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2020-05-20 第201回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
令和二年五月二十日(水曜日) 午後一時開会 ─────────────
委員
の
異動
二月二十六日
辞任
補欠選任
滝波
宏文
君
高階恵美子
君 五月十九日
辞任
補欠選任
高階恵美子
君
堀井
巌君 五月二十日
辞任
補欠選任
こやり
隆史
君
岩本
剛人君
高野光二郎
君
清水
真人
君
高橋はるみ
君
山田
太郎
君
堀井
巌君
三木
亨君 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
宮沢
洋一
君 理 事 阿達 雅志君 岩井 茂樹君 森屋 宏君 斎藤 嘉隆君 平木 大作君 梅村 聡君 山添 拓君 委 員
岩本
剛人君
こやり
隆史
君
清水
真人
君
高野光二郎
君
高橋はるみ
君 長峯 誠君
堀井
巌君 三浦 靖君
三木
亨君 宮崎 雅夫君
山田
太郎
君 岸 真紀子君 古賀 之士君
塩村あや
か君 浜野
喜史
君
矢田わか子
君 杉
久武
君 若松
謙維君
音喜多 駿君 市田 忠義君
嘉田由紀子
君 副
大臣
経済産業
副
大臣
松本
洋平
君
環境
副
大臣
佐藤ゆかり
君
事務局側
第三
特別調査室
長
亀澤
宏徳
君
政府参考人
内閣府
大臣官房
審議官
佐藤
暁君
文部科学省大臣
官房審議官
千原 由幸君
経済産業省大臣
官房審議官
河本 健一君
経済産業省産業
技術環境局長
飯田 祐二君
資源エネルギー
庁次長
平井
裕秀
君
資源エネルギー
庁長官官房資源
エネルギー政策
統括調整官
覺道
崇文
君
環境省大臣官房
審議官
白石 隆夫君
環境省地球環境
局長
近藤 智洋君
環境省総合環境
政策統括官
中井徳太郎
君
原子力規制委員
会原子力規制庁
長官官房緊急事
態対策監
山形 浩史君
原子力規制委員
会原子力規制庁
長官官房審議官
大村
哲臣
君
原子力規制委員
会原子力規制庁
原子力規制部長
市村 知也君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
原子力等エネルギー
・
資源
に関する
調査
(「
資源エネルギー
の
安定供給
」のうち、
エネ
ルギーの
安定供給
) ─────────────
宮沢洋一
1
○
会長
(
宮沢洋一
君) ただいまから
資源エネルギー
に関する
調査会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨日までに、
滝波宏文
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
堀井巌
君が選任されました。 ─────────────
宮沢洋一
2
○
会長
(
宮沢洋一
君)
原子力等エネルギー
・
資源
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、「
資源エネルギー
の
安定供給
」のうち、「
エネルギー
の
安定供給
」について
政府
から
説明
を聴取し、
質疑
を行った後、
委員
間の
意見交換
を行います。 本日の議事の進め方でございますが、
経済産業省
及び
環境省
から合わせて三十分
程度説明
を聴取し、一時間三十分
程度質疑
を行った後、一時間
程度委員
間の
意見交換
を行いたいと存じます。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、初めに
経済産業省
から
説明
を聴取いたします。
松本経済産業
副
大臣
。
松本洋平
3
○副
大臣
(
松本洋平
君)
調査会
に御指示いただいた項目に沿って御
説明
させていただきます。 まずは、現下の
新型コロナウイルス感染拡大
による
経済活動
の停滞、それに伴う
原油市場
の
不安定化
など、
我が国
を取り巻く
資源エネルギー
に関する
国際情勢
について御
説明
させていただきます。 まず、
油価
の動向について御
説明
いたします。 二ページを御覧ください。
アメリカ
、
ロシア
といった
産油国
の
生産拡大
により
原油市場
は
供給
過剰となり、
OPEC
の
協調減産
が進められてきました。そうした
状況
の中、
新型コロナウイルス
の
感染拡大
を契機とし、
原油価格
を下支えしていた
中国
での
需要
が
減少
に転じ、
油価
は大きく
下落
をいたしました。 三月上旬に
OPECプラス
による
協調減産
が試みられましたが、
交渉
は決裂し、三月下旬には、
世界
の代表的な
原油価格市場
であります
ブレント原油価格
は二十ドル台まで
下落
いたしました。
産油国
の
経済財政
や
石油産業
への打撃が懸念され、株価も急落をいたしました。 四月以降、
協調減産
に向けた
調整
が行われ、四月十二日、
OPECプラス
は
日量
九百七十万バレルの
減産
に
合意
をいたしました。これは、
世界
の
石油需要
である
日量
約一億バレルの約一割に相当する大
規模
なものであります。 しかしながら、三ページ目の
油価
の
推移
のとおり、
原油需要
が一層
減少
する中、
協調減産
の
合意
後も
油価
は
下落
を続けました。その後、五月初旬以降、
欧米諸国
による
経済活動再開
の
動き
などが見られる中、
ブレント原油価格
は三十ドル台まで
上昇
しています。 当面、
油価
は不安定な
動き
が続くことが考えられます。引き続き、
原油動向
、
日本
の
石油事業者
への
影響
を注視することが必要と考えております。 なお、御
説明内容
を補足するものとして、
OPECプラス減産合意
の
内容
、昨年来の
中東情勢
について
資料
を御用意しております。御確認ください。 次に、このような
エネルギー
をめぐる
国際情勢
を踏まえ、
日本
の
エネルギー安全保障
を
確保
するための
取組
について御
説明
いたします。 まず、
日本
の
現状
について御
説明
いたします。 七ページには、
我が国
の
原油
、
LNG輸入
の
国別シェア
を示しております。
我が国
は、
原油
、
天然ガス
のほぼ全量を
海外
からの輸入に頼っております。
中東情勢
の
緊迫化
といった
地政学リスク
の高まり、
新興産油国
の
台頭
といった
供給構造
の変化、国際的な
資源獲得競争
の激化が進むことが見込まれる中、
資源
の安定的かつ低廉な調達は引き続き重要な
課題
であります。
我が国
は、
海外
での
権益確保
、
国内
の
資源開発
、
燃料
の備蓄によって
エネルギー
の
安定供給
を図っております。それぞれの
取組
について御紹介いたします。 八ページは、主な
海外権益獲得
などの
取組
をまとめたものであります。
アジア
を中心とする
新興国
の
台頭
に伴い、
需要量減少
により
我が国
の
交渉力
が低下する中、
上流権益
の
獲得
による
自主開発比率
の向上や
資源
の
調達先多角化
の
実現
といった
対策
を講じています。 具体的には、二〇一八年二月に
世界有数
の
埋蔵量
を誇る油田の
権益
を再
獲得
したUAEや、二〇一八年七月に
日本企業
が主導する初の
大型LNGプロジェクト
である
イクシスLNG
が生産を開始した豪州のほか、
シェールガス由来
の
LNG輸出
が増加する米国や、北極圏に豊富な
資源
のポテンシャルを有する
ロシア
などと
共同プロジェクト
を戦略的に推進しています。 次に、
国内資源開発
について御紹介いたします。
国内資源
は、
地政学リスク
に左右されない安定的な
資源
であるため、
エネルギー安全保障
の観点から非常に重要です。
石油
、
天然ガス
については、
我が国周辺
の潮流の速い
海域
など
探査実績
の少ない
海域
において、昨年就航した三次元
物理探査船
「たんさ」を活用するなど、機動的な
探査
や試掘を実施します。
メタンハイドレート
は、小さな体積から大きな
エネルギー
を生み出す、
日本近海
に大量に存在する
エネルギー資源
です。安定的に
メタンハイドレート
から
ガス
を生産するための
技術
など、今後の
商業化
に向けた
技術開発
をしっかり推進していきます。 十ページを御確認ください。
国内
外の積極的な
資源開発
を行うとともに、有事に備えて
我が国
は
石油
を備蓄しております。現在、
国内消費量
の二百日分を超える量が
確保
されています。
緊急事態
が発生した場合においても円滑に
対応
できるよう、平時より、
石油精製
、
元売各社
との
連携強化
、
情報収集
、共有を行っています。 次に、
日本
の
エネルギーミックス
の
進捗状況
について御
説明
いたします。 十三ページは、二〇一八年七月に閣議決定いたしました第五次
エネルギー基本計画
の概要です。 二〇三〇年に向けて、
エネルギーミックス
の確実な
実現
のため、再
エネ
については、
主力電源化
に向けて
コスト低減
の
取組強化
、再
エネ
の
大量導入
を支えるネットワークの
整備
などに取り組みます。
原子力
については、徹底した
省エネ
や再
エネ
の
導入
などに取り組み、
原発依存度
を可能な限り低減する方針の下、安全最優先で地元の理解を得ながら再稼働を進めていきます。
化石燃料
については高
効率火力
の
有効活用
などに取り組み、
省エネ
については
省エネ法
に基づく
規制
と
支援策
を一体的に講ずることとしております。 十四ページは、
エネルギーミックス
の
推移
を示しております。
エネルギーミックス
は将来の
需給構造
の見通しです。あるべき姿として、3
EプラスS
、すなわち
安全性
の
確保
を大前提に、
安定供給
、
経済効率性
及び
環境適合
について、達成すべき三つの
政策目標
をバランスよく達成する姿として示したものであります。上段の
棒グラフ
は
日本
における
エネルギー供給
全体の
エネルギー構成
の
推移
を、下段の
棒グラフ
はその中での
電力部門
における
電力構成
の
推移
を示しております。 十五ページでは、震災前から現在までの
電源構成
などの進捗を示しております。 二〇一三年度と比較をいたしまして二〇一八年度には、
エネルギー起源CO2排出量
が十二・四億トンから十・六億トンまで
減少
、
電力コスト
は年間九・七兆円から八・五兆円まで
減少
、
エネルギー自給率
は七%から一二%まで改善いたしました。先ほど御
説明
させていただいた
取組
により、いずれの指標についても着実な進展が見られております。
他方
、
ミックス
の達成はいまだ道半ばの
状況
にあり、確実に
ミックス
を達成するため、引き続き取り組んでまいります。 続いて、
再生可能エネルギー
についてです。 十八ページを御確認ください。
FIT導入
以降、
日本
の再
エネ比率
は大幅に拡大しており、着実に再
エネ
の
導入
は進んでいます。
他方
、
電力
の
安定供給
を
確保
しつつ再
エネ
の
導入
を進めるためには、
系統制約
への
対応
が必要です。様々な
対応
を行ってもなお
電力
の
供給
が
需要
を上回る場合には再
エネ
の
出力制御
を行うこととしており、それを前提とすることで再
エネ
の
接続
を拡大しています。 九州では二〇一八年度から
出力制御
を実施していますが、今後の一層の再
エネ導入拡大
に向けて、
電力系統
の
整備
、
運用面
において更なる
対策
を講じてまいります。 十九ページを御確認ください。 その
対策
の
一つ
が
日本版コネクト・アンド・マネージ
の推進です。
系統制約
の克服に向けてまずは
既存系統
を最大限活用すべく、一定の条件の下で
系統
への
電源
の
接続
などを認める
仕組み
であります
日本版コネクト・アンド・マネージ
を
導入
しており、
効果
も確認されております。 続いて、二十ページを御確認ください。
二つ目
の
対策
が
電力系統
の
整備
です。
既存系統
の
利用
には限界があり、今後の更なる再
エネ導入拡大
には、
系統自体
の
増強
が必要となります。このため、既に
地域間連系線
の
増強
や、
東北北部
における
電源募集プロセス
などの
地域系統
の
増強
を進めています。 さらに、今
通常国会
において、プッシュ型の
系統形成
と
系統増強費用
を
全国
で支える
仕組み
を
導入
するための
制度整備
に係る法案を提出したところであります。 続いて、二十一ページを御確認ください。
三つ目
の
対策
が
分散型エネルギーシステム
の構築です。
分散型電源
である再
エネ
の特性を生かし、
地域
の
レジリエンス向上
と
地産地
消型の
エネルギー供給
を目指す
分散型システム実現
への
取組
を進めております。 具体的には、
災害
時に自立的な
電力供給
を可能とする
地域マイクログリッド
の
実証
を実施するとともに、
配電事業
に関する必要な
制度整備案
を今
通常国会
に提出いたしました。 続いて、二十二ページを御確認ください。 再
エネ
の
導入拡大
に向けては、
系統制約
問題への
対応
に加え、
蓄電池
の
普及拡大
が重要です。
蓄電池
は、
系統安定化
のための
調整力
、
自家消費
の促進、さらに
災害
時の
電力供給源
としても期待される
技術
である一方、今後の
普及拡大
には
技術面
の検証や低
コスト化
が
課題
となっております。そのため、
蓄電池
を
導入
した
実証事業
や
革新的電池
の
技術開発
を通じ、
蓄電池
の
普及拡大
に向けて取り組んでいるところであります。 続いて、二十三ページを御確認ください。 新たな
エネルギー
の
一つ
である
水素
は、運輸、
産業
、
電力
などの様々な分野での
利用
が可能であり、余剰再
エネ
の
貯蔵機能
としても期待されています。二〇一七年に
水素基本戦略
を策定し、
水素
の
製造
、輸送・貯蔵、
利用
での
技術開発
、
市場創出
を実施するとともに、二〇一八年から
水素閣僚会議
を
日本
で開催しております。 昨年十二月には神戸で
世界初
の
液化水素運搬船
が進水し、今年三月には、
世界最大級
の
水電解装置
により、
再生可能エネルギー由来
の
水素製造実証
を行う
福島水素エネルギー研究フィールド
が開始をいたしました。引き続き、
水素社会実現
に向けた
取組
を推進してまいります。 このように、再
エネ
を
日本
の
エネルギー供給
の一翼を担う長期安定的な
主力電源
にしていくため、必要な
取組
を
一つ
一つ
進めてまいります。 次に、具体的な
温室効果ガス削減
の
取組
について御紹介いたします。
パリ協定
に基づく
成長戦略
としての
長期戦略
で示されているとおり、
日本
は、二〇三〇年度に
温室効果ガス排出量
を二〇一三年度比二六%
削減
するとともに、二〇五〇年までに八〇%
削減
し、
今世紀
後半のできるだけ
早期
に脱
炭素社会
を
実現
することを目指しています。
日本
は順調に
温室効果ガス
を
削減
しておりますが、今後の
温室効果ガス排出量
の大幅な
削減
は従来の
取組
の
延長
では
実現
することが困難であり、非
連続
な
イノベーション
を
実現
していくことが不可欠です。その具体的な
取組
を御紹介いたします。 二十五ページの
火力発電
の高
効率化
に関する
資料
を御覧ください。 現在、広島県の
大崎上島
では、高い
発電効率
が期待できる
石炭ガス化複合発電
、いわゆる
IGCC
に
CO2
の
分離回収
を組み合わせた
実証事業
