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芳賀道也君 立憲・
国民.新緑風会・社民の
芳賀道也です。
会派を代表して、
議題となりました
国民年金法等の一部
改正案について
質問をいたします。
まず
冒頭、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった
方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、現在
治療中の
皆様の一日も早い御
回復をお祈りいたします。
また、
新型コロナウイルス感染症の
検査や診断、
治療に当たっていらっしゃる全ての
医療関係者の
皆様に
感謝を申し上げ、あわせて、介護、教育、保育、物流、販売など、様々な
社会を支える
現場で
新型コロナウイルスの
感染の
リスクを負いながら
国民のために働いていただいているエッセンシャルワーカー、
社会を支える全ての
皆さんに心から
感謝を申し上げます。
昨日、
政府は、
緊急事態宣言について、
特定警戒都道府県の茨城、石川、岐阜、愛知、福岡を含めた三十九県を
解除しました。しかし、
緊急事態宣言の
解除で人の移動などが活発になり、
感染が再び
拡大するおそれも
指摘されています。
安倍総理は、再び
感染が
拡大し蔓延するおそれが出てくる場合に再指定する
基準、
宣言を
解除する
地域での
取組の
基準など、新しい
基本的対処方針についても述べられましたが、この
基準のエビデンスも含め、これで第三波、第四波が発生する
可能性を止められるのでしょうか。
総理の御
見解を伺います。
そして、この先どうなっていくだろう、
国民が大きな不安を抱いている中で、なぜ今、
年金の
受取を七十五歳まで延ばすことを可能にする
法案の
審議を行わなければならないのでしょうか。
コロナ禍の今、
民主主義国家としての在り方の根幹を揺るがす
検察庁法改正案の
審議を急ぐ必要があるのでしょうか。
この
国民の感覚とのずれが、ふだんは政治に関心のない
国民の
不信感にもつながり、その結果、ネットでも爆発的にその声が広がって、
反対表明、当初四百万件が更に増え、一説には一千万件を超えたとも言われています。この多くの
反対の声を
総理はどう受け止めているのでしょうか。お答えください。
また、
安倍政権はこれまで
新型コロナウイルス感染症対策で
迷走に次ぐ
迷走、
国民生活は窮地に追い込まれています。その
対策の遅さを報じた海外のメディアは、ナメクジのようなスピードだと表現するほどです。
総理には、
コロナで仕事を失った一人
親家庭、特に、
シングルマザーの子供に今日食べさせるものがないという声が聞こえないのでしょうか。お店や
商売をされている方のあしたからやっていけないという悲鳴が届かないのでしょうか。
我々の
会派は、維新や共産党とも
協力して、こうした
商売が続けられないという声に応え、先月、
テナントの
家賃を全額、
政策金融公庫が肩代わりをし
支援する
法案を提出しました。さらに、野党は、アルバイトもなくなって学業が続けられない困窮する学生を
支援する
法案、一人
親家庭など
児童扶養手当を
受給する世帯を
支援する特別給付金支給
法案を提出しています。さらに、市民の声を聞く多くの良識のある与党議員の
皆さんの中からも、こんな
支援では全く足りない、今やるべきは可能な限り早い追加
支援だという声が上がっています。
命の危機にあるとき、与党も野党もなく、考え方の違いを乗り越えて、みんなで命を守るために
協力していくべきです。
総理、そうした姿が見えたとき、不安と
感染の恐怖に耐えている
国民に政治が安心と信頼を与えることができるのではないでしょうか。
ところが、
安倍政権は今、非常事態であることを無視するかのごとく、
国会で
検察庁法改正案の
審議を強行し、全く急ぐことのないこの
年金法案の
審議を進めています。また、小
規模農家や子供の食の安全を心配するお母さんたちなど多くの
国民が
反対の声を上げている種苗
法改正案も、今
国会で
審議し、成立させようとしています。
特に、
検察庁法改正案は、
国家公務員法等の一部
改正案と称して十本の
法案を束ねて提出された中に潜り込ませてありました。黒川東京高検検事長の定年延長のごり押しを後付けで正当化する
法案で、検察の正義をねじ曲げる
法案です。政権の意のままになる検察づくりを進め、検察官の独立性、中立性を揺るがし、三権分立と法の支配を揺るがすものです。
誰が考えても、今は
コロナウイルス感染症
対策とそれによる
経済対策に全力を挙げなければならないときです。
総理、こうした待ったなしの命と
暮らしを守ることに真っ先に取り組まなければならないのではないでしょうか。
総理・総裁として、不要不急の
法案は後に回せと指示すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
また、
衆議院本
会議でも
指摘がありましたが、私も、今回の検察庁
法改正の動機として
総理が自らの疑惑を検察に追及されたくないという気持ちがあるのではないかと改めて問います。さらに、疑惑を持たれないためにも、内閣が認めた者だけが定年を延長できる検察官定年延長
特例を削除するように求めます。
あわせて、今、
コロナの混乱の言わばどさくさに紛れて国論を二分する
法案を急ぐ必要はありません。
検察庁法改正案の採決を強行しないように指示すると、
総理・総裁として確約を願います。
昨日の参議院厚生労働委員会の
審議において、妊婦の
皆さんに支給する布マスク四十七万枚のうち、実に一割に当たる四万七千枚余りにカビ、汚れ、黄ばみがあり、あるいは髪の毛が混じっていたことが取り上げられました。このような不衛生なマスクは妊婦さんには使わせられません。全量回収すべきですし、このような不良品の検品に八億円掛かるとの答弁がありましたが、この費用はどこが支出するのでしょうか。まさか業者のミスで追加費用が掛かったものを国費で賄うということはあってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
