてはならない大事な日であり、
復興庁
としても適切に
対応
してまいります。
国際リニアコライダー計画
について
お尋ね
がございました。 科学技術イノベーションの
推進
は、
東北
のみならず、我が国の将来にわたる成長と繁栄のために重要と認識しております。御指摘の
計画
については、昨年三月の文部科学省の
見解
においても、様々な懸念の一方、立地
地域
への
効果
の可能性も指摘されていると認識しています。いずれにせよ、今後、文部科学省において
検討
が
継続
されていくものと承知しており、動向を注視してまいります。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
森まさこ君
登壇
、
拍手
〕
森まさこ
7
○
国務大臣
(森まさこ君)
木戸口英司議員
にお答え申し上げます。 まず、
黒川
前東京高検検事長の勤務
延長
、
検察庁法改正案
等に関する私の
責任
について
お尋ね
がありました。
検察
官の勤務
延長
についての解釈変更は、
関係
省庁との協議等の適正なプロセスを経たものです。その上で、
黒川
氏の勤務
延長
は、
検察
庁の業務遂行上の必要性に基づき、
検察
庁を所管する法務大臣から閣議請議を行って
閣議決定
され、引き続き勤務させることとしたものであり、問題はなかったと考えています。 また、
検察庁法改正案
は、一般職の国家公務員の定年の引上げに合わせて、
検察
官についても定年を六十五歳まで段階的に引き上げること等を内容とするものです。法
改正
と
黒川
氏の人事とは
関係
なく、
後付け
で整合性を図るための
改正
であるとの御指摘は当たりません。
黒川
氏は、東京高等
検察
庁のトップとして、公私問わずに自らを律し、
国民
から疑念を抱かれないよう格段に意を注ぐべき立場にあったにもかかわらず、
緊急事態宣言
下において賭けマージャンを行いました。このような行動は甚だ不適切であり、法務大臣としておわびを申し上げます。
検察
の信頼回復のために、引き続き法務大臣としての務めを果たしてまいりたいと考えています。 次に、
黒川
前東京高検検事長の
処分
について
お尋ね
がありました。
黒川
氏については、
緊急事態宣言
下において報道
関係
者三名と金銭を賭けたマージャンを行っていたことが認められましたが、他方で、これらの
行為
は、旧知の間柄の者との間で必ずしも高額とまでは言えないレートで行われたものであること、
黒川
氏は事実を認めて深く反省していること等の理由から、人事院の
処分
指針を参考としつつ、先例をも考慮した上で、監督上の
措置
として最も重い
訓告
としたものであり、適正な
処分
がなされたものと考えております。 この
処分
については、
法務省
及び
検事総長
において
訓告
が相当と判断して決定し、
内閣
に報告したところ、その決定に異論がない旨の回答を得ました。そこで、
検事総長
から
黒川
氏に対し
訓告
の
処分
がなされたものであります。総理に対しては、最終的に私から
処分
したことなどを報告し、了承を得ました。 最後に、
国家公務員法等
一部
改正
法案についての
お尋ね
がありました。 今般の国家公務員法と
検察
庁法の
改正
は、高齢期の
職員
の豊富な知識、経験等を最大限に活用する等の同一の
趣旨
、目的が認められることから、一つの法案として束ねることが適切であると考えています。 また、
検察
官についても、役降りにより公務の運営に著しい
支障
が生ずる場合があると考えられるため、役降りの
特例
を
規定
する必要があると考えます。もっとも、
検察庁法改正案
については様々な御意見があるものと承知しており、
法務省
としては、
国民
の皆様の声に十分耳を傾けて、引き続き丁寧に
対応
、御
説明
していく必要があるものと考えています。 国会における法案の取扱いについては国会がお決めになることと承知しているため、お答えすることは差し控えたいと思います。(
拍手
) 〔
国務大臣
武田良太君
登壇
、
拍手
〕
武田良太
8
○
国務大臣
(武田良太君) 木戸口議員より二問御質問をいただきました。 まず、
被災者
生活
再建
支援制度
の
適用範囲
の
拡大
及び
支給
上限額
の引上げについて御質問をいただきました。
被災者
生活
再建
支援制度
は、著しい
被害
を及ぼす一定
規模
以上の自然災害が発生した場合に、住宅に全壊や大
規模半壊
等の重大な
被害
を受けた世帯に対して、全都道府県の相互扶助及び国による
財政
支援
により
支援金
を
支給
するものであります。このような
制度
の
趣旨
から、
支援金
額の引上げや
支給
対象
の
拡大
については、国や都道府県の
財政
負担
等の
課題
もあり、慎重に
検討
すべきものと考えます。 特に、
支給
金額の引上げについては、
全国
知事会においても、現行の
支給
額は
被災者
が住宅再建を行うために必要な
支給
額であると考えられることから、
支給
限度額は現行どおりとするとされているところであります。 また、
被災世帯数
等で
支援
法の適用基準を満たさない
市町村
については、
支援
法による
支援金
は
支給
されませんが、都道府県が条例等で全壊等の世帯に対し
支援
法と同様の
支援
を行えば、
支給
額の二分の一を特別交付税で
措置
することとしており、既に二十三都府県で
制度
が
導入
されているところであります。 御指摘の
半壊世帯
については、その判定は住家の損害割合に基づくものであり、適切と考えておりますが、
支給
対象
の
拡大
につきましては、
全国
知事会からの提言も踏まえ、事務方において
全国
知事会と
協力
して詳細な実態把握調査を行うとともに、実務者
会議
において
継続
的に意見交換を行っているところであります。
被災世帯
の実態等も踏まえながら、今後も
全国
知事会等としっかりと
議論
を行ってまいります。 次に、
日本海溝
、
千島海溝沿い
における最大クラスの
地震
に対する今後の
対応
策及び
財政措置
についての御質問を賜りました。
令和
二年四月二十一日に、
日本海溝
、
千島海溝沿い
で想定される最大クラスの
地震
と
津波
の
検討
結果について公表し、あわせて、中央防災
会議
の下に
日本海溝
・
千島海溝沿い
の巨大
地震
対策
検討
ワーキンググループを設置をいたしました。 今回公表した最大クラスの
津波
の想定は、より厳しい条件を想定し、堤防を
津波
が越えた場合は壊れるものとして計算をしております。今後、ワーキンググループにおいて、最大クラスの
地震
、
津波
による人的、物的、経済的
被害
の想定や
被害
を軽減するための防災
対策
の
検討
を進めていく予定です。これと併せて、地元
自治体
においても改めて警戒避難体制の確認をしていただき、避難
施設
や避難路など必要な
津波
避難
対策
を進めていただきたいと考えております。 なお、
日本海溝
、千島海溝における
津波
対策
に関する
財政措置
については、まずは防災
対策
の
検討
をワーキンググループでしっかりと進め、その
検討
結果等を踏まえて判断されるものであると認識しております。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
9
○
議長
(
山東昭子
君) 塩田博昭さん。 〔塩田博昭君
登壇
、
拍手
〕
塩田博昭
10
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭です。 ただいま議題となりました
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
について、自民、公明を代表して、
関係
大臣に質問いたします。 まず冒頭に、
新型コロナウイルス感染症
で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、現在闘病中の皆様にお見舞いを申し上げます。 また、
全国
の医療現場の皆様方、さらに、社会全体を支えている全てのエッセンシャルワーカーの方々に改めて感謝申し上げます。 以下、法案に対して具体的に質問いたします。 まず、
復興庁
の設置期限を十年間
延長
することについては、党
復興
加速化
本部が昨年三月から四月にかけて
岩手
、宮城、
福島
の
被災
三県を訪れ、
復興
状況
を調査し、
被災自治体
の首長から
復興庁
の
継続
を求める声などを聞いた上で、自民、公明両党の
復興
加速化
本部において
議論
を重ね、昨年八月に
政府
へ
提出
した与党の第八次提言に盛り込んだ
復興
基本方針
とも一致します。
地震
・
津波被災地域
は
復興
の言わば総仕上げの段階、
原子力災害被災地域
は今後も
中長期
的な
対応
が必要です。 来年二〇二一年三月末をもって終了する
復興
・
創生期間
後も引き続き
被災地
に寄り添う体制を維持するため、また
復興
を支える仕組みや
組織
、
財源
を一体的に
整備
するためにも、やはり
復興庁
という総合調整機能を持つ
組織
と体制が必要です。そして、総理直轄の
組織
として
復興大臣
を置いてリーダーシップを発揮することも重要です。
復興大臣
、あと十か月で大
震災
から十年という節目を迎えます。永田町の一部には風化の意識があるとの指摘もあります。今こそ、大臣を先頭に閣僚全員が
復興大臣
という政権の
方針
をこの法案の
審議
を機に再確認し、改めて
復興
に対する思いと決意をお示しください。 次に、
福島
の
復興再生
ですが、いよいよこれからが本番です。今年三月初めに双葉町、大熊町、富岡町の
帰還困難区域
の一部が解除され、三月十四日に常磐線が全線開通したところです。 原発事故で避難している
住民
の
帰還
に向けた
交付金
の
支給
対象
の
拡大
による県外からの
移住
促進
、都市部に住みながら週末などは
福島
で過ごすなど
関係人口
を増やす
事業
の追加、さらに、浜通り
地域