を実施しています。今後は、
IGCC
に
燃料電池
を組み合わせた更に高
効率
な
火力発電
である
石炭ガス化燃料電池複合発電
、
IGFC
の
実証試験
も実施する
予定
です。
IGCC
、
IGFC
の
実用化
により、
環境負荷
の少ない
石炭火力発電
が活用可能になります。また、今年度から、
大崎上島
は
カーボンリサイクル
の
実証研究拠点
として
整備
されております。 二十六ページの
カーボンリサイクル
に関する
資料
を御覧ください。
カーボンリサイクル
とは、
CO2
を
資源
として捉え、回収して
化学品
や
燃料
、
コンクリート
などの原料に再
利用
する、
日本
で考案されたコンセプトです。
具体例
としては
人工光合成
や
CO2
を吸収する
コンクリート製造技術
などがあり、
実用化
に向けた
技術開発
を進めています。 二十七ページの
CCS
に関する
資料
を御覧ください。
CCS
とは、二酸化炭素を大気に放散する前に回収し、地下へ貯留する
技術
を指します。
CCS
は将来の脱
炭素化
を
実現
する上で鍵となる
技術
であり、苫小牧における
CCS
と
カーボンリサイクル
の
実証拠点化
を進めます。 このような様々な
イノベーション
を通じ、
世界
の
CO2
の実効的な
排出削減
に貢献してまいります。 一昨年の
北海道胆振東部地震
、昨年の
台風
第十五号、
台風
十九
号等
による大
規模
かつ長期間の停電を踏まえ、強靱かつ持続可能な
電力
の
供給体制
の
確保
が重要な
課題
となっております。 このため、今
通常国会
に
エネルギー供給強靱化法案
を提出しております。その主な
内容
につきまして御
説明
いたします。 二十九ページを御覧ください。
一般送配電事業者
に対して
災害
時
連携計画
の策定を義務付け、
事業者
間で
連携
するのみならず、自治体や自衛隊といった
関係機関
の
災害
時における
連携
を強化するための措置を講じます。
災害
時
連携計画
とは、
台風
や地震といった
災害
時においても
電気
の
安定供給
を可能にするために
事業者
が作成するものです。これにより、
電源車
の
地域間融通
など、
事業者
が柔軟に
災害
に
対応
することが可能となります。 次に、三十ページの左の図を御覧ください。
全国
の
送電鉄塔
の多くが建設から四十年から五十年経過しており、
既存設備
の
更新
の
必要性
が高まっております。このため、
送電鉄塔
などの
送配電設備
の
老朽化
の
程度
を把握しつつ、必要な投資をタイムリーに行うことが
電力システム
の
強靱化
にとって重要です。 そこで、
一般送配電事業者
に対し、
送配電設備
の計画的な
更新
を求める
制度
を
整備
いたします。さらに、
レジリエンス強化
のための必要な
送配電投資
を
事業者
が着実に実施すると同時に
コスト効率化
にも取り組むため、
託送料金制度改革
を実施します。 三十二ページを御覧ください。 昨年の
台風
第十五号では、
東京電力管内
の
鉄塔
や
電柱
が倒壊、損傷しました。これを踏まえ、
鉄塔
や
電柱
に係る
技術基準
を見直すなど、
電力供給設備
の
強靱化
を推進してまいります。 こうした
取組
を通して、強靱かつ持続可能な
電気
の
供給体制
を
確保
してまいります。 以上が
経済産業省
からの
説明
になります。
宮沢洋一
4
○
会長
(
宮沢洋一
君) 次に、
環境省
から
説明
を聴取いたします。
佐藤環境
副
大臣
。
佐藤ゆかり
5
○副
大臣
(
佐藤ゆかり
君)
環境
副
大臣
の
佐藤ゆかり
でございます。 今回、
気候変動対策
に関する内外の
取組
について御
説明
を求められておりますところ、一年目でもありますことから、まず、
気候変動
をめぐる国際的な概況を含めた
パリ協定
を始めとする
国際協調
について御
説明
させていただいた後に、
我が国
の
気候変動対策
について、
我が国
の
中長期目標等
に加え、特に御指示をいただいた
地域
における脱
炭素化
、
ESG投資
、カーボンプライシングについて、
資料
に沿って御
説明
を申し上げたいと存じます。 二ページ目を御覧いただきたいと存じます。 昨年夏に
房総半島台風
及び
東日本台風
が立て続けに
日本
に上陸をしまして、強風や多量の降雨により甚大な被害を及ぼしたことは記憶に新しいところでございますが、同様に、
アジア
や北米での大雨、ヨーロッパでの
熱波
、オーストラリアでの
森林火災
など、
世界各地
で数多くの
自然災害
が発生しております。
世界気象機構
、WMOでも、最近の顕著な降水や高温の
増加傾向
は長期的な
地球温暖化
の
傾向
と関係しているとの
見解
が示されておりまして、更なる
平均気温
の
上昇
により、こうした
影響
はより深刻化すると想定されております。 三ページ目を御覧ください。
気候変動
問題に関し
科学的知見
を提供する学者の集まりでありますIPCC、
気候変動
に関する
政府間パネル
では、二〇一八年に発表した一・五度
特別報告書
において、
現状
のペースでいけば、
世界
の
平均気温
の
上昇
を一・五度を大きく超えないためには、二〇五〇年前後の
CO2排出量
を正味ゼロにすることが必要との
見解
を示しました。 四ページ目を御覧ください。 一方、こうした
気候変動
の原因となっている
温室効果ガス
のうち
エネルギー起源
の
CO2
については、二〇一七年に
世界
全体で三百二十八億トンが
排出
されており、
中国
、
アメリカ
、インドの
排出量
がそのうち半分を占めております。 引き続き、
世界
第五位の
排出国
であります
我が国
の
排出
を
削減
するとともに、その他の国の
排出量
を引き下げるための
取組
も重要でございます。 五ページ目を御覧ください。 こうした中で、二〇一五年に
パリ協定
が採択され、本年より
実施
されております。
世界
の
CO2削減
の
取組
は
先進国
のみでは達成できません。
パリ協定
では、
先進国
のみならず全ての国が参加する新たな、
パリ協定
は新たな
国際的枠組み
でございます。全ての国に
削減目標等
の国の決定する
貢献
、いわゆるNDCの五年ごとの提出を義務付けるとともに、その
実施状況
を確認する
仕組み
を構築いたしました。 一方で、残念ながら
アメリカ
は本年十一月に
パリ協定
を脱退する
予定
でございまして、
世界
第二位の
排出国
である
アメリカ
の
取組
を
パリ協定外
でどのように進めていくかは
課題
でございます。 六ページ目を御覧ください。 昨年十二月にマドリッドにおいて開催された
気候変動枠組条約
第二十五回
締約国会議
、
COP
25では、この
パリ協定
の
実施
に必要な
市場メカニズム
の
実施指針
についての
交渉
が行われました。本会合では結論が得られませんでしたが、
小泉環境大臣
が
主要関係国
と精力的に
調整
を行った結果、次回の
COP
26での採択に向けた
道筋
を付けることができました。 七ページ目を御覧ください。
市場メカニズム
は、他国における
CO2削減
を
自国
の
技術等
を
導入
することで
削減
した場合に、その
削減量
の一部を
自国
の
削減量
としてカウントできることにより、
技術
が不足する特に
途上国
の
CO2削減
を進める
制度
でございます。
我が国
は、各国に先行して
JCM
と呼ばれる
市場メカニズム制度
によって
日本
の優れた脱
炭素技術
などを展開することで、特に
アジア諸国
の
CO2削減
に
貢献
をしておりまして、今後、
アジア諸国
だけではなく、
アフリカ諸国
や、
GDP当たり
の
CO2排出量
の大きい
中東諸国
にも広げてまいりたいと考えております。 八ページ目を御覧ください。 ここからは、
我が国
の
気候変動対策
について御
説明
申し上げます。 まず、
我が国
の
温室効果ガス排出量
ですが、二〇一八年度の時点で約十二億四千万トンでありましたが、
中期目標
の
基準年度
である二〇一三年度に比べて一二%減、五年
連続
で
削減
をしております。ここ五年
連続
で
削減
を達成したのは、
G7
では
日本
とイギリスのみでございます。また、この間、
我が国
の
GDP
は増加しておりまして、
経済成長
と同時に
温室効果ガス
を
削減
する、いわゆるデカップリングを達成いたしております。 九ページ、十ページ目を御覧ください。
我が国
は、昨年六月に
パリ協定
に基づく
長期戦略
を策定し、
G7
の中では初めて
長期戦略
の中で
カーボンニュートラル
への
道筋
を示しました。
今世紀
後半のできるだけ早い
早期
に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱
炭素社会
を
実現
することを目指しております。 一方で、この
実現
は、従来の
取組
の
延長
では
実現
困難でありまして、非
連続
な
イノベーション
を通じた
環境
と
成長
の好循環の
実現
が必要でございます。 十一ページ目を御覧ください。 このため、本年一月には、この
イノベーション
を創出するための
革新的環境イノベーション戦略
を策定いたしました。
世界
の
カーボンニュートラル
、さらには過去の
ストックベース
での
CO2削減
、いわゆるビヨンド・ゼロを可能とするため、例えば、
浮体式洋上風車技術
の確立やCCUSの
実用化
などの革新的
技術
を二〇五〇年までに確立することを目指しております。 十二ページ目を御覧ください。 さらに、本年三月に
パリ協定
に基づくNDCを
更新
いたしました。このNDCにおいては、一、二〇三〇年度二六%
削減
の確実な達成と、これにとどまらない更なる
削減
努力、二、具体的実行計画である
地球温暖化
対策
計画の見直し着手、三、更なる
削減
目標の検討は、今後の
エネルギーミックス
の改定と整合的に、更なる野心的な
削減
努力を反映した意欲的な数値を目指すことを表明しております。このNDCに基づき、
地球温暖化
対策
計画の見直しを検討してまいります。 現在、
政府
を挙げてコロナ
対策
に取り組んでおりますが、今般の
新型コロナウイルス
への
対策
をきっかけに、暮らし方や働き方が変化してくることも想定されます。計画の見直しに当たっては、そうした
動き
も踏まえつつ、持続可能な脱
炭素社会
への移行を促していく
対策
を考えていきたいと考えております。 十三ページ目を御覧ください。 先般成立しました令和二年度補正予算におきましても、脱
炭素化
社会への移行を促す施策を盛り込んでおります。 今後、
新型コロナウイルス
を契機にサプライチェーンを
国内
回帰する
動き
が出てくる可能性も指摘されておりまして、そのような場合にも防災にも資する
省エネ
設備や再
エネ
設備が
導入
されることが重要であります。
環境省
では、今年度予算や補正予算によりましてこうした設備の
導入
への補助を行います。また、設備
導入
による
削減量
を売買可能なJ―クレジットとして認証することで、民民の取引を通じた
投資
回収の後押しもしてまいります。引き続き、
新型コロナウイルス
の
状況
も踏まえながら持続可能な脱
炭素社会
への移行を促してまいります。 十四ページ目を御覧ください。 ここからは、
政府
以外の主体、自治体や企業の
動き
について御紹介したいと存じます。
我が国
の目標は、さきに述べましたとおり、
今世紀
後半のできるだけ
早期
に、できる限り二〇五〇年に近い時期に脱
炭素社会
を
実現
するということでありますが、その一歩先を行く目標である二〇五〇年
排出
実質ゼロを掲げる自治体、いわゆるゼロカーボンシティが増加をしております。人口
規模
では
日本
の人口の過半に迫る大きな
動き
となっておりまして、今後は各
地域
のゼロカーボンシティ
実現
に向けた実効性のある
取組
の後押しが
課題
になってまいります。 十五ページ目を御覧ください。
地域
の脱
炭素化
に向けた様々な
取組
が進んでおります。 千葉県睦沢町では、太陽光発電や
ガス
コージェネレーション等の分散型
エネルギー
の活用を進めております。これによって、平時には
CO2削減
につながっておりますが、昨年の
房総半島台風
の
影響
で
地域
に停電が発生した際にも、この分散型
エネルギー
が稼働して
地域
に一定の
エネルギー供給
を継続できたという実績がございます。こうした好事例を
全国
各地に創出していきたいと考えております。 十六ページ目を御覧ください。 また、
地域
を超えた
取組
も進んでおります。 横浜市は、
再生可能エネルギー
が豊富に存在する東北十二市町村と
連携
し、
再生可能エネルギー
の
供給
を受けるとともに、住民、企業間の
連携
による
地域
間のつながりを強めております。こうした
地域
循環共生圏の創造が
地域
の脱
炭素化
と
地域
の活性化を同時に進めていく鍵であると考えております。 十七ページ目でございます。 こうした自治体の
動き
に加えて、企業でも脱炭素経営を進める
動き
が加速しております。TCFD、SBT、RE一〇〇といった
気候変動
に関する様々な国際イニシアティブに賛同、参画する
日本企業
が増えており、
世界
でもトップクラスの数となっております。 十八ページ目を御覧ください。 こうした企業の
取組
を金融面から後押しをするのがESG金融でございます。
世界
的なESG金融の拡大が先行しておりますが、
我が国
でも近年急拡大をしております。 十九ページ目でございます。
環境省
としては、ESG金融の更なる拡大に向けて、ESG
地域
金融の普及のための
地域
金融機関への働きかけ、ポジティブインパクトを生み出す金融に向けたガイドの
整備
等を進めてまいります。 二十、二十一、二十二ページ目でございます。 カーボンプライシングについては、既に
導入
されているものとして
地球温暖化
対策
税がございますが、脱
炭素社会
に向けてあらゆる
資源
の戦略的な配分を促し、新たな
経済成長
につなげていく原動力として、更なるカーボンプライシングの可能性について検討をしているところでございます。 また、炭素税や
排出量
取引とは異なりますが、
省エネ
、再
エネ
設備の
導入
等による
温室効果ガス
の
排出削減
量や吸収量をクレジットとして国が認証し、その取引を可能とするJ―クレジットという
制度
もございます。このJ―クレジット
制度
については、現在、ブロックチェーン
技術等
のデジタル
技術
を活用した利便性の
向上
について、私が中心となって検討を進めているところでございます。 こうした自主的なクレジット取引の活性化を通じて、家庭や中小企業、地方公共団体における
環境
投資
を促進するとともに、脱
炭素化
に向けた
取組
を後押しすることにより、
環境
と
成長
の好循環の
実現
を目指してまいります。 以上でございます。
宮沢洋一
6
○
会長
(
宮沢洋一
君) 以上で
政府
からの
説明
聴取は終わりました。 これより
質疑
を行います。 本日の
質疑
はあらかじめ
質疑
者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
質疑
及び答弁の際は、挙手の上、
会長
の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。 また、
質疑
者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。 なお、できるだけ多くの
委員
