○
内閣総理大臣(安倍晋三君)
福山哲郎議員にお答えをいたします。
施政方針演説で言及しなかった事項についてお尋ねがありました。
捜査に関する事柄に関しては、
内閣として言及することが個別の事案の捜査に影響を与える
可能性があることから記載しなかったものです。
桜を見る会については、本年は開催せず、今
国会に
提出した百兆円を超える来
年度予算には
関係予算を全く計上していないことから、本年実施する
政策に関する施政方針を述べる
演説には盛り込まなかったものです。
なお、これらについては昨日も御党の枝野代表から御質問をいただきましたが、私の
演説内容のいかんにかかわらず、
国会における御
指摘があることはもとより承知しているところであり、こうした御
指摘には当然、誠実に対応させていただく所存であります。
演説で紹介した
移住者についてお尋ねがありました。
御
指摘の方は、江津市の
支援を受けて二〇一六年七月に移住し、起業するとともに、三年以上にわたって居住しており、江津市の起業
支援の成功例として
演説で紹介したものであります。
こうした
演説内容については御本人に確認した上で盛り込んだものでありますが、
演説に記載した内容以外の事柄については、個人的な御事情などプライバシーに係るものであることから、お答えは差し控えさせていただきます。
施政方針演説における来
年度予算の
税収についてお尋ねがありました。
来
年度予算の
税収は適切な
見積りの下に六十三・五兆円を計上しており、これは過去の
税収実績と比較して
最高となっております。したがって、
施政方針演説における
表現に問題があるとは考えておりません。
辞任した閣僚らの
説明責任及び第二次
政権発足以降七年間の閣僚等の
辞任についてお尋ねがありました。
政治活動について、
内閣、
与党、
野党にかかわらず、一人一人の
政治家が自ら襟を正すべきであり、今後とも、
指摘に対しては可能な限り
説明を尽くしていかれるものと考えております。
この七年の間に御
指摘のように閣僚等が
辞任したことについては、
国民の皆様には大変申し訳なく、任命した者としてその
責任を痛感しております。
とりわけ、
政府には
国民の厳しいまなざしが注がれていることを常に意識すべきであり、いかなる
事態にあっても、
国民の負託に応え、
政策を遅滞なく前に進める大きな
責任があります。そのことは、菅直人
政権で一年
余りの間、官房副長官を経験された福山
議員もよく御存じのことと存じます。
様々な御批判があることを真摯に受け止めながら、今後、
内閣として一層の緊張感を持って
政権運営に当たってまいりたいと考えております。
桜を見る会の前日に開催された夕食会についてお尋ねがありました。
夕食会の価格設定については、出席者の大多数が当該
ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、会場費も含めて八百人規模、一人当たり五千円とすることで
ホテル側が設定したものであります。
明細書等について私の事務所に確認を行ったところ、
ホテル側としては営業の
秘密に関わることから公開を前提とした資料提供に応じかねるとのことであったと
報告を受けており、どのような形であれ第三者への公開を希望しないという
ホテル側の意向を尊重すべきものと考えております。
また、夕食会の費用については、
ホテル側との合意に基づき、会場入口の受付において、
ホテル側職員の立会いの下、私の事務所の職員が一人五千円を集金し、
ホテル側名義の
領収書をその場で手交し、受付終了後に集金した全ての現金をその場で
ホテル側に渡すという形で
参加者から
ホテル側への支払がなされたものと承知しております。このため、
ホテル側が
参加者個人に対して発行した
領収書について、安倍晋三
後援会が改めて回収することは困難であると考えております。
新宿御苑への入苑についてお尋ねがありました。
内閣府によれば、
新宿御苑への入苑に際し、団体等でまとまって来ていただくことが受付等の効率化の観点から適当である場合には、私の
後援会関係者も含め、
バスによる入苑を認めるケースがあり、その場合には、事前に団体側に対して、
参加者の手荷物を最小限にし、危険物の持込みは一切認められない旨指導するなど必要な対応をお願いすることで、
手荷物検査を免除する場合があるとのことであります。
また、開苑時間については、会場周辺の混雑
状況により、
内閣府の判断で予定より早い時間に開門しているとのことであります。
桜を見る会の
招待者名簿及び
推薦者名簿の
保存期間等についてお尋ねがありました。
行政
文書の
保存期間については、
公文書管理法等のルールに基づき、各行政機関において、行政