に新産業を集積する
福島イノベーション・コースト構想
の
推進
、海外の輸入
規制緩和
への
取組
強化
など、
福島
の
復興
を
加速化
するため、
福島復興再生特別措置法
が大幅に
改正
されていることを評価します。 特に、イノベーション・コースト
構想
の中で、国際教育研究拠点
構想
は、
福島
の
復興
という視点だけではなく、
廃炉
と放射線
関係
の研究の集積、深化を図り、
世界
への情報発信と貢献を進めることで、原発事故
発災
国の
責務
を果たすことにもなると思います。 さらに、ロボット、エネルギー、
農林水産業
などの研究分野において、産学官一体となって知の融合を図り、ここから新産業を
創出
し、
世界
中の若者が
福島
で学びたいと思えるような教育研究拠点の
整備
を目指すべきと考えますが、
推進
状況
と大臣の
見解
をお示しください。 また、遅れている営農の
再開
の
加速化
を図るため、外部からの参入も含めた
農地
の
利用集積
や六次
産業化施設
の
整備
を
促進
するための
措置
を講ずるとのことですが、農林水産大臣に質問します。
福島
産の農産物の
風評被害
を払拭する
取組
と併せて、
福島
における農業の六次産業化の具体例など、
帰還
を諦めた農業
事業者
が希望を持って
福島
に帰ってきて再び営農できるような明るい展望について具体的にお答えください。 次に、
復興財源
確保
法、
特別会計
法についてですが、これらの
復興事業
を確実に
実施
する
財源
を
確保
するため、一般会計とは別枠の
東日本大震災
復興
特別会計
と
被災自治体
を
支援
する
震災復興
特別交付税は二〇二一年度以降も
継続
し、
復興債
の
発行期間
も
延長
することなどが定められていますが、附則には、
財政
の健全化を図るための
施策
との整合性に配慮しつつ、
復興
施策
に必要な
財源
の
確保
を適切に行う旨を
規定
するとも記述されています。 新型コロナ禍とも言える未曽有の危機に直面している現在、様々な経済
対策
などを次々と講じていかなければならない
状況
が続くと思われますが、あわせて、
復興
に必要な
財源
もしっかりと
確保
し続ける必要があります。三月三日に
閣議決定
し、今国会に
提出
されている
法律案
で
財源
確保
は大丈夫でしょうか。財務大臣に質問します。 最後に、来年の三月十一日は、
東日本大震災
十周年となります。 二か月前、今年の
政府主催
の
東日本大震災
九周年
追悼
式につきましては、
規模縮小
など
新型コロナウイルス
の
感染拡大
を
防止
する
措置
を講じた上で
実施
する方向でぎりぎりまで模索を続けてきましたが、国内における
感染拡大
を
防止
するためにあらゆる手を尽くすべき時期であることから、誠に残念ながら開催を断念せざるを得ない結果となりました。 十年の節目に当たる来年こそ、
世界
に向けて
復興
支援
に対する感謝とお礼の意義も込めて、ここまで
復興
しましたというメッセージとともに、
被災地
の思いを込めた
政府主催
の
東日本大震災
十周年
追悼
式の開催をお願いいたします。 公明党は、
発災
以来、国
会議
員一人一人が担当の
被災自治体
を決めて、定期的に何度も現地を訪れ、各地の
要望
や
課題
を伺って、自民党の
復興
加速化
本部とも共有して
加速化
提言を重ねてまいりました。心の
復興
、人間の
復興
との理念を掲げ、これからもどこまでも
被災者
に寄り添った
支援
を行うことをお誓いして、私の質問を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣田中和徳
君
登壇
、
拍手
〕
田中和徳
11
○
国務大臣
(
田中和徳
君) ただいまの塩田博昭議員の
お尋ね
にお答えをいたします。
震災
から十年を迎えるに当たっての決意について
お尋ね
がございました。
東日本大震災
からの
復興
は、安倍
内閣
の最重要
課題
の一つに位置付けられており、総理からは、閣僚全員が
復興大臣
であるとの意識を共有して、
内閣
の総力を挙げて取り組むよう指示を受けています。 こうした
方針
の下、
復興
は大きく前進している一方で、
地震
・
津波被災地域
における心の
ケア等
の
被災者支援
の
推進
や
原子力災害被災地域
の本格的な
復興再生
など、
復興
・
創生期間
後も
課題
が残されていると認識をしております。 こうした
課題
を踏まえ、
復興
・
創生期間
後においても、政治の
責任
とリーダーシップの下で
復興
を成し遂げるため、
復興庁
の
設置期間
を十年間
延長
することとし、この度、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
を
提出
させていただいているところでございます。
震災
から十年目の節目となる重要な年に当たり、引き続き現場主義を徹底し、
被災者
に寄り添いながら
復興
に全力で取り組んでまいります。 国際教育研究拠点について
お尋ね
がございました。 国際教育研究拠点については、昨年七月から有識者
会議
において大変熱心に御
議論
をいただいているところでございます。私も
会議
に参加して
議論
を伺っておりますが、この拠点は
世界
に誇れるすばらしい拠点であると同時に、浜通り
地域
の
復興
・創生に資する地元に貢献できる拠点であること、特に、次世代を担う若い世代の人材育成や定着、
移住
等に資する拠点とすることが重要であり、そのための
環境
整備
が重要なポイントとなると考えております。 今後、有識者
会議
においてこの夏を目途に最終取りまとめを行い、
政府
としては、
関係
省庁等と連携し、年内を目途に成案を得ていくことになりますが、地元の期待も大きいことから、本拠点の早期実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
江藤拓君
登壇
、
拍手
〕
江藤拓
12
○
国務大臣
(江藤拓君) 塩田議員の御質問にお答えいたします。
福島
における
風評対策
、
営農再開
について
お尋ね
がありました。
風評対策
では、
福島
県産農産物を各方面にアピールする観点から、第三者認証GAPの取得
促進
、流通実態調査の
実施
、
販売促進
に向けた
取組
など、生産から流通、販売に至るまでの総合的な
支援
を引き続き行ってまいります。 また、六次産業化の具体例として、川内村の株式会社緑里におけるエゴマ油の生産、販売のほか、飯舘村のいいたていちごランドにおける規格外品を加工した商品販売などの
取組
事例があるところであります。さらに、このような
地域
での活動を
加速化
していくため、今年の四月からは、農林水産省として、三十二名の体制による原子力
被災
十二
市町村
への
人的支援
を行い、
営農再開
に取り組んでいる現場の
ニーズ
を聞き取っているところでございます。 そして、今般、御
審議
いただいている
福島復興再生特別措置法
の
改正
による
営農再開
の
加速化
に関する
特例
と併せて、担い手づくり、
農地
の集積に全力で取り組んでまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣
麻生太郎君
登壇
、
拍手
〕
麻生太郎
13
○
国務大臣
(麻生太郎君) 塩田先生からは、
復興財源
について一問
お尋ね
があっております。 昨年十二月に
閣議決定
をいたしました
復興
・
創生期間
後の
基本方針
では、平成二十三年度から
令和
七年度までの十五年間の
事業規模
三十二兆円後半に対して、その
財源
についても、これまでの税収の上振れ等を踏まえれば三十二兆円台後半と見込まれたことから、
事業規模
と
財源
がおおむね見合うとして
財源
確保
の見通しをお示しさせていただいておりました。 本法案はこれを踏まえて
提出
しているものですが、その上で、
復興
・
創生期間
後の五年間の
事業規模
及び
財源
につきましては、この夏を目途に、これまでの
予算
の執行
状況
等を踏まえまして、精査した上でお示しすることといたしております。必要な
復興事業
が確実に
実施
されるように
対応
してまいります。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
14
○
議長
(
山東昭子
君) 石井苗子さん。 〔石井苗子君
登壇
、
拍手
〕
石井苗子
15
○石井苗子君
日本
維新の会の石井苗子です。 党を代表して、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
について質問します。 初めに、
緊急事態宣言
が
全国
解除となりましたが、改めて
新型コロナウイルス
でお亡くなりになられた方へのお悔やみと、そして、今も治療されている方々へのお見舞いを申し上げます。 医療分野で現在も働かれている
関係
者の皆様には、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。 さて、未曽有の大
規模災害
となった二〇一一年三月十一日の
東日本大震災
から十年目の節目を迎え、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
として、五本の
法律
が
改正
することになりました。私自身、約十年間、
福島
県で医療
支援
活動をしてきた者として、身が引き締まる思いがしております。 まず、
復興庁設置法
改正
について質問します。
復興庁
は、
地震
・
津波被災地域
は総仕上げ段階にある、しかし
原子力災害被災地域
においては今後も
中長期
的な
対応
が必要であるという考えの下、
令和
三年度以降の
復興庁
の仕組み、
組織
、
財源
を
整備
するために、
設置期間
を十年間
延長
するものとしています。その際の
復興庁
の後継
組織
として、
復興
と防災の両方を担う
復興