が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力お願いいたします。 それでは、
質疑
のある方は挙手をお願いいたします。 三浦靖君。
三浦靖
7
○三浦靖君 ありがとうございます。自由民主党の三浦靖です。 私は島根県の出身でございまして、唯一県庁所在地に原発を抱える、島根県東部の松江市に島根原発一号機、二号機を抱える、また西部には三隅
火力発電
所を抱えております。本
調査会
での貴重な
質疑
の機会を頂戴いたしましたことに感謝申し上げます。 限られた時間でございますので、早速
質疑
の方に入らせていただきたいと思います。 先ほど
松本
副
大臣
より、
エネルギー
をめぐる
国際情勢
、また
エネルギー安全保障
、ベスト
ミックス
に関して御
説明
をいただきました。もとより
我が国
は
化石燃料
を始めとする地下
資源
に乏しく、特に
原油
、
天然ガス
を
輸入
に頼らざるを得ない中、先ほどもおっしゃられていましたけれども、
国際情勢
に大きく左右されています。 一九七〇年代の二度にわたるオイルショックは忘れられない教訓となっておりまして、くしくも今次の
新型コロナウイルス
感染症の問題でもトイレットペーパーの買占めなど同様な現象が起きてしまったことは、非常に残念なことでございました。一方で、マスクなどの医療関係資材の
海外
依存リスクや基幹
産業
のサプライチェーンの断絶リスクを浮き彫りにし、そういった意味で、
電力
資源
である
化石燃料
の大部分を
海外
に依存している
我が国
の
エネルギー
事情は、
安定供給
において大きなリスクを負っていると再認識しなくてはならないということではなかったのでしょうか。 そこで、比較的
国際情勢
に左右されにくい準国産
エネルギー
とも言える
原子力
の安全運転を軌道に乗せることは、
我が国
にとって必要不可欠の
エネルギー
の安全保障ではないかと考えております。 もちろん、御
説明
いただいた3
EプラスS
、Sの部分でございます
安全性
が大前提ではございますけれども、必要な審査を行うのは当然ではありますけれども、マンパワーの拡充や審査の工夫、
効率化
などにより可能な限り審査の
早期
化を進めていくことが必要な時期に至っているのだと考えておりますけれども、御
見解
をお伺いしたいと思います。
宮沢洋一
8
○
会長
(
宮沢洋一
君) どなたに対する質問ですか。
三浦靖
9
○三浦靖君 経産省ですね。
山形浩史
10
○
政府参考人
(山形浩史君) お答えさせていただきます。 審査は、大前提である
安全性
について判断を行う場であるからこそ、実際に現場の安全に直接携わっておられる申請者の方、そういう方と十分な議論を行って共通理解を得るべく、納得のいくまで議論をして結論を得るということが重要と考えておりまして、
規制
委員
会としては、東京
電力
福島第一
原子力
発電所事故の教訓を踏まえて厳正な判断を下すことが重要であると認識しております。その上で、審査の時間は申請者にとってでなく我々にとっても重要でございますので、審査を
効率
的、
効果
的に進めることが望ましいと考えております。 このため、審査の予見性を
確保
するため、審査について、審査項目ごとに
進捗状況
や残っている主な論点を整理しました審査
進捗状況
表を作成、公表すること、また、審査の過程における主要な論点や適合性の結果をまとめた審査書、確認書、そういうものを作成、公表すること、また、同じような型の原子炉の審査が並行している場合には他の
事業者
の同席を認めることなど、そういうことを心掛けて
効率
的な審査に取り組んでございます。 以上でございます。
宮沢洋一
11
○
会長
(
宮沢洋一
君) 先ほど申し上げましたけれども、
質疑
者には、その都度答弁者を明示していただくようにお願いいたします。
三浦靖
12
○三浦靖君 大変失礼いたしました。 先ほども申し上げましたように、島根原発を抱えておりますけれども、一号機は既に廃炉が決定しております。そして三十年以上経過する二号機は適合審査中、さらには、三号機も建設中という形にはなっておりますが、新しいものが今あるというところでございますが、現在、
我が国
の
原子力
の運転期間は四十年に制限されておりまして、二十年の
延長
を一度限り認めるという運転期間が制限されております。 しかしながら、
海外
では運転期間の制限を採用していない、そういった国もあり、米国では既に八十年運転の承認事例も順次出始めているそうなんですけれども、
エネルギー
の
安定供給
を
環境適合
的、また経済的に達成していくためには、そうした既設発電所の
有効活用
を科学的根拠にのっとって検討していくことが肝要ではないかと考えております。 科学的なエビデンスに基づいて
安全性
の根拠を検討する
動き
も出ておるというふうに聞いておりますけれども、現在の
状況
についてお知らせいただけますでしょうか。
原子力規制委員
会、お願いいたします。
大村哲臣
13
○
政府参考人
(大村
哲臣
君) お答え申し上げます。 御指摘の
原子力
発電所の運転期間四十年につきましては、国会審議におきまして、
技術
的研究のみならず、幅広い観点から議論が重ねられた上で法制化されたものというふうに認識しておりますけれども、
原子力
発電所の経年劣化につきましては、
技術
的な見地から丁寧かつ慎重な議論が必要であるというふうに考えてございます。 この経年劣化に関しましては、現在、
原子力
エネルギー
協議会、ATENAとの実務者レベルの
技術
的
意見交換
会を開催しておりまして、これまで二回開催をしております。次回は、五月二十二日にテレビ
会議
により開催をする
予定
としてございます。 事務局といたしましては、六月も引き続きこの
技術
的
意見交換
会を行う
予定
としておりまして、議論がまとまり次第、報告書を取りまとめ、
原子力規制委員
会に報告したいというふうに考えてございます。
三浦靖
14
○三浦靖君 ありがとうございます。是非、そういった関係者と緊密に
連携
を取っていただいて、少しずつ進めていただければと思っております。 先ほど、運転期間、発電を行っていない点検・審査期間や震災以降の休止期間も含まれている、この運転期間の中に含まれているということ、これ自体が科学的に本来ふさわしいものなのか、経済的にはもちろん合っていないということは皆さんお分かりだと思いますけれども、そういった中で、全く
規模
の違う話になり大変恐縮なんですけれども、発電停止期間の同様な事例として、小水力発電について少しお尋ねしたいと思います。 小水力発電は、
再生可能エネルギー
として、天候に左右されず、安定的でかつ急峻な
日本
国土、地形に適した
効率
的な発電であるとともに、また
環境
にも非常に負荷の少ない優れたものではないかと考えております。 現在、多くの事業体がFITに移行しているようですけれども、ただ、この買取り期間に、近年頻発している大
規模
自然災害
、大型
台風
やゲリラ豪雨による河川の増水や土砂崩れ、そういった被害によって発電所の稼働を停止をせざるを得ない、そういった
状況
の生じた期間も含まれているということでございます。 これは
再生可能エネルギー
を推進する施策に即したものにはなっていないと考えておりまして、
規模
が小さい事業体であり、さらには、先ほどお話がありましたように、
地域
の
地産地
消型
エネルギー供給
を
実現
させていくということであれば、不可避な
災害
、事故、修理期間、発電停止期間を買取り期間から除外して、実際の稼働期間でカウントしていただくことが望ましいと私は考えておりますけれども、
経済産業省
のお考えをお伺いいたします。
覺道崇文
15
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。 再
エネ
特措法に基づきますFIT
制度
は、国民が負担する賦課金を用いまして再
エネ
電気
を長期固定価格で買い取ることによって、
投資
回収の予見可能性を担保し、再
エネ
導入
初期における
普及拡大
と、それを通じたコストダウンを
実現
することを目的とした特別措置でございます。 再
エネ
電気
の買取り単価である
調達
価格は、再
エネ
電気
の
供給
に通常要する費用を基礎としまして、適正な利潤等を勘案して算定しているところでございます。このうち適正な利潤は、事業リスクに見合ったものとして設定されているものでございます。
調達
期間内における
自然災害
等による発電停止につきましては、事業を
実施
する上で
事業者
が負うべき一般的なリスクでございまして、
再生可能エネルギー
の最大限の
導入
と国民負担の抑制との両立を図る観点からは、当該発電停止期間を買取り期間から除外するべきではないというふうに考えてございます。 なお、
自然災害
への
対応
につきましては様々な損害保険サービスが提供されておりまして、近年の
自然災害
の増加等を踏まえまして、事業用太陽光発電に関して今年度から損害保険への加入を努力義務化したところでございます。
事業者
による経営努力を促しまして、コスト
効率
的な再
エネ
の
導入拡大
を図ってまいりたいと考えてございます。
宮沢洋一
16
○
会長
(
宮沢洋一
君) 時間ですので、おまとめください。
三浦靖
17
○三浦靖君 はい、時間ですので。 ありがとうございました。
宮沢洋一
18
○
会長
(
宮沢洋一
君) 古賀之士君。
古賀之士
19
○古賀之士君 立憲・国民.新緑風会・社民、合同会派の国民民主党、古賀之士でございます。 先ほどの御
説明
、報告を聞いておりまして、改めましてこの参議院独自の
資源エネルギー
調査会
、
資源
のない、
資源
の乏しい
我が国
にとりまして本当に存在意義それから今後のことを考えていく上で重要な
調査会
だということを、認識を新たにさせていただきました。 言わずもがなですが、かつては水
資源
を求めて争いが起き、さきの大戦でも
石油
資源
を求めて大きな戦火に包まれたのは皆さんもよく御存じのとおりでございます。そういった
資源
に乏しい
我が国
にとりまして、
技術
を前面に押し出しながら奇跡の復興を遂げてきたわけでございます。 そういった観点から、まず質問は、新しい原子炉
技術
の開発についてお尋ねをさせていただきます。新しい原子炉
技術
の開発
状況
について、経産副
大臣
又は参考人に伺います。 第五次
エネルギー基本計画
に取り組むべき
技術
課題
として示されております高温
ガス
炉、それから小型モジュール炉、溶融塩炉について、現在どのような開発段階にあり、また、発電開始までのロードマップはどのようになっているでしょうか。また、フランスで建設が進んでおります、二〇二五年の運転開始を目途としております国際熱核融合実験炉、これはITERと呼ぶそうですが、このITERはどのように
我が国
として捉えていらっしゃるんでしょうか。
松本洋平
20
○副
大臣
(
松本洋平
君) ITERの部分は文科省からお答えになるのが適当かと思いますので、私の方からは革新的な
原子力
技術
の開発支援
状況
ということでまずお答えをさせていただきたいと思います。 二〇一八年七月に閣議決定をいたしました
エネルギー基本計画
に記載をしておりますとおり、二〇五〇年までに八〇%の
温室効果ガス
の
排出削減
を目指すという長期的目標の達成に向けまして、脱
炭素化
のあらゆる選択肢を追求していくことが重要であります。そのため、
原子力
については、実用段階にある脱
炭素化
の選択肢といたしまして、
安全性
の一層の
向上
に加えて、多様な社会的要請の高まりも見据えた
イノベーション
を進めていく方針としております。 その一環といたしまして、先ほど
委員
からも御紹介をいただきましたようなそうした新しい
技術
分野について、令和元年度から民間企業などによる革新的な
原子力
技術
の開発支援を開始したところであり、今後も
原子力
の
イノベーション
に向けた
取組
を進めてまいりたいと存じます。
千原由幸
21
○
政府参考人
(千原由幸君) お答え申し上げます。 核融合
エネルギー
は、
エネルギー
問題と
環境
問題を根本的に解決する将来の
エネルギー
源としてその
実現
が期待されておりまして、現在、科学的、
技術
的
実現
性の確立を目指している段階にございます。この段階にある主要プロジェクトでございます御指摘のITERの建設につきましては、
世界
七か国・
地域
の協力によりフランスで進められておりまして、二〇二五年に
予定
される運転開始まで約六九%まで
進捗
してございます。 文部科学省といたしましては、ITER計画を進めるとともに、日欧
連携
により取り組んでおりますITER計画の補完、支援を目的とする幅広いアプローチ活動等を通じ、核融合の科学的、
技術
的
実現
性を検証してまいります。それを踏まえ、二〇三〇年代に実験炉の次の原型炉への移行判断を行い、
今世紀
中葉までに核融合
エネルギー
の
実用化
のめどを得るべく研究開発を進めてまいります。
古賀之士
22
○古賀之士君 今、
今世紀
中頃までというお話がありましたように、二〇五〇年代以降、つまり二十一世紀の後半にはこの新しい
技術
がどのように生かされていくのか、私たちにとりまして、いや、
世界
にとりましても重要な案件でございますので、きちっとした見極めと、そして開発への努力を怠りなくお願いをいたします。 さらに、その新しい原子炉
技術
がもたらす
環境
への
影響
につきまして、
環境
副
大臣
又は参考人にお話を伺います。 新しい原子炉
技術
が
実現
に至れば、二〇五〇年までの
温室効果ガス
八〇%という、
現状
ではなかなか厳しい数字ですが、
今世紀
後半の脱
炭素社会
に向けて大きく前進するのではないかと思われます。
環境省
として、新しい原子炉
技術
と
温室効果ガス
の
削減
との関係につきましては、今、現段階でどのようにお考えでしょうか。
佐藤ゆかり
23
○副
大臣
(
佐藤ゆかり
君) お答え申し上げます。 昨年六月に閣議決定をいたしました
パリ協定
に基づく
成長戦略
としての
長期戦略
におきましては、
エネルギー
転換、脱
炭素化
への挑戦を進めていくために、
再生可能エネルギー
、
蓄電池
、
水素
、
原子力
、
CCS
、CCUなど、あらゆる選択肢の可能性と
イノベーション
を追求していくことが重要としてありまして、
原子力
は脱
炭素化
の選択肢の
一つ
と位置付けられていると承知をいたしております。また、
原子力
関連
技術
の
イノベーション
を促進するという観点が重要であるとも記載をされております。一方で、同戦略では、
原子力
は、安全を最優先し、
再生可能エネルギー
の拡大を図る中で、可能な限り
原発依存度
を低減すると位置付けられていることも承知をいたしております。
環境省
といたしましては、外局として独立性の高い三条
委員
会であります
原子力規制委員
会を所管しておりますことから、原発推進の是非については控えさせていただくことと存じますが、こうした
政府
方針に沿って、
環境省
としても徹底した省
エネルギー
や
再生可能エネルギー
の最大限の
導入
を進めてまいる所存でございます。
古賀之士
24
○古賀之士君 相矛盾する大変難しい
課題
だとは思いますけれども、副
大臣
始め、今日の
環境省
の皆さん方、一層の奮起でひとつ脱
炭素社会
に向けての行動をよろしくお願い申し上げます。 そして、今度は、また再び経産副
大臣
にお伺いをいたします。 コミュニケーションの充実について、第五次
エネルギー基本計画
、この質問を最後にさせていただきますが、この基本計画の中に国民各層とのコミュニケーションの充実と示されております。