また、いまだに届かないアベノマスクも含め布マスクの配布は、マスクの供給の改善が見られる中、直ちにやめて、その予算はそのほかの
コロナ予算に向けるべきではないでしょうか。加藤
厚労大臣にも伺います。
次に、
年金法案の
質問に入ります。
まず、
衆議院にて野党案も取り入れての
法案の修正がなされました。特に、
児童扶養手当と
障害年金の
併給調整について、障害
基礎年金を
受給している方にお子さんがいて
児童扶養手当が支給される場合、子供さんが二人あるいはそれ以上いらっしゃる御
家庭で、子供が一人の場合の
児童扶養手当の
受給金額を下回らないようにするという条文が加わりました。少子化を国難と位置付けた
安倍総理に、
衆議院における修正に対する評価についても伺います。
さて、昨年四月から、
国民年金に
加入する第一号被
保険者は、出産予定日又は出産日が属する月の前月から四か月間、
年金保険料が
免除されるようになりました。それ以外の時期、子供を養育するために仕事を離れている
期間については、
国民年金の優遇
措置はありません。
厚生年金の場合は、子供が三歳に達するまでですが、育児休業を始めた月から終了した日の前月まで、
年金保険料免除の
制度があります。野党の修正案のように、子育て
世代の応援のため、
国民年金でも、例えば一歳に満たない子を養育する間は
年金保険料を
免除するようにすべきではないでしょうか。官房長官
時代から少子化
対策に取り組む
安倍総理に御
見解を伺います。
参議院選挙があった昨年七月、日本テレビにて七党首討論番組がありました。
ここで
安倍総理は、物価上昇分を除いた実質で見てもですね、
基礎年金においては、マクロ調整が終わった段階でも六万三千円はこれ確保できますと断言。しかし、この放送があった昨年七月時点で公開されていた
年金財政検証データは平成二十六年のもので、それによれば、最悪のケースHで
マクロ経済スライドが終わる以前に
年金積立金が枯渇。
マクロ経済スライドが終わった段階で
基礎年金六万三千円を一〇〇%確保できるとは到底断言できません。
総理が昨年、参院選前におっしゃった
マクロ経済スライド終了時点で実質
基礎年金六万三千円を必ず確保できる根拠をお示しください。うまくいけば六万三千円を確保できる
可能性があるが、そうでなければ確保できないという話であれば、
安倍総理の発言
内容と違います。
安倍総理は、何の前提もなく
基礎年金六万三千円を確保できると断言され、
国民に約束されました。
安倍総理の発言を取り消し、有権者に過度な期待を与えたことを謝罪すべきではないでしょうか。
総理の
説明と謝罪を求めます。
特に、
基礎年金のみ受け取られる単身の御年配の
皆さんは、
マクロ経済スライドによるカットの
影響で
経済的に苦しい
状況が続きます。
年金生活者
支援給付金について、野党が修正案を通じて求めたように、被
保険者としての
加入期間に
関係なく毎月六千円、年間七万二千円が支給されるように
検討すべきですが、
安倍総理の
見解を伺います。
厚生労働省によれば、昨年二〇一九年の
年金の新規裁定で、モデル世帯が初めてもらう
年金の金額は、前年と比べてプラス〇・一%、二〇二〇年にはこれが前年比プラス〇・二%です。この
年金改定に関して、
安倍総理に伺います。
昨年七月、参議院選挙戦スタートの七月四日に放送された日本テレビ「news zero」にて
安倍総理は、今年は
年金実額一%上がりましたと述べていますが、この放送があった二〇一九年には、
年金のモデル世帯の新規裁定額は、名目で〇・一%上がった、が正しいのではないでしょうか。
昨年の物価
変動率が〇・五%プラスだったことを考えれば、
年金が一%上がったのか、それとも〇・一%しか上がっていないのかは、物価上昇率を超えて実質プラスで受け取れたのか、そうでないのかという大きな差があります。七月の参院選挙に
当たり、有権者に誤った印象を与えて投票選択をゆがめる発言を行ったことに謝罪と訂正をすべきですが、
安倍総理の答弁を求めます。
そもそも
年金は分かりにくい
制度ですが、特に、繰下げ
受給をする場合や
在職老齢年金を受け取る場合に、満額
受給がスタートしたら幾ら
年金がもらえるかを幾つかモデルとして提示することで、
国民に分かりやすくする必要があります。
また、繰下げ
受給で満額
受給したときに、
受給額は
最大八四%アップする一方で、住民税や
健康保険、介護
保険料の
保険料も増えます。市町村ごとに違う税額、
保険料となりますので、市町村ごとにそれぞれのモデル世帯の税、
保険料負担を数字を出して明確にしておくべきではないでしょうか。加藤大臣と高市総務大臣の御
見解を伺います。
現状でも既に日本
年金機構は、税務署から、
従業員を雇って給与を支払っている
事業所の情報をもらい、これを受けて
年金の
加入指導をしています。今回の
法改正により
保険料納付の義務がある
事業所が増えていけば、納税義務がある
事業所と
年金保険料納付義務のある
事業所とが更に重なります。米国の内国歳入庁のように税金徴収と公的
年金保険料徴収を行う役所として、日本でも国税庁と日本
年金機構を統合すべきだと考えますが、
安倍総理の
見解を伺います。
新型コロナウイルス対策でも、
年金の
制度設計でも、威勢のいいスローガンを連発する
安倍政権の
姿勢にはうんざりです。昨年の参議院選挙中も、その後も、地元の方から、長年真面目に働いたら
老後の心配のない国にしてほしいという切実な声をいただきました。
安心して
暮らしていける国にすることが政治の務めだと
指摘し、あわせて、
検察庁法改正案、
年金法案よりも命と
暮らしを守る
コロナ対策を優先すべきだと申し上げて、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇、
拍手〕