・防災省あるいは庁を
整備
、設置するという提言もありましたが、結果的に現行体制を維持することとなりました。 もとより、小さな行政機構を目指す
日本
維新の会といたしましては、
復興
と防災を兼ねる大型の
政府
組織
を新たに設置することには反対の立場でありますので、
復興庁
の
組織
が現状維持となったことについては評価をいたしております。 しかし、
復興
・
創生期間
後の
基本方針
で、
政府
が前例のない手厚い
支援
を
実施
し、そのような
取組
によって
復興
は大きく前進したと、やや自画自賛的にうたっておりますことについては、大きく前進したこととは具体的に何であり、逆にまだ
取組
が遅れている分野は何であるのかを明確にしていただきたく思います。その上で、これまでの
復興政策
をどのように自己評価されているかを、
復興大臣
にお答えいただきたく思います。 次に、
東日本大震災復興特別区域法
の
改正
について質問いたします。
復興
・
創生期間
後の
基本方針
では、規制の
特例
、
復興
の
整備
計画
、金融の
特例
について、
対象
地域
の重点化を行うとしております。 これを受けて、
改正案
では
復興推進計画
、
復興整備計画
の
作成主体
は、
復興
の
取組
を重点的に
推進
する必要があると認められる
区域
として
政令
で定める
地方公共団体
としております。また、
復興
特区税制におきましても、
対象
地域
を重点化するとし、
復興
交付金
は
所要
の経過
措置
を
規定
した上で廃止するとしております。
被災地
には、今後とも使途の
自由度
の高い
支援
が必要であると思います。
特例措置
を
実施
する
対象
地域
について、どのような
方針
で重点化するのでしょうか。
復興
交付金
の廃止による今後の
復興
施策
への
影響
はないのでしょうか。
復興大臣
にお伺いします。 次に、
日本
維新の会は、昨年、
福島
第一原発を視察してまいりました。 現在、敷地内の千基に余るタンクに貯蔵されている
処理
水は百万立方メートル以上となっております。
廃炉
を円滑に
実施
する上で、限られた敷地内でのタンクの増設は誠に困難な状態であります。二〇二二年夏頃は、現在のタンクが満杯となり限界に至ると公表されております。この問題は、あと二年の間に早急に結論を出さなければなりません。喫緊の
課題
であることは明白なのにもかかわらず、
政府
は
処理
方法についての
議論
を長期にわたって延々と行っているだけで、いまだ結論を出すに至っておりません。いつまでこの問題を先送りするつもりでしょうか。 昨年九月十日、
内閣
改造の際に、当時の原田
環境
大臣から、
処理
水の問題について、所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしかないと思っていると、そういう発言がありました。しかし、後任の小泉大臣は、発言は前大臣の個人的な所感にすぎないとして、原田前大臣の踏み込んだ発言を一蹴しただけでした。たとえ所管外であったとしても、せめて前大臣の重要な問題提起を重く受け止めていただきたかったと残念に思います。
日本
維新の会の代表、松井大阪市長は、大阪市として
処理
水の受入れに
協力
する余地がある、
影響
ないのだから、科学的根拠をもって全く自然界のレベルのものを否定する必要があるのかと述べています。大阪市長が
協力
する意思を明確にしている一方で、
政府
はいつまでたっても結論を出さず、放置しているだけになっています。 また、原子力規制委員会も、規制基準を満足する形で十分な希釈を行った上で海洋放出を行うという立場を明らかにしています。
日本
維新の会は、昨年の十月、
福島
第一原発
処理
水に関する緊急提言をまとめ、
処理
水は原子炉等規制法で定める基準を満たすように
処理
した上で早期に海洋放出するべきであると考え、
政府
の早急な決断を求めています。
政府
はいつ決断するのでしょうか。経済産業大臣にお答えいただきます。 最後に、
福島イノベーション・コースト構想
についてお伺いします。
復興
・
創生期間
後の
基本方針
におきまして、
福島イノベーション・コースト構想
を軸とした産業の集積がうたわれております。
政府
は、
公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構
が十分に活動できるよう、国
職員
の派遣のための
制度
の
整備
及び
福島イノベーション・コースト構想
を軸とした
産業集積
の
加速化
、そして人材の育成などを更に進める
方針
として打ち出しています。
福島
県もまた、昨年十一月のふくしま
復興
・創生に向けた緊急
要望
におきまして、
福島イノベーション・コースト構想
推進
機構への国
職員
派遣のための
制度
整備
を
要望
しています。十分な人材なくしては、
構想
は進んでいきません。
福島
県の
要望
に対して、具体的に
政府
はどのように
制度
整備
で応えられるのでしょうか。
復興大臣
にお聞きいたします。 これまで
日本
維新の会は、歳費二割カットして
東日本大震災
の
被災地
などに寄附をしてまいりました。
国民
の皆さんは、二〇一三年から二十五年間、二〇三七年まで
所得
税の二・一%を払い続けています。平成三十年度決算では、中小企業への
支援等
の
予算
執行率が二九・八%にとどまっていることを明らかにしております。この点に関する
政府
の
説明
を聞きましても、本当に
支援
が必要な企業に
予算
が使われていないのではないかという懸念は一向に解消されておりません。
国民
の血税は
被災地
の
復興
のために有効に使われなければならないことをここで改めて指摘させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
) 〔
国務大臣田中和徳
君
登壇
、
拍手
〕
田中和徳
16
○
国務大臣
(
田中和徳
君) ただいまの石井苗子議員の
お尋ね
にお答えをいたします。
復興
の
進捗
とこれまでの
復興政策
への自己評価について
お尋ね
がございました。 これまでの
取組
により、
地震
・
津波被災地域
においては、災害公営住宅や
高台移転
の
整備
などの住まいの再建はおおむね完了し、
復興
・
創生期間
内に仮設
生活
の解消を目指すなど、
復興
の総仕上げの段階に入っております。 また、
原子力災害被災地域
については、本年三月に
帰還困難区域
を除く全ての
地域
で
避難指示解除
が実現するとともに、
福島イノベーション・コースト構想
の中核を成す拠点
施設
が全面開所となるなど、
復興再生
が本格的に始まっております。 一方で、
地震
・
津波被災地域
における心の
ケア
などの
被災者支援
や、
原子力災害被災地域
における
帰還
、
移住
の一層の
促進
、
風評
の払拭などの
課題
が残されていると認識しております。 これまでの
復興政策
は、
被災地
の方々の御努力と相まって
効果
を上げ、
被災地
の
復興
は着実に進展していると認識しており、
被災自治体
からも御評価をいただいております。 なお、残された
課題
につきましては、
復興庁
の
設置期間
を十年
延長
するなどの法案をお諮りしているところであり、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。
復興
特区法の
対象
地域
及び
復興
交付金
について
お尋ね
がございました。 まず、
復興
特区法の
対象
地域
の重点化に際しましては、これまでの
復興
状況
等を踏まえ、
津波
被害
が甚大で基盤
整備
に時間を要した
地域
や
原子力災害被災地域
など、
復興
の
課題
が引き続き集中している
地域
に重点化する方向で
検討
してまいります。 また、
復興
交付金
については、
復興
・
創生期間
内におおむね
事業
が完了する見込みとなっております。同
交付金
の廃止により
復興
の
進捗
に
支障
を来すことがないよう、引き続き
進捗
管理等を徹底し、同
期間
内に全ての
事業
の完了を目指すこととしております。
福島イノベーション・コースト構想
推進
機構への国の
職員
派遣について
お尋ね
がございました。 昨年十一月、
福島
県知事より、現地での
構想
の
推進
を担うイノベ機構への国の
職員
派遣に必要な
制度
の創設について御
要望
をいただきました。本
要望
を踏まえ、今般の
福島特措法
の
改正案
に、イノベ機構の
要請
に基づき、国の
職員
の派遣を可能とする
制度
の創設を盛り込んだところでございます。 今後、イノベ機構は、この春に全面開所を迎えた
福島
ロボットテストフィールドを始め、
研究開発拠点
を活用しながら、実証実験の呼び込みやその成果を踏まえた
制度
の企画立案など、新たな業務に取り組む段階となります。 こうしたイノベ機構の業務
拡大
や
福島
県の
要望
をしっかりと踏まえつつ、十分な知見やノウハウを有する国の
職員
を派遣することで、イノベ機構の
取組
を強力に
推進
してまいります。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
梶山弘志君
登壇
、
拍手
〕
梶山弘志
17
○
国務大臣
(梶山弘志君) 石井議員からの御質問にお答えをいたします。 ALPS
処理
水の取扱いに関する
政府
決定の時期について
お尋ね
がありました。 ALPS
処理
水の
処分
方針
の決定は、本年二月に公表されました小委員会の報告書を踏まえ、現在、地元を始めとした
関係
者から御意見をお伺いしているところであります。 汚染水が毎日発生している中で、いつまでも
方針
を決めずに先送りすることのできない
課題
と考えており、引き続き様々な
関係
者の御意見をお伺いした上で、最終的には
風評被害
対策
を含めて
政府
として
責任