エネルギー
に関する広報の在り方、客観的な情報データのアクセス
向上
による第三者機関による
エネルギー
情報の発信促進及び
エネルギー
教育の推進について、具体的に
現状
どのような
取組
を行っていらっしゃるでしょうか。
松本洋平
25
○副
大臣
(
松本洋平
君)
エネルギー
は、国民生活や
産業
活動の基盤であります。
エネルギー
に関する国民各層の理解が深まることで、省
エネルギー
の徹底や
再生可能エネルギー
の活用を始め国民の主体的な
取組
が広がっていくものと考えております。こうした考えの下、議員御指摘の
エネルギー
に関する広報につきましては、
資源エネルギー
庁のホームページやパンフレットを始めとする様々な媒体、イベントや講演会などの機会を通じて情報発信をさせていただいています。 例えば、
資源エネルギー
庁ホームページでは、スペシャルコンテンツといたしまして、様々な切り口で
エネルギー
に関するテーマや基礎用語を解説した記事を定期的に配信しており、毎月二十から三十万件のアクセスがございます。 第三者機関による
エネルギー
情報の発信の促進に向けた
取組
といたしましては、メディアや民間
調査
機関、非営利法人といった第三者が
エネルギー
について独自の分析や情報発信をする際に活用していただけるよう、
資源エネルギー
庁のホームページに統計情報のポータルサイトを設けて
国内
外の
エネルギー
関係統計を一覧性のある形で提供しており、毎月二十万件ほどのアクセスをいただいているところであります。
エネルギー
教育の関係では、先生方が授業でそのまま
利用
できる教材を開発、提供する
取組
などを
実施
しております。例えば、昨年十二月に作成をいたしました最も新しい教材は、これまでに十五万冊以上を教育現場にお届けをしているところであります。 引き続き、
エネルギー
に関する国民の理解が深まるよう取り組んでまいります。
古賀之士
26
○古賀之士君 終わらせていただきますが、最後に要望として、この
資源エネルギー
の問題というのはかつては、先ほど申し上げましたように、水や
石油
を争ってきた歴史もございます。そして、戦後の復興では、今、一バレル当たり
石油
は三十ドルぐらいになっているかと思いますが、
日本
が復興を遂げた際は一バレル一ドルから二ドルでした。こういったその石
油価
格の、
原油価格
が低廉化していた、安かったということも、幸運もありました。 そういった
資源エネルギー
と
我が国
との歴史、こういったものもしっかり、今と未来の問題ではなく、過去の歴史と照らし合わせてこの
資源エネルギー
の将来を考えていくという行為、こういったものがもう少しあったらより国民の皆さんの理解を得られると思いますので、よろしくお願いをいたします。 以上で質問を終わります。
宮沢洋一
27
○
会長
(
宮沢洋一
君) 若松
謙維君
。
若松謙維
28
○若松
謙維君
公明党の若松謙維です。 まず、
松本経済産業
副
大臣
にお尋ねいたします。
経済産業省
の
資料
の十三ページを開きながら質問させていただきますが、御存じのように、今、
新型コロナウイルス
感染症の
影響
で新しい生活様式が求められております。 そういう中、今後の
エネルギー政策
にどのように反映させていくかお尋ねするわけでありますけれども、ちょうど二〇二一年七月まで、いわゆる第六次基本計画ですか、その検討を開始するということでありますが、ちょうどここに、3
EプラスS
、これに、これからの新しい考え方は3E・SプラスNLと、ニューライフ、新しい生活様式、これもしっかり盛り込むべきではないかと、そう考えまして、そういった考え方を含めて
政府
の
見解
をお尋ねいたします。
松本洋平
29
○副
大臣
(
松本洋平
君) まずもって、
新型コロナウイルス
感染症によりまして経営
環境
が厳しさを増す中、経産省としては、企業活動の継続と雇用を何としてでも守り抜くという決意の下、幅広い
支援策
を講じてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 お尋ねの点でありますが、まずは感染症流行終息に全力で取り組みつつ、それと同時に、感染症による
影響
の長期化も見据えまして、ウイルスの存在を前提にする新しい生活様式を
産業
界や国民の皆様とともに実践をしていくことが重要であると考えております。 例えば、接触を減らして感染症の拡大を抑制するため、多くの企業でテレワークの
導入
が拡大され、オンライン
会議
の
利用
も増加をしておりますし、また医療分野では、病院内感染のリスクを減らすため、初診も含めた電話やオンラインによる治療が解禁されたほか、教育分野でも遠隔教育等の
取組
が拡大をしているところであります。
委員
御指摘がございましたように、こうして国民生活の変化というものが生まれている中で、この変化を踏まえた新しい生活様式の下、人々の
エネルギー
消費の在り方にどのような変化が生じるのかを我々としてもしっかりと見極めていかなければいけないと思いますし、その結果というものを来年
予定
されている
エネルギー基本計画
の改定の議論などに是非反映をしてまいりたいと考えております。
若松謙維
30
○若松
謙維君
佐藤環境
副
大臣
にお尋ねをいたします。
環境省
の
資料
四ページを見ながら質問させていただきますが、先ほども副
大臣
が二〇一八年公表のIPCC
特別報告書
を御紹介されまして、現在の温暖化が続くと二〇三〇年から二〇五〇年の間に
パリ協定
目標一・五度
上昇
幅を超えて温暖化になるとの指摘があり、いわゆるクライメートチェンジではなくてクライメートクライシスになると、そういうふうに言われております。 今年から
パリ協定
が本格運用を開始するわけでありますが、
CO2
排出国
が、特に多い七か国、ちょうど
中国
、米国、EU、インド、
ロシア
、
日本
、そして韓国と、こういった国で年間約二百二十六億トン、地球全体の六九%を占めているということでありまして、これらの
CO2削減
の、あっ、
排出
大国ですね、
CO2
排出
大国に
削減
の加速化を促すためにも、イギリスに次ぐ
CO2削減
の実績がある
日本
が
パリ協定
実行のリード役として、来年へ延期される、今年ですね、秋ですか、冬になりますけど、
COP
26成功に向けまして
日本
がリーダーシップを取るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
佐藤ゆかり
31
○副
大臣
(
佐藤ゆかり
君) お答えをいたします。
委員
御指摘のとおりでございまして、主要国の
排出量
を引き下げるための
取組
というのは非常に重要であると考えております。 まず、
日本
自身の
取組
といたしましては、二〇一四年度以来、
日本
は五年
連続
で
温室効果ガス
の
排出量
を
削減
しておりまして、その間の
削減
幅は二〇一三年度比で約一二%と、
G7
の中で英国に次ぐ大きさとなっております。 引き続き、
パリ協定
に基づく
削減
目標の
実現
に向けて、
日本
自身のまず積極的な
貢献
を
実施
してまいるというところでございます。 その上で、御指摘のこの
パリ協定
の推進においてでございますけれども、この推進において、
パリ協定
の
実施
に必要な
市場メカニズム
の
実施指針
について、来年開催を
予定
されております
COP
25において
合意
されるということが必要でございます。
日本
では、既にこの
合意
に向けて、
COP
25で結論が出なかった論点に対してデータや数値を用いた定量的な分析を行っておりまして、ウエブ
会議
なども活用しながら、
COP
26の議長国であります英国を含む各国との
調整
を精力的に進めているところであります。 引き続き、
委員
御指摘のインドなどですね、この
排出量
の多い
途上国
も巻き込みながら、主導的な役割を果たしてまいりたいというふうに考えております。 この関連で、四月末には、国連事務総長、それからメルケル・ドイツ首相や約三十か国の閣僚が参加をしましたペータースベルク気候対話がウエブ
会議
で開催をされております。ここでは、
小泉環境大臣
より、
新型コロナウイルス
感染症からの復興を
気候変動
、
環境
対策
の観点から持続可能なものにするとともに、
COP
26に向けた
国際協調
の機運を維持するべく、希望する全ての国が参加可能な形で復興に関する各国の
取組
について共有し、互いに
連携
をするオンラインプラットフォームの設置を提案したところでございます。 英国などの各国や
気候変動枠組条約
事務局とも
連携
をしながら、
日本
として
COP
26の成功に向けて
貢献
をしてまいりたい所存でございます。
若松謙維
32
○若松
謙維君
次に、
経済産業省
にお伺いいたします。 これも
経済産業省
の二十三ページの
資料
を参照しながら質問させていただきますが、三月七日に、安倍総理、梶山
経済産業
大臣
出席された浪江町の
福島水素エネルギー研究フィールド
の開所式に私も出席させていただきました。同施設は、先ほども御紹介ありましたが、
世界最大級
の再
エネ
由来の
水素
製造
施設ということで、五年前の予算
委員
会でも私はこの
水素
社会形成の提言を安倍総理に行い、それがこの福島新
エネ
社会構想に発展した経緯があり、同構想の目玉という認識をしております。 こうした
取組
を通じて
水素
製造
技術
は確立しつつありまして、今後は、
水素
技術
の社会実装、
水素
社会の更なる形成推進に向けて、
水素
製造
コストの低減が重要なポイントとなります。是非、触媒の低コスト等、
政府
は更なる
水素
イノベーション
のための予算をしっかり
確保
するべきと考えますが、いかがでしょうか。
覺道崇文
33
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答えを申し上げます。 脱
炭素化
社会の
実現
に向けましては非
連続
な
イノベーション
が不可欠でございまして、先生が御指摘されました
水素
は大きなポテンシャルが期待される
技術
の
一つ
でございまして、
水素
の
供給
コストの低減と、またその
需要
の創出が重要と認識をしてございます。
経済産業省
としましては、今年度、
水素
関連予算を増額をしまして、
水素
の
供給
コストの低減に向けまして、先ほど御紹介のございました本年三月から稼働をしました
福島水素エネルギー研究フィールド
におきまして、
再生可能エネルギー
から
水素
を
製造
する
技術
の高
効率化
、高耐久化に向けた
技術
実証
を始めたほか、豪州において安価な褐炭から
水素
を
製造
し
日本
に輸送する
技術
実証
のプロジェクトを行ってございます。 また、
水素
の
需要
の創出に向けましては、
燃料電池
自動車の
導入
や
水素
ステーションの
整備
、家庭用
燃料電池
の
導入
などへの支援措置を講じてございます。 今後も、更に
取組
を強化し、
供給
コストの低減と
需要
創出を図りまして
水素
社会を
実現
してまいりたいと考えてございます。
若松謙維
34
○若松
謙維君
次に、時間があと一分しかありませんので主張だけして終わらせていただきますが、
経済産業省
に、ちょうど
資料
の二十ページに関することなんですけれども、今年の四月から送配電分離が始まりまして、
電力
広域的運営推進機関による
全国
の
電力
安定供給
の監視機能が増すと。あわせまして、再
エネ
の主要
電源
化に伴う送配電網の再
投資
が必要になると、これも触れていただきました。 一方、胆振東部
地震
による北海道全道ブラックアウトの教訓から、昨年三月に稼働を開始しました新北本連系線に加え、更なる
電力
レジリエンスのための新々北本連系線の
増強
計画も進んでおりまして、その際の概算工事費が四百三十億円以上になると見込まれておりまして、これらの
送配電投資
が従来のように送
配電事業
者だけで負担すると再
エネ
生産
地に過度な負担になると、そういうこともありますので、ちょうどこれを改善するための
法案
が出ておりますけれども、一刻も早く法律を通していただいて、
全国
安定供給
、それも再
エネ
の
安定供給
のために尽力していただきたいことを要望して、質問を終わります。 ありがとうございました。(発言する者あり)
宮沢洋一
35
○
会長
(
宮沢洋一
君) いや、質問じゃなかったんです、今の。意見をおっしゃるということでしたので。
佐藤ゆかり
36
○副
大臣
(
佐藤ゆかり
君) 訂正をさせてください。訂正をさせてください。
宮沢洋一
37
○
会長
(
宮沢洋一
君)
佐藤
副
大臣
。
佐藤ゆかり
38
○副
大臣
(
佐藤ゆかり
君) 済みません、恐れ入ります。 先ほど私の発言の中で、来年開催の
COP
26と申し上げたつもりでございますが、念のため、
COP
25ではなくて26でございますので、申し上げさせていただきます。
宮沢洋一
39
○
会長
(
宮沢洋一
君) 梅村聡君。
梅村聡
40
○梅村聡君
日本
維新の会の梅村聡です。 今日は、一番最初に、
経済産業省
のちょっとコンプライアンスの問題について
一つ
お伺いをいたします。 新聞報道等で、三月、今年の三月十六日に
経済産業省
から関西
電力
の方に、いわゆる役員の方の金品受領問題に当たりまして業務改善命令が出されました。この業務改善命令を出す、本来はですね、本来はその命令の前に
電力
・
ガス
取引監視等
委員
会から意見聴取をしてからこの命令を出さなければいけないと。ところが、この聴取を失念をされていまして、その結果、その命令後に聴取を行って、ですから、その日付は、聴取の日付は命令の後なんですけれども、本当は、実際にはその命令の三月十六日よりも前に聴取をしたと。日付を書き換えて、まあこれが隠蔽ということで発覚したという事案がございました。 これ、よく見てみますと、実は、その関西
電力
の改善計画の期日は三月中に出してくださいということですから、別に普通に考えれば期日を書き換える必要も当然なかったはずなんですけれども、これ本来、これ気付いたときに、聴取をしていないと気付いたときに本来どうすべきだったのか、なぜそういうことが起こったのかということを改めて
経済産業省
の方に御答弁をお願いいたします。
覺道崇文
41
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。 手続の不備があったにもかかわらず事実と異なる日に決裁をしたように取り繕ったことは、行政の意思決定プロセスに対する国民の視線が厳しい中にあって不適切であり、誠に遺憾でございます。
経済産業
行政に対する信用を損なったことにつきまして、改めておわび申し上げます。 今回の事案につきましては、不適切な手続があったことを把握した後、三月二十九日に電取委に対する意見聴取を改めて
実施
した上で三月十六日の業務改善命令を取り消し、改めて業務改善命令を発出したところでございます。本来であれば、三月十六日に意見聴取の手続が取られていないことに気付いた時点で速やかにこうした手続のやり直しを行うことが適当であったというふうに考えてございます。
経済産業省
としましては、今回の一連の不適切な行政手続を真摯に反省をしました上で、今後、適切な行政手続を進めてまいりたいと考えてございます。
梅村聡
42
○梅村聡君 やっぱり行政文書の書換えというのは、これ何にも増して国民の信頼を失う行為だということを改めて申し上げておきたいと思います。 それでは、今日御
説明
いただいた中身について質問をさせていただきます。
一つ
は、今回、第五次
