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安江伸夫君 公明党の
安江伸夫です。
本日も
質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
まず、目下の国難とも言うべき課題は、現下の
新型コロナウイルス対策の問題でございます。公明党としても、三月の三十一日にこれから出される経済
対策に対しての緊急提言も行わせていただいているところであり、党派を超えてこの問題に対しては一致団結をして乗り越えていかなければいけないということを、まず冒頭、決意を申し上げます。
その上で、今日は
法務委員会、
法務及び
司法行政等に関する
調査ということで、水面下で忘れ去られ、苦しんでいる方の声を代弁させていただきたいという思いで、いわゆる
谷間世代の問題、すなわち
司法修習新六十五期ないし七十期のいわゆる
谷間世代に関して若干取り上げさせていただきたいと思います。
以前からも、この
法務委員会におきましては、
司法修習給費制廃止の問題に関しまして積極的に
委員の先生方に御議論をいただき、そのおかげもあって、七十一期生から修習給付制度を実現をしていただきました。この場をお借りして、当時法曹界の未来のために尽力をいただいた国
会議員の先生方に、法曹の一人として心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
しかし、いわゆる
谷間世代の問題は依然として残されております。
お手元に、
司法修習の実態と書かれた書面を資料としてお配りをさせていただきました。御案内のとおりかと思いますけれども、
司法修習というのは法曹になるための実務研修でございます。また、修習生には
法律上の義務が課されておりまして、第一に、修習に専念する義務と、要するに兼業等を
原則せずに修習に執心しなさいと、頑張りなさいということで、
法律上義務が課されております。修習の実態、下にありますが、裁判修習、検察修習、弁護修習と、生の事件に触れながら法曹としてのスキル、ノウハウを身に付けていくと、そういう重要な意義があるものでございます。
一枚おめくりください。先生方もよくよく御案内の
内容かと思いますけれども、古くは給費制という形で、この修習
期間中には基本給月額二十万四千二百円等給付がされておりました。しかし、新六十五期からはこの給費制が廃止をなされまして、貸与制度、いわゆる
裁判所から借金をして生活をしていく、こうしたふうになったわけでございます。
そうしたところ、三ページ以降でございますが、国
会議員の先生方、また日弁連、また若手弁護士等が様々な活動を行っていただき、四ページ、五ページと経緯等が記載されておりますが、先ほど申し上げた修習給付制度というもので現在手当てをしていただいたということでございます。
以上のような概略でございますが、六十五期ないし七十期には全く何の手当ても国からはなされていないというのが実情であります。
実は私自身も修習六十七期生でございまして、
谷間世代の一人であります。私事になりますが、私自身も学部、ロースクールのほとんどを奨学金で学費等を賄い、
司法試験に合格をさせていただき、ようやくの思いで
司法修習にたどり着き、おかげさまで充実した修習を送らせていただきましたが、実際無給でありまして、私も貸与で二百万円以上借金をさせていただきました。お金を貸していただいたことには本当に感謝をするわけでありますけれども、やはり多くの
司法修習生は奨学金の返済をしながら
司法修習に臨み、更に借金を重ねる。四桁以上借財をして弁護士になるというこの
谷間世代も少なくないというのが現実でございました。
もちろん、個々人はそうしたリスクを認識、認容した上で
司法試験にチャレンジしたということは前提としてありますが、今、
司法修習の実態申し上げました。
司法試験という国家試験に合格をし、国の下で修習専念義務を負っているにもかかわらず、無給で約一年間修習しなければいけないというのは余りにも過酷なものであったというふうに思っております。
同じ
谷間世代の修習の同期、先輩、後輩の法曹の中にも、大変な経済
状況の中、法曹としての矜持を持ち、無償の人権活動に従事をし、頑張っている、そうした法曹が多数います。しかし、一方で、生活の基盤が
確保できていなければ、弁護士会の
委員会活動等の人権活動にもどうしても限界が生まれます。
資料の九ページの方、最後のページを御覧いただきたいと思うんですが、冒頭、貸与金返済等の経済的
理由によって現在
業務や活動に影響が生じていますかということで、回答者の約半数が影響があると。その
内容については、下のところに、第一に、六五%が弁護士会の会務活動を控えるという実態が依然として
谷間世代にはあるということであります。
こうした
状況、いまだに取り残された問題、この問題、もう解決した問題と思っていられるうらみがありますのであえてここで取り上げさせていただきましたが、改めまして、この
谷間世代に対して六十四期までの給費制相当額の財政支援、あるいは現行の修習給付金制度の相当額を支払っていただくこと等を強く望む次第であります。
法務省、御見解をお願いします。