を持って結論を出してまいります。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
18
○
議長
(
山東昭子
君) 岩渕友さん。 〔岩渕友君
登壇
、
拍手
〕
岩渕友
19
○岩渕友君 私は、
日本
共産党を代表し、
復興庁設置法等
の一部を
改正
する
法律案
について質問します。 冒頭、
黒川
弘務東京高検検事長の辞任問題について述べます。 安倍
内閣
が法解釈をねじ曲げ
定年延長
の
閣議決定
をした、その
黒川
検事長が賭けマージャンで辞任するというてん末に、多くの
国民
はあきれ果てています。安倍
内閣
の
責任
は重大です。憲法と
検察
庁法の精神に背いた違法な
閣議決定
、それを
後付け
しようとする
検察
庁法案の
特例規定
はいずれも撤回すべきです。
黒川
氏への
処分
を
訓告
にとどめたことに怒りが沸き上がっています。
法務省
が
懲戒
相当としていたものを首相官邸が覆したとの報道もあります。
安倍総理
は、
法務省
、
検察
が決めたことと言います。しかし、
森法務大臣
は当初、
内閣
が決めたと会見で述べ、決算委員会でも
内閣
と協議したことを認めています。稲田
検事総長
は、
訓告
処分
を主導したことを否定しています。誰が、どういう理由で、
懲戒処分
にしないと決めたのか、明らかにする必要があります。
予算
委員会での集中
審議
の開催を強く求めます。 本法案は、
復興庁
を十年
延長
する設置法改定を始め、五つの法案が束ねられています。
被災者
、
被災地
の実態から見れば、
復興庁
の
延長
は当然のことです。同時に、法案には本来、東京電力が
負担
すべき原発事故の
処理
費用を新たに
国民
に押し付ける内容が含まれています。これは、
被害
者への損害賠償を打ち切る東京電力を救済し、
責任
を免罪するもので、断じて許せません。 以下、法案についてお聞きします。
東日本大震災
から九年二か月たちました。いまだに四万人を超える方々が避難
生活
を余儀なくされています。 二月に
岩手
県陸前高田市、宮城県石巻市で話をお聞きしました。直接の
被害
に加え、消費税増税や
台風被害
など、なりわいや
地域
経済への打撃が続いていたところに、
新型コロナウイルス
の
影響
が重くのしかかっています。加えて、
復興
公営住宅の高齢化と孤独死、心の
ケア
やコミュニティーの形成、在宅
被災者
の問題など、新たな困難や
課題
が生じています。 昨年末
閣議決定
された
基本方針
は、
地震
・
津波被災地域
は、
復興
・
創生期間
後五年間で
復興事業
の終了を目指すとしています。必要な
支援
を期限ありきで打ち切るようなことがあってはなりません。
被災者
、
被災地
の実態を国が
責任
を持って把握すること、実態に合わせた
支援
を
継続
するべきです。
復興大臣
、お答えください。
東日本大震災
特別家賃低減
事業
は、
復興
交付金
を使って
地方公共団体
が行う
復興
公営住宅の家賃減免費用の一部を
支援
しています。管理開始から五年間は特段の減額
措置
、その後五年間で段階的に家賃が引き上げられます。法案では
復興
交付金
を本年度末で廃止するとしています。 管理開始したばかりの住宅、完成が今年度という住宅もあります。別の補助で引き続き
支援
するとのことですが、供与開始時期の違いで同じ
支援
が受けられないとすれば不公平です。供与開始時期にかかわらず、十年間は当然補助されるということでいいですね。
復興大臣
に確認します。
東京電力福島
第一原発事故
被害
者の実態はどうなっているか。三月四日、双葉町の
帰還困難区域
の一部が解除され、全町避難の
自治体
はなくなりましたが、
避難指示解除
地域
の居住率は三割にすぎません。三月末には、浪江町や富岡町など、
帰還困難区域
を抱える
自治体
の住宅無償提供が初めて終了となりました。帰ることができないのに、住宅提供は打ち切る。
被害
者切捨てにほかなりません。国は住まいの
確保
に最後まで
責任
を果たすべきです。
復興大臣
、お答えください。 東京電力は損害賠償の打切りも進めています。原発ADRで、和解案を受け入れる条件に今後の請求の放棄を迫る完全清算条項を要求するなど、とても加害者とは思えません。経産大臣、
被害
者が損害賠償の請求を諦めることがないよう、東京電力を厳しく指導するべきではありませんか。 東京電力を被告にした
福島
原発避難者訴訟の仙台高裁判決は、中間指針を超えて避難
生活
による精神的苦痛への慰謝料を
増額
し、ふるさとを喪失し変容させられた損害への慰謝料を認めました。中間指針の見直しは待ったなしです。文科大臣、お答えください。 このような東京電力を更に救済しようというのが
特別会計
法改定案です。これは、原発事故により発生した
放射性廃棄物
を保管する
中間貯蔵施設
、この関連費用を拠出する電源開発
促進
勘定に、
再生可能エネルギー
の
導入
などに使うエネルギー需給勘定から資金の繰入れを可能とするものです。東京電力が
負担
すべき費用を国が資金交付している上に、更にその
財源
が逼迫したから別勘定から繰り入れるということは、東京電力の
責任
を免罪するものです。 電源開発
促進
勘定の
財源
は、電気料金に上乗せされている電源開発
促進
税です。経産大臣、繰り戻すための費用は結局
国民
負担
になるのではありませんか。原発事故の
責任
を
国民
に転嫁することは到底認められません。
福島イノベーション・コースト構想
についてお聞きします。
廃炉
やロボット、ドローンなど、浜通り
地域
の産業回復をうたう
構想
ですが、昨年の県政世論調査で内容を知らないと答えた県民が八割以上に上りました。呼び込み型の巨大開発が中心となり、地元の
事業者
や
住民
の要求にかみ合っていないのではないでしょうか。認識を伺います。 広野町、いわき市勿来に建設中の石炭ガス化複合発電、IGCCもイノベーション・コースト
構想
の一つです。
政府
はIGCCは効率がいいと言いますが、二酸化炭素の抑制
効果
は一五%にすぎません。イノベーション・コースト
構想
の名で石炭火力発電を進めることは、喫緊の
課題
である気候変動
対策
に逆行することになるのではありませんか。以上、経産大臣にお聞きします。 最後に、いわゆるALPSで
処理
した汚染水の取扱いをめぐる問題について聞きます。 小委員会が示した海洋放出、大気放出案に基づいて、
関係
者の御意見を伺う場が開催されてきました。
新型コロナウイルス
の
影響
が広がり、広く意見を聞くことができない
状況
の下で、なぜ今開催するのですか。 東京電力の試算では、汚染水をためるタンクは二〇二二年夏頃までには満杯になり、
処分
準備に二年程度掛かるとしています。梶山大臣は
方針
決定の先送りはできないと述べており、タンクの
置場
を理由に結論ありきで
処分方法
を決定しようとしているのではありませんか。 二月には
福島
県沖で捕れる全魚種の出荷が可能となり、四月には浪江町の請戸漁港で九年ぶりに競りが
再開
された中で、海洋放出は
漁業者
の努力を無に帰すものと怒りの声が上がり、浪江町議会は海洋放出に反対する決議案を全会一致で可決しています。 国際
環境
NGO、FoEJapanが
福島
県近隣六都県の漁協を
対象
に行ったアンケートでは、九一%が海洋放出に反対と回答し、八五%が
国民
的な
議論
を求めています。茨城県知事が
政府
に白紙で再
検討
を求め、台湾の
環境
団体が海洋放出に反対を訴える経産省宛ての意見書を
提出
するなど、反対の声は国内外に広がっています。陸上保管を
継続
し、意見を幅広く聞くべきではありませんか。以上、経産大臣、お答えください。 一たび事故が起きれば、ふるさとも日常も奪い、
環境
を汚し、そのツケを
国民
に押し付けることになるのが原発です。原発ゼロの政治決断を強く求めて、質問を終わります。(
拍手
) 〔
国務大臣田中和徳
君
登壇
、
拍手
〕
田中和徳
20
○
国務大臣
(
田中和徳
君) ただいまの岩渕友議員の
お尋ね
にお答えをいたします。
地震
・
津波被災地域
における
被災地
、
被災者
の実態把握とそれに合わせた
支援
について
お尋ね
がございました。
地震
・
津波被災地域
については、心の
ケア等
の
被災者支援
を始めとする
課題
が残るものと認識しており、まずは、
復興
・
創生期間
後の五年間において、国と
被災自治体
が連携して全力で取り組んでまいります。その上で、
被災者支援
や
子供
に対する
支援
で五年以内に終了しないものについては、昨年末の
基本方針
において、個別の事情を丁寧に把握し、適切に
対応
することとしております。 今後とも、
被災自治体
とも連携をして、
被災地
や
被災者
の
実情
を丁寧に把握しながら、必要な
支援
を行ってまいります。 災害公営住宅の特別家賃低減
事業
について
お尋ね
がございました。 昨年十二月に
閣議決定
した
復興
の
基本方針
において、
復興
交付金
による
支援
から別の補助に移行した上で引き続き
支援
する、その際、管理開始時期が異なる
被災地方公共団体
間の公平性等を踏まえながら、適切に
支援
水準の見直しを行うとされております。
復興庁
では、管理開始時期の違いにより
支援
に差異が生じることのないよう、国土交通省とともに引き続き適切に
支援
水準の見直しを
検討
してまいります。 浪江町や富岡町等の仮設住宅の供与終了について
お尋ね
がございました。
応急仮設住宅
の供与の終了は、
市町村
の意向や
復興
公営住宅の
整備
状況
などを踏まえ、
福島
県が適切に判断し、
内閣
府への協議を経て決定されたものであります。
応急仮設住宅
は仮の住まいであり、
帰還困難区域
であるか否かにかかわらず、なるべく早期に恒久住宅に
移転
していただくことが望ましいと認識しております。
復興庁
としては、今後とも、県や
市町村
と連携をして、
被災者
の方々の
生活
再建に全力で取り組んでまいります。 以上でございます。(
拍手
) 〔