文書の具体的な性質、内容等に照らして設定することとされています。
内閣官房、
内閣府が取りまとめる
名簿については、桜を見る会の終了をもって使用目的を終えるほか、個人情報を含んだ膨大な量の
文書を適切に
管理するなどの必要が生じるため、
公文書管理法等のルールに基づき、
保存期間一年
未満文書として、会の終了後、遅滞なく
廃棄することとしております。
また、御
指摘の内
閣府公文書監察室の
報告書においては、式典の
招待状が
保存期間を一年
未満とすることについて十分な
検討が必要なものとされたものではありません。当該
招待状が、
保存期間表において分類されている類型の記載について分かりやすさの観点から更なる具体化が必要とされたものであって、
保存期間を一年
未満とすることに不合理な点はなかったとされたものであります。そのため、桜を見る会の
招待者名簿に関して、この
報告書を無視したとの御
指摘は当たりません。
なお、民主党
政権時代、菅
内閣、野田
内閣の平成二十三年、二十四年を含めて、二十三年から二十九年の間の
招待者名簿の取扱いについては、あくまで事務的なミスであったことから、当時の
文書管理者である担当課長を厳正に
処分するとともに、官房長官から
内閣府に対し、改めて
文書管理のルールの徹底を指示したところと承知しております。
桜を見る会の
招待者についてお尋ねがありました。
御
指摘の番号については、
招待状の発送を効率的に行うために便宜的に付しているものであり、会の終了をもって使用目的を終え、また
招待者名簿についても
廃棄していることから、その意味については定かではないとの
報告を受けております。
その上で、桜を見る会の個々の
招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、
招待されたかどうかも含めて従来から回答を差し控えさせていただいているところです。
一方、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できません。
桜を見る会等に関する私の
責任についてお尋ねがありました。
まず、桜を見る会及びその前日に開かれた夕食会の内容については、
国会等の場で繰り返し可能な限り
説明を行ってきており、隠し立てや
虚偽の
答弁を行っているとの御
指摘は当たりません。
他方、桜を見る会については、長年の慣行の中で行われてきたところではありますが、様々な御批判を
国民の皆様からいただいているところであり、真摯な
反省の上に、今後、私
自身の
責任において、全般的な
見直しを幅広く意見を聞きながら行ってまいる所存です。
IRについてお尋ねがありました。
副
大臣も務めた現職の
国会議員が逮捕、起訴されたことは誠に遺憾です。かつて副
大臣に任命した者として
事態を重く受け止めておりますが、御
指摘の事案については、捜査中の刑事事件に関わる事柄であることから、詳細なコメントは差し控えます。
また、法律案の取扱いについては
国会においてお決めになるべき事柄と承知しておりますが、
IRは、
カジノだけではなくて、国際
会議場、展示場や大規模な宿泊施設を併設し、家族で楽しめるエンターテインメント施設として観光
先進国の実現を後押しするものと考えております。
IRの推進に当たっては
国民的な
理解が大変重要であり、
議員御
指摘の
基本方針についても、現在、国土交通省において、
関係省庁との
協議に加え、今月発足した高い独立性を有する
カジノ管理委員会や
国会での御
議論も踏まえつつ、丁寧に策定作業を進めているところです。
関西電力の
調査報告と
FIT法改正についてお尋ねがありました。
御
指摘の
FIT法改正は、
国民負担を可能な限り抑制しつつ再エネを最大限
導入し、主力電源化していくという観点から
検討しているものであり、今
国会に
関連法案を
提出することとしております。
他方、
関西電力の第三者委員会による
調査報告については、同委員会の但木委員長が、
調査すべきものは
調査して、これが最終結論だと自信を持ったものを出したいと
説明していると承知しています。
政府として、できる限り速やかな
報告を求める考えではありますが、期限ありきではなく、独立した第三者の目で徹底的に
調査を尽くすことが大事であると考えております。その上で、この
調査結果を踏まえて、再発防止等に必要な措置があれば、別途改めて
検討し、実施する考えであります。
令和元
年度の
税収見積りについてお尋ねがありました。
令和元
年度の
税収については、雇用・所得環境の改善等を受け、給与
税収は堅調に推移しているものの、大口の還付の発生といった一時的な要因による所得