エネルギー基本計画
、二〇三〇年に向けた
対応
ということで、こちらの方では、二〇三〇年度の
電源構成
、
原子力
が二二%から二〇%、そして
再生可能エネルギー
が二二%から二四%が想定をされていまして、これが二〇三〇年の
温室効果ガス
二六%
削減
、これの達成に対して必要不可欠な目標であるということになるかと思います。 一方で、この
原子力
の割合というのは東
日本
大震災前の割合にほぼ近いものであるということですから、当然、今それぞれ再稼働も含めて検討する中で、これから先不透明になっていく、
原子力
の割合が不透明になっていく可能性というのも当然あると思いますが、その場合、
再生可能エネルギー
の割合を、これを上積みしていくということが想定をされているのか、仮にもしそうなれば、そのときの国民負担がどれぐらいのものになるのか、そういったシミュレーションがあれば教えていただきたいと思います。
覺道崇文
43
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。
エネルギーミックス
は、単一の完璧な
エネルギー
源がない中で3
EプラスS
、すなわち、
安全性
、セーフティーの
確保
を大前提に、経済性、エコノミックエフィシェンシー、
気候変動
、エンバイロンメントの問題に配慮しつつ、
エネルギー供給
の安定性、
エネルギー
セキュリティーの
政策目標
をバランスよく同時に達成するぎりぎりの姿としてお示しをしたものでございます。その
進捗
は、着実に進展してきているものの、道半ばでございます。まずは、
エネルギーミックス
の確実な
実現
に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。 なお、御指摘どおりのシミュレーションは行っているわけではございませんが、
エネルギーミックス
策定時には、
電源構成
を変化させた場合の国民負担及び
CO2排出量
につきまして感度分析を行ってございます。それによりますと、仮に
原子力
の比率を一%減らして再
エネ
の比率を一%増加させた場合には、一定の仮定の下で機械的に計算をいたしますと、二千百八十億円の国民負担増加が見込まれると、こういうことになってございます。
梅村聡
44
○梅村聡君 ありがとうございます。 そういった負担がどうなっていくのかとか具体的な姿ということをしっかり国民に示していくことが大事なことだと思います。 それではもう一点は、今日は、
日本
の
エネルギー安全保障
の観点から、
国内
エネルギー資源
開発のことについても御
説明
をいただきました。その中で、
日本近海
における
メタンハイドレート
の、これをしっかり
商業化
を目指して開発をしていくというお話がありましたけれども、太平洋側の埋蔵のお話がありましたけれども、大体、
日本近海
含めてどれぐらいの
埋蔵量
が現時点で想定をされているのか、それから、
商業化
に向けた
技術開発
がどの
程度
進捗
しているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
覺道崇文
45
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。
日本
周辺
海域
に豊富に賦存することが期待される
メタンハイドレート
の開発は、
エネルギー
安定供給
の観点から極めて重要でございます。これまでの海洋
調査
から、例えば、静岡県沖から和歌山県沖に広がります東部南海トラフ
海域
におきまして、
日本
の
天然ガス
消費量の約十年分に相当する
メタンハイドレート
の存在が推定されてございます。 また、
メタンハイドレート
の開発につきましては、
エネルギー基本計画
等におきまして、二〇二三年度から二七年度の間に民間企業が主導する
商業化
に向けたプロジェクトが開始されることを目指して
技術開発
を行う、こうしたことを目標に掲げてございます。この目標に向けまして、主に太平洋側に賦存する砂層型と主に
日本
海側に賦存する表層型につきまして、それぞれの研究段階に応じた工程表を策定し、必要な
技術開発
等を推進してございます。 引き続き、貴重な
国内資源
である
メタンハイドレート
の
商業化
の
実現
に向けまして、しっかりと取り組んでまいります。
梅村聡
46
○梅村聡君 ありがとうございます。 それでは、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
宮沢洋一
47
○
会長
(
宮沢洋一
君) 山添拓君。
山添拓
48
○山添拓君
日本
共産党の山添拓です。 感染症と
環境
の観点から質問をいたします。 この半世紀の間に、HIV、エボラ出血熱、SARS、MERS、そして
新型コロナウイルス
など、数十の新たな感染症が生まれたと言われています。こうした
状況
を招いた背景として、京都大学の山極学長は開発を指摘しています。
資料
にお配りしておりますが、毎日新聞に寄稿もされています。 近年、エボラの発生が増えているのは、伐採で森林が分断され、これまでめったに接触しなかった類人猿とコウモリが同じ果樹で出会う機会が増えたからではないかと、こういう推測がされているといいます。手付かずだった原生林に開発の手が入り、動物たちの
動き
が制限されて接触の機会が変化したことが感染経路を広げたことは確かだと、こういう指摘もされています。
環境省
に伺いますが、人の手による生態系への無秩序な侵入、とりわけ、開発行為と感染症の拡大についてどのように認識されているでしょうか。
白石隆夫
49
○
政府参考人
(白石隆夫君) お答え申し上げます。 感染症の拡大という観点でいいますと、山極先生がおっしゃられているとおり、現代の人間社会がグローバルに人と物の流れが拡大しているというところが背景にございますけれども、その原因となる感染症につきましては、自然界には様々な未知の生物が存在しておりまして、その中に人にも感染する感染症の原因になり得るものがあるというふうに認識してございます。 このため、国際的にも持続可能でない農業、森林開発、工業、インフラ開発等の自然
環境
の無秩序な開発によりまして、野生生物から人への未知の感染症への感染リスクが高まるというふうに指摘されてございます。 例えば、生物多様性及び生態系サービスに関する
政府
間科学政策プラットフォーム、IPBESと呼んでいますが、これの地球
規模
アセスメント共同議長らが四月に出しました声明におきましても同様の指摘がなされてございまして、あらゆるセクターが
環境
に配慮する社会に変容すること、トランスフォーマティブチェンジが必要だというふうに述べてございます。 また、国連の生物多様性条約事務局の事務
局長
代理が、四月の
世界
保健の日、七日でございますが、これに出した声明におきましても、無秩序な開発や森林破壊による生態系の劣化、これがグローバル化と相まって感染症の拡大をするおそれがあるというふうに指摘してございます。自然を中心とした持続可能な
世界
経済を築くことが重要としてございます。 このように、国際的にも無秩序な開発行為が感染症の拡大の原因になるというふうに指摘されてございまして、
新型コロナウイルス
感染症終息後の経済的な復興を進める際には、生物多様性保全の
取組
にも十分配慮しながら進めていく必要があるというふうに認識してございます。 以上でございます。
山添拓
50
○山添拓君 やはりこの人間社会の変化がその自然界に対しても
影響
を与えて、またそれが人間社会に返ってきていると、こういう点、やっぱりあると思うんですね。
環境省
は二〇〇七年に、「
地球温暖化
と感染症」と題するパンフレットを発行しています。温暖化、
気候変動
による感染症のリスクについてどのように述べているのか、御紹介ください。
近藤智洋
51
○
政府参考人
(近藤智洋君)
環境省
ではこれまで、
委員
御指摘の二〇〇七年の報告、公表にとどまらず、
気候変動
の感染症への
影響
を含め様々な分野における
気候変動
の
影響
につきまして収集してまいりました。 例えば、デング熱等の感染症を媒介するヒトスジシマカという蚊でございますけれども、これの生息する北限は一九五〇年時点で関東周辺でございましたけれども、二〇〇七年には岩手県や秋田県に、二〇一六年には青森県に達しているということの予測をしております。また、今後更に広がるとも予測しております。 平成二十七年三月には
気候変動
影響
評価報告書を作っておりまして、この中では、
気候変動
に伴う水温の
上昇
によりまして海水中や淡水中の細菌類が増加し、こうした水を媒介した感染症のリスクの増加、あるいは気温の
上昇
による食品の
製造
、流通過程における細菌汚染、増殖を通じまして、食品を媒介とした感染症のリスクが増加する可能性を指摘させていただいております。 今年、
気候変動
適応法に基づくものとしまして、
気候変動
影響
評価報告書を取りまとめる
予定
でございます。その評価を踏まえまして、来年には
気候変動
適応計画の見直しも行ってまいります。この中で、
気候変動
による感染症の
影響
について新たな知見を評価に含めるとともに、必要な施策を計画に盛り込んでまいりたいと思います。 また、
新型コロナウイルス
に関しましては現在知見を有しておりませんけれども、今後も、
気候変動
と感染症の研究に関する
科学的知見
の把握に努めてまいりたいと考えております。
山添拓
52
○山添拓君 かなり駆け足で御紹介いただきまして、ただ、まだいろんな知見が、新しい知見が全て得られているわけではないという点でもあると思うんです。 二〇〇七年のその懇談会で座長を務めた国立感染研の倉根氏が、各種感染症に対する温暖化
影響
評価のための方法論が十分確立されているとは言えない、その
技術
を早急に確立していく必要があると、こういう指摘もされています。
環境省
としても、最新の知見はおおむねこの二〇〇七年のパンフレットに示されているものだと伺いました。
世界
的には今かなり
調査
研究が行われておりますし、それを
日本
の政策にも、あるいは国際社会に対して発信していく上でも生かすように、支援も含めて是非検討していただきたいと思います。 こうした感染症の甚大な
影響
を目の当たりにする中で、改めて
気候変動対策
が重要な政策
課題
だと思います。暮らし方、働き方が変わると先ほど
環境省
からの報告にもありました。 ところが、
政府
の
エネルギー基本計画
では、二〇三〇年目標で石炭火力の発電比率が二六%、原発や
再生可能エネルギー
を上回っています。石炭火力の建設中あるいは計画中のものは約二十あり、これを数十年稼働させようとしています。 二月二十六日の本
調査会
で、飯田哲也参考人は、
パリ協定
で掲げた一・五度目標の達成を目指して、九〇年比で二〇三〇年に五五%
削減
、二〇五〇年に九〇%
削減
は可能だと指摘をされておりました。これ、結局は政策と政治次第だと、飯田氏はこのようにも述べておりました。今、
再生可能エネルギー
のコストは驚異的に低下をしており、十分
実現
可能な目標だと思います。 こうした点を私ども指摘をする際に必ず一方から指摘がありますのは、再
エネ
はコストが高いと、そしてそれに比べて原発は安いと、こういう点であります。
資料
の三ページを御覧ください。
エネルギー
庁の二〇一八年九月のコストダウンの加速化についてと題する
資料
では、
世界
では、太陽光発電、風力発電共に二〇一三年以降、コストが大幅に低減していると。太陽光発電が九・一円、キロワットアワー当たりですね、陸上風力発電は七・四円
程度
だとしています。
資料
の二ページにありますが、一方で
政府
は、
原子力
がキロワットアワー当たり十・一円であることをもって、ほかの
エネルギー
と比べても最も安いと、こう主張してきました。
エネルギー
庁に伺いますが、再
エネ
コストの
世界
的な趨勢は
原子力
のコストを下回っている、これは間違いないですね。
覺道崇文
53
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君)
海外
での再
エネ
の発電コストについてでございますけれども、
海外
の再
エネ
コストは直近の数年間で、
技術
革新やFIT
制度
などによる
大量導入
を背景としまして大きく低下をしてございます。 例えば、民間
調査
機関が示しているデータによれば、
世界
の発電コストは、二〇二〇年度上半期に設置された案件で、大
規模
太陽光で五・五円、キロワットアワー当たり、洋上風力で同様に八・六円、陸上風力で四・八円などとなってございます。 現在、
日本
の再
エネ
コストは
海外
と比べて高い
状況
にございますけれども、
世界
の
状況
を
日本
においても
実現
すべく、
コスト低減
の
取組
を強化しつつ、
電力
市場への統合を図るとともに、長期安定的な事業運営の
確保
等の
取組
をしっかりと
一つ
一つ
進めてまいりたいと考えてございます。
山添拓
54
○山添拓君 今御
説明
いただいたのは太陽光、風力の関係でありますけれども、一方で、
原子力
は十・一円からと、十・一円からという表記ですけれども、それで安いとされてきたわけです。 ところが、この十・一円というのは、私、この
調査会
で何度か指摘をしてきたんですが、原発をこれから新設して四十年動かすという前提です。しかし、今、新増設の計画はありませんし、新たに造る場合の安全基準すらありません。この十・一円というのは、福島事故前の旧型の原発を新設する、新たに造る、そういう場合のコスト計算です。言わば虚構の計算なんですね。先ほど自民党の議員から、四十年以上原発運転するべきだと、こういう話もありましたが、その場合はなおさら十・一円では無理だろうと思います。 この試算から五年以上たちます。現に原発を運転する場合のコストを試算するには、今ある原発を再稼働する場合の発電コスト、これ、
政府
として計算するべきだと思います。最後に御答弁いただけますか。
覺道崇文
55
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) 今御指摘のあった発電コスト、これは発電コスト検証に基づくものですけれども、これは、
エネルギーミックス
を検討する際に他
電源
と発電コストを比較するために行ったものでございます。 他
電源
との比較におきましては、一定の共通条件での下でなければ、発電単位当たりのコストを比較することが困難でございます。したがいまして、既存の特定の
原子力
発電所のコストは、それぞれのサイトごとに追加安全
対策
の
規模
、運転期間、出力などが異なるために他
電源
との発電コストの比較に用いることは適当ではないと、このように考えてございます。
宮沢洋一
56
○
会長
(
宮沢洋一
君) 時間が来ております。
山添拓
57
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますけれども、比べてはいけないものを比べている、こういう表はやはり改めるべきだということを指摘して、質問を終わります。
宮沢洋一
58
○
会長
(
宮沢洋一
君)
嘉田由紀子
君。
嘉田由紀子
59
○
嘉田由紀子
君 碧水会の嘉田でございます。お時間をいただき、ありがとうございます。 まず、
原子力
規制
庁さんにお伺いをしたいんですが、今の山添議員の続きですけれども、
原子力
発電の
エネルギー政策
、これ、コストの問題、そして安定的
供給
、それから
環境
というこの
三つ
の部分から、私たちはやはり
原子力
は問題だろうと思っております。そして、一番問題なのは廃棄物処理の方向がないと。よく言われるように、トイレのないマンションだと一般の方に