国務大臣
梶山弘志君
登壇
、
拍手
〕
梶山弘志
21
○
国務大臣
(梶山弘志君) 岩渕議員からの御質問にお答えをいたします。 原子力損害賠償についての
お尋ね
がありました。 ADRにおいて、東京電力が清算条項付きの和解案を提案することがありますが、申立人が不測の不利益を被らないよう、ADRセンターは慎重な
検討
を行っており、また、将来予測できない事情の変化が生じた場合には柔軟な
対応
も必要と考えております。今後とも、
被災者
に寄り添い、迅速かつ適切な賠償を行うよう、東京電力を指導をしてまいります。 エネルギー
対策
特別会計
について
お尋ね
がありました。 今般の
措置
は、国として行う
福島
の
復興再生
に関する
施策
の
財源
確保
に万全を期すため、仮に一時的に
財源
が不足する場合の融通を可能とするものであります。繰戻しは電源開発
促進
勘定から行うことになりますが、既存の電源開発
促進
税の税率引上げによって繰り戻すことは想定をしておらず、新たな
国民
負担
になるものではありません。
福島イノベーション・コースト構想
について、地元業者や
住民
の要求にかみ合っていないのではないかとの
お尋ね
がありました。 これまで経済産業省では、決して大型
施設
の
整備
だけではなく、企業誘致の
支援
に取り組み、約三百件の企業立地と約四千人の地元雇用を生んでまいりました。また、進出企業と地元企業とのマッチング
支援
も行い、昨年度は約七十の商談を設定をし、八件の取引
成立
を実現をしております。 こうした
取組
を通じて、地元企業や地元
住民
の御
要望
に一定程度応えてきたと認識しておりますが、今後は、より一層の御
要望
に応えられるよう、
構想
への地元企業の更なる参画を促し、地元への経済
効果
につなげ、
福島
浜通りの一日も早い
復興
を実現できるよう、全力で取り組んでまいります。
福島イノベーション・コースト構想
における石炭火力発電の
推進
について
お尋ね
がありました。 本
構想
は、
福島
県が掲げる原子力に依存しない、安全、安心で持続的に発展可能な社会づくりとの
復興
の基本理念を踏まえて
策定
をしております。本
構想
に位置付けられるIGCCの開発、実用化は、非効率な石炭火力発電から高効率な石炭火力発電への新陳代謝を促すものであり、将来的な温室
効果
ガスの排出削減につながるものと考えております。 ALPS
処理
水の取扱いに関する御意見を伺う場の開催、決定に向けたプロセス及び幅広い意見の聴取について
お尋ね
がありました。 ALPS
処理
水の
処分
方針
の決定は、本年二月に公表をされました小委員会の報告書を踏まえ、現在、地元を始めとした
関係
者から御意見をお伺いしているところであります。御意見を伺う場については、
緊急事態宣言
が発令されていた中、
関係
者の御意見を丁寧にお伺いするために、以前から既に参加が予定をされ、かつウエブ
会議
での参加も可能と回答された方から参加をいただき開催をいたしました。 タンク保管の
継続
について、小委員会の報告書には、現行
計画
以上の増設の余地は限定的であると指摘をされております。こうしたことも踏まえながら、結論ありきではなく、引き続き様々な
関係
者の御意見をお伺いした上で、最終的には
風評被害
対策
を含めて、
政府
として
責任
を持って結論を出してまいります。(
拍手
) 〔
国務大臣
萩生田光一君
登壇
、
拍手
〕
萩生田光一
22
○
国務大臣
(萩生田光一君) 岩渕議員にお答えいたします。 仙台高裁判決を受けての中間指針の見直しについて
お尋ね
がありました。 仙台高裁の判決については、現時点では確定しておらず、また、中間指針等の見直しは原子力損害賠償紛争審査会で御
審議
いただくことと考えています。 これまでの東電
福島
原発事故に係る訴訟の判決については、紛争審査会において報告を適宜行っておりますが、判決は確定前のものであり、また各判決には内容にばらつきがあるため、現時点では直ちに中間指針等の見直しを
検討
する
状況
にはないことを確認いただいております。 いずれにしましても、文部科学省としては、引き続き動向を注視してまいりたいと思います。(
拍手
)
山東昭子
23
○
議長
(
山東昭子
君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
山東昭子
24
○
議長
(
山東昭子
君)
日程
第一
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
アルゼンチン共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第二
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ウルグアイ東方共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第三
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ペルー共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第四
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
とジャマイカとの間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第五
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
ウズベキスタン共和国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第六
所得
に対する
租税
に関する二重
課税
の除去並びに
脱税
及び
租税回避
の
防止
のための日
本国
と
モロッコ王国
との間の
条約
の
締結
について
承認
を求めるの件 (いずれも
衆議院送付
) 以上六件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長北村経夫さん。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔北村経夫君
登壇
、
拍手
〕
北村経夫
25
○北村経夫君 ただいま議題となりました
条約
六件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、アルゼンチン、ウルグアイ、ペルー、ジャマイカ及びモロッコとの
租税
条約
は、いずれも二重
課税
の除去を目的とした
課税
権の調整を行うものであります。 次に、ウズベキスタンとの
租税
条約
は、現行の日ソ
租税
条約
をウズベキスタンとの間で全面的に
改正
し、投資
所得
に対する源泉地国
課税
の更なる軽減等について定めるものであります。 委員会におきましては、六件を一括して議題とし、
租税
条約
締結
の意義、各
条約
における仲裁
規定
等の
導入
状況
、デジタル
課税
に関する国際合意の見通しと我が国の
対応
、日中
租税
協定
改正
の見通し等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 質疑を終え、討論に入りましたところ、
日本
共産党の井上理事より六件に反対する旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、六件はいずれも多数をもって
承認
すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
26
○
議長
(
山東昭子
君) これより六件を一括して採決いたします。 六件を
承認
することに賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
山東昭子
27
○
議長
(
山東昭子
君) 過半数と認めます。 よって、六件は
承認
することに決しました。(
拍手
) ─────・─────
山東昭子
28
○
議長
(
山東昭子
君)
日程
第七
国家戦略特別区域法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。
地方創生
及び消費者問題に関する特別委員長佐藤信秋さん。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔佐藤信秋君
登壇
、
拍手
〕
佐藤信秋
29
○佐藤信秋君 ただいま議題となりました
法律案
につきまして、
地方創生
及び消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本
法律案
は、最
先端技術
の活用と
規制緩和
により、未来社会の先行実現を目指すスーパーシティ
構想
の実現に向けた
制度
を
整備
するとともに、自動車の自動運転等の高度で革新的な実証実験のための道路運送車両法等の
特例措置
の追加等を講じようとするものであります。 委員会におきましては、スーパーシティ
構想
を
推進
する意義、データ連携と個人情報保護に関する懸念、
計画
への
住民
関与の
在り方
及び
住民
合意の方法、国家戦略特区の成果の
全国
展開や決定過程の透明性に係る
課題
等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲・
国民
.新緑風会・社民の伊藤理事より反対、
日本
共産党の大門委員より反対の旨の意見が述べられました。 次いで、採決の結果、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対し附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
30
○
議長
(
山東昭子