税収の減、企業収益は引き続き高い水準にあるものの、海外経済の減速等を背景に外需落ち込みの影響を受ける製造業を中心とした法人
税収の減などの要因により、当初
予算から二・三兆円の減額補正を行いました。こうした補正は当初
予算の編成時には
想定していなかった事情によるものであり、当初の
見積りが過度に楽観的だったとは考えていませんが、今後とも適切な
見積りに努めてまいります。
ポイント還元事業についてお尋ねがありました。
ポイント還元の対象となった全ての決済のうち、その六割が決済額千円
未満であります。全体の平均でも一件当たり二千円
余りとなっており、主として日常的な買物に使用されていると考えられることから、本事業に逆進性があるとの御
指摘は当たらないものと考えます。
また、
参加店舗に対するアンケート
調査では、約四割の中小事業者がポイント還元は売上げに効果があったと回答しており、
消費税引上げ対策として一定の効果が出ていると考えております。本年六月末まで本事業を継続することで、
消費税率が一〇%となった中でも景気に万全を期してまいります。
気候変動と自然災害についてお尋ねがありました。
近年、
世界的に大雨や強い台風の発生頻度の増加、自然災害の更なる大規模化が
懸念されている中で、気候変動問題への対応は待ったなしの課題であると
認識しています。
他方で、重要なことは、言葉ではなく実行であると考えます。
我が国は、再エネや省エネの最大限の
導入に取り組んできた結果、五年連続で温室効果ガスの
排出量を
削減しています。これはG20の中で
日本と英国のみであります。合計で一一%を超える
削減はG7の中で英国に次ぐ大きさであり、パリ協定に基づく
削減目標の実現に向けて、
日本は
世界の中で積極的に取り組んでまいります。
さらには、長期戦略に掲げた脱炭素
社会を早期に達成するための非連続のイノベーションにも取り組み、
世界における気候変動問題への対応をリードしていく考えであります。
気候変動対策の各種
目標についてお尋ねがありました。
二〇三〇年の
削減目標を含む、いわゆる
NDCについては、今後国連に
提出する考えでありますが、現在
関係省庁で
検討しているところであり、
提出のタイミングやその中身について予断を持って申し上げることは差し控えます。
二〇三〇年以降の長期の取組については、
我が国は、パリ協定が掲げる今世紀後半の
カーボンニュートラル実現との野心的な
目標の達成に貢献するため、昨年六月に、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素
社会の実現を目指すとした長期戦略を策定し、国連に
提出いたしました。国連
提出の長期戦略で
カーボンニュートラルを目指すことを宣言しているのは、G7の中では唯一
日本だけであります。
また、昨年の
COP25において、二〇五〇年までの
カーボンニュートラルを宣言した百二十の国と一
地域のうち、現時点で長期戦略を国連に
提出しているのは十一か国のみであります。
どんな野心的な
目標も掲げるだけでは意味はなく、重要なことは、
目標の実現を裏打ちする具体的な
政策を示し、行動を起こすことであります。長期戦略に掲げた脱炭素
社会の早期の実現には非連続なイノベーションが不可欠であることから、今月、
米国、EUなどG20の研究機関を集めた国際
共同研究拠点を
我が国に設置いたします。
ゼロエミッションにとどまることなく、産業革命以来増加を続けてきたCO2を減少へと転じさせるビヨンド・ゼロを目指し、人工光合成を始め革新的イノベーションを実現するため、
我が国が主導して
世界の英知を結集していく考えであります。
石炭火力についてお尋ねがありました。
我が国は、
再生可能エネルギーや水素など、二酸化炭素の
排出削減に資するあらゆる選択肢を用いて
世界の脱
炭素化を牽引しています。
こうした中で、新興国を中心に、効率の低い
石炭火力発電所がいまだ数多く稼働している
状況下で、
我が国の高効率の
石炭火力発電に対するニーズがあれば、その
導入を
支援することで、
世界の二酸化炭素の実効的な
排出削減に貢献していく考えであります。
国内の
石炭火力発電については、高効率化、次世代化を推進しながら、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率
石炭のフェードアウトに取り組んでまいります。
原発ゼロ
法案についてお尋ねがありました。
議員提出法案の扱いについては
国会がお決めになることでありまして、
内閣総理大臣としてお答えをする立場にはありません。
その上で申し上げれば、東
日本大震災以降、多くの
原発が停止する中で、震災前と比べて電気料金が家庭用で約二三%アップし、