説明
をすると分かっていただけるんですけれども。 今回、核
燃料
サイクル政策の中の中核施設であります青森県の六ケ所村の再処理施設、ここはもう皆さん御存じのように、二十三年前の一九九七年に完成する
予定
だったんですが、トラブル続きで二十四回も延期されております。ここが今回、新
規制
基準適合審査に合格したということですけれども、
原子力
規制
庁さんにお伺いしたいんですが、今後の手続、スケジュール、どうなっているでしょうか。具体的な日程なども含めてお願いいたします。
市村知也
60
○
政府参考人
(市村知也君) お答えいたします。
日本
原燃株式会社再処理施設の新
規制
基準適合性に係る事業変更許可申請についてでございますが、これは今先生御指摘のように、審査を重ねてまいりまして、去る五月十三日に開催をいたしました
原子力規制委員
会におきまして審査書案というものを了承がされてございます。 翌日の五月十四日から三十日間の科学的、
技術
的意見の募集、いわゆるパブコメの募集をしているところでございます。また、あわせて、
原子力
委員
会及び
経済産業
大臣
の意見を聴くことを決定をしてございます。今後、その意見募集の結果、それから
原子力
委員
会及び
経済産業
大臣
からの意見を踏まえて、
原子力規制委員
会として改めて事業変更許可処分の判断を行うということになります。 この現在議論をしている事業変更許可というものは、この再処理施設の基本的な設計方針というものを審査をしているものでございまして、今後この再処理施設というものを稼働するためには、この事業変更許可に加えまして、施設や設備の具体的な設計を確認するための認可、あるいはその組織の体制や作業手順等を定めた保安規定の変更認可といった手続が必要になります。 これら、そのほかの認可も含めた具体的なスケジュールにつきましては、
日本
原燃からの申請の
状況
、それからその
内容
等にもよりますので、現時点でその具体的なスケジュールをお答えすることは難しいところでございますけれども、
原子力規制委員
会としては、
事業者
の申請がなされれば、その
内容
について厳正に審査をしてまいる所存でございます。
嘉田由紀子
61
○
嘉田由紀子
君 ありがとうございます。 ちょっと時間がないので次の質問をスキップさせていただきますけど、今のように、
原子力
規制
庁さんの方では、いつ具体的に再処理施設が
動き
出すか日程的にも見通しが立たないということですけれども、経産省の
資源エネルギー
庁さんにお伺いしたいんですが、使用済核
燃料
の
貯蔵
実態、これ、現在、
国内
で
貯蔵
しております使用済核
燃料
一万八千トンですが、
国内
の
貯蔵
容量の七五%です。原発を動かしたら毎日この使用済核
燃料
たまっていくわけですけれども、六ケ所村の再処理施設が遅れた場合、どのような方策を考えていらっしゃるんでしょうか。
覺道崇文
62
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。
全国
の
原子力
発電所や再処理工場で現在保管をされております使用済
燃料
は、二〇一九年十二月末時点で約一万九千トン、管理容量二・四万トンの約八割に達してございます。
早期
に再処理工場を稼働し、使用済
燃料
の再処理を開始することが重要と認識してございます。
日本
原燃においては、安全
確保
を大前提に、六ケ所再処理工場の稼働に向けて、引き続き、
原子力規制委員
会の指導の下、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。 また、使用済
燃料
は
原子力
発電に伴って確実に発生するものでございますので、その使用済
燃料
を安全に管理することは非常に重要な、核
燃料
サイクルの重要なプロセスでございます。 このため、
政府
としましては、二〇一五年に決定をしました使用済
燃料
対策
に関するアクションプランで示した方針に基づきまして、地元の御理解を得ながら、乾式
貯蔵
の
導入
への重点的な支援を行う方針を示してございます。 さらに、
事業者
は、このアクションプランに基づきまして、乾式
貯蔵
の建設、活用も含む使用済
燃料
対策
推進計画というのを策定をしまして
取組
を進めているものと承知をしてございます。実際に、既に使用済
燃料
の一部を乾式
貯蔵
に移管しております
日本
原電の東海第二発電所に加えまして、中部
電力
浜岡
原子力
発電所、四国
電力
伊方発電所、また九州
電力
玄海
原子力
発電所では、乾式
貯蔵
施設の安全審査を
原子力規制委員
会に申請中でございまして、具体的な
取組
が進んでいるところでございます。 こうした
取組
を通じて、引き続き使用済
燃料
対策
にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
嘉田由紀子
63
○
嘉田由紀子
君 ありがとうございます。時間がないので、私は、もうこの核
燃料
サイクルは破綻していると、経済的にも
技術
的にも、そもそも「もんじゅ」が動いていないわけですから、と思っているんですが、皆さんがそれをどう判断するか、これは政治的判断が必要だと思います。 先ほど来、私たちは、実は滋賀県はすぐ近くに若狭湾岸の十四基の原発がございます。ここに万一のことがあったら、命の水源、一千四百五十万人の琵琶湖が汚染されるということで、滋賀県としては、
エネルギー
ビジョンを作りまして、原発に依存しない新しい
エネルギー
社会の
実現
ということで計画を作り、実践をしております。 皆さんのところに図一から二、三と、カラーのをお出ししておりますけれども。原発を卒業しようといっても、じゃ、あなたたちどうするんだということで、自分たちから示そうということで、二〇一〇年に滋賀県の
電力
の三割近くが原発
供給
でした。これを二〇三〇年までに原発の部分を
再生可能エネルギー
とそれから
地域
の
天然ガス
コージェネなどで代わるようにという計画を作りまして、二〇一八年、既に、その図にありますように、
再生可能エネルギー
八・七%、
天然ガス
コージェネなど一二%ということで、計画どおりに進めております。これがまさに原発から卒業する道を
地域
から開いていくということだろうと思っております。 そのことについて、どうでしょうか、御感想というか御
見解
を
エネルギー
庁さんからいただけると有り難いんですが、ちょっと短めにお願いいたします。
覺道崇文
64
○
政府参考人
(
覺道
崇文
君) お答え申し上げます。 ただいま
委員
から御紹介をいただきました、しが
エネルギー
ビジョンのような、
地域
において主体的に再
エネ
の
導入
を促進していくような
取組
は、再
エネ
の
導入
のための重要な方策の
一つ
と考えてございます。
他方
、
資源
に乏しい
我が国
におきましては、
全国
大で責任ある
エネルギー政策
を行っていくためには、単一の完璧な
エネルギー
源がない
現状
を踏まえますと、再
エネ
、
天然ガス
、
原子力
などの多様な
エネルギー
源をバランスよく活用することが重要であると考えてございます。また、
再生可能エネルギー
の賦存量と
エネルギー
消費量の分布は必ずしも
地域
的に一致しないことから、
地域
単位だけでなく
全国
大での
エネルギー
需給の
効率化
も重要な
課題
でございます。 このため、引き続き、
政府
としましても、
地域
の自主的な
取組
も応援しつつ、3
EプラスS
の
実現
に向けて取り組んでまいります。
嘉田由紀子
65
○
嘉田由紀子
君 ありがとうございます。 あと一分ぐらいしかないので、最後に温暖化の問題ですけど、実は琵琶湖に既に温暖化の
影響
が現れているということで、四ページ。なかなか関西でこの琵琶湖の話題提供されないんですが、日経新聞にありましたので御紹介します。 琵琶湖は、深いところで実は冬に冷やされる。で、全層循環、上下、水が混じって、湖底の百四メートル、一番深いところですけれども、酸素
供給
される。それが、温暖化によって
供給
されず、深呼吸ができない。深呼吸というのは私自身が名付けたんですけど、何か琵琶湖の身になると苦しいなあというので、科学的には全層循環というんですけれども、それを深呼吸、本当に深呼吸ができなくなっているという深刻な問題が温暖化の問題で出ております。 それに対して、これはもう地元として二〇三〇年
CO2
半減の計画を立てまして、それから今、次の三日月知事が二〇五〇年
CO2
ゼロということで、先ほど
環境
庁さんからも紹介いただきましたけれども、自治体として頑張っております。それを具体的にどういうライフスタイルなり、あるいは
地域
の
仕組み
に落とし込むかというのが
地域
循環共生圏でございます。 こういうことも、今日お越しの
中井徳太郎
さん、ありがとうございます、サポートいただきまして、それぞれの
地域
から積み上げで、ボトムアップでやっていくということを国家全体としても見通していただいて、そして国と自治体が協力してやっていただけたら、まさにポストコロナ、私はニューディール政策、今、グリーンニューディールが必要だと思っているんですけれども、ポストコロナの時代、生物と共生しながらというところで、
地域
地域
からグリーンニューディールのようなこと、是非
環境省
さんの方でも、今日、副
大臣
がお越しですけれども、既に取り組んでいると思いますけれども、よろしくお願いいたします。 以上です。ありがとうございました。 ─────────────
宮沢洋一
66
○
会長
(
宮沢洋一
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
堀井巌
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
三木
亨君が選任されました。 ─────────────
宮沢洋一
67
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。 斎藤嘉隆君。
斎藤嘉隆
68
○斎藤嘉隆君 立憲・国民・社民共同会派の斎藤嘉隆です。 まず、経産副
大臣
に、通告していないんですけど、お伺いをしたいんですね。 今、コロナとそれぞれ諸外国も含めて
世界
中が闘っているこういう
状況
の中で、もちろん経済的な苦境も様々な面で出ていると、こういう
状況
であります。恐らく景気刺激策ということで、大きな財源をもって、この後も二次補正などが組まれて様々な支援がなされていくんだろうというふうに思っています。 これ、一昨日でしたか日経新聞にも出ておったんですけれども、今諸外国では経済
対策
を、単なる経済
対策
ではなくて
環境
重視というか、地球
環境
をいかに守っていく、そういう
対策
としての経済
対策
をどう打っていくかと、こういう視点が、ヨーロッパだけではない、
世界
中の国々で様々広がっているんです。 例えば、
再生可能エネルギー
の利活用施設を造るということに対して大きな今回支援をするとか、あるいは
環境
関連の条件を付加した上で大企業を支援をするとか、あるいはエコカーにもうこの際なので、車も売れないので、エコカーに大きく転換をしていくことに大
規模
な補助をするとか、今回のコロナの
対策
として使うこの財源、限りがある財源を、どうせならこの機に
環境
重視の政策につなげていこうと、こういう
動き
が見られるんです。 ところが、
我が国
の緊急経済
対策
を見ていてもなかなかこういう視点が残念ながらない、ない。もちろん目の前の生活に苦しむ多くの国民を支えるということは分かるんですけれども、経済
対策
として中長期的な視野あるいは地球
規模
的な視野を持って、今こそ、こういうときだからこそ今しかできないような経済
対策
を、
環境
重視の経済
対策
をしていくべきだというふうに思っておるんですが、この点について
経済産業省
の中でどのような議論がなされているのかをお聞かせをいただきたいと思います。
松本洋平
69
○副
大臣
(
松本洋平
君) まずは、本当に、今回のコロナ感染症の拡大に伴いまして
我が国
経済大変大きな痛手を負っておりますし、またそれは、国民生活並びに
事業者
の皆様方の御商売にとっても大変大きな
影響
が出ているところであります。まずは、こうして足下大変苦しい立場にいらっしゃる皆様方を何とか我々としてはお助けをしていくということが第一義的な
課題
であるというふうに理解をしているところであります。 一方で、先ほど来質問の中でもいただいておりましたけれども、今回のコロナ感染症の拡大に伴いまして、生活の在り方でありますとか、我々の、何というか、国民生活全体が大きな変化というものが生まれるということがいろいろと予想され、そして言われている中におきまして、これらに対しましてどのように
対応
をしていくのかということは、これは、足下の
課題
とはまた別に、中長期的な
課題
といたしまして私たちとしてしっかりと考えていかなければいけないということだと理解をしております。 今先生からもいろいろな御意見を頂戴をいたしましたけれども、こうした御意見等々もしっかりと踏まえながら、今後のポストコロナをしっかりと見据えて我々としても政策の立案に取り組んでまいりたいと考えております。
斎藤嘉隆
70
○斎藤嘉隆君 是非、このコロナによって苦しむ今の
状況
をポストコロナの時代にどう生かしていくか、もうそのキーワードは
環境
だと思うんですね。そこのところを是非、これまずリードするのは経産省だというふうに思いますので、こういう視点を持って二次補正の編成などにも是非取り組んでいただきたいと思います。 同様の視点で、これ、
環境省
さんにもお伺いをしたいというふうに思っています。
経済活動
が
世界
中でストップをして、
環境
が改善をしたというふうに言われています。公益財団法人の研究とか
世界
中のいろんな国の研究者の研究などを見ると、
CO2
の
削減
もかなり
減少
して、一部にはオゾンホールがもう閉じたんじゃないかみたいな話が出ていたり、あるいはもうPM二・五もかなり
減少
していると、こういうような話があるんです。 これ、やっぱり同じように、コロナによる生活様式の変化とか働き方の改革とか、そういったものをどのように
環境
社会につなげていくか、
環境
重視社会につなげていくか、持続可能な社会につなげていくかというのが、これはまさにそのプランを作るのは
環境省
の仕事だというふうに思うんですけれども、同様の質問でありますけれども、
環境省
の中でこうした議論がどのように今展開をしているのか、具体的にお知らせをいただきたいと思います。
中井徳太郎
71
○
政府参考人
(
中井徳太郎
君) お答え申し上げます。 今般の
新型コロナウイルス
の事態終息後、経済社会の在り方は大きく変わっていくと考えておりますけれども、持続可能で強靱な脱
炭素社会
の構築に向けました流れが今の
世界
の潮流であることには変わりないと考えております。事態終息後の反転攻勢を進めていくに当たりまして、脱
炭素社会
、
環境
調和型の社会への移行を推進するという観点、大変重要でございまして、こういう観点から
環境省
でも政策の検討をしております。 具体的に、今般の実は補正予算、第一次補正予算でも、
経済活動
の回復と脱
炭素化
を併せて後押しする事業も盛り込んでございます。具体的には、新型コロナの
影響
で毀損したサプライチェーンの再編、
生産
拠点の
国内
回帰を目指す企業に対しまして、防災や使用
電力
一〇〇%再
エネ
で賄うRE一〇〇を目指しますそういう企業への
自家消費
型太陽光発電設備の
導入
