○野村哲郎君 今
大臣からお答えいただきましたように、これからの日本の胃袋はだんだんだんだん小さくなっていく、それで、その中で日本の
農業をどうしていくのかと。人口が減る、
高齢化が進む、そうすると、もう米が最初に遭遇しましたように
消費が減退していく。肉なんかも当然そうなっていきます。だけど、今まで我々はそのことを前提にやってきたんじゃなくて、何とか外国にも打って出ようじゃないかということで戦略的に
輸出もしてきましたが、今回この
コロナで、本当にどのぐらいまた
輸出が今後できるのかなと、こんなことも思っていますが、そのことは最後にまた御質問をさせていただきたいと
思いますが。
なぜ私が今このようなことを申し上げたかというと、二枚目の資料をちょっと見ていただきたいと
思いますが、何も
自分の県の自慢話をしようなんということは思っておりません。私がちょうど農協、JAに入ったときが四十四年です。このときに、鹿児島の
農業は変わるんだということを盛んに先輩の
人たちからたたき込まれました。見ていただきますと、四十四年に一番はやっぱり米です。そして、あと二位が工芸作物、これは鹿児島のカンショです。あと、お茶ですけれども、こういったものが上位を占めておりました。三十年のこの右側を見ていただきますと、米は七位になってまいりました。このときのキャッチフレーズが、米からの脱却だったんです。
このときの
法律は何があったかといいますと、この今の
基本法の、新
農業・
農村基本法ではなくて、
農業基本法というのが昭和三十六年にでき上がったんですね。これは
郡司先生なんかもうよく御存じですけれども、その
法律の第一章に選択的
拡大という新しい言葉が出てきました。その選択的
拡大とは何かといいますと、要はこれからの日本の経済は成長していく、食べ物も変わってくる、米だけ作っていたって
農家は生き残れないぞと言ったのがこういう最後はなってきたんですが、そのときの選択
拡大というのが、要は野菜を作りましょう、果樹を植えましょう、そして畜産を養いましょうと、こういう選択的
拡大で、要は日本人の
消費者の好みに合ったものを今からの
農業は作っていかなければいけないんだということで、私どもは徹底的にこのことをたたき込まれました。
下の方を見ていただきますと、当然、全国の産出額の全国順位は北海道がやっぱり一位でありますが、そのときの鹿児島の、四十四年の鹿児島の順位は十八位だったんです。今、全国で二年連続二位になってございます。もちろん、茨城とか千葉はこういった大
消費地帯を抱えていますから、ここは当然だとしても、そして、
大臣のところの
宮崎もそうでありますが、園芸に大変力を入れていただきながら伸びてきている
状況であります。
ですから、これがいわゆるターニングポイントだったんで、私はやっぱり、先ほど言いましたように、今どういう時期なのかというのを想像したときに、これから日本の人口は減っていく、そしてまた
高齢化も進んでいく、そうすると
消費は減っていく、そして、やはり今の
生産基盤を守るならば外に打って出なければできないだろうと。ですから、
輸出の五兆円という
目標が今回掲げたわけでありますけれども、今の
生産基盤を是非とも守っていかなけりゃならない、そして、そのことを世界に打って出てやらなけりゃならないと。今まで日本が
輸出国なんということはほとんどなかった、
考えてもいなかったことでありますけれども、今からは日本は大きな
食料の
輸出国、しかも世界の
方々も、日本の安心、安全な食べ物が非常に
評価を受けておりますので、やはりそこが日本の強みだろうと、こんなふうに
思います。
前の農水
大臣の林芳正
大臣が
大臣時代に、おい、日本にリピーターで来た
人たちが何を一番日本食の中で食べたいか知っているかと言うから、いや、存じ上げませんと申し上げましたら、そのときに私が言ったのは、おすしですか、すき焼きですかと、こういう日本食の中心的なものを挙げたんですが、違うと、卵掛け御飯だというわけですよ。香港だとかシンガポール、日本に来られたインバウンドの
方々が、もう一遍日本に行ったら何を食べたいかというアンケートを農水省で取ったところが、卵掛け御飯を食べたいと。ですから、農水省はそんなにも力を入れなかったんですけれども、どんどん卵が伸びているんです、今。
それは、生で食べられる卵というのは、これは日本しかないんですよ。ですから、外国の
方々が、生で日本人は卵を食べている、しかも朝、御飯に掛けて食べている、こんなにおいしいものがあったんだということでインバウンドの
方々のリピーターは大体卵掛け御飯を最初に所望されるそうでありますけれども、やっぱりそういった我々日本の
生産者というのは安全、安心なものを
生産をしている、だから自信を持ってやっぱり打って出れるというところが私はあるんだろうと
思います。
ですから、そこで、時間もなくなりましたので。先ほど自給率の話が出ました。今回、自給率と一緒に、私もまだ言葉を覚え切れないんですけれども、新しい言葉を作ってもらいました、
食料国産率という。我々は、この自給率を
議論するときに一番私が
農家の
人たちから言われたのが、自給率で、
先生、俺
たちは、卵は日本で
消費者の皆さん方に一〇〇%提供していると思っているけれども、何で一一%の自給率しかないんだよと、こういう話です。
生産者から見たら、これは大変おかしな数字なんだろうなと
思います。ですから、
生産者の皆さん方も見て納得がいく、それは、餌がほとんど外国から輸入されているから、その分を引くんですよと、こういうことを我々は分かっていましたから話をしましても、なかなか
生産者には納得をいただけません。
私がそこで役所に言ったのが、おい、じゃ、米はどうなんだと。肥料は、窒素、リン酸、カリは全部外国です、輸入物ですよ。だったら、これを引いたらどうなるんだ、米の自給率なんというのも物すごい低くなるはずだよと。こういうことを
考えながらやっぱりやっていかないと、本当に今言っている自給率でいいのかと。だから、いろんな自給率の表示の仕方というのはあるだろうということで、今回この
食料国産率というのを出してもらいました。ですから、これは役所が、どうも自給率が伸びないのでこれで目くらましをしているなんということは絶対思わないでください。これは、我々自民党がこういう方法でも出したらどうかと。
そして、外国も調べてもらいました。一番下を見ていただければ分かりますが、餌を引いているのは韓国だけですよ。イギリスが高いとかいろいろ言われておりますけど、全部加味していないですよ。
だから、私はやっぱり、先進国の中で日本は低いじゃないかとかと言われるんですけれど、じゃ、国際比較ができるぐらいに統一したやり方で比較していかないと、これは間違いを起こす、間違った情報を出してしまうというふうに
思いますので、ここは是非こういったような表示の仕方もあると、あるいはこういう見方もあるということだけは是非とも分かっておいていただきたいということをお願い申し上げて、今後もこういう自給率はいろんな形でやっていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。