国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。
資源に乏しい
我が国にとって、さらに気候変動問題への対応やエネルギーの海外依存度を考えれば、
原発ゼロは
責任ある
エネルギー政策とは言えないと考えています。
中東
地域での自衛隊の情報収集活動の地理的範囲についてお尋ねがありました。
我が国は、
米国と同盟
関係にあり、同時にイランと長年良好な
関係を維持するなど、中東の安定に
関係する
各国と良好な
関係を築いています。これを生かし、中東の緊張
緩和と情勢の安定化に向け、更なる外交努力を行うこととしています。自衛隊による情報収集活動については、外交努力と調和を図りながら取り組む必要があります。
また、いずれの国も、広大な海域を自国のアセットのみによりカバーすることは困難です。自衛隊による情報収集活動についても、船舶の通航量や
関係国の取組の
状況等を踏まえて効率的に実施することが必要です。
このような基本的な考え方の下、自衛隊の情報収集活動の地理的範囲について
政府として
検討を行った結果、
ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において、
日本関係船舶の航行が集中する分離航路帯は主にイラン、オマーンを含む沿岸国の領海内であること、もとより領海における船舶の安全な航行の
確保には領海に主権を有する沿岸国が大きな
役割を有していること、また、領海内における情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得ること、ペルシャ湾及び
ホルムズ海峡の情報については
米国や沿岸国を含む
関係各国との連携を通じて一定の情報収集が可能であると見られることを総合的に勘案し、ペルシャ湾、
ホルムズ海峡においては自衛隊の情報収集を行わないこととしたものであります。
イランの司令官殺害についてお尋ねがありました。
ソレイマニ司令官の殺害に関しては、
米国からの事前通告はありませんでした。ソレイマニ司令官の殺害を受け、
米国から様々なチャンネルを通じ、連絡や
協議がありました。
イランとの間では、中東
地域の緊迫の度が高まったことを受け、外交ルートを通じ、イランに対し抑制的な対応を果たしてきました。
米国との間では、
事態の更なるエスカレーションは回避しなければならない、中東
地域の緊張
緩和と情勢の安定化に向けて外交努力を尽くしていくことが重要であるとの点を含め、真剣な
協議を行いました。
今後とも、トランプ大統領やローハニ大統領との個人的な信頼
関係を活用しつつ、中東における緊張
緩和及び情勢の安定化に向け、粘り強い平和外交を展開してまいります。
イージス・アショアの
配備についてお尋ねがありました。
厳しい安全保障環境の中で、弾道ミサイルの脅威から
我が国全域を二十四時間三百六十五日、長期間にわたり切れ目なく防護することを可能とし、
国民の命を守り抜くため、
イージス・アショア二基の
導入はどうしても必要です。
こうした安全保障
政策については、
国民の皆様や
地元の方々の御
理解がなければ進めていくことはできないところでありまして、
イージス・アショアについて、
説明資料の誤りや緊張感に欠けた不適切な対応があったことは極めて遺憾です。
イージス・アショアの
配備の決定に当たっては、あくまでも正確なデータに基づく客観的な
検討が前提です。
調査の外部委託や専門家による検証など、不適切な
調査を徹底的にやり直すことを通じて
住民の皆様の不安が解消されるよう、正確で丁寧な
説明を行うべく、全力で取り組んでまいります。
普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
住宅や学校で囲まれ、
世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは、
地元の皆様との共通
認識であると思います。
日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせ、
検討を重ねた結果が現在の辺野古に移設するという方針であります。
民主党
政権では最低でも
県外という公約を掲げましたが、結局、辺野古に移設することを
米国政府と再確認した上で閣議決定したことについては、当時外務副
大臣だった福山
議員はよく御存じのことと思います。
先般、御
指摘の工期についての
検討結果が出ましたが、辺野古移設に向けて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面
返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものと考えます。これからも、
