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国務大臣(
麻生太郎君) まず、
感染症の
対策というので、これ、
事業者の資金繰りについてこれまで
民間金融機関に対して再三要請をしているところですが、こうした要請も踏まえまして、今、足下で、中小企業に対する融資の
条件変更の実行率は九九・八%との
報告が上がっておるところです。
全国銀行の貸出残高、いわゆるマネーサプライですけど、銀行にたまった金が外に出てくる、マネーサプライの話ですけれども、この貸出残高を見ましても、五月末で五百三十一兆円となっておりまして、少なくとも前年同月比に比べて六%増えておりますので、これははっきり増えてきておると思っております。
また、いわゆる
民間の無利子無
担保融資につきましては、六月九日までに二十二万二千件、約三・九兆円の融資の
決定が既に行われております。
また、個別の
対応事例につきましては、中小企業への新たな資金供給のため、最短即日、最大でも三営業日以内で融資判断するというような好事例というのも、これが私どもとしては
確認をされておりますので、
民間金融機関はいわゆる
政府金融機関に、まあ面倒くさい話は全部丸投げしておるとか、危ない話はみんな丸投げしておるというところが絶対ないとは申し上げませんけれども、少なくとも
事業者支援にかなり積極的に取り組んでいるのは、この数字から見るとそういうことになっておると思っております。
また、現時点で、
地域金融機関におきます基盤、
金融機関のですよ、
金融機関の基盤というものは結構充実しておりますので、不安というような感じがないとは思っておるところなんですけれども、いずれにしても、
民間金融機関によるいわゆる
事業者のニーズに沿った
資金繰り対策ができるようにしてやらにゃいかぬということだと思っております。
次の、もう一点の、決算で見てみますと、
令和二年三月の決算で見ますと、期末の
金融市場というのは、この三月結構混乱しましたので、今日もあれだけ史上空前の下げ幅、史上空前四番目ぐらいですかね、下げたと思いますけれども、そういったような
影響があったのも確かですけれども、あのときは、三月末は結構今より先行き不安ということで株式関係の損益がばさっと減少したりしておりますので、与信先、与信先、分かりますね、与信先の信用悪化懸念というものから引当金などの費用が
急増せざるを得なかったと思いますので、約七割の
地域銀行で減益ということになっているのは事実であります。
しかしながら、リーマン・ショックのときと比べたらどうかと言われれば、これは、短期
金融市場は落ち着いておりますのは御存じのとおりですし、
地域金融機関につきましては、これは、資本比率というのは、何というの、
自己資本比率、パーセンテージとかいろいろ出してきますけれども、ほとんど変わっていないぐらいきちんとしたもので、今は九・五ぐらいあったと思いますが、そういった意味ではきちんとしておりますので、私どもとしては、その点につきましては、所要資本、必要な資本というものは十分に上回っておると思っておりますので、今のところですけれども、不良債権比率も比較的に低位でずっと安定しておりますので、そういった意味では、総体としては安定しているんだと、私どもはそう認識をしておりますので。
ただ、これから以後どうなっていくかというのは、四―六、更に数字としては一―三よりは厳しくなるものと予想されますので、そういったものから見ますと、いろんな意味でどういう
影響が出てくるかというのは今後注意深く見ておかにゃいかぬということなんだろうと思っておりますが、いずれにしても、
金融機関がちょっとリーマンのときみたいに危ねえというような話になると不安をあおりますので、そういった意味では、私どもとしては、今回の
法律も、あくまで、あらかじめ
対応しておかないと、いよいよ具合が悪くなってから
資本注入なんというと更にまた不安、不信を呼びますので、今のうちから
対応しておくべきものではないかということでこの法案を出させていただいておるんですけれども、いずれにしても、そういった
強化法というのの背景というのも御理解いただければと思っております。