の支援、また、この三密の回避ということと脱
炭素化
を併せて後押しするべく、飲食店等の大
規模
感染リスクを低減する省
CO2
に資する高機能換気設備の
導入
なども実は事業で入れさせていただいてございます。 今般の事態、非常に流動的に動いておりますけれども、
環境
への
影響
をしっかり見極めて、経済社会構造をより持続可能でレジリエントなものとする、脱
炭素社会
に導く
地域
循環共生圏を
実現
すると、こういう視点で検討し、今後更に積極的な政策展開を図ってまいります。
斎藤嘉隆
72
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。 今の
環境省
さんの施策についても存じておるつもりでありますけれども、ただ、まだまだ常識的な範囲を超えていないと思うんですね。もう今だから、今だったらできるというような政策、施策がいろいろあると思うんですよ。是非そういったことについて積極的な御議論を省内でしていただいて、是非
政府
をリードしていただきたい、そんな思いを申し上げさせていただいて、質問を終わりたいと思います。
宮沢洋一
73
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。──他に発言もなければ、本日の
質疑
はこの
程度
といたします。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
宮沢洋一
74
○
会長
(
宮沢洋一
君) 速記を起こしてください。 ─────────────
宮沢洋一
75
○
会長
(
宮沢洋一
君) 次に、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの
調査
を踏まえ、
委員
間の
意見交換
を行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 発言を希望される方は、挙手の上、
会長
の指名を受けてから御発言いただくようにお願いいたします。 また、できるだけ多くの
委員
が発言の機会を得られますように、発言時間は一回当たり五分以内となるように御協力をお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、発言のある方は挙手をお願いいたします。 岩井茂樹君。
岩井茂樹
76
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。
調査会
一年目は、
エネルギー
の
安定供給
という観点で、専門家、有識者の方々から幅広い視点での昨今の情勢について話を伺いました。
調査会
として議論を重ねてまいりましたけれども、この度の中間報告書を作成するに当たり、私からは、
資源エネルギー
を議論する上で重要な
三つ
のポイントについて述べさせていただきます。具体的には、最初として
エネルギー
の
安定供給
、そして
エネルギー供給
源の多様化、
三つ目
に
原子力
発電所の再稼働の三点です。 まず、一点目の
エネルギー
の
安定供給
について申し上げます。 朝起きてお湯で顔を洗うところから、夜、部屋の
電気
を消すところまで、我々の生活というのは
エネルギー
を抜きに語ることはできません。オフィスや店舗、工場など
生産
現場も同じような
状況
です。
他方
、
我が国
の
エネルギー自給率
は二〇一八年時点で一一・八%にすぎず、約九割を
海外
からの
輸入
に依存する
状況
にあります。国民生活や
経済活動
などあらゆる活動の基盤となる
エネルギー
の
安定供給
をいかに図るのか、これは
資源
に乏しい
我が国
にとって常に最重要の
課題
の
一つ
であります。
エネルギー
の
安定供給
といえば、多発する
自然災害
が
国内
の
供給
ネットワークに与える
影響
についても
対応
が必要です。一昨年の
北海道胆振東部地震
や昨年の
台風
十五号、十九号が発電所を含む送電ネットワークに深刻な打撃を与え、停電によって被災地の方々の生活に多大なる支障を生じさせたのは記憶に新しいところです。
新型コロナウイルス
感染症への
対応
という文脈でも、
エネルギー
の
安定供給
が不可欠であるということは論をまちません。人工呼吸器のような高度な医療器具は
電力供給
なしでは使用できませんし、私が党で部
会長
を務めている水産の分野でいえば、外食の
需要
が低迷する中で行き場のない生鮮食品を保存する冷凍冷蔵庫が今いっぱいになっておりますけれども、これも
電気
なしに保存することができません。 こうした
状況
において、万が一にも
地震
など
災害
が発生し、停電が起きれば、各方面に甚大な被害が生じることになります。国家として責任ある
エネルギー政策
を実行するためには、
地震
や
台風
といった
災害
、さらには大
規模
な感染症や想定し得るあらゆる事態に
対応
できるよう、
エネルギー
の
安定供給
体制を強化していくことが不可欠です。 二点目は、
資源
、
エネルギー
の多様性の
確保
についてです。
資源
や
エネルギー
を特定の
供給
源に依存することは大きなリスクであり、国民負担に留意しながら、可能な限り多様な
資源
、
エネルギー
を
調達
していく必要があります。全ての面で優れた
エネルギー
源はなく、それぞれに一長一短があります。
政府
は、
再生可能エネルギー
を主
電源
としていくものと位置付け、FIT
制度
で強力に後押しをしております。しかし、天候に発電量が大きく左右されるなどその安定性にはまだ
課題
が残るほか、
我が国
では発電コストが高いという点も考慮する必要があります。
再生可能エネルギー
の
主力電源化
と国民負担の増加の抑制のために、FIT
制度
の抜本的見直しなど、知恵を絞っていく必要があります。
火力発電
については、例えば石炭火力は発電コストが安く経済的であるという利点がある一方、
CO2
排出
という
環境
面の
課題
もあります。また、その
燃料
について、
海外
依存度が高い
我が国
には常に
供給
途絶リスクが伴うため、
供給
源の多様化を進めていく必要があります。 その上で、
原子力
について申し上げれば、低炭素で安定した発電が可能、また、数年にわたって
国内
に保有している
燃料
だけで発電が維持可能な準国産
エネルギー
であるといった特徴があり、安全を
確保
した上で活用していくべきだと私は考えます。 最後に、三点目として、今申し上げました
原子力
発電所の再稼働について更に述べさせていただきます。 福島第一原発事故の教訓を踏まえ、
原子力規制委員
会が新
規制
基準に適合するものについては再稼働を進めることとされています。震災から九年がたった現在、再稼働九基、設置変更許可済み七基、新
規制
基準の審査中十一基、未申請九基という
状況
です。もちろん安全の
確保
が大前提となりますが、地元の同意も得ながら、再稼働にできるものについてはできる限り再稼働を進めていくべきであります。 本
調査会
において、今後、合理的な
原子力
規制
の在り方についても議論を深めていきたいと思います。 以上、
エネルギー
の
安定供給
、
エネルギー
の
供給
源の多様化、
原子力
発電所の再稼働という三点に絞って意見を申し述べさせていただきました。本
調査会
におきましても、引き続き真摯な議論を積み重ねていければと思います。 これで私からの意見表明を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ─────────────
宮沢洋一
77
○
会長
(
宮沢洋一
君) この際、
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、こやり
隆史
君、
高野光二郎
君及び
高橋はるみ
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
岩本
剛人君
、
清水
真人
君及び
山田
太郎
君が選任されました。 ─────────────
宮沢洋一
78
○
会長
(
宮沢洋一
君)
塩村あや
か君。
塩村あやか
79
○
塩村あや
か君 共同会派の
塩村あや
かでございます。 本
調査会
一年目の
調査
の締めくくりに当たりまして、意見を表明いたします。私からは、
再生可能エネルギー
と原発の二点について端的に申し上げさせていただきます。 まず、
再生可能エネルギー
についてです。 二〇一八年七月に策定されました第五次
エネルギー基本計画
には、
再生可能エネルギー
の
主力電源化
が明記されました。しかしながら、多くの分野での
導入
が可能であるにもかかわらず、十分に進んでいるとは言えません。北海道のブラックアウト、千葉での送電網の断絶による広域の大停電が記憶に新しいところですが、これらは大
規模
集中発電所を中心に据えている現在の
エネルギー政策
に問題があるもので、
再生可能エネルギー
を活用した分散
電源
の
導入
を進めることで抑制ができるものと考えています。 特に、
再生可能エネルギー
の
主力電源化
の
実現
のためには、これまでの
延長
線上で物事を考えていては前に進みません。これまでの様々なしがらみを断ち切って、
エネルギー政策
におけるパラダイムシフトを図らなくてはいけません。にもかかわらず、
再生可能エネルギー
については、
既存系統
への
接続
といった既存の
制度
を前提とした検討ばかりが行われている状態です。 私は、社会の治安の維持、国民の生活を守るためには、
再生可能エネルギー
を活用した
分散型電源
を
地域
に
導入
していくことで、大
規模
集中
電源
に依存している
日本
の
エネルギー供給
構造を転換し、これによってブラックアウト等の大
規模
な停電を抑止する、あるいは街灯や信号機といった生活インフラへの無停電化を
実施
をする必要があるものと考えます。 こうした
取組
は、
技術
革新を待たずとも
実現
ができる真の
主力電源化
につながるものです。しっかりと前に進めていくべきです。 続いて、原発についてです。
原子力
発電をめぐっては、三・一一以降、国民の原発への不安が解消されないどころか、原発不信を増大させる不祥事が続いています。 また、現在、稼働可能な原発は僅か九基、
エネルギーミックス
の六%にすぎないにもかかわらず、第五次
エネルギー基本計画
ではこれを二〇%に増やす目標としています。この計画では、一方で再
エネ
の
主力電源化
を明記しながら、同時に原発比率を高めようとしていますが、これは整合が取れているのか甚だ疑問と言わざるを得ません。 さて、原発の多くは既に廃炉が決まっており、この作業を適切に進めていくには原発分野の人材が欠かせません。そのため、こうした貴重な人材は今後その
必要性
がますます高まる廃炉等での分野での活躍を期待すべきであり、再稼働という場ではないと考えます。加えて、高レベル放射性廃棄物、すなわち核のごみの処分方法は、その候補地はおろか、文献
調査
さえ行われないまま時が過ぎており、原発が運転をされることで廃棄物が増え続けており、大問題です。 原発自体の危険性はもとより、国民の原発に対する不信や不安が今なお大きい。そして、そもそも廃棄物の処分方法もない。
エネルギー政策
の在り方として、原発という負の財産を断ち切って検討していくべきものと考えます。 以上、意見を申し上げました。 最後になりますが、当
調査会
は、
資源エネルギー
政策について、国民の社会生活の安定に欠くことのできない
エネルギー政策
の在り方を与野党の枠を超えて率直な意見を交換をし合うという貴重な場として今後更なる活躍が期待をされているということを申し上げ、意見とさせていただきます。 ありがとうございました。
宮沢洋一
80
○
会長
(
宮沢洋一
君) 杉
久武
君。
杉久武
81
○杉
久武
君 公明党の杉
久武
です。
エネルギー
の
安定供給
につきまして意見を申し述べます。
我が国
は、
世界有数
の
エネルギー
消費国でありながら、
エネルギー自給率
は一二%
程度
と、その
資源
の大半を
輸入
に頼っております。つまり、
我が国
の
エネルギー安全保障
は、
エネルギー
の産出国に左右されるという大変厳しい現実がございます。
エネルギー資源
の安定
確保
は国の至上命題であり、今日に至るまで官民挙げての
資源
獲得
に奔走しておりますが、こうした現実を見据えれば、
エネルギー
産出国との友好関係は
我が国
の命綱と言えるものであります。 目下、
我が国
の外交、特に
エネルギー安全保障
に資する外交という点におきましては、長期に安定した自公連立政権の下で、首脳外交を始め関係国との大変積極的な
連携
によって安定した外交成果を得ておりますが、この点に関しまして、本
調査会
に出席をいただいた参考人の皆様からも一様に高い評価をいただいたところでございます。 その上で私から指摘しておきたいのは、
我が国
が
輸入
する
エネルギー資源
の八八%が中東に依存しておりますので、中東
地域
における
我が国
のプレゼンスを引き続き最高の状態に維持するとともに、中東
地域
の不安定要因に対し
我が国
は常に警戒していく必要がございます。平和を維持し、自由で開かれた貿易を堅持することが
我が国
生存の唯一の道であるとの認識の下に、引き続き、不断かつ高度の外交努力を続けることが肝要です。
他方
、近年の目まぐるしい
技術
革新は、
再生可能エネルギー
の抜本
導入
という
道筋
を確かなものにしようとしています。
資源
小国
日本
が独自の
エネルギー
を大量にかつ安定的に
確保
できるチャンスであり、
化石燃料
など従来の
エネルギー資源
をしっかり
確保
しつつも、
エネルギー自給率
向上
の切り札である
再生可能エネルギー
の
導入
に向け、引き続き余念なく進めていかなければなりません。 特に、
電力
の観点から一点指摘をいたしますと、
再生可能エネルギー
の基盤となる太陽光や風力発電は、いまだ
需要
に合わせた
供給
調整
が難しい
エネルギー
源でございます。
再生可能エネルギー
を
主力電源化
、ベースロード
電源
として確固とした地位を占められるよう、国は需給
調整
を可能とする
技術
革新、ブレークスルーを大胆に後押しし、脱
炭素社会
の
実現
を追求すべきであると考えます。 最後になりますが、現下の
新型コロナウイルス
に伴う
経済活動
の停滞は、皮肉にも
温室効果ガス
の
排出量
の
減少
をもたらすのではないかとの指摘がございます。現に、リーマン・ショックの際、
排出量
は大きく
減少
しました。しかし、それは一時的な事象であり、ショック後の景気回復とともに、
温室効果ガス
の
排出量
は再び増大をしました。 今般の
新型コロナウイルス
の一日も早い終息を私も祈っておりますが、言わばコロナ後の
我が国
の経済の立て直しに当たっては、一刻も早い景気、経済回復は当然として、
他方
で、持続可能な社会の構築という観点からの経済
対策
、特に
温室効果ガス
の
削減
と
エネルギー
の
安定供給
の両立に向けた
対策
も視野に入れることが今後
我が国
により良い
影響
を与えるのではないか、このように申し上げまして、私の意見といたします。 ありがとうございました。
宮沢洋一
82
○
会長
(
宮沢洋一
君) 梅村聡君。
梅村聡
83
○梅村聡君
日本
維新の会の梅村聡です。 今回、一年間の
調査
に対しまして、我が会派を代表して意見表明をさせていただきます。 私から申し上げたい点は二点でございます。
一つ
は、
エネルギー
の
安定供給
について、直近では二〇三〇年の
エネルギーミックス