地元の皆様と対話を積み重ね、御
理解を得る努力を続けてまいります。
日ロ平和条約交渉についてお尋ねがありました。
北方四島においては、過去一年の間に、長門合意に基づき、かつてない日ロの協力が実現しています。具体的には、
共同経済活動において、昨年初めて北方四島への観光パイロットツアーを始めとするパイロットプロジェクトを実施しました。航空機による元島民の方々のお墓参りについても、昨年は、泊、留別、ポンヤリといった、これまで何年も訪問できなかった場所に訪れることができました。
このように、一つ一つ成果は生まれており、
領土交渉に進展が見られないとの
指摘は全く当たりません。
北方
領土は
我が国が主権を有する島々です。
政府としてこの立場に変わりはなく、平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるというのが
日本側の一貫した立場です。この立場に全く揺らぎはありません。
先人たちの戦後
日本外交の成果が壊されているとの
指摘も全く当たりません。
昨年八月の
メドベージェフ首相による択捉島訪問は、北方
領土に関する
我が国の立場と相入れず、
日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾です。このため、直ちに正木
外務省欧州局長から
在京ロシア臨時代理大使に対し、
文書によってではなく直接
日本側の立場を申し入れ、強く抗議するとともに、その旨の外務
大臣談話を発出しました。
さらに、昨年九月のウラジオストクでの日ロ
首脳会談では、私から
プーチン大統領に対して
我が国の立場を伝えました。
プーチン大統領とは、
領土問題を次の世代に先送りすることなく、自らの手で必ずや終止符を打つとの強い
決意を共有しており、私と大統領の手でこれを成し遂げる
決意であります。
日朝関係についてお尋ねがありました。
私は、条件を付けずに
金正恩委員長と向き合う
決意であり、これまで外交上あらゆる手だてを尽くしてきています。
例えば、
米国については、一昨年六月の第一回米朝
首脳会談において、トランプ大統領から
金正恩委員長に対して拉致問題を取り上げていただきました。また、昨年二月の第二回米朝
首脳会談においては、初日の最初のいわゆるテタテの会談でトランプ大統領から
金正恩委員長に私の考え方を明確に伝え、その後の少人数夕食会でも提起していただいたことは大変有意義だったと考えています。
中国については、昨年六月の中朝
首脳会談で、
日朝関係に関する私の考えを習近平国家主席から
金正恩委員長に伝えていただきました。その上で、習主席からは、拉致問題を含め、
日朝関係改善への強い支持を得ています。
韓国については、昨年十二月の日韓
首脳会談において、文在寅大統領から、拉致問題の重要性について
日本側の立場に
理解を示した上で、韓国として北朝鮮に対し拉致問題を繰り返し取り上げている旨の
説明を得ています。
北朝鮮に対してもこれまで働きかけを行ってきていますが、詳細は、今後のやり取りに影響を及ぼすおそれがあるため、この場では差し控えさせていただきます。
日朝
首脳会談については、残念ながら現時点で決まっていませんが、御家族も御高齢となる中、拉致問題の一日も早い解決に向け、引き続き、
米国、中国、韓国など
関係国と緊密に連携しながら、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動してまいります。
介護施設に入所する方の負担の在り方と
介護人材の
確保についてお尋ねがありました。
介護保険
制度においては、平成十七年より施設における食費や
居住費について、在宅で介護を受ける方との公平性の観点から御
自身で負担していただくことを
原則とし、低所得の方に対しては年金収入等に応じて一定の助成をしています。
現行の助成
制度については、年金収入の水準いかんによっては助成額に大きな差異が生ずる場合もあり、
社会保障
審議会において、こうした年金収入段階ごとの助成額の差をなだらかにする
見直し案が
検討されているものと承知しています。引き続き
厚生労働省において
検討を進め、二〇二一
年度からの次期介護保険
計画期間が始まるまでの間に成案を得ることとしております。
なお、低
所得者への対応としては、昨年の
消費税率引上げに合わせて介護保険料の負担軽減を実施しているところです。
また、
国民一人一人の方が必要な介護サービスを安心して受けられるように、サービスを提供する人材を
確保、育成していくことは喫緊の課題です。このため、これまでの
処遇改善に加え、昨年十月からの月額最大八万円の更なる