君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。森ゆうこさん。 〔森ゆうこ君
登壇
、
拍手
〕
森ゆうこ
31
○森ゆうこ君 立憲・
国民
.新緑風会・社民共同会派、
国民
民主党の森ゆうこでございます。 私は、会派を代表し、
安倍政権
の提唱するAIやビッグデータを活用して実証実験する丸ごと未来都市、スーパーシティ、
国家戦略特別区域法
の一部を
改正
する
法律案
に対し、反対の立場から討論を行います。 国、
自治体
、民間で構成する強力な
推進
機関を設ける必要がある、
推進
機関とは従来の国家戦略特区の
区域
会議
を更に充実
強化
した言わばミニ独立
政府
、その
推進
機関には域内での独自の規制の設定などを含め強力な権限を与えること、これが竹中平蔵氏を会長とするスーパーシティ
構想
実現に向けた有識者懇談会による最終報告の一部です。 ミニ独立国家を目指すというスーパーシティにおける主権者は誰ですかという私の極めてシンプルかつ通告ペーパーどおりの質問に、北村大臣が曖昧な
答弁
を繰り返し、委員会は何度も中断しました。 地方
自治体
の条例が国の法令を凌駕して
特例
をつくることができるという有識者懇談会の案は、
内閣
法制局から憲法九十四条違反の可能性を指摘されてトーンダウンしましたが、
提出
法案では、スーパーシティの
事業
計画
に当たる
区域
計画
を
計画
案の段階で
内閣
総理大臣に
提出
して認定を受け、複数の規制の
特例措置
を一括かつ迅速に実現することが担保されています。 例えば、ライドシェアについて、去る五月二十日の参議院本
会議
における
地域公共交通
の
活性化
及び
再生
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
の質疑の際、赤羽国土交通大臣は、安全性が
確保
できないのでライドシェアは認めないと断言をしましたが、特別委員会では、例示されたA市の後期高齢者の通院
対策
を図る提案に関する
福島
みずほ議員の質問に対して、
内閣
府は、ライドシェアが一つの規制改革の
要望
となり
議論
することとなると、実現することを否定しませんでした。赤羽大臣の
答弁
との整合性は一体どうなっているんですか。国会の
審議
をないがしろにするもので、到底容認することはできません。 スーパーシティ
構想
では、データ連携基盤
整備
事業
により、国、
自治体
の持つ行政・
住民
データ、企業保有データ、さらには空間座標などの
地域
データなど、膨大な個人情報を含む広範囲なデータが収集、整理され活用されて最先端のサービスが提供され、理想の未来社会を追求するとされていますが、問題は、本人の同意なしに個人情報の目的外使用や第三者への提供などが可能となる場合があることです。それにもかかわらず、最も重要な
住民
の合意形成が具体的にどのように図られるのか、法案には明記されていません。
内閣
府は、
区域
会議
に
住民
が参加することが条文のどこにあるのかという私の質問に対して、
法律
二十八条の四、二項の
住民
の意向を踏まえなければならないという
規定
を担保するために参加してもらうことを想定していると曖昧な
答弁
を繰り返していましたが、最後には、第七条あるいは第二条三項二号などで解釈できると
答弁
を変更しました。 しかし、
閣議決定
でいとも簡単に
法律
の解釈を変更して、余人をもって代え難いと
黒川
前東京高検検事長の定年を違法に
延長
し、それを正当化するために
検察
庁法の
改正案
を強行採決しようとしていたにもかかわらず、まさかのマージャン
賭博
で
黒川
氏が辞任するや否や、法
改正
そのものが間違いかもと恥ずかしげもなく言い出す
安倍政権
の法解釈を信用することなど到底できません。明らかな欠陥法案であり、採決はやめて出し直すべきです。 最先端の技術を活用して快適な
生活
を送ることに誰も異論はないでしょうが、その代わりに自由とプライバシーを差し出すことはできません。
区域
会議
には、実質的な
責任
者、都市の設計、運営全般を統括するアーキテクトを置き、体制を構築しますが、ミニ独立国家の実質リーダーとなるアーキテクトがどうやって選ばれるのか、明確な
規定
も
答弁
もありませんでした。 スーパーシティの旗振り役であった片山前大臣は、委員会で質問に立ち、データのローカライゼーションの確約、つまり
国民
のデータが海外の
事業者
によって域外に持ち出されることがないようにと力説していましたが、私は大きな違和感を覚えました。なぜなら、昨年
締結
された日米デジタル貿易協定にはローカライゼーションの義務を課すことを禁止する条項があるのではないですか。少なくとも、米国の巨大IT企業が参入した場合には、協定により、ローカライゼーションを主張することはできないのではないでしょうか。また、竹中会長は最先端の技術を持つ海外の
事業者
を想定している
趣旨
の発言をしており、北村大臣も国内の
事業者
に限らないとしております。 今やデータ、特にビッグデータ及びそれを加工したものは高額で売買される商取引の
対象
となっています。そして、その取扱いについては
世界
的に様々な
議論
があり、人権を守り、個人情報保護により配慮するようなルールを設けようとするEUなどの
取組
もあります。また、前のめりな使い方が、人工知能、AIが人類を支配するシンギュラリティー、技術的特異点を招き、映画「マトリックス」や「ターミネーター」のような未来社会が現実的なものになると警鐘を鳴らす科学者もいます。 残念ながら、国家戦略特区や「スーパーシティ」
構想
の実現に向けた有識者懇談会の議事録に、人々の権利を守ることについて真剣に
議論
をした部分を探すことはできませんでした。一方で、岩盤規制を打ち破る国家戦略特区が不当な攻撃を受けている、これをはね返す必要があるという部分には苦笑してしまいました。 やましいことがないのなら、議事録は全て公開すべきです。獣医学部新設のときには、最初の
会議
から加計学園
関係
者が同席し発言していましたが、議事録が改ざんされてその存在が隠蔽されていたことを我々が突き止めました。また、一昨年の
漁業
法
改正
後に、国家戦略特区ワーキンググループの議事メモが水産庁から
提出
され、何の行政権限も持たない民間委員が、非公開にした
会議
の席で厳しく水産庁の
職員
に指示を出している実態が明らかになりました。それにもかかわらず、
安倍総理
も含めて、いまだに議事録は全てオープンで一点の曇りもないと言い張っています。 それにしても、首相官邸有識者懇談会は、なぜいつも同じ顔ぶれなのでしょうか。特に、竹中平蔵氏は、未来投資
会議
の下部
会議
を非公開にして、国土交通省が入札予定価格を類推させるようなことになるという理由で
提出
を拒んでいた空港コンセッションにおけるEBITDA倍率を、竹中会長限りという注釈を付けて
提出
させました。その資料を私も国土交通省から
提出
してもらいましたが、正当な選挙で選ばれた
国民
の代表であるはずの国
会議
員には黒塗りで、肝腎のEBITDA倍率は読み取ることができません。 竹中会長は、空港コンセッションに参入しているオリックスの社外取締役であります。守秘義務のない利害
関係
者を、国家公務員のような倫理規程を課されることもない民間有識者を、
政府
の重要な政策決定
会議
に参加させることは許されません。即刻、竹中平蔵氏などの利害
関係
者を解任することを強く求めます。今だけ、金だけ、自分だけ、
安倍総理
のお友達だけが得をするそんたく政治はもう終わらせましょう。
新型コロナウイルス感染症
緊急事態宣言
が解除されました。しかし、
国民
はいまだに感染症とそれによってもたらされた経済危機などで苦しい
生活
を余儀なくされています。 実際の
施策
を行うのは地方です。
地方創生
担当大臣の今やるべきことは、地方の
財源
を
確保
することであると申し上げまして、反対討論を終わります。 御清聴、誠にありがとうございました。(
拍手
)
山東昭子
32
○
議長
(
山東昭子
君) 柳ヶ瀬裕文さん。 〔柳ヶ瀬裕文君
登壇
、
拍手
〕
柳ヶ瀬裕文
33
○柳ヶ瀬裕文君
日本
維新の会の柳ヶ瀬裕文です。 会派を代表して、
国家戦略特別区域法
の一部を
改正
する
法律案
について、賛成の立場から討論させていただきます。 最初に、今般の
新型コロナウイルス感染症
によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げます。
日本
維新の会は、今後も
新型コロナウイルス
対策
について真摯に建設的な政策提案を行っていくことをお誓い申し上げ、討論に入ります。 一昨日、
緊急事態宣言
が解除となりました。ここまで御尽力いただいた皆様に敬意を表するとともに、私たちは、これからの新しい社会の
在り方
について考えなければなりません。パンデミックの後にどのような社会が訪れるのか。それは決してパンデミックの前の社会に戻るわけではありません。生存の危機を経験し、人々の価値観は大きく変わり、これまでに見たことのない全く新しい社会がつくり上げられていくのです。
世界
はこの
新型コロナウイルス
との闘いを経験し、変化のスピードを競い合うことになるでしょう。我が国
日本
は、この変化に
対応
できるのでしょうか。 これまで
日本経済
は長期にわたって低迷してきました。それは
世界
の変化に
対応
できなかったからであります。その最大の要因は、
政府
による過剰な規制です。資源のない小さな島国である我が国が生き残り、成長していくためには、技術革新、イノベーションが何よりも重要。そして、存分にその真価を発揮できる
環境
が必要です。しかし、その障害となってきたのが、網の目のように張り巡らされた変化を拒む過剰な規制だったのであります。 生存を懸けた感染症との闘いを前にして、大事な
役割
