○徳永エリ君 共同会派、
国民民主党の徳永エリでございます。
本日は、家伝法の改正案について御
質問をさせていただきます前に、規制改革推進会議に関連して御
質問をさせていただきたいと思います。
まず、
資料を御覧いただきたいんですけれ
ども、先日御
質問させていただきました近海中規模漁船の海技士の乗組み基準の見直しについてであります。
現行の基準では、中規模漁船二十トン以上二十四メートル未満、これについては、六級海技士航海士及び六級海技士機関士、この合計二名の配乗が必要であるということになっています。これをプレジャーボートと同様に、小型船舶の定義を変えて、二十トン以上八十トン未満、長さ二十四メートルの特定漁船とし、一定の講習を受ければ小型船舶操縦士一名の乗船による航行を可能にするというものであります。
これは平成三十年六月十五日に閣議決定された規制改革実施
計画によるものでありますけれ
ども、実態調査と資格の見直しを検討する、そのために、国土交通省、
農林水産省同席の下、平成三十年十月二十三日に、有識者や漁業
関係者による第一回の近海を操業区域とする中規模の漁船に関する資格制度のあり方に関する検討会が開かれました。
この検討会の議事録が手元にあるんですけれ
ども、まず冒頭、この検討会の開催趣旨について国土交通省から
説明がありました。その中で、堀海技課長から、規制改革推進会議において国土交通省が呼ばれまして、総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船において機関士の配乗を免除できないかというお題を与えられました、その場でそのようなことはできないということの
説明を丁寧にさせていただき、今の漁船の
現状では無理ということで納得してもらい、その上で漁船の海技士の資格について見直す必要はないということになりました、しかし、現在の漁船の実態の調査は重要であるということから調査はします、今後、技術の進展があり、機関士の仕事を見直すことができるような状態になれば資格制度の見直しはできるのではないか、具体的にどのような状態になるか分かりませんが、仮にそういうことがあれば見直しをしましょうということでありました。
この検討会に
出席した委員から、必要とされる海技士資格制度の在り方の検討というのは将来を見据えたものであるという理解でよろしいでしょうか。堀海技課長、今の
状況は今の状態を調べるということで、以上です、そして、将来何か
状況が変わればまた調査して比較するということで、以上です。また、別の委員から、規制改革推進会議ではそれなりの
理由があってお題を出されたと思うのですが、そこの辺りはいかがでしょうか。堀海技課長、
理由はよく分かっておりません、具体的な根拠を示されないので、なぜそのようなことを突き付けられたのかよく分からず、会議において御
説明したら、分かりましたということです。つまり、
理由は不明ですとなっているんです。また、別の委員から、それで改革推進会議は納得されたのですか、つまり、調査をするということで納得されたということでよろしいのでしょうかという
質問がありました。堀海技課長、その成果が今回の閣議決定でありますとおっしゃっています。
閣議決定の内容は何かといいますと、近海百海里以内を操業する中規模、総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船の機関に関する業務の内容について、国土交通省と水産庁が
協力して実態を調査し、その結果及び今後の技術の進展に係る調査の結果を踏まえて、安全運航の確保を前提に、必要とされる海技資格の在り方について検討するとなっているんです。見直すとか基準を変えるということは一切閣議決定にはありません。
この後に、規制改革推進会議の水産ワーキング・グループが開かれました。昨年のこれ、十二月ですね。その中で、この検討会での議論について、水産ワーキングチームは国土交通省からの
説明を求めているんです。国土交通省の海事担当
審議官やこの堀海技課長からは検討会の議論について丁寧な報告がなされまして、また、若干水産庁は前のめりのようでありますけれ
ども、この水産庁の提出した
資料についての疑問点あるいは詳細な
情報の提供などについて指摘をしているんです。
その中で、この堀海技課長が丁寧に
説明をしていると、途中で金丸議長
代理が割り込んできます。堀課長、もう結構です、前に進めたいので。堀海技課長、ちゃんと
説明する時間をいただけませんか、ここでやれと言われたから、今、
説明しろと言われたから一生懸命頑張ってやっているんです、こう言っているんですね。金丸議長
代理、よく分かりました、一生懸命
説明されていることはよく分かりましたけれ
ども、私の感想としては、堀さんは一切変える気はないと。堀海技課長、いえ、そういうことではありません。金丸議長
代理、
審議官には私はお聞きしたいのだけれ
ども、規制改革推進会議、事務方も含めて我々はずっとこれからもこのような議論を続けるということですか。
審議官、済みません、今、細かい内容について御
説明させていただきましたけれ
ども、一切変えないと言っていることではありません。金丸議長
代理、そのように聞こえました、先ほどのスケジュール表を見ても、百隻全部調査する、二年、三年は掛かる、その先の検討も相当時間が掛かる、だから、規制改革推進会議の実施
計画の文章の読み方、そこから合意形成しなければならないということでしょうか。堀海技課長、どういう意味でしょうか、合意形成したものが文章になっておりますので。金丸議長
代理、いや、そのつもりですね。堀海技課長、どういう意味か分からない。こういうやり取りがされているんですね。
そして、この後、検討会が昨年の十二月まで八回開かれておりますけれ
ども、この安全の確保という部分で、あるいはこの基準を見直す必要はないんじゃないかという意見もありまして、議論は平行線のまま終わってしまいました。そして、もう今月の末にはこの基準が見直されるということであります。こんなことあってはならないと私は思いますよ。何のための検討会なんでしょうか。
資料の二枚目を御覧いただきたいんですけれ
ども、二十トン以上八十トン未満、長さ二十四メートル、この漁船は二十四メートルよりも少し長いです。でも、大体こんな漁船なんです。ここに今、航海士と、そして機関士が二名乗らなければならないんです。それを小型船舶操縦士一名だけにすると。これ、もし海の上でエンジンが止まったら、これ、操舵室から小型船舶操縦士の方が機関室まで下りていって何が起きたのかチェックする、危なくないでしょうか。
そして、もう一枚
資料を御覧いただきたいと思います。これは、国土交通省から規制改革推進会議の水産ワーキング・グループに出された
資料です。総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船に機関士を乗り組ませる必要性という
資料であります。
機関士、機関全般の運転、保守整備及び故障の早期察知等、堪航性を含め、安全を維持できる知識を有する者、そして、小型船舶士、機関の計器類が正常な値を示しているかどうかの確認や簡易な機関故障時の対処のための知識を有すると。大体、プレジャーボートと同じ基準にするということは考えられません。プレジャーボートは、あくまでも娯楽ですから頻繁に乗るわけではありませんから。でも、漁船は操業しているんです。エンジンに負担も掛かります。故障もしやすいんです。だからこそ、専門家の経験と知識が必要なんだというふうに思います。さらに、参考として書かれています。総トン数二十トン以上長さ二十四メートル未満の漁船の過去五年間の機関故障の事故率はプレジャーボートの三・五倍ということであります。安全は本当に確保できるんでしょうか。
そこで、まず、
水産庁長官にお
伺いしたいと思います。
海技士の乗組み基準の見直しを水産庁としてはずっと行うべきだとお考えだったんでしょうか。