処遇改善、元気で意欲ある高齢者の方々に介護分野へ参画していただく取組、ICTや介護ロボットの活用による現場の負担軽減や職場環境の改善などにより、
介護人材の
確保に全力を尽くしてまいります。
待機児童の解消や
保育の質の向上等についてお尋ねがありました。
今般の
幼児教育、
保育の
無償化は、小学校、中学校九年間、普通教育
無償化以来、実に七十年ぶりの大改革となっております。そして、その大改革として、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う
幼児教育の重要性と、
子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策の必要性に鑑み行ったものであります。
同時に、
待機児童の解消と
保育の質の向上も重要と
認識しており、
待機児童の解消については、
政権交代後、約六十五万人分の
保育の受皿を
整備するなど、これまで最優先で取り組んできた結果、
待機児童数は昨年四月には
調査開始以来最少となる一万六千七百七十二人まで減少しました。また、
保育の質の向上の観点からは、安定的な財源を
確保しながら、
保育士等について月額最大八万一千円の
処遇改善を実施してきました。
引き続き、
待機児童解消に向けて、二〇二〇
年度末までの三十二万人の受皿
整備に全力で取り組むとともに、
保育の質の向上に向けて総合的な
支援をしっかりと進めてまいります。また、
無償化に便乗して質の向上を伴わない
理由なき利用料の値上げが行われることのないよう、引き続き指導を強化してまいります。
高等教育の
無償化及び大学入試改革についてお尋ねがありました。
高等教育の修学
支援新
制度の
導入に際しては、真に
支援が必要と考えられる低所得世帯の子供に
支援の手が確実に行き渡るよう
制度を
整備し、この結果、
支援対象となる
学生数、金額が大幅に拡充されるとともに、個々の
学生の
支援も手厚く行われることとなります。
他方で、この新
制度以外に、各
国立大学がこれまで独自に行ってきた授業料免除については、従来から各大学が自己財源を活用しながら各々の方針に基づいて実施してきており、引き続き各大学においてその取扱いを
検討していただくことが基本となりますが、
令和二
年度予算案においては、各大学の自主的な授業料免除に活用できる
国立大学法人運営費交付金の増額を行ったところです。
各大学において、これにより新たに活用可能となる自己財源も用いながら、
学生の
状況を踏まえ、学業の継続などに支障を来さないよう適切に対応していくことを促してまいります。
また、大学入試の在り方については、これまで
指摘された課題を克服できるよう
萩生田大臣の下でしっかりと
検討し、受験生や
国民の皆様から納得していただけるものを目指してまいります。
今後とも、
萩生田大臣には、高等教育の
無償化の着実な実施、大学入試改革などを始めとする教育再生に全力で取り組んでもらいたいと考えています。
特定技能制度の運用
状況についてお尋ねがありました。
昨年十一月末現在、
特定技能外国人材として
我が国に在留する
外国人は千十九人であります。一方、本年一月十七日時点の速報値では、
特定技能の許可を受けた
外国人は二千六百三十九人であり、また、許可に必要な技能水準を測る技能試験の合格者数は約六千人であります。
昨年十一月末現在の受入れ数は初
年度の受入れ見込みを大きく下回っておりますが、
年度内に新たに一万人以上が技能試験を受験することが予定されているほか、来
年度以降も引き続き十四分野全てで試験を実施するとともに、海外での試験実施国を更に拡大する予定です。このようなことから、
特定技能の許可を受ける
外国人は着実に増加するものと考えています。
依然として中小・小規模事業者を始めとした
人手不足は深刻であり、即戦力となる
外国人材を受け入れるため、
政府においては、試験実施のための
各国との交渉の促進や
制度のきめ細やかな周知等に努めることで、しっかりと
特定技能制度を運用してまいります。
公立・
公的病院の再編についてお尋ねがありました。
政府は、高齢化が急速に進む中、
地域の医療ニーズの変化に合わせた
地域医療体制を
確保するため、
地域医療構想の実現に向けた取組を進めています。
お尋ねのリストは、それぞれの
地域において構想の実現のために
医療機関や地方自治体が自ら医療機能の在り方を考える際の材料としてお示ししたものであり、
病院から将来担うべき
役割や在り方を機械的に決めるものではありません。
現在、この
医療機関リストについては都道府県に対してその内容の確認を行っているところですが、確認が完了した後には都道府県の判断において公表することは差し支えないものと考えております。それぞれの