を果たすオンライン診療を一つ実現するにしても、極めて慎重で時間を費やすこととなりました。また、いまだに恒久的なものとなっていません。不合理で時代遅れの規制がこの国の成長、変化を阻んできた一例ではないでしょうか。
世界
が大きく変わろうとしている今、我が国に求められているのは、大胆な規制改革をスピード感を持って行うことであります。その上で、国家戦略特区
制度
は重要な
役割
を担っていますし、今回の法
改正
はこの規制改革を
促進
するものであると考えます。 国家戦略特区
制度
は、成長戦略の実現に必要な大胆な規制・
制度
改革を実行し、
世界
で一番ビジネスがしやすい
環境
をつくることを目的に創設されました。社会情勢の変化の中で、
自治体
や
事業者
が創意工夫を生かした
取組
を行う上で障害となっているにもかかわらず、長年にわたり改革ができていない岩盤規制について、規制の
特例措置
の
整備
や関連する諸
制度
の改革を総合的かつ集中的に
実施
するものであります。 今回の法
改正
では、この国家戦略特区
制度
を進化させ、キャッシュレス化、行政手続ワンスオンリー化、遠隔教育・医療、自動走行など、複数の規制改革を同時、一体、包括的に進めることで
地域
課題
の解決を図るスーパーシティ
構想
の実現に向けた
制度
整備
を行おうとするものであります。これは改革の起爆剤として期待し、賛成するものですが、以下、懸念される点について述べておきたいと思います。 スーパーシティにおける
区域
の選定が透明かつ公正なプロセスを踏まなければならないことは当然ですが、
区域
会議
に参加する
事業者
の選定についての外形的
公正性
をどう担保するかは重要です。 IRにおいては、大阪方式と呼ばれる非常に厳しい
事業者
との接触ルールが設けられています。特区とIRではエリアの選定と
事業者
の公募選定の順番が異なりますが、前向きに厳しいルールを設定し、透明性、公平性、
公正性
を担保すべきと考えます。 また、従来の国家戦略特区
制度
では、
事業
計画
案の
検討
中に新たな規制の
特例措置
について各省調整を行い、その段階で多くの
事業
が断念、若しくは個別に内容の修正を受けるという問題がありました。 本法案では、この点を克服すべく、各省調整の前段階で
事業
計画
案を公表することにより、各省の
検討
が同時、一体、包括的に進むよう後押しする仕組みとなっています。
区域
の指定時にはその
事業
計画
案に対し各省の
協力
が得られる見通しが必要である、このことを強く指摘しておきたいと思います。 また、
政府
には、個人情報保護
関係
条例に基づき、国際的な動向も踏まえた厳密で適切な個人情報の取扱いを求めます。個人情報保護法の目的
規定
には、「個人情報の適正かつ
効果
的な活用が新たな産業の
創出
並びに活力ある経済社会及び豊かな
国民
生活
の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。」とあります。 ビッグデータの活用が進む現代においては、イノベーションを
促進
する観点から、個人情報を保護しつつ、適正に活用することが重要です。スーパーシティ
構想
においては、こうした個人情報の保護と活用のバランスに十分に配慮し、我が国の
地域
課題
の解決に抜本的に取り組んでいただきたいと考えます。 最後に、
政府
に苦言を呈しておきたいというふうに思いますけれども、私が一番心配しているのは、現
安倍政権
が本気で規制改革に取り組もうとしているのかどうなのか、その姿勢であります。
安倍総理
は、規制改革は
安倍政権
の成長戦略の中核であり、様々な岩盤規制を打ち砕くために、その突破口となる国家戦略特区を創設したと述べています。同意するところであります。 しかし、
令和
元年度に実現した規制改革
措置
はたったの十二件、これまで
全国
展開されたものは
制度
創設から八件にとどまります。特区の新たな
区域
指定は三次指定から四年がたちますが、動きはありません。現在の国家戦略特区
制度
は、もう完全に停滞
状況
にあると言えます。 今回の
改正
によってスーパーシティ実現に向けた
制度
は
整備
されるものの、複数の規制を一体的に行うものであり、様々な障害は容易に想像できるものであります。まさに、政権の改革に向けた意思が問われるのです。仏作って魂入れずとならないように真摯に取り組んでいただきたいと考えますし、国家戦略特区を活用した岩盤規制改革への
取組
の
活性化
を求めたいと思います。 ウイズコロナ、アフターコロナの時代に、我が国が国際間競争を勝ち抜いてしかるべき地位を占めることができるのか、また、感染症と共存し、安心に暮らすことができる社会に変わることができるのか、それはこの大きな変化に
対応
できるかどうかに懸かっています。
日本
維新の会は、
基本方針
で、成長を阻害する要因を徹底的に排除し、イノベーションを
促進
することをうたっていますが、新しい社会像を描く中で、今後も岩盤規制を打ち砕き、未来に向けて建設的な政策提言を行っていくことをお誓い申し上げ、賛成の討論といたします。(
拍手
)
山東昭子
34
○
議長
(
山東昭子
君) 大門実紀史さん。 〔大門実紀史君
登壇
、
拍手
〕
大門実紀史
35
○大門実紀史君
日本
共産党を代表して、国家戦略特区法
改正案
、いわゆるスーパーシティ法案に反対の討論を行います。 反対する最大の理由は、本法案が
日本
を中国のような監視社会に導き、個人のプライバシーと権利を侵害する重大な危険性があるからです。 現在、オンラインショッピングなど個別のサービスにおいて、個人が自分の情報を提供し、サービスを受けるということは日常的に行われています。しかし、各サービスの間で勝手に個人情報が交換されるということはありません。 ところが、スーパーシティ
構想
は、企業などの
実施
主体が
住民
の様々な個人情報を一元的に管理し、代わりに医療、交通、金融などの各種サービスを丸ごと提供しようとするものです。また、町じゅうに設置された監視センサーによる顔認証やスマートフォンの位置情報によって
住民
の行動を
実施
主体が掌握します。 さらに、個人情報や行動軌跡はビッグデータに集積され、AI、人工知能によって分析、プロファイリング、個人の特徴を識別します。
実施
主体がその個人の情報だけでなく特性や人格まで推定することが可能となります。最先端のIT技術を活用した便利で快適な暮らしは
国民
の多くが望むものですが、個人情報を一元的に管理されると恐るべき監視社会が出現するのです。 一九四九年、イギリスの作家ジョージ・オーウェルが「一九八四」という近未来小説を著しました。町じゅうに設置されたマイクやテレスクリーンによって市民
生活
が二十四時間監視される不気味な監視社会を描いたもので、戦後の欧米社会にプライバシー保護の重要性を深く認識させた作品でした。それから七十年、IT技術の進展はオーウェルの想像をはるかに超えた監視社会を現実のものとしました。 二〇一七年、情報セキュリティーの
世界
的権威であるハーバード大学のブルース・シュナイダー博士は、著書「超監視社会」の中で、デジタル社会における監視の恐怖を訴えるとともに、監視を
推進
しようという人たちを次のように批判をしています。 監視を正当化したがる人たちは、隠し事がないのなら監視を恐れる必要はないと言うが、これはプライバシーの価値を矮小化した危険な考え方である。プライバシーは
世界
との関わり方を自分で決めるために不可欠のものであり、プライバシーを奪われることは人間としての尊厳を奪われることである。 二〇一九年、カナダの社会学者デイヴィッド・ライアンは、著書「監視文化の誕生」において、国や経済が提唱するスマートシティー
構想
、
日本
ではスーパーシティですが、新たなサービスを提供するだけでなく、監視社会を軌道に乗せるための実験場となり、結局は
住民
より国家及び企業優先の都市になる危険性があると警告しました。 委員会の
審議
でも、スーパーシティと個人情報保護との
関係
に質問が集中しましたが、
政府
は、個人情報保護法制を守っていくと同じ
答弁
を繰り返すだけでした。しかし、現在、
日本
の個人情報保護法制はIT技術の進歩に全く追い付いておらず、個人情報を守ることはできません。例えば、ネット上の匿名情報も今やほかの情報と突き合わせると個人を特定することができます。そのため、EUやアメリカのカリフォルニア州では匿名情報も規制の
対象
に入れることにしましたが、
日本
は今回の個人情報保護法制
改正案
でも
対象
外にしたままです。 現在、監視社会におけるトップランナーは中国です。中国では、習近平体制の下、人々は
政府
や大企業へ自ら進んで個人情報を提供し、様々な最先端のサービスを受けてきました。同時に、
政府
、大企業は、集まった膨大なデータを分析し、
国民
への監視や統治に活用してきました。少数民族ウイグル族への弾圧や、民主化を求める活動家の拘束にも監視カメラや顔認証技術が用いられてきたのです。
政府
が、スーパーシティ
構想
のお手本としてきたのが、その中国の杭州市です。杭州市はIT大手企業アリババの本拠地で、町全体のIT化が
世界
で一番進んでいますが、裏を返せば、町じゅうに監視カメラが数千台もあるなど、監視社会の最先端を走っています。ちなみに、これらの中国の監視設備に部品を提供してきたのはソニーやシャープなど
日本
の大企業です。 昨年八月三十日、
日本政府
と中国
政府
との間で、スーパーシティ
構想
で連携していくという覚書が交わされました。また、有識者懇談会座長の竹中平蔵氏も、度々中国のIT技術を称賛しています。私は、委員会で
日本
のスーパーシティ
構想
は中国との技術連携を想定しているのかと質問しましたが、
内閣
府の
審議
官はその可能性を否定しませんでした。 科学技術というものは、どんな社会を目指すのかという哲学やビジョンによって
方向性
と中身が決まります。中国のような民主化を弾圧するような国が整えてきた監視技術を
日本
が見習い、後追いをすべきではありません。また、その必要もありません。 カナダのトロントのスマートシティー
