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国務大臣(
麻生太郎君) この通称BEPS、ベーシック・エロージョン・プロフィット・シフティング、略してBEPSというものが今国際金融社会の中で大きく取り上げられて、六年間掛かりましたけれ
ども、ようここまで来たなというところまでは来たというところだと思っておりますが。
今、大門先生が言われた、これ物すごく大事なところでして、いわゆる多国籍企業と言われる、
日本でもよくグーグルとかアップルとか使っておられる方はいっぱいいらっしゃいますが、そこで本を発注した方が
日本で本屋へ行って本を買うより安いというのが現実。皆さん、安いのでそれ買っているわけですよ。しかし、それは
日本には一円も税金は落ちませんから。しかし、それは全て何でそういうことが可能なのかといえば、グーグルはここに、パーマネントエスタブリッシュメント、PEと称する物理的
拠点を持っていないから税金が掛からないという点を目を付けた。これ、デジタルにならなければ、通信というものがこれだけ発達しなければ、ICがこれだけ発達しなければ絶対に成り立たなかったんですが、それが今できるようになっております。これは何も本だけじゃありませんよ、全てのものです。そういったような形になっておるので、こんなふざけた話があるかと。
そして、税金を払わない上に、この人たちはそこで得た利益をケイマンアイランドとか税金のやたら安いところに本社を移してという形をしておりますから、早い話が二重非課税になっておるんじゃないかというのが我々がついた一番のポイントです。
そうした問題を解決するために、これ全部やらないかぬというところまでやっと来て、今、課税権という、いわゆるそこで、
日本なら
日本で生み出された価値に関しましては、俺たちはそこに、おまえらの車が通れるように道路も造ってやっているし、全部インフラだってやっているのは俺たちだということで、課税権というものは俺たちにもあるということで、その利益に対して、俺たちで使うべく、売られたそのマーケットの中における課税権というものに関しましては、国際課税の原則の見直しというものを我々断固やるべきだと。これがいわゆる今言われた第一の柱なんです。
これも、やっと三年ぐらい前に、いや、二年ぐらい前にやっとここまでたどり着いたんですが、そうしたところに対して、我々
アメリカは今のルールは分かったと、しかし、その国際課税のルールの適用は、どのルールにするかは企業の選択にさせろということを言うておる。それは、セーフハーバーという言葉を使っていますけど、港の、大事な安全なハーバーという
意味でセーフハーバーというのを使っておるんですけれ
ども、そういうことを言って、それが、まあ無理が通ればですが、今度は新しいルールを選択しないという企業ばかりになったらこのルールを作った
意味がねえじゃねえかと。
こんなもの駄目ということで、私
どもとしては、法人課税を行うという、本来の、適切な法人課税を行うという本来の目的が全然実現できなくなるので、
日本はこれは懸念を表明ということで、過日の二月の二十二、二十三、まだコロナの騒ぎが余り激しくなる前の頃でしたけれ
ども、サウジアラビアのリヤドで開かれたG20の
財務大臣・中央銀行総裁会議において、
日本はこれに対しては懸念を表明ということで話をしております。
がちゃがちゃありましたけれ
ども、
最後には、米国の提案を含め主要論点の隔たりというものを解消して、二〇二〇年度末まで、今年度末まで、失礼、今年末までに国際合意に基づくという解決策をやるということに関しましてみんなで共同でコミットに参加させて、
アメリカもその中に入れてちゃんと決めるということをさせておりますので、一応グローバルな解決策ができるように国際的な議論がそこまでは来ておりますけれ
ども、まあこの種の話は
最後の
最後までよう詰めができないかぬところなので、きちんと今年末まで、あと何回か会議がありますけれ
ども、本当はこの四月あるはずだったんですが、コロナのおかげでできなくなりましたので。
ちょっと今、電話会談というのを昨日もやりましたけれ
ども、今言われたように、もうこんな話よりは今コロナの対策で、ドイツ、建国以来とは言わぬけど、少なくともこの四十年間で初めて財政出動。ドイツが財政出動を表明なんというのは、何で
日本の新聞で一面トップに載らないのか不思議でしたけれ
ども、正直、ドイツが財政出動すると言ったとき、電話会談でどよめきが出るほどの、みんな驚くほど、ドイツもえらい追い詰められたなという感じがするぐらいで。是非、
日本が、一番うまくやっているのはどう考えても
日本なんだから、
日本のやり方を教えろとか、何かいろいろ言っていましたけれ
ども、とにかくすごく焦っているような感じがしました。
ちょっと今、大門先生御
質問のこの点に関してはちょっと今止まっておると思いますけれ
ども、いずれにしても、その下の
財務官クラス、その下の国際局長クラスだとか、全国みんな、各所みんな、各国みんな動き始めておりますので、それなりの成果は少しずつではあるけど上がってきていると思っております。