地域においては、この
医療機関リストも一つの材料として、
医療機関の、地方自治体、学識経験者など幅広い
関係者にも参画いただきつつ、
地域住民の不安にも配慮いただきながら、できるだけ開かれた
議論を進めていただきたいと考えております。
地域公共交通についてお尋ねがありました。
地域の暮らしと産業を支える
公共交通を取り巻く環境は、人口減少の本格化等によって厳しさを増しています。
公共交通を
確保、
充実するために、地方公共団体が中心となり、
地域住民や事業者が一体となって
地域の実情に応じた取組を強化する必要があります。
一方で、約八割の市町村では
公共交通の
責任担当者が不在です。地方公共団体が限られた組織体制の下で
地域ごとの課題に対応していくため、国においても
地域の交通
計画の作成や人材育成に対する財政面、ノウハウ面の
支援を着実に行ってまいります。さらに、地方における
バス路線の維持への
支援や自家用車による有償の運送サービス
制度の
規制緩和を行い、地方公共団体の積極的関与の下に
地域における
公共交通の
確保、
充実を図ってまいります。
地域防災体制の在り方についてお尋ねがありました。
大規模な災害が
全国各地で毎年のように発生している今日、地方自治体の災害対応力の強化
充実を図っていくことは重要な課題であると
認識しております。
各自治体とも
地域防災
計画に基づき災害対応の準備を進めており、東
日本大震災以降、市町村の防災
責任職員も大幅に増加していると
認識しておりますが、一方で、小規模団体を中心に十分な防災担当職員を配置することが困難な
実態もあると承知しています。
政府としては、これまでも自治体に対する職員研修や自治体との
共同訓練を実施するとともに、発災時には専門的な知識を有する職員を自治体に派遣するなど必要な
支援を行っていますが、今後も、小規模自治体向けの訓練や手引の作成を行うなど、自治体の災害対応体制の強化に向けた取組を行ってまいります。
高齢者や障害者の方々の避難対策と
野党共同提出法案についてお尋ねがありました。
災害時における高齢者や障害者の方々の避難の実効性の
確保については、御
指摘の福祉避難所の周知の在り方など、昨年の一連の災害において課題があったものと
認識しています。現在、中央防災
会議の下に設置した避難に関するワーキンググループにおいて、個別
計画の促進を含め、高齢者等の避難の実効性の
確保を図るため、
施策について
検討を行っているところです。
野党が提案されている三つの
法案については、その取扱いも含め、
国会において御
議論いただくべきものと考えております。
なお、
政府として、障害者基本
計画に基づき、手話通訳者の派遣や点訳等による
支援を行うとともに、それらを担う人材を育成、
確保するなど、障害者の方々の情報アクセシビリティー、そして意思疎通
支援の
充実に向けた取組を進めてまいります。
また、LGBTと言われる性的少数者に対する不当な差別や偏見はあってはならないことと考えており、
政府として、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生
社会の実現にしっかりと取り組んでまいります。
会計
年度任用職員
制度についてお尋ねがありました。
本年四月に施行される会計
年度任用職員
制度については、各地方公共団体で
制度移行に向けた準備が進められており、昨年末までに大多数の都道府県、市区町村で
関係条例が制定されています。
また、会計
年度任用職員に対する期末手当の支給等に要する経費については、来
年度の地方財政
計画において地方公共団体の所要額を適切に計上することとしており、新
制度への円滑な移行に必要な財源を
確保していると
認識しています。
農業者戸別所得補償
法案についてお尋ねがありました。
旧戸別所得補償
制度は、全ての販売農家を対象に交付金を支払うため、担い手への農地の集積ペースを遅らせる面があったと考えています。
また、旧戸別所得補償
制度のように米への助成を基本にするのであれば、米の需要が年々減少する中で過剰作付けを招き、農家の所得向上にはつながりません。
このため、
安倍内閣では、旧戸別所得補償
制度は廃止し、麦、大豆などの需要のある作物の生産振興を図っています。また、農地バンクによる農地集積や輸出促進などの
政策を強化してきました。これにより、農林水産品の輸出は六年連続で過去
最高を更新し、担い手への農地集積は上昇に転じています。
こうした新しい農業を切り開くための
政策を更に力強く展開し、農家の所得向上を実現してまいります。(拍手)
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