構想
は、監視センサーによる
住民
監視に対し大きな反対運動が起き、
財政
問題なども重なって中止に追い込まれました。一方、スペインのバルセロナでは、個人情報を守りながら、
住民
の合意に基づいて交通整理や駐車場管理、ごみ集めシステムなど、
住民
に喜ばれるスマートシティーづくりを進めています。見習うべきは杭州やトロントではなく、バルセロナのような
住民
合意を前提にした
町づくり
です。 ところが、本法案には
住民
合意を担保する仕組みが見事に欠落しています。この間、中国だけでなく
世界
の幾つかの国では、新型コロナの感染
防止
対策
を理由に
政府
による監視体制の
強化
が進み、
国民
も自発的に個人情報を提供するようになっています。しかし、緊急時は別として、それが日常化することは危険です。
世界
的ベストセラー「サピエンス全史」を著した歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、日経新聞のインタビューに答えて、今回のコロナ危機が
政府
による監視を正当化し、個人のプライバシーを脅かす転機となる危険があると警告しています。 ハラリ氏は、人々が日々手を洗うのは当局に監視されているからではなく、科学を信頼し、手洗いの効用を
理解
しているからだ、自らの健康を守るための方法は監視と処罰ではなく市民社会の成熟であり、健康とプライバシー保護の両立は可能だと主張しています。 この数年、巨大IT企業GAFAなどによる個人情報の流出が相次ぎ、個人情報保護の
強化
が
世界
の流れになっています。今重要なことは、個人情報を保護しつつ、
先端技術
を
住民
福祉の向上にどう生かすのかという落ち着いた
国民
的
議論
です。プライバシー保護という時代の流れを視野に入れた
中長期
的な企業戦略です。そこにこそ、
日本
社会と経済の未来があります。 しかるに、哲学もビジョンも深い考えもなく、目先の利益だけを追う一部の企業家などの拙速な要求だけで社会の
在り方
を変えようとする本法案は言語道断であり、撤回すべきです。 以上申し上げて、反対討論といたします。(
拍手
)
山東昭子
36
○
議長
(
山東昭子
君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
山東昭子
37
○
議長
(
山東昭子
君) これより採決をいたします。 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
山東昭子
38
○
議長
(
山東昭子
君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。(
拍手
) ─────・─────
山東昭子
39
○
議長
(
山東昭子
君)
日程
第八 持続可能な
運送サービス
の提供の
確保
に資する
取組
を
推進
するための
地域公共交通
の
活性化
及び
再生
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長田名部匡代さん。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔田名部匡代君
登壇
、
拍手
〕
田名部匡代
40
○田名部匡代君 ただいま議題となりました
法律案
につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本
法律案
は、持続可能な
運送サービス
の提供の
確保
に資する
取組
を一層
推進
するため、
地方公共団体
による
地域公共交通
計画
の作成及び同
計画
に定められた
事業
の
実施
に係る
関係
法律
の
特例
、自家用有償旅客運送の規制の合理化、独立行政法人鉄道建設・運輸
施設
整備
支援
機構による流通業務総合効率化
事業
の
推進
のための
規定
の
整備
等の
措置
を講じようとするものであります。 委員会におきましては、
地域公共交通
に対する
支援策
、
地域公共交通
計画
の作成
促進
に向けた
取組
、自家用有償旅客運送の
在り方
等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 質疑を終局した後、
日本
共産党の武田良介理事より、自家用有償旅客運送の運送
対象
の追加等の
改正
部分の削除に関する修正案が
提出
されました。 次いで、討論に入りましたところ、
日本
共産党を代表して武田理事より、原案に反対、修正案に賛成する旨の意見が述べられました。 次いで、採決の結果、修正案は否決され、本
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対して附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
41
○
議長
(
山東昭子
君) これより採決をいたします。 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
山東昭子
42
○
議長
(
山東昭子
君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。(
拍手
) ─────・─────
山東昭子
43
○
議長
(
山東昭子
君)
日程
第九
特定高度情報通信技術活用システム
の開
発供給
及び
導入
の
促進
に関する
法律案
日程
第一〇
特定デジタルプラットフォーム
の透明性及び
公正性
の向上に関する
法律案
(いずれも
内閣提出
、
衆議院送付
) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長礒崎哲史さん。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔礒崎哲史君
登壇
、
拍手
〕
礒崎哲史
44
○礒崎哲史君 ただいま議題となりました両
法律案
につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、
特定高度情報通信技術活用システム
の開
発供給
及び
導入
の
促進
に関する
法律案
は、
国民
生活
等の基盤となる
特定高度情報通信技術活用システム
の開
発供給
等がサイバーセキュリティーを
確保
しつつ適切に行われることが我が国の
産業基盤
を
整備
する上で重要であることに鑑み、同システムの開
発供給
等の
促進
に関する指針の
策定
、同システムの開
発供給
等に係る
計画
の認定
制度
の創設等の
措置
を講じようとするものであります。 次に、
特定デジタルプラットフォーム
の透明性及び
公正性
の向上に関する
法律案
は、デジタルプラットフォーム提供者の
自主性
及び自律性に配慮しつつ、商品等提供利用者等の利益の保護を図ることが
課題
となっている
状況
に鑑み、
特定デジタルプラットフォーム
提供者の指定、同提供者による提供条件等の開示、
特定デジタルプラットフォーム
の透明性及び
公正性
についての評価等の
措置
を講じようとするものであります。 委員会におきましては、両
法律案
を一括して議題とし、参考人から意見を聴取するとともに、
特定高度情報通信技術活用システム
に係る認定基準の
在り方
、中小企業や地方における5G等の
導入
促進
に向けた
支援
拡充の必要性、
特定デジタルプラットフォーム
の指定に係る
対象
範囲の
在り方
、デジタルプラットフォームに対する規制の実効性
確保
の方策、我が国企業の競争力
強化
や経済安全保障に
対応
した産業政策の重要性等について質疑が行われましたが、その詳細は
会議
録によって御承知願います。 両
法律案
について質疑を終局し、
日本
共産党を代表して岩渕委員より、
特定デジタルプラットフォーム
に関する
法律案
に対し、
特定デジタルプラットフォーム
提供者の遵守事項の追加等を内容とする修正案が
提出
されました。 次いで、討論に入りましたところ、
日本
共産党を代表して岩渕委員より、
特定高度情報通信技術活用システム
に関する
法律案
に反対する旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、まず、
特定高度情報通信技術活用システム
に関する
法律案
は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、
特定デジタルプラットフォーム
に関する
法律案
については、修正案は賛成少数をもって否決され、本
法律案
は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両
法律案
に対してそれぞれ附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山東昭子
45
○
議長
(
山東昭子
君) これより採決をいたします。 まず、
特定高度情報通信技術活用システム
の開
発供給
及び
導入
の
促進
に関する
法律案
の採決をいたします。 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
山東昭子
46
○
議長
(
山東昭子
君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。(
拍手
) 次に、
特定デジタルプラットフォーム
の透明性及び
公正性
の向上に関する
法律案
の採決をいたします。 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
山東昭子
47
○
議長
(
山東昭子
君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(
拍手
) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会