を着実に達成をしていく、このことが非常に大事だと思っております。その議論の際に我々が必要と考えているのは、国民の皆さんにその議論の過程、材料、そこをしっかり提供して、国民的な議論の下でこれを達成していくことが非常に大事だと考えております。 今日の
質疑
でもさせていただきましたが、原発の再稼働、これの検討と、そして一方で、それによって
再生可能エネルギー
の割合がどのようになっていくのか、それによって国民負担、あるいはお一人お一人の国民負担がどれぐらいの
規模
になっていくのか、こういったものをしっかり国民の皆さんと一緒に、提供して、見える化した上で議論をしていくことの
必要性
、このことについてまず指摘をさせていただきたいと思います。 そして、二点目については、
再生可能エネルギー
の更なる構築であります。この点につきましては、従来の、これまでの
取組
から更にブレークスルーを起こしていくことが大事だと考えております。 具体的には、今、
新型コロナウイルス
の蔓延で、経済的にも非常に
日本
も厳しい
状況
にあります。一方で、
再生可能エネルギー
は、現時点のままで拡大をすれば、これは国民負担の増大につながる。ですから、そこに徹底的な
投資
をしていく、あるいはその
投資
がきちんと国民の皆さんにフィードバックをされていく、そのような
投資
を私はしていかなければならないと考えております。 その
投資
の大きな論点とすれば、
一つ
は税制であります。税制は国の形を決定いたしますから、税制の形でどういう
対応
をして
再生可能エネルギー
の普及を図っていくのか。さらには、特に開発
事業者
、
電源
の開発
事業者
に対して、研究開発減税等の、そういった
制度
をきちっとつくっていくことができるのか。 さらには、今日は少し質問には入れることができませんでしたが、
水素
社会の
実現
。そのためには、今、例えば、
燃料電池
自動車に対して
全国
で百二十七か所の
水素
ステーションが建設をされていますけれども、これが二〇二五年には三百二十か所。ある一定の
規模
を超えてくれば、これは一気にブレークスルーが起こってコストが下がっていく、あるいはそういう社会を
実現
していくということが可能になってきますから、やっぱりそのブレークスルーに向けて我々がしっかり
投資
をしていく、その
投資
は国民の皆さんに返っていく、そういった社会をしっかりつくっていくことが大事ではないかなと考えております。
日本
維新の会は、繰り返しになりますが、
安定供給
に向けての国民を巻き込んだ議論をしていく、そして、ブレークスルーに向けた思い切った
投資
とそして税制をつくっていく、このことを我々の意見表明とさせていただきまして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
宮沢洋一
84
○
会長
(
宮沢洋一
君) 市田忠義君。
市田忠義
85
○市田忠義君
日本
共産党の市田忠義です。
新型コロナウイルス
の
感染拡大
は、
世界
と
日本
の暮らしと経済を直撃しています。国際
エネルギー
機関は二〇二〇年の
世界
の
エネルギー
需要
が前年比六%落ち込むとの予測を示していますが、これは第二次
世界
大戦が終わった一九四五年以来の
減少
幅と言われています。
国内
での
感染拡大
防止のために提起されている新しい生活様式、これが広く実践されることになれば、
エネルギー
需要
は長期にわたり変容することにならざるを得ません。新型コロナへの
対応
は、
我が国
においても
エネルギー政策
そのものの見直しを迫るものであることを初めに指摘しておきたいと思います。
日本
の
エネルギー自給率
は、二〇一七年度で僅か八%にすぎません。
化石燃料
を中心に中東
地域
への依存が顕著です。
日本
は、この
地域
の緊張を高める
動き
に対して、憲法九条に基づく対話による外交的解決のために力を尽くすべきであります。 ところが、安倍政権は、今年一月、トランプ米大統領の指示で行われたイラン司令官殺害を公式に批判しませんでした。参考人から、どこの国であれ、要人の殺害を法的に認めるのは難しいなどの指摘がありましたが、無法な行為は毅然とした態度を示すべきであります。イラン核
合意
から一方的に離脱したのは
アメリカ
であります。参考人が述べたように、核
合意
が最後まで遵守されるよう主張することも、本来、
日本
政府
の役割であります。
化石燃料
への依存そのものを低減させることが必要であります。
日本
は、
パリ協定
で
CO2
の二〇三〇年
削減
目標に
合意
をしながら、
国内
では
石炭火力発電
の新増設を進め、国外の
石炭火力発電
事業へも公的融資など支援を行い、国際社会から批判を浴びています。IPCCの一・五度
特別報告書
を受け、二〇三〇年
削減
目標の引上げが求められています。 本
調査会
では、恐竜のいた時代は暖かかったとか、今年の冬は雪が少ないのは温暖化のせいだ、だから
CO2
を減らさなければならないというのは短絡的だなどの意見も示されました。しかし、飯田哲也参考人が指摘したように、今やIPCCを始め
世界
の査読付論文の圧倒的多数が温暖化は人為起源であることが有力だとしていることを、私たちは政治家として踏まえるべきだと思います。
世界
的には、太陽光発電のコストは
石炭火力発電
の新造より安くなっているとの指摘がありました。国際
再生可能エネルギー
機関の展望では、二〇五〇年の
電力
の八六%を
再生可能エネルギー
で賄うことができ、そのほとんどが風力と太陽光だとされています。 ところが、
政府
の
エネルギー基本計画
は、依然として原発や石炭火力をベースロード
電源
とし、再
エネ
は
主力電源化
するといいながら、二〇三〇年時点でも
電源構成
の二二から二四%という、
世界
的に見ても大変低い比率であります。この基本計画にしがみつく弊害は
気候変動対策
の遅れにも現れ、
長期戦略
では脱
炭素社会
の
実現
を掲げながら、多くの国が廃止を打ち出す石炭火力への依存を続けようとしています。 また、
政府
は、脱
炭素化
のためと称して原発の再稼働を進め、新しい炉も開発するといいます。しかし、今や、
資源エネルギー
庁も認めるとおり、
世界
的な太陽光や風力発電のコストは
原子力
をも下回っています。増加する追加安全
対策
費、事故
対応
費、停止中の維持費、今後の稼働期間と廃炉費用、最終処分費などを考慮すれば、原発が決して安くないことは明らかであります。 福島原発事故から九年、
地域
を壊され、ふるさとを奪われ、なりわいを失い、今なお元の暮らしに戻れないという方が多数おられます。原発は、一たび事故を起こせば、その被害は時間的、空間的、社会的に無制限で甚大な
影響
をもたらします。
日本
は、今こそ、原発ゼロを決断し、再
エネ
拡大による脱
炭素社会
の
実現
を目指すべきであり、それが政治の役割だということを強調して、意見表明とします。
宮沢洋一
86
○
会長
(
宮沢洋一
君)
嘉田由紀子
君。
嘉田由紀子
87
○
嘉田由紀子
君 碧水会の嘉田でございます。 先ほどは済みませんでした。ちょっと進行を中断をしてしまいました。申し訳ありません。 私は、今この時代、この
エネルギー政策
、中間報告ですけれども、グリーンニューディール政策を今こそ取り上げ、そしてそこに
投資
をするタイミングだろうと思っております。 背景は二つです。
一つ
は、先ほど山添議員が紹介くださいました、山極京大総長の疾病と人間。実は、感染症は人間が起こしてきている。例えば今のコロナですけれども、ここは、BC八〇〇〇年前に、牧畜が始まったときに人間
世界
にコロナが広がり、そして中世のペストは、都市化に合わせて都市、ネズミが増えて、そしてペストが増えるというようなことで広がっているわけです。結核もアフリカから森の開発等ということで、近年のエボラ出血熱なりHIVだけではなくて、人間
世界
のこのいろいろなウイルスは皆自然破壊からきていると。 これまで人類が撲滅できたウイルスは天然痘しかありません。ほかは何千年も付き合ってきたわけです。そういうところからすると、人間の感染症の歴史ですけれども、今、この後、コロナからどうやって次を見ていくのかというときに、撲滅はできない、付き合っていかざるを得ないというところで、先ほど
環境省
さんが言われた、温暖化を防ぐ、そして生物多様性を維持するという
環境
保全が大変大事になってくる。 もう
一つ
は、
エネルギー
のこの問題ですけれども、ニューディール政策は、言うまでもなく一九三〇年の大恐慌の後
アメリカ
のルーズベルト大統領が言わば公共事業で経済を再生しようとしたわけですけれども、今、この後、大変な
影響
だと思います、一九三〇年の経済破壊、大恐慌並みの不況が襲ってくるだろうという予測もされております。 そういう中で、今こそ、ニューディール政策にグリーンを付けるグリーンニューディールということが大事ではないかと。先ほど斎藤議員がおっしゃっておられましたけれども、その新しい時代に対してグリーンニューディールは
三つ
柱があるだろうと。
一つ
は、
再生可能エネルギー
が大幅にコストダウンをし、そして、
日本
は
資源
がないといいますけれども、おてんとうさまはたくさんあります、太陽
エネルギー
。そして、風もうまく使えたら、そして地熱ということで、ここは、ないないではなくて、あるものをうまく
利用
するということで、コストダウンに合わせた
再生可能エネルギー
。 それから
二つ目
は、移動です。今、移動の分野で
石油
、ガソリン使っていますけれども、この移動の分野で
電気
自動車が増えてきています。
電気
自動車はここ十年で千倍にもなっております。ここに、増えているのと反比例して
蓄電池
のコストも下がっておりますので、移動分野での
再生可能エネルギー
が使えるだろう。 それから三点目は、私たち、シェアリングエコノミーと、共有経済と言っておりますけれども、例えば太陽光発電と風力発電をつないでベースロード
電源
にする、それもICTとかAIとかそういうものを活用することによって、今までできなかった
技術
、つなぐ
技術
ができてくる、共有する
技術
ができてくるというところで、このシェアリングエコノミー。 ですから、グリーンニューディールの
再生可能エネルギー
、それから移動の分野、シェアリングエコノミー、この辺に
投資
をすることで、感染症とも付き合いながら、かつ経済も再生できるという形での政策提言を是非この
調査会
からもしていただけたらと思います。 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
宮沢洋一
88
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。
矢田わか子
君。
矢田わか子
89
○
矢田わか子
君 共同会派、国民民主党、
矢田わか子
です。 本
調査会
の一年間の締めくくりとして、
エネルギー
の
安定供給
に関し、これまでの有識者からのヒアリング、また所属する政党における
エネルギー政策
の検討結果を踏まえ、簡潔に意見を述べさせていただきます。 まず、
我が国
における
エネルギー
の
安定供給
の議論をする際の大きな
課題
、四点を挙げさせていただきたいと思います。 まず第一に、中長期的に
原子力
エネルギー
に依存しない
電気
エネルギー
の
供給体制
をいかに構築していくのか、そしてこのことについて国民的な
合意
形成が図れるのかという点が最大のものだと考えます。 第二には、温室化
効果
ガス
の
排出
抑制という国際的な
エネルギー政策
の
課題
について、
我が国
としてどのように
対応
していくのかという
課題
があります。特に、この地球
環境
問題に関しては、国際的に石炭火力を中心に
火力発電
に対する反対運動が高まる中で、現在、
電源
の七七%を火力
電源
に、発電に頼っている
現状
、また
発電効率
化や
排出
ガス
低減
技術
に取り組んできた経過の中で今後どのように修正していくのかという
課題
も議論しなければいけないと思います。 そして、第三には、脱
原子力
と温室化
ガス
排出
抑制という二つの
課題
を同時に解決することができるのか。
再生可能エネルギー
の
普及拡大
でありますが、
技術
的な問題や経済性の問題など残されている
課題
も多く、今後の
技術
革新の方向性についても大いに議論していかなければならないと思います。 さらに、第四には、直近の
課題
です。先ほどの
資源エネルギー
庁からの報告にもありましたが、
新型コロナウイルス
感染症の
影響
による
原油価格
の暴落が今後、
産油国
の経済にどのように
影響
し、そして金融市場への
影響
も含め
我が国
経済にどのように
影響
してくるのか、しっかりと注視していく必要があると思います。新たな
課題
として浮上してきたものですが、この議論の
必要性
も強調しておきたいと思います。 次に、
エネルギー
の
安定供給
に関し、国民民主党として、党の
エネルギー
調査会
において一年間にわたり議論してきました。その中間取りまとめが出ましたので、具体的に特筆すべき三点について御紹介をいたします。 まず第一に、社会性と持続性の
確保
ということであります。
資源
に乏しい
日本
において、いわゆる
エネルギー
の3
EプラスS
の観点から多様な
エネルギー
源を組み合わせることが重要であるということは言うまでもありませんが、それに加えて、今後の
日本
社会の少子高齢化と人口
減少
、地方の過疎化と
経済活動
の低下、そして
災害
への備えという構造変化において、
エネルギー
の政策というのは、
地域
社会の持続性や安定性の
確保
、つまりソサエティーとサステーナビリティーという二つのSという新しい観点、3Eプラス3Sの観点からも検討すべきだと考えております。
二つ目
に、
地域
分散型発電の推進という観点です。 コンパクトシティー、
再生可能エネルギー
を中心に、
地域
内での
効率
的発電を行い、また各施設や住居を熱伝導管で結束するなど熱
エネルギー
の
効率化
利用
、そして住宅の
省エネ
、断
エネ
を推進するなど、
エネルギー
の
地産地
消を
実現
する施策を推進すべきと考えます。
三つ目
には、自治体のスマートコミュニティー化です。
産業
振興や人口流出防止の観点から、各自治体がデジタル
技術
やIT
技術
を活用したスマートコミュニティーづくりを
エネルギー政策
面からも支援することが今後一層求められると思います。また、この政策の
延長
線上にスマートコミュニティー同士が連結すれば、広域での
電力
の
供給
、両面での
効率化
が図られることとなります。さらに、
電力
に余剰が出た場合は、EVへの充電を含めた蓄電システムの
整備
をしたり揚水発電用のダムの積極的活用をするなど、
地域
産業
の
電力
利用
について
効率
的な
供給体制
を
整備
し、自治体主導で
地域
の振興に寄与できる
エネルギー政策
を講じていく必要があるとも考えております。 以上、私どもで検討してきた
エネルギー政策
の将来的展望を一部御紹介申し上げ、意見とさせていただきます。 ありがとうございました。
宮沢洋一
90
○
会長
(
宮沢洋一
君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上で
委員
間の
意見交換
を終了いたします。 各
委員
におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。 本日伺いました御意見も踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十五分散会